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技術 表面改質方法、超音波伝達部材および表面改質装置

出願人 上野製薬株式会社
発明者 太田晃仁寺田浩昭
出願日 2017年5月19日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2017-100090
公開日 2018年12月6日 (2年2ヶ月経過) 公開番号 2018-193596
状態 未査定
技術分野 鋼の加工熱処理 金属の他の加工と複合作業 熱処理
主要キーワード 硬質物体 材料表 測定用機器 ピーニング材 平織金網 超音波付与 超音波電源 平板サンプル
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

鋼球等のピーニング材圧縮空気吹付け高圧水噴射などの工程を必要とせず、簡易な手段によって被改質材の表面を均一かつ高密度改質できる表面改質方法を提供すること。

解決手段

音波を被改質材6の表面に付与することにより被改質材6の表面に圧縮残留応力を形成する表面改質方法であって、被改質材6と接触した超音波伝達部材4を介して超音波を被改質材6の表面に付与し、かつ超音波伝達部材4が液晶ポリマーから構成される表面改質方法。

概要

背景

従来、金属等の材料表面に圧縮残留応力を形成し、材料表面の応力緩和する表面改質手法として、鋼球硬質物体被改質材の表面に打ち付けるショットピーニングが知られている。このショットピーニングは、直径数ミリの鋼球等を圧縮空気により被改質材表面に吹き付け、鋼球等が被改質材の表面に衝突するときに発生する衝撃力によって被改質材の表面に圧縮応力が形成される。しかし、鋼球等を打ち付ける方法は、鋼球等のピーニング材料および圧縮空気の吹き付け工程が必要であり、また、被改質材の表面形状が複雑な場合、圧縮応力形成効果が不均一になると共に、鋼球等が被改質材の凹部などに滞留してその回収が困難になるという問題があった。

鋼球等のピーニング材料を使用しない方法として、水中でノズルから高圧水噴射し、キャビテーションを伴う水中水噴流加工対象面に衝突させて加工対象面の応力改善を行うウォータージェットピーニングによる表面改質方法も知られている(特許文献1)。しかし、この方法も、高圧水を噴射するための設備が必要となり、加工対象面が複雑な形状の場合、キャビテーションの発生がばらつき、やはり圧縮応力形成効果が不均一になるという問題があった。

鋼球等のピーニング材料や特別な装置が不要な方法として、被改質材の表面に液体を介在させて振動体を配置し、振動体を高周波振動させることによって発生するキャビテーション作用により被改質材にピーニング効果を付与する方法が提案されている(特許文献2)。

この方法は、液体にキャビテーション気泡を発生させ、その気泡の発生・崩壊による衝撃波を利用してピーニングを行うことで被改質材の表面に圧縮残留応力を形成するものであり、鋼球等のピーニング材や圧縮空気の吹付け、高圧水の噴射などの工程が不要となるという効果を有する。

高周波振動は超音波帯域、すなわち超音波を付与することにより行われるが、キャビテーション気泡の発生による圧縮残留応力の形成は長時間を要するとともに、均一な表面改質を行うことが困難であった。特に、被改質材の表面形状が複雑な被改質材の場合、その傾向が顕著であった。

また、液体の存在下で処理を行わなくてはならず、建築材料や車両材料などの大サイズの部材の改質には適さない方法であった。

概要

鋼球等のピーニング材や圧縮空気の吹付け、高圧水の噴射などの工程を必要とせず、簡易な手段によって被改質材の表面を均一かつ高密度に改質できる表面改質方法を提供すること。超音波を被改質材6の表面に付与することにより被改質材6の表面に圧縮残留応力を形成する表面改質方法であって、被改質材6と接触した超音波伝達部材4を介して超音波を被改質材6の表面に付与し、かつ超音波伝達部材4が液晶ポリマーから構成される表面改質方法。

目的

本発明の目的は、鋼球等のピーニング材や圧縮空気の吹付け、高圧水の噴射などの工程を必要とせず、簡易な手段によって被改質材の表面を均一かつ高密度に改質できる表面改質方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

被改質材の表面に超音波伝達部材を介して超音波を付与し、被改質材の表面に圧縮残留応力を形成する表面改質方法であって、超音波伝達部材と被改質材とを接触させた状態で超音波を付与し、かつ超音波伝達部材が液晶ポリマーから構成される表面改質方法。

