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課題・解決手段

本発明は、緻密材料の製造方法であって、粉末材料およびポリマー結合剤を提供するステップ、前記粉末材料および前記ポリマー結合剤を同時にまたは順次高速ミキサー装置に供給するステップ、前記粉末材料および前記ポリマー結合剤を前記高速ミキサー装置内で緻密材料が形成されるまで混合するステップ、ならびに得られた緻密材料の温度を、前記ポリマー結合剤の融点またはガラス転移温度よりも低く、低下させるステップを含む、緻密材料の製造方法に関する。

概要

背景

配合は、溶融状態ポリマーおよび添加剤を混合および/またはブレンドすることによって、プラスチック配合物を調製することから成る。各種の原材料の均一なブレンドを実現するための、各種の重要な基準がある。分散および分配混合ならびに熱が重要な要素である。コニーダーおよびツインスクリュー(共回転および逆回転)ならびに内部ミキサーは、プラスチック産業において最も一般的に使用される配合装置である。配合方法は通常、輸送溶融、分散、混合、脱気および圧力上昇のステップを含む。

熱可塑性物質加工産業では、数十年間にわたって、修飾熱可塑性樹脂組成物を調製するための添加剤が使用され、該添加剤は多くは、マスターバッチ濃縮物または化合物と呼ばれる中間生成物の形成を必要とする配合技術によってポリマー樹脂中に導入される。

例えば、WO95/17441A1は、熱可塑性樹脂最終製品調製方法であって、熱可塑性細粒を該熱可塑性樹脂とブレンドするための熱可塑性細粒の調製を含む、調製方法を開示している。

WO01/58988A1には、高充填熱可塑性材料を得るための鉱物フィラーのマスターバッチまたは濃縮物の調製方法が記載されている。

しかし、これらの文献によって、従来の単軸押出機内で十分に分散された一次粉末化合物を有するポリマー最終製品を得ることはできない。むしろ、マスターバッチまたは濃縮物のような中間生成物を製造することが必要であり、即ち中間配合ステップなしで従来の単軸装置で微細な一次粉末を分散させることはできない。

この点で、WO2007/066362A1などのさらなる文書が、材料入口を1個のみ有する混合方法および装置を記載し、他方、EP1156918A1、WO2005/108045A2またはWO2005/065067A2は、押出機またはエレメントミキサーに関する。

WO2010/150182A1は、熱可塑性樹脂組成物への使用に好適である、表面処理緻密材料の製造方法を開示している。該方法は特に、一次粉末材料を溶融表面処理ポリマーと混合するステップを含み、一次粉末材料は、有機または無機粉末から選択され得る。

無機鉱物フィラーなどの無機粉末の使用で起こる問題は、鉱物フィラーに付随する揮発性物質が存在することである。このような揮発性物質は、フィラー利用中に達する温度にて発生することがあり、このような鉱物フィラー含有製品の加工中に、最終鉱物含有ポリマー製品の品質劣化をもたらすことがある。さらに、このような付随する揮発性物質は、ポリマー製品引張強度および引裂強度の低下をもたらすことがあり、フィルム視覚的側面、特にフィルムの視覚的均一性を低下させることがある。揮発性物質は、配合ステップの間に鉱物充填ポリマーメルトの過剰な発泡も引き起こし、真空抜き取り時に望ましくない製品の蓄積を引き起こし、ゆえに生産率の低下を余儀なくすることがある。

前記揮発性物質は、例えば鉱物フィラーに固有に付随することがあり(「固有揮発性物質」)、とりわけ水が付随し、および/または鉱物フィラーの処理中に導入され得て(「添加揮発性物質」)、例えばプラスチック媒体内に鉱物フィラーをより分散しやすくする。さらに、揮発性物質は、固有有機材料および/または添加有機材料と鉱物フィラーとの反応によって発生し得るが、このような反応はとりわけ、例えば押出または配合ステップ中の充填ポリマー材料の導入および/または加工に達する温度によって誘発または増強され得る。前記揮発性物質は、固有有機材料および/または添加有機材料の分解によっても発生し得て、CO2、水およびおそらくこれらの有機材料の低分子量画分を形成する。このような分解はとりわけ、押出または配合ステップの間などに、処理された鉱物フィラーを含むポリマー材料の導入および/または加工中に達する温度によって誘発または増強され得る。

揮発開始温度を上昇させ、且つ粉末材料、例えば鉱物フィラーに付随する揮発性物質の量を制限するための1つの明らかな手段は、ある一般的なフィラー処理添加剤の使用を回避または制限することである。

しかし、鉱物フィラーがプラスチック用途で利用される場合によくあるように、このような添加剤は、他の機能を確保するために必要である。例えば、ポリマー製品、例えば通気性フィルム全体で均一な分布バリアおよび蒸気透過特性を得るために、フィラーをフィルム全体に可能な限り一様に分布させる必要がある。従って通常、添加剤は、疎水性コーティングを有する鉱物フィラーを提供するために、およびポリマー製品前駆材料中の鉱物フィラーの分散性を改善する、ならびにこの前駆材料の加工性および/または最終用途製品の特性を改善するために導入される。このような添加剤を排除すると、生じるフィルム品質許容できないほど損なわれるであろう。

当分野において、粉末材料およびとりわけ炭酸カルシウム含有鉱物フィラー材料の利用性を、例えばこのような鉱物フィラー材料を、場合によっては脂肪酸および脂肪酸塩とも呼ばれ得る、脂肪族カルボン酸および脂肪族カルボン酸塩によって処理することによって改善するための、複数の試みがなされてきた。例えば、WO00/20336は、1つもしくは複数の脂肪酸または1つもしくは複数のこれの塩もしくは混合物によって場合により処理され得て、ポリマー組成物用のレオロジー調節剤として使用される、超微細天然炭酸カルシウムに関する。WO2014/060286A1は、コハク酸無水物を用いて表面処理フィラー材料生成物を調製する方法を開示している。リン酸エステルブレンドを材料の表面の少なくとも一部に含む表面反応性白色鉱物材料を調製する方法は、WO2014/128087A1に開示されている。さらに、本出願人の未公開の欧州特許出願第14181082.0号も参照されたい。

上記を考慮して、中間ステップを必要とせずに、粉末材料から、ポリマー組成物中への導入に好適である添加剤を製造する方法を改善することは、いまだに当業者の関心を集めている。

概要

本発明は、緻密材料の製造方法であって、粉末材料およびポリマー結合剤を提供するステップ、前記粉末材料および前記ポリマー結合剤を同時にまたは順次高速ミキサー装置に供給するステップ、前記粉末材料および前記ポリマー結合剤を前記高速ミキサー装置内で緻密材料が形成されるまで混合するステップ、ならびに得られた緻密材料の温度を、前記ポリマー結合剤の融点またはガラス転移温度よりも低く、低下させるステップを含む、緻密材料の製造方法に関する。

目的

無機鉱物フィラーなどの無機粉末の使用で起こる問題は、鉱物フィラーに付随する揮発性物質が存在することである

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

緻密材料を製造する方法であって、以下のステップ:a)少なくとも1つの粉末材料を提供するステップ、b)ポリマー結合剤を提供するステップ、c)ステップa)の前記少なくとも1つの粉末材料およびステップb)の前記ポリマー結合剤を高速ミキサー装置内に同時にまたは順次供給するステップ、d)ステップa)の前記少なくとも1つの粉末材料およびステップb)の前記ポリマー結合剤を前記高速ミキサー装置内で、緻密材料が形成されるまで混合するステップ、ならびにe)ステップd)から得た前記緻密材料の温度を、前記ポリマー結合剤の融点またはガラス転移温度よりも低く、低下させるステップを含み、前記少なくとも1つの粉末材料が、炭酸カルシウム含有フィラー材料および前記炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部の上に処理層を含む表面処理フィラー材料生成物を含み、前記処理層が、i)少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および/もしくは少なくとも1つの1置換コハク酸、および/もしくはこれの塩反応生成物、ならびに/またはii)1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物、ならびに/または1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物の、リン酸エステルまたはブレンドを含む方法。

請求項2

請求項1に記載の方法であって、前記炭酸カルシウム含有フィラー材料が、天然重質炭酸カルシウム沈降炭酸カルシウム表面改質炭酸カルシウムまたはこれの混合物、好ましくは天然重質炭酸カルシウムである、方法。

請求項3

請求項1または2に記載の方法であって、前記炭酸カルシウム含有フィラー材料が、0.05から10μm、好ましくは0.1から7μm、より好ましくは0.25から5μmおよび最も好ましくは0.5から4μmの重量中粒径d50を有する、方法。

請求項4

請求項1から3のいずれか一項に記載の方法であって、前記少なくとも1つの1置換コハク酸無水物が、前記置換基中にC2からC30、好ましくはC3からC25および最も好ましくはC4からC20の炭素原子の総量を有する直鎖、分枝脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸無水物から成る、方法。

請求項5

請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、I)前記1つ以上のリン酸モノエステルが、前記アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する不飽和もしくは飽和の、分枝もしくは直鎖の、脂肪族もしくは芳香族アルコールから選択される1個のアルコール分子によってモノエステル化されたo−リン酸分子から成り、ならびに/またはII)前記1つ以上のリン酸ジエステルが、前記アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する、同じもしくは異なる、不飽和もしくは飽和の、分枝もしくは直鎖の、脂肪族もしくは芳香族の脂肪アルコールから選択される2個のアルコール分子によってジエステル化されたo−リン酸分子から成る、方法。

請求項6

請求項1から5のいずれか一項に記載の方法であって、前記表面処理フィラー材料生成物が、前記少なくとも1つの炭酸カルシウム含有フィラー材料の総乾燥重量に対して、少なくとも0.1重量%、好ましくは0.1から3重量%の量の処理層を含む、方法。

請求項7

請求項1から6のいずれか一項に記載の方法であって、前記少なくとも1つの粉末材料が、前記緻密材料の総重量に対して50から99重量%、好ましくは60から98重量%、より好ましくは80から92重量%および最も好ましくは87から90重量%の量で添加される、方法。

請求項8

請求項1から7のいずれか一項に記載の方法であって、前記ポリマー結合剤が、190℃において、100から400,000mPa・s、好ましくは1,000から100,000mPa・sおよびより好ましくは5,000から50,000mPa・sの回転粘度を有する、方法。

請求項9

請求項1から8のいずれか一項に記載の方法であって、前記ポリマー結合剤が、ポリオレフィンエチレンコポリマー、例えばエチレン1−オクテンコポリマーメタロセン系ポリプロピレンポリプロピレンホモポリマーまたはコポリマー、好ましくは非晶質ポリプロピレンホモポリマーおよびこれの組み合わせから成る群から選択される、方法。

請求項10

請求項1から9のいずれか一項に記載の方法によって得られる緻密材料。

請求項11

ポリマー組成物における添加剤としての、請求項10に記載の緻密材料の使用。

請求項12

ポリマー組成物の製造方法における請求項10に記載の緻密材料の使用であって、前記緻密材料が少なくとも1つのポリマーに添加され、前記少なくとも1つのポリマーが好ましくは少なくとも1種の熱可塑性ポリマーから選択される、使用。

請求項13

請求項12に記載の使用であって、前記少なくとも1つの熱可塑性ポリマーがポリオレフィン、ポリアミドポリスチレンポリアクリレートポリビニルポリウレタンハロゲン含有ポリマーポリエステルポリカーボネートの、ホモポリマーおよび/またはコポリマーならびにこれの混合物から選択される、使用。

請求項14

ポリマー製品の製造方法における請求項10に記載の緻密材料の使用であって、前記方法が好ましくは溶融加工技術から選択され、およびより好ましくは、プロファイル押出ケーブル押出、フィルム押出、成形、繊維紡糸、同時混練または引抜成形から選択される、使用。

請求項15

ポリマー製品における請求項10に記載の緻密材料の使用であって、前記製品が繊維、好ましくはカーペット繊維、フィラメントスレッド、織布材料、不織布材料、フィルム、好ましくはインフレートフィルムもしくは通気性フィルム、プロファイル、ケーブルまたは成形品である、使用。

請求項16

物品における請求項10に記載の緻密材料の使用であって、前記物品がヘルスケア製品ジオテキスタイル製品、農業用製品園芸用製品、衣類履物製品鞄製品家庭用製品工業用製品包装用製品、建設用製品、室内装飾用製品、工業用アパレル医療用製品家庭用備品防護用製品、化粧用製品衛生製品濾過材、カーペットおよび構造用製品から成る群から選択される、使用。

請求項17

請求項10に記載の緻密材料を含むポリマー組成物であって、好ましくは熱可塑性ポリマー組成物である、ポリマー組成物。

請求項18

ポリマー製品の製造方法における請求項17に記載のポリマー組成物の使用であって、前記方法が好ましくは溶融加工技術から選択され、より好ましくはプロファイル押出、ケーブル押出、フィルム押出、成形、繊維紡糸、同時混練または引抜成形から選択される、使用。

請求項19

請求項10に記載の緻密材料および/または請求項17に記載のポリマー組成物を含むポリマー製品であって、前記製品が繊維、好ましくはカーペット繊維、フィラメント、スレッド、織布材料、不織布材料、フィルム、好ましくはインフレートフィルムもしくは通気性フィルム、プロファイル、ケーブルまたは成形品である、ポリマー製品。

請求項20

請求項19に記載のポリマー製品を含む物品であって、前記物品がヘルスケア製品、ジオテキスタイル製品、農業用製品、園芸用製品、衣類、履物製品、鞄製品、家庭用製品、工業用製品、包装用製品、建設用製品、室内装飾用製品、工業用アパレル、医療用製品、家庭用備品、防護用製品、化粧用製品、衛生製品、濾過材、カーペットおよび構造用製品から成る群から選択される、物品。

技術分野

0001

本発明は、ポリマー加工の分野に関し、特に配合ステップなしのポリマー組成物での使用に好適である緻密材料の製造方法、ならびにこの方法によって得られる緻密材料(compacted material)およびポリマー組成物における緻密材料の使用に関する。

背景技術

0002

配合は、溶融状態のポリマーおよび添加剤を混合および/またはブレンドすることによって、プラスチック配合物を調製することから成る。各種の原材料の均一なブレンドを実現するための、各種の重要な基準がある。分散および分配混合ならびに熱が重要な要素である。コニーダーおよびツインスクリュー(共回転および逆回転)ならびに内部ミキサーは、プラスチック産業において最も一般的に使用される配合装置である。配合方法は通常、輸送溶融、分散、混合、脱気および圧力上昇のステップを含む。

0003

熱可塑性物質加工産業では、数十年間にわたって、修飾熱可塑性樹脂組成物を調製するための添加剤が使用され、該添加剤は多くは、マスターバッチ濃縮物または化合物と呼ばれる中間生成物の形成を必要とする配合技術によってポリマー樹脂中に導入される。

0004

例えば、WO95/17441A1は、熱可塑性樹脂最終製品調製方法であって、熱可塑性細粒を該熱可塑性樹脂とブレンドするための熱可塑性細粒の調製を含む、調製方法を開示している。

0005

WO01/58988A1には、高充填熱可塑性材料を得るための鉱物フィラーのマスターバッチまたは濃縮物の調製方法が記載されている。

0006

しかし、これらの文献によって、従来の単軸押出機内で十分に分散された一次粉末化合物を有するポリマー最終製品を得ることはできない。むしろ、マスターバッチまたは濃縮物のような中間生成物を製造することが必要であり、即ち中間配合ステップなしで従来の単軸装置で微細な一次粉末を分散させることはできない。

0007

この点で、WO2007/066362A1などのさらなる文書が、材料入口を1個のみ有する混合方法および装置を記載し、他方、EP1156918A1、WO2005/108045A2またはWO2005/065067A2は、押出機またはエレメントミキサーに関する。

0008

WO2010/150182A1は、熱可塑性樹脂組成物への使用に好適である、表面処理緻密材料の製造方法を開示している。該方法は特に、一次粉末材料を溶融表面処理ポリマーと混合するステップを含み、一次粉末材料は、有機または無機粉末から選択され得る。

0009

無機鉱物フィラーなどの無機粉末の使用で起こる問題は、鉱物フィラーに付随する揮発性物質が存在することである。このような揮発性物質は、フィラー利用中に達する温度にて発生することがあり、このような鉱物フィラー含有製品の加工中に、最終鉱物含有ポリマー製品の品質劣化をもたらすことがある。さらに、このような付随する揮発性物質は、ポリマー製品引張強度および引裂強度の低下をもたらすことがあり、フィルム視覚的側面、特にフィルムの視覚的均一性を低下させることがある。揮発性物質は、配合ステップの間に鉱物充填ポリマーメルトの過剰な発泡も引き起こし、真空抜き取り時に望ましくない製品の蓄積を引き起こし、ゆえに生産率の低下を余儀なくすることがある。

