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技術 オレフィンのオリゴマー化反応におけるポリマーと失活した有機金属触媒を沈殿させる方法

出願人 パブリック・ジョイント・ストック・カンパニー・“シブール・ホールディング”
発明者 チムール・ミハイロヴィチ・ジルベルシュタイン
出願日 2014年12月23日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2017-533814
公開日 2018年1月25日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2018-502088
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 触媒を使用する低分子有機合成反応 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード 底バルブ 液体供給器 下流ライン モード粒径 導出ライン 温度自動調節 沈殿物粒子 投入ポンプ
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重要な関連分野

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図面 (5)

課題・解決手段

オレフィンオリゴマー化反応におけるポリマー失活した有機金属触媒沈殿させる方法を提供する。方法は、オレフィンのオリゴマー化反応からの流出物流を用意する工程を含む。流出物流は、ポリマーと有機金属触媒を含むことができる。方法は、流出物流に吸着剤粒子を導入する工程を更に含むことができる。吸着剤粒子は、失活剤を含むことができる。失活剤は、水、アルコールアミンアミノアルコール、又はこれらの組合せとすることができる。吸着剤粒子の少なくとも約10%が、10μm〜60μmの範囲の粒径を有することができる。方法は、流出物流を冷却することにより、ポリマーと失活した有機金属触媒を流出物流から沈殿させて、吸着剤、ポリマー、及び失活した触媒を含む沈殿物を得る工程を更に含むことができる。

概要

背景

オレフィンオリゴマー化は、多くの有益な化学生成物を製造することができる。例えば、単純な原料オレフィンをオリゴマー化して有用な高級オレフィンを得ることができる。工業的に重要な方法には、エチレンからのアルファオレフィン(αオレフィン)の調製、例えば、エチレンの三量化による1-ヘキセンの調製が含まれる。

一部のオレフィンのオリゴマー化において直面する問題は、所望のオリゴマーに対する不完全選択性であり得る。即ち、所望のオリゴマーに加えて、副生物及び副生成物が形成され得る。副生物及び副生成物は、他のオリゴマー及びポリマーを含む可能性がある。例として、エチレンの1-ヘキセンへのオリゴマー化では、エチレンの高級オリゴマー(例えば、オクテンデセン、及びドデセン)及びポリエチレンと共に、ヘキセンの他の異性体(2-ヘキセン及び3-ヘキセン)が形成され得る。

オレフィンのオリゴマー化中に副生物及び副生成物として形成されるポリマーは、問題を引き起こす可能性がある。例えば、工業規模では、オリゴマー化反応器及び/又は生成物パイプライン内部部品だけでなく、反応混合物及び生成物混合物と接触する他の設備にもポリマーが堆積する可能性がある。その上、生成物混合物中に溶解したままのポリマーは、所望のオリゴマー生成物から分離しなければならない。例として、エチレンの1-ヘキセンへのオリゴマー化においては、ポリエチレンが反応器及び下流設備に堆積し、1-ヘキセンの精製を困難にする場合がある。従って、エチレン三量化反応からの流出物流からポリエチレンを除去することは、有益となり得る。

一部のオレフィンのオリゴマー化において直面し得る更なる問題は、所望の反応の完了後に活性有機金属触媒失活させる必要があることである。有機金属触媒の中には、極めて反応性富む有機金属結合、例えば、金属-アルキル結合を内包し得る。このような活性金属種は、急に水及び/又は酸素曝露されると激しく反応する可能性がある。このような活性金属種は、所望の反応期間の完了後に失活させないと他の問題を引き起こす場合もある。例えば、下流流出物中に存在する活性金属種は、不要な反応に触媒作用を及ぼす可能性がある。活性有機金属触媒は、触媒を含有する反応混合物から所望の反応生成物を得る前に、失活剤(例えば、水、アルコールアミンアミノアルコール、又はそれらの混合物)による制御された失活を必要とする場合がある。次いで、失活した触媒は、反応混合物から除去することができる。

ポリマーの除去、並びに有機金属触媒の失活及び除去に対処するための様々な試みがなされてきた。ロシア特許第RU2131405号及びRU2249585号は、その内容を本願に引用して援用するが、有機金属触媒に水を添加して触媒を失活させ、反応混合物から沈殿させることができる水和金属酸化物(例えば、アルミニウム及びクロム水和酸化物)を得ることを記載している。国際(PCT)出願公開WO2012/071644及びWO2013/109371号は、その内容を本願に引用して援用するが、沈殿させた酸化物の結合を容易にするための吸着剤(例えば、アルミナ及びシリカ)の使用を記載している。吸着剤は、ポリマーも凝固させて沈殿させることができ、その除去を容易にする。

反応混合物への失活剤(例えば、水及び/又はアルコール)の添加及びそれに続く吸着剤の添加は、欠点を有する場合がある。例えば、失活剤は、有機金属触媒に対して非常に過剰に添加され、失活剤で汚染された流出物流を生じさせる可能性がある。次いで過剰な失活剤(例えば、水及び/又はアルコール)は流出物流から除去しなければならず、乾燥剤の使用、又は他の方法が必要となる。

概要

オレフィンのオリゴマー化反応におけるポリマーと失活した有機金属触媒を沈殿させる方法を提供する。方法は、オレフィンのオリゴマー化反応からの流出物流を用意する工程を含む。流出物流は、ポリマーと有機金属触媒を含むことができる。方法は、流出物流に吸着剤粒子を導入する工程を更に含むことができる。吸着剤粒子は、失活剤を含むことができる。失活剤は、水、アルコール、アミン、アミノアルコール、又はこれらの組合せとすることができる。吸着剤粒子の少なくとも約10%が、10μm〜60μmの範囲の粒径を有することができる。方法は、流出物流を冷却することにより、ポリマーと失活した有機金属触媒を流出物流から沈殿させて、吸着剤、ポリマー、及び失活した触媒を含む沈殿物を得る工程を更に含むことができる。

目的

ロシア特許第RU2131405号
ロシア特許第RU2249585号
国際(PCT)出願公開WO2012/071644
国際(PCT)出願公開WO2013/109371
米国特許公開US2012/0302715
国際(PCT)出願代理人整理番号第080474.0122






従って、過剰量の失活剤の添加及びそれに続く吸着剤の添加を必要としない、オレフィンのオリゴマー化反応におけるポリマーを沈殿させ、有機金属触媒を失活させる方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

オレフィンオリゴマー化反応におけるポリマー失活した有機金属触媒沈殿させる方法であって、オレフィンのオリゴマー化反応からの、ポリマーと有機金属触媒を含む流出物流を用意する工程と、前記流出物流に吸着剤粒子を導入する工程であって、前記吸着剤粒子が、水、アルコールアミンアミノアルコール、及びこれらの組合せからなる群から選択される失活剤を含み、吸着剤粒子の少なくとも約10%が10μm〜60μmの範囲の粒径を有する、工程と、前記流出物流を冷却することにより、ポリマーと失活した有機金属触媒を前記流出物流から沈殿させて、吸着剤、ポリマー、及び失活した触媒を含む沈殿物を得る工程とを含む、方法。

請求項2

前記有機金属触媒がクロムを含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記オレフィンのオリゴマー化反応が、エチレン1-ヘキセンへの三量化を含む、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記吸着剤粒子が、アルミナ粒子シリカ粒子、及びこれらの組合せからなる群から選択される粒子を含む、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記吸着剤粒子の少なくとも約20%が、10μm〜60μmの範囲の粒径を有する、請求項1に記載の方法。

請求項6

前記吸着剤粒子の約40%が、10μm〜60μmの範囲の粒径を有する、請求項5に記載の方法。

請求項7

前記吸着剤粒子が、約20質量%未満の量の前記失活剤を含む、請求項1に記載の方法。

請求項8

前記吸着剤粒子が、約5質量%〜約10質量%の量の前記失活剤を含む、請求項7に記載の方法。

請求項9

前記吸着剤粒子が、10m2/gを超える表面積を有する、請求項1に記載の方法。

請求項10

前記吸着剤粒子が、溶媒中の懸濁液として前記流出物流に導入される、請求項1に記載の方法。

請求項11

前記吸着剤粒子が、前記流出物流1kg当たり約0.1g〜約1.0gの前記吸着剤粒子の量で前記流出物流に導入される、請求項1に記載の方法。

請求項12

前記失活剤が水を含む、請求項1に記載の方法。

請求項13

前記流出物流が、前記吸着剤粒子を前記流出物流に導入するのとほぼ同時に冷却される、請求項1に記載の方法。

請求項14

前記流出物流が、前記吸着剤粒子を前記流出物流に導入した後に冷却される、請求項1に記載の方法。

請求項15

前記沈殿物が、約1μm〜約1000μmの範囲の粒径を有する沈殿物粒子を含む、請求項1に記載の方法。

請求項16

前記沈殿物粒子の約8%未満が、10μm未満の粒径を有する、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記沈殿物粒子の約0.8%未満が、5μm未満の粒径を有する、請求項15に記載の方法。

