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技術 酸化亜鉛含有のセルロース繊維を含む液体含浸された不織布

出願人 レンチングアクチエンゲゼルシャフト
発明者 ハウブル、マルティン
出願日 2015年5月12日 (5年6ヶ月経過) 出願番号 2017-522527
公開日 2018年1月25日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2018-502226
状態 特許登録済
技術分野 髪止め具 化粧料 不織物 合成繊維
主要キーワード 流体力学式 ニードル穴 侵入源 固有密度 時間不足 ノズルバー ロータリング 吸引特性
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題・解決手段

本発明は、少なくとも部分的に酸化亜鉛粒子を取り込んで含み、さらに液体含浸されたセルロース繊維を含む不織布、並びにその製造方法及び使用、特に保存料フリーウェットワイプを製造するためのその使用、に関する。

概要

背景

大きく変化しつつある生活環境生活習慣、とりわけ移動の活発化、豊かさの進行、衛生面の要求事項の高まり、増していく時間不足などの背景のもとで、近年、硬質及び軟質の表面を洗浄するために利用されるウェット洗浄クロス、いわゆるウェットワイプ需要が著しく増えている。これは支持体材料、特に不織布であって、作用物質ないし活性物質を含有する含浸液で処理され、パック包装されて、ウェットな状態でたとえば清涼クロス、家庭用クロス、トイレ用クロス、化粧用クロス、ベビー用クロスなどとして市場に出されるものである。主な利用分野化粧品パーソナルケア、ベビーケア)及び物品洗浄にある。利用分野によっては、製品要求事項に関し、高い洗浄能力及び/又はスキンケア作用が前面に出てくる。

微生物による汚染を防止するために、化粧用製剤微生物学化粧用製品抗菌保護の評価の規格(ISO11930)に基づき、すべての化粧用製品が十分な保存性を有していなければならない。この目的のために、通常、保存料が添加され、それによって一方では未開封製品耐久性貯蔵性保証されるとともに、他方では、開封後の包装の汚染が防止される。使用段階では、エンドユーザーによるクロス取出のプロセスが菌の主な侵入源となる。本発明のためには、「保存料」という用語は、EU化粧品指令(76/768/EEC)の付属書VI、水準03、2014年9月に当該物質として定義されている物質を意味するものとする。

保存料とは、抗菌面効能のある殺菌剤であって、バクテリア真菌類酵母菌などの微生物の成長を抑止し、若しくは阻止し、ないしはこれを死滅させるものをいう。しかし、このことは皮膚フローラに対して悪影響を与える可能性もあり、皮膚刺激皮膚発赤アレルギー湿疹などの発生の増加として顕在化する。そのため、とりわけ傷のある皮膚や敏感な皮膚、たとえば赤ん坊の皮膚、では、化粧製品医療製品への保存料の添加は批判的にみられている。これに関して、この種の作用物質が皮膚を通じて吸収されるのかどうか、どれだけの量で吸収されるのかは明らかではない。毒物学に関わるデータ状況は多くのケースにおいて不十分であると言わざるを得ない。たとえばいくつかの動物実験は、パラベンは比較的長期間の使用によりホルモン系に影響を与える可能性があることを示唆している。一般的に使用される保存料であるフェノキシエタノールは、肝臓障害作用を有する可能性がある。

したがって、適合性があると同時に有効な保存料の代替物見出すことが必要である。酸化亜鉛医療において、その防腐作用と炎症を抑える作用に基づき、皮膚ケアや傷処置のための製品における作用物質として以前から利用されている。皮膚発赤、皮膚発疹皮膚炎症(たとえばオムツぶれ)、軽症の火傷などのときに表面で適用するのに適した酸化亜鉛含有の軟膏絆創膏包帯などが提供されている。亜鉛人体にとって必須の微量元素であり、防御力や数多くの生体固有酵素の働きに重要な影響を及ぼす。したがって、亜鉛含有の製品は高い生物学的な適合性を有している。

