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技術 差圧センサチップ、差圧発信器、および差圧センサチップの製造方法

出願人 アズビル株式会社
発明者 徳田智久津嶋鮎美
出願日 2017年3月22日 (3年9ヶ月経過) 出願番号 2017-056186
公開日 2018年10月11日 (2年2ヶ月経過) 公開番号 2018-159592
状態 特許登録済
技術分野 圧力センサ 流体圧力測定
主要キーワード 並列配置型 圧力センサダイ 差圧発信器 高圧検出用 筒状部材内 差圧伝送器 センサダイアフラム 信号処理結果
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (19)

課題

センサチップ内に導入された圧力伝達物質膨張および収縮の影響を低減した差圧発信器を実現する。

解決手段

本発明に係る差圧センサチップ2は、第1および第2圧力導入孔21_1,21_2と、第1および第2圧力導入孔を覆って形成された第1および第2ダイアフラム23_1,23_2と、第1および第2ダイアフラムを挟んで第1および第2圧力導入孔と夫々対面配置された凹状の第1および第2ストッパ部24_1,24_2と、第1ストッパ部と第1ダイアフラムとの間の部屋と第2ストッパ部と第2ダイアフラムとの間の部屋を連通させる第1連通路25と、凹状の開口部260と第1連通路とを連通する第2連通路261を含むオイル導入路26と、第1連通路、2つの上記部屋、およびオイル導入路に充填された圧力伝達物質27と、上記開口部内に配置された筒状の筒状部材70と、金属管内に挿入された棒状部材71とを含む。

概要

背景

従来から、各種プロセス系において圧力の差を計測する機器として、差圧発信器差圧伝送器)が知られている。
差圧発信器は、半導体から成るダイアフラムを有し、圧力差によってダイアフラムが撓むことにより発生する応力ピエゾ抵抗素子抵抗値の変化に変換し、その抵抗値の変化に基づく電気信号を圧力差の計測結果として出力するものである。

差圧発信器としては、例えば、半導体チップ内に、ピエゾ抵抗素子が形成された半導体膜から成る低圧検出用ダイアフラムと高圧検出用ダイアフラムとが平面方向に並んで形成されるとともに、夫々のダイアフラムの直上に形成された2つの部屋を連通路によって互いに空間的に接続した構造のセンサチップを用いたダイアフラム並列配置型の差圧発信器が知られている(例えば、特許文献1,2を参照)。

ダイアフラム並列配置型の差圧発信器では、一般に、一方のダイアフラムに加えられた圧力を他方のダイアフラムに伝達させるために、2つの部屋および連通路を、圧力伝達物質オイル)で満たしている。
このオイルの封入方法としては、金属部品であるオイル充填用パイプをセンサチップに接着し、オイル充填用パイプからセンサチップ内にオイルを封入した後で、オイル充填用パイプの先端を圧潰して、溶接または半田封止を行う手法が従来から知られている(例えば、特許文献3を参照。)。

概要

センサチップ内に導入された圧力伝達物質の膨張および収縮の影響を低減した差圧発信器を実現する。本発明に係る差圧センサチップ2は、第1および第2圧力導入孔21_1,21_2と、第1および第2圧力導入孔を覆って形成された第1および第2ダイアフラム23_1,23_2と、第1および第2ダイアフラムを挟んで第1および第2圧力導入孔と夫々対面配置された凹状の第1および第2ストッパ部24_1,24_2と、第1ストッパ部と第1ダイアフラムとの間の部屋と第2ストッパ部と第2ダイアフラムとの間の部屋を連通させる第1連通路25と、凹状の開口部260と第1連通路とを連通する第2連通路261を含むオイル導入路26と、第1連通路、2つの上記部屋、およびオイル導入路に充填された圧力伝達物質27と、上記開口部内に配置された筒状の筒状部材70と、金属管内に挿入された棒状部材71とを含む。

目的

本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、センサチップ内に導入された圧力伝達物質の熱や圧力による膨張および収縮の影響を低減した差圧発信器を実現することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第1主面、および前記第1主面と反対側の第2主面と、夫々前記第1主面と前記第2主面とに開口する第1圧力導入孔および第2圧力導入孔とを有する第1基部と、前記第1基部の前記第2主面上に設けられた半導体膜と、第3主面、および前記第3主面と反対側の第4主面とを有し、前記第3主面が前記半導体膜上に接合された第2基部と、を有し、前記半導体膜は、前記第1圧力導入孔の一端を覆うように構成された第1ダイアフラムと、前記第1基部の前記第2主面上に設けられ、前記第2圧力導入孔の一端を覆うように構成された第2ダイアフラムと、前記第1ダイアフラムに設けられ、計測対象流体の圧力を検出するように構成された第1ひずみゲージと、前記第2ダイアフラムに設けられ、前記計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第2ひずみゲージと、を含み、前記第2基部は、前記第3主面の前記第1ダイアフラムを挟んで前記第1圧力導入孔と対面する位置に形成され、前記第1ダイアフラムとともに第1部屋を形成する第1凹部と、前記第3主面の前記第2ダイアフラムを挟んで前記第2圧力導入孔と対面する位置に形成され、前記第2ダイアフラムとともに第2部屋を形成する第2凹部と、前記第1部屋と前記第2部屋とを連通する第1連通路と、前記第4主面に形成された第3凹部と、前記第3凹部と前記第1連通路とを連通する第2連通路とを含む圧力伝達物質導入路と、前記第1部屋、前記第2部屋、前記第1連通路、および前記圧力伝達物質導入路に充填された圧力伝達物質と、前記第3凹部を封止する封止部材とを含み、前記封止部材は、前記第3凹部内に配置された筒状部材と、前記筒状部材内に挿入された棒状部材とを含むことを特徴とする差圧センサチップ

