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技術 外科手術用手技光干渉断層計及び関連するシステム及びその方法

出願人 バイオプティジェン,インコーポレイテッド
発明者 エリックエル.バックランドアル-ハフィーズダラロバートエイチ.ハート
出願日 2018年5月9日 (2年9ヶ月経過) 出願番号 2018-090993
公開日 2018年11月8日 (2年3ヶ月経過) 公開番号 2018-171453
状態 未査定
技術分野 眼耳の治療、感覚置換
主要キーワード 基礎寸法 選択グリッド 機能的形状 導出構造 代替レンズ 後方反射鏡 網膜イメージ 中間区間
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

光干渉断層計を用いた画像誘導外科手術システムおよび方法を提供する。

解決手段

光干渉断層計(OCT)を使用して外科手技を実行する方法は、外科手技に対して被検体配向するステップと、外科手術領域の初期構造像を構築するステップと、光干渉断層計画像から導出されるデータを使用して、外科手技の成果を評価するためのエンドポイントとして関連する少なくとも1つの臨床パラメタを計算するステップと、外科手術プロセスを周期的に評価して、外科手技に関連する臨床成果を監視するステップと、周期的な評価及び/又は監視に基づき、外科手技に対する外科手術計画修正の要否を判定するステップと、修正が必要な場合に外科手術計画を修正するステップと、修正不要と判定されるまで評価、監視、決定及び修正を繰り返すステップとを有する。

概要

背景

外科用顕微鏡は、拡大された手術視野外科医に提供するデバイスである。眼外科用顕微鏡とは、一般に外科医のための双眼表示域を備えたステレオズーム式顕微鏡であり、多くは外科医に対して90度の1つ又は2つ(左右)の観察用表示域を備えている。顕微鏡の対物レンズ患者眼球表面との間の作業距離は、外科医に対して十分な処置領域を与えるために約100mm〜200mmの範囲にある。

この外科用顕微鏡は、被検体に対する明瞭な光学的表示域を提供するために、均一な照明と正確な色温度とを用いて調整される。ステレオ顕微鏡は、空間感覚トポグラフィを外科医に提供するために視差度を利用している。場合によってはトポグラフィの強調のために染料も使用される。またハイビジョン映像も、映像の明瞭化を向上させるために外科用顕微鏡に使用される。娯楽分野から採用されたトポグラフィ3Dビデオ技術、例えば偏波ダイバーシティステレオスコープ技法は、今日では深度感覚の向上のために追加されている。

そのような外科用立体顕微鏡は、表面の可視化に限定される。光干渉断層計OCT)は、今日では透光性表面下イメージングに対して十分に確立された技術である。高解像度OCTは、高精細な3D手術用立体顕微鏡の表面視野に対して相補的な表面下構造を観察する機能を備えている。光干渉断層計(OCT)は、網膜診断における治療標準であり、角膜イメージングにおいても何らかの使用が見いだされ、また計測型OCTは術中イメージングにおいての使用が開始されたばかりである。バイオティゲン社は、麻酔下の患者イメージングに対するFDA認可されたハンドヘルド眼科手術用OCTシステムを提供している。この装置はハンドヘルドでの使用が見いだされ、網膜手術角膜移植手術も含めた眼科手術中の構造イメージングのための機能を搭載し、外科医の顕微鏡映像化を補助している。

OCTは、現在、特定の眼科手術用レーザシステムにも組み込まれている。OCTは、オプティメディカ社のフェムト秒レーザ白内障FLAC:femtosecond laser assisted cataract)外科手術システムやLensXなどに組み込まれ、手術用レーザ照準をし易くするための誘導装置として、水晶体までの測距データを提供している。但し現時点では、この測距機能が、外科手技に対するOCT応用の限界である。

概要
本発明の有利な実施形態では、光干渉断層計(OCT)を使用して、外科手技を実行する方法が提供される。この方法は、以下のステップを含んでいる。すなわち、
外科手技に対して被検体を配向するステップであって、この配向には既知の配向非対称性を有する構造を含んだ被験体の領域をイメージングすることと、この構造の有無及び位置についてこの画像を検査することと、既知の配向非対称性を有する上記構造のOCT画像を使用して被検体の適正な配向を確認することとが含まれているステップと、OCTを使用して前記被験体の外科手術領域の少なくとも1つの画像を取得し、この科手術領域初期構造像を構築するステップと、OCT画像から導出されるデータを使用して、外科手技の成果を評価するためのエンドポイントとして関連する少なくとも1つの臨床パラメタを計算するステップと、外科手術領域OCTの構造像から導出したOCTの変化又は少なくとも1つのOCT画像から導出される上記の計算された臨床パラメタの変化を用いて、外科的プロセスを周期的に評価して、外科手技に関連した臨床成果を監視するステップと、周期的な評価及び/又はモニタリングに基づき、外科手術に対する外科手術計画修正しなければならないか否かを判定するステップと、修正が必要であると判定された場合に前記外科手技に対する外科手術計画を修正するステップと、修正が必要でないと判定されるまで、評価、監視、決定及び修正を繰り返すステップとを含んでいる。

本発明のコンセプトの別の実施形態では、被験体に対する外科手手技を終了する前に、少なくとも1つのOCT画像から導出される、計算した臨床パラメタを目標値に対して検査ことにより、この外科手術の最終的な臨床結果成果を評価する。

本発明のコンセプトのさらに別の実施形態では、外科手術計画の修正を必要としないという判定に続いて、外科手術創傷の少なくとも1つのOCT画像を取得し、外科手技に関連する外科手術部位の創傷健全性を評価する。

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態では、最終的な臨床成果の評価及び創傷健全性が満足の行く状態である場合に、創傷健全性の評価に続いて外科手技を終了する。なお少なくとも1つのOCT画像から導出される少なくとも1つの計算した臨床パラメタを含めてこの外科手技に対するレポートを作成してもよい。

さらなる実施形態では、外科手技に対して計算される臨床パラメタには、角膜の厚さ、角膜の曲率レンズの厚さ、レンズの曲率、角膜の屈折力、レンズの屈折力、虹彩角膜角強膜の厚さ、結膜の厚さ、光軸の方向、屈折収差の向き、浮腫の厚さ、組織又は涙液膜の長さ、外科手術切開幅、術野内の外科手術組織片マップ又は個数移植機器周囲組織との間の接触度のマップ又は測定値隣接構造又は光軸又は物理的軸を基準とした移植機器の方向が含まれていてもよい。これらのパラメタは、少なくとも1つのOCT画像から導出される測定値から計算される。

さらに別の実施形態では、前記外科手技は、被験体の眼に関連する。この外科手技は、白内障手術又は角膜手術であってもよい。また前記外科手技は、網膜手術であってもよく、あるいは前記外科手技術は、緑内障手術であってもよい。

幾つかの実施形態では、手技に対する被検体の配向には、眼の配向に使用するため、OCTを用いて被検体の眼の一部分の広角視野像を取得することと、検査中の眼が右眼であるか左眼であるか確認する、少なくとも1つのOCT画像内に見え配向性対称生理学的構造識別することと、少なくとも1つのOCT画像から導出したデータを使用して被験体の眼のイメージングされた部分の表すグラフィック表示を形成し、外科手技を実行している外科医に前記グラフィック表示を表示することが含まれる。なおこのグラフィック表示には、外科手技を実行している外科医を眼の方向に配向する少なくとも1つのグラフィック要素が含まれている。

さらなる実施形態では、眼の構造像の取得には、被検体の構造マップを作成することが含まれており、この構造マップの作成には、被験体の眼全体にわたって複数のOCT画像を取得することと、複数のOCT画像において識別した眼の構造の境界を区別するために前記取得されたOCT画像にセグメンテーションアルゴリズムを適用することと、眼の構造に関連した臨床パラメタを計算することとが含まれる。

さらに別の実施形態では、臨床パラメタの計算には、角膜、レンズ、又は、角膜およびレンズの組み合わせのケラメトリック値を計算すること、及び、角膜、レンズ、又は角膜とレンズの組み合わせの収差測定マップを計算することのうちの1つまたは複数が含まれる。

幾つかの実施形態では、本方法はさらに、外科手技を実行する外科医が使用するため、の眼のケラトメトリック評価に基づいて複数のグラフィック集合を提供することを含む。このグラフィックスの集合には、外科医の眼の視像に位置合わせされたen face投影、3次元画像及びワイヤフレームモデルのうちの少なくとも1つが含まれる。

さらなる実施形態では、被検体の構造マップの取得に続いて、OCT計算処方箋を提供するため、OCTデータに基づいて、球面、円柱面及び円環面の配向を含む屈折予測し、OCT計算処方をグラフィックディスプレイ上で外科手技を実行する外科医に表示し、元々の処方と、OCT計算処方とを比較し、グラフィックディスプレイ上で外科医に比較結果を示し、これによってこの外科医が、当該比較に基づいて最終的な処方にアクセスできるようにする。

さらに別の実施形態では、OCTを用いた嚢切開の実行には、眼のレンズのOCT画像を取得することと、取得したOCT画像から導出した、嚢切開の目標サイズ目標形状目標位置および現在の形状をグラフィカルディスプレイ上に表示することと、外科手技を実行する外科医にガイダンスを提供するため、嚢切開の目標形状及び現在の形状とに基づいたグラフィカルディスプレイ上にエラー機能を表示することとが含まれていてもよい。

幾つかの実施形態では、前記エラー機能が予め定められた閾値を上回った場合に警報音を発してもよい。

さらに別の実施形態では、本方法は、さらに、水晶体波細法を行うことを含んでいてもよい。この場合の超水晶体波細法は、断続的または連続的に眼の複数のOCT画像を取得して、外科手技を実行する外科医が手技中にリスクと異常を評価できるようにすることを含む。

さらに別の実施形態において、本方法は上皮細胞の識別することを含むことができ、この上皮細胞の識別には、眼の後の高密度OCTスキャンを取得し、後嚢の前面を識別するために高密度画像をセグメンテーションし、水晶体嚢からの距離に依存して、残存している上皮細胞又は組織片を識別し、外科手技を実行する外科医に残存している細胞が存在することを表示する。

幾つかの実施形態において本方法には、配向をガイドするため、OCTを使用して眼内レンズ(IOL:inter ocular lens)を配向することがさらに含まれる。

別の実施形態によれば、本方法には、OCTを用いて眼内圧(IOP:Intraocular pressure)を管理が含まれる。この眼内圧の管理は、手術前の角膜の形状と、手術中又は手術後の角膜の形状を比較することを含む。

さらに別の実施形態で、光干渉断層計(OCT)を用いて外科手術を実行するためのシステムが提供される。このシステムは、プロセッサと、このプロセッサに接続されたメモリとからなり、このメモリにはコンピュータ可読プログラムコードが含まれ、このプログラムコードは、プロセッサによって実行されるときに、以下の処理をプロセッサに実行させる。すなわち、外科手技用に被検体を配向する処理であって、この配向には、既知の配向非対称性を有する構造を含む被験体の領域をイメージングすることと、前記構造の有無及び位置についてこの画像を検査することと、既知の配向非対称性を有する構造のOCT画像を使用して被検体の適正な配向の確認することと含まれている処理と、OCTを使用して前記被験体の外科手術領域の少なくとも1つの画像を取得し、当該外科手術領域の初期構造像を構築する処理と、OCT画像から導出されるデータを使用して、外科手技の成果を評価するためのエンドポイントとして関連する少なくとも1つの臨床パラメタを計算する処理と、外科手術領域OCTのOCT導出構造像の複数における変化又は少なくとも1つのOCT画像から導出される、計算した臨床パラメタにおける変化を用いて、外科手術プロセスを周期的に評価して、外科手技に関連した臨床成果を開始する処理と、前記周期的な評価及び/又はモニタリングに基づき、外科手技に対する外科手術計画を変更しなければならないか否かを判定する処理と、修正が必要であると判定された場合に前記外科手技に対する外科手術計画を修正する処理と、修正が必要でないと判定されるまで前記評価、監視、決定および修正を繰り返す処理とをプロセッサに実行させる。

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態では、光干渉断層計(OCT)を使用して外科手技を実行するためのコンピュータプログラム製品が提供される。このコンピュータプログラム製品は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を有しており、この記憶媒体にはコンピュータ可読プログラムコードが実現されており、このコンピュータ可読プログラムコードには以下が含まれている。すなわち、外科手術に対して被検体を配向するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードで含まれており、配向ために構成されたこのコンピュータ可読プログラムコードは、既知の配向非対称性を有する構造を含んだ被験体領域のイメージングし、前記構造の有無及び位置について画像を検査し、既知の配向非対称性を有する構造のOCT画像を使用して被検体の適正な配向を確認するように構成されており、さらにOCTを使用して前記被験体の外科手術領域の少なくとも1つの画像を取得し、当該外科手術領域の初期構造像を構築するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、OCT画像から導出されるデータを使用して、外科手技の成果を評価するためのエンドポイントとして関連する少なくとも1つの臨床パラメタを計算するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、外科手術領域OCTのOCT導出構造視体像の変化又は少なくとも1つのOCT画像から導出される計算した臨床パラメタの変化を用いて、外科的プロセスを周期的に評価し、外科手技に関連する臨床成果を監視するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、前記周期的な評価及び/又は監視に基づき、外科手技に対する外科手術計画を修正しなければならないか否かを判定するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、修正が必要であると判定された場合に前記外科手技に対する外科手術計画を修正するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、修正が必要でないと判定されるまで評価、監視及び修正を繰り返すように構成されたコンピュータ可読プログラムコードとが含まれている。

本発明のコンセプトのさらなる実施形態により、光干渉断層計(OCT)を用いて外科手技を実行する方法が提供され、この方法は、患者の眼の水晶体嚢内からレンズ状物質摘出するステップと、水晶体嚢内からレンズ状物質の大部分を摘出した後、水晶体嚢内側領域の少なくとも1つのOCT画像を取得するステップと、水晶体嚢の内部に残存している細胞用組織片の有無を少なくとも1つのOCT画像から決定するステップと、水晶体嚢の内部から残存している細胞用組織片の少なくとも一部分を摘出するステップとを含んでいる。

本発明のコンセプトのさらに別の実施形態では、前記細胞様組織片の有無在を決定するステップに、グラフィカルディスプレイ上の手術領域視野内に細胞破片の位置を表示することが含まれ得る。

また幾つかの実施形態によれば、細胞様組織片の少なくとも一部を摘出するステップに、少なくとも1つの付加的なOCT画像を取得することと、当該少なくとも1つの付加的OCT画像から、細胞様組織片の残存を決定することが続けられてもよい。

本発明のコンセプトのさらなる実施形態によれば、光干渉断層計(OCT)を用いて外科手技を実行する次のような方法が提供され、この方法は、患者の眼の水晶体嚢内からレンズ状物質を摘出するステップと、水晶体嚢からレンズ状物質を摘出した後、水晶体嚢内に代替レンズを配置するステップと、水晶体嚢内の代替レンズの配置を視覚化する複数のOCT画像を取得するステップと、代替レンズの後面と、水晶体嚢の後部分との接触度を前記複数のOCT画像から決定するステップとを含んでいる。

さらに別の実施形態によれば、代替レンズの後面と水晶体嚢の後部分との接触度を決定するステップには、代替レンズの後面と、後水晶体嚢の接触の円周状の境界を表示させるグラフィカルディスプレイを使用することが含まれていてもよい。

