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図面 (13)

課題

ヌトリン3aおよびペプチドを用いた肺線維症阻害を提供すること。

解決手段

線維性肺線維芽細胞では、p53タンパク質(およびmiR−34a)の基本レベルは、著しく抑制され、uPAおよびuPARのp53介在性阻害の減少、またはPAI−1の同時に起こる誘発がもたらされる。これらの変化は、過剰なFL線維芽細胞増殖および細胞外マトリックス(ECM)産生に起因しており、従って、肺線維症である。これらの過程は、p53タンパク質のMDM2介在性分解の阻害により、p53レベルを増加させる、小有機分子ヌトリン3a(NTL)またはペプチド、CSP−4(配列番号1)、もしくはこのペプチドの変異体もしくは誘導体もしくは多量体を用いた、該細胞治療、および特発性肺線維症(IPF)を患っている対象の治療により、回復に向かわせる。

概要

背景

突発性肺線維症(IPF)は、移植以外治療法が存在しない、不明なところが多い進行性致死的肺疾患である(MasonDPet al.,Ann Thorac Surg 84:1121−8,2007)。診断後5年での生存率中央値は、20%未満である。間質性肺疾患のほとんどの型および肺線維症の他の型は、線維性病変肺胞構造の進行性ひずみの発生および過剰の細胞外マトリックス(ECM)沈着を有する線維性または瘢痕組織による置換により特徴付けられる(American Thoracic
Society,Am J Respir Crit Care Med 161:646〜664,2000;Noble PW et al.,Clin Chest Med 25:749〜758,2004;Selman M et al.,Ann Intern Med 134:136〜151,2001)。これは、進行性呼吸困難および肺機能損失をもたらす。特徴的な形態的病変は、完全に確立された線維症領域、顕微鏡レベル蜂巣状部、および活発に増殖およびコラーゲン産生している線維芽細胞筋線維芽細胞、いわゆる、「線維」に直接的に隣接する正常な肺の領域に組み込まれる空間的および時間的多様性である。

IPFは、米国における100,000名の個人に対して推定発現数40〜50事例となる原因不明の最もよく見られる長期的、進行性および致死的肺疾患である。線維性肺(「FL」)線維芽細胞(または筋線維芽細胞)生存率増加、活性化、ECMの産生および沈着は、IPF肺を典型的に表す(Selman M et al.,Expert Opin Emerg Drugs 16:341〜62,2011;Shetty,S et al. Am J Respir Cell Mol Biol 15:78〜87,1996;Zhu S et al.,Am J Physiol:Lung Cell Mol Physiol 297:L97〜108,2009;Suganuma
H et al.,Thorax 50:984〜9,1995;American Thoracic Society,上記参照;Noble PW et al.,上記参照)。

本発明(および他)による以前の研究では、IPF患者の肺からのFL線維芽細胞を含む肺線維芽細胞が、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子(uPA)、uPA受容体、(uPAR)およびプラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(PAI−1)を発現することを示した(Shetty et al.,1996,上記参照;Shetty
SおよびIdell S.Am J Physiol 274:L871〜L882,1998;Chang W et al.,J Biol Chem 285:8196〜206,2010)。uPAは、正常な肺(NL)とFL線維芽細胞の両方の分裂促進的であり、その過程は、uPAが、uPA成長因子ドメインによりuPARと結合することを含む(Tkachuk V et al.,Clin Exp Pharmacol
Physiol 23:759〜65,1996;Padro T et al.,J
Cell Sci 115:1961〜71,2002;Shetty S et al.,Am J Physiol 268:L972〜L982,1995;Shetty S et al.,Antisense Res Dev 5:307〜314,1995)。加えて、uPAは、uPAR発現を増強する(Shetty S et al.,J Biol Chem 276:24549〜56,2001;Shetty S
et al.,Am J Respir Cell Mol Biol 30:69〜75,2004)。数年前、本発明者らは、IPF肺からのFL線維芽細胞が、有意により多くのuPAおよびuPARを発現し、NL線維芽細胞より高い速度の基礎およびuPA介在増殖を示すことを報告した(Shetty et al.,1996,上記参照;1998,上記参照)。他のグループは、IPFを有する患者からのFL線維芽細胞によるuPAR発現増加は、移動行動の一因となる(Mace KA et al.,J Cell Sci 118:2567〜77,2005;Basire A et al.,Thromb Haemost 95:678〜88,2006;Zhu,S.et al.,2009,上記参照)。

本発明者らによる研究により、uPAが、転写後段階において、uPA(Shetty
P et al.,Am J Resp Cell Mol Biol,39:364〜72,2008)、その受容体uPAR(Shetty S et al.,Mol Cell Biol 27:5607〜18,2007)およびその主要なインヒビターPAI−1(Shetty S et al.J Biol.Chem 283:19570〜80,2008)の相互発現を制御するp53(Shetty S et al.,2005,上記参照)の調節により上皮細胞アポトーシス生存を調節し、uPA、uPAR、カベオリン1(「Cav−1」)およびβ1インテグリン(Shetty S et al.,2005,上記参照)間の新規細胞表面シグナリング相互作用を含むことが発見された。前述の認識に基づいて、本発明者らは、ALIおよびその結果として生じるリモデリング反応を治療するための新規組成物および方法を考え出すに至った

肺線維症(lung fibrosis)(この用語は、「肺(pulmonary)」線維症」と互換的に使用される)の間、主に、腫瘍抑制タンパク質として公知の転写因子p53の発現は線維性線維芽細胞内で過剰に抑制され、PAI−1発現が有意に阻害される一方、次々に、uPAおよびuPARの発現を誘発する。p53発現線維性線維芽細胞の阻害の結果として起こるPAI−1発現の抑制ならびにuPAおよびuPARの同時に起こる誘発は、線維芽細胞の増殖およびECM沈着、すなわち線維症の原因となる。mdm2のp53との相互作用増加およびp53の引き続き起こるmdm2介在ユビキチン化は、線維性線維芽細胞内のp53の阻害の一因となる。

p53およびNF−κBの活性度間の相互関係は、がん細胞内で示されていたが、炎症過程中のp53およびNF−κB間の相互作用に関する情報はほとんどない。Liu Gら(J Immunol.182:5063〜71(2009))は、p53、(p53(−/−)の不足している好中球およびマクロファージが、p53(+/+)細胞より、細菌性脂質多糖体LPS)の刺激に対する大きな応答を有し、それらが、TNF−α、IL−6、およびMIP−2を含む、より多量の炎症誘発性サイトカインを産生して、NF−κB DNA結合活性増強を示すことを発見した。p53(−/−)マウスは、p53(+/+)マウスより、LPS誘発性急性肺障害(ALI)に、よりかかりやすい。LPSに対するp53(−/−)細胞の応答増加は、Toll様受容体TLR4会合(例えば、MAPキナーゼの活性化、IκB−αまたはNF−κBのp65サブユニットリン酸化、またはIκB−αの分解の会合と関連する細胞内シグナル伝達現象交互変化を含まない。LPS刺激好中球およびマクロファージのヌトリン3aを用いた培養は、NF−κB DNA結合活性および炎症誘発性サイトカインの産生を減弱した。マウスのヌトリン3a処理は、LPS誘発性ALIの重症度を減少させた。著者らは、p53が、炎症細胞内のNF−κB活性を調節すると結論し、p53の調節が、ALIなどの急性炎症状態で、治療効果の可能性を有し得ることを示唆した。

ヌトリン(またはヌトリン3a)(NTLと略す)
ヌトリンまたはヌトリン3aとも名付けられた有機分子4−2−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−ピペラジン−2−オン(C30H30Cl2N4O4)の化学構造は、以下に示される



NTLは、MDM2のアンタゴニストであり、p53活性化因子およびアポトーシス誘導物質である。MDM2は、p53腫瘍抑制タンパク質と結合し、その転写活性および安定性を負に調節することにより作用する。MDM−p53相互作用の阻害は、p53の安定化、細胞周期停止およびアポトーシスをもたらす。ヌトリン3は、がん細胞内のp53経路の活性化によるがん治療としての可能性を示した。(Tovar,C.et al.,Proc Natl Acad Sci USA 103:1888〜1893(2006);Vassilev,L.T.et al.Science 303 844〜848(2004);El−Deiry,W.S.Cancer J 11:229〜236(1998))。

U.S.Pat.7,893,278(Haley et al.)は、一般的、且つ、具体的に、キラルヌトリン3を開示した。U.S.Pat.6,734,302は、ラセミ体のヌトリン3を説明している。該‘278号特許は、式



化合物を教示している。上記特許の両方とも、該Mdm2−p53相互作用のインヒビターとして、およびがん治療での使用を考察している。

U.S.Pat.Publication2011/0301142(Hutchinson et al.)は、LPA1受容体アンタゴニスト治療効果量を、哺乳類投与することを含む、該哺乳類の突発性肺線維症の治療方法を教示している。該アンタゴニストは、特定のイミダゾール誘導体であり得るが、NTLなどのイミダゾリン系化合物ではない。

U.S.Pat.6,596,744(Wagle et al.)は、その全てが、明白に、NTLと異なる複素環式化合物を用いた、特定の線維症の治療または寛解方法を開示している。開示された疾病としては、線維性肥大または肺組織の線維症の症状として有する繊維性肺疾患が挙げられる。これらの疾病としては、肺線維症(または間質性肺疾患または間質性肺線維症)、突発性肺線維症、塵肺症の線維性因子肺サルコイドーシス、線維化肺胞炎嚢胞性線維症の線維性または肥大性因子、慢性閉塞性肺疾患成人呼吸促迫症候群および肺気腫症が挙げられる。

Cell Cycle 6:2178〜85(2007)中、Deyらは、ヌトリンが、p53−MDM2相互作用を阻害する、最初の強力で、特異的な小分子Mdm2アンタゴニストとして、同定されたことを記載している。

前述の文書はいずれも、ヌトリン3aを用いたIPF治療を開示していない。

カベオリン1由来ペプチド
本発明者らは、生体外および生体内で、ブレオマイシン(「BLM」)誘発アポトーシスから、肺上皮細胞LEC)を保護および肺上皮損傷の減弱により、引き続く肺線維症を予防したカベオリン1(Cav−1;下記配列番号3)の足場ドメインである20個の残基ペプチドDGIWKASFTTFVTKYWFYR(配列番号2)を発見した(Shetty et al.,U.S.Patent Appl12/398,757、U.S.2009−0227515A1として公開(2009年9月10日)、その全文を参照することにより、本明細書に組み入れられるものとする)。本発明者らは、同様に、生体外および生体内で、BLM誘発アポトーシスから、LECを保護および肺上皮損傷の減弱により、引き続く肺線維症を予防した、PP−2と名付けられた、17個の残基ペプチドNYHYLESSMTALYTLGH(配列番号4)も発見した。

Shettyら、2009(上記参照)は、上記ペプチドを含むペプチド多量体および送達可能なポリペプチドだけでなく、これらのペプチドの生物活性置換、付加および欠失変異体、および前記ペプチド、変異体および多量体を含む医薬組成物も記載している。これらの組成物は、傷害または損傷した肺上皮細胞のアポトーシスを阻害および急性肺傷害および結果としての肺線維症/IPFを治療する。

記文章は、配列FTTFTVT(配列番号1)を有し、CSPの生物活性を有して、本発明の主題の部分を構成する、CSP−4と名付けられた、CSPの特定のフラグメント(本発明の部分として、以下に開示)を同定していなかった。
IPFに対する診断不足および治療方法の欠如を考慮して、疾病進行を食い止めるまたは少なくとも遅延させるため、緊急に、新規の治療介入の必要性がある。この重要な治療の空白が、本発明により取り組まれる。
本発明は、本発明者らの前の発見(S.Shetty et al.,2007,2008&2009、上記参照)を構成し、その延長である。下記セクションに記載の通り、該p53は、uPA、uPARおよびPAI−1の発現を調節する。本過程は、p53mRNAに影響を与えないで、転写後段階におけるp53タンパク質発現のMDM2介在制御を含む。これらの観察は、線維性修復でのp53の発現および該uPA線溶系の間の因果関係を示している。

概要

ヌトリン3aおよびペプチドを用いた肺線維症の阻害を提供すること。線維性肺線維芽細胞では、p53タンパク質(およびmiR−34a)の基本レベルは、著しく抑制され、uPAおよびuPARのp53介在性阻害の減少、またはPAI−1の同時に起こる誘発がもたらされる。これらの変化は、過剰なFL線維芽細胞増殖および細胞外マトリックス(ECM)産生に起因しており、従って、肺線維症である。これらの過程は、p53タンパク質のMDM2介在性分解の阻害により、p53レベルを増加させる、小有機分子ヌトリン3a(NTL)またはペプチド、CSP−4(配列番号1)、もしくはこのペプチドの変異体もしくは誘導体もしくは多量体を用いた、該細胞の治療、および特発性肺線維症(IPF)を患っている対象の治療により、回復に向かわせる。なし

目的

本発明は、この重要な空白に対処して、線維性肺疾患を効果的に治療するため、FL線維芽細胞およびp53とuPA線溶系の間のクロストークを標的にする新規化合物および方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

本明細書に記載の発明。

技術分野

0001

生化学および医学分野の本発明は、p53タンパク質レベルを増加させ、線維性FL)における、uPAとuPARを減少させて、PAI−1発現を増加させ、およびそれらの増殖を減少させるため、ならびにヌトリン3aおよびペプチドを使用して突発性肺線維症(IPF)を治療するための方法および組成物に関する。

背景技術

0002

突発性肺線維症(IPF)は、肺移植以外治療法が存在しない、不明なところが多い進行性致死的肺疾患である(MasonDPet al.,Ann Thorac Surg 84:1121−8,2007)。診断後5年での生存率中央値は、20%未満である。間質性肺疾患のほとんどの型および肺線維症の他の型は、線維性病変肺胞構造の進行性ひずみの発生および過剰の細胞外マトリックス(ECM)沈着を有する線維性または瘢痕組織による置換により特徴付けられる(American Thoracic
Society,Am J Respir Crit Care Med 161:646〜664,2000;Noble PW et al.,Clin Chest Med 25:749〜758,2004;Selman M et al.,Ann Intern Med 134:136〜151,2001)。これは、進行性呼吸困難および肺機能損失をもたらす。特徴的な形態的病変は、完全に確立された線維症領域、顕微鏡レベル蜂巣状部、および活発に増殖およびコラーゲン産生している線維芽細胞筋線維芽細胞、いわゆる、「線維」に直接的に隣接する正常な肺の領域に組み込まれる空間的および時間的多様性である。

0003

IPFは、米国における100,000名の個人に対して推定発現数40〜50事例となる原因不明の最もよく見られる長期的、進行性および致死的肺疾患である。線維性肺(「FL」)線維芽細胞(または筋線維芽細胞)生存率増加、活性化、ECMの産生および沈着は、IPF肺を典型的に表す(Selman M et al.,Expert Opin Emerg Drugs 16:341〜62,2011;Shetty,S et al. Am J Respir Cell Mol Biol 15:78〜87,1996;Zhu S et al.,Am J Physiol:Lung Cell Mol Physiol 297:L97〜108,2009;Suganuma
H et al.,Thorax 50:984〜9,1995;American Thoracic Society,上記参照;Noble PW et al.,上記参照)。

0004

本発明(および他)による以前の研究では、IPF患者の肺からのFL線維芽細胞を含む肺線維芽細胞が、ウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子(uPA)、uPA受容体、(uPAR)およびプラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(PAI−1)を発現することを示した(Shetty et al.,1996,上記参照;Shetty
SおよびIdell S.Am J Physiol 274:L871〜L882,1998;Chang W et al.,J Biol Chem 285:8196〜206,2010)。uPAは、正常な肺(NL)とFL線維芽細胞の両方の分裂促進的であり、その過程は、uPAが、uPA成長因子ドメインによりuPARと結合することを含む(Tkachuk V et al.,Clin Exp Pharmacol
Physiol 23:759〜65,1996;Padro T et al.,J
Cell Sci 115:1961〜71,2002;Shetty S et al.,Am J Physiol 268:L972〜L982,1995;Shetty S et al.,Antisense Res Dev 5:307〜314,1995)。加えて、uPAは、uPAR発現を増強する(Shetty S et al.,J Biol Chem 276:24549〜56,2001;Shetty S
et al.,Am J Respir Cell Mol Biol 30:69〜75,2004)。数年前、本発明者らは、IPF肺からのFL線維芽細胞が、有意により多くのuPAおよびuPARを発現し、NL線維芽細胞より高い速度の基礎およびuPA介在増殖を示すことを報告した(Shetty et al.,1996,上記参照;1998,上記参照)。他のグループは、IPFを有する患者からのFL線維芽細胞によるuPAR発現増加は、移動行動の一因となる(Mace KA et al.,J Cell Sci 118:2567〜77,2005;Basire A et al.,Thromb Haemost 95:678〜88,2006;Zhu,S.et al.,2009,上記参照)。

