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課題

筋ジストロフィーをはじめとする、α7β1インテグリンの減少に関連する症状を治療する方法の提供。

解決手段

α7β1インテグリン調節因子の有効量を、筋ジストロフィーを有する被験体投与することを含み、α7β1インテグリン調節因子により、α7β1インテグリン発現または活性を、治療前のα7β1インテグリン発現または活性と比べて増加することにより、筋ジストロフィーを有する被験体を治療するものである。また、被験体において筋再生修復、または維持を促進する方法、および、開示のα7β1インテグリン調節因子を用いて、α7β1インテグリン発現を促進する方法を開示する。被験体における筋損傷または傷害予見的に防止または減少する方法も開示する。

概要

背景

α7インテグリン遺伝子における変異は、ヒトの先天性ミオパチーの原因となる。α7
β1インテグリンは、デュシェンヌ型筋ジストロフィーDMD)、福山型先天性筋ジス
トロフィー(FCMD)、またはメロシン欠損型先天性筋ジストロフィー1A型(MDC
1A)等の様々なタイプの筋ジストロフィー等をはじめとする種々の遺伝的筋疾患におけ
る筋疾患進行の主要な修飾因子でもある。しかしながら、筋ジストロフィー(例えば、D
MD、FCMDおよび/またはMDC1A)における修飾因子としての役割をはじめとす
るα7インテグリン遺伝子の転写調節についてはほとんど理解されていない。

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、X染色体疾病であり、筋ジストロ
ィーの最も一般的な病態である。DMDは、出生3,500人に1人の割合で発症
患者慢性筋変性および筋衰弱を起こす。臨床症状が最初に見られるのは2〜5歳
であり、患者が10歳代になるまでに独立歩行能力は失われる。一般に、30歳前に心肺
不全死亡する。

福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)およびMDC1Aは、遺伝性神経筋傷害
である先天性筋ジストロフィーである。MDC1Aは、出生時または幼年期の筋衰弱を特
徴とする。罹患した幼児は、筋緊張低下がみられ、ほとんど動かなくなる。その子ども
生活の質および寿命は、進行性筋消耗、呼吸困難脊髄性固縮により冒される。MDC1
Aは、最も一般的かつ重症な先天性筋ジストロフィーであり、CMDと診断された全ケー
スのうちの30%〜40%を占める。MDC1Aは、先天性筋緊張低下症、明らかな関節
拘縮、および独立歩行能力の欠如を特徴とする。呼吸器障害が生じると、経管栄養チュ
ーブ挿入および陽圧換気が必要となることが多い。MDC1Aに苦しむ患者は10歳以前
に死亡することが多い。FCMDは、ヒト染色体9q31に位置するフクチン遺伝子の突
然変異を原因とするものである。本疾患は、条染色体劣性遺伝の疾患である。FCMDは
肢体型筋ジストロフィー一種である。今のところ、DMD、FCMA、またはMDC1
Aに治療法はない。

概要

筋ジストロフィーをはじめとする、α7β1インテグリンの減少に関連する症状を治療する方法の提供。α7β1インテグリン調節因子の有効量を、筋ジストロフィーを有する被験体投与することを含み、α7β1インテグリン調節因子により、α7β1インテグリン発現または活性を、治療前のα7β1インテグリン発現または活性と比べて増加することにより、筋ジストロフィーを有する被験体を治療するものである。また、被験体において筋再生修復、または維持を促進する方法、および、開示のα7β1インテグリン調節因子を用いて、α7β1インテグリン発現を促進する方法を開示する。被験体における筋損傷または傷害を予見的に防止または減少する方法も開示する。なし

目的

特定の実施形態において、本開示は、被験体における筋再生を増加する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

筋ジストロフィーを有する被験体治療する方法であって、α7β1インテグリン調節因子の有効量を、筋ジストロフィーを有する被験体に投与することを含み、前記α7β1インテグリン調節因子は、シクロピロックスエタノールアミンデフェロキサミン、2,2−ジピリジル;5α−コレスタン−3β−オル−6−オン、N032−0003、N066−0070、N069−0071、N069−0075、N064−0028、N066−0053、N069−0073、1080−0573、および以下の式、すなわち、;またはから選択した式を有する薬剤で構成され、式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、C1−10アルキル置換C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、置換C1−10アルコキシ、アシル、アシルアミノアシルオキシ、アシルC1−10アルコキシ、アミノ置換アミノアミノアシルアミノカルボニルC1−10アルキル、アミノカルボニルアミノ、アミノジカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシアミノスルホニル、C6−15アリール、置換C6−15アリール、C6−15アリールオキシ、置換C6−15アリールオキシ、C6−15アリールチオ、置換C6−15アリールチオ、カルボキシルカルボキシエステル、(カルボキシエステル)アミノ、(カルボキシエステル)オキシシアノ、C3−8シクロアルキル、置換C3−8シクロアルキル、(C3−8シクロアルキル)オキシ、置換(C3−8シクロアルキル)オキシ、(C3−8シクロアルキル)チオ、置換(C3−8シクロアルキル)チオ、ハロヒドロキシル、C1−10ヘテロアリール、置換C1−10ヘテロアリール、C1−10ヘテロアリールオキシ、置換C1−10ヘテロアリールオキシ、C1−10ヘテロアリールチオ、置換C1−10ヘテロアリールチオ、C2−10ヘテロシクリル、C2−10置換ヘテロシクリル、C2−10ヘテロシクリルオキシ、置換C2−10ヘテロシクリルオキシ、C2−10ヘテロシクリルチオ、置換C2−10ヘテロシクリルチオ、イミノオキソスルホニルスルホニルアミノチオール、C1−10アルキルチオ、置換C1−10アルキルチオ、またはチオカルボニルから選択され;または2つのR1置換基は、おのおのが結合する原子とともに、C6−15アリール、置換C6−15アリール、C3−8シクロアルキル、置換C3−8シクロアルキル、C1−10ヘテロアリール、置換C1−10ヘテロアリール、C2−10置換ヘテロシクリル、または置換した C2−10ヘテロシクリルオキシから選択される環を形成してもよく;2つのR2置換基は、おのおのが結合する原子とともに、C6−15アリール、置換C6−15アリール、C3−8シクロアルキル、置換C3−8シクロアルキル、C1−10ヘテロアリール、置換C1−10ヘテロアリール、C2−10置換ヘテロシクリル、または置換したC2−10ヘテロシクリルオキシから選択される環を形成してもよく;A、B、C、D、E、およびFはそれぞれ独立して、炭素窒素酸素、または硫黄から選択することができ;およびnはゼロ、1、2、3、4、または5とすることができ;またはこれらの化合物の組み合わせであって、前記α7β1インテグリン調節因子により、α7β1インテグリンの発現または活性を、治療前のα7β1インテグリンの発現または活性と比較して増加させることによって、筋ジストロフィーを有する被験体を治療することを特徴とする、方法。

請求項2

前記α7β1インテグリン調節因子は、化合物#1001、化合物#1002、化合物#1003、すなわち、から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記α7β1インテグリン調節因子は、以下の式、すなわちから選択される式を有し、式中、Y1は、酸素、硫黄、またはNRbから選択することができ、ここで、Rbは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または置換ヘテロシクリルから選択することができ;およびR6は、C1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、置換C1−10アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アシルC1−10アルキルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルC1−10アルキル、アミノカルボニルアミノ、アミノジカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、C6−15アリール、置換C6−15アリール、C6−15アリールオキシ、置換C6−15アリールオキシ、C6−15アリールチオ、置換C6−15アリールチオ、カルボキシル、カルボキシエステル、(カルボキシエステル)アミノ、(カルボキシエステル)オキシ、シアノ、C3−8シクロアルキル、置換C3−8シクロアルキル、(C3−8シクロアルキル)オキシ、置換(C3−8シクロアルキル)オキシ、(C3−8シクロアルキル)チオ、置換(C3−8シクロアルキル)チオ、ハロ、ヒドロキシル、C1−10ヘテロアリール、置換C1−10ヘテロアリール、C1−10ヘテロアリールオキシ、置換C1−10ヘテロアリールオキシ、C1−10ヘテロアリールチオ、置換C1−10ヘテロアリールチオ、C2−10ヘテロシクリル、C2−10置換ヘテロシクリル、C2−10ヘテロシクリルオキシ、置換C2−10ヘテロシクリルオキシ、C2−10ヘテロシクリルチオ、置換C2−10ヘテロシクリルチオ、イミノ、オキソ、スルホニル、スルホニルアミノ、チオール、C1−10アルキルチオ、置換C1−10アルキルチオ、またはチオカルボニルから選択される、請求項1に記載の方法。

請求項4

前記α7β1インテグリン調節因子は、次式:を有し、式中:R1は、C(O)NH2、C(O)N[(CH2)0−5CH3]2、C(O)OH、C(O)OP(O)(OH)2、C(O)OC(O)C(CH3)3、C(O)OC(O)NMe2、またはC(O)O(CH2)0−5CH3から選択され;R1’は、NH2またはN[(CH2)0−5CH3]2から選択され;R2は、N[(CH2)0−5CH3]2から選択され;およびY1は、酸素、硫黄、NH、N(CH2)0−5CH3、およびNCH2OP(O)(OH)2から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項5

前記α7β1インテグリン調節因子は、である、請求項4に記載の方法。

請求項6

前記α7β1インテグリン調節因子は、次式:を有し、式中:R1は、C(O)NH(Ph)pCH2NHC(O)Ot−Bu、C(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2NHC(O)Ot−Bu、C(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2N[CH2OP(O)(OH)2]C(O)Ot−Bu、C(O)NH(Ph)pCH2N[CH2OP(O)(OH)2]C(O)Ot−Bu、C(O)NH(Ph)pCH2NHC(O)OH、C(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2NHC(O)OH、C(O)NH(Ph)pCH2NHC(O)OMe、C(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2NHC(O)OMe、C(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2N[CH2OP(O)(OH)2]C(O)OMe、C(O)N[(CH2)0−5CH3](Ph)pCH2NHC(O)Ot−Bu、C(O)N[(CH2)0−5CH3](Ph)pCH2N[CH2OP(O)(OH)2]C(O)Ot−Bu、C(O)N[(CH2)0−5CH3](Ph)pCH2NHC(O)OH、C(O)N[(CH2)0−5CH3](Ph)pCH2N[CH2OP(O)(OH)2]C(O)OH、C(O)N[(CH2)0−5CH3](Ph)pCH2NHC(O)OMe、C(O)N[(CH2)0−5CH3](Ph)pCH2N[CH2OP(O)(OH)2]C(O)OMe、C(O)NH(Ph)pCH2NH2、C(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2NH2、C(O)NH(Ph)pCH2OH、C(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2OH、C(O)NH(Ph)pCH2N[(CH2)0−5CH3]2、C(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2N[(CH2)0−5CH3]2、C(O)NH(Ph)pCH2OMe、C(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2OMe、C(O)NH(Ph)pCH2SH、C(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2SH、C(O)NH(Ph)pCH2SMe、C(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2SMe、C(O)N[(CH2)0−5CH3](Ph)pCH2NH2、C(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2NH2、C(O)N[(CH2)0−5CH3](Ph)pCH2OH、C(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2OH、C(O)N[(CH2)0−5CH3](Ph)pCH2N[(CH2)0−5CH3]2、C(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2N[(CH2)0−5CH3]2、C(O)N[(CH2)0−5CH3](Ph)pCH2OMe、C(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2OMe、C(O)N[(CH2)0−5CH3](Ph)pCH2SH、C(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2SH、C(O)N[(CH2)0−5CH3](Ph)pCH2SMe、またはC(O)N[CH2OP(O)(OH)2](Ph)pCH2SMeから選択され;R2は、(CH2)0−5CH3から選択され;およびY1は、酸素、硫黄、NH、N(CH2)0−5CH3、またはNCH2OP(O)(OH)2から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記α7β1インテグリン調節因子は、である、請求項6に記載の方法。

請求項8

前記α7β1インテグリン調節因子は、次式:を有し、式中:R1は、水素、C(O)−Ph−p−Br、C(O)−Ph−p−Cl、C(O)−Ph−p−F、C(O)−Ph−p−I、C(O)−Ph−p−CF3、C(O)−Ph−m−Br、C(O)−Ph−m−Cl、C(O)−Ph−m−F、C(O)−Ph−m−I、C(O)−Ph−m−CF3、C(O)−Ph−o−Br、C(O)−Ph−o−Cl、C(O)−Ph−o−F、C(O)−Ph−o−I、C(O)−Ph−o−CF3、または(CH2)0−5CH3から選択され;およびR6は、N[CH2OP(O)(OH)2]C(O)−3−ブロモ−5−ピリジル、NHC(O)−3−ブロモ−5−ピリジル、N[(CH2)0−5CH3]C(O)−3−ブロモ−5−ピリジル、N[(CH2)0−5CH3]C(O)−3−フルオロ−5−ピリジル、N[CH2OP(O)(OH)2]C(O)−3−フルオロ−5−ピリジル、またはNHC(O)−3−フルオロ−5−ピリジルから選択される、請求項1に記載の方法。

請求項9

前記α7β1インテグリン調節因子は、である、請求項8に記載の方法。

請求項10

前記α7β1インテグリン調節因子は、次式:を有し、式中:R1は、水素および(CH2)0−5CH3から選択され;R2は、OMe、SH、SMe、NH2、N[(CH2)0−5CH3]2、OH、OP(O)(OH)2、OC(O)C(CH3)3、またはOC(O)NMe2から選択され;R2’は、NO2であり;および任意の環Aは、もし存在する場合は、フェニルである、請求項1に記載の方法。

請求項11

前記α7β1インテグリン調節因子は、である、請求項10に記載の方法。

請求項12

前記α7β1インテグリン調節因子は、次式:を有し、式中:R1は、O(CH2)0−5CH3、OH、OP(O)(OH)2、OC(O)C(CH3)3、OC(O)NMe2、S(CH2)0−5CH3、SH、NH2、N[(CH2)0−5CH3]2、OCF3、またはCF3から選択され;Y1は、NH、O、NCH2OP(O)(OH)2、またはSから選択され;およびY2は、NH、O、NCH2OP(O)(OH)2、またはSから選択される、請求項1に記載の方法。

請求項13

前記α7β1インテグリン調節因子は、である、請求項12に記載の方法。

請求項14

前記α7β1インテグリン調節因子は、269番1の1つ以上の化合物から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項15

前記α7β1インテグリン調節因子は、から選択される、請求項1に記載の方法。

請求項16

前記筋ジストロフィーは、メロシン欠損型先天性1A型(MDC1A)、メロシン欠損型先天性筋ジストロフィーD型(MDC1D)、肢体型筋ジストロフィー(LGMD)、デュシェンヌ型筋ジストロフィーDMD)、福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)または顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FHMD)である、請求項1に記載の方法。

請求項17

前記筋ジストロフィーは、DMD、MDC1A、またはFCMDである、請求項16に記載の方法。

請求項18

前記筋ジストロフィーはDMDである、請求項16に記載の方法。

請求項19

前記α7β1インテグリン調節因子は付加的な治療剤とともに投与される、請求項1に記載の方法。

請求項20

前記付加的な治療剤は、コスタメリックタンパク質成長因子サテライト細胞幹細胞ミオサイト、または付加的なα7β1インテグリン調節因子である、請求項19に記載の方法。

請求項21

前記付加的なα7β1インテグリン調節因子は、ラミニン−111、ラミニン−111フラグメントバルプロ酸、またはバルプロ酸アナログである、請求項20に記載の方法。

請求項22

筋ジストロフィーを有する被験体を選択することをさらに含む、請求項1の方法。

請求項23

前記筋ジストロフィーを有する被験体を選択することは、前記α7β1インテグリン調節因子の有効量を被験体に投与する前に筋ジストロフィーを有する被験体を診断することを含む、請求項22に記載の方法。

請求項24

被験体において筋の再生修復、または維持を促進する方法であって、α7β1インテグリン調節因子の有効量を、筋の再生、修復、または維持を必要とする患者に投与することを含み、前記α7β1インテグリン調節因子は、請求項1〜15のいずれか一項に記載のものか、またはそれらの組み合わせであり、前記α7β1インテグリン調節因子は、被験体におけるα7β1インテグリンの発現または活性を、治療前のα7β1インテグリンの発現または活性と比較して増加させることにより、被験体において筋の再生、修復、または維持を促進する、方法。

請求項25

前記α7β1インテグリン調節因子は、被験体が筋損傷または疾患を発症する前に投与される、請求項24に記載の方法。

請求項26

前記方法は、被験体における筋肉維持を促進する方法である、請求項24に記載の方法。

請求項27

前記α7β1インテグリン調節因子は、被験体が運動する前に投与される、請求項26に記載の方法。

請求項28

前記α7β1インテグリン調節因子は、筋疾患または損傷に罹患するリスクのある被験体に投与される、請求項26に記載の方法。

請求項29

筋の再生、修復、または維持を促進する必要のある被験体を選択することをさらに含む、請求項24に記載の方法。

請求項30

前記筋の再生、修復、または維持を促進する必要のある被験体を選択することは、前記α7β1インテグリン調節因子の有効量を被験体に投与する前に、筋再生障害を特徴とする症状のある被験体を診断することを含む、請求項29に記載の方法。

請求項31

前記筋の再生、修復、または維持を促進する必要のある被験体を選択することは、前記α7β1インテグリン調節因子の有効量を被験体に投与する前に、α7β1インテグリンの成分生成障害を特徴とする症状のある被験体を診断することを含む、請求項29に記載の方法。

