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技術 ハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩およびその生成方法

出願人 浙江九洲藥業股ふぇん有限公司
発明者 梅本照雄ジャン,ビンジュ,ティアンハオジョウ,シャオツォンリ,ユアンチアン
出願日 2015年12月30日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2017-534695
公開日 2018年2月8日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2018-503624
状態 特許登録済
技術分野 有機低分子化合物及びその製造 硫黄原子を含む複素環式化合物
主要キーワード 残留反応物 PF5 パーフルオロアルキル化 多工程プロセス スペクトル比 スポンジニッケル触媒 ハロゲン化ビフェニル 残留ハロゲン
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図面 (1)

課題・解決手段

以下の一般式(I):によって表される、ハロゲン化S−(パーフルオロアルキルジベンゾチオフェニウム塩。この化合物は、有機化合物パーフルオロアルキル化するための、新規な、反応性の、産業上有用な試薬である。この試薬は、ワンポットプロセスまたは2工程反応プロセスによって、ハロゲン化ビフェニルから調製され得、そして濾過法によって容易に単離され得る。さらに、ハロゲン化ビフェニルは、この試薬の使用によって副生成物として得られるハロゲン化ジベンゾチオフェンから、脱硫によって回収され得る。

概要

背景

先行技術
パーフルオロアルキル基は、非常に有用な官能基である。なぜなら、これは、高い電気陰性度、高い安定性、および高い親油性などの、独特の特性を有するからである(例えば、P.Kirsch,「Modern Fluoroorganic Chemistry,Synthesis,Reactivity,Applications」,Wiley−VCH Verlag GmbH & Co.KGaA,Weinheim,2004を参照のこと)。パーフルオロアルキル基のうちでもとりわけ、1個〜4個の炭素の低級パーフルオロアルキル基、特に、トリフルオロメチル基は、有効な医薬農薬、および他の有用な物質を開発するために重要である。従って、トリフルオロメチル基を有する多くの有用な医薬および農薬が開発されている(例えば、K.L.Kirk,J.Fluorine Chem.2006,127,1013−1029;S.Purser et al.,Chem.Soc.Rev.,2008,37,237−432;G.Theodoridis,「Fluorine and the environment」,Vol.2,Chapter 4,pp 121−175(2006)(ISSN 1872−0358)を参照のこと)。従って、これらの製造プロセスを改善し、そしてより有効な医薬、農薬、および他のものを作製する目的で、パーフルオロアルキル化有機化合物を調製するための新規な方法を作製するための活発な研究および開発が続けられている(例えば、J.−A.Ma,D.Cahard,Journal of Fluorine Chemistry,2007,128,975−996;G.K.S.Prakash,A.K.Yudin,Chem.Rev.,1997,97,757−786;T.Umemoto,Chem.Rev.,1996,96,1757−1778を参照のこと)。これらのうちでもとりわけ、求電子性トリフルオロメチル化剤が特に有用である。なぜなら、これらは、求核性有機分子を直接トリフルオロメチル化することができるからである。従って、トリフルオロメチル化有機化合物を生成するための、多くの求電子性トリフルオロメチル化剤が報告されている(例えば、S.Barata−Vallejo,B.Lantano,A.Postigo,Chem.Eur.J.2014,12,16806−16829;Y.Mace,E.Magnier,Eur.J.Org.Chem.2012,2479−2494;N.Shibata et al.,Beilstein J.Org.Chem.,2010,6,No.65を参照のこと)。

求電子性トリフルオロメチル化試薬のうちでもとりわけ、S−(トリフルオロメチルジベンゾチオフェニウム塩(A)(これらは、梅本試薬と呼ばれる)は、トリフルオロメチル化有機化合物を調製するために特に有用な試薬である[例えば、C.Zhang,Organic & Biomolecular Chemistry,2014,12,6580−6589;H.Li,Synlett,2012,23,2289−2290;T.Umemoto et al.J.Am.Chem.Soc.,1993,115,2156−2164(1993)を参照のこと]。

アルキル誘導体およびニトロ誘導体である、2,8−ジメチル−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩、3,7−ジ−tert−ブチル−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩、3−ニトロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩、および3,7−ジニトロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩、ならびに対応するセレン(Se)塩およびテルル(Te)塩もまた、開発されている(T.Umemoto et al.,J.Am.Chem.Soc.,1993,115,2156−2164(1993)を参照のこと)。双生イオン型の梅本試薬もまた調製されている(T.Umemoto et al.,J.Fluorine Chem.,1995,74,77−82を参照のこと)。

しかし、梅本試薬の実用的な調製方法には、重大な問題があり、これは、スキーム1に示されるように、出発物質として2−ヒドロキシビフェニルから出発する、複数の工程を必要とする。すなわち、(工程1)2−ヒドロキシビフェニルとジメチルチオカルバモイルクロリドとの反応;(工程2)高温での加熱による異性化;(工程3)アルカリでの加水分解;(工程4)硫酸ジメチルでのメチル化;(工程5)塩素での塩素化;(工程6)トリエチルアミントリス(フッ化水素)でのフッ素化;(工程7)過酸化水素での酸化;(工程8)発煙硫酸での環化;(工程9)トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウムまたはテトラフルオロホウ酸ナトリウムとの対陰イオン交換反応(T.Umemoto et al.,J.Fluorine Chem.1999,98,75−81を参照のこと)。

スキーム1.梅本試薬(A)の実際の生成プロセス



化合物(E)から化合物(H)への近道のプロセスが報告されており、その方法は、化合物(E)の、そのナトリウム塩ビフェニル−2−イルチオール酸ナトリウム)への転換、その後、CF3BrまたはCF3Iでの処理であった(T.Umemoto et al.,J.Fluorine Chem.,1999,98,75−81を参照のこと)。しかし、このプロセスは、CF3BrまたはCF3Iを必要とした。CF3Brは、オゾン破壊物質であるので、その製造が禁止または規制されている。CF3Iは、高価である。

中間体化合物(H)はまた、スキーム2に示されるような、以下のプロセスによって調製された(S.S.Aiken,J.A.H.Lainton,and D.A.Widdowson,Electronic Conference on Trendsin Organic Chemistry 1995,(ECTOC−1),Eds H.S.Rzepa and J.M.Goodman(CD−ROM),RSC Publications,http://www.ch.ic.ac.uk/ectoc/papers/22/を参照のこと)。しかし、この方法は、オゾン破壊物質の1つとして規制されているCF2Br2、および非常に高価なAgFを必要とした。この方法もまた、梅本試薬の生成のために、多工程プロセスを必要とした。

スキーム2.



梅本試薬(A;X=CF3SO3、BF4)はまた、化合物(H)とフッ素分子(F2)との、トリフルオロメタンスルホン酸またはHBF4エーテラートの存在下での、CFCl3溶媒中での反応から、調製された(T.Umemoto et al.,J.Am.Chem.Soc.,1993,115,2156−2164(1993)を参照のこと)。しかし、この方法は、極度に毒性かつ爆発性のF2を必要とし、そしてCFCl3溶媒を使用した。CFCl3溶媒は、オゾン破壊物質であるので、その製造が禁止されている。梅本試薬(A;X=CF3SO3)はまた、化合物(I)とトリフルオロメタンスルホン酸無水物との反応によって調製された(T.Umemoto et al.,J.Am.Chem.Soc.,1993,115,2156−2164(1993)を参照のこと)。しかし、この方法は依然として、梅本試薬を調製するために、多くの工程を必要とした。

複数プロセスの欠点を解決する目的で、表1およびEq.1に示されるように、梅本試薬(A;X=CF3SO3)の調製のためのワンポット調製方法が、最近開発された(Y.Mace et al.,Eur.J.Org.Chem.2009,1390−1397を参照のこと)。この方法によって、数種の新規な梅本試薬アナログである、ポリメチル化S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩(N)〜(Q)が調製された(表1を参照のこと)。しかし、これらの収率は非常に低く(以下の比較例1もまた参照のこと)、そしてその生成物(試薬)を単離するために、カラムクロマトグラフィーが必要とされた。大規模経済的な製造は、カラムクロマトグラフィー分離によっては不可能である。なぜなら、カラムクロマトグラフィーは、産業における費用効果的な製造のためには、非常に不適切であるからである。ポリメチル化S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩の反応性は低い。なぜなら、S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩のトリフルオロメチル化の力が、電子供与性基であるメチル置換基によって低下させられるからである。電子吸引性置換基は、トリフルオロメチル化の力を増大させる(T.Umemoto et al.,J.Am.Chem.Soc.,1993,115,2156−2164を参照のこと)。

より最近、別の梅本アナログである2,4−ジメチル−7−ペンタフルオロスルファニル−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートが、ワンポット調製方法によって調製された(T.Okazaki et al.,Journal of Fluorine Chemistry,2014,165,91−95を参照のこと)。しかし、その収率は少し良くなったが(55%)、この方法もまた、その生成物(試薬)を単離するために、非常に費用効果が低いカラムクロマトグラフィーを必要とした。さらに、この方法は、3,5−ジメチル−4’−(ペンタフルオロスルファニル)ビフェニルという高価な出発物質を使用した。

梅本試薬およびそのアナログは、別の顕著な欠点を有する。それは、スキーム3に図示されるように、これらがパーフルオロアルキル化剤として使用される場合に、パーフルオロアルキル化化合物に加えて、ジベンゾチオフェン(R)またはそのアナログを副生成物として、定量的収率または高い収率で生成することである。このジベンゾチオフェンは、廃棄物として処理されなければならない。このことは、現在の環境問題において有意な課題である。

スキーム3.梅本試薬での求核性有機化合物のトリフルオロメチル化

理想的な梅本剤は、以下の条件の全て、すなわち、(1)短い工程および費用効果が高い生成、(2)強力なパーフルオロアルキル化能力、(3)パーフルオロアルキル化後に得られるジベンゾチオフェンの再利用を満足しなければならない。しかし、現行の梅本試薬および梅本型試薬は、多くの重大な欠点を有する。なぜなら、これらは上記条件を満足しないからである。

概要

以下の一般式(I):によって表される、ハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩。この化合物は、有機化合物をパーフルオロアルキル化するための、新規な、反応性の、産業上有用な試薬である。この試薬は、ワンポットプロセスまたは2工程反応プロセスによって、ハロゲン化ビフェニルから調製され得、そして濾過法によって容易に単離され得る。さらに、ハロゲン化ビフェニルは、この試薬の使用によって副生成物として得られるハロゲン化ジベンゾチオフェンから、脱硫によって回収され得る。

目的

それは、スキーム3に図示されるように、これらがパーフルオロアルキル化剤として使用される場合に、パーフルオロアルキル化化合物に加えて、ジベンゾチオフェン(R)またはそのアナログを副生成物として、定量的収率または高い収率で生成することである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

以下の一般式(I):によって表されるハロゲン化S−(パーフルオロアルキルジベンゾチオフェニウム塩であって、ここでRfは、1個〜4個の炭素を有するパーフルオロアルキル基であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の各々は、水素原子またはハロゲン原子であり、ただし、R1〜8のハロゲン原子の総数は1〜5であり;そしてX−は、ブレンステッド酸共役塩基である、ハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩。

請求項2

Rfは、トリフルオロメチル(CF3)基である、請求項1に記載のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩。

請求項3

R1〜8のハロゲン原子の総数は2〜4である、請求項1に記載のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩。

請求項4

ハロゲン原子はフッ素原子である、請求項1に記載のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩。

請求項5

X−は、CF3SO3−、Cl−、Br−、BF4−、PF6−、またはHSO4−である、請求項1に記載のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩。

請求項6

一般式(I’):によって表されるハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩を調製する方法であって、該方法は、一般式(II)によって表されるハロゲン化ビフェニルを、一般式RfSO2Mによって表されるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩と、トリフルオロメタンスルホン酸無水物[(CF3SO2)2O]、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)、および/または一般式(RCO)2Oによって表されるカルボン酸無水物との任意の組み合わせ物と反応させる工程:を包含し、ここでRfは、1個〜4個の炭素を有するパーフルオロアルキル基であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の各々は、水素原子またはハロゲン原子であり、ただし、R1〜8のハロゲン原子の総数は1〜5であり;Mは、金属原子またはアンモニウム部分であり;そしてRは、1個〜4個の炭素を有するアルキル基またはハロアルキル基である、方法。

請求項7

前記方法は、前記ハロゲン化ビフェニルを、前記パーフルオロアルカンスルフィン酸塩およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させる工程を包含する、請求項6に記載の方法。

請求項8

前記方法は、前記ハロゲン化ビフェニルを、前記パーフルオロアルカンスルフィン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、および前記カルボン酸無水物と反応させる工程を包含する、請求項6に記載の方法。

請求項9

前記方法は、前記ハロゲン化ビフェニルを、前記パーフルオロアルカンスルフィン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸、および前記カルボン酸無水物と反応させる工程を包含する、請求項6に記載の方法。

請求項10

前記方法は、前記ハロゲン化ビフェニルを、前記パーフルオロアルカンスルフィン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸、および前記カルボン酸無水物と反応させる工程を包含する、請求項6に記載の方法。

請求項11

前記方法は、(第一の工程)前記パーフルオロアルカンスルフィン酸塩をトリフルオロメタンスルホン酸無水物と混合する工程;および(第二の工程)前記ハロゲン化ビフェニルを該第一の工程の混合物と混合する工程を包含する、請求項6に記載の方法。

