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課題・解決手段

本発明は、模擬胃液/水(1:8)および模擬腸液中で膨潤させた場合、高弾性率吸収能力とを併せ持つ架橋カルボキシメチルセルロースを提供する。本発明は、架橋カルボキシメチルセルロースを製造する方法、架橋カルボキシメチルセルロースを含む組成物および架橋カルボキシメチルセルロースを、例えば、体重過剰もしくは肥満症処置するために、または血糖コントロールを促進するために使用する方法をさらに提供する。

概要

背景

ポリマーヒドロゲルは、大量の水を吸収し保持できる架橋親水性ポリマーである。特定のこれらの材料は、1グラム乾燥ポリマー当たり、1kgを超える水を吸収できる。巨大分子鎖間の架橋によりネットワークが形成され、これにより、ポリマー液体系の構造的健全性保障されポリマーの完全な可溶化が防止され、同時に分子網目内での水性相の保持を可能にする。特に大容量の水を保持する能力を有するポリマーヒドロゲルは、超吸収性ポリマーSAP)と呼ばれる。荷重下での高い吸収力(AUL)はまた、SAPの共通の特性であり、この特性は、低い水保持能力のポリマーヒドロゲルでは通常認められない。圧力に加えて、pHおよびその他の環境条件がSAPなどのポリマーヒドロゲルの水保持能力に影響を与える場合がある。高い吸収性のポリマーヒドロゲルの用途としては、吸収性の個人向け衛生用製品の分野での吸収性コア(超吸収性ポリマー、高分子学会編集、増田房義著、共立出版(1987))、および乾燥地土壌中への水および栄養素制御放出用装置が挙げられる。

カルボキシアルキルセルロース材料およびその他のカルボキシアルキルポリサッカライドは、当技術分野において既知である。カルボキシアルキルセルロース材料は、セルロース系材料を、クロロアルカン酸、通常はモノクロロ酢酸、などのカルボキシアルキル化剤、および水酸化ナトリウムなどのアルカリを使って、任意でアルコールの存在下で、処理することにより形成できる。このようなカルボキシアルキルセルロースは通常、水溶性である。このような水溶性カルボキシアルキルセルロース非水溶性にする種々の方法が知られている。しかし、これらの方法は、架橋剤を全く含まない安定化機構に依存しており、この方法の手順は、適切な範囲の温度および熱処理時間を選択して水溶性セルロース誘導体を非水溶性型に変換することを含む。得られる安定化は、化学的効果ではなく、主に物理的な効果に起因しているように見える。実際に、特定のpH値で、通常、約pH10以上では、セルロース誘導体は再度水溶性になる。(Flory,J.P.Principles of Polymer Chemistry;Cornell University:Ithaca,NY,1953)。

カルボキシアルキルセルロース材料を不溶化するための他の方法としては、余剰カルボキシアルキル化反応物質およびカルボキシアルキル化反応の副産物の存在下でカルボキシアルキルセルロースの熱処理を行って、望ましい液体吸収および保持特性および特徴を有する非水溶性カルボキシアルキルセルロースを得る方法が挙げられる。これらの事例では、安定化(すなわち、永久的架橋)を促進するための促進剤および触媒の使用により、架橋度不均一分布と相まって、低膨潤能力の不溶性物質が生ずる(Anbergen U.,W.Opperman,Polymer,31,1854(1990),Nijenhuis,K.te,Advances in Polymer Science,130,(1997))。

セルロースヒドロゲルは、セルロース系誘導体水溶液の物理的または化学的安定化により得ることができる。他の天然および/または合成ポリマーがセルロースと組み合わされて、特殊な性質を有する複合材料ヒドロゲルを得ている[Chen,H.;Fan,M.Novel thermally sensitive pH−dependent chitosan/carboxymethylcellulose hydrogels.J.Bioact.Compat.Polym.2008,23(1),38−48.Chang,C.;Lue,A.;Zhang,L.Effects of cross−linking methodson structure and properties of cellulose/PVA hydrogels.Macromol.Chem.Phys.,2008,209(12),1266−1273](A.Sannino,M.Madaghiele,F.Conversano,A.Maffezzoli,P.A.Netti,L.Ambrosio and L.Nicolais,“Cellulose derivative−hyaluronic acid based microporous hydrogel crosslinked through divinyl sulfone(DVS)to modulate equilibrium sorption capacity and network stability”,Biomacromolecules,Vol.5,No.1(2004)92−96)。物理的、熱的可逆性ゲルは通常、メチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液(1〜10重量%の濃度の)から調製される[Sarkar,N.Thermal gelation properties of methyl and hydroxypropyl methylcellulose.J.Appl.Polym.Sci.,1979,24(4),1073−1087]。ゲル化機構は、メトキシ基を有する巨大分子間の疎水性会合を含む。低温では、溶液中のポリマー鎖水和され、相互で容易に絡み合わされる。温度上昇に伴い、巨大分子は、ポリマー−ポリマー疎水性会合が生ずるまで、水和水を徐々に失い、したがってヒドロゲルネットワークを形成する。ゾルゲル転移温度は、セルロースエーテル置換度、ならびに塩の付加に依存する。セルロース誘導体のより高い置換度は、それらにより高い疎水性を与え、したがって疎水性会合が生じる転移温度を低下させる。類似の効果は、塩が周辺水分子の存在を取り消すことにより巨大分子の水和レベルを低下させるため、ポリマー溶液に塩を加えることによっても得られる。置換度および塩濃度の両方を適切に調節して、37℃でゲル化する、したがって生物医学的な用途に潜在的に有用な、特定の配合物を得ることができる[Tate,M.C.;Shear,D.A.;Hoffman,S.W.;Stein,D.G.;LaPlaca,M.C.Biocompatibility of methylcellulose−based constructs designed for intracerebral gelation following experimental traumatic brain injury.Biomaterials,2001,22(10),1113−1123.Materials,2009,2,370 Chen,C.;Tsai,C.;Chen,W.;Mi,F.;Liang,H.;Chen,S.;Sung,H.Novel living cell sheet harvest system composed of thermoreversible methylcellulose hydrogels.Biomacromolecules,2006e7(3),736−743.Stabenfeldt,S.E.;Garcia,A.J.;LaPlaca,M.C.Thermoreversible laminin−functionalized hydrogel for neural tissue engineering.J.Biomed.Mater.Res.,A 2006,77(4),718−725.]。しかし、物理的架橋ヒドロゲルは可逆的であり[Te Nijenhuis,K.On thenature of cross−links in thermoreversible gels.Polym.Bull.,2007,58(1),27−42]、そのため所与の条件下(例えば、機械的荷重下)で流動し、制御不能な様式で分解する可能性がある。このような欠点のために、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)をベースにした物理的ヒドロゲルは、インビボでの使用には推奨されない。

流動特性を示す物理的ヒドロゲルとは対照的に、安定で堅固なセルロースのネットワークは、セルロース鎖間に化学的な不可逆性架橋の形成を誘導することにより調製できる。化学薬品または物理的処理(すなわち、高エネルギー放射線法、熱架橋)を使って、安定なセルロース系ネットワークを形成できる。ポリマーネットワーク単位体積当たりの架橋部位の数として定義される架橋度は、吸収熱力学に加えて、ヒドロゲルの拡散機械的および分解特性に影響を与え、合成中にある程度まで制御可能である。所定の特性を有する安定なヒドロゲルを得るために、架橋の前にセルロース主鎖に特定の化学修飾を行うことができる。例えば、水溶液中でpHの低下時に縮合反応により架橋するシリル化HPMCが開発されている。

さらなる例として、チラミン修飾ナトリウムカルボキシメチルセルロース(NaCMC)が合成されて、細胞送達用の酵素的にゲル化可能な配合物が得られている[Ogushi,Y.;Sakai,S.;Kawakami,K.Synthesis of enzymatically−gellable carboxymethylcellulose for biomedical applications.J.Biosci.Bioeng.,2007,104(1),30−33]。セルロース誘導体の水溶液の光架橋は、セルロースの適切な官能化後に達成できる。しかし、化学的架橋剤および/または官能化剤の使用は、かなりの量を長期使用する場合特に、経口投与に適しない生成物を与える。

概要

本発明は、模擬胃液/水(1:8)および模擬腸液中で膨潤させた場合、高弾性率吸収能力とを併せ持つ架橋カルボキシメチルセルロースを提供する。本発明は、架橋カルボキシメチルセルロースを製造する方法、架橋カルボキシメチルセルロースを含む組成物および架橋カルボキシメチルセルロースを、例えば、体重過剰もしくは肥満症処置するために、または血糖コントロールを促進するために使用する方法をさらに提供する。なし

目的

本発明は、高粘度カルボキシメチルセルロースを架橋することを含む架橋カルボキシメチルセルロースを製造するプロセスを提供する

効果

実績

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請求項1

カルボキシメチルセルロースクエン酸架橋することを含む方法により製造されるクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースであって、前記カルボキシメチルセルロースが、25℃で1%(重量/重量)水溶液として6000cpsを超える粘度および8未満の多分散指数を有する、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロース。

請求項2

少なくとも95質量%が100μm〜1000μmのサイズ範囲にあり、400〜800μmの範囲の平均粒径を有する粒子の形態であり、および(ii)10%以下(重量/重量)の乾燥減量を有する、請求項1に記載のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロース。

請求項3

(i)少なくとも95質量%が100μm〜1000μmのサイズ範囲にあり、400〜800μmの範囲の平均粒径を有する粒子の形態であり、および(ii)10%以下(重量/重量)の乾燥減量を有するクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースの試料分析した場合、(a)約1200〜約2000PaのG’および少なくとも約90の媒体込率、(b)約1400〜約2500PaのG’および約80〜89の媒体取込率、(c)約1600〜約3000PaのG’および約70〜79の媒体取込率、(d)約1900〜約3500PaのG’および約60〜69の媒体取込率;、(e)約2200〜約4000PaのG’および約50〜59の媒体取込率、(f)約2600〜約5000PaのG’および約40〜49の媒体取込率、を特徴とするクエン酸架橋カルボキシメチルセルロース。

請求項4

約0.5g/mL〜約0.9g/mLのタップ密度を有する、請求項2または請求項3に記載のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロース。

請求項5

約0.65g/mL〜約0.75g/mLのタップ密度を有する、請求項4に記載のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロース。

請求項6

カルボキシメチルセルロースをクエン酸で架橋することを含む方法により製造され、前記カルボキシメチルセルロースが25℃で1%(重量/重量)水溶液として6000cpsを超える粘度および8未満の多分散指数を有する、請求項2に記載のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロース。

請求項7

前記粘度が7800〜11000cpsでありかつ前記多分散指数が約4〜約7である、請求項4に記載のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロース。

請求項8

前記粘度が7800〜11000cpsでありかつ前記多分散指数が約5〜約7である、請求項1または6に記載のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロース。

請求項9

前記カルボキシメチルセルロースが約0.65〜約0.95の置換度を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロース。

請求項10

前記カルボキシメチルセルロースが前記カルボキシメチルセルロースの重量に対し約0.05〜約0.5重量%のクエン酸で架橋される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロース。

請求項11

少なくとも80質量%が100μm〜1000μmのサイズ範囲にありかつ400〜800μmの範囲の平均粒径を有する粒子の形態である、請求項1および請求項3〜10のいずれか1項に記載のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロース。

請求項12

約10%以下の乾燥減量を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロース。

請求項13

架橋カルボキシメチルセルロースを製造するための方法であって、(a)25℃で1%(重量/重量)水溶液として少なくとも6000cpsの粘度を有するカルボキシメチルセルロースの水溶液を調製するステップであって、前記カルボキシメチルセルロースの濃度が水に対して少なくとも1重量%であり、かつクエン酸の量が前記ポリサッカライド誘導体の重量に対して0.5重量%未満であるステップと、(b)前記溶液かき混ぜるステップと、(c)前記溶液を乾燥してカルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料を形成するステップと、(d)前記複合材料を粉砕して複合粒子を生成するステップと、(e)前記複合粒子を少なくとも約80℃の温度で加熱し、それにより前記カルボキシメチルセルロースを前記クエン酸で架橋しかつ前記架橋カルボキシメチルセルロースを形成するステップと、を含む方法。

請求項14

前記カルボキシメチルセルロースが8未満の多分散指数を有する、請求項13に記載の方法。

請求項15

ステップ(a)での前記カルボキシメチルセルロースの濃度が水に対して約4重量%〜約8重量%であり、かつステップ(a)での前記クエン酸の濃度が前記カルボキシメチルセルロースの重量に対して約0.15〜約0.3重量%である、請求項14に記載の方法。

請求項16

ステップ(a)での前記カルボキシメチルセルロースの濃度が水に対して約6重量であり、かつステップ(a)での前記クエン酸の濃度が前記カルボキシメチルセルロースの重量に対して約0.2重量%である、請求項15に記載の方法。

請求項17

(f)ステップ(e)の前記架橋カルボキシメチルセルロースを水で洗浄するステップと、(g)前記洗浄した架橋カルボキシメチルセルロースを乾燥するステップと、をさらに含む、請求項16に記載の方法。

請求項18

(h)ステップ(g)の前記架橋カルボキシメチルセルロース製品を粉砕するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。

請求項19

架橋カルボキシメチルセルロースを調製する方法であって、(a)25℃で1%(重量/重量)水溶液として少なくとも6000cpsの粘度を有するナトリウムカルボキシメチルセルロース、クエン酸および水から本質的になる水溶液を用意するステップと、(b)前記水溶液を撹拌するステップと、(c)前記溶液から水を蒸発させてカルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料を生成するステップと、(d)前記複合材料を粉砕して複合粒子を形成するステップと、(e)前記複合粒子を少なくとも約80℃の温度に加熱しそれにより前記架橋カルボキシメチルセルロースを生成するステップと、を含む方法。

請求項20

前記ナトリウムカルボキシメチルセルロースが約8未満の多分散指数を有する、請求項19に記載の方法。

請求項21

(f)ステップ(e)の前記架橋カルボキシメチルセルロースを水で洗浄するステップと、(g)前記洗浄した架橋カルボキシメチルセルロースを乾燥するステップと、をさらに含む、請求項19に記載の方法。

請求項22

(h)ステップ(g)の前記架橋カルボキシメチルセルロース製品を粉砕するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。

請求項23

ステップ(a)の前記溶液中のナトリウムカルボキシメチルセルロースの濃度が水に対して約4重量%〜約8重量%であり、かつステップ(a)の前記溶液中のクエン酸の濃度が前記カルボキシメチルセルロースの重量に対して約0.15〜約0.3重量%である、請求項19に記載の方法。

