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技術 柑橘類の酸味増強剤および柑橘類の酸味が増強された飲食物の製造方法

出願人 物産フードサイエンス株式会社
発明者 栃尾巧林邦雄澤桃子小林恵理子
出願日 2017年2月28日 (2年8ヶ月経過) 出願番号 2017-037105
公開日 2018年9月13日 (1年2ヶ月経過) 公開番号 2018-139558
状態 未査定
技術分野 調味料 非アルコール性飲料 ゼリ-、ジャム、シロップ
主要キーワード すっぱい 基準未満 屈折計示度 エリスリトール濃度 食品用酸 シトラス属 酸味成分 ショ糖水溶液
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年9月13日)のものです。
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図面 (4)

課題

柑橘類が元来有する酸味を効果的に増強できる酸味増強剤および柑橘類の酸味が増強された飲食物の製造方法を提供する。

解決手段

エリスリトールおよび/またはソルビトールを有効成分とする、柑橘類の酸味増強剤ならびにこれを用いる柑橘類の酸味が増強された飲食物の製造方法。本発明によれば、柑橘類が元来有する酸味を効果的に増強することができる。そのため、飲食物ないし柑橘類の味のバランスを損なうことなく酸味が増強された、美味しい飲食物を製造することができる。

概要

背景

酸味は、5つの基本味のうちの一つであり「すっぱい味」とも形容される。酸味のうち、特に、ミカンユズなどの柑橘類の酸味は、菓子や飲料をはじめとする飲食物において、味を引き締める、清涼感を出すなどの役割を果たすことにより、当該飲食物の食味を大きく向上させる。

このため、柑橘類を用いる飲食物の製造にあたっては、当該柑橘類が元来有する酸味を利用するほか、クエン酸リンゴ酸酒石酸コハク酸などの酸味料を添加して、酸味を付与ないし増強することも多い。その他、特許文献1には、スクラロースおよび/またはステビア抽出物、並びにフルーツフレーバーを添加することを特徴とする、酸味成分を含有する飲料の酸味の増強方法が開示されている。

概要

柑橘類が元来有する酸味を効果的に増強できる酸味増強剤および柑橘類の酸味が増強された飲食物の製造方法を提供する。エリスリトールおよび/またはソルビトールを有効成分とする、柑橘類の酸味増強剤ならびにこれを用いる柑橘類の酸味が増強された飲食物の製造方法。本発明によれば、柑橘類が元来有する酸味を効果的に増強することができる。そのため、飲食物ないし柑橘類の味のバランスを損なうことなく酸味が増強された、美味しい飲食物を製造することができる。

目的

本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、柑橘類が元来有する酸味を効果的に増強できる酸味増強剤および柑橘類の酸味が増強された飲食物の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

エリスリトールおよび/またはソルビトールを有効成分とする、柑橘類酸味増強剤

請求項2

飲食物において、下記(a)または(b)の最終濃度で用いられることを特徴とする、請求項1に記載の柑橘類の酸味増強剤;(a)柑橘類の果汁10重量部に対し、エリスリトールおよび/またはソルビトールが0.125重量部超37.5重量部未満の濃度、(b)飲食物100質量%中、エリスリトールおよび/またはソルビトールが0.05質量%超15質量%未満の濃度。

請求項3

請求項1または請求項2に記載の酸味増強剤を飲食物材料に添加する工程を有する、柑橘類の酸味が増強された飲食物の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、エリスリトールおよび/またはソルビトールを有効成分とする、柑橘類酸味増強剤およびこれを用いる柑橘類の酸味が増強された飲食物の製造方法に関する。

背景技術

0002

酸味は、5つの基本味のうちの一つであり「すっぱい味」とも形容される。酸味のうち、特に、ミカンユズなどの柑橘類の酸味は、菓子や飲料をはじめとする飲食物において、味を引き締める、清涼感を出すなどの役割を果たすことにより、当該飲食物の食味を大きく向上させる。

