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技術 網膜疾患を処置するための組成物および方法

出願人 ザリージェンツオブザユニバーシティオブカリフォルニア
発明者 ヘンリークラッセンヤンジン
出願日 2018年8月8日 (1年7ヶ月経過) 出願番号 2018-149213
公開日 2018年11月29日 (1年3ヶ月経過) 公開番号 2018-188469
状態 特許登録済
技術分野 微生物、その培養処理 動物,微生物物質含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 内側網 内側セグメント 要約ファイル 医療手当 冷却プログラム 中心窩領域 中間透光体 総括表
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

網膜疾患処置するための組成物および方法を提供すること。

解決手段

網膜前駆細胞投与することによって、網膜疾患もしくは網膜の状態を処置する、軽減する、もしくは防止する、明所(昼間)視を改善するための、矯正視力を改善する、黄斑機能を改善する、視野を改善する、または暗所(夜間)視を改善するための、組成物および方法が、本明細書に開示されている。本明細書に記載の主題は、網膜前駆細胞を含む細胞集団およびこれを単離する方法も提供する。代替の実施形態では、本発明は、胎児神経網膜細胞異種混合物、ならびにこれらを作製および使用するための方法および組成物(例えば、キット、製剤など)を提供する。

概要

背景

背景
網膜変性症は、視覚永久喪失をもたらし、世界中で数百万の個人に影響する眼疾患異質の群である。これらの状態の基礎をなす分子機構は様々であるが、これらは、共通のエンドポイント、すなわち、光受容細胞不可逆的な死を共有する。失った光受容体および視覚機能回復するのに有効な処置は、現在利用可能でなく、大部分の治療的な介入は、せいぜい疾患の進行を遅延させることだけである。

網膜変性症を有する患者における以前の臨床試験では、胎児網膜シート移植片の使用が含まれていた。この移植ストラテジーでは、細胞突起を伸ばし、変性した宿主網膜シナプス結合を形成する未成熟の網膜シートが利用される。これの裏にある原理は、宿主内側網神経細胞インタクトなままであり、したがって、視覚機能を回復するのに、光受容体とのシナプス結合を必要とするだけであることである。患者における網膜シート移植を調査する試験では、いくらか主観的な視覚の改善が示されているが、移植片拒絶組織利用可能性、および信頼できない臨床的効力が、この手法が実行可能な処置選択肢となるのを妨げている。

概要

網膜疾患を処置するための組成物および方法を提供すること。網膜前駆細胞投与することによって、網膜疾患もしくは網膜の状態を処置する、軽減する、もしくは防止する、明所(昼間)視を改善するための、矯正視力を改善する、黄斑機能を改善する、視野を改善する、または暗所(夜間)視を改善するための、組成物および方法が、本明細書に開示されている。本明細書に記載の主題は、網膜前駆細胞を含む細胞集団およびこれを単離する方法も提供する。代替の実施形態では、本発明は、胎児神経網膜細胞異種混合物、ならびにこれらを作製および使用するための方法および組成物(例えば、キット、製剤など)を提供する。なし

目的

本発明は、網膜疾患または網膜の状態、例えば、アッシャー病、網膜色素変性症(RP)、網膜変性疾患(degenerative retinal disease)、加齢黄斑変性症(AMD)、滲出型AMDもしくは萎縮型AMD、地図状萎縮、網膜光受容体疾患、糖尿病性網膜症類嚢胞黄斑浮腫ブドウ膜炎網膜剥離網膜損傷黄斑円孔、黄斑部毛細血管拡張症外傷性もしくは医原性網膜損傷、神経節細胞もしくは視神経細胞疾患、緑内障または視神経症虚血性網膜疾患、例えば、未熟児網膜症網膜血管閉塞、もしくは虚血性視神経症を処置する、軽減する、または防止する、あるいは明所(昼間)視を改善する、あるいは矯正視力を改善する(improving correcting visual acurity)、あるいは黄斑機能を改善する、あるいは視野を改善する、あるいは暗所(夜間)視を改善するための組成物および方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

被験体において、網膜疾患処置することにおける、明所(昼間)視を改善することにおける、矯正視力を改善することにおける、黄斑機能を改善することにおける、視野を改善することにおける、または暗所(夜間)視を改善することにおける使用のための製剤、製造産物、または組成物であって、該製剤、製造産物、または組成物は、不死化されていないヒト網膜前駆細胞を含む細胞集団を含み、不死化されていないヒト網膜前駆細胞を含む該細胞集団は、(a)在胎12〜28週齢ヒト由来のヒト網膜組織の得られた試料物理的および/または酵素的解離して、細胞および/または細胞群の解離懸濁物を作製するステップ;ならびに(b)細胞および/または細胞群の該懸濁物を、異種由来成分不含有のフィブロネクチンオルニチンポリリシン、またはラミニンコーティングされた培養フラスコまたはプレート内無血清培地中で1、2、3、4、5、6、7、8、9または10継代にわたって培養し、それによって、不死化されていないヒト網膜前駆細胞を作製するステップであって、該細胞は40%〜90%のコンフルエンスで継代され、各継代ごとに酵素で処理されて該細胞が解離され、そして、ビタミンCが、0.01mg/ml〜0.5mg/mlの量で1日〜2日毎に該培養培地に添加される、ステップによって作製されたものであり、該不死化されていないヒト網膜前駆細胞は、ネスチン、Sox2、Ki−67、MHCクラスI、およびFas/CD95からなる群から選択される1種または複数のマーカー発現し、ネスチンは、該集団内の該細胞の90%超によって発現され、Sox2は、該集団内の該細胞の80%超によって発現され、Ki−67は、該集団内の該細胞の30%超によって発現され、MHCクラスIは、該集団内の該細胞の70%超によって発現され、Fas/CD95は、該集団内の該細胞の30%超によって発現される、製剤、製造産物、または組成物。

請求項2

前記被験体がヒトである、請求項1に記載の使用のための製剤、製造産物、または組成物。

請求項3

前記組成物は、前記被験体の硝子体腔もしくは網膜下腔内への注射用に製剤化されたものである、請求項1または2に記載の使用のための製剤、製造産物、または組成物。

請求項4

前記網膜疾患が、網膜色素変性症(RP)、レーバー先天性黒内障(LCA)、シュタルガルト症、アッシャー症候群コロイデレミア桿体錐体もしくは錐体−桿体ジストロフィー繊毛障害ミトコンドリア障害進行性網膜萎縮網膜変性疾患加齢黄斑変性症(AMD)、滲出型AMD、萎縮型AMD、地図状萎縮家族性もしくは後天性黄斑症、網膜光受容体疾患、網膜色素上皮基礎とする疾患、糖尿病性網膜症類嚢胞黄斑浮腫ブドウ膜炎網膜剥離外傷性網膜損傷医原性網膜損傷、黄斑円孔、黄斑部毛細血管拡張症神経節細胞疾患、視神経細胞疾患、緑内障視神経症虚血性網膜疾患、未熟児網膜症網膜血管閉塞、家族性細動脈網膜血管疾患、眼血管疾患、血管疾患、または虚血性視神経症を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用のための製剤、製造産物、または組成物。

請求項5

前記組成物中の前記細胞が、ビメンチン、CD9、CD81、AQP4、CXCR4、CD15/LeX/SSEA1、GDガングリオシド、CD133、β3−チューブリンMAP2、GFAP、OPN/SPP1、PTN、KDR、およびTEKからなる群から選択される1種または複数のマーカーをさらに発現する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用のための製剤、製造産物、または組成物。

請求項6

不死化されていないヒト胎児神経網膜細胞の異種混合物を含む、製剤、製造産物、あるいは組成物を作製する方法であって、(a)在胎12〜28週齢のヒト由来のヒト網膜組織細胞の得られた試料を物理的および/または酵素的に解離して、細胞および/または細胞群の解離懸濁物を生成するステップであって、細胞および/または細胞群の前記得られた試料は、トリプシンを使用して酵素的に解離される、ステップ;ならびに(b)異種由来成分不含有のフィブロネクチン、オルニチン、ポリリシン、またはラミニンでコーティングされた培養フラスコまたはプレート内に無血清培地を含み、かつ、抗生物質および抗真菌薬を含む、または、抗生物質も抗真菌薬も含まない、滅菌環境中で、該細胞および/または細胞群を1、2、3、4、5、6、7、8、9または10継代にわたって培養するステップであって、該細胞は40%〜90%のコンフルエンスで継代され、各継代ごとに酵素で処理されて該細胞が解離され、培養培地が1日〜2日毎に取り換えられ、そして、ビタミンCが、0.01mg/ml〜0.5mg/mlの量で1日〜2日毎に該培地に添加される、ステップを含む、方法。

請求項7

前記細胞および/または細胞群は、基本培地で培養される、請求項6に記載の方法。

請求項8

前記細胞および/または細胞群は、細胞の生存または増殖を支持する補充物または添加剤一緒に培養される、請求項7に記載の方法。

請求項9

細胞の増殖または生存を支持する前記補充物は、L−グルタミン、EGFおよびbFGFからなるヒト組換え増殖因子(Invitrogen)、ならびに他の増殖因子からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。

請求項10

前記細胞および/または細胞群は、低酸素条件、または妊娠の間に発生中の胎児網膜の酸素レベル近似するもしくは密接に模倣する酸素条件下、あるいは2%の酸素の下、培養または増殖される、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項11

前記細胞および/または細胞群は、低酸素条件、または妊娠の間に発生中の胎児網膜の酸素レベルに近似するもしくは密接に模倣する酸素条件下、あるいは2.5%の酸素の下、培養または増殖される、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項12

前記細胞および/または細胞群は、低酸素条件、または妊娠の間に発生中の胎児網膜の酸素レベルに近似するもしくは密接に模倣する酸素条件下、あるいは3%の酸素の下、培養または増殖される、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項13

前記細胞および/または細胞群は、低酸素条件、または妊娠の間に発生中の胎児網膜の酸素レベルに近似するもしくは密接に模倣する酸素条件下、あるいは3.5%の酸素の下、培養または増殖される、請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。

請求項14

前記培地は、1.0mg/mlの初期濃度を有する量のアルブミンまたは組換えアルブミンを補充される、請求項6〜13のいずれか一項に記載の方法。

請求項15

細胞の前記試料は、病原体、細菌、エンドトキシン真菌マイコプラズマウイルス肝炎ウイルス、またはHIVウイルスの存在についてスクリーニングされる、請求項6〜14のいずれか一項に記載の方法。

請求項16

細胞の前記試料は、正常核型の存在についてスクリーニングされる、請求項6〜15のいずれか一項に記載の方法。

請求項17

細胞の前記試料は、テロメラーゼ活性の上昇を呈さない、請求項6〜16のいずれか一項に記載の方法。

請求項18

細胞の前記試料は、生存能についてスクリーニングされる、請求項6〜17のいずれか一項に記載の方法。

請求項19

細胞の前記試料は、腫瘍形成能についてスクリーニングされる、請求項6〜18のいずれか一項に記載の方法。

請求項20

不死化されていないヒト胎児神経網膜細胞の前記異種混合物を作製するための前記方法が、(a)細胞表面マーカーまたは遺伝子マーカーに基づいてヒト胎児神経網膜細胞を選択するステップ、または(b)ヒト胎児神経網膜細胞トランスクリプトームプロファイルプロテオームプロファイル、および/またはゲノムプロファイルに基づいてヒト胎児神経網膜細胞を選択するステップをさらに含む、請求項6〜19のいずれか一項に記載の方法。

請求項21

ステップ(a)は、培養前もしくは培養後のいずれかに、または両方で前記細胞を選択するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。

請求項22

不死化されていないヒト網膜前駆細胞の集団を単離するための方法であって、網膜が形成された後であるが、光受容体外側セグメントが該網膜全体にわたって完全に形成される前でかつ網膜の血管新生が完了しているかまたは完了する前の段階で得られたヒト網膜組織の試料を物理的および/または酵素的に解離して、細胞および細胞群の解離懸濁物を生成するステップと、該解離懸濁物を1、2、3、4、5、6、7、8、9または10継代にわたって培養するステップとを含み、該細胞は40%〜90%のコンフルエンスで継代され、各継代ごとに酵素で処理されて該細胞が解離され、そして、ビタミンCが、0.01mg/ml〜0.5mg/mlの量で1日〜2日毎に培養培地に添加され、該ヒト網膜前駆細胞は、ネスチン、Sox2、Ki−67、MHCクラスI、およびFas/CD95からなる群から選択される1種または複数のマーカーを発現し、ネスチンは、該集団内の該細胞の90%超によって発現され、Sox2は、該集団内の該細胞の80%超によって発現され、Ki−67は、該集団内の該細胞の30%超によって発現され、MHCクラスIは、該集団内の該細胞の70%超によって発現され、Fas/CD95は、該集団内の該細胞の30%超によって発現される、方法。

請求項23

前記ヒト網膜組織が、在胎12週齢〜28週齢のヒト胎児網膜から得られたものである、請求項22に記載の方法。

請求項24

前記細胞が大気酸素ベルで培養されるか、または該細胞が、0.5%〜7%の間の酸素レベルで培養される、請求項22または23に記載の方法。

請求項25

前記細胞が無血清または低血清細胞培養培地で培養される、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。

請求項26

前記培地がアルブミンをさらに含む、請求項22〜25のいずれか一項に記載の方法。

請求項27

前記集団内の前記細胞が、ビメンチン、CD9、CD81、AQP4、CXCR4、CD15/LeX/SSEA1、GD2ガングリオシド、CD133、β3−チューブリン、MAP2、GFAP、OPN/SPP1、PTN、KDR、およびTEKからなる群から選択される1種または複数のマーカーをさらに発現する、請求項22〜26のいずれか一項に記載の方法。

請求項28

不死化されていないヒト網膜前駆細胞を含む細胞集団であって、該細胞集団は、ヒト網膜組織を物理的および/または酵素的に解離して、細胞および/または細胞群の解離懸濁物を得るステップ、および該得られた懸濁物を、異種由来成分不含有のフィブロネクチン、オルニチン、ポリリシン、またはラミニンでコーティングされた培養フラスコまたはプレート内の無血清培地中で1、2、3、4、5、6、7、8、9または10継代にわたって培養するステップによって作製されたものであり、ここで、該細胞は、各継代ごとに酵素で処理されて該細胞が解離されることによって、そして、0.01mg/ml〜0.5mg/mlの量で1日〜2日毎に培養培地に添加されるビタミンCとともに新鮮な培養培地を加えることによって継代され、その結果、該不死化されていないヒト網膜前駆細胞が、ネスチン、Sox2、Ki−67、MHCクラスI、およびFas/CD95からなる群から選択される1種または複数のマーカーを発現し、ネスチンは、該集団内の該細胞の90%超によって発現され、Sox2は、該集団内の該細胞の80%超によって発現され、Ki−67は、該集団内の該細胞の30%超によって発現され、MHCクラスIは、該集団内の該細胞の70%超によって発現され、Fas/CD95は、該集団内の該細胞の30%超によって発現される、細胞集団。

請求項29

前記集団内の前記細胞が、ビメンチン、CD9、CD81、AQP4、CXCR4、CD15/LeX/SSEA1、GD2ガングリオシド、CD133、β3−チューブリン、MAP2、GFAP、OPN/SPP1、PTN、KDR、およびTEKからなる群から選択される1種または複数のマーカーをさらに発現する、請求項28に記載の不死化されていないヒト網膜前駆細胞集団。

請求項30

前記細胞表面マーカーまたは遺伝子マーカーは、CD15/LeX/SSEA1および/またはGD2ガングリオシドを含む、請求項20に記載の方法。

請求項31

前記細胞表面マーカーまたは遺伝子マーカーは、CD9、CD81、CD133、またはAQP4、および/またはCXCR4を含む、請求項20に記載の方法。

技術分野

0001

技術分野
本明細書に記載の主題は、一般に、幹細胞生物学および再生医療の分野に関する。特に、本明細書に開示の主題により、網膜前駆細胞投与することによって、網膜疾患もしくは網膜の状態を処置する、軽減する、もしくは防止する、明所(昼間)視を改善する、視力を改善もしくは矯正する(improving or correcting visual acurity)、黄斑機能を改善する、視野を改善する、または暗所(夜間)視を改善するための組成物および方法が提供される。本明細書に記載の主題により、網膜前駆細胞を含む細胞集団およびこれを単離する方法も提供される。代替の実施形態では、本発明は、網膜疾患または網膜の状態、例えば、アッシャー病、網膜色素変性症(RP)、網膜変性疾患(degenerative retinal disease)、加齢黄斑変性症(AMD)、滲出型AMDもしくは萎縮型AMD、地図状萎縮、網膜光受容体疾患、糖尿病性網膜症類嚢胞黄斑浮腫ブドウ膜炎網膜剥離網膜損傷黄斑円孔、黄斑部毛細血管拡張症外傷性もしくは医原性網膜損傷、神経節細胞もしくは視神経細胞疾患、緑内障または視神経症虚血性網膜疾患、例えば、未熟児網膜症網膜血管閉塞、もしくは虚血性視神経症を処置する、軽減する、または防止する、あるいは明所(昼間)視を改善する、あるいは矯正視力を改善する(improving correcting visual acurity)、あるいは黄斑機能を改善する、あるいは視野を改善する、あるいは暗所(夜間)視を改善するための組成物および方法を提供する。代替の実施形態では、本発明は、胎児神経網膜細胞異種混合物、ならびにこれらを作製および使用するための方法および組成物(例えば、キット、製剤など)を提供する。

