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技術 ヒト化されたCLUSTER OF DIFFERENTIATION 47遺伝子を有する非ヒト動物

出願人 リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
発明者 ギュラー,ケイガンイオッフェ,エラムジカ,アレクサンダーサーストン,ギャビン
出願日 2015年11月25日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2017-526681
公開日 2018年1月11日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2018-500012
状態 特許登録済
技術分野 突然変異または遺伝子工学 酵素、微生物を含む測定、試験 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 生物学的材料の調査,分析 ペプチド又は蛋白質 動物の育種及び生殖細胞操作による繁殖 特有な方法による材料の調査、分析 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 微生物、その培養処理 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード モニタリング機構 追加的要素 改善システム ロット間変動 特定位 ASCIIテキスト 懸垂部分 大分子化合物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年1月11日)のものです。
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図面 (9)

課題・解決手段

非ヒト動物、ならびに当該非ヒト動物を作製および使用するための方法ならびに組成物が提供され、当該非ヒト動物は、内因性cluster of differentiation(CD)遺伝子、特にCD47遺伝子のヒト化を備えている。一部の実施形態では、当該非ヒト動物がヒト部分および非ヒト部分(例えば、マウス部分)を含むCD47ポリペプチド発現するための内因性CD47遺伝子に対する遺伝子改変を有するとして、当該非ヒト動物が記述される場合がある。本発明は、新たな癌治療を特定および開発するための改善システム許容する非ヒト動物を設計することが望ましいという認識を包含するものである。

概要

背景

癌治療は、4つの主要なカテゴリー分類することができる:化学療法放射線療法ホルモン療法、標的化療法、そして免疫療法である。医学研究と開発の焦点は標的化療法に向けられ、顕著な改善がなされてきたが、癌は世界中の患者および医療産業にとって今なお大きな課題である。この大きな課題は、部分的には、自然免疫系および獲得免疫系のモニタリング機構をうまく逃れるという癌細胞能力によるものであり、これは一部には貪食クリアランス阻害された結果である。現在のところ、癌細胞の貪食クリアランスを活性化するよう設計された新たな癌治療に有力な療法を最適に決定するためのインビボ系は存在せず、どのようにして癌細胞がマクロファージ貪食細胞に阻害シグナルを送るかの分子的側面を決定するためのインビボ系も存在しない。かかる系により、インビボで貪食およびマクロファージの機能を分析するための手段が提供され、そして免疫系に貪食促進シグナルを誘導する抗腫瘍環境をもたらすことを標的とした新たな癌療法が特定される。

概要

非ヒト動物、ならびに当該非ヒト動物を作製および使用するための方法ならびに組成物が提供され、当該非ヒト動物は、内因性cluster of differentiation(CD)遺伝子、特にCD47遺伝子のヒト化を備えている。一部の実施形態では、当該非ヒト動物がヒト部分および非ヒト部分(例えば、マウス部分)を含むCD47ポリペプチド発現するための内因性CD47遺伝子に対する遺伝子改変を有するとして、当該非ヒト動物が記述される場合がある。本発明は、新たな癌治療を特定および開発するための改善システム許容する非ヒト動物を設計することが望ましいという認識を包含するものである。

目的

医学研究と開発の焦点は標的化療法に向けられ、顕著な改善がなされてきたが、癌は世界中の患者および医療産業にとって今なお大きな課題である

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

内因性齧歯類CD47ヌクレオチド配列およびヒトCD47ヌクレオチド配列を備えるCD47遺伝子を備える齧歯類であって、前記CD47遺伝子が内因性齧歯類CD47プロモーターと動作可能なように連結されている、前記齧歯類。

請求項2

前記内因性齧歯類CD47ヌクレオチド配列が、内因性齧歯類CD47遺伝子のエクソン1、およびエクソン7の下流のエクソンを備えている、請求項1に記載の齧歯類。

請求項3

前記内因性齧歯類CD47遺伝子のエクソン1、およびエクソン7の下流のエクソンが、表3に示されるマウスCD47遺伝子の対応するエクソン1、およびエクソン7の下流のエクソンに対し、少なくとも90%、または少なくとも95%同一である、請求項2に記載の齧歯類。

請求項4

前記ヒトCDヌクレオチド配列がヒトCD47ポリペプチドアミノ酸19〜127、19〜141、または16〜292をコードする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の齧歯類。

請求項5

前記ヒトCDヌクレオチド配列がヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の齧歯類。

請求項12

前記ヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7が、表3に示されるヒトCD47遺伝子の対応するエクソン2〜7に対し、同一であるか、または少なくとも90%もしくは95%同一である、請求項5に記載の齧歯類。

請求項13

ヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分および任意選択膜貫通部分、ならびに内因性齧歯類CD47ポリペプチドの細胞内部分を備えるCD47ポリペプチドを発現する齧歯類。

請求項14

前記CD47ポリペプチドが齧歯類シグナルペプチドとともに前記齧歯類の細胞において翻訳される、請求項13に記載の齧歯類。

請求項21

前記内因性齧歯類CD47ポリペプチドの細胞内部分が、表3に示されるマウスCD47ポリペプチドの細胞質内尾部と同一であるか、または少なくとも90%もしくは少なくとも95%同一であるアミノ酸を有している細胞質内尾部を備える、請求項13に記載の齧歯類。

請求項22

前記ヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分が、ヒトCD47ポリペプチドの19〜141残基に相当するアミノ酸を備える、請求項13〜14および21のいずれか一項に記載の齧歯類。

請求項29

前記ヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分が、表3に示されるヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分の対応するアミノ酸配列と同一であるか、または少なくとも90%もしくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を備える、請求項13〜14、および21のいずれか一項に記載の齧歯類。

請求項30

前記齧歯類が、ヒトSIRPαポリペプチドの細胞外部分と、内因性齧歯類SIRPαポリペプチドの細胞内部分を備えるSIRPαポリペプチドをコードするSIRPα遺伝子をさらに備えており、この場合において、前記SIRPα遺伝子が任意選択で内因性齧歯類SIRPα遺伝子のエクソン1、5、6、7および8、ならびにヒトSIRPα遺伝子のエクソン2〜4を備えている、先行請求項のいずれか一項に記載の齧歯類。

請求項31

前記齧歯類がラットまたはマウスである、先行請求項のいずれか一項に記載の齧歯類。

請求項32

先行請求項のいずれか一項に記載の齧歯類の遺伝子によりコードされるCD47ポリペプチド。

請求項33

前記コードされるポリペプチドが、配列番号17、配列番号18、配列番号19、または配列番号20と同一であるか、または少なくとも90%もしくは少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を備えている、請求項32に記載のCD47ポリペプチド。

請求項34

そのゲノムが、内因性齧歯類CD47ポリペプチドの細胞内部分に連結されたヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分、および任意選択で膜貫通部分をコードするCD47遺伝子を備える、単離された齧歯類細胞または組織

請求項35

前記CD47遺伝子が、齧歯類のCD47プロモーターに動作可能に連結されている、請求項34に記載の単離された細胞または組織。

請求項36

前記CD47遺伝子が、ヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7を備え、ならびに任意選択で内因性齧歯類CD47遺伝子のエクソン1、およびエクソン7の下流のエクソンを備えている、請求項34もしくは35に記載の単離された細胞または組織。

請求項37

前記細胞または組織が、ヒトSIRPαポリペプチドの細胞外部分と、内因性齧歯類SIRPαポリペプチドの細胞内部分を備えたSIRPαポリペプチドをコードするSIRPα遺伝子をさらに備えている、請求項34〜36のいずれか一項に記載の単離された齧歯類細胞または組織。

請求項38

前記齧歯類細胞または組織が、マウス細胞もしくはマウス組織、またはラット細胞もしくはラット組織である、請求項34〜37のいずれか一項に記載の単離された齧歯類細胞または組織。

請求項39

そのゲノムが、内因性齧歯類CD47ポリペプチドの細胞内部分に連結されたヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分、および任意選択で膜貫通部分をコードするCD47遺伝子を備えている、齧歯類胚性幹細胞

請求項40

前記CD47遺伝子が、内因性齧歯類CD47プロモーターに動作可能に連結された、ヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7、ならびに任意選択で内因性齧歯類CD47遺伝子のエクソン1、およびエクソン7の下流のエクソンを備えている、請求項39に記載の齧歯類胚性幹細胞。

請求項43

前記齧歯類胚性幹細胞のゲノムが、ヒトSIRPαポリペプチドの細胞外部分、および内因性齧歯類SIRPαポリペプチドの細胞内部分を備えるSIRPαポリペプチドをコードするSIRPα遺伝子をさらに備えており、この場合において、前記SIRPα遺伝子は任意選択で内因性齧歯類SIRPα遺伝子のエクソン1、5、6、7および8、ならびにヒトSIRPα遺伝子のエクソン2〜4を備えている、請求項39〜40のいずれか一項に記載の齧歯類胚性幹細胞。

請求項44

前記齧歯類胚性幹細胞がマウスまたはラットの胚性幹細胞である、請求項39、40、または43のいずれか一項に記載の齧歯類胚性幹細胞。

請求項45

請求項39〜40および43〜44のいずれか一項に記載の胚性幹細胞から生成される齧歯類

請求項46

前記胚は、マウスまたはラットの胚である、請求項45に記載の齧歯類胚。

請求項47

前記改変が、(a)齧歯類胚性幹細胞の内因性齧歯類CD47遺伝子座ゲノム断片を挿入することであって、前記ゲノム断片は前記ヒトCD47ポリペプチドの前記細胞外部分および任意選択で前記膜貫通部分をコードするヌクレオチド配列を備えており、それにより前記内因性齧歯類CD47遺伝子座で前記ヒト化CD47遺伝子を形成すること、(b)(a)のヒト化CD47遺伝子を備える齧歯類胚性幹細胞を得ること、および(c)(b)の齧歯類胚性幹細胞を使用して齧歯類を作製すること、を含む、請求項109に記載の方法。

請求項48

前記ヒト化CD47ポリペプチドが、ヒトCD47ポリペプチドの19〜127、19〜141、19〜292または16〜292残基に相当するアミノ酸を備えている、請求項47に記載の方法。

請求項49

前記ヌクレオチド配列がヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7を備えている、請求項47または48のいずれか一項に記載の方法。

請求項51

前記ヒト化CD47遺伝子が、齧歯類CD47遺伝子のエクソン1、およびエクソン7の下流のエクソンを備えている、請求項47〜49および109のいずれか一項に記載の方法。

請求項52

前記方法が、(a)の齧歯類胚性幹細胞の内因性SIRPα遺伝子へゲノム断片を挿入する工程をさらに含み、前記ゲノム断片は、ヒトSIRPαポリペプチドの全部または一部をコードするヌクレオチド配列を備えており、この場合において、任意選択で前記ゲノム断片がヒトSIRPα遺伝子のエクソン2〜4を備えている、請求項47〜49、51および109のいずれか一項に記載の方法。

請求項53

ヒトSIRPαポリペプチドの全部または一部をコードするヌクレオチド配列を備える前記ゲノム断片が、内因性CD47遺伝子への挿入の前に、(a)の齧歯類胚性幹細胞の内因性SIRPα遺伝子へと挿入される、請求項52に記載の方法。

請求項54

前記方法が、第二の齧歯類と(c)の齧歯類を交配させることをさらに含み、前記第二の齧歯類はヒトSIRPαポリペプチドの細胞外部分と内因性齧歯類SIRPαポリペプチドの細胞内部分を備えるSIRPαポリペプチドをコードするSIRPα遺伝子を備えるゲノムを有しており、この場合において、任意選択で前記SIRPα遺伝子が内因性SIRPα遺伝子のエクソン1、5、6、7および8、ならびにヒトSIRPα遺伝子のエクソン2〜4を備えている、請求項47〜49、51および109のいずれか一項に記載の方法。

請求項55

前記齧歯類がマウスまたはラットである、請求項47〜49、51〜54および109のいずれか一項に記載の方法。

請求項56

請求項47〜49、51〜55および109のいずれか一項に記載の方法から取得可能な齧歯類。

請求項57

前記齧歯類がマウスまたはラットである、請求項56に記載の齧歯類。

請求項69

ヒト細胞を齧歯類に生着させる方法であって、(a)請求項1〜5、12〜14、21〜22、および29〜31のいずれか一項に記載の齧歯類を提供する工程、および(b)1つ以上のヒト細胞を前記齧歯類に移植する工程、を含む、前記方法。

請求項70

(c)前記齧歯類における前記1つ以上のヒト細胞の生着を分析する工程、をさらに含む請求項69に記載の方法。

請求項72

前記ヒト細胞が造血幹細胞である、請求項69〜70のいずれか一項に記載の方法。

請求項73

前記ヒト細胞が、静脈内、腹腔内、または皮下に移植される、請求項69〜70、および72のいずれか一項に記載の方法。

請求項76

ヒト細胞を標的とする薬剤治療効性を評価する方法であって、前記方法が、請求項1〜5、12〜14、21〜22、および29〜31のいずれか一項に記載の齧歯類を提供すること、前記齧歯類に1つ以上のヒト細胞を移植すること、前記齧歯類に薬剤候補投与すること、および前記齧歯類中のヒト細胞をモニターし、前記薬剤候補の治療有効性を決定すること、を含む、前記方法。

請求項77

前記ヒト細胞が、癌細胞であり、前記薬剤候補が、抗癌剤候補である、請求項76に記載の方法。

請求項78

前記薬剤候補が、抗体である、請求項77に記載の方法。

請求項79

前記齧歯類が、ヒト免疫細胞をさらに備える、請求項78に記載の方法。

請求項80

前記薬剤候補が、ヒトCD47、および移植されたヒト癌細胞上の抗原に結合する二特異性抗体である、請求項79に記載の方法。

請求項81

(a)そのゲノムが、内因性齧歯類CD47ポリペプチドの細胞内部分に連結されたヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分をコードするCD47遺伝子を含み、この場合において前記CD47遺伝子は内因性齧歯類CD47プロモーターに動作可能に連結されている、1つ以上の齧歯類細胞を提供する工程、(b)工程(a)の前記1つ以上の齧歯類の細胞と、標識基質インキュベートする工程、および(c)工程(b)の前記1つ以上の齧歯類の細胞による、前記標識基質の貪食を測定する工程、を含む方法。

請求項83

前記CD47遺伝子が、ヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7を備え、ならびに内因性齧歯類CD47遺伝子のエクソン1、およびエクソン7の下流のエクソンを備えている、請求項81に記載の方法。

請求項85

前記基質が、蛍光標識されているか、または抗体で標識されており、および任意選択で前記基質が1つ以上の赤血球、1つ以上の細菌細胞、1つ以上の腫瘍細胞、抗原、または細胞表面上に抗原を発現する1つ以上の細胞である、請求項81または83のいずれか一項に記載の方法。

請求項90

前記工程(a)の1つ以上の齧歯類細胞のゲノムが、ヒトSIRPαポリペプチドの細胞外部分、および内因性齧歯類SIRPαポリペプチドの細胞内部分を備えるSIRPαポリペプチドをコードするSIRPα遺伝子をさらに備え、任意選択でこの場合において、前記SIRPα遺伝子がヒトSIRPα遺伝子のエクソン2〜4、ならびに内因性齧歯類SIRPα遺伝子のエクソン1およびエクソン5〜8を備えている、請求項81、83および85のいずれか一項に記載の方法。

請求項92

前記工程(a)の1つ以上の細胞が、マウスまたはラットの細胞である、請求項81、83、85および90のいずれか一項に記載の方法。

請求項99

ヒトCD47を標的とする薬剤の薬物動態を評価する方法であって、前記方法が、請求項1〜5、12〜14、21〜22、および29〜31のいずれか一項に記載の齧歯類に前記薬剤を投与する工程、およびヒトCD47を標的とする前記薬剤の1つ以上の薬物動態特性、薬剤の標的毒性に関連した1つ以上のパラメーター、または薬剤の標的外毒性に関連した1つ以上のパラメーターを決定するためのアッセイを行う工程、を含む、前記方法。

請求項102

前記ヒトCD47を標的とする薬剤が、CD47拮抗薬またはCD47作動薬である、請求項99に記載の方法。

請求項103

前記CD47拮抗薬が、抗CD47抗体である、請求項102に記載の方法。

請求項105

前記薬剤が、抗CD47抗体であり、前記アッセイが、前記齧歯類における前記抗体の薬物動態的クリアランスを決定する、請求項99に記載の方法。

請求項106

(a)請求項1〜5、12〜14、21〜22、および29〜31のいずれか一項に記載の齧歯類を提供すること、(b)前記齧歯類から赤血球を単離すること、(c)ヒトCD47タンパク質調節物質候補の存在下で、前記単離された赤血球をインキュベートすること、および(d)前記調節物質候補が前記赤血球の凝集誘導するかどうかを評価すること、を含む方法。

請求項107

前記調節物質候補が抗体である、請求項106に記載の方法。

請求項108

前記評価が、前記調節物質候補が前記赤血球に凝集を誘導する濃度を決定することを含む、請求項106または107のいずれか一項に記載の方法。

請求項109

齧歯類を提供する方法であって、前記方法が、内因性CD47ポリペプチドの細胞内部分に連結されたヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分、および任意選択で膜貫通部分を備えるヒト化CD47ポリペプチドをコードするヒト化CD47遺伝子を備えるよう、齧歯類のゲノムを改変することを含む、前記方法。

技術分野

0001

関連出願の相互参照
本出願は、2014年12月5日に出願され、その全体が参照により本明細書に援用される米国仮特許出願第62/087,992号明細書の利益を主張するものである。
配列表の参照による組み込み

0002

2015年11月23日に作製され、EFS-Webを介して米国特許商標提出された32584_10108WO01_SequenceListing.txtという名称の96.0KBASCIIテキストファイルの形態をとる配列表が、参照により本明細書に組み込まれる。

背景技術

0003

癌治療は、4つの主要なカテゴリー分類することができる:化学療法放射線療法ホルモン療法、標的化療法、そして免疫療法である。医学研究と開発の焦点は標的化療法に向けられ、顕著な改善がなされてきたが、癌は世界中の患者および医療産業にとって今なお大きな課題である。この大きな課題は、部分的には、自然免疫系および獲得免疫系のモニタリング機構をうまく逃れるという癌細胞能力によるものであり、これは一部には貪食クリアランス阻害された結果である。現在のところ、癌細胞の貪食クリアランスを活性化するよう設計された新たな癌治療に有力な療法を最適に決定するためのインビボ系は存在せず、どのようにして癌細胞がマクロファージ貪食細胞に阻害シグナルを送るかの分子的側面を決定するためのインビボ系も存在しない。かかる系により、インビボで貪食およびマクロファージの機能を分析するための手段が提供され、そして免疫系に貪食促進シグナルを誘導する抗腫瘍環境をもたらすことを標的とした新たな癌療法が特定される。

