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技術 表面改質方法、超音波伝達部材および表面改質装置

出願人 上野製薬株式会社
発明者 太田晃仁寺田浩昭
出願日 2017年5月19日 (3年9ヶ月経過) 出願番号 2017-100086
公開日 2018年12月6日 (2年2ヶ月経過) 公開番号 2018-192588
状態 未査定
技術分野 鋼の加工熱処理 金属の他の加工と複合作業
主要キーワード 硬質物体 材料表 測定用機器 ピーニング材 ホーン状 超音波電源 平板サンプル 改質面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年12月6日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

鋼球等のピーニング材圧縮空気吹付け高圧水噴射などの工程を必要とせず、簡易な手段によって被改質材の表面を均一かつ高密度改質できる表面改質方法を提供すること、および操作性に優れ、低コストで被改質材の表面を均一かつ高密度に改質できる超音波伝達部材および表面改質装置を提供すること。

解決手段

液体中で、被改質材の表面に超音波伝達部材を介して超音波を付与し、被改質材表面に圧縮残留応力を形成する、超音波伝達部材が液晶ポリマーから構成される表面改質方法、液晶ポリマーから構成される超音波伝達部材およびそれを含む表面改質装置。

概要

背景

従来、金属等の材料表面に圧縮残留応力を形成し、材料表面の応力緩和する表面改質手法として、鋼球硬質物体被改質材の表面に打ち付けるショットピーニングが知られている。このショットピーニングは、直径数ミリの鋼球等を圧縮空気により被改質材表面に吹き付け、鋼球等が被改質材の表面に衝突するときに発生する衝撃力によって被改質材の表面に圧縮応力が形成される。しかし、鋼球等を打ち付ける方法は、鋼球等のピーニング材料および圧縮空気の吹き付け工程が必要であり、また、被改質材の表面形状が複雑な場合、圧縮応力形成効果が不均一になると共に、鋼球等が被改質材の凹部などに滞留してその回収が困難になるという問題があった。

鋼球等のピーニング材料を使用しない方法として、水中でノズルから高圧水噴射し、キャビテーションを伴う水中水噴流加工対象面に衝突させて加工対象面の応力改善を行うウォータージェットピーニングによる表面改質方法も知られている(特許文献1)。しかし、この方法も、高圧水を噴射するための設備が必要となり、加工対象面が複雑な形状の場合、キャビテーションの発生がばらつき、やはり圧縮応力形成効果が不均一になるという問題があった。

鋼球等のピーニング材料や特別な装置が不要な方法として、被改質材の表面に液体を介在させて振動体を配置し、振動体を高周波振動させることによって発生するキャビテーション作用により被改質材にピーニング効果を付与する方法が提案されている(特許文献2)。

この方法は、液体にキャビテーション気泡を発生させ、その気泡の発生・崩壊による衝撃波を利用してピーニングを行うことで被改質材の表面に圧縮残留応力を形成するものであり、鋼球等のピーニング材や圧縮空気の吹付け、高圧水の噴射などの工程が不要となるという効果を有する。

高周波振動は超音波帯域、すなわち超音波を付与することにより行われるが、キャビテーション気泡の発生による圧縮残留応力の形成は長時間を要するとともに、均一な表面改質を行うことが困難であった。特に、被改質材の表面形状が複雑な場合や微小サイズの被改質材の場合、その傾向が顕著であり、さらなる改良が求められていた。

概要

鋼球等のピーニング材や圧縮空気の吹付け、高圧水の噴射などの工程を必要とせず、簡易な手段によって被改質材の表面を均一かつ高密度改質できる表面改質方法を提供すること、および操作性に優れ、低コストで被改質材の表面を均一かつ高密度に改質できる超音波伝達部材および表面改質装置を提供すること。液体中で、被改質材の表面に超音波伝達部材を介して超音波を付与し、被改質材表面に圧縮残留応力を形成する、超音波伝達部材が液晶ポリマーから構成される表面改質方法、液晶ポリマーから構成される超音波伝達部材およびそれを含む表面改質装置。なし

目的

本発明の目的は、鋼球等のピーニング材や圧縮空気の吹付け、高圧水の噴射などの工程を必要とせず、簡易な手段によって被改質材の表面に均一かつ高密度に圧縮残留応力を形成することができる表面改質方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