請求項32

前記α7β1インテグリン調節因子は付加的な治療剤とともに投与される、請求項24に記載の方法。

請求項33

前記付加的な治療剤は、コスタメリックタンパク質、成長因子、サテライト細胞、幹細胞、ミオサイト、または付加的なα7β1インテグリン調節因子である、請求項32に記載の方法。

請求項34

前記付加的なα7β1インテグリン調節因子は、ラミニン−111、ラミニン−111フラグメント、バルプロ酸、またはバルプロ酸アナログである、請求項33に記載の方法。

請求項35

被験体における筋傷害または損傷を予見的に防止または抑制する方法であって、請求項1〜15のいずれか一項に記載のα7β1インテグリン調節因子またはそれらの組み合わせの有効量を投与することを含み、前記α7β1インテグリン調節因子により、α7β1インテグリンの発現または活性を、治療前のα7β1インテグリンの発現または活性と比較して増加させることにより、被験体における筋傷害または損傷を予見的に防止または抑制する、方法。

請求項36

前記被験体は筋傷害または損傷を発症するリスクがある、請求項35に記載の方法。

請求項37

前記α7β1インテグリン調節因子は付加的な治療剤とともに投与される、請求項35に記載の方法。

請求項38

前記付加的な治療剤は、コスタメリックタンパク質、成長因子、サテライト細胞、幹細胞、ミオサイト、または付加的なα7β1インテグリン調節因子である、請求項36に記載の方法。

請求項39

前記付加的なα7β1インテグリン調節因子は、ラミニン−111、ラミニン−111フラグメント、バルプロ酸、またはバルプロ酸アナログである、請求項37に記載の方法。

請求項40

α7β1インテグリンの発現を促進する方法であって、細胞をα7β1インテグリン調節因子の有効量と接触させることを含み、前記α7β1インテグリン調節因子は請求項1〜15のいずれか一項に記載のものか、またはそれらの組み合わせであり、治療後の細胞におけるα7β1インテグリンの発現を未治療の細胞におけるα7β1インテグリンの発現と比較して増加させることにより、α7β1インテグリンの発現を促進する、方法。

請求項41

前記細胞は筋細胞である、請求項30に記載の方法。

請求項42

前記筋細胞は哺乳動物に存在し、前記細胞を薬剤に接触させることは、当該薬剤を当該哺乳動物に投与することを含む、請求項41に記載の方法。

技術分野

0001

本開示は筋ジストロフィーの分野に関し、特に、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、福
山型先天性筋ジストロフィー、またはメロシン欠損型先天性筋ジストロフィー1A型また
は1D型治療する組成物および方法に関する。

0002

[関連出願の相互参照
本出願は、2012年9月10日付で出願された米国仮出願第61/699,189号
、2013年3月15日付で出願された出願の米国仮出願第61/798,479号、お
よび2013年3月15日付で出願された出願の米国出願第13/842,781号から
優先権を主張するものであり、各出願はその全体を本明細書において参照により援用す
る。

0003

政府支援への謝辞
本発明は、アメリカ国立衛生研究所により授与された助成金(R43 AR06003
0、R21 NS058429−01、およびR21 AR060769)の下に、政府
援助によって成されたものである。政府は、本発明において、所定の権利を有する。

背景技術

0004

α7インテグリン遺伝子における変異は、ヒトの先天性ミオパチーの原因となる。α7
β1インテグリンは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、福山型先天性筋ジス
トロフィー(FCMD)、またはメロシン欠損型先天性筋ジストロフィー1A型(MDC
1A)等の様々なタイプの筋ジストロフィー等をはじめとする種々の遺伝的筋疾患におけ
る筋疾患進行の主要な修飾因子でもある。しかしながら、筋ジストロフィー(例えば、D
MD、FCMDおよび/またはMDC1A)における修飾因子としての役割をはじめとす
るα7インテグリン遺伝子の転写調節についてはほとんど理解されていない。

0005

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、X染色体疾病であり、筋ジストロ
ィーの最も一般的な病態である。DMDは、出生3,500人に1人の割合で発症
患者慢性筋変性および筋衰弱を起こす。臨床症状が最初に見られるのは2〜5歳
であり、患者が10歳代になるまでに独立歩行能力は失われる。一般に、30歳前に心肺
不全死亡する。

0006

福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)およびMDC1Aは、遺伝性神経筋傷害
である先天性筋ジストロフィーである。MDC1Aは、出生時または幼年期の筋衰弱を特
徴とする。罹患した幼児は、筋緊張低下がみられ、ほとんど動かなくなる。その子ども
生活の質および寿命は、進行性筋消耗、呼吸困難脊髄性固縮により冒される。MDC1
Aは、最も一般的かつ重症な先天性筋ジストロフィーであり、CMDと診断された全ケー
スのうちの30%〜40%を占める。MDC1Aは、先天性筋緊張低下症、明らかな関節
拘縮、および独立歩行能力の欠如を特徴とする。呼吸器障害が生じると、経管栄養チュ
ーブ挿入および陽圧換気が必要となることが多い。MDC1Aに苦しむ患者は10歳以前
に死亡することが多い。FCMDは、ヒト染色体9q31に位置するフクチン遺伝子の突
然変異を原因とするものである。本疾患は、条染色体劣性遺伝の疾患である。FCMDは
肢体型筋ジストロフィー一種である。今のところ、DMD、FCMA、またはMDC1
Aに治療法はない。

発明が解決しようとする課題

0007

筋ジストロフィーは、多様な遺伝性の神経筋疾患群であり、一次または二次の骨格筋
関与を特徴とする一群壊滅的な神経筋疾病群を代表するものである。現在、それらの疾
病に対する治療法はない。

課題を解決するための手段

0008

本明細書において、α7β1インテグリン発現調節因子(modulatory agent)、および
それを用いて、例えば筋ジストロフィー等の、α7インテグリン発現障害に関連する症状
を治療する方法を開示する。一実施形態において、筋ジストロフィーを有する被験体を治
療する方法を開示する。本方法は、筋ジストロフィーを有する被験体にα7β1インテグ
リン調節因子の有効量を投与することを含み、α7β1インテグリン調節因子は、シクロ
ピロクスエタノールアミンデフェロキサミン、2,2−ジピリジル;5α−コレス
タン−3β−オル−6−オン化合物ID#1001、化合物ID#1002、化合物I
D#1003、N032−0003、N066−0070、N069−0071、N06
9−0075、N064−0028、N066−0053、N069−0073、108
0−0573、または本明細書において記載した化合物、例えば表10、表11、表6(
2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/796,476号明細書の別
紙I参照、参照によりその全体を本明細書に援用する)、表7(2013年3月15日に
出願された米国仮特許出願第61/796,476号明細書の別紙II参照、参照により
その全体を本明細書に援用する)、表13に記載したもののうちのいずれか1つ、または
その組み合わせであり、α7β1インテグリン調節因子は、α7β1インテグリンの発現
または活性を、未治療のα7β1インテグリン発現または活性と比較して増加させること
により、筋ジストロフィー(例えば、MDC1A、MDC1D、LGMD、DMD、FC
MD、またはFHMD)を有する被験体を治療するものである。

0009

また、被験体において、筋再生修復、または維持を促進する方法も開示する。いくつ
かの実施形態において、本方法は、α7β1インテグリン調節因子の有効量を、筋の再生
、修復、または維持を必要とする患者に投与することを含み、α7β1インテグリン調節
因子は、シクロピロックス・エタノールアミン、デフェロキサミン、2,2−ジピリジル
;5α−コレスタン−3β−オル−6−オン、化合物ID#1001、化合物ID#10
02、化合物ID#1003、N032−0003、N066−0070、N069−0
071、N069−0075、N064−0028、N066−0053、N069−0
073、1080−0573、本明細書において規定した化合物、例えば、表10、表1
1、表6(米国仮特許出願第61/796,476号明細書の別紙I参照)、表7(米国
仮特許出願第61/796,476号明細書の別紙II参照)、表13において規定した
化合物、またはその組み合わせを含み、α7β1インテグリン調節因子によりα7β1イ
ンテグリン発現または活性を、未治療のα7β1インテグリン発現または活性と比較して
増加させることにより、被験体において、筋再生、修復、または維持を促進する。

0010

特定の実施形態において、本開示は、被験体における筋再生を増加する方法を提供する
。例えば、高齢被験体、筋疾患のある被験体、および、運動が原因の損傷等活動誘発性
傷を含む筋損傷のある被験体にとって、本実施形態は有効である。

0011

本開示の方法の他の実施形態において、α7β1インテグリン調節因子を予防的に投与
して、筋損傷または傷害(例えば、活動または運動誘発性傷害)を防止または抑制する。
例えば、筋損傷、傷害、または疾患を軽減または改善することを目的として、老齢の被験
体、筋損傷を受けやすい被験体、または、例えば運動選手等の筋傷害リスクのある被験
体を治療してもよい。

0012

α7β1インテグリン発現を促進する方法をさらに開示する。いくつかの実施形態にお
いて、本方法は、細胞をα7β1インテグリン調節因子の有効量と接触させることを含み
、α7β1インテグリン調節因子は、シクロピロックス・エタノールアミン、デフェロキ
サミン、2,2−ジピリジル;5α−コレスタン−3β−オル−6−オン、化合物ID#
1001、化合物ID#1002、化合物ID#1003、N032−0003、N06
6−0070、N069−0071、N069−0075、N064−0028、N06
6−0053、N069−0073、1080−0573、本明細書において規定した化
合物、例えば、表10、表11、表6(米国仮特許出願第61/796,476号明細書
の別紙I参照)、表7(米国仮特許出願第61/796,476号明細書の別紙II参照
)、表13において規定した化合物、またはその組み合わせを含み、α7β1インテグリ
ンの発現または活性を、未治療のα7β1インテグリン発現または活性と比較して増加さ
せることにより、α7β1インテグリンの発現を促進する。

0013

本開示の方法は、α7β1インテグリン調節因子を、1つ以上の付加的な薬理学的物質
、例えば治療剤等とともに投与することを含む。いくつかの態様において、付加的な治療
剤はα7β1インテグリン調節因子の治療効果を促進する。さらなる態様において、治療
剤は、治療中の症状に対する治療的有用性を独立して提供する。種々の例において、付加
的な治療剤は、細胞外マトリックスの一成分、例えば、インテグリン、ジストロフィン
ユートロフィン、または成長因子等である。さらなる例において、治療剤は、細胞外マト
リックスの形成または維持を促進する物質の発現を減少または促進する。いくつかの例で
は、治療剤は、付加的なα7β1インテグリン調節因子、例えばラミニン−111、ラミ
ニン−111フラグメントバルプロ酸、またはバルプロ酸アナログ等である。

0014

いくつかの例では、α7β1インテグリン調節因子を、治療対象の被験体の特定の部位
に適用する。例えば、α7β1インテグリン調節因子は、治療対象の特定部位、例えば筋
肉等に注射してもよい。さらなる例において、α7β1インテグリン調節因子の投与は、
被験体の複数の部位に分散するように、例えば全身投与または局所投与等を行う。

0015

α7β1インテグリン調節因子は任意の適切な方法によって投与可能であり、その方法
としては、局所投与、非経口投与静脈投与または腹腔内投与)、または経口投与等があ
る。特定の例において、α7β1インテグリン調節因子を、腹部注射(stomach injectio
n)または腹膜注射等の非経口投与等により、全身投与する。

0016

本開示の方法を、包括的に、筋再生について説明したが、本開示の方法を用いて、その
他の組織および臓器の修復の促進、維持、または損傷予防をすることができる。例えば、
本開示の方法を用いて、脳機能平滑筋心筋等の障害または異常等、骨格筋以外の細胞
または組織への作用(effects)に起因する筋ジストロフィーの症状を治療することがで
きる。

