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技術 冷凍サイクル装置

出願人 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明者 丸橋伊織河野文紀日下道美田村朋一郎川口良美
出願日 2017年9月29日 (2年9ヶ月経過) 出願番号 2017-190397
公開日 2018年10月4日 (1年9ヶ月経過) 公開番号 2018-155475
状態 未査定
技術分野 圧縮機、蒸発器、凝縮器、流体循環装置
主要キーワード グローブ弁 次側開口 パンチングメタル板 シェルチューブ 放熱回路 冷却液回路 間接接触 寸法線
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年10月4日)のものです。
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図面 (12)

課題

冷媒流量制御を確実に行えるようにするための技術を提供する。

解決手段

本開示の冷凍サイクル装置(200)は、圧縮機(2)と、凝縮器(3)と、蒸発器(1)と、凝縮器(3)と蒸発器(1)とを接続している戻し経路(11)と、戻し経路(11)に配置された流量調整弁(4)とを備えている。流量調整弁(4)は、冷媒入口(39a)と、冷媒出口(40a)と、冷媒入口(39a)から冷媒出口(40a)への経路上に設けられた複数のオリフィス(50)と、冷媒が通過できるオリフィス(50)の数を増減させるシャッタ(33)とを有する。

概要

背景

従来の冷凍サイクル装置において、冷媒は、圧縮機で圧縮されたのち、凝縮器で冷却されて液相状態に変化する。液相の冷媒は、膨張弁によって減圧され、気液二相状態に変化する。気液二相状態の冷媒は、蒸発器で加熱される。

図9に示すように、従来の膨張弁100は、ロータ101、コイル102、弁体103、弁針104、入口105、出口106及びオリフィス107を備えている。入口105に高圧液冷媒(液相の冷媒)が供給される。弁体103及び弁針104が回転して上下に動くと、弁針104によってオリフィス107の断面積が調節される。これにより、高圧の液冷媒の流量を調節することができる。オリフィス107の断面積及び冷媒の流速に応じて、冷媒が膨張して低圧低温の気液二相状態に変化する。気液二相状態の冷媒が出口106から吐出される。

図10は、従来の膨張弁における圧力差ΔPと流量Qとの関係を示す模式的なグラフである。圧力差ΔPは、膨張弁の入口における冷媒の圧力と膨張弁の出口における冷媒の圧力との差を意味している。冷凍サイクル装置を設計する際には、冷媒に適した膨張弁が選定される。膨張弁の選定には、下記式1によって求められる流量係数Cvが使用される。Cv値が一定である場合、圧力差ΔP(=P1−P2)が拡大すればするほど、膨張弁100のオリフィス107を流れる冷媒の流量Qが増加する。

(式1)
Cv=0.366×Q(G/(P1−P2))1/2
Q:冷媒の流量
G:液冷媒の比重
P1:膨張弁の入口における冷媒の圧力
P2:膨張弁の出口における冷媒の圧力

概要

冷媒の流量制御を確実に行えるようにするための技術を提供する。本開示の冷凍サイクル装置(200)は、圧縮機(2)と、凝縮器(3)と、蒸発器(1)と、凝縮器(3)と蒸発器(1)とを接続している戻し経路(11)と、戻し経路(11)に配置された流量調整弁(4)とを備えている。流量調整弁(4)は、冷媒入口(39a)と、冷媒出口(40a)と、冷媒入口(39a)から冷媒出口(40a)への経路上に設けられた複数のオリフィス(50)と、冷媒が通過できるオリフィス(50)の数を増減させるシャッタ(33)とを有する。

目的

本開示の目的の1つは、冷媒の流量制御を確実に行えるようにするための技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

圧縮機と、凝縮器と、蒸発器と、前記凝縮器と前記蒸発器とを接続している戻し経路と、前記戻し経路に配置された流量調整弁と、を備え、前記流量調整弁は、冷媒入口と、冷媒出口と、前記冷媒入口から前記冷媒出口への経路上に設けられた複数のオリフィスと、冷媒が通過できる前記オリフィスの数を増減させるシャッタとを有する、冷凍サイクル装置

請求項2

前記複数のオリフィスは、特定方向に並んでおり、前記シャッタは、前記特定方向に沿って移動可能に構成された弁体を含む、請求項1に記載の冷凍サイクル装置。

請求項3

前記シャッタに接続されたアクチュエータをさらに備えた、請求項1又は2に記載の冷凍サイクル装置。

請求項4

前記複数のオリフィスは、それぞれ、前記冷媒の流入側の開口である一次側開口と、前記冷媒の流出側の開口である二次側開口とを有し、前記一次側開口の直径が前記二次側開口の直径よりも大きい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。

請求項5

前記複数のオリフィスは、それぞれ、前記冷媒の流入側の開口である一次側開口と、前記冷媒の流出側の開口である二次側開口とを有し、前記一次側開口と前記二次側開口との間に縮流部が設けられており、前記一次側開口の面積がA1、前記二次側開口の面積がA2、前記縮流部の断面積がAcであるとき、Ac<A1、Ac≦A2及びA1>A2の関係が成立する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。

請求項6

前記複数のオリフィスは、それぞれ、前記冷媒の流入側の開口である一次側開口と、前記冷媒の流出側の開口である二次側開口とを有し、前記複数のオリフィスは、特定方向に並んでおり、前記複数のオリフィスから選ばれた第1オリフィスの前記一次側開口の直径は、前記複数のオリフィスから選ばれた第2オリフィスの前記一次側開口の直径と異なっている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。

請求項7

前記複数のオリフィスは、それぞれ、前記冷媒の流入側の開口である一次側開口と、前記冷媒の流出側の開口である二次側開口とを有し、前記複数のオリフィスは、特定方向に並んでおり、前記複数のオリフィスから選ばれた第1オリフィスの前記二次側開口の直径は、前記複数のオリフィスから選ばれた第2オリフィスの前記二次側開口の直径と異なっている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。

請求項8

前記凝縮器と前記流量調整弁との間において前記戻し経路に配置された圧力調整弁をさらに備えた、請求項1〜7のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。

請求項9

前記圧力調整弁の出口における前記冷媒の圧力が前記凝縮器における前記冷媒の飽和圧力を上回るように前記圧力調整弁を制御する制御器をさらに備えた、請求項8に記載の冷凍サイクル装置。

請求項10

前記冷媒は、常温での飽和蒸気圧が負圧の冷媒である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。

請求項11

前記冷媒は、主成分として水を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。

技術分野

0001

本開示は、冷凍サイクル装置に関する。

背景技術

0002

従来の冷凍サイクル装置において、冷媒は、圧縮機で圧縮されたのち、凝縮器で冷却されて液相状態に変化する。液相の冷媒は、膨張弁によって減圧され、気液二相状態に変化する。気液二相状態の冷媒は、蒸発器で加熱される。