0003

このため、柑橘類を用いる飲食物の製造にあたっては、当該柑橘類が元来有する酸味を利用するほか、クエン酸リンゴ酸酒石酸コハク酸などの酸味料を添加して、酸味を付与ないし増強することも多い。その他、特許文献1には、スクラロースおよび/またはステビア抽出物、並びにフルーツフレーバーを添加することを特徴とする、酸味成分を含有する飲料の酸味の増強方法が開示されている。

先行技術

0004

特許第5864153号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、クエン酸やリンゴ酸、酒石酸、コハク酸などは柑橘類の酸味を構成する一成分ではあるものの、柑橘類が元来有する酸味そのものではないため、上記酸味料を添加する方法については、特定の酸味のみが強調されて味のバランス崩れるという課題がある。特許文献1に記載の酸味の増強方法もまた、柑橘類の酸味というよりもむしろクエン酸という特定の酸味成分を増強させるものであるため(同文献:[請求項1]、段落[0012])、味のバランスが崩れる虞がある。以上のことから、柑橘類が元来有する酸味を効果的に増強できる酸味増強剤ないし酸味が増強された飲食物の製造方法が求められていた。

0006

本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、柑橘類が元来有する酸味を効果的に増強できる酸味増強剤および柑橘類の酸味が増強された飲食物の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、鋭意研究の結果、エリスリトールおよびソルビトールが、柑橘類が元来有する酸味に対して増強効果を発揮することを見出した。そこで、この知見に基づいて、下記の各発明を完成した。

0008

(1)本発明に係る柑橘類の酸味増強剤は、エリスリトールおよび/またはソルビトールを有効成分とする。

0009

(2)本発明に係る柑橘類の酸味増強剤は、飲食物において、下記(a)または(b)の最終濃度で用いられることが好ましい;(a)柑橘類の果汁10重量部に対し、エリスリトールおよび/またはソルビトールが0.125重量部超37.5重量部未満の濃度、(b)飲食物100質量%中、エリスリトールおよび/またはソルビトールが0.05質量%超15質量%未満の濃度。

0010

(3)本発明に係る柑橘類の酸味が増強された飲食物の製造方法は、本発明の酸味増強剤を飲食物材料に添加する工程を有する。

発明の効果

0011

本発明によれば、柑橘類が元来有する酸味を効果的に増強することができる。そのため、飲食物ないし柑橘類の味のバランスを損なうことなく酸味が増強された、美味しい飲食物を製造することができる。また、本発明によれば、柑橘類の酸味を増強するとともに、柑橘類の酸味に伴うむせるような刺激感苦味(酸味カド)を抑制できるため、酸味を強く感じ、かつ、食べ易いあるいは飲み易い飲食物を製造することができる。

図面の簡単な説明

0012

果実飲料品質表示基準 平成23年9月30日消費者告示第10号の別表1〜4を示す図である。
各種の果汁を用いて作製した果実飲料の配合、ならびに、酸味強度および酸味カドの抑制の程度を示す図である。
エリスリトールの添加量を変化させて作製した果実飲料の配合、ならびに、酸味強度および酸味カドの抑制の程度を示す図である。

0013

以下、本発明に係る柑橘類の酸味増強剤および柑橘類の酸味が増強された飲食物の製造方法について詳細に説明する。

0014

本発明において「柑橘類」は、ミカン属カンキツ属、Citrus)、キンカン属(Fortunella)、カラタチ属(Poncirus)、クリニア属(Clymenia)、エレシトラス属(Eremocitrus)およびミクロシトラス属(Microcitrus)に属する植物の果実をいう。代表的な柑橘類としては、例えば、レモン、ユズ、ウンシュウミカン、キンカン、オレンジライム、ザボン、ブンタングレーフルーツハッサクダイダイナツミカン、イヨカンスダチカボスシークヮサー、マンリンなどの果実を挙げることができる。

0015

また、本発明において「果汁」とは、下記(A)もしくは(B)のいずれか、または(A)と(B)との混合物をいう;
(A)果実を破砕して搾し又は裏ごし等をし、皮や種子などを除去したもの、
(B)濃縮還元果汁

