図面 (/)

技術 操作された免疫細胞の選別/枯渇のための、mAbが推進するキメラ抗原受容体系

出願人 セレクティスアロジーンセラピューティクス,インコーポレイテッド
発明者 サスバーブラジョンソンラジパールアルビンドドゥシャトーフィリップジュイレラットアレクサンドルヴァルトンジュリアン
出願日 2016年1月25日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2017-557487
公開日 2018年2月15日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2018-504458
状態 特許登録済
技術分野 突然変異または遺伝子工学 微生物による化合物の製造 微生物、その培養処理 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 動物,微生物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード オールインワン 処置モダリティ BTL ホーマー 機能性バリア 結合方向 弁別的 乳管上皮
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年2月15日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題・解決手段

抗原に特異的なVH鎖およびVL鎖によって少なくとも形成されたscFvを含む少なくとも1個の細胞外結合ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)をコードするポリペプチドであって、該細胞外結合ドメインが少なくとも1個のmAb特異的エピトープを含む、ポリペプチドを提供する。

概要

背景

背景
エクスビボで生成された自己抗原特異的T細胞移入を含む養子免疫治療は、ウイルス感染およびがん処置するための有望な戦略である。養子免疫治療のために使用されるT細胞は、抗原特異的T細胞の増加または遺伝子操作を通したT細胞の向け直しのいずれかによって生成され得る(Park,Rosenberg et al.2011)。ウイルス抗原特異的T細胞の移入は、移植に関連したウイルス感染および稀なウイルス関連悪性疾患の処置のために使用されている、よく確立された手法である。同様に、腫瘍特異的T細胞の単離および移入は、黒色腫の処置において成功が示されている。

T細胞における新規特異性は、トランスジェニックT細胞受容体またはキメラ抗原受容体(CAR)の遺伝子移入を通して、成功裡に生成された(Jena,Dotti et al.2010)。CARは、単一の融合分子として1個以上のシグナリングドメイン会合したターゲティングモエティからなる合成受容体である。一般に、CARの結合モエティは、フレキシブルリンカーによって接合されたモノクローナル抗体軽鎖および重鎖可変断片を含む、単鎖抗体(scFv)の抗原結合ドメインからなる。受容体またはリガンドドメインに基づく結合モエティも成功裡に使用されている。第一世代CARのシグナリングドメインは、CD3ζ細胞質領域またはFc受容体γ鎖由来する。第一世代CARは、T細胞の細胞傷害成功裏に向け直すことが示されているが、インビボで長期の増加および抗腫瘍活性を提供することはできなかった。CAR修飾T細胞の生存を増強し、増殖を増加させるため、CD28、OX40(CD134)、ICOS、および4-1BB(CD137)を含む共刺激分子に由来するシグナリングドメインが、単独で(第二世代)または組み合わせられて(第三世代)、追加された。CARは、リンパ腫および固形腫瘍を含む様々な悪性疾患に由来する腫瘍細胞の表面において発現された抗原に対して、T細胞が向け直されることを、成功裡に可能にしている(Jena,Dotti et al.2010)。

しかしながら、インビボでの腫瘍根絶のための前例がない効力にも関わらず、CAR T細胞は、患者へ移入された後に急性有害事象を促進する場合がある。よく立証された有害事象には、移植片対宿主病(GvHD)、標的抗原を有する正常組織に対する(on-target off-tumor)活性、またはベクター由来の挿入変異による異常なリンパ増殖能が含まれる。従って、そのような有害事象がインビボで起こることを防止するため、細胞特異的な枯渇系を開発する必要が存在する。

自己寛容の維持のためにも、免疫によって媒介される付帯的な組織傷害を制限するためにも重要である(CTLA-4またはPD-1のような)免疫チェックポイントと呼ばれる阻害性シグナルに関する研究のような、より安全なCARに基づく免疫治療を開発するための研究が、多数進行中である(Dolan et al,2014)。最近、オフターゲット細胞に遭遇した時にT細胞機能ブレーキをかけることを目的とする阻害性キメラ抗原受容体(iCAR)が設計された(Fedorov et al.2013)。CD20キメラ抗原受容体を誘導可能なカスパーゼ9(iC9)自殺スイッチと組み合わせた別の系は、Budde et al.(2013)に記載されている。出願US 2014/0286987において、後者の遺伝子は、変異型FK506結合タンパク質(FKBP1)に結合することによって、プロドラッグAP1903(タクロリムス)の存在下で機能性になる。前記のカスパーゼテクノロジー(CaspaCIDe(商標))を、GD2を標的とする第三世代CAR T細胞へ改変した臨床試験が、Bellicum社による後援によって、進行中である。多量体形成剤に基づく類似したアポトーシス誘導系は、出願WO 2014/152177に記載されている。

Philip et al(2014)は、形質導入された細胞の選択を可能にするコンパクトマーカー/自殺遺伝子として使用されるRQR8系を記載している。RQR8は、CD34抗原およびCD20抗原の両方に由来する標的エピトープの組み合わせに由来する。この構築物は、臨床的に認可されたCliniMACS CD34系(Miltenyi)による選択を可能にする。さらに、このRQR8構築物は、広く使用されている薬学的抗体リツキシマブに結合し、トランスジーン発現細胞の選択的な除去をもたらす。この系において、RQR8は、口蹄疫2Aペプチドを使用して、レトロウイルスベクターにおいてCARと共発現され、それによって、T細胞の表面上に2種の独立したトランスジーン(RQR8およびCAR)の発現をもたらす。この系は、第1に、大きいレトロウイルスインサートクローニングを必要とし、第2に、可能性のある「偽陽性」、即ち、両方のポリペプチド、特に望ましくない効果が起こった場合に、操作された免疫細胞の枯渇を可能にするRQR8自殺遺伝子を発現しないT細胞を排除するために、形質転換細胞がRQR8ポリペプチドおよびCARポリペプチドの両方を発現することを確実にすることを必要とするため、産業的観点からいくつかの限界提示する。

自己免疫疾患および移植の情況においてT細胞を枯渇させる概念は、数十年間、臨床において成功裡に実施されてきた。T細胞を含む細胞性免疫を枯渇させるためには、グルココルチコイドのような免疫抑制薬、またはアルキル化剤シクロホスファミドニトロソウレア白金化合物等)もしくは代謝拮抗薬メトトレキサートアザチオプリンフルオロウラシル等)のような細胞分裂阻害薬が、広く使用されている。しかしながら、これらの薬物は、免疫抑制効力にも関わらず、全てのT細胞およびB細胞の増殖に影響するため、弁別的ではない。抗体、具体的には、抗CD20モノクローナル抗体は、急性拒絶反応を防止するための迅速で強力な免疫抑制治療としても、リンパ増殖性障害または自己免疫障害標的特異的な処置としても、時々使用されている。T細胞サブセットのインビボ排除は、可溶性タンパク質に対する抗体応答の生成におけるCD4+T細胞の役割を決定するため、Benjamin and Waldmann(1986)によって、骨髄および組織の同種移植片拒絶におけるCD4+T細胞およびCD8+T細胞の役割を決定するため、Cobbold et al.(1986)によって実施された。インビボ枯渇は、抗ウイルス細胞傷害性リンパ球(CTL)応答の調節を含む様々なトピックを研究するため、広範囲に実施されている(Buller et al.,1987)。しかしながら、T細胞に対してこれまで使用されてきた抗体は、全て、休止T細胞にも、活性化T細胞にも、さらには他の細胞型にも広く存在する抗原(CD3、CD4、CD52)に対するものである。従って、そのような抗体の使用は、CARを賦与された操作免疫細胞の選択的な排除を可能にしないであろう。

以後提示されるように、本発明者らは、有害臨床事象の場合に、CARを発現する免疫細胞をインビボで枯渇させることを可能にしながら、「偽陽性」を低下させることによってCAR発現免疫細胞の最適化されたインビトロ選別を可能にする、「オールインワン」系を探究した。

概要

抗原に特異的なVH鎖およびVL鎖によって少なくとも形成されたscFvを含む少なくとも1個の細胞外結合ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)をコードするポリペプチドであって、該細胞外結合ドメインが少なくとも1個のmAb特異的エピトープを含む、ポリペプチドを提供する。

目的

第一世代CARは、T細胞の細胞傷害を成功裏に向け直すことが示されているが、インビボで長期の増加および抗腫瘍活性を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

抗原に特異的なVH鎖およびVL鎖によって少なくとも形成されたscFvを含む少なくとも1個の細胞外結合ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)をコードするポリペプチドであって、該細胞外結合ドメインが少なくとも1個のmAb特異的エピトープを含む、ポリペプチド。

請求項2

mAb特異的エピトープがVH鎖とVL鎖との間に位置する、請求項1記載のポリペプチド。

請求項3

VH鎖およびVL鎖ならびにmAb特異的エピトープが、少なくとも1個のリンカーによって共に結合しており、ヒンジによってCARの膜貫通ドメインに結合している、請求項1または2記載のポリペプチド。

請求項4

mAbエピトープが2個のリンカーによってVH鎖およびVL鎖に接合されている、請求項3記載のポリペプチド。

請求項5

mAb特異的エピトープが、そのようなエピトープを含むCARを発現するT細胞インビトロ細胞選別および/またはインビボ細胞枯渇のためのエピトープ特異的mAbが結合するエピトープである、請求項1〜3のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項6

前記ポリペプチドが1個の細胞外結合ドメインを含み、該細胞外結合ドメインはヒンジをさらに含み、該ポリペプチドが、膜貫通ドメイン、および細胞内ドメインをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項7

細胞外結合ドメインが、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のmAb特異的エピトープを含む、請求項1〜6のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項8

細胞外結合ドメインが、1個、2個、3個、または4個のmAb特異的エピトープを含む、請求項1〜7のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項9

細胞外結合ドメインが、2個、3個、または4個のmAb特異的エピトープを含む、請求項1〜8のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項10

細胞外結合ドメインが、以下の配列:V1-L1-V2-(L)x-エピトープ1-(L)x-;V1-L1-V2-(L)x-エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-;V1-L1-V2-(L)x-エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x-;(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-L1-V2;(L)x-エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-V1-L1-V2;エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x-V1-L1-V2;(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-L1-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x;(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-L1-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x-;(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-L1-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x-エピトープ4-(L)x-;(L)x-エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-V1-L1-V2-(L)x-エピトープ3-(L)x-;(L)x-エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-V1-L1-V2-(L)x-エピトープ3-(L)x-エピトープ4-(L)x-;V1-(L)x-エピトープ1-(L)x-V2;V1-(L)x-エピトープ1-(L)x-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x;V1-(L)x-エピトープ1-(L)x-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x;V1-(L)x-エピトープ1-(L)x-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x-エピトープ4-(L)x;(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-(L)x-エピトープ2-(L)x-V2;または(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-(L)x-エピトープ2-(L)x-V2-(L)x-エピトープ3-(L)xを含み、式中、V1がVLでありかつV2がVHであるか、またはV1がVHでありかつV2がVLであり;L1が、VH鎖をVL鎖へ連結するのに適当なリンカーであり;Lが、グリシン残基およびセリン残基を含むリンカーであり、細胞外結合ドメイン内のLの存在は、各々、同一の細胞外結合ドメイン内の他のLの存在と同一であってもよくまたは異なっていてもよく、かつxが0または1であり、xの存在が、各々、他のものとは独立に選択され;かつエピトープ1、エピトープ2、およびエピトープ3が、mAb特異的エピトープであり、同一であってもよくまたは異なっていてもよい、請求項1〜9のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項11

細胞外結合ドメインが、以下の配列:V1-L1-V2-L-エピトープ1;V1-L1-V2-L-エピトープ1-L;V1-L1-V2-L-エピトープ1-L-エピトープ2;V1-L1-V2-L-エピトープ1-L-エピトープ2-L;V1-L1-V2-L-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3;V1-L1-V2-L-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-L;V1-L1-V2-エピトープ1;V1-L1-V2-エピトープ1-L;V1-L1-V2-エピトープ1-L-エピトープ2;V1-L1-V2-エピトープ1-L-エピトープ2-L;V1-L1-V2-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3;V1-L1-V2-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-L;エピトープ1-V1-L1-V2;エピトープ1-L-V1-L1-V2;L-エピトープ1-V1-L1-V2;L-エピトープ1-L-V1-L1-V2;エピトープ1-L-エピトープ2-V1-L1-V2;エピトープ1-L-エピトープ2-L-V1-L1-V2;L-エピトープ1-L-エピトープ2-V1-L1-V2;L-エピトープ1-L-エピトープ2-L-V1-L1-V2;エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-V1-L1-V2;エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-L-V1-L1-V2;L-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-V1-L1-V2;L-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-L-V1-L1-V2;V1-L-エピトープ1-L-V2;L-エピトープ1-L-V1-L-エピトープ2-L-V2;V1-L-エピトープ1-L-V2-L-エピトープ2-L;V1-L-エピトープ1-L-V2-L-エピトープ2-L-エピトープ3;V1-L-エピトープ1-L-V2-L-エピトープ2-エピトープ3;V1-L-エピトープ1-L-V2-L-エピトープ2-L-エピトープ3-エピトープ4;L-エピトープ1-L-V1-L-エピトープ2-L-V2-L-エピトープ3-L;エピトープ1-L-V1-L-エピトープ2-L-V2-L-エピトープ3-L;L-エピトープ1-L-V1-L-エピトープ2-L-V2-L-エピトープ3;L-エピトープ1-L-V1-L1-V2-L-エピトープ2-L;L-エピトープ1-L-V1-L1-V2-L-エピトープ2-L-エピトープ3;L-エピトープ1-L-V1-L1-V2-L-エピトープ2-エピトープ3、またはエピトープ1-L-V1-L1-V2-L-エピトープ2-L-エピトープ3-エピトープ4を含み、式中、V1がVLでありかつV2がVHであるか、またはV1がVHでありかつV2がVLであり;L1が、VH鎖をVL鎖へ連結するのに適当なリンカーであり;Lが、グリシン残基およびセリン残基を含むリンカーであり、細胞外結合ドメイン内のLの存在は、各々、同一の細胞外結合ドメイン内の他のLの存在と同一であってもよくまたは異なっていてもよく、かつエピトープ1、エピトープ2、およびエピトープ3が、mAb特異的エピトープであり、同一であってもよくまたは異なっていてもよい、請求項10記載のポリペプチド。

請求項12

L1が、グリシンおよび/またはセリンを含むリンカーである、請求項10記載のポリペプチド。

請求項13

L1が、アミノ酸配列(Gly-Gly-Gly-Ser)nもしくは(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)nを含むリンカーであり、式中、nは1、2、3、4、もしくは5であり、またはL1が、アミノ酸配列(Gly4Ser)4もしくは(Gly4Ser)3を含むリンカーである、請求項12記載のポリペプチド。

請求項14

Lが、グリシンおよび/またはセリンを含むリンカーである、請求項10〜13のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項15

Lが、より選択されるアミノ酸配列を有するリンカーである、請求項14記載のポリペプチド。

請求項16

Lが、SGGGG、GGGGS、またはSGGGGSである、請求項14記載のポリペプチド。

請求項17

エピトープ1、エピトープ2、エピトープ3、およびエピトープ4が、イブツモブチウキセタンムロモナブ-CD3、トシツモマブ、アブシキシマブバシリキシマブブレツキシマブベドチン、セツキシマブインフリキシマブリツキシマブアレムツズマブベバシズマブセルトリズマブペゴル、ダクリズマブエクリズマブエファリズマブゲムツズマブナタリズマブオマリズマブパリビズマブラニビズマブトシリズマブトラスツズマブ、ベドリズマブ、アダリムマブ、ベリムマブ、カナキヌマブ、デノスマブ、ゴリムマブ、イピリムマブオファツムマブパニツムマブ、QBEND-10、およびウステキヌマブによって特異的に認識されるmAb特異的エピトープより独立に選択される、請求項10〜16のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項18

エピトープ1、エピトープ2、エピトープ3、およびエピトープ4が、SEQID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:144、またはSEQ ID NO:174のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープより独立に選択される、請求項10〜16のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項19

エピトープ1が、SEQID NO:35のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープである、請求項10〜18のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項20

エピトープ2が、SEQID NO:35のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープである、請求項10〜19のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項21

エピトープ3が、SEQID NO:35またはSEQ ID NO:144のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープである、請求項10〜20のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項22

エピトープ4が、SEQID NO:35のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープである、請求項10〜21のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項23

エピトープ1、エピトープ2、およびエピトープ4が、SEQID NO:35のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープであり、かつエピトープ3が、SEQ ID NO:144のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープである、請求項22記載のポリペプチド。

請求項24

mAb特異的エピトープが、表1にリストされたものより選択される1種のポリペプチドに由来する、請求項1〜9のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項25

mAb特異的エピトープが、イブリツモマブチウキセタン、ムロモナブ-CD3、トシツモマブ、アブシキシマブ、バシリキシマブ、ブレンツキシマブベドチン、セツキシマブ、インフリキシマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セルトリズマブペゴル、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、ゲムツズマブ、ナタリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、ラニビズマブ、トシリズマブ、トラスツズマブ、ベドリズマブ、アダリムマブ、ベリムマブ、カナキヌマブ、デノスマブ、ゴリムマブ、イピリムマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、QBEND-10、およびウステキヌマブによって特異的に認識されるmAb特異的エピトープより選択される、請求項1〜9のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項26

mAb特異的エピトープが、SEQID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:144、またはSEQ ID NO:174のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープより選択される、請求項1〜9のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項27

mAb特異的エピトープがSEQID NO:35のアミノ酸配列を有する、請求項1〜9のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項28

VH鎖およびVL鎖が、SEQID NO:43(CD19抗原)、SEQ ID NO:44(CD38抗原)、SEQ ID NO:45(CD123抗原)、SEQ ID NO:46(CS1抗原)、SEQ ID NO:47(BCMA抗原)、SEQ ID NO:48(FLT-3抗原)、SEQ ID NO:49(CD33抗原)、SEQ ID NO:50(CD70抗原)、SEQ ID NO:51(EGFR-3v抗原)、およびSEQ ID NO:52(WT1抗原)と、80%超、好ましくは、90%超、より好ましくは、95%超の同一性を有する抗原性標的配列を有する、請求項1〜27のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項29

抗原が細胞表面マーカー抗原である、請求項1〜27のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項30

抗原が腫瘍関連表面抗原である、請求項1〜27のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項31

抗原が、ErbB2(HER2/neu)、がん胎児性抗原CEA)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、EGFRバリアントIII(EGFRvIII)、CD19、CD20、CD30、CD40、ジシアロガングリオシドGD2、GD3、C型レクチン分子1(CLL-1)、乳管上皮ムチン、gp36、TAG-72、スフィンゴ糖脂質神経膠腫関連抗原、βヒト絨毛性ゴナドトロピンαフェトプロテインAFP)、レクチン反応性AFP、チログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、変異hsp70-2、M-CSFプロスターゼ(prostase)、プロスターゼ特異抗原(PSA)、PAP、NY-ESO-1、LAGA-1a、p53、プロステイン(prostein)、PSMA、サバイビンおよびテロメラーゼ前立腺がん腫瘍抗原1(PCTA-1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼエフリンB2、CD22、インスリン増殖因子(IGF1)-I、IGF-II、IGFI受容体、メソテリン腫瘍特異的ペプチドエピトープを提示する主要組織適合性複合体MHC)分子、5T4、ROR1、Nkp30、NKG2D、腫瘍間質抗原、フィブロネクチンエクストラドメインA(EDA)およびエクストラドメインB(EDB)、ならびにテネイシンCのA1ドメイン(TnC A1)、ならびに繊維芽細胞関連タンパク質(fap)、LRP6、メラノーマ関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)、CD38/CS1、MART1、WT1、MUC1、LMP2、イディオタイプ、NY-ESO-1、Ras変異体、gp100、プロテイナーゼ3、bcr-abl、チロシナーゼ、hTERT、EphA2、ML-TAPERG、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体;CD3、CD4、CD8、CD24、CD25、CD33、CD34、CD70、CD79、CD116、CD117、CD135、CD123、CD133、CD138、CTLA-4、B7-1(CD80)、B7-2(CD86)、エンドグリン、主要組織適合性複合体(MHC)分子、BCMA(CD269、TNFRSF17)、またはFLT-3などの系統特異的または組織特異的な抗原より選択される、請求項1〜27のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項32

