図面 (/)

技術 磁歪部材およびその製造方法

出願人 日本高周波鋼業株式会社
発明者 今井克哉
出願日 2017年6月7日 (3年6ヶ月経過) 出願番号 2017-112814
公開日 2018年12月27日 (2年0ヶ月経過) 公開番号 2018-203585
状態 未査定
技術分野 放電加工、電解加工、複合加工 圧電、電歪、磁歪装置 結晶、結晶のための後処理
主要キーワード 製造機構 正面写真 見える線 材料移動 磁歪部材 歩留まりロス 電気抵抗器 磁歪合金
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年12月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

従来の単結晶製造方法よりも安価で、家電等の電源振動発電に用いられる高性能で高い信頼性を有する汎用性の高い磁歪部材の提供。

解決手段

溶融したFe−Ga−Cu合金を一定速度で炉内から炉外に引き出して一方向に凝固して、複数個の粗大な結晶粒からなる鋼塊Bを形成し、鋼塊Bを結晶粒界Cで個々の単結晶Dに分離し、単結晶Dから磁歪部材の磁歪を必要とする方向とFe−Ga−Cu合金の結晶の<100>方位を揃えて放電加工によって切り出した磁歪部材。Fe−Ga−Cu合金は、質量%でGa:17.5〜23.5%、Cu:0.04〜2.4質量%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物

概要

背景

概要

従来の単結晶製造方法よりも安価で、家電等の電源振動発電に用いられる高性能で高い信頼性を有する汎用性の高い磁歪部材の提供。溶融したFe−Ga−Cu合金を一定速度で炉内から炉外に引き出して一方向に凝固して、複数個の粗大な結晶粒からなる鋼塊Bを形成し、鋼塊Bを結晶粒界Cで個々の単結晶Dに分離し、単結晶Dから磁歪部材の磁歪を必要とする方向とFe−Ga−Cu合金の結晶の<100>方位を揃えて放電加工によって切り出した磁歪部材。Fe−Ga−Cu合金は、質量%でGa:17.5〜23.5%、Cu:0.04〜2.4質量%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物

目的

本発明は、上記のような従来の問題点を解決するために成されたもので、従来の単結晶製造方法により製造された磁歪部材よりも安価であるとともに容易に製造することができ、種々の振動から電気エネルギーを取り出す振動発電の電源や、モーター変位制御アクチュエータ等の駆動素子に用いることができる高性能で高い信頼性を有する汎用性の高い磁歪部材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

方向凝固法により形成され長手方向に結晶の<100>方位を有する1個の粗大な結晶粒で構成された鋼塊のFe−Ga−Cu合金の単結晶、または複数個の粗大な結晶粒で構成された鋼塊の結晶粒界で個々の単結晶に分離することで形成されたFe−Ga−Cu合金の単結晶から、磁歪部材磁歪を必要とする方向に前記合金の結晶の<100>方位を揃えた位置で、放電加工による切り出しで形成された磁歪部材であって、前記Fe−Ga−Cu合金は質量%でGa:17.5〜23.5%、Cu:0.04〜2.4%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする磁歪部材。

請求項2

前記放電加工による切り出しで形成された磁歪部材の表面が、前記磁歪部材にひずみを導入しない研磨処理によって前記放電加工の際に生じた微小凹凸が取り除かれた平滑面であることを特徴とする請求項1記載の磁歪部材。

請求項3

質量%でGa:17.5〜23.5%、Cu:0.04〜2.4%を含有し残部がFe及び不可避的不純物からなるFe−Ga−Cu合金を溶融温度以上の炉内に一定時間保持した後、炉内から一定の速度で溶融合金炉外に引き出して前記溶融合金を一方向凝固させる工程と、前記一方向凝固させる工程終了後に、前記一方向凝固させる工程で得られた凝固した鋼塊が複数個の粗大な結晶粒で構成されている場合には結晶粒界で個々の単結晶に分離する工程と、前記一方向凝固させる工程または前記個々の単結晶に分離する工程で得られた単結晶を、放電加工によって磁歪部材の磁歪を必要とする方向に結晶の<100>方位を揃えて切り出す工程とからなることを特徴とする磁歪部材の製造方法。