請求項2

超音波は周波数の異なる2以上の超音波であり、少なくとも1つの超音波を、被改質材と接触した液晶ポリマーから構成される超音波伝達部材を介して被改質材の表面に付与する、請求項1記載の表面改質方法。

請求項3

被改質材と接触した2以上の超音波伝達部材を介して超音波を被改質材の表面に付与し、少なくとも1つの超音波伝達部材が液晶ポリマーから構成される、請求項1記載の表面改質方法。

請求項4

被改質材の表面に圧縮残留応力を形成することによって被改質材の表面を改質するための、被改質材に接触して被改質材の表面に超音波を伝達する超音波伝達部材であって、液晶ポリマーから構成される超音波伝達部材。

請求項5

超音波伝達部材はメッシュ状である、請求項4記載の超音波伝達部材。

請求項6

超音波振動子と、超音波振動子から発生する超音波を被改質材に伝達する超音波伝達部材とを備えた表面改質装置であって、超音波伝達部材は被改質材と接触し、および超音波伝達部材は液晶ポリマーから構成される表面改質装置。

技術分野

0001

本発明は、被改質材の表面を改質する方法ならびにその方法に使用する超音波伝達部材および表面改質装置に関する。

背景技術

0002

従来、金属等の材料表面に圧縮残留応力を形成し、材料表面の応力緩和する表面改質手法として、鋼球硬質物体を被改質材の表面に打ち付けるショットピーニングが知られている。このショットピーニングは、直径数ミリの鋼球等を圧縮空気により被改質材表面に吹き付け、鋼球等が被改質材の表面に衝突するときに発生する衝撃力によって被改質材の表面に圧縮応力が形成される。しかし、鋼球等を打ち付ける方法は、鋼球等のピーニング材料および圧縮空気の吹き付け工程が必要であり、また、被改質材の表面形状が複雑な場合、圧縮応力形成効果が不均一になると共に、鋼球等が被改質材の凹部などに滞留してその回収が困難になるという問題があった。

0003

鋼球等のピーニング材料を使用しない方法として、水中でノズルから高圧水噴射し、キャビテーションを伴う水中水噴流加工対象面に衝突させて加工対象面の応力改善を行うウォータージェットピーニングによる表面改質方法も知られている(特許文献1)。しかし、この方法も、高圧水を噴射するための設備が必要となり、加工対象面が複雑な形状の場合、キャビテーションの発生がばらつき、やはり圧縮応力形成効果が不均一になるという問題があった。

0004

鋼球等のピーニング材料や特別な装置が不要な方法として、被改質材の表面に液体を介在させて振動体を配置し、振動体を高周波振動させることによって発生するキャビテーション作用により被改質材にピーニング効果を付与する方法が提案されている(特許文献2)。

0005

この方法は、液体にキャビテーション気泡を発生させ、その気泡の発生・崩壊による衝撃波を利用してピーニングを行うことで被改質材の表面に圧縮残留応力を形成するものであり、鋼球等のピーニング材や圧縮空気の吹付け、高圧水の噴射などの工程が不要となるという効果を有する。

0006

高周波振動は超音波帯域、すなわち超音波を付与することにより行われるが、キャビテーション気泡の発生による圧縮残留応力の形成は長時間を要するとともに、均一な表面改質を行うことが困難であった。特に、被改質材の表面形状が複雑な被改質材の場合、その傾向が顕著であった。

0007

また、液体の存在下で処理を行わなくてはならず、建築材料や車両材料などの大サイズの部材の改質には適さない方法であった。

先行技術

0008

特許第3373938号公報
特開2003−220523号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明の目的は、鋼球等のピーニング材や圧縮空気の吹付け、高圧水の噴射などの工程を必要とせず、簡易な手段によって被改質材の表面を均一かつ高密度に改質できる表面改質方法を提供することにある。

0010

また、本発明の目的は、前記表面改質方法に使用する超音波伝達部材および表面改質装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、被改質材の表面を改質する方法について鋭意検討した結果、液晶ポリマーから構成される超音波伝達部材を被改質材と接触させて被改質材の表面に超音波を付与することによって、被改質材の表面改質効果が著しく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。

0012

すなわち本発明は、被改質材の表面に超音波伝達部材を介して超音波を付与し、被改質材の表面に残留応力を形成する表面改質方法であって、超音波伝達部材と被改質材とを接触させた状態で超音波を付与し、かつ超音波伝達部材が液晶ポリマーから構成される表面改質方法を提供する。

