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課題・解決手段

本発明は、熱可塑性高分子組成物の少なくとも第1の層を備えた、プラスチック利用農業に使用するためのフイルムであって、その熱可塑性高分子組成物が、190℃の温度および2.16kgの荷重でのASTMD1238にしたがって測定して、1.0g/10分より高く、かつ多くとも10.0g/10分のメルトインデックスMI)を有し、それによって、ISO 4287:1997の項目4.2.2にしたがってAFMにより測定して、40nm未満のRMS粗さ、および/またはISO 4287:1997の項目4.2.1にしたがってAFMにより測定して、30nm未満の平均粗さを有するフイルムに関する。

概要

背景

直鎖状低密度ポリエチレンフイルムが、多種多様な用途に使用されている。本発明によるLLDPEフイルムは、マルチフイルム農業用フイルムおよび温室用フイルムなどのプラスチック利用農業用途に使用するのに特に適している。

栄養製品の世界的な要求がかつてなく増大しており、栄養製品の製造の最適化が、技術開発の重要な分野となっている。この分野において、益々高まる注目を集めている解決策の1つは、プラスチック利用農業(plasticulture)である。プラスチック利用農業は、農作物成長過程をさらに増強するために、園芸におけるプラスチックフイルム材料の使用と定義される。マルチフイルム、カバー、および高いまたは低いポリトンネルなどのプラスチックフイルムが使用される様々な解決策が存在する。これらのポリトンネルは、プラスチックフイルムカバーを使用して製造されるトンネル型温室構造であり、これにより、農家はポリトンネルカバーの下で農作物に従事することができる。園芸は、例えば、果物野菜、木の実、種、ハーブもやしマッシュルーム藻類、花、、並びに草や観賞樹や苗木などの非食品農作物の1つ以上から選択される農作物の栽培を含む植物栽培を扱う農業の一分野と定義される。

温室は、園芸のために状態調節された環境を確保するための一般に使用されている構造物である。農作物に合わせられた好ましい成長条件を作り出すことによって、例えば、栽培過程における品質、数量および空時収量を、屋外栽培と比べて、改善することができる。

土地利用融通性を増加させるために、一時的な温室により、土地一単位を、1つ以上の季節に亘りプラスチック利用農業条件下で栽培することが可能になる。これにより、農家は、その土地の区域で栽培すべき農作物の種類の選択に融通を利かせることが可能になる。一時的な温室は、一般に、通常は、トンネル形状の形態にある、土地の一区域を覆うテント型構造を有する。そのようなトンネル型温室は、ポリトンネルと称される。これらのポリトンネルのカバーは、一般に高分子フイルムから製造されている。特に有用な高分子フイルムは、ポリエチレンフイルムである。

経済規模で材料品質を提供するために、そのポリトンネルを製造するために使用されるフイルムは、例えば、ヘイズ透明度および光沢などの光学的性質、並びに例えば、引張強度および引張伸びなどの機械的性質、および例えば、ブローアップ比および生産速度などのフイルム製造特性を含む性質によって規定される。

直鎖状低密度ポリエチレンは、フイルム製造のためのよく知られた材料である。直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンと、コモノマーとして使用される、3から20の炭素原子を有する第2のα−オレフィンとの共重合により導入される短鎖を含むポリエチレンである。この第2のα−オレフィンは、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン1−ヘキセン1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンおよびそれらの混合物から選択してよい。第2のα−オレフィンとして、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンを使用することが好ましく、1−ブテンが最も好ましい。必要なコモノマーの量は、例えば、所望の生成物の性質および使用される特定のコモノマーに依存する。当業者は、所望の生成物を得るために適切な量を容易に選択することができる。一般に、0.01から30質量%の1種類以上のコモノマーおよび70から99.99質量%のエチレン単位を含有するLLDPEが提供される。LLDPEを製造するための重合プロセスは、通常、不均一系触媒が使用される触媒プロセスである。一般的な触媒系としては、チーグラーナッタ触媒フィリップスクロム触媒、およびメタロセン触媒としても知られているシングルサイト触媒が挙げられる。LLDPEは、スラリープロセス、溶液プロセス、および気相プロセスにより製造されることがある。LLDPEの密度が、915kg/m3と935kg/m3の間に及ぶことが好ましい。LLDPE材料およびその製造は、よく知られており、例えば、非特許文献1に提示されている。

様々なポリエチレン材料の解決策が、調査されてきた、および/または商業的環境において使用されてきた。しかしながら、LDPEフイルムは良好な機械的性質を欠如しており、一方でLLDPEは、良好な光学的性質を欠如し、インフレーションフイルム製造によるフイルムの製造におけるバブル安定性が乏しい。

プラスチック利用農業向けのLDPEまたはLLDPEいずれかの使用に関連する問題を克服するために、数多くの開発が報告されている。例えば、特許文献1において、単層LDPEフイルムは、所望の引き裂き抵抗を欠如しているのに対し、従来のチーグラー・ナッタ触媒LLDPEの単層フイルムは、ヘイズなどの所望の光学的性質を欠如していることが認識されている。これらを克服するために、特許文献1の発明は、LLDPE層およびLDPE層の両方を備えた多層系に関する。

温室用フイルムへのLLDPEの使用が、特に、特許文献2に記載されている。しかしながら、この公報におけるLLDPEは、従来のチーグラー・ナッタ触媒系を使用して製造されており、この材料により製造されたフイルムはまだ、高いヘイズを示す。その結果、特許文献2に記載されたLLDPE材料は、低ヘイズが望ましい本発明による用途への使用に相応しくない。

概要

本発明は、熱可塑性高分子組成物の少なくとも第1の層を備えた、プラスチック利用農業に使用するためのフイルムであって、その熱可塑性高分子組成物が、190℃の温度および2.16kgの荷重でのASTMD1238にしたがって測定して、1.0g/10分より高く、かつ多くとも10.0g/10分のメルトインデックスMI)を有し、それによって、ISO 4287:1997の項目4.2.2にしたがってAFMにより測定して、40nm未満のRMS粗さ、および/またはISO 4287:1997の項目4.2.1にしたがってAFMにより測定して、30nm未満の平均粗さを有するフイルムに関する。

目的

本発明の課題は、良好な機械的性質および良好な光学的性質の組合せを有し、単層フイルムとして製造されることもある、プラスチック利用農業用途のための直鎖状低密度ポリエチレンフイルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

プラスチック利用農業に使用するためのフイルムであって、該フイルムが熱可塑性高分子組成物の少なくとも第1の層を含み、該熱可塑性高分子組成物が、190℃の温度および2.16kgの荷重でのASTMD1238にしたがって測定して、1.0g/10分より高く、かつ多くとも10.0g/10分のメルトインデックスMI)を有する直鎖状低密度ポリエチレンを含み、それによって、前記フイルムが、ISO4287:1997の項目4.2.2にしたがってAFMにより測定して40nm未満のフイルムRMS粗さ、および/またはISO4287:1997の項目4.2.1にしたがって測定して30nm未満の平均粗さを有することを特徴とするフイルム。

請求項2

前記直鎖状低密度ポリエチレンが、新型チーグラーナッタ触媒の存在下で、エチレンと、第2のα−オレフィンコモノマーとの共重合体を製造する方法により得られ、前記新型チーグラー・ナッタ触媒が、(a)ヒドロキシル基を有する脱水された担体を、一般式MgR1R2を有するマグネシウム化合物と接触させる工程、式中、R1およびR2は、同じかまたは異なり、独立して、アルキル基アルケニル基アルカジエニル基アリール基アルカリール基アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択される;(b)工程(a)において得られた生成物を、改質化合物(A)、(B)および(C)と接触させる工程、ここで、化合物(A)は、カルボン酸カルボン酸エステルケトンハロゲン化アシルアルデヒドおよびアルコールからなる群より選択される少なくとも1種類の化合物である、化合物(B)は、一般式R11f(R12O)gSiXhを有する化合物である、式中、f、gおよびhは、各々、0から4の整数であり、hが4である場合、改質化合物(A)がアルコールではないという条件で、f、gおよびhの合計が4であり、Siはケイ素原子であり、Oは酸素原子であり、Xはハロゲン原子であり、R11およびR12は、同じかまたは異なり、独立して、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択され;化合物(C)は、一般式(R13O)4Mを有する化合物である、式中、Mは、チタン原子ジルコニウム原子またはバナジウム原子であり、Oは酸素原子であり、R13は、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択される;および(c)工程(b)において得られた生成物を、一般式TiX4を有するハロゲン化チタン化合物と接触させる工程、式中、Tiがチタン原子であり、Xがハロゲン原子である;を有してなるプロセスにおいて製造される、請求項1記載のフイルム。