請求項24

ステップ(a)の前記溶液中のナトリウムカルボキシメチルセルロースの濃度が水に対して約6重量%であり、かつステップ(a)の前記溶液中のクエン酸の濃度が前記カルボキシメチルセルロースの重量に対して約0.2重量%である、請求項19に記載の方法。

請求項25

請求項13〜24のいずれか1項に記載の方法により製造される架橋カルボキシメチルセルロース。

請求項26

請求項1〜12または25のいずれか1項に記載の架橋カルボキシメチルセルロース、および薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤を含む医薬組成物

請求項27

経口投与に好適な形態の、請求項26に記載の医薬組成物。

請求項28

分包錠剤またはカプセルの形態の、請求項27に記載の医薬組成物。

請求項29

請求項27に記載の医薬組成物の満腹感誘導する量を対象に経口投与するステップを含む、それを必要としている対象において体重過剰または肥満症処置する方法。

請求項30

前記架橋カルボキシメチルセルロースを膨潤させるのに効果的な量の水を前記対象に経口投与するステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。

請求項31

前記水が前記医薬組成物の投与と同時にまたはその後に投与される、請求項30に記載の方法。

請求項32

前記対象が少なくとも30の肥満度指数を有する、請求項30に記載の方法。

請求項33

前記医薬組成物が食事の2時間前までに投与される、請求項29に記載の方法。

請求項34

前記医薬組成物が食事の1時間前までに投与される、請求項29に記載の方法。

請求項35

前記医薬組成物が食事の0〜0.5時間前に投与される、請求項29に記載の方法。

請求項36

請求項27に記載の医薬組成物の有効量を対象に経口投与するステップを含む、それを必要としている対象において血糖コントロールを促進する方法。

請求項37

前記架橋カルボキシメチルセルロースを膨潤させるのに効果的な量の水を前記対象に経口投与するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。

請求項38

前記水が前記医薬組成物の投与と同時にまたはその後に投与される、請求項37に記載の方法。

請求項39

前記対象が異常な空腹時血糖値を有する、請求項36〜38のいずれか1項に記載の方法。

請求項40

前記対象が前糖尿病患者である、請求項36〜38のいずれか1項に記載の方法。

請求項41

前記対象が糖尿病患者である、請求項39に記載の方法。

請求項42

前記医薬組成物が食事の0〜2時間前に投与される、請求項36〜41のいずれか1項に記載の方法。

請求項43

前記医薬組成物が食事の0〜1時間前に投与される、請求項42に記載の方法。

請求項44

前記医薬組成物が食事の0〜0.5時間前に投与される、請求項43に記載の方法。

請求項45

請求項27に記載の医薬組成物の有効量を対象に経口投与するステップを含む、それを必要としている対象において糖尿病を処置または予防する方法。

請求項46

前記架橋カルボキシメチルセルロースを膨潤させるのに効果的な量の水を前記対象に経口投与するステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。

請求項47

前記水が前記医薬組成物の投与と同時にまたはその後に投与される、請求項46に記載の方法。

請求項48

前記対象が異常な空腹時血糖値を有する、請求項45〜47のいずれか1項に記載の方法。

請求項49

前記対象が前糖尿病患者である、請求項45〜47のいずれか1項に記載の方法。

請求項50

前記対象が糖尿病患者である、請求項45〜47のいずれか1項に記載の方法。

請求項51

前記医薬組成物が食事の0〜2時間前に投与される、請求項45〜50のいずれか1項に記載の方法。

請求項52

前記医薬組成物が食事の0〜1時間前に投与される、請求項51に記載の方法。

請求項53

前記医薬組成物が食事の0〜0.5時間前に投与される、請求項52に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願
本願は2015年1月29日に出願された米国仮特許出願第62/109,392号の利益を主張するものである。上記出願の全教示は参照により本明細書に組み込まれる。

背景技術

0002

ポリマーヒドロゲルは、大量の水を吸収し保持できる架橋親水性ポリマーである。特定のこれらの材料は、1グラム乾燥ポリマー当たり、1kgを超える水を吸収できる。巨大分子鎖間の架橋によりネットワークが形成され、これにより、ポリマー液体系の構造的健全性保障されポリマーの完全な可溶化が防止され、同時に分子網目内での水性相の保持を可能にする。特に大容量の水を保持する能力を有するポリマーヒドロゲルは、超吸収性ポリマーSAP)と呼ばれる。荷重下での高い吸収力(AUL)はまた、SAPの共通の特性であり、この特性は、低い水保持能力のポリマーヒドロゲルでは通常認められない。圧力に加えて、pHおよびその他の環境条件がSAPなどのポリマーヒドロゲルの水保持能力に影響を与える場合がある。高い吸収性のポリマーヒドロゲルの用途としては、吸収性の個人向け衛生用製品の分野での吸収性コア(超吸収性ポリマー、高分子学会編集、増田房義著、共立出版(1987))、および乾燥地土壌中への水および栄養素制御放出用装置が挙げられる。

0003

カルボキシアルキルセルロース材料およびその他のカルボキシアルキルポリサッカライドは、当技術分野において既知である。カルボキシアルキルセルロース材料は、セルロース系材料を、クロロアルカン酸、通常はモノクロロ酢酸、などのカルボキシアルキル化剤、および水酸化ナトリウムなどのアルカリを使って、任意でアルコールの存在下で、処理することにより形成できる。このようなカルボキシアルキルセルロースは通常、水溶性である。このような水溶性カルボキシアルキルセルロース非水溶性にする種々の方法が知られている。しかし、これらの方法は、架橋剤を全く含まない安定化機構に依存しており、この方法の手順は、適切な範囲の温度および熱処理時間を選択して水溶性セルロース誘導体を非水溶性型に変換することを含む。得られる安定化は、化学的効果ではなく、主に物理的な効果に起因しているように見える。実際に、特定のpH値で、通常、約pH10以上では、セルロース誘導体は再度水溶性になる。(Flory,J.P.Principles of Polymer Chemistry;Cornell University:Ithaca,NY,1953)。

0004

カルボキシアルキルセルロース材料を不溶化するための他の方法としては、余剰カルボキシアルキル化反応物質およびカルボキシアルキル化反応の副産物の存在下でカルボキシアルキルセルロースの熱処理を行って、望ましい液体吸収および保持特性および特徴を有する非水溶性カルボキシアルキルセルロースを得る方法が挙げられる。これらの事例では、安定化(すなわち、永久的架橋)を促進するための促進剤および触媒の使用により、架橋度不均一分布と相まって、低膨潤能力の不溶性物質が生ずる(Anbergen U.,W.Opperman,Polymer,31,1854(1990),Nijenhuis,K.te,Advances in Polymer Science,130,(1997))。

0005

セルロースヒドロゲルは、セルロース系誘導体水溶液の物理的または化学的安定化により得ることができる。他の天然および/または合成ポリマーがセルロースと組み合わされて、特殊な性質を有する複合材料ヒドロゲルを得ている[Chen,H.;Fan,M.Novel thermally sensitive pH−dependent chitosan/carboxymethylcellulose hydrogels.J.Bioact.Compat.Polym.2008,23(1),38−48.Chang,C.;Lue,A.;Zhang,L.Effects of cross−linking methodson structure and properties of cellulose/PVA hydrogels.Macromol.Chem.Phys.,2008,209(12),1266−1273](A.Sannino,M.Madaghiele,F.Conversano,A.Maffezzoli,P.A.Netti,L.Ambrosio and L.Nicolais,“Cellulose derivative−hyaluronic acid based microporous hydrogel crosslinked through divinyl sulfone(DVS)to modulate equilibrium sorption capacity and network stability”,Biomacromolecules,Vol.5,No.1(2004)92−96)。物理的、熱的可逆性ゲルは通常、メチルセルロースおよび/またはヒドロキシプロピルメチルセルロースの水溶液(1〜10重量%の濃度の)から調製される[Sarkar,N.Thermal gelation properties of methyl and hydroxypropyl methylcellulose.J.Appl.Polym.Sci.,1979,24(4),1073−1087]。ゲル化機構は、メトキシ基を有する巨大分子間の疎水性会合を含む。低温では、溶液中のポリマー鎖水和され、相互で容易に絡み合わされる。温度上昇に伴い、巨大分子は、ポリマー−ポリマー疎水性会合が生ずるまで、水和水を徐々に失い、したがってヒドロゲルネットワークを形成する。ゾルゲル転移温度は、セルロースエーテル置換度、ならびに塩の付加に依存する。セルロース誘導体のより高い置換度は、それらにより高い疎水性を与え、したがって疎水性会合が生じる転移温度を低下させる。類似の効果は、塩が周辺水分子の存在を取り消すことにより巨大分子の水和レベルを低下させるため、ポリマー溶液に塩を加えることによっても得られる。置換度および塩濃度の両方を適切に調節して、37℃でゲル化する、したがって生物医学的な用途に潜在的に有用な、特定の配合物を得ることができる[Tate,M.C.;Shear,D.A.;Hoffman,S.W.;Stein,D.G.;LaPlaca,M.C.Biocompatibility of methylcellulose−based constructs designed for intracerebral gelation following experimental traumatic brain injury.Biomaterials,2001,22(10),1113−1123.Materials,2009,2,370 Chen,C.;Tsai,C.;Chen,W.;Mi,F.;Liang,H.;Chen,S.;Sung,H.Novel living cell sheet harvest system composed of thermoreversible methylcellulose hydrogels.Biomacromolecules,2006e7(3),736−743.Stabenfeldt,S.E.;Garcia,A.J.;LaPlaca,M.C.Thermoreversible laminin−functionalized hydrogel for neural tissue engineering.J.Biomed.Mater.Res.,A 2006,77(4),718−725.]。しかし、物理的架橋ヒドロゲルは可逆的であり[Te Nijenhuis,K.On thenature of cross−links in thermoreversible gels.Polym.Bull.,2007,58(1),27−42]、そのため所与の条件下(例えば、機械的荷重下)で流動し、制御不能な様式で分解する可能性がある。このような欠点のために、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)をベースにした物理的ヒドロゲルは、インビボでの使用には推奨されない。

0006

流動特性を示す物理的ヒドロゲルとは対照的に、安定で堅固なセルロースのネットワークは、セルロース鎖間に化学的な不可逆性架橋の形成を誘導することにより調製できる。化学薬品または物理的処理(すなわち、高エネルギー放射線法、熱架橋)を使って、安定なセルロース系ネットワークを形成できる。ポリマーネットワーク単位体積当たりの架橋部位の数として定義される架橋度は、吸収熱力学に加えて、ヒドロゲルの拡散機械的および分解特性に影響を与え、合成中にある程度まで制御可能である。所定の特性を有する安定なヒドロゲルを得るために、架橋の前にセルロース主鎖に特定の化学修飾を行うことができる。例えば、水溶液中でpHの低下時に縮合反応により架橋するシリル化HPMCが開発されている。

0007

さらなる例として、チラミン修飾ナトリウムカルボキシメチルセルロース(NaCMC)が合成されて、細胞送達用の酵素的にゲル化可能な配合物が得られている[Ogushi,Y.;Sakai,S.;Kawakami,K.Synthesis of enzymatically−gellable carboxymethylcellulose for biomedical applications.J.Biosci.Bioeng.,2007,104(1),30−33]。セルロース誘導体の水溶液の光架橋は、セルロースの適切な官能化後に達成できる。しかし、化学的架橋剤および/または官能化剤の使用は、かなりの量を長期使用する場合特に、経口投与に適しない生成物を与える。

0008

本発明は、一部は、低多分散性指数を有する高粘度カルボキシメチルセルロース化学的架橋が、優れた吸収特性流動学的性質および他の有利な特性を有する架橋カルボキシメチルセルロースの形成をもたらすという発見に関する。

0009

本発明は、高粘度カルボキシメチルセルロースを架橋することを含む架橋カルボキシメチルセルロースを製造するプロセスを提供する。本発明は、これらのプロセスを使って製造される架橋カルボキシメチルセルロースにさらに関する。これらの架橋カルボキシメチルセルロースは、さらに本明細書で記載のように、高弾性率および高吸収能力の両方を有する。実際に、本発明の架橋カルボキシメチルセルロースは、先行技術の架橋カルボキシメチルセルロースに比較して、類似の吸収特性を有しながら顕著により大きい弾性を有する。これは、弾性の増加は通常、吸収特性の低下を伴うという観点から意外なことである(Flory J.P.,“Principles of Polymer Chemistry”,Cornell University Press,Ithaca NY,(1953);Peppas L.B.and Harland R.S.in “Absorbent Polymer Technology” Ed by L.B.Peppas,Elsevier Pub.,Amsterdam(1990);F.L.Buchholz and N.A.Peppas Superabsorbent Polymers,Eds.,ACS Symposium Series 573,Washington,DC,4,p.50(1994))。

0010

一実施形態では、本発明は、高粘度カルボキシメチルセルロースをクエン酸で架橋するステップを含む架橋カルボキシメチルセルロースを製造する方法を提供する。方法は、この方法により製造される架橋カルボキシメチルセルロースをさらに提供する。好ましくは、高粘度カルボキシメチルセルロースは、カルボキシメチルセルロースの重量に対し約0.05重量%〜約0.5重量%の量のクエン酸で架橋される。

0011

一実施形態では、本発明は、架橋カルボキシメチルセルロースを製造する方法を提供し、方法は、(1)高粘度カルボキシメチルセルロースおよびクエン酸の水溶液を調製するステップと、(2)任意で溶液を、例えば、撹拌によりかき混ぜるステップと、(3)溶液からカルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料を単離するステップと、(4)カルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料を少なくとも約80℃の温度で加熱し、それによりカルボキシメチルセルロースをクエン酸で架橋するステップとを含む。一実施形態では、カルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料は、ステップ(4)を実施する前に粉砕される。一実施形態では、カルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料は、ステップ(4)で、約80℃以上の温度に加熱される。方法は、(5)ステップ(4)の架橋カルボキシメチルセルロースを洗浄するステップおよび(6)洗浄した架橋カルボキシメチルセルロースを粉砕するステップをさらに任意で含む。

0012

カルボキシメチルセルロースおよびクエン酸の水溶液は、カルボキシメチルセルロースおよびクエン酸を水に添加し、得られた混合物を、例えば、撹拌することにより、十分な時間にわたりかき混ぜて均一溶液を生成することにより調製されるのが好ましい。