0013

本発明はまた、被改質材の表面に圧縮残留応力を形成することによって被改質材の表面を改質するための、被改質材に接触して被改質材の表面に超音波を伝達する超音波伝達部材であって、液晶ポリマーから構成される超音波伝達部材を提供する。

0014

本発明はまた、超音波振動子と、超音波振動子から発生する超音波を被改質材に伝達する超音波伝達部材とを備えた表面改質装置であって、超音波伝達部材は被改質材と接触し、および超音波伝達部材は液晶ポリマーから構成される表面改質装置を提供する。

発明の効果

0015

本発明の表面改質方法および表面改質装置は、液晶ポリマーから構成される超音波伝達部材を使用することよって、被改質材の表面を効率よく改質することができる。特に、表面形状が複雑な被改質材や建築物や車両などの寸法が大きい被改質材であっても効率よく表面を改質することが可能である。

図面の簡単な説明

0016

本発明の表面改質方法の第1の実施態様を説明する略示断面図である。
本発明の表面改質方法の第2の実施態様を説明する略示断面図である。
本発明の表面改質方法の第3の実施態様を説明する略示断面図である。
本発明の表面改質方法の第4の実施態様を説明する略示断面図である。
本発明の表面改質方法の第5の実施態様を説明する略示断面図である。
本発明の表面改質方法の第6の実施態様を説明する略示断面図である。
超音波伝達部材の好適例を示す斜視図である。

0017

本発明の表面改質方法では、被改質材の表面に対して、液晶ポリマーから構成される超音波伝達部材を接触させて超音波を付与する。

0018

超音波振動子で発生した超音波は、液晶ポリマーで構成された超音波伝達部材を介することによって、表面弾性波および縦波を含む複雑な非定常かつ均一な音圧振動となって超音波伝達部材に接触した被改質材に伝達され、被改質材の均質化を促す作用がもたらされる結果、表面改質効果が向上するものと推定される。

0019

この表面改質効果は、超音波伝達部材の材料として、金属材料や液晶ポリマー以外の樹脂材料を使用しても所望の効果が得られない。例えばステンレス鋼などの金属材料では共振が生じ、超音波の非定常化が起こらない。また、例えばポリオレフィンなどの汎用樹脂では超音波印加によって発熱を伴うため、超音波伝達部材の材料としての使用に適さない。さらに、例えばポリカーボネート樹脂などの高耐熱性樹脂であっても振動の減衰が顕著であるため、超音波が適切に伝播せず、所望の表面改質効果が得られない。したがって、本発明により奏される表面改質効果は、超音波の非定常化をもたらし、かつ耐熱性に優れる液晶ポリマー特有作用効果ということができる。

0020

本発明の表面改質方法では、超音波振動子で発生した超音波を、超音波伝達部材を介して接触状態で被改質材に伝達させることにより被改質材の表面を改質するものである。

0021

以下に本発明の表面改質方法に用いる表面改質装置の例を説明するが、表面改質装置の構成がこれらに限定されることを意図するものではない。

0022

本発明の表面改質装置の第1の実施態様を図1に示す。

0023

表面改質装置1は、超音波振動子2と、超音波振動子2を駆動する超音波電源装置3と、超音波振動子2に接続され超音波を被改質材6に伝達する超音波伝達部材4とを備えている。

0024

超音波振動子2は、超磁歪材料圧電型セラミック材料を用いたものが好適に使用される。

0025

超音波振動子2は、その先端部5を超音波伝達部材4に接触させた状態で超音波が付与される。超音波振動子2の先端部5と超音波伝達部材4とは、接触状態で固定されていてもよい。超音波振動子2の先端部5と超音波伝達部材4を固定する場合、ねじ止めや接着などの通常の固定手段を用いることができる。

0026

本発明において、超音波伝達部材4は液晶ポリマーから構成される。

0027

超音波伝達部材4は、超音波振動子2で発生した超音波を被改質材6に伝達する部材であって、少なくとも一か所の部位で被改質材6と接触する。超音波伝達部材4を被改質材6と少なくとも一か所で接触させた状態で超音波を付与することにより、非定常かつ均一音圧に調整された表面弾性波が被改質材6の非接触部にも伝播し、被改質材4の表面全体において均一な改質効果をもたらすことができる。

0028

超音波伝達部材4と被改質材6との接触部において、超音波の伝達効率を高めるために、液体を存在させてもよい。超音波伝達部材4と被改質材6との接触部に存在させる液体としては、水、有機溶剤、油脂などが好ましい。

