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技術 超音波振動子、超音波診断装置及び超音波振動子の製造方法

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 永田康史柳多貴文森田聖和
出願日 2017年3月16日 (3年11ヶ月経過) 出願番号 2017-051267
公開日 2018年10月4日 (2年4ヶ月経過) 公開番号 2018-153313
状態 特許登録済
技術分野 超音波診断装置 超音波変換器
主要キーワード 傾斜部材 音響反射 略線形 シリコン系ゴム 低融点材料 単振動 伝搬ロス 振動子ホルダ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

簡易な製造プロセスで、より高精度に超音波信号を検出可能な超音波振動子を提供すること。

解決手段

音波送受信を行う圧電素子11と、前記圧電素子11の前面側に設けられた無機音響整合層12と、を備える超音波振動子1であって、前記無機音響整合層12は、音響インピーダンスが互いに異なる二種類以上の無機材料の混合物からなり、音響インピーダンスが背面側から前面側に向かって厚さ方向に連続的に低下するように、前記無機材料の混合物の組成比が厚さ方向に連続的に変化する。

概要

背景

超音波診断装置非破壊検査装置等に利用される超音波振動子が知られている。超音波振動子は、一般に、超音波送受信を行う圧電素子と、当該圧電素子の音響インピーダンス圧電体の音響インピーダンスを表す。以下同じ)と被検体の音響インピーダンスを整合させる音響整合層を有している。

従来より、超音波を送受信した際の音響反射を抑制するため、音響整合層における音響インピーダンスを背面側から前面側に向かって、連続的に又は段階的に変化させる種々の態様が提案されている。

例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂中において、タングステン粉末粒度等が厚さ方向に変化するような音響整合層を形成することによって、当該音響整合層の音響インピーダンスを厚さ方向に連続的に変化させることが記載されている。

又、特許文献2には、互いに異なる音響インピーダンスを有する第1の傾斜部材と第2の傾斜部材を厚さ方向に連結して音響整合層を形成し、平面視における第1の傾斜部材と第2の傾斜部材の構成割合を連続的に変化させることによって、音響整合層の音響インピーダンスを厚さ方向に段階的に変化させることが記載されている。

又、特許文献3には、互いに異なる音響インピーダンスを有する複数の整合層を積層することによって、音響整合層の音響インピーダンスを厚さ方向に段階的に変化させることが記載されている。

概要

簡易な製造プロセスで、より高精度に超音波信号を検出可能な超音波振動子を提供すること。超音波の送受信を行う圧電素子11と、前記圧電素子11の前面側に設けられた無機音響整合層12と、を備える超音波振動子1であって、前記無機音響整合層12は、音響インピーダンスが互いに異なる二種類以上の無機材料の混合物からなり、音響インピーダンスが背面側から前面側に向かって厚さ方向に連続的に低下するように、前記無機材料の混合物の組成比が厚さ方向に連続的に変化する。

目的

本開示は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、簡易な製造プロセスで、より高精度に超音波信号を検出可能な超音波振動子、超音波診断装置及び超音波振動子の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

音波送受信を行う圧電素子と、前記圧電素子の前面側に設けられた無機音響整合層と、を備える超音波振動子であって、前記無機音響整合層は、音響インピーダンスが互いに異なる二種類以上の無機材料の混合物からなり、音響インピーダンスが背面側から前面側に向かって厚さ方向に連続的に低下するように、前記無機材料の混合物の組成比が厚さ方向に連続的に変化する、超音波振動子。

請求項2

二種類以上の前記無機材料は、金属材料又はセラミック材料である、請求項1に記載の超音波振動子。

請求項3

前記無機音響整合層は、第1の前記無機材料及び当該第1の前記無機材料よりも音響インピーダンスが小さい第2の前記無機材料を含み、背面側から前面側に向かって、第1の前記無機材料を主成分とする混合物の層から第2の前記無機材料を主成分とする混合物の層になるように、第1の前記無機材料と第2の前記無機材料の組成比が厚さ方向に連続的に変化する、請求項1又は2に記載の超音波振動子。