請求項3

前記第2のα−オレフィンコモノマーが、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン1−ヘキセン1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンおよびそれらの混合物から選択される、請求項2記載のフイルム。

請求項4

前記新型チーグラー・ナッタ触媒の前記担体が、シリカアルミナマグネシアトリアジルコニアまたはそれらの混合物から選択される、請求項2または3記載のフイルム。

請求項5

前記化合物(A)が、メチル−n−プロピルケトン、酢酸エチル酢酸n−ブチル、酢酸、イソ酪酸イソブチルアルデヒド塩化エタノイルエタノールまたはsec−ブタノールから選択される、請求項2から4いずれか1項記載のフイルム。

請求項6

前記化合物(B)が、テトラエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシランイソブチルトリメトキシシランジメチルジクロロシラン、n−ブチルトリクロロシランまたは四塩化ケイ素から選択される、請求項2から5いずれか1項記載のフイルム。

請求項7

前記化合物(C)が、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−ブトキシドまたはジルコニウムテトラ−n−ブトキシドから選択される、請求項2から6いずれか1項記載のフイルム。

請求項8

TiX4がTiCl4である、請求項2から7いずれか1項記載のフイルム。

請求項9

前記熱可塑性高分子組成物が、吸収添加剤の添加によって、光活性領域における放射線の吸収を防ぐように最適化されており、前記吸収添加剤が、NIR吸収添加剤および/またはUV吸収添加剤から選択される、請求項1から8いずれか1項記載のフイルム。

請求項10

前記熱可塑性高分子組成物がNIR吸収添加剤またはUV吸収添加剤を含む、請求項1から9いずれか1項記載のフイルム。

請求項11

前記NIR吸収添加剤が、有機NIR吸収添加剤または無機NIR吸収添加剤、もしくはそれらの組合せから選択される1つ以上である、請求項10記載のフイルム。

請求項12

前記フイルムが、100℃から300℃の温度プロファイルおよび/または0.1mmから7mmのダイギャップおよび/または10cmから90cmのフロストライン高さおよび/または1.2:1から5:1のブローアップ比で製造される、請求項1から11いずれか1項記載のフイルム。

請求項13

前記UV吸収添加剤が、ベンゾフェノンベンゾトリアゾールおよびサリチル酸エステル、またはそれらの組合せから選択される1つ以上である、請求項10記載のフイルム。

請求項14

農業用フイルムとしての、請求項1から13いずれか1項記載のフイルムの使用。

請求項15

請求項1から13いずれか1項記載のフイルムを備えた温室カバー

技術分野

0001

本発明は、プラスチック利用農業用途に使用するための、LLDPEとも称される直鎖状低密度ポリエチレンを含む熱可塑性高分子組成物から製造されたフイルムであって、LLDPEが新型チーグラーナッタ触媒を使用して製造されるものである、フイルムに関する。本発明は、そのフイルムの温室カバーマルチフイルムまたは農業用フイルムとしての使用にも関する。本発明はさらに、そのフイルムから作られた温室用カバー、およびその温室用カバーを備えた温室に関する。

背景技術

0002

直鎖状低密度ポリエチレンフイルムが、多種多様な用途に使用されている。本発明によるLLDPEフイルムは、マルチフイルム、農業用フイルムおよび温室用フイルムなどのプラスチック利用農業用途に使用するのに特に適している。

0003

栄養製品の世界的な要求がかつてなく増大しており、栄養製品の製造の最適化が、技術開発の重要な分野となっている。この分野において、益々高まる注目を集めている解決策の1つは、プラスチック利用農業(plasticulture)である。プラスチック利用農業は、農作物成長過程をさらに増強するために、園芸におけるプラスチックフイルム材料の使用と定義される。マルチフイルム、のカバー、および高いまたは低いポリトンネルなどのプラスチックフイルムが使用される様々な解決策が存在する。これらのポリトンネルは、プラスチックフイルムカバーを使用して製造されるトンネル型温室構造であり、これにより、農家はポリトンネルカバーの下で農作物に従事することができる。園芸は、例えば、果物野菜、木の実、種、ハーブもやしマッシュルーム藻類、花、、並びに草や観賞樹や苗木などの非食品農作物の1つ以上から選択される農作物の栽培を含む植物栽培を扱う農業の一分野と定義される。

0004

温室は、園芸のために状態調節された環境を確保するための一般に使用されている構造物である。農作物に合わせられた好ましい成長条件を作り出すことによって、例えば、栽培過程における品質、数量および空時収量を、屋外栽培と比べて、改善することができる。

0005

土地利用融通性を増加させるために、一時的な温室により、土地一単位を、1つ以上の季節に亘りプラスチック利用農業条件下で栽培することが可能になる。これにより、農家は、その土地の区域で栽培すべき農作物の種類の選択に融通を利かせることが可能になる。一時的な温室は、一般に、通常は、トンネル形状の形態にある、土地の一区域を覆うテント型構造を有する。そのようなトンネル型温室は、ポリトンネルと称される。これらのポリトンネルのカバーは、一般に高分子フイルムから製造されている。特に有用な高分子フイルムは、ポリエチレンフイルムである。

0006

経済規模で材料品質を提供するために、そのポリトンネルを製造するために使用されるフイルムは、例えば、ヘイズ透明度および光沢などの光学的性質、並びに例えば、引張強度および引張伸びなどの機械的性質、および例えば、ブローアップ比および生産速度などのフイルム製造特性を含む性質によって規定される。

0007

直鎖状低密度ポリエチレンは、フイルム製造のためのよく知られた材料である。直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンと、コモノマーとして使用される、3から20の炭素原子を有する第2のα−オレフィンとの共重合により導入される短鎖を含むポリエチレンである。この第2のα−オレフィンは、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン1−ヘキセン1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンおよびそれらの混合物から選択してよい。第2のα−オレフィンとして、1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンを使用することが好ましく、1−ブテンが最も好ましい。必要なコモノマーの量は、例えば、所望の生成物の性質および使用される特定のコモノマーに依存する。当業者は、所望の生成物を得るために適切な量を容易に選択することができる。一般に、0.01から30質量%の1種類以上のコモノマーおよび70から99.99質量%のエチレン単位を含有するLLDPEが提供される。LLDPEを製造するための重合プロセスは、通常、不均一系触媒が使用される触媒プロセスである。一般的な触媒系としては、チーグラー・ナッタ触媒、フィリップスクロム触媒、およびメタロセン触媒としても知られているシングルサイト触媒が挙げられる。LLDPEは、スラリープロセス、溶液プロセス、および気相プロセスにより製造されることがある。LLDPEの密度が、915kg/m3と935kg/m3の間に及ぶことが好ましい。LLDPE材料およびその製造は、よく知られており、例えば、非特許文献1に提示されている。

0008

様々なポリエチレン材料の解決策が、調査されてきた、および/または商業的環境において使用されてきた。しかしながら、LDPEフイルムは良好な機械的性質を欠如しており、一方でLLDPEは、良好な光学的性質を欠如し、インフレーションフイルム製造によるフイルムの製造におけるバブル安定性が乏しい。

0009

プラスチック利用農業向けのLDPEまたはLLDPEいずれかの使用に関連する問題を克服するために、数多くの開発が報告されている。例えば、特許文献1において、単層LDPEフイルムは、所望の引き裂き抵抗を欠如しているのに対し、従来のチーグラー・ナッタ触媒LLDPEの単層フイルムは、ヘイズなどの所望の光学的性質を欠如していることが認識されている。これらを克服するために、特許文献1の発明は、LLDPE層およびLDPE層の両方を備えた多層系に関する。

