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図面 (16)

課題

加齢黄斑変性症のような新生血管形成(neovascularisation)によって特徴付けられる状態の、抗血管新生(anti−angionenic)治療および抗血管新生治療剤の提供。

解決手段

式1の化合物。式中、R1は置換/非置換のC1−6アルキル基等、R2はH等、R3は置換/非置換のC6−10アリール基、置換/非置換の含窒素複素環等、R4はH、ハロゲン、Qは−C(O)−、−C(S)−等、Wは置換/非置換の1−ピペラジニル基を表す。

概要

背景

発明の背景黄斑中央領域に影響を与え視力喪失を引き起こす疾患である加齢黄斑変性症(AMD)は、50を超える人々における失明の主な原因である(Bressler, 2004)。滲出性AMD(Exudative AMD)はAMDの中で最も重篤な型であり(Ferris et al., 1984)、主に黄斑の下の脈絡膜循環(choroidal circulation)に起因し、脈絡膜新生血管形成(choroidal neovascularization、CNV)によって特徴づけられる。脈絡膜から網膜色素上皮(RPE)への新しい血管の異常増殖であるCNVは(Patz et al., 1977)、最終的に光受容体喪失網膜剥離および密な黄斑瘢痕化につながるRPEの下での血液および体液漏れによる視力喪失につながると考えられている(Fine et al., 2000; Campochiaro et al., 2006)。血管新生および血管漏出における重要な因子である(Dvorak et al., 1995)血管内皮増殖因子VEGF)は、CNVの進行中にアップレギュレートされ(D’Amore, 1994年; Spilsbury et al., 2000; Anderson et al., 2002 ; Das et al., 2003)、滲出性AMDの治療のための最先の治療標的になっている。

VEGFは複雑な遺伝子であり、複数のアイソフォームファミリーを形成するように選択的スプライシングされ(Leung et al., 1989; Jingjing et al., 1999)、各アイソフォームは生物学的特性活性および機能が異なる(Houck et al., 1991)。ほとんどの細胞が、一般的に、VEGF121、VEGF165およびVEGF189アイソフォームを発現するのに対し、VEGF145およびVEGF206は比較的稀である。VEGFアイソフォームの大部分はエキソン1〜5を含むが(例外はVEGF111である(Mineur et al., 2007))、ヘパリン硫酸(HS)結合ドメインをコードするエキソン6および7の部分において異なる。これらのエキソンの使用における変化は、細胞表面ヘパラン硫酸プロテオグリカンへ結合したり、血管新生因子を放出したりするそれらの能力のような選択的スプライシングされたアイソフォームの生物学的特性を変化させる(Tischer et al., 1991; Neufeld et al., 1999)。

2002年に、第8エキソンの異なるスプライシング(differential spricing)が、近位スプライス部位(PSS)から遠位スプライス部位(DSS)66塩基下流に証明された(Bates et al., 2002; Woolard et al., 2004)。この領域の選択的スプライシングは、アイソフォームの第2のファミリー(VEGFXXXb)を生み出し、それらの抗血管新生特性が指摘される(Perrin et al., 2005)。その全体が参照により本明細書に組み込まれているWO03/102105には、選択的スプライシングアイソフォームおよびそれらの治療的意義が記載されている。

病的血管新生の間、血管新生促進(pro−angiogenic)アイソフォームが選択的にアップレギュレートされる(Bates et al., 2002; Varey et al., 2008; Pritchard−Jones et al., 2007)。このことは、VEGFXXXおよびVEGFXXXbが独立した制御経路を有し得ることを示唆している。VEGF165bおよびVEGF121bのようなこれらの抗血管新生(anti−angiogenic)アイソフォームは、網膜および脈絡膜新生血管形成の動物モデルの眼内注射の後において(Hua et al., 2008)、ならびに内皮および網膜上皮細胞の両方の細胞保護の結果(Magnussen et al., 2010)において、強力な抗血管新生性が示されている。

2004年12月に新生血管AMDの治療のためにFDA承認された最初の治療は、VEGF165、VEGF189およびVEGF206特異的なアプタマーペガプタニブナトリウム(マクジェン)であった。臨床試験中に、ペガプタニブ用量依存的に深刻な視力喪失のリスクを低下させ血管新生AMDの進行を遅くしたが(Gragoudas et al., 2004)、視力の有意な改善をもたらさなかった。2006年に、新規ヒト化抗VEGF抗体フラグメントであるラニビズマブルセンティス)が、新生血管AMDの治療のためにFDA承認された。その承認は、対照処理群における11%と比較して、1年で、ルセンティス0.5mgで毎月治療された患者の約95%が視力を維持し(<15文字損失(the loss of <15 letters)として定義される)、≦40%が視覚を改善した(≧15文字の獲得として定義される)3つの臨床試験の結果に基づく(Rosenfeld et al., 2006; Brown et al., 2006; Brown et al., 2009)。現在の治療計画は、毎月の頻度で、眼内注射によるルセンティス投与を必要とする(Brown et al., 2009; Schmidt−Erfuth et al., 2011)。このような眼内注射は、眼圧の上昇(Good et al., 2010)、および、大規模ではないとはいえ、眼内炎やその他の重篤な副作用のリスクをもたらす(Jager et al., 2004)。さらに、ルセンティスが由来する抗VEGF抗体であるベビシズマブ(bevicizumab)(アバスチン)は、VEGF165に等しい効力でVEGF165bに結合することが示され、したがって、促進(pro)と抗血管新生との両方のVEGFアイソフォームを標的とする(Varey et al., 2008)。

VEGFの抗血管新生および血管新生アイソフォームの両方が同じ遺伝子に由来しているため、アイソフォームファミリーの制御は選択的スプライシングの制御の結果である。我々は最近、近位スプライス部位でのVEGFのスプライシングを制御する経路をいくつか同定した。このことから、近位スプライス部位を使用してVEGFの血管新生促進アイソフォームを生成するという細胞による決定に重要な要件として(Nowak et al., 2008; Nowak et al., 2010)、RNA結合タンパクSRSF1(Nowak et al., 2008; Amin et al., 2011)およびそのキナーゼSRPK1(Sanford et al., 2005)が関与している。SRPK1のノックダウン腫瘍におけるインビボでのVEGF媒介性血管新生を強力に低下させ、ならびにSRPK1および2の阻害はインビボでの血管新生を低下させた(Amin et al., 2011)。

その開示が参照により本明細書に組み込まれるWO2008/11077、WO2009/106855、WO2010/058227、WO2011/036429、およびWO2011/148200には、VEGFXXXbアイソフォーム優位に発現を管理する治療および他の生理学的な薬剤の使用について記載されている。SRPK阻害剤は、原理上、そのような薬剤を構成することができる。

WO2005/063293は、SRPIN340および誘導体ならびにそれらの類似体を含むSRPK阻害剤のクラスを記載している。

VEGFXXXbアイソフォームの発現を管理するための新しい薬剤の開発は、例えば新生血管AMDだけでなく、VEGFXXXbが関与する全ての他の疾患の治療において、新時代を描く。

本発明は、特に、抗血管新生剤神経保護剤(neuroprotective agents)、透過性亢進障害を予防または治療するための薬剤として、疼痛を治療するための薬剤として、および子癇前症のリスクを低下させるまたは治療のための薬剤としての使用のための、SRPK1を標的とする新たな小分子阻害剤に、一部は基づいている。

本発明はまた、SRPK1を阻害することが知られている低分子量化合物(例えば、SRPIN340および誘導体、ならびにそれらの類似体)が、CNVの進行を阻害するために局所的または用量依存的手段で使用され得るという驚くべき発見に、少なくとも一部は基づいている。

概要

加齢黄斑変性症のような新生血管形成(neovascularisation)によって特徴付けられる状態の、抗血管新生(anti−angionenic)治療および抗血管新生治療剤の提供。式1の化合物。式中、R1は置換/非置換のC1−6アルキル基等、R2はH等、R3は置換/非置換のC6−10アリール基、置換/非置換の含窒素複素環等、R4はH、ハロゲン、Qは−C(O)−、−C(S)−等、Wは置換/非置換の1−ピペラジニル基を表す。

目的

本発明は、眼新生血管形成の用量依存治療または予防における使用のための、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物水和物もしくはプロドラッグを提供する

効果

実績

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請求項1

式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を含む眼新生血管形成用量依存もしくは局所治療または予防剤; ここで:R1は1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基ハロゲン原子ニトロ基シアノ基アジド基ヒドロキシ基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキルチオ基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基カルボキシル基ホルミル基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルコキシカルボニル基アシル基アシルアミノ基、またはスルファモイル基を表し;R2は水素原子、または1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基を表し;R3は1つ以上の置換基を有していてもよいC6−10アリール基、1つ以上の置換基を有していてもよい含窒素複素環、1つ以上の置換基を有していてもよい含酸素複素環、または1つ以上の置換基を有していてもよい縮芳香族複素環を表し;R4は水素原子またはハロゲン原子を表し;Qは−C(O)−、−C(S)−、−C(S)NHC(O)−、−C(O)NHC(O)−、またはC(O)NHC(S)−を表し;ならびにWは1つ以上の置換基を有していてもよい1−ピペラジニル基を表す。

請求項2

用量依存および局所治療または予防剤である、請求項1に記載の眼新生血管形成の治療または予防剤。

請求項3

前記眼新生血管形成が、脈絡膜新生血管形成である、請求項1または2に記載の眼新生血管形成の治療または予防剤。

請求項4

前記眼新生血管形成が、網膜新生血管形成である、請求項1または2に記載の眼新生血管形成の治療または予防剤。

請求項5

式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物;ここで:R1は1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、臭素原子塩素原子、ニトロ基、シアノ基、アジド基、ヒドロキシ基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキルチオ基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基、ホルミル基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルアミノ基、またはスルファモイル基を表し;R2は水素原子、または1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基を表し;R3は1つ以上の置換基を有していてもよい含酸素複素環、または1つ以上の置換基を有していてもよい2−もしくは3−もしくは4−ピリジル基を表し;R4は水素原子またはハロゲン原子を表し;Qは−C(O)−、−C(S)−、−C(S)NHC(O)−、−C(O)NHC(O)−、またはC(O)NHC(S)−を表し;ならびにWは1つ以上の置換基を有していてもよい1−ピペラジニル基を表す。

請求項6

式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは水和物を含む哺乳動物対象抗血管新生治療剤; ここで:R1は1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アジド基、ヒドロキシ基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキルチオ基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基、カルボキシル基、ホルミル基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルアミノ基、またはスルファモイル基を表し;R2は水素原子、または1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基を表し;R3は1つ以上の置換基を有していてもよい含酸素複素環、または1つ以上の置換基を有していてもよい2−もしくは3−もしくは4−ピリジル基を表し;R4は水素原子またはハロゲン原子を表し;Qは−C(O)−、−C(S)−、−C(S)NHC(O)−、−C(O)NHC(O)−、またはC(O)NHC(S)−を表し;ならびにWは1つ以上の置換基を有していてもよい1−ピペラジニル基を表す。

請求項7

請求項6で規定される化合物を含む、微小血管透過性亢進障害(microvascularhyperpermeabilitydisorders)のための、またはVEGFXXXアイソフォーム血管新生促進透過性促進特性(pro−angiogenicpro−permeabilityproperties)の制御のための、または増加した透過性の無い(withoutincreasedpermeability)上皮細胞生存支援における、上皮濾過膜開窓(fenestrations)の性質の低下のための治療または予防剤。

請求項8

請求項6で規定される化合物を含む、神経障害(neuropathic)および神経変性障害(neurodegenerativedisorder)のための、またはインビボもしくはインビトロでの神経保護(neuroprotective)もしくは神経再生(neuroregenerative)のための治療または予防剤。

請求項9

請求項6で規定される化合物を含む、VEGFR2媒介性非炎症性疼痛(VEGFR2−mediatednon−inflammatorypain)の治療または予防剤。

請求項10

請求項6で規定される化合物を含む、子癇前症もしくはそれに関連する合併症発症する雌性哺乳類(femalemammal)のリスク、または母体の子癇前症に関連した胎児もしくは新生児不全を発症する雌性哺乳類の胎児のリスクの低下における使用のための治療または予防剤。

請求項11

請求項6に記載の式(I)の化合物、任意に1つ以上の他の活性成分および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物

請求項12

請求項5に記載の式(I)の化合物、任意に1つ以上の他の活性成分および薬学的に許容される担体を含む、眼内注射に適した形態の医薬組成物。

請求項13

請求項5に記載の式(I)の化合物、任意に1つ以上の他の活性成分および薬学的に許容される担体を含む、眼への局所投与に適した形態の医薬組成物。

請求項14

R1がトリフルオロメチル基を表す、請求項5に記載の化合物、または請求項1〜4もしくは6〜10のいずれか1項に記載の治療もしくは予防剤、または請求項11〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。

請求項15

R3が、含酸素複素環または2−もしくは3−もしくは4−ピリジル基を表し、それらのそれぞれが1つ以上の置換基を有していてもよい、請求項14に記載の化合物、治療もしくは予防剤、または医薬組成物。

請求項16

R3が、フェニル基または2−もしくは3−もしくは4−ピリジル基により置換された含酸素複素環を表す、請求項15に記載の化合物、治療もしくは予防剤、または医薬組成物。

請求項17

Wが、1−ピペラジニル基または4−メチル−1−ピペラジニル基または4−(ジメチルアミノエチル)−1−ピペラジニル基または4−(ジメチルアミノ)プロピル)−1−ピペラジニル基を表す、請求項14〜16のいずれか1項に記載の化合物、治療もしくは予防剤、または医薬組成物。

技術分野

0001

発明の分野 本発明は、特に、例えば加齢黄斑変性症のような新生血管形成(neovascularisation)によって特徴付けられる状態の、抗血管新生(anti−angionenic)治療および抗血管新生治療において使用するための化合物に関する。

0002

本発明はまた、透過性亢進障害(hyperpermeability disorder)の治療、および透過性亢進障害の治療において使用するための化合物に関する。

0003

本発明はまた、例えばアルツハイマー病のような、神経障害(neuropathic)および神経変性(neurodegenerative)障害の治療、ならびに神経障害および神経変性障害の治療において使用するための化合物に関する。