請求項4

第1の前記無機材料及び第2の前記無機材料は、それぞれ、Sn及びInである、請求項3に記載の超音波振動子。

請求項5

前記無機音響整合層は、気相堆積法によって形成された層である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の超音波振動子。

請求項6

前記無機音響整合層は、蒸着法によって形成された層である、請求項5に記載の超音波振動子。

請求項7

前記無機音響整合層の音響インピーダンスは、背面側が前記圧電素子と略同一の音響インピーダンスであり、前面側が被検体と略同一の音響インピーダンスである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の超音波振動子。

請求項8

前記無機音響整合層の前面に、更に有機材料を含んで構成される有機音響整合層を有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の超音波振動子。

請求項9

前記有機音響整合層は、音響インピーダンスが背面側の方が前面側よりも大きくなるように形成される、請求項8に記載の超音波振動子。

請求項10

前記無機音響整合層の音響インピーダンスは、背面側が前記圧電素子と略同一の音響インピーダンスであり、前面側が前記有機音響整合層と略同一の音響インピーダンスである、請求項8又は9に記載の超音波振動子。

請求項11

請求項1乃至10のいずれか一項に記載の超音波振動子を有する超音波診断装置

請求項12

超音波の送受信を行う圧電素子と、前記圧電素子の前面側に設けられた無機音響整合層と、を備える超音波振動子の製造方法であって、前記無機音響整合層は、音響インピーダンスが互いに異なる二種類以上の無機材料の混合物からなり、音響インピーダンスが背面側から前面側に向かって厚さ方向に連続的に低下するように、前記無機材料の混合物の組成比を厚さ方向に連続的に変化するように気相堆積させる、超音波振動子の製造方法。

請求項13

前記無機音響整合層は、二種類以上の前記無機材料の蒸発源それぞれからの単位時間当たりの蒸発量を変化させることによって、前記無機材料の混合物の組成比を厚さ方向に連続的に変化させる、請求項12に記載の超音波振動子の製造方法。

技術分野

0001

本開示は、超音波振動子超音波診断装置及び超音波振動子の製造方法に関する。

背景技術

0002

超音波診断装置や非破壊検査装置等に利用される超音波振動子が知られている。超音波振動子は、一般に、超音波送受信を行う圧電素子と、当該圧電素子の音響インピーダンス圧電体の音響インピーダンスを表す。以下同じ)と被検体の音響インピーダンスを整合させる音響整合層を有している。

0003

従来より、超音波を送受信した際の音響反射を抑制するため、音響整合層における音響インピーダンスを背面側から前面側に向かって、連続的に又は段階的に変化させる種々の態様が提案されている。

0004

例えば、特許文献1には、エポキシ樹脂中において、タングステン粉末粒度等が厚さ方向に変化するような音響整合層を形成することによって、当該音響整合層の音響インピーダンスを厚さ方向に連続的に変化させることが記載されている。

0005

又、特許文献2には、互いに異なる音響インピーダンスを有する第1の傾斜部材と第2の傾斜部材を厚さ方向に連結して音響整合層を形成し、平面視における第1の傾斜部材と第2の傾斜部材の構成割合を連続的に変化させることによって、音響整合層の音響インピーダンスを厚さ方向に段階的に変化させることが記載されている。

0006

又、特許文献3には、互いに異なる音響インピーダンスを有する複数の整合層を積層することによって、音響整合層の音響インピーダンスを厚さ方向に段階的に変化させることが記載されている。

先行技術

0007

特開昭54−021082号公報
特開2011−077789号公報
特開2014−188009号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1乃至3の従来技術に係る音響整合層は、いずれも、音響整合層の層内部や圧電素子との接触面等において、音響インピーダンスの変化幅が大きい境界面が形成されてしまうため、当該境界面において音響反射が生じる。その結果、音響伝搬ロスが発生し、超音波信号反射エコーに係る受信信号を表す。以下同じ)の検出精度が悪化してしまう課題がある。又、従来技術に係る音響整合層は、製造プロセス自体が煩雑且つ困難である。