液体中で、被改質材の表面に超音波伝達部材を介して超音波を付与し、被改質材表面に圧縮残留応力を形成する表面改質方法であって、超音波伝達部材が液晶ポリマーから構成される表面改質方法。

請求項2

液体中で、被改質材の表面に超音波を伝達し、被改質材表面に圧縮残留応力を形成することによって表面を改質する超音波伝達部材であって、液晶ポリマーから構成される超音波伝達部材。

請求項3

超音波振動子から発生する超音波を被改質材の表面に伝達する超音波伝達部材を有する超音波発生手段と、液体中で被改質材を収容する容器とを備えた表面改質装置であって、超音波伝達部材が液晶ポリマーから構成される表面改質装置。

技術分野

0001

本発明は、被改質材の表面を改質する方法ならびにその方法に使用する超音波伝達部材および表面改質装置に関する。

背景技術

0002

従来、金属等の材料表面に圧縮残留応力を形成し、材料表面の応力緩和する表面改質手法として、鋼球硬質物体を被改質材の表面に打ち付けるショットピーニングが知られている。このショットピーニングは、直径数ミリの鋼球等を圧縮空気により被改質材表面に吹き付け、鋼球等が被改質材の表面に衝突するときに発生する衝撃力によって被改質材の表面に圧縮応力が形成される。しかし、鋼球等を打ち付ける方法は、鋼球等のピーニング材料および圧縮空気の吹き付け工程が必要であり、また、被改質材の表面形状が複雑な場合、圧縮応力形成効果が不均一になると共に、鋼球等が被改質材の凹部などに滞留してその回収が困難になるという問題があった。

0003

鋼球等のピーニング材料を使用しない方法として、水中でノズルから高圧水噴射し、キャビテーションを伴う水中水噴流加工対象面に衝突させて加工対象面の応力改善を行うウォータージェットピーニングによる表面改質方法も知られている(特許文献1)。しかし、この方法も、高圧水を噴射するための設備が必要となり、加工対象面が複雑な形状の場合、キャビテーションの発生がばらつき、やはり圧縮応力形成効果が不均一になるという問題があった。

0004

鋼球等のピーニング材料や特別な装置が不要な方法として、被改質材の表面に液体を介在させて振動体を配置し、振動体を高周波振動させることによって発生するキャビテーション作用により被改質材にピーニング効果を付与する方法が提案されている(特許文献2)。

0005

この方法は、液体にキャビテーション気泡を発生させ、その気泡の発生・崩壊による衝撃波を利用してピーニングを行うことで被改質材の表面に圧縮残留応力を形成するものであり、鋼球等のピーニング材や圧縮空気の吹付け、高圧水の噴射などの工程が不要となるという効果を有する。

0006

高周波振動は超音波帯域、すなわち超音波を付与することにより行われるが、キャビテーション気泡の発生による圧縮残留応力の形成は長時間を要するとともに、均一な表面改質を行うことが困難であった。特に、被改質材の表面形状が複雑な場合や微小サイズの被改質材の場合、その傾向が顕著であり、さらなる改良が求められていた。

先行技術

0007

特許第3373938号公報
特開2003−220523号公報

発明が解決しようとする課題

0008

本発明の目的は、鋼球等のピーニング材や圧縮空気の吹付け、高圧水の噴射などの工程を必要とせず、簡易な手段によって被改質材の表面に均一かつ高密度に圧縮残留応力を形成することができる表面改質方法を提供することにある。

0009

また、本発明の目的は、操作性に優れ、低コストで被改質材の表面に均一かつ高密度に圧縮残留応力を形成することができる超音波伝達部材および表面改質装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明者らは、超音波を付与することにより圧縮残留応力を形成し、被改質材の表面を改質する方法について鋭意検討した結果、液体中で、液晶ポリマーから構成される超音波伝達部材を介して超音波を付与することによって、被改質材の表面改質効果が著しく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。

0011

すなわち本発明は、液体中で、被改質材の表面に超音波伝達部材を介して超音波を付与し、被改質材表面に圧縮残留応力を形成する表面改質方法を提供する。

0012

本発明はまた、被改質材の表面に超音波を伝達し、被改質材表面に圧縮残留応力を形成することによって表面を改質する超音波伝達部材であって、液晶ポリマーから構成される超音波伝達部材を提供する。

