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技術 電気車用電源システム、電力供給制御方法および追加電源システム

出願人 広島電鉄株式会社公益財団法人鉄道総合技術研究所
発明者 藤元秀樹東耕一山広昭善小笠正道田口義晃門脇悟志
出願日 2017年3月13日 (3年9ヶ月経過) 出願番号 2017-047162
公開日 2018年9月27日 (2年2ヶ月経過) 公開番号 2018-152979
状態 未査定
技術分野 車両の電気的な推進・制動
主要キーワード 開閉指示信号 状態遷移指示 駆動電力供給 通流状態 集電靴 主フィルタ DC変換装置 電流流出
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

電化区間および非電化区間の両区間走行を可能にする電気車用電源システムにおいて、非電化区間に対応するための必要艤装空間の低減を図ること。

解決手段

パンタグラフPTから集電された電力に基づき第1電圧直流電力が供給される直流電力ラインに接続された補機回路XMCと、主開閉装置SWA,SWBを介して直流電力ラインに接続され、主電動機Mを駆動する電力を供給する主変換回路TCA,TCBと、を備えた電気車用電源システムPSにおいて、第1リアクトルFL1と、第1リアクトルFL1を介して直流電力ラインに接続された充放電電圧変換回路PCと、第2リアクトルFL2と、第2リアクトルFL2を介して充放電電圧変換回路PCと接続された蓄電池電圧が第1電圧とは異なる第2電圧である蓄電池BTと、主開閉装置SWA,SWBと主変換回路TCA,TCBとの中間部に蓄電池BTを接続する第3開閉装置SW3とを備える。

概要

背景

電気車蓄電池を搭載し、電化区間では架線から供給される電力に基づき主電動機を駆動するとともに蓄電池を充電し、非電化区間では蓄電池の電力に基づき主電動機を駆動する電気車用電源システムが開発されている(例えば、特許文献1,2参照)。

概要

電化区間および非電化区間の両区間走行を可能にする電気車用電源システムにおいて、非電化区間に対応するための必要艤装空間の低減をること。パンタグラフPTから集電された電力に基づき第1電圧直流電力が供給される直流電力ラインに接続された補機回路XMCと、主開閉装置SWA,SWBを介して直流電力ラインに接続され、主電動機Mを駆動する電力を供給する主変換回路TCA,TCBと、を備えた電気車用電源システムPSにおいて、第1リアクトルFL1と、第1リアクトルFL1を介して直流電力ラインに接続された充放電電圧変換回路PCと、第2リアクトルFL2と、第2リアクトルFL2を介して充放電電圧変換回路PCと接続された蓄電池電圧が第1電圧とは異なる第2電圧である蓄電池BTと、主開閉装置SWA,SWBと主変換回路TCA,TCBとの中間部に蓄電池BTを接続する第3開閉装置SW3とを備える。

目的

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電化区間および非電化区間の両区間の走行を可能にする電気車用電源システムにおいて、非電化区間に対応するための必要艤装空間の低減を図る新たな電気車用電源システムを提案することである

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

集電状態および非集電状態に状態遷移可能な集電器によって電車線から集電された電力に基づき第1電圧直流電力が供給される直流電力ラインに接続された補機類に係る補機回路と、主開閉装置を介して前記直流電力ラインに接続され、主電動機を駆動する電力を供給する主変換回路と、を備えた電気車用電源システムであって、第1リアクトルを介して前記直流電力ラインに接続された充放電電圧変換回路と、第2リアクトルを介して前記充放電電圧変換回路と接続され、前記主開閉装置と前記主変換回路との中間部に開閉装置を介して接続されて、蓄電池電圧が前記第1電圧とは異なる第2電圧である蓄電池と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記開閉装置の投入、前記主開閉装置の開放、前記集電器の非集電状態への遷移、および、前記充放電電圧変換回路の前記第2電圧から前記第1電圧への放電電圧変換動作、の実行を制御することで前記蓄電池の電力をもとに走行する蓄電池走行モードに切り替える制御を行うことと、前記開閉装置の開放、前記主開閉装置の投入、前記集電器の集電状態への遷移、および、前記充放電電圧変換回路の前記第1電圧から前記第2電圧への充電電圧変換動作、の実行を制御することで前記電車線から集電された電力をもとに走行するとともに前記蓄電池を充電する集電走行モードに切り替える制御を行うことと、を実行する、電気車用電源システム。

請求項2

前記制御部は、前記集電走行モードから前記蓄電池走行モードに切り替える場合に、前記充放電電圧変換回路の前記放電電圧変換動作、前記主開閉装置の開放、前記集電器の非集電状態への遷移、前記開閉装置の投入、の順に実行制御する、請求項1に記載の電気車用電源システム。

