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技術 プレストレストコンクリート構造物

出願人 株式会社大林組
発明者 田摩仁黒坂敏正阿久津富弘永井秀樹永礼大前田敬一郎境恭宏
出願日 2017年5月11日 (2年2ヶ月経過) 出願番号 2017-094343
公開日 2018年11月29日 (7ヶ月経過) 公開番号 2018-188916
状態 未査定
技術分野 塔;農工業用築物;大型貯蓄容器の建設
主要キーワード 支点反力 導入作業 定着用鉄筋 許容支持力 型枠代わり 作業期間 施工範囲 防液堤
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年11月29日)のものです。
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図面 (10)

課題

従来のプレストレストコンクリート構造物に比べて大幅に工期の短縮を可能にするとともに、高い液密性および気密性を有するプレストレストコンクリート構造物を提供する。

解決手段

少なくとも底版20と当該底版上に立設される壁体10とを有する略円筒状のプレストレストコンクリート構造物であって、前記壁体10は、略一定の厚さにて前記底版20上に現場打ちコンクリートにより構築される側壁5と、当該側壁5の外周下部において当該側壁5と前記底版20とに剛結される複数のプレキャスト部材1と、を有し、前記側壁5および前記複数のプレキャスト部材1にはプレストレスが導入されている。

概要

背景

従来から、LNG液化天然ガス)やLPG液化石油ガス)などを貯蔵する地上式貯槽は、貯蔵物の万一の漏洩対処するために内槽の外側に防液堤構築している。そして防液堤には、貯蔵物が漏洩した時に大きな液圧が当該防液堤に作用することを想定して、漏洩した貯蔵物を確実に防液堤内に保持するため、当該防液堤の躯体コンクリートには円周方向のプレストレスを導入され、特に上記液圧大きく作用する防液堤の下部には、より密に円周方向のプレストレスが導入されている。

しかし、貯蔵物の漏洩が発生していない通常時においては、漏洩した貯蔵物の液圧は防液堤に作用していないため、上記円周方向に導入されたプレストレスにより、特に底版拘束されている防液堤の下部には、常に大きな鉛直曲げモーメントが作用しており、このような大きな鉛直曲げモーメントに起因して防液堤の躯体コンクリートにひび割れが生じる可能性がある。そこで、このようなひび割れを防止するために、従来より、防液堤の鉛直方向にもプレストレスを導入し、特に大きな鉛直曲げモーメントが作用する防液堤の下部には、より密に鉛直方向のプレストレスを導入して、防液堤に生じるひび割れの抑制を図っていた。

上記のような技術的な背景のもと、例えば、特許文献1には図9(a)に示されるように、防液堤の側壁100内に、円周方向の緊張材であるPC鋼材500と、鉛直方向の緊張材であるPC鋼材400とを配設し、さらに、大きな鉛直曲げモーメントの作用を受ける側壁100の下部には、鉛直方向の緊張材であるPC鋼材300を配設し、増厚部分200と側壁100とを現場打ちコンクリートによって構築して、側壁100の下部に生じる過大な曲げモーメントを低減するようにした発明が記載されている。

また、特許文献2には、図9(b)に示されるように、防液堤の側壁100内に、円周方向の緊張材であるPC鋼材500と、鉛直方向の緊張材であるPC鋼材400とを配設し、さらに、大きな鉛直曲げモーメントが生じる側壁100の下部には、略鉛直方向の緊張材であるPC鋼材300と、円周方向の緊張材であるPC鋼材510とを配設し、テーパー状増厚部200と側壁100とを現場打ちコンクリートによって構築して、側壁100の下部に生じる過大な曲げモーメントを低減するようにした発明が記載されている。

また、前記特許文献1および前記特許文献2に記載されているような変厚断面を有する防液堤では、上記増厚部分200や上記テーパー状増厚部200に対応して型枠の設置およびコンクリート現場打ち作業の工程が煩雑となって工期の長期化の要因となることから、図9(c)に示されるように、防液堤を一定の厚さで構築することも従来行われていた。

