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技術 改良されたベルト構造体を有するラジアルタイヤ

出願人 コンパニーゼネラールデエタブリッスマンミシュラン
発明者 ラールジャーヌオロールアステカミーユ
出願日 2016年1月22日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2017-541096
公開日 2018年2月15日 (3年10ヶ月経過) 公開番号 2018-504317
状態 特許登録済
技術分野 タイヤ一般
主要キーワード 対収縮 角度ベータ 回転円柱 重ね合わせ層 標準張力 角度アルファ 事前ステップ 鋼フィラメント
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年2月15日)のものです。
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図面 (6)

課題

改良されたベルト構造体を有するラジアルタイヤを提供すること。

解決手段

例えばナイロン又はポリエステル製の、100ターン毎メートルより大きい撚りに従って個々にそれ自体に撚りをかけたモノフィラメント繊維の形態の熱収縮性円周方向テキスタイル補強材(110)を含むゴム(C1)の第1層(10a)を有し、この第1層(10a)が、そのガラス転移温度が20℃より高い熱可塑性材料外装された鋼モノフィラメントでその全部又は一部が構成された複合補強材である補強材(120、130)で補強された他の2層のゴム(それぞれC2及びC3)の層(10b、10c)に半径方向で(方向Zで)載置されている、特定の構造の多層複合ラミネート(10a、10b、10c)を含む改善されたベルト構造(10)を有する、特に乗用車又はバン用のラジアルタイヤ。 このラミネートは、補強材(110、120、130)の間の直接接触リスクなしに、特にタイヤベルトをその構造の一部を構成するゴム層の厚さを低減することによって軽量化し、ひいてはタイヤの重量及び転がり抵抗を低減する。

概要

背景

乗用車又はバン用のラジアルカーカス補強体を有するタイヤは、知られている通り、トレッドと、2つの非伸長性ビードと、これらのビードをトレッドに接続する2つの可撓性側壁と、カーカス補強体とトレッドとの間に周方向に配置された剛性クラウン補強体又は「ベルト」とを備える。

タイヤベルトは、一般に、「ワーキングプライ」、「三角形分割プライ(triangulation ply)」あるいは「ワーキング補強体」と呼ばれる少なくとも2つのゴムプライで構成され、これらは重ね合わされて交差しており、通常、互いに実質的に平行に配置され且つ正中円周面に対して傾斜した金属コードによって補強されており、これらのワーキングプライは、他のプライ及び/又はゴムファブリックを伴っても又は伴わないことも可能である。これらのワーキングプライは、タイヤに高いドリフト推力又はコーナリング剛性を与えるという主たる機能を有し、これは知られている通り、自動車において良好な道路保持性(「ハンドリング」)を達成するのに必要である。

上記ベルトは、これは持続的に高速走行することが多いタイヤに特に当てはまることであるが、ワーキングプライの(トレッド側の)上に、「フーピングプライ」又は「フープ補強体」と呼ばれる付加的なゴムプライをさらに含むことができ、これは一般に、「円周(circumferential)」と称される補強用スレッドで補強され、「円周」とは、それらの補強用スレッドが互いに事実上平行に配置され、タイヤケーシングのまわりに実質的に円周方向に延びて正中円周面に対して好ましくは−5°から+5°までの範囲の角度を形成することを意味する。これらの円周補強用スレッドの主な役割は、高速におけるクラウン遠心作用に耐えることであることを忘れてはならない。

そのようなベルト構造体は、最終的には、通常はテキスタイルである少なくとも1つのフーピングプライと、一般に金属である2つのワーキングプライとを含む多層複合ラミネートから成り、当業者には周知であり、ここでさらに詳細に説明する必要はない。

このようなベルト構造体を説明する従来技術は、特に特許文献1、特許文献2又は特許文献3、特許文献4、特許文献5又は特許文献6、特許文献7又は特許文献8、特許文献9又は特許文献10に示されている。

ますます強くて耐久性のある鋼が入手可能になってきているということは、タイヤ製造者が、一方で製造を簡素化してコストを削減するために、他方では補強プライの厚さ、ひいてはタイヤのヒステリシスを低減し、最終的にはそのようなタイヤを装着した車両のエネルギー消費を削減するために、今日では可能な限り、極めて簡単な構造のコード、特にスレッドを2本だけ有するコード、それどころか個々のフィラメントのコードをタイヤベルト内で使用する傾向にあることを意味する。

しかしながら、タイヤの質量を特にそのベルトの厚さ及びこれを構成するゴム層の厚さを低減することによって軽量化することを目指した努力は、必然的に物理限界に直面することになり、それは相当数の困難を引き起こしかねない。特に、フープ補強体によって付与されるフーピング機能と、ワーキング補強体によって付与される剛性化機能とは、もはや互いに十分に区別できず、互いに妨害することがある。もちろん、その全てが、タイヤのクラウンの適正な動作並びにタイヤの性能及び全体的耐久性にとっては有害である。

そのため、出願人によって出願された特許文献11及び特許文献12は、タイヤのベルトを明らかに軽量化し、ひいてはその転がり抵抗を低下させると同時に、上記の欠点を軽減することを可能にする、特定の構造を有する多層複合ラミネートを提案している。

これらの出願は、周、軸及び半径の3つの主方向を定め、トレッドが載置されたクラウンと、2つの側壁と、2つのビード(各側壁は各ビードをクラウンに接続している)と、各ビード内に固定され且つ側壁内に延びてクラウンに入るカーカス補強体と、クラウン内で周方向に延びており且つカーカス補強体とトレッドとの間に半径方向に配置されたクラウン補強体又はベルトとを備え、ベルトは、補強材の少なくとも3層の重ね合わせ層を含む多層複合ラミネートを含み、補強材は、各層内で一方向性であり且つある厚さのゴム内に埋め込まれている、ラジアルタイヤを開示し、特に、
・トレッド側で、ゴムの第1層は、円周方向に対して−5度から+5度までの角度アルファ配向した第1列の補強材を含み、第1補強材と称するこれらの補強材は、熱収縮性テキスタイル材料で作られており、
・第1層と接触し且つその下に配置されて、ゴムの第2層は、円周方向に対して正又は負の10度と30度との間の所定角度ベータで配向した第2列の補強材を含み、第2補強材と称するこれらの補強材は金属補強材であり、
・第2層と接触し且つその下に配置されて、ゴムの第3層は、それ自体円周方向に対して10度と30度との間の、角度ベータの逆の角度ガンマで配向した第3列の補強材を含み、第3補強材と称するこれらの補強材は金属補強材である。

第1補強材は、従来方式で撚り合わされてテキスタイルコードの形態にされた、ポリアミド製又はポリエステル製のマルチフィラメント繊維で構成される。第2及び第3補強材自体は、特に非常に高強度の炭素鋼で作られた、鋼モノフィラメントからなる。

上記特許出願は、その多層ラミネートの特定の構造により、特にその熱収縮性を制御したテキスタイルの円周方向補強材と、小直径の個々のモノフィラメントの形態の金属補強材との使用により、適正な動作、並びに一方で第1層の円周方向補強材によって付与されるフーピング機能と他方で他の2つの層の金属補強材によって付与される剛性化機能との区別を損なうことなく、タイヤのベルトの全体的な厚さの明らかな削減を達成することが可能であること立証した。

したがって、事前組立て操作を何ら必要としない鋼モノフィラメントを使用することで、タイヤの重量及びその転がり抵抗を低コストで減らすことができ、このことは、コーナリング剛性、したがって道路保持性又は駆動における全体としての耐久性を損なうことなく達成することができる。

にもかかわらず、上記出願に記載された多層ラミネートの特定の実装条件によれば、(第1、第2及び第3)ゴム層の厚さの低減は、半径方向(Z)において、これらの種々の層の補強材の間の直接接触あるいは近接し過ぎるリスクにそこここで直面することが、使用時に見いだされた。このことは、適正な動作及び多層複合ラミネートの長期耐久性にとって有害である。

例えば、一方で、熱収縮性テキスタイル材料の性質に応じて変化し得る所定量の水を必然的に含むことが知られているテキスタイル円周スレッドと、他方で鋼モノフィラメントとの間の直接接触又は過剰な近接は、周囲のゴムとの接着性が損なわれることは言うまでもなく、後者の表面腐食を引き起こす可能性がある。

