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技術 熱転写インクリボン用ポリエステルフィルムおよびそれを用いた熱転写インクリボン

出願人 東レ株式会社
発明者 早野知子堀江将人
出願日 2018年3月13日 (2年3ヶ月経過) 出願番号 2018-044963
公開日 2018年11月15日 (1年7ヶ月経過) 公開番号 2018-176724
状態 未査定
技術分野 熱転写、熱記録一般 高分子成形体の製造
主要キーワード 耐薬剤性 耐スティック性 球状無機粒子 フィルム中心 回析ピーク 破断頻度 マジェンダ カルボキシル末端量
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年11月15日)のものです。
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課題

解決手段

ポリエステルフィルム結晶化度χc)が5.5nm以上7.0nm以下であり、フィルムのカルボキシル基末端量が35当量/t以上55当量/t以下である熱転写インクリボン用ポリエステルフィルム。

概要

背景

ポリエチレンテレフタレートポリエチレン−2,6−ナフタレートなどを用いた二軸配向ポリエステルフィルムは、機械特性耐熱性、寸法安定性耐薬剤性コストパフォーマンス性などに優れることから、その性能を活かして多くの用途に使用されている。その用途のひとつに熱転写インクリボンが挙げられる。この熱転写インクリボンは、コストパフォーマンス性やメンテナンス性、操作性などに優れることからFAXバーコード印刷といった分野に既に用いられている。近年は、熱転写インクに既存の溶融型顔料ではなく、昇華性染料を用いることで、高精細高画質などの特性も加わった。その結果、デジタル写真印刷などの分野でも多用されるようになって来ており、従来の銀塩方式を置き換えて、特に、昇華型の熱転写インクリボンが急激な伸びを見せている。

こうしたデジタル写真印刷は、高速印画濃度階調性などの要求レベルが高まっており、熱転写インクリボン用ポリエステルフィルムに求められる品質も非常に厳しくなっている。すなわち、印字時の低エネルギー化により薄膜化が追求され、さらに高速印画に対応した高強度かつ高温下での寸法安定性に優れたベースフィルムや、インクとの密着性、熱転写インクリボンとした後の耐スティック性に優れたベースフィルムを目的として、フィルム配向の強度やカルボキシル末端量を規定したもの(例えば、特許文献1)や、フィルムの表面粗さを規定したもの(例えば、特許文献2)、フィルムの表面に易接着層コーティング層)を施したもの(例えば、特許文献3)、そのコーティング塗液の動的表面張力を規定したもの(例えば、特許文献4)が検討されている。

概要

フィルムの厚みむらインク密着性に優れ、熱転写インクリボンとした際の印画性、安定した破断抑制に優れた熱転写インクリボン用ポリエステルフィルムを提供する。ポリエステルフィルム結晶化度χc)が5.5nm以上7.0nm以下であり、フィルムのカルボキシル基末端量が35当量/t以上55当量/t以下である熱転写インクリボン用ポリエステルフィルム。なし

目的

本発明は、フィルムの厚みむら、インク密着性に優れ、熱転写インクリボンとした際のインクの剥離性、印画性、安定した破断抑制に優れ、特には、易接着層を設けずとも、印画性に優れた熱転写インクリボン用ポリエステルフィルムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ポリエステルフィルム結晶化度χc)が5.5nm以上7.0nm以下であり、フィルムカルボキシル基末端量が35当量/t以上55当量/t以下である熱転写インクリボン用ポリエステルフィルム

請求項2

前記ポリエステルフィルムの厚みが1μm以上15μm以下である請求項1に記載の熱転写インクリボン用ポリエステルフィルム。

請求項3

少なくとも片面の表面粗さ(SRa)が10nm以上40nm以下である請求項1または2に記載の熱転写インクリボン用ポリエステルフィルム。

請求項4

前記表面粗さ(SRa)が10nm以上40nm以下であるフィルムの表面の突起個数(SPc)が90個より大きい請求項3に記載の熱転写インクリボン用ポリエステルフィルム。

請求項5

請求項3または4に記載の熱転写インクリボン用ポリエステルフィルムの前記表面粗さ(SRa)が10nm以上40nm以下であるフィルムの表面に易接着層を介さずに直接インク層を設けてなる熱転写インクリボン

技術分野

0001

本発明は、フィルム厚みむらインク密着性に優れ、熱転写インクリボンとした際のインク剥離性印画性、安定した破断抑制に優れた熱転写インクリボン用ポリエステルフィルムに関する。

背景技術

0002

ポリエチレンテレフタレートポリエチレン−2,6−ナフタレートなどを用いた二軸配向ポリエステルフィルムは、機械特性耐熱性、寸法安定性耐薬剤性コストパフォーマンス性などに優れることから、その性能を活かして多くの用途に使用されている。その用途のひとつに熱転写インクリボンが挙げられる。この熱転写インクリボンは、コストパフォーマンス性やメンテナンス性、操作性などに優れることからFAXバーコード印刷といった分野に既に用いられている。近年は、熱転写インクに既存の溶融型顔料ではなく、昇華性染料を用いることで、高精細高画質などの特性も加わった。その結果、デジタル写真印刷などの分野でも多用されるようになって来ており、従来の銀塩方式を置き換えて、特に、昇華型の熱転写インクリボンが急激な伸びを見せている。