0005

本発明者らによる研究により、uPAが、転写後段階において、uPA(Shetty
P et al.,Am J Resp Cell Mol Biol,39:364〜72,2008)、その受容体uPAR(Shetty S et al.,Mol Cell Biol 27:5607〜18,2007)およびその主要なインヒビターPAI−1(Shetty S et al.J Biol.Chem 283:19570〜80,2008)の相互発現を制御するp53(Shetty S et al.,2005,上記参照)の調節により上皮細胞アポトーシス生存を調節し、uPA、uPAR、カベオリン1(「Cav−1」)およびβ1インテグリン(Shetty S et al.,2005,上記参照)間の新規細胞表面シグナリング相互作用を含むことが発見された。前述の認識に基づいて、本発明者らは、ALIおよびその結果として生じるリモデリング反応を治療するための新規組成物および方法を考え出すに至った

0006

肺線維症(lung fibrosis)(この用語は、「肺(pulmonary)」線維症」と互換的に使用される)の間、主に、腫瘍抑制タンパク質として公知の転写因子p53の発現は線維性線維芽細胞内で過剰に抑制され、PAI−1発現が有意に阻害される一方、次々に、uPAおよびuPARの発現を誘発する。p53発現線維性線維芽細胞の阻害の結果として起こるPAI−1発現の抑制ならびにuPAおよびuPARの同時に起こる誘発は、線維芽細胞の増殖およびECM沈着、すなわち線維症の原因となる。mdm2のp53との相互作用増加およびp53の引き続き起こるmdm2介在ユビキチン化は、線維性線維芽細胞内のp53の阻害の一因となる。

0007

p53およびNF−κBの活性度間の相互関係は、がん細胞内で示されていたが、炎症過程中のp53およびNF−κB間の相互作用に関する情報はほとんどない。Liu Gら(J Immunol.182:5063〜71(2009))は、p53、(p53(−/−)の不足している好中球およびマクロファージが、p53(+/+)細胞より、細菌性脂質多糖体LPS)の刺激に対する大きな応答を有し、それらが、TNF−α、IL−6、およびMIP−2を含む、より多量の炎症誘発性サイトカインを産生して、NF−κB DNA結合活性増強を示すことを発見した。p53(−/−)マウスは、p53(+/+)マウスより、LPS誘発性急性肺障害(ALI)に、よりかかりやすい。LPSに対するp53(−/−)細胞の応答増加は、Toll様受容体TLR4会合(例えば、MAPキナーゼの活性化、IκB−αまたはNF−κBのp65サブユニットリン酸化、またはIκB−αの分解の会合と関連する細胞内シグナル伝達現象交互変化を含まない。LPS刺激好中球およびマクロファージのヌトリン3aを用いた培養は、NF−κB DNA結合活性および炎症誘発性サイトカインの産生を減弱した。マウスのヌトリン3a処理は、LPS誘発性ALIの重症度を減少させた。著者らは、p53が、炎症細胞内のNF−κB活性を調節すると結論し、p53の調節が、ALIなどの急性炎症状態で、治療効果の可能性を有し得ることを示唆した。

0008

ヌトリン(またはヌトリン3a)(NTLと略す)
ヌトリンまたはヌトリン3aとも名付けられた有機分子4−2−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−ピペラジン−2−オン(C30H30Cl2N4O4)の化学構造は、以下に示される



NTLは、MDM2のアンタゴニストであり、p53活性化因子およびアポトーシス誘導物質である。MDM2は、p53腫瘍抑制タンパク質と結合し、その転写活性および安定性を負に調節することにより作用する。MDM−p53相互作用の阻害は、p53の安定化、細胞周期停止およびアポトーシスをもたらす。ヌトリン3は、がん細胞内のp53経路の活性化によるがん治療としての可能性を示した。(Tovar,C.et al.,Proc Natl Acad Sci USA 103:1888〜1893(2006);Vassilev,L.T.et al.Science 303 844〜848(2004);El−Deiry,W.S.Cancer J 11:229〜236(1998))。

0009

U.S.Pat.7,893,278(Haley et al.)は、一般的、且つ、具体的に、キラルヌトリン3を開示した。U.S.Pat.6,734,302は、ラセミ体のヌトリン3を説明している。該‘278号特許は、式



化合物を教示している。上記特許の両方とも、該Mdm2−p53相互作用のインヒビターとして、およびがん治療での使用を考察している。

0010

U.S.Pat.Publication2011/0301142(Hutchinson et al.)は、LPA1受容体アンタゴニスト治療効果量を、哺乳類投与することを含む、該哺乳類の突発性肺線維症の治療方法を教示している。該アンタゴニストは、特定のイミダゾール誘導体であり得るが、NTLなどのイミダゾリン系化合物ではない。

0011

U.S.Pat.6,596,744(Wagle et al.)は、その全てが、明白に、NTLと異なる複素環式化合物を用いた、特定の線維症の治療または寛解方法を開示している。開示された疾病としては、線維性肥大または肺組織の線維症の症状として有する繊維性肺疾患が挙げられる。これらの疾病としては、肺線維症(または間質性肺疾患または間質性肺線維症)、突発性肺線維症、塵肺症の線維性因子肺サルコイドーシス、線維化肺胞炎嚢胞性線維症の線維性または肥大性因子、慢性閉塞性肺疾患成人呼吸促迫症候群および肺気腫症が挙げられる。

0012

Cell Cycle 6:2178〜85(2007)中、Deyらは、ヌトリンが、p53−MDM2相互作用を阻害する、最初の強力で、特異的な小分子Mdm2アンタゴニストとして、同定されたことを記載している。

0013

前述の文書はいずれも、ヌトリン3aを用いたIPF治療を開示していない。

0014

カベオリン1由来のペプチド
本発明者らは、生体外および生体内で、ブレオマイシン(「BLM」)誘発アポトーシスから、肺上皮細胞LEC)を保護および肺上皮損傷の減弱により、引き続く肺線維症を予防したカベオリン1(Cav−1;下記配列番号3)の足場ドメインである20個の残基ペプチドDGIWKASFTTFVTKYWFYR(配列番号2)を発見した(Shetty et al.,U.S.Patent Appl12/398,757、U.S.2009−0227515A1として公開(2009年9月10日)、その全文を参照することにより、本明細書に組み入れられるものとする)。本発明者らは、同様に、生体外および生体内で、BLM誘発アポトーシスから、LECを保護および肺上皮損傷の減弱により、引き続く肺線維症を予防した、PP−2と名付けられた、17個の残基ペプチドNYHYLESSMTALYTLGH(配列番号4)も発見した。

0015

Shettyら、2009(上記参照)は、上記ペプチドを含むペプチド多量体および送達可能なポリペプチドだけでなく、これらのペプチドの生物活性置換、付加および欠失変異体、および前記ペプチド、変異体および多量体を含む医薬組成物も記載している。これらの組成物は、傷害または損傷した肺上皮細胞のアポトーシスを阻害および急性肺傷害および結果としての肺線維症/IPFを治療する。

0016

記文章は、配列FTTFTVT(配列番号1)を有し、CSPの生物活性を有して、本発明の主題の部分を構成する、CSP−4と名付けられた、CSPの特定のフラグメント(本発明の部分として、以下に開示)を同定していなかった。
IPFに対する診断不足および治療方法の欠如を考慮して、疾病進行を食い止めるまたは少なくとも遅延させるため、緊急に、新規の治療介入の必要性がある。この重要な治療の空白が、本発明により取り組まれる。
本発明は、本発明者らの前の発見(S.Shetty et al.,2007,2008&2009、上記参照)を構成し、その延長である。下記セクションに記載の通り、該p53は、uPA、uPARおよびPAI−1の発現を調節する。本過程は、p53mRNAに影響を与えないで、転写後段階におけるp53タンパク質発現のMDM2介在制御を含む。これらの観察は、線維性修復でのp53の発現および該uPA線溶系の間の因果関係を示している。

0017

米国特許第7893278号明細書
米国特許第6734302号明細書
米国特許出願公開第2011/0301142号明細書
米国特許第6596744号明細書
米国特許出願公開第2009/0227515A1号明細書

先行技術

0018

MasonDPet al.,Ann Thorac Surg 84:1121−8,2007
American Thoracic Society,Am J Respir Crit Care Med 161:646〜664,2000
Noble PW et al.,Clin Chest Med 25:749〜758,2004
Selman M et al.,Ann Intern Med 134:136〜151,2001
Selman M et al.,Expert Opin Emerg Drugs 16:341〜62,2011
Shetty,S et al. Am J Respir Cell Mol Biol 15:78〜87,1996
Zhu S et al.,Am J Physiol:Lung Cell Mol Physiol 297:L97〜108,2009
Suganuma H et al.,Thorax 50:984〜9,1995
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課題を解決するための手段

0019

NTLを用いた、MDM2とのp53タンパク質相互作用の阻害は、uPAおよびuPARを阻害する一方、p53およびPAI−1を増強する。これらの変化は、BLM誘発性促進的肺線維症を有するマウスの肺からだけでなく、IPFを有する患者の肺から単離された、線維性線維芽細胞のアポトーシスおよび線維性線維芽細胞の増殖阻害をもたらす。

0020

本発明に従えば、NTLは、線維性線維芽細胞内でp53発現を誘発または増強することにより、進行性および罹患している肺線維症を阻害する。従って、この化合物は、それを必要とする対象の肺線維症を治療するために有用である。

0021

本発明者らは、FL線維芽細胞内の該uPA線溶系の妨げられたp53介在制御が、IPFの標的療法の基盤であることを着想した。FL線維芽細胞では、コラーゲンI(Col−I)およびα平滑筋アクチン(α−SMA)などのECMタンパク質のレベルが増加する一方、p53のベースライン発現およびミクロRNA−34aは、顕著に抑制される。該mdm2阻害化合物ヌトリン3aまたはCSP−4のいずれかを用いた、FL線維芽細胞の治療は、uPAおよびuPARの相互抑制しながら、p53およびPAI−1発現を増強する。ヌトリン3aまたはCSP−4を用いた、FL線維芽細胞の治療は、ECMの産生も阻害する。本発明者らのこれらの先行発見および最近の刊行物は、肺線維症に至るFL線維芽細胞中で、別様にゆがめられるp53およびuPA線溶系の間のクロストーク回復するための介入性アプローチ正当化する。p53は、uPA線溶系2が制御不能になる多面発現効果を有する。しかしながら、PAI−1は、線維芽細胞および他細胞内のp53の下流エフェクターである。

0022

重要なことに、FL線維芽細胞内のp53の修復は、uPA、uPARおよびPAI−1の発現、細胞生存性ならびにECMの産生を調節する。FL線維芽細胞内の該p53−uPA線溶系標的アプローチを、図1に示す。miR−34aが、ヒストン脱アセチル化酵素サーチュイン1(SIRT1)の阻害により、p53のアセチル化を増強する一方、p53は、miR−34a転写を誘導する。これは、mdm2により介在されたその分解の阻害によって、p53タンパク質の安定化をもたらす。しかしながら、FL線維芽細胞内では、p53タンパク質およびmiR−34aの基本レベルは、カベオリン1の低ベースライン発現の結果として、mdm2によるp53タンパク質のユビキチン化増加によって、顕著に抑制される。これは、uPAおよびuPARのp53介在阻害減少、またはPAI−1の同時誘発をもたらす。この変化は、過剰なFL線維芽細胞増殖およびECMの産生の一因となり、CSP−4およびヌトリン3aにより回復される。CSP−4およびヌトリン3aは、p53タンパク質のmdm2介在分解の阻害により、p53レベルを増加させる。FL線維芽細胞内の該uPA線溶系でのp53発現およびp53介在変化の回復は、生存率の減衰をもたらし、ECMの産生および沈着を制限する。これらに細胞;PAI−1に対するアポトーシス促進シグナルを誘発する一方、該増殖シグナルuPAおよびuPARを次々に抑制する、FL線維芽細胞内のp53レベルの回復を経て、罹患している肺線維症を有するBLM投与後のマウス内で、線維症は阻害される。

0023

本発明者らは、初めて、該uPA線溶系のp53介在変化が、肺線維症の病変形成の中核を成す肺線維芽細胞の線維化促進反応を調節し、この経路が、治療効果のため、標的になり得ることを示す。組織学的に「正常な」肺からのNL線維芽細胞と異なり、線維性肺組織からの線維芽細胞/筋線維芽細胞を含むFL線維芽細胞は、uPAおよびuPAR発現が高い一方、非常に低レベルのベースラインp53、miR−34aおよびカベオリン1を発現する。CSP−4、または低分子量化合物ヌトリン3aを用いた、FL線維芽細胞の治療は、p53およびmiR−34a発現を回復し、PAI−1を誘発する。これらの変化が、uPAおよびuPAR発現を抑制し、ECM沈着を阻害する。これらの薬剤は、BLM誘発性肺線維症も回復に向かわせ、肺上皮も保護し、同様に、p53および該線溶系の調節の間のクロストークを示す。従って、肺線維症のCSP−4介在性またはヌトリン3a介在性緩和は、新規治療方法を示す。

0024

現在、肺線維症を回復に向かわせる効果的治療はない。本発明は、この重要な空白に対処して、線維性肺疾患を効果的に治療するため、FL線維芽細胞およびp53とuPA線溶系の間のクロストークを標的にする新規化合物および方法を提供する。

0025

本発明は、物質の組成物にも関する。1つの実施形態では、該組成物は、好ましくは:
(a)その配列が、FTTFTVT(配列番号1)である、CSP−4と指定されたペプチド;
(b)約20アミノ酸長までの該CSP−4ペプチドの付加変異体であって、配列番号3の配列を有するカベオリン1(Cav−1)の足場ドメイン(CSP)でない変異体;
(c)(a)の該CSP−4ペプチドの共有結合的に修飾された化学誘導体
(d)(b)の該変異体の共有結合的に修飾された化学誘導体、
(変異体または化学誘導体は、生体外または生体内アッセイにおいて、該CSP−4ペプチドの、少なくとも、20%の生物または生化学活性を有する)から成る群から選択されるFL線維芽細胞内のp53タンパク質レベルを増加させ、uPAを減少させ、PAI−1発現を増加させるペプチド化合物である。上記または下記、該ペプチド変異体、化学誘導体または多量体は、好ましくは、活性CSP−4と比較して、次の活性を有する:少なくとも、約20%、30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、約95%、97%、99%、および例えば、約70%〜約80%、より好ましくは、約81%〜約90%;またはさらにより好ましくは、約91%〜約99%などの、そこで導き出せるいずれもの範囲。該ペプチド変異体化学誘導体または多量体は、100%または100%より大きなCSP−4活性を有し得る。この相対的活性は、本明細書中の開示、またはかかる活性を評価する分野で公知のいずれかの方法に基づき得る。