従来技術によると、ウェットクロスの製造では酸化亜鉛の皮膚ケア作用や治療作用だけでなく、その抗菌特性も利用されており、それは、たとえばセルロースのような種々の支持体材料が不織布の形態で、酸化亜鉛含有のエマルジョン又はその他の含浸液で処理されることによる。このことは特に米国特許出願公開第20060171971A1号明細書や国際公開第9959540A1号に記載されている。前掲の特許では、液体状の配合物に保存料を添加するというオプションも指摘されている。酸化亜鉛は、これらの文献に記載されている実施形態ではケア作用と治癒作用のみを有しているが、保存作用を有していないのは明らかである。

これらの製品の1つの重要な欠点は、ZnOの高い固有密度に基づいて発生する、製品の製造プロセス中や保管中における酸化亜鉛粒子の望ましくない沈降を回避するために、粘性を調整するために界面活性剤増粘剤のような多量の補助化学品をしばしば含浸液へ添加しなければならないことにある。

メルトスピン法ないしメルトブロー法により不織布を製造するためのポリオレフィンへの酸化亜鉛の組み込み、及び、このような種類の抗菌製品の医療・衛生分野でのたとえばウェットワイプとしての使用が、特開2006−249515号公報に記載されている。しかしこのような種類の不織布は、ポリオレフィンの疎水性の特性に基づき、水性液体に対して低い吸収力と低い吸収能とを有しており、したがって、水含有の配合物との組み合わせによるウェットクロスとしては非常に限定的にしか適していない。そのうえ、この不織布はセルロース繊維からなる不織布とは異なり生物学的に分解可能ではない。

水分子とともに強い水素結合を形成するというセルロースの特性に基づく親水性により、また、結合した水性液体に対する高い吸収力に基づき、セルロース繊維は、ウェットワイプの製造においてポリエステルポリプロピレンのような化学繊維よりも好ましい。セルロースのほか、セルロース人造繊維、いわゆるセルロース再生繊維、たとえばビスコース繊維リヨセル繊維も利用される。後者は均質性、純粋性(たとえば残留農薬)、柔軟性、及び吸引特性に関して、幅広い分野で天然のセルロース繊維よりも優れている。特にリヨセル繊維は、他のセルロース繊維に比べて高い乾燥強度及び、特に、高い湿潤強度を特徴としていて、高い強度をもつ柔らかい最終製品の製造を可能にする。

酸化亜鉛含有のリヨセル繊維を含み、さらに抗菌性又は皮膚適合的治癒性の特性を有する日常必需品は、たとえばドイツ実用新案出願公開第202010010803U1号明細書からセンシティブ肌着の形態で知られており、あるいはドイツ実用新案出願公開第202012011814U1号から、新生児乳児口腔や歯のケアをするための指サックの形態で知られており、後者は同じく特に繊維製品の形態で製作される。

このように全体としては傷を治癒する作用、皮膚をケアする作用、又は抗菌性の作用をもつ酸化亜鉛含有のセルロースのウェットクロスを製造する数多くの選択肢が文献に挙げられている。しかしこれらの方法は、不織布の形態の支持体材料に酸化亜鉛含有の液体状の配合物を取り込ませることを特徴とする含浸方法一貫して限られている。このような含浸液には、製造や保管の際の酸化亜鉛粒子の沈降を防ぐために、保存性を確保するための保存料や界面活性剤などその他の補助物質がしばしば添加される。しかし化学的添加物質及び特に保存料の使用は、消費者保護や消費者の健康の観点からして望ましくない。

酸化亜鉛含有のリヨセル紡糸素材からメルトブロー法によって製造される抗菌性を有する不織布が、国際公開第2009006206A1号に記載されている。国際公開第2012034679A1号は、金属酸化物ドーピングされたセルロース溶液から公知のスパンボンド法により、N—メチルモルホリン−N−オキシドを直接溶媒として利用して製造されるスパンボンド不織布をクレームしている。これら両方の特許には、衛生分野でのこの種の不織布の使用が記載されてはいるが、それは特にウェットワイプとしてのものではない。それに加えて前掲の不織布は、その製造方法に関して限定されているだけでない。たとえば国際公開第2009006206A1号に記載されている不織布のヘミセルロース含有率は4から18%である;国際公開第2012034679A1号では、繊維中の添加剤含有率は40重量%超と規定されている。したがっていずれのケースでも、ファイバ繊維機械的な特性は著しく低下している。このようなファイバは、特に、低い引裂き強さを示す。

