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図面 (9)

課題・解決手段

本発明は、第一および第二のデングワクチンを含むデングウイルスワクチン組成物であって、第一のデングワクチンが少なくとも1の弱毒化生デングウイルスまたは弱毒化生キメラデングウイルスを含み、および第二のデングワクチンが組換えデングサブユニットワクチンDNAワクチンコンジュゲートワクチンまたは不活化デングワクチンであり;弱毒化生デングウイルスまたは弱毒化生キメラデングウイルスのゲノムが3’非翻訳領域のTLステムループ構造の30ヌクレオチド欠失を含む、前記組成物に関する。本発明のデングウイルスワクチン組成物は、1または複数のアジュバントをさらに含み得る。本発明の好ましい実施形態において、第一および第二のデングワクチンは四価である。本発明はまた、デング感染を処置もしくは予防する、またはその臨床症状の発症もしくは進行を予防する、寛解させるもしくは遅延させるために本発明のデングウイルスワクチン組成物を用いる方法に関する。

概要

背景

フラビウイルス科は、プロトタイプ黄熱病ウイルス(YF)、デングウイルスの4つの血清型(DENV−1、DENV−2、DENV−3およびDENV−4)、日本脳炎ウイルス(JE)、ダニ媒介性脳炎ウイルス(TBE)、ウエストナイルウイルス(WN)、セントルイス脳炎ウイルスSLE)および約70種の他の疾患の原因となるウイルス包含する。フラビウイルスは、一本鎖プラス鎖RNAゲノムを含有する小さなエンベロープウイルスである。10個の遺伝子産物が単一のオープンリーディングフレームによりコードされ、カプシド(C)、「プレメンブレン」(prM、これは細胞からのビリオン放出直前に「膜」(M)へとプロセシングされる)、「エンベロープ」(E)、その後に非構造(NS)タンパク質NS1、NS2a、NS2b、NS3、NS4a、NS4bおよびNS5の順番組織化されたポリタンパク質として翻訳される(Chambers,T.J. et al.,Annual Rev Microbiol(1990) 44:649−688;Henchal,E.A. and Putnak,J.R.,Clin Microbiol Rev.(1990) 3:376−396中に概説されている)。個々のフラビウイルスタンパク質は、次いで、宿主によって、同様にウイルスがコードするプロテアーゼによって媒介される精密なプロセシングイベントを通じて産生される。

フラビウイルスのエンベロープは宿主細胞の膜に由来し、ウイルスがコードする膜をアンカリングする膜(M)およびエンベロープ(E)糖タンパク質を含有する。E糖タンパク質は、最も大きなウイルス構造タンパク質であり、細胞表面付着およびエンドソーム内融合活性関与する機能的ドメインを含有する。これはまた、防御免疫に関連した、ウイルス中和抗体生産誘導する宿主免疫系の主要な標的でもある。

デングウイルスは、エデス(Aedes)属の、主にA.エジプチ(A.aegypti)およびA.アルボピクツス(A.albopictus)により、ヒトに伝染する。デングウイルスによる感染は、不顕性または軽い熱病から古典的なデング熱DF)を経てデング出血熱/デングショック症候群(DHF/DSS)までの範囲にわたる多様な臨床像をもたらす。デング熱は、高熱頭痛、関節および筋肉の痛み、発疹リンパ節腫脹および白血球減少を特徴とする(Gibbons,R.V. and D.W.Vaughn,British Medical Journal(2002) 324:1563−1566)。DHF/DSSは、小児においてより一般的な、より重篤感染症形態であって、点状出血および斑状出血の存在から自然発症の重篤な出血および重度のショックまでの範囲にわたる血管透過および/または重篤な出血性徴候により特徴付けられる。診断および迅速な医学介入がなければ、DHF/DSSの突然の発症および急速な進行は処置されないと致命的であり得る。

デングウイルスは、世界的な罹患率および死亡率の点で最も著しい節足動物伝染性ウイルスのグループであり、少なくとも3600万のデング熱症例および250,000から500,000のDHF/DSS症例を包含する、推測で1億のデング感染症を毎年発生させている(Gubler,D.J.,Clin.Microbiol.Rev.(1998) 11:480−496;上記のGibbons)。人口の世界的な増加、特に熱帯全体にわたる人口の都会化、および持続的な蚊防除手段の欠如によって、デングの蚊ベクターはその分布を熱帯、亜熱帯、およびいくつかの温帯にわたって拡大しており、世界人口の半分超にデング感染のリスクをもたらしている。現代ジェット機旅行およびヒトの移動はデング血清型の世界的分布を容易にしたことから、今や多くの地域において複数のデング血清型が地域流行している。ここ20年以上の間、デング流行の頻度およびDHF/DSSの発生率は増加している。例えば、東アジアにおいて、DHF/DSSは小児の間で入院および死亡の主要な原因である(上記のGubler;上記のGibbons and Vaughn)。

これまでに、フラビウイルスワクチンの開発は、部分的な成功を経験している。フラビウイルスが原因となる疾患から保護するためのワクチン候補を生産する試みにおいて、4つの基本的アプローチ弱毒化生ワクチン不活化粒子ワクチン、組換えサブユニットタンパク質ワクチン、およびDNAベースのワクチンが実行されている。黄熱病ウイルスに対する弱毒化生ワクチンは何十年にもわたって利用可能であって、より近年は日本脳炎に対する弱毒化生ワクチンが世界中の様々な国において登録されている。不活化全粒子ワクチンの使用は、いくつかの利用可能な登録製品を用いてTBEウイルスおよびJEウイルスについて実証されている。Heinz et al. Flavivirus and flavivirus vaccines.Vaccine 30:4301−06(2012)。

上で取り上げたYFワクチン、JEワクチンおよびTBEワクチンの成功にもかかわらず、デングウイルスに対するワクチンを開発するための弱毒化生ウイルスおよび不活化ウイルスの方法の使用は、重要な課題に遭遇している。デングウイルスには4つの血清型(DENV1、DENV2、DENV3およびDENV4)があり、各血清型の株は世界のデング流行地域全体にわたって巡回していることが見出されている。自然感染は感染した血清型への長期持続性の免疫を付与するが、他のデング血清型への免疫は付与しない。疾患のより重篤な形態(DHF/DSS)は、ほとんどの場合は、1つの血清型のデングウイルスの感染の後に別の血清型の第二の感染が続いたときに、第二のデング感染の後に生じる。DHFおよびDSSと第二のデング感染とのより高頻度の関連性は、1つのウイルス型の感染により誘導される、第二のデングウイルス型の感染力を増強する非中和抗体が原因であるという仮説が立てられている(抗体依存性増強−ADE)。

これまでに臨床で試験されたワクチンの大部分は弱毒化生ワクチンである。非複製ワクチン候補の使用もまた探求されている。例えば、Ivyら(米国特許第6,432,411号)は、DEN1−4 80% E(DENV−2エンベロープポリペプチドアミノ酸1〜395に相当するDEN1〜4のペプチド領域)タンパク質を含む四価サブユニットワクチンを開示している。上記のIvyらはまた、DENV1−4 80% EおよびISCOATRIX(登録商標アジュバントを含む組成物報告している。Collerら(WO2012/154202)は、DEN1〜4のDEN1−4 80% Eを含む四価製剤を開示している。不活化ウイルスも潜在的なワクチン候補として、または有効なワクチンの成分として用いられ得る(Putnak et al. Vaccine 23:4442−4452(2005)、US6190859、US6254873およびSterner et al. WO2007/002470)。弱毒化生デングウイルスワクチンおよび非複製デングワクチンを含む組成物は、国際特許出願No.PCT/US14/042625(WO/2014/204892)中に開示されている。

しかしながら、デングワクチンを開発するための先の試みにもかかわらず、これまで、デングワクチンは現在登録されていない。それゆえに、デング感染および/またはデング関連疾患に対する防御免疫応答を誘導することができる、安定、安全で有効なワクチンへのニーズは未だ残っている。

概要

本発明は、第一および第二のデングワクチンを含むデングウイルスワクチン組成物であって、第一のデングワクチンが少なくとも1の弱毒化生デングウイルスまたは弱毒化生キメラデングウイルスを含み、および第二のデングワクチンが組換えデングサブユニットワクチン、DNAワクチンコンジュゲートワクチンまたは不活化デングワクチンであり;弱毒化生デングウイルスまたは弱毒化生キメラデングウイルスのゲノムが3’非翻訳領域のTLステムループ構造の30ヌクレオチド欠失を含む、前記組成物に関する。本発明のデングウイルスワクチン組成物は、1または複数のアジュバントをさらに含み得る。本発明の好ましい実施形態において、第一および第二のデングワクチンは四価である。本発明はまた、デング感染を処置もしくは予防する、またはその臨床症状の発症もしくは進行を予防する、寛解させるもしくは遅延させるために本発明のデングウイルスワクチン組成物を用いる方法に関する。

目的

図1は、実施例1〜3において用いられるΔ30 LATV(Δ30四価弱毒化生デングウイルスワクチン)の組成物の略図を提供する

効果

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請求項1

薬学的有効量の:(a)少なくとも1の弱毒化デングウイルス(LAV)または少なくとも1の弱毒化生キメラフラビウイルス(LACV)を含む弱毒化生デングワクチンであって、LAVおよびLACVが3’非翻訳UTR)領域のTL−2ステムループ構造に相当する約30ヌクレオチド欠失を含有するウイルスゲノムを含む、前記ワクチン;ならびに(b)非複製デングワクチンを含む、デングウイルスワクチン組成物

請求項2

非複製デングワクチンが、組換えデングサブユニットワクチンまたは不活化デングワクチンである、請求項1の組成物

請求項3

非複製デングワクチンが、デングウイルス1型(DEN1)、デングウイルス2型(DEN2)、デングウイルス3型(DEN3)およびデングウイルス4型(DEN4)からのデングEタンパク質またはその断片を含む四価のデングサブユニットワクチンである、請求項1または請求項2の組成物。

請求項4

Eタンパク質の各々が、DEN1、DEN2、DEN3およびDEN4の野生型Eの、そのN末端におけるアミノ酸残基1から始まる長さの約80%を構成する、請求項3の組成物。

請求項5

アジュバントをさらに含む、請求項3または請求項4の組成物。

請求項6

アジュバントがアルミニウム塩アジュバントである、請求項5の組成物。

請求項7

組成物中のアルミニウム元素の量が約50μgから約1.25mgである、請求項6の組成物。

請求項8

組成物中のアルミニウム元素の量が約200μgから約850μgである、請求項7の組成物。

請求項9

アジュバントがサポニン系アジュバントである、請求項5の組成物。

請求項10

組成物中の各Eタンパク質の量が約0.5μgから約500μgである、請求項3〜8のいずれかの組成物。

請求項11

組成物中の中の各Eタンパク質の量が約1.0μgから約100μgである、請求項10の組成物。

請求項12

DEN4Eタンパク質の量がDEN1、DEN2およびDEN3Eタンパク質の量の約1.5倍から約2.5倍である、請求項11の組成物。

請求項13

各Eタンパク質が、昆虫宿主細胞内で組換え生産され、発現する、請求項10〜12のいずれかの組成物。

請求項14

弱毒化生デングワクチンが四価である、請求項1〜13のいずれかの組成物。

請求項15

弱毒化生デングワクチンが、デング2型に対して免疫原性がある1つのLACVならびにデング1、3および4型に対して免疫原性がある3つのLAVを含む、請求項1〜14のいずれかの組成物。

請求項16

LACVのウイルスゲノムが、デング血清型2のプレメンブレン(prM)およびエンベロープ(E)遺伝子ならびに異なるデング血清型のカプシドおよび非構造遺伝子を含む、請求項15の組成物。

請求項17

異なるデング血清型がデング血清型4である、請求項16の組成物。

請求項18

弱毒化生デングワクチンがデング血清型3に対して免疫原性があるLAVを含み、LAVのウイルスゲノムが3’UTRのTL−3構造に相当するΔ30欠失から上流にヌクレオチドの欠失をさらに含有する、請求項1〜17のいずれかの組成物。

請求項19

弱毒化生デングワクチンの効力が、10から約1×107プラーク形成単位PFU)である、請求項14〜18のいずれかの組成物。

請求項20

弱毒化生デングワクチンの効力が、約1×103から約1×105PFUである、請求項19の組成物。

請求項21

有効量の請求項1〜20のいずれかのデングウイルスワクチン組成物を患者投与することを含む、その必要がある患者においてデングに対する免疫応答誘導する方法。

請求項22

有効量の請求項1〜20のいずれかのデングウイルスワクチン組成物を患者に投与することを含む、その必要がある患者においてデング感染の可能性を低減させる、またはその症候を予防するもしくは寛解させる方法。

請求項23

(a)第一および第二のデングワクチンを混合することでデングウイルスワクチン組成物を形成させるステップであって、第一のデングワクチンが少なくとも1の弱毒化生デングウイルス(LAV)または少なくとも1の弱毒化生キメラフラビウイルス(LACV)を含む弱毒化生デングワクチンであり、LAVおよびLACVが3’非翻訳(UTR)領域のTL−2ステムループ構造に相当する約30ヌクレオチドの欠失を含有するウイルスゲノムを含み;ならびに第二のデングワクチンが非複製デングワクチンである、前記ステップ;ならびに(b)ステップ(a)のデングウイルスワクチン組成物をその必要がある患者に投与するステップを含む、デング感染の可能性を低減させる、またはその症候を予防するもしくは寛解させる方法。

請求項24

非複製デングワクチンが、組換えデングサブユニットワクチンまたは不活化デングワクチンである、請求項23の方法。

請求項25

第一のデングワクチンが四価であって、デング血清型1(DEN1)に対して免疫原性がある成分、デング血清型2(DEN2)に対して免疫原性がある成分、デング血清型3(DEN3)に対して免疫原性がある成分およびデング血清型4(DEN4)に対して免疫原性がある成分を含み、各成分が弱毒化生デングウイルスまたは弱毒化生キメラフラビウイルスのいずれかを含む、請求項23または請求項24の方法。

請求項26

第二のデングワクチンが、DEN1、DEN2、DEN3およびDEN4からのデングEタンパク質またはその断片を含む四価の組換えデングサブユニットワクチンである、請求項24または25の方法。