第2層の鋼モノフィラメントと第3層の鋼モノフィラメントとの間の直接接触(これらはワーキング補強体内で互いに交差していることに留意)は、それ自体で、これらモノフィラメントの、作動条件下での繰り返す摩擦及び早すぎる摩耗をもたらし、最終的には、タイヤが広範囲走行した後に、このワーキング補強体の全体的な耐久性を損なうリスクをもたらし得る。

概要

改良されたベルト構造体を有するラジアルタイヤを提供すること。例えばナイロン又はポリエステル製の、100ターン毎メートルより大きい撚りに従って個々にそれ自体に撚りをかけたモノフィラメント繊維の形態の熱収縮性円周方向テキスタイル補強材(110)を含むゴム(C1)の第1層(10a)を有し、この第1層(10a)が、そのガラス転移温度が20℃より高い熱可塑性材料外装された鋼モノフィラメントでその全部又は一部が構成された複合補強材である補強材(120、130)で補強された他の2層のゴム(それぞれC2及びC3)の層(10b、10c)に半径方向で(方向Zで)載置されている、特定の構造の多層複合ラミネート(10a、10b、10c)を含む改善されたベルト構造(10)を有する、特に乗用車又はバン用のラジアルタイヤ。 このラミネートは、補強材(110、120、130)の間の直接接触のリスクなしに、特にタイヤのベルトをその構造の一部を構成するゴム層の厚さを低減することによって軽量化し、ひいてはタイヤの重量及び転がり抵抗を低減する。

目的

本発明は、目標とする特定の用途に応じて、タイヤのベルトの厚さ及びその構造の一部を構成するゴム層の厚さ、ひいては最終的にはタイヤの重量及び転がり抵抗を、各種補強材間の直接接触のリスクなしに、低レベルに維持する、又はさらにはもっと低減する可能性を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

円周(X)、軸(Y)及び半径(Z)の3つの主方向を定め、トレッド(3)を載置しているクラウン(2)と、2つの側壁(4)と、2つのビード(5)(各側壁(4)は各ビード(5)を前記クラウン(2)に接続している)と、各ビード(5)内に固定され且つ前記側壁(4)内を前記クラウン(2)まで延びているカーカス補強体(7)と、前記クラウン(2)内で円周方向(X)に延びており且つ前記カーカス補強体(7)と前記トレッド(3)の間に半径方向に配置されたクラウン補強体又はベルト(10)とを含み、前記ベルト(10)は、補強材(110、120、130)の少なくとも3層の重ね合せ層を含む多層複合ラミネート(10a、10b、10c)を含み、前記補強材は、各層内で一方向性であり且つ所定厚のゴム(それぞれC1、C2、C3)内に埋込まれているラジアルタイヤ(1)であって、・トレッド側で、ゴム(C1)の第1層(10a)は、円周方向(X)に対して−5度から+5度までの角度アルファ配向した第1列の補強材(110)を含み、第1補強材と称するこれらの補強材(110)は、0.30mmと0.60mmとの間のD1で示されるエンベロープ直径を有し且つ熱収縮性テキスタイル材料で作られており、・前記第1層(10b)と接触し且つその下に配置されて、ゴム(C2)の第2層(10b)は、円周方向(X)に対して正又は負の10度と30度との間の所定角度ベータで配向した第2列の補強材(120)を含み、第2補強材と称するこれらの補強材(120)は、0.20mmと0.50mmとの間の、D2で表される直径又は厚さを有し、・前記第2層(10b)と接触し且つその下に配置されて、ゴム(C3)の第3層(10c)は、それ自体円周方向(X)に対して10度と30度の間の、前記角度ベータの逆の角度ガンマで配向した第3列の補強材(130)を含み、第3補強材と称するこれらの補強材(130)は0.20mmと0.50mmとの間の、D3で表される直径又は厚さを有する、ラジアルタイヤ(1)において、・熱収縮性テキスタイル材料で作られた前記第1補強材(110)の全部又は一部は、100ターン毎メートルより大きい撚りTに従って個々にそれ自体に撚りをかけたマルチフィラメント繊維であり、・前記第2(120)及び/又は第3(130)補強材の全部又は一部は、そのガラス転移温度Tgが20℃より高い熱可塑性材料外装(120b、130b)で被覆された鋼モノフィラメント(120a、130a)を含む複合補強材である、ことを特徴とするラジアルタイヤ(1)。

請求項2

前記マルチフィラメント繊維の撚りTが、100tr/mと450tr/mとの間、好ましくは120tr/mから350tr/mまでの範囲内である、請求項1に記載のタイヤ

請求項3

前記マルチフィラメント繊維の線状密度が、50texと250texとの間、好ましくは65texから200texまでの範囲内にある、請求項1または2に記載のタイヤ。

請求項4

D1が0.35mmと0.55mmとの間、好ましくは0.40mmと0.50mmとの間である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項5

軸方向(Y)で測定したゴム(C1)の前記第1層内の第1補強材(110)の密度d1が、90スレッド/dmと150スレッド/dmとの間、好ましくは100スレッド/dmと140スレッド/dmとの間である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項6

熱収縮性テキスタイル材料で作られた前記第1補強材(110)の、185℃で2分後の熱収縮CTが、7.5%未満である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項7

CTが、7.0%未満、好ましくは6.0%未満である、請求項6に記載のタイヤ。

請求項8

前記第1補強材(110)を作る前記熱収縮性材料が、ポリアミド又はポリエステルである、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項9

個々にそれ自体に撚りをかけた前記モノフィラメント繊維が、ゴム(C1)の第1層(10a)の第1(110)補強材の大部分、好ましくは全部を占める、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項10

D2及び/又はD3は、0.25mmより大きく且つ0.40mm未満である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項11

D2及び/又はD3は、0.28mmから0.35mmまでの範囲内に含まれる、請求項10に記載のタイヤ。

請求項12

前記第2(120)及び/又は第3(130)複合補強材の前記鋼モノフィラメント(120a、130a)を被覆する前記熱可塑性外装(120b、130b)の、Emで表される最小厚さは、5μmと150μmとの間、好ましくは10μmと100μmとの間である、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項13

Tgが50℃より高い、好ましくは70℃より高い、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項14

前記熱可塑性材料が、ポリマー又はポリマー組成物である、請求項1乃至13のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項15

前記ポリマーが、ポリアミド又はポリエステルである、請求項14に記載のタイヤ。

請求項16

それぞれゴムの第2層(C2)及び第3層(C3)内の前記第2(120)及び第3(130)補強材のそれぞれの密度d2及びd3が、100スレッド/dmと180スレッド/dmとの間である、請求項1乃至15のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項17

前記密度d2及びd3が、110スレッド/dmと170スレッド/dmとの間、好ましくは120スレッド/dmと160スレッド/dmとの間である、請求項16に記載のタイヤ。

請求項18

前記第2及び第3補強材(120、130)を作る鋼が、炭素鋼である、請求項1乃至17のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項19

前記熱可塑性外装で外装された前記鋼モノフィラメントが、ゴム(C2)の前記第2層(10b)の前記第2補強材(120)の大部分、好ましくは全部を占める、請求項1乃至18のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項20

前記熱可塑性外装で外装された前記鋼モノフィラメントが、ゴム(C3)の前記第3層(10c)の前記第3補強材(130)の大部分、好ましくは全部を占める、請求項1乃至19のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項21

加硫状態の前記タイヤの前記ベルトの中央部分において、正中面(M)の両側で10cmの全軸方向幅にわたって測定した下記の特徴:−前記半径方向(Z)において測定した、第1補強材(110)をこれに最も近い第2補強材(120)から隔てているゴムの平均厚Ez1は、0.40mm未満、好ましくは0.20mmと0.40mmの間である、を満たす、請求項1乃至20のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項22

加硫状態の前記タイヤの前記ベルトの中央部分において、正中面(M)の両側で10cmの全軸方向幅にわたって測定した下記の特徴:−前記半径方向(Z)において測定した、第2補強材(120)をこれに最も近い第3補強材(130)から隔てているゴムの平均厚Ez2は、0.60mm未満、好ましくは0.35mmと0.60mmの間である、を満たす、請求項1乃至21のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項23