同じく亜鉛顔料含有のリヨセル繊維が欧州特許第2334853B1号明細書に開示されている。そこには、亜鉛が少なくとも部分的に亜鉛酸塩として存在する、このようなファイバの特殊な形態が記載されている。亜鉛酸塩はアルカリ性の環境でしか存在しえないことが当業者に周知である。このようなファイバは特に抗菌作用を有するとされており、それは特に、顔料中に酸化亜鉛のほかに硫化亜鉛が含まれることによって実現される。このファイバの主たる目標設定は、複数回の洗浄プロセスの後でもこうした特性を維持することにある。ベビーワイプのようなウェットワイプに含まれるローションは常に酸性pH値を有するので、そのような用途では亜鉛酸塩は生じない。人間の皮膚のpH値は多くの場合にpH5.5であり、ワイプ中のローションは多くの場合、皮膚に悪影響を与えないためにいくらか酸性になっている。

国際公開第2004081267A1号はその実施例Vにおいて、特定のUV吸収能力をもつZnO含有のリヨセル繊維の製造を具体的に開示している。このファイバの具体的な用途は、国際公開第2004081267A1号には挙げられていない;しかし発明の詳細な説明から、国際公開第2004081267A1号はUV吸収性のファイバの製造を目的にしていると推測することができる。

概要

本発明は、少なくとも部分的に酸化亜鉛粒子を取り込んで含み、さらに液体で含浸されたセルロース繊維を含む不織布、並びにその製造方法及び使用、特に保存料フリーのウェットワイプを製造するためのその使用、に関する。

目的

このファイバの主たる目標設定は、複数回の洗浄プロセスの後でもこうした特性を維持することにある

効果

実績

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請求項1

セルロース繊維を含む不織布において、該セルロース繊維は少なくとも部分的に酸化亜鉛粒子を取り込んで含み、該不織布はさらに液体含浸されていること、を特徴とする不織布。

請求項2

前記液体は7よりも低いpHを有する、請求項1に記載の不織布。

請求項3

前記液体は3〜6、好ましくは4.0〜5.5のpHを有する、請求項2に記載の不織布。

請求項4

前記液体は25℃、気圧1013hPaで、18MΩ水中において50ppm以上の溶解性を有する亜鉛塩を形成する有機酸又は無機酸を含む、請求項2に記載の不織布。

請求項5

酸化亜鉛を取り込んだ前記セルロース繊維は、絶乾セルロースに対して0.1〜10重量%の酸化亜鉛、好ましくは0.3〜4.5重量%の酸化亜鉛、特に好ましくは0.3〜3.5重量%の酸化亜鉛、を含んでいる、請求項1に記載の不織布。

請求項6

前記酸化亜鉛粒子は合成により製造されたポリマー、特にポリアクリレート、でコーティングされている、請求項1に記載の不織布。

請求項7

酸化亜鉛を取り込んだセルロース繊維に加え、酸化亜鉛を含まないセルロース繊維も含む、請求項1に記載の不織布。

請求項8

酸化亜鉛を取り込んだセルロース繊維に加え、合成繊維も含む、請求項1に記載の不織布。

請求項9

セルロース繊維はステープルファイバ又はエンドレスフィラメントファイバである、請求項1に記載の不織布。

請求項10

そり試験で測定した繊維−繊維摩擦が8.5N又はそれ以上である、請求項1に記載の不織布。

請求項11

従来式の不織布製造方法によって不織布を製造する方法において、酸化亜鉛を取り込んで含むセルロース繊維を不織布形成のために使用し、前記不織布が液体で含浸されること、を特徴とする方法。