0004

本発明はまた、疼痛の治療、および疼痛の治療において使用するための化合物に関する。

0005

本発明はまた、子癇前症(pre−eclampsia)のリスクを低下させる方法、およびそのような方法における使用のための化合物に関する。

背景技術

0006

発明の背景黄斑中央領域に影響を与え視力喪失を引き起こす疾患である加齢黄斑変性症(AMD)は、50を超える人々における失明の主な原因である(Bressler, 2004)。滲出性AMD(Exudative AMD)はAMDの中で最も重篤な型であり(Ferris et al., 1984)、主に黄斑の下の脈絡膜循環(choroidal circulation)に起因し、脈絡膜新生血管形成(choroidal neovascularization、CNV)によって特徴づけられる。脈絡膜から網膜色素上皮(RPE)への新しい血管の異常増殖であるCNVは(Patz et al., 1977)、最終的に光受容体喪失網膜剥離および密な黄斑瘢痕化につながるRPEの下での血液および体液漏れによる視力喪失につながると考えられている(Fine et al., 2000; Campochiaro et al., 2006)。血管新生および血管漏出における重要な因子である(Dvorak et al., 1995)血管内皮増殖因子VEGF)は、CNVの進行中にアップレギュレートされ(D’Amore, 1994年; Spilsbury et al., 2000; Anderson et al., 2002 ; Das et al., 2003)、滲出性AMDの治療のための最先の治療標的になっている。

0007

VEGFは複雑な遺伝子であり、複数のアイソフォームファミリーを形成するように選択的スプライシングされ(Leung et al., 1989; Jingjing et al., 1999)、各アイソフォームは生物学的特性活性および機能が異なる(Houck et al., 1991)。ほとんどの細胞が、一般的に、VEGF121、VEGF165およびVEGF189アイソフォームを発現するのに対し、VEGF145およびVEGF206は比較的稀である。VEGFアイソフォームの大部分はエキソン1〜5を含むが(例外はVEGF111である(Mineur et al., 2007))、ヘパリン硫酸(HS)結合ドメインをコードするエキソン6および7の部分において異なる。これらのエキソンの使用における変化は、細胞表面ヘパラン硫酸プロテオグリカンへ結合したり、血管新生因子を放出したりするそれらの能力のような選択的スプライシングされたアイソフォームの生物学的特性を変化させる(Tischer et al., 1991; Neufeld et al., 1999)。

0008

2002年に、第8エキソンの異なるスプライシング(differential spricing)が、近位スプライス部位(PSS)から遠位スプライス部位(DSS)66塩基下流に証明された(Bates et al., 2002; Woolard et al., 2004)。この領域の選択的スプライシングは、アイソフォームの第2のファミリー(VEGFXXXb)を生み出し、それらの抗血管新生特性が指摘される(Perrin et al., 2005)。その全体が参照により本明細書に組み込まれているWO03/102105には、選択的スプライシングアイソフォームおよびそれらの治療的意義が記載されている。

0009

病的血管新生の間、血管新生促進(pro−angiogenic)アイソフォームが選択的にアップレギュレートされる(Bates et al., 2002; Varey et al., 2008; Pritchard−Jones et al., 2007)。このことは、VEGFXXXおよびVEGFXXXbが独立した制御経路を有し得ることを示唆している。VEGF165bおよびVEGF121bのようなこれらの抗血管新生(anti−angiogenic)アイソフォームは、網膜および脈絡膜新生血管形成の動物モデルの眼内注射の後において(Hua et al., 2008)、ならびに内皮および網膜上皮細胞の両方の細胞保護の結果(Magnussen et al., 2010)において、強力な抗血管新生性が示されている。

0010

2004年12月に新生血管AMDの治療のためにFDA承認された最初の治療は、VEGF165、VEGF189およびVEGF206特異的なアプタマーペガプタニブナトリウム(マクジェン)であった。臨床試験中に、ペガプタニブ用量依存的に深刻な視力喪失のリスクを低下させ血管新生AMDの進行を遅くしたが(Gragoudas et al., 2004)、視力の有意な改善をもたらさなかった。2006年に、新規ヒト化抗VEGF抗体フラグメントであるラニビズマブルセンティス)が、新生血管AMDの治療のためにFDA承認された。その承認は、対照処理群における11%と比較して、1年で、ルセンティス0.5mgで毎月治療された患者の約95%が視力を維持し(<15文字損失(the loss of <15 letters)として定義される)、≦40%が視覚を改善した(≧15文字の獲得として定義される)3つの臨床試験の結果に基づく(Rosenfeld et al., 2006; Brown et al., 2006; Brown et al., 2009)。現在の治療計画は、毎月の頻度で、眼内注射によるルセンティス投与を必要とする(Brown et al., 2009; Schmidt−Erfuth et al., 2011)。このような眼内注射は、眼圧の上昇(Good et al., 2010)、および、大規模ではないとはいえ、眼内炎やその他の重篤な副作用のリスクをもたらす(Jager et al., 2004)。さらに、ルセンティスが由来する抗VEGF抗体であるベビシズマブ(bevicizumab)(アバスチン)は、VEGF165に等しい効力でVEGF165bに結合することが示され、したがって、促進(pro)と抗血管新生との両方のVEGFアイソフォームを標的とする(Varey et al., 2008)。

0011

VEGFの抗血管新生および血管新生アイソフォームの両方が同じ遺伝子に由来しているため、アイソフォームファミリーの制御は選択的スプライシングの制御の結果である。我々は最近、近位スプライス部位でのVEGFのスプライシングを制御する経路をいくつか同定した。このことから、近位スプライス部位を使用してVEGFの血管新生促進アイソフォームを生成するという細胞による決定に重要な要件として(Nowak et al., 2008; Nowak et al., 2010)、RNA結合タンパクSRSF1(Nowak et al., 2008; Amin et al., 2011)およびそのキナーゼSRPK1(Sanford et al., 2005)が関与している。SRPK1のノックダウン腫瘍におけるインビボでのVEGF媒介性血管新生を強力に低下させ、ならびにSRPK1および2の阻害はインビボでの血管新生を低下させた(Amin et al., 2011)。

0012

その開示が参照により本明細書に組み込まれるWO2008/11077、WO2009/106855、WO2010/058227、WO2011/036429、およびWO2011/148200には、VEGFXXXbアイソフォーム優位に発現を管理する治療および他の生理学的な薬剤の使用について記載されている。SRPK阻害剤は、原理上、そのような薬剤を構成することができる。

0013

WO2005/063293は、SRPIN340および誘導体ならびにそれらの類似体を含むSRPK阻害剤のクラスを記載している。

0014

VEGFXXXbアイソフォームの発現を管理するための新しい薬剤の開発は、例えば新生血管AMDだけでなく、VEGFXXXbが関与する全ての他の疾患の治療において、新時代を描く。

0015

本発明は、特に、抗血管新生剤神経保護剤(neuroprotective agents)、透過性亢進障害を予防または治療するための薬剤として、疼痛を治療するための薬剤として、および子癇前症のリスクを低下させるまたは治療のための薬剤としての使用のための、SRPK1を標的とする新たな小分子阻害剤に、一部は基づいている。

0016

本発明はまた、SRPK1を阻害することが知られている低分子量化合物(例えば、SRPIN340および誘導体、ならびにそれらの類似体)が、CNVの進行を阻害するために局所的または用量依存的手段で使用され得るという驚くべき発見に、少なくとも一部は基づいている。

0017

発明の概要
第一の側面において、本発明は、眼新生血管形成の用量依存治療または予防における使用のための、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物水和物もしくはプロドラッグを提供する。

0018

0019

ここで:R1は水素原子、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、1つ以上の置換基を有していてもよいC2−6アルケニル基、1つ以上の置換基を有していてもよいC2−6アルキニル基、1つ以上の置換基を有していてもよいC6−10アリール基ハロゲン原子ニトロ基シアノ基アジド基ヒドロキシ基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキルチオ基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基カルボキシル基ホルミル基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルコキシカルボニル基アシル基アシルアミノ基、またはスルファモイル基を表し;R2は水素原子、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、または1つ以上の置換基を有していてもよいアリール基を表し;R3は1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、1つ以上の置換基を有していてもよいC2−6アルケニル基、1つ以上の置換基を有していてもよいC6−10アリール基、1つ以上の置換基を有していてもよい含窒素複素環、1つ以上の置換基を有していてもよい含酸素複素環、または1つ以上の置換基を有していてもよい縮芳香族複素環を表し;R4は水素原子またはハロゲン原子を表し;Qは−C(O)−、−C(S)−、−SO2− −C(S)NHC(O)−、−C(O)NHC(O)−、またはC(O)NHC(S)−を表し;ならびにWは水素原子、アミノ、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、1つ以上の置換基を有していてもよいC6−10アリール基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルコキシ基、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキルチオ基、1つ以上の置換基を有していてもよい含窒素複素環、1つ以上の置換基を有していてもよい縮合芳香族複素環、または下記式(II)で表される基を表す:

0020

0021

ここで、R5およびR6は同一または異なって、それぞれ水素原子、1つ以上の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基、1つ以上の置換基を有していてもよい含窒素複素環、1つ以上の置換基を有していてもよい縮合芳香族複素環、アシル基、もしくはアシルアミノ基;もしくは上記R5およびR6は隣接する窒素原子一緒になって、1つ以上の置換基を有していてもよい複素環を形成してもよく、前記複素環は1つ以上の置換基を有していてもよい縮合芳香族複素環であってもよく;もしくは上記R5およびR6は1つ以上の置換基を有していてもよいシクロアルキリデンアミノ基、または1つ以上の置換基を有していてもよい芳香族縮合シクロアルキリデン基であってもよい。

0022

用量依存性は、好ましくはS字状の効能/用量の関係であり、例えば、添付図面の図4(左側のパネル)に例証されるタイプのものである。表現「眼新生血管形成」は、例えば加齢黄斑変性症のような脈絡膜新生血管形成を含む、眼新生血管形成によって特徴づけられる疾患および障害(disease and disorder)をその範囲内に含む。用語「眼新生血管形成」は、また、網膜新生血管形成によって特徴づけられる疾患および障害をその範囲内に含む。

0023

第二の側面において、本発明は、眼新生血管形成の局所治療または予防における使用のための、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグを提供する。

0024

本発明の第一および第二の側面はまた、用量依存的治療としておよび/または局所治療として、そのような治療を必要とする対象(subject)に式(I)の化合物を投与することによる眼新生血管形成の治療または予防のそれぞれの方法、ならびに眼新生血管形成の治療または予防のための薬剤(medicament)の調製における式(I)の化合物のそれぞれの使用を提供する。

0025

本発明において使用される化合物が、眼新生血管形成の用量依存的な治療もしくは予防、または眼新生血管形成の局所的な治療もしくは予防を可能にすることは、驚くべきことであり、先行技術からは予想されない。用量依存的治療は、内在的(inherently)に予測できず、それでも、効果的な治療のために非常に望ましく且つ有益である。

0026

特定の式(I)の化合物、ならびにWO2005/063293号に記載されるような式(I)の化合物の好ましいまたは例示のサブクラス、ならびにそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物およびプロドラッグは、本発明における使用のために特に言及され得る。

0027

本発明の方法における使用のために特に言及され得る式(I)の化合物のさらなる例は、R3が、1つ以上の置換基を有していてもよい含酸素複素環、または1つ以上の置換基を有していてもよい2−もしくは3−もしくは4−ピリジル基のものである。好ましい化合物は、R3がフェニル基または2−もしくは3−もしくは4−ピリジル基により置換された含酸素複素環が挙げられ、それら自身が本明細書に記載されるようにさらに置換されていてもよい。これらの式(I)の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物およびプロドラッグは新規であり、化合物それ自体として(眼新生血管形成の用量依存的な治療もしくは予防における、および/または眼新生血管形成の局所的な治療もしくは予防におけるそれらの使用と同様に)、それらは本発明のさらなる側面を構成する。

0028

前記新規化合物を含む医薬組成物、ならびに、抗血管新生治療(異常または過剰な血管新生によって特徴づけられる疾患および障害の治療および予防を含む)、透過性亢進障害の治療、神経障害および神経変性障害の治療、非炎症性疼痛の治療ならびに子癇前症のリスクを低下する方法における前記新規化合物ならびにそれを含む医薬組成物の使用は、本発明のさらなる側面を構成する。

0029

R3が1つ以上の置換基を有していてもよい含酸素複素環である式(I)の新規化合物において、R3基は、例えばC1−6アルキル基、例えばメチル、によって任意に置換されるフラニル基、例えば5−メチル−フラン−2−イルであってもよく、または、シアノ、ハロニトロ、ホルミル、2−もしくは3−もしくは4−ピリジル、もしくは1つ以上の置換基を有していてもよいフェニルによって任意に置換されるフラニル基であってもよい。

0030

R3が1つ以上の置換基を有していてもよい2−または3−または4−ピリジル基である式(I)の新規化合物において、1つ以上の置換基を有していてもよい前記2−または3−または4−ピリジル基は、例えば、無置換の3−ピリジル基であってもよい(すなわち、ピリジル基の窒素ヘテロ原子が、Q基に対してメタである。)。

0031

式(I)の新規化合物の好ましい例としては、Wがアミノ基、または1つ以上の置換基を有していてもよいモルホリニル基、より具体的には無置換のモルホリン−4−イル基であるものを挙げることができ、または、1つ以上の置換基、例えば4−メチル置換基もしくはアルキルアミノ置換基、より具体的には例えば4−(ジメチルアミノエチルもしくは4−(ジメチルアミノ)プロピル置換基を有していてもよい1−ピペラジニル基であるものを挙げることができる。この基において、さらにR1がトリフルオロメチル、R2およびR4が両方ともHである化合物が特に言及され得る。

0032

本発明の第一および第二の側面における使用について、特に好ましくは、(a)R3が、1つ以上の置換基、例えばフェニル置換基もしくは2−もしくは3−もしくは4−ピリジル置換基、を有していてもよい含酸素複素環、または1つ以上の置換基を有していてもよいフェニル置換基もしくは2−もしくは3−もしくは4−ピリジル基である式(I)の上記化合物、(b)図面の図1にその式が示されるSRPIN340、および(c)それらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物またはプロドラッグが挙げられる。R3が1つ以上の置換基を有していてもよい含酸素複素環または1つ以上の置換基を有していてもよい2−もしくは3−もしくは4−ピリジル基である式(I)の化合物の例としては、図面の図1にその式が示されるMVRL09およびMVRL10、ならびに表1にその式が示されるMVRL16、MVRL17、SPHINX9、SPHINX10、SPHINX12、SPHINX13およびSPHINX14が挙げられる。誤解を避けるために、化合物MVRL10、MVRL16およびMVRL17は、それぞれSPHINX、SPHINX6およびSPHINX7とも記載される。