0017

本開示についての上記の特徴点およびその他の特徴点は、添付の図面を参照して行う以
下の発明の詳細な説明によりさらに明らかになるであろう。

図面の簡単な説明

0018

図1Aは、α7β1gal+/−筋芽細胞は、筋管細胞分化する際に増加するβ−ガラクトシダーゼを発現することを示すX−gal染色の2つのデジタル画像である。図1Bは、0時間〜72時間の差異を設けて行ったα7βgal+/−筋芽細胞のウェスタン分析のデジタル画像であり、α7インテグリンおよびβ−ガラクトシダーゼの両方において対応する増加を示す。ローディングコントロールとしてα−チューブリンを用いた。
図2A〜図2Dは、ラミニン−111により、マウスにおけるα7インテグリンレベルが増加することを実証する図。(図2A)ウェスタンブロッティング法により、ラミニン−111治療後の筋芽細胞においてα7Bインテグリンレベルが増加したことがわかる。ローディング・コントロールとしてCox−1を用いた。(図2B)定量化により、ラミニン−111治療後のC2C12筋芽細胞においてα7Bインテグリンが2倍に増加したことがわかる。(図2C)ウェスタンブロッティング法により、ラミニン−111治療後のDMD筋芽細胞においてα7Bインテグリンがコントロールと比較して増加したことが分かる。ローディング・コントロールとしてCox−1を用いた。(図2D)定量化により、ラミニン−111治療後のDMD筋芽細胞においてα7Bインテグリンが2倍増加したことがわかる。
図3A〜図3Cは、ラミニン−111を筋肉内注射することにより、mdxマウスにおける筋疾患を防止することを実証する図。(図3A)コントロールのTA筋およびラミニン−111治療後のマウスの免疫蛍光により、LAM−111またはPBS治療後のmdx筋においてジストロフィンが存在しないことを確認した。ラミニン−111は、野生型またはPBS接種したmdx筋には存在しなかったが、ラミニン−111接種したmdx筋の細胞外マトリックスにおいて検出された。スケールバー=10μm。(図3B)エバンスブルー色素(EBD)吸収により、ラミニン−111接種したmdx筋におけるEBD吸収がコントロールと比較して減少していることを示す。スケールバー=10μm。H&E染色により、ラミニン−111治療後のmdx筋は、コントロールと比較して、中央に核のある筋線維および単核細胞浸潤をほとんど含まないことがわかる。(図3C)定量化により、野生型およびラミニン−111治療後のmdx筋に含まれるEBD陽性線維および中央に核のある筋線維は、コントロールと比較して有意に少なかったことがわかる。*P<0.05、**P<0.001、n=5マウス/群。
図4A〜図4Bは、バルプロ酸により筋細胞におけるα7インテグリン発現が増加することを実証する。(図4A)α7βgal+/−筋管を用いた、バルプロ酸についての用量反応曲線(dose response curve)を示す図。(図4B)バルプロ酸によりC2C12筋管におけるα7インテグリンタンパク質が増加する。
図5は、シクロピロックス、デフェロキサミン、および2,2−ジピリジルの化学構造を示す図。
図6Aおよび図6Bは、α7βgal+/−筋管およびFDアッセイを用いた、シクロピロックス、デフェロキサミン、および2,2−ジピリジルについての用量反応曲線を示す図。
図7は、鉄キレート剤2,2−ジピリジルおよびデフェロキサミンによりDMD筋管におけるα7タンパク質が増加することを示す図。2,2−ジピリジルまたはデフェロキサミンいずれかで治療後のDMD筋管では、ウェスタン分析によりわかるように、αインテグリンタンパク質の増加を示した。N=3複製、**P<0.01;*P<0.05。
図8は、コレスタンにより、マウスおよびDMD筋細胞においてα7インテグリンプロモーター作用が増加することを示す図。α7βgal+/−筋管においてレスタンを使用することにより典型的な容量反応が得られた。コレスタンを用いたMD筋管を治療した結果、コントロールと比較してα7インテグリンタンパク質が増加した。
図9は、化合物1001、1002、および1003によるα7インテグリンプロモーター作用の活性化を示す図。α7βgal+/−筋管を用いた化合物1001、1002、および1003について、薬物用量に対してレポーター活性が倍増することを示す典型的な用量反応曲線が得られた。
図10は、化合物1002および1003のアナログについての例示的な合成経路を示す図。
図11は、α7インテグリンの強化が治療に役立つ筋ジストロフィーの2つの例を示す概略図。DMDにおけるジストロフィンの欠如(A)またはMDC1Dにおけるαジストログリカングリコシル化(B)は、膜統合性欠陥および筋鞘剥離の原因となる。α7β1インテグリンの強化により、膜統合性が向上し、筋鞘剥離が最小限に抑えられ、DMD(B)およびMDC1D(D)における疾病の進行が緩和される。
図12A図12Dは、蛍光活性化セルソーター(FACS)分析による散布図であり、100nMのLAM−111および蛍光β−gal基質でα7β1−gal+/−筋管を24時間治療した結果、α7インテグリン発現がPBS治療と比べて増加したことを示す。PBSで24時間治療したα7β1−gal+/−筋管のFACS(A)、PBSとそれに続く蛍光β−gal基質FDG(分子プローブ)(B)、および100nMのLAM−111とそれに続くFDG(C)。(D)PBS(赤)、PBS+FDG(青)、およびLAM−111+FDG(緑)で治療後のα7βgal+/−筋管の蛍光ピーク。各試料は、ベックマンコールターXL/MCIフローサイトメーターで実行し、FlowJoソフトウェアを用いて分析した。X軸:FITC蛍光(A−C);Y軸:細胞数、(D);Y軸:最大蛍光%。
図13A〜図13Dは、C2C12(A、B)およびDMD(C、D)筋芽細胞からのタンパク質抽出物を、まず、PBSまたは100nMのLAM−111で治療し、その後α7BインテグリンおよびCox−1ローディング標準についてウェスタン分析した、ウェスタン研究を示す図である。*=p<0.05。
図14A〜図14Uは、野生型(A〜G)、PBS治療後のmdxマウス(H〜N)、およびLAM−111治療後のmdxマウス(O〜U)からのTA筋断面のデジタル画像である。ジストロフィン(A、H、O)、LAM−111(B、I、P)、ヘマトキシリンおよびエオジン(C、J、Q)、エバンスブルー色素吸収(D、K、R)、α7インテグリン(E、L、S)、ユートロフィン(F、M、T)、およびα−ブンガロトキシン(G、N、U)の検出。図14V〜図14Wは、野生型(黒抜き)、PBS治療後のmdx(白抜き)およびLAM−111治療後(灰棒)のmdxマウスのTA筋におけるエバンスブルー色素(EBD)陽性筋線維(パネルV)の率および中心核(CLN)の率(パネルW)を示す図。n=5マウス/1群、1動物当たり1000線維をカウントした。*=p<0.05、**=p<0.001。
図15A〜図15Dに、免疫ブロット検出および骨格筋タンパク質を定量化した結果を示す。TA筋にPBSまたはLAM−111を一回筋肉内注射した4週後、TA筋をウェスタン分析(A)し、その後、α7A(B)、α7B(C)、およびユートロフィン(D)の濃度測定デンシトメトリー)を行った。濃度測定地をCox−1標準に正規化した。*=p<0.05.
図16A〜図16Kは、mdx骨格筋および心筋の全体にわたるLAM−111分散(distributes)の腹腔送達を示すデジタル画像である。野生型(A、D、G)、PBS治療後のmdx(B、E、H、J)、およびLAM−111治療後のmdxマウス(C、F、I、K)の心臓(A、B、C)、隔膜(D、E、F、J、K)、および腓腹(G、H、I)における免疫蛍光検出。図16A〜図16C:100倍、図16D〜図16I:63倍。
図17A〜図17Cは、LAM−111の腹腔内送達語の血液化学を示す3つの棒グラフを含む。野生型(黒抜き)、PBS治療後のmdxマウス(白抜き)、およびLAM−111治療後のmdxマウス(灰色抜き)における血清クレアチンキナーゼCK)活性(図17A)、クレアチン図17B)、および血液尿素窒素(BUN)(図17C)。n=5マウス/群、*=p<0.05(59)。
図18A〜図18Cは、LAM−111による予備治療によりmdxTAの離心運動損傷が防止されることを示す図である。PBS(図18A)またはLAM−111(図18B)で予備治療し、4週後に下り勾配トレッドミルで運動させたmdxマウスのTAにおけるエバンスブルー色素吸収。PBSまたはLAM−111で予備治療し、安静を維持するかまたは2週後に下り勾配トレッドミルで運動させた(図18C)mdxマウスのTAにおけるエバンスブルー色素吸収率。n=4マウス/群。スケールバー=200μm。**=p<0.001(59)。
図19は、MDC1AについてのdyWマウスモデルにおける筋疾患がLAM−111により寛解することを示す図。WT、PBS治療したdyW、およびLA−111治療したdyWマウスの骨格細胞LAM−111(上図)およびH&E染色(下図)の免疫蛍光検出。動物に、1mg/kgのLAM−111を、生後10日を最初に1週間に2回腹腔内注射し、7週齢で組織を培養した。スケールバー20μM。
図20A図20Cに、LAM−111の全身投与により、dyW骨格筋の筋病理学が減少することを示す。dyWマウスにLAM−111を複数回全身投与した結果、中心核のある筋線維率が減少(図20A)、エバンスブルー色素陽性筋線維率が減少(図20B)、およびTUNEL陽性筋線維率が減少(図20C)した。PBS治療したdyW(黒抜き)、LAM−111治療したdyW(灰色抜き)、およびWT(白抜き)マウス。動物に、1mg/kgのLAM−111を、生後10日を最初に1週間に2回腹腔内注射した。7週齢で組織を培養した。*=p<0.05、**=p<0.001。
図21は、本開示のアナログのα7インテグリンプロモーター作用に対する効果を示す用量反応グラフである。α7βgal+/−筋線維を用いた特定のアナログについて、薬物用量に対してレポーター活性が倍増することを示す典型的な用量反応曲線が得られた。
図22は、本開示のアナログのα7インテグリンプロモーター作用に対する効果を示す用量反応グラフである。α7βgal+/−筋線維を用いた特定のアナログについて、薬物用量に対してレポーター活性が倍増することを示す典型的な用量反応曲線が得られた。
図23は、本開示のアナログのα7インテグリンプロモーター作用に対する効果を示す用量反応グラフである。α7βgal+/−筋線維を用いた特定のアナログについて、薬物用量に対してレポーター活性が倍増することを示す典型的な用量反応曲線が得られた。
図24は、本開示のアナログのα7インテグリンプロモーター作用に対する効果を示す用量反応グラフである。α7βgal+/−筋線維を用いた特定のアナログについて、薬物用量に対してレポーター活性が倍増することを示す典型的な用量反応曲線が得られた。
図25は、本開示のアナログのα7インテグリンプロモーター作用に対する効果を示す用量反応グラフである。α7βgal+/−筋線維を用いた特定のアナログについて、薬物用量に対してレポーター活性が倍増することを示す典型的な用量反応曲線が得られた。
図26は、本開示のアナログのα7インテグリンプロモーター作用に対する効果を示す用量反応グラフである。α7βgal+/−筋線維を用いた特定のアナログについて、薬物用量に対してレポーター活性が倍増することを示す典型的な用量反応曲線が得られた。
図27は、本開示のアナログのα7インテグリンプロモーター作用に対する効果を示す用量反応グラフである。α7βgal+/−筋線維を用いた特定のアナログについて、薬物用量に対してレポーター活性が倍増することを示す典型的な用量反応曲線が得られた。
図28は、本開示のアナログのα7インテグリンプロモーター作用に対する効果を示す用量反応グラフである。α7βgal+/−筋線維を用いた特定のアナログについて、薬物用量に対してレポーター活性が倍増することを示す典型的な用量反応曲線が得られた。
図29Aは、表11に示す化合物の合成を示す図。
図29Bは、表11に示す化合物の合成を示す図。
図29Cは、表11に示す化合物の合成を示す図。
図29Dは、表11に示す化合物の合成を示す図。
図29Eは、表11に示す化合物の合成を示す図。
図29Fは、表11に示す化合物の合成を示す図。
図29Gは、表11に示す化合物の合成を示す図。
図29Hは、表11に示す化合物の合成を示す図。
図30は、DMSOコントロール、10μMのMLS000683232−01(IED−232)、10μMのMLS001165937−01(IED−937)、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPBCD)コントロール、またはHPBCD中の12μMのSU9516を用いて24時間治療したC2C12筋芽細胞および筋管におけるItga7、Itgb1、およびLama2転写物レベルの評価に用いた定量的リアルタイムPCR結果を示すデジタル画像である。*は、相対転写レベルにおける有意差を示し、**p値<0.01および***p<0.001である。
図31は、DMSOコントロール、10μMのMLS000683232−01(IED−232)、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン(HPBCD)コントロール、またはHPBCD中の12μMのSU9516で48時間治療したC2C12筋管におけるα7インテグリンおよびGAPDタンパク質レベルウェスタンブロットおよび定量分析のデジタル画像である。ImageJソフトウェアを用いて各帯域を定量化し、その後、GAPDHタンパク質レベルに対するαインテグリンタンパク質レベルとしてグラフ化した。*は、相対タンパク質レベルにおける有意差を示し、**p<0.01である。
図32は、本開示のα7β1インテグリン調製因子の特定の実施形態を用いたスクリーニング(screen)から得た結果(薬剤の種々の濃度における対DMSO蛍光)の画像である。

0019

I.いくつかの実施形態の概要
本明細書において、α7β1インテグリン発現調節因子、およびそれを用いて、例えば
筋ジストロフィー等の、α7β1インテグリン発現障害に関連する症状を治療する方法を
開示する。本開示は、米国仮特許出願第61/533,059号に開示された内容に関連
し、その全体を参照により本明細書において援用する。さらに、本開示の各化合物は、米
国仮特許出願第61/798,479号明細書の別紙I(表6)および別紙II(表7)
において特定されたものとしてもよく、当該表に記載される特徴を有していてもよい。記
載の各特徴は、本願発明の根底にある記述的課題の解決に貢献するものとみなされる。記
載の各特徴として、例えば、筋ジストロフィーを有する患者を治療するのに適したα7β
1インテグリン調節的活性、α7β1インテグリン発現の促進、被験体における筋傷害ま
たは損傷の防止または抑制、被験体における筋再生の促進または維持、およびその組み合
わせ等が挙げられる。

0020

一実施形態において、筋ジストロフィーを有する被験体を治療する方法を開示する。本
方法は、筋ジストロフィーを有する被験体にα7β1インテグリン調節因子の有効量を投
与することを含み、α7β1インテグリン調節因子は、シクロピロックス・エタノール
ミン、デフェロキサミン、2,2−ジピリジル;5α−コレスタン−3β−オル−6−オ
ン、化合物ID#1001、化合物ID#1002、化合物ID#1003、N032−
0003、N066−0070、N069−0071、N069−0075、N064−
0028、N066−0053、N069−0073、1080−0573、または本明
細書において記載した化合物、例えば、表10、表11、表6(米国仮特許出願第61/
796,476号明細書の別紙I参照)、表7(米国仮特許出願第61/796,476
号明細書の別紙II参照)、表13に記載したもののうちのいずれか1つ、またはその組
み合わせであり、α7β1インテグリン調節因子は、α7β1インテグリンの発現または
活性を未治療のα7β1インテグリン発現または活性と比較して増加させることにより、
筋ジストロフィーを有する被験体を治療するものである。

0021

いくつかの実施形態において、筋ジストロフィーを有する被験体を治療する方法は、α
7β1インテグリン調節因子の有効量を、筋ジストロフィーを有する被験体に投与するこ
とを含み、前記α7β1インテグリン調節因子は、シクロピロックス・エタノールアミン
、デフェロキサミン、2,2−ジピリジル;5α−コレスタン−3β−オル−6−オン、
N032−0003、N066−0070、N069−0071、N069−0075、
N064−0028、N066−0053、N069−0073、1080−0573、
および以下の式、すなわち、



;または

から選択した式を有する薬剤で構成され、
式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、C1−10アルキル置換C1−10アル
ル、C1−10アルコキシ、置換C1−10アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシル
オキシ、アシルC1−10アルコキシ、アミノ置換アミノアミノアシル、アミノカル
ニルC1−10アルキル、アミノカルボニルアミノ、アミノジカルボニルアミノ、アミ
カルボニルオキシアミノスルホニル、C6−15アリール、置換C6−15アリール
、C6−15アリールオキシ、置換C6−15アリールオキシ、C6−15アリールチオ
、置換C6−15アリールチオ、カルボキシルカルボキシエステル、(カルボキシエス
テル)アミノ、(カルボキシエステル)オキシ、シアノ、C3−8シクロアルキル、置換
C3−8シクロアルキル、(C3−8シクロアルキル)オキシ、置換(C3−8シクロア
キル)オキシ、(C3−8シクロアルキル)チオ、置換(C3−8シクロアルキル)チ
オ、ハロヒドロキシル、C1−10ヘテロアリール、置換C1−10ヘテロアリール、
C1−10ヘテロアリールオキシ、置換C1−10ヘテロアリールオキシ、C1−10ヘ
テロアリールチオ、置換C1−10ヘテロアリールチオ、C2−10ヘテロシクリル、C
2−10置換ヘテロシクリル、C2−10ヘテロシクリルオキシ、置換C2−10ヘテロ
シクリルオキシ、C2−10ヘテロシクリルチオ、置換C2−10ヘテロシクリルチオ、
イミノオキソスルホニルスルホニルアミノチオール、C1−10アルキルチオ
および置換C1−10アルキルチオ、チオカルボニルから選択され;または
2つのR1置換基は、おのおのが結合する原子とともに、C6−15アリール、置換C
6−15アリール、C3−8シクロアルキル、置換C3−8シクロアルキル、C1−10
ヘテロアリール、置換C1−10ヘテロアリール、C2−10置換ヘテロシクリル、およ
び置換したC2−10ヘテロシクリルオキシから選択される環を形成してもよく;
2つのR2置換基は、おのおのが結合する原子とともに、C6−15アリール、置換C
6−15アリール、C3−8シクロアルキル、置換C3−8シクロアルキル、C1−10
ヘテロアリール、置換C1−10ヘテロアリール、C2−10置換ヘテロシクリル、およ
び置換したC2−10ヘテロシクリルオキシから選択される環を形成してもよく;
A、B、C、D、E、およびFはそれぞれ独立して、炭素窒素酸素、または硫黄
ら選択することができ;および
nはゼロ、1、2、3、4、または5とすることができ;または
これらの化合物の組み合わせであって、
前記α7β1インテグリン調節因子により、α7β1インテグリンの発現または活性を
治療前のα7β1インテグリンの発現または活性と比較して増加させることによって、
筋ジストロフィーを有する被験体を治療することを特徴とする。特定の開示の実施形態は
、表10、11、6、および/または7に記載の化合物のうち1つ以上に関する(表6に
ついては米国仮特許出願第61/796,476号明細書の別紙I、表7については米国
仮特許出願第61/796,476号明細書の別紙II参照)。

0022

いくつかの実施形態において、筋ジストロフィーは、メロシン欠損型先天性筋ジストロ
フィー1A型(MDC1A)、メロシン欠損型先天性筋ジストロフィー1D型(MDC1
D)、肢体型筋ジストロフィー(LGMD)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD
)、福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)または顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー
(FHMD)である。

0023

いくつかの特定の実施形態において、筋ジストロフィーは、DMD、MDC1A、また
はFCMDである。

0024

特定の一実施形態において、筋ジストロフィーはDMDである。

0025

いくつかの実施形態において、α7β1インテグリン調節因子は、付加的な治療剤とと
もに投与される。

0026

いくつかの実施形態において、付加的な治療剤は、コスタメリックタンパク質、成長
子、サテライト細胞幹細胞ミオサイト、または付加的なα7β1インテグリン調節因
子である。

0027

いくつかの実施形態において、付加的なα7β1インテグリン調節因子は、ラミニン−
111、ラミニン−111フラグメント、バルプロ酸、またはバルプロ酸アナログである

0028

いくつかの実施形態において、本方法は筋ジストロフィーを有する被験体を選択するこ
とをさらに含む。

0029

いくつかの実施形態において、筋ジストロフィーを有する被験体を選択することは、前
記α7β1インテグリン調節因子の有効量を被験体に投与する前に筋ジストロフィーを有
する被験体を診断することを含む。

0030

他の実施形態において、被験体において筋の再生、修復、または維持を促進する方法を
開示する。

0031

いくつかの実施形態において、本方法は、α7β1インテグリン調節因子の有効量を、
筋ジストロフィーを有する被験体に投与することを含み、α7β1インテグリン調節因子
は、シクロピロックス・エタノールアミン、デフェロキサミン、2,2−ジピリジル;5
α−コレスタン−3β−オル−6−オン、化合物ID#1001、化合物ID#1002
、化合物ID#1003、N032−0003、N066−0070、N069−007
1、N069−0075、N064−0028、N066−0053、N069−007
3、1080−0573、または本明細書に記載の化合物、例えば表10、表11、表6
(2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/796,476号明細書の
別紙I参照、参照によりその全体を本明細書に援用する)、表7(2013年3月15日
に出願された米国仮特許出願第61/796,476号明細書の別紙II参照、参照によ
りその全体を本明細書に援用する)、表13に記載したもののうちのいずれか1つ、また
はその組み合わせであり、α7β1インテグリン調節因子は、α7β1インテグリンの発
現または活性を未治療のα7β1インテグリン発現または活性と比較して増加させること
により、被験体における筋再生、修復、維持を促進するものである。

0032

いくつかの実施形態において、本方法は、被験体が筋損傷または疾患を発症する前に、
α7β1調節因子を投与することを含む。

0033

いくつかの実施形態において、本方法は、被験体において筋肉維持を促進する方法であ
る。

0034

いくつかの実施形態において、被験体が運動する前にα7β1インテグリン調節因子を
投与する。

0035

いくつかの実施形態において、α7β1インテグリン調節因子を、筋疾患または損傷に
罹患するリスクのある被験体、例えば高齢の被験体に投与する。

0036

いくつかの実施形態において、本方法は、筋の再生、修復、または維持を促進する必要
のある被験体を選択することも含む。

0037

いくつかの実施形態において、筋の再生、修復、または維持を促進する必要のある被験
体を選択することは、α7β1インテグリン調節因子の有効量を被験体に投与する前に、
再生障害を特徴とする症状のある被験体を診断することを含む。

0038

いくつかの実施形態において、筋の再生、修復、または維持を促進する必要のある被験
体を選択することは、α7β1インテグリン調節因子の有効量を被験体に投与する前に、
α7β1インテグリンの成分生成障害を特徴とする症状のある被験体を診断することを含
む。

0039

いくつかの実施形態において、α7β1インテグリン調節因子は付加的な治療剤と共に
投与される。

0040

いくつかの実施形態において、付加的な治療剤は、コスタメリックタンパク質、成長因
子、サテライト細胞、幹細胞、ミオサイト、または付加的なα7β1インテグリン調節因
子である。

