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図面 (16)

課題

線維症抑制活性を有するペプチド及びこれを含む組成物の提供。

解決手段

列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド、前記アミノ酸配列と80%以上の配列相同性を有するペプチド又はそのフラグメントであるペプチドからなる群から選ばれる一つ以上を含む線維症抑制用組成物

概要

背景

線維症は、線維芽細胞による細胞外マトリックスの異常な生成、蓄積及び沈着が生じる疾患であって、多様な組織の構造及び機能を変える損傷(injury)又は炎症によるコラーゲンマトリックスの異常な蓄積を言う。線維症の発病位置に関係なく、線維症の殆どの病因学は、正常組織を置き換えるコラーゲンマトリックスの過剰な蓄積を含む。特に、腎臓、肝、心臓、骨又は骨髄、及び皮膚に誘発された線維症は、臓器機能不全をもたらし、最悪の場合には、死に至らしめる。前記線維芽細胞は、正常的状態では、細胞外マトリックスの前駆体を生成して、線維組織を形成する機能を有する。結合組織細胞間物質である細胞外マトリックスは、フィブロネクチンラミニンコンドロネクチンコラーゲンのようなタンパク質の形態で存在する。

一方、TGF−βは、線維芽細胞による細胞外マトリックスの異常な生成、蓄積又は、細胞増殖炎症反応癌細胞転移のように、非常に多様な役割を果し、多くの細胞シグナル伝達経路(Cellular Signaling Pathway)と標的が究明されている。従って、多くの疾病モデルにおいて、TGF−βに関する研究がなされており、最も活発な研究及び薬物の開発が進行されている分野としては、線維症関連疾患(Fibrotic diseases)と癌を挙げられる。

TGF−βのメカニズムは、一般に、TGF−β受容体に結合した後、細胞質内でSmadタンパク質のリン酸化誘導し、多様なSmadタンパク質との相互作用を通じて、シグナルを伝達する。このシグナル伝達には、主に、Smad2、Smad3が関与する。Smad1とSmad5とは、骨形成タンパク質(bone morphogenic protein、BMP)のシグナル伝達に関わっている。そして、Smad4は、TGF−βのみならず、アクチビン(activin)、BMPなどに全て関与する共通のシグナル物質と知られている(Heldin, CH et al. Nature, 1997, 390, 465-471; Massague J. Annu. Rev. Biochem. 1998, 67, 753-791を参照)。

TGF−βシグナル伝達メカニズムの抑制を通じて、腫瘍浸潤(tumor invasion)の抑制と、上皮間葉移行(epithelial-mesenchymal transition、EMT)とを調節することにより、効果的な抗癌治療の効果を期待することができる。さらには、TGF−βは、細胞の増殖及び分化の調節に重要なサイトカインであることを考慮すると、抗癌治療の主要な副作用として挙げられる放射線による線維化を防げる治療法として注目を集めている(Zhang et al. J Radiat Res. 2013, 54, 630-636)。

最近、特発性肺線維化症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis)の治療剤として、FDA承認(2014年10月15日)されたEsbriet(登録商標)(ピルフェニドン(Pirfenidone))の場合には、TGF−β抑制剤として、TGF−βの産生の抑制が主な作用機序と知られている。また、TGF−βは、細胞増殖調節因子であって、細胞増殖を誘導又は制限して、癌、心臓疾患糖尿を始めた様々な疾病の発病過程において重要な役割を果すことが報告されており、多様な生理活性などが報告されている。例えば、TGF−β合成の抑制(細胞増殖調節因子の産生抑制)、TGF−βアンタゴニスト(TGFレセプター撹乱、シグナル伝達の妨害)、血小板由来増殖因子(Platelet-Derived Growth Factor、PDGF)アンタゴニスト(血管新生誘導因子抑制)、p38MAPキナーゼ抑制剤(kinase inhibitor)(細胞増殖シグナル伝達酵素抑制)、抗炎(TNF−α及びMAPKの産生抑制)などの作用がある。従って、よりTGF−βを直接に抑制するか、TGF−βが関与するシグナル伝達過程を遮断することができ、副作用もない新規医薬組成物を開発できれば、線維化に誘発される各種の疾病及び老化の予防及び治療を行うことができる。

特に、癌の環境において、癌組織抗癌剤放射線治療などの様々な線維症の誘発因子が存在するので、癌の環境において線維症の抑制は、より重要な意味がある。現在の代表的な癌治療法である放射線治療と化学療法とは、線維化などによる副作用から、患者のQOLを顕著に低下させ、抗癌治療の予後を非常に悪化すると知られている。

従って、癌の誘発に関与するTGF−βシグナル伝達メカニズムを抑制する治療剤は、癌ワクチンの開発のみならず、既存の抗癌治療の効果を極大化できる新規の治療剤及び治療方法として非常に有用であることから、この開発が要望される。例えば、抗癌治療の際、癌組織、抗癌剤及び放射線照射などにより誘発される線維症は、抗癌剤が、癌部位に伝達されて抗癌効果を奏するようにする薬物伝達及び薬効発現を妨害すると共に、癌免疫細胞が、癌部位に移動することを防ぎ、抗癌治療が効果的に行われないようにする。従って、人体に対する副作用がなく、癌組織、化学療法(抗癌剤治療)、及び放射線照射などから誘発される線維化を抑制できる医薬組成物が開発されれば、癌に対する抗癌治療をより効果的に行えるだろう。

概要

線維症抑制活性を有するペプチド及びこれを含む組成物の提供。配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド、前記アミノ酸配列と80%以上の配列相同性を有するペプチド又はそのフラグメントであるペプチドからなる群から選ばれる一つ以上を含む線維症抑制用組成物

目的

本発明の一態様では、配列番号1のアミノ酸配列を含む(comprising)ペプチド、前記アミノ酸配列と80%以上の配列相同性を有するペプチド又はそのフラグメントである、線維症抑制効能を有するペプチドを、有効成分として含む薬剤学的組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド、前記アミノ酸配列と80%以上の配列相同性を有するペプチド又はそのフラグメントであるペプチドからなる群から選ばれる一つ以上を含む線維症抑制用組成物

請求項2

前記フラグメントは、3個以上のアミノ酸から構成されたフラグメントである、請求項1に記載の線維症抑制用組成物。

請求項3

前記線維症は、癌、抗癌剤投与、及び放射線暴露からなる群から一つ以上選ばれることにより誘導される線維症である、請求項1に記載の線維症抑制用組成物。

請求項4

前記組成物は、膵臓癌大腸癌胃癌前立腺癌非小細胞肺がん乳癌メラノーマ卵巣癌からなる群から選ばれる癌細胞組織の線維症を抑制する、請求項3に記載の線維症抑制用組成物。

請求項5

前記組成物は、癌細胞組織の線維症を抑制するために、化学療法の抗癌剤と併用するか、放射線治療並行して用いられる、請求項1に記載の線維症抑制用組成物。

請求項6

前記化学療法の抗癌剤は、デオキシヌクレオシド類似体及びフルオロピリミジンのうち選ばれた一つ以上であることを特徴とする、請求項5に記載の線維症抑制用組成物。

請求項7

前記デオキシヌクレオシド類似体は、ゲムシタビンであり、前記フルオロピリミジンは、5−フルオロウラシル又はカペシタビンである、請求項6に記載の組成物。

請求項8

前記組成物が、製薬学的許容可能な賦形剤及び添加剤などをさらに含む薬学組成物である、請求項1に記載の線維症抑制用組成物。

請求項9

前記組成物は、TGF−βシグナル伝達過程関与して、皮膚細胞組織の線維症を抑制する、請求項1に記載の線維症抑制用組成物。

請求項10

前記組成物は、許容可能な賦形剤、潤滑剤及び添加剤などをさらに含み、化粧品組成物である、請求項9に記載の線維症抑制用組成物。

請求項11

請求項1から請求項10のうちのいずれかに記載の線維症抑制用組成物を必要とする対象に投与することを特徴とする、線維症関連の疾患を治療及び予防する方法。

請求項12

配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド、前記アミノ酸配列と80%以上の配列相同性を有するペプチド又はそのフラグメントであるペプチドの使用であって、請求項1から請求項10のうちいずれかに記載の線維症抑制用組成物を製造するための使用。

