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技術 高機能性成分含有植物の育成方法

出願人 協和化学工業株式会社
発明者 井上良恵成澤一彦
出願日 2017年4月3日 (3年2ヶ月経過) 出願番号 2017-073441
公開日 2018年11月15日 (1年7ヶ月経過) 公開番号 2018-174708
状態 未査定
技術分野 植物の栽培 微生物、その培養処理 肥料
主要キーワード 農林水産物 還元カラム 定量下限値 有機農法 ダルマ カビ毒 野菜加工食品 吸光光度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年11月15日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (16)

課題

高機能性成分含有する植物を育成する方法の提供。

解決手段

ファリオフォラ属の微生物固体培地培養物を含む培養土を用いて、植物を育成することにより、β−カロテンレチノール当量ビタミンEビタミンKビタミンCクロロゲン酸ポリフェノール等の高機能性成分を多く含む高機能性成分野菜を育成することができる。セファリオフォラ属の微生物としては、受託番号NITEP−02438で寄託したセファリオフォラ属(Cephaliophora sp.)xsd08001株を用いることができる。

概要

背景

食用とする目的で栽培する草本植物野菜という。利用される部分によって葉菜edible leaves、根菜edible root、果菜fruitsに分ける。葉菜は主として葉および柔らかなを食べるもので、キャベツハクサイホウレンソウ、根菜は主として根、ときとして地下茎を食べるもので、ダイコンニンジンハスなど、果菜は果実を食べるもので、トマトキュウリエンドウマメなどである。野菜は食品として植物繊維、脂質、タンパク質炭水化物カルシウムカリウムなどの無機塩類およびビタミンなどの各種栄養分の補給に必須の素材である。

非特許文献1によると、機能性を持った食品としては、食物繊維ポリフェノール類カロテノイド類が主要なものとされている。それらの研究成果としての機能性食品は、特定保健用食品として機能性が表示されて販売されるか、いわゆる健康食品として販売されている。新たな機能性表示制度の検討が規制改革一環として消費者で実施され、2015年4月から、事業者責任を持って自主的な機能性表示が可能とした制度(農林水産物も対象)がスタートした。「機能性食品」(非特許文献2参照)は、事業者の責任で、科学的根拠臨床試験、研究レビュー)を基に商品パッケージに機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出された食品であり、健常者や未病者の健康維持・増進に係る部位表現も範囲となった。
このように健康維持機能を野菜に求めようとする研究開発施策が国内、海外でも積極的に進められ、野菜ジュース野菜加工食品、野菜入り補助食品などを求める消費者の嗜好が強くなってきている。健康維持機能性成分(以下、機能性成分という。)を含有する野菜には、例えばニンジン、ホウレンソウ、パセリ、シュンギク、コマツナニラカボチャブロッコリーサヤエンドウシソアスパラガスのように生体重当り100g中にβ−カロテンを600μg以上含んでいるもの、およびβ−カロテンの含有量が生体重当り100g中に600μg以下であっても、多く食べられているトマトやピーマンなどは緑黄色野菜と定義され、日常的に多く摂取することが推奨されている(非特許文献3及び4参照)。

β−カロテンは人体内に摂取されるとビタミンAと同様の活性作用をもたらし、抗酸化作用により活性酸素を取り除き、血液が流れる作用や老化の防止やがん増殖阻害免疫機能強化体細胞活性化などの機能性が知られている。葉菜類においては葉緑素クロロフィル)とβ−カロテンは極めて高い相関を示すと知られているため、葉緑素含量が多い、すなわち葉色が濃い緑であるほどβ−カロテンの含量も高くなる傾向があることが知られている。
またβ−カロテンと同様に、カロテノイド色素に属するルテイン抗酸化物質で人体では目の網膜の中心にある黄斑に多く存在し、紫外線によって生じる活性酸素を不活性化して黄斑を保護し、加齢を原因とする黄斑変性にならないようにしているとされている。

