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技術 組織工学型の組織代替系

出願人 ザ・ユニバーシティ・オブ・ブリティッシュ・コロンビア
発明者 アジズ・ガハリーライアン・ハートウェル
出願日 2016年2月3日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2017-541349
公開日 2018年2月15日 (2年2ヶ月経過) 公開番号 2018-504242
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 空隙路 極性配置 検体ホルダー 紫外線架橋法 ハイブリッドゲル ナノ線 トレー型 貫入ポリマーネットワーク
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題・解決手段

組織工学型の組織代替系のための組成物並びに調製法及び使用法であって、架橋マトリックス内に、コラーゲングリコサミノグリカン、及びハイドロゲルを含む組成物並びに調製法及び使用法が提供される。組成物は、更に凍結乾燥させ、創傷処置、組織工学、及び細胞移植等の方法における使用の前に、生理液再構成することもできる。

概要

背景

創傷ケアは、年齢性別国籍、及び他の人口学的特徴を超え、医療のうちで費用の高額な部門であり、全世界で、160億ドルに上っている。現行創傷ケア製品が非常に革新的であるという事実にも拘らず、複雑な創傷治癒は、入院の遷延及び反復並びに切断術を依然としてもたらしている。複雑な創傷有病率の背後にある駆動力には、人口の老化と併せて、肥満及び糖尿病等、主要な疾患が存在する。急性創傷の、通常の治癒カスケードは、凝血、再表皮化、次いで、新たに形成された組織リモデリングからなる。慢性創傷(潰瘍)又は火傷等、複雑な創傷は、細胞の治癒及び/又は生理学的治癒の欠損に起因して、開口したままとなる。創傷が開口したままとなる時間が長くなるほど、感染及びバイオバーデン(バイオフィルム)の発生可能性が大きくなり、瘢痕形成リスクが大きくなることが多い。創傷ケア業界の先端部分は、これらの理由で、より有効な生物学的創傷用包帯材の開発に大きな関心を寄せている。組織の修復及び再生のための1つの戦略は、その正常なアーキテクチャー回復へと組織の増殖及び発生を促進する、生体模倣性足場の使用である。固体(シート)足場に伴う1つの主要な問題は、それらが、不規則な形状及び大きさを有する創傷に同化できないことである。注射用材料が有用でありうる場合も、現行の市販材料は、周囲の組織と比較して脆弱である。これにも拘らず、in situのゲル細胞外マトリックスは、細胞移植及び他の手術手順効能を改善することができる。

概要

組織工学型の組織代替系のための組成物並びに調製法及び使用法であって、架橋マトリックス内に、コラーゲングリコサミノグリカン、及びハイドロゲルを含む組成物並びに調製法及び使用法が提供される。組成物は、更に凍結乾燥させ、創傷の処置、組織工学、及び細胞の移植等の方法における使用の前に、生理液再構成することもできる。

目的

ある特定の実施形態では、組成物を、コラーゲン及びグリコサミノグリカンを、グルタルアルデヒド及び/又はEDC:NHS等、適切な架橋剤を使用してあらかじめ架橋し、ハイドロゲルを、ホウ酸ナトリウム等、適切な架橋剤を使用してあらかじめ架橋した、部分的な架橋形態で提供する

効果

実績

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- 件
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請求項1

(a)2〜10mg/mlの間の濃度であるコラーゲンと;(b)グリコサミノグリカンの、コラーゲンに対する比が、約4:1〜約8:1の質量比であるグリコサミノグリカンと;(c)コラーゲンとグリコサミノグリカンとの生体適合性低分子架橋剤と;(d)最終組成物に対して0.3%〜1.2%w/volであるハイドロゲルと;(e)生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤とを含む組成物

請求項2

(a)2〜10mg/mlの間の濃度であるコラーゲンと;(b)グリコサミノグリカンの、コラーゲンに対する比が、約4:1〜約8:1の質量比であるグリコサミノグリカンと;(c)最終組成物に対して0.3%〜1.2%w/volであるハイドロゲルと;(d)生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤とを含む組成物。

請求項3

(a)3〜10mg/mlの間の濃度であるコラーゲンと;(b)グリコサミノグリカンの、コラーゲンに対する比が、約4:1〜約8:1の質量比であるグリコサミノグリカンと;(c)コラーゲンとグリコサミノグリカンとの生体適合性の低分子架橋剤と;(d)最終組成物に対して0.1%〜1.0%w/volであるハイドロゲルと;(e)生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤とを含む凍結乾燥組成物

請求項4

コラーゲンが、主に、線維状コラーゲンである、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。

請求項5

線維状コラーゲンが、I、II、III、V、及びXI型コラーゲンのうちの1又は複数から選択される、請求項4に記載の組成物。

請求項6

線維状コラーゲンが、I型コラーゲンである、請求項4又は5に記載の組成物。

請求項7

コラーゲンが、3〜10mg/mlの間の濃度である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。

請求項8

グリコサミノグリカンの、コラーゲンに対する比が、約5:1〜約8:1の質量比である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。

請求項9

グリコサミノグリカンの、コラーゲンに対する比が、6:1の質量比である、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。

請求項10

グリコサミノグリカンが、硫酸化グリコサミノグリカンである、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。

請求項11

グリコサミノグリカンが、デルマタン硫酸ケラタン硫酸ヘパラン硫酸、及びヘパリンのうちの1又は複数から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。

請求項12

グリコサミノグリカンが、コンドロイチン6-硫酸である、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。

請求項13

コラーゲンとグリコサミノグリカンとの生体適合性の低分子架橋剤が、グルタルアルデヒド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド):NHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド):スルホ-NHS(N-ヒドロキシスルホスクシンイミド)、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びゲニピンのうちの1又は複数から選択される、請求項1、3から12のいずれか一項に記載の組成物。

請求項14

コラーゲンとグリコサミノグリカンとの生体適合性の低分子架橋剤が、グルタルアルデヒド又はゲニピンである、請求項1、3から13のいずれか一項に記載の組成物。

請求項15

コラーゲンとグリコサミノグリカンとの生体適合性の低分子架橋剤が、グルタルアルデヒドである、請求項1、3から14のいずれか一項に記載の組成物。

請求項16

コラーゲンとグリコサミノグリカンとの生体適合性の低分子架橋剤が、ゲニピンである、請求項1、3から14のいずれか一項に記載の組成物。

請求項17

ハイドロゲルが、ハイドロゲルポリマーから形成され、ハイドロゲルポリマーが、ポリビニルアルコール(PVA);ポリ酢酸ビニル(PVアセテート);チオール化ポリビニルアルコール;ポリエチレングリコールを含有するポリビニルアルコールブロックポリマー(PVA-PEG);ポリビニルピロリドン(PVP);及び前出のポリマーのうちの任意の2つ以上によるこれらのコポリマーのうちの1又は複数から選択される、請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。

請求項18

ハイドロゲルポリマーが、PVAである、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。

請求項19

ハイドロゲルポリマーが、PVA-PEGである、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。

請求項20

ハイドロゲルポリマーが、PVアセテートである、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。

請求項21

ハイドロゲルポリマーが、PVPである、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。

請求項22

ハイドロゲルポリマーが、チオール化ポリビニルアルコールである、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。

請求項23

ハイドロゲルが、最終組成物に対して0.3%〜1.0%w/volである、請求項3に記載の組成物。

請求項24

ハイドロゲルが、最終組成物に対して0.01〜0.5%w/volである、請求項18に記載の組成物。

請求項25

ハイドロゲルが、最終組成物に対して0.4%〜0.8%w/volである、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。

請求項26

ハイドロゲルが、最終組成物に対して0.4%〜0.7%w/volである、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。

請求項27

ハイドロゲルが、最終組成物に対して0.4%〜0.6%w/volである、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。

請求項28

ハイドロゲルが、最終組成物に対して0.01〜1.5%w/volである、請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。

請求項29

生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤が、最終組成物に対して0.01%(w/v)〜0.0001%(w/v)である、請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物。

請求項30

生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤が、最終組成物に対して0.01%(w/v)〜0.1%(w/v)である、請求項1から29のいずれか一項に記載の組成物。

請求項31

生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤が、ホウ酸ナトリウム十水和物である、請求項1から30のいずれか一項に記載の組成物。

請求項32

生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤が、ホウ酸ナトリウム十水和物である、請求項18に記載の組成物。

請求項33

溶媒を更に含む、請求項3に記載の組成物。

請求項34

溶媒が、水又は生理液である、請求項33に記載の組成物。

請求項35

生理液が、血液、血清、又は血漿である、請求項34に記載の組成物。

請求項36

組成物のゲル化により形成されるマトリックスが、0.2〜2.0MPaの間の引張強度を有する、請求項1から35のいずれか一項に記載の組成物。

請求項37

組成物のゲル化により形成されるマトリックスが、1.45〜2.0MPaの間の引張強度を有する、請求項1から36のいずれか一項に記載の組成物。

請求項38

線維形成が、溶媒添加の13〜16分間以内に始まる、請求項3に記載の組成物。

請求項39

粉末のゲル化が、25℃〜40℃の間で生じる、請求項3に記載の組成物。

請求項40

粉末のゲル化が、25℃〜37℃の間で生じる、請求項3に記載の組成物。

請求項41

粉末のゲル化が、30℃〜37℃の間で生じる、請求項3に記載の組成物。

請求項42

粉末のゲル化が、37℃で生じる、請求項3に記載の組成物。

請求項43

請求項1、2、及び4から32のいずれか一項に記載の組成物の投与を含む創傷処置法

請求項44

請求項3に記載の粉末化組成物を、溶媒中で再構成する工程と、再構成された組成物を、それを必要とする患者へと投与する工程とを含む創傷処置法。

請求項45

請求項1、2、及び4から32のいずれか一項に記載の組成物の投与を含む組織工学法又は細胞移植法。

請求項46

組成物を調製する方法であって、(a)コラーゲンをグリコサミノグリカンと混合する工程であり、グリコサミノグリカンの、コラーゲンに対する比が、約4:1〜約8:1の質量比である工程と;(b)コラーゲンとグリコサミノグリカンとを架橋する工程と;(c)ハイドロゲルを、架橋されたコラーゲン及びグリコサミノグリカンへと添加する工程であり、ハイドロゲルが、最終組成物に対して0.3%〜1.0%w/volである工程と;(d)ハイドロゲルを架橋する工程とを含む方法。

請求項47

コラーゲンとグリコサミノグリカンとの架橋が、脱水熱処理(DHT)、紫外線照射(UV)、又は酵素的架橋を介する、請求項46に記載の方法。

請求項48

コラーゲンとグリコサミノグリカンとの架橋が、コラーゲンとグリコサミノグリカンとの低分子架橋剤を介する、請求項46に記載の方法。

請求項49

コラーゲンとグリコサミノグリカンとの架橋剤が、グルタルアルデヒド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド):NHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド):スルホ-NHS(N-ヒドロキシスルホスクシンイミド)、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びゲニピンのうちの1又は複数から選択される、請求項48に記載の方法。

請求項50

コラーゲンとグリコサミノグリカンとの架橋剤が、グルタルアルデヒドである、請求項48又は49に記載の方法。

請求項51

コラーゲンとグリコサミノグリカンとの架橋剤が、ゲニピンである、請求項48又は49に記載の方法。

請求項52

デキストランを添加する工程を更に含む、請求項50に記載の方法。

請求項53

ハイドロゲルが、ポリビニルアルコール(PVA);ポリ酢酸ビニル(PVアセテート);チオール化ポリビニルアルコール;ポリエチレングリコールを含有するポリビニルアルコールブロックポリマー(PVA-PEG);ポリビニルピロリドン(PVP);及び前出のポリマーのうちの任意の2つ以上によるこれらのコポリマーのうちの1又は複数を含む、請求項46から52のいずれか一項に記載の方法。

請求項54

ハイドロゲルが、PVAハイドロゲルである、請求項53に記載の方法。

請求項55

PVAハイドロゲルが、最終組成物に対して0.4〜0.6%(w/v)である、請求項54に記載の方法。

請求項56

ハイドロゲルの架橋剤が、ボレートである、請求項54又は55に記載の方法。

請求項57

ハイドロゲルの架橋剤が、ホウ酸ナトリウム十水和物である、請求項54、55、又は56に記載の方法。

請求項58

架橋剤が、最終組成物に対して0.01%(w/v)〜0.0001%(w/v)である、請求項46から57のいずれか一項に記載の方法。

請求項59

架橋剤が、最終組成物に対して0.01〜0.1%(w/v)である、請求項46から57のいずれか一項に記載の方法。

請求項60

組成物の凍結乾燥工程を更に含む、請求項46から57のいずれか一項に記載の方法。

請求項61

凍結乾燥させた組成物を粉末化させる工程を更に含む、請求項60に記載の方法。

請求項62

粉末を、溶媒中で再構成する工程を更に含む、請求項61に記載の方法。

請求項63

溶媒が、生理液又は水である、請求項62に記載の方法。

請求項64

生理液が、血液、血清、又は血漿である、請求項63に記載の方法。

請求項65

組成物を調製する方法であって、a)コラーゲン及びグリコサミノグリカンを、1又は複数の架橋剤と混合して、コラーゲンとグリコサミノグリカンとを架橋する工程と;b)ハイドロゲルポリマーを、a)による混合物へと添加する工程と;c)架橋剤を添加して、コラーゲン及びグリコサミノグリカンによるマトリックス中のハイドロゲルを架橋する工程とを含む方法。