0013

高粘度カルボキシメチルセルロースは、水に対して少なくとも約1重量%、好ましくは少なくとも約2重量%、4重量%または5重量%の濃度で、ステップ(1)の溶液中に存在するのが好ましい。一実施形態では、カルボキシメチルセルロースの濃度は、水に対して約6重量%である。特定の実施形態では、カルボキシメチルセルロースの濃度は、水に対して約2重量%〜約10重量%、約4重量%〜約8重量%、約4.5重量%〜約7.5重量%、約5重量%〜約7重量%、または約5.5重量%〜約6.5重量%である。

0014

クエン酸は、カルボキシメチルセルロースに対して約0.05重量%〜約0.5重量%の濃度でステップ(1)の溶液中に存在するのが好ましい。より好ましくは、クエン酸は、カルボキシメチルセルロースに対して約0.1重量%〜0.5重量%、0.4重量%以下、または0.35重量%以下の濃度で存在する。ある実施形態では、クエン酸は、カルボキシメチルセルロースに対して約0.15重量%〜約0.4重量%、約0.15重量%〜約0.35重量%、0.2重量%〜約0.35重量%、約0.25重量%〜約0.35重量%、または約0.2重量%の濃度でステップ(1)の溶液中に存在する。

0015

一実施形態では、水溶液は、高粘度カルボキシメチルセルロース(例えば、ナトリウム塩として)、クエン酸および水から本質的になる。好ましい実施形態では、溶液は、高粘度ナトリウムカルボキシメチルセルロース、クエン酸および水から本質的になる。水は、蒸留水または脱イオン水などの、精製水であるのが好ましい。この実施形態では、プロセスは、pHに影響し得るいずれかの他の薬剤の実質的な不存在下で実施される。

0016

架橋反応は、触媒の実質的な不存在下で実施されるのが好ましい。

0017

別の実施形態では、本発明は、本明細書で開示される方法により製造される架橋カルボキシメチルセルロースを提供する。このような架橋カルボキシメチルセルロースは、本明細書で下記のように測定される場合に高弾性率および高媒体込率を有するクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースを含む。本発明の架橋カルボキシメチルセルロースは、腸液の高イオン強度に対しさらに比較的非感受性である。高吸収能を高弾性率と組み合わせることは、肥満症処置および血糖コントロールなどの胃腸管を対象とする治療法におけるこれらの材料の多くの用途に有利である。理論に束縛されるものではないが、摂取食物の1種とうまく結びついた弾性を有する上部消化管中の膨潤ヒドロゲルは、の空化時間および胃壁に対する応答を高めると予測されるであろう。さらに、下部消化管では、膨潤ヒドロゲルのより高い弾性がグルコース輸送を遅くし、腸中でより良好な容積障害を生成することに加えて、血糖ピーク下げ得る。下部消化管では、高弾性および容積を有する部分的に消化された食物が、減量を促進する経路代謝において基本的な役割を果たすことが実証されている(Saeidi N.et al.,Science2013,341(6144):406−10)。したがって、本発明の架橋カルボキシメチルセルロースは、複数の機構を介して肥満症を処置し血糖コントロールを強化することが予測される。

0018

別の実施形態では、本発明は、本発明の架橋カルボキシメチルセルロースを、それを必要としている対象において、例えば、カロリー摂取を低減する、体重を低減するまたは肥満症を処置するために使用する方法を提供する。本発明はまた、本発明の架橋カルボキシメチルセルロースを、それを必要としている対象において血糖コントロールを強化する、糖尿病を処置するまたは糖尿病を予防する方法で使用する方法を提供する。さらに、本発明は、本発明の架橋カルボキシメチルセルロースを含む医薬組成物および製造物を提供する。

図面の簡単な説明

0019

クエン酸によるセルロース系ポリマーの提案された架橋機構を示す図である。
実施例6で記載のヒドロゲルAおよびヒドロゲルBを用いて実施された試験について、透析液グルコース濃度を時間の関数として示すグラフである。
実施例7で記載のヒドロゲルAおよびヒドロゲルBについての、カプセル崩壊後の媒体取込率(MUR)対時間のグラフである。
実施例8で記載のヒドロゲルAおよびヒドロゲルBについての、粘度対時間のグラフである。
実施例8で記載のヒドロゲルAおよびヒドロゲルBについての、媒体取込率対時間のグラフである。
実施例8で記載のヒドロゲルAおよびヒドロゲルBについての、G’対時間のグラフである。

実施例

0020

本発明は、架橋カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースの製造方法、架橋カルボキシメチルセルロースの使用方法および架橋カルボキシメチルセルロースを含む製造物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、高粘度カルボキシメチルセルロースの化学的架橋が有利な性質を有する架橋カルボキシメチルセルロースをもたらすという発見に関する。

0021

高粘度カルボキシメチルセルロースは、共有結合架橋を生成する好適な多官能性の、例えば、二官能性の、架橋剤を使って化学的に架橋できる。好適な架橋剤としては、シュウ酸またはクエン酸などのポリカルボン酸ジビニルスルホン(DVS)、アセトアルデヒドホルムアルデヒドおよびグルタルアルデヒドなどのアルデヒドジグリシジルエーテルジイソシアネートジメチル尿素エピクロロヒドリン、シュウ酸、塩化ホスホリルトリメタホスフェートトリメチロメラミン、およびポリアクロレインが挙げられる。カルボキシメチルセルロースはまた、生成物中に架橋剤が存在しなくても、それ自体に架橋できる。例えば、カルボキシメチルセルロースは、カルボジイミドなどのカルボキシ活性剤の存在下で、または熱処理により、架橋できる。また、カルボキシメチルセルロースをイオン結合によりまたは物理的に架橋することも可能である。好ましくは、高粘度カルボキシメチルセルロースはクエン酸で架橋される。

0022

一実施形態では、架橋カルボキシメチルセルロースのを製造する方法は、(1)高粘度カルボキシメチルセルロースおよびクエン酸の水溶液を調製するステップと、(2)任意で溶液をかき混ぜるステップと、(3)溶液からカルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料を単離するステップと、(4)カルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料を少なくとも約80℃の温度で加熱し、それにより架橋カルボキシメチルセルロースを生成するステップとを含む。一実施形態では、カルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料は、ステップ(4)を実施する前に粉砕され、任意でふるいにかけられて、所望のサイズ範囲粒子を得る。一実施形態では、ステップ(4)の架橋カルボキシメチルセルロース生成物は洗浄され、例えば、グラインディングまたはミリングにより粉砕され、任意でふるいにかけられる。特定の実施形態では、カルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料は、ステップ(4)を実施する前に粉砕され、任意でふるいにかけられて所望のサイズ範囲の粒子を得、さらに、ステップ(4)の架橋カルボキシメチルセルロース生成物は粉砕されて架橋カルボキシメチルセルロース粒子を生成し、かつ粒子は任意でふるいにかけられる。

0023

カルボキシメチルセルロースは、水に対して少なくとも約1重量%、好ましくは少なくとも約2重量%、4重量%または5重量%の濃度で、ステップ(1)の溶液中に存在するのが好ましい。一実施形態では、カルボキシメチルセルロースの濃度は、水に対して約6重量%である。特定の実施形態では、カルボキシメチルセルロースの濃度は、水に対して約2重量%〜約10重量%、約4重量%〜約8重量%、約4.5重量%〜約7.5重量%、約5重量%〜約7重量%、または約5.5重量%〜約6.5重量%である。

0024

クエン酸は、カルボキシメチルセルロースに対して約0.05重量%〜約0.5重量%の濃度でステップ(1)の溶液中に存在するのが好ましい。好ましくは、クエン酸は、カルボキシメチルセルロースに対して約0.4重量%以下、または0.35重量%以下の濃度で存在する。ある実施形態では、クエン酸は、カルボキシメチルセルロースに対して約0.1重量%〜約0.5重量%、約0.15重量%〜約0.4重量%、約0.15重量%〜約0.35重量%、0.2重量%〜約0.35重量%、約0.25重量%〜約0.35重量%、または約0.2重量%の濃度でステップ(1)の溶液中に存在する。

0025

本発明の方法では、カルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料は、得られる架橋カルボキシメチルセルロースの吸収特性の実質的劣化を起こさない任意の方法によって溶液から単離され得る。このような方法の例としては、蒸発乾燥凍結乾燥沈殿遠心分離スプレー乾燥臨界点乾燥などが挙げられる。

0026

本発明の方法では、カルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料は、約10℃〜約100℃の、好ましくは約45℃〜約80℃の範囲の温度で蒸発乾燥により単離されるのが好ましい。特定の実施形態では、乾燥は、約80℃以上の、例えば、80℃〜100℃の初期温度で実施され、実質的に溶液の容積を減らした後、温度が80℃未満に下げられて乾燥を完結する。例えば、溶液は、最初85℃で乾燥され、その後、温度が50℃に下げられて乾燥を完結できる。当然のことながら、溶液が加圧下におかれた場合には、より高い温度を採用することができる。溶液が真空下におかれた場合には、より低い温度を採用することができる。好ましい一実施形態では、蒸発乾燥は、約65℃〜75℃、または約70℃の温度で実施される。

0027

溶液が加熱により乾燥される本発明の方法のいくつかの実施形態では、カルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料を単離するステップおよび複合材料を架橋するステップは、好ましくは温度を変えて、単一のステップに統合できる。

0028

本発明の方法で使用できる他の複合材料の単離方法は、水溶液にメタノールエタノールまたはアセトンなどの沈殿剤(非溶媒)を添加して溶液から複合材料を沈殿させる沈殿法を含む。複合材料はその後、濾過により回収できる。沈殿法を使用して複合材料が回収される場合、複合材料は任意で水で洗浄されて沈殿剤を除去する。

0029

スプレー乾燥による蒸発乾燥法が用いられる場合には、複合材料は、架橋ステップの前に、粒子、フレークまたは顆粒の形態で回収され得る。

0030

一実施形態では、本発明の方法は、(1)高粘度カルボキシメチルセルロースおよびクエン酸の水溶液を調製するステップと、(2)、溶液をかき混ぜるステップと、(3)溶液を加熱して水を除去しカルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料を生成するステップと、(3a)カルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料を粉砕して複合粒子を生成するステップと、(4)複合粒子を少なくとも約80℃の温度で加熱し、それによりカルボキシメチルセルロースをクエン酸で架橋し架橋カルボキシメチルセルロースを形成するステップと、(5)架橋カルボキシメチルセルロースを洗浄するステップと、(6)洗浄した架橋カルボキシメチルセルロースを乾燥するステップと、任意で、(7)架橋カルボキシメチルセルロースを粉砕して架橋カルボキシメチルセルロース粒子を生成するステップとを含む。ステップ(3a)および(7)の片方または両方のステップで生成された粒子を、ふるいにかけて、指定サイズ範囲内の粒子の試料を得ることができる。

0031

本発明の方法の好ましい一実施形態は、次のステップを含む:(1)高粘度ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよびクエン酸を精製水中に溶解し、水の重量に対して約5重量%〜約7重量%、好ましくは約6重量%のナトリウムカルボキシメチルセルロース、およびナトリウムカルボキシメチルセルロースの重量に対して約0.15重量%〜約0.40重量%、約0.15重量%〜約0.35重量%、約0.15重量%〜約0.25重量%または約0.2重量の量のクエン酸から本質的になる溶液を生成するステップと、(2)溶液を約40℃〜約70℃または約40℃〜約80℃、好ましくは約70℃の温度で維持して、水を蒸発させてカルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料を形成するステップと、(3)カルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料を粉砕して複合粒子を形成するステップと、(4)複合粒子を約80℃〜約150℃または約100℃〜約150℃、好ましくは約115℃〜約125℃、約120℃の温度で、所望の程度の架橋を達成し架橋カルボキシメチルセルロースを形成するのに十分な時間にわたり維持するステップ。方法は、ステップ(5)架橋カルボキシメチルセルロースを精製水で、好ましくは架橋カルボキシメチルセルロースの質量の100〜200倍の、好ましくは架橋カルボキシメチルセルロースの質量の約150倍の量の精製水で洗浄するステップ、ステップ(6)洗浄した架橋カルボキシメチルセルロースを高温で、好ましくは約40℃〜約70℃または40℃〜約80℃、より好ましくは約70℃で乾燥するステップ、およびステップ(7)乾燥した架橋カルボキシメチルセルロースを粉砕するステップ、の1つまたは複数を任意でさらに含んでよい。一実施形態では、得られた粒子は、100μm〜1000μmのサイズ範囲に、好ましくは400μm〜800μmの範囲の平均サイズになるように、ふるいにかけられる。

0032

別の特定の好ましい実施形態では、本発明の架橋カルボキシメチルセルロースを調製する方法は、(a)高粘度ナトリウムカルボキシメチルセルロース、クエン酸および水から本質的になる水溶液を用意するステップと、(b)水溶液を撹拌するステップと、(c)水を例えば、約40℃〜約70℃または約40℃〜約80℃、好ましくは約70℃の温度で溶液を維持することにより蒸発させてカルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料を形成するステップと、(d)複合材料を粉砕して複合粒子を形成するステップと、(e)複合粒子を、少なくとも約80℃または100℃、例えば100℃〜180℃、100℃〜150℃、110℃〜130℃、115℃〜125℃または約120℃の温度に加熱し、それによりカルボキシメチルセルロースを架橋しクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースを形成するステップと、を含む。

0033

ステップ(e)の生成物は任意で粉砕されて粒子を生成し、これは任意でふるいにかけられる。他の実施形態では、ステップ(e)の生成物は洗浄、乾燥された後、粉砕されて粒子を生成し、これは任意でふるいにかけられる。一実施形態では、架橋カルボキシメチルセルロースは、1μm〜2000μm、好ましくは10μm〜2000μm、より好ましくは100μm〜1000μmのサイズ範囲の粒子から実質的になる。架橋カルボキシメチルセルロースの試料は、試料中の50質量%より多い粒子が指定サイズ範囲内にある場合、指定サイズ範囲の粒子から実質的になる。好ましくは、試料は、少なくとも50質量%、60質量%、70質量%、80質量%、90質量%または95質量%の粒子が指定サイズ範囲内にある。より好ましくは、試料は、少なくとも90または95質量%が100μm〜1000μmのサイズ範囲内にあり、好ましくは400μm〜800μmの範囲の平均粒径を有する。