近年、農業では自然界に存在している有効微生物を利用する試みが進められているが、植物の病害防除においてである。これらの病害防除に利用されている有効微生物は病原菌に対して拮抗性を持ち病原菌の増殖を抑制するものであり、化学合成農薬とは違い、自ら増殖するので防除効果が長続きする、農薬耐性菌の発生が抑えられる、元々自然界に存在する微生物であるので環境汚染の恐れが少ない等の利点がある。作物収穫を目的とした農園生産における上記有効微生物の利用技術は、広く知られている(特許文献1〜5)。
しかしながら、作物収穫を目的とした農園芸生産における上記有効微生物の利用技術は開発されていない。

概要

高機能性成分含有する植物を育成する方法の提供。セファリオフォラ属の微生物の固体培地培養物を含む培養土を用いて、植物を育成することにより、β−カロテン、レチノール当量ビタミンEビタミンKビタミンCクロロゲン酸ポリフェノール等の高機能性成分を多く含む高機能性成分野菜を育成することができる。セファリオフォラ属の微生物としては、受託番号NITEP−02438で寄託したセファリオフォラ属(Cephaliophora sp.)xsd08001株を用いることができる。

目的

本発明は、β−カロテン、レチノール当量、ビタミンE(α−トコフェロール)、ビタミンK、ビタミンC、クロロゲン酸、ポリフェノール等の高機能性成分を多く含む高機能性成分野菜を育成(製造)するための方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

ファリオフォラ属の微生物固体培地培養物を含む培養土を用いることにより、固体培地培養物を含まない培養土を用いる育成方法と比べて植物固有機能性成分を増加させることを特徴とする植物の育成方法。

請求項2

セファリオフォラ属の微生物が受託番号NITEP−02438で寄託された微生物であるセファリオフォラ属(Cephaliophorasp.)xsd08001株である請求項1に記載の植物の育成方法。

請求項3

請求項4

植物固有の機能性成分がカロテノイド類ビタミン類ポリフェノール類である請求項1に記載の植物の育成方法。

請求項5

固体培地がオカラ又は竹粉を主成分とするものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の植物の育成方法。

請求項6

セファリオフォラ属の微生物の固体培地培養物を含む培養土を用いて植物を育成することを特徴とする植物の生長促進方法

請求項7

セファリオフォラ属の微生物が、受託番号NITEP−02438で寄託された微生物であるセファリオフォラ属(Cephaliophorasp.)xsd08001株である請求項6に記載の植物の生長促進方法。

請求項8

受託番号NITEP−02438で寄託された微生物であるセファリオフォラ属(Cephaliophorasp.)xsd08001株の固体培地培養物。

請求項9

受託番号NITEP−02438で寄託された微生物であるセファリオフォラ属(Cephaliophorasp.)xsd08001株。

技術分野

0001

本発明は、セファリオフォラ属の微生物固体培地培養物を含む培養土を用い、カロテノイドビタミン類ポリフェノール類であるβ−カロテンレチノール当量ビタミンE(α−トコフェロール)、ビタミンKビタミンCクロロゲン酸ポリフェノール等の高機能性成分を多く含む高機能性成分野菜育成(製造)するための方法に関するものである。

背景技術

0002

食用とする目的で栽培する草本植物を野菜という。利用される部分によって葉菜edible leaves、根菜edible root、果菜fruitsに分ける。葉菜は主として葉および柔らかなを食べるもので、キャベツハクサイホウレンソウ、根菜は主として根、ときとして地下茎を食べるもので、ダイコンニンジンハスなど、果菜は果実を食べるもので、トマトキュウリエンドウマメなどである。野菜は食品として植物繊維、脂質、タンパク質炭水化物カルシウムカリウムなどの無機塩類およびビタミンなどの各種栄養分の補給に必須の素材である。