0016

なお、(B)の濃縮還元果汁は、「果実飲料品質表示基準 平成23年9月30日消費者庁告示第10号」に準じて、『濃縮果汁希釈したものであって、糖用屈折計示度(加えられた砂糖類はちみつ等の糖用屈折計示度を除く。)が図1の別表3の基準以上、別表1の基準未満(レモン、ライム、うめ及びかぼすにあっては、酸度(加えられた酸の酸度を除く。)が図1の別表4の基準以上、別表2の基準未満)のもの』をいう。なお、酸度は、中和滴定法を利用した市販の食品用酸度計により測定することができる。

0017

また、「濃縮果汁」は、同基準に準じて、『果実の搾汁を濃縮したもの若しくはこれに果実の搾汁、果実の搾汁を濃縮したもの若しくは濃縮還元果汁を混合したもの又はこれらに砂糖類、はちみつ等を加えたものであって、糖用屈折計示度(加えられた砂糖類、はちみつ等の糖用屈折計示度を除く。)が図1の別表1の基準以上(レモン、ライム、うめ及びかぼすにあっては、酸度(加えられた酸の酸度を除く。)が図1の別表2の基準以上)のもの』をいう。

0018

本発明に係る柑橘類の酸味増強剤は、エリスリトールおよび/またはソルビトールを有効成分とする。また、本発明に係る柑橘類の酸味が増強された飲食物の製造方法は、エリスリトールおよび/またはソルビトールを飲食物材料に添加する工程を有する。

0019

エリスリトールはエリトリトールとも呼ばれ、下記の化学式で表される糖アルコールであり、化学名は1,2,3,4−Butaneterolである。

0020

エリスリトールは、市販されているものをそのまま用いてもよく、当業者に公知の方法に従って製造して用いてもよい。公知の製造方法としては、グルコースなどを炭素源としてエリスリトール生産菌を培養して生産させ、これを精製して得る方法を挙げることができる。ここで、エリスリトール生産菌としては、例えば、トリゴノプシス属またはカンジダ属に属する微生物特公昭47−41549号公報)、トルロプシス属ハンゼヌラ属、ピヒア属またはデバリオミセス属に属する微生物(特公昭51−21072号公報)、モニリエラ属に属する微生物(特開昭60−110295号公報、特開平10−215887)、オーレオバシデュウム属に属する微生物(特公昭63−9831号公報)、イエロビア属に属する微生物(特開平10−215887号公報)などを挙げることができ、培養条件は、各菌に適した通常の条件で行うことができる。また、エリスリトールの精製は、菌体分離、クロマトグラフィーによるエリスリトールの分取脱塩、脱色、晶析結晶分解および乾燥の工程を常法に従って行うことができる。

0021

ソルビトールはブドウ糖アルデヒド基ヒドロキシ基に変換して得られる糖アルコールの一種である。ソルビトールは、市販されているものをそのまま用いてもよく、当業者に公知の方法に従って製造して用いてもよい。公知の製造方法としては、ブドウ糖に水素を添加する還元反応を挙げることができる。水素添加による還元反応は、例えば、40〜75質量%の原料糖水溶液を、還元触媒と併せて高圧反応器中に仕込み反応器中の水素圧を4.9〜19.6MPa、反応液温を70〜180℃として、混合攪拌しながら、水素の吸収が認められなくなるまで反応を行なえばよい。その後、還元触媒を分離し、イオン交換樹脂処理、必要であれば活性炭処理等で脱色脱塩した後、所定の濃度まで濃縮すれば、高濃度ソルビトール溶液を作ることができる。

0022

より具体的には、例えば、特開平7−145090号公報に記載されているように、含水結晶ブドウ糖150gと水125gとラネーニッケル触媒5gとを内容積550ミリリットル電磁攪拌オートクレーブに仕込み、水素圧12.75MPaを保ちながら130℃で2時間還元反応を行う。続いて、ラネーニッケル触媒を分離した後、活性炭処理およびイオン交換樹脂処理を行ない、50質量%の濃度まで濃縮して、250gのソルビトールの糖液を作ることができる。