請求項12

酸化亜鉛を取り込んだセルロース繊維を含み液体で含浸された不織布の、ウェットワイプを製造するための使用。

請求項13

前記ウェットワイプは追加の保存料を含まない、請求項12に記載の使用。

請求項14

酸化亜鉛を取り込んだセルロース繊維を含み液体で含浸された不織布の、皮膚ケア作用を有するウェットフェイスマスクを製造するための使用。

技術分野

0001

本発明は、少なくとも部分的に酸化亜鉛粒子を取り込んで含むセルロース繊維を含み、液体で追加的に含浸された不織布に関し、並びにその製造方法及び使用、特に保存料フリーウェットワイプを製造するためのその使用に関する。

背景技術

0002

大きく変化しつつある生活環境生活習慣、とりわけ移動の活発化、豊かさの進行、衛生面の要求事項の高まり、増していく時間不足などの背景のもとで、近年、硬質及び軟質の表面を洗浄するために利用されるウェット洗浄クロス、いわゆるウェットワイプの需要が著しく増えている。これは支持体材料、特に不織布であって、作用物質ないし活性物質を含有する含浸液で処理され、パック包装されて、ウェットな状態でたとえば清涼クロス、家庭用クロス、トイレ用クロス、化粧用クロス、ベビー用クロスなどとして市場に出されるものである。主な利用分野化粧品パーソナルケア、ベビーケア)及び物品洗浄にある。利用分野によっては、製品要求事項に関し、高い洗浄能力及び/又はスキンケア作用が前面に出てくる。

0003

微生物による汚染を防止するために、化粧用製剤微生物学化粧用製品抗菌保護の評価の規格(ISO11930)に基づき、すべての化粧用製品が十分な保存性を有していなければならない。この目的のために、通常、保存料が添加され、それによって一方では未開封製品耐久性貯蔵性保証されるとともに、他方では、開封後の包装の汚染が防止される。使用段階では、エンドユーザーによるクロス取出のプロセスが菌の主な侵入源となる。本発明のためには、「保存料」という用語は、EU化粧品指令(76/768/EEC)の付属書VI、水準03、2014年9月に当該物質として定義されている物質を意味するものとする。

0004

保存料とは、抗菌面効能のある殺菌剤であって、バクテリア真菌類酵母菌などの微生物の成長を抑止し、若しくは阻止し、ないしはこれを死滅させるものをいう。しかし、このことは皮膚フローラに対して悪影響を与える可能性もあり、皮膚刺激皮膚発赤アレルギー湿疹などの発生の増加として顕在化する。そのため、とりわけ傷のある皮膚や敏感な皮膚、たとえば赤ん坊の皮膚、では、化粧製品医療製品への保存料の添加は批判的にみられている。これに関して、この種の作用物質が皮膚を通じて吸収されるのかどうか、どれだけの量で吸収されるのかは明らかではない。毒物学に関わるデータ状況は多くのケースにおいて不十分であると言わざるを得ない。たとえばいくつかの動物実験は、パラベンは比較的長期間の使用によりホルモン系に影響を与える可能性があることを示唆している。一般的に使用される保存料であるフェノキシエタノールは、肝臓障害作用を有する可能性がある。

0005

したがって、適合性があると同時に有効な保存料の代替物見出すことが必要である。酸化亜鉛医療において、その防腐作用と炎症を抑える作用に基づき、皮膚ケアや傷処置のための製品における作用物質として以前から利用されている。皮膚発赤、皮膚発疹皮膚炎症(たとえばオムツぶれ)、軽症の火傷などのときに表面で適用するのに適した酸化亜鉛含有の軟膏絆創膏包帯などが提供されている。亜鉛人体にとって必須の微量元素であり、防御力や数多くの生体固有酵素の働きに重要な影響を及ぼす。したがって、亜鉛含有の製品は高い生物学的な適合性を有している。