下記の不等式:0.15<Ez1/(Ez1+D1+D2)<0.30を満たす、請求項1乃至22のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項24

下記の不等式:0.20<Ez2/(Ez2+D2+D3)<0.50を満たす、請求項1乃至23のいずれか1項に記載のタイヤ。

請求項25

下記の不等式:0.20<(Ez1+Ez2)/(Ez1+Ez2+D1+D2+D3)<0.40を満たす、請求項1乃至24のいずれか1項に記載のタイヤ。

技術分野

0001

本発明は、車両タイヤ及びそのクラウン補強体又はベルトに関する。本発明は、より詳細には、特に乗用車又はバン用のこのようなタイヤのベルトにおいて使用される多層複合ラミネートに関する。

背景技術

0002

乗用車又はバン用のラジアルカーカス補強体を有するタイヤは、知られている通り、トレッドと、2つの非伸長性ビードと、これらのビードをトレッドに接続する2つの可撓性側壁と、カーカス補強体とトレッドとの間に周方向に配置された剛性クラウン補強体又は「ベルト」とを備える。

0003

タイヤベルトは、一般に、「ワーキングプライ」、「三角形分割プライ(triangulation ply)」あるいは「ワーキング補強体」と呼ばれる少なくとも2つのゴムプライで構成され、これらは重ね合わされて交差しており、通常、互いに実質的に平行に配置され且つ正中円周面に対して傾斜した金属コードによって補強されており、これらのワーキングプライは、他のプライ及び/又はゴムファブリックを伴っても又は伴わないことも可能である。これらのワーキングプライは、タイヤに高いドリフト推力又はコーナリング剛性を与えるという主たる機能を有し、これは知られている通り、自動車において良好な道路保持性(「ハンドリング」)を達成するのに必要である。

0004

上記ベルトは、これは持続的に高速走行することが多いタイヤに特に当てはまることであるが、ワーキングプライの(トレッド側の)上に、「フーピングプライ」又は「フープ補強体」と呼ばれる付加的なゴムプライをさらに含むことができ、これは一般に、「円周(circumferential)」と称される補強用スレッドで補強され、「円周」とは、それらの補強用スレッドが互いに事実上平行に配置され、タイヤケーシングのまわりに実質的に円周方向に延びて正中円周面に対して好ましくは−5°から+5°までの範囲の角度を形成することを意味する。これらの円周補強用スレッドの主な役割は、高速におけるクラウン遠心作用に耐えることであることを忘れてはならない。

0005

そのようなベルト構造体は、最終的には、通常はテキスタイルである少なくとも1つのフーピングプライと、一般に金属である2つのワーキングプライとを含む多層複合ラミネートから成り、当業者には周知であり、ここでさらに詳細に説明する必要はない。

0006

このようなベルト構造体を説明する従来技術は、特に特許文献1、特許文献2又は特許文献3、特許文献4、特許文献5又は特許文献6、特許文献7又は特許文献8、特許文献9又は特許文献10に示されている。

0007

ますます強くて耐久性のある鋼が入手可能になってきているということは、タイヤ製造者が、一方で製造を簡素化してコストを削減するために、他方では補強プライの厚さ、ひいてはタイヤのヒステリシスを低減し、最終的にはそのようなタイヤを装着した車両のエネルギー消費を削減するために、今日では可能な限り、極めて簡単な構造のコード、特にスレッドを2本だけ有するコード、それどころか個々のフィラメントのコードをタイヤベルト内で使用する傾向にあることを意味する。

0008

しかしながら、タイヤの質量を特にそのベルトの厚さ及びこれを構成するゴム層の厚さを低減することによって軽量化することを目指した努力は、必然的に物理限界に直面することになり、それは相当数の困難を引き起こしかねない。特に、フープ補強体によって付与されるフーピング機能と、ワーキング補強体によって付与される剛性化機能とは、もはや互いに十分に区別できず、互いに妨害することがある。もちろん、その全てが、タイヤのクラウンの適正な動作並びにタイヤの性能及び全体的耐久性にとっては有害である。

0009

そのため、出願人によって出願された特許文献11及び特許文献12は、タイヤのベルトを明らかに軽量化し、ひいてはその転がり抵抗を低下させると同時に、上記の欠点を軽減することを可能にする、特定の構造を有する多層複合ラミネートを提案している。

0010

これらの出願は、周、軸及び半径の3つの主方向を定め、トレッドが載置されたクラウンと、2つの側壁と、2つのビード(各側壁は各ビードをクラウンに接続している)と、各ビード内に固定され且つ側壁内に延びてクラウンに入るカーカス補強体と、クラウン内で周方向に延びており且つカーカス補強体とトレッドとの間に半径方向に配置されたクラウン補強体又はベルトとを備え、ベルトは、補強材の少なくとも3層の重ね合わせ層を含む多層複合ラミネートを含み、補強材は、各層内で一方向性であり且つある厚さのゴム内に埋め込まれている、ラジアルタイヤを開示し、特に、
・トレッド側で、ゴムの第1層は、円周方向に対して−5度から+5度までの角度アルファ配向した第1列の補強材を含み、第1補強材と称するこれらの補強材は、熱収縮性テキスタイル材料で作られており、
・第1層と接触し且つその下に配置されて、ゴムの第2層は、円周方向に対して正又は負の10度と30度との間の所定角度ベータで配向した第2列の補強材を含み、第2補強材と称するこれらの補強材は金属補強材であり、
・第2層と接触し且つその下に配置されて、ゴムの第3層は、それ自体円周方向に対して10度と30度との間の、角度ベータの逆の角度ガンマで配向した第3列の補強材を含み、第3補強材と称するこれらの補強材は金属補強材である。

0011

第1補強材は、従来方式で撚り合わされてテキスタイルコードの形態にされた、ポリアミド製又はポリエステル製のマルチフィラメント繊維で構成される。第2及び第3補強材自体は、特に非常に高強度の炭素鋼で作られた、鋼モノフィラメントからなる。

0012

上記特許出願は、その多層ラミネートの特定の構造により、特にその熱収縮性を制御したテキスタイルの円周方向補強材と、小直径の個々のモノフィラメントの形態の金属補強材との使用により、適正な動作、並びに一方で第1層の円周方向補強材によって付与されるフーピング機能と他方で他の2つの層の金属補強材によって付与される剛性化機能との区別を損なうことなく、タイヤのベルトの全体的な厚さの明らかな削減を達成することが可能であること立証した。

0013

したがって、事前組立て操作を何ら必要としない鋼モノフィラメントを使用することで、タイヤの重量及びその転がり抵抗を低コストで減らすことができ、このことは、コーナリング剛性、したがって道路保持性又は駆動における全体としての耐久性を損なうことなく達成することができる。

0014

にもかかわらず、上記出願に記載された多層ラミネートの特定の実装条件によれば、(第1、第2及び第3)ゴム層の厚さの低減は、半径方向(Z)において、これらの種々の層の補強材の間の直接接触あるいは近接し過ぎるリスクにそこここで直面することが、使用時に見いだされた。このことは、適正な動作及び多層複合ラミネートの長期耐久性にとって有害である。

0015

例えば、一方で、熱収縮性テキスタイル材料の性質に応じて変化し得る所定量の水を必然的に含むことが知られているテキスタイル円周スレッドと、他方で鋼モノフィラメントとの間の直接接触又は過剰な近接は、周囲のゴムとの接着性が損なわれることは言うまでもなく、後者の表面腐食を引き起こす可能性がある。

0016

第2層の鋼モノフィラメントと第3層の鋼モノフィラメントとの間の直接接触(これらはワーキング補強体内で互いに交差していることに留意)は、それ自体で、これらモノフィラメントの、作動条件下での繰り返す摩擦及び早すぎる摩耗をもたらし、最終的には、タイヤが広範囲走行した後に、このワーキング補強体の全体的な耐久性を損なうリスクをもたらし得る。