0003

非特許文献1によると、機能性を持った食品としては、食物繊維、ポリフェノール類、カロテノイド類が主要なものとされている。それらの研究成果としての機能性食品は、特定保健用食品として機能性が表示されて販売されるか、いわゆる健康食品として販売されている。新たな機能性表示制度の検討が規制改革一環として消費者で実施され、2015年4月から、事業者責任を持って自主的な機能性表示が可能とした制度(農林水産物も対象)がスタートした。「機能性食品」(非特許文献2参照)は、事業者の責任で、科学的根拠臨床試験、研究レビュー)を基に商品パッケージに機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出された食品であり、健常者や未病者の健康維持・増進に係る部位表現も範囲となった。
このように健康維持機能を野菜に求めようとする研究開発施策が国内、海外でも積極的に進められ、野菜ジュース野菜加工食品、野菜入り補助食品などを求める消費者の嗜好が強くなってきている。健康維持機能性成分(以下、機能性成分という。)を含有する野菜には、例えばニンジン、ホウレンソウ、パセリ、シュンギク、コマツナニラカボチャブロッコリーサヤエンドウシソアスパラガスのように生体重当り100g中にβ−カロテンを600μg以上含んでいるもの、およびβ−カロテンの含有量が生体重当り100g中に600μg以下であっても、多く食べられているトマトやピーマンなどは緑黄色野菜と定義され、日常的に多く摂取することが推奨されている(非特許文献3及び4参照)。

0004

β−カロテンは人体内に摂取されるとビタミンAと同様の活性作用をもたらし、抗酸化作用により活性酸素を取り除き、血液が流れる作用や老化の防止やがん増殖阻害免疫機能強化体細胞活性化などの機能性が知られている。葉菜類においては葉緑素クロロフィル)とβ−カロテンは極めて高い相関を示すと知られているため、葉緑素含量が多い、すなわち葉色が濃い緑であるほどβ−カロテンの含量も高くなる傾向があることが知られている。
またβ−カロテンと同様に、カロテノイド色素に属するルテイン抗酸化物質で人体では目の網膜の中心にある黄斑に多く存在し、紫外線によって生じる活性酸素を不活性化して黄斑を保護し、加齢を原因とする黄斑変性にならないようにしているとされている。

0005

近年、農業では自然界に存在している有効微生物を利用する試みが進められているが、植物の病害防除においてである。これらの病害防除に利用されている有効微生物は病原菌に対して拮抗性を持ち病原菌の増殖を抑制するものであり、化学合成農薬とは違い、自ら増殖するので防除効果が長続きする、農薬耐性菌の発生が抑えられる、元々自然界に存在する微生物であるので環境汚染の恐れが少ない等の利点がある。作物収穫を目的とした農園生産における上記有効微生物の利用技術は、広く知られている(特許文献1〜5)。
しかしながら、作物収穫を目的とした農園芸生産における上記有効微生物の利用技術は開発されていない。

0006

特許第3209565号公報
特許第2955642号公報
特許第3173990号公報
特許第3138234号公報
特許第3691265号公報

先行技術

0007

(一財)食品分析開発センターSUNATEC 山本(前田)万里著「新たな機能性表示制度における機能性農林水産物」機能性表示食品に関する情報(消費者庁):ds/index23.html>
図説野菜新書、矢澤進著、2003年、書店発行
平成8年度大会シンポジウム講演要旨、1996年、園芸学会発行、146−169

発明が解決しようとする課題

0008

上述のような背景のもと、日常、継続的に機能性成分を摂取するためには、野菜をはじめとする青果物から食物として無理なく食することが重要なことであり、野菜等の生産者にとっては栽培条件の改善により機能性成分の含有量を高めることは、一般消費者の健康維持、増進に寄与するだけではなく、野菜等の青果物の消費拡大国際化が進む国内農業市場において競争力を付与することになると考えられる。
本発明は、β−カロテン、レチノール当量、ビタミンE(α−トコフェロール)、ビタミンK、ビタミンC、クロロゲン酸、ポリフェノール等の高機能性成分を多く含む高機能性成分野菜を育成(製造)するための方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、セファリオフォラ属の微生物、特に、受託番号NITEP−02438で寄託された微生物であるセファリオフォラ属(Cephaliophora sp.)xsd08001株の固体培地培養物を含む培養土を用いることにより、固体培地培養物を含まない培養土を用いる育成方法と比べて、植物固有の機能性成分を増加させることを特徴とする植物の育成方法を要旨としている。

