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技術 トラックアンドホールド回路

出願人 日本電信電話株式会社
発明者 桂井宏明三浦直樹福山裕之野坂秀之
出願日 2017年5月30日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2017-106291
公開日 2018年12月27日 (2年1ヶ月経過) 公開番号 2018-207141
状態 特許登録済
技術分野 アナログ←→デジタル変換 増幅器一般
主要キーワード 周波数上限 トラックアンドホールド回路 オーバーサンプリング方式 ループレート プロセスノード 台形波形 ホールドキャパシタ 波形ひずみ
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図面 (9)

課題

より広い範囲にわたる様々な周波数入力クロック信号に対しても一定の精度が得られるトラックアンドホールド回路を提供することを目的とする。

解決手段

トラックアンドホールド回路1は、入力クロック信号を増幅するクロック信号増幅回路152と、クロック信号増幅回路152により増幅された入力クロック信号を所定の振幅に調整してサンプリングクロック信号を出力するクロック波形調整回路153と、アナログ入力信号を、クロック波形調整回路153によって出力されたサンプリングクロック信号の周波数でサンプリングするサンプリング回路3と、を有する。クロック信号増幅回路152は、入力クロック信号を、サンプリングクロック信号について予め定められている振幅よりも大きな振幅に増幅する。

概要

背景

トラックアンドホールド回路は、アナログ信号ディジタル信号に変換するために使用される回路の一つである。トラックアンドホールド回路は、入力されるクロック信号のレベル(HighまたはLow)によってトラックモードホールドモードの二つのモードが切り替わる。

トラックモードの場合は、入力された電圧信号をそのまま出力信号として出力する。ホールドモードの場合は、トラックモードからホールドモードに切り替わったタイミングに入力されていた電圧値を保持して出力し続ける。

トラックアンドホールド回路は、サンプルホールド回路とも称され、入力信号周波数とクロック信号の周波数の大小関係により、オーバーサンプリングと、アンダーサンプリングに分けられる。例えば、非特許文献1には、入力信号の周波数より高い周波数でサンプリング出力するオーバーサンプリング方式のトラックアンドホールド回路が開示されている。

オーバーサンプリング方式のトラックアンドホールド回路においては、より高速なクロック信号をサンプリング部に伝達しなければならないことから、高速動作するクロック伝送回路が求められる。クロック伝送回路によって伝達されるクロック信号が特定の周波数のクロック信号である場合には、インダクタ等を用いたピーキングをかけることで帯域延伸し、高速な信号であっても利得を上げ、伝送することができる(例えば、非特許文献1参照。)。

しかし、クロック伝送回路に入力される信号(以下、「入力クロック信号」という。)の周波数範囲が低速から高速までの広い範囲(例えば、10GHz〜40GHz)にわたる場合、従来のインダクタ等を用いたピーキングによる手法では、広い範囲で利得を上げること、つまり、サンプリング部へ入力されるクロック信号(以下、「サンプリングクロック信号」という。)の振幅を周波数によらず一定とすることが困難であった。

また、トラックモードとホールドモードのスイッチング動作においては、サンプリングクロック信号の振幅が一定であるだけでなく、サンプリングクロック信号の立ち上がり時間Trと立ち下がり時間Tfが一定であることが必要である。

しかし、入力クロック信号の周波数によってサンプリングクロック信号の立ち上がり時間Trおよび立ち下がり時間Tfが変動すると、アクイジション時間や、ドゥループレートといったトラックアンドホールド回路の性能が変化するため、トラックアンドホールド回路の精度が低下する問題があった。

概要

より広い範囲にわたる様々な周波数の入力クロック信号に対しても一定の精度が得られるトラックアンドホールド回路を提供することを目的とする。トラックアンドホールド回路1は、入力クロック信号を増幅するクロック信号増幅回路152と、クロック信号増幅回路152により増幅された入力クロック信号を所定の振幅に調整してサンプリングクロック信号を出力するクロック波形調整回路153と、アナログ入力信号を、クロック波形調整回路153によって出力されたサンプリングクロック信号の周波数でサンプリングするサンプリング回路3と、を有する。クロック信号増幅回路152は、入力クロック信号を、サンプリングクロック信号について予め定められている振幅よりも大きな振幅に増幅する。