請求項66

組成物を、加熱することにより更に重合させる、請求項65に記載の方法。

請求項67

組成物を調製する方法であって、a)中性近傍のpHにおいて、コラーゲンとコンドロイチン-6-硫酸とを架橋する工程と;b)ポリビニルアルコールベースのポリマーハイドロゲルを添加する工程と;c)ボレート及びアスコルビン酸を添加する工程と;d)c)による混合物を凍結させる工程と;e)凍結させた混合物を乾燥させる工程と;f)凍結乾燥させた生成物を、粉末へと破砕する工程とを含む方法。

請求項68

水性生物学的溶媒又は非生物学的溶媒を、粉末へと添加して、再構成された組成物を形成する工程を更に含む、請求項67に記載の方法。

請求項69

再構成された組成物の粘度を調整する工程を更に含む、請求項68に記載の方法。

請求項70

粘度の調整が、せん断減粘剤による、請求項69に記載の方法。

請求項71

せん断減粘剤が、グアーガムである、請求項70に記載の方法。

請求項72

粘度の調整が、せん断増粘剤による、請求項69に記載の方法。

請求項73

せん断増粘剤が、デキストランである、請求項72に記載の方法。

請求項74

細胞の、再構成された組成物への添加を更に含む、請求項68に記載の方法。

請求項75

細胞が、自家細胞の場合もあり、同系細胞の場合もあり、異種細胞の場合もある、請求項74に記載の方法。

請求項76

請求項46から75のいずれか一項に記載の方法により得られる生成物。

請求項77

(a)請求項1から42のいずれか一項に記載の組成物と;(b)容器とを含む市販用パッケージ

請求項78

組成物が、凍結乾燥粉末である、請求項77に記載の市販用パッケージ。

請求項79

(a)溶媒;(b)シリンジ;(c)注射針;及び(d)PDMS製の薄膜のうちの1又は複数を更に含む、請求項77又は78に記載の市販用パッケージ。

請求項80

混合弁を備えるシリンジを更に含む、請求項77から79のいずれか一項に記載の市販用パッケージ。

請求項81

請求項1から42のいずれか一項に記載の組成物の、創傷処置のための医薬の製造における使用。

請求項82

請求項1から42のいずれか一項に記載の組成物の、創傷処置のための使用。

請求項83

細胞を培養する方法であって、細胞を、請求項1から42のいずれか一項に記載の組成物と混合する工程を含む方法。

請求項84

細胞が、脂肪細胞;成体再生細胞;シュワン細胞;皮膚由来神経前駆細胞;DRC;及びASCのうちの1又は複数から選択される、請求項83に記載の方法。

請求項85

(a)網状の皮膚移植片を適用する工程と;(b)網状皮膚移植片の内部を、請求項1から42のいずれか一項に記載の組成物又は再構成された組成物で満たす工程とを含む皮膚移植法。

技術分野

0001

本発明は、創傷治癒組織工学細胞移植、及びポリマー科学に関する。特に、本発明は、組織代替組成物及びマトリックス代替組成物、その使用法及び作製法に関する。本発明は、創傷治癒及び細胞移植の方法を含む使用法も更に提供する。

0002

関連出願の相互参照
本出願は、2015年2月6日に出願された、「組織工学型の組織代替系」と題する米国特許仮出願第62/112,883号の利益を主張する。

背景技術

0003

創傷ケアは、年齢性別国籍、及び他の人口学的特徴を超え、医療のうちで費用の高額な部門であり、全世界で、160億ドルに上っている。現行創傷ケア製品が非常に革新的であるという事実にも拘らず、複雑な創傷治癒は、入院の遷延及び反復並びに切断術を依然としてもたらしている。複雑な創傷有病率の背後にある駆動力には、人口の老化と併せて、肥満及び糖尿病等、主要な疾患が存在する。急性創傷の、通常の治癒カスケードは、凝血、再表皮化、次いで、新たに形成された組織のリモデリングからなる。慢性創傷(潰瘍)又は火傷等、複雑な創傷は、細胞の治癒及び/又は生理学的治癒の欠損に起因して、開口したままとなる。創傷が開口したままとなる時間が長くなるほど、感染及びバイオバーデン(バイオフィルム)の発生可能性が大きくなり、瘢痕形成リスクが大きくなることが多い。創傷ケア業界の先端部分は、これらの理由で、より有効な生物学的創傷用包帯材の開発に大きな関心を寄せている。組織の修復及び再生のための1つの戦略は、その正常なアーキテクチャー回復へと組織の増殖及び発生を促進する、生体模倣性足場の使用である。固体(シート)足場に伴う1つの主要な問題は、それらが、不規則な形状及び大きさを有する創傷に同化できないことである。注射用材料が有用でありうる場合も、現行の市販材料は、周囲の組織と比較して脆弱である。これにも拘らず、in situのゲル細胞外マトリックスは、細胞移植及び他の手術手順効能を改善することができる。

0004

US7799767
US7226611
US6833408
US6818018
US6136334
US5147344
US4664857
US4565784
WO2000/061660
WO1999/053968

先行技術

0005

EJ. Suuronenら、Toxicological Sciences(2004)
B. Sarti、M. Scandola、Biomaterials(1995)
Remi Parenteau-Bareilら、Materials(2010)
R. Hartwellら、Acta Biomaterialia(2011)
Turner R.ら、Transplantation(2010)
Al-Abboodi A.ら、Advanced healthcare materials(2014)
Balakrishnan B.ら、Biomaterials(2005)
Meng X.ら、Journal of biomedical materials research Part A(2013)
PrestwichGD、Organogenesis(2008)

発明が解決しようとする課題

0006

ポリマー科学における多数の進歩は、更なる開発のために、多くの選択肢をもたらしている[例えば、US7799767、US7226611、US6833408、US6818018、US6136334、US5147344、US4664857、US4565784、WO2000/061660、WO1999/053968、EJ. Suuronenら、Toxicological Sciences(2004)、及びB. Sarti、M. Scandola、Biomaterials(1995)、及びRemi Parenteau-Bareilら、Materials(2010)]。更に、R. Hartwellらは、特徴を改善したハイドロゲル-コラーゲン複合体について記載している[Acta Biomaterialia(2011)]。これにも拘らず、改善された創傷ケア戦略、創傷ケア製品、及び創傷ケア法に対して満たされていない必要が、現在、強く存在する。

課題を解決するための手段

0007

本発明は部分的に、コラーゲングリコサミノグリカン、ハイドロゲル、及び1又は複数の架橋剤を含む、ある特定の組成物は、多種多様な使用に適する、強力で、熱的及び酵素的に安定的なマトリックスを形成することが可能であるという驚くべき発見に基づく。本発明の一部の実施形態は、このような組成物は、生理液(例えば、血清又は血漿)を含む、適切な溶媒再構成して、強力で、熱的に安定的なマトリックスを形成しうる、乾燥粉末化形態で調製することが可能であるという偶然の発見にも更に基づく。本発明の実施形態は、このような組成物は、創傷の処置及び細胞の移植全般のための治療剤として特に有用であるという発見にも更に基づく。本発明の実施形態は、細胞が、本明細書で記載される組成物であって、コラーゲン及びグリコサミノグリカン単独による既に公知の組成物と顕著に異なる組成物の一部に好適に応答するという、偶然の知見にも更に基づく。

0008

第1の実施形態では、(a)2〜10mg/mlの間の濃度であるコラーゲンと;(b)グリコサミノグリカンの、コラーゲンに対する比が、約4:1〜約8:1の質量比であるグリコサミノグリカンと;(c)コラーゲンとグリコサミノグリカンとの生体適合性低分子架橋剤と;(d)最終組成物に対して0.3%〜1.2%w/volであるハイドロゲルと;(e)生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤とを含む組成物が提供される。

0009

更なる実施形態では、(a)2〜10mg/mlの間の濃度であるコラーゲンと;(b)グリコサミノグリカンの、コラーゲンに対する比が、約4:1〜約8:1の質量比であるグリコサミノグリカンと;(c)最終組成物に対して0.3%〜1.2%w/volであるハイドロゲルと;(d)生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤とを含む組成物が提供される。

0010

更なる実施形態では、(a)2〜10mg/mlの間の濃度であるコラーゲンと;(b)グリコサミノグリカンの、コラーゲンに対する比が、約4:1〜約8:1の質量比であるグリコサミノグリカンと;(c)最終組成物に対して0.2%〜1.2%w/volであるハイドロゲルと;(d)生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤とを含む組成物が提供される。

0011

更なる実施形態では、(a)2〜10mg/mlの間の濃度であるコラーゲンと;(b)グリコサミノグリカンの、コラーゲンに対する比が、約4:1〜約8:1の質量比であるグリコサミノグリカンと;(c)最終組成物に対して0.1%〜1.2%w/volであるハイドロゲルと;(d)生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤とを含む組成物が提供される。

0012

更なる実施形態では、(a)3〜10mg/mlの間の濃度であるコラーゲンと;(b)グリコサミノグリカンの、コラーゲンに対する比が、約4:1〜約8:1の質量比であるグリコサミノグリカンと;(c)コラーゲンとグリコサミノグリカンとの生体適合性の低分子架橋剤と;(d)最終組成物に対して0.1%〜1.0%w/volであるハイドロゲルと;(e)生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤とを含む凍結乾燥組成物が提供される。

0013

ある特定の実施形態では、組成物を、コラーゲン、グリコサミノグリカン、及びハイドロゲルが、本明細書で記載される架橋マトリックスを形成するように調製するが、次いで、その後、凍結乾燥及び/又は粉末化させる。凍結乾燥させた生成物が、十分に小粒径である、複数の実施形態では、凍結乾燥させた組成物を粉末化させる必要がない場合もある。凍結乾燥は、組成物の安定性を増大させるのに有益な場合があり、また、特定の使用に最も適する溶媒による再構成も可能とする。

0014

更なる実施形態では、本明細書で記載される組成物の投与を含む創傷処置法が提供される。

0015

更なる実施形態では、本明細書で記載される粉末化組成物を、溶媒中で再構成する工程と、再構成された組成物を、それを必要とする患者へと投与する工程とを含む創傷処置法が提供される。

0016

更なる実施形態では、本明細書で記載される組成物の投与を含む組織工学法又は細胞移植法が提供される。

0017

更なる実施形態では、組成物を調製する方法であって、(a)コラーゲンをグリコサミノグリカンと混合する工程であり、グリコサミノグリカンの、コラーゲンに対する比が、約4:1〜約8:1の質量比でありうる工程と;(b)コラーゲンとグリコサミノグリカンとを架橋する工程と;(c)ハイドロゲルを、架橋されたコラーゲン及びグリコサミノグリカンへと添加する工程であり、ハイドロゲルが、最終組成物に対して0.3%〜1.0%w/volでありうる工程と;(d)ハイドロゲルを架橋する工程とを含む方法が提供される。

0018

更なる実施形態では、組成物を調製する方法であって、a)コラーゲン及びグリコサミノグリカンを、1又は複数の架橋剤と混合して、コラーゲンとグリコサミノグリカンとを架橋する工程と;b)ハイドロゲルポリマーを、a)による混合物へと添加する工程と;c)架橋剤を添加して、コラーゲン及びグリコサミノグリカンによるマトリックス中のハイドロゲルを架橋する工程とを含む方法が提供される。方法は、加熱による重合化を含みうる。

0019

更なる実施形態では、組成物を調製する方法であって、a)中性近傍のpHにおいて、コラーゲンとコンドロイチン-6-硫酸とを架橋する工程と;b)ポリビニルアルコールベースのポリマーハイドロゲルを添加する工程と;c)ボレート及びアスコルビン酸を添加する工程と;d)c)による混合物を凍結させる工程と;e)凍結させた混合物を乾燥させる工程と;f)凍結乾燥させた生成物を、粉末へと破砕する工程とを含む方法が提供される。

0020

更なる実施形態では、本明細書で記載される方法により得られる生成物が提供される。

0021

更なる実施形態では、(a)本明細書で記載される組成物と;(b)容器とを含む市販用パッケージ物が提供される。

0022

更なる実施形態では、本明細書で記載される組成物の、創傷処置のための医薬の製造における使用が提供される。

0023

更なる実施形態では、本明細書で記載される組成物の、創傷処置のための使用が提供される。

0024

更なる実施形態では、細胞を培養する方法であって、細胞の、本明細書で記載される組成物との混合を含む方法が提供される。

0025

更なる実施形態では、(a)網状の皮膚移植片を適用する工程と;(b)網状皮膚移植片の内部を、本明細書で記載される組成物又は再構成された組成物で満たす工程とを含む皮膚移植法が提供される。

0026

一部の実施形態では、酵素法熱的方法、又は紫外線架橋法[すなわち、トランスグルタミナーゼ脱水熱処理(DHT)、又は紫外線照射(UV)]を使用して、コラーゲンと、グリコサミノグリカンとを架橋したので、組成物は、低分子架橋剤を存在させない。