VHおよびVLが、SEQID NO:65のVHおよびSEQ ID NO:66のVL;SEQ ID NO:67のVHおよびSEQ ID NO:68のVL;SEQ ID NO:69のVHおよびSEQ ID NO:70のVL;SEQ ID NO:71のVHおよびSEQ ID NO:72のVL;SEQ ID NO:77のVHおよびSEQ ID NO:78のVL;SEQ ID NO:79のVHおよびSEQ ID NO:80のVL;SEQ ID NO:81のVHおよびSEQ ID NO:82のVL;SEQ ID NO:83のVHおよびSEQ ID NO:84のVL;SEQ ID NO:85のVHおよびSEQ ID NO:86のVL;SEQ ID NO:87のVHおよびSEQ ID NO:88のVL;SEQ ID NO:89のVHおよびSEQ ID NO:90のVL;SEQ ID NO:91のVHおよびSEQ ID NO:92のVL;SEQ ID NO:93のVHおよびSEQ ID NO:94のVL;SEQ ID NO:95のVHおよびSEQ ID NO:96のVL;SEQ ID NO:97のVHおよびSEQ ID NO:98のVL;SEQ ID NO:99のVHおよびSEQ ID NO:100のVL;SEQ ID NO:101のVHおよびSEQ ID NO:102のVL;SEQ ID NO:103のVHおよびSEQ ID NO:104のVL;SEQ ID NO:105のVHおよびSEQ ID NO:106のVL;SEQ ID NO:107のVHおよびSEQ ID NO:108のVL;SEQ ID NO:109のVHおよびSEQ ID NO:110のVL;SEQ ID NO:111のVHおよびSEQ ID NO:112のVL;SEQ ID NO:113のVHおよびSEQ ID NO:114のVL;SEQ ID NO:115のVHおよびSEQ ID NO:116のVL;SEQ ID NO:117のVHおよびSEQ ID NO:118のVL;SEQ ID NO:119のVHおよびSEQ ID NO:120のVL;SEQ ID NO:121のVHおよびSEQ ID NO:122のVL;またはSEQ ID NO:123のVHおよびSEQ ID NO:124のVL、SEQ ID NO:170のVHおよびSEQ ID NO:171のVL;SEQ ID NO:172のVHおよびSEQ ID NO:173のVL;またはSEQ ID NO:174のVHおよびSEQ ID NO:175のVLより選択される、請求項1〜27のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項33

ヒンジが、PD-1ヒンジ、IgG4ヒンジ、CD8αヒンジ、またはFcγRIIIαヒンジを含む、請求項2〜32のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項34

膜貫通ドメインが、T細胞受容体α鎖β鎖、またはζ鎖、PD-1、4-1BB、OX40、ICOS、CTLA-4、LAG3、2B4、BTLA4、TIM-3、TIGIT、SIRPA、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、またはCD154の膜貫通領域を含む、請求項2〜33のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項35

膜貫通ドメインが、PD-1またはCD8αの膜貫通領域を含む、請求項2〜33のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項36

膜貫通ドメインが、CD8αの膜貫通領域を含む、請求項2〜33のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項37

細胞内ドメインが、CD3ζシグナリングドメインを含む、請求項2〜37のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項38

細胞内ドメインが、4-1BBドメインを含む、請求項2〜37のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項39

CARが単鎖CARである、請求項1〜38のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項40

SEQID NO:1〜10、SEQ ID NO:125〜141、またはSEQ ID NO:145〜150、またはSEQ ID NO:152〜169と、80%超、90%超、95%超の同一性を共有するか、またはそれらと同一である、請求項1記載のポリペプチド。

請求項41

CARが多鎖CARである、請求項1〜38のいずれか一項記載のポリペプチド。

請求項42

請求項1〜41のいずれか一項記載のポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド

請求項43

前記CARがCD3ζシグナリングドメインおよび4-1BB由来の共刺激ドメインを含む、請求項1〜41のいずれか一項記載のキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド。

請求項44

請求項42または43の核酸を含む発現ベクター

請求項45

請求項1〜41のいずれか一項記載のポリペプチドをその細胞表面に発現する、操作された免疫細胞

請求項46

炎症性Tリンパ球細胞傷害性Tリンパ球制御性Tリンパ球、またはヘルパーTリンパ球に由来する、請求項45記載の操作された免疫細胞。

請求項47

医薬として使用するための、請求項45または46記載の操作された免疫細胞。

請求項48

以下の工程を含む、請求項45〜47のいずれか一項記載の免疫細胞を操作するための方法:(a)免疫細胞を準備する工程;(b)請求項1〜41のいずれか一項記載のキメラ抗原受容体をコードする少なくとも1種のポリヌクレオチドを該細胞へ導入する工程;(c)該ポリヌクレオチドを該細胞において発現させる工程。

請求項49

免疫細胞がT細胞である、請求項48記載の免疫細胞を操作するための方法。

請求項50

以下の工程を含む、請求項1〜41のいずれか一項記載の少なくとも1種のmAb特異的エピトープを含むポリペプチドをその細胞表面に発現する操作された免疫細胞をインビトロで選別するための方法:操作された免疫細胞を含む免疫細胞の集団を、mAb特異的エピトープに特異的なモノクローナル抗体と接触させる工程;操作された免疫細胞が濃縮されている細胞の集団を得るため、該モノクローナル抗体に結合する細胞を選択する工程。

請求項51

mAb特異的エピトープに特異的なモノクローナル抗体がフルオロフォアコンジュゲートされ、モノクローナル抗体に結合する細胞を選択する工程が蛍光活性化細胞選別(FACS)によって行われる、請求項50記載の方法。

請求項52

mAb特異的エピトープに特異的なモノクローナル抗体が磁性粒子にコンジュゲートされ、モノクローナル抗体に結合する細胞を選択する工程が磁気活性化細胞選別(MACS)によって行われる、請求項50記載の方法。

請求項53

ポリペプチドがSEQID NO:35のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープを含み、かつモノクローナル抗体がリツキシマブである、請求項50〜52のいずれか一項記載の方法。

請求項54

ポリペプチドがSEQID NO:144のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープを含み、かつ免疫細胞の集団を接触させるために使用される抗体がQBEND-10である、請求項50〜52のいずれか一項記載の方法。

請求項55

操作された免疫細胞が濃縮されている細胞の集団が、CAR発現免疫細胞を少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%含む、請求項50〜54のいずれか一項記載の方法。

請求項56

請求項1〜41のいずれか一項記載の少なくとも1種のmAb特異的エピトープを含むポリペプチドをその細胞表面に発現する操作された免疫細胞を患者においてインビボで枯渇させるための方法であって、操作された免疫細胞を少なくとも1種のエピトープ特異的mAbと接触させる工程を含む、方法。

請求項57

mAb特異的エピトープがCD20エピトープまたはミモトープであり、かつエピトープ特異的mAbがリツキシマブである、請求項56記載の方法。

請求項58

mAb特異的エピトープがSEQID NO:35のアミノ酸配列を有する、請求項57記載の方法。

請求項59

補体系活性化することができる分子がエピトープ特異的mAbにコンジュゲートされている、請求項56〜58のいずれか一項記載の方法。

請求項60

細胞傷害性薬物がエピトープ特異的mAbにカップリングされている、請求項56〜59のいずれか一項記載の方法。

請求項61

請求項1〜41のいずれか一項記載の少なくとも1種のmAb特異的エピトープを含むポリペプチドをその細胞表面に発現する操作された免疫細胞を患者においてインビボで枯渇させるための方法であって、該細胞上に保持されたmAb特異的エピトープおよびエフェクター細胞傷害性)細胞上に保持された表面抗原の両方に結合することができる二重特異性mAb(BsAb)と、操作された免疫細胞を接触させる工程を含む、方法。

請求項62

免疫細胞がT細胞である、請求項48〜61のいずれか一項記載の方法。

技術分野

0001

発明の分野
本発明は、免疫治療において使用される改善されたキメラ抗原受容体(CAR)に関し、その細胞外結合ドメイン(scFv)は、CARを賦与された免疫細胞選別および/または枯渇の両方を可能にするために、mAb特異的エピトープの挿入によって改変されている。本発明は、該CARを発現する免疫細胞、該CAR発現免疫細胞のインビボ枯渇および/またはインビトロ選別の方法にも関し、それらの治療的使用にも関する。

背景技術

0002

背景
エクスビボで生成された自己抗原特異的T細胞移入を含む養子免疫治療は、ウイルス感染およびがん処置するための有望な戦略である。養子免疫治療のために使用されるT細胞は、抗原特異的T細胞の増加または遺伝子操作を通したT細胞の向け直しのいずれかによって生成され得る(Park,Rosenberg et al.2011)。ウイルス抗原特異的T細胞の移入は、移植に関連したウイルス感染および稀なウイルス関連悪性疾患の処置のために使用されている、よく確立された手法である。同様に、腫瘍特異的T細胞の単離および移入は、黒色腫の処置において成功が示されている。

0003

T細胞における新規特異性は、トランスジェニックT細胞受容体またはキメラ抗原受容体(CAR)の遺伝子移入を通して、成功裡に生成された(Jena,Dotti et al.2010)。CARは、単一の融合分子として1個以上のシグナリングドメイン会合したターゲティングモエティからなる合成受容体である。一般に、CARの結合モエティは、フレキシブルリンカーによって接合されたモノクローナル抗体軽鎖および重鎖可変断片を含む、単鎖抗体(scFv)の抗原結合ドメインからなる。受容体またはリガンドドメインに基づく結合モエティも成功裡に使用されている。第一世代CARのシグナリングドメインは、CD3ζ細胞質領域またはFc受容体γ鎖由来する。第一世代CARは、T細胞の細胞傷害成功裏に向け直すことが示されているが、インビボで長期の増加および抗腫瘍活性を提供することはできなかった。CAR修飾T細胞の生存を増強し、増殖を増加させるため、CD28、OX40(CD134)、ICOS、および4-1BB(CD137)を含む共刺激分子に由来するシグナリングドメインが、単独で(第二世代)または組み合わせられて(第三世代)、追加された。CARは、リンパ腫および固形腫瘍を含む様々な悪性疾患に由来する腫瘍細胞の表面において発現された抗原に対して、T細胞が向け直されることを、成功裡に可能にしている(Jena,Dotti et al.2010)。

0004

しかしながら、インビボでの腫瘍根絶のための前例がない効力にも関わらず、CAR T細胞は、患者へ移入された後に急性有害事象を促進する場合がある。よく立証された有害事象には、移植片対宿主病(GvHD)、標的抗原を有する正常組織に対する(on-target off-tumor)活性、またはベクター由来の挿入変異による異常なリンパ増殖能が含まれる。従って、そのような有害事象がインビボで起こることを防止するため、細胞特異的な枯渇系を開発する必要が存在する。

0005

自己寛容の維持のためにも、免疫によって媒介される付帯的な組織傷害を制限するためにも重要である(CTLA-4またはPD-1のような)免疫チェックポイントと呼ばれる阻害性シグナルに関する研究のような、より安全なCARに基づく免疫治療を開発するための研究が、多数進行中である(Dolan et al,2014)。最近、オフターゲット細胞に遭遇した時にT細胞機能ブレーキをかけることを目的とする阻害性キメラ抗原受容体(iCAR)が設計された(Fedorov et al.2013)。CD20キメラ抗原受容体を誘導可能なカスパーゼ9(iC9)自殺スイッチと組み合わせた別の系は、Budde et al.(2013)に記載されている。出願US 2014/0286987において、後者の遺伝子は、変異型FK506結合タンパク質(FKBP1)に結合することによって、プロドラッグAP1903(タクロリムス)の存在下で機能性になる。前記のカスパーゼテクノロジー(CaspaCIDe(商標))を、GD2を標的とする第三世代CAR T細胞へ改変した臨床試験が、Bellicum社による後援によって、進行中である。多量体形成剤に基づく類似したアポトーシス誘導系は、出願WO 2014/152177に記載されている。

0006

Philip et al(2014)は、形質導入された細胞の選択を可能にするコンパクトマーカー/自殺遺伝子として使用されるRQR8系を記載している。RQR8は、CD34抗原およびCD20抗原の両方に由来する標的エピトープの組み合わせに由来する。この構築物は、臨床的に認可されたCliniMACS CD34系(Miltenyi)による選択を可能にする。さらに、このRQR8構築物は、広く使用されている薬学的抗体リツキシマブに結合し、トランスジーン発現細胞の選択的な除去をもたらす。この系において、RQR8は、口蹄疫2Aペプチドを使用して、レトロウイルスベクターにおいてCARと共発現され、それによって、T細胞の表面上に2種の独立したトランスジーン(RQR8およびCAR)の発現をもたらす。この系は、第1に、大きいレトロウイルスインサートクローニングを必要とし、第2に、可能性のある「偽陽性」、即ち、両方のポリペプチド、特に望ましくない効果が起こった場合に、操作された免疫細胞の枯渇を可能にするRQR8自殺遺伝子を発現しないT細胞を排除するために、形質転換細胞がRQR8ポリペプチドおよびCARポリペプチドの両方を発現することを確実にすることを必要とするため、産業的観点からいくつかの限界提示する。

0007

自己免疫疾患および移植の情況においてT細胞を枯渇させる概念は、数十年間、臨床において成功裡に実施されてきた。T細胞を含む細胞性免疫を枯渇させるためには、グルココルチコイドのような免疫抑制薬、またはアルキル化剤シクロホスファミドニトロソウレア白金化合物等)もしくは代謝拮抗薬メトトレキサートアザチオプリンフルオロウラシル等)のような細胞分裂阻害薬が、広く使用されている。しかしながら、これらの薬物は、免疫抑制効力にも関わらず、全てのT細胞およびB細胞の増殖に影響するため、弁別的ではない。抗体、具体的には、抗CD20モノクローナル抗体は、急性拒絶反応を防止するための迅速で強力な免疫抑制治療としても、リンパ増殖性障害または自己免疫障害標的特異的な処置としても、時々使用されている。T細胞サブセットのインビボ排除は、可溶性タンパク質に対する抗体応答の生成におけるCD4+T細胞の役割を決定するため、Benjamin and Waldmann(1986)によって、骨髄および組織の同種移植片拒絶におけるCD4+T細胞およびCD8+T細胞の役割を決定するため、Cobbold et al.(1986)によって実施された。インビボ枯渇は、抗ウイルス細胞傷害性リンパ球(CTL)応答の調節を含む様々なトピックを研究するため、広範囲に実施されている(Buller et al.,1987)。しかしながら、T細胞に対してこれまで使用されてきた抗体は、全て、休止T細胞にも、活性化T細胞にも、さらには他の細胞型にも広く存在する抗原(CD3、CD4、CD52)に対するものである。従って、そのような抗体の使用は、CARを賦与された操作免疫細胞の選択的な排除を可能にしないであろう。

0008

以後提示されるように、本発明者らは、有害臨床事象の場合に、CARを発現する免疫細胞をインビボで枯渇させることを可能にしながら、「偽陽性」を低下させることによってCAR発現免疫細胞の最適化されたインビトロ選別を可能にする、「オールインワン」系を探究した。

0009

本発明は、細胞外結合ドメイン(scFv)が、細胞選別および細胞枯渇の両方を可能にするよう改変されている、キメラ抗原受容体(CAR)に関する(例示的な態様については図2を参照すること)。mAbが推進する選別/枯渇系と命名されたこの構造は、選択されたエピトープのscFvへの挿入からなり;このエピトープは、特異的抗体(好ましくは、mAb)によって認識される特異性を有する。主として、CARの外部リガンド結合ドメインがエピトープを含むよう改変されるという事実のため、単鎖または多鎖の異なるCAR構成が想起され得る。VHポリペプチドおよびVLポリペプチドならびに特異的エピトープから形成された本発明のキメラscFvは、それ自体、エピトープの挿入の位置およびリンカーの使用に依って異なる構造を有する。本発明は、改変されたCARを賦与された、操作された免疫細胞の選別および/または枯渇のための、得られた方法にも関する。

0010

数種のエピトープ-mAb対、具体的には、非限定的な例として、CD20/リツキシマブのような、医学的使用のために既に認可されているものが、そのような系を生成するために使用され得る。

0011

操作された免疫細胞の細胞傷害性をさらに増強するため、エピトープ特異的抗体は、細胞傷害性薬物コンジュゲートされてもよい。補体系の成分と共に改変抗体を使用することによって、CDC細胞傷害を促進することも可能である。

0012

最後に、本発明は、CARの外部リガンド結合ドメインに対する抗体を使用することにより、CARを賦与された操作免疫細胞の活性化が、該細胞を枯渇させることによってモジュレートされる治療法包含する。

0013

本発明は、以下の項目によって要約され得る:
1.
抗原に特異的なVH鎖およびVL鎖によって少なくとも形成されたscFvを含む少なくとも1個の細胞外結合ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)
をコードするポリペプチドであって、該細胞外結合ドメインが少なくとも1個のmAb特異的エピトープを含む、ポリペプチド。
2.
mAb特異的エピトープがVH鎖とVL鎖との間に位置する、項目1記載のポリペプチド。
3.
VH鎖およびVL鎖ならびにmAb特異的エピトープが、少なくとも1個のリンカーによって共に結合しており、ヒンジによってCARの膜貫通ドメインに結合している、項目1または2記載のポリペプチド。
4.
mAbエピトープが2個のリンカーによってVH鎖およびVL鎖に接合されている、項目3記載のポリペプチド。
5.
mAb特異的エピトープが、そのようなエピトープを含むCARを発現するT細胞のインビトロ細胞選別および/またはインビボ細胞枯渇のためのエピトープ特異的mAbが結合するエピトープである、項目1〜3のいずれかに記載のポリペプチド。
6.
前記ポリペプチドが1個の細胞外結合ドメインを含み、
該細胞外結合ドメインはヒンジをさらに含み、
該ポリペプチドが、
膜貫通ドメイン、および
細胞内ドメイン
をさらに含む、項目1〜5のいずれかに記載のポリペプチド。
7.
細胞外結合ドメインが、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のmAb特異的エピトープを含む、項目1〜6のいずれかに記載のポリペプチド。
8.
細胞外結合ドメインが、1個、2個、3個、または4個のmAb特異的エピトープを含む、項目1〜7のいずれかに記載のポリペプチド。
9.
細胞外結合ドメインが、2個、3個、または4個のmAb特異的エピトープを含む、項目1〜8のいずれかに記載のポリペプチド。
10.
細胞外結合ドメインが、以下の配列:
V1-L1-V2-(L)x-エピトープ1-(L)x-;
V1-L1-V2-(L)x-エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-;
V1-L1-V2-(L)x-エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x-;
(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-L1-V2;
(L)x-エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-V1-L1-V2;
エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x-V1-L1-V2;
(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-L1-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x;
(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-L1-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x-;
(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-L1-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x-エピトープ4-(L)x-;
(L)x-エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-V1-L1-V2-(L)x-エピトープ3-(L)x-;
(L)x-エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-V1-L1-V2-(L)x-エピトープ3-(L)x-エピトープ4-(L)x-;
V1-(L)x-エピトープ1-(L)x-V2;
V1-(L)x-エピトープ1-(L)x-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x;
V1-(L)x-エピトープ1-(L)x-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x;
V1-(L)x-エピトープ1-(L)x-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x-エピトープ4-(L)x;
(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-(L)x-エピトープ2-(L)x-V2;または
(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-(L)x-エピトープ2-(L)x-V2-(L)x-エピトープ3-(L)x
を含み、式中、
V1がVLでありかつV2がVHであるか、またはV1がVHでありかつV2がVLであり;
L1が、VH鎖をVL鎖へ連結するのに適当なリンカーであり;
Lが、グリシン残基およびセリン残基を含むリンカーであり、細胞外結合ドメイン内のLの存在は、各々、同一の細胞外結合ドメイン内の他のLの存在と同一であってもよくまたは異なっていてもよく、かつ
xが0または1であり、xの存在が、各々、他のものとは独立に選択され;かつ
エピトープ1、エピトープ2、およびエピトープ3が、mAb特異的エピトープであり、同一であってもよくまたは異なっていてもよい、
項目1〜9のいずれかに記載のポリペプチド。
11.
細胞外結合ドメインが、以下の配列:
V1-L1-V2-L-エピトープ1;V1-L1-V2-L-エピトープ1-L;V1-L1-V2-L-エピトープ1-L-エピトープ2;V1-L1-V2-L-エピトープ1-L-エピトープ2-L;V1-L1-V2-L-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3;V1-L1-V2-L-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-L;V1-L1-V2-エピトープ1;V1-L1-V2-エピトープ1-L;V1-L1-V2-エピトープ1-L-エピトープ2;V1-L1-V2-エピトープ1-L-エピトープ2-L;V1-L1-V2-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3;V1-L1-V2-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-L;エピトープ1-V1-L1-V2;エピトープ1-L-V1-L1-V2;L-エピトープ1-V1-L1-V2;L-エピトープ1-L-V1-L1-V2;エピトープ1-L-エピトープ2-V1-L1-V2;エピトープ1-L-エピトープ2-L-V1-L1-V2;L-エピトープ1-L-エピトープ2-V1-L1-V2;L-エピトープ1-L-エピトープ2-L-V1-L1-V2;エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-V1-L1-V2;エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-L-V1-L1-V2;L-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-V1-L1-V2;L-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-L-V1-L1-V2;V1-L-エピトープ1-L-V2;L-エピトープ1-L-V1-L-エピトープ2-L-V2;V1-L-エピトープ1-L-V2-L-エピトープ2-L;V1-L-エピトープ1-L-V2-L-エピトープ2-L-エピトープ3;V1-L-エピトープ1-L-V2-L-エピトープ2-エピトープ3;V1-L-エピトープ1-L-V2-L-エピトープ2-L-エピトープ3-エピトープ4;L-エピトープ1-L-V1-L-エピトープ2-L-V2-L-エピトープ3-L;エピトープ1-L-V1-L-エピトープ2-L-V2-L-エピトープ3-L;L-エピトープ1-L-V1-L-エピトープ2-L-V2-L-エピトープ3;L-エピトープ1-L-V1-L1-V2-L-エピトープ2-L;L-エピトープ1-L-V1-L1-V2-L-エピトープ2-L-エピトープ3;L-エピトープ1-L-V1-L1-V2-L-エピトープ2-エピトープ3、またはエピトープ1-L-V1-L1-V2-L-エピトープ2-L-エピトープ3-エピトープ4
を含み、式中、
V1がVLでありかつV2がVHであるか、またはV1がVHでありかつV2がVLであり;
L1が、VH鎖をVL鎖へ連結するのに適当なリンカーであり;
Lが、グリシン残基およびセリン残基を含むリンカーであり、細胞外結合ドメイン内のLの存在は、各々、同一の細胞外結合ドメイン内の他のLの存在と同一であってもよくまたは異なっていてもよく、かつ
エピトープ1、エピトープ2、およびエピトープ3が、mAb特異的エピトープであり、同一であってもよくまたは異なっていてもよい、
項目10記載のポリペプチド。
12.
L1が、グリシンおよび/またはセリンを含むリンカーである、項目10記載のポリペプチド。
13.
L1が、アミノ酸配列(Gly-Gly-Gly-Ser)nもしくは(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)nを含むリンカーであり、式中、nは1、2、3、4、もしくは5であり、または
L1が、アミノ酸配列(Gly4Ser)4もしくは(Gly4Ser)3を含むリンカーである、項目12記載のポリペプチド。
14.
Lが、グリシンおよび/またはセリンを含むリンカーである、項目10〜13のいずれかに記載のポリペプチド。
15.
Lが、