0003

こうしたデジタル写真印刷は、高速印画濃度階調性などの要求レベルが高まっており、熱転写インクリボン用ポリエステルフィルムに求められる品質も非常に厳しくなっている。すなわち、印字時の低エネルギー化により薄膜化が追求され、さらに高速印画に対応した高強度かつ高温下での寸法安定性に優れたベースフィルムや、インクとの密着性、熱転写インクリボンとした後の耐スティック性に優れたベースフィルムを目的として、フィルムの配向の強度やカルボキシル末端量を規定したもの(例えば、特許文献1)や、フィルムの表面粗さを規定したもの(例えば、特許文献2)、フィルムの表面に易接着層コーティング層)を施したもの(例えば、特許文献3)、そのコーティング塗液の動的表面張力を規定したもの(例えば、特許文献4)が検討されている。

先行技術

0004

国際公開第96/06722号パンフレット
特開2007−182487号公報
特開2002−127621号公報
特開2006−199735号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記した特許文献に記載された方法では、いずれも近年の印画速度アップおよび高画質化に対して、フィルムの表面に易接着層を設けずに、インクとの密着性、インクの剥離性が並立され、さらには、フィルムの厚みむらからくる画質ムラ、耐熱性の不足によりインクリボン使用時の破断の発生の抑制を並立するものは得られていない。

0006

また、特許文献2乃至4に記載のように、熱転写インクリボン用ポリエステルフィルムは、インクとの密着性や易滑性を確保するため、フィルムに易接着層として、コーティングを施し、フィルム中もしくは易接着層中に粒子を添加することが一般的となっているが、フィルムの表面に易接着層を設けずに、熱転写インクリボンとした際の、インクの密着性、インクの剥離性による印画性の向上については検討されていない。

0007

本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、フィルムの表面に易接着層を設けずとも、フィルムの厚みむらが抑制され、インクとの密着性が高く、熱転写インクリボンとした際のインクの剥離性、印画性に優れ、破断の発生が抑制され、特には、熱転写インクリボンとした際の保存安定性に優れた熱転写インクリボン用ポリエステルフィルムを提供せんとするものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、上記課題を解決するために次のような手段を採用するものである。
(1)ポリエステルフィルム結晶化度χc)が5.5nm以上7.0nm以下であり、フィルムのカルボキシル基末端量が35当量/t以上55当量/t以下である熱転写インクリボン用ポリエステルフィルム。
(2)前記ポリエステルフィルムの厚みが1μm以上15μm以下である請求項1に記載の熱転写インクリボン用ポリエステルフィルム。
(3)少なくとも片面の表面粗さ(SRa)が10nm以上40nm以下である請求項1または2に記載の熱転写インクリボン用ポリエステルフィルム。
(4)前記表面粗さ(SRa)が10nm以上40nm以下であるフィルムの表面の突起個数(SPc)が90個より大きい請求項3に記載の熱転写インクリボン用ポリエステルフィルム。
(5)(3)または(4)に記載の熱転写インクリボン用ポリエステルフィルムの前記表面粗さ(SRa)が10nm以上40nm以下であるフィルムの表面に易接着層を介さずに直接インク層を設けてなる熱転写インクリボン。

発明の効果

0009

本発明は、フィルムの厚みむら、インク密着性に優れ、熱転写インクリボンとした際のインクの剥離性、印画性、安定した破断抑制に優れ、特には、易接着層を設けずとも、印画性に優れた熱転写インクリボン用ポリエステルフィルムを提供することができる。

0010

本発明におけるポリエステルフィルムとは、延伸に伴う分子配向によって高強度フィルムとなり得るポリエステルフィルムである。用いられるポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、もしくはポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。これらはポリエステル共重合体であってもよいが、その繰り返し構造単位のうち、好ましくは80モル%以上がエチレンテレフタレートもしくはエチレン−2,6−ナフタレートであることが好ましい。他のポリエステル共重合体成分としては、ジエチレングリコールプロピレングリコールネオペンチルグリコールポリエチレングリコールp−キシレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成分、またはアジピン酸セバシン酸フタル酸イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分、ないしはトリメリット酸ピロメリット酸などの多官能ジカルボン酸成分やp−ヒドロキシエトキシ安息香酸などを採用することができる。また、上記のポリエステルに、該ポリエステルと反応性のないスルホン酸アルカリ金属塩誘導体、あるいは該ポリエステルに不溶ポリアルキレングリコール脂肪族ポリエステルなどのうち一種以上を、5%を超えない程度ならば共重合ないしブレンドしてもよい。

