図面 (/)

技術 パイプ用ポリエチレン

出願人 ノルナー・ヴェルダンディ・アーエス
発明者 トーレ・ドレンクモルテン・ルンドクヴィストヤルモ・リンドルース
出願日 2015年12月21日 (5年10ヶ月経過) 出願番号 2017-551025
公開日 2018年1月18日 (3年9ヶ月経過) 公開番号 2018-501394
状態 特許登録済
技術分野 付加重合用遷移金属・有機金属複合触媒 付加系(共)重合体、後処理、化学変成
主要キーワード 取り扱い機器 固有質量 接線応力 サイズカテゴリ 圧力パイプ フィードシステム 部担体 バースティング
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年1月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題・解決手段

本発明は、多峰性ポリエチレンを調製するための方法であって、(i)第1の重合段階エチレン及び任意のα-オレフィンコモノマー重合して、第1のエチレンポリマーを生成する工程;及び(ii)第2の重合段階で、前記第1のエチレンポリマーの存在下、エチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合する工程を含み、第1及び第2の重合段階を非支持型メタロセン触媒の存在下で実施し、各重合段階が多峰性ポリエチレンの少なくとも5wt%を生成し、多峰性ポリエチレンが、多峰性分子量分布、少なくとも50,000g/molの分子量及び少なくとも250g/dm3のかさ密度を有し、溶媒中の非支持型メタロセン触媒の溶液を使用する、方法を提供する。本発明は、多峰性ポリエチレン、パイプを調製するための方法であって、多峰性ポリエチレンを調製する工程及び多峰性ポリエチレンを押出してパイプを生産する工程を含む方法、そうした方法によって得られるパイプも提供する。

概要

背景

ポリエチレン(PE)、特に高密度ポリエチレン(HDPE)は、パイプ生産のために最も一般的に使用されている材料である。HDPEパイプの製造のために使用されるポリエチレンは、耐衝撃性靱性及び引っかき抵抗性等の特定の機械的基準並びに化学的必要条件、例えば耐腐食性を満たす必要がある。パイプは多くの場合、高い内圧で使用され、外部の機械的力に曝される。全体の圧力は、通常、ポリマー降伏応力よりずっと低いが、機械的不具合はほぼ常に、ポリマーが化学的に分解する前に起こる。これが、降伏応力を超える欠陥周りでの強い局在的応力分布を引き起こす、ポリエチレンパイプにおけるマイクロメートルサイズ局所不均一性の存在に起因しているということは、一般に認められている。そうした応力集中は、クレーズフィブリル破裂によるクレーズの形成及び成長を誘発する。これに関連して、局所不均一性ができるだけ低いPEを使用することが非常に重要である。通常、これらの不均一性は、特にメタロセン触媒が関連している場合、シリカ又は他の関連無機担体が使用されている支持型触媒由来する。

ポリエチレンパイプは、その可撓性、変形性及び長い長さでの利用可能性のため、非従来型のパイプ設置に特に適している。最新のリライニング技術の広範な使用及び迅速なパイプ設置の実践は、これらの技術に特有であり、緩慢亀裂成長(SCG)を容易にする、特に、引っかき傷ノッチ切り目(nick)及び衝撃の影響に関する、高い材料要求事項及び性能の保証を必要とする。最新の非掘削式(no-dig)又は溝なし型設置法(例えば、パイプバースティング、水平方向掘削)によりパイプを設置する場合、そのパイプを、地面を通して水平に引きずる。例えば道路や他の設備等の地面の表面を乱す必要なく、設置コストは大幅に低下するという点で非常に有利であることが多いが、他方、非掘削方式は石、岩等が飛び出して、長さ方向でパイプの外面を傷つける傾向が高いという欠点をもたらす。更に、パイプの内部に圧力がかけられた場合、そうした長さ方向の傷の底部に、非常に高い局所接線応力が存在することになる。したがって、そうした傷は、そうでなければ決して開始することさえない、壁を通したクラック伝播を開始させるので、残念ながら非常に有害である。

パイプの性能レベルに対するこれらの必要条件は、したがって、それらの生産のために使用されるポリエチレンが特定の必要条件を満たさなければならないということを意味する。一般に、パイプ生産に使用されるポリエチレンは以下の特性を有する。

パイプ生産用の市販のポリエチレンは、一般に、クロム触媒又はチーグラーナッタ触媒を使用することによって調製される。クロム(Phillips社)触媒を用いて単一の反応器において作製される単峰性HDPEは、厳しい圧力パイプ用途に関して、比較的劣った特性プロファイルをもたらす。チーグラーナッタ触媒を使用して作製されたHDPEパイプは、通常、直列稼働される2つの反応器;より低分子量のホモポリマーを作製する1つの反応器、及びコモノマーを含有するより高分子量のポリマーを作製する1つの反応器を用いて調製され、これは、単峰性クロムHDPEと比較してより良好な特性プロファイルをもたらす。チーグラーナッタ触媒は、そのポリエチレンに必要とされる機械的特性を提供する高い分子量の高密度ポリエチレンの生産ができるようにする。しかし、チーグラーナッタ触媒を使用することの欠点は、そのポリエチレンが不均一なコモノマーの取り込みを有する傾向があるという点である。

メタロセン触媒は、チーグラーナッタやクロム触媒と比較して、ポリマー中へのコモノマーの取り込みがはるかに均一であるため、ポリエチレンパイプ生産において使用するのに魅力的なものである。ここで、均一なコモノマーの取り込みということは、全体的な分子量範囲にわたって、コモノマーがポリマー鎖中に同じような量で取り込まれることを意味する。チーグラーナッタ触媒とは対照的に、コモノマーは一般に、特定の分子量を有するポリマー鎖中にだけ取り込まれる。メタロセンでの改善されたコモノマーの取り込み特性は、例えば、パイプ特性に重大な影響を及ぼす、ポリマーの緩慢な亀裂成長及び急速なクラック伝播挙動を大幅に改善することになる。

現在、メタロセン触媒は、パイプ生産用のポリエチレンの生産のために、チーグラーナッタ触媒より、商業的にはずっと少ない程度にしか利用されていない。メタロセン触媒を商業規模のプロセスで使用する場合、それらは、外部的な担体又は支持体上で使用される傾向がある。支持体の使用によって、非支持型メタロセンの使用で一般に遭遇する反応器汚染ポリマー形態の不良及び低いポリマーかさ密度の問題が回避される。しかし、支持型メタロセン触媒は、比較的低い活性を有しており、比較的低い分子量のポリエチレンを常に生じる。これは、それらがパイプ生産用には適さないことを意味する。低い重合活性のため、支持型メタロセン触媒はまた、高い灰分含量及び高いゲル含量を有するポリエチレンをもたらす。上記したように、ポリマー構造における局所不均一性に起因して、高い灰分含量及び高いゲル含量は多くの場合、クラック及び破損を意味する、パイプでの機械的不具合をもたらす。それらは多くの場合、例えば液体流動性に対して影響を及ぼす内部及び外部表面上への粗さの持ち込みによって、パイプの外観及び性能にも影響を及ぼす。また、高い灰分含量は、ポリマーの電気特性に影響を及ぼし、より高い導電性をもたらす。

シリカは一般に、支持型メタロセン触媒における担体として使用され、したがって、生産されるポリマー中に留まることになる。シリカは硬質の材料であり、鋼鉄を傷つけることになる。ポリマー中に存在するシリカ粒子は、ポリマー生産プラントと、数百バール溶融圧力のもとで金属表面に沿ってポリマーを流して有用な製品を形成させる後続する溶融との両方において、ポリマー溶融物取り扱い機器、例えば押出機やダイの金属表面を傷つけることになる。長い期間にわたる連続した傷は、最終的にポリマー溶融物取り扱い機器を摩滅させる結果となる。

また、生成したポリマーにおける異物粒子、例えばシリカ粒子のレベルは極めて重要である。その理由は、ポリマー内部での、例えば触媒、残留物の量が、そのポリマーを使用し得る用途を決定するのに重要な役割を果たすからである。例えば、高い強度及び透明度を有するフィルムエレクトロニクス光学媒体及び医薬包装は、ポリマー中で残留物が最少レベルであることを必要とする。

WO98/58001は、メタロセン触媒を使用して多段階重合を実施する、パイプ生産用のポリエチレンの調製のための方法を開示している。重合の第1段階において水素が存在するが、そこで水素は完全に消費され、その結果、第2段階重合は水素の非存在下で行われる。第1段階重合は低分子量ポリマーを生成し、第2段階重合は高分子量ポリマーを生成する。

WO98/58001は、支持型メタロセン触媒の使用に焦点を当てている。これは、重合で使用するために、メタロセン錯体固体基材上に支持させることが特に望ましいことを教示している。好ましい基材は、無機酸化物、例えばシリカ、アルミナ、シリカ-アルミナ、ジルコニア無機ハロゲン化物又は多孔質ポリマー粒子等の多孔質微粒子である。WO98/58001では、実施例のすべてが、支持型メタロセン触媒を使用している。

WO98/58001は、その方法が、0.01〜100g/10minのMFR2、30,000〜500,000g/molの重量平均分子量、100〜165℃の融点及び20〜70%の結晶化度を有するポリエチレンをもたらすことを教示している。WO98/58001の実施例は、多くのポリエチレンの調製を例示している。生産されるポリマーのMFR2値は、常に1g/10min(c.f. 0.01g/10min超、その範囲の最小値)より大きく、多くの場合それは大幅に大きく、いくつかの実施例では43及び32g/10minのMFR2値を有するポリマーが生成している。WO98/58001の実施例で生産されているポリエチレンのどれも、ポリエチレンパイプ生産のための理想的な値である<0.1g/10minのMFR2(圧力パイプについてMFR5=0.2〜0.5g/10min)を有していない。後の実施例の部で示されるように、これは、WO98/58001に例示されている支持型触媒を使用して、パイプ生産に適したポリエチレン(すなわち、高い分子量及び低いMFR2)を生産することは不可能であるという本出願人の知見に合致している。

米国特許出願公開第2011/0091674号は、エチレンの多峰性コポリマー、及びメタロセン触媒の存在下で実施される多段階重合方法でのそれらの調製を開示している。その触媒は、シリカ等の微粒子支持体上又は凝固したアルモキサン上、或いはエマルション凝固技術を用いて調製される固体粒子として、固体形態で使用されている。

WO2013/113797は、3段階重合方法を用いた多峰性ポリエチレンの生産のための方法を開示している。WO2013/113797は、重合プロセスのためのチーグラーナッタ触媒系の使用に焦点を当てている。

WO2013/091837は、架橋されたビス(インデニル)配位子、それらの調製のための方法、及びエチレンの重合において使用し得るメタロセン錯体の調製におけるそれらの使用を開示している。

概要

本発明は、多峰性ポリエチレンを調製するための方法であって、(i)第1の重合段階でエチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合して、第1のエチレンポリマーを生成する工程;及び(ii)第2の重合段階で、前記第1のエチレンポリマーの存在下、エチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合する工程を含み、第1及び第2の重合段階を非支持型メタロセン触媒の存在下で実施し、各重合段階が多峰性ポリエチレンの少なくとも5wt%を生成し、多峰性ポリエチレンが、多峰性分子量分布、少なくとも50,000g/molの分子量及び少なくとも250g/dm3のかさ密度を有し、溶媒中の非支持型メタロセン触媒の溶液を使用する、方法を提供する。本発明は、多峰性ポリエチレン、パイプを調製するための方法であって、多峰性ポリエチレンを調製する工程及び多峰性ポリエチレンを押出してパイプを生産する工程を含む方法、そうした方法によって得られるパイプも提供する。

目的

チーグラーナッタ触媒は、そのポリエチレンに必要とされる機械的特性を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

多峰性ポリエチレンを調製するための方法であって、(i)第1の重合段階エチレン及び任意のα-オレフィンコモノマー重合して、第1のエチレンポリマーを生成する工程、及び(ii)第2の重合段階で、前記第1のエチレンポリマーの存在下、エチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合する工程を含み、前記第1及び第2の重合段階を非支持型メタロセン触媒の存在下で実施し、各重合段階が前記多峰性ポリエチレンの少なくとも5wt%を生成し、前記多峰性ポリエチレンが、多峰性分子量分布、少なくとも50,000g/molの分子量及び少なくとも250g/dm3のかさ密度を有し、溶媒中の前記非支持型メタロセン触媒の溶液を使用する、方法。

請求項2

前記溶媒が、C3〜10飽和アルカン又は芳香族炭化水素である、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記溶媒が、好ましくはヘキサン及びシクロヘキサンから選択される、C4〜10飽和アルカンである、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記溶媒がトルエンである、請求項2に記載の方法。

請求項5

前記メタロセン触媒が、少なくとも2つの配位子を有する3〜10族金属錯体であり、各配位子が、置換若しくは非置換シクロペンタジエニル、置換若しくは非置換インデニル、置換若しくは非置換フルオレニル又は置換若しくは非置換テトラヒドロインデニルである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。

請求項6

前記メタロセン触媒が、Zr、Hf又はTiから選択される金属によって形成される金属イオンの錯体である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。

請求項7

前記メタロセンが、式(I):(Cp)2LnMX2(I)(式中、各Cpは、独立に、非局在化π電子系を有する環状基であり、Lは、1〜7個の原子架橋であり、nは0又は1であり、Mは、3〜10族の遷移金属であり、各Xは、独立に、σ配位子である)の化合物である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。

請求項8

Cpが、置換若しくは非置換シクロペンタジエニル、置換若しくは非置換インデニル、置換若しくは非置換フルオレニル又は置換若しくは非置換テトラヒドロインデニルである、請求項7に記載の方法。

請求項9

各Cpが置換されていない、請求項7又は8に記載の方法。

請求項10

nが0である、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

nが1である、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

Lが、メチレン、エチレン又はシリル架橋である、請求項11に記載の方法。

請求項13

Mが、Ti、Zr又はHfである、請求項7から12のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

各Xが、H、ハロゲン、C1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C3〜12シクロアルキル、C6〜20アリール、C6〜20アリールオキシ、C7〜20アリールアルキル、C7〜20アリールアルケニル、-SR''、-PR''、SiR''3、-OSiR''3、-NR''2又は-CH2Y(式中、Yは、C6〜20アリール、C6〜20ヘテロアリール、C1〜20アルコキシ、C6〜20アリールオキシ、-NR''2、-SR''、-PR''3、-SiR''3又は-OSi''3であり、各R''は、独立に、水素又はヒドロカルビルである;或いは、-NR''2の場合、2つの置換基R''は、それらが結合している窒素原子一緒になって環を形成していてよい)から独立に選択される、請求項7から13のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

前記メタロセンが、式(II):(式中、Mは、4〜6族の遷移金属であり、各Xは、独立に、σ配位子であり、R1及びR1'は、それぞれ独立に、C1〜20ヒドロカルビルであり、R2、R2'、R3、R3'、R4、R4'、R5及びR5'は、それぞれ独立に、H又はC1〜20ヒドロカルビルである)のものである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。

請求項16

前記メタロセンが、式(III):(式中、Mは、4〜6族の遷移金属であり、各Xは、独立に、σ配位子であり、R1、R1'、R2、R2'は、それぞれ独立に、H又はC1〜20ヒドロカルビルであり、Lは、1〜4個のC原子及び0〜4個のヘテロ原子の架橋であり、架橋原子のそれぞれは、独立に、置換基;又は1〜3個のヘテロ原子の架橋を含んでよい)のものである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。

請求項17

Mが、Ti、Zr又はHfである、請求項16に記載の方法。

請求項18

各Xが、独立に、H、ハロゲン、C1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C3〜12-シクロアルキル、C6〜20アリール、C6〜20アリールオキシ、C7〜20アリールアルキル、C7〜20アリールアルケニル、-SR''、-PR''3、-SiR''3、-OSiR''3、-NR''2又は-CH2-Y(式中、Yは、C6〜20アリール、C6〜20ヘテロアリール、C1〜20アルコキシ、C6〜20アリールオキシ、NR''2、-SR''、-PR''3、-SiR''3又は-OSiR''3であり、各R''は、独立に、水素又はヒドロカルビルである;或いは-NR''2の場合、2つの置換基R''は、それらが結合している窒素原子と一緒になって環を形成していてよい)である、請求項16又は17に記載の方法。

請求項19

各Xが独立に、ハロゲン、C1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C6〜20アリール、C7〜20アリールアルケニル又は上記で定義したような-NR''2である、請求項18に記載の方法。

請求項20

R1、R1'、R2、R2'が、それぞれ独立に、Hである、請求項16から19のいずれか一項に記載の方法。

請求項21

Lが、メチレン、エチレン又はシリル架橋である、請求項16から20のいずれか一項に記載の方法。

請求項22

前記メタロセンが、(nBuCp)2HfCl2、(Ind)2ZrCl2、Et-(テトラヒドロインデニル)2ZrCl2又は(nBuCp)2ZrCl2である、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。