0027

組成物はまた、グルタルアルデヒド架橋反応を安定化させるのに、非還元性糖として使用される場合の、微量のデキストランであって、浸透圧平衡もまたもたらす、微量のデキストランも含有しうる。非ボレート/非PVAハイドロゲルは、高質量百分率でも働きうるが、PVA/ボレートハイドロゲルは、質量百分率が0.1%を上回って増大すると、取扱いが困難となりうる。1%w/vまでの濃度は、十分良好に働くが、細胞の増殖を遅らせる可能性がある。適切な範囲は、0.01〜0.5%でありうる。グリコサミノグリカン以外の非分枝状多糖も、使用しうるが、非硫酸化多糖(例えば、ヒアルロン酸)は、推奨されない。また、キトサン及びヒアルロナンも、使用すべきではない。

0028

コラーゲンは、主に、線維状コラーゲンでありうる。線維状コラーゲンは、I、II、III、V、及びXI型コラーゲンのうちの1又は複数から選択することができる。線維状コラーゲンは、I型コラーゲンでありうる。コラーゲンは、3〜10mg/mlの間の濃度でありうる。グリコサミノグリカンの、コラーゲンに対する比は、約5:1〜約8:1の質量比でありうる。グリコサミノグリカンの、コラーゲンに対する比は、6:1の質量比でありうる。グリコサミノグリカンは、硫酸化グリコサミノグリカンでありうる。グリコサミノグリカンは、デルマタン硫酸ケラタン硫酸ヘパラン硫酸、及びヘパリンのうちの1又は複数から選択することができる。グリコサミノグリカンは、コンドロイチン6-硫酸でありうる。

0029

コラーゲンとグリコサミノグリカンとの生体適合性の低分子架橋剤は、グルタルアルデヒド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド):NHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド):スルホ-NHS(N-ヒドロキシスルホスクシンイミド)、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びゲニピンのうちの1又は複数から選択することができる。コラーゲンとグリコサミノグリカンとの生体適合性の低分子架橋剤は、グルタルアルデヒド又はゲニピンでありうる。コラーゲンとグリコサミノグリカンとの生体適合性の低分子架橋剤は、グルタルアルデヒドでありうる。コラーゲンとグリコサミノグリカンとの生体適合性の低分子架橋剤は、ゲニピンでありうる。

0030

ハイドロゲルは、ハイドロゲルポリマーから形成され、ハイドロゲルポリマーは、ポリビニルアルコール(PVA);ポリ酢酸ビニル(PVアセテート);チオール化ポリビニルアルコール;ポリエチレングリコールを含有するポリビニルアルコールブロックポリマー(PVA-PEG);ポリビニルピロリドン(PVP);及び前出のポリマーのうちの任意の2つ以上によるこれらのコポリマーのうちの1又は複数から選択される。ハイドロゲルポリマーは、PVAでありうる。ハイドロゲルポリマーは、PVA-PEGでありうる。ハイドロゲルポリマーは、PVアセテートでありうる。ハイドロゲルポリマーは、PVPでありうる。ハイドロゲルポリマーは、チオール化ポリビニルアルコールでありうる。ハイドロゲルは、最終組成物に対して0.3%〜1.0%w/volでありうる。ハイドロゲルは、最終組成物に対して0.01〜0.5%w/volでありうる。ハイドロゲルは、最終組成物に対して0.4%〜0.8%w/volでありうる。ハイドロゲルは、最終組成物に対して0.4%〜0.7%w/volでありうる。ハイドロゲルは、最終組成物に対して0.4%〜0.6%w/volでありうる。ハイドロゲルは、最終組成物に対して0.5%〜0.6%w/volでありうる。ハイドロゲルは、最終組成物に対して0.4%〜0.5%w/volでありうる。ハイドロゲルは、最終組成物に対して0.01〜1.5%w/volでありうる。

0031

生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤は、最終組成物に対して0.01%(w/v)〜0.0001%(w/v)でありうる。生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤は、最終組成物に対して0.01%(w/v)〜0.1%(w/v)でありうる。生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤は、ホウ酸ナトリウム十水和物でありうる。生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤は、ホウ酸ナトリウム十水和物でありうる。

0032

組成物は、溶媒を更に含みうる。溶媒は、水又は生理液でありうる。生理液は、血液、血清、又は血漿でありうる。溶媒は、培地でありうる。培地は、細胞培地でありうる。

0033

組成物のゲル化により形成されるマトリックスは、0.2〜2.0MPaの間の引張強度を有する。組成物のゲル化により形成されるマトリックスは、1.45〜2.0MPaの間の引張強度を有する。本明細書で記載される組成物において、線維形成は、溶媒添加の13〜16分間以内に始まる。本明細書で記載される組成物において、粉末のゲル化は、25℃〜40℃の間で生じる。本明細書で記載される組成物において、粉末のゲル化は、25℃〜37℃の間で生じる。本明細書で記載される組成物において、粉末のゲル化は、30℃〜37℃の間で生じる。本明細書で記載される組成物において、粉末のゲル化は、37℃で生じる。

0034

コラーゲンと、グリコサミノグリカンとの架橋は、脱水熱処理(DHT)、紫外線照射(UV)、又は酵素的架橋を介しうる。コラーゲンと、グリコサミノグリカンとの架橋は、コラーゲンと、グリコサミノグリカンとの低分子架橋剤を介しうる。コラーゲンとグリコサミノグリカンとの架橋剤は、グルタルアルデヒド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド):NHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド):スルホ-NHS(N-ヒドロキシスルホスクシンイミド)、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びゲニピンのうちの1又は複数から選択することができる。コラーゲンとグリコサミノグリカンとの架橋剤は、グルタルアルデヒドでありうる。コラーゲンとグリコサミノグリカンとの架橋剤は、ゲニピンでありうる。方法は、デキストランを添加する工程を更に含みうる。

0035

方法は、組成物の凍結乾燥を更に含みうる。方法は、凍結乾燥させた組成物を粉末化させる工程を更に含みうる。方法は、粉末を、溶媒中で再構成する工程を更に含みうる。溶媒は、生理液又は水でありうる。生理液は、血液、血清、又は血漿でありうる。

0036

方法は、水性の生物学的溶媒又は非生物学的溶媒を、粉末へと添加して、再構成された組成物を形成する工程を更に含みうる。方法は、再構成された組成物の粘度を調整する工程を更に含みうる。方法は、せん断減粘剤で粘度を調整する工程を更に含みうる。せん断減粘剤は、グアーガムでありうる。粘度の調整は、せん断増粘剤を伴いうる。せん断増粘剤は、デキストランでありうる。方法は、細胞の、再構成された組成物への添加を更に含みうる。細胞は、自家細胞の場合もあり、同系細胞の場合もあり、異種細胞の場合もある。

0037

組成物は、凍結乾燥粉末でありうる。市販用パッケージは、(a)溶媒;(b)シリンジ;(c)注射針;及び(d)PDMS製の薄膜のうちの1又は複数を更に含みうる。PDMS薄膜を、包帯材として使用しうるが、代替的な包帯材もまた、市販用パッケージに組み入れることができる。

0038

市販用パッケージは、混合弁を備えるシリンジを更に含みうる。

0039

細胞は、脂肪細胞;成体再生細胞;シュワン細胞;皮膚由来神経前駆細胞;DRC;及びASCのうちの1又は複数から選択することができる。

0040

また、本明細書で記載される組成物を、非治癒創傷マウスモデルにおいて、マトリゲルに対しても査定したところ、組成物は、マトリゲルより迅速に創傷治癒を促進することが見出された。

0041

ある特定の実施形態は、PVAハイドロゲルを、最終組成物に対して0.4%〜1.2%w/volで有する。ある特定の実施形態は、PVAハイドロゲルを、最終組成物に対して0.8%〜1.0%w/volで有するが、この場合、PVA-PEGブロックコポリマーを使用する。PVAハイドロゲルを、最終組成物に対して0.4%〜0.6%w/volで有する他の実施形態は、偶然、37℃より低温でゲル化する粘性溶液が可能であることを示した。更に、この濃度は、生細胞存続させるためにより適した。更に、ある特定の実施形態では、PVA(pH 7.0)が10%(w/v)であり、99%が加水分解した高分子量のPVA(125kD〜200kD)と、88%だけが加水分解した中分子量のPVA(40kD〜100kD)との混合物(50/50)(「加水分解%」とは、アルコールへと加水分解したアセテート基百分率を指す)を含む実施形態(10% HMW/MMW 50/50 99%/88% hyd)が好ましいことも示された。

0042

ポリビニルアルコール(PVA)ハイドロゲル及びその変化形(例えば、チオール化ポリビニルアルコール;ポリエチレングリコールを含有するポリビニルアルコールブロックポリマー(PVA-PEG);又はこれらのコポリマー)を有する、ある特定の実施形態を使用し、ホウ酸ナトリウム十水和物の、生体適合性のハイドロゲルの低分子架橋剤としての使用から利益を得ることを見出した。ホウ酸ナトリウム十水和物(pH8)の、最終組成物に対して0.02%(w/v)〜0.0001%(w/v)の間の濃度を使用することができる。更に、ホウ酸ナトリウム十水和物(pH8)の、最終組成物に対して0.01%(w/v)〜0.0001%(w/v)の間の濃度は、ボレート濃度が高度なPVAゲルより安定的なゲルをもたらすことが偶然見出された。ボレート濃度が0.03%を超える一部のゲルは、PVA含量が比較的高度な場合、早期にゲル化する場合があり、最適の範囲(すなわち、最終組成物に対して0.02%(w/v)〜0.0001%(w/v))は、作出時におけるゲルの取扱いを容易とする(例えば、より均一なミックスをもたらす)。PVAハイドロゲルに関する実験では、ボレートを添加する前における、PVAの添加及びコラーゲン-グリコサミノグリカン足場への混合は、その後、コラーゲン内及びコラーゲン周囲で、ボレートにより複合体化又は架橋される、相互貫入様ハイドロゲルの形成をもたらすので[又は観察(より粘性が大きく、均質なコラーゲン混合物)により]、好適であることが分かった。

0043

ある特定の実施形態では、コラーゲン-GAG-ハイドロゲルマトリックスの作出の後における、1又は複数の架橋剤の添加は、ゲルマトリックスに、接着特性を付加することが偶然見出された。特に、ゲニピン(3.5〜5.0μM)及び/又はトランスグルタミナーゼ(1〜3U)の添加は、この点において、有用であることが見出されている。

0044

一部の実施形態は、本明細書で記載される組成物を、マトリックス形成後に、更に凍結乾燥させうるという偶然の発見に更に基づく。凍結乾燥させた組成物を、更に粉末化させうることが発見された。驚くべきことに、凍結乾燥させた粉末化組成物は、安定性が改善され、これは、使用及びパッケージングの容易さの利益をもたらすことが見出された。更に、粉末化させた凍結乾燥組成物は、創傷治癒等における使用の前に、水で再構成しうるだけでなく、また、患者の全血液、血清、又は血漿でも再構成することができた。偶然、粉末化させた凍結乾燥組成物は、一度再構成されてもなお、水、全血液、血清、及び血漿を使用したところ、ゲルを形成した。更に、血液又は血液成分の使用は、創傷の治癒過程の利益となるように、栄養物質富む溶媒ももたらしうる。

0045

本明細書では、組成物及び使用法を含み、それらについての実施形態が、利用可能な創傷ケア製品を上回る利点を有する、新規の多成分組織代替系が提示される。

0046

ある特定の態様では、組織工学型の組織代替組成物であって、コラーゲン、グリコサミノグリカン、ハイドロゲル、及び1又は複数の架橋剤を含む組織代替組成物が提供される。ある特定の実施形態では、組織工学型の組織代替組成物は、I型コラーゲン、硫酸化グリコサミノグリカン、ポリビニルアルコール-ボレートハイドロゲル、グリセロール、及びアスコルビン酸の混合物を含む。ある特定の実施形態では、グリコサミノグリカンは、ヒアルロン酸である。ある特定の実施形態では、ハイドロゲルは、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、チオール化ポリビニルアルコール、又はこれらのコポリマーである。ある特定の実施形態では、1又は複数の架橋剤は、グルタルアルデヒド、EDC:NHS、ボレートから選択される。ある特定の実施形態では、組成物は、乾燥形態で存在する。他の実施形態では、組成物は、重合形態で存在する。他の実施形態では、組成物は、組成物が、主に、液体の非重合形態で存在するように、溶媒を更に含む。ある特定の実施形態では、組成物を加熱することにより、液体形態を、重合形態へと転換することができる。ある特定の実施形態では、乾燥形態は、適切な溶媒の添加により再構成することができる。適切な溶媒は、生理液、例えば、血液、血清、血漿等であってもよく、適切な溶媒は、非生理液、例えば、水であってもよい。

0047

ある特定の態様では、このような処置を要請する対象における創傷の処置の方法であって、対象へと、本明細書で記載される、組織工学型の組織代替組成物を投与する工程を含む方法が提供される。ある特定の実施形態では、創傷は、損傷、火傷、手術手順、感染症、及び潰瘍の結果としての創傷であるがこれらに限定されない創傷でありうる。