より選択されるアミノ酸配列を有するリンカーである、項目14記載のポリペプチド。
16.
Lが、SGGGG、GGGGS、またはSGGGGSである、項目14記載のポリペプチド。
17.
エピトープ1、エピトープ2、エピトープ3、およびエピトープ4が、イブツモブチウキセタンムロモナブ-CD3、トシツモマブ、アブシキシマブバシリキシマブブレツキシマブベドチン、セツキシマブインフリキシマブ、リツキシマブ、アレムツズマブベバシズマブセルトリズマブペゴル、ダクリズマブエクリズマブエファリズマブゲムツズマブナタリズマブオマリズマブパリビズマブラニビズマブトシリズマブトラスツズマブ、ベドリズマブ、アダリムマブ、ベリムマブ、カナキヌマブ、デノスマブ、ゴリムマブ、イピリムマブオファツムマブパニツムマブ、QBEND-10、およびウステキヌマブによって特異的に認識されるmAb特異的エピトープより独立に選択される、項目10〜16のいずれかに記載のポリペプチド。
18.
エピトープ1、エピトープ2、エピトープ3、およびエピトープ4が、SEQID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:144、またはSEQ ID NO:174のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープより独立に選択される、項目10〜16のいずれかに記載のポリペプチド。
19.
エピトープ1が、SEQ ID NO:35のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープである、項目10〜18のいずれかに記載のポリペプチド。
20.
エピトープ2が、SEQ ID NO:35のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープである、項目10〜19のいずれかに記載のポリペプチド。
21.
エピトープ3が、SEQ ID NO:35またはSEQ ID NO:144のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープである、項目10〜20のいずれかに記載のポリペプチド。
22.
エピトープ4が、SEQ ID NO:35のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープである、項目10〜21のいずれかに記載のポリペプチド。
23.
エピトープ1、エピトープ2、およびエピトープ4が、SEQ ID NO:35のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープであり、かつエピトープ3が、SEQ ID NO:144のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープである、項目22記載のポリペプチド。
24.
mAb特異的エピトープが、表1にリストされたものより選択される1種のポリペプチドに由来する、項目1〜9のいずれかに記載のポリペプチド。
25.
mAb特異的エピトープが、イブリツモマブチウキセタン、ムロモナブ-CD3、トシツモマブ、アブシキシマブ、バシリキシマブ、ブレンツキシマブベドチン、セツキシマブ、インフリキシマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セルトリズマブペゴル、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、ゲムツズマブ、ナタリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、ラニビズマブ、トシリズマブ、トラスツズマブ、ベドリズマブ、アダリムマブ、ベリムマブ、カナキヌマブ、デノスマブ、ゴリムマブ、イピリムマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、QBEND-10、およびウステキヌマブによって特異的に認識されるmAb特異的エピトープより選択される、項目1〜9のいずれかに記載のポリペプチド。
26.
mAb特異的エピトープが、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:144、またはSEQ ID NO:174のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープより選択される、項目1〜9のいずれかに記載のポリペプチド。
27.
mAb特異的エピトープがSEQ ID NO:35のアミノ酸配列を有する、項目1〜9のいずれかに記載のポリペプチド。
28.
VH鎖およびVL鎖が、SEQ ID NO:43(CD19抗原)、SEQ ID NO:44(CD38抗原)、SEQ ID NO:45(CD123抗原)、SEQ ID NO:46(CS1抗原)、SEQ ID NO:47(BCMA抗原)、SEQ ID NO:48(FLT-3抗原)、SEQ ID NO:49(CD33抗原)、SEQ ID NO:50(CD70抗原)、SEQ ID NO:51(EGFR-3v抗原)、およびSEQ ID NO:52(WT1抗原)と、80%超、好ましくは、90%超、より好ましくは、95%超の同一性を有する抗原性標的配列を有する、項目1〜27のいずれかに記載のポリペプチド。
29.
抗原が細胞表面マーカー抗原である、項目1〜27のいずれかに記載のポリペプチド。
30.
抗原が腫瘍関連表面抗原である、項目1〜27のいずれかに記載のポリペプチド。
31.
抗原が、ErbB2(HER2/neu)、がん胎児性抗原CEA)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、EGFRバリアントIII(EGFRvIII)、CD19、CD20、CD30、CD40、ジシアロガングリオシドGD2、GD3、C型レクチン分子1(CLL-1)、乳管上皮ムチン、gp36、TAG-72、スフィンゴ糖脂質神経膠腫関連抗原、βヒト絨毛性ゴナドトロピンαフェトプロテインAFP)、レクチン反応性AFP、チログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、変異hsp70-2、M-CSFプロスターゼ(prostase)、プロスターゼ特異抗原(PSA)、PAP、NY-ESO-1、LAGA-1a、p53、プロステイン(prostein)、PSMA、サバイビンおよびテロメラーゼ前立腺がん腫瘍抗原1(PCTA-1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼエフリンB2、CD22、インスリン増殖因子(IGF1)-I、IGF-II、IGFI受容体、メソテリン、腫瘍特異的ペプチドエピトープを提示する主要組織適合性複合体MHC)分子、5T4、ROR1、Nkp30、NKG2D、腫瘍間質抗原、フィブロネクチンエクストラドメインA(EDA)およびエクストラドメインB(EDB)、ならびにテネイシンCのA1ドメイン(TnC A1)、ならびに繊維芽細胞関連タンパク質(fap)、LRP6、メラノーマ関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)、CD38/CS1、MART1、WT1、MUC1、LMP2、イディオタイプ、NY-ESO-1、Ras変異体、gp100、プロテイナーゼ3、bcr-abl、チロシナーゼ、hTERT、EphA2、ML-TAP、ERG、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体;CD3、CD4、CD8、CD24、CD25、CD33、CD34、CD70、CD79、CD116、CD117、CD135、CD123、CD133、CD138、CTLA-4、B7-1(CD80)、B7-2(CD86)、エンドグリン、主要組織適合性複合体(MHC)分子、BCMA(CD269、TNFRSF17)、またはFLT-3などの系統特異的または組織特異的な抗原より選択される、項目1〜27のいずれかに記載のポリペプチド。
32.
VHおよびVLが、SEQ ID NO:65のVHおよびSEQ ID NO:66のVL;SEQ ID NO:67のVHおよびSEQ ID NO:68のVL;SEQ ID NO:69のVHおよびSEQ ID NO:70のVL;SEQ ID NO:71のVHおよびSEQ ID NO:72のVL;SEQ ID NO:77のVHおよびSEQ ID NO:78のVL;SEQ ID NO:79のVHおよびSEQ ID NO:80のVL;SEQ ID NO:81のVHおよびSEQ ID NO:82のVL;SEQ ID NO:83のVHおよびSEQ ID NO:84のVL;SEQ ID NO:85のVHおよびSEQ ID NO:86のVL;SEQ ID NO:87のVHおよびSEQ ID NO:88のVL;SEQ ID NO:89のVHおよびSEQ ID NO:90のVL;SEQ ID NO:91のVHおよびSEQ ID NO:92のVL;SEQ ID NO:93のVHおよびSEQ ID NO:94のVL;SEQ ID NO:95のVHおよびSEQ ID NO:96のVL;SEQ ID NO:97のVHおよびSEQ ID NO:98のVL;SEQ ID NO:99のVHおよびSEQ ID NO:100のVL;SEQ ID NO:101のVHおよびSEQ ID NO:102のVL;SEQ ID NO:103のVHおよびSEQ ID NO:104のVL;SEQ ID NO:105のVHおよびSEQ ID NO:106のVL;SEQ ID NO:107のVHおよびSEQ ID NO:108のVL;SEQ ID NO:109のVHおよびSEQ ID NO:110のVL;SEQ ID NO:111のVHおよびSEQ ID NO:112のVL;SEQ ID NO:113のVHおよびSEQ ID NO:114のVL;SEQ ID NO:115のVHおよびSEQ ID NO:116のVL;SEQ ID NO:117のVHおよびSEQ ID NO:118のVL;SEQ ID NO:119のVHおよびSEQ ID NO:120のVL;SEQ ID NO:121のVHおよびSEQ ID NO:122のVL;またはSEQ ID NO:123のVHおよびSEQ ID NO:124のVL、SEQ ID NO:170のVHおよびSEQ ID NO:171のVL;SEQ ID NO:172のVHおよびSEQ ID NO:173のVL;またはSEQ ID NO:174のVHおよびSEQ ID NO:175のVLより選択される、項目1〜27のいずれかに記載のポリペプチド。
33.
ヒンジが、PD-1ヒンジ、IgG4ヒンジ、CD8αヒンジ、またはFcγRIIIαヒンジを含む、項目2〜32のいずれかに記載のポリペプチド。
34.
膜貫通ドメインが、T細胞受容体のα鎖β鎖、またはζ鎖、PD-1、4-1BB、OX40、ICOS、CTLA-4、LAG3、2B4、BTLA4、TIM-3、TIGIT、SIRPA、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、またはCD154の膜貫通領域を含む、項目2〜33のいずれかに記載のポリペプチド。
35.
膜貫通ドメインが、PD-1またはCD8αの膜貫通領域を含む、項目2〜33のいずれかに記載のポリペプチド。
36.
膜貫通ドメインが、CD8αの膜貫通領域を含む、項目2〜33のいずれかに記載のポリペプチド。
37.
細胞内ドメインが、CD3ζシグナリングドメインを含む、項目2〜37のいずれかに記載のポリペプチド。
38.
細胞内ドメインが、4-1BBドメインを含む、項目2〜37のいずれかに記載のポリペプチド。
39.
CARが単鎖CARである、項目1〜38のいずれかに記載のポリペプチド。
40.
SEQ ID NO:1〜10、SEQ ID NO:125〜141、またはSEQ ID NO:145〜150、またはSEQ ID NO:152〜169と、80%超、90%超、95%超の同一性を共有するか、またはそれらと同一である、項目1記載のポリペプチド。
41.
CARが多鎖CARである、項目1〜38のいずれかに記載のポリペプチド。
42.
項目1〜41のいずれかに記載のポリペプチドをコードする、ポリヌクレオチド
43.
前記CARがCD3ζシグナリングドメインおよび4-1BB由来の共刺激ドメインを含む、項目1〜41のいずれかに記載のキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド。
44.
項目42または43の核酸を含む発現ベクター
45.
項目1〜41のいずれかに記載のポリペプチドをその細胞表面に発現する、操作された免疫細胞。
46.
炎症性Tリンパ球細胞傷害性Tリンパ球制御性Tリンパ球、またはヘルパーTリンパ球に由来する、項目45記載の操作された免疫細胞。
47.
医薬として使用するための、項目45または46記載の操作された免疫細胞。
48.
以下の工程を含む、項目45〜47のいずれかに記載の免疫細胞を操作するための方法:
(a)免疫細胞を準備する工程;
(b)項目1〜41のいずれかに記載のキメラ抗原受容体をコードする少なくとも1種のポリヌクレオチドを該細胞へ導入する工程;
(c)該ポリヌクレオチドを該細胞において発現させる工程。
49.
免疫細胞がT細胞である、項目48記載の免疫細胞を操作するための方法。
50.
以下の工程を含む、項目1〜41のいずれかに記載の少なくとも1種のmAb特異的エピトープを含むポリペプチドをその細胞表面に発現する操作された免疫細胞をインビトロで選別するための方法:
操作された免疫細胞を含む免疫細胞の集団を、mAb特異的エピトープに特異的なモノクローナル抗体と接触させる工程;
操作された免疫細胞が濃縮されている細胞の集団を得るため、該モノクローナル抗体に結合する細胞を選択する工程。
51.
mAb特異的エピトープに特異的なモノクローナル抗体がフルオロフォアにコンジュゲートされ、モノクローナル抗体に結合する細胞を選択する工程が蛍光活性化細胞選別(FACS)によって行われる、項目50記載の方法。
52.
mAb特異的エピトープに特異的なモノクローナル抗体が磁性粒子にコンジュゲートされ、モノクローナル抗体に結合する細胞を選択する工程が磁気活性化細胞選別(MACS)によって行われる、項目50記載の方法。
53.
ポリペプチドがSEQ ID NO:35のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープを含み、かつモノクローナル抗体がリツキシマブである、項目50〜52のいずれかに記載の方法。
54.
ポリペプチドがSEQ ID NO:144のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープを含み、かつ免疫細胞の集団を接触させるために使用される抗体がQBEND-10である、項目50〜52のいずれかに記載の方法。
55.
操作された免疫細胞が濃縮されている細胞の集団が、CAR発現免疫細胞を少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%含む、項目50〜54のいずれかに記載の方法。
56.
項目1〜41のいずれかに記載の少なくとも1種のmAb特異的エピトープを含むポリペプチドをその細胞表面に発現する操作された免疫細胞を患者においてインビボで枯渇させるための方法であって、操作された免疫細胞を少なくとも1種のエピトープ特異的mAbと接触させる工程を含む、方法。
57.
mAb特異的エピトープがCD20エピトープまたはミモトープであり、かつエピトープ特異的mAbがリツキシマブである、項目56記載の方法。
58.
mAb特異的エピトープがSEQ ID NO:35のアミノ酸配列を有する、項目57記載の方法。
59.
補体系を活性化することができる分子がエピトープ特異的mAbにコンジュゲートされている、項目56〜58のいずれかに記載の方法。
60.
細胞傷害性薬物がエピトープ特異的mAbにカップリングされている、項目56〜59のいずれかに記載の方法。
61.
項目1〜41のいずれかに記載の少なくとも1種のmAb特異的エピトープを含むポリペプチドをその細胞表面に発現する操作された免疫細胞を患者においてインビボで枯渇させるための方法であって、該細胞上に保持されたmAb特異的エピトープおよびエフェクター(細胞傷害性)細胞上に保持された表面抗原の両方に結合することができる二重特異性mAb(BsAb)と、操作された免疫細胞を接触させる工程を含む、方法。
62.
免疫細胞がT細胞である、項目48〜61のいずれかに記載の方法。

図面の簡単な説明

0014

単鎖CAR足場をここでは使用している、本発明のmAbが推進する選別/枯渇系の模式的な構造;VH鎖、VL鎖、およびmAb特異的エピトープの異なる位置を有するキメラscFvについて、数種の配置が提示される。
本発明のmAbが推進する系を使用することによって機能する、細胞選別および細胞枯渇の模式図。特異的mAb(+/-補体)の添加は、キメラscFv内のエピトープを認識することによってCAR+T細胞の精製を可能にする。細胞枯渇工程においては、同一の特異的mAb(+/-補体)が、キメラscFv内の特異的エピトープに結合することによって、CAR+T細胞の特異的溶解誘起する。
二重特異性抗体を使用した細胞枯渇の模式図。CAR発現免疫細胞およびエフェクター細胞の両方に結合することによって、この系は、CAR発現免疫細胞の表面へのエフェクター細胞の動員を可能にし、特異的な枯渇をインビボで誘発する。
実施例1〜2において使用されたCD20ミモトープを含む抗CD123 scFvを発現する10種のCARについてのCAR構成。1コピーまたは2コピーのCD20ミモトープ(「ミモトープ」と名付けられた黒四角)が抗CD123 scFvとヒンジとの間に挿入されている一連の10種のキメラscFvが設計される。図4に示されるように、10種のCARは、全て、同一のヒンジ(CD8ヒンジ)、膜貫通ドメイン(CD8 TM)、共刺激ドメイン(4-1BB)、および刺激ドメイン(ITAM CD3ζ)を有する。SEQID NO:1〜10は、CARが最初に発現される時には存在するが細胞の表面に発現されたCARの一部ではないリーダー配列MALPVTALLLPLALLLHAARPを含む。scFvに対するミモトープの位置によって、3種の系列のCARが設計される(それぞれ、SEQ ID NO::1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10に相当する抗CD123 No 1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10): 第1系列:SEQ ID NO:1〜2およびSEQ ID NO:3〜4は、それぞれ、1個および2個のCD20ミモトープが抗CD123 scFvとヒンジとの間に挿入されているコンフォメーションに相当する;SEQ ID NO:2においては、GSリンカーがCD20ミモトープをヒンジに接合している。SEQ ID NO:3〜4においては、GSリンカーが2個のミモトープの間に介在し、SEQ ID NO:4は、ミモトープとヒンジとの間に追加のGSリンカーを有する。 第2系列:SEQ ID NO:5〜6は、1コピーのCD20ミモトープが抗CD123 scFvに挿入されているコンフォメーションに相当する; 配列の違いは、それぞれ、両側に存在する短いGSリンカーの存在(SEQ ID NO:5)および長いGSリンカーの存在(SEQ ID NO:6)から来る。 第3系列:SEQ ID NO:7〜10は、抗CD123 scFvがCDミモトープとヒンジとの間に位置するコンフォメーションに相当する。SEQ ID NO:7〜8およびSEQ ID NO:9〜10において、それぞれ、1コピーおよび2コピーのCD20ミモトープが挿入されている。GSリンカーが2個のCD20ミモトープの間に挿入されており、SEQ ID NO:10については、補足的なGSリンカーがミモトープを抗CD123 scFvに接合している。
SEQ ID NO:1〜4または142の抗CD123 CARを発現するT細胞、または抗CD123 CARを発現しない対照T細胞(モックT細胞−mRNAなしのトランスフェクション工程)の細胞溶解活性を示す。細胞溶解活性は、実施例1に詳述される、特異的細胞溶解頻度として表される。
SEQ ID NO:1〜4の抗CD123 CARを発現するT細胞、または抗CD123 CARを発現しない対照T細胞(モックT細胞(mRNAなしのトランスフェクション工程))を、リツキシマブ(RTX)および幼令ウサギ補体BRCと共にインキュベートする、CDCアッセイの結果を示す。結果は、実施例3に詳述される、(対照実験に対する)抗CD123 CAR陽性T細胞の中の生存細胞相対頻度として表される。
実施例4〜6において設計され試験されたSEQ ID NO:125〜129のCARの一般的な構造を開示する。抗BCMA ScFVを、これらの全てのCARにおいて使用した。CD20ミモトープ(「ミモトープ」と名付けられた黒四角)またはCD34エピトープ(「CD34」と名付けられた灰色四角)より選択される1個、2個、3個、または4個のエピトープを、異なる位置、即ち、ScFvの上流、ScFvの下流、または(V1およびV2と記された)ScFvの可変鎖の間に含めた。図7に示されるように、全てのCARが、同一のヒンジ(CD8ヒンジ)、膜貫通ドメイン(CD8 TM)、共刺激ドメイン(4-1BB)、および刺激ドメイン(ITAM CD3ζ)を有する。
実施例4〜6において設計され試験されたSEQ ID NO:130〜138のCARの一般的な構造を開示する。抗BCMA ScFVを、これらの全てのCARにおいて使用した。CD20ミモトープ(「ミモトープ」と名付けられた黒四角)またはCD34エピトープ(「CD34」と名付けられた灰色四角)より選択される1個、2個、3個、または4個のエピトープを、異なる位置、即ち、ScFvの上流、ScFvの下流、または(V1およびV2と記された)ScFvの可変鎖の間に含めた。図7に示されるように、全てのCARが、同一のヒンジ(CD8ヒンジ)、膜貫通ドメイン(CD8 TM)、共刺激ドメイン(4-1BB)、および刺激ドメイン(ITAM CD3ζ)を有する。
実施例4〜6において設計され試験されたSEQ ID NO:139〜141のCARの一般的な構造を開示する。抗BCMA ScFVを、これらの全てのCARにおいて使用した。CD20ミモトープ(「ミモトープ」と名付けられた黒四角)またはCD34エピトープ(「CD34」と名付けられた灰色四角)より選択される1個、2個、3個、または4個のエピトープを、異なる位置、即ち、ScFvの上流、ScFvの下流、または(V1およびV2と記された)ScFvの可変鎖の間に含めた。図7に示されるように、全てのCARが、同一のヒンジ(CD8ヒンジ)、膜貫通ドメイン(CD8 TM)、共刺激ドメイン(4-1BB)、および刺激ドメイン(ITAM CD3ζ)を有する。
SEQ ID NO:125または130〜141の抗BCMA CARを発現するT細胞を、RTXおよびBRCと共にインキュベートする、CDCアッセイの結果を示す。結果は、実施例4に詳述される、(対照実験に対する)抗BCMA CAR陽性T細胞の中の生存細胞の相対頻度として表される。
SEQ ID NO:125または130〜141の抗BCMA CARを発現するT細胞を、RTXおよびBRCと共にインキュベートする、CDCアッセイの結果を示す。結果は、実施例4に詳述される、(対照実験に対する)抗BCMA CAR陽性T細胞の中の生存細胞の相対頻度として表される。
SEQ ID NO:125もしくは130〜139の抗BCMA CARを発現するT細胞、または抗BCMA CARを発現しない対照T細胞(T細胞)の細胞溶解活性を示す。細胞溶解活性は、実施例4に詳述される生存H929細胞の頻度として表される。
図10Aは、CD34 MicroBeadキットによる精製の前もしくは後、またはフロースルー画分における、CD34エピトープおよび2個のCD20ミモトープを含むSEQ ID NO:128のCARを発現するT細胞の頻度を示す。図10Bは、CD34 MicroBeadキットによる精製の前もしくは後、またはフロースルー画分における、CD34エピトープを含むSEQ ID NO:128のCARを発現するT細胞の数を示す。
RTX、フィトヘマグルチニンPHA)の存在下、またはRTXおよびPHAの両方の非存在下で、SEQ ID NO:125または130〜139の抗BCMA CARを発現するT細胞によって産生されたINFγの濃度を示す。
BCMA-Fc融合タンパク質および標識された抗Fc抗体、またはRTXおよび標識された抗Fc抗体を使用した、SEQ ID NO:125または130〜139のCARを発現するT細胞の検出に起因するCAR陽性T細胞の頻度を示す。
RTXおよび標識された抗Fc抗体または標識されたQBEND-10を使用した、SEQ ID NO:128のCARを発現するT細胞の検出に起因するCAR陽性T細胞の頻度を示す。
CD20ミモトープを含有しているSEQ ID NO:145(BC30、野生型)、146(LM)、および147(LML)のBCMA CARを発現するT細胞のフローサイトメトリーによる検出を示す。CAR T細胞は、可溶性ビオチン化BCMAタンパク質の後にPEコンジュゲートストレプトアビジン(sBCMAビオチン(PE))を使用するか、または抗CD20抗体リツキシマブの後にFITCコンジュゲート抗ヒトIgG(リツキシマブ(FITC))を使用するフローサイトメトリーによって検出される。
CD20ミモトープを含有しているSEQ ID NO:148(LMLM)、および149(LMLML)のBCMA CARを発現するT細胞のフローサイトメトリーによる検出を示す。CAR T細胞は、可溶性ビオチン化BCMAタンパク質の後にPEコンジュゲートストレプトアビジン(sBCMAビオチン(PE))を使用するか、または抗CD20抗体リツキシマブの後にFITCコンジュゲート抗ヒトIgG(リツキシマブ(FITC))を使用するフローサイトメトリーによって検出される。
レンチウイルスによって形質導入されていないT細胞、SEQ ID NO:145の抗BCMA CARおよびRQR8(SEQ ID NO:150)(BC30-RQR8)、またはCD20ミモトープを含有しているSEQ ID NO:149のBCMA CARの共発現のために形質導入されたT細胞のフローサイトメトリーによる検出を示す。CAR-T細胞は、可溶性ビオチン化BCMAタンパク質の後にPEコンジュゲートストレプトアビジン(sBCMAビオチン(PE))を使用するか、または抗CD20抗体リツキシマブの後にFITCコンジュゲート抗ヒトIgG(リツキシマブ(FITC))を使用するフローサイトメトリーによって検出される。
SEQ ID NO:149の抗BCMA CAR(BC30-R2)、SEQ ID NO:145の抗BCMA CARを発現するか、またはSEQ ID NO:145の抗BCMA CARおよびRQR8(SEQ ID NO:150)(BC30-RQR8)を共発現するT細胞を、RTXおよびBRCと共にインキュベートする、CDCアッセイの結果を示す。細胞傷害率は、ビオチン化BCMAタンパク質を使用するフローサイトメトリー分析によって決定される。結果は、対照(BRCのみと共にインキュベートされた細胞)に対する抗BCMA CAR陽性T細胞の中の細胞溶解の頻度として表される。
RTXの存在下/非存在下での、SEQ ID NO:149の抗BCMA CAR(BC30-R2)を発現するか、またはSEQ ID NO:145の抗BCMA CAR(BC30)およびRQR8(SEQ ID NO:150)(BC30-RQR8)を共発現するT細胞の細胞溶解活性を示す。細胞溶解活性は、実施例7.5に開示されるように計算された細胞溶解率として表され、エフェクター(CAR T細胞):標的(BCMAを発現するMM1S細胞)の異なる比において決定される。
PBS(対照)、抗CD3 OKT3抗体(αCD3)、またはリツキシマブ(RTX)の存在下での、SEQ ID NO:149の抗BCMA CARを発現する活性化T細胞の百分率を示す。T細胞活性化は、フローサイトメトリーを使用して、活性化マーカーCD25およびCD69の発現を測定することによって査定される。