0041

いくつかの実施形態において、付加的なα7β1インテグリン調節因子は、ラミニン−
111、ラミニン−111フラグメント、バルプロ酸、またはバルプロ酸アナログである

0042

さらなる実施形態において、被験体における筋傷害または損傷を予見的に防止または抑
制する方法を開示する。

0043

いくつかの実施形態において、本方法は、α7β1インテグリン調節因子を被験体に投
与することを含み、α7β1インテグリン調節因子は、シクロピロックス・エタノールア
ミン、デフェロキサミン、2,2−ジピリジル;5α−コレスタン−3β−オル−6−オ
ン、化合物ID#1001、化合物ID#1002、化合物ID#1003、N032−
0003、N066−0070、N069−0071、N069−0075、N064−
0028、N066−0053、N069−0073、1080−0573、または本明
細書において記載した化合物、例えば表10、表11、表6(2013年3月15日に出
願された米国仮特許出願第61/796,476号明細書の別紙I参照、参照によりその
全体を本明細書に援用する)、表7(2013年3月15日に出願された米国仮特許出願
第61/796,476号明細書の別紙II参照、参照によりその全体を本明細書に援用
する)、表13に記載したもののうちのいずれか1つ、またはその組み合わせであり、α
7β1インテグリン調節因子は、α7β1インテグリンの発現または活性を未治療のα7
β1インテグリン発現または活性と比較して増加させることにより、被験体における筋傷
害または損傷を予見的に防止または抑制する。

0044

いくつかの実施形態において、被験体は筋傷害または損傷を発症するリスクがある。

0045

いくつかの実施形態において、α7β1インテグリン調節因子は付加的な治療剤ととも
に投与される。

0046

いくつかの実施形態において、付加的な治療剤は、コスタメリックタンパク質、成長因
子、サテライト細胞、幹細胞、ミオサイト、または付加的なα7β1インテグリン調節因
子である。

0047

いくつかの実施形態において、付加的なα7β1インテグリン調節因子は、ラミニン−
111、ラミニン−111フラグメント、バルプロ酸、またはバルプロ酸アナログである

0048

さらに別の実施形態において、α7β1インテグリンの発現を促進する方法を提供する

0049

いくつかの実施形態において、本方法は、細胞をα7β1インテグリン調節因子の有効
量と接触させることを含み、α7β1インテグリン調節因子はシクロピロックス・エタノ
ルアミン、デフェロキサミン、2,2−ジピリジル;5α−コレスタン−3β−オル−
6−オン、化合物ID#1001、化合物ID#1002、化合物ID#1003、N0
32−0003、N066−0070、N069−0071、N069−0075、N0
64−0028、N066−0053、N069−0073、1080−0573、また
は本明細書において記載した化合物、例えば表10、表11、表6(2013年3月15
日に出願された米国仮特許出願第61/796,476号明細書の別紙I参照、参照によ
りその全体を本明細書に援用する)、表7(2013年3月15日に出願された米国仮特
許出願第61/796,476号明細書の別紙II参照、参照によりその全体を本明細書
に援用する)、表13に記載したもののうちのいずれか1つ、またはその組み合わせであ
り、治療後の細胞におけるα7β1インテグリンの発現を未治療の細胞におけるα7β1
インテグリンの発現と比較して増加させることにより、α7β1インテグリンの発現を促
進する。

0050

いくつかの実施形態において、細胞は筋細胞である。

0051

いくつかの実施形態において、筋細胞は哺乳動物に存在し、前記細胞を薬剤に接触させ
ることは、当該薬剤を当該哺乳動物に投与することを含む。

0052

II.用語
本発明をより詳細に記載し、当業者が本発明を実施する際の手引きとなるよう、以下に
用語および方法について説明する。単数形の用語、例えば、詞「a」、「an」、および
「the」は、文脈から明らかにそうでないことが示されていない限り、複数のものについ
ても言及するものである。同様に、単語「or(または)」とは、文脈から明らかにそうで
ないことが示されていない限り、「and(および)」を含むことも意図するものである。
用語「comprises」は、「includes」を意味する。したがって、「AまたはBを含む(“c
omprising A or B,”)」は、「A、B、またはAおよびBを含む(“including A、B、o
r A およびB,”)」ということを意味するものであり、付加的な要素を排除するものでは
ない。

0053

さらに、核酸またはポリペプチドに与えられた、塩基の大きさまたはアミノ酸の大きさ
サイズ、および分子量または分子質量値は全て概数値であり、説明のために提供するもの
であることを理解されたい。本明細書において記載したものと同様または同等の方法およ
び物質を本発明の実施または実験において用いることができるが、好適な方法および物質
を以下に記載する。

0054

特に説明がない限り、本明細書において用いる技術的および科学的用語は全て、本発明
が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を持つ。分
生物学における一般的な用語の定義は、以下に見出すことができる。例えば、ベンジャ
ミン・レウィン(Benjamin Lewin)らによる「遺伝子V(Genes V)」、オックスフォ
ド大学版、1994年(ISBN 0-19-854287-9);ケンドリュー(Kendrew(eds.))らに
よる「分子生物学百科事典(The Encyclopedia of Molecular Biology)、ブラックウェ
ルサエンス社(Blackwell Science Ltd.)版、1994年(ISBN 0-632-02182-9);お
よび、ロバート・A・メイヤーズ(Robert A. Meyers(ed.))による「分子生物学およ
生物工学:包括的便覧(Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Des
k Reference)、VC出版社版、1995年(ISBN 1-56081-569-8)である。

0055

別段の指示がない限り、本明細書において明確に定義されていない置換基の学名は、官
能基の末端部を命名し、続いて付着点(point of attachment)に向かって隣接する官能
基を命名することにより得られる。
上記の定義は、許容外の置換パターン(例えば、5つの異なる基で置換したメチル、5
価の炭素等)を含むことを意図したものでないことは、当業者には理解されるであろう。
そのような許容外の置換パターンは当業者により容易に識別される。

0056

本明細書において言及する全ての出版物、特許出願、特許、およびその他の文献は、そ
の全体が援用により組み込まれる。開示されているGenBankアクセッション番号に
おいて提供される全ての配列は、2011年8月11日付で利用なものが、援用により本
明細書に組み込まれる。相反する場合、用語の説明を含む本明細書が優先する。さらに、
物質、方法、および例は単なる例示であり、限定を意図するものではない。

0057

本開示の種々の実施形態の精査を簡便なものとするため、特定の用語について以下に説
明する。

0058

投与:任意の効果的な経路で被験体に、1つ以上の薬剤、例えば、α7β1発現を増加
および/または筋ジストロフィーに関連する1つ以上の症状を治療する薬剤等を、提供ま
たは与えること。投与経路の例としては、限定しないが、注射(皮下注射、筋肉注射、皮
内注射、腹腔内投与、および静脈注射等)、経口、下、経直腸経皮経鼻腔、経膣
および吸入等が挙げられる。

0059

薬剤:任意のタンパク質、核酸分子化学修飾した核酸を含む)、化合物、抗体、小分
子、有機化合物無機化合物、またはその他の対象とする分子。薬剤の例としては、治療
剤、診断薬、または医薬品が挙げられる。治療剤または医薬品は、単独で、または、付加
的な化合物と一緒に使用して、所望の反応を誘導するものである(例えば、被験体に投与
したときに、ジストロフィーを有する被験体を治療することを含め、治療的又は予防的効
果を誘導する等)。

0060

いくつかの例では、薬剤は、α7β1の発現および/または活性を直接または間接的に
変更するように作用可能である。特定の例において、薬剤は、(筋ジストロフィー関連分
子である)α7β1の発現および/または活性を有意に増加し、それによって、筋ジスト
ロフィーに関連する1つ以上の兆候または症状を治療する。治療剤の一例として、筋ジス
トロフィーに関連するα7β1遺伝子または遺伝子産物の活性を変更可能なものが挙げら
れ、その変更とは、例えば、臨床反応によって測定されるものである(生存可能時間の増
加または筋ジストロフィーに関連する1つ以上の兆候または症状の減少等)。

0061

「筋肉の健康を改善する」とは、先在する状態と比較して、または治療をしないことに
より発生しうる状態と比較して、筋肉の健康を改善することをいう。例えば、筋肉の健康
を改善することは、筋再生、維持、または修復を強化することを含みうる。筋肉の健康を
改善することは、また、被験体を予見的に治療して筋損傷または筋障害を防止または減少
することも含みうる。

0062

「再生」とは、傷害または損傷後に、筋細胞または筋細胞を含む組織(または臓器)等
の細胞または組織を修復して、当該筋肉または組織の少なくとも一部を傷害または損傷が
起こる前の細胞または組織の状態に回復することをいう。再生とは、また、疾患を有する
被験体において、疾患により影響を受けている細胞または組織の修復を容易にして、疾患
の影響を排除し、または寛解させることである。より具体的な例において、細胞または組
織が再生されると、その生理的状態は、疾病が存在しないときと同じになるか、または損
害または損傷発生前のように改善される。

0063

細胞または組織、例えば、筋細胞または筋組織を含む組織(または臓器)の「維持」と
は、筋細胞または筋組織等の細胞または組織を、少なくとも実質的に同一の生理的状態に
維持することを意味し、例えば、通常は損傷、損害、または疾病の原因となりうる刺激剤
の存在下においても、そのような状態を維持することを指す。

0064

細胞または組織、例えば、筋細胞または筋組織を含む組織(または臓器)の「修復」と
は、損傷またはその他の外傷後に、当該細胞または組織への損傷を治癒する生理的プロセ
スを指す。

0065

「医薬品」とは、単独で、または別の薬剤または医学的に許容される担体と組み合わせ
て被験体に投与したときに所望の治療的または予防的効果を誘導することが可能な化学
質または化学組成物である。特定の例において、医薬品は、α7β1の発現および/また
は活性を有意に増加することにより、α7β1の発現/活性の減少に関連する症状や疾病
、例えば筋ジストロフィー等を治療する。

0066

アシル:H−C(O)−、アルキル−C(O)−、置換アルキル−(O)−、シクロア
ルキル−C(O)−、置換シクロアルキル−C(O)−、置換アリール−C(O)−、ヘ
テロアリール−C(O)−、置換ヘテロアリール−C(O)−、ヘテロシクリル−C(O
)−、および置換ヘテロシクリル−C(O)−。

0067

アシルアミノ:−NRaC(O)アルキル、−NRaC(O)置換アルキル、−NRa
C(O)シクロアルキル、−NRaC(O)置換シクロアルキル、−NRaC(O)シク
ロアルケニル、−NRaC(O)置換シクロアルケニル、−NRaC(O)アルケニル
−NRaC(O)置換アルケニル、−NRaC(O)アルキニル、−NRaC(O)置換
アルキニル、−NRaC(O)アリール、−NRaC(O)置換アリール、−NRaC(
O)ヘテロアリル、−NRaC(O)置換ヘテロアリル、−NRaC(O)ヘテロシクリ
ル、および−NRaC(O)置換ヘテロシクリルであり、Raは、水素、アルキル、アリ
ール、およびシクロアルキルから選択される。

0068

アシルオキシ:アルキル−C(O)O−、置換アルキル−C(O)O−、アリール−C
(O)O−、置換アリール−C(O)O−、シクロアルキル−C(O)O−、置換シクロ
アルキル−(O)O−、ヘテロアリル−C(O)O−、置換ヘテロアリル−C(O)O−
、ヘテロシクリル−C(O)O−、および置換ヘテロシクリル−C(O)O−。

0069

アシルアルキルオキシ:アルキル−C(O)アルキルO−、置換アルキル−C(O)ア
ルキルO−、アリール−C(O)アルキルO−、置換アリール−C(O)アルキルO−、
シクロアルキル−C(O)アルキルO−、置換シクロアルキル−C(O)アルキルO−、
ヘテロアリル−C(O)アルキルO−、置換ヘテロアリール−C(O)アルキルO−、ヘ
テロシクリル−C(O)アルキルO−、および置換ヘテロシクリル−C(O)アルキルO
−。

0070

アルキル:炭素数1〜10の、飽和または不飽和一価炭化水素(例えば、C1−10ア
ルキル)であり、1水素元素親化合物(例えば、アルカンアルケンアルキン)の1
炭素原子から除去することにより得られる。アルキル基分岐でも直鎖でもよい。

0071

アルケニル:炭素数1〜10の、飽和または不飽和一価炭化水素(例えば、C2−10
アルケニル)であり、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有し、親アルケンの1炭素
原子から1水素原子を除去することにより得られる。アルケニル基は、分岐、直鎖、環状
、シス、またはトランス(例えば、EまたはZ)でもよい。

0072

アルキニル:炭素数1〜10の、不飽和一価炭化水素(例えば、C2−10アルキニル
)であり、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有し、親アルケンの1炭素原子から1
水素元素を除去することにより得られる。アルキニル基は、分岐、直鎖、または環状でも
よい。

0073

アルコキシ:−O−アルキル(例えば、メトキシエポキシ、n−プロポキシイソ
ロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ)。

0074

アルキルチオ:−S−アルキルであって、アルキルは本明細書で定義したもの。本用語
は、硫黄の酸化体、例えば、−S(O)−アルキル、または−S(O)2−アルキルをも
包含する。

0075

アミノ:−NH2。

0076

アミノカルボニル:−C(O)N(Rb)2であって、各Rbは、それぞれ独立して、
水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロ
アルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル
から選択される。また、各Rbは、任意選択で、それに結合した窒素と一体となってヘテ
ロシクリルまたは置換ヘテロシクリル基を形成してもよいが、ただし、Rbの両方が水素
である場合についてはこの限りではない。

0077

アミノカルボニルアルキル:−アルキルC(O)N(Rb)2であって、各Rbは、そ
れぞれ独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアル
キル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置
換ヘテロシクリルから選択される。また、各Rbは、任意選択で、それに結合した窒素と
一体となってヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリル基を形成してもよいが、ただし、
Rbの両方が水素である場合についてはこの限りではない。

0078

アミノカルボニルアミノ:−NRaC(O)N(Rb)2であって、Raおよび各Rb
は本明細書において規定したものである。

0079

アミノジカルボニルアミノ:−NRaC(O)C(O)N(Rb)2であって、Raお
よび各Rbは本明細書において規定したものである。

0080

アミノカルボニルオキシ:−O−C(O)N(Rb)2であって、各Rbはそれぞれ独
立して本明細書において規定したものである。

0081

アミノスルホニル:−SO2N(Rb)2であって、各Rbはそれぞれ独立して本明細
書において規定したものである。

0082

アナログまたは誘導体:所望の目的のために元の化合物と同様の機能活性を有するよう
に、ある化合物に十分に一致する化合物。アナログまたは誘導体とは、コレスタン等の物
質の形態を指し、親化合物と比較して、少なくとも1つの官能基が変更、追加、または除
去されたもの。いくつかの例では、アナログの例を、例えば、表11に示す。「官能基」
とは、炭化水素ラジカル以外のラジカルを指し、物質に物理的または化学的特性を付加す
るものである。

0083

アリール:単環(例えば、フェニル)または複合縮合環(例えば、ナフチル)を有し、
炭素数6〜15の、一価の芳香族炭化水素環基であり、この縮合環は、付着点が芳香族
リール基の原子を介するならば、芳香族であってもなくてもよい。

0084

アリールオキシ:−O−アリール。

0085

アリールチオ:−S−アリールであって、アリールは本明細書において規定したもの。
本用語は、硫黄の酸化体、例えば、−S(O)−アリール、または−S(O)2−アリー
ルをも包含する。

0086

生物活性:薬剤が生体に与える有益または不利な効果。薬剤が複合化学混合物である場
合、活性は、その物質の有効成分またはファーマコフォアにより発揮されるが、その他の
成分によって修正可能である。活性は、一般に投与量によって決まるが、低投与量から高
投与量まで変化させた場合に1つの物質に対して有益な効果から不利な効果までを有する
ことも珍しくない。一例において、薬剤は、α7β1の生物活性を有意に増加させ、それ
によって筋ジストロフィーに関連する1つ以上の兆候または症状を低減する。

0087

接触:直接的な物理的結合に置くことであり、固体状および液体状の両方を含む。薬剤
と細胞との接触は、単離した細胞に薬剤を添加することにより体外(in vitro)において
行うか、または被験体に薬剤を投与することにより体内(in vivo)において行うことが
可能である。

0088

コントロール(対照):検査試料との比較に用いる試料または基準であり、筋ジストロ
フィー等特定の疾病または症状を有さない一患者(または複数の患者)から得た生体試料
等のこと。いくつかの実施形態において、コントロールは、健康な一患者(または複数の
患者)から得た試料であり(本明細書においては、「健常」コントロールともいう)、例
えば、健常生体試料等である。いくつかの実施形態において、コントロールは、既存コン
トロールまたは標準値(例えば、以前に検査した対照試料または試料群であって、ベース
ライン値または正常値(例えば、発現値)を表すものであり、例えば、筋ジストロフィー
を持たない被験体中の、例えばα7β1遺伝子等の特定の遺伝子、遺伝子産物のベースラ
イン値または正常値等)である。いくつかの例では、コントロールは、複数の患者試料
ら得た平均値(または値の平均範囲)(例えば、筋ジストロフィーを有さない被験体中の
、例えばα7β1等の遺伝子または遺伝子産物の平均値または値の範囲等)を示す標準値
である。

0089

カルボキシル:−COOHまたはその塩類

0090

カルボキシエステル:−C(O)O−アルキル、−C(O)O−置換アルキル、−C(
O)O−アリール、−C(O)O−置換アリール、−C(O)O−シクロアルキル、−C
(O)O−置換シクロアルキル、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)O−置換ヘ
テロアリール、−C(O)O−ヘテロシクリル、および−C(O)O−置換ヘテロシクリ
ル。

0091

(カルボキシエステル)アミノ:−NRa−C(O)O−アルキル、−NRa−C(O
)O−置換アルキル、−NRa−C(O)O−アリール、−NRa−C(O)O−置換ア
リール、−NRa−C(O)O−シクロアルキル、−NRa−C(O)O−置換シクロア
ルキル、−NRa−C(O)O−ヘテロアリール、−NRa−C(O)O−置換ヘテロア
リール、−NRa−C(O)O−ヘテロシクリル、および−NRa−C(O)O−置換ヘ
テロシクリルであって、Raは本明細書において記載したもの。

