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技術 自然循環型沸騰水型軽水炉

出願人 日立GEニュークリア・エナジー株式会社
発明者 池側智彦木藤和明
出願日 2017年4月20日 (3年2ヶ月経過) 出願番号 2017-083385
公開日 2018年11月15日 (1年7ヶ月経過) 公開番号 2018-179891
状態 未査定
技術分野 原子炉、減速部及び炉心部の構造 原子炉の制御 原子炉の冷却
主要キーワード 破損リスク 必要空間 作業頻度 流力振動 トップヘッド チムニ 動的機器 水密度
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

自然循環炉に適している利点を活用しつつ、炉内構造物との干渉の可能性を物理的に排除できる、実現性の高い上部制御棒方式の自然循環沸騰水型軽水炉を提供する。

解決手段

正方形燃料集合体22の間に上部側から挿入して炉出力を調整するための複数の十字型制御棒5と、自然循環流量を増加させるために炉心2の上方に設置された分割チムニ7と、分割チムニ7の上方に設けられ、重力によって気水分離を行うための重力気水分離空間20と、重力気水分離空間20の上方、かつ炉心2の上方の径方向外側に環状に配置され、重力気水分離空間20を通過した湿り蒸気から湿分を除去するための環状ドライヤ19と、を備え、分割チムニ7は、十字型制御棒5が炉心2から上方に引き抜かれる際に十字型制御棒5と干渉せず、かつ上方に引き抜かれる十字型制御棒5の径方向を支持する。

概要

背景

上部挿入制御棒方式の自然循環沸騰水型軽水炉に係る発明として、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1によれば、炉心の上方に制御棒案内筒及び炉心シュラウドを配置し、更にその上に制御棒駆動機構を設けることで、炉心上部からの制御棒挿入を実現するとともに、制御棒案内筒のチムニ効果によって冷却材の炉内自然循環が可能になるとしている。

概要

自然循環炉に適している利点を活用しつつ、炉内構造物との干渉の可能性を物理的に排除できる、実現性の高い上部制御棒方式の自然循環型沸騰水型軽水炉を提供する。正方形燃料集合体22の間に上部側から挿入して炉出力を調整するための複数の十字型制御棒5と、自然循環流量を増加させるために炉心2の上方に設置された分割チムニ7と、分割チムニ7の上方に設けられ、重力によって気水分離を行うための重力気水分離空間20と、重力気水分離空間20の上方、かつ炉心2の上方の径方向外側に環状に配置され、重力気水分離空間20を通過した湿り蒸気から湿分を除去するための環状ドライヤ19と、を備え、分割チムニ7は、十字型制御棒5が炉心2から上方に引き抜かれる際に十字型制御棒5と干渉せず、かつ上方に引き抜かれる十字型制御棒5の径方向を支持する。

目的

本発明は上記の事情を鑑みてなされたもので、その目的は、沸騰水型軽水炉が自然循環炉に適している利点を活用しつつ、炉内構造物との干渉の可能性を物理的に排除できる、実現性の高い上部制御棒方式の自然循環型沸騰水型軽水炉を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

上部挿入制御棒方式の自然循環沸騰水型軽水炉であって、複数の正方形燃料集合体正方格子状装荷した炉心と、前記正方形燃料集合体の間に上部側から挿入して炉出力を調整するための複数の十字型制御棒と、自然循環流量を増加させるために前記炉心の上方に設置された分割チムニと、前記分割チムニの上方に設けられ、重力によって気水分離を行うための重力気水分離空間と、前記重力気水分離空間の上方、かつ前記炉心の上方の径方向外側に環状に配置され、前記重力気水分離空間を通過した湿り蒸気から湿分を除去するための環状ドライヤと、を備え、前記分割チムニは、前記十字型制御棒が前記炉心から上方に引き抜かれる際に前記十字型制御棒と干渉せず、かつ上方に引き抜かれる前記十字型制御棒の径方向を支持する構造であることを特徴とする自然循環型沸騰水型軽水炉。

請求項2

請求項1に記載の自然循環型沸騰水型軽水炉において、前記分割チムニは、前記十字型制御棒の径方向を支持するよう正方格子状に配置された複数の制御棒支持筒と、前記制御棒支持筒を支持するよう正方格子状に設置された支持筒位置決ビームと、から構成されることを特徴とする自然循環型沸騰水型軽水炉。