0029

本発明に係る被改質材6の材質としては、例えば、金属、樹脂セラミックなどが挙げられ、これらの中でも金属が特に好ましい。金属としては、鉄、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金マグネシウム合金などが挙げられる。

0030

超音波電源装置3における周波数は、表面改質がより効果的である点から20kHz〜5MHzが好ましく、30kHz〜4MHzがより好ましく、50kHz〜3MHzがさらに好ましい。

0031

超音波電源装置3における超音波の周波数は、超音波の非定常性および均一性を増大させて表面改質の均質化効果を一層向上させるという点から、上記範囲内において、例えば1〜10秒を周期として連続的あるいは断続的に変化させてもよい。

0032

本発明の表面改質装置の第2の実施態様を図2に示す。

0033

第2の実施態様において、超音波振動子2は支持部材7に設置され、支持部材7の上面には超音波伝達部材4が配設される。超音波振動子2から発振された超音波は超音波伝達部材4を介して超音波伝達部材4に載置された被改質材6に伝達し、被改質材4の表面全体に表面弾性波による改質効果をもたらすことができる。

0034

本発明の表面改質装置の第3の実施態様を図3に示す。

0035

第3の実施態様において、超音波振動子2は超音波伝達部材4に直接設置され、超音波伝達部材4を介して被改質材6に超音波が伝達される。

0036

本発明の表面改質装置の第4の実施態様を図4に示す。

0037

第4の実施態様において、超音波振動子2は超音波伝達部材4に直接設置され、超音波伝達部材4を介して被改質材6の上面から超音波が伝達される。

0038

第4の実施態様においては、支持部材7が不要となる。

0039

本発明の表面改質方法は、表面改質の対象である被改質材に対して、周波数の異なる2以上の超音波を付与することによって行うことができる。この場合、少なくとも一の超音波は液晶ポリマーから構成される超音波伝達部材を介して付与される。

0040

複数の超音波を付与することによって、超音波伝達部材を介して伝達される超音波がより一層非定常化し、表面弾性波が増大することでより高密度かつ均一な表面改質を行うことができる。

0041

複数の超音波を付与する場合、被改質材に伝達される超音波の非定常性および均一性をより一層増大できる点で、周波数域の差が大となるようにそれぞれの周波数を設定するのが好ましい。例えば、超音波振動子に付与する超音波の最も高い周波数(A)は、好ましくは1〜5MHz、より好ましくは1.5〜4MHz、さらに好ましくは2.0〜3.0MHzであり、最も低い周波数(B)は、好ましくは20〜500kHz、より好ましくは30〜300kHz、さらに好ましくは50〜200kHzであり、周波数の比(A/B)が、好ましくは2〜250、より好ましくは5〜133、さらに好ましくは10〜60となるように設定するのがよい。

0042

周波数(A)と周波数(B)の少なくとも一方を、上記の範囲内で、例えば1〜10秒周期で変動させて付与することによってより効果的に表面改質することができる。

0043

また、本発明の表面改質方法において、2以上の超音波伝達部材を被改質材の複数の面と接触するように配置し、超音波伝達部材を介して超音波を付与するように構成してもよい。この場合、2以上の超音波伝達部材のうち少なくとも1つの超音波伝達部材は液晶ポリマーから構成される必要があり、好ましくは全ての超音波伝達部材を液晶ポリマーで構成するのがよい。

0044

液晶ポリマー以外で構成される超音波伝達部材の材質としては、例えば、金属や耐熱性樹脂などが挙げられる。

0045

本発明の表面改質装置の第5の実施態様を図5に示す。

0046

第5の実施態様において、被改質材6の上下に2つの超音波振動板4aおよび4bが配設され、それぞれに超音波振動子2aおよび2bが接続されている。超音波振動子2aおよび2bにはそれぞれ超音波電源装置3aおよび3bから周波数の異なる超音波が印加される。

0047

本発明の表面改質装置の第6の実施態様を図6に示す。

0048

第6の実施態様において、単一の超音波伝達部材4に超音波振動子2aおよび2bが接続され、超音波振動子2aおよび2bにはそれぞれ超音波電源装置3aおよび3bから周波数の異なる超音波が印加される。