0033

式(I)の化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物およびプロドラッグは、以下の特徴の1つ以上によってさらに特徴づけられてもよく、これらは、単独でまたは任意の組み合わせで、本明細書またはWO2005/063293号に記載のいずれの例および選択(preference)とも組み合わせ可能である、化合物について:1.R1はトリフルオロメチル基を表すことができる;2.R3は含酸素複素環または2−もしくは3−もしくは4−ピリジル基を表すことができる;3.R3はフェニル基または2−もしくは3−もしくは4−ピリジル基により置換された含酸素複素環を表すことができる;4.Wは、1つ以上の置換基を有していてもよい4−モルホリノ基、または1つ以上の置換基を有していてもよい1−ピペラジニル基を表すことができる;5.Wは1−ピペラジニル基または4−メチル−1−ピペラジニル基または4−(2−(ジメチルアミノ)エチル)−1−ピペラジニル基または4−(2−(ジメチルアミノ)プロピル)−1−ピペラジニル基を表すことができる;6.R1はトリフルオロメチル基であり、R2=R4=H、R3は4−(3−ピリジル)−フラン−2−イルであり、およびQは−C(O)−であるとき、WはR5またはR6がアミノによって置換されたC1−6アルキル基または置換されたアミノである式(II)で表される基ではない;ならびに7.R2=R4=H、R3は4−ピリジルであり、およびWはN−ピペリジニルであり、およびQは−C(O)−であるとき、R1は水素ではない。

0034

式(I)で表される化合物は、例えば:(1)上記のR1が水素原子、C1−6アルキル基、ハロゲン化C1−6アルキル基、またはハロゲン原子である化合物;(2)上記のR1がトリフルオロメチル基である化合物; (3)上記のR2が水素原子、またはC1−6アルキル基である化合物;(4)上記のR2が水素原子である化合物;(5)上記のR3が1つ以上の置換基を有する含窒素5〜10員ヘテロアリール環(nitrogen−containing 5− to 10−membered heteroaryl ring)、または置換基を有していてもよい含酸素5〜10員ヘテロアリール環である化合物;(6)上記のR3が1つ以上の置換基を有していてもよいピリジル環またはフラン環である化合物;(7)上記のR3が2−または3−または4−ピリジル環である化合物;(8)上記のR3が1つ以上の置換基を有していてもよいフラン環である化合物;(9)上記のR3がフェニル環またはピリジル環で置換されたフラン環である化合物;(10)上記のR4が水素原子である化合物;(11)上記のQが−C(O)−または−C(O)NHC(S)−である化合物であって、ここで、C(O)は酸素原子二重結合を介して炭素原子に結合していることを意味し、およびC(S)は硫黄原子が二重結合を介して炭素原子に結合していることを意味する;(12)上記のQが−C(O)−である化合物;(13)上記のWが上記式(II)で表され、R5およびR6は隣接する窒素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい複素環基を形成する化合物;(14)上記のWが、置換基としてC1−6アルキル基を有していてもよい1つの窒素原子を含む4〜8員複素環基(4− to 8− membered heterocyclic group)、置換基としてC1−6アルキル基を有していてもよい1つの窒素原子および1つの酸素原子を含む4〜8員複素環基、または置換基としてC1−6アルキル基を有していてもよい2つの窒素原子を含む4〜8員複素環基である化合物;(15)上記のWが、置換基としてC1−6アルキル基を有していてもよい1つまたは2つの窒素原子を含む4〜8員複素環基である化合物;(16)上記のWが置換基としてC1−6アルキル基を有していてもよいモルホリノ基である化合物;(17)上記のWが、置換基としてC1−6アルキル基を有していてもよいピペリジニル基またはピペラジニル基である化合物;ならびに(18)上記のWが、置換基としてC1−6アルキル基を有していてもよいピペラジニル基である化合物。

0035

上述の化合物において、R1は(1)、(2)の順で好ましく、(2)がより好ましい。R2は(3)、(4)の順で好ましく、(4)がより好ましい。R3は(5)〜(9)の順で好ましく、(9)がより好ましい。Qは(11)、(12)の順で好ましく、(12)がより好ましい。Wは(13)〜(18)の順で好ましく、(18)がより好ましい。

0036

より好ましい化合物は、上記式(I)で表され、置換基タイプの任意の組合せを含み、R1については(1)〜(2)から、R2については(3)〜(4)から、R3については(5)〜(9)から、R4については(10)から、Qについては(11)〜(12)から、またはWについては(13)〜(18)からそれぞれが選択される。

0037

それゆえ、特に言及される化合物は、式(I)で表されるもののうち、R1がトリフルオロメチル基であり;R2およびR4がそれぞれ水素原子であり;R3がピリジル環またはフラン環であり、そのそれぞれが1つ以上の置換基を有していてもよく;Qが−C(O)−であり;およびWが、1つ以上の置換基を有していてもよい1つの窒素原子を含む4〜8員複素環基、1つ以上の置換基を有していてもよい1つの窒素原子および1つの酸素原子を含む4〜8員複素環基、または1つ以上の置換基を有していてもよい2つの窒素原子を含む4〜8員複素環基である。

0038

このクラスの化合物の中で、より好ましい化合物は、式(I)で表されるもののうち、R1がトリフルオロメチル基であり;R2およびR4がそれぞれ水素原子であり;R3がピリジル環またはフラン環であり、そのそれぞれが1つ以上の置換基を有していてもよく;Qが−C(O)−であり;およびWがモルホリノ基、ピペリジニル基、またはピペラジニル基であり、そのそれぞれが1つ以上の置換基を有していてもよい。

0039

特に言及される化合物は、式(Ia)のものである:

0040

0041

ここで、Wは1つ以上の置換基を有していてもよい1つの窒素原子を含む4〜8員複素環基、1つ以上の置換基を有していてもよい1つの窒素原子および1つの酸素原子を含む4〜8員複素環基、または1つ以上の置換基を有していてもよい2つの窒素原子を含む4〜8員複素環基であり;ならびに、R8は水素、シアノ基、C1−6アルキル基、フェニル基または2−,3−,もしくは4−ピリジル環である。Wによって定義された4〜8員複素環基上の置換基は、式(I)の化合物に関連して他の部分で定義されるようなものであってもよい。

図面の簡単な説明

0042

図1Aは、SRPK1およびSRPK2に対する活性を示す3つの化合物の構造を示す。図1Bおよび図1Cは、SRPK1およびSRPK2それぞれに対する図1Aの化合物の活性を示す。
図2Aは、ARPE−19細胞における、チューブリン対照と比較したSRSF1発現に対する、図1Aの化合物の効果を示す。図2Bは、初代RPE細胞における、GAPDHと比較したVEGF165mRNAアイソフォームの発現に対する、図1Aの化合物の効果を示す。図2Cは、総タンパク質と比較したVEGF発現に対する、図1Aの化合物の効果を示す。図2Dは、VEGFXXXb/総VEGF発現の比に対する、図1Aの化合物の効果を示す。
図3Aは、レーザー誘発マウスCNVモデルにおける、図1Aの化合物の効果を示す。図3Bは、VEGF抗体G6−31と比較した、レーザー誘発ラットCNVモデルにおける、VEGF発現に対するSRPIN340の効果を示す。図3Cは、SRPIN340で処理した眼からの網膜タンパク質中のVEGF発現に対する、SRPIN340の効果を示す。
図4Aは、SRPIN340によるレーザー誘発CNVの阻害の用量依存的性質を示す。図4Bは、硝子体内注射後の眼における、SRPIN340の半減期曲線を示す。
図5Aは、CNV病変領域上へ局所的に投与されたSRPIN340点眼薬(drops)の効果を示す。図5Bは、網膜におけるVEGF165mRNA発現に対する、局所的に投与されたSRPIN340の効果を示す。図5Cは、局所投与後の眼全体における、SRPIN340の半減期曲線を示す。図5Dは、局所投与後の眼の後房(posterior chamber)における、SRPIN340の半減期曲線を示す。
図6は、SRPIN340処理後の網膜タンパク質における抗VEGFアイソフォームに対する促進型(pro)の比を示す。
図7は、インビトロアッセイにおける、式(Ia)および表1で定義されている化合物SPHINX、SPHINX6、SPHINX7およびSPHINX8のSRPK1の阻害のレベルを示す。
図8は、インビトロキナーゼアッセイにおける、式(Ia)および表1で定義されている化合物SPHINX、SPHINX12、SPHINX13およびSPHINX14のSRPK1阻害のレベルを示す。
図9Aは、VEGF165bRNA転写に対する、SPHINX6および7の効果を示す。
図9Bは、VEGF165bタンパク質発現に対する、SPHINX6および7の効果を示す。
図10Aおよび10Bは、SPHINX7がEGFの活性化によって誘導されるSRSF1リン酸化を阻害することを示す。
図10Aおよび10Bは、SPHINX7がEGFの活性化によって誘導されるSRSF1リン酸化を阻害することを示す。
図11は、SPHINX7が点眼薬として眼における血管新生を阻害することを示す。SRPIN340およびSPHINX7は、CNV形成を有意に阻害した。SPHINX7についてのIC50は、225ng/mlであった。
図12は、SPHINX7が点眼薬として眼における血管新生を阻害することを証明するさらなるデータを示す。
図13は、SRPK1を標的にすることによる、前立腺腫瘍増殖の阻害を証明する。

0043

発明の詳細な説明
抗血管新生治療
抗血管新生治療は、好ましくは、異常な血管新生または血管新生促進VEGFアイソフォーム(VEGFXXX)の異常な過剰産生に関連する、任意の疾患または障害の治療または予防を含む。このような疾患または障害は、例えば、血管疾患(例えば、血管収縮および血管収縮を特徴とする障害、ならびに心血管疾患)、悪性および良性腫瘍(例えば、血管新生依存性癌、例えば腫瘍性癌(tumorous cancers))、腫瘍転移炎症性障害糖尿病糖尿病性網膜症および糖尿病の他の合併症(例えば、糖尿病性新生血管形成)、トラコーマ水晶体後部肥大(retrolental hyperplasia)、新生血管緑内障、加齢黄斑変性症、血管腫移植角膜組織免疫拒絶、眼外傷または感染に関連する角膜血管新生オスラー−ウェーバー(Osler−Webber)症候群心筋血管新生、創部肉芽形成(wound granulation)、毛細血管拡張症血友病関節(hemophiliac joint)、血管線維腫、毛細血管拡張症乾癬強皮症(telangiectasia psoriasis scleroderma)、化膿性肉芽腫冠動脈側副(coronary collaterals)、虚血肢血管新生、ルベオーシス肥満関節炎(例えば、関節リウマチ)、造血(hematopoieses)、脈管形成歯肉炎アテローム性動脈硬化症子宮内膜症新生内膜過形成、乾癬、多毛症、ならびに増殖性網膜症が挙げられる。本発明の抗血管新生治療はまた、健康な対象に対して行われる非治療的処理、例えば、化粧品の目的で血管の発達を阻害すること、を含んでもよい。異常な血管新生に関連する疾患および障害ならびに抗血管新生治療のさらなる詳細については、WO2008/110777号を参照し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。

0044

微小血管透過性亢進障害(microvascular hyperpermeability disorders)、上皮細胞生存(epithelial cell survival)の障害および上皮濾過膜開窓(fenestrations)の障害 本発明の化合物は、SRPK1阻害剤として、選択的にスプライシングされたVEGFXXXbアイソフォームが関与している他の障害の治療において、治療剤としても使用され得る。例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれるWO2010/058227に示されるように、VEGFXXXbは微小血管透過性亢進障害、上皮細胞生存の障害および上皮濾過膜の開窓(fenestrations)の障害の範囲に対して活性がある。

0045

微小血管透過性亢進、VEGFXXXアイソフォームの血管新生促進透過性促進特性(pro−angiogenic pro−permeability properties)の制御障害、上皮細胞生存および透過性の障害、および/または上皮濾過膜の開窓の性質(例えば数密度および/またはサイズ)における障害は、数多くの深刻な医学的症状の根底にある。

0046

このような症状の例としては、例えば、蛋白尿尿毒症、微量アルブミン尿低アルブミン血症過剰濾過(renal hyperfiltration)、ネフローゼ症候群腎不全肺高血圧症毛細血管透過性亢進微細動脈瘤(microaneurysms)、浮腫および糖尿病の血管合併症が挙げられる。

0047

糖尿病の血管合併症の例としては、例えば、糖尿病性網膜症、増殖性および非増殖性の両方(both proliferative and non−proliferative)、および糖尿病性腎症が挙げられる。糖尿病の血管合併症は、I型またはII型糖尿病のいずれかに関連付けられることができる。

0048

血液からのタンパク質の損失はさらなる合併症、例えば、血栓症、特に脳での血栓症、および感染症に対する脆弱性を引き起こすことがある。血液からの天然タンパク質の損失は、癌治療の有効性重度に損なう可能性がある。

0049

微小血管透過性亢進障害は、特に、腎障害、例えばGFBの透過性障害、例えば有足細胞(podocyte)の透過性障害であり得る。

0050

上皮細胞生存を支援する治療が有効である疾患の例は以下である:急性肺線維症成人呼吸窮迫症候群、成人呼吸窮迫症候群、進行癌アレルギー性呼吸器疾患肺胞傷害(alveolar injury)、血管新生、関節炎、腹水症喘息火傷後の喘息または浮腫、アテローム性動脈硬化症、自己免疫疾患骨吸収水疱性類天疱瘡を含む表皮下水疱形成と関連する水疱性疾患、心血管症状糸球体またはメサンギウム細胞の増殖に関連する特定の腎疾患慢性およびアレルギー性炎症慢性肺疾患慢性閉塞性肺疾患肝硬変、角膜血管新生、角膜疾患冠状動脈および大脳側副血管形成、冠動脈再狭窄心疾患後のダメージ疱疹状皮膚炎、糖尿病、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、エンドトキシンショック多形性紅斑線維症糸球体腎炎(glomerular nephritis)、糸球体腎炎(glomerulonophritis)、移植片拒絶グラム陰性敗血症、血管腫、肝硬変、肝不全帯状疱疹(Herpes Zoster)、宿主対移植片反応腎臓肝臓心臓、および皮膚の虚血再灌流障害および同種移植片拒絶反応)、感染症における創傷治癒不全単純ヘルペスによる感染症、ヒト免疫不全ウイルスHIV)の感染症、炎症、癌、炎症性腸疾患クローン病および潰瘍性大腸炎)、炎症症状ステント再狭窄、ステント内狭窄、虚血、虚血性網膜静脈閉塞症、虚血性網膜症、カポジ肉腫ケロイド急性炎症の間の肝疾患同種移植片拒絶閉塞性気管支炎)、リンパ系悪性腫瘍未熟児黄斑変性網膜症、骨髄異形成症候群、心筋血管新生、新生血管緑内障、インスリン非依存性糖尿(NIDDM)、閉塞性細気管支炎、眼の症状または疾患、網膜血管増殖と関連する眼疾患、Osier−Weber−Rendu病、変形性関節症卵巣過剰刺激症候群、パジェット病膵炎天疱瘡多発性嚢胞腎疾患ポリープ閉経後骨粗鬆症(postmenopausal osteoperosis)、子癇前症、乾癬、肺水腫、肺線維症、肺サルコイドーシス、再狭窄、再狭窄、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症および加齢黄斑変性症などの網膜症;リウマチ性関節炎、リウマチ性関節炎、ルベオーシス、サルコイドーシス、敗血症、脳卒中、滑膜炎全身性エリテマトーデス甲状腺炎(throiditis)、血栓細小血管症候群(thrombic micoangiopathy syndromes)、移植片拒絶反応、外傷、腫瘍関連血管新生、血管移植片再狭窄、血管移植片再狭窄、フォンヒッペルリンドウ(Von HippelLindau)病、創傷治癒。