請求項3

請求項2に記載の自然循環型沸騰水型軽水炉において、前記分割チムニの前記制御棒支持筒と前記支持筒位置決めビームとは、嵌め合い構造で前記制御棒支持筒の上下端辺中央が前記支持筒位置決めビームに対して溶接され、前記制御棒支持筒および前記支持筒位置決めビームを内包するチムニ円筒の内表面に前記支持筒位置決めビームの径方向両端が溶接されたことで前記支持筒位置決めビームの前記チムニ円筒内での位置決めが行われたことを特徴とする自然循環型沸騰水型軽水炉。

請求項4

請求項2に記載の自然循環型沸騰水型軽水炉において、前記制御棒支持筒は、その断面積が前記正方形燃料集合体の炉心垂直方向の4体分の面積を占めることを特徴とする自然循環型沸騰水型軽水炉。

請求項5

請求項1に記載の自然循環型沸騰水型軽水炉において、前記分割チムニは、前記炉心の上方に、前記正方形燃料集合体及び前記十字型制御棒を上方に引き抜く際にいずれとも干渉しないように正方格子状に配置された複数のビームと、前記ビームの辺に設けられ、前記十字型制御棒の十字状ブレードの先端を支持し、かつ、前記正方形燃料集合体を上方に引き抜く際に干渉しない制御棒支持梁と、から構成されることを特徴とする自然循環型沸騰水型軽水炉。

請求項6

請求項5に記載の自然循環型沸騰水型軽水炉において、前記ビームを内包するチムニ円筒の内表面に前記ビームの径方向両端が溶接されたことで前記ビームの前記チムニ円筒内での位置決めが行われたことを特徴とする自然循環型沸騰水型軽水炉。

技術分野

0001

本発明は、自然循環沸騰水型軽水炉に関する。

背景技術

0002

上部挿入制御棒方式の自然循環型沸騰水型軽水炉に係る発明として、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1によれば、炉心の上方に制御棒案内筒及び炉心シュラウドを配置し、更にその上に制御棒駆動機構を設けることで、炉心上部からの制御棒挿入を実現するとともに、制御棒案内筒のチムニ効果によって冷却材の炉内自然循環が可能になるとしている。

先行技術

0003

特開2002−122686号公報

発明が解決しようとする課題

0004

現行の沸騰水型軽水炉は下部挿入制御棒方式を採用している。図4に、現行の自然循環型の沸騰水型軽水炉の構造の一例を示す。

0005

図4に示すように、沸騰水型軽水炉では、原子炉圧力容器101に内包される炉心102で発生する核反応熱によって水を沸騰させることで蒸気飽和水気液二相流を発生させる。気液二相流はスタンドパイプ116を介してセパレータ117に導かれ、セパレータ117で飽和水と湿り蒸気を分離(気液分離)する。

0006

セパレータ117で分離された飽和水はシュラウド104と原子炉圧力容器101の間隙ダウンカマ領域)を流下し、原子炉圧力容器101外から給水配管(図示省略)を介して供給される給水と混合された後、下部プレナム110を経由して炉心102に下方から流入する。

0007

一方、セパレータ117で分離された微小液滴随伴する湿り蒸気は、ドライヤ109でほぼ全ての液滴を除去されて乾き蒸気となった後、主蒸気配管115を介してタービン(図示省略)に導かれ、発電に使われる。

0008

図4に示す沸騰水型軽水炉は自然循環型のため、炉心102に冷却水送り込むためのジェットポンプインターナルポンプがダウンカマ領域に配置されていない。沸騰水型軽水炉では、沸騰によって水の平均密度が大きく変化するため、加圧水型軽水炉に比べて、自然循環方式の採用が容易である。すなわち、シュラウド104より内側の炉心領域の気液二相流の平均水密度が、シュラウド104より外側のダウンカマ領域の単相水の水密度より小さいため、シュラウド内外水頭差駆動力として、ポンプを使用することなく、炉心102に冷却材を供給することができる。