0049

上記の各実施態様において、液晶ポリマーから構成される超音波伝達部材の形状は、平板状、容器状など被改質材の種類や形状に応じて適宜選択することができる。また、メッシュ状、網状、格子状などの空間部が設けられていてもよく、溝やリブなどの凹凸が形成されていてもよい。これらの形状の中でも、超音波の非定常性および均一性を増大させて表面改質効果に優れる点で、図7に示すようなメッシュ状形状の超音波振動板とするのが好ましい。超音波伝達部材の形状や寸法は、被改質材の種類や大きさ、超音波振動子の性能等に応じて適宜設定することができる。超音波伝達部材の厚みは、例えば0.1〜20mmであってよい。

0050

本発明において、超音波振動板を構成する液晶ポリマーとは、当業者サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれる、異方性溶融相を形成する液晶ポリエステル樹脂または液晶ポリエステルアミド樹脂である。

0051

液晶ポリマーの異方性溶融相の性質は直交偏向子を利用した通常の偏向検査法、すなわち、ホットステージにのせた試料窒素雰囲気下で観察することにより確認できる。

0052

本発明に使用する液晶ポリマーは、分子鎖中に脂肪族基を有する半芳香族液晶ポリマー、または分子鎖が全て芳香族基より構成される全芳香族液晶ポリマーのいずれであってもよい。

0053

本発明に使用する液晶ポリマーを構成する繰返し単位としては、芳香族オキシカルボニル繰返し単位芳香族ジカルボニル繰返し単位、芳香族ジオキシ繰返し単位芳香族アミオキシ繰返し単位、芳香族ジアミノ繰返し単位、芳香族アミノカルボニル繰返し単位、芳香族オキシジカルボニル繰返し単位、脂肪族ジオキシ繰返し単位、および脂肪族ジカルボニル繰返し単位などが挙げられる。

0054

芳香族オキシカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、3’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、4’−ヒドロキシフェニル−3−安息香酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびそれらのアルキルアルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物エステル誘導体酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中では4−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸が得られる液晶ポリマーの特性や結晶融解温度を調整しやすいという点から好ましい。

0055

芳香族ジカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、テレフタル酸イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニルなどの芳香族ジカルボン酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中ではテレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸が得られる液晶ポリマーの機械物性、耐熱性、結晶融解温度、成形加工性を適度なレベルに調整しやすいことから好ましい。

0056

芳香族ジオキシ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、ハイドロキノンレゾルシン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニルエーテルなどの芳香族ジオールおよびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中ではハイドロキノンおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニルが重合時の反応性や、得られる液晶ポリマーの機械物性、耐熱性、結晶融解温度、成形加工性を適度なレベルに調整しやすいことから好ましい。

0057

芳香族アミノオキシ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、4−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノ1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルなどの芳香族ヒドロキシアミンおよびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。

0058

芳香族ジアミノ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレンなどの芳香族ジアミンおよびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのアミド形成性誘導体が挙げられる。

0059

芳香族アミノカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、4−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、6−アミノ−2−ナフトエ酸などの芳香族アミノカルボン酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。

0060

芳香族オキシジカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボン酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、および5−ヒドロキシイソフタル酸などのヒドロキシ芳香族ジカルボン酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。

0061

脂肪族ジヒドロキシ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオール、ならびにこれらのアシル化物が挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレートや、ポリブチレンテレフタレートなどの脂肪族ジオキシ繰返し単位を含有するポリマーを、前記の芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよびこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などと反応させることによっても、脂肪族ジオキシ繰返し単位を含む液晶ポリマーを得ることができる。

0062

脂肪族ジカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えばシュウ酸マロン酸コハク酸グルタル酸アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸ドデカン二酸テトラデカン二酸フマル酸マレイン酸およびヘキサヒドロテレフタル酸などの脂肪族ジカルボン酸、ならびにこれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。

0063

本発明に使用する液晶ポリマーは本発明の目的を損なわない範囲で、チオエステル結合を含むものであってもよい。このような結合を与える単量体としては、メルカプト芳香族カルボン酸、および芳香族ジチオールおよびヒドロキシ芳香族チオールなどが挙げられる。これらの単量体の使用量は、芳香族オキシカルボニル繰返し単位、芳香族ジカルボニル繰返し単位、芳香族ジオキシ繰返し単位、芳香族アミノオキシ繰返し単位、芳香族ジアミノ繰返し単位、芳香族アミノカルボニル繰り返し単位、芳香族オキシジカルボニル繰返し単位、脂肪族ジオキシ繰返し単位、および脂肪族ジカルボニル繰返し単位を与える単量体の合計量を含む全体に対して10モル%以下であるのが好ましい。