0003

図9に示すように、従来の膨張弁100は、ロータ101、コイル102、弁体103、弁針104、入口105、出口106及びオリフィス107を備えている。入口105に高圧液冷媒(液相の冷媒)が供給される。弁体103及び弁針104が回転して上下に動くと、弁針104によってオリフィス107の断面積が調節される。これにより、高圧の液冷媒の流量を調節することができる。オリフィス107の断面積及び冷媒の流速に応じて、冷媒が膨張して低圧低温の気液二相状態に変化する。気液二相状態の冷媒が出口106から吐出される。

0004

図10は、従来の膨張弁における圧力差ΔPと流量Qとの関係を示す模式的なグラフである。圧力差ΔPは、膨張弁の入口における冷媒の圧力と膨張弁の出口における冷媒の圧力との差を意味している。冷凍サイクル装置を設計する際には、冷媒に適した膨張弁が選定される。膨張弁の選定には、下記式1によって求められる流量係数Cvが使用される。Cv値が一定である場合、圧力差ΔP(=P1−P2)が拡大すればするほど、膨張弁100のオリフィス107を流れる冷媒の流量Qが増加する。

0005

(式1)
Cv=0.366×Q(G/(P1−P2))1/2
Q:冷媒の流量
G:液冷媒の比重
P1:膨張弁の入口における冷媒の圧力
P2:膨張弁の出口における冷媒の圧力

先行技術

0006

特表2008−546987号公報

発明が解決しようとする課題

0007

従来の冷凍サイクル装置には、R134a、R32などの代替フロンが広く使用されている。しかし、これらの冷媒は、地球温暖化問題などの環境問題を有している。そのため、水、R1233zdなどの低GWP(Global Warming Potential)冷媒が注目されつつある。ただし、従来の膨張弁は、これらの冷媒を用いた冷凍サイクル装置に適した構造を有しているとは限らない。従来の膨張弁を使用すると正確な流量制御を行なうことができない場合がある。

0008

本開示の目的の1つは、冷媒の流量制御を確実に行えるようにするための技術を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

すなわち、本開示は、
圧縮機と、
凝縮器と、
蒸発器と、
前記凝縮器と前記蒸発器とを接続している戻し経路と、
前記戻し経路に配置された流量調整弁と、
を備え、
前記流量調整弁は、冷媒入口と、冷媒出口と、前記冷媒入口から前記冷媒出口への経路上に設けられた複数のオリフィスと、冷媒が通過できる前記オリフィスの数を増減させるシャッタとを有する、冷凍サイクル装置を提供する。

発明の効果

0010

本開示の技術によれば、冷媒の流量制御を確実に行える。

図面の簡単な説明

0011

図1は、本開示の実施形態1にかかる冷凍サイクル装置の構成図である。
図2は、図1に示す冷凍サイクル装置に使用された流量調整弁の断面図である。
図3は、オリフィス内での冷媒の挙動を示す図である。
図4は、シャッタの他の例を示す断面図である。
図5は、変形例1にかかる流量調整弁の部分拡大断面図である。
図6Aは、変形例2にかかる流量調整弁の部分拡大断面図である。
図6Bは、変形例2にかかる流量調整弁の寸法線入りの部分拡大断面図である。
図7は、変形例3にかかる流量調整弁の部分拡大断面図である。
図8は、本開示の実施形態2にかかる冷凍サイクル装置の構成図である。
図9は、従来の膨張弁の断面図である。
図10は、従来の膨張弁における圧力差と流量との関係を示すグラフである。

実施例

0012

(本開示の基礎となった知見)
水、R1233zdなどの低圧冷媒を膨張させるために従来の膨張弁を使用した場合、膨張過程で液相の冷媒から発生する気相の冷媒の割合(膨張弁の出口における、気液二相の冷媒の体積Aに対する気相の冷媒の体積Bの割合)は、従来の冷媒におけるその割合を大幅に上回る(例えば、従来の冷媒の1.2倍以上)。この傾向は、膨張弁の入口と出口との間の圧力差が大きければ大きいほど顕著である。また、膨張弁の入口と出口との間の圧力差が大きければ大きいほど、膨張弁の内部における冷媒の流速も速い。このような状況下において、膨張弁の内部でキャビテーションが発生することがある。膨張弁の内部で発生したキャビテーションは、冷媒の流量を律速する又は低下させる。その結果、冷媒の流量(質量流量)の調節が困難になる。

0013

本開示の第1態様にかかる冷凍サイクル装置は、
圧縮機と、
凝縮器と、
蒸発器と、
前記凝縮器と前記蒸発器とを接続している戻し経路と、
前記戻し経路に配置された流量調整弁と、
を備え、
前記流量調整弁は、冷媒入口と、冷媒出口と、前記冷媒入口から前記冷媒出口への経路上に設けられた複数のオリフィスと、冷媒が通過できる前記オリフィスの数を増減させるシャッタとを有するものである。

0014

本開示の第1態様によれば、冷媒が通過できるオリフィスの数を増減させることができる。冷媒が通過できるオリフィスの数を増減させると、オリフィスの流路断面積の合計が増減し、各オリフィスにおける冷媒の流速を適切に調節することができる。各オリフィスにおける冷媒の流速を所望の範囲内に調節すれば、キャビテーションの影響を低減することができる。その結果、戻し経路の上流部分(高圧領域)から下流部分(低圧領域)に向けて、安定した流量で冷媒を供給することが可能になる。すなわち、戻し経路における冷媒の流量の制御が可能となる。

0015

本開示の第2態様において、例えば、第1態様にかかる冷凍サイクル装置の前記複数のオリフィスは、特定方向に並んでおり、前記シャッタは、前記特定方向に沿って移動可能に構成された弁体を含む。弁体によれば、冷媒が通過できるオリフィスの数を増減させるための構造を比較的容易に構築できる。

0016

本開示の第3態様において、例えば、第1又は第2態様にかかる冷凍サイクル装置は、前記シャッタに接続されたアクチュエータをさらに備えている。アクチュエータによれば、シャッタの位置決めを正確に行える。

0017

本開示の第4態様において、例えば、第1〜第3態様のいずれか1つにかかる冷凍サイクル装置の前記複数のオリフィスは、それぞれ、前記冷媒の流入側の開口である一次側開口と、前記冷媒の流出側の開口である二次側開口とを有し、前記一次側開口の直径が前記二次側開口の直径よりも大きい。このような構成によれば、一次側開口の近傍における冷媒の流速が下がり、オリフィスに冷媒が流入したときに一次側開口の近傍で生じる冷媒の流れの剥離が抑制される。これにより、キャビテーションの発生が抑制され、キャビテーションによる流量の減少が抑制される。

