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技術 発熱体、発熱体の製造方法およびマイクロ波加熱装置

出願人 国立大学法人東京農工大学テクノリサーチ株式会社株式会社オーク製作所
発明者 鮫島俊之宮崎智由小林剛芹澤和泉
出願日 2017年3月28日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2017-063834
公開日 2018年10月25日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2018-165608
状態 特許登録済
技術分野 電子レンジ 高周波加熱[構造]
主要キーワード 発熱管 耐熱性材 サーモメータ マイクロ波発振機 有底筒状容器 気密封 立体的構造 カーボン素材
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (5)

課題

マイクロ波加熱装置において、短時間で被加熱物を加熱、昇温する。

解決手段

マイクロ波加熱装置は、石英製の発熱管20と、発熱管20を格納する反射容器40と、反射容器内にマイクロ波発振するマイクロ波発振機50、60とを備え、発熱管20の管内には、カーボン粉粒体70Mからなるカーボン発熱部材70が充填されるとともに、希ガス封入される。

概要

背景

金属やセラミックスなどを焼成する炉として、マイクロ波を利用した焼成炉が知られている。そこでは、断熱材からなる容器内壁に、マイクロ波を吸収して発熱する発熱体を塗布する。そして、容器内に金属粉末あるいはセラミック粉末を含有する被加熱物を設置し、電子レンジ内に容器を所定時間入れて焼成する(特許文献1参照)。発熱体としては、耐熱性の高い2種類の炭化ケイ素粉末と、水ガラス粘土物質などの耐熱性材とを混合したものが使用される。

概要

マイクロ波加熱装置において、短時間で被加熱物を加熱、昇温する。マイクロ波加熱装置は、石英製の発熱管20と、発熱管20を格納する反射容器40と、反射容器内にマイクロ波を発振するマイクロ波発振機50、60とを備え、発熱管20の管内には、カーボン粉粒体70Mからなるカーボン発熱部材70が充填されるとともに、希ガス封入される。

目的

本発明の一態様として、このような発熱部材ととともに、発熱体にマイクロ波を照射するマイクロ波発振機と、発熱体および被加熱物を収容するマイクロ波反射容器とを備えたマイクロ波加熱装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

マイクロ波を吸収して発熱するカーボンを含む発熱部材と、マイクロ波を透過する容器とを備え、前記発熱部材が前記容器内に配置されるとともに、前記発熱部材に対して不活性流体が前記容器内に満たされることを特徴とする発熱体

請求項2

前記発熱部材はカーボンを含む粉粒体からなり、前記発熱部材の全体厚さおよび前記粉粒体の粒径の少なくとも一方が、粒子間の熱伝導による昇温よりもマイクロ波吸収による昇温が支配的となるように、定められていることを特徴とする請求項1に記載の発熱体。

請求項3

前記粉粒体が、1μm〜1.5mmの範囲の粒径もつことを特徴とする請求項2に記載の発熱体。

請求項4

前記発熱部材と前記容器内面の鉛直方向に沿った上端面との間と、前記容器内に前記発熱部材を導入する導入管の内部には、前記流体で満たされた空間領域が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の発熱体。

請求項5

前記発熱部材が、前記容器の外部に向けて開口する隙間を複数形成させた構造体であることを特徴とする請求項1に記載の発熱体。

請求項6

前記発熱部材が、棒状カーボン材に対して複数のカーボン含有板を所定間隔で配置させた構造体であって、前記容器の軸方向に沿った前記隙間の大きさおよびカーボン含有板の厚さの少なくとも一方が、前記発熱体内の熱伝導による昇温よりも、隙間に入り込んだマイクロ波の吸収による昇温が支配的になるように、定められていることを特徴とする請求項5に記載の発熱体。

請求項7

マイクロ波を照射することにより30秒以下で600℃以上に到達するように、前記発熱部材が配置されて前記流体が満たされていることを特徴とする請求項1乃至6に記載の発熱体。

請求項8

前記流体は、ヘリウムネオンアルゴンキセノンの少なくともいずれか1つを含み、前記容器への封入ガス圧が1kPa〜10kPaであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の発熱体。

請求項9

請求項1乃至8のいずれかに記載された発熱体と、前記発熱体にマイクロ波を照射するマイクロ波発振機と、前記発熱体および被加熱物を収容するマイクロ波反射容器と、を備えたことを特徴とするマイクロ波加熱装置