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態によれば、代替レンズと水晶体嚢との接触度を決定するステップに続いて、水晶体嚢内の代替レンズの配置を調整するための外科手技を実行してもよい。

本発明の態様のさらなる実施形態によれば、光干渉断層計(OCT)を用いて、眼内レンズ(IOL)を処方するための方法が提供され、この方法には、取得したOCTデータと、球面、円柱面及び円環面配向のうちの少なくとも1つを含む屈折と目標屈折を計算するステップと、外科手技を実行する外科医に対し、OCT計算目標屈折および配向をグラフィカルディスプレイ上に表示するステップと、OCT計算目標屈折と元々の屈折とをグラフィカルディスプレイ上比較するステップと、グラフィカルディスプレイ上に表示された情報に基づいて最終的な処方を決定するステップとが含まれる。

さらに別の実施形態によれば、前記グラフィカルディスプレイは、en face科医コンパスビューを含んでいてもよい。

幾つかの実施形態によれば、外科手技のレポートが作成されてもよい。

概要

光干渉断層計を用いた画像誘導外科手術システムおよび方法を提供する。光干渉断層計(OCT)を使用して外科手技を実行する方法は、外科手技に対して被検体を配向するステップと、外科手術領域の初期構造像を構築するステップと、光干渉断層計画像から導出されるデータを使用して、外科手技の成果を評価するためのエンドポイントとして関連する少なくとも1つの臨床パラメタを計算するステップと、外科手術プロセスを周期的に評価して、外科手技に関連する臨床成果を監視するステップと、周期的な評価及び/又は監視に基づき、外科手技に対する外科手術計画を修正の要否を判定するステップと、修正が必要な場合に外科手術計画を修正するステップと、修正不要と判定されるまで評価、監視、決定及び修正を繰り返すステップとを有する。B

目的

この外科用顕微鏡は、被検体に対する明瞭な光学的表示域を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

光干渉断層計OCT:optical coherenece tomography)を使用して外科手技を実行する方法において、該方法は、前記外科手技に対して被検体配向するステップであって、当該配向に既知の配向非対称性を有する構造を含んだ前記被検体の領域をイメージングすることと、前記構造の有無及び位置について当該画像を検査することと、前記既知の配向非対称性を有する前記構造の光干渉断層計画像を使用して前記被検体の適正な配向を確認することとが含まれているステップと、光干渉断層計を使用して前記被検体の外科手術領域の少なくとも1つの画像を取得し、当該外科手術領域の初期構造像を構築するステップと、光干渉断層計画像から導出されるデータを使用して、前記外科手技の成果を評価するためのエンドポイントとして関連する少なくとも1つの臨床パラメタを計算するステップと、前記外科手術領域光干渉断層計の前記光干渉断層計導出構造像における変化又は少なくとも1つの前記光干渉断層計画像から導出される前記計算した臨床パラメタにおける変化を用いて、外科手術プロセスを周期的に評価して、前記外科手技に関連する臨床成果を監視するステップと、前記周期的な評価及び/又は監視に基づき、前記外科手技に対する外科手術計画修正しなければならないか否かを判定するステップと、修正が必要であると判定された場合に前記外科手技に対する前記外科手術計画を修正するステップと、修正が必要でないと判定されるまで評価、監視、決定及び修正を繰り返すステップとを有することを特徴とする方法。

請求項2

前記繰り返しのステップに、前記被検体に対する前記外科手技を終了する前に、前記少なくとも1つの光干渉断層計画像から導出される、計算した臨床パラメタを目標値に対して検査することにより、前記外科手技の最終的な臨床成果を評価するステップが続く、請求項1に記載の方法。

請求項3

外科手術計画の修正が必要ないという判定に続いて、外科手術創傷の少なくとも1つの光干渉断層計画像を取得し、前記外科手技に関連する外科手術部位の創傷健全性を評価する、請求項1に記載の方法。

請求項4

最終的な臨床成果の前記評価及び前記創傷健全性が満足の行く状態である場合、創傷健全性の評価に続いて前記外科手技を終了する、請求項3に記載の方法。

請求項5

前記外科手技に対するレポートを作成するステップをさらに備えており、前記レポートには、少なくとも1つの光干渉断層計画像から導出した少なくとも1つの計算した臨床パラメタが含まれている、請求項3に記載の方法。

請求項6

前記外科手技に対する臨床パラメタの計算には、角膜の厚さ、角膜の曲率レンズの厚さ、レンズの曲率、角膜の屈折力、レンズの屈折力、虹彩角膜角強膜の厚さ、結膜の厚さ、光軸の方向、屈性収差の方向、浮腫の厚さ、組織膜又は涙液膜の長さ、外科手術切開の幅、術野内の外科手術組織片マップ及び個数移植機器周囲組織との間の接触度のマップ又は測定値隣接構造又は光軸又は物理軸を基準にした移植機器の配向のうちの少なくとも1つの計算することが含まれ、前記計算には、少なくとも1つの光干渉断層計画像から導出した複数の測定値を計算することが含まれる、請求項1に記載の方法。

請求項7

前記外科手技は、前記被検体の眼に関連している、請求項1に記載の方法。

請求項8

前記外科手技は、白内障手術又は角膜手術である、請求項6に記載の方法。

請求項9

前記外科手技は、網膜手術である、請求項6に記載の方法。

請求項10

前記外科手技は、緑内障手術である、請求項6に記載の方法。

請求項11

前記手技に対する前記被検体の配向には、眼の配向に使用するため、光干渉断層計を用いて前記被検体の前記眼の一部分の広角視野像を取得し、検査中の眼が右眼であるか左眼であるかを確認する、少なくとも1つの光干渉断層計画像内に見え配向性対称生理学的構造識別し、前記少なくとも1つの光干渉断層計画像から導出したデータを使用して前記被検体の前記眼のイメージングされた部分を表すグラフィック表示を形成し、前記外科手技を実行している外科医に前記グラフィック表示を表示し、当該グラフィック表示には、前記外科手技を実行している外科医を前記眼の方向に配向する少なくとも1つのグラフィック要素が含まれている、請求項7に記載の方法。

請求項12

前記眼の前記構造像の取得には、前記被検体の構造マップを作成することが含まれており、当該構造マップの作成には、前記被検体の前記眼全体にわたって複数の光干渉断層計画像を取得することと、当該複数の光干渉断層計画像において識別した前記眼の複数の構造の境界を区別するために前記取得した光干渉断層計画像にセグメンテーションアルゴリズムを適用することと、前記眼の構造に関連した臨床パラメタを計算することとが含まれている、請求項7に記載の方法。

請求項13

臨床パラメタの計算には、角膜、レンズ、又は、角膜とレンズとの組み合わせのケラメトリック値を計算すること、及び角膜、レンズ、又は、角膜とレンズとの組み合わせの収差測定マップを計算することのうちの1つ又は複数が含まれている、請求項11に記載の方法。

請求項14

前記外科手技を実行する前記外科医が使用するため、前記眼の前記ケラトメトリック評価に基づいて複数のグラフィック集合を提供し、当該グラフィックの集合には、前記外科医の前記眼の視像に位置合わせされたen face投影、3次元画像及びワイヤフレームモデルのうちの少なくとも1つが含まれる、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記被検体の構造マップの取得に続いて、光干渉断層計算処方を提供するため、光干渉断層計データに基づいて、球面、円柱面及び円環面の配向を含めた屈折予測し、前記光干渉断層計算処方をグラフィックディスプレイ上で前記外科手技を実行する外科医に示し、元々の処方と、前記光干渉断層計計算処方とを比較し、グラフィックディスプレイ上で前記外科医に比較結果を示し、これによって当該外科医が当該比較に基づいて最終的な処方にアクセスできるようにする、請求項7に記載の方法。

請求項16

さらに嚢切開を実行することが含まれており、光干渉断層計を使用した嚢切開の実行には、前記眼のレンズの光干渉断層計画像を取得することと、当該取得した光干渉断層計画像から導出した、前記嚢切開の目標サイズ目標形状目標位置及び現在の形状をグラフィックディスプレイ上に表示することと、前記外科手技を実行する外科医にガイダンスを提供するため、前記嚢切開の前記目標形状及び前記現在の形状に基づいて前記グラフィックディスプレイ上にエラー機能を表示することとが含まれている、請求項7に記載の方法。

請求項17

前記エラー機能が予め定めた閾値を上回った場合に警報音を発することがさらに含まれる、請求項11に記載の方法。

請求項18

水晶体波細法を実行することがさらに含まれており、水晶体波細法には、断続的又は連続的に前記眼の複数の光干渉断層計画像を取得して、前記外科手技を実行する外科医が前記手技中にリスク及び異常を評価できるようにすることが含まれている、請求項7に記載の方法。

請求項19

上皮細胞を識別することがさらに含まれており、上皮細胞の識別には、前記眼の後の高密度光干渉断層計スキャンを取得することと、前記後嚢の前面を識別するために前記高密度画像をセグメンテーションすることと、水晶体嚢からの距離に依存して、残存している上皮細胞又は組織片を識別することと、前記外科手技を実行する外科医に前記残存している細胞が存在することを表示することとが含まれる、請求項7に記載の方法。

請求項20

配向をガイドするため、光干渉断層計を使用して眼内レンズ(IOL:inter ocular lens)を配向することがさらに含まれている、請求項7に記載の方法。

請求項21

光干渉断層計を使用して眼内圧(IOP:Intraocular pressure)を管理することがさらに含まれ、眼内圧の管理には、外科手術前の角膜の形状と、外科手術中又は外科手術後の角膜の形状とを比較することが含まれる、請求項7に記載の方法。

請求項22

光干渉断層計(OCT)を使用して外科手技を実行するためのシステムにおいて、該システムは、プロセッサと、当該プロセッサに接続されたメモリとからなり、当該メモリは、コンピュータ可読プログラムコードが含まれ、当該プログラムコードは、前記プロセッサによって実行されたときに、以下の処理を当該プロセッサに実行させる、すなわち、前記外科手技用に被検体を配向する処理であって、当該配向には、既知の配向非対称性を有する構造を含む前記被検体の領域をイメージングすることと、前記構造の有無及び位置について当該画像を検査することと、前記既知の配向非対称性を有する前記構造の光干渉断層計画像を使用して前記被検体の適正な配向を確認することとが含まれている処理と、光干渉断層計を使用して前記被検体の外科手術領域の少なくとも1つの画像を取得し、当該外科手術領域の初期構造像を構築する処理と、前記光干渉断層計画像から導出されるデータを使用して、前記外科手技の成果を評価するためのエンドポイントとして関連する少なくとも1つの臨床パラメタを計算する処理と、前記外科手術領域光干渉断層計の前記光干渉断層計導出構造像の複数における変化又は少なくとも1つの前記光干渉断層計画像から導出される前記計算した臨床パラメタにおける変化を用いて、外科手術プロセスを周期的に評価して、前記外科手技に関連する臨床成果を監視する処理と、前記周期的な評価及び/又は監視に基づき、前記外科手技に対する外科手術計画を修正しなければならないか否かを判定する処理と、修正が必要であると判定された場合に前記外科手技に対する前記外科手術計画を修正する処理と、修正が必要でないと判定されるまで評価、監視、決定及び修正を繰り返す処理とが含まれている、ことを特徴とする、光干渉断層計を使用して外科手技を実行するためのシステム。

請求項23

光干渉断層計(OCT)を使用して外科手技を実行するためのコンピュータプログラム製品において、該コンピュータプログラム製品は、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を有しており、該記憶媒体にはコンピュータ可読プログラムコードが実現されており、前記コンピュータ可読プログラムコードには以下が含まれており、すなわち、前記外科手技に対して前記被検体を配向するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードが含まれており、配向のために構成された当該コンピュータ可読プログラムコードは、既知の配向非対称性を有する構造を含んだ前記被検体の領域をイメージングし、前記構造の有無及び位置について当該画像を検査し、既知の配向非対称性を有する構造の光干渉断層計画像を使用して前記被検体の適正な配向を確認するように構成されており、さらに、光干渉断層計を使用して前記被検体の外科手術領域の少なくとも1つの画像を取得し、前記外科手術領域の初期構造像を構築するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、前記光干渉断層計画像から導出されるデータを使用して、前記外科手技の成果を評価するためのエンドポイントとして関連する少なくとも1つの臨床パラメタを計算するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、前記外科手術領域光干渉断層計の前記光干渉断層計導出構造像の変化又は少なくとも1つの前記光干渉断層計画像から導出される前記計算した臨床パラメタの変化を用いて、外科手術プロセスを周期的に評価して、前記外科手技に関連する臨床成果を監視するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、前記周期的な評価及び/又は監視に基づき、前記外科手技に対する外科手術計画を修正しなければならないか否かを判定するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、修正が必要であると判定された場合に前記外科手技に対する前記外科手術計画を修正するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、修正が必要でないと判定されるまで評価、監視、決定及び修正を繰り返すように構成されたコンピュータ可読プログラムコードとを有する、ことを特徴とする光干渉断層計(OCT)を使用して外科手技を実行するためのコンピュータプログラム製品。

請求項24

光干渉断層計(OCT:optical coherenece tomography)を使用して外科手技を実行するための方法において、該方法は、患者の眼の水晶体嚢内からレンズ状物質摘出するステップと、前記水晶体嚢内からレンズ状物質の大部分を摘出した後、当該水晶体嚢の内部領域の少なくとも1つの光干渉断層計画像を取得するステップと、前記水晶体嚢の内部に残存している細胞様組織片の有無を前記少なくとも1つの光干渉断層計画像から決定するステップと、前記水晶体嚢の内部から前記残存している細胞様組織片の少なくとも一部分を摘出するステップを有する、ことを特徴とする、OCTを使用して外科手技を実行するための方法。

請求項25

前記細胞様組織片の有無の決定するステップには、グラフィックディスプレイ上の外科手術視野内の細胞様組織片の位置を表示することが含まれる、請求項24に記載の方法。

請求項26

前記細胞様組織片の少なくとも一部分を摘出するステップには、少なくとも1つの付加的な光干渉断層計画像を取得することと、前記少なくとも1つの付加的な光干渉断層計画像から、細胞様組織片の残存を決定することとが続く、請求項24に記載の方法。

請求項27

光干渉断層計(OCT:optical coherence tomography)を使用した外科手技を実行するための方法において、該方法には、患者の眼の水晶体嚢内からレンズ状物質を摘出するステップと、前記水晶体嚢内から前記レンズ状物質を摘出した後、前記水晶体嚢内に代替レンズを配置するステップと、前記水晶体嚢内の前記代替レンズの前記配置を視覚化する複数の光干渉断層計画像を取得するステップと、前記代替レンズの後面と、前記水晶体嚢の後部分との接触度を前記複数の光干渉断層計画像から決定するステップとが含まれる、ことを特徴とする、外科手技を実行するための方法。

請求項28

前記代替レンズの前記後面と、前記水晶体嚢の後部分との接触度を決定するステップには、前記代替レンズの後面と、前記後水晶体嚢との接触の円周状の境界を表示するグラフィックディスプレイを使用することが含まれている、請求項27に記載の方法。

請求項29

前記水晶体嚢内における前記代替レンズとの接触度を決定するステップに続いて、前記水晶体嚢内の前記代替レンズの配置を調整するための外科手技を実行する、請求項28に記載の方法。