0051

本発明は、黄斑ジストロフィーの治療に用いられてもよい。これは:シュタルガルト病(Stargardt disease)/黄色斑眼底;シュタルガルト様黄斑ジストロフィー;シュタルガルト様黄斑ジストロフィー;常染色体優性ブルズアイ(bull’seye)黄斑ジストロフィーベスト黄斑ジストロフィー;成人卵黄様ジストロフィー;パターンジストロフィー;ドイン(Doyne)蜂巣状網膜ジストロフィーノースカロライナ黄斑ジストロフィー;MCDR1に類似した常染色体優性黄斑ジストロフィー;難聴に関連するノースカロライナ様黄斑ジストロフィー;進行性状脈絡膜網膜萎縮(Progressive bifocal chorioretinal atrophy);ソーズビー(Sorsby’s)眼底ジストロフィー;中心性輪紋状脈絡膜ジストロフィー;優性嚢胞様黄斑ジストロフィー;若年性網膜分離症;オカルト黄斑ジストロフィー(Occult Macular Dystrophy);非家族性オカルト黄斑ジストロフィー、を含む。

0052

障害は、特に、地図状萎縮または加齢黄斑変性症などの、網膜上皮の障害であってもよい。

0053

微小血管透過性亢進障害、上皮細胞生存の障害および上皮濾過膜の開窓の障害、ならびにこれらの治療のさらなる詳細については、WO2010/058227を参照し、その内容が参照により本明細書に組み込まれる。

0054

神経障害および神経変性障害本発明の化合物は、SRPK1阻害剤として、選択的にスプライシングされたVEGFXXXbアイソフォームが関与している他の障害の治療において治療剤としても使用され得る。例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれるWO2009/106855に、VEGFXXXbは神経保護および神経再生効果を有することが示されている。

0055

本発明により治療されまたは予防される神経障害(neuropathic disorder)は、神経障害性疼痛および糖尿病性および他のニューロパチーが挙げられる。

0056

本発明により治療されまたは予防される神経変性障害は、認知および非認知タイプの神経変性、神経筋変性運動感覚神経変性、眼神経変性が挙げられる。

0057

VEGFXXXbファミリーのタンパク質の活性は、症状および障害を、積極的に予防しおよび積極的に覆す両方が予想される。

0058

さらに、軽度認知機能障害は多くの場合、例えば高齢者ストレス下の人、疲れたまたは疲れ果てた人(tired or exhausted persons)のような、健康な人の特定のクラスにおける正常な状態と関係しているため、本発明はまた、思考、記憶、学習、集中および推論などのその認知機能および動作を調整しまたは正常化(normalise)するために、健康な人の非治療的処理に適用可能である。

0059

さらに、神経再生は、精神医学的(psychiatric)または行動的な異常を有する対象における脳ニューラルネットワークを正常化することを助けられることから、それらが1つ以上の認識された精神医学的状態として診断可能であろうとなかろうと、本発明はまた、精神医学的障害を有する人の治療的処理に、ならびに、身体的に健康な人の認知および行動を正常な状態に向けて調整するための非治療的処理に適用され得る。

0060

例えば、本発明は:疼痛(例えば、神経障害性疼痛)、認知症加齢認知障害、アルツハイマー病、アルツハイマー型老人性認知症(SDAT)、レビー小体型認知症血管性認知症パーキンソン病脳炎後のパーキンソニズムうつ病統合失調症顔面肩甲上腕筋ジストロフィー(FSH)、デュシェンヌ型筋ジストロフィーベッカー型筋ジストロフィーおよびブルース型(Bruce’s)筋ジストロフィーを含む筋ジストロフィー、フューチ型(Fuchs’)ジストロフィー、筋硬直性ジストロフィー、角膜ジストロフィー反射性交感神経性萎縮症(RSDSA)、神経血管ジストロフィー、重症筋無力症ランバート・イートン(Lambert−Eaton)病、ハンチントン病筋萎縮性側索硬化症ALS)を含む運動ニューロン疾患多発性硬化症起立性低血圧、例えば脳卒中後または事故後(例えば、頭部外傷または脊髄損傷)の外傷性ニューロパチーおよび神経変性、バッテン病、コケイン症候群、ダウン症候群大脳皮質基底核神経節変性症多系統萎縮症脳萎縮オリーブ橋小脳萎縮症、歯状核赤核(dentatorubral)萎縮症、淡蒼球ルイ体(pallidoluysian)委縮症、球脊髄性萎縮症、視神経炎硬化性全脳炎SSPE)、注意欠陥障害ウイルス感染後脳炎、ポリオ後症候群(post−poliomyelitis syndrome)、ファール症候群(Fahr’s syndrome)、ジュベール症候群、ギランバレー症候群滑脳症モヤモヤ病ニューロン遊走障害、自閉症症候群、ポリグルタミン病ニーマンピック病進行性多巣性白質脳症偽脳腫瘍レフサム病ツェルヴェーガー症候群核上性麻痺フリードライ失調症脊髄小脳失調症2型レット症候群、シャイ・ドレーガー症候群、結節性硬化症、ピック病、慢性疲労症候群遺伝性神経障害、糖尿病性神経障害および分裂性神経障害(mitotic neuropathy)を含む神経障害、クロイツフェルトヤコブ病(CJD)、変異型CJD、新変異型CJD、ウシ海綿状脳症BSE)、GSS、FFI、クールーおよびアルパース症候群を含むプリオンベースの神経変性(prion−based neurodegeneration)、ジョセフ病、急性散在性脳脊髄炎クモ膜炎中枢神経系の血管病変四肢神経機能の喪失、シャルコー・マリー・トゥース病、クラッベ病大脳白質萎縮症、心不全への脆弱性(susceptibility to heart failure)、喘息、てんかん聴覚神経変性、黄斑変性症色素性網膜炎、ならびに緑内障誘発性視神経変性(glaucoma−induced optic nerve degeneration)、の治療または予防を提供する。

0061

関連する行動や思考が個人にかなりの苦悩をもたらすか、または彼もしくは彼日常機能(everyday functioning)について破壊的でない限り、一般的に言えば、精神障害(mental disorder)は「精神医学的障害(psychiatric disorders)」と診断されない。従って、診断可能な障害と、似てはいるものの重症度または破壊性が低く(less severe or disruptive)その処理が非治療として考えられるべきである心理学的機能との間には、境界線がある(下記参照)。

0062

本発明が関係する精神医学的障害の例としては、限定されないが、:不安障害(例えば、急性ストレス障害パニック障害広場恐怖症社会恐怖症、特定恐怖症強迫性障害、性的不安障害、心的外傷後ストレス障害、身体醜形障害および全般性不安障害)、小児期障害(例えば、注意欠陥多動性障害ADHD)、アスペルガー障害、自閉性障害、行為障害、反抗的挑戦障害、分離不安障害、およびトゥレット障害)、摂食障害(例えば、拒食症および過食症)、気分障害(例えば、うつ病、大うつ病性障害双極性障害躁うつ病)、季節性情動障害(SAD)、気分循環性障害および気分変調性障害)、睡眠障害、認知精神医学的障害(例えば、せん妄健忘障害)、人格障害(例えば、妄想性人格障害、分裂病質人格障害、統合失調型人格障害、反社会的人格障害、境界性人格障害、演技性人格障害、自己愛性人格障害、回避性人格障害、依存性人格障害および強迫性人格障害)、精神病性障害(例えば、統合失調症、妄想性障害、短期精神病性障害(brief psychotic disorder)、統合失調症様障害、統合失調性感情障害、および共有精神病性障害)、ならびに物質関連障害(例えば、アルコール依存アンフェタミン依存、大麻依存、コカイン依存、幻覚剤依存、吸入剤依存(inhalant dependence)、ニコチン依存オピオイド依存、フェンシクリジン依存性および鎮静剤依存)が挙げられる。

0063

神経障害および神経変性障害、ならびにそれらの治療のさらなる詳細については、WO2009/106855を参照し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。

0064

疼痛の治療
本発明の化合物は、SRPK1阻害剤として、選択的にスプライシングされたVEGFXXXbアイソフォームが関与している他の障害の治療において治療剤としても使用され得る。例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれるWO2011/148200に、VEGFXXXbは、哺乳動物においてVEGFR2媒介性非炎症性疼痛(VEGFR2−mediated non−inflammatory pain)に対する鎮痛効果を有すことが示されている。

0065

本発明により治療されまたは予防されるVEGFR2媒介性非炎症性疼痛は、疼痛の原因または伝達にVEGFR2受容体が関与する非炎症性神経障害性および侵害受容性(nociceptive)疼痛を含む。例えば、本発明による化合物は、非炎症性アロディニアおよび疼痛に対する活性(抗アロディニアおよび鎮痛活性)を有している。このタイプの疼痛状態は、断続的であろうと継続的形式であろうと、慢性疼痛を含む。そのような疼痛状態としては、例えば、腰痛神経痛非定型顔面痛などの非定型疼痛、手術後/・損傷後(例えば、神経損傷原因となる手術もしくは損傷の後)に示される、もしくは癌に関連する、もしくは細胞毒性もしくは放射線療法のような癌治療による疼痛、または糖尿病(糖尿病性神経障害、インスリン炎)もしくは他の全身性もしくは自己免疫性の疾患もしくは病変に関連する神経障害、またはそれらの治療、アルコール中毒もしくはHIV感染、加齢に関連する神経障害、または原因不明の神経障害による疼痛が挙げられる。

0066

VEGFR2アゴニストのタンパク質、例えばVEGFXXXbファミリー、の活性は、VEGFR2媒介性非炎症性疼痛害を、積極的に予防しおよび積極的に覆す両方が予想される。

0067

しかしながら、VEGFXXXbファミリーのタンパク質の抗血管新生活性の観点から、本発明の化合物の使用は、起こりうる血管新生の阻害が患者に有害ではない背景(contexts)での疼痛に制限されるであろう。完全VEGFR2アゴニストの起こりえる血管新生促進活性の観点から、完全VEGFR2アゴニストの使用は、起こりえる血管新生の刺激が患者に有害ではない背景(contexts)での疼痛に制限されるであろう。

0068

本発明に用いられる化合物Iは、1つ以上の別の疼痛治療剤と関連して、治療される(または共治療されている(being co−treated))対象の痛みに対する感受性を正常化する目的で、前記1つ以上の別の疼痛治療剤と共に用いられ得る。用語「正常化する(normalising)」は、対象の疼痛感受性を正常レベルへと動かすことを意味し、1つ以上の別の疼痛治療剤が疼痛に対する感覚感度過度の低下を引き起こす場合、感度の向上を含んでもよい。1つ以上の別の疼痛治療剤は、現在知られているか、いまだ考案されていないものから選択され得る。このような選択は、十分に本技術分野における当業者の技術の範囲内であろう。このような併用治療は、対象の個別の症状や要望に応じて、対象における疼痛感度の微調整および全体的な副作用の最小化を可能にすることができる。

0069

疼痛およびその治療のさらなる詳細については、WO2011/148200を参照し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。

0070

子癇前症のリスクの低下
本発明の化合物は、SRPK1阻害剤として、選択的にスプライシングされたVEGFXXXbアイソフォームが関与している他の障害の治療において治療剤としても使用され得る。例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれるWO2011/036429は、妊娠雌性哺乳類(pregnant female mammal)における低下したVEGFXXXbレベルは、雌性哺乳類が子癇前症を発症するリスクを高めることを示している。したがって、本発明の化合物は、妊娠雌性哺乳類におけるVEGFXXXbレベルを増加させ、子癇前症もしくはそれに関連する合併症を発症する雌性哺乳類のリスク、または母体の子癇前症に関連した胎児もしくは新生児の不全を発症する雌性哺乳類の胎児のリスクを低下させるために使用され得る。

0071

ヒトにおける子癇前症は、早ければ妊娠20週で発症し得る。妊娠約34週間前に発症する子癇前症は、通常、「早期子癇前症(early pre−eclampsia)」または「早発型子癇前症(early−onset pre−eclampsia)」と呼ばれている。妊娠約34週間後に発症する子癇前症は、通常、「後期子癇前症(late pre−eclampsia)」または「遅発型子癇前症(late−onset pre−eclampsia)」と呼ばれている。

0072

加えて、子癇前症は、United Kingdom Royal College of Obstetricians andGynaecologistsによって確立された基準に従って、「重度子癇前症」として分類することができる。これらの基準の下では、「重度子癇前症」の患者は、1g/24hを超える蛋白尿と共に169mmHgを超える収縮期血圧(BP)もしくは109mmHgを超える拡張期BPを有し;または、HELLP症候群(溶血、肝酵素の上昇、および低血小板数)の発生を示す。

0073

子癇前症、および子癇前症もしくはそれに関連する合併症を発症する妊娠雌性哺乳類のリスク、または母体の子癇前症に関連した胎児もしくは新生児の不全を発症する雌性哺乳類の胎児のリスクを低下する方法のさらなる詳細については、WO2011/036429を参照し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。

0074

活性化合物
本発明の化合物は、式(I)によって定義され、キナーゼSRPK1およびSRPK2のうち1つまたは両方の阻害剤であり、それゆえ本明細書に記載されるように治療に有用であることが示されている。

0075

その全体が参照により本明細書に組み込まれるWO2005/063293には、明示的に例示した化合物と好適な位置が特に参照され、抗ウイルス剤として、公知のSRPK阻害剤SRPIN−1(本明細書ではSRPIN340とも称される)およびその類似体が記載されている。

0076

本発明の化合物は、いずれの公知の方法によっても合成され得る。WO2005/063293に開示されているような適切な方法が、必要に応じて適用され得る。

0077

同時投与(Co−administration)
本発明の化合物は、所望により、1つ以上の追加の活性剤と同時投与されてもよく、例えば、これらに限定されないが、コリンエステラーゼ阻害剤ドパミンアゴニスト(例えば、L−DOPA)、COMT阻害剤、MAO−B阻害剤、抗コリン剤アセチルコリンアゴニスト、セロトニンアゴニスト、AMPA受容体アゴニストGABA受容体アゴニスト、NMDA受容体アゴニスト、βアドレナリン受容体アゴニストジゴキシンドブタミン抗炎症剤神経栄養因子スタチンアデノシンA2a受容体アンタゴニストアルドース還元酵素阻害剤免疫調節剤カンナビノイドアゴニストインターフェロンまたは三環系抗うつ剤から、1つ以上の薬剤が選択されてもよい。