0013

本発明はまた、超音波振動子から発生する超音波を被改質材の表面に伝達する超音波伝達部材を有する超音波発生手段と、液体中で被改質材を収容する容器とを備えた表面改質装置であって、超音波伝達部材が液晶ポリマーから構成される表面改質装置を提供する。

発明の効果

0014

本発明の表面改質方法および表面改質装置は、液晶ポリマーから構成される超音波伝達部材を使用することよって、被改質材の表面に高密度かつ均一に圧縮残留応力を形成し、被改質材の表面を効率よく改質することができる。特に、被改質材の表面形状が複雑な場合や微小サイズの被改質材であっても効率よく改質することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の表面改質装置の第1の実施態様を説明する略示断面図である。
本発明の表面改質装置の第2の実施態様を説明する略示断面図である。
本発明の表面改質装置の第3の実施態様を説明する略示断面図である。
本発明の表面改質装置の第4の実施態様を説明する略示断面図である。

0016

本発明の表面改質方法では、液体に浸漬した被改質材の表面に対して、液晶ポリマーから構成される超音波伝達部材を介して超音波が付与される。

0017

液晶ポリマーで構成された超音波伝達部材を介することによって、超音波は、非定常かつ均一な音圧となって液体中に高密度かつ均一なキャビテーション気泡を生じさせるので、圧縮残留応力を形成する表面改質効果が向上すると推定される。

0018

以下に本発明の表面改質方法に用いる表面改質装置の例を挙げるが、表面改質装置の構成がこれらに限定されることを意図するものではない。

0019

本発明の表面改質装置の第1の実施態様を図1に示す。表面改質装置1は、被改質材4の被処理面41に対向する位置に配置される超音波発生手段2を備えている。

0020

超音波発生手段2は、超音波振動子21、超音波伝達部材22およびキャビテーション発生部23を有し、超音波電源装置3から電線31を通じて供給される電流によって超音波を発生させる構成となっている。

0021

超音波振動子21は、例えば、超磁歪材料圧電型セラミック材料を用いたものが好適に使用される。

0022

超音波伝達部材22は、液晶ポリマーで構成され、超音波振動子21で発生した超音波を伝達する部材である。超音波伝達部材22は、接着あるいはねじ止めなどの固定手段により超音波振動子21に接合される。超音波伝達部材の形状や寸法は、被改質材および超音波振動子に応じて適宜設定することができる。超音波伝達部材の厚みは、例えば0.1〜20mmであってよい。

0023

キャビテーション発生部23は、金属、セラミックあるいは液晶ポリマーを含む樹脂材料などで構成される。キャビテーション発生部23はキャビテーション発生面24を有し、接着あるいはねじ止めなどの固定手段により超音波伝達部材22に接合される。キャビテーション発生部23が液晶ポリマーから構成される場合には、キャビテーション発生部23は超音波伝達部材22と一体成形されてもよい。

0024

キャビテーション発生部23の形状は、特に限定されないが、例えば、平板などとすることができ、より複雑な超音波を発生させることができる観点から、格子状などの溝やリブなどの凹凸状の表面構造を有していてもよいし、あるいはメッシュ状としてもよい。超音波発生手段2を被改質材4に対して処理中に移動可能にする場合にはホーン状バー状であってもよい。

0025

超音波振動子21で発生した超音波は、超音波振動子21と接合された超音波伝達部材22を介してキャビテーション発生部23に伝達され、キャビテーション発生面24と被処理面41との間隙10に存在する液体8中にキャビテーション気泡9を発生させる。

0026

キャビテーション発生面24と被処理面41との最短距離である間隙10は、十分な表面改質効果を得るという点から100μm〜10mmが好ましく、500μm〜5mmがより好ましい。

0027

超音波発生手段2は、支持手段5によって、キャビテーション発生面24が被処理面41に対向するように被改質材4に対して下部に近接配置される。

0028

支持手段5は、一方を超音波発生手段2に接合し、他方を例えば容器6の内壁に接合して、超音波発生手段2を支持する。

0029

支持手段5は、超音波発生手段2を移動しながら被改質材4に対して超音波を付与できるように構成してもよい。

0030

容器6は、少なくともキャビテーション発生面24と被処理面41とが浸漬するように液体8を保持する。容器6は、間隙10を液体8で満たすことができればよく、例えば、槽状などとすることができる。