課題を解決するための手段

0004

本発明は、新たな癌治療を特定および開発するための改善システム許容する非ヒト動物を設計することが望ましいという認識を包含するものである。本発明はまた、ヒト造血幹細胞の改善された生着を許容する非ヒト動物を設計することが望ましいという認識を包含するものである。さらに、本発明はまた、たとえばCD47の阻害に関連した全身毒性を克服する癌療法の特定および開発における使用のための、ならびに腫瘍細胞貪食のCD47介在性の阻害を克服する癌療法の特定および開発における使用のための、ヒト化CD47遺伝子を有する非ヒト動物、および/またはヒトCD47ポリペプチドもしくはヒト化CD47ポリペプチドを発現する、含有する、または産生する非ヒト動物が望ましいという認識を包含するものであり、およびより広範なヒトの細胞型ホメオスタシスの上昇をもたらす、ヒト造血幹細胞の生着に対し、より効率的なインビボ系を提供するものである。

0005

一部の実施形態では、本発明は、二つの異なる種(例えば、ヒトおよび非ヒト)からの遺伝物質を含むCD47遺伝子を備えるゲノムを有する非ヒト動物を提供する。一部の実施形態では、本明細書に記述された非ヒト動物のCD47遺伝子は、ヒトおよび非ヒト部分を含むCD47ポリペプチドをコードしており、この場合において、ヒトおよび非ヒト部分は互いに連結して機能的CD47ポリペプチドを形成する。

0006

一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物は、内因性部分およびヒト部分を備えるCD47遺伝子を備え、この場合において、内因性部分およびヒト部分は内因性プロモーターと動作可能なように連結されている。

0007

一部の実施形態では、内因性部分は内因性CD47遺伝子のエクソン1、およびエクソン7の下流のエクソンを備える。一部の特定実施形態では、内因性CD47のエクソン1、およびエクソン7の下流のエクソンは、表3に示されるマウスCD47遺伝子の対応するエクソン1、およびエクソン7の下流のエクソンに対し、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一である。一部の実施形態では、内因性CD47のエクソン1、およびエクソン7の下流のエクソンは、表3に示されるマウスCD47遺伝子の対応するエクソン1、およびエクソン7の下流のエクソンと同一である。

0008

一部の実施形態では、ヒト部分は、ヒトCD47ポリペプチドのアミノ酸16〜292をコードする。一部の実施形態では、ヒト部分は、ヒトCD47ポリペプチドのアミノ酸19〜292をコードする。一部の実施形態では、ヒト部分は、ヒトCD47ポリペプチドのアミノ酸19〜141をコードする。一部の実施形態では、ヒト部分は、ヒトCD47ポリペプチドのアミノ酸19〜127をコードする。一部の実施形態では、ヒト部分は、ヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7を備える。

0009

一部の実施形態では、ヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7は、表3に示されるヒトCD47遺伝子の対応するエクソン2〜7に対し、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一である。一部の実施形態では、ヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7は、表3に示されるヒトCD47遺伝子の対応するエクソン2〜7と同一である。

0010

一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物は、ヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分および内因性CD47ポリペプチドの細胞内部分を備えるCD47ポリペプチドを発現している。一部の実施形態では、CD47ポリペプチドは、ヒトCD47ポリペプチドの膜貫通部分を備えている。他の実施形態では、CD47ポリペプチドは、非ヒトCD47ポリペプチドの膜貫通部分を備えている。一部の実施形態では、CD47ポリペプチドは、非ヒトシグナルペプチドとともに、非ヒト動物の細胞中翻訳される。一部の特定実施形態では、非ヒトシグナルペプチドは、齧歯類(例えば、マウスまたはラット)のシグナルペプチドである。

0011

一部の実施形態では、本発明のCD47ポリペプチドは、内因性非ヒトCD47遺伝子から発現される。

0012

一部の実施形態では、内因性CD47ポリペプチドの細胞内部分は、表3に示されるマウスCD47ポリペプチドの細胞質内尾部に対し、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を有する細胞質内尾部を備えている。一部の実施形態では、内因性CD47ポリペプチドの細胞内部分は、表3に示されるマウスCD47ポリペプチドの細胞質内尾部と同一であるアミノ酸配列を有する細胞質内尾部を備えている。

0013

一部の実施形態では、ヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分は、ヒトCD47ポリペプチドの19〜141残基に相当するアミノ酸を備えている。一部の実施形態では、ヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分は、ヒトCD47ポリペプチドの19〜127残基に相当するアミノ酸を備えている。一部の実施形態では、ヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分は、表3に示されるヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分の対応するアミノ酸配列に対し、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を備えている。一部の実施形態では、ヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分は、表3に示されるヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分の対応するアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を備えている。

0014

一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記述された非ヒト動物のCD47遺伝子によりコードされるCD47ポリペプチドを提供する。一部の特定実施形態では、コードされるCD47ポリペプチドは、配列番号17、配列番号18、配列番号19、または配列番号20に対し、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を備えている。一部の特定実施形態では、コードされるCD47ポリペプチドは、配列番号17、配列番号18、配列番号19、または配列番号20と同一であるアミノ酸配列を備えている。

0015

一部の実施形態では、本発明は、ヒトCD47遺伝子の一つ以上のエクソンと動作可能なように連結された非ヒトCD47遺伝子の一つ以上のエクソンを備えたヒト化CD47遺伝子を提供する。一部の特定実施形態では、本発明のヒト化CD47遺伝子は、CD47ポリペプチドの細胞内部分をコードする非ヒトのエクソン、およびヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分をコードするヒトのエクソンを備えている。一部の実施形態では、ヒト化CD47遺伝子はまた、ヒトCD47ポリペプチドの膜貫通部分をコードするヒトのエクソンを備えている。一部の特定実施形態では、本発明のヒト化CD47遺伝子は、全部または一部のシグナルペプチド、およびCD47ポリペプチドの細胞内部分をコードする非ヒトエクソン、ならびにCD47ポリペプチドの細胞外部分および任意選択で膜貫通部分をコードするヒトのエクソンを備えている。

0016

一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記述された非ヒト動物からの単離細胞または組織を提供する。一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記述されたCD47遺伝子を備える単離細胞または組織を提供する。一部の実施形態では、細胞は、樹状細胞リンパ球(例えば、B細胞またはT細胞)、マクロファージ、および単球から選択される。一部の実施形態では、組織は、脂肪膀胱、脳、乳房骨髄、目、心臓、腸、腎臓肝臓リンパ節筋肉膵臓血漿血清、皮膚、脾臓胸腺精巣卵子、およびこれらの組み合わせから選択される。

0017

一部の実施形態では、本発明は、そのゲノムが本明細書に記述されるCD47遺伝子を備える非ヒト胚性幹細胞を提供する。一部の実施形態では、非ヒト胚性幹細胞はマウスの胚性幹細胞であり、129系、C57BL/6系、またはBALB/c系由来である。一部の実施形態では、非ヒト胚性幹細胞はマウスの胚性幹細胞であり、129系およびC57BL/6系の混合物由来である。

0018

一部の実施形態では、本発明は、非ヒト動物を作るための本明細書に記述された非ヒト胚性幹細胞の利用法を提供する。一部の特定実施形態では、非ヒト胚性幹細胞はマウスの胚性幹細胞であり、本明細書に記述されるCD47遺伝子を備えるマウスを作製するために使用される。一部の特定実施形態では、非ヒト胚性幹細胞はラットの胚性幹細胞であり、本明細書に記述されるCD47遺伝子を備えるラットを作製するために使用される。

0019

一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記述されるCD47遺伝子を備える非ヒト胚性幹細胞を備える、それから作製される、それから得られる、またはそれから生じる非ヒトを提供する。一部の特定実施形態では、非ヒト胚は、齧歯類の胚である。一部の実施形態では、齧歯類の胚は、マウスの胚である。一部の実施形態では、齧歯類の胚は、ラットの胚である。

0020

一部の実施形態では、本発明は、内因性CD47遺伝子からCD47ポリペプチドを発現させる非ヒト動物を作製する方法を提供するものであり、この場合において、当該CD47ポリペプチドは、ヒト配列を備えており、当該方法は、非ヒト胚性幹細胞中でゲノム断片を内因性CD47遺伝子に挿入することであって、当該ゲノム断片は全部または一部のヒトCD47ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を備えていること、全部または一部のヒトCD47ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を備えた内因性CD47遺伝子を備えた非ヒト胚性幹細胞を得ること、および全部または一部のヒトCD47ポリペプチドをコードする当該ヌクレオチド配列を備えた非ヒト胚性幹細胞を用いて非ヒト動物を作製すること、を含む。

0021

一部の実施形態では、ヒト配列はヒトCD47ポリペプチドの19〜141(または19〜292)残基に相当するアミノ酸を備える。一部の実施形態では、ヒト配列はヒトCD47ポリペプチドの19〜127残基に相当するアミノ酸を備える。

0022

一部の実施形態では、ヌクレオチド配列はヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7を備える。一部の実施形態では、ヌクレオチド配列は一つ以上の選択マーカーを備える。一部の実施形態では、ヌクレオチド配列は一つ以上の部位特異的組み換え部位を備える。

0023

一部の実施形態では、当該方法はさらに、非ヒト胚性幹細胞の内因性SIRPα遺伝子にゲノム断片を挿入する工程であって、当該ゲノム断片は、全部または一部のヒトSIRPαポリペプチドをコードする(たとえばヒトSIRPαポリペプチドの細胞外部分をコードする)ヌクレオチド配列を備えている工程を含む。一部の特定実施形態では、全部または一部のヒトSIRPαポリペプチドをコードする(たとえばヒトSIRPαポリペプチドの細胞外部分をコードする)ヌクレオチド配列を備えたゲノム断片は、内因性CD47遺伝子への挿入の前に、非ヒト胚性幹細胞の内因性SIRPα遺伝子へと挿入される。

0024

一部の実施形態では、当該方法はさらに、ヒトCD47ポリペプチドの全部または一部をコードするヌクレオチド配列を含む内因性CD47遺伝子を備える非ヒト動物と、第二の非ヒト動物を交配させることであって、当該第二の非ヒト動物は、ヒトSIRPαポリペプチドの細胞外部分(たとえばヒトSIRPαポリペプチドの28〜362残基に相当するアミノ酸)と、内因性SIRPαポリペプチドの細胞内部分を備えたSIRPαポリペプチドをコードするSIRPα遺伝子を備えたゲノムを有していることを含む。

0025

一部の実施形態では、本発明は、そのゲノムが、内因性CD47ポリペプチドの細胞内部分に連結されているヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分をコードするCD47遺伝子を備えている非ヒト動物を提供する方法を提供するものであり、当該方法は、非ヒト動物のゲノムが、内因性CD47ポリペプチドの細胞内部分に連結されたヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分をコードするCD47遺伝子を備えるよう、非ヒト動物ゲノムを改変し、それにより当該非ヒト動物を提供することを含む。一部の実施形態では、CD47遺伝子は、内因性非ヒトCD47ポリペプチドの細胞内部分に連結されているヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分および膜貫通部分を備えるCD47ポリペプチドをコードしている。他の実施形態では、CD47遺伝子は、内因性非ヒトCD47ポリペプチドの膜貫通部分および細胞内部分に連結されたヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分を備えるCD47ポリペプチドをコードしている。

0026

一部の実施形態では、非ヒト動物のゲノム改変は、非ヒト胚性幹細胞にて行われる。一部の特定実施形態では、非ヒト胚性幹細胞は齧歯類胚性幹細胞であり、一部の実施形態ではマウス胚性幹細胞、一部の実施形態ではラット胚性幹細胞である。

0027

一部の実施形態では、当該方法はさらに、非ヒト動物のゲノムが、内因性SIRPαポリペプチドの細胞内部分に連結されたヒトSIRPαポリペプチドの細胞外部分(たとえばヒトSIRPαポリペプチドの28〜362残基に相当するアミノ酸)をコードするSIRPα遺伝子を備えるよう非ヒト動物のゲノムを改変することを含む。一部の特定実施形態では、非ヒト動物のゲノムが、内因性SIRPαポリペプチドの細胞内部分に連結されたヒトSIRPαポリペプチドの細胞外部分(たとえばヒトSIRPαポリペプチドの28〜362残基に相当するアミノ酸)をコードするSIRPα遺伝子を備えるよう非ヒト動物のゲノムを改変することは、非ヒト動物のゲノムが、内因性CD47ポリペプチドの細胞内部分に連結されているヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分および任意選択で膜貫通部分をコードするCD47遺伝子を備えるよう非ヒト動物のゲノムを改変する前に行われる。

0028

一部の実施形態では、当該方法はさらに、そのゲノムが、内因性CD47ポリペプチドの細胞内部分に連結されているヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分をコードするCD47遺伝子を備えている非ヒト動物と、第二の非ヒト動物を交配させることであって、当該第二の非ヒト動物は、ヒトSIRPαポリペプチドの細胞外部分(たとえばヒトSIRPαポリペプチドの28〜362残基に相当するアミノ酸)、および内因性SIRPαポリペプチドの細胞内部分を備えたSIRPαポリペプチドをコードするSIRPα遺伝子を備えたゲノムを有していること、を含む。

0029

一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記述された方法によって得られた非ヒト動物を提供する。

0030

一部の実施形態では、本発明は、非ヒト動物にヒト細胞を生着させる方法を提供するものであり、当該方法は、そのゲノムが内因性CD47ポリペプチドの細胞内部分に連結されているヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分をコードするCD47遺伝子を備えている非ヒト動物を提供する工程と、当該非ヒト動物に一つ以上にヒト細胞を移植すること、を含む。一部の特定実施形態では、当該方法はさらに、当該非ヒト動物中の一つ以上ヒト細胞の生着を分析する工程を含む。一部の特定実施形態では、分析工程は、一つ以上の野生型非ヒト動物、またはそのゲノムが内因性CD47ポリペプチドの細胞外部分に連結されているヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分をコードするCD47遺伝子を備えていない一つ以上の非ヒト動物における生着に対して、一つ以上のヒト細胞の生着を比較することを含む。

0031

一部の実施形態では、ヒト細胞は造血幹細胞である。一部の実施形態では、ヒト細胞は、静脈内に移植される。一部の実施形態では、ヒト細胞は、腹腔内に移植される。一部の実施形態では、ヒト細胞は、皮下に移植される。

0032

一部の実施形態では、本発明は、ヒト細胞を標的とする薬剤治療効果を評価する方法を提供するものであり、当該方法は、そのゲノムが、内因性CD47ポリペプチドの細胞内部分に連結されているヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分をコードするCD47遺伝子を備えている非ヒト動物を提供すること、当該非ヒト動物に一つ以上のヒト細胞を移植すること、当該非ヒト動物に薬剤候補投与すること、および当該薬剤候補の治療効果を決定するために当該非ヒト動物中のヒト細胞をモニターすること、を含む。

0033

一部の実施形態では、ヒト細胞は、癌細胞であり、薬剤候補は、抗癌剤候補である。一部の特定実施形態では、薬剤候補は、抗体である。

0034

一部の実施形態では、非ヒト動物はさらにヒト免疫細胞を備えている。一部の特定実施形態では、薬剤候補は、ヒトCD47、および移植されたヒト癌細胞上の抗原に結合する二特異性抗体である。

0035

一部の実施形態では、本発明は、そのゲノムが、内因性CD47ポリペプチドの細胞内部分に連結されているヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分をコードするCD47遺伝子を含む一つ以上の細胞を提供すること、当該一つ以上の細胞を標識基質とともにインキュベートすること、および当該一つ以上の細胞による当該標識基質の貪食を測定すること、を含む方法を提供する。一部の実施形態では、基質は、蛍光標識されている。一部の実施形態では、基質は、抗体で標識されている。一部の実施形態では、基質は、一つ以上の赤血球である。一部の実施形態では、基質は、一つ以上の細菌細胞である。一部の実施形態では、基質は、一つ以上の腫瘍細胞である。

0036

一部の実施形態では、本発明は、そのゲノムが、内因性CD47ポリペプチドの細胞内部分に連結されているヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分をコードするCD47遺伝子を含んでいる非ヒト動物を提供すること、当該非ヒト動物を抗原に曝露すること、および当該非ヒト動物の一つ以上の細胞による抗原の貪食を測定すること、を含む方法を提供する。一部の実施形態では、当該曝露工程は、蛍光標識された抗原に、当該非ヒト動物を曝露することを含む。一部の実施形態では、当該曝露工程は、抗原を備える一つ以上の細胞に、当該非ヒト動物を曝露することを含む。一部の実施形態では、当該曝露工程は、抗原を備える一つ以上のヒト細胞、または抗原を備える一つ以上の細菌細胞に対し、当該非ヒト動物を曝露することを含む。一部の実施形態では、当該曝露工程は、抗原で形質転換され、当該抗原が一つ以上の形質転換細胞の表面上に発現される、一つ以上の細胞に対し、当該非ヒト動物を曝露することを含む。一部の実施形態では、当該曝露工程は、抗原を備える一つ以上の腫瘍細胞に対し、当該非ヒト動物を曝露することを含む。

0037

一部の実施形態では、本発明は薬剤またはワクチンの特定または検証の方法を提供し、当該方法は、そのゲノムが内因性CD47ポリペプチドの細胞内部分に連結されているヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分をコードするCD47遺伝子を含む非ヒト動物に対し、薬剤またはワクチンを送達する工程、および当該薬剤もしくはワクチンに対する免疫反応、当該薬剤もしくはワクチンの安全性プロファイル、または疾患もしくは状態に対する効果のうちの一つ以上をモニターする工程、を含む。一部の実施形態では、安全性プロファイルのモニタリングには、非ヒト動物が、薬剤またはワクチン送達の結果として副作用または有害反応を呈するかどうかを決定することを含む。一部の実施形態では、副作用または有害反応は、罹患率死亡率、体重の変化、一つ以上の酵素ベルの変化(例えば、肝臓)、一つ以上の臓器の重量の変化、機能の喪失(例えば、感覚運動、臓器など)、一つ以上の疾患に対する感受性の増加、非ヒト動物のゲノムの改変、食物摂取および一つ以上の疾患の合併症の増加または減少から選択される。