0017

米国特許第4 371 025号明細書
仏国特許発明2 504 067号明細書
米国特許第4 819 705号明細書
欧州特許第738 615号明細書
欧州特許第795 426号明細書
米国特許第5 858 137号明細書
欧州特許第1 162 086号明細書
米国特許出願公開第2002/0011296号明細書
欧州特許第1 184 203号明細書
米国特許第2002/0055583号明細書
国際公開2013/117476号
国際公開2013/117477号
国際公開2013/117474号
国際公開2013/117475号
国際公開2010/136389号
国際公開2010/105975号
国際公開2011/012521号
国際公開2011/051204号
国際公開2012/016757号
国際公開2012/038340号
国際公開2012/038341号
国際公開2012/069346号
国際公開2012/104279号
国際公開2012/104280号
国際公開2012/104281号
国際公開2013/017421号
国際公開2013/017422号
国際公開2013/017423号

先行技術

0018

B. Yilmaz、「Investigation of twisted monofilament cord properties made of nylon 6.6 and polyester」、Fibers and Polymers、2011年、第12巻、第8号、pp1091−1098

発明が解決しようとする課題

0019

出願人は、その研究を続ける中で、補強材間の直接接触のリスクによって引き起こされる上記課題を少なくとも部分的に軽減することを可能にする、且つ、2つの上記出願に記載されたラミネートを有利に置き換えることができる、新規構造の改良された多層複合ラミネートを開発した。

課題を解決するための手段

0020

したがって、本発明の第1の主題は、(添付の図1及び図2に示す符号に従い)、円周(X)、軸(Y)及び半径(Z)の3つの主方向を定め、トレッド(3)を載置しているクラウン(2)と、2つの側壁(4)と、2つのビード(5)(各側壁(4)は各ビード(5)を前記クラウン(2)に接続している)と、各ビード(5)内に固定され且つ前記側壁(4)内をクラウン(2)まで延びているカーカス補強体(7)と、クラウン(2)内で円周方向(X)に延びており且つカーカス補強体(7)とトレッド(3)の間に半径方向に配置されたクラウン補強体又はベルト(10)とを含み、ベルト(10)は、補強材(110、120、130)の少なくとも3層の重ね合せ層を含む多層複合ラミネート(10a、10b、10c)を含み、補強材は、各層内で一方向性であり且つ所定厚のゴム(それぞれC1、C2、C3)内に埋込まれている、ラジアルタイヤ(1)であって、
・トレッド側で、ゴム(C1)の第1層(10a)は、円周方向(X)に対して−5度から+5度までの角度アルファで配向した第1列の補強材(110)を含み、第1補強材と称するこれらの補強材(110)は、0.30mmと0.60mmとの間のD1で示されるエンベロープ直径を有し且つ熱収縮性テキスタイル材料で作られており、
・第1層(10b)と接触し且つその下に配置されて、ゴム(C2)の第2層(10b)は、円周方向(X)に対して正又は負の10度と30度との間の所定角度ベータで配向した第2列の補強材(120)を含み、第2補強材と称するこれらの補強材(120)は、0.20mmと0.50mmとの間の、D2で示される直径又は厚さを有し、
・第2層(10b)と接触し且つその下に配置されて、ゴム(C3)の第3層(10c)は、それ自体円周方向(X)に対して10度と30度の間の、角度ベータの逆の角度ガンマで配向した第3列の補強材(130)を含み、第3補強材と称するこれらの補強材(130)は、0.20mmと0.50mmとの間の、D3で表される直径又は厚さを有する、
ラジアルタイヤ(1)に関し、このタイヤは、
・熱収縮性テキスタイル材料で作られた第1補強材(110)の全部又は一部が、100ターン毎メートルより大きい撚りTに従って個々にそれ自体に撚りをかけたマルチフィラメント繊維であり、
・第2(120)及び/又は第3(130)補強材の全部又は一部が、そのガラス転移温度Tgが20℃より高い熱可塑性材料外装(120b、130b)で被覆された鋼モノフィラメント(120a、130a)を含む複合補強材である、
ことを特徴とする。

0021

それゆえ本発明は、目標とする特定の用途に応じて、タイヤのベルトの厚さ及びその構造の一部を構成するゴム層の厚さ、ひいては最終的にはタイヤの重量及び転がり抵抗を、各種補強材間の直接接触のリスクなしに、低レベルに維持する、又はさらにはもっと低減する可能性を提供する。

0022

熱可塑性外装はまた、タイヤに侵食が起こった場合に多層ラミネートに浸透しやすい腐食性薬剤に対する効果的なバリヤを構成する。さらに、この外装は、おおよそ鋼モノフィラメントの剛性とそれを被覆するゴムマトリックスの剛性の間の剛性を有するので、界面にかかる応力はより低くなり、このことは、本発明のタイヤの多層ラミネートの全体的な耐久性をさらに改善し易い。

0023

本発明による多層複合ラミネートは、あらゆるタイプのタイヤ、具体的には、特に4×4及びSUV(スポーツユーティリティビークル)を含む、乗用車用又はバン用のタイヤのためのベルト補強要素として用いることができる。

0024

本発明及びその利点は、以下の詳細な説明及び例示的な実施形態、そしてまたこれらの実施形態に関連して模式的に示された図1から図3まで(特段の断りのない限り、特定の縮尺に従うものではない)に照らして、容易に理解されるであろう。

図面の簡単な説明

0025

そのベルト(10)内に本発明による多層複合ラミネートを組み込んだ本発明によるタイヤ(1)の例を、半径断面(これはタイヤの回転軸を含む平面における断面を意味する)で示す。
それ自体で撚りをかけたマルチフィラメント繊維の形態の熱収縮性テキスタイル補強材(110)及び補強材(120、130)を組み込んだ、本発明によるタイヤ(1)において使用することができる複合多層(10a、10b、10c)ラミネート(10)の例を断面で示す。
熱可塑性材料外装(それぞれ120b、130b)で被覆された鋼モノフィラメント(それぞれ120a、130a)で構成され、外装は異なる断面形状、例えば円形正方形又は矩形輪郭をとることができる、本発明による多層ラミネート内で用いることができる複合補強材(120a、120b、130a、130b)の形態の補強材(それぞれ120、130)の例を断面で示す。

実施例

0026

定義
本出願において以下の定義が採用される。
・「ゴム」又は「エラストマー」(2つの用語は同義であるとみなす):ジエン型であれ非ジエン型であれ、任意のタイプのエラストマーであり、例えば熱可塑性である。
・「ゴム組成物」又は「ゴム状組成物」:少なくとも1つのゴムと少なくとも1つの充填材とを含有する組成物
・「層」:その厚さが他の寸法と比較して相対的に小さい、好ましくは他の最大寸法に対する厚さの比が0.5より小さい、より好ましくは0.1より小さい、シートストリップ又は任意の他の要素。
・「軸方向」:タイヤの回転軸に実質的に平行な方向。
・「円周方向」:軸方向及びタイヤの半径の双方に対して実質的に垂直な方向(換言すれば、中心がタイヤの回転軸上にある円の接線方向)。
・「半径方向」:タイヤの半径に沿った方向、すなわち、タイヤの回転軸を通り且つこの方向に対して実質的に垂直な任意の方向、すなわち、この方向に対する垂線と5度を超えない角度をなす方向。
・「モノフィラメント」は、その断面形状が何であれ、その直径(円形断面の場合)又は厚さが100μmより大きい、任意の個々のフィラメントを意味する。この定義は、本質的に円筒形の(円形断面を有する)モノフィラメント及び他の形状のモノフィラメント、例えば長円モノフィラメント(偏平形状)、又は矩形若しくは正方形断面のモノフィラメントを等しくカバーする。
・「軸に沿って又はある方向に配向した」とは、補強材のようないずれかの要素を説明するとき、この軸又はこの方向に対して実質的に平行に配向した、すなわち、この軸又はこの方向と5度を超えない(従ってゼロ又は高々5度に等しい)角度をなす要素を意味する。
・「軸又はある方向に対して垂直に配向した」とは、補強材のようないずれかの要素を説明するとき、この軸又はこの方向に対して実質的に垂直に配向した、すなわち、この軸又はこの方向に対する垂線と5度を超えない角度をなす要素を意味する。
・「正中円周面」(Mで示す):2つのビードの間の中ほどに位置し且つクラウン補強体又はベルトの中央を通る、タイヤの回転軸Yに対して垂直の面。
・「補強材」又は「補強用スレッド」:任意の長くて細いストランド、すなわち、その断面に対して長い長さを有する、任意の長線状(longilinear)の糸状ストランド、特に任意の個々のフィラメント、任意のマルチフィラメント繊維又はかかるフィラメント又は繊維の任意の組立体、例えば諸撚り糸(folded yarn)又はコードであり、このストランド又はスレッドは、直線状であってもよく、又は非直線状、例えば撚り又は捲縮がかけられていてもよく、このようなストランド又はスレッドは、ゴムマトリックスを補強する(すなわち、ゴムマトリックスの引張特性を改良する)ことができる。
・「一方向補強材」:本質的に相互に平行である、すなわち1つの同じ軸にそって配向した補強材。
・「ラミネート」又は「多層ラミネート」:国際特許分類によって示されている意味の範囲内において、互いに接触している平坦又は非平坦形態の少なくとも2つの層を含む任意の製品を意味し、これらの層は、互いに接合及び接続していても又はしていなくてもよく、「接合」又は接続」という表現は、接合又は組立ての全ての手段、特に接着結合による手段を包含するように広く解釈すべきである。