0031

キャビテーション発生面24と被処理面41との間を満たす液体8としては、水、水溶液、油や有機溶剤などを使用することができる。

0032

被改質材4は、被改質材支持手段7によって、被処理面41をキャビテーション発生面24に対向する位置に支持される。

0033

本発明に係る被改質材4の材質としては、特に限定されないが、例えば、金属、セラミックス樹脂などが挙げられる。これらの中でも金属が好ましい。金属としては、例えば、鉄、炭素鋼ステンレス鋼アルミニウム合金マグネシウム合金などが挙げられる。

0034

本発明に係る超音波の周波数は、低周波数から高周波数のいずれの領域のものであってよいが、表面改質がより効果的である点から20kHz〜5MHzが好ましく、30kHz〜4MHzがより好ましく、50kHz〜3MHzがさらに好ましい。

0035

超音波電源装置3における超音波の周波数は、超音波の非定常性および均一性を増大させて表面改質の均質化効果を一層向上させるという点から、例えば、1〜10秒などを周期として1MHz〜5MHzなどの間で連続的あるいは断続的に変化させてもよい。

0036

本発明の表面改質装置の第2の実施態様を図2に示す。

0037

第2の実施態様では、超音波発生手段2は、支持手段5によって、キャビテーション発生面24が被処理面41に対向するように、容器6の底部に配置された被改質材4の上部に近接配置される。

0038

第2の実施態様においては、被改質材は容器6の底部に配置されるため被改質材支持手段は設けなくてもよい。

0039

本発明の表面改質装置の第3の実施態様を図3に示す。

0040

第3の実施態様では、容器6が液晶ポリマーで構成されて、被改質材4と対向する部位にキャビテーション発生部23が設けられる。

0041

超音波振動子21は容器6の外側に接合されるが、キャビテーション発生を妨げなければ容器6の内側に接合されてもよい。

0042

第3の実施態様においては、容器6の少なくとも一部分が液晶ポリマーから構成されることにより、その液晶ポリマーから構成された部分が超音波伝達部材として働き、容器6の液晶ポリマーから構成される部分と接触するキャビテーション発生部23の表面および/または容器6の内壁面がキャビテーション発生面24となる。第3の実施態様においては、超音波発生手段を支持する支持手段は不要となる。第3の実施態様においても、キャビテーション発生部23が液晶ポリマーから構成される場合は、容器6の液晶ポリマーから構成される部分と一体成形されてもよい。

0043

被改質材4は、被処理面41が容器6の内壁面に対向するように容器6の底部に対して近接配置される。

0044

本発明の表面改質装置の第4の実施態様を図4に示す。

0045

第4の実施態様では、超音波振動子21と超音波伝達部材22とが間接的に接続される。

0046

すなわち、超音波振動子21で発生した超音波は、容器6および超音波伝達部材22を介してキャビテーション発生部24に伝達され、キャビテーション発生面と被改質面との間でキャビテーション気泡を発生させる。

0047

超音波振動子21は容器6の外側に接合されるのが好ましいが、内側に接合してもよい。

0048

第4の実施態様においては、超音波伝達部材22が容器6に載置または接合して構成されるので、超音波発生手段を支持する支持手段が不要となる。

0049

第1乃至第4の実施態様において、被改質材4の上方または下方にキャビテーションを発生させる場合について説明したが、いずれの態様においても上方または下方に加えて、またはそれらに代えて被改質材4の側方にキャビテーション気泡を発生させてもよい。さらに第1乃至第4の実施態様を組み合わせた態様、すなわち被改質材の上方および下方にキャビテーションを発生させる態様であってよく、さらにその組み合わせた態様において被改質材4の側方にキャビテーション気泡を発生させてもよい。

0050

本発明に使用する液晶ポリマーとは、当業者サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれる、異方性溶融相を形成する液晶ポリエステル樹脂または液晶ポリエステルアミド樹脂である。