0010

前記揮発性物質は、例えば鉱物フィラーに固有に付随することがあり(「固有揮発性物質」)、とりわけ水が付随し、および/または鉱物フィラーの処理中に導入され得て(「添加揮発性物質」)、例えばプラスチック媒体内に鉱物フィラーをより分散しやすくする。さらに、揮発性物質は、固有有機材料および/または添加有機材料と鉱物フィラーとの反応によって発生し得るが、このような反応はとりわけ、例えば押出または配合ステップ中の充填ポリマー材料の導入および/または加工に達する温度によって誘発または増強され得る。前記揮発性物質は、固有有機材料および/または添加有機材料の分解によっても発生し得て、CO2、水およびおそらくこれらの有機材料の低分子量画分を形成する。このような分解はとりわけ、押出または配合ステップの間などに、処理された鉱物フィラーを含むポリマー材料の導入および/または加工中に達する温度によって誘発または増強され得る。

0011

揮発開始温度を上昇させ、且つ粉末材料、例えば鉱物フィラーに付随する揮発性物質の量を制限するための1つの明らかな手段は、ある一般的なフィラー処理添加剤の使用を回避または制限することである。

0012

しかし、鉱物フィラーがプラスチック用途で利用される場合によくあるように、このような添加剤は、他の機能を確保するために必要である。例えば、ポリマー製品、例えば通気性フィルム全体で均一な分布バリアおよび蒸気透過特性を得るために、フィラーをフィルム全体に可能な限り一様に分布させる必要がある。従って通常、添加剤は、疎水性コーティングを有する鉱物フィラーを提供するために、およびポリマー製品前駆材料中の鉱物フィラーの分散性を改善する、ならびにこの前駆材料の加工性および/または最終用途製品の特性を改善するために導入される。このような添加剤を排除すると、生じるフィルム品質許容できないほど損なわれるであろう。

0013

当分野において、粉末材料およびとりわけ炭酸カルシウム含有鉱物フィラー材料の利用性を、例えばこのような鉱物フィラー材料を、場合によっては脂肪酸および脂肪酸塩とも呼ばれ得る、脂肪族カルボン酸および脂肪族カルボン酸塩によって処理することによって改善するための、複数の試みがなされてきた。例えば、WO00/20336は、1つもしくは複数の脂肪酸または1つもしくは複数のこれの塩もしくは混合物によって場合により処理され得て、ポリマー組成物用のレオロジー調節剤として使用される、超微細天然炭酸カルシウムに関する。WO2014/060286A1は、コハク酸無水物を用いて表面処理フィラー材料生成物を調製する方法を開示している。リン酸エステルブレンドを材料の表面の少なくとも一部に含む表面反応性白色鉱物材料を調製する方法は、WO2014/128087A1に開示されている。さらに、本出願人の未公開の欧州特許出願第14181082.0号も参照されたい。

0014

上記を考慮して、中間ステップを必要とせずに、粉末材料から、ポリマー組成物中への導入に好適である添加剤を製造する方法を改善することは、いまだに当業者の関心を集めている。

先行技術

0015

国際公開第95/17441号
国際公開第2001/58988号
国際公開第2007/066362号
欧州特許第156918号明細書
国際公開第2005/108045号
国際公開第2005/065067号
国際公開第2010/150182号
国際公開第2000/20336号
国際公開第2014/060286号
国際公開第2014/128087号
欧州特許出願第14181082.0号明細書

発明が解決しようとする課題

0016

従って、本発明の第1の目的は、熱可塑性ポリマー組成物のなどのポリマー中に連続的または不連続的な方法によって組み入れるのに好適な材料であって、ポリマーに導入される粉末材料が、従来の単軸押出機内で十分に分散させることができるものを製造する方法を提供することである。

0017

本発明の別の目的は、良好な分散特性を示す、このような方法のための粉末材料を提供することである。高い温度耐性を有し、このためポリマー製品の製造中に加工温度をより高くすることが可能となる、粉末材料を提供することも所望される。さらに、低い水分吸収量を示し、従って付随する揮発性物質およびとりわけ水により経験する問題を低減または回避する粉末材料を提供することが所望される。上述の方法のための粉末材料であって、これの表面特性、例えばこれの疎水性に関して調整できる粉末材料を提供することも所望される。さらに、とりわけヒトの皮膚との接触時に、ポリマー製造中の発泡または考えられる表面コーティング滲出リスクを最小限にすべきである。フィラーの装填量が増加され、加工特性が改善された粉末材料を提供することも所望される。

課題を解決するための手段

0018

上記の目的および他の目的は、独立請求項において規定するような主題によって解決される。

0019

本発明の一態様により、緻密材料を製造する方法であって、以下のステップ:
a)少なくとも1つの粉末材料を提供するステップ、
b)ポリマー結合剤を提供するステップ、
c)ステップa)の少なくとも1つの粉末材料およびステップb)のポリマー結合剤を高速ミキサー装置内に同時にまたは順次供給するステップ、
d)ステップa)の少なくとも1つの粉末材料およびステップb)のポリマー結合剤を高速ミキサー装置内で、緻密材料が形成されるまで混合するステップ、
e)ステップd)から得た緻密材料の温度を、ポリマー結合剤の融点またはガラス転移温度よりも低く、低下させるステップ
を含み、
少なくとも1つの粉末材料が、炭酸カルシウム含有フィラー材料および該炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部の上に処理層を含む表面処理フィラー材料生成物を含み、
該処理層が、
i)少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および/もしくは少なくとも1つの1置換コハク酸、および/もしくはこれの塩反応生成物、ならびに/または
ii)1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物、ならびに/または1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物の、リン酸エステルまたはブレンド
を含む方法が提供される。

0020

本発明の別の態様により、本発明による方法によって得た緻密材料が提供される。

0021

本発明のなお別の態様により、ポリマー組成物中の添加剤としての本発明による緻密材料の使用が提供される。

0022

本発明のなお別の態様により、ポリマー組成物を製造する方法であって、本発明による緻密材料を少なくとも1つのポリマーに添加し、前記少なくとも1つのポリマーが好ましくは少なくとも1つの熱可塑性ポリマーから選択される方法が提供される。

0023

本発明のなお別の態様により、本発明による緻密材料を含むポリマー組成物であって、好ましくは熱可塑性ポリマー組成物であるポリマー組成物が提供される。

0024

本発明のなお別の態様により、ポリマー製品の製造方法における本発明によるポリマー組成物の使用であって、該方法が好ましくは溶融加工技術から選択され、より好ましくは異形押出ケーブル押出、フィルム押出、成形、繊維紡糸、同時混練または引抜成形から選択される、使用が提供される。

0025

本発明のなお別の態様により、本発明による緻密材料および/または本発明によるポリマー組成物を含むポリマー製品であって、繊維、好ましくはカーペット繊維、フィラメントスレッド、織布材料、不織布材料、フィルム、好ましくはインフレートフィルムまたは通気性フィルム、プロファイル、ケーブルまたは成形品である製品が提供される。

0026

本発明のなお別の態様により、本発明によるポリマー製品を含む物品であって、ヘルスケア製品ジオテキスタイル製品、農業用製品園芸用製品、衣類履物製品鞄製品家庭用製品工業用製品包装用製品、建設用製品、室内装飾用製品、工業用アパレル医療用製品家庭用備品防護用製品、化粧用製品衛生製品濾過材および構造用製品から成る群から選択される物品が提供される。

0027

本発明の有利な実施形態は、本明細書および該当する従属請求項で定義されている。

0028

一実施形態により、炭酸カルシウム含有フィラー材料は、天然重質炭酸カルシウム沈降炭酸カルシウム表面改質炭酸カルシウムまたはこれの混合物、好ましくは天然重質炭酸カルシウムである。別の実施形態により、炭酸カルシウム含有フィラー材料は、0.05から10μm、好ましくは0.1から7μm、より好ましくは0.25から5μmおよび最も好ましくは0.5から4μmの重量中粒径d50を有する。

0029

一実施形態により、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、置換基中にC2からC30、好ましくはC3からC25および最も好ましくはC4からC20の炭素原子の総量を有する直鎖、分枝脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸無水物から成る。別の実施形態により、(I)1つ以上のリン酸モノエステルは、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する不飽和もしくは飽和の、分枝もしくは直鎖の、脂肪族もしくは芳香族アルコールから選択される1個のアルコール分子によってモノエステル化されたo−リン酸分子から成り、ならびに/または(II)1つ以上のリン酸ジエステルは、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する同じもしくは異なる、不飽和もしくは飽和の、分枝もしくは直鎖の、脂肪族もしくは芳香族脂肪のアルコールから選択される2個のアルコール分子によってジエステル化されたo−リン酸分子から成る。

0030

一実施形態により、表面処理フィラー材料生成物は、少なくとも1つの炭酸カルシウム含有フィラー材料の総乾燥重量に対して、少なくとも0.1重量%、好ましくは0.1から3重量%の量の処理層を含む。別の実施形態により、少なくとも1つの粉末材料は、緻密材料の総重量に対して50から99重量%、好ましくは60から98重量%、より好ましくは80から92重量%および最も好ましくは87から90重量%の量で添加される。

0031

一実施形態により、ポリマー結合剤は、190℃において、100から400,000mPa・s、好ましくは1,000から100,000mPa・sおよびより好ましくは5,000から50,000mPa・sの回転粘度を有する。別の実施形態により、ポリマー結合剤は、ポリオレフィンエチレンコポリマー、例えばエチレン1−オクテンコポリマーメタロセン系ポリプロピレンポリプロピレンホモポリマーまたはコポリマー、好ましくは非晶質ポリプロピレンホモポリマーおよびこの組み合わせから成る群から選択される。

0032

一実施形態により、少なくとも1つの熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、ポリアミドポリスチレンポリアクリレートポリビニルポリウレタンハロゲン含有ポリマーポリエステルポリカーボネートホモポリマーおよび/またはコポリマーならびにこれの混合物から成る群から選択される。

0033

本発明の目的のために、以下の用語が以下の意味を有することを理解すべきである:
本発明の目的のために、「緻密材料」は、ISO 3310規格に従ってRetsch AS 200シーブを使用するシーブ分析によって測定した、10μmから10mmの範囲に及ぶ重量中央粒径d50を有する材料を形成する多数の単一粒子集塊から成るバルク材料である。

0034

本明細書で使用する場合、「ポリマー」という用語は一般に、ホモポリマーおよびコポリマー、例えばブロック、グラフトランダムおよび交互コポリマーならびにこれのブレンドおよび修飾物を含む。ポリマーは、非晶質ポリマー結晶性ポリマーまたは半結晶性ポリマー、即ち結晶性部分および非晶質部分を含むポリマーであることができる。結晶化度パーセントで規定され、示差走査熱量測定DSC)によって求めることができる。非晶質ポリマーは、これのガラス転移温度によって特徴付けられ得て、結晶性ポリマーは、これの融点によって特徴付けられ得る。半結晶性ポリマーは、これのガラス転移温度および/またはこれの融点によって特徴付けられ得る。

0035

本発明の意味における「ガラス転移温度」という用語は、非晶質材料における(または半結晶性材料内の非晶質領域における)硬質であり比較的脆性の状態から溶融状態またはゴム状状態への可逆的転移である、ガラス転移が起こる温度を示す。ガラス転移温度は、材料が存在する場合、材料の結晶状態の融点より常に低い。本発明の意味における「融点」という用語は、固体の状態が大気圧にて固体から液体に変化する温度を示す。融点において、固相と液相が平衡状態で存在する。ガラス転移温度および融点は、ISO 11357により10℃/分の加熱速度で測定される。

0036

本発明の意味における「フィルム」は、これの長さおよび幅と比較して小さい中央厚を有する材料のシートまたは層である。例えば「フィルム」という用語は、200μm未満の、しかし1μmを超える中央厚を有する材料のシートまたは層を示し得る。

0037

明細書中で使用する場合、「インフレートフィルム」という用語は、インフレートフィルム押出によって得られるフィルムを示す。前記方法は、通例、溶融ポリマーチューブをダイを通して押出し、これの初期直径の数倍まで膨らませて薄いフィルムバブルを形成するステップを含み、該バブルを潰してレイフラットフィルムを形成することができる。

0038

本発明の意味における「通気性フィルム」という用語は、例えば微細孔の存在のためにガスおよび水蒸気を通過させるポリマーフィルムを示す。通気性フィルムの「通気性」は、g/(m2・日)で規定されるこれの水蒸気透過率(WVTR)によって測定できる。例えば、ポリマーフィルムは、少なくとも1000g/(m2・日)のWVTRを有する場合に「通気性」であると見なされ得る。WVTRは、ASTME398に従って、Lyssy L80−5000測定装置を用いて求められ得る。

0039

本発明により、高速ミキサー装置に関する「高速」という表現は、5から80m/s、好ましくは10から50m/sの範囲の周速度を意味する。

0040

速度は、混合装置および処理チャンバ幾何学的形状によって変わることがあり、より大型の処理チャンバは、より小型の処理チャンバよりも低い速度が必要となることがある。このようなミキサーの設計は製造業者によって異なり得るため、高速ミキサーは通常、これの周縁ブレード先端速度またはフルード数によって特徴付けられる。撹拌槽内のフルード数によって、表面渦の形成が左右され、以下のように定義される。

0041

式中、Rはブレード半径であり、ω=2πnは角速度であり、nは回転速度であり、g=9.81m/s2は重力加速度であり、Rωはブレード先端速度である。

0042

一実施形態により、高速ミキサー装置に関する「高速」という表現は、20から10,000、好ましくは20から2,000の範囲のフルード数をも意味する。

0043

本発明の目的のために、「炭酸カルシウム含有フィラー材料」という用語は、炭酸カルシウム含有フィラー材料の総乾燥重量に対して、少なくとも80重量%の炭酸カルシウムを含む材料を示す。

0044

本発明の意味における「天然重質炭酸カルシウム」(GCC)は、天然源、例えば石灰石大理石ドロマイトまたはチョークから得られ、湿式および/または乾式処理、例えば粉砕ふるい分けおよび/分画により、例えばサイクロンまたは分級機によって加工された炭酸カルシウムである。

0045

本発明の意味における「表面改質炭酸カルシウム」は、天然重質または沈降炭酸カルシウムの表面反応生成物、即ち「表面反応炭酸カルシウム」を特徴とし得る。「表面反応炭酸カルシウム」は、炭酸カルシウムおよび表面上の不溶性の、好ましくは少なくとも部分的に結晶性の酸のアニオンカルシウム塩を含む材料である。好ましくは、不溶性カルシウム塩は、炭酸カルシウムの少なくとも一部の表面から延在している。前記アニオンの前記少なくとも部分的に結晶性のカルシウム塩を形成するカルシウムイオンは、大部分は出発炭酸カルシウム材料から生じる。表面改質炭酸カルシウムは、例えばUS2012/0031576A1、WO2009/074492A1、EP2 264 109A1、EP2 070 991A1、EP2 264 108A1、WO00/39222A1、WO2004/083316A1またはWO2005/121257A2に記載されている。

0046

本発明の意味における「表面処理フィラー材料生成物」という用語は、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部上にコーティング層を得るような表面処理剤と接触させた炭酸カルシウム含有フィラー材料を示す。

0047

「コハク酸無水物(succinic anhydride)」という用語は、ジヒドロ−2,5−フランジオン、コハク酸無水物(succinic acid anhydride)またはスクシニルオキシドとも呼ばれ、分子式C4H4O3を有し、コハク酸酸無水物である。

0048

本発明の意味における「1置換コハク酸無水物」という用語は、水素原子が別の置換基によって置換されたコハク酸無水物を示す。

0049

本発明の意味における「1置換コハク酸」という用語は、水素原子が別の置換基によって置換されたコハク酸を示す。

0050

本発明の意味における「少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および/または少なくとも1つの1置換コハク酸の塩反応生成物」という用語は、炭酸カルシウム含有フィラー材料を1つ以上の1置換コハク酸無水物と接触させることによって得た生成物を示す。前記塩反応生成物は、適用された1置換コハク酸無水物から形成された1置換コハク酸と炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面に位置する反応性分子との間に形成される。または、前記塩反応生成物は、場合により少なくとも1つの1置換コハク酸無水物と共に存在し得る1置換コハク酸と、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面に位置する反応性分子との間に形成される。

0051

本発明の意味における「リン酸モノエステル」という用語は、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する不飽和または飽和の、分枝または直鎖の、脂肪族または芳香族のアルコールから選択される1個のアルコール分子によってモノエステル化されたo−リン酸分子を示す。

0052

本発明の意味における「リン酸ジエステル」という用語は、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する同じまたは異なる、不飽和または飽和の、分枝または直鎖の、脂肪族または芳香族のアルコールから選択される2個のアルコール分子によってジエステル化されたo−リン酸分子を示す。