0027

さらにまた、特段の明示の指示のない限り、示す百分率(%)は、全て重量%である。

0028

「x及び/又はy」という表現は、「x」又は「y」又は両方(すなわち「x及びy」)を意味する。「aとbとの間」という表現によって示される値の範囲は、いずれも、「a」より大きい値から「b」より小さい値までに及ぶ(すなわち、終点「a」及び「b」を除く)の値の範囲を表し、他方、「aからbまで」という表現によって示される値の範囲は、いずれも、「a」から「b」までに及ぶ値の範囲(すなわち、厳密に終点「a」及び「b」を含む)を意味する。

0029

発明の詳細な説明及び例示的な実施形態
例として、図1は、例えば乗用車又はバン型の車両用の本発明によるタイヤの半径断面を極めて模式的に(すなわち、何らかの特定の縮尺に従うことなく)示したものであり、そのベルトは、本発明による多層複合ラミネートを含む。

0030

本発明によるこのタイヤ(1)は、円周(X)、軸(Y)及び半径(Z)の3つの主方向を定め、トレッド(3)を載置しているクラウン(2)と、2つの側壁(4)と、2つのビード(5)(各側壁(4)は各ビード(5)を前記クラウン(2)に接続している)と、各ビード(5)内に固定され且つ前記側壁(4)内をクラウン(2)まで延びているカーカス補強体(7)と、クラウン(2)内で円周方向(X)に延びており且つカーカス補強体(7)とトレッド(3)の間に半径方向に配置されたクラウン補強体又はベルト(10)とを含む。カーカス補強体(7)は、知られている通り、「ラジアル」と称されるテキスタイルコードによって補強された少なくとも1つのゴムプライで構成されており、これらのコードは、互いに事実上平行に配置され且つ一方のビードから他方のビードに延びて正中円周面Mと概ね80°と90°との角度をなしており、この場合、例として、補強体(7)は、各ビード(5)内の2本のビードワイヤ(6)の周り巻付けられており、この補強体(7)の折返し部(8)は、例えば、この場合そのホイールリム(9)上に取付けられた状態で示されているタイヤ(1)の外側に向って配置される。

0031

本発明によれば、また、後で詳述する図2及び図3の描写によれば、タイヤ(1)のベルト(10)は、補強材の3層の重ね合せ層(10a、10b、10c)を含む多層複合ラミネートを含み、補強材は、各層内で一方向性であり且つ所定厚のゴム(それぞれC1、C2、C3)内に埋込まれており、
・トレッド側で、ゴム(C1)の第1層(10a)は、円周方向(X)に対して−5度から+5度までの角度アルファで配向した第1列の補強材(110)を含み、第1補強材と称するこれらの補強材(110)は、0.30mmと0.60mmとの間のD1で示されるエンベロープ直径を有し且つ熱収縮性テキスタイル材料で作られており、
・第1層(10b)と接触し且つその下に配置されて、ゴム(C2)の第2層(10b)は、円周方向(X)に対して正又は負の10度と30度との間の所定角度ベータで配向した第2列の補強材(120)を含み、第2補強材と称するこれらの補強材(120)は、0.20mmと0.50mmとの間の、D2で示される直径又は厚さを有し、
・第2層(10b)と接触し且つその下に配置されて、ゴム(C3)の第3層(10c)は、それ自体円周方向(X)に対して10度と30度の間の、角度ベータの逆の角度ガンマで配向した第3列の補強材(130)を含み、第3補強材と称するこれらの補強材(130)は、0.20mmと0.50mmとの間の、D3で表される直径又は厚さを有する。

0032

本発明によれば、反対方向の、共に10°と30°との間の角度β及びγは、同一であっても又は異なっていてもよく、すなわち、第2(120)及び第3(130、)補強材は、上記定義の正中円周面(M)の両側で対称又は非対称に配置することができる。

0033

図1において模式的に示すこのタイヤにおいて、トレッド(3)、多層ラミネート(10)及びカーカス補強体(7)は、互いに接触していても、していなくてもよいことは当然理解されることであるが、にもかかわらず、これらのパーツは、図1においては、模式的に、簡素化目的で、また、図面をより明白にするために、意図的に離されている。これらは、最低限でもこれらの一部は、例えば、当業者にとって周知の、硬化又は架橋後の組立体の凝集力を最適化することを意図したタイガム(tie gum)によって、物理的に分離することができる。

0034

本発明のタイヤにおいて、第1の必須の特徴によれば、熱収縮性テキスタイル材料で作られた第1補強材(110)の全部又は一部は、100tr/m(ターン毎メートル)より大きい撚りTに従って個々にそれ自体に撚りをかけられたマルチフィラメント繊維である。

0035

換言すれば、これらの第1補強材(110)の全部又は一部は、各々が、個々にそれ自体に撚りを掛けられた単位マルチフィラメント繊維(単一ストランド)で構成され、これは一般に、周知のように少なくとも2本の繊維(又はストランド)に最初に個々に所与の方向(例えばS方向)で撚りをかけ、次いでこの(少なくとも)2本を一緒に反対方向(Z方向に撚り合わせて最終的に、少なくとも2本のストランドの組立てによってこの諸撚りが構成される諸撚り(twist)とは対照的に、「片撚り(overtwst)」と称される。

0036

このマルチフィラメント繊維の(個々の)撚りは、好ましくは100tr/mと450tr/mとの間、より好ましくは120tr/mから350tr/mまでの範囲、特に140tr/mから300tr/mまでの範囲にある。

0037

マルチフィラメント繊維の線状密度又はタイターは、50tex(g/繊維1000m)と250texとの間、より好ましくは65texから200texまでの範囲内にある。

0038

これらの第1のテキスタイル補強材(110)の(平均)エンベロープ直径D1は、それ自体、0.30mmと0.60mmとの間、好ましくは0.35mmと0.55mmとの間、特に0.40mmから0.50mmまでの範囲にある。エンベロープ直径とは、普通に、このような第1のテキスタイル補強材(110)が円形断面でない場合にこれを囲む仮想回転円柱の直径を意味する。

0039

好ましくは、熱収縮性テキスタイル材料で作られた第1補強材(110)の185℃で2分後の熱収縮(CTで表される)は、7.5%未満、より好ましくは7.0%未満、特に6.0%未満であり、それらの値は、タイヤケーシングの製造及び寸法安定性にとって、特にその硬化及び冷却段階において好適であることが判明している。

0040

このことは、後述の試験条件下でのこれら第1補強材(110)の相対収縮に関連する。パラメータCTは、特段の断りのない限り、標準ASTMD1204−08に従って、例えば「Testrite」型の装置で、標準プレテンションとして知られる0.5cN/texの下で測定される(従ってこれは試験される試験片のタイター又は線密度に対して表される)。一定の長さにおいて、最大収縮力(FCで表す)もまた、上記試験を用いて、この場合は温度180℃で3%伸びの下で測定される。この収縮力FCは、好ましくは、10N(ニュートン)より大きい。高収縮力は、タイヤが高走行速度の下でヒートアップするときの、タイヤのクラウン補強体に対する熱収縮性テキスタイル材料製の第1補強材(110)のフーピング能力にとって特に有益であることが判明している。