0064

これらの繰り返し単位を組み合わせたポリマーは、モノマーの構成や組成比ポリマー中での各繰り返し単位シークエンス分布によっては、異方性溶融相を形成するものとしないものが存在するが、本発明に使用する液晶ポリマーは異方性溶融相を形成するものに限られる。

0065

本発明に使用する液晶ポリマーの具体的な例として、下記の単量体の組合せから与えられる繰返し単位で構成される共重合体を挙げることができる。

0066

1)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸共重合体
2)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
3)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
4)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/ハイドロキノン共重合体
5)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
6)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
7)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
8)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
9)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
10)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
11)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
12)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
13)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
14)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
15)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
16)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール共重合体
17)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール共重合体
18)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール共重合体
19)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/4−アミノフェノール共重合体
20)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/エチレングリコール共重合体
21)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール共重合体
22)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/エチレングリコール共重合体
23)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール共重合体
24)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体。

0067

これらの中でも、1)、9)、10)および14)のモノマー構成単位からなる液晶ポリマーが好ましい。

0068

本発明に使用する液晶ポリマーは、2種以上の液晶ポリマーをブレンドしたものであってもよい。

0069

本発明に使用する液晶ポリマーの溶融粘度キャピラリーレオメーターで測定、測定温度は結晶融解温度+10℃〜結晶融解温度+40℃、1000s−1)は、本発明に係る超音波伝達部材の機械強度担保する点から、5〜1000Pa・sが好ましく、10〜300Pa・sがより好ましく、15〜200Pa・sがさらに好ましい。

0070

なお、本明細書および特許請求の範囲において、「結晶融解温度」とは、示差走査熱量計(Differential scanning calorimeter、以下DSCと略す)によって、昇温速度20℃/minで測定した際の結晶融解ピーク温度から求めたものである。より具体的には、液晶ポリマーの試料を、室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1より20〜50℃高い温度で10分間保持し、次いで、20℃/分の降温条件で室温まで試料を冷却した後に、再度20℃/分の昇温条件で測定した際の吸熱ピークを観測し、そのピークトップを示す温度を液晶ポリマーの結晶融解温度とする。測定用機器としては、例えば、セイコーインスツルメンツ株式会社製Exstar6000等を使用することができる。
本発明に使用する液晶ポリマーは、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定することが可能である。本発明に使用する液晶ポリマーは、ペンタフルオロフェノール中、濃度0.1g/dl、温度60℃で測定した場合の対数粘度が0.3dl/g以上であるものが好ましく、0.5〜10dl/gであるものがより好ましく、1〜8dl/gであるものがさらに好ましい。

0071

本発明に使用する液晶ポリマーの製造方法には特に限定はなく、前記の単量体成分によるエステル結合またはアミド結合を形成させる公知の重縮合法、例えば溶融アシドリシス法、スラリー重合法などを用いることができる。

0072

溶融アシドリシス法とは、本発明において用いる液晶ポリマーを製造するのに適した方法であり、この方法は、最初に単量体を加熱して反応物質溶融液を形成し、反応を継続することにより溶融ポリマーを得るものである。なお、縮合最終段階で副生する揮発物(例えば酢酸、水など)の除去を容易にするために真空を適用してもよい。

0073

スラリー重合法とは、熱交換流体の存在下で反応させる方法であって、固体生成物熱交換媒質中に懸濁した状態で得られる。

0074

溶融アシドリシス法およびスラリー重合法のいずれの場合においても、液晶ポリマーを製造する際に使用する重合性単量体成分は、常温において、ヒドロキシル基アシル化した変性形態、すなわち低級アシル化物として反応に供することもできる。低級アシル基炭素原子数2〜5のものが好ましく、炭素原子数2または3のものがより好ましい。特に好ましくは前記単量体成分のアセチル化物を反応に用いる方法が挙げられる。

0075

単量体の低級アシル化物は、別途アシル化して予め合成したものを用いてもよいし、液晶ポリマーの製造時にモノマーに無水酢酸等のアシル化剤を加えて反応系内で生成せしめることもできる。