請求項10

前記容器が、単管容器であり、前記被加熱物が、前記容器外に配置されることを特徴とする請求項9に記載のマイクロ波加熱装置。

請求項11

前記容器が、外側管内側管とを備えた二重管容器であり、前記発熱部材が、前記外側管と前記内側管との間に配置され、前記被加熱物が、前記内側管内部に配置されることを特徴とする請求項8に記載のマイクロ波加熱装置。

請求項12

マイクロ波を透過する素材を加熱して容器を成形し、マイクロ波を吸収して発熱するカーボンを含む発熱部材を前記容器内に配置し、前記カーボンに対して不活性な流体を前記容器に導入し、前記容器を封止することを特徴とする発熱体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、マイクロ波を吸収して発熱する発熱体および発熱体を備えたマイクロ波加熱装置に関し、特に、発熱体の構成に関する。

背景技術

0002

金属やセラミックスなどを焼成する炉として、マイクロ波を利用した焼成炉が知られている。そこでは、断熱材からなる容器内壁に、マイクロ波を吸収して発熱する発熱体を塗布する。そして、容器内に金属粉末あるいはセラミック粉末を含有する被加熱物を設置し、電子レンジ内に容器を所定時間入れて焼成する(特許文献1参照)。発熱体としては、耐熱性の高い2種類の炭化ケイ素粉末と、水ガラス粘土物質などの耐熱性材とを混合したものが使用される。

先行技術

0003

特開2001−284039号公報

発明が解決しようとする課題

0004

マイクロ波加熱は、その安定した発熱と発熱速度コントロールが容易であるという点で、近年様々な分野で使用され、あるいは注目されている。発熱体の加熱処理時間を短縮することが被加熱物の短時間による高速焼成をもたらすことから、熱源となる発熱体をできる限り高速昇温させることが重要である。

0005

しかしながら、容器内壁に発熱体を塗布する上記マイクロ波加熱装置では、電気抵抗が大きいケイ素が発熱体に含まれるため、今まで以上の高速昇温を実現することが難しい。

0006

したがって、高速昇温を実現可能な発熱体およびそれを備えたマイクロ波加熱装置が求められる。

課題を解決するための手段

0007

本発明の発熱体は、マイクロ波を吸収して発熱するカーボンを含む発熱部材発熱材ともいう)と、マイクロ波を透過する容器とを備える。そして、発熱部材が容器内に配置されるとともに、発熱部材に対して不活性流体が容器内に満たされる。容器としては、例えば、管状容器あるいは筒状容器が適用可能である。また、発熱部材としては、カーボンから成る発熱部材あるいはカーボンに他の物質を加えた発熱部材によって構成することが可能である。

0008

流体は、発熱部材(特にカーボン)に不活性である流体が適用される。例えば、ヘリウムネオンアルゴンキセノンの少なくともいずれか1つを含む希ガスを容器内に満たすことが可能である。このとき、容器への封入ガス圧を1kPa〜10kPaに設定することができる。

0009

上記発熱部材および流体を収容する容器で構成される発熱体に対してマイクロ波を照射すると、発熱部材のカーボンはマイクロ波を吸収して発熱する。一方、容器内で満たされる流体によって、カーボンが大気中の酸素と反応するようなことがなく、高温状態のカーボンが二酸化炭素となることによる減量が生じない。カーボン量が維持されることによって、短時間による昇温が可能となる。したがって、本発明の一態様として、このような発熱部材ととともに、発熱体にマイクロ波を照射するマイクロ波発振機と、発熱体および被加熱物を収容するマイクロ波反射容器とを備えたマイクロ波加熱装置を提供することが可能である。

0010

マイクロ波加熱装置における被加熱物の配置構成は様々であり、例えば容器が単管式容器である場合、被加熱物は、容器外に配置する(容器傍など)ことが可能である。また、容器は、外側管内側管とを備えた二重管式容器で構成することが可能であり、発熱部材を外側管と内側管との間に配置し、被加熱物を内側管内部に配置すればよい。