請求項23

アルミノキサン共触媒を使用する、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。

請求項24

溶媒、好ましくはC3〜10飽和アルカン又は芳香族炭化水素中の、前記アルミノキサン共触媒の溶液を使用する、請求項23に記載の方法。

請求項25

前記溶媒が、好ましくはヘキサン及びシクロヘキサンから選択される、C4〜10飽和アルカンである、請求項24に記載の方法。

請求項26

前記溶媒がトルエンである、請求項24に記載の方法。

請求項27

C4〜10飽和アルカン又はトルエン中に希釈された、アルミノキサン共触媒とメタロセンの混合物を使用する、請求項23に記載の方法。

請求項28

前記第1の重合段階が、スラリー条件においてである、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。

請求項29

前記第2の重合段階が、スラリー条件においてである、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。

請求項30

前記スラリー重合を、脂肪族炭化水素希釈剤中で実施する、請求項28又は29に記載の方法。

請求項31

前記第1の重合段階を、水素の存在下で実施する、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。

請求項32

前記第1の重合段階において反応器汚染がない、請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。

請求項33

前記第2の重合を、水素の存在下で実施する、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。

請求項34

前記第2の重合を、水素の非存在下で実施する、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。

請求項35

前記第2の重合段階において反応器汚染がない、請求項1から34のいずれか一項に記載の方法。

請求項36

第1の重合段階及び第2の重合段階からなる、請求項1から35のいずれか一項に記載の方法。

請求項37

前記第1の重合段階が、前記多峰性ポリエチレンの1〜65wt%を生成する、請求項1から36のいずれか一項に記載の方法。

請求項38

前記第2の重合段階が、前記多峰性ポリエチレンの35〜99wt%を生成する、請求項1から37のいずれか一項に記載の方法。

請求項39

第1の重合段階、第2の重合段階及び第3の重合段階からなる、請求項1から38のいずれか一項に記載の方法。

請求項40

前記第3の重合を、スラリー条件で実施する、請求項39に記載の方法。

請求項41

前記第3の重合段階が、前記多峰性ポリエチレンの0.5〜30wt%を生成する、請求項39又は40に記載の方法。

請求項42

逐次的な工程(a)〜(c):(a)第1の重合段階でエチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合して、低分子量エチレン(LMW)ポリマーを生成する工程、(b)第2の重合段階でエチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合して、第1の高分子量エチレンポリマー(HMW1)を生成する工程、及び(c)第3の重合段階でエチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合して、第2の高分子量エチレンポリマー(HMW2)を生成する工程を含む、請求項39から41のいずれか一項に記載の方法。

請求項43

逐次的な工程(a)〜(c):(a)第1の重合段階でエチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合して、低分子量エチレンポリマー(LMW)を生成する工程、(b)第2の重合段階でエチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合して、第2の高分子量エチレンポリマー(HMW2)を生成する工程、及び(c)第3の重合段階でエチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合して、第1の高分子量エチレンポリマー(HMW1)を生成する工程を含む、請求項39から41のいずれか一項に記載の方法。

請求項44

前記第2及び/又は第3の重合段階において反応器汚染がない、請求項1から43のいずれか一項に記載の方法。

請求項45

連続式又は連続式、好ましくは連続式である、請求項1から44のいずれか一項に記載の方法。

請求項46

前記多峰性ポリエチレンが、2峰性又は3峰性分子量分布を有する、請求項1から45のいずれか一項に記載の方法。

請求項47

前記多峰性ポリエチレンが、100,000〜250,000g/molのMwを有する、請求項1から46のいずれか一項に記載の方法。

請求項48

前記多峰性ポリエチレンが、18,000〜40,000g/molのMnを有する、請求項1から47のいずれか一項に記載の方法。

請求項49

前記多峰性ポリエチレンが、1〜25のMWDを有する、請求項1から48のいずれか一項に記載の方法。

請求項50

前記多峰性ポリエチレンが、0.005〜0.2g/10minのMFR2を有する、請求項1から49のいずれか一項に記載の方法。

請求項51

前記多峰性ポリエチレンが、0.05〜1g/10minのMFR5を有する、請求項1から50のいずれか一項に記載の方法。

請求項52

前記多峰性ポリエチレンが、0.5〜10wt%のコモノマーを含む、請求項1から51のいずれか一項に記載の方法。

請求項53

前記多峰性ポリエチレンが、920〜980kg/dm3の密度を有する、請求項1から52のいずれか一項に記載の方法。

請求項54

前記多峰性ポリエチレンが、250〜400g/dm3のかさ密度を有する、請求項1から53のいずれか一項に記載の方法。

請求項55

前記多峰性ポリエチレンが、0〜800wt ppmの灰分含量を有する、請求項1から54のいずれか一項に記載の方法。

請求項56

前記多峰性ポリエチレンが、100wtppm未満の、モーススケールで3超の硬度の材料を含有する、請求項1から55のいずれか一項に記載の方法。

請求項57

前記多峰性ポリエチレンが粒子の形態である、請求項1から56のいずれか一項に記載の方法。

請求項58

前記第1のエチレンポリマーが、少なくとも10g/10minのMFR2を有する、請求項1から57のいずれか一項に記載の方法。

請求項59

前記第1のエチレンポリマーが、10〜1000g/10minのMFR2を有する、請求項1から58のいずれか一項に記載の方法。

請求項60

請求項1から59のいずれか一項に記載の方法によって得ることができる多峰性ポリエチレン。

請求項61

請求項1から59のいずれか一項に記載の方法によって得られる多峰性ポリエチレン。

請求項62

i)多峰性分子量分布、ii)少なくとも50,000g/molの分子量、iii)0.2g/10min未満のMFR2、iv)1g/10min未満のMFR5、v)少なくとも250g/dm3のかさ密度、及びvi)800ppm wt未満の灰分含量を含む、メタロセン多峰性ポリエチレン。

請求項63

100wtppm未満の、モーススケールで3超の硬度の材料を含有する、請求項62に記載のメタロセン多峰性ポリエチレン。

請求項64

パイプを調製するための方法であって、i)請求項1から59のいずれか一項に記載の方法によって多峰性ポリエチレンを調製する工程、及びii)前記多峰性ポリエチレンを押出してパイプを生産する工程を含む、方法。

請求項65

請求項64に記載の方法によって得ることができるパイプ。

請求項66

請求項64に記載の方法によって得られるパイプ。

請求項67

請求項60から63のいずれか一項に記載のメタロセン多峰性ポリエチレンを含むパイプ。

技術分野

0001

本発明は、多峰性(multimodal)ポリエチレンを調製するための多段階重合方法であって、少なくとも第1及び第2の重合段階が非支持型メタロセン触媒の存在下で実施される方法に関する。本発明は、多峰性分子量分布、少なくとも50,000g/molの分子量及び少なくとも250g/dm3のかさ密度を有する、本方法によって生産される多峰性ポリエチレンにも関する。

背景技術

0002

ポリエチレン(PE)、特に高密度ポリエチレン(HDPE)は、パイプの生産のために最も一般的に使用されている材料である。HDPEパイプの製造のために使用されるポリエチレンは、耐衝撃性靱性及び引っかき抵抗性等の特定の機械的基準並びに化学的必要条件、例えば耐腐食性を満たす必要がある。パイプは多くの場合、高い内圧で使用され、外部の機械的力に曝される。全体の圧力は、通常、ポリマー降伏応力よりずっと低いが、機械的不具合はほぼ常に、ポリマーが化学的に分解する前に起こる。これが、降伏応力を超える欠陥周りでの強い局在的応力分布を引き起こす、ポリエチレンパイプにおけるマイクロメートルサイズ局所不均一性の存在に起因しているということは、一般に認められている。そうした応力集中は、クレーズフィブリル破裂によるクレーズの形成及び成長を誘発する。これに関連して、局所不均一性ができるだけ低いPEを使用することが非常に重要である。通常、これらの不均一性は、特にメタロセン触媒が関連している場合、シリカ又は他の関連無機担体が使用されている支持型触媒由来する。

0003

ポリエチレンパイプは、その可撓性、変形性及び長い長さでの利用可能性のため、非従来型のパイプ設置に特に適している。最新のリライニング技術の広範な使用及び迅速なパイプ設置の実践は、これらの技術に特有であり、緩慢亀裂成長(SCG)を容易にする、特に、引っかき傷ノッチ切り目(nick)及び衝撃の影響に関する、高い材料要求事項及び性能の保証を必要とする。最新の非掘削式(no-dig)又は溝なし型設置法(例えば、パイプバースティング、水平方向掘削)によりパイプを設置する場合、そのパイプを、地面を通して水平に引きずる。例えば道路や他の設備等の地面の表面を乱す必要なく、設置コストは大幅に低下するという点で非常に有利であることが多いが、他方、非掘削方式は石、岩等が飛び出して、長さ方向でパイプの外面を傷つける傾向が高いという欠点をもたらす。更に、パイプの内部に圧力がかけられた場合、そうした長さ方向の傷の底部に、非常に高い局所接線応力が存在することになる。したがって、そうした傷は、そうでなければ決して開始することさえない、壁を通したクラック伝播を開始させるので、残念ながら非常に有害である。

0004

パイプの性能レベルに対するこれらの必要条件は、したがって、それらの生産のために使用されるポリエチレンが特定の必要条件を満たさなければならないということを意味する。一般に、パイプ生産に使用されるポリエチレンは以下の特性を有する。

0005

0006

パイプ生産用の市販のポリエチレンは、一般に、クロム触媒又はチーグラーナッタ触媒を使用することによって調製される。クロム(Phillips社)触媒を用いて単一の反応器において作製される単峰性HDPEは、厳しい圧力パイプ用途に関して、比較的劣った特性プロファイルをもたらす。チーグラーナッタ触媒を使用して作製されたHDPEパイプは、通常、直列稼働される2つの反応器;より低分子量のホモポリマーを作製する1つの反応器、及びコモノマーを含有するより高分子量のポリマーを作製する1つの反応器を用いて調製され、これは、単峰性クロムHDPEと比較してより良好な特性プロファイルをもたらす。チーグラーナッタ触媒は、そのポリエチレンに必要とされる機械的特性を提供する高い分子量の高密度ポリエチレンの生産ができるようにする。しかし、チーグラーナッタ触媒を使用することの欠点は、そのポリエチレンが不均一なコモノマーの取り込みを有する傾向があるという点である。

0007

メタロセン触媒は、チーグラーナッタやクロム触媒と比較して、ポリマー中へのコモノマーの取り込みがはるかに均一であるため、ポリエチレンパイプ生産において使用するのに魅力的なものである。ここで、均一なコモノマーの取り込みということは、全体的な分子量範囲にわたって、コモノマーがポリマー鎖中に同じような量で取り込まれることを意味する。チーグラーナッタ触媒とは対照的に、コモノマーは一般に、特定の分子量を有するポリマー鎖中にだけ取り込まれる。メタロセンでの改善されたコモノマーの取り込み特性は、例えば、パイプ特性に重大な影響を及ぼす、ポリマーの緩慢な亀裂成長及び急速なクラック伝播挙動を大幅に改善することになる。

0008

現在、メタロセン触媒は、パイプ生産用のポリエチレンの生産のために、チーグラーナッタ触媒より、商業的にはずっと少ない程度にしか利用されていない。メタロセン触媒を商業規模のプロセスで使用する場合、それらは、外部的な担体又は支持体上で使用される傾向がある。支持体の使用によって、非支持型メタロセンの使用で一般に遭遇する反応器汚染ポリマー形態の不良及び低いポリマーかさ密度の問題が回避される。しかし、支持型メタロセン触媒は、比較的低い活性を有しており、比較的低い分子量のポリエチレンを常に生じる。これは、それらがパイプ生産用には適さないことを意味する。低い重合活性のため、支持型メタロセン触媒はまた、高い灰分含量及び高いゲル含量を有するポリエチレンをもたらす。上記したように、ポリマー構造における局所不均一性に起因して、高い灰分含量及び高いゲル含量は多くの場合、クラック及び破損を意味する、パイプでの機械的不具合をもたらす。それらは多くの場合、例えば液体流動性に対して影響を及ぼす内部及び外部表面上への粗さの持ち込みによって、パイプの外観及び性能にも影響を及ぼす。また、高い灰分含量は、ポリマーの電気特性に影響を及ぼし、より高い導電性をもたらす。

0009

シリカは一般に、支持型メタロセン触媒における担体として使用され、したがって、生産されるポリマー中に留まることになる。シリカは硬質の材料であり、鋼鉄を傷つけることになる。ポリマー中に存在するシリカ粒子は、ポリマー生産プラントと、数百バール溶融圧力のもとで金属表面に沿ってポリマーを流して有用な製品を形成させる後続する溶融との両方において、ポリマー溶融物取り扱い機器、例えば押出機やダイの金属表面を傷つけることになる。長い期間にわたる連続した傷は、最終的にポリマー溶融物取り扱い機器を摩滅させる結果となる。

0010

また、生成したポリマーにおける異物粒子、例えばシリカ粒子のレベルは極めて重要である。その理由は、ポリマー内部での、例えば触媒、残留物の量が、そのポリマーを使用し得る用途を決定するのに重要な役割を果たすからである。例えば、高い強度及び透明度を有するフィルムエレクトロニクス光学媒体及び医薬包装は、ポリマー中で残留物が最少レベルであることを必要とする。

0011

WO98/58001は、メタロセン触媒を使用して多段階重合を実施する、パイプ生産用のポリエチレンの調製のための方法を開示している。重合の第1段階において水素が存在するが、そこで水素は完全に消費され、その結果、第2段階重合は水素の非存在下で行われる。第1段階重合は低分子量ポリマーを生成し、第2段階重合は高分子量ポリマーを生成する。

0012

WO98/58001は、支持型メタロセン触媒の使用に焦点を当てている。これは、重合で使用するために、メタロセン錯体固体基材上に支持させることが特に望ましいことを教示している。好ましい基材は、無機酸化物、例えばシリカ、アルミナ、シリカ-アルミナ、ジルコニア無機ハロゲン化物又は多孔質ポリマー粒子等の多孔質微粒子である。WO98/58001では、実施例のすべてが、支持型メタロセン触媒を使用している。

0013

WO98/58001は、その方法が、0.01〜100g/10minのMFR2、30,000〜500,000g/molの重量平均分子量、100〜165℃の融点及び20〜70%の結晶化度を有するポリエチレンをもたらすことを教示している。WO98/58001の実施例は、多くのポリエチレンの調製を例示している。生産されるポリマーのMFR2値は、常に1g/10min(c.f. 0.01g/10min超、その範囲の最小値)より大きく、多くの場合それは大幅に大きく、いくつかの実施例では43及び32g/10minのMFR2値を有するポリマーが生成している。WO98/58001の実施例で生産されているポリエチレンのどれも、ポリエチレンパイプ生産のための理想的な値である<0.1g/10minのMFR2(圧力パイプについてMFR5=0.2〜0.5g/10min)を有していない。後の実施例の部で示されるように、これは、WO98/58001に例示されている支持型触媒を使用して、パイプ生産に適したポリエチレン(すなわち、高い分子量及び低いMFR2)を生産することは不可能であるという本出願人の知見に合致している。

0014

米国特許出願公開第2011/0091674号は、エチレンの多峰性コポリマー、及びメタロセン触媒の存在下で実施される多段階重合方法でのそれらの調製を開示している。その触媒は、シリカ等の微粒子支持体上又は凝固したアルモキサン上、或いはエマルション凝固技術を用いて調製される固体粒子として、固体形態で使用されている。

0015

WO2013/113797は、3段階重合方法を用いた多峰性ポリエチレンの生産のための方法を開示している。WO2013/113797は、重合プロセスのためのチーグラーナッタ触媒系の使用に焦点を当てている。

0016

WO2013/091837は、架橋されたビス(インデニル)配位子、それらの調製のための方法、及びエチレンの重合において使用し得るメタロセン錯体の調製におけるそれらの使用を開示している。

先行技術

0017

WO98/58001
米国特許出願公開第2011/0091674号
WO2013/113797
WO2013/091837
米国特許第6291611号
WO93/023439

発明が解決しようとする課題

0018

低い反応器汚染及び高い活性で進行し、パイプ生産に適したポリエチレンをもたらす、メタロセンベースのポリエチレン重合方法を開発する必要性がある。このポリエチレンは、高分子量、低いMFR5、高いかさ密度(良好な粒子形態を示す)、及び理想的には低い灰分及びゲル含量を有しているべきである。

課題を解決するための手段

0019

第1の態様からみると、本発明は、多峰性ポリエチレンを調製するための方法であって、
(i)第1の重合段階でエチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合して、第1のエチレンポリマーを生成する工程;及び
(ii)第2の重合段階で、前記第1のエチレンポリマーの存在下、エチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合する工程を含み、
前記第1及び第2の重合段階を非支持型メタロセン触媒の存在下で実施し、各重合段階が前記多峰性ポリエチレンの少なくとも5wt%を生成し、
前記多峰性ポリエチレンが、多峰性分子量分布、少なくとも50,000g/molの分子量及び少なくとも250g/dm3のかさ密度を有し、
溶媒中の前記非支持型メタロセン触媒の溶液を使用する、方法を提供する。

0020

更なる態様からみると、本発明は、上記に定義したような方法によって得ることができる多峰性ポリエチレンを提供する。

0021

更なる態様からみると、本発明は、上記に定義したような方法によって得られる多峰性ポリエチレンを提供する。

0022

更なる態様からみると、本発明は、
i)多峰性分子量分布;
ii)少なくとも50,000g/molの分子量;
iii)0.2g/10min未満のMFR2;
iv)1g/10min未満のMFR5;
v)少なくとも250g/dm3のかさ密度;及び
vi)800ppm wt未満の灰分含量
を含む、メタロセン多峰性ポリエチレンを提供する。

0023

更なる態様からみると、本発明はパイプを調製するための方法であって、
i)上記に定義したような方法によって多峰性ポリエチレンを調製する工程;及び
ii)前記多峰性ポリエチレンを押出してパイプを生産する工程
を含む方法を提供する。