0006

従来技術によると、ウェットクロスの製造では酸化亜鉛の皮膚ケア作用や治療作用だけでなく、その抗菌特性も利用されており、それは、たとえばセルロースのような種々の支持体材料が不織布の形態で、酸化亜鉛含有のエマルジョン又はその他の含浸液で処理されることによる。このことは特に米国特許出願公開第20060171971A1号明細書や国際公開第9959540A1号に記載されている。前掲の特許では、液体状の配合物に保存料を添加するというオプションも指摘されている。酸化亜鉛は、これらの文献に記載されている実施形態ではケア作用と治癒作用のみを有しているが、保存作用を有していないのは明らかである。

0007

これらの製品の1つの重要な欠点は、ZnOの高い固有密度に基づいて発生する、製品の製造プロセス中や保管中における酸化亜鉛粒子の望ましくない沈降を回避するために、粘性を調整するために界面活性剤増粘剤のような多量の補助化学品をしばしば含浸液へ添加しなければならないことにある。

0008

メルトスピン法ないしメルトブロー法により不織布を製造するためのポリオレフィンへの酸化亜鉛の組み込み、及び、このような種類の抗菌製品の医療・衛生分野でのたとえばウェットワイプとしての使用が、特開2006−249515号公報に記載されている。しかしこのような種類の不織布は、ポリオレフィンの疎水性の特性に基づき、水性液体に対して低い吸収力と低い吸収能とを有しており、したがって、水含有の配合物との組み合わせによるウェットクロスとしては非常に限定的にしか適していない。そのうえ、この不織布はセルロース繊維からなる不織布とは異なり生物学的に分解可能ではない。

0009

水分子とともに強い水素結合を形成するというセルロースの特性に基づく親水性により、また、結合した水性液体に対する高い吸収力に基づき、セルロース繊維は、ウェットワイプの製造においてポリエステルポリプロピレンのような化学繊維よりも好ましい。セルロースのほか、セルロース人造繊維、いわゆるセルロース再生繊維、たとえばビスコース繊維リヨセル繊維も利用される。後者は均質性、純粋性(たとえば残留農薬)、柔軟性、及び吸引特性に関して、幅広い分野で天然のセルロース繊維よりも優れている。特にリヨセル繊維は、他のセルロース繊維に比べて高い乾燥強度及び、特に、高い湿潤強度を特徴としていて、高い強度をもつ柔らかい最終製品の製造を可能にする。

0010

酸化亜鉛含有のリヨセル繊維を含み、さらに抗菌性又は皮膚適合的治癒性の特性を有する日常必需品は、たとえばドイツ実用新案出願公開第202010010803U1号明細書からセンシティブ肌着の形態で知られており、あるいはドイツ実用新案出願公開第202012011814U1号から、新生児乳児口腔や歯のケアをするための指サックの形態で知られており、後者は同じく特に繊維製品の形態で製作される。

0011

このように全体としては傷を治癒する作用、皮膚をケアする作用、又は抗菌性の作用をもつ酸化亜鉛含有のセルロースのウェットクロスを製造する数多くの選択肢が文献に挙げられている。しかしこれらの方法は、不織布の形態の支持体材料に酸化亜鉛含有の液体状の配合物を取り込ませることを特徴とする含浸方法一貫して限られている。このような含浸液には、製造や保管の際の酸化亜鉛粒子の沈降を防ぐために、保存性を確保するための保存料や界面活性剤などその他の補助物質がしばしば添加される。しかし化学的添加物質及び特に保存料の使用は、消費者保護や消費者の健康の観点からして望ましくない。