0010

温室用フイルムへのLLDPEの使用が、特に、特許文献2に記載されている。しかしながら、この公報におけるLLDPEは、従来のチーグラー・ナッタ触媒系を使用して製造されており、この材料により製造されたフイルムはまだ、高いヘイズを示す。その結果、特許文献2に記載されたLLDPE材料は、低ヘイズが望ましい本発明による用途への使用に相応しくない。

0011

欧州特許第1961557号明細書
中国特許第102746563号明細書

先行技術

0012

‘Polyethylene, linear low-density’, Y. Kissin, in ‘Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology’, John Wiley & Sons, 2000

発明が解決しようとする課題

0013

したがって、本発明の課題は、良好な機械的性質および良好な光学的性質の組合せを有し、単層フイルムとして製造されることもある、プラスチック利用農業用途のための直鎖状低密度ポリエチレンフイルムを提供することにある。

0014

特に、本発明の課題は、高い光透過率が望ましい、プラスチック利用農業用途のための直鎖状低密度ポリエチレンフイルムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0015

この課題は、熱可塑性高分子組成物の少なくとも第1の層を含む、またはからなる、プラスチック利用農業に使用するためのフイルムであって、その熱可塑性高分子組成物が、190℃の温度および2.16kgの荷重でのASTMD1238にしたがって測定して、1.0g/10分より高く、かつ多くとも10.0g/10分のメルトインデックスMI)を有する直鎖状低密度ポリエチレンを含み、それによって、ISO 4287:1997の項目4.2.2にしたがってAFMにより測定して、40nm未満のRMS粗さ、および/またはISO 4287:1997の項目4.2.1にしたがってAFMにより測定して、30nm未満の平均粗さを有するフイルムによって、本発明にしたがって達成される。

0016

ISO 4287:1997は、それについて、幾何学的製品仕様表面性状:プロファイル法に関する。原子間力顕微鏡法(AFM)は、それについて、その測定に使用される。二乗平均平方根粗さ(RMS粗さ)は、それについて、AFMを使用して、ISO 4287:1997の項目4.2.2に記載されているように測定することができる。このように、二乗平均平方根粗さ(RMS粗さ)は、評価されたプロファイルの二乗平均平方根であり得る。したがって、一次プロファイル、粗さプロファイルまたは波形プロファイルを使用できる。しかしながら、そのために、一次プロファイルを使用できることが好ましい。その平均粗さは、それについて、AFMを使用して、ISO 4287:1997の項目4.2.1に記載されたように測定することができる。このように、平均粗さは、評価されたプロファイルの算術平均値であり得る。したがって、一次プロファイル、粗さプロファイルまたは波形プロファイルを使用できる。しかしながら、そのために一次プロファイルを使用できることが好ましい。測定は、タッピングモードでAFMを使用して行えることが好ましい。粗さ測定の前に、自動平面調整および/または特に、例えば、「一次元湾曲除去」操作を適用してよい。そのプロファイルのサンプリング長さは、好ましくは、例えば、ライン当たり256データ点で、好ましくは、例えば、1μm、5μmまたは20μmであり得る。二乗平均平方根粗さ(RMS粗さ)および/または平均粗さの値も、例えば、いくつかの測定値の平均であってよい。平均粗さおよび/またはRMS粗さの値は、それについて、例えば、特に、例えば、表面構造性状上の、および/または結晶性および/または非晶質ドメインのサイズおよび/または形状について、フイルムの形態に関し得る。フイルムの形態は、それについて、フイルム特性に影響し得る。フイルム形態は、転じて、特に、例えば、フイルムの材料を製造するために使用される触媒の性質に影響を受け得る。本出願の発明者等は、それについて、RMS粗さおよび/または平均粗さに関して本発明による値を有するフイルムは、例えば、それらを特にプラスチック利用農業用途に特に適したものにする、改善された/良好な光学的性質および/または良好な機械的性質を有するであろうことを見出した。

0017

好ましい実施の形態において、本発明によるプラスチック利用農業に使用するためのフイルムは、直鎖状低密度ポリエチレンを含む熱可塑性高分子組成物の少なくとも第1の層を備え、その直鎖状低密度ポリエチレンが、新型チーグラー・ナッタ触媒の存在下で、エチレンと第2のα−オレフィンコモノマーとの共重合体を製造するプロセスにより得られ、その新型チーグラー・ナッタ触媒は、
(a)ヒドロキシル基を有する脱水された担体を、一般式MgR1R2を有するマグネシウム化合物と接触させる工程、式中、R1およびR2は、同じかまたは異なり、独立して、アルキル基アルケニル基アルカジエニル基アリール基アルカリール基アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択される;
(b)工程(a)において得られた生成物を、改質化合物(A)、(B)および(C)と接触させる工程、ここで、
化合物(A)は、カルボン酸カルボン酸エステルケトンハロゲン化アシルアルデヒドおよびアルコールからなる群より選択される少なくとも1種類の化合物である、
化合物(B)は、一般式R11f(R12O)gSiXhを有する化合物である、式中、f、gおよびhは、各々、0から4の整数であり、hが4である場合、改質化合物(A)がアルコールではないという条件で、f、gおよびhの合計が4であり、Siはケイ素原子であり、Oは酸素原子であり、Xはハロゲン原子であり、R11およびR12は、同じかまたは異なり、独立して、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択され;
化合物(C)は、一般式(R13O)4Mを有する化合物である、式中、Mは、チタン原子ジルコニウム原子またはバナジウム原子であり、Oは酸素原子であり、R13は、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択される;および
(c)工程(b)において得られた生成物を、一般式TiX4を有するハロゲン化チタン化合物と接触させる工程、式中、Tiがチタン原子であり、Xがハロゲン原子である;
を有してなるプロセスにより製造され、
前記フイルムは、ISO 4287:1997の項目4.2.2にしたがってAFMにより測定して、40nm未満のRMS粗さ、および/またはISO 4287:1997の項目4.2.1にしたがってAFMにより測定して、30nm未満の平均粗さをさらに有することがある。

0018

好ましい実施の形態において、ISO 4287:1997の項目4.2.2にしたがってAFMにより測定した、サンプルの前記RMS粗さは、例えば、39nm未満、より好ましくは38nm未満、より好ましくは37nm未満、より好ましくは36nm未満、より好ましくは35nm未満、より好ましくは34nm未満、より好ましくは33nm未満、より好ましくは32nm未満、より好ましくは31nm未満、より好ましくは30nm未満、より好ましくは29nm未満、より好ましくは28nm未満、より好ましくは27nm未満、より好ましくは26nm未満、より好ましくは25nm未満、より好ましくは24nm未満、より好ましくは23nm未満、より好ましくは22nm未満、より好ましくは21nm未満、より好ましくは20nm未満、より好ましくは19nm未満、より好ましくは18nm未満、より好ましくは17nm未満、より好ましくは16nm未満、より好ましくは15nm未満、より好ましくは14nm未満、より好ましくは13nm未満、より好ましくは12nm未満、より好ましくは11nm未満、より好ましくは10nm未満であることがある。

0019

別の好ましい実施の形態において、ISO 4287:1997の項目4.2.1にしたがって測定した前記平均粗さは、例えば、29nm未満、より好ましくは28nm未満、より好ましくは27nm未満、より好ましくは26nm未満、より好ましくは25nm未満、より好ましくは24nm未満、より好ましくは23nm未満、より好ましくは22nm未満、より好ましくは21nm未満、より好ましくは20nm未満、より好ましくは19nm未満、より好ましくは18nm未満、より好ましくは17nm未満、より好ましくは16nm未満、より好ましくは15nm未満、より好ましくは14nm未満、より好ましくは13nm未満、より好ましくは12nm未満、より好ましくは11nm未満、より好ましくは10nm未満であることがある。

0020

フイルムの粗さは、例えば、光透過率に関連することがあり、それによって、本発明による粗さは、例えば、本発明によるLLDPEフイルムの改善された光透過率に寄与し得る。