請求項3

前記制御部は、前記蓄電池走行モードから前記集電走行モードに切り替える場合に、前記開閉装置の開放、前記集電器の集電状態への遷移、前記充放電電圧変換回路の前記電電圧変換動作、前記主開閉装置の投入、の順に実行制御する、請求項1又は2に記載の電気車用電源システム。

請求項4

集電状態および非集電状態に状態遷移可能な集電器によって電車線から集電された電力に基づき第1電圧の直流電力が供給される直流電力ラインに接続された補機類に係る補機回路と、主開閉装置を介して前記直流電力ラインに接続され、主電動機を駆動する電力を供給する主変換回路と、第1リアクトルを介して前記直流電力ラインに接続された充放電電圧変換回路と、第2リアクトルを介して前記充放電電圧変換回路と接続され、前記主開閉装置と前記主変換回路との中間部に開閉装置を介して接続されて、蓄電池電圧が前記第1電圧とは異なる第2電圧である蓄電池と、を備えた電気車用電源システムにおける電力供給制御方法であって、前記開閉装置の投入、前記主開閉装置の開放、前記集電器の非集電状態への遷移、および、前記充放電電圧変換回路の前記第2電圧から前記第1電圧への放電電圧変換動作、の実行を制御することで前記蓄電池の電力をもとに走行する蓄電池走行モードに切り替えるステップと、前記開閉装置の開放、前記主開閉装置の投入、前記集電器の集電状態への遷移、および、前記充放電電圧変換回路の前記第1電圧から前記第2電圧への充電電圧変換動作、の実行を制御することで前記電車線から集電された電力をもとに走行するとともに前記蓄電池を充電する集電走行モードに切り替えるステップと、を含む電力供給制御方法。

請求項5

集電状態および非集電状態に状態遷移可能な集電器によって電車線から集電された電力に基づき第1電圧の直流電力が供給される直流電力ラインに接続された補機類に係る補機回路と、主開閉装置を介して前記直流電力ラインに接続され、主電動機を駆動する電力を供給する主変換回路と、を備えた電気車用電源システムにおける追加電源システムであって、第1リアクトルと、前記第1リアクトルを介して前記直流電力ラインに接続された充放電電圧変換回路と、第2リアクトルと、前記第2リアクトルを介して前記充放電電圧変換回路と接続された蓄電池電圧が前記第1電圧とは異なる第2電圧である蓄電池と、前記主開閉装置と前記主変換回路との中間部と、前記蓄電池とを接続する開閉装置と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記開閉装置の投入、前記主開閉装置の開放、前記集電器の非集電状態への遷移、および、前記充放電電圧変換回路の前記第2電圧から前記第1電圧への放電電圧変換動作、の実行を制御することで前記蓄電池の電力をもとに走行する蓄電池走行モードに切り替える制御を行うことと、前記開閉装置の開放、前記主開閉装置の投入、前記集電器の集電状態への遷移、および、前記充放電電圧変換回路の前記第1電圧から前記第2電圧への充電電圧変換動作、の実行を制御することで前記電車線から集電された電力をもとに走行するとともに前記蓄電池を充電する集電走行モードに切り替える制御を行うことと、を実行する、追加電源システム。

技術分野

0001

本発明は、電気車用電源システム等に関する。

背景技術

0002

電気車蓄電池を搭載し、電化区間では架線から供給される電力に基づき主電動機を駆動するとともに蓄電池を充電し、非電化区間では蓄電池の電力に基づき主電動機を駆動する電気車用電源システムが開発されている(例えば、特許文献1,2参照)。

先行技術

0003

特開2016−163365号公報
特開2015−65732号公報

発明が解決しようとする課題

0004

電化区間および非電化区間の両区間走行を可能にする電気車用電源システムは、電化区間のみを走行する電気車の電源ステムに比べて、非電化区間に対応するための多くの機器配線が必要となり、その分の艤装空間を確保する必要がある。

0005

しかしながら、従来の技術では、特許文献1や特許文献2に代表されるように、主電動機へ駆動電力を供給する主変換回路(特許文献1のVVVFインバータ7、特許文献2のインバータ装置5に相当)への駆動電力供給ライン引用文献1の中間回路4に相当)に蓄電池(引用文献1の蓄電素子6、引用文献2の蓄電手段9に相当)を接続して充放電する構成を採用するのが一般的であった。そのため、蓄電池の入出力段に大型のリアクトル(引用文献1のリアクトル5、引用文献2の平滑リアクトル11に相当)を設備する必要があったり、大型の充放電電圧変換回路(特許文献2では、DC−DC変換装置8、平滑リアクトル11および平滑コンデンサ12で構成されるチョッパ装置に相当)を設備する必要があった。そのため、艤装空間の低減には限界があった。