0048

ある特定の態様では、組織工学型の組織代替組成物の調製の方法であって、コラーゲン、グリコサミノグリカン、ハイドロゲル、及び1又は複数の架橋剤を、適切な溶媒中で混合する工程を含む方法が提供される。ある特定の実施形態では、混合された組成物は、室温を上回って加熱されるまで、非重合形態にとどまる。ある特定の実施形態では、その後、組成物を乾燥させて、溶媒を除去し、乾燥形態の調製を可能とする。その後、生理液又は水等、適切な溶媒を使用して、組成物を、液体形態へと再構成し戻すことができる。ある特定の実施形態では、1)まず、コラーゲン及びグリコサミノグリカンを、1又は複数の架橋剤と混合して、これらの成分の間の何らかの架橋を可能とし;2)ハイドロゲルポリマーを、コラーゲン-グリコサミノグリカンへと添加し、次いで、ボレート等、1又は複数の架橋剤と混合して、これらの成分の何らかの架橋を可能とし、3)工程1)及び2)による混合物を、適切な溶媒中で混合する。次いで、組成物を、加熱により重合させることができる。

図面の簡単な説明

0049

再構成用コラーゲン足場を作出するための過程についての流れ図であって、工程1〜8が、足場を製造し、凍結乾燥させ、次いで、水又は他の水性培地を使用して再構成し、創傷床又は細胞培養容器へと容易に適用しうる過程について記載する流れ図である。
架橋剤濃度の、原線維形成の反応速度及び濁度に対する効果についてのプロットを示す図であり、この場合、コラーゲン溶液(3mg/ml)を、グルタルアルデヒド架橋剤の非存在下(Col)又は存在下で作出し、コラーゲン溶液を、37℃のTECAN(商標)分光光度計に入れて、原線維形成(ゲル化)の指標としての濁度を、313nmで測定するまで、上で維持したが、パネル(A)は、TABLE1(表2)で記載されている3つの条件についての、コラーゲン原線維形成の反応速度プロファイルを描示する図であり、パネル(B)は、対照(col)としてのコラーゲン単独を伴う第3の条件について描示する図であり、この場合、グルタルアルデヒド濃度は、パネルA(0.002%wt)におけるC1と同じであり、インキュベーション時間は、反応容量に比例し、「60分間容量等価」溶液が、コラーゲンの反応濃度として、1.5mg/mlを有するのに対し、他の2つの溶液は、3mg/mlのコラーゲンを含有する。
PVA-ボレートハイドロゲル濃度の関数としての、コラーゲン原線維形成についてのアレニウスプロットを示す図であり、この場合、非架橋コラーゲン足場変化形は、材料及び方法で記載される通りに調製し、0〜1.0%w/vのポリビニルアルコール(PVA)(50%wtは、99%加水分解し、50%wtは、88%加水分解している)を含有した。PVAの濃度を増大させながら、式(Nemeth及びMartin、1988)を使用して、コラーゲン線維形成のための活性化エネルギーの低減を、313nmで観察する。
PVA変化形の、凍結乾燥/再構成の前及び後におけるコラーゲン線維形成に対する効果についてのプロットを示す図であり、この場合、3mg/mlのコラーゲン溶液を、単独(col)とするか、又は以下の通りに、架橋し、且つ、ハイドロゲル又は界面活性剤と組み合わせ:(xcol)添加剤を伴わずに架橋し、(50/50)50%のPVA88/50%のPVA99であり、(K99)50%のKollicoat(商標)/50%のPVA99であり、(K88)50%のKollicoat(商標)/50%のPVA88であり、(tritonx100)TritonX-100(商標)であり、(tw80)Tween80(商標)であり、パネル(A)は、架橋剤、界面活性剤、及びPVA-ハイドロゲルの組合せを添加する場合の、コラーゲン線維形成についてのt1/2maxのシフトを描示する図であり、パネル(B)は、凍結乾燥させ、再構成されたコラーゲン溶液であって、パネル(A)とマッチさせたコラーゲン溶液の線維形成について描示し、k99、k88、及び50/50を例外として、t1/2maxのシフトを表示する図である。
凍結乾燥(lyophilization)[凍結乾燥(freeze drying)]の前及び後における、コラーゲン溶液のゲル化反応速度及び機械的特性定量化する棒グラフを示す図であり、この場合、パネル(A)は、t1/2maxにより指し示される足場のゲル化(原線維形成)時間の定量化を示す図であり、この場合、足場は、材料及び方法で記載される通りに調製し、パネル(B)は、足場変化形の、単軸における機械的強度(ヤング係数、E)を示す図である[(*)によるバーの群分けは、p<0.001の統計学有意性を表示し、(**)は、p<0.05を表示する]。
乾燥ゲルコラーゲンフィルム接触角測定値を示す図であり、この場合、添加剤の、表面親水性/疎水性(表面湿潤性)に対する効果を、接触角の計算により探索した。変化形は、材料及び方法で記載される通りに調製した。パネル(A)は、コラーゲン足場表面上の単一の水滴についての顕微鏡写真画像を示す図であり、パネル(B)は、足場変化形について計算された接触角の棒グラフを示す図であり、この場合、バー「b」により表示される通り、K88、K99、TritonX100を例外として、全ての処置の間で、p<0.05の統計学的有意性が見出された。「b」群と、他の全ての処置との間で、統計学的有意性が観察された。
コラーゲン足場変化形による細胞生存率及び細胞の遊走を示す図であり、パネル(A)は、コラーゲン足場変化形内で培養された、主要な線維芽細胞の、24時間後における生存率についての棒グラフを示す図であり、この場合、死滅対照として、70%のエタノールを使用して、生細胞のパーセントを計算するのに、生存/死滅比を活用し、パネル(B)は、細胞遊走についての棒グラフを示す図であり、この場合、4mmのパンチを、足場内に施し、次いで、無細胞足場変化形で再充填し、これにより、10日間にわたり、元の足場から、新たな足場へと遊走する細胞をカウントした(細胞数は、表示された時点において、足場変化形1つ当たりにカウントされる細胞の総数を表す)。
変化形内の線維芽細胞の形状及びコラーゲン足場のアーキテクチャーを示す図であり、この場合、凍結乾燥コラーゲン足場変化形についての走査電子顕微鏡写真は、以下の通り:(col)コラーゲン、(xcol)添加剤を伴わない架橋コラーゲン足場、(Tw80)Tween 80(商標)添加剤を伴う架橋コラーゲン足場、及び(K99)Kollicoat(商標)/PVA99添加剤を伴う架橋コラーゲン足場であった(左パネルスケールバー:100um及び右パネルのスケールバー:20um)。
非治癒(副木を当てた)マウス創傷内に適用されたバイオハイブリッド足場の、手術後10日目における転帰を示す図であり、この場合、無細胞バイオハイブリッド足場を再構成し、創傷上部へと適用し、創傷下部は、未処置のまま放置した。全ての創傷を、シリコーンベース密閉型包帯材で覆ったところ、バイオハイブリッドで処置された創傷内の再上皮形成臨床的出現と比較して、非処置創傷は、かさぶたを伴い、依然として治癒しなかった。右側の上パネル及び下パネルは、バイオハイブリッドで処置された創傷内の、完全な新表皮形成及び顆粒化組織の再隆起についての組織学証拠を、非処置創傷内で観察される慢性創傷病態と比較して示す図である(表皮及び上皮におけるマスト細胞症の欠如)。
パネル(A)において、再構成足場によるスプレー組成物の、ブタ皮膚内の部分層創傷への適用を示す図であり、この場合、足場は、スプレーした後で、薄層ゲル足場を形成し、パネル(B)において、スプレーした後における、主要な皮膚細胞の、培養物表面へと播種された細胞と比較した生存率についての棒グラフが、生存率の差違を示さないことを示す図である。

0050

本明細書で具体的に定義されていない、任意の用語は、本発明の技術分野内で理解されている意味と一般に関連する意味を有すると理解されるものとする。

0051

定義
本明細書で使用される「コラーゲン」という用語は、線維性動物組織内で一般に見出される構造タンパク質を指し、主に、線維状コラーゲン(例えば、I、II、III、V、XI型)を包摂するが、また、非線維状コラーゲン、すなわち、IV、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XVI、XVII、及びXIX型も含みうる。本明細書で最も一般に使用されるコラーゲンは、I型コラーゲンであった。

0052

本明細書で使用される「グリコサミノグリカン」(GAG)という用語は、硫酸化グリコサミノグリカンを包摂することを意図する。例えば、硫酸コンドロイチン、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリンである。グリコサミノグリカンファミリーメンバーは、ヘキソサミン単位、ヘキソース単位、又はヘキスロン酸単位の種類が異なり、例えば、グルクロン酸イズロン酸ガラクトースガラクトサミングルコサミンを含有し、また、グリコシド連結の形状も異なる。

0053

「コラーゲンとグリコサミノグリカンとの生体適合性の低分子架橋剤」という用語は、コラーゲンと、グリコサミノグリカンとの、任意の適切な架橋剤を包摂することを意図する。例えば、この用語は、グルタルアルデヒド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド):NHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド):スルホ-NHS(N-ヒドロキシスルホスクシンイミド)、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びゲニピンのうちの1又は複数を含みうる。用語はまた、他のカルボジイミド若しくはイソシアネート又は酵素的架橋剤も包摂しうる。

0054

「コラーゲンと、グリコサミノグリカンとの非低分子架橋剤」という用語は、任意の適切なコラーゲンと、グリコサミノグリカンとの非低分子架橋剤を包摂することを意図する。例えば、脱水熱処理(DHT)、紫外線照射(UV)、及び酵素的架橋(例えば、トランスグルタミナーゼ)である。コラーゲン-グリコサミノグリカン架橋に使用される化学的技法は多様である。ホルムアルデヒド及びグルタルアルデヒド等、アルデヒドの使用については、十分に特徴づけられている。グルタルアルデヒドは、コラーゲンベース生体材料を架橋する、最も一般に使用されている化学的方法である。代替的にまた、カルボジイミドファミリーのメンバーも、コラーゲン足場の機械的耐性及び酵素的耐性を増強するのに使用することができる。更に、これらの化学物質はまた、コラーゲンを、一部の金ナノ構造へと架橋するのに使用することもでき、エポキシと組み合わせて使用することもできる。イソシアネート、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートは、コラーゲン足場の架橋で知られている。市販のZimmer(商標)Collagen Repair Patchは、特許権のあるイソシアネート架橋法を使用する。化学的架橋剤であるゲニピンは、植物供給源由来し、任意選択で、本組成物中の、グルタルアルデヒドの代わりに使用することもでき、これに加えて使用することもできる。

0055

上記で記載した共有結合的架橋に対する代替法として、ある特定の状況下では、コラーゲン分子間イオン結合形成は、適切でありうる。例えば、キトサン等のポリカチオン分子は、その多数のアミン基と、コラーゲンのカルボキシル基との間にイオン結合を創出する。

0056

また、トランスグルタミナーゼ等の酵素的架橋薬剤も、コラーゲンベースのマトリックスの引張強度及び酵素的耐性を増強するのに使用することができる。酵素的架橋剤の使用は、化学的残基も、副生成物も、足場構造内に残存しないことを意味する。

0057

本明細書で使用される「デキストラン」という用語は、複合体の分枝グルカン(すなわち、多くのグルコース分子から作られた多糖)を意味するが、これは、多様な長さ(3〜2000キロダルトン)の鎖から構成される可能性があり、浸透圧の平衡もまたもたらしうる非還元性糖として、グルタルアルデヒド架橋反応を安定化させる(とりわけ、高分子量の場合)のに役立つ。反応成分及び反応条件に応じて、デキストランを欠くと、グルタルアルデヒドは、所望よりはるかに急速に反応しうる。デキストランの使用後、組成物中には、微量が残存しうる。グルタルアルデヒドとデキストランとの典型的な混合物は、6mlのグルタルアルデヒド(25%)及び94mlのデキストラン(20%)でありうる。

0058

本明細書で使用される「ハイドロゲル」という用語は、ポリマー鎖親水性ネットワークを包摂することを意図する。例えば、ハイドロゲルは、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、チオール化ポリビニルアルコールのポリマー、ポリエチレングリコールを含有するポリビニルアルコールブロックポリマー(PVA-PEG)、又はコポリマーの変化形及び部分的修飾形態(例えば、PVアセテート、PVP、及びチオール化形態)もまた含む、これらのコポリマーから作ることができる。ある特定の実施形態では、ハイドロゲルを、「ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、チオール化ポリビニルアルコール、又はこれらのコポリマー」と称する。

0059

本明細書で使用される「ポリビニルアルコール-ボレートハイドロゲル」という用語は、PVAポリマーを架橋するのに、ボレートを使用するPVAハイドロゲルを指す。

0060

本明細書で使用される「PVA 10% HMW/MMW 50/50 99%/88% hyd」という用語は、10%(w/v)であり、99%が加水分解した高分子量のPVA(125kD〜200kD)と、88%だけが加水分解した中分子量のPVA(40kD〜100kD)との混合物(50/50)を含むPVA溶液を指す(「加水分解%」とは、アルコールへと加水分解したアセテート基の百分率を指す)。

0061

「ハイドロゲルの生体適合性の低分子架橋剤」又は「生体適合性で低分子のハイドロゲル架橋剤」という用語は、ハイドロゲルポリマーを併せて連結することが可能な、任意の適切な低分子を包摂することを意図する。例えば、PVAハイドロゲルのためには、ホウ酸ナトリウム十水和物又は他のボレート供給源が好ましい。ボレートの代替物として、別の二価カチオンも使用することができる。