目的

本発明は、より広い範囲にわたる様々な周波数の入力クロック信号に対しても一定の精度が得られるトラックアンドホールド回路を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

入力信号増幅した増幅信号を出力する第1の増幅回路と、前記増幅信号を所定の振幅としたサンプリングクロック信号を出力する第2の増幅回路と、アナログ入力信号を前記サンプリングクロック信号の周波数サンプリングするサンプリング回路と、を備え、前記第1の増幅回路は、前記入力信号を前記サンプリングクロック信号の前記所定の振幅よりも大きな振幅に増幅することを特徴とするトラックアンドホールド回路

請求項2

前記第1の増幅回路は多段接続された複数の増幅器を含むことを特徴とする請求項1に記載のトラックアンドホールド回路。

請求項3

前記複数の増幅器は、初段の増幅器の利得が他の増幅器の利得より大きいことを特徴とする請求項2に記載のトラックアンドホールド回路。

請求項4

前記第1の増幅回路は、可変利得増幅回路を含むことを特徴とする請求項1に記載のトラックアンドホールド回路。

請求項5

前記初段の増幅器は、可変利得増幅器であることを特徴とする請求項3に記載のトラックアンドホールド回路。

請求項6

前記可変利得増幅回路の出力を監視し、一定の振幅が出力されるように前記可変利得増幅回路の利得を制御する自動利得制御回路をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のトラックアンドホールド回路。

技術分野

0001

本発明は、トラックアンドホールド回路に関し、特にクロック信号周波数広範囲であるトラックアンドホールド回路に関する。

背景技術

0002

トラックアンドホールド回路は、アナログ信号ディジタル信号に変換するために使用される回路の一つである。トラックアンドホールド回路は、入力されるクロック信号のレベル(HighまたはLow)によってトラックモードホールドモードの二つのモードが切り替わる。

0003

トラックモードの場合は、入力された電圧信号をそのまま出力信号として出力する。ホールドモードの場合は、トラックモードからホールドモードに切り替わったタイミングに入力されていた電圧値を保持して出力し続ける。

0004

トラックアンドホールド回路は、サンプルホールド回路とも称され、入力信号の周波数とクロック信号の周波数の大小関係により、オーバーサンプリングと、アンダーサンプリングに分けられる。例えば、非特許文献1には、入力信号の周波数より高い周波数でサンプリング出力するオーバーサンプリング方式のトラックアンドホールド回路が開示されている。

0005

オーバーサンプリング方式のトラックアンドホールド回路においては、より高速なクロック信号をサンプリング部に伝達しなければならないことから、高速動作するクロック伝送回路が求められる。クロック伝送回路によって伝達されるクロック信号が特定の周波数のクロック信号である場合には、インダクタ等を用いたピーキングをかけることで帯域延伸し、高速な信号であっても利得を上げ、伝送することができる(例えば、非特許文献1参照。)。

0006

しかし、クロック伝送回路に入力される信号(以下、「入力クロック信号」という。)の周波数範囲が低速から高速までの広い範囲(例えば、10GHz〜40GHz)にわたる場合、従来のインダクタ等を用いたピーキングによる手法では、広い範囲で利得を上げること、つまり、サンプリング部へ入力されるクロック信号(以下、「サンプリングクロック信号」という。)の振幅を周波数によらず一定とすることが困難であった。

0007

また、トラックモードとホールドモードのスイッチング動作においては、サンプリングクロック信号の振幅が一定であるだけでなく、サンプリングクロック信号の立ち上がり時間Trと立ち下がり時間Tfが一定であることが必要である。

0008

しかし、入力クロック信号の周波数によってサンプリングクロック信号の立ち上がり時間Trおよび立ち下がり時間Tfが変動すると、アクイジション時間や、ドゥループレートといったトラックアンドホールド回路の性能が変化するため、トラックアンドホールド回路の精度が低下する問題があった。

先行技術

0009

S.Shahramian, et al, “A40−GSample/Sec Track & Hold Amplifier in 0.18um SiGeBiCMOSTechnology,” CSICS, 2005.