0011

発熱部材は、粒状あるいは塊状いずれも可能である。例えば、発熱部材はカーボンを含む粉粒体から構成することができる。この場合、発熱部材の全体厚さおよび粉粒体の粒径の少なくとも一方を、粒子間の熱伝導による昇温よりもマイクロ波吸収による昇温が支配的となるように、定めることができる。例えば、粉粒体は、1μm〜1.5mmの範囲の粒径もつように構成することができる。粉粒体で発熱部材を構成する場合、発熱部材と容器内面の鉛直方向に沿った上端面との間と、容器内に発熱部材を導入する導入管の内部は、流体で満たされた空間領域を形成することが可能である。

0012

一方、発熱部材を塊状で構成する場合、発熱部材は、容器の外部に向けて開口する隙間を複数形成させた構造体にすることができる。例えば、発熱部材は、棒状カーボン材に対して複数のカーボン含有板を所定間隔で配置させた構造体で構成される。この場合、容器の軸方向に沿った隙間の大きさおよびカーボン含有板の厚さの少なくとも一方を、発熱体内の熱伝導による昇温よりも、隙間に入り込んだマイクロ波の吸収による昇温が支配的になるように、定めることができる。

0013

本発明の他の態様における発熱体の製造方法は、マイクロ波を透過する素材を加熱して容器を成形し、マイクロ波を吸収して発熱するカーボンを含む発熱部材を容器内に配置し、発熱部材に対して不活性な流体を容器に導入し、容器を封止する。

発明の効果

0014

本発明によれば、短時間で被加熱物を加熱、昇温することができる。

図面の簡単な説明

0015

マイクロ波加熱装置の概略的構成図である。
第1の実施形態である発熱管の概略的断面図である。
第2の実施形態である発熱管の概略的断面図である。
第3の実施形態である発熱管の概略的断面図である。

0016

以下では、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。

0017

図1は、第1の実施形態であるマイクロ波加熱装置の概略的構成図である。図2は、発熱管の概略的断面図である。

0018

マイクロ波多重反射加熱装置マイクロ波焼成炉ともいう。以下では、「マイクロ波加熱装置」と称す)10は、マイクロ波を利用して被加熱物を加熱、焼成あるいは乾燥する装置であり、耐熱性のある矩形状のマイクロ波反射容器(以下、反射容器という)40を備える。反射容器40の異なる側面にはマイクロ波発振機50、60が装着されており、異なる2方向から反射容器内の発熱管20に向けてマイクロ波が発振される。

0019

反射容器40の空間領域40Mにおける中央部には、発熱管20が支持部材(図示せず)によって設置されており、その傍には、被加熱物30が保持部材(図示せず)によって保持されている。被加熱物としては、例えば、セラミックス、半導体有機物である。さらに、マイクロ波加熱装置10は、マイクロ波発振機50、60を制御可能な電源回路(図示せず)と、発熱管20の温度を測定するサーモメータ放射温度計)(図示せず)を備え、電源回路は、サーモメータによって検出される発熱管20の温度に基づいてマイクロ波発振機50、60を制御する。

0020

図2に示すように、発熱管20は、発熱部材を配置する容器であり、ここでは、一方の端部に導入管22が形成された密閉性のある有底管状容器で構成され、マイクロ波を透過する石英材によって加熱成形されている。ただし、軸長さに対して内径が大きい円板状容器にしてもよい。発熱管20内には、カーボン発熱部材70が発熱管20内部全体をほぼ満たすように充填されている。

0021

カーボン発熱部材70は、ここでは流動可能なカーボン粉粒体70Mで構成されている。カーボン粉粒体70Mは、塊状のカーボン素材粉砕することで得られ、いわゆる粗砕あるいは中砕によって、上記粒径をもつ粒子の集合体であるカーボン粉粒体70Mを生成する。

0022

カーボン粉粒体70Mの各粒子は不規則凹凸表面を有するため、カーボン粉粒体70Mを発熱管20内に入れたとき、粒子間に隙間が生じる。粒子間の隙間はカーボン発熱部材70全体に存在する。発熱管20の内径、カーボン粉粒体70Mの粒径および充填率は、後述するように、マイクロ波吸収による発熱が支配的となるように定められている。

0023

図2に示すように、カーボン発熱部材70と発熱管内面20Uの鉛直方向沿った上端面との間には、管軸方向全体に渡って希ガスで満たされた空間領域Sが形成されている。ただし、図2では空間領域Sのサイズを誇張して描いているため、カーボン粉粒体70Mから構成されるカーボン発熱部材70の全体厚さは発熱管20の内径と略等しい。また、発熱管20の端部に形成された導入管22の内部には、カーボン粉粒体70Mを充填させておらず、希ガスで満たされた空間領域が形成されている。