請求項2

請求項1に記載の差圧センサチップにおいて、前記筒状部材と前記棒状部材とは、同一の金属材料から構成されていることを特徴とする差圧センサチップ。

請求項3

請求項1乃至2の何れか一項に記載の差圧センサチップと、第5主面と、前記第5主面と反対側の第6主面と、夫々前記第5主面と前記第6主面とに開口する第1流体圧力導入孔および第2流体圧力導入孔とを有する基台と、前記基台の前記第5主面上に設けられ、前記第1流体圧力導入孔の一端を覆う第3ダイアフラムと、前記基台の前記第5主面上に設けられ、前記第2流体圧力導入孔の一端を覆う第4ダイアフラムと、第7主面と、前記第7主面と反対側の第8主面と、夫々前記第7主面および前記第8主面に開口する第1貫通孔および第2貫通孔とを有し、前記第7主面が前記基台上に固定され、前記第8主面が前記第1基部の前記第1主面に接合されて、前記差圧センサチップを支持する支持基板と、を備え、前記第1流体圧力導入孔と前記第1貫通孔とが連通し、前記第2流体圧力導入孔と前記第2貫通孔とが連通している、ことを特徴とする差圧発信器

請求項4

計測対象の流体の圧力差を検出する差圧センサチップの製造方法であって、第1ダイアフラムおよび第2ダイアフラムと、前記第1ダイアフラムに設けられ、前記計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第1ひずみゲージと、前記第2ダイアフラムに設けられ、前記計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第2ひずみゲージと、前記第1ダイアフラムに圧力を導入するように構成された第1圧力導入孔と、前記第2ダイアフラムに圧力を導入するように構成された第2圧力導入孔と、前記第1ダイアフラムを挟んで前記第1圧力導入孔に対面配置され、前記第1ダイアフラムと離間して形成された第1ストッパ部と、前記第2ダイアフラムを挟んで前記第2圧力導入孔に対面配置され、前記第2ダイアフラムと離間して形成された第2ストッパ部と、前記第1ダイアフラムと前記第1ストッパ部との間の第1部屋と、前記第2ダイアフラムと前記第2ストッパ部との間の第2部屋と、前記第1部屋と前記第2部屋とを連通する第1連通路と、圧力伝達物質を導入するための一端と、前記第1連通路に接続された他端とを有する圧力伝達物質導入路とを有する半導体チップを形成する第1ステップと、前記圧力伝達物質導入路の前記開口部に筒状部材を挿入し、前記筒状部材を前記半導体チップに固定する第2ステップと、前記筒状部材内に圧力伝達物質を流し込むことにより、前記第1部屋、前記第2部屋、前記第1連通路、前記オイル導入孔、および前記筒状部材の内部を前記圧力伝達物質で満たす第3ステップと、前記第3ステップの後に、前記筒状部材内に棒状部材を挿入する第4ステップと、前記第4ステップの後に、前記筒状部材の前記開口部に挿入されていない一端を封止する第5ステップと、を含む差圧センサチップの製造方法。

請求項5

請求項4に記載の差圧センサチップの製造方法において、前記筒状部材と前記棒状部材とは、同一の金属材料から構成されていることを特徴とする差圧センサチップの製造方法。

請求項6

請求項4または5に記載の差圧センサチップの製造方法において、前記棒状部材の外径は、前記筒状部材の内径よりも小さいことを特徴とする差圧センサチップの製造方法。

請求項7

請求項4乃至6の何れか一項に記載の差圧センサチップの製造方法において、前記半導体チップは、第1主面、および前記第1主面と反対側の第2主面と、夫々前記第1主面と前記第2主面とに開口する前記第1圧力導入孔および前記第2圧力導入孔とを有する第1基部と、前記第1圧力導入孔および前記第2圧力導入孔を覆って前記第1基部の前記第2主面上に配置され、前記2主面と垂直な方向から見て前記第1圧力導入孔と重なる領域が前記第1ダイアフラムとして機能するとともに、前記第2圧力導入孔と重なる領域が前記第2ダイアフラムとして機能する半導体膜と、第3主面と、前記第3主面に形成された前記第1ストッパ部および前記第2ストッパ部と、前記第1ストッパ部と前記第2ストッパ部とを連通する前記第1連通路と、前記第4主面に形成された凹部と、前記凹部と前記第1連通路を連通する第2連通路とから成る前記圧力伝達物質導入路とを含み、前記第3主面が前記第3主面に垂直な方向から見て、前記第1ストッパ部の少なくとも一部が前記第1ダイアフラムと重なり、且つ前記第2ストッパ部の少なくとも一部が前記第2ダイアフラムと重なった状態で、前記第1基部の前記第2主面の前記半導体膜上に配置された第2基部と、を有することを特徴とする差圧センサチップの製造方法。

請求項8

請求項7に記載の差圧センサチップの製造方法において、第1ステップは、第1半導体基板の対向する2つの主面を貫通する前記凹部としての第1貫通孔を形成する第6ステップと、第2半導体基板の対向する2つの主面の一方に、前記第1連通路と、前記第1ストッパ部と、前記第2ストッパ部とを形成するとともに、前記第2半導体基板の前記2つの主面の他方に、前記第1連通路に連通する前記第1貫通孔よりも径の小さい前記第2連通路を形成する第7ステップと、前記第6ステップおよび前記第7ステップの後に、前記第1貫通孔と前記第2連通路とを連結させた状態で前記第1半導体基板と前記第2半導体基板とを接合させて前記第2基部を形成する第8ステップと、を含むことを特徴とする差圧センサチップの製造方法。

請求項9

請求項8に記載の差圧センサチップの製造方法において、前記筒状部材の外径は、前記凹部の内径よりも小さく、前記第2ステップは、前記圧力伝達物質導入路の前記凹部に前記筒状部材を挿入する第9ステップと、前記第9ステップの後に、前記筒状部材を前記凹部の底面に密接させた状態において、前記筒状部材の外周面と前記凹部の内壁面との隙間に接着剤を流し込むステップとを含むことを特徴とする差圧センサチップの製造方法。

請求項10

請求項9に記載の差圧センサチップの製造方法において、前記接着剤は、エポキシ系の接着剤であることを特徴とする差圧センサチップの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、2以上の流体圧力の差を検出する差圧センサチップ、上記差圧センサチップを用いた差圧発信器、および上記差圧センサチップの製造方法に関する。

背景技術

0002

従来から、各種プロセス系において圧力の差を計測する機器として、差圧発信器(差圧伝送器)が知られている。
差圧発信器は、半導体から成るダイアフラムを有し、圧力差によってダイアフラムが撓むことにより発生する応力ピエゾ抵抗素子抵抗値の変化に変換し、その抵抗値の変化に基づく電気信号を圧力差の計測結果として出力するものである。