0041

上記パラメータCT及びFCは、区別なく、ラミネートに組み込まれ次いでタイヤに組み込まれる前の接着剤で被覆された初期テキスタイル補強材に対して測定することもでき、又は別法として、ひとたび加硫タイヤ中心領域から抜き出され、好ましくは「脱ゴム処理」(すなわち、これらを層C1内で被覆しているゴムを除去)されたこれら補強材を測定することもできる。

0042

任意の熱収縮性テキスタイル材料が適しており、特に且つ好ましくは、上記の収縮特性CTを満たすテキスタイル材料が適している。

0043

好ましくは、この熱収縮性テキスタイル材料は、ポリアミド、ポリエステル及びポリケトンから成る群から選択される。ポリアミド(又はナイロン)のうちでも特に、ポリアミド4−6、6、6−6、11又は12を挙げることができる。ポリエステルのうちでは、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBTポリブチレンテレフタレート)、PBN(ポリブチレンナフタレート)、PPT(ポリプロピレンテレフタレート)、及びPPN(ポリプロピレンナフタレート)を挙げることができる。

0044

より好ましくは、第1補強材(110)を作る熱収縮性テキスタイル材料は、ポリアミド(ナイロン)又はポリエステルである。

0045

優先的には、個々にそれ自体に撚りをかけたマルチフィラメント繊維は、ゴム(C1)の第1層(10a)の第1(110)補強材の大部分(定義により、数で大部分)、好ましくは全部を示す。

0046

それらのより高い緊密さにより、これらの片撚りは、従来の撚り合わされたマルチフィラメント繊維から形成されたテキスタイルコードに比べて、多層複合ラミネートの残りの部分を水分からより良く保護し、鋼モノフィラメントの表面腐食は言うまでもなく、ラミネートの各種補強材とそれらのまわりのゴムマトリックスとの間の接着性が損なわれるリスクを制限するという利点を提供する。

0047

本発明のタイヤにおいて、第2の必須の特徴によれば、第2(120)及び/又は第3(130)補強材の全部又は一部は、熱可塑性材料の外装(120b、130b)で被覆された鋼モノフィラメント(120a、130a)を含む複合補強材であり、これらのモノフィラメントは、一緒に撚り合わされ又はケーブル状にされておらず、個々の状態で使用されることに留意されたい。

0048

熱可塑性材料のガラス転移温度Tgは、20℃より高く、これは好ましくは50℃より高く、より好ましくは70℃より高い。その融点(Tfで示される)は、典型的には150℃より高く、より好ましくは200℃より高い。

0049

Tg及びTfは、公知の方法でDSC示差走査熱分析)によって、例えば2回目パスにおいて測定され、本出願においては特段の指示のない限り1999年の標準ASTMD3418に従って測定される(Mettler Toledo製「822−2」DSC装置;窒素雰囲気試料は、23℃から250℃まで10℃/分の勾配でのDSC曲線最終記録に先立って、最初に周囲温度(23℃)から250℃まで昇温され(10℃/分)、次いで23℃まで急冷される)。

0050

図3a図3b及び図3cに示すような第2(120)及び/又は第3(130)(より好ましくは第2及び第3)複合補強材の鋼モノフィラメント(120a、130a)を被覆する熱可塑性材料(120b、130b)の、Emで示される最小厚さは、好ましくは5μmと150μmとの間、より好ましくは10μmと100μmとの間、特に15μmと50μmとの間である。

0051

この熱可塑性外装は、おおよそ鋼モノフィラメントの剛性とそれらが被覆されるゴムマトリックスの剛性との間の剛性を有するので、界面にかかる応力はより低くなり、このことは、本発明のタイヤの多層ラミネートの全体的な耐久性をさらに改善し易い。

0052

典型的には、熱可塑性材料は、ポリマー又はポリマー組成物(すなわち少なくとも1種のポリマーと少なくとも1種の添加剤とに基づく組成物)である。

0053

この熱可塑性ポリマーは、好ましくは、ポリアミド、ポリエステル及びポリイミド並びにかかるポリマーの混合物から成る群から選択され、より好ましくは、このポリマーは、ポリアミド又はポリエステルである。(脂肪族)ポリアミドのうちでも特に、ポリアミド4−6、6、6−−6、11又は12を挙げることができる。ポリエステルのうちでは、より具体的には、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PBN(ポリブチレンナフタレート)、PPT(ポリプロピレンテレフタレート)、PPN(ポリプロピレンナフタレート)を挙げることができる。

0054

ポリマー組成物を形成するために、染料、充填材、可塑剤酸化防止剤又は他の安定剤のような各種添加剤を上記ポリマー又はポリマー混合物随意に添加することができる。ジエンゴムマトリックスに対する接着性を促進することが可能な、好ましくはそれ自体が熱可塑性の相溶性成分、例えば不飽和型TPS(熱可塑性スチレン)エラストマー、特にエポキシ化されたもの、例えば特許文献13及び特許文献14に記載されているようなものを、上記熱可塑性材料に有利に添加することができる。

0055

1つの好ましい実施形態において、外装は、熱可塑性材料の単層を含む。しかしながら別の選択肢として、外装は、幾つかの別個の層を含むことができ、それらの少なくとも1つ、又はそれらの全てであれ、熱可塑性材料である。それゆえ、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19、特許文献20、特許文献21、特許文献22、特許文献23、特許文献24及び特許文献25に記載された各種材料及び層を使用することができる。

0056

本発明による第2(120)及び第3(130)補強材は、それぞれD2及びD3で示される直径(又はその断面が非円形である場合には、定義により、厚さ)を有し、それは0.20mmと0.50mmとの間である。D2及びD3は、層毎に同一でも異なっていてもよく、これらが異なる場合は、本発明の具体的な実施形態に応じて、D3がD2よりも大きくてもよく、又は実際のところD2よりも小さくてもよい。

0057

優先的には、D2及び/又はD3(より好ましくはD2及びD3)は、0.25mmより大きく且つ0.40mmより小さい。より好ましくは、特に過酷な走行条件下での、本発明のタイヤの最適な耐久性のためには、D2及び/又はD3(より好ましくはD2及びD3)は、0.28mmから0.35mmまでの範囲内にある。

0058

好ましくは、鋼は、タイヤ用「鋼コード」型のコードにおいて用いられる鋼のような炭素鋼であるが、他の鋼、例えばステンレス鋼又は他の合金を使用することも当然可能である。

0059

1つの好ましい実施形態によれば、炭素鋼を用いる場合、その炭素含有量(鋼の重量%)は、0.5%から1.2%まで、より好ましくは0.7%から1.0%までの範囲内である。本発明は、特に標準張力NT高張力HT)鋼コード型の鋼に適用され、その場合、炭素鋼製の(第2及び第3)補強材は、好ましくは2000MPaより高い、より好ましくは2500MPaより高い引張り強さ(Rm)を有する。本発明はまた、鋼コード型の超高張力(SHT)、ウルトラ高張力(UHT)又はメガ張力MT)鋼にも適用され、その場合、炭素鋼製の(第2及び第3)補強材は、好ましくは3000MPaより高い、より好ましくは3500MPaより高い引張り強さ(Rm)を有する。これらの補強材の全破断伸び(At)は、弾性伸び塑性伸びとの和であり、好ましくは2.0%より大きい。

0060

鋼製の(第2及び第3)補強材に関する限り、破断力、Rmで示す破断強さ(MPaで表す)及びAtで示す破断伸び(%で表す全伸び)の測定は、1984年のISO規格6892に従って張力下で行う。

0061

使用する鋼は、それが具体的に炭素鋼又はステンレス鋼のいずれであっても、それ自体を、熱可塑性材料で外装する前に、例えば鋼モノフィラメントの加工性又は補強材及び/又はタイヤ自体磨耗特性、例えば、接着特性耐腐蝕性、さらにはまた老化に対する耐性をも改善する金属層で被覆してもよい。鋼は、例えば、黄銅(Zn−Cu合金)又は亜鉛の層で被覆することができる。ワイヤを製造するプロセスにおいて、黄銅又は亜鉛被覆は、ワイヤの延伸を容易にすること、及びワイヤがゴムに接着することをより容易にすることが特に想起されるであろう。