0012

酸化亜鉛含有のリヨセル紡糸素材からメルトブロー法によって製造される抗菌性を有する不織布が、国際公開第2009006206A1号に記載されている。国際公開第2012034679A1号は、金属酸化物ドーピングされたセルロース溶液から公知のスパンボンド法により、N—メチルモルホリン−N−オキシドを直接溶媒として利用して製造されるスパンボンド不織布をクレームしている。これら両方の特許には、衛生分野でのこの種の不織布の使用が記載されてはいるが、それは特にウェットワイプとしてのものではない。それに加えて前掲の不織布は、その製造方法に関して限定されているだけでない。たとえば国際公開第2009006206A1号に記載されている不織布のヘミセルロース含有率は4から18%である;国際公開第2012034679A1号では、繊維中の添加剤含有率は40重量%超と規定されている。したがっていずれのケースでも、ファイバ繊維機械的な特性は著しく低下している。このようなファイバは、特に、低い引裂き強さを示す。

0013

同じく亜鉛顔料含有のリヨセル繊維が欧州特許第2334853B1号明細書に開示されている。そこには、亜鉛が少なくとも部分的に亜鉛酸塩として存在する、このようなファイバの特殊な形態が記載されている。亜鉛酸塩はアルカリ性の環境でしか存在しえないことが当業者に周知である。このようなファイバは特に抗菌作用を有するとされており、それは特に、顔料中に酸化亜鉛のほかに硫化亜鉛が含まれることによって実現される。このファイバの主たる目標設定は、複数回の洗浄プロセスの後でもこうした特性を維持することにある。ベビーワイプのようなウェットワイプに含まれるローションは常に酸性pH値を有するので、そのような用途では亜鉛酸塩は生じない。人間の皮膚のpH値は多くの場合にpH5.5であり、ワイプ中のローションは多くの場合、皮膚に悪影響を与えないためにいくらか酸性になっている。

0014

国際公開第2004081267A1号はその実施例Vにおいて、特定のUV吸収能力をもつZnO含有のリヨセル繊維の製造を具体的に開示している。このファイバの具体的な用途は、国際公開第2004081267A1号には挙げられていない;しかし発明の詳細な説明から、国際公開第2004081267A1号はUV吸収性のファイバの製造を目的にしていると推測することができる。

発明が解決しようとする課題

0015

上述した従来技術と比べての課題は、ウェット二次加工製品で使用したときに追加の保存料を必要とせず、ないしは、これまでの一般的含有量より明らかに少ない含有量の保存料しか必要としない不織布を提供することにあり、それは、このようなウェット製品の製造、保管、及び包装からの取出のときに汚染を防止するとともに、このような保存料との消費者の接触を最低限に抑えるためである。この不織布は、上に挙げた機能性のほか、湿潤強度、水分吸収などに関して最善の特性をさらに有するのがよい。

課題を解決するための手段

0016

上に述べた課題の解決法は、セルロース繊維を含む不織布であって、該セルロース繊維は少なくとも部分的に酸化亜鉛粒子を取り込んで含み、該不織布はさらに液体で含浸されている不織布の提供にある。酸化亜鉛含有のセルロース繊維は、本発明によると、たとえばビスコース法モダール法、又はリヨセル法により製造されるセルロース人造繊維であり、これらの手法は当業者に基本的に知られている。このような繊維に固体物質紡糸において取り込むことも、たとえばビスコース紡糸液については国際公開第2011/026159号パンフレットから、またリヨセル紡糸液については国際公開第2007/022552号パンフレットから、当業者には基本的に知られている。本発明に係る不織布はその他の利点に加えて、ZnOの酵素不活性化特性に基づき、並びにアレルギー物質吸着に基づき、抗アレルギー特性をさらに有している。本発明の1つの驚くべき別の利点は、従来技術に基づいて可能であるよりも大幅に低いZnO含有率で、これらの特性が実現されることにある(後で説明する実施例及び表2も参照)。