0078

定義
本明細書の式(I)の定義は、次のとおりである: 「C1−6アルキル基」は、1〜6個の炭素原子を含む直鎖状または分岐状のアルキル基を指し、1〜6個の炭素原子からなる脂肪族炭化水素から任意の水素原子を除去することにより誘導される1価の基を意味する。具体的には、C1−6アルキル基としては、例えば、メチル基エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、2−メチル−1−プロピル基、2−メチル2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチル−1−ブチル基、3−メチル−1−ブチル基、2−メチル−2−ブチル基、3−メチル−2−ブチル基、2,2−ジメチル−1−プロピル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、2−メチル−1−ペンチル基、3−メチル−1−ペンチル基、4−メチル−1−ペンチル基、2−メチル−2−ペンチル基、3−メチル−2−ペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、2−メチル−3−ペンチル基、3−メチル−3−ペンチル基、2,3−ジメチル−1−ブチル基、3,3−ジメチル−1−ブチル基、2,2−ジメチル−1−ブチル基、2−エチル−1−ブチル基、3,3−ジメチル−2−ブチル基、および2,3−ジメチル−2−ブチル基が挙げられる。

0079

「C2−6アルケニル基」は、2〜6個の炭素を含む直鎖または分枝鎖のアルケニル基を意味する。具体的には、C2−6アルケニル基は、例えば、ビニル基アリル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、ペンテニル基、およびヘキセニル基が挙げられる。

0080

「C2−6アルキニル基」は、2〜6個の炭素を含む直鎖または分枝鎖アルキニル基を意味する。具体的には、C2−6アルキニル基は、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、およびヘキシニル基が挙げられる。

0081

「C1−6アルコキシ基」は、前記定義の「C1−6アルキル基」が連結されたオキシ基を意味する。具体的には、C1−6アルコキシ基は、例えば、メトキシ基エトキシ基、1−プロピルオキシ基、2−プロピルオキシ基、2−メチル−1−プロピルオキシ基、2−メチル−2−プロピルオキシ基、1−ブチルオキシ基、2−ブチルオキシ基、1−ペンチルオキシ基、2−ペンチルオキシ基、3−ペンチルオキシ基、2−メチル−1−ブチルオキシ基、3−メチル−1−ブチルオキシ基、2−メチル−2−ブチルオキシ基、3−メチル−2−ブチルオキシ基、2,2−ジメチル−1−プロピルオキシ基、1−ヘキシルオキシ基、2−ヘキシルオキシ基、3−ヘキシルオキシ基、2−メチル−1−ペンチルオキシ基、3−メチル−1−ペンチルオキシ基、4−メチル−1−ペンチルオキシ基、2−メチル−2−ペンチルオキシ基、3−メチル−2−ペンチルオキシ基、4−メチル−2−ペンチルオキシ基、2−メチル−3−ペンチルオキシ基、3−メチル−3−ペンチルオキシ基、2,3−ジメチル−1−ブチルオキシ基、3,3−ジメチル−1−ブチルオキシ基、2,2−ジメチル−1−ブチルオキシ基、2−エチル−1−ブチルオキシ基、3,3−ジメチル−2−ブチルオキシ基、および2,3−ジメチル−2−ブチルオキシ基が挙げられる。

0082

「C1−6アルキルチオ基」は、前記定義の「C1−6アルキル基」が連結されたチオ基を意味する。具体的には、C1−6アルキルチオ基は、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、1−プロピルチオ基、2−プロピルチオ基、ブチルチオ基、およびペンチルチオ基が挙げられる。

0083

「C1−6アルコキシカルボニル基」は、前記定義の「C1−6アルキル基」が連結されたカルボニル基を意味する。具体的には、C1−6アルコキシカルボニル基は、例えば、メトキシカルボニル基エトキシカルボニル基、1−プロピルオキシカルボニル基、および2−プロピルオキシカルボニル基が挙げられる。

0084

「C1−6アルキルスルホニル基」は、前記定義の「C1−6アルキル基」が連結されたスルホニル基を意味する。具体的には、C1−6アルキルスルホニル基は、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、1−プロピルスルホニル基、および2−プロピルスルホニル基が挙げられる。

0085

「ハロゲン原子」は、フッ素原子塩素原子臭素原子、またはヨウ素原子を意味する。

0086

「C6−10アリール基」は、6〜10個の炭素を含む芳香族環炭化水素基を意味する。具体的には、C6−10アリール基は、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、および2−ナフチル基が挙げられる。

0087

「複素環(heterocycle)」は、環を構成する原子の少なくとも1つ、例えば1つまたは2つがヘテロ原子である、環内に二重結合を含んでもよい芳香族または非芳香族環を意味する。

0088

「含窒素複素環」は、環を構成する原子の少なくとも1つ、例えば1つまたは2つが窒素原子である、環内に二重結合を含んでもよい芳香族または非芳香族環を意味する。

0089

「含酸素複素環」は、環を構成する原子の少なくとも1つ、例えば1つまたは2つが酸素原子である、環内に二重結合を含んでもよい芳香族または非芳香族環を意味する。

0090

「ヘテロ原子」は、硫黄原子、酸素原子、または窒素原子を意味する。

0091

「含窒素5〜10員ヘテロアリール環(nitrogen−containing 5− to 10−membered heteroaryl ring)」は、5〜10原子が環を構成し、環を構成する原子の少なくとも1つが窒素原子であり、窒素原子以外の1つ以上のヘテロ原子がさらに含まれてもよい芳香環を意味する。具体的には、含窒素5〜10員ヘテロアリール環は、例えば、ピリジン環ピロール環オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環イソチアゾール環、インドール環イソインドール環、イミダゾール環トリアゾール環ピラゾール環、ピリダジン環、ピリミジン環ピラジン環キノリン環イソキノリン環、およびベンゾイミダゾール環が挙げられる。「5〜10員ヘテロアリール環」は、好ましくは、ピリジン環、ピロール環およびイミダゾール環が挙げられ、より好ましくは、ピリジン環が挙げられる。

0092

「含窒素5および10員ヘテロアリール基(nitrogen−containing 5− and 10−membered heteroaryl ring)」は、上記定義の「含窒素5および10員ヘテロアリール環」から1つまたは2つの任意の水素原子を除去することにより誘導される1価または2価の基を意味する。具体的には、含窒素5および10員ヘテロアリール基は、例えば、ピリジル基、ピロリル基オキサゾリル基イソオキサゾリル基、チアゾリル基イソチアゾリル基、インドリル基イソインドリル基、イミダゾリル基トリアゾリル基、ピラゾリル基ピリダジニル基ピリミジニル基ピラジニル基、キノリル基イソキノリル基、およびベンゾイミダゾリル基が挙げられる。

0093

「含酸素5〜10員ヘテロアリール環」は、5〜10原子が環を構成し、環を構成する原子の少なくとも1つが酸素原子であり、酸素素原子以外の1つ以上のヘテロ原子がさらに含まれてもよい芳香環を意味する。

0094

「4〜8員複素環式環(4− to 8− membered heterocyclic ring)」は、以下の定義を満たす非芳香族環を意味する:1.4〜8原子が環を構成する2.環を構成する原子の1つまたは2つが、ヘテロ原子である;3.1つまたは2つの二重結合が環に含まれてもよい;4.1つ〜3つのカルボニル基が環に含まれてもよい;および5.基は、単環式である。

0095

4〜8員複素環式環は、好ましくは、ヘテロ原子として窒素原子を含む、含窒素4〜8員複素環式環である。

0096

具体的には、4〜8員複素環式環は、例えば、アゼチジン(azetidne)環、ピロリジン環ピペリジン環アゼパン環アゾシン環、フラン環、テトラヒドロピラン環モルホリン環チオモルホリン環、ピペラジン環、チアゾリジン環、ジオキサン環、イミダゾリン環、およびチアゾリン環が挙げられる。「4〜8員複素環式環」は、好ましくはピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、およびピペラジン環が挙げられる。

0097

「4〜8員複素環基」は、上記定義の「4〜8員複素環式環」から1つまたは2つの任意の水素原子を除去することにより誘導される1価または2価の基を意味する。具体的には、4〜8員複素環基は、例えば、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、アゼパニル基、アゾカニル基、フリル基テトラヒドロピラニル基、モルホリニル基、thoimorpholinyl基、ピペラジニル基、チアゾリジニル基、ジオキサニル基、イミダゾリル基、およびチアゾリル基が挙げられる。

0098

縮合芳香族複素環」は、複素環部分がベンゼン環などの芳香環と融合(fused)した、例えばオルト縮合した、環構造を意味する。複素環部分は、上記定義の複素環である。

0099

縮合芳香族複素環基」は、複素環部分がベンゼン環などの芳香環と融合(fused)した、例えばオルト縮合した、環構造を意味する。複素環部分は、上記定義の複素環基である。

0100

縮合芳香族複素環基は、例えば、インドリニル基、イソインドリニル基、および1,2,3,4−テトラヒドロキノリンが挙げられる。

0101

本明細書において、「ハロゲン化C1−6アルキル基」は、上記定義の「C1−6アルキル基」における少なくとも1つの任意の水素原子が、上記定義の「ハロゲン原子」により置換された基を意味する。ハロゲン化C1−6アルキル基は、例えば、トリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、およびモノフルオロメチル基が挙げられる。

0102

本明細書において、語句「1つ以上の置換基を有していてもよい」は、特定の基または化合物が、置換可能な位置に、1つ以上の置換基の任意の選択または組み合わせを、随意に有してもよいことを意味する。具体的には、置換基は、例えば、以下の、1つ以上から選択される原子または基が挙げられる:ハロゲンヒドロキシルメルカプト、ニトロ、シアノ、ホルミル、カルボキシル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アミノ、オキソイミノ、C1−6アルキル(例えば、メチル)、C1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)、ヘテロアリール、フェニル、またはハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、シアノ、ホルミル、カルボキシル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アミノ、オキソ、イミノ、C1−6アルキル(例えば、メチル)もしくはC1−6アルコキシ(例えば、メトキシ)の1つ以上で置換されたフェニルもしくはヘテロアリール。

0103

「塩」は、本発明の化合物と形成される薬学的に許容される塩である限り、特に限定されるものではない。このような塩は、例えば、無機酸塩有機塩無機塩基塩、有機塩基塩、および酸性または塩基性アミノ酸塩が挙げられる。好ましい無機酸塩の例としては:塩酸塩臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、およびリン酸塩が挙げられる。好ましい有機塩の例としては:酢酸塩コハク酸塩フマル酸塩マレイン酸塩酒石酸塩クエン酸塩乳酸塩ステアリン酸塩安息香酸塩メタンスルホン酸塩、およびp−トルエンスルホン酸が挙げられる。

0104

好ましい無機塩基塩の例としては:ナトリウム塩カリウム塩などのアルカリ金属塩カルシウム塩マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩アルミニウム塩;およびアンモニウム塩が挙げられる。好ましい有機塩基塩の例としては:ジエチルアミン塩、ジエタノールアミン塩、メグルミン塩、およびN,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩が挙げられる。

0105

好ましい酸性アミノ酸塩の例としては:アスパラギン酸塩、およびグルタミン酸塩が挙げられる。好ましい塩基性アミノ酸塩の例としては:アルギニン塩リジン塩、およびオルニチン塩が挙げられる。

0106

空気中に放置すると、本発明の化合物は、時々湿気を吸収し、および、時々、吸収された水に付着されまたは水和物に変換される。このような水和物も本発明に含まれる。

0107

また、本発明の化合物は、時々、溶媒和物に変換され、いくつかの他の溶媒を吸収する。このような溶媒和物も本発明に含まれる。

0108

任意の有機溶媒が、原則として、本発明の化合物の溶媒和物を調製するために使用されてもよい。

0109

溶媒和物はまた、1つ以上の有機溶媒と一緒に、水を含むことができる。

0110

従って、例えば、溶媒は、ケトンアルコールエーテルエステル芳香族溶媒、ならびに、可能な場合、それら互いの、他の有機溶媒との、および/または水との混合物から選択されてもよい。

0111

式(I)の化合物の薬学的に許容されるプロドラッグの形態が、本発明において使用されてもよい。「薬学的に許容されるプロドラッグ」は、健全医学的および獣医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなしにヒトおよび下等動物組織と接触させて使用するのに適し、妥当な利益/リスク比に相応し、かつその意図される用途のために効果的な、可能であれば、化合物の両性イオン形態だけでない、化合物のプロドラッグを意味する。用語「プロドラッグ」は、例えば血液中での加水分解によって、インビボで急速に変換され上記式の親化合物を生じる化合物を意味する。インビボで代謝的切断(metabolic cleavage)により急速に変換され得る官能基は、カルボキシル基と反応性の基のクラスを形成する。化合物の基が代謝的に切断可能なインビボで切断されやすいことから、このような基を有する化合物は、プロドラッグとして働く。プロドラッグの徹底的な議論は、以下に提供される:Design of Prodrugs, H. Bundgaard, ed., Elsevier, 1985; Methodsin Enzymology, K. Widder et al, Ed., Academic Press, 42, p.309−396,1985; A Textbook of Drug Design and Development, Krogsgaard−Larsen and H. Bundgaard, ed., Chapter 5; Design and Applications of Prodrugs p.113−191,1991; Advanced Drug Delivery Reviews, H. Bundgard, 8, p.1−38, 1992; Journal of Pharmaceutical Sciences, 77, p.285,1988; Chem. Pharm. Bull., N. Nakeya et al, 32, p.692,1984; Pro−drugs as Novel Delivery Systems, T. Higuchi and V. Stella, Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series, およびBioreversible Carriers in Drug Design, Edward B. Roche, ed., American Pharmaceutical Association and Pergarmon Press, 1987、これらは参照により本明細書に組み込まれる。

0112

組成物および投与本発明の化合物は、活性剤と、任意の適切な追加の成分を含む組成物の形態で投与されてもよい。組成物は、例えば、局所投与(例えば、点眼剤もしくはクリームもしくはローションとして)または非経口投与(例えば注射、移植もしくは点滴)に適切な医薬組成物(薬剤(medicament))であってもよい。組成物は、あるいは、例えば、食品食品サプリメント、飲料または飲料サプリメントであってもよい。