0018

本開示の第5態様において、例えば、第1〜第4態様のいずれか1つにかかる冷凍サイクル装置の前記複数のオリフィスは、それぞれ、前記冷媒の流入側の開口である一次側開口と、前記冷媒の流出側の開口である二次側開口とを有し、前記一次側開口と前記二次側開口との間に縮流部が設けられており、前記一次側開口の面積がA1、前記二次側開口の面積がA2、前記縮流部の断面積がAcであるとき、Ac<A1、Ac≦A2及びA1>A2の関係が成立する。このような構成によれば、冷媒の圧力が飽和圧力を下回らず、二次側開口での冷媒の静圧の低下も抑制される。これにより、キャビテーションの発生が抑制される。

0019

本開示の第6態様において、例えば、第1〜第5態様のいずれか1つにかかる冷凍サイクル装置の前記複数のオリフィスは、それぞれ、前記冷媒の流入側の開口である一次側開口と、前記冷媒の流出側の開口である二次側開口とを有し、前記複数のオリフィスは、特定方向に並んでおり、前記複数のオリフィスから選ばれた第1オリフィスの前記一次側開口の直径は、前記複数のオリフィスから選ばれた第2オリフィスの前記一次側開口の直径と異なっている。

0020

本開示の第7態様において、例えば、第1〜第6態様のいずれか1つにかかる冷凍サイクル装置の前記複数のオリフィスは、それぞれ、前記冷媒の流入側の開口である一次側開口と、前記冷媒の流出側の開口である二次側開口とを有し、前記複数のオリフィスは、特定方向に並んでおり、前記複数のオリフィスから選ばれた第1オリフィスの前記二次側開口の直径は、前記複数のオリフィスから選ばれた第2オリフィスの前記二次側開口の直径と異なっている。

0021

第6及び第7態様によれば、水位ヘッド差に起因する冷媒の流速の上昇が抑制される。その結果、冷媒の流れの剥離及びキャビテーションの発生が抑制される。

0022

本開示の第8態様において、例えば、第1〜第7態様のいずれか1つにかかる冷凍サイクル装置は、前記凝縮器と前記流量調整弁との間において前記戻し経路に配置された圧力調整弁をさらに備えている。圧力調整弁が戻し経路に設けられていると、より細かく液冷媒の流量を調整できるため、所望の流量にて、凝縮器から蒸発器へと液冷媒を移動させることができる。

0023

本開示の第9態様において、例えば、第8態様にかかる冷凍サイクル装置は、前記圧力調整弁の出口における前記冷媒の圧力が前記凝縮器における前記冷媒の飽和圧力を上回るように前記圧力調整弁を制御する制御器をさらに備えている。第9態様によれば、圧力調整弁の出口における冷媒のフラッシュ蒸発を防止できる。

0024

本開示の第10態様において、例えば、第1〜第9態様のいずれか1つにかかる冷凍サイクル装置の前記冷媒は、常温での飽和蒸気圧が負圧の冷媒である。本開示の技術は、このような冷媒を用いた冷凍サイクル装置に特に有用である。

0025

本開示の第11態様において、例えば、第1〜第10態様のいずれか1つにかかる冷凍サイクル装置の前記冷媒は、主成分として水を含む。水を主成分として含む冷媒は、環境に対する負荷が小さい。

0026

本開示の第12態様にかかる流量調整弁は、
流体入口と、
流体出口と、
前記流体入口から前記流体出口への経路上に設けられた複数のオリフィスと、
冷媒が通過できる前記オリフィスの数を増減させるシャッタと、
を備えたものである。

0027

第12態様によれば、第1態様と同じ効果が得られる。第12態様の流量調整弁は、冷凍サイクル装置だけでなく、他のシステムにも適用できる可能性がある。

0028

本開示の第1態様にかかる冷凍サイクル装置の別の表現は、
冷媒が流れる経路と、
前記経路上に現われる圧縮機と、
前記経路上に現われる凝縮器と、
前記経路上に現われる蒸発器と、
前記経路上に現われる流量調整弁とを、含み
前記圧縮機、前記凝縮器、前記流量調整弁、前記蒸発器は、前記経路上においてこの順に現われ、
前記流量調整弁は、
入口と、
出口と、
記入口と前記出口とを接続し、前記冷媒が流れる内部経路と、
第1の表面と、前記第1の表面と反対側に位置する第2の表面と、前記第1の表面及び前記第2の表面を接続する複数のオリフィスとを含む、第1の板と、及び
第3の表面を含む、シャッタと、を備え、
前記第1の板及び前記シャッタは、前記第1の表面及び前記第3の表面を互いに接触させながら前記第1の表面及び前記第3の表面が相対的に移動可能に構成されており、
記相対的な移動により、前記複数のオリフィスのうち、前記第3の表面に接触しているオリフィスの数と、前記第3の表面に接触していないオリフィスの数とが変化し、
前記複数のオリフィスのうち、前記第3の表面に接触していない前記オリフィスが、前記内部経路を構成する。

0029

「第1の板」は、本明細書において、複数のオリフィス50が設けられている部材に相当する。

0030

本開示の別の第2態様において、例えば、別の第1態様にかかる冷凍サイクル装置は、前記シャッタに接続されたアクチュエータをさらに備えている。

0031

本開示の別の第3態様において、例えば、別の第1態様又は別の第2態様にかかる冷凍サイクル装置の前記複数のオリフィスは、それぞれ、前記冷媒の流入側の開口である一次側開口と、前記冷媒の流出側の開口である二次側開口とを有し、前記一次側開口の直径が前記二次側開口の直径よりも大きい。

0032

本開示の別の第4態様において、例えば、別の第1態様〜別の第3態様にかかる冷凍サイクル装置の前記複数のオリフィスは、それぞれ、前記冷媒の流入側の開口である一次側開口と、前記冷媒の流出側の開口である二次側開口とを有し、前記複数のオリフィスは、特定方向に並んでおり、前記複数のオリフィスから選ばれた第1のオリフィスの前記一次側開口の直径は、前記複数のオリフィスから選ばれた第2のオリフィスの前記一次側開口の直径と異なっている。

0033

本開示の別の第5態様において、例えば、別の第4態様にかかる冷凍サイクル装置の前記第1のオリフィスの前記一次側開口の直径は、前記第2のオリフィスの前記一次側開口の直径よりも大きい。

0034

本開示の別の第6態様において、例えば、別の第1態様〜別の第5態様にかかる冷凍サイクル装置の前記複数のオリフィスは、それぞれ、前記冷媒の流入側の開口である一次側開口と、前記冷媒の流出側の開口である二次側開口とを有し、前記複数のオリフィスは、特定方向に並んでおり、前記複数のオリフィスから選ばれた第1のオリフィスの前記二次側開口の直径は、前記複数のオリフィスから選ばれた第2のオリフィスの前記二次側開口の直径と異なっている。

