図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2018年11月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

強化された機械的強度特性を有する複合積層材料の提供。

解決手段

炭水化物ベース基材タンパク質とを含む、複合積層材料。前記炭水化物ベースの基材は、キトサン等の多糖類ベースであることが好ましく、前記タンパク質は、絹フィブロイン等が好ましい。前記複合積層材料は、創傷治癒移植用又は補綴デバイス組織工学用スキャホールド薬物送達用デバイス等に用いることができる。創傷治癒、移植用デバイス等に用いる場合には、トランスグルタミナーゼ等の第XIII因子を含有することが好ましい。

概要

背景

発明の背景
キチンは、セルロースに次いで地球上で2番目豊富ポリマーであり、海産物工場の一般的な廃棄物であり、かつ(天然ポリマーとして)生分解性である。しかし、それを実験室で製造しようとしても、機械的特性に乏しいヒドロゲル材料しか得られない。

キチンは、自然界で広く用いられているポリマーである。これは、真菌細胞壁軟体動物殻皮および節足動物外骨格において見られる。これは、その機械的特性ゆえに、多くの構造上の用途を提供する。このポリマーを現在の合成プラスチック代替物として用いる試みが数多くなされているが;実験室でその特殊な天然の特性を再現することはできていない。成功に至らない理由は、天然構造内に存在するキチン関連タンパク質により果たされる重要な構造上の役割に対する、および生物によって生成される天然物の積層微小構造に対する理解の欠如である。

軟体動物の殻皮および節足動物の外骨格の両方に存在し、殻皮の構造的完全性において根幹的役割を果たしている主たるタンパク質は、絹フィブロインと類似のアミノ酸配列を有する。

先行技術におけるキチンとタンパク質(例えば、絹フィブロイン)のブレンドは、溶液中での両材料の単なる混合によって製造されたものである。これらのプロセスは、溶液中で両ポリマーを混合しその混合物キャスティングすることにより、キチン/キトサンと絹フィブロインの均一な混合物を製造することに集中している。そのアプローチは、混合物の機械的特性をその構成成分よりも改善することはなく、典型的には相互の分子および結晶構造干渉する両ポリマーの相互作用によって脆弱化した材料すら生成される。

絹フィブロインは、周知のポリマー材料である。は、その印象的な機械的特性、生体適合性および生分解性ゆえに、生体材料および組織工学における重要な材料的選択肢を提供する。絹ポリマーおよび絹フィブロインには、カイコフィブロインおよび昆虫またはクモ絹タンパク質が含まれる(Lucas et al., Adv. Protein Chem 13: 107-242 (1958) (非特許文献1))。好ましくは、フィブロインは、溶解されたカイコ絹またはクモ絹糸(spider silk)を含む溶液から得られる。概して、シルク由来のフィブロインポリマー(またはタンパク質)は、セリシンを実質的に除去するよう処理される。カイコ絹タンパク質は、例えば、ボンビックス・モリ(Bombyx mori)から得られ、クモ絹糸は、例えば、ネフィラ・クラビペス(Nephila clavipes)から得られる。あるいは、本発明において使用するのに適した絹タンパク質は、遺伝子操作された絹、例えば細菌、酵母哺乳動物細胞トランスジェニック動物またはトランスジェニック植物由来のもの、を含む溶液から得ることができる。例えば、参照により本明細書に組み入れられるWIPO公報番号WO 1997/108315(特許文献1)および米国特許第5,245,012号(特許文献2)を参照のこと。

絹フィブロインは、優れたフィルム形成能を有し、ヒト体内での使用のために適合性もある。絹フィブロインフィルムは、ランダムコイルタンパク質構造優勢であるために、さらなる操作または処理がなされないと、水に溶解する。このタンパク質の構造的特徴は、機械ストレッチ極性有機溶媒への浸漬または水蒸気中での硬化を含む様々な処理によって、ランダムコイルからβシート構造へと変換することができる。理論に拘束されることを望まないが、高濃度絹溶液の使用が、ランダムコイルからβシートへの転換を促進することも公知である。この構造の転換は水に対する不溶性を与え、それによって生物医学およびその他の用途の範囲でこの材料を使用する選択肢が提供される。いくつかの純粋な絹フィブロインフィルムは、乾燥状態では、時間と共に堅く脆くなる傾向があるが、しかし、延性は低いものの印象的な引張り強さを示す。さらに、溶解した絹フィブロインは、粒子と混合することで、移植可能構造物を形成することができる均質な混合物を生成することができる。絹ポリマー構造および絹フィブロインフィルムを製造する方法は、両方とも参照により本明細書に組み入れられる、WIPO公報番号WO 2009/0100280(特許文献3)および同WO 2010/0042798(特許文献4)に示されている。

概要

強化された機械的強度特性を有する複合積層材料の提供。炭水化物ベース基材とタンパク質とを含む、複合積層材料。前記炭水化物ベースの基材は、キトサン等の多糖類ベースであることが好ましく、前記タンパク質は、絹フィブロイン等が好ましい。前記複合積層材料は、創傷治癒移植用又は補綴デバイス組織工学用スキャホールド薬物送達用デバイス等に用いることができる。創傷治癒、移植用デバイス等に用いる場合には、トランスグルタミナーゼ等の第XIII因子を含有することが好ましい。

目的

絹は、その印象的な機械的特性、生体適合性および生分解性ゆえに、生体材料および組織工学における重要な材料的選択肢を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

請求項2

前記炭水化物ベースの基材が、フィルム、繊維、スポンジメッシュ発泡体、またはナノスケール構造物を含む、請求項1記載の複合積層材料。

請求項3

炭水化物対タンパク質の比が10:1〜1:10の範囲内にある、請求項1または2記載の複合積層材料。

請求項4

炭水化物ベースの基材が、キチンフルクトオリゴ糖ガラクトオリゴ糖マンナンオリゴ糖グリコーゲンデンプンアミラーゼアミロペクチン)、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸コンドロイチン-4-硫酸、コンドロイチン-6-硫酸、デルマタン硫酸ケラチン硫酸、ヘパリン、および同様のもの)、セルロース、βグルカンザイモサンレンチナンシゾフィラン)、マルトデキストリンイヌリンまたはレバンβ(2→6)ベースの基材である、請求項1〜3のいずれか一項記載の複合積層材料。

請求項5

前記炭水化物ベースの基材が、キトサンベースの基材である、請求項1〜4のいずれか一項記載の複合積層材料。

請求項6

前記タンパク質が、絹フィブロインパークリン(perculin)、アブクチンエラスチンレシリンフィブロネクチンフィブリノゲン、ケラチン、チチン、コラーゲンアクチン、Arp2/3、コロニンジストロフィン、FtsZ、ミオシンスペクトリンタウ(タンパク質)、チューブリン、F-スポンジン、ピカチュリン、それらの断片および類似体および誘導体、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載の複合積層材料。

請求項7

前記炭水化物がキトサンであり、かつ前記タンパク質が絹フィブロインを含み、かつキトサン対絹フィブロインの比が1:1.5〜1:2の範囲内にある、請求項1記載の複合積層材料。

請求項8

前記炭水化物ベースの基材が、予め規定されたマイクロトポグラフィーを有する少なくとも1つの表面を含み、かつ前記タンパク質が該表面に適用されている、請求項1〜7のいずれか一項記載の複合積層材料。

請求項9

前記予め規定されたマイクロトポグラフィーが、前記炭水化物ベースの基材に成形されている、請求項8記載の複合積層材料。

請求項10

前記タンパク質が、予め規定されたマイクロトポグラフィーを有する少なくとも1つの表面を含む、請求項1〜9のいずれか一項記載の複合積層材料。

請求項11

前記予め規定されたマイクロトポグラフィーが、前記タンパク質に成形されている、請求項10記載の複合積層材料。

請求項12

第2の炭水化物ベースの基材をさらに含む、請求項1〜11のいずれか一項記載の複合積層材料。

請求項13

前記第2の炭水化物ベースの基材がキチンベースの基材である、請求項12記載の複合積層材料。

請求項14

カーボンファイバーカーボンナノチューブガラスファイバー、低分子ポリマー、タンパク質、ペプチドペプチド模倣体核酸有機化合物無機化合物結晶性化合物生物学的化合物生物活性化合物生物活性を有する化合物、および生物学的、薬学的または治療的な作用物質、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される分子を、炭水化物層またはタンパク質層の少なくとも一方の層中に含む、請求項1〜13のいずれか一項記載の複合積層材料。

請求項15

前記分子が前記炭水化物層中に存在する、請求項14記載の方法。

請求項16

前記分子が、前記炭水化物層に共有結合により連結されている、請求項15記載の方法。

請求項17

前記分子が前記タンパク質層中に存在する、請求項14記載の方法。

請求項18

前記分子が、前記タンパク質層に共有結合により連結されている、請求項17記載の方法。

請求項19

前記結晶性物質炭酸カルシウムである、請求項14〜18のいずれか一項記載の複合積層材料。

請求項20

前記複合材料の少なくとも一部に対する撥水性コーティングをさらに含む、請求項1〜19のいずれか一項記載の複合積層材料。

請求項21

パリレンで構成される、請求項20記載の複合積層材料。

請求項22

水性環境曝露された場合に、前記複合材料の一部に対する撥水性コーティングの位置に応じて変化する機械的特性を示す、請求項20〜21のいずれか一項記載の複合積層材料。

請求項23

複合積層材料を形成する方法であって、炭水化物ベースの基材を供給する工程、および該炭水化物ベースの基材をタンパク質溶液と接触させる工程を含む、方法。

請求項24

前記炭水化物ベースの基材が、キチン、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、グリコーゲン、デンプン(アミラーゼ、アミロペクチン)、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン-4-硫酸、コンドロイチン-6-硫酸、デルマタン硫酸、ケラチン硫酸、ヘパリン、および同様のもの)、セルロース、βグルカン(ザイモサン、レンチナン、シゾフィラン)、マルトデキストリン、イヌリンまたはレバンβ(2→6)ベースの基材である、請求項23記載の方法。

請求項25

前記炭水化物ベースの基材が、キトサンベースの基材である、請求項23〜24のいずれか一項記載の方法。

請求項26

前記タンパク質が、絹フィブロイン、パークリン、アブダクチン、エラスチン、レシリン、フィブロネクチン、フィブリノゲン、ケラチン、チチン、コラーゲン、アクチン、Arp2/3、コロニン、ジストロフィン、FtsZ、ミオシン、スペクトリン、タウ(タンパク質)、チューブリン、F-スポンジン、ピカチュリン、それらの断片および類似体および誘導体、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項23〜25のいずれか一項記載の方法。

請求項27

炭水化物対タンパク質の比が10:1〜約1:10の範囲内にある、請求項23〜26のいずれか一項記載の方法。

請求項28

炭水化物ベースの材料の溶液脱水することによって、前記炭水化物ベースの基材を形成する、請求項23〜27のいずれか一項記載の方法。

請求項29

炭水化物ベースの材料の前記溶液が酸を含む、請求項28記載の方法。

請求項30

前記酸が、イタコン酸ポリタコン(polyitaconic)酸、アコニット酸尿酸グルクロン酸ギ酸酢酸トリクロロ酢酸プロピオン酸ブタン酸、4-クロロブタン酸、3-クロロブタン酸、2-ブロモブタン酸、2-クロロブタン酸、亜塩素酸次亜塩素酸クエン酸グルコン酸乳酸シュウ酸酒石酸アスコルビン酸メルドラム酸フッ化水素酸シアン化水素酸硫化水素オルトリン酸亜硫酸炭酸弱塩基共役酸、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項29記載の方法。

請求項31

塩基性溶液を適用することによって、前記炭水化物ベースの材料を中和する工程をさらに含む、請求項29〜30のいずれか一項記載の方法。

請求項32

前記塩基性溶液が、水酸化ナトリウム水酸化アンモニウム水酸化カリウム水酸化カルシウム水酸化マグネシウム水酸化バリウム水酸化ストロンチウム水酸化リチウム水酸化ルビジウム炭酸ナトリウムおよびアンモニアからなる群より選択される塩基を含むか、または該塩基性溶液が高pH緩衝液である、請求項30記載の方法。

請求項33

前記高pH緩衝液が炭酸緩衝液である、請求項32記載の方法。

請求項34

炭水化物ベースの材料の溶液を凍結乾燥することによって、前記炭水化物ベースの基材を形成する、請求項23〜33のいずれか一項記載の方法。

請求項35

炭水化物ベースの材料の溶液に気泡注入することによって、前記炭水化物ベースの基材を形成する、請求項23〜33のいずれか一項記載の方法。

請求項36

炭水化物ベースの溶液をスピニングして繊維を形成することによって、前記炭水化物ベースの基材を形成する、請求項23〜33のいずれか一項記載の方法。

請求項37

キチンベースの溶液をエレクトロスピニングして繊維を形成することによって、前記炭水化物ベースの基材を形成する、請求項23〜33または35のいずれか一項記載の方法。

請求項38

炭水化物ベースの溶液をロータリースピニングして繊維を形成することによって、前記炭水化物ベースの基材を形成する、請求項22〜32または35のいずれか一項記載の方法。

請求項39

前記タンパク質のβ転移誘導する工程をさらに含む、請求項23〜38のいずれか一項記載の方法。

請求項40

アルコール有機溶媒水溶液、または応力印加、圧力の印加もしくは熱の印加を含む因子のうちの1つまたは複数で前記タンパク質を処理することによって、前記β転移を誘導する、請求項39記載の方法。

請求項41

カーボンナノチューブ、ガラスファイバー、低分子、ポリマー、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣体、核酸、有機化合物、無機化合物、結晶性物質、生物学的化合物、生物活性化合物、生物活性を有する化合物、および生物学的、薬学的または治療的な作用物質、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される保有材料を前記複合材料に導入する工程をさらに含む、請求項23〜40のいずれか一項記載の方法。

請求項42

前記保有材料が、前記複合材料に共有結合により連結されている、請求項40記載の方法。

請求項43

請求項23〜42のいずれか一項記載の方法により形成される物質組成物

請求項44

請求項23〜42のいずれか一項記載の方法により形成される物質の組成物を含む、補綴デバイス

請求項45

請求項23〜42のいずれか一項記載の方法により形成される物質の組成物を含む、組織工学用スキャホールド

請求項46

請求項23〜42のいずれか一項記載の方法により形成される物質の組成物を含む、薬物送達デバイス

請求項47

請求項23〜42のいずれか一項記載の方法により形成される物質の組成物を含む、移植可能材料。

請求項48

請求項23〜42のいずれか一項記載の方法により形成される物質の組成物を含み、該組成物が鉱物または結晶性物質を含む、材料。

請求項49

請求項23〜42のいずれか一項記載の方法により形成される物質の組成物を含む、薄い透明フィルム

請求項50

請求項23〜42のいずれか一項記載の方法により形成される物質の組成物を含む、多層材料

請求項51

請求項23〜42のいずれか一項記載の方法により形成される物質の組成物を含み、該組成物が、目的に合った機械的特性を提供するために追加の成分を含む、多層材料。

請求項52

請求項23〜42のいずれか一項記載の方法により形成される物質の組成物を含み、該組成物が撥水性コーティング材料を含む、材料。

請求項53

請求項23〜42のいずれか一項記載の方法により形成される物質の組成物を含み、該組成物が、可変の柔軟性を有する領域を提供するために、撥水性コーティング材料の可変領域を含む、材料。

請求項54

複合積層材料を形成する方法であって、キチンベースの材料を酸性溶液に溶解する工程、溶媒蒸発させることによって、該キチンベースの材料のキチンベースの構造物を形成する工程、該キチンベースの構造物を塩基性溶液で処理して、プロトン化されたアミノ基を中和する工程、該キチンベースの構造物を洗浄する工程、任意で、該キチンベースの構造物を脱水する工程、該キチンベースの構造物にタンパク質溶液を適用して、少なくとも1つのタンパク質層を該キチンベースの構造物表面に有する複合材料を生成する工程、該キチンベースの構造物表面の該タンパク質層を乾燥させる工程、および該複合材料をアルコールベースの溶液で処理して、該タンパク質のβ転移を誘導する工程を含む、方法。

請求項55

キチンベースの材料対タンパク質の比が10:1〜1:10の範囲内にある、請求項54記載の方法。

請求項56

前記キチンベースの材料がキトサンである、請求項54〜55のいずれか一項記載の方法。

請求項57

前記タンパク質がフィブロインである、請求項54〜56のいずれか一項記載の方法。

請求項58

前記酸性溶液が酢酸を含む、請求項54〜57のいずれか一項記載の方法。

請求項59

前記塩基性溶液がNaOHを含む、請求項54〜58のいずれか一項記載の方法。

請求項60

前記アルコールベースの溶液がメタノールを含む、請求項54〜59のいずれか一項記載の方法。

請求項61

請求項54〜60のいずれか一項記載の方法により形成される物質の組成物。

請求項62

医学移植デバイス組織または臓器接着させる方法であって、有効量のトランスグルタミナーゼを該組織または該臓器の表面に適用する工程、および該医学的移植デバイスを該組織の表面に接触させる工程を含む、方法。

請求項63

前記医学的移植デバイスがトランスグルタミナーゼを含む、請求項62記載の方法。

請求項64

医学的移植デバイスを組織または臓器に接着させる方法であって、有効量のトランスグルタミナーゼを含む該医学的移植デバイスを、該臓器と接触させる工程を含む、方法。

請求項65

前記有効量のトランスグルタミナーゼを前記組織の表面に適用する工程をさらに含む、請求項64記載の方法。

請求項66

前記トランスグルタミナーゼが哺乳動物トランスグルタミナーゼである、請求項62〜65のいずれか一項記載の方法。

請求項67

前記トランスグルタミナーゼが微生物トランスグルタミナーゼ(mTgase)である、請求項62〜65のいずれか一項記載の方法。

請求項68

前記トランスグルタミナーゼがカルシウム非依存性トランスグルタミナーゼである、請求項62〜67のいずれか一項記載の方法。

請求項69

前記トランスグルタミナーゼが、第XIII因子A(フィブリン安定化因子)、1型トランスグルタミナーゼ(ケラチノサイトトランスグルタミナーゼ)、2型トランスグルタミナーゼ(組織トランスグルタミナーゼ、tTgase)、3型トランスグルタミナーゼ(上皮トランスグルタミナーゼ)、4型トランスグルタミナーゼ(前立腺トランスグルタミナーゼ)、5型トランスグルタミナーゼ(トランスグルタミナーゼX)、6型トランスグルタミナーゼ(トランスグルタミナーゼY)、7型トランスグルタミナーゼ(トランスグルタミナーゼZ)、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項62〜68のいずれか一項記載の方法。

請求項70

前記トランスグルタミナーゼが、溶液、エマルジョンエアロゾル、発泡体、軟膏ペーストローション粉末ゲルヒドロゲル親水コロイドマイクロ粒子ナノ粒子、またはクリームとして製剤化される、請求項62〜69のいずれか一項記載の方法。

請求項71

前記医学的移植デバイスが、人工組織人工臓器、補綴デバイス、薬物送達デバイス、創傷被覆材、フィルム、発泡体、スポンジ、止血材、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項62〜70のいずれか一項記載の方法。

請求項72

前記医学的移植デバイスが、包帯ガーゼテープ、メッシュ、ネットばんそうこう、フィルム、メンブレンパッチ、マイクロ粒子、ナノ粒子、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される創傷被覆材である、請求項71記載の方法。

請求項73

前記医学的移植デバイスが発泡体である、請求項71記載の方法。

請求項74

前記医学的移植デバイスがタンパク質を含み、かつ該タンパク質がトランスグルタミナーゼにより架橋可能である、請求項62〜73のいずれか一項記載の方法。

請求項75

前記医学的移植デバイスが前記タンパク質でコーティングされている、請求項74記載の方法。

請求項76

前記タンパク質が絹フィブロインである、請求項74〜75のいずれか一項記載の方法。

請求項77

前記トランスグルタミナーゼが、前記医学的移植デバイスの表面にコーティングされている、請求項62〜76のいずれか一項記載の方法。

請求項78

前記トランスグルタミナーゼが、前記医学的移植デバイスに非共有結合により連結されている、請求項62〜77のいずれか一項記載の方法。

請求項79

トランスグルタミナーゼの前記有効量が、前記組織または前記臓器と前記医学的移植デバイスの間の接触表面積1cm2あたり約1μg〜約100mgである、請求項62〜78のいずれか一項記載の方法。