請求項12

前記方法は、(第一の工程)前記パーフルオロアルカンスルフィン酸塩をトリフルオロメタンスルホン酸無水物と混合する工程;および(第二の工程)前記ハロゲン化ビフェニルとトリフルオロメタンスルホン酸無水物との混合物を、該第一の工程の混合物と混合する工程を包含する、請求項6に記載の方法。

請求項13

Rfはトリフルオロメチル(CF3)基であり、ハロゲン原子はフッ素原子であり、そしてR1〜8のフッ素原子の総数は2〜4である、請求項6〜12に記載の方法。

請求項14

前記ハロゲン化ビフェニルは、式(V):によって表されるハロゲン化ジベンゾチオフェンから脱硫によって回収される化合物であり、ここでR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の各々は、水素原子またはハロゲン原子であり、ただし、R1〜8のハロゲン原子の総数は1〜5である、請求項6〜12に記載の方法。

請求項15

一般式(I’):によって表されるハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩を単離する方法であって、該方法は、請求項6〜12の方法から得られる反応混合物を、水および有機溶媒単数または複数)で洗浄する工程を包含し、該有機溶媒は、該一般式(I’)によって表されるハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩を溶解しないか、またはほとんど溶解しない、方法。

請求項16

一般式(I’):によって表されるハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩を単離する方法であって、該方法は、請求項14の方法から得られる反応混合物を、水および有機溶媒(単数または複数)で洗浄する工程を包含し、該有機溶媒は、該一般式(I’)によって表されるハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩を溶解しないか、またはほとんど溶解しない、方法。

請求項17

前記有機溶媒は、ジエチルエーテルジプロピルエーテル、ジ(イソプロピル)エーテル、ジブチルエーテル、ジ(イソブチル)エーテル、ジ(sec−ブチル)エーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンジオキサンジグリム酢酸エチル酢酸プロピル酢酸イソプロピルプロピオン酸エチルジクロロメタンクロロホルム四塩化炭素ジクロロエタンベンゼントルエンキシレンクロロベンゼンジクロロベンゼンフルオロベンゼンベンゾトリフルオリドn−ペンタンおよびその異性体、n−ヘキサンおよびその異性体、n−ヘプタンおよびその異性体、ならびにn−オクタンおよびその異性体の群から選択される、請求項15〜16に記載のプロセス。

請求項18

一般式(I):によって表されるハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩を調製する方法であって、該方法は、一般式(I”):によって表されるハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩を、(M’)+X−と反応させる工程を包含し、ここでRfは、1個〜4個の炭素を有するパーフルオロアルキル基であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の各々は、水素原子またはハロゲン原子であり、ただし、R1〜8のハロゲン原子の総数は1〜5であり;M’は、水素原子、金属原子、またはアンモニウム部分であり;そしてX−および(X’)−の各々は、ブレンステッド酸の共役塩基であり、ただし、X−と(X’)−とは異なる、方法。

請求項19

M’は、H、Li、Na、K、またはAgであり、そしてX’は、CF3SO3、Cl、Br、またはHSO4である、請求項18に記載の方法。

請求項20

以下の一般式(IV):によって表されるハロゲン化2−[(パーフルオロアルキル)スルフィニルビフェニルであって、ここでRfは、1個〜4個の炭素を有するパーフルオロアルキル基であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の各々は、水素原子またはハロゲン原子であり、ただし、R1〜8のハロゲン原子の総数は1〜5である、ハロゲン化2−[(パーフルオロアルキル)スルフィニル]ビフェニル。

請求項21

Rfはトリフルオロメチル(CF3)基であり、そして前記ハロゲン原子はフッ素原子である、請求項20に記載のハロゲン化2−[(パーフルオロアルキル)スルフィニル]ビフェニル。

請求項22

フッ素原子の総数は2〜4である、請求項21に記載のハロゲン化2−[(パーフルオロアルキル)スルフィニル]ビフェニル。

技術分野

0001

本願は、中国特許出願第201410853220.9号および同第201510112921.1号(2014年12月31日および2015年3月16日に中国国家知識産権局へ、連続した発明の名称ハロゲン化S−(パーフルオロアルキルジベンゾチオフェニウム塩およびその生成方法(Halogenated S−(perfluoroalkyl)dibenzothiophenium salt and its production methods)」)の優先権を主張する。これらの中国特許出願の内容は、その全体が本明細書中に参考として援用される。

0002

発明の分野
本発明は、有用な求電子性パーフルオロアルキル化剤である新規なS−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩、およびその生成方法に関する。

背景技術

0003

先行技術
パーフルオロアルキル基は、非常に有用な官能基である。なぜなら、これは、高い電気陰性度、高い安定性、および高い親油性などの、独特の特性を有するからである(例えば、P.Kirsch,「Modern Fluoroorganic Chemistry,Synthesis,Reactivity,Applications」,Wiley−VCH Verlag GmbH & Co.KGaA,Weinheim,2004を参照のこと)。パーフルオロアルキル基のうちでもとりわけ、1個〜4個の炭素の低級パーフルオロアルキル基、特に、トリフルオロメチル基は、有効な医薬農薬、および他の有用な物質を開発するために重要である。従って、トリフルオロメチル基を有する多くの有用な医薬および農薬が開発されている(例えば、K.L.Kirk,J.Fluorine Chem.2006,127,1013−1029;S.Purser et al.,Chem.Soc.Rev.,2008,37,237−432;G.Theodoridis,「Fluorine and the environment」,Vol.2,Chapter 4,pp 121−175(2006)(ISSN 1872−0358)を参照のこと)。従って、これらの製造プロセスを改善し、そしてより有効な医薬、農薬、および他のものを作製する目的で、パーフルオロアルキル化有機化合物を調製するための新規な方法を作製するための活発な研究および開発が続けられている(例えば、J.−A.Ma,D.Cahard,Journal of Fluorine Chemistry,2007,128,975−996;G.K.S.Prakash,A.K.Yudin,Chem.Rev.,1997,97,757−786;T.Umemoto,Chem.Rev.,1996,96,1757−1778を参照のこと)。これらのうちでもとりわけ、求電子性のトリフルオロメチル化剤が特に有用である。なぜなら、これらは、求核性有機分子を直接トリフルオロメチル化することができるからである。従って、トリフルオロメチル化有機化合物を生成するための、多くの求電子性トリフルオロメチル化剤が報告されている(例えば、S.Barata−Vallejo,B.Lantano,A.Postigo,Chem.Eur.J.2014,12,16806−16829;Y.Mace,E.Magnier,Eur.J.Org.Chem.2012,2479−2494;N.Shibata et al.,Beilstein J.Org.Chem.,2010,6,No.65を参照のこと)。

0004

求電子性トリフルオロメチル化試薬のうちでもとりわけ、S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩(A)(これらは、梅本試薬と呼ばれる)は、トリフルオロメチル化有機化合物を調製するために特に有用な試薬である[例えば、C.Zhang,Organic & Biomolecular Chemistry,2014,12,6580−6589;H.Li,Synlett,2012,23,2289−2290;T.Umemoto et al.J.Am.Chem.Soc.,1993,115,2156−2164(1993)を参照のこと]。

0005

アルキル誘導体およびニトロ誘導体である、2,8−ジメチル−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩、3,7−ジ−tert−ブチル−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩、3−ニトロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩、および3,7−ジニトロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩、ならびに対応するセレン(Se)塩およびテルル(Te)塩もまた、開発されている(T.Umemoto et al.,J.Am.Chem.Soc.,1993,115,2156−2164(1993)を参照のこと)。双生イオン型の梅本試薬もまた調製されている(T.Umemoto et al.,J.Fluorine Chem.,1995,74,77−82を参照のこと)。

0006

しかし、梅本試薬の実用的な調製方法には、重大な問題があり、これは、スキーム1に示されるように、出発物質として2−ヒドロキシビフェニルから出発する、複数の工程を必要とする。すなわち、(工程1)2−ヒドロキシビフェニルとジメチルチオカルバモイルクロリドとの反応;(工程2)高温での加熱による異性化;(工程3)アルカリでの加水分解;(工程4)硫酸ジメチルでのメチル化;(工程5)塩素での塩素化;(工程6)トリエチルアミントリス(フッ化水素)でのフッ素化;(工程7)過酸化水素での酸化;(工程8)発煙硫酸での環化;(工程9)トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウムまたはテトラフルオロホウ酸ナトリウムとの対陰イオン交換反応(T.Umemoto et al.,J.Fluorine Chem.1999,98,75−81を参照のこと)。

0007

スキーム1.梅本試薬(A)の実際の生成プロセス



化合物(E)から化合物(H)への近道のプロセスが報告されており、その方法は、化合物(E)の、そのナトリウム塩ビフェニル−2−イルチオール酸ナトリウム)への転換、その後、CF3BrまたはCF3Iでの処理であった(T.Umemoto et al.,J.Fluorine Chem.,1999,98,75−81を参照のこと)。しかし、このプロセスは、CF3BrまたはCF3Iを必要とした。CF3Brは、オゾン破壊物質であるので、その製造が禁止または規制されている。CF3Iは、高価である。

0008

中間体化合物(H)はまた、スキーム2に示されるような、以下のプロセスによって調製された(S.S.Aiken,J.A.H.Lainton,and D.A.Widdowson,Electronic Conference on Trendsin Organic Chemistry 1995,(ECTOC−1),Eds H.S.Rzepa and J.M.Goodman(CD−ROM),RSC Publications,http://www.ch.ic.ac.uk/ectoc/papers/22/を参照のこと)。しかし、この方法は、オゾン破壊物質の1つとして規制されているCF2Br2、および非常に高価なAgFを必要とした。この方法もまた、梅本試薬の生成のために、多工程プロセスを必要とした。

0009

スキーム2.



梅本試薬(A;X=CF3SO3、BF4)はまた、化合物(H)とフッ素分子(F2)との、トリフルオロメタンスルホン酸またはHBF4エーテラートの存在下での、CFCl3溶媒中での反応から、調製された(T.Umemoto et al.,J.Am.Chem.Soc.,1993,115,2156−2164(1993)を参照のこと)。しかし、この方法は、極度に毒性かつ爆発性のF2を必要とし、そしてCFCl3溶媒を使用した。CFCl3溶媒は、オゾン破壊物質であるので、その製造が禁止されている。梅本試薬(A;X=CF3SO3)はまた、化合物(I)とトリフルオロメタンスルホン酸無水物との反応によって調製された(T.Umemoto et al.,J.Am.Chem.Soc.,1993,115,2156−2164(1993)を参照のこと)。しかし、この方法は依然として、梅本試薬を調製するために、多くの工程を必要とした。

0010

複数プロセスの欠点を解決する目的で、表1およびEq.1に示されるように、梅本試薬(A;X=CF3SO3)の調製のためのワンポット調製方法が、最近開発された(Y.Mace et al.,Eur.J.Org.Chem.2009,1390−1397を参照のこと)。この方法によって、数種の新規な梅本試薬アナログである、ポリメチル化S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩(N)〜(Q)が調製された(表1を参照のこと)。しかし、これらの収率は非常に低く(以下の比較例1もまた参照のこと)、そしてその生成物(試薬)を単離するために、カラムクロマトグラフィーが必要とされた。大規模経済的な製造は、カラムクロマトグラフィー分離によっては不可能である。なぜなら、カラムクロマトグラフィーは、産業における費用効果的な製造のためには、非常に不適切であるからである。ポリメチル化S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩の反応性は低い。なぜなら、S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩のトリフルオロメチル化の力が、電子供与性基であるメチル置換基によって低下させられるからである。電子吸引性置換基は、トリフルオロメチル化の力を増大させる(T.Umemoto et al.,J.Am.Chem.Soc.,1993,115,2156−2164を参照のこと)。

0011

0012

より最近、別の梅本アナログである2,4−ジメチル−7−ペンタフルオロスルファニル−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートが、ワンポット調製方法によって調製された(T.Okazaki et al.,Journal of Fluorine Chemistry,2014,165,91−95を参照のこと)。しかし、その収率は少し良くなったが(55%)、この方法もまた、その生成物(試薬)を単離するために、非常に費用効果が低いカラムクロマトグラフィーを必要とした。さらに、この方法は、3,5−ジメチル−4’−(ペンタフルオロスルファニル)ビフェニルという高価な出発物質を使用した。

0013

梅本試薬およびそのアナログは、別の顕著な欠点を有する。それは、スキーム3に図示されるように、これらがパーフルオロアルキル化剤として使用される場合に、パーフルオロアルキル化化合物に加えて、ジベンゾチオフェン(R)またはそのアナログを副生成物として、定量的収率または高い収率で生成することである。このジベンゾチオフェンは、廃棄物として処理されなければならない。このことは、現在の環境問題において有意な課題である。

0014

スキーム3.梅本試薬での求核性有機化合物のトリフルオロメチル化

0015

理想的な梅本剤は、以下の条件の全て、すなわち、(1)短い工程および費用効果が高い生成、(2)強力なパーフルオロアルキル化能力、(3)パーフルオロアルキル化後に得られるジベンゾチオフェンの再利用を満足しなければならない。しかし、現行の梅本試薬および梅本型試薬は、多くの重大な欠点を有する。なぜなら、これらは上記条件を満足しないからである。