0026

好ましい化合物は、FTTFTVT(配列番号1)で、CSP−4と指定されたヘプタペプチドである。

0027

好ましいペプチド多量体は、各モノマーが、CSP−4ペプチド、変異体または化学誘導体である、少なくとも2つのモノマーを含み、該多量体が:
(a)式P1nを有し、式中、
(i)P1は、上記、ペプチド、変異体または化学誘導体であり、および
(ii)n=2〜5であり、または
(b)式(P1−Xm)n−P2を有し、式中、
(i)P1およびP2の各々は、独立して、上記、ペプチド、変異体または化学誘導体であり、
(ii)P1およびP2の各々は、同じまたは異なるペプチド、変異体または誘導体であり、
(iii)Xは、4個までの酸素原子を含有する、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルケニル、C1〜C5アルキニル、C1〜C5ポリエーテルであり;
(iv)m=0または1であり;および
(v)n=1〜7であり、
(c)式(P1−Glyz)n−P2を有し、式中、
(i)P1およびP2の各々は、独立して、ペプチド、変異体または誘導体であり、
(ii)P1およびP2の各々は、同じまたは異なるペプチドまたは変異体または誘導体であり;
(iii)z=0〜6であり;および
(iv)n=1〜25である、
(式中、該ペプチド多量体は、好ましくは、生体外または生体内アッセイにおいて、該CSP−4ペプチドの、少なくとも、20%の生物活性を有する)である。

0028

別の実施形態では、本発明は、送達可能なペプチド、または:
(a)上記、ペプチド、変異体、誘導体、ポリペプチド、または多量体、および
(b)それと結合または会合または混合した送達または転移分子または部分
を含むポリペプチドもしくはペプチド多量体組成物に関する。好ましい転移分子または部分を以下に記載する。

0029

(a)薬剤的許容可能な担体または賦形剤および、
(b)活性成分として、上記、ペプチド、ペプチド変異体、化学誘導体、ポリペプチドまたはペプチド多量体(ヌトリン3a(NTL)またはMDM2−p53相互作用を阻害するNTLのキラルcis−イミダゾリン類似体を含む医薬組成物と併用してもよく、NTL類似体が、生体外または生体内アッセイにおいて、少なくとも20%のNTLの生物または生化学活性を有する)
を含む抗線維性医薬組成物も提供され;
随意に組み合わせたNTLまたはNTL類似体が、好ましく、注射または経口投与用に処方されるのに対して、最も好ましくは、注射または肺点滴注入用に処方された上記ペプチド関連医薬組成物である。

0030

本発明は、p53タンパク質とのMDM2相互作用およびp53のMDM2介在分解を阻害する化合物の効果量を、FL線維芽細胞に提供することを含む、線維性肺(FL)線維芽細胞内のp53タンパク質レベルを増加、uPAおよびuPARを減少およびPAI−1を増加する方法に関し、該化合物が:
(a)NTLまたはMDM2−p53相互作用を阻害するNTLのキラルcis−イミダゾリン類似体;
(b) (i)その配列が、FTTFTVT(配列番号1)であるCSP−4;
(ii)付加変異体が、20アミノ酸長を超えない、該CSP−4ペプチドの追加変異体;
(iii)CSP−4ペプチドの共有結合的に修飾された化学誘導体
から成る群から選択されるペプチド、または
(c)各モノマーが、該CSP−4ペプチド、(b)の変異体もしくは化学誘導体である、少なくとも2つの該モノマーを含むペプチド多量体、または
(d)(a)〜(c)のいずれかの組み合わせ
(該NTL類似体、該ペプチド変異体、該ペプチド化学誘導体または該ペプチド多量体は、生体外または生体内アッセイにおいて、NTLまたは該CSP−4ペプチドの少なくとも20%の生物または生化学活性を有する)である。

0031

上記または下記、NTL類似体は、好ましくは、NTLの活性と比較して、次の活性を有する:少なくとも、約20%、30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、約95%、97%、99%、および、例えば、約70%〜約80%、より好ましくは、約81%〜約90%;またはさらにより好ましくは、約91%〜約99%などの、そこで導き出せるいずれもの範囲。該NTL類似体は、100%または100%より大きなNTLの活性を有し得る。この相対的な活性は、本明細書中の開示、またはかかる活性を評価する分野で公知のいずれかの方法に基づき得る。

0032

上記方法の好ましい実施形態では、上記方法の該化合物は、NTLである。別の実施形態では、該化合物は、配列番号1のCSP−4ペプチドである。該方法の別の実施形態では、該化合物は、該ペプチド多量体、好ましくは、該CSP−4ペプチド(配列番号1)のモノマーを含むものである。

0033

好ましくは、上記方法が、ペプチド多量体を使用する:
(a)該ペプチド多量体が、式P1nを有し、式中、
(i)P1は、該ペプチド、変異体または化学誘導体であり、および
(ii)n=2〜5であり、または
(b)該ペプチド多量体が、式(P1−Xm)n−P2を有し、式中、
(i)P1およびP2の各々は、独立して、該ペプチド、変異体または化学誘導体であり;
(ii)P1およびP2の各々は、同じまたは異なるペプチド、変異体または誘導体であり;
(iii)Xは、4個までの酸素原子を含有する、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルケニル、C1〜C5アルキニル、C1〜C5ポリエーテルであり;
(iv)m=0または1であり;および
(v)n=1〜7であり、または
(c)該ペプチド多量体が、式(P1−Glyz)n−P2を有し、式中、
(i)P1およびP2の各々は、独立して、該ペプチド、変異体または誘導体であり、
(ii)P1およびP2の各々は、同じまたは異なるペプチドまたは変異体または誘導体であり;
(iii)z=0〜6であり;および
(iv)n=1〜25である、
好ましくは、該多量体は、生体外または生体内アッセイにおいて、CSP−4ペプチドの、少なくとも、20%の生物活性を有する。

0034

p53タンパク質のMDM2介在分解の阻害により、FL線維芽細胞内のp53タンパク質レベルを増加させ、uPAおよびuPARレベルを減少させ、PAI−1発現を増加させる化合物または組成物の効果量を、対象に投与することを含む、肺線維症(すなわち、IPF)により特徴付けられる疾病または状態を有する、哺乳類対象、好ましくは、ヒトを治療する方法も提供される。この方法の好ましい実施形態では、該化合物または組成物は、
(a)ヌトリン3a(NTL)またはMDM2−p53相互作用を阻害するそのキラルcis−イミダゾリン類似体;
(b) (i)その配列が、FTTFTVT(配列番号1)であるCSP−4、最も好ましいペプチド実施形態;
(ii)付加変異体が、20アミノ酸長を超えない、該CSP−4ペプチドの追加変異体;
(iii)CSP−4ペプチドの共有結合的に修飾された化学誘導体
から成る群から選択されるペプチド、または
(c)各モノマーが、該CSP−4ペプチド、(b)の変異体もしくは化学誘導体、最も好ましくは、CSP−4の多量体である、少なくとも2つの該モノマーを含むペプチド多量体、
(d)上記送達可能なペプチド、またはポリペプチドもしくはペプチド多量体組成物、または
(e)(a)〜(d)のいずれかの組み合わせ
(該NTL類似体、または該ペプチド変異体、該ペプチド誘導体または該ペプチド多量体は、生体外または生体内アッセイにおいて、それぞれ、NTLまたは該CSP−4ペプチドの少なくとも20%の生物または生化学活性を有する)である。

0035

この方法では、該化合物は、好ましく、薬剤的に許容可能な担体または賦形剤を、さらに含む医薬組成物中にある。該化合物は、該NTL、NTL類似体またはペプチド化合物の薬剤的に許容可能な塩であり得る。該方法の好ましい実施形態では、該化合物は、NTLである。この方法の別の実施形態では、該化合物は、該ペプチド多量体、最も好ましくは、該CSP−4ペプチドFTTFTVT(配列番号1)のモノマーを含む多量体である。

0036

本発明は、
(a)p53タンパク質レベルが増加するとき、FL線維芽細胞内のuPAを減少およびPAI−1発現を増加させるため、または
(b)肺線維症として特徴付けられる疾病または状態を治療するため、NTL、上記NTL類似体、上記ペプチド、変異体、化学誘導体または多量体の使用にも関する。

0037

肺線維症として特徴付けられる疾病または状態を有する対象の治療用途医薬製造のため、本明細書に定義されたNTL、上記NTL類似体、上記ペプチド、変異体、化学誘導体またはペプチド多量体の使用も提供される。

図面の簡単な説明

0038

図1は、線維性肺(FL)線維芽細胞内のp53の低ベースライン発現および該uPA線溶系の混乱したp53介在制御が、線維形成をもたらすことを示す略図である。IPFおよび本発明の方法および組成物による治療に関係する作用および経路の機序概要を示す。
IPF肺の線維性病巣は、FL線維芽細胞p53発現の減少を示す。IPF患者からの肺切片および対照の「正常な」対象を、H&E(図2A)、ビメンチン図2B)、トリクローム図2C)、p53(図2D)、PAI−1(図2E)、Ki−67(図2F)、PAI−1とSP−Cに対する免疫蛍光図2G)またはp53とSP−C(図2H)またはp53とPAI−1(図2I)に対して染色した。1つの代表的な例を示す(n=5 IPF肺検体)。
col−Iの増加およびmiR−34aの阻害に関連するIPF肺からのヒトFL(IPF)線維芽細胞内で、カベオリン1、p53およびPAIは減少し、uPAは増加する。(図3A)正常肺(NL)およびFL線維芽細胞からの細胞ライセートを、該タンパク質の変化に対して、免疫ブロットした。図は、NL線維芽細胞(n=10セルライン)およびFL線維芽細胞(n=18セルライン)の典型的な結果を示す。(図3B)NL(n=3)およびFL(n=4)線維芽細胞からの全RNAを、リアルタイムPCR法により、miR−34a発現について試験した。miR−34a用32P標識化アンチセンスプローブを用いて、代表的な試料からのRNAのノーザンブロット解析およびローディングコントロールsnRNA(U6)を、当該棒の下部に示す。
IPFおよび「正常」肺からの線維芽細胞によるuPA、uPARおよびPAI−1の不同性発現。「正常」対象およびIPFを有する患者から(図4A)、またはNL(n=6)およびFL線維芽細胞(n=8)からの肺組織から単離された全RNAを、定量的リアルタイムPCR法(RT−PCR)により、uPA、PAI−1およびcol−ImRNAについて試験して、βアクチンmRNAの対応するレベルに正規化した。
マウスからのFL対NL線維芽細胞によるuPAおよびPAI−1の発現差異。他で記載のように、鼻腔食塩水曝露した対照マウスからのBLM傷害またはNL線維芽細胞後、21日目のマウスの肺から単離されたFL線維芽細胞(Bandhary et al.,2012、上記参照)。NLおよびFL線維芽細胞からのライセートを、p53、uPA、PAI−1およびcol−Iタンパク質の発現の変化に対して、免疫ブロットした(図5A)。BLM誘発性線維症を有するマウスまたは対照(食塩水)マウスの肺組織からのマウス肺組織(図5B)または単離したNLおよびFL線維芽細胞(n=6)(図5C)から抽出した全RNAを、定量的リアルタイムPCR法により、uPA、PAI−1およびコラーゲンI(col−I)mRNAについて試験した。マウスからのNLおよびFL線維芽細胞を、DMEM培地中、12ウェルプレートで培養した。3日後、線維芽細胞を、増殖速度を決定するため、カウントした(図5D)。
CSP(CSP4)は、FL(IPF)線維芽細胞内のmiR−34aの誘発により、p53発現を増強する。(図6A)NLおよびFL線維芽細胞(n=3)を、PBS、CSP−4(CSP)または対照ペプチド(CP)で処置した。RNAを、リアルタイムPCR法により、miR−34aについて分析した。(図6B)FL線維芽細胞を、miR−34aアンチセンス(miR−34a−AS)またはプレmiR−34aまたは対照miRNA(Ctr−miR)のあるなしで、PBSまたはCSPまたはCPで処置した。条件培地(CM)を、PAI−1およびp53およびβアクチン用ライセート(CL)に対して免疫ブロットした。(図6C)FL線維芽細胞を、miR−34a−AS、プレmiR−34aまたはCtr−miRの存在下または非存在下、PBSまたはCSPまたはCPで処置した。RNAを、リアルタイムPCR法により、miR−34aの変化について分析した。(図6D)CSP内で、一連重複欠失をさせて、これらのペプチドを、FL線維芽細胞を処置するために使用した。その後、p53、uPA、PAI−1およびcol−Iの変化を、該CSP効果に必要な最小限のアミノ酸を確認するために評価した。
FL(IPF)線維芽細胞内のp53タンパク質のmdm2介在分解の増加。(図7A)NLおよびFL線維芽細胞(n=3)からのライセートを、p53、mdm2およびβアクチンに対して、免疫ブロットした。(図7B)NLおよびFL線維芽細胞からのライセートを、抗mdm2抗体と共に免疫沈降(IP)して、関連するp53タンパク質に対して、免疫ブロット(IB)した。
ヌトリン3a(NTL)のp53線溶系クロストークの役割またはFL(IPF)線維芽細胞内のcol−I発現のCSP−4介在阻害。(図8A)FL線維芽細胞を、48時間、PBS、ヌトリン3a(10μM)、CSP−4(10nM)または対照ペプチド(CP)に曝露した。該細胞ライセートを、Col−I、PAI−1、p53、uPAおよびβアクチンの発現に対して、免疫ブロットした。(図8B)DMEM培地中の12ウェルプレート中で培養したFL線維芽細胞を、媒体(PBS)またはヌトリン3a、CSP−4またはCPに曝露した。3日後、細胞を剥離して、カウントした。(図8C)FL線維芽細胞を、単独で空のアデノウイルスベクター(Ad−EV)またはp53(Ad−p53)、PAI−1(Ad−PAI−1)もしくはカベオリン1(Ad−Cav−1)を発現するAdベクターで、形質導入した。48時間後、細胞ライセートを、Col−I、p53,PAI−1、uPAおよびβアクチンに対して、免疫ブロットした。
NL線維芽細胞内のcol−I発現の誘発でのp53線溶系クロストークの役割。組織学的に「正常な」ヒト肺から単離されたNL線維芽細胞を、ベースラインp53発現を阻害するため、レンチウイルスベクター中のp53 shRNAで処置した。対照細胞を、非特異的(Ctr)shRNAで処置した。(図9A):細胞ライセートを、p53、α−SMAおよびβアクチンについて試験する一方、条件培地試料を、PAI−1、uPA、および可溶col−Iに対して免疫ブロットした。(図8B):対照またはp53 shRNAで処置したNL線維芽細胞から単離された全RNAを、定量的リアルタイムPCR法により、uPA、PAI−1、col−IおよびβアクチンmRNAの発現の変化について分析した。
ヌトリン3a(NTL)は、BLM処置したマウス内の肺線維症を阻害する。マウスを、肺線維症を誘発するため、14日間、BLMに曝露した。食塩水処置したマウスを、線維症対照として使用した。14日後、ヌトリン3aが、罹患している肺線維症を阻害するかどうか決定するため、BLMに曝露したマウスに、媒体またはヌトリン3a(10mg/体重kg)(Zhang F et al.Drug Metab Dispos 39:15〜21,2011)のいずれかを、静脈内注射した。BLM傷害後21日目、マウスを、線維症の程度を評価するため、CTスキャンした(図10A)。1つの代表例を示す(n=9)。(図10B)ヌトリン3a処置(n=9)後、肺機能の改善を評価するため、肺コンプライアンスおよび抵抗を、Flexiventシステムを用いて、同じマウス内で測定した。(図10C)肺線維症の指標として、肺構造およびコラーゲン沈着を評価するため、肺切片を、トリクローム染色に付した。(図10D)ECMの変化の独立評価として、全コラーゲン(ヒドロキシプロリン)およびデスモシン含有量について、全肺ホモジネートを分析した。
CSP−4は、罹患している肺線維症を阻害して、肺機能を改善する。マウスを、肺線維症を誘発するため、BLMに曝露した。14日後、媒体または1.5mg/体重kgのCSP−4または対照ペプチド(「CP」)のスクランブル配列のいずれかを、マウスに、静脈内注射した。BLM傷害後21日目、罹患している肺線維症のCSP−4阻害を試験するため、マウスをCTスキャンした(図11A)。1つの代表例を示す(n=9)。(図11B):肺気量を、定量的CT表示を用いて、同じマウス内で測定した(n=9)。(図11C):肺線維症を示すような、コラーゲン沈着を評価するため、肺切片を、トリクロームおよびH&E染色(図示せず)に付した。(図11D)全ヒドロキシプロリン含有量に対する全肺ホモジネートの分析。
CSP−4またはヌトリン3a(NTL)は、FL線維芽細胞の増殖を阻害する。マウスを、有意な肺線維症を誘発するため、BLMに14日間、または食塩水(線維症対照)に曝露した。14日後、BLMに曝露したマウスを、CSP−4もしくはCP、またはヌトリン3aで処置した(図10A0D/11A〜D参照)。(図12A):肺切片(BLM傷害後21日目)を、増殖を評価するため、Ki−67に対する免疫組織化学法(IHC)に付した。1つの代表例を示す(n=9)。線維芽細胞を、食塩水、BLMまたはBLM+ヌトリン3aに曝露したマウスの肺から単離(図11Aに記載の通り)して、ウェスタンブロッティング法により、col−I、p53および下流uPAおよびPAI−1タンパク質の発現の変化(図12B):、および定量的RT−PCRにより、mRNA(図12C)を試験した。
CSP−4またはヌトリン3aを用いたWTマウス肺組織の生体外処置による、BLM誘発性肺線維症の阻害。マウスを、肺線維症を誘発するため、21日間、鼻腔内で、BLMに曝露した。これらのマウス(n=3)を殺し、肺を切除し、小片細断して、10%ウシ胎仔血清を含有するDMEM培地を用いた培養皿に入れた。その後、該組織試料を、CSP−4(10nM)、対照ペプチド(CP)およびヌトリン3a(NTL)(10μM)で、72時間、処置した。条件培地および組織ライセートを、調製して、ウェスタンブロッティング法により、col−I、α−SMAおよびβアクチンの変化について分析した。