0021

好ましい実施の形態において、前記第2のα−オレフィンコモノマーは、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンおよびそれらの混合物から選択される。

0022

別の好ましい実施の形態において、前記新型チーグラー・ナッタ触媒の担体は、シリカアルミナマグネシアトリアジルコニアまたはそれらの混合物から選択される。

0023

さらに別の好ましい実施の形態において、前記化合物(A)は、メチル−n−プロピルケトン、酢酸エチル酢酸n−ブチル、酢酸、イソ酪酸イソブチルアルデヒド塩化エタノイルエタノールまたはsec−ブタノールから選択される。

0024

さらに別の好ましい実施の形態において、前記化合物(B)は、テトラエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシランイソブチルトリメトキシシランジメチルジクロロシラン、n−ブチルトリクロロシランまたは四塩化ケイ素から選択される。

0025

さらに別の好ましい実施の形態において、前記化合物(C)は、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−ブトキシドまたはジルコニウムテトラ−n−ブトキシドから選択される。

0026

さらに別の好ましい実施の形態において、前記TiX4はTiCl4である。

0027

成長条件に影響する要因の内の1つは、温室用フイルムを通過できる放射線である。照射線の特定の波長に対する透明度を制御するために、そのフイルムは、特定の放射線を吸収する機能を持つ添加剤を含むことがある。栽培すべき農作物のタイプに応じて、本発明によるフイルムを製造するために使用される熱可塑性高分子組成物は、そのような添加剤を含んでよい。使用してよい放射線吸収添加剤に、例えば、紫外線吸収添加剤UV吸収添加剤)および近赤外線吸収添加剤(NIR吸収添加剤)がある。その目的は、光活性領域またはPARとして知られている、農作物の成長にとって重要である帯域幅範囲内の放射線の透過を最大にし、PARより高いか低い帯域幅の放射線の透過を最小にすることである。PARの帯域幅範囲は、400nmと700nmの間である。

0028

PARより上の波長の放射線を吸収するために、本発明によるフイルムを製造するために使用される熱可塑性高分子組成物は、NIR吸収添加剤を含むことがある。このことは、入射放射線におけるNIR放射線の量が比較的大きい、乾燥地域において適用されるフイルムにとって特に必要である。そのような状況では、温室内過度温度上昇、並びに農作物の栄養にとって重要な水の、土壌からの蒸発がもたらされることがある。NIR吸収添加剤は、典型的に、700〜1500nmの帯域幅区域の放射線を吸収する。

0029

PARより下の波長の放射線を吸収するために、本発明によるフイルムを製造するために使用される熱可塑性高分子組成物は、UV吸収添加剤を含むことがある。

0030

好ましい実施の形態において、前記熱可塑性高分子組成物は、吸収添加剤の添加によって、光活性領域における放射線の吸収を防ぐように最適化される。

0031

別の好ましい実施の形態において、前記吸収添加剤は、NIR吸収添加剤および/またはUV吸収添加剤から選択される。

0032

さらに別の好ましい実施の形態において、前記熱可塑性高分子組成物は、NIR吸収添加剤を含むことがある。

0033

前記NIR吸収添加剤が、有機または無機NIR吸収添加剤、またはそれらの組合せから選択される1つ以上であることが好ましい。その有機NIR吸収添加剤は、フタロシアニンナフタロシアニンアゾ染料アントラキノンインモニウム染料ペリレンクアテリレン、およびポリメチンから選択される1つ以上であってよい。好ましくは、その有機NIR吸収添加剤が、例えば、熱可塑性高分子組成物の総質量に対して、1から100,000ppm、好ましくは1から1000ppm、より好ましくは20から400ppmの量で存在することがある。

0034

前記無機NIR吸収添加剤は、酸化スズ改質スズ酸化物酸化亜鉛、改質酸化亜鉛、およびホウ化物から選択される1つ以上であり得る。その無機NIR吸収添加剤の平均粒径が、例えば、好ましくは200nm未満、より好ましくは20nmと200nmの間である。その無機NIR吸収添加剤は、例えば、熱可塑性高分子組成物の総質量に対して、好ましくは0.02ppmから3000ppm、より好ましくは1ppmから1500ppm、さらにより好ましくは2.5pmから600ppmの量で存在することがある。

0035

さらに好ましい実施の形態において、前記熱可塑性高分子組成物は、UV吸収添加剤を含むことがある。

0036

さらに好ましい実施の形態において、前記UV吸収添加剤は、ベンゾフェノンベンゾトリアゾールおよびサリチル酸エステル、またはそれらの組合せから選択される1つ以上である。

0037

前記UV吸収添加剤は、熱可塑性高分子組成物の総質量に対して、1から15質量%、好ましくは2から12質量%、より好ましくは3から11質量%、さらにより好ましくは4から10質量%、さらにより好ましくは5から8質量%の量で存在することがある。そのような量は、望ましくないUV放射線がフイルムを通過するのを防ぐのに十分な能力を与える。

0038

本発明によるフイルムが単層フイルムであることが好ましい。

0039

本発明は、特に、例えば、高い光透過率が望ましい用途のための、例えば、植物カバー、ポリトンネル/温室のカバー/構成要素としての用途のための、農業用フイルムとしての本発明によるフイルムの使用にも関する。それゆえ、本発明は、本発明によるフイルムを備えた温室用カバー、特に、ポリトンネルカバーにも関する。

0040

特にAZ触媒の存在下での、エチレンと別のα−オレフィンとの共重合体を製造するプロセスにより得られるLLDPE高分子を、AZ LLDPEと称することができる。

0041

LLDPE
本発明によるポリエチレン組成物は、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、好ましくはAZ LLDPEを含み得るおよび/またはからなり得る。AZ LLDPEは、それについて、新型チーグラー・ナッタ触媒(AZ触媒)の存在下でエチレンおよび別のα−オレフィンを製造するプロセスにより得られる。

0042

AZ触媒を製造するプロセス
新型チーグラー・ナッタ触媒は、ヒドロキシル(OH)基を有する脱水された固体担体をマグネシウム化合物と接触させて、固体マグネシウム含有担体材料を形成する第1の工程(a)を含むプロセスにおいて製造される。

0043

前記固体担体は、ヒドロキシル基を含有するどのような材料であってもよい。そのような材料の適切な例としては、シリカ、アルミナ、マグネシア、トリア、ジルコニアなどの無機酸化物およびそのような酸化物の混合物が挙げられる。その担体として多孔質シリカを使用することが好ましい。何故ならば、それにより、高い嵩密度および高い触媒生産性が得られるからである。シリカは、1マイクロメートルから500マイクロメートル、好ましくは約5マイクロメートルから150マイクロメートル、最も好ましくは10マイクロメートルから100マイクロメートルの平均粒径を有する粒子の形態にあるであろう。それより小さい平均粒径を有するシリカは、より高いレベルポリマー微粒子を生じることがあり、それより大きい平均粒径を有するシリカは、ポリマーの嵩密度を低下させることがある。シリカは、5m2/gから1500m2/g、好ましくは50m2/gから1000m2/gの表面積、および0.1cm3/gから10.0cm3/g、好ましくは0.3cm3/gから3.5cm3/gの細孔容積を有してよく、何故ならば、この範囲で高い触媒生産性が得られるからである。

0044

物理的結合水を除去し、ヒドロキシル基の含有量を、J.J. Fripiat and J. Uytterhoeven, J. Phys. Chem. 66, 800, 1962に記載された方法により、または1H NMR分光法を適用することにより、決定される、担体のグラム当たり0.1ミリモルから5.0ミリモルのヒドロキシル基、好ましくは担体のグラム当たり0.2ミリモルから2.0ミリモルのヒドロキシル基であると思われるレベルに減少させるために、固体担体を乾燥させることによって、脱水固体担体を得ることができる。それは、この範囲で、活性触媒成分を担体に十分に含ませられるからである。この範囲のヒドロキシル基含有量は、担体を、窒素雰囲気下で、または空気を流しながら1時間から15時間の期間に亘り150℃から900℃の温度で担体を加熱し、流動化させることによって達成されるであろう。脱水された担体は、個々の触媒成分が少なくともある程度可溶性である適切な炭化水素溶媒中で、好ましくは撹拌によって、スラリー化することができる。適切な炭化水素溶媒の例としては、n−ペンタンイソペンタンシクロペンタンn−ヘキサンイソヘキサンシクロヘキサン、n−ヘプタンイソヘプタン、n−オクタンイソオクタンおよびn−デカンが挙げられる。使用される溶媒の量は重要ではないが、溶媒は、触媒成分をよく混合する量で使用すべきである。