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は、より広い範囲にわたる様々な周波数の入力クロック信号に対しても一定の精度が得られるトラックアンドホールド回路を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

上述した課題を解決するために、本発明に係るトラックアンドホールド回路において、入力信号を増幅した増幅信号を出力する第1の増幅回路と、前記増幅信号を所定の振幅としたサンプリングクロック信号を出力する第2の増幅回路と、アナログ入力信号を前記サンプリングクロック信号の周波数でサンプリングするサンプリング回路と、を備え、前記第1の増幅回路は、前記入力信号を前記サンプリングクロック信号の前記所定の振幅よりも大きな振幅に増幅することを特徴とする。

0012

また、本発明に係るトラックアンドホールド回路において、前記第1の増幅回路は多段接続された複数の増幅器を含んでいてもよい。

0013

また、本発明に係るトラックアンドホールド回路において、前記複数の増幅器は、初段の増幅器の利得が他の増幅器の利得より大きくてもよい。

0014

また、本発明に係るトラックアンドホールド回路において、前記第1の増幅回路は、可変利得増幅回路を含んでいてもよい。

0015

また、本発明に係るトラックアンドホールド回路において、前記初段の増幅器は、可変利得増幅器であってもよい。

0016

また、本発明に係るトラックアンドホールド回路は、前記可変利得増幅回路の出力を監視し、一定の振幅が出力されるように前記可変利得増幅回路の利得を制御する自動利得制御回路をさらに備えていてもよい。

発明の効果

0017

本発明によれば、第1の増幅回路をより負荷の小さい第2の増幅回路に接続し、入力クロック信号を予め定められたサンプリングクロック信号の振幅よりも大きな振幅に増幅してから、第2の増幅回路によってその予め定められた振幅となるよう調整することで、広い範囲にわたる様々な周波数の入力クロック信号に対しても一定の精度を保つことができる。

図面の簡単な説明

0018

図1は、本発明の第1の実施の形態に係るトラックアンドホールド回路の構成例を示すブロック図である。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るクロック信号増幅回路クロック波形調整回路周波数特性を示す図である。
図3は、本発明の第1の実施の形態に係るクロック信号増幅回路の出力波形を示す図である。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係るクロック波形調整回路の出力波形を示す図である。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るトラックアンドホールド回路の構成例を示すブロック図である。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係るクロック信号増幅回路の周波数特性を示す図である。
図7は、本発明の第3の実施の形態に係るトラックアンドホールド回路の構成例を示すブロック図である。
図8は、本発明の第4の実施の形態に係るトラックアンドホールド回路の構成例を示すブロック図である。

実施例

0019

以下、本発明の好適な実施の形態について、図1から図8を参照して詳細に説明する。各図について共通する構成要素には、同一の符号が付されている。

0020

<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係るトラックアンドホールド回路1は、入力クロック信号を増幅するクロック信号増幅回路152と、クロック信号増幅回路152により増幅された入力クロック信号を所定の振幅に調整してサンプリングクロック信号を出力するクロック波形調整回路153と、アナログ入力信号を、クロック波形調整回路153によって出力されたサンプリングクロック信号の周波数でサンプリングするサンプリング回路3と、を有する。クロック信号増幅回路152は、入力クロック信号を、サンプリングクロック信号について予め定められている振幅よりも大きな振幅に増幅する。

