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技術 抗黄色ブドウ球菌抗体リファマイシン複合体及びその使用

出願人 ジェネンテック,インコーポレイテッド
発明者 ブラウン,エリックハゼンボス,ウーターホッツェル,イシドロカジハラ,キンバリーレハール,ソフィーエム.マリアザサン,サンジーヴピロー,トーマススターバン,レアンナヴァーマ,ヴィシャルウェイ,ビンチンシュイ,ミン
出願日 2015年12月2日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2017-528894
公開日 2018年2月8日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2018-503603
状態 特許登録済
技術分野 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 突然変異または遺伝子工学 医薬品製剤 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 微生物、その培養処理 ペプチド又は蛋白質 Nおよび(O又はS)縮合複素環
主要キーワード 外来物体 浮遊性細菌 ガラスチャンバ 総放出量 蒸気圧浸透圧計 例示的構造 調製混合物 複合生成物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年2月8日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

概要

背景

黄色ブドウ球菌(S.アウレウス、SA)は、世界的にヒトにおける細菌感染症の主な原因であり、病院及び社会環境の両方において主要な健康問題を提示する。しかしながら、黄色ブドウ球菌は、病原体に限らず、一般に、健常な個体の前鼻孔及び皮膚に定着する。感染症が発生する場合に、心内膜炎骨髄炎壊死性肺炎、及び敗血症のような最も重篤な感染症が発生し、その後に、血流への細菌の播種が続く(Lowy,F.D.(1998) “Staphylococcus aureus infections” N Engl J Med 339,520−532)。過去数十年にわたって、黄色ブドウ球菌の感染症は、全ての既知ベータラクタム抗生物質に対して耐性であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌MRSA)の出現及び急激な蔓延により、治療するのがますます困難になってきている(Boucher,H.W.,et al.(2009) “Bad bugs,no drugs:noESAPE!An update from the Infectious Diseases Society of America” Clin Infect Dis 48,1−12)。侵襲性MRSA感染症は、治療するのが困難であり、約20%の死亡率を有し、米国では感染体による死亡の主な原因である。そのため、バンコマイソン、リネゾリド、及びダプトマイシンは、侵襲性MRSA感染症を治療するために最適な数少ない抗生物質になっている(Boucher,H.,Miller,L.G.& Razonable,R.R.(2010) “Serious infections caused by methicillin−resistant Staphylococcus aureus” Clin Infect Dis 51 Suppl 2,S183−197)。しかしながら、バンコマイソンに対する感受性の低減、ならびにリネゾリド及びダプトマイシンに対する交差耐性も、MRSA臨床株において既に報告されている(Nannini,E.,Murray,B.E.& Arias,C.A.(2010) “Resistance or decreased susceptibility to glycopeptides,daptomycin,and linezolid in methicillin−resistant Staphylococcus aureus” Curr Opin Pharmacol 10,516−521)。経時的に、耐性を克服するために必要なバンコマイシンの用量は、神経毒性が生じるレベルまで徐々に上昇している。それ故に、侵襲性MRSA感染症による死亡率及び罹患率は、これらの抗生物質にも関わらず、高いままである。

調査は、黄色ブドウ球菌が、細菌排除に関与する食細胞を含む哺乳動物細胞の内部に侵入し、生存することが可能であることを示している(Thwaites,G.E.& Gant,V.(2011) Are bloodstream leukocytes Trojan Horses for the metastasis of Staphylococcus aureus?Nat Rev Microbiol 9,215−222)、Rogers,D.E.,Tompsett,R.(1952) “The survival of staphylococci within human leukocytes” J.Exp.Med 95,209−230)、Gresham,H.D.,et al.(2000) “Survival of Staphylococcus aureus inside neutrophils contributes to infection” J Immunol 164,3713−3722)、Kapral,F.A.& Shayegani,M.G.(1959) “Intracellular survival of staphylococci” J Exp Med 110,123−138、Anwar,S.,et al.(2009) “The rise and rise of Staphylococcus aureus:laughing in the face of granulocytes” Clin Exp Immunol 157,216−224)、Fraunholz,M.& Sinha,B.(2012) “Intracellular Staphylococcus aureus:live−in and let die” Front Cell Infect Microbiol 2,43)、Garzoni,C.& Kelley,W.L.(2011) “Return of the Trojan horse:intracellular phenotype switching and immune evasion by Staphylococcus aureus”EMBO Mol Med 3,115−117)。黄色ブドウ球菌は、宿主食細胞、主に好中球及びマクロファージによって、静脈内感染から数分以内に取り込まれる(Rogers,D.E.(1956) “Studies on Bacterimia:Mechanisms Relating to the Persistence of Bacteremia in Rabbits Following the Intravanous Injection of Staphylococci” JEM 103,713)。細菌の大部分は、これらの細胞によって有効に死滅するが、血液感染性食細胞の内部の黄色ブドウ球菌の不完全な排除は、これらの感染した細胞を感染の原発部位から離れた細菌の播種のための「危険性をはらんだもの」としての役割を果たし得る。実際には、正常な好中球数を有する患者は、好中球数が低減した患者よりも播種性疾患によりかかりやすい傾向がある(Thwaites,G.E.& Gant,V.(2011)上記参照)。一旦組織送達されると、黄色ブドウ球菌は、様々な非食細胞型に侵入し得、組織における細胞内黄色ブドウ球菌は、慢性または反復性感染症と関連がある。さらに、準最適な抗生物質濃度における細胞内細菌曝露は、抗生物質耐性株の出現を促し、よって、この臨床的問題をさらに深刻にする場合がある。これらの観察と一致して、バンコマイソンまたはダプトマイシンによる菌血症または心内膜炎のような侵襲性MRSA感染症に罹患している患者の治療は、50%を超える失敗率と関連している(Kullar,R.,Davis,S.L.,Levine,D.P.& Rybak,M.J.Impact of vancomycin exposure on outcomes in patients with methicillin−resistant Staphylococcus aureus bacteremia:support for consensus guidelines suggested targets.Clinical infectious diseases:an official publication of the Infectious Diseases Society of America 52,975−981(2011)、Fowler,V.G.,Jr.et al.Daptomycin versus standard therapy for bacteremia and endocarditis caused by Staphylococcus aureus.The New England journal of medicine 355,653−665(2006)、Yoon,Y.K.,Kim,J.Y.,Park,D.W.,Sohn,J.W.& Kim,M.J.Predictors of persistent methicillin−resistant Staphylococcus aureus bacteraemia in patients treated with vancomycin.The Journal of antimicrobial chemotherapy 65:1015−1018(2010))。したがって、より良好な抗ブドウ球菌療法は、細胞内細菌の排除を含むべきである。

アンサマイシンは、リファマイシンリファンピンリファンピシンリファブチンリフペンチンリファラジルABI−1657、及びそれらのアナログを含む抗生物質のクラスであり、これは、細菌RNAポリメラーゼ阻害し、グラム陽性及び選択的グラム陰性細菌に対して並外れ効力を有する(Rothstein,D.M.,et al(2003) Expert Opin.Invest.Drugs 12(2):255−271、US7342011、US7271165)。

黄色ブドウ球菌(MRSAを含む)感染症を予防及び治療するための免疫療法が報告されている。US2011/0262477は、MRSAに対する免疫応答刺激するためのワクチンとして細菌接着タンパク質Eap、Emp、及びAdsAを使用することに関する。WO2000/071585は、特定の黄色ブドウ球菌単離株に対して反応性である単離モノクローナル抗体について記載している。US2011/0059085A1は、1つ以上のSA莢膜抗原に特異的なIgMAbを用いるAbベース戦略示唆しているが、実際の抗体は記載されなかった。

免疫複合体としても知られている抗体薬物複合体ADC)は、強力な細胞毒性薬の標的を抗原発現腫瘍細胞に定め(Teicher,B.A.(2009) Curr.Cancer Drug Targets 9:982−1004)、それによって、有効性最大化してオフターゲット毒性を最小化することにより治療指数を増強することで、抗体と細胞毒性薬の両方の理想的な特性を組み合わせている、標的が定められた化学療法分子である(Carter,P.J.and Senter P.D.(2008) The Cancer J..14(3):154−169、Chari,R.V.(2008) Acc.Chem.Res.41:98−107。ADCは、リンカー単位を通して細胞毒性薬物部分に共有結合される標的抗体を含む。免疫複合体は、腫瘍への薬物部分の標的化された送達を可能にし、複合されていない薬物の全身投与が、正常な細胞、及び排除されることが求められる腫瘍細胞にとって許容できないレベルの毒性をもたらし得る場合に、腫瘍中の細胞内蓄積を可能にする(Polakis P.(2005) Curr.Opin.Pharmacol.5:382−387)。

非特異的な免疫グロブリン−抗生物質複合体は、敗血症を治療するために、抗生物質を介して標的細菌の表面に結合することが記載されている(US5,545,721、US6,660,267)。抗生物質複合抗体は、細菌性抗原(SA莢膜多糖類等)に特異的な抗原結合部分を有することが記載されているが、細菌性Fc結合タンパク質、例えば、ブドウ球菌タンパク質Aと反応する定常領域を欠いている(US7569677)。

従来の抗生物質に対するMRSAの驚くべき耐性率ならびに侵襲性MRSA感染症による結果として生じる死亡率及び罹患率を考慮して、黄色ブドウ球菌感染症を治療するために新しい治療薬の高い満たされていない要求がある。本発明は、この必要性を満たし、現在の治療組成物限界を克服し、以下の詳細から明らかであろうさらなる利点を提供する組成物及び方法を提供する。

概要

本発明は、抗黄色ブドウ球菌抗体リファマイシン抗生物質複合体及びその使用方法を提供する。

目的

本発明は、この必要性を満たし、現在の治療組成物の限界を克服し、以下の詳細から明らかであろうさらなる利点を提供する

効果

実績

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請求項1

プロテアーゼ切断可能な非ペプチドリンカーによって、リファマイシン抗生物質共有結合される、抗壁テイコ酸(WTA)抗体を含む、抗体−抗生物質複合化合物

請求項2

以下の式、Ab−(PML−abx)p、を有し、式中、Abが、前記抗壁テイコ酸抗体であり、PMLが、以下の式、−Str−PM−Y−を有する、前記プロテアーゼ切断可能な非ペプチドリンカーであって、式中、Strがストレッチャー単位であり、PMがペプチドミメティック単位であり、Yがスペーサー単位であり、abxが、前記リファマイシン型抗生物質であり、pが、1〜8の整数である、請求項1に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項3

前記リファマイシン型抗生物質が、リファラジル型抗生物質である、請求項2に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項4

前記リファマイシン型抗生物質が、前記プロテアーゼ切断可能な非ペプチドリンカーに結合している第4級アミンを含む、請求項2に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項5

式Iを有し、I式中、破線が、任意選択の結合を示し、Rが、H、C1−C12アルキル、またはC(O)CH3であり、R1がOHであり、R2がCH=N−(ヘテロシクリル)であり、式中、前記ヘテロシクリルが、C(O)CH3、C1−C12アルキル、C1−C12ヘテロアリール、C2−C20ヘテロシクリル、C6−C20アリール、及びC3−C12カルボシクリルから独立して選択される1つ以上の基と任意に置換されるか、または、R1及びR2が、5または6員縮合ヘテロアリールまたはヘテロシクリルを形成し、任意に、スピロまたは縮合員ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール、またはカルボシクリル環を形成し、前記スピロまたは縮合6員ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール、またはカルボシクリル環が、任意に置換されたH、F、Cl、Br、I、C1−C12アルキル、またはOHであり、PMLが、R2と結合している前記プロテアーゼ切断可能な非ペプチドリンカー、またはR1及びR2によって形成された前記縮合ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルであり、Abが、前記抗壁テイコ酸(WTA)抗体である、請求項2に記載の前記抗体−抗生物質複合化合物。

請求項6

以下の式を有し、式中、R3が、独立して、H及びC1−C12アルキルから選択され、nが、1または2であり、R4が、H、F、Cl、Br、I、C1-C12アルキル、及びOHから選択され、Zが、NH、N(C1-C12アルキル)、O、及びSから選択される、請求項5に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項7

以下の式を有し、式中、R5が、H及びC1−C12アルキルから選択され、nは、0または1である、請求項2に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項8

以下の式を有し、式中、R5が、H及びC1−C12アルキルから選択され、nは、0または1である、請求項2に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項9

以下の式を有し、式中、R5が、独立して、H及びC1-C12アルキルから選択され、nは、0または1である、請求項2に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項10

以下の式を有し、式中、R3が、独立して、H及びC1-C12アルキルから選択され、nが、1または2である、請求項2に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項11

以下の式を有する、請求項10に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項12

Strが、以下の式を有し、式中、R6が、C1−C12アルキレン、C1−C12アルキレン−C(=O)、C1−C12アルキレン−NH、(CH2CH2O)r、(CH2CH2O)r−C(=O)、(CH2CH2O)r−CH2、及びC1−C12アルキレン−NHC(=O)CH2CH(チオフェン−3−イル)からなる群から選択され、式中、rが、1〜10の範囲内の整数である、請求項2に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項13

R6が、(CH2)5である、請求項12に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項14

PMが、以下の式を有し、式中、R7及びR8が合わせて、C3−C7シクロアルキル環を形成し、AAが、H、−CH3、−CH2(C6H5)、−CH2CH2CH2CH2NH2、−CH2CH2CH2NHC(NH)NH2、−CHCH(CH3)CH3、及び−CH2CH2CH2NHC(O)NH2から選択されるアミノ酸側鎖である、請求項2に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項15

Yが、パラ−アミノベンジルまたはパラ−アミノベンジルオキシカルボニルを含む、請求項2に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項16

以下の式を有する、請求項2に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項17

以下の式を有する、請求項16に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項18

以下の式を有する、請求項15に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項19

以下の式を有する、請求項18に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項20

以下の式、及びから選択される、請求項15に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項21

以下の式、、、、、、及びから選択される、請求項16に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項22

前記抗体が、抗WTAαモノクローナル抗体である、請求項1に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項23

前記抗壁テイコ酸(WTA)抗体が、軽(L)鎖及び重(H)鎖を含む単離モノクローナル抗体であり、前記L鎖が、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含み、前記H鎖が、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含み、前記CDRL1、CDRL2、及びCDRL3、ならびにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3が、表1A及び1B中に示されるように、それぞれ、Abs4461(配列番号1〜6)、4624(配列番号7〜12)、4399(配列番号13〜18)、及び6267(配列番号19〜24)の各々の前記CDRのアミノ酸配列を含む、請求項22に記載の抗体−抗生物質複合体。

請求項24

前記抗壁テイコ酸(WTA)抗体が、重鎖可変領域(VH)を含み、前記VHが、それぞれ、抗体4461、4624、4399、及び6267の配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32の前記VH配列から選択される前記VH領域の長さにわたって少なくとも95%の配列同一性を含む、請求項22に記載の抗体−抗生物質複合体。

請求項25

L鎖可変領域(VL)をさらに含み、前記VLが、それぞれ、抗体4461、4624、4399、及び6267の配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31の前記VL配列から選択される前記VL領域の長さにわたって少なくとも95%の配列同一性を含む、請求項24に記載の抗体−抗生物質複合体。

請求項26

前記抗体が、抗WTAβモノクローナル抗体である、請求項1に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項27

前記抗WTAβ抗体が、軽鎖及びH鎖を含み、前記L鎖が、CDRL1、CDRL2、及びCDRL3を含み、前記H鎖が、CDRH1、CDRH2、及びCDRH3を含み、前記CDRL1、CDRL2、及びCDRL3、ならびにCDRH1、CDRH2、及びCDRH3が、図12中に示されるAb(配列番号33〜110)の各々の対応するCDRのアミノ酸配列を含む、請求項26に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項28

前記抗WTAβ抗体が、L鎖可変領域(VL)を含み、前記VLが、図15A−1、15A−2、15A−3中に示されるように、Kabat位置1〜107で、それぞれ、抗体6078、6263、4450、6297、6239、6232、6259、6292、4462、6265、6253、4497、及び4487の各々に対応する前記VL配列から選択される前記VL領域の長さにわたって少なくとも95%の配列同一性を含む、請求項26に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項29

抗WTAβ抗体が、重鎖可変領域(VH)をさらに含み、前記VHが、図15B−1〜15B−6中に示されるように、Kabat位置1〜113で、それぞれ、抗体6078、6263、4450、6297、6239、6232、6259、6292、4462、6265、6253、4497、及び4487の各々に対応する前記VH配列から選択される前記VH領域の長さにわたって少なくとも95%の配列同一性を含む、請求項28に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項30

前記VLが、配列番号111の配列を含み、前記VHが、配列番号112の配列を含み、式中、Xが、QまたはEであり、X1が、M、I、またはVである、請求項29に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項31

前記抗体軽鎖が、操作システインを含み、配列番号115の配列を含み、前記H鎖が、配列番号116を含み、式中、Xが、M、I、またはVである、請求項26に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項32

前記抗体軽鎖が、配列番号113の配列を含み、前記H鎖が、操作システインを含み、配列番号117を含み、式中、Xは、M、I、またはVである、請求項26に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項33

前記抗体軽鎖が、操作システインを含み、配列番号115の配列を含み、前記H鎖が、操作システインを含み、配列番号117を含み、式中、Xは、M、I、またはVである請求項26に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項34

前記抗WTAβ抗体が、VH及びVLを含み、前記VHが、配列番号156の前記VHの長さにわたって少なくとも95%の配列同一性を含み、前記VLが、配列配列番号119の前記VLの長さにわたって少なくとも95%の配列同一性を含む、請求項26に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項35

前記WTAβ抗体が、配列番号156の配列を含むVHと、配列番号119の配列を含むVLとを含む、請求項26に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項36

前記抗WTAβ抗体が、配列番号121の配列を含むL鎖と、配列番号124の配列を含むH鎖とを含む、請求項26に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項37

前記抗WTAβ抗体が、配列番号123の配列を含むL鎖と、配列番号157の配列を含むH鎖とを含む、請求項26に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項38

前記抗WTAβ抗体が、配列番号123の配列を含むL鎖と、配列番号124の配列を含むH鎖とを含む、請求項26に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項39