0039

本発明者らは、「腫瘍抑制」タンパク質、p53およびプラスミノーゲン活性化因子インヒビター1(PAI−1)の基底発現が、IPF患者の肺から得られたFL線維芽細胞内で、著しく、減少していることを発見した。これは、ヒトIPFの認められたモデルである、BLM誘発性促進的肺線維症を有するマウスについてもそう言える。p53は、uPA線溶(uPA、uPARおよびPAI−1)系の主要成分の発現を調節する。しかしながら、これらのタンパク質レベルの変化が、いかにして、肺線維症の一因となるのか、および、p53−uPA線溶系クロストークの正常モードの修復が、肺線維症を緩和するのか否かは、明白でない。

0040

本発明に従えば、uPAおよびuPAR発現の増加、およびFL線維芽細胞内で、p53発現がないことによるPAI−1の同時に起こる阻害は、肺線維症の発症に対して重大な意味を持つ。p53発現の誘発、およびuPAのp53介在減少によるp53−uPA線溶系クロストークの修復、およびFL線維芽細胞内のPAI−1発現の同時に起こる増加は、IPFを緩和し、NTLを用いて、この疾病を治療するための基礎である。

0041

正常な肺(「NL」)線維芽細胞と異なり、IPF(「FL」線維芽細胞)を有する患者の肺から、またはBLM誘発性肺線維症を有するマウスから得られた線維芽細胞は、最小限のp53を発現する。さらに、uPAおよびuPARの発現が、著しく、増加する一方、FL線維芽細胞は、低レベルのPAI−1を産生する。

0042

本発明は、世界的で協調的な方法で、uPA線溶系の全3つの主要成分(uPA、uPARおよびPAI−1)を標的にする。同時に、FL線維芽細胞内のp53発現の回復により、uPA線溶系の全3つの主要成分を標的にすることは、線維症を緩和する。

0043

従って、この治療は、生体外、および生体内で、IPFを有する患者から得られた一次FL線維芽細胞および肺組織に効果がある。これらの変化は、ヌトリン3aの有益な効果の中間および下流の介在物質が定義される、罹患している肺線維症を有するマウスモデル中で、観察された。

0044

ヌトリン3a
本発明の方法で有用な化合物としては、4−2−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−1−ピペラジン−2−オン(C30H30Cl2N4O4)である、ヌトリン3a(ヌトリンおよびNTLとも呼ばれる)が挙げられる。



この化合物は、U.S.Pat.7,893,278(Haley et al.)(その全文を参照することにより、組み入れられる)に記載されている。MDM2−p53相互作用を阻害する特性を共有するNTLのキラルcis−イミダゾリン類似体のより広範な属も、本発明に有用である。NTL類似体に関しては、該‘278特許に開示された分子属を対象とし、以下の式2により特徴付けられる。



式中、
Rは、少なくとも1個のヘテロ原子を含む飽和および非飽和5員および6員環から選択され;該ヘテロ原子が、S、NまたはOであり得る。該環は、アルキルが、少なくとも1つの−C=O−R1、−SO2CH3、または−CH2C=OCH3で、さらに置換され得る、低級アルキル基で置換され得、
R1は、H、−NH2、−N−低級アルキル、ヒドロキシで置換された低級アルキル、−NH2、および少なくとも1個のヘテロ原子(S、NまたはO)を含む5員または6員飽和環で置換された低級アルキルから成る群から選択され;
X1およびX2は、独立して、H、低級アルコキシ、−CH2OCH3、−CH2OCH2CH3、−OCH2CF3および−OCH2CH2Fから成る群から選択され、
Y1およびY2は、各々独立して、−Cl、−Br、−NO2、−C=N、および−C=CHから成る群から選択され、および
該イミダゾリン環の4位および5位における絶対立体化学は、それぞれ、SおよびRである。

0045

NTL類似体と見なされる他化合物は、式中、Rが、低級アルキル、シクロアルキル、C=OR1、ヒドロキシで置換された低級アルキル、−NH2で置換された低級アルキル、−C=OR1で置換された低級アルキル、N−低級アルキル、−SO2CH3、=O、−CH2C=OCH3、またはC1〜C3アルキル、−C1〜C2アルコキシ、−C=OCH3、−SO2CH3,−C=O、−OH、−CH2NH2、−C=OCH2NH2、−C=OCH2OH、−C=OCH(OH)CH2OH、−CH2CH(OH)CH2OH、−C=ON(CH2)2、−C=ONH2、および−C=ON(CH3)CH3、−N(CH3)CH3、ピロリジニルおよびピペラジニルから選択される少なくとも1つの基で置換されたピペリジニルから選択される少なくとも1つの基で置換されたピペラジニルである、式2の化合物である。

0046

好ましいものは、式中、オルト位のX1基が、低級アルコキシ、−OCH2CF3および−OCH2CH2Fから選択され、パラ位のX2基が、低級アルコキシである、式2の化合物もある。さらに好ましいのは、オルト位のX1基が、エトキシイソプロポキシ、−OCH2CF3および−OCH2CH2Fから選択され、パラ位のX2基が、メトキシおよびエトキシから選択される、化合物である。

0047

さらに好ましいのは、式中、Rが、ピペラジニルおよび置換ピペラジニルから選択される、式2の化合物である。かかる化合物は、例えば:1−{4−[(4S,5R)−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イミダゾール−1−カルボニル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;4−[(4S,5R)−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イミダゾール−1−カルボニル]−ピペラジン−2−オン;[(4S,5R)−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−5−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イミダゾール−1−イル]−(4−ピロリジン−1−イル−ピペラジン−1−イル)−メタノン;4−[(4S,5R)−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イミダゾール−1−カルボニル]−ピペラジン−2−オン;1−{4−[(4S,5R)−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−エトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−イミダゾール−1−カルボニル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン;2−{4−[(4S,5R)−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−エトキシフェニル)−4,5−ジヒドロ−イミダゾール−1−カルボニル]−ピペラジン−1−イル}−1−モルホリン−4−イル−エタノン;[(4S,5R)−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−エトキシ−フェニル)4,5−ジヒドロ−イミダゾール−1−イル]−[4−(2−メタンスルホニルエチル)−ピペラジン−1−イル]−メタノン;および[(4S,5R)−4,5−ビス−(4−クロロ−フェニル)−2−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−4,5−ジヒドロ−イミダゾール−1−イル]−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノンである。

0048

これらの全分子の合成は、当分野で公知であり、そのいくつかは、該‘278特許に、記載されている。

0049

Cav−1配列に基づいたペプチド
該カベオリン1(Cav−1)足場ドメインまたはペプチド(CSDまたはCSPとも呼ぶ)は、SrcキナーゼとのCav−1の相互作用を妨害し、以下により詳細に述べるように、uPAおよび抗β1インテグリン抗体複合効果を模倣する。未変性ヒトCav−1は、178アミノ酸長および22kDaの分子量を有する。Cav−1のアミノ酸配列を、以下に示す(配列番号3)。
1 MSGGKYVDSEGHLYTVPIRE QGNIYKPNNK AMADELSEKQ VYDAHKEID LVNRDPKHLN
61DDVVKIDFED VIAEPGTHSFDGIWKASFT TFTVTKYWFY RLLSALFGIP MALIWGIYFA
121ILSFLHIWAV VPCIKSFLIEIQCIRVYSI YVHTVCDPLF EAVGKIFSNVRINLQKEI
CSPは、上記下線の20個の残基ペプチドであり、配列GIWKASFTTFTVTKYWFYR(配列番号2)を有する。CSP−4と指定された本発明の好ましいペプチドは、CSPのフラグメントFTTFTVT(配列番号1)であり、Cav−1配列内の二重下線で示されている。CSP−4は、以下の実施例および図で示された活性を有し、如何に、p53が、uPA、uPAR(上方向)およびPAI−1発現(下方向)の協調的調節により、LEC生存率を調節するかに影響し、この推定される機序により、生体内で、LECまたは肺上皮を、アポトーシスから保護し、ALIに起因する線維症をブロックする。

0050

本明細書に開示の研究では、「CP」と呼ばれる、CSP−4に対する対照ペプチドは、より大きなCSP(配列番号2)と同じアミノ酸組成物を有するスクランブルペプチドであるが、異なる配列:WGIDKAFFTTSTVTYKWFRY(配列番号5)を有する。

0051

修飾および変化は、CSP−4の構造中で、および類似のまたは別の所望の特徴を有する分子を生成するため、起こり得る。かかる機能的誘導体または生物活性誘導体(これらの用語は、互換的に使用される)は、本発明内包含される。

0052

好ましい機能的誘導体は、付加変異体およびペプチドオリゴマー/多量体、および同様のものである。

0053

これらは、合成で生成され得るが、組み換え製造によっても生成され、CSP−4の結合特性または生物活性について試験され得る。該変異体の活性を測定する好ましい方法は、ペプチド変異体の性能が、可溶性uPAR(「suPAR」)を用いた、検出可能に標識されているものなど、可溶カベオリンの結合と競合する、競合結合アッセイである。

0054

CSP−4の異なる誘導体およびCSP−4を含むより長いポリペプチドは、本発明に従って、化学的(合成)方法または組み換え手段(より長いポリペプチドに好ましい)のいずれかにより、容易に、製造され得ると理解される。

0055

いずれかの末端または両末端の付加の1〜5個のアミノ酸を、好ましく含む付加は、CSP−4の機能的変異体の定義内に含められる。他の実施形態では(以下で述べられる該ペプチド多量体と異なるものとする)、さらなる付加残基は、約20残基まで、付加され得る。CSP−4の付加変異体では、配列番号1(核のCSP−4ペプチド)に対する付加残基N末端、および/またはC末端は、それらが、Cav−1(配列番号4)の未変性配列内で起こる順序で、それらのいくつかを含み得る。しかしながら、該付加変異体は、配列番号3であり得ない。あるいは、他アミノ酸は、該付加変異対が、CSP−4の生物活性および結合活性(下記のように、少なくとも20%の活性、または好ましくは、それより大きい)を維持することを理解して、配列番号1のいずれかの末端において、付加され得る。

0056

CSP−4の好ましい置換変異体は、1、2または3個の残基が、異なる残基により置換された、同類置換である。タンパク質化学および構造の詳細な説明のため、Schultz G.E.et al.,Principles of Protein Structure,Springer−Verlag,New York,1979、およびCreighton,T.E.,Proteins:Structure and Molecular Properties,2nded.,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,1993(参照することにより、本明細書に組み入れられるものとする)参照。同類置換は、次の基の1つ内の交換として、本明細書で定義される:
Pheは、大きい芳香族残基:Tyr、Trpにより、置換され得る。
Thrは、小さい脂肪族非極性またはわずかに極性の残基:例えば、Ala、Ser、またはGlyにより、置換され得る。
Valは、大きい脂肪族、非極性残基:Met、Leu、Ile、Cysにより、置換され得る。

0057

そうする前に、置換の正確な効果を予測することは、困難であるときでさえ、当業者は、該効果が、通例のスクリーニングアッセイ、好ましくは、本明細書に記載の生物および生化学アッセイにより、評価され得ることを認識するだろう。細胞ライセートまたは精製されたポリペプチドもしくはペプチド変異体の活性は、所望の特徴について、適切なスクリーニングアッセイで、スクリーニングされる。

0058

該20種の「標準」L−アミノ酸に加えて、D−アミノ酸または非標準、当分野で構造の明確な修飾または異例のアミノ酸も、本発明の用途に考えられる。これらとしては、例えば、βアラニン(β−Ala)および、3−アミノプロピオン酸、2,3−ジアミノプロピオン酸(Dpr)、4−アミノ酪酸、その他などのωアミノ酸;αアミノイソ酪酸(Aib);ωアミノヘキサン酸(Aha);δアミノ吉草酸(Ava);N−メチルグリシンまたはサルコシン(MeGly);オルニチン(Orn);シトルリンCit);t−ブチルアラニン(t−BuA);t−ブチルグリシン(t−BuG);N−メチルイソロイシン(MeIle);フェニルグリシン(Phg);ノルロイシン(Nle);4−クロロフェニルアラニン(Phe(4−Cl));2−フルオロフェニルアラニン(Phe(2−F));3−フルオロフェニルアラニン(Phe(3−F));4−フルオロフェニルアラニン(Phe(4−F));ペニシラミン(Pen);1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸(Tic);ホモアルギニン(hArg):N−アセチルリジン(AcLys);2,4−ジアミノ酪酸(Dbu);2,4−ジアミノ酪酸(Dab);p−アミノフェニルアラニン(Phe(pNH2));N−メチルバリン(MeVal);ホモシステイン(hCys)、ホモフェニルアラニン(hPhe)およびホモセリン(hSer);ヒドロキシプロリン(Hyp)、ホモプロリン(hPro)、N−メチル化アミノ酸およびペプトイド(N−置換グリシン)が挙げられる。

0059

他化合物は、CSP−4と類似の方法で機能する合理的薬物設計により、設計され得る。合理的薬物設計のゴールは、生物活性化合物構造的類似体を製造することである。かかる類似体を創造することにより、機能に影響する変化に対して低感受性である、天然分子(すなわち、ペプチド)より活性またはより安定である薬物を製造することは可能である。1つのアプローチは、例えば、NMRまたはX線結晶解析コンピューターモデリングまたは組み合わせにより、CSP−4の三次元構造を生成することである。代替のアプローチは、CSP−4配列中の官能基ランダムに置換して、機能に対する影響を決定することである。

0060

さらに、生物活性誘導体は、本明細書に記載のアッセイなど、結合または生物活性の生体外または生体内アッセイで、CSP−4の活性を有する。好ましくは、該ポリペプチドは、少なくとも、約20%のCSP−4の活性、または少なくとも、約30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、約95%、97%、99%、および、例えば、約70%〜約80%、より好ましくは、約81%〜約90%、さらにより好ましくは、約91%〜約99%など、そこで送達可能ないずれかの範囲の活性を有する、生体外または生体内で、BLMにより誘発されるLECのアポトーシスを阻害または予防する。該誘導体は、CSP−4より、100%またはそれより大きい活性さえ有し得る。