0034

高粘度ナトリウムカルボキシメチルセルロースは、溶液の調製に使われる水の重量に対して4重量%以上、好ましくは約4重量%〜約8重量%、5重量%〜約7重量%、5.5重量%〜約6.5重量%または約6重量%の濃度でステップ(a)の水溶液中に存在するのが好ましい。好ましくは、クエン酸は、セルロース誘導体の重量に対して、0.5重量%以下、より好ましくは約0.35重量%以下または約0.3重量%以下の濃度で溶液中に存在するのが好ましい。好ましくは、クエン酸の濃度は、ナトリウムカルボキシメチルセルロースに対して、約0.15重量%〜約0.35重量%、好ましくは約0.2重量%〜約0.35重量%、0.15重量%〜約0.3重量%、0.15重量%〜0.25重量%または0.2重量%の濃度である。ナトリウム塩。

0035

本発明の方法の任意の実施形態では、高粘度カルボキシメチルセルロースは、好ましくは、水の重量に対して約5重量%〜約7重量%、好ましくは約6重量%の濃度で、水溶液中に存在し、クエン酸は、カルボキシメチルセルロースの重量に対して0.1重量%〜0.4重量%、好ましくは0.15重量%〜0.3重量%の濃度で存在する。

0036

本発明の方法の特定の実施形態では、水溶液が乾燥されてシートとして複合材料を形成し、これが粉砕されて複合粒子を形成する。好ましくは、複合粒子は、約10μmと約2000μmの間の、より好ましくは約100μmと約2000μmの間の、または約100μmと約1600μmの間の最大寸法および300μmと600μmの間の平均サイズを有する。複合粒子は任意でふるいにかけられて所望のサイズ範囲の粒子を与える。

0037

本発明の方法の好ましい実施態様では、水溶液は水を除去する前に、トレー中に置かれる。加熱は、好適なオーブンまたは真空オーブン中で実施されるのが好ましい。

0038

本発明の方法では、複合材料は、例えば、グラインディング、ミリングまたは細片化することにより粉砕されて、複合粒子を形成でき、粒子が高温で維持され、それにより架橋を起こし架橋カルボキシメチルセルロース粒子を生成する。

0039

本発明の方法は、架橋カルボキシメチルセルロースを洗浄するステップ、例えば、架橋カルボキシメチルセルロースを、水などの極性溶媒中極性有機溶媒中、例えば、メタノールまたはエタノールなどのアルコール中、またはこれらの組み合わせの中で洗浄するステップをさらに含む。

0040

本発明の方法の好ましい実施態様では、架橋カルボキシメチルセルロースは、架橋ポリマーの量より50〜250倍(重量/重量)多い量の精製水で洗浄される。特定の実施形態では、精製水の量は、架橋ポリマーの量より100〜200倍(重量/重量)多い。特定の実施形態では、精製水の量は、架橋ポリマーの量より約150倍(重量/重量)多い。

0041

洗浄された架橋カルボキシメチルセルロースは、ほとんどのまたは実質的に全ての水を除去するためにさらに乾燥され得る。好ましくは、架橋カルボキシメチルセルロースは、約25重量%以下の、好ましくは約20重量%、約15重量%または約10重量%以下の含水量へと乾燥される。特定の実施形態では、乾燥された架橋カルボキシメチルセルロースの含水量は、約5重量%以下である。

0042

一実施形態では、乾燥ステップは、位相反転として知られるプロセスである、完全に膨潤した架橋カルボキシメチルセルロースをセルロース非溶媒中に浸漬することにより実施される。本明細書で使用される場合、「セルロース非溶媒」は、カルボキシメチルセルロースを溶解せず架橋カルボキシメチルセルロースを膨潤させないが、好ましくは水と混和性である液体化合物である。好適なセルロース非溶媒としては、例えば、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよびトルエンが挙げられる。非溶剤中に浸漬後、残留非溶媒は、真空および/または加熱により架橋カルボキシメチルセルロースから除去できる。

0043

他の実施形態では、架橋カルボキシメチルセルロースは、位相反転により乾燥されない。洗浄された架橋カルボキシメチルセルロースは、好ましくは、空気乾燥真空乾燥、凍結乾燥により、または高温で、例えば、オーブン中でまたは真空オーブン中で乾燥することにより、乾燥される。これらの乾燥法は、単独でまたは組み合わせて、使用できる。オーブン乾燥は、例えば、約30〜80℃の温度で、水または残留非溶媒が完全に除去されるまで実施され得る。洗浄および乾燥された架橋カルボキシメチルセルロースは、その後、そのまま使用されるか、または粉砕されて任意でふるいにかけられて、所望サイズの架橋カルボキシメチルセルロース粒子を生成し得る。

0044

本発明の方法では、カルボキシメチルセルロースおよびクエン酸の水溶液は、カルボキシメチルセルロース誘導体が水に可溶である任意の温度で形成される。通常、このような温度は、約10℃〜約100℃の範囲内であろう。好ましくは、溶液は実質的に室温で、例えば、20℃〜30℃または約25℃で調製される。

0045

本発明の方法の任意の実施形態では、高粘度カルボキシメチルセルロースおよびクエン酸の水溶液のpHを約5〜約9、約5〜約8、約6〜8、約6〜約7、約6.5〜約7.5または約5.5〜約7にするのが好ましい。より好ましくは、溶液のpHは6〜7である。

0046

理論に束縛されるものではないが、水溶液から単離されたカルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料は、鎖間の絡み合いに起因する向上した吸収特性を有する架橋カルボキシメチルセルロースを形成するための化学的架橋に好適であると考えられている。理論に束縛されるものではないが、可溶化は分子の絡み合いをもたらし、この絡み合いが、カルボキシメチルセルロースとクエン酸との間でより堅固なネットワークならびにカルボキシル基およびヒドロキシル基の好ましい分布を生成すると考えられている。したがって、カルボキシメチルセルロース鎖のより多くの絡み合いは、熱処理時により多くの均一な架橋をもたらし、さらには、より大きな媒体取込能力および大きく向上した機械的および流動学的性質を有する超吸収架橋カルボキシメチルセルロースを生ずる。

0047

カルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料を粉砕するステップを含む本発明の方法では、得られる複合粒子は、約5μm〜約2,000μmの範囲内の、好ましくは約100μm〜約1,000μmの範囲内の最大断面直径または最大寸法を有するのが好ましく、より好ましくは平均粒子断面直径が約300μm〜約800μmである。

0048

理論に束縛されるものではないが、架橋の前に複合材料を粉砕するステップは、架橋部位の均一な分布および架橋反応の開始前に高められた水の蒸発をもたらし、その結果、高保存弾性率(G’)および均一な化学的安定化を有する材料が得られ、かつ反応の程度を高めると考えられている。

0049

本発明の方法では、単離カルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料またはその粒子は、少なくとも約80℃の温度へと加熱されて、カルボキシメチルセルロースを架橋するのが好ましい。カルボキシメチルセルロースに望ましくない損害を与えることなく、所望の架橋度を達成する温度および時間の任意の組み合わせが、本発明での使用に好適である。好ましくは、複合材料は80℃以上の、例えば、100℃以上の温度に加熱される。特定の実施形態では、温度は、約100℃〜約250℃、好ましくは約100℃〜約200℃、より好ましくは約110℃〜約150℃の範囲内である。特に好ましい実施形態では、複合材料は約110℃〜約130℃にまたは約120℃に加熱される。通常、熱処理プロセスは、約1分〜約600分、好ましくは約1分〜約300分、より好ましくは約175分〜約300分、または200分〜250分の範囲内の時間に及ぶであろう。好ましい実施態様では、複合材料は、約120℃で200分〜250分または約225分加熱することにより架橋される。

0050

本発明の方法におけるカルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料の熱処理は、クエン酸を介してカルボキシメチルセルロース鎖を架橋させ、非水溶性にする。熱処理プロセスは、ある弾性率および水性液体吸収する能力、特に高塩分および低pHの胃液を吸収する能力を有するクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースを好ましく生成する。

0051

本明細書で使用される場合、用語の「カルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料」または「複合材料」は、カルボキシメチルセルロースおよびクエン酸の混合物を含む実質的に乾燥した材料を指す。この複合材料が高粘度カルボキシメチルセルロースおよびクエン酸の水溶液の蒸発乾燥により生成される実施形態では、複合材料は、水の除去後に残る実質的に乾燥した残留物である。複合材料は、いくらか結合水を保持でき、かつ、例えば、5、10または20重量%までの水含量であり得る。好ましくは、複合材料は約10重量%以下の水含量である。

0052

理論に束縛されるものではないが、本明細書で開示の架橋カルボキシメチルセルロースの調製は、カルボキシメチルセルロースのクエン酸による共有結合架橋を介して進行すると考えられる。図1は、カルボキシメチルセルロースなどの可溶性セルロース誘導体のクエン酸による架橋を示す。この機構では、クエン酸のC1カルボキシル基が、中性のpHでおよび高温でならびに極めて少量の水の存在下で無水物形成により活性化され、さらに、触媒の非存在下でセルロース系ヒドロキシル基と反応してエステルを形成する。その後、C5カルボキシル基が無水物形成により活性化され別のセルロース系ポリマー鎖のヒドロキシル基と反応して分子間共有結合架橋を形成するか、または同じ鎖のヒドロキシル基と反応して分子内共有結合架橋を形成する。これは生成物である水との平衡反応であるために、安定化手順中に除去される水が多いほど、達成され得る変換の程度がより高い。このように、架橋前にカルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料を形成するためのカルボキシメチルセルロース/クエン酸溶液からの水の除去は、無水物形成/エステル化反応を起こすために必要である。

0053

本明細書で使用される場合、用語の「カルボキシメチルセルロース」(CMC)は、酸型の、塩としてのまたは酸型と塩との組合せとしてのカルボキシメチルセルロース(セルロースカルボキシメチルエーテル)を指す。好ましい塩型としては、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよびカリウムカルボキシメチルセルロースが挙げられる。特に好ましい実施形態では、カルボキシメチルセルロースは溶液中でナトリウム塩(NaCMC)として存在する。

0054

カルボキシメチルセルロースを作製する方法は、当業者には既知である。好都合に、綿または木材パルプなどのセルロース系材料が提供される。セルロース系材料は、繊維または粒子状に粉砕されている繊維の形態であってよい。セルロース系材料はアルコールなどの不活性溶媒中に分散され、カルボキシアルキル化剤が分散液に添加される。カルボキシアルキル化剤は通常、モノクロロ酢酸などのクロロアルカン酸および水酸化ナトリウムを含む。カルボキシメチルセルロースと水の溶液が直接形成されるような様式で、出発セルロースのカルボキシメチル化を実施することが可能である。すなわち、カルボキシメチル化プロセスは、カルボキシメチルセルロースの形成時に、それが水中に可溶化されるように、水性媒体中で実施され得る。このような様式では、カルボキシメチルセルロースの形成と、カルボキシメチルセルロースおよび水の溶液の形成との間で回収ステップは不要である。

0055

特定の実施形態では、高粘度カルボキシメチルセルロースは、綿由来のセルロースから調製される。他の実施形態では、高粘度カルボキシメチルセルロースは、綿および木材パルプの両方由来のセルロースから調製される。

0056

本明細書で使用される場合、用語の「高粘度カルボキシメチルセルロース」は、少なくとも6000cpsの粘度を有する水中の1%(重量/重量)溶液を形成する、通常ナトリウム塩としてのカルボキシメチルセルロースを指す。粘度は、ASTMD1439−03(2008)e1(ASTM International,West Conshohocken,PA(2008)、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に準拠した、実施例5で示される方法により測定される。好ましい実施形態では、高粘度カルボキシメチルセルロースはまた、約8以下の多分散指数などの低多分散性指数を有する。

0057

本発明の任意の実施形態では、高粘度カルボキシメチルセルロースは、25℃で、少なくとも約6000、7000、7500、または8000cpsの粘度を有する水中の1%(重量/重量)溶液を形成するのが好ましい。特定の実施形態では、カルボキシメチルセルロースは、25℃で、6000〜約10000cpsまたは約6000〜11000cpsの粘度を有する1%(重量/重量)水溶液を形成する。特定の実施形態では、カルボキシメチルセルロースは、25℃で、約6000〜約9500cpsまたは約7000〜9500cpsの粘度を有する1%(重量/重量)水溶液を形成する。別の実施形態では、カルボキシメチルセルロースは、25℃で、約7000〜約9200cpsまたは約7500〜9000cpsの粘度を有する1%(重量/重量)水溶液を形成する。さらに別の実施形態では、カルボキシメチルセルロースは、25℃で、約8000〜約9300cps、または約9000cpsの粘度を有する1%(重量/重量)水溶液を形成する。好ましくは、カルボキシメチルセルロースはナトリウム塩の形態である。好ましい実施態様では、カルボキシメチルセルロースは、約7800cps以上、例えば、約7800〜11000cps、または約8000cps〜約11000cpsの粘度を有する1%(重量/重量)水溶液を形成するナトリウムカルボキシメチルセルロースである。好ましい実施形態では、高粘度カルボキシメチルセルロースは、約8以下、好ましくは約7以下、または6以下の多分散指数(Mw/Mn)をさらに有する。一実施形態では、多分散指数は約3〜約8、約3〜約7、約3〜約6.5、約3.0〜約6;約3.5〜約8、約3.5〜約7、約3.5〜約6.5、約3.5〜約6、約4〜約8、約4〜約7、約4〜約6.5、約4〜約6、約4.5〜約8、約4.5〜約7、約4.5〜約6.5、約4.5〜約6、約5〜約8、約5〜約7.5、約5〜約7、約5〜約6.5、または約5〜約6である。

0058

本明細書で使用される場合、カルボキシメチルセルロースに関連する「多分散指数」という用語は、実施例10に示す手順を使って決定される多分散指数を指す。

0059

高粘度カルボキシメチルセルロースまたはその塩は、好ましくは約0.3〜約1.5、より好ましくは約0.4〜約1.2の置換度を有する。特に好ましい実施形態では、高粘度カルボキシメチルセルロースは、約0.60〜約0.95、0.65〜0.95、0.65〜0.90、0.70〜0.80、0.72〜0.78または0.73〜0.75の置換度を有する。置換度は、セルロース系材料の無水グルコースアンヒドログルコースユニット上に存在するカルボキシル基の平均数を指す。約0.3〜約1.5の範囲内の平均置換度を有するカルボキシメチルセルロースは通常、水溶性である。本明細書で使用される場合、カルボキシメチルセルロースは、水に溶解して真の溶液を形成する場合に「水溶性」であると見なされる。