0009

一方、炉心102に装荷する燃料集合体(図示省略)に冷却材が流れる際には圧力損失が生じる。自然循環流量は、シュラウド内外の冷却材密度差によって生じる駆動力と前述した圧力損失のバランスで決まるが、一般に、炉心高さ分の水頭差に起因する駆動力だけでは、十分な炉心流量の確保が難しい。そこで、炉心102の除熱に必要となる炉心流量を確保するため、炉心102の上部に分割チムニ107及びその周囲を取り囲むチムニ円筒108を設置する。これらの炉内構造物を追加することで、炉心高さ分のシュラウド104内外の冷却材密度差に加えて、チムニ円筒108内外の冷却材密度差も自然循環駆動力として利用できるようになるため、炉心流量が増加し、炉心102を十分に冷却することができる。

0010

ここで、原子炉圧力容器101は原子炉格納容器112内に格納される。原子炉格納容器112は複数の領域に区分されており、原子炉圧力容器101の真下の領域は下部ドライウェル114と呼ばれる。炉心102の出力は、制御棒駆動機構106を用いて原子炉圧力容器101の下方から制御棒105を挿入・引抜を行うことで調整する。

0011

制御棒105の引き抜き代や制御棒交換用スペースを考慮に入れて、炉心102の真下の下部プレナム110や下部ドライウェル114の最低限必要となる高さが決定される。そのため、図4に示すように、下部挿入制御棒方式を採用すると、下部プレナム110及び下部ドライウェル114高さを一定以上確保する必要があり、炉心102の原子炉圧力容器101内及び原子炉格納容器112内での設置位置が高くなる。

0012

原子炉格納容器112内には、万一の事故発生時に発生蒸気エネルギーを吸収することで原子炉格納容器112の圧力上昇を抑制し、また、原子炉圧力容器101に注水することで炉心102の損傷を防止するための圧力抑制プール水113が蓄えられている。しかし、炉心102の高さが圧力抑制プール水113の水位より上にあるため、万一、動的設備であるポンプが使えない状況に陥ると炉心102に注水を行うことができなくなる。

0013

これに対して、上部挿入制御棒方式を実現できれば、下部プレナム110及び下部ドライウェル114高さを低減することができ、炉心102位置を圧力抑制プール水113の水位と同等程度まで下げられる可能性がある。炉心102の位置を下げることができれば、万一、動的機器(ポンプ等)が使えなくなる重大な事故が発生したとしても、原子炉圧力容器101と原子炉格納容器112を均圧化することにより、圧力抑制プール水113の水位と原子炉圧力容器内水位103との水頭差を駆動力とする静的注水が可能となり、沸騰水型軽水炉の安全性を向上できることが期待される。

0014

しかるに、特許文献1では、スタンドパイプ、セパレータ、ドライヤと制御棒駆動機構の干渉問題が解決されておらず、その実現は困難である。

0015

本発明は上記の事情を鑑みてなされたもので、その目的は、沸騰水型軽水炉が自然循環炉に適している利点を活用しつつ、炉内構造物との干渉の可能性を物理的に排除できる、実現性の高い上部制御棒方式の自然循環型沸騰水型軽水炉を提供することにある。

課題を解決するための手段

0016

本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、上部挿入制御棒方式の自然循環型沸騰水型軽水炉であって、複数の正方形燃料集合体を正方格子状に装荷した炉心と、前記正方形燃料集合体の間に上部側から挿入して炉出力を調整するための複数の十字型制御棒と、自然循環流量を増加させるために前記炉心の上方に設置された分割チムニと、前記分割チムニの上方に設けられ、重力によって気水分離を行うための重力気水分離空間と、前記重力気水分離空間の上方、かつ前記炉心の上方の径方向外側に環状に配置され、前記重力気水分離空間を通過した湿り蒸気から湿分を除去するための環状ドライヤと、を備え、前記分割チムニは、前記十字型制御棒が前記炉心から上方に引き抜かれる際に前記十字型制御棒と干渉せず、かつ上方に引き抜かれる前記十字型制御棒の径方向を支持する構造であることを特徴とする。

発明の効果

0017

本発明によれば、沸騰水型軽水炉が自然循環炉に適している利点を活用しつつ、炉内構造物との干渉の可能性を物理的に排除できる、実現性の高い上部制御棒方式の自然循環型沸騰水型軽水炉を提供することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。