0006

本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電化区間および非電化区間の両区間の走行を可能にする電気車用電源システムにおいて、非電化区間に対応するための必要艤装空間の低減を図る新たな電気車用電源システムを提案することである。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するための第1の発明は、
集電状態および非集電状態に状態遷移可能な集電器(例えば、図1パンタグラフPT)によって電車線から集電された電力に基づき第1電圧直流電力が供給される直流電力ラインに接続された補機類に係る補機回路(例えば、図1の補機回路XMC)と、主開閉装置(例えば、図1の主開閉装置SWA,SWB)を介して前記直流電力ラインに接続され、主電動機を駆動する電力を供給する主変換回路(例えば、図1の主変換回路TCA,TCB)と、を備えた電気車用電源システムであって、
第1リアクトル(例えば、図1の第1リアクトルFL1)を介して前記直流電力ラインに接続された充放電電圧変換回路(例えば、図1の充放電電圧回路PC)と、
第2リアクトル(例えば、図1の第2リアクトルFL2)を介して前記充放電電圧変換回路と接続され、前記主開閉装置と前記主変換回路との中間部に開閉装置(例えば、図1の第3開閉装置SW3)を介して接続されて、蓄電池電圧が前記第1電圧とは異なる第2電圧である蓄電池(例えば、図1の蓄電池BT)と、
制御部(例えば、図1の制御部CTR)と、
を備え、
前記制御部は、
前記開閉装置の投入、前記主開閉装置の開放、前記集電器の非集電状態への遷移、および、前記充放電電圧変換回路の前記第2電圧から前記第1電圧への放電電圧変換動作、の実行を制御することで前記蓄電池の電力をもとに走行する蓄電池走行モードに切り替える制御を行うことと(例えば、図5,6)、
前記開閉装置の開放、前記主開閉装置の投入、前記集電器の集電状態への遷移、および、前記充放電電圧変換回路の前記第1電圧から前記第2電圧への充電電圧変換動作、の実行を制御することで前記電車線から集電された電力をもとに走行するとともに前記蓄電池を充電する集電走行モードに切り替える制御を行うことと(例えば、図7,8)、
を実行する、
電気車用電源システムである。

0008

また、他の発明として、
集電状態および非集電状態に状態遷移可能な集電器によって電車線から集電された電力に基づき第1電圧の直流電力が供給される直流電力ラインに接続された補機類に係る補機回路と、主開閉装置を介して前記直流電力ラインに接続され、主電動機を駆動する電力を供給する主変換回路と、第1リアクトルを介して前記直流電力ラインに接続された充放電電圧変換回路と、第2リアクトルを介して前記充放電電圧変換回路と接続され、前記主開閉装置と前記主変換回路との中間部に開閉装置を介して接続されて、蓄電池電圧が前記第1電圧とは異なる第2電圧である蓄電池と、を備えた電気車用電源システムにおける電力供給制御方法であって、
前記開閉装置の投入、前記主開閉装置の開放、前記集電器の非集電状態への遷移、および、前記充放電電圧変換回路の前記第2電圧から前記第1電圧への放電電圧変換動作、の実行を制御することで前記蓄電池の電力をもとに走行する蓄電池走行モードに切り替えるステップと、
前記開閉装置の開放、前記主開閉装置の投入、前記集電器の集電状態への遷移、および、前記充放電電圧変換回路の前記第1電圧から前記第2電圧への充電電圧変換動作、の実行を制御することで前記電車線から集電された電力をもとに走行するとともに前記蓄電池を充電する集電走行モードに切り替えるステップと、
を含む電力供給制御方法を構成することとしてもよい。

0009

また、他の発明として、
集電状態および非集電状態に状態遷移可能な集電器によって電車線から集電された電力に基づき第1電圧の直流電力が供給される直流電力ラインに接続された補機類に係る補機回路と、主開閉装置を介して前記直流電力ラインに接続され、主電動機を駆動する電力を供給する主変換回路と、を備えた電気車用電源システムにおける追加電源システム(例えば、図1の追加電源システムAPS)であって、
第1リアクトル(例えば、図1の第1リアクトルFL1)と、
前記第1リアクトルを介して前記直流電力ラインに接続された充放電電圧変換回路(例えば、図1の充放電電圧変換回路PC)と、
第2リアクトル(例えば、図1の第2リアクトルFL2)と、
前記第2リアクトルを介して前記充放電電圧変換回路と接続された蓄電池電圧が前記第1電圧とは異なる第2電圧である蓄電池(例えば、図1の蓄電池BT)と、
前記主開閉装置と前記主変換回路との中間部と、前記蓄電池とを接続する開閉装置(例えば、図1の第3開閉装置SW3)と、
制御部(例えば、図1の制御部CTR)と、
を備え、
前記制御部は、
前記開閉装置の投入、前記主開閉装置の開放、前記集電器の非集電状態への遷移、および、前記充放電電圧変換回路の前記第2電圧から前記第1電圧への放電電圧変換動作、の実行を制御することで前記蓄電池の電力をもとに走行する蓄電池走行モードに切り替える制御を行うことと、
前記開閉装置の開放、前記主開閉装置の投入、前記集電器の集電状態への遷移、および、前記充放電電圧変換回路の前記第1電圧から前記第2電圧への充電電圧変換動作、の実行を制御することで前記電車線から集電された電力をもとに走行するとともに前記蓄電池を充電する集電走行モードに切り替える制御を行うことと、
を実行する、
追加電源システムを構成することとしてもよい。

