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技術 可撓性反射基材、その製造方法及びその反射基材に用いる原材料組成物

出願人 株式会社朝日ラバー
発明者 田崎益次五十嵐直人市川明小田喜勉吉田舞美
出願日 2018年6月28日 (1年8ヶ月経過) 出願番号 2018-123430
公開日 2018年11月15日 (1年4ヶ月経過) 公開番号 2018-180551
状態 特許登録済
技術分野 レンズ以外の光学要素 光学要素の表面処理 高分子組成物
主要キーワード セラミックスコート 最外直径 金属タワシ 板状支持体 金属蒸着被膜 噴霧面 粉末アルミニウム 加熱経過
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年11月15日)のものです。
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図面 (11)

課題

可撓性であって湾曲追従できて皺やクラックを生じず、発光波長340〜500nm程度の波長高輝度光反射率が高く、さらに熱伝導性に優れ、その高輝度光が照射されても経時的に黄変したり劣化したりせず、耐光性耐熱性耐候性難燃性に優れ、化学的に安定で、しかも繰り返し湾曲のような機械的応力にも安定で、白色のまま長期間維持できるうえ、金属や樹脂への接着性に優れ、配線基板被覆するために簡便に形成できて、生産効率が高く、安価に製造できる汎用性の可撓性反射基材を提供する。

解決手段

可撓性反射基材10は、接着成分と共に三次元架橋したシリコーンゴムに、それよりも高屈折率白色無機フィラー粉末が分散されつつ含有されて形成された1〜2000μmの厚さの可撓性膜反射層11を有している可撓性反射基材であって、反射率が波長550nmで90%以上である。

概要

背景

照明器具信号機液晶ディスプレイバックライトなど様々な発光装置光源として、発光ダイオードLED)のように所望の波長光出射する発光素子が用いられている。このような発光ダイオード、特に高輝度発光ダイオードは、白熱電球ハロゲンランプ水銀灯蛍光灯などの白色系照明装置よりも、明るくて消費電力が少なく、しかも寿命が長いため、屋内外の発光装置に、組み込まれている。また、太陽光入射して光電変換するP型シリコンN型シリコンとからなるような光電変換素子が、太陽電池アセンブリに、組み込まれている。

このような発光素子や光電変換素子のように光が入出射する素子実装する配線基板や、これら素子を取り巻いて収容するパッケージケースは、発光素子からの光を照射すべき側へ反射させたり、太陽電池アセンブリへ入射した光を光電変換素子へ反射させて効率よく集光させてエネルギー変換させたりするために、これらの光を反射可能なセラミック製や樹脂製の反射基材で形成されている。配線基板やパッケージケースの反射基材がセラミックス製であると、出射光漏洩することにより、十分な反射効率が得られない。

一方、樹脂製乃至セラミックス製のパッケージケース等に、エポキシ樹脂液晶ポリマーポリアミドビスマレイミドトリアジンBT)樹脂等のような硬化性樹脂白色フィラーとを含有する白色塗料を塗布したり、セラミックスコートしたりした反射層を形成した反射基材は、熱による線膨張の違いに追従できないためコート面クラックが生じてしまう。また、可撓性が小さいうえ、無理やり湾曲させるとクラックを生じてしまう。

最近では、発光ダイオード(LED)をフレキシブル基板に直接マウントするなど多様化した各種照明器具や太陽電池の形状に対応できることが、要求されている。そこで、フレキシブル基板自体が反射機能を有するように、エポキシ樹脂のような硬化性樹脂と白色フィラーとを含有する白色フィルムフレキシブルな配線基板に貼り合わされた反射基材が、用いられるようになっている。また、樹脂製の反射基材として、例えば、特許文献1に開示されているように、脂環式エポキシ樹脂を含むエポキシ系ポリマーグリシジルメタアクリレート系ポリマーのような樹脂、白色顔料、及び硬化剤を必須成分とする樹脂組成物を、シート状ガラス繊維のような基板含浸、乾燥させた白色プリプレグも、用いられるようになっている。

また、従来から用いられているこれらエポキシ樹脂等の反射基材は、一般的に黄変等の耐熱性耐光性欠けるうえ、波長400nm以下の波長域の光を吸収するため反射し難い。しかも、これらエポキシ樹脂等の樹脂製の反射基材は、安価で形成し易いという特長を有するものの、近年の鉛フロー半田化のためにリフロー工程で300℃前後に加熱されるので熱での黄変により初期劣化したり、また近年の発光波長短波長化高出力化等の性能向上に伴い一層高輝度の白色出射光やそれに伴う高熱に耐え切れず黄変して経時劣化したりして、表面が次第にくすんでしまい、反射効率の低下を招いてしまう。その結果、初期設計照明特性が次第に変化して不十分になり、暗くなってしまうという問題がある。

LED光源の発光波長である340〜500nmの短波長域から長波長近赤外線領域等の波長の光を、十分に反射でき、発光装置のみならず太陽電池アセンブリ等の配線基板やパッケージケースに用いることができ、可撓性であって温度変化による線膨張の違いに追従でき、また湾曲に追従できて、皺やクラックを生じず、耐熱性・耐光性に優れ、長期間の使用によって反射率が低下せず、熱伝導性に優れた、汎用性の簡易な反射基材が求められている。

さらに、様々な形状の可撓性支持体上に反射層を設けた簡便な可撓性反射基材の製造方法が求められている。また、充分な反射率を示す程度の厚さの膜状、立体状又は板状に形成できる可撓性反射基材の簡便な製造方法が求められている。そして、これら可撓性反射基材及びその製造に有用で、単回の塗布で十分な反射効率を有する反射層を形成できる簡易な組成原材料組成物が求められている。

概要

可撓性であって湾曲に追従できて皺やクラックを生じず、発光波長340〜500nm程度の波長の高輝度光の反射率が高く、さらに熱伝導性に優れ、その高輝度光が照射されても経時的に黄変したり劣化したりせず、耐光性、耐熱性、耐候性難燃性に優れ、化学的に安定で、しかも繰り返し湾曲のような機械的応力にも安定で、白色のまま長期間維持できるうえ、金属や樹脂への接着性に優れ、配線基板を被覆するために簡便に形成できて、生産効率が高く、安価に製造できる汎用性の可撓性反射基材を提供する。可撓性反射基材10は、接着成分と共に三次元架橋したシリコーンゴムに、それよりも高屈折率白色無機フィラー粉末が分散されつつ含有されて形成された1〜2000μmの厚さの可撓性膜状反射層11を有している可撓性反射基材であって、反射率が波長550nmで90%以上である。

目的

本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、可撓性であって線膨張や湾曲に追従できて皺やクラックを生じず、可視領域下限近傍の波長380〜400nm程度を含む、LED光源の発光波長340〜500nm程度の短波長から近赤外線領域の長波長に至る幅広い波長での反射率が高く、さらに熱伝導性に優れ、その光が照射されても経時的に黄変したり劣化したりせず、耐光性、耐熱性、耐候性、難燃性に優れ、化学的に安定で、しかも繰り返し湾曲のような機械的応力にも安定で、白色のまま長期間、高い反射率が維持できるうえ、金属や樹脂への接着性に優れ、配線基板を被覆するために簡便に形成できて、生産効率が高く、安価に製造できる可撓性反射基材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

接着成分と共に三次元架橋したシリコーンゴムに、それよりも高屈折率白色無機フィラー粉末が分散されつつ含有されて形成された1〜2000μmの厚さの可撓性膜反射層を有している可撓性反射基材であって、前記可撓性膜状反射層に粘着剤層又は接着剤層が、設けられ、更に剥離紙で覆われており、又は前記可撓性膜状反射層が、可撓性支持体に付され、前記可撓性膜状反射層と反対面側の前記可撓性支持体に粘着剤層又は接着剤層が設けられ、更に剥離紙で覆われており、前記可撓性膜状反射層が、シリコーンゴム原材料に前記接着成分と前記白色無機フィラー粉末とが分散されつつ含有された原材料組成物硬化物であり、前記シリコーンゴムが、前記接着成分が分散されつつ含有されて架橋されており、前記白色無機フィラー粉末が、Al、Al2O3、ZnO、ZrO2、及び/又はSiO2で表面処理されて被覆されている酸化チタンを含んでおり、反射率波長550nmで90%以上であることを特徴とする可撓性反射基材。

請求項2

前記シリコーンゴム中に残留して含まれる、シロキシ基繰返単位を4〜10とする低分子量ポリシロキサンが、最大で300ppmであること特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項3

前記酸化チタンが、前記シリコーンゴム100質量部に対し30〜300質量部であることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項4

150℃で1000時間加熱前後での波長460nm〜780nmの全範囲で反射率が少なくとも85%であることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項5

前記シリコーンゴムが、非環状のジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含んでいることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項6

前記原材料組成物が、液状又はグリース状若しくは塑性であることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項7

前記原材料組成物が、加熱によって失活又は揮発する反応抑制剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項8

前記可撓性膜状反射層が、それに含有されている前記シリコーンゴムによって、シランカップリング剤を介することによって、及び/又はシリコーンゴム製接着剤を介することによって、前記可撓性支持体に接着して付されていることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項9

請求項10

前記可撓性支持体が、導電パターンを表面に付したプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項11

前記シロキシ基繰返単位を4〜10とする低分子量ポリシロキサンが、環状低分子量ポリシロキサンであることを特徴とする請求項2に記載の可撓性反射基材。

請求項12

前記シリコーンゴムが、屈折率を1.35以上、1.65未満とすることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項13

前記接着成分が、シランカップリング剤である接着性付与成分であることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項14

前記白色無機フィラー粉末が、アルミナ硫酸バリウムマグネシア、チッ化アルミニウムチッ化ホウ素チタン酸バリウムカオリンタルク炭酸カルシウム酸化亜鉛シリカマイカ粉粉末ガラス粉末ニッケル及び粉末アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の光反射剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項15

前記酸化チタンが、シランカップリング処理されて前記シリコーンゴム中に分散されたものであることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項16

前記白色無機フィラー粉末が、前記酸化チタンからなることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項17

前記白色無機フィラー粉末が、平均粒径0.05〜50μmであって、前記シリコーンゴム中に、2〜80質量%含有されていることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項18

前記可撓性膜状反射層に、前記白色無機フィラー粉末と蛍光体とが分散されつつ含有されていることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項19

前記可撓性膜状反射層の反射面にシリコーンハードコート層コーティングされていることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項20

前記可撓性膜状反射層の上に剥離シートが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項21

発光装置に装着するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項22

照明装置配線基板貼付するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項23

前記可撓性膜状反射層が、発光素子、発光装置及び光電変換素子の何れかの背面、外周及び/又は導光材反射面に、配置するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の可撓性反射基材。

請求項24

接着成分と共に三次元架橋したシリコーンゴムに、それよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末が分散されつつ含有されて形成された可撓性膜状反射層を有している請求項1〜23の何れかに記載の可撓性反射基材を製造する方法であって、三次元架橋したシリコーンゴムへと架橋させるシリコーンゴム原材料に、Al、Al2O3、ZnO、ZrO2、及び/又はSiO2で表面処理されて被覆されている酸化チタンを含む、前記シリコーンゴムよりも高屈折率の前記白色無機フィラー粉末と、前記シリコーンゴムと架橋する接着成分とを分散させて含有させた原材料組成物とした後、剥離シートに前記原材料組成物を膜状に付し、硬化して、可撓性膜状反射層を形成し、その上に粘着剤又は接着剤を塗工して粘着剤層又は接着剤層を形成し、更にその上を剥離紙で覆う工程と、可撓性支持体の表面側に前記原材料組成物を膜状に付し、硬化して、可撓性膜状反射層を形成する過程と、前記可撓性支持体の裏面側に粘着剤又は接着剤を塗工して粘着剤層又は接着剤層を形成し、更にその上を剥離紙で覆う過程とを有する工程、との何れかの工程を施し、1〜2000μmの厚さの前記可撓性膜状反射層とする、反射率が波長550nmで90%以上である可撓性反射基材を製造する方法。

請求項25

接着成分と共に三次元架橋したシリコーンゴムに、それよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末が分散されつつ含有されて形成された可撓性膜状反射層を有している請求項1〜23の何れかに記載の可撓性反射基材に用いる原材料組成物であって、重合性シリコーンゴムの原材料と、前記シリコーンゴムの原材料を三次元架橋させる架橋剤と、Al、Al2O3、ZnO、ZrO2、及び/又はSiO2で表面処理されて被覆されている酸化チタンを含む、前記シリコーンゴムよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末と、前記シリコーンゴムと架橋する接着成分とが含まれた液状又はグリース状若しくは塑性の原材料組成物であり、前記可撓性膜状反射層が、その反射率を波長550nmで90%以上とする、前記可撓性反射基材を形成するために用いられる原材料組成物。

請求項26

加熱によって失活又は揮発する反応抑制剤が含まれていることを特徴とする請求項25に記載の原材料組成物。

請求項27

粘度調整のための有機溶剤及び/又は反応性希釈剤が含まれていることを特徴とする請求項25に記載の原材料組成物。

技術分野

0001

本発明は、照明器具等の発光装置に組み込まれそれらの光源からの光を照射すべき側へ反射させたり、太陽電池アセンブリに組み込まれそれへ入射した光を反射して光電変換素子集光させたり、光源から導光板に入射した光を効率良く広範囲の所望の方向へ出射させたりする可撓性反射基材、それの製造方法、及びその反射基材の形成に用いる原材料組成物に関するものである。

背景技術

0002

照明器具、信号機液晶ディスプレイバックライトなど様々な発光装置の光源として、発光ダイオードLED)のように所望の波長光を出射する発光素子が用いられている。このような発光ダイオード、特に高輝度発光ダイオードは、白熱電球ハロゲンランプ水銀灯蛍光灯などの白色系照明装置よりも、明るくて消費電力が少なく、しかも寿命が長いため、屋内外の発光装置に、組み込まれている。また、太陽光を入射して光電変換するP型シリコンN型シリコンとからなるような光電変換素子が、太陽電池アセンブリに、組み込まれている。

0003

このような発光素子や光電変換素子のように光が入出射する素子実装する配線基板や、これら素子を取り巻いて収容するパッケージケースは、発光素子からの光を照射すべき側へ反射させたり、太陽電池アセンブリへ入射した光を光電変換素子へ反射させて効率よく集光させてエネルギー変換させたりするために、これらの光を反射可能なセラミック製や樹脂製の反射基材で形成されている。配線基板やパッケージケースの反射基材がセラミックス製であると、出射光漏洩することにより、十分な反射効率が得られない。

0004

一方、樹脂製乃至セラミックス製のパッケージケース等に、エポキシ樹脂液晶ポリマーポリアミドビスマレイミドトリアジンBT)樹脂等のような硬化性樹脂白色フィラーとを含有する白色塗料を塗布したり、セラミックスコートしたりした反射層を形成した反射基材は、熱による線膨張の違いに追従できないためコート面クラックが生じてしまう。また、可撓性が小さいうえ、無理やり湾曲させるとクラックを生じてしまう。