0061

該ペプチドは、そのNおよびC末端において、それぞれ、アシル(「Ac}と略す)およびアミド(「Am」と略す)基、例えば、該N末端において、アセチル(CH3CO−)および、該C末端において、アミド(−NH2)で、キャップされ得る。好ましくは、末端アミノ基との結合で、N末端キャッピング機能の広範な範囲は、例えば:ホルミル
アセチル、プロピオニルブチリルなど、1〜10個の炭素原子を有するアルカノイル
ヘキサ−3−エノイルなど、1〜10個の炭素原子を有するアルケノイル
ヘキサ−5−イノイルなど、1〜10個の炭素原子を有するアルキノイル;
ベンゾイルまたは1−ナフトイルなど、アロイル
3−ピロイルまたは4−キノロイルなど、ヘテロアロイル
メタンスルホニルなど、アルキルスルホニル
ベンゼンスルホニルまたはスルファリルなど、アリールスルホニル
ピリジン−4−スルホニルなど、ヘテロアリールスルホニル
4−アミノブチリルなど、1〜10個の炭素原子を有する置換アルカノイル;
6−ヒドロキシ−ヘキサ−3−エノイルなど、1〜10個の炭素原子を有する置換アルケノイル;
3−ヒドロキシ−ヘキサ−5−イノイルなど、1〜10個の炭素原子を有する置換アルキノイル;
4−クロロベンゾイルまたは8−ヒドロキシ−ナフタ−2−オイルなど、置換アロイル;
2,4−ジオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−3−メチル−キナゾリン−6−オイルなど、置換ヘテロアロイル;
2−アミノエタンスルホニルなど、置換アルキルスルホニル;
5−ジメチルアミノ−1−ナフタレンスルホニルなど、置換アリールスルホニル;
1−メトキシ−6−イソキノリンスルホニルなど、置換ヘテロアリールスルホニル;
カルバモイルまたはチオカルバモイル
R’が、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールヘテロアリール、置換アルキル、置換アルケニル置換アルキニル、置換アリール、または置換ヘテロアリールである、置換カルバモイル(R’−NH−CO)または置換チオカルバモイル(R’−NH−CS);
全て、上記定義の通り、R’が、アルカノイル、アルケノイル、アルキノイル、アロイル、ヘテロアロイル、置換アルカノイル、置換アルケノイル、置換アルキノイル、置換アロイル、または置換ヘテロアロイルである、置換カルバモイル(R’−NH−CO)または置換チオカルバモイル(R’−NH−CS)
が考えられる。

0062

該C末端キャッピング機能は、該末端カルボキシルとのアミドまたはエステル結合のいずれかであり得る。アミド結合を提供するキャッピング機能は、R1およびR2が、独立して、次の基から引き出され得る、NR1R2と指定される:水素
メチル、エチル、イソプロピルなど、好ましくは、1〜10個の炭素原子を有するアルキル;
プロパ−2−エニルなど、好ましくは、1〜10個の炭素原子を有するアルケニル;
プロパ−2−イニルなど、好ましくは、1〜10個の炭素原子を有するアルキニル;
ヒドロキシアルキルアルコキシアルキルメルカプトアルキルアルキルチオアルキルハロゲノアルキルシアノアキルアミノアルキルアルキルアミノアルキルジアルキルアミノアルキルアルカノイルアルキルカルボキシアルキル、カルバモイルアルキルなど、1〜10個の炭素原子を有する置換アルキル;
ヒドロキシアルケニル、アルコキシアルケニル、メルカプトアルケニル、アルキルチオアルケニル、ハロゲノアルケニル、シアノアルケニル、アミノアルケニル、アルキルアミノアルケニル、ジアルキルアミノアルケニル、アルカノイルアルケニル、カルボキシアルケニル、カルバモイルアルケニルなど、1〜10個の炭素原子を有する置換アルケニル;
ヒドロキシアルキニル、アルコキシアルキニル、メルカプトアルキニル、アルキルチオアルキニル、ハロゲノアルキニル、シアノアルキニル、アミノアルキニル、アルキルアミノアルキニル、ジアルキルアミノアルキニル、アルカノイルアルキニル、カルボキシアルキニル、カルバモイルアルキニルなど、1〜10個の炭素原子を有する置換アルキニル;
フェナシルまたは2−ベンゾイルエチルなど、10個までの炭素原子を有するアロイルアルキル;
フェニルまたは1−ナフチルなど、アリール;
4−キノリルなど、ヘテロアリール;
アセチルまたはブチリルなど、1〜10個の炭素原子を有するアルカノイル;
ベンゾイルなど、アロイル;
3−キノロイルなど、ヘテロアロイル;
R’およびR’’が、独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アロイル、スルホニル、スルフィニル、またはSO2−R’’’またはSO−R’’’(R’’’は、置換または非置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、またはアルキニルである)である、OR’またはNR’R’’。

0063

エステル結合を提供するキャッピング機能は、ORとして指定され、Rは:アルコキシ;アリールオキシヘテロアリールオキシアラルキルオキシヘテロアラルキルオキシ置換アルコキシ;置換アリールオキシ;置換ヘテロアリールオキシ;置換アラルキルオキシ;または置換ヘテロアラルキルオキシであり得る。

0064

N末端あるいはC末端キャッピング機能のいずれか、または両方は、該キャップされた分子が、該活性薬物を放出するため、身体内で、自然または酵素変換反応および該親薬物分子の送達特性を改善するプロドラッグ(該親薬物分子の薬理的に不活性な誘導体)として機能するような構造であり得る(Bundgaard H,Ed:Design of
Prodrugs,Elsevier,Amsterdam,1985)。

0065

キャッピング基の賢明な選択が、該ペプチドに、他活性の付与を可能とする。例えば、NまたはC末端キャップと結合したスルフヒドリル基の存在は、該誘導化されたペプチドを、他分子と結合することを可能にするだろう。

0066

CSP−4の化学誘導体
CSP−4の「化学誘導体」と見なされる、上記、キャッピング基に加えて、CSP−4の好ましい化学誘導体は、追加の化学部分、通常ではなく、CSP−4に導入され得るタンパク質またはペプチドの部分または本明細書で定義された化学誘導体を構成する公知の方法により、CSP−4の付加変異体を含み得る。該ペプチドの共有結合的修飾は、本発明の範囲内に含まれる。かかる誘導化部分は、溶解性、吸収、生物学的半減期などを改善し得る。かかる効果を媒介可能な部分は、例えば、Gennaro,AR,Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Lippincott Williams & Wilkins Publishers;21stEd,2005(または最新版)に開示されている。

0067

かかる修飾は、該ペプチドの標的アミノ酸残基を、選択された側鎖または末端残基と反応可能である有機誘導化剤と反応させることにより、該分子に導入され得る。別の修飾は、該ペプチドの環化であり、一般に、環式ペプチドを生成するため、ジスルフィド結合により結合され得る末端Cys残基の付加により達成される。別の、架橋可能なLys(K)は、1つの末端に付加され、他の末端にGlu(E)が付加される。

0068

システイニル残基(例えば、環化目的で添加)を、最も通常、カルボキシメチルまたはカルボキシアミドメチル誘導体を得るため、α−ハロアセテート(および対応するアミン)と反応させる。システイニル残基は、ブロモトリフルオロアセトン、α−ブロモ−β−(5−イミドゾイル)プロピオン酸クロロアセチルホスフェート、N−アルキルマレイミド、3−ニトロ−2−ピリジルジスルフィド、メチル2−ピリジルジスルフィド、p−クロロ第二水銀安息香酸、2−クロロ水銀−4−ニトロフェノール、またはクロロ−7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾールとの反応によっても誘導される。

0069

付加されたリジニル残基(例えば、環化のため)および該アミノ末端残基は、コハク酸または他のカルボン酸無水物を用いて、誘導され得る。環式カルボン酸無水物を用いた誘導化は、リジニル残基の電荷逆転する効果を有する。アミノ含有残基を誘導化するための他の適切な試薬としては、ピコリンイミド酸メチルなどのイミドエステル類ピリドキサールリン酸ピリドキサール;クロロボロヒドリドトリニトロベンゼンスルホン酸;O−メチルイソ尿素;2,4−ペンタンジオン;およびグリオキシル酸とのトランスアミナーゼ触媒反応が挙げられる。

0070

二機能性試薬を用いた誘導化は、該ペプチドまたはオリゴマーまたは多量体を、水不溶性支持体マトリックスまたは他の高分子担体に、架橋させるために有用である。通常、使用される架橋剤としては、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタングルタルアルデヒド、N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル類、4−アジドサリチル酸とのエステル類、3,3’−ジチオビススクシンイミジルプロピオネート)などジスクシンイミジルエステルを含むホモ二官能性イミドエステル類、およびビス−N−マレイミド−1,8−オクタンなどの二官能性マレイミド類が挙げられる。メチル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオプロピオンイミデートなどの誘導化試薬は、光存在下、架橋結合を形成可能である光活性化可能な中間体を得る。あるいは、シアン臭化物活性化炭化水素およびU.S.Pats.3,969,287;3,691,016;4,195,128;4,247,642;4,229,537:および4,330,440に記載の反応性基質などの反応性水不溶性マトリックスが、タンパク質固定化用に使用される。

0071

他の修飾としては、ヒドロキシル化リジン、スレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、(付加)リジン残基鎖の側鎖のα−アミノ基のメチル化(Creighton、上記参照)、N末端アミンのアセチル化、および場合によっては、C末端カルボキシル基アミド化が挙げられる。1つ以上のD−アミノ酸が、1つ以上のL−アミノ酸で置換されるペプチドも挙げられる。

0072

多量体またはオリゴマーペプチド
本発明は、抗アポトーシスおよびCSP−4の保護活性を有する、CSP−4の繰り返し単位から造られるより長いペプチドまたはその機能性誘導体も含む。かかる多量体の好ましいペプチド単位は、FTTFTVT(配列番号1)である。該多量体の「単位」であり得るこのペプチドの付加変異体は、好ましくは、1〜4個の付加アミノ酸を含む。

0073

ペプチド多量体は、ペプチドモノマーの異なる組み合わせを含み得る(配列番号1もしくはその付加変異体のいずれかまたは両方、または該ペプチドの化学的誘導体を含み得る)。かかるオリゴマーまたは多量体ペプチドは、本明細書で述べた化学合成または組み換えDNAにより、製造され得る。化学合成で製造されるとき、該オリゴマーは、好ましくは、コアペプチド配列の2〜5個の繰り返しを有し、該多量体のアミノ酸の全数は、約160残基を超えるべきではなく、好ましくは、100残基以下(または、リンカーもしくはスペーサーを含むとき、それらの均等物)である。

0074

好ましい合成化学ペプチド多量体は、式
P1n
を有し、式中、該コアペプチドP1は、配列番号1であり、n=2〜5であり、単独またはオリゴもしくは多量体の形態の該コアペプチドは、かかる活性の生体外または生体内バイオアッセイで、本明細書に開示のCSP−4の生物活性を有する。

0075

別の実施形態では、好ましい合成化学ペプチド多量体は、式
(P1−Xm)n−P2
を有する。P1およびP2は、付加変異体を含む、上記コアペプチドであり、式中、
(a) P1およびP2は、同じでも、異なっていてもよく;さらに、該多量体中のP1の各存在は、異なるペプチド(または変異体)であり得;
(b) Xは、
(i) 短い有機鎖、好ましくは、4個までの酸素原子を含有するC1〜C5アルキル、C1〜C5アルケニル、C1〜C5アルキニル、C1〜C5ポリエーテル、式中、m=0または1であり、n=1〜7であり;または
(ii) Glyz(式中、z=1〜6)
を含むまたはから成るスペーサーであり、
および、単独または多量体の形態の該コアペプチドは、かかる活性の生体外または生体内バイオアッセイで、本明細書に開示のCSP−4の生物活性を有する。

0076

組み換えで製造されるとき、好ましいスペーサーは、上記Glyzであり、z=1〜6であり、該多量体は、該発現系が、例えば、2〜約25の繰り返しを可能とするほど、多くの繰り返しの該コアペプチド配列を有し得る。好ましい組み換えで製造されたペプチド多量体は、式:
(P1−Glyz)n−P2
を有し、式中:
(a) P1およびP2は、独立して、配列番号1もしくは3、またはその付加変異体もしくは誘導体であり、P1およびP2は、同じでも、異なっていてもよく;さらに、該多量体中のP1の各存在は、異なるペプチド(または変異体)であり得;
式中、
n=1〜25およびz=0〜6であり;(nの好ましい範囲は、n=1〜5、1〜10、1〜15、または1〜20を含む)
および、単独または多量体の形態の該コアペプチドは、かかる活性の生体外または生体内バイオアッセイで、本明細書に開示のCSP−4の生物活性を有する。

0077

本ペプチド多量体では、P1またはP2のいずれかは、好ましくは、配列番号1またはその付加変異体もしくは化学誘導体である。該多量体は、キャップされていてもよい。かかる多量体は、本明細書に記載のペプチドまたは変異体のいずれかから作られ得ると理解される。該ペプチド多量体は、配列番号3と異なるべき(すなわち、未変性ヒトCav−1でなく、好ましくは、未変性哺乳類Cav−1ホモログでない)であるとも理解される。

0078

ペプチド模倣薬
CSP−4の生物効果を模倣するペプチド模倣薬化合物も、本発明の範囲内に含まれる。ペプチド模倣薬は、それが、CSP−4の結合活性および生物活性を有するように、CSP−4の結合エレメント立体空間的特性再現する不自然なペプチドまたは非ペプチド薬剤であり得る。生物的に活性なCSP−4ペプチド、ペプチド多量体と同様に、ペプチド模倣薬は、結合面(CSP−4が結合するいずれかのリガンドと相互作用する)および非結合面を有するだろう。また、CSP−4と同様に、ペプチド模倣薬の該非結合面は、ペプチド模倣薬の該結合面を修飾することなく、様々な治療的部分カップリングすることにより、修飾され得る官能基を含むだろう。ペプチド模倣薬の好ましい実施形態は、該分子の非結合面に、アニリンを含むことになる。アニリンのNH2基は、pKa約4.5を有し、従って、該ペプチド模倣薬の結合面上のいずれものNH2官能基を修飾することなく、いずれかのNH2−選択的試薬により修飾され得るはずである。他のペプチド模倣薬は、それらの結合面上に、いずれのNH2官能基も有さず、従って、pKaにこだわらずに、いずれのNH2も、結合部位として、非結合面に見られるはずである。加えて、−SHおよび−COOHなどの他の修飾可能な官能基は、結合部位として、ペプチド模倣薬の非結合面中に組み入れられるはずである。治療的部分も、ペプチド模倣薬の合成中に、直接、組み入れられ、優先的に、該分子の非結合面上に見られ得る。

0079

本発明は、部分的なペプチド特性を保持する化合物も含む。例えば、本発明のペプチド内のいずれものタンパク分解性に不安定な結合は、該分子の残りがそのペプチド性性質を保持する一方、アイソスター(N−メチル化;D−アミノ酸)またはペプチド性結合の減少などの非ペプチド性要素により、選択的に置き換えられ得る。

0080

ペプチド模倣薬化合物、アゴニスト基質またはインヒビターのいずれかは、オピオイドペプチド、VIP、トロンビンHIVプロテアーゼ、他など、いくつかの生理活性ペプチド/ポリペプチドについて、記載されている。ペプチド模倣薬化合物の設計および製造方法は、当分野で公知である(Hruby,VJ,Biopolymers 33:1073〜1082(1993);Wiley,RA et al.,Med.Res.Rev.13:327〜384(1993);Moore et al.,Adv.in Pharmacol 33:91〜141(1995);Giannis et al.,Adv.in Drug Res.29:1〜78(1997))。二次構造を模倣する特定の模倣薬は、Johnson et al.,In:Biotechnology
and Pharmacy,Pezzuto et al.,Chapman and
Hall(Eds.),NY,1993に記載されている。これらの方法は、少なくとも、該CSP−4の結合能および特異性を有する、好ましくは、生物活性も有するペプチド模倣薬を製造するため、使用される。当業者が入手可能なペプチド化学および一般有機化学の知識は、かかる化合物を設計して合成するため、本開示の観点で、十分である。

0081

例えば、かかるペプチド模倣薬は、遊離またはリガンド(例えば、可溶性uPARまたはそのフラグメント)と複合体を形成して結合した、本発明のペプチドの三次元構造の検査により、同定され得る。あるいは、そのリガンドに結合した本発明のペプチドの構造は、核磁気共鳴分光法の技術により、得られ得る。そのリガンドまたは受容体との該ペプチドの相互作用の立体化学のさらに深い知識は、かかるペプチド模倣薬の合理的設計を可能とするだろう。リガンドの非存在下、本発明のペプチドまたはポリペプチドの構造は、模倣分子の設計の骨格も提供し得るはずである。