0015

表1:薬学的に認可されたmAbおよびそれらの抗原性標的のリスト。後者の配列が提供され、その中のいくつかについては、エピトープも提供される。
表2:実施例2に提示されるmAbに対応する数種のミモトープおよびエピトープのリスト。
表3:CD19抗原、CD33抗原、5T4抗原、ROR1抗原、EGFRvIII抗原、BCMA抗原、CS1抗原、およびCD123抗原を標的とするscFvのVH鎖およびVL鎖のリスト。
表4:CAR成分の例示的な配列

0016

発明の詳細な説明
本発明は、抗原、好ましくは、細胞表面マーカー抗原に特異的なVH鎖およびVL鎖によって少なくとも形成されたscFvを含む少なくとも1個の細胞外結合ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)をコードするポリペプチドに関し、該細胞外結合ドメインは、少なくとも1種のmAb特異的エピトープを含む。一つの態様において、mAb特異的エピトープは、そのようなエピトープを含むCARを発現するT細胞のインビトロ細胞選別および/またはインビボ細胞枯渇のためのエピトープ特異的mAbが結合するエピトープである。

0017

本発明は、細胞表面マーカー抗原に特異的なVH鎖およびVL鎖によって少なくとも形成されたscFvを含む少なくとも1個の細胞外結合ドメインを含むキメラ抗原受容体(CAR)をコードするポリペプチドに関し、該細胞外結合ドメインは、CARを発現するT細胞のインビトロ細胞選別および/またはインビボ細胞枯渇のためのエピトープ特異的mAbが結合する少なくとも1種のmAb特異的エピトープを含む。

0018

いくつかの態様において、本発明は、
細胞外ドメイン
膜貫通ドメイン、および
細胞内ドメイン
を含むCARに関し、該細胞外ドメインは、
抗原、好ましくは、細胞表面マーカー抗原に特異的なVH鎖およびVL鎖によって少なくとも形成されたscFvを含む少なくとも1個、好ましくは、1個の細胞外結合ドメイン、ならびに
ヒンジ
を含み、該細胞外結合ドメインは、少なくとも1個のmAb特異的エピトープを含む。

0019

いくつかの態様において、本発明は、
細胞外ドメイン、
膜貫通ドメイン、および
細胞内ドメイン
を含むCARに関し、該細胞外ドメインは、
細胞表面マーカー抗原に特異的なVH鎖およびVL鎖によって少なくとも形成されたscFvを含む少なくとも1個の細胞外結合ドメイン、ならびに
ヒンジ
を含み、該細胞外結合ドメインは、CARを発現するT細胞のインビトロ細胞選別および/またはインビボ細胞枯渇のためのエピトープ特異的mAbが結合する少なくとも1個のmAb特異的エピトープを含む。

0020

態様において、本発明のCARは、1個の細胞外結合ドメインを含む。

0021

「キメラscFv」とは、重鎖および軽鎖(それぞれ、VHおよびVL)、ならびにVH鎖およびVL鎖に最初は含まれていなかったエピトープから構成された単鎖可変断片に相当するポリペプチドを意味する。後者のエピトープは、抗体、具体的には、モノクローナル抗体によって特異的に結合される能力を有する場合に、「mAb特異的エピトープ」と呼ばれる。いくつかの態様において、mAb特異的エピトープは、ScFvによって認識されるエピトープではない。いくつかの態様において、mAb特異的エピトープは、CARの細胞外ドメインに由来しない。このキメラscFvの成分(即ち、リガンド結合ドメインの軽鎖および重鎖の可変断片ならびにmAb特異的エピトープ)は、少なくとも1個のリンカー、一般的には、フレキシブルリンカーによって共に接合されていてよい。これらの成分は、一般に、ヒンジによってCARの膜貫通ドメインに接合される。

0022

キメラscFvコンフォメーション
本発明のキメラscFvの構造は、主成分(VHおよびVLならびにmAb特異的エピトープ)の位置に依って、図1に提示されるように、様々であり得る。

0023

1個のVH、1個のVL、および1個のエピトープの可能な順列の数を考慮した時、本発明のキメラscFvは、数種、少なくとも9種のコンフォメーションを有し得る。

0024

好ましくは、各成分(VH、VL、およびエピトープ)は、上記のような少なくとも1個のフレキシブルリンカーによって、その隣と相互接続されている。本発明による適当な組み合わせは、mAb特異的エピトープと、注入されるmAbとの間の結合、ならびにキメラscFvのVHおよびVL鎖と細胞標的リガンドの抗原との間の結合の両方において良好な親和性/特異性を提供するものである。

0025

一つの態様によると、CARの細胞外結合ドメインは、両方ともエピトープをVH鎖およびVL鎖に接合する少なくとも2個のリンカー;ならびにscFv-エピトープをCARの膜貫通ドメインに接合するヒンジを含む。

0026

例えば、企図されたCARコンフォメーションが、mAb特異的エピトープがVH鎖およびVL鎖に並んで位置するようなものである場合、CARが発現し細胞傷害および/またはmAb枯渇について試験される時、スクリーニングが実施される。

0027

mAb特異的エピトープが、VH鎖とVL鎖との間に位置することが求められる時、スクリーニングは、CAR構築物の試験および/または一過性発現の前に、ファージディスプレイによって実施され得る。これは、細胞傷害および/またはmAb枯渇の一次試験のために十分である、mRNAのトランスフェクションによって得ることができる。

0028

いくつかの態様において、細胞外結合ドメインは、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のmAb特異的エピトープを含む。

0029

いくつかの態様において、細胞外結合ドメインは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のmAb特異的エピトープを含む。

0030

いくつかの態様において、細胞外結合ドメインは、1個、2個、または3個のmAb特異的エピトープを含む。

0031

いくつかの態様において、細胞外結合ドメインが数個のmAb特異的エピトープを含む時、mAb特異的エピトープは全て同一である。

0032

いくつかの態様において、細胞外結合ドメインが、数個のmAb特異的エピトープを含む時、mAb特異的エピトープは同一ではない。例えば、細胞外結合ドメインは、2個が同一であり第3のものが異なっている3個のmAb特異的エピトープを含んでいてよい。

0033

いくつかの態様において、細胞外結合ドメインは、VH、VL、および1個または複数個のmAb特異的エピトープ、好ましくは、1個、2個、または3個、より好ましくは、2個または3個のmAb特異的エピトープを含む。

0034

いくつかの態様において、細胞外結合ドメインは、以下の配列(N末端が左側に位置している):
V1-L1-V2-(L)x-エピトープ1-(L)x;V1-L1-V2-(L)x-エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x;V1-L1-V2-(L)x-エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x;(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-L1-V2;(L)x-エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-V1-L1-V2;エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x-V1-L1-V2;(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-L1-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x;(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-L1-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x;(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-L1-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x-エピトープ4-(L)x;(L)x-エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-V1-L1-V2-(L)x-エピトープ3-(L)x;(L)x-エピトープ1-(L)x-エピトープ2-(L)x-V1-L1-V2-(L)x-エピトープ3-(L)x-エピトープ4-(L)x;V1-(L)x-エピトープ1-(L)x-V2;V1-(L)x-エピトープ1-(L)x-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x;V1-(L)x-エピトープ1-(L)x-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x;V1-(L)x-エピトープ1-(L)x-V2-(L)x-エピトープ2-(L)x-エピトープ3-(L)x-エピトープ4-(L)x;(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-(L)x-エピトープ2-(L)x-V2;(L)x-エピトープ1-(L)x-V1-(L)x-エピトープ2-(L)x-V2-(L)x-エピトープ3-(L)x;V1-L1-V2-L-エピトープ1;V1-L1-V2-L-エピトープ1-L;V1-L1-V2-L-エピトープ1-L-エピトープ2;V1-L1-V2-L-エピトープ1-L-エピトープ2-L;V1-L1-V2-L-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3;V1-L1-V2-L-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-L;V1-L1-V2-エピトープ1;V1-L1-V2-エピトープ1-L;V1-L1-V2-エピトープ1-L-エピトープ2;V1-L1-V2-エピトープ1-L-エピトープ2-L;V1-L1-V2-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3;V1-L1-V2-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-L;エピトープ1-V1-L1-V2;エピトープ1-L-V1-L1-V2;L-エピトープ1-V1-L1-V2;L-エピトープ1-L-V1-L1-V2;エピトープ1-L-エピトープ2-V1-L1-V2;エピトープ1-L-エピトープ2-L-V1-L1-V2;L-エピトープ1-L-エピトープ2-V1-L1-V2;L-エピトープ1-L-エピトープ2-L-V1-L1-V2;エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-V1-L1-V2;エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-L-V1-L1-V2;L-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-V1-L1-V2;L-エピトープ1-L-エピトープ2-L-エピトープ3-L-V1-L1-V2;V1-L-エピトープ1-L-V2;L-エピトープ1-L-V1-L-エピトープ2-L-V2;V1-L-エピトープ1-L-V2-L-エピトープ2-L;V1-L-エピトープ1-L-V2-L-エピトープ2-L-エピトープ3;V1-L-エピトープ1-L-V2-L-エピトープ2-エピトープ3;V1-L-エピトープ1-L-V2-L-エピトープ2-L-エピトープ3-エピトープ4;L-エピトープ1-L-V1-L-エピトープ2-L-V2-L-エピトープ3-L;エピトープ1-L-V1-L-エピトープ2-L-V2-L-エピトープ3-L;L-エピトープ1-L-V1-L-エピトープ2-L-V2-L-エピトープ3;L-エピトープ1-L-V1-L1-V2-L-エピトープ2-L;L-エピトープ1-L-V1-L1-V2-L-エピトープ2-L-エピトープ3;L-エピトープ1-L-V1-L1-V2-L-エピトープ2-エピトープ3、またはエピトープ1-L-V1-L1-V2-L-エピトープ2-L-エピトープ3-エピトープ4
を含み、式中、
V1およびV2はScFvのVHおよびVLであり(即ち、V1がVLでありかつV2がVHであるか、またはV1がVHでありかつV2がVLであり);
L1は、ScFvのVH鎖をVL鎖へ連結するのに適当なリンカーであり;
Lは、リンカー、好ましくは、グリシン残基およびセリン残基を含むリンカーであり、細胞外結合ドメイン内のLの存在は、各々、同一の細胞外結合ドメイン内の他のLの存在と同一であってもよくまたは異なっていてもよく、かつ
xは0または1であり、xの存在は、各々、他のものとは独立であり;かつ
エピトープ1、エピトープ2、およびエピトープ3は、mAb特異的エピトープであり、同一であってもよくまたは異なっていてもよい。

0035

いくつかの態様において、細胞外結合ドメインは、以下の配列(N末端が左側に位置している):
VH-L1-VL-L-エピトープ1-L-エピトープ2-L;L-エピトープ1-L-VH-L-エピトープ2-L-VL-L-エピトープ3-L;VL-L1-VH-L-エピトープ1-L-エピトープ2-L;またはL-エピトープ1-L-VL-L-エピトープ2-L-VH-L-エピトープ3-L
を含み、式中、L、L1、エピトープ1、エピトープ2、およびエピトープ3は、前記定義の通りである。

0036

いくつかの態様において、L1は、グリシンおよび/またはセリンを含むリンカーである。いくつかの態様において、L1は、アミノ酸配列(Gly-Gly-Gly-Ser)nまたは(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)nを含むリンカーであり、式中、nは1、2、3、4、または5である。いくつかの態様において、L1は、(Gly4Ser)4または(Gly4Ser)3である。

0037

いくつかの態様において、Lは、フレキシブルリンカー、好ましくは、グリシンおよび/またはセリンを含むフレキシブルリンカーである。いくつかの態様において、Lは、

より選択されるアミノ酸配列を有する。いくつかの態様において、細胞外結合ドメインがLのいくつかの存在を含む時、Lは全て同一である。いくつかの態様において、細胞外結合ドメインがLのいくつかの存在を含む時、Lは全て同一ではない。いくつかの態様において、LはSGGGGSである。いくつかの態様において、細胞外結合ドメインは、Lのいくつかの存在を含み、Lは全てSGGGGSである。

0038

いくつかの態様において、エピトープ1、エピトープ2、およびエピトープ3は、同一であるかまたは異なっており、SEQID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:144、またはSEQ ID NO:174のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープより選択される。

0039

いくつかの態様において、エピトープ1、エピトープ2、およびエピトープ3は、同一であるかまたは異なっており、イブリツモマブチウキセタン、ムロモナブ-CD3、トシツモマブ、アブシキシマブ、バシリキシマブ、ブレンツキシマブベドチン、セツキシマブ、インフリキシマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セルトリズマブペゴル、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、ゲムツズマブ、ナタリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、ラニビズマブ、トシリズマブ、トラスツズマブ、ベドリズマブ、アダリムマブ、ベリムマブ、カナキヌマブ、デノスマブ、ゴリムマブ、イピリムマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、QBEND-10、およびウステキヌマブによって特異的に認識されるmAb特異的エピトープより選択される。

0040

いくつかの態様において、エピトープ1は、SEQID NO:35のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープである。

0041

いくつかの態様において、エピトープ2は、SEQID NO:35のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープである。

0042

いくつかの態様において、エピトープ3は、SEQID NO:35のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープである。

0043

いくつかの態様において、エピトープ4は、SEQID NO:35のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープである。

0044

いくつかの態様において、エピトープ2は、SEQID NO:35のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープであり、エピトープ3は、SEQ ID NO:144のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープである。

0045

いくつかの態様において、エピトープ1、エピトープ2、エピトープ3、およびエピトープ4のうちの一つは、CD34エピトープ、好ましくは、SEQID 144のエピトープである。

0046

いくつかの態様において、エピトープ1、エピトープ2、エピトープ3、およびエピトープ4のうちの一つは、CD34エピトープ、好ましくは、SEQID 144のエピトープであり、その他のmAb特異的エピトープは、CD20ミモトープ、好ましくは、SEQ ID NO:35のミモトープである。

0047

挿入されるmAb特異的エピトープ
本発明によると、キメラscFvに挿入されるエピトープは、細胞選別および/または細胞枯渇の過程のために使用されるモノクローナル抗体(mAb)に特異的である。

0048

好ましい態様において、キメラscFvに導入されるエピトープは、規制/安全性に関するNational Health Agenciesによる認可に基づき、mAb特異的エピトープ/エピトープ特異的mAb対の一部として選択される。そのような対は、以下の表1に提示される。

0049

(表1)薬学的に認可されたモノクローナル抗体およびそれらの抗原性標的のリスト

0050

(表2)本発明のCARの細胞外結合ドメインにおいて使用され得るmAb特異的エピトープ(および対応するmAb)の例、例えば、実施例1〜2において使用されるミモトープおよびエピトープならびに対応するmAbなど

0051

好ましい態様において、キメラscFvに導入されるエピトープは、CD20抗原、好ましくは、SEQID NO:35であり、選別および/または枯渇の目的のため、それを標的とするために使用される注入されるmAbは、リツキシマブである。

0052

いくつかの態様において、mAb特異的エピトープは、SEQID NO:35、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:144、またはSEQ ID NO:174のアミノ酸配列を有する。

0053

いくつかの態様において、本発明のCARの細胞外結合ドメインは、1個のSEQID NO:35のmAb特異的エピトープ、2個のSEQ ID NO:35のmAb特異的エピトープ、3個のSEQ ID NO:35のmAb特異的エピトープ、1個のSEQ ID NO:35のmAb特異的エピトープおよび1個のSEQ ID NO:144のmAb特異的エピトープ、2個のSEQ ID NO:35のmAb特異的エピトープおよび1個のSEQ ID NO:144のmAb特異的エピトープ、3個のSEQ ID NO:35のmAb特異的エピトープおよび1個のSEQ ID NO:144のmAb特異的エピトープを含む。

0054

別の態様によると、エピトープはミモトープである。エピトープの構造を模倣する高分子、しばしばペプチドとして、ミモトープは、従来のエピトープより小さいという利点を有し、従って、非コンフォメーション配列のために有益であり、CARのような長いポリペプチドにおいて再現するのがより容易であり得る。セツキシマブのための2種の10アミノ酸ペプチド(Riemer et al.,2005)またはパリビズマブのための24aa(Arbiza et al,1992)のような、数種の薬学的に認可されているmAbのためのミモトープが、公知である。これらのミモトープは、ファージディスプレイによって同定され得るため、同一のmAbについて、scFvを妨害しない配列を得るため、そのうちの数種を試みることが可能である。さらに、それらの使用は、補体依存性細胞傷害(CDC)を増強することができる。