0062

鋼モノフィラメントを熱可塑性材料で外装又は被覆するステップは、当業者に公知の方式で行われ、例えば、これは、モノフィラメント、又は妥当な場合には平行に配置された幾つかのモノフィラメントを、適切な温度まで加熱された押出ヘッド内で、適切な直径の1つ又はそれ以上のダイに通すことによって行われ、又は予め適切な有機溶媒(又は混合溶媒)に溶かした熱可塑性材料を収容したコーティング浴に通すことによって行われることさえある。押出ヘッドを出ると、このようにして外装されたフィラメントは、次に、例えば空気又は他の冷ガスで、又は水浴を通り、その後乾燥段階を通ることにより、熱可塑性材料の層が固化するように十分に冷却される。有利には、熱可塑性材料の外装の堆積の前に、鋼モノフィラメントは、鋼と熱可塑性外装との間のその後の接着性を高めるために、接着処理を受けることができる。

0063

優先的には、熱可塑性材料の外層に、次いで、それが接触するゴム組成物の各層に面した接着剤層が設けられる。ゴムをこの熱可塑性材料に接着するために、任意の適切な接着系、例えば、天然ゴムなどの少なくとも1つのジエンエラストマーを含む単純な「RFL」(レソルシノールホルムアルデヒドラテックス)型のテキスタイル用接着剤、又は、ゴムとポリエステル若しくはポリアミド繊維などの従来の熱可塑性繊維との間に満足すべき接着性を与える任意の等価な接着剤、例えば特許文献26、特許文献27、特許文献28に記載されている接着剤組成物を使用することができる。

0064

例として、接着剤被覆プロセスは、以下の連続的ステップ、すなわち接着剤浴を通過するステップと、その後の過剰の接着剤を除去する排液ステップ(例えばブローインググレーディングによる)と、次に例えばオーブン又は加熱トンネル(例えば、180℃で30秒間)を通過することによる乾燥ステップと、最後に熱処理(例えば230℃で30秒間)とを本質的に含むことができる。

0065

上記の接着剤被覆プロセスの前に、熱可塑性材料の表面を、例えば機械的及び/又は物理的及び/又は化学的活性化して、その接着剤取り込みを改善すること、及び/又はゴムに対する最終的な接着性を改善することが有利であり得る。機械的処理は、例えば表面をマット仕上げにする又は引っかき傷をつける事前ステップで構成することができ、物理的処理は、例えば電子ビームなどの放射による処理で構成することができ、化学的処理は、例えばエポキシ樹脂及び/又はイソシアネート化合物の浴の事前通過で構成することができる。

0066

熱可塑性材料の表面は、通例として平滑であるので、接着剤被覆の際のマルチ複合補強材による接着剤の総取込みを高めるために、使用される接着剤に濃厚剤を添加することもまた有利であり得る。

0067

本発明のマルチ複合補強材の熱可塑性ポリマー層と、これが接触する各ゴム層との間の接続は、その積層体の用途であるタイヤの最終硬化(架橋)中に決定的にもたらされることを当業者は容易に理解するであろう。

0068

本発明の1つの好ましい実施形態によれば、熱可塑性外装で外装された鋼モノフィラメントは、ゴム(C2)の第2層(10b)の第2の補強材(120)の大部分(定義により、数で大部分)、より好ましくは全部を占める。別の好ましい実施形態によれば、前述の実施形態と組み合わせても組み合わせなくてもよい別の好ましい実施形態によれば、熱可塑性外装で外装された鋼フィラメントは、ゴム(C3)の第3層(10c)の第3補強材(130)の大部分、より好ましくは全部を占める。

0069

多層複合ラミネートを作るゴム組成物の各層(C1、C2、C3)(又は以下、「ゴム層」)は、少なくとも1つのエラストマーと少なくとも1つの充填材とに基づく。

0070

優先的には、ゴムはジエンゴムであり、すなわち想起されるように、ジエンモノマー、すなわち、共役型であるかどうかを問わず2つの炭素炭素二重結合を持つモノマーから少なくとも部分的に誘導される(すなわちホモポリマー又はコポリマー)任意のエラストマー(単一エラストマー又はエラストマーのブレンド)である。

0071

このジエンエラストマーは、さらに好ましくは、ポリブタジエン(BR)、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、ブタジエンコポリマーイソプレンコポリマー及びこれらエラストマーのブレンドからなる群から選択され、このようなコポリマーは、特に、ブタジエンスチレンコポリマーSBR)、イソプレン−ブタジエンコポリマー(BIR)、イソプレン−スチレンコポリマー(SIR)及びイソプレン−ブタジエン−スチレンコポリマー(SBIR)からなる群から選択される。

0072

1つの特に好ましい実施形態は、「イソプレン」エラストマー、すなわち、イソプレンのホモポリマー又はコポリマー、換言すれば、天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、各種イソプレンコポリマー及びこれらのエラストマーのブレンドからなる群から選択されるジエンエラストマーを使用することである。

0073

イソプレンエラストマーは、好ましくは、天然ゴム又はシス−1,4型の合成ポリイソプレンである。これらの合成ポリイソプレンのうちでも、シス−1,4結合の含有量モル%)が90%より多い、さらにより好ましくは98%より多いポリイソプレンを使用することが好ましい。1つの好ましい実施形態によれば、ゴム組成物の各層は、50phrから100phrまでの合成ゴムを含む。他の好ましい実施形態によれば、ジエンエラストマーは、例えばSBRエラストマーなどの他のジエンエラストマーで全体的又は部分的に構成されてもよく、これは、例えばBR型の他のエラストマーとのブレンドとして用いられ、又は単独で用いられる。

0074

各ゴム組成物は、1種だけ又は数種のジエンエラストマーを含むことができ、そしてまた、タイヤの製造用に意図されたゴムマトリックスにおいて通常使用される添加剤、例えば、カーボンブラック又はシリカのような補強用充填材カップリング剤老化防止剤、酸化防止剤、可塑剤又は伸展油(これは芳香族性又は非芳香族性(特に極めて弱い芳香族性又は非芳香族性の、例えばナフテン又はパラフィン型の、高粘性又は好ましくは低粘性の、MES又はTDAE油)のいずれであってもよい)、高ガラス転移温度(30℃よりも高い)を有する可塑化用樹脂未処理状態の組成物の処理(加工性)を補助する薬剤、粘着性付与樹脂加硫戻り防止剤メチレン受容体及び供与体、例えばHMT(ヘキサメチレンテトラミン)又はH3M(ヘキサメトキシメチルメラミン)など、補強用樹脂(レソルシノール又はビスマレイミドなど)、金属塩型の、例えば特にコバルト塩ニッケル塩又はランタニド塩の、既知の接着促進系架橋系又は加硫系、の全部又は一部を含むこともできる。

0075

好ましくは、ゴム組成物を架橋するための系は、加硫系と呼ばれる系であり、すなわち硫黄(又は硫黄供与剤)と一次加硫促進剤とに基づくものである。この基本加硫系に各種の既知の二次加硫促進剤又は加硫活性化剤を添加してもよい。硫黄は、0.5phrと10phrとの間の好ましい含有量で用いられ、一次加硫促進剤、例えばスルフェンアミドは、0.5phrと10phrとの間の好ましい含有量で用いられる。補強用充填材、例えばカーボンブラック及び/又はシリカの含有量は、好ましくは30phrより高く、特に30phrと100phrとの間である。

0076

通常タイヤに用いられる全てのカーボンブラック(「タイヤ等級ブラック)、特にHAF、ISAF又はSAF型のブラック類が、カーボンブラックとして適している。この中でも、さらに詳細には、300、600又は700(ASTM)等級のカーボンブラック(例えば、N326、N330、N347、N375、N683又はN772)が挙げられる。450m2/g未満、好ましくは30から400m2/gまでのBET表面積を有する沈降シリカ又はフュームドシリカが、シリカとして特に適している。

0077

当業者は、本説明に鑑みて、所望のレベルの特性(特に弾性係数)を達成するためにゴム組成物の配合をどのように調整するか、及び想定される特定の用途に合わせてどのように配合を適合させるかを知るであろう。

