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技術 柔軟剤組成物

出願人 花王株式会社
発明者 山口光明山元将嗣植松潤平五十嵐崇子
出願日 2017年5月24日 (3年7ヶ月経過) 出願番号 2017-102619
公開日 2018年12月13日 (2年0ヶ月経過) 公開番号 2018-197408
状態 未査定
技術分野 繊維製品への有機化合物の付着処理
主要キーワード リフティング効果 低分子シリコーン ケイ酸エステル化合物 B型粘度計 ビグアニド系化合物 脂肪酸エステル構造 各原子団 アルキルポリグリセリルエーテル
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課題

脂肪酸エステル構造を有する4級アンモニウム塩を含有し、繊維製品に良好な柔軟性を付与できると共に、繊維製品からの匂い立ち性に優れ、特に、発汗時や降雨等で吸湿した際に優れた匂い立ち性を発揮する柔軟剤組成物を提供する。

解決手段

(A)成分:特定の4級アンモニウム塩の混合物を5質量%以上20質量%以下、(B)成分:特定の香料組成物を0.1質量%以上3質量%以下、(C)成分:動的粘度が100〜3,000mm2/sのシリコーン化合物を0.5質量%以上3質量%以下、及び水を含有する、柔軟剤組成物。

概要

背景

かつて、衣料用柔軟剤炭素数が14〜24程度の2つの長鎖アルキル基を持つ4級アンモニウム塩又は3級アミン化合物を主基剤として用いるものであった。近年では、生物分解性に優れ、環境への影響をより軽減する目的のために、長鎖アルキル基や長鎖アルケニル基(以下、本発明では“長鎖アルキル基”は、長鎖アルケニル基の意味も含めて表現されているものとする。)の間にエステル結合アミド結合を有する、脂肪酸由来の構造を有する柔軟基材が開発され使用されている。特にトリエタノールアミン長鎖脂肪酸とのエステル化合物塩化メチルジメチル硫酸等のアルキル化剤で4級化したエステル型4級アンモニウム塩は、世界レベル汎用の基材となっている。

一方、前記した生物分解性に優れる4級アンモニウム塩又は3級アミン化合物とシリコーンとを併用する技術も知られている。特許文献1には、エステル型4級アンモニウム塩、ペンタエリスルトール脂肪酸エステル及びシリコーンを含有するサッパリした感触に仕上がる柔軟剤組成物が開示されている。更に特許文献2には、生物分解性陽イオン柔軟剤活性成分、粘度が2〜5000cStの低分子シリコーンを含有する再湿潤特性に優れた柔軟剤組成物が開示されている。
また柔軟基材としての4級アンモニウム塩又は3級アミン化合物とケイ酸エステル化合物とを併用する技術も知られている。特許文献3、特許文献4、及び特許文献5には柔軟基材としてアミド又はエステル基を有するアミン化合物又は4級アンモニウム塩化合物とケイ酸エステル化合物とを併用する柔軟剤組成物が記載されており、特許文献6には特定不飽和度脂肪酸エステル基を有する4級アンモニウムとケイ酸エステル化合物を含有する化合物が記載されている。
更に特許文献7には香料、シリコーン及びケイ酸エステル化合物を含有する柔軟剤組成物が開示されている。

概要

脂肪酸エステル構造を有する4級アンモニウム塩を含有し、繊維製品に良好な柔軟性を付与できると共に、繊維製品からの匂い立ち性に優れ、特に、発汗時や降雨等で吸湿した際に優れた匂い立ち性を発揮する柔軟剤組成物を提供する。(A)成分:特定の4級アンモニウム塩の混合物を5質量%以上20質量%以下、(B)成分:特定の香料組成物を0.1質量%以上3質量%以下、(C)成分:動的粘度が100〜3,000mm2/sのシリコーン化合物を0.5質量%以上3質量%以下、及び水を含有する、柔軟剤組成物。なし

目的

本発明は、脂肪酸エステル構造を有する4級アンモニウム塩を含有し、繊維製品に良好な柔軟性を付与できると共に、繊維製品からの匂い立ち性に優れ、特に、発汗時や降雨等で吸湿した際に優れた匂い立ち性を発揮する柔軟剤組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

下記(A)成分を5質量%以上20質量%以下、下記(B)成分を0.1質量%以上3質量%以下、下記(C)成分を0.5質量%以上3質量%以下、及び水を含有する、柔軟剤組成物。<(A)成分>下記式(1)で表され、R4は炭素数1以上3以下のアルキル基であり、R1は炭素数16以上22以下の脂肪酸からOHを除いた脂肪酸残基(s)であり、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は脂肪酸残基(s)であり、X−が有機又は無機陰イオンである4級アンモニウム塩の混合物において、R1が前記脂肪酸残基(s)であり、R2及びR3が水素原子である化合物(a1)を、式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、10質量%以上45質量%以下含有し、R1及びR2が前記脂肪酸残基(s)であり、R3が水素原子である化合物(a2)を、式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、25質量%以上70質量%以下含有し、R1、R2及びR3が前記脂肪酸残基(s)である化合物(a3)を、式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、5質量%以上40質量%以下含有する4級アンモニウム塩の混合物<(B)成分>下記(b1)〜(b4)からなる群より選ばれる香料化合物からなり、少なくとも(b1)及び(b2)を含有し、(B)成分中における(b1)の合計含有量が30質量%以上70質量%以下、(b2)の合計含有量が10質量%以上40質量%以下、残部が(b3)及び/又は(b4)である香料組成物(b1):25℃における蒸気圧が1Pa未満であり、かつlogKowが3.0以上である香料化合物(b2):25℃における蒸気圧が1Pa以上であり、かつlogKowが3.0以上である香料化合物(b3):25℃における蒸気圧が1Pa未満であり、かつlogKowが3.0未満である香料化合物(b4):25℃における蒸気圧が1Pa以上であり、かつlogKowが3.0未満である香料化合物<(C)成分>動的粘度が100〜3,000mm2/sのシリコーン化合物

請求項2

前記(C)成分に対する前記(A)成分の質量比[(A)/(C)]が3以上20以下である、請求項1に記載の柔軟剤組成物。

請求項3

前記(C)成分がジメチルシリコーンである、請求項1又は2に記載の柔軟剤組成物。

請求項4

更に(D)成分として、下記(d−1)及び(d−2)から選ばれる1種以上のケイ酸エステル化合物を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の柔軟剤組成物。(d−1):下記式(2)で表される化合物であって、R21、R22、R23及びR24のうち1個以上4個以下は、アリル位炭素原子水酸基を有し、該炭素原子が第1炭素原子又は第2炭素原子である、香料として用いられるアルコール化合物から水酸基を除いた残基であり、残りが独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1以上30以下の炭化水素基(但し、香料として用いられるフェノール化合物からフェノール性水酸基を除いた残基を除く)である化合物。(d−2):下記式(2)で表される化合物であって、R21、R22、R23及びR24のうち1個又は2個は、香料として用いられるフェノール化合物からフェノール性水酸基を除いた残基であり、残りが独立に、置換基を有していてもよい炭素数1以上30以下の炭化水素基(但し、香料として用いられるフェノール化合物からフェノール性水酸基を除いた残基を除く)である化合物。

技術分野

0001

本発明は、柔軟剤組成物に関する。

背景技術

0002

かつて、衣料用柔軟剤は炭素数が14〜24程度の2つの長鎖アルキル基を持つ4級アンモニウム塩又は3級アミン化合物を主基剤として用いるものであった。近年では、生物分解性に優れ、環境への影響をより軽減する目的のために、長鎖アルキル基や長鎖アルケニル基(以下、本発明では“長鎖アルキル基”は、長鎖アルケニル基の意味も含めて表現されているものとする。)の間にエステル結合アミド結合を有する、脂肪酸由来の構造を有する柔軟基材が開発され使用されている。特にトリエタノールアミン長鎖脂肪酸とのエステル化合物塩化メチルジメチル硫酸等のアルキル化剤で4級化したエステル型4級アンモニウム塩は、世界レベル汎用の基材となっている。

0003

一方、前記した生物分解性に優れる4級アンモニウム塩又は3級アミン化合物とシリコーンとを併用する技術も知られている。特許文献1には、エステル型4級アンモニウム塩、ペンタエリスルトール脂肪酸エステル及びシリコーンを含有するサッパリした感触に仕上がる柔軟剤組成物が開示されている。更に特許文献2には、生物分解性陽イオン柔軟剤活性成分、粘度が2〜5000cStの低分子シリコーンを含有する再湿潤特性に優れた柔軟剤組成物が開示されている。
また柔軟基材としての4級アンモニウム塩又は3級アミン化合物とケイ酸エステル化合物とを併用する技術も知られている。特許文献3、特許文献4、及び特許文献5には柔軟基材としてアミド又はエステル基を有するアミン化合物又は4級アンモニウム塩化合物とケイ酸エステル化合物とを併用する柔軟剤組成物が記載されており、特許文献6には特定不飽和度脂肪酸エステル基を有する4級アンモニウムとケイ酸エステル化合物を含有する化合物が記載されている。
更に特許文献7には香料、シリコーン及びケイ酸エステル化合物を含有する柔軟剤組成物が開示されている。

先行技術

0004

特開2015−200048号公報
特表平9−510263号公報
特開2010−144309号公報
特開2010−144310号公報
特開2014−125685号公報
特開2010−185145号公報
特開2010−133062号公報

発明が解決しようとする課題

0005

トリエタノールアミンから誘導されるエステルタイプの4級アンモニウム塩化合物は、脂肪酸エステル基を1〜3つ有する4級アンモニウム塩化合物の混合物から構成されており、このうち脂肪酸エステル基を3つ有するトリエステル構造の4級アンモニウム塩化合物は、優れた柔軟効果を与える一方で、繊維製品からの香料の匂い立ちを抑制する傾向にある。