0055

scFv
「細胞外リガンド結合ドメイン」という用語は、本明細書において使用されるように、リガンドと結合することができるオリゴペプチドまたはポリペプチドとして定義される。好ましくは、ドメインは、細胞表面分子相互作用することができるよう求められる。例えば、細胞外リガンド結合ドメインは、特定の疾患状態に関連した標的細胞上の細胞表面マーカーとして作用するリガンドを認識するよう選択され得る。従って、リガンドとして作用し得る細胞表面マーカーの例には、ウイルス感染、細菌感染、および寄生虫感染、自己免疫疾患、ならびにがん細胞に関連したものが含まれる。具体的には、細胞外リガンド結合ドメインには、標的の抗原に対する抗体に由来する抗原結合ドメインが含まれ得る。非限定的な例として、標的の抗原は、前記の腫瘍関連表面抗原であり得る。いくつかの態様において、細胞外結合ドメインは、前記の細胞外リガンド結合ドメインである。本発明によると、細胞外リガンド結合ドメインは、標的抗原特異的モノクローナル抗体の軽鎖(VL)および重鎖(VH)の可変断片ならびにmAbエピトープ特異的抗原を含む単鎖抗体断片(scFv)である。いくつかの態様において、細胞外結合ドメインは、細胞表面標的抗原に特異的なモノクローナル抗体の軽鎖(VL)および重鎖(VH)の可変断片を含む単鎖抗体断片(scFv)を含む。

0056

非限定的な例として、ラクダシングルドメイン抗体断片血管内皮増殖因子ポリペプチド、インテグリン結合ペプチドヘレグリン、もしくはIL-13ムテインのような受容体リガンド抗体結合ドメイン、抗体超可変ループ、またはCDRのような、scFv以外の結合ドメインも、リンパ球の予め定義されたターゲティングのために使用され得る。

0057

別の態様において、細胞外結合ドメインは、DARPin(designed ankyrin repeat protein)であってもよい。DARPinとは、典型的には、高度に特異的な高親和性標的タンパク質結合を示す、遺伝学的に改変された抗体模倣タンパク質である。それらは、天然アンキリンタンパク質に由来し、これらのタンパク質のリピートモチーフを少なくとも3個、一般的には、4個または5個、含む。DARPinは、高い親和性および特異性で所定の標的タンパク質に結合するよう選択され得る小さいシングルドメインタンパク質である(Epa,Dolezal et al.2013;Friedrich,Hanauer et al.2013;Jost,Schilling et al.2013)。本発明によると、DARPinは、複数の抗原認識部位を含むよう改変され得る。従って、DARPinは、一連の連続する異なる抗原および独特の抗原を認識するために使用され得る。従って、本発明は、免疫細胞を準備する工程、および少なくとも1種の特異的リガンド、好ましくは、2種の特異的リガンドを認識することができる設計アンキリン反復タンパク質を含むキメラ抗原受容体を、免疫細胞の表面に発現させる工程を含む方法に関する。

0058

非限定的な例として、細胞外結合ドメイン、好ましくは、ScFvによって認識される標的のリガンドまたは抗原は、腫瘍関連表面抗原、例えば、ErbB2(HER2/neu)、がん胎児性抗原(CEA)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、EGFRバリアントIII(EGFRvIII)、CD19、CD20、CD30、CD40、ジシアロガングリオシドGD2、GD3、C型レクチン様分子1(CLL-1)、乳管上皮ムチン、gp36、TAG-72、スフィンゴ糖脂質、神経膠腫関連抗原、βヒト絨毛性ゴナドトロピン、αフェトプロテイン(AFP)、レクチン反応性AFP、チログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、変異hsp70-2、M-CSF、プロスターゼ(prostase)、プロスターゼ特異抗原(PSA)、PAP、NY-ESO-1、LAGA-1a、p53、プロステイン(prostein)、PSMA、サバイビンおよびテロメラーゼ、前立腺がん腫瘍抗原1(PCTA-1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼ、エフリンB2、CD22、インスリン増殖因子(IGF1)-I、IGF-II、IGFI受容体、メソテリン、腫瘍特異的ペプチドエピトープを提示する主要組織適合性複合体(MHC)分子、5T4、ROR1、Nkp30、NKG2D、腫瘍間質抗原、フィブロネクチンのエクストラドメインA(EDA)およびエクストラドメインB(EDB)、ならびにテネイシンCのA1ドメイン(TnC A1)、ならびに繊維芽細胞関連タンパク質(fap)、LRP6、メラノーマ関連コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(MCSP)、CD38/CS1、MART1、WT1、MUC1、LMP2、イディオタイプ、NY-ESO-1、Ras変異体、gp100、プロテイナーゼ3、bcr-abl、チロシナーゼ、hTERT、EphA2、ML-TAP、ERG、NA17、PAX3、ALK、アンドロゲン受容体;CD3、CD4、CD8、CD24、CD25、CD33、CD34、CD70、CD79、CD116、CD117、CD135、CD123、CD133、CD138、CTLA-4、B7-1(CD80)、B7-2(CD86)、エンドグリン、主要組織適合性複合体(MHC)分子、BCMA(CD269、TNFRSF17)、FLT-3のような系統特異的もしくは組織特異的な抗原、または(HIVgp120のような)HIV特異的抗原;EBV特異的抗原、CMV特異的抗原、HPV特異的抗原、ラッセ(Lasse)ウイルス特異的抗原、インフルエンザウイルス特異的抗原のようなウイルス特異的表面抗原、ならびにこれらの表面マーカーの任意の誘導体もしくはバリアントであり得る。具体的な場合において、キメラ抗原受容体が認識するリガンドは、標的細胞、特に、がん細胞またはウイルス細胞の表面上に存在する。いくつかの態様において、キメラ抗原受容体が認識するリガンドは、腫瘍微小環境に存在する。本発明のいくつかの局面において、キメラ抗原受容体が認識するリガンドは、増殖因子である。

0059

一つの好ましい態様において、VH鎖およびVL鎖は、SEQID NO:43(CD19抗原)、SEQ ID NO:44(CD38抗原)、SEQ ID NO:45(CD123抗原)、SEQ ID NO:46(CS1抗原)、SEQ ID NO:47(BCMA抗原)、SEQ ID NO:48(FLT-3抗原)、SEQ ID NO:49(CD33抗原)SEQ ID NO:50(CD70抗原)、SEQ ID NO:51(EGFR-3v抗原)、SEQ ID NO:52(WT1抗原)と、80%超、好ましくは、90%超、より好ましくは、95%超の同一性を有する抗原性標的配列を有する。

0060

一つのより好ましい態様において、VH鎖およびVL鎖は、下記表3のようなSEQID NO:53〜64(CD19抗原)、SEQ ID NO:65〜76(CD33抗原)、SEQ ID NO:77〜84(5T4抗原)、SEQ ID NO:85〜90(ROR1抗原)、SEQ ID NO:91〜94(EGFRvIII抗原)、SEQ ID NO:95〜102(BCMA抗原)、SEQ ID NO:103〜112(CS1抗原)、およびSEQ ID NO:113〜124(CD123抗原)と、80%超、好ましくは、90%超、より好ましくは、95%超の同一性を有するか、またはそれらと同一である抗原性標的配列を有する。

0061

いくつかの態様において、細胞外結合ドメイン、好ましくは、ScFvによって認識される抗原は、SEQID NO:43(CD19抗原)、SEQ ID NO:44(CD38抗原)、SEQ ID NO:45(CD123抗原)、SEQ ID NO:46(CS1抗原)、SEQ ID NO:47(BCMA抗原)、SEQ ID NO:48(FLT-3抗原)、SEQ ID NO:49(CD33抗原)SEQ ID NO:50(CD70抗原)、SEQ ID NO:51(EGFR-3v抗原)、またはSEQ ID NO:52(WT1抗原)より選択される。

0062

いくつかの態様において、細胞外結合ドメインは、
SEQID NO:65のVHおよびSEQ ID NO:66のVL;SEQ ID NO:67のVHおよびSEQ ID NO:68のVL;SEQ ID NO:69のVHおよびSEQ ID NO:70のVL;SEQ ID NO:71のVHおよびSEQ ID NO:72のVL;SEQ ID NO:77のVHおよびSEQ ID NO:78のVL;SEQ ID NO:79のVHおよびSEQ ID NO:80のVL;
SEQ ID NO:81のVHおよびSEQ ID NO:82のVL;SEQ ID NO:83のVHおよびSEQ ID NO:84のVL;SEQ ID NO:85のVHおよびSEQ ID NO:86のVL;SEQ ID NO:87のVHおよびSEQ ID NO:88のVL;SEQ ID NO:89のVHおよびSEQ ID NO:90のVL;SEQ ID NO:91のVHおよびSEQ ID NO:92のVL;SEQ ID NO:93のVHおよびSEQ ID NO:94のVL;SEQ ID NO:95のVHおよびSEQ ID NO:96のVL;SEQ ID NO:97のVHおよびSEQ ID NO:98のVL;SEQ ID NO:99のVHおよびSEQ ID NO:100のVL;SEQ ID NO:101のVHおよびSEQ ID NO:102のVL;SEQ ID NO:103のVHおよびSEQ ID NO:104のVL;SEQ ID NO:105のVHおよびSEQ ID NO:106のVL;SEQ ID NO:107のVHおよびSEQ ID NO:108のVL;SEQ ID NO:109のVHおよびSEQ ID NO:110のVL;SEQ ID NO:111のVHおよびSEQ ID NO:112のVL;SEQ ID NO:113のVHおよびSEQ ID NO:114のVL;SEQ ID NO:115のVHおよびSEQ ID NO:116のVL;SEQ ID NO:117のVHおよびSEQ ID NO:118のVL;SEQ ID NO:119のVHおよびSEQ ID NO:120のVL;SEQ ID NO:121のVHおよびSEQ ID NO:122のVL;SEQ ID NO:123のVHおよびSEQ ID NO:124のVL;SEQ ID NO:170のVHおよびSEQ ID NO:171のVL;SEQ ID NO:172のVHおよびSEQ ID NO:173のVL;またはSEQ ID NO:174のVHおよびSEQ ID NO:175のVL
を含む。

0063

(表3)CD19抗原、CD33抗原、5T4抗原、ROR1抗原、EGFRvIII抗原、BCMA抗原、CS1抗原、およびCD123抗原を標的とするscFvのVH鎖およびVL鎖のリスト

0064

別の好ましい態様において、VH鎖およびVL鎖は、SEQID NO:11(CD20抗原)と、80%超、好ましくは、90%超、より好ましくは、95%超の同一性を有するエピトープ標的配列を有する。

0065

細胞外リガンド結合ドメインには、標的の抗原に結合するペプチド、標的の抗原に結合する抗体に結合するペプチドもしくはタンパク質、標的上の受容体に結合する非限定的な例としての増殖因子、サイトカイン、もしくホルモンのようなペプチドリガンドもしくはタンパク質リガンド、または標的上のペプチドリガンドもしくタンパク質リガンドに結合する非限定的な例としての増殖因子受容体サイトカイン受容体、もしくはホルモン受容体のような受容体に由来するドメインも含まれ得る。好ましくは、標的は、細胞またはウイルスである。

0066

CARの抗原結合ドメインは、モノクローナル抗体、組換え抗体ヒト抗体ヒト化抗体、およびその機能性断片を含むが、これらに限定されるわけではない、細胞標的抗原に結合する任意のドメインであり得る。

0067

ヒト化抗体は、CDRグラフティング(例えば、各々参照によってその全体が本明細書に組み入れられる、欧州特許番号EP 239,400;国際公開番号WO 91/09967;ならびに米国特許第5,225,539号、第5,530,101号、および第5,585,089号を参照すること)、ベニヤリング(veneering)またはリサーフェイシング(resurfacing)(例えば、各々参照によってその全体が本明細書に組み入れられる、欧州特許番号EP 592,106およびEP 519,596;Padlan,1991,Molecular Immunology,28(4/5):489-498;Studnicka et al.,1994,Protein Engineering,7(6):805-814;ならびにRoguska et al.,PNAS,91:969-973を参照すること)、チェーンシャフリング(chain shuffling)(例えば、参照によってその全体が本明細書に組み入れられる、米国特許第5,565,332号を参照すること)、ならびに、例えば、各々参照によってその全体が本明細書に組み入れられる、米国特許出願公開番号US2005/0042664、米国特許出願公開番号US2005/0048617、米国特許第6,407,213号、米国特許第5,766,886号、国際公開番号WO 9317105、Tan et al.,J.Immunol.,169:1119-25(2002)、Caldas et al.,Protein Eng.,13(5):353-60(2000)、Morea et al.,Methods,20(3):267-79(2000)、Baca et al.,J.Biol.Chem.,272(16):10678-84(1997)、Roguska et al.,Protein Eng.,9(10):895-904(1996)、Couto et al.,Cancer Res.,55(23 Supp):5973s-5977s(1995)、Couto et al.,Cancer Res.,55(8):1717-22(1995)、Sandhu J S,Gene,150(2):409-10(1994)、およびPedersen et al.,J.Mol.Biol.,235(3):959-73(1994)に開示された技術を含むが、これらに限定されるわけではない、当技術分野において公知の多様な技術を使用して作製され得る。しばしば、抗原結合を改変するため、例えば、改善するため、フレームワーク領域内のフレームワーク残基が、CDRドナー抗体に由来する対応する残基に置換されるであろう。これらのフレームワーク置換は、当技術分野において周知の方法によって、例えば、抗原結合にとって重要なフレームワーク残基を同定するためのCDRおよびフレームワークの残基の相互作用のモデル化、ならびに特定の位置における稀なフレームワーク残基を同定するための配列比較によって、同定される。(例えば、参照によってその全体が本明細書に組み入れられる、Queenらの米国特許第5,585,089号;およびRiechmann et al.,1988,Nature,332:323を参照すること)。

0068

本発明によると、scFvは、ヒトコブラクダ、ラクダ、ラマアルパカ、またはサメの免疫によって得ることができるナノボディ(天然シングルドメイン抗体)であってもよい。

0069

キメラscFv内のリンカー
scFvリンカー改変のフレキシビリティを、表面カップリング化学(例えば、静電気的な、水素結合性の、または共有結合性の付着)の固有の迅速で適応可能な特徴と組み合わることができる。ペプチドリンカーは、10〜25アミノ酸長で変動することができ、典型的には、グリシン(G)およびセリン(S)のような親水性アミノ酸から構成されるが、必ずしもそうではない。より短い長さ(0〜4アミノ酸)のペプチドリンカーも使用されている。しかしながら、より短いリンカーを保持するscFvは、多量体を形成することができる。一般に、(GGGGS)3ペプチドがscFvペプチドリンカーとして使用される。[(GGGGS)3リンカーと表記される]この15アミノ酸リンカー配列は、Amershamから市販されている組換えファージ抗体系(RPASキット)において使用される。以前の研究は、scFvペプチドリンカーの中に金属結合アミノ酸(即ち、システインまたはヒスチジン)を含有しているscFvs(MWおよそ27000)を、有利な抗原結合方向で、高密度に、金表面に直接固定化することができ、それが、有意に、それぞれ、完全IgGまたはFab抗体断片より3〜5倍、アッセイ感度を増加させることを証明した(Shen Z,Mernaugh RL,Yan H,Yu L,Zhang Y,Zeng X.Anal.Chem.2005;77:6834-6842;Shen Z,Stryker GA,Mernaugh RL,Yu L,Yan H,Zeng X.Anal.Chem.2005;77:797-805)。

0070

本発明において適当な他のリンカーには、15アミノ酸長ペプチドリンカー(RGRGRGRGRSRGGGS)が含まれる(Zhihong Shen,HepingYan,Ying Zhang,Raymond L.Mernaugh,and Xiangqun Zeng(2008),Anal Chem.80(6):1910-1917)。

0071

いくつかの態様において、scFvに関して使用される「リンカー」とは、重鎖可変領域軽鎖可変領域とを共に連結するため、単独で、または組み合わせて使用される、グリシン残基および/またはセリン残基のようなアミノ酸からなるペプチドリンカーをさす。一つの態様において、フレキシブルポリペプチドリンカーは、グリシン/セリンリンカーであり、アミノ酸配列(Gly-Gly-Gly-Ser)nまたは(Gly-Gly-Gly-Gly-Ser)nを含み、式中、nは1以上の正の整数である。例えば、n=l、n=2、n=3、n=4、n=5、n=6、n=7、n=8、n=9、およびn=10である。一つの態様において、フレキシブルポリペプチドリンカーには、(Gly4Ser)4または(Gly4Ser)3が含まれるが、これらに限定されるわけではない。別の態様において、リンカーには、(GlySer)、(Gly2Ser)、または(Gly5Ser)の複数のリピートのような(GlyxSer)nの複数のリピートが含まれ、式中、x=l、2、3、4、または5であり、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である。参照によって本明細書に組み入れられるWO2012/138475に記載されたリンカーも、本発明の範囲内に含まれる。

0072

キメラ抗原受容体(CAR)
本発明によるCARは、操作された免疫細胞が、病理学的な細胞、特に、悪性細胞破壊を誘発することを可能にするよう求められる。それらは、単鎖または多鎖の構成によって設計され得る。いくつかの態様において、細胞外リガンド結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内シグナリングドメインは、1個のポリペプチド、即ち、単鎖の中に存在する。多鎖構成は、より具体的には、WO2014039523に開示されている。

0073

多鎖CARは、典型的には、
少なくとも1個の細胞外リガンド結合ドメインを含む1個の膜貫通ポリペプチド;および
少なくとも1個のシグナル伝達ドメインを含む1個の膜貫通ポリペプチド
のような異なるポリペプチドから形成される。

0074

シグナリングポリペプチドは、操作された免疫細胞の正常な機能のうちの少なくとも一つの活性化を担う。例えば、T細胞の機能は、細胞溶解活性、またはサイトカインの分泌を含むヘルパー活性であり得る。従って、「シグナリングタンパク質」という用語は、伝達ドメインの機能シグナルを伝達し、専門の機能を果たすよう細胞に指図するタンパク質をさす。具体的な態様において、伝達ドメインはシグナリングタンパク質であり得る。シグナルの伝達は、タンパク質/タンパク質相互作用、タンパク質/DNA相互作用、タンパク質/RNA相互作用、タンパク質/低分子相互作用翻訳タンパク質修飾コンフォメーション変化、細胞内再局在に起因し得る。

0075

シグナリングタンパク質は、核内の遺伝子を活性化することができる。シグナリングタンパク質の例は、活性化T細胞においてインターロイキン2プロモーターに結合することができる誘導可能因子であるNFAT転写因子ファミリーメンバーであり得る。NFATタンパク質の制御は、カルシウムカルシニューリン、およびホーマー足場タンパク質のような代謝物質およびタンパク質を含む。シグナリングタンパク質は、カルシニューリンおよびホーマータンパク質による制御を回避するNFATの活性化された改変型であってよい。シグナリングタンパク質は、Iκbによる細胞質への隔離を回避してT細胞の活性化を可能にするよう改変されたNFκBであってもよい。シグナリングタンパク質は、3種のIKKサブユニット(IKKα、IKKβ、IKKγ)の発現であってもよい。再構成されたIKK複合体は、IκBのユビキチン化を誘発することによってNFκB経路を活性化した。JNKシグナリングの活性化も、シグナリングタンパク質AP-1(転写因子)の直接発現を通して誘発され得る。シグナリングタンパク質は、NFATおよびNF-kbと同一の遺伝子を特異的に標的とし、その転写を活性化する改変されたTALエフェクター(TALE)結合ドメインであってもよい。

0076

本発明によると、シグナリングタンパク質は、タンパク質間相互作用を通してシグナリング経路阻害することができるか、またはシグナリング経路を阻害するよう核内の遺伝子を活性化することができる。シグナリングタンパク質は、細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)シグナリングタンパク質を脱リン酸不活化するマイトジェン活性化プロテインキナーゼホスファターゼ(MKP)ファミリーのメンバー、ワクシニアH1関連タンパク質(VHR)であってもよい。

0077

本発明によると、CARにおいて使用するためのシグナル伝達ドメインは、抗原受容体会合後のシグナル伝達を開始するために協調的に作用するT細胞受容体およびコレセプターの細胞質配列、ならびに同一の機能的能力を有するこれらの配列の誘導体またはバリアントおよび合成配列であってもよい。シグナル伝達ドメインには、細胞質シグナリング配列の2種の別個クラス(抗原依存性の一次活性化を開始するもの、および二次的または共刺激的なシグナルを提供するために抗原非依存的に作用するもの)が含まれる。

0078

具体的な態様において、本発明のCARのシグナル伝達ドメインは、共刺激シグナル分子を含む。共刺激分子とは、効率的な免疫応答のために必要とされる、抗原受容体またはそのリガンド以外の細胞表面分子である。