0038

一部の特定実施形態では、本発明は、薬品としての使用など医学で使用するための薬剤またはワクチンの開発での本明細書に記述された非ヒト動物の利用法を提供する。

0039

一部の実施形態では、本発明は、癌または新生物治療するための医薬の製造における、本明細書に記述された非ヒト動物の利用法を提供する。

0040

一部の実施形態では、本発明は、ヒト細胞を標的とする治療剤の有効性を評価するための、本明細書に記述される非ヒト動物の使用を提供する。さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物にヒト細胞が移植され、当該ヒト細胞を標的とする薬剤候補が、当該動物に投与される。一部の実施形態では、薬剤の投与後に、当該非ヒト動物中のヒト細胞をモニターすることにより、当該薬剤の有効性が決定される。

0041

一部の実施形態では、本発明は、治療または診断のための薬剤(例えば、抗体)の開発および/または特定における使用のための、本明細書に記述される非ヒト動物または細胞を提供する。

0042

一部の実施形態では、本発明は、癌または新生物の治療、予防、または改善のための薬剤(例えば、抗体)の開発および/または特定における使用のための、本明細書に記述される非ヒト動物または細胞を提供する。

0043

一部の実施形態では、本発明は、ヒトCD47を標的とする薬剤の薬物動態を評価する方法を提供するものであり、当該方法は、本明細書に記述される非ヒト動物に薬剤を投与する工程、およびヒトCD47を標的とする薬剤の一つ以上の薬物動態特性を決定するためのアッセイを行う工程、を含む。

0044

一部の実施形態では、本発明は、ヒトCD47を標的とする薬剤の標的毒性(on-target toxicity)を評価する方法を提供するものであり、当該方法は、本明細書に記述される非ヒト動物に薬剤を投与する工程、および薬剤の標的毒性に関連した一つ以上のパラメーターに関するアッセイを行う工程、を含む。

0045

一部の実施形態では、本発明は、ヒトCD47を標的とする薬剤の標的外毒性(off-target toxicity)を評価する方法を提供するものであり、当該方法は、本明細書に記述される非ヒト動物に薬剤を投与する工程、および薬剤の標的外毒性に関連した一つ以上のパラメーターに関するアッセイを行う工程、を含む。

0046

多くの実施形態では、本明細書に記述される非ヒト動物は、そのゲノムが、内因性CD47ポリペプチドの細胞内部分に連結されているヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分をコードするCD47遺伝子を含む齧歯類であり、一部の実施形態では、齧歯類はマウスであり、一部の実施形態では、齧歯類はラットである。

0047

一部の実施形態では、ヒトCD47を標的とする薬剤はCD47拮抗薬である。一部の特定実施形態では、CD47拮抗薬は、抗CD47抗体である。一部の実施形態では、ヒトCD47を標的とする薬剤はCD47作動薬である。

0048

さまざまな実施形態で、本発明のCD47遺伝子は本明細書に記述されるCD47遺伝子を含む。さまざまな実施形態で、本発明のCD47ポリペプチドは本明細書に記述されるCD47ポリペプチドを含む。

0049

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物は、全長内因性非ヒトCD47ポリペプチドを検出可能な程度には発現しない。さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物は、内因性CD47ポリペプチドの細胞外部分を検出可能な程度には発現しない。さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物は、内因性CD47ポリペプチドおよび内因性SIRPαポリペプチドの両方の細胞外部分を検出可能な程度には発現しない。

0050

さまざまな実施形態で、ヒトCD47ポリペプチドの細胞外部分は、本明細書に記述されるヒトCD47ポリペプチドの19〜141残基に相当するアミノ酸を備えている。

0051

さまざまな実施形態で、ヒトCD47ポリペプチドのN末端イムノグロブリンVドメインは、本明細書に記述されるヒトCD47ポリペプチドの19〜127残基に相当するアミノ酸を備えている。

0052

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物、細胞、組織、胚性幹細胞、および/または胚は、ヒトSIRPαポリペプチドの細胞外部分(たとえば、ヒトSIRPαポリペプチドの28〜362残基に相当するアミノ酸)および内因性SIRPαポリペプチドの細胞内部分を備えるSIRPαポリペプチドをコードするSIRPα遺伝子をさらに備えるゲノムを有している。

0053

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物は齧歯類であり、一部の実施形態ではマウスであり、一部の実施形態ではラットである。

0054

本明細書で使用される場合、「約」および「およそ」という用語は同意義として使用される。約/およその有無に関わらず、本明細書で使用される任意の数字は、当業者によって理解される任意の正常変動を網羅することが意図される。

0055

本発明のその他の特徴、目的および利益は、以下の詳細な説明において明らかである。しかし、当該詳細な説明は、本発明の実施形態を示しているが、それらは例示の目的で提示されているものであり、限定を目的として提示されていないことを理解されたい。本発明の範囲内のさまざまな変更および修正は、詳細説明から当業者には明らかとなるであろう。

図面の簡単な説明

0056

特許または出願の書類は、色付きで描かれた少なくとも一つの図面を含有する。色付きの図面(複数含む)を伴う本特許または特許出願公開の写しは、要求により、および必要な料金を支払うことにより当局から提供される。

0057

以下の図から構成される、本明細書に含まれる図面は、例示のみを目的としており、限定を目的とはしていない。

0058

図1は、非ヒト(例えば、マウス)およびヒトのClouster of Differentiation47(CD47)遺伝子のゲノム構造の、正確な縮尺ではない図を示す。エクソンは、各エクソンの下に番号を付与されている

0059

図2は、非ヒトのClouster of Differentiation47(CD47)遺伝子のヒト化のための例示的な方法に関する、正確な縮尺ではない図を示す。

0060

図3は、マウスおよびヒトのClouster of Differentiation47(CD47)遺伝子のゲノム構造の、正確な縮尺ではない図を示す。実施例1に記述されるアッセイにおいて用いられたプローブの位置が示されている。

0061

図4は、抗CD47抗体により検出されたヒト化CD47マウス由来赤血球中のCD47発現に関する例示的なヒストグラムを示す。Ab A、Ab B、Ab C、Ab DおよびAb E:抗CD47抗体、hIgG4s:エフェクター機能が低下した改変Fc領域を有する、無関係な特異性のヒトIgG4、hIgG4:無関係な特異性のヒトIgG4抗体抗体

0062

図5は、野生型マウス(n=2)およびヒト化CD47マウス(n=2)のマウス赤血球の抗CD47抗体による例示的な血球凝集反応を示す。WT:野生型、HuCD47:ヒト化CD47、Ab A、Ab B、Ab C、Ab DおよびAb E:抗CD47抗体、hIgG4s:エフェクター機能が低下した改変Fc領域を有する、無関係な特異性のヒトIgG4、hIgG4:無関係な特異性のヒトIgG4抗体抗体。

0063

図6は、継時的(x軸、日)な抗体濃度(y軸、g/mL)として表されている、ヒト化CD47マウスにおける抗CD47抗体の代表的な薬物動態プロファイルを示す。Ab F、Ab G、Ab H、およびAb I:抗CD47抗体、hIgG4s:エフェクター機能が低下した改変Fc領域を有する、無関係な特異性のヒトIgG4抗体。

0064

図7は、継時的(x軸、日)な抗体濃度(y軸、mcg/mL)として表されている、ヒト化CD47/SIRPαマウス(CD47 hu/huSIRPαhu/hu)における抗CD47抗体の代表的な薬物動態プロファイルを示す。Ab J、Ab F、Ab GおよびAb I:抗CD47抗体、hIgG4s:エフェクター機能が低下した改変Fc領域を有する、無関係な特異性のヒトIgG4。

0065

図8は、継時的(x軸、日)な抗体濃度(y軸、mcg/mL)として表されている、ヒト化CD47/SIRPαマウス(CD47 hu/huSIRPαhu/hu)における、抗CD47抗体の代表的な薬物動態プロフェイルを示す。Ab J、Ab F:抗CD47抗体、Ab Fs:エフェクター機能が低下した改変Fc領域を有するAb F、Ab Fmono:一価型Ab F、hIgG4s:エフェクター機能が低下した改変Fc領域を有する、無関係な特異性のヒトIgG4抗体。

0066

図9は、継時的(x軸、日)な抗体濃度(y軸、mcg/mL)として表されている、野生型マウスにおける、抗CD47抗体の代表的な薬物動態プロフェイルを示す。マウス抗ヒト抗体反応(MAHA:mouse anti-human antibody response)を示すマウスは除外した。Ab J、Ab F、Ab IおよびAb G:抗CD47抗体、hIgG4s:エフェクター機能が低下した改変Fc領域を有する、無関係な特異性のヒトIgG4抗体(星:MAHAを理由として、hIgG4s処置群から、15日後のすべての点が除外された)、Ab J F(ab')2:Ab JのF(ab')2断片。

0067

用語の定義
本発明は本明細書に記述された特定の方法および実験条件に限定されないが、それはこのような方法および条件は変化する場合があるからである。本発明の範囲は請求項によって定義されるので、本明細書に使用される用語は、特定の実施形態のみを記述する目的で使用されており、意図しないことも理解される。

0068

別段の定めがない限り、本明細書に使用されるすべての用語および語句は、そうでないことが明確に示されている、または用語または語句が使用されている文脈から明らかに明白な場合を除き、その用語および語句が当技術分野で獲得された意味を含む。本明細書で説明したものと類似または同等な任意の方法および材料も、本発明の実施または試験に使用できるが、特定の方法および材料をこれから説明する。本明細書で言及されたすべての出版物は参照により本明細書に組み込まれる。

0069

本明細書で一つ以上の対象の値に適用される場合、「およそ」という用語は指定された参照値と類似の値を指す。特定の実施形態では、「およそ」または「約」という用語は、別段定めがない限り、または文脈からそうでないことが明らかな場合(このような数字が可能な値の100%を超える場合を除く)を除いて、指定された参照値のいずれかの方向に25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%またはそれ未満以内の範囲の値を指す。

0070

生物学的に活性」という用語は、本明細書において用いられる場合、生物系、インビトロまたはインビボ(例えば、生体内)で活性を有する任意の剤の特徴を指す。例えば、生物内に存在する時、その生物内で生物学的効果を持つ薬剤は生物学的に活性であるとみなされる。特定の実施形態では、タンパク質またはポリペプチドが生物学的に活性な場合、タンパク質またはポリペプチドの少なくとも一つの生物学的活性共有するそのタンパク質またはポリペプチドの一部は、「生物学的に活性」な部分と一般的に呼ばれる。

0071

「同等」という用語は、本明細書において用いられる場合、お互いに同一ではなくてもよいが、それらの間の比較を許容できるほど十分に類似しており、従って観察された差異または類似性に基づいて合理的に結論を出し得る、二つ以上の剤、実体、状況、状態の集まりなどを指す。当業者であれば、文脈内において、同等とみなされるために二つ以上のこのような薬剤、実体、状況、状況のセットなどに対して、ある所定の状況でどの程度の同一性が必要かを理解するであろう。

0072

保存的アミノ酸置換を記述するために本明細書において用いられる場合、「保存的」という用語は、類似の化学特性(例えば、電荷または疎水性)を備える側鎖R基を有する別のアミノ酸残基によるアミノ酸残基の置換を指す。一般的に、保存的アミノ酸置換は、対象のタンパク質の機能特性、例えば、リガンドに結合する受容体の能力などを実質的に変化させない。類似の化学特性を備える側鎖を持つアミノ酸群の例には次が含まれる:グリシンアラニンバリンロイシン、およびイソロイシンなどの脂肪族側鎖、セリンおよびスレオニンなどの脂肪族-ヒドロキシル側鎖、アスパラギンおよびグルタミンなどのアミド含有側鎖、フェニルアラニンチロシン、およびトリプトファンなどの芳香族側鎖リジンアルギニン、およびヒスチジンなどの塩基性側鎖アスパラギン酸およびグルタミン酸などの酸性側鎖、ならびにシステインおよびメチオニンなどの硫黄含有側鎖。保存的アミノ酸置換基には、例えば、バリン/ロイシン/イソロイシン、フェニルアラニン/チロシン、リジン/アルギニン、アラニン/バリン、グルタミン酸/アスパラギン酸、およびアスパラギン/グルタミンが含まれる。一部の実施形態では、保存的アミノ酸置換は、例えばアラニンスキャニング変異誘導などで使用される、アラニンを含むタンパク質の任意の未変性残基の置換である可能性がある。一部の実施形態では、参照により本明細書に援用されるGonnet et al. (1992) Exhaustive Matching of the Entire Protein Sequence Database, Science 256:1443-45に開示されるPAM250対数尤度マトリクスにおいて正の値を有する保存的置換が行われる。一部の実施形態では、置換は中等度に保存的な置換であり、ここで置換はPAM250対数尤度マトリクスで負でない値を持つ。

0073

本明細書において用いられる場合、「対照」という用語は、結果が比較される基準である「対照」という当技術分野の意味を指す。一般的に、対照は、このような変数についての結論を出すために、変数を分離することによって実験完全性を増加させるために使用される。一部の実施形態では、対照は、コンパレーターを提供するために、試験反応またはアッセイと同時に実施される反応またはアッセイである。本明細書で使用される場合、「対照」とは、「対照動物」を指す場合がある。「対照動物」は本明細書に記述された改変、本明細書に記述されたものとは異なる改変を持つか、または未改変(すなわち、野生型動物)である場合がある。一つの実験では、「試験」(すなわち、試験されている変数)が適用される。第二の実験では、「対照」、試験されている変数は適用されない。一部の実施形態では、対照は歴史的対照(すなわち、以前に実施された試験またはアッセイの、または以前に知られた量または結果)である。一部の実施形態では、対照は印刷されたかまたはそれ以外の方法で保存された記録であるか、またはそれを含む。対照は、陽性対照または陰性対照である場合がある。

0074

本明細書において用いられる場合、「破壊」という用語は、(例えば、遺伝子または遺伝子座などの内因性相同配列など)DNA分子との相同組み換え事象の結果を指す。一部の実施形態では、破壊は、DNA配列の挿入、欠失、置換、交換ミスセンス変異、もしくはフレームシフト、またはこれらの任意の組み合わせを達成または示す場合がある。挿入は、遺伝子全体または遺伝子の断片(例えば、エクソン)の挿入を含む場合があり、これは内因性配列以外の起源のもの(例えば、異種配列)であってもよい。一部の実施形態では、破壊は遺伝子または遺伝子産物の(例えば、遺伝子によってコードされたタンパク質の)発現および/または活性を増加する場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子または遺伝子産物の発現および/または活性を減少する場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子またはコードされた遺伝子産物(例えば、コードされたタンパク質)の配列を変える場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子またはコードされた遺伝子産物(例えば、コードされたタンパク質)を切断または断片化する場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子またはコードされた遺伝子産物を延長する場合があり、一部の実施形態では、破壊は融合タンパク質組立てを達成する場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子または遺伝子産物のレベルに影響するが活性には影響しない場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子または遺伝子産物の活性に影響するがレベルには影響しない場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子または遺伝子産物のレベルに対して顕著な効果を持たない場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子または遺伝子産物の活性に対して顕著な効果を持たない場合がある。一部の実施形態では、破壊は遺伝子または遺伝子産物のレベルまたは活性のいずれに対しても顕著な効果を持たない場合がある。

0075

「決定する」、「測定する」、「査定する」、「評価する」、「検査する」および「分析する」という用語は本明細書において、任意の形態の測定を指すために互換的に使用され、要素が存在するかどうかを決定することを含む。これらの用語は、定量的および/または定性的決定の両方を含む。アッセイは相対的または絶対的である場合がある。「の存在をアッセイする」ことは、存在する何かの量を決定するおよび/またはそれが存在するか不在かを決定することである可能性がある。

0076

本明細書において用いられる場合、「内因性遺伝子座」または「内因性遺伝子」という文言は、本明細書に記述される破壊、欠失、置換、変化、または改変の導入前に、親または基準生物において存在する遺伝子座を指す。一部の実施形態では、内因性遺伝子座は天然で見られる配列を持つ。一部の実施形態では、内因性遺伝子座は野生型遺伝子座である。一部の実施形態では、指標生物野生型生物である。一部の実施形態では、指標生物は遺伝子操作された生物である。一部の実施形態では、指標生物は実験室繁殖された生物(野生型または遺伝子操作された)である。

0077

「内因性プロモーター」という文言は、例えば、野生型の生物において、内因性遺伝子と自然状態で関連するプロモーターを指す。

0078

「異種」という用語は、本明細書において用いられる場合、異なる起源からの主体または実体を含む。たとえば、特定の細胞もしくは生物に存在するポリペプチド、遺伝子、または遺伝子産物に関連して使用される場合、当該用語は、当該関連ポリペプチド、遺伝子または遺伝子産物が、1)ヒトの手により操作されていること、2)ヒトの手を介して細胞または生物(またはその前駆体)に導入されていること、および/または3)当該関連細胞もしくは生物(たとえば関連細胞型または生物型)中に自然状態では産生されない、または存在しないこと、を明らかにする。

0079

宿主細胞」という用語は、本明細書において用いられる場合、その中に異種(例えば、外来性核酸またはタンパク質が導入された細胞を指す。当業者が本開示を読めば、このような用語が特定の主題細胞を指すだけでなく、このような細胞の子孫を指すためにも使用されることを理解するであろう。特定の改変は突然変異または環境の影響のいずれかにより後続世代にも起こる場合があり、このような子孫は、実際は、親細胞と同一でない場合があるが、それでも本明細書において用いられる場合、それらは「宿主細胞」という用語の範囲内に含まれる。一部の実施形態では、宿主細胞は原核細胞または真核細胞であるかそれを含む。一般的に、宿主細胞は、細胞が指定される種に関わらず、異種核酸またはタンパク質の受け入れおよび/または生産に適した任意の細胞である。例示的細胞には、原核生物および真核生物単細胞または多細胞)の細胞、細菌細胞(例えば、大腸菌バチルス属ストレプトマイセス属などの株)、マイコバクテリア細胞、真菌細胞酵母細胞(例えば、出芽酵母分裂酵母ピヒアメタノリカなど)、植物細胞昆虫細胞(例えば、SF-9、SF-21、バキュロウイルス感染昆虫細胞、イラクサギンウワバなど)、非ヒト動物細胞、ヒト細胞、または例えば、ハイブリドーマもしくはクアドローマなどの細胞融合を含む。一部の実施形態では、細胞はヒト、サル類人猿ハムスター、ラット、またはマウス細胞である。一部の実施形態では、細胞は原核であり以下の細胞から選択される:CHO(例えば、CHO K1、DXB-11 CHO、Veggie-CHO)、COS(例えば、COS-7)、網膜細胞、Vero、CV1、腎臓(例えば、HEK293、293 EBNA、MSR 293、MDCK、HaK、BHK)、HeLa、HepG2、WI38、MRC 5、Colo205、HB 8065、HL-60、(例えば、BHK21)、Jurkat、Daudi、A431(表皮)、CV-1、U937、3T3、L細胞、C127細胞、SP2/0、NS-0、MMT060562、セルトリ細胞BRL3A細胞、HT1080細胞、骨髄腫細胞、腫瘍細胞、および前述細胞から派生する細胞株。一部の実施形態では、細胞は一つ以上のウィルス遺伝子、例えば、ウィルス遺伝子を発現する網膜細胞(例えば、PER.C6(商標)細胞)を備える。一部の実施形態では、宿主細胞は単離細胞であるかそれを含む。一部の実施形態では、宿主細胞は組織の一部である。一部の実施形態では、宿主細胞は生物の一部である。