0006

本発明は、脂肪酸エステル構造を有する4級アンモニウム塩を含有し、繊維製品に良好な柔軟性を付与できると共に、繊維製品からの匂い立ち性に優れ、特に、発汗時や降雨等で吸湿した際に優れた匂い立ち性を発揮する柔軟剤組成物を提供するものである。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、下記(A)成分を5質量%以上20質量%以下、下記(B)成分を0.1質量%以上3質量%以下、下記(C)成分を0.5質量%以上3質量%以下、及び水を含有する、柔軟剤組成物である。
<(A)成分>
下記式(1)で表され、R4は炭素数1以上3以下のアルキル基であり、R1は炭素数16以上22以下の脂肪酸からOHを除いた脂肪酸残基(s)であり、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は脂肪酸残基(s)であり、X−が有機又は無機陰イオンである4級アンモニウム塩の混合物において、
R1が前記脂肪酸残基(s)であり、R2及びR3が水素原子である化合物(a1)を、式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、10質量%以上45質量%以下含有し、
R1及びR2が前記脂肪酸残基(s)であり、R3が水素原子である化合物(a2)を、式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、25質量%以上70質量%以下含有し、
R1、R2及びR3が前記脂肪酸残基(s)である化合物(a3)を、式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、5質量%以上40質量%以下含有する4級アンモニウム塩の混合物

0008

0009

<(B)成分>
下記(b1)〜(b4)からなる群より選ばれる香料化合物からなり、少なくとも(b1)及び(b2)を含有し、(B)成分中における(b1)の合計含有量が30質量%以上70質量%以下、(b2)の合計含有量が10質量%以上40質量%以下、残部が(b3)及び/又は(b4)である香料組成物
(b1):25℃における蒸気圧が1Pa未満であり、かつlogKowが3.0以上である香料化合物
(b2):25℃における蒸気圧が1Pa以上であり、かつlogKowが3.0以上である香料化合物
(b3):25℃における蒸気圧が1Pa未満であり、かつlogKowが3.0未満である香料化合物
(b4):25℃における蒸気圧が1Pa以上であり、かつlogKowが3.0未満である香料化合物
<(C)成分>
動的粘度が100〜3,000mm2/sのシリコーン化合物

発明の効果

0010

本発明によれば、脂肪酸エステル構造を有する4級アンモニウム塩を含有し、繊維製品に良好な柔軟性を付与できると共に、繊維製品からの匂い立ち性に優れ、特に、発汗時や降雨等で吸湿した際に優れた匂い立ち性を発揮する柔軟剤組成物が提供される。

0011

本発明者らは、柔軟剤組成物が(A)成分、(B)成分及び(C)成分を特定の割合で含有することにより、この柔軟剤組成物により処理した繊維製品は、未処理の繊維製品と比べて、柔軟性を有し、繊維製品からの匂い立ち性に優れ、特に、発汗時や降雨等で吸湿した際に優れた匂い立ち性を発揮することを見出した。

0012

[4級アンモニウム塩の混合物(A)]
本発明の柔軟剤組成物は、下記4級アンモニウム塩の混合物(A)(以下、(A)成分ともいう。)を含有する。本発明において、(A)成分は柔軟基材としても作用する。
(A)成分は下記式(1)で表され、R4は炭素数1以上3以下のアルキル基であり、R1は炭素数16以上22以下の脂肪酸からOHを除いた脂肪酸残基(s)であり、R2及びR3はそれぞれ独立に水素原子又は脂肪酸残基(s)であり、X−が有機又は無機の陰イオンである4級アンモニウム塩の混合物において、
R1が前記脂肪酸残基(s)であり、R2及びR3が水素原子である化合物(a1)を、式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、10質量%以上45質量%以下含有し、
R1及びR2が前記脂肪酸残基(s)であり、R3が水素原子である化合物(a2)を、式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、25質量%以上70質量%以下含有し、
R1、R2及びR3が前記脂肪酸残基(s)である化合物(a3)を、式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中、5質量%以上40質量%以下含有する4級アンモニウム塩の混合物である。

0013

0014

式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中の前記(a1)成分、(a2)成分、及び(a3)成分の割合が前記範囲内であると、繊維製品に付与される濡れ戻り抑制効果が向上する。このような観点から、式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中の前記(a1)成分、(a2)成分、及び(a3)成分の割合は、以下のとおりであることが好ましい。

0015

式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中の(a1)成分の割合は、10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上であり、そして、45質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは32質量%以下である。
式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中の(a2)成分の割合は、25質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、更に好ましくは40質量%以上、より更に好ましくは45質量%以上、より更に好ましくは50質量%以上であり、そして、70質量%以下、好ましくは65質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。
式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中の(a3)成分の割合は、5質量%以上、好ましくは8質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは12質量%以上であり、そして、40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。

0016

なお、(a2)成分及び(a3)成分は、柔軟効果を高める一方で(B)成分を含有する柔軟剤組成物の保存安定性に影響を与える。そのため(a1)成分の含有量が前記範囲内であると保存安定性を向上させることができる。

0017

本発明においては、前記(a1)成分、(a2)成分、及び(a3)成分の割合を満たした上で、式(1)で表される4級アンモニウム塩の全量中の(a2)成分の含有量が(a3)成分よりも多いことが好ましく、更に(a2)成分の含有量(質量%)と(a3)成分の含有量(質量%)との差は、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは35質量%以上である。

0018

式(1)において、脂肪酸残基(s)としては、炭素数16以上22以下、好ましくは炭素数16以上18以下の脂肪酸からOH(水酸基)を除いた残基が好ましい。
脂肪酸の具体例としては、ステアリン酸、及びパルミチン酸等の飽和脂肪酸オレイン酸エライジン酸リノール酸、及びリノレン酸等の不飽和脂肪酸パーム油脂肪酸、ひまわり油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、綿実油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、及び硬化パーム油脂肪酸等の植物油由来の脂肪酸、牛脂脂肪酸、及び硬化牛脂脂肪酸等の動物油由来の脂肪酸から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸及び植物油由来の脂肪酸が好ましく、植物油由来の脂肪酸がより好ましく、パーム油由来の脂肪酸が更に好ましい。

0019

式(1)中、R4は炭素数1以上3以下のアルキル基であり、メチル基又はエチル基が好ましい。
式(1)中、X−は、有機又は無機の陰イオンであり、クロイオン等のハロゲンイオン、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数12以上18以下の脂肪酸イオン、及び炭素数1以上3以下のアルキル基が1個以上3個以下置換していてもよいベンゼンスルホン酸イオンから選ばれる陰イオンが好ましい。本発明においては、より好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル硫酸エステルイオンであり、更に好ましくはメチル硫酸エステルイオン又はエチル硫酸エステルイオンである。

0020

本発明に用いる(A)成分は、脂肪酸とトリエタノールアミンとを脱水エステル化反応させる方法(以下、「脱水エステル化法」という)、又は脂肪酸低級アルキルエステル(低級アルキルはメチル基、エチル基、プロピル基)とトリエタノールアミンとをエステル交換反応させる方法(以下、「エステル交換法」という)により得られたエステル化反応物を、アルキル化剤で4級化反応させることにより得ることができる。
本発明の(A)成分の(a1)成分〜(a3)成分の割合を満たす混合物を得るには、例えば、トリエタノールアミン1モルに対して脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステルを1.3モル以上、好ましくは1.5モル以上、そして、2.0モル以下、好ましくは1.9モル以下の比率で反応させたトリエタノールアミン脂肪酸エステルの混合物を4級化反応することにより得ることができる。

0021

脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステルは、牛脂、パーム油ヒマワリ油大豆油、ナタネ油、サフラワー油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油から選ばれる油脂をケン化して得られる脂肪酸組成のものが好ましく、特に牛脂、パーム油及びヒマワリ油から得られる脂肪酸組成のものがより好ましい。
また、これらの脂肪酸又は脂肪酸低級アルキルエステルは、炭素−炭素不飽和結合を2つ以上有するアルケニル基を多量に含有するため、例えば特開平4−306296号公報に記載されているような晶析や、特開平6−41578号公報に記載されているようなメチルエステル減圧蒸留する方法、或いは特開平8−99036号公報に記載の選択水素化反応を行うことにより、炭素−炭素不飽和結合を2つ以上含有する脂肪酸の割合を制御してもよい。例えば硬化牛脂は牛脂由来の脂肪酸を水素添加により飽和にしたものであり、一部を硬化させたものとして半硬化と表現する場合もある。また、これら硬化の程度を調整したものと硬化処理をしていない脂肪酸とを任意に混合してもよい。
なお、前記選択水素化反応を行った場合には不飽和結合の幾何異性体の混合物が形成するが、本発明ではシス/トランスが好ましくは25/75〜100/0、より好ましくは50/50〜95/5(モル比)である。

0022

脱水エステル化法においては、エステル化反応温度を140℃以上230℃以下とし、縮合水を除去しながら反応させることが好ましい。反応を促進させる目的から通常のエステル化触媒を用いても差し支えなく、例えば硫酸燐酸等の無機酸、酸化錫酸化亜鉛等の無機酸化物テトラプロポキシチタン等のアルコラート等を選択することができる。

0023

脱水エステル化反応の進行はJIS K0070−1992に記載の方法で酸価(AV)及び鹸化価SV)を測定することで確認することができ、AVが好ましくは10mgKOH/g以下、より好ましくは6mgKOH/g以下となった時にエステル化反応を終了する。
得られたエステル化合物の混合物のSVは、好ましくは110mgKOH/g以上、より好ましくは130mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは210mgKOH/g以下、より好ましくは190mgKOH/g以下である。

0024

エステル交換法においては、反応温度を好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上、そして、好ましくは150℃以下とし、生成する低級アルコールを除去しながら行うことが好ましい。反応促進のために水酸化ナトリウム水酸化カリウム等の無機アルカリや、メチラートエチラート等のアルコキシ触媒を用いることも可能である。
反応の進行はガスクロマトグラフィー等を用いて脂肪酸低級アルキルエステルの量を直接定量することが好適であり、未反応脂肪酸低級アルキルエステルが仕込みの脂肪酸低級アルキルエステルに対してガスクロマトグラフィーチャート上で10面積%以下、特に6面積%以下となった時に反応を終了させることが好ましい。
得られたエステル化合物の混合物のSVは、好ましくは110mgKOH/g以上、より好ましくは130mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは210mgKOH/g以下、より好ましくは190mgKOH/g以下である。