0010

また、本発明は、受託番号NITEP−02438で寄託された微生物であるセファリオフォラ属(Cephaliophora sp.)xsd08001株、およびその固体培地培養物を要旨としている。

発明の効果

0011

本発明により、本発明は、β−カロテン、レチノール当量、ビタミンE(α−トコフェロール)、ビタミンK、ビタミンC、クロロゲン酸、ポリフェノール等の高機能性成分を多く含む高機能性成分野菜を育成(製造)するための方法を提供することができる。このようにして栽培条件の改善により野菜の機能性成分の含有量を高めることができる。機能性成分の含有量を高めた野菜から日常、継続的に機能性成分を食物として無理なく食することができる。
また、本発明により、高機能性成分を多く含む高機能性成分野菜を育成(製造)するための受託番号NITEP−02438で寄託された微生物であるセファリオフォラ属(Cephaliophora sp.)xsd08001株を提供することができる。

図面の簡単な説明

0012

実施例1のサラダナを慣行農法モデルに基づいて育成した結果を示す。
実施例1の収穫したサラダナ地上部の生重量を示す。
実施例1の収穫したサラダナ地上部の機能性成分の分析結果を示す。
実施例2のサラダナを有機農法モデルに基づいて育成した結果を示す。
実施例2の収穫したサラダナ地上部の生重量を示す。
実施例2の収穫したサラダナ地上部の機能性成分の分析結果を示す。
実施例4のホウレンソウを慣行農法モデルに基づいて育成した結果を示す。
実施例4の収穫したホウレンソウ地上部の生重量を示す。
実施例4の収穫したホウレンソウ地上部の機能性成分の分析結果を示す。
実施例4で育成したホウレンソウ地上部におけるカビ毒「ロリトレムB」の含量を食環境衛生研究所にて分析した結果を示す。
実施例5のトウモロコシを慣行農法モデルに基づいて育成した結果を示す。
実施例5で収穫した皮付きトウモロコシの生重量を示す。
実施例5で収穫した皮付きトウモロコシの大きさを示す。
実施例6で収穫したナスの収穫結果を示す。
実施例6で収穫したナスの収穫量と機能性成分の分析結果を示す。

0013

[xsd08001株の同定]
本発明者は土壌中から数多く単離した菌株の中に、その固体培地培養物を含む培養土を用いて育成すると、固体培地培養物を用いない育成方法と比べて、植物固有の機能性成分を増加させる微生物xsd08001株を見出した。
xsd08001株は、一般的に微生物の同定に用いられる近隣結合法(neighbor−joining method)により、ITS5SrRNA領域のシークエンスデータが即知であるCephaliophora sp.と96%の類似性を示した。
これをCephaliophora sp.xsd08001と命名した。
本出願に際し、Cephaliophora sp.xsd08001は、千葉県木更津市かずさ足2−5−8所在の独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(NPMD)に2017年3月6日付で寄託し、AP−02438として受領書が発行された。微生物の生存確認試験が実施されて受託証が発行され、受託番号NITEP−02438として寄託された。
すなわち、本発明の実施例で使用した微生物は、Cephaliophora sp. xsd08001と命名され、受託番号NITE P−02438として寄託された微生物である。

0014

[固体培地]
固体培地には、オカラ竹粉、その他、オガクズフスマモミガラバガスセルロースパウダーセロビオースコーヒー粕デンプンなど、常用されている成分が用いられる。オカラまたは竹粉は元来、農業資材として使用されているものであり、本微生物を固体培地で培養した微生物を含む培養物を、そのまま培養土に用いることができる。
培養は乾燥した固体培地に適度な水分を加えて滅菌する。放冷後に固体培地上に微生物Cephaliophora sp.xsd08001の培養片をそっと置き、25度(室温で可)で約20日静置しておく。10日後には滅菌雰囲気下にて固体培地を混ぜ、全体に微生物が繁殖するようにした。