請求項30

光干渉断層計(OCT:optical coherence tomography)を使用して眼内レンズ(IOL:inter-ocular lens)を処方するための方法において、該方法は、取得した光干渉断層計データと、球面、円柱面及び円環面配向のうちの少なくとも1つを含む屈折とから目標屈折を計算するステップと、外科手技を実行する外科医に対し、光干渉断層計算目標屈折及び配向を表グラフィックディスプレイ上に表示するステップと、前記計算処方と、元々の処方とを前記グラフィックディスプレイ上で比較するステップと、前記グラフィックディスプレイ上に表示された情報に基づいて最終的な処方を決定するステップとが含まれる、ことを特徴とする方法。

請求項31

前記グラフィックディスプレイには、en face外科医コンパスビューが含まれる、請求項30に記載の方法。

請求項32

前記外科手技のレポートを作成することをさらに含む、請求項30に記載の方法。

技術分野

0001

優先権の主張
本出願は、2013年7月29日に出願された米国仮特許出願第61/859,465号(代理人整理番号第9526−47PR)、2013年12月10日に出願された米国仮特許出願第61/914,099号(代理人整理番号第9526−47PR2)、2014年4月25日に出願された米国仮特許出願第61/984,062号(代理人整理番号第9526−47PR3)の優先権を主張するものであり、これによってそれらの開示内容も参照により全体として本明細書に組み込まれる。

0002

政府支援表明
本発明のコンセプトは、国立衛生研究所並びに国立眼医学研究所による助成申請ID R44EY018021−03の下でその一部は政府支援で賄われている。従って米国政府は、本発明のコンセプトに関し一定の権利を有する。

0003

本発明は、画像誘導外科手術、画像誘導眼科手術、画像誘導白内障及び角膜手術に関し、詳細には、光干渉断層計OCT:optical coherence tomography)を用いた画像誘導外科手術に関する。

背景技術

0004

外科用顕微鏡は、拡大された手術視野外科医に提供するデバイスである。眼外科用顕微鏡とは、一般に外科医のための双眼表示域を備えたステレオズーム式顕微鏡であり、多くは外科医に対して90度の1つ又は2つ(左右)の観察用表示域を備えている。顕微鏡の対物レンズ患者眼球表面との間の作業距離は、外科医に対して十分な処置領域を与えるために約100mm〜200mmの範囲にある。

0005

この外科用顕微鏡は、被検体に対する明瞭な光学的表示域を提供するために、均一な照明と正確な色温度とを用いて調整される。ステレオ顕微鏡は、空間感覚トポグラフィを外科医に提供するために視差度を利用している。場合によってはトポグラフィの強調のために染料も使用される。またハイビジョン映像も、映像の明瞭化を向上させるために外科用顕微鏡に使用される。娯楽分野から採用されたトポグラフィ3Dビデオ技術、例えば偏波ダイバーシティステレオスコープ技法は、今日では深度感覚の向上のために追加されている。

0006

そのような外科用立体顕微鏡は、表面の可視化に限定される。光干渉断層計(OCT)は、今日では透光性表面下イメージングに対して十分に確立された技術である。高解像度OCTは、高精細な3D手術用立体顕微鏡の表面視野に対して相補的な表面下構造を観察する機能を備えている。光干渉断層計(OCT)は、網膜診断における治療標準であり、角膜イメージングにおいても何らかの使用が見いだされ、また計測型OCTは術中イメージングにおいての使用が開始されたばかりである。バイオティゲン社は、麻酔下の患者イメージングに対するFDA認可されたハンドヘルド眼科手術用OCTシステムを提供している。この装置はハンドヘルドでの使用が見いだされ、網膜手術や角膜移植手術も含めた眼科手術中の構造イメージングのための機能を搭載し、外科医の顕微鏡映像化を補助している。

0007

OCTは、現在、特定の眼科手術用レーザシステムにも組み込まれている。OCTは、オプティメディカ社のフェムト秒レーザ白内障(FLAC:femtosecond laser assisted cataract)外科手術システムやLensXなどに組み込まれ、手術用レーザ照準をし易くするための誘導装置として、水晶体までの測距データを提供している。但し現時点では、この測距機能が、外科手技に対するOCT応用の限界である。

0008

概要
本発明の有利な実施形態では、光干渉断層計(OCT)を使用して、外科手技を実行する方法が提供される。この方法は、以下のステップを含んでいる。すなわち、
外科手技に対して被検体を配向するステップであって、この配向には既知の配向非対称性を有する構造を含んだ被験体の領域をイメージングすることと、この構造の有無及び位置についてこの画像を検査することと、既知の配向非対称性を有する上記構造のOCT画像を使用して被検体の適正な配向を確認することとが含まれているステップと、OCTを使用して前記被験体の外科手術領域の少なくとも1つの画像を取得し、この科手術領域初期構造像を構築するステップと、OCT画像から導出されるデータを使用して、外科手技の成果を評価するためのエンドポイントとして関連する少なくとも1つの臨床パラメタを計算するステップと、外科手術領域OCTの構造像から導出したOCTの変化又は少なくとも1つのOCT画像から導出される上記の計算された臨床パラメタの変化を用いて、外科的プロセスを周期的に評価して、外科手技に関連した臨床成果を監視するステップと、周期的な評価及び/又はモニタリングに基づき、外科手術に対する外科手術計画修正しなければならないか否かを判定するステップと、修正が必要であると判定された場合に前記外科手技に対する外科手術計画を修正するステップと、修正が必要でないと判定されるまで、評価、監視、決定及び修正を繰り返すステップとを含んでいる。

0009

本発明のコンセプトの別の実施形態では、被験体に対する外科手手技を終了する前に、少なくとも1つのOCT画像から導出される、計算した臨床パラメタを目標値に対して検査ことにより、この外科手術の最終的な臨床結果成果を評価する。

0010

本発明のコンセプトのさらに別の実施形態では、外科手術計画の修正を必要としないという判定に続いて、外科手術創傷の少なくとも1つのOCT画像を取得し、外科手技に関連する外科手術部位の創傷健全性を評価する。

0011

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態では、最終的な臨床成果の評価及び創傷健全性が満足の行く状態である場合に、創傷健全性の評価に続いて外科手技を終了する。なお少なくとも1つのOCT画像から導出される少なくとも1つの計算した臨床パラメタを含めてこの外科手技に対するレポートを作成してもよい。

0012

さらなる実施形態では、外科手技に対して計算される臨床パラメタには、角膜の厚さ、角膜の曲率レンズの厚さ、レンズの曲率、角膜の屈折力、レンズの屈折力、虹彩角膜角強膜の厚さ、結膜の厚さ、光軸の方向、屈折収差の向き、浮腫の厚さ、組織又は涙液膜の長さ、外科手術切開幅、術野内の外科手術組織片マップ又は個数移植機器周囲組織との間の接触度のマップ又は測定値隣接構造又は光軸又は物理的軸を基準とした移植機器の方向が含まれていてもよい。これらのパラメタは、少なくとも1つのOCT画像から導出される測定値から計算される。

0013

さらに別の実施形態では、前記外科手技は、被験体の眼に関連する。この外科手技は、白内障手術又は角膜手術であってもよい。また前記外科手技は、網膜手術であってもよく、あるいは前記外科手技術は、緑内障手術であってもよい。

0014

幾つかの実施形態では、手技に対する被検体の配向には、眼の配向に使用するため、OCTを用いて被検体の眼の一部分の広角視野像を取得することと、検査中の眼が右眼であるか左眼であるか確認する、少なくとも1つのOCT画像内に見え配向性対称生理学的構造識別することと、少なくとも1つのOCT画像から導出したデータを使用して被験体の眼のイメージングされた部分の表すグラフィック表示を形成し、外科手技を実行している外科医に前記グラフィック表示を表示することが含まれる。なおこのグラフィック表示には、外科手技を実行している外科医を眼の方向に配向する少なくとも1つのグラフィック要素が含まれている。

0015

さらなる実施形態では、眼の構造像の取得には、被検体の構造マップを作成することが含まれており、この構造マップの作成には、被験体の眼全体にわたって複数のOCT画像を取得することと、複数のOCT画像において識別した眼の構造の境界を区別するために前記取得されたOCT画像にセグメンテーションアルゴリズムを適用することと、眼の構造に関連した臨床パラメタを計算することとが含まれる。

0016

さらに別の実施形態では、臨床パラメタの計算には、角膜、レンズ、又は、角膜およびレンズの組み合わせのケラメトリック値を計算すること、及び、角膜、レンズ、又は角膜とレンズの組み合わせの収差測定マップを計算することのうちの1つまたは複数が含まれる。

0017

幾つかの実施形態では、本方法はさらに、外科手技を実行する外科医が使用するため、の眼のケラトメトリック評価に基づいて複数のグラフィック集合を提供することを含む。このグラフィックスの集合には、外科医の眼の視像に位置合わせされたen face投影、3次元画像及びワイヤフレームモデルのうちの少なくとも1つが含まれる。

0018

さらなる実施形態では、被検体の構造マップの取得に続いて、OCT計算処方箋を提供するため、OCTデータに基づいて、球面、円柱面及び円環面の配向を含む屈折予測し、OCT計算処方をグラフィックディスプレイ上で外科手技を実行する外科医に表示し、元々の処方と、OCT計算処方とを比較し、グラフィックディスプレイ上で外科医に比較結果を示し、これによってこの外科医が、当該比較に基づいて最終的な処方にアクセスできるようにする。

0019

さらに別の実施形態では、OCTを用いた嚢切開の実行には、眼のレンズのOCT画像を取得することと、取得したOCT画像から導出した、嚢切開の目標サイズ目標形状目標位置および現在の形状をグラフィカルディスプレイ上に表示することと、外科手技を実行する外科医にガイダンスを提供するため、嚢切開の目標形状及び現在の形状とに基づいたグラフィカルディスプレイ上にエラー機能を表示することとが含まれていてもよい。

0020

幾つかの実施形態では、前記エラー機能が予め定められた閾値を上回った場合に警報音を発してもよい。

0021

さらに別の実施形態では、本方法は、さらに、水晶体波細法を行うことを含んでいてもよい。この場合の超水晶体波細法は、断続的または連続的に眼の複数のOCT画像を取得して、外科手技を実行する外科医が手技中にリスクと異常を評価できるようにすることを含む。

0022

さらに別の実施形態において、本方法は上皮細胞の識別することを含むことができ、この上皮細胞の識別には、眼の後の高密度OCTスキャンを取得し、後嚢の前面を識別するために高密度画像をセグメンテーションし、水晶体嚢からの距離に依存して、残存している上皮細胞又は組織片を識別し、外科手技を実行する外科医に残存している細胞が存在することを表示する。

0023

幾つかの実施形態において本方法には、配向をガイドするため、OCTを使用して眼内レンズ(IOL:inter ocular lens)を配向することがさらに含まれる。

0024

別の実施形態によれば、本方法には、OCTを用いて眼内圧(IOP:Intraocular pressure)を管理が含まれる。この眼内圧の管理は、手術前の角膜の形状と、手術中又は手術後の角膜の形状を比較することを含む。

0025

さらに別の実施形態で、光干渉断層計(OCT)を用いて外科手術を実行するためのシステムが提供される。このシステムは、プロセッサと、このプロセッサに接続されたメモリとからなり、このメモリにはコンピュータ可読プログラムコードが含まれ、このプログラムコードは、プロセッサによって実行されるときに、以下の処理をプロセッサに実行させる。すなわち、外科手技用に被検体を配向する処理であって、この配向には、既知の配向非対称性を有する構造を含む被験体の領域をイメージングすることと、前記構造の有無及び位置についてこの画像を検査することと、既知の配向非対称性を有する構造のOCT画像を使用して被検体の適正な配向の確認することと含まれている処理と、OCTを使用して前記被験体の外科手術領域の少なくとも1つの画像を取得し、当該外科手術領域の初期構造像を構築する処理と、OCT画像から導出されるデータを使用して、外科手技の成果を評価するためのエンドポイントとして関連する少なくとも1つの臨床パラメタを計算する処理と、外科手術領域OCTのOCT導出構造像の複数における変化又は少なくとも1つのOCT画像から導出される、計算した臨床パラメタにおける変化を用いて、外科手術プロセスを周期的に評価して、外科手技に関連した臨床成果を開始する処理と、前記周期的な評価及び/又はモニタリングに基づき、外科手技に対する外科手術計画を変更しなければならないか否かを判定する処理と、修正が必要であると判定された場合に前記外科手技に対する外科手術計画を修正する処理と、修正が必要でないと判定されるまで前記評価、監視、決定および修正を繰り返す処理とをプロセッサに実行させる。

0026

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態では、光干渉断層計(OCT)を使用して外科手技を実行するためのコンピュータプログラム製品が提供される。このコンピュータプログラム製品は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を有しており、この記憶媒体にはコンピュータ可読プログラムコードが実現されており、このコンピュータ可読プログラムコードには以下が含まれている。すなわち、外科手術に対して被検体を配向するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードで含まれており、配向ために構成されたこのコンピュータ可読プログラムコードは、既知の配向非対称性を有する構造を含んだ被験体領域のイメージングし、前記構造の有無及び位置について画像を検査し、既知の配向非対称性を有する構造のOCT画像を使用して被検体の適正な配向を確認するように構成されており、さらにOCTを使用して前記被験体の外科手術領域の少なくとも1つの画像を取得し、当該外科手術領域の初期構造像を構築するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、OCT画像から導出されるデータを使用して、外科手技の成果を評価するためのエンドポイントとして関連する少なくとも1つの臨床パラメタを計算するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、外科手術領域OCTのOCT導出構造視体像の変化又は少なくとも1つのOCT画像から導出される計算した臨床パラメタの変化を用いて、外科的プロセスを周期的に評価し、外科手技に関連する臨床成果を監視するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、前記周期的な評価及び/又は監視に基づき、外科手技に対する外科手術計画を修正しなければならないか否かを判定するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、修正が必要であると判定された場合に前記外科手技に対する外科手術計画を修正するように構成されたコンピュータ可読プログラムコードと、修正が必要でないと判定されるまで評価、監視及び修正を繰り返すように構成されたコンピュータ可読プログラムコードとが含まれている。

0027

本発明のコンセプトのさらなる実施形態により、光干渉断層計(OCT)を用いて外科手技を実行する方法が提供され、この方法は、患者の眼の水晶体嚢内からレンズ状物質摘出するステップと、水晶体嚢内からレンズ状物質の大部分を摘出した後、水晶体嚢内側領域の少なくとも1つのOCT画像を取得するステップと、水晶体嚢の内部に残存している細胞用組織片の有無を少なくとも1つのOCT画像から決定するステップと、水晶体嚢の内部から残存している細胞用組織片の少なくとも一部分を摘出するステップとを含んでいる。

0028

本発明のコンセプトのさらに別の実施形態では、前記細胞様組織片の有無在を決定するステップに、グラフィカルディスプレイ上の手術領域視野内に細胞破片の位置を表示することが含まれ得る。

0029

また幾つかの実施形態によれば、細胞様組織片の少なくとも一部を摘出するステップに、少なくとも1つの付加的なOCT画像を取得することと、当該少なくとも1つの付加的OCT画像から、細胞様組織片の残存を決定することが続けられてもよい。