請求項80

創傷治癒物質投与する工程をさらに含む、請求項62〜79のいずれか一項記載の方法。

請求項81

請求項82

前記医学的移植デバイスが、生体適合性生分解性の材料から製造される、請求項62〜81のいずれか一項記載の方法。

請求項83

前記医学的移植デバイスが、請求項1〜21のいずれか一項記載の複合材料から製造される、請求項62〜82のいずれか一項記載の方法。

請求項84

前記適用する工程が、宿主トランスグルタミナーゼの発現または活性を増加させることを含む、請求項62〜83のいずれか一項記載の方法。

請求項85

それを必要とする対象において創傷治癒を促進する方法であって、有効量のトランスグルタミナーゼを創傷表面に適用する工程、および請求項1〜21のいずれか一項記載の複合材料を含む創傷被覆材を、該創傷に接触させる工程を含む、方法。

請求項86

請求項1〜21のいずれか一項記載の複合材料を含む発泡体を、前記創傷に適用する工程をさらに含む、請求項85記載の方法。

請求項87

前記創傷が、切傷および裂創外科切開穿刺創かすり傷、引っ掻き傷、圧迫傷、擦傷摩擦創傷、慢性創傷潰瘍熱作用による創傷、化学的創傷、病原体感染に起因する創傷、皮膚移植片/移植ドナーおよびレシピエント部位免疫反応状態、口腔創傷、または腸の創傷、損傷軟骨または損傷骨、切断部位、ならびに角膜病変からなる群より選択される、請求項85〜86のいずれか一項記載の方法。

請求項88

前記トランスグルタミナーゼが哺乳動物トランスグルタミナーゼである、請求項85〜87のいずれか一項記載の方法。

請求項89

前記トランスグルタミナーゼが微生物トランスグルタミナーゼ(mTgase)である、請求項85〜87のいずれか一項記載の方法。

請求項90

前記トランスグルタミナーゼがカルシウム非依存性トランスグルタミナーゼである、請求項85〜89のいずれか一項記載の方法。

請求項91

前記トランスグルタミナーゼが、第XIII因子A(フィブリン安定化因子)、1型トランスグルタミナーゼ(ケラチノサイトトランスグルタミナーゼ)、2型トランスグルタミナーゼ(組織トランスグルタミナーゼ)、3型トランスグルタミナーゼ(上皮トランスグルタミナーゼ)、4型トランスグルタミナーゼ(前立腺トランスグルタミナーゼ)、5型トランスグルタミナーゼ(トランスグルタミナーゼX)、6型トランスグルタミナーゼ(トランスグルタミナーゼY)、7型トランスグルタミナーゼ(トランスグルタミナーゼZ)、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項85〜90のいずれか一項記載の方法。

請求項92

前記トランスグルタミナーゼが、溶液、エマルジョン、エアロゾル、発泡体、軟膏、ペースト、ローション、粉末、ゲル、ヒドロゲル、親水コロイド、マイクロ粒子、ナノ粒子、またはクリームとして製剤化される、請求項85〜91のいずれか一項記載の方法。

請求項93

前記創傷被覆材が、包帯、ガーゼ、テープ、メッシュ、ネット、ばんそうこう、フィルム、メンブレン、パッチ、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項85〜92のいずれか一項記載の方法。

請求項94

前記トランスグルタミナーゼが前記創傷被覆材に結合されている、請求項85〜93のいずれか一項記載の方法。

請求項95

前記トランスグルタミナーゼが、前記創傷被覆材の表面にコーティングされている、請求項94記載の方法。

請求項96

前記トランスグルタミナーゼが、前記創傷被覆材に非共有結合により連結されている、請求項94〜95のいずれか一項記載の方法。

請求項97

トランスグルタミナーゼの前記有効量が、創傷面積1cm2あたり約1μg〜約100mgである、請求項85〜96のいずれか一項記載の方法。

請求項98

創傷治癒物質を前記対象に投与する工程をさらに含む、請求項85〜97のいずれか一項記載の方法。

請求項99

前記創傷治癒物質が、デクスパンテノール;成長因子;酵素、ホルモン;ポビドンヨード;脂肪酸;抗炎症剤;抗生物質;抗菌剤;消毒剤;サイトカイン;トロンビン;鎮痛剤;オピオイド;アミノキシル;フロキサン;ニトロソチオール;ナイトレートおよびアントシアニン;ヌクレオシド;ヌクレオチド;神経伝達物質/神経修飾物質、例えばアセチルコリンおよび5-ヒドロキシトリプタミン(セロトニン/5-HT);ヒスタミンおよびカテコールアミン、例えばアドレナリンおよびノルアドレナリン;脂質分子、例えばスフィンゴシン-1-リン酸およびリゾホスファチジン酸;アミノ酸、例えばアルギニンおよびリジン;ペプチド、例えばブラジキニン、サブスタンスPおよびカルシウム遺伝子関連ペプチド(CGRP);一酸化窒素;ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項98記載の方法。

請求項100

前記適用する工程が、宿主トランスグルタミナーゼの発現または活性を増加させることを含む、請求項85〜99のいずれか一項記載の方法。

請求項101

前記適用する工程が、前記医学的移植デバイスまたは前記創傷被覆材の接触前、接触後または接触中に行われる、請求項85〜99のいずれか一項記載の方法。

技術分野

0001

関連出願
本願は、35 U.S.C. §119(e)の下で、2010年8月30日出願の米国特許仮出願第61/378,056号の恩典を主張し、その内容全体を参照により本明細書に組み入れる。

0002

発明の分野
本発明は、炭水化物およびタンパク質から形成される有機複合材料に関する。より詳細には、本発明は、優れた強度およびエネルギー消散特性を有する、キトサンおよびタンパク質、例えばフィブロイン、の層から形成される複合生体適合性材料に関する。

背景技術

0003

発明の背景
キチンは、セルロースに次いで地球上で2番目豊富ポリマーであり、海産物工場の一般的な廃棄物であり、かつ(天然ポリマーとして)生分解性である。しかし、それを実験室で製造しようとしても、機械的特性に乏しいヒドロゲル材料しか得られない。

0004

キチンは、自然界で広く用いられているポリマーである。これは、真菌細胞壁軟体動物殻皮および節足動物外骨格において見られる。これは、その機械的特性ゆえに、多くの構造上の用途を提供する。このポリマーを現在の合成プラスチック代替物として用いる試みが数多くなされているが;実験室でその特殊な天然の特性を再現することはできていない。成功に至らない理由は、天然構造内に存在するキチン関連タンパク質により果たされる重要な構造上の役割に対する、および生物によって生成される天然物の積層微小構造に対する理解の欠如である。

0005

軟体動物の殻皮および節足動物の外骨格の両方に存在し、殻皮の構造的完全性において根幹的役割を果たしている主たるタンパク質は、絹フィブロインと類似のアミノ酸配列を有する。

0006

先行技術におけるキチンとタンパク質(例えば、絹フィブロイン)のブレンドは、溶液中での両材料の単なる混合によって製造されたものである。これらのプロセスは、溶液中で両ポリマーを混合しその混合物キャスティングすることにより、キチン/キトサンと絹フィブロインの均一な混合物を製造することに集中している。そのアプローチは、混合物の機械的特性をその構成成分よりも改善することはなく、典型的には相互の分子および結晶構造干渉する両ポリマーの相互作用によって脆弱化した材料すら生成される。

0007

絹フィブロインは、周知のポリマー材料である。は、その印象的な機械的特性、生体適合性および生分解性ゆえに、生体材料および組織工学における重要な材料的選択肢を提供する。絹ポリマーおよび絹フィブロインには、カイコフィブロインおよび昆虫またはクモ絹タンパク質が含まれる(Lucas et al., Adv. Protein Chem 13: 107-242 (1958) (非特許文献1))。好ましくは、フィブロインは、溶解されたカイコ絹またはクモ絹糸(spider silk)を含む溶液から得られる。概して、シルク由来のフィブロインポリマー(またはタンパク質)は、セリシンを実質的に除去するよう処理される。カイコ絹タンパク質は、例えば、ボンビックス・モリ(Bombyx mori)から得られ、クモ絹糸は、例えば、ネフィラ・クラビペス(Nephila clavipes)から得られる。あるいは、本発明において使用するのに適した絹タンパク質は、遺伝子操作された絹、例えば細菌、酵母哺乳動物細胞トランスジェニック動物またはトランスジェニック植物由来のもの、を含む溶液から得ることができる。例えば、参照により本明細書に組み入れられるWIPO公報番号WO 1997/108315(特許文献1)および米国特許第5,245,012号(特許文献2)を参照のこと。

0008

絹フィブロインは、優れたフィルム形成能を有し、ヒト体内での使用のために適合性もある。絹フィブロインフィルムは、ランダムコイルタンパク質構造優勢であるために、さらなる操作または処理がなされないと、水に溶解する。このタンパク質の構造的特徴は、機械ストレッチ極性有機溶媒への浸漬または水蒸気中での硬化を含む様々な処理によって、ランダムコイルからβシート構造へと変換することができる。理論に拘束されることを望まないが、高濃度絹溶液の使用が、ランダムコイルからβシートへの転換を促進することも公知である。この構造の転換は水に対する不溶性を与え、それによって生物医学およびその他の用途の範囲でこの材料を使用する選択肢が提供される。いくつかの純粋な絹フィブロインフィルムは、乾燥状態では、時間と共に堅く脆くなる傾向があるが、しかし、延性は低いものの印象的な引張り強さを示す。さらに、溶解した絹フィブロインは、粒子と混合することで、移植可能構造物を形成することができる均質な混合物を生成することができる。絹ポリマー構造および絹フィブロインフィルムを製造する方法は、両方とも参照により本明細書に組み入れられる、WIPO公報番号WO 2009/0100280(特許文献3)および同WO 2010/0042798(特許文献4)に示されている。

0009

WO 1997/108315
米国特許第5,245,012号
WO 2009/0100280
WO 2010/0042798

先行技術

0010

Lucas et al., Adv. Protein Chem 13: 107-242 (1958)

0011

本発明は、高度に制御された形状、トポグラフィーおよび物性を有する、炭水化物ポリマー、例えばオリゴ糖および多糖を含む複雑な3D構造物の形成のための方法、ならびに得られる複合材料に関する。また、絹フィブロインを使用することによるおよび水和度の調整のために耐水性コーティングで該材料の異なる領域をコーティングすることによる、特定の特徴を改善するための、例えば該材料の機械的特性の制限のための、タンパク質を含むそれらの構造物の連続的な改変に関する。得られる複合材料は、構成成分の材料のいずれよりも有意に高くかつそれらから予想できない、強化された機械的強度特性を有する。

0012

本発明を実施することにより、以下の能力の1つまたは複数が提供され得る。

0013

本発明の1つの目的は、炭水化物ベースのポリマーおよびタンパク質の層から形成される複合材料を製造する方法を提供することである。例えば、複合材料は、キチンベースの材料およびタンパク質の層から形成される。

0014

本発明の別の目的は、炭水化物ベースのポリマーおよびフィブロインの層から形成される複合材料を製造する方法を提供することである。例えば、キチンベースの材料およびフィブロインの層から形成される複合材料を製造する方法である。

0015

本発明の別の目的は、炭水化物ベースのポリマーおよびタンパク質から形成された、その構成成分の材料と比較して優れた機械的特性を有する複合材料を提供することである。例えば、複合材料は、キチンベースの材料およびタンパク質から形成され、その構成成分の材料と比較して優れた機械的特性を有する。

0016

本発明の別の目的は、キトサンおよびフィブロインから形成された、その構成成分の材料と比較して優れた機械的特性を有する複合材料を提供することである。

0017

本発明の別の目的は、炭水化物ベースのポリマーおよびタンパク質から形成された、調節可能な機械的特性を有する複合材料を提供することである。例えば、複合材料は、キチンベースの材料およびタンパク質から形成され、調節可能な柔軟特性を有する。