請求項27

混合前に弱毒化生デングワクチンが凍結乾燥されていて、組換えサブユニットワクチンが液体である、請求項26の方法。

請求項28

ステップ(a)の混合が凍結乾燥ワクチンを液体ワクチンで再構成することを含む、請求項27の方法。

請求項29

ステップ(a)において、液体ワクチンとの混合の前に凍結乾燥ワクチンが滅菌希釈剤で再構成される、請求項27の方法。

請求項30

混合前に弱毒化生ワクチンおよび組換えサブユニットワクチンの両方が液体の形態である、請求項26の方法。

請求項31

Eタンパク質の各々が、DEN1、DEN2、DEN3およびDEN4の野生型Eの、そのN末端におけるアミノ酸残基1から始まる長さの約80%を構成する、請求項26〜30のいずれかの方法。

請求項32

弱毒化生デングワクチンが、デング血清型2に対して免疫原性がある1つのLACVならびにデング血清型1、デング血清型3およびデング血清型4に対して免疫原性がある3つのLAVを含み;LACVが、デング血清型2のプレメンブレンおよびエンベロープ遺伝子ならびにデング血清型4の非構造およびカプシド遺伝子を含むウイルスゲノムを含む、請求項23の方法。

請求項33

DEN3に対して免疫原性があるLAVが、3’UTRのTL−3構造に相当するΔ30欠失から上流にヌクレオチドの欠失をさらに含むウイルスゲノムを含有する、請求項32の方法。

請求項34

その必要がある患者におけるデング感染の可能性を低減させる方法であって、(a)請求項1〜20のいずれかの第一のデングウイルスワクチン組成物を患者に投与するステップ;(b)ステップ(a)の後に所定の時間の経過を待つステップ;(c)前記患者に第二の請求項1〜20のいずれかのデングウイルスワクチン組成物を投与するステップ;を含み、それにより前記患者においてデングが感染する可能性を低減させる、方法。

請求項35

第一および第二のデングウイルスワクチン組成物が同じものである、請求項34の方法。

請求項36

ステップ(b)における時間が、2ヶ月から2年である、請求項34または35の方法。

請求項37

ステップ(b)および(c)を1または複数回繰り返すことをさらに含む、請求項34〜36のいずれかの方法。

請求項38

第一および第二のデングウイルスワクチン組成物が筋肉内または皮下への注射により投与される、請求項34〜36のいずれかの方法。

請求項39

デング感染に関連した疾患の処置または予防(prophylaxis)のための、請求項1〜20のいずれかのデングウイルスワクチン組成物の使用。

請求項40

患者におけるデングウイルスに対する免疫応答の誘導のための、請求項1〜20のいずれかのデングウイルスワクチン組成物の使用。

請求項41

デング感染に関連した疾患の処置または予防(prophylaxis)における使用のための、請求項1〜20のいずれかのデングウイルスワクチン組成物。

技術分野

0001

本発明は、対象におけるデングウイルス感染および/またはその臨床症状の予防および/または処置に有用な、デングウイルス感染に対する免疫学的応答を誘発する組成物に関する。

0002

関連出願の相互参照
本出願は、2014年12月22日に出願された米国仮出願第62/095,331号の利益を主張するものであり、この仮出願は参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。

0003

電子的に提出された配列表の参照
本出願の配列表は、ファイル名が「23913WOPCTSEQ.TXT」、作成日が2015年11月23日およびサイズが17.5KBであるASCII形式の配列表として、EFS−Web経由で電子的に提出される。EFS−Webで提出される本配列表は明細書の一部であり、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。

背景技術

0004

フラビウイルス科は、プロトタイプ黄熱病ウイルス(YF)、デングウイルスの4つの血清型(DENV−1、DENV−2、DENV−3およびDENV−4)、日本脳炎ウイルス(JE)、ダニ媒介性脳炎ウイルス(TBE)、ウエストナイルウイルス(WN)、セントルイス脳炎ウイルスSLE)および約70種の他の疾患の原因となるウイルス包含する。フラビウイルスは、一本鎖プラス鎖RNAゲノムを含有する小さなエンベロープウイルスである。10個の遺伝子産物が単一のオープンリーディングフレームによりコードされ、カプシド(C)、「プレメンブレン」(prM、これは細胞からのビリオン放出直前に「膜」(M)へとプロセシングされる)、「エンベロープ」(E)、その後に非構造(NS)タンパク質NS1、NS2a、NS2b、NS3、NS4a、NS4bおよびNS5の順番組織化されたポリタンパク質として翻訳される(Chambers,T.J. et al.,Annual Rev Microbiol(1990) 44:649−688;Henchal,E.A. and Putnak,J.R.,Clin Microbiol Rev.(1990) 3:376−396中に概説されている)。個々のフラビウイルスタンパク質は、次いで、宿主によって、同様にウイルスがコードするプロテアーゼによって媒介される精密なプロセシングイベントを通じて産生される。

0005

フラビウイルスのエンベロープは宿主細胞の膜に由来し、ウイルスがコードする膜をアンカリングする膜(M)およびエンベロープ(E)糖タンパク質を含有する。E糖タンパク質は、最も大きなウイルス構造タンパク質であり、細胞表面付着およびエンドソーム内融合活性関与する機能的ドメインを含有する。これはまた、防御免疫に関連した、ウイルス中和抗体生産誘導する宿主免疫系の主要な標的でもある。

0006

デングウイルスは、エデス(Aedes)属の、主にA.エジプチ(A.aegypti)およびA.アルボピクツス(A.albopictus)により、ヒトに伝染する。デングウイルスによる感染は、不顕性または軽い熱病から古典的なデング熱DF)を経てデング出血熱/デングショック症候群(DHF/DSS)までの範囲にわたる多様な臨床像をもたらす。デング熱は、高熱頭痛、関節および筋肉の痛み、発疹リンパ節腫脹および白血球減少を特徴とする(Gibbons,R.V. and D.W.Vaughn,British Medical Journal(2002) 324:1563−1566)。DHF/DSSは、小児においてより一般的な、より重篤感染症形態であって、点状出血および斑状出血の存在から自然発症の重篤な出血および重度のショックまでの範囲にわたる血管透過および/または重篤な出血性徴候により特徴付けられる。診断および迅速な医学介入がなければ、DHF/DSSの突然の発症および急速な進行は処置されないと致命的であり得る。

0007

デングウイルスは、世界的な罹患率および死亡率の点で最も著しい節足動物伝染性ウイルスのグループであり、少なくとも3600万のデング熱症例および250,000から500,000のDHF/DSS症例を包含する、推測で1億のデング感染症を毎年発生させている(Gubler,D.J.,Clin.Microbiol.Rev.(1998) 11:480−496;上記のGibbons)。人口の世界的な増加、特に熱帯全体にわたる人口の都会化、および持続的な蚊防除手段の欠如によって、デングの蚊ベクターはその分布を熱帯、亜熱帯、およびいくつかの温帯にわたって拡大しており、世界人口の半分超にデング感染のリスクをもたらしている。現代ジェット機旅行およびヒトの移動はデング血清型の世界的分布を容易にしたことから、今や多くの地域において複数のデング血清型が地域流行している。ここ20年以上の間、デング流行の頻度およびDHF/DSSの発生率は増加している。例えば、東アジアにおいて、DHF/DSSは小児の間で入院および死亡の主要な原因である(上記のGubler;上記のGibbons and Vaughn)。

0008

これまでに、フラビウイルスワクチンの開発は、部分的な成功を経験している。フラビウイルスが原因となる疾患から保護するためのワクチン候補を生産する試みにおいて、4つの基本的アプローチ弱毒化生ワクチン不活化粒子ワクチン、組換えサブユニットタンパク質ワクチン、およびDNAベースのワクチンが実行されている。黄熱病ウイルスに対する弱毒化生ワクチンは何十年にもわたって利用可能であって、より近年は日本脳炎に対する弱毒化生ワクチンが世界中の様々な国において登録されている。不活化全粒子ワクチンの使用は、いくつかの利用可能な登録製品を用いてTBEウイルスおよびJEウイルスについて実証されている。Heinz et al. Flavivirus and flavivirus vaccines.Vaccine 30:4301−06(2012)。

0009

上で取り上げたYFワクチン、JEワクチンおよびTBEワクチンの成功にもかかわらず、デングウイルスに対するワクチンを開発するための弱毒化生ウイルスおよび不活化ウイルスの方法の使用は、重要な課題に遭遇している。デングウイルスには4つの血清型(DENV1、DENV2、DENV3およびDENV4)があり、各血清型の株は世界のデング流行地域全体にわたって巡回していることが見出されている。自然感染は感染した血清型への長期持続性の免疫を付与するが、他のデング血清型への免疫は付与しない。疾患のより重篤な形態(DHF/DSS)は、ほとんどの場合は、1つの血清型のデングウイルスの感染の後に別の血清型の第二の感染が続いたときに、第二のデング感染の後に生じる。DHFおよびDSSと第二のデング感染とのより高頻度の関連性は、1つのウイルス型の感染により誘導される、第二のデングウイルス型の感染力を増強する非中和抗体が原因であるという仮説が立てられている(抗体依存性増強−ADE)。

0010

これまでに臨床で試験されたワクチンの大部分は弱毒化生ワクチンである。非複製ワクチン候補の使用もまた探求されている。例えば、Ivyら(米国特許第6,432,411号)は、DEN1−4 80% E(DENV−2エンベロープポリペプチドアミノ酸1〜395に相当するDEN1〜4のペプチド領域)タンパク質を含む四価サブユニットワクチンを開示している。上記のIvyらはまた、DENV1−4 80% EおよびISCOATRIX(登録商標アジュバントを含む組成物を報告している。Collerら(WO2012/154202)は、DEN1〜4のDEN1−4 80% Eを含む四価製剤を開示している。不活化ウイルスも潜在的なワクチン候補として、または有効なワクチンの成分として用いられ得る(Putnak et al. Vaccine 23:4442−4452(2005)、US6190859、US6254873およびSterner et al. WO2007/002470)。弱毒化生デングウイルスワクチンおよび非複製デングワクチンを含む組成物は、国際特許出願No.PCT/US14/042625(WO/2014/204892)中に開示されている。

0011

しかしながら、デングワクチンを開発するための先の試みにもかかわらず、これまで、デングワクチンは現在登録されていない。それゆえに、デング感染および/またはデング関連疾患に対する防御免疫応答を誘導することができる、安定、安全で有効なワクチンへのニーズは未だ残っている。

0012

米国特許第6,432,411号
WO2012/154202
US6190859
US6254873
WO2007/002470
WO/2014/204892

先行技術

0013

Chambers,T.J. et al.,Annual Rev Microbiol(1990) 44:649−688
Henchal,E.A. and Putnak,J.R.,Clin Microbiol Rev.(1990) 3:376−39
Gibbons,R.V. and D.W.Vaughn,British Medical Journal(2002) 324:1563−1566
Gubler,D.J.,Clin.Microbiol.Rev.(1998) 11:480−496
Heinz et al. Flavivirus and flavivirus vaccines.Vaccine 30:4301−06(2012)
Putnak et al. Vaccine 23:4442−4452(2005)

課題を解決するための手段

0014

本発明は、薬学的有効量の(a)少なくとも1の弱毒化生デングウイルス(LAV)または少なくとも1の弱毒化生キメラフラビウイルス(LACV)を含む弱毒化生デングワクチンであって、LAVおよびLACVが、ウイルスの複製能力を低減させる3’非翻訳UTR)領域のTL−2ステムループ構造に相当する約30ヌクレオチド欠失を含有するウイルスゲノムを含む、前記ワクチンならびに(b)非複製デングワクチンを含む、デングウイルスワクチン組成物に関する。弱毒化生ワクチンと同じ組成物中の非複製デングワクチンの存在は、生ウイルスの生存率に顕著に影響を与えず、それによって生および非複製のワクチンが同じ製剤(「共製剤」)中で投与されることを可能にすることが見出された。

0015

いくつかの実施形態において、非複製デングワクチンは、組換えデングサブユニットワクチン、DNAワクチンコンジュゲートワクチンまたは不活化デングワクチンから選択される。さらなる実施形態において、非複製デングワクチンは、組換えデングサブユニットワクチンまたは不活化デングワクチンのいずれかである。本発明のいくつかの実施形態において、非複製デングワクチンは、少なくとも1のデングエンベロープ(E)タンパク質またはその断片を含む組換えデングサブユニットワクチンである。本発明の好ましい実施形態において、組換えデングサブユニットワクチンは四価であって、各々がデングウイルス(「DENV」あるいは「DEN」)血清型1、別名DENV1、DENV2、DENV3およびDENV4の野生型Eの、そのN末端におけるアミノ酸残基1から始まる長さの約80%からなるトランケート型のデングEタンパク質を含む。

0016

本発明の付加的な実施形態において、弱毒化生デングワクチンは、四価のLAVまたは「LATV」である(すなわち、本明細書中に定義されているDENV1〜4からの弱毒化生デングウイルスもしくはDENV1〜4からの弱毒化生キメラフラビウイルスまたはそれらの組み合わせを含み、LAVまたはLACVのうちの少なくとも1はΔ30 LAVまたはΔ30 LACVである)。本発明の付加的な実施形態において、弱毒化生デングワクチンは四価であって、少なくとも1のキメラフラビウイルスを含み;このキメラフラビウイルスは、単一のデングウイルス血清型のprMおよびEタンパク質をコードするヌクレオチド配列ならびに異なるフラビウイルスのカプシドおよび非構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含有するウイルスゲノムを含み、このキメラフラビウイルスは弱毒化されている。本発明のいくつかの実施形態において、キメラフラビウイルスのカプシドおよび非構造タンパク質は、prMおよびEタンパク質と異なるデング血清型からのものである。

0017

本発明の好ましい実施形態において、弱毒化生デングワクチンは、DEN1Δ30ウイルス、DEN2/4Δ30ウイルス(DEN4骨格上のDEN2Δ30 LACV)、DEN3Δ30ウイルスおよびDEN4Δ30ウイルスを含む四価の弱毒化生ワクチンである。図1を参照されたい。

0018

本発明はまた、弱毒化生デングワクチン、組換えデングサブユニットワクチンおよびアジュバントを含むデングウイルスワクチン組成物であって、弱毒化生デングワクチンが少なくとも1のΔ30 LAVまたはΔ30 LACVを含む、前記組成物に関する。本明細書中に記載されているいくつかの実施形態において、アジュバントは、アルミニウム塩アジュバントである。代替的実施形態において、アジュバントは、サポニン系アジュバントまたはtoll様受容体アゴニストアジュバントである。