0015

[育成の対象とする野菜]
本発明が育成の対象とする野菜は、特に限定されない。
野菜の青果栽培、つまり市場出荷や食用を目的とした栽培では、例えば、キャベツ、ハクサイ、ホウレンソウ等の葉部を食用とする葉菜類や、ダイコン、カブ、ニンジン、ネギ等の根茎部を食用とする根菜類では、花芽分化抽だい開花させることなく、植物学的には未熟成長段階で収穫されるものである。また、ブロッコリー、カリフラワー等は、未熟な花蕾の段階で収穫されるものであり、開花させるには至らない。また、果実生産を目的とするキュウリ、ピーマン、ナス等の果菜類も未熟な果実を収穫するものである。
育成の対象とする野菜は、例えばホウレンソウ、フダンソウテンサイ等のアカザ科作物、レタス、サラダナ、シュンギク、ゴボウ等のキク科作物、キャベツ、ブロッコリー、ハクサイ、ダイコン、カブ等のアブラナ科作物、タマネギ、ネギ等のユリ科作物、ニンジン、セルリー、ミツバ等のセリ科作物、トマト、ナス、ピーマン、トウガラシトルバム、アカナス、タバコ等のナス科作物、キュウリ、メロンスイカ、カボチャ、カンピョウ等のウリ科作物、スイートコーン等のイネ科作物、及び、エンドウソラマメインゲンダイズ等のマメ科作物などを挙げることができる。

0016

[野菜の育成方法]
(1)慣行農法に基づいて、各地域において、農薬、肥料投入量や散布回数等において相当数の生産者が実施している一般的な農法で育成した。
(2)有機農法モデルに基づいて、元肥のない土壌に有機堆肥を添加し、土壌中の有機物を栄養に作物を作る農法で育成した。

0017

機能性成分含量の分析]
<ビタミンA(α-カロテン,β-カロテン)>
高速液体クロマトグラフ法(可視部吸光光度検出,ODS系順相カラム使用)にて、試料中のα-カロテン,β-カロテンの含量を求めた。試料溶液調整、測定条件は日本食品標準成分表分析マニュアル(七訂)に準じて行った。そのβ-カロテンの値よりレチノール当量を下式(1)にて求めた。
(1)β-カロテン値÷12=レチノール当量

(測定例)
試料を包丁で粗く切断し、4gを100ml容白色広口全量フラスコ量り取る。ピロガロール2g、水5ml、HAET混液ヘキサンアセトンエタノールトルエン10:7:6:7)40ml及びエタノール20mlを加え、15分間振とうする。エタノールで定容し、超音波槽に10分間放置する。抽出液8mlを50ml容共栓褐色遠沈管に量り取り、エタノール8ml、60w/v%水酸化カリウム溶液1.6mlを加え、ガラス棒時々かき混ぜながら70℃水浴中で30分間加熱けん化する。水冷後1w/v%塩化ナトリウム水溶液18.4mlとn-ヘキサン2-プロパノール酢酸エチル混液(9:1.5:1)10mlを加え。10分間振とう、遠心分離上層有機層)をナス型フラスコに移す。下層水層)にn-ヘキサン−2-プロパノール−酢酸エチル混液10mlを加え、更に2回同様に抽出する。抽出液を40℃で減圧濃縮後エタノールに溶解して高速液体クロマトグラフに注入し、α-カロテン,β-カロテンのピーク面積を測定する。

(高速液体クロマトグラフ操作条件
カラム:Inertsil ODS-P GL-Science Inc
移動相メタノール85:エタノール15
流速:1.0ml/min
温度:40℃
測定波長:455nm