図面の簡単な説明

0018

本発明の好適な一実施例である実施例1の原子炉格納容器の構成図である。
本発明の好適な一実施例である実施例1の分割チムニの構成図である。
本発明の好適な一実施例である実施例2の分割チムニの構成図である。
現行の下部挿入制御棒方式の自然循環型沸騰水型軽水炉の説明図である。

実施例

0019

以下に本発明の自然循環型沸騰水型軽水炉の実施例を、図面を用いて説明する。

0020

<実施例1>
本発明の好適な一実施例である実施例1の上部挿入方式の自然循環型沸騰水型軽水炉を、図1および図2を用いて説明する。最初に、実現性のある上部挿入制御棒方式の自然循環型沸騰水型軽水炉の概念構成について図1を用いて説明する。図1は本実施例の原子炉格納容器の構成図である。

0021

図1において、本実施例の上部挿入制御棒方式の自然循環型沸騰水型軽水炉では、複数の正方形燃料集合体22(図2参照)が正方格子状に装荷された炉心2が原子炉圧力容器1内に配置される。原子炉圧力容器1には、主蒸気配管15や給水配管(図示省略)が接続される。

0022

炉心2の上方には、自然循環力を向上,増加させるための分割チムニ7が設置され、分割チムニ7はチムニ円筒8内に配置されている。チムニ円筒8はシュラウド4の上方に接続される。これによって、シュラウド4の外側かつ原子炉圧力容器1の内側の領域(ダウンカマ領域)の鉛直方向長さがチムニ円筒8の分だけ延長され、シュラウド4及びチムニ円筒8の内側の冷却材水頭とダウンカマの冷却材水頭差が増大して自然循環力が増加し、燃料集合体を冷却するための炉心流量を確保することができる。

0023

本実施例の分割チムニ7は、十字型制御棒5が炉心2から上方に引き抜かれる際に十字型制御棒5と干渉せず、かつ上方に引き抜かれる十字型制御棒5の径方向を支持する構造となっている。その詳細は図2を用いて後述する。

0024

図4に示すような従来技術とは異なる本発明の重要な特徴として、分割チムニ7の上方にはスタンドパイプ、セパレータ、ドライヤが配置されておらず、上部挿入制御棒方式の十字型制御棒5の挿入・引抜を妨げない構造となっている点が挙げられる。

0025

具体的には、セパレータの代わりに、分割チムニ7の上方に重力による気水分離を行うための重力気水分離空間20が設けられている。

0026

また、湿り蒸気から湿分を除去するためのドライヤとして、重力気水分離空間20の上方、かつ原子炉圧力容器1のトップヘッド一体型の環状ドライヤ19を採用する。なお、環状ドライヤ19は、炉心2の上方の径方向外側に環状に配置されていればよい。

0027

このような重力気水分離空間20および環状ドライヤ19を設けることで、十字型制御棒5及び制御棒駆動軸21との干渉の可能性を物理的に排除している。これにより、本発明では、従来知見では実現困難であった上部挿入制御棒方式を実現する。

0028

また、本実施例では、正方形燃料集合体22の間に上部側から挿入して炉心2の出力を制御するための十字型制御棒5は、上端が制御棒駆動軸21に接続され、制御棒駆動軸21は原子炉圧力容器1外に配置される制御棒駆動機構6に接続されている。

0029

本実施例の自然循環型沸騰水型軽水炉では、十字型制御棒5の上方向への引き抜き代を確保するために、原子炉圧力容器1のトップヘッドと原子炉格納容器12のトップヘッドとの間隙は、図4に示す下部挿入制御棒方式のケースよりも広く確保する必要があり、当該部の必要空間容積が増加する。一方、上部挿入制御棒方式を実現することで、十字型制御棒5を下方に引き抜くためのスペースが不要になるため、図1に示すように、下部プレナム10、下部ドライウェル14の高さを低減することができる、との利点が得られる。