0025

4級アンモニウム塩を得るためには前述の方法で得られたエステル化合物の4級化を行う。4級化に用いることができるアルキル化剤としては、メチルクロリド、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等が好適である。アルキル化剤として、メチルクロリドを用いる場合には、特に溶媒を使用する必要はないが、溶媒を使用する場合は、エタノールイソプロパノール等の溶媒を、エステル化合物に対して10質量%以上50質量%以下程度混合した溶液をチタン製のオートクレーブ等の加圧反応器に仕込み、密封下30℃以上120℃以下の反応温度でメチルクロリドを圧入させて反応させる。このときメチルクロリドの一部が分解し塩酸が発生する場合があるため、反応を効率的に進行させる観点から、アルカリ剤を少量加えることが好ましい。
メチルクロリドとエステル化合物とのモル比は、エステル化合物のアミノ基1当量に対してメチルクロリドを1当量以上1.5当量以下用いることが好ましい。

0026

アルキル化剤としてジメチル硫酸、ジエチル硫酸を用いる場合には、好ましくは、エタノールやイソプロパノール等の溶媒をエステル化合物に対して10質量%以上50質量%以下程度混合した溶液を40℃以上100℃以下に加熱混合し、ジメチル硫酸及び/又はジエチル硫酸を滴下して行うことができる。
ジメチル硫酸及び/又はジエチル硫酸とエステル化合物とのモル比は、エステル化合物のアミノ基1当量に対してジメチル硫酸及び/又はジエチル硫酸を好ましくは0.9当量以上、より好ましくは0.94当量以上、そして、好ましくは1.1当量以下、より好ましくは0.99当量以下である。

0027

本発明の柔軟剤組成物は、(A)成分の製造時に生成される副生成物を含有してもよい。副生成物としては、例えば、4級化されなかった未反応アミン、具体的には脂肪酸トリエステルアミン脂肪酸ジエステルのアミンが挙げられる。脂肪酸トリエステルのアミンと脂肪酸ジエステルのアミンとの合計量は、製造方法にもよるが、通常、(A)成分100質量部に対して30質量部以下である。
一方、脂肪酸モノエステルのアミンは4級化され易いことから、通常、反応生成物中の含有量は(A)成分100質量部に対して0.5質量部以下である。
更には脂肪酸エステル化されなかったトリエタノールアミン及びトリエタノールアミンの4級化物の合計含有量は、通常、(A)成分100質量部に対して0.5質量部以上3質量部以下であることが多く、このうちの90質量%以上は4級化物である。
また、前記副生成物以外にも、(A)成分中には未反応脂肪酸が含まれることもある。
(A)成分である(a1)、(a2)及び(a3)化合物やアミン化合物の割合等は高速液体クロマトグラフィー(以下、「HPLC」ともいう)を用い、検出器として荷電荷粒子検出器(ChargedAerosol Detection、以下、「CAD」ともいう)を使用して求めた。CADを用いた測定方法については「荷電化粒子検出器Corona CADの技術と応用」(福島ら Chromatography, Vol.32 No.3(2011))を参考にすることができる。なお、質量比率は、式(1)の陰イオン(X−)をメチル硫酸イオンとして仮定することで求めるものとする。

0028

[香料組成物(B)]
本発明の柔軟剤組成物は、下記(b1)〜(b4)からなる群より選ばれる香料化合物からなる香料組成物(以下、「(B)成分」ともいう。)を含有する。
(B)成分は、(b1)〜(b4)からなる群より選ばれる香料化合物からなる香料組成物であり、少なくとも(b1)及び(b2)を含有する。
本明細書において、logKow(logP)値とは、水と1−オクタノールに対する有機化合物の親和性を示す係数である。1−オクタノール/水分配係数logKowは、1−オクタノールと水の2液相平衡系における、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数値で示される。logKow(logP)値は、構造をフラグメント原子官能基)に分け、各原子団の値を合計して(構造補正係数を用いる場合もある)推定値を出す、「フラグメント定数」法によって算出できる。本発明では、米国環境保護庁(EPA)から入手できる化学物質の物性推算ソフトウェアの1つであるEPIsuite version 4.11により計算したlogKow値を用いる。

0029

本発明において、25℃における蒸気圧とは、実測値又は沸点からの蒸気圧推定によって求めたものであり、化学物質が室温で固体である場合には融点から推定される。蒸気圧は、幾つかの公知の方法(Antoine法、Modified Grain法、Mackay法等)によって推定されるが、本発明においては、米国環境保護庁(EPA)から入手できる、EPIsuiteに組み込まれているMPBPWINを用いて算出した値であって、Antoine法によって算出される値とGrain法によって算出される値の平均値が、「選択されている値(Selected VP)」として算出結果に表示されている場合は、その平均値を、特に「選択されている値(Selected VP)」としての表示がない場合は、Modified Grain法によって算出された値を用いる。

0030

(B)成分のうち(b1)に属する香料化合物は、比較的疎水性が高く、衣類残留し、かつ、比較的蒸気圧が低いため、発汗時や降雨等で吸湿した際の優れた匂い立ちに有効である。
(b1)は、25℃における蒸気圧が1Pa未満であり、かつlogKowが3.0以上である香料化合物である。(b1)としては、例えば、イソブチルサリシレートトリシクロデセニルイソブチレートエチル3−(4−メチルフェニルグリデートアミルサリシレート、γ−ドデカラクトンイソスーパースピロガルバノン登録商標)、デュカールジメチルベンジルカルビニルn−ブチレート、ネロリンヤラヤラ、アリイオノンフロロパールアルデヒドC−16ストロベリー、リリアール、アンブロキサン(登録商標)、アンブロテック(登録商標)、カシュメランγ−ウンデカラクトン、ボージョナールフェノキシエタノールイソブチレート、マイラックアルデヒド、ウンデカベルトール、トリシクロデセニルプロピオネート、フルテート(登録商標)、フェニルエチルサリシレート、ヘキシルサリシレート、2−エチルヘキシルサリシレート、ムスクR1、ムスクTM−II、グアイルアセテートエチレンブラシレートベラモス(メチルアトレート)、イソボルニルシクロヘキサノール、ベンジルサリシレート、cis−3−ヘキセニルサリシレート、イソアミルサリシレート、ハバノライド(登録商標)、バクダノール、パラダイスアミド(登録商標)、ペオナイル(登録商標)、アンバーコアサンダルマイルコア、ヘキシルシンナミックアルデヒド、メチルセドリルケトンペタリア(登録商標)、ペオニル(登録商標)が挙げられる。

0031

(b2)は、25℃における蒸気圧が1Pa以上であり、かつlogKowが3.0以上である香料化合物である。(b2)としては、例えば、エチルサリシレート、ノナナールアリルフェニルエチルエーテルオクチルアセテート、ジメトール、l−メントールデセノール、カンファーゲラニオールネロールシトロネロール、エチルリナロール、α−テルピネオール、cis−ジャスモン、ジメチルベンジルカルビニルアセテートアネトールテトラヒドロリナロール、リナロール、ジヒドロミルセノールシトラールイソボルニルアセテート、エストラゴールアリルヘプタノエート、デカナール、ヘキシルブチレート、テルピローザ(登録商標)、イロチル(登録商標)、ポレナールII(ポレナール:登録商標)、アリルカプロエート、1,8−シネオールドデカナール、アルデヒドC12MNA、アルデヒドC11MOA、9−ウンデセナール、γ−メチルイオノン、β−ダマセノン、α−ダマセノン、ジヒドロβ−イオノン、ベロートン(登録商標)、ジフェニルオキシド、イソダマスコン、α−ダマスコン、ダイナスコン、アリルシクロヘキサンプロピオネート、β−イオノン、ネリルアセテート、ゲラニルアセテート、テルピニルアセテート、シトロネリルアセテート、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、10−ウンデセナール(Ald C−111)、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、メルサット(登録商標)、ハーバベール(登録商標)、p−シメン、γ−テルピネンリモネン、α−ピネン、β−ピネン、α−オシメン、β−オシメン等が挙げられる。

0032

(b3)は、25℃における蒸気圧が1Pa未満であり、かつlogKowが3.0未満である香料化合物である。(b3)としては、アニシルアセテートバニリンエチルバニリンマルトールエチルマルトールクマリンラズベリーケトンインドフロークリスタル、カロン(登録商標)、ヘリオトロピルアセトンヘリオナール、メチルβ−ナフチルケトン、メチルジヒドロジャスモネートアセチルイソオイゲノール、δ−デカラクトン、γ−デカラクトン、(E)−8−エチル−1−オキサスピロデカノン、ジヒドロインデニル−2,4−ジオキサン、p−アニスアルデヒドジエチルアセタール等が挙げられる。

0033

(b4)は、25℃における蒸気圧が1Pa以上であり、かつlogKowが3.0未満である香料化合物である。(b4)としては、メチルサリシレートヘプタナール、アリルアミルグリコレート、アリルブチレート、アリルベンゾエート、フロロール(登録商標)、スチラリルアセテート、エチルアセテートブチルアセテート、メチルフェニルアセテート、エチルフェニルアセテート、p−クレシルアセテート、1−オクテン−3−オールリフローム、エチルアンスラニレート、ジメチルアンスラニレート、アセトアルデヒドジエチルアセタールオクタヒドロクマリン、メチルイソオイゲノールオイゲノール、β−イオノンエポキシドヘリオトロピン、γ−ノナラクトン(アルデヒドC−18)、シンナミルアセテート、インドールアニシルアセトン、メチルシンナメート、リナロールオキシド、メチルアンスラニレート、アリルシクロヘキシルグリコレート、トリシクロデセニルアセテートフェニルエチルアルコール、アニスアルデヒド、フェニルエチルアセテート、p−クレゾール、ベンジルプロピオネート、ベンジルアセテートエチルベンゾエートシクロベルタール(登録商標)、trans−2−ヘキセン−1−オール、エチルアセトアセテート、cis−3−ヘキセノール、cis−3−ヘキセニルアセテート、ヘキシルアセテート、オクタナールトリプラール、マンザネート、プレニルアセテート、イソアミルアセテート、エチル 2−メチルブチレートヘキサナールエチルブチレート、エチルイソブチレート、メチルイソブチレート等が挙げられる。