0010

この第1の発明等によれば、非電化区間に対応するための必要艤装空間の低減を図る新たな電気車用電源システムを実現することができる。具体的には、蓄電池と主変換回路とを結ぶ電力ラインと、蓄電池と補機回路とを結ぶ電力ラインとを別々に設け、充放電電圧変換回路を蓄電池と補機回路との間に設ける構成とする。非電化区間を走行する際の蓄電池走行モードにおいては、蓄電池からの放電電力および蓄電池への回生充電電力を、充放電電圧変換回路を介さずに主変換回路と授受することが可能となる。充放電電圧変換回路は、主電動機の駆動および回生電力に対応する容量とする必要が無く、補機回路の動作電力に対応する容量で済むため、その分の小型化を実現できる。また、第1リアクトルおよび第2リアクトルは、主電動機の駆動および回生電力に対応する容量とする必要が無いため、リアクトルの小型化も図ることができる。

0011

また、上述した他の発明の追加電源システムによれば、電化区間にのみ対応していた電気車用電源システムの機器を利用して、非電化区間に対応可能となる。

0012

第2の発明は、第1の発明において、
前記制御部が、
前記集電走行モードから前記蓄電池走行モードに切り替える場合に、前記充放電電圧変換回路の前記放電電圧変換動作、前記主開閉装置の開放、前記集電器の非集電状態への遷移、前記開閉装置の投入、の順に実行制御する(例えば、図5)、
電気車用電源システムである。

0013

この第2の発明によれば、集電走行モードから蓄電池走行モードへの適切な切り替えを実現することができる。具体的には、蓄電池走行モードへの切り替えに際して、突流発生や電車線への逆流を防止しつつ、車内照明や空調などの補機動作を継続させたままの切り替えを実現することができる。

0014

第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記制御部が、
前記蓄電池走行モードから前記集電走行モードに切り替える場合に、前記開閉装置の開放、前記集電器の集電状態への遷移、前記充放電電圧変換回路の前記電電圧変換動作、前記主開閉装置の投入、の順に実行制御する(例えば、図7)、
電気車用電源システムである。

0015

この第3の発明によれば、蓄電池走行モードから集電走行モードへの適切な切り替えを実現することができる。具体的には、集電走行モードへの切り替えに際して、突流発生や電車線への逆流を防止しつつ、車内照明や空調などの補機動作を継続させたままの切り替えを実現することができる。

図面の簡単な説明

0016

本実施形態における電源システムの概略構成を示す図。
主開閉装置の回路構成の一例を示す図。
放電電圧変換回路の回路構成の一例を示す図。
第1〜第3開閉装置の回路構成の一例を示す図。
蓄電池走行モードへの切り替え制御手順を説明するための図。
蓄電池走行モードにおける電気の流れを示す図。
集電走行モードへの切り替え制御手順を説明するための図。
集電走行モードにおける電気の流れを示す図。
蓄電池の充電が不要な場合の集電走行モードへの切り替え制御手順を説明するための図。
電源システムの変形例の構成を示す図。

実施例

0017

以下、図面を参照して本発明を適用した一実施形態を説明するが、本発明を適用可能な形態は以下の実施形態に限られるものではない。例えば、理解を容易にするために、電圧の一例を示して説明するが、本発明を適用可能な形態は、以下説明する電圧に限られるものではない。

0018

図1は、本実施形態における直流電気車の電源システムPSの概略構成を示す図である。本実施形態の電源システムPSは、電化区間のみを走行するための既存の電源システム(図1における追加電源システムAPS以外の機器からなる)に対して、非電化区間に対応するための追加電源システムAPSを追加設備した構成を有する。追加電源システムAPSを設備したことにより、非電化区間を走行するための蓄電池走行モードと、電化区間を走行するための集電走行モードとの両方に対応する。