0019

本発明の他の態様は、薬学的有効量の本発明のデングウイルスワクチン組成物をその必要がある患者に投与することを含む、デング感染を予防するまたはその症候を予防するもしくは寛解させる方法を包含する。本発明のこの態様の付加的な実施形態において、組成物はプライムブースト投薬計画において投与されるものであって、ここでは第一の用量の組成物がその必要がある患者に投与され、所定の時間が経過したら、第二の用量の組成物が前記患者に投与される。各投薬の間に、所定の時間が経過した後で、追加用量を患者に投与してもよい。

0020

付加的な実施形態において、本発明は、デング感染に対する免疫応答を誘導し、それによってデング感染の可能性を低減させる方法であって:
(a)第一のデングワクチンおよび第二のデングワクチンを混合することでデングウイルスワクチン組成物を形成させるステップであって、
第一のデングワクチンが、デング血清型1〜4の弱毒化生ウイルス(LAV)もしくはデング血清型1〜4に対する免疫原性がある弱毒化生キメラフラビウイルス(LACV)またはそれらの組み合わせを含む四価の弱毒化生デングワクチンであり;少なくとも1のLAVまたはLACVが、Δ30LAVまたはΔ30LACVであり;
第二のデングワクチンが、四価の組換えデングサブユニットワクチンまたは四価の不活化デングワクチンであり;および四価の組換えデングサブユニットワクチンが、デング血清型1〜4のデングエンベロープ(E)タンパク質またはその断片を含む、ステップ;
(b)混合後のステップ(a)のデングウイルスワクチン組成物をデングに対する免疫応答を誘導させる対象の患者に投与し、それによってデング感染の可能性を低減させるステップを含む、前記方法に関する。本発明の方法のいくつかの実施形態において、免疫応答は、デング感染を予防する、またはその症候を予防するもしくは寛解させる。本発明の付加的な実施形態において、所定の時間が経過した後に、第二の用量の組成物が患者に投与される。第二の用量の組成物のうちの第一のデングワクチンおよび第二のデングワクチンは、単一のバイアル中に製剤化することができ、または2つの別のバイアル中に製剤化して患者への投与前に合わせて混合することもできる。

0021

本発明はまた、デング感染に関連した疾患、例えばデング熱、DSSまたはDHFなどの処置または予防(prophylaxis)のための、本発明のデングウイルスワクチン組成物の使用に関する。

0022

明細書全体および添付の特許請求の範囲において用いられるように、単数形「a」「an」および「the」は、その内容が明確に他を規定しないかぎり、複数形の言及を包含する。

0023

「または(or)」への言及は、その内容が、指し示されたあり得るもののうちの1を明確に規定しないかぎり、いずれかまたは両方のあり得るものを指し示す。いくつかの場合において、「および/または」は、いずれかまたは両方のあり得るものを強調するために使用された。

0024

明細書および添付の特許請求の範囲の全体で用いられるように、次の定義および略語が適用される:
用語「弱毒化生ウイルス」は、本明細書中で「LAV」とも呼ばれ、生きた弱毒化されたデングウイルスを意味するものであり、このウイルスの疾患を引き起こす能力は野生型デングウイルスと比較して低減されている。

0025

用語「弱毒化生キメラウイルス」(あるいは「弱毒化生キメラフラビウイルス」)または「LACV」は、そのウイルスゲノムが第一のフラビウイルスの骨格(C、NS1、NS2A、NS2B、NS3、NS4A、NS4BおよびNS5遺伝子を包含するもの)ならびに第二のフラビウイルスのプレメンブレン(prM)およびエンベロープ(E)遺伝子を含む生きた弱毒化されたキメラウイルスをいい、ここで第二のフラビウイルスはDENV1、DENV2、DENV3またはDENV4から選択される。第一のフラビウイルスは、異なるデング血清型であることができ、または別のフラビウイルス、例えば黄熱病ウイルスなどであることもできる。

0026

用語「Δ30 LAV」は、生きた弱毒化されたDEN1、DEN2、DEN3またはDEN4ウイルスであって、ウイルスの複製能力を低減させるヌクレオチド(nt)143辺りからnt172辺りまでの3’非翻訳(UTR)領域のTL2ステムループ構造に相当する約30ntの欠失を含有するウイルスゲノムを含む、前記ウイルスをいう(WO03/092592を参照されたい)。

0027

用語「Δ30 LACV」は、DENV1〜4からの生きた弱毒化されたキメラフラビウイルス(LACV)であって、ウイルスの複製能力を低減させるnt143辺りからnt172辺りまでの3’UTR領域のTL2ステムループ構造に相当する約30ntの欠失を含有するウイルスゲノムを含む、前記ウイルスをいう(WO03/092592を参照されたい)。

0028

用語「Δ30/Δ31 LAV」は、生きた弱毒化されたDEN1、DEN2、DEN3またはDEN4ウイルスであって、そのウイルスゲノムが3’UTRのTL2ステムループ構造の約30ntの欠失を含み、ならびにデング3’UTRのTL−3相同構造の5’境界まで欠失が伸びるようにTL−3相同構造までのおよびこれを包含する配列を除去する3’UTRの約31ntの別の非隣接上流欠失をさらに含む、前記ウイルスをいう。Whiteheadら、米国特許第8,337,860号を参照されたい。本発明の好ましい実施形態において、DEN3 LAVはΔ30/Δ31変異を含む。

0029

用語「Δ30/Δ31 LACV」とは、上記の生きた弱毒化されたキメラDEN1、DEN2、DEN3またはDEN4ウイルスであって、そのキメラウイルスのウイルスゲノムが3’UTRのTL2ステムループ構造の30ntの欠失を含み、ならびに上記のTL−3構造を欠失させる3’UTRの別の非隣接の上流31nt欠失をさらに含む、前記ウイルスをいう。

0030

用語「LATV」または「四価の弱毒化生ウイルス」または「LATVワクチン」とは、有効量のDEN1 LAVまたはLACV、DEN2 LAVまたはLACV、DEN3 LAVまたはLACVおよびDEN4 LAVまたはLACVを含むワクチンであって、デングLAVまたはLACVのうちの少なくとも1が、上におよびWO03/092592中に記載されているように3’UTR中のTL−2構造のΔ30変異を含む、前記ワクチンをいう。いくつかの好ましい実施形態において、LATVは次の特徴を含む:(1)rDEN1Δ30、これは、DENV1ウイルスゲノムが3’UTR中のTL2ステムループ構造に相当する30nt欠失を含むDENV1 LAVである;(2)rDEN2/4Δ30、これは、DENV4骨格上にDENV2 prMおよびE遺伝子を含むDENV2 LACVであり、ここでDEN4骨格は3’UTR中のTL2ステムループ構造に相当する30nt欠失を含む;(3)rDEN3Δ30/Δ31、これは、DENV3ウイルスゲノムが3’UTR中のTL2ステムループ構造に相当する30nt欠失および3’UTRのTL−3構造に相当する別の非隣接の上流31nt欠失を含むDENV3 LAVである;ならびに(4)rDEN4Δ30、これは、DENV4ウイルスゲノムが3’UTR中のTL2ステムループ構造に相当する30nt欠失を含むDENV4 LAVである(図1を参照されたい)。

0031

「非複製ワクチン」とは、組換えサブユニットワクチン、不活化ワクチン、コンジュゲートワクチンまたはDNAワクチンから選択される、デングウイルス感染またはその臨床症候の予防または処置のためのデングウイルスワクチンをいう。

0032

「不活化ワクチン」とは、有効量の死滅したまたは不活性な全粒子デングウイルスおよび薬学的に許容される担体を含むワクチンであって、ウイルスが化学物質、熱または放射線照射といった任意の手段により不活化されている前記ワクチンをいう。不活化ワクチンの不活化の後の残存感染力は低く、例として不活化後は<5プラーク形成単位PFU)/mLである。好ましい実施形態において、不活化の後の残存感染力は非常に低く、例として≦4PFU/mL、≦3PFU/mLまたは≦2PFU’s/mL、<1PFU/mL、≦0.5PFU/mLまたは≦0.1PFU/mLである。各別のワクチンのPFUは、例えば、プラークアッセイ、免疫染色アッセイまたはウイルス感染力を検出することが当該技術分野で知られている他の方法を用いることにより決定され得る。

0033

「コンジュゲートワクチン」とは、キャリアタンパク質共有結合したデング抗原を含むワクチンをいう。

0034

「DNAワクチン」は、デングタンパク質、デングタンパク質断片およびデング融合タンパク質ならびにそれらのバリアントといったデングタンパク質抗原をコードするヌクレオチドの配列を含むワクチンである。DNAワクチンは、プロモーター作動可能に連結された目的抗原をコードするヌクレオチドの配列を含むプラスミド(例としてDNAまたはウイルスのプラスミド)を含む。

0035

「サブユニットワクチン」とは、完全なデングウイルスではないが1または複数のデング抗原成分、例えばデング免疫原性エピトープ、デングタンパク質、異なるデング血清型抗原の融合体といったデング抗原融合タンパク質またはデングタンパク質断片などを包含するワクチンをいう。本明細書中で用いられるサブユニットワクチンは、一価(単一のデング抗原を含むもの)であることができ、または多価(1より多い抗原成分を含むもの)であることもできる。好ましい実施形態において、サブユニットワクチンは四価である。

0036

用語「共製剤プライム−ブースト」とは、上記のように、(1)その必要がある患者に、(a)少なくとも1の弱毒化生デングウイルス(LAV)または弱毒化生キメラフラビウイルス(LACV)であって、LAVまたはLACVがウイルスゲノムの3’非翻訳領域中にΔ30変異を含み、ならびにLACVのウイルスゲノムが単一のデングウイルス血清型のprMおよびE遺伝子ならびに異なるフラビウイルスのCおよび非構造遺伝子を含む前記ウイルス、(b)非複製デングワクチンならびに(c)薬学的に許容される担体を含むデングウイルスワクチン組成物を投与すること;(2)所定の時間の経過を待つこと;ならびに(3)前記患者に第二のデングウイルスワクチン組成物を投与することを含む治療計画をいう。いくつかの実施形態において、非複製デングワクチンは、サブユニットワクチンまたは不活化ワクチンである。第二のデングウイルスワクチン組成物は、本発明による弱毒化生デングワクチンおよび非複製デングワクチンを含むかぎり、第一のデングウイルスワクチン組成物と同じものであることも異なるものであることもできる。本発明の組成物中で用いられるデングウイルスワクチンは、ヒト患者において同族のデングウイルスへのウイルス中和抗体応答を誘導するのに有用である。

0037

用語「処置」とは、治療的処置および予防的(prophylactic)または予防的手段の両方をいう。処置「の必要がある」個体または患者は、何らかの臨床症候が顕在化しているか否かにかかわらず既にデングに感染したもの、同様にデングに感染するリスクがあるものを包含する。本発明のデングワクチン組成物または共製剤での患者の処置は、次のもののうちの1または複数を包含する:患者においてデングに対する免疫応答を誘導する/向上させること、1または複数のデングウイルスに対するウイルス中和抗体応答を誘導すること、デングに感染している患者におけるデングの臨床症状の可能性を予防する、寛解させる、抑止するまたは低減させること、デング熱、DHFもしくはDSSおよび/またはデング感染に関連した他の疾患もしくは合併症を発症する可能性を予防するまたは低減させること、デング感染および/またはデングに関連した他の疾患もしくは合併症の臨床症候の重症度または持続性を低減させること、ならびにデング感染の可能性を予防するまたは低減させること。

0038

用語「薬学的有効量」または「有効量」は、所望の効果を生み出すために十分なワクチン組成物が患者に導入されることを意味し、この効果としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:患者においてデングに対する免疫応答を誘導する/向上させること、患者においてデングに対するウイルス中和抗体応答を誘導する/向上させること、デング感染の可能性を予防するもしくは低減させること、デング再発性感染の可能性を予防するもしくは低減させること、デングに感染している患者におけるデング感染の臨床症状を予防する、寛解させるもしくは抑止すること、デング熱、DHFおよび/もしくはDSSを予防すること、またはデングに関連した疾患の重症度もしくは持続性を低減させること。当業者は、このレベルが変動し得ることを認識する。

0039

用語「免疫応答」とは、細胞介在性(T細胞)免疫応答および/または抗体(B細胞)応答をいう。

0040

用語「患者」とは、本明細書中に記載されているデングワクチン組成物/共製剤を受けることになる、デングウイルス、例えばDEN1、DEN2、DEN3またはDEN4などに感染する能力がある哺乳類をいい、免疫適格性および免疫不全性の両方の個体を包含する。好ましい実施形態において、患者はヒトである。本明細書中で定義されている「患者」は、自然感染もしくはワクチン接種を通じて既にデングに感染しているもの、またはその後に曝露され得るものを包含する。

0041

「MAA」は、Merckアルミニウムアジュバントを意味する。MAAは、非晶質のアルミニウムヒドロキシホスフェイト硫酸塩アジュバントである。

0042

「ISCOM様アジュバント」は、その機能に寄与する独特な球状のかご様構造を持つ、特徴的なケージ様粒子を共に形成するサポニンコレステロールおよびリン脂質から構成される免疫刺激複合体(ISCOM)を含むアジュバントである(概説のため、Barr and Mitchell,Immunology and Cell Biology 74:8−25(1996)を参照されたい)。この用語は、抗原を使用して生産され、ISCOM(商標)粒子内に抗原を含むISCOM(商標)アジュバント、および抗原なしで生産される中空ISCOM型アジュバントであるISCOM(商標)マトリックスアジュバントの両方を包含する。本明細書中で提供される組成物および方法の好ましい実施形態において、ISCOM型アジュバントは、ISCOM(商標)マトリックス粒子アジュバント、例えば抗原なしで製造されるISCOMATRIX(商標)などである(ISCOM(商標)およびISCOMATRIX(商標)はCSL Limited,Parkville,オーストラリアの登録商標である)。

0043

名称「rDEN1Δ30−1545」とは、そのウイルスゲノムが(1)3’UTRのTL2ステムループ構造の30nt欠失および(2)Vero細胞における増殖にウイルスが適応した後に生じた1545位ヌクレオチドにおける置換を含む、組換えデング1ウイルスをいう。

0044

名称「rDEN2/4 Δ30(ME)−1495,7163」とは、そのウイルスゲノムが:(1)(i)3’UTRのTL2ステムループ構造の30nt欠失ならびに(ii)Vero細胞における増殖にウイルスが適応した後に生じた1495位および7163位ヌクレオチドにおける置換を含むデング4の骨格(C、NS1、NS2A、NS2B、NS3、NS4A、NS4B、NS5遺伝子)ならびに(2)デング2のprMおよびE遺伝子を含む、組換えキメラデング2/4ウイルスをいう。