請求項4

前記放電加工によって切り出す工程により得られた磁歪部材の表面に、前記磁歪部材にひずみを導入しない研磨処理を施すことにより、前記放電加工の際に生じた微小な凹凸を取り除いて前記表面を平滑面とする工程を有することを特徴とする請求項3記載の磁歪部材の製造方法。

請求項5

前記一定の速度を20mm/時以下としたことを特徴とする請求項3または4記載の磁歪部材の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、コンプレッサー等の産業機械稼働モニター電源照明家電品自動車等のリモコンスイッチ等の電源の振動発電に用いられる磁歪部材、または超音波モーター変位制御リニアアクチュエータ等の駆動素子に用いられる磁歪部材、あるいは音響素子等の振動子に用いられる磁歪部材、およびその製造方法に関する。

0002

超磁歪材料として、特公平6−2635号公報、特表2002−531701号公報及び特公平7−100839号公報等に示されるTb−Dy−Feに代表される希土類遷移金属磁歪材料が知られている。この種の磁歪材料の磁歪量は1000ppmを超え、磁性材料として知られているパーメンジュール(Fe50%−Co50%合金)の磁歪量(30ppm)や、磁歪合金アルフェル(Fe87%−Al13%)の磁歪量(70ppm)と比べると桁違いに大きい。

0003

しかし、この超磁歪材料は高価な希少金属の希土類遷移金属を原料としているため磁歪材料そのものが非常に高価であり、また、その組織はラーベス型金属化合物であるため非常に脆く、必要な形状に加工することが難しい。そのため適用分野が限られており、この超磁歪材料を用いたデバイスアクチュエータ等はあまり普及していない。

0004

これに対してTb−Dy−Fe系材料ほど磁歪量は大きくないものの、100〜300ppm程度の大きな磁歪量を示し、機械加工が可能なFe−Ga系合金活用が検討されている。振動発電に用いる材料としては磁歪量が100〜300ppm程度あれば実用化でき、また、精密アクチュエータや振動子としての性能も十分であるため、Fe−Ga系合金は好都合である。

0005

また、Tb−Dy−Fe系材料あるいはFe−Ga系合金などの磁歪材料は、結晶特定方位に大きな磁気歪み現出させるため、磁歪部材の磁歪を必要とする方向と結晶の磁気歪みが最大となる方位を一致させた単結晶の部材が最適である。

0006

単結晶の製造方法としてブリッジマン法引き上げ法ゾーンメルティング法等があるが、これらの単結晶製造法は極めて生産性が低いため、粉末冶金法(特許第3452210号公報)や急冷凝固法による合金薄帯の製造方法(特許第4053328号公報)や、液体急冷凝固法により製造した薄片や、粉末状の原料を加圧焼結して製造する方法(特許第4814085号公報)などが提案されている。また、特表2012−500333号公報に示されるように、熱間加工冷間加工を組み合わせて薄膜を製造する方法も提案されている。

0007

これらの種々製造方法により製造される部材の内部はいずれも多結晶となり、部材内の全ての結晶方位を磁気歪みが最大となる方位に一致させることは不可能で、単結晶の部材より磁歪特性が劣るという問題があった。また、急冷凝固法による合金薄帯の製造方法や熱間加工と冷間加工を組み合わせて薄膜を製造する方法では薄帯や薄膜しか製造できず、部材の適用範囲が限られてしまうという問題があった。

0008

また、粉末冶金法や液体急冷凝固法により製造した薄片や粉末状の原料を加圧焼結して部材を製造する方法では、アトマイズ設備急冷凝固設備や加圧焼結設備などの特殊な設備が必要であるためコストがかかる。また、粉末の処理過程では、異物不純物混入による磁歪特性の劣化を防止するための特別な環境が必要であるため、それもコストアップ要因となっていた。