0003

差圧発信器としては、例えば、半導体チップ内に、ピエゾ抵抗素子が形成された半導体膜から成る低圧検出用ダイアフラムと高圧検出用ダイアフラムとが平面方向に並んで形成されるとともに、夫々のダイアフラムの直上に形成された2つの部屋を連通路によって互いに空間的に接続した構造のセンサチップを用いたダイアフラム並列配置型の差圧発信器が知られている(例えば、特許文献1,2を参照)。

0004

ダイアフラム並列配置型の差圧発信器では、一般に、一方のダイアフラムに加えられた圧力を他方のダイアフラムに伝達させるために、2つの部屋および連通路を、圧力伝達物質オイル)で満たしている。
このオイルの封入方法としては、金属部品であるオイル充填用パイプをセンサチップに接着し、オイル充填用パイプからセンサチップ内にオイルを封入した後で、オイル充填用パイプの先端を圧潰して、溶接または半田封止を行う手法が従来から知られている(例えば、特許文献3を参照。)。

先行技術

0005

特開昭53−20956号公報
特開平5−22949号公報
特開2003−194649号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、2枚の圧力センサダイフラムを用いたセンサチップのダイアフラム連結用に封入されたオイルは、センサチップの周囲環境の変化によって膨張または収縮する。例えば、温度が‐40℃〜125℃の範囲で変化したとき、センサチップ内のダイアフラムは、検出対象流体から圧力が加わっていない場合であっても、オイルの膨張または収縮によって変形する。また、同じ差圧であっても、例えば、静圧が0MPaであるときと、静圧が63MPaであるときとでは、オイルが収縮する分だけセンサダイアフラムの変形量は異なる。このようにオイルの膨張または収縮が原因でダイアフラムが変形した状態において、ダイアフラムに検出対象の流体から圧力が加わった場合、差圧発信器としての圧力の検出感度の低下のおそれや、ダイアフラムに過大な応力が発生することによるダイアフラムの破壊のおそれがある。

0007

したがって、センサチップ内に導入されたオイルの熱による膨張または収縮の影響を低減するためには、センサチップに封入するオイルの量を可能な限り少なくすることが望ましい。

0008

しかしながら、特許文献3に開示された従来のオイル充填用パイプ(金属部品)を用いる方法によって差圧センサチップにオイルを導入した場合、オイル充填用パイプ内にもオイルが充填されてしまう。そのため、差圧センサチップ内に充填される総オイル量が多くなり、上述した圧力の検出感度の低下やダイアフラムの破壊を招くおそれがある。

0009

本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、センサチップ内に導入された圧力伝達物質の熱や圧力による膨張および収縮の影響を低減した差圧発信器を実現することにある。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係る、計測対象の流体の圧力差を検出する差圧センサチップは、第1主面(20a)、および第1主面と反対側の第2主面(20b)と、夫々第1主面と第2主面とに開口する第1圧力導入孔(21_1)および第2圧力導入孔(21_2)とを有する第1基部(20)と、第1基部の第2主面上に設けられ第1圧力導入孔の一端を覆う第1ダイアフラム(23_1)と、第1基部の第2主面上に設けられ第2圧力導入孔を覆う第2ダイアフラム(23_2)と、第1ダイアフラムに設けられ計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第1ひずみゲージ(230_1)と、第2ダイアフラムに設けられ、計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第2ひずみゲージ(230_2)と、第3主面(22a)、および第3主面と反対側の第4主面(22b)とを有し、第3主面が第1ダイアフラムおよび第2ダイアフラムを覆って第1基部の第2主面上に接合された第2基部(22)とを有し、第2基部は、第3主面の第1ダイアフラムを挟んで第1圧力導入孔と対面する位置に形成され第1ダイアフラムとともに第1部屋(28_1)を形成する第1凹部(24_1)と、第3主面の第2ダイアフラムを挟んで第2圧力導入孔と対面する位置に形成され、第2ダイアフラムとともに第2部屋(28_1)を形成する第2凹部(24_2)と、第1部屋と第2部屋とを連通する第1連通路(25)と、第4主面に形成された第3凹部(260)と当該第3凹部と第1連通路を連通する第2連通路(261)とを含む圧力伝達物質導入路(26)と、第1部屋、第2部屋、第1連通路、および前記圧力伝達物質導入路に充填された圧力伝達物質(27)と、第3凹部を封止する封止部材(7)とを含み、封止部材は、第3凹部内に配置された筒状部材(70)と、筒状部材内に挿入された棒状部材(71)とを含むことを特徴とする。

0011

上記差圧センサチップにおいて、筒状部材と棒状部材とは、同一の金属材料から構成されていてもよい。

0012

本発明に係る差圧発信器(100)は、本発明に係る差圧センサチップ(2)と、第5主面と、第5主面(1a)と反対側の第6主面(1d)と、夫々第5主面と第6主面とに開口する第1流体圧力導入孔(11_1)および第2流体圧力導入孔(11_2)とを有する基台(1)と、基台の第5主面上に設けられ、第1流体圧力導入孔の一端を覆う第3ダイアフラム(10_1)と、基台の第5主面上に設けられ、第2流体圧力導入孔の一端を覆う第4ダイアフラム(10_2)と、第7主面(3a)と、第7主面と反対側の第8主面(3b)と、夫々第7主面および第8主面に開口する第1貫通孔(30_1)および第2貫通孔(30_2)とを有し、第7主面が基台上に固定され、第8主面が第1基部の第1主面に接合されて差圧センサチップを支持する支持基(3)板と、基台に固定されるとともに、支持基板の第1貫通孔に挿通されて、一端が第1圧力導入孔に接続され、他端が第1流体圧力導入孔に接続された第1圧力導入管(12_1)と、基台に固定されるとともに、支持基板の第2貫通孔に挿通されて、一端が第1圧力導入孔に接続され、他端が第2流体圧力導入孔に接続された第2圧力導入管(12_2)とを備えることを特徴とする。