先行技術

0016

P.Kirsch,「Modern Fluoroorganic Chemistry,Synthesis,Reactivity,Applications」,Wiley−VCH Verlag GmbH & Co.KGaA,Weinheim,2004
K.L.Kirk,J.Fluorine Chem.2006,127,1013−1029
S.Purser et al.,Chem.Soc.Rev.,2008,37,237−432
G.Theodoridis,「Fluorine and the environment」,Vol.2,Chapter 4,pp 121−175(2006)
J.−A.Ma,D.Cahard,Journal of Fluorine Chemistry,2007,128,975−996
G.K.S.Prakash,A.K.Yudin,Chem.Rev.,1997,97,757−786
T.Umemoto,Chem.Rev.,1996,96,1757−1778
S.Barata−Vallejo,B.Lantano,A.Postigo,Chem.Eur.J.2014,12,16806−16829
Y.Mace,E.Magnier,Eur.J.Org.Chem.2012,2479−2494
N.Shibata et al.,Beilstein J.Org.Chem.,2010,6,No.65
C.Zhang,Organic & Biomolecular Chemistry,2014,12,6580−6589
H.Li,Synlett,2012,23,2289−2290
T.Umemoto et al.J.Am.Chem.Soc.,1993,115,2156−2164(1993)
T.Umemoto et al.,J.Fluorine Chem.,1995,74,77−82
T.Umemoto et al.,J.Fluorine Chem.1999,98,75−81
S.S.Aiken,J.A.H.Lainton,and D.A.Widdowson,Electronic Conference on Trendsin Organic Chemistry 1995,(ECTOC−1),Eds H.S.Rzepa and J.M.Goodman(CD−ROM),RSC Publications
Y.Mace et al.,Eur.J.Org.Chem.2009,1390−1397
T.Okazaki et al.,Journal of Fluorine Chemistry,2014,165,91−95

課題を解決するための手段

0017

本発明の課題
本発明は、強力な求電子性パーフルオロアルキル化剤として有用な、新規なハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩を提供すること、およびその費用効果的かつ環境保護を考慮した生成方法を提供することである。

0018

本発明の構成要素
上記課題を解決するために、本発明者らは、上記条件の全てを満足し得る、新規な特定のS−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩を作製する考えを徹底的に研究した。その結果、本発明者らは、上記条件の全てを満足し得る、新規なハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩を作製することに成功した。

0019

本発明は、強力な求電子性パーフルオロアルキル化剤として有用な、以下の一般式(I)によって与えられるようなハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩に関する。

0020

一般式(I):



(上記一般式において、Rfは、1個〜4個の炭素を有するパーフルオロアルキル基を意味し;R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8の各々は、水素原子またはハロゲン原子であり、ただし、R1〜8のハロゲン原子の総数は1〜5であり;そしてX−は、ブレンステッド酸共役塩基である)

0021

上記一般式(I)において、Rfの具体例は、1個〜4個の炭素を有するノルマル鎖または分枝状のパーフルオロアルキル基、例えば、CF3、C2F5、n−C3F7、イソ−C3F7、n−C4F9、sec−C4F9、イソ−C4F9、およびtert−C4F9である。これらのうちでもとりわけ、CF3、C2F5、およびイソ−C3F7が好ましく、そしてCF3が、医薬および農薬などの生化学用途において最も重要な官能基であるので、最も好ましい。

0022

上記一般式(I)において、R1〜8のハロゲン原子の総数は1〜5であり、そして好ましくは、2〜4である。このハロゲン原子は、フッ素原子塩素原子臭素原子、またはヨウ素原子であり、そして好ましくは、低い分子量およびより高い電気陰性度に起因して、フッ素原子または塩素原子である。これらのうちでもとりわけ、フッ素原子が、最小の分子量および最高の電気陰性度に起因して、最も好ましく、そしてさらにこれは、安定な、最も強い炭素−フッ素(C−F)結合を形成し得る。フッ素の最小の分子量は、その生成物を、重量あたりより有効なパーフルオロアルキル化剤にする。最高の電気陰性度は、そのハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩を、より強力なパーフルオロアルキル化剤にする。従って、本発明のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩は、梅本試薬(A)より強力である(以下の実施例22〜24および比較例2を参照のこと)。最も強いC−F結合は、還元反応に対するその高い安定性に起因して、還元反応によるパーフルオロアルキル化後に得られるジベンゾチオフェンからのフッ素化ビフェニルの回収を、より効果的にする(以下の実施例31および32を参照のこと)。

0023

上記一般式(I)において、X−は、ブレンステッド酸(HX)の共役塩基である。これらのブレンステッド酸としては、硫酸モノメチル硫酸、クロロスルホン酸フルオロスルホン酸メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸(trifluoromethanesulfonic aicd)、ジフルオロメタンスルホン酸トリクロロメタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホン酸パーフルオロブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸トルエンスルホン酸ニトロベンゼンスルホン酸ジニトロベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸トリクロロ酢酸塩化水素(HCl)、臭化水素(HBr)、HBF4、HBF3Cl、HBFCl3、HBCl4、HSbF6、HSbCl5F、HSbCl6、HAsF6、HAlCl4、HAlCl3F、HAlF4、HPF6、HPF5Cl−、およびHClO4などの、強酸が挙げられる。従って、共役塩基(X−)としては、HSO4−、CH3OSO3−、ClSO3−、FSO3−、CH3SO3−、CF3SO3−、CF2HSO3−、CCl3SO3−、CF3CH2SO3−、CF2HCF2SO3−、C2F5SO3−、C3F7SO3−、C4F9SO3−、C6H5SO3−、CH3C6H4SO3−、O2NC6H4SO3−、(O2N)2C6H3SO3−、CF3CO2−、CCl3CO2−、Cl−、Br−、BF4−、BF3Cl−、BFCl3−、BCl4−、SbF6−、SbCl5F−、SbCl6−、AsF6−、AlCl4−、AlCl3F−、AlF4−、PF6−、PF5Cl−、およびClO4−が例示される。これらのうちでもとりわけ、好ましくは、X−は、容易なアクセスおよび高い安定性に起因して、CF3SO3−、Cl−、Br−、BF4−、PF6−、およびHSO4−であり、そしてより好ましくは、X−は、CF3SO3−、Cl−、およびBF4−であり、そして最も好ましくは、X−は、その最短の製造プロセスに起因して、CF3SO3−である(以下の実施例1〜7を参照のこと)。X−がBr−またはHSO4−である場合、これは、アルコール付加体または水和物(例えば、Br−・(CH3OH)nまたはHSO4−(H2O)n(nは正の数である))として存在し得る(実施例10および14を参照のこと)。

0024

式(I)の好ましい実施形態は、式(Ia):



(上記(Ia)の一般式において、RfおよびX−は、上記と同じであり、そしてR2、R3、R4、R5、R6、およびR7の各々は、水素原子またはハロゲン原子であり、ただし、R2〜7のハロゲン原子の総数は2〜4である)
によって表される化合物であり得る。

0025

上記一般式(Ia)において、R2〜7のハロゲン原子の総数は2〜4であり、そしてこのハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子であり、そして好ましくは、低い分子量およびより高い電気陰性度に起因して、フッ素原子または塩素原子である。これらのうちでもとりわけ、フッ素原子が、最小の分子量および最高の電気陰性度に起因して、最も好ましく、そしてさらにこれは、安定な、最も強い炭素−フッ素(C−F)結合を形成し得る。フッ素の最小の分子量は、その生成物を、重量あたりより有効なパーフルオロアルキル化剤にする。最高の電気陰性度は、そのハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩を、より強力なパーフルオロアルキル化剤にする。従って、本発明のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩は、梅本試薬(A)より強力である(以下の実施例22〜24および比較例2を参照のこと)。最も強いC−F結合は、還元反応に対するその高い安定性に起因して、還元反応によるパーフルオロアルキル化後に得られるジベンゾチオフェンからのフッ素化ビフェニルの回収を、より効果的にする(以下の実施例31および32を参照のこと)。

0026

式(I)においてX=CF3SO3を有する、以下の一般式(I’)によって示される本発明の化合物は、以下のスキーム4の方法1によって表されるプロセスで生成され得る。

0027

スキーム4.
方法1



(ここでRfおよびR1〜8は、上記と同じであり、そしてMは、金属またはアンモニウム部分であり、そしてRは、1個〜4個の炭素を有するアルキル基またはハロアルキル基である)

0028

この方法は、一般式(II)によって表されるハロゲン化ビフェニルを、一般式RfSO2Mによって表されるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩と、トリフルオロメタンスルホン酸無水物[(CF3SO2)2O]、トリフルオロメタンスルホン酸(CF3SO3H)、および/または一般式(RCO)2Oによって表されるカルボン酸無水物との任意の組み合わせ物と反応させることを包含する。

0029

好ましくは、本発明は、一般式(II)によって表されるハロゲン化ビフェニルを、式RfSO2Mによって表されるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応させること(スキーム5の方法1aを参照のこと);式(II)のハロゲン化ビフェニルを、式RfSO2Mによって表されるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、および式(RCO)2Oによって表されるカルボン酸無水物と反応させること(スキーム5の方法1bを参照のこと);一般式(II)によって表されるハロゲン化ビフェニルを、式RfSO2Mによって表されるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸、および式(RCO)2Oによって表されるカルボン酸無水物と反応させること(スキーム5の方法1cを参照のこと);一般式(II)によって表されるハロゲン化ビフェニルを、式RfSO2Mによって表されるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸、および式(RCO)2Oによって表されるカルボン酸無水物と反応させること(スキーム5の方法1dを参照のこと)を包含する方法を包含する。

0030

スキーム5.

0031

方法1aは、(第一の工程)で、一般式RfSO2Mによって表されるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩をトリフルオロメタンスルホン酸無水物と混合し、そして(第二の工程)で、一般式(II)によって表されるハロゲン化ビフェニルを第一の工程の混合物と混合する、プロセスを包含し得る。

0032

方法1aはまた、(第一の工程)で、一般式RfSO2Mによって表されるパーフルオロアルカンスルフィン酸塩をトリフルオロメタンスルホン酸無水物と混合し、そして(第二の工程)で、一般式(II)によって表されるハロゲン化ビフェニルとトリフルオロメタンスルホン酸無水物との混合物を、第一の工程の混合物と混合する、プロセスを包含し得る。

0033

方法1において使用される一般式(II)の化合物は、公知の化合物であるか、または公知の方法によって容易に調製され得る化合物である(例えば、V.Penalva et al.,Teterahedron Lett.,1998,37,2559−2560;Y.Ding et al,Tetrahedron Lett.,2012,53,6269−6272;B.Kaboudin et al.,Synthesis,2001,91−96;J.Zhou et al.,Journal of Chemical Research,2012,672−674;B.Kurscheid et al.,Organometallics,2012,31,1329−1334を参照のこと)。好ましくは、3,3’−ジフルオロビフェニル、4,4’−ジフルオロビフェニル、3,4’−ジフルオロビフェニル、3−フルオロ−3’−クロロビフェニル、3,3’−ジクロロビフェニル、4,4’−ジクロロビフェニル、3,3’,4−トリフルオロビフェニル、3,4,4’−トリフルオロビフェニル、3,3’,5−トリフルオロビフェニル、3,4’,5−トリフルオロビフェニル、3,3’,4,4’−テトラフルオロビフェニル、3,3’,4,5’−テトラフルオロビフェニル、3,3’,5,5’−テトラフルオロビフェニル、3,3’,4,5−テトラフルオロビフェニル、3,3’,4,4’,5−ペンタフルオロビフェニル、および3,3’,4,5,5’−ペンタフルオロビフェニルが例示され、そしてより好ましくは、3,3’−ジフルオロビフェニル、4,4’−ジフルオロビフェニル、および3,3’,4,4’−テトラフルオロビフェニル、3,3’,5,5’−テトラフルオロビフェニルが、その容易に利用可能できることおよび高い反応性に起因して例示され、そして3,3’−ジフルオロビフェニルおよび3,3’,4,4’−テトラフルオロビフェニルが、その対応する式(I’)のS−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩の、容易かつ非常に効果的な生成に起因して、さらに好ましい。

0034

方法1において使用される、一般式RfSO2Mのパーフルオロアルカンスルフィン酸塩は、市販されているか、または報告された方法によって容易に調製され得る化合物である(R.N.Hazeldine et al.,J.Chem.Soc.,1955,2901−2910;M.Tordeux et al.,J.Org.Chem.,1989,54,2452−2453;R.P.Singh et al.,Chem,Commun.,2002,1818−1819;H.W.Roesky et al.,J.Fluorine Chem.,1976,7,77−84;B.R.Langlois et al.,J.Fluorine Chem.,2007,128,851−856を参照のこと)。パーフルオロアルカンスルフィン酸塩として、1個〜4個の炭素を有するパーフルオロアルカンスルフィン酸の、金属塩またはアンモニウム塩が使用され得る。適切な金属として、アルカリ金属アルカリ土類金属、および遷移金属が例示され、そして適切なアンモニウム部分として、NH4、CH3NH3、C2H5NH3、(C2H5)3NH、(CH3)4N、(C2H5)4N、(C4H9)4Nが例示される。これらのうちでもとりわけ、トリフルオロメタンスルフィン酸リチウムトリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウムトリフルオロメタンスルフィン酸カリウム、およびトリフルオロメタンスルフィン酸セシウムなどのアルカリ金属塩が、その容易なアクセスに起因して、より好ましい。トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウムおよびトリフルオロメタンスルフィン酸カリウムは、市販されているので、さらに好ましい。式RfSO2Mのパーフルオロアルカンスルフィン酸塩の量は、1molの式(II)の化合物に対して、約0.5mol〜約10mol、または好ましくは、約1mol〜約5molの範囲内で、適切に決定され得る。