技術分野

0001

本発明は、線維症(fibrosis)抑制効能(anti-fibrosis)を有するペプチド及びこれを含む組成物に関し、より詳しくは、テロメラーゼ由来のペプチドを含めて、各種の組織細胞の線維症発生の抑制に効果的な線維症抑制用組成物に関する。

背景技術

0002

線維症は、線維芽細胞による細胞外マトリックスの異常な生成、蓄積及び沈着が生じる疾患であって、多様な組織の構造及び機能を変える損傷(injury)又は炎症によるコラーゲンマトリックスの異常な蓄積を言う。線維症の発病位置に関係なく、線維症の殆どの病因学は、正常組織を置き換えるコラーゲンマトリックスの過剰な蓄積を含む。特に、腎臓、肝、心臓、骨又は骨髄、及び皮膚に誘発された線維症は、臓器機能不全をもたらし、最悪の場合には、死に至らしめる。前記線維芽細胞は、正常的状態では、細胞外マトリックスの前駆体を生成して、線維組織を形成する機能を有する。結合組織細胞間物質である細胞外マトリックスは、フィブロネクチンラミニンコンドロネクチンコラーゲンのようなタンパク質の形態で存在する。

0003

一方、TGF−βは、線維芽細胞による細胞外マトリックスの異常な生成、蓄積又は、細胞増殖炎症反応癌細胞転移のように、非常に多様な役割を果し、多くの細胞シグナル伝達経路(Cellular Signaling Pathway)と標的が究明されている。従って、多くの疾病モデルにおいて、TGF−βに関する研究がなされており、最も活発な研究及び薬物の開発が進行されている分野としては、線維症関連疾患(Fibrotic diseases)と癌を挙げられる。

0004

TGF−βのメカニズムは、一般に、TGF−β受容体に結合した後、細胞質内でSmadタンパク質のリン酸化誘導し、多様なSmadタンパク質との相互作用を通じて、シグナルを伝達する。このシグナル伝達には、主に、Smad2、Smad3が関与する。Smad1とSmad5とは、骨形成タンパク質(bone morphogenic protein、BMP)のシグナル伝達に関わっている。そして、Smad4は、TGF−βのみならず、アクチビン(activin)、BMPなどに全て関与する共通のシグナル物質と知られている(Heldin, CH et al. Nature, 1997, 390, 465-471; Massague J. Annu. Rev. Biochem. 1998, 67, 753-791を参照)。

0005

TGF−βシグナル伝達メカニズムの抑制を通じて、腫瘍浸潤(tumor invasion)の抑制と、上皮間葉移行(epithelial-mesenchymal transition、EMT)とを調節することにより、効果的な抗癌治療の効果を期待することができる。さらには、TGF−βは、細胞の増殖及び分化の調節に重要なサイトカインであることを考慮すると、抗癌治療の主要な副作用として挙げられる放射線による線維化を防げる治療法として注目を集めている(Zhang et al. J Radiat Res. 2013, 54, 630-636)。

0006

最近、特発性肺線維化症(Idiopathic Pulmonary Fibrosis)の治療剤として、FDA承認(2014年10月15日)されたEsbriet(登録商標)(ピルフェニドン(Pirfenidone))の場合には、TGF−β抑制剤として、TGF−βの産生の抑制が主な作用機序と知られている。また、TGF−βは、細胞増殖調節因子であって、細胞増殖を誘導又は制限して、癌、心臓疾患糖尿を始めた様々な疾病の発病過程において重要な役割を果すことが報告されており、多様な生理活性などが報告されている。例えば、TGF−β合成の抑制(細胞増殖調節因子の産生抑制)、TGF−βアンタゴニスト(TGFレセプター撹乱、シグナル伝達の妨害)、血小板由来増殖因子(Platelet-Derived Growth Factor、PDGF)アンタゴニスト(血管新生誘導因子抑制)、p38MAPキナーゼ抑制剤(kinase inhibitor)(細胞増殖シグナル伝達酵素抑制)、抗炎(TNF−α及びMAPKの産生抑制)などの作用がある。従って、よりTGF−βを直接に抑制するか、TGF−βが関与するシグナル伝達過程を遮断することができ、副作用もない新規医薬組成物を開発できれば、線維化に誘発される各種の疾病及び老化の予防及び治療を行うことができる。

0007

特に、癌の環境において、癌組織抗癌剤放射線治療などの様々な線維症の誘発因子が存在するので、癌の環境において線維症の抑制は、より重要な意味がある。現在の代表的な癌治療法である放射線治療と化学療法とは、線維化などによる副作用から、患者のQOLを顕著に低下させ、抗癌治療の予後を非常に悪化すると知られている。

0008

従って、癌の誘発に関与するTGF−βシグナル伝達メカニズムを抑制する治療剤は、癌ワクチンの開発のみならず、既存の抗癌治療の効果を極大化できる新規の治療剤及び治療方法として非常に有用であることから、この開発が要望される。例えば、抗癌治療の際、癌組織、抗癌剤及び放射線照射などにより誘発される線維症は、抗癌剤が、癌部位に伝達されて抗癌効果を奏するようにする薬物伝達及び薬効発現を妨害すると共に、癌免疫細胞が、癌部位に移動することを防ぎ、抗癌治療が効果的に行われないようにする。従って、人体に対する副作用がなく、癌組織、化学療法(抗癌剤治療)、及び放射線照射などから誘発される線維化を抑制できる医薬組成物が開発されれば、癌に対する抗癌治療をより効果的に行えるだろう。

先行技術

0009

KR1019930001915 A
KR1020040107492 A

発明が解決しようとする課題

0010

本発明者らは、前述の背景の下で、副作用がなく、優秀な効果の線維症抑制用組成物を開発するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
本発明の目的は、効果的な線維症抑制用組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明の一態様によると、配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド(以下、「PEP1」という)、前記アミノ酸配列と80%以上の配列相同性を有するペプチド又はそのフラグメントであるペプチドからなる群から選ばれる一つ以上を含む線維症抑制用組成物が提供される。

0012

本発明による組成物において、前記ペプチドのフラグメントは、3個以上のアミノ酸から構成されたフラグメントであってもよい。

0013

本発明による組成物において、前記線維症は、癌、抗癌剤の投与、及び放射線暴露からなる群より選ばれる一つ以上により誘導される線維症であってもよい。

0014

本発明による組成物において、前記組成物は、膵臓癌大腸癌胃癌前立腺癌非小細胞肺がん乳癌メラノーマ卵巣癌からなる群から選ばれる癌細胞組織の線維症を抑制することであってもよい。

0015

本発明による組成物において、前記組成物は、癌細胞組織の線維症を抑制するために、化学療法の抗癌剤と併用するか、放射線治療と並行して用いられる組成物であってもよい。前記化学療法の抗癌剤は、デオキシヌクレオシド類似体及びフルオロピリミジンのうち選ばれた一つ以上であってもよく、前記デオキシヌクレオシド類似体は、ゲムシタビンであり、前記フルオロピリミジンは、5−フルオロウラシル又はカペシタビンであってもよい。