0051

液晶ポリマーの異方性溶融相の性質は直交偏向子を利用した通常の偏向検査法、すなわち、ホットステージにのせた試料窒素雰囲気下で観察することにより確認できる。

0052

本発明に使用する液晶ポリマーは、分子鎖中に脂肪族基を有する半芳香族液晶ポリマー、または分子鎖が全て芳香族基より構成される全芳香族液晶ポリマーのいずれであってもよい。

0053

本発明に使用する液晶ポリマーを構成する繰返し単位としては、芳香族オキシカルボニル繰返し単位芳香族ジカルボニル繰返し単位、芳香族ジオキシ繰返し単位芳香族アミオキシ繰返し単位、芳香族ジアミノ繰返し単位、芳香族アミノカルボニル繰返し単位、芳香族オキシジカルボニル繰返し単位、脂肪族ジオキシ繰返し単位、および脂肪族ジカルボニル繰返し単位などが挙げられる。

0054

芳香族オキシカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、5−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、3’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸、4’−ヒドロキシフェニル−3−安息香酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸およびそれらのアルキルアルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物エステル誘導体酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中では4−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸が得られる液晶ポリマーの特性や結晶融解温度を調整しやすいという点から好ましい。

0055

芳香族ジカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、テレフタル酸イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシビフェニルなどの芳香族ジカルボン酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中ではテレフタル酸、イソフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸が得られる液晶ポリマーの機械物性耐熱性、結晶融解温度、成形加工性を適度なレベルに調整しやすいことから好ましい。

0056

芳香族ジオキシ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、ハイドロキノンレゾルシン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニルエーテルなどの芳香族ジオールおよびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。これらの中ではハイドロキノンおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニルが重合時の反応性や、得られる液晶ポリマーの機械物性、耐熱性、結晶融解温度、成形加工性を適度なレベルに調整しやすいことから好ましい。

0057

芳香族アミノオキシ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、4−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノ1−ナフトール、5−アミノ−1−ナフトール、8−アミノ−2−ナフトール、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニルなどの芳香族ヒドロキシアミンおよびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。

0058

芳香族ジアミノ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレンなどの芳香族ジアミンおよびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのアミド形成性誘導体が挙げられる。

0059

芳香族アミノカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、4−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、6−アミノ−2−ナフトエ酸などの芳香族アミノカルボン酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。

0060

芳香族オキシジカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、3−ヒドロキシ−2,7−ナフタレンジカルボン酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、および5−ヒドロキシイソフタル酸などのヒドロキシ芳香族ジカルボン酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。

0061

脂肪族ジヒドロキシ繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオール、ならびにこれらのアシル化物が挙げられる。また、ポリエチレンテレフタレートや、ポリブチレンテレフタレートなどの脂肪族ジオキシ繰返し単位を含有するポリマーを、前記の芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオールおよびこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などと反応させることによっても、脂肪族ジオキシ繰返し単位を含む液晶ポリマーを得ることができる。

0062

脂肪族ジカルボニル繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えばシュウ酸マロン酸コハク酸グルタル酸アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸ドデカン二酸テトラデカン二酸フマル酸マレイン酸およびヘキサヒドロテレフタル酸などの脂肪族ジカルボン酸、ならびにこれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。

0063

本発明に使用する液晶ポリマーは本発明の目的を損なわない範囲で、チオエステル結合を含むものであってもよい。このような結合を与える単量体としては、メルカプト芳香族カルボン酸、および芳香族ジチオールおよびヒドロキシ芳香族チオールなどが挙げられる。これらの単量体の使用量は、芳香族オキシカルボニル繰返し単位、芳香族ジカルボニル繰返し単位、芳香族ジオキシ繰返し単位、芳香族アミノオキシ繰返し単位、芳香族ジアミノ繰返し単位、芳香族アミノカルボニル繰り返し単位、芳香族オキシジカルボニル繰返し単位、脂肪族ジオキシ繰返し単位、および脂肪族ジカルボニル繰返し単位を与える単量体の合計量を含む全体に対して10モル%以下であるのが好ましい。