0053

本発明の意味における「1つ以上のリン酸モノエステルおよび/もしくは1つ以上のリン酸ジエステルの、リン酸エステルまたはブレンドの塩反応生成物」という用語は、炭酸カルシウム含有フィラー材料を1つ以上のリン酸モノエステルおよび1つ以上のリン酸ジエステルおよび場合によりリン酸と接触させることによって得た生成物を示す。前記塩反応生成物は、適用された1つ以上のリン酸モノエステルおよび1つ以上のリン酸ジエステルおよび場合によりリン酸と、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面に位置する反応性分子との間で形成される。

0054

無水」炭酸カルシウム含有フィラー材料という用語は、フィラー材料重量に対して0.3重量%未満の水を有するフィラー材料であると理解される。(「残留含水率」に等しい)水の%は、フィラー材料を220℃まで加熱して、蒸気として放出され、(100ml/分の)窒素ガス流を使用して単離した含水量を電量カールフィッシャー装置にて決定する、電量カールフィッシャー測定方法によって決定する。

0055

本発明の意味における用語「水分取込み感受性」は、粉末材料または表面処理フィラー材料生成物の表面に吸着した水分の量を示し、+23℃(±2℃)の温度にて相対湿度10および85%の雰囲気にそれぞれ2.5時間暴露した後に、mg水分/g乾燥粉末材料または表面処理フィラー材料生成物として決定できる。

0056

本出願の目的のために、「揮発開始温度」は、残りの試料の質量(y軸)を温度(x軸)の関数としてプロットした熱重量分析(TGA)曲線上で確認されるような、粉砕助剤を用いるまたは用いない粉砕、浮選助剤または他の薬剤を用いるまたは用いない選鉱、および後述する熱重量分析に従って検出される、上で明示的に挙げていない他の前処理剤を含む、一般的な鉱物フィラー材料調製ステップの結果として導入される揮発性物質を含む揮発性物質の発生が開始する温度として定義され、このような曲線の作成および解釈は、以下で定義する。

0057

揮発開始温度は、熱重量分析(TGA)法によって測定可能であり、TGA法は、質量の損失および揮発開始温度に関する情報を高い精度で提供し、一般常識である。例えばこれは「Principles of Instrumental analysis」,fifth edition,Skoog,Holler,Nieman,1998(first edition 1992)in chapter 31,pages 798−800および多くの一般に公知の参考図書に記載されている。本発明において、TGA分析は、Mettler Toledo TGA 851を使用して、500±50mgの試料に基づいて、25から350℃の走査温度で、70ml/分の気流中20℃/分の速度にて行った。

0058

当業者は、以下のように、TGA曲線の分析によって「揮発性開始温度」を求めることができる。TGA曲線の一次導関数を得て、150℃から350℃の間の該曲線上の変曲点を特定する。水平線に対して45°を超える接線傾き値を有する変曲点のうち、200℃を超える最低関連温度を有する変曲点を特定する。一次導関数曲線のこの最低温度の変曲点に関連する温度値が、「揮発開始温度」である。

0059

TGA曲線上で発生した「総揮発性物質」は、Star(R)SW 11.0ソフトウェアを使用して求める。このソフトウェアを使用して、該曲線を最初に、元の試料に対する%値での質量損失を得るために、元の試料重量に対して正規化する。その後、25℃から350℃の温度範囲を選択して、選択された温度範囲にわたって%質量損失を得るために、水平段階(ドイツ語で「Stufe horizontal」)オプションを選択する。

0060

本出願の目的のために、粉末材料または表面処理フィラー材料生成物に付随し、25℃から280℃の温度範囲にわたって発生する「総揮発性物質」は、熱重量分析(TGA)曲線上で読み取られるように、温度範囲にわたって粉末材料または表面処理フィラー材料生成物試料の質量損失%に従ってキャラクタリゼーションされる。TGA曲線上で発生した「総揮発性物質」は、Star(R)SW 11.0ソフトウェアを使用して求める。このソフトウェアを使用して、該曲線を最初に、元の試料に対する%値での質量損失を得るために、元の試料重量に対して正規化する。その後、25℃から280℃の温度範囲を選択して、選択された温度範囲にわたって%質量損失を得るために、水平段階(ドイツ語で「Stufe horizontal」)オプションを選択する。

0061

本発明の意味における表面処理フィラー材料生成物または炭酸カルシウム含有フィラー材料の「比表面積」(m2/g)という用語は、当業者に周知である、吸着ガスとして窒素を用いるBET法を使用して求める(ISO 9277:1995)。次いで、表面処理フィラー材料生成物または炭酸カルシウム含有フィラー材料の総表面積(m2)は、比表面積に処理前の表面処理フィラー材料生成物または炭酸カルシウム含有フィラー材料の質量(g)を掛けることによって得る。

0062

本文書を通じて、炭酸カルシウム含有フィラーまたは他の微粒子材料の「粒径」は、これの粒径の分布によって説明される。値dxは、粒子のx重量%が有するdx未満の粒径に対する粒径を表す。このことは、d20値は全粒子の20重量%がこれより小さい粒径であり、d98値は全粒子の98重量%がこれより小さい粒径であることを意味する。d98値は、「トップカット」とも呼ぶ。d50値はこのため重量中央粒径であり、即ちすべての粒子の50重量%がこの粒径より大きく、同時に残りの50重量%がこの粒径より小さい。本発明の目的のために、別途指摘しない限り、粒径は重量中央粒径d50として規定する。重量中央粒径d50値またはトップカット粒径d98値を測定するために、米国、マイクロメリティックス社(Micromeritics)のセディグラフ5100または5120装置を使用することができる。方法および機器は当業者に公知であり、フィラーおよび顔料の粒径を決定するためによく使用されている。測定は0.1重量%Na4P2O7水溶液中で行う。高速撹拌機および超音波を使用して試料を分散させる。

0063

本発明の目的のために、「dtex」という用語は、繊維の線質量密度を示し、10,000メートル当たりグラムでの質量として定義する。

0064

本発明の目的のために、液体組成物の「固体含有率」は、すべての溶媒または水が蒸発した後に残存する材料の量の測定値である。

0065

懸濁物」または「スラリ」は本発明の意味において、不溶性固体および水ならびに場合によりさらなる添加剤を含み、通常、大量の固体を含有するため、これから形成される液体よりも粘性であり、高密度であることができる。

0066

本発明の意味における「粉末材料」は、フィラー材料、例えば鉱物材料および/または顔料を含む。好ましくは、フィラー材料は、粉末材料の95重量%超を形成する。本発明の目的では、「鉱物材料」は、一定の無機化学組成ならびに特徴的な結晶性および/または非晶質構造を有する固体物質である。

0067

「含む(comprising)」という用語を本明細書および特許請求の範囲において使用する場合、これは機能的に非常にまたはわずかに重要な、他の規定されていない要素を排除しない。本発明の目的のために、「より成る(consisting of」という用語は、用語「より構成される(comprising of)」の好ましい実施形態であると見なされる。以下で群が少なくとも幾つかの実施形態を含むと定義される場合、これはまた、好ましくはこれらの実施形態のみから成る群を開示すると理解されるものとする。

0068

「含む(including)」または「有する(having)」という用語を使用する場合は必ず、これらの用語は上で定義した「含む(comprising)」と同等であることを意味する。

0069

単数名詞を指すときに不定詞または定冠詞、例えば「1つの(a)」、「1つの(an)」または「この(the)」を使用する場合、何か他のことが特に示されない限り、これはこの名詞の複数を含む。

0070

「得られる」または「定義できる」および「得られた」または「定義した」などの用語は、互換的に使用される。このことは例えば、文脈が別途明確に示さない限り、用語「得られた」は、例えば実施形態を例えば、用語「得られた」の後の一連のステップによって得なければならないことを、このような限定された認識が好ましい実施形態として用語「得られた」または「定義した」によって常に含まれるとしても、示すものではない。

0071

緻密材料を製造する本発明の方法は、(a) 少なくとも1つの粉末材料を提供するステップ、(b)ポリマー結合剤を提供するステップ、(c) ステップ(a)の少なくとも1つの粉末材料およびステップ(b)のポリマー結合剤を同時にまたは順次高速ミキサー装置に供給するステップ、(d) ステップ(a)の少なくとも1つの粉末材料およびステップ(b)のポリマー結合剤を高速ミキサー装置内で緻密材料が形成されるまで混合するステップ、ならびに(e) ステップ(d)から得た緻密材料の温度を、ポリマー結合剤の融点またはガラス転移温度よりも低く、低下させるステップを含む。少なくとも1つの粉末材料は、炭酸カルシウム含有フィラー材料および炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部の上に処理層を含む、表面処理フィラー材料生成物を含む。処理層は、(i)少なくとも1つのモノ置換コハク酸無水物および/もしくは少なくとも1つの1置換コハク酸、および/またはこれの塩反応生成物、ならびに/または(ii)1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに/または1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物、のリン酸エステルまたはブレンドを含む。

0072

以下では、本発明の方法の詳細事項および好ましい実施形態をより詳細に述べる。これらの技術的詳細事項および実施形態が前記方法から得られる本発明の緻密材料、前記本発明の緻密材料の本発明の使用ならびに前記本発明の緻密材料を含む組成物、製品および物品にも適用されることを理解すべきである。

0073

[少なくとも1つの粉末材料]
本発明の方法のステップa)では、少なくとも1つの粉末材料が提供される。少なくとも1つの粉末材料は、請求項1で定義するように、炭酸カルシウム含有フィラー材料および炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部の上に処理層を含む、表面処理フィラー材料生成物を含む。

0074

本発明の意味における炭酸カルシウム含有フィラー材料は、天然重質炭酸カルシウム(GCC)、沈降炭酸カルシウム(PCC)、表面改質炭酸カルシウム(MCC)またはこれらの混合物の中から選択されるフィラー材料を示す。好ましい実施形態により、炭酸カルシウム含有フィラー材料は、天然重質炭酸カルシウム(GCC)である。

0075

GCCは、堆積岩、例えば石灰石もしくはチョークから、変成大理岩、卵殻または貝殻から採掘され、例えばサイクロンまたは分級機による湿式および/または乾式形態での粉砕、ふるい分けおよび/または分画などの処理で加工した、天然形態の炭酸カルシウムであると理解される。本発明の一実施形態において、GCCは、大理石、チョーク、ドロマイト、石灰石およびこれらの混合物を含む群から選択される。

0076

本発明の意味における「沈降炭酸カルシウム」(PCC)は、水性環境における二酸化炭素と石灰との反応後の沈降によって、または水中でのカルシウムおよびカーボネートイオン源の沈降によって、またはカルシウムイオンとカーボネートイオン、例えばCaCl2とNa2CO3との溶液からの沈降によって一般に得られる合成材料である。PCCを製造するさらなる考えられる方法は、石灰ソーダ法、またはPCCがアンモニア製造の副生成物であるソルベー法である。沈降炭酸カルシウムは、カルサイトアラゴナイトおよびファーテライトの3種類の主な結晶形態として存在し、これらの結晶形態それぞれについて多くの異なる多形晶癖)がある。カルサイトは、偏三角面体(S−PCC)、菱面体(R−PCC)、六方晶柱状、卓面体晶系、コロイド晶系(C−PCC)、立方晶系および柱状(P−PCC)などの代表的晶癖を有する、三方晶系構造を有する。アラゴナイトは、六方晶柱状系双晶、ならびに薄い細長柱状、湾曲ブレード状、鋭利角錐状、チゼル形状結晶、分枝樹およびサンゴまたはワーム様形状の多様な組み合わせの代表的晶癖を有する斜方晶系構造である。ファーテライトは六方晶結晶系に属する。得られたPCCスラリは、機械的に脱水および乾燥することができる。

0077

表面改質炭酸カルシウムは、表面反応したGCCまたはPCCを特徴とし得る。表面反応炭酸カルシウムは、水性懸濁物の形態のGCCまたはPCCを提供し、前記懸濁物に酸を添加することによって調製され得る。好適な酸は、例えば硫酸塩酸、リン酸、クエン酸シュウ酸またはこれの混合物である。次のステップにおいて、炭酸カルシウムをガス状二酸化炭素によって処理する。硫酸または塩酸などの強酸酸処理ステップで使用する場合、二酸化炭素がその場で自動的に生成する。もしくはまたはさらに、二酸化炭素を外部源から供給することができる。表面反応炭酸カルシウムは、例えばUS2012/0031576A1、WO2009/074492A1、EP2 264 109A1、EP2 070 991A1、EP2 264 108A1、WO00/39222A1、WO2004/083316A1またはWO2005/121257A2に記載されている。

0078

好ましい一実施形態において、炭酸カルシウム含有フィラー材料は大理石である。

0079

本発明の一実施形態により、炭酸カルシウム含有フィラー材料中の炭酸カルシウムの量は、炭酸カルシウム含有フィラー材料の総乾燥重量に対して、少なくとも80重量%、例えば少なくとも95重量%、好ましくは97から100重量%の間、より好ましくは98.5から99.95重量%の間である。

0080

少なくとも1つの炭酸カルシウム含有フィラー材料は、好ましくは微粒子状材料の形態であり、製造される製品の種類に包含される材料に従来用いられるような粒径分布を有し得る。本発明の一実施形態により、炭酸カルシウム含有フィラー材料は、0.05μmから10μm、好ましくは0.1μmから7μm、より好ましくは0.25μmから5μmおよび最も好ましくは0.5μmから4μmの重量中央粒径d50を有する。

0081

本発明の一実施形態により、炭酸カルシウム含有フィラー材料は、15μm以下、好ましくは12.5μm以下、より好ましくは10μm以下および最も好ましくは7.5μm以下のトップカット(d98)を有する。

0082

別の実施形態により、炭酸カルシウム含有フィラー材料は、窒素およびISO 9277によるBET法を使用して測定した、0.5から150m2/g、好ましくは0.5から50m2/g、より好ましくは0.5から35m2/gおよび最も好ましくは0.5から15m2/gのBET比表面積を有する。

0083

本発明の一実施形態により、炭酸カルシウム含有フィラー材料は、0.05μmから10μmの重量中央粒径d50および/または15μm以下のトップカット(d98)および/または窒素およびISO 9277によるBET法を使用して測定した、0.5から150m2/gのBET比表面積を有する。

0084

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの炭酸カルシウム含有フィラー材料は、好ましくは0.05μmから10μm、好ましくは0.1μmから7μm、より好ましくは0.25μmから5μmおよび最も好ましくは0.5μmから4μmの中央粒径d50値を有する大理石である。この場合、少なくとも1つの炭酸カルシウム含有フィラー材料は、窒素およびISO 9277によるBET法を使用して測定した、0.5から150m2/g、好ましくは0.5から50m2/g、より好ましくは0.5から35m2/gおよび最も好ましくは0.5から15m2/gのBET比表面積を示し得る。

0085

炭酸カルシウム含有フィラー材料は、乾燥粉砕材料、湿式粉砕および乾燥された材料、または前述の材料の混合物であることが好ましい。概して、粉砕ステップは、いずれの従来の粉砕装置を用いて、例えば精製が2次体との衝突から主に生じるような条件下で、即ちボールミルロッドミル振動ミルロール粉砕機遠心分離インパクトミル縦型ビーズミルアトリションミルピンミルハンマーミル粉砕機シュレッダデクランパ(de−clumper)、ナイフカッターまたは当業者に既知である他のこのような装置の1つ以上で行うことができる。

0086

炭酸カルシウム含有フィラー材料が湿式重質炭酸カルシウム含有フィラー材料である場合、粉砕ステップは、自己粉砕が起こるような条件下でならびに/または水平ボールミリングおよび/もしくは当業者に既知の他の方法によって実施され得る。炭酸カルシウム含有フィラー材料を乾式粉砕するために同じ粉砕方法を使用できることに留意されたい。このように得られた湿式加工重質炭酸カルシウム含有フィラー材料は、周知の方法によって、洗浄され、乾燥前に例えば凝集濾過または強制蒸発によって脱水され得る。後続乾燥ステップは、スプレー乾燥などの単一ステップで、または少なくとも2つのステップで、例えば、炭酸カルシウム含有フィラー材料の総乾燥重量に対して約0.5重量%を超えないレベルまで結合含水率を低下させるために、炭酸カルシウム含有フィラー材料に第1の加熱ステップを適用することによって行ってよい。フィラーの残留全含水率は、カールフィッシャー電量滴定法に従って、195℃のオーブン内で水分を脱着し、乾燥N2を使用してフィラーを100ml/分にて10分間、連続的にKF電量計(MettlerオーブンDO0337と組み合わせた、Mettler Toledo電量KF滴定装置C30)に通過させて測定できる。残留全含水率は較正曲線を用いて求めることができ、試料を含まない10分間のガス流ブラインドも考慮することができる。残留全含水率は、炭酸カルシウム含有フィラー材料に第2の加熱ステップを適用することによって、さらに低下され得る。前記乾燥を1回を超える乾燥ステップによって行う場合、第1のステップは、高温気流中での加熱によって行われ得るが、第2のおよびさらなる乾燥ステップは、好ましくは、対応する容器中の雰囲気が表面処理剤を含む間接加熱によって行われる。不純物を除去するために、炭酸カルシウム含有フィラー材料を選鉱ステップ(例えば浮遊選鉱漂白または磁力選鉱ステップ)に供することも一般的である。