0045

名称「rDEN3Δ30/31−7164」とは、そのウイルスゲノムが:(1)3’UTRのTL2ステムループ構造の30nt欠失、(2)TL−3構造を欠失させる、Δ30変異の上流の3’UTR中の別の31nt欠失、および(3)Vero細胞における増殖にウイルスが適応した後に生じた7164位ヌクレオチドにおける置換を含む、組換えデング3ウイルスをいう。

0046

名称「rDEN4Δ 30−7132,7163,8308」とは、そのウイルスゲノムが(1)3’UTRのTL2ステムループ構造の30nt欠失ならびに(2)Vero細胞における増殖にウイルスが適応した後に生じた7132位、7163位および8308位ヌクレオチドにおける置換を含む、組換えデング4ウイルスをいう。

0047

「V180」とは、4つのデングウイルス血清型(DENV1、DENV2、DENV3およびDENV4)の各々からのトランケート型のエンベロープ糖タンパク質(DEN−80E)から構成される四価のサブユニットワクチンをいい、ここでEタンパク質は、宿主細胞内で組換え発現したときに前記Eタンパク質が増殖培地中分泌可能であるように、各々がそのN末端におけるアミノ酸残基1から始まる野生型Eの長さの約80%から構成される。Collerら、WO2012/154202を参照されたい。

0048

次の略語が本明細書中で用いられ、次の意味を持つ:Cはデングカプシド遺伝子であり、DEN(あるいはDENV)はデングウイルスであり、DFはデング熱であり、DHFはデング出血熱であり、DSSはデングショック症候群であり、hは時間であり、GMTは幾何平均力価であり、IMは筋肉内であり、IMXはIscomatrix(商標)であり、JEは日本脳炎であり、LAVは弱毒化生ウイルスであり、MAAはMerckアルミニウムアジュバントであり、MAPAはMerckリン酸アルミニウムアジュバントであり、NS(NS1〜NS5において用いられる)は非構造性であり、ntはヌクレオチドであり、PFUはプラーク形成単位であり、prMはデングのプレメンブレン遺伝子であり、SCは皮下であり、TBEはダニ媒介性脳炎であり、UTRは非翻訳領域であり、WN(あるいはWNV)はウエストナイルウイルスであり、YF(あるいはYFV)は黄熱病ウイルスであり、wtは野生型である。

図面の簡単な説明

0049

図1は、実施例1〜3において用いられるΔ30 LATV(Δ30四価弱毒化生デングウイルスワクチン)の組成物の略図を提供する。
図2は、上におよび実施例1中に記載されているΔ30 LATVにおけるデングウイルス1型(図の「rDEN1Δ30」バー)、デングウイルス2型(「rDEN2/4Δ30」バー)、デングウイルス3型(「rDEN3Δ30」バー)およびデングウイルス4型(「rDEN4Δ30」バー)のウイルス生存率に対する、指し示されたアジュバントおよびサブユニットデング抗原を混合することの効果を示す。ウイルス生存率(PFU/mlで表したウイルス力価として報告される)は、実施例2中に記載されているVero細胞上でのインビトロプラークアッセイを用いて決定された。示されているのは、4℃で24時間保存後の同混合物と比較した各試料についての最初の時点(0時間)の値である。
図3は、4週時(投薬1の4週間後、実施例3を参照されたい)においてアカゲザル中で誘導されたデング血清型中和抗体の力価(LiCor50GMT)を提供する。調査において用いられた免疫スケジュールおよび製剤は、表2中に示される。免疫力価は、実施例3中に記載されているLiCorベースのマイクロ中和アッセイを用いて決定された。
図4は、20週時(投薬2の4週間後、実施例3を参照されたい)において、図3中にデータが提供されているのと同じアカゲザル中で誘導されたデング血清型中和抗体の力価(LiCor50GMT)を提供する。
図5は、実施例3中に記載されている全群についての、DENV1、DENV2、DENV3およびDENV4に対する長期的な幾何平均中和力価を提供する。
図6は、4週時(投薬1の4週間後、実施例4を参照されたい)においてアカゲザル中で誘導されたデング血清型中和抗体の力価(LiCor50GMT)を提供する。調査において用いられた免疫スケジュールおよび製剤は、表3中に示される。免疫力価は、実施例3中に記載されているLiCorベースのマイクロ中和アッセイを用いて決定された。
図7は、28週時(投薬2の4週間後、実施例4を参照されたい)において、図6中にデータが提供されているのと同じアカゲザル中で誘導されたデング血清型中和抗体の力価(LiCor50GMT)を提供する。
図8は、実施例4中に記載されている全群についての、DENV1、DENV2、DENV3およびDENV4に対する長期的な幾何平均中和力価を提供する。

実施例

0050

本発明は、薬学的有効量の(a)少なくとも1の弱毒化生デングウイルス(LAV)または少なくとも1の弱毒化生キメラフラビウイルス(LACV)を含む弱毒化生デングワクチンであって、LAVおよびLACVが、ウイルスの複製能力を低減させる3’非翻訳(UTR)領域のTL−2ステムループ構造に相当する約30ヌクレオチドの欠失を含有するウイルスゲノムを含み、LACVのウイルスゲノムが単一のデング血清型のprMおよびEタンパク質をコードするヌクレオチドの配列ならびに異なるフラビウイルスのCおよび非構造タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、前記ワクチン;ならびに(b)非複製デングワクチンを含み、アジュバントをさらに含んでもよい、デングウイルスワクチン組成物に関する。LAVまたはLACVおよび第二のワクチンは、同じバイアル中に製剤化され、または別のバイアル中に製剤化されて対象への投与の前に混ぜ合わされる。本発明の実施形態において、本発明による組成物は、プライム−ブースト処置計画において2回以上患者に投与される。

0051

1の時点での弱毒化生ワクチンの投与、その2週間から2年後の非複製デングワクチンの投与を含む慣用的な異種プライム−ブースト投薬計画は、用いることができる代替的アプローチであるが、このアプローチは、どのワクチン(弱毒化生ワクチンまたは非複製ワクチン)を一続きの中で最初に投与すべきかに関して混乱の原因となり得る。弱毒化生ワクチンおよび非複製ワクチンの適切な順番での投与は重要であり、その理由は、逆の順番(最初にサブユニットまたは不活化ワクチン、続いて弱毒化生ワクチン)は、それらが自然に感染するようになった場合、その人がより重篤なデング病になるリスクを増加させ得る劣った免疫応答を導くことがあるためである。それゆえに、患者への弱毒化生ワクチンおよび非複製ワクチンの共投与は、完全な処置計画の投与を簡単にする。プライム−ブースト投薬計画において投与されるとき、(1)弱毒化生ワクチンおよび(2)非複製ワクチンの共製剤は、プライムにおいて生ワクチンにより、およびブーストにおいて非複製ワクチンにより主に駆動される強い免疫応答を誘発すると考えられる。

0052

本発明より前には、弱毒化生ウイルスを含むデングワクチン組成物中にサブユニット抗原もしくは不活化ワクチンおよび/またはアジュバントが存在することは、ウイルス力価の減少をもたらす、弱毒化生ウイルスを不活性化する潜在能力があると考えられていた。Minkeら(Vaccine 29(2011) 4608−4612およびVeterinary Immunol. and Immunopathol. 111(2006) 47−57)およびGuthrieら(Vaccine 27(2009) 4434−4438)は、カルボマーアジュバント中で製剤化された、WNV由来のprM/E遺伝子を発現する改変された組換え生カナリアポックスウイルスを報告した。しかしながら、このワクチン組成物は別のウイルスサブユニット抗原を含有していなかった。

0053

プライム−ブースト戦略における異なるデングウイルスワクチンの使用が試験されている。Simmonsら(Virology 396 280−288(2010);米国特許第8,440,202号および米国特許第8,241638号)は、動物を不活化ワクチンまたはDNAベースのワクチンのいずれかの形態の非複製ワクチンでプライムし、その後に四価の弱毒化生ワクチンでブーストすることにより、アカゲザルにおいてデングのプライムブーストアプローチを試験した。Kanakatteら(WO2008127307)もまた、DNA発現系、アデノウイルス発現ベクターまたはベネズエラウマ脳炎ウイルスレプリコン系を含むプライミング免疫原および四価の弱毒化生ワクチンを含むブースティング免疫原を使用した、デングに対する異種のプライムブースト投薬計画を記載している。この方法において、ブースティング免疫原は、プライミング免疫原の投与の2週間から2か月の間に投与される。

0054

Guyら(WO2008/047023)は、患者においてDEN1〜4からの保護を誘導する方法であって、(a)第一の投与シリーズの(i)第一の血清型のワクチンデングウイルスの用量および第二の血清型のワクチンデングウイルスの用量ならびに(ii)第三の血清型のワクチンデングウイルスの用量および第四の血清型のワクチンデングウイルスの用量、ならびに(b)第二の投与シリーズの用量(i)および(ii)を投与することを含み、ここで用量(i)および(ii)は別の解剖学的部位に同時に投与され、第二のシリーズは第一のシリーズの少なくとも30日後から最大で12ヶ月後に実行される、前記方法を報告している。それゆえに、デングに対するプライム/ブーストアプローチの先の報告は、ブースティング免疫原としてのLAVの使用に集中しており、プライミング組成物の投与とLAVの投与との間に数週間から数ヶ月の時間が経過することを必要とする。

0055

本発明者らは、驚くべきことに、本発明の組成物(共製剤)(Δ30 LATV+V180)が免疫されたアカゲザルにおいて投薬1の4週後に測定された幾何平均中和力価は、Δ30 LATVワクチンが単独で与えられたときに誘導されたものに匹敵することを、本明細書中に示した(実施例3を参照されたい)。これは、Δ30 LATVワクチンとV180サブユニットワクチンおよびAlhydrogel(登録商標)アジュバントとの共製剤は第一の用量の弱毒化生ウイルスワクチンへの応答に負の影響を与えないことを指し示している

0056

慣用的なプライムブースト(Δ30 LATVプライム、その後にV180ブースト)および共製剤プライムブーストアプローチ(Δ30 LATV+V180共製剤プライム、その後にΔ30 LATV+V180共製剤ブースト)の両方とも、Δ30 LATVワクチン単独と比較して、4つ全てのDENV型への優れた中和力価を誘導することが本明細書中にさらに示された。ブースター用量の4週後の共製剤群における中和応答は、慣用的なプライム−ブースト投薬計画を受けた群において誘導されたものよりも、良くはないにしても同等であった。これは、Δ30 LATVワクチンとV180サブユニットワクチンおよびAlhydrogel(登録商標)アジュバントとの共製剤はサブユニットブーストへの応答に負の影響を与えないことを指し示している。

0057

それゆえに、異種のプライム/ブーストアプローチの利点は、
(a)その必要がある患者に(1)ウイルスゲノムを含む少なくとも1のLAVまたはLACVを含む弱毒化生デングワクチンであって、ウイルスゲノムが3’UTR中のTL−2ステムループ構造に相当する約30ヌクレオチドの欠失を含む、前記ワクチンおよび(2)非複製デングワクチンを含む第一のデングワクチン組成物を投与すること;(b)所定の時間を経過させること;ならびに(3)第二のデングウイルスワクチン組成物を前記患者に投与することを通じて達成され得る。本発明のいくつかの実施形態において、非複製ワクチンは、サブユニットデングワクチンおよび不活化デングワクチンから選択される。この実施形態において、本発明のデングワクチン組成物は、プライミング組成物およびブースティング組成物の両方として患者に投与される。本発明の実施形態において、第一のデングワクチン組成物および第二のデングワクチン組成物は、同じものである。代替的実施形態において、第一のデングワクチン組成物および第二のデングワクチン組成物は、異なるものである。

0058

したがって、本発明は、デング感染の可能性を予防するもしくは低減させる、またはその臨床症状を予防する、処置するもしくは寛解させる方法であって:
(a)第一のデングウイルスワクチン組成物をその必要がある患者に投与すること、
(b)ステップ(a)の後に所定の時間の経過を待つこと;および
(c)前記患者に第二のデングウイルスワクチン組成物を投与すること
を含み、第一および第二のデングウイルスワクチン組成物が:
(i)少なくとも1の弱毒化生デングウイルス(LAV)または弱毒化生キメラフラビウイルス(LACV)を含む弱毒化生デングワクチンであって、LACVが単一のデングウイルス血清型のprMおよびE遺伝子ならびに異なるフラビウイルスの骨格を含み、ならびにLAVまたはLACVが3’UTR中のTL−2ステムループ構造の30ヌクレオチド欠失を含むウイルスゲノムを含む、前記ウイルス;ならびに
(ii)非複製デングワクチン
を含む、前記方法に関する。

0059

上記方法のいくつかの実施形態において、非複製ワクチンは、デングサブユニットワクチンまたは不活化デングワクチンである。

0060

本発明の好ましい実施形態において、弱毒化生ワクチンおよび非複製デングワクチンは四価である(すなわちDEN1、DEN2、DEN3およびDEN4成分を含む、またはDEN1、DEN2、DEN3およびDEN4に対する免疫応答を誘導する)。

0061

共製剤プライム−ブースト法のいくつかの実施形態において、ステップ(c)の第二のデングウイルスワクチン組成物は、ステップ(a)の第一のデングウイルスワクチン組成物と同じものである。代替的実施形態において、ステップ(c)の組成物は、ステップ(a)の組成物と同じものではない。付加的な実施形態において、方法は、ステップ(b)および(c)を1または複数回繰り返すことを含む。いくつかの実施形態において、ステップ(a)および/またはステップ(c)の第一のワクチンおよび第二のデングワクチンは、別のバイアル中に製剤化されて投与の前に混ぜ合わされる。プライム/ブースト投薬計画における本発明の組成物の使用は、プライム(第一の用量)において弱毒化生ワクチンにより、およびブースト(第二の用量)において非複製(例としてサブユニットまたは不活化ワクチン)により主に駆動される強い免疫応答を誘発すると考えられる。

0062

したがって、本発明は、有効量の弱毒化生デングワクチンおよび非複製デングワクチンならびに薬学的に許容される担体を含むデングウイルスワクチン組成物であって、弱毒化生デングワクチンが少なくとも1の弱毒化生デングウイルス(LAV)または少なくとも1の弱毒化生キメラフラビウイルス(LACV)を含み、LAVまたはLACVが3’UTR中のTL−2ステムループ構造の30ヌクレオチド欠失を含むウイルスゲノムを含む、前記組成物に関する。本発明のいくつかの実施形態において、本発明のデングウイルスワクチン組成物の非複製デングワクチンは、組換えデングサブユニットワクチンまたは不活化デングワクチンから選択される。