0045

マグネシウム化合物は、一般式MgR1R2により表され、式中、R1およびR2は、同じかまたは異なり、独立して、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択され、1から20の炭素原子を有してよい。マグネシウム化合物の適切な例としては、ジメチルマグネシウムジエチルマグネシウム、エチルメチルマグネシウム、ジ−n−プロピルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、n−プロピルエチルマグネシウム、イソプロピルエチルマグネシウム、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジイソブチルマグネシウム、n−ブチルエチルマグネシウム、n−ブチル−n−プロピルマグネシウム、n−ブチルイソプロピルマグネシウム、イソブチルエチルマグネシウム、イソブチル−n−プロピルマグネシウム、イソブチルイソプロピルマグネシウム、ジ−n−ペンチルマグネシウム、ジイソペンチルマグネシウム、n−ペンチルエチルマグネシウム、n−ペンチル−n−プロピルマグネシウム、n−ペンチルイソプロピルマグネシウム、n−ペンチル−n−ブチルマグネシウム、n−ペンチルイソブチルマグネシウム、ジ−n−ヘキシルマグネシウム、ジイソヘキシルマグネシウム、n−ヘキシルエチルマグネシウム、n−ヘキシル−n−プロピルマグネシウム、n−ヘキシルイソプロピルマグネシウム、n−ヘキシル−n−ブチルマグネシウム、n−ヘキシルイソブチルマグネシウム、イソヘキシルエチルマグネシウム、イソヘキシル−n−プロピルマグネシウム、イソヘキシルイソプロピルマグネシウム、イソヘキシル−n−ブチルマグネシウム、イソヘキシルイソブチルマグネシウム、ジ−n−オクチルマグネシウム、ジイソオクチルマグネシウム、n−オクチルエチルマグネシウム、n−オクチル−n−プロピルマグネシウム、n−オクチルイソプロピルマグネシウム、n−オクチル−n−ブチルマグネシウム、n−オクチルイソブチルマグネシウム、イソオクチルエチルマグネシウム、イソオクチル−n−プロピルマグネシウム、イソオクチルイソプロピルマグネシウム、イソオクチル−n−ブチルマグネシウム、イソオクチルイソブチルマグネシウム、ジシクロペンチルマグネシウム、シクロペンチルエチルマグネシウム、シクロペンチル−n−プロピルマグネシウム、シクロペンチルイソプロピルマグネシウム、シクロペンチル−n−ブチルマグネシウム、シクロペンチルイソブチルマグネシウム、ジシクロヘキシルマグネシウム、シクロヘキシルエチルマグネシウム、シクロヘキシル−n−プロピルマグネシウム、シクロヘキシルイソプロピルマグネシウム、シクロヘキシル−n−ブチルマグネシウム、シクロヘキシルイソブチルマグネシウム、ジフェニルマグネシウムフェニルエチルマグネシウム、フェニル−n−プロピルマグネシウム、フェニル−n−ブチルマグネシウムおよびそれらの混合物が挙げられる。

0046

マグネシウム化合物が、ジ−n−ブチルマグネシウム、n−ブチルエチルマグネシウム、およびn−オクチル−n−ブチルマグネシウムを含む群より選択されることが好ましい。

0047

マグネシウム化合物は、固体担体のグラム当たり0.01から10.0ミリモル、好ましくは担体のグラム当たり0.1から3.5ミリモル、より好ましくは担体のグラム当たり0.3から2.5ミリモルに及ぶ量で使用できる。何故ならば、この範囲を適用することにより、生成物のポリマー微粒子のレベルが減少し、触媒の生産性がより高まるからである。マグネシウム化合物は、5分間から150分間の期間に亘り15℃から140℃の温度で、好ましくは10分間から100分間の期間に亘り20℃から80℃の温度で、前記担体と、好ましくは撹拌により、反応させてもよい。

0048

前記固体担体におけるMg対OH基モル比は、0.01から10.0、好ましくは0.1から5.0、より好ましくは0.1から3.5の範囲にあって差し支えない。何故ならば、生成物のポリマー微粒子のレベルが減少し、触媒の生産性がより高まるからである。

0049

改質化合物(A)は、カルボン酸、カルボン酸エステル、ケトン、ハロゲン化アシル、アルデヒドおよびアルコールからなる群より選択される少なくとも1種類の化合物である。改質化合物(A)は、一般式R3COOH、R4COOR5、R6COR7、R8COX、R9COH、またはR10OHにより表されてよく、式中、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10は、独立して、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択され、1から20の炭素原子を有してよい。

0050

カルボン酸の適切な例としては、酢酸、プロピオン酸、イソプロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸イソ吉草酸カプロン酸、イソカプロン酸、エナント酸、イソエナント酸、カプリル酸、イソカプリル酸、ペラルゴン酸、イソペラルゴン酸、カプリン酸、イソカプリン酸、シクロペンタンカルボン酸安息香酸およびそれらの混合物が挙げられる。

0051

カルボン酸エステルの適切な例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル酢酸イソアミル酪酸エチル、酪酸n−ブチルおよび/または酪酸イソブチルが挙げられる。

0052

ケトンの適切な例としては、ジメチルケトンジエチルケトンメチルエチルケトン、ジ−n−プロピルケトン、ジ−n−ブチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルイソブチルケトンシクロヘキサノンメチルフェニルケトンエチルフェニルケトン、n−プロピルフェニルケトン、n−ブチルフェニルケトン、イソブチルフェニルケトン、ジフェニルケトン、およびそれらの混合物が挙げられる。

0053

ハロゲン化アシルの適切な例としては、塩化エタノイル、塩化プロパノイル、塩化イソプロパノイル、塩化n−ブタノイル、塩化イソブタノイル、塩化ベンゾイルおよびそれらの混合物が挙げられる。

0054

アルデヒドの適切な例としては、アセトアルデヒドプロピオンアルデヒドn−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−ペンタンアルデヒド、イソペンタンアルデヒド、n−ヘキサンアルデヒド、イソヘキサンアルデヒド、n−ヘプタンアルデヒド、ベンズアルデヒドおよびそれらの混合物が挙げられる。

0055

アルコールの適切な例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノールイソプロパノールn−ブタノール、イソブタール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、シクロブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、シクロペンタノールn−ヘキサノールイソヘキサノールシクロヘキサノール、n−オクタノールイソオクタノール、2−エチルヘキサノールフェノールクレゾールエチレングリコールプロピレングリコールおよびそれらの混合物が挙げられる。

0056

改質化合物(A)は、好ましくは、メチルn−プロピルケトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸、イソ酪酸、イソブチルアルデヒド、塩化エタノイル、エタノールおよびsec−ブタノール、より好ましくは、メチルn−プロピルケトン、酢酸n−ブチル、イソ酪酸および塩化エタノイルを含む群より選択される少なくとも1種類の化合物である。何故ならば、より高い触媒の生産性および生成物のより高い嵩密度が得られ、これらの化合物を使用して、生成物の分子量分布を変えることができるからである。

0057

固体担体における改質化合物(A)対マグネシウムのモル比は、0.01から10.0、好ましくは0.1から5.0、より好ましくは0.1から3.5、最も好ましくは0.3から2.5の範囲にあって差し支えない。何故ならば、より高い触媒の生産性および生成物のより高い嵩密度が得られるからである。改質化合物(A)は、5分間から150分間の期間に亘り15℃から140℃の温度で、好ましくは10分間から100分間の期間に亘り20℃から80℃の温度で、好ましくは撹拌により、工程(a)において得られた反応生成物に加えられてもよい。