0087

本発明の一実施形態において、炭酸カルシウム含有フィラー材料は、乾式重質炭酸カルシウム含有フィラー材料を含む。別の好ましい実施形態において、炭酸カルシウム含有フィラー材料は、水平ボールミル内で湿式粉砕され、続いて周知のスプレー乾燥ステップを使用することによって乾燥される材料である。

0088

本発明により、炭酸カルシウム含有フィラー材料は、炭酸カルシウム含有フィラー材料の総乾燥重量に対して1重量%以下の残留含水率を有する。炭酸カルシウム含有フィラー材料に応じて、炭酸カルシウム含有フィラー材料は、炭酸カルシウム含有フィラー材料の総乾燥重量に対して、0.01から1重量%、好ましくは0.01から0.2重量%、より好ましくは0.02から0.15重量%および最も好ましくは0.04から0.15重量%の残留全含水率を有する。

0089

例えば、湿式粉砕およびスプレー乾燥された大理石を炭酸カルシウム含有フィラー材料として使用する場合、炭酸カルシウム含有フィラー材料の残留全含水率は、炭酸カルシウム含有フィラー材料の総乾燥重量に対して、好ましくは0.01から0.1重量%、より好ましくは0.02から0.08重量%および最も好ましくは0.04から0.07重量%である。PCCを炭酸カルシウム含有フィラー材料として使用する場合、炭酸カルシウム含有フィラー材料の残留全含水率は、炭酸カルシウム含有フィラー材料の総乾燥重量に対して、好ましくは0.01から0.2重量%、より好ましくは0.05から0.17重量%および最も好ましくは0.05から0.10重量%である。

0090

本発明により、表面処理フィラー材料生成物は、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部の上に処理層をさらに含み、処理層は、
i)少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および/もしくは少なくとも1つの1置換コハク酸および/もしくはこれの塩反応生成物、ならびに/または
ii)1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに/または1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物の、リン酸エステルまたはブレンドを含む。

0091

一実施形態により、表面処理フィラー材料生成物は、炭酸カルシウム含有フィラー材料の総乾燥重量に対して、少なくとも0.1重量%、好ましくは0.1から3重量%の量の処理層を含む。

0092

一実施形態により、表面処理フィラー材料生成物は、炭酸カルシウム含有フィラー材料の総乾燥重量に対して、0.1から2.5重量%の量、好ましくは0.1から2重量%の量、より好ましくは0.1から1.5重量%の量、またより好ましくは0.1から1重量%の量および最も好ましくは0.2から0.8重量%の量の処理層を含む。

0093

一実施形態により、処理層は、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面全体に存在する。処理層の組成およびこれの具体的な実施形態は、以下にさらに詳細に記載する。

0094

本発明による表面処理フィラー材料生成物は、少なくとも10個の鎖状炭素原子を有する脂肪酸および/または脂肪酸塩によって処理された鉱物フィラー、即ち、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および/または少なくとも1つの1置換コハク酸ならびに/もしくはこれの塩反応生成物、または1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに/もしくは1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物の、リン酸エステルもしくはブレンドを備えていないもの、と比べて、優れた表面特性を有する。

0095

特に、一実施形態により、表面処理フィラー材料生成物は、250℃以上、好ましくは260℃以上および最も好ましくは270℃以上の揮発開始温度を有することが認識される。

0096

加えて、または代わりに、表面処理フィラー材料生成物は、0.25質量%未満、および好ましくは0.23質量%未満、例えば0.04から0.21質量%、好ましくは0.08から0.15質量%、より好ましくは0.1から0.12質量%の、25から350℃の間の全揮発物質を有し得る。

0097

さらに、表面処理フィラー材料生成物は、低い水分取込み感受性を特徴とし得る。表面処理フィラー材料生成物の水分取込み感受性は、これの全表面水分レベルが約+23℃(±2℃)の温度にて、無水炭酸カルシウム含有フィラー材料の1mg/g未満であるようなものであることが好ましい。例えば、表面処理フィラー材料生成物は、+23℃(±2℃)の温度にて、無水炭酸カルシウム含有材料の0.1から1mg/g、より好ましくは0.2から0.9mg/gおよび最も好ましくは0.2から0.8mg/gの水分取込み感受性を有する。

0098

加えて、または代わりに、表面処理フィラー材料生成物は、沈降法によって+23℃(±2℃)にて測定した、8:2より低い水:エタノール体積比親水性を有し得る。例えば、表面処理フィラー材料生成物は、沈降法によって+23℃(±2℃)にて測定した、7:3より低い水:エタノールの体積比の親水性を有し得る。

0099

上述の有利な表面特性に加えて、表面処理フィラー材料生成物の処理層の化学構造によって、想定される適用領域に対するフィラー材料の表面特性のカスタマイズまたは調整が可能となる。例えば、表面処理フィラー材料生成物の疎水性または親水性は、より疎水性または親水性の置換基を処理層中、即ち少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および/もしくは少なくとも1つの1置換コハク酸および/もしくはこれの塩反応生成物中に、または1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物および/もしくは1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物の、リン酸エステルまたはブレンド中に導入することによって変化させることができる。本発明の方法で使用する表面処理フィラー材料生成物はまた、脂肪族カルボン酸またはこれの塩で表面処理されているフィラー材料と比較して、改善された熱安定性を有するという利点を有する。少なくとも10個の鎖状炭素原子を有する脂肪酸および/または脂肪酸塩で処理された鉱物フィラーは、通常、230℃超では熱的に安定ではないが、本発明の方法で使用する表面処理フィラー材料生成物は、230℃超の温度にて、例えば250℃、270℃、または290℃の温度まで熱的に安定である。

0100

表面処理フィラー材料生成物を調製する方法は、WO2014/060286A1およびWO2014/128087A1に記載されている。

0101

表面処理フィラー材料生成物に加えて、少なくとも1つの粉末材料は、追加の無機粉末および/または有機粉末を含み得る。

0102

追加の無機粉末は、天然重質炭酸カルシウム(GCC);沈降炭酸カルシウム(PCC);ドロマイトなどの炭酸カルシウム含有鉱物、タルクなどの、マグネシウム含有鉱物と、または粘土と結合したカルシウムなどの混合炭酸塩系フィラー;雲母;およびこれの混合物、例えばタルク−炭酸カルシウムまたは炭酸カルシウム−カオリン混合物、または天然重質炭酸カルシウムと水酸化アルミニウム、雲母とのまたは合成もしくは天然繊維との混合物、または鉱物の共構造物、例えばタルク−炭酸カルシウムもしくはタルク−二酸化チタンの共構造物から成る群から選択され得る。追加の有機粉末は、木粉加工デンプン、およびこれの混合物を含む群から選択され得る。追加の無機粉末および/または有機粉末は、例えばステアリン酸またはパルミチン酸などの脂肪酸によって表面処理することもできる。

0103

本発明の一実施形態により、少なくとも1つの粉末材料は、緻密材料の総重量に対して50から99重量%、好ましくは60から98重量%、より好ましくは80から92重量%および最も好ましくは87から90重量%の量で添加される。

0104

[処理層i)]
本発明の一実施形態により、表面処理フィラー材料生成物は、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部の上に処理層を含み、該処理層は、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および/もしくは少なくとも1つの1置換コハク酸ならびに/または(複数の)これの塩反応生成物を含む。

0105

「少なくとも1つの」1置換コハク酸無水物という表現は、1種類以上の1置換コハク酸無水物が本発明の方法によって提供され得ることを意味することが認識される。

0106

従って、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物が1種類の1置換コハク酸無水物であり得ることに留意されたい。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、2種類以上の1置換コハク酸無水物の混合物であってよい。例えば少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、2種類の1置換コハク酸無水物などの、2または3種類の1置換コハク酸無水物の混合物であってよい。

0107

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、1種類の1置換コハク酸無水物である。

0108

少なくとも1つの1置換コハク酸無水物が表面処理剤に相当し、置換基中にC2からC30の炭素原子の総量を有するいずれもの直鎖、分枝、脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸無水物から成ることが認識される。

0109

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、置換基中にC3からC20の炭素原子の総量を有する直鎖、分枝、脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸無水物から成る。例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、置換基中にC4からC18の炭素原子の総量を有する直鎖、分枝、脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸無水物から成る。

0110

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、置換基中にC2からC30、好ましくはC3からC20および最も好ましくはC4からC18の炭素原子の総量を有する直鎖および脂肪族基である1個の基によって1置換されたコハク酸無水物から成る。加えて、または代わりに、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、置換基中にC2からC30、好ましくはC3からC20および最も好ましくはC4からC18の炭素原子の総量を有する分枝および脂肪族基である1個の基によって1置換されたコハク酸無水物から成る。

0111

このため、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物が、置換基中にC2からC30、好ましくはC3からC20および最も好ましくはC4からC18の炭素原子の総量を有する直鎖または分枝アルキル基である1個の基によって1置換されたコハク酸無水物から成ることが好ましい。

0112

例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、置換基中にC2からC30、好ましくはC3からC20および最も好ましくはC4からC18の炭素原子の総量を有する直鎖アルキル基である1個の基によって1置換されたコハク酸無水物から成る。加えて、または代わりに、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、置換基中にC2からC30、好ましくはC3からC20および最も好ましくはC4からC18の炭素原子の総量を有する分枝アルキル基である1個の基によって1置換されたコハク酸無水物から成る。

0113

本発明の意味における「アルキル」という用語は、炭素および水素で構成される直鎖または分枝飽和有機化合物を示す。即ち、「アルキル1置換コハク酸無水物」は、ペンダントコハク酸無水物基を含有する直鎖または分枝飽和炭化水素鎖で構成されている。

0114

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、少なくとも1つの直鎖または分枝アルキル1置換コハク酸無水物である。例えば、少なくとも1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、エチルコハク酸無水物、プロピルコハク酸無水物、ブチルコハク酸無水物、トリイソブチルコハク酸無水物、ペンチルコハク酸無水物、ヘキシルコハク酸無水物、ヘプチルコハク酸無水物、オクチルコハク酸無水物、ノニルコハク酸無水物、デシルコハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、ヘキサデカニルコハク酸無水物、オクタデカニルコハク酸無水物およびこれの混合物を含む群から選択される。

0115

従って、例えば「ブチルコハク酸無水物」という用語が直鎖および分枝ブチルコハク酸無水物を含むことが認識される。直鎖ブチルコハク酸無水物の具体的な一例は、n−ブチルコハク酸無水物である。分枝ブチルコハク酸無水物の具体例は、イソブチルコハク酸無水物、sec−ブチルコハク酸無水物および/またはtert−ブチルコハク酸無水物である。

0116

さらに、例えば「ヘキサデカニルコハク酸無水物」という用語が直鎖および分枝ヘキサデカニルコハク酸無水物を含むことが認識される。直鎖ヘキサデカニルコハク酸無水物の具体的な一例は、n−ヘキサデカニルコハク酸無水物である。分枝ヘキサデカニルコハク酸無水物の具体例は、14−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、13−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、12−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、11−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、10−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、9−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、8−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、7−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、6−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、5−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、4−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、3−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、2−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、1−メチルペンタデカニルコハク酸無水物、13−エチルブタデカニルコハク酸無水物、12−エチルブタデカニルコハク酸無水物、11−エチルブタデカニルコハク酸無水物、10−エチルブタデカニルコハク酸無水物、9−エチルブタデカニルコハク酸無水物、8−エチルブタデカニルコハク酸無水物、7−エチルブタデカニルコハク酸無水物、6−エチルブタデカニルコハク酸無水物、5−エチルブタデカニルコハク酸無水物、4−エチルブタデカニルコハク酸無水物、3−エチルブタデカニルコハク酸無水物、2−エチルブタデカニルコハク酸無水物、1−エチルブタデカニルコハク酸無水物、2−ブチルドデカニルコハク酸無水物、1−ヘキシルデカニルコハク酸無水物、1−ヘキシル−2−デカニルコハク酸無水物、2−ヘキシルデカニルコハク酸無水物、6,12−ジメチルブタデカニルコハク酸無水物、2,2−ジエチルドデカニルコハク酸無水物、4,8,12−トリメチルトリデカニルコハク酸無水物、2,2,4,6,8−ペンタメチルウンデカニルコハク酸無水物、2−エチル−4−メチル−2−(2−メチルペンチル)−ヘプチルコハク酸無水物および/または2−エチル−4,6−ジメチル−2−プロピルノニルコハク酸無水物である。

0117

さらに、例えば「オクタデカニルコハク酸無水物」という用語が直鎖および分枝オクタデカニルコハク酸無水物を含むことが認識される。直鎖オクタデカニルコハク酸無水物の具体的な一例は、n−オクタデカニルコハク酸無水物である。分枝ヘキサデカニルコハク酸無水物の具体例は、16−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、15−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、14−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、13−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、12−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、11−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、10−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、9−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、8−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、7−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、6−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、5−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、4−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、3−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、2−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、1−メチルヘプタデカニルコハク酸無水物、14−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、13−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、12−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、11−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、10−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、9−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、8−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、7−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、6−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、5−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、4−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、3−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、2−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、1−エチルヘキサデカニルコハク酸無水物、2−ヘキシルドデカニルコハク酸無水物、2−ヘプチルウンデカニルコハク酸無水物、イソオクタデカニルコハク酸無水物および/または1−オクチル−2−デカニルコハク酸無水物である。

0118

本発明の一実施形態において、少なくとも1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、ブチルコハク酸無水物、ヘキシルコハク酸無水物、ヘプチルコハク酸無水物、オクチルコハク酸無水物、ヘキサデカニルコハク酸無水物、オクタデカニルコハク酸無水物およびこれの混合物を含む群から選択される。

0119

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、1種類のアルキル1置換コハク酸無水物である。例えば、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、ブチルコハク酸無水物である。または、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、ヘキシルコハク酸無水物である。または、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、ヘプチルコハク酸無水物またはオクチルコハク酸無水物である。または、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、ヘキサデカニルコハク酸無水物である。例えば、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、直鎖ヘキサデカニルコハク酸無水物、例えばn−ヘキサデカニルコハク酸無水物または分枝ヘキサデカニルコハク酸無水物、例えば1−ヘキシル−2−デカニルコハク酸無水物である。または、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、オクタデカニルコハク酸無水物である。例えば、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、直鎖オクタデカニルコハク酸無水物、例えばn−オクタデカニルコハク酸無水物または分枝オクタデカニルコハク酸無水物、例えばイソオクタデカニルコハク酸無水物もしくは1−オクチル−2−デカニルコハク酸無水物である。

0120

本発明の一実施形態において、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、ブチルコハク酸無水物、例えばn−ブチルコハク酸無水物である。

0121

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、2種類以上のアルキル1置換コハク酸無水物の混合物である。例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、2または3種類のアルキル1置換コハク酸無水物の混合物である。

0122

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、置換基中にC2からC30、好ましくはC3からC20および最も好ましくはC4からC18の炭素原子の総量を有する直鎖または分枝アルケニル基である1個の基によって1置換されたコハク酸無水物から成る。

0123

本発明の意味における「アルケニル」という用語は、炭素および水素で構成される直鎖または分枝不飽和有機化合物を示す。前記有機化合物は、置換基中に少なくとも1個の二重結合、好ましくは1個の二重結合をさらに含有する。即ち、「アルケニル1置換コハク酸無水物」は、ペンダントコハク酸無水物基を含有する直鎖または分枝不飽和炭化水素鎖で構成されている。本発明の意味における「アルケニル」という用語がシスおよびトランス異性体を含むことが認識される。

0124

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、少なくとも1つの直鎖または分枝アルケニル1置換コハク酸無水物である。例えば、少なくとも1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、エテニルコハク酸無水物、プロペニルコハク酸無水物、ブテニルコハク酸無水物、トリイソブテニルコハク酸無水物、ペンテニルコハク酸無水物、ヘキセニルコハク酸無水物、ヘプテニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、デセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物およびこれの混合物を含む群から選択される。