0035

方法1において使用されるトリフルオロメタンスルホン酸無水物は、市販されている。その量は、1molの式RfSO2Mのパーフルオロアルカンスルフィン酸塩に対して、約0.5mol〜約10mol、または好ましくは、約1mol〜約5molの範囲内で、適切に決定され得る。

0036

方法1において使用されるトリフルオロメタンスルホン酸は、市販されている。その量は、1molの式RfSO2Mのパーフルオロアルカンスルフィン酸塩に対して、約0.5mol〜約20mol、または好ましくは、約1mol〜約15molの範囲内で、適切に決定され得る。

0037

方法1において使用される、式(RCO)2Oによって表され、Rが1個〜4個の炭素を有するアルキル基またはハロアルキル基である、カルボン酸無水物は、市販されている。アルキル基として、メチル、エチルプロピルイソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、およびtert−ブチルが例示される。ハロアルキル基として、クロロメチルジクロロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、およびペンタフルオロエチルが、好ましくは例示される。カルボン酸無水物として、無水酢酸クロロ酢酸無水物、ジクロロ酢酸無水物、トリクロロ酢酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物プロピオン酸無水物、ペンタフルオロプロピオン酸無水物、酪酸無水物、およびイソ酪酸無水物が、好ましくは例示される。これらのうちでもとりわけ、無水酢酸およびトリフルオロ酢酸無水物が、その入手可能性に起因して、より好ましく、そしてトリフルオロ酢酸無水物が、その高い反応性に起因して、最も好ましい。カルボン酸無水物の量は、1molの式RfSO2Mのパーフルオロアルカンスルフィン酸塩に対して、約0.5mol〜約20mol、または好ましくは、約1mol〜約15molの範囲内で、適切に決定され得る。

0038

方法1の反応は、溶媒を用いて、または用いずに行われ得る。この反応のために使用可能な溶媒として、ニトロメタンニトロエタン1−ニトロプロパン2−ニトロプロパンニトロベンゼンスルホラン、2−メチルスルホラン、およびエチルメチルスルホンなどの極性溶媒ジクロロメタンクロロホルム四塩化炭素ジクロロエタン、およびトリクロロエタンなどのハロカーボン酢酸プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、およびパーフルオロプロピオン酸などのカルボン酸;ならびにこれらの溶媒の混合物が、好ましくは例示され得る。これらのうちでもとりわけ、ニトロメタンおよびスルホランなどの極性溶媒、ならびにトリフルオロ酢酸などのカルボン酸が、その生成物の良好な収率に起因して、より好ましく、そしてニトロメタンが、取り扱いが容易な中性溶媒であること、およびその低い沸点に起因する容易な回収に起因して、さらに好ましい。

0039

方法1の反応温度は、約−50℃〜約+150℃、より適切には、約−10℃〜約+100℃の範囲から、適切に選択され得る。その反応時間は、その反応が完了するように適切に選択され得る。これは、約0.5時間〜数日間、好ましくはより少ない日数であり得る。

0040

方法1aの反応機構は、スキーム6に示されるように、以下の方法で説明され得る。パーフルオロアルカンスルフィン酸塩は、トリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応して、パーフルオロアルカンスルフィニルトリフルオロメタンスルホネート(III)[RfS(O)OSO2CF3]を生成し、これは、式(II)のハロゲン化ビフェニルと反応して、一般式(IV)によって表されるハロゲン化2−[(パーフルオロアルキル)スルフィニル)]ビフェニルを中間体として生成し得、次いで、この中間体は、その反応混合物中に存在する他のパーフルオロアルカンスルフィニルトリフルオロメタンスルホネートおよび/またはトリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応して、最終の式(I’)のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートを生成する。

0041

スキーム6.方法1aの反応機構

0042

実際には、一般式(IV)によって表されるハロゲン化S−[(パーフルオロアルキル)スルフィニル)]ビフェニルは、本発明の反応において、19F NMRによって、中間体として検出された。例えば、3,3’−ジフルオロビフェニルと、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウムおよびトリフルオロメタンスルホン酸無水物との反応における中間反応混合物の19FNMR分析は、−73.24ppm(−S(O)CF3)の一重線信号を示し、これは、3,3’−ジフルオロ−6−(トリフルオロメチルスルフィニル)ビフェニルに対応した。一般式(IV)によって表されるハロゲン化2−[(パーフルオロアルキル)スルフィニル]ビフェニルを、式(II)のハロゲン化ビフェニルと、パーフルオロアルカンスルフィン酸ナトリウムおよびトリフルオロメタンスルホン酸との反応によって合成した(実施例15を参照のこと)。一般式(IV)によって表される、中間体のハロゲン化2−[(パーフルオロアルキル)スルフィニル)]ビフェニルは、トリフルオロメタンスルホン酸無水物と反応して、式(I’)のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩を与えることもまた実証された(実施例16を参照のこと)。従って、本発明は、一般式(IV)によって表されるハロゲン化2−[(パーフルオロアルキル)スルフィニル]ビフェニルを、式(I)のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩の調製のための中間体として、包含する。

0043

本発明はまた、式(I’)のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートのための単離方法に関する。この方法は、式(II)のハロゲン化ビフェニルと上記反応物質単数または複数)との反応から得られる反応混合物を、水および有機溶媒(単数または複数)で洗浄することを包含し、この有機溶媒は、生成物である、式(I’)のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートを溶解しないか、またはほとんど溶解しない。この反応のために溶媒が使用される場合、この反応混合物は、好ましくは、反応後にこの溶媒を蒸発させた後に得られる、反応残渣であり得る。この反応のために溶媒が使用されない場合、この反応混合物は、反応後の反応混合物であり得る。反応溶媒は、上で例示されている。

0044

この反応混合物を洗浄するための有機溶媒は、その生成物を溶解しないか、またはほとんど溶解しない。この反応混合物を洗浄するための好ましい有機溶媒として、ジエチルエーテルジプロピルエーテル、ジ(イソプロピル)エーテル、ジブチルエーテル、ジ(イソブチル)エーテル、ジ(sec−ブチル)エーテル、tert−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンジオキサン、およびジグリムなどのエーテル;酢酸エチル酢酸プロピル酢酸イソプロピル、およびプロピオン酸エチルなどのエステル塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、およびジクロロエタンなどのハロカーボン;ベンゼントルエンキシレンクロロベンゼンジクロロベンゼンフルオロベンゼン、およびベンゾトリフルオリドなどの芳香族n−ペンタンn−ヘキサン、n−ヘプタンn−オクタン、およびこれらの立体異性体などのアルカン;ならびにこれらの混合物が例示される。これらのうちでもとりわけ、エーテル、エステル、ハロカーボン、および芳香族が、より好ましくは例示される。この反応混合物は、水と有機溶媒との混合物で洗浄され得る。この反応混合物はまた、段階的な様式で洗浄されてもよい。この反応混合物は、水で洗浄された後に有機溶媒で洗浄されるか、または有機溶媒で洗浄された後に水で洗浄される。水と有機溶媒との混合物での洗浄が、より短いプロセス数および生成有効性に起因して、好ましい。この反応混合物から、水は、副生成物(これは、トリフルオロメタンスルホン酸およびその塩、カルボン酸およびその塩である)、ならびに出発物質および残留反応物質(これは、トリフルオロメタンスルフィン酸およびその塩、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸、カルボン酸無水物、およびカルボン酸およびその塩である)を除去し得る。水は、水に溶解する他の化合物を除去し得る。有機溶媒は、残留ハロゲン化ビフェニル、およびこの有機溶媒(単数または複数)に溶解する副生成物を除去し得る。有機溶媒は、この有機溶媒に溶解する他の化合物を除去し得る。生成物である、式(I’)のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートは、その反応混合物を、水および上記有機溶媒(単数または複数)で洗浄することのみによって、カラムクロマトグラフィーでの分離プロセスを用いずに、容易に単離され得る。

0045

一般式(I)のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩は、スキーム7に示されるような、以下の方法2に表されるプロセスで、調製され得る。

0046

スキーム7.
方法2



(ここでRfおよびR1〜8は、上記と同じであり、M’は、水素原子、金属原子、またはアンモニウム部分であり、そして(X’)−およびX−の各々は、ブレンステッド酸(HX’またはHX)の共役塩基であり、ただし、(X’)−とX−とは異なる)

0047

これは、一般式(I)のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩を、別の式(I”)のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩から、(M’)+X−との対陰イオン交換反応によって、生成する。

0048

[方法2]
この方法2のために使用可能な、X’=CF3SO3であるハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩は、上記方法1によって調製され得る。この方法2のために使用可能な、CF3SO3とは異なるX’を有するハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩は、X’=CF3SO3であるハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩から、対陰イオン置換反応によって調製され得る。好ましいX’として、CF3SO3、Cl、Br、およびHSO4が例示される。

0049

(M’)+X−は、市販の化合物であるか、または従来の方法によって容易に調製される。(M’)+X−として、強酸ならびにその金属塩およびアンモニウム塩が例示される。適切な強酸としては、硫酸、フルオロスルホン酸、クロロスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、HCl、HBr、HBF4、HPF6、HSbF6、HAsF6、およびHClO4などが挙げられる。好ましい金属塩およびアンモニウム塩としては、CF3SO3Li、CF3SO3Na、CF3SO3K、CF3SO3Ag、CF3SO3NH4、C4F9SO3Na、(C2H5)3NHCl、(CH3)4NCl、(C2H5)4NCl、(C4H9)4NCl、(C4H9)4NBr、LiHSO4、NaHSO4、KHSO4、AgHSO4、(CH3)4NHSO4、(C2H5)4NHSO4、(C4H9)4NHSO4、LiBF4、NaBF4、KBF4、AgBF4、NH4BF4、(C2H5)3NHBF4、(CH3)4NBF4、(C2H5)4NBF4、(C4H9)4NBF4、LiPF6、NaPF6、KPF6、AgPF6、NH4PF6、(CH3)4NPF6、(C2H5)4NPF6、(C4H9)4NPF6、LiSbF6、NaSbF6、KSbF6、AgSbF6、LiAsF6、NaAsF6、KAsSF6、およびAgAsF6などが挙げられる。

0050

このプロセスは、むらのない反応および高い収率のために、好ましくは、溶媒を用いて行われ得る。適切な溶媒として、アセトニトリルおよびプロピオニトリルなどのニトリル;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロカーボン;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ(イソプロピル)エーテル、tert−ブチルメチルエーテル、およびジメトキシエタンなどのエーテル;ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、およびベンゾトリフルオリドなどの芳香族化合物メタノールエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノールプロパノールイソプロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ2−プロパノールブタノール、イソ−ブタノール、sec−ブタノール、およびtert−ブタノールなどのアルコール;水;ならびにこれらの溶媒の混合物が例示される。

0051

この反応において使用される(M’)+X−(M’=H)の量は、1molのS−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩に対して、約1molから大過剰、好ましくは、約1mol〜約10molの範囲内で、適切に決定され得る。(M’)+X−(M’=金属またはアンモニウム部分)の量は、1molのS−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩に対して、約0.8mol〜約2mol、より好ましくは約0.9mol〜約1.5molの範囲内で、適切に決定され得る。反応温度は、約0℃〜約100℃、好ましくは、およそ室温から約80℃までの範囲から選択され得る。反応時間は、この反応が完了するように選択され得る。これは、約10分間〜数日間、好ましくは1日以内であり得る。

0052

本発明はまた、式(I)のS−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩をパーフルオロアルキル化剤として使用した後に得られる、以下の式(V)によって表されるハロゲン化ジベンゾチオフェンの再使用に関する。

0053

このS−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩が、有機化合物のパーフルオロアルキル化のために使用される場合、スキーム8に見られるように、式(V)のハロゲン化ジベンゾチオフェンが副生成物として生成し、これは、使用されるS−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩と当モル量であり得る(以下の実施例17、21、および27などの反応実施例を参照のこと)。

0054

スキーム8.ハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩(I)を用いる有機化合物のパーフルオロアルキル化:ハロゲン化ジベンゾチオフェン(V)の形成

0055

式(V)のハロゲン化ジベンゾチオフェンは、スキーム9に示されるように、還元されて式(II)のハロゲン化ビフェニルを生成し得る。

0056

スキーム9.ハロゲン化ジベンゾチオフェン(V)からのハロゲン化ビフェニル(II)の回収

0057

スキーム9の反応は、硫黄化合物脱硫のために使用される還元によって、行われ得る(以下の実施例31および32を参照のこと)。この脱硫によって得られるハロゲン化ビフェニルは、本発明のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩の生成のために再使用され得る。

0058

本発明はまた、S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩の使用によって得られる式(V)のハロゲン化ジベンゾチオフェンの還元(脱硫)によって回収される式(II)のハロゲン化ビフェニルを使用する、式(I)のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩の生成に関する。