0060

特定の実施形態では、高粘度カルボキシメチルセルロースは、約7600cps以上、例えば、約7800〜15000cps、約7800〜約11000cps、約8000〜約15000cpsまたは約8000cps〜約11000cpsの粘度を有する1%(重量/重量)水溶液を形成し、約3〜約8、約3〜約7、約3〜約6.5、約3〜約6、約3.5〜約8、約3.5〜約7、約3.5〜約6.5、約3.5〜約6、約4〜約8、約4〜約7、約4〜約6.5、約4〜約6、約4.5〜約8、約4.5〜約7、約4.5〜約6.5、約4.5〜約6、約5〜約8、約5〜約7.5、約5〜約7、約5〜約6.5、または約5〜約6の多分散指数を有するナトリウムカルボキシメチルセルロースである。特定の実施形態では、高粘度ナトリウムカルボキシメチルセルロースは、0.65〜0.90、0.70〜0.80、0.72〜0.78または0.73〜0.75の置換度をさらに有する。

0061

特に好ましい実施形態では、高粘度カルボキシメチルセルロースは、25℃で約8000cps〜約11000cpsの粘度を有する1%(重量/重量)水溶液を形成し、0.65〜0.90または0.70〜0.80の置換度および約4.5〜約6.5の多分散度を有する。

0062

特定の実施形態では、高粘度カルボキシメチルセルロースは、実施例10に記載のように測定した場合、少なくとも2800kDaの重量平均分子量(Mw)を有する。好ましくは、Mwは少なくとも約2900kDa、または少なくとも約3000kDa、または約2800kDa〜約3500kDaである。

0063

本発明の方法で使われるカルボキシメチルセルロースおよびクエン酸は、それぞれ食品グレードまたは医薬品グレードの材料であるのが好ましい。例えば、カルボキシメチルセルロースおよびクエン酸は両方とも食物添加剤および医薬品添加剤として用いられ、したがって、これらの用途に好適な形態で入手可能である。

0064

本発明のプロセスでの使用のために好適なカルボキシメチルセルロースナトリウム塩は、Ashland Incにより販売されるAQUALON(商標)7H4FMである。

0065

本発明は、超吸収架橋カルボキシメチルセルロースを含む架橋カルボキシメチルセルロースをさらに提供し、これは、高粘度カルボキシメチルセルロースをクエン酸を用いて、例えば、本明細書で「クエン酸架橋」とも呼ばれる本発明の方法を使って、架橋することにより調製でき、「クエン酸架橋カルボキシメチルセルロース」とも呼ばれる。本発明は、このような架橋カルボキシメチルセルロースを含む製造物、医薬組成物、食物、食糧品および医療デバイス農業用および園芸用製品、個人向け衛生用製品を含む。本発明は、食物の調製、肥満症および糖尿病の処置ならびに血糖コントロールの強化のための、本発明の架橋カルボキシメチルセルロースの使用の方法をさらに含む。

0066

特定の実施形態では、本明細書記載の方法により製造されるクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、他の方法で製造されたカルボキシメチルセルロースヒドロゲルより大きな弾性率を有し、同時に顕著な吸収特性を保持するヒドロゲルを形成する。好ましい実施態様では、本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、以下に示すG’およびMURを有する。より好ましい実施形態では、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、以下に示すタップ密度をさらに有する。

0067

本発明の方法は、物理的および化学的架橋を組合せた、かつ良好な機械的特性、乾燥および膨潤形態での長期安定性および良好な保持能力ならびに生体適合性を有する、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースを生成する。本発明の架橋カルボキシメチルセルロースは、良好な媒体取込特性、高タップ密度、高弾性率および経済性に優れた生産性を示す。さらに、架橋カルボキシメチルセルロースは、体液中での迅速な媒体取込動力学を有する。

0068

任意の実施形態では、本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、蒸留水中で、少なくとも約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90または約100の媒体取込率を有するのが好ましい。例えば、特定の実施形態では、本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、蒸留水中で、約20〜約1000、約35〜約750、約50〜約500、約50〜約250、約50〜約150の媒体取込率を有する。特定の実施形態では、本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、約20、30、40、50、60、70、80、90または100〜約120、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000またはそれを超える、またはこれらの下限値のいずれか1つおよびこれら上限値のいずれか1つにより境界が形成される任意の範囲内の、蒸留水中の媒体取込率を有する。

0069

特定の実施形態では、本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、それらの乾燥重量の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100倍である、1種または複数の体液、例えば、血液、血漿、尿、腸液または胃液の量を吸収できる。クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースの体液吸収能力は、1種または複数の対象から取得した体液試料を用いる試験、または模擬体液、例えば模擬尿または胃液を用いる試験を含む、従来の手段を使って試験できる。

0070

任意の実施形態では、本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、かなりの量のSGF/水(1:8)を吸収できるのが好ましい。いくつかの実施形態では、本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、SGF/水(1:8)中で、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、または150の媒体取込率を有する。いくつかの実施形態では、本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、SGF/水(1:8)中で、10〜300、20〜250、30〜200、50〜180、50〜150、50〜100または50〜80の媒体取込率を有する。好ましい実施態様では、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、SGF/水(1:8)中で、約40以上または50以上、例えば約50〜約110、約55〜約100、約60〜約95、約60〜約90、約60〜約85、約50〜約120、約60〜約100または約70〜約100の媒体取込率を有する。

0071

好ましくは、本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、実施例5に記載の方法により測定して、SGF/水(1:8)中で膨潤した場合に少なくとも1500Pa、2000Pa、2200Pa、2500Pa、または2700PaのG’を有する。特定の実施形態では、本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、SGF/水(1:8)中で膨潤した場合に少なくとも約2800PaのG’を有する。特定の実施形態では、本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、SGF/水(1:8)中で膨潤した場合に約1800Pa〜約4000Pa、約2000Pa〜約3500Pa、約2100Pa〜約3400Paまたは約2500Pa〜約3500PaのG’を有する。

0072

本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、実質的に乾燥形態またはキセロゲル形態である場合、ガラス質であるが非晶質またはガラス質材料であるのが好ましい。本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、少なくとも約0.45g/mLのタップ密度を有するのが好ましい。より好ましい実施形態では、実施例5に記載のように測定した場合、タップ密度は約0.50〜約0.8g/mLまたは約0.55〜約0.8g/mLである。好ましい実施形態では、タップ密度は約0.6g/mL以上、例えば、約0.6g/mL〜約0.8g/mLである。特定の実施形態では、タップ密度は約0.65g/mL〜約0.75g/mLである。

0073

本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、種々の程度の水和を有する架橋ポリマーを含む。例えば、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、キセロゲルまたは、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースの約0重量%〜約5重量%もしくは約10重量%までが水または水性流体である状態などの、実質的に乾燥状態または無水状態から、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースが最大量の水または水性流体を吸収した状態までを含む、かなりの量の水または水性流体を含む状態までの範囲の水和の状態で、提供され得る。特定の実施形態では、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下または5重量%以下の含水量を有する。実施例5の方法に従って測定した場合、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、好ましくは約10重量%以下、より好ましくは約6重量%以下または約5重量%以下の含水量を有する。

0074

特定の実施形態では、本発明は、少なくとも95質量%が100μm〜1000μmの範囲にあり平均サイズが400〜800μmの範囲でありかつ10%以下(重量/重量)の乾燥減量を有する粒子の形態の場合、下記に記載のG’、媒体取込率、およびタップ密度を有するクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースを提供する。このような架橋カルボキシメチルセルロースは、例えば、本明細書で開示される方法により調製できる。
(A)G’:少なくとも約1500Pa、1800Pa、2000Pa、2200Pa、2500Pa、または2700Pa。特定の実施形態では、本発明の架橋カルボキシメチルセルロースは、SGF/水(1:8)中で膨潤した場合に少なくとも約2800PaのG’を有する。特定の実施形態では、本発明の架橋カルボキシメチルセルロースは、SGF/水(1:8)中で膨潤した場合に約1800Pa〜約3000Pa、約2000Pa〜約4000Pa、約2100Pa〜約3500Pa、2100Pa〜約3400Pa、または約2500Pa〜約3500PaのG’を有する。
(B)SGF/水(1:8)中の媒体取込率(MUR):少なくとも約50、少なくとも約60。特定の実施形態では、架橋カルボキシメチルセルロースは、約50〜約110、約55〜約100、約60〜約95、約60〜約90、または約60〜約85のMURを有する。
(C)タップ密度:少なくとも0.5g/mL、好ましくは約0.55g/mL〜約0.9g/mL。好ましい実施形態では、タップ密度は、約0.6g/mL以上、例えば、約0.6g/mL〜約0.8g/mL、約6.5g/mL〜約7.5g/mLまたは約0.6g/mL〜約0.7g/mLである。

0075

特定の実施形態では、本発明は、少なくとも95質量%が100μm〜1000μmの範囲にあり平均サイズが400〜800μmの範囲でありかつ10%以下(重量/重量)の乾燥減量を有する粒子の形態の場合、下記に示すG’および媒体取込率を有するクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースを提供する。
(A)約1200Pa〜約2000PaのG’および少なくとも約90の媒体取込率、
(B)約1400Pa〜約2500PaのG’および約80〜89の媒体取込率、
(C)約1600Pa〜約3000PaのG’および約70〜79の媒体取込率、
(D)約1900Pa〜約3500PaのG’および約60〜69の媒体取込率、
(E)約2200Pa〜約4000PaのG’および約50〜59の媒体取込率、または
(F)約2600〜約5000PaのG’および約40〜49の媒体取込率。

0076

これらの実施形態では、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、少なくとも0.5g/mL、好ましくは約0.55g/mL〜約0.9g/mLのタップ密度を任意でさらに有する。好ましい実施形態では、タップ密度は、約0.6g/mL以上、例えば、約0.6g/mL〜約0.8g/mL、約6.5g/mL〜約7.5g/mLまたは約0.6g/mL〜約0.7g/mLである。

0077

代表的な非限定的実施形態では、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、少なくとも約2100PaのG’および少なくとも約80の媒体取込率、または少なくとも約2700PaのG’および少なくとも約70の媒体取込率を有する。

0078

他に断らない限り、本明細書で記載のG’、MURおよびタップ密度の全ての測定は、(1)10%(重量/重量)以下の乾燥減量を有し、(2)少なくとも95質量%が100μm〜1000μmのサイズ範囲にあり、平均サイズが400〜800μmの範囲である粒子の形態であるクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースの試料で行われた。

0079

本明細書で使用される場合、用語の「模擬胃液/水(1:8)」および等価用語「SGF/水(1:8)」は、実施例4に記載の方法により調製された溶液を指す。

0080

本明細書で使用される場合、架橋ポリマーの「媒体取込率」または「MUR」は、式:
MUR=(W膨潤−W乾燥)/W乾燥
による指定水性媒体を吸収する架橋ポリマーの能力の程度であり、式中、W乾燥は初期乾燥架橋ポリマー試料の重量であり、W膨潤は平衡膨潤時の架橋ポリマーの重量である。他に断らない限り、本明細書では、媒体取込率またはMURへの言及は、実施例5に記載の方法により、SGF/水(1:8)中で得られた値を指す。本明細書で報告されるMUR値の単位は、g/gであると理解すべきである。

0081

本明細書で使用される場合、「弾性率」または「G’」は、SGF/水(1:8)中で膨潤した架橋ポリマーについて、実施例5に記載の方法により測定される。

0082

本明細書で使用される場合、「タップ密度」は、実施例5に記載の方法により測定される。

0083

本明細書で使用される場合、試料の「含水量」または「乾燥減量」は、実施例5に記載の方法により測定される。

0084

本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、対象において体重過剰または肥満症を処置する、食物またはカロリー摂取を低減する、または満腹感を達成または維持するための方法で使用できる。本発明の架橋カルボキシメチルセルロースを使って、対象において血糖コントロールを改善し、糖尿病を処置または予防することもできる。方法は、有効量の本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースを対象の胃に、好ましくは経口投与により、例えば、ヒトを含む哺乳動物などの対象にクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースを、任意で大量の水の摂取と組み合わせて、嚥下させることにより、投与するステップを含む。水または水性胃内容物と接触時に、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは膨潤して胃の容積を占有し、胃の食物用の容量および/または食物吸収速度を低減する。食物と組み合わせて摂取される場合、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、食物のカロリー含量を増大させることなく、食物塊体積を増やす。クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、食事の前に、または食物と組み合わせて、例えば、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースと食物の混合物として、対象により摂取され得る。

0085

対象は、例えば、減量が健康上の利益をもたらすと考えられるヒト対象、例えば、25〜29.9の肥満度指数の体重過剰のヒト、または30以上の肥満度指数の肥満のヒトであり得る。対象はまた、18.5〜24.9の肥満度指数の正常体重であるが、不健康な体重増加リスクのあるヒトであり得る。ヒト対象はまた、体重過剰または肥満であることに加えて、1種または複数の他の状態または合併症、例えば前糖尿病、糖尿病または心臓疾患を有し得る。例えば、対象は、1種または複数の次記を有し得る:140/90mmHg以上の血圧などの高血圧;高LDLコレステロール;例えば35mg/dLの、低HDLコレステロール;例えば250mg/dLを超える、高トリグリセリド;例えば100mg/dL以上の、高空腹時血糖値若年性心疾患家族歴;身体不活動;および喫煙

0086

一実施形態では、ヒト対象は、米国糖尿病学会により規定された判定基準(Diabetes Care 2004,27:S15−35)に準拠して、空腹時血糖値、A1C値および経口グルコース負荷試験の内の1種または複数により決定されるような、前糖尿病患者である。例えば、前糖尿病対象は、100mg/dL〜125.9mg/dLの空腹時血糖値、5.7〜6.4%のA1C値および/または140〜199mg/dLの経口グルコース負荷試験結果を有し得る。好ましくは、前糖尿病患者は100mg/dL〜125.9mg/dLの空腹時血糖値を有する。

0087

別の実施形態では、ヒト対象は、空腹時血糖値、A1C値および経口グルコース負荷試験の内の1種または複数により決定されるような、糖尿病患者である。例えば、糖尿病対象は、126mg/dL以上の空腹時血糖値、6.5%以上のA1C値および/または200mg/dL以上の経口グルコース負荷試験結果を有し得る。好ましくは、糖尿病患者は126mg/dL以上の空腹時血糖値を有する。

0088

別の実施形態では、対象は、米国心臓協会により2004年に示された判定基準(GrundySM,et al.,Circulation,2004;109:433−438)を使って診断されるような、代謝症候群を有する。これらのガイドラインによると、次の5種の状態の少なくとも3種が存在する場合に、対象は代謝症候群と診断される:(1)大きい胴回り男性:>40インチ女性:>35インチ);(2)高いトリグリセリド(150mg/dL以上);(3)低いHDLコレステロール(男性:40mg/dL未満;女性:50mg/dL未満);(4)高い血圧(130/85mmHg以上)または高血圧用の薬物の使用;(5)高い空腹時血糖(100mg/dL以上)または高血糖用の薬物の使用。