0080

「ヒト化」という用語は、本明細書において、その構造(すなわち、ヌクレオチドまたはアミノ酸の配列)が、非ヒト動物に自然に存在する特定の遺伝子またはタンパク質の構造と実質的にまたは全く同一に対応する部分を含み、また、関連する特定の非ヒト遺伝子またはタンパク質において存在するものとは異なり、その代わりに対応するヒト遺伝子またはタンパク質において存在する同等の構造とより近接に対応する部分も含む核酸またはタンパク質を指す。一部の実施形態では、「ヒト化」遺伝子は、実質的にヒトポペプチドのもののようなアミノ酸配列を持つポリペプチドをコードする遺伝子(例えば、ヒトタンパク質またはその一部—例えば、その特性的部分)である。一例を挙げると、膜受容体の場合、「ヒト化」遺伝子は、ヒトの細胞外部分としてのアミノ酸配列と、非ヒト(例えば、マウス)のポリペプチドとしての残りの配列を有する細胞外部分を有するポリペプチドをコードしてもよい。一部の実施形態では、ヒト化遺伝子は、ヒト遺伝子のDNA配列の少なくとも一部分を備える。一部の実施形態では、ヒト化遺伝子は、ヒト遺伝子のDNA配列全体を備える。一部の実施形態では、ヒト化タンパク質は、ヒトタンパク質に見られる一部分を持つ配列を備える。一部の実施形態では、ヒト化タンパク質は、ヒトタンパク質の配列全体を備え、ヒト遺伝子のホモログまたはオルソログに対応する非ヒト動物の内因性遺伝子座から発現される。

0081

配列の比較と関連して本明細書において用いられる場合、「同一性」という用語は、ヌクレオチドおよび/またはアミノ酸配列の同一性を測定するために使用できる当技術分野において公知の多くの異なるアルゴリズムによって決定される同一性を指す。一部の実施形態では、本明細書に記述された同一性は、10.0のギャップ開始ペナルティ、0.1のギャップ延長ペナルティを用い、Gonnet類似性マトリックス(MACVECTOR(商標)10.0.2、MacVector Inc.、2008年)を使用したClustalW v. 1.83 (slow)アラインメントを使用して決定される。

0082

本明細書において用いられる場合、「単離された」という用語は、(1)(天然環境および/または実験環境のいずれかで)最初に生成された時にそれが関連していた成分の少なくとも一部から分離された物質および/もしくは実体、ならびに/または(2)ヒトの手によって設計、生産、調製、および/もしくは製造された物質ならびに/または実体を含む。分離された物質および/または実体は、それらが最初に関連していたその他の成分の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%超から分離される場合がある。一部の実施形態では、単離された薬剤は、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%を超えて純粋である。本明細書において用いられる場合、物質は、その他の成分が実質的に含まれない場合、「純粋」である。一部の実施形態では、当業者であれば理解するように、例えば、一つ以上の担体または賦形剤(例えば、緩衝剤溶媒、水など)などの特定のその他の成分と組み合わされた後でも、物質はまだ「単離された」または「純粋」とさえもみなされる場合があり、このような実施形態では、物質の単離または純度パーセントはこのような担体または賦形剤を含めることなく計算される。一例を挙げると、一部の実施形態では、自然界に存在するポリペプチドまたはポリヌクレオチドなどの生体高分子は、a)導出の起源またはソースが、自然界の天然状態でそれに付随する成分の一部またはすべてと関連していない時、b)それが、自然界でそれを生産する種と同じ種のその他のポリペプチドまたは核酸を実質的に含まない時、またはc)自然界でそれを生産する種ではない細胞またはその他の発現系によって発現されるか、またはそうでなければそれからの成分と関連している時、「単離された」とみなされる。従って、例えば、一部の実施形態では、化学的に合成された、または自然界でそれを生産するものとは異なる細胞系で合成されたポリペプチドは、「単離された」ポリペプチドとみなされる。あるいはまたは追加的に、一部の実施形態では、一つ以上の精製技術を受けたポリペプチドは、それが、a)それが自然界で関連している、および/またはb)最初に生産された時にそれが関連していたその他の成分から分離されている限りは「単離された」ポリペプチドとみなされることができる。

0083

本明細書で使用される場合、「非ヒト動物」という文言は、ヒトではない任意の脊椎動物を指す。一部の実施形態では、非ヒト動物は、円口類硬骨魚軟骨(例えば、サメまたはエイ)、両生類は虫類哺乳類、または鳥類である。一部の実施形態では、非ヒト哺乳類は、霊長類ヤギヒツジブタイヌウシ、または齧歯類である。一部の実施形態では、非ヒト動物はラットまたはマウスなどの齧歯類である。

0084

本明細書において用いられる場合、「核酸」という語句は、そのもっとも広い意味で、オリゴヌクレオチド鎖であるか、もしくはオリゴヌクレオチド鎖に組み込まれることができる任意の化合物および/または物質を指す。一部の実施形態では、「核酸」とはオリゴヌクレオチド鎖であるか、またはホスホジエステル結合でオリゴヌクレオチド鎖組み込むことができる化合物および/または物質である。文脈から明らかであるように一部の実施形態では、「核酸」とは個別の核酸残基(例えば、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオシド)を指し、一部の実施形態では、「核酸」とは個別の核酸残基を備えるオリゴヌクレオチド鎖を指す。一部の実施形態では、「核酸」はRNAであるかまたはそれを備え、一部の実施形態では、「核酸」はDNAであるかまたはそれを備える。一部の実施形態では、「核酸」は、一つ以上の天然核酸残基を備えるかまたはそれらから成る。一部の実施形態では、「核酸」は、一つ以上の核酸類似体を備えるかまたはそれらから成る。一部の実施形態では、核酸類似体は、ホスホジエステル骨格を利用しないという点で「核酸」とは異なる。例えば、一部の実施形態では、「核酸」は、当技術分野では知られており、骨格にホスホジエステル結合の代わりにペプチド結合を持つ、一つ以上の「ペプチド核酸」であるか、またはそれらを備え、それらは本発明の範囲内であるとみなされる。あるいはまたはさらに、一部の実施形態では、「核酸」は、ホスホジエステル結合ではなく、一つ以上のホスホロチオエートおよび/または5’-N-ホスホラミダイト結合を持つ。一部の実施形態では、「核酸」は一つ以上の天然ヌクレオシド(例えば、アデノシンチミジングアノシンシチジンウリジンデオキシアデノシンデオキシチミジンデオキシグアノシン、およびデオキシシチジン)であるか、または一つ以上の天然ヌクレオシドから成る。一部の実施形態では、「核酸」は、一つ以上のヌクレオシド類似体(例えば、2-アミノアデノシン、2-チオチミジン、イノシンピロロ-ピリミジン、3-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、C-5プロピニル-シチジン、C-5 プロピニル-ウリジン、2-アミノアデノシン、C5-ブロモウリジン、C5-フルオロウリジン、C5-ヨードウリジン、C5-プロピニル-ウリジン、C5-プロピニル-シチジン、C5-メチルシチジン、2-アミノアデノシン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、8-オキソアデノシン、8-オキソグアノシン、O(6)-メチルグアニン、2-チオシチジンメチル化塩基インターカレート塩基、およびそれらの組み合わせ)であるか、またはそれらから成る。一部の実施形態では、「核酸」は、天然核酸のものと比べて、一つ以上の修飾された糖(例えば、2’-フルオロリボース、リボース、2’-デオキシリボースアラビノース、およびヘキソース)を備える。一部の実施形態では、「核酸」は、RNAまたはタンパク質などの機能的遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列を持つ。一部の実施形態では、「核酸」は、一つ以上のイントロンを含む。一部の実施形態では、「核酸」は、天然起源物からの単離、相補的鋳型に基づく重合による酵素合成(インビボまたはインビトロ)、組み換え細胞または系での複製、および化学合成の一つ以上によって調製される。一部の実施形態では、「核酸」は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、20、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000またはそれを超える残基の長さである。一部の実施形態では、「核酸」は一本鎖であり、一部の実施形態では、「核酸」は二重鎖である。一部の実施形態では、「核酸」はポリペプチドをコードするか、またはポリペプチドをコードする配列の補体である少なくとも一つの要素を備えるヌクレオチド配列を持つ。一部の実施形態では、「核酸」は酵素活性を持つ。

0085

本明細書において用いられる場合、「動作可能なように連結した」という文言は、記述される構成要素が、それらが意図された様式で機能することができるような関係にある並置を指すコード配列に「動作可能なように連結した」対照配列は、対照配列に適合する条件下でコード配列の発現が達成されるように結合されている。「動作可能なように連結した」配列には、関心の遺伝子と隣接する発現制御配列および、トランスにまたは距離を置いて作用して対象の遺伝子を制御する発現制御配列の両方を含む。「発現制御配列」という用語は、本明細書において用いられる場合、それらが結合されているコード配列の発現およびプロセッシングを生じさせるために必要なポリヌクレオチド配列を指す。「発現制御配列」には、適切な転写開始終結、プロモーターおよびエンハンサー配列スプライシングおよびポリアデニル化シグナルなどの効率的RNAプロセシングシグナル、細胞質mRNAを安定化する配列、翻訳効率強化する配列(すなわち、コザック配列)、タンパク質安定性を強化する配列、および望ましい場合、タンパク質分泌を強化する配列を含む。このような制御配列性質は、宿主生物によって異なる。例えば、原核生物では、このような制御配列は一般的に、プロモーター、リボソーム結合部位、および転写終結配列を含む一方、真核生物では、一般的に、このような制御配列はプロモーターおよび転写終結配列を含む。「制御配列」という用語は、その存在が発現およびプロセシングのために必須である要素を含むことを意図しており、その存在が有利である追加的要素、例えば、リーダー配列および融合パートナー配列も含むことができる。

0086

本明細書において用いられる場合、「ポリペプチド」という用語は、アミノ酸の任意のポリマー鎖を指す。一部の実施形態では、ポリペプチドは、自然界に存在するアミノ酸配列を持つ。一部の実施形態では、ポリペプチドは、自然界に存在しないアミノ酸配列を持つ。一部の実施形態では、ポリペプチドは、お互いに別々に自然界に存在する部分を含むアミノ酸配列を持つ(すなわち、例えば、ヒトおよび非ヒト部分など、二つ以上の異なる生物からのもの)。一部の実施形態では、ポリペプチドは、それが人の手の作用を通して、設計および/または生産されるという点で、遺伝子操作されたアミノ酸配列を持つ。

0087

「組み換え」という用語は、本明細書において用いられる場合、組み換え手段によって設計、操作、調製、発現、生成または単離されたポリペプチド(例えば、本明細書に記述されるCD47ポリペプチド)を指すことが意図されており、例えば、宿主細胞中にトランスフェクトされた組み換え発現ベクターを使用して発現されたポリペプチド、組み換えコンビナトリアルヒトポリペプチドライブラリから単離されたポリペプチド(Hoogenboom H. R., (1997) TIB Tech. 15:62-70; Azzazy H., and Highsmith W. E., (2002) Clin. Biochem. 35:425-445; Gavilondo J. V., and Larrick J. W. (2002) BioTechniques 29:128-145; Hoogenboom H., and Chames P. (2000) Immunology Today 21:371-378)、ヒト免疫グロブリン遺伝子に対しトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離された抗体(例えば、Taylor, L. D., et al. (1992) Nucl. AcidsRes. 20:6287-6295; Kellermann S-A., and Green L. L. (2002) Current Opinion in Biotechnology 13:593-597; Little M. et al. (2000) Immunology Today 21:364-370; Murphy, A.J., et al. (2014) Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 111(14):5153-5158を参照)または選択された配列要素の相互スプライスを伴うその他の任意の手段によって調製、発現、生成または単離されたポリペプチドを指す。一部の実施形態では、このような選択された配列要素の一つ以上は自然界に存在する。一部の実施形態では、このような選択された配列要素の一つ以上はインシリコで設計される。一部の実施形態では、一つ以上のこのような選択配列要素は、例えば、天然または合成起源の既知の配列要素の変異誘導(例えば、インビボまたはインビトロ)から生じる。例えば、一部の実施形態では、組み換えポリペプチドは、対象のソース生物(例えば、ヒト、マウスなど)のゲノムに見られる配列から成る。一部の実施形態では、組み換えポリペプチドは、変異誘導(例えば、非ヒト動物での、インビトロまたはインビボ)から生じるアミノ酸配列を持ち、従って、組み換えポリペプチドのアミノ酸配列は、ポリペプチド配列から由来するが、インビボで非ヒト動物のゲノム内に自然には存在しない場合がある。

0088

「置換」という用語は、本明細書において用いられる場合、(例えば、ゲノム中などの)宿主遺伝子座に存在する「置換される」核酸配列(例えば、遺伝子など)がその遺伝子座から取り除かれ、別の「置換」核酸がその場所に配置されるプロセスを指す。一部の実施形態では、置換された核酸配列および置換用核酸配列は、例えば、それらがお互いに相同である、および/または対応する要素(例えば、タンパク質コード要素調節要素など)を含むという点でお互いに同等である。一部の実施形態では、置換された核酸配列には、プロモーター、エンハンサースプライス供与部位スプライス受容部位、イントロン、エクソン、非翻訳領域(UTR)のうち一つ以上を含み、一部の実施形態では、置換用核酸配列には、一つ以上のコード配列を含む。一部の実施形態では、置換用核酸配列は置換された核酸配列のホモログである。一部の実施形態では、置換用核酸配列は置換された配列のオルソログである。一部の実施形態では、置換用核酸配列はヒト核酸配列であるかまたはそれを備える。一部の実施形態では、置換用核酸配列がヒト核酸配列であるかまたはそれを備える場合を含め、置換された核酸配列は齧歯類配列(例えば、マウスまたはラット配列)であるかまたはそれを備える。そのように配置された核酸配列は、そのように配置された配列を得るために使用されるソース核酸配列の一部である一つ以上の調節配列を含む場合がある(例えば、プロモーター、エンハンサー、5'-または3'-非翻訳領域など)。例えば、さまざまな実施形態で、置換は、そのように配置された核酸配列(異種配列を備える)からの遺伝子産物の産生を生じさせる、内因性配列と異種配列との置き換えであるが、内因性配列の発現ではない。置換は、内因性ゲノム配列と、当該内因性配列によってコードされるタンパク質と類似した機能を有するタンパク質をコードする核酸配列との置換である(例えば、内因性ゲノム配列はCD47タンパク質をコードしており、DNA断片は一つ以上のヒトCD47タンパク質をコードしている)。さまざまな実施形態で、内因性遺伝子またはその断片は、対応するヒト遺伝子またはその断片で置換される。対応するヒト遺伝子またはその断片は、置換される内因性遺伝子またはその断片のオルソログである、またはそれと構造および/もしくは機能が実質的に類似しているかもしくは同じヒト遺伝子または断片である。

0089

本明細書において用いられる場合、「cluster of differentiation 47タンパク質」または「CD47タンパク質」という文言は、イムノグロブリンスーパーファミリーに属する複数回貫通型膜タンパク質を指し、細胞外アミノ末端イムノグロブリンVドメイン、5つの膜貫通ドメイン、および短いカルボキシル末端細胞内尾部を有している。CD47は細胞表面上に発現し、たとえばインテグリン、SIRPα、およびトロンボスポンジン−1(TSP-1)などの膜表面タンパク質間の相互作用関与している。CD47は正常組織中において発現され、多くのヒトの癌において上方制御されている。CD47は、たとえばアポトーシス、増殖、付着、および遊走などのいくつかの細胞プロセスに関与していることが示されている。数種の選択的スプライス型CD47アイソフォームがマウスとヒトの間で同定されている。例示として、マウスおよびヒトのCD47遺伝子のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列を表3に提示する。当業者であれば、本開示を読むことで、ゲノム中の一つ以上の内因性CD47遺伝子(またはすべて)が、一つ以上の異種CD47遺伝子(例えば、多型バリアントサブタイプまたは突然変異体、別の種由来の遺伝子、ヒト化型など)で置換され得ることを認識するであろう。

0090

本明細書において用いられる場合、「CD47発現細胞」とは、CD47膜貫通型タンパク質を発現する細胞を指す。一部の実施形態では、CD47発現細胞は、その表面上でCD47膜貫通型タンパク質を発現している。一部の実施形態では、CD47タンパク質は、その細胞表面上に発現されたCD47膜貫通型タンパク質を介した細胞間相互作用を調節するのに十分な量で、細胞表面上に発現される。例示的なCD47発現細胞としては、神経細胞免疫細胞角化細胞および循環細胞が挙げられる。CD47発現細胞は、たとえば付着、細胞増殖および/またはアポトーシス、血管新生ならびに炎症などの様々な細胞プロセスを制御するために、免疫細胞と循環細胞の相互作用を制御している。一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物は、当該非ヒト動物の一つ以上の細胞表面上に発現されたヒト化CD47タンパク質を介した、(本明細書に記述された)さまざまな細胞プロセスの制御を示している。