0064

これらの繰り返し単位を組み合わせたポリマーは、モノマーの構成や組成比ポリマー中での各繰り返し単位シークエンス分布によっては、異方性溶融相を形成するものとしないものが存在するが、本発明に使用する液晶ポリマーは異方性溶融相を形成するものに限られる。

0065

本発明に使用する液晶ポリマーの具体的な例として、下記の単量体の組合せから与えられる繰返し単位で構成される共重合体を挙げることができる。
1)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸共重合体
2)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
3)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
4)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/イソフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/ハイドロキノン共重合体
5)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
6)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
7)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
8)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
9)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン共重合体
10)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/ハイドロキノン/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
11)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
12)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
13)4−ヒドロキシ安息香酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
14)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン共重合体
15)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/ハイドロキノン/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体
16)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール共重合体
17)6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール共重合体
18)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4−アミノフェノール共重合体
19)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/4−アミノフェノール共重合体
20)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/エチレングリコール共重合体
21)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール共重合体
22)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/エチレングリコール共重合体
23)4−ヒドロキシ安息香酸/6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸/テレフタル酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル/エチレングリコール共重合体
24)4−ヒドロキシ安息香酸/テレフタル酸/2,6−ナフタレンジカルボン酸/4,4’−ジヒドロキシビフェニル共重合体。

0066

これらの中でも、1)、9)、10)および14)のモノマー構成単位からなる液晶ポリマーが好ましい。

0067

本発明に使用する液晶ポリマーは、2種以上の液晶ポリマーをブレンドしたものであってもよい。

0068

本発明に使用する液晶ポリマーの溶融粘度キャピラリーレオメーターで測定、測定温度は結晶融解温度+10℃〜結晶融解温度+40℃、1000s−1)は、本発明に係る超音波伝達部材の機械強度担保する点から、5〜1000Pa・sが好ましく、10〜300Pa・sがより好ましく、15〜200Pa・sがさらに好ましい。

0069

なお、本明細書および特許請求の範囲において、「結晶融解温度」とは、示差走査熱量計(Differential scanning calorimeter、以下DSCと略す)によって、昇温速度20℃/minで測定した際の結晶融解ピーク温度から求めたものである。より具体的には、液晶ポリマーの試料を、室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1より20〜50℃高い温度で10分間保持し、次いで、20℃/分の降温条件で室温まで試料を冷却した後に、再度20℃/分の昇温条件で測定した際の吸熱ピークを観測し、そのピークトップを示す温度を液晶ポリマーの結晶融解温度とする。測定用機器としては、例えば、セイコーインスツルメンツ株式会社製Exstar6000等を使用することができる。

0070

本発明に使用する液晶ポリマーは、ペンタフルオロフェノール中で対数粘度を測定することが可能である。本発明に使用する液晶ポリマーは、ペンタフルオロフェノール(濃度0.1g/dl)中、温度60℃で測定した場合の対数粘度が0.3dl/g以上であるものが好ましく、0.5〜10dl/gであるものがより好ましく、1〜8dl/gであるものがさらに好ましい。

0071

本発明に使用する液晶ポリマーの製造方法には特に限定はなく、前記の単量体成分によるエステル結合またはアミド結合を形成させる公知の重縮合法、例えば溶融アシドリシス法、スラリー重合法などを用いることができる。

0072

溶融アシドリシス法とは、本発明において用いる液晶ポリマーを製造するのに適した方法であり、この方法は、最初に単量体を加熱して反応物質溶融液を形成し、反応を継続することにより溶融ポリマーを得るものである。なお、縮合最終段階で副生する揮発物(例えば酢酸、水など)の除去を容易にするために真空を適用してもよい。

0073

スラリー重合法とは、熱交換流体の存在下で反応させる方法であって、固体生成物熱交換媒質中に懸濁した状態で得られる。

0074

溶融アシドリシス法およびスラリー重合法のいずれの場合においても、液晶ポリマーを製造する際に使用する重合性単量体成分は、常温において、ヒドロキシル基アシル化した変性形態、すなわち低級アシル化物として反応に供することもできる。低級アシル基炭素原子数2〜5のものが好ましく、炭素原子数2または3のものがより好ましい。特に好ましくは前記単量体成分のアセチル化物を反応に用いる方法が挙げられる。