前記抗体が、i)配列番号99〜104のL鎖及びH鎖のCDR、もしくは配列番号33〜38のL鎖及びH鎖のCDR、またはii)配列番号120もしくは配列番号156のVHと対となる配列番号119もしくは配列番号123の前記VL、またはiii)配列番号112の前記VHと対となる配列番号111の前記VL、を含む、請求項1に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項40

前記抗壁テイコ酸(WTA)抗体が、黄色ブドウ球菌と結合する、請求項1に記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項41

前記抗体が、F(ab)またはF(ab’)2である、先行請求項のいずれかに記載の抗体−抗生物質複合化合物。

請求項42

請求項1に記載の抗体−抗生物質複合化合物と、薬学的に許容される担体流動促進剤希釈剤、または賦形剤とを含む、薬学的組成物

請求項43

患者における細菌感染症治療する方法であって、前記患者に、治療有効量の請求項1に記載の抗体−抗生物質複合化合物を投与することを含む、前記方法。

請求項44

請求項1に記載の抗WTA−抗生物質複合体を投与することによって、宿主細胞死滅させることなく、黄色ブドウ球菌に感染した患者の前記細胞中細胞内黄色ブドウ球菌を死滅させる方法。

請求項45

リファマイシン型抗生物質を抗壁テイコ酸(WTA)抗体し細菌感染症を治療するためのキットであって、a)請求項23に記載の薬学的組成物と、b)使用説明書と、を含む、前記キット。

請求項47

式IIを有する抗生物質−リンカー中間体であって、II式中、破線が、任意選択の結合を示し、Rが、H、C1−C12アルキル、またはC(O)CH3であり、R1がOHであり、R2がCH=N−(ヘテロシクリル)であり、式中、前記ヘテロシクリルが、C(O)CH3、C1−C12アルキル、C1−C12ヘテロアリール、C2−C20ヘテロシクリル、C6−C20アリール、及びC3−C12カルボシクリルから独立して選択される1つ以上の基と任意に置換されるか、または、R1及びR2が、5または6員縮合ヘテロアリールまたはヘテロシクリルを形成し、任意に、スピロまたは縮合6員ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール、またはカルボシクリル環を形成し、前記スピロまたは縮合6員ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール、またはカルボシクリル環が、任意に置換されたH、F、Cl、Br、I、C1−C12アルキル、またはOHであり、PMLが、R2、またはR1及びR2によって形成される前記縮合ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルと結合し、式、−Str−PM−Y−を有し、式中、Strがストレッチャー単位であり、PMがペプチドミメティック単位であり、Yがスペーサー単位である、プロテアーゼ切断可能な非ペプチドリンカーであり、Xが、マレイミドチオールアミノ臭化物ブロモアセトアミドヨードアセトアミド、p−トルエンスルホナートヨウ化物ヒドロキシルカルボキシルピリジルジスルフィド、及びN−ヒドロキシスクシンイミドから選択される反応性官能基である、前記抗生物質−リンカー中間体。

請求項48

Xが、またはである、請求項47に記載の抗生物質−リンカー中間体。

請求項49

以下の式を有し、式中、R3が、独立して、H及びC1−C12アルキルから選択され、nが、1または2であり、R4が、H、F、Cl、Br、I、C1−C12アルキル、及びOHから選択され、Zが、NH、N(C1−C12アルキル)、O、及びSから選択される、請求項47に記載の前記抗生物質−リンカー中間体。

請求項50

以下の式を有する、請求項47に記載の抗生物質−リンカー中間体。

請求項51

以下の式、、、、、、及びから選択される、請求項47に記載の抗生物質−リンカー中間体。

請求項52

前記患者が、ブドウ球菌系細菌に感染する、請求項43に記載の方法。

請求項53

前記患者が、黄色ブドウ球菌に感染する、請求項52に記載の方法。

請求項54

前記抗体−抗生物質複合化合物が、前記患者に、約50mg/kg〜100mg/kgの範囲内の用量で投与される、請求項43に記載の方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2014年12月3日に出願された米国仮出願第62/087,184号の利益を主張し、これは、参照によりその全体が全ての目的のために組み込まれる。

0002

配列表
本出願は、ASCII形式電子的に提出された配列表を含み、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2015年11月20日に作成された上記ASCIIコピーは、P32433−WO_SL.txtという名称であり、190541バイトのサイズである。

0003

本発明は、ブドウ球菌感染症治療における、リファマイシン抗生物質複合された抗壁テイコ酸(「抗WTA」)抗体及びその結果として得られる抗体−抗生物質複合体の使用に関する。

背景技術

0004

黄色ブドウ球菌(S.アウレウス、SA)は、世界的にヒトにおける細菌感染症の主な原因であり、病院及び社会環境の両方において主要な健康問題を提示する。しかしながら、黄色ブドウ球菌は、病原体に限らず、一般に、健常な個体の前鼻孔及び皮膚に定着する。感染症が発生する場合に、心内膜炎骨髄炎壊死性肺炎、及び敗血症のような最も重篤な感染症が発生し、その後に、血流への細菌の播種が続く(Lowy,F.D.(1998) “Staphylococcus aureus infections” N Engl J Med 339,520−532)。過去数十年にわたって、黄色ブドウ球菌の感染症は、全ての既知ベータラクタム抗生物質に対して耐性であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌MRSA)の出現及び急激な蔓延により、治療するのがますます困難になってきている(Boucher,H.W.,et al.(2009) “Bad bugs,no drugs:noESAPE!An update from the Infectious Diseases Society of America” Clin Infect Dis 48,1−12)。侵襲性MRSA感染症は、治療するのが困難であり、約20%の死亡率を有し、米国では感染体による死亡の主な原因である。そのため、バンコマイソン、リネゾリド、及びダプトマイシンは、侵襲性MRSA感染症を治療するために最適な数少ない抗生物質になっている(Boucher,H.,Miller,L.G.& Razonable,R.R.(2010) “Serious infections caused by methicillin−resistant Staphylococcus aureus” Clin Infect Dis 51 Suppl 2,S183−197)。しかしながら、バンコマイソンに対する感受性の低減、ならびにリネゾリド及びダプトマイシンに対する交差耐性も、MRSA臨床株において既に報告されている(Nannini,E.,Murray,B.E.& Arias,C.A.(2010) “Resistance or decreased susceptibility to glycopeptides,daptomycin,and linezolid in methicillin−resistant Staphylococcus aureus” Curr Opin Pharmacol 10,516−521)。経時的に、耐性を克服するために必要なバンコマイシンの用量は、神経毒性が生じるレベルまで徐々に上昇している。それ故に、侵襲性MRSA感染症による死亡率及び罹患率は、これらの抗生物質にも関わらず、高いままである。

0005

調査は、黄色ブドウ球菌が、細菌排除に関与する食細胞を含む哺乳動物細胞の内部に侵入し、生存することが可能であることを示している(Thwaites,G.E.& Gant,V.(2011) Are bloodstream leukocytes Trojan Horses for the metastasis of Staphylococcus aureus?Nat Rev Microbiol 9,215−222)、Rogers,D.E.,Tompsett,R.(1952) “The survival of staphylococci within human leukocytes” J.Exp.Med 95,209−230)、Gresham,H.D.,et al.(2000) “Survival of Staphylococcus aureus inside neutrophils contributes to infection” J Immunol 164,3713−3722)、Kapral,F.A.& Shayegani,M.G.(1959) “Intracellular survival of staphylococci” J Exp Med 110,123−138、Anwar,S.,et al.(2009) “The rise and rise of Staphylococcus aureus:laughing in the face of granulocytes” Clin Exp Immunol 157,216−224)、Fraunholz,M.& Sinha,B.(2012) “Intracellular Staphylococcus aureus:live−in and let die” Front Cell Infect Microbiol 2,43)、Garzoni,C.& Kelley,W.L.(2011) “Return of the Trojan horse:intracellular phenotype switching and immune evasion by Staphylococcus aureus”EMBO Mol Med 3,115−117)。黄色ブドウ球菌は、宿主食細胞、主に好中球及びマクロファージによって、静脈内感染から数分以内に取り込まれる(Rogers,D.E.(1956) “Studies on Bacterimia:Mechanisms Relating to the Persistence of Bacteremia in Rabbits Following the Intravanous Injection of Staphylococci” JEM 103,713)。細菌の大部分は、これらの細胞によって有効に死滅するが、血液感染性食細胞の内部の黄色ブドウ球菌の不完全な排除は、これらの感染した細胞を感染の原発部位から離れた細菌の播種のための「危険性をはらんだもの」としての役割を果たし得る。実際には、正常な好中球数を有する患者は、好中球数が低減した患者よりも播種性疾患によりかかりやすい傾向がある(Thwaites,G.E.& Gant,V.(2011)上記参照)。一旦組織送達されると、黄色ブドウ球菌は、様々な非食細胞型に侵入し得、組織における細胞内黄色ブドウ球菌は、慢性または反復性感染症と関連がある。さらに、準最適な抗生物質濃度における細胞内細菌曝露は、抗生物質耐性株の出現を促し、よって、この臨床的問題をさらに深刻にする場合がある。これらの観察と一致して、バンコマイソンまたはダプトマイシンによる菌血症または心内膜炎のような侵襲性MRSA感染症に罹患している患者の治療は、50%を超える失敗率と関連している(Kullar,R.,Davis,S.L.,Levine,D.P.& Rybak,M.J.Impact of vancomycin exposure on outcomes in patients with methicillin−resistant Staphylococcus aureus bacteremia:support for consensus guidelines suggested targets.Clinical infectious diseases:an official publication of the Infectious Diseases Society of America 52,975−981(2011)、Fowler,V.G.,Jr.et al.Daptomycin versus standard therapy for bacteremia and endocarditis caused by Staphylococcus aureus.The New England journal of medicine 355,653−665(2006)、Yoon,Y.K.,Kim,J.Y.,Park,D.W.,Sohn,J.W.& Kim,M.J.Predictors of persistent methicillin−resistant Staphylococcus aureus bacteraemia in patients treated with vancomycin.The Journal of antimicrobial chemotherapy 65:1015−1018(2010))。したがって、より良好な抗ブドウ球菌療法は、細胞内細菌の排除を含むべきである。

0006

アンサマイシンは、リファマイシン、リファンピンリファンピシンリファブチンリフペンチンリファラジルABI−1657、及びそれらのアナログを含む抗生物質のクラスであり、これは、細菌RNAポリメラーゼ阻害し、グラム陽性及び選択的グラム陰性細菌に対して並外れ効力を有する(Rothstein,D.M.,et al(2003) Expert Opin.Invest.Drugs 12(2):255−271、US7342011、US7271165)。

0007

黄色ブドウ球菌(MRSAを含む)感染症を予防及び治療するための免疫療法が報告されている。US2011/0262477は、MRSAに対する免疫応答刺激するためのワクチンとして細菌接着タンパク質Eap、Emp、及びAdsAを使用することに関する。WO2000/071585は、特定の黄色ブドウ球菌単離株に対して反応性である単離モノクローナル抗体について記載している。US2011/0059085A1は、1つ以上のSA莢膜抗原に特異的なIgMAbを用いるAbベース戦略示唆しているが、実際の抗体は記載されなかった。

0008

免疫複合体としても知られている抗体薬物複合体ADC)は、強力な細胞毒性薬の標的を抗原発現腫瘍細胞に定め(Teicher,B.A.(2009) Curr.Cancer Drug Targets 9:982−1004)、それによって、有効性最大化してオフターゲット毒性を最小化することにより治療指数を増強することで、抗体と細胞毒性薬の両方の理想的な特性を組み合わせている、標的が定められた化学療法分子である(Carter,P.J.and Senter P.D.(2008) The Cancer J..14(3):154−169、Chari,R.V.(2008) Acc.Chem.Res.41:98−107。ADCは、リンカー単位を通して細胞毒性薬物部分に共有結合される標的抗体を含む。免疫複合体は、腫瘍への薬物部分の標的化された送達を可能にし、複合されていない薬物の全身投与が、正常な細胞、及び排除されることが求められる腫瘍細胞にとって許容できないレベルの毒性をもたらし得る場合に、腫瘍中の細胞内蓄積を可能にする(Polakis P.(2005) Curr.Opin.Pharmacol.5:382−387)。

0009

非特異的な免疫グロブリン−抗生物質複合体は、敗血症を治療するために、抗生物質を介して標的細菌の表面に結合することが記載されている(US5,545,721、US6,660,267)。抗生物質複合抗体は、細菌性抗原(SA莢膜多糖類等)に特異的な抗原結合部分を有することが記載されているが、細菌性Fc結合タンパク質、例えば、ブドウ球菌タンパク質Aと反応する定常領域を欠いている(US7569677)。

0010

従来の抗生物質に対するMRSAの驚くべき耐性率ならびに侵襲性MRSA感染症による結果として生じる死亡率及び罹患率を考慮して、黄色ブドウ球菌感染症を治療するために新しい治療薬の高い満たされていない要求がある。本発明は、この必要性を満たし、現在の治療組成物限界を克服し、以下の詳細から明らかであろうさらなる利点を提供する組成物及び方法を提供する。

0011

本発明は、細胞内細菌の排除を含む特有の治療薬を提供する。本発明は、そのような治療薬がバンコマイソン等の従来の抗生物質が効かないインビボで有効であることを実証する。

0012

本発明は、1つ以上のリファマイシン型抗生物質部分への共有結合によって複合された抗体を含む「抗体−抗生物質複合体」または「AAC」)と称される組成物を提供する。

0013

本発明の一態様は、プロテアーゼ切断可能な非ペプチドリンカーによって、リファマイシン型抗生物質に共有結合される、抗壁テイコ酸(WTA)抗体を含む抗体−抗生物質複合化合物である。

0014

本発明の例示的な実施形態は、式、
Ab−(PML−abx)p、
を有する請求項1に記載の抗体−抗生物質複合体であって、
式中、
Abが、抗壁テイコ酸抗体であり、
PMLが、式、
−Str−PM−Y−
を有する、プロテアーゼ切断可能な非ペプチドリンカーであって、
式中、Strがストレッチャー単位であり、PMがペプチドミメティック単位であり、Yがスペーサー単位であり、
abxが、リファマイシン型抗生物質であり、
pが、1〜8の整数である。

0015

前述の実施形態のいずれかの抗体−抗生物質複合化合物は、本明細書に記載される抗壁テイコ酸(WTA)Abのうちのいずれか1つを含むことができる。これらの抗WTA抗体は、黄色ブドウ球菌に結合する。一実施形態では、抗体は、抗WTAαモノクローナル抗体である。例示的な抗WTAα抗体において、このAbは、軽(L)鎖及び重(H)鎖を含む単離モノクローナル抗体であり、L鎖は、CDRL1、CDR L2、及びCDR L3を含み、H鎖は、CDR H1、CDR H2、及びCDR H3を含み、CDR L1、CDR L2、及びCDR L3、ならびにCDR H1、CDR H2、及びCDR H3は、表1A及び1B中に示されるように、それぞれ、Abs 4461(配列番号1〜6)、4624(配列番号7〜12)、4399(配列番号13〜18)、及び6267(配列番号19−24)各々のCDRのアミノ酸配列を含む。

0016

いくつかの実施形態では、抗WTA抗体は、重鎖可変領域(VH)を含み、VHは、それぞれ、抗体4461、4624、4399、及び6267の配列番号26、配列番号28、配列番号30、配列番号32のVH配列から選択されるVH領域の長さにわたって少なくとも95%の配列同一性を含む。抗体は、L鎖可変領域(VL)をさらに含んでもよく、VLは、それぞれ、抗体4461、4624、4399、及び6267の配列番号25、配列番号27、配列番号29、配列番号31のVL配列から選択されるVL領域の長さにわたって少なくとも95%の配列同一性を含む。

0017

別の実施形態では、本発明の抗体−抗生物質複合化合物は、抗WTAβモノクローナル抗体を含む。例示的な抗WTAβ抗体は、軽鎖及びH鎖を含み、L鎖は、CDRL1、CDR L2、及びCDR L3を含み、H鎖は、CDR H1、CDR H2、及びCDR H3を含み、CDR L1、CDR L2、及びCDR L3、ならびにCDR H1、CDR H2、及びCDR H3は、図12中に示されるAbs(配列番号33〜110)の各々の対応するCDRのアミノ酸配列を含む。

0018

本発明のAACを作製するのに有用な別の抗WTAβ抗体は、L鎖可変領域(VL)を含み、VLは、図15A−1、15A−2、15A−3中に示されるように、Kabat位置1〜107で、それぞれ、抗体6078、6263、4450、6297、6239、6232、6259、6292、4462、6265、6253、4497、及び4487の各々に対応するVL配列から選択されるVL領域の長さにわたって少なくとも95%の配列同一性を含む。この抗体は、重鎖可変領域(VH)をさらに含み、VHは、図15B−1〜15B−6中に示されるように、Kabat位置1〜113で、それぞれ、抗体6078、6263、4450、6297、6239、6232、6259、6292、4462、6265、6253、4497、及び4487の各々に対応するVH配列から選択されるVH領域の長さにわたって少なくとも95%の配列同一性を含む。

0019

別の抗WTAβ抗体では、VLは、配列番号111の配列を含み、VHは、配列番号112の配列を含み、式中、Xは、QまたはEであり、X1は、M、I、またはVである。

0020

本発明は、本発明のAACを作製するのに有用な抗WTAβを提供し、抗体軽鎖は、操作システインを含み、配列番号115の配列を含み、H鎖は、配列番号116を含み、式中、Xは、M、I、またはVである。L及びH鎖が対合する代替例では、抗体軽鎖は、配列番号113の配列を含み、H鎖は、操作システインを含み、配列番号117を含み、式中、Xは、M、I、またはVである。Cysは、L及びH鎖の各々に操作され得、かかるWTAβ抗体の一例では、軽鎖は、操作システインを含み、配列番号115の配列を含み、H鎖は、操作システインを含み、配列番号117の配列を含み、式中、Xは、M、I、またはVである。

0021

複合に有用な別の抗WTAβ抗体は、VH及びVLを含み、VHは、配列番号156のVHの長さにわたって少なくとも95%の配列同一性を含み、VLは、配列配列番号119のVLの長さにわたって少なくとも95%の配列同一性を含む。具体的な実施形態では、抗WTAβ抗体は、配列番号156の配列を含むVHと、配列番号119の配列を含むVLとを含む。