0125

従って、例えば「ヘキサデセニルコハク酸無水物」という用語が直鎖および分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物を含むことが認識される。直鎖ヘキサデセニルコハク酸無水物の具体的な一例は、n−ヘキサデセニルコハク酸無水物、例えば14−ヘキサデセニルコハク酸無水物、13−ヘキサデセニルコハク酸無水物、12−ヘキサデセニルコハク酸無水物、11−ヘキサデセニルコハク酸無水物、10−ヘキサデセニルコハク酸無水物、9−ヘキサデセニルコハク酸無水物、8−ヘキサデセニルコハク酸無水物、7−ヘキサデセニルコハク酸無水物、6−ヘキサデセニルコハク酸無水物、5−ヘキサデセニルコハク酸無水物、4−ヘキサデセニルコハク酸無水物、3−ヘキサデセニルコハク酸無水物および/または2−ヘキサデセニルコハク酸無水物である。分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物の具体例は、14−メチル−9−ペンタデセニルコハク酸無水物、14−メチル−2−ペンタデセニルコハク酸無水物、1−ヘキシル−2−デセニルコハク酸無水物および/またはイソヘキサデセニルコハク酸無水物である。

0126

さらに、例えば「オクタデセニルコハク酸無水物」という用語が直鎖および分枝オクタデセニルコハク酸無水物を含むことが認識される。直鎖オクタデセニルコハク酸無水物の具体的な一例は、n−オクタデセニルコハク酸無水物、例えば16−オクタデセニルコハク酸無水物、15−オクタデセニルコハク酸無水物、14−オクタデセニルコハク酸無水物、13−オクタデセニルコハク酸無水物、12−オクタデセニルコハク酸無水物、11−オクタデセニルコハク酸無水物、10−オクタデセニルコハク酸無水物、9−オクタデセニルコハク酸無水物、8−オクタデセニルコハク酸無水物、7−オクタデセニルコハク酸無水物、6−オクタデセニルコハク酸無水物、5−オクタデセニルコハク酸無水物、4−オクタデセニルコハク酸無水物、3−オクタデセニルコハク酸無水物および/または2−オクタデセニルコハク酸無水物である。分枝オクタデセニルコハク酸無水物の具体例は、16−メチル−9−ヘプタデセニルコハク酸無水物、16−メチル−7−ヘプタデセニルコハク酸無水物、1−オクチル−2−デセニルコハク酸無水物および/またはイソオクタデセニルコハク酸無水物である。

0127

本発明の一実施形態において、少なくとも1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、ヘキセニルコハク酸無水物、オクテニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物、オクタデセニルコハク酸無水物およびこれらの混合物を含む群から選択される。

0128

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物である。例えば、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、ヘキセニルコハク酸無水物である。または、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、オクテニルコハク酸無水物である。または、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、ヘキサデセニルコハク酸無水物である。例えば、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、直鎖ヘキサデセニルコハク酸無水物、例えばn−ヘキサデセニルコハク酸無水物または分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物、例えば1−ヘキシル−2−デセニルコハク酸無水物である。または、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、オクタデセニルコハク酸無水物である。例えば、1つのアルキル1置換コハク酸無水物は、直鎖オクタデセニルコハク酸無水物、例えばn−オクタデセニルコハク酸無水物または分枝オクタデセニルコハク酸無水物、例えばイソオクタデセニルコハク酸無水物または1−オクチル−2−デセニルコハク酸無水物である。

0129

本発明の一実施形態において、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、直鎖オクタデセニルコハク酸無水物、例えばn−オクタデセニルコハク酸無水物である。本発明の別の実施形態において、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、直鎖オクテニルコハク酸無水物、例えばn−オクテニルコハク酸無水物である。

0130

少なくとも1つの1置換コハク酸無水物が1つのアルケニル1置換コハク酸無水物である場合、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物が、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物の総重量に対して95重量%以下および好ましく96.5重量%以下の量で存在することが認識される。

0131

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、2種類以上のアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物である。例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、2または3種類のアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物である。

0132

少なくとも1つの1置換コハク酸無水物が2種類以上のアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物である場合、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は、直鎖または分枝オクタデセニルコハク酸無水物であり、各さらなるアルケニル1置換コハク酸無水物は、エテニルコハク酸無水物、プロペニルコハク酸無水物、ブテニルコハク酸無水物、ペンテニルコハク酸無水物、ヘキセニルコハク酸無水物、ヘプテニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物およびこれらの混合物から選択される。例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は2種類以上のアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物であり、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は直鎖オクタデセニルコハク酸無水物であり、各さらなるアルケニル1置換コハク酸無水物は、エテニルコハク酸無水物、プロペニルコハク酸無水物、ブテニルコハク酸無水物、ペンテニルコハク酸無水物、ヘキセニルコハク酸無水物、ヘプテニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物およびこれらの混合物から選択される。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、2種類以上のアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物であり、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物は分枝オクタデセニルコハク酸無水物であり、各さらなるアルケニル1置換コハク酸無水物は、エテニルコハク酸無水物、プロペニルコハク酸無水物、ブテニルコハク酸無水物、ペンテニルコハク酸無水物、ヘキセニルコハク酸無水物、ヘプテニルコハク酸無水物、ノネニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水物およびこれらの混合物から選択される。

0133

例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、直鎖または分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物などの1つ以上のヘキサデセニルコハク酸無水物および直鎖または分枝オクタデセニルコハク酸無水物などの1つ以上のオクタデセニルコハク酸無水物を含む、2種類以上のアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物である。

0134

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、直鎖ヘキサデセニルコハク酸無水物および直鎖オクタデセニルコハク酸無水物を含む、2種類以上のアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物および分枝オクタデセニルコハク酸無水物を含む、2種類以上のアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物である。例えば、1つ以上のヘキサデセニルコハク酸無水物は、n−ヘキサデセニルコハク酸無水物などの直鎖ヘキサデセニルコハク酸無水物および/または1−ヘキシル−2−デセニルコハク酸無水物などの分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物である。加えて、または代わりに、1つ以上のオクタデセニルコハク酸無水物は、n−オクタデセニルコハク酸無水物などの直鎖オクタデセニルコハク酸無水物ならびに/またはイソオクタデセニルコハク酸無水物および/もしくは1−オクチル−2−デセニルコハク酸無水物などの分枝オクタデセニルコハク酸無水物である。

0135

少なくとも1つの1置換コハク酸無水物が2種類以上のアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物である場合、1つのアルケニル1置換コハク酸無水物が提供された少なくとも1つの1置換コハク酸無水物の総重量に対して20から60重量%および好ましくは30から50重量%の量で存在することが認識される。

0136

例えば少なくとも1つの1置換コハク酸無水物が、直鎖または分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物などの1つ以上のヘキサデセニルコハク酸無水物および直鎖または分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物などの1つ以上のオクタデセニルコハク酸無水物を含む2種類以上のアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物である場合、1つ以上のオクタデセニルコハク酸無水物が少なくとも1つの1置換コハク酸無水物の総重量に対して20から60重量%および好ましくは30から50重量%の量で存在することが好ましい。

0137

少なくとも1つの1置換コハク酸無水物が少なくとも1つのアルキル1置換コハク酸無水物および少なくとも1つのアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物であり得ることも認識される。

0138

少なくとも1つの1置換コハク酸無水物が少なくとも1つのアルキル1置換コハク酸無水物および少なくとも1つのアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物である場合、少なくとも1つのアルキル1置換コハク酸無水物のアルキル置換基および少なくとも1つのアルケニル1置換コハク酸無水物のアルケニル置換基が好ましくは同じであることが認識される。例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、エチルコハク酸無水物およびエテニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、プロピルコハク酸無水物およびプロペニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、ブチルコハク酸無水物およびブテニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、トリイソブチルコハク酸無水物およびトリイソブテニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、ペンチルコハク酸無水物およびペンテニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、ヘキシルコハク酸無水物およびヘキセニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、ヘプチルコハク酸無水物およびヘプテニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、オクチルコハク酸無水物およびオクテニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、ノニルコハク酸無水物およびノネニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、デシルコハク酸無水物およびデセニルコハク酸無水物の混合物である。

0139

または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、ドデシルコハク酸無水物およびドデセニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、ヘキサデカニルコハク酸無水物およびヘキサデセニルコハク酸無水物の混合物である。例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、直鎖ヘキサデカニルコハク酸無水物および直鎖ヘキサデセニルコハク酸無水物の混合物または分枝ヘキサデカニルコハク酸無水物および分枝ヘキサデセニルコハク酸無水物の混合物である。または、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、オクタデカニルコハク酸無水物およびオクタデセニルコハク酸無水物の混合物である。例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、直鎖オクタデカニルコハク酸無水物および直鎖オクタデセニルコハク酸無水物の混合物または分枝オクタデカニルコハク酸無水物および分枝オクタデセニルコハク酸無水物の混合物である。

0140

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物は、ノニルコハク酸無水物およびノネニルコハク酸無水物の混合物である。

0141

少なくとも1つの1置換コハク酸無水物が少なくとも1つのアルキル1置換コハク酸無水物および少なくとも1つのアルケニル1置換コハク酸無水物の混合物である場合、少なくとも1つのアルキル1置換コハク酸無水物と少なくとも1つのアルケニル1置換コハク酸無水物との間の重量比は、90:10から10:90(重量%/重量%)の間である。例えば、少なくとも1つのアルキル1置換コハク酸無水物と少なくとも1つのアルケニル1置換コハク酸無水物との間の重量比は、70:30から30:70(重量%/重量%)の間または60:40から40:60(重量%/重量%)の間である。

0142

「少なくとも1つの」1置換コハク酸という表現は、1種類以上の1置換コハク酸が本発明の方法によって提供され得ることを意味することが認識される。

0143

従って、少なくとも1つの1置換コハク酸が1種類の1置換コハク酸であり得ることに留意されたい。または、少なくとも1つの1置換コハク酸は、2種類以上の1置換コハク酸の混合物であってよい。例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸は、2種類の1置換コハク酸などの、2または3種類の1置換コハク酸の混合物であってよい。

0144

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸は、1種類の1置換コハク酸である。

0145

少なくとも1つの1置換コハク酸が表面処理剤に相当し、置換基中にC2からC30の炭素原子の総量を有するいずれもの直鎖、分枝、脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸から成ることが認識される。

0146

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸は、置換基中にC3からC20の炭素原子の総量を有する直鎖、分枝、脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸から成る。例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸は、置換基中にC4からC18の炭素原子の総量を有する直鎖、分枝、脂肪族および環式基から選択される基によって1置換されたコハク酸から成る。

0147

少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および少なくとも1つの1置換コハク酸は、同じまたは異なる置換基を含み得ることが認識される。

0148

本発明の一実施形態において、少なくとも1つの1置換コハク酸のコハク酸分子および少なくとも1つの1置換コハク酸無水物のコハク酸無水物分子は、置換基中にC2からC30、好ましくはC3からC20および最も好ましくはC4からC18の炭素原子の総量を有するいずれもの直鎖、分枝、脂肪族および環式基から選択される同じ基によって1置換されている。

0149

少なくとも1つの1置換コハク酸無水物が少なくとも1つの1置換コハク酸と組み合わせて提供される場合、少なくとも1つの1置換コハク酸は、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および少なくとも1つの1置換コハク酸のモル和に対して10mol%以下の量で存在する。例えば、少なくとも1つの1置換コハク酸は、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および少なくとも1つの1置換コハク酸のモル和に対して、5mol%以下、好ましくは2.5mol%以下および最も好ましくは1mol%以下の量で存在する。

0150

一実施形態により、1置換コハク酸および/または少なくとも1つの1置換コハク酸無水物の塩反応生成物は、1つ以上のこれのカルシウム塩および/またはマグネシウム塩である。

0151

一実施形態により、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部の上に形成された1置換コハク酸および/または少なくとも1つの1置換コハク酸無水物の塩反応生成物は、これの1つ以上のカルシウム塩および/または1つ以上のマグネシウム塩である。

0152

一実施形態により、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および任意選択による少なくとも1つの1置換コハク酸のこれの塩反応生成物に対するモル比は、99.9:0.1から0.1:99.9、好ましくは70:30から90:10である。

0153

一実施形態により、処理層は、ポリシロキサンなどの有機材料をさらに含む。

0154

本発明の一実施形態により、表面処理フィラー材料生成物は、炭酸カルシウム含有フィラー材料ならびに少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および/もしくは少なくとも1つの1置換コハク酸ならびに/またはこれの塩反応生成物を含む処理層を含み、および好ましくはこれらから成る。処理層は、前記炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部、好ましくは全面に形成される。

0155

炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面上の処理層が少なくとも1つの1置換コハク酸を含む場合、該少なくとも1つの1置換コハク酸は、適用された少なくとも1つの1置換コハク酸無水物から形成されることが好ましい。即ち、少なくとも1つの1置換コハク酸の置換基および少なくとも1つの1置換コハク酸無水物の置換基は同じである。

0156

加えて、または代わりに、少なくとも1つの1置換コハク酸は、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物とのブレンドとして提供される。

0157

本発明の一実施形態において、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面上に形成された処理層は、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および少なくとも1つの1置換コハク酸、または炭酸カルシウム含有フィラー材料を少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および任意選択による少なくとも1つの1置換コハク酸と接触させることから得た、これの塩反応生成物を含む。または、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面上に形成された処理層は、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および少なくとも1つの1置換コハク酸、ならびに炭酸カルシウム含有フィラー材料を少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および任意選択による少なくとも1つの1置換コハク酸と接触させることから得た、これの塩反応生成物を含む。

0158

[処理層ii)]
本発明の別の実施形態により、表面処理フィラー材料生成物は、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部の上に処理層を含み、処理層は、1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに/または1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物の、リン酸エステルまたはブレンドを含む。

0159

本発明のなお別の実施形態により、表面処理フィラー材料生成物は、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部の上に処理層を含み、処理層は、少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および/もしくは少なくとも1つの1置換コハク酸および/もしくはこれの塩反応生成物、ならびに1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに/または1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物の、リン酸エステルまたはブレンドを含む。

0160

リン酸のアルキルエステルは、とりわけ界面活性剤潤滑剤および帯電防止剤として当業界で周知である(Die Tenside;Kosswig und Stache、Carl Hanser Verlag Munchen、1993)。

0161

異なる方法によるリン酸のアルキルエステルの合成およびリン酸のアルキルエステルによる鉱物の表面処理は、例えばPesticide Formulations and Application Systems:15th Volume;Collins HM,Hall FR,Hopkinson M,STP1268;Published:1996、US3,897,519A,US4,921,990A、US4,350,645A、US6,710,199B2、US4,126,650A、US5,554,781A、EP1092000B1およびWO2008/023076A1から、当業者に周知である。

0162

「1つ以上の」リン酸モノエステルという表現は、1種類以上のリン酸モノエステルがリン酸エステルブレンド中に存在し得ることを意味することが認識される。

0163

従って、1つ以上のリン酸モノエステルが1種類のリン酸モノエステルであり得ることに留意されたい。または、1つ以上のリン酸モノエステルは、2種類以上のリン酸モノエステルの混合物であり得る。例えば、1つ以上のリン酸モノエステルは、2種類のリン酸モノエステルなどの、2または3種類のリン酸モノエステルの混合物であり得る。

0164

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸モノエステルは、アルコール置換基中にC6からC30の炭素原子の総量を有する、不飽和または飽和の、分枝または直鎖の、脂肪族または芳香族のアルコールから選択される1つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。例えば、1つ以上のリン酸モノエステルは、アルコール置換基中にC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する、不飽和または飽和の、分枝または直鎖の、脂肪族または芳香族のアルコールから選択される1つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。

0165

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸モノエステルは、アルコール置換基中にC6からC30の炭素原子の総量を有する、飽和、および直鎖または分枝、および脂肪族のアルコールから選択される1つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。例えば、1つ以上のリン酸モノエステルは、アルコール置換基中にC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する、飽和、および直鎖または分枝、および脂肪族のアルコールから選択される1つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。

0166

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸モノエステルは、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する、飽和および直鎖および脂肪族のアルコールから選択される1つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。または、1つ以上のリン酸モノエステルは、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する、飽和および分枝および脂肪族のアルコールから選択される1つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。

0167

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸モノエステルは、ヘキシルリン酸モノエステル、ヘプチルリン酸モノエステル、オクチルリン酸モノエステル、2−エチルヘキシルリン酸モノエステル、ノニルリン酸モノエステル、デシルリン酸モノエステル、ウンデシルリン酸モノエステル、ドデシルリン酸モノエステルテトラデシルリン酸モノエステル、ヘキサデシルリン酸モノエステル、ヘプチルノニルリン酸モノエステル、オクタデシルリン酸モノエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸モノエステル、2−オクチル−1−ドデシルリン酸モノエステルおよびこれの混合物を含む群から選択される。