0113

本発明の文脈において、用語「医薬組成物」または「薬剤」は、活性剤を含み、さらに1つ以上の薬学的に許容される担体を追加的に含む組成物を意味する。組成物はさらに、投与の形態および剤形の性質に応じて、例えば、希釈剤アジュバント賦形剤ビヒクル保存剤充填剤崩壊剤湿潤剤乳化剤懸濁化剤甘味剤フレーバー剤芳香剤抗菌剤抗かび剤潤滑剤および分散剤から選択された成分を含んでいてもよい。組成物は、例えば、リポソーム製剤を含む注射用液体製剤だけでなく、錠剤糖衣錠散剤エリキシル剤シロップ剤懸濁剤を含む液状製剤スプレー剤、吸入剤、錠剤、ロゼンジエマルジョン溶液カシェ剤顆粒剤カプセル剤および坐剤の形態をとってもよい。技術および製剤は、一般的に、Remington, The Science and Practice of Pharmacy, Mack Publishing Co., Easton, PA, latest editionに見出され得る。

0114

液体形態の製剤は、溶液、懸濁液、およびエマルジョンが挙げられる。一例として、非経口注射または局所投与用の、水または水−プロピレングリコール溶液が挙げられ得る。液体製剤はまた、水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液に製剤化され得る。

0115

局所、経口または非経口投与のいずれかのための液体形態の製剤に、使用直前に変換されることが意図される、固体形態の製剤もまた含まれる。このような液体形態は、溶液、懸濁液、およびエマルジョンが挙げられる。これらの特定の固体形態製剤は、最も好都合には単位用量形態で提供され、単回液体投与単位を提供するように使用される。あるいは、液体形態に変換した後、注射器ティースプーンまたは他の計量容器もしくは装置のようなものにより液体形態製剤の所定体積を測定することによって複数の個々の液体用量を得るのに十分な固体が提供され得る。液体形態に変換されることが意図された固体形態の製剤は、活性物質に加えて、香料着色剤、安定剤、緩衝剤人工および天然甘味料、分散剤、増粘剤可溶化剤などを含んでもよい。液体形態製剤を調製するために利用される液体は、水、等張水、エタノールグリセリン、プロピレングリコール、およびそれらの混合物等であってもよい。当然、利用される液体は投与経路に関連して選択され、例えば、エタノールを大量に含む液体製剤は、局所または非経口使用には適していない。

0116

組成物は、局所適用用に意図された製剤であってもよい。製剤は、局所適用後の放出を、ひいては活性剤のアベイラビリティを制御するためするためゲル化製剤であってもよい。製剤は、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースのような、1つ以上のゲル化剤を含有してもよい。製剤は、1つ以上の界面活性剤、例えば非イオン性液体ポリマー、その例としてはチロキサポール(Tyloxapol)およびBASFが提供しているPluronics(登録商標)poloxamersが挙げられる、を含んでいてもよい。製剤は、例えばデキストロースまたはソルビトールのような、1つ以上の可溶化剤を含有してもよい。製剤は、例えば塩化ベンザルコニウムのような、1つ以上の抗菌剤または防腐剤を含んでもよい。上記の名前をあげられたゲル化剤、界面活性剤、可溶化剤および抗菌剤は、単に例として列挙されており、これらの機能を果たす他の薬剤が既知であることは理解されるであろう。

0117

用量は、患者の要件、治療されている症状の重症度、および用いられる化合物に応じて変更され得る。特定の状況についての適切な用量の決定は、当業者の技術の範囲内である。一般に、治療は化合物の最適用量より少ない小投与量で開始される。その後、その状況下での最適な効果に達するまで、用量は少しずつ増加させられる。便宜上、所望により、日々の総用量は、一日の間に部分に分けて投与され得る。

0118

活性剤を投与するための投与計画は、例えば1〜14日の間にわたる投与期間中、例えば最大1μg、例えば最大500ng、例えば最大50ng、例えば20ng未満の活性剤の総用量を含んでもよい。例えば、18ng、17ng、16ng、15ng、14ng、13ng、12ng、11ngまたは10ng未満の総用量が投与され得る。

0119

式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグは、それらの治療的に有効な量で投与されてもよい。CNVの治療のための局所投与用の式(I)の化合物の治療上の有効量は、送達ビヒクルの少なくとも約5μg/10μlであってもよい。あるいは、治療上の有効量は、少なくとも約100μg/mL、例えば少なくとも約200μg/mL、少なくとも約300μg/mL、少なくとも約400μg/mL、少なくとも約500μg/mL、少なくとも約600μg/mL、少なくとも約700μg/mL、少なくとも約800μg/mL、少なくとも約900μg/mL、または少なくとも約1000μg/mLであってもよい。あるいは、治療上の有効量は、少なくとも約1mg/mL、例えば少なくとも約2mg/mL、少なくとも約3mg/mL、少なくとも約4mg/mL、少なくとも約5mg/mLであってもよい。あるいは、治療上の有効量は、約5mg/ml未満、例えば約4mg/ml未満、約3mg/ml未満、約2mg/ml未満、約1mg/ml未満であってもよい。治療上の有効量は、例えば1〜14日の間にわたる投与期間の間、毎日投与され得る。治療上の有効量は、例えば1日2回、1日において部分に分けて投与されてもよい、1日の総投与量であってもよい。

0120

哺乳類対象の抗血管新生のための、または微小血管透過性亢進障害の治療もしくは予防における、もしくはVEGFXXXアイソフォームの血管新生促進透過性促進特性の制御における、もしくは増加した透過性の無い上皮細胞生存の支援における、もしくは上皮濾過膜の開窓の性質(例えば数密度および/もしくはサイズ)の低下における使用のための、または神経障害および神経変性障害の治療もしくは予防における使用のための、またはインビボもしくはインビトロでの神経保護もしくは神経再生剤としての使用のための、またはVEGFR2媒介性非炎症性疼痛の治療または予防における使用のための、または子癇前症もしくはそれに関連する合併症を発症する雌性哺乳類の、もしくは母体の子癇前症に関連した胎児もしくは新生児の不全を発症する雌性哺乳類の胎児のリスクの低下における使用のための、式(I)の化合物の治療上の有効量は、治療される対象の体重に基づいて算出されてもよく、少なくとも約20mg/kg、例えば少なくとも約30mg/kg、少なくとも約40mg/kg、少なくとも約50mg/kg、少なくとも約60mg/kg、少なくとも約70mg/kg、少なくとも約80mg/kg、少なくとも約90mg/kg、少なくとも約100mg/kgであってもよい。あるいは、治療上の有効量は、約100mg/kg未満、例えば約90mg/kg未満、約80mg/kg未満、約70mg/kg未満、約60mg/kg未満、約50mg/kg未満、約40mg/kg未満、約30mg/kg未満、または約20mg/kg未満、例えば、約10mg/kg未満、約5mg/kg未満であってもよい。

0121

「治療または予防」
本明細書で使用される表現「治療または予防」および類似の用語は、一般的な医療および精神医学的プラクティスに従った任意の利用可能なテストに従って判断されるような、障害を取り除きもしくは回避し、またはその症状を緩和することを意図した、予防的、治癒的(curative)および緩和的(palliative)等の、全ての形態の健康管理(healthcare)を意味する。特定の結果を達成するために合理的に期待して意図するものの、常にそうするというわけではない介入(intervention)は、「治療または予防」という表現に含まれる。障害の進行を遅延させまたは停止させることに成功する介入は、表現「治療または予防」に含まれる。

0122

ある種の神経的および精神医学的障害は、「スペクトル(spectrum)」状態とみなされ、個人が、起こりえる症状の範囲の一部または全てを示すことがあり、または障害の軽度の形態のみを示すことがある。また、多くの神経的および精神医学的状態は、進行性で、比較的軽度の異常な状態で始まりより深刻な異常な状態へと進行する。本発明は、どのようなタイプおよびステージの神経的および精神医学的状態の治療および予防も全て含む。

0123

「感受しやすい(Susceptible to)」 本明細書で使用される表現「感受しやすい」および類似の用語は、個体または障害について既知の危険因子を使用して評価されるような、医療もしくは精神医学的障害または人格変化を発症する正常よりも高いリスクがある個体を特に指す。そのような個体は、例えば、薬物(medication)が処方される、および/または特別な食事生活様式もしくは同様の勧告がその個体に対して行われるであろう程度に、1つ以上の特定の障害または人格変化を発症する実質的なリスクを有すると分類され得る。

0124

「非治療的方法」
本明細書で使用される表現「非治療的方法」は、神経的にまたは心理的正常範囲内にある個人に対し、神経的または心理的種類の機能を正常化しまたは増強しまたは改善するために行われる介入を特に意味する。適切に非治療的に処理され得る神経的機能は、例えば、認知(思考、推論、記憶、想起イメージングおよび学習を含む)、集中および注意、特に症状の尺度のより軽度側に向けて、ならびに軽度の異常な行動的または人格的特性が挙げられる。適切に非治療的に処理され得る心理的機能は、例えば、悲しみ、不安、抑うつ、怒りっぽさ、不機嫌、十代の気分(teenage moods)、乱れ睡眠パターン、鮮明な悪夢、および夢遊病などの、人間の行動、気分、人格および社会的機能が挙げられる。

0125

診断可能な神経的および精神医学的障害と、正常範囲内の(非診断可能な)神経的および心理的機能との間には、境界線がある。したがって、本発明の非治療的方法によって治療可能な上記で挙げた神経的および心理的機能の例に加えて、関連する行動や思考が個人に重大な苦痛を引き起こさないか、または彼もしくは彼女の日常の機能に破壊的ではないため非診断可能である神経的および精神医学的障害の軽度の形態もまた、本発明により非治療的に処理可能な状態と見なされる。

0126

「正常化」
本明細書において使用される表現「正常化」および類似の用語は、正常とみなされるであろう状態に実際に達しているか否かに関わらず、一般的に正常な神経的または精神医学的健康に特徴的な状態へ向けた、生理的調整を特に指す。

0127

哺乳動物
ヒトの治療に有用であることに加えて、本発明はまた、哺乳動物の範囲内で有用である。このような哺乳動物は、例えば動物園非ヒト霊長類(例えば、類人猿サルおよびキツネザル)、ネコイヌのようなコンパニオンアニマル、イヌ、ウマおよびポニーのような作業およびスポーツ動物、ブタヒツジヤギシカ、牡および畜牛のような家畜げっ歯類のような実験動物(例えば、ウサギ、ラット、マウス、ハムスタースナネズミ、またはモルモット)が挙げられる。

0128

治療すべき障害または機能が人間に排他的である場合は、治療される哺乳動物はヒトであると理解されるであろう。治療すべき障害または機能がある種に排他的である場合、同じことが任意の他の哺乳動物種にそれぞれ適用される。

0129

図面の簡単な説明
本発明の実施形態が、今、純粋に例として、かつ添付の図面を参照して説明される。図1Aは、SRPK1およびSRPK2に対する活性を示す3つの化合物の構造を示す。図1Bおよび図1Cは、SRPK1およびSRPK2それぞれに対する図1Aの化合物の活性を示す。図2Aは、ARPE−19細胞における、チューブリン対照と比較したSRSF1発現に対する、図1Aの化合物の効果を示す。図2Bは、初代RPE細胞における、GAPDHと比較したVEGF165mRNAアイソフォームの発現に対する、図1Aの化合物の効果を示す。図2Cは、総タンパク質と比較したVEGF発現に対する、図1Aの化合物の効果を示す。図2Dは、VEGFXXXb/総VEGF発現の比に対する、図1Aの化合物の効果を示す。図3Aは、レーザー誘発マウスCNVモデルにおける、図1Aの化合物の効果を示す。図3Bは、VEGF抗体G6−31と比較した、レーザー誘発ラットCNVモデルにおける、VEGF発現に対するSRPIN340の効果を示す。図3Cは、SRPIN340で処理した眼からの網膜タンパク質中のVEGF発現に対する、SRPIN340の効果を示す。図4Aは、SRPIN340によるレーザー誘発CNVの阻害の用量依存的性質を示す。図4Bは、硝子体内注射後の眼における、SRPIN340の半減期曲線を示す。図5Aは、CNV病変領域上へ局所的に投与されたSRPIN340点眼薬(drops)の効果を示す。図5Bは、網膜におけるVEGF165mRNA発現に対する、局所的に投与されたSRPIN340の効果を示す。図5Cは、局所投与後の眼全体における、SRPIN340の半減期曲線を示す。図5Dは、局所投与後の眼の後房(posterior chamber)における、SRPIN340の半減期曲線を示す。図6は、SRPIN340処理後の網膜タンパク質における抗VEGFアイソフォームに対する促進型(pro)の比を示す。図7は、インビトロアッセイにおける、式(Ia)および表1で定義されている化合物SPHINX、SPHINX6、SPHINX7およびSPHINX8のSRPK1の阻害のレベルを示す。図8は、インビトロキナーゼアッセイにおける、式(Ia)および表1で定義されている化合物SPHINX、SPHINX12、SPHINX13およびSPHINX14のSRPK1の阻害のレベルを示す。図9Aは、VEGF165bRNA転写に対する、SPHINX6および7の効果を示す。図9Bは、VEGF165bタンパク質発現に対する、SPHINX6および7の効果を示す。図10Aおよび10Bは、SPHINX7がEGFの活性化によって誘導されるSRSF1リン酸化を阻害することを示す。図11は、SPHINX7が点眼薬として眼における血管新生を阻害することを示す。SRPIN340およびSPHINX7は、CNV形成を有意に阻害した。SPHINX7についてのIC50は、225ng/mlであった。図12は、SPHINX7が点眼薬として眼における血管新生を阻害することを証明するさらなるデータを示す。ならびに、図13は、SRPK1を標的にすることによる、前立腺腫瘍増殖の阻害を証明する。

0130

方法
細胞培養
初代ヒトRPE単離は、Bristol Eye bank (Bristol Eye Hospital (BEH))から死後24時間以内に得られたヒトドナー眼球に対して実施された。網膜は脈絡膜RPEシートと一緒にペトリ皿に移され、細かく刻まれ、0.3mg/mlコラゲナーゼが補充されたダルベッコ改変イーグル培地DMEM):F12(1:1)+GlutaMax(Gibco)中で15分間37℃で消化された。消化された脈絡膜RPEシートは、10%ウシ胎児血清(FBS)、0.5%PenStep(Invitrogen)が補充された培地(DMEM:F12+GlutaMax)中に懸濁され、1500rpm(251g)で10分、ペレット細胞へと回転された。ペレットは25%FBS(Gibco)が補充された培地中に再懸濁され、細胞培養フラスコ(Greiner)内で増殖され、80%コンフルエンスで分割された。ARPE−19(ATCC)細胞は、DMEM:F12+10%FBS中で培養され、80%コンフルエンスで分割された。