0023

エリスリトールおよび/またはソルビトールは、後述する実施例1〜5に示すように、飲食物の製造過程で飲食物材料に添加して用いることができる。エリスリトールおよび/またはソルビトールは、柑橘類の酸味を増強するとともに甘味を付与するため、砂糖ショ糖グラニュー糖)などの甘味料の一部をエリスリトールおよび/またはソルビトールに置き換えて用いることができる。また、飲食物に添加する方法や添加するタイミングも、砂糖などの甘味料と同様に扱うことができる。

0024

エリスリトールおよび/またはソルビトールをの飲食物における添加量は特に限定されないが、例えば、飲食物における最終濃度が、下記(a)または(b)で用いられることが好ましい;
(a)柑橘類の果汁10重量部に対し、エリスリトールおよび/またはソルビトールが0.125重量部超37.5重量部未満の濃度、
(b)飲食物100質量%中、エリスリトールおよび/またはソルビトールが0.05質量%超15質量%未満の濃度。
後述する実施例4に示すように、当該濃度においては、特に高い酸味増強効果を得ることができる。

0025

飲食物の酸味が増強されたか否かは、官能試験により判断することができる。
すなわち、一方は本発明に係る酸味増強剤を用いて、他方はこれを用いずに、同種の飲食物を同様に製造する。ここで、両者の柑橘類の果汁の含有量は同じとする。この両者を、喫食する官能試験を行って比較する。その結果、本発明に係る酸味増強剤を用いた飲食物の方が酸味が強いと感じられれば、本発明により酸味が増強されたと判断することができる。

0026

エリスリトールおよび/またはソルビトールは、後述する実施例1および実施例3〜5に示すように、柑橘類の酸味に伴う、むせるような刺激感や苦味(酸味カド)を抑制して、飲食物の食べ易さ、飲み易さを向上することができる。
よって、本発明に係る柑橘類の酸味増強剤は、柑橘類の酸味カドを抑制する剤として用いることもできる。また、本発明に係る柑橘類の酸味が増強された飲食物の製造方法は、柑橘類の酸味カドが抑制された飲食物を製造することもできる。

0027

以下、本発明に係る酸味増強剤および酸味が増強された飲食物の製造方法について、各実施例に基づいて説明する。なお、本発明の技術的範囲は、これらの実施例によって示される特徴に限定されない。

0028

試験方法
(1)糖アルコールおよび果汁
本実施例において、糖アルコールは表1に記載の市販の糖アルコールを、果汁は表2に記載の市販のストレート果汁または濃縮還元果汁を、それぞれ用いた。なお、糖アルコールの「甘味度」は、10質量%のショ糖水溶液と同等の甘味を呈する濃度(X質量%)を官能試験により決定し、次式1を用いて算出した。
式1;甘味度=ショ糖水溶液の濃度(10質量%)/糖アルコールの水溶液濃度(X質量%)。

0029

0030

0031

(2)官能試験
本実施例において、官能試験は、分析パネル10名において試料を喫食することにより実施した。評価項目は「酸味強度」および「酸味カドの抑制の程度」の2項目とした。各評価項目について、No.1の試料を比較対照(3点)として、「非常に強い(5点)、強い(4点)、同等(3点)、やや弱い(2点)、弱い(1点)」の5段階のいずれに該当するかを各パネルが判断して採点した。その後、試料ごとに、全パネルによる採点結果平均値を求めた。

0032

<実施例1>酸味増強効果を有する糖アルコールの検討
水にレモン[1]の果汁、グラニュー糖および糖アルコールを添加してNo.1〜No.4の果実飲料を作製し、官能試験を行った。No.2〜4は、No.1におけるグラニュー糖の一部を糖アルコールに置換した配合とし、No.1〜4の甘味度が同等になるように糖アルコールの添加量を設定した。果実飲料の配合を表3の上段に、官能試験の結果を表3の下段に、それぞれ示す。