0005

最近では、発光ダイオード(LED)をフレキシブル基板に直接マウントするなど多様化した各種照明器具や太陽電池の形状に対応できることが、要求されている。そこで、フレキシブル基板自体が反射機能を有するように、エポキシ樹脂のような硬化性樹脂と白色フィラーとを含有する白色フィルムフレキシブルな配線基板に貼り合わされた反射基材が、用いられるようになっている。また、樹脂製の反射基材として、例えば、特許文献1に開示されているように、脂環式エポキシ樹脂を含むエポキシ系ポリマーグリシジルメタアクリレート系ポリマーのような樹脂、白色顔料、及び硬化剤を必須成分とする樹脂組成物を、シート状ガラス繊維のような基板含浸、乾燥させた白色プリプレグも、用いられるようになっている。

0006

また、従来から用いられているこれらエポキシ樹脂等の反射基材は、一般的に黄変等の耐熱性耐光性欠けるうえ、波長400nm以下の波長域の光を吸収するため反射し難い。しかも、これらエポキシ樹脂等の樹脂製の反射基材は、安価で形成し易いという特長を有するものの、近年の鉛フロー半田化のためにリフロー工程で300℃前後に加熱されるので熱での黄変により初期劣化したり、また近年の発光波長短波長化高出力化等の性能向上に伴い一層高輝度の白色出射光やそれに伴う高熱に耐え切れず黄変して経時劣化したりして、表面が次第にくすんでしまい、反射効率の低下を招いてしまう。その結果、初期設計照明特性が次第に変化して不十分になり、暗くなってしまうという問題がある。

0007

LED光源の発光波長である340〜500nmの短波長域から長波長近赤外線領域等の波長の光を、十分に反射でき、発光装置のみならず太陽電池アセンブリ等の配線基板やパッケージケースに用いることができ、可撓性であって温度変化による線膨張の違いに追従でき、また湾曲に追従できて、皺やクラックを生じず、耐熱性・耐光性に優れ、長期間の使用によって反射率が低下せず、熱伝導性に優れた、汎用性の簡易な反射基材が求められている。

0008

さらに、様々な形状の可撓性支持体上に反射層を設けた簡便な可撓性反射基材の製造方法が求められている。また、充分な反射率を示す程度の厚さの膜状、立体状又は板状に形成できる可撓性反射基材の簡便な製造方法が求められている。そして、これら可撓性反射基材及びその製造に有用で、単回の塗布で十分な反射効率を有する反射層を形成できる簡易な組成の原材料組成物が求められている。

先行技術

0009

特開2006−316173号公報

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、可撓性であって線膨張や湾曲に追従できて皺やクラックを生じず、可視領域下限近傍の波長380〜400nm程度を含む、LED光源の発光波長340〜500nm程度の短波長から近赤外線領域の長波長に至る幅広い波長での反射率が高く、さらに熱伝導性に優れ、その光が照射されても経時的に黄変したり劣化したりせず、耐光性、耐熱性、耐候性難燃性に優れ、化学的に安定で、しかも繰り返し湾曲のような機械的応力にも安定で、白色のまま長期間、高い反射率が維持できるうえ、金属や樹脂への接着性に優れ、配線基板を被覆するために簡便に形成できて、生産効率が高く、安価に製造できる可撓性反射基材を提供することを目的とする。

0011

また、本発明は、様々な形状の可撓性を有する基板上に反射層を形成できる原材料組成物、及びその原材料組成物を用いて、充分な反射率となる厚さの膜状、立体状又は板状に反射層を形成できる簡便な可撓性反射基材の製造方法を提供することを別の目的とする。

課題を解決するための手段

0012

前記の目的を達成するためになされた可撓性反射基材は、例えば、
可撓性支持体上で接着成分と共に三次元架橋したシリコーンゴムに、それよりも高屈折率白色無機フィラー粉末が分散されつつ含有されて形成された1〜2000μmの厚さの可撓性膜状反射層と、前記可撓性支持体とを有している可撓性反射基材であって、
前記可撓性膜状反射層が、前記可撓性支持体に付されたカバーコート、又は前記可撓性支持体に貼付されたカバーレイフィルムであって、シリコーンゴム原材料に前記接着成分と前記白色無機フィラー粉末とが分散されつつ含有された原材料組成物の硬化物であり、
前記シリコーンゴムが、前記接着成分が分散されつつ含有されて架橋されており、
前記可撓性膜状反射層が、ゴム硬度ショアA硬度で10以上、かつ、ショアD硬度で50以下としており、
前記可撓性支持体が、ポリエチレンテレフタレート樹脂ポリブチレンテレフタレート樹脂ポリアクリロニトリル樹脂フッ素樹脂ポリイミド樹脂ポリフェニレンサルファイド樹脂アラミド樹脂ポリエーテルエーテル樹脂ポリエーテルイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォン樹脂、エポキシ樹脂、及びシクロオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも何れかのプラスチックで形成されているプラスチックフィルム;又は金属薄膜であり、
前記白色無機フィラー粉末が、Al、Al2O3、ZnO、ZrO2、及び/又はSiO2で表面処理されて被覆されている酸化チタンを含んでおり、
反射率が波長550nmで90%以上であることを特徴とする。

0013

前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1に記載の可撓性反射基材は、
接着成分と共に三次元架橋したシリコーンゴムに、それよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末が分散されつつ含有されて形成された1〜2000μmの厚さの可撓性膜状反射層を有している可撓性反射基材であって、
前記可撓性膜状反射層に粘着剤層又は接着剤層が、設けられ、更に剥離紙で覆われており、又は前記可撓性膜状反射層が、可撓性支持体に付され、前記可撓性膜状反射層と反対面側の前記可撓性支持体に粘着剤層又は接着剤層が設けられ、更に剥離紙で覆われており、
前記可撓性膜状反射層が、シリコーンゴム原材料に前記接着成分と前記白色無機フィラー粉末とが分散されつつ含有された原材料組成物の硬化物であり、
前記シリコーンゴムが、前記接着成分が分散されつつ含有されて架橋されており、
前記白色無機フィラー粉末が、Al、Al2O3、ZnO、ZrO2、及び/又はSiO2で表面処理されて被覆されている酸化チタンを含んでおり、
反射率が波長550nmで90%以上であることを特徴とする。

0014

請求項2に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記シリコーンゴム中に残留して含まれる、シロキシ基繰返単位を4〜10とする低分子量ポリシロキサンが、最大で300ppmであること特徴とする。

0015

請求項3に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記酸化チタンが、前記シリコーンゴム100質量部に対し30〜300質量部であることを特徴とする。

0016

請求項4に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、150℃で1000時間加熱前後での波長460nm〜780nmの全範囲で反射率が少なくとも85%であることを特徴とする。

0017

この可撓性反射基材は、例えば前記白色無機フィラー粉末が、前記Al、Al2O3、ZnO、ZrO2、及び/又はSiO2で表面処理されて被覆され、シランカップリング処理されている酸化チタンであることを特徴とする。

0018

請求項5に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記シリコーンゴムが、非環状のジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含んでいることを特徴とする。

0019

請求項6に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記原材料組成物が、液状又はグリース状若しくは塑性であることを特徴とする。

0020

請求項7に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記原材料組成物が、加熱によって失活又は揮発する反応抑制剤を含むことを特徴とする。

0021

請求項8に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記可撓性膜状反射層が、それに含有されている前記シリコーンゴムによって、シランカップリング剤を介することによって、及び/又はシリコーンゴム製接着剤を介することによって、前記可撓性支持体に接着して付されていることを特徴とする。

0022

請求項9に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記可撓性支持体が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォン樹脂、エポキシ樹脂、及びシクロオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも何れかのプラスチックで形成されているプラスチックフィルム;又は金属薄膜であることを特徴とする。

0023

請求項10に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記可撓性支持体が、導電パターンを表面に付したプラスチックフィルムであることを特徴とする。

0024

請求項11に記載の可撓性反射基材は、請求項2に記載されたもので、前記シロキシ基繰返単位を4〜10とする低分子量ポリシロキサンが、環状低分子量ポリシロキサンであることを特徴とする請求項2に記載の可撓性反射基材。

0025

請求項12に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記シリコーンゴムが、屈折率を1.35以上、1.65未満とすることを特徴とする。

0026

請求項13に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記接着成分が、シランカップリング剤である接着性付与成分であることを特徴とする。

0027

請求項14に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記白色無機フィラー粉末が、アルミナ硫酸バリウムマグネシア、チッ化アルミニウムチッ化ホウ素チタン酸バリウムカオリンタルク炭酸カルシウム酸化亜鉛シリカマイカ粉粉末ガラス粉末ニッケル及び粉末アルミニウムから選ばれる少なくとも1種の光反射剤を含むことを特徴とする。

0028

請求項15に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記酸化チタンが、シランカップリング処理されて前記シリコーンゴム中に分散されたものであることを特徴とする。

0029

この可撓性反射基材は、例えば前記白色無機フィラー粉末中、前記酸化チタンが、アナターゼ型若しくはルチル型の前記酸化チタンであり、アルミナ、又は硫酸バリウムを含むことを特徴とする。

0030

請求項16に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記白色無機フィラー粉末が、前記酸化チタンからなることを特徴とする。

0031

請求項17に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記白色無機フィラー粉末が、平均粒径0.05〜50μmであって、前記シリコーンゴム中に、2〜80質量%含有されていることを特徴とする。

0032

請求項18に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記可撓性膜状反射層に、前記白色無機フィラー粉末と蛍光体とが分散されつつ含有されていることを特徴とする。

0033

この可撓性反射基材は、例えば前記可撓性膜状反射層の表面に、前記白色無機フィラー粉末と前記蛍光体との少なくとも何れかが露出していることを特徴とする。

0034

この可撓性反射基材は、例えば前記可撓性膜状反射層の表面が連続して、ナノメートル乃至マイクロメートルオーダー凹凸形状、プリズム形状、及び/又は梨地面形状の何れかの非鏡面となっていることを特徴とする。

0035

請求項19に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記可撓性膜状反射層の反射面にシリコーンハードコート層コーティングされていることを特徴とする。

0036

請求項20に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記可撓性膜状反射層の上に剥離シートが設けられていることを特徴とする。

0037

請求項21に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、発光装置に装着するためのものであることを特徴とする。

0038

請求項22に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、照明装置の配線基板に貼付するためのものであることを特徴とする。

0039

請求項23に記載の可撓性反射基材は、請求項1に記載されたもので、前記可撓性膜状反射層が、発光素子、発光装置及び光電変換素子の何れかの背面、外周及び/又は導光材反射面に、配置するためのものであることを特徴とする。

0040

可撓性反射基材は、例えば、金属層と、前記可撓性支持体との間に、前記可撓性膜状反射層を有することを特徴とする。

0041

可撓性反射基材は、例えば、前記可撓性膜状反射層と対向する側の前記可撓性支持体に金属層を有することを特徴とする。

0042

可撓性反射基材は、例えば、前記可撓性膜状反射層と前記金属層の間にガスバリア層を有することを特徴とする。

0043

この可撓性反射基材は、例えば前記ガスバリア層が、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリパラキシリレンウレタン樹脂アクリル樹脂、及び/又はポリアミドで形成されていることを特徴とする。

0044

前記の目的を達成するためになされた可撓性反射基材を製造する方法は、例えば、
可撓性支持体上で接着成分と共に三次元架橋したシリコーンゴムに、それよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末が分散されつつ含有されて形成された可撓性膜状反射層と、前記可撓性支持体とを有している前記の可撓性反射基材を製造する方法であって、
三次元架橋したシリコーンゴムへと架橋させるシリコーンゴム原材料に、Al、Al2O3、ZnO、ZrO2、及び/又はSiO2で表面処理されて被覆されている酸化チタンを含む、前記シリコーンゴムよりも高屈折率の前記白色無機フィラー粉末と、前記シリコーンゴムと架橋する接着成分とを分散させて含有させた原材料組成物とした後、
ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォン樹脂、エポキシ樹脂、及びシクロオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも何れかのプラスチックで形成されているプラスチックフィルム;又は金属薄膜である可撓性支持体を用い、
前記原材料組成物を膜状に付して三次元架橋させることにより、前記可撓性支持体に付したカバーコート、又は前記原材料組成物を三次元架橋させて膜状にしたものを前記可撓性支持体に貼付してカバーレイフィルムとなし、
ゴム硬度をショアA硬度で10以上、かつ、ショアD硬度で50以下としており、1〜2000μmの厚さの可撓性膜状反射層とする、反射率が波長550nmで90%以上である可撓性反射基材を製造するというものである。

0045

前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項24に記載の可撓性反射基材を製造する方法は、
接着成分と共に三次元架橋したシリコーンゴムに、それよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末が分散されつつ含有されて形成された可撓性膜状反射層を有している請求項1〜23の何れかに記載の可撓性反射基材を製造する方法であって、
三次元架橋したシリコーンゴムへと架橋させるシリコーンゴム原材料に、Al、Al2O3、ZnO、ZrO2、及び/又はSiO2で表面処理されて被覆されている酸化チタンを含む、前記シリコーンゴムよりも高屈折率の前記白色無機フィラー粉末と、前記シリコーンゴムと架橋する接着成分とを分散させて含有させた原材料組成物とした後、
剥離シートに前記原材料組成物を膜状に付し、硬化して、可撓性膜状反射層を形成し、その上に粘着剤又は接着剤を塗工して粘着剤層又は接着剤層を形成し、更にその上を剥離紙で覆う工程と、
可撓性支持体の表面側に前記原材料組成物を膜状に付し、硬化して、可撓性膜状反射層を形成する過程と、前記可撓性支持体の裏面側に粘着剤又は接着剤を塗工して粘着剤層又は接着剤層を形成し、更にその上を剥離紙で覆う過程とを有する工程、
との何れかの工程を施し、
1〜2000μmの厚さの前記可撓性膜状反射層とする、反射率が波長550nmで90%以上である可撓性反射基材を製造するというものである。

0046

この可撓性反射基材を製造する方法は、例えば前記シリコーンゴム中に残留して含まれる、シロキシ基繰返単位を4〜10とする低分子量ポリシロキサンを最大で300ppmとすることを特徴とする。

0047

この可撓性反射基材を製造する方法は、例えば前記酸化チタンを前記シリコーンゴム100質量部に対し30〜300質量部となして前記原材料組成物に含ませることを特徴とする。

0048

この可撓性反射基材を製造する方法は、例えば50℃で1000時間加熱前後での波長460nm〜780nmの全範囲で反射率が少なくとも90%であることを特徴とする。

0049

この可撓性反射基材を製造する方法は、例えば前記架橋が、加熱、加湿加圧及び紫外線照射の少なくとも何れかにより、なされることを特徴とする。

0050

この可撓性反射基材を製造する方法は、例えば前記シリコーンゴム原材料に、前記シリコーンゴムへの三次元架橋の架橋剤と、加熱によって失活又は揮発する反応抑制剤とが、分散して含有されており、前記シリコーンゴムよりも高屈折率の前記白色無機フィラー粉末を分散させて、前記原材料組成物となした後、前記原材料組成物を膜状に形成し、加熱によって前記架橋がなされることを特徴とする。