0082

送達可能なペプチドおよびペプチド多量体
本発明の1つの実施形態は、本発明のペプチドを、ヒト細胞などの動物細胞中への導入方法を含む。「送達可能な」または「細胞送達可能な」または「細胞標的」ペプチドまたはポリペプチドと呼ばれる、この方法に有用な組成物は、「内部移行配列」または細胞送達系の役割をするさらなる成分と結合または会合している本発明に記載の生物活性ペプチド、好ましくは、CSP−4、またはその機能誘導体、またはそのペプチド多量体を含む。「会合している」という語は、共有または他結合または力であろうとなかろうと、化学的に結合または連結、または混合物として、組み合わされたものを含み得る。本明細書で使用されるとき、「送達」は、細胞中で、ペプチド/ポリペプチドを内部移行することを表す。本明細書で考えられる送達分子は、細胞侵入に影響する他のものにより使用されるペプチド/ポリペプチドを含む。例えば、Morris et al.,Nature Biotechnology,19:1173〜6,2001参照。好ましい戦略は、次の通りである:本発明のアポトーシス阻害(「生物活性」)ペプチドを、細胞、好ましくは、ヒト細胞へのその侵入を促進する特に設計されたペプチドと結合または混合する。この送達系は、生物活性ペプチドまたはポリペプチド(好ましいにもかかわらず)に融合または化学的に結合される該送達ペプチドを必要とせず、それに、生物活性ペプチドまたはポリペプチドも、該送達または内部移行過程前に、変性される必要がない。初期送達系の不都合は、送達および引き続く細胞内再生前に、「ペイロード」タンパク質の変性を必要とすることである。これらの実施形態は、細胞中へのタンパク質の転移を促進するための公知のアプローチに基づいている。

0083

「転移/内部移行を促進する「送達」ペプチド/ポリペプチドの1つの型は、HIV−TATタンパク質(Frankel,AD et al.,Cell 55:1189〜93(1998))、およびアンテナペディアホメオドメイン(Derossi et al.,J.Biol.Chem.269:10444〜50(1994);Lindgren,M et al.,TrendsPharm.Sci.21:99〜103(2000);Lindgren et al.,Bioconjug Chem.(2000);Maniti O et al.,PLoS ONE 5e15819(2010))を含む。「ペネトラチン」としても公知の後者のペプチドは、野生型配列RQIKIWFQNRRMKWKK(配列番号6)またはW48F(RQIKIFFQNRRMKWKK、配列番号7)およびW56F(RQIKIWFQNRRMKFKK、配列番号8)と指定された2つの類似体/変異体を有する16アミノ酸ペプチドである(Christiaens B et al.,Eur J Biochem 2002,269:2918〜2926)。上記変異の両方を有する別の変異体は、RQIKIFFQNRRMKFKK(配列番号9)である。トランスポータン、細胞透過性ペプチドは、付加Lys残基により、マストパランの配列と結合した神経ペプチドガラニンのN末端から12機能性アミノ酸を含む27アミノ酸長ペプチドである(Pooga,M et al.,FASEB J.12:67〜77(1998))。トランスポータンの配列は、GWTLNSAGYLLGKINLKALAALAKKIL(配列番号10)である。ペネトラチンおよびトランスポータンの類似体は、Lindgren et al.,Bioconjug Chem.2000により記載されている。

0084

別のタンパク質(ファミリー)としては、VP22、細胞間輸送の著しい特性を有し、タンパク質を多くの周囲の細胞に分配する単純ヘルペスウイルスタンパク質が挙げられる(Elliott,G et al.,1997,Cell 88:223〜33;O’Hare et al.,U.S.Pat.6,017,735)。例えば、p53と結合したVP22(Phelan,A.et al.,1998,Nat Biotechnol 16:440〜3)または生体外で、周囲の細胞に、結合されたタンパク質の核酸を促進するチミジンキナーゼ(Dilber,MS et al.,1999,Gene Ther 6:12〜21)。HSV−1 VP22と相同性を共有し(Koptidesova et al.,1995,Arch Virol.140:355〜62)、外因性適用後の細胞間輸送が可能であることが分かっている(Dorange et
al.,2000,J Gen Virol.81:2219)、トリマレックウイルス(MDV)タンパク質UL49など、他のヘルペスウイルスのVP22ホモログも有用である。これらのタンパク質全ては、本発明の該ペプチド、変異体、および多量体の細胞取込みを増強するアプローチを提供する細胞間拡散の特性を共有する。

0085

本明細書で、生物活性ペプチドと名付ける相同性アミノ酸置換変異体、フラグメントまたは化学誘導体を含む、HIV−TATまたはVP22など、上記細胞間拡散の「機能性誘導体」または「送達」「送達」または「内部移行」タンパク質およびペプチドも挙げられる。機能性誘導体は、例えば、治療など、本生物活性ペプチドの有用性を促進する、所望のポリペプチドの侵入を促進する、測定可能な転移または細胞間拡散(VP22様)活性を保持する。「機能性誘導体」は、該用語が、接続語または選択肢で使用されるかどうかにかかわらず、変異体(好ましくは、同類置換変異体)およびフラグメントを包含する。

0086

上記輸送タンパク質は、CSP−4またはその変異体もしくは多量体など、それらが輸送する該ペプチドと結合または別の結合するとき、最良に作用すると言われているので、それらを使用するのは、いくつかの不都合がある。該生物活性ペプチドと混合され得およびその作用のため、化学的に結合する必要がない、より効果的送達ポリペプチドは、両親媒性アミノ酸配列KETWWETWWTEWSPKKKRKV(配列番号11)を有する「Pep−1」として、Morris et al.(上記参照)に記載されている。Pep−1は、3つのドメインから成る:
(1) 5つのTrp残基KETWWETWWTEW(上記配列番号11の残基1〜12)を含む疎水性Trpリッチモチーフ。このモチーフは、細胞膜に対する効果的ターゲティングおよびタンパク質との疎水性相互作用中に侵入するため、望ましい、または必要である;
(2)SV40ウイルスラージT抗原の核局在配列由来であり、細胞内送達およびペプチド溶解性を改善する、親水性LysリッチドメインKKKRKV(配列番号11の6つのC末端残基);および
(3)上記2つの活性ドメインを分離し、疎水性および親水性ドメインの両方の可動性および結合性を改善するProを含む、スペーサー「ドメイン」SQP(配列番号12の3つの内部残基)。
従って、本発明の別の実施形態では、上記のCSP−4またはその機能性誘導体、およびそれに結合またはそれと会合した送達または転移分子または部分を含む送達可能なペプチドまたはポリペプチドである。該送達分子は、ペプチドまたはポリペプチド、例えば、
(a)HIV−TATタンパク質またはその転移性に活性な誘導体、
(b)配列RQIKIWFQNRRMKWKK(配列番号8)を有するペネトラチン、
(c)配列RQIKIFFQNRRMKWKK(配列番号7)を有するペネトラチン変異体W48F
(d)配列RQIKIWFQNRRMKFKK(配列番号13)を有するペネトラチン変異体W56F
(e)配列RQIKIWFQNRRMKFKK(配列番号16)を有するペネトラチン変異体
(f)配列GWTLNSAGYLLGKINLKALAALAKKIL(配列番号10)を有するトランスポータン
(g) MDVタンパク質UL49など、異なるヘルペスウイルスからの単純ヘルペスウイルスタンパク質VP22またはその転移性に活性なホモログ;または
(h) 配列KETWWETWWTEWSQPKKKRKV(配列番号9)を有するPep−1
であり得る。

0087

上述の該ペプチドおよびタンパク質など、送達部分が、本発明の生物活性ペプチドと結合または融合するとき、該送達部分は、該生物活性ペプチドのN末端である。

0088

組成物の生体外試験
本明細書に記載および/または例示されたいずれか1つのアッセイまたは当分野で周知の他のものを用いて、本発明の化合物を、それらの生物活性、例えば、抗線維性活性、uPA、uPARおよびPAI−1mRNAの発現に影響する、肺線維芽細胞増殖を阻害する、その他のそれらの性能について試験する。

0089

組成物の生体内試験
化合物(BLM処置したマウス内の肺線維症を阻害するNTL類似体またはCSP−4変異体または誘導体またはペプチド多量体など)の性能は、該化合物の機能活性を評価するための好ましい試験である。同じ型の活性を測定する当分野で公知の他の試験も、使用され得る。

0090

肺傷害および線維症の予防または治療方法
本明細書に記載の化合物および組成物は、生体外または生体内で、p53タンパク質とのMDM2相互作用を阻害、およびALIおよび肺線維症/IPFに関連する疾病または状態を治療するための方法で使用される。

0091

医薬および治療組成物ならびにそれらの投与
本発明の医薬組成物で使用され得る化合物は、これらの化合物の薬剤的に許容可能な塩だけでなく、NTL、および上記全ペプチド化合物を含む。「薬剤的に許容可能な塩」は、本発明の化合物の生物効果および特性を保持する、従来の酸付加塩または塩基付加塩を表し、適切な非毒性有機もしくは無機酸または有機もしくは無機塩基から形成される。実例の酸付加塩としては、塩酸臭化水素酸ヨウ化水素酸硫酸スルファミン酸リン酸および硝酸などの無機酸由来のもの、およびp−トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸シュウ酸、コハク酸、クエン酸リンゴ酸乳酸フマール酸、および同類のものなど、有機酸由来のものが挙げられる。実例となる塩基付加塩としては、アンモニウムカリウムナトリウム由来のもの、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウムなど、水酸化第四級アンモニウムが挙げられる。医薬化合物(すなわち、薬物)の塩への化学修飾は、化合物の物理的および化学的安定性、吸湿性流動性および溶解性を改善するための、医薬化学者に周知の技術である。例えば、H.Ansel et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(6thEd.1995)pp.196および1456〜1457参照。

0092

先に述べたように、本発明の化合物は、p53タンパク質とのMDM2相互作用を阻害する性能を有し、急性肺傷害および、特に、肺線維症の治療に活用される。

0093

その薬剤的に許容可能な塩だけでなく、本発明の化合物は、カプセル剤浸透性ウェハー剤、錠剤または、好ましくは、注射可能な製剤など、都合よい剤形中に、組み入れられ得る。固体または液体の薬剤的に許容可能な担体が、使用され得る。薬剤的に許容可能な担体、賦形剤、その他など、「薬剤的に許容可能な」は、薬理学的に許容可能であり、特定の化合物が投与される対象に対して、実質的に無毒を意味する。

0094

固体担体としては、デンプンラクトース硫酸カルシウム二水和物石膏ショ糖タルクゼラチン寒天ペクチンアカシアステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸が挙げられる。液体担体としては、シロップピーナッツ油オリーブ油生理食塩水、水、デキストロースグリセロールなどが挙げられる。同様に、該担体または希釈剤は、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル、単独またはワックス一緒など、いずれかの持続放出物質を含み得る。液体担体が使用されるとき、該製剤は、シロップ剤エリキシル剤乳剤ソフトゼラチンカプセル剤アンプル剤、または水性もしくは非水性液懸濁剤などの無菌性注射可能液体(例えば、液剤)の形態であり得る。かかる医薬組成物の概要は、例えば、Gennaro,AR,Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Lippincott Williams & Wilkins Publishers;21stEd,2005(または最新版)で見られ得る。

0095

医薬製剤は、錠剤に必要なとき、混合、顆粒化および圧縮、または経口、非経口局所的、経皮腟内陰茎内、鼻腔内、気管支内頭蓋内、眼内、耳内および直腸内投与用の所望の製品を得るため、必要に応じて、成分を混合、充填および溶解などの工程を含む、医薬化学の従来技術に従って製造される。該医薬組成物は、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤など、少量の無毒性補助物質も含み得る。

0096

本発明は、いくつかの動物属および種のいずれかの治療で使用され得、ヒトまたは獣医診療で、等しく適用可能である。従って、該医薬組成物は、鳥類および、より好ましくは、哺乳類、最も好ましくは、ヒトを含む飼育および商業用動物を治療するため、使用され得る。

0097

全身投与」という語は、静脈内(i.v.)注射または点滴など、対象の循環器系中に、該組成物を導入させる方法、さもなければ、身体中に、それを拡散可能にする方法で、本明細書に記載のNTLまたはペプチドなど、組成物または薬物を投与することを表す。「局所(regional)」投与は、肺内、好ましい経路、または胸膜内硬膜内硬膜下、または特定臓器への点滴など、特異的、およびいくらか、より限定的な、解剖学的空間中への投与を表す。他の例としては、肺内、気管支内、耳内または眼内、他の点滴に対応する1つの経路である鼻腔内が挙げられる。「局所(local)投与」は、皮下(s.c.)注射、筋肉内(i.m.)注射など、限定された、または限局性の解剖学的空間中に、組成物または薬物を投与することを表す。当業者は、局所(local)投与または局所(regional)投与も、しばしば、該循環器中に、すなわち、s.c.またはi.m.も、全身投与の経路であるように、組成物の侵入をもたらす。点滴可能、注射可能または点滴可能な製剤は、液剤もしくは懸濁剤、注射または点滴前に、液剤または液中の懸濁剤に適切な固形、または乳剤としてのいずれか、従来の形態で製剤され得る。投与の好ましい局所(regional)投与は、肺中であるが、該医薬組成物は、肺中への点滴と別々、または同時のいずれかで、全身的にまたは局所的にまたは経皮的に投与され得る。

0098

本発明の組成物のための他の薬剤的に許容可能な担体は、リポソームであり、該活性ポリペプチドが、脂質層に付着している水性同心円層から成る小体中に分散あるいは多様に存在して含まれる医薬組成物である。該活性ポリペプチドは、好ましくは、水性層中および脂質層中、内側または外側、または、いずれにしても、リポソーム懸濁液として一般に公知の非均一系中に存在する。該疎水性層、または脂質層は、一般に、但し、限定的ではなく、レクチンおよびスフィンゴミエリンなどのリン脂質コレステロールなどのステロイド、多かれ少なかれ、リン酸ジセチルステアリルアミンまたはホスファチジン酸などのイオン性界面活性剤、および/または疎水性の性質の他の物質を含む。当業者は、本リポソーム処方物の他の適切な実施形態を認識するだろう。

0099

投与される治療投与量は、当業者に公知または容易に確認されるように、治療効果のある量である。用量は、レシピエント年齢、健康、および体重、同時治療の種類、たとえあったにしても、治療の頻度、および所望の効果の性質にも依存する。

0100

治療方法
本発明の方法は、それを必要とする対象の肺線維症またはIPFを治療するため、使用され得る。「治療」という語は、少なくとも次に示す:治療または予防される疾病または状態の症状の頻度および/または再発回数、または重症度を含む発症または再発を阻害、減少、寛解、予防、減少することを含むと広義に定義される。これは、上皮細胞死の阻害、線維芽細胞増殖の阻害、IPFに関連または原因となる、本明細書に記載のいずれかの他の生物学的または生化学的機序の結果として起こり得る。

0101

該NTL、NTL類似体、またはペプチドもしくはペプチド誘導体またはその薬剤的に許容可能な塩は、好ましくは、上記医薬組成物の形態で投与される。

0102

該化合物の用量は、好ましくは、該NTLまたはペプチドの効果量を含む医薬用量単位を含む。単位剤形は、哺乳類対象用の単位投薬量として適した理学的不連続単位を表し;各単位は、必要な医薬担体と合わせて、所望の治療効果を生じさせるために算出された所定量の活性物質を含む。本発明の単位剤形の規格は、(a)該活性物質の独自の特徴および達成される特定の治療効果、および(b)個体対象の治療、および感受性のためのかかる活性化合物調剤技術に固有の制限によりおよび直接依存して示される。

0103

効果量は、疾病のいずれかの関連するパラメーターで、測定可能な減少をもたらす、生体内の領域濃度または定常状態濃度を達成するのに十分な量を意味するものとする。

0104

投与される活性化合物の量は、選択された該NTL、NTL誘導体、ペプチドまたはその誘導体、正確な疾病または状態、投与経路、レシピエントの健康および体重、他の同時に受けている治療の存在、たとえあったにしても、治療頻度、所望の効果の性質、および熟練者の判断に依存する。