0075

単量体の低級アシル化物は、別途アシル化して予め合成したものを用いてもよいし、液晶ポリマーの製造時にモノマーに無水酢酸等のアシル化剤を加えて反応系内で生成せしめることもできる。

0076

溶融アシドリシス法またはスラリー重合法のいずれの場合においても反応時、必要に応じて触媒を用いてもよい。

0078

触媒の使用量は、モノマー重量に対し10〜1000ppmが好ましく、20〜200ppmがより好ましい。

0079

このような重縮合反応によって得られた液晶ポリマーは、溶融状態重合反応槽より抜き出された後に、ペレット状、フレーク状、または粉末状に加工され、成形加工に供される。

0080

本発明に使用する液晶ポリマーは、超音波伝達部材の機械強度を一層向上させる観点から、任意の成分として、さらに無機および/または有機充填材を含有してもよい。

0081

本発明に使用する液晶ポリマーが含有してもよい無機および/または有機充填材の具体例としては、例えば、ガラス繊維シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維炭素繊維チタン酸カリウム繊維ホウ酸アルミニウム繊維、アラミド繊維ポリアリレート繊維タルクマイカグラファイトウォラストナイトドロマイトクレーガラスフレークガラスビーズガラスバルーン炭酸カルシウム硫酸バリウム酸化チタンなどが挙げられ、これらは単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。

0082

これらの中では、タルクおよびガラス繊維が、物性とコストのバランスが優れている点で好ましい。

0083

また、無機および/または有機充填材は、表面処理をされたものであってもよい。表面処理の方法としては、例えば、充填材表面に表面処理剤吸着させる方法、液晶ポリマーと充填材を混練する際に表面処理剤を添加する方法などが挙げられる。

0085

無機および/または有機充填材の含有量は、液晶ポリマー100重量部に対して、1〜150重量部であることが好ましく、10〜100重量部であることがより好ましい。

0086

無機および/または有機充填材の含有量が1重量部未満であると超音波伝達部材の強度について添加による向上効果が得られにくくなる傾向があり、150重量部を超えると超音波伝達部材の強度が低下する傾向がある。

0087

本発明に使用する液晶ポリマーには、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに他の添加剤が添加されてもよい。

0088

他の添加剤の具体例としては、例えば、滑剤(高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩(ここで高級脂肪酸とは、炭素原子数10〜25のものをいう)など)、離型改良剤ポリシロキサンフッ素樹脂など)、着色剤染料顔料カーボンブラックなど)、難燃剤帯電防止剤界面活性剤造核剤(タルク、有機リン酸塩ソルビトール類など)、アンチブロッキング剤酸化防止剤リン系酸化防止剤フェノール系酸化防止剤硫黄系酸化防止剤など)、耐候剤、熱安定剤中和剤などが挙げられる。これらの添加剤は、単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。

0089

添加してもよい他の添加剤の合計量は、液晶ポリマー100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。

0090

他の添加剤の合計量が0.01重量部未満であると、添加剤の機能が実現しにくくなる傾向があり、5重量部を超えると、液晶ポリマーまたは液晶ポリマー組成物の成形加工時の熱安定性が悪くなる傾向がある。

0091

本発明に使用する液晶ポリマーには、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに他の樹脂成分が添加されてもよい。

0092

他の樹脂成分の具体例としては、例えば、ポリアミドポリエステルポリアセタールポリフェニレンエーテル、およびその変性物、ならびにポリスルホンポリエーテルスルホンポリエーテルイミドポリアミドイミドなどの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂エポキシ樹脂ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらの樹脂成分は単独で使用してもよく、または2種以上を併用してもよい。

0093

他の樹脂成分を含有する場合、該樹脂成分の含有量は、液晶ポリマー100重量部に対して0.1〜100重量部が好ましく、0.1〜80重量部がより好ましい。

0094

本発明に使用する液晶ポリマーは、液晶ポリマー、ならびに、相溶化剤、無機および/または有機充填材、他の添加剤または他の樹脂成分を混合し、バンバリーミキサーニーダー、一軸もしくは二軸押出機などを用いて、液晶ポリマーの結晶融解温度近傍から結晶融解温度+50℃の温度条件溶融混練して得ることができ、射出成形押出成形などの従来の方法により超音波伝達部材に成形できる。