0051

前記の目的を達成するためになされた原材料組成物は、
可撓性支持体上で接着成分と共に三次元架橋したシリコーンゴムに、それよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末が分散されつつ含有されて形成された可撓性膜状反射層と、前記可撓性支持体とを有している可撓性反射基材に用いる原材料組成物であって、
重合性シリコーンゴムの原材料と、前記シリコーンゴムの原材料を三次元架橋させる架橋剤と、Al、Al2O3、ZnO、ZrO2、及び/又はSiO2で表面処理されて被覆されている酸化チタンを含む、前記シリコーンゴムよりも高屈折率の前記白色無機フィラー粉末と、前記シリコーンゴムと架橋する接着成分とが含まれた液状又はグリース状若しくは塑性の原材料組成物であり、
前記可撓性膜状反射層が、ゴム硬度をショアA硬度で10以上、かつ、ショアD硬度で50以下としており、前記可撓性支持体が、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォン樹脂、エポキシ樹脂、及びシクロオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも何れかのプラスチックで形成されているプラスチックフィルム;又は金属薄膜であり、前記可撓性膜状反射層が1〜2000μmの厚さで前記可撓性支持体に付されたカバーコート、又は前記可撓性支持体に貼付されたカバーレイフィルムであり、反射率が波長550nmで90%以上である、可撓性反射基材を形成するために用いられるものである。

0052

前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項25に記載の原材料組成物は、
接着成分と共に三次元架橋したシリコーンゴムに、それよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末が分散されつつ含有されて形成された可撓性膜状反射層を有している請求項1〜23の何れかに記載の可撓性反射基材に用いる原材料組成物であって、
重合性シリコーンゴムの原材料と、前記シリコーンゴムの原材料を三次元架橋させる架橋剤と、Al、Al2O3、ZnO、ZrO2、及び/又はSiO2で表面処理されて被覆されている酸化チタンを含む、前記シリコーンゴムよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末と、前記シリコーンゴムと架橋する接着成分とが含まれた液状又はグリース状若しくは塑性の原材料組成物であり、
前記可撓性膜状反射層が、その反射率を波長550nmで90%以上とする、前記可撓性反射基材を形成するために用いられるものである。

0053

この原材料組成物は、例えば前記酸化チタンを前記シリコーンゴム100質量部に対し30〜300質量部とすることを特徴とする。

0054

この原材料組成物は、例えば前記シリコーンゴム中に残留して含まれる、シロキシ基繰返単位を4〜10とする低分子量ポリシロキサンが、最大で300ppmとすることを特徴とする。

0055

請求項26に記載の原材料組成物は、請求項25に記載されたもので、加熱によって失活又は揮発する反応抑制剤が含まれていることを特徴とする。

0056

請求項27に記載の原材料組成物は、請求項25に記載されたもので、粘度調整のための有機溶剤及び/又は反応性希釈剤が含まれていることを特徴とする。

0057

この原材料組成物は、例えば前記シリコーンゴムの原材料が、非環状のジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含んでいることを特徴とする。

発明の効果

0058

本発明の可撓性反射基材は、可撓性支持体にシリコーンゴム組成物製の可撓性反射層を、カバーコートとして付し、又はカバーレイフィルムとして粘着又は接着等により貼付して用いられるので、柔軟で優れた可撓性を示し、線膨張や湾曲に追従でき、皺やクラックが生じず、30万回以上、繰り返し湾曲させても剥離も劣化も起こさない。

0059

可撓性反射基材は、シリコーンゴムよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末が分散されつつ含有されているので、LED光源の発光波長340〜500nm程度から、近赤外線領域、例えば1000nmの長波長までの光の反射効率が高く、しかも熱伝導性に優れ放熱し易いものである。特に従来反射し難かった青色光近紫外線のような短波長領域でも反射効率が高い。また、この可撓性反射基材は、隠蔽性に優れ、光漏れを引き起こさない。

0060

この可撓性反射基材中の可撓性膜状反射層は、光や熱による分解や変質を引き起こし難い安定な三次元架橋シリコーンゴムで形成され、好ましくは、非環状のジメチルシロキシ繰返単位を主鎖中に主成分として含むシリコーンゴムで形成されている。そのため、熱や光で黄変し易いエポキシ樹脂などよりも遥かに、光や熱に安定で、反射効率のみならず経時的な耐光性とりわけ対紫外線耐光性又は対高輝度光耐光性や、耐熱性や、耐候性のような耐久性、さらに難燃性、加工性に優れ、長期間に亘って黄変を引き起こさず、劣化し難いものである。この可撓性反射基材は、長期間経過しても、反射層が白色のままであるので、高反射性が維持できる。

0061

この可撓性反射基材は、熱や光に安定なシリコーンゴムに起因して、白色無機フィラー粉末、特に分解触媒活性が極めて高い酸化チタンを含有していてさえ、高輝度発光ダイオードや直射日光高温に長期間曝されても、黄変も劣化もしない。

0062

この可撓性反射基材は、可撓性膜状反射層に白色無機フィラー粉末や蛍光体が分散され表面からそれらの粒子が露出していると、反射率が向上するので、発光装置に実装したときの照射効率を向上させることができる。

0063

特にフッ素変性シリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴムなどの屈折率が比較的小さいシリコーンゴム原材料を用いると、白色無機フィラー粉末や蛍光体の表面に接する低屈折率のシリコーンゴム原材料との間の屈折率の差が大きくなり、反射が効率よく行われ、露出された白色無機フィラー粉末や蛍光体の表面からより効率的に光が反射、発光されるので望ましい。

0064

この可撓性反射基材の可撓性膜状反射層の表面が、鏡面となって反射するものであってもよいが、100nm〜10μm程度のナノメートル乃至マイクロメートルオーダーの凹凸形状、プリズム形状、サンドブラスト処理などによる梨地面形状となって非鏡面であると、拡散し易くなって拡散反射率が向上し、光の反射ムラを低減することができる。

0065

また、この可撓性反射基材は、シリコーンゴムが酸素原子及び/又は架橋性官能基を介して三次元架橋しているのでそのシリコーンゴムを有する反射層が可撓性支持体上で膜状、立体状又は板状に形成できる。また、白色無機フィラー粉末及びシリコーンゴム原材料を含む液状又はグリース状若しくは塑性の原材料組成物は2000μmもの厚さに塗工した後に、三次元架橋させて硬化させ、反射層を形成することができる。そのため、可撓性反射基材は、反射層を光学素子用で可撓性の配線基板やパッケージケース、その他照明器具部材太陽光発電用光反射部材等の電気部材に応じて自在な形状にすることが可能であるので、汎用性が高い。また、原材料組成物は、パッケージケースなどの部品を可撓性支持体に接着する接着剤を兼ねた反射材を形成するのにも用いることができる。

0066

シリコーンゴム中のSi原子の1〜4個の三次元架橋した各モル数量、酸素原子を介したエーテル結合や架橋性官能基を介した縮合型又は付加型結合のような結合様式を適宜調整することにより、架橋性シリコーンゴム原材料組成物を高粘度にして厚塗り可能に、形成される。また、シリコーンゴム中に、表面張力が低くて溶融金属などをはじき易い揮発性の残留低分子シロキサン含有量が少ないと導電パターンのような金属めっきや、発光ダイオードのような素子の導線との半田付けなどの配線加工を施し易い。

0067

主鎖中に非環状のジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含みつつ三次元架橋したシリコーンゴム、とりわけジメチルシリコーンゴムは、粘度の温度依存性が少ない。そのためこれを含有するシリコーンゴム原材料組成物は、狭ピッチパターンで塗工することができる。スクリーン印刷などの印刷手法を用いて狭ピッチのパターンを形成する際、エポキシ樹脂含有組成物などでは加熱硬化時に粘度が急速に低下しダレが発生するため狭ピッチパターンを形成することが困難であるのに対し、シリコーンゴム原材料組成物、とりわけジメチルシリコーンゴム原材料組成物は、温度による粘度変化が小さいため、スクリーン印刷のようなピッチの細かいパターンを形成することができる。しかも、厚塗りを行った場合も、同様にダレが防止できるので、可撓性膜状反射層に充分な厚みを確保することができる。

0068

しかもこの可撓性反射基材は、物理的な粗面化やざらついた金型による金型成形や化学的なケミカルエッチングのような表面処理によって、その表面自体がナノメートル乃至マイクロメートルオーダーで粗面化又は凹凸化することによって乱反射し易くなると共に、反射性の白色無機フィラー粉末が露出して反射効率が90%程度から97〜98%程度にまで約数%も一層向上したものとなる。またこのような表面処理された可撓性反射基材は、露出した白色無機フィラー粉末の表面がシランカップリング処理されていると金属との接着が容易になり、表面粗さによるアンカー効果シランカップリングによる化学的結合の向上により難接着性のシリコーンゴムの表面においても、金属めっき等の金属膜が施され易くなっている。また、可撓性反射層自体の強度も向上する。さらに粗面化することにより、ゴミ異物付着防止又はゴミ、異物の除去が一層容易になる。

0069

この可撓性反射基材は、簡便な工程で簡易に、均質で高品質のものを精密に、確実かつ大量に、安価で製造できるものであるため、生産性が高いものである。

0070

また、この可撓性反射基材は、発光ダイオードのような発光素子のみならず太陽電池素子のような光電変換素子等の各種光学素子のための可撓性の配線基板やパッケージケース、バックシート、その他照明器具部材等の電気部材など様々な分野の機器の反射基材として、汎用的に用いることができる。

0071

また、本発明の可撓性反射基材の製造方法によれば、可撓性支持体の材質・形状・表面の凹凸性や平滑性の大小又は広狭硬軟・厚さに関わらず、高粘度の架橋性シリコーンゴム原材料組成物を用いて、液垂れすることなく、2000μmもの厚塗りができる。そのため、架橋性シリコーンゴム原材料組成物の噴霧や塗布後の硬化による層形成や、射出成形(LIMS)や、押圧用金型・ローラーなどを用いたスタンプ成形によって、三次元架橋したシリコーンゴムとして、1〜10μmの薄膜から2000μmの厚膜乃至板、又は立体形状に、反射層を形成することができる。この厚塗りは、一度でも所期の形状を形成できるため、塗工・乾燥を繰り返す必要がない。

0072

しかも架橋性シリコーンゴム原材料組成物は、適宜有機溶媒や反応性希釈剤で希釈して用いても、エポキシ樹脂等の原材料組成物のような加熱による硬化時の粘度低下を惹き起さないので、加熱時に変形を起こさずにそのまま硬化し所望の形状・厚さの反射層を形成することができる。

0073

このような架橋反応は、加熱、湿度、紫外線照射や必要により加圧下で簡便に完了し、可撓性支持体への接着性に優れた反射層を形成する。そのためこの製造方法は、加工特性に優れ、生産効率が高く、如何なる形状の反射基材でも製造できるので、汎用性に優れ、大量の工業生産に適している。

0074

この可撓性反射基材の製造方法は、シリコーンゴム原材料である重合したポリマー即ち生ゴムに、接着成分として接着性付与成分、三次元架橋の架橋剤(硬化剤)、及び白色無機フィラー粉末が含有されているシリコーンゴム原材料組成物を用いるというものであり、用途に応じ白金族金属系触媒や、加熱によって失活又は揮発する反応抑制剤を用いると、長期間、室温下で安定に保管でき加熱開始までは架橋されないが、加熱によって確実に架橋が開始し短時間で架橋が完了して可撓性膜状反射層を形成するので、生産効率の向上に資する。

図面の簡単な説明

0075

本発明を適用する可撓性反射基材10を示す模式断面図である。
本発明を適用する可撓性反射基材10を用いた発光装置を示す部分斜視図である。
本発明を適用する可撓性反射基材10の製造過程を示す模式図である。
本発明を適用する別な可撓性反射基材30を示す模式断面図である。
本発明を適用する別な可撓性反射基材を用いた発光装置40を示す部分斜視図である。
本発明を適用する別な可撓性反射基材30の製造過程を示す模式図である。
本発明を適用する可撓性反射基材30における照射波長と反射率との相関関係を示す図である。
本発明を適用する、シリコーンゴムの種類を変えた、可撓性反射基材30の加熱の有無における照射波長と反射率との相関関係を示す図である。
本発明を適用する可撓性反射基材30の研磨前後における照射波長と反射率との相関関係を示す図である。
本発明を適用する可撓性反射基材30と本発明を適用外のエポキシ樹脂製可撓性反射基材との照射波長と反射率との相関関係を示す図である。

0076

以下、本発明を実施するための形態について、図1〜6を参照しながら詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。

0077

先ず、本発明の可撓性反射基材の好ましい一形態について、図1を参照しながら、詳細に説明する。

0078

本発明の可撓性反射基材10の一態様は、図1の通り、化学的に安定で変色し難いポリジメチルシロキサンのような主鎖中に非環状のジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含みつつ三次元架橋したシリコーンゴムに、それよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末15、例えばアナターゼ型酸化チタン粒子が分散されつつ含有された可撓性膜状反射層11からなるカバーコートを有する。このようなカバーコートは、絶縁塗料層であって、回路導体絶縁外部環境による傷や錆の発生からの保護、耐屈曲性向上などのために、熱硬化性インキ紫外線硬化性インキである原材料組成物を可撓性支持体に塗布して付して形成される絶縁材料である。

0079

なお、カバーコートに代えて、はんだ耐熱性・高接着性を有し、フレキシブルプリント配線板FPC)用の表面保護フィルムであるカバーレイフィルムとして用いてもよい。カバーレイフィルムは、単独でも可撓性反射基材として用いられるが、好ましくは可撓性支持体に貼付されて可撓性反射基材として用いられる。カバーレイフィルムは、例えばポリイミドフィルムのような可撓性支持体の片面に塗布した接着剤を介して、可撓性支持体に粘着又は接着されて貼付されるもので、ハロゲンフリー対応のフィルム超薄膜のフィルムであってもよい。

0080

可撓性膜状反射層11は、シリコーンゴムがむき出しになっており、そこで白色無機フィラー粉末15であるアナターゼ型酸化チタン粒子の一部が露出している。可撓性膜状反射層11は、白色を呈し、しかも優れた隠蔽性を有するから光を漏洩しないようになっている。さらにその部位で、波長380〜420nmの短波長域から長波長の近赤外線までに渡る光の反射率が、極めて高くなっている。このように可撓性膜状反射層11は、高反射率であり、高輝度光に長期間曝されても黄変せず白色を維持でき、しかも高い機械的強度を有し、優れた耐光性、耐熱性、耐候性を示すので、耐久性に優れている。可撓性膜状反射層11の裏面側には、粘着剤層13乃至接着剤層が設けられ、剥離紙14で覆われている。可撓性膜状反射層11は、粘着剤層13を介して、可撓性支持体12へ密着して付され、可撓性反射基材10となる。