さらに、特許文献3には、複数のプレキャストブロック積み上げ、防液堤自体を全てプレキャストブロックにて構築する発明が記載されており、プレキャストブロックを側壁下部の底版と剛結して設置し、当該底版と剛結して設置された側壁下部のプレキャストブロックの上方に、さらに防液堤の側壁を構成するプレキャストブロックを複数積み上げ、円周方向および鉛直方向にプレストレスが導入される防液堤の構築方法が記載されている。

概要

従来のプレストレストコンクリート構造物に比べて大幅に工期の短縮を可能にするとともに、高い液密性および気密性を有するプレストレストコンクリート構造物を提供する。少なくとも底版20と当該底版上に立設される壁体10とを有する略円筒状のプレストレストコンクリート構造物であって、前記壁体10は、略一定の厚さにて前記底版20上に現場打ちコンクリートにより構築される側壁5と、当該側壁5の外周下部において当該側壁5と前記底版20とに剛結される複数のプレキャスト部材1と、を有し、前記側壁5および前記複数のプレキャスト部材1にはプレストレスが導入されている。

目的

そこで、本願発明は、従来のプレストレストコンクリート構造物に比べて大幅に工期の短縮を可能にするとともに、高い液密性および気密性を有するプレストレストコンクリート構造物を提供する

効果

実績

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請求項1

少なくとも底版と当該底版上に立設される壁体とを有する略円筒状プレストレストコンクリート構造物であって、前記壁体は、略一定の厚さにて前記底版上に現場打ちコンクリートにより構築される側壁と、当該側壁の外周下部において当該側壁と前記底版とに剛結される複数のプレキャスト部材と、を有し、前記側壁および前記複数のプレキャスト部材にはプレストレスが導入されていることを特徴とするプレストレストコンクリート構造物。

請求項2

前記複数のプレキャスト部材は前記側壁の円周方向にそれぞれ離間して配置されている請求項1に記載のプレストレストコンクリート構造物。

請求項3

前記側壁には円周方向および鉛直方向にプレストレスが導入され、前記プレキャスト部材には前記側壁と前記底版とに剛結される前に予め鉛直方向にプレストレスが導入されている請求項1または2に記載のプレストレストコンクリート構造物。

請求項4

前記側壁には円周方向および鉛直方向にプレストレスが導入され、前記プレキャスト部材には前記側壁と前記底版とに剛結される前に予め鉛直方向にプレストレスが導入されるとともに前記側壁と前記底版とに剛結された後において円周方向にプレストレスが導入されている請求項1または2に記載のプレストレストコンクリート構造物。

技術分野

0001

本発明は、プレストレストコンクリート構造物に関する。

背景技術

0002

従来から、LNG液化天然ガス)やLPG液化石油ガス)などを貯蔵する地上式貯槽は、貯蔵物の万一の漏洩対処するために内槽の外側に防液堤構築している。そして防液堤には、貯蔵物が漏洩した時に大きな液圧が当該防液堤に作用することを想定して、漏洩した貯蔵物を確実に防液堤内に保持するため、当該防液堤の躯体コンクリートには円周方向のプレストレスを導入され、特に上記液圧大きく作用する防液堤の下部には、より密に円周方向のプレストレスが導入されている。

0003

しかし、貯蔵物の漏洩が発生していない通常時においては、漏洩した貯蔵物の液圧は防液堤に作用していないため、上記円周方向に導入されたプレストレスにより、特に底版拘束されている防液堤の下部には、常に大きな鉛直曲げモーメントが作用しており、このような大きな鉛直曲げモーメントに起因して防液堤の躯体コンクリートにひび割れが生じる可能性がある。そこで、このようなひび割れを防止するために、従来より、防液堤の鉛直方向にもプレストレスを導入し、特に大きな鉛直曲げモーメントが作用する防液堤の下部には、より密に鉛直方向のプレストレスを導入して、防液堤に生じるひび割れの抑制を図っていた。

0004

上記のような技術的な背景のもと、例えば、特許文献1には図9(a)に示されるように、防液堤の側壁100内に、円周方向の緊張材であるPC鋼材500と、鉛直方向の緊張材であるPC鋼材400とを配設し、さらに、大きな鉛直曲げモーメントの作用を受ける側壁100の下部には、鉛直方向の緊張材であるPC鋼材300を配設し、増厚部分200と側壁100とを現場打ちコンクリートによって構築して、側壁100の下部に生じる過大な曲げモーメントを低減するようにした発明が記載されている。