背景技術

0002

背景
網膜変性症は、視覚永久喪失をもたらし、世界中で数百万の個人に影響する眼疾患異質の群である。これらの状態の基礎をなす分子機構は様々であるが、これらは、共通のエンドポイント、すなわち、光受容細胞不可逆的な死を共有する。失った光受容体および視覚機能回復するのに有効な処置は、現在利用可能でなく、大部分の治療的な介入は、せいぜい疾患の進行を遅延させることだけである。

0003

網膜変性症を有する患者における以前の臨床試験では、胎児網膜シート移植片の使用が含まれていた。この移植ストラテジーでは、細胞突起を伸ばし、変性した宿主網膜シナプス結合を形成する未成熟の網膜シートが利用される。これの裏にある原理は、宿主内側網神経細胞インタクトなままであり、したがって、視覚機能を回復するのに、光受容体とのシナプス結合を必要とするだけであることである。患者における網膜シート移植を調査する試験では、いくらか主観的な視覚の改善が示されているが、移植片拒絶組織利用可能性、および信頼できない臨床的効力が、この手法が実行可能な処置選択肢となるのを妨げている。

発明が解決しようとする課題

0004

幹細胞および他の多能性細胞も、網膜変性症を有する患者の処置に使用するために企図されており、胚組織成体(adult)脳、遺伝子操作された皮膚線維芽細胞、およびさらには網膜を含めていくつかの源から単離することができる。しかし、胚細胞または幹細胞は、これまでのところ、胎児様網膜前駆細胞集団へと最初に予め分化されない限り、成体網膜中に移植されたとき、分化して網膜表現型になる能力が小さいことが示されている。さらに、その収率および生着の効率は低く、残留する腫瘍形成多能性細胞の混入が問題となっている。光受容細胞配置の分野における現在の課題は、これらの細胞の多数が、免疫反応または移植細胞の腫瘍形成表現型への形質転換リスクが最小である最適段階で移植され得るように、細胞を光受容体分化の方向に導く発達過程を理解すること包含する。

課題を解決するための手段

0005

要旨
代替の実施形態では、本発明は、網膜疾患または網膜の状態、例えば、アッシャー病、網膜色素変性症(RP)、網膜変性疾患、加齢黄斑変性症(AMD)、滲出型AMDもしくは萎縮型AMD、地図状萎縮、網膜光受容体疾患、糖尿病性網膜症、類嚢胞黄斑浮腫、ブドウ膜炎、網膜剥離、網膜損傷、黄斑円孔、黄斑部毛細血管拡張症、外傷性もしくは医原性網膜損傷、神経節細胞もしくは視神経細胞疾患、緑内障または視神経症、虚血性網膜疾患、例えば、未熟児網膜症、網膜血管閉塞、もしくは虚血性視神経症を処置する、軽減する、または防止する、あるいは明所(昼間)視を改善する、あるいは矯正視力を改善する、あるいは黄斑機能を改善する、あるいは視野を改善する、あるいは暗所(夜間)視を改善するための組成物および方法を提供する。代替の実施形態では、本発明は、胎児神経網膜細胞の異種混合物、ならびにこれらを作製および使用するための方法および組成物(例えば、キット、製剤など)を提供する。

0006

代替の実施形態では、本発明は、
(a)(i)ヒトについて、在胎約17〜18週齢、または在胎約16〜19週齢、または在胎15〜20週齢、または在胎14〜26週齢、または在胎約14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、もしくは26週齢、あるいは非ヒト動物、必要に応じてネコイヌ、もしくはブタの細胞について約3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは11週、またはネコについて6〜7週、またはブタ細胞について6〜9週において、または
(ii)哺乳動物網膜が明らかに形成される後であるが、光受容体外側セグメントが完全に形成され、網膜の血管新生が実質的に完了し、または完了する前の段階において、または類似の哺乳動物の胎児期(fetal staging)において、
哺乳動物胎児からの複数の哺乳動物胎児神経網膜細胞を含む細胞の試料回収するステップであって、
必要に応じて細胞の試料は、ヒトまたはネコまたはイヌの細胞を含む、ステップと、
(b)回収した細胞の試料を酵素的解離して、細胞の解離懸濁物ならびに/または小サイズおよび中サイズ細胞群(cell cluster)を作製するステップであって、
必要に応じて回収した細胞および/または小細胞群の試料は、トリプシンもしくは均等物、またはTRYP−LEEXPRESS(商標)(TrypLE(商標)Express、Invitrogen−Life Technologies、Carlsbad CA)もしくは均等物を使用して酵素的に解離される、ステップと、
(c)無血清培地または血清を含む培地を含み、抗生物質および抗真菌薬を含み、または抗生物質も抗真菌薬も含まない滅菌環境下で、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10、またはそれ以上を超えない継代にわたって細胞および/または小細胞群を培養するステップと
を含み、
必要に応じて細胞および/または小細胞群は、ダルベッコ変法イーグル培地を含む培地:Nutrient Mixture F−12(商標)(DMEM/F12(商標))培地、またはADVANCED DMEM/F12(商標)培地(Gibco−Invitrogen−Life Technologies、Carlsbad CA))、またはULTRACULTURE(商標)培地(BioWhittaker−Lonza Walkersville,Inc.、Walkersville、MD)で、N2補充物(Invitrogen)、またはB27もしくはB27 Xeno Free(Invitrogen)、L−グルタミンもしくはGlutaMax(Invitrogen)、ならびにEGFおよびbFGFからなるヒト組換え増殖因子(Invitrogen)、または他の増殖因子と必要に応じて一緒に培養され、
必要に応じてDMEM/F12(商標)培地は、ヒト細胞に使用され、ULTRACULTURE(商標)培地は、ネコまたはイヌの細胞に使用され、
低酸素条件、または妊娠の間に発生中の胎児網膜の酸素レベル近似するもしくは密接に模倣する酸素条件下、あるいは約2%、2.5%、3%、3.5%の酸素で必要に応じて細胞を培養し、あるいは増殖させ、
必要に応じて培地は、ビタミンCを補充され、必要に応じてビタミンCは、1日または2日毎に添加され、必要に応じてビタミンCは、約0.1mg/mlもしくは0.05mg/ml、または約0.01mg/ml〜約0.5mg/mlの間の初期濃度を有する量で添加され、
必要に応じて培地は、アルブミン、またはヒトもしくはネコもしくはイヌのアルブミン、または組換えアルブミンを補充され、あるいはアルブミンは、約1.0mg/mlの初期濃度を有する量で添加され、
必要に応じて細胞の試料は、病原体、細菌、エンドトキシン真菌マイコプラズマウイルス肝炎ウイルス、またはHIVウイルスの存在についてスクリーニングされ、
必要に応じて細胞の試料は、正常核型の存在についてスクリーニングされ、
必要に応じて細胞の試料は、テロメラーゼ活性の上昇を呈さず、
必要に応じて細胞の試料は、生存能についてスクリーニングされ、
必要に応じて細胞の試料は、腫瘍形成能についてスクリーニングされる
方法によって作製される哺乳動物胎児神経網膜細胞の異種混合物を含む、製剤、製造産物、あるいは組成物を提供する。

0007

製剤、製造産物、または組成物の代替の実施形態では、胎児神経網膜細胞の異種混合物を作製するための方法は、
(a)細胞表面マーカーまたは遺伝子マーカーに基づいて胎児神経網膜細胞を選択し、培養するステップの前(将来を見越して)もしくは培養するステップの後のいずれかに、または両方で細胞を必要に応じて選択するステップであって、
必要に応じて細胞表面マーカーまたは遺伝子マーカーは、CD15/LeX/SSEA1および/またはGDガングリオシド、必要に応じてCD9、CD81、CD133、またはAQP4、CXCR4を含むステップ、あるいは
(b)胎児神経網膜細胞トランスクリプトームプロファイルプロテオームプロファイル、および/またはゲノムプロファイルに基づいて胎児神経網膜細胞を選択するステップをさらに含む。
代替の実施形態では、本発明の胎児神経網膜細胞の異種混合物を作製するための方法は、
細胞に最適速度(または最適速度付近)で増殖させ、かつ/または胎児神経網膜細胞表現型もしくはトランスクリプトームプロファイルを発現させる条件下で細胞を培養するステップであって、
必要に応じて、胎児神経網膜細胞表現型プロファイルは、(必要に応じて中等度の)レベルのKi67、p21、および/もしくは、テロメラーゼならびに/または高レベルの、多分化能細胞であるが多能性細胞でない細胞に関連した1つもしくは複数の幹細胞マーカーの発現を含み、
あるいは必要に応じて、胎児神経網膜細胞表現型プロファイルは、ネスチンビメンチン、Ki−67、分化マーカー、β3−チューブリングリア線維性酸性タンパク質(GFAP)、および/もしくはロドプシン、またはこれらの任意の組合せの(遺伝子またはメッセージ)発現を含み、
必要に応じてDach1、Lhx2、および/またはPax6メッセージが測定される、ステップをさらに含む。

0008

代替の実施形態では、製剤、製造産物、または組成物は、注射、または硝子体腔もしくは網膜下腔内への注射用に製剤化される。
代替の実施形態では、本発明は、網膜疾患または網膜の状態を処置するための方法であって、
(a)本発明の製剤、製造産物、または組成物を提供するステップと、
(b)硝子体腔もしくは網膜下腔内に(a)の製剤、製造産物、または組成物を注射するステップと、
を含み、
必要に応じて硝子体腔もしくは網膜下腔は、ヒトまたはネコまたはイヌの硝子体腔もしくは網膜下腔であり、
必要に応じて標準的な眼内注射手順が使用され、
必要に応じて本方法は、前房穿刺をさらに含み、
それによって、手順の安全性を改善する、
それによって、網膜疾患または網膜の状態を処置する、方法を提供する。

0009

本方法の代替の実施形態では、網膜疾患または網膜の状態は、アッシャー病、網膜色素変性症(RP)、網膜変性疾患、加齢黄斑変性症(AMD)、滲出型AMDもしくは萎縮型AMD、網膜光受容体疾患、糖尿病性網膜症、網膜剥離、網膜損傷、外傷性もしくは医原性網膜損傷、神経節細胞もしくは視神経細胞疾患、緑内障または視神経症を含む。

0010

代替の実施形態では、本発明は、明所(昼間)視を改善するための方法であって、
(a)本発明の製剤、製造産物、または組成物を提供するステップと、
(b)硝子体腔もしくは網膜下腔内に(a)の製剤、製造産物、または組成物を注射するステップと、
を含み、
必要に応じて硝子体腔もしくは網膜下腔は、ヒトまたはネコまたはイヌの硝子体腔もしくは網膜下腔であり、
必要に応じて標準的な眼内注射手順が使用され、
必要に応じて本方法は、前房穿刺をさらに含み、
それによって、明所(昼間)視を改善する、方法を提供する。

0011

代替の実施形態では、本発明は、矯正視力を改善する、または黄斑機能を改善する、または視野を改善する、または暗所(夜間)視を改善するための方法であって、
(a)本発明の製剤、製造産物、または組成物を提供するステップと、
(b)硝子体腔もしくは網膜下腔内に(a)の製剤、製造産物、または組成物を注射するステップと、
を含み、
必要に応じて硝子体腔もしくは網膜下腔は、ヒトまたはネコまたはイヌの硝子体腔もしくは網膜下腔であり、
必要に応じて標準的な眼内注射手順が使用され、
必要に応じて本方法は、前房穿刺をさらに含み、
それによって、視力を矯正する、または黄斑機能を改善する、または視野を改善する、または暗所(夜間)視を改善する、方法を提供する。

0012

代替の実施形態では、本発明は、
(a)ヒトについて、在胎約17〜18週齢、または在胎約16〜19週齢、または在胎15〜20週齢、または在胎14〜26週齢、または在胎約14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、もしくは26週齢、あるいは非ヒト動物、必要に応じてネコ、イヌ、もしくはブタの細胞について約3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは11週、またはネコについて6〜7週、またはブタ細胞について6〜9週にある、
必要に応じて細胞の試料は、ヒトまたはネコまたはイヌの細胞を含む、ステップと、
(b)回収した細胞の試料を酵素的に解離して、細胞の解離懸濁物(dissociated suspension)ならびに/または小サイズおよび中サイズ細胞群を作製するステップであって、
必要に応じて回収した細胞の試料は、トリプシンもしくは均等物、またはTRYP−LEEXPRESS(商標)(TrypLE(商標)Express、Invitrogen−Life Technologies、Carlsbad CA)もしくは均等物を使用して酵素的に解離される、ステップと、
(c)無血清培地または血清を含む培地を含み、抗生物質も抗真菌薬も含まない滅菌環境下で、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10以上を超えない継代にわたって細胞を培養するステップと
を含み、
必要に応じて細胞は、ダルベッコ変法イーグル培地を含む培地:Nutrient Mixture F−12(商標)(DMEM/F12(商標))培地(Gibco−Invitrogen−Life Technologies、Carlsbad CA)、またはULTRACULTURE(商標)培地(BioWhittaker−Lonza Walkersville,Inc.、Walkersville、MD)中で培養され、
必要に応じてDMEM/F12(商標)培地は、ヒト細胞に使用され、ULTRACULTURE(商標)培地は、ネコまたはイヌの細胞に使用され、
必要に応じて培地は、ビタミンCを補充され、必要に応じてビタミンCは、1日または2日毎に添加され、必要に応じてビタミンCは、約0.1mg/mlもしくは0.05mg/ml、または約0.01mg/ml〜約0.5mg/mlの間の初期濃度を有する量で添加され、
必要に応じて培地は、アルブミン、またはヒトもしくはネコもしくはイヌのアルブミン、または組換えアルブミンを補充され、あるいはアルブミンは、約1.0mg/mlの初期濃度を有する量で添加され、
必要に応じて細胞の試料は、病原体、細菌、エンドトキシン、真菌、マイコプラズマ、ウイルス、肝炎ウイルス、またはHIVウイルスの存在についてスクリーニングされ、
必要に応じて細胞の試料は、正常核型の存在についてスクリーニングされ、
必要に応じて細胞の試料は、テロメラーゼ活性の上昇を呈さず、
必要に応じて細胞の試料は、生存能についてスクリーニングされ、
必要に応じて細胞の試料は、腫瘍形成能についてスクリーニングされる
方法によって作製される胎児神経網膜細胞の異種混合物を作製するための方法を提供する。

0013

代替の実施形態では、本発明は、網膜疾患もしくは網膜の状態を処置するため、または本発明の方法を実施するためのキットであって、
(a)本発明の製剤、製造産物、もしくは組成物、および/または
(b)本発明の方法によって作製された胎児神経網膜細胞の異種混合物
を含む、キットを提供する。

0014

代替の実施形態では、本発明は、ネスチン、Sox2、Ki67、MHCクラスI、およびFas/CD95からなる群から選択される1種または複数のマーカーを発現する哺乳動物網膜前駆細胞を含む細胞集団であって、ネスチンは、集団内の細胞の約90%超、または約95〜99%によって発現され、Sox2は、集団内の細胞の約80%超、または約90〜99%によって発現され、Ki−67は、集団内の細胞の約30%超、または約40〜60%によって発現され、MHCクラスIは、集団内の細胞の約70%超、または約90%によって発現され、Fas/CD95は、集団内の細胞の約30%超、または約40〜70%によって発現される、細胞集団を提供する。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物由来する。

0015

ある特定の実施形態では、集団内の哺乳動物網膜前駆細胞は、ビメンチン、CD9、CD81、AQP4、CXCR4、CD15/LeX/SSEA1、GD2ガングリオシド、CD133、β3−チューブリン、MAP2、GFAP、OPN/SPP1、PTN、KDR、およびTEKからなる群から選択される1種または複数のマーカーをさらに発現する。

0016

別の態様では、哺乳動物網膜前駆細胞の集団を単離するための方法であって、後に網膜が形成されるが、光受容体外側セグメントが網膜全体にわたって完全に形成される前、かつ網膜の血管新生が実質的に完了し、または完了する前の段階で哺乳動物胎児網膜組織を回収するステップと、回収した組織を解離して、細胞および細胞群の解離懸濁物を生成するステップと、解離懸濁物を約10〜30継代にわたって培養するステップであって、哺乳動物網膜前駆細胞は、ネスチン、Sox2、Ki−67、β3−チューブリン、MAP2、MHCクラスI、およびFas/CD95からなる群から選択される1種または複数のマーカーを発現し、ネスチンは、集団内の細胞の約90%超、または約95〜99%によって発現され、Sox2は、集団内の細胞の約80%超、または90〜99%によって発現され、Ki−67は、集団内の細胞の約30%超、または約40〜60%によって発現され、MHCクラスIは、集団内の細胞の約70%超、または約90%によって発現され、Fas/CD95は、集団内の細胞の約30%超、または約40〜70%によって発現される、ステップとを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、組織は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物から回収される。いくつかの実施形態では、組織は、在胎約12週齢〜約28週齢の間におけるヒト胎児網膜から、または出生後もしくは新生児の網膜組織から回収される。他の実施形態では、組織は、在胎約3週齢〜約11週齢の間における非ヒト胎児網膜から回収される。他の実施形態では、組織は、在胎約3週齢〜11週齢の間における非ヒト哺乳動物から、または出生後もしくは新生児の網膜組織から回収される。細胞は、大気の酸素レベル、または妊娠の間に発生中の胎児網膜の酸素レベルに近似する低酸素レベル、例えば、約0.5%〜約7%の間などで培養することができ、無血清または低血清細胞培養培地で培養することもでき、この培地は、追加の補充物、例えば、N2、B27、ビタミンC、およびアルブミンなどを必要に応じて含むことができる。