0019

追加電源システムAPSは、図1網掛けで示した艤装機器類RASと、制御部CTRとを含んでおり、制御部CTRは、独立した制御装置として構成してもよいし、制御ボードとして構成して既存の制御装置内に組み込んで実現することもできる。

0020

電源システムPSのうち、既存の電源システムは、パンタグラフPTによって電車線から集電された電力に基づく第1電圧の直流電力ラインに、補機回路XMCと、主開閉装置SWMを介した主電動機に係る回路(A系回路およびB系回路)とが並列に接続された構成となっている。

0021

主電動機に係る回路は、図1の電源システムPSではA系回路とB系回路との2系統としているが、1系統のみとしてもよいし、3系統以上の回路を並列に備える構成としてもよい。また、1つの系統が、2台以上の主電動機Mに駆動電力を供給するいわゆる1C2Mや1C4M等の構成を採用することとしてもよい。

0022

A系回路は、主開閉装置SWAと、主フィルタリアクトルFLAと、主変換回路TCAとが直列に接続された構成を有する。B系回路も同様に、主開閉装置SWBと、主フィルタリアクトルFLBと、主変換回路TCBとが直列に接続された構成を有する。主変換回路TCA,TCBは、単相電力三相電力に変換して主電動機Mに駆動電力を供給するインバータ装置であり、入力段に不図示の主フィルタコンデンサを有して構成される。なお、本実施形態では、主変換回路TCA,TCBは第1電圧および第2電圧に対応可能である必要があるが、国内の低圧系直流架線電圧直流600Vと直流750Vの2つであり、一般に、直流600V用と直流750V用の主変換回路は共通設計されることを付言しておく。また、主変換回路の耐圧の範囲内であれば、原理上、本実施形態における第1電圧および第2電圧は任意に選択することができる。

0023

パンタグラフPTは、制御部CTRからの状態遷移指示信号Pに基づいて集電状態および非集電状態に状態遷移可能な集電器の一例である。電車線を第3軌条方式とする場合には、パンタグラフPTの代わりに集電器を集電靴として構成することができる。

0024

補機回路XMCは、補機および補機に電力を供給する回路(例えば、静止型インバータ)等を含む電気回路であり、第1電圧に基づいて動作する。

0025

主開閉装置SWMは、制御部CTRからの開閉指示信号Nに基づいて、直流電力ラインと、A系回路およびB系回路との切り離し/接続を行う開閉装置であり、例えば高速度遮断器によって実現することができる。本実施形態の蓄電池走行モードおよび集電走行モードにおいては投入状態とされるため、原則、開放状態とされることはない。

0026

A系回路の主開閉装置SWAは、制御部CTRからの開閉指示信号Aに基づいて、直流電力ラインとA系回路との切り離し/接続を行う開閉装置であり、例えば接触器を用いて構成することができる。B系回路の主開閉装置SWBも同様に、制御部CTRからの開閉指示信号Bに基づいて、直流電力ラインとB系回路との切り離し/接続を行う開閉装置であり、例えば接触器を用いて構成することができる。主開閉装置SWA,SWBは、互いに並列に、且つ、主開閉装置SWMに対しては直列に接続されている。このため、主開閉装置SWMが開放される場合、主開閉装置SWA,SWBが投入状態にあってもA系回路およびB系回路は、直流電力ラインから切り離されることとなる。

0027

主開閉装置SWA,SWBを接触器を用いて構成する場合、例えば図2に示すように、充電抵抗CDRと充電抵抗用接触器MKとの直列接続に、充電抵抗バイパス用接触器LBを並列に接続した構成を採用することができる。図2の構成を採用する場合、投入時に、先に充電抵抗用接触器MKを投入状態とした後に、充電抵抗バイパス用接触器LBを後から投入する。これにより、投入時の主変換回路TCA,TCB内の主フィルタコンデンサへの突流を充電抵抗CDRによって防止し、主フィルタコンデンサが所定電圧にほぼ達する段階でその後の電力損失低減のために充電抵抗CDRを短絡する。これは時素を持たせて一定時間後に短絡する従来の手法を採用することができる。

0028

次に、追加電源システムAPSの構成を説明する。追加電源システムAPSは、第1リアクトルFL1と、第1リアクトルFL1を介して直流電力ラインに接続された充放電電圧変換回路PCと、第2リアクトルFL2と、第2リアクトルFL2を介して充放電電圧変換回路PCと接続された蓄電池BTと、第1〜第3開閉装置SW1,SW2,SW3と、制御部CTRと、を備える。このうち、制御部CTR以外の機器が艤装機器類RASである。