0058

改質化合物(B)は、一般式R11f(R12O)gSiXhにより表されるケイ素化合物であり、式中、f、gおよびhは、各々、0から4の整数であり、hが4である場合、改質化合物(A)がアルコールではないという条件で、f、gおよびhの合計が4であり、Siはケイ素原子であり、Oは酸素原子であり、Xはハロゲン原子であり、R11およびR12は、同じかまたは異なる。R11およびR12は、独立して、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択される。R11およびR12は、1から20の炭素原子を有してもよい。

0059

適切なケイ素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、メチルトリメトキシシランエチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランフェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、イソブチルメチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イソブチルイソプロピルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシランシクロヘキシルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラントリメチルメトキシシラントリエチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシランエチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、イソオクチルトリエトキシシランビニルトリエトキシシランフェニルトリエトキシシランジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、イソブチルメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、イソブチルイソプロピルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、四塩化ケイ素、メチルトリクロロシランエチルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、イソプロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、イソブチルトリクロロシラン、n−ペンチルトリクロロシラン、n−ヘキシルトリクロロシラン、n−オクチルトリクロロシラン、イソオクチルトリクロロシランビニルトリクロロシランフェニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、イソブチルメチルジクロロシラン、ジイソプロピルジクロロシラン、ジイソブチルジクロロシラン、イソブチルイソプロピルジクロロシラン、ジシクロペンチルジクロロシラン、シクロヘキシルメチルジクロロシラン、フェニルメチルジクロロシランジフェニルジクロロシラントリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシランクロロトリメトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、トリクロロメトキシシラン、クロロトリエトキシシラン、ジクロロジエトキシシランおよび/またはトリクロロエトキシシランが挙げられる。使用される改質化合物(B)は、好ましくは、テトラエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、n−ブチルトリクロロシランおよび四塩化ケイ素であり、より好ましくは、イソブチルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリクロロシランおよび四塩化ケイ素である。何故ならば、これらの好ましい化合物を利用することによって、生成物の分子量分布を変える能力を備えて、より高い触媒の生産性およびより高い嵩密度が得られるからである。

0060

改質化合物(B)対マグネシウムのモル比は、0.01から5.0、好ましくは0.01から3.0、より好ましくは0.01から1.0、最も好ましくは0.01から0.3の範囲にあって差し支えない。何故ならば、より高い触媒の生産性および生成物のより高い嵩密度が得られるからである。改質化合物(B)は、5分間から150分間の期間に亘り15℃から140℃の温度で、好ましくは10分間から100分間の期間に亘り20℃から80℃の温度で、好ましくは撹拌により、工程(a)において得られた反応生成物に加えられてもよい。

0061

改質化合物(C)は、一般式(R13O)4Mにより表される遷移金属アルコキシドであり、式中、Mは、チタン原子、ジルコニウム原子またはバナジウム原子であり、Oは酸素原子であり、R13は、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択される。R13は、1から20の炭素原子を有してもよい。

0062

適切な遷移金属アルコキシド化合物としては、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトライソブトキシド、チタンテトラ−n−ペントキシド、チタンテトライソペントキシド、チタンテトラ−n−ヘキソキシド、チタンテトラ−n−ヘプトキシド、チタンテトラ−n−オクトキシド、チタンテトラシクロヘキソキシド、チタンテトラベンゾキシド、チタンテトラフェノキシド、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトライソブトキシド、ジルコニウムテトラ−n−ペントキシド、ジルコニウムテトライソペントキシド、ジルコニウムテトラ−n−ヘキソキシド、ジルコニウムテトラ−n−ヘプトキシド、ジルコニウムテトラ−n−オクトキシド、ジルコニウムテトラシクロヘキソキシド、ジルコニウムテトラベンゾキシド、ジルコニウムテトラフェノキシド、バナジウムテトラメトキシド、バナジウムテトラエトキシド、バナジウムテトラ−n−プロポキシド、バナジウムテトライソプロポキシド、バナジウムテトラ−n−ブトキシド、バナジウムテトライソブトキシド、バナジウムテトラ−n−ペントキシド、バナジウムテトライソペントキシド、バナジウムテトラ−n−ヘキソキシド、バナジウムテトラ−n−ヘプトキシド、バナジウムテトラ−n−オクトキシド、バナジウムテトラシクロヘキソキシド、バナジウムテトラベンゾキシド、バナジウムテトラフェノキシドまたはそれらの混合物か挙げられる。チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−n−ブトキシドおよびジルコニウムテトラ−n−ブトキシドが使用されることが好ましい。何故ならば、これらの好ましい化合物を利用することによって、生成物の分子量分布を変える能力を備えて、より高い触媒の生産性およびより高い嵩密度が得られるからである。

0063

改質化合物(C)対マグネシウムのモル比は、0.01から5.0、好ましくは0.01から3.0、より好ましくは0.01から1.0、最も好ましくは0.01から0.3の範囲にあって差し支えない。何故ならば、より高い触媒の生産性、より高い嵩密度および重合における改善された水素応答が得られるからである。改質化合物(C)は、5分間から150分間の期間に亘り15℃から140℃の温度で、好ましくは10分間から100分間の期間に亘り20℃から80℃の温度で、好ましくは撹拌により、工程(a)において得られた反応生成物と反応させられてもよい。

0064

改質化合物(A)、(B)および(C)は、任意の順序で、または同時に、工程(a)において得られた固体マグネシウム含有担体と接触させることができる。個々の触媒成分の予混物を使用することもできる。工程(a)において得られた反応生成物に、最初に(A)を加え、次に(B)を加え、その後(C)を添加することが好ましい。何故ならば、この順序で改質化合物を添加することによって、より高い触媒の生産性およびより生成物の高い嵩密度が得られるからである。

0065

改質化合物(A)がメチルn−プロピルケトンであり、改質化合物(C)がチタンテトラエトキシドである場合、同じレベルのハロゲン化チタン化合物で、改質化合物(B)が、イソブチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、n−ブチルトリクロロシランおよび四塩化ケイ素からなる群より先の順序で選択されると、分子量分布のさらなる増加が得られることが好ましい。

0066

改質化合物(B)が四塩化ケイ素であり、改質化合物(C)がチタンテトラエトキシドである、好ましい場合、同じレベルのハロゲン化チタン化合物で、改質化合物(A)が、イソブチルアルデヒド、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルn−プロピルケトンおよびイソ酪酸からなる群より先の順序で選択されると、触媒の生産性および嵩密度のさらに改善された組合せが得られる。

0067

前記ハロゲン化チタン化合物は、一般式TiX4により表され、式中、Tiはチタン原子であり、Xはハロゲン原子である。

0068

適切なハロゲン化チタン化合物としては、四塩化チタン、四臭化チタン、四フッ化チタンまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましいハロゲン化チタン化合物は四塩化チタンである。何故ならば、より高い触媒の生産性が得られるからである。ハロゲン化チタン化合物対マグネシウムのモル比は、0.01から10.0、好ましくは0.01から5.0、より好ましくは0.05から1.0の範囲にあるであろう。何故ならば、高い触媒の生産性およびより高い嵩密度の良好なバランスが得られるからである。

0069

このハロゲン化チタン化合物は、5分間から150分間の期間に亘り15℃から140℃の温度で、好ましくは10分間から100分間の期間に亘り20℃から80℃の温度で、撹拌などによる、任意の従来の様式で、工程(a)および工程(b)を適用することによって得られた反応生成物に加えてもよい。次いで、この反応混合物を、15℃から140℃、好ましくは30℃から100℃、最も好ましくは50℃から80℃の温度で窒素パージにより、および/または真空により、乾燥させて、新型チーグラー・ナッタ触媒成分を生成してもよい。

0070

改質化合物(C)およびハロゲン化チタン化合物のマグネシウムに対する総モル比は、0.01から10.0、好ましくは0.01から5.0、より好ましくは0.05から1.0の範囲にあるであろう。何故ならば、高い触媒の生産性およびより高い嵩密度の良好なバランスが得られるからである。