0011

本発明におけるポリエステルフィルムは、必要に応じて安定剤、着色剤酸化防止剤、その他の添加剤等を含有しても良い。

0012

本発明のポリエステルフィルムは、結晶化度(χc)が5.5nm以上7.0nm以下であることが必要である。結晶化度(χc)が上記範囲内であると、ポリエステルフィルムにインクを設けた際の密着性、熱転写インクリボンとした際のインクの剥離性、破断抑制が良化する。結晶化度(χc)が5.5nm未満であると、熱転写インクリボンとした際、インクの剥離性はよくなり、また、破断も抑制しやすくなるが、インクとの密着性が悪化する場合があるため、インクを塗布した際に、フィルム表面ではじきが起こり、塗布ムラの発生により不鮮明になり印画性が悪化する。結晶化度(χc)が7.0nmより大きいと、密着性が高くなりすぎ、熱転写インクリボンとしたときに、インクが印画物剥離転写しきれず、印画物の鮮明さが悪化し、印画性が悪化したり、また、熱転写インクリボンとした際、破断しやすくなる。インクの剥離性の低下や熱転写インクリボンの破断は、高速印画した際に発生頻度が高くなるため、好ましくない。結晶化度(χc)を上記の範囲とするための方法は特に限られるものでは無いが、後述するポリエステルフィルムの製造工程によって制御することができる。結晶化度(χc)は、ポリエステルフィルムの製造工程の条件の中でも、熱履歴によって影響を受け易く、特には延伸後の熱固定温度熱固定時間の影響を大きく受ける。結晶化度(χc)は、より好ましくは6.0nm以上6.5nm以下である。

0013

本発明におけるポリエステルフィルムは、フィルムのカルボキシル基末端量が、35当量/t以上55当量/t以下であることが必要である。フィルムのカルボキシル基末端量が、35当量/t以上55当量/t以下であると、フィルムの厚みむら、インクの密着性、熱転写インクリボンとした際のインクの剥離性、破断を抑制することができる。カルボキシル基末端量が、35当量/t未満であると、耐熱性に優れるため、ポリエステルフィルムを熱転写インクリボンとして用いた際の破断を抑制しやすくすることができ、インクの剥離性もよいが、フィルムにインクを塗布する際のインクの密着性が低下するため、塗布ムラを引き起こしやすく、印画性が低下する。また、ポリエステルフィルムのカルボキシル基末端量が35当量/t未満の場合、一般的に、ポリエステルフィルムのカルボキシル基末端量を低下させるためには、ポリエステルの原料として固相重合したものを用いることが多いが、固相重合した原料は固有粘度が高くなるため、フィルムの押出し工程で厚みむらを発生させる原因になりやすい。一方、フィルムのカルボキシル基末端量が55当量/tを越えると、インクとの密着性には優れるが、インクの剥離性が低下する場合や、耐熱性が低下するため、ポリエステルフィルムを熱転写インクリボンとして用いた際、転写熱によりリボンが破断する場合がある。フィルムのカルボキシル基末端量は好ましくは40当量/t以上50当量/t以下である。つまり、本発明は、フィルムのカルボキシル基末端量が低くなると、フィルムの耐熱性が良化するが、フィルムの厚みむらやフィルムとインクとの密着性が悪化し、カルボキシル基末端量が高くなると、フィルムとインクとの密着性が向上するが、熱転写インクリボンとした際のインクの剥離性、フィルムの耐熱性が悪化することに鑑みたものであり、、カルボキシル基末端量と結晶化度を調整せしめて、本発明のフィルムの厚みむらの抑制とインク密着性、熱転写インクリボンとした際のインクの剥離性の向上、熱転写インクリボンとした際の印画性や、インクリボンの破断を抑制し、特には、熱転写インクリボンとした際に高速の印刷を施した場合でも優れた印画性を有する。さらに、カルボキシル基末端量を上記の範囲内とすることで、フィルムを長期に保管した場合でも、保存安定性に優れ、本発明の効果を有することができる。

0014

本発明のポリエステルフィルムは、フィルムの長手方向(フィルムの製膜方向;MD方向ともいう場合がある)に測定した際に求められる、厚みむらが15%以下であることが好ましい。さらに好ましくは12%以下である。15%以下であると、熱転写インクリボンとした際の画質のムラの発生を抑制することができる。厚みむらが15%を越えると、フィルムの厚みにもよるが、濃淡が確認されやすくなるため好ましくない。

0015

本発明における熱転写インクリボン用ポリエステルフィルムの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましく、薄膜であればあるほどインクリボンとした際の転写特性が良化し、好ましくは、1.0μm以上10μm以下である場合、さらに好ましくは、1.0μm以上6.0μm以下の場合に、好適に用いることができる。本発明者らが鋭意検討したところ、熱転写インクリボン用ポリエステルフィルムを薄膜化すると、サーマルヘッドからの熱量が伝熱されやすく熱効率があがるため印画性が良好になるが、一方で、薄膜化によって機械強度が低下するため、インクリボンの破断が発生する場合がある。本発明は、フィルムの結晶化度(χc)とフィルムのカルボキシル基末端量を本発明とすることで、薄膜化した場合においても、インクリボンの破断を抑制しやすくすることができ、フィルムの破断を抑制しつつ、優れた印画性を有するフィルムとすることができる。また、厚膜化した場合は、破断の頻度は低くなるが、印画速度を高速にした際も、インクの剥離性を兼ね備えるため、印画性が良化しやすくなる。厚みが1μm未満であると、強度が低くなるため、サーマルヘッドの発熱により、熱転写インクリボンが破断しやすくなる。厚みが15μmを超えると、熱転写インクリボンとして使用する際に、サーマルヘッドから発熱される熱効率が悪くなり、鮮明さが欠け印画性に影響を与える可能性がある。また、熱効率を良くしようとすると、発熱量を上げなければならず、サーマルヘッドの寿命も短くなるため好ましくない。