請求項18

前記沈殿物を前記流出物流から分離して精製生成物を得る工程を更に含む、請求項1に記載の方法。

技術分野

0001

本開示の主題は、オレフィンオリゴマー化に関する。特に、本開示の主題は、オレフィンのオリゴマー化反応におけるポリマー失活した有機金属触媒沈殿させる方法に関する。方法は、沈殿を容易にするための吸着剤の使用を含むことができる。

背景技術

0002

オレフィンのオリゴマー化は、多くの有益な化学生成物を製造することができる。例えば、単純な原料オレフィンをオリゴマー化して有用な高級オレフィンを得ることができる。工業的に重要な方法には、エチレンからのアルファオレフィン(αオレフィン)の調製、例えば、エチレンの三量化による1-ヘキセンの調製が含まれる。

0003

一部のオレフィンのオリゴマー化において直面する問題は、所望のオリゴマーに対する不完全選択性であり得る。即ち、所望のオリゴマーに加えて、副生物及び副生成物が形成され得る。副生物及び副生成物は、他のオリゴマー及びポリマーを含む可能性がある。例として、エチレンの1-ヘキセンへのオリゴマー化では、エチレンの高級オリゴマー(例えば、オクテンデセン、及びドデセン)及びポリエチレンと共に、ヘキセンの他の異性体(2-ヘキセン及び3-ヘキセン)が形成され得る。

0004

オレフィンのオリゴマー化中に副生物及び副生成物として形成されるポリマーは、問題を引き起こす可能性がある。例えば、工業規模では、オリゴマー化反応器及び/又は生成物パイプライン内部部品だけでなく、反応混合物及び生成物混合物と接触する他の設備にもポリマーが堆積する可能性がある。その上、生成物混合物中に溶解したままのポリマーは、所望のオリゴマー生成物から分離しなければならない。例として、エチレンの1-ヘキセンへのオリゴマー化においては、ポリエチレンが反応器及び下流設備に堆積し、1-ヘキセンの精製を困難にする場合がある。従って、エチレン三量化反応からの流出物流からポリエチレンを除去することは、有益となり得る。

0005

一部のオレフィンのオリゴマー化において直面し得る更なる問題は、所望の反応の完了後に活性有機金属触媒を失活させる必要があることである。有機金属触媒の中には、極めて反応性富む有機金属結合、例えば、金属-アルキル結合を内包し得る。このような活性金属種は、急に水及び/又は酸素曝露されると激しく反応する可能性がある。このような活性金属種は、所望の反応期間の完了後に失活させないと他の問題を引き起こす場合もある。例えば、下流流出物中に存在する活性金属種は、不要な反応に触媒作用を及ぼす可能性がある。活性有機金属触媒は、触媒を含有する反応混合物から所望の反応生成物を得る前に、失活剤(例えば、水、アルコールアミンアミノアルコール、又はそれらの混合物)による制御された失活を必要とする場合がある。次いで、失活した触媒は、反応混合物から除去することができる。

0006

ポリマーの除去、並びに有機金属触媒の失活及び除去に対処するための様々な試みがなされてきた。ロシア特許第RU2131405号及びRU2249585号は、その内容を本願に引用して援用するが、有機金属触媒に水を添加して触媒を失活させ、反応混合物から沈殿させることができる水和金属酸化物(例えば、アルミニウム及びクロム水和酸化物)を得ることを記載している。国際(PCT)出願公開WO2012/071644及びWO2013/109371号は、その内容を本願に引用して援用するが、沈殿させた酸化物の結合を容易にするための吸着剤(例えば、アルミナ及びシリカ)の使用を記載している。吸着剤は、ポリマーも凝固させて沈殿させることができ、その除去を容易にする。

0007

反応混合物への失活剤(例えば、水及び/又はアルコール)の添加及びそれに続く吸着剤の添加は、欠点を有する場合がある。例えば、失活剤は、有機金属触媒に対して非常に過剰に添加され、失活剤で汚染された流出物流を生じさせる可能性がある。次いで過剰な失活剤(例えば、水及び/又はアルコール)は流出物流から除去しなければならず、乾燥剤の使用、又は他の方法が必要となる。

先行技術

0008

ロシア特許第RU2131405号
ロシア特許第RU2249585号
国際(PCT)出願公開WO2012/071644
国際(PCT)出願公開WO2013/109371
米国特許公開US2012/0302715
国際(PCT)出願代理人整理番号第080474.0122

発明が解決しようとする課題

0009

従って、過剰量の失活剤の添加及びそれに続く吸着剤の添加を必要としない、オレフィンのオリゴマー化反応におけるポリマーを沈殿させ、有機金属触媒を失活させる方法を提供することが望ましい。更に、ポリマー及び失活した触媒の沈殿を最適化するために、吸着剤の好適な粒径を判定することが望ましい。

0010

開示した主題の目的及び利点は、以下の説明に記載され、以下の説明から明らかになり、更に、開示した主題の実施によって理解されるであろう。開示した主題の更なる利点は、記載された説明及びそれに関する請求の範囲、並びに添付の図面に特に指摘された方法及び技法によって実現され、達成されるであろう。

0011

これらの利点及び他の利点を達成するため、また、開示した主題の目的に従い、具体化され広く説明されているように、開示した主題は、副生物、副生成物、及び/又は失活した触媒を沈殿させる方法を提供する。

課題を解決するための手段

0012

開示する主題によれば、オレフィンのオリゴマー化反応におけるポリマーと失活した有機金属触媒を沈殿させる方法が提供される。方法は、オレフィンのオリゴマー化反応からの流出物流を用意する工程を含むことができる。流出物流は、ポリマーと有機金属触媒を含むことができる。方法は、流出物流に吸着剤粒子を導入する工程を更に含むことができる。吸着剤粒子は、失活剤を含むことができる。失活剤は、水、アルコール、アミン、アミノアルコール、又はこれらの組合せとすることができる。吸着剤粒子の少なくとも約10%が、10μm〜60μmの範囲の粒径を有することができる。方法は、流出物流を冷却することにより、ポリマーと失活した有機金属触媒を流出物流から沈殿させて、吸着剤、ポリマー、及び失活した触媒を含む沈殿物を得る工程を更に含むことができる。

0013

開示する主題の一部の実施形態によれば、有機金属触媒は、クロムを含むことができる。

0014

開示する主題の一部の実施形態によれば、オレフィンのオリゴマー化反応は、エチレンの1-ヘキセンへの三量化を含むことができる。

0015

開示する主題の一部の実施形態によれば、吸着剤粒子は、アルミナ粒子シリカ粒子、又はこれらの組合せである粒子を含むことができる。吸着剤粒子の少なくとも約20%が、10μm〜60μmの範囲の粒径を有することができる。例えば、吸着剤粒子の約40%が、10μm〜60μmの範囲の粒径を有することができる。吸着剤粒子は、約20質量%未満の量の失活剤を含むことができる。例えば、吸着剤粒子は、約5質量%と約10質量%の間の量の失活剤を含むことができる。吸着剤粒子は、10m2/gを超える表面積を有することができる。

0016

開示する主題の一部の実施形態によれば、吸着剤粒子は、溶媒中懸濁液として流出物流に導入することができる。吸着剤粒子は、流出物流1kg当たり約0.1gと約1.0gの間の吸着剤粒子の量で流出物流に導入することができる。失活剤は、水を含むことができる。

0017

開示する主題の一部の実施形態によれば、流出物流は、吸着剤粒子を流出物流に導入するのとほぼ同時に冷却することができる。或いは、流出物流は、吸着剤粒子を流出物流に導入した後に冷却することができる。

0018

開示する主題の一部の実施形態によれば、沈殿物は、約1μm〜約1000μmの範囲の粒径を有する沈殿物粒子を含むことができる。一部の実施形態において、沈殿物粒子の約8%未満が、10μm未満の粒径を有することができる。一部の実施形態において、沈殿物粒子の約0.8%未満が、5μm未満の粒径を有することができる。

0019

開示する主題の一部の実施形態によれば、オレフィンのオリゴマー化反応におけるポリマーと失活した有機金属触媒を沈殿させる方法は、沈殿物を流出物流から分離して精製生成物を得る工程を更に含むことができる。

0020

前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は両者とも例示的であり、請求の範囲に記載の開示する主題を更に説明することを意図していると理解されたい。

0021

本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、開示する主題を例示し、理解を深めるために含まれている。図面は、記載と共に、開示する主題の原理を説明する役割を果たす。