0033

0034

表3の下段に示すように、酸味強度は、No.1の3点に対して、No.2では5点、No.3では3点、No.4では4点であった。すなわち、糖アルコールを添加しない果実飲料と比較して、還元水飴を添加した果実飲料では酸味強度が同等であったのに対して、エリスリトールまたはソルビトールを添加した果実飲料では酸味強度が大きかった。この結果から、エリスリトールおよびソルビトールは酸味増強効果を有することが明かになった。

0035

また、酸味カドの抑制の程度は、No.1の3点に対して、No.2およびNo.3では4点、No.3では3.5点であった。すなわち、糖アルコールを添加しない果実飲料と比較して、エリスリトール、還元水飴またはソルビトールを添加した果実飲料では、酸味カドが抑制されて飲みやすかった。この結果から、エリスリトール、還元水飴およびソルビトールは、酸味カドの抑制効果を有することが明かになった。

0036

<実施例2>ショ糖を併用しない場合におけるエリスリトールの酸味増強効果の検討
水にレモン[2]の果汁、グラニュー糖またはエリスリトールを添加して、No.1〜No.6の果実飲料を作製した。No.2、4および6は、No.1、3および5におけるグラニュー糖の全部をエリスリトールに置換した配合とし、No.1および2、No.3および4、No.5および6のそれぞれの間で甘味度が同等になるように、エリスリトールの添加量を設定した。続いて、官能試験により「酸味強度」のみを評価した。ただし、No.2の比較対照はNo.1、No.4の比較対照はNo.3、No.6の比較対照はNo.5とした。No.1〜No.6の果実飲料の配合を表4の上段に、官能試験の結果を表4の下段に、それぞれ示す。

0037

0038

表4の下段に示すように、酸味強度は、No.1、No.3およびNo.5の3点に対して、No.2では5点、No.4では4点、No.6では4点であった。すなわち、グラニュー糖を添加した果実飲料と比較して、グラニュー糖に代えて同等の甘味度のエリスリトールを添加した果実飲料では、酸味強度が大きかった。この結果から、グラニュー糖に代えてエリスリトールを添加することにより、酸味強度が大きくなることが明らかになった。すなわち、ショ糖を併用せずとも、エリスリトールは顕著な酸味増強効果を奏することが明かになった。

0039

<実施例3>酸味増強効果を奏する対象の検討
水に各種の果汁、グラニュー糖およびエリスリトールを添加して、No.1〜No.12の果実飲料を作製した。No.2、4、6、8、10および12は、No.1、3、5、7、9および11におけるグラニュー糖の一部をエリスリトールに置換した配合とし、No.1〜8、No.9および10、ならびに、No.11および12のそれぞれの間で甘味度が同等になるように、エリスリトールの添加量を設定した。続いて、官能試験を行った。官能試験における、No.2、4、6、8、10および12の比較対照は、それぞれNo.1、3、5、7、9および11とした。果実飲料の配合を図2に示す表の上段に、官能試験の結果を図2に示す表の下段に、それぞれ示す。

0040

図2の表の下段に示すように、酸味強度は、No.1、3、5、7、9および11の3点に対して、No.2、4、6、8、10および12では、それぞれ4点、5点、4点、4点、3点および3点であった。すなわち、レモン、ユズまたはシークヮサーの果汁を用いた果実飲料では、エリスリトールを添加した場合の方が、添加しない場合と比較して酸味強度が大きかった。一方、リンゴまたはブドウの果汁を用いた果実飲料では、エリスリトールを添加した場合と添加しない場合とで、酸味強度は同等であった。この結果から、エリスリトールは、柑橘類の酸味に対して増強効果を奏することが明かになった。

0041

また、酸味カドの抑制の程度は、No.1、3、5、7、9および11の3点に対して、No.2、4、6、8、10および12では、それぞれ3.5点、4点、4点、3.5点、3点および3点であった。すなわち、レモン、ユズまたはシークヮサーの果汁を用いた果実飲料では、エリスリトールを添加した場合の方が、添加しない場合と比較して酸味カドの抑制の程度が大きかった。一方、リンゴまたはブドウの果汁を用いた果実飲料では、エリスリトールを添加した場合と添加しない場合とで、酸味カドの抑制の程度は同等であった。この結果から、エリスリトールは、柑橘類の酸味カドに対して抑制効果を奏することが明かになった。