0091

「参照」という用語は、本明細書において、対象の剤、動物、コホート個人集団サンプル、配列または値が比較される、標準または対照の剤、コホート、個人、集団、サンプル、配列または値を記述するために用いられる 一部の実施形態では、参照薬剤、コホート、個人、集団、サンプル、配列または値は、対象の薬剤、コホート、個人、集団、サンプル、配列または値の試験または決定と実質的に同時に試験および/または決定される。一部の実施形態では、参照薬剤、コホート、個人、集団、サンプル、配列または値は、随意有形媒体具現化された歴史的参照である。一部の実施形態では、参照は対照を指す場合がある。本明細書で使用される場合、「参照」は「参照動物」を指す場合がある。「参照動物」は本明細書に記述された改変、本明細書に記述されたものとは異なる改変を持つか、または未改変(すなわち、野生型動物)である場合がある。一般的には、当業者には理解されるであろうように、参照薬剤、動物、コホート、個人、集団、サンプル、配列または値は、対象の薬剤、動物(例えば、哺乳類)、コホート、個人、集団、サンプル、配列または値を決定または特徴付けるために利用されるものと同等の条件下で決定または特徴付けられる。

0092

「実質的に」という用語は、本明細書において用いられる場合、対象の特徴または特性のすべての、またはほぼすべての範囲または程度を示す定性的な状態を指す。生物学分野の当業者であれば、生物学的および化学的な現象はあったとしても、完了まで進む、および/または完全な状態まで進行する、または絶対的な結果を達成または避けることは稀であることを理解するであろう。従って「実質的に」という用語は本明細書では、多くの生物学的および化学的現象固有の完全性の欠如の可能性をとらえるために使用される。

0093

「実質的な相同性」という文言は、本明細書において用いられる場合、アミノ酸配列または核酸配列の間の比較を指す 当業者であれば理解するように、二つの配列はそれらが対応する位置に相同な残基を含む場合、「実質的に相同」であると一般的にみなされる。相同残基は同一の残基である場合がある。あるいは、相同残基は、適切に類似の構造および/または機能的特徴を持つ非同一残基である場合がある。例えば、当業者には周知のように、特定のアミノ酸は「疎水性」または「親水性」アミノ酸、および/または「極性」または「非極性」側鎖を持つものとして一般的に分類される。一つのアミノ酸の同じタイプの別のアミノ酸での置換は、「相同」置換とみなされる場合がよくある。一般的なアミノ酸分類が表1および2に要約されている。

0094

当技術分野で周知のように、アミノ酸または核酸配列は、ヌクレオチド配列に対するBLASTNおよびBLASTP、gapped BLAST、およびアミノ酸配列に対するPSI-BLASTなどの市販のコンピュータプログラム利用可能なものを含む、さまざまなアルゴリズムの任意のものを使用して比較することができる。かかるプログラムの例示は、Altschul et al.,(1990) Basic local alignment search tool, J. Mol. Biol., 215(3): 403-410、Altschul et al.,(1997) Methodsin Enzymology、Altschul et al.,"Gapped BLAST and PSI-BLAST: a new generation of protein database search programs", Nucleic Acids Res. 25:3389-3402、Baxevanis et al., (1998) Bioinformatics: A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins, Wiley、およびMisener et al.,(eds.)(1999) Bioinformatics Methods and Protocols (Methods in Molecular Biology, Vol. 132), Humana Pressに記述されている。相同配列を特定することに加えて、上述のプログラムは相同性の程度の指標を一般的に提供する。一部の実施形態では、二つの配列は、残基の関連する区間に渡って、その対応残基の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上が相同の場合、実質的に相同であるとみなされる。一部の実施形態では、関連する区間は完全配列である。一部の実施形態では、関連する区間は少なくとも9、10、11、12、13、14、15、16、17またはそれ以上の残基である。一部の実施形態では、関連する区間は完全配列に沿った隣接残基を含む。一部の実施形態では、関連する区間は完全配列に沿った不連続残基を含む。一部の実施形態では、関連する区間は少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50またはそれ以上の残基である。

0095

「実質的な同一性」という文言は、本明細書において用いられる場合、アミノ酸配列または核酸配列間の間の比較を指す。当業者であれば理解するように、二つの配列はそれらが対応する位置に同一な残基を含む場合、「実質的に同一」であると一般的にみなされる。当技術分野で周知のように、アミノ酸または核酸配列は、ヌクレオチド配列に対するBLASTNおよびBLASTP、gapped BLAST、およびアミノ酸配列に対するPSI-BLASTなどの市販のコンピュータプログラムで利用可能なものを含む、さまざまなアルゴリズムの任意のものを使用して比較することができる。かかるプログラムの例示は、Altschul et al.,(1990) Basic local alignment search tool, J. Mol. Biol., 215(3): 403-410、Altschul et al., (1997) Methodsin Enzymology、Altschul et al.,"Gapped BLAST and PSI-BLAST: a new generation of protein database search programs", Nucleic Acids Res. 25:3389-3402、Baxevanis et al.,(1998) Bioinformatics: A Practical Guide to the Analysis of Genes and Proteins, Wiley、およびMisener et al.,(eds.) (1999) Bioinformatics Methods and Protocols (Methods in Molecular Biology, Vol. 132), Humana Pressに記述されている。同一配列の特定に加え、上述のプログラムは多くの場合、同一性の程度の指標も提供する。一部の実施形態では、二つの配列は、残基の関連する区間に渡って、その対応残基の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上が同一の場合、実質的に同一であるとみなされる。一部の実施形態では、関連する区間は完全配列である。一部の実施形態では、関連する区間は少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50またはそれ以上の残基である。

0096

標的化ベクター」または「標的化構築物」という語句は、本明細書において用いられる場合、標的化領域を備えるポリヌクレオチド分子を指す。標的化領域は、標的細胞、組織または動物の配列と同一または実質的に同一の配列を備え、相同組み換えにより、標的化構築物を、細胞、組織または動物のゲノム内の位置に統合する。部位特異的リコンビナーゼ認識部位(例えば、loxPまたはFrt部位)を使用して狙う標的化領域も含まれる。一部の実施形態では、本発明の標的化構築物は、特に関心のある核酸配列または遺伝子、選択可能マーカー、制御およびまたは調節配列、ならびにこのような配列が関与する組み換えを支援または促進するタンパク質の外からの追加を通して媒介される組み換えを許容するその他の核酸配列をさらに備える。一部の実施形態では、本発明の標的化構築物は対象の遺伝子の全部または一部をさらに備え、対象の遺伝子は、内因性配列によってコードされるタンパク質と類似の機能を持つたんぱく質の全部または一部をコードする異種遺伝子である。一部の実施形態では、本発明の標的化構築物は対象のヒト化遺伝子の全部または一部をさらに備え、対象のヒト化遺伝子は、内因性配列によってコードされるタンパク質と類似の機能を持つたんぱく質の全部または一部をコードする対象のヒト化遺伝子である。

0097

バリアント」という用語は、本明細書において用いられる場合、参照実体と高い構造的同一性を示すが、参照実体と比較し、一つ以上の化学的部分の存在下で、または一つ以上の化学的部分のレベルで、参照実体とは構造的に異なる実体を指す。多くの実施形態では、「バリアント」は、その参照実体とは機能的にも異なる。一般的に、特定の実体が、参照実体の「バリアント」と正しくみなされるかどうかは、参照実体とのその構造同一性の程度に基づく。当業者であれば理解するように、すべての生物学的または化学的参照実体は特定の特徴的構造要素を持つ。「バリアント」は、定義によると、一つ以上のこのような特徴的構造要素を共有する別個化学的実体である。いくつかの例を挙げると、小分子は特徴的なコア構造要素(例えば、マクロサイクルコア)および/または一つ以上の特徴的懸垂部分を持つ場合があり、従って小分子のバリアントは、コア構造要素および特徴的懸垂部分を共有するが、その他の懸垂部分および/またはコア内に存在する結合のタイプ(単に対する二重、Eに対するZなど)が異なるものであり、ポリペプチドは、直線または三次元空間でお互いに対して指定された位置を持つおよび/または特定の生物学的機能に寄与する複数のアミノ酸から成る特徴的配列要素を持つ場合があり、核酸は、直線または三次元空間でお互いに対して指定された位置を持つ複数のヌクレオチド残基から成る特徴的配列要素を持つ場合がある。例えば、「バリアントポリペプチド」は、アミノ酸配列の一つ以上の差異および/またはポリペプチド骨格に共有結合した化学的部分(例えば、炭化水素、脂質など)の一つ以上の差異の結果として、参照ポリペプチドとは異なる場合がある。一部の実施形態では、「バリアントポリペプチド」は、参照ポリペプチドと少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、または99%の全体的配列同一性を示す。あるいはまたはさらに、一部の実施形態では、「バリアントポリペプチド」は、少なくとも一つの特徴的配列要素を参照ポリペプチドと共有しない。一部の実施形態では、参照ポリペプチドは一つ以上の生物活性を持つ。一部の実施形態では、「バリアントポリペプチド」は参照ポリペプチドの生物活性の一つ以上を共有する。一部の実施形態では、「バリアントポリペプチド」は参照ポリペプチドの生物活性の一つ以上を欠く。一部の実施形態では、「バリアントポリペプチド」は参照ポリペプチドと比べて一つ以上の生物活性のレベル減少を示す。多くの実施形態で、特定位置での少数配列変更がなければ対象のポリペプチドが親のものと同一のアミノ酸配列を持つ場合、対象のポリペプチドは親または参照ポリペプチドの「バリアント」であるとみなされる。一般的に、親と比べて、バリアントの残基の20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%未満が置換される。一部の実施形態では、「バリアント」は親と比べて、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個の置換残基を持つ。しばしば、「バリアント」は、非常に少数の(例えば、5、4、3、2、または1未満)の置換された機能残基(すなわち、特定の生物活性に参加する残基)を持つ。さらに、「バリアント」は一般的には5、4、3、2、または1以下の付加または欠失を持ち、親と比べて付加または欠失を持たないことがよくある。さらに、任意の付加または欠失は一般的には、約25、約20、約19、約18、約17、約16、約15、約14、約13、約10、約9、約8、約7、約6未満であり、通常は約5、約4、約3、または約2残基である。一部の実施形態では、親または参照ポリペプチドは自然界に見られるものである。当業者であれば理解するように、特に対象のポリペプチドが感染因子ペプチドである時、対象の特定ポリペプチドの複数のバリアントは、通常は自然界に見られる場合がある。

0098

ベクター」という用語は、本明細書において用いられる場合、それが関連している別の核酸を輸送することができる核酸分子を指す。一部の実施形態では、ベクターは、染色体外複製および/または、真核および/または原核細胞などの宿主細胞中でそれらが連結している核酸の発現能力がある。動作可能なように連結された遺伝子の発現を方向付けることができるベクターは、本明細書では「発現ベクター」と呼ばれる。

0099

「野生型」という用語は、本明細書において用いられる場合、(変異体、病的、改変などと対照をなす)「正常」な状態または状況で自然界に存在する構造および/または活性を有する実体を指す当技術分野に理解されている意味を有する。当業者であれば、野生型遺伝子およびポリペプチドはしばしば複数の異なる形態(例えば、アレル)で存在することを理解するであろう。
[発明を実施するための形態]

0100

本発明は、特に、癌の治療のためのcluster of differentiation 47(CD47)拮抗薬(たとえば、抗CD47抗体)の治療有効性を決定するための、ならびに移植片生着、活性化および貪食およびシグナル伝達のアッセイのための、CD47遺伝子をコードするヒト化遺伝物質を有する改良された、および/または操作された非ヒト動物を提供するものである。このような非ヒト動物は、CD47拮抗薬の治療有効性の決定、およびそれらのCD47阻害能力の決定における改善を提供することが予期される。また、このような非ヒト動物は、ヒト細胞の移植片生着における改善を提供することが予期される。したがって、本発明は、様々な癌の治療のための抗CD47治療剤の開発、ならびに非ヒト動物におけるヒト造血細胞の維持に特に有用である。特に、本発明は、非ヒト動物の細胞表面上にヒト化CD47タンパク質の発現を生じさせる、マウスCD47遺伝子のヒト化を包含する。かかるヒト化CD47タンパク質は、腫瘍細胞の貪食を活性化させる抗CD47治療剤の有効性を決定するための、ヒトCD47+細胞の源を提供する能力を有している。さらに、かかるヒト化CD47タンパク質は、生着ヒト細胞の表面上に存在するリガンド(たとえば、SIRPα)と他の細胞表面タンパク質の結合を介して、当該生着ヒト細胞を認識する能力を有している。一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物は、当該非ヒト動物の細胞表面上に発現されたヒト化CD47タンパク質を経由したCD47シグナル伝達の阻害を介して、貪食を活性化させることができる。一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物は、移植されたヒト造血細胞を受け入れることができる。一部の実施形態では、かかる非ヒト哺乳動物は、ヒト細胞を備える免疫系を発現、および/または有する。一部の実施形態では、ヒト化CD47タンパク質は、ヒトCD47タンパク質のN末端イムノグロブリンVドメインに相当する配列を有する。一部の実施形態では、ヒト化CD47タンパク質は、ヒトCD47タンパク質の細胞外部分と膜貫通部分を備えたヒトCD47タンパク質のN末端部分に相当する配列を有しており、この場合において、当該細胞外部分は、ヒトCD47タンパク質のN末端イムノグロブリンVドメインを含有し、当該膜貫通部分は、ヒトCD47タンパク質の5つの膜貫通ドメインを含有している。一部の実施形態では、ヒト化CD47タンパク質は、非ヒト(たとえばマウス)のCD47タンパク質の細胞質内尾部に相当する配列を有している。一部の実施形態では、ヒト化CD47タンパク質は、ヒトCD47タンパク質のアミノ酸残基19〜292(または19〜141、または19〜127)に相当する配列を有している。一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物は、非ヒト動物および異種の種(例えば、ヒト)からの遺伝物質を含む内因性CD47遺伝子を備えている。一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物は、ヒト化CD47遺伝子を備えており、この場合において、当該ヒト化CD47遺伝子は、ヒトCD47遺伝子のN末端イムノグロブリンVドメインを含む細胞外部分をコードするヒトCD47遺伝子のエクソンを備えている。一部の実施形態では、ヒト化CD47遺伝子は、ヒトCD47タンパク質の細胞外部分と膜貫通部分を備えたヒトCD47タンパク質のN末端部分をコードする、たとえばエクソン2〜7などのヒトCD47のエクソンを備えており、この場合において、当該細胞外部分は、ヒトCD47タンパク質のN末端イムノグロブリンVドメインを含み、当該膜貫通部分はヒトCD47タンパク質の5つの膜貫通ドメインを含んでいる。一部の実施形態では、ヒト化CD47遺伝子は、全部または一部のシグナルペプチド、および非ヒトCD47タンパク質の細胞質内尾部をコードする非ヒトCD47エクソンを備えている。一部の実施形態では、ヒト化CD47遺伝子は、非ヒトCD47エクソン1と、細胞質内尾部および3'UTRをコードするエクソン7の下流のエクソン(複数含む)を備えている。アイソフォームによっては、すべてのアイソフォームの最後のエクソンに存在する停止コドンと3'UTRとともに、エクソン7の下流に一つ以上のエクソンが存在する。たとえば、表3に示されるマウスとヒトのCD47の両方のアイソフォーム2は、エクソン7の下流に二つのエクソンを有しており、それらはエクソン8および9と指定されている。

0101

本発明のさまざまな態様が以下のセクションに詳細に記述されている。セクションの使用は本発明を限定することを意図しない。各セクションは本発明の任意の態様に適用することができる。本明細書では、特に指定のない限り、「または」の使用は「および/または」を意味する。
Cluster of Differentiation 47(CD47)遺伝子

0102

CD47は、元々はその免疫細胞上のインテグリンからのシグナル伝達における役割から、インテグリン関連タンパク質(IAP:integrin-associated protein)と名付けられていた、N末端イムノグロブリンVドメイン、5つの膜貫通ドメイン、および短いC末端細胞質内尾部を含む膜貫通型タンパク質である。特定されている4つの選択的スプライス型アイソフォームによると、細胞質内尾部は長さが異なっている。CD47(またはIAP)は当初、すべての組織上(アイソフォーム2)、神経細胞(アイソフォーム4)、ならびに角化細胞およびマクロファージ(アイソフォーム1:Reinhold et al. (1995) J. Cell Sci. 108:3419-3425を参照のこと)で発現していると記述されていた。アイソフォーム3は、この4つのアイソフォームの中で2番目に長い細胞質内尾部を有しているにもかかわらず、ほとんど何も判明していない。CD47は、インテグリンに加え、たとえばトロンボスポンジン、およびSIRPファミリーメンバーなどのいくつかの他の細胞表面タンパク質と相互作用することが知られている。特に、CD47は、SIRPαと相互作用し、たとえば貪食阻害およびT細胞活性化などの様々な細胞間応答を制御する二方向性のシグナル伝達を生じさせる。実際に近年、CD47-SIRPαの相互作用は、腫瘍細胞に免疫監視を逃れる能力をもたらすというその役割が明らかとなった。CD47のSIRPαへの結合は通常、抗貪食シグナル(「食べないで」)を通して正常細胞に保護をもたらすものである。しかしながら、腫瘍細胞もまた、貪食による破壊を逃れるためのCD47を含む抗貪食シグナルを発現していることが発見された。興味深いことに、CD47は数種の血液癌において上方制御されており、これが腫瘍成長播種の両方に貢献していることが知られている(Chao et al. (2012)Curr Opin Immunol.24(2): 225-232)。

0103

癌に対する新たな治療法としてCD47とCD47-SIRPα経路を標的とする場合の効果のすべては明らかになっておらず、いくつか毒性の可能性が調査されている。将来的により優れた癌治療のための標的化療法を開発するためには、CD47のシグナル伝達と、CD47-SIRPα経路に関するより徹底した詳細な理解が必要である。
CD47配列

0104

マウスとヒトの例示的なCD47配列を表3に解説する。mRNA配列については、太字はコード配列を示し、その太字で示されているなかで、連続したエクソンは、交互の下線文字により分けられている。マウスとヒトのタンパク質配列に関しては、シグナルペプチドは下線を引かれており、細胞外配列は太字、細胞質内配列は斜体となっている。ヒト化タンパク質配列に関しては、非ヒト配列は通常のフォントで示され、ヒト配列は太字で示され、シグナルペプチドは下線を引かれている。示されているとおり、アイソフォームはエクソンの数が異なっている。たとえば、ヒトCD47遺伝子のアイソフォーム1〜4は、総数でそれぞれ8個、9個、10個および11個のエクソンを有しており、各アイソフォームのエクソン2〜7は細胞外ドメインと5つの膜貫通ドメインをコードしている。











































































ヒト化CD47非ヒト動物

0105

CD47タンパク質をコードする非ヒト動物の内因性遺伝子座の遺伝子改変から生じる非ヒト動物の細胞表面上に、ヒト化CD47タンパク質を発現する非ヒト動物が提供される。本明細書に記述された適切な例には齧歯類、特にマウスが含まれる。