0076

溶融アシドリシス法またはスラリー重合法のいずれの場合においても反応時、必要に応じて触媒を用いてもよい。

0078

触媒の使用量は、モノマー重量に対し10〜1000ppmが好ましく、20〜200ppmがより好ましい。

0079

このような重縮合反応によって得られた液晶ポリマーは、溶融状態重合反応槽より抜き出された後に、ペレット状、フレーク状、または粉末状に加工され、成形加工に供される。

0080

本発明に使用する液晶ポリマーは、超音波伝達部材の強度を一層向上させる観点から、任意の成分として、さらに無機および/または有機充填材を含有してもよい。

0081

本発明に使用する液晶ポリマーが含有してもよい無機および/または有機充填材の具体例としては、例えば、ガラス繊維シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維炭素繊維チタン酸カリウム繊維ホウ酸アルミニウム繊維、アラミド繊維ポリアリレート繊維タルクマイカグラファイトウォラストナイトドロマイトクレーガラスフレークガラスビーズガラスバルーン炭酸カルシウム硫酸バリウム酸化チタンなどが挙げられ、これらは単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。

0082

これらの中では、タルクおよびガラス繊維が、物性とコストのバランスが優れている点で好ましい。

0083

また、無機および/または有機充填材は、表面処理をされたものであってもよい。表面処理の方法としては、例えば、充填材表面に表面処理剤吸着させる方法、液晶ポリマーと充填材を混練する際に表面処理剤を添加する方法などが挙げられる。

0085

無機および/または有機充填材の含有量は、液晶ポリマー100重量部に対して、1〜150重量部であることが好ましく、10〜100重量部であることがより好ましい。

0086

無機および/または有機充填材の含有量が1重量部未満であると超音波伝達部材の強度について添加による向上効果が得られにくくなる傾向があり、150重量部を超えると超音波伝達部材の強度が低下する傾向がある。

0087

本発明に使用する液晶ポリマーには、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに他の添加剤が添加されてもよい。

0088

他の添加剤の具体例としては、例えば、滑剤(高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩(ここで高級脂肪酸とは、炭素原子数10〜25のものをいう)など)、離型改良剤ポリシロキサンフッ素樹脂など)、着色剤染料顔料カーボンブラックなど)、難燃剤帯電防止剤界面活性剤造核剤(タルク、有機リン酸塩ソルビトール類など)、アンチブロッキング剤酸化防止剤リン系酸化防止剤フェノール系酸化防止剤硫黄系酸化防止剤など)、耐候剤、熱安定剤中和剤などが挙げられる。これらの添加剤は、単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。

0089

添加してもよい他の添加剤の合計量は、液晶ポリマー100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。

0090

他の添加剤の合計量が0.01重量部未満であると、添加剤の機能が実現しにくくなる傾向があり、5重量部を超えると、液晶ポリマーまたは液晶ポリマー組成物の成形加工時の熱安定性が悪くなる傾向がある。

0091

本発明に使用する液晶ポリマーには、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに他の樹脂成分が添加されてもよい。

0092

他の樹脂成分の具体例としては、例えば、ポリアミドポリエステルポリアセタールポリフェニレンエーテル、およびその変性物、ならびにポリスルホンポリエーテルスルホンポリエーテルイミドポリアミドイミドなどの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂エポキシ樹脂ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらの樹脂成分は単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。

0093

他の樹脂成分を含有する場合、該樹脂成分の含有量は、液晶ポリマー100重量部に対して0.1〜100重量部が好ましく、0.1〜80重量部がより好ましい。

0094

本発明に使用する液晶ポリマーは、液晶ポリマー、ならびに、相溶化剤、無機および/または有機充填材、他の添加剤または他の樹脂成分を混合し、バンバリーミキサーニーダー、一軸もしくは二軸押出機などを用いて、液晶ポリマーの結晶融解温度近傍から結晶融解温度+50℃の温度条件溶融混練して得ることができ、射出成形押出成形などの従来の方法により超音波伝達部材に成形できる。

0095

本発明の液晶ポリマーで構成された超音波伝達部材を使用した改質方法は、例えば、自動車用部材建築部材精密機械産業用機械などに係る微小乃至大サイズの幅広部品の表面改質に適用することができる。例えば車両や建築物などの大サイズの被改質材について製造現場建築現場において本発明の表面改質法を適用することができる。

0096

以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。

0097

<合成例1>(液晶ポリマーの合成)
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、4−ヒドロキシ安息香酸655.3g(73モル%)および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸330.3g(27モル%)を仕込み、さらに全モノマーの水酸基量(モル)に対して1.02倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。

0098

窒素ガス雰囲気下に室温から170℃まで1時間かけて昇温し、同温にて30分間保持した。次いで、3時間かけて330℃まで昇温し、さらに330℃で10分反応させた後、1.5時間かけて10mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。