0168

例えば、1つ以上のリン酸モノエステルは、2−エチルヘキシルリン酸モノエステル、ヘキサデシルリン酸モノエステル、ヘプチルノニルリン酸モノエステル、オクタデシルリン酸モノエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸モノエステル、2−オクチル−1−ドデシルリン酸モノエステルおよびこれの混合物を含む群から選択される。本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸モノエステルは、2−オクチル−1−ドデシルリン酸モノエステルである。

0169

「1つ以上の」リン酸ジエステルという表現は、1種類以上のリン酸ジエステルが表面処理材料生成物および/またはリン酸エステルブレンドの処理層中に存在し得ることを意味することが認識される。

0170

従って、1つ以上のリン酸ジエステルが1種類以上のリン酸ジエステルであり得ることに留意されたい。または、1つ以上のリン酸ジエステルは、2種類以上のリン酸ジエステルの混合物であり得る。例えば、1つ以上のリン酸ジエステルは、2種類のリン酸ジエステルなどの、2または3種類のリン酸ジエステルの混合物であり得る。

0171

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸ジエステルは、アルコール置換基中にC6からC30の炭素原子の総量を有する、不飽和または飽和の、分枝または直鎖の、脂肪族または芳香族のアルコールから選択される2つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。例えば、1つ以上のリン酸ジエステルは、アルコール置換基中にC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する、不飽和または飽和の、分枝または直鎖の、脂肪族または芳香族のアルコールから選択される2つの脂肪アルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。

0172

リン酸のエステル化に使用される2つのアルコールが、アルコール置換基中にC6からC30の炭素原子の総量を有する、同じまたは異なる、不飽和または飽和の、分枝または直鎖の、脂肪族または芳香族のアルコールから独立して選択され得ることが認識される。即ち、1つ以上のリン酸ジエステルが同じアルコールに由来する2個の置換基を含み得るか、またはリン酸ジエステル分子が異なるアルコールに由来する2個の置換基を含み得る。

0173

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸ジエステルは、アルコール置換基中にC6からC30の炭素原子の総量を有する、同じまたは異なる飽和、および直鎖または分枝、および脂肪族アルコールから選択される2つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。例えば、1つ以上のリン酸ジエステルは、アルコール置換基中にC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する、同じまたは異なる飽和、および直鎖または分枝および脂肪族アルコールから選択される2つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。

0174

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸ジエステルは、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する同じまたは異なる、飽和、および直鎖、および脂肪族アルコールから選択される2つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。または、1つ以上のリン酸ジエステルは、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する同じまたは異なる、飽和、および分枝、および脂肪族アルコールから選択される2つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。

0175

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸ジエステルは、ヘキシルリン酸ジエステル、ヘプチルリン酸ジエステル、オクチルリン酸ジエステル、2−エチルヘキシルリン酸ジエステル、ノニルリン酸ジエステル、デシルリン酸ジエステル、ウンデシルリン酸ジエステル、ドデシルリン酸ジエステル、テトラデシルリン酸ジエステル、ヘキサデシルリン酸ジエステル、ヘプチルノニルリン酸ジエステル、オクタデシルリン酸ジエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸ジエステル、2−オクチル−1−ドデシルリン酸ジエステルおよびこれの混合物を含む群から選択される。

0176

例えば、1つ以上のリン酸ジエステルは、2−エチルヘキシルリン酸ジエステル、ヘキサデシルリン酸ジエステル、ヘプチルノニルリン酸ジエステル、オクタデシルリン酸ジエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸ジエステル、2−オクチル−1−ドデシルリン酸ジエステルおよびこれの混合物を含む群から選択される。本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸ジエステルは、2−オクチル−1−ドデシルリン酸ジエステルである。

0177

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸モノエステルは、2−エチルヘキシルリン酸モノエステル、ヘキサデシルリン酸モノエステル、ヘプチルノニルリン酸モノエステル、オクタデシルリン酸モノエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸モノエステル、2−オクチル−1−ドデシルリン酸モノエステルおよびこれの混合物を含む群から選択され、ならびに1つ以上のリン酸ジエステルは、2−エチルヘキシルリン酸ジエステル、ヘキサデシルリン酸ジエステル、ヘプチルノニルリン酸ジエステル、オクタデシルリン酸ジエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸ジエステル、2−オクチル−1−ドデシルリン酸ジエステルおよびこれの混合物を含む群から選択される。

0178

例えば、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部は、1つのリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つのリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物のリン酸エステルブレンドを含む。この場合、1つのリン酸モノエステルは、2−エチルヘキシルリン酸モノエステル、ヘキサデシルリン酸モノエステル、ヘプチルノニルリン酸モノエステル、オクタデシルリン酸モノエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸モノエステルおよび2−オクチル−1−ドデシルリン酸モノエステルを含む群から選択され、1つのリン酸ジエステルは、2−エチルヘキシルリン酸ジエステル、ヘキサデシルリン酸ジエステル、ヘプチルノニルリン酸ジエステル、オクタデシルリン酸ジエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸ジエステルおよび2−オクチル−1−ドデシルリン酸ジエステルを含む群から選択される。

0179

炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部が、1つのリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つのリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物のリン酸エステルブレンドを含む場合、1つのリン酸モノエステルおよび1つのリン酸ジエステルのアルコール置換基は好ましくは同じであることが認識される。例えば、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部は、2−エチルヘキシルリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに2−エチルヘキシルリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物のリン酸エステルブレンドを含む。または、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部は、2−オクチル−1−デシルリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに2−オクチル−1−デシルリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物のリン酸エステルブレンドを含む。または、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部は、ヘキサデシルリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびにヘキサデシルリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物のリン酸エステルブレンドを含む。または、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部は、オクタデシルリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびにオクタデシルリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物のリン酸エステルブレンドを含む。または、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部は、2−オクチル−1−ドデシルリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに2−オクチル−1−ドデシルリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物のリン酸エステルブレンドを含む。

0180

本発明の一実施形態において、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部は、2つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに2つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物のリン酸エステルブレンドを含む。この場合、2つ以上のリン酸モノエステルは、2−エチルヘキシルリン酸モノエステル、ヘキサデシルリン酸モノエステル、ヘプチルノニルリン酸モノエステル、オクタデシルリン酸モノエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸モノエステルおよび2−オクチル−1−ドデシルリン酸モノエステルを含む群から選択され、2つ以上のリン酸ジエステルは、2−エチルヘキシルリン酸ジエステル、ヘキサデシルリン酸ジエステル、ヘプチルノニルリン酸ジエステル、オクタデシルリン酸ジエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸ジエステルおよび2−オクチル−1−ドデシルリン酸ジエステルを含む群から選択される。

0181

本発明の一実施形態において、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部は、2つのリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに2つのリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物のリン酸エステルブレンドを含む。例えば、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部は、ヘキサデシルリン酸モノエステル、オクタデシルリン酸モノエステル、ヘキサデシルリン酸ジエステル、オクタデシルリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物およびこれの塩反応生成物のリン酸エステルブレンドを含む。

0182

本発明の一実施形態により、炭酸カルシウム含有フィラー材料のリン酸エステルブレンドは、1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物を、1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物に対する特定のモル比で含む。特に、コーティング層および/またはリン酸エステルブレンド中の、1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物の、1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物に対するモル比は、1:1から1:100である。

0183

本発明の意味における「1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物の、1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物に対するモル比」という表現は、リン酸ジエステル分子の分子量の和およびこれの塩反応生成物中のリン酸ジエステル分子の分子量の和に対する、リン酸モノエステル分子の分子量の和およびこれの塩反応生成物中のリン酸モノエステル分子の分子量の和を示す。

0184

一実施形態により、リン酸エステルブレンド中の、1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物の、1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物に対するモル比は、1:1から1:100、好ましくは1:1.1から1:80、より好ましくは1:1.1から1:60、さらにより好ましくは1:1.1から1:40、なおさらにより好ましくは1:1.1から1:20および最も好ましくは1:1.1から1:10である。

0185

加えて、または代わりに、処理層のリン酸エステルブレンドは、1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物を、1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物のモル和に対して、1から50mol%の量で含む。例えば、処理層のリン酸エステルブレンドは、1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物を、1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物のモル和に対して、10から45mol%の量で含む。

0186

本発明の一実施形態により、
I)1つ以上のリン酸モノエステルは、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する不飽和もしくは飽和の、分枝もしくは直鎖の、脂肪族もしくは芳香族のアルコールから選択される1個のアルコール分子によってモノエステル化されたo−リン酸分子から成り、および/または
II)1つ以上のリン酸ジエステルは、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する同じもしくは異なる、不飽和もしくは飽和の、分枝もしくは直鎖の、脂肪族もしくは芳香族の脂肪アルコールから選択される2個のアルコール分子によってジエステル化されたo−リン酸分子から成る。

0187

本発明の一実施形態において、処理層のリン酸エステルブレンドは、1つ以上のリン酸トリエステルおよび/またはリン酸ならびにこれの塩反応生成物をさらに含み得る。

0188

本発明の意味における「リン酸トリエステル」という用語は、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する同じまたは異なる、不飽和または飽和の、分枝または直鎖の、脂肪族または芳香族のアルコールから選択される3個のアルコール分子によってトリエステル化されたo−リン酸分子を示す。

0189

「1つ以上の」リン酸トリエステルという表現は、1種類以上のリン酸トリエステルが炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部に存在し得ることを意味することが認識される。

0190

従って、1つ以上のリン酸トリエステルが1種類以上のリン酸トリエステルであり得ることに留意されたい。または、1つ以上のリン酸トリエステルは、2種類以上のリン酸トリエステルの混合物であり得る。例えば、1つ以上のリン酸トリエステルは、2種類のリン酸トリエステルなどの、2または3種類のリン酸トリエステルの混合物であり得る。

0191

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸トリエステルは、アルコール置換基中にC6からC30の炭素原子の総量を有する、同じまたは異なる不飽和または飽和の、分枝または直鎖の、脂肪族または芳香族のアルコールから選択される3つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。例えば、1つ以上のリン酸トリエステルは、アルコール置換基中にC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する、同じまたは異なる不飽和または飽和の、分枝または直鎖の、脂肪族または芳香族の脂肪アルコールから選択される3つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。

0192

リン酸のエステル化に使用される3つのアルコールが、アルコール置換基中にC6からC30の炭素原子の総量を有する、不飽和または飽和の、分枝または直鎖の、脂肪族または芳香族のアルコールから独立して選択され得ることが認識される。即ち、1つ以上のリン酸トリエステル分子が同じアルコールに由来する3個の置換基を含み得るか、またはリン酸トリエステル分子が異なるアルコールに由来する3個の置換基を含み得る。

0193

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸トリエステルは、アルコール置換基中にC6からC30の炭素原子の総量を有する、同じまたは異なる飽和、および直鎖または分枝、および脂肪族アルコールから選択される3つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。例えば、1つ以上のリン酸トリエステルは、アルコール置換基中にC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する同じまたは異なる、飽和、および直鎖または分枝、および脂肪族アルコールから選択される3つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。

0194

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸トリエステルは、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する、飽和および直鎖および脂肪族アルコールから選択される3つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。または、1つ以上のリン酸トリエステルは、アルコール置換基中にC6からC30、好ましくはC8からC22、より好ましくはC8からC20および最も好ましくはC8からC18の炭素原子の総量を有する飽和および分枝および脂肪族アルコールから選択される3つのアルコールによってエステル化されたo−リン酸分子から成る。

0195

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸トリエステルは、ヘキシルリン酸トリエステル、ヘプチルリン酸トリエステル、オクチルリン酸トリエステル、2−エチルヘキシルリン酸トリエステル、ノニルリン酸トリエステル、デシルリン酸トリエステル、ウンデシルリン酸トリエステル、ドデシルリン酸トリエステル、テトラデシルリン酸トリエステル、ヘキサデシルリン酸トリエステル、ヘプチルノニルリン酸トリエステル、オクタデシルリン酸トリエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸トリエステル、2−オクチル−1−ドデシルリン酸トリエステルおよびこれの混合物を含む群から選択される。

0196

例えば、1つ以上のリン酸トリエステルは、2−エチルヘキシルリン酸トリエステル、ヘキサデシルリン酸トリエステル、ヘプチルノニルリン酸トリエステル、オクタデシルリン酸トリエステル、2−オクチル−1−デシルリン酸トリエステル、2−オクチル−1−ドデシルリン酸トリエステルおよびこれの混合物を含む群から選択される。

0197

本発明の一実施形態において、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部は、1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸トリエステルならびに場合によりリン酸およびこれの塩反応生成物のリン酸エステルブレンドを含む。例えば、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部は、1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸トリエステルならびにリン酸およびこれの塩反応生成物のリン酸エステルブレンドを含む。

0198

または、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部は、1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに場合によりリン酸およびこれの塩反応生成物のリン酸エステルブレンドを含む。例えば、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部は、1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物ならびにリン酸およびこれの塩反応生成物のリン酸エステルブレンドを含む。

0199

炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部が1つ以上のリン酸トリエステルを含むリン酸エステルブレンドを含む場合、リン酸エステルブレンドが1つ以上のリン酸トリエステルを1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸トリエステルならびにリン酸およびこれの塩反応生成物のモル和に対して、10mol%以下の量で含むことが好ましい。例えば、リン酸エステルブレンドは、1つ以上のリン酸トリエステルを、1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸トリエステルならびにリン酸およびこれの塩反応生成物のモル和に対して、8mol%以下、好ましくは6mol%以下およびより好ましくは4mol%以下、例えば0.1から4mol%の量で含む。

0200

加えて、または代わりに、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部がリン酸およびこれの塩反応生成物を含むリン酸エステルブレンドを含む場合、リン酸エステルブレンドがリン酸およびこれの塩反応生成物を、1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸トリエステルならびにリン酸およびこれの塩反応生成物のモル和に対して、10mol%以下の量で含むことが好ましい。例えば、リン酸エステルブレンドは、リン酸およびこれの塩反応生成物を、1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸トリエステルならびにリン酸およびこれの塩反応生成物のモル和に対して、8mol%以下、好ましくは6mol%以下およびより好ましくは4mol%以下、例えば0.1から4mol%の量で含む。

0201

リン酸エステルブレンドがさらにリン酸およびこれの塩反応生成物および1つ以上のリン酸トリエステルを含む場合、リン酸エステルブレンドにおける、リン酸およびこれの塩反応生成物:1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物:1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物:1つ以上のリン酸トリエステルの、1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物ならびに1つ以上のリン酸トリエステルならびにリン酸およびこれの塩反応生成物のモル和に対するモル比は、10mol%以下:40mol%以下:40mol%以上:10mol%以下である。

0202

本発明の意味における「リン酸およびこれの塩反応生成物:1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物:1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物:1つ以上のリン酸トリエステルのモル比」という表現は、リン酸の分子量の和およびこれの反応塩生成物中のリン酸分子の分子量の和:リン酸モノエステル分子の分子量の和およびこれの反応塩生成物中のリン酸モノエステル分子の分子量の和:リン酸ジエステル分子の分子量の和およびこれの反応塩生成物中のリン酸ジエステル分子の分子量の和:リン酸トリエステル分子の分子量の和を示す。

0203

リン酸エステルブレンドは、炭酸カルシウム含有フィラー材料を1つ以上のリン酸モノエステルおよび1つ以上のリン酸ジエステルおよび場合によりリン酸と接触させることから得られる塩反応生成物を含み得ることが認識される。このような場合、リン酸エステルブレンドは、好ましくは塩反応生成物、例えば1つ以上のリン酸モノエステルのストロンチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩および/またはアルミニウム塩ならびに1つ以上のリン酸ジエステルのカルシウム塩、マグネシウム塩および/またはアルミニウム塩ならびに場合により1つ以上のリン酸のストロンチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩および/またはアルミニウム塩を含む。

0204

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸モノエステルおよび/または1つ以上のリン酸ジエステルおよび場合によりリン酸は、少なくとも1つの炭酸カルシウム含有材料が調製される前に、1つ以上の一価および/もしくは二価および/もしくは三価カチオン水酸化物ならびに/または1つ以上の一価および/もしくは二価および/もしくは三価カチオンの弱酸の塩によって、少なくとも部分的に中和され得る。二価および/または三価カチオンの1つ以上の水酸化物は、Ca(OH)2、Mg(OH)2、Al(OH)3およびこれの混合物から選択され得る。

0205

加えてもしくはまたは、1つ以上のリン酸モノエステルおよび/または1つ以上のリン酸ジエステルおよび場合によりリン酸が、1つ以上の、一価カチオンの水酸化物および/または1つ以上の、一価カチオンの弱酸の塩によって少なくとも部分的に中和される場合、一価カチオンの量は、1つ以上のリン酸モノエステルおよび1つ以上のリン酸ジエステルおよび場合によりリン酸中酸性基のモル和に対して、好ましくは10モル%以下であり、中和するための1つ以上の一価カチオンの水酸化物および/または1つ以上の一価カチオンの弱酸の塩は、LiOH、NaOH、KOH、Na2CO3、Li2CO3、K2CO3およびこれの混合物から選択され得る。