0024

カーボン発熱部材70を除く発熱管20内の残余の空間領域は、希ガスによって満たされている。ここでは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンのいずれかのガス、あるいはこれら二種類以上のガスが封入されている。希ガスは、カーボン発熱部材70に対して不活性であり、石英ガラスから成る発熱管20に対しても不活性である。

0025

粒子間に隙間のあるカーボン粉粒体70Mおよび希ガスを気密封入した発熱管20に対してマイクロ波を照射すると、マイクロ波がカーボン粉粒体70M全体に対して到達する。特に、発熱管20の中心(軸)付近にあるカーボン粉粒体にも到達する。

0026

その結果、短時間で高温状態に到達することができる。特に、希ガスが発熱管20内に封入されることによって、カーボン粉粒体70Mが大気中の酸素との反応により二酸化炭素化して減量し充填量が少なくなることを防止できる。

0027

カーボン粉粒体70Mが発熱すると、中心付近のカーボン粉粒体70Mで発生する熱が発熱管20外部へ放出される。その結果、発熱管20全体としての熱放射が高まり、被加熱物を短時間で高温状態に到達させることができる。

0028

発熱管20の内径、カーボン粉粒体70Mの粒径および充填率は、マイクロ波に照射されるカーボン発熱部材70の表面積を増やすことで、短時間による昇温を実現するように定められている。発熱管20の内径が小さすぎるとカーボン粉粒体70Mの量が少なくなり、発熱効果が小さくなる。一方、発熱管20の内径(カーボン発熱部材70の全体厚さ)が大きすぎると、発熱管20の中心付近までマイクロ波が届かず、熱伝導による昇温が支配的となって短時間で高温状態にならない。例えば、発熱管20の内径として、1mm〜100mmに設定することが可能である。

0029

カーボン粉粒体70Mの粒径が小さすぎると、粒子間隙が小さくなる結果、カーボン粉粒体70Mに対するマイクロ波の到達範囲が外側付近に制限されることになり、短時間で高温状態にすることが難しい。一方、粒径が大きすぎると、マイクロ波が発熱管20の中心付近に到達せず、中心付近のカーボン粉粒体70Mでは粒子間の熱伝導による昇温が支配的となり、発熱管20全体が高温状態に短時間で到達できない。

0030

カーボン粉粒体70Mの粒径は、ここでは1μm〜1.5mmの範囲の粒径をもつカーボン粒子から成る。このような粒径をもつカーボン粉粒体70Mは、粉砕操作として、いわゆる「微粉砕」あるいは「中砕」を行うことにより得ることができる。

0031

カーボン粉粒体70Mの充填率が小さすぎると、充填量の少なさによって熱放射が低下するとともに、発熱管20内でのカーボン粉粒体70Mの径方向あるいは軸方向の偏りによって不均一な高温状態となり、発熱管20への負荷が大きくなる。一方、充填率が大き過ぎると、発熱管20の中心付近へマイクロ波の届きにくくなり、短時間での高温状態への到達が難しい。充填率は、ここでは0.05〜0.2の範囲に定められている。ただし、充填率は、発熱管20内の空間体積に対するカーボン粉粒体70Mの体積割合を表す。

0032

希ガス、カーボン発熱部材70を封入した発熱管20は、以下のように製造することができる。マイクロ波を透過する石英材を加熱して一端に導入管を設けた有底筒状容器に対し、マイクロ波を吸収して発熱するカーボン材(カーボン粉粒体)を導入管から容器内に充填する。その後、カーボン材に対して不活性である希ガスを、所定範囲となるように導入管から封入する。例えば、1kPa〜20kPaの範囲に定められる。そして、導入管を加熱軟化させて封止することで容器を密閉する。

0033

希ガスの封入ガス圧は容器の耐圧特性気圧がガスの絶対温度に比例する関係から決めることができる。例えば、最初常温300Kの発熱管をマイクロ波加熱して2000Kの高温度に上げ、そのときの発熱管内の圧力が大気圧と同じにする設計条件のときは、発熱管の常温でのガス圧力は15.195kPaとなる。また、常温300Kの発熱管をマイクロ波加熱して800Kの中温度に上げ、そのときの発熱管内の圧力が大気圧と同じにする設計条件のときは、発熱管の常温でのガス圧力を37.988kPaと大きくすることができる。