発明の効果

0013

本発明によれば、センサチップ内に導入された圧力伝達物質の熱や圧力による膨張および収縮の影響を低減した差圧発信器を実現することが可能となる。

図面の簡単な説明

0014

図1は、本発明の一実施の形態に係る差圧センサチップを備えた差圧発信器の構成を示す図である。
図2Aは、差圧センサチップのオイル導入路周辺の模式的な構造を示す断面図である。
図2Bは、差圧センサチップのオイル導入路周辺の模式的な構造を示す断面図である。
図3Aは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。
図3Bは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。
図3Cは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。
図3Dは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。
図3Eは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。
図3Fは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。
図3Gは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。
図3Hは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。
図4Aは、差圧センサチップの製造方法におけるオイル封入工程を示す図である。
図4Bは、差圧センサチップの製造方法におけるオイル封入工程を示す図である。
図4Cは、差圧センサチップの製造方法におけるオイル封入工程を示す図である。
図4Dは、差圧センサチップの製造方法におけるオイル封入工程を示す図である。
図4Eは、差圧センサチップの製造方法におけるオイル封入工程を示す図である。
図4Fは、差圧センサチップの製造方法におけるオイル封入工程を示す図である。
図5は、差圧センサチップの圧力導入路の別の構造を示す図である。

実施例

0015

以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。

0016

≪実施の形態≫
図1は、本発明の一実施の形態に係る差圧センサチップを備えた差圧発信器の構成を示す図である。同図には、本実施の形態に係る差圧発信器100の断面形状が模式的に示されている。

0017

図1に示される差圧発信器100は、感圧素子が形成された半導体膜から成る第1のダイアフラムと第2のダイアフラムとが平面方向に並んで形成されるとともに、夫々のダイアフラムの直上に形成された2つの部屋を連通路によって互いに空間的に接続した構造のダイアフラム並列配置型の差圧センサチップを用いた差圧発信器である。

0018

差圧発信器100は、計測対象の流体の差圧を検出するための主な機能部として、差圧センサチップ2、支持基板3、ダイアフラムベース1、および中継基板4を有している。以下、上記機能部について詳細に説明する。

0019

なお、本実施の形態では、差圧発信器100を構成する全ての機能部のうち、流体の差圧を検出するための主な機能部について詳細に説明し、それ以外の機能部、例えば、差圧センサチップ2によって検出された圧力に応じた電気信号に基づいて各種の信号処理を行う信号処理回路や、信号処理回路による信号処理結果に基づく各種情報を出力する表示装置等の機能部についての詳細な説明および図を省略する。

0020

(1)差圧センサチップ2
差圧センサチップ2は、計測対象の流体の圧力差を検出する半導体チップである。
差圧センサチップ2は、例えば、第1基部20と第2基部22とが、ダイアフラムとして機能する半導体膜23を挟んで接合された構造を有している。

0021

第1基部20は、例えばシリコンから構成されている。第1基部20には、後述するダイアフラムベース1および支持基板3を介して、計測対象の流体の一方の圧力を導入するための圧力導入孔21_1と、計測対象の流体の他方の圧力を導入するための圧力導入孔21_2とが形成されている。

0022

圧力導入孔21_1,21_2は、第1基部20の主面20aとその反対側の主面20bとを貫通する貫通孔である。圧力導入孔21_1と圧力導入孔21_2とは、第1基部20の主面20a,20bにおいて、平面方向に離間して形成されている。

0023

半導体膜23は、第1基部20の主面20b上に、少なくとも圧力導入孔21_1,21_2を覆って形成されている。半導体膜23は、例えばシリコンから構成されている。

0024

半導体膜23のうち、圧力導入孔21_1および圧力導入孔21_2を覆う領域は、夫々ダイアフラムとして機能する。以下、半導体膜23の圧力導入孔21_1を覆う領域をダイアフラム23_1と称し、半導体膜23の圧力導入孔21_2を覆う領域をダイアフラム23_2と称する。

0025

半導体膜23は、圧力導入孔21_1,21_2側から計測対象の流体に基づく圧力を受ける受圧面と、受圧面の反対側の面とを有している。上記受圧面の反対側の面側の半導体膜23内には、ダイアフラム23_1,23_2に加わった圧力を検出するための複数の感圧素子としてのひずみゲージ230_1,230_2が形成されている。

0026

ひずみゲージ230_1,230_2は、例えば、複数のピエゾ抵抗素子を含む。複数のピエゾ抵抗素子は、ブリッジ回路を構成している。上記ブリッジ回路は、一定の電流が流れている状態においてダイアフラム23_1,23_2に応力が発生したとき、その応力による各ピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化を電圧の変化として出力する差圧検出部として機能する。

0027

上記ブリッジ回路における各ノードは、半導体膜23の受圧面の反対側の面に形成された配線パターンを介して、同じく受圧面の反対側の面に形成された複数の電極パッド29に夫々接続されている。

0028

第2基部22は、例えばシリコンから構成されている。第2基部22は、半導体膜23を介して第1基部20上に固定されている。具体的には、第2基部22の主面22aが、半導体膜23の第1基部20と接合されていない面に接合されている。

0029

第2基部22には、凹部24_1,24_2と、連通路25と、圧力伝達物質導入路26が形成されている。

0030

凹部24_1,24_2は、第1基部20の圧力導入孔21_1,21_2からダイアフラム23_1,23_2に圧力が加わってダイアフラム23_1,23_2が撓んだ場合に、ダイアフラム23_1,23_2が凹部24_1,24_2に着床することにより、ダイアフラム23_1,23_2の一方向への変形を制限する機能部である。これにより、ダイアフラム23_1,23_2に過大圧が加わることによるダイアフラム23_1,23_2の破壊を防止することが可能となる。以下、凹部24_1,24_2を、「ストッパ部24_1,24_2」とも称する。

0031

具体的に、ストッパ部24_1,24_2は、第2基部22の半導体膜23と接合する主面22aに、その主面22aと垂直な方向(Z方向)に形成された凹部(窪み)である。ストッパ部24_1は、ダイアフラム23_1を挟んで圧力導入孔21_1と対面配置され、ストッパ部24_2は、ダイアフラム23_2を挟んで圧力導入孔21_2と対面配置されている。ストッパ部24_1,24_2を構成する凹部は、ダイアフラム23_1,23_2の変位に沿った曲面(例えば、非球面)を有している。

0032

ストッパ部24_1,24_2とダイアフラム23_1,23_2との間には、空間が夫々形成されている。以下、ストッパ部24_1とダイアフラム23_1との間に形成される空間を部屋28_1と称し、ストッパ部24_2とダイアフラム23_2との間に形成される空間を部屋28_2と称する。