0092

(カルボキシエステル)オキシ:−O−C(O)O−アルキル、−O−C(O)O−置
換アルキル、−O−C(O)O−アリール、−O−C(O)O−置換アリール、−O−C
(O)O−シクロアルキル、−O−C(O)O−置換シクロアルキル、−O−C(O)O
−ヘテロアリール、−O−C(O)O−置換ヘテロアリール、−O−C(O)O−ヘテロ
シクリル、および−O−C(O)O−置換ヘテロシクリル。

0093

シアノ:−CN。

0094

シクロアルキル:縮合架橋、およびスピロ環系(例えば、シクロプロピル、シクロブ
チル等)を含む単環または多環を有する炭素数3〜10の環式アルキル(またはアルケニ
ル、またはアルキニル)基。

0095

(シクロアルキル)オキシ:−O−シクロアルキル。

0096

(シクロアルキル)チオ:−S−シクロアルキル。本用語は、硫黄の酸化体、例えば、
−S(O)−シクロアルキル、または−S(O)2−シクロアルキルをも包含する。

0097

減少する:あるものの品質、量、強度を減らすこと。一例において、ある治療によって
、筋ジストロフィーに関連する1つ以上の兆候を、例えば、治療を行わない場合の反応と
比較して、減少する。

0098

診断:筋ジストロフィー等の疾病をその前兆、兆候、および様々な検査の結果により特
定するプロセス。そのプロセスを経て下した結論も、「診断」と呼ばれる。一般的に行わ
れる検査の形態の例としては、血液検査画像診断尿検査、および生検がある。

0099

有効量:症状または疾病に関連する1つ以上の兆候または症状を低減または抑制する等
、所望の反応を生成するのに十分な薬剤の量。被験体に投与する際は、目標とする組織/
細胞濃度を達成するような投与量を用いることが一般的である。いくつかの例では、「有
効量」とは、1つ以上の兆候および/または任意の疾患および疾病の遠因を治療するもの
である。いくつかの例では、「有効量」とは、治療的有効量であって、薬剤が単独で、付
加的な治療剤(例えば、抗病原体剤)と共に、DMD、FCMD、またはMDC1A等の
筋ジストロフィーの治療等、所望の反応をひき出すものである。

0100

特定の例において、有効量とは、α7β1遺伝子の発現または活性を、少なくとも20
%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少な
くとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、またさらには少なくとも100%
(検出できない程度にまで疾病を解消すること)増加可能な薬剤の量である。

0101

いくつかの例において、有効量とは、単独で、または医学的に許容される担体または1
つ以上の付加的な治療剤と共に、所望の反応を誘導する薬剤の量である。

0102

一例において、所望の反応とは、疾病の進行を遅らせる、例えば、筋ジストロフィーの
進行を遅らせることにより被験体の生存可能時間を増加することである。疾病が必ずしも
完全に抑制されなくても、当該医薬品を有効とする。例えば、医薬品により、その医薬品
を使わない場合の一般的な進行と比較して、疾病の進行を所望の程度、例えば、少なくと
も20%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%
、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、またさらには少なくとも1
00%減少しうる。

0103

別の、または追加の例において、被験体内の筋ジストロフィーの兆候を部分的または完
全に緩和するのに十分な量である。治療は、疾病の進行を一時的に減速することだけでな
く、疾病の進行を永久に停止または後退させることをも含みうる。

0104

本明細書に記載の薬剤の有効量は、多くの様々な方法により決定することができる。そ
のような方法の例としては、例えば、被験体内の筋ジストロフィーに関連する1つ以上の
兆候または症状の減少を分析評価(アッセイ)すること、または筋ジストロフィーに関連
することが知られている1つ以上の分子の発現レベルを測定すること等がある。有効量は
、また、本明細書に記載した検査をはじめとする、体外(in vitro)、体内(in vivo)
、原位置(in situ)での様々な分析評価(アッセイ)により決定することができる。

0105

本開示の治療剤は、治療の過程において、例えば毎日単回投与または多回投与可能で
ある。しかしながら、有効量は、適用したソース(例えば、細胞抽出液から単離した核酸
分子対化学合成および精製した核酸)、治療対象の被験体、治療する症状の重篤度および
種類、および投与方法によって決まる。

0106

発現:コード化した遺伝子情報を、細胞の機能部分、非機能部分、構造部分へと変換す
る、例えばタンパク質合成等のプロセス。遺伝子発現は、外部信号の影響を受けることが
ある。例えば、細胞にホルモンが作用すると、ホルモン誘起遺伝子の発現が促進される。
異なる種類の細胞は、同一信号に対して異なる反応を示すことがある。遺伝子の発現は、
また、DNAからRNA、タンパク質までの経路の任意の箇所でレギュレーションが可能
である。レギュレーションとは、転写翻訳、RNA輸送および処理、mRNA等の中間
分子の分解についての制御、または、生成後の特定のタンパク質分子の活性化、不活性化
区画化または分解を介した制御を含みうる。一例において、α7β1の発現等の発現を
調節(レギュレート)して、筋ジストロフィーに関連する1つ以上の兆候または症状を治
療することができる。

0107

核酸分子の発現は、正常(野生型)核酸分子に対して変更することができる。核酸の変
更、例えば示唆的発現等の例としては、限定はしないが、(1)過剰発現、(2)過小発
現、または(3)発現の抑制、等が挙げられる。核酸分子の発現における変更は、対応す
るタンパク質の発現における変化と関連付けることができ、また、実際にその原因ともな
りうる。タンパク質の発現についても、若干変更されて、正常(野生型)の状況における
タンパク質の発現とは異なるものとなる場合がある。そのようなタンパク質発現の例とし
ては、限定はしないが、次のようなものがある。例えば、(1)1つ以上のアミノ酸残基
が異なるような、タンパク質の突然変異;(2)タンパク質配列から、アミノ酸残基の1
つまたはいくつか(例えば、10〜20以下)を短数列削除または追加すること;(3)
タンパク質の全ドメインまたはサブドメインを削除または追加するような、アミノ酸残基
の長配列(例えば、少なくとも20残基)を削除または追加すること;(4)コントロ
ルまたは標準量に対するタンパク質の発現量の増加;(5)コントロールまたは標準量に
対するタンパク質の発現量の減少;(6)タンパク質の細胞内局在または標的の変更;(
7)時間的にレギュレートされたタンパク質発現の変更(タンパク質が通常発現しないで
あろうときに発現するように、またはタンパク質が通常発現するであろうときに発現しな
いようにする等);(8)タンパク質が細胞内で局在化したままになる時間的寿命を増加
することによるタンパク質の安定性の変更;および(9)タンパク質の局在化(例えば、
臓器または組織特異性局在、または細胞内局在等)した発現の変更(通常発現するであろ
うときにタンパク質が発現しないように、または通常発現しないであろうときにタンパク
質が発現するようにする等)、等があり、それぞれをコントロールまたは標準と比較する
。試料と比較して示差的発現を判別するためのコントロールまたは標準の例としては、臨
検査値(例えば、数値範囲)のほか、(例えば、DMD、FCMD、またはMDC1A
等の筋ジストロフィーを有さない被験体からの試料等、所望の特徴を有するように変更さ
れていないであろう点において)正常と思われる試料があるが、そのような臨床検査値
実験室ごとに変わりうることを踏まえ、任意の値とすることもできる。

0108

臨床標準および検査値は、既知または所定の母集団値に基づいて設定することができ、
測定し実験的に決定した値の比較が可能なグラフまたは表形式で供給することができる。

0109

細胞外マトリックス:組織またはその層の細胞外組織であり、1つ以上のマトリックス
成分の配列、組成、および、形態を含む。マトリックス成分の例としては、例えば、コラ
ゲンおよびエラスチン等の構造タンパク質を含むタンパク質、フィブロネクチンおよび
ラミニン等のタンパク質、およびプロテオグリカン等が挙げられる。マトリックスは、線
維網を有する原線維コラーゲンを含んでもよい。いくつかの例では、細胞外マトリックス
は、コスタメリックタンパク質ネットワークを介して、各細胞に結合する。

0110

ハロゲンまたはハロ:フルオロクロロ、ブロモ、およびヨード

0111

ヘテロアリール:炭素数1〜10、および環内の酸素、窒素、および硫黄からなる群か
ら選択したヘテロ原子を1〜4個含む芳香族基。そのようなヘテロアリール基は、単環(
例えば、ピリジニルまたはフリル)または複合縮合環(例えば、インドリジニルまたはベ
ンゾチエニル)であって、縮合環は、付着点が芳香族ヘテロアリール基の原子を介するな
らば、芳香族であってもなくてもよく、および/またはヘテロ原子を含んでも含まなくて
もよい。一実施形態において、ヘテロアリール基の窒素および/または硫黄環原子を任意
選択で酸化してN−オキシド(N→O)、スルフィニル、またはスルホニル部分を提供す
る。

0112

ヘテロアリールオキシ:−O−ヘテロアリール。

0113

ヘテロアリールチオ:−S−ヘテロアリール。本用語は、硫黄の酸化体、例えば、−S
(O)−ヘテロアリール、または−S(O)2−ヘテロアリールをも包含する。

0114

ヘテロシクリル:縮合架橋およびスピロ環系を含み、かつ、窒素、硫黄、または酸素か
ら選択したヘテロ原子を1〜4個含む環原子を3〜15個含む単環または複合縮合環を有
する飽和、不飽和基またはその組み合わせ。これらの基は、本明細書において開示した置
換基の1つ以上と置換して、置換アリールおよび/または置換アルキルとしてもよい。こ
れらの基は、例えば、1つ以上の芳香族炭化水素またはヘテロアリール基と縮合した飽和
ヘテロシクリルを包含する。

0115

ヘテロシクリルオキシ:−O−ヘテロシクリル。

0116

ヘテロシクリルチオ:−S−ヘテロシクリル(heterocycyl)。 本用語は、硫黄の酸化
体、例えば、−S(O)−ヘテロシクリル、または−S(O)2−ヘテロシクリルをも包
含する。

0117

ヒドロキシルまたはヒドロキ:−OH。

0118

イミノ:−N=Rcであって、Rcは、水素、アミノカルボニルアルキルオキシ、置換
アミノカルボニルアルキルオキシ、アミノカルボニルアルキルアミノ、および置換アミノ
カルボニルアルキルアミノから選択することができる。

0119

増加する:あるものの質、量、または強度を高めること。一例において、ある薬剤は、
α7β1の活性または発現を、例えば、当該薬剤がない場合に対して、増加する。特定の
例において、薬剤は、α7β1の活性または発現を、例えば、10%、20%、30%、
40%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、98%、100%
等、10%〜95%、20%〜80%、30%〜70%、40%〜50%、の間で、少な
くとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、またさらには少なくとも90%増
加する。このような増加は、本明細書において開示した方法により測定することができる

0120

特定の例において、ある治療によりα7β1の発現を増加させ、例えば、α7β1の発
現を少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、またさらには少なくとも
90%増加(または、アップレギュレート上方制御))することにより、筋ジストロフ
ィーに関連する1つ以上の兆候または症状を治療/緩和する。いくつかの例では、発現の
増加とは、α7β1遺伝子産物の増加を指す。α7β1遺伝子産物とは、RNA(例えば
、mRNA、rRNAtRNA、および構造RNA)またはタンパク質である。

0121

遺伝子アップレギュレーションとは、α7β1遺伝子産物の生成において任意の検出可
能な増加を含む。特定の例において、α7β1遺伝子産物の生成は、コントロール(例え
ば、正常細胞における遺伝子発現の量)と比較して、少なくとも2倍増加し、例えば、少
なくとも3倍、または少なくとも4倍増加する。一例において、コントロールは、DMD
、FCMD、またはMDC1A等の筋ジストロフィーを有さない被験体から採取した生体
試料におけるα7遺伝子発現またはタンパク質発現の相対量である。このような増加は、
本明細書において開示した方法を用いて測定することができる。例えば、「α7β1遺伝
子産物を検出または測定すること」とは、試料中に存在する遺伝子、遺伝子産物、または
そのモジュレーターの量を定量化することを含む。定量化は、数値化または相対化のいず
れとすることもできる。遺伝子、遺伝子産物、またはそのモジュレーターの発現の検出は
、当該技術分野において周知の、または本明細書に記載の任意の方法を用いて行うことが
でき、例えば、PCRRT−PCR等)により核酸を、ELISAによってタンパク質
を測定すること等により行うことができる。主要な実施形態において、検出された変化と
は、例えば基準値または健常対照被験体等といったコントロールと比較した際の発現の増
加または減少である。いくつかの例では、検出された増加または減少とは、コントロール
または標準と比較して少なくとも2倍である。試料と比較して示差的発現を判別するため
のコントロールまたは標準の例としては、臨床検査値(例えば、数誌範囲)のほか、(例
えば、DMD、FCMD、またはMDC1A等の筋ジストロフィーを有さない被験体から
の試料等、所望の特徴を有するように変更されていないであろう点において)正常である
と思われる試料が挙げられるが、そのような臨床検査値は実験室ごとに変わりうることを
踏まえ、任意の値とすることもできる。

0122

臨床基準および検査値は、既知または所定の母集団値に基づいて設定することができ、
測定し実験的に決定した値の比較が可能なグラフまたは表形式で供給することができる。

0123

本方法のその他の実施形態において、増加または減少とは、診察上有意な量の増減であ
り、診察の統計的確率を提供する有意な量の変化を指す。

0124

発現のレベルにより、核酸またはタンパク質を定性的または定量的に検出可能である。
検出方法の例としては、マイクロアレイ解析、RT−PCR、ノーザンブロット法、ウェ
スタブロット法、および質量分析法がある。

0125

疾病または症状を抑制する:例えば、罹患のリスクのある患者または特定の疾病を有す
る患者における疾病または症状の進行を低減することを指す語句。本開示の特定の方法は
、筋ジストロフィーを抑制するための方法を提供する。

0126

インテグリン:細胞表面膜透過性グリコプロテイン受容体。インテグリンは、多数の生
物学的プロセス、例えば、傷の治癒、血餅形成遺伝子調節、および免疫反応等に関係す
る。インテグリンにより、組織特異的な細胞接着分子を調節できる。インテグリンは、ヘ
テロ二量体非共有結合的に関連した、2つのサブユニットからなるグリコプロテインで
ある。サブユニットは、αおよびβと呼ばれ、おのおのの分子量は、それぞれ、約150
〜160キロダルトンおよび90〜110キロダルトンである。

0127

α7β1インテグリンは、骨格筋において発現した主なラミニン受容体である。α7β
1は、神経筋および筋腱接合部発達において役割を果たす。大人の場合、α7β1イン
テグリンは接合部に集中し、また接合部外領域に存在して筋線維の細胞外マトリックスへ
接着仲介する。α7鎖欠損マウスは、筋腱接合部を冒す筋ジストロフィーを発症する
。α7インテグリンの欠損は、筋腱接合部における欠陥マトリックス沈着につながる。γ
-サルコグリカンマウスにおけるαインテグリンの消失は、重症な筋病理をもたらす。m
dxマウスにおけるα7インテグリンの不在も、重症な筋ジストロフィーにつながり、α
7β1インテグリンが、デュシェンヌ型およびその他の筋ジストロフィーについての遺伝
的修飾因子として作用することが確認された。

0128

α7遺伝子における変異は、ヒトの筋ジストロフィーの原因となる。未定義の筋疾患を
有する患者からの117の筋生検試料のスクリーニングにより、α7インテグリン鎖のな
い3つの試料においてβ1Dインテグリン鎖のレベルが低下していたことがわかった。こ
れらの患者には、発達の目安遅れ、神経筋および筋腱接合部の発達と機能に対してα7
β1インテグリンが果たす役割と合致する身体障害がみられた。

0129

一連のいくつかの証拠が、α7インテグリンが筋再生において重要でありうることを示
唆している。例えば、胎児発育期に、α7β1インテグリンは筋芽細胞の筋線維形成領域
への移動をレギュレートする。MyoD(筋原性決定タンパク質)は、生体外においてα
7インテグリン遺伝子発現をトランス活性化し、それによって、活性化したサテライト
胞におけるα7インテグリンのレベルを増加させることになることがわかってきている。
ヒト、マウス、およびネズミの、サテライト細胞から派生した筋芽細胞では、α7インテ
グリンが高レベルで発現した。5週齢のmdxマウスの骨格筋において、α7インテグリ
ンmRNAおよびタンパク質の増加が検出されるが、それは筋退行および再生が最大とな
る期間と相関する。さらに、α7β1インテグリンは、筋特異的β1インテグリン結合タ
ンパク質(MIBP)と関連することにより、C2C12筋芽細胞におけるラミニン堆積
を調節する。ラミニンは、筋芽細胞遊走および増殖を支援する環境を提供する。最終的に
、ジストロフィー性骨格筋におけるα7インテグリン発現が促進されたことにより、サテ
ライト細胞の数が増加する。

0130

α7β1インテグリンのサブユニットについての配列は、GenBankにおいて公表
されており、例えば、α7インテグリンについての遺伝子アクセッション番号第NM_0
01144116(ヒト)およびNM_008398.2(マウス)、およびβ1インテ
グリンについては遺伝子アクセッション番号第NM_002211(CD29としても知
られる)を参照されたいが、各配列は、2011年9月8日付で公表のものを参照により
本明細書に援用する。本明細書において、例示的なα7β1インテグリン調節因子は、例
えば、表8、表9、および表10において記載するが、シクロピロックス・エタノールア
ミン、デフェロキサミン、2,2−ジピリジル;5α−コレスタン−3β−オル−6−オ
ン、化合物ID#1001、化合物ID#1002、化合物ID#1003、N032−
0003、N066−0070、N069−0071、N069−0075、N064−
0028、N066−0053、N069−0073を含み、また本明細書において提供
されたアナログ、例えば表10、表11、表6(2013年3月15日に出願された米国
仮特許出願第61/796,476号明細書の別紙I参照)、表7(2013年3月15
日に出願された米国仮特許出願第61/796,476号明細書の別紙II参照)、表1
3に記載したもの、またはその組み合わせを含む。