<ビタミンC(アスコルビン酸)>
高速液体クロマトグラフ法(可視部吸光光度検出,シリカゲル順相カラム使用)にて、試料中のアスコルビン酸含量を求めた。試料溶液調整、測定条件は日本食品標準成分表分析マニュアル(七訂)に準じて行った。

<ビタミンE(α-トコフェロール)>
高速液体クロマトグラフ法(蛍光検出,シリカゲル順相カラム使用)にて、試料中のα-トコフェロール含量を求めた。試料溶液調整、測定条件は日本食品標準成分表分析マニュアル(七訂)に準じて行った。

<ビタミンK(フィロキノン)>
高速液体クロマトグラフ法(蛍光検出,ODS系逆相カラム白金カラム(還元カラム)使用)にて、試料中のフィロキノン含量を求めた。試料溶液調整、測定条件は日本食品標準成分表分析マニュアル(七訂)に準じて行った。

0018

[機能性成分の分析に使用する植物体の部位]
機能性成分の分析に使用する植物体の部位は発後から開花開始期までの栄養成長期間中の茎葉であれば特に限定されない。例えば、展開した子葉(一般に割れと称す)や展開途中や完全展開した成葉、開花開始前の花序部が使用できる。展開とは、生長点分化した葉が生長して広がり葉身受光する形態になることをいう。つまり、可食部である。

0019

本発明を実施例により詳細に説明する。本発明は、これらの実施例により限定されることはない。

0020

固体培地(成分オカラ又は竹粉、その他前述のものでも可)に適度の水分を加えて約20日間、約25度(室温も可)で培養した。その後、30度の乾燥機に入れて滅菌する。それを放冷後に固体培地上に微生物Cephaliophora sp.xsd08001の培養片をそっと置き、25℃(室温で可)で約20日間静置しておく。10日後には滅菌雰囲気下にて固体培地を混ぜ、全体に微生物が繁殖するようにした。培養後乾燥し、粉砕した。その粉砕したxsd08001株を含む固体培地の培養物を一定の割合で培養土に添加し野菜を育成した。

0021

[実施例1]
サラダナを慣行農法モデルに基づいて育成した。
使用培養土:タキイ野菜の土(肥料内容 1リットルあたり N 280mg、P 320mg、K 300mg)670g/1
試供種:サラダナ(岡山サラダナ)2株/1鉢、3反復
ハウス内温度:18〜25℃
固体培地の培養物添加量:1/0%
収穫物図1参照
収穫したサラダナ地上部の生重量を図2に、これらの機能性成分の分析結果を図3に示す。

0022

結果は、図1に示したように、xsd08001株の固体培地培養物を添加した培養土で育成したサラダナの方が、見た目でも生長促進されていることがわかり、葉の数も多く、しかも1枚当たり面積も大きい。収穫した地上部の生重量について比較したものが図2であって、固体培地培養物を添加した培養土で育成したサラダナの方が約1.5倍重い収量であり、そのサラダナの地上部100g当たりのβ-カロテン、ビタミンE、ビタミンC、ビタミンKの含有量も、無添加培養土のものに比べ、それぞれ約105%、127%、200%、130%と増加していることが図3に示されている。

0023

[実施例2]
サラダナを有機農法モデルに基づいて育成した。
使用培養土:そのきや培養土(NPK元肥一切なし)670g/1鉢
堆肥バイオダルマpH7.0−7.2(N 3.4%、P2O5 6%、
K2O 3.6%、CaO 20%)主な成分は畜糞
試供種:サラダナ(岡山サラダナ) 2株/1鉢、3反復
ハウス内温度:18−25℃
固体培地培養物の添加量:1.0%
収穫物:図4参照
収穫したサラダナ地上部の生重量を図5に、これらの機能性成分の分析結果を図6に示す。