0035

本開示の別の第7態様において、例えば、別の第6態様にかかる冷凍サイクル装置の前記第1のオリフィスの前記二次側開口の直径は、前記第2のオリフィスの前記二次側開口の直径よりも大きい。

0036

本開示の別の第8態様において、例えば、別の第1態様〜別の第7態様にかかる冷凍サイクル装置の前記冷媒は、常温での飽和蒸気圧が負圧の冷媒である。

0037

本開示の別の第9態様において、例えば、別の第1態様〜別の第8態様にかかる冷凍サイクル装置の前記冷媒は、主成分として水を含む。

0038

以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。

0039

(実施形態1)
図1に示すように、本実施形態の冷凍サイクル装置200は、蒸発器1、圧縮機2、凝縮器3、流量調整弁4、蒸気経路10及び戻し経路11を備えている。圧縮機2は蒸気経路10に配置されている。流量調整弁4は戻し経路11に配置されている。冷媒が流れる経路上において、圧縮機2、凝縮器3、流量調整弁4及び蒸発器1はこの順に現われる。蒸発器1において冷媒が蒸発し、冷媒蒸気(気相の冷媒)が生成される。蒸発器1で生成された冷媒蒸気が圧縮機2に吸入されて圧縮される。圧縮された冷媒蒸気は、蒸気経路10を経由して凝縮器3に供給される。凝縮器3において冷媒蒸気が冷却されて液冷媒(液相の冷媒)が生成される。液冷媒は、戻し経路11を経由して凝縮器3から蒸発器1に送られる。蒸気経路10及び戻し経路11は、それぞれ、複数の配管で構成されている。

0040

冷凍サイクル装置200には、常温(日本工業規格:20℃±15℃/JIS Z8703)での飽和蒸気圧が負圧(絶対圧大気圧よりも低い圧力)の物質を主成分として含む冷媒が充填されている。このような冷媒としては、水を主成分として含む冷媒、R1233zdなどが挙げられる。「主成分」とは、質量比で最も多く含まれた成分を意味する。冷凍サイクル装置200の運転時において、冷凍サイクル装置200の内部の圧力は、例えば、大気圧よりも低い。

0041

冷凍サイクル装置200は、さらに、吸熱回路12及び放熱回路14を備えている。

0042

吸熱回路12は、蒸発器1で冷却された液冷媒を使用するための回路であり、ポンプ室内熱交換器などの必要な機器を有している。吸熱回路12の一部は蒸発器1の内部に位置している。蒸発器1の内部において、吸熱回路12の一部は、液冷媒の液面よりも上に位置していてもよいし、液冷媒の液面よりも下に位置していてもよい。吸熱回路12には、水、ブラインなどの熱媒体が充填されている。

0043

蒸発器1に貯留された液冷媒は、吸熱回路12を構成する部材(配管)に接触する。これにより、液冷媒と吸熱回路12の内部の熱媒体との間で熱交換が行われ、液冷媒が蒸発する。吸熱回路12の内部の熱媒体は、液冷媒の蒸発潜熱によって冷却される。例えば、冷凍サイクル装置200が室内の冷房を行う空気調和装置である場合、吸熱回路12の熱媒体によって室内の空気が冷却される。室内熱交換器は、例えば、フィンチューブ熱交換器である。

0044

放熱回路14は、凝縮器3の内部の冷媒から熱を奪うために使用される回路であり、ポンプ、冷却塔などの必要な機器を有している。放熱回路14の一部は凝縮器3の内部に位置している。詳細には、凝縮器3の内部において、放熱回路14の一部は、液冷媒の液面よりも上に位置している。放熱回路14には、水、ブラインなどの熱媒体が充填されている。冷凍サイクル装置200が室内の冷房を行う空気調和装置である場合、凝縮器3は室外に配置され、放熱回路14の熱媒体によって凝縮器3の冷媒が冷却される。

0045

圧縮機2から吐出された高温の冷媒蒸気は、凝縮器3の内部において、放熱回路14を構成する部材(配管)に接触する。これにより、冷媒蒸気と放熱回路14の内部の熱媒体との間で熱交換が行われ、冷媒蒸気が凝縮する。放熱回路14の内部の熱媒体は、冷媒蒸気の凝縮潜熱によって加熱される。冷媒蒸気によって加熱された熱媒体は、例えば、放熱回路14の冷却塔(図示せず)において外気又は冷却水によって冷却される。

0046

蒸発器1は、例えば、断熱性及び耐圧性を有する容器によって構成されている。蒸発器1は、液冷媒を貯留するとともに、液冷媒を内部で蒸発させる。蒸発器1の内部の液冷媒は、蒸発器1の外部からもたらされた熱を吸収し、沸騰する。すなわち、吸熱回路12から熱を吸収することによって加熱された液冷媒が蒸発器1の中で沸騰及び蒸発する。本実施形態において、蒸発器1に貯留された液冷媒は、吸熱回路12を循環する熱媒体と間接的に接触する。つまり、蒸発器1に貯留された液冷媒の一部は、吸熱回路12の熱媒体によって加熱され、飽和状態の液冷媒を加熱するために使用される。

0047

蒸気経路10は、蒸発器1から凝縮器3に冷媒蒸気を導くための流路である。蒸気経路10は、上流部分10a及び下流部分10bを有する。上流部分10aによって蒸発器1の気相冷媒用出口が圧縮機2の吸入口に接続されている。下流部分10bによって圧縮機2の吐出口が凝縮器3の気相冷媒用入口に接続されている。圧縮機2は、例えば、ターボ型圧縮機又は容積型圧縮機である。蒸気経路10には複数の圧縮機が設けられていてもよい。複数の圧縮機が蒸気経路10に設けられているとき、蒸気経路10に中間冷却器が設けられていてもよい。

0048

凝縮器3は、例えば、断熱性及び耐圧性を有する容器によって構成されている。凝縮器3は、冷媒蒸気を凝縮させるとともに、冷媒蒸気を凝縮させることによって生じた液冷媒を貯留する。本実施形態では、過熱状態の冷媒蒸気が、外部環境に熱を放出することによって冷却された熱媒体に間接的に接触して凝縮する。つまり、冷媒蒸気は、放熱回路14の熱媒体によって冷却され、凝縮する。

0049

本実施形態では、蒸発器1及び凝縮器3が間接接触型の熱交換器(例えば、シェルチューブ熱交換器)である。ただし、蒸発器1及び凝縮器3は、直接接触型の熱交換器であってもよい。つまり、吸熱回路12及び放熱回路14に液冷媒を循環させることによって、液冷媒を加熱したり冷却したりしてもよい。