0062

「凍結乾燥させた」、「凍結乾燥(lyophilisation)」、「凍結乾燥(lyophilization)」という用語は、凍結乾燥させる(lyophilized)対象物を、凍結乾燥させる(freeze-dried)脱水過程である、低温乾燥を包摂することを意図する。凍結乾燥機には、本質的に3つの類型:マニホールド型凍結乾燥機、ロータリー型凍結乾燥機、及びトレー型凍結乾燥機が存在する。

0063

本明細書で使用される「再構成」又は「再構成された」という用語は、適切な溶媒の、凍結乾燥させた組成物又は凍結乾燥させた粉末化組成物への添加を指す。溶媒は、水、血液、血清、血漿、培地(例えば、細胞培地)、又は適切な緩衝液から選択することができる。生理液(例えば、血液、血清、又は血漿)は、適合性を改善するように、組成物を投与する対象から採取することができる。溶媒は、任意選択で、栄養物質、増殖因子、薬物、細胞等、1又は複数の更なる成分を含みうる。粉末組成物又は凍結乾燥組成物の適切な再構成質量は、70mg/ml〜110mg/mlの間でありうる。

0064

本明細書で使用される「バイオハイブリッド足場」という用語は、ゲル形態の組成物、再構成組成物、又は再構成された粉末化組成物を指す。バイオハイブリッド足場は、任意選択で、特定の適用に対する必要に応じて、栄養物質、増殖因子、薬物、細胞等、1又は複数の更なる成分を含みうる。

0065

本明細書で使用される「創傷」という用語は、皮膚、火傷、手術手順、感染、潰瘍(例えば、褥瘡又は糖尿病性潰瘍)における損傷を包摂する。本明細書で記載される組成物は、慢性創傷を含む創傷治癒に適し、この場合、足場は、ベッドサイドで調製することができる。更に、本明細書で記載される組成物は、網状の皮膚移植片内の開窓充填剤として使用することができる。本発明者らが行った実験は、治癒率及び治癒転帰の改善を示す。本明細書で記載される組成物は、3Dプリンティング適用において使用することができる。

0066

組織の修復及び再生のための1つの戦略は、その正常なアーキテクチャーの回復へと組織の増殖及び発生を促進する、生体模倣性足場の使用である。細胞を伴うか又は伴わずに、ゲル化細胞外マトリックスは、細胞の移植及び他の手術手順を改善することができる。本明細書で記載される通り、多成分組織代替系の形成は、本明細書で記載される組成物を含みうる。ある特定の実施形態では、組織代替系は、in situにおいて形成することが可能であり、ある特定の実施形態では、注射可能である。他の実施形態では、組織代替系は、適用の前に、ex vivoで、部分的又は完全に形成することができる。ある特定の実施形態では、組織代替系は、in situ又はex vivoで再構成することが可能な乾燥組成物を含む。

0067

組織代替系の主要成分は、バイオハイブリッド足場である。組織代替系は、任意選択で、栄養物質、増殖因子、又は薬物等、更なる成分を含みうる。システムはまた、任意選択で、細胞移植のための細胞を発現させるインドールアミン2,3ジオキシゲナーゼ(IDO)も含みうる。本明細書で記載される組織代替系は、皮膚創傷(慢性及び急性)の処置に有用でありうるが、また、組織工学及び細胞移植の他の領域における使用にも関与性でありうる。

0068

本明細書で記載される組成物は、架橋されたコラーゲン-グリコサミノグリカンマトリックスを、合成ハイドロゲル系と組み合わせることにより調製しうるマトリックス成分を含みうる。マトリックスは、凍結乾燥粉末として保管することができる。水和させると結果として生じる、可溶化相貫入ポリマーネットワークは、加熱されると、部分的に、急速な原線維形成及び広範な水素結合に起因して、ゲル足場を形成する。形成されると、バイオハイブリッド足場は、自然に、天然真皮に類似するアーキテクチャーであって、細胞の拘縮、酵素的分解、及び細胞の増殖を緩和することが可能なアーキテクチャーを呈する。ある特定の実施形態では、組成物は、乾燥粉末形態で存在しうる。乾燥粉末組成物は、増殖因子濃縮環境を創出しようとする取組みにおいて、生理液、例えば、全血液、血清、又は血漿で可溶化させ、したがって、再構成することができる。代替的に、乾燥粉末組成物は、蒸留水等、他の適切な溶媒で再構成することもできる。ある特定の実施形態では、乾燥粉末組成物を、in situで再構成する。他の実施形態では、乾燥粉末組成物を、ex vivoで再構成する。他の実施形態では、乾燥粉末組成物を、in vitro、例えば、チューブ内又は他の容器内で再構成する。多様な実施形態では、組成物は、非乾燥形態で、例えば、可溶化流体として、又は部分的若しくは完全に重合させたゲルとして存在しうる。

0069

物理的に、本出願で記載される組織代替系は、単純な架橋コラーゲンによる注射用ゲルより熱的に安定であり、機械的強度が大きい、本明細書で記載される組成物を含む。これは、ハイドロゲルネットワーク内のポリマーが、コラーゲンバンドル熱安定性を改善することを裏付け示差走査熱量測定により明らかである。ハイドロゲル中のポリマーは、両親媒性であり、したがって、界面活性剤がそうであるように、その中のコラーゲンと複合し、安定性を改善することが可能である。酵素であるIDOを発現させる細胞と組み合わせると、皮内の細胞足場を、in situで、数分間以内に作出することができ、これは、既存の皮膚代替系より著明に有利である。

0070

ある特定の実施形態では、本明細書で記載される組成物は、以下の成分:コラーゲン、グリコサミノグリカン、ハイドロゲル、及び1又は複数の架橋剤を含みうる。ある特定の実施形態では、コラーゲンは、3.0〜10.0mg/mLの間の濃度で存在するI型コラーゲンを含む。他の実施形態では、コラーゲンは、他の種類のコラーゲンである、II、II、IV、V型を更に含み(しかし、これらに限定されない)、0.5〜4.0mg/mlの間の最終濃度で存在する。ある特定の実施形態では、グリコサミノグリカンは、1:6w/wのグリコサミノグリカン:コラーゲン比で存在する。ある特定の実施形態では、グリコサミノグリカンは、コラーゲンに対する質量比を1:6とするコンドロイチン硫酸であるが、また、デルマタン硫酸を、1:6の比で援用することもでき、ヒアルロン酸を、0.5〜1%w/vol(最終濃度)で援用することもできる。ある特定の実施形態では、ハイドロゲルは、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール-co-ポリエチレングリコール、チオール化ポリビニルアルコール、又はこれらの他の任意のコポリマーである。ある特定の実施形態では、ハイドロゲルは、最終組成物に対して0.1%〜1%w/vの濃度で存在する。ある特定の実施形態では、ハイドロゲルは、最終組成物に対して、50〜150uMの濃度のアスコルベート、及び/又は0.01〜0.1w/vの濃度のグリセロールを更に含む。ある特定の実施形態では、1又は複数の架橋剤は、とりわけ、高分子量のデキストラン溶液(pH7.5〜8)中に、グルタルアルデヒド及び/又はエチル(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド:N-ヒドロキシスクシンイミド(EDC:NHS)を含み、これは、コラーゲンを架橋するのに適する。他の実施形態では、1又は複数の架橋剤は、ホウ酸ナトリウムを、最終組成物に対して0.1%〜1%w/vの濃度、優先的には、ポリオールに対して1:4w/wで含み、これは、ハイドロゲルを架橋するのに適する。

0071

既に記載した通り、本明細書で記載される組成物は、成分が、非重合形態で存在するように、組成物の異なる成分を、乾燥成分又は凍結乾燥成分として、併せて混合する実施形態を含む。他の実施形態では、組成物は、重合形態で存在する。組成物の重合形態は、個々の成分を含有する溶液の混合の結果として得られる化学反応から、重合組成物を創出することにより創出することができる。他の実施形態では、バイオハイブリッド足場組成物の重合形態は、乾燥組成物又は凍結乾燥組成物の再構成であって、コラーゲン、グリコサミノグリカン、ハイドロゲル、及び1又は複数の架橋剤成分を含む乾燥組成物の可溶化が、組成物の重合形態の形成を引き起こし、このような重合化が、組成物中に存在する1又は複数の架橋剤によって引き起こされる、コラーゲン成分グリコサミノグリカン成分、及びハイドロゲル成分の架橋の結果として生じる再構成により創出することができる。1又は複数の架橋剤は、十分な量の適切な溶媒、例えば、生理液、水、又は他の適切な溶媒との接触時における、コラーゲン成分、グリコサミノグリカン成分、及びハイドロゲル成分の架橋(又は重合化)を容易とする。

0072

ある特定の実施形態では、組成物を、コラーゲン及びグリコサミノグリカンを、グルタルアルデヒド及び/又はEDC:NHS等、適切な架橋剤を使用してあらかじめ架橋し、ハイドロゲルを、ホウ酸ナトリウム等、適切な架橋剤を使用してあらかじめ架橋した、部分的な架橋形態で提供する。コラーゲン:グリコサミノグリカン成分の、ハイドロゲル成分との著明な架橋が存在しない、この部分的な架橋形態では、組成物は、粘性の、本質的な液体形態にとどまり、例えば、創傷への適用に適する。次いで、組成物の加熱は、1又は複数の架橋試薬により触媒される、コラーゲン:グリコサミノグリカン成分と、ハイドロゲル成分との間の更なる架橋(又は重合化)を可能とし、組成物は、より固体性のゲルとなる。

0073

ある特定の実施形態では、組成物を、非架橋のポリマー成分、コラーゲン、グリコサミノグリカン、及びポリオールを、1/3HEPES、1/3PBS、及び1/3DMEMによる、10倍濃度に濃縮された緩衝組成物中、又は同じビタミン、栄養物質、グルコース、及びミネラルによる濃縮蘇生用流体の変化形中で混合することにより調製する。全ての架橋法の後であり、且つ、凍結乾燥の前に、アスコルビン酸を、混合物へと、1〜1000uMの範囲で添加する。

0074

ある特定の実施形態では、組成物は、乾燥形態で存在し、再構成された重合組成物が、十分な量の適切な溶媒の添加時に、特異的な所望の性質を有することを可能とするのに十分な量で、凍結乾燥成分を含む。他の実施形態では、組成物は、ある特定の有利な物理的特性呈示する重合形態で存在する。ある特定の実施形態では、再構成組成物又は重合組成物は、コラゲナーゼによる酵素的分解に対して耐性でありうる。ある特定の実施形態では、再構成組成物又は重合組成物は、0.2〜2.0MPa、最も一般には、1.45〜2.0の引張強度を呈示しうる。ある特定の実施形態では、乾燥組成物は、十分な量の適切な溶媒を添加して13〜16分間以内に、コラーゲン線維を形成しうる。ある特定の実施形態では、再構成組成物又は重合組成物は、細胞の増殖を調節し、細胞の直線的な増殖を促進し、細胞に媒介されるマトリックス収縮抵抗することが可能である。

0075

本明細書で使用される「乾燥形態」とは、組成物中に、個々の成分の化学的架橋を引き起こすのに十分な溶媒が存在しないように、溶媒を本質的に含まないことを意味する。組成物の乾燥形態は、少量又は微量の溶媒をなおも含有しうるが、これらの量は、著明量の組成物の化学的架橋を引き起こさない程度に十分に低量であることが理解される。個別の成分を混合し、次いで、混合された組成物を乾燥させることもでき、代替的に、個々の成分をまず乾燥させ、次いで、混合することもできる。乾燥は、当技術分野で公知の、任意の数の手段、例えば、凍結乾燥(lyophilization、freeze drying)等により達することができる。ある特定の実施形態では、バイオハイブリッド組成物の乾燥形態は、十分量の適切な溶媒を添加し、25〜40℃の間、好ましくは、25〜37℃の間、より好ましくは、30〜37℃の間、最も好ましくは、37℃の温度へと曝露すると、ゲル化を達成する。

0076

多様な実施形態では、組織工学型の組織代替系は、本明細書で記載される組成物を含むことが可能であり、このような処置を要請する対象における創傷の処置に有用でありうる。対象に存在しうる創傷は、損傷、火傷、手術手順、感染、褥瘡、糖尿病性潰瘍、手術による外傷、及び手術以外の外傷を含むがこれらに限定されない、多種多様な原因に由来しうる。本明細書で記載される、組織工学型の組織代替系は、粘性液体として投与することができ、組成物が、創傷の複雑で不規則な輪郭を覆い、充填することを可能とし、連続的な固体ゲルとなりうるという点で、このような処置に有利である。組成物は、注射により、例えば、シリンジを使用して投与することができる。他の実施形態では、組成物は、乾燥粉末形態で投与し、in situで再構成することができ、数分間以内に、皮内の細胞足場の急速な形成を可能とする。粉末は、増殖因子濃縮環境を創出しようとする取組みにおいて、患者の全血液、血清、又は血漿で可溶化させることもでき、単に蒸留水と混合することもできる。形成されると、これらの足場は、天然の真皮と同様のアーキテクチャーを、自然に呈し、治癒の改善を容易とするように、細胞、マトリックスタンパク質、及び他の重要な因子の、足場アーキテクチャーへの遊走を可能とする。