0059

ハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩の生成は、方法1によって、回収された式(II)のハロゲン化ビフェニルを使用して行われ得る。これは、回収されたハロゲン化ビフェニルの使用以外は、上に記載された方法と同じ方法で行われ得る。

0060

式(I’)(X=CF3SO3)のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートがパーフルオロアルキル化剤として使用される場合、トリフルオロメタンスルホン酸またはその塩が、パーフルオロアルキル化有機化合物および式(V)のハロゲン化ジベンゾチオフェンに加えて、得られる。トリフルオロメタンスルホン酸無水物は、回収されたトリフルオロメタンスルホン酸またはその塩から、従来の合成方法(例えば、P2O5での脱水反応(T.Gramstad,R.N.Haszeldine,J.Chem.Soc.,1957,4069−4079を参照のこと):CF3SO3H + P2O5 → (CF3SO2)2O)によって、調製され得る。

0061

本発明の産業上の利用可能性
本発明の、上記一般式(I)によって表されるハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩は、パーフルオロアルキル化有機化合物を調製するための広範な用途の、有用な求電子性パーフルオロアルキル化剤である(以下の実施例17〜30を参照のこと)。

0062

本発明のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩は、ワンポットプロセスなどの非常に短いプロセスによって調製され得(以下の実施例1〜7を参照のこと)、そして反応混合物を水および有機溶媒で洗浄することによる、沈殿した生成物の単純な濾過によって単離され得る(以下の実施例1〜5、および7を参照のこと)。これらは、産業における、求電子性パーフルオロアルキル化剤の費用効果的な生成のために、非常に有用である。

0063

さらに、スキーム10に図示されるように、このハロゲン化ビフェニルは、有機化合物のパーフルオロアルキル化のためのハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩の使用から得られたハロゲン化ジベンゾチオフェンの還元(脱硫)から回収される(実施例31および32を参照のこと)。別の反応物質であるトリフルオロメタンスルホン酸無水物もまた、S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩の使用から得られた、トリフルオロメタンスルホン酸または塩から回収され得る。

0064

スキーム10.ハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩の再利用系

0065

スキーム10に示されるような再利用は、ハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩の、非常に費用効果的であり、かつ環境にやさしい(環境保護を考慮した)生成、およびパーフルオロアルキル化有機化合物の、非常に費用効果的であり、かつ環境にやさしい(環境保護を考慮した)生成を提供し得る。従って、新規なハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩およびその生成方法の本発明は、非常に効果的かつ環境にやさしい、産業上非常に重要なパーフルオロアルキル化剤を提供し得る。
実施形態(実施例)

0066

本発明のさらなる詳細が、以下のそれらの実施形態によって提供される。しかし、本発明は、いかなる意味でも決して、これらの実施形態によって限定されると解釈されるべきではない。

0067

命名法におけるジベンゾチオフェン構造の番号付けを、以下の図に示す:

0068

実施例1。

0069

3,3’−ジフルオロビフェニル(14.2g,74.7mmol)を、14.0g(90mmol)の乾燥トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウムおよび100mLの乾燥ニトロメタンの撹拌混合物に、窒素雰囲気下室温(20oC)で添加し、次いで、この反応器水浴上に置いた。この混合物を40分間撹拌した後に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(50.6g,179.4mmol)を10分間かけて添加し、そしてこの反応混合物を室温で46時間撹拌した。ベンゾトリフルオリドを標準物質として使用する、この反応溶液の19FNMR分析は、出発物質である3,3’−ジフルオロビフェニルの8%が未反応で残り、そして生成物である2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートおよび2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートが、それぞれ58%(63%*)および13%(14%*)の収率で生成したことを示した。その合計収率は、71%(77%*)であった。この反応溶液をエバポレートして乾固させた後に、30mlのジクロロメタンをその残渣に添加し、そしてその溶媒を完全に蒸発させた。その残渣に、100mlの水および125mlのジクロロメタンを添加し、そしてこの混合物を45分間撹拌した。生じた沈殿物を濾過によって集めて、20.1g[61%(66%*)]の、2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートと2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートとの87:13の混合物を結晶性固体として得た。*の記号を付けた収率は、消費された出発物質に基づいて計算された。

0070

2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートを、再結晶によって純粋な結晶として得た:分解開始点204℃(TGA/DSCによる)(CH3CN−ジエチルエーテルから再結晶);1H照射を用いる19F NMR(376.5MHz,DMSO-d6) δ -53.25 (3F, s, CF3), -77.78 (3F, s, SO2CF3), -101.81 (2F, s, 2,8-F); 1H-NMR (400.2 MHz, DMSO-d6) δ 8.76 (2H, dd, J=9.0, 4.8 Hz, 4,6-H), 8.56 (2H, dd, J=8.8, 2.8 Hz, 1,9-H), 7.84 (2H, dt, J=2.8, 9.0 Hz, 3,7-H); 13C-NMR (100.6 MHz, DMSO-d6) δ 166.9 (d, J=261.6 Hz), 143.8 (dd, J=11.6, 2.5 Hz), 132.9 (d, J=10.1 Hz), 123.4 (quartet, J=332.3 Hz), 123.0 (d, J=2.0 Hz), 121.1 (quartet, J=321.9 Hz), 120.1 (d, J=24.1 Hz), 113.7 (d, J=27.2 Hz); IR (KBr) 3112, 3057, 1593, 1584, 1583, 1263, 1237, 1178, 1157, 1090, 1029, 903, 838, 757, 636, 571, 517, 492, 465 cm-1;質量分析(ESI法) m/z, 289 (M+-OSO2CF3);高分解能質量スペクトル(ESI法) calcd for C13H6F5S (M-OSO2CF3)+, 289.0110. Found 289.0129.元素分析: Calcd for C14H6F8O3S2: C, 38.36%; H, 1.38%. Found: C, 38.45%; H. 1.67%。

0071

2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートを、混合物のNMR分析によって同定した:1H照射を用いる19F NMR(376.5MHz,DMSO-d6) δ -52.46 (3F, d , J=6.6 Hz, CF3), -77.78 (s, CF3SO2), -100.77 (1F, s, 2-F), -108.23 (1F, quartet, J=6.6 Hz, 6-F)。

0072

純粋な2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートを、別の反応から、以下の方法によって単離した。反応混合物をエバポレートして乾固させ、そして得られた残渣を水およびジクロロメタンにより混合した。生じた沈殿物を濾過により除去し、そしてその濾液濃縮し、そしてその残渣を、ジクロロメタンとメタノールとの10:1の混合物を溶出液として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーにより分離して、純粋な2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートを結晶性固体として得た:分解開始点135℃(TGA/DSCによる)(CH3CN−ジエチルエーテルから再結晶);1H照射を用いる19F NMR(376.5MHz,DMSO-d6)δ -52.45 (3F, d , J=6.6 Hz, CF3), -77.78 (s, CF3SO2), -100.76 (1F, s, 2-F), -108.23 (1F, quartet, J=6.6 Hz, 6-F); 1H NMR (400.2 MHz, DMSO-d6) δ 8.77 (1H, dd, J=4.6, 8.9 Hz, 4-H), 8.67 (1H, dd, J=2.6, 8.9 Hz, 1-H), 8.47 (1H, d, J=8.4 Hz, 9-H), 8.26 (1H, dt, J=5.2, 8.4 Hz, 8-H), 7.95 (1H, t, J=8.4 Hz, 7-H), 7.88 (1H, dt, J=2.6, 8.9 Hz, 3-H); 13C NMR (100.6 MHz, DMSO-d6) δ 167.3 (d, J=255.9 Hz, 2-C), 159.5 (d, J=257.5 Hz, 6-C), 144.1 (dd, J=11.2, 1.9 Hz), 143.0 (d, J=2.5 Hz), 140.2 (d, J=8.3 Hz), 133.2 (d, J=10.8 Hz), 123.5 (quartet, J=333.1 Hz, CF3), 122.5 (d, J=2.8 Hz), 121.1 (quartet, J=322.2 Hz, SO2CF3), 120.8 (d, J=2.1 Hz), 120.6 (d, J=24.8 Hz), 119.7 (d, J=18.0 Hz), 114.5 (d, J=26.8 Hz), 113.3 (d, J=17.1 Hz); IR (KBr) 3059, 1603, 1583, 1490, 1474, 1447, 1267, 1224, 1169, 1155, 1103, 1075, 1027, 904, 838, 815, 804, 758, 733, 665, 634, 573, 516, 495, 454, 435, 404 cm-1.元素分析: Calcd for C14H6F8O3S2: C, 38.36%; H, 1.38%. Found: C, 38.28%; H, 1.45%。

0073

本発明の生成物を得、そして反応混合物からの単純な濾過によって、良好な収率で容易に単離した。この濾過手順は、経済的な産業上の大規模製造のために、特に有用である。

0074

実施例2。

0075

3,3’−ジフルオロビフェニル(28.3g 149mmol)を、32.9g(211mmol)の乾燥トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウムおよび100mLの乾燥ニトロメタンの撹拌混合物に、窒素雰囲気下室温で添加し、次いでその反応器を氷浴上に置いた。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(65.1g,231mmol)を40分間かけて添加し、次いでこの反応混合物を氷浴上で2時間撹拌した。その後、この氷浴を外し、そしてこの反応混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、トリフルオロ酢酸無水物(37.8g,180mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を室温で17時間撹拌した。この反応溶液をエバポレートして乾固させた後に、130mLのトルエンをその残渣に添加し、そしてその溶媒を完全に蒸発させた。その残渣に、130mlの水および130mlのトルエンを添加し、そしてこの混合物を20分間撹拌した。生じた沈殿物を濾過によって集めて、50.4g(77%)の、2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートと2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートとの91:9の混合物を固体として得た。これらの生成物の各々の物理データおよびスペクトルデータは、実施例1に示されている。

0076

実施例3。

0077

3,3’−ジフルオロビフェニル(28.4g,149.5mmol)を、25.3g(162mmol)の乾燥トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウムおよび100mLの乾燥ニトロメタンの撹拌混合物に、窒素雰囲気下室温で添加し、次いで、この反応器を水浴上に置いた。この混合物を35分間撹拌した後に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(49.9g,177mmol)を10分間かけて添加し、次いでこの反応混合物を30分間撹拌した。トリフルオロ酢酸無水物(37.2g,177mmol)を一度に添加し、そしてその水浴を外した。この反応混合物を室温で22時間撹拌した。ベンゾトリフルオリドを標準物質として使用する、この反応溶液の19FNMR分析は、出発物質である3,3’−ジフルオロビフェニルの22%が未反応のまま残り、そして生成物である2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートおよび2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートが、それぞれ53%(68%*)および6%(8%*)の収率[合計で59%(76%*)の収率]で生成したことを示した。この反応溶液を、エバポレートして乾固させた。次いで、50mlのトルエンをその残渣に添加し、そしてこのトルエンを完全に蒸発させた。この操作を再度繰り返した。次いで、100mlの水を添加し、そしてこの混合物を約5分間撹拌した。生じた沈殿物を濾過によって集めて、36.3g[55%(71%*)の収率]の、2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートと2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートとの92:8の混合物を結晶性固体として得た。*の信号を有する収率は、消費された出発物質の3,3’−ジフルオロビフェニルに基づいて計算された。これらの生成物の物理データおよびスペクトルデータは、実施例1に示されている。

0078

実施例4。

0079

3,3’−ジフルオロビフェニル(14.2g,74.7mmol)を、15.2g(97.4mmol)の乾燥トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウムおよび100mLの乾燥ニトロメタンの撹拌混合物に、窒素雰囲気下室温で添加し、次いで、この反応器を水浴上に置いた。20分間撹拌した後に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(29.5g,105mmol)を6分間かけて添加した。50分間撹拌した後に、無水酢酸(9.9g,97mmol)を一度に添加した。47分間撹拌した後に、その水浴を外し、そしてこの反応混合物を室温で46時間撹拌した。ベンゾトリフルオリドを標準物質として使用する、この反応溶液の19FNMR分析は、出発物質である3,3’−ジフルオロビフェニルの49%が未反応のまま残り、そして生成物である2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートおよび2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートが、それぞれ31%(60%*)および7%(13%*)の収率[合計38%(73%*)の収率]で生成したことを示した。この反応溶液を、エバポレートして乾固させた。次いで、50mLのトルエンをその残渣に添加し、そしてこのトルエンを完全に蒸発させた。この操作を再度繰り返した。次いで、100mLの水を添加し、そしてこの混合物を45分間撹拌した。生じた沈殿物を濾過により集め、100mlのトルエンで洗浄し、そして乾燥させて、11.7g[36%(71%*)の収率]の、2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートと2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートとの86:14の混合物を結晶性固体として得た。*の信号を有する収率を、消費された出発物質の3,3’−ジフルオロビフェニルに基づいて計算した。これらの生成物の物理データおよびスペクトルデータは、実施例1に示されている。