0034

(B)成分中の(b1)の合計含有量は、吸湿時の優れた匂い立ち性の観点から30質量%以上、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは45質量%以上、より更に好ましくは50質量%以上、より更に好ましくは55質量%以上であり、香り創作の自由度を確保する観点から、70質量%以下、好ましくは68質量%以下、より好ましくは65質量%以下%以下である。
また、(B)成分中の(b2)の合計含有量は、香り創作の自由度を確保する観点から、10質量%以上、好ましくは13質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、吸湿時の匂い立ちを強調する観点から、40質量%以下、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。

0035

(B)成分中の(b3)及び(b4)の合計含有量は、(b1)及び(b2)の残部であり、香り創作の自由度を確保する観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは12質量%以上であり、洗濯後残香性を確保する観点から、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、より更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下である。
また、(B)成分中の(b3)の含有量は、香り創作の自由度を確保する観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上であり、洗濯後の残香性を確保する観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下である。
更に、(B)成分中の(b4)の含有量は、香り創作の自由度を確保する観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは8質量%以上であり、洗濯後の残香性を確保する観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下である。

0036

(B)成分の香料組成物は、必要により香料の希釈剤として知られている化合物と混合して用いることができる。希釈剤としては、ジプロピレングリコールパルミチン酸イソプロピルクエン酸トリエチルフタル酸ジエチル等が挙げられる。(B)成分に対する希釈剤の含有量は、(B)成分を100質量部とする時、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上、また、好ましくは100質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。

0037

シリコーン化合物(C)]
本発明においては、発汗時等の吸湿時の匂い立ちを高める観点から、低分子量のシリコーン化合物を用いる。すなわち動的粘度が100〜3,000mm2/sであるシリコーン化合物(C)(以下、「(C)成分」ともいう。)を用いる。低分子量のシリコーンは発汗時等に生じた水分と衣類に吸着した(B)成分との接触を促進することにより、効率的に匂い立たせることができる。
動的粘度は、ウベローデ粘度計を用いて25℃において測定した値である。

0038

(C)成分としては、ジメチルシリコーンポリエーテル変性シリコーンメチルフェニルシリコーンアルキル変性シリコーン高級脂肪酸変性シリコーンメチルハイドロジェンシリコーンフッ素変性シリコーンエポキシ変性シリコーンカルボキシ変性シリコーンカルビノール変性シリコーン、及びアミノ変性シリコーンから選ばれる1種以上が挙げられる。
シリコーン化合物としては、ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、及びポリエーテル変性シリコーンから選ばれる1種以上が好ましく、ジメチルシリコーンがより好ましい。これらは、単独でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明におけるジメチルシリコーンは、ジメチルポリシロキサンを指す。

0039

本発明の(C)成分は、オイル状のもの、例えば、ジメチルシリコーンオイルをそのまま用いても差し支えないが、シリコーン化合物と水とを含有する水性エマルションとして用いてもよい。
(C)成分としては、25℃における動粘度が100mm2/s以上3000mm2/s以下の分子量のジメチルポリシロキサンを用いることが好ましい。ジメチルシロキサンを水性エマルションとして用いる場合は界面活性剤乳化してもよく、更にはポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤等を含む界面活性剤により、平均粒子径50nm以上、900nm以下の乳化粒子として水中に乳化された、ジメチルポリシロキサン乳化物を用いることがより好ましい。
ジメチルポリシロキサン乳化物における乳化粒子の平均粒子径は、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上、更に好ましくは200nm以上であり、そして、好ましくは900nm以下であり、より好ましくは700nm以下、更に好ましくは600nm以下、より更に好ましくは500nm以下である。
前記ジメチルポリシロキサン乳化物の調製は、特開2006−200116号公報の記載を参考にすることができる。

0040

(C)成分のジメチルポリシロキサンを用いる場合において、ジメチルポリシロキサンの25℃における動的粘度は、発汗時等の吸湿時の匂い立ちを高める観点から、好ましくは150mm2/s以上、より好ましくは200mm2/s以上であり、そして、好ましくは2,500mm2/s以下、より好ましくは2,000mm2/s以下である。

0041

[(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の含有量]
本発明の柔軟剤組成物において、(A)成分の含有量は、十分な柔軟効果を得る観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは7質量%以上、更に好ましくは8質量%以上であり、そして、保存安定性の観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下、更に好ましくは16質量%以下、より更に好ましくは14質量%以下、より更に好ましくは12質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下である。

0042

また、本発明の柔軟剤組成物において、(B)成分の含有量は、十分な匂い立ち、更には発汗時や吸湿時の匂い立ちを得る観点から、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上であり、そして、保存安定性の観点から、好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1.2質量%以下である。

0043

なお、(B)成分は、後述する(D)成分やマイクロカプセル封入された香料等の(B)成分以外のその他の香料及び香料前駆体に対して占める質量の比、すなわち、[(B)成分/その他の香料及び香料前駆体]の質量比が、好ましくは1.0以上、より好ましくは2.0以上である。

0044

また、本発明の柔軟剤組成物において、(C)成分の含有量は、匂い立ち、特には発汗時や降雨等の吸湿時での匂い立ちの観点から、0.5質量%以上、好ましくは0.7質量%以上、より好ましくは0.9質量%以上であり、そして、好ましくは2.5質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下である。なお、(C)成分として、シリコーン化合物と水とを含有する水性エマルジョンを用いる場合は、(C)成分の純分換算の量がこの範囲となるように用いるのが好ましい。

0045

また、(C)成分に対する(A)成分の質量比[(A)/(C)]は、優れた柔軟効果を維持しつつ、繊維製品の匂い立ちの観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更により好ましくは7以上であり、バランスのとれた香調を得る観点から、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは15以下である。

0046

本発明の柔軟剤組成物は水を含有する。水は、脱イオン水、脱イオン水に次亜塩素酸塩を少量配合した滅菌した水、水道水等を用いることができる。

0047

[その他の成分]
本発明の柔軟剤組成物は、更に以下に示す成分を含有することが好ましい。
<ケイ酸エステル化合物(D)>
本発明の柔軟剤組成物は、芳香持続性を向上する観点から、更に(D)成分として、下記(d−1)及び(d−2)から選ばれる1種以上のケイ酸エステル化合物を含有することが好ましい。なお、(D)成分は、香料前駆体であり、加水分解によって香料が生成し、芳香を放つ化合物である。
(d−1):下記式(2)で表される化合物であって、R21、R22、R23及びR24のうち1個以上4個以下は、アリル位炭素原子に水酸基を有し、該炭素原子が第1炭素原子又は第2炭素原子である、香料として用いられるアルコール化合物から水酸基を除いた残基であり、残りが独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1以上30以下の炭化水素基(但し、香料として用いられるフェノール化合物からフェノール性水酸基を除いた残基を除く)である化合物。
(d−2):下記式(2)で表される化合物であって、R21、R22、R23及びR24のうち1個又は2個は、香料として用いられるフェノール化合物からフェノール性水酸基を除いた残基であり、残りが独立に、置換基を有していてもよい炭素数1以上30以下の炭化水素基(但し、香料として用いられるフェノール化合物からフェノール性水酸基を除いた残基を除く)である化合物。

0048

0049

ここで、(D)成分に関して、“香料として用いられるアルコール化合物”と“香料として用いられるフェノール化合物”は、書籍や文献などの刊行物において香料成分香料素材)として記載されているアルコール又はフェノール骨格を有する化合物を指すことができる。その他に、当該技術分野に属する者が、経験的に香料素材として使用できることを知っているアルコール又はフェノール骨格を有する化合物を含むことができる。例えば、特表平11−504994号公報、特表平10−507793号公報、特開2006−249326号公報、国際公開第2007/038570号パンフレット、特開2009−256818号公報、特表2003−526644号公報、特開2012−41650号公報、等の公開公報に記載された香料化合物、「香料と調香基礎知識」中島基貴著、産業図書株式会社発行、第2刷(1996年5月30日)、「香料の実際の知識」印元一著、東洋経済新報社などの書籍に記載された化合物を挙げることができる。

0050

(D)成分としては、式(2)中のR21、R22、R23及びR24が全て同一の基である化合物と、R21、R22、R23及びR24の一部又は全部が異なる基である化合物があり、いずれを使用することもできる。

0051

(d−1)成分について説明する。
(d−1)成分に関して、アリル位の炭素原子に水酸基を有し、該炭素原子が第1炭素原子である、香料として用いられるアルコール化合物を、以下、「1級アリルアルコール性香料」という。また、アリル位の炭素原子に水酸基を有し、該炭素原子が第2炭素原子である、香料として用いられるアルコール化合物を、以下、「2級アリルアルコール性香料」という。「アリルアルコール性香料」という場合、これら「1級アリルアルコール性香料」と「2級アリルアルコール性香料」の両方が含まれる。

0052

従って、ここでいうアリルアルコール性香料は、香料としても用いられるアルコール性香料であって、かつアリル位(allylic position)に水酸基を有するアルコール化合物を指し、アリル基を有する化合物に限定されない。

0053

(d−1)成分を構成するアリルアルコール性香料の具体例としては、1級アリルアルコール性香料として、ゲラニオール、ネロール、シス−3−ヘキセノール、トランス−2−ヘキセノール、3−フェニル2−プロペン−1−オールシンナミックアルコール)、トランス−2−シス−6−ノナジエナール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール(バクダノール)、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール(サンダルマイソルコア)、3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエン−1−オール(ファルネソール)、2−メチル−5−(2,3−ジメチルトリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプト−3−イル−2−ペンテン−1−オール(サンタロール)が挙げられ、2級のアリルアルコール性香料として、4−メチル−3−デセン−5−オール(ウンデカベルトール)、1−オクテン−3−オールが挙げられる。中でも、繊維表面からの香り立ちを強めるリフティング効果の高い香りとして、ゲラニオール、ネロール、ウンデカベルトール及びサンダルマイソルコアから選ばれる香料化合物が好ましい。

0054

(d−1)成分は、式(2)中のR21、R22、R23及びR24として、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1以上30以下の炭化水素基(但し、香料として用いられるフェノール化合物からフェノール性水酸基を除いた残基を除く)を有することができる。炭素数1以上30以下の炭化水素基としては、置換基を有していてもよい炭素数1以上30以下の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数7以上30以下のアラルキル基が挙げられる。脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基又は不飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。