0071

改質化合物(C)およびハロゲン化チタン化合物の脱水後の担体におけるヒドロキシル(OH)基に対する総モル比は、0.01から10.0、好ましくは0.01から5.0、より好ましくは0.05から1.0の範囲にあるであろう。何故ならば、高い触媒の生産性およびより高い嵩密度の良好なバランスが得られるからである。より高いレベルでは、特に、例えば、気相重合プロセスにおいて、嵩密度が減少するが、高い触媒の生産性を生じるであろう。さらに、これらの量を適用することによって、触媒調製における溶媒デカンテーション、溶媒濾過溶媒洗浄の各工程を行う要件がなくなり、それゆえ、極めて有害な溶媒廃棄物質を生成しなくなる。

0072

1つの実施の形態において、新型チーグラー・ナッタ触媒系は、触媒成分および助触媒を含み得る。この助触媒は、一般に、アルキルアルミニウム水素化アルキルアルミニウム、アルキルリチウムアルミニウム(lithium aluminum alkyls)、アルキル亜鉛アルキルカルシウム、アルキルマグネシウムまたはそれらの混合物などの有機金属化合物である。好ましい助触媒は、一般式R12nAlY33-nにより表され、式中、Y3はハロゲン原子を表し、nは0から3の整数を表し、R12は、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、アリール基、アルカリール基、アルケニルアリール基およびアルカジエニルアリール基を含む群より選択される。R12は、1から20の炭素原子を有してもよい。助触媒の適切な例としては、トリメチルアルミニウムトリエチルアルミニウムトリ−イソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、塩化ジイソブチルアルミニウム二塩化エチルアルミニウム二塩化イソブチルアルミニウム、およびそれらの混合物が挙げられる。助触媒が、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムおよび/またはトリ−イソブチルアルミニウムであることが好ましく、助触媒がトリエチルアルミニウムであることがより好ましい。

0073

この助触媒は、1から500、より好ましくは10から250の助触媒中のアルミニウム対固体触媒成分中のチタンのモル比で使用してよい。何故ならば、高い触媒の生産性が得られるからである。

0074

AZLLDPEを製造するプロセス
新型チーグラー・ナッタ触媒系は、AZ LLDPEを得るためのスラリー相気相または液相プロセスに適用できる。そのようなプロセスの例が、従来技術に既に記載されており、それゆえ、当業者に十分に周知されている。エチレンコポリマーは、当該技術分野に既に公知の重合条件下で、撹拌床反応器および流動床反応器などの気相プロセスにより、またはスラリー相プロセスにより、生成されることが好ましい。米国特許第4302565号および同第4302566号の各明細書が、気相プロセスを例証している。適切な例は、乾燥またはスラリー触媒供給機により供給される、気相流動床重合反応器である。新型チーグラー・ナッタ触媒は、反応器の重合速度を制御するために、反応区域内のある位置で反応器に導入されるであろう。エチレンおよび他のアルファオレフィン、水素および窒素を含む反応性ガスを反応器に導入してもよい。生成されるポリマーは、排出系を通じて反応区域から排出してもよい。反応区域内のポリマー粒子の床は、流動化媒質として働く再循環流により、反応区域内で生じる発熱を分散させるために、流動状態に維持してもよい。反応熱圧縮熱は、反応器の温度を制御するために、外部熱交換システムにおいて再循環流から除去することができる。例えば、反応器内のイソペンタン、n−ヘキサンまたはイソヘキサンなどの炭化水素の蒸発から生じる冷却による、反応器内から熱を除去する他の手段を使用しても差し支えない。これらの炭化水素は、反応器からの熱除去容量を改善するために、成分の反応体供給物の一部として反応器に、および/または別々に反応器に、供給しても差し支えない。反応器内のガス組成物は、再循環流の組成を補うために、例えば、反応性ガス、水素および/または窒素を供給することによって、要求される仕様を有するポリマーを生成するために一定に維持することができる。

0075

気相流動床型反応器のための適切な動作条件は、一般に、50℃から115℃、より好ましくは70℃から110℃の範囲の温度、3バールから15バール(約300kPaから1500kPa)、より好ましくは5バールから10バール(500kPaから1MPa)のエチレン分圧、および10バールから約40バール(約1MPaから約4MPa)、より好ましくは15バールから30バール(1.5MPaから3MPa)の総反応器圧を含む。反応器内の再循環流の流量から生じるガス空塔速度は、0.2m/sから1.2m/s、より好ましくは0.2m/sから0.9m/sであろう。

0076

前記プロセスおよび前記新型チーグラー・ナッタ触媒系を適用することによって、AZLLDPEを生成することができる。AZ LLDPEの適切な例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンおよびそれらの混合物などの、3から20の炭素原子を有するアルファオレフィンまたはジオレフィンコモノマーとのエチレンの共重合体が挙げられるであろう。1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンがコモノマーとして使用されることが好ましく、1−ブテンが最も好ましい。必要とされるコモノマーの量は、一般に、所望の生成物の性質および使用される特定のコモノマーに依存する。当業者は、所望の生成物を得るために必要な量を容易に選択できる。一般に、0.01から約30質量%の1種類以上のコモノマーおよび約70から約99.99質量%のエチレン単位を含有するAZ LLDPEが提供される。

0077

本発明によるフイルムは、1g/10分超と10g/10分の間、より好ましくは1.2g/10分と7g/10分の間、より好ましくは1.3g/10分と6g/10分の間、より好ましくは1.4g/10分と5g/10分の間、より好ましくは1.5g/10分と4g/10分の間、より好ましくは1.6g/10分と3g/10分の間のメルトインデックス(MI)(190℃の温度および2.16kgの荷重でASTMD1238にしたがって測定した)を有する直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含み得るおよび/またはからなり得る。

0078

水素対エチレンのモル比を変えることによって、新型チーグラー・ナッタ触媒系を使用することにより、少なくとも、例えば、1.2g/10分、より好ましくは1.5g/10分、より好ましくは2.0g/10分、より好ましくは2.5g/10分、かつ多くとも、例えば、10g/10分、より好ましくは8.0g/10分、より好ましくは6.0g/10分、より好ましくは5.0g/10分、より好ましくは4.0g/10分、より好ましくは3.0g/10分、より好ましくは2.5g/10分、より好ましくは2.0g/10分(190℃の温度および2.16kgの荷重でASTMD1238により測定した)のメルトインデックス(MI)を有するAZLLDPEを得ることができる;水素対エチレンのモル比を増加させることによって、一般に、メルトインデックスが増加する。また、重合温度および得られるポリマーの密度を制御することによって、ポリマーのメルトインデックスを変えることもできる。この新型チーグラー・ナッタ触媒を使用し、コモノマー対エチレンのモル比を変えることによって、例えば、少なくとも850kg/m3、あるいは少なくとも880kg/m3、あるいは少なくとも910kg/m3、あるいは少なくとも915kg/m3、かつ例えば、多くとも935kg/m3、あるいは例えば、多くとも930kg/m3のポリマー密度を得ることができる;例えば、コモノマー対エチレンのモル比を増加させると、一般に、密度が減少する。水素対エチレンのより低い比およびコモノマー対エチレンの低い比を使用して、それぞれ、目的のメルトインデックスおよび目的のポリマー密度を得ることができ、水素とコモノマーを利用する費用の要件が減少する。

0079

ポリエチレンフイルムの製造
ポリエチレン組成物からのフイルムの製造は、最も一般的に、2つの主要プロセス:インフレーションフイルム製造またはキャストフイルム製造の内の一方により行われ得る。両方のプロセスが、当該技術分野で公知であり、例えば、the Handbook of Plastic Films, E.M Abdel-Bary (ed.), Rapra Technology Ltd., 2003の項目2.3および2.4に記載されている。本発明によるフイルムは、インフレーションフイルム製造またはキャストフイルム製造のいずれによって製造してもよい。本発明によるフイルムが、インフレーションフイルム製造により製造されることが好ましい。