0079

共刺激リガンド」とは、T細胞上の同族共刺激分子に特異的に結合し、それによって、例えば、ペプチドが負荷されたMHC分子とのTCR/CD3複合体の結合によって提供される一次シグナルに加えて、増殖活性化、分化等を含むが、これらに限定されるわけではないT細胞応答を媒介するシグナルを提供する抗原提示細胞上の分子をさす。「共刺激分子」とは、共刺激リガンドと特異的に結合し、それによって、これに限定されるわけではないが、増殖のような、細胞による共刺激応答を媒介するT細胞上の同族結合パートナーをさす。共刺激分子には、MHCクラスI分子、BTLA、およびTollリガンド受容体が含まれるが、これらに限定されるわけではない。

0080

例えば、多鎖CARは、Fc受容体、好ましくは、FcεRIの構造に由来し、以下の成分のうちの少なくとも2種を含んでいてよい:
(a)細胞外リガンド結合ドメインに融合されたFcRIα鎖の膜貫通ドメインを含む1個のポリペプチド、
(b)FcRIβ鎖の膜貫通ドメインに融合されたN末端およびC末端細胞質テールの一部を含む1個のポリペプチド、ならびに/または
(c)細胞質内テールおよび/もしくはFcRIγ鎖の膜貫通ドメインの一部を各々含む2個の付加的なポリペプチド。

0081

一般に、これらの異なるポリペプチドは、自然に共に多量体形成して、細胞表面において膜近傍の位置に発生する二量体構造三量体構造、または四量体構造を形成する。

0082

いくつかの態様において、本発明は、先行技術、およびUS7446190、WO2008/121420、US8252592、US20140024809、WO2012/079000、WO2014153270、WO2012/099973、WO2014/011988、WO2014/011987、WO2013/067492、WO2013/070468、WO2013/040557、WO2013/126712、WO2013/126729、WO2013/126726、WO2013/126733、US8399645、US20130266551、US20140023674、WO2014039523、US7514537、US8324353、WO2010/025177、US7446179、WO2010/025177、WO2012/031744、WO2012/136231A1、WO2012/050374A2、WO2013074916、WO/2009/091826A3、WO2013/176915、またはWO/2013/059593のいずれかにおいてよく定義されている単鎖CARを含む免疫細胞に関する。

0083

いくつかの態様において、本発明は、
細胞外ドメイン、
膜貫通ドメイン、および
細胞内ドメイン
を含むCARに関し、該細胞外ドメインは、
抗原、好ましくは、細胞表面マーカー抗原に特異的なVH鎖およびVL鎖によって少なくとも形成されたscFvを含む少なくとも1個の細胞外結合ドメイン、ならびに
ヒンジ
を含み、該細胞外結合ドメインは、少なくとも1個のmAb特異的エピトープを含む。

0084

一つの態様において、膜貫通ドメインは、T細胞受容体のα鎖、β鎖、もしくはζ鎖、PD-1、4-1BB、OX40、ICOS、CTLA-4、LAG3、2B4、BTLA4、TIM-3、TIGIT、SIRPA、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、またはCD154の膜貫通領域を含む。

0085

他の態様において、ヒンジはIgG4ヒンジまたはCD8αヒンジであり、好ましくはCD8αヒンジである。

0086

適切な膜貫通ドメインの特徴的な特色には、細胞、本発明において、好ましくは、免疫細胞、具体的には、リンパ球またはナチュラルキラー(NK)細胞の表面において発現され、予め定義された標的細胞に対する免疫細胞の細胞応答を指図するために共に相互作用する能力が含まれる。膜貫通ドメインは、天然起源に由来してもよいしまたは合成起源に由来してもよい。膜貫通ドメインは、膜結合型タンパク質または膜貫通タンパク質に由来してよい。非限定的な例として、膜貫通ポリペプチドは、α、β、γ、またはδのようなT細胞受容体のサブユニット、CD3複合体を構成するポリペプチド、IL2受容体p55(α鎖)、p75(β鎖)、またはγ鎖、Fc受容体、具体的には、Fcγ受容体IIIのサブユニット鎖、またはCDタンパク質であってよい。あるいは、膜貫通ドメインは、合成であってもよく、ロイシンおよびバリンのような疎水性の残基を主に含んでいてもよい。好ましい態様において、膜貫通ドメインは、ヒトCD8α鎖(例えば、NP_001139345.1)に由来する。膜貫通ドメインは、CD8膜貫通ドメイン(α鎖およびβ鎖)であってもよい。膜貫通ドメインは、強制的な異種二量体または同種二量体を作製するため、操作されていてもよい。具体的な態様において、CARは、リガンド認識の後にのみ二量体を形成することができる膜貫通ドメインまたは細胞内ドメインを含んでいてよい。膜貫通ドメインの別の例は、NKG2-D受容体であり得る。NKG2D(ナチュラルキラー細胞2D群)は、NK細胞、γδ-TcR+T細胞、およびCD8+αβ-TcR+T細胞において発現されるC型レクチン様受容体である(Bauer,Groh et al.,1999,Science 285(5428):727-9)。NKG2Dは、PI-3キナーゼのp85サブユニットにその細胞質ドメインが結合する膜貫通アダプタータンパク質DAP10に関連している(Wu,Song et al.1999,Science 285(5428):730-2)。

0087

膜貫通ドメインは、インテグリンであってもよい。インテグリンは、全ての白血球において発現されるLFA-1(インテグリンリンパ球機能関連抗原1)を共に形成するα鎖およびβ鎖から構成される異種二量体膜内在性タンパク質である。LFA-1は、リガンドICAM 1〜3(細胞間接着分子1〜3)との相互作用を通して白血球細胞間接着において中心的な役割を果たし、リンパ球共刺激シグナリングにおいても重要な役割を有する(Chen and Flies 2013,Nat Rev Immunol 13(4):227-42)。LAF-1とその免疫グロブリンICAM-1との結合の分子的詳細は、周知であり、LAF-1結合部位慎重な操作を可能にしている。ICAM-1に対するαLドメインの親和性は、LAF-1における特異的ループの改変にコンフォメーション的に関連しているC末端ヘリックスの置換によって制御される。活性コンフォメーションおよび低コンフォメーションは、500倍および10,000倍異なる。LFA-1のための二つの型のアンタゴニストが公知であり、作用機序が公知であることに注目することも興味深い。インテグリン細胞表面接着受容体は、外部から内部へのみならず、その逆にも、シグナルを伝達することができる。内部から外部にメッセージを送るためにインテグリンテールLFA-1に結合するタリンのような細胞骨格タンパク質が存在する。

0088

一つの態様によると、膜貫通ドメインは、PD-1の膜貫通領域またはCD8αの膜貫通領域を含む。

0089

本発明の一つの局面において、膜貫通ドメインは、ヒンジ、例えば、ヒトタンパク質由来のヒンジを介して、CARの細胞外ドメインに付着させられる。例えば、一つの態様において、ヒンジは、ヒトIg(免疫グロブリン)ヒンジ、例えば、PD-1ヒンジ、IgG4ヒンジ、またはCD8αヒンジであり得る。

0090

好ましい態様において、CARのヒンジは、ヒト免疫グロブリンヒンジである。より好ましい態様において、CARのヒンジは、IgG4ヒンジまたはCD8αヒンジである。いくつかの態様において、ヒンジは、FcγRIIIαヒンジである。いくつかの態様において、ヒンジは、CD8αヒンジである。いくつかの態様において、ヒンジは、SEQD NO:179、180、または181に示されるアミノ酸配列と、少なくとも約70%、好ましくは、少なくとも80%、より好ましくは、少なくとも90%、95%、97%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するCD8αヒンジである。

0091

本明細書において使用される「ヒンジ領域」(ストーク領域とも呼ばれる)という用語は、一般に、膜貫通ドメインを細胞外リガンド結合ドメインに連結するために機能するオリゴペプチドまたはポリペプチドを意味する。具体的には、ストーク領域は、細胞外リガンド結合ドメインについて、より多くのフレキシビリティおよび到達可能性を提供するために使用される。ストーク領域は、300個までのアミノ酸、好ましくは、10〜100個のアミノ酸、最も好ましくは、25〜50個のアミノ酸を含んでいてよい。ストーク領域は、CD8、CD4、CD28、もしくはRTKの細胞外領域の全部もしくは一部、または抗体定常領域の全部もしくは一部のような、天然に存在する分子の全部または一部に由来し得る。あるいは、ストーク領域は、天然に存在するストーク配列に相当する合成配列であってもよいし、または完全に合成のストーク配列であってもよい。

0092

(本明細書において「細胞質シグナリングドメイン」または「細胞内シグナリングドメイン」とも呼ばれる)細胞内ドメインは、以下に定義される刺激分子に由来する機能性シグナリングドメインを含む。いくつかの態様において、刺激分子は、T細胞受容体複合体に関連したζ鎖である。いくつかの態様において、細胞質シグナリングドメインは、以下に定義される少なくとも1種の共刺激分子に由来する1個または複数個の機能性シグナリングドメインをさらに含む。いくつかの態様において、共刺激分子は、4-1BB(即ち、CD137)、CD27、および/またはCD28より選択される。

0093

「刺激分子」という用語は、T細胞シグナリング経路の少なくともいくつかの局面について、TCR複合体の正の活性化を刺激に応じて制御する正の細胞質シグナリング配列を提供する、T細胞によって発現される分子をさす。いくつかの態様において、正のシグナルは、例えば、ペプチドが負荷されたMHC分子とのTCR/CD3複合体の結合によって開始され、増殖、活性化、分化等を含むが、これらに限定されるわけではない、T細胞応答の媒介に至る。刺激に応じて作用する(「正のシグナリングドメイン」または正の細胞内シグナリングドメインとも呼ばれる)正の細胞質シグナリング配列は、免疫受容活性化チロシンモチーフまたはITAMとして公知のシグナリングモチーフを含有していてよい。ITAMを含有している正の細胞質シグナリング配列の例には、TCRζ(またはCD3ζ)、FcRγ、FcRβ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD5、CD22、CD79a、CD79b、(「ICOS」としても公知の)CD278、およびCD66dに由来するものが含まれるが、これらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、CARの細胞内シグナリングドメインには、SEQID NO:175に示されるアミノ酸配列と、少なくとも約70%、好ましくは、少なくとも80%、より好ましくは、少なくとも90%、95%、97%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するCD3ζシグナリングドメインが含まれ得る。

0094

いくつかの局面において、CARの細胞内シグナリングドメインは、CAR含有細胞の免疫エフェクター機能を促進するシグナルを生成する。例えば、CAR T細胞における免疫エフェクター機能の例には、細胞溶解活性およびサイトカインの分泌を含むヘルパー活性が含まれる。

0095

「共刺激分子」という用語は、共刺激リガンドに特異的に結合し、それによって、これに限定されるわけではないが、増殖のようなT細胞による共刺激応答を媒介する、T細胞上の同族結合パートナーをさす。共刺激分子は、効率的な免疫応答のために必要とされる、抗原受容体またはそのリガンド以外の細胞表面分子である。共刺激分子には、MHCクラスI分子、BTLA、およびTollリガンド受容体、ならびにOX40、CD2、CD27、CD28、CDS、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、および4-1BB(CD137)が含まれるが、これらに限定されるわけではない。

0096

共刺激細胞内シグナリングドメインは、共刺激分子の細胞内部分であり得る。共刺激分子は、以下のタンパク質ファミリーのものであり得る:TNF受容体タンパク質免疫グロブリン様タンパク質、サイトカイン受容体、インテグリン、シグナリングリンパ球活性化分子SLAMタンパク質)、および活性化NK細胞受容体。そのような分子の例には、CD27、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、GITR、CD30、CD40、ICOS、BAFFR、HVEM、リンパ球機能関連抗原1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、SLAMF7、NKp80、CD160、B7-H3、およびCD83に特異的に結合するリガンド等が含まれる。いくつかの態様において、本発明のCARの細胞内シグナリングドメインは、SEQID NO:176およびSEQ ID NO:177に示されるアミノ酸配列と、少なくとも70%、好ましくは、少なくとも80%、より好ましくは、少なくとも90%、95%、97%、または99%の配列同一性を含むアミノ酸配列を含む。

0097

(表4)CAR成分の例示的な配列

0098

CARおよびそれらを含む免疫細胞は、広範囲に開示されており、公知の方法によって当業者によって調製され得る。例えば、CARおよびそのようなCARを含む細胞を調製する方法論は、全て、参照によってその全体が本明細書に組み入れられる、US7446190、WO2008/121420、US8252592、US20140024809、WO2012/079000、WO2014153270、WO2012/099973、WO2014/011988、WO2014/011987、WO2013/067492、WO2013/070468、WO2013/040557、WO2013/126712、WO2013/126729、WO2013/126726、WO2013/126733、US8399645、US20130266551、US20140023674、WO2014039523、US7514537、US8324353、WO2010/025177、US7446179、WO2010/025177、WO2012/031744、WO2012/136231A1、WO2012/050374A2、WO2013074916、WO2009/091826A3、WO2013/176915、またはWO/2013/059593に開示されている。

0099

本発明は、前記定義のCARをコードする配列を含む組換えDNA構築物を包含し、該CARは、細胞標的抗原に特異的に結合する抗体断片のような細胞外ドメインを含み、該細胞外ドメインの配列は、膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインをコードする核酸配列に隣接しており同一のリーディングフレームにある。例示的なCAR構築物は、任意のリーダー配列、細胞外細胞標的抗原結合ドメイン、ヒンジ、膜貫通ドメイン、および細胞内阻害性シグナリングドメインを含んでいてよい。

0100

いくつかの態様において、本発明は、前記定義のCARをコードする配列を含む組換えDNA構築物に関する。いくつかの態様において、CARは、
細胞外ドメイン、
膜貫通ドメイン、および
細胞内ドメイン
を含み、該細胞外ドメインは、
細胞表面マーカー抗原に特異的なVH鎖およびVL鎖によって少なくとも形成されたscFvを含む少なくとも1個の細胞外結合ドメイン、ならびに
ヒンジ
を含み、該細胞外結合ドメインは、CARを発現するT細胞のインビトロ細胞選別および/またはインビボ細胞枯渇のためのエピトープ特異的mAbが結合する少なくとも1個のmAb特異的エピトープを含む。

0101

CAR陽性免疫細胞を選別する方法
一つの局面によると、本発明は、CARを発現する細胞のみを収集するため、操作された免疫細胞の集団を、抗原特異的抗体(好ましくは、モノクローナルAb)と接触させる工程を含む、CAR発現免疫細胞をインビトロで選別する方法に関する。

0102

いくつかの態様において、本発明は、
CAR発現免疫細胞のみを収集するため、免疫細胞の集団を、mAb特異的エピトープに特異的なモノクローナル抗体と接触させる工程
を含む、CAR発現免疫細胞をインビトロで選別するための方法に関し、該CARは、前記の少なくとも1個のmAb特異的エピトープを含む少なくとも1個の細胞外結合ドメインを含む。

0103

いくつかの態様において、本発明は、CAR発現免疫細胞が濃縮されている細胞の集団を得るため、
免疫細胞の集団を、mAb特異的エピトープに特異的なモノクローナル抗体(エピトープ特異的mAb)と接触させる工程;
モノクローナル抗体に結合する細胞を選択する工程
を含む、CAR発現免疫細胞をインビトロで選別するための方法に関し、該CARは、少なくとも1個のmAb特異的エピトープを含む少なくとも1個の細胞外結合ドメインを含む。

0104

いくつかの態様において、mAb特異的エピトープに特異的なモノクローナル抗体は、フルオロフォアにコンジュゲートされ、モノクローナル抗体に結合する細胞を選択する工程は、蛍光活性化細胞選別(FACS)によって行われる。

0105

いくつかの態様において、mAb特異的エピトープに特異的なモノクローナル抗体は、磁性粒子にコンジュゲートされ、モノクローナル抗体に結合する細胞を選択する工程は、磁気活性化細胞選別(MACS)によって行われる。

0106

いくつかの態様において、CARの細胞外結合ドメインは、SEQID NO:144のmAb特異的エピトープを含む。

0107

いくつかの態様において、CARの細胞外結合ドメインは、SEQID NO:144のmAb特異的エピトープを含み、かつ免疫細胞の集団を接触させるために使用される抗体は、QBEND-10である。

0108

いくつかの態様において、CARの細胞外結合ドメインは、SEQID NO:35のmAb特異的エピトープを含む。

0109

いくつかの態様において、CARの細胞外結合ドメインは、SEQID NO:35のmAb特異的エピトープを含み、かつ免疫細胞の集団を接触させるために使用される抗体は、リツキシマブである。

0110

いくつかの態様において、前記のCAR発現免疫細胞をインビトロで選別する方法を使用した時に得られるCAR発現免疫細胞の集団は、CAR発現免疫細胞を少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%含む。いくつかの態様において、前記のCAR発現免疫細胞をインビトロで選別する方法を使用した時に得られるCAR発現免疫細胞の集団は、CAR発現免疫細胞を少なくとも85%含む。

0111

いくつかの態様において、前記のCAR発現免疫細胞をインビトロで選別する方法を使用した時に得られるCAR発現免疫細胞の集団は、実施例7.5に記載されたプロトコルを使用すると、初期の(未選別の)細胞集団と比較して、増加した細胞傷害活性をインビトロで示す。好ましい態様において、インビトロの細胞傷害活性は、10%、20%、30%、または50%増加する。

0112

好ましくは、mAbは、当業者によってルーチンに実現されるようなカラムまたはビーズのような支持体事前に結合させられる。

0113

好ましい態様によると、免疫細胞はT細胞である。

0114

本発明によると、レシピエント投与される細胞は、起源集団からインビトロで濃縮され得る。

0115

起源集団を増加させる方法は当技術分野において周知であり、当業者に公知の密度遠心分離免疫磁気ビーズ精製、アフィニティクロマトグラフィ、および蛍光活性化細胞選別の組み合わせを使用した、CD34抗原のような抗原を発現する細胞の選択を含み得る。

0116

フローサイトメトリー
フローサイトメトリーは、当技術分野において広く使用されており、細胞集団内の特定の細胞型を選別し定量化する当業者に周知の方法である。一般に、フローサイトメトリーは、主として光学的手段によって、細胞の成分または構造的特色を定量化する方法である。構造的特色を定量化することによって、異なる細胞型を区別することができるため、フローサイトメトリーおよび細胞選別は、混合物中の異なる表現型の細胞を計数し選別するために使用され得る。フローサイトメトリー分析は、2つの基本工程を含む:
(1)選択された細胞型を、1個または複数個の標識されたマーカーによって標識する工程;および
(T)集団内の細胞の総数に対する標識された細胞の数を決定する工程。

0117

細胞型を標識する主な方法は、標識された抗体を、特異的な細胞型によって発現されるマーカーに結合させることによる。抗体は、蛍光化合物によって直接標識されるか、または、例えば、一次抗体を認識する蛍光標識された二次抗体を使用して間接的に標識される。

0118

好ましい態様において、CARを発現するT細胞を選別するために使用される方法は、磁気活性化細胞選別(MACS)である。

0119

磁気活性化細胞選別(MACS)は、超常磁性ナノ粒子およびカラムを使用することによる、表面抗原(CD分子)に依る様々な細胞集団の分離の方法である。それは、純粋な細胞集団を得るために、少数の単純な工程のみを要する。単一細胞懸濁物中の細胞を、ミクロビーズによって磁気的に標識する。細胞の迅速で温和な分離を可能にする、細胞に対して無害コーティングによって覆われた強磁性スフィアから構成されたカラムに、試料アプライする。未標識の細胞は通過するが、磁気的に標識された細胞はカラム内に保持される。フロースルーを、未標識の細胞画分として収集することができる。短い洗浄工程の後、カラムをセパレーターから除去し、磁気的に標識された細胞をカラムから溶出させる。

0120

数ある技術の中でも、FACSは、所望の集団の極めて高い純度を達成することができるため、または標的細胞集団が極めて低レベルの同定マーカーを発現する時、または細胞集団がディファレンシャルなマーカー密度に基づく分離を必要とする時、既知の表現型の細胞集団を精製する最適な技術である。さらに、FACSは、遺伝学的に改変された蛍光タンパク質マーカーのような内部染色または細胞内タンパク質発現に基づき細胞を単離するために利用可能な唯一の精製技術である。FACSは、サイズ、粒度、および蛍光に基づく、個々の細胞の精製を可能にする。関心対象の細胞を精製するため、それらは、所望の細胞集団上の特異的な表面マーカーを認識する蛍光タグ付きモノクローナル抗体(mAb)によってまず染色される。

0121

T細胞のような特定の細胞集団の精製のための詳細なプロトコルは、Basu S et al.(2010)に見出され得る(Basu S,Campbell HM,Dittel BN,Ray A.蛍光活性化細胞選別(FACS)による特定の細胞集団の精製(Purification of specific cell population by fluorescence activated cell sorting(FACS))J Vis Exp.(41):1546)。

0122

本発明の好ましい態様において、CARを発現するT細胞を選別する方法において使用されるmAbは、イブリツモマブチウキセタン、ムロモナブ-CD3、トシツモマブ、アブシキシマブ、バシリキシマブ、ブレンツキシマブベドチン、セツキシマブ、インフリキシマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セルトリズマブペゴル、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、ゲムツズマブ、ナタリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、ラニビズマブ、トシリズマブ、トラスツズマブ、ベドリズマブ、アダリムマブ、ベリムマブ、カナキヌマブ、デノスマブ、ゴリムマブ、イピリムマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、QBEND-10、またはウステキヌマブの中から選択される。