0017

他の態様では、網膜疾患または網膜の状態を処置する必要のある被験体において網膜疾患または網膜の状態を処置するための方法であって、哺乳動物網膜前駆細胞を含む有効量の組成物を被験体に投与するステップであって、哺乳動物網膜前駆細胞は、ネスチン、Sox2、Ki−67、β3−チューブリン、MAP2、MHCクラスI、およびFas/CD95からなる群から選択される1種または複数のマーカーを発現し、ネスチンは、集団内の細胞の約90%超、または約95〜99%によって発現され、Sox2は、集団内の細胞の約80%超、または約90〜99%によって発現され、Ki−67は、集団内の細胞の約30%超、または約40〜60%によって発現され、MHCクラスIは、集団内の細胞の約70%超、または約90%によって発現され、Fas/CD95は、集団内の細胞の約30%超、または40〜70%によって発現される、ステップと、被験体の視覚の変化を必要に応じて測定するステップとを含み、それによって網膜疾患または網膜の状態を処置する、方法が提供される。

0018

代替の実施形態では、被験体は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物である。いくつかの実施形態では、組成物は、被験体の硝子体腔もしくは網膜下腔内への注射用に製剤化される。網膜疾患または網膜の状態は、網膜色素変性症(RP)、レーバー先天性黒内障(LCA)、シュタルガルト症、アッシャー症候群コロイデレミア桿体錐体もしくは錐体−桿体ジストロフィー繊毛障害(ciliopathy)、ミトコンドリア障害進行性網膜萎縮、網膜変性疾患、加齢黄斑変性症(AMD)、滲出型AMD、萎縮型AMD、地図状萎縮、家族性もしくは後天性黄斑症、網膜光受容体疾患、網膜色素上皮を基礎とする疾患(retinal pigment epithelial−based disease)、糖尿病性網膜症、類嚢胞黄斑浮腫、ブドウ膜炎、網膜剥離、外傷性網膜損傷、医原性網膜損傷、黄斑円孔、黄斑部毛細血管拡張症、神経節細胞疾患、視神経細胞疾患、緑内障、視神経症、虚血性網膜疾患、未熟児網膜症、網膜血管閉塞、家族性細動脈(familial macroaneurysm)、網膜血管疾患、眼血管疾患、血管疾患、または虚血性視神経症を含み得る。
本発明の一つの実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
哺乳動物網膜前駆細胞を含む細胞集団であって、該哺乳動物網膜前駆細胞は、ネスチン、Sox2、Ki−67、MHCクラスI、およびFas/CD95からなる群から選択される1種または複数のマーカーを発現し、ネスチンは、該集団内の該細胞の90%超によって発現され、Sox2は、該集団内の該細胞の80%超によって発現され、Ki−67は、該集団内の該細胞の30%超によって発現され、MHCクラスIは、該集団内の該細胞の70%超によって発現され、Fas/CD95は、該集団内の該細胞の30%超によって発現される、細胞集団。
(項目2)
前記細胞がヒトまたは非ヒト哺乳動物に由来する、項目1に記載の細胞集団。
(項目3)
前記集団内の前記細胞が、ビメンチン、CD9、CD81、AQP4、CXCR4、CD15/LeX/SSEA1、GD2ガングリオシド、CD133、β3−チューブリン、MAP2、GFAP、OPN/SPP1、PTN、KDR、およびTEKからなる群から選択される1種または複数のマーカーをさらに発現する、項目1に記載の細胞集団。
(項目4)
哺乳動物網膜前駆細胞の集団を単離するための方法であって、
後に網膜が形成されるが、光受容体外側セグメントが該網膜全体にわたって完全に形成される前、および網膜の血管新生が実質的に完了し、または完了する前の段階で哺乳動物胎児網膜組織を回収するステップと、
該回収した組織を解離して、細胞および細胞群の解離懸濁物を生成するステップと、
該解離懸濁物を約10〜30継代にわたって培養するステップであって、該哺乳動物網膜前駆細胞は、ネスチン、Sox2、Ki−67、MHCクラスI、およびFas/CD95からなる群から選択される1種または複数のマーカーを発現し、ネスチンは、該集団内の該細胞の90%超によって発現され、Sox2は、該集団内の該細胞の80%超によって発現され、Ki−67は、該集団内の該細胞の30%超によって発現され、MHCクラスIは、該集団内の該細胞の70%超によって発現され、Fas/CD95は、該集団内の該細胞の30%超によって発現される、ステップとを含む、方法。
(項目5)
前記組織が、ヒトまたは非ヒト哺乳動物から回収される、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記組織が、在胎約12週齢〜約28週齢のヒト胎児網膜から、または出生後もしくは新生児の網膜から回収される、項目4に記載の方法。
(項目7)
前記組織が、在胎約3週齢〜約11週齢の非ヒト胎児網膜から、または出生後もしくは新生児の網膜から回収される、項目4に記載の方法。
(項目8)
前記細胞が大気酸素レベルで培養される、項目4に記載の方法。
(項目9)
前記細胞が、約0.5%〜約7%の間の酸素レベルで培養される、項目4に記載の方法。
(項目10)
前記細胞が、ビタミンCおよびアルブミンを必要に応じて含む無血清または低血清細胞培養培地で培養される、項目4に記載の方法。
(項目11)
前記集団内の前記細胞が、ビメンチン、CD9、CD81、AQP4、CXCR4、CD15/LeX/SSEA1、GD2ガングリオシド、CD133、β3−チューブリン、MAP2、GFAP、OPN/SPP1、PTN、KDR、およびTEKからなる群から選択される1種または複数のマーカーをさらに発現する、項目4に記載の方法。
(項目12)
網膜疾患または網膜の状態を処置する必要のある被験体において網膜疾患または網膜の状態を処置するための方法であって、哺乳動物網膜前駆細胞を含む有効量の組成物を該被験体に投与するステップであって、該哺乳動物網膜前駆細胞は、ネスチン、Sox2、Ki−67、MHCクラスI、およびFas/CD95からなる群から選択される1種または複数のマーカーを発現し、ネスチンは、該集団内の該細胞の90%超によって発現され、Sox2は、該集団内の該細胞の80%超によって発現され、Ki−67は、該集団内の該細胞の30%超によって発現され、MHCクラスIは、該集団内の該細胞の70%超によって発現され、Fas/CD95は、該集団内の該細胞の30%超によって発現される、ステップと、該被験体の視覚の変化を必要に応じて測定するステップとを含み、それによって該網膜疾患または網膜の状態を処置する、方法。
(項目13)
前記被験体が、ヒトまたは非ヒト哺乳動物である、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記組成物が、前記被験体の硝子体腔もしくは網膜下腔内への注射用に製剤化される、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記網膜疾患または網膜の状態が、網膜色素変性症(RP)、レーバー先天性黒内障(LCA)、シュタルガルト症、アッシャー症候群、コロイデレミア、桿体−錐体もしくは錐体−桿体ジストロフィー、繊毛障害、ミトコンドリア障害、進行性網膜萎縮、網膜変性疾患、加齢黄斑変性症(AMD)、滲出型AMD、萎縮型AMD、地図状萎縮、家族性もしくは後天性黄斑症、網膜光受容体疾患、網膜色素上皮を基礎とする疾患、糖尿病性網膜症、類嚢胞黄斑浮腫、ブドウ膜炎、網膜剥離、外傷性網膜損傷、医原性網膜損傷、黄斑円孔、黄斑部毛細血管拡張症、神経節細胞疾患、視神経細胞疾患、緑内障、視神経症、虚血性網膜疾患、未熟児網膜症、網膜血管閉塞、家族性細動脈瘤、網膜血管疾患、眼血管疾患、血管疾患、または虚血性視神経症を含む、項目12に記載の方法。
(項目16)
前記組成物中の前記細胞が、ビメンチン、CD9、CD81、AQP4、CXCR4、CD15/LeX/SSEA1、GD2ガングリオシド、CD133、β3−チューブリン、MAP2、GFAP、OPN/SPP1、PTN、KDR、およびTEKからなる群から選択される1種または複数のマーカーをさらに発現する、項目12に記載の方法。
(項目17)
(a)(i)ヒトについて、在胎約17〜18週齢、または在胎約16〜19週齢、または在胎15〜20週齢、または在胎14〜26週齢、または在胎約14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、もしくは26週齢、あるいは非ヒト動物、必要に応じてネコ、イヌ、もしくはブタの細胞について約3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは11週間、またはネコについて6〜7週間、またはブタ細胞について6〜9週間において、
(ii)哺乳動物網膜が明らかに形成される後であるが、光受容体外側セグメントが完全に形成され、網膜の血管新生が実質的に完了し、または完了する前の段階において、または類似の哺乳動物の胎児期において、
哺乳動物胎児からの複数の哺乳動物胎児神経網膜細胞を含む細胞の試料を回収するステップであって、
必要に応じて細胞の該試料は、ヒトまたはネコまたはイヌの細胞を含む、ステップと、
(b)回収した細胞の該試料を酵素的に解離して、細胞の解離懸濁物ならびに/または小サイズおよび中サイズ細胞群を作製するステップであって、必要に応じて回収した細胞および/または小細胞群の該試料は、トリプシンもしくは均等物、またはTRYP−LE
EXPRESS(商標)(TrypLE(商標)Express、Invitrogen−Life Technologies、Carlsbad
CA)もしくは均等物を使用して酵素的に解離される、ステップと、
(c)無血清培地または血清を含む培地を含み、抗生物質および抗真菌薬を含み、または抗生物質も抗真菌薬も含まない滅菌環境下で、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10以上を超えない継代にわたって該細胞および/または小細胞群を培養するステップと
を含み、
必要に応じて該細胞および/または小細胞群は、ダルベッコ変法イーグル培地を含む培地:Nutrient Mixture F−12(商標)(DMEM/F12(商標))培地、またはADVANCED DMEM/F12(商標)培地(Gibco−Invitrogen−Life Technologies、Carlsbad CA))、またはULTRACULTURE(商標)培地(BioWhittaker−Lonza Walkersville,Inc.、Walkersville、MD)で、N2補充物(Invitrogen)、またはB27もしくはB27 Xeno Free(Invitrogen)、L−グルタミンもしくはGlutaMax(Invitrogen)、ならびにEGFおよびbFGFからなるヒト組換え増殖因子(Invitrogen)、または他の増殖因子と必要に応じて一緒に培養され、
必要に応じて該DMEM/F12(商標)培地は、ヒト細胞のために使用され、該ULTRACULTURE(商標)培地は、ネコまたはイヌの細胞のために使用され、
低酸素条件、または妊娠の間に発生中の胎児網膜の酸素レベルに近似するもしくは密接に模倣する酸素条件下、あるいは約2%、2.5%、3%、3.5%の酸素で必要に応じて該細胞を培養し、あるいは増殖させ、
必要に応じて該培地は、ビタミンCを補充され、必要に応じて該ビタミンCは、1日または2日毎に添加され、必要に応じて該ビタミンCは、約0.1mg/mlもしくは0.05mg/ml、または約0.01mg/ml〜約0.5mg/mlの間の初期濃度を有する量で添加され、
必要に応じて該培地は、アルブミン、またはヒトもしくはネコもしくはイヌのアルブミン、または組換えアルブミンを補充され、あるいはアルブミンは、約1.0mg/mlの初期濃度を有する量で添加され、
必要に応じて細胞の該試料は、病原体、細菌、エンドトキシン、真菌、マイコプラズマ、ウイルス、肝炎ウイルス、またはHIVウイルスの存在についてスクリーニングされ、
必要に応じて細胞の該試料は、正常核型の存在についてスクリーニングされ、
必要に応じて細胞の該試料は、テロメラーゼ活性の上昇を呈さず、
必要に応じて細胞の該試料は、生存能についてスクリーニングされ、
必要に応じて細胞の該試料は、腫瘍形成能についてスクリーニングされる
方法によって作製される胎児神経網膜細胞の異種混合物を含む、製剤、製造産物、あるいは組成物。
(項目18)
胎児神経網膜細胞の前記異種混合物を作製するための前記方法が、
(a)細胞表面マーカーまたは遺伝子マーカーに基づいて胎児神経網膜細胞を選択し、培養前(前向きに)もしくは培養後に、または両方で該細胞を必要に応じて選択するステップであって、
必要に応じて該細胞表面マーカーまたは遺伝子マーカーは、CD15/LeX/SSEA1および/またはGD2ガングリオシド、必要に応じてCD9、CD81、CD133、またはAQP4、CXCR4を含むステップ、あるいは
(b)胎児神経網膜細胞トランスクリプトームプロファイル、プロテオームプロファイル、および/またはゲノムプロファイルに基づいて胎児神経網膜細胞を選択するステップをさらに含む、項目17に記載の製剤、製造産物、あるいは組成物。
(項目19)
網膜疾患または網膜の状態を処置するための方法であって、
(a)項目17〜18のいずれかに記載の製剤、製造産物、または組成物を提供するステップと、
(b)(a)の該製剤、製造産物、または組成物を硝子体腔もしくは網膜下腔内に注射するステップとを含み、
必要に応じて該硝子体腔もしくは網膜下腔は、ヒトまたはネコまたはイヌの硝子体腔もしくは網膜下腔であり、必要に応じて標準的な眼内注射手順が使用され、必要に応じて該方法は、前房穿刺をさらに含み、それによって該網膜疾患または網膜の状態を処置し、必要に応じて該網膜疾患または網膜の状態は、アッシャー病、網膜色素変性症(RP)、網膜変性疾患、加齢黄斑変性症(AMD)、滲出型AMD、もしくは萎縮型AMD、地図状萎縮、網膜光受容体疾患、糖尿病性網膜症、類嚢胞黄斑浮腫、ブドウ膜炎、網膜剥離、網膜損傷、黄斑円孔、黄斑部毛細血管拡張症、外傷性もしくは医原性網膜損傷、神経節細胞もしくは視神経細胞疾患、緑内障、または視神経症、虚血性網膜疾患、例えば、未熟児網膜症、網膜血管閉塞、もしくは虚血性視神経症を含む、方法。
(項目20)
明所(昼間)視を改善するための、または矯正視力を改善する、または黄斑機能を改善する、または視野を改善する、または暗所(夜間)視を改善するための方法であって、
(a)項目17〜18のいずれかに記載の製剤、製造産物、または組成物を提供するステップと、
(b)(a)の該製剤、製造産物、または組成物を硝子体腔もしくは網膜下腔内に注射するステップとを含み、
必要に応じて該硝子体腔もしくは網膜下腔は、ヒトまたはネコまたはイヌの硝子体腔もしくは網膜下腔であり、必要に応じて標準的な眼内注射手順が使用され、必要に応じて該方法は、前房穿刺をさらに含み、それによって該手順の安全性を改善する;それによって該明所(昼間)視を改善する、または矯正視力を改善する、または黄斑機能を改善する、または視野を改善する、方法。

0019

本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細を、添付の図面および以下の記載で示す。本発明の他の特徴、目的、ならびに利点は、その記載および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかである。

0020

本明細書に引用されるすべての刊行物、特許、特許出願は、すべての目的に関して、参照により本明細書に明白に組み込まれている。

0021

以下の詳細な記載は、例として示すが、本明細書に記載の主題を、記載した具体的な実施形態に限定することを意図しておらず、参照により本明細書に組み込まれている添付の図面と併せて理解することができる。

図面の簡単な説明

0022

図1は、ネコ網膜由来前駆細胞、またはRPCの形態を例示する図である。形態は、培養を持続する過程における様々なタイムポイントで維持された。

0023

図2は、SM培地対UL培地におけるネコRPCの増殖の差異を示す増殖曲線を表すグラフである。

0024

図3は、培養中の経時的なヒトRPC(hRPC)の形態を示す図である(0日目〜56日目)。

0025

図4および図5は、経時的なhRPCの増殖動態を示すグラフである。

0026

図4および図5は、経時的なhRPCの増殖動態を示すグラフである。

0027

図6Aは、N2を補充した、アドバンストDMEM/F12および基礎DMEM/F12細胞培養培地の間の増殖条件の比較を示す図である。図6Bは、N2またはB27を補充した細胞培養培地におけるhRPCの増殖を比較する実験を例示する図である。

0028

図7Aは、hRPC培養におけるビタミンC補充の効果を試験する実験を要約する図である。ビタミンCを添加すると、hRPC生存能が改善した。図7Bおよび図7Cは、hRPC培養におけるアルブミン補充の効果を試験する実験を表す図である。

0029

図8は、hRPC増殖および生存能に対する細胞培養培地の異なる容量オスモル濃度を試験する比較実験を反映する図である。

0030

図9〜11は、hRPCを大気酸素の条件下で培養し、低酸素条件下で増殖させた同じ細胞と比較した実験の結果を表す図である。増殖動力学、形態、および遺伝子発現を評価した。図11は、ワーキングセルバンクを生成するのに使用した3つの異なる細胞試料増殖特性再現性を示す図である。

0031

図9〜11は、hRPCを大気酸素の条件下で培養し、低酸素条件下で増殖させた同じ細胞と比較した実験の結果を表す図である。増殖動力学、形態、および遺伝子発現を評価した。図11は、ワーキングセルバンクを生成するのに使用した3つの異なる細胞試料の増殖特性の再現性を示す図である。