0042

<実施例4>エリスリトールの添加量の検討
エリスリトールの濃度が、果実飲料100質量%中、0.05〜15質量%となるよう、水にレモン[2]の果汁、グラニュー糖およびエリスリトールを添加して、果実飲料を作製した。比較対照として、それぞれのエリスリトール濃度の試料に対して、同等の甘味度となるようグラニュー糖を添加し、かつエリスリトールを添加しない試料も作製した。これらをNo.1〜22として、官能試験を行った。官能試験における、No.2、4、6、8、10、12、14、16、18、20および22の比較対照は、それぞれNo.1、3、5、7、9、11、13、15、17、19および21とした。果実飲料の配合を図3に示す表の上段に、官能試験の結果を図3に示す表の下段に、それぞれ示す。

0043

図3の表の下段に示すように、酸味強度は、No.1、3、5、7、9、11、13、15、17、19および21の3点に対して、No.2、4、6、8、10、12、14、16、18、20および22では、それぞれ3点、3.5点、4点、5点、5点、5点、4点、4点、4点、3.5点および3点であった。

0044

すなわち、エリスリトールの濃度が果実飲料100質量%中0.1〜10質量%、または、果汁10重量部に対するエリスリトールの添加量が0.25重量部以上25重量部以下では、エリスリトールを添加した場合の方が、添加しない場合と比較して酸味強度が大きかった。一方、エリスリトールの濃度が果実飲料100質量%中0.05質量%もしくは15質量%、または、果汁10重量部に対するエリスリトールの添加量が0.125重量部もしくは37.5重量部では、エリスリトールを添加した場合と添加しない場合とで、酸味強度は同等であった。

0045

この結果から、エリスリトールは、飲食物100質量%中0.05質量%超15質量%未満の濃度、または、柑橘類の果汁10量部に対して0.125重量部超37.5重量部未満の濃度で、顕著な酸味増強効果を奏することが明かになった。

0046

また、酸味カドの抑制の程度は、No.1、3、5、7、9、11、13、15、17、19および21の3点に対して、No.2、4、6、8、10、12、14、16、18、20および22では、それぞれ3点、3点、3点、3点、4点、5点、5点、4点、3.5点、3.5点および3.5点であった。

0047

すなわち、エリスリトールの濃度が果実飲料100質量%中2質量%以上、または、果汁10重量部に対するエリスリトールの添加量が5重量部以上では、エリスリトールを添加した場合の方が、添加しない場合と比較して酸味カドの抑制が大きかった。一方、エリスリトールの濃度が果実飲料100質量%中1質量%以下、または、果汁10重量部に対するエリスリトールの添加量が2.5重量部以下では、エリスリトールを添加した場合と添加しない場合とで、酸味カドの抑制の程度は同等であった。

0048

この結果から、エリスリトールは、飲食物100質量%中1質量%超の濃度、または、柑橘類の果汁10量部に対して2.5重量部超の濃度で、顕著な酸味カドの抑制効果を奏することが明かになった。

0049

<実施例5>酸味が増強された飲食物の製造
表5の上段に示す配合により、定法に従ってレモンゼリーを作製し、No.1およびNo.2とした。No.2は、No.1におけるグラニュー糖の一部をエリスリトールに置換した配合とし、No.1および2の間で甘味度が同等になるように、エリスリトールの添加量を設定した。続いて、官能試験を行った。その結果を表5の下段に示す。

0050

実施例

0051

表5の下段に示すように、酸味強度は、No.1の3点に対して、No.2では5点であった。また、酸味カドの抑制の程度は、No.1の3点に対して、No.2では4点であった。すなわち、エリスリトールを添加したレモンゼリーは、添加しないものと比較して、レモンの酸味を強く感じるとともに、酸味カドが抑制されて食べやすく、美味しかった。この結果から、エリスリトールを添加することにより、柑橘類の酸味が増強され、且つ酸味カドが抑制されて食べやすく、美味しい飲食物を製造できることが明らかになった。

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