0123

より好ましい態様において、mAbはリツキシマブである。

0124

より好ましい態様において、mAbはQBEND-10である。

0125

CAR発現免疫細胞を枯渇させる方法
本発明において、「インビボ枯渇」とは、阻害または排除によってCAR発現免疫細胞の増殖を中止させることを目標とする、哺乳動物への処置の投与を意味する。

0126

本発明の一つの局面は、操作された免疫細胞またはCAR発現免疫細胞を少なくとも1種のエピトープ特異的mAbと接触させる工程を含む、上記のmAb特異的エピトープを含むCARを発現する操作された免疫細胞をインビボで枯渇させる方法に関する。本発明の別の局面は、操作された免疫細胞をエピトープ特異的抗体と接触させることによって、(mAb特異的エピトープの挿入によって形成された)前記のキメラscFvを含むCAR発現免疫細胞をインビボで枯渇させる方法に関する。

0127

好ましくは、免疫細胞はT細胞であり、かつ/または抗体はモノクローナルである。一つの態様によると、操作された免疫細胞のインビボ枯渇は、本発明のインビトロの方法を使用して事前に選別された、操作された免疫細胞に対して実施される。この場合、これは、使用された同一の注入されたmAbであろう。

0128

好ましい態様によると、mAb特異的抗原はCD20抗原であり、かつエピトープ特異的mAbはリツキシマブである。

0129

いくつかの態様において、本発明は、CAR発現免疫細胞を少なくとも1種のエピトープ特異的mAbと接触させる工程を含む、上記のmAb特異的エピトープを含むCARを発現する操作された免疫細胞(CAR発現免疫細胞)を患者においてインビボで枯渇させる方法に関する。

0130

本発明の好ましい態様において、CARを発現する操作された免疫細胞を枯渇させる方法において使用されるmAbは、イブリツモマブチウキセタン、ムロモナブ-CD3、トシツモマブ、アブシキシマブ、バシリキシマブ、ブレンツキシマブベドチン、セツキシマブ、インフリキシマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セルトリズマブペゴル、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、ゲムツズマブ、ナタリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、ラニビズマブ、トシリズマブ、トラスツズマブ、ベドリズマブ、アダリムマブ、ベリムマブ、カナキヌマブ、デノスマブ、ゴリムマブ、イピリムマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、QBEND-10、またはウステキヌマブの中から選択される。

0131

いくつかの態様において、mAb特異的エピトープは、CD20エピトープまたはミモトープ、好ましくは、SEQID NO:35であり、かつエピトープ特異的mAbは、リツキシマブである。

0132

いくつかの態様において、操作された免疫細胞またはCAR発現免疫細胞を少なくとも1種のエピトープ特異的mAbと接触させる工程は、エピトープ特異的mAb、好ましくは、リツキシマブの患者への注入を含む。いくつかの態様において、患者へ投与されるエピトープ特異的mAbの量は、患者においてCAR発現免疫細胞の少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%を排除するのに十分なものである。

0133

いくつかの態様において、操作された免疫細胞またはCAR発現免疫細胞を少なくとも1種のエピトープ特異的mAbと接触させる工程は、375mg/m2のリツキシマブを、週に1回または数回、好ましくは、1回、患者へ注入する工程を含む。

0134

いくつかの態様において、mAb特異的エピトープを含むCARを発現する免疫細胞(CAR発現免疫細胞)が、エピトープ特異的mAbを使用したCDCアッセイにおいて枯渇させられる時、生存CAR発現免疫細胞の量は、好ましくは、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%、減少する。好ましくは、CDCアッセイは、実施例3、実施例4、または実施例7.4に開示されたアッセイである。いくつかの態様において、mAb特異的エピトープは、CD20エピトープまたはミモトープ、好ましくは、SEQID NO:35であり、かつエピトープ特異的mAbは、リツキシマブである。

0135

一つの具体的な態様において、CARを賦与された操作免疫細胞のインビボ枯渇は、二重特異性抗体を注入することによって実施される。定義上、二重特異性モノクローナル抗体(BsAb)とは、2種の異なるモノクローナル抗体の断片から構成されており、従って、2種の異なる型の抗原に結合する人工タンパク質である。これらのBsAbおよび免疫治療におけるその使用は、Muller D and Kontermann R.E.(2010)Bispecific Antibodies for Cancer Immunotherapy,BioDrugs 24(2):89-98において広範囲に概説されている。

0136

「エフェクター細胞」という用語には、リンパ球、マクロファージ樹状細胞、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、細胞傷害性リンパ球(CTL)のような免疫細胞が含まれる。

0137

別の具体的な態様によると、注入される二重特異性mAbは、キメラscFvを発現する操作された免疫細胞上に保持されたmAb特異的エピトープと、エフェクター細胞傷害性細胞上の表面抗原の両方に結合することができる。この局面は図3に提示される。そうすることによって、BsAbによって誘発される操作された免疫細胞の枯渇が、抗体依存性細胞傷害ADCC)を通して起こり得る。そのようなコンフォメーションは、例えば、Deo Y M,Sundarapandiyan K,Keler T,WallacePK,and Graziano RF,(2000),Journal of Immunology,165(10):5954-5961に見出され得る。

0138

具体的な態様によると、細胞傷害性薬物が、CAR発現免疫細胞を枯渇させるために使用されるエピトープ特異的mAbにカップリングされる。モノクローナル抗体のターゲティング能力を、細胞傷害性薬物のがんを死滅させる能力と組み合わせることによって、抗体薬物コンジュゲートADC)は、薬物単独の使用と比較して、健常組織疾患組織との間の高感度識別を可能にする。数種のADCについて販売認可が受容された;それらを作製するためのテクノロジー、具体的には、リンカーに関するテクノロジーは、以下の先行技術(Payne,G.(2003)Cancer Cell 3:207-212;Trail et al(2003)Cancer Immunol.Immunother.52:328-337;Syrigos and Epenetos(1999)Anticancer Research 19:605-614;Niculescu-Duvaz and Springer(1997)Adv.Drug Del.Rev.26:151-172;米国特許第4,975,278号)に豊富に提示されている。

0139

別の具体的な態様によると、注入されるエピトープ特異的mAbは、補体依存性細胞傷害(CDC)を促進することができる分子に予めコンジュゲートされる。従って、補体系は、生物から病原体を取り除く抗体の能力を補助するかまたは補足する。数種のうちの1種によって刺激された時、細胞を死滅させる膜攻撃複合体の応答および活性化の大量の増幅として、活性化カスケードが誘発される。

0140

グリカンのような種々の分子が、mAbをコンジュゲートするために使用され得る[Courtois,A,Gac-Breton,S.,Berthou,C,Guezennec,J.,Bordron,A.and Boisset,C.(2012)治療用抗体断片の補体依存性細胞傷害活性は免疫原性グリカンカップリングによって獲得される(Complement dependent cytotoxicity activity of therapeutic antibody fragments is acquired by immunogenic glycan coupling)Electronic Journal of Biotechnology ISSN:0717-3458;http://www.ejbiotechnology.infoDOI:10.2225/vol15-issue5]。

0141

本発明のいくつかの態様において、CARを発現する操作された免疫細胞の選別および枯渇の方法において使用されるエピトープ特異的mAbは、同一であり、イブリツモマブチウキセタン、ムロモナブ-CD3、トシツモマブ、アブシキシマブ、バシリキシマブ、ブレンツキシマブベドチン、セツキシマブ、インフリキシマブ、リツキシマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セルトリズマブペゴル、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、ゲムツズマブ、ナタリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、ラニビズマブ、トシリズマブ、トラスツズマブ、ベドリズマブ、アダリムマブ、ベリムマブ、カナキヌマブ、デノスマブ、ゴリムマブ、イピリムマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、QBEND-10、およびウステキヌマブの中から選択される。

0142

本発明のいくつかの態様において、異なる抗体が細胞の選別および枯渇のために使用される。いくつかの態様において、細胞外結合ドメインは、SEQID NO:35のアミノ酸配列を有するmAb特異的エピトープのようなリツキシマブが特異的に結合する少なくとも1個のエピトープ、およびSEQ ID NO:144のようなQBEND10が特異的に結合する少なくとも1個のエピトープを含み、細胞を選別するために使用されるmAbはQBEND10であり、細胞を枯渇させるために使用されるmAbはリツキシマブである。

0143

免疫細胞を操作する方法
本発明者らは、細胞表面標的抗原を誘発し、増加させる/増幅するのに必要な全ての成分によって、キメラ抗原受容体(CAR)、好ましくは、前記のCARを発現する免疫細胞を操作する方法を開発した。さらに、このCARは、細胞選別および/または細胞枯渇の目的のための抗体によって特異的に認識され得るエピトープを含むよう改変されたキメラscFvを保持するという特殊性を有する。

0144

一つの態様において、細胞表面マーカー抗原に特異的なVH鎖およびVL鎖によって少なくとも形成されたscFvならびにエピトープ特異的mAbが結合する1種のmAb特異的エピトープを含む少なくとも1個の細胞外結合ドメインを含む免疫細胞キメラ抗原受容体(CAR)を操作するための方法は、
(a)免疫細胞を準備する工程;
(b)キメラ抗原受容体をコードする少なくとも1種のポリヌクレオチドを細胞へ導入する工程;
(c)細胞においてポリヌクレオチドを発現させる工程
を含む。

0145

一つの態様において、好ましくは、細胞表面マーカー抗原に特異的なVH鎖およびVL鎖によって少なくとも形成されたscFvならびにエピトープ特異的mAbが結合する1種のmAb特異的エピトープを含む少なくとも1個の細胞外結合ドメインを含む、前記のキメラ抗原受容体(CAR)を発現する免疫細胞を操作するための方法は、
(a)免疫細胞を準備する工程;
(b)キメラ抗原受容体をコードする少なくとも1種のポリヌクレオチドを細胞へ導入する工程;および
(c)細胞においてポリヌクレオチドを発現させる工程
を含む。

0146

CARおよびそれらを含む免疫細胞は、広範囲に開示されており、公知の方法によって当業者によって調製され得る。例えば、CARおよびそのようなCARを含む細胞を調製する方法論は、以前に開示されている。CARを含む免疫細胞は、前掲の参照に開示された方法論に従って、当業者によって調製され得る。好ましい態様において、CARを含む免疫細胞は、WO2013/176915に開示された方法論に従って、当業者によって調製され得る。

0147

いくつかの態様において、免疫細胞は、炎症性Tリンパ球、細胞傷害性Tリンパ球、制御性Tリンパ球、またはヘルパーTリンパ球に由来し得る。

0148

いくつかの態様において、免疫細胞は健常ドナーから入手される。いくつかの態様において、免疫細胞は患者から入手される。

0149

いくつかの態様において、本発明の細胞を操作する方法は、一つまたは複数の付加的なゲノム改変工程をさらに含む。付加的なゲノム改変工程とは、1種または複数種の関心対象のタンパク質の、操作すべき細胞への導入を意味する。関心対象のタンパク質は、CARであり得る。

0150

いくつかの態様において、本発明のT細胞を操作する方法は、以下の工程を含んでいてよい:
(a)免疫抑制剤の標的を発現する第1の遺伝子、および
T細胞受容体(TCR)の成分をコードする第2の遺伝子
を少なくとも不活化することによって、T細胞を改変する工程;
(b)任意で、免疫抑制剤の存在下で、細胞を増加させる工程。

0151

免疫抑制剤は、いくつかの作用機序のうちの一つによって免疫機能を抑制する薬剤である。換言すると、免疫抑制剤は、免疫応答の程度および/または正確さを減じる能力によって示される、化合物が果たす役割である。非限定的な例として、免疫抑制剤は、カルシニューリン阻害剤ラパマイシン標的タンパク質、インターロイキン2 u鎖ブロッカーイノシン一リン酸脱水素酵素阻害剤ジヒドロ葉酸還元酵素の阻害剤、コルチコイド、または免疫抑制性代謝拮抗薬であってよい。

0152

具体的な態様において、方法の遺伝子改変工程は、CD52、GR、TCRα、およびTCRβからなる群より選択される1種の遺伝子の不活化に頼る。別の態様において、方法の遺伝子改変工程は、CD52およびGR、CD52およびTCRα、CDR52およびTCRβ、GRおよびTCRα、GRおよびTCRβ、TCRαおよびTCRβからなる群より選択される2種の遺伝子の不活化に頼る。別の態様において、方法の遺伝子改変工程は、2種を超える遺伝子の不活化に頼る。遺伝子改変は、好ましくは、エクスビボで操作される。

0153

T細胞における遺伝子を不活化するために使用されるレアカッティングエンドヌクレアーゼは、好ましくは、TALエフェクター(TALE)であるが、WO 2013/176915およびWO 2014/191128にそれぞれ記載されたようなRNAガイドにカップリングされたCas9であってもよい。

0154

送達方法
前記の種々の方法は、細胞の表面においてCARを発現させることを含む。非限定的な例として、CARは、細胞へそれらを導入することによって発現され得る。CARは、1種のプラスミドベクターによってコードされたトランスジーンとして導入され得る。プラスミドベクターは、ベクターを受容した細胞の同定および/または選択を提供する選択マーカーも含有していてよい。

0155

ポリペプチドは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの細胞への導入の結果として、細胞においてインサイチューで合成され得る。あるいは、ポリペプチドを細胞外で作製し、次いで、細胞へ導入してもよい。ポリヌクレオチド構築物を細胞へ導入する方法は、当技術分野において公知であり、非限定的な例として、ポリヌクレオチド構築物が細胞のゲノムに組み込まれる安定的形質転換法、ポリヌクレオチド構築物が細胞のゲノムに組み込まれない一過性形質転換法、およびウイルスによって媒介される方法を含む。ポリヌクレオチドは、例えば、組換えウイルスベクター(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス)、リポソーム等によって細胞へ導入され得る。例えば、一過性形質転換法には、例えば、微量注入電気穿孔、または微粒子銃が含まれる。ポリヌクレオチドは、細胞において発現されることを考慮して、ベクター、より具体的には、プラスミドまたはウイルスに含まれていてよい。

0156

ポリヌクレオチドおよびベクター
一つの態様において、本発明による単離された細胞は、キメラscFVを保有するキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチドを含む。

0157

本発明は、本発明による前記のCARをコードするポリヌクレオチド、ベクターにも関する。

0158

ポリヌクレオチドは、発現カセットまたは発現ベクター(例えば、細菌宿主細胞への導入のためのプラスミド、または昆虫宿主細胞のトランスフェクションのためのバキュロウイルスベクターのようなウイルスベクター、または哺乳動物宿主細胞のトランスフェクションのためのレンチウイルスのようなプラスミドベクターもしくはウイルスベクター)に含まれていてよい。

0159

当業者は、遺伝暗号縮重を考慮して、これらのポリヌクレオチド分子の間には相当の配列変動が可能であることを認識するであろう。好ましくは、本発明の核酸配列は、哺乳動物細胞における発現のため、好ましくは、ヒト細胞における発現のため、コドン最適化される。コドン最適化とは、関心対象の配列において、所定の種の高発現遺伝子において一般に希少コドンを、交換されるコドンと同一のアミノ酸をコードする、そのような種の高発現遺伝子において一般に高頻度であるコドンへ交換することをさす。

0160

治療的適用
別の態様において、種々の方法によって得られたCARを発現する本明細書に記載の単離された細胞または免疫細胞、あるいは上記の単離された細胞に由来する細胞株は、医薬として使用され得る。

0161

別の態様において、医薬は、その必要のある患者における病態、たとえばがんを処置するために使用され得る。

0162

別の態様において、本発明によるCARを発現する本明細書に記載の単離された細胞または免疫細胞、あるいは単離された細胞に由来する細胞株は、その必要のある患者における病態、たとえばがんの処置のための医薬の製造において使用され得る。

0163

別の局面において、本発明は、以下の工程のうちの少なくとも一つを含む、その必要のある患者を処置する方法に頼る:
(a)上記の方法のいずれか一つによって入手可能な免疫細胞を準備する工程;
(b)形質転換された免疫細胞を患者へ投与する工程。

0164

一つの態様において、本発明の免疫細胞、好ましくはT細胞は、頑強なインビボT細胞増加を受けることができ、延長された時間、存続することができる。

0165

処置は、寛解的、治癒的、または予防的であり得る。それは、自己免疫治療の一部または同種免疫治療処置の一部のいずれかであり得る。自己とは、患者を処置するために使用される細胞、細胞株、または細胞の集団が、患者またはヒト白血球抗原HLA適合性ドナーに起因することを意味する。同種とは、患者を処置するために使用される細胞または細胞の集団が、患者ではなくドナーに起因することを意味する。

0166

処置は、がん、ウイルス感染、自己免疫障害、または移植片対宿主病(GvHD)を有すると診断された患者を処置するために使用され得る。処置され得るがんには、血管形成されていないかまたは実質的に血管形成されていない腫瘍が含まれ、血管形成された腫瘍も含まれる。がんには、(血液腫瘍、例えば、白血病およびリンパ腫のような)非固形腫瘍が含まれ、または固形腫瘍も含まれ得る。本発明のCARによって処置されるがんの型には、細胞腫芽細胞腫、および肉腫、ならびにある種の白血病またはリンパ系悪性疾患、良性腫瘍および悪性腫瘍、ならびに悪性疾患、例えば、肉腫、細胞腫、および黒色腫が含まれるが、これらに限定されるわけではない。成人の腫瘍/がんおよび小児科の腫瘍/がんも含まれる。

0167

それは、抗体治療、化学療法、サイトカイン治療、樹状細胞治療、遺伝子治療ホルモン治療レーザー光線治療、および放射線治療の群より選択される、がんに対する1種または複数種の治療と組み合わせられた処置であってもよい。

0168

本発明による細胞または細胞の集団の投与は、エアロゾル吸入、注射、内服輸液植え込み、または移植を含む、任意の便利な様式で、実施され得る。本明細書に記載された組成物は、皮下に、皮内に、腫瘍内に、節内に、内に、筋肉内に、静脈内注射もしくはリンパ内注射によって、または腹腔内に、患者へ投与され得る。一つの態様において、本発明の細胞組成物は、好ましくは、静脈内注射によって投与される。

0169

細胞または細胞の集団の投与は、体重1kg当たり104〜1010個の細胞、好ましくは、体重1kg当たり105〜106個の細胞(これらの範囲内の細胞数の全ての整数値を含む)の投与からなっていてよい。細胞または細胞の集団は、単回投与されてもよいしまたは複数回投与されてもよい。別の態様において、有効量の細胞が単回投与される。別の態様において、有効量の細胞がある期間にわたり複数回投与される。投与のタイミングは、管理する医師の判断の範囲内であり、患者の臨床状態に依る。細胞または細胞の集団は、血液バンクまたはドナーのような任意の起源から入手されてよい。個々の必要性は変動するが、特定の疾患または状態のための所定の細胞型の有効量の最適範囲の決定は、当技術分野の技術の範囲内である。有効量とは、治療的または予防的な利益を提供する量を意味する。投与される投薬量は、レシピエントの年齢、健康、および体重、もしあれば、同時処置の種類、処置の頻度、ならびに望まれる効果の性質に依るであろう。

0170

別の態様において、有効量の細胞またはそれらの細胞を含む組成物は、非経口投与され得る。投与は、静脈内投与であり得る。腫瘍内注射によって直接投与を行うこともできる。

0171

本発明のある種の態様において、細胞は、抗ウイルス治療シドホビルおよびインターロイキン2、(ARA-Cとしても公知の)シタラビンのような薬剤による処置、またはMS患者のためのナタリズマブ処置、または乾癬患者のためのエファリズマブ処置、またはPML患者のためのその他の処置を含むが、これらに限定されるわけではない、多数の関連する処置モダリティと併せて(例えば、その前に、それと同時に、またはその後に)患者へ投与されてよい。さらなる態様において、本発明のT細胞は、化学療法、放射線シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート、ミコフェノラート、およびFK506のような免疫抑制剤、CAMPATH、抗CD3抗体、またはその他の抗体治療のような抗体またはその他の免疫除去(immunoablative)剤、シトキシン(cytoxin)、フルダラビン、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸ステロイド、FR901228、サイトカイン、ならびに照射と組み合わせて使用されてよい。これらの薬物は、カルシウム依存性ホスファターゼカルシニューリンを阻害するか(シクロスポリンおよびFK506)、または増殖因子によって誘導されるシグナリングにとって重要であるp70S6キナーゼを阻害する(ラパマイシン)(Henderson,Naya et al.,1991,Immunology 73(3):316-21;Liu,Albers et al.,1992,31(16):3896-601;Bierer,Hollander et al.,1993,Curr Opin Immunol 5(5):763-73)。さらなる態様において、本発明の細胞組成物は、骨髄移植、フルダラビン、外照射療法(XRT)、シクロホスファミドのような化学療法剤、またはOKT3もしくはCAMPATHのような抗体のいずれかを使用したT細胞除去治療と併せて(例えば、その前に、それと同時に、またはその後に)患者へ投与される。別の態様において、本発明の細胞組成物は、CD20と反応する薬剤、例えば、リツキサンのようなB細胞除去治療の後に投与される。例えば、一つの態様において、対象は、高用量化学療法による標準的な処置を受けた後、末梢血幹細胞移植を受けることができる。ある種の態様において、移植の後、対象は、本発明の増加した免疫細胞の注入を受容する。さらなる態様において、増加した細胞は、手術の前または後に投与される。