0081

この可撓性反射基材は、可撓性膜状反射層がシリコーンゴムを用いていることから、非接着性を有している。そのためそこへ、埃や塵のようなゴミ・異物が付着した場合は、粘着ローラーを用いて、なぞれば、可撓性反射基材に粘着することなくゴミ、異物が容易に粘着ロールへ粘着され除去される。またこの可撓性反射基材は、非接着性であるが、ゴム特有タック性ベタツキ感)を有し、絶縁性も高いため静電気により、埃や塵のようなゴミ・異物が吸着して付着し易い。そこで可撓性反射基材の反射面にシリコーンハードコート層をコーティングすることにより可撓性を有しながら表面のタック性を低減でき、これらゴミ・異物の付着を防止することができる。また、ゴミ・異物が付着したとしてもエアーを吹き付けることにより容易に除去することができる。この可撓性反射基材に追従することができるシリコーンハードコート剤としては、シリカやフッ素パウダーが分散されたシリコーンハード剤や、エアーバックの表面処理に使用されるシリコーンコーティング剤が使用できる。

0082

この可撓性反射基材10は、例えば、図2に示すように、配線基板20に被せて照明装置とするのに用いられる。配線基板20は、可撓性の絶縁板21上に銅膜のような正負の導電パターン22a・22bの対が何列も付されており、その導電パターン22a・22bに、発光素子23である複数の発光ダイオードから延びた正負のリード線が、接続されている。導電パターン22a・22bは、電源(不図示)に接続される。可撓性膜状反射層11には、複数の発光素子23の対応位置に、穴16が開けられている。剥離紙14(図1参照)が剥がされた可撓性膜状反射層11は、その粘着剤層13又は接着剤層を介して、配線基板20に、貼り付けられる。複数の発光素子23の先端が、可撓性膜状反射層11の穴16から、飛び出す構成となっている。

0083

発光素子23である発光ダイオードが、整然と四方八方に並べられて照明器具となっていてもよい。発光素子23の出射方向側で可撓性膜状反射層11が、ガラス製や樹脂製の透明板や透明フィルム凸レンズ凹レンズフレネルレンズのようなレンズにより発光素子23を覆うように、光路上に被されていてもよい(不図示)。その透明板や透明フィルムやレンズが、それの透過光の波長を所期の波長へ変換する顔料色素蛍光剤りん光剤を含有していてもよい。

0084

図2に示すような配線基板20に貼付された可撓性反射基材10を有する照明装置は、以下のようにして使用される。この発光素子23へ、陰極側銅膜と陽極側銅膜とである配線パターン22a・22bに印加すると、発光素子23は、発光する。発光した光の一部は、可撓性反射基材10に開口した穴16から、直接、外界へ照射される。可撓性反射基材10表面側に向かって発光した光は、可撓性反射基材10の表面上で反射して、外界へ照射される。

0085

このシリコーンゴム製反射基材10は、図3(a)のようにして製造される。主鎖中に非環状のジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含みつつ三次元架橋したシリコーンゴムへと架橋させるシリコーンゴム原材料に、前記シリコーンゴムよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末を分散させつつ含有させたシリコーンゴム原材料組成物を、塗工ノズル25から、剥離シート17へ塗工し膜状とし、ヒーター26で加熱することにより三次元架橋させて、反射層膜11aとし、粘着剤を噴霧ノズル28から反射層膜11aの上面側へ噴霧し膜状粘着剤層13aを形成し、それを剥離紙シート14aで覆って両面が剥離シート17と剥離紙シート14aとで覆われた白色可撓性膜状反射層を形成する。次に、剥離シート17を剥がし、所望の大きさにカッター29で裁断するとシリコーンゴム製反射基材10が得られる。

0086

尚、図2におけるLED発光装置適応する場合は、図3(b)に示すように、このシリコーンゴム製反射膜層11a及び剥離シート17に、穴開けパンチ27で、等間隔に穴16(図2参照)を開けた後、剥離紙シート17を剥がし、粘着剤層13a側を剥離紙シート14aで覆ってから、所望の大きさにカッター29で裁断するとシリコーンゴム製反射基材10が得られる。その後、剥離紙14を分離すると、可撓性膜状反射層11に粘着剤層13が付されたシリコーンゴム製反射基材10が得られ、粘着剤層側を配線基板20に接着することによりLED発光装置を得ることができる。尚、図2における複数の発光ダイオードを配列したLED発光装置は、単一の発光ダイオード毎にダイシングカットして、可撓性LED発光装置とすることもできる。

0087

この可撓性反射基材10中の可撓性膜状反射層11に用いられるシリコーンゴムは、三次元架橋するシリコーンゴムであれば特に限定することなく用いることができる。好ましくは、主鎖中に非環状のジメチルシロキシ繰返単位〔-Si(-CH3)2-O-〕を主成分として含むシリコーンゴム、例えば屈折率が1.41であるポリジメチルシロキサンを含んでなるシリコーンゴムや、主鎖にポリジメチルシロキサンとし主鎖同士が三次元架橋したシリコーンゴムが用いることができる。

0088

主鎖中に非環状のジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含むシリコーンゴムは、特に限定されない。

0089

シリコーンゴムに白色無機フィラー粉末を含有した可撓性反射層の硬さは、用途に応じて適宜使い分ければよい。可撓性反射層は、可撓性支持体と積層して可撓性反射基材として用いられたとき、その反射基材の撓みに安定して追従することができるものであればよい。一般的には、JIS K6253のJIS−A型硬度計による測定でのショアA硬度で10以上、90以下、JIS−D型硬度計による測定でのショアD硬度で30以下であると、触ったときの感触でゴムであるという感覚であるが、本発明の可撓性反射基材においては、所期の目的を達成するためには、ショアA硬度で10以上、ショアD硬度で50以下を所望のゴム性のある可撓性反射層領域として捉えることができ、また、ショアD硬度で50を超えると所望の可撓性はなくなり、樹脂性の高い硬質の反射層ということになり、所期の目的を達成できない不向きな反射層領域となる。

0090

このようなシリコーンゴムは、酸素原子及び/又は架橋性官能基を介して、同一主鎖の次の繰返単位又は別な主鎖の繰返単位のSi原子に結合して三次元架橋しているもので、ポリジメチルシロキサン)構造を主鎖とし、その他のポリ(ジアルキルシロキサン)構造やポリ(ジフェニルシロキサン)のようなポリ(ジアリールシロキサン)構造やポリ(架橋性官能基由来架橋基含有シロキサン)を部分的に有していてもよい。

0091

シリコーンゴムは、以下のような物質が挙げられ、架橋構造を有することによりゴム弾性発現している。

0092

本発明の可撓性反射基材を形成するために用いられるシリコーンゴム原材料組成物は、付加反応硬化型有機過酸化物硬化型縮合硬化型のような種々の硬化型のものが挙げられるが、硬化時間を短縮して製造効率を向上させる観点から、付加反応硬化型のものが好ましい。更に付加反応硬化型のものは、硬化時に硬化収縮が小さくフィルムに塗工し、硬化させた際フィルムの皺の発生を防止することができる。

0093

例えば、このような主鎖中に非環状のジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含むシリコーンゴムは、より具体的には重合度5000〜10000程度で平均分子量約40万〜80万の高分子体である。このシリコーンゴムは、ジメチルシロキシ繰返単位〔-Si(-CH3)2-O-〕のみからなるポリジメチルシロキサン、所謂ジメチル系シリコーンであってもよく、〔-Si(-CH3)2-O-〕と〔-Si(-CH3)(-CH=CH2)-O-〕又は更に〔-Si(-CH3)(-C6H5)-O-〕とを含むような所謂メチルビニル系シリコーン又はメチルフェニルビニル系シリコーンであってもよい。

0094

そのようなシリコーンゴム原材料組成物中のシリコーンゴム原材料は、主要成分として、分子中に単一又は複数のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、分子中に単一又は複数のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、白金族金属系触媒含有ポリシロキサンが挙げられる。また、金属粉含有のせいによる体積抵抗率の低減を防止しつつ非導電性を確実に発現するため、オルガノポリシロキサンに対し質量比で0.2%以上の微粉末シリカを含有していてもよい。更に、このシリコーンゴム原材料組成物は、可撓性支持体との密着性・接着性を向上させるために、エポキシ基アルコキシシリル基カルボニル基フェニル基のような反応性官能基を有する接着性付与成分を含有していてもよい。

0095

また本発明の反射基材を形成するのに用いられるシリコーンゴムは、別な架橋性官能基で三次元架橋していてもよい。このような三次元架橋したシリコーンゴムは、その途中のSi基が、アルキルオキシシリル基ジアルキルオキシシリル基ビニルシリル基ジビニルシリル基、ヒドロシリル基ジヒドロシリル基であったり、それらの基が複数存在したりすることにより、それら官能基を介して、非環状のジメチルシロキシ繰返単位の主鎖同士が、網目状に三次元的に架橋したものである。シリコーンゴムは、これら架橋性官能基によって直接的に、及び/又はシランカップリング剤を介して間接的に、主鎖同士が三次元的に架橋していてもよい。その主鎖同士は、夫々の架橋性官能基の間や、架橋性官能基とシランカップリング剤との間で、夫々のアルキルオキシシリル基又はジアルキルオキシシリル基同士が脱アルコール化反応により縮合して架橋したり、ビニルシリル基やジビニルシリル基とヒドロシリル基やジヒドロシリル基とが白金錯体等の白金触媒存在下で、無溶媒中、加熱や光照射によって付加して架橋したりしたものである。シリコーンゴムはその中でも、付加して架橋したものであることが好ましい。シリコーンゴムは、主鎖をなすジメチルシロキシ基(-Si(CH3)2-O-)の繰返単位とジフェニルシロキシ基(-Si(C6H5)2-O-)のような繰返単位とを有するものであってもよい。シリコーンゴムは、主鎖のジメチルシロキシ基の繰返単位を有し、アルキルオキシシリル基、ジアルキルオキシシリル基、ビニルシリル基、ジビニルシリル基、ヒドロシリル基、ジヒドロシリル基で架橋したものであると、一層好ましい。

0096

三次元架橋したシリコーンゴムは、例えばシリコーンゴム原材料が三次元架橋して硬化することによって得られる。より具体的には、付加反応硬化型のシリコーンゴムの原材料を例に説明すると、熱硬化によりシリコーンゴムを形成するもので、例えば、オルガノポリシロキサンをベースポリマーとし、オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び白金系触媒等の重金属系触媒を含むものが挙げられる。

0097

前記オルガノポリシロキサンとしては、下記平均単位式
R1aSiO(4−a)/2
(式中、R1は非置換又は置換一価炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜10、特に1〜8のものである。aは0.8〜2、特に1〜1.8の正数である。)
で示されるものが挙げられる。ここで、Rとしてはメチル基エチル基プロピル基ブチル基等のアルキル基ビニル基アリル基ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基ベンジル基等のアラルキル基や、これらの炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されたクロロメチル基クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換炭化水素基、或いはシアノ基で置換された2−シアノエチル基等のシアノ基置換炭化水素基などが挙げられ、R1は同一であっても異なっていてもよいが、R1としてメチル基、特にジメチルシロキシ基を主成分となるようなメチル基であるものが、反射性発現、耐熱性・耐久性等の観点から好ましい。

0098

また、R1としてビニル基等の炭素数2〜8のアルケニル基を含むもの、特に全Rのうちの1〜20モル%がアルケニル基であるものが好ましく、中でもアルケニル基を1分子中に2個以上有するものが好ましく用いられる。このようなオルガノポリシロキサンとしては、例えば、末端に、及び/又は主鎖の途中にビニル基等のアルケニル基を有するジメチルポリシロキサンやジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等、末端に、及び/又は主鎖の途中にアルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサンが挙げられ、特に、常温で液状のものが好ましく用いられる。

0099

より具体的には、このようなアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、
R2-[Si(R3)2-O]b-[Si(R3)(R4)-O]c-R2
(R2は同一又は異なり前記R1で例示されたメチル基等の飽和炭化水素基若しくはフェニル基等の芳香族炭化水素基又は前記R1で例示されたアルケニル基、R3は同一又は異なり前記R1で例示された飽和炭化水素基若しくは芳香族炭化水素基、R4は前記R1で例示されたアルケニル基、b、cは正数)で模式的に示されるもので、ブロック共重合であってもランダム共重合であってもよいものである。

0100

このようなアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、直鎖状であっても、分子構造の一部に分枝状の構造を含んでいてもよく、環状体であってもよい。シリコーンゴムの架橋した可撓性膜状反射層の機械的強度、弾性、耐繰り返し屈曲性などの物性の点から直鎖状のジオルガノポリシロキサンが好ましい。アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、その繰り返し単位繰り返し数が、10〜10000であることが好ましい。このようなアルケニル基含有ジオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が10〜1,000,000cSt程度のものが好ましい。

0101

一方、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、直鎖状、分岐状、環状、或いは三次元網状であって、単数又は複数、好ましくは3官能以上(即ち、1分子中にケイ素原子に結合する水素原子(Si−H基)を3個以上有するもの)が好ましく、末端に、及び/又は主鎖の途中にSi−H基を有するものであれば、特に限定されないが、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサンメチルフェニルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられ、特に、常温で液状のものが好ましい。また、触媒としては、白金白金化合物ジブチル錫ジアセテートジブチル錫ジラウリレート等の有機金属化合物、又はオクテン酸錫のような金属脂肪酸塩などが挙げられる。これらオルガノハイドロジェンポリシロキサンや触媒の種類や量は、架橋度硬化速度を考慮して適宜決定すればよい。

0102

前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均単位式
HdR5eSiO(4-d-e)/2
(式中、R5はR1で例示された基、特に飽和炭化水素基、d及びeは、0<d<2、0.8≦e≦2となる数)で表されるものである。
具体的には、このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの例としては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサン、1,3,5,7,8−ペンタメチルペンタシクロシロキサン等の末端にSi−H基を有するシロキサンオリゴマートリメチルシロキシ末端基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基含有ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体シラノール末端基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン、シラノール末端基含有ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、ジメチルハイドロジェンシロキシ末端基含有ジメチルポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ末端基含有メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ末端基含有ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体のような主鎖の途中にSi−H基を有するホモポリマー又はコポリマーハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、R52(H)SiO1/2単位とSiO4/2単位とを含み、R53SiO1/2単位、R52SiO2/2単位、R5(H)SiO2/2単位、(H)SiO3/2単位又はR5SiO3/2単位を含んでいてもよいものである。

0103

より具体的には、環状の-[SiH(CH3)]4-、H-[Si(CH3)2-O]-[Si(CH3)2-O]f-[Si(CH3)2]-H(但し、fは0〜200の数)、(CH3)3SiO-[Si(CH3)2-O]g-OSi(CH3)3(但し、gは0〜200の数)、(CH3)3SiO-[Si(CH3)2-O]h-[Si(CH3)2-O]i-OSi(CH3)3(但し、hは0〜200、iは1〜100の数)が挙げられる。