0017

7よりも低いpHを有する液体を含む不織布が好ましい。3〜6、好ましくは4.5〜5.5のpHを有する液体を含む不織布が特に好ましい。このことは、相応のpH値をもつ酸性の液体で不織布を含浸することによって実現される。したがって本発明の1つの好ましい実施形態は、不織布中に含まれる液体が、溶解性亜鉛塩を形成する有機酸ないし無機酸を含んでいる、不織布である。本発明のためには、溶解性の亜鉛塩とは、25℃、気圧1013hPaで、18MΩ水中において50ppm以上の溶解性を有する亜鉛塩を意味するものとする。「18MΩ水」とは、一般に、イオン交換器又はその他の公知の方法を通じて脱イオン化されて、18MΩ以下の導電率を有する水を意味する。
このような酸は、化粧品においてすでに広く普及しているものがよい。このような酸は、蟻酸酢酸乳酸クエン酸グルコン酸グルタミン酸琥珀酸塩酸、及び硫酸を含む群から選択されるのが好ましく、溶解性の亜鉛塩はそれに応じて蟻酸亜鉛酢酸亜鉛乳酸亜鉛クエン酸亜鉛グルコン酸亜鉛、グルタミン酸亜鉛、琥珀酸亜鉛、塩酸亜鉛、及び硫酸亜鉛を含む群から選択されるのが好ましい。

0018

本発明に係る不織布中における酸化亜鉛を取り込んだセルロース繊維は、絶乾セルロースに対して0.1〜10重量%の酸化亜鉛、好ましくは0.3〜4.5重量%の酸化亜鉛、特に好ましくは0.3〜3.5重量%の酸化亜鉛、を含んでいる。最大17重量%までの酸化亜鉛が可能であるが、経済的な考量に基づいて頻繁には適用されない。

0019

本発明に係る不織布は、酸化亜鉛を取り込んだセルロース繊維のほか、酸化亜鉛を含まないセルロース繊維も含むことができる。これについては、たとえばビスコース法、モダール法、又はリヨセル法により製造されるセルロース人造繊維のほか、木綿などの天然のセルロース繊維も考慮の対象となる。

0020

本発明に係る不織布は、酸化亜鉛を取り込んだセルロース繊維以外に合成繊維も含むことができる。これについては、公知のあらゆる合成繊維が基本的に考慮の対象となる。特に好適なのはポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンである。

0021

本発明に係る不織布では、セルロース繊維はステープルファイバあるいはエンドレスフィラメントファイバである。ここでエンドレスフィラメントファイバからなる不織布には、メルトブロー法(たとえば欧州特許第1093536B1号明細書参照)により製造される不織布も含めることができる。

0022

本発明に係る不織布は、実施例で説明するそり試験で測定したときに8.5N又はこれ以上の繊維粗さを有している。繊維粗さがより高ければ、特にウェットクロスの洗浄表面積の増大を通じて、より良い洗浄作用をもたらすことが見出されている。

0023

酸化亜鉛を取り込んで含むセルロース繊維が不織布形成のために使用され、不織布が液体で含浸される従来式の不織布製造方法によって不織布を製造する方法も、本発明の対象である。不織布形成方法としては機械式の不織布形成、流体力学式の不織布形成、空気力学式の不織布形成、並びにメルトブロー法が考慮の対象となる;不織布強化方法としては、特にウォータージェット強化ニードリング熱強化化学的強化などが考慮の対象となる。

0024

さらに、ウェットワイプ、特にベビーウェットクロス、化粧落としクロス、洗浄クロスなどを製造するための、酸化亜鉛を取り込んだセルロース繊維を含み、液体で含浸された不織布の使用も本発明の対象である。
本発明に係る使用が特に好ましく、その場合、ウェットクロスは追加の保存料を含んでいない。ここでは「保存料」とは、EU化粧品指令(76/768/EEC)の付属書VI、水準03、2014年9月にリストアップされている物質を意味する。

0025

このように本発明は、上に説明した本発明に係る不織布を含み、これにより前記のような追加の保存料を必要としないウェットクロスも包含している。
表面や繊維断面にあるZnOへのアニオン性汚れ(たとえば排泄物、有機酸など)の吸着によっても、改良された洗浄力がもたらされる。
さらに、酸化亜鉛を取り込んだセルロース繊維を含み液体で含浸された不織布の、ウェットフェイスマスクを製造するための使用も本発明の対象である。そのようなウェットフェイスマスクは、皮膚ケア作用を有する物質で含浸されていてよい。皮膚ケア作用があることが知られている、繊維中に取り込まれたZnOそのものも、製品全体の皮膚ケア作用に貢献する。