0030

本発明のコンセプトのさらなる実施形態によれば、光干渉断層計(OCT)を用いて外科手技を実行する次のような方法が提供され、この方法は、患者の眼の水晶体嚢内からレンズ状物質を摘出するステップと、水晶体嚢からレンズ状物質を摘出した後、水晶体嚢内に代替レンズを配置するステップと、水晶体嚢内の代替レンズの配置を視覚化する複数のOCT画像を取得するステップと、代替レンズの後面と、水晶体嚢の後部分との接触度を前記複数のOCT画像から決定するステップとを含んでいる。

0031

さらに別の実施形態によれば、代替レンズの後面と水晶体嚢の後部分との接触度を決定するステップには、代替レンズの後面と、後水晶体嚢の接触の円周状の境界を表示させるグラフィカルディスプレイを使用することが含まれていてもよい。

0032

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態によれば、代替レンズと水晶体嚢との接触度を決定するステップに続いて、水晶体嚢内の代替レンズの配置を調整するための外科手技を実行してもよい。

0033

本発明の態様のさらなる実施形態によれば、光干渉断層計(OCT)を用いて、眼内レンズ(IOL)を処方するための方法が提供され、この方法には、取得したOCTデータと、球面、円柱面及び円環面配向のうちの少なくとも1つを含む屈折と目標屈折を計算するステップと、外科手技を実行する外科医に対し、OCT計算目標屈折および配向をグラフィカルディスプレイ上に表示するステップと、OCT計算目標屈折と元々の屈折とをグラフィカルディスプレイ上比較するステップと、グラフィカルディスプレイ上に表示された情報に基づいて最終的な処方を決定するステップとが含まれる。

0034

さらに別の実施形態によれば、前記グラフィカルディスプレイは、en face科医コンパスビューを含んでいてもよい。

0035

幾つかの実施形態によれば、外科手技のレポートが作成されてもよい。

図面の簡単な説明

0036

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態に即して使用される、外科用顕微鏡のブロック図
本発明のコンセプトの幾つかの実施形態に即して使用される、外科用顕微鏡の別のブロック図
15mmの全前眼部イメージを示す画像
コンタクトレンズを備えた角膜の高解像度断面を示す画像
人間の眼の種々の部分の図
本発明のコンセプトの幾つかの実施形態に即して作成されたスキャン
本発明のコンセプトの幾つかの実施形態に即して作成された別のスキャン
一般的な外科用イメージング手順における操作のフローチャート
本発明のコンセプトの実施形態に即した、白内障手順における一般的な操作のフローチャート
本発明のコンセプトの実施形態に即した、眼の配向における操作のフローチャート
本発明のコンセプトの実施形態に即した、眼の配向における操作の図
本発明のコンセプトの実施形態に即した、人間の眼のマッピングにおける操作のフローチャート
本発明のコンセプトの実施形態に即した、眼内レンズ(IOL)処方における操作のフローチャート
本発明のコンセプトの実施形態に即した、眼内レンズ(IOL)処方における操作の図
本発明のコンセプトの実施形態に即した、嚢切開術ガイドの提供における操作のフローチャート
本発明のコンセプトの実施形態に即した、嚢切開術ガイドの提供における操作の図
本発明のコンセプトの実施形態に即した、残余上皮の有無の評価における操作を示すフローチャート
本発明のコンセプトの実施形態に即した、IOL配置ガイドにおける操作のフローチャート
本発明のコンセプトの実施形態に即した、IOL配置ガイドにおける操作の図
本発明のコンセプトの実施形態に即した、眼内圧(IOP)管理における操作のフローチャート
本発明のコンセプトの実施形態に即した、IOL処方再試験における操作のフローチャート
Aは本発明のコンセプトの実施形態に即した、後発白内障リスクの評価における操作のフローチャート、Bは本発明のコンセプトの実施形態に即した、後発白内障リスクの評価における操作の図
本発明のコンセプトの実施形態に即した、IOLの確認及びアライメントのための操作のフローチャート
本発明のコンセプトの実施形態に即した、残余乱視を調整するための操作のフローチャート
本発明のコンセプトの実施形態に即した、術後健全性の評価のための操作のフローチャート
本発明のコンセプトの幾つかの実施形態に即した、光干渉断層計イメージングシステムの構成を容易にするように設計されたソフトウェアインタフェーススクリーンショット
本発明のコンセプトの幾つかの実施形態において使用される計算装置のブロック図

0037

詳細な説明
本発明のコンセプトを以下でより詳細に、本発明のコンセプトの実施形態が示された添付図面を参照して説明する。しかし、このコンセプトは、多くの択一的な形態で実現可能であり、本明細書に記載されている実施形態に限定されると考えてはならない。

0038

従って、本発明のコンセプトに種々の変更を加えること、及び、本発明のコンセプトに選択的な形態を与えることが可能であるが、本発明のコンセプトの特別な実施形態を例として図示し、本明細書で詳細に説明する。しかし、本発明のコンセプトは開示された特定の形態に限定されず、それとは逆に、本発明のコンセプトは、特許請求の範囲に規定されている本発明のコンセプトの意図及び範囲に含まれる全ての変形、同等なもの、及び、選択的なものを包括する、ということを理解されたい。図面の説明の全体にわたって、同じ参照番号は、同じ部材を指している。

0039

本明細書で使用されている用語は、特定の実施形態を表すためだけのものであり、本発明のコンセプトを限定するものではない。本明細書において用いられている場合には、単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、及び「その(the)」は、特に断らない限り、複数形も含む。さらに、用語「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、「含める(include)」及び/又は「含めている(including)」は、本明細書において使用されている場合に、定められた特徴、数、ステップ、操作、要素及び/又はコンポーネントの存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、数、ステップ、操作、要素、コンポーネント及び/又はそれらのグループが存在する又はこれを付加することを排除するものではない。さらに、ある要素が、他の要素に「反応を示す(responsive)」又は「接続されている(connected)」とされる場合には、これが直接的に、当該他の要素に反応を示したり、接続されていても、又は、介在している要素が存在していてもよい。これとは異なり、ある要素が、他の要素に「直接的に反応を示す(directly responsive)」又は「直接的に接続されている(directly connected)」とされる場合には、介在する要素は存在しない。本明細書において使用されている場合には、用語「及び/又は(and/or)」は、1つ又は複数の関連する、挙げられた項眼の全てと、それらのあらゆる組み合わせを含み、「/」と略書きされ得る。

0040

特に定義しない場合、本明細書で使用されている(技術用語及び科学用語を含めた)全ての用語は、本発明のコンセプトが属している分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有している。さらに、本明細書で使用されている用語は、本明細書のコンテキスト及び従来技術における意味と一致した意味を有しているものとして解されるべきであり、本明細書で明確に規定されていない場合には、理想化された又は過度形式的な意味で解されるものではない、ということを理解されたい。

0041

第1、第2の等の用語が本明細書において、種々の要素を説明するのに用いられることがあるが、これらの要素が、このような用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。このような用語は、ある要素を、他の要素と区別するために用いられているだけである。開示内容から逸脱することなく、例えば、第1の要素を第2の要素と名付けることができ、同様に、第2の要素を第1の要素と名付けることもできる。幾つかの図では通信経路上に、通信主方向を表す矢印が示されているが、通信が、示されている矢印と反対の方向で行われてもよい、ということを理解されたい。

0042

本開示の幾つかの態様を以下、開示の実施形態に従った方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明する。フローチャート及び/又はブロック図の各ブロック、及び、フローチャート及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装可能である。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータのプロセッサ、特定用途向けコンピュータのプロセッサ、又は、機械を構成するその他のプログラミング可能なデータ処理装置に供給される。従って、コンピュータ又はその他のプログラミング可能な命令実行装置のプロセッサを介して実行される命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて特定された機能/行動を実現するためのメカニズムを形成する。本明細書において用いられる場合には、「プロセッサ(a processor)」は、1つ又は複数のプロセッサを指すことがある。

0043

これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読な媒体内に格納されてもよい。これらのコンピュータプログラム命令は実行されると、コンピュータ、プログラミング可能な他のデータ処理装置又は、特定の方式で機能する他のデバイスに命令をすることができる。従って、コンピュータ可読な媒体内に格納されている場合、これらの命令は、命令を含むメーカの製品を形成し、この製品には、実行された場合、コンピュータに、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて規定されている機能/行動を実行させる命令が含まれている。コンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラミング可能な命令実行装置又は他のデバイスにロードすることができ、これによって、このコンピュータ、他のプログラミング可能な命令実行装置、又は、他のデバイスに一連操作ステップを実行させ、コンピュータに実現されたプロセスを形成させ、コンピュータ又は他のプログラミング可能な装置上で実行される命令により、フローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて規定されている機能/行動を実行するためのプロセスが提供される。

0044

本明細書で扱われている例の多数は、眼、特に、網膜、角膜、前眼部及び水晶体であるサンプル/被検体を参照しているが、本発明のコンセプトの実施形態は、これらのタイプのサンプルに限定されない。本明細書に記載されている実施形態に関連して使用可能なあらゆるタイプのサンプルが、本発明のコンセプトの範囲から逸脱することなく、使用可能である。

0045

上述したように、眼外科用顕微鏡は、手術中の眼の様々な領域の拡大像を外科医に提供することができる。しかしながら光干渉断層計(OCT)によって提供される、3次元高解像度トモグラフィイメージングから恩恵を得ることができる眼外科手技が多く存在する。従ってOCTシステムを外科用顕微鏡に組み込めば、より大きな能力が提供され、従来の立体画像のみでは実行するのが現在のところ不可能である手順が可能になる。OCTが組み込まれている従来の外科用顕微鏡は一般的に、サンプル内の関心領域への適応が不可能な静止画像を提供する。眼を例にとると、従来のシステムは典型的に、角膜領域前眼房及び水晶体、及び網膜上の構造の画像を生成するための種々のイメージング要求に順応することができない。眼外科手術には、特定の手術手順の特定の要求に目標とした正確な視覚化が必要である。処置OCTは、成果を改善し、リスクを減らし、また患者、医療供給者及び保険会社の負担を軽減するために用いることができる。

0046

理想的なOCT外科用顕微鏡システムは、種々の関心領域に対して複数の特性のイメージングに合うように適応させることが可能である。理想的なOCT外科用顕微鏡は、以下の属性の集合を有し得る。すなわち、被検体トポグラフィを正確に表すための真のテレセントリックスキャニングと、被写界深度にわたった照明分布コントロールするため及び焦点位置における水平方向解像度のコントロールを可能にするための可変開口数と、視覚型顕微鏡の眼の焦点を基準にしたOCT焦点位置の独立したコントロールを可能にする可変焦点と、OCT被写界深度内の生理病理を保持しかつ被スキャン領域視覚歪像を回避するための、スキャニング光路長が最大に一定に保持される広視野(FOV)と、様々な外科手技に対して外科医に多用性を提供するため、幅広レンジ顕微鏡主対物レンズが使用できるようにする調整性とを有し得るのである。さらに、外科医が慣れている顕微鏡の物理的な作動距離に対するあらゆる変化を低減することが望ましい。この距離には主対物レンズと被検体との間の距離が含まれ、さらに顕微鏡接眼レンズと被検体との間の距離が含まれる。これらの要求を取り扱う具体的なシステムは、例えばSurgical Microscopes Using Optical Coherence Tomography and Related Systems and Methodsという名称の米国特許出願第13/836576号に記載されている。この文献の開示内容は、参照によりここにこれが記載されてようにその全体が取り入れられている。

0047

最も一般的な眼の外科手技は、白内障手術である。この手術では、視力低減の原因となる十分に不透明に混濁した水晶体が水晶体嚢から除去される。水晶体嚢とは、水晶体を包囲し、形づくり、保持し、水晶体を眼の筋肉組織とつなげる袋状の構造である。さらに、除去した水晶体の代わりに、交換用ポリマー眼内レンズが配置される。年間、約2200万件の白内障手術が行われている。白内障手術の侵襲性は低く、一般的に成功率は高く、リスクは低い。リスクの殆ど要素は、残留細胞性材料成長によって生じる術後の混濁化の除去と、残留屈折誤差を修正するため(眼鏡の処方)の患者の外来通院とによって容易に処置される。これらの経過観察は扱いやすいが、これらは患者の満足度を低減させ、経済的な負担を増大させる。

0048

より深刻なリスクは希な結果と関連しており、これには、眼内炎網膜水腫網膜裂孔及び網膜剥離が含まれる。眼内炎の率は1%未満であるが、これは、眼の表面上の細菌に関連しており、創傷治癒は芳しくない。眼内炎は、患者にとって、悲惨な視力結果をもたらし得る。網膜へのダメージは、水晶体嚢内の裂孔に関連しており、水晶体嚢を周辺の網膜に結合し、視力調節と関連する小帯にとってストレスになる。網膜剥離は外科的処置に続いて2%で発生することがあり、術後後何週間も又は何ヶ月も生じない。

0049

年間2000万人又はそれ以上の人に影響を与える1つの処置における不利な状況は、頻繁に起こるが扱いやすいかまたは重大であるがまれであるが、可能な範囲で及び実行できる範囲で、結果を改善すること及びリスクを低減することが望ましい。本明細書に記載されているように、適切に配備された術中の処置OCTは、外科手技の精度を高めることができ、表面下視覚化を改善し、その場での測定ならび診断ならびに構造上及び創傷の健全性評価を改善し、これによって手術結果を改善し、患者、医療供給者及び保険会社のリスクを低減する。

0050

本明細書では白内障手術に関し、術中処置OCTシステム及び方法を説明する。しかし、本発明のコンセプトの実施形態は、これに限定されない。本明細書に記載されているこれらのシステム及び方法を、本発明のコンセプトの範囲から逸脱することなく、他の眼処置に適用することができる。これには、角膜移植手術及び網膜修復手術が含まれる。幾つかの実施形態では、特定の構造をイメージングするためにイメージングシステムの細部を修正することができ、又は、特定の手術計画に合うように上記の方法を調整することができる。術中処置OCTのコンセプトを、特定の目標を達成するために、他の外科手術、治療、及び実験手技にも拡大することができる。ここでは、結果を改善するために、深さ分解イメージングシステムからの質的及び量的なフィードバックが望まれる。

0051

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態により、広視野(FOV)にわたったテレセントリックスキャニングシステムが可能になる。本明細書で使用されている用語の「テレセントリック」とは、視野にわたり光軸に対して平行にスキャンビームの照準を一定に維持することである。これらの実施形態では、このシステムは、視野にわたって、1%より優れた平坦度でイメージングし、スキャン光学系のテレセントリック性は視覚化の寸法精度を保証する。

0052

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態により、スキャニングOCTビームの焦点位置と倍率との独立したコントロールが提供され、焦点と倍率は、独立してコントロールすることができる。

0053

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態により、手技中に複数の領域におけるイメージングが提供される。これは、手技中に外科医又は外科システムにフィードバックとガイダンスを提供するためである。

0054

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態により、OCT導出画像データの複数の視像が提供される。これは外科医に、自身の直接的な視像と、顕微鏡によって可能にある視像との遠近法的な一貫性を提供するためである。

0055

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態により、被検体の配向に対する指示を提供するランドマークがOCT導出画像データから識別される。従って、手技中に相対的な配向又は配向の変化を監視することができる。

0056

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態により、被検体の光学的にアクセス可能な構造の多次元マップが提供され、特に、拡張された範囲にわたる構造の3次元マップが提供される。