0104

このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、例えば、R5SiHCl2やR52SiHCl(但し、R5は前記と同じ)のようなクロロシラン化合物共加水分解し、又はこれらクロロシラン化合物とR53SiClやR52SiCl2(但し、R5は前記と同じ)のような別なクロロシラン化合物とを共加水分解して調製してもよく、さらにそれを平衡化して調製してもよい。

0105

このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンと共に、用いられる。アルケニル基含有オルガノポリシロキサンのアルケニル基の1モル当量に対し、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのSiH基が0.5〜4モル当量となるように、両者が配合されていることが好ましい。

0106

白金族金属系触媒含有ポリシロキサンに用いられる白金族金属系触媒は、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンのアルケニル基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサンのSiH基との付加反応を促進するためのヒドロシリル化反応触媒である。この触媒は、各種金属触媒が挙げられ、具体的には、白金、白金ブラックロジウムパラジウムのような白金族金属単体;H2PtCl4・mH2O、H2PtCl6・mH2O、NaHPtCl6・mH2O、KHPtCl6・mH2O、Na2PtCl6・mH2O、K2PtCl4・mH2O、PtCl4・mH2O、PtCl2、Na2HPtCl4・mH2O(但し、mは0〜6の数)のような塩化白金錯体塩化白金酸錯体及び塩化白金酸錯塩アルコール変性塩化白金酸;塩化白金酸−オレフィン錯体;白金、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体担持させた担体金属;ロジウム−オレフィン錯体;クロロトリストリフェニルフォスフィン)ロジウムのようなウィルキンソン触媒;塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有の鎖状又は環状シロキサンとの錯体などが挙げられる。白金族金属系触媒は、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンやオルガノハイドロジェンポリシロキサンと共存させて、それらに対して0.1〜500ppm程度の触媒量、用いられてもよく、予め担持させていてもよい。

0107

シリコーンゴムは、例えば、トリオルガノシロキシ単位(R3SiO1/2単位:M単位、)、ジオルガノシロキシ単位(R2SiO単位:D単位)、モノオルガノシロキシ単位(RSiO3/2単位:T単位)、シロキシ単位(SiO2単位:Q単位)を任意に組み合わせた樹脂(但し、オルガノ基Rは、同一又は異なり、メチル基のようなアルキル基やフェニル基、又はビニル基のような架橋性官能基に由来する基)であることが好ましい。これらの組み合わせにより、シリコーンゴムは、三次元架橋が形成されたMQゴム、MDQゴム、MTQゴム、MDTQゴム、TDゴム、TQゴム、TDQゴムなどの任意の組み合わせのゴムを用いることができる。

0108

このシリコーンゴムが、繰返単位のSi原子が酸素原子又は架橋性官能基を介して次なる繰返単位のSi原子に結合して三次元架橋している。

0109

可撓性反射基材は、電気部品に装着されるものであるから、電気接点障害やくもりの原因となるものでシリコーンゴム中に含有される低分子シロキサン例えばシロキシ基繰返単位が4〜10(D4〜D10)の環状低分子量シロキサンを、予め300ppm、好ましくは50ppm未満にまで除去したシリコーンゴムで形成されていると、なお一層好ましい。具体的には、市販の低分子シロキサン低減グレードのシリコーンゴム原材料を用いたり、低分子シロキサン除去処理として、加熱オーブン処理(例えば200℃で4時間加熱処理)、真空加熱処理(例えば真空下200℃で2時間加熱)などの加熱処理を施したりしたシリコーンゴム原材料を用いることができる。また、これらの処理に加えて、超音波溶媒抽出などの手段を施して成型品から低分子シロキサンを除去することもできる。シリコーンゴム原材料から低分子シロキサンを除去できるが、成形品から低分子シロキサンを除去する方が、より低レベルにまで除去できるので、好ましい。

0110

シリコーンゴム原材料組成物は、通常の硬化性シリコーンゴム組成物と同様に、2液に分け、使用時にこの2液を混合して硬化させる所謂二液型の組成物でもよいが、組成物を使用する際の作業性等の点から一液型とすることが好ましい。このシリコーンゴム原材料組成物は、通常の条件で硬化でき、例えば加熱により、又は紫外線照射により、架橋させて、硬化させ、ゴム弾性を発現させることができる。

0111

可撓性反射基材30の別な一態様は、図4の通り、シリコーンゴムに、それよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末35が分散されつつ含有された可撓性膜状反射層31が可撓性支持体32の表面側に付されているカバーレイフィルムである。可撓性支持体32の裏面側には、粘着剤層33乃至接着剤層が設けられ、剥離紙34で覆われている。

0112

この可撓性反射基材30は、例えば、図5に示すように、可撓性のあるLED発光装置(照明装置)40に、用いられる。可撓性反射基材30には、可撓性膜状反射層31の露出面側に、正負の導電パターン42a・42bの対が何列も付されており、その導電パターン42a・42bに、発光素子である複数の発光ダイオード43から延びた正負のリード線が、接続されていることによって、照明装置40となっている。

0113

このシリコーンゴム製反射基材30は、図6のようにして製造される。例えばポリイミドのような支持体シート32aの裏面側に、粘着剤を噴霧ノズル45から、噴霧して粘着剤層膜33aとし、それを剥離紙シート34aで覆う。主鎖中に非環状のジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含みつつ三次元架橋したシリコーンゴムへと架橋させるシリコーンゴム原材料に、前記シリコーンゴムよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末を分散させつつ含有させたシリコーンゴム製原材料組成物を塗工ノズル46から、支持体シート32aの表面側に、噴霧し膜状とし、ヒーター47で加熱することにより三次元架橋させて、反射層膜31aにして、所望の大きさにカッター48で裁断する。すると、可撓性膜状反射層31の付された可撓性支持体32の反対面側に粘着剤層33及び剥離紙34が付されたシリコーンゴム製反射基材30が得られる。尚、カッター48で裁断することなしに巻き取り機で巻き取ることもできる。

0114

支持体シート32aを表面処理しておく必要はないが、架橋性シリコーンゴム原材料組成物の噴霧や塗工の前に、支持体シート32aの噴霧面側を予め、コロナ放電処理プラズマ処理紫外線処理フレーム処理イトロ処理又は粗面処理のような表面処理しておき、その表面処理された支持体シート32a上に反射層膜31aが形成されていると、一層強固に密着して接着するのでなお好ましい。これらのコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、フレーム処理又はイトロ処理は、支持体上に架橋性シリコーンゴム原材料組成物が付される直前に行われることが好ましい。

0115

また、これらの反射材層31と可撓性支持体32とが、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理、イトロ処理又は紫外線照射処理により強固に接着をしていればよく、接着体となる反応性基含有ポリシロキサン溶液で表面処理されていてもよい。

0116

反射材層31と可撓性支持体32とを接触によってより一層強固に接着させるには、両者又は、一方の接着体となる面にシランカップリング剤のような機能性シラン化合物を用いてもよい。このような機能性シラン化合物は、OH基との反応性が高い反応性基を含有するポリシロキサンが挙げられる。

0117

このような反応性基含有ポリシロキサンとして、下記化学式(1)



(式(1)中、nは3〜4の数であって、反応性基である−OCH3の少なくとも何れかが、反射層及び金属箔層の表面の官能基例えばOH基と反応するものである)で示される化合物が挙げられる。この化合物は、繰返単位が、ブロック共重合、又はランダム共重合したものであってもよい。このビニルメトキシシロキサンホモポリマーのようなビニルアルコキシシロキサンホモポリマーの溶液に浸漬したりその溶液を塗布したり、反応性を向上させるために、それを白金触媒懸濁液に浸し、活性シリル基中のビニル基に白金触媒を保持させてもよい。

0118

シリコーンゴム原材料に白色無機フィラー粉末を含有したシリコーンゴム原材料の組成物は、重合性シリコーンゴム原材料に白色無機フィラー粉末やシリコーンゴムパウダー添加量又は有機溶剤や反応性希釈剤の添加量を適宜調整して加えて調製することができ、用途に応じて、液状、グリース状、又は可塑度で定義されるような可塑物である塑性となるように適度に調整して用いることができる。例えば、スプレーディスペンサー、或いはスクリーン印刷するときのレジストインクとしては、液状のものとして、粘度を0.5〜500Pa・s、より好ましくは10〜200Pa・sとすることが好ましい。また、熱プレス成形をする場合は、国際規格ISO 7323に基づく可塑度としては、100〜500mm/100のミラブルタイプ又は可塑物としての原材料組成物として用いることが好ましい。

0119

シリコーンゴムパウダー及び白色無機フィラーを用いる場合、粘度や硬度を調整するために、その添加量としてシリコーンゴム原材料100質量部に対し、3〜400質量部、好ましくは50〜300質量部添加されることが好ましい。白色無機フィラーの添加量がこの範囲よりも少な過ぎると十分な反射が得られず、逆に白色無機フィラーの添加量がこの範囲よりも多過ぎると加工性が悪くなってしまう。シリコーンゴム原材料組成物を、薄く塗布する場合には、白色無機フィラーの添加量が多い程、高い反射率を発現し、一方、厚く塗布する場合には、これらの添加量が少なくても十分な反射率が得られる。シリコーンゴムパウダーは、前記範囲内で、白色無機フィラーと共に加えられる。

0120

また、有機溶剤は、保存安定性、塗工性向上、塗工量の制御、粘度の調整などのために、添加されてもよい。有機溶剤を用いる場合、その添加量としてシリコーンゴム原材料100質量部に対し、100〜10000質量部添加されることが好ましい。有機溶剤がこの範囲よりも少ない場合には塗布、印刷時において糸引き目詰まりが生じ生産性が落ちてしまう。一方、有機溶剤がこの範囲よりも多い場合には、厚塗りができなかったり、一度塗りで十分な反射率が得られなかったりする。有機溶媒は、各種コーティング方法や要求される反射率、膜厚、粘度に応じ、適宜調整して用いられる。有機溶剤は、シリコーンゴム原材料、架橋剤、反応抑制剤と反応しないものが適宜用いられ、具体的には、トルエンキシレン酢酸エチルアセトンメチルエチルケトンヘキサンが挙げられる。有機溶剤で粘度を調整する場合、有機溶剤を添加によって白色無機フィラー粉末の充填濃度が相対的に低下するが、硬化後に有機溶剤が揮発すると、白色無機フィラー粉末の充填濃度が粘度調整前の高濃度に戻ることとなるため、塗膜厚みが薄くて高濃度の印刷が可能となる。

0121

反応性希釈剤は、特に一液型接着剤の粘度調整用に使われるもので、有機溶媒と異なり揮発せず、そのままシリコーンゴムとして硬化するものである。反応性希釈剤として、例えば液状シリコーンゴム用反応性希釈剤(モメンティブ・マテリアルズパフォーマンス社製商品名:ME91)が挙げられる。反応性希釈剤は、シリコーンゴム原材料100質量部に対し、0.1〜30質量部、好ましくは1〜20質量部添加されて用いられる。添加量がこの範囲より少な過ぎると、粘度の調整ができず、添加量がこの範囲より多過ぎると、シリコーンゴムとしても物性が弱くなる。反応性希釈剤は、シリコーンゴムへと硬化するものであるため、有機溶剤を大量に使用した場合のように硬化後に揮発して肉痩せするようなことが起こらない。そのため、肉厚の可撓性膜状反射層を形成するのに有用である。

0122

有機溶媒と反応性希釈剤との量は、可撓性膜状反射層の厚さや印刷・塗布等の塗工方法に応じ、適宜調整される。

0123

シリコーンゴム原材料に白色無機フィラーを含有した液状、又はグリース状若しくは塑性の原材料組成物は、シリコーンゴムへの三次元架橋の架橋剤、例えば前記のようなハイドロジェンオルガノポリシロキサンや白金族金属系触媒含有ポリシロキサン、過酸化物のような架橋剤が、含有されていてもよい。

0124

シリコーンゴム原材料に白色無機フィラー粉末を含有した液状、又はグリース状若しくは塑性の原材料組成物は、加熱によって失活又は揮発する反応抑制剤が、含有されていてもよい。反応抑制剤は、この原材料組成物の保存中に、必要に応じて添加されている触媒の活性を低下させることなく、シリコーンゴム原材料、例えばアルケニル基含有オルガノポリシロキサンオルガノハイドロジェンポリシロキサン付加反応を抑制し、保存安定性を高めるものである。反応抑制剤は、例えば、メチルビニルシクロテトラシロキサン類;3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−へキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブチノ−ルのようなアセチレンアルコール類;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−1−へキシン−3−インなどのアセチレン化合物;これらのアセチレン化合物とアルコキシシランアルコキシシロキサンハイドロジェンシラン、又はハイドロジェンシロキサンとを反応させたシロキサン変性アセチレンアルコール類;ベンゾトリアゾールのような窒素含有有機化合物有機リン化合物オキシム化合物有機クロム化合物が挙げられる。

0125

これにより、この原材料組成物は、加熱前には三次元架橋が開始しないから長期間保存ができ、一方、加熱によって三次元架橋が速やかに開始し迅速に三次元架橋が完了して硬化し、反射層を形成する。しかも液状又はグリース状若しくは塑性の原材料組成物が有機溶媒で希釈されたものであったとしても、有機溶媒の揮発が無い時のみならず揮発したときでさえ、塗装しても均一な塗膜を形成することができるので、反射層にむらができない。

0126

架橋剤や反応抑制剤は、シリコーンゴム原材料100質量部に対して、夫々0.01〜10質量部含有されていることが好ましい。

0127

このような原材料組成物は、レジストとしても用いられるものである。この原材料は、加熱硬化型のレジストであり、例えば100℃以上に加熱されると硬化する。その硬化の際に、反応抑制剤を適宜選択することによりそれの温度依存性及び架橋開始温度制御性によって、硬化温度を適宜調整することができる。

0128

この原材料組成物に、付加反応型の場合、主成分に加え、架橋剤、白金触媒、反応抑制剤、補強剤、用途に応じたその他の種々の添加剤が配合されていてもよい。

0129

この原材料組成物に、接着成分として接着性付与成分が含有されていてもよい。接着性付与成分は、ビニル基、フェニル基、アルコシキ基、2,3−エポキシプロピル基(C2H3O-)のようなエポキシ環含有基、(メタ)アクリロイル基のような反応性の官能基を有するシラン化合物シロキサン化合物が挙げられる。このような接着性付与成分は、具体的には、CH2=CHSi(OCH3)3、C6H5Si(OCH3)3、CH2=CHSi(OCH2H4OCH3)3、C2H3O-CH2O(CH2)3Si(OCH3)3、C2H3O-CH2O(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH2=CH-CO-O(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH2=CCH3-CO-O(CH2)3SiCH3(OCH3)2、2−(2,3−エポキシプロピルオキシプロピル)−2、4,6,8−テトラメチル−シクロテトラシロキサン、2−(2,3−エポキシプロピルオキシプロピル)−2、4,6,8−テトラメチル−6−(トリメトキシシリルエチル)シクロテトラシロキサンなどが挙げられる。

0130

可撓性反射層31が、シリコーンゴム製接着剤(不図示)を介することによって、可撓性支持体32に密着して接着されていてもよい。シリコーンゴム製接着剤として、例えば、低分子シロキサンカット品SE−9186L(東レ・ダウコーニング株式会社製;商品名)が挙げられる。