0029

蓄電池BTは、例えばリチウムイオンバッテリ等のバッテリセルを複数接続したバッテリモジュールであり、蓄電池電圧が、直流電力ラインの第1電圧とは異なる第2電圧に構成されている。第1電圧と異なる電圧としたことで充放電時の通流方向が定まり、充放電電圧変換回路PCを例えば1アーム構成のチョッパ装置といった簡素な回路構成で実現することができる。

0030

また、蓄電池BTに係る電力ラインは2つある。1つは、蓄電池BTを、第3開閉装置SW3を介して、主開閉装置SWA,SWBと主変換回路TCA,TCBとの中間部、より詳細には主開閉装置SWA,SWBと主フィルタリアクトルFLA,FLBとの間に接続する電力ラインである。この電力ラインは、蓄電池走行モードにおいて、主電動機Mの駆動電力となる蓄電池BTからの放電電力、又は、蓄電池BTへの回生充電電力を主変換回路TCA,TCBと授受するラインとして利用される。具体的には、この電力ラインは、蓄電池走行モードにおいて第3開閉装置SW3が投入状態とされることで開通し、集電走行モードにおいて第3開閉装置SW3が開放状態とされることで非開通となる。

0031

もう1つは、蓄電池BTを、充放電電圧変換回路PCを介して直流電力ラインに接続する電力ラインである。より詳細には、蓄電池BT側から、第2開閉装置SW2、第2リアクトルFL2、充放電電圧変換回路PC、第1リアクトルFL1、第1開閉装置SW1の順に直列に接続して、直流電力ラインに接続する電力ラインである。この電力ラインは、蓄電池走行モードにおける蓄電池BTから補機回路XMCへの放電時、および、集電走行モードにおける電車線からの蓄電池BTへの充電時に利用され、放電時には、放電電力が直流電力ラインを介して補機回路XMCの動作電力として供給され、充電時には、集電電力が直流電力ラインから蓄電池BTへ充電電力として供給される。

0032

蓄電池BTに係る電力ラインを2つ設けたことにより、非電化区間を走行する蓄電池走行モードにおいては、蓄電池BTからの放電電力および蓄電池BTへの回生充電電力を、充放電電圧変換回路PCを介さずに主変換回路TCA,TCBと授受することが可能となる。このため、充放電電圧変換回路PCは、主電動機Mの駆動および回生電力に対応する容量とする必要が無く、補機回路XMCの動作電力に対応する容量で済むため、その分の小型化を実現できる。また、第1リアクトルFL1および第2リアクトルFL2は、主電動機Mの駆動および回生電力に対応する容量とする必要が無いため、リアクトルの小型化も図ることができる。

0033

充放電電圧変換回路PCを、1アーム構成のチョッパ回路で実現した場合の回路構成の例を図3に示す。図3に向かって左側が高圧側、右側が低圧側であり、蓄電池BTの蓄電池電圧(第2電圧)が、直流電力ラインの第1電圧より高い構成の場合には、左側が蓄電池BT側に、右側が直流電力ライン側に接続される。第2電圧が第1電圧より低い構成の場合には、逆の接続となる。

0034

充放電電圧変換回路PCのスイッチング動作は、適宜公知技術を利用して実現することができる。そのため、本実施形態では、充放電電圧変換回路PCは、制御部CTRから入力される動作司令信号Sに基づいて充放電動作を行うこととして説明し、具体的な充放電電圧変換回路PCのスイッチング動作自体の制御についは省略するが、スイッチング動作の制御は、充放電電圧変換回路PC内に制御回路を備えて実現することとしてもよいし、制御部CTRが行うこととしてもよい。

0035

充放電電圧変換回路PCには、高圧側の電圧を検出する電圧センサVDCHと、高圧側の電流を検出する電流センサIDCHと、低圧側の電圧を検出するは電圧センサVDCLと、低圧側の電流を検出する電流センサIDCLとが備えられており、各センサの検出結果が制御部CTR乃至スイッチング動作制御を行う制御回路に入力されて、充放電電圧変換回路PCの動作制御に利用される。

0036

第1〜第3開閉装置SW1,SW2,SW3は、それぞれ制御部CTRからの開閉指示信号に基づいて開閉動作(開放/投入)を行う開閉装置であり、例えば、高速度遮断器や接触器を用いて構成することができる。例えば、図2に示した回路構成や、図2の回路の前段に高速度遮断器HBを更に直列に接続した図4の回路構成を採用することができる。本実施形態では、電気車の運行中は、蓄電池BTを主変換回路TCA,TCBへの放電および回生充電に用いるほか、充放電電圧変換回路PCを介して第1電圧への放電(蓄電池走行モード)または充放電電圧変換回路PCを介して第1電圧からの充電(集電走行モード)に用いるので、蓄電池BTそのものを切り離す制御を行わない、すなわち第1開閉装置SW1および第2開閉装置SW2は開放状態とされることがなく、投入状態として維持される。