0024

更なる態様からみると、本発明は、上記に定義したような方法によって得ることができるパイプを提供する。

0025

更なる態様からみると、本発明は、上記に定義したような方法によって得られるパイプを提供する。

0026

更なる態様からみると、本発明は、上記に定義したようなメタロセン多峰性ポリエチレンを含むパイプを提供する。

実施例

0027

定義
本明細書で使用される「ポリエチレン」という用語は、少なくとも50wt%、なおより好ましくは少なくとも75wt%、なおより好ましくは少なくとも85wt%、更により好ましくは少なくとも90wt%のエチレンから誘導される単位を含むポリマーを指す。

0028

本明細書で使用される「エチレンホモポリマー」という用語は、エチレンから誘導される繰り返し単位から本質的になるポリマーを指す。ホモポリマーは、例えば少なくとも99wt%、好ましくは少なくとも99.5wt%、より好ましくは少なくとも99.9wt%、なおより好ましくは少なくとも99.95wt%、例えば100wt%のエチレンから誘導される繰り返し単位を含むことができる。

0029

本明細書で使用される「エチレンコポリマー」という用語は、エチレン及び少なくとも1つの他のモノマーの繰り返し単位を含むポリマーを指す。典型的なコポリマーでは、繰り返し単位の少なくとも0.05wt%、より好ましくは少なくとも0.1wt%、なおより好ましくは少なくとも0.4wt%が、エチレン以外の少なくとも1つのモノマーから誘導される。一般的に、エチレンコポリマーは、15質量%超の、エチレン以外のモノマーから誘導される繰り返し単位を含まないことになる。

0030

本明細書で使用される、wt%は、別段の指定のない限り、ポリエチレンの質量に対して表される。

0031

本明細書で使用される「(より)低い(lower)」及び「(より)高い(higher)」という用語は相対的に使用される。したがって、低分子量エチレンポリマーは、高分子量ポリマーより低い分子量を有する。

0032

本明細書で使用される、LMWポリマーという用語は、低分子量エチレンポリマーを指す。

0033

本明細書で使用される、HMW1という用語は、第1の高分子量エチレンコポリマーを指す。本明細書で使用される、HMW2という用語は、第2の高分子量エチレンポリマーを指す。HMW1及びHMW2は、それぞれ、LMWポリマーより高い分子量を有する。HMW1又はHMW2のいずれかが最も高い分子量を有しても、また、それらが同じ分子量を有してもよい。

0034

「分子量」という用語が使用される場合、別段の指定のない限り、常に、重量平均分子量(Mw)を意味する。

0035

本明細書で使用される「多峰性」という用語は、その成分についての異なる重量平均分子量及び分子量分布、及び/又は異なるコモノマー含量をもたらす、多段階重合条件下で生産された複数の成分又は画分を含むポリマーを指す。接頭辞の「多(multi)」は、ポリマー中に存在する異なる成分の数を指す。したがって、例えば、2つの成分だけからなるポリマーは「2峰性」と称され、3つの成分だけからなるポリマーは「3峰性」と称される。

0036

本明細書で使用される「多峰性分子量分布」という用語は、分子量分布曲線の形態、すなわち、その分子量の関数としてのポリマー質量分率の外観を指す。多峰性分子量分布を有するポリエチレンは、2つ以上の極大値を示すことができる、又は少なくとも、個々の成分についての曲線と比較して明確に広がり得る。更に、多峰性は、成分の溶融又は結晶化温度曲線の差として示し得る。対照的に、一定の重合条件下で生産された1つの成分を含むポリマーは、本明細書では単峰性と称される。

0037

本明細書で使用される「多峰性組成物」という用語は、それぞれ組成が異なっている複数の成分又は画分を含む組成物を指す。これらの成分又は画分は、それぞれ異なる構成組成物を有することが好ましい。したがって、例えば、エチレンホモポリマー、0.1wtコモノマーを含むエチレンコポリマーを含む組成物は、多峰性組成物、具体的には2峰性組成物である。

0038

本明細書で使用される「多段階重合」という用語は、2つ以上の段階で実施される重合を指す。一般に、各段階は、別個の反応器において実施される。多段階重合という用語は、複数工程重合と互換的に使用される。

0039

本明細書で使用される「重合段階」という用語は、生産されるポリエチレンの量が最終多峰性ポリエチレンの少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも3wt%、より好ましくは少なくとも5wt%を構成する重合工程を指す。一部の重合は、その重合触媒が比較的少量のモノマーと重合される予備重合段階を含む。予備重合は一般に、最終ポリエチレンの最大で3wt%を生成するが、5wt%超は確実に生成しない。これは、本明細書では重合段階と見なさない。

0040

本明細書で使用される、触媒系という用語は、重合反応触媒作用する全活性エンティティを指す。一般に、触媒系は、遷移金属化合物(活性部位前駆体)、及びその遷移金属化合物を活性化させることができる活性化剤(activator)(共触媒と称されることがある)を含む配位触媒系である。

0041

本明細書で使用される「メタロセン触媒」という用語は、その配位子のそれぞれが非局在化π電子系を含む少なくとも2つの配位子を有する3〜10族金属錯体を指す。

0042

本明細書で使用される「非支持型」という用語は、外部担体がないことを指す。言い換えれば、そのメタロセンは、別の外部担体上に支持又は担持されていない。支持体の典型的な例はシリカ及びアルミナである。

0043

本明細書で使用される「スラリー重合」という用語は、ポリマーが液体中で固体として形成される重合を指す。その液体はポリマーのモノマーであってよい。後者の場合、その重合はバルク重合と称されることがある。スラリー重合という用語は、当業界で超臨界重合と称されることがある、すなわち、そのポリマーが、臨界点、又はその液体が混合物である場合その疑似臨界点に比較的近い流体中に懸濁された固体である重合を包含する。その圧縮係数が、その臨界圧縮係数、又は混合物の場合その疑似臨界圧縮係数の2倍未満であると、流体は、その臨界点に比較的近いと見なすことができる。

0044

本明細書で使用される「ヒドロカルビル基」という用語は、炭素及び水素だけを含む任意の基を含む。

0045

本明細書で使用される「ハロゲン」という用語は、F、Cl、Br及びIからなる基から選択される原子を包含する。

0046

本明細書で使用される「アルキル」という用語は、飽和鎖状分枝状又は環状基を指す。アルキル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。

0047

本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、二重結合を含む直鎖状、分枝状又は環状基を指す。アルケニル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。

0048

本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、三重結合を含む直鎖状、分枝状又は環状基を指す。アルキニル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。

0049

本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、3〜10個の炭素原子を含有する飽和又は部分飽和単環式又は二環式アルキル環系を指す。シクロアルキル基は、置換されていても置換されていなくてもよい。

0050

本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、アルキルが上記定義の通りであるO-アルキル基を指す。

0051

本明細書で使用される「ハロアルキル」という用語は、1個又は複数の水素原子ハロ原子、例えばF又はCl、特にFで置き換えられている飽和直鎖状、分枝状又は環状基を指す。

0052

本明細書で使用される「フルオロカーボン」という用語は、1個又は複数の水素原子がフッ素原子で置き換えられている炭化水素を指す。

0053

本明細書で使用される「フルオロカルビル」という用語は、炭素、フッ素及び水素を含む任意の基を指す。

0054

本明細書で使用される「フルオロカーボン界面活性剤」という用語は、ポリフッ素化されていても過フッ素化されていてもよく、それらが親水性頭部基、例えばC02H、S03H、OH及び疎水性のフッ素化尾部を有する、複数のフッ素原子を有する合成有機フッ素化合物を指す。

0055

本明細書で使用される「アリール」という用語は、少なくとも1つの芳香環を含む基を指す。アリールという用語は、ヘテロアリール並びに1つ又は複数の芳香環がシクロアルキル環縮合されている縮合環系を包含する。アリール基は、置換されていても置換されていなくてもよい。

0056

本明細書で使用される「アリールアルキル」又は「アラルキル」という用語は、上記で定義されるようなアリール基で置換されている上記で定義されるようなアルキル基を指す。

0057

本明細書で使用される「アリールアルケニル」という用語は、上記で定義されるようなアリール基で置換されている上記したようなアルケニル基を指す。

0058

本明細書で使用される「アリールオキシ」という用語は、アリールが上記定義の通りであるO-アリール基を指す。

0059

本明細書で使用される「アリールアルコキシ」という用語は、アリールアルキルが上記定義の通りであるO-アリールアルキル基を指す。

0060

本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、1個又は複数の環炭素原子が、-O-、-N-又は-S-等の少なくとも1個のヘテロ原子で置き換えられている少なくとも1つの芳香環を含む基を指す。

0061

アルキル、シクロアルキル、アルケニル及びアルキニル基並びにアリールアルキル又はアリールアルケニル基のアルキル又はアルケニル部分上に存在し得る任意の置換基は、それぞれ、1個又は複数の非隣接C原子が、O、S、N、C=O及び-COO-、置換又は非置換C5〜14アリール、置換又は非置換C5〜14ヘテロアリール、C1〜16アルコキシ、C1〜16アルキルチオハロ、例えばフッ素及び塩素シアノ、及びアリールアルキルで置き換えられていてよいC1〜16アルキル又はC1〜16シクロアルキルを含む。

0062

(発明の詳細な説明)
本発明の方法は、エチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーが第1の重合段階で重合して、第1のエチレンポリマーを生成し、次いで、第1のエチレンポリマーの存在下で、エチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーでの第2の重合段階が実施される、多段階重合方法である。第1の重合段階と第2の重合段階は、どちらも非支持型メタロセン触媒で実行される。有利なことに、反応器汚染は起こらず、非支持型触媒の活性は高く、重合の全般的活性は高い。本発明の方法によって得られる多峰性ポリエチレンは、多峰性分子量分布を有し、驚くべきことに、少なくとも50,000g/molの高い分子量(Mw)、及び少なくとも250g/dm3のかさ密度を有し、このかさ密度は良好な粒子形態を反映している。したがって、多峰性ポリエチレンは、パイプを形成させるための押出しに適している。

0063

メタロセン触媒
本発明の方法は、非支持型メタロセン触媒を使用する。したがって、本発明のメタロセン触媒は、シリカ又はアルミナ等の担体を含まない。支持体が存在しないことは、支持型触媒と比較して、より高い、金属のモル当たり触媒活性を含む、いくつかの利点をもたらす。本発明の方法で使用される非支持型メタロセン触媒は、より高い分子量、より低いMFR2/5及び同一条件下での対応する支持型メタロセン触媒に匹敵するかさ密度の多峰性ポリエチレンを生成する。非支持型メタロセン触媒はまた、予想外に、低い灰分含量及び低いゲルを有する多峰性ポリエチレンも生成する。有利なことに、この方法で得られる多峰性ポリエチレンは、パイプの生産に適している。

0064

メタロセン触媒は、少なくとも2つの配位子を有する3〜10族金属の錯体であり、配位子のそれぞれは非局在化π電子系を含む。配位子は、シクロペンタジエニル基を含むことが好ましい。配位子は、例えば置換若しくは非置換シクロペンタジエニル、置換若しくは非置換インデニル、置換若しくは非置換フルオレニル又は置換若しくは非置換テトラヒドロインデニルであってよい。したがって、適切な配位子には、それぞれ任意に置換されていてよい、以下の構造のものが含まれる:

0065

0066

置換若しくは非置換シクロペンタジエニル、置換若しくは非置換インデニル又は置換若しくは非置換テトラヒドロインデニル配位子を含むメタロセンが好ましい。置換又は非置換テトラヒドロインデニル配位子を含むメタロセンが特に好ましい。

0067

本発明の方法で使用するのに好ましいメタロセンでは、2つの配位子が存在し、任意に、架橋基によって連結されている。2つの配位子上での置換パターンは同じであっても異なっていてもよい。本発明で使用されるメタロセンは、対称であっても非対称であってもよい。

0068

メタロセンは、好ましくは3〜10族、より好ましくは4〜6族、なおより好ましくは4族の少なくとも1つの金属イオンを含む。その金属イオンは、配位子のπ電子とη結合している。好ましい金属イオンは、Zr、Hf又はTi、より好ましくはZr又はHfから選択される金属、なおより好ましくはZrによって形成される。

0069

好ましいメタロセンは、式(I):
(Cp)2LnMX2 (I)
(式中、
各Cpは、非局在化π電子系を有する環状基であり;
Lは、1〜7個の原子の架橋であり;
nは0又は1であり;
Mは、3〜10族、好ましくは4〜6族、より好ましくは4族の遷移金属、例えばTi、Zr又はHf、特にZr又はHf、具体的にはZrであり;
各Xは、独立に、σ配位子である)
化合物である。

0070

式(I)の化合物において、Cpは、好ましくは少なくとも1つのシクロペンタジエニル基を含む非置換又は置換配位子である。より好ましくは、Cpは、置換若しくは非置換シクロペンタジエニル、置換若しくは非置換インデニル又は置換若しくは非置換テトラヒドロインデニルである。なおより好ましくはCpは、それぞれが上記に定義したように任意に置換されているシクロペンタジエニル、インデニル又はテトラヒドロインデニルである。更により好ましくは、Cpは置換又は非置換テトラヒドロインデニルである。

0071

Cp基上に存在する1つ又は複数の任意の置換基は、独立に、ハロゲン、ヒドロカルビル(例えば、C1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C3〜12シクロアルキル、C6〜20アリール又はC7〜20アリールアルキル)、その環部分中に1、2、3若しくは4個のヘテロ原子を含有するC3〜12シクロアルキル、C6〜20ヘテロアリール、C1〜20ハロアルキル、-SiR''3、-OSiR''3、-SR''、-PR''、-OR''又は-NR''2(各R''は独立に、水素、又はヒドロカルビル、例えばC1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C3〜20シクロアルキル若しくはC6〜20アリールである;或いは、例えば-NR''2の場合、2つの置換基R''は、それらが結合している窒素原子一緒になって環、例えば5若しくは6員環を形成していてよい)から選択されることが好ましい。

0072

いくつかの好ましい式(I)の化合物では、各Cpは、上記で定義したような1、2、3又は4個の置換基、好ましくは1、2又は3個の置換基、より好ましくは1又は2個の置換基、例えば1個の置換基で置換されている。好ましい置換基は、C1〜20アルキル、C6〜20アリール、C7〜20アリールアルキル(ここで、アリール環は、単独又は他の部分の一部として、上述したように更に置換されていてよい)、-OSiR''3(R''は独立に、水素、又はヒドロカルビル、例えばC1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C3〜20シクロアルキル又はC6〜20アリールである;或いは、例えば-NR''2の場合、2つの置換基R''は、それらが結合している窒素原子と一緒になって環、例えば5若しくは6員環を形成していてよい)から選択される。C1〜20アルキルは特に好ましい置換基である。メチルエチルプロピル(例えば、n-プロピル)、ブチル(例えば、n-ブチル)、ペンチル(例えば、n-ペンチル)及びヘキシル(例えば、n-ヘキシル)が特に好ましい。他の好ましい式(I)の化合物では、各Cpは置換されていない。

0073

いくつかの好ましい式(I)の化合物では、nは0である、すなわち、配位子間に架橋が存在しない。他の好ましい式(I)の化合物では、nは1である。

0074

式(I)の化合物において、nが1である場合、Lは好ましくは1〜4個のC原子及び0〜4個のヘテロ原子の架橋であり、そのヘテロ原子は、例えばSi、Ge及び/又はO原子であってよく、その架橋原子のそれぞれは、独立に、置換基(例えば、C1〜20アルキル、トリ(C1〜20アルキル)シリル、トリ(C1〜20アルキル)シロキシ又はC6〜20アリール置換基);或いは、Si、Ge及び/又はO原子等の1〜3個、例えば1若しくは2個のヘテロ原子の架橋、例えば-SiR'''2(各R'''は独立に、C1〜20アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜20アリール又はトリ(C1〜20アルキル)シリル、例えばトリメチルシリルである)を含んでよい。より好ましくは、存在する場合(すなわち、nが1である)、Lはメチレン、エチレン又はシリル架橋であり、それによって、シリルは上記に定義したように置換され得る。より好ましくは、Lが存在する場合、それは、メチレン又はエチレン架橋、特に好ましくはエチレン架橋である。

0075

式(I)の化合物において、Mは、好ましくは4族の遷移金属、例えばTi、Zr又はHf、特にZr又はHf、具体的にはZrである。金属イオンの酸化状態は、問題となる金属イオンの性質、及び各金属イオンの個々の酸化状態の安定性によって主に支配される。しかし、金属イオンが3+又は4+酸化状態、特に4+であることが好ましい。

0076

式(I)の化合物において、各Xは独立に、好ましくは、H、ハロゲン、C1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C3〜12シクロアルキル、C6〜20アリール、C6〜20アリールオキシ、C7〜20アリールアルキル、C7〜20アリールアルケニル、-SR''、-PR''、SiR''3、-OSiR''3、-NR''2又は-CH2Y(式中、Yは、C6〜20アリール、C6〜20ヘテロアリール、C1〜20アルコキシ、C6〜20アリールオキシ、-NR''2、-SR''、-PR''3、-SiR''3又は-OSi''3であり、各R''は独立に、水素、又はヒドロカルビル、例えばC1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C3〜20シクロアルキル又はC6〜20アリールである;或いは、例えば-NR''2の場合、2つの置換基R''は、それらが結合している窒素原子と一緒になって環、例えば5若しくは6員環を形成していてよい)である。好ましくは、Xは、ハロゲン、C1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C6〜20アリール、C7〜20アリールアルケニル、又は上記で定義したようなNR''2、例えば-N(C1〜20アルキル)2である。より好ましくは、各Xは、ハライド、特に好ましくはClである。

0077

メタロセン上に存在する配位子は同一であることが好ましい。その配位子は、各環上の同等の位置に存在することが好ましい。本発明のメタロセン化合物は、ラセミ体であることが好ましい。