図面の簡単な説明

0022

開示する主題の方法と共に使用することができる例示的な系を図示する概略図である。
公称粒径が100〜200μmの酸化アルミニウム(アルミナ)吸着剤粒子を添加した実施例1のオレフィンのオリゴマー化反応から得られた沈殿物の粒径分布を示すグラフである。
吸着剤(SiO2)の粒径と、開示する主題による、公称粒径が35〜70μmの酸化ケイ素(シリカ)吸着剤粒子を添加した実施例2のオレフィンのオリゴマー化反応から得られた沈殿物の粒径分布の両方を示すグラフである。
開示する主題による、公称粒径が35〜70μmの酸化ケイ素(シリカ)吸着剤粒子を添加した実施例3のオレフィンのオリゴマー化反応から得られた沈殿物の粒径分布を示すグラフである。
水を添加して有機金属触媒を失活させたが、吸着剤を添加しなかった対照実験である実施例4のオレフィンのオリゴマー化反応から得られた沈殿物の粒径分布を示すグラフである。

0023

図面を参照して開示する主題を以下に詳細に説明するが、説明は、例示的な実施形態に関連してなされ、限定としてなされるものではない。

0024

本明細書に提示される方法は、オレフィンのオリゴマー化、例えば、エチレンの三量化又は四量化を含むがこれに限定されない様々なオリゴマー化法に使用することができる。方法は、比較的小規模で、例えば、実験室スケール又はベンチスケールで使用することができると共に、比較的大規模で、例えば、工業規模で使用することができる。オリゴマー化は、均質溶液又はコロイド溶液中で行うことができる。以下により詳細に記載するように、オリゴマー化は、当技術分野で公知の様々な反応器で行うことができる。オリゴマー化は、直列又は並列運転される2台以上の反応器で行うことができる。限定ではなく説明のみを目的とし、本明細書において具体化されるように、提示される方法は、エチレンの1-ヘキセンへの三量化の文脈で使用することができる。

0025

本明細書において使用する場合、「アルキル」という用語は、飽和脂肪族基を意味する。アルキル基は、直鎖(例えば、エチル、n-プロピルn-ブチル)又は分岐鎖(例えば、i-プロピル、s-ブチル)とすることができる。「アルキル」という用語は、シクロアルキル基、即ち、飽和脂肪炭素環状基を更に包含する。シクロアルキル基は、1つの環又は2つ以上の環を含むことができる。非限定的例として、シクロアルキル基は、シクロプロピルシクロブチルシクロペンチルシクロヘキシルシクロヘプチル、及びシクロオクチルを含むことができる。

0026

本明細書において使用する場合、「アルカン」及び「アルカン(複数)」という用語は、飽和脂肪族化合物を意味する。アルキル化合物は、直鎖(例えば、エタンプロパン、n-ブタンn-ヘキサンn-オクタン、n-デカン)又は分岐鎖(例えば、i-ブタン、3-メチルノナン)とすることができる。直鎖アルカンは、直鎖状アルカン又はn-アルカンとしても公知であり、側鎖を持たない非環式アルカンである。分岐鎖アルカンは、単に「分岐アルカン」としても公知であり、1つ又は複数の側鎖を持つ非環式、非直鎖状アルカンである。

0027

本明細書において使用する場合、「アルカン」及び「アルカン(複数)」という用語は、シクロアルカン化合物、即ち、飽和脂肪族炭素系環状化合物を更に包含する。シクロアルカンは、1つの環又は2つ以上の環を含むことができる。非限定的例として、シクロアルカンは、シクロプロパンシクロブタンシクロペンタンシクロヘキサンシクロヘプタンシクロオクタンシクロノナン、及びシクロデカンを含むことができる。シクロアルカンは、置換されていてもよい。例示的な置換シクロアルカンとしては、メチルシクロペンタン及びメチルシクロヘキサンが挙げられる。

0028

本明細書において使用する場合、「ハロゲン」という用語は、17族元素、即ちフッ素塩素臭素ヨウ素、及びアスタチンを意味する。

0029

本明細書において使用する場合、「基」及び「部分」という用語は、より大きな組成物化合物分子、又は構造の部分を意味する。

0030

本明細書において使用する場合、「約」又は「およそ」という用語は、当業者によって判定される特定の値の許容誤差範囲内を意味し、これは、部分的には値がどのように測定又は判定されるか、即ち、測定系の限界に依存する。例えば、「約」は、所与の値の20%まで、10%まで、5%まで、及び/又は1%までの範囲を意味することができる。

0031

開示する主題によれば、オレフィンのオリゴマー化反応におけるポリマーと失活した有機金属触媒を沈殿させる方法は一般に、オレフィンのオリゴマー化反応からの流出物流を用意する工程を含むことができる。流出物流は、ポリマーと有機金属触媒を含むことができる。方法は、流出物流に吸着剤粒子を導入する工程を更に含むことができる。吸着剤粒子は、失活剤を含むことができる。失活剤は、水、アルコール、アミン、アミノアルコール、又はこれらの組合せとすることができる。吸着剤粒子の少なくとも約10%が、10μm〜60μmの範囲の粒径を有することができる。方法は、流出物流を冷却することにより、ポリマーと失活した有機金属触媒を流出物流から沈殿させて、吸着剤、ポリマー、及び失活した触媒を含む沈殿物を得る工程を更に含むことができる。

0032

ここで、開示する主題の様々な例示的な実施形態を詳細に参照し、その例示的な実施形態を添付図面に図示する。開示する主題の方法及び対応する技法を、詳細な説明と併せて記載する。

0033

添付図面は更に、様々な実施形態を例示し、全て開示する主題による様々な原理及び利点を説明する役割を果たす。限定ではなく、説明及び例示のために、開示する主題によるオレフィンのオリゴマー化反応におけるポリマーと失活した有機金属触媒を沈殿させる方法の例示的な実施形態を、図1〜5に示す。本開示の主題が図1の系及び以下に提示される実施例に関して記載されるが、開示する主題が例示的実施形態に限定されず、任意適切な反応又は系において本明細書に記載の方法及び技法をポリマーと失活した有機金属触媒を沈殿させるために使用できることを、当業者は認識するであろう。

0034

開示する主題によれば、図1を参照し、例示的な系100と共に本開示の方法を実行することができる。系100は、オレフィンのオリゴマー化反応を行うことが可能な反応器104を含むことができる。反応器104は、1つ又は複数のフィードライン102に連結することができる。図1では1本のフィードライン102が示されているが、多数のフィードラインを反応器104に連結することができることを理解されたい。フィードライン102は、様々な成分を反応器104に送り込むことができる。一部の実施形態において、反応器104に送り込まれる成分は、有機金属触媒、遷移金属源アルキルアルミニウム化合物亜鉛化合物ピロール化合物ハロゲン化合物、オレフィン、水素、及び/又は溶媒を含むことができる。非限定的例として、一部の実施形態において、有機金属触媒溶液を送り込む1つ又は複数のフィードライン、溶媒を送り込む1つ又は複数のフィードライン、オレフィン(例えば、エチレン)を送り込む1つ又は複数のフィードライン、及び/又は水素を送り込む1つ又は複数のフィードラインが存在し得る。一部の実施形態において、2種以上の炭化水素化合物を溶媒として使用することができ、溶媒の種々の混合物を使用して様々な組成物を調製することができる。例えば、一部の実施形態において、触媒溶媒(例えば、アルキルアルミニウム化合物、クロム化合物、及び追加の触媒成分を溶解させるのに使用する溶媒)として第1の溶媒を使用することができ、第2の溶媒を追加の反応溶媒として添加することができる。溶媒は全て、反応器104内で組み合わせて混合反応溶媒を得ることができる。

0035

オレフィンのオリゴマー化反応は、反応器104内で起こり、オリゴマー化生成物に加えて副生物ポリマーを得ることができる。オリゴマー化生成物、ポリマー、及び有機金属触媒を含有する流出物流106を、反応器104から取り出すことができる。吸着剤粒子108を流出物流106に導入して有機金属触媒を失活させ、流出物流106を冷却することによりポリマーと失活した有機金属触媒を沈殿させることができる。吸着剤、ポリマー、及び/又は失活した触媒を含有する沈殿物を、場合によって分離ユニット110で分離し、沈殿物112及び精製された生成物流114を得ることができる。

0036

本開示の主題のオレフィンのオリゴマー化反応は、当技術分野で公知の様々な反応器で実行することができる。非限定的例として、適切な反応器104は、連続撹拌槽反応器バッチ反応器栓流反応器、及びパイプ又は管型反応器(層流反応器)を含むことができる。反応器104は、気体/液体反応に適した反応器、例えば、撹拌装置を備えるオートクレーブ反応器直流又は逆流気体及び液体供給器を備える気泡塔反応器(バブリング反応器)、又はバブリングガスリフト反応器とすることができる。反応器は、例えば、1つ又は複数の追加フィードライン、1つ又は複数の気体導入ライン、1つ又は複数の気体導出ライン、1つ又は複数の排気排出ライン、1つ又は複数の撹拌装置、反応ゾーン、1つ又は複数の加熱要素、及び/又は1つ又は複数の粘度計等、図1には示されていない成分及びアクセサリーを含むことができる。成分及びアクセサリーは、当技術分野で公知のように、反応器の様々な場所に配置することができる。