0206

本発明の一実施形態において、1つ以上のリン酸モノエステルおよび/または1つ以上のリン酸ジエステルおよび任意選択によるリン酸の部分中和に使用される二価カチオンは、このようなカチオンの弱酸の塩、好ましくは炭酸塩および/またはホウ酸塩、例えば炭酸カルシウムに由来する。

0207

本出願の意味における「弱酸」という用語は、2を超える、好ましくは4から7のpKaを特徴とするブレンステッドローリー酸、即ちH3O+イオン供給体を示す。

0208

従って、処理層のリン酸エステルブレンドは、1つ以上のリン酸モノエステルのマグネシウム塩および1つ以上のリン酸ジエステルのマグネシウム塩および場合により1つ以上のリン酸のマグネシウム塩などの塩反応生成物をさらに含み得る。加えて、または代わりに、処理層のリン酸エステルブレンドは、1つ以上のリン酸モノエステルのアルミニウム塩および1つ以上のリン酸ジエステルのアルミニウム塩および場合により1つ以上のリン酸のアルミニウム塩などの塩反応生成物を含み得る。加えて、または代わりに、処理層のリン酸エステルブレンドは、1つ以上のリン酸モノエステルのリチウム塩および1つ以上のリン酸ジエステルのリチウム塩および場合により1つ以上のリン酸のリチウム塩などの塩反応生成物を含み得る。加えて、または代わりに、処理層のリン酸エステルブレンドは、1つ以上のリン酸モノエステルのナトリウム塩および1つ以上のリン酸ジエステルのナトリウム塩および場合により1つ以上のリン酸のナトリウム塩などの塩反応生成物を含み得る。加えて、または代わりに、処理層のリン酸エステルブレンドは、1つ以上のリン酸モノエステルのカリウム塩および1つ以上のリン酸ジエステルのカリウム塩および場合により1つ以上のリン酸のカリウム塩などの塩反応生成物を含み得る。

0209

1つ以上のリン酸モノエステルおよび/または1つ以上のリン酸ジエステルおよび場合によりリン酸が、1つ以上の水酸化物および/または1つ以上の一価カチオンの弱酸の塩によって少なくとも部分中和される場合、処理層および/またはリン酸エステルブレンドは、好ましくは、1つ以上のリン酸モノエステルおよび1つ以上のリン酸ジエステルおよび場合によりリン酸中の酸性基のモル和に対して、10mol%以下の量の一価カチオンを含む。

0210

本発明の一実施形態において、処理層のリン酸エステルブレンドは、本発明の1つ以上のリン酸モノエステル、1つ以上のリン酸ジエステルおよび任意選択の1つ以上のリン酸トリエステルおよび/またはリン酸に相当しない追加の表面処理剤をさらに含み得る。このような追加の表面処理剤は、好ましくは、ポリシロキサンなどの少なくとも1つの有機材料である。例えば、ポリシロキサンは好ましくはポリジメチルシロキサン(PDMS)である。

0211

ポリシロキサンは、好ましくは、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部上の前記ポリシロキサンの総量が1000ppm未満、より好ましくは800ppm未満および最も好ましくは600ppmであるような量で存在する。例えば、炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部上のポリシロキサンの総量は、100から1000ppm、より好ましくは200から800ppmおよび最も好ましくは300から600ppm、例えば400から600ppmである。

0212

本発明の一実施形態において、処理層のリン酸エステルブレンドは、50ppm未満のC6からC30カルボン酸を含有する。

0213

[ポリマー結合剤]
本発明の方法のステップb)により、ポリマー結合剤が提供される。本発明の方法において、ポリマー結合剤は、緻密材料中の単一粒子を分離するために使用され、少なくとも1つの粉末材料の表面に化学的に結合されない。

0214

本発明の一実施形態により、ポリマー結合剤は、ポリオレフィン、エチレンコポリマー、例えばエチレン−1−オクテンコポリマー、メタロセン系ポリプロピレン、ポリプロピレンホモポリマーまたはコポリマー、好ましくは非晶質ポリプロピレンホモポリマーおよびこれの組み合わせから成る群から選択される。好ましくは、ポリマー結合剤はポリオレフィンである。本方法の好ましい実施形態により、ポリオレフィンは、ポリエチレンのホモポリマーおよび/もしくはコポリマー、ポリプロピレンのホモポリマーおよび/もしくはコポリマー、ポリブチレンのホモポリマーおよび/もしくはコポリマーまたはこれらの混合物の群から選択される。別の好ましい実施形態により、ポリマー結合剤は、ポリプロピレンホモポリマー、エチレン−1−オクテンコポリマー、メタロセン系ポリプロピレンおよびこれの混合物から成る群から選択される。

0215

本発明の目的のために、「メタロセン系」という表現は、ポリマーの製造操作の間に、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒が適用されていることを意味する。

0216

ポリマー結合剤は、固体形態または溶融形態で提供され得る。一実施形態により、ポリマー結合剤は、例えば細粒または粉末の形態の固体ポリマー結合剤である。別の実施形態により、ポリマー結合剤は溶融ポリマー結合剤である。

0217

ポリマー結合剤が固体形態または溶融形態で提供されるかどうかにかかわらず、緻密材料の調製のある時点で、ポリマー結合剤は一定の粘度を有する液体形態となることが認識される。一実施形態により、ポリマー結合剤は、190℃において、100から400,000mPa・s、好ましくは1,000から100,000mPa・sおよびより好ましくは5,000から50,000mPa・sの回転粘度を有する。回転粘度は、直径25mm、ギャップ0.2mm、剪断速度5秒−1のプレートプレートシステムを備えた、Anton Paar製レオメーターモデルPhysicaMCR300 Modular Compactレオメーターなどの回転粘度計によって測定する。

0218

一実施形態により、ポリマー結合剤は、緻密材料の総重量に対して1から50重量%、好ましくは2から40重量%、より好ましくは3から25重量%および最も好ましくは5から20重量%の量で添加される。本発明の方法により、ポリマー結合剤を極めて低い濃度で使用することもできる。一実施形態により、ポリマー結合剤は、緻密材料の総重量に対して1から10重量%、好ましくは2から8重量%の量で添加される。これにより、緻密材料が添加され得るポリマー組成物に対するいかなる悪影響もさらに低減または回避され得て、該緻密材料との相溶性が上昇され得る。

0219

[緻密材料の製造方法]
本発明によれば、緻密材料を製造する方法であって、以下のステップ:
a)少なくとも1つの粉末材料を提供するステップ、
b)ポリマー結合剤を提供するステップ、
c)ステップa)の少なくとも1つの粉末材料およびステップb)のポリマー結合剤を高速ミキサー装置内に同時にまたは順次供給するステップ、
d)ステップa)の少なくとも1つの粉末材料およびステップb)のポリマー結合剤を高速ミキサー装置内で、緻密材料が形成されるまで混合するステップ、ならびに
e)ステップd)から得た緻密材料の温度を、ポリマー結合剤の融点またはガラス転移温度よりも低下させるステップ
を含み、
少なくとも1つの粉末材料が、炭酸カルシウム含有フィラー材料および該炭酸カルシウム含有フィラー材料の表面の少なくとも一部の上に処理層を含む表面処理フィラー材料生成物を含み、
該処理層が、
i)少なくとも1つの1置換コハク酸無水物および/もしくは少なくとも1つの1置換コハク酸、および/もしくこれの塩反応生成物、ならびに/または
ii)1つ以上のリン酸モノエステルおよびこれの塩反応生成物、ならびに/または1つ以上のリン酸ジエステルおよびこれの塩反応生成物の、リン酸エステルまたはブレンド
を含む方法が提供される。

0220

本発明の方法は、連続法またはバッチ法の形態で実施され得る。

0221

一実施形態により、ステップa)において提供される少なくとも1つの粉末材料は、20℃から300℃の間、好ましくは60℃から250℃の間の温度を有する。

0222

一実施形態により、ステップb)で提供されるポリマー結合剤は固体形態である。別の実施形態により、ステップb)において提供されるポリマー結合剤は、溶融形態であり、好ましくは、ポリマー結合剤の融点またはガラス転移温度を超える温度を有する。一実施形態により、非晶質ポリマー結合剤を使用する場合、ポリマー結合剤は、ポリマー結合剤のガラス転移温度よりも50℃から300℃高い温度を有する。別の実施形態により、ポリマー結合剤が少なくとも部分結晶性ポリマーである場合、ポリマー結合剤は、ポリマー結合剤の融点より10℃から200℃高い温度を有する。例えば、ポリマー結合剤は、20℃から300℃の間、好ましくは30℃から270℃の間、より好ましくは40℃から250℃の間および最も好ましくは50℃から230℃の間の温度を有し得る。

0223

本発明により、ステップa)の少なくとも1つの粉末材料およびステップb)のポリマー結合剤は、高速ミキサー装置に供給される。構成成分の高速ミキサー装置への供給に好適なコンベヤシステムは、当業者に既知である。例えば供給は、空気圧コンベヤシステム、振動コンベヤステム、可撓性コンベヤシステム、垂直コンベヤシステムスパイラルコンベヤシステムまたは上述のシステムの1つ以上の組み合わせの使用によって行われ得る。

0224

好適な高速ミキサー装置も当業者に既知である。好適な高速ミキサー装置の例としては、Lodige社、Amixon社、AVA−Huep社またはZeppelin社から入手可能なリングレイヤーミキサーなどの単軸高速ミキサー、またはHenschel社、Papenmeier社、Mixaco社またはZepplin社から入手可能な高速バッチミキサー、またはLaeis社またはEirich社から入手可能なようなインテンシブミキサーが挙げられる。

0225

一実施形態により、方法ステップc)は、ステップa)の少なくとも1つの粉末材料およびステップb)のポリマー結合剤を円筒形処理チャンバの高速ミキサー装置に同時にまたは順次供給すること含む。好ましい実施形態により、円筒形処理チャンバは、水平または垂直位置に単軸高速ミキサー1個を収容している。

0226

本発明においてとりわけ有用なのは、例えば以下のパラメータ:1000−4000rpmにて長さ350mm、直径90mm;400から3000rpmにて長さ1200mm、直径230mm;600−1300rpmにて長さ150mm、直径150mmを有する単軸高速ミキサーを含む、従来の市販の円筒形処理チャンバである。長さ:直径比は、好ましくは1:1から6:1、より好ましくは2:1から5:1、とりわけ3:1から4:1である。

0227

本発明の方法のステップd)において、ステップa)の少なくとも1つの粉末材料およびステップb)のポリマー結合剤は、高速ミキサー装置内で緻密材料が形成されるまで混合される。

0228

混合は、100℃から200℃、好ましくは120℃から180℃およびより好ましくは130℃から160℃の温度で行われ得る。好ましい周方向混合速度は、5から100m/s、好ましくは7から80m/s、より好ましくは10から50m/sであってよい。

0229

一実施形態により、ステップb)で提供されるポリマー結合剤は溶融ポリマー結合剤であり、ステップd)において、ステップa)の少なくとも1つの粉末材料およびステップb)の溶融ポリマー結合剤を、緻密材料が形成されるまで高速ミキサー装置で混合する。

0230

別の実施形態により、ステップb)で提供されるポリマー結合剤は固体ポリマー結合剤であり、ステップd)において、ステップa)の少なくとも1つの粉末材料およびステップb)の固体ポリマー結合剤を、緻密材料が形成されるまで高速ミキサー装置で混合し、該混合ステップは、ポリマー結合剤の融点またはガラス転移温度より高い温度で行う。

0231

一実施形態により、非晶質ポリマー結合剤を使用する場合、混合ステップd)は、ポリマー結合剤のガラス転移温度よりも50℃から300℃高い温度にて行う。別の実施形態により、ポリマー結合剤が少なくとも部分結晶性ポリマーである場合、混合ステップd)は、ポリマー結合剤の融点より10℃から200℃高い温度にて行う。例えば、混合ステップd)は、100℃から200℃、好ましくは120℃から180℃、最も好ましくは130℃から160℃の温度にて行われ得る。

0232

本発明により、混合ステップd)は、緻密材料が形成されるまで行う。緻密材料により、バルク材料は、ISO 3310規格に従ってRetsch AS 200シーブ塔を使用するシーブ分析によって測定した、10μmから10mmの範囲に及ぶ重量中央粒径d50を有する材料を形成する多数の単一粒子の集塊から成ると理解される。

0233

方法ステップe)において、ステップd)から得た緻密材料の温度は、ポリマー結合剤の融点またはガラス転移温度よりも低く、低下する。一実施形態により、方法ステップe)において、ステップd)から得た緻密材料の温度は、ポリマー結合剤の融点よりも低く、低下する。別の実施形態により、方法ステップe)において、ステップd)から得た緻密材料の温度は、ポリマー結合剤のガラス転移温度よりも低く、低下する。

0234

ステップd)から得た緻密材料の温度は、当業者に既知の任意の方法および手段によって低下され得る。一実施形態により、方法ステップe)は、ステップd)から得た緻密材料を冷却ユニット移行させることによって行う。好適な冷却ユニットの例は、流動床、または冷却表面によって緻密材料の冷却を可能にする手段である。

0235

任意選択の実施形態により、表面処理剤を、少なくとも1つの粉末材料の高速ミキサー装置への供給と同時にまたは供給後に供給する。表面処理剤は、液体であっても液化されてもよく、好ましくは溶融状態で提供され得る。

0236

表面処理剤とポリマー結合剤との主な相違は、表面処理剤が少なくとも1つの粉末材料に化学的に結合していることである。好ましくは、表面処理剤は、特に粉末材料の表面張力、ひいてはこれの疎水性を変えるように作用する。他方、後述するように、ワックスも表面処理剤として使用可能であり、化学的に結合していないものの、特に分散を改善して、とりわけ高粘度ポリマー結合剤の粘度を低下させるよう作用する。

0237

一実施形態により、表面処理剤は、ステアリン酸、酸化亜鉛合成パラフィンワックス、ポリエチレンメタロセンワックスおよびポリプロピレンワックスを含む群から選択される。一実施形態により、表面処理剤の温度は、20℃から300℃、好ましくは60℃から250℃およびより好ましくは60℃から120℃である。しかし、最高温度は成分のいずれか1つの分解温度より低い必要がある。

0238

ステップe)の前に、即ちステップd)から得た緻密材料の温度がポリマー結合剤の溶融温度またはガラス転移温度よりも低下する前に、ステップd)の緻密材料を第2の混合ユニットに移行することがさらに有利であり得る。この第2の混合ユニットにおいて、場合によりさらなる溶融ポリマー結合剤を、ステップd)の緻密材料に添加して混合することができる。

0239

衝撃改質剤、安定剤などの従来の機能性成分混合操作の間に、または完成した緻密材料ならびに最終製品、即ち配合された熱可塑性樹脂に含まれ得ることに留意する必要がある。

0240

[緻密材料]
本発明のさらなる態様により、本発明による方法によって得た緻密材料が提供される。

0241

いずれの理論にも束縛されることなく、本出願人は、2つの因子の組み合わせ、即ち、粒子表面を完全に被覆して緻密材料を生じる、少なくとも1つの粉末材料の個別化された粒子の周囲に薄層を形成することができる、ポリマー結合剤の使用と組み合わせた高速ミキサーの使用のために、従来の単軸押出装置を使用して、いずれの凝集体も形成させずに、緻密材料をポリマー中に十分に分散させることが可能であると考えている。「十分に分散された」とは、作製した各分散体倍率50倍の両眼拡大鏡下で押出フィルムについて目視検査される分散体が、マトリックスポリマーに相当する黒点も、少なくとも1つの粉末材料に相当する白点も示さないことを意味する。個別化および被覆された粒子は次に、疎集塊を形成し得るが、ポリマー表面層によってなお分離されている。これは緻密化の望ましいステップである。緻密化の結果として、以下でより詳細に述べるように、バルク密度が上昇し、流動性が改善されて、粉塵(dust)が抑制される。

0242

本発明の発明者らは、ポリマー組成物の連続製造において本発明による緻密材料を使用すると、従来のマスターバッチの使用と比べてより高度の分散を立証する、製造中に生じたポリマーメルトフィルタ圧値の低下につながることも見出した。本発明の方法のさらなる利点は、該方法が低コストの最終製品をもたらす低コスト製造方法あるという事実に存する。このことは特に、得られた緻密材料が、この表面処理材料を配合する必要なく、従来の単軸プラスチック変換装置で加工できるという事実によるものである。