0077

時間が不可欠である場合、患者への適用準備のできた皮膚代替物の利益を、十分に認識することができる。本明細書で記載される組成物を含む、組織工学型の組織代替系は、ベッドサイドで、細胞を伴うか又は伴わずに作出することができ、創傷床を充填し、創傷表面と完全に統合させるのに使用することができる。組成物の凍結乾燥粉末形態の安定性は、ハイドロゲル等、既存の水和材料及び細胞による皮膚代替物より優れ、粉末を、創傷部位密着する足場へと再構成する能力(細胞を伴うか又は伴わない)は、市販の皮膚代替物を上回る、大きな有用性を付与する。

0078

組成物の調製法
(A)9工程の方法
1)中性近傍のpHにおける、コラーゲンと、コンドロイチン-6-硫酸との架橋工程
2)ポリビニルアルコールベースのポリマーハイドロゲルの添加工程
3)ボレート及びアスコルビン酸の添加工程
4)前出の工程1〜3による組合せの凍結工程
5)凍結乾燥工程
6)凍結乾燥させた生成物を、粉末へと破砕する工程
7)粉末を、水性の生物学的溶媒中又は非生物学的溶媒中に再懸濁させる工程
8)任意選択で、粘度を、グアーガム等のせん断減粘剤、又はデキストラン等のせん断増粘剤等、生物学的に不活性な薬剤で調整する工程
9)任意選択で、再懸濁させた粉末を、自家細胞中、同系細胞中、又は異種細胞中で組み合わせる工程

0079

(B)代替的なコラーゲン組成物の調製法
液体としての最終保管条件:4℃で、光への曝露を最小化する
粉末としての最終保管条件:機密容器、22℃で、光への曝露を最小化する

0080

材料:
チップ:P1000、P200、P10
ハサミ
・TCチューブ
・1.7mlのマイクロ遠心チューブ
・ddH2O
・10倍濃度のコラーゲン緩衝液
・50%のグルタルアルデヒド(-20℃)
・1NのNaOH(滅菌濾過された)
・20%の硫酸コンドロイチン
・コラーゲン(6mg/ml以上:Advanced Biomatrix社)
・20%のデキストラン
・20%のグリシン
・5%及び10%のPVA
・0.2%w/wのボレート溶液
・10mMのアスコルベート
・1倍濃度のDMEM(完全培地)

0081

試薬の調製:
10倍濃度のコラーゲン緩衝液
10倍濃度のDMEM(pH 7.5)10ml
10倍濃度のHEPES(pH 7.5)10ml
10倍濃度のPBS(pH 7.0)9ml
1mlの抗生剤/抗真菌剤
20%の硫酸コンドロイチン
1gの硫酸コンドロイチン[サメ軟骨:SIGMA(商標)社]
1倍濃度のPBS 5ml
溶解の一助とするように、繰り返しボルテックスし、37℃で温める。可能な場合、0.4μmのフィルターを使用して濾過する。

0082

20%のデキストラン
1gのデキストラン[SIGMA(商標)社]
1倍濃度のDMEM5ml(FBS及び抗生剤を伴わない)

0083

20%のグリシン
4gのグリシン
FBS及び抗生剤を伴わない、1倍濃度のDMEM20ml
pHを、7.5へと調整し、室温で保管する。

0084

10%のPVA-99
5gのPVA(88%加水分解したLMW)/5gのPVA(99%加水分解したHMW)
100mlのddH2O
1.水を、オーバーヘッドミキサーで、80℃へと加熱する。
2.HMW 99%を、溶解するまで、ゆっくりと添加する。
3.LMW 88%を、溶解するまで、ゆっくりと添加する。

0085

15%のKollicoat(商標)IR
15gのKollicoat(商標)IR/100mlのddH2O
1.水を、オーバーヘッドミキサーで、80℃へと加熱する。
2.Kollicoat(商標)IRを、ゆっくりと添加し、溶解するまで混合する。
10%のPVAを、15%のKollicoat(商標)と併せて、等量(50ml/50ml)で混合し、次いで、2mlのグリセロールを添加する。10倍濃度のコラーゲン緩衝液を使用して、作業溶液(5%)へと希釈する。

0086

25mMのボレート(0.2%w/wのボレート)
1.200mgの四ホウ酸ナトリウム十水和物である「ボレート」を量する。
2.ボレートを、1倍濃度のDMEM10ml(サプリメントを伴わない)へと添加する。
3.よく混合する。pHは、8〜9の間とする。
4.6.25mMの作業濃度(又は25mMのボレート)のために、1:10に希釈する。
5.4℃で保管し、沈殿物が存在する場合は、作り直す。

0087

蒸留/脱塩水(作りたて/滅菌フィルター)中に、10mMのアスコルビン酸
総容量:総容量=5.0000
9.9mg/mlのコラーゲン:(総容量×3)÷9.9=1.5152
10倍濃度の緩衝液:総容量÷10=0.5000
1NのNaOH:コラーゲン×0.01=0.0152
20%のGAG:((コラーゲン×9)×5)÷200=0.3409
1.5%のグルタミン:0.0002×総容量÷0.015=0.0667
20%のグリシン:5×グルタミン=0.3333
5%のPVA:(総容量×0.006)÷0.05=0.6000
10mMのアスコルベート:(0.0001×総容量)÷0.01=0.0500
0.5mMのボレート:(総容量×0.0005)÷0.02=0.1250
細胞容量:総容量-(反応容量)=1.4538
空隙容量(%):29%

0088

方法
1.BSC中に氷を伴う、清浄な(70%のエタノールを伴う)250mlのビーカーを用意する。
2.2〜15mlのチューブを、氷中に入れる。
3.p1000を使用して、コラーゲンを、チューブのうちの1つへと添加する。終了したら、チップを、氷上の空のチューブへと取り置く。
4.清浄なp1000チップを使用して、コラーゲン緩衝液を、コラーゲンへと添加する。
5.15mlのチューブ内の氷上で保管したコラーゲンチップを使用して、緩衝液と、コラーゲンとを、併せて混合する。混合する前に、残りのコラーゲンを放出させ、次いで、チップの先端を切り取って、低粘性用チップを創出する。
6.p10を使用して、1NのNaOHを、溶液へと添加して、コラーゲンを、pH6.8〜7.5(色)へと中性化させる。一度に、最大で15ulだけを添加する。この間、切り取られたp1000チップを使用して、十分に混合する。
7.中性化させたら、p1000チップを使用して、GAG(コンドロイチン6-硫酸)を添加する。使用後、チップを廃棄する。切り取られたp1000チップを使用して混合する。

0089

消灯(暗所)
8.消灯する。マイクロ遠心チューブに、94ulのデキストラン溶液を添加する。
9.6ulのグルタルアルデヒドを、デキストランを伴うチューブへと添加する。倒立させ、手指で1回ボルテックスする。グルタルアルデヒドの作業溶液を、コラーゲンミックスへと、速やかに添加する。切り取られたピペットチップを使用して、十分に混合する(約2分間にわたり)。気泡を回避する。pHは、重要である。理想的な架橋pHは、7.5〜8である(酸性が強すぎる場合、グルタチオンは、架橋されないことに注意されたい)。
10.暗所内、氷上で22分間にわたりインキュベートする。
11.1時間後、グリシン溶液を添加し、十分に混合する。これにより、グルタルアルデヒドを中性化させる。
12.暗所内、氷上で最短1時間、又は4℃で一晩にわたりインキュベートする。

0090

点灯
13.アスコルベートを、コラーゲンゲルへと添加し、十分に混合する。
14.コラーゲン緩衝液を使用して、PVA(10%)を、5%の作業濃度へと希釈する。
15.PVA作業溶液を、コラーゲンゲルへと添加し、十分に混合する(約1〜2分間にわたり)。気泡の発生を回避する。
16.ボレート緩衝液を、コラーゲンゲルへと添加し、十分に混合する。
17.結果として得られるコラーゲンゲル(こうして、完全IPN(相互貫入ポリマーネットワーク)-ハイドロゲル架橋コラーゲンマトリックスとなる)を、4℃で保管する(保管条件を参照されたい)。

0091

凍結乾燥
18.15mlのチューブの目盛りを見ることにより、反応混合物の実際の容量を推定する。チューブを秤量する。測定値(容量及び質量)を記録する。
19.チューブを、-80℃の冷凍庫に寝かせて、12時間にわたり静置する。
20.12時間後、凍結乾燥機をオンにする(マニュアルを参照されたい)。
21.チューブを、液体10ml当たり36時間にわたり、凍結乾燥機に入れる。
22.凍結乾燥後、粉末を秤量し、再構成容量(平均60〜70mg/mL)を計算する。

0092

(C)代替的な組成物
代替的な組成物は、3〜5mg/mlの間のコラーゲン;6:1の比の硫酸コンドロイチン(1倍濃度のPBS中):コラーゲン;グルタルアルデヒド(後でグリシンを添加するが、この場合、グリシンは、グルタルアルデヒドを中性化させるのに添加する);質量で0.4%〜0.6%のPVA(pH 7.0)10% HMW/MMW 50/50 99%/88% hyd;0.01%(w/v)〜0.0001%(w/v)のホウ酸ナトリウム十水和物(pH 8);100μmのアスコルビン酸ナトリウム(pH 7.0);3.5〜5μMのゲニピン(第2の架橋剤);及び1〜3Uトランスグルタミナーゼ(全ての濃度は、最終生成物に対して)を有しうる。

0093

架橋剤濃度、PVA、及び時間の、原線維形成に対する効果:原液コラーゲン濃度の変化に関して、ゲルの製剤化を最適化するために、グルタルアルデヒド濃度及び架橋インキュベーション時間の両方の、原線維形成速度の変化に対する効果を探索した。第1に、グルタルアルデヒド濃度の変化が、原液のコラーゲン濃度の変化と比例したとすれば(かつて、6mg/mlを用いた;Hartwellら、2011)、架橋反応は、氷上におけるゲルの固体化を結果としてもたらすであろう。したがって、グルタルアルデヒド濃度を増大させると、ゲル化速度は、予測されうるように増大はせず、実際は、減少することが見出された(図2A;条件C1)。更に、高濃度の架橋剤は、313nmにおいて、高度な初期吸光度を結果としてもたらした。このパターンは、反応容量をマッチさせた試料であって、低量のグルタルアルデヒド架橋剤を含有する試料(C2)内でも持続した。架橋剤を伴わないコラーゲン単独は、図2Aに示す通り、最高速度の原線維形成と併せて、最低の初期吸光度及び最高の最終吸光度を呈示した。また、t1/2maxも、容量をマッチさせた反応基内のインキュベーションの持続時間と共に、わずかに減少した(図2A)。反応物中の高グルタルアルデヒド濃度はまた、インキュベーション時間と比例するt1/2maxの低減にも対応することが明らかであった。このゲル化時間の低減は最終的に、製剤化時間及び作業混合物としてのゲル固体化のための時間の両方の低減に対応するであろう。興味深いことに、インキュベーション時間を、反応槽内で使用されるコラーゲンの原液濃度について調整した(図2B)ところ、反応速度を制御することができた。この結果は、架橋剤の最適の最終濃度は、0.02%w/vであり、架橋インキュベーション時間は、コラーゲンの原液濃度(反応槽濃度)に比例して調整すべきであることを裏付けた。

0094

ポリビニルアルコール-ハイドロゲルの、ゲル混合物への添加の効果は、PVAの濃度を、0から1.0%w/vへと増大させる(これは、活性化エネルギーの著明な低減に対応した)場合の、原線維形成速度の増大により裏付けられた(図3)。TABLE3(表1)に示す通り、1%w/vのPVAの添加は、原線維形成に要請される活性化エネルギーの、50%を超える低減を結果としてもたらした。

0095

0096

ゲル化速度のわずかな増大はまた、全体的なゲル化時間の減少とも関連した。しかし、本アッセイでは、この変化は、著明ではなかった。創傷床内に投入することもでき、細胞の送達及び移植のために、30℃〜37℃の作業範囲で投入することもできる足場の製剤化のために、異なるPVA-ハイドロゲル濃度を含有するゲル混合物について探索した。結果は、PVA-(ボレート)ハイドロゲルが、30℃におけるゲル化を可能とするために、I型ウシコラーゲンの原線維形成反応速度を、実際に変更しうることを裏付けた。典型的な倒立試験管試験により、これらの低温におけるゲル化を裏付けうる場合、波長を313nmとする濁度の査定により、PVA-ハイドロゲル系が、アーチファクトを提示する可能性を除去する。