0016

また、本発明のポリエステルフィルムは、フィルムを構成するポリエステル樹脂中に含有するジエチレングリコールの含有量は、0.9重量%以上3.0重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1.0重量%以上2.0重量%以下である。本発明において、ポリエステル樹脂中に含有するジエチレングリコール(DEG)とは、ポリエステル鎖に共重合した状態でポリエステル樹脂中含有しているジエチレングリコール、ポリエステル樹脂中に単独で含有しているジエチレングリコールのどちらも含む。ジエチレングリコール(DEG)の含有量が0.9重量%未満である場合は、フィルム製造工程における延伸性が悪化し、フィルムの破断による生産性の低下の問題が発生する事がある。また、カルボキシル基末端量が低いフィルムでは、分子内での相互作用が弱くなり、特にフィルムの製膜方向に対して垂直な方向である幅方向において、幅方向中央部と両端部における分子配向の均一性が悪化しやすく、延伸時の破れが増加したり、フィルム幅方向の位置により特性の差が大きくなる場合がある。また、ジエチレングリコール(DEG)の含有量が3.0重量%を超えると、ポリエステル樹脂の融点が低くなりやすく、熱転写インクリボンとして使用する際に耐熱性に影響を与える場合がある。ジエチレングリコール(DEG)の含有量を上記の範囲とする事で、ポリエステル分子に適度な柔軟性が付与され、フィルムが破断しにくくなり生産性が向上することができる。

0017

本発明におけるポリエステルフィルムは、少なくとも片面の表面粗さ(SRa)が、10nm以上40nm以下であることが好ましい。本発明でいう表面粗さ(SRa)とは、三次元表面粗さ(nm)のことであり、三次元表面粗さは、JIS−B0601(1994年)のRa値に相当する三次元粗さ計での測定値である。詳細な測定方法は、以下後述する。片面の表面粗さ(SRa)が、10nm以上40nm以下であると、インク密着性が安定するため好ましい。表面粗さ(SRa)が40nmを越えると、フィルムの表面が粗れ、インクとの接触面積が大きくなるため、インクの密着性が良くなり、また、耐スティック性が良くなるが、熱転写インクリボンとした際に印画物の画像の光沢性の低下を引き起こす場合がある。また、表面粗さ(SRa)が10nm未満の場合は、インクの密着性が低下し、また、熱転写インクリボンとして用いた際に、サーマルヘッドとスティックとの間で摩擦が生じ、耐スティック性が低下し、熱転写インクリボンにシワが発生し、印画物にもシワが寄ることにより濃淡ムラ印画抜けを発生させる場合があり、好ましくない。。また、この表面粗さ(SRa)が10nm未満であると、ポリエステルフィルムを製造する際に、ポリエステルフィルムロールとして巻き取る際、易滑性が不足し、フィルムにシワを発生させる場合があり、結果として、熱転写インクリボンとしての品質が悪化する場合がある。表面粗さ(SRa)は、光沢性の観点から、好ましくは35nm以下である。

0018

本発明のポリエステルフィルムにおいて、表面粗さ(SRa)が上記範囲を満たす面は、熱転写インクリボンとした際に、インクを塗布する側の面として用いると、印画物の鮮明さを良好なものとすることが出来るため好ましい。さらに、本発明のポリエステルフィルムにおいて、熱転写インクリボンとした際のインクを塗布する側の面のフィルムの表面の光沢度が140%以上であると、印画物の鮮明さを良好なものとせしめることができるため好ましい。本発明における光沢度とは、後述する測定方法により求められる値であり、JIS Z8741に準じた測定で、変角光沢計を用い、フィルム面に対して入射角60°で鏡面光沢度を求めた値である。より好ましくは150%以上180%以下である。

0019

本発明において、ポリエステルフィルムの表面粗さ(SRa)を上記の範囲とせしめる方法としては、特に制限はないが、フィルムを構成するポリエステル樹脂に二酸化ケイ素アルミナ炭酸カルシウムカオリンフッ素樹脂粒子あるいはシリコン粒子などの無機ないし有機粒子のうち一種以上を、含有せしめる方法が挙げられる。主として含有させる粒子の平均粒子径は0.1〜3.0μmであることが好ましい。粒子含有量としては、ポリエステルフィルム中に、0.01〜0.3重量%、含有されていることが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満では、フィルムの表面粗さ(SRa)が10nm以上とすることが難しい場合があり、フィルムとインクの密着性の不良、フィルムの巻き取り性、熱転写インクリボンとした際の滑り性(耐スティック性)の効果が得られない場合がある。また、平均粒子径が0.1μm未満の粒子を含有させて表面粗さ(SRa)を10nm以上とすると、密着性は良化されやすいが、フィルムの粒子濃度を多くしなければならず、フィルムの製膜安定性が阻害される場合がある。平均粒子径が3.0μmを超えると、フィルムの表面粗さ(SRa)が40nm以下の条件を満たさなくなる恐れがあり、熱転写インクリボンとした際に印画物の印画性が低下する場合がある。また、粒子濃度が0.01重量%未満であると、フィルムの表面粗さ(SRa)が10nm以上とすることが難しい場合があり、0.3重量%を越えると、製膜安定性が悪化する場合がある。これら粒子の添加方法としては、本発明の熱転写インクリボン用ポリエステルフィルムを得るに際し、ポリエステル樹脂と粒子を、押出機等を用いて混練してもよいが、滑剤粒子をより均一に分散させるため、粒子をポリエステル樹脂にブレンドした原料とポリエステル樹脂を押出機等を用いて混練する方法が望ましい。