0016

本発明による組成物において、前記組成物は、製薬学的許容可能な賦形剤及び添加剤などをさらに含む薬学的組成物であってもよい。

0017

本発明による組成物において、前記組成物は、TGF−βシグナル伝達過程に関与して、皮膚細胞組織の線維症を抑制する線維症抑制用組成物であってもよい。

0018

本発明による組成物において、前記組成物は、許容可能な賦形剤、潤滑剤、及び添加剤などをさらに含み、化粧品組成物であってもよい。

0019

本発明の他の態様によると、前記線維症抑制用組成物を必要とする対象に投与することを特徴とする、線維症関連疾患の治療及び予防方法が提供される。

発明の効果

0020

本発明による配列番号の配列を有するペプチド、又は前記配列と80%の相同性を有する配列のペプチド又はそのフラグメントであるペプチド、これを含む組成物、及びこれを使用する方法は、優れた線維症抑制効能を奏し、これによる副作用が全く無く、TGF−βシグナル伝達過程による組織的な線維化、特に癌組織による線維化、抗癌治療などに伴う抗癌剤又は放射線暴露などによる線維症を効果的に抑制することができ、線維症関連疾患の予防及び/又は治療に非常に有用である。

図面の簡単な説明

0021

異種移植実験モデルとして、AsPC1細胞をノードマウス接種したのち、10日後から、PEP1及びゲムシタビンを投薬する実験過程の全体を示す図である。
生体内(in vivo)におけるPEP1とゲムシタビンとの抗癌効果を測定するために、AsPC1細胞を接種したヌードマウスに、何の投薬もしていない対照群、10日後から、PEP1、ゲムシタビンをそれぞれ投薬した群、及びPEP1及びゲムシタビンを共に投薬した群の、投薬後の24日間の各マウスの体重を測定したグラフである。
AsPC1細胞を接種したヌードマウスに、何の投薬もしていない対照群の細胞の写真である。
AsPC1細胞を接種したヌードマウスに、PEP1を、10日後から一日一回皮下投与した群の細胞の写真である。
AsPC1細胞を接種したヌードマウスに、ゲムシタビンを、10日後から3日毎に1回ずつ腹腔内投与した群の細胞の写真である。
AsPC1細胞を接種したヌードマウスに、10日後からPEP1(1日1回皮下)及びゲムシタビン(3日1回腹腔内)を共に投与した群の細胞の写真である。
HepG2細胞株に何の処理もしていない対照群と、TGF−β1を処理した後、何の処理もしていない実験群、SB431542を処理した陽性対照群、及びPEP1を濃度別(1、5、10μM)に処理した実験群の各々において、qRTPCR法によりSmad2遺伝子の相対的な発現量を測定した結果を示すグラフである。
HepG2細胞株にTGF−β1を処理した後、PEP1を濃度別(1、5、10μM)に処理した実験群の各々において、Smad2遺伝子抑制率(%)を示すグラフである。
HepG2細胞株に何の処理もしていない対照群と、TGF−β1処理の後に何の処理もしていない実験群、SB431542を処理した陽性対照群、及びPEP1を濃度別(1、5、10μM)に処理した実験群の各々において、qRT−PCR法によりSmad4遺伝子の相対的な発現量を測定した結果を示すグラフである。
HepG2細胞株にTGF−β1を処理した後、PEP1を濃度別(1、5、10μM)に処理した実験群の各々において、Smad4遺伝子抑制率(%)を示すグラフである。
HepG2細胞株に何の処理もしていない対照群と、TGF−β1処理の後に何の処理もしていない実験群、SB431542を処理した陽性対照群、及びPEP1を濃度別(1、5、10μM)に処理した実験群の各々において、qRT−PCR法によりフィブロネクチン(fibronectin)の相対的な発現量を測定した結果を示すグラフである。
HepG2細胞株にTGF−β1を処理した後、SB431542を処理した陽性対照群、及びPEP1を濃度別(1、5、10μM)に処理した実験群の各々において、フィブロネクチン抑制率(%)を示すグラフである。
HEK(Normal human epidermal keratiocytes)細胞を、偽薬(sham)を処理した対照群、及びPEP1を1mMの濃度で処理した実験群に分けて、放射線(6Gy、IR(ionizing radiation))に暴露しなかった時と、暴露した時に、それぞれ10日後の細胞の培養状態を示す写真である。
NHEK細胞を、偽薬処理をした対照群、及びPEP1を1mMの濃度で処理した実験群に分けて、それぞれ放射線(6Gy、IR)に暴露しなかった時と、暴露した時、1日後及び10日後に、各実験群の細胞内GRHL2、p63、N−Cad、及びP−Aktの発現状態を示す電気泳動の写真である。
NHEK細胞を、偽薬処理をした対照群、及びPEP1を1mMの濃度で処理した実験群に分けて、放射線(6Gy、IR)に暴露した後、各々の細胞でp−Smad2/3、Smad4、FN、Snail、及びN−Cadの発現を示すウェスタンブロッティング(Western Blotting)の写真である。

0022

以下、具体的な実施例を参照して、本発明をより詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に限定することではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物乃至代替物を含むことを理解すべきである。本発明を説明するにあたって、関連の公知技術に関する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にする恐れがあると判断する場合、その詳細な説明を省略する。

0023

テロメア(telomere)は、染色体末端に繰り返して存在する遺伝物質であって、当該染色体の損傷や他の染色体との結合を防止すると知られている。テロメアの長さは、細胞が分裂する度に、少しずつ短くなって、一定の回数以上の細胞分裂があれば、テロメアは非常に短くなり、その細胞は、分裂を止めて死になる。その反面、テロメアを長くすると、細胞の寿命延長されると知られており、その例として、癌細胞では、テロメラーゼ(telomerase)という酵素分泌されて、テロメアが短くなることを防ぐため、癌細胞が死ぬことなく、増殖し続けることができると知られている。本発明者らは、テロメラーゼに由来のペプチドが、線維症の抑制に効果的であることを確認し、本発明を完成するに至った。

0024

本発明の一態様において、配列番号1のペプチド、配列番号1のフラグメントであるペプチド、又は前記ペプチド配列と80%以上の配列相同性を有するペプチドは、テロメラーゼ、具体的に、ヒト(Homo sapiens)テロメラーゼに由来のペプチドを含む。

0025

本明細書に開示されたペプチドは、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上の配列相同性を有するペプチドを含んでもよい。また、本明細書に開示されたペプチドは、配列番号1を含むペプチド又はそのフラグメントと、1個以上のアミノ酸、2個以上のアミノ酸、3個以上のアミノ酸、4個以上のアミノ酸、5個以上のアミノ酸、6個以上のアミノ酸又は7個以上のアミノ酸が変化されたペプチドとを含んでもよい。

0026

本発明の一態様において、本発明の範囲内で、配列番号1のペプチドの物理化学的特性が変更されるようにするペプチドに対する一部のアミノ酸の変化が行われてもよい。例えば、ペプチドの熱安定性を向上し、気質特異性を変更させ、最適のpHを変化させるなどのアミノ酸の変化が行われてもよい。