0009

例えば、特許文献1に係る従来技術では、エポキシ樹脂とタングステン粉末の音響インピーダンスの変化幅が大きく、当該タングステン粉末自体が音響反射の要因となる。又、特許文献1に係る従来技術のように、タングステン粉末の量や粒度を、音響整合層内の厚さ方向に連続的に変化するように、精度良く制御すること自体が困難である。

0010

又、特許文献2に係る従来技術では、第1の傾斜部材と第2の傾斜部材を連結する位置において、音響インピーダンスの変化幅が大きい境界面が形成されてしまう。又、特許文献2に係る従来技術では、当該境界面が規則正しく整列することによって、内部共振が発生するおそれもある。加えて、特許文献2に係る従来技術のように、アスペクト比の高い構造物を均一に形成することは、困難である。

0011

本開示は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、簡易な製造プロセスで、より高精度に超音波信号を検出可能な超音波振動子、超音波診断装置及び超音波振動子の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

前述した課題を解決する主たる本開示は、
超音波の送受信を行う圧電素子と、前記圧電素子の前面側に設けられた無機音響整合層と、を備える超音波振動子であって、
前記無機音響整合層は、
音響インピーダンスが互いに異なる二種類以上の無機材料の混合物からなり、音響インピーダンスが背面側から前面側に向かって厚さ方向に連続的に低下するように、前記無機材料の混合物の組成比が厚さ方向に連続的に変化する、
超音波振動子である。

0013

又、他の局面では、
上記の超音波振動子を有する超音波診断装置である。

0014

又、他の局面では、
超音波の送受信を行う圧電素子と、前記圧電素子の前面側に設けられた無機音響整合層と、を備える超音波振動子の製造方法であって、
前記無機音響整合層は、
音響インピーダンスが互いに異なる二種類以上の無機材料の混合物からなり、音響インピーダンスが背面側から前面側に向かって厚さ方向に連続的に低下するように、前記無機材料の混合物の組成比を厚さ方向に連続的に変化するように気相堆積させる、
超音波振動子の製造方法である。

発明の効果

0015

本開示に係る超音波振動子によれば、簡易な製造プロセスで、高精度に超音波信号を検出することが可能である。

図面の簡単な説明

0016

第1の実施形態に係る超音波振動子の構成の一例を示す図
第1の実施形態に係る無機音響整合層を形成する工程について説明する図
第1の実施形態に係る無機音響整合層を形成する工程について説明する図
第2の実施形態に係る超音波振動子の構成の一例を示す図
第3の実施形態に係る超音波振動子を適用した超音波診断装置の構成の一例を示す図

実施例

0017

(第1の実施形態)
以下、図1図3を参照して、本実施形態に係る超音波振動子1の構成の一例について説明する。尚、本実施形態に係る超音波振動子1は、単振動子、1Dアレイ振動子又は2Dアレイ振動子等のいずれについても適用可能である。

0018

図1は、本実施形態に係る超音波振動子1の構成の一例を示す図である。尚、以下では、超音波を送信する側(図1中の上側)を前面側及び被検体側として説明する。

0019

超音波振動子1は、背面側から前面側に向かって順に、圧電素子11、無機音響整合層12、及び音響レンズ13を備えている。

0020

圧電素子11は、電気信号機械的な振動を変換し、及び機械的な振動を電気信号に変換して、超音波の送受信を行うトランスデューサーである。圧電素子11は、公知の構成と同様の構成でよく、例えば、圧電体と、当該圧電体の厚さ方向の両側に配設された電極対(図示せず)とを含んで構成される。

0021

圧電体の材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電セラミックスが用いられる。但し、圧電体の材料は、任意であり、例えば、水晶又は有機高分子圧電材料等を用いてもよい。

0022

尚、圧電素子11の背面側には、当該圧電素子11を支持し、後方放射される超音波を吸収し得るバッキング材(図示せず)が配設されている。

0023

音響レンズ13は、超音波振動子1の最前面に配設され、屈折を利用して超音波をスライス方向集束する。音響レンズ13は、例えば、被検体の音響インピーダンスと略同程度の音響インピーダンスを有する軟質高分子材料により形成される。