0020

本発明のポリエステルフィルムは、フィルムの片面にインク層を設け、その反対面には、必要に応じて易滑性を付与するため、バックコート層を設けてもよい。本発明は、インク層とフィルムの間に従来のような接着性を高めるための易接着層を設けることは不要とすることができる。本発明は、前記表面粗さ(SRa)が10nm以上40nm以下であるフィルムの表面に易接着層を介さずに直接インク層を設けてなる熱転写インクリボンとすることが好ましい態様である。本発明のカルボキシル基末端量と結晶化度(χc)を規定することで、易接着層を用いず、後述する前記表面粗さ(SRa)が10nm以上40nm以下であるフィルムの表面に易接着層を介さずに直接インク層を設けても、インクとの密着性に優れ、良好な巻取り性を発揮することができるため、易接着層を不要とすることができる。

0021

本発明のポリエステルフィルムは、表面粗さ(SRa)が10nm以上40nm以下であるフィルムの表面において、突起個数(SPc)が90個より大きいことが好ましい。フィルムの表面の突起個数(SPc)が90個以下の場合には、易滑性が不足し、巻取り性が悪化する場合があり、例えば、260m/分以上の速度でポリエステルフィルムを巻取った場合、フィルムにしわが発生する場合がある。

0022

本発明のポリエステルフィルムは、190℃20分間における熱収縮率が、長手方向(MD方向)が2.0〜4.0%であり、幅方向(TD方向)が0.3〜1.0%であることが好ましい。上記範囲内であると、熱転写インクリボンとして使用する際にシワの発生が抑えられやすくなる。長手方向の熱収縮率を満足していても、幅方向の熱収縮率を満足していない場合では、幅方向に収縮する際にシワが発生しやすくなる。逆に、幅方向の熱収縮率を満足していて、長手方向の熱収縮率を満足していない場合は、長手方向に収縮するため、長手方向にシワが発生する場合がある。

0023

本発明のポリエステルフィルムの構成は、単層フィルム以外に、本発明のフィルム構成最外層とし、本発明のフィルムの構成を有する層の表面にインクを施すことも可能である。それ以外の層は、本発明の効果を損なわない範囲でも受けることが可能であり、2層、3層、それ以上の複合フィルムの構成、同種成分を押し出して成型する疑似複合の構成としてもかまわない。さらに、これらのポリエステルフィルムには、易接着層(コーティング層)を設けてなる構成であってもよいが、本発明は、上述したとおり、易接着層を設けずとも、単層フィルムの構成とした場合でも、カルボキシル基末端量と結晶化度(χc)を規定することで、厚みむら、インクの密着性、熱転写インクリボンとして使用する際の破断の発生の抑制、インクの剥離性、特に、印画性を良好なものとすることが可能となる。

0024

さらに、本発明のポリエステルフィルムには、フィルムの巻取り性を向上させるためには、熱転写本発明のインクコート層を設ける面とは反対側に位置するバックコート層を設ける面に易滑層(コーティング層)を設けてもよい。バックコート層側に位置するフィルムの表面粗さ(SRa)は、40nm以下であり、かつ、インク層を設ける側よりも粗くすることが好ましい。フィルムをロール上に巻き取ったときにバックコート層の面がインク層を設ける面に転写され、インクコート層を設ける面の表面が粗くなってしまうことがあるためである。そのため、バックコート層を設ける面に易滑層を設ける場合も同様に、易滑層から測定されるフィルムの表面粗さ(SRa)は、40nm以下であることが好ましい。

0025

本発明のポリエステルフィルムは、上述したとおり、熱転写インクリボン用に好適に用いることができ、特に、熱量が高い昇華型熱転写インクリボン用として特に好ましく用いられるものである。

0026

上記の条件を満たすフィルムを製造するためには、以下に示した工程によって製造できるが、これに限定されるものではない。

0027

粒子を含有する固有粘度(IV)が0.55〜0.70のカルボキシル基末端量が20〜50当量/tのポリエステル原料溶融押出し、スリット状のダイを用いてフィルム状に成形した後、表面温度20〜70℃のキャスティングドラム巻き付け冷却固化させ、未延伸フィルムとする。続いて未延伸フィルムを80〜130℃で長手方向に3.0〜7.0倍延伸して、一軸延伸フィルムを得る。このとき、多段階延伸をすることにより製膜性を損なわずに長手方向に強く配向したフィルムを得ることができる。特に、3段階での延伸が好ましく、1段目延伸ロール温度を110℃〜130℃で2〜4倍、2段目の延伸を110℃〜130℃で2〜3.5倍、なおかつ1段目よりも2段目が低温になるように延伸することで、本発明の物性・効果を満たすポリエステルフィルムを製造することが可能となる。特に、長手方向の熱収縮率が本発明の規定範囲を満たすためには、後工程の熱処理により配向の緩和が起き、熱収縮率が低下するので、上記のような多段延伸法により、長手方向に強く配向させることが必要となる。