0078

メタロセンの1つの好ましいサブグループは式(II):

0079

0080

(式中、
Mは、4族等の4〜6族の遷移金属、例えばTi、Zr又はHf、特にZr又はHf、具体的にはHfであり、
各Xは、独立に、σ配位子、好ましくはハロゲン、C1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C6〜20アリール、C7〜20アリールアルケニル又は上記で定義したような-NR''2、例えば-N(C1〜20アルキル)2であり;
R1及びR1'は、それぞれ独立に、ヒドロカルビル(例えば、C1〜20ヒドロカルビル基、例えばC1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C3〜20シクロアルキル、C3〜20シクロアルケニル、C6〜20アリール、C7〜20アルキルアリール又はC7〜20アリールアルキル)であり;
R2、R2'、R3、R3'、R4、R4'、R5及びR5'は、それぞれ独立に、H又はC1〜20ヒドロカルビルである)
のものである。

0081

式(II)の好ましい化合物では、Mは、4族の遷移金属、例えばTi、Zr又はHf、特にZr又はHf、具体的にはHfである。

0082

式(II)の好ましい化合物では、Xは、好ましくは、H、ハロゲン、C1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C3〜12-シクロアルキル、C6〜20アリール、C6〜20アリールオキシ、C7〜20アリールアルキル、C7〜20アリールアルケニル、-SR''、-PR''3、-SiR''3、-OSiR''3、-NR''2又は-CH2-Y(式中、Yは、C6〜20アリール、C6〜20ヘテロアリール、C1〜20アルコキシ、C6〜20アリールオキシ、NR''2、-SR''、-PR''3、-SiR''3又は-OSiR''3であり、各R''は独立に、水素、又はヒドロカルビル、例えばC1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C3〜12シクロアルキル又はC6〜20アリールである;或いは、例えば-NR''2の場合、2つの置換基R''は、それらが結合している窒素原子と一緒になって環、例えば5若しくは6員環を形成していてよい)である。好ましくは、Xは、ハロゲン、C1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C6〜20アリール、C7〜20アリールアルケニル又は上記で定義したような-NR''2、例えば-N(C1〜20アルキル)2である。より好ましくは、各Xは、ハライド、特に好ましくはClである。

0083

式(II)の好ましい化合物では、R1及びR1'は、それぞれ独立に、C1〜20ヒドロカルビル基、より好ましくはC1〜20アルキル基又はC6〜20アリール基、なおより好ましくはC1〜20アルキル基である。更により好ましくは、R1及びR1'はC1〜10アルキル基、特に好ましくはC1〜6アルキル基である。最も特別に好ましくは、好ましいヒドロカルビル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tertブチル、フェニル又はベンジルである。

0084

式(II)の好ましい化合物では、R2、R2'、R3、R3'、R4、R4'、R5及びR5'は、それぞれ独立に、Hである。

0085

式(II)の好ましい化合物では、Xは、H、ハロゲン、C1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C3〜12-シクロアルキル、C6〜20アリール、C6〜20アリールオキシ、C7〜20アリールアルキル、C7〜20アリールアルケニル、-SR''、-PR''3、-SiR''3、-OSiR''3、-NR''2又は-CH2-Y(式中、Yは、C6〜20アリール、C6〜20ヘテロアリール、C1〜20アルコキシ、C6〜20アリールオキシ、NR''2、-SR''、-PR''3、-SiR''3又は-OSiR''3であり、各R''は、独立に、水素、又はヒドロカルビル、例えばC1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C3〜12シクロアルキル又はC6〜20アリールである;或いは、例えば-NR''2の場合、2つの置換基R''は、それらが結合している窒素原子と一緒になって環、例えば5若しくは6員環を形成していてよい)である。好ましくは、Xは、ハロゲン、C1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C6〜20アリール、C7〜20アリールアルケニル又は上記で定義したような-NR''2、例えば-N(C1〜20アルキル)2である。より好ましくは、各Xは、ハライド、特に好ましくはClである。

0086

メタロセンのより好ましいサブグループは式(III):

0087

0088

(式中、
Mは、4族等の4〜6族の遷移金属、例えばTi、Zr又はHf、特にZr又はHf、具体的にはZrであり、
各Xは、独立に、σ配位子、好ましくはハロゲン、C1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C6〜20アリール、C7〜20アリールアルケニル又は上記で定義したような-NR''2、例えば-N(C1〜20アルキル)2であり;
R1、R1'、R2、R2'は、それぞれ独立に、H、又はC1〜20ヒドロカルビル(例えば、C1〜20ヒドロカルビル基、例えばC1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C3〜20シクロアルキル、C3〜20シクロアルケニル、C6〜20アリール、C7〜20アルキルアリール又はC7〜20アリールアルキル)であり;
Lは、1〜4個のC原子及び0〜4個のヘテロ原子の架橋であり、そのヘテロ原子は、例えばSi、Ge及び/又はO原子であってよく、架橋原子のそれぞれは、独立に、置換基、例えばC1〜20アルキル、トリ(C1〜20アルキル)シリル、トリ(C1〜20アルキル)シロキシ又はC6〜20アリール置換基);或いは、ケイ素ゲルマニウム及び/又は酸素原子等の1〜3個、例えば1若しくは2個のヘテロ原子の架橋、例えば-SiR'''2-(各R'''は独立に、C1〜20アルキル、C3〜12シクロアルキル、C6〜20アリール又はトリ(C1〜20アルキル)シリル残基、例えばトリメチルシリルである)を含んでよい)
のものである。

0089

式(III)の好ましい化合物では、Mは、4族の遷移金属、例えばTi、Zr又はHf、特にZr又はHf、具体的にはZrである。

0090

式(III)の好ましい化合物では、Xは、好ましくはH、ハロゲン、C1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C3〜12-シクロアルキル、C6〜20アリール、C6〜20アリールオキシ、C7〜20アリールアルキル、C7〜20アリールアルケニル、-SR''、-PR''3、-SiR''3、-OSiR''3、-NR''2又は-CH2-Y(式中、Yは、C6〜20アリール、C6〜20ヘテロアリール、C1〜20アルコキシ、C6〜20アリールオキシ、NR''2、-SR''、-PR''3、-SiR''3又は-OSiR''3であり、各R''は独立に、水素、又はヒドロカルビル、例えばC1〜20アルキル、C2〜20アルケニル、C2〜20アルキニル、C3〜12シクロアルキル又はC6〜20アリールである;或いは、例えば-NR''2の場合、2つの置換基R''は、それらが結合している窒素原子と一緒になって環、例えば5若しくは6員環を形成していてよい)である。好ましくは、Xは、ハロゲン、C1〜20アルキル、C1〜20アルコキシ、C6〜20アリール、C7〜20アリールアルケニル又は上記で定義したような-NR''2、例えば-N(C1〜20アルキル)2である。より好ましくは、各Xは、ハライド、特に好ましくはClである。

0091

式(III)の好ましい化合物では、R1、R1'、R2、R2'は、それぞれ独立に、Hである。

0092

式(III)の好ましい化合物では、Lは、メチレン、エチレン又はシリル架橋であり、そのシリルは上記に定義したように置換されていてよい。例えば(ジメチル)Si=、(メチルフェニル)Si=、(メチルシクロヘキシル)シリル=又は(トリメチルシリルメチル)Si=である。より好ましくは、Lが存在する場合、それはメチレン又はエチレン架橋である。

0093

特に好ましいメタロセンには、(nBuCp)2ZrCl2、(Ind)2ZrCl2及びEt-(テトラヒドロインデニル)2ZrCl2、(テトラヒドロインデニル)2ZrCl2、Et-(Ind)2ZrCl2、(nBuCp)2HfCl2、(Ind)2HfCl2及びEt-(テトラヒドロインデニル)2HfCl2、(テトラヒドロインデニル)2HfCl2及びEt-(Ind)2HfCl2が含まれる。(nBuCp)2HfCl2、(Ind)2ZrCl2及びEt-(テトラヒドロインデニル)2ZrCl2が特に好ましい。Et-(テトラヒドロインデニル)2ZrCl2が特に好ましい。

0094

メタロセンの調製は、文献により公知の方法にしたがって、又はそれと同様にして実施することができ、これは、当分野の技術者技能の範囲内である。本発明のメタロセンを形成させるために必要な配位子は、任意の方法で合成することができ、熟練した有機化学者は、必要な配位子の製造のための種々の合成プロトコールを考え出すことができるであろう。

0095

触媒は、フルオロカーボン又はフルオロカーボン界面活性剤を使用しないで生産することが好ましい。

0096

共触媒
本発明の方法では、共触媒を、メタロセン触媒と一緒に使用することが好ましい。その共触媒は、例えばアルミノキサンボラン又はボレートであってよい。好ましくは、共触媒アルミノキサン共触媒である。好ましくは、アルミノキサンを、C3〜10飽和アルカン又は芳香族炭化水素中に希釈する。より好ましくは、アルミノキサンを、C4〜10飽和アルカン又はトルエン中に希釈する。共触媒は、メタロセン触媒と一緒に、又は別個のフィードとして、反応器に添加することができる。好ましくは、アルミノキサンとメタロセンの混合物をC3〜10飽和アルカン又は芳香族炭化水素中に希釈し、反応器に供給する。より好ましくは、アルミノキサンとメタロセンの混合物をC4〜10飽和アルカン又はトルエン中に希釈し、反応器に供給する。溶媒がC3〜10飽和アルカンである場合、該溶媒は好ましくは、プロパンイソブタンヘキサン及びシクロヘキサンから選択される。溶媒がC4〜10飽和アルカンである場合、該溶媒は好ましくは、ヘキサン及びシクロヘキサンから選択される。

0097

アルミノキサン共触媒は、好ましくはオリゴマーである。好ましくは、アルミノキサン共触媒は式(IV):

0098

0099

(式中、
nは1〜20、より好ましくは3〜20、なおより好ましくは6〜20であり;
Rは、C1〜10アルキル(好ましくはC1〜5アルキル)、C3〜10シクロアルキル、C7〜12アラルキル、C7〜12アルカリール、フェニル又はナフチルである)
のものである。

0100

アルミノキサンは、有機アルミニウム化合物、例えば式AlR3、AlR2Y及びAl2R3Y3(Rは、例えばC1〜10アルキル、好ましくはC1〜5アルキル、C3〜10シクロアルキル、C7〜12アラルキル、C7〜12アルカリール、フェニル又はナフチルであってよく、Yは、水素、ハロゲン(好ましくは塩素又は臭素)又はC1〜10アルコキシ(好ましくはメトキシ又はエトキシ)である)のものの部分加水分解によって形成される。得られる酸素含有アルミノキサンは、一般に純粋な化合物ではなく、式(IV)のオリゴマーの混合物である。

0101

なおより好ましくは、アルミノキサンは、例えばおおよそ式(Al1.4R0.8O)n(nは10〜60であり、Rはアルキル基、例えばC1〜20アルキル基である)を有するかご状(例えば、多環状)分子である。好ましいアルミノキサンでは、RはC1〜8アルキル基、例えばメチルである。

0102

メチルアルミノキサン(MAO)は、好ましくは700〜1500の平均分子量を有する分子量分布をもつオリゴマーの混合物である。MAOは、触媒系で使用するのに好ましいアルミノキサンである。本発明の方法で共触媒として使用されるアルミノキサンは、それらの調製方法のため、純粋な化合物ではないので、アルミノキサン溶液のモル濃度は、以下、それらのアルミニウム含量をもとにすることとする。アルミノキサン中のAlのメタロセンの金属イオンに対する比は、好ましくは20:1〜1000:1mol/mol、好ましくは50:1〜500:1、特に100:1〜200:1mol/molの範囲である。

0103

アルミノキサンは、アルミニウムアルキル又はアルミニウムアルコキシ化合物で修飾することができる。特に好ましい修飾のための化合物は、アルミニウムアルキル、特にアルミニウムトリアルキル、例えばトリメチルアルミニウムトリエチルアルミニウム及びトリイソブチルアルミニウムである。トリメチルアルミニウムが特に好ましい。本発明の好ましいメタロセン及び共触媒は、有機アルミニウム化合物で修飾されていない。

0104

本明細書で説明する触媒系の調製に適しているMAO等のアルミノキサンは、例えばAlbemarle and Chemtura社から市販されている。例えば担体の細孔内部でのトリメチルアルミニウムの緩やかな加水分解によって、活性化剤をインサイチュで創製させることも可能である。この方法は当業界で周知である。

0105

一般的多段階重合プロセス
本発明の方法は多段階重合プロセスである。好ましくは、このプロセスは、2つ若しくは3つの段階又は工程、なおより好ましくは2つの段階又は工程を含む。好ましくは、多段階プロセスの各段階又は工程を、異なる反応器において実施する。好ましくは、そのプロセスは、半連続式又は連続式である。より好ましくは、そのプロセスは連続式である。

0106

本発明の方法では、各重合段階を、スラリー超臨界又は気相条件で実施することができる。しかし、本発明の好ましい方法では、少なくとも第1の重合段階をスラリー条件で実施する。本発明の更なる好ましい方法では、第2の重合段階を、スラリー、超臨界又は気相条件、より好ましくはスラリー条件で実施する。本発明の更に更なる好ましい方法では、第3の重合段階(存在する場合)を、スラリー、超臨界又は気相条件、より好ましくはスラリー条件で実施する。

0107

適切な重合プロセスには、例えば、LyondellBasell社によるポリエチレンのための、Hostalen段階型(staged)(そこでは、触媒系及びポリマーは、逐次的に反応器から反応器へ進む)タンクスラリー反応器プロセス、ポリエチレンのためのLyondellBasell-Maruzen段階型タンクスラリー反応器プロセス、Mitsui社によるポリエチレンのためのMitsui段階型タンクスラリー反応器プロセス、Chevron Phillips社によるCPC単ループスラリーポリエチレンプロセス、Ineos社によるInnovene段階型ループスラリープロセス、Borealis社によるポリエチレンのためのBorstar段階型スラリーループ及び気相反応器プロセス、及びLyondellBasell社によるSpheripolポリプロピレン段階型スラリー(バルク)ループ及び気相プロセスが含まれる。

0108

スラリー重合を実行するための条件は、当業界で十分確立されている。重合は、慣用的循環ループ型又は撹拌槽型反応器、好ましくは撹拌槽型反応器で実施することが好ましい。

0109

反応温度は、好ましくは30〜120℃、例えば50〜100℃の範囲である。反応圧力は、好ましくは1〜100バール、例えば5〜70バール又は2〜50バールの範囲となる。反応器中での全滞留時間は、好ましくは0.2〜6時間、例えば0.5〜1.5時間の範囲である。

0110

スラリー重合のために使用される希釈剤は、一般に、-70〜100℃の範囲の沸点を有する脂肪族炭化水素である。希釈剤は、好ましくは3〜10個の炭素原子の炭化水素である。好ましくは、それはn-ヘキサン又はイソブタンである。最も好ましくは、それはn-ヘキサンである。

0111

気相重合を実行するための条件は、当業界において十分確立されている。重合は、慣用的な気相反応器、例えばガスフィードによって流動化されるベッド又は機械的撹拌ベッド、又は循環ベッドプロセスで行われることが好ましい。

0112

気相反応温度は、好ましくは30〜120℃、例えば50〜100℃の範囲である。全ゲージ圧は、好ましくは1〜100バール、例えば10〜40バールの範囲である。全モノマー分圧は、好ましくは2〜20バール、例えば3〜10バールの範囲である。各気相反応器における滞留時間は、好ましくは0.3〜7時間、より好ましくは0.5〜4時間、なおより好ましくは0.7〜3時間、例えば0.9〜2時間の範囲である。

0113

水素を、分子量制御剤として機能させるために、気相反応器中に供給することも好ましい。好ましくは、窒素も気相反応器に供給する。これは、フラッシング用ガスとして機能する。

0114

好ましくは、C3〜8飽和炭化水素も気相反応器に供給する。特に好ましくは、C3〜6アルカン(例えば、プロパン、n-ブタン)を反応器に供給する。これは熱伝達効率を増大させるように機能し、それによって、熱を反応器内からより効率的に除去する。

0115

重合条件にかかわらず、存在する場合、α-オレフィンコモノマーは、好ましくは3〜10個の炭素原子のα-オレフィンである。好ましくは、それはプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-ペンテン-1、n-ヘキセン又はn-オクテンである。スラリー重合において、希釈剤がn-ヘキサンである場合、そのコモノマーは、好ましくはプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン又は4-メチル-ペンテン-1である。より好ましくは、コモノマーは1-ブテン又は1-ペンテンであり、最も好ましくは、それは1-ブテンである。

0116

分子量制御剤として機能させるために、水素を反応器の少なくとも1つ、好ましくはそのすべてに供給することが好ましい。好ましくは、第1の重合段階を、水素の存在下、特に好ましくは比較的高いレベルの水素の存在下で実施する。第1の反応器中での水素とエチレンの比は、好ましくは、0.1〜10mol/kmol、より好ましくは0.2〜4mol/kmolである。第2の重合段階は、水素の非存在下又は存在下で実施することができる。任意の追加の(例えば、第3の)重合段階を、水素の非存在下又は存在下で実施することができる。第2又は追加の(例えば、第3の)重合段階において使用する場合、水素は、第1の重合段階より低いレベルで存在することが好ましい。第2又は追加の(例えば、第3の)重合段階において使用する場合、水素とエチレンの比は、好ましくは0〜0.1:1mol/kmol、より好ましくは0〜0.2:1mol/kmolである。