0131

可撓性反射基材11・31中、シリコーンゴム100質量部に対し、白色無機フィラー粉末15・35が、反射層の膜厚によって調整されるが3〜400質量部含まれていることが好ましい。白色無機フィラー粉末が、平均粒径0.1〜10μmであると一層好ましい。

0132

白色無機フィラー粉末15・35は、例えば、酸化チタン、より具体的にはアナターゼ型酸化チタンルチル型酸化チタンが挙げられる。酸化チタンと共に、又はその代わりに、アルミナや硫酸バリウム、マグネシア、チッ化アルミニウム、チッ化ホウ素(六方晶立方晶)、チタン酸バリウム、カオリン、シリカ、タルク、粉末マイカ、粉末ガラス、粉末アルミニウム、粉末ニッケル、炭酸カルシウムのような無機白色顔料を、組み合わせて用いてもよく単独で用いてもよい。無機白色顔料が、微粉末シリカであることが好ましい。微粉末シリカは、電気特性を向上させ維持するためのものである。この原材料組成物に、シリコーンゴム硬化物の体積抵抗率を、1×109Ω・cm以上に維持することができる。微粉末シリカは、結晶性シリカ溶融性シリカ・煙霧性シリカが挙げられ、中でも煙霧性シリカが好ましい。微粉末シリカのような無機白色顔料は、オルガノポリシロキサンのようなシリコーンゴム原材料100質量部に対し、0.2質量部以上、好ましくは0.5〜30質量部であると、組成物を取扱い易い。

0133

シリコーンゴムにアルミナや硫酸バリウムのような無機白色顔料のみを分散可能な最大量を含有させても、光の漏洩を生じる恐れがあるが、このような無機白色顔料と共に酸化チタン特に隠蔽力の大きいルチル型酸化チタンが共存していると、光の漏洩が無くなるので一層好ましい。

0134

熱伝導性改善のために、チッ化アルミニウム、チッ化ホウ素(六方晶・立方晶)、アルミナを配合することが好ましい。なお、これらの熱伝導性材料をシリコーンゴムに分散充填し、別途熱伝導層又は熱伝導部材として、本発明の可撓性反射基材を構成する一部として積層又は載置してもよい。

0135

例えば、堺化学工業株式会社製商品名:GTR−100ルチル型酸化チタン200質量部をシリコーン原材料100質量部に配合し、寸法70×70mm、厚み0.8mmのテストピースを作製し、熱伝導率と反射率を測定したところ、熱伝導率は1.2W/m・℃となり、反射率は450〜1000nmの領域で95%以上となった。一方、熱伝導性向上配合として、堺化学工業株式会社製 商品名:GTR−100 ルチル型酸化チタン100質量部と昭和電工株式会社製 商品名:A−42−6アルミナ100質量部をシリコーン原材料100質量部に配合し、寸法70×70mm、厚み0.8mmのテストピースを作製し、熱伝導率と反射率を測定したところ、熱伝導率は1.4W/m・℃となり、反射率は450〜1000nmの領域で85〜90%となった。また比較として、昭和電工株式会社製 商品名:A−42−6 アルミナ200質量部をシリコーン原材料100質量部に配合した寸法70×70mm、厚み0.8mmのテストピースを作製し、熱伝導率と反射率を測定したところ、熱伝導率は1.9W/m・℃となり、反射率は450〜1000nmの領域で75〜80%であった。この結果より、反射率90%を維持しながら、熱伝導率を向上することができた。また必要に応じて積層したり配合したりして反射率や熱伝導率を調整することができることが分かった。

0136

可撓性膜状反射層表面での光の散乱を増加させ反射率を向上させるために、白色無機フィラー粉末と共に、蛍光体を可撓性膜状反射層に含有させ、それら粒子を表面から露出させ、光を直接反射したり、光で基底状態から励起状態を経て基底状態へ戻るときに発する蛍光やりん光を発光させたりしてもよい。このような蛍光体として、ハロゲン化リン酸塩蛍光体やEu等の希土類金属含有蛍光体やYAG(イットリウムアルミニウムガーネット)蛍光体のような無機蛍光物資有機蛍光物質が用いられる。

0137

その他、補強材としては、シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛のような補強性無機充填剤シリコーンレジン粉末のような補強性有機充填剤などが配合されていてもよい。ケイ酸カルシウム二酸化チタン等の非補強性無機充填剤が配合されていてもよい。これらの補強材は、これ以外の成分の総量100質量部に対し、0〜200質量部用いられる。

0138

可撓性反射基材11・31中の白色無機フィラー粉末15・35は、酸化チタン、中でもアナターゼ型酸化チタンであると、近紫外LED、青色LEDの波長を反射するため一層好ましい。アナターゼ型酸化チタンが、シリコーンゴム100質量部に対し3質量部より少ないと十分な反射性が得られず、一方400質量部を超えると加工性が困難となり生産性が低下してしまう。アナターゼ型酸化チタンは、シリコーンゴム100質量部に対し、30〜300質量部含まれているとなお一層好ましい。アナターゼ型酸化チタンは、形状に制限がなく任意の粒形状のもの、例えばフレーク状、不定形状、又は球状の粒子が使用できるが、その粒径が0.05〜50μm、好ましくは0.05〜30μm、一層好ましくは0.1〜10μmであり、また、酸化チタン表面をAl、Al2O3、ZnO、ZrO2、及び/又はSiO2などで処理した酸化チタンを用いると、酸化チタンの光触媒による有機質酸化分解反応を抑制することができるため、より長期間の使用に耐えることができる。

0139

可撓性反射基材11・31に含有された白色の酸化チタン粉末、特にアナターゼ型酸化チタン粉末は、ルチル型酸化チタンと比較し、遥かに分解触媒活性作用が大きい。アナターゼ型酸化チタン粉末は、無機物からなるタイル外壁材のような建材などに添加されその建材表面に付着した塵埃等の付着異物を分解するほどの強力な光分解触媒として作用するものであるから、通常、ポリカーボネートポリフタルアミドポリエーテルエーテルケトンのような熱可塑性樹脂等の様々な高分子化合物に添加されるとそれを分解し黄変させたり、劣化してひび割れを生じさせたりしてしまう。しかし、シリコーンゴム、特にジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含むシリコーンゴムは、アナターゼ型酸化チタンに対しても化学的に安定であるから、この可撓性反射基材11・31は長期間に渡り黄変のような変質も変形もしない。さらにアナターゼ型酸化チタン粉末の表面に、Al、Al2O3、ZnO、ZrO2、及び/又はSiO2などで表面処理を行うと、分解触媒活性作用が抑制され、より長期間に渡り黄変のような変質を防止できたり、シリコーンゴムへの分散性が向上して可撓性膜状反射層の反射率が一層向上したりする。表面処理は、酸化チタンと、これらの表面処理剤の原末と混練、又はこれら表面処理剤の原末を含有する懸濁液への浸漬又は噴霧等によって施される。市販の表面処理酸化チタンを用いてもよい。酸化チタンが表面処理されていると白色性が高まり、可撓性膜状反射層の反射率が一層向上する。

0140

この可撓性反射基材の可撓性膜状反射層の表面が、100nm〜10μm程度のナノメートル乃至マイクロメートルオーダーの凹凸形状、角錐状や角柱状のプリズム形状、エッチング処理やサンドブラスト処理などによる梨地面形状となって非鏡面であると、入射した光が四方八方へ拡散し、鏡面のような特定方向への反射よりも拡散反射率が向上し、光の反射ムラを低減して、白色度が高くなって、反射効率が一層向上する。

0141

このような可撓性支持体は、所謂フレキシブルプリントサーキット(FPC)のようにフレキシブルなものであれば特に限定されず、柔軟な軟質シートや撓むと付勢される程度の硬質なシートであってもよく、様々な素子に内蔵されてさほど面積をとらない微小ワーキングチップであってもよい。可撓性支持体は、導電性を有するものや、熱伝導性・放熱性を有するものであってもよい。可撓性支持体32を、厚さ5〜300μmのプラスチックフィルム又は金属薄膜とすることができる。又、プラスチックフィルムはプラスチックが好ましい。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、プラスチックフィルムとしてはポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルサルフォン樹脂、シクロオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、及びシリコーンゴムが挙げられ、中でも、耐熱性、剛性の点からポリイミド樹脂が好ましい。金属薄膜は、アルミニウム箔銅箔ニッケル箔などが挙げられる。

0142

図7は、ポリジメチルシロキサンのみとポリフェニルシロキサンのみとから夫々成るシリコーンゴム100質量部中に、シランカップリング処理されたAl2O3で表面処理されたアナターゼ型酸化チタン、Al2O3で表面処理されたルチル型酸化チタン、アルミナ(Al2O3)の200質量部が、各々分散されつつ含有された可撓性反射基材について、照射波長と、それの反射率との相関関係を示す図である。

0143

図7から明らかな通り、低屈折率のポリジメチルシロキサンからなる可撓性反射基材は、高屈折率のポリフェニルシロキサンからなるものよりも、アナターゼ型酸化チタン及びルチル型酸化チタンを含有する何れでも、波長200〜1000nm、とりわけ350〜1000nmの広範囲に渡り、反射率は3%高い。

0144

また、ポリジメチルシロキサンとポリフェニルシロキサンとの何れの可撓性反射基材も、波長400nmで、ルチル型酸化チタン含有のものの反射率は僅か30%程度であるのに対し、アナターゼ型酸化チタン含有のものの反射率は80%を超えている。しかもアナターゼ型酸化チタン含有のものは、ルチル型酸化チタン含有のものよりも、波長380〜420nmで特に、反射率が40%も高くなっている。一方、波長420〜1000nmの領域ではルチル型酸化チタンの反射率が6%高い。

0145

アナターゼ型酸化チタンの屈折率は2.45〜2.55であるのに対し、ルチル型酸化チタンの屈折率は2.61〜2.90である。一方、アルミナの屈折率は約1.76である。アナターゼ型酸化チタンもルチル型酸化チタンと同様にアルミナよりも屈折率が高いから、より白色を呈する。

0146

アルミナは、酸化チタンよりも屈折率が低い反面、熱伝導性が高く、放熱性に優れている。しかも図7から明らかな通り、アルミナを含有したポリジメチルシロキサンの可撓性反射基材は、アルミナを含有したポリフェニルシロキサンのものよりも、波長340〜1000nmで反射率は6〜9%高い。従来、アルミナを含有したポリフェニルシロキサンのみからなる従来のシリコーンゴムでは、波長400nm以上の反射率が80%程度であり反射基材として不向きであったが、ベースポリマーをポリジメチルシロキサンのようなジメチルシロキシ繰返単位が主成分であるシリコーンゴムにすることにより、白色無機フィラー粉末をアルミナにしても、波長400nm以上で反射率が90%以上となり、反射基材として好適となる。

0147

従って、ジメチルシロキシ繰返単位を主成分として含むシリコーンゴムを用いつつ白色無機フィラー粉末15・35を適宜選択することにより、反射性と放熱性とを有することができるが、白色無機フィラー粉末15・35として酸化チタンを選択した場合には反射性向上を重視し、アルミナを選択した場合には放熱性向上を重視し、併用することにより反射性及び熱放射性を調節するという目的用途に応じた可撓性反射基材10・30を、得ることができる。

0148

図8は、ポリフェニルシロキサンのみから成るシリコーンゴム100質量部中に、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンの200質量部が、各々分散されつつ含有された可撓性反射基材を150℃で1000時間加熱した前後において、照射波長と、それの反射率との相関関係を示す図である。

0149

図8から明らかな通り、波長460nmで、ルチル型酸化チタン含有のポリフェニルシロキサンのみからなるシリコーンゴムの反射率は97%であるのに対し、ルチル型酸化チタン含有のポリジメチルシロキサンのみからなるシリコーンゴムの反射率は100%を超えている。ポリジメチルシロキサンのみからなるシリコーンゴムは、ポリフェニルシロキサンのみからなるシリコーンゴムよりも、全波長領域において、反射率が高くなっている結果であった。一方、ルチル型酸化チタン含有のポリジメチルシロキサンのみからなるシリコーンゴムの反射率も100%を超えていた。

0150

可撓性反射基材10・30は、シリコーンゴム原材料と白色無機フィラー粉末15・35と必要に応じシランカップリング剤とが含有された液状又はグリース状若しくは塑性の原材料組成物を用いて、付加反応により無溶媒下で加熱硬化するものであり、型を用いて、コンプレッション成形、射出成形、トランスファー成形、射出成形(LIMS)、押し出し成形カレンダー成形のような方法で可撓性支持体上に形成される。このような液状又はグリース状若しくは塑性の原材料組成物は、コーターを用いて1〜2000μmの適切な厚さとなるように調整しながら、塗布されてもよい。また、この原材料組成物を用いて、可撓性膜状反射層を形成するには、シリコーンゴム原材料組成物を、直接、又は適当な粘度に調整した後、スクリーン印刷、バーコーターロールコーターリバースコーターグラビアコーターエアナイフコータースプレーコーターカーテンコーターにより、さらに薄膜の塗工には、高精度のオフセットコーター、多段ロールコーターなどの公知の塗布方法により、塗布してもよい。

0151

シランカップリング剤は、反応性官能基として、アルキルオキシ基やビニル基やアミノ基やエポキシ基を有するものが挙げられる。カップリング剤としては、シランカップリング剤の他に、チタネートアルミネートのカップリング剤でもよい。この組成物にシランカップリング剤が含まれていると、それが含まれていない場合よりも、シリコーンゴムが、白色無機フィラー粉末例えばアナターゼ型酸化チタンを網目構造の中に確りと取り込むため、それの強度が顕著に強くなる。特に、シランカップリング剤処理された白色無機フィラー粉末含有の可撓性反射基材は、白色無機フィラー粉末がシランカップリング剤を介してシリコーンと架橋しているため、曲げ強度濡れ性・分散性が向上しており、高品質のものとなる。このようなシランカップリング処理は、例えばアナターゼ型酸化チタンに対し1質量%のシランカップリング剤を添加し、ヘンシェルミキサー撹拌して表面処理を行い、100〜130℃で、30〜90分間、乾燥させるというものである。

0152

そのシランカップリング処理の有無による可撓性反射基材の曲げ強度と硬度とを、表1に示す。可撓性支持体として75μm厚のポリイミド製のフィルムを用いた。30μm厚でアナターゼ型酸化チタンの200質量部を分散することにより作製した可撓性反射層を、一液型加熱硬化シリコーンゴム接着剤X−32−1964(信越化学工業株式会社製;商品名)を用い、シランカップリング剤としてNo.4を用いて処理した。可撓性支持体にシランカップリング剤含有組成物を塗布してから、加熱し、可撓性反射基材を作製し、各種物性について、検討した。この可撓性反射基材を、R20mmのロールで90°に曲げ、それを開放する試験を30万回繰り返して行い、反射層の剥離、クラックなど外観の変化を確認した。