0021

トラックアンドホールド回路1は、例えば、アナログ信号をディジタル信号に変換するAD変換器に用いられる。トラックアンドホールド回路1は、アナログ信号の離散化(サンプリング)を行い、AD変換が行われる一定期間において、サンプリングされたアナログ信号の電圧を保持し、AD変換中の誤差を防ぐ。

0022

図1は、本発明の第1の実施の形態に係るトラックアンドホールド回路1の構成例を示すブロック図である。トラックアンドホールド回路1は、データ入力バッファ2と、サンプリング回路3と、出力バッファ4と、クロック伝送回路5とを備えている。

0023

データ入力バッファ2には、アナログ信号が入力され、入力されたアナログ信号をサンプリング回路3に伝達する。データ入力バッファ2には、出力インピーダンスが低いものが用いられる。

0024

サンプリング回路3は、FETスイッチ等のスイッチと、保持容量(ホールドキャパシタ)とを含み、クロック伝送回路5から入力されるサンプリングクロック信号が高電位(“H”レベル)のときにはスイッチが導通して、データ入力バッファ2から伝達されたアナログ信号がそのまま出力バッファ4を介して出力される(トラックモード)。

0025

また、入力されたサンプリングクロック信号が低電位(“L”レベル)のときには、スイッチが非導通となり、スイッチが“H”レベルから“L”レベルに切り替わる直前のアナログ入力信号の電圧レベルがホールドキャパシタで保持されて、その電圧レベルの信号が出力バッファ4を介して出力される(ホールドモード)。

0026

出力バッファ4は、サンプリング回路3における各動作モードに応じて出力されるアナログ信号を、後段比較器等の回路(図示しない)に出力する。出力バッファ4は、入力インピーダンスが大きいものが用いられる。

0027

次に、クロック伝送回路5について説明する。クロック伝送回路5は、クロック入力バッファ151と、クロック信号増幅回路152(第1の増幅回路)と、クロック波形調整回路153(第2の増幅回路)とを有する。クロック伝送回路5は、入力クロック信号に基づいて、予め定められた振幅のサンプリングクロック信号を生成して、サンプリング回路3に入力する。クロック入力バッファ151には、広い範囲、例えば、10GHz〜40GHzの範囲にわたる様々な周波数の入力クロック信号が入力されることが想定されている。

0028

クロック信号増幅回路152は、高利得な増幅器であり、クロック入力バッファ151を介して入力された入力クロック信号を増幅する。クロック信号増幅回路152は、入力クロック信号を、予め定められたサンプリングクロック信号の振幅よりも大きい振幅に増幅する。

0029

クロック波形調整回路153は、クロック信号増幅回路152よりも利得が低く、かつ、帯域が広く、入力クロック信号の様々な周波数をカバーできる増幅器である。クロック波形調整回路153は、クロック信号増幅回路152によって増幅された入力クロック信号の振幅を所定の振幅に調整してサンプリングクロック信号を生成し、サンプリング回路3に出力する。サンプリング回路3に入力されるサンプリングクロック信号の振幅は予め設定される値である。

0030

次に、クロック信号増幅回路152とクロック波形調整回路153の特性および動作について説明する。図2は、第1の実施の形態に係るクロック信号増幅回路152とクロック波形調整回路153の周波数特性を示す図である。図3は、クロック信号増幅回路152の出力波形を示す図である。また、図4は、クロック波形調整回路153の出力波形を示す図である。

0031

図2に示すように、クロック信号増幅回路152はクロック波形調整回路153の利得よりも高い利得を有する。一方、クロック波形調整回路153は、直流利得を、例えば0dBと低くし、その分−3dB帯域を広げた増幅器である。本実施の形態では、単純化のため、所定の上限周波数(例えば、40GHz)において、クロック信号増幅回路152とクロック波形調整回路153はどちらも同じ−3dB帯域である場合について説明する。