0022

本発明の抗WTAβ抗体は、配列番号121の配列を含むL鎖と、配列番号124の配列を含むH鎖とを含む。別例では、抗WTAβ抗体は、配列番号123の配列を含むL鎖と、配列番号157または配列番号124の配列を含むH鎖とを含む。

0023

他の実施形態では、抗体は、i)配列番号99〜104のL鎖及びH鎖のCDR、もしくは配列番号33〜38のL鎖及びH鎖のCDR、またはii)配列番号120もしくは配列番号156のVHと対となる配列番号119もしくは配列番号123の前記VL、またはiii)配列番号112のVHと対となる配列番号111のVL、を含む。

0024

本発明のAACのいくつかの実施形態では、抗体は、前述の実施形態のうちのいずれか1つの抗体と同じエピトープに結合する。

0025

前述の実施形態のうちのいずれか1つの抗体は、Fc領域欠く抗原結合断片であってもよい。いくつかの実施形態では、抗体は、F(ab)またはF(ab’)2である。いくつかの実施形態では、抗体は、重鎖定常領域及び/または軽鎖定常領域をさらに含み、重鎖定常領域及び/または軽鎖定常領域は、システイン残基置換される1つ以上のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、重鎖定常領域は、アミノ酸置換A118C及び/もしくはS400Cを含み、かつ/または、軽鎖定常領域は、アミノ酸置換V205Cを含み、この付番方式は、EU付番方式によるものである。

0026

上述の抗体のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、抗体は、IgMのアイソタイプではない。上述の抗体のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、抗体は、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)、IgEIgD、またはIgA(例えば、IgA1またはIgA2)のアイソタイプである。

0027

本発明の例示的な実施形態は、抗体−抗生物質複合化合物と、薬学的に許容される担体流動促進剤希釈剤、または賦形剤とを含む、薬学的組成物である。

0028

本発明の抗WTA−AACは、ヒト及び獣医学的ブドウ球菌、例えば黄色ブドウ球菌、S.サプロフィカス、及びS.シミュランス、ならびにリステリア、例えばリステリア・モノサイトゲネスを治療するために有効な抗菌剤として有用である。特定の態様では、本発明のAACは、黄色ブドウ球菌感染症を治療するために有用である。それ故に、本発明はまた、ヒトまたは獣医学的患者におけるブドウ球菌感染症の治療方法も提供し、本方法は、患者に、治療有効量の前述の実施形態のうちのいずれか1つの抗体−抗生物質複合体を投与することを含む。一実施形態では、細菌感染症は、黄色ブドウ球菌感染症である。いくつかの実施形態では、患者は、黄色ブドウ球菌感染症であると診断されている。いくつかの実施形態では、細菌感染症の治療は、細菌負荷または細菌数を低減することを含む。一実施形態では、治療方法は、黄色ブドウ球菌を含む細菌感染症が菌血症を引き起こす場合に、患者に施される。具体的な実施形態では、本方法は、ブドウ球菌性心内膜炎または骨髄炎を治療するために使用される。一実施形態では、抗体−抗生物質複合化合物は、感染患者に、約50mg/kg〜100mg/kgの範囲内の用量で投与される。

0029

上記の実施形態のうちのいずれかの抗WTA−抗生物質複合化合物を投与することによって、宿主細胞を死滅させることなく、黄色ブドウ球菌に感染した患者のその細胞中の細胞内黄色ブドウ球菌を死滅させる方法もまた、提供される。別の方法は、生残菌を前述の実施形態のうちのいずれかのAACと接触させることによって、インビボで生残菌ブドウ球菌細菌細胞(例えば黄色ブドウ球菌)を死滅させるために提供される。

0030

別の実施形態では、治療方法は、第2の治療剤を投与することをさらに含む。さらなる実施形態では、第2の治療剤は、一般に、黄色ブドウ球菌または具体的には、MRSAに対する抗生物質を含む抗生物質である。

0031

一実施形態では、本発明の抗体−抗生物質複合化合物と組み合わせて投与される第2の抗生物質は、構造的クラス:(i)アミノグリコシド、(ii)ベータ−ラクタム、(iii)マクロライド環状ペプチド、(iv)テトラサイクリン、(v)フルオロキノリンフルオロキノロン、(vi)及びオキサゾリジノンから選択される。

0032

一実施形態では、本発明の抗体−抗生物質複合化合物と組み合わせて投与される第2の抗生物質は、クリンダマイシンノボビオシンレタパムリン、ダプトマイシン、GSK−2140944、CG−400549、シタフロサシン、テイコプラニントリクロサン、ナフチドン(napthyridone)、ラデゾリド、ドキソルビシンアンピシリン、バンコマイシン、イミペネムドリペネム、ゲムシタビンダルババンシン、及びアジスロマイシンから選択される。

0033

本明細書においていくつかの実施形態では、感染患者における細菌負荷は、治療後に検出不能なレベルまで低減される。一実施形態では、患者の血液培養は、治療前陽性血液培養物と比較して、治療後に陰性である。本明細書においていくつかの実施形態では、対象における細菌耐性は、検出不能または低い。本明細書においていくつかの実施形態では、対象は、メチシリンまたはバンコマイソンでの治療に対して応答しない。

0034

本発明の例示的な実施形態は、リファマイシン型抗生物質を抗壁テイコ酸(WTA)抗体に複合させることを含む、抗体−抗生物質複合体を作製するためのプロセスである。

0035

本発明の例示的な実施形態は、細菌感染症を治療するためのキットであり、
a)抗体−抗生物質複合化合物と、薬学的に許容される担体、流動促進剤、希釈剤、または賦形剤とを含む、薬学的組成物と、
b)使用説明書と、を含む。

0036

本発明の態様は、式II、

II
を有する抗生物質−リンカー中間体であって、
式中、
破線が、任意選択の結合を示し、
Rが、H、C1−C12アルキル、またはC(O)CH3であり、
R1がOHであり、
R2がCH=N−(ヘテロシクリル)であり、式中、ヘテロシクリルが、C(O)CH3、C1−C12アルキル、C1−C12ヘテロアリール、C2−C20ヘテロシクリル、C6−C20アリール、及びC3−C12カルボシクリルから独立して選択される1つ以上の基と任意に置換されるか、
または、R1及びR2が、5または6員縮合ヘテロアリールまたはヘテロシクリルを形成し、任意に、スピロまたは縮合員ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール、またはカルボシクリル環を形成し、スピロまたは縮合6員ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール、またはカルボシクリル環が、任意に置換されたH、F、Cl、Br、I、C1−C12アルキル、またはOHであり、
PMLが、R2、またはR1及びR2によって形成される縮合ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルと結合し、式、
−Str−PM−Y−
を有し、 式中、Strがストレッチャー単位であり、PMがペプチドミメティック単位であり、Yがスペーサー単位である、プロテアーゼ切断可能な非ペプチドリンカーであり、
Xが、マレイミドチオールアミノ臭化物ブロモアセトアミドヨードアセトアミド、p−トルエンスルホナートヨウ化物ヒドロキシルカルボキシルピリジルジスルフィド、及びN−ヒドロキシスクシンイミドから選択される反応性官能基である。

0037

本明細書に記載される様々な実施形態の特性のうちの1つ、一部、または全てを組み合わせて、本発明の他の実施形態を形成してもよいことを理解されたい。本発明のこれら及び他の態様は、当業者には明らかとなるであろう。