0009

これらの問題点を解決する方法として、特開2016−138028号公報において、従来の単結晶製造方法よりも安価で、振動発電に用いることができる高性能信頼性が高く汎用性の高い磁歪部材及びその製造方法が開示されている。しかし、一方向凝固法で製造した鋼塊短冊状に切り出し、切り出した短冊状材料結晶粒界で個々の単結晶に分離した後、放電加工によって磁歪部材を切り出しているため、個々の単結晶から磁歪部材を取り出す歩留まり率が悪かった。また、磁歪部材の原材料であるGaは希少価値が高く高価であるため、より安価に磁歪部材を製造する余地が残されていた。

先行技術

0010

特公平6−2635号公報
特表2002−531701号公報
特公平7−100839号公報
特許第3452210号公報
特許第4053328号公報
特許第4814085号公報
特表2012−500333号公報
特開2016−138028号公報

発明が解決しようとする課題

0011

本発明は、上記のような従来の問題点を解決するために成されたもので、従来の単結晶製造方法により製造された磁歪部材よりも安価であるとともに容易に製造することができ、種々の振動から電気エネルギーを取り出す振動発電の電源や、モーターや変位制御アクチュエータ等の駆動素子に用いることができる高性能で高い信頼性を有する汎用性の高い磁歪部材を提供することを目的とする。また、従来の磁歪部材よりも磁歪特性のばらつきが少ない磁歪部材を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

上記の目的を達成するため、本願の請求項1に記載の発明は、一方向凝固法により形成され長手方向に結晶の<100>方位を有する1個の粗大な結晶粒で構成された鋼塊のFe−Ga−Cu合金の単結晶、または複数個の粗大な結晶粒で構成された鋼塊の結晶粒界で個々の単結晶に分離することで形成されたFe−Ga−Cu合金の単結晶から、磁歪部材の磁歪を必要とする方向に前記合金の結晶の<100>方位を揃えた位置で、放電加工による切り出しで形成された磁歪部材であって、前記Fe−Ga−Cu合金は質量%でGa:17.5〜23.5%、Cu:0.04〜2.4%を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とする。

0013

また、上記の目的を達成するため、本願の請求項2に記載の発明は、前記放電加工による切り出しで形成された磁歪部材の表面が、前記磁歪部材にひずみを導入しない研磨処理によって前記放電加工の際に生じた微小凹凸が取り除かれた平滑面であることを特徴とする。

0014

また、上記の目的を達成するため、本願の請求項3に記載の発明は、質量%でGa:17.5〜23.5%、Cu:0.04〜2.4%を含有し残部がFe及び不可避的不純物からなるFe−Ga−Cu合金を溶融温度以上の炉内に一定時間保持した後、炉内から一定の速度で溶融合金炉外に引き出して前記溶融合金を一方向凝固させる工程と、前記一方向凝固させる工程終了後に、前記一方向凝固させる工程で得られた凝固した鋼塊が複数個の粗大な結晶粒で構成されている場合には結晶粒界で個々の単結晶に分離する工程と、前記一方向凝固させる工程または前記個々の単結晶に分離する工程で得られた単結晶を、放電加工によって磁歪部材の磁歪を必要とする方向に結晶の<100>方位を揃えて切り出す工程とからなることを特徴とする。

0015

また、上記の目的を達成するため、本願の請求項4に記載の発明は、前記放電加工によって切り出す工程により得られた磁歪部材の表面に、前記磁歪部材にひずみを導入しない研磨処理を施すことにより、前記放電加工の際に生じた微小な凹凸を取り除いて前記表面を平滑面とする工程を有することを特徴とする。

0016

また、上記目的を達成するため、本願の請求項5に記載の発明は、前記一定の速度を20mm/時以下としたことを特徴とする。

発明の効果

0017

このように本発明に係る磁歪部材は、簡単で安価な溶解−鋳造設備で一方向凝固鋼塊を製造する工程と、製造された一方向凝固鋼塊を個々の単結晶に分離する工程と、分離した単結晶から放電加工で必要な寸法、形状に磁歪部材を切り出す工程により製造されるため、非常に安価にそして容易に製造することができる。また、上記工程により製造された磁歪部材は、高性能で高い信頼性を有するとともに汎用性が高く、磁歪特性のばらつきが少ないという特徴を有する。