0080

本発明によるフイルムは、例えば、100℃から300℃、好ましくは120℃から275℃、さらに好ましくは150℃から250℃、さらに好ましくは175℃から225℃、またさらに好ましくは190℃から200℃の温度プロファイルを使用して、例えば、Battenfeld装置で製造できる。その上、本発明によるフイルムは、例えば、0.1mmから7mm、好ましくは0.5mmから5mm、さらに好ましくは0.75mmから4mm、さらに好ましくは1mmから3mmのダイギャップを使用して、例えば、Battenfeld装置で製造できる。さらに、本発明によるフイルムは、例えば、10cmから90cm、好ましくは15cmから80cm、さらに好ましくは20cmから70cm、さらに好ましくは25cmから60cm、さらに好ましくは30cmから50cmのフロストライン高さで、例えば、Battenfeld装置で製造できる。それに加え、本発明によるフイルムは、例えば、1.2:1から5:1、好ましくは1.5から4、さらに好ましくは2:1から3:1のブローアップ比で、例えば、Battenfeld装置で製造できる。

0081

インフレーションフイルム製造によるポリエチレン組成物からのフイルムの製造に使用されるパラメータに、バブル安定性がある。特に、これは、例えば、フイルムが高いブローアップ比(BUR)で製造される場合に、重要になり得る。このBURは、インフレーションフイルム押出機円形ダイの開口の直径と、製造される管状フイルムの直径との間の比率として定義される。高いブローアップ比、例えば、2:1超、または2.5:1超またさらには3:1超で作動する場合、最新技術によるLLDPE材料のバブル安定性は不十分である。対照的に、本発明によるフイルムの製造におけるバブル安定性は良好である。

図面の簡単な説明

0082

実施例1のトポグラフィー画像
例Aのトポグラフィー画像

0083

ここで、以下の非限定的実施例によって、本発明を説明する。

0084

実施例1

0085

工程1:触媒の調製
窒素を流しながら4時間に亘り600℃で脱水したSylopol 955シリカ2.5gを40cm3のフラスコに入れた。15cm3のイソペンタンを加えて、シリカをスラリーにし、次いで、2.5ミリモルのジ−n−ブチルマグネシウムをフラスコに加え、得られた混合物を35℃の温度で60分間に亘り撹拌した。次いで、フラスコに3.5ミリモルのメチルn−プロピルケトンを加え、得られた混合物を35℃の温度で60分間に亘り撹拌した。次いで、フラスコに0.25ミリモルのテトラエトキシシランを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。次に、フラスコに0.25ミリモルのチタンテトラエトキシドを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。続いて、フラスコに1.75ミリモルの四塩化チタンを加え、得られた混合物を35℃の温度で30分間に亘り撹拌した。最後に、60分間に亘り70℃で窒素パージを使用して、スラリーを乾燥させて、さらさらした固体生成物を生成した。

0086

工程2:重合
流動床気相式重合反応器において、直鎖状低密度ポリエチレンを製造するために、工程1において製造した触媒を使用した。流動床気相式重合反応器は、45cmの内径を有し、140cmの区域高さで動作した。毎時10kgの生産速度を維持するために、乾燥固体触媒供給機を使用して、反応器に触媒を供給した。エチレン、1−ブテン、水素および窒素を反応器に導入して、要求される仕様を有するポリマーを生成した。イソペンタン中5質量%のトリエチルアルミニウム(助触媒)を毎時0.08kgの供給速度で反応器に連続的に導入した。反応器の温度を86℃に、エチレンの分圧を7.0バール(700kPa)に、反応器の総圧を20.7バール(2.07MPa)に、そして空塔速度を0.42m/sに維持した。この過程を、連続3日間に亘り行った。

0087

工程3:フイルム製造
200ppmのIrganox 1076(2,6−ジ−tert−ブチル−4−(オクタデカオキシカルボニルエチル)フェノール、CAS登録番号2082−79−3)、500ppmのステアリン酸亜鉛および800ppmのWeston 399(トリス(ノニルフェル)ホスファイト、CAS登録番号26523−78−4)をHenschelミキサ内に加え、工程2において製造した、25kgの直鎖状低密度ポリエチレンと5分間に亘り混合した。混合された材料を以下の条件下でZSK−30二軸スクリュー押出機を使用してペレット化した:130℃から210℃の温度プロファイル、200rpmのスクリュー速度、30mmのスクリュー直径、26のスクリューの長さ対直径の比および毎時20kgの生産量。得られたペレットを、以下の条件下でBattenfeld装置を使用して、25μm厚のインフレートフイルムに転換させた:190℃から200℃の温度プロファイル、60rpmのスクリュー速度、60mmのスクリューの直径、27のスクリューの長さ対直径の比、2.3mmのダイギャップ、40cmのフロストライン高さ、2.5:1のブローアップ比および毎時58kgの生産速度。

0088

例A(比較):
市販のLLDPEグレードのサンプルを使用した。コモノマーとして1−ブテンを使用し、従来のチーグラー・ナッタ触媒を使用して、このグレードを製造する。このLLDPE材料のペレットを、以下の条件下でBattenfeld装置を使用して、25μm厚のインフレートフイルムに転換させた:190℃から200℃の温度プロファイル、60rpmのスクリュー速度、60mmのスクリューの直径、27のスクリューの長さ対直径の比、2.3mmのダイギャップ、40cmのフロストライン高さ、2.5:1のブローアップ比および毎時58kgの生産速度。

0089

上述したように製造されたLLDPE材料およびフイルムの性質が、下記の表1に示されている。

0090

実施例1および例Aからの材料のサンプルに、AFMによるトポグラフィー画像化を行った。AFMによるトポグラフィー画像化方法が、例えば、Atomic Force Microscopy, V. Bellitto (ed), InTech, 2012, p. 147-174に記載されている。得られた画像が、図1(実施例1)および図2(例A)に示されている。

0091

ASTMD−792は、変位によるプラスチックの密度および比重相対密度)の標準試験方法に関する。

0092

ASTMD−1238は、押出可塑度計による熱可塑性物質メルトフローレートの標準試験方法に関する。

0093

ASTMD−6474 99は、高温ゲル透過クロマトグラフィーによる、ポリオレフィンの分子量分布および分子量平均を決定するための標準試験方法に関する。

0094

ASTMD−3354は、平行平板法による、プラスチックフイルムの粘着荷重の標準試験方法に関する。

0095

ASTMD−882は、薄いプラスチックシート引張特性の標準試験方法に関する。

0096

ASTMD−1922は、振り子法によるプラスチックフイルムおよび薄いシート伝搬引き裂き抵抗の標準試験方法に関する。

0097

ASTMD−1746 97は、プラスチックシートの透明度の標準試験方法に関する。

0098

ASTMD−1003は、透明プラスチックのヘイズおよび視感透過率の標準試験方法に関する。

0099

ISO 4287:1997は、幾何学的製品仕様−表面性状:プロファイル方法に関する。表1に与えられたRMS粗さおよび平均粗さに関するデータ、並びに図1および図2の画像は、A Bruker Dimension EdgeAFMを使用した、AFMによるタッピングモードで得た。測定は、Bruker Nanoscope V6.14ソフトウェアにより一次プロファイルについて行った。測定前に、一次元湾曲除去を適用した。走査速度は、ライン当たり256のデータ点で、1Hzであった。画像サイズは、5μm×5μmであった。以下の特徴を有するOTESPA−R3シリコンプローブを使用した:カンチレバーの厚さ3.7μm、カンチレバーの長さ160μm、カンチレバーの幅40μm;ばね定数(k):26N/m;共振周波数(f0):300kHz。RMS粗さおよび/または平均粗さの測定について、サンプリング長さは5μmであった。

0100

図1(実施例1に関する)および図2(比較例Aに関する)に示されたような、タッピングモードで得られたAFM地形画像は、比較例Aの材料の画像は、例えば、実施例1の材料の画像の場合よりも、著しく大きい小球を有する球状形態を示すという点で、実施例1の材料の表面構造は、比較例Aによる材料の表面構造とは明らかに異なることを示している。

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