0024

音響レンズ13の材料は、任意であり、例えば、シリコン系ゴムブタジエン系ゴム共重合体ゴム等を用いることができる。

0025

無機音響整合層12は、圧電素子11と音響レンズ13の間に配設され、圧電素子11の音響インピーダンスと被検体の音響インピーダンスを整合させる。無機音響整合層12は、圧電素子11の音響インピーダンスと被検体(図示せず)の音響インピーダンスの中間の音響インピーダンスを有し、音響インピーダンスが背面側から前面側に向かって厚さ方向に連続的に低下するように形成されている。

0026

無機音響整合層12は、より好適には、圧電素子11の音響インピーダンスと略同一(同一値及びその公差の範囲(例えば、±0.1[MRayl])を含む。以下同じ)の音響インピーダンスから、被検体の音響インピーダンスと略同一の音響インピーダンスまで、厚さ方向に連続的に低下する構成とする。無機音響整合層12の音響インピーダンスは、より好適には、背面側から前面側に向かって厚さ方向に、圧電素子11の音響インピーダンス(圧電セラミックスであれば、例えば、25[MRayl]〜35[MRayl])から、被検体の音響インピーダンス(人体脂肪臓器又は骨であれば、例えば、1[MRayl]〜8[MRayl])まで連続的に低下する構成とする。

0027

無機音響整合層12は、音響インピーダンスが互いに異なる少なくとも二種類以上の無機材料(「第1の無機材料」及び「第2の無機材料」とも称する)の混合物からなり、当該無機材料の混合物の組成比を厚さ方向に連続的に変化させることによって、音響インピーダンスを厚さ方向に連続的に変化させる。尚、無機音響整合層12は、より好適には、音響インピーダンスが厚さ方向に略線形に変化するように、組成比を変化させる。

0028

無機音響整合層12は、より好適には、主成分として、比較的大きい音響インピーダンスを有する第1の無機材料としてSn、及び、比較的小さい音響インピーダンスを有する第2の無機材料としてInを含んで構成される。尚、Snの音響インピーダンスは30[MRayl]程度であり、Inの音響インピーダンスは18[MRayl]程度である。

0029

図1中の右側のグラフは、無機音響整合層12の厚さ方向における無機材料の組成比、及び無機音響整合層12の厚さ方向における音響インピーダンスの一例を示している。

0030

無機音響整合層12は、InとSnの組成比(成分割合)が連続的に変化することによって、音響インピーダンスが厚さ方向に連続的に変化する。図1中の右グラフでは、無機音響整合層12の厚さ方向におけるInとSnの組成比(成分割合)が、背面側においてはSnが主成分(混合物中の略100%がSn)、前面側においてはInが主成分(混合物中の略100%がIn)の組成比となっていることを示している。

0031

無機音響整合層12は、音響インピーダンスの変化幅が大きい境界が形成されないように、音響インピーダンスが互いに異なる無機材料同士が均一に分散した混合物とする。

0032

この点、無機音響整合層12を形成する際には、真空蒸着等の気相堆積法を用いて、第1の無機材料(ここではSn)の単位時間当たり蒸発量と第2の無機材料(ここではIn)の単位時間当たり蒸発量とを時間的に変化させる手法を用いるのが好適である。これによって、無機材料の粒径が小さくなり(例えば、数nmオーダー)、音響インピーダンスが異なる無機材料同士が均一に分散した混合物を形成することができる(詳細は後述)。

0033

無機音響整合層12を形成する材料としては、上記したInとSnの組み合わせが、特に好適である。Inは、Sn中において拡散しやすい特性を有しているため、より音響インピーダンスが異なる無機材料同士が均一に分散した混合物とすることができる。又、InとSnは、低融点材料であるため、気相堆積法で無機音響整合層12を形成する際に、蒸発量の制御性に優れ、好適である。

0034

但し、無機音響整合層12を形成する材料は、上記に限らず、他の無機材料が用いられてもよい。例えば、比較的大きい音響インピーダンスを有する無機材料として、Mn、Ge、Ti、Zn等を用いることができる。又、比較的小さい音響インピーダンスを有する無機材料として、Al、Mg、Ga等を用いることができる。又、音響インピーダンスの異なる無機材料は、二種類に限らず、三種類以上含まれていてもよい。