0131

インビトロキナーゼアッセイ
MVRL09、MVRL10(SPHINX)、MVRL16(SPHINX6)、MVRL17(SPHINX7)、SPHINX8、SPHINX9、SPHINX10、SPHINX12、SPHINX13、SPHINX14およびSRPIN340を含む候補化合物は、Kinase−Glo assay(Promega; Koresawa and Okabe, 2004)によってスクリーニングされ、その結果が表1に示される。9.6mM MOPS pH7および0.2nMEDTApH8を含む反応バッファーは、10μΜSRSF1 RSペプチド(NH2−RSPSYGRSRSRSRSRSRSRSRSNSRSRSY−OH(配列番号:1))および0.1μgの精製SRPK1キナーゼに添加された。候補化合物は、10μΜ〜0.5nΜで系列希釈され、反応混合物に添加され、SRPK1キナーゼが省略された(omitted)および化合物が省略されたウェルもまた対照として加えられた。すべてのウェルは、1%DMSOを含んでいた。1マイクロモーラーのATPが添加され、ATPマイナスのウェルは、バックグラウンド対照として使用された。次いで、プレートは30℃で10分間インキュベートされた。等量のKinase−Glo(Promega, 25μl)が各ウェルに添加され、プレートは、ARVO5x(Perkin Elmer)を使用して発光について測定された。

0132

薬学的阻害剤治療− SRPIN340、MVRL09およびMVRL10 SRタンパク質リン酸化阻害剤、SRPIN340(N−[2−(1−ピペリジニル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]イソニコチンアミド;Ascent Scientific, Cambridge)、MVRL09(N−[2−(モルホリン−4−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン−3−カルボキサミド)、MVRL10(5−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]フラン−2−カルボオキサミド)が用いられた。〜60%コンフルエントの細胞は、少なくとも12時間血清飢餓され、5または10μΜ化合物阻害剤で処理された。24時間後にmRNAが抽出され、48時間後、タンパク質がさらなる分析のために抽出された。

0133

半定量的:VEGFについての逆転写酵素RT)−PCR
定型的なPCRが、VEGF165およびVEGF165bmRNAを検出するために使用された。5−10%のcDNAが、以下を含む反応混合物に添加された:2×PCR Master Mix (Promega)、エキソン7b(5’−GGCAGC TTG AGTTAAACGAAC−3’(配列番号:2))およびエキソン8bの3’UTR(5’−ATG GAT CCGTATCAG TCTTTCCTG G−3’(配列番号:3))に相補的プライマー(各1μΜ)、およびDNase/RNaseフリー水。全てのサンプルは、陰性対照(逆転写酵素なしの、水およびcDNA(−RT))、および陽性対照プラスミド発現ベクター(pcDNA)中のVEGF165およびVEGF165b pcDNA)と並行して測定された。反応混合物は95℃で60秒間変性し、55℃で60秒間アニーリングし、72℃で60秒間伸長させて、30〜35回、温度サイクルされた(PCR Express, Thermo Electron Coorporation, Basingstoke)。PCR産物は、0.5μg/ml臭化エチジウム(BioRad)を含む2.5%アガロースゲル上で分離され、紫外線トランスイルミネーター(BioRad)下で可視化された。

0134

等量のcDNAローディングは、GAPDHプライマー(フォワード:5’−CAC CCA CTC CTC CAC CTT TGA C−3’(配列番号:4);リバース:5’−GTC CAC CACCCTGTTGCT GTA G−3’(配列番号:5))を用いてPCRによって測定された。プライマーは、94℃で45秒間変性し、65℃で45秒間アニーリングし、72℃で60秒間伸長させて、30回温度サイクルさせた後、〜112bpで1つのアンプリコンを生じた。

0135

PanVEGFおよびVEGFXXXb酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)。

0136

1μg/mlのpan−VEGF捕捉抗体(Duoset VEGFELISADY−293; R&D systems)が、室温で一晩インキュベートされた。プレートはブロックされ(Superblock; ThermoScientific)、組換えヒト(rh)VEGF165またはrhVEGF165bスタンダードの連続希釈液(4ng/mlから16.25pg/mlまでの範囲)が添加され、サンプルライセートと一緒にインキュベートされ、典型的には1:10で希釈された。プレートは、振とうしながら37℃で1時間インキュベートされ、洗浄され、100μl/ウェルのビオチン化ヤギ抗ヒトVEGF(0.1μg/ml; R&D systems)またはマウス抗ヒトVEGF165b(0.25μg/ml)の何れかと共に37℃でさらに1時間インキュベートされた。洗浄後、100μl/ウェルのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)抱合ストレプトアビジン(1:200; R&D systems)が添加され、プレートは室温で20分間放置された。

0137

プレートは洗浄され、遮光下で20分間、substrate A and B(DY−999; R&D Systems)を用いて色調変化が誘導された。反応は100μl/ウェルの1M H2SO4の添加により停止され、吸光度ELISAプレートリーダー(Dynex Technologies OpsysMRsystem plate reader)中で、450nmで570nmの対照測定と共に、直ちに読み取られた。Revelation Quicklink 4.25ソフトウェアはまた、各サンプルについてのVEGF濃度の推定を可能にするスタンダードの平均吸光度値から標準曲線を計算するのに使用された。

0138

ウェスタンブロット
タンパク質サンプル(30〜50μg)は、1×ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)ローディングバッファー(100mM Tris−HCl、4%SDS、20%グリセロール、0.2%(w/v)ブロモフェノールブルー、および最終濃度5%2−メルカプトエタノール、 pH6.8)と混合された。タンパク質を変性させるために、サンプルは100℃で5分間煮沸された。

0139

サンプルは、約2.5時間、氷冷ランニングバッファー(25mM Tris−HCl、250mMグリシン、0.1%SDS、pH8.3)で90Vで12%SDS−PAGEゲル上でポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)に供された。分離されたタンパク質は、次いで、転写バッファー(50mM Tris−HCl、38mMグリシン、20%メタノール、pH8.3)中で90Vで2時間湿式転写によって、メタノール活性化ポリフッ化ビニリデンPVDF)膜(Fisher Scientific)に電気泳動的ブロットされた。膜は、室温で30分間攪拌しながらブロッキング溶液PBS/T中の2.5%脱脂粉乳または5%BSA)中でインキュベートされ、次いで4℃で一晩、一次抗体プローブ化された;2.5%脱脂粉乳PBS/T中で1:1000〜1:200に希釈されたウサギポリクローナル抗VEGF−A(A20; sc−152、Santa Cruz)、5%BSA PBS/T中で1:1000に希釈されたVEGFXXXb特異的マウスモノクローナル56/1(R&D Systems)、2.5%脱脂粉乳PBS/T中で1:1000に希釈されたマウスモノクローナルSRSF1(SF2/ASF)(96; sc−33652、Santa Cruz)、および5%BSA PBS/T中で1:1000に希釈されたマウスモノクローナル抗SRPK1(BD Biosciences、611072)。膜は、次いで、TBS/0.3%Tで各10分間4回洗浄された。その後、攪拌しながら室温で45分間、二次HRP接合抗体とともにインキュベートされた:5%BSA PBS/Tまたは2.5%脱脂粉乳PBS/T中で1:10000に希釈されたヤギαマウス免疫グロブリンGIgG)、ヤギαウサギIgGまたはウサギαヤギIgG(Pierce)。洗浄が繰り返され、Enhanced Chemoluminiscence (ECL) SuperSignal West Femto Maximum Sensitivity Substrate kit(Pierce)を用いてバンドが検出された。

0140

薬学的阻害剤処理 − SPHINX6およびSPHINX7 初代ヒトRPE細胞は、記載されるように(Gammons et al Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 54(9) 6052−6062)、24時間SPHINXの濃度を増加させて処理され、続いてRNA抽出され、前述されるように(Bates et al 2002)、VEGF165(200bp)またはVEGF165b(130bp)を検出するプライマーを用いてRT−PCRが行われた。細胞はSPHINX6および7で処理され、PCRが繰り返された。

0141

SPHINXで48時間処理されたRPE細胞からタンパク質が抽出され、前述のように(Gammons et al Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 54(9) 6052−6062)、抗VEGF165b抗体を用いてVEGF165bについてのウエスタンブロッティングに供された。

0142

EGF活性化によって誘導されるSRSF1リン酸化の阻害。

0143

PC3前立腺癌細胞は、DMSO(ビヒクル)、SPHINX、SRPIN340またはSPHINX7のいずれかの10μΜでの存在下で、10nM EGFで1時間処理された。細胞は溶解され、リン酸化SRタンパク質に対する抗体(MAB104)およびローディング対照としてのチューブリンに対する抗体を用いた免疫ブロットに供された。ImageJ Intensityを用いてSRSF1およびSRSF5バンドについての強度が測定された。リン酸化は、無処理に対するバンドの強度の増加分として、ビヒクルと一緒のEGFについてのものと比較して算出される。

0144

レーザー病変(lesion)誘導プロトコール6〜8週齢のC57/B6マウス(B&K Laboratories)およびアダルノルウェーブラウンラット(Harlan Laboratories)は、50mg/kgケタミンおよび0.5mg/kgメデトミジンの混合物の腹腔内注射により麻酔された。2.5%塩酸フェニレフリンおよび1%トロピックアミドにより瞳孔拡張された。4つの光凝固病変は、それぞれの眼で1〜2ディスク直径の距離で、乳頭周囲の分布で網膜血管の間に、クリプトン赤色レーザー(マウス:250mW,0.01s,75μm、ラット:200mW,0.01s,75μm、 IRIS Medical 810nm Oculight Slx laser)により届けられた(delivered)。処理時に網膜下気泡を有するレーザー病変のみが、研究に取り入れられた。レーザー光凝固後すぐに、動物は、両眼に硝子体内注射を受け(0日目および7日目)、または、片眼に100μg/mL SRPIN340もしくは異なる用量のSPHINX7(10μl体積)の一日二回の局所点眼薬および他の眼に対照ビヒクルが与えられた。動物は4日目または14日目のいずれかに間引かれ、眼は、網膜解剖およびタンパク質抽出のために外され、または、固定され摘出されイソレクチン−B4について脈絡膜染色され検査された。

0145

局所投与の間、SRPIN340またはSPHINX7は、眼への薬物曝露持続を助けるため、ゲルベース薬物送達ビヒクルへと作り上げられ(Doukas et al., 2008)、0.05%DMSOがSRPIN340を溶解するために使用され、および対照ビヒクルに添加された。

0146

インビボ前立腺腫瘍研究
1×106 PC−3 RFP赤色蛍光タンパク質)細胞が、ヌードマウス前立腺外科的に投入された。腫瘍体積は、IVIS Lumina imaging systemを用いて毎週2回測定された(総フラックス光子/秒として表される)。腫瘍が2×l09平均光子/秒に達すると、マウスは、20μg SPHINXまたはビヒクルのいずれかのIP注射で週に三回処理された。31日後、マウスは間引きされ、さらなる分析のために腫瘍が抽出された。N=9、p<0.01、2要因ANOVA

0147

質量分析
インビボでのSRPIN340の薬物動態を決定するために、質量分析ベース戦略が採用された。初めに、SRPIN340および分子誘導体MVRL09は、100μg/mlから0μg/mlまで水で系列希釈され(最初のストックはDMSOに溶解された)、分析された。クロマトグラムは、SRPIN340(349.1Da)およびMVRL09(351Da)に予想された分子量で明瞭なピークを作り出した。ピーク下面積が統合され、線形応答を確認するための濃度に対するプロットが観察された。SRPIN340は、20ngの硝子体内注射後の眼組織で、および5μgの単回局所適用後の眼組織で調べられた。単回投与後、マウスは1、4、8、24および48時間の時点で安楽死させられた。サンプル、SRPIN340(検体)および対照処理されたものは、ホモジナイズされ、等量(100μl)アセトニトリルまたはアセトンでサンプルからタンパク質が沈殿させられた。

0148

100μg/ml
MVRL09の内部標準が、調製中のサンプルのロスについて勘定するためにサンプルに添加された。50%サンプルおよび50%アセトニトリルおよび100μg/ml MVRL09の溶液は、タンパク質をペレット化するために4℃で15分間遠心分離され、分析のために上清採取された。溶液は8時間37℃で蒸発させられ、注入およびMALDI−TOF質量分析法分析器(Absciex)の準備のために30μlアセトニトリルに再懸濁された。各サンプルは、5分間測定され、クロマトグラムが作成された。標準曲線は、濃度を決定するために、両方のヒト血漿マトリックス中で作成された。半減期は、対数プロットを使用して、1時間から48時間までのサンプル濃度に対して1つの位相指数関数的減衰フィッティングすることにより、Prismを用いて計算された。

0149

統計分析
特記しない場合、データは平均±SEMとして示される。すべてのデータ、グラフおよび統計的分析は、Microsoft Excel(Microsoft Office Software)、GraphPad Prism(GraphPad Software Inc.)、およびImage Jにより算出された。全ての結果は、p<0.05(*)、P<0.01(**)およびp<0.001(***)で統計的に有意であるとみなされた。

0150

結果
新規SRPK1阻害剤の同定
新規SRPK1および高度に関連するSRPK2阻害剤を同定するために、ある範囲の阻害剤がインビトロキナーゼアッセイ(Promega; Koresawa and Okabe, 2004)でスクリーニングされた。以前に同定されたSRPK阻害剤SRPIN340(Fukuhara et al., 2006)は、新規候補化合物MVRL10(5−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]フラン−2−カルボキサミド)およびMVRL09(N−[2−(モルホリン−4−イル)−5−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン−3−カルボキサミド)の同定のための陽性対照として使用された。構造的誘導体SRPIN349は、陰性対照として使用された(図1)。SRPIN349はSRPIN340と同様の構成を有しているが、トリフルオロメチル部分の代わりに水素原子を有する。3つ全ての阻害剤は、SRPK1キナーゼを阻害するいくらかの能力を示し、MVRL09は10μΜより大きいIC50で最も低い効果である。SRPIN340およびMVRL10の両方が、それぞれ0.96μΜおよび0.85μΜのIC50値でSRPK1活性を強力に阻害した(図1B)。このアッセイで得られた結果は、SRPIN340について公表されたIC50と一致している(0.89μΜ; Fukuhara et al., 2006)。新規候補化合物MVRL16(SPHINX6)、MVRL17(SPHINX7)がまた、同じインビトロキナーゼアッセイを用いて同定され、それぞれ173nMおよび54nMのIC50値を示している(図7)。ピペラジン構造が欠落しているMVRL18(SPHINX8)、SPHINX9およびSPHINX10は、インビトロアッセイでは活性を示さなかった。