0033

部屋28_1と部屋28_2とは、連通路25によって連通している。換言すれば、部屋28_1と部屋28_2とは、連通路25を通して空間的に接続されている。

0034

連通路25は、第2基部22の主面22aに、ストッパ部24_1とストッパ部24_2との間に形成された溝と、その溝を覆う半導体膜23の一方の主面とによって構成されている。連通路25の断面は、例えば矩形状である。

0035

連通路25は、ダイアフラム23_1,23_2の一方に加わった圧力を、ダイアフラム23_1,23_2の他方に伝達するための圧力連通路として機能する。以下、連通路25を「圧力連通路25」とも称する。

0036

第2基部22における主面22aの反対側の主面22bには、圧力連通路25と連通する圧力伝達物質導入路26が形成されている。圧力伝達物質導入路26は、部屋28_1,28_2、および圧力連通路25内に圧力伝達物質を導入するための孔である。なお、圧力伝達物質導入路26の具体的な構造については後述する。

0037

圧力伝達物質導入路26、圧力連通路25、および部屋28_1,28_2は、圧力伝達物質27によって満たされている。圧力伝達物質27は、ダイアフラム23_1,23_2の一方に加わった圧力を、連通路25を介してダイアフラム23_1,23_2の他方に伝達するための物質である。圧力伝達物質27としては、シリコーンオイルフッ素オイル等を例示することができる。

0038

本実施の形態では、一例として、圧力伝達物質27が液体(例えばシリコーンオイル)であるとし、圧力伝達物質27を「オイル27」と、圧力伝達物質導入路26を「オイル導入路26」とも称する。

0039

封止部材7は、オイル導入路26から部屋28_1,28_2および圧力連通路25にオイル27が導入された後に、オイル導入路26の一端を封止する機能部である。

0040

以下、封止部材7およびオイル導入路26の構造について詳細に説明する。
図2A,2Bは、差圧センサチップ2のオイル導入路26周辺の模式的な構造を示す断面図である。
図2Aには、差圧センサチップ2、支持基板3、およびダイアフラムベース1の積層方向におけるオイル導入路26周辺の断面形状が示されている。図2Bには、図2AにおけるA−A断面でのオイル導入路26周辺の断面形状が示されている。

0041

図2A,2Bに示されるように、オイル導入路26は、第2基部22の主面22bに形成された凹部260と、凹部260と圧力連通路25とを連通する連通路261とを含む。

0042

凹部260は、主面22bに形成された穴である。凹部260および連通路261は、例えば、主面22bに垂直な方向(Z方向)から見て略円形に形成されている。連通路261は、その一端が凹部260の底面26bに接続され、その他端が圧力連通路25の上面(圧力連通路25の+Z方向の壁面)に接続されている。

0043

凹部260の開口部26aの内径をφ1、連通路261の内径をφ2としたとき、φ2<φ1である。凹部260および連通路261は、第2基部22の主面22bと圧力連通路25の上面との間に、同一軸線上に並んで形成されている。

0044

凹部260内には、封止部材7が配設されている。封止部材7は、オイル導入路26の開口部26aを封止する部品である。具体的に、封止部材7は、筒状部材である金属管70と棒状部材71を含む。

0045

金属管70は、筒状、例えば円筒状の金属材料から成る。上記金属材料としては、ステンレス鋼(SUS)を例示することができる。

0046

例えば、金属管70の外径は、凹部260の内径よりも小さい。すなわち、金属管70の外径をφ3としたとき、φ3<φ1である。金属管70は、その一端が凹部260の底面26bに密接した状態で、固定部材6Dによって凹部260内に固定されている。

0047

ここで、固定部材6Dは、例えばエポキシ系の接着剤である。詳細は後述するが、金属管70の外周面と凹部260の内壁面との隙間に上記接着剤を流し込むことにより、金属管70は凹部260内に固定される。

0048

棒状部材71は、柱状、例えば円柱状の金属材料から成る。棒状部材71は、例えば、金属管70と同一の金属材料から構成されている。棒状部材71は、その一端が凹部260の底面26bに密着した状態で、金属管70内に配置されている。

0049

例えば、棒状部材71の外径は、連通路26の内径よりも大きく、且つ金属管70の内径よりも小さい。すなわち、金属管70の内径をφ4、棒状部材71の外径をφ5としたとき、φ2<φ5<φ4である。金属管70の内壁と棒状部材71の外周面との隙間は、オイル27で満たされていてもよい。

0050

金属管70の凹部260と反対側の端部は、封止されている。詳細は後述するが、金属管70の凹部260側と反対側の端部は、棒状部材71とともに溶接されている。これにより、オイル導入路26は、金属管70および棒状部材71から成る封止部材7によって封止される。

0051

(2)支持基板3
支持基板3は、ダイアフラムベース1上で差圧センサチップ2を支持するとともに、ダイアフラムベース1と差圧センサチップ2とを絶縁するための基板である。支持基板3は、例えばガラス基板である。

0052

支持基板3は、主面3aとその反対側の主面3bとを貫通する貫通孔30_1,30_2が形成されている。貫通孔30_1と貫通孔30_2とは、主面3aおよび主面3bにおいて平面方向に離間して形成されている。

0053

支持基板3は、差圧センサチップ2と接合されている。具体的には、支持基板3の主面3aに垂直な方向から見て、貫通孔30_1と圧力導入孔21_1とが重なりを有し、且つ貫通孔30_2と圧力導入孔21_2とが重なりを有している状態において、支持基板3の主面3bが第1基部20の主面20aに接合されている。

0054

ここで、例えば、第1基部20がシリコン、支持基板3がガラスである場合には、第1基部20の主面20aと支持基板3の主面3bとは陽極接合により接合される。

0055

(3)ダイアフラムベース1
ダイアフラムベース1は、差圧センサチップ2を支持するとともに、計測対象の流体の圧力を差圧センサチップ2に導くための金属材料から成る基台である。上記金属材料としては、ステンレス鋼(SUS)を例示することができる。

0056

図1に示すように、ダイアフラムベース1は、主面1aとその反対側の主面1bとを有する。ダイアフラムベース1には、主面1aと主面1bとを貫通する2つの貫通孔11_1,11_2が形成されている。図1に示されるように、貫通孔11_1,11_2は、主面1a側の開口部が主面1b側の開口部よりも開口面積が広く形成されている。