0105

対象、好ましくは、哺乳類、より好ましくは、それが原因のIPFを罹患している、または罹りやすいヒトを治療するため、1日に1回投与される、好ましい単一用量は、例えば、点滴注入により(吸入により)、約0.2mg/kgと約250mg/kgの間、好ましくは、約10mg/kgと約50mg/kgの間である。かかる用量は、約3日〜1週間以上、どこにでも、毎日、投与され得る。該用量は、当分野でよく理解されているように、下方に調節される必要があり得るが、長期の投与も可能である。しかしながら、前述の範囲は、個体の治療レジメン変数の数が大きく、これらの好ましい値からかなりの変動が予想されることが示唆される。

0106

例えば、下記いくつかの実験で使用された浸透圧ポンプなど、ポンプシステムによる、連続的投与のため、約1〜2週間の時間経過に対する全投薬量は、好ましくは、1mg/kg〜1g/kg、好ましくは、20〜300mg/kg、より好ましくは、50〜200mg/kgの範囲である。かかる連続的投薬レジメン後、該活性化合物の全濃度は、好ましくは、約0.5〜約50μM、好ましくは、約1〜約10μMの範囲である。

0107

生体外で、アポトーシス阻害を阻害または予防するための該活性化合物の効果的濃度は、約0.5nM〜約100nM、より好ましくは、約2nM〜約20nMの範囲である。効果的用量および最適用量範囲は、本明細書に記載の方法を用いて、生体外で決定され得る。

0108

なお、一般的に、本発明を説明したが、例証によって提供される次の実施例を参照することにより、より容易に理解されるだろうが、指定がない限り、本発明を限定するものではない。該実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すために含まれる。続く実施例に開示される技術が、本発明の実践において、十分に機能することを、発明者により発見された技術を示しており、従って、その実践のための好ましい方法を構成すると見なされ得ることは、当業者により、認識されるべきである。しかしながら、当業者は、本開示を踏まえて、多くの変更が、開示される具体的実施形態で成され得、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、それでもなお、同様または類似の結果を得ることを理解するべきである。

0109

実施例I
IPF肺の線維性病巣のFL線維芽細胞p53発現の減少
免疫組織化学(IHC)を含む、様々な試薬を用いた、IPF患者の肺切片および対照「正常」対象の染色(図2A〜2I)は、IPF組織が、ECMが密集する線維性病巣を示すことを明らかにした。ビメンチンリッチな病巣に分散されたFL線維芽細胞は、p53およびPAI−1抗原に対する最小の染色を示した。しかしながら、SP−C、PAI−1、p53および活性カスパーゼ3(図示せず)に対する免疫蛍光染色は、該線維性病巣周囲の肺胞型II(ATII)細胞が、p53およびPAI−1抗原に対する強い染色性を示し、輪状ATII細胞のアポトーシスを示す、活性カスパーゼ3に対してポジティブであることを示した。該IHCの結果は、線維性病巣を包むATII細胞が、p53およびPAI−1の発現増加によって、連続的に死ぬことを明らかにしている。これらの傷は、最小の基本p53およびPAI−1を示す活性化された線維芽細胞で置き換わり、強いki−67染色が、p53およびPAI−1発現の抑制に起因する増殖を示す。

0110

実施例II
IPF肺からのヒトFL線維芽細胞内のカベオリン1、p53およびPAIの減少ならびにuPAの増加
NLおよびFL線維芽細胞からの細胞ライセートを、該タンパク質およびmiRNAの変化を明らかにするため、免疫ブロットした。図3A〜3B参照。基本miR−34a発現は、FL線維芽細胞内で、有意により低く、p53発現の減少および結果としてのp53−uPA線溶系クロストークの変化が、線維形成に起因していることを示した。かかる変化は、col−Iの増加およびmiR−34aの阻害に関連している。結果は、p53の増加が、miR−34a転写を誘発する、またはmiR−34a介在性ヒトFL線維芽細胞内のp53の安定化が、肺線維症を緩和し得ることをさらに示した。

0111

実施例III
IPFおよび「正常」肺からの線維芽細胞によるuPA、PAI−1およびcol−I
mRNAの不同性発現
「正常」対象およびIPFを有する患者から、またはNLからの肺組織から単離された全RNAを、定量的RT−PCR法により、uPA、PAI−1およびcol−I mRNAについて試験し、βアクチンmRNAの対応するレベルに正規化した。結果を、図4A〜4Bに示す。

0112

uPAmRNAが減少する一方、col−IおよびPAI−1 mRNAの発現は、IPF肺組織内で、有意に増加した。興味深いことに、IPF肺組織と異なり、NL線維芽細胞と比較して、FL線維芽細胞内で、col−IおよびuPA mRNAおよびPAI−1mRNA発現のより低いレベルが発見された。uPARタンパク質およびmRNAも、FL線維芽細胞内で増加した。該肺組織内のPAI−1の増加は、FL(IPF)線維芽細胞よりむしろ、肺上皮細胞またはマクロファージによるPAI−1の発現増加に起因する。これは、IPF肺からのFL線維芽細胞内のcol−I、uPAおよびuPARの発現増加、およびPAI−1タンパク質の減少と一致する(図3A参照)。

0113

実施例IV
マウスからのFL対NL線維芽細胞によるuPAおよびPAI−1の発現差異
FL線維芽細胞を、BLM傷害後21日目のマウスの肺から単離し、または対象マウスからのNL線維芽細胞を、他で26、記載の鼻腔内の食塩水に曝露した。NLおよびFL線維芽細胞からのライセートを、免疫ブロットした。p53、uPA、PAI−1およびcol−Iタンパク質の発現変化を、NLおよびFL線維芽細胞の細胞ライセートの免疫ブロット法により検出した(図5A〜5D)。全RNAを、BLM誘発性線維症を有するまたは対照(食塩水処置)のマウスの肺組織からのマウス肺組織NLおよびFL線維芽細胞から抽出し、uPA、PAI−1およびcol−ImRNAについて試験した。マウスからのNLおよびFL線維芽細胞の増殖速度を比較した。IPF肺2からのFL(IPF)線維芽細胞と一致して、マウスのFL(IPF)線維芽細胞の増殖のベースライン速度は、NL線維芽細胞(食塩水処置マウスから)より、有意に高かった。p53に阻害されたuPA遺伝子転写は、同時に該PAI−1プロモーターを結合し、PAI−1 mRNA転写を増強した33〜34。該PAI−1転写の安定化の一方、p53は、それらの転写の不安定化により、uPAおよびuPARの発現も阻害した23〜25。最後に、uPAまたはuPARのいずれかの阻害は、p53発現およびPAI−1の下流のp53介在誘発を増強し、それにより、細胞老化およびアポトーシスを増加させる。転写および転写後レベルにおいて、uPA線溶系のp53介在調節は、p53発現不足によって、FL線維芽細胞内で損なわれると結論された。これは、これらの細胞内で、uPAおよびuPARを増加させ、PAI−1の阻害をもたらす。

0114

実施例V
FL(IPF)線維芽細胞内のmiR−34aの誘発により、CSPがp53発現を増強する。
NLおよびFL線維芽細胞を、PBS、CSPまたはCPで処置し、RNAを、リアルタイムPCR法により、miR−34aについて分析した。また、FL線維芽細胞を、miR−34aアンチセンス(miR−34a−AS)またはプレmiR−34a(対照miRNA)のあるなしで、PBSまたはCSPまたはCPの存在下、培養した。これらの培養から条件培地(CM)を、PAI−1に対して、免疫ブロットし、細胞ライセート(CL)を、p53に対して、免疫ブロットした。1つの実験では、FL線維芽細胞を、miR−34a−AS、プレmiR−34aまたは対照miRの存在または非存在下、PBSまたはCSPまたはCPで処置した。RNAを、リアルタイムPCR法により、miR−34aの変化について分析した。結果は、図6A〜6Cで見られる。

0115

一連の重複欠失を、CSP中で行い、これらのペプチドフラグメントを、p53、uPA、PAI−1およびcol−Iの変化について、FL線維芽細胞で試験した(図6D)。

0116

CSPは、FL線維芽細胞内で、miR−34aおよびp53発現を、有意に増加させたが、NL線維芽細胞では、そうでなかった。CSPによるp53誘発を、プレmiR−34a単独の発現により、模倣し、miR−34a−ASによるmiR−34aの阻害により、無効にした。これは、p53の誘発が、miR−34a介在安定化を通して起こることを示した。

0117

CSPの20量体の欠失分析は、CSP−4と名付けられ、配列FTTFTVT(配列番号1)を有する、内部7アミノ酸フラグメントが、全長ペプチドの活性を有することを明らかにした。これは、FL線維芽細胞または罹患している肺線維症を有するマウスのCSP−4の有益な効果(図11A〜11D参照)が、p53およびmiR−34a発現の制御を含むという結論を支持している。

0118

実施例VI
FL(IPF)線維芽細胞内のp53タンパク質のmdm2介在性分解増加
NLおよびFL線維芽細胞からのライセートを、p53、およびmdm2に対して免疫ブロット、または抗mdm2抗体で免疫沈降のいずれかをし、会合したp53タンパク質に対して、免疫ブロット(IB)した。該結果は、FL線維芽細胞内のmdm2レベル上昇にかかわらず、FL線維芽細胞内に存在しない、NL線維芽細胞内の頑強なmdm2−p53相互作用を示した(図7A〜7B参照)。従って、p53タンパク質のmdm2介在性分解の増加は、FL線維芽細胞内のベースラインp53レベルの著しい抑制に起因し、mdm2およびp53の相互作用を標的化するため、本明細書に開示の治療処置の使用を支持した。

0119

実施例VII
FL(IPF)線維芽細胞内col−I発現のヌトリン3a−(NTL)またはCSP−4介在性阻害:p53線溶系クロストークの役割
FL線維芽細胞を、PBS(対照)、ヌトリン3a(10μM)、CSP−4(10nM)またはCPに、48時間、曝露した。ライセートを、Col−I、PAI−1、p53、およびuPAの発現に対して、免疫ブロットした。結果を、図8A〜8Bに示す。培養したFL−を、媒体(PBS)またはヌトリン3a、CSP−4もしくはCPに曝露し、増殖を評価するため、カウントした。結果は、ヌトリン3aおよびCSP−4の両方が、col−I発現およびFL線維芽細胞の増殖を阻害した。該過程は、p53の誘発およびPAI−1発現、およびuPAの同時阻害を含む。

0120

別の実験(図8Cの結果)では、FL線維芽細胞を、p53、PAI−1またはカベオリン1を発現するアデノウイルスベクター、または適切なベクター対照で形質導入し、2日間培養し、その時間において、細胞ライセートを、Col−I、p53、PAI−1、およびuPAに対して、免疫ブロットした。Ad−Cav−1を有するIPF肺からのFL線維芽細胞の形質導入は、uPAおよびcol−I発現を阻害する一方で、p53およびPAI−1を誘発した。FL線維芽細胞に対するヌトリン3aまたはCSP−4の効果を、p53またはPAI−1のいずれか、またはカベオリン1単独の発現により、模倣した。従って、PAI−1のp53介在性誘発およびuPA発現の阻害は、col−Iの阻害に起因している。興味深いことに、IPF患者または組み換えPAI−1タンパク質を有するBLM処置マウスの肺からのFL線維芽細胞の処置は、外因性PAI−1増加が、生体外および生体内の両方で、ATII細胞アポトーシスを誘発したのに対して、アポトーシスまたは老化(図示せず)を誘発しなかった。FL線維芽細胞の外因性PAI−1に対する耐性は、これらの細胞が、IPFまたはBLM傷害の肺のPAI−1タンパク質リッチな環境下で繁茂することを可能にするはずである。

0121

実施例VIII
NL線維芽細胞内のcol−I発現の誘発でのp53線溶系クロストークの役割
組織学的に「正常な」ヒト肺2から単離されたNL線維芽細胞(S.Shetty et al.,1996、上記参照)を、ベースラインp53発現を阻害するため、p53
shRNAを輸送するレンチウイルスベクターでトランスフェクトした。対照細胞を、同様に、非特異的shRNAで処理した。該培養からの条件培地を、PAI−1、uPA、および可溶性col−Iに対して、免疫ブロットし、細胞ライセートを、p53およびα−SMAについて試験した。これらの線維芽細胞から単離された全RNAを、定量的RT−PCR法により、uPA、PAI−1およびcol−ImRNAの発現の変化について分析した。結果(図9A〜9B)は、NL線維芽細胞内のp53発現の阻害が、uPA、col−Iおよびα−SMAを増強したが、PAI−1を阻害したことを示す。これは、該uPA系および線維形成のp53介在性変化間のここに記載の結合を支持する。

0122

実施例IX
ヌトリン3aは、BLM処置マウスの肺線維症を阻害する
肺線維症を誘発するため、14日間、BLM(または、対照で食塩水)に曝露したマウスに、測定するため、ヌトリン3a(10mg/体重kg)(Zhang et al.,上記参照)または媒体対照を、静脈内注射し、罹患している肺線維症に対する効果を試験した。線維症を、CTスキャニングにより評価し、肺機能(コンプライアンスおよび抵抗)を、Flexiventシステムを用いて、測定した。肺切片を、肺切片を、線維症の指標として、肺構造およびコラーゲン沈着を評価するため、トリクローム染色およびH&E染色(後者は図示せず)に付した。最終的に、全肺ホモジネートを、該ECMの独立した評価として、全コラーゲン(ヒドロキシプロリン)およびデスモシン含有量について分析した(Bhandary YP et al.,Am J Physiol:Lung Cell Mol Physiol 302:L463〜73,2012;Bhandary YP et al.,Am J Pathol,183:131〜43 2013)。全ての上記試験の結果(図10〜10D)は、肺線維症に対する、ヌトリン3aの有益な効果を示した。BLM傷害後14日間のヌトリン3aの経口投与は、同様に、マウスの肺線維症を阻害した。

0123

実施例X
CSP−4ペプチドは、罹患している肺線維症を阻害して、肺機能を改善する。
マウスを、肺線維症を誘発するため、BLMに曝露した。14日後、該マウスに、媒体または1.5mg/体重kgのいずれかを、静脈内注射した

0124

1.5mg/体重kgのCSP−4(配列番号1)または対照ペプチド(同じアミノ酸のスクランブル配列;CP、配列番号5)または媒体を、14日前にBLMに曝露したマウスに、静脈内注射した。1週間後、マウスを、肺線維症を評価するため、CTスキャニングにより試験した。肺気量を、定量的CT表示を用いて、同じマウスで測定した。肺切片を、肺線維症の指標として、コラーゲン沈着を評価するため、染色(トリクロームおよびH&E)に付した。全ホモジネートを、全ヒドロキシプロリンおよびデスモシン含有量(後者の結果は図示せず)について分析した。結果は、図11A〜11D中である。全試験は、CSP−4が、BLM誘発肺線維症を阻害することを示した。IPF肺からのFL線維芽細胞に対する、CSPおよびCSP−4両方の生体外効果と一致して(図6D参照)、CSP−4は、罹患している肺線維症に対する生体内の有益な効果を及ぼし、全長ペプチド、CSP(配列番号3)の有益な効果を模倣した。

0125

実施例XI
CSP−4ペプチドおよびヌトリン3aは、FL線維芽細胞の増殖を阻害する。
14日前にBLMに曝露したマウスを、CSP−4またはその対照(CP)またはヌトリン3aで、静脈内(実施例IXとXのように)処置した。7日後、肺切片を得て、細胞増殖を評価するため、Ki−67に対するIHCに付した(図12A参照)。線維性マウスの肺切片で観察された、ki−67抗原に対する染色増加は、ヌトリン3aまたはCSP−4での処置により、有意に減少した。これらの動物(実施例Xに記載の通り)の肺から単離された線維芽細胞を、ウェスタンブロッティング法により、col−I、p53ならびに下流のuPAおよびPAI−1タンパク質、および定量的RT−PCR法により、mRNAの発現の変化について試験した(図12B〜12C参照)。罹患しているBLM誘発性線維症を有するマウスからのFL線維芽細胞は、肺傷害のないマウスからのNL線維芽細胞と比較して、uPAおよびcol−I mRNAおよびタンパク質発現の増加を示した。これらの細胞は、最小のp53およびPAI−1発現も示した。しかしながら、ヌトリン3aで処置したマウスからの線維芽細胞では、uPAおよびcol−Iタンパク質およびmRNA発現は、有意に抑制された。これらの変化は、p53タンパク質、およびPAI−1タンパク質およびmRNA発現の著しい誘発と関連し、p53線溶系クロストークの回復が、線維症を緩和することを示した。