0050

戻し経路11は、凝縮器3から蒸発器1に液冷媒を導くための流路(液流路)である。戻し経路11によって、蒸発器1と凝縮器3とが接続されている。具体的には、戻し経路11は、上流部分11a及び下流部分11bを有する。上流部分11aによって凝縮器3の液冷媒用出口が流量調整弁4の入口に接続されている。下流部分11bによって流量調整弁4の出口が蒸発器1の液冷媒用入口に接続されている。これにより、液冷媒を凝縮器3から蒸発器1に移動させることができる。

0051

液冷媒は、流量調整弁4において減圧されながら、戻し経路11を通じて凝縮器3から蒸発器1に戻される。流量調整弁4は、膨張弁の役割を担っている。流量調整弁4によれば、戻し経路11における液冷媒の流量を正確に調節することができる。

0052

戻し経路11には、ポンプ5が配置されている。ポンプ5は、詳細には、戻し経路11の上流部分11aに配置されている。ポンプ5の働きにより、流量調整弁4の入口における冷媒の圧力を上げることができる。ただし、ポンプ5は省略されていてもよい。鉛直方向において、凝縮器3が蒸発器1よりも上方に位置しているとき、水位ヘッド差によって凝縮器3から蒸発器1に液冷媒を移動させることができる。

0053

蒸発器1の内部には、レベルセンサ21aが配置されている。レベルセンサ21aは、蒸発器1に貯留された液冷媒の液面の位置を検出する。凝縮器3の内部にも、レベルセンサ21bが配置されている。レベルセンサ21bは、凝縮器3に貯留された液冷媒の液面の位置を検出する。レベルセンサ21a及び21bは、フロート式のレベルセンサ、超音波式のレベルセンサなどの公知のレベルセンサである。

0054

蒸気経路10には、少なくとも1つの圧力センサが設けられている。本実施形態では、蒸気経路10の上流部分10aに圧力センサ20aが配置されている。さらに、蒸気経路10の下流部分10bにも圧力センサ20bが配置されている。圧力センサ20a及び20bは、例えば、圧電素子を利用した圧力センサである。圧力センサ20aは圧縮機2の吸入圧力蒸発圧力)を検出する。圧力センサ20bは圧縮機2の吐出圧力凝縮圧力)を検出する。

0055

次に、流量調整弁4の構造を詳細に説明する。

0056

図2に示すように、流量調整弁4は、弁体33、アクチュエータ34及びハウジング37を備えている。ハウジング37の内部に弁体33が配置されている。ハウジング37は、入口部分39及び出口部分40を含む。入口部分39及び出口部分40は、それぞれ、中空管構造を有している。入口部分39は、冷媒入口39a(流体入口)を含む部分である。出口部分40は、冷媒出口40a(流体出口)を含む部分である。例えば、入口部分39に戻し経路11の上流部分11aが接続される。出口部分40に戻し経路11の下流部分11bが接続される。なお、入口部分39の位置と出口部分40の位置とが相互に入れ替わってもよい。

0057

流量調整弁4は、その内部に複数のオリフィス50を有している。本実施形態では、冷媒出口40aに面する位置に複数のオリフィス50が設けられている。複数のオリフィス50を通じて、冷媒入口39aから冷媒出口40aへの流路が形成されている。つまり、複数のオリフィス50は、冷媒入口39aから冷媒出口40aへの経路上に設けられている。詳細には、冷媒入口39aに面した空間と冷媒出口40aに面した空間とがハウジング37の内部に存在し、これらの空間を隔てている隔壁(第1の板)に複数のオリフィス50が形成されている。オリフィス50は、隔壁の一方の表面(第1の表面)と隔壁の他方の表面(第2の表面)とを接続している。本実施形態において、オリフィス50が設けられた隔壁は、ハウジング37の一部である。ただし、ハウジング37とは別の部材が隔壁を構成していてもよい。

0058

複数のオリフィス50は、特定方向に並んでいる。特定方向は、例えば、鉛直方向に平行である。本実施形態において、オリフィス50は、特定方向に沿って1列のみ設けられている。しかし、特定方向に平行な複数の列(例えば、2列)に沿って複数のオリフィス50が設けられていてもよい。オリフィス50は平面視で円形の形状を有する。ただし、オリフィス50の平面視形状は特に限定されない。オリフィス50の数は特に限定されない。オリフィス50の直径も特に限定されない。これらは、冷凍サイクル装置200に要求される能力、冷凍サイクル装置200の用途、冷媒の種類などの様々な条件を考慮に入れて適切に決定される。一例において、オリフィス50の数は、2〜20個の範囲にある。オリフィス50の直径は、例えば、0.1〜30mmの範囲にある。

0059

弁体33は、ハウジング37の内部において特定方向に沿って移動可能に構成されている。本実施形態において、特定方向は、弁体33の長手方向に平行である。弁体33は、例えば、円柱の形状を有する。弁体33が特定方向に沿って移動すると、冷媒が通過できるオリフィス50の数が増減する。つまり、弁体33は、冷媒が通過できるオリフィス50の数を増減させるシャッタの一例である。弁体33によれば、冷媒が通過できるオリフィス50の数を増減させるための構造を比較的容易に構築できる。

0060

アクチュエータ34は、弁体33を動かすために弁体33に接続されている。アクチュエータ34は、典型的には電動アクチュエータである。本実施形態において、アクチュエータ34は、コイル31及びロータ32を含むモータである。ロータ32に弁体33が取り付けられている。コイル31に通電するとロータ32が回転し、これにより、弁体33がハウジング37の内部を回転しながら前進又は後退する。アクチュエータ34によれば、弁体33の位置決めを正確に行える。

0061

弁体33の外周面(第3の表面)は、複数のオリフィス50が設けられた面に面接触している。あるいは、弁体33の外周面と複数のオリフィス50が設けられた面との間の隙間は、非常に狭い。弁体33が前進するとき、弁体33の先端面が冷媒入口39aに接近する。このとき、弁体33の外周面と複数のオリフィス50との重なり面積が増え、冷媒が通過できるオリフィス50の数が減少する。言い換えれば、冷媒が通過できるオリフィス50の合計の流路断面積が減少する。弁体33が後退するとき、弁体33の先端面が冷媒入口39aから遠ざかる。このとき、弁体33の外周面と複数のオリフィス50との重なり面積が減少し、冷媒が通過できるオリフィス50の数が増加する。言い換えれば、冷媒が通過できるオリフィス50の流路断面積の合計が増加する。