0037

一部の実施形態において、反応器104内の有機金属触媒は、1種又は複数種の遷移金属源を含むことができる。非限定的例として、遷移金属は、Ti、Zr、Hf、Ni、Cr、Fe、Co、Pd、Pt、及びこれらの組合せであることができる。開示する主題によれば、有機金属触媒は、クロム(Cr)を含むことができる。有機金属触媒は、均一系触媒又は不均一系触媒とすることができる。

0038

有機金属触媒がクロムを含む場合、クロム源は、有機及び/又は無機とすることができる。クロム源の酸化状態は、変化し得る。例えば、クロム源は、クロムが0、+1、+2、+3、+4、+5、及び+6の酸化状態にある化合物を含むことができる。一般に、クロム源は、式CrXnであることができる。ただし、置換基Xは、同一又は異質であり、nは1〜6の数である。置換基Xは、有機又は無機基とすることができる。非限定的例として、適する有機基Xは、1〜20個の炭素原子を含むことができ、アルキル基、アルコキシ基カルボキシ基アセチルアセトナート基、アミノ基、及びアミド基を含むことができる。非限定的例として、適する無機基Xは、ハロゲン(ハロゲン化クロムを形成)、硫酸塩(硫酸クロムを形成)、及び酸素(酸化クロムを形成)を含むことができる。クロム源の例は、塩化クロム(III)、酢酸クロム(III)、トリスエチルヘキサン酸クロム(III)、アセチル酢酸クロム(III)、クロム(III)ピロリド、酢酸クロム(II)、及び塩化クロミル(CrO2Cl2)を含むことができる。

0039

反応器104内の有機金属触媒は、アルキルアルミニウム化合物を更に含むことができる。一部の実施形態において、アルキルアルミニウム化合物は、遷移金属系触媒中心(例えば、クロム中心)の活性剤となり得る。アルキルアルミニウム化合物は、ハロゲン化アルキルアルミニウム化合物、アルコキシアルキルアルミニウム化合物、及びそれらの混合物を含むことができる。アルキルアルミニウム化合物は、少なくとも1つのアルミニウム-アルキル結合を含む化合物であり、一部の非限定的実施形態において、一般式AlR3、AlR2X、AlRX2、AlR2OR、AlRXOR、又はAl2R3X3で表すことができる。ただし、Rはアルキル基であり、Xはハロゲン原子(例えば、Cl又はBr)である。アルキルアルミニウム化合物の非限定的例としては、トリメチルアルミニウムトリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム二塩化エチルアルミニウムセスキ塩化エチルアルミニウム、及びメチルアルミノキサン(MAO)が挙げられる。アルキルアルミニウム化合物は、複数のアルキルアルミニウム化合物の混合物として使用することができる。一部の実施形態において、アルキルアルミニウム化合物は、トリエチルアルミニウム、又はトリエチルアルミニウムと塩化ジエチルアルミニウムの混合物とすることができる。

0040

開示する主題によれば、反応器104内の有機金属触媒の1つ又は複数の成分に照射することができる。一部の実施形態において、アルキルアルミニウム化合物は、照射アルキルアルミニウム化合物であることができる。アルキルアルミニウム化合物に照射し、その活性を高めると共に、反応器104内の有機金属触媒の総活性を高めることができる。一部の実施形態において、照射は、マイクロ波照射とすることができる。アルキルアルミニウム化合物へのマイクロ波照射は一般に、米国特許公開US2012/0302715に記載されており、その内容全体を本願に引用して援用する。非限定的例として、1種又は複数種のアルキルアルミニウム化合物に、周波数が約0.2GHzと20GHzの間のマイクロ波照射により照射することができる。一部の実施形態において、マイクロ波照射は、約2.45GHzの周波数を有することができる。照射持続時間は、約0.5分(30秒)と約20分の間とすることができる。一部の実施形態において、1種又は複数種のアルキルアルミニウム化合物は、触媒組成物の他の成分(例えば、遷移金属源)と混合する前にマイクロ波照射により照射することができる。触媒組成物の他の成分と混合する前にアルキルアルミニウム化合物に照射する場合、照射から混合までに経過する時間を限定することが重要となり得る。例えば、時間は、10分未満、5分未満、又は3分未満とすることができる。一部の実施形態において、アルキルアルミニウム化合物への照射から触媒組成物の他の成分(例えば、遷移金属源)との混合までの時間は、3分未満とすることができる。他の実施形態において、1種又は複数種のアルキルアルミニウム化合物をまず遷移金属源(例えば、クロム源)及びピロール化合物と組み合わせて組成物を得、次いで、組成物に上記のように照射することができる。アルキルアルミニウム化合物及び他の触媒成分への照射についての更なる説明は、開示する主題によれば、本出願と同日に出願された国際(PCT)出願代理人整理番号第080474.0122に記載されており、その全体を本願に引用して援用する。

0041

反応器104内の有機金属触媒は、1種又は複数種のハロゲン化合物を更に含むことができる。ハロゲン化合物は、ハロゲン化物源として記載することができる。ハロゲン化合物は、式RmXnの化合物とすることができる。ただし、Rは有機基、有機金属基、又は無機基であり、Xはハロゲン(例えば、F、Cl、Br、又はI)であり、(m+n)の合計は0を超える。例示的なハロゲン化合物は、AlEt2Cl、AlEtCl2、AlCl3、塩化ジブチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウムヨウ化ジエチルアルミニウム、臭化ブチル、ジクロロメタン四塩化炭素、CHC13(クロロホルム)、ヘキサクロロエタン三塩化ホウ素、及び四塩化ゲルマニウムを含むことができる。1種又は複数種のハロゲン化合物を添加すると、有機金属触媒の選択性、活性、及び/又は生産性を向上することができる。

0042

反応器104中の有機金属触媒は、亜鉛化合物を更に含むことができる。一部の実施形態において、亜鉛化合物は、遷移金属系触媒中心(例えば、クロム中心)の活性剤となり得る。一部の実施形態において、亜鉛化合物は、金属亜鉛(Zn(0))、亜鉛-銅カップルアルキル亜鉛化合物(ジアルキル亜鉛化合物を含む)、アリール亜鉛化合物(ジアリール亜鉛化合物を含む)、亜鉛アミド(例えば、亜鉛ピロリド又は亜鉛ポルフィリン錯体)、オキシ酸亜鉛(例えば、ギ酸亜鉛酢酸亜鉛2-エチルヘキサン酸亜鉛、及び他のカルボン酸亜鉛)、ハロゲン化亜鉛(例えば、無水塩化亜鉛)、及びこれらの組合せを含むことができる。一部の実施形態において、亜鉛化合物は、ジアルキル亜鉛化合物を含むことができる。一部の実施形態において、ジアルキル亜鉛化合物は、ジメチル亜鉛ジエチル亜鉛ジブチル亜鉛、及びこれらの混合物を含むことができる。一部の実施形態において、亜鉛化合物は、ジアリール亜鉛化合物を含むことができる。一部の実施形態において、ジアリール亜鉛化合物は、ジフェニル亜鉛、ジトリル亜鉛、及びこれらの混合物を含むことができる。

0043

反応器104内の有機金属触媒は、ピロール化合物を更に含むことができる。一部の実施形態において、ピロール化合物は、遷移金属に配位して配位子として機能することができる。ピロール化合物は、ピロール部分、即ち、単一の窒素原子を含有する五員芳香族複素環を含む化合物とすることができる。非限定的例として、ピロール化合物としては、ピロール、2,5-ジメチルピロール、リチウムピロリド(C4H4NLi)、2-エチルピロール、インドール、2-メチルインドール、及び4,5,6,7-テトラヒドロインドールが挙げられる。一部の実施形態において、ピロール化合物は、ピロール又は2,5-ジメチルピロールとすることができる。

0044

当技術分野で理解されているように、反応器104内の有機金属触媒を変えることができる。例えば、アルキルアルミニウム化合物、クロム化合物、及びピロール化合物が使用される場合、アルミニウムのクロムに対するモル比、及びピロール化合物のクロムに対するモル比を変えることができ、例えば、本明細書において具体化されるように、アルミニウムのクロムに対する比は、約10:1から約2000:1まで、例えば、約20:1から約300:1まで変わり得る。例えば、本明細書において具体化されるように、ピロール化合物のクロムに対する比は、約2:1から約100:1まで、例えば、約3:1から約7:1まで変わり得る。例えば、本明細書において具体化されるように、何らかの追加のハロゲン化合物のクロムに対する比は、元素ハロゲンを基準とした計算で、約1:1から約150:1、例えば、約8:1から約16:1まで変わり得る。亜鉛化合物は、含まれても含まれなくてもよい。