0106

一部の実施形態では、ヒト化CD47遺伝子は、異種の種(例えば、ヒト)からの遺伝物質を備え、ヒト化CD47遺伝子は異種の種由来の遺伝物質のコード化部分を備えるCD47タンパク質をコードする。一部の実施形態では、本発明のヒト化CD47遺伝子は、細胞の細胞膜上に発現されるCD47タンパク質の細胞外部分をコードする異種の種のゲノムDNAを備える。一部の実施形態では、本発明のヒト化CD47遺伝子は、細胞の細胞膜上に発現されるCD47タンパク質の細胞外部分と膜貫通部分をコードする異種の種のゲノムDNAを備える。当該ヒト化CD47遺伝子を含む非ヒト動物、非ヒト胚、および細胞を作製するための非ヒト動物、胚、細胞および標的化構築物も提供される。

0107

一部の実施形態では、内因性CD47遺伝子は削除されている。一部の実施形態では、内因性CD47は変更されており、内因性CD47遺伝子の一部分が異種配列(例えば、ヒトCD47配列の全部または一部)で置換されている。一部の実施形態では、内因性CD47遺伝子のすべてまたは実質的にすべてが、異種の遺伝子(例えば、ヒトCD47遺伝子)で置換される。一部の実施形態では、異種CD47遺伝子の一部分が、内因性CD47遺伝子座で、内因性非ヒトCD47遺伝子に挿入される。一部の実施形態では、異種遺伝子はヒト遺伝子である。一部の実施形態では、改変またはヒト化は、内因性CD47遺伝子の二つの複製のうちの一つに対して行われ、それによりヒト化CD47遺伝子に対してヘテロ接合性の非ヒト動物を生じさせる。その他の実施形態では、ヒト化CD47遺伝子に対してホモ接合性の非ヒト動物が提供される。

0108

本発明の非ヒト動物は、全部または一部のヒトCD47を内因性非ヒトCD47遺伝子座に含有する。従って、このような非ヒト動物は異種CD47遺伝子を有するとして記述されることができる。内因性CD47遺伝子座で置換、挿入、改変または変更されたCD47遺伝子は、たとえばPCRウェスタンブロットサザンブロット制限酵素断片長多型(RFLP)、または対立遺伝子の獲得または欠失アッセイを含む、さまざまな方法を使用して検出できる。一部の実施形態では、非ヒト動物は、ヒト化CD47遺伝子に関してヘテロ接合性である。その他の実施形態では、非ヒト動物は、ヒト化CD47遺伝子に関してホモ接合性である。

0109

さまざまな実施形態で、本発明によるヒト化CD47遺伝子は、第二、第三、第四、第五、第六および第七のエクソンを有するCD47遺伝子を含み、各エクソンは表3のヒトCD47遺伝子に見られる第二、第三、第四、第五、第六および第七のエクソンと少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上)同一の配列を有する。

0110

さまざまな実施形態で、本発明によるヒト化CD47遺伝子は、第一のエクソンと、エクソン7の下流のエクソン(複数含む)(たとえばアイソフォーム2の第八エクソンおよび第九エクソン)を有するCD47遺伝子を含み、各エクソンは、表3のマウスCD47に見られる各エクソンと少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上)同一の配列を有する。

0111

さまざまな実施形態で、本発明によるヒト化CD47遺伝子は、5’非翻訳領域と3’非翻訳領域を有するCD47遺伝子を含み、各領域は表3のマウスCD47遺伝子に見られる5’非翻訳領域および3’非翻訳領域と少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上)同一の配列を有する。

0112

さまざまな実施形態で、本発明によるヒト化CD47遺伝子は、表3のヒトCD47ヌクレオチドコード化配列に見られるヌクレオチドコード化配列と少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上)同一のヌクレオチドコード化配列(例えば、cDNA配列)を有するCD47遺伝子を含む。

0113

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物によって生産されるヒト化CD47タンパク質は、表3に見られるヒトCD47タンパク質の細胞外部分と少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上)同一のアミノ酸配列を有する細胞外部分を有する。

0114

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物によって生産されるヒト化CD47タンパク質は、表3のヒトCD47タンパク質に見られるアミノ酸残基19〜141と同一のアミノ酸配列を有する細胞外部分を有する。

0115

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物によって生産されるヒト化CD47タンパク質は、表3に見られるヒトCD47タンパク質のN末端イムノグロブリンVドメインと少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上)同一であるアミノ酸配列を有するN末端免疫グロブリンVドメインを有する。

0116

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物によって生産されるヒト化CD47タンパク質は、表3のヒトCD47タンパク質に見られるアミノ酸残基19〜127と同一のアミノ酸配列を有するN末端免疫グロブリンVドメインを有する。

0117

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物によって生産されるヒト化CD47タンパク質は、N末端免疫グロブリンVドメインおよび5つの膜貫通ドメインを有し、各ドメインは、表3に見られるヒトCD47タンパク質のN末端免疫グロブリンVドメインおよび5つの膜貫通ドメインと、少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上)同一である配列を有する。

0118

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物によって生産されるヒト化CD47タンパク質は、表3に見られるマウスCD47タンパク質の細胞質内尾部と少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上)同一である配列を有する細胞質内尾部を持つ。

0119

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物によって生産されるヒト化CD47タンパク質は、表3のヒトCD47タンパク質に見られるアミノ酸残基16〜292と少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上)同一であるアミノ酸配列を有する。

0120

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物によって生産されるヒト化CD47タンパク質は、表3のヒトCD47タンパク質に見られるアミノ酸残基19〜292と少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上)同一であるアミノ酸配列を有する。

0121

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物によって生産されるヒト化CD47タンパク質は、表3のヒトCD47タンパク質に見られるアミノ酸残基19〜292(または16〜292)と同一であるアミノ酸配列を有する。

0122

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物によって生産されるヒト化CD47タンパク質は、表3に見られるヒト化CD47タンパク質のアミノ酸配列と少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上)同一であるアミノ酸配列を有する。

0123

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物によって生産されるヒト化CD47タンパク質は、表3に見られるヒト化CD47タンパク質のアミノ酸配列と同一であるアミノ酸配列を有する。

0124

特定の多型体、対立遺伝子多型(例えば、一アミノ酸差異)または選択的スプライス型アイソフォームを含む、ヒト化CD47タンパク質を発現する非ヒト動物を作るための組成物および方法が提供されており、かかるタンパク質をヒトプロモーターおよびヒト調節配列から発現する非ヒト動物を作るための組成物および方法も含む。一部の実施形態では、かかるタンパク質を内因性プロモーターおよび内因性調節配列から発現する非ヒト動物を作るための組成物および方法も提供されている。当該方法は、ヒトCD47タンパク質の全部または一部をコードする遺伝物質を、内因性CD47遺伝子に相当する非ヒト動物のゲノムの正確な位置に挿入すること、およびそれによって、全部または一部がヒトであるCD47タンパク質を発現するヒト化CD47遺伝子を生成することを含む。一部の実施形態では、当該方法は、ヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7に相当するゲノムDNAを非ヒト動物の内因性CD47遺伝子に挿入すること、およびそれによって、挿入されたエクソンによりコードされるアミノ酸を含有するヒト部分を含むCD47タンパク質をコードするヒト化遺伝子を生成することを含む。

0125

適切な場合、ヒトCD47タンパク質の全部または一部をコードする遺伝物質またはポリヌクレオチド配列のコード領域は、非ヒト動物での発現のために最適化されたコドンを含むように改変される場合がある(例えば、米国特許第5,670,356号および第5,874,304号を参照)。コドン最適化配列は合成配列であり、非コドン最適化親ポリヌクレオチドによってコードされる同一ポリペプチド(または全長ポリペプチドと実質的に同じ活性を有する全長ポリペプチドの生物活性断片)をコードすることが好ましい。一部の実施形態では、ヒトCD47タンパク質の全部または一部をコードする遺伝物質のコード領域は、特定の細胞型(例えば、齧歯類細胞)に対してコドン使用頻度を最適化するように変更された配列を含む場合がある。例えば、非ヒト動物(例えば、齧歯類)の内因性CD47遺伝子に挿入される、ヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7に相当するゲノムDNAのコドンは、非ヒト動物の細胞での発現のために最適化される場合がある。このような配列はコドン最適化配列として記述される場合がある。

0126

さまざまな実施形態で、CD47配列のゲノム配列は単一断片中で改変され、それにより必要な調節配列を含むことによって正常な機能が維持されるため、ヒト化CD47遺伝子の方法は、相対的に最小限の内因性遺伝子の改変を用いることにより、非ヒト動物において自然な状態のCD47介在性シグナル伝達を生じさせている。従って、かかる実施形態では、CD47遺伝子の改変はその他の周囲の遺伝子またはその他の内因性CD47−相互作用遺伝子(例えば、トロンボスポンジン、SIRP、インテグリンなど)に影響を与えない。さらに、さまざまな実施形態で、改変は、細胞膜上の機能的CD47膜貫通型タンパク質の組み立てに影響を与えず、結合および、改変によって影響を受けないタンパク質の細胞質部分を通したその後のシグナル伝達を介して正常なエフェクター機能を維持する。

0127

内因性マウスCD47遺伝子およびヒトCD47遺伝子のゲノム構造の略図(正確な縮尺ではない)が図1に提供されている。ヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7を含むゲノム断片を使用して、内因性マウスCD47遺伝子をヒト化するための例示的方法が図2に提供されている。図示されているように、ヒトCD47のエクソン2〜7を含有するゲノムDNAは、標的化構築物により内因性マウスCD47遺伝子座へと挿入されている。このゲノムDNAには、リガンド結合に関与するヒトCD47タンパク質の細胞外部分および膜貫通ドメイン(例えば、アミノ酸残基16〜292)をコードする遺伝子の部分を含む。

0128

内因性CD47遺伝子座にヒト化CD47遺伝子を有する非ヒト動物(例えば、マウス)は、当技術分野で公知の任意の方法で作ることができる。例えば、選択可能なマーカー遺伝子とともにヒトCD47遺伝子の全部または一部を導入する標的化ベクターを作ることができる。図2は、ヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7の挿入を備えるマウスゲノムの内因性CD47遺伝子座を図示している。図示されるように、標的化構築物は、内因性マウスCD47遺伝子(約39Kb)のエクソン2の上流の配列を含む5’ホモロジーアーム、次いでヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7を含有するゲノムDNA断片(約23.9Kb)、薬剤選択カセット(例えば、loxP配列の両側に隣接するネオマイシン耐性遺伝子、約5Kb)、および内因性マウスCD47遺伝子のエクソン7の下流配列を含有する3’ホモロジーアーム(約99Kb)を含む。標的化構築物は、自動削除薬剤選択カセット(例えば、loxP配列に隣接したネオマイシン耐性遺伝子、米国特許第8,697,851号、第8,518,392号および第8,354,389号を参照のこと。これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる)を含む。相同組み換えが行われると、内因性マウスCD47遺伝子のエクソン2〜7は、標的化ベクター中に含有される配列(すなわちヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7)により置換される。ヒト化CD47遺伝子が作られ、それによりヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7によりコードされるアミノ酸を含有するヒト化CD47タンパク質を発現する細胞または非ヒト動物がもたらされる。発生依存的な様式で除去された薬剤選択カセット、すなわち、その生殖系細胞が上述のヒト化CD47遺伝子を含むマウスから派生した子孫は、発生の間に分化した細胞から選択可能マーカーを脱落させる。

0129

本発明の非ヒト動物は、多くの場合、当該非ヒト動物の使用目的に応じて、上述のように作製され、または追加のヒト遺伝子もしくはヒト化遺伝子を含有させるための当技術分野に公知の方法を用いて作製されてもよい。かかる追加のヒト遺伝子またはヒト化遺伝子の遺伝物質は、上述の遺伝的改変を有する細胞(たとえば胚性幹細胞)のゲノムのさらなる改変を介して、または所望される他の遺伝子改変系統を用いた当分野に公知の交配技術を介して、導入される場合がある。一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物は、SIRPα(CD172a)、IL-3、M-CSFGM-CSF、およびTPOから選択されるヒト遺伝子またはヒト化遺伝子を一つ以上さらに備えるように作製される。一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物は、本明細書に記述されるように、標的化ベクターを、改変された系統由来の細胞へと導入することにより作製されてもよい。一例をあげると、上述の標的化ベクターは、Rag2を欠損およびIL-2Rγを欠損し、4つのヒトサイトカイン(Rag2-/- IL2Rγc/- ;M-CSFHu; IL-3/GM-CSFHu;hSIRPαtg;TPOHu)を含むマウスへと導入されてもよい。一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物は、ヒトまたはヒト化されたシグナル制御性タンパク質アルファ(SIRPα:signal-regulatory protein alpha)遺伝子をさらに備えるように作製される。一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物は、本明細書に記述されるヒト化CD47遺伝子、および異種の種(例えば、ヒト)由来の遺伝物質を備えており、この場合において当該遺伝物質は、SIRPα(CD172a)、IL-3、M-CSF、GM-CSF、およびTPOから選択される異種タンパク質を一つ以上、全部または一部、コードしている。一部の特定実施形態では、本発明の非ヒト動物は、本明細書に記述されるヒト化CD47遺伝子、および異種の種(例えば、ヒト)由来の遺伝物質を備えており、この場合において、当該遺伝物質は、異種(例えば、ヒト)のSIRPα(CD172a)タンパク質の全部または一部をコードしている。一部の特定実施形態では、本発明の非ヒト動物は、内因性部分およびヒト部分(例えば、ヒトSIRPα遺伝子のエクソン2〜4)を備えるSIRPα遺伝子をさらに備えており、この場合において、当該ヒト部分は、SIRPαタンパク質の細胞外ドメイン(例えば、ヒトSIRPαタンパク質の28〜362残基に相当するアミノ酸)をコードしており、当該内因性部分は、内因性SIRPαタンパク質の細胞内ドメインをコードしている。一部の実施形態では、ヒト部分および内因性部分は、内因性SIRPαプロモーターに動作可能なように連結されている。

0130

たとえば、本明細書において記述される場合、ヒト化CD47遺伝子を備えた非ヒト動物は、それら出願がその全体で参照により本明細書に援用される、2010年10月4日に出願されたPCT/US2010/051339、2013年9月6日に出願されたPCT/US2013/058448、2013年6月14日に出願されたPCT/US2013/045788、2014年9月23日に出願されたPCT/US2014/056910、2014年10月15日に出願されたPCT/US2014/060568、2014年2月14日に出願されたPCT/US2012/025040、2012年10月29日に出願されたPCT/US2012/062379、2014年11月10日に出願されたPCT/US2014/064806、および2014年11月10日に出願されたPCT/US2014/064810に記述される一つ以上の改変を(たとえば、交雑育種または複数の遺伝子標的化戦略を介して)さらに備えてもよい。ある実施形態では、ヒト化CD47遺伝子(すなわち、ヒト化CD47遺伝子がヒトCD47タンパク質の細胞外部分と齧歯類CD47タンパク質の細胞内部分を有するCD47ポリペプチドをコードするよう、内因性齧歯類CD47遺伝子のエクソン1とエクソン8(およびそれに伴い任意の下流のエクソン)に動作可能に連結されたヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7)を備える齧歯類が、ヒト化SIRPα遺伝子(たとえば、ヒト化SIRPα遺伝子が、ヒトSIRPαタンパク質の細胞外部分(たとえば28〜362残基に相当するアミノ酸)と齧歯類SIRPαタンパク質の細胞内部分を有するSIRPαポリペプチドをコードするよう、内因性齧歯類SIRPα遺伝子のエクソン1と5〜8に動作可能に連結されたヒトSIRPα遺伝子のエクソン2〜4。たとえば、参照により本明細書に援用される2014年9月23日に出願されたPCT/US2014/056910を参照のこと)を備える齧歯類と交配される。

0131

マウスにおいて、ヒト化CD47遺伝子を用いる実施形態(すなわち、ヒト部分およびマウス部分を含むCD47タンパク質をコードするCD47遺伝子を伴うマウス)が本明細書では広く検討されているが、ヒト化CD47遺伝子を備えるその他の非ヒト動物も提供される。一部の実施形態では、このような非ヒト動物は、内因性CD47プロモーターに動作可能なように連結したヒト化CD47遺伝子を備える。一部の実施形態では、このような非ヒト動物は、内因性遺伝子座からヒト化CD47タンパク質を発現し、この場合において、ヒト化CD47タンパク質はヒトCD47タンパク質のアミノ酸残基16〜292(または19〜141、または19〜127)を備える。このような非ヒト動物には、本明細書に開示されたCD47タンパク質を発現するように遺伝子改変されることができる非ヒト動物のいずれかを含み、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ブタ、ウシ(例えば、雌牛未去勢オスウシ、バッファロー)、シカ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリネコ、イヌ、フェレット、霊長類(例えば、マーモセットアカゲザル)などの哺乳類が含まれる。例えば、好適な遺伝子改変可能ES細胞が直ちに利用可能でない非ヒト動物については、遺伝子改変を含む非ヒト動物を作るために他の方法が採用される。このような方法には、例えば、非ES細胞ゲノム(例えば、線維芽細胞または人工多能性細胞)を改変すること、および体細胞核移植(SCNT)を利用して好適な細胞、例えば除核卵母細胞、に遺伝子改変されたゲノムを導入すること、および改変された細胞(例えば、改変された卵母細胞)を胚の形成に好適な条件下で非ヒト動物に懐胎させることが挙げられる。

0132

非ヒト動物ゲノム(例えば、ブタ、メスウシ、齧歯類、ニワトリなどのゲノム)の改変方法には、例えば、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)またはTALエフェクターヌクレアーゼ(transcription activator-like effector nuclease、TALEN)を用いて、ゲノムを改変し、ヒト化CD47遺伝子を含ませる方法などが含まれる。