0057

貫通孔11_1の主面1a側の開口部は、計測対象の流体からの圧力を受けるためのダイアフラム10_1によって覆われている。同様に、貫通孔11_2の主面1a側の開口部は、計測対象の流体からの圧力を受けるためのダイアフラム10_2によって覆われている。ダイアフラム10_1,10_2は、例えばステンレス鋼(SUS)から構成されている。

0058

以下、ダイアフラム10_1,10_2によって一方の開口部が覆われた貫通孔11_1,11_2を「流体圧力導入孔11_1,11_2」と夫々称する。

0059

図1に示されるように、ダイアフラムベース1の主面1b側には、支持基板3と接合された差圧センサチップ2が載置されて固定されている。具体的には、支持基板3と接合された差圧センサチップ2は、Z方向から見て、支持基板3の主面3aに形成された貫通孔30_1,30_2と流体圧力導入孔11_1,11_2とが重なりを有する状態において、固定部材5Aによってダイアフラムベース1の主面1b上に固定される。

0060

ここで、固定部材5Aは、例えばフッ素系の接着剤である。

0061

ダイアフラムベース1の主面1bの支持基板3(差圧センサチップ2)が接合されている領域以外の領域には、中継基板4が固定されている。中継基板4は、例えばエポキシ系の接着剤から成る固定部材6Aによってダイアフラムベース1の主面1b上に固定されている。

0062

中継基板4は、上述した差圧センサチップ2に形成された複数のひずみゲージ230_1,230_2(ピエゾ抵抗素子)によって構成されたブリッジ回路に電力を供給するための外部端子や、上記ブリッジ回路から電気信号を取り出すための外部端子等が形成された回路基板である。
具体的には、図1に示すように、中継基板4は、その一方の主面に形成された、上記外部出力端子としての複数の電極パッド40を有している。複数の電極パッド40は、例えば金(Au)等の金属材料から成るボンディングワイヤ8によって、差圧センサチップ2の主面20b上に形成された電極パッド29と夫々接続されている。

0063

また、中継基板4には、上記電極パッド40の他に、複数の外部出力ピン(図示せず)が配設されるとともに、各電極パッド40と各外部出力ピンとを電気的に接続する配線パターン(図示せず)が形成されている。これにより、差圧センサチップ2は、電極パッド29、ボンディングワイヤ8、電極パッド40、上記配線パターン、および上記外部出力ピンを介して、信号処理回路や電源回路等のその他の回路と電気的に接続される。
なお、信号処理回路や電源回路等は、中継基板4に配置されていてもよいし、中継基板4と上記外部出力ピンによって接続される別の回路基板(図示せず)に配置されていてもよい。

0064

ダイアフラムベース1の流体圧力導入孔11_1,11_2と差圧センサチップ2の圧力導入孔21_1,21_2とは、支持基板3の貫通孔30_1,30_2を介して夫々連通されている。

0065

ダイアフラムベース1の流体圧力導入孔11_1,11_2の内部と、支持基板3の貫通孔30_1,30_2の内部と、差圧センサチップ2の圧力導入孔21_1,21_2の内部は、圧力伝達物質13で満たされている。圧力伝達物質13としては、圧力伝達物質27と同様に、シリコーンオイルやフッ素オイルを例示することができる。以下、圧力伝達物質13を「オイル13」とも称する。

0066

オイル13は、差圧発信器100の製造工程において、ダイアフラムベース1に形成された流体圧力導入孔11_1,11_2と連通するオイル導入孔14_1,14_2から導入される。オイル導入孔14_1,14_2は、オイル13が導入された後、封止部材(例えば、球体状の金属材料)15_1,15_2によって夫々封止される。

0067

(4)差圧発信器の動作
上述した構造を有する差圧発信器100は、以下のように動作する。
例えば、計測対象の流体が流れるパイプラインに差圧発信器100を実装する場合を考える。この場合、例えば、パイプラインの上流側(高圧側)の流体の圧力をダイアフラム10_1で検出し、下流側(低圧側)の流体の圧力をダイアフラム10_2で検出するように、差圧発信器100をパイプラインに実装する。

0068

この状態において、ダイアフラム10_1に流体の圧力が印加されると、ダイアフラム10_1が変位し、その変位に応じて圧力伝達物質13が、流体圧力導入孔11_1から差圧センサチップ2の圧力導入孔21_1側に移動する。この圧力伝達物質13の移動に応じた圧力が差圧センサチップ2のダイアフラム23_1に印加され、ダイアフラム23_1が変位する。

0069

同様に、ダイアフラム10_2に流体の圧力が印加されると、ダイアフラム10_2が変位し、その変位に応じて圧力伝達物質27が、流体圧力導入孔11_2から差圧センサチップ2の圧力導入孔21_2側に移動する。この圧力伝達物質27の移動に応じた圧力が差圧センサチップ2のダイアフラム23_2に印加され、ダイアフラム23_2が変位する。

0070

このとき、差圧センサチップ2のダイアフラム23_1に印加される圧力がダイアフラム23_2に印加される圧力よりも大きいとすると、ダイアフラム23_2は、上記二つの圧力の差に応じた分だけ、図1の−Z方向(支持基板3側)に変位する。一方、ダイアフラム23_1は、上記二つの圧力の差に応じた分だけ、図1の+Z方向(封止部材7側)に変位する。

0071

これらのダイアフラム23_1,23_2の変位によってダイアフラム23_1,23_2に生じた応力がダイアフラム23_1,23_2に形成されたひずみゲージ230_1,230_2に加わることにより、上記二つの圧力差に応じた電気信号が差圧センサチップ2から出力される。この電気信号は、図示されない信号処理回路に入力され、信号処理回路が必要な信号処理を実行することにより、計測対象の流体の差圧の情報が得られる。この差圧の情報は、例えば、差圧発信器100の表示装置(図示せず)に表示され、または、通信回線を介して外部機器に送信される。

0072

(5)差圧センサチップ2の製造方法
次に、差圧センサチップ2の製造方法について説明する。
ここでは、一例として、半導体膜23を介して第1基部20と第2基部22とを接合したチップを作製するチップ作製工程と、チップ作製工程で作製した半導体チップに圧力伝達物質としてのオイル27を封入するオイル封入工程とに分けて説明する。

0073

(i)チップ作製工程
図3A〜3Hは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。

0074

先ず、図3Aに示すように、例えばシリコンから成る基板220にオイル導入路26の凹部260を形成する(ステップS01)。具体的には、公知の半導体製造技術、例えばよく知られたフォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術によって、基板220を選択的に除去することにより、基板220の対向する2つの主面を貫通する、凹部260としての貫通孔を形成する。