0089

別の実施形態では、対象は約90mg/dL以上または約92もしくは93mg/dL以上の空腹時血糖値を有する。この範囲の空腹時血糖値を有する対象は、正常空腹時血糖値(90〜100mg/dL未満)、前糖尿病(100〜125mg/dL)および糖尿病(126mg/dL以上)を有する者を含む。

0090

クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、水と組み合わせて投与されるのが好ましい。投与される水の量は、対象の胃中でクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースを膨潤させるのに有効な量であるのが好ましい。一実施形態では、架橋カルボキシメチルセルロースの1グラム当たり、少なくとも約100mLの水が投与される。水は、医薬組成物の投与と同時にまたはその後で投与され得る。

0091

一実施形態では、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、食事の前にまたは食事と一緒に、例えば、食事の前2時間、1時間もしくは0.5時間までに投与される。

0092

クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、単独で、液体または乾燥食物との混合物でまたは食物または食用マトリックスの成分として、乾燥した、部分的に膨潤したまたは完全に膨潤した状態で摂取できるが、好ましくは、その液体容量よりかなり低い水和状態で摂取され、より好ましくは、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、実質的に無水状態で、すなわち、約10重量%以下の含水量で、摂取される。クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、カプセル、分包もしくは錠剤または懸濁液中経口投与用に処方できる。実質的に無水形態で投与される場合は、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースにより占められる胃の容積は、対象により摂取されるクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースの容積よりもかなり大きいであろう。本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースはまた、胃から小腸中への移動および媒体取込により、小腸の容積を占めかつ/または小腸の壁に対し圧力を加え得る。好ましくは、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、身体からの排出のために充分に収縮する前に、対象による食物摂取を抑制するのに十分な一定時間にわたり、小腸中で膨潤したままでいる。対象による食物の摂取を抑制するのに十分な時間は通常、対象が摂食するのに必要な時間および摂取された食物が小腸を通過するのに必要とされる時間であろう。このような収縮は、例えば、架橋の喪失を介する分解により発生し得、流体を放出しおよび体積を身体からの排出のため十分に減少する。

0093

実施例6に提示したデータは、本明細書に記載のように調製されたヒドロゲルが、より低粘度のカルボキシメチルセルロースを用いて調製されたヒドロゲルに比べて、グルコースの拡散に対するより大きな障壁を提供することを示す。さらに、実施例9は、本明細書に記載のように調製された膨潤架橋カルボキシメチルセルロースが、咀嚼食物の流動学的性質に類似の流動学的性質を有することを示す。したがって、経口投与後に、これらの材料は、それらが消化管を通過する際に、食物を模倣することが予測される。例えば、これらの材料は、胃バイパス後に腸が暴露される未消化食物を模倣し得、未消化食物は、バイパス患者におけるグルコースの調節に重要な役割を果たすと考えられている(Saeidi N.et al.,Science、2013,341(6144):406−10)。したがって、本発明の架橋カルボキシメチルセルロースは、複数の機構を介して、血糖コントロールを強化し得る。

0094

本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、ポリマー主鎖に結合したイオン基の存在に起因して、pH依存性の媒体取込を示し、より低いpHよりも、より高いpHで、大きな媒体取込が観察された。したがって、このようなポリマーは、胃内容物のpHを上昇させる食物および/または水が存在しない限り、胃中で大きく膨潤せずに、小腸内に移動すると思われる。食物と共に摂取された場合、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、最初に胃中で膨潤し、胃に食物がなくpHが低下すると収縮し、その後に胃から小腸へと移動するのが好ましい。小腸のより高いpH環境中で、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは再度膨潤し、小腸中の容積を占め、および/または小腸の壁に対し圧力を加えるであろう。

0095

クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、任意で、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロース微小環境のpHを変える薬剤であるpH調整剤と組み合わせて投与され、それにより流体を吸収するその能力を調節できる。例えば、アニオン性ポリマーを含むクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースに対して、微小環境のpHを高める薬剤は、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースの膨潤性を高めることができる。本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースと共に使用するための好適なpH調整剤としては、緩衝剤、H2遮断薬プロトンポンプ阻害剤制酸薬タンパク質、栄養シェイク、およびそれらの組み合わせが挙げられる。好適な緩衝剤および制酸薬としては、重炭酸アンモニウム重炭酸ナトリウム炭酸カルシウム水酸化カルシウム水酸化アルミニウム炭酸アルミニウム炭酸マグネシウム水酸化マグネシウム重炭酸カリウム炭酸カリウム水酸化カリウム炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムおよびそれらの組み合わせが挙げられる。好適なH2遮断薬としては、シメチジンラニチジンファモチジンニザチジン、およびそれらの組み合わせが挙げられる。好適なプロトンポンプ阻害剤としては、オメプラゾールランソプラゾールエスオメプラゾール、パントプラゾール、アベプラゾール(abeprazole)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。

0096

本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、錠剤、カプセル、分包または経口投与に好適な他の配合物の形態で、対象に投与できる。錠剤またはカプセルは、1種または複数の追加の薬剤、例えばpH調整剤、および/または薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤をさらに含んでよい。クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースはまた、国際公開第2010/059725号に記載のように、食物または飲料の一部として投与できる。この特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

0097

一実施形態では、本発明は、本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースを含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、活性薬剤としてクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースを、任意で薬学的に許容可能な賦形剤またはキャリアと組み合わせて、含み得る。例えば、医薬組成物は、肥満症を処置する、高い満腹感を与える、血糖コントロールを改善する、糖尿病を処置または予防する、または体重管理支援するための、経口投与向けであってよい。

0098

別の実施形態では、医薬組成物は、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースを、別の活性薬剤と組み合わせて含む。

0099

一実施形態では、本発明は、(1)10%(重量/重量)以下の乾燥減量を有し、かつ(2)少なくとも95質量%が100μm〜1000μmのサイズ範囲にあり平均サイズが400〜800μmの範囲である粒子の形態である本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースを含む医薬組成物を提供する。クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、例えば、ハードまたはソフトゼラチンカプセルなどのカプセル中に封入することができる。好ましくは、組成物崩壊剤を含まない。特定の実施形態では、カプセルはサイズ00ELのハードゼラチンカプセルであり、実施例7に記載の条件下(SGF/水 1:8中、37℃)では、カプセルは7.5分以内に崩壊しかつクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは15分以内に均一に水和される。

0100

本発明の範囲は、水および/または水溶液を吸収できる、および/または水および/または水溶液と接触した場合に媒体取込ができる製品における、吸収材料としての本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースの使用を含む。本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、非限定的例として提供される次の分野で吸収材料として用いられ得る:栄養補助食品(例えば、限られた時間、胃中に保持される満腹感が持続する感覚を与えることができる低カロリー食事用の栄養補助食品中の増量剤として、あるいは乾燥または膨潤形態で飲料中に含められる、水および鉱物塩またはビタミンなどの低分子量化合物栄養補助剤として);農業用製品で、例えば、特に、不毛の荒れ地でのおよび頻繁に灌漑を実施できないあらゆる場合における栽培のための、水および/または栄養素および/またはファイトケミカルの制御放出用の装置で;植物根のまわりの領域で乾燥形態で土壌と混合され、灌漑中に水を吸収しそれを保持でき、特定の場合にそれを栽培に有用な栄養素およびファイトケミカルと一緒にゆっくり放出するような製品;個人衛生製品および家庭吸収剤製品で、例えば、おむつ、生理用ナプキンなどで吸収性コアとして;おもちゃおよびデバイスで、例えば、水または水溶液と接触するとそれらのサイズを大きく変えることができる製品などで;生物医学的な分野で、例えば、潰瘍および/または火傷などの高滲出性創傷処置用の吸収性包帯などの生物医学的なおよび/または医療デバイスで、または眼科での使用に適合する液体を徐放するのに好適である徐放高分子フィルムで;体液管理分野で、例えば、生物中の体液の量を制御するために、例えば、浮腫、CHF(うっ血性心不全)、透析などの症例で身体から体液の排出を促進できる製品で;およびホームクリーニング製品で。

0101

本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースを吸収材料として含む上述の製品もまた、本発明の範囲内に入る。

0102

本発明は、いずれかの本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースの薬物での使用をさらに含む。このような使用は、カロリー制限治療的、対症療法的または予防的利益を有する、肥満症または任意の医学的障害または疾患の処置のための医薬の調製における、架橋カルボキシメチルセルロースの使用を含む。

0103

本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、以前に記載された架橋カルボキシメチルセルロース、例えば米国特許出願公開第2013/0089737号に例示されたものに優る利点を有する。実施例で示すように、高粘度カルボキシメチルセルロースを使って製造されるクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、より低い粘度のカルボキシメチルセルロースを使って製造されたものに比べて、同等の媒体取込率およびタップ密度を有すると同時に、かなり高いG’を有する。実施例で示されるように、本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースは、より低い粘度のカルボキシメチルセルロースを使って製造されたクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースに比べて、グルコース拡散に対するより強い障壁、より速くより均一な膨潤および崩壊剤を必要としない一貫性のあるカプセル開封を提供する。本発明のクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースはまた、外部環境のpH変化に敏感である。したがって、クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースを含む経口剤形は、先行技術の架橋カルボキシメチルセルロースに比べて、より遅い胃内容物排出、向上した血糖コントロール、よりばらつきの少ない投与およびより迅速な作用の開始をもたらすと予測されるであろう。これらの材料の向上した弾性はまた、減量の向上のための下部消化管での代謝経路の活性化において基本的な役割を果たし得る(Saeidi N,et al.,Science2013,341(6144):406−10)。

0104

実施例
実施例1:架橋カルボキシメチルセルロースの調製−研究室規模
下記のプロトコルを使って、架橋カルボキシメチルセルロースを製造した。
材料
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMCNa):Aqualon 7H4FM(Ashland Inc.)、粘度範囲7600〜9000cps(25℃での水中1%重量/重量溶液)
クエン酸
精製水

0105

精製水(3kg)をミキシングボウルに入れた。0.36gのクエン酸を加え、クエン酸が完全に溶解するまで混合物を撹拌した。180gのCMCNaをクエン酸溶液にゆっくりと添加し、得られた懸濁液をフラットブレードを備えた混合機を使って、18時間連続的に混合した、

0106

ミキシングボウルから材料の一部を、スプーンを使ってステンレス鋼トレー上のシリコーンシート上に置いた。プラスチックスチュラを使って、材料を端部から溢れさせることなく均一に見えるまで広げた。追加のトレーを使って全ての材料がトレー上に広げられるまで、これを繰り返した。

0107

トレーを50℃に設定したオーブン中に入れた。乾燥が完了した時(約23時間)に、トレーをオーブンから取り出した。本明細書で記載のこの実施例および他の実施例では、実施例5に記載のように測定して、乾燥減量が10%以下の場合に、乾燥が完了したと見なされる。

0108

乾燥後に残っている乾燥した材料のシートを、粉砕が容易な小片へと破壊した。材料をゆっくり収集ビン内に挿入してグラインディング時に材料が過熱しないことを確実にすることにより、グラインディングを開始した。グラインディングの最後に、材料を100〜1600μmのふるいにかけた。

0109

粉砕した材料(50g)を小さいアルミ皿に入れた。アルミ皿を120(±1)℃に加熱したオーブン中に入れて架橋を誘導した。4時間後に皿をオーブンから取り出した。

0110

架橋した材料(10g)を1500gの水と共にビーカーに入れ、室温で3時間撹拌した。得られた膨潤した材料を濾過し、真空ポンプを使って水を除去した。得られた膨潤比は、55.6g/gであった。

0111

洗浄した材料をプラスチックトレー上に置いた。プラスチックスパチュラを使って、トレー中で材料を均一に広げた。トレーを50(±1)℃に設定したオーブン内に置いた。乾燥が完了した(約20時間)後で、トレーをオーブンから取り出した。

0112

乾燥した材料をゆっくり収集ビン内に挿入してグラインディング時に材料が過熱しないことを確実にした。粉砕した材料を100〜1000μmのふるいにかけた。

0113

得られた粉末の媒体取込率は、実施例5に示したように測定し、73であった。G’は実施例5に記載のように測定し、2028Paであった。

0114

実施例2:架橋カルボキシメチルセルロースの調製−大規模
下記のプロトコルを使って、大規模で架橋カルボキシメチルセルロースを製造した。
材料
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMCNa):AQUALON(商標)7H4FM(Ashland Inc.)、粘度範囲7600〜9000cps(25℃での水中1%重量/重量溶液)
クエン酸
精製水

0115

ミキシングボウルに入れた5kgのCMCNaに、21kgの水を加え、混合を開始した。10分後に、21kgの水中の5gのクエン酸の溶液を10分間一定混合した。その後、21kgの水を加え、10分間混合した。最後に、21kgの水中の5gのクエン酸の溶液を加え、混合物を200分間混合した。

0116

ミキシングボウルから材料の一部を、スプーンを使ってステンレス鋼トレー上のシリコーンシート上に置いた。プラスチックスパチュラを使って、材料を端部から溢れさせることなく均一に見えるまで広げた。追加のトレーを使って全ての材料がトレー上に広げられるまで、これを繰り返した。

0117

トレーを70℃に設定したオーブン中に入れた。乾燥が完了した時(約48時間)に、トレーをオーブンから取り出した。

0118

乾燥した材料のシートを、粉砕が容易な小片へと破壊した。材料をゆっくり収集ビン内に挿入してグラインディング時に材料が過熱しないことを確実にすることにより、グラインディングを開始した。グラインディングの最後に、材料を100〜1600μmのふるいにかけた。

0119

粉砕した材料をステンレス鋼ドラムに入れた。ドラムを120(±1)℃に加熱したオーブン中に入れて架橋を誘導した。4時間後にオーブンからドラムを取り出した。

0120

1kgの架橋した材料を150kgの水と共にステンレス鋼タンクに入れ、室温で4時間一定撹拌した。得られた膨潤した材料をふるいを使って濾過し、真空ポンプを使って水を除去した。得られた膨潤比は、73.2g/gであった。

0121

洗浄した材料をプラスチックトレー上に置いた。プラスチックスパチュラを使って、トレー中で材料を均一に広げた。トレーを70(±1)℃に設定したオーブン内に置いた。乾燥が完了した(約72時間)後で、トレーをオーブンから取り出した。