0117

重合においてメタロセン触媒を使用することの重要な利点は、チーグラーナッタ触媒と比較して、同じポリマーメルトインデックスを得るのに、反応器において非常に少量の水素しか必要としないという点である。これは、チーグラーナッタ触媒と比較して、メタロセン触媒による水素の高い転換率に起因している。特に、高いメルトインデックスが一般に得られる第1の反応器段階において、メタロセン触媒で非常に低い水素分圧を用いることができ、これは、反応器における高いエチレン圧の使用を可能にし、それによって、低い触媒フィード速度でより高い生成速度(production rate)が達成され、それによって触媒コストを低減することができる。これは、低い反応器全圧が用いられるプロセス(例えば、Hostalen、Mitsui CX)において特に重要である。

0118

第1の反応器における低いレベルの水素の使用は、第2の反応器段階が開始される前に、ごく低レベルの水素しか除去する必要がないことも意味する。したがって、メタロセン触媒の使用は、水素分離ステム(もし必要として)のための安価で簡単な操作、及びエチレンや揮発性スラリー液のような高価値材料の同伴/損失の低下を意味する。

0119

本発明の方法では、溶媒中の非支持型メタロセン触媒及び任意の共触媒(例えば、アルミノキサン)の溶液が最初に調製される。溶媒中の共触媒(例えば、アルミノキサン)の別個の溶液を調製することが好ましい。好ましくは、溶媒中の非支持型メタロセン触媒の溶液を使用する。好ましくは、溶媒中の共触媒(例えば、アルミノキサン)の溶液を使用する。好ましくは、両方の溶液のための溶媒は、C3〜10飽和アルカン又は芳香族炭化水素である。溶媒が芳香族炭化水素である場合、該溶媒は好ましくは、トルエン、ベンゼンエチルベンゼンプロピルベンゼンブチルベンゼン及びキシレンから選択される。トルエンは好ましい溶媒である。溶媒がC3〜10飽和アルカンである場合、該溶媒は好ましくは、プロパン、イソブタン、ヘキサン及びシクロヘキサンから選択される。溶媒がC3〜10飽和アルカンである場合、該溶媒は好ましくは、C4〜10飽和アルカン、より好ましくはヘキサン及びシクロヘキサンから選択される。溶液はそれぞれ、1つ又は複数の溶媒を含むことができる。好ましくは、両方の溶液について、同じ溶媒を使用することが好ましい。

0120

本発明の好ましい方法では、第1の反応器に、最初に希釈剤及び水素を投入する。次いで、上記した溶液(すなわち、それぞれ、メタロセン及び任意の共触媒、及び共触媒)、エチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを反応器に供給する。共触媒は、メタロセン触媒と一緒か、又は別個のフィードとして反応器に添加することができる。ポリマーは、形成するのにしたがって、溶液から析出することが好ましい。

0121

好ましくは、重合反応を連続又は半連続プロセスとして実施する。したがって、モノマー、希釈剤及び水素は、好ましくは、連続的又は半連続的に反応器に供給される。更に、任意の先行反応器からのスラリーを連続的又は半連続的に供給することができる。直接フィードが必要である場合、好ましくは、触媒系も、連続的又は半連続的に反応器に供給される。なおより好ましくはポリマースラリーを、反応器から連続的又は半連続的に取り出す。半連続的ということは、重合期間の少なくとも75%(例えば、100%)について、反応器中でのポリマーの滞留時間と比べて比較的短い時間間隔、例えば20秒間〜2分間でそれらが行われるように、添加及び/又は取り出しが制御されることを意味する。

0122

好ましくは、重合の間に反応器中に存在するポリマーの濃度は、全体、例えばスラリーをベースにして15〜55wt%、より好ましくは全体、例えばスラリーをベースにして25〜50wt%の範囲である。そうした濃度は、モノマーの添加速度、希釈剤及び触媒系の添加速度、及び、ある程度、例えばスラリー反応器からのポリマー、例えばポリマースラリーの取り出し速度を制御することによって維持することができる。

0123

本発明の方法で使用される触媒は、非支持型であり、高い活性を有する。好ましくは、その触媒活性は、20,000kg PE/(mol金属*h)超、より好ましくは40,000kg PE/(mol金属*h)超、なおより好ましくは60,000kg PE/(mol金属*h)超である。理論に拘するわけではないが、これは、触媒活性部位においてモノマーのより高い濃度をもたらす、エチレン及びコモノマーへの触媒活性部位のより増大したアクセスに起因すると考えられる。支持型触媒の使用に対して、これらの利点は経済的に意味のあることである。

0124

本発明の方法では反応器汚染が起こらないことが好ましい。多くの重合プロセスの1つの欠点は、反応器が汚染されがちであるということである。本明細書で用いられる汚染は、スラリー又は気相中の重合生成物粒子又は固体触媒の粒子が、反応器の壁に固着するという現象を意味する。粒子は、インペラープロセス機器等を含む他の反応器表面上にも固着する可能性がある。反応器壁上での粒子の蓄積は、熱伝導の低下、ポリマー生成速度の低下、及びプロセスを制御する能力の低下を含む様々な問題をもたらす。一般に、スラリー重合では、撹拌機を備えた槽型又はループ型反応器が使用される。汚染が起こる場合、反応器の壁表面の平滑さが失われ、撹拌のために用いられる動力は劇的に低下し;同時に、反応器壁を通した熱伝導が低下する。結果は、温度制御の不具合であり、最悪の場合、その反応は制御不能となる恐れがある。一旦汚染が進行すると、連続運転の間にその固着物を除去することは非常に困難であり、多くの場合、分解した後にきれいにしない限り、反応器はその正常な状態を取り戻せない。結局、反応器汚染は、そこで商業運転が停止され、反応器をシャットダウンしなければならない状況をもたらすことになる。再スタートさせる前に、反応器表面上だけでなく、インペラー、熱交換器及び他のプロセス機器も含めて、反応器をきれいにしなければならない。汚染は、反応器ポンプギアボックス及び弁にも損傷を与える恐れがある。商業生産の停止、メンテナンス、きれいにすること及び再スタートは、数日間かかる可能性があり、これは、非常に時間及び費用のかかるプロセスである。

0125

第1の重合段階において反応器汚染がないことが好ましい。これは、100〜200g/dm3のかさ密度を有する第1のエチレンポリマーの生産において現れることが好ましい。好ましくは、第1の重合段階からのエチレンポリマーは、自由流動性粒子の形態である。第2又はその後の重合段階において、反応器汚染がないことが好ましい。これは、少なくとも250g/dm3、例えば250〜400g/cm3のかさ密度を有する多峰性ポリエチレンの生産において現れる。良好な形態を有する多峰性ポリエチレン粒子が、パイプの製造において、押出しによって取り扱い易く加工し易いので、これは非常に有益である。しかし、一般にポリマー形態が劣っていることに起因して非支持型メタロセン触媒の使用では反応器汚染はよくあることなので、これはやはり非常に驚くべきことである。理論に拘泥するわけではないが、反応器汚染がないことは、第1の重合段階における、ホモポリマーの好ましい生産、及び水素の制御された使用によると考えられる。第1段階反応器における、エチレンコポリマーと比較してより高い融点を有するホモポリマーの生産、及び制御された分子量範囲での低分子量ポリエチレンの生産は、その後の段階においても、汚染を避け得るための主要な要因であると考えられる。

0126

好ましくは、第1の重合段階は低分子量エチレン(LMW)ポリマーを生成する。好ましくは、第1の重合段階はホモポリマーを生成する。好ましくは、第2の重合段階は高分子量エチレン(HMW)ポリマーを生成する。好ましくは、第2の重合段階はコポリマーを生成する。

0127

第1の好ましいプロセス
本発明の好ましいプロセスは、第1の重合段階及び第2の重合段階からなる。そうしたプロセスでは、第1の重合段階は、好ましくは、多峰性ポリエチレンの1〜65wt%、より好ましくは10〜60wt%、なおより好ましくは30〜55wt%を生成する。そうしたプロセスでは、第2の重合段階は、好ましくは、多峰性ポリエチレンの35〜99wt%、より好ましくは40〜85wt%、なおより好ましくは45〜70wt%を生成する。

0128

好ましいプロセスでは、第1の反応器に、好ましくは触媒、エチレン、任意のα-オレフィン及び水素が供給される。希釈剤も供給される。好ましくは、本質的に、すべての反応器で使用する触媒が、第1の反応器に供給される。

0129

重合のために用いられる条件、特に、反応器中での水素及びコモノマーレベルは、使用されるメタロセン触媒の種類によって決まる。当業者は、必要な任意の改変を行うことができるであろう。しかし、好ましくは、第1の反応器において重合を行うための条件は、一般に以下の通りである:
温度: 50〜270℃、より好ましくは60〜120℃、なおより好ましくは50〜100℃、更により好ましくは70〜90℃
圧力: 1〜220バール、好ましくは1〜60バール、より好ましくは1〜35バール、なおより好ましくは5〜15バール(ヘキサンが使用される場合)及び15〜35バール(イソブタンが使用される場合)
エチレンの分圧:1〜200バール、好ましくは1〜15バール、より好ましくは1〜10バール、なおより好ましくは2〜10バール
滞留時間: 1分間〜6時間、好ましくは10分間〜4時間、より好ましくは15分間〜1時間
希釈剤/溶媒: 希釈剤として、C4〜10飽和アルカン、好ましくはヘキサン又はイソブタン
反応器中の水素(H2:エチレン、mol/kmol): 0.1:1〜10:1、好ましくは0.2:1〜4:1
反応器中のコモノマー(コモノマー:エチレン、mol/kmol): 0〜50:1、好ましくは0〜10:1、より好ましくは0。

0130

好ましくは、任意のコモノマーは1-ブテン又は1-ヘキセンである。

0131

第1の反応器からの流れは、第2の反応器へ向かう。最も揮発性の成分は、第1の反応器から出る流れから除去されて、水素の80%超、より好ましくは水素の少なくとも90%、より好ましくは水素の実質的にすべてが、その流れが第2の反応器に入る前に除去されるようになるのが好ましい。

0132

第2の反応器に、エチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーが供給される。水素は、第1の反応器中より低いレベルで存在するか、又は存在しないことが好ましい。好ましくは、第2の反応器において重合を行うための条件は以下の通りである:
温度: 50〜290℃、好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜100℃、なおより好ましくは70〜90℃
圧力: 1〜200バール、好ましくは1〜60バール、より好ましくは1〜15バール、なおより好ましくは2〜15バール、更により好ましくは2〜10バール、例えば5〜15バール(ヘキサンが使用される場合)及び15〜35バール(イソブタンが使用される場合)
エチレンの分圧:0.2〜200バール、好ましくは0.5〜15バール、より好ましくは0.5〜10バール、例えば0.7〜8バール
滞留時間: 1分間〜4時間、好ましくは10分間〜4時間、より好ましくは15分間〜2時間、更により好ましくは15分間〜1時間
希釈剤/溶媒: 希釈剤として、C4〜10飽和アルカン、好ましくはヘキサン又はイソブタン。
反応器中の水素(H2:エチレン、mol/kmol): 0〜1:1、好ましくは0〜0.2:1
反応器中のコモノマー(コモノマー:エチレン、mol/kmol): 0.1:1〜200:1、好ましくは2:1〜50:1

0133

好ましくは、任意のコモノマーは1-ブテン又は1-ヘキセンである。H2は存在しないことが好ましい。

0134

第2の好ましいプロセス
本発明の更なる好ましいプロセスは、第1の重合段階、第2の重合段階及び第3の重合段階からなる。好ましくは、第3の重合をスラリー条件で実施する。好ましくは、第1の重合はホモポリマーを生成する。好ましくは、第2及び/又は第3の重合はコポリマーを生成する。好ましくは、第2及び第3の重合を、第1の重合段階より少ない量の水素の存在下、又は水素の非存在下で実施する。第2及び/又は第3の重合段階で反応器汚染がないことが好ましい。

0135

1つの好ましい3段階重合は、逐次的な工程(a)〜(c):
(a)第1の重合段階でエチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合して、低分子量エチレン(LMW)ポリマーを生成する工程;
(b)第2の重合段階でエチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合して、第1の高分子量エチレンポリマー(HMW1)を生成する工程;及び
(c)第3の重合段階でエチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合して、第2の高分子量エチレンコポリマー(HMW2)を生成する工程
を含む。

0136

本発明の好ましいプロセスでは、多峰性ポリエチレンは、そのエチレンポリマー成分最低分子量から最高分子量の順に、すなわちその成分の分子量がLMW順番で増大するように調製することによって作出される。本発明の更なる好ましいプロセスでは、多峰性ポリエチレンは、そのエチレンポリマー成分が、最低コモノマー含量から最高コモノマー含量へ順に、すなわちその成分のコモノマー含量がLMWポリマーもやはり、一般に、最低分子量ポリマーであることになるが、HMW1又はHMW2のいずれかは、最高分子量ポリマーであってよい。好ましくは、HMW2は、最高コモノマー含量及び最高分子量を有する。

0137

好ましいプロセスでは、第1の高分子量エチレンポリマーを生成するための重合の間、低分子量エチレンポリマーの少なくとも一部は、第2の反応器中に存在する。更なる好ましいプロセスでは、低分子量エチレンポリマーの一部だけが、第2の反応器中に存在する。低分子量エチレンポリマーのその他の部分は、第3の反応器での第2の高分子量エチレンポリマーの重合へ直接送られることが好ましい。特に好ましいプロセスでは、第2の高分子量エチレンポリマーを生成するための重合の間、低分子量エチレンポリマー及び第1の高分子量エチレンポリマーは第3の反応器中に存在する。

0138

この好ましいプロセスでは、反応器中で使用される触媒の本質的にすべてが、好ましくは、第1の(LMW)反応器へ供給される。第1の反応器にもやはり、エチレン、任意のα-オレフィン及び水素が供給されることが好ましい。希釈剤も供給される。好ましくは、第1の反応器において重合を行うための条件は以下の通りである:
温度: 50〜270℃、より好ましくは60〜120℃、なおより好ましくは50〜100℃、更により好ましくは70〜90℃
圧力: 1〜220バール、好ましくは1〜60バール、より好ましくは1〜35バール、なおより好ましくは5〜15バール(ヘキサンが使用される場合)及び15〜35バール(イソブタンが使用される場合)
エチレンの分圧:1〜200バール、好ましくは1〜15バール、より好ましくは1〜10バール、なおより好ましくは2〜10バール
滞留時間: 1分間〜6時間、好ましくは10分間〜4時間、より好ましくは15分間〜1時間
希釈剤/溶媒: 希釈剤として、C4〜10飽和アルカン、好ましくはヘキサン又はイソブタン
反応器中の水素(H2:エチレン、mol/kmol): 0.1:1〜10:1、好ましくは0.2:1〜4:1。
反応器中のコモノマー(コモノマー:エチレン、mol/kmol): 0〜50:1、好ましくは0〜10:1、より好ましくは0。

0139

好ましくは、任意のコモノマーは1-ブテン又は1-ヘキセンである。

0140

第1の反応器における重合は、好ましくは、全多峰性ポリエチレンの30〜70wt%、より好ましくは35〜65wt%、なおより好ましくは40〜60wt%、最も好ましくは45〜55wt%を生成する。

0141

第1の(LMW)反応器からの流れは、好ましくは第2の反応器に向かう。好ましくは、流れの100%は第2の反応器へ進む。最も揮発性の成分は、第1の反応器から出る流れから除去されて、水素の80%超、より好ましくは水素の少なくとも90%、なおより好ましくは水素の100%が、その流れが第2の反応器に入る前に除去されるようになるのが好ましい。

0142

第2の反応器に、エチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーが供給される。水素は、任意に第2の反応器に供給される。希釈剤もやはり、好ましくは第2の反応器に供給される。好ましくは、第2の反応器において重合を行うための条件は以下の通りである:
温度: 50〜290℃、好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜100℃、なおより好ましくは70〜90℃
圧力: 1〜200バール、好ましくは1〜60バール、より好ましくは1〜15バール、なおより好ましくは2〜15バール、更により好ましくは2〜10バール、例えば5〜15バール(ヘキサンが使用される場合)及び15〜35バール(イソブタンが使用される場合)
エチレンの分圧:0.2〜200バール、好ましくは0.5〜15バール、より好ましくは0.5〜10バール、例えば0.7〜8バール
滞留時間: 1分間〜4時間、好ましくは10分間〜4時間、より好ましくは15分間〜2時間、更により好ましくは15分間〜1時間
希釈剤/溶媒: 希釈剤として、C4〜10飽和アルカン、好ましくはヘキサン又はイソブタン。
反応器中の水素(H2:エチレン、mol/kmol): 0〜1:1、好ましくは0〜0.2:1
反応器中のコモノマー(コモノマー:エチレン、mol/kmol): 0.1:1〜200:1、好ましくは1:1〜20:1

0143

好ましくは、任意のコモノマーは1-ブテン又は1-ヘキセンである。

0144

第2の反応器において、好ましくは全多峰性ポリエチレンの30〜70wt%、より好ましくは35〜65wt%、なおより好ましくは40〜60wt%、最も好ましくは40〜50wt%を作製する。