0097

PVA-ハイドロゲルの添加により、凍結乾燥後における、ゲル混合物のゲル化及び機械的特性が保存される:ゲル混合物の安定性を増大させる試み(輸送及び保管を目的とする)として、混合物を凍結乾燥させ、粉末へとすりつぶし、次いで、再構成した。凍結乾燥混合物を、pH中性化の必要を伴わない脱塩蒸留水で再構成した。PVA-PEGコポリマーを使用して創出されたPVA-ハイドロゲル系[Kollicoat(商標)]の再構成が最も容易であった。架橋されず、PVAを含有しない、コラーゲン足場の変化形は、マッチさせた非凍結乾燥足場混合物と比較した場合、著明に長いゲル化時間を呈示した(52.6±1.52分間対36±1.73分間)(図4及び図5)。架橋だけ(xcol)の足場は、原線維を形成することが可能であったが、凍結乾燥の前の、著明に長いゲル化時間後においてであった。PVA-ハイドロゲルを含有する足場変化形の液体混合物は、凍結乾燥前よりわずかに高度な初期吸光度を呈示したが、統計学的に同等な量の時間内に、原線維を形成した(図4及び図5)。K99が最も注目すべきである、Kollicoat(商標)試料は、ゲル化が最も迅速な(15.7±1.16分間)試料の中にあり、最小の濁度変化(t=0〜tmaxにおける吸光度)を呈示したことから、PVA-PEGは、粉末形態において、コラーゲン構造に対する保護効果を及ぼし、また、再構成されても、保護効果を及ぼしたはずであることが示唆された。図4及び図5に示される通り、PVA-ハイドロゲル足場は、col変化形、xcol変化形、TW80(商標)変化形、及びTritonx100(商標)変化形と比較した場合、ゲル化時間の著明な低減を呈示した。ゲル化時間の最大の低減は、PVA-PEGハイドロゲルを含有する足場において観察された(2.02倍)。界面活性剤の、コラーゲンのゲル化反応速度に対する効果について検討したかつての研究(Fathima及びDhathathreyan、2009;Li、2009)と比較して、Tween 20(商標)と、Tween 80(商標)と、Triton-x100(商標)とを、ゲル混合物中に、これらそれぞれの中央ミセル濃度で組み合わせた(注: Tween 20(商標)の効果は、Tritonx100(商標)と同等であり、したがって、図の明確さのために省略した)。図4及び図5に示される通り、全ての界面活性剤は、凍結乾燥前試料及び凍結乾燥後試料のいずれのゲル化速度も増大させた(t1/2maxを低下させた)が、大部分のPVAより著明に低度においてであった。

0098

PVA-PEG系及びPVA-ハイドロゲル系は、コラーゲンゲル混合物に対する界面活性剤様効果を呈示する:界面活性剤の主要な役割は、疎水性表面の親水性を改善することである。Tween 20(商標)、Tween 80(商標)、及びTriton-x100(商標)の、コラーゲンゲル混合物への添加は、投入されたゲル混合物の薄膜の上部にある水滴の水接触角を、108°(コラーゲン:GAG)から、Triton X100及びTween 80のそれぞれについて、51°、75°へと、著明に低減した(図6)。更に、使用されるPVAの種類に応じて、接触角の差違が見られた。興味深いことに、ボレート(PVAnb)を、系から除外したところ、接触角は、著明に(52°から72°へと)増大した。架橋だけのゲル混合物が、最小の接触角(37°)を顕示したことから、全てのゲル混合物により形成される、最も親水性の大きな表面が示唆された。PVA99、PVAnb、及びTween 80(商標)は、それぞれ、75°、76°、及び75°で、比較的同等であった。一方、Kollicoat(商標)の99及び88によるブレンドは、それぞれ、58°及び53°の接触角で、次に親水性が大きかった。予測される通り、疎水性の大きなPVAは、界面活性剤様効果が大きく、したがって、分子量の同等なPVA比較して、接触角の低減も大きかった。

0099

細胞の生存率及び細胞の遊走:ゲル混合物の変化形中で培養された細胞を、足場内で24時間にわたり培養してから、染色した。全ての足場変化形は、in vitroにおいて、非毒性であることが見出された(図7)。線維芽細胞を密集させた同様のコラーゲン格子を創出して、遊走について査定した。足場の中央部から、パンチ生検を採取し、次いで、マッチさせた無細胞ゲルで充填した。全ての足場の間で、細胞の遊走に著明な差違は見られなかったが、非架橋のコラーゲン:GAG足場は、例外として、10日間にわたり、最高の細胞遊走速度を呈示した(図7B)。10日目には、k99変化形及びxcol変化形において、PVA50/50と比較して、遊走が著明に大きな細胞が見出された(図7B)。

0100

線維芽細胞の形状及び足場のアーキテクチャー:図8は、5つの異なる足場変化形内で培養された線維芽細胞の形状について描示する。かつての研究において見出された通り、非架橋のコラーゲン足場内で培養された細胞は、ファロイジン-488染色(顕微鏡写真は示さない)により、葉状仮足及び糸状仮足伸長ストレスファイバー形成(線維アクチン)の広範な伝播を呈示する(Kimら、2014; Mattila及びLappalainen、2008)。50%wt Kollicoat(商標)/50%wtPVA99ハイドロゲル(0.4%wt)を含有する足場変化形内に培養された線維芽細胞では、顕著な平行の線維配置及び少数の糸状仮足と符合する、樹枝状外見の低減が観察された。界面活性剤を含有する足場は、狭小な糸状仮足様伸長部を伴う樹枝様外見と、細胞は生存を維持しているが、細胞ストレス及び接着不良の可能性を示唆する、小型の細胞体とを呈示した(図7)。走査電子顕微鏡による断面画像(図8)は、かつての研究における本発明者らの知見であって、非架橋足場(col)では、他の架橋足場変化形と比較して、大型の小孔構造及び細型のコラーゲン線維が明らかであるという知見を再確認した。興味深いことに、tween80(商標)(tw80)による界面活性剤処理は、小型の小孔と、足場を通る、蛇行の多い空隙路とを伴う、太型のコラーゲン線維を示す。

0101

材料及び方法
材料:ウシ由来I型線維性コラーゲン[Advanced Biomatrix(商標)社、USA]、88%及び99%加水分解したポリビニルアルコール(PVA)[AlfaAesar(商標)社、USA]、Kollicoat IR(商標)[ポリエチレン-グリコール(PEG)-PVA][Sigma Aldrich(商標)社、Oakville、Canada]、四ホウ酸ナトリウム十水和物(ボレート)[Sigma Aldrich(商標)社、Oakville、Canada]、グルタルアルデヒド[25%v/v、Sigma Aldrich(商標)社、Oakville、Canada]、ダルベッコ改変イーグル培地[10倍濃度、Life Technologies(商標)社、Canada]、コンドロイチン-6-硫酸(GAG)[Sigma Aldrich(商標)社、Oakville、Canada]、Dextran(商標)[40,000Da、Sigma Aldrich(商標)社、Oakville、Canada]、アスコルビン酸[Sigma Aldrich(商標)社、Oakville、Canada]、Tween20[Sigma Aldrich(商標)社、Oakville、Canada]、Tween80(商標)(SigmaAldrich社、Oakville、Canada)、ドデシル硫酸ナトリウム[Sigma Aldrich(商標)社、Oakville、Canada]、Live/Dead生存率アッセイキット(Molecular Probes(商標)社、Invitrogen(商標)社、Canada)、Phalloidin-488 Alexa Fluor(商標)[Invitrogen(商標)社、Canada]。

0102

コラーゲン-ポリマーハイブリッド足場の作出:図1に描示される通り、1NのHCl中のウシ由来I型線維性コラーゲンを、コラーゲン緩衝液(10倍濃度のDMEM、10倍濃度のPBS、10倍濃度のHEPES、及び1倍濃度の抗生剤、pH7.5)と組み合わせ、1NのNaOHを使用して、pHを調整した。中性化させたら、コンドロイチン-6-硫酸を、足場へと添加した(コラーゲン:C6Sを1:6とする)。非架橋対照を、残りのハイドロゲル試薬又はDMEM(1倍濃度の)と組み合わせた。架橋ゲルを、高分子量デキストラン(40,000Da)-グルタルアルデヒドミックス[0.02%v/v又はTABLE1(表2)に報告されている通り]と、完全に混合し、暗所内、氷上でインキュベートした。インキュベーション時間は、濃度と、TABLE 1(表2)に概括される実験目的とに従い変動した。架橋剤効果を最適化するため、ゲル混合物を、反応容量(c1)若しくはコラーゲンの量(c2)(図2A)に比例するグルタルアルデヒド濃度、又はインキュベーション時間(図2B)に比例するグルタルアルデヒド濃度へと曝露した。曝露が同等となるように、2つの処理条件の各々について、異なる時間を選択した。

0103

0104

TABLE2(表3)は、TABLE 1(表2)の「図2B:21分間」の変化形において見出される架橋手順と同じ架橋手順に従う他の全ての探索において使用された変化形による組成物について記載する。インキュベーション後、ポリマーハイブリッドゲルを、それぞれの量のPVA又はPVA-PEGコポリマー、及びボレート分子の、ヒドロキシル官能基に対する比を1:4とするゲル化剤(四ホウ酸ナトリウム十水和物、0.04〜05%w/v)組み合わせた。全てのゲルミックスを、1倍濃度のDMEM及びアスコルビン酸(100uM)を伴う最終容量とした。ゲルミックスは、投入するまで、4℃で保管するか、又は凍結乾燥のために-80℃で凍結させた。えり抜きの足場を、36時間にわたり凍結乾燥させ(lyophilized)[凍結乾燥させ(freeze-dried)]、次いで、すりびすりこぎを使用して、粉末へとすりつぶし、蒸留された脱塩水を使用して、それらの元の濃度へと再構成した。

0105

0106

架橋剤、ポリビニルアルコール、及びコポリマーの、ゲル化反応速度への効果:ゲルミックスを、氷上の96ウェルプレートへとアリコート分割した(ウェル1つ当たり150ul)。加熱されたプレートリーダー[Tecan(商標)社、USA]を、313nmのUV/Vis極性フィルターセット及びMagellan Software(商標)と共に使用して、ゲル化反応速度を捕捉した。まず、プレートリーダーを、適切な温度(30、32、34、37℃)へと加熱し、測定値を、1又は2分間隔で捕捉した。そうでないことが報告されない限り、ゲル変化形の3つのバッチ(三連)を、各解析(n=3)のために使用した。濁度は、コラーゲン線維形成の最良の指標であり、PVA及びPEG等、透明なハイドロゲルと組み合わせると、ゲル化をよりよく示す(Valliら、1986; Li、2009; Panitchら、2011; Hartwellら、2011)。ゲル化までの時間は、313nmにおける吸光度が最大半量となる時点で表される。遅延時間とは、ゲル化の開始から、最大半量となる時点までの時間である。曲線の傾きであるdA/dtは、線維形成の速度を指し示すアレニウス式(1)を使用し、異なる温度において、lnk対1/Tとしてプロットされる、ゲル変化形の一次反応速度[式中、kは、速度定数であり、Tは、絶対温度である]を使用して、活性化エネルギーを計算することができる。一次反応についての速度定数は、式(Terketaub、1998)
(1)lnk=lnA-Ea/T
(2)k=ln(2)/t1/2
を使用して、ゲル化時間(t1/2)から導出することができる。同様の原理を使用して、ポリマーに関する、線維形成の速度(dA/dt)の変化もまた、直線領域内の曲線の傾きの比較により決定することができる。

0107

機械的強度:ゲルを、5ウェル矩形チャンバースライド(400ulずつ)に投入し、37℃で24時間にわたりインキュベートした。1kgのロードセルを伴うKES-G1 Micro-Tensile Tester(商標)[カトーテック株式会社(商標)、日本]を使用して、引張試験を行った。ローディングの前に、KimWipes(商標)[Kimberly Clark(商標)社、USA]を使用して、ゲルから、過剰な液体を除去し、秤量した。次いで、2枚のKimWipe(商標)を使用して、ゲルを、検体ホルダーへと、しっかり固定した。次いで、ゲルを、0.02cm/秒の変形速度で、破断するまで伸展させた。引張強度は、破断荷重(g)を、重合ゲル試料幅(mm)及び面密度(g/m2)で除することにより計算した。統計学的目的で、ゲルの3つのバッチを査定した。

0108

足場アーキテクチャー:コラーゲン足場(100μl)を、96ウェルプレートに、24時間にわたり投入した後、4%のホルマリン溶液中、4℃で、24時間にわたり固定した。固定後、ゲルを、70%のエタノール中、12時間ずつ2回にわたり脱水させ、次いで、-80℃で凍結させてから、凍結乾燥させた。次いで、凍結乾燥足場を秤量し、Q1000 Differential Scanning Calorimeter(商標)[TA Instruments(商標)社、USA]上、5℃/分、20℃〜100℃の範囲内で査定した。まず、SEM試料を、ローディングの前に、Hitachi S4700 SEM(商標)[株式会社日立製作所(商標)、日本]の真空内で、金コーティングした。

0109

接触角:ゲル混合物を、記載される通りに製剤化させ、次いで、37℃で、スライドガラス上の薄膜へと投入し、次いで、クリーンベンチ内で、24時間にわたり乾燥させた。接触角ツール[KSVInstruments(商標)]を使用し、Attention Theta Software V4.1(商標)を使用して、薄膜表面上の水滴の接触角を計算した。

0110

細胞生存率:生存率は、Live/Dead毒性アッセイを使用して評価した。細胞(初代細胞又は細胞系)を、足場内で、24時間にわたり培養した。24時間後、細胞を含有する足場を、製造元指示書に従い、1倍濃度のPBS(pH7.0)、及びエチジウムホモ二量体カルセイン-AMとの混合物で、3回にわたり洗浄した。30分後、足場を、1倍濃度のPBSで3回にわたり洗浄し、Zeiss Axiovert(商標) 200M蛍光顕微鏡及びAxiovision(商標)ソフトウェアを使用して可視化した。細胞カウントは、画像J(商標)ソフトウェア(National Institutes of Health、USA)を使用して得た。