図面の簡単な説明

0038

MRSAの細胞内貯蔵は、インビボ及びインビトロでバンコマイソンから保護される。図1Aは、遊離細菌(浮遊性対細胞内細菌を生成するための実験的設計の概略図を示す。4つのコホートマウスを、生存可能な遊離細菌または細胞内細菌のほぼ当量の用量で静脈注射により感染させ、選択された群を、感染直後、次いで、1日1回、バンコマイソンで治療した(実施例2を参照されたい)。図1B及び図1Cは、それぞれ、感染から4日後に、感染マウスの腎臓及び脳における細菌負荷を示す。破線は、アッセイのための検出の限界を示す。図1Dは、MRSAが感染可能な細胞の単分子層上に培養された場合に、バンコマイソンから保護される。(ND=検出されず)。図1E及び図1Fは、MRSAが感染可能な細胞の単分子層上に培養された場合に、バンコマイソンの存在下で増殖することができることを示す。MRSA(遊離細菌)を、培地、培地+バンコマイソン、または培地+バンコマイソン中に作付けし、MG63骨芽細胞図1E)またはヒト脳微小血管内皮細胞(HBMEC、図1F)の単分子層上に播種した。細胞外細菌(遊離細菌)は、培地中に単独でよく増殖したが、バンコマイソンによって死滅した。哺乳動物細胞の単分子層を含むウェル(細胞内+バンコ)において、細菌の画分を感染後の初めの8時間、バンコマイソンから保護し、24時間にわたって細胞内区画内に拡張することができた。エラーバーは、3重のウェルに対する標準偏差を示す。
MRSAの細胞内貯蔵は、インビボ及びインビトロでバンコマイソンから保護される。図1Aは、遊離細菌(浮遊性)対細胞内細菌を生成するための実験的設計の概略図を示す。4つのコホートのマウスを、生存可能な遊離細菌または細胞内細菌のほぼ当量の用量で静脈注射により感染させ、選択された群を、感染直後、次いで、1日1回、バンコマイソンで治療した(実施例2を参照されたい)。図1B及び図1Cは、それぞれ、感染から4日後に、感染マウスの腎臓及び脳における細菌負荷を示す。破線は、アッセイのための検出の限界を示す。図1Dは、MRSAが感染可能な細胞の単分子層上に培養された場合に、バンコマイソンから保護される。(ND=検出されず)。図1E及び図1Fは、MRSAが感染可能な細胞の単分子層上に培養された場合に、バンコマイソンの存在下で増殖することができることを示す。MRSA(遊離細菌)を、培地、培地+バンコマイソン、または培地+バンコマイソン中に作付けし、MG63骨芽細胞(図1E)またはヒト脳微小血管内皮細胞(HBMEC、図1F)の単分子層上に播種した。細胞外細菌(遊離細菌)は、培地中に単独でよく増殖したが、バンコマイソンによって死滅した。哺乳動物細胞の単分子層を含むウェル(細胞内+バンコ)において、細菌の画分を感染後の初めの8時間、バンコマイソンから保護し、24時間にわたって細胞内区画内に拡張することができた。エラーバーは、3重のウェルに対する標準偏差を示す。
MRSAの細胞内貯蔵は、インビボ及びインビトロでバンコマイソンから保護される。図1Aは、遊離細菌(浮遊性)対細胞内細菌を生成するための実験的設計の概略図を示す。4つのコホートのマウスを、生存可能な遊離細菌または細胞内細菌のほぼ当量の用量で静脈注射により感染させ、選択された群を、感染直後、次いで、1日1回、バンコマイソンで治療した(実施例2を参照されたい)。図1B及び図1Cは、それぞれ、感染から4日後に、感染マウスの腎臓及び脳における細菌負荷を示す。破線は、アッセイのための検出の限界を示す。図1Dは、MRSAが感染可能な細胞の単分子層上に培養された場合に、バンコマイソンから保護される。(ND=検出されず)。図1E及び図1Fは、MRSAが感染可能な細胞の単分子層上に培養された場合に、バンコマイソンの存在下で増殖することができることを示す。MRSA(遊離細菌)を、培地、培地+バンコマイソン、または培地+バンコマイソン中に作付けし、MG63骨芽細胞(図1E)またはヒト脳微小血管内皮細胞(HBMEC、図1F)の単分子層上に播種した。細胞外細菌(遊離細菌)は、培地中に単独でよく増殖したが、バンコマイソンによって死滅した。哺乳動物細胞の単分子層を含むウェル(細胞内+バンコ)において、細菌の画分を感染後の初めの8時間、バンコマイソンから保護し、24時間にわたって細胞内区画内に拡張することができた。エラーバーは、3重のウェルに対する標準偏差を示す。
MRSAの細胞内貯蔵は、インビボ及びインビトロでバンコマイソンから保護される。図1Aは、遊離細菌(浮遊性)対細胞内細菌を生成するための実験的設計の概略図を示す。4つのコホートのマウスを、生存可能な遊離細菌または細胞内細菌のほぼ当量の用量で静脈注射により感染させ、選択された群を、感染直後、次いで、1日1回、バンコマイソンで治療した(実施例2を参照されたい)。図1B及び図1Cは、それぞれ、感染から4日後に、感染マウスの腎臓及び脳における細菌負荷を示す。破線は、アッセイのための検出の限界を示す。図1Dは、MRSAが感染可能な細胞の単分子層上に培養された場合に、バンコマイソンから保護される。(ND=検出されず)。図1E及び図1Fは、MRSAが感染可能な細胞の単分子層上に培養された場合に、バンコマイソンの存在下で増殖することができることを示す。MRSA(遊離細菌)を、培地、培地+バンコマイソン、または培地+バンコマイソン中に作付けし、MG63骨芽細胞(図1E)またはヒト脳微小血管内皮細胞(HBMEC、図1F)の単分子層上に播種した。細胞外細菌(遊離細菌)は、培地中に単独でよく増殖したが、バンコマイソンによって死滅した。哺乳動物細胞の単分子層を含むウェル(細胞内+バンコ)において、細菌の画分を感染後の初めの8時間、バンコマイソンから保護し、24時間にわたって細胞内区画内に拡張することができた。エラーバーは、3重のウェルに対する標準偏差を示す。
MRSAの細胞内貯蔵は、インビボ及びインビトロでバンコマイソンから保護される。図1Aは、遊離細菌(浮遊性)対細胞内細菌を生成するための実験的設計の概略図を示す。4つのコホートのマウスを、生存可能な遊離細菌または細胞内細菌のほぼ当量の用量で静脈注射により感染させ、選択された群を、感染直後、次いで、1日1回、バンコマイソンで治療した(実施例2を参照されたい)。図1B及び図1Cは、それぞれ、感染から4日後に、感染マウスの腎臓及び脳における細菌負荷を示す。破線は、アッセイのための検出の限界を示す。図1Dは、MRSAが感染可能な細胞の単分子層上に培養された場合に、バンコマイソンから保護される。(ND=検出されず)。図1E及び図1Fは、MRSAが感染可能な細胞の単分子層上に培養された場合に、バンコマイソンの存在下で増殖することができることを示す。MRSA(遊離細菌)を、培地、培地+バンコマイソン、または培地+バンコマイソン中に作付けし、MG63骨芽細胞(図1E)またはヒト脳微小血管内皮細胞(HBMEC、図1F)の単分子層上に播種した。細胞外細菌(遊離細菌)は、培地中に単独でよく増殖したが、バンコマイソンによって死滅した。哺乳動物細胞の単分子層を含むウェル(細胞内+バンコ)において、細菌の画分を感染後の初めの8時間、バンコマイソンから保護し、24時間にわたって細胞内区画内に拡張することができた。エラーバーは、3重のウェルに対する標準偏差を示す。
MRSAの細胞内貯蔵は、インビボ及びインビトロでバンコマイソンから保護される。図1Aは、遊離細菌(浮遊性)対細胞内細菌を生成するための実験的設計の概略図を示す。4つのコホートのマウスを、生存可能な遊離細菌または細胞内細菌のほぼ当量の用量で静脈注射により感染させ、選択された群を、感染直後、次いで、1日1回、バンコマイソンで治療した(実施例2を参照されたい)。図1B及び図1Cは、それぞれ、感染から4日後に、感染マウスの腎臓及び脳における細菌負荷を示す。破線は、アッセイのための検出の限界を示す。図1Dは、MRSAが感染可能な細胞の単分子層上に培養された場合に、バンコマイソンから保護される。(ND=検出されず)。図1E及び図1Fは、MRSAが感染可能な細胞の単分子層上に培養された場合に、バンコマイソンの存在下で増殖することができることを示す。MRSA(遊離細菌)を、培地、培地+バンコマイソン、または培地+バンコマイソン中に作付けし、MG63骨芽細胞(図1E)またはヒト脳微小血管内皮細胞(HBMEC、図1F)の単分子層上に播種した。細胞外細菌(遊離細菌)は、培地中に単独でよく増殖したが、バンコマイソンによって死滅した。哺乳動物細胞の単分子層を含むウェル(細胞内+バンコ)において、細菌の画分を感染後の初めの8時間、バンコマイソンから保護し、24時間にわたって細胞内区画内に拡張することができた。エラーバーは、3重のウェルに対する標準偏差を示す。
抗体−抗生物質複合体(AAC)の概念を示す。一例では、AACは、リソソームプロテアーゼによって切断されるリンカーを介して強力なリファマイシン型抗生物質(例えばリファログ)と結合する黄色ブドウ球菌の表面上のエピトープを対象とする抗体からなる。
抗体−抗生物質複合体(AAC)についての薬物活性化の可能性のある機序を示す。AACは、抗体の抗原結合ドメインFab)を介して細胞外細菌と結合し、Fc媒介性ファゴサイトーシスを介してオプソニン化細菌の取り込みを促進する。リンカーは、カテプシンB等のリソソームプロテアーゼによって切断される。リンカーの切断後、リンカーは、加水分解し、ファゴリソソーム内で遊離抗生物質を放出する。遊離抗生物質は、同じ区画中に存在するあらゆる予め内在化した細菌と共にオプソニン化され、取り込まれた細菌を死滅させる。
細胞膜を安定化し、結合部位を提供する、壁テイコ酸(WTA)、リポタイコ酸LTA)、及びペプチドグリカンPGN)の戯画図を用いて、黄色ブドウ球菌のようなグラム陽性細菌細胞壁を示す。
定義の下で詳細に記載される、壁テイコ酸(WTA)の化学構造及びグリコシル修飾を示す。
図6A及び6Bは、実施例3に記載されるように、USA300またはWood46株の黄色ブドウ球菌からの細胞壁調製物との陽性ELISA結合を示すmAbのライブラリー一次スクリーニングからのAbの特徴を要約する。WTAと結合するAbのうち、4個は、WTAアルファに特異的であり、13個は、WTAベータに特異的に結合する。
図6A及び6Bは、実施例3に記載されるように、USA300またはWood46株の黄色ブドウ球菌からの細胞壁調製物との陽性ELISA結合を示すmAbのライブラリーの一次スクリーニングからのAbの特徴を要約する。WTAと結合するAbのうち、4個は、WTAアルファに特異的であり、13個は、WTAベータに特異的に結合する。
感染したマウス腎臓から直接単離されたMRSAにおけるAlexa−488で標識された抗β−GlcNAC WTAまたは抗−α−GlcNAC WTA抗体の滴定を示す。抗−CMV−gD抗体は、抗体アイソタイプ対照としての役割を果たした。
AACを生成するために使用された抗体がグリコシルトランスフェラーゼTarSによって媒介される壁テイコ酸におけるエピトープを認識することを示す。Wt USA300、USA300−TarM、またはUSA300−TarSにおける抗−β−GlcNAC WTA抗体またはアイソタイプ対照を用いたFACS分析
複製しないMRSAを死滅させるその能力に対する強力なリファマイシン型抗生物質(リファログ)ジメチルピプBORの選択を示す。
無傷TAC(AACの形態)が、抗生物質をカテプシンBによる処理により放出しない限り、浮遊性細菌を死滅させないことを実証する増殖阻害アッセイ。TACを、緩衝液のみ(白抜き丸)でインキュベートするか、またはカテプシンB(黒丸)で処理した。無傷TACは、一晩インキュベーション後に細菌増殖を保護することができなかった。カテプシンBによるTACの前処理は、十分な抗生物質活性を放出し、0.6μg/mLのTACで細菌成長を阻止し、これは、0.006μg/mLの抗生物質を含有することが予測される。
実施例10に記載される、抗体と比較して、感染した器官内の細菌数が大幅に低減または根絶した抗WTA−PML AACによる黄色ブドウ球菌に感染したマウスの処置を示す。図10Aは、実施例10に記載される、実験及び注射時点のタイムラインを示す概略図である。図10Bは、表3からのAAC(DAR2)による処置が腎臓において細菌負荷を約7,000倍低減したことを示す。図10Cは、AAC(DAR2)による処理が心臓において細菌負荷を約500倍低減したことを示す。
実施例10に記載される、裸抗体と比較して、感染した器官内の細菌数が大幅に低減または根絶した抗WTA−PML AACによる黄色ブドウ球菌に感染したマウスの処置を示す。図10Aは、実施例10に記載される、実験及び注射時点のタイムラインを示す概略図である。図10Bは、表3からのAAC(DAR2)による処置が腎臓において細菌負荷を約7,000倍低減したことを示す。図10Cは、AAC(DAR2)による処理が心臓において細菌負荷を約500倍低減したことを示す。
4つのヒト抗WTAアルファ抗体、4461、4624、4399、6267(記載する順にそれぞれ配列番号25、27、29、及び31)の軽鎖可変領域(VL)のアミノ酸配列アラインメントを提供する。Kabat番号付けに従うCDR配列CDRL1、L2、及びL3に下線を付す。
図11Aの4つのヒト抗WTAアルファ抗体の重鎖可変領域(VH)のアミノ酸配列アラインメントを示す。Kabat番号付けに従うCDR配列CDR H1、H2、及びH3に下線を付す(記載する順にそれぞれ配列番号26、28、30、及び32)。
13個のヒト抗WTAベータ抗体のL及びH鎖のCDR配列(配列番号33〜110)を示す。
図13A−1及び13A−2は、抗WTAベータAb 6078(非修飾)及びその変異体v2、v3、v4(記載する順にそれぞれ配列番号113、113、115、113、115、113、115、及び115)の完全長L鎖(軽鎖)のアラインメントを示す。Kabat番号付けに従うCDR配列CDRL1、L2、及びL3に下線を付す。箱は、Kabat及びChothiaに従う接触残基及びCDR残基を示す。操作されたCysを含むL鎖変異体は、定常領域の端付近の黒い箱の中のC(この場合、EU残基第205番)で示される。変異体の命名、例えばv2LC−Cysは、L鎖中に操作されたCysを含む変異体2を意味する。HCLC−Cysは、H及びL鎖のそれぞれが操作されたCysを含むことを意味する。変異体2、3、及び4は、図13Bに示される、H鎖の初めの変更を有する。
図13A−1及び13A−2は、抗WTAベータAb 6078(非修飾)及びその変異体v2、v3、v4(記載する順にそれぞれ配列番号113、113、115、113、115、113、115、及び115)の完全長L鎖(軽鎖)のアラインメントを示す。Kabat番号付けに従うCDR配列CDRL1、L2、及びL3に下線を付す。箱は、Kabat及びChothiaに従う接触残基及びCDR残基を示す。操作されたCysを含むL鎖変異体は、定常領域の端付近の黒い箱の中のC(この場合、EU残基第205番)で示される。変異体の命名、例えばv2LC−Cysは、L鎖中に操作されたCysを含む変異体2を意味する。HCLC−Cysは、H及びL鎖のそれぞれが操作されたCysを含むことを意味する。変異体2、3、及び4は、図13Bに示される、H鎖の初めの変更を有する。
図13B−1、13B−2、13B−3、13B−4は、H鎖の初めの変更を有する抗WTAベータAb 6078(非修飾)及びその変異体v2、v3、v4(記載する順にそれぞれ配列番号114、139〜144、及び143)の完全長H鎖(重鎖)のアラインメントを示す。操作されたCysを含むH鎖変異体は、定常領域の開始の黒い箱の中のC(この場合、EU残基第118番)で示される。
図13B−1、13B−2、13B−3、13B−4は、H鎖の初めの変更を有する抗WTAベータAb 6078(非修飾)及びその変異体v2、v3、v4(記載する順にそれぞれ配列番号114、139〜144、及び143)の完全長H鎖(重鎖)のアラインメントを示す。操作されたCysを含むH鎖変異体は、定常領域の開始の黒い箱の中のC(この場合、EU残基第118番)で示される。
図13B−1、13B−2、13B−3、13B−4は、H鎖の初めの変更を有する抗WTAベータAb 6078(非修飾)及びその変異体v2、v3、v4(記載する順にそれぞれ配列番号114、139〜144、及び143)の完全長H鎖(重鎖)のアラインメントを示す。操作されたCysを含むH鎖変異体は、定常領域の開始の黒い箱の中のC(この場合、EU残基第118番)で示される。
図13B−1、13B−2、13B−3、13B−4は、H鎖の初めの変更を有する抗WTAベータAb 6078(非修飾)及びその変異体v2、v3、v4(記載する順にそれぞれ配列番号114、139〜144、及び143)の完全長H鎖(重鎖)のアラインメントを示す。操作されたCysを含むH鎖変異体は、定常領域の開始の黒い箱の中のC(この場合、EU残基第118番)で示される。
図14A−1及び14A−2は、抗WTAベータAb 4497(非修飾)及びCys操作L鎖(表示の順にそれぞれ配列番号121、123、145、及び145)の完全長L鎖のアラインメントを示す。Kabat番号付けに従うCDR配列CDRL1、L2、及びL3に下線を付す。箱は、Kabat及びChothiaに従う接触残基及びCDR残基を示す。操作されたCysを含むL鎖変異体は、定常領域の端付近の点線の箱の中のC(この場合、EU残基第205番)で示される。
図14A−1及び14A−2は、抗WTAベータAb 4497(非修飾)及びCys操作L鎖(表示の順にそれぞれ配列番号121、123、145、及び145)の完全長L鎖のアラインメントを示す。Kabat番号付けに従うCDR配列CDRL1、L2、及びL3に下線を付す。箱は、Kabat及びChothiaに従う接触残基及びCDR残基を示す。操作されたCysを含むL鎖変異体は、定常領域の端付近の点線の箱の中のC(この場合、EU残基第205番)で示される。
図14B−1、14B−2、14B−3は、抗WTAベータAb 4497(非修飾)及びCDR H3の96位にてDがEに改変され、操作されたCysを有するかまたは有さないそのv8変異体(表示の順にそれぞれ配列番号146〜147、157、及び147)の完全長H鎖のアラインメントを示す。操作されたCysを含むH鎖変異体は、定常領域の開始の黒い箱の中のC(この場合、EU残基第118番)で示される。
図14B−1、14B−2、14B−3は、抗WTAベータAb 4497(非修飾)及びCDR H3の96位にてDがEに改変され、操作されたCysを有するかまたは有さないそのv8変異体(表示の順にそれぞれ配列番号146〜147、157、及び147)の完全長H鎖のアラインメントを示す。操作されたCysを含むH鎖変異体は、定常領域の開始の黒い箱の中のC(この場合、EU残基第118番)で示される。
図14B−1、14B−2、14B−3は、抗WTAベータAb 4497(非修飾)及びCDR H3の96位にてDがEに改変され、操作されたCysを有するかまたは有さないそのv8変異体(表示の順にそれぞれ配列番号146〜147、157、及び147)の完全長H鎖のアラインメントを示す。操作されたCysを含むH鎖変異体は、定常領域の開始の黒い箱の中のC(この場合、EU残基第118番)で示される。
図15A−1、15A−2、15A−3は、13個のヒト抗WTAベータ抗体(表示の順にそれぞれ配列番号113、158〜167、121、及び168)の完全長軽鎖のアミノ酸配列アラインメントを示す。可変領域(VL)は、Kabatアミノ酸1位〜107位にわたる。Kabat番号付けに従うCDR配列CDRL1、L2、及びL3に下線を付す。
図15A−1、15A−2、15A−3は、13個のヒト抗WTAベータ抗体(表示の順にそれぞれ配列番号113、158〜167、121、及び168)の完全長軽鎖のアミノ酸配列アラインメントを示す。可変領域(VL)は、Kabatアミノ酸1位〜107位にわたる。Kabat番号付けに従うCDR配列CDRL1、L2、及びL3に下線を付す。
図15A−1、15A−2、15A−3は、13個のヒト抗WTAベータ抗体(表示の順にそれぞれ配列番号113、158〜167、121、及び168)の完全長軽鎖のアミノ酸配列アラインメントを示す。可変領域(VL)は、Kabatアミノ酸1位〜107位にわたる。Kabat番号付けに従うCDR配列CDRL1、L2、及びL3に下線を付す。
図15B−1〜15B−6は、図15A−1、15A−2、15A−3の13個のヒト抗WTAベータ抗体(表示の順にそれぞれ配列番号114、169〜176、133〜134、138、及び127)の完全長重鎖のアミノ酸配列アラインメントを示す。可変領域(VH)は、Kabatアミノ酸1位〜113位にわたる。Kabat番号付けに従うCDR配列CDR H1、H2、H3に下線を付す。アスタリスクで印をつけたH鎖Eu118位は、薬物複合のためにCysに変更することができる。黒色で強調した残基は、脱アミドアスパラギン酸異性化酸化またはN−結合型糖鎖付加を回避するために、抗原結合に影響しない他の残基で置き換えることができる。
図15B−1〜15B−6は、図15A−1、15A−2、15A−3の13個のヒト抗WTAベータ抗体(表示の順にそれぞれ配列番号114、169〜176、133〜134、138、及び127)の完全長重鎖のアミノ酸配列アラインメントを示す。可変領域(VH)は、Kabatアミノ酸1位〜113位にわたる。Kabat番号付けに従うCDR配列CDR H1、H2、H3に下線を付す。アスタリスクで印をつけたH鎖Eu118位は、薬物複合のためにCysに変更することができる。黒色で強調した残基は、脱アミド、アスパラギン酸異性化、酸化またはN−結合型糖鎖付加を回避するために、抗原結合に影響しない他の残基で置き換えることができる。
図15B−1〜15B−6は、図15A−1、15A−2、15A−3の13個のヒト抗WTAベータ抗体(表示の順にそれぞれ配列番号114、169〜176、133〜134、138、及び127)の完全長重鎖のアミノ酸配列アラインメントを示す。可変領域(VH)は、Kabatアミノ酸1位〜113位にわたる。Kabat番号付けに従うCDR配列CDR H1、H2、H3に下線を付す。アスタリスクで印をつけたH鎖Eu118位は、薬物複合のためにCysに変更することができる。黒色で強調した残基は、脱アミド、アスパラギン酸異性化、酸化またはN−結合型糖鎖付加を回避するために、抗原結合に影響しない他の残基で置き換えることができる。
図15B−1〜15B−6は、図15A−1、15A−2、15A−3の13個のヒト抗WTAベータ抗体(表示の順にそれぞれ配列番号114、169〜176、133〜134、138、及び127)の完全長重鎖のアミノ酸配列アラインメントを示す。可変領域(VH)は、Kabatアミノ酸1位〜113位にわたる。Kabat番号付けに従うCDR配列CDR H1、H2、H3に下線を付す。アスタリスクで印をつけたH鎖Eu118位は、薬物複合のためにCysに変更することができる。黒色で強調した残基は、脱アミド、アスパラギン酸異性化、酸化またはN−結合型糖鎖付加を回避するために、抗原結合に影響しない他の残基で置き換えることができる。
図15B−1〜15B−6は、図15A−1、15A−2、15A−3の13個のヒト抗WTAベータ抗体(表示の順にそれぞれ配列番号114、169〜176、133〜134、138、及び127)の完全長重鎖のアミノ酸配列アラインメントを示す。可変領域(VH)は、Kabatアミノ酸1位〜113位にわたる。Kabat番号付けに従うCDR配列CDR H1、H2、H3に下線を付す。アスタリスクで印をつけたH鎖Eu118位は、薬物複合のためにCysに変更することができる。黒色で強調した残基は、脱アミド、アスパラギン酸異性化、酸化またはN−結合型糖鎖付加を回避するために、抗原結合に影響しない他の残基で置き換えることができる。
図15B−1〜15B−6は、図15A−1、15A−2、15A−3の13個のヒト抗WTAベータ抗体(表示の順にそれぞれ配列番号114、169〜176、133〜134、138、及び127)の完全長重鎖のアミノ酸配列アラインメントを示す。可変領域(VH)は、Kabatアミノ酸1位〜113位にわたる。Kabat番号付けに従うCDR配列CDR H1、H2、H3に下線を付す。アスタリスクで印をつけたH鎖Eu118位は、薬物複合のためにCysに変更することができる。黒色で強調した残基は、脱アミド、アスパラギン酸異性化、酸化またはN−結合型糖鎖付加を回避するために、抗原結合に影響しない他の残基で置き換えることができる。
強調したアミノ酸位置におけるAb4497及びその突然変異体の比較、ならびにELISAにより試験されるそれらの相対的抗原結合強を示す。図16は、表示の順にそれぞれ配列番号177、177、177、178、178、179、179、180、180、及び180を開示している。
50mg/kgの遊離抗体での前処置が静脈内感染モデルにおいて有効でないことを示す。Balb/cマウスに、単回用量ビヒクル対照PBS)または50mg/Kgの抗体を静脈内注射により与えた30分後に、2×107CFUのUSA300に感染させた。処置群は、黄色ブドウ球菌と結合しないアイソタイプ対照抗体(gD)、細胞壁タイコ酸のベータ修飾に対する抗体(4497)、または細胞壁タイコ酸のアルファ修飾に対する抗体(7578)を含んだ。対照マウスに、110mg/Kgのバンコマイシンでの処置を腹腔内注射により(Vanco)1日2回与えた。

0039

これより本発明のある特定の実施形態を詳細に参照するが、それらの例は、添付の構造及び式に例示されている。本発明は、方法、材料、及び実施例を含む、列挙される実施形態とともに説明されているが、かかる説明は、非限定なものであり、それらが一般的に知られている、または本明細書に組み込まれているかどうかにかかわらず、本発明は、全ての代替物、改変物、及び等価物網羅することが意図される。組み込まれる文献、特許、及び同様の資料のうちの1つ以上が、本出願(定義される用語、用語の用法、記載される技法等を含むがそれらに限定されない)と異なるか、または矛盾する場合は、本出願が優先される。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、本発明が属する当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。当業者であれば、本発明の実施に使用することができる、本明細書に記載されるものに類似または同等である多数の方法及び材料を理解するであろう。本発明は、決して記載される方法及び材料に限定されるものではない。

0040

本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりその全体が援用される。

0041

I.一般的技法
本明細書において記載されるか、または参照される技法及び手順は、当業者によって一般に十分に理解され、従来の方法論、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 3d edition(2001)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.、Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel,et al.eds.,(2003))、the series Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.):PCR2:A Practical Approach(M.J.MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylor eds.(1995)),Harlow and Lane,eds.(1988)Antibodies,A Laboratory Manual,and Animal Cell Culture(R.I.Freshney,ed.(1987))、Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984)、Methods in Molecular Biology,Humana Press、Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,ed.,1998)Academic Press、Animal Cell Culture(R.I.Freshney),ed.,1987)、Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,1998)Plenum Press、Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,1993−8)J.Wiley and Sons、Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir and C.C.Blackwell,eds.)、Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller and M.P.Calos,eds.,1987)、PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullis et al.,eds.,1994)、Current Protocols in Immunology(J.E.Coligan et al.,eds.,1991)、Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons,1999)、Immunobiology(C.A.Janeway and P.Travers,1997)、Antibodies(P.Finch,1997)、Antibodies:A Practical Approach(D.Catty.,ed.,IRL Press,1988−1989)、Monoclonal Antibodies:A Practical Approach(P.Shepherd and C.Dean,eds.,Oxford University Press,2000)、Using Antibodies:A Laboratory Manual(E.Harlow and D.Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999)、The Antibodies(M.Zanetti and J.D.Capra,eds.,Harwood Academic Publishers,1995)、及びCancer:Principles and Practice of Oncology(V.T.DeVita et al.,eds.,J.B.Lippincott Company,1993)に記載される、広く利用されている方法論等を使用して、一般的に用いられる。

0042

本出願で用いる命名法は、そうでないと示さない限り、IUPAC系統的命名法に基づく。そうでないと定義しない限り、本明細書で用いる技術的及び科学的な用語は、本発明が属する分野の当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有し、Singleton et al(1994) Dictionary of Microbiology and Molecular Biology,2nd Ed.,J.Wiley & Sons,New York,NY、及びJaneway,C.,Travers,P.,Walport,M.,Shlomchik(2001) Immunobiology,5th Ed.,Garland Publishing,New Yorkと一貫している。