0063

本発明の医薬的または滅菌されたデングウイルスワクチン組成物を調製するため、本明細書中に記載されている弱毒化生デングワクチンおよび非複製デングワクチンは、薬学的に許容される担体または賦形剤と混合される。あるいは、弱毒化生デングワクチンおよび非複製デングワクチンは、混合より前に薬学的に許容される担体を含んでおり、ワクチンを混合するときに追加の担体は必要とされない。例として、Remington’s Pharmaceutical SciencesおよびU.S. Pharmacopeia:National Formulary,Mack Publishing Company,Easton,PA(1984)を参照されたい。薬学的に許容される担体としては、生理学的に適合性であるあらゆる全ての溶媒分散媒等張性剤および吸収遅延剤等が挙げられる。担体は、静脈内投与筋肉内投与皮下投与非経口投与直腸投与脊髄投与または上皮投与(例として、注射または点滴によるもの)に適したものであることができる。

0064

本明細書中で用いられる用語「薬学的に許容される担体」とは、本発明の活性成分(例として全粒子不活化ウイルス、弱毒化生ウイルス、弱毒化生キメラウイルス、ウイルスタンパク質、デング抗原タンパク質をコードするヌクレオチドの配列を含むプラスミドまたはデング抗原コンジュゲート)と混合される、ヒトへの投与に適している上記の物質をいう。本発明の実施形態において、薬学的に許容される担体は、それが天然に存在しないまたは物質の純度および/もしくは滅菌度が対応する天然の物質と同じではないため、同じ形態で天然に生じず、例としてこの物質は人造である。例えば、滅菌され、細胞を含まず、溶質を含まない蒸留水調製物である注射用滅菌水は、天然で生じず、薬学的に許容される担体と考えられる。いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物は、本明細書中に開示されている1または複数の活性成分(例として四価のLAV)および注射用滅菌水を含む。さらなる実施形態において、薬学的に許容される担体は、精製水注射用水滅菌精製水および注射用静菌水といった、医薬的または生物学的調製物のために適切であって天然に生じる水と同じではない別の形態の水であり得る。

0065

医薬組成物は、典型的に、滅菌されていて、製造および保存条件下で安定であるべきである。治療薬および診断薬の製剤は、例として凍結乾燥粉末スラリー水溶液懸濁物マイクロエマルション分散物リポソームまたはワクチン製剤および投与に適した他の規則的構造の形態である、許容される担体、賦形剤または安定剤と混合することにより調製され得る(例として、Hardman,et al.(2001) Goodman and Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,McGraw−Hill,New York,NY;Gennaro(2000) Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Lippincott,Williams,and Wilkins,New York,NY;Avis,et al.(eds.)(1993) Pharmaceutical Dosage Forms:Parenteral Medications,Marcel Dekker,NY;Lieberman,et al.(eds.)(1990) Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Marcel Dekker,NY;Lieberman,et al.(eds.)(1990) Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,Marcel Dekker,NY;Weiner and Kotkoskie(2000) Excipient Toxicity and Safety,Marcel Dekker,Inc.,New York,NYを参照されたい)。

0066

本発明のデングウイルスワクチン共製剤は、付加的な成分をさらに含み得るものであり、これらの成分としては、限定されるものではないが、上に論じられているアジュバント、バッファー、安定剤、可溶化剤、塩、抗微生物保存剤界面活性剤浸透圧調整剤キレート剤デキストランデキストラン硫酸、デキストランT40、ジエタノールアミングアニジン塩化カルシウムクエン酸ナトリウムアルブミンゼラチンポリエチレングリコール(PEG)、脂質およびヘパリンが挙げられる。当業者は、どの付加的賦形剤が所望のデングウイルスワクチン組成物または共製剤中に包含されるべきかを、製剤におけるその機能、同様に計画されている投与様式、投薬量、ならびに例えば組成物の予想される保存期間および温度などの他の因子に応じて決定することが可能である。当業者は、付加的賦形剤の量は変動し得るものであることを認識し、ヒトへの投与のために安全であり、かつ所望の機能のために有効でもある適量を容易に決定することができる。

0067

弱毒化生デングウイルスワクチン
上で述べたように、本発明のデングウイルスワクチン組成物は、デングウイルス1型(DEN1)、デングウイルス2型(DEN2)、デングウイルス3型(DEN3)およびデングウイルス4型(DEN4)よりなる群から選択される少なくとも1のLAV、またはLACVを含む弱毒化生デングワクチンを含み、ここでLAVまたはLACVは3’UTR中のTL−2 Δ30改変を含むウイルスゲノムを含み、LAVまたはLACVはデングに対する免疫応答を誘導する、デングに対するウイルス中和抗体応答を誘導する、感染の可能性から保護するもしくはこれを低減させる、またはその臨床症状の重症度もしくは持続性を低減させる。本発明の実施形態において、弱毒化生デングワクチンは、一価、二価三価または四価である、すなわちDEN血清型1〜4のうちそれぞれ1、2、3または4つに対する免疫応答を誘導するまたはこれらから保護する。本発明の好ましい実施形態において、弱毒化生デングワクチンは四価である、すなわちDEN血清型1〜4に対する免疫応答を誘導するまたはこれらから保護するものであって、DEN1、DEN2、DEN3およびDEN4成分を含み、ここで各成分はLAVまたはLACVのいずれかである。

0068

本発明のいくつかの実施形態において、本発明のLATVの各LAVまたはLACV成分は、独立してウイルスゲノムの3’UTR中のTL−2 Δ30改変を含む弱毒化キメラフラビウイルスまたは弱毒化デングウイルスのいずれかである、弱毒化生ウイルスを含む。デングウイルスの弱毒化は、TL−2 Δ30改変を通じて達成される。しかしながら、付加的な弱毒化変異もまたワクチンの1または複数の成分中に包含され得るものであり、これらの変異としては、限定されるものではないが、1495位、1545位、7132位、7163位、7164位および8308位における変異が挙げられる。弱毒化変異は、当該技術分野で公知である方法を包含する異なる技術により、例えば組織培養の連続継代を通じて、またはより定義付けされている遺伝子操作などを通じて、達成することができる。デングウイルスおよびキメラデングウイルスを弱毒化するのに有用な変異は、当該技術分野で公知である。例としてWO02/095075、WO2006/44857、米国特許第7,189,403号、米国特許第8,337,860号、WO2003/103571、WO2000/014245およびWO2008/022196を参照されたい。公知の弱毒化デング株もまた本明細書中の組成物において用いることができ、これらは例えばWO06/134433、WO2006/134443、WO2007/141259、WO96/40933、WO2000/057907、WO2000/057908、WO2000/057909、WO2000/057910およびWO2007/015783中に記載されている株などである。

0069

本発明の組成物の好ましい実施形態は、四価の弱毒化生デングワクチン(LATV)を含む。かかる四価弱毒化生ワクチンは、4つの弱毒化デングウイルス(LAV)、3つのLAVおよび1つの弱毒化キメラフラビウイルス株(LACV)、2つのデングLAVおよび2つのLACV、1つのデングLAVおよび3つのLACV、または4つのLACVを含むことができる。

0070

好ましい実施形態において、LATVは次の特徴を含む:(1)rDEN1Δ30、これは、DENV1ウイルスゲノムが3’UTR中のTL2ステムループ構造に相当する30nt欠失を含むDENV1 LAVである;(2)rDEN2/4Δ30、これは、DENV4骨格上にDENV2 prMおよびE遺伝子を含むDENV2 LACVであり、ここでDEN4骨格は3’UTR中のTL2ステムループ構造に相当する30nt欠失を含む;(3)rDEN3Δ30/Δ31、これは、DENV3ウイルスゲノムが3’UTR中のTL2ステムループ構造に相当する30nt欠失および3’UTRのTL−3構造に相当する別の非隣接の上流31nt欠失を含むDENV3 LAVである;ならびに(4)rDEN4Δ30、これは、DENV4ウイルスゲノムが3’UTR中のTL2ステムループ構造に相当する30nt欠失を含むDENV4 LAVである。

0071

キメラフラビウイルスを含む本発明の実施形態において、各キメラフラビウイルスは、単一のデングウイルス血清型のprMおよびEタンパク質をコードするヌクレオチド配列ならびに異なるフラビウイルスのカプシドおよび非構造タンパク質(すなわち「骨格」)をコードするヌクレオチド配列を含むウイルスゲノムを含み、ここで各々のキメラフラビウイルスは弱毒化されている。組換え弱毒化生フラビウイルス株を構築する方法は、ベースとしての公知の弱毒株の使用を含み得るものであり、この方法は、目的の関連ウイルスからの適切な遺伝子(prMおよびE)でベースウイルスの等価の遺伝子を置換することを含む。例えば、このアプローチはWNVのために用いられており、ここでキメラウイルスはWNVのprMおよびE遺伝子を含む弱毒化DEN−4株をベースとした内部型キメラである(Bray,M.et al.,J.Virol.(1996) 70:4162−4166;Chen,W.,et al.,J. Virol.(1995) 69:5186−5190;Bray,M. and Lai,C.−J.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1991) 88:10342−10346;Lai,C.J.et al.,Clin.Diagn.Virol.(1998) 10:173−179)。

0072

別のアプローチは、組換えキメラワクチンを開発するためのベースとしてのYF 17D弱毒化黄熱病株の使用であり、これは以前にJEウイルス、DENウイルスおよびWNウイルスのために用いられた。キメラの黄熱病ワクチンは、任意の黄熱病株、例えばYFV 17DからのprMおよびEタンパク質をコードする遺伝子を、デング血清型のそれで置き換えることにより黄熱病骨格を含んで構築することができる。DNAクローニングの後、RNAを転写し、Vero細胞内にトランスフェクトすることで、YFV 17D複製機構および関連デングウイルスの外被を有するキメラウイルスが得られる。Guirakhoo et al.,Journal of Virology,74(12):5477−5485(2000);Guy et al.,Vaccine 28:632−649(2010);Monath T.P. Adv Virus Res(2003) 61:469−509;Monath et al. Proc.Natl.Acad.Sci.USA(2006) 103:6694;およびWO98/37911を参照されたい。それゆえに、本発明のいくつかの実施形態において、弱毒化生デングワクチンは、(1)単一のデング血清型のprMおよびEタンパク質ならびに黄熱病骨格を含む少なくとも1のキメラフラビウイルス、ならびに(2)3’UTRのTL−2ステムループ構造の30ヌクレオチド欠失を含むウイルスゲノムを含む少なくとも1のLAVまたはLACVを含む。

0073

本発明の組成物中で有用なキメラの弱毒化生フラビウイルスはまた、そのウイルスゲノムが単一のデングウイルス血清型のprMおよびE遺伝子ならびに異なるデングウイルス血清型のカプシドおよび非構造遺伝子を含むデングキメラウイルスを含み得る。キメラウイルスが第二のデング血清型からの骨格を含む実施形態において、デング骨格は、TL−2ステムループ構造に相当する3’UTRの約30ヌクレオチドの欠失を含み、付加的な弱毒化変異を含んでもよい。任意の弱毒化デングウイルスまたは野生型デングウイルスを、弱毒化デング骨格または野生型デングウイルス骨格へのTL−2ステムループ構造の30ヌクレオチド欠失の導入によりキメラウイルスの骨格として用いることができる。デングウイルス骨格の弱毒化は、連続継代を通じて、定義付けされている遺伝子変異の導入を通じて、または公知の弱毒化デング株の使用を通じて達成することができる。デングキメラワクチンは、例えば、Whitehead et al. WO03/092592中に記載されている。本発明のいくつかの実施形態において、弱毒化生ワクチンは、カプシドおよび非構造タンパク質がprMおよびEタンパク質と異なるデング血清型からのものである、キメラのフラビウイルスを含む。

0074

本発明のデングウイルスワクチン組成物は、有効量の弱毒化生ウイルスワクチンを含む。本発明のいくつかの実施形態において、弱毒化生デングワクチンの効力は、10から約1×107プラーク形成単位(PFU)である。代替的実施形態において、弱毒化生デングワクチンの効力は、約1×102から約1×106PFUである。他の実施形態において、弱毒化生デングワクチンの効力は、約1×103から約1×105PFUである。

0075

デングサブユニットワクチン
本発明のいくつかの実施形態において、組成物は、1または複数のデング抗原タンパク質を含む組換えデングサブユニットワクチンを含む。本発明のこの態様の好ましい実施形態において、組換えデングサブユニットワクチンは、1または複数のデングタンパク質、融合タンパク質またはその断片(1または複数)を含む。さらに好ましい実施形態において、組換えデングサブユニットワクチンは、デングのエンベロープつまりEタンパク質またはその断片を含む。

0076

さらに好ましい実施形態において、組換えデングサブユニットワクチンは四価である、すなわち4つ全てのデング血清型に対する免疫応答を標的としている。組換えデングサブユニットワクチンは、4つの組換えデングタンパク質または4つより少ないもの、例として組換えDEN1タンパク質、組換えDEN2タンパク質および組換えDEN3/4融合タンパク質を含むことができる。いくつかの実施形態において、組換えデングサブユニットワクチンは、組換え発現系を用いて産生されて分泌されるDEN1〜4のデングウイルスエンベロープ糖タンパク質またはその断片(例としてDEN1−80E、DEN2−80E、DEN3−80E、DEN4−80EまたはDEN4−80EZip)を含む。前記サブユニットワクチンは、アジュバントを含んでもよく、これはより十分に下に記載されている。

0077

本発明のこの態様のいくつかの実施形態において、組換えデングサブユニットワクチンは、1または複数の精製されたデングウイルスエンベロープ(「E」)タンパク質、薬学的に許容される賦形剤を含み、ここでEタンパク質は、宿主細胞内で組換え発現したときに前記Eタンパク質が増殖培地中に分泌可能であるように、各々がそのN末端におけるアミノ酸残基1から始まる野生型Eの長さの約80%から構成され、およびここで組成物はヒト対象において中和抗体の産生を誘導する。本発明のいくつかの実施形態において、組換えデングサブユニットワクチンは、有効量のアジュバントをさらに含む。本発明のいくつかの実施形態において、DEN−4 Eタンパク質は、US6,749,857およびWO2012/154202中に記載されているように、二量体(「DEN4−80EZip」)である。