0131

α7β1インテグリンの関連症状は、変更したα7β1インテグリンの発現または活性
に関連する症状であり、例えば、DMD、FCMD、LGMD、FHMD、ベッカー型お
よび/またはMDC1A等の筋ジストロフィーを含む。

0132

ラミニン:細胞外マトリックスの形成と維持に一般に関連するグリコプロテイン類のフ
ァミリーのいずれか。ラミニンは、α鎖β鎖およびγ鎖から形成されたヘテロ三量体
ある。特定のラミニンの種々の鎖は、分子の特性に影響する。本開示のいくつかの態様に
よれば、種々のラミニンのフラグメント、誘導体、またはアナログを用いることができ、
例えば、少なくとも一部がラミニンα1鎖と少なくとも実質的に一致するラミニン等を用
いることができる。本明細書において、「ラミニンのフラグメント」とは、ラミニン等の
物質の一部を指す。フラグメントは、いくつかの例では、タンパク質の特定の領域または
鎖でありうる。例えば、本開示の特定の実施形態は、ラミニンα1鎖の少なくとも一部(
または全て)に相当するラミニン−1のフラグメントを投与することを含む。フラグメン
トは、合成でも、より大きな親物質から生成されたものでもよい。

0133

いくつかの態様において、ラミニンは、そのフラグメント、アナログ、および誘導体を
含むラミニンの混合物として投与してもよい。ラミニン領域のアナログを作成する好適な
方法は、本開示と矛盾しない範囲において本明細書において参照により援用する米国特許
第6,933,280号に記載される。

0134

本開示のラミニン物質または組成物は、個々の分子として、または別の物質と複合体を
形成するかまたは抱合させて送達してもよい。例えば、ラミニンを担体と組み合わせて、
例えば、対象部位へのラミニンの送達を支援するかまたは生理学的な摂取またはラミニン
の体内への受け入れを増加する等してもよい。

0135

特定の例において、投与するラミニンは、鎖α1β1γ1を含むラミニン−1(LAM
−111)、を含むか、またはそれ以外のものを含まないものとすることができる。さら
なる例において、投与するラミニンは、鎖α2β1γ1を含むラミニン−2を含むか、ま
たはそれ以外のものを含まないものとすることができる。さらに別の例において、投与す
るラミニンは、鎖α2β2γ1を含むラミニン−4を含むか、またはそれ以外のものを含
まないものとすることができる。

0136

ラミニンは、任意の適切な源から得ることができる。例えば、ラミニン−1は、胎盤
織またはEHS肉腫(Engelbreth-Holm-Swarm murine sarcoma)から得ることができる。
種々のラミニンを単離する好適な方法は、本開示と矛盾しない範囲において本明細書にお
いて参照により援用する米国特許第5,444,158に開示される。

0137

筋肉: 任意の筋芽細胞、筋細胞、筋線維、筋管外、または筋肉細胞からなるその他の
構造物を指す。筋肉または筋細胞は、骨格筋、平滑筋、または心筋とすることができる。
また、本開示の特定の実施の形態において、幹細胞およびサテライト細胞のような筋細胞
を形成可能な細胞その他の物質も筋肉と呼ぶ。

0138

筋ジストロフィー:進行性筋衰弱の原因となる遺伝子疾患群を指すのに用いる用語。筋
ジストロフィーは、骨格筋衰弱および骨格筋タンパク質の欠陥をもたらし、様々な生理的
機能障害の原因となりうる。筋ジストロフィーの十分な治療法は存在しない。既存の治療
法は、一般に、理学療法または各種整形外科的装置の提供によって疾病の影響を寛解させ
ることおよび患者の生活の質を向上することに重点を置いたものである。

0139

筋ジストロフィーに関連する突然変異遺伝子は、コスタメリックタンパク質ネットワ
クに関連付けられた多数のタンパク質の符号化を行う働きをする。そのようなタンパク質
の例としては、ラミニン−2、コラーゲン、ジストログリカン、インテグリン、カベオリ
ン−3、アンキリン、ジストロフィン、α−ジストロブレビン、ビンキュリンプレクチ
ン、BPAG1b、筋肉LIMタンパク質、デスミンアクチニン関連LIMタンパク質
、α−アクチンチチン、テレソニン、サイファ(cypher)、ミオチリン(myotilin)、
およびサルコグリカン/サルコスパン複合体等が挙げられる。

0140

筋ジストロフィーの最も一般的な形態はDMDであり、男児出生3,500人に1人の
割合で発症する。DMDは、ジストロフィンを符号化する遺伝子の突然変異を特徴とする
X連鎖劣性疾患である。ジストロフィンは、約430kDaの大きさの細胞骨格タンパク
質である。このタンパク質は、細胞の細胞骨格と細胞外マトリックスとを結合する働きを
する。DMD患者においてはジストロフィンが欠失しているため、収縮の際に細胞外マト
リックスにおいて筋線維結合が失われ、最終的に進行性線維損傷、膜漏出、および筋機能
障害の原因となる。患者の大多数が、呼吸不全または心不全のため30歳前に死亡する。

0141

ベッカー型筋ジストロフィー良性偽肥大性筋ジストロフィーとしても知られる)と
、DMDとは、いずれもジストロフィン遺伝子の突然変異が原因である点で関連している
が、DMDにおいては機能性ジストロフィンの生成をみない点において異なり、BMDよ
りもはるかに重症である。BMDは、下肢および骨盤における緩徐進行性筋衰弱を特徴と
するX連鎖劣性遺伝性疾患である。BMDは、筋細胞においてジストロフィンが十分に生
成されない一連の筋疾患を含むジストロフィン異常症の一種であり、その結果、筋細胞膜
の構造が不安定になる。BMDの原因は、タンパク質ジストロフィンを符号化する遺伝子
の突然変異である。BMDの病徴発現パターンはDMDと同様であるが、発現時期は遅く
、進行速度もかなり緩徐である。

0142

先天性筋ジストロフィーは、遺伝子の突然変異に起因する。先天性筋ジストロフィーの
例として、FCMDおよびMDC1Aがある。MDC1Aは、LAMA2遺伝子における
突然変異によりラミニン−α2タンパク質が完全に欠失することを原因とする先天性筋ジ
ストロフィーである。このようなラミニン−α2の欠失により、ラミニン−211/22
1が消失する。ラミニン−211/221は、細胞外マトリックスの主要成分であり、筋
細胞発達において重要な役割を担う。筋細胞分化(増殖)中に、ラミニンはα7β1イン
テグリンと結合する。ラミニン−α2がないと、筋線維は基底膜に付着することができず
、筋管が自発細胞死アポトーシス)を起こす。筋再生もできず、その結果、筋修復が
低下し、筋線維症および筋炎症が増加する。この慢性的組織損傷は、MDC1Aにおけ
病的状態および死亡率の主要な原因である。

0143

先天性筋ジストロフィー(CMD)および肢体型筋ジストロフィー(LGMD)は、異
質性の高い筋ジストロフィーの最も一般的な例であり、発現時の年齢によって判別できる
。CMDの発症は、出生時または6月齢以内であり、LGMDの発症は小児期後期青年
期、または成人期である。LGMDの遺伝は常染色体優性(LGMD1型)または常染色
体劣性(LGMD2型)であり、CMDは劣性遺伝である。CMDおよびLGMDは、臨
床的および遺伝子的のいずれについても重複しうる。

0144

MDC1Aは、進行性筋消耗性疾患であり、子どもたちは車椅子生活を強いられ、呼吸
には人工呼吸器が必要であり、早期に死亡する。筋緊張の不足および低緊張乳児症候群
フロッピーベビー症候群)といった症状が出生時に認められる。DMD、BMD、お
よびLGMDは、一般に、子どもの歩行および階段昇降能力等を含む発育遅延を認める3
〜5歳時に診断される進行性筋変性疾患である。この疾患は進行性であり、子どもは10
代で車椅子生活となり補助換気が必要となる。

0145

福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD)は、筋肉、脳、および眼を主に冒す遺伝的
疾患である。先天性筋ジストロフィーは、幼少期から始まる筋衰弱および消耗(委縮)の
原因となる遺伝子疾患群である。福山型先天性筋ジストロフィーは、体を動かすために使
われる骨格筋を冒す。傷害の最初の兆候は乳児期に現れ、例としては、小さい泣き声、哺
乳力の弱さ、および筋緊張の低下(緊張低下)が挙げられる。顔面筋の衰弱は、眼瞼下垂
(ptosis)および開口をはじめとする特徴的な顔の表情の原因となる場合が多い。小児期
において、筋衰弱および関節変形(拘縮)によって動作が制限され、また、着座起立
および歩行等の運動技能の発達が阻害される。福山型先天性筋ジストロフィーは、また、
脳の発達も減退させる。この症状を有する人々は、敷石滑脳症と呼ばれる脳障害を有する
が、これは脳の表面が凹凸のある不規則外観敷石状)を呈するものである。脳構造に
おけるこれらの変化は、言語および運動技能の発達の著しい遅れにつながり、また、中等
度から重度知的障害の原因となる。社会的技能は比較的軽度である。福山型先天性筋ジ
ストロフィーを有する子どものほとんどが全く着座および歩行できないが、一部は、支え
なしに着座でき、着座姿勢で床上を滑ることができる者もある。罹患した子どもの半数
上で発作も認める。福山型先天性筋ジストロフィーのその他の兆候または症状として、視
力低下その他の眼障害、および10歳以降の緩徐進行性の心臓障害がある。病気の進行に
伴い、罹患者は、誤嚥性肺炎と呼ばれる細菌性肺感染症を引き起こしうる嚥下困難を発症
する場合がある。福山型先天性筋ジストロフィーに関連する重度の健康障害のため、この
障害を有するほとんどの人が小児期後期または青年期までしか生きられない。

0146

福山型先天性筋ジストロフィーはほぼ日本だけに限定してみられ、(デュシェンヌ型筋
ジストロフィーに次いで)2番目に多い小児筋ジストロフィーである。福山型先天性筋ジ
ストロフィーの推定発症率日本人乳幼児10万人当たり2〜4人である。

0147

福山型先天性筋ジストロフィーは、フクチンをコードするFKTN遺伝子における変異
を原因とする。FKTN遺伝子の最もよくみられる変異は、細胞内で生成されたフクチン
の量を減少させるものである。フクチンの不足は、α−ジストログリカンの正常な修飾を
阻害する恐れがあり、タンパク質の正常な機能を混乱させる。筋細胞を安定化する機能的
α−ジストログリカンがないと、筋線維は、使用に伴って収縮および弛緩を繰り返すうち
損傷する。損傷した線維は衰弱してやがて死ぬが、それが骨格筋の進行性衰弱および委縮
につながる。

0148

欠陥性α−ジストログリカンは、脳の初期発達における神経細胞ニューロン)移動に
も悪影響を及ぼす。ニューロンが意図した移動先到着したときに休止させるのではなく
、いくつかのニューロンは脳表面を通り越してその周囲の流体で満たされた空間へと移動
する。福山型先天性筋ジストロフィーにはα−ジストログリカンの機能不全を伴うため、
この症状はジストロカノパチーと記載される。

0149

顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FHMD)は、進行性筋衰弱および筋線維消失に関
連する筋ジストロフィーの一種である。主に下半身が冒されるDMDおよびBMDとは異
なり、FSHD は、上半身、主として顔面筋、肩甲筋、および上腕筋において発症する
。しかしながら、骨盤、、下肢において発症する場合もある。FHMD の症状は、1
0歳〜26歳になってから現れることが多いが、それよりもずっと後になって発症するこ
とも稀ではない。場合によっては、全く発症しないこともある。症状は軽度であり、悪化
速度も非常に遅いことが通例である。顔面筋衰弱が一般的であり、眼瞼下垂、口笛不能、
顔の表情変化の減少、憂鬱または怒り顔表情、語を発音する困難、肩甲筋衰弱(肩甲骨
立ち翼状肩甲)および撫肩等の変形の原因となる)、下肢衰弱、聴力損失、および心
臓病のおそれ等がありうる。

0150

オキソ:(=O)。

0151

医学的に許容される担体:本開示において有用な医学的に許容される担体(ビヒクル
は既知である。E. W. Martinによる「レミント薬学(Remington’s Pharmaceutical Sc
iences)」、マック出版社(Mack Publishing Co.)、イーストン、ペンシルベニア州、
第19版(1995年)には、1つ以上の薬剤、例えば、1つ以上のα7β1調節因子(
modulatory agents)の薬物送達に好適な組成物および製剤(formulation)が記載されて
いる。

0152

一般に、担体の性質は、採用しようとする特定の投与形態によって決まることになる。
例えば、非経口製剤としては、医学的および生理学的に許容される流体、例えば、水、生
食塩水平衡塩類溶液水性キストローズ、グリセロール等をビヒクルとして含む注
射液が挙げられる。生物学的に中性の担体のほかに、投与しようとする医薬用剤は、無毒
補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤保存料、pH緩衝剤などを少量含むことがで
き、例として、酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレート乳酸ナトリウム塩化
カリウム塩化カルシウム、およびトリエタノールアミンオレエートが挙げられる。

0153

プロドラッグ:血液中における酵素変換または腸における加水分解等、体内において変
換されて親化合物を生じる化合物。

0154

試料(または生体試料):被験体から得た生体試料であり、ゲノムDNA、RNA(m
RNAを含む)、タンパク質、またはその組み合わせを含有する。例としては、限定はし
ないが、末梢血、尿、唾液生検組織摘出標本、および剖検材料が挙げられる。一例に
おいて、試料は、MD、FCMD、またはMDC1A等の患者から得た筋生体組織を含む

0155

兆候および症状:疾病または被験体の症状についての任意の主観的な証拠であり、例え
ば、被験体が知覚した証拠、ある身体的または精神的な状態を示す被験体の症状の顕著な
変化である。「兆候」とは、疾病を示す任意の異常であり、被験体を検査または分析した
際に発見できる。兆候は、通常、疾病の主観的な徴候である。兆候の例として、限定はし
ないが、クレアチンキナーゼレベルの測定、筋電図描画法(衰弱が、神経損傷によるもの
ではなく、筋組織の破壊によるものであることを判断する)をはじめとする筋ジストロフ
ィーを検出するためのテスト、またはα7β1インテグリン等のジストロフィー関連分子
を測定する免疫組織化学免疫ブロット法免疫学的測定法(例えば、ELISA)等の
任意の測定可能パラメータが挙げられる。一例において、筋ジストロフィーに関連する
1つ以上の症状または兆候を低減または抑制することは、α7β1の発現を、治療をしな
い場合の活性および/または発現と比較して、所望の量、例えば、少なくとも20%、少
なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも
90%、少なくとも95%、少なくとも98%、またさらには少なくとも100%、増加
させることを含む。筋ジストロフィーの兆候としては、限定はしないが、筋衰弱および消
失、走行困難、跳躍困難、ジャンプ困難、歩行困難、呼吸困難、疲労、骨格変形、筋変形
収縮;腓筋偽性肥大)、心臓病拡張型心筋症等)、血中クレアチンキナーゼ(C
K)レベルの上昇、またはその組み合わせ等が挙げられる。

0156

被験体:多細胞脊椎有機体、ヒトおよび非ヒト哺乳動物を含む分類

0157

置換アルキル:アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、
アシルアルキルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミ
ノ、アミノカルボニルオキシ、アミノジカルボニルアミノ、アミノカルボニルアルキル、
アミノスルホニル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、ア
リールチオ、置換アリールチオ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボキシル
エステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、シクロアルキル、置換シ
クロアルキル、アミノジアシルアミノ、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキ
シ、シクロアルキルチオ、置換シクロアルキルチオ、ハロ、ヒドロキシ、ヘテロアリール
、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリ
ールチオ、置換ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシク
リルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、置換ヘテロシクリルチオ
、イミノ、オキソ、スルホニルアミノ、ニトロ、SO3H、スルホニル、チオール、イミ
ノ、置換イミノ、アルキルチオ、および置換アルキルチオから選択した置換基により置換
された水素原子数1〜5のアルキル(またはアルケニル、またはアルキニル)基。このア
ルキルは、ここで規定したこれらの基のうち1〜2個、1〜3個、または1〜4個の基で
置換してもよい。

0158

置換アルコキシ:−O−(置換アルキル)。

0159

置換アルキルチオ:−S−(置換アルキル)。本用語は、硫黄の酸化体、例えば、−S
(O)−置換アルキル、または−S(O)2−置換アルキルをも包含する。

0160

置換アミノ:−N(Rb)2であり、各Rbはそれぞれ独立して、水素、アルキル、置
換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロア
リール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリルから選択される。ま
た、各Rbは、任意選択で、それに結合した窒素と一体となってヘテロシクリルまたは置
ヘテロシクリル基を形成してもよいが、ただしRbの両方が水素である場合については
この限りではない。

0161

置換アリール:アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、
アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオ
キシ、アミノスルホニル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキ
シ、アリールチオ、置換アリールチオ、カルボキシル、カルボキシルエステル、(カルボ
キシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、シクロアルキル、
置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ、シクロアルキ
ルチオ、置換シクロアルキルチオ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、
ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ、置換ヘテロア
リールチオ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロ
シクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、置換ヘテロシクリルチオ、ニトロ、SO3H、ス
ルホニル、チオール、アルキルチオ、および置換アルキルチオから独立して選択される置
換基で置換した水素原子数1〜5のアリール基。このアリール基は、ここで規定したこれ
らの基のうち1〜2個、1〜3個、または1〜4個の基で置換してもよい。