0043

II.定義
「抗体抗生物質複合体」またはAACは、リンカーによって抗生物質に化学的に結合した抗体からなる化合物である。抗体は、細菌表面上の抗原またはエピトープ、例えば、細菌性細胞壁構成成分と結合する。本発明に使用される場合、リンカーは、ほとんどの哺乳動物細胞タイプに見出される、カテプシンB、リソソームプロテアーゼを含む、プロテアーゼによって切断されるように設計されるプロテアーゼ切断可能な非ペプチドリンカーである(Dubowchik et al(2002)Bioconj.Chem.13:855−869)。その3構成成分を用いたAACのダイアグラム図2に示す。「THIOMAB(商標)抗生物質複合体」または「TAC」は、抗体が1つ以上のシステイン、概して、抗原結合機能を妨げない抗体上の特異的部位(複数を含む)で抗体に組み換え操作されたシステインを介してリンカー−抗生物質単位に化学的に共役されるAACの形態である。

0044

「壁テイコ酸」(WTA)は、ペプチドグリカンに、ホスホジエステル結合を介して、N−アセチルムラミン酸糖のC6ヒドロキシルに共有結合しているアニオン性糖重合体を意味する。厳密な化学構造は生物体間で変動することができるが、一実施形態では、WTAは、2位のD−リビトール及びD−アラニルエステルと4位のグリコシル置換基との1,5−ホスホジエステル結合の反復単位を有するリビトールタイコ酸である。グリコシル基は、黄色ブドウ球菌株に存在するような、N−アセチルグリコミニルα(アルファ)またはβ(ベータ)であってもよい。アルジトール糖アルコールリン酸反復上のヒドロキシルは、カチオン性D−アラニンエステル及び単糖類、例えば、N−アセチルグルコサミンで置換される。一態様では、ヒドロキシル置換基は、D−アラニル及びアルファ(α)またはベータ(β)GlcNHAcを含む。ある特定の態様では、WTAは、式:

(式中、波線は、反復結合単位またはポリアルトール−Pもしくはペプチドグリカンの結合部位を示し、XはD−アラニルまたは−Hであり、Yはα(アルファ)−GlcNHAcまたはβ(ベータ)−GlcNHAcである)の化合物を含む。

0045

GlcNHAc
黄色ブドウ球菌株では、WTAは、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)−1−P及びN−アセチルマンノースアミン(ManNAc)からなる二糖類を介してN−アセチルムラミン酸(MurNAc)の6−OHと共有結合し、その後に2または3単位のグリセロールリン酸塩が続く。次いで、実際のWTAポリマーは、11−40のリビトール−リン酸塩(Rbo−P)反復単位からなる。WTAの段階的合成は、まず、TagOと呼ばれる酵素によって開始され、(遺伝子の人工欠失により)TagO遺伝子を欠く黄色ブドウ球菌株は、いかなるWTAも作らない。反復単位は、C2−OHにてD−アラニン(D−Ala)及び/またはC4−OH位にてN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)で、α−(アルファ)またはβ−(ベータ)グリコシド結合を介してさらに調整することができる。黄色ブドウ球菌株または細菌の成長期に応じて、グリコシド結合は、α−、β−、または2つのアノマーの混合物であり得る。

0046

本明細書で使用される場合、「WTA抗体」という用語は、WTAアルファであろうとWTAベータであろうとWTAと結合する任意の抗体を指す。「抗壁テイコ酸アルファ抗体」または「抗WTAアルファ抗体」または「抗αWTA」または「抗αGlcNac WTA抗体」は、壁テイコ酸(WTA)アルファと特異的に結合する抗体を指すように同義で使用される。同様に、「抗壁テイコ酸ベータ抗体」または「抗WTAベータ抗体」または「抗βWTA」または「抗βGlcNac WTA抗体」という用語は、壁テイコ酸(WTA)ベータと特異的に結合する抗体を指すように同義で使用される。

0047

「抗生物質」(abxまたはAbx)は、細菌のような微生物の成長を特異的に阻害または死滅させるが、投与される濃度及び投与間隔で宿主にとって致死的でない任意の分子を含む。ある特定の態様では、抗生物質は、投与される濃度及び投与間隔で宿主にとって毒性でない。細菌に対して効果的な抗生物質は、殺菌性(すなわち直接死滅させる)または静菌性(すなわち分裂を妨げる)のいずれかに広く分類することができる。抗殺菌性抗生物質は、狭域スペクトルまたは広域スペクトルとしてさらに再分類することができる。より小さい範囲または特定の細菌のファミリーに対して効果的である狭域スペクトル抗生物質とは対照的に、広域スペクトル抗生物質は、グラム陽性及びグラム陰性細菌を含む広い範囲の細菌に対して効果的であるものである。抗生物質の例としては、例えば(i)アミノグリコシド、例えばアミカシンゲンタマイシンカナマイシンネオマイシンネチルマイシンストレプトマイシントブラマイシン、パロマイシン、(ii)アンサマイシン、例えばゲルダナマイシンハービマイシン、(iii)カルバセフェム、例えばロラカルベフ、(iv)カルバペネム、例えばエルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチンメロペネム、(v)セファロスポリン(第1世代)、例えばセファドロキシルセファゾリンセファロチンセファレキシン、(vi)セファロスポリン(第2世代)、例えばセフラクロールセファマンドールセフォキシチンセフプロジルセフロキシム、(vi)セファロスポリン(第3世代)、例えばセフィキシムセフジニルセフジトレンセフォペラゾンセフォタキシムセフポドキシムセフタジジムセフチブテンセフチゾキシムセフトリアキソン、(vii)セファロスポリン(第4世代)、例えばセフェピム、(viii)セファロスポリン(第5世代)、例えばセフトビプロール、(ix)糖ペプチド、例えばテイコプラニン、バンコマイシン、(x)マクロライド、例えばアジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシンロキシスロマイシントロレアンドマイシンテリスロマイシンスペクチノマイシン、(xi)モノバクタム、例えばアズトレオナム、(xii)ペニシリン、例えばアモキシシリン、アンピシリン、アズロシリンカルベニシリンクロキサシリンジクロキサシリンフルクロキサシリンメズロシリン、メチシリン、ナフシリンオキサシリン、ペニシリン、ピペラシリンチカルシリン、(xiii)抗生物質ポリペプチド、例えばバシトラシンコリスチンポリミキシンB、(xiv)キノロン、例えばシプロフロキサシンエノキサシンガチフロキサシンレボフロキサシン、レメフロキサシン、モキシフロキサシンノルフロキサシンオフロキサシントロバフロキサシン、(xv)スルホンアミド、例えばマフェニド、プロントシルスルファセタミドスルファメチゾールスルファニルアミドスルファサラジンスルフイソキサゾールトリメトプリム、トリメトプリム−スルファメトキサゾール(TMP−SMX)、(xvi)テトラサイクリン、例えばデメクロサイクリンドキシサイクリンミノサイクリンオキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、ならびに(xvii)その他のもの、例えばアルスフェナミンクロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシンエタンブトールホスホマイシンフシジン酸フラゾリドンイソニアジド、リネゾリド、メトロニダゾールムピロシンニトロフラントインプラテンシマイシン、ピラジナミドキヌプリスチンダルホプリスチン、リファンピン/リファンピシン、またはチニダゾールが挙げられる。

0048

一言でいえば、黄色ブドウ球菌は、本明細書では、Staph AまたはS.アウレウスとも称される。あるいは、多剤耐性黄色ブドウ球菌またはオキサシリン耐性黄色ブドウ球菌(ORSA)としても知られる「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」(MRSA)という用語は、ペニシリン(例えばメチシリン、ジクロキサシリン、ナフシリン、オキサシリン等)及びセファロスポリンを含むベータラクタム抗生物質に対して耐性である黄色ブドウ球菌の任意の株を指す。「メチシリン感受性黄色ブドウ球菌」(MSSA)は、ベータ−ラクタム抗生物質に感受性である黄色ブドウ球菌の任意の株を指す。

0049

「抗Stapha抗体」及び「Staph aに結合する抗体」という用語は、抗体が診断剤及び/または治療剤としてS.aureusを標的とすることに有用となるような十分な親和性で黄色ブドウ球菌(「S.アウレウス」)における抗原と結合することができる抗体を指す。一実施形態では、無関係の非Staph aタンパク質との抗Staph a抗体の結合の程度は、例えばラジオイムノアッセイRIA)によって測定される場合に、MRSAとの抗体の結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、Staph aに結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、、5Nm以下、、4 nM以下、、3nM以下、、2nM以下、1nM以下、0.1nM以下、0.01nM以下、または0.001nM以下(例えば10−8M以下、例えば10−8M〜10−13M、例えば10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態では、抗Staph a抗体は、異なる種に由来するStaph間で保存されているStaph aのエピトープに結合する。

0050

最小阻止濃度」(「MIC」)という用語は、終夜のインキュベーションの後に微生物の目視可能な成長を阻害するであろう抗生物質の最低濃度のことを指す。MICを決定するためのアッセイは、知られている。1つの方法は以下の実施例の項に記載される通りである。

0051

本明細書における「抗体」という用語は、最も広義に使用され、具体的には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体二量体多量体多重特異的抗体(例えば、二重特異的抗体)、及びその抗原結合抗体断片を対象としている(Miller et al(2003) J.of Immunology 170:4854−4861)。抗体は、マウス、ヒト、ヒト化キメラであってもよいか、または他の種に由来するものであってもよい。抗体は、特定の抗原を認識し、それに結合することができる、免疫系によって作製されるタンパク質である(Janeway,C.,Travers,P.,Walport,M.,Shlomchik(2001) Immuno Biology,5th Ed.,Garland Publishing,New York)。標的抗原は、一般に、複数の抗体のCDRによって認識されるエピトープとも呼ばれる多数の結合部位を有する。異なるエピトープに特異的に結合するそれぞれの抗体は、異なる構造を有する。したがって、1つの抗原は、1つより多い対応する抗体によって認識され、結合することができる。抗体には、完全長免疫グロブリン分子、または完全長免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、目的の標的抗原またはその一部に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含む分子が含まれ、そのような標的としては、癌細胞、または自己免疫疾患と関連する自己免疫抗体を生成する細胞、感染細胞、もしくは細菌等の微生物が含まれるが、これらに限定されない。本明細書に開示される免疫グロブリン(Ig)は、IgM以外の任意のアイソタイプ(例えばIgG、IgE、IgD、及びIgA)ならびにサブクラス(例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2のものであり得る。免疫グロブリンは、任意の種に由来し得る。一態様では、Igは、ヒト、マウス、またはウサギ起源のものである。具体的な実施形態では、Igは、ヒト起源のものである。

0052

抗体の「クラス」は、その重鎖によって保有される定常ドメインまたは定常領域の型を指す。5つの主要なクラスの抗体(IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM)が存在し、これらのうちのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2にさらに分けることができる。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。

0053

天然抗体」は、様々な構造を有する、天然に存在する免疫グロブリン分子を指す。例えば、天然IgG抗体は、ジスルフィド結合されている2つの同一の軽鎖及び2つの同一の重鎖から構成される、約150,000ダルトンヘテロ四量体糖タンパク質である。N末端からC末端まで、各重鎖は、可変重ドメイン(variable heavy domain)または重鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VH)と、その後に3つの定常ドメイン(CH1、CH2、及びCH3)とを有する。同様に、N末端からC末端まで、各軽鎖は、可変軽ドメイン(variable light domain)または軽鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VL)と、その後に定常軽(CL)ドメインとを有する。抗体の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパκ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つの型うちの1つに割り当てられ得る。

0054

「完全長抗体」、「無傷抗体」、及び「全抗体」という用語は、本明細書で、天然抗体構造と実質的に同様の構造を有するか、または本明細書に定義されるFc領域を含有する重鎖を有する抗体を指すように同義に使用される。

0055

抗体の「抗原結合断片」は、無傷抗体が結合する抗原に結合する、無傷抗体の一部を含む無傷抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、Fv、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、ダイアボディ、直鎖抗体単鎖抗体分子(例えばscFv)、及び抗体断片から形成される多特異的抗体が挙げられるが、これらに限定されない。

0056

本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体を指す。すなわち、その集団を含む個々の抗体は、例えば、天然に存在する突然変異を含有するか、またはモノクローナル抗体調製物の生成中に生じる(例えばグリコシル化における天然の変動)可能性のある変異体抗体(このような変異体は一般に少量で存在する)を除いて、同一であり、かつ/または同じエピトープに結合する。IgG1抗体についての1つのこのような可能性のある変異体は、重鎖定常領域のC末端リジン(K)の切断である。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を典型的に含む、ポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基を対象とする。したがって、「モノクローナル」という修飾語は、実質的に同種の抗体の集団から得られる抗体の特徴を示しており、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものとして解釈されるものではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、組み換えDNA法、ファージディスプレイ法、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは一部を含有するトランスジェニック動物を利用する方法を含むが、これらに限定されない、多様な技法によって作製されてもよく、モノクローナル抗体を作製するためのこのような方法及び他の例示的な方法が、本明細書に記載されている。それらの特異性に加えて、モノクローナル抗体は、他の抗体が混入することなく合成することができるという点で、有利である。

0057

キメラ抗体」という用語は、重鎖及び/または軽鎖の一部分が特定の源または種に由来し、重鎖及び/または軽鎖の残りの部分が異なる源または種に由来する抗体を指す。

0058

ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞によって産生された、またはヒト抗体レパートリーを利用する非ヒト源に由来する、抗体のアミノ酸配列、または他のヒト抗体コード配列に対応する、アミノ酸配列を保有するものである。このヒト抗体の定義は、具体的には、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を除外する。

0059

「ヒト化抗体」は、非ヒトHVR由来のアミノ酸残基及びヒトFR由来のアミノ酸残基を含む、キメラ抗体を指す。ある特定の実施形態では、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むことになり、そのHVR(例えば、CDR)の全てまたは実質的に全てが非ヒト抗体のものに対応し、そのFRの全てまたは実質的に全てがヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、任意に、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部分を含んでもよい。抗体、例えば非ヒト抗体の、「ヒト化型」は、ヒト化を受けた抗体を指す。

0060

「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、抗体を抗原に結合することに関与する、抗体の重鎖または軽鎖のドメインを指す。天然抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメイン(それぞれ、VH及びVL)は一般に、同様の構造を有し、各ドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)及び3つの超可変領域(HVR)を含む。(例えば、Kindt et al.Kuby Immunology,6th ed.TH,W.H.Freeman and Co.,page 91(2007)を参照されたい)。単一のVHまたはVLドメインは、抗原結合特異性を付与するために十分であり得る。さらに、特定の抗原に結合する抗体は、抗原に結合する抗体のVHまたはVLドメインを使用し、それぞれ、相補的VLまたはVHドメインのライブラリーをスクリーニングして、単離してもよい。例えば、Portolano et al.,J.Immunol.150:880−887(1993)、Clarkson et al.,Nature 352:624−628(1991)を参照されたい。

0061

「超可変領域」、「HVR」、または「HV」という用語は、本明細書で使用される場合、配列が超可変であり(「相補性決定領域」または「CDR」)、かつ/または構造的に規定されたループを形成し、かつ/または抗原接触残基(抗原接触)を含む、抗体可変ドメインの領域を指す。一般に、抗体は、6つのHVRを含み、このうち3つがVH(H1、H2、H3)にあり、3つがVL(L1、L2、L3)にある。天然抗体では、H3及びL3は、6つのHVRの中で最大の多様性を示し、特にH3は、抗体への好適な特異性を与えることにおいて固有の役割を果たすと考えられる。例えば、Xu et al.,Immunity 13:37−45(2000)、Johnson and Wu,in Methodsin Molecular Biology 248:1−25(Lo,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2003)を参照されたい。実際に、重鎖のみからなる天然に存在するラクダ抗体は、軽鎖の不在下で機能的かつ安定である(Hamers−Casterman et al.,(1993) Nature 363:446−448、Sheriff et al.,(1996) Nature Struct.Biol.3:733−736)。

0062

ある数のHVR描写が本明細書で使用され、ここに含まれる。Kabat相補性決定領域(CDR)は、配列可変性に基づき、最も一般的に使用されているものである(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD.(1991))。Chothiaは、代わりに、構造ループの場所を指す(Chothia and Lesk,(1987) J.Mol.Biol.196:901−917)。抗原接触については、MacCallum et al.J.Mol.Biol.262:732−745(1996)を参照されたい。AbM HVRは、KabatのHVRとChothiaの構造的ループとの間の妥協点を示し、Oxford MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアによって使用される。「接触」HVRは、利用可能な複合体結晶構造の分析に基づく。これらのHVRの各々に由来する残基を以下に記載する。

0063

HVRは、次のような「延長HVR」を含み得る。VLにおける24−36または24−34(L1)、46−56または50−56(L2)、及び89−97または89−96(L3)、ならびにVHにおける26−35(H1)、50−65または49−65(H2)、及び93−102、94−102、または95−102(H3)。別途指定されない限り、可変ドメインにおけるHVR残基、CDR残基、及び他の残基(例えば、FR残基)は、本明細書において上記のKabatらに従って付番される。

0064

「Kabatにあるような可変ドメイン残基付番」または「Kabatにあるようなアミノ酸位置付番」という表現、及びそれらの変形形態は、Kabatら(上記)における抗体の編成において重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインに使用されている付番方式を指す。この付番システムを使用して、実際の線状アミノ酸配列は、可変ドメインのFRまたはHVRの短縮またはそれへの挿入に対応するより少ないアミノ酸または追加のアミノ酸を含有し得る。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52後に単一のアミノ酸挿入(Kabatに従って残基52a)を、そして重鎖FR残基82後に挿入された残基(例えば、Kabatに従って残基82a、82b、及び82c等)を含んでもよい。残基のKabat付番は、所与の抗体について、抗体の配列の相同性の領域を「標準」のKabatによって付番される配列とアラインメントすることによって決定してもよい。

0065

「フレームワーク」または「FR」は、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を指す。可変ドメインのFRは、一般に、4つのFRドメイン:FR1、FR2、FR3、及びFR4からなる。したがって、HVR及びFR配列は、一般に、VH(またはVL)において次の配列、FR1−H1(L1)−FR2−H2(L2)−FR3−H3(L3)−FR4で出現する。

0066

本明細書の目的のための「アクセプターヒトフレームワーク」は、以下に定義される、ヒト免疫グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークに由来する、軽鎖可変ドメイン(VL)フレームワークまたは重鎖可変ドメイン(VH)フレームワークのアミノ酸配列を含むフレームワークである。ヒト免疫グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワーク「に由来する」アクセプターヒトフレームワークは、その同じアミノ酸配列を含んでもよく、またはそれは、アミノ酸配列変化を含有し得る。いくつかの実施形態において、アミノ酸変化の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、または2以下である。いくつかの実施形態において、VLアクセプターヒトフレームワークの配列は、VLヒト免疫グロブリンフレームワーク配列またはヒトコンセンサスフレームワーク配列と同一である。