0028

その後、一軸延伸フィルムをテンター内に導入し、100〜130℃で予熱するが、後述する易接着層を設ける場合には、コーティングの乾燥も兼ねることができる。次に予熱したフィルムをそのまま同じ温度で、幅方向に3.0〜4.5倍に延伸して二軸延伸フィルムとし、220〜240℃で熱固定(ヒートセット、HSという場合がある)する。熱固定温度は225℃〜240℃が好ましい。温度が220℃よりも低いと、熱結晶化が十分進まず、結晶性の低いフィルムとなるため好ましくない。温度が240℃より高いと、熱結晶化が進みすぎ、延伸で進行した分子鎖の配向が低下してしまい、本発明の熱収縮率を満たすことが難しくなる。

0029

熱固定前にさらに長手方向ないし幅方向に、または両方向に再度延伸させて強度を高めることも可能である。
熱固定を施した後、150〜185℃で幅方向に0〜8%収縮させて得られた二軸配向ポリエステルフィルムをロール状に巻き取る。
本発明のポリエステルフィルムは、必ずしもここで示した製造方法により得られるものに限定されるものではない。

0030

易接着層設けた場合は、二軸配向ポリエステルフィルムの易接着層上に熱転写インクを塗布することで、熱転写インクリボンを製造することができる。熱転写としては、感熱型と昇華型に分けられ、市販の一般的な染料を用いることが可能であり、通常メチルエチルケトンアセトントルエンなどの溶剤に溶解させた状態で塗布する。

0031

以上のようにして作られた二軸配向ポリエステルフィルムを、熱転写インクリボン用ポリエステルフィルムとして用いると、厚みむら、インクの密着性の他、光沢性やシワの発生が抑制され、インクの剥離性、印画性、破断抑制が良好な熱転写インクリボンを実現することができ、特に、高速印刷を行う際に顕著に実現される。

0032

上述したとおり易接着層について、本発明のポリエステルフィルムの構成により、易接着層を積極的に設ける必用性はないが、インク層を設ける面に、必要に応じて、インク層とポリエステルフィルムとの接着性をさらに高める目的で、易接着層(コーティング層)を施すことができる。かかる易接着層の構成成分として、アクリル樹脂ポリエステル系樹脂メラミン系架橋剤を主たる構成成分とし、易接着層の厚みは1〜50nm、より好ましくは1〜40nmとすることができる。

0033

本発明のポリエステルフィルムの表面粗さ(SRa)を阻害しない範囲で、この易接着層に球状無機粒子を添加することにより、易接着性を付与しながらフィルムの巻き取りを容易にし、剥離帯電を防ぐことができる。本発明において易接着層に添加する粒子は、印画時の熱に耐えうる無機物が好ましい。有機粒子を使用すると印画時の熱に耐えられず印画物の画質を損なう恐れがある。無機粒子とは、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム酸化チタン珪酸アルミニウム硫酸バリウムなどの鉱物類、金属、金属酸化物金属塩類等の微粒子のことである。

0034

かかる易接着層は、ポリエステルフィルムの製造工程内、あるいは製造後のいずれでも設けることが可能であるが、後者の場合、工業的に非効率であること、均一に塗布することが困難なこと、また塵埃を巻き込んで印画時の欠点になりやすいことから、前者の手法を採ることが好ましい。製造工程内での塗布は、配向結晶化が完了する前の状態であればどの段階で行っても良く、未延伸状態のフィルム、一軸延伸した後のフィルム、低倍率延伸した状態で最終的に再延伸を行う前のフィルムのいずれにも設けることが可能である。

0035

かかる易接着層の塗布方法としては、ロールコーターグラビアコーターリバースコーターキスコーターバーコーターカーテンコーターロッドコーターなどを用いるのが好ましいが、特に限定されない。

0036

以下に本実施例で用いた測定方法・評価方法を示す。

0037

(1)フィルムのカルボキシル基末端量
Mauriceの方法に準じて以下の条件よって測定する(文献M.J.Maulice, F. Huizinga, Anal.Chim.Acta,22 363(1960))。ポリエステル組成物2gをo−クレゾールクロロホルム重量比7/3)50mLに温度150℃にて溶解し、0.05NのKOH/メタノール溶液によって滴定し、末端カルボキシル基末端量を測定し、当量/ポリエステル1tの値で示す。なお、滴定時の指示薬フェノールレッドを用いて、黄緑色から淡紅色に変化したところを滴定の終点とする。

0038

(2)結晶化度(χc)
ポリエステルフィルムを50μm以上となるように積層し試料とする。この試料を理学電機株式会社製のX線回析装置の試料ホルダーに設置する。試料の面に対するX線の入射角を変えながら反射法回析ピーク観測したとき、2θが25.8°の回析ピークから、同ピークの回析結晶(100)面方向の結晶サイズD(オングストローム)をシェラーの式に従って算出した。
D=λ/(B−b)cosθ
ここで、B:回析ピーク半価幅
b=0.12
λ:CuのKα線波長(1.5418オングストローム)
θ:ピーク回析角度
(3)厚みむら
アンリツ社製フィルムシックネステスタKG601Aおよび電子マイクロメータK306Cを用い、長手方向に30mm幅、10m長にサンプリングしたフィルムを通し、連続的に長手方向に厚みを測定する。10m長での厚み最大値Tmax(μm)および最小値Tmin(μm)より、
R(μm)=Tmax−Tmin
10m長の平均厚みTave(μm)から厚みむら(%)=R/Tave×100
として求めた。