0026

次に、実施例を参照しながら本発明について詳しく説明する。ただし、本発明は当然ながらこれらの実施例に限定されるものではなく、同じ発明概念に基づくその他のあらゆる実施形態をも包含している。

0027

ウェットワイプの製造:
まず、従来技術で知られているリヨセル法に基づいて、0.0、1.2、3.0、及び16.7wt%(絶乾繊維を基準とする)のZnOが混入されたリヨセル繊維を製造し、それにより、リヨセルプロセス後の紡糸素材は13wt%のセルロースと、上に挙げたZnO量(セルロースを基準とする)とを含んでいた。そして、これをリヨセルプロセスに基づいて紡糸し(単繊維繊度2.5dtex、切断長38mm)、保存性−つまり殺生物性−を全く有しない仕上げ剤を施し、その後に乾燥させた。こうして製作された繊維から、それぞれニードルパンチ不織布(単位面積重量60g/m2、300ニードル穴/cm2)を作製し、続いてウォータージェット強化させ、その後に乾燥させた(次のとおり設定したFleissner社製の設備水圧35バール;2つのノズル列を含む1つのノズルバー;完全脱塩水;pH7.6;不織布の通過速度2m/min;ウォータージェットノズル穴直径100μm;乾燥温度118℃)。こうして得られた不織布を290wt%のローション(不織布の乾燥重量を基準)で含浸し、適切なベビー用ウェットクロスを得た。ローションの厳密な組成を表1に掲げる。ローションのpH値は、不織布との48時間の接触後にpH3.00に調整した。

0028

0029

ISO11930に準ずる十分な保存性に関する試験:
0.0、1.2、ないし16.7wt%のZnOを含む繊維からなる15×10cmのサイズのワイプ100枚ずつをローションで含浸し(不織布の乾燥重量に対し290wt%のローション、表1に記載の組成)、続いて十分な保存性に関する試験を実施した。この目的のために、化粧品における通常の菌を定義された濃度で含む接種材料をクロスに播種した(黄色ブドウ球菌(S.aureus):7.40×105CFU;緑膿菌(P.aeruginosa):2.80×105CFU;大腸菌(E.coli):4.40×105CFU;C.アルビカンス(C.albicans):6.90×105CFU;A.ブラジリエンシス(A.brasiliensis);1.70×105CFU)。播種後にワイプを28日間保管した。7日、14日、及び28日の観察期間の後、ウェットワイプ上の微生物の菌数をそれぞれ求め(表2参照)、菌の減少を求められるようにした。

0030

ISO11930に定める試験が示すとおり、化粧品における通常の菌に対して、絶乾繊維に対し1.2及び16.7wt%のZnOを含むクロスで保存が成功した。十分な菌減少が達成されたからである。ZnO量がより多い場合には、より低いZnO濃度の場合(DIN(ドイツ規格協会規格)EN11930に準ずる基準B)よりもより優れた作用(DIN EN11930に準ずる基準A)を明らかに示した。

0031

EN1202PPSに定めるそり試験:
繊維の柔軟性をEN1202PPSに記載されているそり試験で決定した。この試験の主要な条件は次のとおりである:5gの繊維試料を、たとえばUSTERMTDA−3ロータリング器具で2回カーディングする。この繊維をEDANA規則(ERT60.2−99)に従って少なくとも24時間コンディショニングし、その後、ステンシルを用いて切断する。次いでこの材料を試験装置に入れ、2000gのウェイト担持するキャリッジを組み付けて、サンプルの上に載せる。試験を開始し、10秒後に、キャリッジをサンプルの上で引っ張るために必要な力を測定する。繊維表面が柔軟であるほど、キャリッジを前方へ引っ張るのに少ない力しか必要ない。この試験を各々の材料で4回ずつ繰り返した。その結果を表3に示す。

0032

実施例

0033

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