0027

本明細書において、「アミノ酸」は、自然にペプチドに統合される22個の標準アミノ酸のみならず、D−異性体及び変形されたアミノ酸を含む。これにより、本発明の一態様において、ペプチドは、D−アミノ酸を含むペプチドであってもよい。一方、本発明の他の態様において、ペプチドは、翻訳後修飾(post-translational modification)の非標準アミノ酸などを含んでもよい。翻訳後修飾の例には、リン酸化(phosphorylation)、グリコシル化(glycosylation)、アシル化(acylation)(例えば、アセチル化(acetylation)、ミリストイル化(myristoylation)及びパルミトイル化(palmitoylation)を含む)、アルキル化(alkylation)、カルボキシル化(carboxylation)、ヒドロキシル化(hydroxylation)、糖化反応(glycation)、ビオチニル化(biotinylation)、ユビキチニル化(ubiquitinylation)、化学的性質の変化(例えば、ベター除去脱アミド化、脱アミド化)及び構造的変化(例えば、二黄化ブリッジの形成)が含まれる。また、ペプチドコンジュゲートを形成するための架橋剤(crosslinker)との結合過程で起こる化学反応により生じるアミノ酸の変化、例えば、アミノ基、カルボキシ基、又は側鎖における変化のようなアミノ酸の変化が含まれる。

0028

本明細書に開示されたペプチドは、自然そのままの供給源から、同定及び分離された野生型ペプチドであってもよい。一方、本明細書に開示されたペプチドは、配列番号1のフラグメントであるペプチドと比較して、一つ以上のアミノ酸が、置換欠失及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含む、人工変異体であってもよい。人工変異体のみならず、野生型ポリペプチドにおけるアミノ酸の変化は、タンパク質のフォールディング(folding)及び/又は活性に有意義の影響を及ばないアミノ酸の保存性置換を含む。保存性置換の例は、塩基性アミノ酸アルギニンリジン及びヒスチジン)、酸性アミノ酸グルタル酸及びアスパルト酸)、極性アミノ酸グルタミン及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸ロイシンイソロイシンバリン及びメチオニン)、芳香族アミノ酸フェニルアラニントリプトファン及びチロシン)、及び小さいアミノ酸(グリシンアラニンセリン及びトレオニン)の群の範囲内にある。一般に、特異的活性を変更させないアミノ酸の置換が、本分野に公知されている。最も頻繁に生じる交換は、Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Glu、及びAsp/Gly、そしてこれらと逆のものである。保存的置換の他の例は、以下の表に示している。

0029

0030

ペプチドの生物学的特性における実在的な変形は、(a)置換領域内のポリペプチド骨格の構造、例えば、シート又は螺旋立体構造の保持において、これらの効果、(b)標的部位における前記分子電荷又は疎水性の保持において、これらの効果、又は(c)側鎖のバルクの保持において、これらの効果が、相当に異なる置換部を選択することにより行われる。天然の残基は、通常の側鎖の特性に基づいて、次のグループに分けられる:
(1) 疎水性:ノルロイシン、met、 ala、val、leu、ile、
(2)中性親水性:cys、ser、thr、
(3)酸性: asp、glu、
(4)塩基性:asn、gln、his、lys、arg、
(5) 鎖の配向に影響を及ぼす残基:gly、 pro、及び
(6)芳香族:trp、tyr、phe

0031

非保存的置換は、これらの類のうちの一つの構成員を、また他の類に交換することにより行われる。ペプチドの適当な立体構造を保持するのと関連のないいずれのシステイン残基も、一般にセリンに置換されて、前記分子の酸化的安定性を向上し、異常な架橋結合を防ぐことができる。逆に言えば、システイン結合(複数の結合)を前記ペプチドに加えて、その安定性を向上することができる。

0032

ペプチドの他の類型アミノ酸変異体は、抗体のグリコシル化パターンが変化されたものである。変化とは、ペプチドで見付けられた一つ以上の炭水化物残基の欠失及び/又はペプチド内に存在しない一つ以上のグリコシル化部位の付加を意味する。

0033

ペプチドのグリコシル化は、典型的に、N−結合されるか、O−結合されるものである。N−結合されるとは、炭水化物残基が、アスパラギン残基の側鎖に付着されたものを言う。トリペプチド配列のアスパラギン−X−セリン及びアスパラギン−X−トレオニン(ここで、Xは、プロリンを除いた任意のアミノ酸である)は、炭水化物残基を、アスパラギン側鎖に酵素的付着するための認識配列である。従って、これらのトリペプチド配列のうちの一つが、ポリペプチドに存在することにより、潜在的なグリコシル化部位が生成される。O−結合されたグリコシル化は、糖N−アセチルガラクトサミンガラクトース及びキシロースのうちの一つを、ヒドロキシアミノ酸、最も通常的には、セリン又はトレオニンに付着することを意味するが、5−ヒドロキシプロリン又は5−ヒドロキシリジンを用いてもよい。

0034

ペプチドへのグリコシル化部位の付加は、前に挙げられたトリペプチド配列の一つ以上を含有するようにアミノ酸配列を変化することで、便宜に行われる(N−結合されたグリコシル化部位の場合)。このような変化は、一つ以上のセリン又はトレオニン残基を、最初の抗体の配列に付加するか、これらの残基で置換することにより行われてもよい(O−結合されたグリコシル化部位の場合)。

0035

また、本発明の一態様による配列番号1の配列を有するペプチド、配列番号1の配列のフラグメントであるペプチド又は前記ペプチド配列と80%以上の配列相同性を有するペプチドは、細胞内毒性が低く、生体内安定性が高いという長所を有する。本発明における配列番号1は、テロメラーゼに由来の ペプチドとして、以下のように16個のアミノ酸からなるペプチドである。

0036

配列番号1に記載されたペプチドは、以下の表2の通りである。以下の表2における「名称」は、ペプチドを区別するために命名したものである。本発明の一態様において、配列番号1に記載されたペプチドは、ヒトのテロメラーゼの全ペプチドを示す。本発明の他の態様において、配列番号1の配列を有するペプチド、配列番号1の配列のフラグメントであるペプチド又は前記ペプチド配列と80%以上の配列相同性を有するペプチドは、テロメラーゼに含まれたペプチドのうち、当該位置のペプチドを選別して合成した「合成ペプチド」を含む。配列番号2は、全テロメラーゼのアミノ酸配列を示したものである。

0037

0038

本発明の一態様では、配列番号1のアミノ酸配列を含む(comprising)ペプチド、前記アミノ酸配列と80%以上の配列相同性を有するペプチド又はそのフラグメントである、線維症抑制効能を有するペプチドを、有効成分として含む薬剤学的組成物を提供する。

0039

本発明の一態様による線維症抑制用薬学組成物は、一側面では、配列番号1のアミノ酸配列を含む(comprising)ペプチド、前記アミノ酸配列と80%以上の配列相同性を有するペプチド又はそのフラグメントであるペプチドを、0.01mg/kg〜0.1mg/kg、1mg/kg、及び10mg/kgの含量で含んでもよいが、容量による効果の差を示す場合、これを適切に調整することができる。前記範囲又はそれ以下の範囲で含む場合、本発明の意図した効果を奏するのに適切であるだけではなく、組成物の安定性及び安全性の両方を満たすことができ、費用対比効果の観点からも、前記範囲で含むことが適切であり得る。

0040

本発明の一態様において、配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド、前記アミノ酸配列と80%以上の配列相同性を有するペプチド又はそのフラグメントであるペプチドの使用として、前述の線維症抑制用組成物のうちのいずれか一つの組成物を製造するための使用である。