0055

なお、前記脂肪族炭化水素基やアラルキル基が有していてもよい置換基としては、途中でエステル結合、アミド結合、エーテル結合などで分断されていてもよい炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数2以上10以下のアルケニル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は炭素数2以上10以下のアシル基等を挙げることができる。

0056

置換基を有していてもよい炭素数1以上30以下の炭化水素基としては、香料として用いられるアルコール化合物(以下、「アルコール性香料」という。)から水酸基を除いた残基(以下、「アルコール性香料残基」という。)が好ましい。なお、アルコール性香料残基は、前記のアリルアルコール性香料残基を含む概念であるが、(d−1)成分では、式(2)の構造を説明するための合理的観点から区別して用いるものとする。

0057

適度な香りの持続性を発揮させる観点から、炭素数が1以上、好ましくは2以上、そして好ましくは20以下、より好ましくは18以下の1級アルコールから水酸基を除いた残基が好ましい。1級アルコールの具体例としてはエタノール、ブタノール等の低級アルコール;ラウリルアルコールミリスチルアルコールパルミチルアルコールステアリルアルコール等の高級アルコール;2−エチルヘキサノール、4−ブチルオクタノール等のゲルベアルコールが挙げられる。炭素数1以上20以下の1級アルコールから水酸基を除いた残基には、アルコール性香料残基も含まれる。

0058

前記したように(d−1)成分は、式(2)中のR21、R22、R23及びR24のうち、2個以上、更に3個以上、そして、4個以下、更に4個がアリルアルコール性香料残基であることが好ましい。更には、アリルアルコール性香料は、ゲラニオール、ネロール、ウンデカベルトール及びサンダルマイソルコアから得られるアリルアルコール性香料であることがより好ましい。

0059

(d−1)成分としては、以下の具体例を挙げることができる。それぞれのグループを混合したものであってもよい。すなわち、
(d−1−1):式(2)で表される化合物であって、R21、R22、R23及びR24のうち1個以上3個以下がアリルアルコール性香料残基、好ましくはゲラニオール、ネロール、ウンデカベルトール及びサンダルマイソルコアから選ばれるアリルアルコール性香料残基であり、残りが独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1以上30以下の脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい炭素数7以上30以下のアラルキル基である化合物、
(d−1−2):式(2)で表される化合物であって、R21、R22、R23及びR24のうち1個以上3個以下がアリルアルコール性香料残基、好ましくはゲラニオール、ネロール、ウンデカベルトール及びサンダルマイソルコアから選ばれるアリルアルコール性香料残基であり、残りが独立に、置換基を有していてもよい炭素数1以上、30以下の飽和若しくは不飽和の脂肪族炭化水素基である化合物、
(d−1−3):式(2)で表される化合物であって、R21、R22、R23及びR24のうち1個以上、3個以下がアリルアルコール性香料残基、好ましくはゲラニオール、ネロール、ウンデカベルトール及びサンダルマイソルコアから選ばれるアリルアルコール性香料残基であり、残りが独立に、炭素数1以上、30以下のアルコール性香料残基(但し、アリルアルコール性香料残基を除く)である化合物、
(d−1−4):式(2)で表される化合物であって、R21、R22、R23及びR24のうち1個以上、3個以下がアリルアルコール性香料残基、好ましくはゲラニオール、ネロール、ウンデカベルトール及びサンダルマイソルコアから選ばれるアリルアルコール性香料残基であり、残りが独立に、炭素数1以上、更に2以上、20以下、更に18以下の1級アルコールから水酸基を除いた残基である化合物であり、更に好ましくは、該1級アルコールがエタノール、ブタノール等の低級アルコール;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;2−エチルヘキサノール、4−ブチルオクタノール等のゲルベアルコールであり、
(d−1−5):式(2)で表される化合物であって、R21、R22、R23及びR24のうち1個以上2個以下がアリルアルコール性香料残基、好ましくはゲラニオール、ネロール、ウンデカベルトール及びサンダルマイソルコアから選ばれるアリルアルコール性香料残基であり、1個又は2個が独立に、炭素数1以上、30以下のアルコール性香料残基、及び1個又は2個が炭素数1以上、20以下の1級アルコールから選ばれるアルコール性香料残基以外のアルコール性残基から選ばれる化合物であり、更に好ましくは、該1級アルコールがエタノール、ブタノール等の低級アルコール;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;2−エチルヘキサノール、4−ブチルオクタノール等のゲルベアルコールであり、又は
(d−1−6):式(2)で表される化合物であって、R21、R22、R23及びR24の全部がアリルアルコール性香料残基、好ましくはゲラニオール、ネロール、ウンデカベルトール及びサンダルマイソルコアから選ばれる1種以上のアリルアルコール性香料残基である化合物、である。

0060

次に(d−2)成分について説明する。
(d−2)成分を構成する本発明のフェノール性香料とは、芳香族環の置換基として水酸基を有する芳香族化合物であって、かつ香料として用いられる化合物を指し、フェノール自体を意味するものではない。また文献によっては香料分類のうち、フェノール性香料をアルコール性香料に分類するものもあるが、本発明では相違する香料化合物として扱う。

0061

フェノール性香料の具体例としては、4−(3−オキソブチル)フェノール(ラズベリーケトン)、オイゲノール、イソオイゲノール、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド(バニリン)、3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(エチルバニリン)、チモールカルバクロール、3−メチル−4−イソプロピルフェノールが挙げられ、中でも、繊維表面に爽やかな甘さのある香りを持続的に付与することができることから、ラズベリーケトン、バニリン及びエチルバニリンから選ばれる香料化合物が好ましい。

0062

なお、フェノール性香料残基について、フェノール性香料からフェノール性水酸基を除いた残基とは、芳香族環に置換している水酸基を除いた残基を指す。

0063

(d−2)成分は、式(2)中のR21、R22、R23及びR24として、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1以上30以下の炭化水素基(但し、フェノール性香料残基を除く)を有する。炭素数1以上30以下の炭化水素基としては、置換基を有していてもよい炭素数1以上30以下の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数7以上30以下のアラルキル基が挙げられる。脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基又は不飽和脂肪族炭化水素基が挙げられる。
なお、前記脂肪族炭化水素基やアラルキル基が有していてもよい置換基としては、途中でエステル結合、アミド結合、エーテル結合などで分断されていてもよい炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数2以上10以下のアルケニル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基、又は炭素数2以上10以下のアシル基等を挙げることができる。
炭素数1以上、30以下の炭化水素基としては、アルコール性香料残基が好ましい。なお、(d−2)成分では、アルコール性香料残基は、アリルアルコール性香料残基を含む概念である。

0064

(d−2)成分としては、フェノール性香料残基を導入した(D)成分の水系組成物中における分解を抑制し、該組成物を適用した繊維表面から香料化合物を長期に亘って安定に徐放させる効果を得る観点から、(d−2)成分において、R21、R22、R23及びR24のうち2個又は3個がアルコール性香料残基であることが好ましい。更にはフェノール性香料の香りを感知するのに十分な量を放出させるという観点から、2個以上の基が、香料として用いられる1級アルコール化合物から水酸基を除いた残基であることが好ましい。

0065

(d−2)として好ましい例としては、以下の具体例を挙げることができる。それぞれのグループを混合したものであってもよい。
(d−2−1):R21、R22、R23及びR24のうち1個がフェノール性香料残基であり、残り3個がアルコール性香料残基である化合物、
(d−2−2):R21、R22、R23及びR24のうち2個がフェノール性香料残基であり、残り2個がアルコール性香料残基である化合物、
(d−2−3):R21、R22、R23及びR24のうち1個がフェノール性香料残基であり、2個がアルコール性香料残基、残り1個がその他の有機基である化合物
が挙げられる。その他有機基としては、アルコール系香料性残基やフェノール性香料残基以外の残基であって、例えば、前記の1級アルコールなどを挙げることができる。

0066

(d−2)成分を構成するアルコール性香料としては、水酸基が結合する炭素原子が第1炭素原子、第2炭素原子及び第3炭素原子であることにより分類することができる。なお、(d−1)成分においても、以下のアルコール性香料残基から選ばれる基を有することができる。
第1炭素原子の場合は1級アルコール性香料であり、以下のものが挙げられる。
(d−2)成分を構成する1級アルコール性香料である1級の脂肪族アルコールとしては、トランス−2−ヘキセノール、9−デセノール、10−ウンデセノール、シス−3−ヘキセノールが挙げられる。1級アルコール性香料である1級のテルペン型アルコール及びセスキテルペン型アルコールとしては、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、2−イソプロペニル−5−メチル−4−ヘキセン−1−オール、テトラヒドロゲラニオール、ヒドロキシシトロネロール、6,6−ジメチル−ビシクロ[3.1.1]−2−ヘプテン2−エタノール、3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエン−1−オール、6−メタノアズレン−3−メタノール、2−メチル−5−(2,3−ジメチルトリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプト−3−イル−2−ペンテン−1−オールが挙げられる。1級アルコール性香料である1級の脂環式アルコールとしては、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−イソプロピルシクロヘキサンメタノール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−ブタン−1−オールが挙げられる。1級アルコール性香料である1級の芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、フェノキシエチルアルコール、3−フェニル−2−プロペン−1−オール、3−メチル−5−フェニルペンタノール、3−フェニルプロピルアルコール、2−メチル−4−フェニル−1−ペンタノール、4−メトキシベンジルアルコール、2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)プロパノールが挙げられる。また上記以外の(d−1)の1級アリルアルコール性香料も含まれる。