0045

オレフィンのオリゴマー化に有用なオレフィンは、単純な原料オレフィン、例えば、エチレン(エテン)、プロピレン(プロペン)、及びブチレン(ブテン)を含むことができる。一部の実施形態において、オレフィンは、エチレンとすることができる。オレフィンをオリゴマー化して有用な高級オレフィンを得ることができる。工業的に重要な方法としては、エチレンからのアルファオレフィン(αオレフィン)の調製が挙げられる。アルファオレフィンは、1位又はアルファ位に炭素-炭素二重結合(C=C)を有するオレフィン化合物である。オリゴマー化により調製されるアルファオレフィンは、様々なC5〜C40オレフィン及びそれらの混合物を含むことができる。例えば、オリゴマー化により調製されるアルファオレフィンは、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、高級アルファオレフィン、及びこれらの混合物を含むことができる。開示する主題によれば、オレフィンのオリゴマー化反応は、エチレンの1-ヘキセンへの三量化を含むことができる。

0046

反応器104内のオレフィンのオリゴマー化がエチレンの1-ヘキセンへの三量化である場合、使用されるエチレンの圧力は、当技術分野で理解されているように、可変である。例えば、本明細書において具体化されるように、エチレンの圧力は、約1から約200barまで変えることができる。一部の実施形態において、エチレンの圧力は、4bar超とすることができる。一部の実施形態において、エチレン圧力を増加させてオリゴマー化速度を上昇させることが有利であり得る。

0047

本開示の主題の一部の実施形態において、反応器104の温度は、約0℃と約160℃の間とすることができる。一部の実施形態において、反応器104内の温度は、約40℃と約120℃の間とすることができる。例えば、反応器104内のオレフィンのオリゴマー化がエチレンの1-ヘキセンへの三量化である場合、反応器の温度は、約40℃と約120℃の間、例えば、約100℃とすることができる。一部の実施形態において、本明細書に記載するように、反応温度を約80℃より高く、例えば、約95℃より高く維持することが有利であり得る。そのような温度では、ポリマー副生物(例えば、ポリエチレン)は完全に溶媒に溶解したままとなり得て、有機金属触媒は活性を維持し選択的なままであり得る。非限定的例として、一部のエチレンの1-ヘキセンへの三量化反応において、より低い温度(例えば、約80℃未満の温度)は、溶液からのポリエチレンの沈殿を生じさせる可能性がある。

0048

開示する主題によれば、当技術分野で理解されているように反応時間を変えることができる。反応時間は、オリゴマー化反応ゾーンにおける原料と溶媒の滞留時間であると定義することができる。連続流式反応器の場合、当技術分野で理解されるように、反応時間が滞留時間を意味し得る。反応時間は、使用されるオレフィン、反応温度、反応圧力、及び反応の他のパラメータによって変わり得る。一部の実施形態において、反応は、1日未満で終了させ得る。一部の実施形態において、反応時間は、より短く、例えば、12時間未満、6時間未満、3時間未満、2時間未満、1時間未満、30分未満、15分未満、10分未満、5分未満、3分未満、2分未満、1分未満、30秒未満、15秒未満、10秒未満、5秒未満、3秒未満、又は約1秒とすることができる。

0049

開示する主題によれば、オレフィンと触媒組成物(例えば、アルキルアルミニウム化合物、クロム化合物、及び炭化水素溶媒を含む組成物)を、水素と接触させることができる。水素は、反応器104に送り込むことができる。一部の実施形態において、水素は、希釈剤として機能することができる。水素は、オリゴマー化反応を加速させる、及び/又は有機金属触媒の活性を高めることができる。一部の実施形態において、水素は、形成される副生物ポリマーの量を減少させ、反応器104内及び下流設備内のポリマーの堆積(沈殿)を制限することができる。例えば、エチレンの1-ヘキセンへのオリゴマー化では、水素は、ポリエチレンの形成を減少させ、ポリエチレンの堆積を阻止することができる。

0050

1種又は複数種の溶媒を、反応器104内のオレフィンのオリゴマー化に使用することができる。溶媒は、1種又は複数種の炭化水素化合物を含むことができる。炭化水素化合物は、直鎖アルカン、分岐アルカン、及びシクロアルカンを含むアルカン化合物を含むことができる。炭化水素化合物は、アルケン化合物(例えば、1-ヘキセン)、及び/又はアレーン(芳香族)化合物(例えば、ベンゼン、及びトルエン)を更に含むことができる。炭化水素化合物は、炭化水素の混合物、例えば、ケロシンとすることができる。炭化水素化合物は、C4〜C12炭化水素とすることができる。非限定的例として、溶媒は、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン(及びその異性体)、シクロヘプタン、オクタン(及びその異性体)、シクロオクタン、ノナン(及びその異性体)、シクロノナン、デカン(及びその異性体)、シクロデカン、ウンデカン(及びその異性体)、シクロウンデカン、ドデカン(及びその異性体)、シクロドデカン、及びそれらの組合せを含むことができる。開示する主題に従い使用することができる溶媒についての更なる説明は、本出願と同日に出願された国際(PCT)出願、代理人整理番号第080474.0121号に記載されており、その全体を本願に引用して援用する。一部の実施形態において、溶媒は、使用前に予熱することができる。例えば、溶媒は、反応温度にほぼ等しい温度、例えば、約100℃に予熱することができる。

0051

開示する主題によれば、一部の実施形態において、使用される溶媒の成分を、それらの沸点に基づいて選択することができる。例えば、比較的狭い温度範囲内(例えば、約10℃、約20℃、約30℃、又は約40℃以内)で沸騰可能な、沸点が近いアルカン化合物を使用することができる。沸点が近いアルカン化合物を選択すると、分離が容易になり、したがってこのような化合物は、所望のオレフィンのオリゴマー化生成物(例えば、1-ヘキセン)から、容易に留去することができる。沸点が近いアルカン化合物の様々な混合物、例えば、EXXSOL(商標)(EXXONMOBIL(商標)社)及びISOPAR(商標)(EXXONMOBIL(商標)社)が市販されている。

0052

開示する主題によれば、反応器104内に存在する様々な成分は、任意の順序で混合することができる。非限定的例として、アルキルアルミニウム化合物を第1の炭化水素溶媒中でハロゲン化合物と混合して第1の組成物を得ることができる。第1の混合物は、第2の炭化水素溶媒中で遷移金属源(例えば、クロム源)及びピロール化合物と混合し、有機金属触媒として機能し得る第2の組成物を得ることができる。第1の炭化水素溶媒と第2の炭化水素溶媒は、同じであっても異なっていてもよい。次いで、オレフィンを第2の組成物と接触させてオレフィンのオリゴマーを形成することができる。或いは、第2の組成物を第3の炭化水素溶媒で更に希釈して第3の組成物を得、オレフィンを第3の組成物と接触させることができる。

0053

開示する主題によれば、オレフィンのオリゴマー化反応は、水及び酸素の非存在下で行うことができる。例えば、水及び酸素は、反応器104から除外することができる。

0054

開示する主題によれば、オレフィンのオリゴマー化反応からの流出物流106は、有機金属触媒、オレフィンのオリゴマー化反応からの様々な生成物、副生成物及び副生物、並びに溶媒を含むことができる。

0055

一部の実施形態において、オレフィンのオリゴマー化中に形成されるポリマーは、オリゴマー化されているオレフィンのポリマーを含むことができる。例えば、エチレンのオリゴマー化中にポリエチレンが形成され得る。ポリエチレンは、反応溶媒に不溶の場合があり、オリゴマー化反応器及び/又は生成物パイプラインの内部部品だけでなく、反応混合物及び生成物混合物と接触する他の設備にも堆積する可能性がある。その上、オリゴマー化生成物混合物中に溶解したままのポリマーは、所望のオリゴマー生成物から分離する必要があり得る。

0056

本開示の方法に有用な吸着剤108は、様々な固体材料を含むことができる。非制限的例として、吸着剤は、クレイ(天然及び合成の両方)、木炭、シリカ、アルミナ、チタニアマグネシアジルコニアアルミノケイ酸塩ゼオライト分子篩ケイ藻土セルロース系材料金属塩(例えば、塩化カルシウム塩化マグネシウム硫酸カルシウム硫酸マグネシウム及び硫酸ナトリウム)、金属酸化物(例えば、酸化カルシウム及び酸化マグネシウム)、及びこれらの組合せを含むことができる。開示する主題によれば、吸着剤粒子は、アルミナ粒子、シリカ粒子、又はこれらの組合せを含むことができる。

0057

一部の実施形態において、使用される吸着剤108は、約10μm〜約150μmの範囲の粒径を有することができる。例えば、吸着剤粒子の少なくとも一部は、約10μm〜約60μm、例えば30μm〜60μmの範囲の粒径を有することができる。粒径が10μm〜60μm、例えば30μm〜60μmの範囲の吸着剤粒子は、以下に記載するような有利な性質を有することができる。開示する主題の一部の実施形態によれば、吸着剤粒子の少なくとも約20%が、10μm〜60μmの範囲の粒径を有することができる。例えば、吸着剤粒子の少なくとも約40%、60%、80%、又は90%が、10μm〜60μmの範囲の粒径を有することができる。