0153

0154

表1から明らかな通り、このシランカップリング処理により可撓性反射基材の剥離強度が、向上している。

0155

可撓性膜状反射層11・15は、研磨、粗面化、及び/又はケミカルエッチングによって、白色無機フィラー粉末の一部を、反射層表面から露出させていてもよい。研磨は、具体的には、粗さ500〜10000番の研磨布紙、例えば紙やすりで擦ったり、微粒子含有研磨剤で磨いたり、砥石磨くホーニングを行ったり、布皮などの柔軟材料で擦るバフ研磨を行ったり、表面をエンボス加工してやすりのような凹凸を付したローラーを高速回転させながら接触させたりして、シリコーンゴムの表面に白色無機フィラーを露出させるものである。粗面化は、具体的には、金属粗粒、砂又は研磨剤を吹き付けるサンドブラスト梨地加工を行ったり、研磨剤を懸濁した液を噴射するウェットブラストを行ったり、金属やすり等で擦傷したり、金属ブラシ金属タワシスチールウールで毛掻いたり、紫外線照射による洗浄処理や、コロナ放電処理により、有機物を除去して、シリコーンゴムの表面に、白色無機フィラー粉末が露出するまで物理的に付して表面加工するというものである。ケミカルエッチングは、具体的には、塩酸硫酸硝酸フッ化水素酸のような強酸による酸処理を行ったり、苛性ソーダなどでアルカリ処理をしたりして、シリコーンゴムの表面に、白色無機フィラー粉末が露出するまで化学的に付して表面加工するというものである。可撓性膜状反射層の研磨による粗面化の場合、材料硬度はJIS K 6253 に準拠したJIS A硬度計で60以上あると容易に研磨することができるので望ましい。

0156

このような研磨や粗面化やケミカルエッチングにより露出した白色無機フィラー粉末の粒子表面で、光が反射することから、反射効率が一層向上する。物理的研磨がより好ましい。

0157

図9は、ポリジメチルシロキサンのみから成るシリコーンゴム100質量部中に、白色無機フィラー粉末としてアナターゼ型酸化チタンとルチル型酸化チタンの100質量部が、夫々分散されつつ含有された可撓性反射基材について、#1500の紙やすりで、表面を擦って研磨した前後における照射波長と、それの反射率との相関関係を示す図である。

0158

図9から明らかな通り、これらの粗面化した可撓性反射基材は、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルシロキサンにおいても白色無機フィラー粉末がアナターゼ型酸化チタンであるかルチル型酸化チタンであるかに関わらず、波長200〜1000nmの広範囲に渡り、反射率は3%程度高い。しかも、可撓性反射基材は、JIS K7375に準拠し、標準白板を100としたとき、同じく100程度の反射率相対値を示し、反射効率が高いことが示された。

0159

特に、図9に示す通り、ルチル型酸化チタンを含有するポリジメチルシロキサンのみから成る可撓性反射基材は、反射率が100%を越え、反射効率が極めて高いものであった。

0160

これらの表面を粗面化した可撓性反射基材は、金属と接着し易く、そのシリコーンゴムの表面で、金属膜が確りと付され易くなる。また、カップリング処理された白色無機フィラー粉末を用いた可撓性反射基材においても同様に接着し易くなり両者を組み合わせると更に接着しやすくなる。金属膜は、銅、銀、金、ニッケル、パラジウム等のめっき被膜金属蒸着被膜、接着剤、金属溶射で接着された金属箔膜が挙げられる。

0161

金属膜は、可撓性反射基材に直接、めっきされ、金属蒸着され、又は金属箔膜を接着剤で接着されて形成されていてもよい。可撓性反射基材が予めコロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理、フレーム処理、イトロ処理され、あるいはポリパラキシリレンでコーティング処理されて下塗りされ、その上に蒸着等による金属膜で被覆されてもよい。

0162

金属膜の形成方法の一例は、以下の通りである。白色無機フィラー粉末が含有されて板状に形成された可撓性反射基材に、マスキング材としてフィルムを貼付する。次にポリパラキシリレン類である「パリレンC」(日本パリレン株式会社製の商品名;「パリレン」は登録商標;-[(CH2)-C6H3Cl-(CH2)]n-)の被膜を設けるため、「パリレンC」の原料ダイマーである粉末状のモノクロロパラキシリレン類2量体気化室に入れ減圧下で加熱して、蒸発したダイマーが熱分解室誘導され反応性の高いパラキシリレンモノマーラジカルとした後、反射基材に蒸着させて0.5〜5ミクロン、好ましくは1〜2ミクロンのポリパラキシリレン類コーティング処理し、下塗り層を形成して調製する。その下塗り層の上に、真空蒸着により、金属層として厚さ数ミクロン銀層を形成させる。その後、マスキング材を剥がすと、金属膜が付されてしかもガス透過係数絶縁抵抗の小さい可撓性反射基材が得られる。

0163

金属蒸着に代え、金属めっき、金属箔膜の接着であってもよく、それの調製方法は、特に限定されない。

0164

めっきの方法としては、まず白色無機フィラー粉末が含有されて板状に形成された可撓性反射基材を、酸又はアルカリを用いて表面を粗面化し、その後、無電解ニッケルめっきによってニッケルめっきし、その後電解めっきにより銅めっきをする。さらに用途に合わせ金や銀のめっきを行う。

0165

銅箔を貼り合わせる方法としては、銅箔の裏面に接着剤層を形成し、その接着剤層側を、白色無機フィラー粉末が含有されてシート状に形成されたシリコーンゴム製可撓性反射層に貼り合わせ油圧プレスにて加熱硬化させ、架橋接着をすることができる。銅箔はロール状の連続シートであってもそれを裁断した個別シートであってもよい。巻かれているロール状に巻かれた銅箔を、引き出し、シリコーン樹脂製反射基材と貼り合わせてから、再度、ロール状に巻き取られてもよい。

0166

このように可撓性支持体の上に金属層を設け、その金属層に回路エッチングにより形成し、発光ダイオードチップ結線する部分及び搭載する部分を除いて、シルク印刷によりシリコーンゴム原材料組成物を塗布し、可撓性膜状反射層を形成する場合、前記回路と可撓性膜状反射層の間に、ガスバリア層を設けてもよい。可撓性膜状反射層は、三次元架橋したシリコーンゴム及び無機フィラー粉末よりなるので、エポキシ樹脂などの通常の樹脂よりもガス透過性が高いため、回路の金属層が腐食され酸化皮膜を形成するため可撓性膜状反射層と金属層の間で剥離が発生する場合がある。これを防止するためガスバリア性を有する皮膜を可撓性膜状反射層と金属層の間に形成するとよい。ガスバリア層も、可撓性を有している。ガスバリア層の厚みとしては、1〜30μmが好ましく、材料としては、シリコーンゴムよりガス透過性が小さい樹脂であれば適宜選択して使用することができるが、エポキシ樹脂などのフォトレジストや、パラキシリレンコート、ポリイミド樹脂、ポリパラキシリレン、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミドなどが特に望ましい。

0167

シリコーンゴム製可撓性膜状反射層の上に金属箔や金属めっきを付してもよい。また、銅箔にシリコーンゴム原材料組成物を塗工し基板に貼り合わせてエッチングしパターンを作製してもよく、基板にシリコーンゴムを塗工しその後めっきを付してもよい。

0168

可撓性反射基材は、一般的な白熱電球やハロゲンランプやLED等による電気スタンドのような照明装置の他、太陽電池のように光を反射するのに用いてもよく、電気ストーブ燃焼ストーブ等の熱源近傍の壁や什器に貼付して赤外線を反射させ加熱効率を上げたり壁や什器の対熱保護のために用いられたりしてもよい。

0169

以下に、本発明の可撓性反射基材を試作し、装置に組み込んだ例を示す。

0170

(実施例1)
初期反射率の比較
(ポリフェニルシロキサンゴムとポリジメチルシロキサンゴムとの比較)
ポリフェニルシロキサンゴム(商品名XE14−C2508:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)とポリジメチルシロキサンゴム(商品名IVSM4500:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)を用いて、アナターゼ型酸化チタン(商品名A−950:堺化学工業株式会社製)とルチル型酸化チタン(商品名GTR−100;堺化学工業株式会社製;平均粒径0.26μm)とアルミナ(商品名AES12:住友化学株式会社製)を各々200質量部添加し、加熱プレスにて、25μmのポリイミドを支持体に150℃で10分間の硬化条件によって、縦70mm、横70mm、厚さ50μmのシリコーンゴム白色可撓性膜状反射層を有する可撓性反射基材を作製した。なお、硬化後のシリコーンゴム白色反射層の硬度はショアーD30〜50の範囲にあり、ゴム弾性の性質を有していた。それぞれの反射率を、分光光度計UV−3150(株式会社島津製作所製)を用いて測定した。その結果を示す図7よりすべてにおいてポリジメチルシロキサンをベースポリマーとした場合3〜5%の反射率の向上が見られた。

0171

(実施例2)
高温での経時後の反射率
ポリフェニルシロキサンゴム(商品名XE14−C2508:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ)とポリジメチルシロキサンゴム(商品名IVSM4500:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)にアナターゼ型酸化チタン(商品名A−950:堺化学工業株式会社製)とルチル型酸化チタン(商品名GTR−100;堺化学工業株式会社製)をそれぞれ200質量部添加し、加熱プレスにて、25μmのポリイミドの支持体に150℃で10分間の硬化条件によって、縦70mm、横70mm、厚さ50μmのシリコーンゴム白色可撓性膜状反射層を有する可撓性反射基材を作製した。150℃で1000時間、加熱経過後の反射率を、分光光度計UV−3150(株式会社島津製作所製)を用いて測定した。その結果を示す図8より、ポリフェニルシロキサンゴムの可撓性反射基材は短波長側で反射率の低下が見られるのに対し、ポリジメチルシロキサンゴムの可撓性反射基材は反射率の低下が見られない。

0172

(実施例3)
ポリジメチルシロキサンゴム(商品名IVSM4500:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)にアナターゼ型酸化チタン(商品名A−950:堺化学工業株式会社製)とルチル型酸化チタン(商品名GTR−100;堺化学工業株式会社製)をそれぞれ100質量部添加し、加熱プレスにて、25μmのポリイミドの支持体に150℃で10分間の硬化条件によって、縦70mm、横70mm、厚さ50μmのシリコーンゴム白色可撓性膜状反射層を有する可撓性反射基材を作製した。それぞれの反射率を、分光光度計(商品名UV−3150;株式会社島津製作所製)を用いて初期反射率を測定した後、#1500のサンドペーパーでシリコーンゴム白色可撓性膜状反射層の表面をそれぞれ研磨し、再度反射率を測定した。その結果を示す図9より、研磨などで表面加工を行うことにより2〜3%反射率が向上した。

0173

以上から明らかな通り、ポリフェニルシロキサンゴムの可撓性反射基材は、十分な反射率を有している。ポリジメチルシロキサンをベースポリマーとした場合ポリフェニルシロキサンをベースにした場合よりも反射率が高くさらには1000時間経過後でも反射率の低下は見られない。これより黄変したり劣化したりすることが無いため、耐光性、耐熱性、耐候性に優れており、有用な反射材料であることがわかった。また表面加工をすることによって、反射率が向上するとも分かった。

0174

(実施例4)
ポリジメチルシロキサンゴム(商品名IVSM4500:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)にシリコーンゴム100質量部に対してルチル型酸化チタン(商品名GTR−100;堺化学工業株式会社製)を100質量部添加し、加熱プレスにて、25μmのポリイミドの支持体に150℃で10分間の硬化条件によって、縦70mm、横70mm、厚さ50μmのシリコーンゴム白色可撓性膜状反射層を有する可撓性反射基材を作製した。

0175

(比較例1)
エポキシ樹脂100質量部に対してルチル型酸化チタン(商品名GTR−100;堺化学工業株式会社製)を100質量部添加したエポキシ樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、エポキシ樹脂白色反射シートを作製した。

0176

実施例4の可撓性反射基材と比較例1の反射シートとを、実施例2と同様に耐熱性試験を行った。加熱前と150℃で1000時間加熱経過後の反射率を、分光光度計UV−3150(株式会社島津製作所製)を用いて測定した。その結果を図10に示す。図10から明らかな通り、エポキシ樹脂白色反射シートは全波長領域でポリジメチルシロキサンゴム製可撓性反射基材より反射率が低い。また、加熱経時したエポキシ樹脂白色反射シートは、短波長側で著しい反射率の低下が見られるのに対し、ポリジメチルシロキサンゴム製可撓性反射基材は反射率の低下が見られない。

0177

(実施例5)
支持体として、25μmのポリイミドフィルムに15μmの銅めっきを施した。これにフォトレジストを用いて、エッチング加工により回路を形成した。次に、アナターゼ型酸化チタンをシリコーンゴム100質量部に対して150〜200質量部の範囲で配合を変え、必要によりシリコーンゴムパウダーを夫々適量ずつ加えてアナターゼ型酸化チタン含有白色反射材用の原材料組成物となし、これを回路の表面にLEDチップ及び配線を行う部分を除いて、スクリーン印刷を用いて30μmの厚みで塗布し、150℃×1時間加熱し、可撓性反射層を形成した。このとき反射層の硬さはJIS A型硬度計で5、10、20、50、80、JISD型硬度計で30、50の硬度を有するシリコーンゴム製可撓性白色反射基材を作製した。

0178

(比較例2)
別のシリコーン樹脂を用いてJISD型硬度計で70の反射層を有するシリコーン樹脂製白色反射基材を作製した。

0179

実施例5と比較例2とのシリコーン樹脂製白色反射基材を、その反射層が外側になるようにしながら、R5mmのロールに巻き付け、それを開放する試験を30000回繰り返して行い、反射層の剥離、クラックなど外観の変化を確認した。その結果を、表2に示す。表2から明らかな通り可撓性反射層には変化が見られなかった。

0180

0181

方比較例2のJISD型硬度計で70の硬度の反射層を有するシリコーン樹脂製白色反射基材は反射層に可撓性が無いため初期からクラックが入った。

0182

(実施例6)
実施例5及び比較例2で用いた試料を150℃×1000時間の高温試験により外観に変化が無いか比較試験を行った。その結果を表3にまとめて示す。

0183

表3から明らかな通り、実施例5の可撓性反射層には変化が見られなかった。一方、比較例のJISD型硬度計で70の硬度の反射層を有する反射基材は線膨張に追従できず、初期からクラックが入っていた。

0184

0185

このことから明らかな通り、実施例5及び6のような本発明を適用するシリコーンゴム原材料組成物からなる反射層は、支持体の可撓性に追随し、加熱における線膨張の違いによる応力緩和でき良好な結果を有する。

0186

(実施例7)
支持体として、25μmのポリイミドフィルムに15μmの銅めっきを施した。この銅めっきにフォトレジストを用いて、エッチング加工により回路を形成した。この回路の表面にLEDチップ及びその配線を行う部分を除いてポリイミドワニス(商品名;FC−114ファイン・ポリイミドワニス:ファインケミカルジャパン社製)を2回塗りして加熱硬化し膜厚4μmのガスバリアー層を設けた。しかる後、実施例5と同様にして可撓性反射基材(ともに反射層の硬度はJIS A硬度計で80)を作製した。