0067

また、第2炭素原子の場合は2級アルコール性香料であり以下のものが挙げられる。
(d−2)成分を構成する2級アルコール性香料の好ましい具体例としては、以下のものが挙げられる。2級の脂肪族アルコールとして、3−オクタノール、1−オクテン−3−オール、4−メチル−3−デセン−5−オールが挙げられる。2級のテルペン型アルコール及びセスキテルペン型アルコールとして、1,7,7−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサン−3−オール、3,7−ジメチル−7−メトキシオクタン−2−オール、l−メントールが挙げられる。2級の脂環式アルコールとして、4−イソプロピルシクロヘキサノールフォルロージア)、1−(4−イソプロピルシクロヘキシル)−エタノール、p−tert−ブチルシクロヘキサノール、o−tert−ブチルシクロヘキサノール、1−(2−tert−ブチルシクロヘキシルオキシ)−2−ブタノール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−ペンタン−2−オール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、1−(2,2,6−トリメチルシクロヘキシル)−3−ヘキサノール、α,β,2,2,6−ペンタメチルシクロヘキシルプロパノールが挙げられる。2級の芳香族アルコールとしては、1−フェニルエチルアルコールが挙げられる。また上記以外の(d−1)の2級アリルアルコール性香料も含まれる。

0068

また、第3炭素原子の場合は3級アルコール性香料であり以下のものが挙げられる。
(d−2)成分を構成する3級アルコール性香料の好ましい具体例としては、2−メチル−6−メチレン−7−オクテン−2−オール(ミルセノール)、テルピネオール、リナロール、2,6−ジメチルヘプタノール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、アンブリノール、ジヒドロリナロール、テトラヒドロリナロール、トラヒドロムゴール(2,6−ジメチル−2−オクタノールと3,7−ジメチル−4,6−オクタジエン−3−オール)、2,6−ジメチル−7−オクテン−2−オール(ジヒドロミルセノール)、2,6−ジメチル−2−オクタノール(テトラヒドロミルセノール)、オシメノール、3,6−ジメチル−3−オクタノール、エチルリナロール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、4−ツヤノール、ネロリドールビサボロールパチュリアルコール、3,7,11,15−テトラメチル−1−ヘキサデセン−3−オール(イソフィトール)、ゲラニルリナロール、スクラレオール、α,α−ジメチルフェニルエチルアルコール、p−メチルベンジルジメチルカルビノールジメチルフェニルエチルカルビノール、3−メチル−1−フェニル−3−ペンタノール、2−イソブチル−4−メチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール(フロロール)等が挙げられる。

0069

また、(d−2)成分のようにフェノール性香料の残基を導入したケイ酸エステルの水系組成物中における分解を抑制し、該組成物を適用した繊維表面から香料化合物を長期に亘って安定に徐放させる効果を得る観点から、アルコール性香料としては、炭素数6以上、更に9以上、そして、20以下、更に15以下、更に13以下のものが好ましい。中でも、水酸基が環状炭化水素基を構成する骨格炭素原子に1個の共有結合を介して結合した2級アルコール性香料である、メントール及びフォルロージアから選ばれる2級アルコール性香料が好ましい。従って、(d−2)成分は、式(2)で表される化合物であって、R21、R22、R23及びR24として、ラズベリーケトン、バニリン及びエチルバニリンから選ばれるフェノール性香料から水酸基を除いた残基と、メントール及びフォルロージアから選ばれるアルコール性香料から水酸基を除いた残基とを有することが好ましい。

0070

本発明の柔軟剤組成物中の(D)成分の含有量は、芳香の持続性を得る観点から、柔軟剤組成物に対して、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、より更に好ましくは0.08質量%以上であり、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下、より更に好ましくは0.2質量%以下、より更に好ましくは0.15質量%以下である。

0071

非イオン性界面活性剤(E)>
本発明においては、(A)及び(B)成分の分散安定性を向上させる観点から、非イオン性界面活性剤(E)(以下、「(E)成分」ともいう。)を用いてもよい。
非イオン性界面活性剤としては、(i)炭素数10以上18以下のアルキル基又はアルケニル基を有し、オキシエチレン基平均付加モル数5以上100以下であって、オキシエチレン基の平均付加モル数のそのうち0モル以上5モル以下はオキシプロピレン基又はオキシブチレン基に変えてもよい(但し、オキシエチレン基の平均付加モル数は他のオキシアルキレン基の平均付加モル数の合計よりも多く、好ましくは5以上多い)ポリオキシアルキレンアルキル(アルケニルエーテル、(ii)炭素数8以上18以下のアルキル基を有し、糖平均縮合度が1以上5以下であるアルキルポリグリコシド、(iii)炭素数8以上18以下のアルキル基を有し、グリセリンの平均縮合度が5以上10以下であるアルキルポリグリセリルエーテル、及び(iv)炭素数が2以上8以下であって、かつヒドロキシ基を2個以上6個以下有する多価アルコール、好ましくはグリセリン、ペンタエリスリトールソルビタンソルビトール等と、炭素数16以上22以下の脂肪酸とから得られる脂肪酸エステル化合物から選ばれる1種以上を用いることができる。
これらの中では、(A)及び(B)成分の分散安定性を向上させる観点から、(i)炭素数10以上14以下のアルキル基を有しエチレンオキシド平均付加モル数が10以上40以下であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、又は柔軟性付与の観点から(iv)グリセリン、ペンタエリスリトール及びソルビタンから選ばれる1種以上の多価アルコールと炭素数16以上22以下の脂肪酸とのエステル化合物が好ましい。
柔軟剤組成物中の(E)成分の含有量は、分散安定性とより優れた柔軟性を付与する上で、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上であり、そして、好ましくは8.0質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下、更に好ましくは4.0質量%以下である。

0072

水溶性有機溶剤(F)>
本発明においては、柔軟剤組成物の分散安定性を向上させる観点から、水溶性有機溶剤(F)を使用してもよい。
具体的な水溶性有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の揮発性低級アルコール、エチレングリコール、グリセリン及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上を用いることができる。
水溶性有機溶剤としては、取り扱いやすさの観点から、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール又はグリセリンが好ましい。

0073

水溶性無機塩(G)>
本発明においては、柔軟剤組成物の使用に適した粘度に調整する観点から、水溶性無機塩(G)(以下、「(G)成分」ともいう。)を用いてもよい。
水溶性無機塩としては、貯蔵安定性の観点から、ナトリウム塩カルシウム塩及びマグネシウム塩から選ばれる1種以上の水溶性無機塩が好ましく、塩化ナトリウム塩化カルシウム塩化マグネシウム、及び硫酸マグネシウムから選ばれる1種以上がより好ましく、塩化カルシウム及び塩化マグネシウムから選ばれる1種以上が更に好ましく、塩化カルシウムがより更に好ましい。なお、(G)成分における「水溶性」とは20℃の100gの脱イオン水に対して20g以上溶解することをいう。
柔軟剤組成物中の(G)成分の配合量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上であり、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下である。

0074

酸性化合物(H)>
本発明においては、(A)成分の加水分解を抑制し貯蔵安定性を向上させる観点から、酸性化合物(H)(以下、「(H)成分」ともいう。)を使用することができる。
酸性化合物としては、塩酸や硫酸等の無機酸や、クエン酸コハク酸リンゴ酸フマル酸酒石酸マロン酸マレイン酸等の有機酸等の酸剤から選ばれる1種以上を用いることができる。
これらの中では塩酸や硫酸、クエン酸が好ましい。なお(H)成分の一部はキレート剤として使用することができる。また、酸性化合物はpH調整剤として使用することもできる。

0075

<脂肪族アルコール(I)>
本発明においては、発汗時の繊維製品による肌へのまとわり付きないし吸い付き等の肌ストレスを低減させる観点から、脂肪族アルコール(I)(以下、「(I)成分」ともいう。)を使用することができる。
(I)成分としては、発汗時の繊維製品による肌へのまとわり付きないし吸い付き等の肌ストレスを低減させる観点から、好ましくは炭素数12以上、20以下の直鎖脂肪族第1級飽和アルコールを用いることが好ましい。当該脂肪族アルコールが、繊維製品からの濡れ戻りを抑制する上で効果的であることは特開2016−11471号公報及び特開2016−11470号公報等に記載されている。
具体的なアルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、及びステアリルアルコールから選ばれる1種以上を用いることができる。
これらの中でも、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールが好ましい。

0076

<その他成分>
本発明には以下に示す、(A)〜(I)成分以外の香料カプセル酸化防止剤、脂肪酸、キレート剤、染料防腐剤等を配合することが好ましい。

0077

酸化防止剤としては、例えば、分子内にフェノール基を有する酸化防止剤が挙げられる。分子内にフェノール基を有する酸化防止剤は、香料の臭いの変化を抑制するために用いられる。酸化防止剤を香料と併用すると、臭いの変化を抑制できるが、酸化を受けたフェノール基を有する酸化防止剤が着色されることで、柔軟剤組成物の変色が促進されることから、酸化防止剤の配合量は、酸化の影響を受けやすい香料成分とその含有量と共に、十分に確認した上で使用される。

0078

入手の容易性の点から、分子内にフェノール基を有する酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール及びブチルヒドロキシアニソールから選ばれる1種以上が好ましい。変色抑制の点から、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノールから選ばれる1種以上の酸化防止剤がより好ましい。

0079

本発明の柔軟剤組成物の柔軟効果を高めるために、脂肪酸を使用してもよい。脂肪酸は(A)成分の分解物や(A)成分中に少量含まれるが、更に添加することで柔軟効果を高めることができる。
具体的な脂肪酸としては、ラウリン酸ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エルカ酸ベヘニン酸等の炭素数12以上、22以下の飽和又は不飽和脂肪酸から選ばれる1種以上を用いることができる。これらの中では、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びリノール酸から選ばれる1種以上がより好ましい。

0080

キレート剤は、柔軟剤組成物の変色や染料の褪色を抑制するために用いられる。例えば、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸エチレンジアミン四酢酸メチルグリシン二酢酸ヒドロキシエチルイミノ二酢酸エチレンジアミン二コハク酸、L−グルタミン酸−N,N−二酢酸、N−2−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、クエン酸、コハク酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上が好ましい。なお、キレート剤は前記酸剤としても使用することができる。

0081

染料は、柔軟剤組成物に対して消費者に高い嗜好性を与えるために用いられる。例えば、カラーインデックス酸性赤色染料、カラーインデックス酸性黄色染料及びカラーインデックス酸性青色染料からから選ばれる1種以上の染料である。