0039

(4)インクの密着性
フィルムのインク面を設ける面とは反対面(塗布層を有するフィルムが片面のみに塗布層を有する場合は、塗布層の反対面)に、アクリル酸エステルアミノ変性シリコーンイソシアネート=70/29/1(重量比)で混合させた水系耐バックコート層を設けた。その後、インクを設ける面(塗布層を有するフィルムが片面のみに塗布層を有する場合は、塗布層の上面)に昇華性染料/エチルヒドロキシエチルセルロース/メチルエチルケトン/トルエン=5/5/45/45(重量比)から成る昇華型インクを塗布して、熱転写(昇華型)インクリボンを作製した。昇華型の染料としては、イエロー:BASF社製バラニールイエロー5RX、マジェンダ:住友化学工業(株)製イミロカンRED−FBLシアン:日本化薬(株)製カヤセットブルー714をそれぞれ用いて熱転写(昇華型)インクリボンを作成した。

0040

この熱転写インクリボンを用い、スリエムジャパン社製3Mマスキングテープ243J Plusを用いて、テープに付着したインク量を下記基準に従って評価した。
◎:密着性良好(テープに付着したインクが5%未満)
○:密着性良好(テープに付着したインクが5%以上10%未満)
△:密着不良(テープに付着したインクが10%以上15%未満)
×:密着不良(テープに付着したインクが15%以上)
(5)印画性
上記の(4)の方法で作製した熱転写(昇華型)インクリボンを用い、ソニー(株)製デジタルプリンタUP−D70AでA4サイズの受像紙の中央に幅20mm、長さ100mmの青ベタ印画を100枚印刷を行い、下記基準に従って評価した。
◎:全て印画ムラなく採用できる(優秀)。
○:わずかな印画ムラ、印画濃度の低下が確認できるものが100回中5回未満であり、採用できる(良好)。
△:わずかな印画ムラ、印画濃度の低下が確認できるものが100回中5回以上10回未満であり、採用できる(可)。
×:わずかな印画ムラ、印画濃度の低下が確認できるものが100回中10回以上あるか、もしくは、容易に印画ムラ、印刷濃度の低下が確認できるものが100回中1個以上あり、採用できない(不可)。

0041

(6)破断頻度
上記の熱転写インクリボンを用い、サーマルヘッドに300〜400℃の熱量で1時間連続印刷を行い、破断頻度をカウントした。破断をした場合は、破断から再セットするまでの時間を除いてカウントした。

0042

◎:破断なし
○:1回のみ破断があり
×:2回以上破断あり。

0043

(7)表面粗さ(SRa)
株式会社小坂研究所製微細形状測定機サーフコーダET4000Aを用いて、ポリエステルフィルムの表面0.2mm2あたりのフィルム中心面表面粗さを測定した。本発明におけるSRa値は、JIS−B0601(1994年)のRa値に相当する3次元粗さ計での測定値である。測定方法は幅方向とし、カットオフ値0.25mm、測定長0.5mm、送りピッチ5μm、触針加重10mg、測定スピード100μm/s、測定本数80本とした。任意の箇所からサンプルを切り出し、当該測定を3サンプルについて行い、その3サンプルの測定の平均値からフィルムの表面粗さ(SRa)を求めた。

0044

(8)突起個数(SPc)
株式会社小坂研究所製微細形状測定機サーフコーダET4000Aを用いて、二軸延伸ポリエステルフィルムの表面0.2mm2あたりの6.3nmを超える突起高さを持つフィルムの表面突起個数(SPc)をカウントした。測定方向はフィルムの幅方向とし、カットオフ値0.25mm、測定長0.5mm、送りピッチ5μm、触針加重10mg、測定スピード100μm/s、測定本数80本とした。任意の箇所からサンプルを切り出し、当該測定を3サンプルについて行い、その3サンプルの測定の平均値からフィルムの表面突起個数(SPc)を求めた。

0045

(9)ポリエステルフィルムの厚み(μm)
JIS C2151(2006年)電気プラスチックフィルム試験方法マイクロメーター法を用いて指定された方法でポリエステルフィルムの厚み(μm)を測定した。

0046

(10)ポリエステルフィルムの光沢度(%)
JIS Z8741に準じて、スガ試験器デジタル変角光沢計UGV−5Dを用いてフィルムの光沢度を、試料サイズ100mm(幅)×100mm(長さ)、光源標準光C、フィルム面への入射角度が60°となるよう測定し、下記基準で評価した。なお光沢度の基準としては屈折率1.567のガラス面の光沢度を100%とした。
◎:光沢度150.0%以上
○:光沢度140.0%以上150.0%未満
△:光沢度140.0%未満。

0047

(11)保存安定性
上記の(4)にて得られた熱転写リボンを60℃40%RHの恒温恒湿槽にて保管をし、100日後の印画性を(5)と同様に評価を行った。

0048

[実施例1]
富士シリシア社製、数平均粒径2.6μmの二酸化ケイ素粒子を0.13重量%含有した、固有粘度が0.61dl/g、カルボキシル基末端量が37.4当量/t、ジエチレングリコール量が1.0重量%の東レ製ポリエチレンテレフタレート(原料)を押出機中で285℃で溶融させ、口金からシート状に溶融押し出しし、25℃の回転冷却ドラムに密着させて固化させ、未延伸フィルムを得る。加熱したロールの周速差を用いてフィルムの長手方向に123℃で2.3倍に延伸(1段目延伸)を行い、ついで長手方向に116℃で2.5倍に延伸(2段目延伸)し、合計で5.75倍に延伸した。