0018

本発明の別の目的は、キトサンおよびタンパク質から形成された、調節可能な機械的特性を有する複合材料を提供することである。

0019

本発明の別の目的は、キトサンおよびタンパク質から形成された、生体適合性かつ生分解性であるが、湿気の存在下で安定的である複合材料を提供することである。

0020

[本発明1001]
炭水化物ベースの基材とタンパク質とを含む、複合積層材料
[本発明1002]
前記炭水化物ベースの基材が、フィルム、繊維、スポンジメッシュ発泡体、またはナノスケール構造物を含む、本発明1001の複合積層材料。
[本発明1003]
炭水化物対タンパク質の比が10:1〜1:10の範囲内にある、本発明1001または1002の複合積層材料。
[本発明1004]
炭水化物ベースの基材が、キチン、フルクトオリゴ糖ガラクトオリゴ糖マンナンオリゴ糖グリコーゲンデンプンアミラーゼアミロペクチン)、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸コンドロイチン-4-硫酸、コンドロイチン-6-硫酸、デルマタン硫酸ケラチン硫酸、ヘパリン、および同様のもの)、セルロース、βグルカンザイモサンレンチナンシゾフィラン)、マルトデキストリンイヌリンまたはレバンβ(2→6)ベースの基材である、本発明1001〜1003のいずれかの複合積層材料。
[本発明1005]
前記炭水化物ベースの基材が、キトサンベースの基材である、本発明1001〜1004のいずれかの複合積層材料。
[本発明1006]
前記タンパク質が、絹フィブロイン、パークリン(perculin)、アブクチンエラスチンレシリンフィブロネクチンフィブリノゲン、ケラチン、チチン、コラーゲンアクチン、Arp2/3、コロニンジストロフィン、FtsZ、ミオシンスペクトリンタウ(タンパク質)、チューブリン、F-スポンジン、ピカチュリン、それらの断片および類似体および誘導体、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、本発明1001〜1005のいずれかの複合積層材料。
[本発明1007]
前記炭水化物がキトサンであり、かつ前記タンパク質が絹フィブロインを含み、かつキトサン対絹フィブロインの比が1:1.5〜1:2の範囲内にある、本発明1001の複合積層材料。
[本発明1008]
前記炭水化物ベースの基材が、予め規定されたマイクロトポグラフィーを有する少なくとも1つの表面を含み、かつ前記タンパク質が該表面に適用されている、本発明1001〜1007のいずれかの複合積層材料。
[本発明1009]
前記予め規定されたマイクロトポグラフィーが、前記炭水化物ベースの基材に成形されている、本発明1008の複合積層材料。
[本発明1010]
前記タンパク質が、予め規定されたマイクロトポグラフィーを有する少なくとも1つの表面を含む、本発明1001〜1009のいずれかの複合積層材料。
[本発明1011]
前記予め規定されたマイクロトポグラフィーが、前記タンパク質に成形されている、本発明1010の複合積層材料。
[本発明1012]
第2の炭水化物ベースの基材をさらに含む、本発明1001〜1011のいずれかの複合積層材料。
[本発明1013]
前記第2の炭水化物ベースの基材がキチンベースの基材である、本発明1012の複合積層材料。
[本発明1014]
カーボンファイバーカーボンナノチューブガラスファイバー、低分子、ポリマー、タンパク質、ペプチドペプチド模倣体核酸有機化合物無機化合物結晶性化合物生物学的化合物生物活性化合物生物活性を有する化合物、および生物学的、薬学的または治療的な作用物質、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される分子を、炭水化物層またはタンパク質層の少なくとも一方の層中に含む、本発明1001〜1013のいずれかの複合積層材料。
[本発明1015]
前記分子が前記炭水化物層中に存在する、本発明1014の方法。
[本発明1016]
前記分子が、前記炭水化物層に共有結合により連結されている、本発明1015の方法。
[本発明1017]
前記分子が前記タンパク質層中に存在する、本発明1014の方法。
[本発明1018]
前記分子が、前記タンパク質層に共有結合により連結されている、本発明1017の方法。
[本発明1019]
前記結晶性物質炭酸カルシウムである、本発明1014〜1018のいずれかの複合積層材料。
[本発明1020]
前記複合材料の少なくとも一部に対する撥水性コーティングをさらに含む、本発明1001〜1019のいずれかの複合積層材料。
[本発明1021]
パリレンで構成される、本発明1020の複合積層材料。
[本発明1022]
水性環境曝露された場合に、前記複合材料の一部に対する撥水性コーティングの位置に応じて変化する機械的特性を示す、本発明1020〜1021のいずれかの複合積層材料。
[本発明1023]
複合積層材料を形成する方法であって、
炭水化物ベースの基材を供給する工程、および
該炭水化物ベースの基材をタンパク質溶液と接触させる工程
を含む、方法。
[本発明1024]
前記炭水化物ベースの基材が、キチン、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、グリコーゲン、デンプン(アミラーゼ、アミロペクチン)、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン-4-硫酸、コンドロイチン-6-硫酸、デルマタン硫酸、ケラチン硫酸、ヘパリン、および同様のもの)、セルロース、βグルカン(ザイモサン、レンチナン、シゾフィラン)、マルトデキストリン、イヌリンまたはレバンβ(2→6)ベースの基材である、本発明1023の方法。
[本発明1025]
前記炭水化物ベースの基材が、キトサンベースの基材である、本発明1023〜1024のいずれかの方法。
[本発明1026]
前記タンパク質が、絹フィブロイン、パークリン、アブダクチン、エラスチン、レシリン、フィブロネクチン、フィブリノゲン、ケラチン、チチン、コラーゲン、アクチン、Arp2/3、コロニン、ジストロフィン、FtsZ、ミオシン、スペクトリン、タウ(タンパク質)、チューブリン、F-スポンジン、ピカチュリン、それらの断片および類似体および誘導体、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、本発明1023〜1025のいずれかの方法。
[本発明1027]
炭水化物対タンパク質の比が10:1〜約1:10の範囲内にある、本発明1023〜1026のいずれかの方法。
[本発明1028]
炭水化物ベースの材料の溶液を脱水することによって、前記炭水化物ベースの基材を形成する、本発明1023〜1027のいずれかの方法。
[本発明1029]
炭水化物ベースの材料の前記溶液が酸を含む、本発明1028の方法。
[本発明1030]
前記酸が、イタコン酸ポリタコン(polyitaconic)酸、アコニット酸尿酸グルクロン酸ギ酸酢酸トリクロロ酢酸プロピオン酸ブタン酸、4-クロロブタン酸、3-クロロブタン酸、2-ブロモブタン酸、2-クロロブタン酸、亜塩素酸次亜塩素酸クエン酸グルコン酸乳酸シュウ酸酒石酸アスコルビン酸メルドラム酸フッ化水素酸シアン化水素酸硫化水素オルトリン酸亜硫酸炭酸弱塩基共役酸、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、本発明1029の方法。
[本発明1031]
塩基性溶液を適用することによって、前記炭水化物ベースの材料を中和する工程
をさらに含む、本発明1029〜1030のいずれかの方法。
[本発明1032]
前記塩基性溶液が、水酸化ナトリウム水酸化アンモニウム水酸化カリウム水酸化カルシウム水酸化マグネシウム水酸化バリウム水酸化ストロンチウム水酸化リチウム水酸化ルビジウム炭酸ナトリウムおよびアンモニアからなる群より選択される塩基を含むか、または該塩基性溶液が高pH緩衝液である、本発明1030の方法。
[本発明1033]
前記高pH緩衝液が炭酸緩衝液である、本発明1032の方法。
[本発明1034]
炭水化物ベースの材料の溶液を凍結乾燥することによって、前記炭水化物ベースの基材を形成する、本発明1023〜1033のいずれかの方法。
[本発明1035]
炭水化物ベースの材料の溶液に気泡注入することによって、前記炭水化物ベースの基材を形成する、本発明1023〜1033のいずれかの方法。
[本発明1036]
炭水化物ベースの溶液をスピニングして繊維を形成することによって、前記炭水化物ベースの基材を形成する、本発明1023〜1033のいずれかの方法。
[本発明1037]
キチンベースの溶液をエレクトロスピニングして繊維を形成することによって、前記炭水化物ベースの基材を形成する、本発明1023〜1033または1035のいずれかの方法。
[本発明1038]
炭水化物ベースの溶液をロータリースピニングして繊維を形成することによって、前記炭水化物ベースの基材を形成する、本発明1022〜1032または1035のいずれかの方法。
[本発明1039]
前記タンパク質のβ転移誘導する工程
をさらに含む、本発明1023〜1038のいずれかの方法。
[本発明1040]
アルコール有機溶媒水溶液、または応力印加、圧力の印加もしくは熱の印加を含む因子のうちの1つまたは複数で前記タンパク質を処理することによって、前記β転移を誘導する、本発明1039の方法。
[本発明1041]
カーボンナノチューブ、ガラスファイバー、低分子、ポリマー、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣体、核酸、有機化合物、無機化合物、結晶性物質、生物学的化合物、生物活性化合物、生物活性を有する化合物、および生物学的、薬学的または治療的な作用物質、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される保有材料を前記複合材料に導入する工程
をさらに含む、本発明1023〜1040のいずれかの方法。
[本発明1042]
前記保有材料が、前記複合材料に共有結合により連結されている、本発明1040の方法。
[本発明1043]
本発明1023〜1042のいずれかの方法により形成される物質組成物
[本発明1044]
本発明1023〜1042のいずれかの方法により形成される物質の組成物を含む、補綴デバイス
[本発明1045]
本発明1023〜1042のいずれかの方法により形成される物質の組成物を含む、組織工学用スキャホールド
[本発明1046]
本発明1023〜1042のいずれかの方法により形成される物質の組成物を含む、薬物送達デバイス
[本発明1047]
本発明1023〜1042のいずれかの方法により形成される物質の組成物を含む、移植可能材料。
[本発明1048]
本発明1023〜1042のいずれかの方法により形成される物質の組成物を含み、該組成物が鉱物または結晶性物質を含む、材料。
[本発明1049]
本発明1023〜1042のいずれかの方法により形成される物質の組成物を含む、薄い透明フィルム
[本発明1050]
本発明1023〜1042のいずれかの方法により形成される物質の組成物を含む、多層材料
[本発明1051]
本発明1023〜1042のいずれかの方法により形成される物質の組成物を含み、該組成物が、目的に合った機械的特性を提供するために追加の成分を含む、多層材料。
[本発明1052]
本発明1023〜1042のいずれかの方法により形成される物質の組成物を含み、該組成物が撥水性コーティング材料を含む、材料。
[本発明1053]
本発明1023〜1042のいずれかの方法により形成される物質の組成物を含み、該組成物が、可変の柔軟性を有する領域を提供するために、撥水性コーティング材料の可変領域を含む、材料。
[本発明1054]
複合積層材料を形成する方法であって、
キチンベースの材料を酸性溶液に溶解する工程、
溶媒蒸発させることによって、該キチンベースの材料のキチンベースの構造物を形成する工程、
該キチンベースの構造物を塩基性溶液で処理して、プロトン化されたアミノ基を中和する工程、
該キチンベースの構造物を洗浄する工程、
任意で、該キチンベースの構造物を脱水する工程、
該キチンベースの構造物にタンパク質溶液を適用して、少なくとも1つのタンパク質層を該キチンベースの構造物表面に有する複合材料を生成する工程、
該キチンベースの構造物表面の該タンパク質層を乾燥させる工程、および
該複合材料をアルコールベースの溶液で処理して、該タンパク質のβ転移を誘導する工程
を含む、方法。
[本発明1055]
キチンベースの材料対タンパク質の比が10:1〜1:10の範囲内にある、本発明1054の方法。
[本発明1056]
前記キチンベースの材料がキトサンである、本発明1054〜1055のいずれかの方法。
[本発明1057]
前記タンパク質がフィブロインである、本発明1054〜1056のいずれかの方法。
[本発明1058]
前記酸性溶液が酢酸を含む、本発明1054〜1057のいずれかの方法。
[本発明1059]
前記塩基性溶液がNaOHを含む、本発明1054〜1058のいずれかの方法。
[本発明1060]
前記アルコールベースの溶液がメタノールを含む、本発明1054〜1059のいずれかの方法。
[本発明1061]
本発明1054〜1060のいずれかの方法により形成される物質の組成物。
[本発明1062]
医学移植デバイス組織または臓器接着させる方法であって、
有効量のトランスグルタミナーゼを該組織または該臓器の表面に適用する工程、および
該医学的移植デバイスを該組織の表面に接触させる工程
を含む、方法。
[本発明1063]
前記医学的移植デバイスがトランスグルタミナーゼを含む、本発明1062の方法。
[本発明1064]
医学的移植デバイスを組織または臓器に接着させる方法であって、
有効量のトランスグルタミナーゼを含む該医学的移植デバイスを、該臓器と接触させる工程
を含む、方法。
[本発明1065]
前記有効量のトランスグルタミナーゼを前記組織の表面に適用する工程
をさらに含む、本発明1064の方法。
[本発明1066]
前記トランスグルタミナーゼが哺乳動物トランスグルタミナーゼである、本発明1062〜1065のいずれかの方法。
[本発明1067]
前記トランスグルタミナーゼが微生物トランスグルタミナーゼ(mTgase)である、本発明1062〜1065のいずれかの方法。
[本発明1068]
前記トランスグルタミナーゼがカルシウム非依存性トランスグルタミナーゼである、本発明1062〜1067のいずれかの方法。
[本発明1069]
前記トランスグルタミナーゼが、第XIII因子A(フィブリン安定化因子)、1型トランスグルタミナーゼ(ケラチノサイトトランスグルタミナーゼ)、2型トランスグルタミナーゼ(組織トランスグルタミナーゼ、tTgase)、3型トランスグルタミナーゼ(上皮トランスグルタミナーゼ)、4型トランスグルタミナーゼ(前立腺トランスグルタミナーゼ)、5型トランスグルタミナーゼ(トランスグルタミナーゼX)、6型トランスグルタミナーゼ(トランスグルタミナーゼY)、7型トランスグルタミナーゼ(トランスグルタミナーゼZ)、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、本発明1062〜1068のいずれかの方法。
[本発明1070]
前記トランスグルタミナーゼが、溶液、エマルジョンエアロゾル、発泡体、軟膏ペーストローション粉末ゲルヒドロゲル親水コロイドマイクロ粒子ナノ粒子、またはクリームとして製剤化される、本発明1062〜1069のいずれかの方法。
[本発明1071]
前記医学的移植デバイスが、人工組織人工臓器、補綴デバイス、薬物送達デバイス、創傷被覆材、フィルム、発泡体、スポンジ、止血材、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、本発明1062〜1070のいずれかの方法。
[本発明1072]
前記医学的移植デバイスが、包帯ガーゼテープ、メッシュ、ネットばんそうこう、フィルム、メンブレンパッチ、マイクロ粒子、ナノ粒子、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される創傷被覆材である、本発明1071の方法。
[本発明1073]
前記医学的移植デバイスが発泡体である、本発明1071の方法。
[本発明1074]
前記医学的移植デバイスがタンパク質を含み、かつ該タンパク質がトランスグルタミナーゼにより架橋可能である、本発明1062〜1073のいずれかの方法。
[本発明1075]
前記医学的移植デバイスが前記タンパク質でコーティングされている、本発明1074の方法。
[本発明1076]
前記タンパク質が絹フィブロインである、本発明1074〜1075のいずれかの方法。
[本発明1077]
前記トランスグルタミナーゼが、前記医学的移植デバイスの表面にコーティングされている、本発明1062〜1076のいずれかの方法。
[本発明1078]
前記トランスグルタミナーゼが、前記医学的移植デバイスに非共有結合により連結されている、本発明1062〜1077のいずれかの方法。
[本発明1079]
トランスグルタミナーゼの前記有効量が、前記組織または前記臓器と前記医学的移植デバイスの間の接触表面積1cm2あたり約1μg〜約100mgである、本発明1062〜1078のいずれかの方法。
[本発明1080]
創傷治癒物質投与する工程
をさらに含む、本発明1062〜1079のいずれかの方法。
[本発明1081]
前記創傷治癒物質が、デクスパンテノール成長因子酵素ホルモンポビドンヨード脂肪酸抗炎症剤抗生物質抗菌剤消毒剤サイトカイントロンビン鎮痛剤オピオイド;アミノキシルフロキサンニトロソチオールナイトレートおよびアントシアニンヌクレオシド、例えばアデノシン;ならびにヌクレオチド、例えばアデノシン二リン酸ADP)およびアデノシン三リン酸ATP);神経伝達物質/神経修飾物質、例えばアセチルコリンおよび5-ヒドロキシトリプタミンセロトニン/5-HT);ヒスタミンおよびカテコールアミン、例えばアドレナリンおよびノルアドレナリン脂質分子、例えばスフィンゴシン-1-リン酸およびリゾホスファチジン酸アミノ酸、例えばアルギニンおよびリジン;ペプチド、例えばブラジキニンサブスタンスPおよびカルシウム遺伝子関連ペプチド(CGRP);一酸化窒素;ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、本発明1080の方法。
[本発明1082]
前記医学的移植デバイスが、生体適合性で生分解性の材料から製造される、本発明1062〜1081のいずれかの方法。
[本発明1083]
前記医学的移植デバイスが、本発明1001〜1021のいずれかの複合材料から製造される、本発明1062〜1082のいずれかの方法。
[本発明1084]
前記適用する工程が、宿主トランスグルタミナーゼの発現または活性を増加させることを含む、本発明1062〜1083のいずれかの方法。
[本発明1085]
それを必要とする対象において創傷治癒を促進する方法であって、
有効量のトランスグルタミナーゼを創傷表面に適用する工程、および
本発明1001〜1021のいずれかの複合材料を含む創傷被覆材を、該創傷に接触させる工程
を含む、方法。
[本発明1086]
本発明1001〜1021のいずれかの複合材料を含む発泡体を、前記創傷に適用する工程
をさらに含む、本発明1085の方法。
[本発明1087]
前記創傷が、切傷および裂創外科切開穿刺創かすり傷、引っ掻き傷、圧迫傷、擦傷摩擦創傷、慢性創傷潰瘍熱作用による創傷、化学的創傷、病原体感染に起因する創傷、皮膚移植片/移植ドナーおよびレシピエント部位免疫反応状態、口腔創傷、または腸の創傷、損傷軟骨または損傷骨、切断部位、ならびに角膜病変からなる群より選択される、本発明1085〜1086のいずれかの方法。
[本発明1088]
前記トランスグルタミナーゼが哺乳動物トランスグルタミナーゼである、本発明1085〜1087のいずれかの方法。
[本発明1089]
前記トランスグルタミナーゼが微生物トランスグルタミナーゼ(mTgase)である、本発明1085〜1087のいずれかの方法。
[本発明1090]
前記トランスグルタミナーゼがカルシウム非依存性トランスグルタミナーゼである、本発明1085〜1089のいずれかの方法。
[本発明1091]
前記トランスグルタミナーゼが、第XIII因子A(フィブリン安定化因子)、1型トランスグルタミナーゼ(ケラチノサイトトランスグルタミナーゼ)、2型トランスグルタミナーゼ(組織トランスグルタミナーゼ)、3型トランスグルタミナーゼ(上皮トランスグルタミナーゼ)、4型トランスグルタミナーゼ(前立腺トランスグルタミナーゼ)、5型トランスグルタミナーゼ(トランスグルタミナーゼX)、6型トランスグルタミナーゼ(トランスグルタミナーゼY)、7型トランスグルタミナーゼ(トランスグルタミナーゼZ)、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、本発明1085〜1090のいずれかの方法。
[本発明1092]
前記トランスグルタミナーゼが、溶液、エマルジョン、エアロゾル、発泡体、軟膏、ペースト、ローション、粉末、ゲル、ヒドロゲル、親水コロイド、マイクロ粒子、ナノ粒子、またはクリームとして製剤化される、本発明1085〜1091のいずれかの方法。
[本発明1093]
前記創傷被覆材が、包帯、ガーゼ、テープ、メッシュ、ネット、ばんそうこう、フィルム、メンブレン、パッチ、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、本発明1085〜1092のいずれかの方法。
[本発明1094]
前記トランスグルタミナーゼが前記創傷被覆材に結合されている、本発明1085〜1093のいずれかの方法。
[本発明1095]
前記トランスグルタミナーゼが、前記創傷被覆材の表面にコーティングされている、本発明1094の方法。
[本発明1096]
前記トランスグルタミナーゼが、前記創傷被覆材に非共有結合により連結されている、本発明1094〜1095のいずれかの方法。
[本発明1097]
トランスグルタミナーゼの前記有効量が、創傷面積1cm2あたり約1μg〜約100mgである、本発明1085〜1096のいずれかの方法。
[本発明1098]
創傷治癒物質を前記対象に投与する工程
をさらに含む、本発明1085〜1097のいずれかの方法。
[本発明1099]
前記創傷治癒物質が、デクスパンテノール;成長因子;酵素、ホルモン;ポビドンヨード;脂肪酸;抗炎症剤;抗生物質;抗菌剤;消毒剤;サイトカイン;トロンビン;鎮痛剤;オピオイド;アミノキシル;フロキサン;ニトロソチオール;ナイトレートおよびアントシアニン;ヌクレオシド;ヌクレオチド;神経伝達物質/神経修飾物質、例えばアセチルコリンおよび5-ヒドロキシトリプタミン(セロトニン/5-HT);ヒスタミンおよびカテコールアミン、例えばアドレナリンおよびノルアドレナリン;脂質分子、例えばスフィンゴシン-1-リン酸およびリゾホスファチジン酸;アミノ酸、例えばアルギニンおよびリジン;ペプチド、例えばブラジキニン、サブスタンスPおよびカルシウム遺伝子関連ペプチド(CGRP);一酸化窒素;ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、本発明1098の方法。
[本発明1100]
前記適用する工程が、宿主トランスグルタミナーゼの発現または活性を増加させることを含む、本発明1085〜1099のいずれかの方法。
[本発明1101]
前記適用する工程が、前記医学的移植デバイスまたは前記創傷被覆材の接触前、接触後または接触中に行われる、本発明1085〜1099のいずれかの方法。
本発明自体とともに本発明のこれらおよびその他の能力は、以下の図面、詳細な説明および特許請求の範囲を閲覧することでさらに深く理解されるであろう。

図面の簡単な説明

0021

図1Aは、昆虫のキューティクルおよび甲殻類の外骨格の天然の積層構造模倣する、本発明にしたがう複合材料の図を示す。キトサンフィルム(青色)が、別個のフィブロイン相(黄色)とマージされている。図1Bは、本発明にしたがう、「シュリルク(Shrilk)」という名のキトサン・フィブロインフィルムの画像を示す(バーは2.3cmである)。図1Cは、シュリルク複合積層材料(青色の線、キトサン:フィブロイン重量比1:2)、キトサン単体(赤色の線)およびキトサン:フィブロインの1:2ブレンド(混合物)の代表的な応力ひずみ曲線を示す。図1Dは、シュリルク複合材料、キトサン、フィブロインおよびフィブロイン・キトサンブレンドの靭性係数(灰色、左側の縦軸)および破壊強さ黒色、右側の縦軸)のグラフを示す(SD誤差バー付き)。
図2Aは、本発明にしたがい製造された、異なるキトサン:フィブロイン比のシュリルク複合材料の破壊強さを示す。点線は、タンパク質非存在下でのキトサンフィルムの破壊強さを表す。図2Bは、シュリルク積層物内のキトサン・フィブロイン接触面の走査電子顕微鏡(SEM)画像を示す。色の濃い材料(上)はキトサン層に対応し、色の薄い方(下)はフィブロイン層である(バーは20μmである)。図2Cは、フィブロイン:キトサン含有量に対する水和試料重量プロットを示す。線形フィッティングは、各相の吸収が独立的であることを推定し、ポリマー層間の相互作用効果の不存在を示している。線形フィッティングの勾配は8.20mgであり、y切片は18.89mgである。図2Dは、本発明にしたがい製造された乾燥(赤色)および水飽和(青色)状態のシュリルク複合材料の破断点での機械的ひずみのグラフを示す(SD誤差バー付き)。
図3Aは、本発明にしたがいマイクロ構造化されたキトサンフィルム上にタンパク質層を堆積することによって製造されたシュリルク複合材料のトポグラフィーを示す(バー = 100μm)。図3Bは、表面の一部がマイクロ構造化された複合材料のチューブを示す。タンパク質層の一領域には傷があって、開口領域が形成されており(白色の矢印)、そのためその下のキトサン層が見えている(バー = 1mm)。図3Cは、シュリルクの表面のマイクロトポグラフィーを示しており、フィブロインタンパク質層に構造が形成されていることが示されている(バー = 50μm)。図3Dは、本発明にしたがい製造された、構造化された表面を、より高倍率でより詳細に示している(バー = 5μm)。図3Eは、本発明にしたがい製造された、複数の反復するキトサンおよびフィブロインの層を含む多層材料を示す(1、2および3は、キトサン・フィブロイン積層物の3つの連続する層を示している)。
図4Aは、キトサン(黒色)およびプロトン化されたキトサン(灰色)のFTIRスペクトルを示す。上部にある分子は、典型的なキトサン/キチン構造を表し、その中のアセチルグルコサミン(左)およびグルコサミン(右)モノマーが、それぞれ、キチンおよびキトサンを表している。図4Bは、本発明にしたがい製造された複合積層材料のFTIRスペクトルを示す。キトサンの強固な多糖構造(950〜1850cm-1)ならびにフィブロイン由来アミドIおよびII(それぞれ1640および1536cm-1)の両方がはっきりと観察できる。図4Cは、フィブロイン(黒色)および本発明にしたがい製造された複合積層材料中のフィブロイン(灰色)のFTIRスペクトルを示す。
円筒形の形態の発泡体またはスポンジ構造物として製造されたシュリルク複合材料とキトサン単体の比較の画像を示す。
図6Aは、本発明にしたがい製造された鉱化発泡複合材料構造物を示す。図6Bは、図6Aの差し込み図の多孔質材料拡大像を示す。
異なる創傷治癒アプローチに供された組織片を示す。組織は、発泡体、フィルムまたはその両方の組み合わせの使用により結合している。
切開部のある組織片を示す。
分離した組織片を結合するのに使用されたキトサンベースのフィルム(シュリルク)を示す。
組織に対するトランスグルタミナーゼ(すなわち、白色の粉末)の堆積を示す。
トランスグルタミナーゼ処理した組織に対して図9のキトサンベースのフィルムを使用した、組織の閉鎖を示す。
3日後の図11の試料を示す。
試料に高濃度の脂肪を加えたこと以外は図10〜12と同じ手順に供した試料を示す。
図13の試料を横方向に切断したものを示し、同図においてフィルムをはっきりと確認することができる。
穴を開けた組織片を示す。
トランスグルタミナーゼ処理し、キトサンベースの発泡体を上からかぶせた図15の試料を示す。
処理した空洞部へのキトサンベースの発泡体片の挿入を示す。
図17の試料を(図9と同様の)キトサンベースのフィルムで覆ったものを示す。架橋の促進のため、キトサンフィルム下の領域もトランスグルタミナーゼで処理した。
図18と同じ試料であるが、3日後のものを示す。発泡体/組織の結合を観察するため、空洞部の直径に沿って試料を切断した。
図19と同じ試料であるが、異なる角度から見たものを示す。
発泡体と組織の間の接触面の近接像を示す。フィルムが発泡体に貼り付いていることもはっきりと観察される。
発泡体と組織の間の接触面の近接像を示す。フィルムが発泡体に貼り付いていることもはっきりと観察される。
生物学的組織に対するフィルムの接着強度分析を示す。組織は、死後家畜(「スース・ドメスティクス(Sus domesticus)」)の腰部組織である。図23Aは、(差し込み図にあるとおり)組織に酵素によって付着されたキトサン・フィブロインフィルムにより覆われた組織片の画像を示す。組織片内のトレンチは、フィルムが複雑な幾何学形状を容易に追従できることを示すために作製した。図23Bは、フィルムの引っ張りによる除去(T字剥離試験(T-peel test))を示す。フィルムは、右から左に向かって除去されている。差し込み図は、T字剥離試験の原理を示す。図23Cは、T字剥離試験から得られた測定値を示す。図23Dは、酵素接着によって組織に付着された1cm幅フィルム(Shr + tTG)、プロモーターを用いず、組織の上にのせただけのフィルム(Shr)を剥離するのに要する平均力、酵素接着により着されてひとつになった2つの組織片の接着力(tTg)、およびシアノアクリレートベースのグルー(aka「スーパーグルー」)によるフィルムの付着力(Cyn)を示す棒グラフである。見てわかるとおり、酵素接着(Shr + tTG)は、天然組織の接着力を明らかに上回るだけでなく、シアノアクリレートの接着力に非常に近く、かつこの方法および材料は両方とも完全に適合性かつ生体吸収性である。
パリレンコーティング極限条件下でさえも有効な防湿壁であることを示す棒グラフである。乾燥試料は、プレーンコーティングされたシュリルク(標準条件)に対応し、「水和」は、水性環境と平衡状態にあるもの(24時間浸漬)である。その環境下およびわずか1マイクロメートル厚のコーティングの存在下で、試料の強度は、標準条件下の強度の約80%(84MPa)である。
真皮組織ブタ)に対する接着を示す棒グラフである。上皮の最終層角質化によって生成され、角質化はトランスグルタミナーゼによるこの層の強い(天然の)処理を伴うものである。したがって、この層は、対象において、トランスグルタミナーゼ処理による結合に用いることができる基がない唯一の組織であり得る。このことは、トランスグルタミナーゼによる結合が見られなかったという結果により確認された。しかし、最終層がわずかな損傷を受け、第2層が露出した場合、トランスグルタミナーゼによる結合は成功し、このことは、シュリルクが上皮ではなく真皮に結合した実験において実証された。図25において、Tg-1〜Tg-5:トランスグルタミナーゼ処理した試料;非Tg-2:トランスグルタミナーゼ処理しなかった試料;および真皮 + Tg:トランスグルタミナーゼ存在下での真皮への接着、である。これは、シュリルクが皮膚の処置における「パッチ」(例えば、包帯)として使用できることを示している。