0062

隔壁及び弁体33は、隔壁の一方の表面及び弁体33の外周面を互いに接触させながら隔壁の一方の表面及び弁体33の外周面が相対的に移動可能に構成されている。この相対的な移動により、複数のオリフィス50のうち、弁体33の外周面に接触しているオリフィス50の数と、弁体33の外周面に接触していないオリフィス50の数とが変化する。複数のオリフィス50のうち、弁体33の外周面に接触していないオリフィス50が、流量調整弁4の内部経路を構成している。

0063

図3に示すように、冷媒がオリフィス110を通過するとき、次のような現象が起こることがある。すなわち、冷媒の流速が速いとき、入口110aの近傍においてオリフィス110の内周面からの冷媒の流れの剥離114が生じ、オリフィス110の内部でキャビテーション116が発生する。冷媒が液相状態から気相状態に変化するときの体積膨張率が非常に大きいとき、オリフィス110の大部分が気相の冷媒で占有される。その結果、膨張弁に冷媒を流し続けることが困難になったり、冷媒の流量が大幅に低下したりする。十分な流量で凝縮器から蒸発器に冷媒を戻すことができない場合、蒸発器における冷媒の枯渇、凝縮器における冷媒の液面の過上昇などのトラブルが起こる。最終的には、冷凍サイクル装置の運転が不可能になる。

0064

これに対し、本実施形態の流量調整弁4によれば、冷媒が通過できるオリフィス50の数を増減させることができる。冷媒が通過できるオリフィス50の数を増減させると、オリフィス50の流路断面積の合計が増減し、各オリフィス50における冷媒の流速を適切に調節することができる。各オリフィス50における冷媒の流速を所望の範囲内に調節すれば、キャビテーションの影響を低減することができる。その結果、戻し経路11の上流部分11a(高圧領域)から下流部分11b(低圧領域)に向けて、安定した流量で冷媒を供給することが可能になる。すなわち、戻し経路11における冷媒の流量の制御が可能となる。

0065

高い外気温の条件で冷凍サイクル装置200の冷房運転を行うと、流量調整弁4の入口における冷媒の圧力が高くなりがちであり、冷媒の流量も増加する。このような条件においても、流量を調節しながら、凝縮器3から蒸発器1に冷媒を戻すことが可能である。

0066

ところで、キャビテーションの影響を低減するための1つの手段として、従来の膨張弁における単一のオリフィスの直径を拡大することが挙げられる。しかし、単一のオリフィスの直径を拡大すると、大流量での運転をカバーできるかもしれないが、小流量での運転をカバーすることが困難となる。これに対し、本実施形態の流量調整弁4によれば、小流量から大流量にわたって、幅広い流量での運転をカバーできる。

0067

冷媒が通過できるオリフィス50の数は、蒸発器1の水位及び凝縮器3の水位から選ばれる少なくとも1つに応じて増減させることができる。すなわち、レベルセンサ21aの検出値及びレベルセンサ21bの検出値から選ばれる少なくとも1つに応じて、冷媒が通過できるオリフィス50の数を増減させることができる。つまり、本実施形態では、水位ヘッドに応じてオリフィス50の数が増減する。また、圧力センサ20aの検出値及び圧力センサ20bの検出値から選ばれる少なくとも1つに応じて、冷媒が通過できるオリフィス50の数を増減させてもよい。

0068

また、冷媒が通過できるオリフィス50の数を増減できる限り、弁体33以外のシャッタを採用してもよい。そのようなシャッタとして、プランジャ、複数のオリフィス50が設けられた面に対して平行に配置された半月板などが挙げられる。つまり、シャッタの形状は、弁体33のように柱状であってもよいし、半月板(半月の形状を有する板)のような板状であってもよい。

0069

さらに、図4に示すように、オリフィス50の数を増減させるための機構は、複数のオリフィス50が設けられたメタル板52(パンチングメタル板)がハウジング37に対して相対的に回転するように構成されていてもよい。この場合、ハウジング37がシャッタの役割を果たす。メタル板52は、円筒の形状を有していてもよいし、半月の形状を有していてもよい。メタル板52の周方向に沿って、複数のオリフィス50が設けられている。ハウジング37に対してメタル板52が相対的に回転すると、出口部分41(出口管)に面するオリフィス50の数が増減する。つまり、冷媒が通過できるオリフィス50の数が増減する。

0070

(変形例1)
図5に示すように、本変形例において、複数のオリフィス60は、それぞれ、テーパ状の内周面を有している。つまり、オリフィス60は、すりの形状を有している。複数のオリフィス60は、それぞれ、冷媒の流入側の開口である一次側開口60pと、冷媒の流出側の開口である二次側開口60qとを有する。一次側開口60pの直径は、二次側開口60qの直径よりも大きい。一次側開口60pの直径及び二次側開口60qの直径は、冷凍サイクル装置200に要求される能力、冷凍サイクル装置200の用途、冷媒の種類、オリフィス60の数などの様々な条件を考慮に入れて適切に決定される。一例において、二次側開口の直径dに対する一次側開口の直径Dの比(D/d)は、1.01〜50の範囲にある。

0071

本変形例によれば、一次側開口60pの近傍における冷媒の流速が下がり、オリフィス60に冷媒が流入したときに一次側開口60pの近傍で生じる冷媒の流れの剥離(図3参照)が抑制される。これにより、キャビテーションの発生が抑制され、キャビテーションによる流量の減少が抑制される。

0072

また、オリフィス60の開口60p及び60qの近傍にバリが形成されることがある。バリなどの加工残渣があると、オリフィス60の内部で冷媒の流れの剥離が生じやすい。そのため、オリフィス60の開口60p及び60qの近傍部分は面取りされていてもよいし、R加工が施されていてもよい。このことは、先に説明した実施形態及び後述する別の変形例にも当てはまる

0073

なお、オリフィス60の開口60pの形状が円形でないとき、開口60pの直径は次の方法で特定されうる。すなわち、オリフィス60を平面視したときの開口60pの面積を特定する。特定された面積に等しい面積を有する円の直径を開口60pの直径とみなす(いわゆる等価直径)。このことは、開口60qにも当てはまり、先に説明した実施形態及び後述する別の変形例にも当てはまる。

0074

(変形例2)
図6A及び図6Bに示すように、本変形例では、複数のオリフィス71〜75の開口の直径が特定方向に沿って段階的に変化している。具体的に、複数のオリフィス71〜75は、それぞれ、冷媒の流入側の開口である一次側開口71p〜75pと、冷媒の流出側の開口である二次側開口71q〜75qとを有する。複数のオリフィス71〜75は、特定方向に並んでいる。複数のオリフィス71〜75から選ばれた第1オリフィス75の一次側開口75pの直径D5は、複数のオリフィス71〜75から選ばれた第2オリフィス71の一次側開口71pの直径D1と異なっている。詳細には、第1オリフィス75の一次側開口75pの直径D5は、第2オリフィス71の一次側開口71pの直径D1よりも大きい。第2オリフィス71は、弁体33によって第1オリフィス75よりも先に閉じられる位置にある。特定方向に沿って、複数のオリフィス71〜75の一次側開口71p〜75pの直径D1〜D5が徐々に拡大している。