0057

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態では、この多次元マップは、複数の画像から形成される。これらの複数の画像は、取得され、光学ビーム屈折に対して補正され、正確につなぎ合わされ、これによって、寸法的に正確な解剖学的構造3次元モデルが作成され、視覚化及び測定のために外科医に利用可能になる。

0058

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態により、OCT導出画像及び解剖学的構造の3次元モデルから導出された、臨床に関する計算結果が提供され、臨床に関するこの情報は表示され、これによって手技中に外科医をガイドするための実行可能な情報が提供される。

0059

臨床的に導出されるデータについての本発明のコンセプトの幾つかの実施形態には、眼内レンズ(IOL)のようなデバイスに対する処方、又は外科切開または成形手技に対する処方切開術又は成形術のための処方の提供が含まれ得る。この処方は、外科手技前に提供された初期処方をテストして確認するために用いられ、手技中の意図的な又は意図的でない出来事の結果としてこの処方を修正するために用いられるか又は手技中の決断をガイドするため単独の処方とすることができる。

0060

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態により、解剖学的構造又は解剖学的構造の特性を変更する手技を修正するためのガイダンスが提供される。これは、特に臨床成果、特に1つ又は複数の臨床関連データを使用して測定可能な臨床成果をコントロールするためである。

0061

本発明のコンセプトの実施形態は、白内障手術の間に、手術前の角膜に関する形状を測定するため、手術中の関連したポイントで形状を再測定するため、形状における差を計算するため、また形状におけるこの差を使用して、眼内圧力の変更に対してガイダンスを提供するために使用可能である。この場合に外科医は、この情報を使用して、眼内圧力を増大させる又は低減させることができ、これによって手術の臨床に関連する成果をコントロールすることができる。

0062

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態は、白内障手術中に、眼の視路内の光学要素に関連した光学収差の測定値を得るため、眼の角膜内応力の修正に関連した補正視路を評価するため、また、所望の収差変化を得るために角膜内の応力を形成する又は解放するためのガイダンスを外科医に提供するために使用可能である。同じ手技は、角膜の応力を修正する手技の効力を検証するために使用され得る。

0063

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態において使用されるシステムの例を、図1A図1Bに即して説明する。当該システムは例示のために設けられているのみであって、本発明のコンセプトの実施形態を限定するものではないことは容易に理解されるはずである。まず、図1Aの、本発明のコンセプトの幾つかの実施形態によるOCT外科用顕微鏡のブロック図を説明する。図1Aに示されているように、システムは、広帯域光源100と、ビームスプリッタ120によって相互に結合された基準アーム110及びサンプルアーム140とを含む。ビームスプリッタ120は、例えば、光ファイバカプラ又はバルク又は光マイクカプラである。ビームスプリッタ120は、約50/50から約90/10の分割比を形成する。さらに図1Aに示されているように、ビームスプリッタ120は、光ファイバによって形成される検出パス106を介して、波長若しくは周波数サンプリングによる検出モジュール130にも結合されている。

0064

さらに図1Aに示されているように、光源100は光源パス105を介してビームスプリッタ120に結合されている。光源100は、例えば、スーパールミネセンス発光ダイオードSLED又は波長調整可能光源であってよい。基準アーム110は、基準アームパス107を介してビームスプリッタ120に結合されている。同様に、サンプルアーム140は、サンプルアームパス108を介してビームスプリッタ120に結合されている。光源パス105及び基準アームパス107及びサンプルアームパス108は全て、光ファイバによって形成される。タイムドメイン掃引光源を含むOCTイメージングシステムの複数の択一的な実現方式および角度分解式の実現方式もこの分野では知られており、本発明の処置は特定のOCTアーキテクチャに限定されない。

0065

さらに図1Aに示されているように、外科用顕微鏡155は、外科医がサンプル199を観察するための2つの接眼レンズ(双眼用表示域)162を含む。図1Aの外科用顕微鏡155は、修正ダイクロイックフィルタ156と、ここで説明している実施形態による、最適化された対物レンズ159とを含む。対物レンズ159は図1Aに示されているようにダイクロイックフィルタ156の下方に位置する。立体外科術用顕微鏡の従来の対物レンズは、可視スペクトルで動作するように構成される。OCTは赤外スペクトルを使用する。このように、この実施形態による対物レンズ159は、対物レンズの波長領域が拡張されてOCTを用いたイメージングが可能になりかつOCTを用いた外科手術用顕微鏡によって形成される画像を改善できるように修正される。また、この実施形態による対物レンズ159は、従来のレンズよりも薄く構成できるので、作動距離を低減できる。こうした対物レンズの詳細は、Buckland等による"Surgical Microscopes Using Optical Coherence Tomography and Related Systems and Methods"という名称の同一出願人による米国特許出願公開第2013/0265545号明細書(事務所整理番号9526−42)に説明されており、この文献の内容は引用により、その全体がここに記載されているものとして本願に含まれるものとする。

0066

図1Aに戻ると、図示されているように、サンプルアームパス108が、入力ビームズーム(IBM:input beam zoom)150と、テレセントリックスキャンアセンブリ151と、ビームエキスパンダ152と、外科用顕微鏡に組み込まれている修正ダイクロイックフィルタ156にビームを供給するオプション背面焦点距離調整部154とに結合されている。ビームはダイクロイックフィルタ156を介して対物レンズ159へ走行し、サンプル199をイメージングする。サンプル199は幾つかの実施形態ではヒトの眼である。

0067

入力ビームズーム(IBZ)150は、入力ビームの形状を制御するために設けられている。IBZの詳細は、同一出願人による米国特許出願公開第2013/0141695号明細書すなわちBuckland等の"Optical Imaging Systems Having Input Beam Shape Control and Path Length Control"に説明されており、この文献の内容は引用により、その全体がここに記載されているものとして本願に含まれるものとする。

0068

テレセントリックスキャンアセンブリ162は、システムのテレセントリック性を制御する。例えば、幾つかの実施形態によるテレセントリックスキャンアセンブリ162は、テレセントリックガルリレーレンズ(GRL:telecentric galvo relay lens)対、すなわち、第1のハーフGRL(第1のGRLH)と第2のハーフGRL(第2のGRLH)とを含む。各GRLHは、修正ワイルドアピースとして設計可能である。但し、テレセントリックスキャンアセンブリ162は、上掲の同一出願による米国特許出願公開第2013/0141695号明細書(Buckland他)に説明されており、この文献の内容は引用により、その全体が本願に含まれるものとする。

0069

ビームエキスパンダ154(RBE:relay beam expander)は無限焦点RBE系であり、その詳細を以下に説明する。対物背面焦点距離調整部154は、主対物レンズのレンジを調整する。つまり、本発明のコンセプトの実施形態では、焦点距離における変化に適応できる対物レンズを有するOCTシステムが設けられている。言い換えれば、典型的には、焦点距離が前側で調整された場合には、背面での補償、すなわち、背面焦点距離の調整が必要である。

0070

RBE152と対物背面焦点距離調整部154とは別個モジュールとして図1Aに示されているが、本発明の実施形態はこうした構成のみに限定されない。例えば2つのモジュール152,154については、本発明のコンセプトの範囲を逸脱することなく、相互に組み合わせることができる。同様に、図1Aでは種々のモジュールが別個のブロックとして示されているが、本発明のコンセプトの範囲を逸脱することなく、これらのブロックを組み合わせたりより多くのブロックへ分割したりできる。図1AのOCTシステムは、被検体の眼の前眼部若しくは他の構造のテレセントリックイメージングを外科用顕微鏡に直接にアクセス可能若しくは観察可能とするために最適化されたシステムである。

0071

本発明のコンセプトの幾つかの実施形態による外科用顕微鏡は「無限空間」を含む。これは、立体ビームが収束する前の、最終対物レンズの上方の空間である。例えば、図1Aでは、ダイクロイックフィルタ156はこの「無限空間」へ挿入される。1つ若しくは複数のスペクトルディバースフィルタ若しくは偏光ディバースフィルタを含むこの空間は、外科用顕微鏡装置に付加的な付属装置を接続するために用いられる。ここでの付属装置は例えばビデオカメラ、波面分析装置、自動屈折計走査型レーザ検眼鏡及び/又はレーザであるが、これらに限定されない。幾つかのケースでは、結合素子が無限空間内に入るが、別の幾つかのケースでは結合素子がOCT信号パスの別の箇所にあってもよい。

0072

図1Bに即して、本発明のコンセプトの幾つかの実施形態によるOCT外科用顕微鏡のブロック図を説明する。図1Bでは、図1Aの要素と同様の要素に同様の参照番号を付してあるので、簡明性のために同様の要素を繰り返しては説明しない。上述したように、外科医に対して網膜の画像を中継する中間レンズ、例えばオクルスオプティクレーテ(Oculus Opticgerat)社のBIOM(Binocular Indirect Ophthalmo Microscope)などがしばしば用いられている。こうした中間レンズは顕微鏡頭部の下方キャリッジに取り付けられており、焦点を調整しかつ顕微鏡の視野に対してレンズを出し入れするフリップ機構を含む。BIOMは、顕微鏡が、眼の前方構造の観察と後方構造の観察とを切り換えできるようにする網膜イメージング用のレンズである。但し、BIOM網膜レンズはOCTでの使用のために最適化されてはいないので、OCT外科用顕微鏡での使用には改善された網膜レンズが必要となる。

0073

図1Bに示されているように、本発明のコンセプトの幾つかの実施形態による網膜レンズ158(外科手術用網膜レンズアセンブリ)は、対物レンズ159の下方に配置される。網膜レンズ158は、同一出願人による上掲の米国特許出願公開第2013/0265545号明細書(Buckland等)に説明されているように、OCTでの使用に対して最適化され、これに応じて調整できるように構成されている。ここで説明されているように、網膜レンズ(外科手術用網膜レンズアセンブリ)は、コンデンサレンズと修正網膜レンズとを含む。網膜レンズにより、焦点を網膜へと移動させることができる。

0074

外科用顕微鏡は、顕微鏡の対物レンズとサンプル/患者との間で手技を実行するために外科に対して充分な空間を提供できるよう、なるべくコンパクトでなければならないこと当然である。言い換えれば、外科医の手が手技を快適に実行できるようにするため、患者と顕微鏡との間に充分な作動距離を設ける必要がある。したがって、幾つかの実施形態では、OCT外科用顕微鏡のOCT部分及びダイクロイックフィルタは、手術用顕微鏡自体の中央チャネルに設けられる。

0075

まとめると、本発明のコンセプトの幾つかの実施形態では、800nmから900nmまでのスペクトル範囲で動作するスペクトル領域OCT(SDOCT:spectral domain OCT)システムがイメージングに用いられる。これらの実施形態では、SDOCTは、860nmを中心とした93nm及び3dB帯域幅を有するスーパールミネセンスダイオードを用いている。光源は、シングルモード光ファイバを介してファイバスプリッタに結合されており、光出力の80%が基準パスへ配向され、光出力の20%がサンプルパスへ配向される。

0076

基準パスはコリメート出力側へ通じる光ファイバ出口を含み、このコリメート出力側は後方反射鏡へ通じているので、基準信号は、ファイバスプリッタへの戻し送信が可能となるように基準パスへ結合されている。基準鏡の構造はパスレングス可変調整部を含み、この可変調整部は、基準鏡までのパスレングスと、サンプルパスを通ってサンプルの関心領域に至るパスレングスとが等しくなるようにする粗調整に適している。基準パスのパスレングスの調整では、サンプル構造への基準反射の相対オフセットの位置を決定する約0.1mm以下の微調整が可能である。基準アームは、戻り光出力レベルを制御する可変アッテネータと、複屈折制御素子若しくは偏光制御素子とを含み得る。

0077

サンプルパスは、コリメート出力側に通じる光ファイバ出口を含む。このコリメート出力側は、外科応用に関連する走査系及びイメージング光学系に通じている。こうした構成の例は米国特許出願公開第13/836576号明細書(Buckland等)に説明されており、この文献の内容は引用により本願に含まれるものとする。ここに説明されているように、コリメート出力側は、光ビーム焦点及び倍率のコントローラへ配向されており、ひいてはテレセントリックスキャンアセンブリ、ビームシェピングテレスコープへ、OCT信号を顕微鏡イメージングパスへ結合するダイクロイックフィルタを介して通じており、共通の最終対物レンズを共有している。ビーム焦点及び倍率を制御することにより、顕微鏡の焦点に対してOCTビームの焦点位置を操作し、さらに、ビームの倍率を制御することができる。ビームの倍率は、深度にわたる度の均一性がビームの倍率にともなって変化するとき、フィールド見かけ深度を制御するのに有効である。水平方向の最高分解能が所望される事例も存在するし、輝度が高反射面から有利にずらされる事例も存在する。焦点位置と輝度との個別制御により、イメージングのフレキシビリティが得られ、これにより、特定のイメージング要求が取り扱われるように調整することができる。

0078

被検体へ送出される光出力は、眼科学の場合、当該分野の標準にしたがって、眼の安全な照明を維持できるよう制御される。眼の安全な照明は、波長と、焦点スポットサイズ(放射強度)と、曝露時間とに依存する。焦点位置およびビームの倍率を制御する機能により、さらに照明レベルダイナミックに制御する機能が得られ、これによって外科手技中に所望され得る長い連続曝露時間にわたって眼の安全を維持される。例えば、連続走査は、特定の安全レベルに対して設定されたビームパラメタによって達成されるので、外科医は、特定のインタラクションシーケンスを要求しないかぎり、ソフトウェアの呼び出しを必要としない。ビーム焦点をサンプルからオフセットできるか、又は、強度を低減するためにスポットサイズを増大でき、これによって外科手技の一部において鮮明でないとしても有効な画像を取得および表示することができ、必要であれば、より正確な照明状態復帰させることができる。

0079

サンプルから戻った信号は、偏光制御され、ファイバスプリッタ/コンバイナで基準アームからの信号と混合されて、検出器パスにおけるスペクトルインターフェログラムが形成される。検出器パスは干渉信号分散型分光計へ送出するシングルモードファイバを含む。この応用に適する分光計の例は、米国特許第8189192号明細書、米国特許第8310674号明細書、米国特許第8348427号明細書、米国特許出願公開第13/428247号明細書(Saxer等)などに挙げられており、これらの文献の開示内容は引用により、ここで記載されてように本願に含まれるものとする。

0080

所定の光源の帯域幅に対する軸方向分解能が最も鮮鋭となるシステムを構成するために、基準パスの分散度とサンプルパスの分散度とが良好に一致していなければならない。イメージングされる被検体が可変でありかつ被検体内の関心領域が可変である場合、ハードウェアだけを用いて分散度を物理的に適合させることはできない。このような条件のもとでは、米国特許第7719692号明細書に説明されているようなソフトウェアによる分散補償によって、画像分解能を最適化することができる。複数の被検体若しくは複数の関心領域が撮影される場合、又は、複数の異なる対物レンズがイメージングに使用される場合には、適切な分散補正パラメタを用いて直接に画像を処理するために、ハードウェア及び被検体に関連するソフトウェア内に、プリセットされた分散最適化パラメタが含まれることがさらに望ましい。被検体ごとに専用の分散操作を実行する手法は、例えば米国特許第8401257号明細書に説明されている。