0080

実施例5。

0081

トリフルオロメタンスルホン酸無水物(60.8g,216mmol)を、28.1g(180mmol)の乾燥トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウムおよび200mLの乾燥ニトロメタンの撹拌混合物に、窒素雰囲気下で氷浴温度で添加した。この混合物を室温で5時間撹拌した。その後、11.4g(60mmol)の3,3’−ジフルオロビフェニルをこの混合物に添加し、そしてこの混合物を室温で41時間撹拌した。ベンゾトリフルオリドを標準物質として使用する、この反応溶液の19FNMR分析は、生成物である2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートおよび2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートが、それぞれ54%および12%の収率(合計66%の収率)で生成したことを示した。この反応後、この反応溶液をエバポレートして乾固させ、次いで100mLの水および100mLのジクロロメタンを添加し、そしてこの混合物を約30分間撹拌した。生じた沈殿物を濾過によって集めて、15.0g(57%の収率)の、2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート(2,8-difluoro-S-(trifluorometyl)dibenzothiophenium trifluoromethanesulfonate)と2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートとの93:7の混合物を結晶性固体として得た。これらの生成物の物理データおよびスペクトルデータは、実施例1に示されている。

0082

実施例6。

0083

トリフルオロメタンスルホン酸無水物(6.08g,21.6mmol)を、2.81g(18mmol)の乾燥トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウムおよび15mLの乾燥スルホランの撹拌混合物に、窒素雰囲気下室温で添加した。この混合物を室温で24時間撹拌した。その後、1.14g(6.0mmol)の4,4’−ジフルオロビフェニルの、5mLの乾燥スルホラン中溶液をこの混合物に添加し、そしてこの混合物を室温で23時間撹拌した。ベンゾトリフルオリドを標準物質として使用する、この反応溶液の19FNMR分析は、3,7−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベノゾチオフェニウムトリフルオロメタエンスルホネート(3,7-difluoro-S-(trifluoromethyl)dibenozothiophenium trifluormethaenesulfoante)が72%の収率で生成したことを示した。この生成物を、カラムクロマトグラフィーを使用する標準的な後処理によって単離した。そのスペクトルデータおよび物性を、以下に示す:分解開始点164℃(TGA/DSCによる)(CH3CN−ジエチルエーテルから再結晶);1H照射を用いる19F NMR(376.5MHz,DMSO-d6) δ -52.10 (3F, s, CF3S), -77.78 (3F, s, CF3SO2), -107.03 (2F, s, 3,7-F); 1H NMR (400.2 MHz, DMSO-d6) δ 8.59-8.62 (4H, m. 1,4,6,9-H), 8.01 (2H, dt, J=2.4, 8.8 Hz, 2,8-H); 13C NMR (100.6 MHz,DMSO-d6) δ 162.7 (d, J=252.0 Hz), 137.5 (s), 128.5 (d, J=11.6 Hz), 127.1 (d, J=9.3 Hz), 123.8 (d, J=23.0 Hz), 123.4 (quartet, J=333.3 Hz), 121.2 (quartet, J=322.5 Hz), 117.8 (d, J=29.1 Hz); IR (KBr) 3096, 1595, 1467, 1269, 1232, 1215, 1069, 1034, 873, 841, 758, 694, 575, 516, 459 cm-1;高分解能質量スペクトル(ESI法) Calcd for C13H6F5S (M-OSO2CF3) 289.0110. Found 289.0116.元素分析: Calcd for C14H6F8O3S2: C, 38.36%; H, 1.38%. Found: C, 38.40%; H, 1.43%。

0084

実施例7。

0085

トリフルオロメタンスルホン酸無水物(30.4g,108mmol)を、14.1g(90.4mmol)の乾燥トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウムおよび70mLの乾燥ニトロメタンの撹拌混合物に、窒素雰囲気下で氷浴冷却して添加した。この混合物を室温で6時間撹拌した。その後、6.8g(30.1mmol)の3,3’,4,4’−テトラフルオロビフェニルの、30mLの乾燥ニトロメタン中の溶液をこの混合物に添加し、そしてこの混合物を室温で43時間撹拌した。この反応溶液の、ベンゾトリフルオリドを標準物質として使用する19F NMRは、生成物である2,3,7,8−テトラフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートが68%の収率で生成したことを示した。この反応後、この反応溶液をエバポレートして乾固させ、次いで100mLの水および125mLのジクロロメタンを添加し、そしてこの混合物を80分間撹拌した。生じた沈殿物を濾過によって集めて、8.3g(58%の収率)の2,3,7,8−テトラフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートを結晶性固体として得た。そのスペクトルデータおよび物性を、以下に示す:分解開始点171℃(TGA/DSCによる)(CH3CN−ジエチルエーテルから再結晶);1H照射を用いる19F NMR (376.5MHz,DMSO-d6) δ -51.48 (3F, s, CF3S), -77.82 (3F, s, CF3SO2), -124.89 (2F, d, J=21.5 Hz, 2,8-F), -129.47 (2F, d, J=21.5 Hz, 3,7-F); 1H NMR (400.2 MHz, DMSO-d6) δ 8.81 (2H, dd, J=8.8, 7.2 Hz, 4,6-H), 8.72 (2H, dd, J=10.2, 7.0 Hz, 1,9-H); 13C NMR (100.6 MHz, DMSO-d6) δ 155.0 (dd, J=257.4, 13.2 Hz), 151.0 (dd, J=255.7, 14.2 Hz), 138.4 (d, J=10.5 Hz), 123.5 (d, J=7.5 Hz), 123.2 (quartet, J=333.7 Hz), 121.1 (quartet, J=322.5 Hz), 120.1 (d, J=24.2 Hz), 115.2 (d, J=22.0 Hz); IR (KBr) 3102, 3038, 1608, 1493, 1438, 1277, 1256, 1242, 1224, 1172, 1073, 1029, 1001, 882, 784, 756, 639, 573, 521, 455 cm-1:高分解能質量スペクトル(ESI法) calcd for [C13H4F7S]+ (M-OSO2CF3)+ 324.9922. Found 324.9926.元素分析: Calcd for C14H4F10O3S2: C, 35.45%; H, 0.85%. Found: C, 35.65%; H, 0.88%。

0086

本発明の生成物を得、そして反応混合物からの単純な濾過によって、良好な収率で容易に単離した。この濾過手順は、経済的な産業上の大規模製造のために、特に有用である。

0087

比較例1。

0088

トリフルオロメタンスルホン酸無水物(6.08g,21.6mmol)を、乾燥トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(2.81g,18mmol)および乾燥ニトロメタン(15mL)の撹拌混合物に、窒素雰囲気下室温で添加した。この混合物を3時間撹拌した後に、ビフェニル(0.93g,6.0mmol)の乾燥ニトロメタン(5mL)中の溶液を添加し、そしてこの混合物を室温で60時間撹拌した。ベンゾトリフルオリドを標準物質として使用する、この反応溶液の19FNMR分析は、S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート(梅本試薬)がほんの3%の収率で生成し、そして多量の副生成物が生成したことを示した。

0089

上記のように、梅本試薬であるS−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートの調製を、3,3’−ジフルオロビフェニルの代わりにビフェニルを使用して、実施例1においてと同じ方法で試みた。しかし、3%のみの梅本試薬が生成され、そして多量の副生成物が生成した。逆に、実施例1〜7に例示されるように、本発明により発明された特定のハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩は、良好な収率で調製される。従って、本発明の化合物は、以前の梅本試薬と比較して、特に有用である。

0090

実施例8。

0091

2.54g(9.15mmol)のテトラブチルアンモニウムクロリドの、10mLのアセトニトリル中の溶液を、4.0g(9.13mmol)の2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートの、120mLのアセトニトリル中の撹拌溶液に添加した。この混合物を一晩撹拌した後に、生じた沈殿物を濾過して、2.88g(97%)の2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムクロリドを得た。その特性およびスペクトルデータを以下に示す:分解開始点230℃(TGA/DSCによる)(MeOH−Et2Oから再結晶);1H照射を用いる19F NMR(376.5MHz,DMSO-d6) δ -53.51 (3F, s, CF3), -102.80 (2F, s, 2,8-F); 1H NMR (400.2 MHz, DMSO-d6) δ 7.81 (2H, dt, J=2.6, 8.8 Hz, 3,7-H), 8.55 (2H, dd, J=8.8, 2.6 Hz, 1,9-H), 8.78 (2H, dd, J=8.8, 4.8 Hz, 4,6-H); 13C NMR (100.6 MHz, DMSO-d6) δ 113.5 (d, J=26.6 Hz), 119.7 (d, J=24.7 Hz), 123.3 (quartet, J=334.9 Hz), 124.9 (d, J=2.3 Hz), 132.4 (d, J=10.5 Hz), 114.7 (dd, J=11.1, 2.3 Hz), 166.6 (d, J=253.8 Hz). IR (KBr) 3010, 2985, 1590, 1581, 1475, 1434, 1220, 1206, 1179, 1124, 1113, 1079, 1042, 940, 912, 828, 749, 569, 491, 445, 410 cm-1;高分解能質量スペクトル(ESI法) calcd for C13H6F5S (M-Cl)+, 289.0110. Found 289.0115.元素分析: Calcd for C13H6F5ClS: C, 48.09%; H, 1.86%. Found: C, 48.03%; H, 1.92%。

0092

実施例9。

0093

1.68g(6.0mmol)のテトラブチルアンモニウムクロリドの、5mLのアセトニトリル中の溶液を、2.84g(6.0mmol)の2,3,7,8−テトラフルオロ−S−(トリフルオロエムチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート(2,3,7,8-tetrafluoro-S-(trifluoroemthyl)dibenzothiophenium trifluoromethanesulfonate)の、80mLのアセトニトリル中の撹拌溶液に添加した。この混合物を一晩撹拌した後に、生じた沈殿物を濾過により集めて、1.84g(85%)の2,3,7,8−テトラフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムクロリドを白色固体として得た。MeOH/tert−ブチルメチルエーテルからの再結晶によって、純粋なサンプルを得た。その物理データおよびスペクトルデータを以下に示す:分解開始点217℃(TGA/DSCによる):19F NMR(376.5MHz,DMSO-d6) δ -51.84 (3F, S), -126.26 (2F, d, J=21.1 Hz), -130.44 (2F, d, J=21.5 Hz); 1H NMR (400.1 MHz, DMSO-d6) δ 9.02 (2H, dd, J=9.2, 7.2 Hz), 8.76 (2H, dd, J=10.4, 7.2Hz); 13C NMR (100.6 MHz, DMSO-d6) δ -114.91 (d, J=22.0 Hz, 1 or 4-C), -119.51 (d, J=24.2 Hz, 1 or 4-C), -123.13 (quartet, J=338.0 Hz, CF3SO3), -126.71 (d, J=7.6 Hz), -138.18 (d, J=10.2 Hz), -150.64 (dd, J=254.5, 14.2 Hz, 2 or 3-C), -154.35 (dd, J=256.2, 13.3 Hz, 2 or 3-C); IR (KBr) 3042, 29878, 1606, 1522, 1489, 1435, 1418, 1273, 1234, 1215, 1076, 999, 918, 895, 783, 750, 625, 571, 523, 455 cm-1;高分解能質量スペクトル(ESI法) calcd for [C13H4F7S]+ (M-Cl)+ 324.9922. Found 324.9921.元素分析: Calcd for C13H4ClF7S: C, 43.29%; H, 1.12%. Found: C, 43.24%; H, 1.14%。

0094

実施例10。

0095

丸底フラスコに、2.0g(4.57mmol)の2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートおよび60mlのアセトニトリルを入れた。この均質な溶液に、1.47g(4.57mmol)のテトラブチルアンモニウムブロミドの、6mlのアセトニトリル中の溶液をゆっくりと添加した。一晩撹拌した後に、生じた沈殿物を濾過して、1.28g(76%)の2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムブロミドを黄色固体として得た。この生成物をメタノールから再結晶して、そのメタノール付加体を、C13H6BrS・1/2(CH3OH)として得た。その物理データおよびスペクトルデータは、以下のとおりである:分解開始点182℃(メタノールから再結晶)(TGA/DSCによる);1H照射を用いる19F NMR(376.5MHz,DMS-d6) δ -53.17 (3F, s, CF3), -102.42 (2F, s, 2,8-F); 1H NMR (400.2 MHz, DMSO-d6) δ 8.82 (2H, dd, J=4.6, 8.8 Hz, 4,6-H), 8.57 (2H, dd, J=2.8, 8.8 Hz, 1,9-H), 7.81 (2H, dt, J=2.8, 8.8 Hz, 3,7-H), 4.0 (broad peak, OH), 3.17 (1.4H, s, CH3); 13C NMR (100.6 MHz, DMSO-d6) δ 166.7 (d, J=254.5 Hz), 143.7 (dd, J=2.0, 11.1 Hz), 132.6 (d, J=10.1 Hz), 127.6 (s), 122.6 (quartet, J=334.3 Hz), 119.9 (d, J=24.1 Hz), 113.6 (d, J=27.2 Hz), 48.9 (s); IR (KBr) 3443, 3019, 2990, 1583, 1475, 1438, 1300, 1217, 1178, 1124, 1081, 1041, 945, 902, 829, 750, 721, 568, 491, 441, 411 cm-1;高分解能質量スペクトル(ESI法) calcd for C13H6F5S (M-Br)+, 289.0110. Found 289.0113.元素分析: Calcd for C13H6BrF5S・1/2CH3OH: C, 42.10%; H, 2.09%. Found: C, 41.90%; H, 1.94%。