0041

本発明の一態様による組成物は、ヒト、イヌトリブタウシヤギ、ギニアピグ又はサルを含む全ての動物に適用できる。

0042

本発明の一態様において、組成物は、配列番号1のアミノ酸配列を含む(comprising)ペプチド、前記アミノ酸配列と80%以上の配列相同性を有するペプチド又はそのフラグメントである、線維症抑制効能を有するペプチドを含む薬学組成物を提供する。本発明の一態様による薬学組成物は、経口、直腸経皮静脈内、筋肉内、腹腔内、骨髄内、硬膜内又は皮下内に投与できる。

0043

経口投与のための剤型は、錠剤丸剤軟質又は硬質カプセル剤顆粒剤散剤液剤、又は乳濁剤であってもよいが、これに限定されない。非経口投与のための剤型は、注射剤点滴剤ローション軟膏ゲルクリーム懸濁剤乳剤坐剤パッチ、又は噴霧剤であってもよいが、これに限定されない。

0044

本発明の一態様による薬学組成物は、必要に応じて、希釈剤、賦形剤、滑澤剤、結合剤崩解剤、緩衝剤分散剤界面活性剤着色剤香料、又は甘味剤などの添加剤を含んでもよい。本発明の一態様による薬学組成物は、当業界の通常的な方法により製造できる。

0045

本発明の一態様による薬学組成物の有効成分は、投与しようとする対象の年齢性別、体重、病理状態及びその重症度投与経路又は処方者の判断によって変わる。このような因子に基づいた適用量の決定は、当業者水準内にあり、この一日投与量は、例えば、0.1μg/kg/日〜1g/kg/日、具体的には、1μg/kg/日〜100mg/kg/日、より具体的には、10μg/kg/日〜10 mg/kg/日、さらにより具体的には、50μg/kg/日〜1mg/kg/日となってもよいが、容量による効果の差を示す場合、これを適切に調整してもよい。本発明の一態様による薬学組成物は、1日1回〜3回投与してもよいが、これに限定されない。

0046

本発明の一態様において、組成物は、配列番号1のアミノ酸配列を含む(comprising)ペプチド、前記アミノ酸配列と80%以上の配列相同性を有するペプチド又はそのフラグメントであるペプチドを、有効成分として含む線維症抑制用組成物を提供する。

0047

本発明の一態様において、組成物は、癌組織、特に膵臓癌、胃癌、腎臓癌、前立腺癌、喉頭癌、食道癌甲状腺癌肺癌、乳癌(breast cancer)、腸癌、子宮癌子宮頸癌(cervical cancer)、子宮体癌膀胱癌(urinary bladder cancer)、泌尿生殖路癌、膀胱癌(bladder cancer)、皮膚癌組織が誘発する線維症抑制用の組成物を提供する。

0048

本発明の一態様による組成物の製型は、特に限定されないが、例えば、錠剤、顆粒剤、粉剤、液剤、固形製剤などに製型化することができる。各製剤は、有効成分の他に、当該分野において通常に用いられる複数の成分を、製型又は使用目的に応じて、当業者が容易に適宜選択して配合でき、他の原料と同時に適用する場合、上昇効果を奏することができる。

0049

前記有効成分の投与量の決定は、当業者の水準内にあり、この1日投与容量は、例えば、具体的には、1μg/kg/日〜100 mg/kg/日、より具体的には、10μg/kg/日〜10 mg/kg/日、さらにより具体的には、50μg/kg/日〜1 mg/kg/日となってもよいが、容量による効果の差を示す場合、これを適切に調整してもよく、投与しようとする対象の年齢、健康状態合併症などの様々な要因によって変わり得る。

0050

本明細書において用いられた用語は、特定の具体例を説明するための目的としてのみ意図されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。名詞の前に個数が省略された用語は、数量を制限しようとするものではなく、言及された名詞の物品が、一つ以上存在することを示すものである。用語「含む」、「有する」、及び「含有する」とは、包括的意味と解釈される(即ち、「含まれるが、これに限定されない」という意味)。

0051

数値の範囲を言及することは、単にその範囲内に属するそれぞれの別個の数値を、個別的に言及することに代わる容易な方法であるためであり、それではないと明示されていない、各別個の数値は、まるで個別的に明細書に言及されているように本明細書に統合される。全ての範囲の最後の値は、その範囲内に含まれ、独立的に組み合わせることができる。

0052

本明細書に述べられる全ての方法は、特に明示されているか、文脈により明白に矛盾されない限り、適切な順序で行われ得る。いずれか一つの実施例及び全ての実施例又は例示的言語(例えば、「〜のような」)を用いるのは、特許請求の範囲に含まれていない限り、単に本発明をよりよく記述するためのものであって、本発明の範囲を制限しようとすることではない。本明細書のどのような言語でも、請求されていない構成要素を、本発明の実施に必須的なものと解釈してはいけない。特に定めのない限り、本明細書に用いられる技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により通常理解されるような意味を有する。

0053

本発明の好適な具体例は、本発明を実行するために、発明者に知られた最適のモードを含む。好適な具体例の変形は、先の記載を読めば、当業者に明白になり得る。本発明者らは、当業者がそのような変形を適切に利用することを期待し、発明者らは、本明細書に記載された方式とは異なる方式で、本発明が実施されることを期待する。従って、本発明は、特許法により許容されるように、添付の特許請求の範囲に述べられた発明の要旨の均等物及び全ての変形を含む。さらに、全ての可能な変形内で、前述の構成要素のいずれの組み合わせでも、ここで逆に明示するか、文脈上、明白に矛盾されない限り、本発明に含まれる。本発明は、例示的な具体例を参照して、具体的に開示し、記述されたが、当業者は、添付の特許請求の範囲により定められる発明の思想及び範囲を逸脱することなく、形態及びディテールにおいて多様な変化が可能であることがよく分かる。

0054

以下、実施例及び実験例をもって、本発明の構成及び効果をより詳細に説明する。しかし、以下の実施例及び実験例は、本発明の理解を助けるために例示の目的にのみ提供されたものに過ぎず、本発明の範疇及び範囲を限定することではない。

0055

実施例1:ペプチドの合成
1. ペプチドの合成
配列番号1のペプチド(以下、「PEP1」という)を、従来から知られている固相ペプチド合成法に従って製造した。具体的に、ペプチドは、ASP48S(Peptron, Inc., 大韓民国大展)を用いて、Fmoc固相合成法(solid phase peptide synthesis, SPPS)でC−末端からアミノ酸を一つずつカップリングすることにより合成した。次のように、ペプチドのC−末端の一番目のアミノ酸が、レジンに付着されたものを用いた。例えば、以下の通りである。

0056

NH2−Lys(Boc)−2−クロロ−トリチルレジン
NH2−Ala−2−クロロ−トリチルレジン
NH2−Arg(Pbf)−2−クロロ−トリチルレジン

0057

ペプチド合成に用いた全てのアミノ酸原料は、N−末端がFmocで保護され、残基は全て酸で除去される、Trt、Boc、t−Bu(t-ブチルエステル)、Pbf(2、2、4、6、7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルフォニル)などで保護されたものを用いた。例えば、以下の通りである。

0058

Fmoc−Ala−OH、Fmoc−Arg(Pbf)−OH、Fmoc−Glu(OtBu)−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Leu−OH、Fmoc−Ile−OH、Fmoc−Phe−OH、Fmoc−Ser(tBu)−OH、Fmoc−Thr(tBu)−OH、Fmoc−Lys(Boc)−OH、Fmoc−Gln(Trt)−OH、Fmoc−Trp (Boc)−OH、Fmoc−Met−OH、Fmoc−Asn(Trt)−OH、Fmoc−Tyr(tBu)−OH、Fmoc−Ahx−OH、Trt−メルカプト酢酸