0081

前眼部の検眼イメージングの際には、精細な軸方向分解能を維持しつつ画像深度を増大することがしばしば所望される。画像と、一般には一意の情報を含まないその複素共役とを形成する、広汎なクラスのフーリエ領域OCTシステムが知られている。複素共役画像が存在すると、鏡像相互の畳み込みに起因して、利用可能な画像深度が制限されてしまう。複素共役の曖昧さを低減する技術は現在幾つか知られている。スペクトル領域OCTに対するそうした技術の1つが例えば米国特許第7742174号明細書に説明されている。別の技術および基準アームのスイッチングにより、画像深度を増大するための代替技術が得られ、これは、例えば、米国特許第8625104号明細書及び米国特許第8425037号明細書に説明されている。

0082

3次元OCT画像を外科医に提供するユーティリティは、単純な視覚化にとどまらない。良好に較正されたOCTシステムは、外科医に付加的なガイダンスを行うのに利用可能な3次元測定機能を提供し、これには、外科手技の結果に関連する、導出される関連診療パラメタの決定が含まれる。角膜のイメージングについては、OCTから導出されるデータは、例えば上掲した米国特許第8693745号明細書に説明されているように、多数の共通の屈折パラメタの計算にとって有効である。

0083

フーリエ領域OCT一般、及び、特にスペクトル領域OCT及び掃引光源OCTに関連するイメージング、処理及び計算の技術を組み合わせると、眼科手術で使用される、ハイバリュー手技イメージングシステムの基礎が得られる。診療の重要性が高い手技のクラスの1つに、白内障手術が挙げられる。術中OCTにより、強化された手技ガイダンスを提供し、屈折結果を改善するためのインサイチュ(insitu)の測定法を提供し、複雑な組織の構造を分析して関連するリスクを低減するというユニークな能力が提供される。このことについては図2−21に即して後述する。

0084

図2に即して、ヒトの眼の前眼部のディープイメージングスペクトル領域OCT画像の例を説明する。特定のシステムで用いられる分光計は、米国特許第8348427号明細書及び米国特許出願公開第2012/0242988号明細書に説明されているような、波数ライン化方式で設計された分光計であり、空気中の測定で15mmの片側の(複素共役が解決されていない)深度を有する。軸方向分解能は8μm、FOVは20mmである。この画像は、4096ピクセルアレイを有するCMOSラインスキャンカメラで取得される。この画像は、1秒当たり20000ラインで取得され、処理され、表示される。

0085

図3には、高分解能スペクトル領域OCTによるヒトの眼の角膜の画像の例が示されている。図3の画像には、眼に上に被さったコンタクトレンズが含まれている。特定のシステムで用いられる分光計は、米国特許第8189192号明細書及び米国特許第8310674号明細書に説明されているような分光計であり、空気中の測定で3.4mmの片側の(複素共役が解決されていない)深度を有する。軸方向分解能は3.5μmであり、水平方向FOVは6mmである。この画像は、2048ピクセルのアレイを有するCCDラインスキャンカメラで取得される。この画像は、1秒当たり32000ラインで取得され、処理され、表示される。

0086

図3には、従来の種々の手法を用いたオートメテッドレイヤセグメンテーションアルゴリズムが画像に適用され、これにより、コンタクトレンズの前面の位置と、上皮境界ボウマン膜および角膜のデスメー膜に対するコンタクトレンズの位置とが特定されている。さらに、この画像は、例えば米国特許第7072047号明細書に説明されているように、空気とレンズとの界面でのビーム屈折率に対して補正される。こうしたレイヤセグメンテーションにより、表面曲率層厚、屈折力などの診療パラメタを計算するための基礎寸法情報が得られる。境界層が所定の表面に対して導出されると、特定の層又は特定の構造(角膜若しくはレンズ)又は眼の前眼部の結合光学系に関連する光学収差を含む付加的な診療情報を導出することができる。

0087

図4には、眼外科手術中にイメージング、視覚化または測定可能な前眼部の種々の構造が示されている。ここでの構造には、101)前眼部、102)前眼部の深さ、103)虹彩角膜角、104)虹彩、105)虹彩内の血管分布、106)シュレム管、107)角膜、108)角膜の視野、109)角膜先端、110)角膜の上皮及びボウマン層、111)角膜の実質及びデスメー層、112)水晶体、113)水晶体の前部、114)水晶体の中央部、115)水晶体の後部、116)水晶体前嚢、117)水晶体後嚢、118)レンズ厚、119)後眼房の小帯、120)前眼房の毛様体突起が含まれる。

0088

3次元外科用顕微鏡を用いても提供されないOCTの深度分解イメージング能力の値の1つは、眼の構造の相対配向を評価する機能である。図5Aには、眼の屈折率に関連する例が示されている。水晶体の視軸ベクトルa)が角膜先端の視軸(ベクトルb)に比較される。説明のために例示しているのにすぎないが、これらの視軸はふつう完全には整合していない。OCTは、角膜対自然水晶体の視覚整合、又は、角膜対水晶体レンズ対水晶体の視覚整合、又は、角膜対擬水晶体レンズの視覚整合を評価する機会を提供する。

0089

さらに、本発明のコンセプトの幾つかの実施形態には、図5Bに示されているように、イメージング平面を前眼部から後極若しくは黄斑へ移動させるのに充分なレンジを有する基準アームが含まれる。補足光学系を導入せずに黄斑の画像を取得するために、2つの動作が行われる。すなわち、第1に、焦点を前方焦点から後方焦点へ変更しなければならない。175mmの作動距離とこれに対応する対物レンズを有する手術用システムでは、OCTビームを、角膜への焦点合わせから、良好に補正された被検体の網膜に焦点合わせされるコリメーテッドビームへ移動させるのに、−5.7D(ディオプトリ)の調整が必要である。

0090

角膜の焦点屈折力及び水晶体の焦点屈折力は被検体に特有のものであるが、平均的なヒトの角膜及び水晶体に対してはそれぞれ43ディオプトリおよび15ディオプトリの範囲にある。天然水晶体又は代替水晶体を有さない無水晶体症の被検体の場合には、網膜へのイメージングのためにコリメートされた状態から、OCTビームの焦点屈折力に対して15ディオプトリを加算することが要求される。

0091

焦点及び倍率を操作する入力ビームズームは、サンプルアームのパスレングスを変更しない。後極をイメージングするため、焦点は、顕微鏡の対物レンズと眼の屈折条件とが与えられている場合、眼の予測屈折状態に合わせて調整される。基準アームのパスレングスは、眼の予測長さに対して修正される。充分に補正されている眼に対しては、入力ビームズームは、焦点を角膜から網膜へシフトするために0Dから−5.7D(175mmの焦点距離の対物レンズの屈折力)へとシフトさせる。物理的な眼の長さが24mmの場合、経路平均屈折率を1.38と仮定すると、光学的な眼の長さは33mmとなる。基準アームは、焦点が相応に変化すると、角膜から網膜に像を移動させるために33mm長くなる。作動距離に変化がないこと、すなわちイメージングシステムと被検体との間に物理的変化がないことが要求される。

0092

実際の被検体は、様々な眼の長さと不完全な屈折力とを有する。被検体はさらに、黄斑形状の乱れと屈折における収差とを有することがある。走査領域と、基準アームのパスレングスと、焦点制御とを組み合わせた制御ループは、眼の構造的特性及び光学的特性現場で効果的に調整することができ、この際、後方のFOVは、虹彩の開度のみによって制限され、この虹彩の開度は、外科手技中には一般的に充分に拡張されている。実際には眼が大きく拡張しているため、外科手技中のこのような眼のマッピングは、従来の診察室での検査に比べて格段に多くの情報を提供することができる。

0093

眼を調整するための1つの制御ループは、以下のようにして進行することができる。入力ビームの焦点が0Dに設定され、角膜前面のイメージングのために基準アームが設定される。角膜の第1の画像セットが取得される。角膜の頂点又は先端領域をイメージングするために走査ビームが設定される。互いに協調しながら、ビーム焦点は、次第にディオプトリ度数が減少するように設定され、かつ、基準アームは、黄斑の予測位置に到達するまで、増大する深度に取得位置を定めるために伸張される。データは、一連の制御を通じて取得され、焦点制御ユニット及び基準制御ユニットからの位置情報と共に格納される。データは、カメララインレートで取得される。制御ループの速度は、基準アームミラーの眼の長さに亘る物理的移動および焦点制御とよって制限される。36kHzのラインスキャンカメラと、50μmの精度及び1000ステップ毎秒を有するステッピングモータとを仮定すると、基準アームは約50mm毎秒で移動する。全てを取得するには1/2秒強の時間がかかり、約18000行のデータが取得される。これらの多数のデータサンプルによって、それぞれの長手方向位置におけるデータの登録が非常に正確になる。

0094

この制御ループは、種々の方法で反復、拡張、又は修正することができる。1つのアプローチは、視野が可能とする程度まで眼の構造の柱状体を調整する有限かつ少数高低線を取得することである。このような有用なマップは、高低線の柱状体をデカルト座標又は極座標に沿って配置し、例えば、中心を含む合計9つの柱状体に対して、例えば2つの環における4つの象限に配置する。このようにして全てを取得するには、最適化をしない場合、5秒もかからないだろう。

0095

画像処理は、黄斑の境界面を識別するために使用される。この処理は、スペクトルデータをフーリエ変換した後、空間領域において実行することができる。この処理を、空間領域において直接的に実行することもできる。というのは、後眼房から網膜組織へと移行すると、その結果として非干渉状態から干渉状態へと移行し、ピークスペクトルシステムが増加するからである。網膜が識別されると、この表面は、フーリエ領域の空間ウィンドウ内の目標位置に位置付けられる。この時点で、画像の明るさを増加させるために焦点を最適化することによって屈折力が決定される。この最適化の位置的な感度は、入力ビーム制御装置におけるビーム倍率の増加によって向上させることができ、これによってイメージング開口数は増加し、被写界深度は低減する。

0096

コリメート状態からの入力焦点のオフセットは、イメージング位置における被検体での屈折誤差に直接的に相関し得る。眼の寸法は、基準アームの変化から直接的に読み取ることができ、基準アームの変化は、屈折率から調整し、走査の開始時及び終了時にOCTウィンドウにおける表面位置を監視する。縦方向の走査自体は、上で提案したように登録することができ、非常に正確な距離測定を提供する自己参照データセットを形成することができる。これら2つの相補的なアプローチでは、眼内の1つの高低線の非常に正確な生体測定値及び屈折力が高速に取得される。

0097

最適化ループには、所望の精度の程度に応じて幾らかの時間が追加される。焦点と基準位置とを結び付ける必要はないが、各々別個に最適化することができる。効率的な手技には、サンプル画像画像ウィンドウ内の所望の位置にセットするための基準位置の最初の設定が含まれ、これに続いて明るさベース焦点最適化が行われる。焦点は、10以下のステップで約0.25Dに最適化することができ、これには数秒もかからない。

0098

取得時間は、スキャナ又はデータ取得によって制限されているのではなく、機械的な位置制御によって制限されるため、第1の軸方向優先ループは、横方向の優先走査によって補足することができ、これにより、眼の全体次元モデルを作成するために集約可能な画像部分が取得される。

0099

これらの軸方向の構造及び屈折のイメージングステップは、他の一連の構造画像や導出された計算によって補完することができる。例えば角膜及び水晶体のような構造要素毎に、一連の断面図を取得して立体画像の構造を作成することができる。これらの断面図は、構造の比較的低密度のサンプリングを表すことができるか、又は、構造の高精細立体画像を作成するための分解能での完全なサンプリングのために充分な高解像度でサンプリングされたものとすることができる。手術中には、被検体は一般的に静止しており、動きアーチファクトが低減されているが、呼吸アーチファクト又は他の振動アーチファクトが存在し得る。残留する動きアーチファクトを低減又は除去するために位置合わせ技術を適用することができる。立体構造から、フィルタリングと層識別技術とを使用して境界層がセグメンテーションされ、複数の表面が構築される。これらの表面から曲率が計算され、各層の間の距離が計算される。この情報により、屈折力及び収差を含む、層及び構造の光学的特性を計算するために充分な情報が提供される。自動屈折計及び収差計とは対照的に、計算した屈折率及び収差は、特に黄斑に対してまで導出された構造情報及び屈折情報と協調して、眼内の個々の層及び構造から眼の性能の貢献度の評価を可能にし、従って、自動屈折計又は収差計からの純粋な機能測定では不可能な程度の情報及びガイダンスが外科医に提供される。

0100

これらの制御及び測定は、一連のステップに組み合わせることができ、これらのステップにより、他の方法では利用できない複数の画像及び測定によって、外科医にその場でのガイダンスが供給される。ここで図6を参照すると、OCTを取り入れた外科手技のための一般的なワークフローが、図6のフローチャートに関連して説明される。手術は、ブロック600において外科手術計画を開始することによって始まる。外科医は、OCTを使用して患者の配向を確認し、例えば被検眼が正しいことを確認する(ブロック610)。被検体の構造マップが取得され、関連する臨床パラメタがOCTから計算される(ブロック620)。関連する臨床パラメタには、例えば、角膜全体の厚さの測定値と、上皮又は内皮の厚さの測定値と、角膜の前構造若しくは後構造又は角膜の個々の層の中心部の平均曲率、角膜の前構造又は後構造の視野に亘る複数の局所曲率と、角膜の平均局所屈折力の計算値と、角膜表面機能的形状と、光学収差の測定値と、眼の屈折力の1次及び2次のケラトメトリック状態を規定する角膜の球面、円柱面及び角度の測定値と、眼内に配置された任意の人工水晶体又は水晶体の同様の測定値と、角膜ならびに眼の視野内に配置された天然水晶体及び人工水晶体からなる光学系の同様の複合測定値とが含まれ得る。付加的な臨床パラメタは、虹彩角膜角と、強膜の厚さと、結膜の厚さと、シュレム管の寸法と、シュレム管、強膜及び結膜内の血管、並びに角膜に移入された血管を通る流量のドップラー測定値と、角膜に移入された神経線維の測定値と、を含み得る。付加的なパラメタは、病理学的構造の相対的又は絶対的な不透明度、及び、病理学的構造の寸法測定値とすることができる。これは、臨床パラメタのリストの一部であり、これらの臨床パラメタは、OCTの深度分解された表面イメージングと、OCT画像の広いダイナミックレンジから導出され得る相対的な不透明度及びテクスチャと、例えばドップラー血流画像が導出されるOCTの位相依存特性と、OCT光源の広帯域性から導出されるOCTの分光特性と、OCT画像から導出される測定値であって、(例えば厚さおよび曲率の組み合わせから屈折力を計算するなどのように)構造パラメタから派生機能パラメタへと処理される測定値に基づいて計算的に評価され得る派生属性とによって可能となる測定値とすることができる。

0101

必要な場合には、手術計画を修正することができる(ブロック630)。手術プロセスは、中間区間(ブロック640)で評価される。例えばこの手術プロセスは、構造の特定の表面又は層の厚さ若しくは形状の変化を測定することによって、又は、切開部の深さ、幅、若しくは厚さを測定することによって、又は、切開部を通る血流を観察若しくは定量化することによって、又は、手術によって誘発された浮腫若しくはを観察若しくは測定することによって、評価することができる。臨床成果は、中間区間で検査される(ブロック650)。種々の評価に基づき、手術計画の修正が必要であると判断(ブロック660)された場合には、この手術計画は、これ以上の修正は必要ないと判断(ブロック660)されるまで繰り返しブロック630に戻ることによって、OCT情報に応じて修正される。最終的な臨床成果が評価される(ブロック670)。手術部位又は隣接組織に対する創傷健全性及び損傷又は応力が評価される(ブロック680)。創傷健全性の評価は、例えば切開部の縫合程度の評価、又は、以下でさらに説明する切開部を通る血流の観察を含み得る。手術プロセスが終了し、レポートが作成される(ブロック690)。