0133

一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物は哺乳動物である。一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物は、例えばトビネズミ上科またはネズミ上科の小さな哺乳動物である。一部の実施形態では、本発明の遺伝子改変動物は齧歯類である。一部の実施形態では、本発明の齧歯類はマウス、ラット、ハムスターから選択される。一部の実施形態では、本発明の齧歯類はネズミ上科から選択される。一部の実施形態では、本発明の遺伝子改変動物は、ヨルマウス科(例えば、マウス様のハムスター)、キヌゲネズミ科(例えば、ハムスター、New Worldラットおよびマウス、ハタネズミ)、ネズミ科(純種のマウスおよびラット、アレチネズミトゲマウス、タテガミネズミ)、アシナガマウス科(キノボリマウス、ロックマウス、オジロラット、マダガスカルラットおよびマウス)、トゲヤマネ科(例えば、トゲヤマネ)、およびメクラネズミ科(例えば、メクラネズミ、タケネズミ、および高原モグラネズミ)から選択された科由来の動物である。一部の実施形態では、本発明の遺伝子改変齧歯類は、純種のマウスまたはラット(ネズミ科)、アレチネズミ、トゲマウス、およびタテガミネズミから選択される。一部の実施形態では、本発明の遺伝子改変マウスはネズミ科のメンバーからのものである。一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物は齧歯類である。一部の実施形態では、本発明の齧歯類はマウスおよびラットから選択される。一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物はマウスである。

0134

一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物は、C57BL/A、C57BL/An、C57BL/GrFa、C57BL/KaLwN、C57BL/6、C57BL/6J、C57BL/6ByJ、C57BL/6NJ、C57BL/10、C57BL/10ScSn、C57BL/10Cr、およびC57BL/Olaから選択されるC57BL系のマウスである齧歯類である。一部の特定実施形態では、本発明のマウスは、129P1、129P2、129P3、129X1、129S1(例えば、129S1/SV、129S1/SvIm)、129S2、129S4、129S5、129S9/SvEvH、129/SvJae、129S6(129/SvEvTac)、129S7、129S8、129T1、129T2である系統からなる群から選択される129系統である(例えば、Festing et al., 1999, Mammalian Genome 10:836; Auerbach, W. et al., 2000, Biotechniques 29(5):1024-1028, 1030, 1032を参照)。一部の実施形態では、本発明の遺伝子改変マウスは、前述の129系と前述のC57BL/6系との混合である。一部の実施形態では、本発明の遺伝子改変マウスは、前述の129系の混合、または前述のBL/6系の混合である。一部の実施形態では、本明細書に記述された混合の129系は129S6(129/SvEvTac)系である。一部の実施形態では、本発明のマウスはBALB系(例えばBALB/c系)である。一部の実施形態では、本発明のマウスはBALB系と別の前述の系との混合である。

0135

一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物はラットである。一部の実施形態では、本発明のラットは、ウィスターラットLEA系、Sprague Dawley系、フィッシャー系、F344、F6およびDark Agoutiから選択される。一部の実施形態では、本明細書に記述されたラット系は、ウィスター、LEA、Sprague Dawley、フィッシャー、F344、F6、およびDark Agoutiから成る群から選択された二つ以上の系の混合である。
ヒト化CD47遺伝子を有する非ヒト動物を用いる方法

0136

CD47変異およびトランスジェニック非ヒト動物(例えば、ミニブタ)および細胞が報告されている(Koshimizu H. et al. (2014)PLoS One, 9(2):e89584; Lavender, K.J. et al. (2014) J. Immunol. Methods, 407:127-134; Tena, A. et al. (2014) Am. J. Transplant. doi: 10.1111/ajt.12918; Lavender K.J. et al. (2013) Blood, 122(25):4013-4020; Tena, A. et al. (2012) Transplantation 94(10S):776; Wang, C. et al. (2011) Cell Transplant. 20(11-12):1915-1920; Johansen, M.L. and Brown, E.J. (2007) J. Biol. Chem. . 282:24219-24230; Wang, H. et al. (2007) Proc. Nat. Acad. Sci. U.S.A. 104:13744-13749; Tulasne D. et al. (2001) Blood, 98(12):3346-52; Oldenborg, P. et al. (2000) Science 288:2051-2054; Verdrengh, M. et al. (1999) Microbes Infect. 1(10):745-751; Chang, H.P. et al. (1999) Learn Mem. 6(5):448-457; Wang, X.Q. et al. (1999) J. Cell Biol. 147(2):389-400; Lindberg, F.P. et al. (1996) Science 274(5288):795-798)。かかる動物は、たとえばCD47の発現、機能および制御の分子的状況などを決定するためのさまざまなアッセイにおいて用いられている。少なからぬ種差が発見されている。実際に、非肥満性糖尿病重症複合型免疫不全(NOD/SCID)マウスは、ヒトCD47と相互作用可能なSIRPαタンパク質を発現し、ヒト免疫系の構成要素を有するマウスモデルの開発のために広範に用いられている(たとえば、Takenaka, K. et al. (2007) Nat. Immunol. 8(120:1313-1323を参照のこと)。これらマウス中に存在するSIRPα対立遺伝子は、他のマウス系統中に存在する典型的なSIRPα対立遺伝子ではなく、一般的に種間でCD47とSIRPαの間に交差反応はほとんど無い。また、マウス細胞上のCD47は、ほとんど完全な移動性を有している一方で、ヒト細胞上のCD47は約30%〜40%のみを示すことが報告されている(Bruce, L. et al. (2003) Blood 101:4180-4188; Mouro-Chanteloup, L. et al. (2000) VoxSanguinis 78:P030; Mouro-Chanteloup, L. et al. (2003) Blood 101:338-344) ゆえに、NOD/SCIDマウスは制限がないわけではない。たとえば、複数の系統のヒト造血発生が、一部の遺伝的背景において裏付けることができるが(たとえば、BALB/c Rag2-/-IL-2Rc-/- )、他の細胞型のホメオスタシスには役に立たないままである(たとえば、T細胞およびNK細胞。たとえばGimeno, R. et al. (2004) Blood 104:3886-3893; Traggiai, E. et al. (2004) Science 304:104-107; Legrand, N. et al. (2006) Blood 108:238-245を参照のこと)。さらに、CD47はまた、他の細胞表面タンパク質を相互作用し、二方向性のシグナル伝達をもたらすことも知られている。従って、たとえば生着および貪食などのさまざまな生物プロセスにおけるCD47依存性の機能の解明に関し、既存のマウスは非効率的なインビボ系となっている。さらに、既存のマウスは、CD47標的化治療の開発に対し、次善のインビボ系となっている。

0137

本発明の非ヒト動物は、さまざまなアッセイに有用なヒトCD47を発現する、改善されたインビボシステムおよび生体物質(例えば、細胞)の供給源を提供する。さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物は、CD47を標的とする療法および/またはCD47−SIRPαシグナル伝達を調節する療法の開発に使用される。さまざまな実施形態では、本発明の非ヒト動物は、ヒトCD47に結合する候補治療薬(例えば、抗体)をスクリーニング、および開発するために使用される。さまざまな実施形態では、本発明の非ヒト動物は、ヒトCD47とヒトSIRPαの相互作用を阻害する候補治療薬(例えば、抗体)をスクリーニングおよび開発するために使用される。さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物を用いて、本明細書に記述される非ヒト動物の細胞表面上のヒト化CD47の拮抗薬および/または作動薬の結合プロファイルが決定される。一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物を用いて、ヒトCD47に結合する一つ以上の治療用抗体候補のエピトープ(複数含む)が決定される。

0138

さまざまな実施形態では、本発明の非ヒト動物は、抗CD47抗体の薬物動態プロフィルを決定するために使用される。さまざまな実施形態で、本発明の一つ以上の非ヒト動物および一つ以上の対照または参照非ヒト動物が、それぞれ、一つ以上の治療用抗CD47抗体候補にさまざまな用量(例えば、0.1mg/kg、0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg、0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/mg、7.5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、40mg/kg、または50mg/kgまたはそれ以上)で曝露される。治療用抗体候補は、任意の所望される投与経路(たとえば、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内など)を介して投与されてもよい。非ヒト動物(ヒト化および対照)から血液がさまざまな時点(例えば、0時間、6時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、または最大30日またはそれ以上の日数)で単離される。さまざまなアッセイは、総IgG、抗治療抗体反応、凝集などを含むがこれらに限定されない、本明細書に記述された非ヒト動物から取得されたサンプルを使用して、投与された候補治療抗体の薬物動態プロファイルを決定するために実施される場合がある。

0139

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物を使用して、CD47シグナル伝達の阻害または調節の治療効果が測定され、および細胞変化の結果としての遺伝子発現への効果が測定される。さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物またはそれらから単離された細胞は、非ヒト動物の細胞表面上のヒト化CD47タンパク質(またはCD47タンパク質のヒト部分)に結合する治療薬候補に曝露され、それに引き続く期間の後、例えば、腫瘍(または腫瘍細胞)の接着、血管新生、アポトーシス、炎症、遊走、貪食、増殖およびクリアランスなどのCD47依存性プロセスに対する効果について分析される。

0140

本発明の非ヒト動物はヒト化CD47タンパク質を発現しており、ゆえに、例えば、特に拮抗薬または作動薬がヒトSIRPα配列またはエピトープに特異的である場合に、CD47の拮抗薬または作動薬の結合または機能を検証するための結合アッセイおよび機能アッセイに使用するためのヒト化CD47の供給源としての役割を果たす細胞、細胞株、および細胞培養物を生成することができる。さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物から単離された細胞を使用して、治療用抗体候補によって結合されるCD47のエピトープを決定することができる。

0141

本発明の非ヒト動物からの細胞は、その場限りで単離して使用するか、または多世代にわたって培養物中で維持することができる。さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物からの細胞は、不死化され、無期限に培養物中で(例えば、連続培養物中で)維持される。

0142

さまざまな実施形態で、本発明の細胞および/または非ヒト動物は、ヒトCD47シグナル伝達を調節する治療薬候補をスクリーニングおよび開発するための、(例えば、BまたはT細胞を用いる)生存および/または増殖のアッセイにおいて使用される。CD47の活性化または欠失は、細胞増殖の制御に重要な役割を果たし得、CD47によるアポトーシスの誘導は、CD47の細胞外ドメインの特異的エピトープの活性化から生じる場合があり、従って、CD47調節物質候補(たとえば、拮抗薬または作動薬)は、本発明の非ヒト動物の細胞および/または本明細書に記述された非ヒト動物を使用して、特定され、特徴解析され、および開発されてもよい。一部の実施形態では、本発明の細胞および/または非ヒト動物は、CD47の存在下および非存在下での特定細胞(複数含む)(例えば、癌細胞)の増殖またはアポトーシスに対する効果を決定するための生存または死亡アッセイ(複数含む)で使用される。

0143

さまざまな実施形態で、本発明の細胞および/または非ヒト動物は、移植されたヒト細胞に対する生理的(例えば、免疫)反応におけるCD47介在性の機能を決定するための、異種(例えば、ヒト)の細胞の異種移植に使用される。一部の実施形態では、ヒトCD47に結合する、またはその一つ以上の機能を阻害する治療薬候補が、本発明の非ヒト動物において特徴解析される。適切な測定法には、さまざまな細胞アッセイ、増殖アッセイ、血清免疫グロブリン分析(例えば、抗体価)、細胞毒性アッセイ、およびリガンド・受容体相互作用の特徴付け(免疫沈降アッセイ)が含まれる。一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物は、抗原に対する免疫反応を制御するCD47介在性の機能を特徴解析するために使用される。一部の実施形態では、抗原は新生物と関連している。一部の実施形態では、抗原は自己免疫性の疾患、または状態と関連している。一部の実施形態では、抗原は、治療を必要とする一人以上のヒト患者が患っている疾患または状態と関連する標的である。

0144

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物は、新たなリンパ球およびその免疫機能のCD47依存性の制御を調節する化合物または生物学的製剤となる可能性のある治療剤を決定するための、移植または養子移入実験で使用される。さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物は、ヒトB細胞が移植される。

0145

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物の細胞は、ヒトCD47を調節する治療薬候補をスクリーニングおよび開発するための、細胞遊走アッセイまたは拡散アッセイで使用される。かかるプロセスは、創傷治癒、分化、増殖および生存をはじめとする多くの細胞プロセスに必要である。

0146

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物の細胞は、CD47依存性の貪食制御を調節する化合物または生物学的製剤となる可能性がある治療剤を決定するための貪食アッセイに使用される。

0147

さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物の細胞は、CD47依存性の腫瘍細胞の制御および/またはアポトーシスを調節する化合物または生物学的製剤となる可能性がある治療剤を決定するための、腫瘍細胞の成長(または増殖)アッセイで使用される。

0148

さまざまな実施形態で、炎症性の疾患、または状態の一つ以上の機能のCD47依存性の制御を調節する化合物または生物学的製剤の可能性のある治療剤を決定するためのインビボシステムを提供するために、本発明の一つ以上の非ヒト動物において、炎症性の疾患、または状態が誘導される。一部の実施形態では、炎症性の疾患または状態は、新生物と関連している。

0149

さまざまな実施形態で、抗血管新生状態の一つ以上の機能のCD47依存性の制御を調節する化合物または生物学的製剤の可能性のある治療剤を決定するためのインビボシステムを提供するために、本発明の一つ以上の非ヒト動物において、抗血管新生状態が誘導される。治療有効性を決定するために評価され得る例示的な機能としては、ケモカイン発現、一酸化窒素(NO)刺激応答、および血流回復が挙げられる。

0150

本発明の非ヒト動物は、薬剤またはワクチンの分析および検査のためのインビボシステムを提供する。さまざまな実施形態で、候補薬剤またはワクチンが本発明の一つ以上の非ヒト動物に送達され、その後非ヒト動物をモニターして、薬剤またはワクチンに対する免疫反応、薬剤またはワクチンの安全性プロファイル、または疾患または状態に対する効果の一つ以上を決定する場合がある。安全性プロファイルを決定するために使用される例示的方法には、毒性、最適な用量濃度、薬剤またはワクチンの有効性、および潜在的リスク因子の測定を含む。このような薬剤またはワクチンはこのような非ヒト動物で改善および/または開発される場合がある。

0151

本発明の非ヒト動物は、CD47標的化薬剤の薬物動態特性を評価するためのインビボシステムを提供する。さまざまな実施形態で、CD47標的化薬剤は、本発明の一つ以上の非ヒト動物に送達または投与され、次いで、当該非ヒト動物(またはそれから単離された細胞)をモニターするか、またはそれらに対して一つ以上のアッセイを実施して、当該非ヒト動物に対する薬剤の効果を決定してもよい。薬物動態特性には、動物がどのように薬剤を処理してさまざまな代謝物にするか(または、有毒代謝物を含む一つ以上の薬剤代謝物の有無の検出)、薬剤半減期、投与後の薬剤の循環レベル(例えば、薬剤の血清濃度)、抗薬物反応(例えば、抗薬物抗体)、薬剤の吸収および分布、投与経路、薬剤の排泄および/またはクリアランス経路を含むがこれらに限定されない。一部の実施形態では、薬剤(例えば、CD47調節物質)の薬物動態特性および薬力学特性は、本発明の非ヒト動物で、またはその使用を通してモニターされる。

0152

本発明の非ヒト動物は、CD47標的化薬剤の標的毒性を評価するためのインビボシステムを提供する。さまざまな実施形態で、CD47標的化薬剤は、本発明の一つ以上の非ヒト動物に送達または投与され、次いで、当該非ヒト動物(またはそれから単離された細胞)をモニターするか、またはそれらに対する一つ以上のアッセイを実施して、当該非ヒト動物に対する薬剤の標的毒性効果を決定してもよい。一般的に、薬剤は標的の一つ以上の機能を調節することを目的としている。一例を挙げると、CD47調節物質は、一つ以上の細胞の表面上のCD47分子と何らかの方法で相互作用することによりCD47介在性の機能(例えば、CD47誘導性アポトーシス)を調節することを目的としている。一部の実施形態では、このような調節因子は、調節因子の望ましい薬理作用誇張である有害作用を持つ場合がある。このような効果は標的効果(on-target effects)と呼ばれる。例示的な標的効果には、高すぎる用量、慢性的な活性化/不活性化、および正しくない組織での正しい作用が挙げられる。一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物で、またはその使用を通して特定されたCD47標的化薬剤の標的効果は、従前には知られていなかったCD47の機能(複数含む)を決定するために使用される。

0153

本発明の非ヒト動物は、CD47標的化薬剤の標的外毒性(off-target toxicity)を評価するためのインビボシステムを提供する。さまざまな実施形態で、CD47標的化薬剤は、本発明の一つ以上の非ヒト動物に送達または投与され、次いで、当該非ヒト動物(またはそれから単離された細胞)をモニターするか、またはそれらに対して一つ以上のアッセイを実施して、当該非ヒト動物に対する薬剤の標的外毒性効果を決定してもよい。標的外効果は、薬剤が意図しない標的と相互作用する時(例えば、共通エピトープに対する交差反応)に発生する可能性がある。このような相互反応は、意図するまたは意図しない組織で起こる可能性がある。一例を挙げると、薬剤の鏡像異性体エナンチオマー)は標的外毒性効果をもたらす可能性がある。らに、薬剤は異なる受容体サブタイプ不適切に相互作用し、それを非意図的に活性化する可能性がある。例示的標的外効果には、誤った標的がある組織の組織とは関係のない、誤った標的の誤った活性化/阻害を含む。一部の実施形態では、CD47標的化薬剤の標的外効果は、当該薬剤を本発明の非ヒト動物に投与した効果と、一つ以上の参照非ヒト動物に投与した効果とを比較することによって決定される。

0154

一部の実施形態では、アッセイを行うことは、薬剤が投与される非ヒト動物の表現型(例えば、体重における変化など)および/または遺伝子型への効果を決定することを含む。一部の実施形態では、アッセイを行うことは、CD47調節物質(例えば、拮抗薬または作動薬)のロット間変動を決定することを含む。一部の実施形態では、アッセイを行うことは、本発明の非ヒト動物に投与されたCD47標的化薬剤の効果と、参照非ヒト動物に投与されたCD47標的化薬剤の効果の間の差異を決定することを含む。さまざまな実施形態で、参照非ヒト動物は、本明細書に記述された改変、本明細書に記述されたものとは異なる改変(例えば、破壊、欠失またはそうでなければ非機能的CD47遺伝子を有するもの)を有していてもよく、または改変を有していなくてもよい(すなわち、野生型非ヒト動物)。

0155

CD47標的化薬剤の薬物動態特性、標的毒性、および/または標的外毒性を評価するために非ヒト動物で(またはそれらから単離された細胞で、および/またはそれらを使用して)測定されうる例示的パラメーターには、凝集、オートファジー細胞分裂細胞死補体媒介溶血、DNA完全性、薬物特異抗体力価、薬剤代謝、遺伝子発現アレイヘマトクリット値血尿代謝活性ミトコンドリア活性酸化ストレス、貪食、タンパク質生合成タンパク質分解、タンパク質分泌、ストレス反応標的組織薬剤濃度、標的外組織薬剤濃度、転写活性などが含まれるがこれらに限定されない。さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物は、CD47調節物質の薬学的有効量を決定するために使用される。