0032

また、図2に示すように、クロック信号増幅回路152の出力振幅は、クロック波形調整回路153の出力振幅と比べて、特に、入力クロック信号の周波数上限(例えば、40GHz)でのクロック波形調整回路153の損失分(−3dB)だけ大きな値となっている。なお、遮断周波数等の具体的な値は、トランジスタの耐圧等の様々なトレードオフで決定されるものである。

0033

次に、クロック信号増幅回路152によって、予め定められたサンプリングクロック信号の振幅よりも大きな振幅に増幅された信号の出力は、図3に示すように、立ち上がり時間Trと立ち下がり時間Tfとを有する台形波となる。

0034

また、図3は、高い周波数の入力クロック信号(例えば、40GHz)が増幅された場合の出力信号と、低い周波数の入力クロック信号(例えば、20GHz)が増幅された場合の出力信号の波形をそれぞれ示している。クロック信号増幅回路152における、高い周波数の入力クロック信号に対する出力信号の振幅と、低い周波数の入力クロック信号に対する出力信号の振幅は同じ振幅となっている。

0035

クロック信号増幅回路152における出力信号が台形波となるのは、クロック信号増幅回路152の利得が十分に高いと、入力クロック信号が、例えば、正弦波であったとしても、スルーレートが高くなり、出力される信号の振幅が一定の値に制限されるためである。

0036

より詳細には、クロック信号増幅回路152がクロック波形調整回路153を介さず、サンプリング回路3に直接接続する場合、大きな負荷容量であるサンプリング回路3の影響で、クロック信号増幅回路152における帯域特性が悪化し、特に、高い周波数の入力クロック信号を十分に増幅できない。

0037

本実施の形態のように、クロック信号増幅回路152の後段にクロック波形調整回路153が接続されることで、クロック信号増幅回路152における負荷が減少し、クロック信号増幅回路152の帯域特性の悪化を抑えることができる。よって、クロック信号増幅回路152は、高い周波数の入力クロック信号であっても十分に増幅することができる。

0038

このような理由から、クロック信号増幅回路152における出力信号は台形波形となり、振幅は、入力クロック信号が高い周波数の場合であっても、低い周波数の入力クロック信号の出力信号の振幅と同じ振幅となる。

0039

また、クロック信号増幅回路152から出力される台形波形における、立ち上がり時間Trと立ち下がり時間Tfは、入力クロック信号の周波数によらず、一定となっている。立ち上がり時間Trと立ち下がり時間Tfは、クロック信号増幅回路152の出力振幅、周波数特性、および帯域幅で決まる。

0040

次に、図3と同じ条件におけるクロック波形調整回路153の出力信号の波形について説明する。図4に示すように、クロック波形調整回路153は、クロック信号増幅回路152から出力された信号の振幅を、予め定められたサンプリングクロック信号の振幅に調整する。クロック波形調整回路153における出力信号は、クロック信号増幅回路152の出力信号の振幅が減少した台形波形となる。

0041

クロック波形調整回路153は、前述のとおり直流利得を0dBと低くし、その分−3dB帯域を広げた増幅器である。クロック波形調整回路153の後段には、大きな負荷となるサンプリング回路3が接続されているため、クロック波形調整回路153においては、信号の高周波成分が減衰するが、出力振幅も下げている。そのため、クロック波形調整回路153による各出力信号の台形波形においては、クロック信号増幅回路152の出力信号における立ち上がり時間Trと立ち下がり時間Tfが維持される。

0042

以上説明したように、第1の実施の形態によれば、クロック伝送回路5の前段にクロック信号増幅回路152を設け、後段にクロック波形調整回路153を設ける。クロック信号増幅回路152の利得をクロック波形調整回路153の利得よりも高い利得として、クロック信号増幅回路152の出力振幅を後段のクロック波形調整回路153による出力振幅よりも大きくする。

0043

また、より低い利得を有するクロック波形調整回路153をクロック伝送回路5の最終段に設けた上で、大きな負荷であるサンプリング回路3に接続する。そして、クロック波形調整回路153は、前段のクロック信号増幅回路152から入力される増幅信号の振幅を制限して、所定のサンプリングクロック信号の振幅となるようにする。