0099

<超音波伝達部材の作製>
合成例1で得た液晶ポリマーペレットについて、射出成形機を用いて平板サンプル(51mm×51mm×1mmt)およびメッシュ状サンプル(51mm×51mm×1mmt、幅1mmのリブが4mm間隔で直交)をそれぞれ作製した。

0100

また、ポリカーボネート樹脂(帝人株式会社製パンライトL−1225L)についても、同様に平板サンプルおよびメッシュ状サンプルを作製した。

0101

なお、金属製超音波伝達部材としては、ステンレス鋼平織金網サンプル(51mm×51mm、線径1mm、5メッシュ)およびステンレス鋼平板サンプル(SUS304、51mm×51mm×1mmt)を使用した。

0102

<被改質材>
被改質材として鋼板(SPCC相当品、50mm×50mm×1mmt)を使用した。

0103

実施例1
ステンレス製容器の下面にシリコーン系接着剤を用いて超音波振動子(セラミック発振子、2mmφ×1mmt)を接着し、超音波電源装置(DAGATORONIC CORPORATION製、DAGATRON8202)およびオシロスコープ(Pico Technology Limited社製)を超音波振動子に接続して周波数を調整できるようにした。

0104

次いで、ステンレス容器の上に超音波伝達部材として液晶ポリマーの平板サンプルを設置し、その上に被改質材を載置して、超音波振動子の周波数を2MHzに設定して超音波を5分間付与した。

0105

超音波付与後、残留応力測定装置μ−x360n(パルステック工業社製)を用いて、被改質材の表面8か所について、X線応力測定(日本材料学会鉄鋼編に準拠)を行い、残留応力値平均値)および標準偏差を算出した。結果を表1に示す。

0106

改質前の値と比較して、残留応力値が小さいほど圧縮残留応力が形成されて表面が改質されたことを示し、標準偏差が小さいほど均一に改質されたことを示す。

0107

実施例2〜3および比較例1〜4
超音波伝達部材および超音波の周波数を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして超音波を付与し、残留応力値(平均値)および標準偏差を算出した。結果を表1に示す。

0108

また、参考例として、超音波を付与する前の被改質材の表面について、実施例1と同様に測定し算出した残留応力値(平均値)および標準偏差を表1に示す。

0109

0110

実施例4
ステンレス製容器の下面にシリコーン系接着剤を用いて超音波振動子(セラミック発振子、2mmφ×1mmt)を接着し、超音波電源装置(DAGATORONIC CORPORATION製、DAGATRON8202)およびオシロスコープ(Pico Technology Limited社製)を超音波振動子に接続して周波数を調整できるようにした。

0111

次いで、ステンレス容器の上に超音波伝達部材1として液晶ポリマーの平板サンプルを設置し、その上に被改質材を載置し、被改質材の上にさらに超音波伝達部材2として液晶ポリマーのメッシュ状サンプルを設置した。超音波伝達部材2にシリコーン系接着剤を用いて超音波振動子(セラミック発振子、2mmφ×1mmt)を接着し、超音波電源装置(DAGATORONIC CORPORATION製、DAGATRON8202)およびオシロスコープ(Pico Technology Limited社製)を接続して周波数を調整できるようにした。

0112

超音波振動子1は周波数2MHz、超音波振動子2は周波数50kHzとなるように設定して、5分間超音波を付与した。

0113

超音波付与後、被改質材の超音波伝達部材2に接触した方の面について、実施例1と同様にして、X線応力測定を行い、残留応力値(平均値)および標準偏差を算出した。結果を表2に示す。

0114

実施例5および比較例5〜6
超音波伝達部材1および2を表2に示すように変更した以外は実施例4と同様にして超音波を付与し、残留応力値(平均値)および標準偏差を算出した。結果を表2に示す。

0115

0116

液晶ポリマーから構成される超音波伝達部材を用いた実施例1〜5は、参考例に比べて残留応力が低い数値であり、また標準偏差も減少していることから均一に表面が改質されていることが理解される。

実施例

0117

これに対して、ステンレス鋼およびポリカーボネート樹脂から構成された超音波伝達部材を用いた比較例1〜6は、参考例と比較して、残留応力の低下は僅かであり、また標準偏差も減少せず表面改質効果に劣るものであった。

0118

1表面改質装置
2、2a、2b超音波振動子
3、3a、3b超音波電源装置
4、4a、4b超音波伝達部材
5 超音波振動子の先端部
6被改質材
7 支持部材

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