0243

一実施形態により、緻密材料は、単軸プラスチック変換装置で加工可能である。従って、二軸またはファレル連続ミキサー、同時混練機バンバリーバッチミキサーまたは他の同等の装置を使用する方法などの、従来の配合操作をなくすことができる。

0244

一実施形態により、緻密材料は、配合ステップなしで、熱可塑性ポリマー組成物中に完全に再分散可能である。「完全に再分散可能」とは、作製した各分散体の倍率50倍の両眼拡大鏡下で押出フィルムについて目視検査される分散体が、マトリックスポリマーに相当する黒点も、粉末材料に相当する白点も示さないことであると理解される。

0245

一実施形態により、緻密材料は無塵性である。このような無塵性緻密材料は、好ましくは、ISO3310規格に従って、Retsch AS 200シーブ塔を用いたふるい分析によって測定した、45μmふるい上で80重量%超、好ましくは90重量%超のふるい渣を有する。

0246

本発明の一実施形態により、少なくとも1つの粉末材料の含有率は、緻密材料の総重量に対して50から99重量%、好ましくは60から98重量%、より好ましくは75から95重量%、最も好ましくは80から92重量%、例えば87から90重量%である。

0247

緻密材料中のポリマー結合剤の含有率は、緻密材料の総重量に対して1から50重量%、好ましくは2から40重量%、より好ましくは5から25重量%、とりわけ8から14重量%、例えば10から13重量%であり得る。

0248

表面処理剤を本発明による緻密材料に使用する場合、これの含有率は、少なくとも1つの粉末材料の比表面積によって変わり得る。有利には、緻密材料の総重量に対して、0.01から10重量%、好ましくは0.1から7重量%、より好ましくは0.5から5重量%、例えば1から3重量%の量で存在する。

0249

[緻密材料の使用]
本発明のさらなる態様により、ポリマー組成物中の添加剤としての本発明による緻密材料の使用が提供される。

0250

本発明の緻密材料は、これの優れた分散特性のために、ポリマー組成物中の添加剤として、ポリマー組成物の総重量に対して0.1から80重量%、好ましくは1から50重量%およびより好ましく5から30重量%の範囲に及ぶ任意の濃度で、ポリマー最終製品を形成するための濃縮物生成物および/または化合物とも呼ばれる中間体マスターバッチを調製する必要なしに、使用することができる。

0251

本発明による緻密材料は、ポリマー組成物の製造方法においても使用することができる。一実施形態により、本発明による緻密材料が少なくとも1つのポリマーに添加される、ポリマー組成物の製造方法が提供される。好ましい実施形態により、緻密材料は、少なくとも1つのポリマーに直接添加される。しかし、緻密材料を少なくとも1つのポリマーに添加する前に、緻密材料をさらなる処理、例えば配合ステップに供することも可能である。

0252

少なくとも1つのポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、例えばブロックコポリマーグラフトコポリマーランダムコポリマーおよび交互コポリマー、異相コポリマーおよびランダム異相コポリマーならびにこれのポリマーブレンド改質物または混合物を含み得る。少なくとも1つのポリマーは、リサイクルされたポリマー材料を含むこともできる。少なくとも1つのポリマー中のリサイクルされたポリマーの含有率は、0.01から100重量%の範囲内であり得る。

0253

好ましくは、前記少なくとも1つのポリマーは、少なくとも1種の熱可塑性ポリマーから選択され得る。

0254

本発明に好適なこのような熱可塑性ポリマーは、以下を含み得るが、これに限定されない:
オレフィンおよびジオレフィンからのポリマー、例えばポリエチレン(LDPE、LLDPE、VLDPE、ULDPE、MDPE、HDPE、UHMWPE)、ポリプロピレン、ポリイソブチレンポリ−4−メチル−ペンテン−1、ポリブタジエンポリイソプレンポリシクロオクテンならびにランダムコポリマーまたはブロックコポリマー、例えばエチレン/ブタ−1−エンコポリマー、エチレン−ヘキセンコポリマー、エチレン−メチルペンテンコポリマー、エチレン−オクテンコポリマー、ポリプロピレン−ポリエチレン(EP)、EPM、EPDM、エチレン−ビニルアセテートEVA)およびエチレン−アクリルエステルコポリマー、
−ポリスチレン、ポリメチルスチレンスチレンブタジエンコポリマー(SB)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)およびこれの水素化ポリマー(SEBS)、スチレン−イソプレン、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル(ABS)、スチレン−アクリロニトリル−アクリレート(ASA)、スチレン−マレイン酸無水物ならびにグラフトポリマー、例えばスチレン−グラフトブタジエン、マレイン酸無水物−グラフトSBSまたはメチルメタクリレート、スチレン−ブタジエンおよびABS(MABS)からのグラフトポリマー
−ハロゲン含有ポリマー、例えばポリビニルクロリドポリクロロプレン、ポリビニリデンクロリド塩素化ポリエチレンまたはポリテトラフルオロエチレン
不飽和エステルからのポリマー、例えばポリアクリレートまたはポリメタクリレート、例えばポリメチルメタクリレートポリアクリロニトリルポリアクリルアミド、ポリブチルアクリレート
不飽和アルコールから誘導されたポリマー、例えばポリビニルアルコールポリビニルアセテートまたはポリビニルブチラールPVB)、
ポリアセタール、例えば、ポリオキシメチレンおよびこれのコポリマー、
ポリフェニレンオキシドならびにこれのポリスチレンブレンドまたはポリアミドブレンド
−ポリウレタン(PU)、特に直鎖ポリウレタン(TPU)、
−ポリアミド(PA)、例えばPA−6、PA−6.6、PA−6.10、PA−4.6、PA−4.10、PA−6.12、PA−12.12、PA−11、PA−12ならびに部分芳香族ポリアミド(例えばポリフタルアミド)、
ポリイミドポリアミドイミドポリエーテルイミドポリケトンポリスルホンポリエーテルスルホンおよびポリフェニルスルフィド
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレンテレフタレートポリエチレンナフタレート
−ポリカーボネート、
セルロース誘導体、例えばセルロースニトレートセルロースアセテートまたはセルロースプロピオネート
植物油脂コーンスターチエンドウマメデンプンまたは微生物叢などの再生可能バイオマス源由来の部分または完全バイオ系ポリマー、脂肪族バイオポリエステル、例えばポリヒドロキシアルカノエートPHA)、ポリヒドロキシブチラートPHB)、ポリヒドロキシバレレート(PHV)、ポリヒドロキシヘキサノエート(PHH)またはポリエステル、例えばポリ乳酸PLA)、
−上のポリマーの少なくとも1つを含むブレンド、混合物、アロイおよび組み合わせ。

0255

一実施形態により、少なくとも1つのポリマーは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリビニル、ポリウレタン、ハロゲン含有ポリマー、ポリエステル、ポリカーボネートの、ホモポリマーおよび/またはコポリマーならびにこれの混合物からなる群より選択される熱可塑性ポリマーである。

0256

一実施形態により、少なくとも1つのポリマーは、ポリエチレンのホモポリマーおよび/もしくはコポリマー、ポリプロピレンのホモポリマーおよび/もしくはコポリマー、ポリブチレンのホモポリマーおよび/もしくはコポリマーまたはこれの混合物の群から選択されるポリオレフィンである。別の実施形態により、少なくとも1つのポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンまたはこれの混合物を含むポリオレフィンである。例えば、少なくとも1つのポリマーは、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、例えばポリプロピレンホモポリマー、ランダムポリプロピレン、ポリプロピレン単位を含む異相ポリプロピレンまたはブロックコポリマー、ポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポリスチレン(HI−PS)およびポリアクリレートを含む群から選択され得る。

0257

少なくとも1つのポリマーは、当業者に周知である1つ以上の添加剤を場合により含み得る。このような添加剤は、制限されることなく、UV吸収剤光安定剤、加工安定剤、酸化防止剤熱安定剤核化剤金属不活性化剤、衝撃改質剤、可塑剤、潤滑剤、レオロジー改質剤加工助剤、顔料、染料蛍光増白剤抗菌剤、帯電防止剤、スリップ剤粘着防止剤カップリング剤分散剤相溶化剤脱酸素剤酸掃去剤マーカー防曇剤表面改質剤難燃剤発泡剤防煙剤補強剤、例えばガラス繊維炭素繊維および/もしくはガラスバブルまたは上記の添加剤の混合物を含む。

0258

本発明のさらなる態様により、本発明による緻密材料を含むポリマー組成物であって、好ましくは熱可塑性ポリマー組成物であるポリマー組成物が提供される。前記ポリマー組成物は、ペレット球体パールビーズプリルフレークチップもしくはスラグなどの限定された形状または例えば粉砕物などの限定されてない形状を有する材料として得られ得る。または、ポリマー組成物は、限定されたおよび限定されていない形状の材料の両方の混合物であり得る。

0259

一実施形態により、前記ポリマー組成物は、ポリマー製品の製造方法において使用される。ポリマー組成物は、当業者に既知のポリマー製品の製造方法のいずれにおいても使用され得る。一実施形態により、該方法は、溶融加工技術から選択され、好ましくは異形押出、ケーブル押出、フィルム押出、成形、繊維紡糸、同時混練または引抜成形から選択される。この点で、本発明の方法によって得られる緻密材料は、インフレートフィルム、シート、パイププロファイルの製造において、およびパイプ、プロファイル、ケーブル繊維などの押出、圧縮成形射出成形熱成形ブロー成形回転成形などの方法で添加剤として作用することができる。

0260

一実施形態により、緻密材料および/またはポリマー組成物は、繊維、フィラメント、スレッド、織布材料、不織布材料、フィルム、プロファイル、ケーブルまたは成形品の製造に使用される。

0261

本発明のなおさらなる態様により、本発明による緻密材料および/または本発明によるポリマー組成物を含むポリマー製品であって、繊維、好ましくはカーペット、フィラメント、スレッド、織布材料、不織布材料、フィルム、好ましくはインフレートフィルムまたは通気性フィルム、プロファイル、ケーブルまたは成形品である製品が提供される。

0262

上述のポリマー製品を調製するための適切な方法条件は、当業者に通例既知であり、および/または通例の一般知識に基づく通常の変更によって確立することができる。例えば、本発明の緻密材料および/またはポリマー組成物は、繊維、フィラメント、スレッド、織布材料、不織布材料、フィルム、プロファイル、ケーブルまたは成形品を調製するための、混合および/または押出および/または配合および/またはブロー成形の方法において有利に導入され得る。

0263

本発明の意味における「繊維」という用語は、例えば機械的方法によって共に接合された繊維ウェブから通例成る、織物製品布、例えば織布または不織布を形成する線形構造体を示す。従って、「繊維」という用語は、有限構造体を示すことが理解される。

0264

本発明の意味における「スレッド」という用語は、例えば機械的方法によって共に接合されたスレッドウェブから通例成る、織物製品布、例えば不織布を形成する線形構造体を示す。従って、「スレッド」という用語は、有限構造体を示すことが理解される。スレッドは、モノスレッド、バイスレッドまたはマルチスレッドとして構成することができる。バイスレッドまたはマルチスレッドが存在する場合には、シングルスレッドの組成は実質的に同じであってよい。即ち、シングルスレッドの組成は、実質的に同一の成分を同じ量で含む。または、シングルスレッドの組成は異なってよい。即ち、シングルスレッドの組成は、同一の成分を様々な量で含んでよく、またはシングルスレッドの組成は、異なる成分を同じ量で含んでよく、またはシングルスレッドの組成は、異なる成分を様々な量で含んでよい。

0265

本発明の意味における「フィラメント」という用語は、これの構造長が繊維とは異なる構造体を指す。従って、「フィラメント」という用語は、無限繊維を示すことが理解される。フィラメントは、モノフィラメントバイフィラメントまたはマルチフィラメントとして構成され得ることがさらに理解される。バイフィラメントまたはマルチフィラメントが存在する場合には、シングルフィラメントの組成は実質的に同じであってよい。即ち、シングルフィラメントの組成は、実質的に同一の成分を同じ量で含む。または、シングルフィラメントの組成は異なってよい。即ち、シングルフィラメントの組成は、同一の成分を様々な量で含んでよく、またはシングルフィラメントの組成は、異なる成分を同じ量で含んでよく、またはシングルフィラメントの組成は、異なる成分を様々な量で含んでよい。

0266

フィラメントおよび/または繊維および/またはスレッドの断面は、非常に多種多様の形状を有してよい。フィラメントおよび/または繊維および/またはスレッドの断面形状は、円形楕円形またはnが≧3、例えばnが3であるn角形であり得ることが好ましい。例えばフィラメントおよび/または繊維および/またはスレッドの断面形状は、円形、略円形または三葉状である。加えて、または代わりに、フィラメントおよび/または繊維および/またはスレッドの断面形状は、中空状であることができる。

0267

本明細書で使用する場合、「繊維製品物品」という用語は、例えば層状化プレーティングブレーディングノッティング、製織製編かぎ針編みまたはタフティングなどの方法によって製造された製品を示す。本発明の目的のために、「製織材料」という用語は、製織によって製造された繊維製品物品または布を示し、「不織材料」という用語は、繊維、フィラメントまたはフィルム様フィラメント構造体の層または網目をからみ合せることによって製造された平坦な可撓性多孔性シート構造体を示す。

0268

フィラメントおよび/または繊維および/またはスレッドは、このようなフィラメントおよび/または繊維および/またはスレッドを作製するために使用される当分野で既知のあらゆる技法によって作製され得ることが認識される。例えば本発明のフィラメントおよび/または繊維および/またはスレッドは、周知のメルトブロー法スパンボンド法またはステープルファイバ製造によって調製できる。

0269

公知の技術、例えば紡糸またはステープルファイバのための連続フィラメント紡糸および不織法、例えばスパンボンド製造およびメルトブロー製造により、繊維およびフィラメントは溶融ポリマーを小型オリフィスを通じて押出すことによって形成できる。概して、このように形成された繊維またはフィラメントは、次に延伸または伸長されて、分子配向が誘発され、結晶性に影響を及ぼし、結果として直径が縮小され、物性が改善される。

0270

スパンメルトは、熱可塑性ポリマー組成物から直接不織材料を製造することの総称である。スパンメルトは2つのステップ(スパンレイドおよびメルトインフレーション)および両方の組み合わせを含む。この方法において、ポリマー細粒が溶融され、溶融したポリマーは、複数の連続ポリマーフィラメントを生成する紡糸口金アセンブリを通じて押出される。次にフィラメントは急冷および延伸され、収集されて不織ウェブを形成する。多少の残存温度によってフィラメントが相互に付着することがあるが、このような付着は結合の主な方法と見なすことはできない。結合ステップによって収集された連続フィラメントのウェブから有用な生成物を形成するために利用できる方法が幾つかあり、該結合ステップとしては、これに限定されるわけではないが、カレンダ加工水流交絡ニードリングおよび/または化学薬品もしくは接着剤による結合が挙げられる。水流交絡はスパンレースとしても公知であり、高圧水ジェットを用いて繊維を緩いウェブへと交絡させることにより、前記繊維間の摩擦力によってまとめた布を生成する方法である。

0271

スパンレイド法(スパンボンドとしても公知)は、より強度の高い不織布を与えるという利点を有する。第2の成分の同時押出は、通例、追加の特性または結合能力を与えるために、幾つかのスパンレイド法で使用されている。メルトインフレーションウェブ形成において、低粘度ポリマーが紡糸口金を出るときに、高速気流中に押出される。これにより溶融物散乱され、これを固化して、分解して繊維状ウェブとする。

0272

当業者には、方法または異なる方法による布を組み合わせてある所望の特徴を持つ複合布を製造することが公知である。この例は、SMSとして最も知られている積層布を製造するために、スパンボンドおよびメルトインフレーションを組み合わせることであり、SMSはスパンボンド布の2枚の外層およびメルトインフレーション布の内層を表すものである。加えて、これらの方法のどちらかまたは両方を、ステープルファイバカーディング法または不織ステープル・ファイバ・カーディング法から得た接着布と、いずれの構成においても組み合わせてよい。記載したこのような積層布において、層は概して、上に挙げた結合ステップの1つによって、少なくとも部分的に固化される。

0273

スパンボンド布を製造するための方法は、当分野において周知であり、市販されている。2つの代表的な方法は、Lurgi法およびReifenhauser法として公知である。Lurgi法は、紡糸口金オリフィスを通じた溶融ポリマーの押出、これに続く新たに形成された押出フィラメントの空気による急冷、ベンチュリ管を通じた吸引による延伸に基づいている。形成の後に、フィラメントをコンベヤベルト上に分配して不織ウェブを形成する。Reifenhauser法は、フィラメントの急冷区域密閉され、急冷気流加速されているため、気流中へのフィラメントの連行がより効率的に行われるという点で、Lurgi法とは異なる。

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