0078

本発明のこの態様のいくつかの実施形態において、上記の組成物中のEタンパク質は、昆虫宿主細胞内で組換え生産され、発現する。さらに好ましい実施形態において、Eタンパク質は、ドロソフィラメラガスター(Drosophila melanogaster)のSchneider 2(S2)宿主細胞内で組換え生産され、発現する。

0079

本発明の組換えデングウイルスEタンパク質は、ドロソフィラ(Drosophila)のSchneider 2(S2)細胞を用いる細胞培養発現系を使って生産することができる。この系は、天然様の構造を維持した組換えデングエンベロープタンパク質を産生することが実証されている(Cuzzubbo et al.,Clin.Diagn.Lab.Immunol.(2001) 8:1150−55;Modis et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.(2003) 100:6986−91;Modis et al.,Nature(2004) 427:313−9;Zhang et al.,Structure(2004) 12(9):1607−18)。この発現系はまた、他のフラビウイルス、例えばウエストナイルウイルス、日本脳炎ウイルス、C型肝炎ウイルスおよびダニ媒介性脳炎ウイルスなどからの他の組換えエンベロープタンパク質を発現することが示されている。組換えデングエンベロープタンパク質は、C末端において、天然のエンベロープタンパク質の80%を残してトランケートされ得る(「80E」)。それゆえに、80Eは、そのN末端のアミノ酸1において始まるEタンパク質の連続したアミノ酸の最初の約80%として定義される。

0080

上で述べたように、本発明のこの態様のいくつかの実施形態は、そのN末端においてアミノ酸残基1から始まる野生型Eの長さの約80%からなるトランケート型の80Eタンパク質を含む。本発明のいくつかの実施形態において用いられるEタンパク質は、そのタンパク質の膜アンカー部(Eのカルボキシ末端における最後の約10%)を欠失している。言い換えれば、本発明の特定の実施形態において使用されるトランケート型の80Eタンパク質は、そのN末端のアミノ酸1において始まるEの連続したアミノ酸の最初の90%までからなり、それゆえに細胞外培地中に分泌されることが可能になり、回収が容易になる。トランケーションは、80E部を膜アンカー部とつなぐEタンパク質の「ステム」部をさらに欠失させ得るものであり;ステム部は注目すべき抗原性エピトープを含有しないがゆえに、好ましい抗原であるDEN1−80E、DEN2−80E、DEN3−80E、DEN4−80EまたはDEN4−80EZipの中に包含されない。Eタンパク質の90%超であるが100%未満はクローニングされて分泌されることができる、すなわちこのタンパク質は90%+の長さのカルボキシトランケート型であることができ、トランケート型Eタンパク質が分泌可能であるかぎり、膜貫通ドメイン部分を包含することができる。「分泌可能」は、発現系中の形質転換細胞から分泌されることが可能であること、典型的には分泌されることを意味する。それゆえに、当業者は、本発明の組成物および方法において有用なデングEタンパク質は、このタンパク質が分泌可能であるかぎり、本明細書中で例示される80%から変動し得ることを認識する。本発明の各態様の好ましい実施形態において、DEN Eタンパク質は、エンベロープタンパク質のN末端アミノ酸から始まって393番目から401番目のアミノ酸の範囲内のアミノ酸において終わる約80%の長さであり、例えばデングウイルス2型のアミノ酸1からアミノ酸395である。本発明の各態様の代替的実施形態において、デングEタンパク質は、そのN末端のアミノ酸1において始まるEの連続したアミノ酸の約75%、約85%、約90%、約95%または約98%であり得る。本明細書中の発明の態様の例示的な実施形態において、DEN Eタンパク質は、そのN末端のアミノ酸1において始まるEタンパク質の連続したアミノ酸の約80%であり;例えば、配列番号1に規定のDEN1−80E、配列番号2に規定のDEN2−80E、配列番号3に規定のDEN3−80Eおよび配列番号4に規定のDEN4−80Eなどである。

0081

分泌されるEタンパク質は、組換えタンパク質の免疫原性がさらに増強されるように、例えばDEN4−80EZipタンパク質などの中の二量体化を促進するドメインをさらに含有し得る。例示的なDEN4−80EZipタンパク質は、配列番号5に規定のアミノ酸配列を含む。本発明のこの態様のいくつかの実施形態において、組成物中に包含されるDEN1、DEN2およびDEN3の80E抗原は単量体であり、DEN4 80E抗原は二量体である。

0082

本発明のこの態様の代替的実施形態において、組成物中のDEN1−80E、DEN2−80E、DEN3−80EおよびDEN4−80Eタンパク質は、単量体である。かかる実施形態において、DEN4成分は、DEN1、DEN2およびDEN3タンパク質の個々の量の約1.5倍から約3倍、好ましくはDEN1、DEN2およびDEN3成分(タンパク質)の量の約2倍の量で存在する。本発明のこの態様の好ましい実施形態において、組成物中のDEN1:DEN2:DEN3:DEN4抗原の比は、約1:1:1:2である。

0083

デングEタンパク質を含む本発明の実施形態において、組成物中の各Eタンパク質の量は、約0.5μgから約500μgである。代替的実施形態において、各Eタンパク質の量は、約0.5μgから約450μg、0.5μgから約400μg、0.5μgから約350μg、0.5μgから約300μg、0.5μgから約250μg、0.5μgから約200μg、0.5μgから約150μg、0.5μgから約100μg、0.5μgから約50μg、5.0μgから約500μg、5.0μgから約450μg、5.0μgから約400μg、5.0μgから約350μg、5.0μgから約300μg、5.0μgから約250μg、5.0μgから約200μg、5.0μgから約150μg、5.0μgから約100μg、5.0μgから約50μg、10μgから約500μg、10μgから約450μg、10μgから約400μg、10μgから約350μg、10μgから約300μg、10μgから約250μg、10μgから約200μg、10μgから約150μg、10μgから約100μg、10μgから約50μg、25μgから約500μg、25μgから約450μg、25μgから約400μg、25μgから約350μg、25μgから約300μg、25μgから約250μg、25μgから約200μg、25μgから約150μg、25μgから約100μgまたは25μgから約50μgである。さらに好ましい実施形態において、組成物中の各Eタンパク質の量は、約1.0μgから約100μgである。なおさらなる実施形態において、組成物中の各Eタンパク質の量は、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450または500μgから選択される。

0084

不活化デングワクチン
本発明のデングワクチン共製剤におけるデングサブユニットワクチンの代わりに、全粒子の不活化デングワクチンまたは不活化デングキメラワクチンも用いられ得る。本明細書中の共製剤の不活化デングワクチンは、1もしくは複数の全粒子不活化デングウイルスおよび/または1もしくは複数の不活化デングキメラウイルスを含む。本発明のこの態様のいくつかの実施形態において、不活化デングワクチンは四価であって、全粒子の不活化DEN1、DEN2、DEN3およびDEN4を含む。代替的実施形態において、不活化ワクチンは、4つの不活化キメラデングウイルスを含む。なお他の実施形態において、不活化ワクチンは四価であって、1または複数の全粒子の不活化デングウイルスおよび1または複数の不活化デングキメラウイルスを、例として不活化全粒子DEN1ウイルス、不活化全粒子DEN2ウイルス、不活化DEN3キメラウイルスおよび不活化DEN4キメラウイルスを含む。当業者は、ワクチン組成物が4つ全てのデング血清型を標的とするかぎり、不活化された全粒子またはキメラのDENウイルスの任意の組み合わせが本発明の四価の組成物および方法中で用いられ得ることを理解する。

0085

本発明の組成物および方法において有用な不活化デングワクチンは、Putnak et al. Vaccine 23:4442−4452(2005)、US6190859、US6254873およびSterner et al. WO2007/002470中に記載されている。あるいは、デングウイルス株およびキメラデング株/キメラフラビウイルス株は、当該技術分野で公知の方法、例として化学物質、加熱または放射線照射を通じて、本発明の組成物および方法における使用のために不活化することができる。

0086

アジュバント
ワクチンと、目的抗原に対する免疫応答を増強することができるアジュバントとして知られる化合物との共投与は、広範に研究されている。目的抗原に対する免疫応答を増大させることに加えて、いくつかのアジュバントは、所望の免疫応答を誘発するために必要とされる抗原の量を減少させるために、または長い間持続する免疫応答を誘導して疾患からの保護を提供するための臨床治療計画において必要な注射の回数を減少させるために用いられ得る。

0087

そのため、本発明のデングウイルスワクチン共製剤は、アジュバントを使う。本明細書中に記載されている共製剤のアジュバントは、上記の所望の機能を果たし、組成物のLAVまたはLACVの力価に著しい影響を与えない任意のアジュバントであることができる。

0088

アルミニウム系化合物は、60年以上前アジュバント活性を有することが決定された(概説のため、Lindblad,E.B. Immunol. and Cell Biol. 82:497−505(2004);Baylor et al. Vaccine 20:S18−S23(2002)を参照されたい)。アルミニウムアジュバントは、適切な投与量で用いられるときは、安全であると一般に考えられている。多くのものが、世界中の規制当局によりヒトへの投与について承認されている。

0089

したがって、アルミニウム系化合物、例えば水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、アルミニウムヒドロキシホスフェイト(AlPO4)、非晶質アルミニウムヒドロキシホスフェイト硫酸塩(AAHS)またはいわゆる「アルム(alum)」(KAl(SO4)・12H2O)(Klein et al.,Analysis of aluminum hydroxyphosphate vaccine adjuvants by Al MAS NMR.,J.Pharm.Sci. 89(3):311−21(2000)を参照されたい)は、本明細書中に提供される組成物と組み合わされ得る。本明細書中に提供される発明の例示的な実施形態において、アルミニウムアジュバントは、アルミニウムヒドロキシホスフェイトまたはAAHSであり、AAHSはあるいは「MAA」とも呼ばれる。代替的実施形態において、アルミニウムアジュバントはリン酸アルミニウムアジュバントであり、本明細書中で「MAPA」と呼ばれる。他の実施形態において、アジュバントは水酸化アルミニウムである。

0090

当業者は、安全であり、かつ標的デングウイルスへの免疫応答を増大させることに有効でもあるアルミニウムアジュバントの最適投与量を決定することが可能である。アルミニウムの安全性プロファイル、同様にFDA認可ワクチン中に包含されるアルミニウムの量の議論のため、Baylor et al.,Vaccine 20:S18−S23(2002)を参照されたい。一般に、アルミニウムアジュバントの有効かつ安全な用量は、1用量あたり50μgから1.25mgのアルミニウム元素(100μg/mLから2.5mg/mLの濃度)で変動する。

0091

それゆえに、本発明の特定の実施形態は、本明細書中の任意の実施形態において記載されている弱毒化生デングウイルスワクチンおよび非複製ワクチンを含みアルミニウムアジュバントをさらに含む組成物を包含する。いくつかの実施形態において、非複製ワクチンは、組換えデングサブユニットワクチンまたは不活化デングワクチンから選択される。本発明の実施形態において、デング組成物は、ワクチンの1用量あたり約50μgから約1.25mgのアルミニウム元素を含むアジュバントを含む。他の実施形態において、ワクチン組成物の1用量あたりのアルミニウムアジュバントは、約100μgから約1.0mg、約100μgから約900μg、約100μgから約850μg、約100μgから約800μg、約100μgから約700μg、約100μgから約600μg、約100μgから約500μg、約100μgから約400μg、約100μgから約300μg、約100から約250μg、約200μgから約1.25mg、約200μgから約1.0mg、約200μgから約900μg、約200μgから約850μg、約200μgから約800μg、約200μgから約700μg、約200μgから約600μg、約200μgから約500μg、約200μgから約400μg、約200μgから約300μg、約300μgから約1.25mg、約300μgから約1.0mg、約300μgから約900μg、約300μgから約850μg、約300μgから約800μg、約300μgから約700μg、約300μgから約600μg、約300μgから約500μg、約300μgから約400μg、約400μgから約1.25mg、約400μgから約1.0mg、約400μgから約900μg、約400μgから約850μg、約400μgから約800μg、約400μgから約700μg、約400μgから約600μg、約400μgから約500μg、約500μgから約1.25mg、約500μgから約1.0mg、約500μgから約900μg、約500μgから約850μg、約500μgから約800μg、約500μgから約700μg、約500μgから約600μg、約600μgから約1.25mg、約600μgから約1.0mg、約600μgから約900μg、約600μgから約850μg、約600μgから約800μgまたは約600μgから約700μgの範囲の量のアルミニウム元素を含む。

0092

本発明のデングウイルスワクチン組成物と一緒に用いられ得る他のアジュバントとしては、限定されるものではないが、CpGオリゴヌクレオチド、またはリポ多糖モノホスホリルリピドAおよびアミノアルキルグルコミニド4−リン酸といったtoll様受容体、例えばTLR4およびTLR9などに対して作用する他の分子を含有するアジュバントが挙げられる(概説のため、Daubenberger,C.A.,Curr.Opin.Mol.Ther. 9(1):45−52(2007);Duthie et al.,Immunological Reviews 239(1):178−196(2011);Hedayat et al.,Medicinal Research Reviews 32(2):294−325(2012)を参照されたい)。本発明の組成物中で有用な付加的なアジュバントとしては、免疫賦活性オリゴヌクレオチドIMO;例としてU.S.7,713,535およびU.S.7,470,674を参照されたい);ヘルパーT細胞エピトープ、リピド−Aおよびその誘導体またはバリアント、リポソーム、リン酸カルシウムサイトカイン(例として顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、IL−2、IFN−α、Flt−3L)、CD40、CD28、CD70、IL−12、ヒートショックタンパク質(HSP)90、CD134(OX40)、CD137、CoVaccineHT非イオン性ブロックコポリマー不完全フロイントアジュバントケモカインコレラ毒素;E.coli熱不安定性エンテロトキシン百日咳毒素ムラミルジペプチドムラミルペプチドアナログMF59、SAF免疫賦活複合体生分解性マイクロスフェアポリホスファゼン合成ポリヌクレオチドが挙げられる。

0093

本明細書中に記載されている組成物と共に使用するための付加的なアジュバントは、サポニン(例としてQS21)を単独で、またはISCOM(「免疫刺激複合体」、概説のため、Barr and Mitchell,Immunology and Cell Biology 74:8−25(1996);およびSkene and Sutton,Methods40:53−59(2006)を参照されたい)の特徴的形態でコレステロールおよびリン脂質と組み合わせて含有するアジュバントである。かかるアジュバントは、本明細書中で「サポニン系アジュバント」と呼ばれる。本明細書中に提供される組成物および方法の特定の実施形態において、変異体毒素および/または毒素タンパク質は、ISCOMマトリックス粒子アジュバントであるISCOM型アジュバントまたは「ISCOM」、例えば抗原なしで製造されるISCOMATRIX(商標)などと組み合わされる(ISCOM(商標)およびISCOMATRIX(商標)はCSL Limited,Parkville,Australiaの登録商標である)。