0111

細胞の接着及び遊走:細胞の付着及び拡散は、投入の24及び48時間後に、コラーゲン足場内で培養された線維芽細胞内のアクチンを染色するために、ファロイジン-Alexa-fluor 488(商標)を使用して査定した。略述すると、ゲルを創出し、細胞生存率の評価に従い、細胞と組み合わせた。細胞の遊走についての査定は、ゲルの中央部で、4mmのパンチ生検を創出し、次いで、穴を、脱細胞化されたゲルで充填することからなった。画像を10日間にわたり捕捉し、遊走する細胞を、元のゲルの周縁部から、新たなゲルへと横断する細胞と称した。画像は、Zeiss Axiovert(商標)200M蛍光顕微鏡及びAxiovision(商標)ソフトウェアを使用して捕捉した。

0112

統計:反復回数は、ゲルの異なるバッチを表す。実験結果は、テューキーの事後検定を伴う分散分析(ANOVA)を使用して査定した。線形回帰についての誤差の計算は、三連試料の所与のR2値についての当てはめの平均値標準誤差を表す。統計学的有意性は、アルファ値を0.05(p<0.05)として推定した。測定値は、平均値±標準偏差として報告した。

0113

以下の実施例は、例示を目的として提示されるものであり、それ自体、限定的であることを意図するものではない。

0114

(実施例1)
組織工学型の組織代替物の開発
患者への適用準備のできた皮膚代替物は、創傷ケアにおける、多数の満たされていない市場の必要に対する答えとなりうるであろう。患者への適用準備のできた皮膚の、持続的な補給を伴う作出を容易とするために、皮膚代替物は、創傷内で形成される必要がある。これは、製品原価を低減するだけでなく、また、マトリックスも、創傷内で完全に適合し、創傷床と十分に統合され、移植片生着率を改善する。組織工学により細胞外マトリックスを作製するには、多くの方法が存在するので、生理学的基準からの改変の要請が最小限である経路が好ましいであろう。これらの必要を満たしうる足場のデザインにおける本発明者らの根拠により、ハイドロゲル及びコラーゲンの両方を含有するバイオハイブリッドゲルの創出がもたらされた。早期の結果は、PVA-ボレートを含むハイドロゲルを、可溶性の架橋コラーゲン-GAGネットワークへと添加して、37℃における原線維形成(及びゲル化)を速めうることを裏付けた。コラーゲン及びポリビニルアルコールの剛性は、ゲル化足場の機械的強度を改善し、易拘縮性を低減した。更に、ゲル化足場は、単純なコラーゲン-GAG(非架橋/架橋足場)と比較した場合、細胞増殖の低減を呈示することも示された。in vivoにおける線維芽細胞の移植のために使用する場合、ゲルは、マウス、ラット、及びウサギにおける皮膚移植、並びにマウスにおける膵島移植の両方において観察される通り、組織代替物としてのその有効性を裏付けた。in situ形成型皮膚により処置された創傷(非拒絶細胞を伴う場合及びこれを伴わない場合)では、血管新生が大きな速度で生じた。また、30日間の経過にわたる、組織への神経支配も改善され、培養された脊髄細胞は、足場内で、直線的なネットワークへと増殖し、配置をとることが可能であった。細胞が、又は角膜において見出される極性配置(直線状)と同様の極性配置(直線状)で整列することは、この足場に固有である。

0115

(実施例2)
凍結乾燥形態を含む、改善された製剤化の開発
かつて、本発明者らは、PVA-ボレートハイドロゲルと、コラーゲン-GAG足場との組合せが、単純な架橋コラーゲン-GAGゲルと比較した場合、優れた細胞外マトリックスを結果としてもたらすことを裏付けた。結果として得られる複合ゲルは、ゲル化速度の増大、拘縮の低減、及び引張強度の増大を呈示する。生体適合性は、Live/Dead染色を使用して査定し、これにより、線維芽細胞、角化細胞上皮細胞、及び不死化細胞(HaCats)が、生存を維持し、他の足場及び培養プレート表面の両方と比較して、低減された速度で増殖することが裏付けられた。元の発見以来、本発明者らは、一体にアセンブルし、保管しうるゲルを作製するように、製剤化を洗練した。単一部分のゲルに関する長所は、任意の単純なシリンジを使用してゲルを適用しうることであり、短所は、時間経過に伴い、相分離が生じることである。第2に、未投入のゲル系は、チキソトロピー性が不十分であった。これらの問題を克服するために、製剤化に2つの変化を施した。第1の変化は、コラーゲンの濃度を増大させ、PVA/ボレート濃度の範囲を査定することによる、未投入のゲル系の増粘化の概念を探索した。結果として、本発明者らは、ようやく、最適の濃度範囲を同定し、相分離を防止した。第2に、本発明者らは、ゲル樹脂を、凍結乾燥させ、再構成しうることを発見した。架橋コラーゲン及びPVAを、乾燥させ、粉末へと破砕する場合、再構成は容易でないことが典型的である。本発明者らの予備的な結果は、単に室温でボルテックスすることにより、蒸留水、全血液、血清、及び血漿を使用して、粉末を再構成しうることを裏付けた。次いで、結果として得られる樹脂を、冷却して保管することもでき、速やかに使用して、ゲル化足場を形成することもできる。本発明者らは、1)本発明者らの皮膚代替物は、非架橋ゲルと比べて、拘縮性が小さいこと、2)コラゲナーゼ等、通常、創傷環境で見出されるプロテアーゼによる消化に対して耐性であること、3)凍結/乾燥及び再構成が可能であり、市販化を魅力的としていること、4)保管寿命が長いこと、の証拠を提示してきたが、その物理的特性及び生物学的特性を、市販されている、一部の類似する製品と比較してはいない。

0116

(実施例3)
創傷を処置するための、組織工学型の組織代替物の使用
慢性創傷は、創傷ケアにおける最大の部門を含む。毎年糖尿病に罹患する2億5000万以上の人々に関して、糖尿病性潰瘍は、依然として、この部門の全ての創傷のうちで、最も一般的であり、処置が困難な創傷のうちの1つである。現行の適用方式は、シリンジを使用する、注射を介する。まず、シリンジを加熱して、ゲル化(原線維の変性及び水素結合)を誘発する。シリンジシステムは、適用を容易とするが、例えば、加熱されたシリンジを使用するか、又は適用後にヒートガン(37℃)を使用する、より効率的な送達方式も存在しうる。適用後、創傷には、包帯を施す。例えば、創傷用包帯材は、シリコーンシーティングウレタン上のスプレー、PLGAナノ線維、Meptiel(商標)、Tegaderm(商標)、又は他の従来型の創傷用包帯材を使用しうる。組織工学型の組織代替物は、1)乾燥適用、2)蒸留水による水和、3)全血液による水和、4)血清による水和、及び5)血漿による水和を含むがこれらに限定されない、多種多様な形態で投与することができる。糖尿病性創傷のための処置戦略の成功へと進みつつ、本明細書で記載される組成物の、このようなケアを要請する患者であって、ヒト患者を含む患者における創傷ケアにおける有用性の裏付けとして、本明細書で記載される、組織工学型の組織代替系を、糖尿病性マウスにおいて発生させた創傷の処置について裏付ける。かつて、本発明者らは、非肥満糖尿病性マウスにおける創傷が、ヒトにおける創傷治癒の遅延と同様の、創傷治癒の遅延を呈示することを見出した。各創傷に、インサートを入れて、拘縮を防止する。創傷を、Tegaderm(商標)包帯材で覆い、第2の皮膚代替物を、手術の24時間後に適用する。創傷の閉止が完了したら(約10〜15日後)、動物屠殺する。糖尿病は、毎日のベースのインスリン注射を使用して、血中グルコースレベルを、20mM未満で維持するようにコントロールする。

0117

(実施例4)
IDOを免疫調節因子として発現させる、安定的にトランスフェクトされた細胞の組入れ
アデノ随伴ウイルスベクターは、遺伝子治療のために認知された媒体であり、インドールアミン2,3ジオキシゲナーゼの遺伝子を輸送する場合、免疫調節細胞を作るのに使用することができる。本発明者らのかつての研究において、本発明者らは、IDOを発現させる線維芽細胞及び角化細胞を使用して、マクロファージ並びにCD4+ T細胞及びCD8+ T細胞による拒絶に対する耐性を付与する、固体の二層型皮膚代替物を創出しうることを裏付けた。遺伝子治療が進歩し、規制機関がこれらの進歩を熟知すれば、IDO発現細胞系の利益は、遠からず、細胞移植の分野で、臨床的に実現されうることが予測される。こうして、創傷は、実施例3で記載した通りに、処置及び査定することができる。IDO細胞の、組織工学型の組織代替系への添加は、本発明者らのかつてのデータにより証拠立てられる通り、創傷閉止の治癒転帰及び治癒率を更に改善するであろう。

0118

(実施例5)
スプレー適用法によるバイオハイブリッド足場の適用
ゲル化前に均質な混合物を維持する、ゾル形態のバイオハイブリッド足場の多用途性は、システムを、1)火傷等、大表面積にわたる、上皮細胞の層適用による層のための、細胞送達媒体及び薄型の足場として使用し、且つ/又は2)3Dバイオプリンティング適用における細胞の播種を改善するために使用する機会を提供する。更に、皮膚細胞は、本明細書で記載される組成物を含む、再構成されたバイオハイブリッド足場のスプレー適用を使用して、薄層足場を形成した後でも、生存を維持する(図10)。

0119

(実施例6)
全層ウサギ創傷に対するバイオハイブリッドの適用であって、細胞移植を伴う適用及びこれを伴わない適用は、肥厚性瘢痕形成及び治癒の転帰を改善する
細胞を伴わない(無細胞の)バイオハイブリッド足場、及びIDO発現細胞(実施例4で記載した)を伴うバイオハイブリッド足場の両方を、処置した場合でもなお、肥厚性瘢痕形成を経ることが典型的である、全層ウサギ耳創傷(6mm)へと適用した。術後20日目に、再構成されたバイオハイブリッド足場で処置された創傷が、完全な閉止を呈示したのに対し、非処置創傷及び非IDO異種移植片で処置された創傷は、閉止を呈示しなかった。35日目までに、全ての創傷は、完全に治癒していた。非IDO異種移植片及び非処置対照は、著明な肥厚性瘢痕形成(細胞充実度、瘢痕形成肥厚指数の上昇)及び免疫細胞(CD3+)の浸潤を呈示した。無細胞バイオハイブリッド足場及びIDO発現細胞足場は、瘢痕形成の兆候を呈示しなかった。バイオハイブリッド足場は、研究期間にわたり生存を維持するIDO発現細胞の移植の成功を可能とすることができた。更に、バイオハイブリッド足場は、血管新生及び新規の神経支配も可能とした。

0120

(実施例7)
K99再構成足場についての試験
足場の作出は、組織工学の中核をなす側面である。細胞移植へと進むモダリティーにより、周囲の組織に同化することが可能であり、組織特異的な機械的特性(強度、粘度、弾性等)及び物理的特徴(小孔径、表面化学反応ゲル転移温度)を呈示しうるソフトマテリアルに対する要求がなされている[Turner R.ら、Transplantation(2010); Al-Abboodi A.ら、Advanced healthcare materials(2014); Balakrishnan B.ら、Biomaterials(2005); Meng X.ら、Journal of biomedical materials research Part A(2013); PrestwichGD、Organogenesis(2008)]。注射用足場及びハイドロゲルを創出するためには、合成生体適合性ポリマー又は改変生体材料を選び出すことが多い。また、I型コラーゲンも、注射用材料として使用しうるが、ゲル化温度(及び時間)が、in situ形成型足場としてのその有用性を損なっている。この問題を回避するため、化学的架橋の理由で、急速な分解もまた回避する、粘性の大きな材料を創出する目的で、架橋を介して、I型コラーゲンを化学的に修飾することができる。Excellagen(商標)及びIntegra Flowable(商標)は、それぞれ、皮膚充填剤及び創傷治癒モダリティーとしての使用のために、現在市販されている、2つの注射用生成物である。しかし、ソフトマテリアルは、in situで完全な固体の足場(ゲル)を形成することが不可能であるので、Excellagen(商標)及びIntegraFlowable(商標)のいずれも、市場に対して新規である。更に、組織工学の調査研究及び臨床的使用のための、大半のコラーゲン足場調製物はまず、使用の前に、コラーゲン溶液の中性化を要請する。再構成用コラーゲン足場の、ゲルスラリーと対比した有用性は、それが、in situにおける形成以外に、結紮の保持又はインプラントと組織との間のインターフェースとしての機能等、あらかじめ形成された固体足場と類似する機械的特性もまた有することである。本明細書で記載されるK99再構成足場の臨床有用性を、蒸留された脱塩水、血清、及び全血液による再構成後に調べた。再構成K99足場を、16G BD(商標)IVカテーテル内の粘度及びゲル化再構成K99足場内の結紮保持能力(データは示さない)について調べた。本明細書で記載される再構成ポリマー足場は、利用可能な代替物と比較して、有益な機械的特性及び物理的特性を示すことが見出された。例えば、本明細書で記載される再構成K99足場は、複数の結紮を保持するのに適する強度及び弾性を示した。

実施例

0121

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