0058

開示する主題による粒径が10μm〜60μmの範囲の吸着剤粒子108を使用することの利点は、こうした粒子は沈降するのが比較的遅く、液体混合物中に懸濁した状態に留まり、そこで液体混合物からポリマー及び/又は失活した触媒を吸着して除去できる点であってよい。非制限的例として、粒径が約10μm〜約60μmの範囲の粒子は、炭化水素溶媒(例えば、アルカン)におよそ1分以上懸濁した状態に留まり得る。これに対し、これよりも粒径が大きな粒子は、もっと迅速に沈降し、そのために溶解しているポリマー及び/又は失活した触媒を吸着する効果が乏しい。粒径が非常に小さい(例えば、10μm未満)の粒子は、欠点を有する場合がある。例えば、10μm未満の吸着剤粒子は、ろ過装置を詰まらせる可能性があったり、沈降するのに実用的でないほど長い時間を要したりする場合がある。

0059

開示する主題の一部の実施形態によれば、吸着剤粒子108は、約20質量%未満の量の失活剤を含むことができる。例えば、吸着剤粒子は、約5質量%と約10質量%の間の量の失活剤を含むことができる。一部の実施形態において、吸着剤粒子は、追加の失活剤を添加することも失活剤を除去する処理をすることもなく、商業的供給源から得られた「既製品」をそのまま使用することができる。例えば、一部の実施形態において、シリカ又はアルミナを水の添加も乾燥もせずに使用することができる。商業的供給源のシリカ及びアルミナに存在する水の量は、約5質量%〜約10質量%の範囲であり得、本開示の方法に適切したものであり得る。失活剤が水である場合、吸着剤中に存在する水の量は、熱分析によって判定可能である。非制限的例として、含水量は、吸着剤を25℃から800℃まで加熱し、失われた質量のパーセンテージを判定することにより測定可能である。

0060

一部の実施形態において、吸着剤108は、高活性表面積及び/又は大細孔容積となるように選択することができる。高活性表面積及び大細孔容積を有する吸着剤は、金属酸化物と高分子材料の両方を吸着する優れた能力を有することができる。一部の実施形態において、吸着剤粒子は、0.1m2/gを超える、例えば、0.3m2/gを超える、0.5m2/gを超える、1m2/gを超える、3m2/gを超える、5m2/gを超える、又は10m2/gを超える表面積を有することができる。開示する主題によれば、吸着剤粒子は、10m2/gを超える表面積を有する。一部の実施形態において、吸着剤粒子は、0.01cm3/gを超える細孔容積を有することができる。

0061

開示する主題によれば、吸着剤粒子108は、溶媒中懸濁液として流出物流106に導入することができる。例えば、吸着剤粒子は、炭化水素溶媒中懸濁液、例えばシクロヘキサン中懸濁液として導入することができる。一部の実施形態において、吸着剤を懸濁させるのに使用される溶媒は、オレフィンのオリゴマー化反応に使用される溶媒と同じものとすることができる。適する懸濁液は、様々な量の吸着剤、例えば、約0.5質量%未満の吸着剤、約0.質量%の吸着剤、約1質量%の吸着剤、約2質量%の吸着剤、約3質量%の吸着剤、約4質量%の吸着剤、約5質量%の吸着剤、約6質量%の吸着剤、約7質量%の吸着剤、約8質量%の吸着剤、約9質量%の吸着剤、約10質量%の吸着剤、約12質量%の吸着剤、約15質量%の吸着剤、又は約20質量%の吸着剤を含むことができる。吸着剤108の懸濁液は、流出物流106に、例えば、オレフィンのオリゴマー化反応器104から取り出した反応混合物に圧送することができる。

0062

開示する主題によれば、吸着剤粒子108は、流出物流1kg当たり約0.1gと約1.0gの間の吸着剤粒子の量で流出物流106に導入される。非制限的例として、本明細書において具体化されるように、流出物流1kg当たり約0.1g、約0.2g、約0.3g、約0.4g、約0.5g、約0.6g、約0.7g、約0.8g、約0.9g、又は約1.0gの吸着剤粒子を導入することができる。

0063

水、アルコール、アミン、アミノアルコール、及びこれらの組合せを含む、当業者に公知の適切な失活剤を使用することができる。例示的なアルコールは、メタノールエタノールn-プロパノール、i-プロパノールn-ブタノール、i-ブタノール、t-ブタノール、2-ブタノール、2-エチルヘキサノール、及びこれらの組合せを含むことができる。例示的なアミンは、アンモニアメチルアミンジメチルアミントリメチルアミンエチルアミンジエチルアミントリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミンジイソプロピルエチルアミン、トリ-n-ブチルアミンピペラジンピリジンエチレンジアミンジエチルエネトリアミン、及びこれらの組合せを含むことができる。例示的なアミノアルコールは、エタノールアミンジエタノールアミントリエタノールアミンメチルジエタノールアミンドデシルジエタノールアミン、1-アミノ-2-プロパノール、及びこれらの組合せを含むことができる。開示する主題によれば、失活剤は、水とすることができる。1種又は複数種の失活剤を吸着剤108とは別に流出物流106に添加することができる。しかし、実施例において具体化されるように、吸着剤とは別に失活剤を添加することは、必要ない。

0064

一部の実施形態において、流出物流106は、吸着剤粒子108を導入するのとほぼ同時に冷却することができる。或いは、流出物流は、吸着剤粒子を導入する前に、又は吸着剤粒子を導入した後に冷却することができる。非制限的例として、吸着剤粒子は、流出物流が約65℃〜約130℃、例えば約75℃〜約115℃又は約85℃〜約105℃の範囲の温度であるときに導入することができる。

0065

流出物流を冷却することは、流出物流を熱源から遠ざけること、例えば、流出物流を加熱された反応器から遠ざけることを含むことができる。流出物流を冷却することは、流出物流を冷却ユニット、例えば、熱交換器に通すことを更に含むことができる。流出物流を冷却することは、高温の流出物流を冷却した流出物流と混合することを含むことができる。流出物流を冷却することは、流出物流を100℃と20℃の間の範囲の温度、例えば、約95℃未満、約90℃、約85℃、約80℃、約75℃、約70℃、約65℃、約60℃、約55℃、約50℃、約45℃、約40℃、約35℃、約30℃、又は約25℃に冷却することを含むことができる。流出物流を冷却することは、流出物流を空気にさらすことを含むことができる。流出物流を冷却することは、流出物流を室温、例えば、約20℃から約25℃の範囲の温度に冷却することを含むことができる。流出物流が冷却される温度は、冷却過程中の過剰なエネルギー消費も回避しながらポリマーの沈殿を誘発するように選択することができる。非限定的例として、流出物流は、沈降器-冷却器において、温度が約40℃のループ冷却流中、沈降器-冷却器中の滞留時間を約1時間として再循環させることにより、約110℃から約70℃に冷却することができる。流出物流を冷却する速度が、ポリマー沈殿物の粒径にある程度の影響を与え得る。例えば、冷却が急速なほど小さな粒径でポリマーが沈殿する可能性がある。

0066

開示する主題の一部の実施形態によれば、沈殿物は、約1μm〜約1000μm(1mm)の範囲の粒径を有する沈殿物粒子を含むことができる。一部の実施形態において、以下に示される実施例に例示されるように、沈殿物粒子の約8%未満が、10μm未満の粒径を有することができる。一部の実施形態において、以下に示される実施例に例示されるように、沈殿物粒子の約0.8%未満が、5μm未満の粒径を有することができる。粒径が10μm未満及び5μm未満の沈殿物粒子の量を減少させることが、オレフィンのオリゴマー化及び生成物精製の全体的効率を向上させ得る。

0067

開示する主題によれば、オレフィンのオリゴマー化反応においてポリマー及び失活させた有機金属触媒を沈殿させる方法は、沈殿物を流出物流106から分離して精製生成物114を得ることを更に含むことができる。分離により、精製生成物114に加え、分離沈殿物112を得ることができる。分離は、分離ユニット110によって実行可能である。一部の実施形態において、分離ユニットは、1つ又は複数の沈降槽遠心分離機、若しくはフィルター、又はそれらの組合せとすることができる。例えば、本明細書において具体化されるように、沈殿物は、1つ又は複数の沈降槽で濃縮し、一定期間ごとに抜き出すことができる。事前の濃縮の有無に関わらず、遠心分離機を使用して沈殿物を分離することもできる。事前の濃縮の有無に関わらず、ろ過を使用して沈殿物を分離することもできる。