0094

使用方法
本発明の実施形態はまた、(i)以下における使用のための、(ii)以下のための薬剤もしくは組成物としての使用のための、または(iii)以下のための薬剤の調製における使用のための、本明細書中に記載されているデングワクチン共製剤のうちの1または複数を包含する:(a)治療(例としてヒトの体の);(b)医薬;(c)DEN1、DEN2、DEN3および/もしくはDEN4を包含するデングウイルスの複製の阻害;(d)DEN1、DEN2、DEN3および/もしくはDEN4のうちの1もしくは複数に対する免疫応答もしくは予防的免疫応答の誘導;(e)1もしくは複数の型のデングに対するウイルス中和抗体応答の誘導;(f)デングウイルスによる感染の処置もしくは予防(prophylaxis);(g)デングウイルス感染の再発の予防;(h)デングウイルス感染に関連した病的症候の進行、発症もしくは重症度の低減、および/もしくはデングウイルス感染の可能性の低減、または(i)限定されるものではないがデング熱、デング出血熱およびデングショック症候群といったデング関連疾患(1または複数)の処置、予防(prophylaxis)、もしくは発症、重症度もしくは進行の遅延。これらの使用において、デングワクチン組成物は、1または複数のアジュバント(例としてMAA、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、例えばAlhydrogel(登録商標)など、または他のアルミニウム塩アジュバント、サポニン系アジュバント、例えばISCOMATRIX(商標)(CSL,Ltd.)など、TLRアゴニストまたは脂質ナノ粒子であり、これらは本明細書中に記載されている)と組み合わせて使ってもよい。

0095

したがって、本発明は、本発明の共製剤のうちの1または複数を処置の必要がある患者に投与することを含む、デングウイルス感染またはデング関連疾患の予防的(prophylactic)および/または治療的な処置の方法を提供する。

0096

「患者」(あるいは本明細書中で「対象」とも呼ばれる)とは、デングウイルス、例えばDEN1、DEN2、DEN3またはDEN4などに感染する能力がある哺乳類をいう。好ましい実施形態において、患者はヒトである。患者は、予防的に(prophylactically)または治療的に処置されることができる。予防的処置(prophylactic treatment)は、デング感染またはその作用、例えばデング熱などの可能性または重症度を低減させるために十分な防御免疫を提供する。治療的処置は、デング感染もしくはその臨床的作用の重症度を低減させるまたはこれらの再発を予防するために実施することができる。

0097

予防的処置(prophylactic treatment)は、本明細書中に記載されている本発明のデングウイルスワクチン組成物を用いて実施することができる。本発明の組成物は、一般集団に、またはデング感染のリスクが増加している人、例としてエデス(Aedes)属の蚊が蔓延している世界の地域に住んでいるまたは旅行する予定がある人に投与することができる。

0098

「処置の必要がある」ものは、既にデング感染を有するもの(例としてDEN1、DEN2、DEN3またはDEN4のうちの1または複数に感染したもの)、同様に感染しやすいもの、または感染の可能性の低減が望まれるあらゆる人を包含する。

0099

本発明のデングウイルスワクチン組成物は、当該技術分野で周知の技術を用いて製剤化して患者に投与することができる。一般的な医薬投与のためのガイドラインは、例えば、Vaccines Eds. Plotkin and Orenstein,W.B.Sanders Company,1999;Remington’s Pharmaceutical Sciences 20th Edition,Ed. Gennaro,Mack Publishing,2000;およびModern Pharmaceutics 2nd Edition,Eds. Banker and Rhodes,Marcel Dekker,Inc.,1990中に提供されている。

0100

したがって、本発明は、患者に免疫学的有効量の本明細書中に記載されているデングウイルスワクチン組成物のうちのいずれかを投与するステップを含む、患者においてデング感染に対する防御免疫応答を誘導する方法を提供する。

0101

また本発明により提供されるのは、デング感染を処置するまたはデング感染に関連した任意の病態を処置する方法であり、かかる処置は、感染の予防(prophylaxis)および臨床症候の重症度の低減、疾患の進行の遅延もしくは予防および/または感染もしくはその臨床症候の可能性の低減を包含し;この方法は、患者に免疫学的有効量の本明細書中に記載されているワクチン組成物のうちのいずれかを投与するステップを含む。

0102

本発明の付加的な実施形態は、プライム/ブースト投薬計画における、本発明の2以上の組成物の患者への投与を含む。したがって、本発明は、その必要がある患者においてデング感染を予防するまたはデング感染の可能性を低減させる方法であって:
(a)本発明の第一のデングウイルスワクチン組成物を患者に投与するステップ;
(b)ステップ(a)の後に所定の時間の経過を待つステップ;
(c)前記患者に本発明の第二のデングウイルスワクチン組成物を投与するステップ;ならびに
(d)任意選択でステップ(b)および(c)を繰り返すステップ
を含み、これにより患者においてデング感染が予防されるまたはデングに感染する可能性が低減される、前記方法に関する。

0103

上の方法の実施形態において、本発明のデングウイルスワクチン組成物は、液体の形態である(すなわち弱毒化生デングワクチンおよび非複製デングワクチンは、同じバイアルまたは他の容器中で液体として一緒に製剤化される)。代替的実施形態において、デングウイルスワクチン組成物は凍結乾燥され(すなわち弱毒化生デングワクチンおよび非複製デングワクチンは一緒に製剤化されて同じバイアルまたは他の容器中で凍結乾燥され)、患者への投与の前に滅菌希釈剤再構成される。付加的な実施形態において、弱毒化生デングワクチンおよび非複製デングワクチンは、別のバイアルまたは容器中に供給され、臨床医により患者に投与される前に混ぜ合わされる。かかる実施形態において、弱毒化生デングワクチンおよび非複製デングワクチンは、(1)両方が液体の形態である、(2)両方が凍結乾燥されている、または(3)1つのワクチンは液体の形態で、1つのワクチンは凍結乾燥されていることができる。1つのワクチンが液体の形態で1つのワクチンが凍結乾燥されているとき、凍結乾燥ワクチンを液体ワクチンで再構成して本発明のデングウイルスワクチン組成物を形成させることができ、または凍結乾燥ワクチンを滅菌希釈剤で再構成して、次いで液体ワクチンと混合することで本発明のデングウイルスワクチン組成物を形成させることができる。

0104

本発明のデングウイルスワクチン組成物の第一の用量および本発明のデングウイルスワクチン組成物の第二の用量、またはその後の任意の用量の間の時間は、約2週間から約2年間である。本発明の好ましい実施形態において、複数の投与の間で2ヶ月から12ヶ月の時間を経過させることが可能である。本発明のこの態様の代替的実施形態において、ワクチン組成物の各用量の各投与の間の時間は、2週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、12ヶ月、13ヶ月、14ヶ月、15ヶ月、16ヶ月、17ヶ月、18ヶ月、19ヶ月、20ヶ月、21ヶ月、22ヶ月、23ヶ月および24ヶ月よりなる群から独立して選択される。

0105

本発明のいくつかの実施形態において、第一および第二のデングウイルスワクチン組成物は同じものである。代替的実施形態において、第一および第二のデングウイルスワクチン組成物は同じものではない。

0106

本発明のデングウイルスワクチン組成物は、異なる経路により投与することができる。本発明の好ましい実施形態において、本発明の組成物は、非経口的に、すなわち皮内、皮下または筋肉内の注射により投与される。皮下および筋肉内投与は、例えば針またはジェット式注射器を用いて実施することができる。

0107

本明細書中に記載されている組成物は、投与製剤適合した様式で、デング感染を処置するおよび/またはデング感染の可能性を低減させるために免疫学的に有効であるような量で投与され得る。本発明との関連での患者に投与される用量は、時間とともに患者において有益な応答、例えばデングウイルスのレベルの低減などに影響を及ぼすために、またはデングによる感染の可能性を低減させるために十分であるべきである。投与されることになるデングウイルスワクチンの量は、その年齢性別、体重および全身健康状態を含めて、処置されることになる対象次第であり得る。この点において、投与されることが必要となるワクチンの正確な量は、専門家の判断に委ねられる。デング感染に対する処置または予防(prophylaxis)において投与されることになるワクチンの有効量を決定する際、医師は、循環血漿レベル、疾患の進行および抗デング抗体の生産を評価し得る。いずれにしても、本発明の免疫原性組成物の好適な投薬量は、当業者により容易に決定され得る。

0108

好適な投薬計画は、好ましくは、患者の年齢、体重、性別および医学的状態;投与の経路;所望の効果;使われる具体的な組成物といった当該技術分野で周知の因子を考慮に入れて決定される。投薬のタイミングは当該技術分野で周知の因子に応じ、2週間から24ヶ月の範囲にわたることができる。最初の投与の後、抗体力価を維持および/またはブーストするため、1または複数の付加的な用量が投与され得る。

0109

本発明はまた、デング感染を予防する、またはその症候を予防するもしくは寛解させる方法であって:(a)弱毒化生デングワクチンおよび非複製デングワクチンを混合することでデングウイルスワクチン組成物を形成させるステップであって、第一のワクチンが少なくとも1のデングLAVまたはLACVを含み、LAVまたはLACVが3’UTRのTL−2ステムループ構造に相当する約30ヌクレオチドの欠失を含む、前記ステップ;ならびに(b)ステップ(a)のデングウイルスワクチン組成物の用量を、デング感染またはその症候が予防または寛解されることになる患者に投与するステップを含む、前記方法に関する。この方法において、デングウイルスワクチン組成物は、混合後、それが安定な状態のままである時間内に、例として24時間以内に患者に投与される。本発明のこの態様のいくつかの実施形態において、非複製デングワクチンは、組換えデングサブユニットワクチンまたは不活化デングワクチンである。

0110

本発明のこの態様のさらなる実施形態は、(c)デングウイルスワクチン組成物の投与後に所定の時間を経過させること、および(d)本発明の組成物の第二の用量を投与することを含む。前記実施形態において、ステップ(c)および(d)は、1または複数回繰り返してもよい。

0111

上記の方法において、第一のデングワクチンは好ましくは四価であって、DEN1、DEN2、DEN3およびDEN4成分を含み、ここで各成分は、本明細書中に記載されている弱毒化生デングウイルスまたは弱毒化生キメラフラビウイルスのいずれかを含む。例示的な実施形態において、弱毒化生デングワクチンは4つのキメラフラビウイルスを含み;ここで各々のキメラフラビウイルスは単一のデングウイルス血清型のprMおよびEタンパク質ならびに異なるフラビウイルスのカプシドおよび非構造タンパク質を含み、ここで各々のキメラフラビウイルスは弱毒化されている。ある実施形態において、4つのキメラフラビウイルスのカプシドおよび非構造タンパク質は、黄熱病ウイルスからのものである。代替的実施形態において、4つのキメラフラビウイルスの各々のカプシドおよび非構造タンパク質は、prMおよびEタンパク質と異なるデング血清型からのものである。

0112

本発明のこの態様のいくつかの実施形態において、第二のデングワクチンは、DEN1、DEN2、DEN3およびDEN4からのデングEタンパク質またはその断片を含む四価の組換えデングサブユニットワクチンである。本発明のこの方法において有用なサブユニットワクチンは、本明細書中に記載されている。好ましい実施形態において、Eタンパク質は、各々がDEN1、DEN2、DEN3およびDEN4の野生型Eの、そのN末端においてアミノ酸残基1から始まる長さの約80%を構成する。

0113

上記の方法のある実施形態において、混合前は、弱毒化生デングワクチンは凍結乾燥されており、組換えサブユニットワクチンは液体である。いくつかの実施形態において、ステップ(a)の混合は、凍結乾燥ワクチンを液体ワクチンで再構成することを含む。代替的実施形態において、凍結乾燥ワクチンは、ステップ(a)における液体ワクチンとの混合の前に滅菌希釈剤で再構成される。

0114

本明細書中で言及される全ての刊行物は、本発明に関連して用いられ得る方法論および材料を記載し開示する目的のために、参照により組み込まれる。

0115

添付の図面を参照して本明細書中の発明の異なる実施形態を記載していることから、本発明はまさにその実施形態に限定されるものではなく、それらにおける様々な変更および改変が、当業者によって、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく実行され得ることが理解されるものである。

0116

[実施例]
実施例1
アジュバントおよび/またはデング抗原(四価のDEN−80E)の存在下での弱毒化生デングウイルスの適合性/安定性試験のための製剤の調製
四価のDEN−80E(1〜4)サブユニットワクチン(V180)単独と組み合わせて共製剤化したときの、またはこれとMAAもしくはISCOMATRIX(登録商標)(IMX)を組み合わせたものと組み合わせて共製剤化したときの、組換えΔ30弱毒化生ウイルス(rDEN1〜4)の適合性/安定性を評価するための調査を実施した。

0117

全ての製剤は、無菌技術を用いてバイオセーフティキャビネット内で調製した。試験用の試料は、ダルベッコPBS中で所望のアジュバント、デング抗原(1または複数)またはアジュバント/抗原(1または複数)の組み合わせと共に製剤化して、2ml滅菌ISOバイアル中に入れてFLUROTEC(登録商標)(West Pharmaceutical Services,Inc.,Exton,PA)ストッパーで封をした。この調査において試験したアジュバント/抗原試料は以下であった:(1)PBS単独;(2)四価のDEN−80E(DEN1−80E+DEN2−80E+DEN3−80E+DEN4−80E);(3)四価のDEN−80E+MAA;(4)四価のDEN−80E+3×MAAおよび(5)四価のDEN−80E+ISCOMATRIX(商標)アジュバント(IMX)。アジュバント/抗原試料は、下に記載されているように1:1の比で弱毒化生デングウイルスと現場配合(field−mix)した。Δ30弱毒化生デングウイルス(実施例2中に記載されているもの)との現場配合の前および後の試料の用量および濃度は、表1に示すとおりであった。