0005

また、特許文献2には、図9(b)に示されるように、防液堤の側壁100内に、円周方向の緊張材であるPC鋼材500と、鉛直方向の緊張材であるPC鋼材400とを配設し、さらに、大きな鉛直曲げモーメントが生じる側壁100の下部には、略鉛直方向の緊張材であるPC鋼材300と、円周方向の緊張材であるPC鋼材510とを配設し、テーパー状増厚部200と側壁100とを現場打ちコンクリートによって構築して、側壁100の下部に生じる過大な曲げモーメントを低減するようにした発明が記載されている。

0006

また、前記特許文献1および前記特許文献2に記載されているような変厚断面を有する防液堤では、上記増厚部分200や上記テーパー状増厚部200に対応して型枠の設置およびコンクリート現場打ち作業の工程が煩雑となって工期の長期化の要因となることから、図9(c)に示されるように、防液堤を一定の厚さで構築することも従来行われていた。

0007

さらに、特許文献3には、複数のプレキャストブロック積み上げ、防液堤自体を全てプレキャストブロックにて構築する発明が記載されており、プレキャストブロックを側壁下部の底版と剛結して設置し、当該底版と剛結して設置された側壁下部のプレキャストブロックの上方に、さらに防液堤の側壁を構成するプレキャストブロックを複数積み上げ、円周方向および鉛直方向にプレストレスが導入される防液堤の構築方法が記載されている。

先行技術

0008

特開2006−083572号公報
特開2005−350092号公報
特開2016−125317号公報

発明が解決しようとする課題

0009

従来の防液堤の構築方法は上記したとおりであるが、上記従来の防液堤の構築方法は種々の課題を抱えている。例えば、上記引用文献1および引用文献2に記載された防液堤の構築方法では、現場打ちコンクリートによって構築される段状又はテーパー状の増厚部を有しており、このような変厚断面を現場打ちコンクリートによって構築するとなると、型枠の設置作業や躯体コンクリートの打設作業等が煩雑となり、工期に影響を及ぼすこととなる。また、当然のことながら、上記増厚部は現場打ちコンクリートによって構築されるので、後の工程においてプレストレスの導入作業が必要となる。さらに、変厚断面を有する躯体を現場打ちコンクリートによって構築する場合、剛性の違いに起因するコンクリート打設時の温度ひび割れにも注意が必要となる。

0010

また、前述した、防液堤下部から上部まで、一定の壁厚とする従来の構築方法にあっては、変厚断面とならないので、型枠の設置作業や躯体コンクリートの打設作業が非常にシンプルとなり、大きく工程を短縮することが可能となる一方、防液堤の上方においては構造的に過剰な壁厚となってしまうため、コンクリート材料のロスが非常に大きくなるという問題がある。

0011

また、上記引用文献3に記載された防液堤の構築方法にあっては、防液堤下部から上部まで複数のプレキャストブロックを積み上げて防液堤を構築しているため、非常に多くのプレキャストブロックの継ぎ目が生じてしまい、特に、LNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)などの危険物貯留する貯留槽の防液堤は極めて高い液密性気密性が要求されることから、その継ぎ目の処理作業には非常に多くの作業期間が必要となる。

0012

そこで、本願発明は、従来のプレストレストコンクリート構造物に比べて大幅に工期の短縮を可能にするとともに、高い液密性および気密性を有するプレストレストコンクリート構造物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

(1)少なくとも底版(基礎版20)と当該底版上に立設される壁体(防液堤10)とを有する略円筒状のプレストレストコンクリート構造物であって、前記壁体は、略一定の厚さにて前記底版上に現場打ちコンクリートにより構築される側壁(側壁5)と、当該側壁の外周下部において当該側壁と前記底版とに剛結される複数のプレキャスト部材(プレキャストブロック1)と、を有し、前記側壁および前記複数のプレキャスト部材にはプレストレスが導入されていることを特徴とするプレストレストコンクリート構造物。