0044

このような構成とすることで、トラックアンドホールド回路1において、入力クロック信号の周波数が広範囲であっても、一定の振幅、および一定の立ち上がり時間Trと立ち下がり時間Tfを有するサンプリングクロック信号を生成することができる。その結果、トラックアンドホールド回路1の精度を向上させることが可能となる。

0045

クロック信号増幅回路152において、高い利得と広帯域両立を図る手段としては、例えば、インピーダンスピーキングを用いてもよい。また、クロック波形調整回路153の利得を下げて帯域を広げる手段としては、例えば、ソースディジェネピーキングを用いてもよい。

0046

<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図5は、本発明の第2の実施の形態に係るトラックアンドホールド回路1aの構成例を示すブロック図である。図6は、クロック信号増幅回路152の周波数特性を示す図である。なお、以下の説明では、上述した第1の実施の形態と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。

0047

第1の実施の形態では、クロック信号増幅回路152を1段の増幅器で構成する場合について説明した。これに対し、第2の実施の形態では、クロック信号増幅回路152が多段増幅器で構成される。図5に示すように、クロック信号増幅回路152は、例えば、多段接続された3段の増幅器152A、152B、152Cで構成される。

0048

クロック信号増幅回路152は、高利得で広帯域な特性を有することが求められる。クロック信号増幅回路152における負荷容量は、大きな負荷であるサンプリング回路3に接続しているクロック波形調整回路153に比べると、減少する。しかし、使用されるデバイスプロセスノードによって、1段あたりの利得や帯域には限界があることから、クロック信号増幅回路152を多段接続された増幅器152A、152B、152Cで構成することで、十分に高い利得と帯域特性を有するクロック信号増幅回路152を得ることができる。

0049

また、多段接続された増幅器152A、152B、152Cにおいて、利得と帯域をそれぞれ同じ値とするのではなく、増幅器152A、152B、152Cの順に徐々に利得が減少するように接続してもよい。より詳細には、1段目の増幅器152Aが最も高い利得を有するように設定し、入力クロック信号について、一段目の増幅器152Aを用いて、できるだけ台形波に近い波形となるように増幅する。そして、2段目の増幅器152B、さらに、3段目の増幅器152Cの順に信号のスルーレートを向上させていくと、増幅された信号の高周波成分は維持され、最終段の3段目の増幅器152Cほど高周波成分が残る。

0050

このように多段接続された増幅器152A、152B、152Cを有するクロック信号増幅回路152の周波数特性は、図6に示すように、後段の増幅器ほど利得が低くなり、また、後段の増幅器ほど帯域が広がっている。したがって、第2の実施の形態によれば、図2において説明したクロック信号増幅回路152の高利得および広帯域特性をより効率的に得ることができる。

0051

<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図7は、第3の実施の形態に係るトラックアンドホールド回路1bの構成例を示すブロック図である。なお、以下の説明では、上述した第1および第2の実施の形態と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。

0052

第3の実施の形態におけるトラックアンドホールド回路1bは、第1および第2の実施の形態とは異なり、クロック信号増幅回路152を可変利得増幅回路252で構成している。第1の実施の形態では、クロック信号増幅回路152の利得や帯域の関係を単純化して、平坦な周波数特性を前提とした。しかし、帯域を向上させるためにインダクタピーキング等を用いる場合、増幅器において平坦な周波数特性が得られないことがある。

0053

この場合、クロック信号増幅回路152の波形ひずみが大きくなる影響で、クロック波形調整回路153により生成されるサンプリングクロック信号の振幅や立ち上がり時間Tr、立ち下がり時間Tfにずれが生じて一定ではなくなることがある。

0054

また、入力クロック信号の振幅が大きく変化するような場合、一定の利得を有するクロック信号増幅回路152では、同様に、波形ひずみがより大きくなるため、サンプリングクロック信号の振幅や立ち上がり時間Tr、立ち下がり時間Tfにずれが生じて一定でなくなることがある。