0082

カラーインデックス酸性赤色染料の具体例としては、C.I.Acid Red 18、C.I.Acid Red 27、C.I.Acid Red 52、C.I.Acid Red 82、C.I.Acid Red 114、C.I.Acid Red 138、C.I.Acid Red 186等が挙げられる。
カラーインデックス酸性黄色染料の具体例としては、C.I.Acid Yellow 1、C.I.Acid Yellow 7、C.I.Acid Yellow 23、C.I.Acid Yellow 141等が挙げられる。
カラーインデックス酸性青色染料の具体例としては、C.I.Acid Blue 5、C.I.Acid Blue 9、C.I.Acid Blue 74等が挙げられる。
ポリマー染料として入手可能な染料も使用することができる。

0083

染料はキレート剤と併用することで、香料又は香料及び酸化防止剤を含有する柔軟剤組成物の変色を抑制することができる。変色抑制の点で、カラーインデックス酸性赤色染料、及びカラーインデックス酸性黄色染料から選ばれる1種以上の染料が好ましい。

0084

防腐剤は、柔軟剤組成物に防腐性を与えるために用いられる。防菌防カビ剤ともいう。例えば、ビグアニド系化合物イソチアゾリン系化合物イソチアゾリノン系化合物等が挙げられる。それらの具体例としては、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンが挙げられ、それぞれ市販品として、「プロキセルIB」、「ケーソンCG」、「プロキセルBDN」等を用いることもできる。

0085

本発明の柔軟剤組成物には、高分子量のシリコーンは香料の匂い立ち性を抑制しない程度に含有してもよい。好ましくは粘度が3,000mm2/sを超えるシリコーン化合物の含有量は、柔軟剤組成物中に好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以下、より更に好ましくは0.03質量%以下、より更に好ましくは0.01質量%以下である。

0086

[柔軟剤組成物の粘度]
柔軟剤組成物の粘度は、分散安定性及び使用時の計量性の観点から、好ましくは5mPa・s以上、より好ましくは15mPa・s以上、更に好ましくは20mPa・s以上であり、そして、好ましくは500mPa・s以下、より好ましくは300mPa・s以下、更に好ましくは200mPa・sである。
本明細書における粘度は、B型粘度計を用いてNo.1〜No.3ローターの何れかのローターを用い、60r/minで測定開始から1分後の指示値により測定することができる。なお、測定にあたっては柔軟剤組成物を30±1℃に調温して測定する。

0087

[柔軟剤組成物のpH]
本発明の柔軟剤組成物の30℃におけるpHは、好ましくは2.5以上、より好ましくは3.0以上であり、そして、好ましくは4.5以下、より好ましくは4.0以下である。柔軟剤組成物のpHが前記範囲内であると、処理後の繊維製品の発香性及び残香性が向上すると共に、柔軟剤組成物の保存安定性が向上する。なお、本明細書におけるpHは、JIS K 3362;2008の項目8.3に従って30℃で測定した値である。
柔軟剤組成物のpHを前記範囲内に調整する方法としては、アルカリ剤と酸性化合物によって調整する方法が挙げられる。

0088

[柔軟剤組成物の製造方法]
本発明の柔軟剤組成物の製造方法に特に制限はなく、例えば以下の方法で製造することができる。
まず、好ましくは40℃以上80℃以下のイオン交換水に対して、必要に応じて(E)成分である非イオン性界面活性剤、(F)成分である水溶性有機溶剤、及び(H)成分である酸性化合物を入れ、水溶液を好ましくは50℃以上70℃以下に加熱する。
次いで、得られた水溶液を撹拌しながら(A)成分である4級アンモニウム塩混合物及び(B)成分である香料組成物、また、必要に応じて(D)成分であるケイ酸エステル化合物、及びその他成分を投入し、好ましくは50℃以上70℃以下に加熱しながら5分以上1時間以下程度撹拌し、更に必要に応じて(G)成分である水溶性無機塩を加えて撹拌する。なお、水溶液に対して前記(A)成分を加える際には、均一に混合する観点から、(A)成分を予め、好ましくは50℃以上70℃以下で溶融させておくことが好ましい。
その後、水溶液を好ましくは15℃以上35℃以下になるように撹拌しながら冷却する。冷却後、(C)成分であるシリコーン化合物及び濃度を調整することを目的として必要に応じてイオン交換水を添加し、好ましくは15℃以上35℃以下で5分以上1時間以下程度撹拌することにより本発明の柔軟剤組成物を得ることができる。
なお、柔軟剤組成物のpHは必要に応じて、塩酸水溶液又は水酸化ナトリウム水溶液等を用いて調整することができる。

0089

本発明の柔軟剤組成物は、繊維製品用として好適である。繊維製品は、衣料寝具タオルなどが挙げられる。
本発明の柔軟剤組成物を繊維製品処理用の柔軟剤組成物として使用する場合、本発明の柔軟剤組成物を水を媒体として繊維製品に接触させる処理方法が好ましく、具体的には、乾燥時の繊維製品1.0kgに対して、本発明の柔軟剤組成物を5ml以上40ml以下溶解させた水溶液を接触させることが好ましい。この場合、繊維製品は水道水で十分に漬かるだけの量が必要であり、例えば浴比〔繊維製品(kg)/処理液(L)〕として5以上40以下として使用することが好ましい。
なお、乾燥した衣料を、本発明の柔軟剤組成物を希釈した水溶液に浸けてもよく、洗濯工程の濯ぎ時の仕上工程で添加してもよい。その場合は脱水して乾燥することで、柔軟性及び吸湿時の匂い立ち性が付与された繊維製品を得ることができる。

0090

[合成例1−1]
(A−1)の合成
パーム油を原料とした酸価206.9mgKOH/gの脂肪酸と、トリエタノールアミンとを、反応モル比1.65/1(脂肪酸/トリエタノールアミン)で、脱水縮合反応させて、N,N−ジアルカノイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチルアミンを主成分とする縮合物を得た。
次にこの縮合物のアミン価を測定し、該縮合物に対してジメチル硫酸を0.95当量用い、4級化を行ない、N,N−ジアルカノイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェートを主成分とし、エタノールを10質量%含有する第4級アンモニウム塩混合物を得た(以下、(A−1)という。)。なお、この混合物が有するアルカノイル基は、パーム油由来の脂肪酸の残基であり、ここでいう“アルカノイル”の用語には、飽和脂肪酸以外に不飽和脂肪酸由来の残基、例えばアルケノイル等の意味も含むものとする。また前記調製手順反応条件は、特開2010−209493号公報の合成例2に従って行った。

0091

(A−1)が含む(A)成分の第4級アンモニウム塩中、(a1)成分の割合は30質量%、(a2)成分の割合は55質量%、(a3)成分の割合は15質量%であった。(A−1)は、4級化率が92質量%であり、(a1)成分、(a2)成分、(a3)成分、エタノール以外に、ジエステル構造体及びトリエステル構造体の3級アミン化合物、微量のトリエタノールアミン及びその4級化物、並びに微量の脂肪酸を含んでいた。ここで(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分の割合、並びにその他成分の分析はHPLCを用い下記条件により測定した。
HPLC条件
カラム:Inertsil NH2 5μm(4.6×250mm) 室温
移動相:0.05%TFAトリフルオロ酢酸)−ヘキサン溶液:メタノール:THF(テトラヒドロフラン)=85:10:5
流速:0.8mL(0−10分)−1.2mL(10−55分)−0.8mL(55−60分)
注入:20μL
検出:CAD

0092

なお、本発明では(A)成分として、下記の合成例1−2で合成したものも同様に用いることができる。
[合成例1−2]
(A−2)の合成
反応モル比を1.50/1(脂肪酸/トリエタノールアミン)に変更した以外は合成例1−1と同様にして(A−2)を合成し、前記の方法で(a1)成分、(a2)成分及び(a3)成分の割合を求めた。
(A−2)が含む(A)成分の第4級アンモニウム塩中、(a1)成分の割合は36質量%、(a2)成分の割合は54質量%、(a3)成分の割合は10質量%であった。

0093

[(A)成分]
(A−1):前記合成例1で製造した4級アンモニウム塩混合物を含む反応生成物。表3及び表4に示した(A−1)の数値は(A−1)の有姿での配合量である。(A−1)中の(A)成分濃度は75質量%である。

0094

[(B)成分]
B−1:下記表1で示した香料組成物を参照。

0095

0096

[(C)成分]
(C−1):低分子シリコーンエマルション
25℃における動的粘度が300mm2/sのジメチルポリシロキサン60質量%、オキシエチレン基の平均付加モル数5モルのポリオキシエチレンラウリルエーテル1.5質量%、平均付加モル数23モルのポリオキシエチレンラウリルエーテル4.5質量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.1質量%、水 残部のエマルション

0097

(C−2):低分子シリコーンエマルション
25℃における動的粘度が2,000mm2/sのジメチルポリシロキサン60質量%、オキシエチレン基の平均付加モル数5モルのポリオキシエチレンラウリルエーテル1.5質量%、平均付加モル数23モルのポリオキシエチレンラウリルエーテル4.5質量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.1質量%、水 残部のエマルション。

0098

(C’−1):高分子シリコーンエマルション
25℃における動的粘度が100,000mm2/sを超えるジメチルポリシロキサン60質量%、オキシエチレン基の平均付加モル数5モルのポリオキシエチレンラウリルエーテル1.5質量%、平均付加モル数23モルのポリオキシエチレンラウリルエーテル4.5質量%、ラウリル硫酸ナトリウム0.1質量%、水 残部のエマルジョン
上記(C−1)、(C−2)、(C’−1)の化合物は公知の方法、又は特開平11−229273号公報記載の方法により製造した。シリコーン粘度はウベローデ粘度計を用いて25℃で測定した。
なお、表3及び表4に記載された(C)成分の配合量の数値は、正味のシリコーン化合物の配合量であり、エマルションに用いられる界面活性剤の含有量は表中では省略するが、厳密には組成物中に少量含まれる。