0022

発明の詳細な説明
本発明は、炭水化物ポリマーおよび1つまたは複数のタンパク質から形成される、複合材料、ならびにこれらの複合材料から有用な構造物を製造する方法に関する。本発明は、構成成分の材料の層を含む複合材料に関する。本発明にしたがい、得られる複合材料から、高度に制御された形状、トポグラフィーおよび物性を有する複雑な3D構造物を製造することができる。

0023

いくつかの態様において、複合材料は、[(タンパク質層)x:[(炭水化物層)y:(タンパク質層)z]m]nの構造を有し、m、n、yおよびzは、独立して、整数1または1より大きい整数であり;かつxが0であるかまたは整数1または1より大きい整数である。

0024

概して、n、m、yおよびzは、独立して、1〜106の整数である。例えば、m、n、yおよびzは各々、独立して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20であり得る。同様に、xは0であるかまたは1〜106の整数であり得る。例えば、xは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20であり得る。

0025

いくつかの態様において、複合材料は、炭水化物層:タンパク質層を1層または複数層含み、例えば、mは1であり、nは1〜106であり、xは0であり、yは1でありかつzは1であり、かつ複合材料は、[炭水化物層:タンパク質層]nの構造を有する。いくつかの態様において、mは1であり;nは1、2、3、4、5、6、7、8または9であり;xは0であり;yは1であり;かつzは1である。

0026

いくつかの態様において、複合材料は、1つの炭水化物層および1つのタンパク質層を含み、例えば、m、n、yおよびzは1であり、xは0であり、かつ複合材料は炭水化物層:タンパク質層の構造を有する。

0027

いくつかの態様において、複合材料は、3つの炭水化物層および3つのタンパク質層を含み、例えば、m、yおよびzは1であり、xは0であり;nは3であり、かつ複合材料は[炭水化物層:タンパク質層]3の構造を有する。

0028

いくつかの態様において、複合材料の最外層はタンパク質層であり、例えば、mは1〜106であり、n、x、yおよびzはすべて1であり、かつ複合材料はタンパク質層:(炭水化物層:タンパク質層)mの構造を有する。

0029

いくつかの態様において、複合材料は、1つの炭水化物層および2つのタンパク質層を含み、例えばm、n、x、yおよびzはすべて1であり、かつ複合材料は、タンパク質層:炭水化物層:タンパク質層の構造を有する。

0030

いくつかの態様において、複合材料は、1つの炭水化物層および2つまたはそれ以上のタンパク質層を含み、例えば、mは1であり、nは1〜106であり、xは0であり、yは1であり、zは2〜106であり、かつ複合材料は、[炭水化物層:(タンパク質層)z]nの構造を有する。いくつかの態様において、nは1であり、xは0であり、yは1であり、zは2〜106であり、かつ複合材料は、炭水化物層:(タンパク質層)zの構造を有する。いくつかの態様において、zは2、3、4、5、6、7、8、9または10である。

0031

いくつかの態様において、複合材料は、[(炭水化物層)p:[(タンパク質層)q:(炭水化物層)r]t]uの構造を有し、p、q、r、tおよびuは、独立して、整数1または1より大きい整数である。

0032

概して、p、q、r、tおよびuは、独立して、1〜106の整数である。いくつかの態様において、p、q、r、tおよびuは、独立して、1、2、3、4、5、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20である。

0033

いくつかの態様において、複合材料の最外層は炭水化物層であり、例えば、p、q、rおよびuは1であり、tは1〜106であり、かつ複合材料は、炭水化物層:[タンパク質層:炭水化物層]tの構造を有する。いくつかの態様において、複合材料は、2つの炭水化物層および1つのタンパク質層を含み、例えば、p、q、r、tおよびuはすべて1であり、かつ複合材料は、炭水化物層:タンパク質層:炭水化物層の構造を有する。

0034

炭水化物層およびタンパク質層は、互いと同一の広がりを持つものまたは同一の広がりを持たないものであり得る。別の言葉で言うと、炭水化物層の全表面をタンパク質層でコーティングすることができるか、または、炭水化物層の表面の一部のみをタンパク質層でコーティングすることできる。

0035

本発明の1つの態様にしたがい、構成成分である炭水化物ベースの材料の連続的改変、およびタンパク質との複合構造の製造は、特定の特徴の改善を提供することができる。いくつかの態様において、得られる複合材料は、構成成分のいずれよりも有意に高い機械的強度特性を有する。いくつかの態様において、本発明の複合材料の機械的強度は、構成成分の材料のいずれか1つの機械的強度よりも少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも200倍、少なくとも高い。

0036

いくつかの態様において、本発明の複合材料の機械的強度は、構成成分の材料の機械的強度の合計よりも少なくとも1.2倍、少なくとも1.5倍、少なくとも10.75倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも200倍、少なくとも高い。

0037

さらに、本発明の複合材料は、非常に低い密度を有する。いくつかの態様において、複合材料の密度は、2 g/cm3未満、1.9 g/cm3未満、1.8 g/cm3未満、1.7 g/cm3未満、1.6 g/cm3未満、1.5 g/cm3未満、1.4 g/cm3未満、1.3 g/cm3未満、1.2 g/cm3未満、1.1 g/cm3未満、1 g/cm3未満、0.9 g/cm3未満、0.8 g/cm3未満、0.7 g/cm3未満、0.6 g/cm3未満、0.5 g/cm3未満、0.4 g/cm3未満、0.3 g/cm3未満、0.2 g/cm3未満、0.1 g/cm3未満、または0.05 g/cm3未満である。

0038

複合材料の密度は、ASTM規格D792-00に記載されるとおりに算出することができる。ASTM標準規格D792-00にしたがい、複合材料のg/cm3の密度(ρ)は、

であり、式中、Waは、空中で吊るした場合の標本の重量であり;Wwは、部分的に浸漬させた標本保持ワイヤの重量であり;Wbは、部分的に浸漬させた標本保持ワイヤに加えて、蒸留水に完全に浸漬させた場合の標本の重量であり;かつρ水は、試験温度下での蒸留水のg/cm3の密度である(例えば、23℃で0.9975 g/cm3)。上記は水に関連するものであるが、水の代わりにその他の液体を使用することもできる。上記の代わりにまたは上記に加えて、ASTM規格D1505に記載されるとおり、プラスチックの密度を測定するための密度勾配技術を用いることもできる。

0039

複合材料の密度は、任意の適切な温度および圧力の下で測定することができる。いくつかの態様において、複合材料の密度は、0℃〜25℃の範囲の温度で測定される。例えば、密度は、0℃、5℃、10℃、15℃、20℃または25℃で測定することができる。いくつかの態様において、複合材料の密度は、100 kPaまたは101.325 kPaの圧力の下で測定される。

0040

いくつかの態様において、複合材料の密度は、温度および圧力の標準条件下でのものである。いずれにも限定されることはないが、温度および圧力の標準条件は、International Union of Pure and Applied Chemistry (IUPAC)またはNational Institute of Standardsand Technology (NIST)により定義されたものであり得る。現行版のIUPAC標準は、0℃の温度および100 kPaの絶対圧であり、NIST版は、20℃の温度および101.325 kPaの絶対圧である。

0041

いくつかの態様において、密度は、0℃および100 kPaにおいて、0℃および101.325 kPaにおいて、15℃および101.325 kPaにおいて、20℃および101.325 kPaにおいて、25℃および101.325 kPaにおいて、25℃および100 kPaにおいて、20℃および100 kPaにおいて、15℃および100 kPaにおいて、または20℃および101.3 kPaにおいて測定される。

0042

いくつかの態様において、複合材料は、外面防水コーティングを含む。本明細書で使用される場合、「防水」という用語は、液体および気体の両方の水に対する(すなわち、液体の水および水蒸気の両方に対する)バリアを表す。通常、防水コーティングは、Water Vapor Transmission TestASTME96による測定で1未満の透過性を有する。例示的な撥水性材料には、パリレン、ポリジメチルシロキサンポリエチレンポリビニルポリプロピレンポリエステルラテックス、油、有機溶媒、ワックス、脂質、脂肪酸のエステルステロールのエステル、長鎖アルコールパルミチン酸ミリシルパルミチン酸セチルラノリンキャンデリラワックスオリキュリーワックス、サトウキビワックス、レタモ(retamo)ワックス、ホホバ油パラフィン、およびそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。

0043

複合材料は、複合材料を有機溶液(例えば、撥水性材料の溶液)に浸漬することによって、および/または一部の領域を水和から保護して(例えば、撥水性ワックス材料パターンを複合材料の表面上にマイクロコンタクトプリントすることによる)、それ以外において水和を可能にすることによって、防水層でコーティングすることができる。通常、有機溶液は、炭水化物および/またはタンパク質層に対する親和性を有する。いくつかの態様において、有機溶液は、ワックスまたはワックスおよびタンパク質を含む。あるいは、複合材料は、複合材料の少なくとも1つの表面に防水性材料の層を堆積することによって、防水処理され得る。いくつかの態様において、複合材料は、防水性材料の蒸着によってコーティングされている。防水性材料は、複合材料の表面上の機械的特性および分解性が変化する複合材料を形成するために、水との接触に対して感受性のない領域の隣に水との接触に対して感受性のある領域を形成するよう、パターン化させることもできる。

0044

いくつかの態様において、複合材料の少なくとも1つの表面は、パリレンの外面コーティング(例えば、1つまたは複数の層)を含む。パリレンは、様々な化学蒸着ポリ(p-キシリレン)ポリマーの商品名であり、これらはUSPクラスVI生体適合性ポリマーである。例示的なパリレンには、パリレンA、AF-4、AM、C、D、E、HT、N、SFおよびXが含まれるが、これらに限定されない。3つの最も一般的なタイプのパリレン(C、DおよびN)の中で、パリレンCが工業的に最も広く使用されている。パリレンを使用する利点には、その実証された生体適合性、その強度および柔軟性(例えば、ヤング係数= 4 GPa)、順応性がありピンホールフリーのその室温堆積、その低い誘電率(= 3)および高い体積抵抗率(> 1016 Q-cm)、その透明性、ならびにその標準的微細加工技術による操作の容易性が含まれる。したがって、パリレンコーティングは、複合材料上に生体適合性で防水性のコーティングを形成するのに使用することができる。パリレンコーティングは、疎水性または生体適合性の領域を非親水性または非生体適合性の領域の隣に形成するよう、パターン化させることができる。理論に拘束されることを望まないが、これにより、複合材料の表面上の生体適合性、機械的特性または分解性が変化する複合材料を、形成することができる。

0045

炭水化物ポリマー
本明細書で使用される場合、「炭水化物ベースのポリマー」という用語は、Cm(H2O)nの式を有し、mおよびnが≧3でありかつmおよびnが同じであってもまたは異なっていてもよいモノマーを含むオリゴマーまたはポリマーを包含するが、これらに限定されない。好ましくは、mおよびnは、独立して、3、4、5、6または7である。炭水化物ベースのポリマーには、オリゴ糖、多糖、糖タンパク質糖脂質、および同様のものの化合物が含まれるが、これらに限定されない。

0046

本発明のこのおよびその他の局面のいくつかの態様において、炭水化物ポリマーは、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個または少なくとも10個の糖モノマーを含む。

0047

限定されることはないが、炭水化物ポリマーは、エリスローストレオースリボースアラビノースキシロースリキソースリブロースキシルロースアロースアルトロースグルコースマンノースグロースイドースガラクトースガラクトサミン、N-アセチルガラクトース、グルコサミン、N-アセチルグルコサミンシアル酸タロースプシコースフルクトースソルボースタガトースフコース、フクロースラムノースセドヘプツロースオクトーススルホキノボース、およびノノースノイラミン酸)からなる群より独立して選択される糖モノマーを含み、これらの糖は任意で置換されてもよい。限定されることはないが、各糖は、独立して、LまたはD配座を有し得る。

0048

2つの糖モノマーの間の連結は、独立して、αまたはβ構造を有し得る。さらに、2つの糖の間の連結は、1→3、1→4、1→5または1→6であり得る。

0049

いくつかの態様において、糖モノマーの少なくとも1つ(例えば1、2、3または4つ)のヒドロキシルは、アミノ基で置換される。いくつかの態様において、糖モノマーの2位のヒドロキシルは、アミノ基で置換される。アミノ基は、任意で、C1〜C6アルキルまたはアシル基で置換され得る。好ましいC1〜C6アルキル基には、メチルエチルプロピルブチルおよびt-ブチルが含まれる。1つの好ましいアシル基は、アセチルである。

0050

本発明のこのおよびその他の局面のいくつかの態様において、炭水化物ポリマーは、スクロースラクツロースラクトースマルトーストレハロースセロビオースコージビオースニゲロースイソマルトース、β,β-トレハロース、α,β-トレハロース、ソホロースラミナビオースゲンチビオース(gentibiose)、ツラノースマルロースパラチノース、ゲンチビウロース(gentibiulose)、マンノビオースメリビオースルチノース、ルチヌロース(rutinulose)、キシロビオースラフィノースメレジトースアカルボースおよびスタキオースからなる群より独立して選択される1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個、またはそれ以上の)二糖モノマー、三糖モノマーまたは四糖モノマーを含む。

0051

本明細書で使用される場合、「オリゴ糖」という用語は、非限定的に、共有結合により連結された数個(例えば、5〜10個)の単糖単位を表す。本明細書で使用される場合、「多糖」という用語は、非限定的に、共有結合により連結された多数個(例えば、11個またはそれ以上)の糖単位を表す。多糖は、数百万ダルトンに及ぶ範囲の分子量を有し得る。例示的なオリゴ糖および多糖には、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナンオリゴ糖、グリコーゲン、デンプン(アミラーゼ、アミロペクチン)、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン-4-硫酸、コンドロイチン-6-硫酸、デルマタン硫酸、ケラチン硫酸、ヘパリンおよび同様のもの)、セルロース、βグルカン(ザイモサン、レンチナン、シゾフィラン)、マルトデキストリン、イヌリン、レバンβ(2→6)、キチンおよびキトサンが含まれるが、これらに限定されない。

0052

本発明のこのおよびその他の局面のいくつかの態様において、炭水化物ポリマーは、キチンまたはその誘導体である。1つの好ましいキチン誘導体は、キトサン(α-(1-4)2-アミノ-2-デオキシ-β-D-グルカン)およびその誘導体である。例示的なキトサン誘導体には、N-(アミノアルキル)キトサン、スクシニルキトサン、第4級アミノ化キトサン、N-アシル化キトサン(例えば、カプロイルキトサン、オクタノイルキトサン、ミリストイルキトサンおよびパルミトイルキトサン)、N-メチレンホスホン酸キトサン、N-ラウリル-N-メチレンホスホン酸キトサン、N-ラウリル-カルボキシメチルキトサン、N-アルキル-O-硫酸化キトサン、チオール化キトサン(例えば、キトサン-2-イミノチオラン、キトサン-4-チオブチルアミジンおよびキトサン-チオグリコール酸)、ならびにリン酸化キトサンが含まれるが、これらに限定されない。

0053

炭水化物ポリマーの合成に使用できる合成法は、当業者に十分に知られている。例えば、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる、Stick, R.V., Carbohydrates: The Sweet Molecules of Life.; Academic Press, pp 113-177 (2002); Crich, D. and Dudkin V., J. Am. Chem. Soc., 123:6819-6825 (2001); Garegg, P.J., Chemtracts-Org. Chem., 5:389 (1992); Mayer, T.G., Kratzer, B. and Schmidt, R.R. Synthesis of a GPI anchor of the yeast Saccharomyces cerevisiae. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 33, 2177-2181 (1994); Seifert, J., Lergenmuller, M. and Ito, Y. Synthesis of an α-(2,3)-sialylated complex-type undecasaccharide. Angew. Chem. Int. Ed. 39, 531-534 (2000); Wang, Z.-G. et al. Toward fully synthetic homogeneous glycoproteins: a high mannose core containing glycopeptide containing carrying full H-type 2 human blood group specifity. Angew. Chem. Int. Ed. 40, 1728-1732 (2001); Caruthers, M.H. Gene synthesis machines: DNA chemistry and its uses. Science 230, 281-285 (1985); Sears, P. and Wong, C.-H. Toward automated synthesis of oligosaccharides and glycoproteins. Science 291, 2344-2350 (2001); Zhang, Z. et al. Programmable one-pot oligosaccharide synthesis. J. Am. Chem. Soc. 121, 734-753 (1999; Nishimura, S. Automated glycosynthesizer 'Golgi' by mimicking biosynthetic process. Tanpakushitsu Kakusan Koso 48, 1220-1225 (2003); Plante, O.J., Palmacci, E.R. and Seeberger, P.H. Automated solid-phase synthesis & oligosaccharides. Science 291, 1523-1527 (2001); Andrade, R.B., Plante, O.J., Melean, L.G. and Seeberger, P.H. Solid-phase oligosaccharide synthesis: preparation of complex structures using a novel linker and different glycosylating agents. Org. Lett. 1, 1811-1814 (1999); Love, K.R. and Seeberger, P.H. Automated solid-phase synthesis of protected tumor-associated antigen and blood group determinant oligosaccharides. Angew. Chem. Int. Ed. 43, 602-605 (2004); およびSeeberger, P.H. and Werz, D.B. Synthesis and medical applications of oligosaccharides. Nature 446, 1046-1051 (2007)を参照のこと。