0102

以下、白内障手術に適用されるイメージングのための特定の手技に対するオペレーションを、図7のフローチャートに関連して説明する。図示されているように、オペレーションは、ブロック711において手術計画及びプレオペ入力を確認することによって開始する。眼がイメージングされ、正しい眼(OD/OD)であることが確認される(眼の配向)(ブロック721)。本明細書で使用される場合には、“OD”は右眼(oculusdexter)を指し、“OS”は左眼(oculus sinister)を指す(図8B)。これらは、それぞれ右眼及び左眼を意味するラテン語用語である。

0103

以下、眼の配向に関するオペレーションについて、図8Aのフローチャートを参照しながら説明する。ここで図示されるように、配向は、広角視野を取得すること(ブロック812)と、角膜頂点を基準にした側及び側頭に約25mm以内の前構造を観察すること(ブロック822)と、涙点の存在を識別して眼を確認すること(ブロック832)とによって達成することができる。各眼の内側部分には、2つの涙点が存在する。これら2つの涙点は一緒に、涙腺によって生成された涙を収集する機能を果たし、観察時には特定の被検眼の物的証拠を提供する。

0104

他のランドマークをサンプル内で識別し、定義し、配向の際に使用することができる。これには、網膜へのイメージングと、視神経頭又は網膜血管系軌道の観察とが含まれる。可視化のために、en face投影画像を作成して外科医に表示することができる(ブロック842)。en faceビューは、配向方位図又はコンパスを含むことができる。このコンパスは、外科医を、該外科医の慣用のビューへと方向付けるものである。このビューは、本明細書では“外科医コンパス”と呼ばれる(ブロック852)。迅速な配向のために、en faceビューの主な構造をセグメンテーションして表示することができ、これには虹彩を画定する円又は楕円と、角膜を画定する円又は楕円と、涙点の位置若しくは方向を示すダイレクトセグメンテーション表示又はハイライト表示又はグラフカル表示とが含まれる。

0105

図7を再び参照すると、眼は、上述したような技術及び手法を使用して(ブロック731)、又は、図9に示すようにOCT画像に依存した他の類似又は関連の技術を使用して、マッピングすることができる。ここで図9のフローチャートを参照すると、1つ又は複数の取得済みの眼の画像(ブロック913)から、構造をセグメンテーションすることができ(ブロック923)、角膜又は水晶体の局所解剖図及びパキメトリのような臨床パラメタを導出することができ(ブロック933)、必要な場合には、角膜又は水晶体内部の種々の層状構造が導出される(ブロック943,953,963,973)。構造のセグメンテーションから、角膜及び水晶体及び複合的な構成要素からなる組み込み光学系の屈折力のような、機能的な臨床特性を導出することができる。上述したような軸方向の距離測定技術を用いて、眼の完全な生体測定値を導出することができる(ブロック983)。外科医に明瞭性を提供するために、3次元画像と、ワイヤフレームモデルと、外科医コンパスビューに合わせて位置調整されたen face投影図とを含むグラフィックのセットが作成され(ブロック993)、臨床パラメタのレポートが提供される(ブロック997)。

0106

少なくともこの情報から、代替IOLのための処方と、切嚢術のための目標直径とを新たに設定することができるか、又は、設定して元々の処方と比較することができ、これに応じて手術計画を修正することができる(ブロック741)。図10A及び10Bに図示したように、OCTデータから、乱視矯正光学系及び円環眼内レンズ(IOLS)を処方するために使用されるような、球面及び円柱面及び円環面の配向(ブロック1014,1024,及び1034)を含む屈折力を、直接計算することができる。つぎにOCTによって計算された目標屈折力及び目標配向を、例えばen face外科医コンパスビュー(図10B実線の矢印)上に表示することができる(ブロック1044)。元々の処方が提供されている場合には、OCTによって計算された処方を、元々の処方(図10B破線の矢印)と比較することができ(ブロック1054)、外科医は、最終的な処方を決定するための責任を維持する。グラフィック及びレポートを作成することができる(ブロック1064及び1074)。

0107

外科手技中には、眼内の種々の構造のOCT断面図及びen face投影図を見ることによって外科手術の進捗を監視することができる(ブロック751)。白内障手術のための最初の手術ステップは、一組の最初の角膜切開部を形成することである。これらの輪部切開部をイメージングするためにOCTの位置を調整することができ、創傷の質を示し、かつ涙を評価するために断面図及びen face図を表示することができる。次のステップは切嚢の実行であり、その後、水晶体の乳化及び摘出が実施される。本明細書で使用される場合には、「切嚢」は、水晶体を包囲する水晶体嚢に創口を開けることによって水晶体へのアクセスを形成することを意味する。切嚢を実行するために、オペレーションは、図11Aのブロック1115において画像を取得することによって開始される。目標サイズ、目標形状、及び目標位置を、en faceコンパスビューに表示することができ(ブロック1125)、OCT画像を連続的又は断続的に取得することができ(ブロック1135)、切嚢術の現在の形状を目標と比較しながら強調表示することができ(ブロック1145)、そして、外科医にさらなるガイダンスを提供するためにエラー機能を表示することができる(ブロック1155)。切嚢術のエラー機能は、図11Bに図示されている。幾つかの実施形態では、エラー機能が所定の限界値超過したときに適切な警報音を供給し、その後のエラー発生の可能性を低減するために、手技中にこの手技を修正する機会が外科医に提供されるように、システムを構成することができる。レーザ切嚢術を用いた本発明のコンセプトの複数の実施形態では、結果的に行われた包嚢及び嚢を評価するため、及び、変動する嚢の位置又は穿孔の不健全性を識別するため、また上記の同様に外科医にさらなるガイダンスを提供するためにもOCTはなお有用である。

0108

再び図7を参照すると、オペレーションは、水晶体の破砕によって進行する(ブロック761)。水晶体の破砕、乳化、及び摘出の最中に、OCT画像を連続的又は断続的に取得することができ、これによって外科医は、水晶体嚢に対する如何なるリスクをも評価して、小帯又は他の後構造に伝達される如何なる異常な応力をも識別することできる。摘出の終わりに、OCTシステムは重要な機能を実施することができる。この重要な機能とは、後嚢混濁(PCO)を引き起こす可能性のある残留上皮細胞について、つまりコストのかかるフォローアップレーザ治療を必要とする25%から50%の確率で発生する有害な成果物について水晶体嚢を検査することである。

0109

以下、本発明のコンセプトの幾つか実施形態にしたがって上皮細胞を識別するためのプロセスについて、図12のフローチャートを参照しながら説明する。オペレーションは、ブロック1216において後嚢の高密度走査を実行することによって、すなわち所定のサンプリング密度で、つまり実質的に横方向光分解能で、後嚢を完全にサンプリングすることによって開始する。取得される高密度体積(スキャン)は、外科医によって直接的に走査することができる。

0110

高密度体積に画像処理技術を適用して、如何なる残留上皮細胞をも強調表示することができる。幾つかの実施形態では、後嚢において画像セグメンテーション技術を使用することができ(ブロック1226)、後嚢の前面を識別し(ブロック1236)、当該構造を表す表面を作成し、この表面の上又は前に、特に近接して配置されているウィンドウ内で視認可能な構造を識別する。特に有用な表現は、データボリュームを嚢表面に対して扁平させ、この表面の上に存在する画像のen face投影図を作成することである。en face投影図は、1ピクセルと同じ深さの深さスラブから導出することができるか、又は、深さ2ピクセル以上に亘って平均化することができる。本明細書において“等高線スライス(a contoured C-slice)”と称されるen face投影図は、水晶体嚢からの距離に応じて残留上皮細胞(壊死組織片)を識別するため、深さ方向の所定の領域に亘ってソフトウェアによって走査することができる(ブロック1246)。図16DのOCT断面画像で観察される残留上皮細胞(又は壊死組織片)を含むこのen face表現の例示的な表示は、例えば、図16Eに図解された眼の瞳孔の内部に示された細胞様壊死組織片マップに図示されている。この情報によって外科医は、残留上皮細胞(壊死組織片)を除去するための十分な知識が得られ、このことは外科医の要望を満たし、これによってPCOのリスクが低減される。

0111

再び図7を参照すると、オペレーションは、IOLの配向とともに続行する(ブロック771)。乱視補正円環IOLは、所望の補正を提供するために回転によって位置合わせすべきである。1°でも位置合わせに誤差があれば、屈折の測定可能な誤差につながるおそれがある。図13Bに図示されているように、円環IOLは、水晶体上に埋め込まれた半径方向の基準線1318を有する。基準マーカ又は基準線は、イメージングシステムの視野内に配置されたオブジェクトであり、これらは参照点又は測定点として使用するための生成される画像内に現れる。このオブジェクトは、イメージング被検体の中又は上に配置された何か、又は、光学機器レチクル内のマーキング又はマーキングの集合とすることができる。円環IOLを配置するための従来の方法は、白眼上に手術用インクを使用して、適切な回転位置手動でマーキングすることによって始まる。手動でのマーキングは、本質的に不正確である。さらにインクは、白眼に塗布した際に流れ出す傾向があり、従って、マーキングの精度が低下する。

0112

図13A及び13Bを参照しながら、OCTによるガイド付きの配向(又はマーキング)について説明する。OCTによるガイド付きの配向は、手動でのマーキングよりもより良好なマーキング方法を提供することができ、エラーをより少なくすることができ、従って、重要な改善方法となり得る。図13A及び13Bを参照すると、OCTによるガイド付きの円環の位置合わせにおいて、外科医コンパス上にIOLの処方が表示され(ブロック1317)、IOLが選択され(ブロック1327)、そしてイメージングされる。この配向の処方は、外科医コンパス上に表示され(ブロック1337)、同様にして、OCTによって導出される配向も、外科医コンパス上に表示される(ブロック1347)。図13Bに図示されるように基準線1318は、自動的に識別される(ブロック1357)。回転の提案が導出され(ブロック1367)、配向のやり直しのために外科医に提供されるガイダンスと共に外科医コンパス上に表示される(ブロック1377)。

0113

幾つかの実施形態では、OCTイメージング測定法によって直接的に処方を再テストすることができ、その場での収差測定のような他の技術とは異なり、層又は構造によって屈折に対する寄与を識別することができる。フェイコ後には、処方を再検査することが望ましい。しかしながら眼内圧は、手技中での液体の流入及び流出に起因して変化する。収差測定は、この圧力変化による影響を受ける。圧力を監視するため、及び、図14のフローチャートに関連して説明するように外科医にガイダンスを提供するために、OCTを使用することができる。

0114

図14に図示されるように、オペレーションは、ブロック1418において角膜画像の取得によって始まる。前方境界層及び後方境界層は、画像処理技術を使用してセグメンテーションされる(ブロック1428)。前方及び後方の曲率及び厚さを含み得る、局所解剖パラメタ及び断層撮影パラメタが計算される(ブロック1438)。有用なアプローチは、前面及び後面の曲線を生成し、手技中における表面と、手技前に取得した表面とを比較することである(ブロック1448)。3次元図若しくはワイヤフレーム内に、又は、2次元投影図、例えば外科医コンパスビュー上に、エラー機能が表示される(ブロック1458)。幾つかの実施形態では、このエラー機能を、曲率半径について色分けすることができ、この際には、曲率半径の減少によって圧力損失が示され、曲率半径の増加によって圧力増加が示される。構造情報には、収差情報を補足することができ(ブロック1468)、さらには、元々の値と手術中の値とが比較される(ブロック1478)。収差測定を表示することができ(ブロック1488)、エラー機能を計算することができる(ブロック1498)。その後、外科医は、提案に基づいて相応に眼に充填又はブリードさせることができる(ブロック1499)。手術中には角膜の水和状態が変化することがあるため、厚さ及び収差に加えて前面及び後面は有用であり、これによって外科医は、手術計画の任意の修正に対して適切な判断を適用することができる。迅速な代用として、後面の曲率は、眼内圧に関する最も直接的な情報を提供することができる。

0115

IOLの配置の前又は後に、眼が目標眼内圧にあるときに、関心対象の臨床パラメタを再計算することができる。次に、これについて図15を参照しながら説明する。ブロック1519においてオペレーションがスタートし、眼の構造がセグメンテーションされる。次に、角膜パラメタ(ブロック1529)と収差測定(ブロック1539)を計算することができる。球面屈折(ブロック1549)と円柱面屈折(ブロック1559)についても予測可能である。網膜を屈折パターンとしてイメージングすることができ(ブロック1569)、グリッド上で焦点を最適化することができる(ブロック1579)。焦点と円環の配向を、予測に対して検査することができる(ブロック1589及び1593)。さらに分散データを生成することができる(ブロック1594)。ついでグラフィックス、レポート及びガイダンスを生成することができる(ブロック1595〜1597)。そしてそれらの結果を、外科医コンパス上に表示させることができる(ブロック1598)。

0116

したがって白内障が除去されていれば、初めて又は手術前よりも大きく、網膜をイメージングさせることができるようになる。さらに、トポグラフィ、厚さ及び収差測定を計算して、屈折及び非点収差を導出するステップに加えて、上述のように網膜を直接イメージングさせている間に、最適な焦点を検査することによって屈折を直接検査することができる。網膜上の最適なOCT焦点を検査することで、計算結果の強力な機能確認が行われ、手術のパフォーマンスが検証される。必要であれば、計算による予測及び処方による予測に対する焦点調節のエラー機能を外科医に提示することができる。

0117

もう一度図7を参照すると、そこに示されているように屈折を評価することができる(ブロック781)。適正な屈折を得ることに加えて重要であるのは、IOLのすぐ後ろ視線内の領域から上皮細胞を除くことである。次に、図16Aのフローチャートを参照すると、周辺の上皮細胞は残しておくことができるので、リスクを軽減する外科的アプローチ(ブロック791)は、IOLのエッジと嚢との間において、完全な円周状の接触が形成されるように、IOLをポジショニングすることである(ブロック1605)。この接触は、外科用顕微鏡を通して判断を下すのが難しい。IOLと嚢との接触の程度を評価し、en face投影でエラー機能を表示して、接触状態がよくない領域を特定するためにも、上述のOCTイメージの取得及び表示技術を利用することができる。

0118

具体的には図16Bに示されているようにOCTシステムは、IOLと嚢との接触を特定することができ(ブロック1615)、IOLと嚢との間の物質(残留細胞、図16C)を識別することができる(ブロック1625)。図16Eに示されているように、残留物質を表示することができる(ブロック1635)。接触状態がよくない領域を識別するために、接触エラー機能をen face投影に表示することができる(ブロック1645)。最後に、PCOリスクを計算し(ブロック1655)、表示することができる(ブロック1665)。後方の上皮細胞を除去して、IOLと嚢との円周状の接触を確実に行うことによって、PCOのリスクを軽減することができる。