0126

実施例XII
CSP−4またはヌトリン3aでの生体外処置による線維性変化の阻害
マウスを、肺線維症を誘発するため、21日間、鼻腔内BLMに曝露し、犠牲にして、それらの肺を切除し、小片に細断して、培養培地に入れた。その後、これらの組織試料を、10nMのCSP−4ペプチド、対照ペプチド(CP)またはヌトリン3aで、72時間、処置した。条件培地および組織ライセートを、ウェスタンブロッティング法により、col−Iおよびα−SMAの変化について分析した。結果(図13)は、線維性肺組織移植片のCSP−4またはヌトリン3aでの処置が、生体外で、線維症を阻害することを示した。全長CSPペプチドは、col−Iおよびα−SMA(結果図示せず)の同様な阻害を得た。ヌトリン3aおよびCSP−4は、生体外で、ヒトIPF肺組織に影響するように、同様に作用することが期待される。本明細書で提供された本発明者らの結果および最近の報告(例えば、Bhandary et al.,2012、2013、上記参照)で、uPAおよびPAI−1のp53介在性下流変化が、FL線維芽細胞の生存率を調節するという概念を、強く支持する。

0127

実施例XIII
FL線維芽細胞内のp53発現およびuPA線溶系の下流逆転は、生体内で、肺線維症を緩和する。
本明細書および他で報告された結果(Bhandary YP et al.,2012、上記参照)(ShettySKet al.,Am J Respir Cell Mol Biol 47:474〜83,2012)は、BLM後最初の14日、野生型(WT)マウス(図10A〜10D)内に、CSPまたはCSP−4の腹腔内もしくは静脈内投与図11A〜11D)、またはヌトリン3aの静脈内もしくは経口投与は、罹患している肺線維症を緩和する。従って、p53タンパク質のmdm2介在性分解および下流p53−uPA系クロストークの減少は、生体内で、FL線維芽細胞生存率およびECMの産生を増加させ、肺構造破壊および肺機能損失をもたらす。患者は、しばしば、IPFの進行期で症状が見つかる(初期診断時において)ので、ヌトリン3aおよびCSP−4が、罹患している肺線維症を阻害する機序が評価され、ヌトリン3aおよびCSP−4の下流ターゲットが同定される。これらの試験は、IPF患者およびBLM肺傷害による進行した肺線維症を有するマウスからの肺組織を利用する。p53−uPA系クロストークの寄与および特異性は、uPA−、uPAR−、PAI−1−およびp53−欠損マウスを使用することにより、確認される。

0128

A.生体外で、FL(IPF)組織を用いた、ヌトリン3aおよびCSP−4処置の線維症に対する効果の決定。
IPF患者から新たに切開されたFL肺組織を、3〜7日間、ヌトリン3a(10μM)またはCSP−4(10nM)で処置する(図13参照)。肺組織を、ホモジナイズして、ECM(ヒドロキシプロリンおよびデスモシン)の変化について試験する。対照は、媒体または対照ペプチド、CPまたは培養培地中で維持された未処置肺組織で処置されたIPF患者からの線維性肺(FL)組織を含む。他の対照は、組織学的に「正常な」肺から切除されたNL組織を含む。移植に適切でなかったおよび医学研究に寄付された非同定患者(「正常」およびIPF)の肺を、IIAM(ニュージャージーエジソン)およびNDRI(ペンシルベニアフィラデルフィア)を通して得て、生体外試験に使用する。線維芽細胞を、これらの組織から単離し、p53、uPA、uPARおよびPAI−1発現、ECMの産生および生存率の変化について分析する。ECM合成速度の変化も、測定する。IPFを有する患者からのFL組織移植片は、対照対象からのNL組織の切片の発現レベルと比較したとき、ECM合成が増加する。しかしながら、ヌトリン3aまたはCSP−4のいずれかで処置されたFL肺移植片は、未処置のまま、または媒体単独またはCPのいずれかに曝露したものと比較したとき、ECM合成速度の有意な減少を示す。ヌトリン3aまたはCSP−4のいずれかで処置されたFL肺移植片から単離された線維芽細胞は、p53、miR−34aおよびPAI−1のレベル上昇、およびuPAおよびuPAR発現の減少を示す。Aktのリン酸化およびPDGFR−βmRNAタンパク質の発現も、ヌトリン3aまたはCSP−4で処置されたIPF移植片からの線維芽細胞内で減少する。これらの線維芽細胞の増殖速度およびECMの産生は、未処置または媒体−もしくはCP−処置された対照からのFL線維芽細胞より、有意に低いが、NL組織から単離された線維芽細胞のものと同程度である。

0129

B.肺線維症の対照中のp53およびmiR−34aの役割
上記結果に基づいて、FL線維芽細胞によるp53およびmiR−34a発現の欠損が、肺線維症に起因し、miR−34aの誘発によるヌトリン3aまたはCSP−4によるベースラインp53発現の回復が、肺線維症を緩和することが予想される。最大の肺線維症が、BLM傷害後、14〜28日間で起こる(Bhandary YP et al.,2012、上記参照;Bhandary YP et al.,2013、上記参照;およびここで示したデータ)ので、BLM肺傷害後14および21日目において、プレmiR−34aを有するプロα2(I)コラーゲンプロモーターを含むレンチウイルス(LV)の静脈内注射によるマウス肺線維芽細胞内で発現する。肺線維症を、28日後、評価する。肺線維症のヌトリン3a−またはCSP−4介在性緩和でのmiR−34aの役割は、線維性肺中、プロα2(I)プロモーターを用いて、線維芽細胞内のmiR−34a−ASのLV発現により確認される。

0130

肺線維症に対する有益な効果でのp53の役割は、miR−34aの阻害のあるなしで、プロα2(I)コラーゲンプロモーターを含むLVまたはAd−p53を用いて、罹患している線維症を有するマウスの肺線維芽細胞内で、p53を発現することにより、直接確認される。肺線維症およびmiR−34a発現を、例えば、BLM傷害後28日、評価する。あるいは、または加えて、p53発現を、BLM誘発性肺線維症を有するWTマウス内のLV shRNAまたは罹患している肺線維症を有するp53欠損マウスを用いて、阻害する(DavisDWet al.,J Exp Med 192:857〜869,2000)。それから、これらのマウスを、例えば、BLM傷害後14および21日目、ヌトリン3aまたはCSP−4に曝露する。肺線維症を有する対照マウスを、非特異的shRNAまたは未処置WTマウスに曝露し、ヌトリン3aまたはCSP−4で処置する。該マウスを、例えば、BLM傷害開始後28日目、肺線維症およびmiR−34a発現について試験する。p53−uPA系クロストークの寄与を、肺線維症を誘発するため、14〜21日間、WT、p53−、uPA−、uPAR−およびPAI−1−欠損マウスを、BLMに曝露し、上記のように、線維芽細胞内のmiR−34aを変化させ、例えば、BLM傷害後28日目に、線維症に対する効果を試験することにより確認する。

0131

C.ヌトリン3aまたはCSP−4によるp53発現および下流p53−uPA線溶系クロストークの回復は、肺線維症を阻害する。
マウス中、ヌトリン3aおよびCSP−4による肺線維症の緩和でのp53−uPA線溶系クロストークの寄与は、例えば、BLM傷害後28日目、これらのマウスから、線維芽細胞を単離することにより確認される。これらの細胞を、p53、uPA、uPARおよびPAI−1発現およびECMの産生の変化について試験した。BLM傷害を有するマウスの肺から単離されたFL線維芽細胞が、uPAおよびuPARの増加、生存率およびECMの産生を示すだろうことを発見することを期待する。これらのFL線維芽細胞は、未損傷肺からのNL線維芽細胞と比較して、最小のp53およびPAI−1発現を示す。しかしながら、ヌトリン3aまたはCSP−4に曝露された、BLM誘発性線維症を有するマウスの肺からの線維芽細胞は、p53の増加を示す。これらの細胞は、最小のECM産生と、より小さい増殖性である。BLM傷害マウスから得られたFL線維芽細胞と比較して、PAI−1が増加する一方、uPAおよびuPAR発現は、減少する。BLM+ヌトリン3aまたはBLM+CSP−4処置マウスの肺線維芽細胞内のuPA、uPARおよびPAI−1レベルは、未損傷マウスから単離されたNL線維芽細胞と同程度である。

0132

p53−uPA系クロストークの関与を確認するため、BLM傷害マウス肺から抽出されたFL線維芽細胞を、Ad−p53で形質導入する。CPまたはAd−EVに曝露されたものが、ネガティブコントロールである一方、ヌトリン3aまたはCSP−4に曝露されたBLM傷害肺からの該線維芽細胞は、ポジティブコントロールである。該細胞を、uPA、uPARおよびPAI−1の変化について試験する。

0133

Ad−p53の形質導入またはヌトリン3aまたはCSP−4を用いた処置は、PAI−1を増強し、uPAおよびuPAR発現を阻害する。これらの細胞は、CPまたはAd−EVに曝露されたFL線維芽細胞と比較して、ECMの産生および増殖速度を抑制する。BLMマウスからのFL線維芽細胞は、著しく低レベルのカベオリン1を発現し、カベオリン1の発現は、ECMの過剰な産生を緩和する。従って、uPA線溶系のp53およびp53介在性下流変化、ECMおよび細胞生存率が、Ad−EVで処置したものと比較して、減少するかどうかを知るため、FL線維芽細胞を、Ad−Cav−1で形質導入する。

0134

D.肺線維症の緩和するとき、Aktリン酸化の阻害でのヌトリン3aまたはCSP−4の役割。
FL線維芽細胞は、Aktのリン酸化の増加および生存シグナルを提供するPDGFR−βの発現を示す(Stambolic V et al.Mol Cell 8:317〜25,2001;Li J et al.J Environ Pathol Toxicol Oncol 23:253〜66,2004;Hoyle GW et al.Am J Pathol 154: 1763〜75,1999;Meinecke
AK et al.Blood 14:119:5931〜42,2012)。さらに、PAI−1が、Aktリン酸化を阻害する(ShettySKet al.,2012,上記参照;Stambolic et al.,上記参照、Malinowsky K et al.Transl Oncol 5:98〜104,2012)一方、p53は、PTENの発現を増強し(Stambolic et al.,上記参照;Mayo LD,et al.J Biol Chem 277:5484〜89,2002)、PDGFR−βを阻害する(Widau RC et al.,Mol Cell Biol 32:4270〜82,2012;Thornton JD et al.,Cell Cycle 4:1316〜9,2005)。Ad−Cav−1でのFL線維芽細胞の形質導入は、PTEN活性の増加により、Aktのリン酸化を阻害する(Tourkina E et al.Open Rheumatol J.6:116〜22,2012;Wang XM et al.J Exp Med 203:2895〜906,2006;Xia H et al.Am J Pathol 176:2626〜37,2010)。

0135

本明細書で提供される結果は、ヌトリン3aおよびCSP−4が、p53を増強し、FL線維芽細胞内のECM産生を抑制し、BLM誘発性肺線維症を緩和する。従って、本発明者らは、p53の誘発およびp53−uPA線溶系クロストークの変化による、FL線維芽細胞内のAktおよびPDGFR−β生存シグナルの阻害が、線維症を緩和すると考えた。これをテストするため、BLM傷害マウス肺からのFL線維芽細胞を、Aktのリン酸化およびPDGFR−βの発現について試験する。応答を、BLM傷害後、ヌトリン3aまたはCSP−4またはCPで処置されたマウスから抽出された線維芽細胞で比較する。BLM傷害マウスからのFL線維芽細胞は、最小のベースラインp53発現およびAktのリン酸化増加を有すると期待される。PDGFR−βの発現は、FL線維芽細胞内で増加することが期待される。p53は、ヌトリン3aまたはCSP−4のいずれかで処置されたマウスからの線維芽細胞内で増強され、Aktリン酸化およびPDGFR−β発現の阻害をもたらすだろう。BLM傷害マウスからのFL線維芽細胞が、より多くのuPAおよびuPARを発現するので、これらの線維芽細胞は、BLM+ヌトリン3aまたはCSP−4で処置されたマウスからの線維芽細胞と比較して、生存率およびECMの増加を明らかにするだろう。しかしながら、Ad−p53またはAd−Cav−1を有するBLMマウスからのFL線維芽細胞の形質導入は、Ad−EV処置した対照細胞と比較して、AktおよびPTENのリン酸化、PDGFR−βの発現、細胞生存率およびECM産生を減少させるだろう。shRNAを用いたP53の阻害は、ECM産生、PDGFR−βの発現およびAd−Cav−1またはヌトリン3aまたはCSP−4に曝露されたFL線維芽細胞の生存能を阻害するだろう。これらの細胞は、対照shRNAの存在下、Ad−Cav−1またはヌトリン3aまたはCSP−4で形質導入されたFL線維芽細胞と比較して、最小のPAI−1とともに、uPAおよびuPARの増加を示すだろう。

0136

本発明に従って、IPF患者は、しばしば、診断時に、進行した線維性疾患の症状が見つかるので、FL線維芽細胞のターゲティングは、ATII細胞アポトーシスまたは上皮間葉転換の予防より臨床的利点を有する。ヌトリン3aおよびCSP−4は、NL線維芽細胞または傷害肺のATII細胞と比較して、FL線維芽細胞内のベースラインp53の著しい減少およびmdm2発現の増加のため、FL線維芽細胞内でのみ、効果的に、p53を誘発する。これは、ATII細胞カベオリン1およびp53発現で、特に当てはまり、IPFを有する患者またはBLM肺傷害を有するマウスの肺で、著しく増加する。この経験に基づいて、ATII細胞内のp53のさらなる誘発は、BLMまたはIPF肺のベースラインレベル上昇のため、ヌトリン3aまたはCSP−4に対する応答は見込まれない。実際に、本発明者らは、CSPまたはCSP−4が、タンパク質脱リン酸化酵素2A−C(Volonte D et al.,J Biol Chem 284:5462〜66,2009)のため、BLM傷害により、ATII細胞内で別に誘発されるカベオリン1との競合により、p53のATMキナーゼ介在性セリン−15リン酸化をブロックすることにより、BLM−またはたばこの煙誘発性ATII細胞p53発現およびアポトーシス(Bhandary et al.,2012,2013、上記参照;ShettySKet al.,Am J Respir Cell Mol Biol 47:474〜83,2012)を阻害することを発見した。加えて、好中球およびマクロファージのヌトリン3aの作用は、NF−κB DNA結合活性および炎症誘発性サイトカインの産生のp53介在性阻害により、炎症に対する有益な効果を有するはずである(Liu G et al.,J Immunol 182:5063〜71,2009)。

0137

従って、ヌトリン3aおよびCSP−4の治療介入の利点は、いかなる潜在的有害なまたはオフターゲットな効果も凌ぐ。該FL線維芽細胞によるプロα(I)コラーゲンの過剰な増殖および産生は、マウスのBLM誘発性肺線維症後のLVを用いたFL線維芽細胞内のプレmiR−34aおよびmiR−34aアンチセンスの効果的発現をもたらすだろう(Liu X et al.,Am J Physiol:Lung Cell Mol Physiol 298:L819〜29,2010;Merkel O et al.,Cell Cycle 9:2764〜8,2010)。

0138

Ad−cav−1でのBLM傷害肺の形質導入(Wang XM et al.J Exp Med 203:2895〜906,2006)は、BLM傷害中のATII細胞によるカベオリン1発現の増加にもかかわらず、線維症を阻害する。これは、たとえ、それらが、罹患している肺線維症を有するマウスのFL線維芽細胞だけでなく、NL線維芽細胞を形質導入しても、p53、プレmiR−34aおよびmiR−34aアンチセンスの発現が、まだ効果的であろうことを示唆する。

0139

上記引用文献は、特に、組み入れられているか否かにかかわらず、全て、参照することにより、本明細書に組み入れられるものとする。

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