0054

タンパク質
本発明の複合材料の製造には、秩序構造を形成するよう誘導され得る、例えばランダムコイルおよび/またはヘリカル構造からβ-シートへと誘導され得るほぼすべてのタンパク質を使用することができる。タンパク質は、加熱、機械的ストレッチ、有機溶媒、例えばエタノール、メタノールへの浸漬および水蒸気中での硬化の処理によって、ランダムコイルからβ-シート形態に変換され得る。例えば、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる、Hu et al., 41 Macromolecules 3939-48 (2008); Jin and Kaplan, 424 Nature 1057-61 (2003); Canetti et al., 28 Biopolymers - Peptide Sci.§ 1613-24 (1989); およびJin et al., 15 Adv. Funct. Mat. 1241-47 (2005)を参照のこと。いくつかの例において、高濃度タンパク質溶液を使用することによっても、ランダムコイルからβシートへの転移が促進され得る。理論に拘束されることを望まないが、この構造の転移は、水不溶性を与え、それによって、そのような材料を生物医学およびその他の用途、例えばセンサープラットフォーム、の範囲内で使用する選択肢を提供する。例えば、その内容が参照により本明細書に組み入れられる、Zhang, 16 Biotechnol. Adv. 961-71 (1998)を参照のこと。

0055

いくつかの態様において、タンパク質は、絹タンパク質またはその類似体もしくは誘導体である。いくつかの態様において、絹タンパク質は、フィブロインである。絹タンパク質は、天然に存在する絹タンパク質、例えば、カイコのから抽出された絹、または絹様タンパク質もしくはポリマーであり得る。多くの絹様タンパク質およびポリマーが当技術分野で公知であり、かつこれらは本発明に適合する。例えば、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる、Asakura et al., Production and characterization of a silk-like hybrid protein, based on the polyalanine region of Samia cynthia ricini silk fibroin and a cell adhesive region derived from fibronectin, Biomaterials, 25(4): 617-624 (2004); Yang, M. and Kawamura, J. Development of silk-like materials based on Bombyx mori and Nephila clavipes dragline silk fibroins, Polymer, 50(1): 117-124 (2009); Barr, L.A., Fahnestock S.R., and Yang, J. Production and purification of recombinantDP1B silk-like protein in plants, Molecular Breeding, 13(4): 345-356 (2004); Anderson, J.P., Cappello, J., and Martin, D.C. Morphology and primary crystal structure of a silk-like protein polymer synthesized by genetically engineered Escherichia coli bacteria, Biopolymers, 34(8): 1049-1058 (2004); Huang, J. Foo, C.W.P., and Kaplan, D.L. Biosynthesis and Applications of Silk-like and Collagen-like Proteins, Polymer Reviews, 47(1) 29-62 (2007); Yao, J. and Asakura, T. Synthesis and Structural Characterization of Silk-Like Materials Incorporated with an Elastic Motif, J. Biochem. 133(1): 1147-1154 (2003); Yang et al., Silklike materials constructed from sequences of Bombyx mori silk fibroin, fibronectin, and elastin, J. Biomed. Mater. Res. Part A, 84A(2): 353-363 (2007); およびWerten et al., Biosynthesis of an Amphiphilic Silk-Like Polymer, Biomacromolecules, 9(7): 1705-1711 (2008)を参照のこと。HardyおよびScheibleは、その内容が参照により本明細書に組み入れられるHardy, J.G. and Scheibel, T.R. Biochem. Soc. Trans. 36: 677-681 (2009)において、絹から着想を得たポリマーおよびタンパク質の総説を提供している。

0056

理論に拘束されることを望まないが、絹フィブロインは、優れたフィルム形成能を有し、かつ生体適合性で、ヒト体内での使用を許容されるものでもある。Altman et al., 24 Biomats. 401-16 (2003); Vepari and Kaplan, 32 Prog. Polym. Sci. 991-1007 (2007)。絹フィブロインフィルムは、ヒトの皮膚と同様、湿性状態で溶存酸素透過性が良く、このことは創傷被覆材および人工皮膚ステムにおけるこれらのフィルムの潜在的用途を示唆している。Minoura et al., 11 Biomats., 430-34 (1990); Minoura et al., 31 Polymer, 265-69 (1990a)。しかし、絹フィブロインから形成されるフィルムは、ランダムコイルタンパク質構造が優勢であるため、さらなる操作がなければ水に溶解する。

0057

さらに、絹フィブロインの構造的特徴は、加熱、機械的ストレッチ、有機溶媒、例えばメタノール、エタノールへの浸漬および水蒸気中での硬化の処理により、ランダムコイルからβ-シートの形態へと変換され得る。絹フィブロインはまた、高濃度フィブロイン溶液を用いることによってβシートを形成するよう誘導され得る。

0058

本明細書に記載される局面のいくつかの態様において、タンパク質は、パークリン(perculin)、アブダクチン(abductin)、フィブリン、フィブロイン、エラスチン、レシリン、フィブロネクチン、フィブリノゲン、ケラチン、チチン、コラーゲン、アクチン、Arp2/3、コロニン、ジストロフィン、FtsZ、ミオシン、スペクトリン、タウ(タンパク質)、チューブリン、F-スポンジン、ピカチュリン、それらのタンパク質断片合成ペプチド、タンパク質の遺伝子発現部分、断片およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される。

0059

複合材料の特徴は、絹タンパク質以外もしくは絹様タンパク質以外のタンパク質、タンパク質の混合物を使用することによって、および/またはタンパク質層に非タンパク質分子を組み込むことによって、調整すること、例えば強化することができる。例えば、弾性を増加させるために、エラスチンまたはレシリンを、タンパク質層において使用することができるか、または、炭水化物層および/もしくはタンパク質層に添加することができる。同様に、鉱化を向上させるために、パールシンをタンパク質層において使用することができるか、または、炭水化物層および/もしくはタンパク質層に添加することができる。

0060

本明細書に記載される局面のいくつかの態様において、複合材料は、複合材料の炭水化物層またはタンパク質層の少なくとも一方の層中に、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、ガラスファイバー、低分子、ポリマー、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣体、核酸、有機化合物、無機化合物、結晶性化合物、生物学的化合物、生物活性化合物、生物活性を有する化合物、および生物学的、薬学的または治療的な作用物質、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される分子を含む。

0061

複合材料の合成
本発明の複合材料は、適切な表面上に炭水化物層とタンパク質層を交互に調製することによって調製され得る。炭水化物ベースの基材、例えばフィルムは最初に、炭水化物溶液(例えば、炭水化物ポリマー溶液)を乾燥させることによって調製し得る。いくつかの態様において、炭水化物ベースの基材は、酸性溶液に含まれる。いくつかの例示的な酸には、イタコン酸、ポリイタコン(polyitaconic)酸、アコニット酸、尿酸、グルクロン酸、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、4-クロロブタン酸、3-クロロブタン酸、2-ブロモブタン酸、2-クロロブタン酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸、アスコルビン酸、メルドラム酸、フッ化水素酸、シアン化水素酸、硫化水素、オルトリン酸、亜硫酸、炭酸、弱塩基の共役酸が含まれるが、これらに限定されない。限定されることはないが、溶液中の酸濃度は、約0.1% w/v〜約10% w/vの範囲であり得る。いくつかの態様において、溶液は、約1% w/v〜約2% w/vの酸を含む。いくつかの態様において、酸は、25℃で10-2未満の酸解離定数(Ka)を有する弱酸である。いくつかの態様において、酸は、酢酸である。

0062

調製された炭水化物基材は、洗浄、さらに修飾および/または中和され得る。調製された基材の仕様に依存して、酸性または塩基性の溶液が、基材の修飾および/または中和に使用され得る。例示的な塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、炭酸ナトリウムおよびアンモニアが含まれるが、これらに限定されない。限定されることはないが、中和溶液中の塩基濃度は、約0.1% w/v〜約10% w/vの範囲であり得る。いくつかの態様において、溶液は、約4% w/v〜約6% w/vの塩基を含む。いくつかの態様において、中和溶液は、pH緩衝液、例えば高pH炭酸緩衝液である。高pH緩衝液は、pHが7、8、9、10、11もしくは12であるかまたはそれより高い緩衝液を意味する。

0063

必要な場合、炭水化物基材からあらゆる残留水分子を、その目的のために当業者に公知の方法を用いて除去することができる。例えば、フィルムは、有機溶媒、例えばアルコール、例えばメタノール、エタノール等で洗浄され得る。さらに、炭水化物フィルムを調製する方法は、当技術分野で周知であり、かつそのようなフィルムを調製するのに使用することができる。例えば、その内容が参照により本明細書に組み入れられる、Ito, R. and Matsuo, Y. Eds. Handbook of Carbohydrate Polymers: Development, Properties and Applications, Nova Science Pub. Inc. (2010); およびRichert et al., Langmuir, 20(2): 448-58 (2004)を参照のこと。

0064

炭水化物基材は、次いで、それをタンパク質溶液に浸漬することによって、タンパク質の層でコーティングされ得る。あるいは、炭水化物基材は、それにタンパク質溶液の層を堆積することによって、タンパク質の層でコーティングされ得る。通常、任意のタンパク質対炭水化物比、例えば重量比またはモル比が、複合材料の全体構成を調整するのに使用され得る。いくつかの態様において、炭水化物対タンパク質比は、10:1〜1:10である。いくつかの態様において、炭水化物対タンパク質比は、5:1〜1:5、2.5:1〜1:2.5、1.15:1〜1:1.15である。いくつかの態様において、その比は、1:1.5〜1:2.5である。いくつかの態様において、その比は、1:2である。その比は、各層の形成のために溶液に添加された炭水化物およびタンパク質の乾燥重量またはモル量に基づくものであり得る。

0065

概して、炭水化物溶液は、約1% w/v〜約50% w/vの炭水化物ポリマーを含む。いくつかの態様において、炭水化物溶液は、約1% w/v〜約25% w/vの炭水化物を含む。いくつかの態様において、炭水化物溶液は、約2% w/v〜約6% w/vの炭水化物を含む。理論に拘束されることを望まないが、いくつかの態様においては、高濃度炭水化物溶液が使用される。例えば、いくつかの態様において、炭水化物溶液は、約50% w/v〜約95% w/vの炭水化物を含む。いくつかの態様において、炭水化物溶液は、約75% w/v〜約85% w/vの炭水化物を含む。

0066

炭水化物溶液と同様、タンパク質溶液は、約1% w/v〜約50% w/vのタンパク質を含む。いくつかの態様において、タンパク質溶液は、約1% w/v〜約25% w/vのタンパク質を含む。いくつかの態様において、タンパク質溶液は、約2% w/v〜約6% w/vのタンパク質を含む。

0067

タンパク質層は、任意で、そのタンパク質構造の変化、例えば繊維性から結晶性へ、α-ヘリカルからβ-シートへおよびこれらの逆、を誘導するよう処理することができる。例えば、タンパク質層は、結晶構造の形成を誘導するよう処理することができる。いくつかの態様において、タンパク質層は、β-シートまたは類似構造の形成を誘導するよう処理することができる。いくつかの態様において、タンパク質層は、β転移を誘導するよう処理される。タンパク質構造の変化を誘導する例示的な方法には、高濃度タンパク質溶液の使用、加熱、凍結、機械的ストレッチ、圧力、有機溶媒、例えばエタノール、メタノールを用いる浸漬または洗浄、および水蒸気中での硬化が含まれるが、これらに限定されない。

0068

タンパク質層自体は、層単位構築することができる。例えば、炭水化物基材を、第1のタンパク質層でコーティングすることができる。そのようにコーティングされた炭水化物を、その後に、第2の同一タンパク質または異なるタンパク質の層でコーティングすることができる。このプロセスは、タンパク質層が全体として適切な厚みに達するまで繰り返すことができる。各タンパク質のコーティングの後、タンパク質層を、任意で、上記のとおり、タンパク質構造の変化を誘導するよう処理することができる。

0069

概して、複合材料は、約1〜約500μmの厚みを有する。いくつかの態様において、複合材料は、約1〜約250μm、約1〜約150μm、約1〜約100μm、約1〜約75、約1〜約50μm、約1〜約25μm、約1〜約20μm、約1〜約15μm、約1〜約10μmまたは約1〜約5μmの厚みを有する。

0070

複合材料中の炭水化物およびタンパク質層の各々の厚みは、独立して、数オングストローム〜数ミリメートル、例えば、約1Å〜約5mmの範囲であり得る。いくつかの態様において、各炭水化物層の厚みは、独立して、約1〜約250μmの範囲であり得る。いくつかの態様において、各炭水化物層の厚みは、独立して、約1〜約100μm、約1〜約75μm、約1〜約50μm、約1〜約40μm、約1〜約30μm、約1〜約25μm、約1〜約20μm、約1〜約15μm、約1〜約10μmおよび約1〜約5μmからなる群より選択される。いくつかの態様においては、すべての炭水化物層が、同じ厚みを有する。いくつかの態様においては、少なくとも2つの炭水化物層が、異なる厚みを有する。

0071

同様に、複合材料中のタンパク質層の厚みもまた、独立して、数オングストローム〜数ミリメートル、例えば、約1Å〜約5mmの範囲であり得る。いくつかの態様において、各タンパク質層の厚みは、独立して、約1〜約250μmである。いくつかの態様において、各タンパク質層の厚みは、独立して、約1〜約100μm、約1〜約75μm、約1〜約50μm、約1〜約40μm、約1〜約30μm、約1〜約25μm、約1〜約20μm、約1〜約15μm、約1〜約10μmおよび約1〜約5μmからなる群より選択される。いくつかの態様においては、すべてのタンパク質層が、同じ厚みを有する。いくつかの態様においては、少なくとも2つのタンパク質層が、異なる厚みを有する。

0072

いくつかの態様において、タンパク質層の厚みは、炭水化物層の厚みの約0.1×〜約5×である。いくつかの態様において、タンパク質層の厚みは、複合材料の炭水化物層の厚みの約0.25×、約0.5×、約0.75×、約1×、約1.25×、約1.5×、約1.75×、約2×、約2.5×または約5×である。

0073

いくつかの態様においては、複合材料のすべての層が、同じ厚みを有する。いくつかの態様においては、複合材料の少なくとも2つの層が、異なる厚みを有する。異なる厚みを有する少なくとも2つの層は、同じ構成成分の層(例えば、炭水化物層もしくはタンパク質層)または少なくとも1つの炭水化物層および少なくとも1つのタンパク質層であり得る。

0074

1つの非限定的な例において、複合材料は、キトサンフィルムを調製することによって形成される。キトサンフィルムは、酸、例えば酢酸中のキトサン溶液を乾燥させ、かつそのフィルムを、例えばNaOHを用いて中和することによって調製することができる。キトサンフィルムは、任意で、例えば分子間水分子遊離を促進するメタノールを用いて脱水される。得られる乾燥キトサンフィルムは、水和性が低く、脆性が高くなり得る。しかし、キトサンフィルムとタンパク質、例えばフィブロインのコーティングを、例えばキトサンフィルムをフィブロイン水溶液に浸漬し得られる複合材料を乾燥させることにより、組み合わせることで、有意に改善された強度特性を有する複合積層フィルムが生成される。本発明の1つの態様にしたがい、キトサンフィルムがフィブロインと、およそ1:1〜4:1(好ましくは2:1.5〜2:1)(w/w)の範囲内のフィブロイン:キトサン比で組み合わされる場合、得られる複合材料は、キトサン単体よりも有意に高い強度特性を示す。

0075

本発明の代替の態様にしたがい、複合材料は、中間分子量キトサンから製造することができる。中間分子量および高い脱アセチル化度を有するキトサン材料(Sigma Aldrich)は、1% v/v酢酸中に2% w/vで溶解し得る。得られる溶液6mlを9cm径ペトリ皿に注ぎ、その溶媒を37℃で蒸発させることができる。プロトン化されたアミノ基を中和し、さらなる溶解を避けるために、得られるフィルムを、5〜15分の時間、例えば10分間、NaOH 4%(w/v)中に浸漬することができる。残留するNaOHを除去するために、得られるキトサンフィルムを、脱イオン(DI)水中で十分に洗浄し、その後に、任意で、37℃で乾燥させることができる。キトサンの最終的な厚みは、7〜13μmの範囲内、例えば10μmであり得る。

0076

キトサン・フィブロイン積層複合材の製造:
本発明の1つの態様にしたがい、タンパク質層を形成するために、Mielke's Fiber Arts(USA)から入手可能な既にセリシン除去されたボンビックス・モリ由来絹が使用される。この絹をDI水中で数回洗浄した後に、80% (w/v)のLiBr中に10% w/vとなるよう、60℃で6時間、溶解させることができる。溶解した絹は、12〜14 kDaの分子量カットオフを有する透析チューブ(VWR Scientific, USA)において水に対して透析することができる。透析は、一定間隔で水を交換しつつ、3、4または5日間実施することができる。フィブロインの最終濃度は、量(XS205, Mettler Toledo, USA)により測定することができる。得られるフィブロイン濃度は、2〜6%の範囲内、例えば約4%(w/v)であり得る。水性絹フィブロイン溶液を作製する代替の方法は、参照により本明細書に組み入れられる、「Concentrated Aqueous Silk Fibroin Solution and Use Thereof」という表題のWIPO公開番号WO 2005/012606に詳細に記載されている。

0077

フィブロイン溶液を、9cm径のペトリ皿の底面に固定したキトサンフィルム上に堆積し、かつ37℃で乾燥させることができる。得られる複合フィルムは、タンパク質のβ転移のために(およびさらなる溶解を防ぐために)、25〜35分間、例えば30分間、メタノール中に浸漬することができ、かつこれをDI水で洗浄することができる。他の態様において、β転移は、アルコール、有機溶媒、水溶液、圧力の印加および/または熱の印加を含むその他の誘導因子によって、誘導することもできる。

0078

図1Aおよび1Bは、本発明にしたがう複合材料の試料を示す。図1Aは、キトサンフィルム(青色)をフィブロイン層(緑色)に結合している、本発明の1つの態様にしたがう複合材料の図を示しており、これは、天然の積層構造を模倣し、昆虫のキューティクルおよび甲殻類の外骨格をそれらの新規の機械的特性と共に提供するものである。図1Bは、複合積層材料の画像を示しており、この実施例では薄い(15μm)透明なフィルムである(バーは2.3cm)。

0079

マイクロトポグラフィー
本発明の態様にしたがい、得られる複合フィルムの予め規定されたマイクロトポグラフィーは、タンパク質溶液をポリジメトキシシラン(PDMS)鋳型(構造化されたシリコン表面上でのポリマーのキャスティングにより製造されたもの)と平面的な炭水化物層またはフィルムの間でキャスティングすることによって形成することができる。複合材料は、その後、タンパク質構造の変化、例えば、繊維性から結晶性へ、α-ヘリカルからβ-シートへおよびこれらの逆、を誘導するよう処理される。例えば、タンパク質層は、結晶構造の形成を誘導するよう処理することができる。いくつかの態様において、タンパク質層は、β-シートまたは類似構造の形成を誘導するよう処理することができる。いくつかの態様において、タンパク質層は、β転移を誘導するよう処理される。複合材料は、乾燥させ、鋳型から剥がすことができる。

0080

非限定的な例において、得られる複合フィルムの予め規定されたマイクロトポグラフィーは、フィブロイン溶液をポリジメトキシシラン(PDMS)鋳型(構造化されたシリコン表面上でのポリマーのキャスティングにより製造されたもの)と平面的なキトサンフィルムの間でキャスティングすることによって形成することができる。水分は37℃で数時間かけて蒸発させることができ、複合材料を鋳型から剥がすことができる。非構造化複合材料の場合と同様、試料をβ転換させるためにメタノール処理し、かつDI水で洗浄した。

0081

本発明の態様にしたがい、得られる複合フィルムのマイクロトポグラフィーは、構造化された炭水化物フィルム上にタンパク質を堆積することによって生成することができる。炭水化物フィルムは、既知の方法によって、例えば、炭水化物の溶液をPDMS鋳型上で乾燥させることによって、構造化させることができる。構造化された炭水化物フィルムは、その後、本発明にしたがう構造化された複合材料を製造するため、本明細書に記載されるとおりにさらに処理することができる。