0067

「ヒトコンセンサスフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVLまたはVHフレームワーク配列の選択において最も一般的に生じるアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般に、ヒト免疫グロブリンVLまたはVH配列の選択は、可変ドメイン配列サブグループからである。一般に、配列の下位群は、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest、Fifth Edition、NIH Publication 91−3242、Bethesda MD(1991)、vols.1−3におけるようなサブグループである。一実施形態において、VLについて、サブグループは、上記のKabatらにあるようなサブグループカッパIである。一実施形態において、VHについて、サブグループは、上記のKabatらにあるようなサブグループIIIである。

0068

本明細書における「Fc領域」という用語は、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するように使用される。この用語は、天然配列Fc領域及び変異体Fc領域を含む。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は様々であり得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は通常、Cys226位のアミノ酸残基から、またはPro230から、そのカルボキシル末端まで伸びると定義される。Fc領域のC末端リジン(EUインデックスとも呼ばれる、EU付番方式によると残基447、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991に記載される通り)は、例えば、抗体の産生もしくは精製の間に、または抗体の重鎖をコードする核酸を組み換え操作することによって、除去されてもよい。したがって、無傷抗体の組成物は、全K447残基が除去された抗体集団、除去されたK447残基がない抗体集団、及びK447残基を有する抗体と有しない抗体との混合物を有する抗体集団を含んでもよい。「Fc受容体」または「FcR」という用語にはまた、胎児への母体IgGの移入を担う、新生児受容体であるFcRnも含まれる。Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)、及びKim et al.,J.Immunol.24:249(1994)。FcRnへの結合の測定方法は既知である(例えば、Ghetie and Ward,Immunol.Today 18:(12):592−8(1997)、Ghetie et al.,Nature Biotechnology 15(7):637−40(1997)、Hinton et al.,J.Biol.Chem.279(8):6213−6(2004)、WO2004/92219(Hintonら)を参照されたい)。ヒトFcRn高親和性結合ポリペプチドのインビボでのFcRnへの結合及び血清中半減期は、例えば、ヒトFcRnを発現するトランスジェニックマウスもしくはトランスフェクトヒト細胞株において、または変異体Fc領域を有するポリペプチドが投与される霊長類においてアッセイすることができる。WO2004/42072(Presta)は、FcRへの結合を向上または減少させた抗体変異体を記載している。また、例えば、Shieldset al.,J.Biol.Chem.9(2):6591−6604(2001)を参照されたい。

0069

「親和性成熟」抗体は、変化を有しない親抗体と比較して、1つ以上の超可変領域(HVR)において1つ以上の変化を有し、かかる変化によって抗原に対する抗体の親和性を改善する、抗体を指す。

0070

「エピトープ」という用語は、抗体が結合する抗原分子上の特定の部位を指す。

0071

参照抗体と「同じエピトープに結合する抗体」は、競合アッセイにおいて、参照抗体がその抗原に結合するのを50%以上遮断する抗体、及び逆に、競合アッセイにおいて、抗体がその抗原に結合するのを50%以上遮断する参照抗体を指す。例示的な競合アッセイが本明細書に提供される。

0072

「裸の抗体」は、異種性部分(例えば、細胞傷害性部分)または放射標識に複合されていない抗体を指す。裸の抗体は、薬学的製剤中に存在してもよい。

0073

エフェクター機能」は、抗体アイソタイプにより異なる抗体のFc領域に起因し得る生物活性を指す。抗体エフェクター機能の例としては、C1q結合及び補体依存性細胞傷害(CDC)、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、食作用細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の下方制御、ならびにB細胞活性化が挙げられる。

0074

「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」またはADCCは、ある特定の細胞傷害性細胞(例えばナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、及びマクロファージ)上に存在するFc受容体(FcR)と結合した分泌Igが、これらの細胞傷害性エフェクター細胞抗原保有標的細胞と特異的に結合して、続いて細胞毒を用いて標的細胞を死滅させることができるようにする細胞傷害性の形態を指す。抗体は、細胞傷害性細胞で「武装」し、この機序により標的細胞を死滅させるために必要である。ADCCを媒介するための主要な細胞であるNK細胞は、Fcγ(ガンマRIIIのみを発現するが、単球は、Fcγ(ガンマ)RI、Fcγ(ガンマ)RII、及びFcγ(ガンマ)RIIIを発現する。造血細胞上のFc発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457−92(1991)の464頁の表3に要約されている。目的の分子のADCC活性を評価するために、US5,500,362またはUS5,821,337に記載されるようなインビトロADCCアッセイを行ってもよい。このようなアッセイのための有用なエフェクター細胞には、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が含まれる。あるいは、またはさらに、目的の分子のADCC活性は、インビボで、例えば、Clynes et al.,PNAS USA 95:652−656(1998)に開示されるような、動物モデルで評価してもよい。

0075

「食作用」は、宿主細胞(例えばマクロファージまたは好中球)により病原体が飲み込まれるか、または内部移行されるプロセスを指す。食細胞は、3つの経路により食作用を媒介する:(i)直接細胞表面受容体(例えばレクチンインテグリン、及びスカベンジャー受容体)、(ii)補体増強−補体でオプソニン化した病原体と結合してそれを摂食する補体受容体(C3b、CR3及びCR4についての受容体CRIを含む)を用いる、及び(iii)抗体増強−抗体でオプソニン化した粒子(これは、次いで内部移行され、リソソームと融合してファゴリソソームになる)と結合するFc受容体(FcγガンマRI、FcγガンマRIIA、及びFcγガンマRIIIAを含む)を用いる。本発明では、経路(iii)が感染白血球、例えば好中球及びマクロファージへの抗MRSA AAC治療剤の送達において重要な役割を果たすと考えられる(Phagocytosis of Microbes:complexity in Action by D.Underhill and A Ozinsky.(2002)Annual Review of Immunology,Vol 20:825)。

0076

「補体依存性細胞傷害性」または「CDC」は、補体の存在下での標的細胞の溶解を指す。古典的補体経路の活性化は、補体系の第1成分(C1q)が(適当なサブクラスの)抗体と結合することにより開始され、該抗体にはそれらの同族抗原が結合する。補体活性化を評価するために、例えば、Gazzano−Santoro et al.,J.Immunol.Methods202:163(1996)に記載されるような、CDCアッセイを行ってもよい。

0077

Fc領域と結合している炭水化物は、改変してもよい。哺乳類細胞によって産生される天然抗体は、典型的には、分岐した二分岐オリゴ糖を含み、これは、概して、N−結合によってFc領域のCH2ドメインのAsn297に結合される。例えば、Wrightら(1997) TIBTECH 15:26−32を参照されたい。オリゴ糖は、様々な炭水化物、例えばマンノース、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、及びシアル酸、ならびに二分岐オリゴ糖構造の「」中のGlcNAcと結合したフコースを含んでもよい。いくつかの実施形態では、IgG中のオリゴ糖の修飾は、ある特定のさらに改善された特性を有するIgGを作製するために行われてもよい。例えば、Fc領域と(直接的または間接的に)結合したフコースを欠く炭水化物構造を有する抗体修飾をもたらす。このような修飾は、改善されたADCC機能を有し得る。例えば、US2003/0157108(Presta,L.)、US2004/0093621(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)を参照されたい。「脱フコシル化」または「フコース欠損」抗体修飾に関連する刊行物の例としては、US2003/0157108、WO2000/61739、WO2001/29246、US2003/0115614、US2002/0164328、US2004/0093621、US2004/0132140、US2004/0110704、US2004/0110282、US2004/0109865、WO2003/085119、WO2003/084570、WO2005/035586、WO2005/035778、WO2005/053742、WO2002/031140、Okazaki et al.,J.Mol.Biol.336:1239−1249(2004)、Yamane−Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)が挙げられる。脱フコシル化抗体を産生することができる細胞株の例としては、タンパク質フコシル化が欠損した13CHO細胞(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533−545(1986)、米国特許出願公開番号2003/0157108 Al、Presta,L、及びWO2004/056312 Al、Adams et al.,特に実施例11における)、及びアルファ−1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞等のノックアウト細胞株(例えば、Yamane−Ohnuki et al.,Biotech.Bioeng.87:614(2004)、Kanda,Y.et al,Biotechnol.Bioeng.,94(4):680−688(2006)、及びWO2003/085107を参照されたい)が挙げられる。

0078

単離抗体」は、その天然環境の構成成分から分離された抗体である。いくつかの実施形態では、抗体は、例えば、電気泳動(例えばSDS−PAGE、等電点電気泳動法IEF)、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフ法(例えば、イオン交換もしくは逆相HPLC)によって決定される、95%超または99%超の純度まで精製される。抗体純度の評価のための方法の概説に関して、例えば、Flatman et al.,J.Chromatogr.B 848:79−87(2007)を参照されたい。

0079

単離核酸」は、その天然環境の成分から分離された核酸分子を指す。単離核酸には、核酸分子を通常含有する細胞内に含有される核酸分子であるが、その核酸分子が、染色体外に、またはその天然の染色体位置とは異なる染色体位置に存在する核酸分子を含む。

0080

「抗WTAベータ抗体をコードする単離核酸」は、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする1つ以上の核酸分子を指し、それには単一のベクターまたは別個のベクターにおけるかかる核酸分子(複数可)が含まれ、かかる核酸分子(複数可)は、宿主細胞内の1つ以上の場所に存在する。

0081

本明細書で使用されるとき、「に特異的に結合する」または「に対して特異的」であるという用語は、生体分子を含む分子の異種集団の存在下で標的の存在を決定するものである、標的と抗体との間の結合等の測定可能かつ再現可能な相互作用を指す。例えば、標的(これはエピトープであり得る)に特異的に結合する抗体は、他の標的に結合するよりも高い親和性、結合力で、より容易に、及び/またはより長い持続時間でこの標的に結合する、抗体である。一実施形態では、WTA−ベータと無関係の標的との結合の程度は、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)により測定される、標的との抗体の結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、WTAベータと特異的に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、または0.1nM以下の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態では、抗体は、異なる種から保存されたエピトープと特異的に結合する。別の実施形態では、特異的結合は、排他的結合を含み得るが、それを必要とはしない。

0082

結合親和性」は、一般的に、分子(例えば抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば抗原)との間の非共有結合的相互作用の合計の強度を指す。別途指定されない限り、本明細書で使用されるとき、「結合親和性」は、結合対メンバー(例えば、抗体及び抗原)間の1:1の相互作用を反映する、固有の結合親和性を指す。分子Xの、そのパートナーYについての親和性は、一般的に、解離定数(Kd)によって表すことができる。親和性は、本明細書に記載される方法を含む、当該技術分野で既知の一般的な方法によって測定することができる。低親和性抗体は、一般的に、抗原とゆっくり結合し、容易に解離する傾向にあるが、高親和性抗体は、一般的に、抗原と迅速に結合し、より長く結合したままの傾向にある。結合親和性を測定する様々な方法が当該技術分野で知られており、本発明の目的のためにこれらのいずれも用いることができる。結合親和性を測定するための具体的な例証的説明及び例示的な実施形態が、以下に記載される。

0083

一実施形態では、本発明に従う「Kd」または「Kd値」は、以下のアッセイにより説明されるように、目的の抗体のFabバージョンとその抗原とを用いて行われる放射性標識抗原結合アッセイ(RIA)によって測定される。抗原に対するFabの溶液結合親和性は、未標識抗原一連の滴定の存在下で、最小濃度の(125I)標識抗原とFabを平衡化し、次いで、抗Fab抗体コーティングプレートで結合した抗原を捕捉することによって測定される(例えば、Chen et al.,(1999)J.Mol.Biol.293:865−881)。アッセイのための条件を確立するために、マイクロタイタープレート(DYNEX Technologies,Inc.)を50mM炭酸ナトリウム(pH9.6)中の5μg/mlの捕捉抗Fab抗体(CappelLabs)で終夜コーティングし、その後、PBS中の2%(w/v)ウシ血清アルブミンで2〜5時間室温(約23℃)でブロックする。非吸着プレート(Nunc#269620)中に、100pMまたは26pMの[125I]−抗原を、目的のFabの系列希釈(例えば、Presta et al.,Cancer Res.57:4593−4599(1997)における、抗VEGF抗体Fab−12の評価と一致)と混合する。目的のFabを次いで一晩インキュベートするが、インキュベーションは、確実に平衡に到達させるために、より長い期間(例えば、約65時間)継続してもよい。その後、混合物を、室温での(例えば、1時間にわたる)インキュベーションのために、捕捉プレートに移す。次いで、溶液を除去し、プレートを、PBS中0.1%のTWEEN−20(商標)界面活性剤で8回洗浄する。プレートが乾燥したら、150μl/ウェルの閃光物質MICROSCINT−20(商標)、Packard)を添加し、プレートをTOPCOUNT(商標)ガンマカウンタ(Packard)により10分間計数する。最大結合の20%以下をもたらす各Fabの濃度を、競合結合アッセイにおいて使用するために選定する。

0084

別の実施形態によれば、Kdは、BIACORE(登録商標)2000またはBIACORE(登録商標)3000装置(BIAcore,Inc.,Piscataway,NJ)を用いる表面プラズモン共鳴アッセイを使用して、25℃で、約10応答単位(RU)で固定化された抗原CM5チップを用いて測定される。簡潔に述べると、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサチップ(CM5、BIAcore Inc.)を、供給業者の指示に従って、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)を用いて活性化させる。抗原を10mMの酢酸ナトリウム(pH4.8)で5μg/mL(約0.2μM)まで希釈した後、カップリングされたタンパク質のおよそ10応答単位(RU)を達成するように、5μL/分の流速で注射する。抗原の注射後、1Mのエタノールアミンを注射して、未反応の基をブロッキングする。動態測定については、Fabの2倍段階希釈液(0.78nM〜500nM)を、0.05%TWEEN−20(商標)界面活性剤を含むPBS(PBST)に、25℃で、およそ25μL/分の流速で注射する。会合速度(kon)と解離速度(koff)は、会合及び解離のセンサーグラムを同時に適合させることにより、単純一対一ラングミュア結合モデル(BIAcore(登録商標)評価ソフトウェアバージョン3.2)を使用して計算される。平衡状態解離定数(Kd)は、koff/kon比として計算される。例えば、Chen et al.,J.Mol.Biol.293:865−881(1999)を参照されたい。上記の表面プラズモン共鳴アッセイにより結合速度が106M−1s−1を超える場合、結合速度は、ストップフローを備えた分光光度計(Aviv Instruments)または撹拌キュベットを備えた8000シリーズSLM−AMINCO(商標)分光光度計(ThermoSpectronic)等の分光計で測定される、増加濃度の抗原の存在下で、pH7.2のPBS中、25℃における、20nMの抗抗原抗体(Fab型)の蛍光発光強度励起=295nM、発光=340nM、16nMの帯域通過)における増加または減少を測定する蛍光消光技術を使用することにより、決定され得る。

0085

本発明による「結合速度(on−rate)」、「会合の速度」、「会合速度」、または「kon」はまた、BIACORE(登録商標)2000またはBIACORE(登録商標)3000システム(BIAcore,Inc.,Piscataway,NJ)を用いて上記のように決定することもできる。

0086

「宿主細胞」、「宿主細胞株」、及び「宿主細胞培養物」という用語は、同義に使用され、外因性核酸が導入された細胞を指し、かかる細胞の子孫を含む。宿主細胞には、初代形質転換細胞及び継代の数に関わらずそれに由来する子孫を含む、「形質転換体」及び「形質転換細胞」が含まれる。子孫は、親細胞と完全に同一の核酸含量でない場合があるが、突然変異を含んでもよい。元の形質転換された細胞においてスクリーニングまたは選択されたものと同じ機能または生物活性を有する突然変異体子孫が、本明細書に含まれる。

0087

本明細書で使用される「ベクター」という用語は、連結している別の核酸を増殖することが可能な核酸分子を指す。この用語には、自己複製核酸構造としてのベクター及び導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターが含まれる。ある特定のベクターは、動作可能に連結された核酸の発現を導くことが可能である。かかるベクターは、本明細書で「発現ベクター」と称される。

0088

参照ポリペプチド配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列をアライメントし、配列同一性最大パーセントを得るのに必要な場合はギャップを導入した後に、いかなる保存的置換も配列同一性の部分として考慮せずに、参照ポリペプチド配列におけるアミノ酸残基と同一である、候補配列におけるアミノ酸残基の割合として定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のためのアライメントは、例えばBLAST、BLAST−2、ALIGN、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェア等の、公的に利用可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当該技術分野における技術の範囲内の種々の方式で達成することができる。当業者は、比較する配列の完全長にわたる最大のアライメントを得るために必要とされる任意のアルゴリズムを含む、配列をアライメントするために適切なパラメータを決定することができる。しかしながら、本明細書における目的のために、アミノ酸配列同一性%値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN−2を使用して生成される。ALIGN−2配列比較コンピュータプログラムは、Genentech,Inc.により著され、ソースコードは、米国著作権局、Washington D.C.、20559においてユーザ文書と共にファイルされており、U.S.著作権第TXU510087号の下で登録されている。ALIGN−2プログラムは、Genentech,Inc.,South San Francisco,Californiaから公的に利用可能であるか、またはソースコードから編集されてもよい。ALIGN−2プログラムは、デジタルUNIX V4.0Dを含むUNIXオペレーティングシステムで使用するために編集すべきである。全ての配列比較パラメータは、ALIGN−2プログラムによって設定され、変更されない。

0089

アミノ酸配列比較のためにALIGN−2が用いられる場合、所与のアミノ酸配列Bに対する、それとの、またはそれと対比した、所与のアミノ酸配列Aのアミノ酸配列同一性%(代替的に、所与のアミノ酸配列Bに対する、それとの、またはそれと対比したある特定のアミノ酸配列同一性%を有する、またはそれを含む、所与のアミノ酸配列Aと表現され得る)は、次のように算出される。分数X/Yの100倍(式中、Xは、配列アライメントプログラムALIGN−2によって、そのプログラムのA及びBのアライメントにおいて完全な一致としてスコア化されたアミノ酸残基の数であり、Yは、B中のアミノ酸残基の総数である)。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、Bに対するAのアミノ酸配列同一性%は、Aに対するBのアミノ酸配列同一性%と等しくはならないことが理解されよう。特に別途定めのない限り、本明細書で使用される全てのアミノ酸配列同一性%値は、記載されるように得られる。