0096

実施例11。

0097

2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムクロリド(0.30g,0.924mmol)を、テトラフルオロホウ酸ナトリウム(0.101g,0.920mmol)のメタノール(5mL)中の撹拌溶液に40℃で添加した。この混合物が均質な溶液になった後に、これを室温まで冷却し、次いで15mLのアセトニトリルをゆっくりと添加した。生じた白色沈殿物(NaCl)を濾過により除去し、そしてその濾液を完全にエバポレートした。アセトニトリル(15mL)を添加した後に、その不溶性の固体を濾過により除去し、そしてその濾液を完全にエバポレートして、その生成物を結晶性固体として得、これをアセトニトリル−ジエチルエーテルから再結晶して、0.27g(78%の収率)の純粋な2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムテトラフルオロボレートを得た。その特性およびスペクトルデータを以下に示す:分解開始点185℃(TGA/DSCによる)(アセトニトリル−ジエチルエーテルから再結晶);1H照射を用いる19F NMR(376.5MHz,DMSO-d6) δ -53.24 (3F, s, CF3), -101.80 (2F, s, 2,8-F), -148.24 (4F, s, BF4); 1H NMR (400.2 MHz, DMSO-d6) δ 7.82 (2H, dt, J=2.6, 8.9 Hz, 3,7-H), 8.55 (2H, J=8.8, 2.6 Hz, 1,9-H), 8.75 (2H, J=8.8, 4.8 Hz, 4,6-H); 13C NMR (100.6 MHz, DMSO-d6) δ 113.7 (d, J=26.6 Hz), 120.1 (d, J=24.6 Hz), 123.0 (quartet, J=332.2 Hz), 132.9 (d, J=10.7 Hz), 143.8 (dd, J=11.0, 2.3 Hz), 116.9 (d, J=254.7 Hz); IR (KBr) 3101, 2984, 1591, 1479, 1437, 1300, 1252, 1223, 1182, 1082, 943, 881, 829, 756, 573, 522, 490, 456, 441, 429, 409 cm-1;高分解能質量スペクトル(ESI法) calcd for C13H6F5S (M-BF4)+, 289.0110. Found 289.0110.元素分析: Calcd for C13H6F9SB: C, 41.52%; H, 1.61%. Found: C, 41.78%; H, 1.64%。

0098

実施例12。

0099

テトラフルオロホウ酸ナトリウム(0.33g,3mmol)を、2,3,7,8−テトラフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムクロリド(1.08g,3mmol)のメタノール(15mL)中の撹拌溶液に添加した。この混合物を室温で1時間撹拌し、次いで30mLのアセトニトリルを滴下により添加した。生じた沈殿物(NaCl)を濾過により除去し、そしてその濾液を完全にエバポレートして乾固させた。アセトニトリル(30mL)を添加した後に、その不溶性の固体(NaCl)を濾過により除去し、そしてその濾液を完全にエバポレートして乾固させて、0.99g(80%の収率)の生成物を白色固体として得た。アセトニトリル/tert−ブチルメチルエーテルからの再結晶によって、純粋な生成物を得た。その物理データおよびスペクトルデータを以下に示す:分解開始点152℃(TGA/DSCによる):19F NMR(376.5MHz,DMSO-d6) δ -51.50 (3F, s), -124.92 (2F, d, J=21.5 Hz),-129.45 (2F, d, J=21.5 Hz), -148.21 (4F, s); 1H NMR (400.1 MHz, DMSO-d6) δ 8.86 (2H, dd, J=8.6, 7.4 Hz), 8.75 (2H, dd, J=10.0, 7.2Hz); 13C NMR (100.6 MHz, DMSO-d6) δ -115.18 (d, J=22.1 Hz, 1 or 4-C), -120.02 (d, J=24.1 Hz, 1 or 4-C), -123.19 (quartet, J=333.7 Hz, CF3SO3), -123.66 (d, J=7.6 Hz), -138.38 (d, J=10.5 Hz), -150.96 (dd, J=255.6, 14.2 Hz, 2 or 3-C), -154.92 (dd, J=257.3, 13.1 Hz, 2 or 3-C); IR (KBr) 3063, 1609, 1489, 1437, 1420, 1279, 1246, 1179, 1040, 1001, 899, 783, 756, 625, 571, 523, 457 cm-1;高分解能質量スペクトル(ESI法) calcd for [C13H4F7S]+ (M-BF4)+ 324.9922. Found 324.9925。

0100

実施例13。

0101

丸底フラスコに、1.09g(6.47mmol)のヘキサフルオロリン酸ナトリウムおよび20mlのメタノールを入れた。この混合物が均質になった後に、2.1g(6.47mmol)の2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムクロリドを添加し、そしてこの混合物を1時間撹拌した。この均質な溶液に、150mLのアセトニトリルを添加し、そしてこの混合物を2時間撹拌した。生じた沈殿物(NaCl)を濾過により除去し、そしてその濾液をエバポレートして乾固させた。その残渣に、120mLのアセトニトリルを添加し、そして生じた沈殿物(NaCl)を濾過により除去した。その濾液をエバポレートして乾固させて、結晶性固体を得、これをアセトニトリル−ジエチルエーテルから再結晶して、1.84g(66%)の2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムヘキサフルオロホスフェート白色結晶として得た。分解開始点186℃(TGA/DSCによる);1H照射を用いる19F NMR(376.5MHz,DMSO-d6) δ -53.23 (3F, s, CF3), -70.13 (6F, d, J=711.2 Hz,PF6), -101.80 (2F, s, 2,8-F); 1H NMR (400.2 MHz, DMSO-d6) δ 8.76 (2H, dd, J=4.6, 8.9 Hz, 4,6-H), 8.56 (2H, dd, J=2.7, 8.9 Hz, 1,9-H), 7.83 (2H, dt, J=2.7, 8.9 Hz, 3,7-H); 13C NMR (100.6 MHz, DMSO-d6) δ -166.9 (d, J=254.7 Hz, 2,8-C), -143.7 (dd, J=11.1, 2.0 Hz, 10,11-C), -132.9 (d, J=10.6 Hz, 4,6-C), -123.4 (quartet, J=331.4 Hz, CF3), -123.0 (d, J=2.2 Hz, 12,13-C), -120.1 (d, J=24.6 Hz, 1,9- or 3,8-C), -113.7 (d, J=26.2 Hz, 1,9- or 3,8-C); IR (KBr) 3101, 1596, 1481, 1440, 1413, 1302, 1260, 1233, 1178, 1128, 1067, 1043, 944, 894, 845, 822, 756, 742, 571, 558, 491, 454, 431, 409 cm-1;高分解能質量スペクトル(ESI法) calcd for C13H6F5S (M-PF6)+, 289.0110. Found 289.0106。

0102

実施例14。

0103

1.09g(3.20mmol)のテトラブチルアンモニウムスルフェートの、6mLのアセトニトリル中の溶液を、1.49g(3.20mmol)の2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートの、25mLのアセトニトリル中の撹拌溶液に室温で滴下により添加した。次いで、この混合物を室温で一晩撹拌した。その後、この反応混合物を濾過して、0.89g(70%)の2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムスルフェートを白色固体として得た。この固体をメタノール−ジエチルエーテルから再結晶して、分析用のサンプルを得た。再結晶により得られた結晶を、以下の元素分析によって、一水和物であると特定した。分解開始点155℃(TGA/DSCによる);1H照射を用いる19F NMR(376.5MHz,DMSO-d6) δ -53.27 (3F, s, CF3), -101.81 (2F, s, 2,8-F); 1H NMR (400.2 MHz, DMSO-d6) δ 8.76 (2H, dd, J=4.8, 9.0 Hz, 4,6-H), 8.56 (2H, dd, J=2.4, 9.0 Hz, 1,9-H), 7.83 (2H, dt, J=2.4, 8.8 Hz, 3,7-H); 13C NMR (100.6 MHz, DMSO-d6) δ -166.9 (d, J=254.7 Hz, 2,8-C), -143.8 (dd, J=11.2, 2.3 Hz, 10,11-C), -132.9 (d, J=10.6 Hz, 4,6-C), -123.4 (quartet, J=332.0 Hz, CF3), -123.0 (d, J=2.4 Hz, 12,13-C), -120.1 (d, J=24.7 Hz, 1,9- or 3,8-C), -113.7 (d, J=26.6 Hz, 1,9- or 3,8-C); IR (KBr) 2983, 1592, 1581, 1507, 1477, 1436, 1213, 1177, 1123, 1082, 1040, 943, 884, 827, 584, 567, 490, 441 cm-1.高分解能質量スペクトル(ESI法): Calcd for [C13H6F5S]+ (M-HSO4)+ 289.0110. Found 289.0109. 元素分析: Calcd for C13H7F5O4S2・H2O: C, 38.62%; H, 2.24%. Found: C, 38.79%; H, 2.53%。

0104

実施例15。

0105

窒素雰囲気下で、100mLの三口丸底フラスコに、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(3.9g,25mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸(13.2mL,0.15mol)を入れた。5分間撹拌した後に、3,3’−ジフルオロビフェニル(4.75g,25mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を60℃まで加熱した。60℃で4時間撹拌した後に、この反応混合物を20mLの水と混合し、35mLの重炭酸ナトリウム飽和水溶液中和し、そして酢酸エチルで抽出した。その有機層硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして濾過した。その濾液を完全にエバポレートして乾固させ、そして得られた残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、5.59g(73%)の黄色油状物を得た。これは、3,3’−ジフルオロ−6−(トリフルオロメチルスルフィニル)ビフェニルと3,3’−ジフルオロ−4−(トリフルオロメチルスルフィニル)ビフェニルとの3:1の混合物であった。これらの異性体を、シリカゲルでの注意深いカラムクロマトグラフィーによって純粋な形態で単離し、そして同定した。これらの異性体の各々の物理データおよびスペクトルデータを、以下に示す:3,3’−ジフルオロ−6−(トリフルオロメチルスルフィニル)ビフェニル:油状物;1H照射を用いる19F NMR(376.5MHz,DMSO-d6) δ-73.05 (3F, s, CF3), -105.75 (1F, s, 3 or 3’-F), -112.29 (1F, 3 or 3’-F); 1H NMR (400.1 MHz, DMSO-d6) δ 7.33 (1H, br. dt, J=1.7, 8.6 Hz, 5-H), 7.43-7.62 (4H, m), 7.69 (1H, dt, J=2.5, 8.4 Hz), 8.16 (1H, dd, J=5.6, 8.8 Hz); 13C NMR (100.6 MHz, DMSO-d6) δ 116.3 (d, J=21.0 Hz), 116.8 (d, J=19.8 Hz), 117.0 (d, J=19.6 Hz), 119.1 (d, J=23.4 Hz), 125.5 (quartet, J=340.2 Hz, CF3), 126.1 (d, J=2.6 Hz), 129.0 (d, J=10.3 Hz), 130.1 (s, 6-C), 131.3 (d, J=8.5 Hz), 138.1 (d, J=8.0 Hz), 143.7 (d, J=8.6 Hz), 162.4 (d, J=244.8 Hz, 3 or 3’-C), 165.3 (d, J=252.9 Hz, 3 or 3’-C); IR (ヌジョール) 2959, 2926, 2857, 1578, 1468, 1138, 1090, 872, 829, 789 cm-1.高分解能質量スペクトル(ESI法) calcd for C13H7F5OS 307.0211 (M+H)+. Found (M+H)+ 307.0225。別の異性体である3,3’−ジフルオロ−4−(トリフルオロメチルスルフィニル)ビフェニル:油状物;1H照射を用いる19F NMR (376.6 MHz, CDCl3) δ -74.02 (3F, d, J= 10 Hz, CF3), -111.76 (1F, s, 3’-F), -112.23 (1F, quartet, J= 10 Hz, 3-F); 1H NMR (400.1 MHz, CDCl3) δ 7.16 (1H, td, J=8.4, 2.0 Hz), 7.31 (1H, dm, J=10.0 Hz), 7.37-7.53 (3H, m), 7.65 (1H, dd, J=8.6, 1.4 Hz), 8.04 (1H, t, J=7.4 Hz, 4-H). 高分解能質量スペクトル(ESI法) calcd for C13H7F5OS 307.0211 (M+H)+. Found (M+H)+ 307.0208。

0106

実施例16。

0107

出発物質である3,3’−ジフルオロ−6−(トリフルオロメチルスルフィニル)ビフェニル(2.98g,9.72mmol)を、3,3’−ジフルオロ−6−(トリフルオロメチルスルフィニル)ビフェニルと3,3’−ジフルオロ−4−(トリフルオロメチルスルフィニル)ビフェニルとの3.5:1の混合物として使用した。この出発物質を12.5mLの乾燥ニトロメタンに溶解させ、そしてこの混合物を氷浴上で0〜5℃まで冷却した。この冷却した溶液に、3.53g(12.5mmol)のトリフルオロメタンスルホン酸無水物を滴下により添加した。室温で一晩撹拌した後に、この反応混合物を減圧下でエバポレートして乾固させた。その残渣を10mLのトルエンおよび10mLの水と混合し、そしてこの混合物を30分間撹拌した。生じた沈殿物を濾過により集め、そして10mLのトルエン、次いで20mLの酢酸エチルで洗浄して、3.45g(81%)の、2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートと2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートとの91:9の混合物を白色結晶として得た。これらの生成物を、スペクトル解析により同定した。これらのデータは実施例1に示されている。