0075

また、図3Bに示すように、基板220とは別の、例えばシリコンから成る基板221に、ストッパ部24_1,24_2と、圧力連通路25と、オイル導入路26の連通路261とを形成する(ステップS02)。具体的には、公知の半導体製造技術、例えばよく知られたフォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術によって、基板221を選択的に除去することにより、基板221の対向する2つの主面の一方に、圧力連通路25の上面を構成する溝250とストッパ部24_1,24_2とを形成するとともに、基板221の上記2つの主面の他方に、溝250に連通し、凹部260としての貫通孔よりも径の小さい連通路261としての貫通孔を形成する。

0076

このとき、曲面を有するストッパ部24_1,24_2は、よく知られた、光の透過率を変化させたグレースケールマスクを用いたフォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術によって、基板221を選択的に除去することにより、形成することができる(例えば、特開2005−69736号参照)。

0077

次に、図3Cに示すように、ステップS01で加工した基板220とステップS02で加工した基板221とを接合する(ステップS03)。具体的には、公知の基板接合技術により、凹部260としての貫通孔と連通路260としての貫通孔とを接続させた状態で、基板220と基板221とを接合させる。より具体的には、基板220の主面と垂直な方向(Z方向)から見て凹部260と連通路261とが同一軸線上に並んだ状態で基板220と基板221とを接合する。これにより、第2基部22が作製される。

0078

次に、図3Dに示すように、基板231を、第1基部22に接合する(ステップS04)。ここで、基板231は、例えばシリコン基板である。基板231の一方の面側には、ひずみゲージ230_1,230_2としてのピエゾ抵抗素子、ひずみゲージ230_1,230_2等に電気的に接続するための配線パターン(図示せず)、および電極パッド29が形成されている。

0079

具体的にステップS04では、公知の基板接合技術により、基板231における、ひずみゲージ230_1,230_2、配線パターン(図示せず)、および電極パッド29が形成された面を、第2基部22のストッパ部24_1,24_2が形成された主面22aに接合する。

0080

次に、図3Eに示すように、基板231の第2基部22と接合された面の反対側の面を除去することにより、基板231の厚みを調整する(ステップS05)。これにより、基板231は、半導体膜23となる。

0081

また、図3Fに示すように、例えばシリコンから成る基板200に、圧力導入孔21_1,21_2を形成する(ステップS06)。具体的には、公知の半導体製造技術、例えばよく知られたフォトリソグラフィー技術やドライエッチング技術によって、基板200を選択的に除去することにより、基板200の対向する2つの主面を貫通する、圧力導入孔21_1,21_2としての2つの貫通孔を形成する。
これにより、第1基部20が作製される。

0082

次に、図3Gに示すように、ステップS06において加工した半導体膜23が接合された第2基部22と、ステップS05において加工した基板200とを接合する(ステップS07)。具体的には、公知の基板接合技術により、第2基部22の積層方向(Z方向)から見て圧力導入孔21_1とストッパ部24_1とが対面配置され、且つ圧力導入孔21_2とストッパ部24_2とが対面配置された状態で、半導体膜23と第1基部20(基板200)の主面20bとを接合する。

0083

次に、図3Hに示されるようにステップS06で作製されたチップと、貫通孔30_1,30_2が形成された例えばガラスから成る支持基板3とを接合する(ステップS08)。具体的には、公知の陽極接合技術により、第2基部22の積層方向(Z方向)から見て、貫通孔30_1と圧力導入孔21_1とが重なりを有し、且つ貫通孔30_2と圧力導入孔21_2とが重なりを有する状態で、第1基部20の主面20aを支持基板3に接合する。
以上の工程により、オイルが封入されていない、支持基板3が接合された差圧センサチップ2が作製される。

0084

(ii)オイル封入工程
次に、差圧センサチップ2の製造方法におけるオイル封入工程について説明する。
図4A〜4Fは、差圧センサチップ2の製造方法におけるオイル封入工程を示す図である。

0085

先ず、図4Aに示されるように、上述したチップ作製工程によって作製されたチップを用意する(ステップS11)。

0086

次に、図4Bに示されるように、ステップS11で用意したチップのオイル導入路26の凹部260内に、例えばステンレス鋼(SUS)から成る筒状の金属管70を配置する(ステップS12)。

0087

ここで、金属管70の外径φ3は、凹部260の内径φ1よりも小さい。また、金属管70の内径φ4は、連通路261の内径φ2よりも大きい。具体的な寸法の一例を挙げるとすれば、金属管70の外径φ3=0.31mm、金属管70の内径φ4=0.15mm、連通路261の内径φ2=0.05mmである。

0088

次に、図4Cに示すように、金属管70を凹部260内に固定する(ステップS13)。具体的には、金属管70の一方の端部を凹部260の底面26bに密接させた状態において、金属管70の外周面と凹部260の内壁面との間に、固定部材6Dとしてエポキシ系の接着剤(例えば、トラボンド登録商標))を流し込むことにより、金属管70を凹部260内に固定する。

0089

ここで、凹部260の底面26bは、上述したように、シリコンから成る基板221の一つの主面によって形成されている(図4B,4C等を参照)。一般に、半導体プロセスで使用されるシリコン基板の表面は平坦化処理が施されているため、そのシリコン基板の表面を凹部260の底面26bとして用いることにより、金属管70の端部と凹部260の底面26bとを、隙間なく当接(密接)させることが可能となる。
これにより、金属管70の外周面と凹部260の内壁面との間に流し込んだ接着剤が、金属管70と底面26bとの間から連通路261に流れ込むことを防止することができる。

0090

なお、金属管70の端部と凹部260の底面26bとが“隙間なく”当接されているとは、金属管70の端部と凹部260の底面26bと間に、接着剤が入り込む空間がないことを意味する。

0091

次に、図4Dに示すように、金属管70の凹部260と当接していない方の端部から、圧力伝達物質としてのオイル27を導入する(ステップS14)。例えば、差圧センサチップ2を真空チャンバー内に配置し、真空チャンバー内を高真空状態にした上で、金属管70からオイル27を導入することにより、金属管70の内部、連通路261、圧力連通路25、および部屋28_1,28_2をオイル27で満たす。