図面の簡単な説明

0018

磁歪合金を溶解し、溶解した磁歪合金を一方向凝固させるために本発明で使用する装置であって、(I)は溶解過程を示す同装置の縦断面図、(II)は一方向凝固させる過程を示す同装置の縦断面図である。
本発明で使用する装置(図1)で凝固させた2つに分離した一方向凝固鋼塊Bの写真であり、(I)は一方の凝固鋼塊B1の正面写真、(II)はその背面写真、(III)はその平面写真、(IV)はその底面写真、(V)は他方の凝固鋼塊B2の正面写真である。

実施例

0019

以下、本発明を図面に示す実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1はFe−Ga−Cu合金を溶解し、溶解した磁歪合金を一方向凝固させるための装置で、図中1は管状炉である。2は管状炉1の中心部に垂直に配置された炉心管で、この炉心管2の外側はこの炉心管2の周囲を囲むように、電気抵抗器からなるヒーター3および断熱材4がそれぞれ設置されている。

0020

5は炉心管2内に配設したルツボで、ルツボ支持台6の上に載置されており、そのルツボ支持台6は昇降装置7によりルツボ支持ロッド8を介して上下方向に昇降する構成としている。9は炉心管2の内外に挿入された電熱対、10は真空排気管であり、その真空排気管10の一端側は図示しない真空ポンプと、他端側は炉心管2とそれぞれ連通しており、前記の真空ポンプで炉心管2内を真空状態もしくは種々のガスによる雰囲気状態にすることができる。

0021

そこで、図1に示す管状炉1にあって、炉心管2内に設置したルツボ5内に磁歪合金材料Aを入れ、管状炉1内に設置されたヒーター3でルツボ5内の磁歪合金材料Aをその溶融温度以上に加熱し溶融状態とする(図1のI参照)。そして、溶融状態となった磁歪合金材料Aaを、炉内温度を一定に保持した管状炉1内に一定時間保持する。この場合、管状炉1内の温度は一定に保持すればよく、特に温度を複雑にコントロールする必要はない。

0022

溶融状態となった磁歪合金材料Aaを管状炉1内に一定時間保持した後、昇降装置7によりルツボ支持台6を降下させ、ルツボ支持台6の上に載置したルツボ5及びそのルツボ5内の溶融状態となっている磁歪合金材料Aaを徐々に管状炉1内から管状炉1外へ引き出す(図1のII参照)。

0023

磁歪合金材料Aaを徐々に管状炉1内から管状炉1外へ、昇降装置7により下方へ引き出すことにより、ルツボ5内の磁歪合金材料Aaはルツボ5の下部から上部に向け一方向凝固することになり、磁気歪みが最大となる結晶の<100>方位の方向に結晶成長が起こり、鋼塊Bの長手方向に結晶の<100>方位を持った柱状晶(単結晶D)が得られる。

0024

また、溶融状態の磁歪合金材料Aaを十分に遅い速度で炉内から炉外に引き出すことにより、磁歪合金材料Aaは非常に遅い速度で凝固するため粗大な結晶粒を得ることができる。十分粗大な結晶粒を得るには、材料の降下速度を20mm/時以下とすることが望ましい。なお、材料の降下速度は稼働中は一定で良い。

0025

本発明では、単結晶の製造装置のような炉内に温度勾配を設けることや、結晶の成長に合わせて材料移動をコントロールする高精度な位置制御機構制御機器、あるいは結晶の成長方位を制御する種子結晶を材料の凝固初期溶湯表面部に接触させる操作や、核成長を制限するための特殊な形状のルツボの使用など、従来のような単結晶を製造するために必要な繊細な制御とそのための機構が必要なく、製造機構を簡単で安価な設備とすることができる。