0118

表1.四価の試験試料の濃度

0119

全ての製剤は、LAVとの現場配合前に2〜8℃で保存した。

0120

実施例2
アジュバントおよび/またはデング抗原(四価のDEN−80E)の存在下でのΔ30デング弱毒化生ウイルスとの共製剤の適合性/安定性試験のための製剤の調製
実施例1中で調製した抗原/アジュバント試料をΔ30デング弱毒化生ウイルスと現場配合し、下に記載されているようにVero細胞上でのインビトロプラークアッセイを用いてウイルス生存率を試験した。これらの調査において用いた弱毒化生デングウイルスは(rDEN1−rDEN1Δ30−1545;rDEN2−rDEN2/4Δ30(ME)−1495,7163;rDEN3−rDEN3Δ30/31−7164;およびrDEN4−rDEN4Δ30−7132,7163,8308)であった。Δ30 LAVとの現場配合後のデング抗原およびアジュバントの濃度を表1中に提供する。

0121

24ウェルプレートに4×105個のVero細胞/ウェルシードした。Vero細胞の継代レベルはP144であった。プラークアッセイ用のウイルス試料を希釈するため(T=0時の時点)、1mL分量の各々のΔ30 LAV(rDEN1〜4)を22℃の水浴中で解凍した。ウイルスの希釈を2%の199培地中で実施して、ウイルス力価が2×105PFU/mLである希釈ストックを作った。この希釈ストックから、0.5mLのウイルスを新たなチューブへと分取し、0.5mLの実施例1中に記載のアジュバント/抗原製剤のうちの1つと混合して1:1希釈物を与えた。得られた総液量は1mLであり、このうち0.5mLをT=0時のプラークアッセイのために、0.5mLをT=24時点のプラークアッセイにおける使用のために4℃で保存した。

0122

1:1 Δ30LAV:アジュバント/抗原試料のさらなる希釈物を、199培地を用いて96ウェルプレート内に調製し、各試験試料の1:10、1:100、1:1,000、1:10,000、1:100,000および1:1,000,000希釈物を与えた。アッセイを実施するため、Vero細胞の単層をPBSで洗浄し、75μlの各希釈試料(2連)をプレートの各ウェルに加えた。ウイルス接種物をウェル内の細胞上に広げ、プレートをインキュベーター内に置いた。1時間の間、プレートを10〜15分毎にゆすって接種物を均等に広げた。1時間の吸着の後、各ウェルに1mlの培養培地中1%メチルセルロースを加えることにより細胞を重層し、5% CO2%で37℃においてインキュベートした。

0123

6日間のインキュベーション後、各ウェルからメチルセルロースの重層を吸引して除き、細胞単層を、汎フラビウイルスモノクローナル抗体4G2を用いた免疫染色に供した(Henchal et al. Dengue virus−specific and flavivirus group determinants identified with monoclonal antibodies by indirect immunofluorescence. The American Journal of Tropical Medicine and Hygiene 31(4):830−836(1982))。免疫染色手順の後、適切なウイルス希釈物でプラークの数をカウントすることによりウイルス力価を決定した。

0124

24時間後、上の手順を繰り返して、保存後の各試料のウイルス力価を決定した。試料は上記のように調製した。結果は、試験したアジュバント、サブユニット抗原の単独またはアジュバント/抗原製剤のうちのいずれも、T=0におけるΔ30 LAVのウイルス力価に対して何ら効果がなかったことを指し示す(図2を参照されたい)。結果はさらに、Δ30 LAVは、4℃で24時間のインキュベーション後でもサブユニット抗原単独でおよびこれにアジュバントを伴って安定であったことを指し示す。

0125

実施例3
マカカ・ムラッタ(Macaca mulatta)におけるデングプライム−ブーストワクチン接種戦略の評価
アカゲザルにおいて実行されたこの非GLP調査の目的は、共製剤プライム−ブーストワクチン接種戦略を評価し、これを慣用的プライムブースト戦略と比較することであった。この調査のため、2つのワクチン候補、四価組換えデングサブユニットワクチン候補(V180)およびΔ30四価デング弱毒化生ワクチン(Δ30 LAV)を異なる投薬計画を用いて投与した。四価V180候補は、4つのデングウイルス血清型(デングウイルス(DENV)1、DENV2、DENV3およびDENV4)の各々からのトランケート型のエンベロープ糖タンパク質(DEN−80E)を含んでいた。Δ30 四価LAVは、デング1〜4型の弱毒化生デングウイルス(rDEN1−rDEN1Δ30−1545;rDEN2−rDEN2/4Δ30(ME)−1495,7163;rDEN3−rDEN3Δ30/31−7164;およびrDEN4−rDEN4Δ30−7132,7163,8308)を含んでいた。

0126

体重が3kg超で、ELISAによりフラビウイルス(DENV1、2、3および4ならびにウエストナイルウイルス)抗体陰性であった、いずれかの性別の健常なインドアカゲザル成体(n=4/群)を本調査において使用した。ワクチンを表2中に記載されているように投与した。調査のため、群1は、0および16週においてΔ30 LAVワクチンを皮下(SC)に受けた。群2は、0週においてΔ30 LAVワクチンが与えられる慣用的なプライムブーストを受け、その後に16週においてAlhydrogel(登録商標)(Brenntag Biosector,Frederikssund,DK)と製剤化されたV180を受けた。群3は、0および16週においてΔ30 LAVワクチンおよびV180/Alhydrogel(登録商標)の共製剤を受けた(共製剤プライムブースト)。全てのワクチンは、1用量あたり0.5mLで投与した。ワクチン接種の後、接種部位における何らかの変化、またはワクチンへの有害反応を指し示し得る行動もしくは摂食習性における他の変化について、動物を毎日観察した。

0127

表2.アカゲザル免疫原性調査において用いたスケジュールおよび製剤

0128

ウイルス中和活性は、LiCorベースのマイクロ中和試験アッセイを用いて、20週の調査を通じて4週毎に決定した。LiCorアッセイのため、Vero細胞を平底96ウェル組織培養プレート内の100μlの10% 199培地中において、1.5×104個の細胞/ウェルで一晩シードした。別の96ウェルプレート中に、血清試料を、1:10で開始する8つの希釈のため、2連で連続的に2倍希釈した。エンドポイント滴定への到達に失敗した試料については、より高度の希釈物で開始して試料を再試験した。血清を、50pfu/ウェルに希釈した等量のウイルスとインキュベートした。全てのアッセイの希釈は、2%の199培地中で実施した。混合物を37℃+5% CO2で1時間インキュベートした。中和後、全混合物播種されたVero細胞上に加え、37℃+5% CO2で4日間インキュベートした。培養培地の除去後、細胞をPBS中3.7%のホルムアルデヒドで30分間固定した。プレートを200μlの0.1% Titon X−100/PBSで5分間ずつ2回洗浄した。プレートを50ulの2.8μg/ml 4G2抗体で染色した。ビオチン化ウマ抗マウスIgGを次いで7.5μg/mlで加え、その後にIRDye(登録商標) 800CWストレプトアビジン(1:1000)およびDRAQ5蛍光プローブ(1:10,000)のカクテルを加えた。プレートは、この最後の展開のために暗所で維持した。抗体および試薬は、0.2% Tween−20を添加したOdyssey Blockバッファー中で希釈した。プレートを、0.1% Tween−20/PBSを用いて抗体交換の間に3回洗浄した。インキュベーションステップは、室温で1時間実施した。洗浄および分注ステップは、BioTek(登録商標)EL406プレート洗浄システム(Winooski,VT)を用いて自動化した。プレートを風乾し、赤外Odyssey(登録商標)Saイメージングシステム(Li−Cor Biosciences)でスキャンした。生データをExcel加工ワークシートへとインポートした。2連のウェルを平均し、血清エンドポイント中和力価を、各アッセイプレート上に包含されるウイルス対照と比較したときに800nm/700nm蛍光積分強度比を≧50%低減させる最も高度の血清希釈逆数として規定した。Prism(登録商標)(GraphPad Software,Inc.)を用いて結果をプロットした。全ての試料は1:10希釈での開始を設定した。試料がこの希釈で中和に失敗した場合、1:5の力価を割り当てた。

0129

4週(投薬1の4週後)の全ての群についてのDENV1、DENV2、DENV3およびDENV4に対する幾何平均中和力価を図3中にまとめる。この時点において、ウイルス中和抗体応答は、群2中のDENV4に応答しなかった1匹の動物を除く全ての免疫動物において検出された。4週の結果からの重要な結論は以下である:
・投薬1の4週後に共製剤群(群3)において測定された中和応答は、Δ30 LATVワクチンを単独で与えられたときに誘導されたもの(群1および2)に匹敵した。これは、Δ30 LATVワクチンとV180サブユニットワクチンおよびAlhydrogel(登録商標)アジュバントとの共製剤は弱毒化生ウイルスワクチンの第一の用量への応答に負の影響を与えないことを指し示す。

0130

20週(投薬2の4週後)の全ての群についてのDENV1、DENV2、DENV3およびDENV4に対する幾何平均中和力価を図4中にまとめる。この時点において、ウイルス中和抗体応答は全ての免疫動物において検出された。20週の結果からの重要な結論は以下である:
・慣用的なプライムブースト(群2)および共製剤プライムブーストアプローチ(群3)のいずれも、Δ30 LATVワクチン(群1)と比較して4つ全てのDENV型への優れた中和力価を誘導した。力価は、DENVの型に応じて、1.7倍から6.7倍高い範囲にあった。

0131

・投薬2の4週後に共製剤群(群3)において測定された中和応答は、慣用的なプライム−ブースト投薬計画を受けた群(群2)において誘導されたものよりも、良くはないにしても同等であった。これは、Δ30 LATVワクチンとV180サブユニットワクチンおよびAlhydrogel(登録商標)アジュバントとの共製剤はサブユニットブーストへの応答に負の影響を与えないことを指し示す。

0132

全ての群についてのDENV1、DENV2、DENV3およびDENV4の長期的な幾何平均中和力価を図5中に示す。全体的に、このデータは、共製剤プライムブースト投薬計画が慣用的なプライムブーストアプローチに匹敵する応答を誘発すること、およびその応答が同族のワクチンとして与えられたΔ30 LATVより優れていることを実証する。

0133

実施例4
マカカ・ムラッタにおけるデングプライム−ブースト用量依存的ワクチン接種戦略の評価
アカゲザルにおいて実行されたこの非GLP調査の目的は、異なる共製剤用量のサブユニットワクチンおよびデング弱毒化生ワクチンを用いた共製剤プライム−ブーストワクチン接種戦略を評価することであった。この調査のため、実施例3中に記載されている2つのワクチン候補を用いた。

0134

体重が4kg超で、ELISAによりフラビウイルス(DENV1、2、3および4ならびにウエストナイルウイルス)抗体陰性であった、いずれかの性別の健常なインドアカゲザルの成体(n=5/群)を本調査において使用した。ワクチンを表3中に記載されているように投与した。調査のため、群1は、0および24週においてΔ30 LAVワクチン(10e5 pfuの各LAV)を皮下(SC)に受けた。群2は、0および24週においてΔ30 LAVワクチン(10e5 pfuの各LAV)およびV180(10、10、10、20μgの各80E)/Alhydrogel(登録商標)(Brenntag Biosector,Frederikssund,DK)の共製剤を受けた(共製剤プライムブースト)。群3は、0および24週においてΔ30 LAVワクチン(10e5 pfuの各LAV)およびV180(3、3、3、6μgの各80E)/Alhydrogel(登録商標)の共製剤を受けた(共製剤プライムブースト)。群4は、0および24週においてΔ30 LAVワクチン(10e3 pfuの各LAV)およびV180(10、10、10、20μgの各80E)/Alhydrogel(登録商標)の共製剤を受けた(共製剤プライムブースト)。全てのワクチンは、1用量あたり0.5mLで投与した。ワクチン接種の後、接種部位における何らかの変化、またはワクチンへの有害反応を指し示し得る行動もしくは摂食習性における他の変化について、動物を毎日観察した。

0135

表3.アカゲザル免疫原性調査において用いたスケジュールおよび製剤

0136

0137

ウイルス中和活性は、実施例3中に上記されているように、LiCorベースのマイクロ中和試験アッセイを用いて、28週の調査を通じて4週毎に決定した。

0138

4週(投薬1の4週後)の全ての群についてのDENV1、DENV2、DENV3およびDENV4に対する幾何平均中和力価を図6中にまとめる。この時点において、ウイルス中和抗体応答は、DENV1に応答しなかった群1中の1匹の動物および群4中の1匹の動物を除く全ての免疫動物において検出された。4週の結果からの重要な結論は以下である:
・投薬1の4週後に共製剤群(群2、3および4)において測定された中和応答は、Δ30 LATVワクチンを単独で与えられたときに誘導されたもの(群1)に匹敵した。これは、Δ30 LATVワクチンとV180サブユニットワクチンおよびAlhydrogel(登録商標)アジュバントとの共製剤は弱毒化生ウイルスワクチンの第一の用量への応答に負の影響を与えないことを指し示す。

0139

・高用量(10e5 pfuの各ウイルス)のΔ30 LATV(群2)または低用量(10e3 pfuの各ウイルス)のΔ30 LATV(群4)を受けた共製剤群における中和応答は同等であった。これは、低用量のΔ30 LATVワクチンはV180サブユニットワクチンおよびAlhydrogel(登録商標)との共製剤により負の影響を受けないことを指し示す。

0140

28週(投薬2の4週後)の全ての群についてのDENV1、DENV2、DENV3およびDENV4に対する幾何平均中和力価を図7中にまとめる。この時点において、ウイルス中和抗体応答は全ての免疫動物において検出された。28週の結果からの重要な結論は以下である:
・全ての共製剤群(群2、3および4)は、投薬2の4週後において、Δ30 LATVのみの群(群2)において見られたものより優れた、LiCor中和力価の強いブーストを実証した。これは、Δ30 LATVワクチンとV180サブユニットワクチンおよびAlhydrogel(登録商標)アジュバントとの共製剤はサブユニットブーストへの応答に負の影響を与えないことを指し示す。

0141

・低用量V180を含有する共製剤(群3)は、高用量V180を含有する共製剤(群2)と同様にブーストした。

0142

・低用量(10e3 pfuの各ウイルス)のΔ30 LATVを含有する共製剤(群4)は、高用量(10e5 pfuの各ウイルス)のΔ30 LATVを含有する共製剤(群2)と同様にブーストした。

0143

全ての群についてのDENV1、DENV2、DENV3およびDENV4の長期的な幾何平均中和力価を図8中に示す。全体的に、このデータは、共製剤プライムブースト投薬計画が慣用的なプライムブーストアプローチに匹敵する応答を誘発すること、およびその応答が同族のワクチンとして与えられたΔ30 LATVより優れていることを実証する。

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