0055

このような場合に、クロック信号増幅回路152を可変利得増幅回路252で構成すれば、入力クロック信号の周波数や振幅に応じて、クロック信号増幅回路152の利得を調整することができる。さらに、クロック波形調整回路153から出力されるサンプリングクロック信号の振幅、および立ち上がり時間Trと立ち下がり時間Tfが一定となる。

0056

本実施の形態では、サンプリングクロック信号の振幅や立ち上がり時間Trと立ち下がり時間Tfの調整において、サンプリングクロック信号を生成するクロック波形調整回路153によって直接的に調整を行う構成を採用していない。これは、クロック波形調整回路153の後段には、大きな負荷となるサンプリング回路3が接続されているため、クロック波形調整回路153が備える、信号の利得を下げて広帯域化を図る機能に加えてさらに別の機能を設けることは設計上困難であると考えられるためである。

0057

また、第2の実施の形態で説明した、多段接続された複数の増幅器152A、152B、152Cを有するクロック信号増幅回路152において、特に利得の大きな1段目の増幅器152Aを可変利得増幅回路252で構成してもよい。これにより、入力クロック信号の周波数や振幅に応じて、1段目の増幅器152A(可変利得増幅回路252)の利得を調整して大きな振幅に増幅し、2段目および3段目の増幅器152B、152Cによって、より効率的に高周波成分が維持された信号に増幅することが可能となる。

0058

第3の実施の形態によれば、クロック信号増幅回路152を可変利得増幅回路252で構成するため、入力クロック信号の周波数や振幅に応じてクロック信号増幅回路152の利得が調整され、一定の振幅、および一定の立ち上がり時間Trと立ち下がり時間Tfを有するサンプリングクロック信号が生成される。

0059

<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図8は、第4の実施の形態に係るトラックアンドホールド回路1cの構成例を示すブロック図である。なお、以下の説明では、上述した第1から第3の実施の形態と同じ構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。

0060

第4の実施の形態におけるトラックアンドホールド回路1cは、第3の実施の形態で説明したクロック信号増幅回路152を可変利得増幅回路252で構成する点において共通する。しかし、第1から第3の実施の形態とは異なり、可変利得増幅回路252の出力を監視し、一定の振幅となるようにフィードバック制御する自動利得制御(AGC:Auto Gain Control)回路154を追加した構成を有する。

0061

第3の実施の形態で説明したトラックアンドホールド回路1bでは、可変利得増幅回路252の利得を、入力クロック信号の周波数や振幅に応じて予め設定する、又は、トラックアンドホールド回路1bの性能評価に基づいて調整を行う必要がある。しかし、第4の実施の形態においては、AGC回路154によるフィードバック制御により、可変利得増幅回路252の振幅が一定となる。したがって、入力クロック信号の周波数や振幅によらず、より安定的に一定の振幅、および一定の立ち上がり時間Trと立ち下がり時間Tfを有するサンプリングクロック信号が生成される。

0062

本実施の形態では、可変利得増幅回路252の出力を分岐してAGC回路154の入力信号とする構成としている。これは、クロック波形調整回路153の出力を監視する構成とすると、クロック波形調整回路153における負荷がさらに大きくなり、周波数特性を劣化させる要因となる恐れがあるためである。

0063

以上、本発明のトラックアンドホールド回路における実施の形態について説明したが、本発明は説明した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に記載した発明の範囲において当業者が想定し得る各種の変形を行うことが可能である。

0064

1、1a、1b、1c…トラックアンドホールド回路、2…データ入力バッファ、3…サンプリング回路、4…出力バッファ、5…クロック伝送回路、151…クロック入力バッファ、152…クロック信号増幅回路、152A、152B、152C…増幅器、252…可変利得増幅回路、153…クロック波形調整回路、154…AGC回路。

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