0172

その他の定義
ポリペプチド配列内のアミノ酸残基は、1文字コードに従って本明細書において表記され、例えば、QはGlnまたはグルタミン残基を意味し、RはArgまたはアルギニン残基を意味し、DはAspまたはアスパラギン酸残基を意味する。

0173

ヌクレオチドは以下のように表記され:1文字コードがヌクレオシド塩基を表記するために使用される:aはアデニンであり、tはチミンであり、cはシトシンであり、gはグアニンである。縮重ヌクレオチドのため、rはgまたはa(プリンヌクレオチド)を表し、kはgまたはtを表し、sはgまたはcを表し、wはaまたはtを表し、mはaまたはcを表し、yはtまたはc(ピリミジンヌクレオチド)を表し、dはg、a、またはtを表し、vはg、a、またはcを表し、bはg、t、またはcを表し、hはa、t、またはcを表し、nはg、a、t、またはcを表す。

0174

本明細書において使用されるように、「核酸」または「ポリヌクレオチド」とは、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)、オリゴヌクレオチドポリメラーゼ連鎖反応PCR)によって生成された断片、ならびにライゲーション、切断、エンドヌクレアーゼ作用、およびエキソヌクレアーゼ作用のいずれかによって生成された断片のようなヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチドをさす。核酸分子は、(DNAおよびRNAのような)天然に存在するヌクレオチドもしくは天然に存在するヌクレオチドの類似体(例えば、天然に存在するヌクレオチドの鏡像異性体)であるモノマー、または両方の組み合わせから構成されていてよい。修飾されたヌクレオチドは、糖モエティおよび/またはピリミジン塩基モエティもしくはプリン塩基モエティに改変を有していてもよい。糖修飾には、1個以上のヒドロキシル基ハロゲンアルキル基アミン、およびアジド基への交換が含まれ、または糖がエーテルもしくはエステルとして官能化されていてもよい。さらに、糖モエティ全体が、アザ糖および炭素環式糖類似体のような立体的かつ電子的に類似の構造に交換されていてもよい。塩基モエティにおける修飾の例には、アルキル化されたプリンおよびピリミジンアシル化されたプリンもしくはピリミジン、またはその他の周知のヘテロ環式置換基が含まれる。核酸モノマーは、ホスホジエステル結合またはそのような結合の類似体によって連結されていてよい。核酸は、一本鎖であってもよいしまたは二本鎖であってもよい。

0175

キメラ抗原受容体(CAR)とは、特異的な抗標的細胞性免疫活性を示すキメラタンパク質を生成するため、標的細胞上に存在する成分に対する結合ドメイン、例えば、所望の抗原(例えば、腫瘍抗原)に対する抗体に基づく特異性を、T細胞受容体活性化細胞内ドメインと組み合わせた分子を表す。一般に、CARは、T細胞抗原受容体複合体ζ鎖の細胞内シグナリングドメインに融合した細胞外単鎖抗体(scFv)(scFv:ζ)からなり、T細胞において発現された時、モノクローナル抗体の特異性に基づき、抗原認識を向け直す能力を有する。

0176

送達ベクター」とは、本発明において必要とされる薬剤/化学物質および分子(タンパク質または核酸)を、細胞と接触させるため(即ち、「接触」)、または細胞もしくは細胞内コンパートメントへ送達するため(即ち、「導入」)、本発明において使用され得る送達ベクターを表す。それには、リポソーム送達ベクター、ウイルス送達ベクター薬物送達ベクター、化学的担体ポリマー担体リポプレックスポリプレックスデンドリマーマイクロバブル超音波コントラスト剤)、ナノ粒子エマルション、またはその他の適切な移入ベクターが含まれるが、これらに限定されるわけではない。これらの送達ベクターは、分子、化学物質、高分子(遺伝子、タンパク質)、またはプラスミド、Diatosによって開発されたペプチドのような他のベクターの送達を可能にする。これらのケースにおいて、送達ベクターは分子担体である。「送達ベクター」とは、トランスフェクションを実施するための送達法も表す。

0177

「ベクター」という用語は、連結された別の核酸を輸送することができる核酸分子をさす。本発明における「ベクター」には、染色体核酸、非染色体核酸、半合成核酸、または合成核酸からなっていてよい、ウイルスベクター、プラスミド、RNAベクター、または直鎖状もしくは環状のDNA分子もしくはRNA分子が含まれるが、これらに限定されるわけではない。好ましいベクターは、連結された核酸の自律複製エピソームベクター)および/または発現(発現ベクター)が可能なものである。多数の適当なベクターが、当業者に公知であり、市販されている。

0178

ウイルスベクターには、レトロウイルス、アデノウイルス、パルボウイルス(例えば、アデノ随伴ウイルス)、コロナウイルスオルトミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、ラブドウイルス(例えば、狂犬病ウイルスおよび水疱性口内炎ウイルス)、パラミクソウイルス(例えば、麻疹およびセンダイ)のようなマイナス鎖RNAウイルスピコルナウイルスおよびアルファウイルスのようなプラス鎖RNAウイルス、ならびにアデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス1型および2型エプスタインバーウイルスサイトメガロウイルス)、およびポックスウイルス(例えば、ワクシニア、鶏痘、およびカナリアポックス)を含む二本鎖DNAウイルスが含まれる。他のウイルスには、例えば、ノーウォークウイルス、トガウイルスフラビウイルスレオウイルスパポーバウイルスヘパドナウイルス、および肝炎ウイルスが含まれる。レトロウイルスの例には、トリ白血病肉腫、哺乳動物C型、B型ウイルス、D型ウイルス、HTLV-BLV群、レンチウイルス、スプーマウイルスが含まれる(Coffin,J.M.,Retroviridae:The viruses and their replication,In Fundamental Virology,Third Edition,B.N.Fields,et al.,Eds.,Lippincott-Raven Publishers,Philadelphia,1996)。

0179

レンチウイルスベクター」とは、比較的大きいパッケージング能力、低下した免疫原性、および広範囲の異なる細胞型を高い効率で安定的に形質導入する能力のため、遺伝子送達のために極めて有望である、HIVに基づくレンチウイルスベクターを意味する。レンチウイルスベクターは、一般的には、3種(パッケージング、エンベロープ、および移入)またはそれ以上のプラスミドの産生細胞への一過性トランスフェクションの後に生成される。HIVと同様に、レンチウイルスベクターは、ウイルス表面糖タンパク質の細胞表面上の受容体との相互作用を通して標的細胞に侵入する。侵入後、ウイルスRNAは、ウイルス逆転写酵素複合体によって媒介される逆転写を受ける。逆転写の産物は、二本鎖直鎖状ウイルスDNAであり、それが、感染細胞のDNAへのウイルス組み込みのための基質となる。「組込み型レンチウイルスベクター(またはLV)」とは、非限定的な例として、標的細胞のゲノムに組み込まれることができるそのようなベクターを意味する。反対に、「非組込み型レンチウイルスベクター(またはNILV)」とは、ウイルスインテグラーゼの作用を通して標的細胞のゲノムに組み込まれない効率的な遺伝子送達ベクターを意味する。

0180

送達ベクターおよびベクターは、ソノポレーション(sonoporation)もしくは電気穿孔のような細胞透過処理技術またはこれらの技術の変法と関連しているかまたは組み合わせられてよい。

0181

「変異」とは、ポリヌクレオチド(cDNA、遺伝子)またはポリペプチド配列における1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、20個、25個、30個、40個、50個、またはそれ以上のヌクレオチド/アミノ酸の置換、欠失、挿入を表す。変異は、遺伝子のコード配列またはその制御配列に影響を与える場合がある。それは、ゲノム配列の構造またはコードされたmRNAの構造/安定性に影響を与える場合もある。

0182

機能性バリアント」とは、タンパク質またはタンパク質ドメイン触媒活性変異体を意味し;そのような変異体は、親タンパク質または親タンパク質ドメインと比較して、同一の活性、または付加的な特性、またはより高いかもしくはより低い活性を有し得る。

0183

「同一性」とは、2個の核酸分子またはポリペプチドの間の配列同一性をさす。同一性は、比較の目的のために整列化されていてよい各配列の位置を比較することによって決定され得る。比較された配列の位置が同一の塩基によって占有される時、その分子はその位置において同一である。核酸またはアミノ酸の配列の間の類似性または同一性の程度は、核酸配列によって共有された位置における同一のまたは一致するヌクレオチドの数の関数である。GCG配列分析パッケージ(University of Wisconsin,Madison,Wis.)の一部として入手可能なFASTAまたはBLASTを含む、様々なアライメントアルゴリズムおよび/またはプログラムを、2個の配列の間の同一性を計算するために使用することができ、例えば、デフォルト設定で使用することができる。例えば、本明細書に記載された具体的なポリペプチドとの少なくとも70%、85%、90%、95%、98%、または99%の同一性を有し、好ましくは、実質的に同一の機能を示すポリペプチド、およびそのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、企図される。

0184

「対象」または「患者」という用語には、本明細書において使用されるように、非ヒト霊長類およびヒトを含む動物界の全メンバーが含まれる。いくつかの態様において、患者はヒトである。

0185

以上の特色に加えて、本発明は、免疫治療のためのCARを発現する免疫細胞のインビトロ選別またはインビボ枯渇の方法を例示する以下の実施例、および添付の図面から明らかになるであろうさらなる特色を含む。

0186

実施例1.抗CD123 CARを組み込んだ、リツキシマブが推進する枯渇系の生成
キメラscFv(CD20ミモトープを含む抗CD123 scFv)に関して異なるコンフォメーションを有する10種のCARが、全て、図4に示される:得られるポリペプチド配列は、SEQID NO:1〜10に示される。

0187

10種のCARのDNA構築物を、標準的なフィコール法を介して、バフィーコートから新鮮に単離された初代T細胞に電気穿孔によってトランスフェクトするために使用し、インビトロ転写を介して対応するmRNAへ転写する。トランスフェクションの1日後、T細胞を回収し、下記のフローベース細胞傷害アッセイ(flow based cytotoxicity assay)を実施するために使用した。

0188

抗CD123 CAR T細胞の生成
抗CD123 CARを発現する初代T細胞を生成するため、まずバフィーコート試料から初代T細胞を精製し、DynabeadsヒトT活性化因子CD3/CD28を使用して活性化する。活性化の3日後に、100万個の活性化T細胞に、感染多重度MOI)1で、Ef1αプロモーターの調節下で抗CD123 CAR発現カセットを保有するレンチウイルスベクターによって形質導入する。さらなる特徴決定のため、X-vivo-15培地(Lonza)において、5%CO2、20ng/mlIL-2(最終濃度)、および5%ヒトAB血清の存在下で、37℃でT細胞を培養維持する。形質導入の5日後、フローベース細胞傷害アッセイを実施するため、細胞を使用する。

0189

フローベース細胞傷害アッセイ
抗CD123 CAR T細胞の細胞溶解活性および特異性は、ルーチンに実施されるフローサイトメトリーに基づく細胞傷害アッセイに従って査定される(例えば、Valton.et Al(2015)Mol Ther;23(9):1507-1518を参照すること)。このアッセイは、104個のCD123陽性腫瘍細胞および104個のCD123陰性対照細胞を、0.5mM CellTrace(商標)CFSEおよび0.5mM CellTrace(商標)violet(Life Technology)によって標識し、最終体積100μlのX-Vivo-15培地において、37℃で5時間、105個のエフェクターCAR T細胞(10:1のE/T比)と共にコインキュベートすることからなる。次いで、前記のように、細胞を回収し、eFluor780生死判定マーカーによって標識した後、4%PFAによって固定する。次いで、固定された細胞を、生存度を決定するため、フローサイトメトリーによって分析する。特異的細胞溶解の頻度は、以下:
特異的細胞溶解の頻度 = (Tの存在下での生存CD123+細胞 / Tの存在下での生存CD123-細胞) / (生存CD123+細胞 / 生存CD123-細胞)
のように計算されて示され、式中、Tの存在下での生存CD123+およびTの存在下での生存CD123-は、それぞれ、CAR T細胞の存在下で5時間後に得られた生存CD123+細胞および生存CD123-細胞の割合(%)に相当し、生存CD123+細胞および生存CD123-細胞は、それぞれ、CAR T細胞の非存在下で5時間後に得られたCD123+細胞およびCD123-細胞の割合(%)に相当する。

0190

結果は、改変抗CD123 CARをトランスフェクトされたT細胞が、CD123陽性腫瘍細胞モデルを死滅させることができることを示す。図5に示されるように、前記のフローベース細胞傷害アッセイからの結果は、SEQID 1〜4を発現するT細胞が、未改変の抗CD123 CAR SEQ ID 142を発現するT細胞と同一の活性を示すことを示した(図5)。これらのデータは、抗CD123 CAR(SEQ ID 142)の配列へのCD20ミモトープの挿入が、CD123抗原を特異的に認識し、CD123発現腫瘍細胞を死滅させる能力を有意に損なわないことを示唆する。いくつかの態様において、2個のmAb特異的エピトープのうちの1個、好ましくは、SEQ ID NO:35を含む本発明のCARは、CARによって標的とされた抗原を特異的に認識し、該抗原を発現する細胞を死滅させることができる。

0191

これらの所見と一致して、96穴プレート上にコーティングされたCD123組換えタンパク質に曝された時に脱顆粒する能力について、トランスフェクトされたCAR T細胞を試験する。総合すると、本発明者らの実験は、抗CD123 CARの配列へのCD20ミモトープの挿入が、CD123抗原を特異的に認識する能力を有意に損なわないことを示すために設計される。

0192

CD20ミモトープの特異的認識を通してT細胞の細胞傷害機能を阻害するリツキシマブの能力を証明するため、トランスフェクトされたT細胞を、CD123陽性腫瘍細胞の存在下で、リツキシマブおよび幼令ウサギ補体の存在下または非存在下でインキュベートする。目的は、トランスフェクトされたT細胞の細胞傷害活性および脱顆粒能力が、リツキシマブおよび幼令ウサギ補体の存在下で損なわれることを示し、そのことによって、リツキシマブによる改変抗CD123 CARの効率的な認識がT細胞枯渇に至ることをさらに示すことである。

0193

実施例2.抗CD123キメラ抗原受容体におけるmAbが推進する枯渇系のフレキシビリティ
mAbが推進する枯渇系のフレキシビリティをさらに証明するため、セツキシマブmAb、パリビズマブmAb、およびニボルマブmAbに特異的な異なるエピトープまたはミモトープ(SEQID NO:35〜42)を、実施例1に記載されたCD20ミモトープのために使用されたのと同一の手法および構成を使用して、抗CD123 CAR構築に挿入する。結果は、トランスフェクトされたT細胞がCD123陽性腫瘍細胞に対する細胞溶解活性および脱顆粒能力を保持することを示すことを目標とする。さらに、トランスフェクトされたT細胞が前記のmAbのいずれかによって枯渇させられることを示すための実験も設計される。

0194

実施例3.抗CD123 CARを含むmAbが推進する枯渇系の、リツキシマブ依存性の枯渇
mAbが推進する枯渇系の、抗CD123 CAR T細胞の枯渇を可能にする能力を探求するため、SEQID NO:1、2、3、もしくは4のCAR、または未改変の抗CD123 CAR(SEQ ID NO:142)を発現する形質導入されたT細胞を、補体依存性細胞傷害アッセイ(CDC)に供した。

0195

CDCアッセイ
CDCアッセイは、形質導入された0.2 106個のT細胞を、単独で、またはリツキシマブ(RTX、ROCHE、400ng)および幼令ウサギ補体(BRC、AbD Serotec、ref#C12CA、製造業者のプロトコルに従って希釈された100μLの溶液)の存在下で、最終体積400μLのXvivo 10%FBSにおいて37℃で3時間インキュベートすることからなる。インキュベーション終わりに、抗CD123-CAR T細胞を回収し、FC断片に融合された組換えCD123タンパク質(SEQID 143)およびPEによって標識された抗FC二次モノクローナル抗体(Jackson ImmunoResearch、ref#115-115-164、1/200希釈)によって標識した。次いで、細胞を4%PFAに回収した後、フローサイトメトリーによって分析した。フローサイトメトリーゲーティング戦略は、全細胞集団内に見出されたシングレットの中の抗CD123 CAR陽性T細胞(PE陽性細胞)の生存度を決定することからなっていた。この分析を、単独でインキュベートされた細胞、ならびにRTXおよびBRCの存在下でインキュベートされた細胞に対して実施した。結果は、下記の「(対照実験に対する)抗CD123 CAR陽性T細胞の中の生存細胞の相対頻度」と名付けられた比:
(RTXおよびBRCの存在下で得られた抗CD123 CAR陽性T細胞の中の生存細胞の頻度)×100 / (RTXおよびBRCの非存在下で得られた抗CD123 CAR陽性T細胞の中の生存細胞の頻度)
として表される。

0196

結果は、全てのCAR構成が、CAR T細胞のRTX依存性の枯渇を可能にすることを示した(図6)。SEQID NO:3および4を発現するCAR T細胞は、SEQ ID NO:1および2を発現するものより効率的に枯渇させられ、このことは、CAR構成の中に存在するCD20ミモトープの数がT細胞枯渇の程度および/または動力学に影響を及ぼすことを示唆した。

0197

いくつかの態様において、図4によって例示された構成を有する本発明のCARは、CAR T細胞のリツキシマブ依存性の枯渇を可能にする。いくつかの態様において、少なくとも2個のmAb特異的エピトープを含む、好ましくは、SEQID NO:3または4のCAR構成を有する本発明のCARは、特に効率的に枯渇させられる。

0198

実施例4.細胞外ドメインに1個または複数個のmAb特異的エピトープを含む抗BCMA CARを発現する細胞における、mAbが推進する枯渇系の効率
mAbが推進する枯渇系の、抗BCMA CAR T細胞の枯渇を可能にする能力を探求するため、15種の異なるCAR構成(SEQID 125〜139、図7)を構築した。これらの構成は、抗BCMA CAR(SEQ ID NO:125)の細胞外ドメインの異なる部分に、即ち、N末端ドメインに、ScFvのV1およびV2を分離するリンカードメインに、またはScFvをCARの膜貫通ドメインに連結するCD8ヒンジの上流に、局在する1個、2個、または3個のCD20ミモトープを含有するよう設計された。

0199

抗BCMA CARを発現する初代T細胞を生成するため、まずバフィーコート試料から初代T細胞を精製し、DynabeadsヒトT活性化因子CD3/CD28を使用して活性化した。活性化の3日後に、500万個の活性化T細胞に、異なる抗BCMA CAR構成(SEQID 125〜139、図7)をコードする15μgまたは30μgのポリアデニル化mRNAをトランスフェクトした。次いで、T細胞を、さらなる特徴決定のため、X-vivo-15培地(Lonza)において、5%CO2、20ng/mlIL-2(最終濃度)、および5%ヒトAB血清の存在下で37℃で培養維持した。トランスフェクションの1日後、CDCアッセイ、フローベース細胞傷害アッセイ、検出アッセイ、およびインターフェロンγ(IFNγ)放出アッセイを実施するため、細胞を使用した。

0200

CDCアッセイ
CDCアッセイは、0.2 106個のトランスフェクトされた細胞を、単独で、またはリツキシマブ(RTX、ROCHE、400ng)および幼令ウサギ補体(BRC、AbD Serotec、ref#C12CA、製造業者プロトコルに従って希釈された100μLの溶液)の存在下で、最終体積400μLのXvivo 10%FBSにおいて37℃で2時間インキュベートすることからなっていた。インキュベーションの終わりに、抗BCMA-CAR T細胞を回収し、FC断片に融合された組換えBCMAタンパク質(SEQID NO:151)およびPEによって標識された抗FC二次モノクローナル抗体(Jackson ImmunoResearch、ref#115-115-164、1/200希釈)によって標識した。次いで、細胞を、4%PFAに回収した後、フローサイトメトリーによって分析した。フローサイトメトリーゲーティング戦略は、全細胞集団内に見出されたシングレットの中の抗BCMA CAR陽性T細胞(PE陽性細胞)の生存度を決定することであった。この分析を、単独でインキュベートされた細胞ならびにRTXおよびBRCの存在下でインキュベートされた細胞に対して実施した。結果は、以下の「(対照実験に対する)BCMA CAR陽性T細胞の中の生存細胞の相対頻度」と名付けられた比:
(RTXおよびBRCの存在下で得られた抗BCMA CAR陽性T細胞の中の生存細胞の頻度)×100 / (RTXおよびBRCの非存在下で得られた抗BCMA CAR陽性T細胞の中の生存細胞の頻度)
として表される。

0201

フローベース細胞傷害アッセイ
抗BCMA CAR T細胞の細胞溶解活性および特異性を、Valton.et Al(2015)Mol Ther;23(9):1507-1518に報告されたフローサイトメトリーに基づく細胞傷害アッセイに従って査定した。このアッセイは、BCMA陽性腫瘍標的細胞(T、H929)を0.5mM CellTrace(商標)CFSE(Life Technology、製造業者のプロトコルによる37℃での10分間のインキュベーション)によって標識し、最終体積100μlのX-Vivo-15培地において、105個の抗BCMA CAR Tエフェクター(E)細胞(10:1のE/T比)と共に、37℃で5時間、コインキュベートすることからなっていた。次いで、細胞を回収し、eFluor780生死判定マーカーによって標識した後、4%PFAによって固定した。次いで、固定された細胞を、生存度を決定するため、フローサイトメトリーによって分析した。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