0090

「リファマイシン型抗生物質」という用語は、リファマイシンの構造またはリファマイシンに類似する構造を有する抗生物質のクラスまたは群を意味する。

0091

「リファラジル型抗生物質」という用語は、リファラジルの構造またはリファラジルに類似する構造を有する抗生物質のクラスまたは群を意味する。

0092

置換基の数を示す場合、「1つ以上」という用語は、1つの置換基から可能な限り最高の置換の数、すなわち1つの水素の置き換えから全ての水素の置換基による置き換えまでの範囲を指す。「置換基」という用語は、親分子の水素原子を置き換える原子または原子団を示す。「置換された」という用語は、明記された基が1つ以上の置換基を担持することを示す。いずれの基も複数の置換基を有することができ、多様な可能性のある置換基が提供される場合、置換基は独立して選択され、同じである必要はない。「非置換の」という用語は、明記された基が置換基を担持しないことを意味する。「任意に置換された」という用語は、明記された基が置換されていないか、または可能性のある置換基の群から独立して選択される1つ以上の置換基で置換されることを意味する。置換基の数を示す場合、「1つ以上」という用語は、1つの置換基から可能な限り最高の置換の数、すなわち1つの水素の置き換えから全ての水素の置換基による置き換えまでの範囲を意味する。

0093

本明細書で使用される「アルキル」という用語は、1〜12個の炭素原子(C1−C12)の飽和した直鎖または分岐鎖一価炭化水素ラジカルを指し、アルキルラジカルは、以下に記載する1つ以上の置換基で、独立して置換されていてもよい。別の実施形態では、アルキルラジカルは、1〜8個の炭素原子(C1−C8)、または1〜6個の炭素原子(C1−C6)である。アルキル基の例としては、メチル(Me、−CH3)、エチル(Et、−CH2CH3)、1−プロピル(n−Pr、n−プロピル、−CH2CH2CH3)、2−プロピル(i−Pr、i−プロピル、−CH(CH3)2)、1−ブチル(n−Bu、n−ブチル、−CH2CH2CH2CH3)、2−メチル−1−プロピル(i−Bu、i−ブチル、−CH2CH(CH3)2)、2−ブチル(s−Bu、s−ブチル、−CH(CH3)CH2CH3)、2−メチル−2−プロピル(t−Bu、t−ブチル、−C(CH3)3)、1−ペンチル(n−ペンチル、−CH2CH2CH2CH2CH3)、2−ペンチル(−CH(CH3)CH2CH2CH3)、3−ペンチル(−CH(CH2CH3)2)、2−メチル−2−ブチル(−C(CH3)2CH2CH3)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH3)CH(CH3)2)、3−メチル−1−ブチル(−CH2CH2CH(CH3)2)、2−メチル−1−ブチル(−CH2CH(CH3)CH2CH3)、1−ヘキシル(−CH2CH2CH2CH2CH2CH3)、2−ヘキシル(−CH(CH3)CH2CH2CH2CH3)、3−ヘキシル(−CH(CH2CH3)(CH2CH2CH3))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CH3)2CH2CH2CH3)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH3)CH(CH3)CH2CH3)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH3)CH2CH(CH3)2)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH3)(CH2CH3)2)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CH2CH3)CH(CH3)2)、2,3−ジメチル−2−ブチル(−C(CH3)2CH(CH3)2)、3,3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH3)C(CH3)3、1−ヘプチル、1−オクチル等が挙げられるが、これらに限定されない。

0094

本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、1〜12個の炭素原子(C1−C12)の飽和した直鎖または分岐鎖の二価の炭化水素ラジカルを指し、アルキレンラジカルは、任意に、以下に記載する1つ以上の置換基で、独立して置換されていてもよい。別の実施形態では、アルキレンラジカルは、1〜8個の炭素原子(C1−C8)、または1〜6個の炭素原子(C1−C6)である。アルキレン基の例としては、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレン(−CH2CH2CH2−)等が挙げられるが、これらに限定されない。

0095

アルケニル」という用語は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素−炭素sp2二重結合を有する2〜8個の炭素原子(C2−C8)の直鎖または分岐鎖の一価の炭化水素ラジカルを指し、アルケニルラジカルは、任意に、本明細書に記載される1つ以上の置換基で、独立して置換されていてもよく、「シス」及び「トランス配向、またはあるいは「E」及び「Z」配向を有するラジカルを含む。例としては、エチレニルまたはビニル(−CH=CH2)、アリル(−CH2CH=CH2)等が挙げられるが、これらに限定されない。

0096

アルケニレン」という用語は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素−炭素sp2二重結合を有する2〜8個の炭素原子(C2−C8)の直鎖または分岐鎖の二価の炭化水素ラジカルを指し、アルケニレンラジカルは、任意に、本明細書に記載される1つ以上の置換基で、独立して置換されていてもよく、「シス」及び「トランス」配向、またはあるいは「E」及び「Z」配向を有するラジカルを含む。例としては、エチレニレンまたはビニレン(−CH=CH−)、アリル(−CH2CH=CH−)等が挙げられるが、これらに限定されない。

0097

アルキニル」という用語は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素−炭素sp三重結合を有する2〜8個の炭素原子(C2−C8)の直鎖または分岐鎖の一価の炭化水素ラジカルを指し、アルキニルラジカルは、任意に、本明細書に記載される1つ以上の置換基で、独立して置換されていてもよい。例としては、エチニル(−C≡CH)、プロピニルプロパルギル、−CH2C≡CH)等が挙げられるが、これらに限定されない。

0098

アルキニレン」という用語は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素−炭素sp三重結合を有する2〜8個の炭素原子(C2−C8)の直鎖または分岐鎖の二価の炭化水素ラジカルを指し、アルキニレンラジカルは、任意に、本明細書に記載される1つ以上の置換基で、独立して置換されていてもよい。例としては、エチニレン(−C≡C−)、プロピニレン(プロパルギレン、−CH2C≡C−)等が挙げられるが、これらに限定されない。

0099

炭素環」、「カルボシクリル」、「炭素環式環」、及び「シクロアルキル」という用語は、単環式環として3〜12個の炭素原子(C3−C12)または二環式環として7〜12個の炭素原子を有する一価の非芳香族の飽和したまたは部分的に不飽和の環を指す。7〜12個の原子を有する二環式炭素環は、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]、もしくは[6,6]系として配置することができ、9または10個の原子を有する二環式炭素環は、ビシクロ[5,6]または[6,6]系として、またはビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、及びビシクロ[3.2.2]ノナン等の架橋系として配置することができる。スピロ部分も本定義の範囲に含まれる。単環式炭素環の例としては、シクロプロピルシクロブチルシクロペンチル、1−シクロペント−1−エニル、1−シクロペント−2−エニル、1−シクロペント−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキシ−1−エニル、1−シクロヘキシ−2−エニル、1−シクロヘキシ−3−エニル、シクロヘキサジエニルシクロヘプチルシクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル等が挙げられるが、これらに限定されない。カルボシクリル基は、任意に、本明細書に記載される1つ以上の置換基で、独立して置換される。

0100

「アリール」は、親の芳香環系の単一炭素原子から1つの水素原子を除去することにより導かれる6〜20個の炭素原子(C6−C20)の一価の芳香族炭化水素ラジカルを意味する。いくつかのアリール基としては、例示的構造において「Ar」と表される。アリールは、飽和、部分的に不飽和の環、または芳香族炭素環式環と縮合した芳香環を含む二環式ラジカルを含む。典型的なアリール基としては、ベンゼンフェニル)、置換ベンゼンナフタレンアントラセンビフェニルインデニルインダニル、1,2−ジヒドロナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル等に由来するラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。アリール基は、任意に、本明細書に記載される1つ以上の置換基で、独立して置換される。

0101

アリーレン」は、親の芳香環系の2個の炭素原子から2個の水素原子を除去することにより導かれる6〜20個の炭素原子(C6−C20)の二価の芳香族炭化水素ラジカルを意味する。いくつかのアリーレン基としては、例示的構造において「Ar」と表される。アリーレンは、飽和、部分的に不飽和の環、または芳香族炭素環式環と縮合した芳香環を含む二環式ラジカルを含む。典型的なアリーレン基としては、ベンゼン(フェニレン)、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニレン、インデニレン、インダニレン、1,2−ジヒドロナフタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル等に由来するラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。アリーレン基は、任意に、本明細書に記載される1つ以上の置換基で置換される。

0102

複素環」、「ヘテロシクリル」、及び「複素環式環」という用語は、本明細書において同義で用いられ、3〜約20個の環原子の飽和または部分的に不飽和(すなわち1つ以上の二重及び/または三重結合を環の中に有する)の炭素環式ラジカルを指し、少なくとも1つの環原子は、窒素酸素、リン、及び硫黄から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子はCであり、1つ以上の環原子は、任意に、以下に記載される1つ以上の置換基で、独立して置換される。複素環は、3〜7員環(2〜6個の炭素原子ならびにN、O、P、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子)の単環または7〜10員環(4〜9個の炭素原子ならびにN、O、P、及びSから選択される1〜6個のヘテロ原子)の二環、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]、または[6,6]系であってよい。複素環は、Paquette,Leo A.;“Principles of Modern Heterocyclic Chemistry”(W.A.Benjamin,New York,1968)、特に第1、3、4、6、7及び9章;“The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A series of Monographs”(John Wiley & Sons,New York,1950〜現在)、特に第13巻、第14巻、第16巻、第19巻、及び第28巻、ならびにJ.Am.Chem.Soc.(1960)82:5566に記載されている。「ヘテロシクリル」は、複素環ラジカルが、飽和、部分的に不飽和の環、または芳香族炭素環式もしくは複素環式環と縮合したラジカルも含む。複素環式環としては、例えば、モルホリン−4−イルピペリジン−1−イル、ピペラジニルピペラジン−4−イル−2−オン、ピペラジン−4−イル−3−オン、ピロリジン−1−イル、チオモルホリン−4−イル、S−ジオキソチオモルホリン−4−イル、アゾカン−1−イル、アゼチジン−1−イル、オクタヒドロピリド[1,2−a]ピラジン−2−イル、[1,4]ジアゼパン−1−イル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニルジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニルテトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノモルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼチジニルオキセタニルチエタニル、ホモピペリジニルオキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリニルイミダゾリニル、イミダゾリニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.2]ヘキサニル、3H−インドリルキノリジニル、及びN−ピリジルウレアが挙げられるが、これらに限定されない。スピロ部分も本定義の範囲に含まれる。2つの環原子がオキソ(=O)部分で置換された複素環式基の例は、ピリミジノニル及び1,1−ジオキソ−チオモルホリニルである。本明細書における複素環基は、任意に、本明細書に記載される1つ以上の置換基で、独立して置換される。

0103

「ヘテロアリール」という用語は、5、6、または7員環の一価の芳香族基を指し、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1つ以上のヘテロ原子を含む5〜20個の原子の縮合環系(その少なくとも1つは芳香族である)を含む。ヘテロアリール基の例は、ピリジニル(例えば2−ヒドロキシピリジニルを含む)、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、ピリミジニル(例えば4−ヒドロキシピリミジニルを含む)、ピラゾリルトリアゾリルピラジニルテトラゾリルフリル、チエニル、イソキサゾリルチアゾリルオキサジアゾリルオキサゾリルイソチアゾリル、ピロリル、キノリニルイソキノリニルテトラヒドロイソキノリニル、インドリル、ベンズイミダゾリルベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニルトリアジニル、イソインドリル、プテリジニルプリニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリルベンゾオキサゾリルキナゾリニルキノキサリニルナフチリジニル、及びフロピリジニルである。ヘテロアリール基は、任意に、本明細書に記載される1つ以上の置換基で、独立して置換される。

0104

複素環またはヘテロアリール基は、可能であれば、炭素(炭素結合した)または窒素(窒素結合した)結合してもよい。例として、限定されないが、炭素結合した複素環またはヘテロアリールは、ピリジンの2、3、4、5、もしくは6位、ピリダジンの3、4、5、もしくは6位、ピリミジンの2、4、5、もしくは6位、ピラジンの2、3、5、もしくは6位、フランテトラヒドロフランチオフランチオフェンピロール、もしくはテトラヒドロピロールの2、3、4、もしくは5位、オキサゾールイミダゾール、もしくはチアゾールの2、4、もしくは5位、イソキサゾールピラゾール、もしくはイソチアゾールの3、4、もしくは5位、アジリジンの2もしくは3位、アゼチジンの2、3、もしくは4位、キノリンの2、3、4、5、6、7、もしくは8位、またはイソキノリンの1、3、4、5、6、7、もしくは8位で結合される。

0105

例として、限定されないが、窒素結合した複素環またはヘテロアリールは、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドールインドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドールまたはイソインドリンの2位、モルホリンの4位、及びカルバゾ−ルまたはβ−カルボリンの9位で結合される。

0106

代謝産物」は、特定の化合物またはその塩の体内での代謝により生成される生成物である。化合物の代謝産物は、当該技術分野で既知の日常的な技術を用いて同定することができ、それらの活性は、本明細書に記載されるもののような試験を用いて決定することができる。かかる生成物は、例えば、投与される化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化脱アミド化エステル化脱エステル化酵素的切断等から生じることができる。したがって、本発明は、本発明の式Iの化合物を、その代謝生成物を生じるのに十分な期間、哺乳動物と接触させることを含む、プロセスにより生成される化合物を含む、本発明の化合物の代謝産物を含む。

0107

「薬学的製剤」という用語は、調製物の中に含有される活性成分の生物活性が有効になるような形態であり、かつ製剤が投与され得る対象にとって許容できないほど有毒である追加の構成成分を何ら含有しない調製物を指す。

0108

滅菌」製剤は、無菌、または全ての生存微生物及びそれらの胞子を含まないことである。

0109

「安定」製剤は、含まれるタンパク質が貯蔵中に物理的及び化学的安定性及び完全性を本質的に保持するものである。タンパク質安定性を測定するための様々な分析技術が当該技術分野で利用可能であり、Peptide and Protein Drug Delivery,247−301,Vincent Lee Ed.,Marcel Dekker,Inc.,New York,New York,Pubs.(1991) and Jones,A.Adv.Drug Delivery Rev.10:29−90(1993)に概説がある。安定性は、選択された温度にて選択された期間測定することができる。迅速スクリーニングのために、製剤を40℃に2週間から1カ月間保存することができ、その時に安定性を測定する。製剤が2〜8℃で貯蔵されるものである場合、一般的に、製剤は、30℃もしくは40℃にて少なくとも1カ月間安定であり、かつ/または2〜8℃にて少なくとも2年間安定である。製剤が30℃で貯蔵されるものである場合、一般的に、製剤は、30℃にて少なくとも2年間安定であり、かつ/または40℃にて少なくとも6カ月間安定である。例えば、貯蔵中の凝集の程度は、タンパク質安定性の指標として用いることができる。よって、「安定」製剤は、タンパク質の約10%未満及び好ましくは約5%未満が製剤中に凝集物として存在するものであってよい。他の実施形態では、製剤の貯蔵中の凝集物形成のいずれの増加も決定することができる。

0110

等張」製剤は、ヒト血液と本質的に同じ浸透圧を有するものである。等張製剤は、一般的に、約250〜350mOsmの浸透圧を有する。「低張」という用語は、ヒト血液のものより低い浸透圧を有する製剤を説明する。同様に、「高張」という用語は、ヒト血液のものより高い浸透圧を有する製剤を説明するために用いられる。等張性は、例えば蒸気圧浸透圧計または氷結浸透圧計を用いて測定することができる。本発明の製剤は、塩及び/または緩衝液の添加の結果として高張である。

0111

本明細書で使用される「担体」には、用いられる投与量及び濃度でそれに曝露されている細胞または哺乳動物にとって無毒である、薬学的に許容される担体、賦形剤、または安定剤が含まれる。多くの場合、生理的に許容される担体は、pH緩衝水溶液である。生理的に許容される担体の例としては、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸等の緩衝液;アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミンゼラチン、もしくは免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーグリシングルタミンアスパラギンアルギニン、もしくはリジン等のアミノ酸;単糖類、二糖類、及びグルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTA等のキレート剤マンニトールもしくはソルビトール等の糖アルコール;ナトリウム等の塩形成対イオン;ならびに/またはTWEEN(登録商標)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONICS(商標)等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。

0112

「薬学的に許容される担体」は、対象にとって無毒である、活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容される担体には、緩衝液、賦形剤、安定剤、または防腐剤が含まれるが、これらに限定されない。「薬学的に許容される酸」は、処方される濃度及び様式にて非毒性である無機及び有機酸を含む。例えば、適切な無機酸としては、塩化水素酸過塩素酸臭化水素酸ヨウ化水素酸硝酸硫酸スルホン酸スルフィン酸スルファニル酸、リン酸、炭酸等が挙げられる。適切な有機酸としては、直鎖及び分岐鎖アルキル、芳香族、環状、脂環式アリール脂肪族複素環式、飽和、不飽和のモノ、ジ、及びトリカルボン酸(例えばギ酸酢酸、2−ヒドロキシ酢酸トリフルオロ酢酸フェニル酢酸トリメチル酢酸、t−ブチル酢酸、アントラニル酸プロパン酸、2−ヒドロキシプロパン酸、2−オキソプロパン酸、プロパン二酸、シクロペンタンプロピオン酸、シクロペンタンプロピオン酸、3−フェニルプロピオン酸ブタン酸ブタン二酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、2−アセトキシ−安息香酸、アスコルビン酸、桂皮酸ラウリル硫酸、ステアリン酸ムコン酸マンデル酸コハク酸エンボン酸、フマル酸リンゴ酸マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、マロン酸乳酸クエン酸酒石酸グリコール酸グリコン酸グルコン酸ピルビン酸グリオキサル酸シュウ酸、メシル酸、コハク酸、サリチル酸フタル酸パルモ酸、パルメイン酸、チオシアン酸メタンスルホン酸エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸2−ヒドロキシエタンスルホン酸ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、p−トルエンスルホン酸カンファスルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸グルコヘプトン酸、4,4’−メチレンビス−3−(ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、ヒドロキシナフトエ酸を含む)が挙げられる。