0108

実施例17。

0109

1−オキソ−2−インダンカルボン酸メチル(190mg,1mmol)、K2CO3(430mg,3mmol)、およびテトラブチルアンモニウムヨージド(20mg,0.05mmol)のN,N−ジメチルホルムアミドDMF)(10mL)中の撹拌溶液に、2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートと2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートとの97:3の混合物(650mg,1.5mmol)を室温で添加した。この混合物を3時間撹拌した。この反応溶液の、ベンゾトリフルオリドを標準物質として使用する19FNMR分析によって、トリフルオロメチル化生成物である1−オキソ−2−(トリフルオロメチル)インダン−2−カルボン酸メチルは、94%の収率で生成したことが分かった。この生成物を、標準的な後処理(抽出およびカラムクロマトグラフィー)により単離し、そしてスペクトル解析により同定した;19F NMR(376.5MHz, CDCl3) δ −69.3 (s, CF3)。この19F NMR分析は、2,8−ジフルオロジベンゾチオフェンおよび2,6−ジフルオロジベンゾチオフェンが、使用したジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートに基づいて、それぞれ91%および3%の収率で生成したことを示した。これらのスペクトルデータを以下に示す。2,8−ジフルオロジベンゾチオフェン:1H照射を用いる19F NMR (376.5 MHz, CDCl3) δ -117.81 (s); 1H NMR (400.2 MHz, CDCl3) δ 7.24 (2H, dt, J=2.4, 8.8 Hz, 3,7-H), 7.75 (2H, dd, J=2.4, 9.2 Hz, 1.9-H), 7.78 (2H, dd, J=4.8, 8.8 Hz, 4,6-H)。2,6−ジフルオロジベンゾチオフェン:1H照射を用いる19F NMR (376.5 MHz,DMSO-d6) δ -115.33 (s, 6-F), -117.32 (s, 2-F)。

0110

実施例18、19、および20。
2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩(0.75mmol)を、1−オキソ−2−インダンカルボン酸メチル(0.5mmol)、K2CO3(1.5mmol)、およびテトラブチルアンモニウムヨージド(0.025mmol)の、5mLのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の撹拌溶液に窒素雰囲気下室温で添加した。この混合物を1時間撹拌した。この反応混合物を、4−クロロベンゾトリフルオリドを標準物質として使用する19F NMRによって分析した。2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩として、2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート(実施例18)、2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムクロリド(実施例19)、および2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムテトラフルオロボレート(実施例20)を使用した。この19FNMR分析は、トリフルオロメチル化生成物である1−オキソ−2−(トリフルオロメチル)インダン−2−カルボン酸メチルが、実施例18、19、および20においてそれぞれ、85%、91%、および100%の収率で生成したことを示した(表2を参照のこと)。CF3−生成物を標準的な後処理により単離し、そしてスペクトル解析により同定した:19F NMR (376.5MHz, CDCl3) δ -69.3 (s, CF3)。

0111

0112

実施例21。

0113

1−オキソ−2−インダン−カルボン酸メチル(114mg,0.6mmol)、K2CO3(249mg,1.8mmol)、およびテトラブチルアンモニウムヨージド(10mg,0.03mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)中の撹拌溶液に、2,3,7,8−テトラフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート(430mg,0.9mmol)を室温で添加した。この混合物を4時間撹拌した。ベンゾトリフルオリドを標準物質として使用する、この反応溶液の19FNMR分析は、1−オキソ−2−(トリフルオロメチル)インダン−2−カルボン酸メチルが、使用した1−オキソ−2−インダンカルボン酸メチルの量に基づいて、61%の収率で生成し、そして2,3,7,8−テトラフルオロジベンゾチオフェンが、使用した2,3,7,8−テトラフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートの量に基づいて、91%の収率で生成したことを示した。その後、この反応溶液を水(30mL)で希釈し、そして酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、次いで合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、そして完全にエバポレートした。得られた残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより分離した。その生成物を単離し、そしてスペクトル解析により同定した。1−オキソ−2−(トリフルオロメチル)インダン−2−カルボン酸メチルのデータを実施例17に示した。2,3,7,8−テトラフルオロジベンゾチオフェンの物理データおよびスペクトルデータを、以下に示す:2,3,7,8−テトラフルオロジベンゾフェノン:mp 145.3-147.3℃; 1H照射を用いる19F NMR(376.5MHz, CDCl3) δ -136.41 (2F, d, J=20.7 Hz, 3,7- or 2,8-F), -139.69 (2F, d, J=20.7 Hz, 2,8- or 3,7-F); 1H NMR (400.2 MHz, CDCl3) δ 7.61 (2H, dd, J=9.6, 6.8 Hz, 4,6- or 1,9-H), 7.77 (2H, dd, J=10.0, 7.2 Hz, 1,9- or 4,6-H); 13C NMR (100.6 MHz, CDCl3) δ 109.4 (d, J=19.4 Hz), 111.0 (d, J=21.2 Hz), 130.7 (m), 135.1 (d, J=7.8 Hz), 149.4 (dd, J=247.0, 14.2 Hz), 150.1 (dd, J=250.7, 14.7 Hz); IR (KBr) 3076, 1577, 1490, 1439, 1263, 1151, 1059, 907, 861, 831, 774, 666, 625, 572, 520, 438 cm-1。

0114

実施例22、23、および24
ハロゲン化S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩(1mmol)、アニリン(2mmol)、および4−クロロベンゾトリフルオリド(1mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(2mL)中の混合物を、窒素雰囲気下30℃で3時間撹拌した。ハロゲン化S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩として、2,3,7,8−テトラフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート(実施例22)、2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート(実施例23)、および2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート(実施例24)を使用した、アニリン(2mmol)の半分(1mmol)を、この反応のための塩基として使用した。なぜなら、この反応は、1mmolのトリフルオロメタンスルホン酸を生成したからである。4−コロベンゾトリフルオリド(4-Chorobenzotrifluoride)が、19FNMR分析のための標準物質であった。反応混合物の各々を、19F NMRによって分析した。その結果を表3に示す。生成物である2−および4−(トリフルオロメチル)アニリンを、基準試料とのスペクトル比較により同定した。

0115

実施例22と23と23との比較は、反応性が、2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩<2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオヘニウム塩(2,6-difluoro-S-(trifluoromethyl)dibenzothiohenium salt)<2,3,7,8−テトラフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩の順に増大することを示した。具体的には、2,3,7,8−テトラフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩は、トリフルオロメチル化アニリンを、短い反応時間で良好な収率で与えた。

0116

0117

比較例2。
アニリンと、S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート(梅本試薬)との反応を、梅本試薬をハロゲン化S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウム塩の代わりに使用したこと以外は実施例22〜24と同じ方法で行った。その結果を表3に示す。

0118

比較例2と、実施例22、23、および24との比較は、これらのハロゲン化S−(パーフルオロアルキル)ジベンゾチオフェニウム塩が、梅本試薬より強力であることを示した。

0119

実施例25。

0120

2,3,7,8−テトラフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート(0.6mmol)を、3−メチルインドール(0.5mmol)およびN−メチルモルホリン(0.75mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(2mL)中の撹拌溶液に、窒素雰囲気下で添加し、そしてこの反応混合物を室温で6時間撹拌した。この反応混合物を、4−クロロベンゾトリフルオリドを標準物質として使用する19F NMRにより分析した。この分析は、2−トリフルオロメチル−3−メチルインドールが69%の収率で生成したことを示した。この生成物を、標準的な後処理(シリカゲルでのカラムクロマトグラフィーが挙げられる)により単離し、そしてスペクトル解析により同定した:19F NMR (376.6MHz, CDCl3) δ -58.64 ppm (s, CF3)。

0121

実施例26。

0122

CuCl(0.2mmol)、2,4,6−トリメチルピリジン(2mmol)、2.8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートと2,6−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートとの97:3の混合物(525mg,1.2mmol)、および4−(p−トルエンスルホニルオキシ)−1−ブチン(1mmol)を、撹拌棒備え付けシュレンクチューブに添加した。N,N−ジメチルアセトアミド(5mL)を、このチューブアルゴン雰囲気下で添加し、次いでこの反応混合物を30℃で24時間撹拌した。ベンゾトリフルオリドを標準物質として使用する、この反応溶液の19FNMR分析により、トリフルオロメチル化生成物である5−フェニルスルホニルオキシ−1,1,1−トリフルオロ−2−ペンチンは、65%の収率で生成したことが分かった。この生成物を、標準的な後処理(抽出およびカラムクロマトグラフィー)により単離し、そしてこの生成物の報告されたスペクトルデータとの比較により同定した;1H照射を用いる19F NMR(376.5MHz, CDCl3) δ -50.31 (s, CF3)。

0123

実施例27。

0124

100mLのシュレンクチューブに、α−メチルスチレン(236mg,2.0mmol)、2,3,7,8−テトラフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート(1.04g,2.2mmol)、トリス(2,2’−ビピリジンルテニウム(II)ヘキサフルオロホスフェート(9mg,0.01mmol)、およびアセトン(16mL)、および水(2mL)を窒素雰囲気下で入れた。このチューブを、4WのLEDランプから1cm未満の距離に置いた。この溶液を室温で4.5時間照射した。ベンゾトリフルオリドを標準物質として使用する、この反応溶液の19F NMRは、3,3,3−トリフルオロ−1−メチル−1−フェニル−1−プロパノールが、使用したα−メチルスチレンに基づいて、87%の収率で生成し、そして2,3,7,8−テトラフルオロジベンゾチオフェンが、使用した2,3,7,8−テトラフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートに基づいて、93%の収率で生成したことを示した。トリフルオロメチル生成物を、標準的な後処理(抽出およびカラムクロマトグラフィー)により単離し、そしてスペクトル解析により同定した;1H照射を用いる19F NMR (376.5MHz, CDCl3) δ -60.07 (s, CF3)。

0125

実施例28。

0126

2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート(10mmol)および銅粉末(15mmol)の乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の混合物を窒素雰囲気下室温で4時間撹拌した。4−(ブロモメチル安息香酸メチル(5mmol)をこの混合物に添加し、そしてこの反応混合物を60℃で一晩(18時間)撹拌した。ベンゾトリフルオリドを標準物質として使用する、この反応混合物の19FNMR分析は、4−(2’,2’,2’−トリフルオロエチル)安息香酸メチルが77%の収率で生成したことを示した。この生成物を、標準的な後処理により単離し、そしてスペクトル解析により同定した;1H照射を用いる19F NMR(376.5MHz, CDCl3) δ -65.57 (s, CF3)。

0127

実施例29。

0128

ジフェニルホスフィン(0.5mmol)およびピリジン(0.6mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中の撹拌溶液に、2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート(0.6mmol)を窒素雰囲気下室温で添加した。この反応混合物を室温で6時間撹拌した。4−クロロベンゾトリフルオリドを参照物質として使用する、この反応混合物の19FNMR分析は、(トリフルオロメチル)ジフェニルホスフィンが74%の収率で生成したことを示した。この生成物を後処理により単離し、そしてスペクトル解析により同定した:19F NMR(376.6MHz, CDCl3) δ -55.14 (d, J=73.1 Hz)。

0129

実施例30。

0130

2,8−ジフルオロ−S−(トリフルオロメチル)ジベンゾチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート(1.0mmol)を、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム(1.0mmol)および4−クロロベンゾトリフルオリド(1.0mmol)の、5mLのジメチルスルホキシド(DMSO)中の撹拌溶液に、窒素雰囲気下室温で添加し、そしてこの混合物を1時間撹拌した。4−クロロベンゾトリフルオリドが、19FNMR分析のための標準物質であった。この反応混合物の19F NMR分析は、フェニルトリフルオロメチルスルホンが70%の収率で生成したことを示した。この生成物を、標準的な後処理により単離し、そしてスペクトル解析により同定した:19F NMR(376.6MHz, CDCl3) δ -78.50 ppm (s, CF3)。

0131

実施例31。

0132

2,8−および2,6−ジフルオロジベンゾチオフェンの98:2の混合物(0.10g,0.45mmol)、0.8mL(エタノール中)のRaney Ni(Johnson Matthey,USA製のスポンジニッケル触媒A−4F00)、および20mLのエタノールを混合し、そしてこの混合物を還流下で4時間加熱した。その後、フルオロベンゼンを標準物質として使用する、この反応混合物の19FNMR分析は、3,3’−ジフルオロビフェニルが88%の収率で生成したことを示した。この生成物を、標準的な後処理により単離し、そして基準試料を用いるスペクトル比較により同定した。

0133

実施例32。

実施例

0134

2,3,7,8−テトラフルオロジベンゾチオフェン(128mg,0.5mmol)、1.2mL(エタノール中)のRaney Ni(Johnson Matthey, USA製のA−7F63)、および20mLのエタノールを混合し、そしてこの混合物を還流下で4時間加熱した。その後、4−クロロベンゾトリフルオリドを標準物質として使用する、この反応混合物の19FNMR分析は、3,3’,4,4’−テトラフルオロビフェニルが90%の収率で生成したことを示した。この生成物を、標準的な後処理により単離し、そして基準試料を用いるスペクトル比較により同定した。

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