0032

図9〜11は、hRPCを大気酸素の条件下で培養し、低酸素条件下で増殖させた同じ細胞と比較した実験の結果を表す図である。増殖動力学、形態、および遺伝子発現を評価した。図11は、ワーキングセルバンクを生成するのに使用した3つの異なる細胞試料の増殖特性の再現性を示す図である。

0033

図12は、hRPCに実施したステロイド毒性試験の結果を示す図である。

0034

図13A〜13Dは、以前に凍結したhRPCの生存能および安定性を示すグラフである。

0035

図14は、ImmunoCytoChemistry(ICC)マーカーのネスチン、β3−チューブリン、ビメンチン、ロドプシン、Ki−67、およびGFAPによって染色したネコRPCを示す図である。

0036

図15は、ネスチン、ビメンチン、GFAP、およびPKC−αマーカー転写物のqPCRを使用した経時的なネコRPC遺伝子プロファイルを示すグラフである。

0037

図16Aは、ULおよびSM培地条件下で増殖させたRPC間のqPCR測定による遺伝子発現の差異のグラフによる例示である。図16Bは、ネコRPC対BPCを比較するグラフである。

0038

図17は、ジストロフィーのアビニアンネコの網膜下腔内にネコRPCをin vivo移植した後の、RFP、ビメンチン、またはオプシンエズリン、またはPKCの細胞染色を示す図である。

0039

図18は、ICCによるマーカー発現を使用したヒト細胞の形態を例示する図である。マーカーには、(A)ネスチン、(B)ビメンチン、(C)Sox2、(D)SSEA−1(CD15、LeXとしても公知)、(E)GD2−ガングリオシド、および(F)Ki−67が含まれる。

0040

図19は、ICCによるマーカー発現を使用したヒト細胞の形態を例示する図である。(A)は、β3−チューブリン染色を示し、(B)は、GFAP染色を示し、(C)は、GDNF染色を示す。

0041

図20は、定量的PCRヒートマッピングによって検出した場合のRNAレベルでのマーカー発現を表す図である。

0042

図21Aは、hRPC対ヒト線維芽細胞(hFB)において遺伝子の発現レベルを比較するqPCR分析の結果を示す図である。図21Bおよび21Cは、追加の実験からのqPCR(遺伝子発現)データを表す。

0043

図22は、異なる供与物(donation)間で一貫した挙動(hRPC対hFBにおいて)を呈する11遺伝子(使用したおよそ26のプロファイルからの)のリストを示す総括表である。

0044

図23は、培養物の諸タイムポイントでqPCR(「リアルタイム」PCR)によって検出した場合の、RNAレベルでのマーカー発現を示す図である。

0045

図24は、様々なマーカー(例えば、早期継代細胞対後期継代細胞におけるGDNF、アネキシンV、β3−チューブリン、Notch1、Six6、Ki−67、およびCD133)の発現レベルの変化を表す図である。

0046

図25は、神経幹細胞(BPC)からhRPCを区別するマイクロアレイデータ概要を表す図である。

0047

図26は、レチノイン酸(RA)で分化した後のマーカー発現を示す図である。

0048

図27は、異なる組織供与物から増殖させたhRPCの培養条件の総括表である。

0049

図28Aは、培養物における異なるタイムポイントでの、SM条件下で増殖させたqPCRによる遺伝子発現を例示する図であり、図28Bは、2つの異なるタイムポイントでの、SM−UL(最初にUL、次いでSM)条件下で増殖させたqPCRによる遺伝子発現を例示する図である。

0050

図29Aは、異なるタイムポイントにおけるSM−FBS(最初のプレーティング条件 SM+5%のFBS、次いでSM単独に変更した)条件下のqPCRによる遺伝子発現を例示する図である。図29Bは、2つの異なるタイムポイントにおけるSM単独でのqPCRによる遺伝子発現を例示する図である。図29Cは、同じ2タイムポイントにおけるSM−hS(最初のSM+ヒト血清後にSM)でのqPCRによる遺伝子発現を例示する図である。以前と同様に、GDNFのみが上昇する。

0051

図30は、図28および図29を示す、タイムポイント比較の実験結果の総括表(table summary)である。諸処置条件にわたって強く一貫した傾向を示す遺伝子を、黄色で強調している。

0052

図31は、hRPCから得たqPCRデータヒートマップ分析を表す図である。

0053

図32は、hRPCからのqPCRデータのヒストグラムを表す図である。

0054

図33Aは、hRPCにおける新脈管形成関連遺伝子のレベルを表す図である。図33Bは、hRPCにおけるWNT経路関連遺伝子のレベルを表す図である。

0055

図34Aは、hRPC対組織および線維芽細胞の間の遺伝子発現の差異を示す主成分分析PCA)の結果を要約するグラフである。図34Bは、0日目に胎児網膜から得たhRPC対組織の間の遺伝子発現の差異を示す別のPCAグラフである。図34Cは、細胞試料集団間の全体的な類似性および差異を表す別のPCAグラフである。

0056

図35は、3つのhRPC集団(低酸素MCB、正常酸素MCB、および低酸素WCB)対胎児網膜組織のクラスター分析を示す図である。

0057

図36は、低酸素MCB対組織における遺伝子発現の差異を比較するボルケーノプロットである。

0058

図37Aは、処置条件の関数としての、hRPC群間差次的に発現された遺伝子の数を示すベン図である。図37Bは、継代数および処置条件の関数としての、組織に対して正規化されたhRPC群間の差次的に発現された遺伝子の数を示すベン図である。

0059

図38Aおよび図38Bは、異なるhRPC対起源の組織を比較するボルケーノプロットである。

0060

図39Aおよび図39Bは、低酸素hRPC対正常酸素hRPCを比較するボルケーノプロットである。

0061

図40は、ネコRPCについてのタイムポイント設計(time point design)を要約する表である。供与物および処置条件の表が比較されている(UL−d76の赤色下線は、細胞の増殖曲線における明らかな上向きの変曲、すなわち、可能性がある自発不死化に対応する)。

0062

図41Aは、示したタイムポイントにおける、UL培地で増殖させたネコcRPCのqPCRによる遺伝子発現を例示する図である。図41Bは、図41Aに示していない追加のマーカーを含む。

0063

図42〜44は、図41に示したのと同じ実験からの追加のデータを一括して表す図である。
図42〜44は、図41に示したのと同じ実験からの追加のデータを一括して表す図である。
図42〜44は、図41に示したのと同じ実験からの追加のデータを一括して表す図である。

0064

図45は、タイムポイントおよび培養条件によるネコcRPCの発現パターンの変化を示す放射状グラフである。

0065

図46は、異なる供与物および培養条件にわたってネコRPCから得たqPCRデータを要約するチャートである。

0066

図47は、正常酸素および低酸素条件下で培養したhRPCを特徴付けELISA試験の結果を示す図である。検出したマーカーには、OPN、VEGF、SDF−1、BDNF、およびGDNFが含まれる。

0067

図48は、正常酸素および低酸素条件下で培養したhRPCのFACS分析の結果を示す図である。対象とするマーカーには、ネスチン、Sox2、Ki−67、GFAP、MHCクラスIおよびII、Fas/CD95、CXCR4、CD15、ならびにGD2ガングリオシドが含まれる。

0068

図49は、遺伝性光受容体変性モデルにおいてジストロフィーRCSラットの眼内へのhRPCのin vivo移植を使用する本発明の方法の概念実証を例示する図である。

0069

図50および図51は、hRPCを網膜下に注射した後のラット網膜の染色を示す写真である。
図50および図51は、hRPCを網膜下に注射した後のラット網膜の染色を示す写真である。

0070

図52および図53は、は、hRPCを硝子体内に注射した後のラット網膜の染色を示す写真である。
図52および図53は、は、hRPCを硝子体内に注射した後のラット網膜の染色を示す写真である。

0071

図54は、ラット網膜にhRPCを注射した後のRCS全組織標本免疫細胞化学的染色を示す写真である。AおよびB:シャム、CおよびD:処置。

0072

図55は、hRPCでの処置を受けた患者の視力の改善を示すグラフである。

0073

詳細な説明
本明細書全体にわたって記載される特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適当な様式で組み合わせることができる。例えば、本明細書全体にわたって、語句「例示的な実施形態」、「例としての実施形態」、「いくつかの実施形態」、または他の同様の言い回しを使用することにより、一実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性は、本明細書に記載の少なくとも1つの実施形態に含めることができるという事実を指す。したがって、本明細書全体にわたって、語句「例示的な実施形態」、「例としての実施形態」、「いくつかの実施形態では」、「他の実施形態では」、または他の同様の言い回しが現れることによって、すべて同じ群の実施形態を指すとは限らず、記載される特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適当な様式で組み合わせることができる。

0074

本開示の理解を促すために、いくつかの用語を以下に定義する。本明細書で定義される用語は、本明細書に記載の主題に関連した分野における当業者によって一般に理解される意味を有する。「a」、「an」、および「the」などの用語は、単数形の実体のみを指すことが意図されているのではなく、具体例を例示のために使用することができる一般的なクラスを含む。本明細書の専門用語は、本明細書に記載の主題の具体的な実施形態を記述するのに使用されるが、これらを使用することによって、特許請求の範囲で概説されるものを除いて、主題の範囲を定めるものではない。

0075

本発明は、網膜疾患または網膜の状態、例えば、アッシャー病、網膜色素変性症(RP)、網膜変性疾患、加齢黄斑変性症(AMD)、滲出型AMDもしくは萎縮型AMD、網膜光受容体疾患、糖尿病性網膜症、網膜剥離、網膜損傷、外傷性もしくは医原性網膜損傷、神経節細胞もしくは視神経細胞疾患、緑内障または視神経症を処置する、軽減する、または防止する、あるいは明所(昼間)視を改善する、あるいは矯正視力を改善する、あるいは黄斑機能を改善する、あるいは視野を改善する、あるいは暗所(夜間)視を改善するための胎児神経網膜細胞の異種混合物を含み、あるいは使用する組成物および方法を提供する。代替の実施形態では、本発明は、胎児神経網膜細胞の異種混合物、ならびにこれらを作製および使用するための方法および組成物(例えば、キット、製剤など)を提供する。

0076

代替の実施形態では、本発明は、細胞懸濁物として調製され、網膜疾患を有する患者の硝子体腔内に注射される同種異系移植片として使用される網膜前駆細胞の培養の方法および使用を提供する。代替の実施形態では、本発明は、未熟な哺乳動物の、例えば、ヒトの網膜に由来する培養された異種細胞集団の使用を含み、またはこれからなる細胞ベース療法を提供する。

0077

代替の実施形態では、増殖中の哺乳動物の、例えば、ヒトの網膜細胞が、ドナー組織から増殖され、特徴付けが実施され、レシピエント、例えば、患者の全身免疫抑制を必要とすることなく、局所麻酔下で硝子体腔に直接細胞が注射される。

0078

代替の実施形態では、本発明の組成物および方法は、網膜疾患、例えば、網膜変性症、例えば、網膜色素変性症(RP)を処置、防止し、または軽減するのに使用される。

0079

本発明は、いずれの特定の作用機序によっても制限されないが、一実施形態では、ドナー胎児網膜細胞は、特に宿主の錐体を含む宿主の網膜に栄養効果をもたらす。この栄養作用は、神経保護的なものだけではなく、視覚機能の改善によって判定されるように、残留する宿主の網膜細胞に対する急速な活性化効果(revitalizing effect)も有する。一実施形態では、ドナー細胞は、網膜へと組み込むことができ、細胞分化を介して光受容体を取り替える(これは、限られた数であり得る)。全体的な効果は、これがなければ、患者を完全に盲目のままにして完全に機能不全に向かうことになる、網膜における臨床的に有意な程度の視覚機能を急速かつ持続的に回復および保持することである。したがって、一実施形態では、本発明の組成物および方法は、哺乳動物、例えば、ヒトの網膜の臨床的に有意な程度の視覚機能を急速かつ持続的に回復および保持することができる。

0080

代替の実施形態では、本発明の方法は、必要に応じて組織も足場も含めないで、胎児網膜細胞、例えば、ヒト網膜前駆細胞(hRPC)の解離懸濁物を作製するステップおよび使用するステップを含む。代替の実施形態では、これらの細胞は、硝子体腔内に注射され、この場合、必要に応じて硝子体切除または網膜下手術を必要としない。一実施形態では、細胞は、網膜下腔内に有効に移植(例えば、注射)することができ、またはこれらは、例えば、皮下または斜め挿入経路を使用して、任意の標準的な眼内注射手順を使用して眼の中に有効に移植(例えば、注射)することができる。代替の実施形態では、網膜切開術も眼内ガスシリコン油も、必要とされない。

0081

代替の実施形態では、当業者によって判断される場合、状況に応じて前房穿刺を実施しても、実施しなくてもよい。代替の実施形態では、手順の間および/または手順の後に眼球縫合する必要はない。代替の実施形態では、表面麻酔のみが使用され、例えば、局所(local)麻酔、局所(regional)麻酔、全身麻酔は使用されない。

0082

代替の実施形態では、抗炎症薬および/または免疫抑制は使用されないが、必要に応じて術後の滴剤としての抗炎症薬および/または免疫抑制剤による療法を含めることができる。代替の実施形態では、移植片組織型決定および患者のマッチングは、必要とされない。

0083

代替の実施形態では、術後床上安静強制および/または「うつぶせの」体位の必要はない。代替の実施形態では、本発明の方法は、外来処置で実施され、必要に応じていずれの一晩入院も必要としない。

0084

代替の実施形態では、本発明の組成物および方法は、網膜色素変性症(RP)、アッシャー病、または任意の網膜変性疾患例えば、AMD、または網膜剥離などの網膜光受容体疾患、または糖尿病性網膜症などの網膜疾患、または緑内障もしくは視神経症などの神経節細胞/視神経疾患を防止し、軽減し、かつ/または処置するのに使用される。

0085

代替の実施形態では、本発明の組成物および方法を使用することまたは実施することにより、経時的に、場合によって急速な効果をもたらして明所(昼間)視が改善され、最良に矯正される視力が上昇し、黄斑機能が改善されて、中心固視(central fixation)を保持し、または回復する可能性がもたらされ、視野が改善され、暗所(夜間)視が改善され;アッシャー症候群において聴力低下が相伴う場合、音に対する感受性の増大(改善)が報告され、かつ/またはLP視覚(LP vision)(光覚のみ)を有する患者について、処置された眼の改善が限られている場合、対側性の眼の視力が顕著に改善される。

0086

代替の実施形態では、本発明の組成物および方法を使用することまたは実施することにより、様々な全身の利点、例えば、概日リズム下垂体機能、ホルモンの放出、血管緊張などに対する光の効果に関係し得る身体の改善におそらく起因する、処置された個体の外見の変化、視覚能力に対する感覚の改善、自立歩行の改善、健康に対する感覚の改善、および/または日常生活の活動の改善がもたらされる。

0087

代替の実施形態では、本発明の組成物および方法を使用することまたは実施することにより、望まれない細胞増殖、例えば、腫瘍が発生せず、感染がもたらされず、例えば、任意の眼内の医療手当に対するリスクである眼内炎(endopthalmitis)がなく、疾患が伝播せず(しかし、プリオンまたは狂病を除外することが困難である場合がある)、ブドウ膜炎および/または急性移植片拒絶がもたらされず、眼内圧が上昇せず、閉塞隅角がもたらされず、低圧がもたらされず、網膜剥離および/または新生血管形成がもたらされない。

0088

代替の実施形態では、本発明の組成物および方法は、必要に応じてクローン選択されていないが、必要に応じて混合されている胎児哺乳動物網膜から得られる未成熟網膜細胞の異種培養物を含み、またはこれからなる網膜前駆細胞培養物を使用する。代替の実施形態では、細胞は、前駆細胞マーカーおよび網膜マーカーを発現する。代替の実施形態では、異種由来成分汚染は、安全性問題となり得るので、細胞は、臨床用途用に異種由来成分不含有条件下で育てられる。代替の実施形態では、細胞は、完全無血清条件下で増殖され、所望の場合、血清含有条件下で増殖させることができる。

0089

代替の実施形態では、細胞は、不死ではなく、不死化するままにされることも、強制的に不死化されることもない。代替の実施形態では、細胞は、無期限に増殖しない。本発明の例示的な細胞培養法により、速度および継続時間を改善することができ、所与の組織供与物に対してドナー細胞収率を著しく改善することができる。

0090

代替の実施形態では、細胞は、それ自体幹細胞ではなく、むしろ未成熟かつ/または形成性であり、必要に応じて真の幹細胞の定義を満たさない。

0091

代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される細胞は、哺乳動物胎児組織から得られ、生物の寿命にわたって必要に応じて存続しない。代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される細胞は、1種の胚葉を(追加の操作なしで)生成することができず、または3種(3)の胚葉すべてを(追加の操作なしで)生成することができず、必要に応じて、これらは、網膜組織または細胞を作製するために事前に特性化される。

0092

代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される細胞は、近縁細胞の集団であり、単離された単細胞型ではない。代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される細胞は、多能性ではなく、必要に応じて多分化能であるように現れることができる。代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される細胞は、多能性状態で培養されたことが決してなく、したがってこれらは、より安全である。代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される細胞は、遺伝子改変されておらず、または代わりにこれらは、遺伝子改変されている(例えば、安定に、または一過性に、または誘導的に形質転換されている)。

0093

代替の実施形態では、本発明の組成物および方法により、病的網膜に臨床的に有意な栄養効果がもたらされ、または黄斑視覚機能および/または暗所視機能に再生効果がもたらされる。