0037

制御部CTRは、蓄電池BTの蓄電電力をもとに走行する蓄電池走行モードと、電車線から集電された電力をもとに走行するとともに蓄電池BTを充電する集電走行モードとを切り替える制御を司る。走行モードの切り替えは、電気車の停止時又は惰走時に行うこととする。蓄電池走行モードでは、第3開閉装置SW3の投入、主開閉装置SWA,SWBの開放、パンタグラフPTの非集電状態への遷移、および、充放電電圧変換回路PCの第2電圧から第1電圧への放電電圧変換動作、の実行を制御する。集電走行モードでは、第3開閉装置SW3の開放、主開閉装置SWA,SWBの投入、パンタグラフPTの集電状態への遷移、および、充放電電圧変換回路PCの第1電圧から第2電圧への充電電圧変換動作、の実行を制御する。

0038

具体的に、図5〜9を参照して制御部CTRの制御動作を詳細に説明する。ここでは、第1電圧を600V、第2電圧を750Vとする。
図5は、蓄電池走行モードへの切り替え制御手順を説明するための図である。まず、制御部CTRは、第1開閉装置SW1が投入状態でなければ投入し(1)、次に、第2開閉装置SW2が投入状態でなければ投入する(2)。蓄電池走行モードへ切り替える前の状態が蓄電池BTを充放電電圧変換回路PCを介して充電することができる集電走行モードであれば、第1開閉装置SW1および第2開閉装置SW2は投入状態であるため、投入制御は不要となる。第1開閉装置SW1および第2開閉装置SW2が投入されることで、第1リアクトルFL1および第2リアクトルFL2に電気が流れ、充放電電圧変換回路PC内のフィルタコンデンサが充電されることとなる。

0039

次いで、充放電電圧変換回路PCに放電動作(第2電圧→第1電圧への変換動作)を開始させる(3)。このときの充放電電圧変換回路PCの動作は、出力電圧を第1電圧(低電圧側の電圧(600V))に合わせる電圧変換動作とする。結果的に出力電流をほぼゼロ電流とする制御となり、蓄電池BTから集電線への不用意電流流出を防止する。充放電電圧変換回路PCが放電動作を開始するが、ほぼゼロ電流であるため、補機回路XMCへの電力は、電車線から供給されている状態にある。

0040

次いで、主開閉装置SWA,SWBを開放する(4)。これにより、A系回路およびB系回路は、直流電力ラインから切り離される。なお、主開閉装置SWMは、蓄電池走行モードへ切り替える前の集電走行モードにおいても投入状態であるため、投入状態のままである。

0041

そして、パンタグラフPTを非集電状態へ遷移させるべく、降下させる(5)。この結果、補機回路XMCへの電力供給元が、電車線から、充放電電圧変換回路PCを介した蓄電池BTに切り替わる。この結果、充放電電圧変換回路PCから放電電流が流れ始めるが、充放電電圧変換回路PCの出力電圧を第1電圧(低電圧側の電圧(600V))に合わせる電圧変換動作が継続して行われているため、補機回路XMCは継続して第1電圧で動作することができる。

0042

そして最後に、第3開閉装置SW3を投入する(6)。これにより、蓄電池BTと、A系回路およびB系回路との電力ラインが開通して、蓄電池BTの放電電力および蓄電池BTへの回生充電電力が主変換回路TCA,TCBと授受され、主電動機Mの駆動および回生が可能となる。なお、第3開閉装置SW3が投入されることで、主変換回路TCA,TCB内の主フィルタコンデンサが第2電圧で充電されることとなる。

0043

蓄電池走行モードにおける電気の流れを図6に示す。通流状態にある経路太線で示している。

0044

図7は、集電走行モードへの切り替え制御手順を説明するための図である。まず、制御部CTRは、第3開閉装置SW3を開放する(1)。これにより、A系回路およびB系回路は、蓄電池BTから切り離される。

0045

次いで、パンタグラフPTを集電状態へ遷移させるべく、上昇させる(2)。パンタグラフPTが集電状態となる前は、補機回路XMCへの電力は、充放電電圧変換回路PCを介した蓄電池BTの放電電力によって供給されていたが、パンタグラフPTが集電状態となることにより、電車線から供給されることとなる。ここで充放電電圧変換回路PCからの放電電流がほぼゼロになるまで第1電圧を低下させる制御を行うことで、蓄電池BTから電車線への不用意な電流流出を防止する。何れにせよ、補機回路XMCへは、第1電圧(600V)の電力が継続して供給される。