0082

1つの非限定的な例において、得られる複合フィルムのマイクロトポグラフィーは、構造化されたキトサンフィルム上にフィブロインタンパク質を堆積することによって生成することができる。キトサンフィルムは、既知の方法によって、例えば、溶液中のキトサンをPDMS鋳型上で乾燥させることによって、構造化させることができる。構造化されたキトサンは、本発明にしたがう構造化された複合材料を製造するため、本明細書に記載されるとおりにさらに処理することができる。

0083

図3は、本発明の態様にしたがうキャスティングを示している。図3Aは、構造化されたキトサンフィルム上にタンパク質相を堆積することによって本発明にしたがい形成された複合材料のトポグラフィーを示す(バー = 100μm)。図3Bは、表面の一部が構造化され表面の一部が構造化されていない本発明にしたがう複合材料のチューブを示す。白色の矢印は、タンパク質層上の開口部を指し示しており、その開口部を通してその下のキトサン層が見える(バー = 1mm)。図3Cは、フィブロイン上に構造化された表面が形成された、本発明の態様にしたがい形成された複合材料のトポグラフィーを示す(バー = 50μm)。図3Dは、図3Cの構造化された表面をより詳細に示している。壁面の水平方向の帯は、鋳型のディープ反応性イオンエッチングマークの複製である(バー = 5μm)。図3Eは、本発明の態様にしたがい形成された多層複合キトサン・フィブロイン材料の複数の層のSEM画像を示す。線の間の数字は、3つの異なるキトサン層を表す(バー = 50μm)。

0084

応力/ひずみの測定
乾燥させた複合材料の試料を1.5cm幅・8cm長の細片に切断し、Instron 3342(500N, Instron, USA)を用いて試験した。試料の厚みは、顕微鏡(Axio Observer, Zeiss, Germany)を用いて、そのフィルムの異なる5点の平均として測定した。厚みの測定はまた、SEM分析に供した試料において裏付けをとった。

0085

図1Cは、本発明にしたがう複合材料と個々の構成成分を対比する応力ひずみ曲線を示す。示されているとおり、本明細書で「シュリルク」と呼ばれている1:2比の複合キトサン・フィブロイン積層材料の強度は、キトサンまたは共に液相中にあるキトサンとフィブロインを混合することによって製造された非積層キトサン・フィブロインブレンドよりもずっと高い。フィブロインフィルムは、非常に脆く(データは図1Cに示されていない)、3.14 MPaという低い破壊強さを有する(図1Cに示されている)。図1Dは、複合シュリルク材料および構成成分の材料の靭性係数および破断点を示す。示されているとおり、複合積層シュリルク材料の靭性係数および破断点は両方とも、キトサン、フィブロインまたは非構造化キトサン・フィブロインブレンドのいずれよりもずっと高い。

0086

図2Aは、複合積層材料中のキトサン対フィブロイン比に関しての強度特性を示す。図2Aは、キトサン対フィブロイン比が1:2の場合に、複合材料の破壊強さが、キトサン単体の破壊強さよりも有意に高いことを示している。図2Bは、積層複合材内のキトサン・フィブロイン接触面のSEM画像を示す。

0087

上記のとおり、本発明にしたがい製造された複合材料は、ブレンドと同じ構成成分および量を有するが、天然の構造(例えば、昆虫のキューティクルにおけるそれ)を模倣している複合材料は、ほぼ10倍の強度である。さらに、驚くべきことに、特定構成の「シュリルク」複合積層材料におけるキトサンおよびフィブロインの組み合わせは、最も強い構成成分(すなわち、キトサン)のほぼ2倍の強度である。各材料が破断前に吸収することができる単位体積あたりのエネルギー(すなわち、靭性係数、図1D)は、本発明にしたがうキチン/タンパク質複合材予想外の特性をさらに説明している。キトサンに極めて脆い材料、例えばフィブロインを添加するとキトサンよりも弱いがフィブロインよりも強い材料(例えば、ブレンド)が生じることは予測できる可能性があるが、得られる「シュリルク」複合積層材料は、破断前にキトサンよりも1.5倍多くのエネルギーを吸収する。

0088

したがって、複合材料は、破断前に、構成要素の炭水化物のフィルムよりも少なくとも1.2倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍多くのエネルギーを吸収し得る。

0089

一般的な材料と比較すると、複合材料の120MPaという極限強さは、ナイロンのそれの2倍であり、アルミニウム匹敵するものである。しかし、この複合材料の密度はおよそ1.46g/cm3なので、キトサン・フィブロイン複合「シュリルク」材料は、アルミニウム合金およびその等価物と同等の機械的特徴を示すが、その重量は半分である。さらに、シュリルクは、生体適合性かつ生分解性であり;特定の構成においては、光学的に透明でもある。

0090

したがって、複合材料は、構成要素の炭水化物もしくはタンパク質単体またはそのブレンドから形成される材料よりも少なくとも1.2倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍またはそれ以上の強度を有し得る。いくつかの態様において、複合材料は、少なくとも5 MPa、少なくとも10 MPa、少なくとも20 MPa、少なくとも30 MPa、少なくとも40 MPa、少なくとも50 MPa、少なくとも60 MPa、少なくとも70 MPa、少なくとも80 MPa、少なくとも90 MPa、少なくとも100 MPaまたはそれ以上の強度を有する。

0091

シュリルクにおいて、複合材の最大強度は、キトサン:フィブロインの重量比がおよそ1:2の場合に達成される(図2A)。一定の限度を超えてタンパク質の量を増加させてもその結合効果を強化するとは考えられず;さらに、1:2比を超えてタンパク質を増加させるとその設計の効果が打ち消され、機械的にフィブロインに近い材料が生じることが観察された。

0092

フィブロイン/キトサン接触面のSEM画像(図2B)において、その境界は、それらの材料の異なる電気的特性によって明確に画定されるが、それ以外に区別する証拠はなく、このことから両構成成分の高い化学的親和性が確認される。

0093

複合材料はタンパク質層でコーティングされた炭水化物フィルムに関して議論されているが、炭水化物層はフィルム以外の形態でもあり得る。したがって、いくつかの態様において、炭水化物層は、発泡体、スポンジ、繊維、メッシュまたはナノスケール構造物の形態であり得る。

0094

本発明の態様にしたがう複合材料は、炭水化物溶液を乾燥させる際にこれに気泡を注入することによって、または発泡体もしくはスポンジの形成後に溶解し得る浸出性物質(例えば、塩の結晶)を使用することによって、発泡体様またはスポンジ様材料として製造することができる。あるいは、発泡体またはスポンジ構造物は、炭水化物溶液を凍結乾燥することによって形成することができる。溶媒の昇華は、発泡体またはスポンジの多孔質構造を生成する気泡の核となる。孔のサイズを制御する方法は多数存在する。例えば、孔のサイズは、凍結乾燥時の温度を制御する、溶媒濃度を変える等により制御することができる。その後、形成された炭水化物発泡体またはスポンジを、タンパク質の溶液に浸漬してまたはそうでなければタンパク質溶液でコーティングして、発泡体様またはスポンジ様構造の複合体を作製することができる。限定されることはないが、炭水化物ベースの発泡体またはスポンジの一部のみまたはすべてが、タンパク質でコーティングされ得る。

0095

多孔質炭水化物材料の形成に関するさらなる情報は、例えば、Madihally, S.V. and Matthew, H.W.T. Porous Chitosan scaffoldsfor tissue engineering. Biomaterials, 20(12): 1133-1142(1999); およびXu, H.H.K and Simon, C.G. Fast setting calcium phosphate-Chitosan scaffold: mechanical properties and biocompatibility. Biomaterials, 26(12): 1337-1348 (2005)において見出すことができ、両文献の内容は参照により本明細書に組み入れられる。発泡体の形成に関する別の興味深い選択肢は、固形材料に対する高圧CO2(すなわち、超臨界CO2)の使用である。これは、ほとんどの場合、圧力を、通常は20Barの範囲に増加させ、分子構造内にCO2を導入することによるものである。その圧力に達した場合、CO2は、材料のキャビテーションを引き起こす。この方法は評価が高まっており、「グリーン(green)」と考えられている。

0096

得られる発泡体またはスポンジは、発泡体またはスポンジ構造の複合材料を結晶性物質、例えば炭酸カルシウム、の過飽和溶液に浸漬しかつその表面上および空洞内で結晶を形成させることで結晶性物質を導入することによって、鉱化させることができる。

0097

非限定的な例において、本発明の態様にしたがう複合材料は、キトサン溶液を乾燥させる際にこれに気泡を注入することによって、または発泡体もしくはスポンジの形成後に溶解し得る浸出性物質(例えば、塩の結晶)を使用することによって、発泡体様またはスポンジ様材料として製造することができる。本発明の態様にしたがい、キトサン発泡体スポンジを、フィブロイン溶液に浸漬してまたそうでなければフィブロイン溶液でコーティングして、発泡体様構造の複合材料を作製することができる。得られる発泡体は、結晶性物質を導入することによって、例えば、発泡体構造の複合材料を炭酸カルシウムの過飽和水溶液に浸漬しかつ発泡体の表面上および空洞内で結晶を形成させることで炭酸カルシウムを導入することによって、鉱化させることができる。本発明の1つの態様においては、任意の多量のCaCO3を水に溶解し、これを1〜3日間、20 psiのCO2に供する。圧力を解放した後、溶解していないCaCO3を除去するために、得られる液体をろ過する。溶液が室温に戻った後に、キトサン発泡体またはスポンジ(またはフィルム)をCaCO3溶液に浸漬することができる。

0098

別の非限定的な例において、発泡体またはスポンジ構造物は、溶液中に溶解させたキトサンを凍結乾燥することによって形成することができる。溶媒の昇華は、発泡体またはスポンジの多孔質構造を生成する気泡の核となる。孔のサイズを制御する方法は多数存在する。例えば、孔のサイズは、凍結乾燥時の温度を制御することによって制御することができる。あるいは、孔のサイズは、溶媒の濃度を変えることによって制御することができる。図5および6に示される構造物では、キトサンフィルムの調製には2%の酢酸溶液を使用したのに対して、キトサンを1%の酢酸溶液に溶解させた。多孔質基材材料の形成に関するさらなる情報は、Madihally, S.V. and H.W.T. Matthew, Porous Chitosan scaffoldsfor tissue engineering. Biomaterials, 1999, 20(12): p.1133-1142; およびXu, H.H.K and C.G. Simon, Fast setting calcium phosphate-Chitosan scaffold: mechanical properties and biocompatibility. Biomaterials, 2005, 26(12): p.1337-1348において見出すことができ、両文献は参照により本明細書に組み入れられる。

0099

図5は、本発明にしたがい発泡体として製造された複合材料の試料を、円筒形の形態のキトサンベースの発泡体構造物と並べて示している。図6Aおよび6Bは、鉱化させた発泡体複合材料構造物を示す。図6Bは、図6Aの差し込み図の拡大像を示しており、同構造物の開孔をはっきりと確認することができる。

0100

本発明の態様にしたがい、炭水化物は、エレクトロスピニングによって、つまり電荷を用いて炭水化物溶液から炭水化物ポリマーの繊維を生成することによって、繊維にすることができる。例えば、炭水化物の繊維は、炭水化物の溶液を第2の溶液に注入して炭水化物を凝固させることによって、形成することができる。凝固物はその後、繊維の直径を制御するため、小口径の開口部を通して押し出すことができる。例えば、炭水化物の酸溶液を塩基性溶液に注入することができるか、またはその逆を行うことができる。あるいは、凝固は、溶液の塩濃度を調整することによって、化学的および/または機械的手段、例えば圧力、加熱または冷却、振盪等によって、誘導することができる。繊維の形成に関するさらなる情報は、例えば、Duan, B., C. Dong, X. Yuan, et al., Electrospinning of chitosan solutions in acetic acid with poly(ethylene oxide). Journal of Biomaterials Science, Polymer Edition, 15(6): 797-811 (2004)およびOhkawa, K., D. Cha, H. Kim, et al., Electrospinning of Chitosan. Macromolecular Rapid Communications, 25(18): 1600-1605 (2004)において見出すことができ、両文献は参照により本明細書に組み入れられる。本発明の代替の態様において、炭水化物は、参照により本明細書に組み入れられる"Nanofiber assembly by rotary jet-spinning," BadrossamayMR, McllweeHA, Goss JA, Parker KK, Nano Lett. 2010 Jun 9;10(6):2257-6に記載されるロータリージェットスピニングによって繊維にすることができる。

0101

非限定的な例において、キトサンは、エレクトロスピニングによって、つまり、電荷を用いてキトサン溶液からキトサンの繊維を生成することによって、繊維にすることができる。本発明の1つの態様にしたがい、繊維性のキトサンは、キトサンの酸(例えば、酢酸)溶液を塩基性溶液(例えば、NaOH)に注入することによって、形成することができる。キトサンは塩基性溶液との接触により凝固し、キトサンの繊維を生成する。凝固物は、繊維の直径を制御するため、小口径の開口部を通して押し出すことができる。あるいは、その他の繊維押し出し法、例えばロータリージェットスピニング、が用いられ得る(例えば、Mohammad Reza Badrossamay, Holly Alice Mcllwee, Josue A. Goss, Kevin Kit Parker. Nanofiber Assembly by Rotary Jet-Spinning. Nano Lett., 2010, 10(6), pp 2257-2261)。

0102

本発明にしたがい、炭水化物層は、ナノスケールで規定されたトポグラフィーを有するように形成することができる。その後、この規定されたナノスケールトポグラフィー上に、タンパク質相を適用することができる。理論に拘束されることを望まないが、等方性の堆積およびこのトポグラフィーによって導入される物理的効果(例えば、毛細管現象)は、画定された領域における構造を崩壊させる。例えば、キトサンは、ナノスケールで規定されたトポグラフィーを有するように形成することができ、この構造化されたキトサンフィルム上にタンパク質相を適用することができる。結果(図3A、これはBおよびCと同じトポグラフィーである)は、等方性の堆積およびこのトポグラフィーによって導入される物理的効果(例えば、毛細管現象)が、非常に低いフィブロイン濃度の場合さえ、画定された領域における構造を崩壊させることを示している。

0103

タンパク質も、ポリマーキャスティングによりマイクロ構造物を製造するために使用することができる。したがって、マイクロ構造物は、予め形成されたマイクロ構造物表面においてタンパク質層をキャスティングすることによって形成することができる。さらに、得られる複合材料は、その複合材料を適切な形状表面において乾燥させることによって、2次的形状でキャスティングすることができる。例えば、複合材料は、その複合材料を円形固定具表面またはチューブ表面において乾燥させることによって、チューブ状にキャスティングすることができる。

0104

複合材料を、その限局的領域または全体のいずれかにおける水への曝露によって柔軟にし、次いでこれを型枠表面または固定具表面に置いて乾燥させ、2次的形状を与えることができる。一部の領域を水和から保護して(例えば、撥水性ワックス材料のパターンを複合材料の表面上にマイクロコンタクトプリントすることによって)、他の領域でそれを可能にすることによって、同じ複合積層材料は、可変の物性を示すように、例えば、より多い吸水およびより少ない吸収それぞれに基づく柔軟性のより高い領域およびより低い領域を示すように、作製することができる。理論に拘束されることを望まないが、これは、節足動物の外骨格がその可変の機械的特性を獲得するメカニズムを模倣するものである。

0105

フィブロインも、ポリマーキャスティングによるマイクロ構造物の製造のための良い材料となる。本発明の態様にしたがい、マイクロ構造物は、図3CおよびDに示されるとおり、タンパク質層をキャスティングすることによって形成することができる。さらに、得られる複合材料は、その複合材料を円形固定具表面またはチューブ表面において乾燥させることによって、2次的形状、例えばチューブ状(図3B)にキャスティングすることができる。あるいは、複合材料を、その限局的領域または全体のいずれかにおける水への曝露によって柔軟にし、次いでこれを型枠表面または固定具表面に置いて乾燥させ、2次的形状を与えることができる。一部の領域を水和から保護して(例えば、撥水性ワックス材料のパターンをシュリルクの表面上にマイクロコンタクトプリントすることによって)、他の領域でそれを可能にすることによって、同じ複合積層材料は、可変の物性を示すように、例えば、より多い吸水およびより少ない吸収それぞれに基づく柔軟性のより高い領域およびより低い領域を示すように、作製されることができる。これは、節足動物の外骨格がその可変の機械的特性を獲得するメカニズムを模倣するものである。

0106

本発明にしたがい、構成成分間の親和性を用いて、別々の複合材料の層または構造化された構成成分を、それらをタンパク質、例えばフィブロインで「糊着(gluing)」することによってひとつにすることができる。このプロセスにより、多層複合材料を構築し、複雑な三次元生体適合性構造物を製造することができる。いくつかの態様において、炭水化物成分は、炭水化物成分の脱水された領域(または全表面)にタンパク質を適用し、次いで、タンパク質構造を変化させることによって、例えばβ転換させることによって、糊着してひとつにすることができる。

0107

したがって、本発明の態様において、フィブロインを、キトサン構造物の「糊着」に使用することができる。この態様において、キトサン成分は、キトサン成分の脱水された領域(または全表面)にフィブロインを適用し、任意でこのタンパク質を例えばアルコールの適用、圧力の印加または熱の印加によりβ転換させることによって、糊着してひとつにすることができる。

0108

本発明の態様にしたがい、(第1の炭水化物層に接合された第1のタンパク質層を有する)第1の複合材料層を、低濃度のタンパク質溶液(「糊着溶液」)を用いて「糊着」することによって、(第2の炭水化物層に接合された第2のタンパク質層を有する)第2の複合材料層に接合することができる。いくつかの態様において、糊着溶液は、1:2未満の炭水化物対タンパク質比を提供する。いくつかの態様において、糊着溶液は、<4% w/vのタンパク質を含む。2つの複合材料層をプレスによってひとつにし、かつ気泡を、例えばストレートエッジまたはスキージを用いて除去することで、炭水化物層の間に実質的に均一なタンパク質層を提供することができる。得られる多層複合材料は、例えば37℃で乾燥することができる。異なるタイプの追加材料糊層に追加し(例えば、カーボンファイバー、カーボンナノチューブまたはその他の高強度の材料、粒子もしくは繊維)、積層材料の物性をさらに向上させることまたは望ましい挙動を最適化することができる。

0109

非限定的な例において、(第1のキトサン層に接合された第1のフィブロイン層を有する)第1の複合材料層を、2:1未満のフィブロイン対キトサン比を提供する低濃度(<4% w/v)のフィブロイン溶液を用いて「糊着」することによって、(第2のキトサン層に接合された第2のフィブロイン層を有する)第2の複合材料層に接合することができる。2つの複合材料層をプレスによってひとつにし、かつ気泡を、例えばストレートエッジまたはスキージを用いて除去することで、キトサン層の間に実質的に均一なフィブロイン層を提供することができる。得られる多層複合材料は、例えば37Cで乾燥することができる。図3Eは、多層複合材料のSEM断面画像を示す。得られる構造物は、単層複合材料フィルムの機械的特徴(極限強さ= 116.7±12.3 MPa)を有する。上記のとおり、異なるタイプの追加材料を糊層に追加し(例えば、カーボンファイバー、カーボンナノチューブまたはその他の高強度の材料、粒子もしくは繊維)、積層材料の物性をさらに向上させるまたは望ましい挙動を最適化することができる。

0110

シュリルクの組成:キトサン/タンパク質/水
キトサンの厚みが一定でフィブロインの量が異なる一辺2cmの正方形のキトサン/タンパク質複合材料の試料を秤量し、その後に37℃のDI水中に24時間浸漬した。図2Cの線形近似は、両方の相が独立しており、複合材料試料最終重量が、
Wwet = Wcs Acs + Wfib Afib (i)
によって与えられ、式中、Wwetは水和させた複合材料の重量であり、WcsおよびWfibは、それぞれ、試料中のキトサンおよびフィブロインの乾燥重量であり、かつAcsおよびAfibはそれらに関連する水分吸収であるという仮定の下で行った。