0049

このフィルムの両端部をクリップ把持して、テンターに導き、110℃で幅方向に3.8倍に延伸し、さらに233℃の熱風を3秒間当て熱処理し、150℃で幅方向に4.0%弛緩させて、厚さ5.3μmのポリエステルフィルムを得た。評価結果を表1、表2に示す。

0050

[実施例2〜実施例12、比較例1〜比較例6]
表1に記載する以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。結果を表1、表2に示す。

0051

[実施例13]
表1に記載すること、長手方向の延伸の後に、フィルムを走行させた状態で塗液を片面にグラビア方式により塗布し、このフィルムの両端部をクリップで把持して、テンターに導いて幅方向に延伸すること以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。結果を表1、表2に表す。

0052

(塗液の組成
テレフタル酸/イソフタル酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸/エチレングリコール/1,4−ブタンジオール=30/15/5/30/20(モル%)で重縮合させた水系ポリエステル系樹脂塗液と、メチルメタクリレートエチルアクリレートアクリル酸N−メチロールアクリルアミド=75/22/1/2(重量比)で共重合させた水系アクリル系樹脂塗液と、平均粒子径45nmのコロイダルシリカを用い、ポリエステル系樹脂/アクリル系樹脂/コロイダルシリカ=50/30/20(重量比)で混合した固形分2重量%液を用いた。

0053

[まとめ]
実施例1、5、6、7、9のフィルムは、厚みむら、インク密着性、保存安定性に優れていた。また、熱転写インクリボンとした際の、印画性、印画した際の光沢性に優れ、破断もなく優良であった。

0054

実施例2、10は、実施例1に比べて、原料の固有粘度(IV)が低く、フィルムの厚みむらが良好であった。また、フィルムのカルボキシル基末端量が高くなったため、フィルムのインクの密着性が高まり、熱転写インクリボンとした際の印画時にややインク転写抜けが発生し、連続使用時に破断が生じたが、短時間使用としては問題なく使用できるものであった。

0055

実施例3は、実施例1に比べて、カルボキシル基末端量が低い樹脂原料を用いたため、固有粘度(IV)が高くなり、厚みむらが高くなったが良好な範囲である。、。フィルムのカルボキシル基末端量、結晶化度(χc)が低くなったため、インクの密着性も低下し、印画時にわずかな印画ムラ、印刷濃度の低下が確認されたが、く使用できるものであった。。

0056

実施例4は、実施例1に比べて、フィルムのカルボキシル基末端濃度と、結晶化度(χc)が高くなり、フィルムのインクの密着性がたかまり、熱転写インクリボンとした際の印画時にややインク転写抜けが発生したが、問題なく使用できるものであった。

0057

実施例8は、実施例3に比べて、粒子濃度を高くしたため、表面が粗れ、密着性は高くなったが、光沢性が低下した。また、厚みは実施例3に比べ薄いため、印画性はわずかな印画ムラ、印画濃度の低下であり、問題なく使用できるレベルであった。

0058

実施例11は、フィルムの厚みが薄くなったため、実施例1と比べて、熱固定時間が短くても結晶化度(χc)が実施例1の値より高くなった。厚みむら、インク密着性に優れていた。また、熱転写インクリボンとした際の、印画性、印画した際の光沢性に優れ、破断もなく良好であった。

0059

実施例12は、実施例8に比べて、粒子量が多くなったため、印画性がやや悪化した。また、光沢度もやや低下した。

0060

実施例13は、フィルムの表面に易接着層を設けた例である。表面粗さ(SRa)が低く、光沢性に優れていたが、結晶化度(χc)が実施例1より低くなり、若干インク密着性が低下し、印画性も低下したが、問題なく使用できるレベルであった。

0061

比較例1は、原料のカルボキシル基末端量が低いために原料の固有粘度(IV)が高く、フィルムの厚みむらが悪化し、また、フィルムのカルボキシル基末端量が低いために、密着性が悪化した。印画性の低下が確認された
比較例2は、フィルムの厚みむらが良好であったが、フィルムの結晶化度(χc)が低く、インク密着性が低下し、印画性が悪化した
比較例3、4は、フィルムの厚みむらが良好であり、フィルムのカルボキシル基末端量と結晶化度(χc)が高く、インク密着性は良好であった。実施例1と比べると、熱転写インクリボンとした際に、印画時に、インクが完全に剥離転写しきれず、容易に印画ムラ、印刷濃度の低下がが確認された。また、フィルムの耐熱性が低下し、破断が生じた。

0062

比較例5は、フィルムのカルボキシル基末端量は低いが結晶化度(χc)が高く、インク密着性には優れたが、原料のカルボキシル基末端量が低いために固有粘度(IV)が高く、厚みむらが悪化し、印画ムラの頻度が多発した。

0063

比較例6は、原料のカルボキシル基末端量が低いために原料の固有粘度(IV)が高く、厚みむらが発生した。結晶化度(χc)が低く比較例1よりもインク密着性が悪化した。厚みむら、インクの密着性が悪いため、容易に印画ムラが確認され、印画性が悪化した。

0064

実施例

0065

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