0026

図2(I)ないし(V)は、上記一方向凝固させる装置で凝固させたFe−Ga−Cu磁歪合金材料Aの鋼塊Bの表面を研磨した後の外観の状態を示した写真であり、鋼塊Bは結晶粒界Cに沿って2つの鋼塊B1,B2に分離した状態となっている。図2(I)は一方の鋼塊B1の正面写真、(II)は鋼塊B1の背面写真、(III)は鋼塊B1の平面写真、(IV)は鋼塊B1の底面写真である。また、図2(V)は、他方の鋼塊B2の正面写真である。

0027

図2(I)ないし(V)に示すように、鋼塊B1,B2は、複数個の大きな単結晶Dで形成されている。尚、鋼塊B1,B2の表面及び破面見える線Cは個々の単結晶Dの境界、すなわち結晶粒界である。

0028

このように、Fe−Ga合金にCuを添加したFe−Ga−Cu合金は、Fe−Ga合金よりも粒界結合力が非常に弱くなっていることが分かった。これは、Fe−Cu系合金は、二相分離偏析が強く発生するため、一方向凝固のような凝固が非常にゆっくり進行する凝固過程においては、結晶粒界CにCuが偏析して粒界を脆弱にしているためと考えられる。

0029

そのため、上記特許文献8に記載されているように鋼塊Bから必要な大きさに短冊状に切り出さなくても、結晶粒界Cで簡単に個々の単結晶Dに分離することができる。そして、分離した個々の単結晶Dから放電加工によって磁歪を必要とする方向と単結晶Dの<100>方位を揃えて切り出すことで、本発明に係る磁歪部材が得られる。

0030

尚、本実施例においては、鋼塊Bが複数個の粗大な結晶粒で構成されているが、鋼塊Bが1個の粗大な結晶粒(単結晶D)で構成されている場合には、上記のように分離する必要はなく、鋼塊B(単結晶D)から放電加工によって磁歪を必要とする方向と単結晶Dの<100>方位を揃えて切り出すことで、本発明に係る磁歪部材が得られる。

0031

よって、本発明に係る磁歪部材の製造工程においては、上記特許文献8に記載されているような鋼塊Bを短冊状に切り出す工程を省略することができるため、従来よりも容易に磁歪部材を製造することができる。また、鋼塊Bを短冊状に切り出す上記工程を省略できることで、個々の単結晶Dを不必要に分断する必要がなくなるとともに、最も歩留まりの良い形状に磁歪部材を切り出すことができるため、歩留まりロスを軽減することができ、従来よりも安価に磁歪部材を製造することができる。

0032

また、以下の実施例で示すように、Fe−Ga合金にCuを添加したFe−Ga−Cu合金からなる本発明に係る磁歪部材は、そのFe−Ga−Cu合金よりもGa比率が高いFe−Ga合金からなる磁歪部材とほぼ同等の磁歪量を得ることができる。従って、Ga比率が低いFe−Ga合金であっても、Cuを添加することで十分な磁歪量を得ることができるため、従来よりも安価に磁歪部材を製造することができる。

0033

また、Cuが殆ど含まれていないFe−Ga合金では、構成成分が同じ磁歪部材間において磁歪量に大きな差が生じるのに対し、Fe−Ga−Cu合金では、構成成分が同じ磁歪部材間において磁歪量のばらつきが少なく磁歪特性が安定している。そのため、Fe−Ga−Cu合金からは、Fe−Ga合金からよりも信頼性の高い磁歪部材を得ることができる。

0034

以下、実施例としてFe−Ga−Cu合金からなる本発明に係る磁歪部材、従来材として現在唯一入手可能な米国で市販されているFe−Ga合金からなる磁歪部材、及び比較例としてCuが不可避的不純物レベルで含まれるFe−Ga合金からなる磁歪部材の測定結果を表1に示す。表1に示す数値は、実施例と従来材と比較例の磁歪部材(試験片)をそれぞれソレノイドコイル内に設置し、ソレノイドコイルに電流を流してコイル内に磁場を発生させ、磁歪部材に発生する磁歪量をひずみゲージにて測定したときの数値である。