0030

また、図4に示す従来の下部挿入制御棒方式の場合、下部プレナム110内の冷却材は、制御棒105の引き抜き代という観点だけではなく、原子炉定期検査時に下部ドライウェル114で作業を行う作業員被ばく低減の観点で必要な水深を確保する観点での制約もある。これに対し、本発明の上部挿入制御棒方式であれば、炉心2の流量を確保するためのインターナルポンプや制御棒駆動機構106といった、従来の沸騰水型軽水炉では下部ドライウェル114内で検査点検を行う必要のあった機器が全て削減されている。このため、下部ドライウェル14内での作業頻度が減少し、下部プレナム10高さを大幅に低減できる可能性がある。

0031

以上の効果により、図1に示すように、炉心2の設置位置が圧力抑制プール水13水位と同程度とすることができる。このことから、万一、動的機器(ポンプ等)が使えなくなる重大な事故が発生したとしても、原子炉圧力容器1と原子炉格納容器12が均圧化した後は、ポンプのような動的機器に頼ることなく、圧力抑制プール水13の水位と原子炉圧力容器内水位3との水頭差を駆動力とする原子炉圧力容器1への静的注水を実現し、沸騰水型軽水炉の安全性の向上を図ることができる。

0032

なお、本発明の上部挿入制御棒方式では、重力気水分離空間20内に設置する複数の制御棒駆動軸21により、湿り蒸気に随伴される微小液滴が制御棒駆動軸21表面に付着して除去される効果が加わるため、下部挿入制御棒方式に比べて、重力気水分離空間20の気水分離性能が向上し、重力気水分離性能向上効果も得られる。

0033

以上のように、本発明の上部挿入制御棒方式の自然循環型沸騰水型軽水炉によれば、炉心2の上方の炉内構造物(スタンドパイプ、セパレータ、ドライヤ)と上方向に引き抜く十字型制御棒5や制御棒駆動軸21との干渉の可能性を物理的に排除しつつ、原子炉圧力容器1内及び原子炉格納容器12内における炉心2の設置位置を大幅に下げることができ、万一、ポンプ等の動的機器が使用できない重大な事故が発生したとしても、重力を駆動力とする静的注水によって炉心2を安定して冷却することができるため、自然循環型の沸騰水型軽水炉の安全性を向上することができる。

0034

また、本実施例の分割チムニ7は、炉心2から上方に引き抜かれた十字型制御棒5を支持できる構造を実現することを特徴としている。その構造の詳細について図2を用いて説明する。図2は、本実施例の分割チムニ7及びチムニ円筒8を上から見た図である。

0035

上述のように、本実施例の自然循環型沸騰水型軽水炉では、正方形燃料集合体22が炉心2内に正方格子状に配置されている。このうち、4体の正方形燃料集合体22毎に1本ずつ、十字型制御棒5が割り当てられており、挿入・引抜を行うことで十字型制御棒5の周辺の正方形燃料集合体22の出力分布を調整する。

0036

本実施例の分割チムニ7は、炉心2から上方に引き抜かれた状態の十字型制御棒5を支持することができるように、複数の制御棒支持筒23と支持筒位置決ビーム24Aとから構成される。

0037

制御棒支持筒23は、正方形燃料集合体22の約2倍の辺長をもつ大型の筒であり、十字型制御棒5の径方向を支持するよう正方格子状に配列して配置されている。図2に示すように、この制御棒支持筒23によって、制御棒支持筒23の間隙で上方向に引き抜かれた十字型制御棒5を支持することが可能となり、十字型制御棒5が気液二相流の流力振動発生によって破損するリスクを大幅に低減することができる。制御棒支持筒23は、炉心2の長軸方向に対して垂直な方向の長さが十字型制御棒5と同じ長さであり、その断面積が正方形燃料集合体22の炉心2の垂直方向の4体分の面積を占めるサイズとなっている。なお、気液二相流の大部分は、制御棒支持筒23の筒内を上方に流れ、重力気水分離空間20に到達する。

0038

また、支持筒位置決めビーム24Aは、制御棒支持筒23を支持するよう正方格子状に設置されている。この支持筒位置決めビーム24Aは、十字型制御棒5を安定して支持するために、制御棒支持筒23の上下端(炉心2と接する分割チムニ7入口部、及び重力気水分離空間20側の分割チムニ7出口部)の辺中央が支持筒位置決めビーム24Aと嵌め合い構造となっており、更にその嵌め合い部分が溶接されている。このような構造により、制御棒支持筒23間の距離を適切に保持することを特徴としている。