0094

代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される細胞は、眼の中に、または眼の硝子体腔内に、または網膜下腔内に配置されるとき、例えば、同種移植片として低免疫原性を有する。

0095

代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される細胞は、神経前駆細胞および/または神経幹細胞(NSC)と区別される網膜前駆細胞(RPC)である。代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、多分化能であるが、NSCと等価でない。代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、脳に由来しないが、網膜に由来する。代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、光受容体を生成する(脳由来前駆細胞は、この点において劣っている)。代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、多分化能であるが、(NSCと異なって)乏突起膠細胞を(追加の操作なしで)生成しない。

0096

代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、例えば、本明細書に記載されるような定量的に異なる遺伝子プロファイルを発現し、またはこれらは、定量的に異なる可溶性因子プロファイルを発現し、またはこれらは、定量的に異なる表面マーカープロファイルを発現する。

0097

代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、哺乳動物胎児神経網膜に由来し、毛様体縁でも、毛様体上皮でも、RPE由来でもない。代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、分化したミュラーグリアの子孫ではなく、それ自体有糸分裂後の前駆体ではなく、それ自体幹細胞ではなく、かつ/またはそれ自体単一の単離された細胞型ではない。

0098

代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、固定されていない、一定でない、もしくは不変でない遺伝子プロファイルを有し、または培養において経時的に、定量的に動的に変化する遺伝子プロファイルを有する。

0099

代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、初期胚に、例えば、胚盤胞に見出されない。代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、正常な成熟した哺乳動物、例えば、ヒトにおいて任意の有用な存在量でも見出されない。代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、発育中の(胎児の)哺乳動物の、例えば、ヒトの網膜に、その天然存在量で見出される。代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、骨髄内に通常存在せず、これに由来しない。

0100

代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、増殖条件下で増殖されるとき、必要に応じて有糸分裂後細胞の少数合物を伴って、ほとんど有糸分裂のものである。代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、多能性細胞系に人為的に由来するが、必要に応じて残留する多能性細胞型の集団を含有しない。

0101

代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、光受容体を含む網膜細胞を生成する(これに分化する)が、乏突起膠細胞を生成しない。

0102

代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、無関係の哺乳動物、例えば、ヒトにおける眼球同種移植片として免疫学的寛容である。代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、哺乳動物またはヒトの視覚または網膜疾患の治療的または予防的療法のために硝子体腔に移植される。

0103

代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、腫瘍形成または他の望まれない細胞増殖のあらゆる、または実質的なリスクを伴わない。

0104

代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、球もしくは接着性単層として、または球として次いで単層として、または球と単層の組合せとして培養される。代替の実施形態では、球は必要とされず、あるいは細胞は、球としてではなく、解離した細胞として、または両方の混合物として移植される。代替の実施形態では、本発明を実施するのに使用される哺乳動物胎児網膜細胞またはRPC細胞は、硝子体内で合体し、必要に応じて球となり得る移植細胞を含む。

0105

本発明は、いずれの特定の作用機序によっても限定されないが、例示的な作用機序は、拡散性および/または栄養性である。証拠は、アポトーシス軌道から光処理能力再生切り替える、瀕死の宿主錐体の栄養再プログラミング(trophic reprogramming)の概念と一致する。これは、直接的であっても間接的であってもよい。他の眼球組織関与は、排除されない。この機構により、本発明の胎児神経網膜細胞の異種混合物の移植片の、硝子体または網膜下腔への配置が可能になる。一態様では、硝子体に配置することにより、拡散に基づく処置効果が増強される。この機構は、本発明の胎児神経網膜細胞の異種混合物の移植片を、視線から外して配置するが、それでも患者の黄斑を処置することを可能にすることができる。

0106

代替の実施形態では、硝子体への配置は、処置を大いに単純化するために使用される。この例示的な処置は、世界中で困窮している患者への利用可能性を増大させることができ、硝子体への配置は、血管系から離れていることによって免疫寛容に役立ち得る。本発明は、いずれの特定の作用機序によっても限定されないが、わずかな天然抗原提示細胞を伴った相対的に無細胞の空間において、本発明の例示的な硝子体への配置は、網膜下手術の潜在的な合併症を回避し、全身麻酔のリスクを回避し、網膜内に穴(網膜切開術)を作る(これは、網膜剥離、出血のリスクを上昇させる)ことを必要とせず、かつ/または患者の網膜に局所的な剥離(局所的な剥離は、、出血、全体的な剥離をもたらし得、RPにおいて、病的網膜の剥離は、困難/危険な手順である)を行うことを必要としない。

0107

代替の実施形態では、視覚の利益は急速であり、処置後の第1週以内に発生し得る。代替の実施形態では、漸増的な利益がより長い期間にわたって発生する。

0108

代替の実施形態では、網膜細胞交換が可能であるが、臨床的効力にとって必要ではなく、網膜へのドナー細胞移入が可能であるが、臨床的効力にとって必要ではない。代替の実施形態では、網膜回路内へのドナー細胞の組込みが可能であるが、効力にとって必要ではなく、宿主網膜の外顆粒層/黄斑へのドナー細胞の組込みが可能であるが、効力にとって必要ではない。代替の実施形態では、網膜内へのドナー細胞の組込みが可能であるが、持続的移植片生着のために必要ではない。

0109

代替の実施形態では、ドナー細胞は、抗生物質を用いずに培養され、これにより細胞の変質を回避することができ、抗生物質を用いないと、不顕性微生物汚染を排除することができるので、非常に低い継代の細胞を使用することが可能である。代替の実施形態では、低継代細胞の使用は、形質転換および/または腫瘍形成のリスクが低く、低継代細胞の使用は、発生中の網膜内に存在する天然細胞に最も近い。

0110

代替の実施形態では、DMEM/F12ベース培地または均等物は、ヒトRPCの増殖に優先的であり、Ultracultureベース培地または均等物は、ネコ前駆細胞の増殖に優先的である。

0111

本明細書に開示の主題は、規定された細胞培養法に従って単離され、特徴的なマーカーを発現する哺乳動物網膜前駆細胞を含む細胞集団に関する。細胞集団は、哺乳動物から単離され、in vitroで増殖した細胞の培養物とすることができる。例えば、培養物は、培養プレート、皿、フラスコ、またはバイオリアクター内で培養された細胞または接着細胞の懸濁物を含むことができる。試料は、同種であっても異種であってもよく、これは、本明細書に規定される1種または複数のマーカーの発現によって判定することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の細胞集団は、混合細胞集団であり、未分化細胞分化細胞の混合物を含有し得る。本明細書に規定される網膜前駆細胞に特徴的なマーカーの相対発現レベルは、集団内の細胞間で様々であり得る。

0112

代替の実施形態では、用語「精製された」または「富化された」は、細胞または細胞集団がその通常の組織環境から取り出され、通常の組織環境と比較してより高い濃度で存在することを示す。したがって、「精製された」または「富化された」細胞集団は、網膜前駆細胞に加えて細胞型をさらに含むことができ、追加の組織成分を含むことができ、用語「精製された」または「富化された」は、必ずしも前駆細胞のみの存在を示すとは限らず、または他の細胞型の存在を除外するとは限らない。

0113

代替の実施形態では、本明細書に開示の網膜前駆細胞集団は、少なくとも5%純粋、少なくとも10%純粋、少なくとも15%純粋、少なくとも20%純粋、少なくとも25%純粋、少なくとも30%純粋、少なくとも35%純粋、少なくとも40%純粋、少なくとも45%純粋、少なくとも50%純粋、少なくとも55%純粋、少なくとも60%純粋、少なくとも65%純粋、少なくとも70%純粋、少なくとも75%純粋、少なくとも80%純粋、少なくとも85%純粋、少なくとも90%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも96%純粋、少なくとも97%純粋、少なくとも98%純粋、少なくとも99%純粋、または5%と99%の間の任意の増分で純粋であり得る。

0114

代替の実施形態では、「マーカー」は、観察または検出され得る任意の分子を指す。例えば、マーカーとして、それだけに限らないが、特定の遺伝子の転写物などの核酸、遺伝子のポリペプチド産物、非遺伝子産物ポリペプチド糖タンパク質炭水化物糖脂質、脂質、リポタンパク質、または低分子(例えば、10,000ダルトン未満の分子量を有する分子)を挙げることができる。代替の実施形態では、網膜前駆細胞は、細胞集団内の細胞の表面上(「細胞表面マーカー」)、細胞集団内の細胞内部(すなわち、細胞の核もしくは細胞質内)で発現することができ、かつ/または「遺伝」マーカーとしてRNAまたはタンパク質レベルで発現することができる1種または複数のマーカーの存在によって特徴付けることができる。

0115

代替の実施形態では、用語「発現する」および「発現」は、本明細書において使用される場合、宿主細胞内の核酸配列転写および/または翻訳を指す。宿主細胞内の対象とする所望の生成物タンパク質の発現レベルは、本実施例と同様に、細胞内に存在する対応するmRNAの量、または選択された配列によってコードされる、対象とする所望のポリペプチド/タンパク質の量のいずれかに基づいて決定し、または「スクリーニングする」ことができる。例えば、選択された配列から転写されたmRNAは、ノーザンブロットハイブリダイゼーションリボヌクレアーゼRNA保護、細胞のRNAへのin situハイブリダイゼーション、マイクロアレイ分析によって、または逆転写ポリメラーゼ連鎖反応RT−PCR)によって定量化または検出することができる。選択された配列によってコードされるタンパク質は、様々な抗体に基づく方法によって、例えば、ELISAによって、ウエスタンブロッティングによって、ラジオイムノアッセイによって、免疫沈降によって、タンパク質の生物活性アッセイすることによって、タンパク質を免疫染色することによって(例えば、免疫組織化学検査および免疫細胞化学検査を含む)、フローサイトメトリーもしくは蛍光活性細胞分取(「FACS」)分析によって、または均一時間分解蛍光HTRF)アッセイによって検出または定量化することができる。

0116

網膜前駆細胞は、細胞表面マーカーおよび非表面(「遺伝」)マーカーを含めた分子マーカーをこれらが発現することによって特徴付けることができる。細胞を特定のマーカーに「陽性」または「陰性」であると言うのが当技術分野で一般的であるが、実際の発現レベルは、定量的に決定される。細胞表面上の(または他で位置した)分子の数は、数ログ(several logs)変化し得るが、それでも「陽性」と特徴付けることができる。染色に陰性である、すなわち、マーカー特異的試薬結合レベルが、対照、例えば、アイソタイプマッチ対照と検出可能な程度に異ならない細胞は、軽微な量のマーカーを発現し得ることも当業者によって理解されている。標識化(「染色」)のレベルを特徴付けると、細胞集団間の微細な区別が可能になる。細胞の染色強度は、レーザー蛍光色素(これは、特異的試薬、例えば、抗体が結合した細胞表面マーカーの量に比例する)を定量的レベルで検出する、フローサイトメトリーによってモニターすることができる。フローサイトメトリーまたはFACSも、特異的試薬への結合の強度、ならびに他のパラメータ、例えば、細胞サイズおよび光散乱に基づいて細胞集団を分離するのに使用することができる。染色の絶対レベルは、特定の蛍光色素および試薬調製物によって異なり得るが、データは、対照に対して正規化することができる。

0117

対照に対して分布を正規化するために、各細胞は、特定の染色の強度を有するデータ点として記録される。これらのデータ点は、対数尺度によって表示することができ、この場合、測定の単位は、任意の染色強度である。例として、試料中で最も明るく染色された細胞は、未染色の細胞より4ログもの大きい強度であり得る。このようにして表示されるとき、染色強度の最高ログ内に入る細胞は、明るく、一方、最低強度内の細胞は、陰性である。「低く」陽性に染色された細胞は、アイソタイプマッチ対照の明るさより上の染色レベルを有するが、集団内で通常見つかる最も明るく染色している細胞ほど強くない。低陽性細胞は、試料の陰性細胞および明るく染色された陽性細胞と異なるユニークな性質を有する場合がある。代替の対照は、その表面上に規定密度のマーカーを有する基材、例えば、製造ビーズまたは細胞系を利用することができ、これは、強度の陽性対照をもたらす。

0118

マーカーの発現は、網膜前駆細胞および細胞集団が得られる網膜組織を培養する間に変化しやすい場合がある。例えば、マーカー発現の差異は、酸素レベル(すなわち、大気酸素条件、または「正常酸素」条件、または「低酸素(hypoxic)」条件としても公知の低酸素(low oxygen)条件)の培養条件によって影響され得る。当業者は、網膜前駆細胞および細胞集団のマーカー発現は、静的ではなく、1つまたは複数の培養条件、すなわち、培地、酸素レベル、継代の数、培養の時間などの関数として変化し得ることを認識することになる。

0119

網膜前駆細胞および細胞集団は、本明細書に規定されるマーカーの1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上、13以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上、20以上、25以上、30以上を、または最大50以上の間の任意の増分のマーカーを発現することができる。

0120

代替の実施形態では、網膜前駆細胞および網膜前駆細胞を含む細胞集団は、1種または複数のマーカー、例えば、ネスチン、ビメンチン、Sox2、Ki67、MHCクラスI、Fas/CD95、MAP2、CD9、CD81、AQP4、CXCR4、CD15/LeX/SSEA1、GD2ガングリオシド、CD133、β3−チューブリン、GFAP、OPN/SPP1、PTN、KDR、およびTEKなどの発現によって、特徴付け、またはスクリーニングされる。ある特定の実施形態では、網膜前駆細胞および細胞集団は、ネスチン、Sox2、Ki−67、MHCクラスI、およびFas/CD95からなる群から選択される1種または複数のマーカーを発現し、ネスチンは、集団内の細胞の90%超、または95〜99%によって発現され、Sox2は、集団内の細胞の80%超、または90〜99%によって発現され、Ki−67は、集団内の細胞の30%超、または40〜60%によって発現され(すなわち、正常酸素/大気酸素条件下で増殖した細胞の60〜85%、低酸素条件下で増殖した細胞の80〜90%)、MHCクラスIは、集団内の細胞の70%超、または90%によって発現され、Fas/CD95は、集団内の細胞の30%超、または40〜70%によって発現される。いくつかの実施形態では、網膜前駆細胞および細胞集団は、ビメンチン、CD9、CD81、AQP4、CXCR4、CD15/LexA/SSEA1、GD2ガングリオシド、CD133、β3−チューブリン、MAP2、GFAP、OPN/SPP1、PTN、KDR、およびTEKからなる群から選択される1種または複数のマーカーをさらに発現する。GFAPは、集団内の細胞の5〜10%によって発現され得る。MHCクラスIIは、集団内の細胞の1〜3%によって発現され得る。CXCR4は、大気酸素条件下で増殖した細胞の5〜30%よって発現され得るが、低酸素条件下で増殖した細胞の90%によって発現され得る。CD15は、集団内の細胞の4〜35%、すなわち、大気酸素条件下で増殖した細胞の4〜8%、低酸素条件下で増殖した細胞の15〜35%で発現され得る。GD2は、集団内の細胞の2〜15%、すなわち、大気酸素条件下で増殖した細胞の2〜4%、低酸素条件下で増殖した細胞の15%によって発現され得る。

0121

代替の実施形態では、網膜前駆細胞および細胞集団は、ABCA4、AIPL1、AKT3、APC2、BSN、CCNG2、CDHR1、CRX、CD24、クローディン11、CNTF、CNTFR、DACH1、DAPL1、DCX、DLG2および4、DLL4、EPHA7、EYS、FLT1、FSTL5、FZD5、FGF9、10、および14、GADD45G、GRIA2、HES5および6、HEY2、HEYL、HGF、HIF3A、IMPG1および2、JAK2および3、KLF4、MAP6、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、MYCN、Nanog、NBL1、NEFL、NEFM、NEUROD1、NEUROD4、NEUROG1、NEUROG2、NOTCH1、2、および3、NRL、NRCAM、NRSN、NRXN1、2、および3、OCT4、OLIG2、OPN1MW1および2、OPN1SW、OTX2、PAR4、PAX6、PRPH2、RAX1および2、RBP3、RCVRN、RELN、RGR、ロドプシン、RICTOR、RP1、RRH、RXRG、SIX3および6、SOX8、SLC25A27、STAT1、STAT3、SYP、SYT4、WIF1、VSX2、ならびにVSX1および2の1種または複数の低発現、微量発現、陰性発現、または発現の減少に関して特徴付けられ、またはスクリーニングされる。これらのマーカーの発現パターンを使用して、起源の組織、例えば、新たに単離された網膜組織に由来する網膜前駆細胞または細胞集団を区別することができる。

0122

代替の実施形態では、発現が起源の組織と比べて増大し得る他のマーカーとして、限定することなく、ADM、ANGPT1、ANGPTL2および4、ATP5D、BHLHE40、CCL2、CCNB1、CCND2、ならびにCCNDE1、CD44、CDKN2A、クローディン1、4、および6、CPA4、CTGF、CXCL12、DKK2、EMP1、FOXC2、FZD6、GADD45B、HES1、HIF1A、HOXB4、IGF1、IGFBP3、5、および7、IL1A、IL1R、IL1RAP、IL4R、IL7R、IL11、IL18、JAG1、LIF、LOX、BDNF、EGF、EGFR、FGF1、2、5、および9、KLF4、5、および12、MITF、MMP1、MYC、NCAN、NEFH、NOG、NTF3、NTRK2、NRP1および2、OSMR(IL31RA)、OTX1、PAX8、PDGFA、B、およびC、PLAU、PRRX1、RPE65、SDF−1、SFRP1および4、SIX1および4、SLC25A1、19、および20、TEK/TIE1、THBS1および2、TLR4、VEGFA、VEGFC、WNT5A、ならびにWNT7Bが挙げられる。