0014

上記(1)の構成によれば、少なくとも底版(基礎版20)と当該底版上に立設される壁体(防液堤10)とを有する略円筒状のプレストレストコンクリート構造物において、前記壁体の側壁(側壁5)部分を略一定の厚さで前記底版上に現場打ちコンクリートにより構築し、前記側壁(側壁5)部分に導入されるプレストレスによって当該側壁(側壁5)の下部に生じる大きな曲げモーメントに対抗するための複数のプレキャスト部材(プレキャストブロック1)が、当該側壁と前記底版とに剛結されるように当該側壁の外周下部に設置されている。したがって、側壁(側壁5)の下部に生じる大きな曲げモーメントに対抗するために当該側壁(側壁5)下部の増厚部分(拡幅部11)が、プレキャスト部材(プレキャストブロック1)で構成されているので、当該増厚部分(拡幅部11)における型枠の設置作業や現場打ちコンクリートの打設作業の必要がなく、大幅に工期を短縮することが可能となる。またこれにより、側壁(側壁5)の厚さを略一定にして構築することができるとともに、プレキャスト部材(プレキャストブロック1)の側壁(側壁5)側の面を型枠代わりに利用することができることから、側壁(側壁5)の型枠設置作業の煩雑さを従来よりも大幅に減らすことが可能となる。また、現場打ちコンクリートによって打設される側壁(側壁5)が従来のように変厚断面とはならずに、略一定の厚さで構築されることから、コンクリート打設時の温度ひび割れを抑制することが可能となる。

0015

(2)前記複数のプレキャスト部材(プレキャストブロック1)は前記側壁(側壁5)の円周方向にそれぞれ離間して配置されている上記(1)に記載のプレストレストコンクリート構造物。

0016

上記(2)の構成によれば、前記複数のプレキャスト部材(プレキャストブロック1)が前記側壁(側壁5)の円周方向にそれぞれ離間して配置されている。すなわち、本発明のプレキャスト部材(プレキャストブロック1)は、前記側壁(側壁5)の下部に作用する大きな鉛直曲げモーメントに対抗するものであるため、必ずしも円周方向に設置されたプレキャスト部材1を連結して一体的な構造とする必要性はない。したがって、設計上必要な箇所に必要な数のプレキャスト部材(プレキャストブロック1)を設置すればよいので、拡幅部11におけるプレキャスト部材(プレキャストブロック1)の設置作業を省力化して更なる工期の短縮を図ることが可能となる。

0017

(3)前記側壁(側壁5)には円周方向および鉛直方向にプレストレスが導入され、前記プレキャスト部材(プレキャストブロック1)には前記側壁(側壁5)と前記底版(基礎版20)とに剛結される前に予め鉛直方向にプレストレスが導入されている上記(1)または(2)に記載のプレストレストコンクリート構造物。

0018

上記(3)の構成によれば、前記側壁(側壁5)には円周方向および鉛直方向にプレストレスが導入され、前記プレキャスト部材(プレキャストブロック1)には前記側壁(側壁5)と前記底版(基礎版20)とに剛結される前に予め鉛直方向にプレストレスが導入されている。したがって、前記側壁(側壁5)の下部に作用する大きな鉛直曲げモーメントに対抗するために設置されているプレキャスト部材(プレキャストブロック1)には、当該プレキャスト部材(プレキャストブロック1)の製造段階で予め鉛直方向のプレストレスが導入されているので、施工現場でのプレストレスの導入作業が必要なく、更なる工期の短縮が可能となる。

0019

(4)前記側壁(側壁5)には円周方向および鉛直方向にプレストレスが導入され、前記プレキャスト部材(プレキャストブロック1)には前記側壁(側壁5)と前記底版(基礎版20)とに剛結される前に予め鉛直方向にプレストレスが導入されるとともに前記側壁(側壁5)と前記底版(基礎版20)とに剛結された後において円周方向にプレストレスが導入されている上記(1)または(2)に記載のプレストレストコンクリート構造物。