0151

その後、これらの化合物のSRPK2活性を阻害する活性が調べられた。SRPIN340は、7.4μΜのIC50でSRPK2活性を阻害した。MVRL09はSRPK2の阻害を示さず、MVRL10は10μΜでわずか10%のキナーゼ阻害を示した(図1C)。3つ全ての化合物は、SRPK2より優先的にSRPK1を標的とするが、MVRL10は最も特異的で、SRPK1について10倍を超える選好(preference)を示した。58キナーゼのパネルが微小熱量測定を用いてスクリーニングされ、10μΜで2℃を超える温度シフトは、SRPK1(9.82°)、MSSK1A(7.93℃)およびSRPK2(3.5℃)でのみ認められた。55の他の全てのキナーゼは、<2℃シフトを有し、それらのうち52は<1℃シフトを有した。

0152

SRPK阻害剤は、VEGFアイソフォーム発現に対する処理の効果を測定するために、一連のインビトロアッセイで試験された。初めに、SRPK1およびSRSF1発現に対する化合物処理の効果が測定された。先行公報は、SRPK1によるSRSF1リン酸化は、スプライシングを促進するVEGFプレmRNAへのその結合を可能にするSRSF1の核局在化に至ることを示唆していた(Nowak et al., 2008; Nowak et al., 2010; Amin et al., 2011)。我々は、SRPIN340およびMVRL09の10μΜ処置が、ARPE−19細胞において、処置の6日後ですらSRPK1発現に影響しないことを観察した。MVRL10がSRPK1発現を低下させそうなことは、キナーゼの安定性を変化させ得ることを示唆する(図2A)。SRPIN340、MVRL09およびMVRL10によるARPE−19細胞の処理は、72時間処理時間後にチューブリン対照と比較してSRSF1の発現を低下させ、6日まで延びている(図2A)。

0153

5μΜで24時間の阻害剤処理は、初代RPE細胞において、GAPDHと比較してVEGF165mRNAアイソフォームの発現を変化させた。3つ全ての阻害剤はVEGF165の発現を低下させ、およびMVRL09はVEGF165bの明確な発現を誘導した(図2B)。我々は、VEGFタンパク質発現に対するSRPK1阻害の影響を調べ始めた。SRPIN340およびMVRL09は、総タンパク質と比較してVEGF発現を有意に低下させたが、MVRL10は何の効果を誘発することもなかった(図2C)。MVRL10がVEGF血管新生促進および抗血管新生アイソフォームの比を変化させるたかどうかを測定するために、我々はpanVEGFおよびVEGFXXXb特異的ELISAを実施した。3つ全ての阻害剤はVEGFXXXb/総VEGFの比を増加させ、MVRL09およびMVRL10は高度に有意であり(p<0.01)、これは、SRPK1阻害が血管新生促進VEGFの発現を低下させ、抗血管新生VEGFの発現を促進し、または両方の組み合わせを示唆している(図2D)。

0154

従って、MVRL10は、SRPK1に比較的特異的な阻害剤のようであった。SRPK1阻害が動物モデルにおいてCNVを抑制することができるかどうかを測定するために、我々は、レーザー誘導マウスCNVモデルにおいて、互いに並んでこれらの化合物を試験した。10ng SRPIN340およびMVRL10の2つの硝子体内注射は、同程度で注入した対照の眼と比較して、それぞれ有意に新生血管領域を低下させた(p<0.05、図3A)。CNVが低減された網膜におけるVEGF発現をSRPIN340が変化させることができるかどうか測定する目的で、レーザー誘導CNVのラットモデルが使用された。マウスIgGの潜在的検出により(これは、VEGFについて同様に動作する)、VEGFアイソフォームに対するマウスモノクローナル抗体がマウスの組織において容易には使用され得ないためである。SRPIN340は、VEGF抗体,G6−31(Roche)と一緒に試験された。SRPIN340注射(25ng)は、生理食塩水注射した対照と比較して、再び有意に、CNV領域を低下させた(p<0.05)。VEGF抗体G6−31はこのラットモデルにおいてCNV領域に対して非有意な効果に終わったが(図3B)、マウスCNVモデルにおいて低下を引き起こした(Rennel,2011)。

0155

最初の処理4日後のSRPIN340および生理食塩水処理した眼からの網膜タンパク質は、ウェスタンブロットによってVEGF発現について評価された。VEGFの発現の低下が、SRPIN340処理した眼において観察された(図3C)。VEGFXXXbアイソフォームの発現が、マウスモノクローナル56/1抗体(R&D systems)を用いて調べられた。この時点でのSRPIN340処理後の網膜タンパク質において、抗VEGFアイソフォームに対する促進型の比率に差は観察されなかった(図6)。

0156

マウスにおいてレーザー誘導CNVを阻害するときの、SRPIN340によるSRPK1阻害の効力を測定するため、用量漸増試験が実施された。SRPIN340は、1.28ng総注入用量のEC50で、対照注射された眼と比較して用量依存的にCNV領域を低下させた(図4A)。我々は、硝子体内注射後の眼におけるSRPIN340の薬物動態の測定へと進んだ。20ngの注射は、比較的長く持続可能な、2日の期間を超えて眼内に>10ng/mlの濃度という結果となった。1、4、8 24および48時間で測定された濃度に対してフィッティングした曲線は、22時間の推定持続半減期を与えた(図4B)。

0157

その低分子量および良好な薬物品質(MW349、LogP 3.68、およびリピンスキールールオブファイブを満たす)に基づいて、我々は、SRPIN340および関連化合物は、点眼薬として局所的に投与された場合、VEGF媒介性CNVを防止することができるのではないかという仮説を立てた。我々は、SRPIN340局所点眼薬を調査する用量反応トライアルを実施した。SRPIN340は、以前に記載された薬物送達ビヒクル(Doukas et al.,2008)中に溶解され、1日2回投与された。レーザー傷害(insult)から14日後、脈絡が固定され、イソレクチン染色のために平らマウントされ(flatmounted)、RNA分析のために網膜が抽出された。

0158

局所SRPIN340点眼薬は、640ng総用量のEC50で用量依存性にCNV病変面積を低下させ、SRPIN340硝子体内注射後に同じ効果を達成するのに要求される濃度の500倍であった(図5A)。さらに、網膜におけるVEGF165mRNA発現は、SRPIN340処理後に低下した(p=0.058)(図5B)。局所投与後の眼でSRPIN340が検出可能であることを確認するため、質量分析が行われた。10μlビヒクル中5μgのSRPIN340の一滴が、CD−1マウスの一方の眼に投与され、他方には対照ビヒクルが投与された。1、4、8、24および48時間後、マウスは間引きされ、眼の前房および後房からの眼組織は、別々にSRPIN340発現について分析された。SRPIN340は、眼全体で、特に後房の両方で検出された。1時間後、総適用用量の3.5%が、眼で検出された(図5C)。網膜、強膜脈絡膜複合体および残部硝子体からなる後房において、適用用量の0.15%が12時間後に検出された(図5D)。prismソフトウェアを使用した指数関数的減衰分析は、後房において35分の初期半減期を作成した。

0159

考察
我々は、血管新生促進VEGFアイソフォームVEGF165の発現を低下させ、インビボにおいてCNVを阻害するため、SRPK1の小分子化合物阻害剤を使用した。我々は、阻害剤が、インビトロで、SRSF1 RSドメインセリン残基のSRPK1リン酸化を防止することを同定した。SRPK1のSRSF1との相互作用は、文献(Aubol et al., 2003; Velazquez−Dones et al., 2005; Ngo et al., 2005)に詳しく記載されている。SRSF1は、VEGFを含む多数の遺伝子の選択的スプライシングを制御するプロトオンコジーンSRタンパク質である(Sanford et al., 2005)。ここで、我々は、ARPE−19細胞へのSRPK1阻害剤の反復投与がSRPK1発現非依存的にSRSF1の発現を低下させたことを示し、これはSRSF1のリン酸化がその細胞質安定性のために必要となる可能性があることを示唆している。さらに、SRPK1阻害剤SRPIN340およびMVRL09は、RNAレベルでVEGF165発現を低下させ、タンパク質レベルでの総VEGF発現を有意に低下させた。MVRL10はVEGFタンパク質レベルに影響を与えなかったが、促進型−および抗−血管新生VEGFアイソフォームの発現比率についてのさらなる調査が、MVRL10は抗血管新生VEGFアイソフォームの発現を優位にする比率に有意に切り替えたことを示した。100nMでのSPHINX7は、RNAレベルでVEGF165の量を低減すること(図9A)、タンパク質レベルでVEGF165bを増加させること(図9B)、および10μΜでSRSF1リン酸化を阻害すること(図10Aおよび10B)が示されている。マウスレーザー誘発CNVモデルにおいてインビボで試験した場合、3つ全ての阻害剤が新生血管病変の面積を低下させ、SPHINX7、SRPIN340およびMVRL10(SPHINX)は有意を達成した。

0160

抗血管新生VEGFアイソフォームへのVEGFスプライシングにおける切り替えは、ヒト初代RPEおよびARPE−19細胞株においてSRPK1阻害時に観察されたものの、マウス組織におけるVEGFXXXbアイソフォームの検出は断定的には示されていない。mRNA(定量PCRにより検出された(Xu et al 2011, Zhao et al exp eye res, Caires et al Endocrinology)およびタンパク質(ウェスタンブロットにより同定された(Zhao et al)は、両方ともにマウスにおいて記載されているが、両方の方法について、(IgGコンタミネーションおよびクロス増幅を排除する)厳格な対照を欠いていることが、VEGF165b発現に対して反論し得る(Harris et al)。VEGF転写物の選択的スプライシングは進化過程で増加し、VEGF165b発現は正常マウスでは非常に低く、ウサギおよびブタを経て霊長類で最も高発現となることが示唆されている(Xu et al 2011)。したがって、マウスモデルにおいて、SRPK1阻害剤は、近位スプライス部位の使用を防止し成熟RNAの低下を生じるか、または転写もしくは翻訳の制御における間接的な変化を通じて、血管新生促進VEGFアイソフォームの発現を低下させることによって、CNVを防止している可能性がある。現在のところ、マウスにおけるVEGF選択的スプライシングの制御因子を同定した調査はない。レーザー誘発ラットCNVモデルで試験すると、SRPIN340(Fukuhara et al, 2006)はCNV領域および総VEGFタンパク質発現を低下させた。VEGFXXXb発現がラット網膜において調べられ、VEGFXXXbは発現したものの、生理食塩水対照と比較して、SRPIN340処理中のVEGFXXXbアイソフォームの発現について、その時点では変化が観察されなかった。このことは、げっ歯類モデルにおいて、SRPK1阻害が血管新生促進VEGF発現を低下させることによって、抗血管新生性になり得ることを示唆している。

0161

我々は、マウスモデルにおけるCNV領域に対するSRPIN340のEC50の測定を始めた。SRPIN340は、1.28ngのEC50を生じ、使用されたSRPIN340の用量範囲、0.2〜10ng/眼は、CNVを阻害するために従来使用されたrhVEGF165bの用量と類似していた(Hua et al., 2010)。Huaと同僚は、ラニビズマブまたはベバシズマブよりも1000から10倍低い3μg/眼のヒトでの効果的なrhVEGF165b用量を測定した(Brown et al., 2006)。ヒト特異的なラニビズマブをマウスにおけるSRPIN340有効性データと直接比較することは困難であるが、rhVEGF165bと比べると、SRPIN340は、160倍効果が低かったが(Hua et al., 2010)、げっ歯類でのペガプタニブよりも125倍少ない用量を必要とした(Ishida et al., 2003)。データは、SRPIN340が、現在の治療である硝子体内注射後の低用量でのラニビズマブと同程度のCNVにおける低下を達成する可能性を秘めていることを示唆している。

0162

ラニビズマブの治療の欠点の1つは毎月の眼内注射が必要とされることであり、それゆえ、我々は、SRPIN340およびSPHINX7が局所投与後にCNVを強力に阻害することができるかどうかを調べた。局所SRPIN340は、注入SRPIN340よりも500倍を超える3.187μg/mlのEC50で、マウスにおいてCNVを有意に抑制した。薬物動態解析は、局所的に適用される用量の3.5%が1時間後に眼に検出されたことを示唆し、これは、乏しい眼のバイオアベイラビリティにより局所的に適用された薬物のわずか5%が眼に入るという以前の推定を反映している(Geroski and Edelhauser, 2000)。また、SRPIN340は、単回局所投与後48時間の眼において依然として検出可能であったが、全身的には検出されなかった。適用されたSRPIN340のわずか約5%が眼に浸透しそうであるにもかかわらず、局所的SRPIN340を用いて50%CNV阻害を達成するのに必要な用量は、他の局所療法匹敵する。

0163

2008年に、Doukaと同僚らは、脱エステル化によりTG100572を生じる不活性なプロドラッグであるTG100801を同定した。TG100801はSrcキナーゼ、ならびにVEGFR−1およびVEGFR−2を含む選択されたチロシン受容体キナーゼターゲットとし、0.6%ではなく1%TG100801の一日二回の局所適用が、CNV病変領域を優位に低下させた(Doukas et al, 2008)。しかしながら、同じ薬物送達ビヒクル中の0.01%SRPIN340溶液は、CNV領域の有意な阻害を生じた。我々が知る限り、SRPIN340およびSPHINX7は、血管新生促進VEGFアイソフォームの発現を変化させる最初の局所化合物である。局所SRPIN340処理後、VEGF165発現について評価されたマウス網膜は、VEGF165の近有意な低下を示した(p=0.058; n=3)。より強力な分裂促進(mitogenic)VEGFアイソフォームであるVEGF165は(Keyt et al., 1996)、網膜の発達の間の生理的新生血管形成に十分である(Stalmans et al., 2002)。本研究ではSRPK1阻害後のVEGF165発現を調べることに焦点を当ててきたが、しかし、我々は、VEGF121のような他の血管新生促進VEGFアイソフォームの発現もまたSRPK1阻害後に低下するであろうと予想する。実際、種を超えてすべての血管新生促進VEGFアイソフォームにより保存されたスプライス部位である、VEGFエキソン8PSSの前35nt領域で、ヒトVEGFプレmRNAにSRSF1が結合することが示されている(Amin et al., 2011)。

0164

週3回30日間の20μgのSPHINXのIP注射によるヌードマウスにおける誘発された前立腺癌の治療は、対照生理食塩水注射と比較して、腫瘍体積の有意な低下に至った(総フラックス:光子/秒として測定される)。これは、特許請求の範囲の化合物がまた、血管新生を阻害するのに有効であり、それゆえ、例えば哺乳動物対象における癌の治療など、哺乳動物対象の抗血管新生治療において使用され得ることを証明している。

0165

本研究で提示されたデータは、AMDに関連した血管新生促進VEGF媒介性CNVを低下させる低分子量化合物阻害剤のための新規標的として、SRPK1を示唆している。さらに、我々は、本発明の化合物が、マウスにおいて局所投与後にCNVを低下させ、注射した場合にマウスにおける腫瘍増殖を低下させるのに有効であることを示している。

0166

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