0123

代替の実施形態では、網膜前駆細胞および細胞集団は、脳前駆細胞および神経幹細胞のような他の中枢神経系前駆細胞型、ならびに脳および脊髄などの胎児CNS組織に由来し得る他のものと区別される。他のCNS前駆細胞と比べて増加し得るマーカーとしては、限定することなく、ARR3(アレスチンC)、CDF10、CDKN2A、CTGF、CXCL12/SDF1、BHLHE41、BMP2、DKK1、EGFR、EPHB2、FN1、FOSL1および2、FOXD1、GABBR1、GAS1および6、GBX2、HHEX、HOXB2、IGFBP5および7、INHBA、JAG1、KDR、KLF10LHX9、LHX2、LIF、MET、NEUROD1、NTF3、NTRK2、OPTN(オプチニューリン)、RCVRN、SAG(S−アレスチン)、SERINF1(PEDF)、SFRP1、SOX3、TBX3、TGFB、WIF、WNT5A、ならびにWNT5Bが挙げられる。他のCNS前駆細胞と比べて減少し得るマーカーとして、限定することなく、AQP4、ASLL1、CLDN11、CDKN1B、CCL2、CCNG2、CXCR4(SDF1受容体)、DCX、DLX2および5、EMX2、EPHA3、4、および7、FABP7、FOXG1、GRIA1、2、および3、HGF、IL2、KLF4、LIFR、MNX1、NGF、NKX2−2、NOTCH1、NPY、NPY2R、OLIG2、OMG、PBX1、PDGFRA、RTN1、SCGN、SOX11、TFAP2B、TNFRSF21、ならびにWNT7Aが挙げられる。

0124

代替の実施形態では、細胞集団は、健康な被験体(すなわち、網膜疾患を持っていない個体)、罹患した被験体から回収することができ、新鮮な網膜細胞集団だけでなく、凍結された網膜細胞集団も含むことができる。源としては、限定することなく、眼全体、もしくは網膜組織、または胚組織、胎児組織、小児組織、もしくは成体組織から得られる他の源が挙げられる。本方法は、さらなる富化もしくは精製手順、または他の網膜前駆細胞特異的マーカーについての正の選択による細胞単離のためのステップを含むことができる。網膜前駆細胞および細胞集団は、任意の哺乳動物種または被験体、例えば、ヒト、霊長類ウマウシ、ブタ、イヌ、ネコ、フェレットウサギげっ歯類、例えば、マウス、ラット、ハムスターなどから入手または回収することができる。

0125

脊椎動物胚発生において、網膜および視神経は、発生中の脳の派生物として発生し、したがって、網膜は、中枢神経系(CNS)の一部とみなされ、実際に脳組織である。網膜は、シナプスによって相互に連絡した数層の神経細胞を伴った層状構造である。硝子体から最も近い箇所から最も遠い箇所に、すなわち、頭の前部外側に最も近い箇所から頭の内側および後部に向かって、網膜層は、ミュラー細胞あぶみ骨底(footplate)から構成される内境界膜、神経節細胞核の軸索を含有する神経線維層、軸索が視神経線維となる神経節細胞の核を含有する神経節細胞層、双極細胞軸索と神経節細胞およびアマクリン細胞樹状突起との間にシナプスを含有する内網状層、双極細胞の核および周囲細胞体(細胞質(perikarya))を含有する内顆粒層、それぞれ桿体小球および錐体(cone pedicle)で終わる桿体および錐体の投射路(projection)を含有する外網状層、桿体および錐体の細胞体を含有する外顆粒層、光受容体の内側セグメント部分をその細胞核から分離する外境界膜光受容体層、ならびに立方細胞の単層である網膜色素上皮(RPE)を含む。光に直接感受性である神経細胞は、2つのタイプ、すなわち、桿体および錐体から主に構成される光受容細胞である。桿体は、主に薄暗い所で機能し、白黒視覚をもたらし、一方、錐体は、昼間視力および色の知覚支える。第3のタイプの光受容体は、光感受性神経節細胞であり、明るい昼光に対する反射的反応に重要である。

0126

いくつかの実施形態では、細胞は、後に網膜が形成されるが、光受容体外側セグメントが網膜全体にわたって完全に形成される前、かつ網膜血管新生が実質的に完了し、または完了する前の段階で哺乳動物胎児網膜から回収される。この段階は一般に、ヒトの胎児において胎児の在胎約12週齢〜約28週齢の間である。ネコまたはブタの網膜前駆細胞などのより大きい哺乳動物に由来する非ヒト細胞については、この段階は一般に、胎児の在胎約3週齢〜約11週齢の間である。例えば、The Retina and Its Disorders、Besharse, J.およびBok, D.、Academic Press、(2001年)におけるAnand−Apte, B.およびHollyfield, J.G.、「Developmental Anatomy of the Retinal and Choroidal Vasculature.」を参照。しかし、本明細書に開示の主題は、出生後または新生児の哺乳動物組織からの細胞の回収も含む。

0127

代替の実施形態では、網膜前駆細胞は、組織試料の処理後または処理と同時に他の組織成分から精製される。一実施形態では、前駆細胞は、組織試料が細胞増殖に適した条件下で、細胞を培養皿接着させるのに十分な時間にわたって培養された後、他の細胞および組織成分から精製される。ある特定の実施形態では、細胞の精製は、培養中に組織試料から遊走し、培地中に存在し、あるいはフィブロネクチンもしくは他の基材、または支持細胞層に緩く接着している細胞を得るステップを含む。これらの細胞は、慣例的な方法、例えば、培地を取り出し、遠心分離して、その中の細胞をペレット化するステップ、およびリン酸緩衝食塩水PBS)またはハンク平衡塩溶液などの溶液で培養皿中に残っている細胞を洗浄して、接着細胞層として緩く付着した細胞を取り出すステップによって得ることができる。次いでこの洗浄液も、遠心分離して細胞を得ることができる。いくつかの実施形態では、網膜前駆細胞および細胞集団の精製は、脂質などの残留組織材料を含めたある特定の不溶性組織成分から細胞を分離するステップをさらに含む場合がある。細胞は、例えば、密度勾配の使用、遠心分離、フローサイトメトリーもしくは磁気細胞分離(MACS)による分取、および濾過、またはこれらの組合せを含めた、当技術分野で公知であり、利用可能な任意の手段によって他の組織成分から分離することができる。細胞を精製する特定の方法の例は、当技術分野、例えば、米国特許第6,777,231号において公知であり、記載されている。ある特定の実施形態では、1つまたは複数の特定のタイプの細胞を取り出すために、ネガティブ分離法が使用される。

0128

ある特定の実施形態では、組織は、処理され、または「解離される」。解離は、物理的解離ならびに/または他の組織成分からの細胞の放出を促進して細胞および/もしくは細胞群の「解離懸濁物」を作り出す酵素調製物への曝露によって実施することができる。このような酵素の例としては、マトリックスメタロプロテイナーゼクロストリパインパパイン、トリプシン、トリプシン様ペプシン、ペプシン様、中性プロテアーゼタイプ、およびコラゲナーゼが挙げられる。適当なタンパク質分解酵素は、米国特許第5,079,160号、同第6,589,728号、同第5,422,261号、同第5,424,208号、および同第5,322,790号に記載されている。いくつかの実施形態では、酵素調製物は、トリプシンを単独で、または1つもしくは複数の追加の酵素と組み合わせて含む。酵素による解離は、望まれない細胞または結合組織を除去するために、例えば、ミンチ化、ピペット操作、切り刻み、均質化粉砕凍結融解浸透圧衝撃による物理的解離と併せて実施することができ、最終的に単細胞培養物をもたらし得、またはサイズ、すなわち、「小さい」、「中程度」、および「大きい」によって定義され得る細胞群を含めることができる。細胞群サイズは、主観的であり、本明細書に開示の主題の実施において変化し得る。

0129

細胞培養は、細胞が、一般にその自然環境の外で、制御された条件下で増殖されるプロセスを記述する。代替の実施形態では、細胞集団は、当技術分野で公知の任意の細胞培養培地で増殖または培養される。代替の実施形態では、本発明で使用する「基本培地」は、細胞増殖を支えることができる任意の培地を指す。基本培地は、標準的な無機塩、例えば、亜鉛、鉄、マグネシウムカルシウム、およびカリウムビタミングルコース緩衝系、ならびに重要なアミノ酸を供給する。本発明で使用することができる基本培地としては、それだけに限らないが、最小必須培地イーグルADC−1、LPM(ウシ血清アルブミン不含)、F10(Ham)、F12(Ham)、DCCM1、DCCM2、RPMI1640、BGJ培地(Fitton−Jackson改変有りおよび無し)、基本培地イーグル(アール塩ベース( Earle’s salt base)を添加したBME)、ダルベッコ改変イーグル培地(血清を含まないDMEM)、Yamane、IMEM−20、グラスゴー改変イーグル培地(GMEM)、リーボビッツL−15培地、マッコイ5A培地、培地M199(アールの塩ベースを含むM199E)、培地M199(ハンクの塩ベースを含むM199H)、最小必須培地イーグル(アールの塩ベースを含むMEM−E)、最小必須培地イーグル(ハンクの塩ベースを含むMEM−H)、および最小必須培地イーグル(非必須アミノ酸を含むMEM−NAA)が挙げられ、多数の他の培地の中には、培地199、CMRL1415、CMRL1969、CMRL1066、NCTC135、MB75261、MAB8713、DM145、Williams’G、Neuman&Tytell、Higuchi、MCDB301、MCDB202、MCDB501、MCDB401、MCDB411、MDBC153、およびUltracultureが挙げられる。本明細書に開示の網膜前駆細胞の培養に使用するのに好適な培地は、アドバンストDMEM/F12およびUltracultureである。いくつかのこれらの培地は、Methodsin Enzymology、LVIII巻、「Cell Culture」、62〜72頁に要約されている。

0130

代替の実施形態では、「馴化培地」は、基礎培地または基本培地と比較して変更されている培地を指す。例えば、培地の馴化により、栄養分および/または増殖因子などの分子を、基礎培地で見出される元のレベルから追加し、または除去させることができる。いくつかの実施形態では、培地は、ある特定のタイプの細胞をある特定の条件下で、ある特定の期間にわたって培地で増殖させ、または維持することができるようにすることによって馴化される。例えば、培地は、規定温度規定数の時間にわたって、規定組成の培地で網膜前駆細胞を増やし、分化させ、または維持することができるようにすることによって馴化することができる。当業者によって理解されるように、細胞、培地の種類、継続時間、および環境条件の多数の組合せを使用して、馴化培地のほぼ無限アレイを生成することができる。

0131

細胞培養補充物または添加剤の例には、限定することなく、細胞生存または増殖を支えることにおける血清の役割にある程度または完全に取って代わるための成分が含まれる。代替の実施形態では、これには、インスリントランスメタロプロテイン(transmetalloprotein)、微量元素、ビタミン、または他の因子が含まれる。これらの因子は一般に、基本培地中に含まれないが、細胞の培養で一般に使用される血清によってもたらされる。補充物または添加剤は、細胞増殖を支える以下の成分の少なくとも1種または複数を含むことができる:1つもしくは複数のインスリンまたはこれらの代替品、1つもしくは複数のトランスメタロプロテインまたはこれらの代替品、1種または複数の微量元素(例えば、セレン、鉄、亜鉛、銅、コバルトクロムヨウ素、フルオリドマンガンモリブデンバナジウムニッケル、スズ)、1種または複数のビタミン(例えば、ビタミンC、ビタミンEビタミンAビタミンB−群)、1種または複数の塩(例えば、ナトリウム塩マグネシウム塩カルシウム塩、またはリン酸塩)、1種または複数の緩衝液(例えば、リン酸緩衝食塩水、HEPES緩衝液)、1種または複数のアミノ酸(例えば、L−グルタミン)、1種または複数のホルモン、ホルモン様化合物もしくは増殖因子(例えば、トランスフェリン、EGF、NGF、ECGF、PDGF、FGF、IGF、LIF、インターロイキンインターフェロン、TGF、および/またはVEGF、グルカゴンコルチコステロイドバソプレッシンプロスタグランジンなど)、血清アルブミンまたはこれらの代替品、1種または複数の炭水化物(グルコース、ガラクトースフルクトースマンノースリボース糖分解代謝産物)、1種または複数の抗生物質および/または抗真菌剤(例えば、ペニシリンストレプトマイシンファンギゾン)、ならびに1種または複数の脂質(例えば、遊離脂肪酸およびタンパク質結合脂肪酸トリグリセリドリン脂質コレステロールエタノールアミン)。多くの商品化された血清代替添加剤、例えば、KnockOut血清代替物(KOSR)、N2、B27、StemPro、インスリン−トランスフェリン−セレン補充物(ITS)、およびG5が当業者に周知であり、容易に入手可能である。これらの添加剤は、明確に規定された成分によって特徴付けられ、したがって、その成分の濃度は、培地中のその比率に基づいて決定することができる。

0132

代替の実施形態では、哺乳動物網膜前駆細胞の培養物は、低血清を含有する培地中で、または血清を含有しない培地で生成することができる。血清の例として、とりわけ、ウシ胎仔血清、子ウシ血清新生仔子ウシ血清、ヤギ血清ウマ血清、ヒト血清、ウサギ血清、ラット血清、マウス血清が挙げられる。ある特定の培養条件下で、血清濃度は、約0.05%v/v〜約20%v/vの範囲とすることができる。例えば、いくつかの分化プロセスでは、培地の血清濃度は、約0.05%(v/v)未満、約0.1%(v/v)未満、約0.2%(v/v)未満、約0.3%(v/v)未満、約0.4%(v/v)未満、約0.5%(v/v)未満、約0.6%(v/v)未満、約0.7%(v/v)未満、約0.8%(v/v)未満、約0.9%(v/v)未満、約1%(v/v)未満、約2%(v/v)未満、約3%(v/v)未満、約4%(v/v)未満、約5%(v/v)未満、約6%(v/v)未満、約7%(v/v)未満、約8%(v/v)未満、約9%(v/v)未満、約10%(v/v)未満、約15%(v/v)未満、または約20%(v/v)未満とすることができる。いくつかの実施形態では、網膜前駆細胞および網膜前駆細胞を含む細胞集団は、血清を用いずに(「血清不含」)、血清代替物を用いずに、かつ/またはいずれの補充物も用いずに増殖する。

0133

いくつかの実施形態では、網膜前駆細胞または網膜前駆細胞を含む細胞集団は、「異種由来成分不含有」条件下で培養される。「異種由来成分不含有(xeno−free)」または「異種由来成分不含有(xenogen−free)」は、ある特定の種の細胞(例えば、ヒト細胞)が、ヒトの産物または補充物(例えば、ヒト血清アルブミン、ヒト血清)のみが存在するが、他の種に由来する産物の非存在下で増殖または培養される条件を指す。これは、ヒトへの移植に使用される細胞にとって特に重要である。様々な未確定動物由来産物に曝された細胞は、移植片拒絶、免疫反応、およびウイルス感染症のしくは細菌感染症、プリオン、およびまだ未同定人畜共通感染症のリスクが増大するために、これらを臨床用途に望ましくないものにする。さらに、ヒトへの使用または非ヒト哺乳動物への使用(例えば、家畜への使用)を含むすべての哺乳動物への使用について、細胞は、正常核型、または例えば、マイコプラズマ、グラム陰性菌(例えば、エンドトキシン試験)、真菌などによる感染もしくは汚染の存在についてスクリーニングされる。細胞は、テロメラーゼ活性アッセイ、hTERT遺伝子発現、および軟寒天中での増殖、またはヌードマウスでの腫瘍形成によって、腫瘍形成能またはがんの表現型への形質転換についてもスクリーニングすることができる。このようなアッセイは、当技術分野で公知であり、十分に当業者の範囲内である。

0134

代替の実施形態では、網膜前駆細胞または網膜前駆細胞を含む細胞集団は、支持細胞層(例えば、胚性線維芽細胞もしくは成体線維芽細胞)上で、または細胞外マトリックス足場もしくは基材、例えば、コラーゲンエンクチンヘパリン硫酸プロテオグリカン、フィブロネクチン、ラミニンゼラチン、もしくはマトリゲルの存在下で培養することができる。例えば、PURECOL(登録商標)コラーゲンは、純度(99.9%超のコラーゲン含量)、機能性、および入手可能な最も天然様のコラーゲンに関してすべてのコラーゲンの標準として公知である。PURECOL(登録商標)コラーゲンは、残りがIII型コラーゲンで構成された約97%のI型コラーゲンであり、細胞を培養し、または固体ゲルとして使用するために、表面を被覆し、薄層を調製するのに理想的である。当技術分野で公知である足場または基材の別の例は、CELLstart(Invitrogen)である。

0135

代替の実施形態では、細胞培養条件は、37℃、5%のCO2に設定されたインキュベーター内での細胞の増殖を包含することができる。網膜前駆細胞または網膜前駆細胞を含む細胞集団は、正常酸素または大気(20%)下で培養することができ、妊娠中の発育中の胎児網膜の酸素レベルに近い条件、すなわち、「低い」または「低酸素の」条件、例えば、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、もしくは7%の酸素、またはそれらの間での任意の増分下で増殖させることができる。