0024

結果は、図4に示したように、xsd08001株の固体培地培養物を添加した培養土で育成したサラダナの方が、2倍以上に成長し、生長促進されていた。葉の数も多く、1枚当たりの面積も大きい。収穫した地上部の生重量について比較したものが図5であって、固体培地培養物を添加した培養土で育成したサラダナの方が約3.8倍重い収量であり、そのサラダナの地上部100g当たりのβ-カロテン、ビタミンE、ビタミンC、ビタミンKの含有量も、無添加培養土のものに比べ、それぞれ約121%、120%、111%、117%と増加していることが図6に示されている。

0025

[実施例3]
固体培地培養物を含む培養土を用いて育成した野菜の安全性試験を行った。Cephaliophora sp.は糸状菌であるため、カビ毒を発生すると食中毒の原因となる。海外では残留基準値の設定はなく、日本国内でも同様だが、注意喚起として1800ppb−1200ppb以下とされている。
ロリトレムBの含量を調べた結果は図10であり、定量下限値以下であった。

0026

[実施例4]
ホウレンソウを慣行農法にてハウス内圃場にて育成した。
試供種:ホウレンソウ(トライ
使用肥料:IB化成S1号
固体培地培養物の添加量:10g/m2
対照としては、培養物を添加せずに育成した。
収穫物:図7参照
収穫したホウレンソウ地上部の生重量を図8にこれらの機能性成分の分析結果を図9に示す。

0027

[実施例5]
トウモロコシを慣行農法にてハウス内圃場にて育成した。
試供種:ゴールドラッシュ88
使用肥料:IB化成S1号
固体培地培養物の添加量:10g/m2
対照としては、培養物を添加せずに育成した。
収穫物:図11参照
収穫した皮付きトウモロコシの生重量を図12に大きさを図13に示す。

0028

[実施例6]
ナスを慣行農法にて露地栽培した。
試供種:千両ナス
使用肥料:サンライム、鶏フン
固体培地培養物の添加量:10g/m2
対照としては、培養物を添加せずに栽培した。
収穫物:4日間の収穫物を図14に示す。
4日間のナス収穫量とこれらの機能性成分の分析結果を図15に示す。

実施例

0029

[結果と考察]
有機農法で堆肥を使用した場合、化学肥料のように植物が根から吸収できる養分ではなく、地中において微生物等により分解された後のものしか吸収することができない。図1図4を比較すると、図4の堆肥を使用した場合の方が、セファリオフォラ属を添加すると無添加の場合に比べて生長促進効果が2倍になり、よりその機能が働くことがわかった。
セファリオフォラ属は野菜の根部において、有機肥料を分解し、サラダナの生長が無添加に比べて著しく現れたものと思われる。
植物は地中に根を張った部分からのみ土壌成分を吸収することができるが、セファリオフォラ属は地中に広く菌糸を広げ、広範囲の土壌成分を自らの菌糸中に吸収、分解し、植物の根へその成分を送ると思われる。植物はセファリオフォラ属から得た土壌成分をもとに成長し、機能性成分を生成する。そして、その過程で生成した糖(炭素分)をセファリオフォラ属へ与え、セファリオフォラ属はより良い環境を求めて、広い範囲へと菌糸を伸ばしていく。このように本発明のセファリオフォラ属は植物と共生関係にあるエンドファイトではないかと考えられる。

0030

前述のような機能性成分を無理することなく摂取するためには、野菜をはじめとする青果物から食物として食することが重要であり、近年、品種改良によって高機能性野菜が市販されている。例えば、「坊ちゃんかぼちゃ」は、β−カロテンが従来の3−4倍、「こどもピーマンピー太郎」はβ−カロテンが従来の2倍である、また、「赤帯ゴーヤ」はビタミンCが従来の1.5倍、紫アスパラガスはグリーンアスパラの約10倍とされる。しかし、本発明のCephaliophora sp.の固体培養物を培養土に添加すると、品種改良をしていなくても、β−カロテン、レチノール当量、ビタミンE(α−トコフェロール)、ビタミンK、ビタミンC、クロロゲン酸、ポリフェノール等の高機能性成分を多く含む高機能性成分野菜を育成できる。

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