0034

このように本実施形態のマイクロ波加熱装置は、気密性のある石英製の発熱管20と、発熱管20を格納する反射容器40と、反射容器内にマイクロ波を発振するマイクロ波発振機50、60とを備え、発熱管20の管内には、カーボン粉粒体70Mからなるカーボン発熱部材70が充填されるとともに、希ガスが封入されている。

0035

このような構成により、発熱管20が短時間で昇温し、被加熱物30を高速加熱、焼成することが可能となる。また、従来の電気炉などと比べて消費電力の低減をもたらす。また、熱源となる発熱管20を容易に交換する構成が可能となり、メンテナンスが簡素化する。

0036

上述したマイクロ波加熱装置(マイクロ波焼成炉)では、矩形状の反射容器であるが、円筒状や略球状であってもよい。また、反射容器内では発熱体である発熱管20の傍に被加熱物を配置する構成であるが、発熱管20に囲われた状態で被加熱物を設置する構成にしてもよい。例えば、複数の発熱管20に囲まれたマッフル炉として構成することが可能である。あるいは、他の熱処理装置の熱源としても使用可能である。

0037

次に、図3を用いて、第2の実施形態である発熱管について説明する。第2の実施形態では、発熱管内に流入した流体(希ガス)をカーボン発熱部材によって加熱し、昇温された流体を放出する。

0038

図3は、第2の実施形態である発熱管の概略的断面図である。

0039

石英材を用いて、両端に流入口200Aと流出口200Bを設けた有底筒状に加熱成形された発熱管200の内部には、塊状であるカーボン発熱部材700が配置されている。被加熱物として発熱管200の内部に流入した流体を加熱して昇温させる。カーボン発熱部材700は、複数の円板状カーボン板720を同じカーボン素材である支持棒710によって軸支した構造であり、いわゆるポーラス状構造体(多気孔構造)と機能的に同等な立体構造となっている。複数のカーボン板720は、所定の距離間隔で発熱管200の軸方向に沿って配列されている。

0040

カーボン板720の直径は、発熱管200の内径と略等しく、カーボン板720は発熱管内面200Iと接している。したがって、隣り合うカーボン板720の間は支持棒710と発熱管内面200Iとが対向する隙間となり、発熱管200の外部に向けて開口している。複数の径方向に沿った円筒状(ドーナツ状)隙間が管軸方向に沿って断続的に形成された構成となり、流入口200Aと流出口200Bとは発熱管200内を通じて空間的に接続され、流体が流れる構成となる。

0041

発熱管200の内径、発熱管200の軸方向に沿ったカーボン板720の厚さW、カーボン板720の間の距離間隔(隙間の大きさ)Dは、マイクロ波に照射されるカーボン発熱部材の表面積を増やすことで、短時間でカーボン発熱部材700が昇温するように定められている。発熱管200の内径が小さすぎると、カーボン発熱部材700自体のサイズも小さくなり、発熱効果が小さくなる。逆に発熱管200の内径が大きすぎると、マイクロ波が発熱管200の中心部に届きにくい。例えば発熱管200の内径を、1mm〜100mmの範囲に定めることができる。

0042

カーボン板720が薄すぎると、カーボン発熱部材700が振動温度変化などによって構造体の形状を維持することが困難となって破損しやすくなる。一方、カーボン板720が厚すぎると、カーボン板720内の軸方向への熱伝導による昇温が支配的となる。例えばカーボン板720の厚さWを、1mm〜20mmに定めることができる。

0043

隣り合うカーボン板720の距離間隔D(発熱管20の外部に向けて開口した隙間)が大きすぎると、発熱効果が小さくなる。一方、カーボン板720の距離間隔Dが小さすぎると、マイクロ波の到達範囲が制限され、発熱管200全体として短時間での高温状態への到達達成が難しくなる。例えば、カーボン板720の距離間隔Dを、1mm〜20mmに定めることができる。

0044

第1の実施形態と同様に、マイクロ波発振機からマイクロ波が発振されると、カーボン発熱部材700が発熱する。カーボン発熱部材700が上記立体的構造を採用しているため、発熱管200の中心までマイクロ波が届く。その結果、カーボン板720内の径方向への熱伝導による昇温よりも、カーボン板720全体のマイクロ波吸収による昇温が支配的となり、カーボン発熱部材700が短時間で高温状態となる。また、マイクロ波が隙間を通じて支持棒710付近に到達し、発熱管200中心付近からの熱放射が発熱管外部まで届く。その結果、発熱管200全体として熱放射が高くなる。