0075

上記のような構造によれば、次のような効果が得られる。すなわち、第1オリフィス75は、第2オリフィス71よりも冷媒入口39aの近くに位置している。また、鉛直方向に関し、第1オリフィス75は第2オリフィス71よりも下側に位置している。第1オリフィス75における水位ヘッドは、第2オリフィス71における水位ヘッドよりも大きい。したがって、第1オリフィス75に加わる冷媒の圧力は、第2オリフィス71に加わる冷媒の圧力よりも高い。本実施形態では、第1オリフィス75の一次側開口75pの直径D5が第2オリフィス71の一次側開口71pの直径D1よりも大きいので、水位ヘッド差に起因する冷媒の流速の上昇が第1オリフィス75において抑制される。その結果、冷媒の流れの剥離及びキャビテーションの発生が抑制される。冷凍サイクル高低差圧が大きく、流量調整弁4の入口において冷媒の圧力が上昇しやすい運転条件(例えば、低外気温時の暖房運転高外気温時の冷房運転など)においても、流量を調節しながら、凝縮器3から蒸発器1に冷媒を戻すことが可能である。

0076

また、第1オリフィス75の二次側開口75qの直径d5は、第2オリフィス71の二次側開口71qの直径d1と異なっている。詳細には、第1オリフィス75の二次側開口75qの直径d5は、第2オリフィス71の二次側開口71qの直径d1よりも大きい。第2オリフィス71は、弁体33によって第1オリフィス75よりも先に閉じられる位置にある。特定方向に沿って、複数のオリフィス71〜75の二次側開口71q〜75qの直径d1〜d5が徐々に拡大している。このような構成によっても、水位ヘッド差に起因する冷媒の流速の上昇が抑制されるので、冷媒の流れの剥離及びキャビテーションの発生が抑制される。

0077

各オリフィス71〜75の大きさは、冷凍サイクル装置200に要求される能力、冷凍サイクル装置200の用途、冷媒の種類、オリフィス60の数などの様々な条件を考慮に入れて適切に決定される。複数のオリフィス71〜75の中で、第1オリフィス75の一次側開口75pの直径D5が最も大きく、第2オリフィス71の一次側開口71pの直径D1が最も小さいとき、比(D5/D1)は、例えば、1.01〜100の範囲にある。第1オリフィス75の二次側開口75qの直径d5が最も大きく、第2オリフィス71の二次側開口71qの直径d1が最も小さいとき、比(d5/d1)は、例えば、1.01〜100の範囲にある。

0078

本変形例においても、複数のオリフィス71〜75は、それぞれ、テーパ状の内周面を有している。

0079

(変形例3)
図7に示すように、本変形例では、複数のオリフィス76は、それぞれ、冷媒の流入側の開口である一次側開口76pと、冷媒の流出側の開口である二次側開口76qと、一次側開口76pと二次側開口76qとの間に設けられた縮流部80とを有する。一次側開口76pの直径は、二次側開口76qの直径よりも大きく、且つ縮流部80の直径よりも大きい。二次側開口76qの直径は、縮流部80の直径以上である。一次側開口76pの面積がA1、二次側開口76qの面積がA2、縮流部80の断面積がAcであるとき、Ac<A1、Ac≦A2及びA1>A2の関係が成立する。「一次側開口76pの面積」は、オリフィス76を平面視したときの一次側開口76pの面積を意味する。「二次側開口76qの面積」は、オリフィス76を平面視したときの二次側開口76qの面積を意味する。「縮流部80の断面積」は、縮流部80におけるオリフィス76の流路断面積を意味する。一次側開口76pの直径及び二次側開口76qの直径は、冷凍サイクル装置200に要求される能力、冷凍サイクル装置200の用途、冷媒の種類、オリフィス76の数などの様々な条件を考慮に入れて適切に決定される。縮流部80の直径Dcに対する一次側開口76pの直径Dの比(D/Dc)は、例えば、1.01〜50の範囲にある。縮流部80の直径Dcに対する二次側開口76qの直径dの比(d/Dc)は、例えば、1〜49.5の範囲にある。

0080

上記のような構造によれば、次のような効果が得られる。すなわち、一次側開口76pの直径は、縮流部80の直径よりも大きく、緩やかなテーパ角度を持つため、一次側開口76pの近傍で急激に冷媒の圧力が低下せず、冷媒の圧力が飽和圧力を下回らない。これにより、一次側開口76pの近傍でのキャビテーションの発生が抑制される。オリフィス76に縮流部80が設けられているので、二次側開口76qでの冷媒の静圧の低下も抑制される。これにより、キャビテーションの発生が抑制される。二次側開口76qの直径は、縮流部80の直径よりも大きいことが望ましい。冷凍サイクル装置200を大能力及び大流量の条件で運転する場合にも、流量調整弁4の閉塞が防止され、必要な量の冷媒が凝縮器3から蒸発器1に確実に供給される。

0081

(実施形態2)
図8に示すように、本実施形態の冷凍サイクル装置300は、流量調整弁4に加え、圧力調整弁23をさらに備えている。実施形態1の冷凍サイクル装置200と実施形態2の冷凍サイクル装置300との間の共通する要素には同じ参照符号を付し、それらの説明を省略することがある。各実施形態に関する説明は、技術的に矛盾しない限り、相互に適用されうる。技術的に矛盾しない限り、各実施形態は、相互に組み合わされてもよい。

0082

圧力調整弁23は、凝縮器3と流量調整弁4との間において戻し経路11に配置されている。詳細には、圧力調整弁23は、ポンプ5と流量調整弁4との間において戻し経路11の上流部分11aに配置されている。本開示によれば、流量調整弁4を制御して冷媒が通過できるオリフィス50の数を増減させることによって、戻し経路11における冷媒の流量が段階的に変化する。そのため、流量調整弁4のみで網羅することが難しい流量範囲が存在する可能性がある。圧力調整弁23が戻し経路11に設けられていると、より細かく液冷媒の流量を調整できるため、所望の流量にて、凝縮器3から蒸発器1へと液冷媒を移動させることができる。