0145

第2の反応器からの流れの本質的にすべてを、好ましくは、第3の反応器に供給する。水素は、あれば好ましくは除去する。第3の反応器に、エチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを供給する。水素もやはり、任意に、第3の反応器に供給する。希釈剤を追加的に第3の反応器に供給することが好ましい。好ましくは、第3の反応器において重合を行うための条件は以下の通りである:
温度: 50〜320℃、より好ましくは50〜100℃、なおより好ましくは60〜100℃、更により好ましくは70〜90℃
圧力: 0.5〜220バール、より好ましくは1〜60バール、なおより好ましくは1〜10バール、好ましくは1.5〜7バール、なおより好ましくは5〜15バール(ヘキサンが使用される場合)及び15〜35バール(イソブタンが使用される場合)
エチレンの分圧:0.2〜200バール、より好ましくは0.25〜10バール、なおより好ましくは0.3〜4バール
滞留時間: 0.2分間〜2時間、好ましくは2分間〜1時間、より好ましくは5〜30分間
希釈剤/溶媒: 希釈剤として、C4〜10飽和アルカン、好ましくはヘキサン又はイソブタン
反応器中の水素(H2:エチレン、mol/kmol): 0〜1:1、好ましくは0〜0.2:1
反応器中のコモノマー(コモノマー:エチレン、mol/kmol): 0.1:1〜200:1、好ましくは10:1〜50:1

0146

好ましくは、任意のコモノマーは1-ブテン又は1-ヘキセンである。

0147

第3の反応器におけるα-オレフィンコモノマーとエチレンのモル比は、第2の反応器におけるコモノマーとエチレンのモル比より、好ましくは1.5〜20倍、より好ましくは2〜15倍、なおより好ましくは3〜10倍高い。

0148

第3の反応器では、好ましくは全多峰性ポリエチレンの0.5〜30wt%を作製する。好ましくは、全多峰性ポリエチレンの少なくとも1.0wt%、例えば1.2wt%又は1.5wt%を第3の反応器において作製する。好ましくは、全多峰性ポリエチレンの30wt%未満、例えば27wt%又は25wt%を第3の反応器において作製する。特に好ましくは、全多峰性ポリエチレンの1〜25wt%、より好ましくは1.5〜15wt%、最も好ましくは1.5〜9wt%を作製する。

0149

第3の反応器での重合に続いて、多峰性ポリエチレンを、遠心分離又はフラッシングによって得ることが好ましい。

0150

任意に、第2及び第3の反応器の重合を、単一の反応器シェル中、異なる重合条件での異なるゾーンにおける重合として実施することができる。しかし、これは好ましくない。

0151

第3の好ましいプロセス
本発明の更なる好ましいプロセスでは、多峰性ポリエチレンを、そのエチレンポリマー成分を低分子量エチレンポリマー、第2の高分子量エチレンコポリマー、次いで第1の高分子量エチレンコポリマーの順に調製することによって作出する。

0152

この好ましいプロセスは、逐次的な工程(a)〜(c):
(a)第1の反応器中でエチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合して、低分子量エチレンポリマー(LMW)を生成する工程;
(b)第2の反応器中でエチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合して、第2の高分子量エチレンコポリマー(HMW2)を生成する工程;及び
(c)第3の反応器中でエチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーを重合して、第1の高分子量エチレンコポリマー(HMW1)を生成する工程
を含む。

0153

本発明のこの好ましいプロセスでは、多峰性ポリエチレンは、好ましくは、そのエチレンポリマー成分を、最低分子量、最高分子量、次いで第2の最高分子量(LMW/HMW2/HMW1)の順に、すなわちその成分の分子量がLMW順番で増大するように調製することによって作出される。本発明の更なる好ましいプロセスでは、多峰性ポリエチレンは、そのエチレンポリマー成分が、最低コモノマー含量、第2の最高コモノマー含量、次いで最高コモノマー含量の順に、すなわちその成分のコモノマー含量がLMWポリマーは、一般にやはり、最低分子量ポリマーであることになるが、HMW1又はHMW2のいずれかは最高分子量ポリマーであってよい。好ましくは、HMW2は、最高コモノマー含量及び最高分子量を有する。

0154

この好ましいプロセスを図1に示す。これは、以下でより詳細に論じられる。

0155

好ましいプロセスにおいて、第2の高分子量エチレンポリマーを生成するための重合の間、低分子量エチレンポリマーの少なくとも一部は第2の反応器中に存在する。更なる好ましいプロセスでは、低分子量エチレンポリマーの一部だけが、第2の反応器中に存在する。好ましくは、低分子量エチレンポリマーのその他の部分は、第3の反応器での第1の高分子量エチレンポリマーの重合へ直接送られる。更なる好ましいプロセスでは、第1の高分子量エチレンポリマーを生成するための重合の間、低分子量エチレンポリマー及び第2の高分子量エチレンポリマーは第3の反応器に存在する。

0156

この好ましいプロセスでは、反応器中で使用される触媒の本質的にすべてが、好ましくは、第1の反応器に供給される。この第1の反応器に、好ましくはエチレン、水素及び任意のα-オレフィンコモノマーも供給される。希釈剤も、好ましくは第1の反応器に供給される。好ましくは、第1の反応器において重合を行うための条件は以下の通りである:
温度: 50〜270℃、より好ましくは50〜120℃、より好ましくは50〜100℃、なおより好ましくは70〜90℃
圧力: 1〜220バール、好ましくは1〜70バール、より好ましくは3〜20バール、なおより好ましくは5〜15バール(ヘキサンが使用される場合)及び15〜35バール(イソブタンが使用される場合)
エチレンの分圧:0.2〜200バール、より好ましくは0.5〜15バール、なおより好ましくは1〜10バール、例えば2〜10バール
滞留時間: 1分間〜6時間、好ましくは10分間〜4時間、より好ましくは15分間〜2時間
希釈剤/溶媒: 希釈剤として、C4〜10飽和アルカン、好ましくはヘキサン又はイソブタン
反応器中の水素(H2:エチレン、mol/kmol): 0.1:1〜10:1、好ましくは0.2:1〜4:1。
反応器中のコモノマー(コモノマー:エチレン、mol/kmol): 0〜50:1、好ましくは0〜10:1、より好ましくは0。

0157

好ましくは、任意のコモノマーは、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン又は1-オクテン、より好ましくは1-ブテン又は1-ヘキセンである。

0158

第1の反応器での重合は、好ましくは、全多峰性ポリエチレンの30〜70wt%、より好ましくは35〜65wt%、なおより好ましくは40〜60wt%、最も好ましくは45〜55wt%を生成する。

0159

水素は、第1の反応器からの流れから除去されることが好ましい。例えば水素を除去した後の第1の反応器からの流れは、すべて、第2の反応器へ送られる。しかし、より好ましくは、これは第3の反応器へ直接行くものと、第2の反応器を介して行くものに分割される。好ましくは、流れの5〜100%、より好ましくは10〜70%、最も好ましくは15〜50%、例えば20〜40%は第2の反応器を介して進む。任意に、望ましくない化合物をその流れから除去する。最も揮発性の成分は、例えば、水素の96%超が、その流れが第2の反応器に入る前に除去され、水素の80%超が、流れが第3の反応器に直接入る前に除去されるように、第1の反応器から出る流れから除去されることが好ましい。したがって、第2の反応器に入る流れ、及び第3の反応器に直接入る流れは、主にポリエチレン及び希釈剤を含む。水素の実質的にすべて(例えば、すべて)が、その流れが分割される前に除去されることが好ましい。任意の分割は、例えばスラリーの質量流量測定による制御を用いて、且つ/又は容量供給装置、又は短いシーケンスの第2の反応器と第3の反応器の間のスイッチフローを用いて達成することができる。

0160

第2の反応器に、エチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーが供給される。水素も、任意に第2の反応器に供給される。かなりの割合のコモノマーフィードは、好ましくは、第3の反応器からの未精製再循環ストリームである。希釈剤は、好ましくは第2の反応器に供給される。好ましくは、第2の反応器において重合を行うための条件は以下の通りである:
温度: 50〜290℃、好ましくは55〜120℃、より好ましくは50〜100℃、例えば60〜100℃、更により好ましくは70〜90℃
圧力: 0.5〜220バール、好ましくは0.75〜70バール、より好ましくは1〜50バール、なおより好ましくは1〜16バール、例えば5〜15バール(ヘキサンが使用される場合)及び15〜35バール(イソブタンが使用される場合)
エチレンの分圧:0.2〜200バール、好ましくは0.3〜10バール、より好ましくは0.3〜4バール
滞留時間: 0.2分間〜1時間、好ましくは1分間〜1時間、好ましくは2〜20分間
希釈剤:存在しない(気相について)か、又は希釈剤として、C4〜10飽和アルカン、より好ましくはヘキサン又はイソブタン、なおより好ましくは希釈剤としてヘキサン
反応器中の水素(H2:エチレン、mol/kmol): 0〜1:1、好ましくは0〜0.2:1
反応器中のコモノマー(コモノマー:エチレン、mol/kmol): 0.1:1〜200:1、好ましくは10:1〜50:1

0161

好ましくは、任意のコモノマーは、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン又は1-オクテン、最も好ましくは1-ブテン又は1-ヘキセンである。

0162

第2の反応器では、全多峰性ポリマーの0.5〜30wt%が作製されることが好ましい。好ましくは、全多峰性ポリエチレンの少なくとも1.0wt%、例えば1.2wt%又は1.5wt%が第2の反応器において作製される。好ましくは、全多峰性ポリエチレンの30wt%未満、例えば27wt%又は25wt%が第2の反応器において作製される。特に好ましくは、全多峰性ポリエチレンの1〜25wt%、より好ましくは1.5〜15wt%、最も好ましくは1.5〜9wt%が作製される。

0163

第2の反応器からのポリマーの流れの本質的にすべてが、好ましくは第3の反応器に供給される。この流れは、主にポリエチレン及び希釈剤を含む。任意に、揮発性物質は、それが第3の反応器に入る前に、その流れから部分的に除去される。例えば揮発性コモノマー(例えば、1-ブテン)をその流れから除去することができる。第2の反応器に入らない第1の反応器からの任意のポリマーの流れも、好ましくは第3の反応器に供給される。

0164

第3の反応器に、エチレン及び任意のα-オレフィンコモノマーが供給される。任意に、水素が、第3の反応器に供給される。希釈剤又は溶媒が、任意に第3の反応器に供給される。好ましくは、コモノマーフィードの大部分の量は、第2の反応器からポリマーと共にもたらされる。好ましくは、第3の反応器において重合を行うための条件は以下の通りである:
温度: 50〜320℃、好ましくは50〜120℃、より好ましくは50〜100℃、なおより好ましくは70〜90℃
圧力: 1〜220バール、好ましくは1〜70バール、より好ましくは1〜50バール、なおより好ましくは1〜15バール、なおより好ましくは2〜10バール、例えば5〜15バール(ヘキサンが使用される場合)及び15〜35バール(イソブタンが使用される場合)
エチレンの分圧:0.4〜200バール、より好ましくは0.5〜15バール、なおより好ましくは0.5〜6バール
滞留時間: 1分間〜4時間、好ましくは0.5〜4時間、より好ましくは1〜2時間
希釈剤:存在しない(気相について)か、又は希釈剤として、C4〜10飽和アルカン、より好ましくはヘキサン又はイソブタン、なおより好ましくは希釈剤としてヘキサン
反応器中の水素(H2:エチレン、mol/kmol): 0〜1:1、好ましくは0〜0.2:1
反応器中のコモノマー(コモノマー:エチレン、mol/kmol): 0.1:1〜200:1、好ましくは1:1〜20:1

0165

好ましくは、任意のコモノマーは、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン又は1-オクテン、なおより好ましくは1-ブテン又は1-ヘキセンである。

0166

コモノマー/エチレンのモル比は、好ましくは第2の反応器での比の5〜90%、より好ましくは第2の反応器での比の10〜40%である。

0167

第3の反応器では、全多峰性ポリマーの好ましくは30〜70wt%、より好ましくは35〜65wt%、なおより好ましくは40〜60wt%、最も好ましくは40〜50wt%が作製される。

0168

任意に、第3の反応器を出る流れの一部(portion)又は一部分(part)を第2の反応器へ再循環する。

0169

第3の反応器での重合に続いて、好ましくは、ポリエチレンを遠心分離又はフラッシングによって得る。

0170

多峰性ポリエチレン
パイプやフィルム(例えば、ブローンフィルム)等の物品に加工するための最終多峰性ポリエチレンは、多くの場合、一般に、ポリエチレン合成が完了した後に高濃度マスターバッチとしてポリエチレン中に混ぜ込まれる、以下で説明するようなカーボンブラック及び着色剤等の添加剤を含有することになる。ポリエチレンに関する以下の詳細は、明らかな記述のない限り、ポリエチレンそれ自体に言及するものであり、任意の更なる添加剤を含まないものとする。

0171

多峰性ポリエチレンは、好ましくは2峰性又は3峰性分子量分布を有する。より好ましくは、多峰性ポリエチレンは2峰性分子量分布を有する。ポリエチレンの多峰性及び広い分子量の分布は、ポリマー特性の魅力的なバランスが確実に達成し得るようにする。特に、それは確実に、高い分子量ポリマーが達成されるようにし、したがって、そのポリエチレンをパイプ生産に適したものにする。これは、非支持型触媒が、エチレンが触媒の活性部位へ容易にアクセスできる(これは、活性部位で高濃度のエチレンを達成し得ることを意味する)ようにするために達成されると考えられる。多峰性ポリエチレンは多峰性(例えば、2峰性又は3峰性)組成物を有することが好ましい。

0172

多峰性ポリエチレン中に存在するエチレンモノマーの全体量は、好ましくは50〜99.9wt%、より好ましくは50〜99.5wt%、なおより好ましくは75〜99.0wt%、例えば85〜98wt%である。特に好ましくは、多峰性ポリエチレン中のエチレンモノマーの全体量は92〜99.8wt%、より好ましくは98〜99.9wt%である。

0173

本発明の多峰性ポリエチレンの全コモノマー含量は、好ましくは0.1〜10wt%、なおより好ましくは0.2〜5wt%、更により好ましくは0.3〜3wt%である。ポリマー中に存在する所与のモノマーの量が特定の量であると本明細書で記述されている場合、それは、そのモノマーが繰り返し単位の形態でポリマー中に存在していると理解すべきである。当業者は、任意の所与のモノマーについて何が繰り返し単位であるかを容易に決定することができる。コモノマーは、好ましくは1つ又は複数(例えば1つ)のα-オレフィンである。特に好ましくは、コモノマーは、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン及びその混合物から選択される。しかし、好ましくは、そのα-オレフィンは1-ブテンである。

0174

特にポリエチレンパイプを生産するために、共重合においてメタロセン触媒を使用することの重要な利点は、チーグラーナッタ及びクロム触媒と比較して、ポリマー中への均一なコモノマーの取り込みが得られる点である。メタロセンでのこの改善されたコモノマーの取り込み特性は、例えば、ポリエチレンパイプ特性に重大な影響を及ぼすポリマーの緩慢な亀裂成長及び急速なクラック伝播挙動を大幅に増進させる。

0175

本発明の多峰性ポリエチレンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは少なくとも50,000g/mol、より好ましくは100,000〜250,000g/mol、なおより好ましくは130,000〜225,000g/mol、更により好ましくは140,000〜200,000g/molである。多峰性ポリエチレンのMn(数平均分子量)は、好ましくは18,000〜40,000g/mol、なおより好ましくは20,000〜35,000g/mol、更により好ましくは20,000〜30,000g/molである。多峰性ポリエチレンの分子量分布(MWD)は、好ましくは1〜25、より好ましくは2〜15、なおより好ましくは5〜10である。これらの有利な特性、特に高Mwをもたらす能力は、本発明による多峰性ポリエチレンパイプの生産を可能にする。

0176

多峰性ポリエチレンは、好ましくは0.2g/10min未満のMFR2を有する。なおより好ましくは多峰性ポリエチレンは、0.005〜0.2、より好ましくは0.0075〜0.2、なおより好ましくは0.01〜0.1、更により好ましくは0.015〜0.05g/10minのMFR2を有する。多峰性ポリエチレンは、好ましくは1g/10min未満のMFR5を有する。なおより好ましくは多峰性ポリエチレンは、0.05〜1、より好ましくは0.01〜0.9、なおより好ましくは0.1〜0.8、更により好ましくは0.3〜0.75g/10minのMFR5を有する。これは、パイプの生産に許容される範囲である。すなわち、これは、ポリエチレンが確実に押出成形されるようにする。これらのMFR値は、その他は同一である触媒の支持型バージョンを使用して生産されるポリエチレンのMFRより大幅に低い。

0177

多峰性ポリエチレンは、好ましくは120〜135℃、なおより好ましくは125〜133℃、更により好ましくは127〜132℃の溶融温度を有する。

0178

多峰性ポリエチレンは、好ましくは920〜980kg/dm3の密度を有する。より好ましくは、多峰性ポリエチレンは高密度ポリエチレン(HDPE)である。HDPEには、比較的低い固有質量を有しながら、高い機械的強度耐食性及び耐薬品性、及び長期安定性を有するという利点がある。好ましくは、多峰性ポリエチレンは、920〜970kg/m3、より好ましくは935〜963kg/m3、なおより好ましくは940〜960kg/m3、更により好ましくは945〜955kg/m3の密度を有する。好ましくは粉末形態の多峰性ポリエチレンは、好ましくは250〜400g/dm3、より好ましくは250〜350g/dm3、なおより好ましくは250〜300g/dm3のかさ密度を有する。或いは、好ましくは粉末形態の多峰性ポリエチレンは、好ましくは少なくとも250g/dm3、より好ましくは少なくとも300g/dm3のかさ密度を有する。

0179

本発明の多峰性ポリエチレンは、好ましくは0〜800wt ppm、より好ましくは0〜600wt ppm、なおより好ましくは0〜400wt ppmの灰分含量を有する。灰分は、一般に、触媒、共触媒及びポリマー添加剤からもたらされる金属酸化物である。支持型メタロセン触媒では、一般に、シリカ又は他の関連無機担体が使用される。また、支持型メタロセン触媒では一般に、低い重合活性の問題もある。低い重合活性を伴う担体の使用は、ポリマーにおける高い灰分含量及び高い局所不均一性をもたらす。本出願で説明する非支持型触媒を使用する場合、ポリマーにおいて大幅に低い灰分含量及び局所不均一性が得られる。