0046

次に、充放電電圧変換回路PCの回路動作充電動作(第1電圧→第2電圧への変換動作)に切り替える(3)。結果、集電線からの集電電力が蓄電池BTへ供給されることとなり、蓄電池BTの充電が開始される。なお、この充電動作は、集電線からの集電電圧が低い箇所では必要に応じて停止すると好適である。

0047

そして最後に、主開閉装置SWA,SWBを投入する(4)。これにより、A系回路およびB系回路が直流電力ラインに接続され、集電線からの集電電力が主変換回路TCA,TCBへ供給され、主電動機Mの駆動が可能となる。なお、主開閉装置SWA,SWBが投入されることで、主変換回路TCA,TCB内の主フィルタコンデンサが第1電圧で充電されることとなる。その際に、第2電圧から第1電圧に変化した主フィルタコンデンサの余剰又は不足電荷分のみは、第1電圧にある補機回路XMCとの間で瞬間的に授受されるが、電荷量が微小であるため問題とはならない。

0048

集電走行モードにおける電気の流れを図8に示す。通流状態にある経路を太線で示している。

0049

なお、蓄電池BTがフル充電状態にある場合など、集電走行モードにおいて蓄電池BTを充電する必要がない場合には、更に、図9に示すような追加的な制御手順を制御部CTRに行わせればよい。すなわち、充放電電圧変換回路PCの充電動作を、第2電圧(高電圧側の電圧(750V))に合わせる電圧変換動作として出力電流をゼロ電流とする制御を行った後(5)、第1開閉装置SW1を開放し(6)、第2開閉装置SW2を開放する(7)。これにより、電流制御誤差等による微小電力での充電継続に伴う蓄電池BTの過充電を防止することができる。

0050

以上、本実施形態によれば、蓄電池BTと主変換回路TCA,TCBとを結ぶ電力ラインと、蓄電池BTと補機回路XMCとを結ぶ電力ラインとを別々に設け、充放電電圧変換回路PCを蓄電池BTと補機回路XMCとの間に設ける構成とした。これにより、非電化区間を走行する際の蓄電池走行モードにおいては、蓄電池BTからの放電電力および蓄電池BTへの回生充電電力を、充放電電圧変換回路PCを介さずに主変換回路TCA,TCBと授受することが可能となり、充放電電圧変換回路PCは、主電動機Mの駆動および回生電力に対応する容量とする必要が無く、補機回路XMCの動作電力に対応する容量で済むため、その分の小型化を実現できる。また、第1リアクトルFL1および第2リアクトルFL2は、主電動機Mの駆動および回生電力に対応する容量とする必要が無いため、リアクトルの小型化も図ることができる。結果、非電化区間に対応するための必要艤装空間の低減を図ることができる。

0051

また、追加電源システムAPSによれば、電化区間にのみ対応していた電気車用電源システムの機器を利用して、非電化区間に対応可能となる。

0052

更には、蓄電池走行モードへの切り替え、および、集電走行モードへの切り替えの何れにおいても、突流発生や電車線への逆流を防止しつつ、車内照明や空調などの補機動作を継続させたままの切り替えを実現することができる。

0053

なお、本発明を適用可能な形態は上述した実施形態に限られるものではない。
例えば、第3開閉装置SW3の一端側を蓄電池BTとした場合、他端側を、上述した実施形態では、主開閉装置SWA,SWBと主フィルタリアクトルFLA,FLBとの間に接続する構成としたが、図10に示すように、主開閉装置SWMと主開閉装置SWA,SWBとの間に接続する構成を採用することもできる。この場合、上述した実施形態での主開閉装置SWA,SWBの開閉動作を、主開閉装置SWMの開閉動作に置き換える制御とすることで、上述した実施形態と同様の作用効果を実現できる。

0054

また、上述した実施形態では、直流電気車の電源システムとして説明したが、交流電気車に本発明を適用することも可能である。具体的には、直流電力ラインを、交流電気車の直流リンク部(変圧器およびPWM整流器によって電車線の交流電力が直流電力に変換された電力ライン)に見立てて、追加電源システムAPSをその直流リンク部に追加する構成とすることで、非電化区間の走行を可能とすることができる。その場合、パンタグラフPTの集電状態/非集電状態の遷移とともに、PWM整流器の動作/停止を制御すると好適である。

0055

PS電源システム
PTパンタグラフ
XMC補機回路
SWM,SWA,SWB主開閉装置
FLA,FLB主フィルタリアクトル
TCA,TCB主変換回路
M主電動機
APS追加電源システム
CTR制御部
RAS艤装機器類
BT蓄電池
PC充放電電圧変換回路
FL1 第1リアクトル
FL2 第2リアクトル
SW1 第1開閉装置
SW2 第2開閉装置
SW3 第3開閉装置

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