0162

置換アリールオキシ:−O−(置換アリール)。

0163

置換アリールチオ:−S−(置換アリール)であって、置換アリールは本明細書におい
て規定したもの。本用語は、硫黄の酸化体、例えば、−S(O)−置換アリール、または
−S(O)2−置換アリールをも包含する。

0164

置換シクロアルキル:オキソ、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、
アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミ
ノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置
換アリールオキシ、アリールチオ、置換アリールチオ、カルボキシル、カルボキシルエス
テル、(カルボキシルエステル)アミノ、(カルボキシルエステル)オキシ、シアノ、シ
クロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、置換シクロアルキルオキシ
、シクロアルキルチオ、置換シクロアルキルチオ、ヒドロキシ、ヘテロアリール、置換ヘ
テロアリール、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールチオ
、置換ヘテロアリールチオ、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキ
シ、置換ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルチオ、置換ヘテロシクリルチオ、ニトロ
、SO3H、スルホニル、チオール、アルキルチオ、および置換アルキルチオからなる群
から選択した1〜5の置換基を有するシクロアルキル、シクロアルケニル、またはシクロ
アルキニル基。このアリール基は、ここで規定したこれらの基のうち1〜2個、1〜3
個、または1〜4個の基で置換してもよい。いくつかの実施形態において、シクロアルキ
ル基は、付着点が非芳香族環の原子を介するならば、複合縮合環(例えば、テトラヒドロ
ナフチルまたはテトラヒドロアントラセニル)を有してもよい。

0165

置換(シクロアルキル)オキシ:−O−(置換シクロアルキル)。

0166

置換(シクロアルキル)チオ:−S−(置換シクロアルキル)を指す。本用語は、硫黄
の酸化体、例えば、−S(O)−置換シクロアルキル、または−S(O)2−置換シクロ
アルキルをも包含する。

0167

置換ヘテロアリール:置換アリールについて規定した置換基と同じ群からなる群から選
択した1〜5の置換基により置換されたヘテロアリール基。

0168

置換ヘテロアリールオキシ:−O−(置換ヘテロアリール)。

0169

置換ヘテロアリールチオ:−S−(置換ヘテロアリール)。本用語は、硫黄の酸化体、
例えば、−S(O)−置換ヘテロアリール、または−S(O)2−置換ヘテロアリールを
も包含する。

0170

置換ヘテロシクリルオキシ:−O−(置換ヘテロシクリル)であって、ヘテロシクリル
基は、置換アルキルについて記載した置換基の1つ以上で置換される。

0171

置換ヘテロシクリルチオ:−S−(置換ヘテロシクリル)。本用語は、硫黄の酸化体、
例えば、−S(O)−置換ヘテロシクリル、または−S(O)2−置換ヘテロシクリルを
も包含する。

0172

スルホニル:−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−シクロアルキ
ル、−SO2−置換シクロアルキル、−SO2−アリール、−SO2−置換アリール、−
SO2−ヘテロアリール、−SO2−置換ヘテロアリール、−SO2−ヘテロシクリル、
および−SO2−置換ヘテロシクリル。

0173

スルホニルアミノ:−NRaSO2アルキル、−NRaSO2置換アルキル、−NRa
SO2シクロアルキル、−NRaSO2置換シクロアルキル、−NRaSO2アリール、
−NRaSO2置換アリール、−NRaSO2ヘテロアリール、−NRaSO2置換ヘテ
ロアリール、−NRaSO2ヘテロシクリル、−NRaSO2置換ヘテロシクリルであっ
て、Raはそれぞれ独立して本明細書において規定されたものである。

0174

チオール:−SH。

0175

チオカルボニル:(=S)

0176

組織:一般に、特定の種類の細胞の集合体であり、細胞間物質とともに動物の構造材料
を構成し、動物における例としては、結合組織上皮、筋組織、および神経組織がある。

0177

疾病を治療する:筋ジストロフィーの兆候または症状等、疾病の兆候または症状または
筋ジストロフィーに関する病的状態を寛解させる治療的介入。治療によって、症状の軽減
または治癒、または進行を遅らせることができ、例えば、場合によっては、疾病の発症を
完全に阻止すること、例えば、筋ジストロフィーの発症を防止することを含む。疾病を防
止により、疾病がかならずしも完全になくならなくてもよい。例えば、MD等の疾病症状
に関連する兆候または症状が、少なくとも50%減少すれば十分である。

0178

疾病を治療することは、当該技術分野において周知の、特定の疾病または症状に特有
その他のパラメータおよびそれら要因の組み合わせにより、疾病または容態の臨床症状の
一部または全部の重症度を減少させること、疾病又は容態の再発回数を減少させること、
被験体の健康全般または快適な状態を改善することでありうる。

0179

〜のための十分な条件下で:所望の作用を可能にする環境を記載するのに用いる。一
例において、開示の薬剤を被験体に十分に投与して所望の作用を可能にすることを含む。
特定の例において、所望の作用とは、α7β1の発現または活性を増加させることである

0180

III.筋ジストロフィーを治療するための化合物
本明細書において開示した方法においてα1β7調節因子として使用可能な化合物を
ここに開示する。特定の開示した実施形態において、化合物は筋ジストロフィーの治療に
おいて効果を有するものである。化合物は、小分子治療剤である。開示した特定の実施形
態において、小分子治療剤は、含ヘテロ原子骨格を備える環式化合物である。他の開示の
実施形態において、小分子治療剤は、全炭素骨格を備える環式化合物である。開したある
実施形態において、含ヘテロ原子骨格を備える環式化合物は次式



式1
を有し、
式中、各R1はそれぞれ独立して、C1−10アルキル、置換C1−10アルキル、C
1−10アルコキシ、置換C1−10アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ
、アシルC1−10アルキルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノカルボ
ニルC1−10アルキル、アミノカルボニルアミノ、アミノジカルボニルアミノ、アミノ
カルボニルオキシ、アミノスルホニル、C6−15アリール、置換C6−15アリール、
C6−15アリールオキシ、置換C6−15アリールオキシ、C6−15アリールチオ、
置換C6−15アリールチオ、カルボキシル、カルボキシエステル、(カルボキシエステ
ル)アミノ、(カルボキシエステル)オキシ、シアノ、C3−8シクロアルキル、置換C
3−8シクロアルキル、(C3−8シクロアルキル)オキシ、置換(C3−8シクロアル
キル)オキシ、(C3−8シクロアルキル)チオ、置換(C3−8シクロアルキル)チオ
、ヒドロキシル、C1−10ヘテロアリール、置換C1−10ヘテロアリール、C1−1
0ヘテロアリールオキシ、置換C1−10ヘテロアリールオキシ、C1−10ヘテロアリ
ールチオ、置換C1−10ヘテロアリールチオ、C2−10ヘテロシクリル、C2−10
置換ヘテロシクリル、C2−10ヘテロシクリルオキシ、置換C2−10ヘテロシクリル
オキシ、C2−10ヘテロシクリルチオ、置換C2−10ヘテロシクリルチオ、イミノ、
オキソ、スルホニル、スルホニルアミノ、チオール、C1−10アルキルチオ、および置
換C1−10アルキルチオ、チオカルボニルから選択され;または
2つのR1置換基は、それぞれが結合する原子とともに、C6−15アリール、置換C
6−15アリール、C3−8シクロアルキル、置換C3−8シクロアルキル、C1−10
ヘテロアリール、置換C1−10ヘテロアリール、C2−10置換ヘテロシクリル、およ
びC2−10ヘテロシクリルオキシから選択される置換した 環を形成してもよく;
A、B、C、D、およびEはそれぞれ独立して、炭素、窒素、酸素、および硫黄から選
択することができ;および
nは、ゼロ、1、2、3、4、または5とすることができる。

0181

他の実施形態において、含ヘテロ原子部分を備える環式化合物は次式:




式2
を有し、
式中、各R2は、それぞれ独立して、C1−10アルキル、置換C1−10アルキル、
C1−10アルコキシ、置換C1−10アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキ
シ、アシルC1−10アルキルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノカル
ボニルC1−10アルキル、アミノカルボニルアミノ、アミノジカルボニルアミノ、アミ
ノカルボニルオキシ、アミノスルホニル、C6−15アリール、置換C6−15アリール
、C6−15アリールオキシ、置換C6−15アリールオキシ、C6−15アリールチオ
、置換C6−15アリールチオ、カルボキシル、カルボキシエステル、(カルボキシエス
テル)アミノ、(カルボキシエステル)オキシ、シアノ、C3−8シクロアルキル、置換
C3−8シクロアルキル、(C3−8シクロアルキル)オキシ、置換(C3−8シクロア
ルキル)オキシ、(C3−8シクロアルキル)チオ、置換(C3−8シクロアルキル)チ
オ、ヒドロキシル、C1−10ヘテロアリール、置換C1−10ヘテロアリール、C1−
10ヘテロアリールオキシ、置換C1−10ヘテロアリールオキシ、C1−10ヘテロア
リールチオ、置換C1−10ヘテロアリールチオ、C2−10ヘテロシクリル、C2−1
0置換ヘテロシクリル、C2−10ヘテロシクリルオキシ、置換C2−10ヘテロシクリ
ルオキシ、C2−10ヘテロシクリルチオ、置換C2−10ヘテロシクリルチオ、イミノ
、オキソ、スルホニル、スルホニルアミノ、チオール、C1−10アルキルチオ、および
置換C1−10アルキルチオ、チオカルボニルから選択され;または
2つのR2置換基は、それぞれが結合する原子とともに、C6−15アリール、置換C
6−15アリール、C3−8シクロアルキル、置換C3−8シクロアルキル、C1−10
ヘテロアリール、置換C1−10ヘテロアリール、C2−10置換ヘテロシクリル、およ
びC2−10ヘテロシクリルオキシから選択される置換基を有する環を形成してもよく;
A、B、C、D、E、およびFは、それぞれ独立して、炭素、窒素、酸素、および硫黄
から選択することができ;および
nは、ゼロ、1、2、3、4、または5とすることができる。

0182

特定の開示の実施形態において、全炭素骨格を備える環式化合物は、次の一般式




式3
を有してもよく、
式中、R3およびR4は、独立して、ヒドロキシル、水素、C1−10アルキル、置換C
1−10アルキル、カルボキシル、アシル、アミノアシル、アシルアミノ、アミノ、置換
アミノ、C6−15アリール、置換C6−15アリール、およびC1−10アルコキシか
ら選択することができ;R5は、アミノ、置換アミノ、オキソ、ヒドロキシル、C1−1
0アルコキシ、およびイミノから選択され;およびnはゼロ、1、2、3、4、または5
とすることができる。当業者は、破線が、ある化合物においては存在しその他の化合物に
おいては存在しない場合のある任意結合を示すものであることを理解されよう。

0183

特定の開示の実施形態において、環Aおよび環Bは、任意結合を介して連結されて、ス
テロイド系骨格を形成する。環Aおよび環Bが連結したいくつかの実施例において、R5
二重結合または単結合を介して環Aに結合してもよく、この特徴を式13における任意
選択の破線結合により示す。例えば、R5がアミノ、ヒドロキシル、置換アミノ、または
C1−10アルコキシの場合には、R5は単結合を介して環Aに付着するが、R5がオキ
ソまたはイミノである場合には、R5は二重結合を介して環Aに付着する。

0184

特定の開示の実施形態において、C6−15アリールは、フェニル、ビフェニル、ナフ
タレン、アントラセン等から選択することができ;置換C6−15アリールは、本明細書
において規定した1つ以上の置換基と置換したフェニル、ビフェニル、ナフタレン、およ
びアントラセンから選択することができ;C1−10アルキルは、C1−10アルカン、
C2−10アルキン、およびC2−10アルキンから選択することができ;より一般的に
は、メチル、エチルプロピルブチルペンチル、ヘキシル等;エチレンプロピレン
ブチレン等;およびエチンプロピンブチン等から選択することができ;置換C1−
10アルキルは、本明細書において提供する1つ以上の置換基より置換したC1−10ア
カン、C2−10アルケン、およびC2−10アルキンから選択することができる。

0185

ヘテロシクリルおよびヘテロアリール置換基に関する例示的な実施形態は、限定はしな
いが、エポキシ、ピロリル、イミダゾールピラゾール、ピリジニル、ピラジンピリ
ジンオキサニル、チアニル、ジオキサニルジチアニル、クマリンピリダジン、イン
ドリジン、イソインドールインドリル(またはジヒドロインドール)、インダゾール
プリンイソキノリンキノリンベンゾ[d]ピリダジン、ナフチリジンキノキサリ
ン、ベンゾピリダジン、プテリジンカルバゾールイソチアゾールフェナジン、イソ
オキサゾールフェノキサジンイミダゾリジンピペリジンピペラジンインドリン
フタルイミド、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、4,5,6,7−テトラ
ヒドロベンゾ[b]チオフェンチアゾールチアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]
チオフェン、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペリジニルピロリジニル、ピペラ
ニル、オキサゾリジニルオキサゾリル、チオフェニル、イソオキサゾリジニル、および
テトラヒドルフラニルを含む。

0186

少なくとも2つのR1基が一体となった例示的な置換基としては、次のようなものがあ
る:

0187

特定の開示の実施形態は、以下に示す式から選択した式を有する5員環の含ヘテロ原子
骨格を備える環式化合物に関する。

0188

式4〜式6を参照すると、R1およびnは本明細書に記載のものであり、およ
び各Xはそれぞれ独立して炭素、酸素、窒素、および硫黄から選択される。

0189

さらに他の実施形態において、5員環の含ヘテロ原子骨格を備える環式化合物は、以下
に示す式のいずれか1つを有してもよく:



式中、R1は本明細書において記載したものである。

0190

例示的な化合物を以下に示す。

0191

特定の実施形態は、以下に示す式のいずれか1つを有する6員環の含ヘテロ原子骨格を
備える環式化合物に関する:




式12

式13

式14
式中、R2およびnは本明細書に記載したものであり、Zは炭素および窒素から選択する
ことができ、Yは窒素および酸素から選択することができ、また、各Xはそれぞれ独立し
て窒素および炭素から選択することができる。当業者には、破線が可変結合を示すもので
あり、当該可変結合は、各可変結合が付着する原子の結合価(valency)に応じて存在し
てもしなくてもよいものであることが理解されよう。例えば、式11において示す可変
合が存在する場合、Xは一般的に炭素である。なぜなら、炭素原子は4結合を受け入れる
ことができるからである。そのような化合物においては、Xを窒素とすることができるが
、しかしながら、当業者には、窒素原子孤立電子対を用いて第4の結合を受け入れるた
め、窒素原子が正に帯電するであろうことが理解されるであろう。

0192

例示的な化合物を、実例としてのみ、以下に示す。

0193

特定の実施形態は、以下に示す式を有する、全てが炭素でありステロイドである骨格を
備える化合物に関する。



式15

0194

例示的な化合物を以下に示す。

0195

全炭素骨格を備える化合物の他の開示の実施形態において、環Aは環Bと連結せず、以
下に示す式を有するアリール化合物として存在する。




式16

0196

例示的な化合物を以下に示す。

0197

さらに別の実施形態において、化合物は以下に示す式のいずれか1つを有してもよく:



式17

式18


式19

式20


式21
式中、各Y1およびY2はそれぞれ独立して、酸素、硫黄、およびNRbから選択するこ
とができ、Rbは本明細書において開示したものであり;およびR6は、R1について提
供された置換基から選択される。本明細書において開示した化合物のいずれかを、例えば
医学的に許容される塩、N−オキシド、プロドラッグ、および/または溶媒和化合物等の
代替化学的形態において用いることもできる。特定の開示した実施形態において、化合物
は、塩酸塩臭化水素酸塩ヨウ化水素酸塩、硝酸塩硫酸塩、重硫酸塩リン酸塩、酸
性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩乳酸塩サリチル酸塩クエン酸塩酒石酸塩
アスコルビン酸塩コハク酸塩マレイン酸塩フマル酸塩グルコン酸塩糖酸塩、
蟻酸塩安息香酸塩グルタミン酸塩メタンスルホン酸塩エタンスルホン酸塩、ベン
ゼンスルホン酸塩p−トルエンスルホン酸塩、およびその組み合わせ等の医学的に許容
される塩であってもよい。例示的な化合物を以下の表1〜表6Aに示す。

0198

0199

0200

0201

0202

0203

0204

III.使用方法
i.筋ジストロフィーを治療する方法
α7β1インテグリンは、筋ジストロフィー患者における疾病進行の主要な修飾因子で
あることが分かっている。筋肉におけるα7インテグリンの発現増加によって、筋ジスト
ロフィーのマウスモデルにおける筋疾患を軽減できる。筋細胞に基づく分析評価(assay)
(以下の実施例1に記載)を用いて、発明者らは、筋肉中のα7β1インテグリン発現を
アップレギュレートする分子として以下のものを特定した:ラミニン−111;バルプ
酸;シクロピロックス・エタノールアミン;デフェロキサミン;2,2−ジピリジル;5
α−コレスタン−3β−オル−6−オン;化合物ID#1001;化合物ID#1002
;化合物ID#1003;およびコレスタンのアナログ類(表9参照)。これらの知見に
基づき、α7β1インテグリンの発現または活性を増加させることにより筋ジストロフィ
ーを治療する方法を開示する。