0180

灰分は、触媒、共触媒及び触媒添加剤の残部を含むポリマーを高温に加熱することによって生成する。したがって、灰分レベルは、例えば、触媒中での担体の使用によって大幅に増大する。残念なことに、形成される灰分は、ポリマーの特性に影響を及ぼす恐れがある。高い灰分レベルは、しばしばクラック及び破損を意味するパイプにおける機械的不具合をもたらすポリマー構造における局所不均一性の増大を引き起こし、特に、パイプの緩慢な亀裂成長特性を悪化させる。それらは、多くの場合、例えば液体の流動性に対して影響を及ぼす内部及び外部表面上での粗さの持ち込みによって、パイプ外観及び性能にも影響を及ぼす。また、高い灰分含量はポリマーの電気特性に対して効果を有し、より高い導電性をもたらす。

0181

本発明の多峰性ポリエチレンは、100wtppm未満の、モーススケールで3超、より好ましくは50〜4、好ましくは20〜5の硬度の材料、最も好ましくは10wt ppm未満の、モーススケールで6超の硬度を有する材料を含有することが好ましい。モーススケールは、どの材料がどれを傷つけるかを判定するための実際的なスケールである。シリカは、モーススケールで7.0の硬度を有する硬質材料である。より高いモース硬度を有する材料は、より低いモース硬度を有する材料を傷つけることになる。典型的な鋼鉄グレードはこのスケールで4.0〜4.5であるため、シリカは鋼鉄を傷つけることになる。したがって、ポリエチレン中に存在するシリカ粒子は、ポリマー溶融物取り扱い機器の金属表面を傷つけ、これは時間と共にその機器摩耗して、最終的に取り換えを必要とすることになる。シリカは一般に支持型メタロセン触媒における担体として使用される。したがって、支持型メタロセンを用いたプロセスで生産されるポリマー中に残留する。

0182

本発明の多峰性ポリエチレンは、シリカを含有しないことが好ましい。しかし、それは、少量のアルミニウムベースの残留物を含有する可能性がある。しかし、これは、Al(OH)3(Al2O3・3H2O)の微小粒子として存在することになる。この化合物は硬くはない。モーススケールでのその硬度は3.0に過ぎない。したがって、これは溶融物取り扱い機器の金属表面を傷つけることはなく、摩耗は最小限にまで低下することになる。

0183

2峰性及び3峰性ポリエチレングレードは、均一になるのに強力な溶融混合を必要とする。したがって、2峰性及び3峰性グレードは、傷をつけそれによって摩耗をもたらす粒子を含まないポリマーに対して、特に高いニーズを有している。したがって、多峰性ポリエチレンは、低いシリカ含量に対する特定のニーズを有する。

0184

本発明の多峰性ポリエチレンは、フルオロカーボン又はフルオロカーボン界面活性剤を使用することなく生産されることが好ましい。本発明の多峰性ポリエチレンは、好ましくは20wtppm未満、より好ましくは15wt ppm未満、更により好ましくは10wt ppm未満、最も好ましくは5wt ppm未満のフルオロカーボン及びフルオロカルビル含量を有する。難分解性(persistent)で生物濃縮性のフルオロ界面活性剤の環境及び健康の側面に対する懸念が増大しているので、これは有利である。フルオロカーボンに対しても同様の懸念がある。

0185

重合(すべての重合プロセス)の第1段階で生産される第1のエチレンポリマー
第1のエチレンポリマーはメタロセンポリマーである。すなわち、それは、メタロセン触媒重合によって調製される。

0186

多峰性ポリエチレン中に存在する第1のエチレンポリマーは、エチレンホモポリマー又はエチレンコポリマーであってよい。好ましいコポリマーは、1つ又は複数(例えば1つ)のα-オレフィンコモノマーを含む。好ましいα-オレフィンコモノマーは、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン及びその混合物から選択される。好ましくは、α-オレフィンは1-ブテンである。しかし、好ましくは第1のエチレンポリマーはエチレンホモポリマーである。

0187

好ましくは、第1のエチレンポリマーは、第2、及び存在する場合の第3のエチレンポリマーより低い分子量のポリマーである。

0188

第1のエチレンポリマーの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10,000〜80,000g/mol、なおより好ましくは15,000〜60,000g/mol、更により好ましくは20,000〜45,000g/mol、例えば25,000〜40,000g/molである。第1のエチレンポリマーのMnは、好ましくは5,000〜40,000g/mol、なおより好ましくは7,000〜20,000g/mol、更により好ましくは8,000〜15,000g/mol、例えば10,000g/molである。第1のエチレンポリマーのMWD(Mw/Mn)は、好ましくは1.8〜5、なおより好ましくは2.0〜4、更により好ましくは2.3〜3.5である。

0189

好ましくは、第1のエチレンポリマーは、少なくとも10g/10min、より好ましくは10〜1000g/10min、なおより好ましくは50〜600g/10min、更により好ましくは150〜500g/10min、更により好ましくは250〜350g/10minのMFR2を有する。或いは、第1のエチレンポリマーは、好ましくは100〜300g/10minのMFR2を有する。

0190

好ましくは、第1のエチレンポリマーは、960〜975kg/m3、より好ましくは965〜974kg/m3、なおより好ましくは969〜972kg/m3の密度を有する。

0191

第1のエチレンポリマーは、好ましくは128〜135℃、なおより好ましくは130〜134.5℃、更により好ましくは132〜134℃の溶融温度を有する。

0192

多峰性ポリエチレン中に存在する第1のエチレンポリマーの量は、好ましくは1〜65wt%、より好ましくは10〜60wt%、なおより好ましくは30〜55wt%、更により好ましくは40〜50wt%である。ここで、wt%はポリエチレンの質量に基づくものである。

0193

重合(2段階重合プロセス)の第2段階で生産される第2のエチレンポリマー
第2のエチレンポリマーはメタロセンポリマーである。すなわち、それは、メタロセン触媒重合によって調製される。

0194

多峰性ポリエチレン中に存在する第2のエチレンポリマーはエチレンホモポリマー又はエチレンコポリマーであってよいが、好ましくはエチレンコポリマーである。好ましいコポリマーは、1つ又は複数(例えば1つ)のα-オレフィンコモノマーを含む。好ましいα-オレフィンコモノマーは、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン及びその混合物から選択される。好ましくは、α-オレフィンは1-ブテンである。好ましくは、α-オレフィンコモノマーの量は0.3〜8wt%である。

0195

第2のエチレンポリマーの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは150,000〜700,000g/mol、なおより好ましくは200,000〜600,000g/mol、更により好ましくは300,000〜500,000g/molである。第2のエチレンポリマーのMnは、好ましくは20,000〜350,000g/mol、なおより好ましくは50,000〜200,000g/mol、更により好ましくは80,000〜150,000g/molである。第2のエチレンポリマーのMWD(Mw/Mn)は、好ましくは2〜8、なおより好ましくは2.5〜5である。

0196

好ましくは、第2のエチレンポリマーは、0.3〜4g/10min、なおより好ましくは0.5〜3.5g/10min、更により好ましくは1〜2.5g/10minのMFR21を有する。好ましくは、第2のエチレンポリマーは、0.02〜0.04g/10min、なおより好ましくは0.025〜0.035g/10minのMFR5を有する。

0197

好ましくは、第2のエチレンポリマーは、890〜940kg/m3、より好ましくは900〜935kg/m3、なおより好ましくは910〜930kg/m3の密度を有する。

0198

多峰性ポリエチレン中に存在する第2のエチレンポリマーの量は、好ましくは35〜99wt%、より好ましくは40〜85wt%、なおより好ましくは45〜70wt%、更により好ましくは50〜60wt%である。ここで、wt%はポリエチレンの質量に基づくものである。

0199

3段階重合プロセスで生産されるHMW1ポリマー
HMW1ポリマーはメタロセンポリマーである。すなわち、それは、メタロセン触媒重合によって調製される。

0200

多峰性ポリエチレン中に存在するHMW1ポリマーは、エチレンホモポリマー又はエチレンコポリマーであってよいが、好ましくはエチレンコポリマーである。好ましいコポリマーは、1つ又は複数(例えば1つ)のα-オレフィンコモノマーを含む。好ましいα-オレフィンコモノマーは、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン及びその混合物から選択される。好ましくは、α-オレフィンは1-ブテンである。好ましくは、α-オレフィンコモノマーの量は0.3〜2.5wt%である。

0201

HMW1ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは200,000〜700,000g/mol、なおより好ましくは250,000〜600,000g/mol、更により好ましくは300,000〜500,000g/molである。HMW1ポリマーのMnは、好ましくは25,000〜350,000g/mol、なおより好ましくは50,000〜200,000g/mol、更により好ましくは80,000〜150,000g/molである。HMW1ポリマーのMWD(Mw/Mn)は、好ましくは2〜8、なおより好ましくは2.5〜5である。

0202

好ましくは、HMW1ポリマーは、0.3〜4g/10min、なおより好ましくは0.5〜3.5g/10min、更により好ましくは1〜2.5g/10minのMFR21を有する。好ましくは、HMW1ポリマーは、0.02〜0.04g/10min、なおより好ましくは0.025〜0.035g/10minのMFR5を有する。

0203

好ましくは、HMW1ポリマーは、890〜930kg/m3、より好ましくは900〜925kg/m3、なおより好ましくは910〜920kg/m3の密度を有する。

0204

多峰性ポリエチレン中に存在するHMW1ポリマーの量は、好ましくは30〜70wt%、より好ましくは35〜65wt%、なおより好ましくは40〜60wt%、更により好ましくは40〜50wt%である。ここで、wt%はポリエチレンの質量に基づくものである。

0205

3段階重合プロセスで生産されるHMW2ポリマー
HMW2ポリマーはメタロセンポリマーである。すなわち、それは、メタロセン触媒重合によって調製される。

0206

多峰性ポリエチレン中に存在するHMW2ポリマーはエチレンホモポリマー又はエチレンコポリマーであってよいが、好ましくはエチレンコポリマーである。好ましいコポリマーは、1つ又は複数(例えば1つ)のα-オレフィンコモノマーを含む。好ましいα-オレフィンコモノマーは、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン及びその混合物から選択される。好ましくは、α-オレフィンは1-ブテンである。好ましくは、α-オレフィンコモノマーの量は2〜10wt%である。

0207

HMW2ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは300,000〜1,000,000g/mol、なおより好ましくは400,000〜800,000g/mol、更により好ましくは500,000〜750,000g/molである。HMW2ポリマーのMnは、好ましくは40,000〜500,000g/mol、なおより好ましくは50,000〜300,000g/mol、更により好ましくは70,000〜250,000g/molである。HMW2ポリマーのMWD(Mw/Mn)は、好ましくは2〜8、なおより好ましくは2.5〜5である。

0208

好ましくは、HMW2ポリマーは0.0075〜1g/10minのMFR21を有する。

0209

好ましくは、HMW2ポリマーは、890〜925kg/m3、より好ましくは900〜920kg/m3、なおより好ましくは905〜915kg/m3の密度を有する。

0210

多峰性ポリエチレン中に存在するHMW2ポリマーの量は、好ましくは0.5〜30wt%、より好ましくは1.0〜25wt%、なおより好ましくは1.5〜15wt%、更により好ましくは1.5〜9wt%である。ここで、wt%はポリエチレンの質量に基づくものである。

0211

下流での処理
最終多峰性ポリエチレンがスラリー反応器から得られる場合、ポリマーはそれから取り出され、希釈剤は、好ましくは、フラッシング又は濾過によってそれから分離される。希釈剤の大部分及び任意の未転換コモノマーは、好ましくは、重合反応器へ再循環して戻される。好ましくは、次いでポリマーを乾燥する(例えば、反応器から液体及びガスの残留物を除去するため)。任意に、ポリマーを脱灰工程にかける。すなわち、アルコール洗浄し、任意に、炭化水素液体又は水と混合する。脱灰工程はないことが好ましい。

0212

重合プロセス内及びその下流において、ポリエチレンを困難なく取り扱うことができるように、反応器からのポリエチレンは、好ましくは高いかさ密度の比較的大きな粒子をもつことによって、自由流動状態であることが好ましい。

0213

ポリエチレンは、押出し、顆粒化してペレットにすることが好ましい。好ましくは、この重合からペレット化押出機出口までの工程は、不活性(例えば、N2)ガス雰囲気下で実施することが好ましい。

0214

酸化防止剤を、多峰性ポリエチレンに添加することが好ましい(プロセス安定剤及び長期酸化防止剤)。酸化防止剤として、立体障害(sterically hindered)又は半立体障害フェノール芳香族アミン脂肪族立体障害アミン有機ホスフェート及び硫黄含有化合物(例えば、チオエーテル)等のこの目的のために公知のすべての種類の化合物を使用することができる。他の添加剤(粘着防止剤カラーマスターバッチ帯電防止剤スリップ剤フィラーUV吸収剤潤滑剤、酸中和剤及びフルオロエラストマー並びに他のポリマー加工剤)を、任意にポリマーに添加することができる。

0215

多峰性ポリエチレンがパイプの製造に使用される場合、押出しの前に、色素(pigment)(例えば、カーボンブラック)を添加することが好ましい。色素は、マスターバッチの形態で添加されることが好ましい。

0216

更なる添加剤(例えば、ポリマー加工剤又は粘着防止剤)を、多峰性ポリエチレンのペレット化後に添加することができる。この場合、その添加剤は、例えばパイプ等の物品に成形される前に、マスターバッチやそれと混合されたペレットとして使用することが好ましい。

0217

応用
上記に定義したような方法によって得ることができる(例えば、得られる)多峰性ポリエチレンは、本発明の更なる態様を形成する。多峰性ポリエチレンの好ましい特性は、重合プロセスの関連で上記に示した通りである。

0218

メタロセン多峰性ポリエチレンは、
i)多峰性分子量分布;
ii)少なくとも100,000g/molの分子量;
iii)0.2g/10min未満のMFR2;
iv)1g/10min未満のMFR5;
v)少なくとも250g/dm3のかさ密度;及び
vi)800ppm wt未満の灰分含量
を含む。

0219

好ましくは、多峰性ポリエチレンは、100,000〜250,000g/mol、なおより好ましくは130,000〜225,000g/mol、更により好ましくは140,000〜200,000g/molのMwを有する。

0220

好ましくは、多峰性ポリエチレンは、18,000〜40,000g/mol、より好ましくは20,000〜35,000g/mol、より好ましくは20,000〜30,000g/molのMnを有する。

0221

好ましくは、多峰性ポリエチレンは、1〜25、好ましくは2〜15、なおより好ましくは5〜10のMWDを有する。

0222

好ましくは、多峰性ポリエチレンは、0.005〜0.2、より好ましくは0.0075〜0.2、なおより好ましくは0.01〜0.1、更により好ましくは0.015〜0.05g/10minのMFR2を有する。

0223

好ましくは、多峰性ポリエチレンは、0.05〜1、より好ましくは0.01〜0.9、なおより好ましくは0.1〜0.8、更により好ましくは0.3〜0.75g/10minのMFR5を有する。

0224

好ましくは、多峰性ポリエチレンは、920〜970kg/m3、より好ましくは935〜963kg/m3、なおより好ましくは940〜960kg/m3、更により好ましくは945〜955kg/m3の密度を有する。

0225

好ましくは、多峰性ポリエチレンは、好ましくは粉末形態で、250〜400g/dm3、より好ましくは250〜350g/dm3、なおより好ましくは250〜300g/dm3のかさ密度を有する。

0226

好ましくは、多峰性ポリエチレンは、0〜800wt ppm、より好ましくは0〜600wt ppm、なおより好ましくは0〜400wt ppmの灰分含量を有する。

0227

多峰性ポリエチレンは、100wtppm未満の、モーススケールで3超、より好ましくは50〜4、好ましくは20〜5の硬度の材料、最も好ましくは10wt ppm未満の、モーススケールで6超の硬度を有する材料を含有することが好ましい。

0228

好ましくは、多峰性ポリエチレンは、20wtppm未満、より好ましくは15wt ppm未満、更により好ましくは10wt ppm未満、最も好ましくは5wt ppm未満のフルオロカーボン及びフルオロカルビル含量を有する。

0229

多峰性ポリエチレンは、好ましくは押出し、より好ましくはパイプ押出しにおいて使用される。パイプの調製のための方法は、
i)上記に定義したような方法によって多峰性ポリエチレンを調製する工程;及び
ii)前記多峰性ポリエチレンを押出してパイプを生産する工程
を含む。

0230

本発明の多峰性ポリエチレンは、押出し又は成形(例えば、ブロー成形又は射出成形)のために使用することができる。したがって、多峰性ポリエチレンは、パイプ、フィルム及び容器を含む広範囲の物品を作製するために使用することができる。

0231

好ましくは、多峰性ポリエチレンはパイプ用途に使用される。好ましくは、これは、例えばPE80又はPE100標準にしたがってHDPEパイプで使用される。これらのパイプは、水及びガスの分配下水道廃水農業使用、スラリー、化学品等のために使用することができる。