0068

非限定的例として、圧力下で流出物流106を冷却し、固形物(例えば、ポリマー及び吸着剤)を沈降させることができる。流出物流は次いで、ろ過し、エチレンと水素を除去し再循環コンプレッサへと送ることができる脱エテン器カラムに送ることができる。ろ過し脱気した流出物は次いで、生成物単離カラムに送られ、そこで1-ヘキセンを蒸留塔頂生成物として単離することができる。溶媒及び高級オレフィンを含むより重い化合物は、生成物単離カラムの底から取り出ことができる。

0069

開示する主題は、金属汚染レベルが非常に低いオレフィンのオリゴマー(例えば、1-ヘキセン)を提供することができる。例えば、クロム、亜鉛、及びアルミニウムのレベルが1ppm未満のオレフィンのオリゴマーを精製生成物114から得ることができる。

0070

本開示の主題は、制限するものとしてではなく、例示として提示する以下の実施例を参照することによってより十分に理解されるであろう。

0071

以下の実施例に記載する粒径の測定は全て、HORIBA LA-950V2粒径分析器を用い、レーザー光散乱により行ったものである。

0072

(実施例1)
触媒の調製:
クロム化合物、アルキルアルミニウム化合物、ピロール化合物、及び溶媒を組み合わせて触媒組成物を得ることにより触媒系を調製した。エチルヘキサン酸クロム(III)のケロシン中70質量%溶液のサンプル460ミリグラムを、2,5-ジメチルピロール(DMP)、トリエチルアルミニウム(TEA)及び塩化ジエチルアルミニウム(DEAC)とモル比1:5:30:14で組み合わせた。50mLの量のエチルベンゼンを触媒組成物用の溶媒として使用した。TEAは、濃度が1.9Mのトルエン溶液として使用した。DEACは、濃度が1Mのヘキサン溶液として使用した。TEAとDEACの溶液をまず混ぜ合わせて混合アルキルアルミニウム溶液を得、次いで、一部をエチルヘキサン酸クロム(III)とDMPの混合物に添加した。15分間混合した後、30〜40℃及び5mbarにて乾燥するまで溶媒を蒸発させ、残留物を得た。次いで、残留物をシクロヘキサンで希釈して2mg Cr/mLの濃度とした。

0073

オリゴマー化反応:
温度自動調節ジャケット、及びエチレンと水素の供給ラインを備えたスチール製1.0リットル反応器を用意した。反応器を空にし、次いで、圧力が0.1bargになるまで水素を充填した。次いで、投入ポンプを使用してウンデカン400gを反応器に注入した。濃度が2mg Cr/mLのシクロヘキサン(0.5ml)溶液としての触媒組成物(1mgのCr)を、水素の逆流下注射器を使用して反応器に添加した。プロペラ撹拌器を使用して800rpmでの撹拌を開始した。圧力が0.1bargになるまで水素を投入した。次いで、圧力が12.1bargになるまでエチレンを投入した。反応中、サーモスタットを使用して反応器の温度を100℃に維持し、エチレンを連続投入して12.1bargの圧力を維持した。

0074

吸着剤粒子の導入と沈殿物の形成:
60分後、オリゴマー化反応器からの反応混合物を流出物流として反応器から取り出した。流出物流を80℃に冷却し、公称粒径が100〜200μmの酸化アルミニウム(アルミナ)1gをウンデカン10mLに懸濁させた懸濁液と空気の非存在下で混合した。次いで、周囲空気により混合物を室温まで冷却した。アルミナは、水分含量が5質量%と10質量%の間であった。20秒以内に多量のアルミナ沈殿物が即座に沈降した。2分後、溶液の変色と更なる綿毛状の黄色沈殿物の形成が認められ、これは、5分以内に完全に沈降した。形成された沈殿物の全量が不均質であった。次いで、沈殿物の全量の粒径分布を判定すると、図2に図示する通りであった。図2に示すように、実施例1の沈殿物は、二峰性粒径分布を有し、モード粒径が約94μmであった。二峰性分布が認められたのは、主として溶液から直接沈殿したポリマーである粒径が約5μm〜約30μmの第1のタイプの粒子と、主として吸着したポリマー、失活した触媒、及び他の不純物を含む吸着剤粒子である粒径が約30μm〜約300μmの第2のタイプの粒子という2つの異なるタイプの粒子が存在していたことによる。実施例1の吸着剤及び沈殿物の更なる詳細を、Table 1(表1)及びTable 2(表2)に示す。

0075

(実施例2)
最初に、実施例1に記載した手順に従って触媒組成物を調製した。オレフィンのオリゴマー化反応(エチレンのオリゴマー化)を実施例1と同様に行った。

0076

60分後、オリゴマー化反応器からの反応混合物を流出物流として反応器から取り出し、75℃に冷却した。次いで、流出物流を、公称粒径が35〜70μmのシリカ1gをウンデカン10mLに懸濁させた懸濁液と空気の非存在下で混合した。次いで、周囲空気により混合物を室温まで冷却した。シリカは、水分含量が5質量%と10質量%の間であった。溶液の変色が認められた。2〜3分後に黄色の均質な沈殿物が形成された。次いで、沈殿物の全量の粒径分布を判定すると、図3に図示する通りであった。図3の一方の分布は、流出物流(SiO2)への添加前のシリカ吸着剤の粒径を示し、一方、図3の第2の分布は、結果として得られた沈殿物の粒径を示す。図3の斜向平行模様の領域は、2つの分布が重なっている部分を示している。図3に示すように、実施例2で使用したシリカ吸着剤は、モード粒径が約73μmであり、一方、実施例2の沈殿物は、モード粒径が約82μmであった。実施例2の吸着剤及び沈殿物の更なる詳細を、Table 1(表1)及びTable 2(表2)に示す。

0077

(実施例3)
触媒の調製:
触媒組成物残留物を実施例1と同様に調製し、次いで、シクロヘキサンで希釈して濃度が10mg Cr/Lの触媒溶液を得た。

0078

オリゴマー化反応:
エチレンのオリゴマー化反応を、撹拌器を備えた2リットル連続流撹拌槽反応器において、反応混合物のレベルを反応器体積の50%に維持した状態で実施した。反応器周囲の温度自動調節ジャケットで加熱することにより、反応器温度を100℃に維持した。触媒溶液(10mg Cr/L、0.4L/時で投入)、シクロヘキサン(2.0L/時で投入)、水素(30mL/分)、及びエチレン(反応器全圧14barを維持するために投入量を変化させた)を反応器に送り込んだ。平均滞留時間は20〜30分、総実験時間は4時間であった。

0079

吸着剤粒子の導入と沈殿物の形成:
指定した反応時間後、オリゴマー化反応器からの反応混合物を流出物流として反応器から取り出し、約100℃にて公称粒径が35〜70μmの酸化ケイ素(シリカ)をシクロヘキサンに懸濁させた懸濁液と混合した。懸濁液は、シリカを2質量%含有するように調製した。シリカは、水分含量が10質量%以下であった。混合物を撹拌することで懸濁を維持した。オリゴマー化反応器からの流出物流(2.5kg/時)を連続してシリカをシクロヘキサンに懸濁させた懸濁液の流れ(0.3kg/時)と混合した。結果として得られた組み合わせた流れを、外部ジャケットを使用して約40〜50℃に冷却したタンクに送り込んだ。液体充填タンクからの清澄液減圧バルブを通して脱気器に送り、圧力を下げた。4時間後、流出物流とシリカ懸濁液の送り込みを停止し、蓄積した沈殿物を底バルブを通して排出した。沈降時間は約1時間であった。次いで、沈殿物の粒径分布を判定すると、図4に図示する通りであった。図4に示すように、実施例3の沈殿物は、二峰性粒径分布を有し、モード粒径が約245μmであった。二峰性分布が認められたのは、吸着したポリマー、失活した触媒、及び他の不純物を含む吸着剤粒子である粒径が約10μm〜約40μmの第1のタイプの粒子と、吸着したポリマー、失活した触媒、及び他の不純物を含む吸着剤粒子の凝集塊を含む粒径が約40μm〜約500μmの第2のタイプの粒子という、2つの異なるタイプの粒子が存在していたことによる。実施例3の吸着剤及び沈殿物の更なる詳細を、Table 1(表1)及びTable 2(表2)に示す。

0080

(実施例4)
実施例1に記載した手順に従って触媒組成物を調製した。オレフィンのオリゴマー化反応(エチレンのオリゴマー化)を実施例1と同様に行った。

0081

60分後、オリゴマー化反応器からの反応混合物470gを反応器から流出物流として取り出し、75℃に冷却した。次いで、流出物流を水1mLと混合し、周囲空気により混合物を室温まで冷却した。吸着剤は添加しなかった。溶液の混濁黄色化が認められた。1〜2分後、微細黄色味を帯びた沈殿物の形成が認められた。沈殿物は、非常にゆっくり沈降した。次いで、沈殿物の粒径分布を判定すると、図5に図示する通りであった。図5に示すように、実施例4の沈殿物は、モード粒径が約12μmであった。実施例4の沈殿物の更なる詳細を、Table 2(表2)に示す。