0083

また、圧力調整弁23は、流量調整弁4の冷媒入口39aにおける冷媒の圧力を低下させる。流量調整弁4の冷媒入口39aにおける冷媒の圧力が下がると、流量調整弁4の冷媒入口39aと冷媒出口40aとの間における冷媒の圧力の差が縮小し、オリフィス50の出口(二次側開口)における冷媒の流速の上昇を抑えることができる。これにより、流量調整弁4においてキャビテーションが発生することを確実に防止できる。特に、ポンプ5の加圧力が非常に大きい場合、凝縮器3における液冷媒の水位ヘッドが非常に高い場合、あるいは、凝縮器3における圧力の変動が大きい場合においても、流量調整弁4においてキャビテーションが発生することを確実に防止できる。

0084

圧力調整弁23の型式は、特に限定されない。圧力調整弁23は、ニードル弁バタフライ弁ボール弁ゲート弁又はグローブ弁であってもよい。圧力調整弁23は、流量調整弁4と同じ構造を有していてもよい。

0085

冷凍サイクル装置300は、さらに、制御器29を備えている。制御器29として、A/D変換回路入出力回路演算回路記憶装置などを含むDSP(Digital Signal Processor)が使用されうる。制御器29には、冷凍サイクル装置300を適切に運転するためのプログラムが格納されている。制御器29は、圧力調整弁23の出口における冷媒の圧力が凝縮器3における冷媒の飽和圧力を上回るように圧力調整弁を制御する。このようにすれば、圧力調整弁23の出口における冷媒のフラッシュ蒸発を防止できる。

0086

冷凍サイクル装置300は、圧力センサ24及び圧力センサ26を備えていてもよい。圧力センサ24は、凝縮器3の内部に配置されている。本実施形態では、圧力センサ24は、貯留された液冷媒の液面よりも上に配置されている。圧力センサ24は、液面よりも下に配置されていてもよい。圧力センサ26は、戻し経路11に設けられている。本実施形態では、圧力センサ26は、流量調整弁4と圧力調整弁23との間において、戻し経路11の上流部分11aに設けられている。圧力センサ24及び26は、制御器29に電気的に接続されている。制御器29は、圧力センサ24及び26の検出信号を取得する。圧力センサ24は、凝縮器3の内部における冷媒の圧力(飽和圧力)を検出する。圧力センサ26は、圧力調整弁23の出口と流量調整弁4の入口との間における冷媒の圧力を検出する。圧力センサ24及び26によって検出された圧力に基づき、制御器29は、圧力調整弁23の出口と流量調整弁4の入口との間における冷媒の圧力が目標圧力収斂するように圧力調整弁23を制御する。目標圧力は、凝縮器3の内部における冷媒の圧力(飽和圧力)よりも高い圧力に設定されうる。

0087

冷凍サイクル装置300は、圧力センサ24に代えて、又は、圧力センサ24とともに温度センサ25を備えていてもよい。温度センサ25は、貯留された液冷媒の液面よりも下に配置されていてもよいし、液面よりも上に配置されていてもよい。温度センサ25は、凝縮器3の内部における冷媒の温度(飽和温度)を検出する。飽和温度から飽和圧力を推定することが可能である。

0088

本実施形態において、蒸発器1は、直接接触型の熱交換器である。蒸発器1には、液冷媒が循環する吸熱回路13が接続されている。吸熱回路13は、熱交換器13aを含む。液冷媒は、吸熱回路13を循環し、熱交換器13aにおいて加熱される。加熱された液冷媒は、蒸発器1に貯留された液冷媒と直接的に熱交換する。熱交換器13aは、例えば、フィンチューブ熱交換器である。

0089

本実施形態において、凝縮器3は、直接接触型の熱交換器である。凝縮器3には、液冷媒が循環する放熱回路15が接続されている。放熱回路15は、流路15a、流路15b及び熱交換器17を含む。液冷媒は、放熱回路15を循環し、熱交換器17において冷却される。冷却された液冷媒は、凝縮器3において、冷媒蒸気に接触し、冷媒蒸気と直接的に熱交換する。熱交換器17は、例えば、シェルチューブ熱交換器、二重管式熱交換器又はフィンチューブ熱交換器である。熱交換器17において液冷媒と冷却液との間で熱交換が行われるように、熱交換器17に冷却液回路16が接続されていてもよい。冷却液回路16は、流路16a及び16bを含み、熱交換器17と冷却塔18との間で冷却液(例えば冷却水)を循環させる。冷却液が冷却塔18において冷却され、冷却された冷却液が熱交換器17において液冷媒を冷却する。

0090

本実施形態において、放熱回路15の一部が戻し経路11の一部によって構成されている。具体的には、放熱回路15の流路15aは、ポンプ5と流量調整弁4との間において戻し経路11から分岐している。より具体的には、放熱回路15は、ポンプ5と圧力調整弁23との間において戻し経路11から分岐している。ポンプ5と圧力調整弁23との間に分岐位置Pが存在する。ポンプ5は、戻し経路11と放熱回路15とに共用されている。ポンプ5から吐出された液冷媒の一部が放熱回路15へと導かれ、ポンプ5から吐出された液冷媒の残部が蒸発器1へと導かれる。このような構成によれば、放熱回路15に専用のポンプが必要とされない。ただし、放熱回路15の流路15aが凝縮器3に直接的に接続されていてもよく、放熱回路15に専用のポンプが設けられていてもよい。

0091

本開示の技術は、空気調和装置、チラー蓄熱装置などに有用である。

0092

1蒸発器
2圧縮機
3凝縮器
4流量調整弁
5ポンプ
10蒸気経路
10a上流部分
10b 下流部分
11 戻し経路
11a 上流部分
11b 下流部分
12,13吸熱回路
13a熱交換器
14,15放熱回路
16冷却液回路
17 熱交換器
18冷却塔
20a圧力センサ
20b 圧力センサ
21aレベルセンサ
21b レベルセンサ
23圧力調整弁
24 圧力センサ
25温度センサ
26 圧力センサ
29制御器
33弁体
34アクチュエータ
37ハウジング
39a冷媒入口
40a冷媒出口
50オリフィス
52メタル板
60 オリフィス
60p 一次側開口
60q 二次側開口
71〜75 オリフィス
71p〜75p 一次側開口
71q〜75q 二次側開口
76 オリフィス
76p 一次側開口
76q 二次側開口
80縮流部
100膨張弁
101ロータ
102コイル
103 弁体
104弁針
105 入口
106出口
107 オリフィス
200,300 冷凍サイクル装置

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  • 株式会社神戸製鋼所の「 冷凍装置」が 公開されました。( 2020/04/23)

    【課題】モータの焼損の防止を図る。【解決手段】 冷凍装置1は、冷凍サイクルのための冷媒を圧縮する圧縮機10と、圧縮機10のモータケーシング12で画定されたモータ室12aに収容され、圧縮機10を駆動す... 詳細

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