0156

本発明の非ヒト動物は、癌で使用する候補治療薬の開発および特徴付けのための、改善されたインビボシステムを提供する。さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物に腫瘍が移植され、その後に、一つ以上の候補治療薬を投与する場合がある。一部の実施形態では、候補治療薬には、多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)または抗体カクテルを含む場合があり、一部の実施形態では、候補治療薬は、例えば、連側的または同時に投薬される単一特異性抗体の投与などの併用療法を含む。腫瘍は、非ヒト動物内の一つ以上の場所で定着するために十分な時間を与えられる場合がある。腫瘍細胞増殖、成長などは、たとえば治療薬候補(複数含む)の投与前と後の両方で測定されてもよい。望ましい場合には、治療薬候補の細胞毒性もまた、非ヒト動物で測定されてもよい。

0157

本発明の非ヒト動物は、養子免疫伝達を介したヒトの細胞間相互作用のメカニズムを明らかにする改善されたインビボシステムを提供する。さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物は、腫瘍異種移植片を移植され、次いで、腫瘍浸潤性リンパ球の第二の移植が養子免疫伝達により非ヒト動物に移植され、固形腫瘍または他の悪性腫瘍根絶におけるその有効性を決定され得る。かかる実験は、非ヒト動物の内因性CD47との競合が無く、ヒトCD47は排他的に存在していることを理由に、ヒト細胞を用いて行われてもよい。あるいは、かかる実験は、NOD/SCIDまたはBRG (BALB/c Rag2-/-IL-2Rc-/- )の背景からのマウス細胞の使用を含んでもよい。さらに、異種移植における使用のための療法および医薬は、かかる非ヒト動物において改善、および/または開発されることができる。

0158

本発明の非ヒト動物は、生着を介したヒト造血幹細胞の維持および発達のための改善されたインビボシステムを提供する。さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物は、当該非ヒト動物内でのヒト幹細胞の改善された発達および維持を提供する。さまざまな実施形態で、当該非ヒト動物の血液、骨髄、脾臓および胸腺において、分化型ヒトB細胞およびT細胞の群の増加が観察される。さまざまな実施形態で、当該非ヒト動物の血液、骨髄、脾臓および胸腺の細胞において、T細胞およびNK細胞の最適なホメオスタシスが観察される。さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物は、一つ以上の参照非ヒト動物と比較し、赤血球(RBC)のレベルまたは量の増加を示す。

0159

本発明の非ヒト動物は、ヒト細胞標的化治療薬剤を評価するために用いることができる。さまざまな実施形態で、本発明の非ヒト動物にヒト細胞が移植され、ヒト細胞などを標的とする薬剤候補がこのような非ヒト動物に投与される。次に薬剤の治療有効性が、薬剤の投与後に非ヒト動物のヒト細胞をモニターすることによって決定される。非ヒト動物で試験できる薬剤には、小分子化合物、すなわち1500kD、1200kD、1000kD、または800ダルトン未満の分子量の化合物、および大分子化合物(タンパク質など、例えば抗体)の両方を含み、これらはヒト細胞を標的化する(例えば、結合するおよび/または作用する)ことによってヒト疾患および状態の治療に対して意図する治療効果を持つ。

0160

一部の実施形態では、薬剤は抗癌剤であり、ヒト細胞は癌細胞であり、これらは原発癌の細胞または原発癌から定着した細胞株の細胞でありうる。これらの実施形態で、本発明の非ヒト動物はヒト癌細胞を移植され、抗癌剤が非ヒト動物に投与される。薬剤の有効性は、非ヒト動物のヒト癌細胞の成長または転移が、薬剤の投与の結果として阻害されるかどうかを評価することで決定することができる。

0161

特定の実施形態では、抗癌剤は、ヒト癌細胞上の抗原に結合する抗体分子である。特定の実施形態では、抗癌剤は、ヒト癌細胞上の抗原、およびその他のヒト細胞(例えばB細胞およびT細胞などのヒト免疫系の細胞(または「ヒト免疫細胞」)上の抗原に結合する二重特異性抗体である。

0162

一部の実施形態では、本発明の非ヒト動物に、ヒト免疫細胞、またはヒト免疫細胞へと分化する細胞が生着する。生着ヒト免疫細胞を有するかかる非ヒト動物は、ヒト癌細胞が移植され、たとえばヒト癌細胞上の抗原とヒト免疫細胞(例えば、T細胞)上の抗原に結合する二特異性抗体などの抗癌剤が投与される。二特異性抗体の治療有効性は、非ヒト動物におけるヒト癌細胞の成長または転移を阻害するその能力に基づき評価され得る。特定の実施形態では、本発明の非ヒト動物は、ヒト免疫細胞(特に、T細胞、B細胞、NK細胞が挙げられる)を生じさせるヒトCD34+造血系前駆細胞が生着される。ヒトB細胞リンパ腫細胞(たとえば、Raji細胞)が、ヒト免疫細胞が生着したかかる非ヒト動物に移植され、次いで、腫瘍抗原(例えば、CD20などの正常なB細胞と特定のB細胞悪性腫瘍上の抗原)と、T細胞受容体のCD3サブユニットに結合する二特異性抗体が投与され、当該非ヒト動物における当該二特異性抗体の腫瘍成長阻害に関する能力が検証される。

0163

以下の実施例は、本発明の方法および組成物をどのように作成し使用するかを当業者に説明するために提供されており、発明者がその発明として見なすものの範囲を限定することを意図していない。別途示されていない限り、温度は摂氏で示され、圧力は大気圧またはその近くである。
実施例1内因性Cluster of Differentiation 47 (CD47)遺伝子のヒト化。

0164

本実施例は、齧歯類(例えば、マウス)などの非ヒト哺乳動物においてcluster of differentiation 47(CD47)をコードする内因性遺伝子をヒト化する例示的方法を示す。本実施例に記述された方法は、任意のヒト配列、または所望の場合にはヒト配列(または配列断片)の組み合わせを使用して、非ヒト動物の内因性CD47遺伝子をヒト化するために用いることができる。本実施例において、マウスの内因性CD47遺伝子のヒト化のために、細菌人工染色体(BAC)クローンRP11-69A17にあるヒトCD47が用いられる。

0165

内因性CD47遺伝子の細胞外N末端IgV領域と5つの膜貫通ドメインをコードする遺伝物質のヒト化のための標的化ベクターは、VELOCIGENE(登録商標)技術を使用して構築された(参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,586,251号およびValenzuela et al., (2003), High-throughput engineering of the mouse genome coupled with high-resolution expression analysis, Nature Biotech. 21(6):652-659を参照のこと)。

0166

簡潔に述べると、マウス細菌人工染色体(BAC)クローンRP23-230L20 (Invitrogen社)を改変し、内因性CD47遺伝子のエクソン2〜7を含有する配列を削除し、ヒトCD47ポリペプチドのアミノ酸16〜292をコードしているヒトBACクローンRP11-69A17 (Invitrogen社)を用いてヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7を挿入した。アイソフォーム2のエクソン1、8および9、ならびに5’非翻訳領域(UTRs)および3’非翻訳領域に相当するゲノムDNAを含有する内因性DNAは維持された。BACクローンRP11-69A17に含まれるヒトCD47配列の配列解析は、すべてのCD47のエクソンとスプライシングシグナルを確認した。配列解析で、当該配列が参照ゲノムおよびCD47転写物NM_001777.3およびNM_198793.2に一致したことが明らかとなった。内因性CD47遺伝子のエクソン2〜7に相当するゲノムDNA(約30.8kb)は、細菌細胞中で相同組み換えによりBACクローンRP23-230L20中に置き換えられ、BACクローンRP11-69A17からのヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7に相当する約23.9kbのヒトゲノムDNAと、リコンビナーゼ認識部位に隣接する自己削除ネオマイシンカセットに相当する約4995bpを含有するDNA断片が挿入された(loxP-hUb1-em7-Neo-pA-mPrm1-Crei-loxP;参照により本明細書に援用される米国特許第8,697,851号、第8,518,392号および第8,354,389号を参照のこと)。自己削除ネオマイシンカセットは、ヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7を含有する約23.9kbのヒトDNA断片の末端に付加された(図2)。標的化ベクターは、5’から3’に向かって、BACクローンRP23-230L20由来の約39kbのマウスゲノムDNAを含有する5’ホモロジーアーム、BACクローンRP11-69A17由来の約29.3kbのヒトゲノムDNA(ヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7を含有する)、loxP部位に隣接した自己削除ネオマイシンカセット、そしてBACクローンRP23-230L20由来の約98.8kbのマウスゲノムDNAを含有した。細菌細胞において上述の標的化ベクターを用いた相同組み換えを行った後、改変RP23-230L20 BACクローンを作製し、マウス5’UTR、マウスエクソン1、ヒトエクソン2〜7、マウスエクソン8〜9、およびマウス3’UTRを含有するヒト化CD47遺伝子を得た。ヒト化CD47の4つの推定選択的スプライス型アイソフォームのタンパク質配列を表3に示す。表3は、得られたマウスとヒトのアミノ酸が、それぞれマウスDNAとヒトDNAをコードしていたことを示す。

0167

上述の改変BACクローンを用いて、F1H4(50% 129/S6/SvEv/Tac、50% C57BL/6NTac; Auerbach, W. et al. (2000)Biotechniques 29(5):1024-8, 1030, 1032)マウス胚性幹細胞(ES)をエレクトロポレーションし、エクソン2〜7からヒト化された内因性CD47を備える改変ES細胞を作製した。ヒト化CD47遺伝子を含む明確に標的化されたES細胞が、ヒトCD47配列(例えば、エクソン2〜7)の存在を検出するアッセイ(Valenzuelaら、上記参照)によって特定され、マウスCD47配列(例えば、エクソン1、8および9ならびに/またはエクソン2〜7)の欠失および/または保持を確認した。表4は、上述の内因性CD47遺伝子のヒト化を確認するために使用されたプライマーおよびプローブを示す(図3)。上流挿入点をまたぐヌクレオチド配列には以下が含まれた。これは挿入点の上流の内因性マウス配列(以下の括弧内に含まれ、AsiSI制限酵素部位は斜字で示される)が、挿入点に存在するヒトCD47配列に連続的に連結されたことを示す:



自己削除ネオマイシンカセットの5’末端の下流挿入点をまたぐヌクレオチド配列には以下が含まれた。これは挿入点の下流のカセット配列と連続したヒトCD47ゲノム配列を示す(以下の括弧内に含まれ、loxP配列は斜字で示される):



ネオマイシンカセットの3’末端の下流挿入点をまたぐヌクレオチド配列には以下が含まれた。これは内因性CD47遺伝子のエクソン7のマウスゲノム配列3’と連続したカセット配列を示す(以下の括弧内に含まれ、loxP配列は斜字で示される):



ネオマイシンカセット(76bp残留)の削除後、挿入点の下流にわたるヌクレオチド配列は以下を含んだ。これは残りのカセット配列loxP配列(以下の括弧内に含まれ、loxP配列は太字で示される)と並置されたヒトおよびマウスのゲノム配列を示す:

0168

次いで陽性ES細胞クローンを、VELOCIMOUSE(登録商標)法を使用してメスのマウスに移植し(たとえば、米国特許第7,294,754号、およびPoueymirou et al., F0 generation mice that are essentially fully derived from the donor gene-targetedEScells allowing immediate phenotypic analyses, 2007, Nature Biotech. 25(1):91-99を参照のこと)、ヒトCD47遺伝子のエクソン2〜7のマウスの内因性CD47遺伝子への挿入を含有する一腹の仔を作製した。内因性CD47 遺伝子のエクソン2〜7がヒト化されたマウスを、ヒトCD47遺伝子配列の存在を検出した対立遺伝子アッセイ(Valenzuela et al.、上記参照)の改良型を使用した、尾部断片から単離されたDNAの遺伝子型同定によって再び確認、および同定した。仔は遺伝子型同定され、ヒト化CD47遺伝子構築物に対してヘテロ接合性の動物のコホートを、特徴解析のために選択する。






実施例2 マウス赤血球によるヒト化CD47ポリペプチドの発現

0169

本実施例は、実施例1に従い、ヒト化CD47遺伝子を含有するよう改変された非ヒト動物(例えば、齧歯類)を用いて、CD47調節物質(例えば、抗CD47抗体)をスクリーニングし、たとえば薬物動態および安全性プロファイルなどのさまざまな特性を決定し得ることを示す。本実施例において、実施例1に従い作製され、本明細書に記述されるヒト化CD47ポリペプチドを発現する齧歯類から単離されたマウス赤血球(RBC)上でいくつかの抗CD47抗体をスクリーニングする。

0170

簡潔に述べると、ヒト化CD47マウス(n=2)由来の全血2mLを15mL試験管に移し、10分間、4℃、200xgで遠心した。血漿とバフィーコート吸引し、次いで15mLのPBSを加え、細胞を穏やかに混合した。混合物を再度5分間、4℃、200xgで遠心した。上清を吸引し、細胞をさらに2度洗浄した。沈殿したRBCを10mL PBSの最終量に再懸濁した。再懸濁したRBCを最後に10分間、4℃、200xgで遠心した。パッケージされたRBCの量は0.5mLと推定され、PBSを用いて0.5%濃度まで希釈された(0.5mLのパッケージされたRBC/100mLのPBS)。実際のRBC濃度は、Cellometer Auto T4 (1.5x107/mL; Nexcelom Bioscience社)を用いて決定された。

0171

80μLの0.5%マウスRBCを、96ウェルのV底プレートの各ウェルに添加した。抗CD47抗体を各ウェルに添加した(33nMで20μL)。プレートを穏やかにタッピングして混合し、上で30分間インキュベートした。次いで、プレートを染色緩衝液(2%FBS含有PBS)を用いて2回洗浄した。二次抗体Fab-488(Alexa Fluor 488結合AffiniPureマウス抗ヒトIgG、F(ab’)2断片特異的、Jackson Immuno Research社)を10μg/mLの濃度で各ウェルに添加した。再度、プレートを氷上で30分間インキュベートし、次いで、染色緩衝液を用いて1回洗浄した。各ウェルの細胞を200μLの染色緩衝液中に再懸濁し、96ウェルフィルタープレートを通してろ過した。プレート中の細胞を、BDACCURI(商標)C6システム(BD Biosciences社)を用いて分析した。代表的な結果を図4に示す。検証された各抗体に対する上述のアイソタイプ対照の平均蛍光強度MFI)を表5に示す。

0172

図4に示されるように、すべての抗CD47抗体はヒト化CD47マウス由来のRBCに結合した。まとめると、本実施例は、(1)本明細書に記述されるヒト化CD47遺伝子を含むよう操作された非ヒト動物(例えば、齧歯類)が、当該非ヒト動物の細胞(例えば、RBC)の表面上にヒト化CD47ポリペプチドを発現していること、および(2)かかる細胞が、CD47調節物質(例えば、CD47抗体)のスクリーニング、およびかかる調節物質の薬物動態プロファイルの決定に有用であることを示している。
実施例3 ヒト化CD47ポリペプチドを発現するマウス赤血球の血球凝集

0173

本実施例はさらに、実施例1に従いヒト化CD47遺伝子を含有するよう改変された非ヒト動物(例えば、齧歯類)が、CD47調節物質(例えば、抗CD47抗体)をスクリーニングするためのさまざまなアッセイ(例えば、血球凝集アッセイ)、ならびにたとえば薬物動態および安全性プロファイルなどのさまざまな特性を決定するためのさまざまなアッセイに用いることができることを示す。本実施例において、本明細書に記述されるヒト化CD47ポリペプチドを発現するマウス赤血球(RBC)上でいくつかの抗CD47抗体がスクリーニングされ、血球凝集を促進する抗体濃度が決定される。

0174

簡潔に述べると、野生型およびヒト化CD47マウス(n=2)のRBCを、実施例2に記述されるように作製した。20μLの抗CD47抗体(5倍連続希釈)を96ウェルのV底プレートのウェル1〜12にわたって添加し、次いで80μLの0.5%マウスRBCをプレートのすべてのウェルに添加した。プレートを穏やかにタッピングして混合させ、30分間、室温(24〜27℃)でインキュベートした。凝集のエンドポイントは、視覚的に観察された(すなわち、陰性試料ではRBCは底に沈み、陽性試料ではRBCは凝集する)。代表的な結果を図5に示す。ボックスは、ヘム凝集を示すウェルの輪郭を示すためである。

0175

図5に示されているように、レクチンのみが野生型マウスに凝集を引き起こした。しかし、レクチンに加え、二つの抗CD47抗体(Ab EおよびAb C)が、実施例1に従い作製された二つのヒト化CD47齧歯類のRBCに凝集を誘導した。これら二つの抗体が凝集を誘導した濃度は、11nMからであった。まとめると、本実施例は、本明細書に記述されるヒト化CD47遺伝子を含有するよう操作された非ヒト動物(例えば、齧歯類)を用いて、CD47調節物質(例えば、CD47抗体)の一つ以上の特性(例えば、血球凝集)を評価することができることを示す。
実施例4 ヒト化CD47齧歯類における、CD47調節物質の薬物動態的クリアランス。

0176

本実施例は、実施例1に従い、ヒト化CD47遺伝子を含有するよう改変された非ヒト動物(例えば、齧歯類)における、CD47調節物質(例えば、抗CD47抗体)の薬物動態的クリアランスを評価する方法を解説するものである。本実施例において、野生型齧歯類およびヒト化CD47齧歯類(例えば、マウス)に、抗CD47抗体を投与し、ELISAアッセイを用いて抗体の血清レベルを決定した。

0177

簡潔に述べると、野生型(n=5)またはヒト化CD47のマウスホモ接合体(n=5、上述)に、4つの抗CD47抗体(Ab F、Ab G、Ab HおよびAb I)およびIgG4sアイソタイプ対照抗体(IgG4s)を投与した。当該マウスの遺伝的バックグラウンドは、75% CD57BL/6および25% 129Svであった。各抗体は、5匹のヒト化CD47齧歯類において検証した。全ての抗体は、50mg/kgの投与量で皮下投与された。抗体投与の1日前に、1回、プレ血液を採取した(0日目)。注射後血液は、6時間、1日目、2日目、3日目、4日目、7日目、10日目、および14日目に採取された。血液から、血清分画を分離させ、ELISA免疫アッセイを用いて総ヒト抗体分析に供した。

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