0082

Table 1(表1)は、実施例1〜4で使用した吸着剤の性質を比較する。「n.m.」は、測定されなかったことを意味する。

0083

0084

Table 2(表2)は、実施例1〜4の沈殿物の性質を比較する。

0085

0086

例示を目的とし、Table 1(表1)は、実施例1で使用した吸着剤(公称粒径が100〜200μmのアルミナ)は、粒径が10と60μmの間の粒子を含む割合が比較的低かった(6%)ことを示している。このような大きな吸着剤粒子は、流出物流中に懸濁した状態に留まらずに即座に沈降し、そのため、吸着剤が最適量のポリマー及び失活した触媒を流出物流から除去することを妨げた。結果として、相当量のポリマー及び失活した触媒が吸着剤に吸着されずに沈殿し、相当量の綿毛状沈殿物を含む不均質な沈殿物を生じた。不均質な沈殿物は、粒径が5μm未満の沈殿物(0.9%)及び粒径が5と10μmの間の沈殿物(8.1%)を相当量含んでいた。このような小さな沈殿物粒子は、問題、例えば、沈降の遅れ、ろ過装置の詰まり、及び/又はろ過装置の通過及び下流ラインや生成物の汚染を引き起こす可能性がある。

0087

これに対し、開示する主題による、実施例2及び3で使用した吸着剤(即ち、公称粒径が35〜70μmであって、粒子の約40%が10と60μmの間の粒径を有するシリカ)は、粒径が10と60μmの間の粒子を比較的高い割合(40%)で含有していた。この粒径範囲の吸着剤粒子は、即座に沈降せず、効果的にポリマー(例えば、ポリエチレン)及び失活した触媒(例えば、水和酸化クロム及び水和酸化アルミニウム)を吸着して、粒径が10μm以上の比較的大きな沈殿物粒子を形成することができる。このような粒子は、ろ過により容易に除去可能である。実施例2及び3において、吸着剤の導入後に形成された沈殿物は、粒径が5μm未満の沈殿物を含んでおらず、粒径が5μmと10μmの間の沈殿物は、少量(1.5%未満)しか含んでいない。

0088

実施例2及び3では、同じ吸着剤を使用したが、この2つの実施例から得られた沈殿物は、粒径分布が異なっている。この違いは、実験手順の様々な違い、例えば、実験設備、溶媒、冷却プロセス、吸着剤を添加する温度、及び沈降時間の違いに帰すことができる。しかし、実験手順に違いがあっても、実施例1及び4と比較して、実施例2及び3はいずれも、沈殿物の性質が向上していた。実施例2及び3においては、吸着剤粒子の40%が10μmと60μmの間の粒径を有していたが、実施例1では吸着剤粒子の6%しか10μmと60μmの間の粒径を有していなかった。吸着剤の含水量は、実施例1、2及び3で同等であった。実施例2及び3では、粒径が10μmと60μmの間の粒子の割合が高かった(40%)結果、実施例1と比較して、小さな沈殿物(即ち、粒径が10μm未満の沈殿物)の形成が非常に少なかった。

0089

実施例4では、吸着剤を使用しなかった。ポリマー及び失活した触媒(例えば、水和金属酸化物)を吸着する吸着剤が存在しなかったため、これらの材料は微細な、ゆっくり沈降する沈殿物として沈殿した。沈殿物は、粒径が5μm未満の沈殿物(5.0%)と粒径が5と10μmの間の沈殿物(27.5%)を相当量含んでいた。このような小さな沈殿物粒子は、問題、例えば、沈降の遅れ、ろ過装置の詰まり、及び/又はろ過装置の通過及び下流ラインや生成物の汚染を引き起こす可能性がある。

0090

従って、実施例1及び4の流出物流と比較して、実施例2及び3の流出物流からは、副生成物及び副生物(ポリマー及び失活した触媒)をより効果的に除去することができ、操作の一層の簡素化、効率の向上、及び生成物純度の向上が実現できる。更なる利点としては、ろ過速度の向上、フィルター上の圧力低下の低減、微量不純物(例えば、ピロール化合物及び金属)の除去の改善が挙げられる。実施例2及び3に明確に具体化したように、本開示の方法は、吸着剤自体とは別に失活剤の添加を必要としない。

0091

追加の実施形態
追加として、又は代替として、開示する主題は、以下の実施形態の1つ又は複数を含むことができる。

0092

実施形態1。オレフィンのオリゴマー化反応におけるポリマーと失活した有機金属触媒を沈殿させる方法であって、オレフィンのオリゴマー化反応から流出物流を用意する工程であり、流出物流がポリマーと有機金属触媒を含む、工程と、流出物流に吸着剤粒子を導入する工程であり、前記吸着剤粒子が、水、アルコール、アミン、アミノアルコール、及びこれらの組合せからなる群から選択される失活剤を含み、吸着剤粒子の少なくとも約10%が10μm〜60μmの範囲の粒径を有する、工程と、流出物流を冷却することにより、ポリマーと失活した有機金属触媒を流出物から沈殿させて、吸着剤、ポリマー、及び失活した触媒を含む沈殿物を得る工程とを含む、方法。

0093

実施形態2。有機金属触媒がクロムを含む、前述の実施形態に記載の方法。

0094

実施形態3。オレフィンのオリゴマー化反応が、エチレンの1-ヘキセンへの三量化を含む、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0095

実施形態4。吸着剤粒子が、アルミナ粒子、シリカ粒子、及びこれらの組合せからなる群から選択される粒子を含む、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0096

実施形態5。吸着剤粒子の少なくとも約20%が、10μm〜60μmの範囲の粒径を有する、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0097

実施形態6。吸着剤粒子の約40%が、10μm〜60μmの範囲の粒径を有する、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0098

実施形態7。吸着剤粒子が、約20質量%未満の量の失活剤を含む、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0099

実施形態8。吸着剤粒子が、約5質量%と約10質量%の間の量の失活剤を含む、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0100

実施形態9。吸着剤粒子が、10m2/gを超える表面積を有する、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0101

実施形態10。吸着剤粒子が、溶媒中懸濁液として流出物流に導入される、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0102

実施形態11。吸着剤粒子が、流出物流1kg当たり約0.1gと約1.0gの間の吸着剤粒子の量で流出物流に導入される、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0103

実施形態12。失活剤が水を含む、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0104

実施形態13。流出物流が、吸着剤粒子を流出物流に導入するのとほぼ同時に冷却される、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0105

実施形態14。流出物流が、吸着剤粒子を流出物流に導入した後に冷却される、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0106

実施形態15。沈殿物が、約1μm〜約1000μmの範囲の粒径を有する沈殿物粒子を含む、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0107

実施形態16。沈殿物粒子の約8%未満が、10μm未満の粒径を有する、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0108

実施形態17。沈殿物粒子の約0.8%未満が、5μm未満の粒径を有する、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0109

実施形態18。沈殿物を流出物流から分離して精製生成物を得る工程を更に含む、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0110

実施形態19。任意の他の実施形態の方法と組み合わせた、前述の実施形態のいずれか一項に記載の方法。

0111

以下に請求する特定の実施形態に加え、開示する主題は、以下に請求される従属的特徴及び上記に開示する特徴の任意の他の可能な組合せを有する他の実施形態にも関する。そのため、従属請求項に提示され、上記に開示される特定の特徴は、開示する主題の範囲内で互いに他の方法で組み合わせることが可能であり、従って、開示する主題は、任意の他の可能な組合せを有する他の実施形態にも特異的に関するものと認識すべきである。従って、開示する主題の特定の実施形態に関する前述の記述は、例示及び説明を目的として提示されたものである。記述は、網羅的であること、或いは、開示する主題を開示する実施形態に限定することを意図したものではない。

0112

開示する主題の本質及び範囲から逸脱することなく、開示する主題の方法及びシステムに種々の変更及び変形を加え得ることは、当業者には明らかである。従って、開示する主題は、添付の請求項及びその均等物の範囲内にある変更及び変形を含むことが意図されている。

実施例

0113

開示する主題が好適な実施形態に関して本明細書に記載されているが、開示する主題に対し、その範囲を逸脱することなく様々な変更及び改善を加え得ることを、当業者は認識するであろう。更に、開示する主題の一部の実施形態の個々の特徴が本明細書に記述され、それらの実施形態の図面に示され得ることも他の実施形態に示されないこともあるが、一部の実施形態の個々の特徴は、別の実施形態の1つ若しくは複数の特徴、又は複数の実施形態の特徴と組み合わせることができることは明らかである。

0114

100 系
102フィードライン
104反応器
106流出物流
108吸着剤
110分離ユニット
112沈殿物
114 生成物流

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