0039

また、図2に示すように、支持筒位置決めビーム24Aの端部をチムニ円筒8内壁に溶接されている。これにより、制御棒支持筒23、支持筒位置決めビーム24Aのチムニ円筒8内における位置が固定されており、十字型制御棒5を安定して支持する特徴を有している。

0040

このような分割チムニ7を用いることにより、流力振動発生による十字型制御棒5の破損リスクを大幅に低減することが可能となり、実現性のある上部挿入制御棒方式の自然循環型沸騰水型軽水炉を提供することができる。

0041

<実施例2>
本発明の実施例2の上部挿入方式の自然循環型沸騰水型軽水炉を、図3を用いて説明する。図3は、本実施例の分割チムニ及びチムニ円筒8を上から見た図である。

0042

なお、原子炉格納容器及び原子炉圧力容器内の構成は図1に同じであるため、詳細は省略する。ここでは、十字型制御棒5を支持できる分割チムニ7の構造の図2とは異なる部分を中心に説明する。また、実施例1と同じ構成には同一の符号を示し、説明は省略する。

0043

図3に示すように、本実施例の分割チムニは、炉心2から上方に引き抜かれた状態の十字型制御棒5を支持することができるように、複数のビーム24Bと制御棒支持梁25とから構成される。

0044

ビーム24Bは、炉心2の上方に、正方形燃料集合体22及び十字型制御棒5を上方に引き抜く際にいずれとも干渉しないように正方格子状に配置されており、正方格子を構成できるように縦横方向に一定間隔で配置されている。ビーム24Bは、その径方向両端部がチムニ円筒8の内表面に溶接されたことでビーム24Bのチムニ円筒8内での位置決めが行われている。ビーム24Bは、実施例1の制御棒支持筒23と同様に、炉心2の鉛直方向の長さが正方形燃料集合体22の約2倍の長さである。

0045

制御棒支持梁25は、ビーム24Bの辺のうち、正方形燃料集合体22を上方に引き抜く際に干渉しないビーム24Bの辺中央付近の炉心2の鉛直方向上側に設けられ、十字型制御棒5の十字状ブレードの先端を支持する。制御棒支持梁25は、十字型制御棒5の端部を支持するために2本一組で構成される。

0046

本実施例の分割チムニでは、実施例1の分割チムニ7と同様の効果が得られる。なお、本実施例の分割チムニは、実施例1の分割チムニ7に比べて溶接個所が多く、実施例1の分割チムニ7よりも製造に要するコストがかかる可能性があるが、実施例1の分割チムニ7に対して以下のような利点を有する。

0047

すなわち、実施例1の分割チムニ7のような構造では、制御棒支持筒23との干渉により、分割チムニ7を取り外さなければ、正方形燃料集合体22を炉外に取り出す事ができない。これに対し、本実施例の分割チムニのような構造であれば、十字型制御棒5の端部だけを支持する構造のため、分割チムニを取り外すことなく、十字型制御棒5及び正方形燃料集合体22を炉外に取り出すことができる。これにより、燃料交換時に分割チムニを取り外す必要が無くなるため、定検期間を短縮することができる。

0048

以上のように、本実施例によれば、流力振動発生による十字型制御棒5の破損リスクを大幅に低減するとともに、分割チムニを取り外すことなく十字型制御棒5及び正方形燃料集合体22を交換することが可能となり、定検期間短縮も実現しつつ、実現性のある上部挿入制御棒方式の自然循環型沸騰水型軽水炉を提供することができる。

0049

<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。

0050

1…原子炉圧力容器
2…炉心
3…原子炉圧力容器内水位
4…シュラウド
5…十字型制御棒
6…制御棒駆動機構
7…分割チムニ
8…チムニ円筒
9…ドライヤ
10…下部プレナム
12…原子炉格納容器
13…圧力抑制プール水
14…下部ドライウェル
15…主蒸気配管
19…環状ドライヤ
20…重力気水分離空間
21…制御棒駆動軸
22…正方形燃料集合体
23…制御棒支持筒
24A…支持筒位置決めビーム
24B…ビーム
25…制御棒支持梁

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