0059

カップリング試薬としては、HBTU[2−(1H−ベンゾトリアゾル−1−イル)−1、1、3、3−テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート]/HOBt[N−ヒドロキシベンゾトリアゾル]/NMM[4−メチルモルホリン]を用いた。Fmocの除去は、20%のDMF中のピペリジン(piperidine in DMF)を用いた。合成されたペプチドを、レジンから分離及び残基の保護基の除去には、切断カクテル(Cleavage Cocktail)[TFA(トリフルオロ酢酸)/TIS(トリイソプロピルシラン)/EDT(エタンジチオール)/H2O=92.5/2.5/2.5/2.5]を用いた。

0060

アミノ酸の保護基が結合された出発アミノ酸が、固相支持体に結合されている状態を利用して、ここに当該アミノ酸を各々反応させ、溶媒洗浄した後、脱保護する過程を繰り返すことにより、各ペプチドを合成した。合成されたペプチドを、レジンから切り出した後、HPLCで精製し、MSで合成の可否を確認した後、凍結乾燥した。

0061

本実施例に用いられたペプチドへの高速液体クロマトグラフィーの結果、全てのペプチドの純度は、95%以上であった。

0062

ペプチドPEP1の製造についての具体的な過程は、以下の通りである。
1)カップリング
NH2−Lys(Boc)−2−クロロ−トリチルレジンに、保護されたアミノ酸(8当量)と、カップリング試薬HBTU(8当量)/HOBt(8当量)/NMM(16当量)とをDMFに溶解して加えた後、常温で2時間反応させ、DMF、MeOH 、DMFの順に洗浄した。
2) Fmoc脱保護
20%のDMF中のピペリジン(piperidine in DMF)を加えて、常温で5分間2回反応させ、DMF、MeOH 、DMFの順に洗浄した。
3)前記1)と2)の反応を繰り返して行い、ペプチドの基本骨格NH2−E(OtBu)−A−R(Pbf)−P−A−L−L−T(tBu)−S(tBu)−R(Pbf)L−R(Pbf)−F−I−P−K(Boc)−2−クロロ−トリチルレジンを作製した。
4)切断(Cleavage):合成が完了されたペプチドレジンに、切断カクテル(Cleavage Cocktail)を加えて、レジンからペプチドを分離した。
5)得られた混合物に、冷却ジエチルエーテルを加えた後、遠心分離して得られたペプチドを沈殿した。
6)Prep−HPLCで精製した後、LC/MSで分子量を確認し、凍結してパウダーとして製造した。

0063

実施例2:AsPC1細胞異種移植(xenograft)モデルにおけるPEP1の線維症抑制

0064

生体内(In vivo)膵臓癌に対するPEP1とゲムシタビンの抗癌効果を確認するために、AsPC1細胞株を用いて、異種移植実験を実施した。用いられた異種移植方法は、以下の通りである。

0065

試薬及び材料の用意
実験に用いた試薬及び材料は、以下の通りである。パウダー状のPEP1は、0.2μmフィルター濾過された蒸留水(0.2μm filtered sterile water)に溶かした後、−70℃にアリコート(aliquot)して保管し、使用時に溶かして用い、ゲムシタビンは、100%生理食塩水(Saline)に溶かして用いた。5−フルオロウラシルは、DMSOに溶かして用いた。

0066

細胞株の用意
実験に用いられた細胞株であるAsPC1細胞株(Cell #6 x 105 cells/100ml)は、ヒト膵臓癌転移性細胞であって、ATCC(American Type Cell Culture, Rockville, MD)から購入し、10%FBS(fetal bovine serum)と、50U/mlのペニシリン、50μg/mlのストレプトマイシンを含有するRPMI1640(Roswell Park Memorial Institute medium)を培地として、1〜2x106/mlとなるように37℃で培養した。

0067

実験方法
下記の(1)〜(4)の各ヌードマウス実験群に、AsPC1細胞を移植した。実験に用いた試薬及び材料、細胞株の培養方法は、前記「試薬及び材料の用意」に記載した通りである。

0068

培養した5x106個のAsPC1細胞を、ヌードマウス(BALB/c-nu/nu nude mice、中央実験動物ソウル、韓国から購入)に皮下注射する。癌が、100mm3(about 10 days)のサイズに成長するまでの条件で行い、癌の生着後、各群当り平均体重を、同様にグループ化して、ゲムシタビンと、PEP1とを、それぞれ以下の四つの実験群の条件に応じて、皮下及び腹腔内に注射した(図1を参照)。癌の体積は、カリパス(calipers)で測定し、以下の式により算出した:
[width2 x length x 0.52]

0069

移植の後、PEP1とゲムシタビンとを、以下の四つの実験群の各々に分けて投与した。
(1)AsPC1移植対照群
(2)AsPC1移植+PEP1 2mg/kg(1日1回、s.c)投薬群
(3)AsPC1移植+ゲムシタビン125mg/kg(3日1回、i.p)投薬群
(4)AsPC1移植+PEP1 2mg/kg(1日1回、s.c)+ゲムシタビン125mg/kg投薬群(3日1回、i.p)

0070

その後、毎回マウスの体重(mouse weight)を計った。また、癌組織標本の作製及びPCNA(細胞増殖マーカー)/TUNEL(自家死滅マーカー)の染色を行った。

0071

実験結果の分析のために、多くの処理群間の平均を、スチューデントテスト検定した。統計的有意性の基準は、p=0.0002と設定した。

0072

実験結果
前記実験群別の分析結果、ゲムシタビンとPEP1とを併用投与した場合、及びゲムシタビンを投与した場合、20日経過後の時点で、マウスの体重が最も減少したことが確認できた(図2を参照)。

0073

図3図6は、前記の各実験群についての細胞の写真である。

0074

AsPC1細胞を接種した対照群(1)群(図3を参照)では、赤色で染色された(図3明るい灰色部分に該当)癌細胞と、癌細胞との間に青色で染色されたコラーゲン(図3暗い灰色部分に該当)部分が、増加したと示された。即ち、癌により線維症が、相当進行されたことが分かる。

0075

AsPC1細胞に、PEP1を処理した(2)群(図4を参照)では、図3と比較する際に、青色で染色されている部分(図4で暗い灰色部分に該当)が見付けられないことが分かる。これは、コラーゲンが減ったことを意味するが、これにより、PEP1が、線維症を相当抑制したことが分かる。

0076

一方では、AsPC1細胞とゲムシタビンとを処理した(3)群(図5を参照)では、赤色で染色されている部分(図5黒色部分に該当)が多く減ったことが分かるが、青色で染色されている部分(図5で明るい灰色部分に該当)は、多く認められることができる。これは、癌細胞がゲムシタビンにより死ぬが、線維症は、相当進行されていることを意味する。

0077

ここで、残っている赤色の細胞は、CD133+であるがん幹細胞(cancer stem cell)抗癌剤である可能性がある。膵臓癌におけるCD133+であるがん幹細胞は、抗癌剤であるゲムシタビンに抵抗性があると知られているが、これらの細胞の周辺に、線維症が進行されることは、薬物の伝達とあまり行われないことを意味する。

0078

しかし、AsPC1細胞に、PEP1とゲムシタビンとを処理した(4)群(図6を参照)では、図5と比較すると、青色で染色されている部分(図6で明るい灰色部分に該当)が減っていたことが観察できる。これは、PEP1により線維症が相当抑制され、線維症による薬物伝達の阻害が相当減少したことが分かり、これは、抗癌剤であるゲムシタビンの細胞内伝達が、よりよく行われることを意味する。