0205

特に、本明細書において、例えば、DMD、FCMD、LGMD、FHMD、BMD、
MDC1A、またはMDC1D等の筋ジストロフィーを治療する方法を開示する。一例に
おいて、該方法は、筋ジストロフィーを有する被験体または筋ジストロフィーを有するか
発症する疑いのある被験体に対して、α7β1インテグリン調節因子の有効量を投与する
ことを含み、当該因子によりα7β1インテグリンの生物活性または発現を増加して、被
験体における筋ジストロフィーを治療するものである。いくつかの例では、当該治療方法
により、被験体における筋ジストロフィーに関連する1つ以上の兆候または症状が阻害ま
たは減少される。

0206

いくつかの例では、α7β1インテグリン調節因子は、次に挙げる分子、すなわち:シ
クロピロックス・エタノールアミン、デフェロキサミン、2,2−ジピリジル;5α−コ
レスタン−3β−オル−6−オン、化合物ID#1001、化合物ID#1002、化合
物ID#1003、化合物ID#1001のアナログ、化合物ID#1002のアナログ
、化合物ID#1003のアナログ、コレスタン(表9参照)のアナログ、ラミニン−1
11、ラミニン−111フラグメント、バルプロ酸、またはバルプロ酸アナログのうち1
つ以上を含む。表8および表9および図3A−3C、図4A−4B、図5図6A〜図6
B、および図7図9に、そのような化合物についての化学構造およびキャラクタリゼー
ションデータを示す。例示的なバルプロ酸アナログは、米国特許公報第2006/022
3888号および国際特許出願第2010/080581号に開示されており、それぞれ
、その全体を引用により本明細書に援用する。表11に、開示の化合物ID#1001の
各アナログを示す。例示的なラミニン−111フラグメントは、米国特許公報2009−
0092587号に記載されており、引用によりその全体を本明細書に援用する。いくつ
かの例では、化合物ID#1002または#1003のアナログを、図10に示す一般的
な合成経路により合成する。いくつかの例では、以下の各実施例において示す合成経路に
よりアナログを合成する。さらなる例において、α7β1インテグリン調節因子は、開示
のα7β1インテグリン調節因子のアナログ/誘導体であり、当業者には既知の化学的
理によって設計および合成することができ、実施例1に記載の筋肉細胞の分析評価等をは
じめとする当業者には既知の方法によりα7β1インテグリン調節因子として識別しても
よい。例えば、いくつかの例では、α7β1インテグリン調節因子は、本明細書において
記載した1つ以上の分子、例えば、表10、表11、表6(米国仮特許出願第61/79
6,476号明細書の別紙I参照)、表7(米国仮特許出願第61/796,476号明
細書の別紙II参照)、表13に記載したもの、またはその組み合わせを含む。さらなる
実施形態において、α7β1インテグリン調節因子は、本明細書において記載した式1〜
式16のうちのいずれか1つの範囲内にある任意の1つ以上の化合物から選択してもよい

0207

開示のα7β1インテグリン調節因子は、核酸配列(例えば、DNA、cDNA、また
はmRNAs等)およびα7β1インテグリンのタンパク質の発現を変更することができ
る。発現または活性の増加が必ずしも100%でなくても、薬剤は有効であるとする。例
えば、薬剤は、コントロールにおける活性または発現と比較して、発現または生物活性を
所望の量、例えば、約15%〜約98%、約30%〜約95%、約40%〜約80%、約
50%〜約70%等を含み、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約7
0%、約80%、約90%、約95%、約98%または約100%等を含む、少なくとも
10%、例えば少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも7
0%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、ま
たはさらには少なくとも100%増加することができる。α7β1インテグリン発現およ
び活性を評価する方法は当業者には既知であり、以下の実施例において挙げるものを含む
(例えば、市販の抗体を用いたウェスタンブロットおよびELISA分析等)。

0208

特定の例において、被験体はヒトである。

0209

付加的な態様において、本方法は、筋ジストロフィーを有する被験体を選択することを
含む。いくつかの例において、筋ジストロフィーを有する被験体の診断の後に被験体を選
択する。例えば、本方法は、被験体が、例えば、DMD、MDC1A、MDC1D、LG
MD、DMD、FCMD、またはFHMD等の筋ジストロフィーに罹患していると診断す
ることを含む。

0210

筋ジストロフィーを有する被験体を診断する方法は当業者にとって既知であり、例えば
、限定はしないが、筋生検および血清クレアチンキナーゼレベルの測定等が挙げられる。
さらに、筋ジストロフィーに関連することが知られるバイオマーカーの変化は、血清また
尿サンプル中における前記レベルを測定することにより検出しうる。

0211

さらなる実施の形態において、本方法は、α7インテグリンをエンコードする遺伝子に
おける変異を特徴とする疾病、障害、または症状に被験体が罹患していると診断すること
を含む。別の実施の形態において、本方法は、α7インテグリン発現レベルの減少を特徴
とする疾病、障害、または症状に被験体が罹患していると診断することを含む。

0212

発現の変化は、核酸レベルにおいて(例えば、リアルタイム定量的ポリメラーゼ連鎖反
応またはマイクロアレイ分析等)、またはタンパク質レベルにおいて(例えば、ウェスタ
ブロット分析またはELISA等)、測定することができる。これらの方法は当業者に
とって既知である。

0213

いくつかの例では、α7インテグリン発現の発現レベルまたは血清クレアチンキナーゼ
レベルの測定に続いて、分析結果、知見、診断、予測、および/または治療推奨を記録し
て、例えば、専門技術者医師および/または患者に伝達することができる。特定の実施
形態において、コンピュータを用いて先の情報を、対象者、例えば、患者および/または
主治医等に伝達する。そして、投与のための療法はこれらの結果に基づいて選択される。

0214

一実施形態において、各結果および/または関連情報は、被験体を治療している医師に
より被験体に伝達されてもよい。代案として、報告書の提供等による書面、eメール等の
電子通信手段、または電話を含む任意の伝達手段、例えば、書面、により、各結果を対象
被験体に直接伝達してもよい。eメールによる連絡の場合等、コンピュータの使用により
伝達が容易になりうる。特定の実施形態において、診断検査の結果および/または検査か
ら得た結論および/または検査から得た結論および/または検査に基づく治療推奨を含む
通信内容は、電気通信分野の当業者にとって周知のコンピュータハードウェアとソフトウ
ェアとの組み合わせを利用して自動的に生成し被験体に送達してもよい。健康管理通信
ステムの一例は、米国特許第6,283,761号に記載されているが、本開示はこの
特定の通信システムを使用する方法に限定されない。本開示の各方法の特定の実施形態に
おいて、試料を分析するステップ、疾病を診断するステップ、および分析結果または診断
を伝達するステップを含む方法ステップの全てまたは一部は、それぞれ異なる管轄(例え
ば、領土外管轄)において実施してもよい。

0215

いくつかの方法において、DMD、LGMD、FHMD、BMD、FCMD、MDC1
D、またはMDC1A等の筋ジストロフィーを有する被験体を特定することにより、結果
として、当該被験体を治療している医師は、筋ジストロフィーに関連する1つ以上の兆候
および症状を阻止または遅延させるため開示のα7β1薬剤を1つ以上処方する等して患
者を治療することになる。付加的な実施形態において、本明細書に開示の方法を用いて得
られた情報に基づき投与量または投与計画を変更する。

0216

ii.筋再生、修復、または維持を促進する方法
また、被験体において筋再生、修復、または維持を促進する方法を開示する。いくつか
の例では、本方法は、筋再生、修復、または維持を必要とする被験体に、α7β1インテ
グリン調節因子の有効量を投与することを含み、α7β1インテグリン調節因子として、
シクロピロックス・エタノールアミン、デフェロキサミン、2,2−ジピリジル;5α−
コレスタン−3β−オル−6−オン、化合物ID#1001、化合物ID#1002、化
合物ID#1003、N032−0003、N066−0070、N069−0071、
N069−0075、N064−0028、N066−0053、N069−0073、
1080−0573、または、本明細書の、例えば、表10、表11、表6(米国仮特許
出願第61/796,476号明細書の別紙I参照)、表7(米国仮特許出願第61/7
96,476号明細書の別紙II参照)、表13等に記載した化合物またはその組み合わ
せ等のいずれか1つが挙げられ、α7β1インテグリン調節因子は、α7β1インテグリ
ン発現または活性を、治療前のα7β1インテグリン発現または活性と比べて増加させる
ことにより、被験体における筋再生、修復、または維持を促進する。

0217

いくつかの例では、α7β1インテグリン調節因子は、以下の分子、すなわち:シクロ
ピロックス・エタノールアミン、デフェロキサミン、2,2−ジピリジル;5α−コレス
タン−3β−オル−6−オン、化合物ID#1001、化合物ID#1002、化合物I
D#1003、化合物ID#1001のアナログ、化合物ID#1002のアナログ、化
合物ID#1003のアナログ、コレスタンのアナログ(表9参照)、ラミニン−111
、ラミニン−111フラグメント、バルプロ酸、またはバルプロ酸アナログのうち1つ以
上を含む。表8および表9および図3A〜図3C、図4A〜図4B、図5図6A〜図6
B、および図7図9に、各化合物の化学構造およびキャラクタリゼーションデータを示
す。例示的なバルプロ酸アナログは、米国特許公報第2006/0223888号および
国際特許出願第2010/080581号に記載され、それぞれ、引用によりその全体を
本明細書に援用する。例示的なラミニン−111フラグメントは、米国特許公報第200
9−0092587号に開示され、引用によりその全体を本明細書に援用する。いくつか
の例では、化合物ID#1002または#1003のアナログを、図10に示す一般的な
合成経路により合成する。いくつかの例では、アナログを、以下の実施例において示す合
成経路により合成する。さらなる例において、α7β1インテグリン調節因子は、開示の
α7β1インテグリン調節因子のいずれかのアナログ/誘導体であり、当業者には既知の
化学的原理により設計または合成することができ、実施例1に記載の筋肉細胞の分析評価
等をはじめとする当業者には既知の方法によりα7β1インテグリン調節因子として識別
してもよい。例えば、いくつかの例では、α7β1インテグリン調節因子は、本明細書に
おいて記載した1つ以上の分子、例えば、例えば、表10、表11、表6(米国仮特許出
願第61/796,476号明細書の別紙I参照)、表7(米国仮特許出願第61/79
6,476号明細書の別紙II参照)、表13に記載したもの、またはその組み合わせを
含む。

0218

開示のα7β1インテグリン調節因子は、核酸配列(例えば、DNA、cDNA、また
はmRNAs)およびα7β1インテグリンのタンパク質の発現を増加させるこができる
。発現または活性の増加が必ずしも100%でなくても、薬剤は有効であるとする。例え
ば、薬剤は、発現または生物活性を所望の量、例えば、コントロールにおける活性または
発現と比較して、約15%〜約98%、約30%〜約95%、約40%〜約80%、約5
0%〜約70%等を含み、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70
%、約80%、約90%、約95%、約98%または約100%等を含む、少なくとも2
0%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少
なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、またさらには少なくとも100
%減少する。α7β1インテグリン発現および活性を評価する方法は当業者には既知であ
り、以下の実施例において挙げるものを含む(例えば、市販の抗体を用いたウェスタンブ
ロットおよびELISA分析等)。

0219

筋再生は、例えば、筋修復能力が減退している高齢またはその他の患者集団に利益をも
たらしうるか、または、それ他の場合には、生理学的に身体障害のない患者の筋修復プロ
セスの加速が容易になりうる。特定の実施の形態において、α7β1インテグリン調節因
子の投与により、運動選手または活動誘発性筋損傷または傷害を有する他の人々における
筋修復または筋損損傷の減少を支援することができる。さらに別の実施の形態において、
例えば事故または怪我等により筋損傷を受けた患者における筋修復は、α7β1インテグ
リン調節因子の投与により軽減しうる。

0220

いくつかの例では、被験体が筋損傷または筋疾患を受ける前にα7β1調節因子を投与
する。いくつかの例では、運動をする前の被験体にα7β1インテグリン調節因子を投与
する。

0221

いくつかの例では、本方法は、筋再生、修復、または維持の促進を必要とする患者を選
択することをさらに含む。例えば、場合によっては、筋再生、修復、または維持を促進す
る必要のある患者を選択することは、α7β1インテグリン調節因子の有効量を被験体に
投与する前に筋再生障害を特徴とする症状をもって被験体を診断することを含む。筋再生
、修復、または維持の促進を必要とする被験体を診断および選択する方法は当業者にとっ
て既知であり、本明細書において記載したもの(筋ジストロフィーの治療の方法における
方法を含む)が挙げられる。先に述べたように、被験体は、その日常生活様式(例えば、
中等度から強度の運動または身体活動従事している等)、年齢(例えば、筋変性または
損傷を受けるリスクがより高い高齢集団等)、または筋変性または損傷を受けやすい体
(例えば、遺伝的特徴または筋損傷の前歴)に基づいて選択することができる。

0222

iii.筋損傷または傷害を予見的に防止または減少する方法
被験体における筋損傷または傷害を予見的に防止または減少する方法も開示する。いく
つかの実施形態において、本方法は、α7β1インテグリン調節因子の有効量を被験体に
投与することを含み、α7β1インテグリン調節因子は、シクロピロックス・エタノール
アミン、デフェロキサミン、2,2−ジピリジル;5α−コレスタン−3β−オル−6−
オン、化合物ID#1001、化合物ID#1002、化合物ID#1003、N032
−0003、N066−0070、N069−0071、N069−0075、N064
−0028、N066−0053、N069−0073、1080−0573、または本
明細書において記載した化合物、例えば表10、表11、表6(2013年3月15日に
出願された米国仮特許出願第61/796,476号明細書の別紙I参照、参照によりそ
の全体を本明細書に援用する)、表7(2013年3月15日に出願された米国仮特許出
願第61/796,476号明細書の別紙II参照、参照によりその全体を本明細書に援
用する)、表13に記載したもののうちのいずれか1つ、またはその組み合わせを含み、
α7β1インテグリン調節因子は、α7β1インテグリンの発現または活性を未治療のα
7β1インテグリン発現または活性と比較して増加させることにより、被験体における筋
傷害または損傷を予見的に防止または抑制する。

0223

いくつかの例では、α7β1インテグリン調節因子は、次の各分子、すなわち:シクロ
ピロックス・エタノールアミン、デフェロキサミン、2,2−ジピリジル;5α−コレス
タン−3β−オル−6−オン、化合物ID#1001、化合物ID#1002、化合物I
D#1003、化合物ID#1001のアナログ、化合物ID#1002のアナログ、化
合物ID#1003のアナログ、コレスタンのアナログ(表9参照)、ラミニン−111
、ラミニン−111フラグメント、バルプロ酸、またはバルプロ酸アナログのうち、1つ
以上を含む。表8および表9および図3A〜図3C、図4A〜図4B、図5図6A〜図
6B、および図7図9に、そのような化合物についての化学構造およびキャラクタリゼ
ーションデータを示す。例示的なバルプロ酸アナログは、米国特許公報第2006/02
23888号および国際特許出願第2010/080581号に開示されており、それぞ
れ、その全体を引用により本明細書に援用する。例示的なラミニン−111フラグメント
は、米国特許公報2009−0092587号に記載されており、引用によりその全体を
本明細書に援用する。いくつかの例では、化合物ID#1002または#1003のアナ
ログを、図10に示す一般的な合成経路により合成する。さらなる例において、α7β1
インテグリン調節因子は、開示のα7β1インテグリン調節因子のアナログ/誘導体であ
り、当業者には既知の化学的原理によって設計および合成することができ、実施例1に記
載の筋肉細胞の分析評価等をはじめとする当業者には既知の方法によりα7β1インテグ
リン調節因子として識別してもよい。例えば、いくつかの例では、α7β1インテグリン
調節因子は、本明細書において記載した1つ以上の分子、例えば、表10、表11、表6
(米国仮特許出願第61/796,476号明細書の別紙I参照)、表7(米国仮特許出
願第61/796,476号明細書の別紙II参照)、表13に記載したもの、またはそ
の組み合わせを含む。

0224

開示のα7β1インテグリン調節因子は、核酸配列(例えば、DNA、cDNA、また
はmRNAs等)およびα7β1インテグリンのタンパク質の発現を増加することができ
る。発現または活性の増加が必ずしも100%でなくても、薬剤は有効であるとする。例
えば、薬剤は、コントロールにおける活性または発現と比較して、発現または生物活性を
所望の量、例えば、約15%〜約98%、約30%〜約95%、約40%〜約80%、約
50%〜約70%等を含み、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約7
0%、約80%、約90%、約95%、約98%または約100%等を含む、少なくとも
10%、例えば少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも7
0%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、ま
たはさらには少なくとも100%増加することができる。α7β1インテグリン発現およ
び活性を評価する方法は当業者には既知であり、以下の実施例において挙げるものを含む
(例えば、市販の抗体を用いたウェスタンブロットおよびELISA分析等)。

0225

いくつかの例では、本方法は、筋損傷または傷害を発症するリスクのある被験体を選択
することをさらに含む。いくつかの例では、運動をする前の被験体にα7β1インテグリ
ン調節因子を投与する。

0226

いくつかの例では、本方法は、筋損傷または傷害を発症するリスクのある被験体を選択
することをさらに含む。被験体を選択する方法は当業者にとって既知であり、本明細書に
記載したものを含む。先に述べたように、被験体は、その日常生活様式(例えば、中等度
から強度の運動または身体活動に従事している等)、年齢(例えば、筋変性または損傷を
受けるリスクがより高い高齢集団等)、または筋変性または損傷を受けやすい体質(例え
ば、遺伝的特徴または筋損傷の前歴)に基づいて選択することができる。

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