0122

乾燥した材料をゆっくり収集ビン内に挿入してグラインディング時に材料が過熱しないことを確実にした。粉砕した材料を100〜1000μmのふるいにかけた。

0123

得られた粉末の媒体取込率は、実施例5に示したように測定して、70.29g/gであった。実施例5に記載のように測定したG’は、2967Paであった。

0124

クエン酸架橋カルボキシメチルセルロースも、合計15.0gのクエン酸を使ったこと以外は、上記一般法を使って同様に調製した。下表1および2に示すように、これらの合成から得られた材料の特性を明らかにした。いずれの場合にも、カルボキシメチルセルロース/クエン酸複合材料の一部が架橋された。

0125

実施例3:低級粘度カルボキシメチルセルロースを用いる架橋カルボキシメチルセルロースの調製
精製水(80kg)を140リットルのHobart混合機に加え、撹拌した。この水にクエン酸(14.4g)を加え、溶解した。その後、25℃での水中1%(重量/重量)溶液として1000〜2600cpsの粘度を有するCMCNa(4.8kg;7H3SXF(AQUALON(商標)))を溶液に加え、得られた混合物を室温で4時間撹拌した。得られた溶液を30個のステンレス鋼トレーに加えた(トレー当たり2700gの溶液)。トレーを、70℃で48時間、SHELLABオーブンに入れた。脱水後に、2mmのスクリーンを備えたカッティングミル(Retschカッティングミル)により材料を粉砕した。次に、粒状材料を0.1〜1.6mmのふるいを通した後、ステンレス鋼ドラム中に入れ、Salvis Thermocenter TC240オーブン中にて120℃で7時間、架橋反応を行った。こうして得られた架橋ポリマーヒドロゲルを軽く撹拌しながら精製水で3時間洗浄して、未反応試薬を除去した。洗浄段階は、ネットワークの弛緩増進して、さらなる脱水ステップ後に得られる最終材料の媒体取込能力を高めることにより、架橋ポリマーの媒体取込を可能にする。洗浄後に材料をトレー上に置いて、オーブン中に置き70℃で72時間かけて乾燥させた。その後、乾燥した材料を粉砕し、100μm〜1000μmの粒径ふるい分けした。

0126

実施例4:模擬胃液/水(1:8)の調製
SGF/水(1:8)溶液の調製に使用される試薬は、精製水、塩化ナトリウム、1Mの塩酸およびペプシンである。
1.1Lのメスシリンダーに、約880mLの水を注ぎ込む。
2.メスシリンダーをマグネチックスターラ上に置き、磁気撹拌子を入れて、撹拌を開始する。
3.pHメーターで水のpHのモニターを開始する。
4.pHを2.1±0.1にするのに十分な量の1M塩酸を加える。
5.0.2gのNaClおよび0.32gのペプシンを加える。完全に溶解するまで、溶液の撹拌を続ける。
6.メスシリンダーから磁気撹拌子および電極を取り出す。
7.容積を900mLにするのに必要な量の水を加える。

0127

実施例5:カルボキシメチルセルロースおよび架橋カルボキシメチルセルロースの特性評価
(A)カルボキシメチルセルロース溶液の粘度の測定
装置および材料:
恒温水浴。
ガラスびんキャップ付き500ml、首部直径少なくとも80mm。
ブルックフィールド粘度計、モデルMyr Vr3000(EC0208)または同等品で、
スピンドルL4、
感熱プリンターRRP−058GI)、
ステンレス鋼アンカースターラーを備えた機械的オーバーヘッド撹拌器
ガラス器具固定用チェーンクランプ
を備える。
ラボスパチュラ
アルミニウムるつぼ
化学てんびん、0.001g単位で量可能。
較正てんびん、0.1g単位で秤量可能。
精製水。
手順
試験試料の調製:
後述のように3種のCMC/水溶液を調製:
1.下の[B]で記載のようにCMC粉末の含水量を測定する。
2.式:必要水量[g]=3*(99−LOD平均)を使って必要な水の量を計算する。
3.ビーカー中にCMC溶液を調製するために必要な量の水を秤量する。
4.この水のほぼ半分をびんに注ぎ込み、残りの水をビーカー中に残す。
5.びんをスターラーモーターの下に置き、チェーンクランプで繋ぎ止める。
6.スターラーを挿入する。
7.試料を混合して、均一性を確保する。
8.3.0±0.1gのCMC粉末を秤量する。
9.低速(約600rpm)で混合しながらびん中に粉末を少量ずつ注ぎ込む。
10.2分間混合し、混合速度を1000rpmに設定する。
11.10分以上であるが30分を超えない時間混合する。
12.残りの水を加える。
13.追加の30分間混合する。
14.CMCが完全に溶解していない場合は、撹拌を継続する。
15.全てのCMCが溶解したら、ステンレス鋼アンカースターラーを取り除き、びんにキャップをする。
16.フラスコを少なくとも30分であるが1時間を超えない時間、25.0℃±0.1℃で恒温槽中に置く。
17.びんを10秒間激しく震盪させる。溶液はすぐに試験できる。
粘度測定
1.粘度計取扱説明書に従って各試料の粘度を測定する。スピンドルを正確に3分間回転させる。
2.3種の溶液の平均粘度を測定する。

0128

(B)乾燥減量の測定
カルボキシメチルセルロースまたは架橋カルボキシメチルセルロースの含水量は、USP<731>、乾燥減量に準拠して測定される。
機器/装置
湿度分析計Radwag,Model WPS 50S
ラボスパチュラ
アルミニウムるつぼ
シリカゲルを用いるデシケータ
手順
1.試料をデシケータ中に少なくとも12時間置く。
2.湿度分析計の秤り皿上にアルミニウムるつぼを置き、てんびんの風袋を差し引く。
3.アルミニウムるつぼ中に1.000±0.005gの試料を正確に秤取する。試料の初期重量はWiである。
4.湿度分析計を、周囲気圧および湿気下にて105℃で30分間試料を加熱するように設定する。
5.湿度分析計のスイッチを入れ、LODプログラム(105℃で30分)を実行する。
6.試料を秤量する。試料の最終重量はWfである。
LOD値は、式:LOD=(Wi−Wf)/Wix100%により決定される。
乾燥減量は3回繰り返して測定され、報告されるLODは3つの値の平均値である。

0129

(C)粒径範囲の測定
装置および材料:
篩振盪機Retsch、モデルAS200basic
メッシュサイズ1000μmおよび100μmを有するステンレス鋼ふるい
アルミニウム秤量皿
実験室ステンレス鋼スパチュラ
較正てんびん、0.1g単位で秤量可能。
手順:
1.空のふるいおよびアルミニウム皿を0.1g単位で秤量する。
2.40.0±0.1gの粉末を秤取する。
3.1000μmおよび100μmのサイズの試験ふるいを、大きい孔径のものを上段に、小さい孔径のものを下段に積層する。アルミニウム皿を、重ねたふるいの下部に組み込む。
4.スタックの上段の1000μmふるい中に試料を注ぎ込む。
5.試料がこのアセンブリ中に残るように、このスタックを震盪機のカバー最下段の皿との間に置く。
6.振盪機メインスイッチをオンにする。
7.震盪機のノブUV2を連続運転に設定する。
8.震盪機のノブMN2を右に回して、振動高さを50まで上げる。
9.震盪機でこのスタックを5分間震盪させる。
10.ふるいを分解し、各ふるいを再秤量する。
11.パラグラフ8に記載のように、各ふるい中の試験試料の重量パーセンテージを測定する。
12.充満されたおよび空の試験ふるいの重量を測定した後、差異から、各ふるい内の材料の重量を決定する。
13.収集皿中の材料の重量を同様にして測定する。
14.各ふるい中におよび収集皿中に含まれる試料の重量を使って、次式:Wx%=Wx/W試料*100%により、%分布を計算する。
式中、
Wx%=各ふるい中または収集皿中の試料重量%、添え字「x」は:
1000μmより大きい粒径に対して「>1000」。
100〜1000μmの粒径に対して「100−1000」。
100μmより小さい粒径に対して「<100」である。
W試料=試験試料の初期重量。

0130

(D)タップ密度の測定
装置および材料:
100mLのガラスメスシリンダー
100mLのガラスビーカー
ラボスパチュラ
機械的タップ密度試験機、Copley Scientific製のモデルJV1000
較正てんびん、0.1g単位で秤量可能。
手順:
1.40.0±0.1グラムの試験試料を秤取する。この値は、Mと表示される。
2.試料を乾燥した100mLのガラスメスシリンダー中に入れる。
3.圧密しないように注意深く粉末を平らにし、ゆるみかさ体積、V0、を最小目盛単位まで読み取る。
4.最初に500回シリンダータップするように機械的タップ密度試験機を設定し、タップ体積、V500、を最小目盛単位まで測定する。
5.タッピングを750回繰り返し、タップ体積、V750、を最小目盛単位まで測定する。
6.2つの体積の間の差異が2%未満の場合、V750が最後のタップ体積、Vfであり、そうでない場合は、連続する測定値間の差異が2%未満となるまで、必要に応じ、1250タップずつ繰り返す。
計算:
タップ密度、DT、をグラム/mLとして、式:DT=M/Vfにより計算する。
式中、
M=試料重量、グラム単位で、0.1g単位に丸める。
Vf=最終体積、mL単位。

0131

(E)SGF/水(1:8)中の媒体取込率の測定
架橋カルボキシメチルセルロースのSGF/水(1:8)中の媒体取込率は、次のプロトコルにより測定される。
1.乾燥したフリットガラス漏斗支持体上に置き、40.0±1.0gの精製水を漏斗中に注ぎ込む。
2.漏斗の首部で液滴が検出されなくなるまで待ち(約5分)、吸取り紙で漏斗の先端部を乾燥させる。
3.漏斗を空の乾燥したガラスビーカー(ビーカー#1)中に置き、それらを風袋を差し引いた秤上に置き、空の装置の重量(W風袋)を記録する。
4.磁気攪拌子を100mLのビーカー(ビーカー#2)に入れ、ビーカー#2を秤上に置き、風袋を差し引く。
5.上述のように調製した40.0±1.0gのSGF/水(1:8)溶液をビーカー#2に加える。
6.ビーカー#2をマグネチックスターラ上に置き、室温でゆっくり撹拌する。
7.薬包紙を使って、0.250±0.005gの架橋カルボキシメチルセルロース粉末を正確に秤取する(Win)。
8.粉末をビーカー#2に添加し、30±2分間、流体渦を生ずることなく、マグネチックスターラで静かに撹拌する。
9.得られた懸濁液から撹拌子を取り除き、漏斗を支持体上に置き、懸濁液を漏斗中に注ぎ込み、残りの全ての材料をスパチュラで集める。
10.材料を10±1分間、排水させる。
11.水切りした材料を含む漏斗をビーカー#1内に置き、秤量する(W’fin)。
媒体取込率(MUR)は、式:MUR=(Wfin−Win)/Winにより計算される。
Wfinは、次式:Wfin=W’fin−W風袋として計算される膨潤ヒドロゲルの重量である。
Winは、初期乾燥試料の重量である。
MURは各架橋カルボキシメチルセルロース試料について3回繰り返して測定され、報告されるMURは3つの測定値の平均値である。

0132

(F)弾性率の測定
弾性率(G’)は、以下に示すプロトコルに従って測定される。使われるレオメーターは、TA Instruments製のRheometer Discovery HR−1(5332−0277DHR−1)または同等品であり、ペルチェプレート;40mm直径のクロスハッチ平板;および40mm直径のクロスハッチ上平板を備えている。
1.磁気攪拌子を100mLのビーカーに入れる。
2.40.0±1.0gの上述のように調製したSGF/水(1:8)溶液をビーカーに加える。
3.ビーカーをマグネチックスターラ上に置き、室温でゆっくり撹拌する。
4.薬包紙を使って、0.250±0.005gの架橋カルボキシメチルセルロース粉末を正確に秤取する(Win)。
5.粉末をビーカーに添加し、30±2分間、流体渦を生成することなく、マグネチックスターラで静かに撹拌する。
6.得られた懸濁液から撹拌子を取り除き、漏斗を支持体上に置き、懸濁液を漏斗中に注ぎ込み、残りの全ての材料をスパチュラで集める。
7.材料を10±1分間、排水させる。
8.得られた材料を集める。
9.材料を、レオメーターを用いる周波数掃引試験に供し、10rad/sの角周波数での値を測定する。測定は3回行われる。報告されるG’値は、3回の測定の平均である。

0133

(G)高粘度および低粘度カルボキシメチルセルロースを用いて調製した架橋カルボキシメチルセルロースの特性の比較
下表は、実施例2(高粘度)および実施例3(低粘度)に記載の方法により調製されたクエン酸架橋カルボキシメチルセルロースの複数の試料で得られたMUR、G’およびタップ密度の範囲を示す。以下に記載の測定値は、(1)10%以下の乾燥減量、および(2)少なくとも95質量%が100μm〜1000μmのサイズ範囲にあり平均サイズが400〜800μmの範囲である粒子の形態である、という特性を有する架橋カルボキシメチルセルロースの試料を使って行われた。

0134

結果は、高粘度カルボキシメチルセルロースから調製した材料が、低粘度カルボキシメチルセルロースから調製した材料と同等のMUR値およびタップ密度を有することを示している。特に、高粘度カルボキシメチルセルロースから調製した材料は、低粘度カルボキシメチルセルロースから調製した材料より顕著に高いG’を有する。

0135

実施例6:グルコース拡散の抑制
ヒドロゲルAは、実施例3に記載のようにして調製された。
ヒドロゲルB
ヒドロゲルBは、下記のように調製された。この方法は、実施例2に記載の方法に実質的に類似している。
精製水(80kg)を140LのHobart混合機に加え、撹拌した。この水にクエン酸(9.6g)を加え、溶解した。その後、CMCNa(Aqualon 7H4FM(Ashland Inc.)、粘度範囲6000〜9000;4.8kg)を溶液に加え、得られた混合物を室温で4時間撹拌した。得られた溶液を30個のステンレス鋼トレーに加えた(トレー当たり2,700gの溶液)。トレーを、70℃で48時間、SHELLABオーブン中に置いた。脱水後、2mmのスクリーンを備えたカッティングミル(Retschカッティングミル)により材料を粉砕した。次に、粒状材料を、0.1〜1.6mmのふるいにかけ、その後Salvis Thermocenter TC240オーブン中の120℃で4時間の架橋反応のために、ステンレス鋼ドラム内に置いた。こうして得られた架橋ポリマーヒドロゲルを軽く撹拌しながら精製水で3時間洗浄して、未反応試薬を除去した。洗浄段階は、ネットワークの弛緩を増進して、さらなる脱水ステップ後に得られる最終材料の媒体取込能力を高めることにより、架橋ポリマーの媒体取込を可能にする。洗浄後に材料をトレー上に置いて、オーブン中に置き70℃で72時間かけて乾燥させた。その後、乾燥した材料を粉砕し、100μm〜1000μmの粒径にふるい分けした。