0035

又、無機音響整合層12を形成する材料は、金属材料に代えて、又は金属材料と共に、セラミックを用いることもできる。比較的大きい音響インピーダンスを有するセラミック材料としては、例えば、LiNbO3等を用いることができる。比較的小さい音響インピーダンスを有するセラミック材料としては、例えば、SiO2、NaCl等を用いることができる。一方、有機材料は、無機材料との間で、音響インピーダンスの変化幅が大きい境界が形成されるため、本実施形態に係る無機音響整合層12には含有されない。

0036

無機音響整合層12の層厚は、例えば、超音波の波長をλとすると、λ/4となるように形成される。

0037

図2図3は、本実施形態に係る無機音響整合層12を形成する工程について説明する図である。

0038

図2は、無機音響整合層12を形成するための製造装置2の一例を示す図である。本実施形態に係る製造装置2は、例えば、第1の無機材料(ここでは、Sn)を蒸発させる第1の蒸発装置21、第2の無機材料(ここでは、In)を蒸発させる第2の蒸発装置22、及び、振動子ホルダ23を備えた真空蒸着装置である。

0039

第1の蒸発装置21は、Sn蒸発源を有し、Sn蒸発源の温度を制御することによって、Sn蒸発源から気相に蒸発するSnの量を制御する。第2の蒸発装置22は、In蒸発源を有し、In蒸発源の温度を制御することによって、In蒸発源から気相に蒸発するInの量を制御する。振動子ホルダ23は、Sn蒸発源及びIn蒸発源と対向するように配設され、前面(図2中の下方)が露出した状態で圧電素子11を保持する。

0040

図3は、無機音響整合層12を形成する際のIn蒸発源からの単位時間当たりの蒸発量[m3/s]の制御、及びSn蒸発源からの単位時間当たりの蒸発量[m3/s]の制御の一例を示す図である。

0041

第1の蒸発装置21及び第2の蒸発装置22は、それぞれ、図3に示すように、同時に、材料を蒸発させつつ、無機音響整合層12の厚さ方向における背面側から前面側に向かって、単位時間あたりの蒸発量を変化させる。

0042

尚、ここでは、無機音響整合層12の背面側においては、当該無機音響整合層12内のSnの含有量が多くなるように、Snを蒸発させる単位時間あたりの蒸発量の方が、Inを蒸発させる単位時間あたりの蒸発量よりも多くなるように、第1の蒸発装置21及び第2の蒸発装置22を制御する。そして、無機音響整合層12の前面側においては、当該無機音響整合層12内のInの含有量が多くなるように、Snを蒸発させる単位時間あたりの蒸発量の方が、Inを蒸発させる単位時間あたりの蒸発量よりも少なくなるように、第1の蒸発装置21及び第2の蒸発装置22を制御する。これによって、図1の右グラフに示したような組成比の無機音響整合層12を形成することができる。

0043

尚、無機音響整合層12を形成した後には、例えば、ダイサーで複数の区画に切断することによって、複数のチャンネルを形成する。そして、無機音響整合層12の前面に音響レンズ13を取り付けると共に、圧電素子11の背面にバッキングを取り付けることによって、超音波振動子1が完成する。

0044

以上、本実施形態に係る超音波振動子1の無機音響整合層12によれば、無機材料の混合物の組成比を厚さ方向に連続的に変化させることによって、音響インピーダンスが背面側から前面側に向かって厚さ方向に連続的に低下する構成を実現する。従って、この超音波振動子1は、音響整合層の内部に、音響インピーダンスの変化が大きい境界面が形成されることを抑制することができ、音響整合層内での音響反射に起因した音響伝搬ロスを低減することができる。その結果、超音波振動子1の感度及び分解能が向上し、より高精度に超音波信号を検出することが可能となる。

0045

又、本実施形態に係る超音波振動子1の無機音響整合層12は、無機材料の混合物の組成比を変化させることで、音響インピーダンスを変化させる構成であるため、比較的容易に音響インピーダンスを微調整することが可能である。従って、音響整合層と圧電素子の接触面、及び、音響整合層と被検体(又は、後述する第2の実施形態の有機音響整合層)の接触面に、音響インピーダンスの変化幅が大きい境界面が発生することを抑制することもできる。