0113

「薬学的に許容される塩基」は、製剤中で処方される濃度及び様式にて非毒性である無機及び有機塩基を含む。例えば、適切な塩基としては、リチウム、ナトリウム、カリウムマグネシウムカルシウムアンモニウム、鉄、亜鉛、銅、マンガンアルミニウムN−メチルグルカミン、モルホリン、ピペリジンのような無機塩基形成性金属から形成されるもの、ならびに第一級第二級、及び第三級アミン置換アミン環状アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂[例えばN(R’)4+(式中、R’は、独立して、HまたはC1−4アルキル、例えばアンモニウム、トリスである)]、例えばイソプロピルアミントリメチルアミンジエチルアミントリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2−ジエチルアミノエタノール、トリメタミン、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジンカフェインプロカインヒドラバミン、コリンベタインエチレンジアミングルコサミンメチルグルカミンテオブロミンプリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペリジンポリアミン樹脂等を含む有機非毒性塩基が挙げられる。特に好ましい有機非毒性塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメタミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン、及びカフェインである。

0114

本発明で用いることができるさらなる薬学的に許容される酸及び塩基としては、アミノ酸、例えばヒスチジン、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、及びアスパラギンに由来するものが挙げられる。

0115

「薬学的に許容される」緩衝液及び塩としては、上記の酸及び塩基の酸及び塩基付加塩の両方に由来するものが挙げられる。具体的な緩衝液及び/または塩としては、ヒスチジン、コハク酸塩、及び酢酸塩が挙げられる。

0116

「薬学的に許容される糖」は、目的のタンパク質と混合した場合に、貯蔵の際のタンパク質の化学的及び/または物理的不安定性を著しく妨げるかまたは低減する分子である。製剤を凍結乾燥させ、次いで再構成することを目的とする場合、「薬学的に許容される糖類」は、「凍結乾燥保護剤」としても知られる。例示的な糖類及び対応する糖アルコールとしては、グルタミン酸1ナトリウムまたはヒスチジン等のアミノ酸;ベタイン等のメチルアミン硫酸マグネシウム等のリオトロピックな塩;三価またはそれより高い分子量の糖アルコール等のポリオール、例えばグリセリン、デキストラン、エリスリトール、グリセロール、アラビトールキシリトール、ソルビトール、及びマンニトール;プロピレングリコール;ポリエチレングリコール;PLURONICS(登録商標);及びそれらの混合物が挙げられる。さらなる例示的な凍結乾燥保護剤としては、グリセリン及びゼラチン、ならびに糖類メリビオースメレジトースラフィノースマントリオース、及びスタキオースが挙げられる。還元糖類の例としては、グルコース、マルトースラクトースマルロースイソマルツロース、及びラクツースが挙げられる。非還元糖類の例としては、糖アルコール及び他の直鎖多価アルコールから選択されるポリヒドロキシ化合物非還元グリコシドが挙げられる。好ましい糖アルコールは、モノグリコシド、特にラクトース、マルトース、ラクツロース、及びマルツロース等の二糖類の還元により得られる化合物である。グリコシド側鎖は、グルコシドまたはガラクトシドのいずれかであり得る。糖アルコールのさらなる例は、グルシトールマルチトールラクチトール、及びイソマルツロースである。好ましい薬学的に許容される糖類は、非還元糖類トレハロースまたはショ糖である。薬学的に許容される糖類は、タンパク質がその物理的及び化学的な安定性及び完全性を貯蔵中(例えば再構成及び貯蔵の後)に本質的に保持することを意味する「保護量」(例えば凍結乾燥前)で製剤に加えられる。

0117

目的の「希釈剤」は、本明細書において、薬学的に許容され(ヒトへの投与について安全かつ非毒性である)、液体製剤の調製物、例えば凍結乾燥後に再構成される製剤のために有用であるものである。例示的な希釈剤は、滅菌水、静菌性の注射用水(BWFI)、pH緩衝溶液(例えばリン酸緩衝生理食塩水)、滅菌食塩水溶液リンゲル液、またはデキストローズ溶液を含む。代替の実施態様では、希釈剤は、塩の水性溶液、及び/または緩衝液を含み得る。

0118

保存剤」は、細菌の活性を低減するために本明細書における製剤に加えることができる化合物である。保存剤の添加は、例えば、複数使用(複数回用量)製剤の製造を容易にすることがある。可能性のある保存剤としては、例えば、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリドヘキサメトニウムクロライドベンザルコニウムクロライド(アルキル基が長鎖化合物であるアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライドの混合物)及びベンゼトニウムクロライドが挙げられる。他の型の保存剤としては、芳香族アルコール、例えばフェノール、ブチル、及びベンジルアルコール、アルキルパラベン、例えばメチルまたはプロピルパラベンカテコールレゾルシノールシクロヘキサノール、3−ペンタノール、及びm−クレゾールが挙げられる。本明細書において最も好ましい保存剤は、ベンジルアルコールである。

0119

「個体」または「対象」または「患者」は、哺乳動物である。哺乳動物には、家畜(例えば、ウシヒツジネコイヌ、及びウマ)、霊長類(例えば、ヒト、及びサル等の非ヒト霊長類)、ウサギ、及び齧歯類(例えば、マウス及びラット)が含まれるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、個体または対象は、ヒトである。

0120

本明細書で使用されるとき、「治療」(及び「治療する」または「治療すること」等のその文法上の変形形態)は、臨床病理学の経過中に治療される個体、組織、または細胞の自然の経過を改変するように設計された臨床的介入を指す。治療の望ましい効果としては、疾患進行の速度の減少、病態の改善または緩和、及び寛解または予後の改善が挙げられ、全ては医師等の当業者により測定可能であるが、これらに限定されない。一実施態様では、治療は、症状の緩和、疾患の任意の直接的または間接的な病理学帰結漸減感染性疾患の進行速度の減少、病態の改善または緩和、及び寛解または予後の改善を意味し得る。いくつかの実施態様では、本発明のAAC、TACを用いて、疾患の発生を遅らせるか、または感染性疾患の進行を遅くする、または血液中ならびに/もしくは感染組織及び器官中の細菌負荷を低減する。

0121

本明細書で使用されるとき、「と併せて」は、1つの治療様式を別の治療様式に加えて施すことを指す。したがって、「と併せて」は、1つの治療様式を、他方の治療様式を施す前に、その間に、またはその後に、個体に施すことを指す。

0122

「菌血症」という用語は、血流中の細菌の存在を指し、これは、血液培養により最も一般的に検出される。細菌は、感染症(例えば肺炎または髄膜炎)の重度合併症として、手術中(特に消化管等の粘膜が関与する場合)、または動脈もしくは静脈に侵入するカテーテル及びその他の外来物体を原因として血流中に侵入することができる。菌血症は、いくつかの帰結をもたらし得る。細菌への免疫応答は、敗血症及び敗血症性ショックを引き起こすことができ、これらは比較的高い死亡率を有する。細菌は、体の他の部分に広がるために血液を用いることもでき、感染症が元の感染部位から離れることを引き起こす。例としては、心内膜炎または骨髄炎が挙げられる。

0123

「治療有効量」は、特定の障害の測定可能な改善をもたらすために必要な最小限の濃度である。治療有効量は、本明細書において、患者の病状年齢性別、及び体重、ならびに個体において所望の応答を引き起こすための抗体の能力のような因子によって変動し得る。治療有効量は、抗体の任意の毒性または有害な影響よりも治療的に有益な効果が勝ることでもある。一実施態様では、治療有効量は、インビボ感染症において菌血症を低減するために有効な量である。一態様では、「 治療有効量」は、少なくとも、血液等の患者試料から単離された細菌負荷またはコロニー形成単位(CFU)を、薬物投与の前と比べて少なくとも1log低減するのに有効な量である。より具体的な態様では、低減は、少なくとも2logである。別の態様では、低減は、少なくとも3、4、5logである。さらに別の態様では、低減は、本明細書に例示されたアッセイを含む、当該技術分野で既知のアッセイを用いる検出可能なレベルより低い。別の実施態様では、治療有効量は、治療期間にわたって与えられる1回以上の投与におけるAACの量であって、感染した患者の治療の前または治療の開始時の血液培養陽性と比較して、血液培養陰性(すなわちAACの標的である細菌が成長しない)を達成する量である。

0124

「予防有効量」は、必要な投与量及び投与期間にて、所望の予防的結果を達成するのに有効な量を指す。必ずではないが、通常、予防的用量は疾患の前、疾患の早期段階または感染症の危険性が上昇する状態への曝露の前にさえ対象において用いられるため、予防有効量は、治療有効量未満であり得る。一実施態様では、予防有効量は、少なくとも、感染症の出現またはある細胞から別の細胞への感染症の広がりを低減し、妨げるのに有効な量である。

0125

「慢性」投与は、急性の形態に対して、初期治療効果(活性)を長期間維持するような連続的な薬剤(複数を含む)の投与を指す。「間欠的」投与は、中断なく連続的に行うのではなく、むしろ周期的な治療である。

0126

添付文書」という用語は、かかる治療薬の適応症使用法投薬量、投与、併用療法禁忌症についての情報、及び/またはその使用に関する警告を含有する、治療剤製品パッケージに通例含まれる指示書を指すように使用される。

0127

キラル」という用語は、鏡像パートナーの重ね合せできない(non−superimposability)特性を有する分子を指し、一方で「アキラル」という用語は、それらの鏡像パートナーと重ね合せできる(superimposability)分子を指す。

0128

立体異性体」という用語は、同一の化学構成を有するが、空間内の原子または基の配置に関して異なる、化合物を指す。

0129

ジアステレオマー」は、2つ以上のキラル性の中心を有し、それらの分子が互いの鏡像でない、立体異性体を指す。ジアステレオマーは、異なる物理特性、例えば、融点沸点スペクトル特性、及び反応性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動法及びクロマトグラフィー等の高分解能分析手順の下で分離されてもよい。

0130

鏡像異性体」は、互いに重ね合せできない鏡像である、化合物の2つの立体異性体を指す。

0131

本明細書で使用される立体化学的な定義及び慣例は、一般に、S.P.Parker,Ed.,McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms(1984) McGraw−Hill Book Company,New York、及びEliel,E.and Wilen,S.,Stereochemistry of Organic Compounds(1994) John Wiley & Sons,Inc.,New Yorkに従う。多くの有機化合物は、光学的に活性な形態で存在する、すなわち、それらは、平面偏光の面を回転させる能力を有する。光学活性化合物について説明する際、接頭辞D及びL、またはR及びSは、そのキラル中心(複数可)を中心とした分子の絶対配置を表すために使用される。接頭辞d及びlまたは(+)及び(−)は、化合物による平面偏光の回転の表示を指定するために用いられ、(−)またはlは、化合物が左旋性であることを意味する。接頭辞が(+)またはdの化合物は、右旋性である。所与の化学構造について、これらの立体異性体は、互いに鏡像であることを除き、同一である。特定の立体異性体はまた、エナンチオマーとも称され、そのような異性体の混合物は、エナンチオマー混合物と呼ばれることがある。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物またはラセミ体と称され、これらは、化学反応またはプロセスにおいて立体選択または立体特異性が存在していない場合に生じ得る。「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」は、光学活性がない2つの光学異性体種の等モル混合物を指す。

0132

保護基」という用語は、他の官能基が化合物と反応する間に、特定の官能性をブロックまたは保護するために一般的に用いられる置換基を指す。例えば、「アミノ保護基」は、化合物中のアミノ官能性をブロックまたは保護する、アミノ基に結合した置換基である。好適なアミノ保護基には、アセチル、トリフルオロアセチル、t−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、及び9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル(fluorenylmethylenoxycarbonyl)(Fmoc)が含まれるが、これらに限定されない。保護基及びその使用の一般的な説明については、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons,New York,1991、またはより新しい版を参照されたい。

0133

本明細書で使用される「約」は、当業者であれば容易に分かるそれぞれの値に対する通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」の値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(かつ説明する)。

0134

本明細書及び添付の特許請求の範囲に使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形を含む。例えば、「抗体」への言及は、モル量のような1から多くの抗体までに対する言及であり、当業者に知られているその等価物を含む、等である。

0135

III.組成物及び方法
抗体−抗生物質複合体(AAC)
本明細書において実験結果は、細胞内細菌を排除することを目的とする治療法が臨床的効果を改善するという強力な指標である。このような目的で、本発明は、宿主細胞の細胞内区画に侵入する黄色ブドウ球菌生物体を選択的に死滅させる独自の治療剤を提供する。本発明は、そのような治療剤がバンコマイソン等の従来の抗生物質が効かないインビボモデルで有効であることを実証する。

0136

本発明は、従来の抗生物質療法を回避する細菌の集団を標的とすることによって抗生物質の回避を防ぐことを目的とする抗菌療法を提供する。新規の抗生物質療法は、黄色ブドウ球菌(MRSAを含む)に見出される細胞壁成分に特異的な抗体が、強力な抗生物質(リファマイシンの誘導体)と化学結合した抗体−抗生物質複合体(AAC)を用いて達成される。抗生物質は、抗体に、ほとんどの哺乳動物の細胞型に見出される、カテプシンB、リソソームプロテアーゼを含むプロテアーゼによって切断されるように設計されているプロテアーゼ切断可能な非ペプチドリンカーを介してつながれる(Dubowchik et al (2002) Bioconj.Chem.13:855−869)。その3構成成分を用いたAACのダイアグラムを図2に示す。いずれの1つの理論にも限定されないが、AACの作用の1つの機序を図3図式化する。AACは、リンカーが切断されるまで抗生物質が不活性である(抗体のサイズが大きいことによる)プロドラッグとして作用する。自然の感染において見出される著しい割合の黄色ブドウ球菌が宿主における感染症の経過中のある時点にて宿主細胞、主に好中球及びマクロファージにより取り込まれるため、宿主細胞内で費やされる時間は、細菌が抗生物質活性を逃れる著しい機会を提供する。本発明のAACは、黄色ブドウ球菌と結合し、細菌が宿主細胞により取り込まれた後にファゴリソソーム内で抗生物質を放出するように設計されている。この機序により、AACは、活性な抗生物質を、黄色ブドウ球菌が従来の抗生物質によりうまく治療されない場所において特異的に濃縮することができる。本発明は、特定の作用機序によっても限定または定義されないが、AACは、3つの可能性のある機序により抗生物質活性を改善する。(1)AACは、抗生物質を、細菌を取り込む哺乳動物細胞の内部に送達し、それによって、細菌が隔離されるファゴリソソーム内にあまり拡散しない抗生物質の力価を増加する。(2)AACは細菌をオプソニン化し、それによって、食細胞による遊離細菌の取り込みが増加し、抗生物質を局所的に放出して、細菌がファゴリソソームに隔離されている間に細菌を死滅させる。何千ものAACが、単一細菌と結合することができるため、このプラットフォームは、最大の抗菌の死滅を持続させるようなこれらの細胞内生態的地位において十分な抗生物質を放出する。さらに、より多くの細菌が前から存在する細胞内保有宿主から放出されるため、この抗体をベースとする療法の迅速な結合速度は、細菌が近隣または遠隔の細胞へと逃避し得る前に、これらの細菌の即時の「タギング」を確実にし、そのため、感染症のさらなる蔓延を軽減する。(3)AACは、血清から急速に除外される抗生物質と比較して、抗生物質を抗体と結合させることにより、抗生物質のインビボ半減期を改善する(改善された薬物動態)。AACの改善された薬物動態は、全身投与する必要がある抗生物質の全体的な用量を制限しながら、黄色ブドウ球菌が濃縮された領域に十分な抗生物質を送達することができる。この特性は、最小限の抗生物質副作用で、持続的な感染症を標的にするAACを用いる長期療法を可能にする。

0137

プロテアーゼ切断可能な非ペプチドリンカーによって、リファマイシン型抗生物質に共有結合される、抗壁テイコ酸(WTA)抗体を含む、抗体−抗生物質複合化合物。

0138

例示的な実施形態は、式、
Ab−(PML−abx)p、
を有する抗体−抗生物質複合体であって、
式中、
Abが、抗壁テイコ酸抗体であり、
PMLが、式、
−Str−PM−Y−
を有する、プロテアーゼ切断可能な非ペプチドリンカーであって、
式中、Strがストレッチャー単位であり、PMがペプチドミメティック単位であり、Yがスペーサー単位であり、
abxが、リファマイシン型抗生物質であり、
pが、1〜8の整数である。

0139

リファマイシン型抗生物質は、リファラジル型抗生物質であってもよい。

0140

リファマイシン型抗生物質は、プロテアーゼ切断可能な非ペプチドリンカーに結合している第4級アミンを含んでもよい。

0141

抗体−抗生物質複合体の例示的な実施形態は、式I、


を有し、
式中、
破線が、任意選択の結合を示し、
Rが、H、C1−C12アルキル、またはC(O)CH3であり、
R1がOHであり、
R2がCH=N−(ヘテロシクリル)であり、式中、ヘテロシクリルが、C(O)CH3、C1−C12アルキル、C1−C12ヘテロアリール、C2−C20ヘテロシクリル、C6−C20アリール、及びC3−C12カルボシクリルから独立して選択される1つ以上の基と任意に置換されるか、
または、R1及びR2が、5または6員縮合ヘテロアリールまたはヘテロシクリルを形成し、任意に、スピロまたは縮合6員ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール、またはカルボシクリル環を形成し、スピロまたは縮合6員ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アリール、またはカルボシクリル環が、任意に置換されたH、F、Cl、Br、I、C1−C12アルキル、またはOHであり、
PMLが、R2と結合しているプロテアーゼ切断可能な非ペプチドリンカー、またはR1及びR2によって形成された縮合ヘテロアリールもしくはヘテロシクリルであり、
Abが、抗壁テイコ酸(WTA)抗体である。

0142

反応性リンカー部分を介して抗体分子に複合され得る抗生物質部分の数は、本明細書に記載される方法によって導入される遊離システイン残基の数によって制限され得る。例示的なAACは、1、2、3、または4個の操作システインアミノ酸を有する抗体を含む(Lyon,R.et al(2012) Methodsin Enzym.502:123−138)。

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