0020

上記(4)の構成によれば、前記側壁(側壁5)には円周方向および鉛直方向にプレストレスが導入され、前記プレキャスト部材(プレキャストブロック1)には前記側壁(側壁5)と前記底版(基礎版20)とに剛結される前に予め鉛直方向にプレストレスが導入されるとともに前記側壁(側壁5)と前記底版(基礎版20)とに剛結された後において円周方向にプレストレスが導入されている。したがって、壁体(防液堤10)の下部に作用する大きな鉛直曲げモーメントに対抗するために設置されているプレキャスト部材(プレキャストブロック1)には、当該プレキャスト部材(プレキャストブロック1)の製造段階で予め鉛直方向のプレストレスが導入されているので、施工現場でのプレストレスの導入作業が必要なく、更なる工期の短縮が可能となる。さらに、プレキャスト部材(プレキャストブロック1)には製造段階において横方向にシース管が配設されており、複数の前記プレキャスト部材(プレキャストブロック1)が設置されて前記側壁(側壁5)と前記底版(基礎版20)とに剛結された後、当該シース管にPC鋼材が円周方向に挿入されてプレストレスが導入されるので、設置されたプレキャスト部材(プレキャストブロック1)の内周面全体によって前記側壁(側壁5)を内側に押すことができる。このような構成により、前記側壁(側壁5)に、より堅固にプレストレスを導入することが可能となる。

図面の簡単な説明

0021

本発明における、プレストレストコンクリート構造物の一例を示す模式断面図である。
本発明における、壁体の側壁およびプレキャスト部材の一例を示す模式断面図である。
本発明における、プレキャスト部材のPC鋼材の配置態様の一例を示す図である。
本発明における、プレキャスト部材の設置態様の一例を示す図である。
本発明における、プレストレストコンクリート構造物の施工手順の一例を示す図である。
本発明における、プレストレストコンクリート構造物の平断面図の一例である。
本発明の第2実施例における、壁体の側壁およびプレキャスト部材の一例を示す模式断面図である。
本発明の第2実施例における、プレストレストコンクリート構造物の平断面図の一例である。
従来技術を説明するための、プレストレストコンクリート構造物の模式断面図である。

実施例

0022

以下、図面を参照しつつ、本発明のプレストレストコンクリート構造物について、防液堤10を実施例として説明する。

0023

本発明のプレストレストコンクリート構造物の一例として、図1には防液堤10の全体模式断面図が示されている。防液堤10の内部には、LNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)などの液体を貯留する貯留槽50が設けられ、防液堤10は基礎版20上に設けられ、当該基礎版20は、地盤許容支持力に応じて基礎杭上に設けてもよいし、直接基礎として構成されていてもよい。また、防液堤10は、鉛直方向に変厚断面で構成され、防液堤10上部の壁厚の薄い部分を一般部12とし、防液堤10下部の壁厚の厚い部分を拡幅部11として構成されている。

0024

図2には防液堤10下部の模式断面図が示されている。図示されているように、拡幅部11の外側にはプレキャストブロック1が設置されている。また、プレキャストブロック1は基礎版20に剛結されており、図2(a)に図示される例では、プレキャストブロック1の下方に設置された水平方向および鉛直方向の定着用鉄筋3により、最小限の埋め込み深さで当該基礎版20と剛結するように構成されている。

0025

なお、上記のような態様に限定されるものではなく、図2(b)に示されるように、プレキャストブロック1を、当該プレキャストブロック1に加わる水平方向の力に対して、支点反力耐力を確保できる深さまで基礎版20に埋め込んで設置するようにして剛結してもよい。このように、プレキャストブロック1と基礎版20とが剛結されることにより、現場打ちコンクリートによって構築される側壁5に対する鉛直方向のひび割れ抵抗性の向上を図ることができる。

0026

また、プレキャストブロック1は防液堤10の内側方向にジベル筋4が複数設けられており、当該プレキャストブロック1の内側に現場打ちコンクリートによって構築される側壁5と構造的に一体化を図ることが可能である。このようにして、プレキャストブロック1が側壁5に作用する大きな鉛直曲げモーメントに対して対抗するように構成されている。