0046

又、本実施形態に係る超音波振動子1の無機音響整合層12は、無機材料の混合物の組成比を厚さ方向に連続的に変化させるという比較的簡易な製造プロセスで形成することが可能であり、スループットの増加、製造コストの抑制にも資することになる。

0047

(第2の実施形態)
以下、図4を参照して、第2の実施形態に係る超音波振動子1について、説明する。

0048

図4は、本実施形態に係る超音波振動子1の構成の一例を示す図である。

0049

本実施形態に係る超音波振動子1は、無機音響整合層12と音響レンズ13の間に、有機材料を含んで構成される有機音響整合層14を備えている点で、第1の実施形態に係る超音波振動子1と相違する。尚、第1の実施形態と共通する構成については、説明を省略する。

0050

第1の実施形態で示した無機音響整合層12は、無機材料のみで形成されるため、超音波振動子1の最前面の音響インピーダンスを所定値以下(例えば、1.0[MRayl]以下)に低減するのが困難である。この点、被検体の種別によっては、超音波振動子1の最前面の音響インピーダンスを所定値以下(例えば、1.0[MRayl])程度まで低減することが必要な場合がある。

0051

本実施形態に係る超音波振動子1は、かかる観点から、有機音響整合層14を用いて、無機音響整合層12と被検体の間の音響インピーダンスの差を補完する。

0052

有機音響整合層14を形成する材料は、公知の材料であってよく、例えば、ポリエチレン、エポキシ樹脂等を用いることができる。

0053

有機音響整合層14は、背面側の音響インピーダンスが無機音響整合層12の前面の音響インピーダンスと略同一となるように形成される。

0054

又、有機音響整合層14は、より好適には、厚さ方向において背面側から前面側に向かって音響インピーダンスが段階的に又は連続的に小さくなるように形成される。尚、有機音響整合層14の音響インピーダンスを厚さ方向において背面側から前面側に向かって段階的に又は連続的に小さくする手法は、公知の手法(例えば、特許文献3を参照)を用いればよい。

0055

以上、本実施形態に係る超音波振動子1によれば、有機音響整合層14を無機音響整合層12の前面側に配設する構成を有する。従って、この超音波振動子1は、被検体の音響インピーダンスが比較的小さい場合であっても、圧電素子11の音響インピーダンスから被検体の音響インピーダンスまで、低下させることができる。

0056

(第3の実施形態)
以下、図5を参照して、第3の実施形態に係る超音波振動子1について、説明する。

0057

図5は、本実施形態に係る超音波振動子1を適用した超音波診断装置Uの構成の一例を示す図である。

0058

本実施形態に係る超音波診断装置Uは、本体Bに超音波プローブAが取り付けられて構成されている。そして、超音波プローブAの先端に、本発明に係る超音波振動子1が配設されている。

0059

本発明に係る超音波振動子1は、上記したように、より高精度に超音波信号を検出することが可能である。従って、本実施形態に係る超音波振動子1は、例えば、かかる超音波診断装置Uの超音波プローブAに好適に適用することができる。これによって、例えば、超音波診断装置Uが生成する超音波画像をより鮮明なものにすることができる。

0060

(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず、種々に変形態様が考えられる。

0061

上記実施形態では、超音波振動子1の一例として、無機音響整合層12の前面側に音響レンズ13を配設する態様を示したが、音響レンズ13を配設しない構成としてもよいのは勿論である。

0062

又、上記実施形態では、超音波振動子1を適用する対象の一例として、超音波診断装置U示したが、その他、種々の非破壊検査装置等にも適用することができる。

0063

以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

0064

本開示に係る超音波振動子によれば、簡易な製造プロセスで、高精度に超音波信号を検出することが可能である。

0065

1超音波振動子
11圧電素子
12無機音響整合層
13音響レンズ
14有機音響整合層
2製造装置
21 第1の蒸発装置
22 第2の蒸発装置
23 振動子ホルダ

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