0111

本発明者らはまた、複合材料の柔軟性を水分によって調整できることを見い出した。さらに、複合材料は、その含水量を調整することによって、日焼け(tanning)や組成等の他の因子から独立して、非常に堅い材料(乾燥時)から柔軟なエラストマーまで可逆的に変化させることができる。図2Cは、キトサン/タンパク質複合材料による水分の吸収を示しており、水飽和した試料の重量のグラフがキトサン/フィブロイン比に対して表示されている。水飽和は、表面積ではなく体積に依存的であり、試料の最終重量は、両材料層の個々の水分取り込みの和に非常によく一致しており(R2 = 0.99);このことは、水分の取り込みが、その接触面での構成成分間の相互作用に非依存的であることを示している。キトサン相の水分吸収はフィブロインのそれよりも2.3倍大きいので、キトサンが多い試料はより多くの水分を含み、その平衡状態の量は他の2つの構成成分の濃度に直接的に関連する。

0112

したがって、本明細書に記載される局面のいくつかの態様において、複合材料は、水和される。本明細書で使用される場合、複合材料に関する「水和」という用語は、その複合材料が水分を含むことを表す。したがって、いくつかの態様において、複合材料は水和され、約5%〜約95%の水分を含む。水和された複合材料の含水量は、水和された複合材料の総重量に対する複合材料中の水分の重量の比に基づくものであり得る。あるいは、水和された複合材料の含水量は、水和前の複合材料の重量に対する複合材料中の水分の重量の比に基づくものであり得る。いくつかの態様において、複合材料の含水量は、複合材料中の炭水化物またはタンパク質の総量を参照するものである。

0113

複合材料の水飽和は、その複合材料の極限強さを、乾燥複合材料の極限強さと比較して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも1分の1、少なくとも5分の1、少なくとも10分の1、少なくとも20分の1、少なくとも30分の1、少なくとも40分の1、少なくとも50分の1、少なくとも100分の1、またはそれ以下まで減少させ得る。

0114

本発明者らはまた、水飽和した複合材料と乾燥させた対応物の間の有意な違いは前者の均質化にあり;それらの間に機械的な有意差はないことを見い出した。理論に拘束されることを望まないが、水分のために導入される変化が、他の種の相互作用を打ち消している。さらに、複合材料、炭水化物およびタンパク質の水和フィルムの機械的特徴には目立った違いはない。ここでも理論に拘束されることを望まないが、複合材料の傑出した機械的特徴は、その構成成分の異なる機械的特徴に起因するものである。

0115

1つの非限定的な例において、キトサン/フィブロイン複合材料の水飽和は、極限強さを平均値3.5 Mpaまで減少させ、これは乾燥材料で得られるものの30分の1よりも低い。しかし、その降伏前に吸収されるエネルギーは、2分の1に減少するのみであり;残りのエネルギーは、図2Dに示されるとおり、乾燥時の複合材料の2.7%に対してその元のサイズの最大23%の終局ひずみという弾性の有意な増加として保存される。

0116

IRスペクトル
IRスペクトルを、4000〜500cm-1の間で2cm-1の解像度で取得し(Vertex 70, Bruker, Germany)、これをEssential FTIR(OperantLLC, USA)を用いて分析した。複合材料中のフィブロインのFTIRデータは、フーリエ変換前にキトサンフィルムのシングルビームスペクトルバックグラウンドシグナルとして用いて取得した。

0117

分子的観点から、キチンは通常、各モノマーの1つのヒドロキシル基アセチルアミン基で置換されているセルロースと呼ばれる。図4は、キトサンフィルムのFTIR分析を示しており、キチンの不完全脱アセチル化を示す、アミドのC=Oストレッチの特徴的な吸収(アミドI、1658 cm-1)が確認される。グルコサミン残基あたりのアセチル基比率(すなわち、アセチル化度)は、メチル基バンド(1379cm-1)のロッキングの両側の吸収バンド相対強度として算出され、これらは、図4に示されるとおり、1321および1417cm-1に位置する。これらの実験において分析されたキトサンでは、20.3±0.7%のグルコサミン基アセチル化されていた。

0118

図4Bに示されるとおり、複合シュリルク材料(キトサン対フィブロイン比1:2)は、キトサン(図4A、黒色)とフィブロイン(図4C、黒色)を足したものに非常によく似たIR吸収スペクトルを示す。キトサンと比べてアミンIIバンドがシフトしており(1562から1536cm-1へ)、これはフィブロイン層が非常に薄い場合でさえ見られる。このバンドは、アミドおよびアミン由来のN-HベンディングモードとC-Nストレッチングモードの混在に関連する。したがって、両相間の中心的な相互作用は、キチン/キトサン糖環の2位の窒素原子によって生じると考えられる。

0119

本明細書に示されるとおり、複合材料における異なる構成成分間の相互作用は、接触面に限定されると考えられ、その新しい結合は、バルク材料シグナルによってスクリーニングされる。この新しい分子結合を詳細に調査するため、キトサンフィルムによって生じたシングルビームスペクトルをバックグランドとする複合材料中のフィブロインのスペクトルを図4Cに灰色で示す。純粋なフィブロインフィルムとの比較から、3454cm-1付近の領域(遊離のNHのストレッチング)に見かけ上の目減りがあることが確認され、これによって、新しい結合が当初は遊離状態であったNHにおいて形成されているという仮説が支持される。さらに、上記の(1560cm-1における吸収バンドの目減りによる)アミドIIバンドの変化に加えて、1417cm-1のバンドでも有意な低下が見られる。これらすべてのスペクトル変化特異点は、それらが、キトサン中アミン基のプロトン化によって変化したのと同じバンド(図4A、灰色)に位置することであり、このことは、複合積層材料中のタンパク質とキトサンの間の結合がこれらの化学基を通じて特異的に形成されていることをさらに示唆している。

0120

この観察はまた、キトサン:フィブロインブレンドの機械的な特徴がシュリルク積層体と比較して極めて乏しいことを説明することもでき;窒素原子が、キトサンの場合は(グルコサミンの6位における)分子間水素結合N-H←→O-Cを通じて、キチンの場合はC=O←→H-N間の水素結合バルク結晶においては遊離のOHおよびNH基はない)を通じて、その結晶構造に直接的に取り込まれていると考えられる。したがってフィブロインとの相互作用は、キトサンの分子間会合および結晶構造の形成と競合するプロセスである。

0121

本発明にしたがい製造される複合材料は、生分解性かつ生体適合性の材料で構成され、アルミニウム合金の強度を有するが、密度はその半分の、有機複合積層材料である。この複合材料の強度は、元の構成成分よりもずっと高く、医学的および非医学的の両方の適用を含む多くの用途のために作製することができ、それらに適合させることができる。さらに、これは、天然構造の研究のための優れたモデルであり、動物学および材料科学に大いに貢献するものである。複合材料中の水分量の制御により、該材料は、乾燥時の非常に堅い複合材料(ヤング係数= 5.75±0.48GPa)から水飽和時の極めて弾性的な材料(ヤング係数 = 0.017±0.004GPa)まで、幅広い範囲の機械的特徴を提供することができる。

0122

複合材料の使用
その生体適合性、高い強度およびその剛性の調整能のため、複合材料は、多くの生物医学的適用において使用することができる。例えば、複合材料は、補綴デバイス、組織工学用スキャホールド、創傷治癒デバイスおよびその構成部品、ならびにプラスチック材料およびその他の合成材料または無機材料代用物として使用することができる。さらに、複合材料中の含水量を制御することにより、材料の剛性または柔軟性は、それを、幅広い組織型および機能の代用物として、例えばスキャホールドまたはその他の補綴用構成部品として使用できるようにする。さらに、発泡体およびスポンジ構造物の態様における多孔質という性質のため、本発明の態様は、その製造プロセスの間または後に薬物の送達および治療的作用物質をその孔に組み込むことにより該物質の送達のために使用することができる。

0123

複合材料はまた、非医学的適用、例えば工業的適用においても使用することができる。例えば、複合材料は、軽量の高強度材料を必要とするあらゆる場面で、例えば自動車(例えば、ハイブリッド車電気自動車およびレース用自動車)および航空工業において使用することができる。複合材料はまた、例えば容器およびボトルのためなどの、食品工業において使用されるプラスチックの代わりに使用することもできる。複合材料は、保存容器手荷物用かばんバックパックテント衣類および使い捨てゴミ袋を含むが、それらに限定されない消費財を製造するのに使用することができる。複合材料のその他の例示的な用途には、防弾窓、飛散防止窓、船舶用パラシュート砲弾格納具、タイヤ車両用バンパーガードレールおよび道路補修用道具(例えば、パイロン)が含まれ得るが、これらに限定されない。さらに、複合材料は、電化製品、例えばラップトップの構成部品の製造に使用することができる。

0124

本発明の複合材料は、例えば、薬物送達システム組織工学的材料またはその他の生物医学デバイスを含む多くの適用を有する。本明細書に記載される複合材はすべて、薬物、抗生物質、細胞応答分子、色素、酵素およびその他の大小の分子で容易に機能化させることができ、機能を保持させることができる。

0125

本発明の態様は、このように、これらの改変絹材料からの恩恵を受け得る欠陥部および臓器の修復、臓器の置換または再生の目的で使用することができる組織工学的構築物に適合し得る複合材を提供する。本発明の複合材は、脊椎円板頭蓋組織、硬膜神経組織肝臓膵臓腎臓膀胱脾臓心筋骨格筋靭帯角膜組織および乳房組織を含むがこれらに限定されない臓器の修復、臓器の置換または再生の目的で使用することができる。本発明の複合材は、欠陥部の修復、例えばヘルニアの修復および創傷の閉塞および修復のために、医学的用途で使用することができる。複合材料は、完全または部分補綴物としておよび形成外科適用で、例えば再構成補助するためおよび瘢痕を減少させるために、使用することができる。ドナーから得られる、樹立された細胞培養株から得られる、または分子遺伝子操作の前もしくは後のいずれかの、筋骨格系細胞、例えば軟骨細胞線維芽細胞筋細胞および骨細胞実質細胞、例えば肝細胞膵細胞膵島細胞を含む)、腸内細胞、ならびにその他の細胞、例えば神経細胞骨髄細胞皮膚細胞多能性細胞および幹細胞(例えば、胚性幹細胞成体幹細胞および人工多能性(iPS)細胞を含む)、ならびにそれらの組み合わせを含む任意のタイプの細胞を、培養および将来の移植のための組織工学的構築物に添加することができる。多くの異なる細胞型単一構造物として提供し得る組織片も使用することができる。

0126

複合材は、少なくとも1つの活性作用物質を含むように改変することができる。該作用物質は、複合材料の形成前に炭水化物および/もしくはタンパク質溶液と混合されるか、またはその形成後に複合材料もしくはその一部に充填され得る。該作用物質はまた、炭水化物またはタンパク質層に共有結合により連結させることができる。共有結合のために、該作用物質は、複合材料の形成前に炭水化物またはタンパク質と連結させることができる。あるいは、該作用物質は、複合材料の形成後に炭水化物またはタンパク質層に共有結合により連結させることができる。したがって、該作用物質は、炭水化物またはタンパク質層と、結合によりまたは中間リンカーを通じて直接的に連結させることができる。

0127

本発明の複合材料と組み合わせて使用することができる活性作用物質の種類は広範囲に及び、これらには低分子、ポリマー、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣体、核酸、有機化合物、無機化合物、生物学的化合物、生物活性化合物、生物活性を有する化合物が含まれ得る。例えば、活性作用物質は、治療的作用物質または生物学的作用物質、例えば細胞(幹細胞を含む)、タンパク質、ペプチド、核酸(DNA、RNA、プラスミド、siRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチドデコイオリゴヌクレオチド、マイクロRNA、アプタマーおよびリボザイム)、核酸類似体、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチドもしくは配列、ペプチド核酸、抗体、ホルモン、ホルモンアンタゴニスト、成長因子または組み換え成長因子ならびにそれらの断片およびバリアント、サイトカイン、もしくは酵素、抗生物質、ウイルス抗ウイルス剤毒素プロドラッグ化学療法剤、低分子、薬物ならびにそれらの組み合わせであり得る。本発明の複合材料の改変に適したいくつかの例示的な活性作用物質には、細胞(幹細胞を含む)、エリスロポエチン(EPO)、YIGSRペプチド、グリコサミノグリカン(GAG)、ヒアルロン酸(HA)、インテグリンセレクチンおよびカドヘリン;鎮痛剤および鎮痛剤の組み合わせ;ステロイド;抗生物質;インスリンインターフェロンαおよびγ;インターロイキン;アデノシン;化学療法剤(例えば、抗癌剤);腫瘍壊死因子αおよびβ;抗体;細胞接着メディエーター、例えばRGDもしくはインテグリン、またはその他の天然由来または遺伝子操作タンパク質、多糖、糖タンパク質、サイトトキシン、プロドラッグ、免疫源もしくはリポタンパク質が含まれる。

0128

その他の例示的な治療的作用物質には、Harrison's Principles of Internal Medicine, 13th Edition, Eds. T.R. Harrison et al. McGraw-Hill N.Y., NY; Physicians Desk Reference, 50th Edition, 1997, Oradell New Jersey, Medical Economics Co.; Pharmacological Basis of Therapeutics, 8th Edition, Goodman and Gilman, 1990; United States Pharmacopeia, The National Formulary, USP XII NF XVII, 1990; Goodman and Oilman's The Pharmacological Basis of Therapeuticsの現行版; およびThe Merck Indexの現行版において見出されるものが含まれるがこれらに限定されず、これらの文献すべての全内容が参照により本明細書に組み入れられる。

0129

複合材料に埋め込まれるその他の物質には、遺伝子物質の送達のためのリポソームおよび関連システム;細胞のシグナル伝達カスケードを活性化するペプチドおよびタンパク質;鉱化または細胞由来関連イベントを促進するペプチドおよびタンパク質;フィルム・組織接触面を改善する接着ペプチドおよびタンパク質;抗菌ペプチド;タンパク質および関連化合物;ならびに、例えばグリコサミノグリカンおよびプロテオグリカンを含む炭水化物が含まれ得る。

0130

上記のとおり、1つまたは複数の活性作用物質を、複合材料の改変に使用することができる。したがって、本発明の複合材を細胞等の生物学的物質の支持のためのプラットフォームとして使用する場合、該作用物質の成長を促進するために、該作用物質が複合材から放出された後の該作用物質の機能化を促進するために、またはそのプロセス中に該作用物質の生存能力または該作用物質の効能を維持する該作用物質の能力を向上させるために、その他の物質を添加することが望ましいことがある。細胞の成長を促進することが公知の例示的な物質には、細胞成長培地、例えばダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、ウシ胎仔血清(FBS)、非必須アミノ酸および抗生物質、ならびに成長因子および形態形成因子、例えば、線維芽細胞増殖因子(例えば、FGF 1〜9)、トランスフォーミング成長因子(TGF)、血管内皮増殖因子VEGF)、上皮成長因子(EGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、インスリン様成長因子(IGF-IおよびIGF-II)、骨形態形成成長因子(例えば、BMP 1〜7)、骨形態形成様タンパク質(例えば、GFD-5、GFD-7およびGFD-8)、トランスフォーミング成長因子(例えば、TGF-α、TGF-β I〜III)、神経成長因子、ならびに関連因子が含まれるが、これらに限定されない。成長因子は、当技術分野で公知であり、例えば、Rosen and Thies, Cellular & Mol. Basis Bone Formation & Repair (R.G. Landes Co.)を参照されたい。

0131

細胞外マトリックスに対する酵素的結合
別の局面において、本発明は、医学的移植デバイスを組織または臓器に付着させる方法を提供する。この方法は、医学的移植デバイスを付着させる必要のある組織または臓器の表面に有効量のトランスグルタミナーゼを適用する工程、および該医学的移植デバイスを該組織の表面に接触させる工程、を含む。代わりにまたは加えて、トランスグルタミナーゼを医学的移植デバイスの表面に適用し、その医学的移植デバイスを組織の表面に接触させることができる。さらに、別の態様においては、医学的移植デバイスを組織の表面に接触させ、その後にトランスグルタミナーゼを適用することができる。

0132

本明細書で使用される場合、トランスグルタミナーゼの適用に関する「適用」という用語は、所望の部位においてトランスグルタミナーゼの量または活性を増加させることを表す。したがって、「適用」という用語は、ある表面に対するトランスグルタミナーゼの局所適用付着部位における宿主トランスグルタミナーゼの発現の増加および/または付着部位におけるトランスグルタミナーゼの活性の増加を包含する。理論に拘束されることを望まないが、宿主トランスグルタミナーゼの発現または活性は、トランスグルタミナーゼの発現および/または活性を増加させる組成物を適用することによって増加させることができる。例えば、Davies et al. (J. Biol. Chem. (1985) 260:5166-5174)は、レチノイン酸を用いるトランスグルタミナーゼ発現の誘導について記載している。例示的なトランスグルタミナーゼ活性化因子には、トロンビン、TIG3タンパク質、塩化カルシウム、およびスフィンゴシルホスホリルコリンが含まれるが、これらに限定されない。さらに、Sigma-Aldrich社は、トランスグルタミナーゼの活性化因子をスクリーニングするのに使用することができるTransglutaminase Assay Kitを販売している。

0133

本明細書で使用される場合、「トランスグルタミナーゼ」は、酵素委員会による酵素分類(Enzyme Commission System of Classification)番号2.3.2.13(E.C. 2.3.2.13)により特定される酵素グループメンバーを意味する。当業者は、トランスグルタミナーゼがペプチド鎖中のグルタミン残基のγ-カルボキサミド基アシル転移反応触媒する酵素であることを良く理解している。トランスグルタミナーゼは、タンパク質中のリジン残基のε-アミノ基がアシル受容体の役割をする場合、タンパク質分子内およびタンパク質分子間でε-(γ-Glu)-Lys架橋を形成する。トランスグルタミナーゼはまた、水がアシル受容体の役割をする場合、グルタミン残基を脱アミノ化してグルタミン酸残基にすることができる。

0134

そのようなトランスグルタミナーゼには、カルシウム非依存性トランスグルタミナーゼおよびカルシウム依存性トランスグルタミナーゼが含まれる。前者には、微生物由来の酵素(例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられるJP-A-1-27471を参照のこと)が含まれ、後者には、モルモットの肝臓由来の酵素(その内容全体が参照により本明細書に組み入れられるJP-B-150382を参照のこと)、由来の酵素(例えば、その内容全体が本明細書に組み入れられるSeki Nobuo et al. Nihon Suisan Gakkaishi, vol.56, No.1, p.125 (1990)を参照のこと)、および同様のものが含まれる。さらに、遺伝子組み換えによって生成された酵素(その内容全体が参照により本明細書に組み入れられるJP-A-1-300889、JP-A-5-199883、JP-A-6-225775を参照のこと)も含まれる。

0135

本発明の方法において使用するトランスグルタミナーゼは、天然供給源由来または合成供給源由来、例えば組換え体であり得る。したがって、哺乳動物の組織試料から調製された(すなわち、抽出された)トランスグルタミナーゼおよび組換え手段によって発現された哺乳動物トランスグルタミナーゼが、本発明に包含される。さらに、天然に存在する哺乳動物トランスグルタミナーゼのバリアントも包含される。

0136

いくつかの態様において、トランスグルタミナーゼは、哺乳動物トランスグルタミナーゼである。哺乳動物トランスグルタミナーゼは、動物細胞および組織ならびに細胞生産物から入手することができる。

0137

いくつかの態様において、トランスグルタミナーゼは、組織トランスグルタミナーゼ(tTgase)である。

0138

いくつかの態様において、トランスグルタミナーゼは、微生物トランスグルタミナーゼである。微生物トランスグルタミナーゼは、ストレプトマイセスハイグロスコピカス(Streptomyces hygroscopicus)株、ストレプトベルティシリウム・バルダッシイ(Streptoverticillium Baldaccii)、ストレプトベルティシリウム・モバエンス(Streptoverticillium mobaraense)またはエシェリキアコリ(Escherichia Coli)の1つまたは複数から単離することができる。例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられるCui L et al., Bioresource Technology (2008) 99(9): 3794-3800を参照のこと。