0187

実施例5及び実施例7の可撓性反射基材を280℃の半田ディップ層に10秒間3回浸漬した。その結果、実施例5の可撓性反射基材は、金属層と可撓性膜状反射層との間で層間剥離が生じたが、実施例7の可撓性反射基材は、剥離は生じず変化が見られなかった。

0188

(比較例3)
実施例5のシリコーンゴム原材料組成物よりなる可撓性反射層に変えてエポキシ樹脂を用いたこと以外は、実施例5と同様にしてエポキシ樹脂製反射基材を得た。
実施例5の可撓性反射基材及び比較例3のエポキシ樹脂製反射基材を波長400nmの光源を5000時間照射した。その結果、実施例5の可撓性反射基材は、外観、反射率共に変化は確認されなかったが、比較例3のエポキシ樹脂製反射基材は、外観が褐色に変化し短波長側の反射率が大幅に低下した。

0189

(実施例8)
シリコーン接着剤(商品名X−32−1964:信越化学工業株式会社製)にルチル型酸化チタン(商品名GTR−100;堺化学工業株式会社製)を100質量部添加しさらに反応抑制剤としてアセチレンアルコールを0.01部添加し可撓性反射基材に用いる液状の原材料組成物(粘度600Pa・s)を得た。この保存開封後、室温において7日間放置し粘度を測定した結果変化が見られず、酸化チタンの沈降が見られず、150℃1時間の加熱硬化においても反射率、硬さとも初期の原材料組成物のものと同じ特性を示し、長期の保管性を示し、また図2のようにLEDを実装でき、量産において生産性に優れていることが分かった。

0190

(比較例4)
一液型エポキシ樹脂性レジストインクにおいては、その保存缶の開封後、室温において24時間放置し確認した結果、外周が硬化し内部がゲル化し使用ができない状況であった。

0191

(実施例9)
チップオンフィルム(以下COFとする)として、厚さ38μmのポリイミドフィルムに厚さ8μmの導体(銅箔)に回路を形成し、ランドパターン部を除いてガスバリア層としてポリイミドワニス(商品名;FC−114ファイン・ポリイミドワニス:ファインケミカルジャパン社製)を2回塗りして加熱硬化し膜厚4μmのガスバリアー層を設けたのち、スクリーン印刷により、ランドパターン部を除き、白色無機フィラー含有の原材料組成物を30μm塗布し、150℃×1時間で硬化させ、可撓性膜状反射層を形成し、COFの可撓性反射基材を得た。白色無機フィラー含有の原材料組成物はポリジメチルシロキサンゴム(商品名IVSM4500:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)100質量部にアナターゼ型酸化チタン(商品名A−950:堺化学工業株式会社製)とルチル型酸化チタン(商品名GTR−100;堺化学工業株式会社製)を80質量部添加したものである。この可撓性反射基材に日亜化学製白色LEDパッケージSSW064を直接ランド部の上にマウントし、鉛フリーリフローに通しハンダを行い、高反射COF基板のフレキシブルLED照明基板を得た。この基板は可撓性に優れ厚みも薄く曲面にあわせて狭いところに入れられ、熱による黄変もない反射率98%のCOFとなった。また、金属と可撓性膜状反射層との剥離も認めれなかった。

0192

(実施例10)
実施例9と同様にしてCOFの可撓性反射基材を得た。そこにベアチップLED素子自体)を直接基板上のランドパターンに実装しワイヤー金線ボンディングし、シリコーン透明樹脂で封止を行い、フレキシブルLED照明基板を得た。この基板は熱による黄変もなく反射率98%のCOFとなった。

0193

(実施例11)
実施例10と同様にしてCOFの可撓性反射基材を得た。そこにベアチップ(LED素子自体)を直接基板上のパターンに実装しワイヤー(金線)ボンディングし、シリコーン透明樹脂で封止を行った。さらに、樹脂封止されたベアチップ周辺を囲むようにして反射枠として酸化チタン含有シリコーンゴム原材料組成物をディスペンサーにより、高さ0.5mmで吐出したのち150℃×1時間で硬化させ厚物成形を行いシリコーンゴム製可撓性反射枠付高反射COFを得た。

0194

(実施例12)
実施例9と同様にして回路を形成した後、φ1mmに収まるランドパターン部を除いて酸化チタン含有ジメチルシリコーンゴム原材料組成物をスクリーン印刷により塗布し、150℃×1時間で硬化させ、φ1mmの微細なランドパターンにダレることなく反射層を形成することができた。

0195

(実施例13)
実施例9と同様にして回路を形成した後、φ1mmに収まるランドパターン部を除いて酸化チタン含有ジメチルシリコーンゴム原材料組成物をスクリーン印刷により塗布し、150℃×1時間で硬化させ、φ1mmの微細なランドパターンにダレることなく反射層を形成することができた。更に、サンドペーパー#1000を用い表面を研磨し、酸化チタン粉末を露出させた基板の反射率を測定したところ、3%の反射率向上が見られた。

0196

(実施例14)
実施例9と同様にして回路を形成した後、φ1mmに収まるランドパターン部を除いて無機白色フィラー粉末としてアナターゼ酸化チタンを100質量部、YAG蛍光体を3質量部含有させたジメチルシリコーンゴム原材料組成物をスクリーン印刷により塗布し、150℃×1時間で硬化させ、φ1mmの微細なランドパターンにダレることなく可撓性反射層を形成することができた。サンドペーパー#1000を用い表面を研磨し、無機白色フィラー粉末を露出させた基板の反射率を測定したところ90%であった。400〜500nmの吸収が確認されその分反射率が低下したものの十分な反射率を維持できるとともに、550nmの励起光が確認された。

0197

(実施例15)
支持体として、25μmのポリイミドフィルムにプラズマ処理を行い、プライマー処理を行い可撓性反射層として、シリコーンゴム100質量部に対してアルミナで表面処理を行ったアナターゼ型酸化チタン200質量部を配合し分散させ30μmの厚みで塗布し、その支持体の反対の面にはシリコーン粘着剤を30μmで塗工し、離型シートを積層し、150℃×1時間加熱し、可撓性反射層と粘着層を有したカバーレイフィルムを得た。このカバーレイフィルムを、回路を設けてあるFR−4基板にランドパターンを逃がすように穴を開け、位置を合わせて、貼り合わせた。

0198

(実施例16)
シリコーン樹脂原材料組成物を調製後、シロキシ基繰返単位を4〜10とする低分子量ポリシロキサンを300ppm未満になるまで、減圧下及び/又は200℃で維持した後、常圧に戻して用いたこと以外は、実施例1〜15と同様にして、シリコーン樹脂製反射基材を作製し、夫々LEDを実装してLED照明基板を製造したところ、何れも電気接点障害、くもりの発生による照度低下などの現象は、認められなかった。

0199

(実施例17)
酸化チタンを、前記化学式(1)で示される反応性基含有ポリシロキサンをシランカップリング剤として浸漬し、表面処理したこと以外は、実施例1と同様にして、シリコーン樹脂製反射基材を作製したところ、表面処理しない場合よりも、前記表1で示す場合と同様に、樹脂製反射基材の曲げ強度と硬度とが、向上していた。

0200

(製造例1)
チップオンボード(以下COBとする)として、ガラエポ基板(FR−4基板)に導体厚み8μm(銅箔)に回路を形成しランドパターン部を除き、ガスバリア層としてエポキシ樹脂でコーティングし150℃×4時間で硬化させたのち、スクリーン印刷により酸化チタン含有のシリコーンゴム原材料組成物(シリコーンゴム原材料組成物はポリジメチルシロキサンゴム(商品名IVSM4500:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)100質量部にアナターゼ型酸化チタン(商品名A−950:堺化学工業株式会社製)とルチル型酸化チタン(商品名GTR−100;堺化学工業株式会社製)を80質量部添加したもの)を塗布し、150℃×1時間で硬化させ、COFのシリコーンゴム製可撓性反射層を有する反射基材を得た。そこに日亜化学製白色LEDパッケージNSSW064を直接フィルム上にマウントし、鉛フリーリフローに通しハンダを行い、高反射COB基板を得た。

0201

(製造例2)
製造例1と同様にしてCOBのシリコーンゴム製可撓性反射層を有する基材を得た。そこにベアチップ(LED素子自体)を直接基板上のランドパターンに実装しワイヤー(金線)ボンディングし、シリコーン透明樹脂で封止を行い、ガラスエポキシLED照明基板を得た。この基板は熱による黄変もなく反射率98%のCOBとなった。

0202

(製造例3)
COBとしてBTレジン製基板(三菱ガス化学株式会社製)に導体厚み8μm(銅箔)を形成しランドパターン部を除き、ガスバリア層としてエポキシ樹脂を20μmコーティングし150℃×4時間で硬化させたのち、可撓性反射層をスクリーン印刷により塗布し、150℃×1時間で硬化させ、COBのシリコーンゴム製可撓性反射層を有する基材を得た。そこにベアチップ(LED素子自体)を直接基板上のパターンに実装しワイヤー(金線)ボンディングしシリコーン透明樹脂で封止を行った。さらに、樹脂封止されたベアチップ周辺を囲むようにして反射枠として酸化チタン含有シリコーンゴム原材料組成物をディスペンサーにより、高さ0.5mmで吐出したのち150℃×1時間で硬化させ厚物成形を行いシリコーンゴム製可撓性反射枠付高反射COBを得た。

0203

(製造例4)
製造例1と同様にして回路を形成した後、φ1mmに収まるランドパターン部を除いて酸化チタン含有ジメチルシリコーンゴム原材料組成物をスクリーン印刷により塗布し、150℃×1時間で硬化させ、φ1mmの微細なランドパターンにダレることなく反射層を形成することができた。

0204

(製造例5)
製造例1と同様にして回路を形成した後、φ1mmに収まるランドパターン部を除いて酸化チタンジメチルシリコーンゴム原材料組成物をスクリーン印刷により塗布し、150℃×1時間で硬化させ、φ1mmの微細なランドパターンにダレることなく反射層を形成することができた。更に、サンドペーパー#1000を用い表面を研磨し、酸化チタン粉末を露出させた基板の反射率を測定したところ、3%の反射率向上が見られた。

0205

(製造例6)
製造例1と同様にして回路を形成した後、φ1mmに収まるランドパターン部を除いて無機白色フィラー粉末としてアナターゼ酸化チタンを100質量部、YAG蛍光体を3質量部含有させたジメチルシリコーンゴム原材料組成物をスクリーン印刷により塗布し、150℃×1時間で硬化させ、φ1mmの微細なランドパターンにダレることなく可撓性反射層を形成することができた。サンドペーパー#1000を用い表面を研磨し、無機白色フィラー粉末を露出させた基板の反射率を測定したところ90%であった。400〜500nmの吸収が確認されその分反射率が低下したものの十分な反射率を維持できるとともに、550nmの励起光が確認された。

0206

(製造例7)
支持体として、25μmのポリイミドフィルムにプラズマ処理を行い、プライマー処理を行い可撓性反射層としてシリコーンゴム100質量部に対してアルミナで表面処理を行ったアナターゼ型酸化チタン200質量部を配合し分散させ30μmの厚みで塗布し、その支持体の反対の面にはシリコーン粘着剤を10μmで塗工し、熱伝導層として、50μmのアルミ箔を積層し、更に粘着剤を10μmで塗工し離型シートを積層し、150℃×1時間加熱し、可撓性反射層と粘着層を有したカバーレイフィルムを得た。このカバーレイフィルムを、回路を設けてあるFR−4基板にランドパターンを逃がすように穴を開け、位置を合わせて、貼り合わせた。

0207

(製造例8)
シリコーンゴムに代えてシリコーン樹脂を用いて、酸化チタンを含有したシリコーン樹脂製の液状又は塑性の原材料組成物となし、これを25μmのポリイミドフィルムの可撓性支持体上の導電回路に半田付けしたベアチップの周り最外直径3mmのケーシングとして、高さ1mmでドーナッツ状ポッティングして高反射枠を設け、チップ該当箇所を透明シリコーン樹脂で封止し、可撓性反射基材を作製した。この可撓性反射基材を曲率半径20mmに撓ませたが剥離異常は起きなかった。このポッティングした箇所の硬度は、JISD型硬度計により、ショアD硬度で70であった。

0208

以上の製造例1〜7に示すように、シリコーンゴム及び酸化チタンのようなシリコーンゴムよりも高屈折率の白色無機フィラー粉末を含有するシリコーンゴム製の液状又は塑性の原材料組成物は、可撓性支持体のみならず、板状支持体とも組み合わせることができる。

実施例

0209

また、製造例8のように、可撓性支持体にシリコーンゴムに代えてシリコーン樹脂を用いて、酸化チタンのようなシリコーン樹脂よりも高屈折率の白色無機フィラー粉末を含有するシリコーン樹脂製の液状又は塑性の原材料組成物をベアチップのケーシングとして、直径4mm以下といったように面積を取らない形でポッティングして用いても可撓性支持体の撓みの曲率半径が例えば20mm以上と大きい場合は、可撓性反射基材に用いることができる。

0210

本発明の可撓性反射基材は、発光ダイオードのような発光素子、白熱電球、ハロゲンランプ、水銀灯、蛍光灯のような発光装置に装着するもので、発光した光を反射して所望の方向へ出射させるために、それら発光光源に実装される配線基板やパッケージケースとして用いられる。また、この可撓性反射基材は、太陽電池素子のような光電変換素子に装着するもので、入射する光を反射して、光電変換素子へ集光させるために、それら光電変換素子に実装される配線基板やパッケージケースとして用いられる。

0211

本発明の可撓性反射基材の製造方法は、それら発光装置の作製に有用である。

0212

また、本発明の原材料組成物は、可撓性反射基材を塗布、噴霧、浸漬、成型等により簡易に形成するのに有用である。

0213

また、本発明の原材料組成物は、室温に対して安定して保管することができるので、缶に入れ、レジストインクとして製品となる。また、適宜に粘度を調整して、可撓性支持体に印刷、ポッティング、塗布、噴霧、浸漬、成形等簡易に反射層を形成するのに有用である。

0214

10は可撓性反射基材、11は可撓性膜状反射層、11aは反射層膜、12は可撓性支持体、13・13aは粘着剤層、14は剥離紙、14aは剥離紙シート、17は剥離シート、15は白色無機フィラー粉末、16は穴、20は配線基板、21は絶縁板、22a・22bは配線パターン、23は発光素子、25は塗工ノズル、26はヒーター、27は穴開けパンチ、28は噴霧ノズル、29はカッター、30は可撓性反射基材、31は可撓性膜状反射層、31aは反射層膜、32は可撓性支持体、32aは支持体シート、33は粘着剤層、33aは粘着剤層膜、34は剥離紙、34aは剥離紙シート、40はLED発光装置、42a・42bは配線パターン、43は発光素子、45は噴霧ノズル、46は塗工ノズル、47はヒーター、48はカッターである。

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