0078

好ましくは、各ゴム組成物は、架橋状態で、4MPaと25MPaの間、より好ましくは4MPaと20MPaの間の、10%伸び時の割線伸びモジュラスを有し、特に5MPaと15MPaの間の値が特に適していることが判明している。モジュラス測定は、特段の断りのない限り1998年の標準ASTMD 412(試験片「C」)従って、引張り試験において行われ、「真」の割線モジュラス(すなわち試験片の実際の断面に対するモジュラス)は、2回目の伸びにおいて(すなわち、適応サイクル後に)10%伸び時に測定され、本明細書ではMsで示され、MPaで表される(1999年の標準ASTM D1349に従う標準温度及び相対湿度条件下)。

0079

第1、第2及び第3補強材を上述のそれら3つのそれぞれのゴム層(C1、C2、C3)に接着させるために、任意の適切な接着系、第1のテキスタイル補強材及びその熱可塑性材料で外装された鋼モノフィラメントに関しては、例えば「RFL」(レソルシノール−ホルムアルデヒド−ラテックス)若しくは等価のタイプのテキスタイル用接着剤を使用することができる。

0080

本発明のタイヤは、他の好ましい特徴として、以下の特徴の少なくとも1つ及び好ましくは両方を有する。
・軸方向(Y)で測定した第1のゴム層(C1)内の第1補強材(110)の密度d1は、90スレッド/dm(デシメートル、すなわちゴム層100mm当たり)と150スレッド/dmとの間に含まれる。
・軸方向(Y)で測定した、それぞれ第2(C2)及び第3(C3)ゴム層内の第2(120)及び第3(130)補強材のそれぞれd2及びd3で示される密度、100スレッド/dmと180スレッド/dmとの間に含まれる。

0081

より好ましくは、以下の2つの特徴の少なくとも1つ、好ましくは両方が満たされる。
・密度d1は、100スレッド/dmと140スレッド/dmとの間である。
・密度d2及びd3は、110スレッド/dmと170スレッド/dmとの間、より好ましくは120スレッド/dmと160スレッド/dmとの間である。

0082

さらに、本発明の別の好ましい実施形態によれば、以下の特徴の少なくとも1つ(より好ましくはこれら3つの全部)が満たされる。
・半径方向(Z)において測定した、第1層(C1)の第1補強材(110)をこれに最も近い第2層(C2)の第2補強材(120)から隔てているゴムの平均厚Ez1は、0.40mm未満、より好ましくは0.20mmと0.40mmとの間、特に0.20mmと0.35mmとの間であり、
・半径方向(Z)において測定した、第2層(C2)の第2補強材(120)をこれに最も近い第3層(C3)の第3補強材(130)から隔てているゴムの平均厚Ez2は、0.60mm未満、より好ましくは0.35mmと0.60mmとの間、特に0.35mmと0.55mmの間であり、
・半径方向Zで測定した多層複合ラミネート、すなわちその3層の重ね合わせ層(C1、C2、C3)の全厚は、1.8mmと2.7mmとの間、特に2.0mmと2.5mmとの間に含まれる。

0083

上記の全てのデータ(D1、D2、D3、Em、d1、d2、d3、Ez1及びEz2)は、オペレータが、加硫タイヤの正中面(M)の両側5cmで、すなわち全幅10cmにわたって(すなわち正中面Mに対して−5cmと+5cmとの間)ベルトの中央部分を通る半径断面の写真に対して実験的に測定した平均値である。

0084

図2は、図1の本発明によるタイヤ(1)においてベルト(10)として用いられる多層複合ラミネート(10a、10b、10c)の1つの例を模式的に(いかなる特定の縮尺にも従うことなく)断面で示しており、ラミネート(10)は、
・100tr/mより大きい撚りに従ってそれ自体に撚りをかけたマルチフィラメント繊維の形態の熱収縮性テキスタイル材料(例えば、ポリエステル又はポリアミド)で作られた補強材(110);
・ガラス転移温度Tgが20℃より高い熱可塑性材料、例えばポリエステル製又はポリアミド製の外装(120b、130b)で被覆された鋼モノフィラメント(120a、130a)を含む、より詳細には図3に示すような第2(120)及び/又は第3(130)複合補強材
を組み込んでいる。

0085

例として、外装(120b、130b)は、円形、正方形又は実際には矩形(図3a図3b及び図3c)とすることができる。例えば長円形であってもよい。

0086

熱可塑性材料で外装された鋼モノフィラメントは、例えば図3a及び図3bに示すように個々に外装することができ、これが好ましい実施形態を構成する。しかしながら、別の好ましい実施形態によれば、例えば、最終補強材130がここでは単一の熱可塑性外装(130b)内でまとめて外装された4本の鋼モノフィラメント(130a)からなる図3cに示すように、同じ熱可塑性外装で幾つかの鋼モノフィラメント(ラミネートの補強材120及び/又は130の全部又は一部)をまとめて外装することができる。

0087

一方で熱収縮性テキスタイル材料を作る材料として、他方で鋼モノフィラメントを外装する材料として、1種類の同じ熱可塑性材料、例えばポリエステル又はポリアミドを使用することは、特にこれらの間に望ましくない直接接触が生じた場合に、それぞれの補強材の間の相溶性の問題が起こらないので、特に有利であることが判明したことを強調すべきであろう。

0088

図2に示すように、Ez1は、第1補強材(110)をこれに最も近い第2補強材(120)から隔てているゴムの厚さ(Ez1(1)、Ez1(2)、Ez1(3)、…、Ez1(i))の平均であり、これらの厚さは、各々、半径方向Zで測定され、ベルトの中心に対して−5.0cmと+5.0cmとの間の全軸方向距離にわたって(すなわち、例えば、層C1中に1cm当り10本の補強材(110)が存在する場合、全部で約100回の測定において)平均したものである。

0089

別の言い方をすれば、Ez1は、各第1補強材(110)をこれに半径方向Zで「背中合わせに」最も近い第2補強材(120)(もちろん外装も含めて)から隔てている最短距離Ez1(i)の平均であり、この平均は、正中面Mに対して−5cmと+5cmとの間に延びた軸方向間隔内で、ベルトの中心部分に存在する全ての第1補強材(110)に対して計算される。

0090

同様に、Ez2は、半径方向Zにおいて測定した、第2補強材(120)をこれに最も近い第3補強材(130)から隔てているゴムの厚さ(Ez2(1)、Ez2(2)、Ez2(3)、…、Ez2(i))の平均であり、この平均は、ベルトの中心に対して−5.0cmと+5.0cmとの間の全軸方向距離にわたって計算される。別の言い方をすれば、これらの厚さは、第2補強材(120)をこれに半径方向Zで「背中合わせに」最も近い第3補強材(130)から隔てている最短距離を表す。

0091

別の言い方をすれば、Ez2は、各第2補強材(120)をこれに半径方向Zで「背中合わせに」最も近い第3補強材(130)(もちろん外装も含めて)から隔てている最短距離Ez2(i)の平均であり、この平均は、正中面Mに対して−5cmと+5cmとの間に延びた軸方向間隔内で、ベルトの中心部分に存在する全ての第2補強材(120)に対して計算される。

0092

転がり抵抗、ドリフト推力及び走行耐久性に関する最適化された性能のために、本発明のタイヤは、下記の不等式の少なくとも1つ(より好ましくは3つ全部)を満たす。
0.15<Ez1/(Ez1+D1+D2)<0.30
0.20<Ez2/(Ez2+D2+D3)<0.50
0.20<(Ez1+Ez2)/(Ez1+Ez2+D1+D2+D3)<0.40

0093

結論として、本発明は、各種補強材間の直接接触のリスクなしに、タイヤのベルトの厚さ及びその構造の一部を構成するゴム層の厚さを低く維持する又はさらになお低減する可能性、そして最終的にはタイヤの重量及び転がり抵抗を提供する。
多層複合ラミネートは、その第1層におけるそれ自体で個々に撚りをかけたマルチフィラメントテキスタイルの組立体の使用により、水分からより良く保護される。

0094

熱可塑性外装は、タイヤに侵食が起こった場合に多層ラミネートに浸透し易い腐食性薬剤に対する効果的なバリヤとしても作用する。最後に、この外装は、おおよそ鋼モノフィラメントの剛性とそれを被覆するゴムマトリックスの剛性の間の剛性を有するので、界面にかかる応力が低くなり、このことは、本発明のタイヤの多層ラミネートの全体的な耐久性をさらに改善し易い。

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