0139

いくつかの態様において、トランスグルタミナーゼは、ヒトトランスグルタミナーゼである。ヒトトランスグルタミナーゼは、ヒト組織または細胞から調製することができる。例えば、ヒトトランスグルタミナーゼは、ヒト組織供給源、例えば、肝臓、脾臓、腎臓、心筋、骨格筋、眼球水晶体内皮細胞赤血球平滑筋細胞、骨およびマクロファージから抽出することができる。

0140

あるいは、ヒトトランスグルタミナーゼは、当技術分野で周知の細胞培養法を用いて、哺乳動物トランスグルタミナーゼを発現するヒト細胞培養物から入手することができる。そのようなトランスグルタミナーゼの好ましい細胞株供給源には、ヒト内皮細胞株ECV304(組織トランスグルタミナーゼ用)およびヒト骨肉腫細胞株MG63が含まれるが、これらに限定されない。

0141

いくつかの態様において、トランスグルタミナーゼは、カルシウム非依存性トランスグルタミナーゼである。いくつかの他の態様において、トランスグルタミナーゼは、カルシウム依存性トランスグルタミナーゼである。

0142

いくつかの例示的なトランスグルタミナーゼには、第XIII因子A(フィブリン安定化因子)、1型トランスグルタミナーゼ(ケラチノサイトトランスグルタミナーゼ)、2型トランスグルタミナーゼ(組織トランスグルタミナーゼ)、3型トランスグルタミナーゼ(上皮トランスグルタミナーゼ)、4型トランスグルタミナーゼ(前立腺トランスグルタミナーゼ)、5型トランスグルタミナーゼ(トランスグルタミナーゼX)、6型トランスグルタミナーゼ(トランスグルタミナーゼY)、および7型トランスグルタミナーゼ(トランスグルタミナーゼZ)が含まれるが、これらに限定されない。

0143

トランスグルタミナーゼの供給源は、医学的移植材料の個々の用途(例えば、移植部位)に応じて選択され得ることが、当業者に理解されるであろう。例えば、医学的移植材料が人工骨として使用される場合、その材料が骨由来トランスグルタミナーゼを含んでいることが有益であり得る。したがって、本発明の方法においては、任意のトランスグルタミナーゼを使用することができ、その起源および生産プロセスは限定されない。

0144

トランスグルタミナーゼは、哺乳動物由来または微生物由来であり得る。さらに、ヒト化組み換えトランスグルタミナーゼも使用することができる。

0145

いくつかの市販の哺乳動物由来トランスグルタミナーゼ、例えば、モルモット肝臓由来トランスグルタミナーゼ、ヤギ由来トランスグルタミナーゼおよびウサギ由来トランスグルタミナーゼ、がOriental Yeast Co., Ltd.、Upstate USA Inc.およびBiodesign Internationalから入手することができる。その他の市販のトランスグルタミナーゼ製品の非限定的な例には、Ajinomoto Co.(Kawasaki, Japan)製のもの、例えばActiva TG-TI、Activa TG-FP、Activa TG-GS、Activa TG-RMおよびActiva MP;ならびにYiming Biological Products Co.(Jiangsu, China)製のもの、例えばTG-BおよびTG-Aが含まれる。

0146

トランスグルタミナーゼは、溶液、エマルジョン(水中油油中水)、エアロゾル、発泡体、軟膏、ペースト、ローション、粉末、ゲル、ヒドロゲル、親水コロイド、クリーム、およびそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な形態で適用することができる。1つの態様において、トランスグルタミナーゼは、粉末形態で適用される。

0147

トランスグルタミナーゼは、任意で、薬学的に許容される組成物中に存在することができる。薬学的に許容される組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体添加物)および/または希釈剤と共に製剤化されたトランスグルタミナーゼを含む。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という用語は、確立された医学的判断の及ぶ範囲で、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適しており、過度の毒性、刺激アレルギー反応またはその他の問題もしくは合併症がなく、合理的なベネフィット/リスク比が保たれている、化合物、物質、組成物および/または剤形を表す。

0148

概して、トランスグルタミナーゼの活性は、高い温度で強くなる。したがって、結合は、任意の温度で実施され得る。いくつかの態様において、結合は、高い温度、例えば、30℃もしくは30℃超、35℃もしくは35℃超、40℃もしくは40℃超、45℃もしくは45℃超、50℃もしくは50℃超、55℃もしくは55℃超、または60℃もしくは60℃超で実施される。いくつかの態様において、結合は、室温、例えば約15℃〜約25℃で実施される。いくつかの態様において、結合は、約20℃〜約30℃の温度で実施される。

0149

本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、目的化合物を1つの臓器または身体の一部から別の臓器または身体の一部へと運搬または輸送するのに関与する、物質を取り囲む薬学的に許容される物質、組成物もしくはビヒクル、例えば液体もしくは固体増量剤、希釈剤、賦形剤、製造補助剤(例えば、滑沢剤タルクマグネシウム、カルシウムもしくはステアリン酸亜鉛、もしくはステアリン酸)、または溶媒を意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合し、患者にとって有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。薬学的に許容される担体の役割を果たし得る物質のいくつかの例には:(1)糖、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;(2)デンプン、例えばトウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン;(3)セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウムメチルセルロースエチルセルロース微結晶セルロースおよび酢酸セルロース;(4)トラガカント粉末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムラウリル硫酸ナトリウムおよびタルク;(8)賦形剤、例えば、ココアバターおよび坐薬用ワックス;(9)油、例えばピーナツ油、綿実油サフラワー油ゴマ油オリーブ油トウモロコシ油およびダイズ油;(10)グリコール、例えばプロピレングリコール;(11)ポリオール、例えばグリセリンソルビトールマンニトールおよびポリエチレングリコール(PEG);(12)エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)発熱物質非含有水;(17)等張食塩水;(18)リンガー溶液;(19)エチルアルコール;(20)pH緩衝溶液;(21)ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ無水物;(22)充填剤、例えばポリペプチドおよびアミノ酸(23)血清成分、例えば血清アルブミンHDLおよびLDL;(22)C2〜C12アルコール、例えばエタノール;ならびに(23)薬学的製剤で用いられる、その他の非毒性の適合性物質、が含まれる。湿潤剤着色剤離型剤コーティング剤甘味剤香味剤芳香剤保存剤および抗酸化物質も、製剤に存在してよい。「賦形剤」、「担体」、「薬学的に許容される担体」、または同様のものなどの用語は、本明細書において置き換え可能に使用される。

0150

薬学的に許容される組成物はまた、トランスグルタミナーゼのための任意の補因子、例えば塩を含むことができる。

0151

いくつかの態様において、トランスグルタミナーゼは、医学的移植デバイスを組織または臓器に取り付ける前に、医学的移植デバイスに結合されることができる。医学的移植デバイスおよびトランスグルタミナーゼとの関係で使用される場合、「結合された(associated with)」という用語は、トランスグルタミナーゼが医学的移植デバイス上にコーティングされるかまたはそうでなければ(共有結合または非共有結合により)連結されることを意味する。いくつかの態様において、トランスグルタミナーゼは、医学的移植デバイスを製造するのに使用される材料中に分散させることができる。いくつかの態様において、トランスグルタミナーゼは、医学的移植デバイスの表面に共有結合により連結することができる。いくつかの態様において、トランスグルタミナーゼは、医学的移植デバイスの表面に非共有結合により連結することができる。

0152

いくつかの態様において、トランスグルタミナーゼは、医学的移植デバイスの製造後に医学的移植デバイスに添加することができる。これは、例えば、製造された医学的移植デバイスをトランスグルタミナーゼの溶液に浸漬することによって達成することができる。

0153

トランスグルタミナーゼを含む医学的移植デバイスの付着は、付着が起きる組織または臓器の表面に対する任意の追加のトランスグルタミナーゼの適用を必要とする場合と必要としない場合がある。

0154

本明細書で使用される場合、「トランスグルタミナーゼの有効量」は、医学的移植デバイスを組織または臓器に連結するのに有効なトランスグルタミナーゼの量を意味する。したがって、いくつかの態様において、トランスグルタミナーゼの有効量は、接触表面積1cm2あたり約1μg〜約100mgである。いくつかの態様において、トランスグルタミナーゼの有効量は、1cm2あたり約1mg〜約50mg、1cm2あたり約5mg〜約40mg、1cm2あたり約10mg〜約30mg、1cm2あたり約15mg〜約25mgまたは1cm2あたり約20mgからなる群より選択される。「接触表面積」は、移植デバイスと接触する組織の表面積を意味する。創傷の場合、接触表面積は、創傷のサイズおよび/または創傷の総露出面積を意味し得る。

0155

本明細書で使用される場合、「医学的移植デバイス」という用語は、対象の体内に導入するためのデバイスを表す。例示的な医学的移植デバイスには、人工組織、人工臓器、補綴デバイス、薬物送達デバイス、創傷被覆材、繊維、ナノ粒子、マイクロ粒子、発泡体、およびスポンジが含まれるが、これらに限定されない。限定されることはないが、医学的移植デバイスは、3-Dスキャホールド、繊維、発泡体、スポンジ、フィルムおよびそれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の形態とすることができる。医学的移植デバイスは、臓器(機能)の永久置換物として使用することができる。

0156

いくつかの態様において、医学的移植デバイスは、発泡体またはスポンジである。

0157

いくつかの態様において、医学的移植デバイスは、ナノ粒子またはマイクロ粒子を含む。

0158

1つの態様において、医学的移植デバイスは、創傷被覆材である。例示的な創傷被覆材には、包帯、ガーゼ、テープ、メッシュ、ネット、ばんそうこう、フィルム、メンブレン、およびパッチが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、創傷被覆材は、本明細書に記載される複合材料を含み得る。

0159

いくつかの態様において、医学的移植デバイスは、ゲルではない。

0160

いくつかの態様において、医学的移植デバイスは、トランスグルタミナーゼにより架橋可能なタンパク質に結合されている。医学的移植デバイスとの関係で使用する場合、「結合された」という用語は、トランスグルタミナーゼで連結可能なタンパク質でコーティングされたか、該タンパク質を包含するかまたは該タンパク質を含む、医学的移植デバイスを表す。いくつかの態様において、医学的移植デバイスは、トランスグルタミナーゼで連結可能なタンパク質でコーティングされる。「コーティングされた」は、トランスグルタミナーゼで連結可能なタンパク質が医学的移植デバイスの表面に適用されることを意味する。したがって、医学的移植デバイスは、トランスグルタミナーゼで連結可能なタンパク質を含む溶液を塗布または噴霧され得る。あるいは、医学的移植デバイスは、トランスグルタミナーゼで連結な可能タンパク質溶液中に浸漬され得る。

0161

トランスグルタミナーゼで連結可能なタンパク質は、共有結合または非共有結合により、医学的移植デバイス、例えば医学的移植デバイスの外表面に結合されることができる。一度医学的移植デバイスに結合されると、トランスグルタミナーゼで連結可能なタンパク質は、医学的移植デバイスを組織または臓器に付着させる手段を提供する。

0162

本明細書で使用される場合、「トランスグルタミナーゼにより架橋可能」という用語は、トランスグルタミナーゼの基質として作用するタンパク質またはポリペプチドを表す。

0163

したがって、トランスグルタミナーゼで架橋可能なタンパク質は、トランスグルタミナーゼ基質であるかまたはそれを含むものである。本明細書で使用される場合、「トランスグルタミナーゼ基質」という用語は、架橋のための適切なトランスグルタミナーゼ標的を含むペプチドまたはポリペプチド配列を表す。限定されることはないが、トランスグルタミナーゼで連結可能なタンパク質は、アルドラーゼA、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼホスホリラーゼキナーゼクリスタリングルタチオンS-トランスフェラーゼ、アクチン、ミオシン、トロポニン、β-チューブリン、タウ、rho、ヒストン、α-オキソグルタル酸デヒドロゲナーゼ、β-ラクトグロブリンシトクロム、赤血球バンドIII、CD38、アセチルコリンエステラーゼ、コラーゲン、エンタクチン、フィブロネクチン、フィブリン、絹、フィブロイン、フィブリノゲン、ビトロネクチンオステオポンチン、ニドゲン、ラミニンLTBP-1、オステオネクチン、オステオポンチン、オステオカルシントロンボスポンジン、サブスタンスP、ホスホリパーゼA2、ミッドカインコムギゼラチン、乳漿タンパク質カゼインダイズタンパク質エンドウレグミンカンジダアルビカンス(Candida albicans)表面タンパク質HIVエンベロープ糖タンパク質gp120およびgp41、HIVアスパルチルプロテイナーゼC型肝炎ウイルスコアタンパク質、トランスグルタミナーゼに結合することができるそれらの断片、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるトランスグルタミナーゼ基質であるものまたはそれを含むものである。いくつかの態様において、トランスグルタミナーゼで連結可能なタンパク質は、絹フィブロインまたはトランスグルタミナーゼにより架橋することができるその断片である。

0164

架橋のための適切なトランスグルタミナーゼ標的を含むペプチドおよびポリペプチド配列は、当技術分野で公知である。そのようなペプチドの非限定的な例は、例えば、米国特許第5,428,014号;同第5,939,385号;および同第7,208,171号に記載されており、これらのすべての内容を参照により本明細書に組み入れる。米国特許第5,428,014号は、生体適合性で生体接着性のトランスグルタミナーゼ架橋可能ポリペプチドを記載しており、トランスグルタミナーゼは、タンパク質に結合したグルタミニル残基のγ-カルボキサミド基とLys残基のε-アミノ基の間のアシル転移反応を触媒し、ε-(γ-グルタミル)リジンイソペプチド結合を形成することが公知であることが記載されている。米国特許第5,939,385号は、生体適合性で生体接着性のトランスグルタミナーゼ架橋可能ポリペプチドを記載している。

0165

米国特許第7,208,171号は、トランスグルタミナーゼ基質ペプチドの合理的設計について記載している。この設計手法は、トランスグルタミナーゼ架橋に使用可能なアシル受容体リジンペプチド基質アシル供与体グルタミニルペプチド基質の数を最大化することに基づくものであった。これ以降、LysおよびGlu基質ペプチドは、既知の生体高分子およびトランスグルタミナーゼの合成ペプチド基質の基本的特徴を有するように設計された。例えば、Glu基質ペプチドは、このペプチドがGlu反復の長さの増加とともにより良いトランスグルタミナーゼ基質となること、および2つまたはそれ以上の隣接するGlu残基を含むタンパク質が良い基質であることが知られているという証拠に基づき、2〜5個の連続するGlu残基を含むものとされた。Leu残基は、Glu特異性を有意に高めることが示されていたため、様々なペプチドにおいてC末端付近のGluに隣接して配置された。Lys基質ペプチドに関しては、ペプチドおよびタンパク質基質におけるリジン残基に隣接するアミノ酸の組成および配列が、アミン特異性に対する影響を有し得ることが示されていた。最後に、すべてのペプチドにおいて、Gly残基が、ペプチド・ポリマーコンジュゲートにおけるペプチドとポリマーの間のスペーサーとして機能し、それによってコンジュゲート中のペプチドが酵素により接近し易くなり得るよう、C末端側に追加された。

0166

医学的移植デバイスは、任意の生体適合性材料から製造することができる。本明細書で使用される場合、「生体適合性材料」という用語は、対象の生物学的組織に移植もしくはその付近に設置された場合に、時間とともに、感知できる程度に劣化せず、かつ、有意な免疫反応もしくは有害な組織反応、例えば毒性反応もしくは有意な刺激、を誘導しない、または、それが血液と接触した場合に、血液凝固もしくは凝集を誘導しない、任意のポリマー材料を表す。適切な生体適合性材料には、ポリイミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリビニルアルコールポリエチレンイミン、およびポリビニルアミンポリアクリレートポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ならびにポリスチレンの誘導体およびコポリマーが含まれる。

0167

いくつかの態様において、医学的移植デバイスは、炭水化物ポリマー、タンパク質、絹フィブロイン、ポリジメチルシロキサン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレートポリメチルメタクリレートポリウレタン塩化ポリビニル、ポリスチレンポリスルホン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、フッ化ポリビニリデンポリシリコンポリテトラフルオロエチレンポリスルホンアクリロニトリルブタジエンスチレンポリアクリロニトリルポリブタジエン、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(エーテルエーテルケトン)、ポリ(エチレングリコール)、スチレン-アクリロニトリル樹脂、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ポリビニルブチラール、二フッ化ポリビニリデン、ポリ(ビニルピロリドン)およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される材料から製造される。

0168

医学的移植デバイスは、生分解性材料、例えば生分解性ポリマーから製造することができる。本明細書で使用される場合、「生分解性」という用語は、生理学的条件下で分解産物に分解し得る材料を表す。そのような生理学的条件には、例えば、加水分解加水性の切断を通じた分解)、酵素触媒作用(酵素的分解)および機械的相互作用が含まれる。本明細書で使用される場合、「生分解性」という用語はまた、生理学的条件下で、宿主生物生体吸収される、すなわち宿主生物の生化学的システムの代謝産物となる分解産物に分解する物質を表す「生体吸収性」という用語を包含する。

0169

「生分解性ポリマー」という用語は、本明細書で使用される場合、少なくともその一部が生理学的条件下で分解するポリマーを表す。このポリマーは、したがって、生理学的条件下で部分的に分解されるまたは完全に分解されるものであり得る。

0170

例示的な生分解性ポリマーには、ポリ無水物、ポリヒドロキシ酪酸ポリオルトエステルポリシロキサンポリカプロラクトン、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、およびこれらのポリマーのモノマーから調製されるコポリマーが含まれるが、これらに限定されない。

0171

いくつかの態様において、医学的移植デバイスは、生体適合性で生分解性の材料から製造される。

0172

医学的移植デバイスを製造するのに使用することができる適切なポリマーには、炭水化物ポリマー;絹;グリコサミノグリカン;フィブリン;ポリエチレングリコール(PEG);C2〜C4ポリアルキレングリコール(例えば、プロピレングリコール);ポリヒドロキシエチルメタクリレート;ポリビニルアルコール;ポリアクリルアミド;ポリ(N-ビニルピロリドン);ポリグリコール酸PGA);ポリ乳酸-co-グリコール酸(PLGA);ポリe-カプロラクトン(PCL);ポリエチレンオキシド;ポリプロピレンフマレート(PPF);ポリアクリル酸(PAA);加水分解ポリアクリロニトリル;ポリメタクリル酸ポリエチレンアミン;ポリ無水物;ポリヒドロキシ酪酸;ポリオルトエステル;ポリシロキサン;ポリカプロラクトン;ポリ(乳酸-co-グリコール酸);ポリ(乳酸);ポリ(グリコール酸);アルギン酸;アルギン酸エステルペクチン酸;ペクチン酸エステル;カルボキシメチルセルロース;ヒアルロン酸;ヒアルロン酸エステル;ヘパリン;ヘパリン硫酸;キトサン;カルボキシメチルキトサン;キチン;プルランジェランキサンタン;コラーゲン;カルボキシメチルデンプンカルボキシメチルデキストランコンドロイチン硫酸カチオン性グアーカチオン性デンプン、ならびにそれらの塩およびエステル、からなる群より選択されるポリマーの1つまたは混合物が含まれるが、これらに限定されない。

0173

いくつかの態様において、医学的移植デバイスは、炭水化物ポリマーから製造される。1つの態様において、炭水化物ポリマーは、キトサンまたはその誘導体である。

0174

いくつかの態様において、医学的移植デバイスは、トランスグルタミナーゼで連結可能なタンパク質から製造される。

0175

いくつかの態様において、医学的移植デバイスは、本明細書に記載される複合材料から製造される。

0176

任意で、創傷治癒物質も、対象に投与され得る。いくつかの態様において、医学的移植デバイスは、創傷治癒物質を含む。理論に拘束されることを望まないが、創傷治癒物質は、時間と共に医学的移植デバイスから放出され得る。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