0136

プレーティング密度は、培地の体積当たり細胞数、または接着培養における1cm2当たりの細胞数を指す。この状況における同様の用語は、「コンフルエンス」であり、これは、細胞培養皿またはフラスコ内の細胞数の尺度として一般に使用され、細胞による皿またはフラスコのカバー率を指す。例えば、100パーセントコンフルエンシーは、皿が細胞によって完全に覆われており、したがって、細胞が増殖するための余地がないことを意味し、一方、50パーセントのコンフルエンシーは、皿のおおよそ半分が覆われており、細胞が増殖するための余地が依然としてあることを意味する。

0137

継代すること(継代培養または細胞の分割としても公知)では、少数の細胞が新しい容器内に移されることを包含する。代替の実施形態では、細胞は、定期的に分割される場合、それにより長期の高細胞密度に関連する老化が回避されるので、より長い期間にわたって培養される。懸濁培養は、より大きい体積の新鮮な培地で希釈された少ない細胞を含有する少量の培養物で容易に継代される。接着培養については、細胞は、最初に引き離される必要がある。これは、トリプシン−EDTAなどの酵素の混合物、または細胞解離緩衝液(Cell Dissociation Buffer)のような非酵素溶液を用いて一般に行われるが、様々な酵素または非酵素混合物または調製物が、この目的のために利用可能である。次いで、少数の引き離された細胞を使用して、新しい培養物を播種することができる。

0138

最も初期細胞培養物は、寿命が限られており、無期限に増殖しない。ある特定の数の集団倍加(ヘイフリック限界と呼ばれる)の後、細胞は、一般に生存能を保持しながら、老化のプロセスを受け、分裂を停止する。代替の実施形態では、網膜前駆細胞および細胞集団は、10継代以下にわたって培養することができ、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10継代にわたって継代される。代替の実施形態では、細胞は、10回超、例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれを超える継代などで継代することができる。ある特定の実施形態では、網膜前駆細胞および細胞集団は、約10〜30継代にわたって培養される。代替の実施形態では、網膜前駆細胞およびこれらを含む細胞集団は、好ましくは、不死ではなく、不死化するままにされることも、強制的に不死化されることもない。本明細書に記載の細胞は、未成熟前駆細胞とみなされるが、網膜前駆細胞を含む細胞集団は、それ自体「多分化能」幹細胞とみなすことができる細胞を含有してもよく、ここでこのような細胞は一般に、ある特定の培養条件下で分化して網膜前駆細胞を含む網膜組織または網膜細胞になることができる。代替の実施形態では、「多分化能」は、自己再生する能力を有するが、分化する能力が限られており、特定の細胞型を生成するように本質的に関係付けられている、未成熟、未分化(undifferentiated)および/または未分化(unspecialized)細胞を指す。ある特定の実施形態では、本明細書に記載の細胞および細胞集団は、近縁細胞を含むが、必ずしも単細胞型を示すものではない。

0139

代替の実施形態では、網膜前駆細胞は、対象とする1つまたは複数の異種または外因性核酸配列を発現するように遺伝子改変されている。核酸配列は、「外因性」であることができ、これは、核酸配列が、ベクターが導入される細胞とは無関係であること、またはその配列が、細胞内の配列と同種であるが、その配列が通常見出されない、宿主細胞核酸内の位置にあることを意味する。核酸配列としては、プラスミド単位複製配列cDNA、mRNA、アンチセンスRNA、siRNAが挙げられるが、これらの例に限定されない。用語「遺伝子」は、機能タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドコード核酸単位を指す。当業者によって理解されるように、この機能的用語は、ゲノム配列cDNA配列、ならびにタンパク質、ポリペプチド、ドメイン、ペプチド、融合タンパク質、および突然変異体を発現し、または発現するように適合され得る、より小さい操作された遺伝子セグメントを含む。

0140

組織を遺伝的に変更するのに、当技術分野で公知の任意の方法を使用することができる。一例示的方法は、組換えウイルスベクターを用いて組織の細胞内に遺伝子を挿入することである。いくつかの異なるベクター、例えば、当技術分野で公知のウイルスベクタープラスミドベクター、線状DNAなどのいずれか1つを使用して、標的細胞および/または組織内に、治療剤をコードする外因性核酸断片を導入することができる。例えば、感染、トランスダクショントランスフェクションリン酸カルシウム媒介トランスフェクション、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、電気穿孔リポソーム媒介トランスフェクション、微粒子銃遺伝子送達融合性およびアニオン性リポソーム(これらは、カチオン性リポソームの使用の代替である)を使用するリポソーム遺伝子送達、直接注入、受容体媒介取込み、磁気穿孔(magnetoporation)、超音波、ならびに当技術分野で公知の他のもののいずれかを使用して、これらのベクターを挿入することができる。

0141

代替の実施形態では、「ベクター」は、核酸配列をこれが複製され得る細胞内に導入するために挿入することができるキャリア核酸分子を指すのに使用される。ベクターとしては、プラスミド、コスミド、ウイルス(バクテリオファージ動物ウイルス、および植物ウイルス)、ならびに人工染色体(例えば、YAC)が挙げられる。当業者は、Sambrookら(1989年)Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor、NY;Ausubelら(1987年)Current Protocols in Molecular Biology、Greene Publ. Assoc. & Wiley−Intersciencesに記載されている標準的な組換え技法によってベクターを構築する知識を十分に身に付けているはずである。改変ポリペプチドをコードすることに加えて、ベクターは、タグまたは標的化分子などの非改変ポリペプチド配列をコードすることができる。このような融合タンパク質をコードする有用なベクターとして、後に精製および分離または切断するためのグルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)可溶性融合タンパク質の生成に使用するための、pINベクター、ヒスチジンストレッチをコードするベクター、およびpGEXベクターが挙げられる。

0142

代替の実施形態では、本発明のベクターは、主に「作動可能に連結した」または1つまたは複数の制御配列の制御下にある遺伝子などの異種核酸分子を細胞内に導入するように設計される。「プロモーター」は、RNAポリメラーゼIIおよび他の転写活性化因子タンパク質の開始部位の周囲にクラスター形成する1つまたは複数の転写制御モジュールを指す。任意のプロモーター/エンハンサーの組合せ(真核生物プロモーターデータベースEPDBによる)も対象とする(すなわち、構成的、誘導性抑制性、組織特異的)核酸分子の発現を推進するのに使用することができる。また、ベクターは、in vitroまたはex vivoでのこれらの操作を促進するための選択可能マーカーを含有し得る。ベクターは、ポリアデニル化シグナルを含有することもでき、これは、ヒト成長ホルモン(hGH)遺伝子、ウシ成長ホルモン(BGH)遺伝子、またはSV40から得ることができる。さらに、ベクターは、多重遺伝子メッセージまたはポリシストロン性メッセージを作り出すのに使用される内部リボソーム結合部位(IRES)エレメントも含有することができる。IRESエレメントは、5−メチル化(methylatd)キャップ依存性翻訳リボソーム走査モデルを迂回し、内部部位から翻訳を開始することができる(Pelletier, J.およびSonenberg, N.(1988年)Nature、334巻(6180号):320〜325頁)。IRESエレメントは、異種オープンリーディングフレームに連結され得る。IRESによって各々分離されている、複数のオープンリーディングフレームが一緒に転写され、ポリシストロン性メッセージを作り出すことができる。IRESエレメントによって、各オープンリーディングフレームは、効率的な翻訳のために、リボソームにアクセス可能である。単一のメッセージを転写するための単一のプロモーター/エンハンサーを使用して、複数の遺伝子を効率的に発現させることができる。

0143

代替の実施形態では、ベクターは、ウイルスベクターである。当技術分野で公知のウイルスベクターとしては、限定することなく、アデノウイルスベクターレトロウイルスベクターワクシニアウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターポリオーマウイルスベクターアルファウイルスベクター、ラブドウイルスベクター、レンチウイルスベクターエプスタイン−バーウイルスベクター、ピコルナウイルスベクター、またはヘルペスウイルスベクターが挙げられる。

0144

他の実施形態では、核酸配列をリポソームまたは脂質製剤中に封入することができる。リポソームは、リン脂質二重層膜および内側の水性媒体によって特徴付けられる小胞構造物である。多重膜リポソームは、水性媒体によって分離された複数の脂質層を有する。これらは、リン脂質が過剰の水溶液中に懸濁されると自発的に形成する。脂質成分は、閉じた構造物を形成する前に自己再構成を起こし、脂質二重層間に水および溶解した溶質を封入する(Ghosh, P.C.およびBachhawat, B.K.(1991年)Targeted Diagn. Ther. 4巻:87〜103頁)。市販リポソームまたは脂質製剤の一例は、リポフェクタミン(Invitrogen)である。他のものとして、FuGENE(Promega)、PromoFectin(PromoKine)、Affectene(Qiagen)、Polyfect(Qiagen)、Superfect(Qiagen)、およびTransMessenger(Qiagen)が挙げられる。

0145

本明細書に開示の主題は、哺乳動物網膜前駆細胞を含む細胞集団を含む組成物を、網膜疾患または網膜の状態の処置を必要とする被験体の硝子体腔もしくは網膜下腔内へと、該被験体に投与するステップ、および必要に応じて該被験体の視覚の変化または改善を測定するステップによって、該被験体において網膜疾患または網膜の状態を処置する方法も提供する。

0146

代替の実施形態では、本発明に関してその様々な文法形式における用語「処置すること」は、疾患状態疾患進行、疾患原因物質、または他の異常な状態の有害な作用の治癒逆転減弱緩和、最小化、抑制、または停止を指す。例えば、処置には、疾患の一症状(すなわち必ずしもすべての症状ではない)を緩和し、または疾患の進行を減弱することを包含することができる。代替の実施形態では、用語「防止すること」は、疾患状態または疾患原因物質の作用が、本明細書に開示のものなどの作用物質(agent)の投与に起因して未然に防がれていることを意味する。この状況における同様の用語は、「予防」である。

0147

「患者」または「被験体」は、本明細書で互換的に使用され、処置のレシピエントを指す。哺乳動物および非哺乳動物被験体が含まれる。いくつかの実施形態では、被験体は、哺乳動物、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、マウス、ネコ、ウシ、ヒツジ、ブタ、またはヤギである。いくつかの実施形態では、被験体はヒトである。

0148

本明細書に記載の細胞集団および関連組成物は、様々な異なる手段によって被験体または患者に施すことができる。ある特定の実施形態では、これらは、局所的に、例えば、実際の、または潜在的な傷害または疾患の部位に施される。いくつかの実施形態では、これらは、可能性がある、または実際の傷害または疾患の部位に組成物を注射するためにシリンジまたは針を使用して施される。他の実施形態では、これらは、全身的に施され、すなわち、静脈内または動脈内の血流に投与される。特定の投与経路は、処置または防止される疾患または傷害の位置および性質に主に依存する。したがって、本明細書に記載の主題は、それだけに限らないが、経口、非経口、静脈内、動脈内、鼻腔内、および筋肉内投与を含めた、任意の公知かつ利用可能な方法または経路を介して本発明の細胞集団または組成物を施すことを含む。適当な投与量および処置レジメンの決定は、当技術分野で一般に公知の情報に基づいて容易に実現し、医師によって得ることができる。処置は、単一の処置を含んでも複数の処置を含んでもよい。特に、防止目的で、本発明の精製細胞集団が、網膜損傷を潜在的に引き起こし得るストレスの後に投与されることが、ある特定の実施形態において企図されている。他の実施形態では、細胞集団および組成物は、被験体の硝子体腔もしくは網膜下腔への単回注射として局所的に投与される場合がある。あるいは、組成物または細胞集団は、本明細書で提供される方法の実施において、2回、3回、4回、または任意の回数投与することができる。

0149

代替の実施形態では、本発明の方法は、ドナー組織から回収され、培養物中で増殖され、被験体または患者に投与するために製剤化された哺乳動物網膜前駆細胞およびかかる細胞を含む組成物の単離ならびに特徴付けを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、被験体の全身免疫抑制を必要とすることなく、硝子体腔に直接、表面麻酔下で組成物を投与するステップを含む。代替の実施形態では、患者または被験体に対する移植片の組織型決定およびマッチングは、必要とされないが、所望の場合実施してもよい。組織型決定およびマッチング技法は、当業者に周知である。

0150

本発明を実施するのに使用される網膜前駆細胞および細胞集団は、経口的に、非経口的に、吸入スプレーによって、経鼻的に、局所的に、髄腔内に、髄腔内に、脳内に、硬膜外に、頭蓋内に、または経直腸的にを含めて、任意のまたは様々な手段によって投与するための組成物として製剤化することができる。本明細書に開示の組成物および製剤は、薬学的または獣医学的に許容される液体キャリアアジュバント、およびビヒクルを含むことができ、液剤錠剤カプセル剤インプラントエアゾール剤ゲル剤、リポソーム、ナノ粒子などの形態であり得る。

0151

いくつかの実施形態では、網膜前駆細胞および細胞集団は、薬学的組成物または獣医学的組成物の形態で被験体に投与することができる。語句「薬学的に許容される」は、動物またはヒトに投与されるとき、有害反応アレルギー反応、または他のやっかいな(untoward)反応を生じない分子実体および組成物を指す。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容されるキャリア」には、水、エタノールポリオール(例えば、グリセロールプロピレングリコールポリエチレングリコールなど)、およびこれらの適当な混合物、オリーブ油などの植物油、ならびにオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルを含む、任意およびすべての水性および非水性キャリアが含まれる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材を使用することによって、分散物の場合に必要とされる粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって、維持することができる。これらの組成物は、保存剤湿潤剤乳化剤、および分散剤などのアジュバントも含有することができる。微生物の存在の防止は、滅菌手順によって、かつ様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベンクロロブタノールソルビン酸などを含めることによって保証することができる。組成物中に糖、塩化ナトリウムなどのような等張剤を含めることが望ましい場合もある。さらに、注射用医薬品形態の吸収の延長は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅延させる作用物質を含めることによって生じさせることができる。これは、製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保護されなければならない。薬学的活性物質のためにこのような媒体および作用物質を使用することは、当技術分野で周知である。

0152

ある特定の実施形態では、有効量の網膜前駆細胞または細胞集団が、被験体に投与されなければならない。「有効量」または「治療有効量」は、所望の効果を生じる組成物の量を指す。有効量は、例えば、送達される分子または作用物質(ここでは網膜前駆細胞または細胞集団)、治療剤が使用されている適応症、投与経路、ならびにサイズ(体重、体表または臓器サイズ)、ならびに被験体または患者の状態(年齢および全体的な健康)に部分的に依存する。したがって、臨床家または医師は、最適な治療効果を得るために、投与量を設定し(titer)、投与経路を修正することができる。具体的な目的のための特定の作用物質の有効量は、当業者に周知の方法を使用して決定することができる。本明細書に規定の任意の組成物について、有効量は、細胞培養アッセイ、またはマウス、ラット、ウサギ、イヌ、ブタ、もしくはサルなどの動物モデルのいずれかにおいて最初に推定することができる。動物モデルは、適切な濃度範囲および投与経路を決定するのにも使用することができる。次いでこのような情報を使用して、ヒトに投与するための有用な用量および経路を決定することができる。

0153

本明細書に記載の組成物の有効量の例には、5μl、10μl、15μl、20μl、25μl、50μl、100μl、150μl、200μl、250μl、300μl、350μl、400μl、450μl、500μl、または最大5000μl(5ml)までの間の任意の増分の体積での細胞懸濁物が含まれる。体積の下限および上限は、送達システムおよび/または方法によって制限される。例えば、Kayikcuiglu, O.R.ら(2006年)Retina 26巻(9号):1089〜90頁を参照。例えば、硝子体切除術なしで投与される場合の体積の上限は、眼内圧の上昇のために約200μlである。硝子体切除術を施して硝子体腔内に投与される場合の体積の上限は、硝子体腔の容積によって制限され、最大5ml以上を含むことができる。網膜下注射についての上限は、網膜剥離のために最大200μlであり得る。代替の実施形態では、これらの体積は、1用量当たり1000〜1000万細胞の間のいずれか、または1用量当たり1000〜2000細胞、1用量当たり2000〜3000細胞、1用量当たり3000〜4000細胞、1用量当たり400〜5000細胞、1用量当たり5000〜6000細胞、1用量当たり6000〜7000細胞、1用量当たり7000〜8000細胞、1用量当たり8000〜9000細胞、1用量当たり9000〜10,000細胞、1用量当たり10,000〜15,000細胞、1用量当たり15,000〜20,000細胞、1用量当たり20,000〜25,000細胞、1用量当たり25,000〜30,000細胞、1用量当たり30,000〜35,000細胞、1用量当たり35,000〜40,000細胞、1用量当たり40,000〜45,000細胞、1用量当たり45,000〜50,000細胞、1用量当たり50,000〜55,000細胞、1用量当たり55,000〜60,000細胞、1用量当たり60,000〜65,000細胞、1用量当たり65,000〜70,000細胞、1用量当たり70,000〜75,000細胞、1用量当たり75,000〜80,000細胞、1用量当たり80,000〜85,000細胞、1用量当たり85,000〜90,000細胞、1用量当たり90,000〜95,000細胞、1用量当たり95,000〜100,000細胞、1用量当たり100,000〜125,000細胞、1用量当たり125,000〜150,000細胞、1用量当たり150,000〜200,000細胞、1用量当たり200,000〜250,000細胞、1用量当たり250,000〜300,000細胞、1用量当たり300,000〜350,000細胞、1用量当たり350,000〜400,000細胞、1用量当たり400,000〜450,000細胞、1用量当たり450,000〜500,000細胞、1用量当たり500,000〜550,000細胞、1用量当たり550,000〜600,000細胞、1用量当たり600,000〜650,000細胞、1用量当たり650,000〜700,000細胞、1用量当たり700,000〜750,000細胞、1用量当たり750,000〜800,000細胞、1用量当たり800,000〜850,000細胞、1用量当たり850,000〜900,000細胞、1用量当たり900,000〜950,000細胞、1用量当たり950,000〜1,000,000細胞、または1用量当たり1000細胞と最大1000万細胞の間の任意の増分で含む。投与量は、もちろん、投与の頻度および継続時間によって変化し得る。代替の実施形態では、本明細書に記載の組成物中の細胞の投与量は、例えば、100μl当たり50万細胞などの、小体積中に多数の細胞を含有する。細胞数は、当技術分野で公知の任意の方法、例えば、血球計数器分光光度法コールターカウンター、フローサイトメトリーなどによって計数することができる。投薬は、1回施すことができ、またはいくつかの処置の過程にわたって施してもよい。