0092

次に、図4Eに示されるように、オイル27で満たされた金属管70の内部に、例えば金属管70と同一の金属材料(例えばステンレス鋼(SUS))から成る棒状部材71を挿入する(ステップS15)。

0093

上述したように、棒状部材71の外径φ5は、金属管70の内径φ4よりも小さく、且つ連通路261の内径φ2よりも大きい。具体的な寸法の一例を挙げるとすれば、0.05mm<φ5<0.14mmである。

0094

このように、棒状部材71の外径φ5を金属管70の内径φ4よりも小さくすることにより、棒状部材71を金属管70内に挿入する際に棒状部材71に大きな力を加える必要がないので、棒状部材71の挿入時に棒状部材71を押し込む力によって第2基部22が損傷することを防止することができる。

0095

また、棒状部材71の外径φ5を連通路261の内径φ2よりも小さくすることにより、棒状部材71の一方の端部によって連通路261の開口部を塞ぐことが可能となる。

0096

次に、図4Fに示されるように、金属管70の凹部260と当接していない方の端部を封止する(ステップS16)。例えば、金属管70の外周面を挟み込んで押し潰した後、押し潰した部分の金属管70と棒状部材71とを溶接する。これにより、金属管70と棒状部材71とから成る封止部材7によってオイル導入路26が封止される。
以上により、オイル27が封止された差圧センサチップ2が作製される。

0097

以上、本発明に係る差圧センサチップは、差圧センサチップの平面方向に並んで配置された2つのダイアフラム23_1,23_2に夫々対応する部屋28_1,28_2と、部屋28_1と部屋28_2とを連通する圧力連通路25と、圧力連通路25と連通するオイル導入路26とに充填された圧力伝達物質27を、オイル導入路26の開口部である凹部260内に固定した金属管70と金属管70内に挿入された棒状部材71とによって封止した構造を有している。

0098

これによれば、従来のオイル充填用パイプを用いて差圧センサチップ内にオイルを封止する方法に比べて、差圧センサチップ内に導入されるオイルの量を低減することが可能となる。
具体的には、本発明に係る差圧センサチップ2は、オイル導入路26に固定される封止部材7が金属管70内に棒状部材71を挿入した構造を有しているので、金属管70内に充填されるオイル27の量を従来に比べて減らすことが可能となり、2つの部屋28_1,28_2と圧力連通路25以外の空間に溜まるオイルの量を確実に低減することができる。これにより、本発明に係る差圧センサチップは、周囲環境の変化に基づく圧力の検出感度の低下やダイアフラムの破壊が起こり難くなる。

0099

したがって、本発明に係る差圧センサチップによれば、差圧センサチップ内に導入された圧力伝達物質の膨張および収縮の影響を低減した差圧発信器を実現することが可能となる。

0100

また、本発明に係る差圧センサチップにおいて、封止部材7を構成する金属管70と棒状部材71とを同一の金属材料によって構成することにより、金属管70と棒状部材71との熱膨張率を等しくすることができるので、温度変化に伴う封止部材7の膨張および収縮によるオイル27への影響をより低減することが可能となる。

0101

また、本発明に係る差圧センサチップの製造方法によれば、凹部260としての貫通孔が形成された基板220と、連通路261としての貫通孔が形成された基板221とを接合させることによって第2基部22を形成しているので、凹部260の底面26bをより平坦な面とすることができる。これにより、上述したように、金属管70の端部と凹部260の底面26bとを隙間なく当接(密接)させることが可能となり、固定部材6Dとしての接着剤が、金属管70と底面26bとの間から連通路261に流れ込むことを防止することができる。

0102

また、本発明に係る差圧センサチップの製造方法によれば、棒状部材71の外径は金属管70の内径よりも小さいので、上述したように、棒状部材71を金属管70内に挿入する際に棒状部材71に大きな力を加える必要がなく、棒状部材71の挿入時に第2基部22が損傷することを防止することができる。

0103

≪実施の形態の拡張
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。

0104

例えば、上記実施の形態では、円形状の開口を有する凹部260に、円筒状の金属管70を挿入するとともに、金属管70内に円柱状の棒状部材71を挿入する場合を例示したが、これに限られない。例えば、多角形状(例えば矩形状)の開口を有する凹部260に、同じく多角形状の金属管70を挿入するとともに、金属管70内に同じく多角形状の棒状部材71を挿入してもよい。すなわち、封止部材7は、金属管70に棒状部材71が挿入された構造を有していればよく、金属管70や棒状部材71の形状は、特に制限されない。

0105

また、差圧センサチップ内に形成された圧力連通路の形状は、上記実施の形態で示したものに限定されない。例えば、図5に示す差圧センサチップ2Aのように、ストッパ部24_1,24_2の表面からZ軸方向に夫々延在した2つの孔251_1,251_2と、Z軸と垂直な方向に延在し、それらの2つの孔251_1,251_2を互いに連通させる孔252とによって構成された圧力連通路25Aであってもよい。

0106

また、上記実施の形態に係る差圧センサチップ2は、図1等に示した構造を有する差圧発信器100のみならず、各種の構造を有する差圧発信器に適用できることは言うまでもない。すなわち、上記実施の形態で示した差圧発信器100は、あくまで一例であり、差圧発信器として要求される仕様や用途等によって、例えばダイアフラムベース1を構成する材料や形状等が差圧発信器100と異なる差圧発信器にも、本発明に係る差圧センサチップを適用することが可能である。

0107

100…差圧発信器、1…ダイアフラムベース、1a,1b…基台の主面、2,2A…差圧センサチップ、3…支持基板、3a,3b…支持基板の主面、4…中継基板、5A,6A…固定部材、7…封止部材、70…金属管、71…棒状部材、10_1,10_2…ダイアフラム、11_1,11_2…流体圧力導入孔、13…オイル、14_1,14_2…オイル導入孔、15_1,15_2…封止部材、20…第1基部、20a,20b…第1基部20の主面、21_1,21_2…圧力導入孔、22…第2基部、22a,22b…第2基部22の主面、23…半導体膜、…ダイアフラム、24_1,24_2…ストッパ部、25,25A…圧力連通路、26…オイル導入路、27…オイル、28_1,28_2…部屋、29,40…電極パッド、30_1,30_2…貫通孔、230_1,230_2…ひずみゲージ、260…凹部、261…連通路。

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