0232

ここで、以下の非限定的な実施例及び図を参照して本発明を説明することとする。

図面の簡単な説明

0233

本発明の方法の概略図である。
非支持型rac-エチレン-ビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド触媒を使用した本発明の方法、及び支持型rac-エチレン-ビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド触媒を使用した比較方法についての重合活性を示すグラフである。
非支持型ビス-n-ブチルシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド触媒を使用した本発明の方法、及び支持型ビス-n-ブチルシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド触媒を使用した比較方法についての重合活性を示すグラフである。
非支持型ビス-n-ブチルシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド触媒を使用した本発明の2峰性重合方法によって生成された2峰性ポリエチレンの圧縮薄厚フィルム試料光学顕微鏡写真である。
支持型ビス-n-ブチルシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド触媒を使用した比較2峰性重合方法によって生成された2峰性ポリエチレンの圧縮薄厚フィルム試料の光学顕微鏡写真である。

0234

ポリマーのための決定方法
別段の記述のない限り、以下のパラメーターは、以下の表で示すようなポリマー試料で測定した。

0235

メルトインデックス(MFR2及びMFR5)は、それぞれ2.16及び5.0kgの荷重で、ISO1133にしたがって測定した。測定は190℃で行った。

0236

分子量及び分子量分布、Mn、Mw及びMWDは、以下の方法にしたがって、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した:重量平均分子量Mw及び分子量分布(MWD=Mw/Mn、ここでMnは数平均分子量であり、Mwは重量平均分子量である)は、ISO 16014-4:2003に基づく方法で測定する。屈折率検出器及びオンライン粘度計を備えたWaters Alliance GPCV2000装置を、1つのPLgel GUARD+3つのPLgelMIXED-B及び溶媒としての1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB、250mg/lの2,6-ジtertブチル-4-メチル-フェノールで安定化されている)で、160℃、及び1ml/minの一定流速で使用した。分析当たり206μΙの試料溶液注入した。カラムセットを、0.58kg/mol〜7500kg/molの範囲の15の狭い分子量分布ポリスチレン(PS)標準品を用いてユニバーサル較正法(ISO 16014-2:2003による)を使用して較正した。これらの標準品はPolymer Labs社からのものであり、1.02〜1.10のMw/Mnを有していた。Mark Houwink定数を、ポリスチレン及びポリエチレンについて使用した(PSについてK:0.19×10-5dl/g及びa:0.655であり、PEについてK:3.9×10-4dl/g及びa:0.725である)。すべての試料を、0.5〜3.5mgのポリマーを4ml(140℃で)の安定化されたTCB(移動相と同じ)に溶解することによって調製し、時折振とうさせながら、140℃で3時間、160℃で更に1時間保持し、次いでGPC装置中へサンプリングした。

0237

コモノマー含量(wt%)を、C13-NMRで較正されたフーリエ変換赤外分光(FTIR)判定法をもとにして決定した。

0238

材料の密度は、勾配液としてイソプロパノール-水を用いてISO 1183:1987(E)、方法Dにしたがって測定した。試料を結晶化させるときのプラーク冷却速度は15℃/minであった。コンディショニング時間は16時間であった。

0239

ポリマーのレオロジーは、平行プレートの形状、25mm直径のプレート及び1.2mmギャップでRheometrics RDA II Dynamic Rheometerを使用して、ISO 6721-10にしたがって、窒素雰囲気下、190℃での周波数掃引することにより決定した。測定により、すべて周波数(ω)の関数として、貯蔵弾性率(G')、損失弾性率(G'')及び複素弾性率(G*)を複素粘度(η*)と併せて得た。これらのパラメーターは以下のような関係がある:任意の周波数ωについて:複素弾性率:G*=(G'2+G''2)1/2。複素粘度:η*=G*/ω。弾性率について使用した単位名はPa(又はkPa)であり、粘度についてはPa s及び周波数(1/s)である。η*0.05は0.05s-1の周波数での複素粘度であり、η*300は300s-1での複素粘度である。Cox-Merz経験則によれば、所与のポリマー及び温度について、この動力学的方法によって測定された周波数の関数としての複素粘度は、定常流(例えば、毛細管)についての剪断速度の関数としての粘度と同じである。

0240

剪断減指数(shear thinning index)SHI(0.05/300)は、2つの粘度イータ0.05(η*0.05)及びイータ300(η*300)の比と定義される。

0241

重合活性(kg PE/mol金属*h)は、ポリマー収率、メタロセン錯体のモルレベル及び反応器中での滞留時間をもとにして、各重合段階で計算した。

0242

重合生産性(kg PE/mol金属)は、ポリマー収率及びメタロセン錯体のモルレベルをもとにして、各重合段階で計算した。

0243

全活性及び全生産性は、異なる段階の間に反応器から取り出されたポリマー試料も考慮に入れて、各反応器におけるポリマー収率及び滞留時間をもとにする。

0244

本明細書で使用されるかさ密度はポリマー粉末で測定する。粉末のかさ密度(緩め(loose)かさ密度)は、未タップ(untapped)粉末試料の質量と、その容積(g/dm3)の比である。ポリマー粉末のかさ密度は、約100gの粉末試料を測定し、それを、漏斗を介して、認定された容積を備える100mlシリンダー中へ自由流動させ、粉末質量を測定することによって決定した。

0245

ポリマーの粒径は、Malvern Mastersizer 2000を使用することにより、乾燥粉末から分析した。

0246

粒径分布については、中央値をd50と称する。d50は、その母集団の半分がこの値より小さい直径と定義されている。同様に、その分布の90パーセントがd90より小さく、母集団の10パーセントがd10より小さい。

0247

ポリマー試料の灰分含量は、ISO 3451-1にしたがって、ポリマーをマイクロ波オーブン中、650℃で20分間加熱することによって測定した。

0248

ポリマー試料の異物粒子含量は、圧縮薄厚フィルム試料で、光学顕微鏡(Leica MZ16a;コントラストモード:透過光/暗視野)を使用して分析した。試料は、1gのポリマー粉末を溶融させ、2枚のマイラーシート間でそれを加熱プレスして約200μmの厚さを有するフィルムにすることによって調製した。異物粒子の定量化は、圧縮薄厚フィルム試料(3.3×2.5mm)での画像解析によって行った。

0249

Al/Meは、重合における、アルミノキサン中のアルミニウムのメタロセンの金属イオン(例えば、Zr)に対する比で(mol/mol)ある。アルミニウムレベルはMAOから、金属レベルはメタロセン錯体から計算する。

0250

実験及び結果
実験
以下の非支持型シングルサイト触媒を重合で使用した:
SSC1:rac-エチレン-ビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド(Mw=426.2g/mol;MCAT社、Germanyから市販されている).
・ SSC2:ビス-n-ブチルシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド(Mw=404.2g/mol;STREM社、Germanyから市販されている)。

0251

参照として、2つの支持型シングルサイト触媒を使用した。触媒は、
比較触媒1:支持型rac-エチレン-ビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド)メタロセン錯体(Zrレベル0.2wt%)。この触媒は米国特許第6291611号にしたがって合成した;
・ 比較触媒2:支持型ビス-n-ブチルシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドメタロセン錯体(Zrレベル0.2wt%)。この触媒はWO93/023439にしたがって合成した。これは、WO98/58001の実施例で使用されているのと同じ触媒である。

0252

重合は、撹拌機及び温度制御システムを備えた3.5及び8リットルの反応器で実施した。すべての稼働について、同じコモノマーフィードシステムを使用した。この手順は以下の工程を含んだ:

0253

低分子量エチレンポリマーの重合:
反応器を窒素でパージし、110℃に加熱した。次いで、1200/3500mlの液体希釈剤を反応器に加え、270rpmで撹拌を開始した。反応器温度は80℃であった。次いで、非支持型メタロセン触媒及びメチルアルミノキサン(MAO)を5分間予め接触させ、300mlの希釈剤と一緒に反応器へロードした。次いで、特定の全圧が得られるようにエチレン及び水素を供給した。次いで、エチレン及び水素を連続的に供給した。十分な量の粉末ができたら、重合を停止し、ヘキサンを蒸発させた。

0254

高分子量エチレンポリマーの重合:
次いで1500/3500mlの液体希釈剤を反応器に加え、270rpmで撹拌を開始した。反応器温度は80℃であった。特定の全圧が得られるようにエチレン、水素及び1-ブテンを供給した。次いで、エチレン、水素及び1-ブテンを連続的に供給した。十分な量の粉末ができたら、重合を停止し、ヘキサンを蒸発させた。

0255

第2の高分子量エチレンポリマーの重合:
次いで1500/3500mlの液体希釈剤を反応器に加え、270rpmで撹拌を開始した。反応器温度は80℃であった。次いで、特定の全圧が得られるようにエチレン、水素及び1-ブテンを供給した。次いで、エチレン、水素及び1-ブテンを連続的に供給した。十分な量の粉末ができたら、重合を停止し、ヘキサンを蒸発させた。

0256

2つの比較2峰性重合も実施した。第1の比較重合(C1)を、非支持型メタロセン触媒及びMAOを使用する代わりに、rac-エチレン-ビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド)メタロセン錯体での支持型触媒を使用したこと以外は上記と同じ方法で実施した。第2の比較重合(C2)を、非支持型メタロセン触媒及びMAOを使用する代わりに、ビス-n-ブチルシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドメタロセン錯体での支持型触媒を使用したこと以外は上記と同じ方法で実施した。

0257

重合E1〜E5、C1又はC2のいずれにおいても、壁上の反応器汚染は起こらなかった。重合手順の更なる詳細及び得られたポリエチレンポリマーの詳細を、以下のTable 1(表2)にまとめる。ここで、RIは、第1の反応器における重合及びその生成物を指し、RIIは、第2の反応器における重合、第1の反応器と第2の反応器を一緒にした生成物(これは2段階重合における最終ポリエチレン生成物である)を指し、RIIIは、第3の反応器における重合、及び第1、第2及び第3の反応器を一緒にした生成物(これは3段階重合における最終生成物である)を指す。

0258

結果
結果は一貫して以下を示した:
・重合活性(金属1mol当たり)は、支持型触媒より、非支持型触媒についてずっと高い。これは、図2及び図3から特に明らかである。ここで、青色は第1の重合の活性を示し、赤色は第2の重合の活性を示し、緑色は全活性を示す。
・支持型メタロセン触媒と比較して、触媒生産性(金属1mol当たり)は高い
・ 第1の重合は、100〜200g/dm3のかさ密度を有する自由流動性ポリエチレン粒子を生じ、第2の重合は、200〜300g/dm3のかさ密度を有する自由流動性ポリエチレン粒子を生ずる

0259

実施例1及び比較例1で行われる重合は、実施例1では触媒が、比較例1の場合のような支持型ではなく非支持型であること以外は、同じ触媒で同一条件下である。用いれらる条件で可能な最高のMWの2峰性ポリマーを得るために、重合は、第2段階において水素を使用することなく稼働した。

0260

Table 1(表2)及びTable 2(表3)における実施例1及び比較例1についての結果の比較を以下に示す:
・ 2峰性重合での非支持型シングルサイト触媒の使用は、他が同一条件下での同じ触媒の支持型バージョンによる重合より、大幅に高いMW(142,000 c.f. 120,000g/mol)のポリエチレンをもたらす。
・ 2峰性重合での非支持型シングルサイト触媒の使用は、他が同一条件下での同じ触媒の支持型バージョンによる重合より、大幅に低いMFR5(それぞれ0.38 c.f. 1.14g/10min)のポリエチレンをもたらす。非支持型シングルサイト触媒を用いて得られたMFR値は、パイプの生産に適した2峰性ポリエチレンを提供する。
・ 2峰性重合での非支持型シングルサイト触媒の使用は、驚くべきことに、反応器汚染を全くもたらさなかった。
・ 2峰性重合での非支持型シングルサイト触媒の使用は、良好な形状及び適度に高いかさ密度(310 vs.350g/dm3)を有するポリマー粒子を生成した。
・ 2峰性重合での非支持型シングルサイト触媒の使用は、他が同一条件下での同じ触媒の支持型バージョンによる重合より、大幅に低い灰分含量(500 c.f. 1310wt ppm)を有するポリエチレンを生成した。
・ 2峰性重合での非支持型シングルサイト触媒の使用は、他が同一条件下での同じ触媒の支持型バージョンによる重合より、大幅に低いゲルを有するポリエチレンを生成した。

0261

Table 1(表2)及びTable 2(表3)における実施例2及び比較例2についての結果の比較を以下に示す:
・ 2峰性重合での非支持型シングルサイト触媒の使用は、他が同一条件下での同じ触媒の支持型バージョンによる重合より、大幅に高いMW(100,000 c.f. 60,000g/mol)のポリエチレンをもたらす。
・ 2峰性重合での非支持型シングルサイト触媒の使用は、他が同一条件下での同じ触媒の支持型バージョンによる重合より、大幅に低いMFR2.16及びMFR5(それぞれ、2.3 c.f. 13g/10min及び4.4 c.f. 31g/10min)のポリエチレンをもたらす。
・ 2峰性重合での非支持型シングルサイト触媒の使用は、驚くべきことに、反応器汚染を全くもたらさなかった。
・ 2峰性重合での非支持型シングルサイト触媒の使用は、良好な形状及び適度に高いかさ密度を有するポリマー粒子を生成した。
・ 2峰性重合での非支持型シングルサイト触媒の使用は、他が同一条件下での同じ触媒の支持型バージョンによる重合より、大幅に低い灰分含量(470 c.f. 910wt ppm)を有するポリエチレンを生成した。
・ 2峰性重合での非支持型シングルサイト触媒の使用は、他が同一条件下での同じ触媒の支持型バージョンによる重合より、大幅に低いゲルを有するポリエチレンを生成した。

0262

実施例2(E2-RII)及び比較例2(C2-RII)の2峰性ポリマー生成物の異物粒子含量は、上記したような光学顕微鏡を使用して解析した。結果を、図4A(E2-RII)及び図4B(C2-RII)に示す。結果の比較は、非支持型シングルサイト触媒を使用した場合、試料プレート上に異物粒子が認められないことを示している。他が同一条件下での同じ触媒の支持型バージョンを使用した場合、光学顕微鏡で、多量の異物粒子(シリカと特定された)が試料プレート上に見出された。

0263

Table 3(表4)は、実施例2(E2-RII)及び比較例2(C2-RII)の2峰性ポリマー生成物における異物粒子の定量化を示している。これを、画像解析を使用して実施した。粒子を異なるサイズカテゴリー(est.直径)に分けた。

0264

結果の比較は、非支持型触媒を使用した場合、試料プレート上に異物粒子が認められないことを示している。支持型触媒を使用した場合、大部分で、直径サイズ20〜40μm及び40〜60μmを有する粒子が観察された。これは、2峰性重合での非支持型シングルサイト触媒の使用は、他が同一条件下での同じ触媒の支持型バージョンによる重合より、大幅に低い異物粒子、例えばシリカ含量を有するポリエチレンを生成していることを示している。

0265

実施例3及び比較例2において実施された重合は、実施例3では、その触媒が、比較例2のような支持型ではなく非支持型であること以外は同じ触媒であるが、同じ2峰性ポリエチレンが得られるように設計された異なる条件のもとである。実施例3では、第2段階重合において、MW制御剤として水素が存在するのに対して、比較例2では、重合の第1段階又は第2段階のいずれにおいても水素は使用されていない。

0266

Table 1(表2)及びTable 2(表3)における実施例3及び比較例2についての結果の比較は、生成したポリマーが、同等の密度、MFR2.16、MFR5及び分子量を有することを示している。しかし、非支持型シングルサイト触媒を使用して実施例3で生成されたポリマーは、ずっと低い灰分含量(320wt c.f. 910wt ppm)を有している。

0267

どちらも3段階重合である実施例4及び5についての結果を以下に示す:
・ 3峰性重合における非支持型シングルサイト触媒の使用は、高いMW(125,000及び138,000g/mol)、約950kg/dm3の密度及び0.47又は0.49g/10minのMFR5値を有するポリエチレンをもたらす。非支持型シングルサイト触媒を用いて得られたMFR値は、パイプの生産に適した3峰性ポリエチレンを提供する。
・ 3峰性重合における非支持型シングルサイト触媒の使用は、驚くべきことに、反応器汚染を全くもたらさなかった。
・ 3峰性重合における非支持型シングルサイト触媒の使用は、良好な形状を有するポリマー粒子を生成した
・ 3峰性重合における非支持型シングルサイト触媒の使用は、低い灰分含量及び低いゲルを有するポリエチレンを生成した。

0268

実施例6〜8で実施された重合は、MFR2が10未満である第1工程のホモ重合において反応器汚染挙動を示している。試験E6、E7及びE8を行って、反応器汚染挙動に対するポリマーメルトインデックスの影響を確認した。E6及びE7では、非支持型rac-エチレン-ビス(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド)メタロセン錯体を使用し、E8では、非支持型ビス-n-ブチルシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリドメタロセン錯体を使用した。E6及びE7について、E1-RIを参照として使用し、E8について、E2-RIを参照として使用する。

0269

MFR2>10での参照試験E1-RI及びE2-RIでは、反応器汚染又は集塊(clump)形成は観察されなかった。第1段階重合試験、E6、E7及びE8を、MFR2<10(それぞれ0.39、2.1、8.8)でポリマーを生成させることによって行った場合、すべての試験において有意の反応器汚染が観察された。反応器汚染のレベルは、メルトインデックスで小さくなるのにしたがって増大し;試験E6、E7及びE8では、全ポリマー量のそれぞれ約40、20及び5wt%が、反応器機器表面上に付着した。反応器壁上での汚染の他に、E6及びE7で、凝集及びポリマー集塊ももたらされた。すべての実施例E6、E7及びE8において、反応器汚染及び集塊は、反応器操作、反応器の冷却及び撹拌での重大な問題を引き起こした。

0270

0271

0272

0273

0274

0275

0276

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