0027

さらに、プレキャストブロック1の内部にはプレキャストブロック用鉛直PC鋼材2が配置されており、プレキャストブロック1の製造段階で予め鉛直方向に必要なプレストレスが導入されている。なお、プレキャストブロック1の製造段階で、当該プレキャストブロック1の鉛直方向にシース管を配置しておき、施工現場においてPC鋼材を挿入してプレストレスを導入するようにすることも可能ではあるが、工期を短縮する観点からは、上記のように製造段階で予め鉛直方向に必要なプレストレスが導入されたプレキャストブロック1を使用する方が好ましい。

0028

また、設置されたプレキャストブロック1の内側において、現場打ちコンクリートによって構築される側壁5の内部には、防液堤10の円周方向に必要なプレストレスが導入される側壁用円周PC鋼材7と、防液堤10の鉛直方向に必要なプレストレスが導入される側壁用鉛直PC鋼材6とが配置されている。

0029

上記側壁用円周PC鋼材7は、防液堤10に漏洩した貯蔵物の液圧が作用した場合に当該防液堤10が貯蔵物を保持できるように、液圧が大きく作用する側壁5の下方に行くほど密に配置されて円周方向のプレストレスが導入されている。

0030

また、上記側壁用鉛直PC鋼材6は、上記側壁用円周PC鋼材7に導入されたプレストレスによって側壁5にひび割れが生じないように、円周方向のプレストレスが大きく作用する側壁5の下方ほど密に配置され、鉛直方向にプレストレスが導入されている。

0031

図3にはプレキャストブロック1における、プレキャストブロック用鉛直PC鋼材2の配置態様の一例が示されている。図3(a)には、2本のプレキャストブロック用鉛直PC鋼材2が直線状に配置されているプレキャストブロック1の一例が示され、図3(b)には、1本のプレキャストブロック用鉛直PC鋼材2がU字状に配置されているプレキャストブロック1の一例が示されている。なお、配置されるプレキャストブロック用鉛直PC鋼材2の本数は、上記した本数に限らず、設計上必要な本数を配置すればよい。

0032

また、前述したように、プレキャストブロック1の内側面にはジベル筋4が、プレキャストブロック1の下部には定着用鉄筋3が設けられているが、プレキャストブロック1の製造時に設置しておくことで、施工現場における設置の手間を省力化し、工期の短縮を図ることが可能である。

0033

図4には防液堤10下部の拡幅部11の平断面図が示されており、図4(a)には側壁5の外周に複数のプレキャストブロック1を連続して設置する態様が示されている。また、図4(b)には、側壁5の外周に複数のプレキャストブロック1を所定の間隔8を開けて設置する態様が示されている。本発明においてプレキャストブロック1は、防液堤10下部の側壁5に作用する鉛直曲げモーメントに対抗するものであるため、円周方向に設置したプレキャストブロック1を連結して一体的な構造とする必要はない。したがって、設計上必要な箇所に必要な数のプレキャストブロック1を設置すればよいので、図4の(a)、(b)何れかの態様でプレキャストブロック1を設置するようにすればよい。なお、図4(b)に示されるように、複数のプレキャストブロック1を所定の間隔8を開けて設置する場合は、当該間隔8に間詰めコンクリートを打設してもよいし、無収縮モルタル等を充填するようにしてもよい。

0034

(施工手順)
図5には基礎版20にプレキャストブロック1を設置する工程から防液堤10の側壁5および基礎版20の躯体コンクリートの打設する工程までが図示されている。

0035

まず、図5(a)に示されるように、防液堤10の側壁5の外周面にあたる位置に、施工現場に搬入されたプレキャストブロック1を揚重機等を使用して設置する。プレキャストブロック1の設置にあたっては、当該プレキャストブロック1を基礎版20内の所定の位置に設置できるように、あらかじめ架設鋼材35を基礎版20内に設置しておくとよい。なお、上記のようなプレキャストブロック1の設置方法替えて、図示されている30の杭頭を基礎版20内のプレキャストブロック1の設置位置に合せ、当該杭頭にプレキャストブロック1を載置することも可能である。

0036

プレキャストブロック1の設置が完了すると、図5(b)に示されるように防液堤10の側壁5内に側壁用鉛直PC鋼材6および側壁用円周PC鋼材7を挿入するためのシース管を設置する。また併せて、基礎版20内の鉄筋組立てを行う。