0095

本発明の液晶ポリマーで構成された超音波伝達部材を使用した改質方法は、例えば、自動車用部材建築部材精密機械産業用機械などに係る部品の表面改質に適用することができる。

0096

以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。

0097

<合成例1>(液晶ポリマー1の合成)
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、4−ヒドロキシ安息香酸655.3g(73モル%)および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸330.3g(27モル%)を仕込み、さらに全モノマーの水酸基量(モル)に対して1.02倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。

0098

窒素ガス雰囲気下に室温から170℃まで1時間かけて昇温し、同温にて30分間保持した。次いで、3時間かけて330℃まで昇温し、さらに330℃で10分反応させた後、1.5時間かけて10mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリマーのペレットを得た。

0099

<合成例2>(液晶ポリマー2の合成)
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた反応容器に、4−ヒドロキシ安息香酸628.4g(70モル%)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸24.5g(2モル%)、2,6−ナフタレンジカルボン酸196.7g(14モル%)およびハイドロキノン100.2g(14モル%)を仕込み、さらに全単量体の水酸基量(モル)に対して1.05倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。

0100

窒素ガス雰囲気下に室温から170℃まで1時間かけて昇温し、170℃で30分保持した。次いで、副生する酢酸を留出させつつ350℃まで7時間かけて昇温した後、1.5時間かけて5mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により全芳香族液晶ポリマーのペレットを得た。

0101

<超音波伝達部材の作製>
合成例1および2で得た液晶ポリマーペレットについて、射出成形機を用いて平板サンプル(80mm×80mm×1mmt)をそれぞれ作製した。

0102

また、ポリエチレン樹脂(株式会社プライムポリマー製2100J)についても、同様に平板サンプルを作製した。

0103

金属製超音波伝達部材としては、鋼板(SPCC相当品、50mm×50mm×1mmt)を用いた。

0104

実施例1
超音波伝達部材のサンプルである合成例1で得た液晶ポリマーペレットから作製した平板の下面に超音波振動子(セラミック発信子、2mmφ×1mmt)をシリコーン系接着剤で接着し、超音波電源装置(DAGATORONIC CORPORATION製、DAGATRON8202)を接続し、オシロスコープ(Pico Technology Limited社製)を使用して周波数を調整した。

0105

水槽中において、被改質材として鋼板(SPCC相当品、50mm×50mm×1mmt)を超音波伝達部材の上面に1mm間隔をあけて配置し、被処理面を含む被改質材の全部が常温の水に浸漬するようにして、100kHzで15分間超音波を付与した。

0106

被改質材の被処理面について、残留応力測定装置μ−x360n(パルステック工業社製)を用いて、X線応力測定(日本材料学会、鉄鋼編)に準じて、8か所について測定し、平均の応力値および標準偏差を算出した。

0107

無処理の被改質材の値と比較して、応力値が小さいほど有効に改質されたことを示し、標準偏差が小さいほど均一に改質されたことを示す。

0108

実施例2および比較例1〜2
超音波伝達部材を表1に示すように変更した以外は実施例1と同様にして超音波を付与し、残留応力値平均値)および標準偏差を算出した。結果を表1に示す。

0109

また、参考例として、超音波を付与する前の被改質材の表面について、実施例1と同様に測定し算出した残留応力値(平均値)および標準偏差を表1に示す。

0110

液晶ポリマーを超音波伝達部材として使用した場合(実施例1、2)は、無処理の鋼板(参考例)と比較して残留応力値が−25MPaおよび−22MPaと残留応力が小さく、標準偏差が38MPaおよび42MPaとなり、均一かつ有効な改質効果が得られたことを示すものであった。

0111

これに対して、ステンレス鋼(SUS304)およびポリエチレン樹脂(比較例1、2)では、無処理の鋼板(参考例)と比較して標準偏差が大きくなり、改質効果に劣るものであった。

実施例

0112

0113

1表面改質装置
2超音波発生手段
21超音波振動子
22超音波伝達部材
23キャビテーション発生部
24 キャビテーション発生面
3超音波電源装置
31電線
4被改質材
41 被処理面
5支持手段
6容器
7 被改質材支持手段
8液体
9キャビテーション気泡
10 間隙

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