0154

代替の実施形態では、本発明の組成物は、経強膜送達によって、あるいは例えば、米国特許第7,585,517号に記載されている経強膜送達;米国特許第7,883,717号に記載されている患者の眼の内側に送達するための徐放送達デバイス;米国特許第5,378,475号もしくは同第5,466,233号に記載されている眼の硝子体領域内に挿入するためのデバイス;または例えば、米国特許出願公開第20110112470号もしくは同第20100256597号(患者の眼への標的化投与のための微細針を記載)に記載されているとおりの皮下注射器もしくは斜め挿入経路を使用することによって;または例えば、米国特許出願公開第20100209478号に記載されているとおりの涙点(puncta lacrimali)を通過する寸法を有する親水性ポリマーヒドロゲルを介して;または例えば、米国特許出願公開第20100191176号に記載されているとおりのヒトの眼の網膜下腔へのアクセスをもたらすデバイスを含めた当技術分野で公知の任意の方法またはプロトコールによって、眼(特に硝子体腔あるいは網膜下腔内に)、硝子体腔もしくは網膜下腔、網膜、脳、神経、あるいはCNSへの非経口投与用に製剤化することができる。前房穿刺も、当業者によって判断される場合実施することができる。代替の実施形態では、諸方法は、特に硝子体内留置について、手順の間および/または後に眼球の縫合を必要としない。しかし、これは、例えば、網膜下腔内に細胞を置く場合、硝子体切除術の手順を利用する方法には、必要である場合がある。

0155

本明細書に開示の組成物は、注射経路による、しかし様々な注入技法も含めて、例えば、米国特許出願公開第200500480021号に記載されているように、髄腔内、脳内、硬膜外、皮下、静脈内、筋肉内および/または動脈内投与用にも製剤化することができる。投与は、カテーテル、またはポンプ、例えば、髄腔内ポンプ、または移植可能医療用デバイスを使用することによって実施され得る。代替の実施形態では、本発明の方法は、米国特許第7,388,042号、同第7,381,418号、同第7,379,765号、同第7,361,332号、同第7,351,423号、同第6,886,568号、同第5,270,192号、および米国特許出願公開第20040127987号、同第20080119909号、同第20080118549号、同第20080020015号、同第20070254005号、同第20070059335号、同第20060128015号に記載されているものなどの、本明細書に開示の網膜前駆細胞、細胞集団、または組成物を含むインプラント、および人工臓器バイオリアクターシステム細胞培養システムプレート、皿、管、瓶、およびフラスコなどを投与または移植を包含することもできる。

0156

代替の実施形態では、本明細書で提供される方法は、網膜疾患または網膜の状態、例えば、限定することなく、網膜色素変性症(RP)、レーバー先天性黒内障(LCA)、シュタルガルト症、アッシャー症候群、コロイデレミア、桿体−錐体もしくは錐体−桿体ジストロフィー、繊毛障害、ミトコンドリア障害、進行性網膜萎縮、網膜変性疾患、加齢黄斑変性症(AMD)、滲出型AMD、萎縮型AMD、地図状萎縮、家族性もしくは後天性黄斑症、網膜光受容体疾患、網膜色素上皮を基礎とする疾患、糖尿病性網膜症、類嚢胞黄斑浮腫、ブドウ膜炎、網膜剥離、外傷性網膜損傷、医原性網膜損傷、黄斑円孔、黄斑部毛細血管拡張症、神経節細胞疾患、視神経細胞疾患、緑内障、視神経症、虚血性網膜疾患、未熟児網膜症、網膜血管閉塞、家族性細動脈瘤(familial macroaneurysm)、網膜血管疾患、眼血管疾患、血管疾患、または虚血性視神経症を処置する、軽減する、または防止する、あるいは明所(昼間)視を改善する、あるいは矯正視力を改善する、あるいは黄斑機能を改善する、あるいは視野を改善する、または暗所(夜間)視を改善するのに使用することができる。

0157

代替の実施形態では、本発明の治療方法は、表面麻酔を利用するが、任意の局所(local)麻酔、局所(regional)麻酔または全身麻酔を、投与する間に使用することができる。本明細書に開示の方法で使用するのに適した局所麻酔薬の例としては、限定することなく、メプリカイン(mepricaine)、プロパラカインプリロカインロピバカインベンゾカインブピバカインピクリン酸ブタンベンクロルプロカインコカインジブカイン、ジメチソキンジクロニン、エチドカインヘキシルカイン、ケタミンリドカインメピバカインプラモキシン、プロカイン、テトラカインサリチレート、ならびにこれらの誘導体エステル、塩、および混合物が挙げられる。

0158

網膜前駆細胞または細胞集団を含む組成物は、1種または複数の薬物と必要に応じて共投与することができる。薬物の例として、抗新脈管形成剤、例えば、アンギオスタチン酢酸アネコルタブトロンボスポンジンVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、ならびに抗血管内皮増殖因子(抗VEGF)薬、例えば、ラニビズマブ、およびベバシズマブ、ペガプタニブスニチニブ、およびソラフェニブ、ならびに抗新脈管形成効果を有する様々な公知の低分子および転写阻害剤のいずれか;以下を含めた諸クラスの公知の眼用薬物:緑内障薬、例えば、アセブトロール(acetbutolol)、アテノロールビソプロロールカルベジロールエスモロール(asmolol)、ラベタロールナドロールペンブトロールピンドロールプロプラノロール、メチプラノロールベタキソロールカルテオロールレボベタキソロールレボブノロール、およびチモロールなどのβブロッカー剤を含めたアドレナリン作動性アンタゴニストなど;アドレナリン作動性アゴニストまたは交感神経様作用薬、例えば、エピネフリンジピベフリンクロニジンアプラクロニジン(aparclonidine)、およびブリモニジン副交感神経作動薬またはコリン作動性アゴニスト(cholingeric agonist)、例えば、ピロカルピンカルバコールホスホリンヨウ素(phospholine iodine)、およびフィゾスチグミン、サリチレート、塩化アセチルコリンエゼリンフルオロリン酸ジイソプロピル臭化デメカリウムムスカリン作用薬;局所および/または全身性作用物質を含めた炭酸脱水酵素阻害剤、例えば、アセトラミド、ブリンゾラミドドルゾラミド、およびメタゾラミドエトキスゾラミド、ダイアモックス、およびジクロルフェンアミド散瞳毛様体筋麻痺作用剤、例えば、アトロピンシクロペントレートスクシニルコリンホマトロピンフェニレフリンスコポラミン、およびトロピカミド;プロスタグランジン、例えば、プロスタグランジンF2α、抗プロスタグランジン、プロスタグランジン前駆体、またはプロスタグランジン類似体作用物質、例えば、ビマトプロストラタノプロストトラボプロスト、およびウノプロストンを挙げることができる。

0159

薬物の他の例として、例えば、糖質コルチコイドおよびコルチコステロイド、例えば、ベタメタゾンコルチゾンデキサメタゾン、デキサメタゾン21−ホスフェートメチルプレドニゾロンプレドニゾロン21−ホスフェート、酢酸プレドニゾロン、プレドニゾロン、フルオロメトロン(fluroometholone)、ロテプレドノール、メドリゾン、フルオシノロンアセトニドトリアムシノロンアセトニドトリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、ベクロメタゾンブデソニドフルニソリド、フルオロメトロン、フルチカゾンフルドロコルチゾンヒドロコルチゾン酢酸ヒドロコルチゾン、ロテプレドノール、リメキソロンを含めた抗炎症剤、ならびに例えば、アスピリンジクロフェナクフルルビプロフェンイブプロフェンブロムフェナクネパフェナク、およびケトロラク、サリチレート、インドメタシン、ナキソプレン、ピロキシカム、およびナブメトンジフルニサルエトドラクフェノプロフェン、フルルビプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メクロフェナメート、メフェナム酸メロキシカム、ナブメトン、オキサプロジン、ピロキシカム、サルサレート、スリンダク、およびトルメチンを含めた非ステロイド性抗炎症剤セレコキシブロフェコキシブ、およびバルデコキシブのようなCOX−2阻害剤;例えば、テトラサイクリンクロルテトラサイクリンバシトラシンネオマイシンポリミキシングラミシジンセファレキシンオキシテトラサイクリンクロラムフェニコールリファンピシンシプロフロキサシントブラマイシンゲンタマイシンエリスロマイシン、ペニシリン、スルホンアミドスルファジアジンスルファセタミドスルファメチゾールスルフイソキサゾールニトフラゾン、プロピオン酸ナトリウムアミノグリコシド、例えば、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、およびストレプトマイシンを含めた抗生物質などの抗感染症薬または抗微生物剤フルオロキノロン、例えば、シプロフロキサシン、ガチフロキサシンレボフロキサシンモキシフロキサシンノルフロキサシンオフロキサシン;バシトラシン、エリスロマイシン、フシジン酸、ネオマイシン、ポリミキシンB、グラミシジン、トリメトプリム、およびスルファセタミド;抗真菌薬、例えば、アンホテリシンBカスポファンギンクロトリマゾールフルコナゾールイトラコナゾールケトコナゾールボリコナゾールテルビナフィンナイスタチン、およびミコナゾール抗マラリア剤、例えば、クロロキンアトバコンメフロキンプリマキンキニジン、およびキニーネ;抗マイコバクテリウム剤、例えば、エタンブトールイソニアジドピラジナミドリファンピン、およびリファブチン抗寄生虫剤、例えば、アルベンダゾールメベンダゾールチアベンダゾール(thiobendazole)、メトロニダゾールピランテル、アトバコン、ヨードキノール(iodoquinaol)、イベルメクチン、パロマイシンプラジカンテル、およびトリメトレキセート(trimatrexate)も挙げることができる。

0160

薬物の他の例として、抗ウイルス剤、例えば、イドクスウリジントリフルオロサイミジンアシクロビルシドフォビルファムシクロビルガンシクロビルバラシクロビルバルガンシクロビルビダラビントリフルリジン、およびフォスカーネットプロテアーゼ阻害剤、例えば、リトナビルサキナビルロピナビルインジナビルアタザナビルアンプレナビル、およびネルフィナビルヌクレオチドヌクレオシド非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、例えば、アバカビル、ddl、3TC、d4T、ddC、テノホビル、およびエムトリシタビンデラビルジンエファビレンズ、およびネビラピン;他の抗ウイルス剤、例えば、インターフェロン、リバビリン、およびトリフルリジン(trifluridiene);エルタペネムイミペネム、およびメロペネムのようなカルバペネム(cabapenem)を含めた抗菌剤;セファロスポリン、例えば、セファドロキシルセファゾリンセフジニルセフジトレン、セファレキシン、セファクロルセフェピムセフォペラゾンセフォタキシムセフォテタンセフォキシチンセフポドキシムセフプロジル、セフタキシジムセフチブテンセフチゾキシムセフトリアキソンセフロキシム、およびロラカルベフ;他のマクロライドおよびケトライド、例えば、アジスロマイシンクラリスロマイシン、ジリスロマイシン、およびテリスロマイシンアモキシシリンアンピシリン、ピバンピシリン、ジクロキサシリンナフシリンオキサシリンピペラシリン、およびチカルシリンを含めたペニシリン(クラブラネートとともに、およびこれを伴わずに);テトラサイクリン、例えば、ドキシサイクリンミノサイクリン、およびテトラサイクリン;他の抗菌薬、例えば、アズトレオナム、クロラムフェニコール、クリンダマイシンリネゾリドニトロフラントイン、およびバンコマイシンも挙げることができる。

0161

薬物の他の例として、例えば、クロモグリク酸ナトリウム(sodium chromoglycate)、アンタゾリン、メタピリレン(methapyriline)、クロルフェニラミンセチリジン(cetrizine)、ピリラミンプロフェンピリダミンを含めた抗アレルギー薬などの免疫調節剤アルデスロイキンアダリムマブアザチオプリンバシリキシマブダクリズマブエタネルセプトヒドロキシクロロキンインフリキシマブレフルノミドメトトレキセートミコフェノール酸モフェチル、およびスルファサラジン抗ヒスタミン剤、例えば、アゼラスチンエメダスチンロラタジンデスロラタジン、セチリジン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、デキスクロルフェニラミン、クレマスチンシプロヘプタジンフェキソフェナジンヒドロキシジンプロメタジン、およびレボカバスチン;免疫学的薬剤ワクチンおよび免疫刺激剤など);MAST細胞安定剤、例えば、クロモリンナトリウムケトチフェン、ロドキサミド、ネドクロミル(nedocrimil)、オロパタジン、およびペミロラストなど;毛様体削摩剤(ciliary body ablative agent)、例えば、ゲンタマイシン(gentimicin)およびシドフォビル;ならびに他の眼科用剤、例えば、ベルテポルフィン、プロパラカイン、テトラカイン、シクロスポリン、およびピロカルピン;細胞表面糖タンパク質受容体の阻害剤;うっ血除去薬、例えば、フェニレフリン、ナファゾリンテトラヒドロゾリン(tetrahydrazoline);脂質または降圧脂質ドーパミン作動性アゴニストおよび/またはアンタゴニスト、例えば、キンピロールフェノルドパム、およびイボパミン血管れん縮阻害剤;血管拡張剤降圧剤アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤;オルメサルタンなどのアンギオテンシン−1受容体アンタゴニスト微小管阻害剤分子モーターダイニンおよび/またはキネシン)阻害剤;アクチン細胞骨格制御因子、例えば、サイトカラシン(cyctchalasin)、ラトランクリン、スウィンホリドA、エタクリン酸、H−7、およびRho−キナーゼ(ROCK)阻害剤;リモデリング阻害剤;細胞外マトリックスのモジュレーター、例えば、tert−ブチルヒドロ−キノロンおよびAL−3037A;アデノシン受容体アゴニストおよび/またはアンタゴニスト、例えば、N−6−シクロヘキシルアデノシン(cylclophexyladenosine)および(R)−フェニルイソプロピルアデノシン;セロトニンアゴニストホルモン剤、例えば、エストロゲンエストラジオール黄体ホルモンプロゲステロン、インスリン、カルシトニン副甲状腺ホルモン、ペプチド、およびバソプレッシン視床下部放出因子;例えば、上皮増殖因子線維芽細胞増殖因子血小板由来増殖因子、トランスフォーミング増殖因子β、ソマトトロピン(somatotrapin)、フィブロネクチン、結合組織増殖因子骨形態形成タンパク質(BMP)を含めた増殖因子アンタゴニストまたは増殖因子;インターロイキンなどのサイトカイン、CD44、コクリン、および血清アミロイドAなどの血清アミロイドも挙げることができる。

0162

他の治療剤として、ルベゾール(lubezole)、ニモジピン、および関連化合物などの、および血流エンハンサー、ナトリウムチャネル遮断薬メマンチンなどのグルタメート阻害剤、神経栄養因子一酸化窒素合成酵素阻害剤を含めた神経保護剤フリーラジカルスカベンジャーまたは抗酸化剤キレート化化合物;アポトーシス関連プロテアーゼ阻害剤;新規タンパク質合成を低減する化合物;放射線治療剤光線力学的療法剤遺伝子療法剤;遺伝子モジュレーター;ならびにドライアイ薬、例えば、シクロスポリンA粘滑薬(delmulcent)、およびヒアルロン酸ナトリウム;α遮断剤、例えば、ドキサゾシンプラゾシン、およびテラゾシンカルシウムチャネル遮断薬、例えば、アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼムフェロジピンイスラジピンニカルジピンニフェジピンニソルジピン、およびベラパミル;他の降圧剤、例えば、クロニジン、ジアゾキシド、フェノルドパム(fenoldopan)、ヒドララジンミノキシジルニトロプルシドフェノキシベンザミンエポプロステロールトラゾリントレプロスチニル、およびニトレート系薬剤;ヘパリン類およびヘパリノイド、例えば、ヘパリン、ダルテパリンエノキサパリン、チンザパリン、およびフォンダパリヌクスを含めた抗凝固剤;他の抗凝固剤、例えば、ヒルジンアプロチニンアルガトロバンビバリルジンデシルジン、レピルジン、ワルファリン、およびキシメガトラン抗血小板薬、例えば、アブシキシマブクロピドグレルジピリダモールエプチフィバチド(optifibatide)、チクロピジン、およびチロフィバンを挙げることができる。

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