0136

膨潤した架橋カルボキシメチルセルロースを通って拡散するグルコースの能力を、次の手順を使って測定した:
1.グルコースを1000mg/dLの濃度で、水中に一晩溶解する。
2.精製水を含むビーカー中で3時間洗浄して透析チューブを準備し、1時間毎に水を置換する。
3.0.5%(重量/体積)の乾燥架橋カルボキシメチルセルロースを80mLのグルコース溶液中に入れ、30分間撹拌する。
4.ステップ3由来の水和ゲルおよびグルコース溶液を透析チューブの開口端に注ぎ込み2つの透析チューブ止めを使って密封する。
5.透析チューブを、37℃で精製水を含有するプラスチック袋中に置く。
6.Accu−Chek(商標)血糖計を使って、15分、30分および30分毎に300分まで透析液のグルコース濃度を測定する。
結果
ヒドロゲルAを上記実施例3の方法に従って生成した。この方法は、米国特許出願公開第2013/0089737号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の実施例7に記載されているものと実質的に同じであり、25℃で1%(重量/重量)水中溶液として1,000〜2,800cpsの粘度を有するAQUALON(商標)7H3SXFカルボキシメチルセルロースナトリウム(Ashland Inc.)から出発する。ヒドロゲルBを上述のように生成し、25℃で1%(重量/重量)水中溶液として6,000〜9,000cpsの粘度を有するAQUALON(商標)7H4FMカルボキシメチルセルロースナトリウム(Ashland Inc.)から出発する。

0137

図2は、時間の関数としてヒドロゲルAおよびヒドロゲルBについて透析液グルコース濃度を示すグラフである。結果は、グルコースが、ヒドロゲルBよりもヒドロゲルAでより著しく急速に透析膜を通って拡散することを示している。これは、腸壁へのグルコースのインビボ拡散の抑制において、ヒドロゲルBがヒドロゲルAよりずっと効果的であり、したがって、グルコース吸収の速度を遅らせるのにより効果的である可能性を示唆している。

0138

実施例7:架橋カルボキシメチルセルロース充填カプセルの開口
USP<701>(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載の手順に従って、架橋カルボキシメチルセルロースを充填したサイズ00ELハードゼラチンカプセルの崩壊を測定した。
装置
pHメーター、Eutech Instrument製のモデルPC700または同等品
化学てんびん、0.01g単位で秤量可能
薬包紙
ラボスパチュラ
1Lメスシリンダー
マグネチックスターラ
崩壊試験機、Copley Scientific製のモデルDTG1000(装置コード:EC0067)で、下記を備える:
一体型PETGウオーターバス
昇温低水位安全停止機構を備えた外部熱撹拌ヒーター
Pt100プローブによる温度測定
1000mLビーカー
バスケットラック組立品
1.実施例3でのように調製したSGF/水(1:8)溶液を1000mLビーカー中に置く。容器中の流体の体積は、上昇ストローク最高点ワイヤーメッシュが流体の表面より少なくとも15mm下方にとどまり、かつ下降ストローク時にワイヤーメッシュが容器の底部から25mm未満でない位置まで下降するような体積である。どんな時にもバスケットラック組立品の上端は流体中に没してはならない。
2.崩壊浴のヒーターのスイッチを入れ、温度を37℃に設定する。
3.試験を行うために、ウオーターバスの温度が37℃±2℃であること、試験容器中の媒体の温度が正しいことおよび試験時に投与単位を含む崩壊バスケットがハンガーバーに取り付けられていることを確認する。
4.1つのカプセルを、バスケット中のそれぞれの6つのカプセル区画中に入れる。
5.崩壊試験機を7.5分間稼働するように設定する。
6.設定時間の終わりに、容器からバスケットを持ち上げる。カプセルの状態を検査し、どのくらい多くが崩壊したかを決定する。いくつかのカプセルが崩壊していない場合は、試験機を追加の7.5分間稼働させ、崩壊の程度を再度決定する。

0139

カプセル崩壊試験は、実施例6で記載のように、ヒドロゲルAおよびBに関し、USP<701>に準拠して行った。この試験は、模擬胃媒体(SGF/水 1:8)中での適切なカプセルの崩壊を定量するように設計されている。試験は15分間実施し、7.5分で中間チェック時点を設けた。操作者は、バスケット中に出発カプセルのかけらが存在しない場合にのみ、カプセルが完全に崩壊したと見なした。操作者はまた、試験の終了時に材料をステンレストレー上に注ぎ込むことにより、凝集体または塊の存在に関する情報を集めた。

0140

ヒドロゲルA(崩壊剤としてフマルレートを含む)およびB(崩壊剤不含)の両方で、7.5分後にゼラチンカプセルが崩壊したが、試料は異なる水和を示した。特に、15分後に、ヒドロゲルAは完全に水和されていない粒子の凝集を含み、対照的に、15分後にヒドロゲルBは均一に水和されている。両方のヒドロゲルの媒体取込率が、カプセル崩壊の5、10、15、30、および45分後に測定された。図3に示す結果は、ヒドロゲルBがヒドロゲルAよりもより急速に膨潤し、特に、崩壊後最初の15分の間、より顕著に膨潤している。両方のヒドロゲルは崩壊後約30分で平衡膨潤に到達する。

0141

実施例8:膨潤動力学の測定
後述のように(i)粘度測定を使って、および(ii)媒体取込率を経時的に測定することにより、SGF/水(1:8)中でのヒドロゲルAおよびB(実施例6)の水和動力学を測定した。

0142

(A)粘度測定
装置:
レオメーター、TA Instruments製のDiscovery HR−1で、下記を備える:
温度制御付きスターチペーストセル
ヘリカルローター(内筒直径32.40mm;内筒長さ12mm)。
フローピークホールド試験パラメータ
角速度:6.28rad/s(各測定でモーターにより試料に適用される速度)。
持続時間:3600秒。
温度:37℃。
溶液:SGF/水(1/8)pH2.1。
ヒドロゲルAおよびBの濃度:1%重量/重量。

0143

この調査の結果を、粘度対時間のグラフである、図4に示す。ヒドロゲルBの粘度は、ヒドロゲルAの粘度より遥かに急速に増加し、ヒドロゲルAより極めて大きな値に到達する。
(B)媒体取込率対時間
ヒドロゲルAおよびヒドロゲルBの媒体取込率を、測定が5、10、20、30および60分で行われたこと以外は、実施例5(D)に記載されるように測定した。図5に示す結果は、ヒドロゲルBが、最初の10〜15分にわたりヒドロゲルAより急速にSGF/水(1:8)を吸収することを示す。
(C)G’対時間
この実験は、10rad/秒の周波数で行った以外は、上記(A)に記載の装置と方法を使って実施した。結果を、ヒドロゲルAおよびヒドロゲルBのG’対時間のグラフである図6に示す。ヒドロゲルBは、全ての時点でヒドロゲルAより著しく高いG’を有する。G’におけるこの差異は、早期の時点で特に顕著である。

0144

実施例9:咀嚼食物に対する膨潤ヒドロゲルの比較
実施例3(低粘度CMC)により調製した124ロットのおよび実施例2(高粘度CMC)により調製した36ロットの架橋カルボキシメチルセルロースについて、G’を測定した。さらに、Big Mac(商標)ハンバーガーフライドポテトおよび50mLのSGFおよび300mLの清涼飲料スプライト(商標)からなる350mLの媒体からなる咀嚼食物塊のG’を3回繰り返して測定した。実施例5に記載のようにG’値を測定し、試料タイプ各に決定した平均G’を、下の表4に示す。

0145

結果は、高粘度CMCを用いて調製されたヒドロゲルは、低粘度CMCを用いて調製されたヒドロゲルよりも、咀嚼食物のG’にずっと近いG’を有することを示している。

0146

実施例10:重合体分子量および多分散指数の測定
ナトリウムカルボキシメチルセルロース(CMC)試料の重量平均分子量および多分散指数を、以下に示す方法を使って測定した。解析ソフトウエアを備えたコンピューターを使って、データを分析した。
ゲル浸透クロマトグラフィー分析装置
1)ガードカラム
ブランド:Agilent TechnologiesPL−aquagel−OHガードカラム
サイズ:50x7.5mm(長さx直径);8μm(粒径)。
2)カラム
ブランド:Agilent Technologies PL−aquagel−OH−Mixed−H
サイズ:300x7.5mm(長さx直径);8μm(粒径)。
水性溶出液の調製
1.1Lのメスシリンダーに、約500mLの精製水を注ぎ込む。
2.17g±0.05gの硝酸ナトリウムを秤取し、それをメスシリンダー中に注ぎ込む。
3.1.56g±0.05gのリン酸ナトリウム一塩基性二水和物を秤取し、それをメスシリンダー中に注ぎ込む。
4.メスシリンダーに精製水を1Lまで加える。
5.撹拌子をメスシリンダー中に挿入し、それをパラフィン被覆する。
6.メスシリンダーをマグネチックスターラに上に置き、塩が完全に溶解するまで撹拌する。
7.溶媒のpHを測定し、必要に応じ、0.2Nの水酸化ナトリウムでpHを7±1に調節する。
8.シリンジフィルター(メッシュサイズ0.2μm)を使って200mlの溶出液を濾過し、それを、GPC分析用の試料を調製するために蓋をしたビーカー中に貯蔵する。

0147

ゲル浸透クロマトグラフィー
較正:
クロマトグラフィー装置の温度を35℃に設定する。
溶出液流勾配を1ml/分に設定し、RIDを安定化させる。
較正用プルラン標準品を次のように調製する:
各標準品を、濾過した溶出液中に0.15%重量/体積で次の系列に従い溶解する:
667、6000、21700、48800、210000、805000、1330000、2560000[g/モル
標準品を溶出液中に完全に溶解させ、標準品を1つずつ注入する。
較正曲線を作成する。
内部標準D−ソルビトール182g/モル(溶出液中の0.15%重量/重量)の保持時間を使って、装置の安定性を一定の期間にわたり確認する。
ナトリウムカルボキシメチルセルロースの分析:
密閉バイアル中で0.015gのCMC粉末を10mLの溶出液中に溶解することにより、各CMC試料を調製する。試料を3重に調製する。
室温で一晩撹拌することにより、CMC試料を溶出液中に溶解させる。
各試料を注入する。
インタフェースコンピューターおよび適切なデータ解析ソフトウエア(Empower3,Waters Corporation)を使ってデータを解析し、Mwおよび多分散指数を決定する(積分アルゴリズム:ApexTrack)。
結果
各AQUALON 7H4FMおよび7H3SXFの3つのロットの解析結果を下の表5に示す。

0148

これらの結果は、AQUALON(商標)7H4FM試料が、7H3SXF試料より著しく大きい粘度およびMwを有することを示す。7H4FM試料はまた、著しく小さい多分散指数を有し、7H3SXF試料に比べて、この材料の低い分子量分布および高い均一性を示している。

0149

実施例11:模擬腸液中での膨潤およびG’の測定
模擬腸液の調製
公式には「腸液、模擬TS(試験液)」として知られる、模擬腸液(SIF)試験液を米国薬局方33−28NF(2010)に従って調製した。一塩基性リン酸カリウム(6.8g)を250mLの水中に溶解した後、この溶液に、77mLの0.2Nの水酸化ナトリウムおよび500mLの水を加えた。次に、10.0gのパンクレアチンを加え、得られた溶液を0.2Nの水酸化ナトリウムまたは0.2Nの塩酸でpH6.8±0.1に調節し、最終的に水で体積1000mLに希釈した。

0150

実施例2(ヒドロゲルB)の方法により調製した1ロットの架橋カルボキシメチルセルロースおよび実施例3(ヒドロゲルA)の方法により調製した2ロットの架橋カルボキシメチルセルロースについて、SGF/水 1:8および模擬腸液(SIF)中の両方でG’および媒体取込率を測定した。SGF/水 1:8を模擬腸液で置換したこと以外は実施例5に記載されるように、模擬腸液中のG’およびMURを測定した。結果を下の表6に示す。

0151

結果は、高粘度カルボキシメチルセルロースを用いて生成した材料が、低粘度カルボキシメチルセルロースを用いて生成された材料に比べて、SIFまたはSGF/水 1:8中で膨潤された場合、より顕著に大きなG’を有することを示している。意外にも、SGF/水 1:8中で低粘度材料のMURは高粘度材料のMURよりもわずかに大きかったが、SIF中ではこの2種のタイプの材料は実質的に同等であった。特に、SGF/水 1:8からSIFに移行する場合、高粘度材料でのMURの減少は、低粘度材料での減少に比べて極めて少なかった。

0152

小腸での膨潤ヒドロゲルの存在が、血糖コントロールに影響を与える機構、特に、摂取食物の弾性および粘度を高めることによる、グルコース吸収を遅らせるための拡散障壁の生成に関して基本的な役割を演ずるため、これらの結果は重要である。さらに、小腸内容物のより高い弾性応答が、胃バイパスの応答に類似の効果を達成するのに寄与する可能性がある(Saeidi N,et al.,Science2013,341(6144):406−10)。

0153

腸液は高イオン強度を有し、これは、Donnan型膨潤の寄与の減少に起因して、ヒドロゲルの膨潤を大きく低下させる(A.Sannino and L.Nicolais,Polymer,46(13)4676−4685(2005)を参照されたい)。ヒドロゲルの内側と外側の間に生成される浸透圧によって、Donnanの寄与はヒドロゲル膨潤を促進し、水をヒドロゲルへ侵入させ、かつヒドロゲルの内側と外側の間のイオン電荷の濃度の差異に直線的に依存する。この差異が大きければ大きいほど、Donnanの寄与は大きい。

0154

高粘度および低多分散性を有するカルボキシメチルセルロースから作製されたヒドロゲルは、先行技術に記載のCMC系ヒドロゲルに比べて、より高いG’と組み合わされた意外にもより良好な水和速度を有し、また、実施例5に記載されるような小腸モデルにおいて、より良好な組み合わされたG’/MUR性能を有する。小腸流体のより高いイオン強度を考慮すると、この向上した性能は驚くべきものである。

0155

本発明を、その好ましい実施形態に関連して、個別に説明、記載してきたが、添付した特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱することなく、その形態や詳細を様々に変更してよいことを当業者なら理解するであろう。

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