0045

マイクロ波照射によって高温状態になったカーボン発熱部材700に対し、被加熱物としての希ガスがガス流入口200Aから発熱管200に流れ込む。流入した希ガスは、高温状態のカーボン発熱部材700の隙間を通過することで加熱され、高温状態となった希ガスが流出口200Bから流出する。被加熱物である希ガスの流入出には、自然に発生する熱対流を利用してもよいし、プロペラピストン等により強制的に流入出させてもよい。

0046

このように第2の実施形態によれば、マイクロ波加熱装置において、発熱管200内に、カーボン板720を軸方向に並べた塊状カーボン発熱部材700を配置し、希ガスを流入出する。これによって、被加熱物である流体を高速加熱、昇温することができる。

0047

なお、発熱管200を流入口200Aまたは流出口200Bと同じ内径である管状とし、被加熱物である流体が流れるパイプの一部空間領域にカーボン発熱部材700を配置してもよい。

0048

次に、図4を用いて、第3の実施形態である発熱管について説明する。第3の実施形態では、中空円筒状(二重管構造)の発熱管に対し、その中空部に被加熱物を配置して加熱する。

0049

図4は、第3の実施形態である発熱管の概略的断面図である。

0050

発熱管2000は、石英材からなる内側管2100と外側管2200の両端部において一体に封着することで、中空円筒状(ドーナツ状の二重管構造)に加熱成形され、内側管2100と外側管2200との間に形成された内部空間にカーボン発熱部材7000が配置されている。この内部空間残余の空間領域には希ガスが満たされている。カーボン発熱部材7000は、第1の実施形態で記載のカーボン粉粒体70Mや、第2の実施形態で記載のカーボン素材からなる立体構造が適用可能である。導入管と空間領域Sと隙間の記載は省略している。

0051

被加熱物3000は、発熱管2000の中心軸に沿って形成された中空部分に配置されている。マイクロ波が到達可能な範囲であるカーボン発熱部材7000の全体厚さは、外側管2200の内径と内側管2100外径との差に略等しい。この全体厚さを、中空部分にはマイクロ波が殆ど届かない厚さに定めることで、被加熱物3000に伝搬するマイクロ波を遮蔽してもよい。

0052

第1の実施形態と同様のマイクロ波加熱装置によってマイクロ波発振機からマイクロ波が発振されると、カーボン発熱部材7000が発熱する。発熱管2000が高温状態になることで、発熱管2000の中空部分に配設された被加熱物3000が高速加熱される。

0053

被加熱物3000が発熱管2000の中空部分よりも軸方向に長いときには、被加熱物3000または発熱管2000を軸方向に移動させる機構を設けてもよい。また、被加熱物は流体であってもよく、カーボン発熱部材と被加熱物とが内側管により隔離されているので、反応することがない。

0054

発熱管の素材は石英以外でもよく、マイクロ波を透過し、希ガスなどの流体に反応しなければよい。さらに、希ガス以外の流体であって、マイクロ波に不活性な流体を適用してもよい。

0055

以下、第1の実施形態に相当する実施例について説明する。

0056

実施例は、第1の実施形態に相当するマイクロ波加熱装置であり、外径8mm、内径6mmとなる発熱管に対し、粒径約2μmのカーボン粉粒体を充填し、アルゴンを5kPaで封入した。そして、球状の反射容器内で2.45GHzのマイクロ波を照射して発熱実験を行った。カーボン表面温度の測定には、放射温度計(測定波長900nm)を用いた。さらに、粒径約1mmのカーボン粉粒体を代わりに充填して同様の実験を行った。

実施例

0057

実験の結果、粒径約2μmのカーボン粉粒体では、5秒以下で600℃以上、10秒以下で1000℃に到達した。一方、粒径約1mmのカーボン粉粒体では、30秒以下で600℃以上に到達した。これらは、従来得られなかった短時間による昇温を実現している。

0058

10マイクロ波加熱装置
20発熱管
30被加熱物
40反射容器(容器)
50、60マイクロ波発振機
70カーボン発熱部材(発熱部材)
70M カーボン粉粒体

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