0035

測定に用いた磁歪部材(試験片)は、放電加工によって幅6mm×厚さ0.5mm×長さ16mmの寸法に切り出した。従来材1の磁歪部材は柱状晶の多結晶体から、実施例および比較例に係る磁歪部材は単結晶からそれぞれ切り出したものである。また、上記切り出しの際、磁歪を必要とする磁歪部材の長手方向に単結晶の<100>方位を揃えて切り出した。そして、磁歪部材の長手方向を磁力線の方向と合わせて長手方向の磁歪量を測定した。

0036

0037

従来材1、比較例2及び比較例3に係る磁歪部材は、同一の鋼塊から切り出しているにもかかわらず、磁歪部材(試験片)間で磁歪量に大きな差が生じている。一方、Cu比率が0.04質量%以上である実施例1ないし実施例3に係る磁歪部材は、いずれも従来材1に係る磁歪特性の良い磁歪部材の磁歪量とほぼ同等の磁歪量を示し、磁歪部材間による差も殆どない。このように、Fe−Ga合金にCuを添加してCu比率が0.04質量%以上のFe−Ga−Cu合金とすることで、磁歪部材間の磁歪量の大きなバラツキ防止の効果が得られるとともに、信頼性の高い磁歪部材を得ることができる。

0038

また、Cu比率が0.04質量%以上のFe−Ga−Cu合金からなる実施例1ないし実施例5に係る磁歪部材は、Ga比率が異なるにもかかわらず、ほぼ同等の磁歪量を示した。すなわち、Ga比率が多少相違するFe−Ga合金であっても、Cuを添加してCu比率が0.04質量%以上のFe−Ga−Cu合金とすることで、高いレベル(磁歪量が240ppm前後)で安定した磁歪特性を有する磁歪部材を得ることができる。

0039

一方、Cuを過剰に添加すると、Cu単相またはCu化合物相がFe−Ga合金基地内に異物として島状に分散して析出するため磁歪特性を悪化させることとなるが、本発明に係る磁歪部材のCu比率を2.4質量%まで増加させても、磁歪特性を悪化させる析出物相は観察されなかった。そのため、本発明に係る磁歪部材のCu比率は2.4質量%以下であることが望ましい。

0040

実施例2に係る磁歪部材のGa比率は、従来材1に係る磁歪部材のGa比率よりもかなり少ない17.7質量%であるが、Cuを添加することで従来材1に係る磁歪部材と同等の磁歪量が生じている。従って、Fe−Ga合金のGa比率を減らしても、Cuを添加してCu比率が0.04質量%以上のFe−Ga−Cu合金とすることで十分な磁歪量を得ることができるため、希少価値が高く高価なGaの含有量を大幅に減らすことが可能となり、従来よりも安価に高性能な磁歪部材を製造することができる。

0041

尚、発明者らの研究によれば、本発明に係る磁歪部材のFe−Ga−Cu合金のGa比率の上限が23.5質量%までであれば、良好な磁歪特性が得られることが分かっている。Gaは高価であるため、それ以上の含有比率とすることは費用体効果の観点から得策ではない。

0042

尚、上記放電加工によって磁歪部材を切り出した後、その磁歪部材にひずみを導入しないように細心の注意を払いながら加工面に研磨処理を施す。具体的には、電解研磨化学研磨または湿式エメリー紙バフによる研磨等であるが、これらに限定されるものではない。そして、それらの研磨処理により、放電加工の際に生じた微小凹凸なめらかに取り除く。上記のような研磨処理は、磁歪部材の表面の結晶方位に乱れを生じさせることがないため、磁歪特性の低下を防止しながら磁歪部材の表面を研磨することができる。

0043

1管状炉
2炉心管
3ヒーター
4断熱材
5ルツボ
6ルツボ支持台
7昇降装置
8 ルツボ支持ロッド
9電熱対
10真空排気管
A磁歪合金材料
Aa溶融状態の磁歪合金材料
B鋼塊
C結晶粒界
D 単結晶

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