0037

続いて、側壁5の内側に型枠9を設置する。なお、本発明では、先に設置されたプレキャストブロック1の内側面が側壁5の型枠の役割も果たすことから、型枠の設置に要する手間を大幅に省力化することが可能である。

0038

続いて、基礎版20および側壁5のコンクリートの打設を行う。その後、防液堤10の上端まで側壁5が現場打ちにて構築され、躯体コンクリートが所定の強度を発現したら、側壁5内の側壁用鉛直PC鋼材6および側壁用円周PC鋼材7にプレストレスを導入し、シース管内にグラウト充填して防液堤10の構築が完了する。

0039

図6には防液堤10の平断面図が示されており、図6(a)には防液堤10下部の拡幅部11の平断面図が、図6(b)には防液堤10上方の一般部12の平断面図が示されている。図示されるように、防液堤10の一般部12、拡幅部11ともに、防液堤10の外周には側壁用円周PC鋼材7に矢印で示す方向にプレストレスを導入するためのジャッキ40が設置されている。なお、本実施例では図示されるような2基のジャッキ40が防液堤10の対角線上の外周部に2箇所設置されている。

0040

また、図6(a)の防液堤10下部の拡幅部11の平断面図に示されるように、設置されるプレキャストブロック1と、2基のジャッキ40とが干渉する部分は現場打ち部15として、現場打ちコンクリートによって構築されている。当該現場打ち部15においては、鉛直方向にPC鋼線が配置されてプレストレスが導入されている。

0041

(第2実施例)
前述の実施例では、防液堤10下部の拡幅部11において、側壁5の内部に側壁用円周PC鋼材7を配置し、必要なプレストレスが導入される実施形態について説明をしたが、上記実施形態に限られるものではなく、防液堤10下部の拡幅部11に設置されたプレキャストブロック1の内部に、円周方向のPC鋼線を配置し、必要なプレストレスが導入されるように構成することも可能である。以下では、図7および図8を参照しつつ、第2実施例について説明する。

0042

図7には第2実施例における、防液堤10下部の模式断面図が示されており、防液堤10下部の拡幅部11に設置されたプレキャストブロック1の内部に、プレキャストブロック用円周PC鋼材7aが配置されている。プレキャストブロック1の内部にはあらかじめプレキャストブロック用円周PC鋼材7aを挿通するためのシース管が埋め込まれており、当該プレキャストブロック1の設置完了後、側壁5の構築が完了した後に、プレキャストブロック用円周PC鋼材7aが挿通されて円周方向のプレストレスが導入されている。

0043

なお、円周方向に設置されるプレキャストブロック1のシース管の開口部には、隣り合うシース管の開口部に跨って挿入される鞘管が設置されており、プレキャストブロック用円周PC鋼材7aを挿通し易いように構成されている。

0044

上記のような構成によれば、円周方向に連続して設置されたプレキャストブロック1の内周面全体で側壁5を内側方向に押すことができるので、防液堤10下部に、より堅固にプレストレスを導入することが可能となる。

0045

さらに、図8には第2実施例における、防液堤10下部の拡幅部11の平断面図が示されている。図示されるように、防液堤10の外周にはプレキャストブロック用円周PC鋼材7aに矢印で示す方向にプレストレスを導入するためのジャッキ40が設置されている。なお、本実施例では図示されるような2基のジャッキ40が防液堤10の対角線上の外周部に2箇所設置されている。なお、防液堤10上方の一般部12の平断面図は、前述の実施例と同様に図6(b)に示される断面構成と同じである。

0046

また、前述の実施例と比較(図6(a)等参照)すると、ジャッキ40がより外側に配置されることとなるため、プレキャストブロック1とジャッキ40が干渉する範囲が少なくなり、現場打ち部15の施工範囲が小さくなるので、施工手間を省力化することが可能である。

0047

以上、本発明の実施形態について図面にもとづいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。また、上記実施例に記載された具体的な材質寸法形状等は本発明の課題を解決する範囲において、変更が可能である。

0048

1プレキャストブロック
5側壁
10防液堤
20 基礎版

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