0119

IOLが定位置にある状態において、OCT視覚化を利用して付加的な補正を行うことができ、これは一般的には別の手法では不可能なものである。例えば図17には、本発明によるコンセプトの実施形態に従って、IOLと位置合わせを確認するためのオペレーションが示されている。この場合、角膜から網膜へ向けて眼をイメージングすることができる(ブロック1706)。残留屈折を計算し(ブロック1716)、面法線を形成することができる(ブロック1726)。視覚センタリングを検査し(ブロック1736)、レイトレースを形成することができる(ブロック1746)。残留屈折を検査し(ブロック1756)、配向のエラーを計算する(ブロック1766)。グラフィックスが形成され(ブロック1776)、推奨が行われる(ブロック1786)。

0120

別の2つの位置合わせ属性が重要であり、これらは他の手法では簡単には扱えない。すなわち、視覚的な高低線に対する角度位置合わせ及びセンタリングである。全体的な位置合わせは、このOCTイメージング技術によって簡単に評価される。角度位置合わせは、IOLのマルチスライス又は体積を現場で取得することによって、直接評価することができる。角度位置合わせは、横断面の表示、3次元体積ビュー、又はワイヤフレーム構造によって、定性的に視覚化することができる。さらに、IOLの前面及び/又は後面をセグメンテーションし、また、法線ベクトルの形成することによって、表面プロフィルを導出することができる。法線ベクトルを、鼻側側頭方向成分と上下方向成分とに分解することができる。ベクトルを3次元タイプのビューに表示することができ、又はベクトルの投影を外科医コンパスに表示させることができる。外科医が角度位置合わせを改善したときに、ベクトル表示更新することができ、外科医へフィードバックするために、視覚的又は聴覚的な信号が供給される。

0121

高低線を基準にしたセンタリング化も、簡単に評価することができる。角膜、レンズ及び網膜に関する大量のイメージを、患者を基準にした顕微鏡ポジションを変えることなく、上述のように焦点及び基準アームをコントロールすることによって、取得することができる。これらのイメージのセクタによって、位置合わせをただちに視覚化することができる。また、上述のイメージ処理技術を用いて、角膜頂点、IOL頂点、及び斑点を識別することができ、それらのポジションに対する法線ベクトルを計算することができる。センタリングフィーチャを、外科医コンパスのビューにプロットすることができる。法線ベクトルを多数の手法でプロットすることができ、それらの手法として、上述のように外科医コンパスに個々の投影をプロットすること、差分ベクトルを同様の手法でプロットすること、又は3次元ベクトルを空間に描き、光学的な高低線で一致、不一致を強調することが挙げられる。外科医はこの情報に基づいて適正な補正動作を決定することができ、又は、より直接的な指示を外科医に提供するために臨床的な限界の集合が形成され得る。

0122

この手技の最終段階において、図18に示されているように外科医は、結果を微調整するために最終的な補正を行うための選択をすることができる。既述のようにOCTを利用して、屈折及び非点収差を含む臨床的な出力の最終セットを得ることができる。よく知られているように、角膜縫合によって非点収差に強い影響が及ぼされるので、非点収差の補正を行うために、ストラテジックな縫合を行うことができる。具体的には、収差測定を表示することができ(ブロック1807)、外科医コンパスに配向を表示させることができる(ブロック1817)。OCT分析に基づき、補正された縫合の位置の提案を示すことができ、外科医コンパス上に強調表示させることができる(ブロック1827)。これらに加えコンパスビューにより、非点収差の厳密さを表示するためにスケールを用意することができ、必要とされる補正の大きさに基づき外科医がガイドされる(ブロック1837)。

0123

手術終了時(図7のブロック795)、OCTを利用して、構造的な結果を評価し、発生し得るリスクを特定することができ、単一の手技で補正できるように、それらを視覚化することができる。図19に示されているように、IOLの配置を視覚化して、上述のように計算に作用させることができる。この場合、嚢の健全性を評価することができ、その際に裂孔を特定することができ、あるいは強調表示されている嚢に関して、IOLのポジショニングについて何らかの不均一性があるかを特定することができる(ブロック1901〜1919)。創傷の治癒は眼内炎の指標であることから、角膜縁切開部位をイメージングすることができ(ブロック1921)、漏出を特定し、特定された創傷に対する過剰なダメージを示すことができる(ブロック1923〜1929)。必要であれば、外科医は縫合を選択することができ、あるいはセルフシーリングその他を行わせることができる。OCTベースのドップライメージングを利用して、体液流出をそのままイメージングすることができる。また、OCTを利用して小帯をイメージングすることができ(ブロック1931〜1933)、また、水晶体嚢に対する支持構造及び毛様体突起をイメージングすることができ、これによってレンズのずれを引き起こす可能性のあるダメージ又は応力、あるいは網膜剥離又は分泌停止のリスクを生じさせる網膜に対する応力を、特定することができる(ブロック1935〜1939)。さらに斑点自体をイメージングすることができ(ブロック1941)、これは浮腫、黄斑又は剥離に関して評価するためである(ブロック1943〜1949)。これらのイメージを、レンズを交換することなく、上述の焦点コントロール及び基準アームコントロールを利用して取得することができる。

0124

図20には、最適なイメージを取得するための光干渉断層計イメージングシステムを、イメージングすべき領域又は幾つかの実施形態に従い実施されるインターベンショナル手技に応じて、容易にコンフィグレーションできるようにするために設計されたソフトウェアインタフェースが示されている。なお、自明の通り、本発明によるコンセプトの実現形態は、図20に示したインタフェースに限定されるものではなく、図20は1つの具体例として示したにすぎない。

0125

OCTイメージングシステムは一般に、複数の物理的なセッティングと、1つのイメージングセッションに対してセットされるソフトウェア処理パラメタとを有している。便宜上、これらのパラメタを、スキャンパラメタ、エンジンパラメタ又は干渉パラメタ、信号処理パラメタ、及び表示パラメタに分類することができる。スキャンパラメタには、スキャンパターンスキャン範囲、及びスキャンサンプリング密度、ビーム焦点、及びビーム開口数を含めることができる。さらに別のパラメタとして特に、平均値算出パラメタ、同期又は他のタイミン関連パラメタを挙げることができる。エンジンパラメタ又は干渉パラメタとして特に、光源のパワーをコントロールするセッティング、ビームスプリッタの結合比、基準パスレングス、基準パスの減衰レベル、及び基準パスの偏光セッティングを挙げることができる。これらに加えエンジンパラメタ又は干渉パラメタには、検出コントロールパラメタも含めることができ、検出器積分時間を含めることができるが、これに限定されるものではない。信号処理パラメタには、干渉計から得られるスペクトルデータから空間データへの変換に関連するパラメタを含めることができる。これらのパラメタには数値分散補正係数を含めることができ、フーリエ変換に適用されるさらに別のアポダイゼーションパラメタも含めることができる。幾つかの実施形態による数学的変換処理において、さらに別のパラメタも利用することができる。ディスプレイパラメタには、ノイズ低減に関連するパラメタ、スクリーンに表示されるデータの範囲、ならびに輝度及びコントラストのパラメタを含めることができる。ディスプレイパラメタに対するオプションを、ユーザの要求に合わせて容易に拡張することができる。

0126

上述のように、多様な状況に合わせてイメージを最適化するためのパラメタ空間は、かなり膨大なものとなる可能性があるため、インターベンショナルプロセスにおいてステップごとに最適なイメージを得るためにパラメタ空間を探索するのは、オペレータにとって非効率となる可能性がある。図20には、手際よくシステムをセッティングするための便利で効率的な解決策が示されている。図20の左側には、手技選択グリッド2017が一連のコントロールボタンとともに示されている。各ボタンごとに一意のイメージング環境が記述され、個々のボタン及びボタンのセットは、固有の使用事例又は関心対象使用事例に合わせて定義される。関心対象の手技又は領域に合わせてボタン毎に名称が与えられている。したがってボタンを選択することによって、固有の環境に合わせて事前に定義されたシステムパラメタをセットするためのシステム要求が送信される。これらのセッティングによって、上述のパラメタの分類のうち1つ又は複数の分類の中から、1つ又は複数の特定のパラメタをコントロールすることができる。

0127

上記の適切に較正された目標パラメタを、最適な又は許容可能なイメージの取得及び表示に対してOCTシステムを設定するために必要なすべてのものとすることができる。しかしながら、付加的に微調整が必要とされる状況も存在し得る。この場合、キーとなるパラメタをアナログでコントロールするソフトウェアユーザインタフェースが望まれる場合がある。このため、図20には、アナログ設定コントロールも示されている。図20のディスプレイの具体例によれば、基準アームポジション、基準アーム減衰レベル、及び偏光バランスが示されており、さらにスキャニングビームの焦点及び開口数のコントロールも示されている。但し自明の通り、本発明によるコンセプトの実現形態は、このコンフィグレーションに限定されるものではない。

0128

本発明によるコンセプトの幾つかの実施形態によれば、関心対象の手技又は領域が選択され、ユーザがユーザインタフェースにおいて適切なコントロールを選択した後、システムコントローラによってシステムのセットアップが実施される。この場合、現在のシステムコンフィギュレーションに反映させるために、アナログコントロールがセットされ、このようなアナログコントロールによって、コントロールが選択されたときにイメージングを微調整するのに役立つコントロールの範囲及び細分性が用意される。この場合、ユーザは、望まれる品質のイメージを取得するために必要に応じて、このようなアナログコントロールを利用してもよいし、利用しなくてもよい。

0129

これまで説明した技術によって、白内障手術における手技光干渉断層計イメージングの利用が強化される。関心対象の手技領域上の焦点合わせ、イメージの取得、セグメンテーション、臨床関連の結果の算出、医師に対して供給される信号、数値又はイメージの導出のための多くの同じ技術を外科関連の他の作業にもそのまま適用することができる。これらの方法により眼科学において、角膜屈折矯手術、角膜移植手術、及び他の屈折矯正処置のために直接、利点が得られるようになる。網膜の手術に関しては、屈折情報が得られることから、視覚的な成果全体において浮腫及び萎縮役割の把握に関して利点が得られるようになる。また、緑内障の手術に関しては、強膜、虹彩角膜角、前眼房と後眼房との間の流れと圧力のコントロールを左右する管の配置の視覚化及び測定によって、利点が得られるようになる。これらの手技のいずれに関しても、特定の治療対象に関する移植片の配置及び位置合わせをガイドする断層撮影による視覚化及び測定から、利点が得られるようになる。眼科以外では、屈折応答や視覚の特性から臨床関連の計算を適切には規定できないにしても、深さ方向で分解された構造情報が臨床成果にとって重要となる、例えば神経外科などのような分野において、上記の汎用的な手法が役立つ可能性もある。

0130

上述の本発明によるコンセプトの実施形態の説明から明らかなように、これまで説明してきた方法の多くのためには、コンピューティングデバイスにより提供される処理が必要とされる。次に図21を参照すると、この図には、汎用的なコンピューティングデバイス2100のブロック図が示されており、このデバイスを利用して、本発明によるコンセプトの幾つかの実施形態に従って必要とされる処理を提供することができる。次に、これについて説明する。この場合、デバイス2100を利用して例えば、上述のフローチャート及び図面を参照しながら説明した必要な計算を実施することができる。その際、ハードウェア、ハードウェアによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、命令が格納された有形コンピュータ読み取り可能なストレージ媒体、又はこれらの組み合わせが用いられる。さらにこのデバイス2100を、1つ又は複数のコンピュータシステム又は処理システムにおいて実装することができる。さらにこのコンピューティングデバイス2100を、コンピュータの仮想インスタンスとしてもよい。このように、ここで説明したデバイス及び方法を、ハードウェア及びソフトウェアのどのような組み合わせとしても実現することができる。

0131

図21に示されているように、コンピューティングデバイス2100は、キーボード又はキーパッド又はタッチスクリーンのような1つ又は複数の入力デバイス2105、ディスプレイ2110、メモリ2112を含むことができ、これらは1つ又は複数のプロセッサ2120と通信を行う(ここでは汎用的に「プロセッサ」と呼ぶ)。コンピューティングデバイス2100はさらに、ストレージシステム2125、スピーカ2145、及び/又は、1つ又は複数のI/Oデータポート2135を含むことができ、これらもプロセッサ2120と通信を行う。メモリ2112は、これまで説明してきた実施形態によるOCTデータ、ならびにOCTに組み込まれる所要情報を供給するのに必要とされる他のデータを含むことができる。

0132

ストレージシステム2125として、リムーバブル及び/又は定置型の、不揮発性記憶デバイス(以下に限定されるものではないが、ハードディスクドライブフラッシュメモリ、及び/又は、コンピュータプログラム命令及びデータをコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶させることができる同等のデバイス)、揮発性メモリデバイス(以下に限定されるものではないがランダムアクセスメモリ)、ならびにバーチャルストレージ(例えばRAMディスクであるがこれに限定されない)を挙げることができる。ストレージシステム2125は、本発明によるコンセプトの種々の観点を実施するために利用される情報を含むことができる。例えばストレージシステムは、上述のOCTシステムのデータを含むことができる。さらにこの図では、記憶装置2112と記憶システム2125は別個のブロックとして描かれているけれども、幾つかの実施形態において、それらを同じストレージ媒体によって実現してもよい。1つ又は複数の入/出力(I/O)データポート2135は、通信インタフェースを含むことができ、コンピューティングデバイス2100と他のコンピュータシステム又はネットワーク(例えばインターネット)との間で、情報を信号の形式で伝送するために使用することができる。通信インタフェースは、モデム、(イーサネットカードなどの)ネットワークインタフェース通信ポートPCMCIスロット及びカード、又は同等のものを含むことができる。これらのコンポーネントを、多くの慣用のコンピューティングデバイスで利用されるような慣用のコンポーネントとすることができ、それらの機能は、慣用のオペレーションに関しては、概して当業者に知られている。図21に示されているコンポーネントの通信インフラストラクチャとして、1つ又は複数のデバイス相互接続バス例えばイーサネットPCI(Peripheral Component Interconnect)などを挙げることができる。

0133

図面に示したフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な観点によるシステム、方法及びコンピュータプログラム製品について考えられる実現形態のアーキテクチャ、動作及びオペレーションを表したものである。この点に関して、フローチャート又はブロック図中の各ブロックは、これまで述べてきた論理的な機能を実現するために実行可能な1つ又は複数の命令を含むコードのモジュール、セグメント、又は一部分を表すことができる。さらにここで述べておきたいのは、ブロックとして表した機能を、幾つかの実施形態において、図面に示した順序通りではなく実行してもよい、ということである。例えば、相前後して示されている2つのブロックを、実際には実質的に同時に実行してもよいし、あるいはそれらのブロックを、必要とされる機能に応じて時には逆の順序で実行してもよい。さらにここで述べておくと、ブロック図及び/又はフローチャートにおける各ブロック、及びブロック図及び/又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせを、指定された機能又は動作を実行するために特化されたハードウェアベースのシステム、又は特化されたハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって、実現することができる。

0134

以上、本発明による開示内容について、例示及び説明の眼的で記載してきたが、これまで説明してきた形態での開示がすべてということではないし、それらに限定しようという意図するものでもない。当業者であれば、本開示内容の範囲及び着想から逸脱することなく、多くの改良や変形を行うことができる。本開示内容の観点は、本発明の原理及び実際の適用をもっともわかりやすく説明できるようにするために、さらには当業者が意図どおりに利用するのに適した種々の変形と合わせて本開示内容を理解できるように、選ばれたものである。

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