0099

[(D)成分]
本発明の柔軟剤組成物に用いるケイ酸エステルとして、下記の化合物を合成した。
(D−1):Si[O-Undecav]4 〔(d−1)成分〕
(D−2):Si[O-Geranyl]4 〔(d−1)成分〕
(D−3):Si[O-Geranyl]3[O-Sandalmysore core] 〔(d−1)成分〕
(D−4):Si[O-Rasp][O-Menthyl]3 〔(d−2)成分〕
(D−5):Si[O-Rasp][O-Folrosia]3 〔(d−2)成分〕
(D−6):Si[O-Rasp][O-Menthyl]2[O-Geranyl] 〔(d−2)成分〕
ここで、
Undecavは、4−メチル−3−デセン−5−オール(ウンデカベルトール)(2級アリルアルコール性香料、logP3.7)から水酸基を1個除いた基を、
Geranylは、ゲラニオール(1級アリルアルコール性香料、logP2.4)から水酸基を1個除いた基を、
Sandalmysore coreは、サンダルマイソルコア(1級アリルアルコール性香料、logP3.9)から水酸基を1個除いた基を、
Raspは、ラズベリーケトン(フェノール性香料、logP1.1)からフェノール性水酸基を1個除いた基を、
Menthylは、メントール(2級アルコール性香料、logP3.2)から水酸基を1個除いた基を、
Folrosiaは、フォルロージア(2級アルコール性香料(4−イソプロピルシクロヘキサノール)、logP2.7)から水酸基を1個除いた基を、
それぞれ表す。また、各化合物は、以下の合成例により製造したものである。

0100

<合成例D1>
(D−1):Si[O-Undecav]4の合成
500mLの四つ口フラスコテトラエトキシシラン62.50g(0.30mol)、4−メチル−3−デセン−5−オール183.92g(1.08mol)及び5質量%ナトリウムエトキシドエタノール溶液0.90gを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら123〜150℃で約2時間撹拌を行った。その後、槽内の圧力を徐々に18kPaまで下げ、エタノールを留出させながら150℃で1時間撹拌を行った。次いで、エタノールを留出させながら、槽内温度150℃で、8kPaで1時間、4kPaで2時間、2.7kPaで4時間撹拌を行った。その後、0.4kPaの下、槽内温度を170℃に昇温し、系内に残存する4−メチル−3−デセン−5−オールの除去を30分掛けて行った。反応溶液の冷却を行い、メンブレンフィルター(ADVANTECPTFE T100A090C)により減圧濾過を行い、4−メチル−3−デセン−5−オールのケイ酸エステル香料前駆体を含む176.90gの淡黄色油状物を得た。

0101

<合成例D2>
(D−2):Si[O-Geranyl]4の合成
200mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン27.08g(0.13mol)、ゲラニオール72.30g(0.47mol)及び2.8質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.485mLを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら110〜120℃で2時間撹拌した。
2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながら117〜120℃で更に4時間撹拌した。4時間後、冷却、減圧解除した後、濾過を行い、ゲラニオールのケイ酸エステル香料前駆体を含む76.92gの黄色油状物を得た。

0102

<合成例D3>
(D−3):Si[O-Geranyl]3[O-Sandalmysore core]の合成
200mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン27.08g(0.13mol)、ゲラニオール54.23g(0.35mol)、サンダルマイソルコア23.32g(0.12mol)及び2.8質量%ナトリウムメトキシドメタノール溶液0.485mLを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら110〜120℃で2時間撹拌した。
2時間後、槽内の圧力を徐々に8kPaまで下げ、エタノールを留出させながら117〜120℃で更に4時間撹拌した。4時間後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ゲラニオールとサンダルマリソルコアのモル比3:1のケイ酸エステル香料前駆体を含む76.92gの黄色油状物を得た。

0103

<合成例D4>
(D−4):Si[O-Rasp][O-Menthyl]3の合成
500mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン83.33g(0.40mol)、ラズベリーケトン59.11g(0.36mol)、メントール168.77g(1.08mol)及び5.275質量%ナトリウムエトキシドエタノール溶液0.58gを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら135〜160℃で約2時間撹拌を行った。
2時間後、槽内の圧力を徐々に6kPaまで下げ、エタノールを留出させながら160℃で更に22時間撹拌を行った。その後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ラズベリーケトンとメントールのモル比1:3のケイ酸エステル化合物を含む238.34gの黄色油状物を得た。

0104

<合成例D5>
(D−5):Si[O-Rasp][O-Folrosia]3の合成
500mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン83.32g(0.40mol)、ラズベリーケトン59.11g(0.44mol)、フォルロージア153.62g(1.08mol)及び5.275質量%ナトリウムエトキシドエタノール溶液0.50gを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら150℃で約2時間撹拌を行った。
2時間後、槽内の圧力を徐々に4kPaまで下げ、エタノールを留出させながら150℃で更に15時間撹拌した。その後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ラズベリーケトンとフォルロージアのモル比1:3のケイ酸エステル化合物を含む202.63gの黄色油状物を得た。

0105

<合成例D6>
(D−6):Si[O-Rasp][O-Menthyl]2[O-Geranyl]の合成
500mLの四つ口フラスコにテトラエトキシシラン83.33g(0.40mol)、ラズベリーケトン64.49g(0.39mol)、メントール102.29g(0.65mol)、ゲラニオール60.58g(0.39mol)及び5.275質量%ナトリウムエトキシドエタノール溶液0.63gを入れ、窒素気流下エタノールを留出させながら160℃で約2時間撹拌した。
2時間後、槽内の圧力を徐々に6kPaまで下げ、エタノールを留出させながら160℃で更に9時間撹拌した。その後、冷却、減圧を解除した後、濾過を行い、ラズベリーケトン、メントール及びゲラニオールのモル比1:2:1のケイ酸エステル化合物を含む橙色油状物233.91gを得た。

0106

表2に(D)成分の概略を示した。

0107

0108

[(E)成分]
(E−1):オキシエチレン基の平均付加モル数が30モルであるポリオキシエチレンラウリルエーテル
[(F)成分]
(F−1)エチレングリコール
[(G)成分]
(G−1)塩化カルシウム
[(H)成分]
(H−1)クエン酸
[その他成分]
その他添加剤:プロキセルBDN(防腐剤、実施例及び比較例の組成物中83ppmとなる濃度)

0109

実施例1〜6及び比較例1〜4
表3及び表4に示す組成の柔軟剤組成物を以下の方法で調製した。得られた柔軟剤組成物について、下記要領で匂い立ちを評価した。結果を表3及び表4に示す。

0110

<柔軟剤組成物の調製>
300mLのガラスビーカー内径7cm、高さ11cm)に、柔軟剤組成物のできあがり質量が300gになるのに必要な量の95%に相当する量のイオン交換水(65℃)と(E)成分である界面活性剤、任意に(F)成分である水溶性有機溶剤、及び(H)成分である酸性化合物を入れ、このビーカーウォーターバスにて内容物温度が65℃となるよう加熱した。
次いで、スリーワンモーター(新東科学株式会社製、TYPEHEDON 1200G)に装着した撹拌羽根タービン型撹拌羽根、3枚翼長2cm)を前記ビーカーの底面から1cmの高さに設置し、回転数350r/minで撹拌しながら、予め65℃で溶融、混合した(A)成分である4級アンモニウム塩混合物と、(B)成分である香料組成物と、任意に(D)成分であるケイ酸エステル化合物、並びにその他成分であるプロキセルBDNを投入した後、65℃加熱下、10分間、350r/minにて撹拌し、更に任意に(G)成分である水溶性無機塩を加え10分間撹拌した。
次いで、65℃加熱下、10分間、350r/minにて撹拌した。その後、氷水を入れたウォーターバス中で内容物が30℃になるまで、回転数350r/minで撹拌冷却した。内容物温度が30℃まで下がった後、(C)成分であるシリコーン及び各成分の濃度が表2、3に記載の値となるのに必要な量のイオン交換水を添加し、30℃、回転数200r/minにて10分間撹拌し、柔軟剤組成物を得た。
なお、柔軟剤組成物のpHは必要に応じて、塩酸水溶液又は水酸化ナトリウム水溶液を用いて3.5に調整した。

0111

繊維処理方法
市販の木綿肌着(グンゼ株式会社製)を市販液体洗剤アタックバイオジェル」(花王株式会社製、登録商標、2016年製造)にて5回繰り返し洗濯し、布についている油剤を除去して乾燥させた。電気バケツ洗濯機(National製、MiniMini、型番:NA−35)に20℃に調整した市水を3.6L注水し、実施例及び比較例の柔軟剤組成物を木綿肌着1.5kg当たり10gとなる量を投入して1分間撹拌した。その後、木綿肌着1枚を投入し、更に5分撹拌した。2槽式洗濯機脱水槽で5分間脱水し、室内で24時間乾燥することで処理布を作製した。

0112

<湿潤時の匂い立ち>
表3及び表4に記載の組成の柔軟剤組成物で処理した木綿肌着に、自重の20質量%分の水をスプレーして、5分間馴化させ、湿潤状態の肌着を調製した。3人の専門パネラーによって、その湿潤状態の肌着の匂い立ちを、下記の基準で評価し、3人の評価のうち、一番多い結果となったものを、その柔軟剤組成物による評価結果とした。3人の評価結果が、1点、2点、3点と分かれた場合は、2点とした。
評価基準は以下の通りである。
3:比較例1よりも匂い立ちに優れる
2:比較例1と同等の匂い立ち
1:比較例1よりも匂い立たない

0113

0114

実施例

0115

表3及び表4に示されるように、本発明の柔軟剤組成物で処理した繊維製品は、吸湿時(湿潤時の匂い立ち性に優れるものであった。一方、比較例の柔軟剤組成物で処理した繊維製品では、上記の効果は得られなかった。また、全ての実施例で、良好な柔軟性が付与された。
本発明のように、特定の柔軟基材である(A)成分に対して、特定の香料組成物((B)成分)及び低分子シリコーン化合物((C)成分)を併用することによって、吸湿時の優れた匂い立ち性が得られた。
なお、実施例1〜3の柔軟剤組成物の(A)成分の(A−1)を(A−2)に置き換えた柔軟剤組成物もまた本発明の実施態様であり、実施例3の柔軟剤組成物の(D)成分の(D−2)を(D−1)、(D−3)、(D−4)、(D−5)及び(D−6)にそれぞれ置き換える柔軟剤組成物もまた本発明の実施態様である。

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