0079

実施例3: HepG2細胞株におけるPEP1のTGF−β抑制効能
線維化症の主な原因と思われるTGF−βへのPEP1の抑制効能を確認するために、HepG2細胞株におけるTGF−βシグナル伝達(signaling)抑制作用を確認する実験を、以下のように実施した。

0080

試薬及び材料の用意
本実験に用いた試薬及び材料は、以下の通りである:
パウダー状のPEP1は、0.2μgフィルターでろ過された蒸留水(0.2μm filtered sterile water)に溶解した後、−70℃にアリコート(aliquot)して保管し、使用時に溶かして用いた。細胞株は、HepG2(ATCCHB-8065; American Type Culture Collection)を用い、組換えヒト(human)TGF−β1を、4mMのHClに溶解して、10μg/mlのストック(stock)と調製して用いた。陽性対照群として用いるSB431542(Sigma)は、10mMストックと調製して用いた。

0081

細胞株の用意
2x106個のHepG2細胞(ATCCHB-8065)を、60mmペトリディッシュ播種した後、CO2インキュベーターで16時間培養した。その後、無血清培地(serum-free media,SFM)に培地交換し、さらに24時間培養した。次に、10ng/ml濃度のTGF−β1に培地交換し、さらに様々な濃度のPEP1(0.1、1、5、10μM)を同時処理(co-treatment)して、72時間培養した。各処理群は、さらにCO2インキュベーター中、37℃で1時間培養した。

0082

TGF−β抑制効果関連の遺伝子の発現の分析実験
ペプチド処理した細胞を、RNeasy(登録商標) Plus Mini Kit(Qiagen社製)を用いて、製造社プロトコルに従ってRNAを抽出する。抽出したRNAを定量した後、総RNA1μgを、Reverse Transcription system(商品名、Promega社製)を用いて、cDNAを合成する。次に、CFX96-Real-Time System(商品名、Bio-rad社製)を用いて、qRT−PCRを実施する。TGF−β関連のバイオマーカー(biomarker)として、フィブロネクチン(FN)、Smad2、Smad4のmRNA発現を分析し、参照遺伝子(reference gene)としてGAPDHを用いた。PCR条件は、以下の各遺伝子のプライマー(primer)を作製した。PCR条件は、以下の表3のプライマーを用いて、40サイクル(95℃、15sec、72℃、30sec) の条件で、レアタイム増幅した。プライマーの塩基配列は、以下のとおりである。

0083

0084

実験結果
PEP1のTGF−β抑制に対する効果を、qRT−PCRにより評価した。TGF−βの存在の下で、PEP1を48時間培養した後に現れるTGF−β関連の遺伝子であるSmad2、Smad4のmRNA発現レベルを、参照遺伝子であるGAPDHと比較して測定した(図7、8、9及び10を参照)。何の処理もしていない対照群対比TGF−β処理群において、Smad2、Smad4の発現が増加し、陽性対照群であるSB431542の場合、TGF−β処理群対比PEP1の場合に、濃度が増加するほど、TGF−βのバイオマーカーとして、Smad2及びSmad4の阻害が、濃度依存的に現れることを確認した。

0085

また、TGF−βの存在の下で、PEP1を48時間培養した後に現れるTGF−β関連の線維化遺伝子であるフィブロネクチンの発現減少の可否を、フィブロネクチンmRNA発現レベルを、GAPDHと比較して測定した(図11を参照)。何の処理もしていない陰性対照群と対比して、TGF−β処理群において、フィブロネクチンの発現が増加した。一方では、陽性対照群であるSB431542の場合、TGF−β処理群の場合と比較した時に、PEP1処理群の場合において、濃度が増加するほど、フィブロネクチンの阻害が現れることを確認した。陽性対照群(SB431542)の場合、60.7%の阻害率を示し、PEP1は、22.8%〜47.5%の阻害率を示した(図12を参照)。

0086

このような結果は、PEP1が、TGF−βシグナル伝達メカニズムに関与するダウンストリーム(downstream)遺伝子であるSmad2、Smad4発現を抑制する直接的な効果を奏すると共に、TGF−βにより誘導されたフィブロネクチンの発現を阻害することにより、線維化の予防及び治療剤としての可能性を示唆すると言える。

0087

実施例4:放射能暴露されたNHEK細胞株におけるPEP1のTGF−4抑制効能
抗癌治療及びその他の腫瘍の治療などの理由で、放射能に暴露されて誘発される線維症に対するPEP1の効能を確認するために、放射能暴露されたNHEK細胞において、PEP1のTGF−β抑制効能の確認実験を実施した。

0088

試薬及び細胞株の用意
実施例1により合成されたPEP1及び対照群として用いられる偽薬(Sham)を用意した。NHEK(Normal Human Epidermal Keratinocytes)細胞を、単一層(monolayer)に培養し、放射能暴露実験のために用意した。放射能暴露実験のための放射線は、イオン化された放射線を、6Gyの強さで用意して実験を行った。

0089

実験方法
放射能暴露によるNHEK細胞株の細胞分化の進行を観察するために、NHEK細胞に、偽薬及びPEP1をそれぞれ1mMで処理した後、放射線処理をしていないグループと、放射能処理をしたグループとに分けて、各々10日間培養する実験を行った(図13を参照)。

0090

また、放射能暴露によるNHEK細胞株のバイオマーカーの発現レベルの変化を調べるために、NHEK細胞に、偽薬及びPEP1をそれぞれ1mMで処理した後、放射線処理をしていないグループ(−)と、 放射線処理をしたグループ(+)に分けて、放射線処理後、1日目と10日目にそれぞれバイオマーカー発現レベルを調べた(図14を参照)。バイオマーカーの発現レベルの測定の際、参照対照群としてGAPDHを用いた。

0091

さらに、NHEK細胞において、放射能暴露の後、続いて培養の際に、PEP1が、TGF−βシグナル伝達を抑制することを明確に観察するために、放射線(6Gy、IR)に暴露されたNHEK細胞に、偽薬を処理したグループと、PEP1を1μM処理したグループとに分けて、10日間培養した後、TGF−β及び線維症関連のバイオマーカーのウェスタンブロッティング(Western Blotting)を実施して、各マーカーの発現レベルを観察した(図15を参照)。

0092

ウェスタンブロッティングの過程は、以下のように行った:
ペプチド処理をした細胞を、PBSで2回洗浄した後、セルスクレーパー (cell scraper)で1.5mLの遠心分離管に集め、遠心分離を行った(1000rpm、4℃、2分)。得られた上層液を除去した後、NHEK細胞に、RIPA緩衝液を100μLずつ加える。40分間氷冷の下で培養した後、10分おきに振盪混合し(vortex, micro-centrifugeは、予め4℃に冷却)、1ml注射器を用いて、試料を40〜50回混ぜる。最終に、13,000rpmで、15分間遠心分離を行い、上層液を用いる。

0093

30gのタンパク質を、8%SDS−PAGE(sodium dodecyl sulfate-polyacrylamide gel electrophoresis)を行い、PVDF膜(membranes、Millipore)に移る(transfer)。PVDF膜を、5%脱脂牛乳(skim milk)でブロッキング(blocking)し、特定の一次抗体(primary antibodies)と培養する。この実験に用いられた抗体は、以下のとおりである:

0094

フィブロネクチン(285 kDa, 5%BSA 1:3000, ab2413, Abcam)、N−Cadherin(140 kDa, 5% BSA 1:1000, #4061, Cell Signaling) 、Smad4(70 kDa, 5% BSA 1:1000, #9515, Cell Signaling)、Smad2/3(60, 52 kDa, 5% BSA 1:1000, #3102, Cell Signaling)、P−Akt(60 kDa, 5% BSA 1:1000, #9271, Cell Signaling)、pSmad2/3(Cell Signaling #3102)、GRHL2(Abcam #ab15532)、GAPDH(37 kDa, 5% BSA 1:1000, #2118, Cell Signaling)。次に、PVDF膜を、TBST(Tris-buffered saline containing 0.1% Tween-20)で洗浄した後、HRP標識抗ウサギ抗体(HRP-conjugated anti-rabbit antibody、Jackson Immuno Research Laboratories社製)と反応させる。その後、ECL検出(Amersham Pharmacia Biotech)を行い、得られたイメージは、GEヘルスケア社製のImage Quant LAS 4000で分析する。

0095

実験結果
放射能暴露によるNHEK細胞株の細胞分化進行実験において、放射能暴露の処理の際、対照群は、分化進行(線維化進行)が現れたが、PEP1を処理したグループは、放射能暴露の後にも、分化進行が殆ど現れなかった。この結果は、放射能暴露による線維化進行を、PEP1投与により抑制できることを示す。

0096

放射能暴露によるNHEK細胞株のバイオマーカーの発現レベル変化の観察実験において、放射能暴露から10日後、バイオマーカーであるGRHL2、p63及びN−Cadの発現増加の程度を、各々の実験群で観察した結果、 TGF−βシグナル伝達抑制効果を示すバイオマーカーであるGRHL2及びp63の発現レベルは、偽薬を処理したグループにおいて減少したが、PEP1を処理したグループでは増加した。この結果は、放射能暴露による線維化進行の過程に関与するTGF−βシグナル伝達の抑制効果を示すGRHL2及びp63が、PEP1により発現増加されることを示す。

0097

一方では、線維化された組織で発現するバイオマーカーであるN−Cad の発現レベルは、偽薬を処理したグループで増加したが、PEP1を処理したグループでは減少した。細胞の生存程度を示すバイオマーカーであるP−Akt(Phosphorylation of Akt(protein kinase B))の発現レベルは、PEP1を処理したグループで増加した。これらの結果は、PEP1が、放射能暴露による線維化進行を抑制するのみならず、細胞の生存メカニズムにも関与できることを示す。

0098

前記実験の結果より、PEP1は、GRHL2及びp63の発現を増加して、TGF−βのシグナル伝達の過程を抑制する効果があるので、放射能暴露によるTGF−βシグナル伝達による線維症を抑制できる効果を持って、放射能暴露による線維化及び組織細胞の線維化を予防又は治療できる薬物としての可能性を有することが分かる。

0099

実施例5:生体外(in vitro)及び生体内(in vivo)におけるPEP1の放射線防御効能と組織的な線維化抑制効能との確認

0100

試薬、細胞株及び実験動物の用意
実施例1により合成されたPEP1及び対照群として用いられる偽薬(Sham)を用意した。NHEK細胞を単一層に培養して、生体外放射能暴露実験のために用意した。生体外、実時間(in-situ)及び生体内の放射能暴露実験のための放射線は、イオン化された放射線を、0〜10Gy(0、2、4、6、8及び10Gy)の段階別の強度で用意して実験した。

0101

一方、実験動物は、二つの動物モデルに分けて用意した。一番目のモデルは、口腔粘膜炎(oral mucositis)モデルとして、C3Hマウス(mice)を、5日連続して放射線(6Gy、IR)を用いて、頭部とネック部に照射して、潰瘍(ulcer)を生じさせる方法を適用した。二番目のモデルは、皮膚線維化 (dermal fibrosis)モデルとして、肺線維化症の発生の原因と知られているブレオマイシン(bleomycin)を、1日一回0.1ccの投与量、0.5mg/mlの濃度で、0.9%NaCl水溶液希釈したものを、皮下注射(sub-q)で24〜28日間注射して、局所強皮症(local scleroderma)を生じさせる方法を適用した。

0102

実験方法及び結果
生体外及び実時間実験は、NHEK細胞株において、放射能暴露傷害に対するPEP1の防御効果を調べるために、NHEK細胞に、偽薬及びPEP1処理をした群に各々分けた後、放射線を0〜10Gy(0、2、4、6、8及び10Gy)の段階別の強度で照射した際、放射線−誘導早期老化(radiation-induced premature senescence、RIPS)に代表される放射能暴露傷害症状を示すマーカー、DNA傷害反応(DNA Damage Response、DDR)タンパク質及び老化関連ヘテロクロマチン病素(senescence-associated heterochromatin foci、SAHF)のマーカーの発現レベルを確認した。各々のマーカーの発現レベルは、qRT−PCR、ウェスタンブロッティング及び免疫蛍光染色法を用いて測定した。SAβ−Gal(senescence-associated β-galactosidase)、p16INK4A、p−p53Ser15、p−ATM、γ−H2AX、53BP1、H3K9me3、HP1γ及びHMGA2が、マーカーとしてレベルの測定が行われた。

0103

一方、生体外実験として、NHEK細胞株において、TGF−β又はブレオマイシンで処理して誘導される組織的な線維化に対するPEP1の抑制効果を調べるために、NHEK細胞に、偽薬とPEP1とをそれぞれ、10μg/mlで最終濃度に合わせて投与して培養し、毎48時間毎にTGF−β及びブレオマイシン処理をして、フィブロネクチン(FN)と、コラーゲンI型(Col 1α1, collagen type 1)との発現レベルを、qRT−PCR及びウェスタンブロッティングを用いて測定した。

0104

生体内実験は、まず、一番目の口腔粘膜炎モデルの場合、C3Hマウスに、偽薬及びPEP1をそれぞれ、最終投与量1mg/kgに合わせて、腹腔内に投与した群に分けた後、連続して5日間、放射線(6Gy、IR)に暴露して、口腔粘膜炎に該当する舌潰瘍を誘導した後、10日後に犠牲して、舌の組織を収集した後、トルイジンブル(toluidine blue)及びH&E染色により、組織検査を行った。追加に、1日1回5mg/kgの投与量で5日間、ラパマイシン(rapamycin)を投与した比較対照群を用いて、PEP1の効能を相対的に確認する実験を行った。

0105

一方、二番目の皮膚線維化モデルの場合、C3Hマウスに、偽薬及びPEP1をそれぞれ、総投与量50mg/kgに合わせて、腹腔内に投与した群に分けた後、前記実験動物の用意段階で言及した濃度のブレオマイシンを、24〜28日間皮下注射した後、28日目に犠牲して、強皮症(scleroderma)の可否を測定し、マッソントリクローム( Masson’s trichrome)染色法を用いて、線維症の拡散の可否を調べる実験を行った。

0106

前記生体外及び生体内の動物モデル実験を通じて、PEP1の投与が、放射能暴露傷害に対する防御効果があることが分かり、具体的には、生体外実験を通じて、放射線−誘導早期老化症状の抑制効果があることを、マーカーの発現抑制の程度で分かり、生体内実験を通じて、放射線暴露及び組織的な線維化誘導に対する防御効果を、組織検査の結果から分かる。

実施例

0107

前記多数の実験例より、本発明によるPEP1及びPEP1を含む組成物は、TGF−βシグナル伝達などを含む多様な原因により発生される様々な部位の細胞性線維症、癌、抗癌剤投与、放射線照射などの組織的線維化と関連した老化及び疾病などを、予防又は治療できる効能があることが分かる。従って、本発明によるPEP1及びPEP1を含む組成物を用いて、線維症関連の老化及び疾病の予防又は治療のための治療剤の開発又は治療法の開発が可能であると判断される。

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