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技術 パターン描画装置

出願人 株式会社ニコン
発明者 加藤正紀稲葉直人渡辺智行奈良圭木内徹
出願日 2018年3月23日 (1年3ヶ月経過) 出願番号 2018-055667
公開日 2018年8月30日 (9ヶ月経過) 公開番号 2018-136553
状態 特許登録済
技術分野 レーザービームプリンタ 機械的光走査系
主要キーワード 置土台 テンション調整ローラ 伸縮情報 照射中心軸 ワンショットパルス発生器 光導光部材 単位面積当たりの強度 金属性薄膜
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

解決手段

パターン描画装置は、スポット光の元となる周波数Fbでパルス状に発生する種光ピーク強度を描画データに応答して変調し、変調された種光を増幅して高調波の周波数Fbのパルス状の第1ビームを生成する第1の光源装置と、スポット光の元となる周波数Fbでパルス状に発生する種光のピーク強度を描画データに応答して変調し、変調された種光を増幅して高調波の周波数Fbのパルス状の第2ビームを生成する第2の光源装置と、第1ビームと第2ビームとが周波数Fbの半周期分位相差を持って発生するように、第1パルス光源部と第2パルス光源部とを制御する制御回路と、スポット光の生成の為に、第1ビームと第2ビームとを合成して周波数2Fbでパルス状に発生する合成ビーム描画ユニットに向けて射出する合成光学部と、を備える。

概要

背景

回転ポリゴンミラーを用いた描画装置として、例えば、下記特許文献1に開示されているように、レーザダイオード(LD)からのビームポリゴンミラーで繰り返し偏向し、偏向されたビームをfθレンズを介して感光体上で走査する電子写真方式画像形成装置が知られている。特許文献1に開示された画像形成装置では、レーザダイオード(LD)、回転ポリゴンミラー、および、fθレンズ等を含む書き込みユニット内温度変化をレーザダイオード(LD)の駆動電流の変化から予測する。そして、温度変化によって生じるfθレンズの倍率誤差(ビームの主走査方向の倍率誤差)を補正するために、画像信号応答してレーザダイオード(LD)を点灯制御する際の基準となる書き込み用クロック信号周波数を変更している。

概要

パターン描画装置は、スポット光の元となる周波数Fbでパルス状に発生する種光ピーク強度を描画データに応答して変調し、変調された種光を増幅して高調波の周波数Fbのパルス状の第1ビームを生成する第1の光源装置と、スポット光の元となる周波数Fbでパルス状に発生する種光のピーク強度を描画データに応答して変調し、変調された種光を増幅して高調波の周波数Fbのパルス状の第2ビームを生成する第2の光源装置と、第1ビームと第2ビームとが周波数Fbの半周期分位相差を持って発生するように、第1パルス光源部と第2パルス光源部とを制御する制御回路と、スポット光の生成の為に、第1ビームと第2ビームとを合成して周波数2Fbでパルス状に発生する合成ビーム描画ユニットに向けて射出する合成光学部と、を備える。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

描画すべきパターンに対応した描画データに基づいて強度変調されたスポット光基板上で主走査方向に走査する描画ユニットによって、前記基板上にパターンを描画するパターン描画装置であって、前記スポット光の元となる種光周波数Fbでパルス状に発生する第1パルス光源部と、前記描画データに応答して前記種光のピーク強度電気的な制御で変調する第1電気光学変調器と、該変調された前記種光を増幅する第1光増幅器と、増幅された前記種光の高調波を前記周波数Fbのパルス状の第1ビームとして生成する第1波長変換光学素子とを含む第1の光源装置と、前記スポット光の元となる種光を前記周波数Fbでパルス状に発生する第2パルス光源部と、前記描画データに応答して前記種光のピーク強度を電気的な制御で変調する第2電気光学変調器と、該変調された前記種光を増幅する第2光増幅器と、増幅された前記種光の高調波を前記周波数Fbのパルス状の第2ビームとして生成する第2波長変換光学素子とを含む第2の光源装置と、前記第1ビームと前記第2ビームとが前記周波数Fbの半周期分位相差を持って発生するように、前記第1パルス光源部と前記第2パルス光源部とを制御する制御回路と、前記スポット光の生成の為に、前記第1ビームと前記第2ビームとを合成して周波数2Fbでパルス状に発生する合成ビームを前記描画ユニットに向けて射出する合成光学部と、を備えた、パターン描画装置。

請求項2

請求項1に記載のパターン描画装置であって、前記第1の光源装置と前記第2の光源装置の各々は、前記第1パルス光源部と前記第2パルス光源部の各々が前記種光として赤外波長域パルス光を発生する半導体レーザ素子を含み、前記第1光増幅器と前記第2光増幅器の各々がファイバー増幅器で構成され、前記第1波長変換光学素子と前記第2波長変換光学素子の各々が、増幅された前記赤外波長域の種光の入射により、前記第1ビーム及び前記第2ビームとして370nm以下の波長帯域ピーク波長を有する紫外線を生成するように構成された、ファイバーアンプレーザ光源である、パターン描画装置。

請求項3

請求項2に記載のパターン描画装置であって、前記第1パルス光源部と前記第2パルス光源部の各々の前記半導体レーザ素子は、前記周波数Fbとして数百MHzでパルス状に前記種光を発光する、パターン描画装置。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン描画装置であって、前記合成ビームが入射される前記描画ユニットは、前記合成ビームを多数の反射面の各々で順次偏向する回転多面鏡と、該回転多面鏡の反射面で偏向された前記合成ビームを入射して、前記基板上で前記スポット光に集光するテレセントリックfθレンズ系と、を含む、パターン描画装置。

請求項5

請求項4に記載のパターン描画装置であって、前記スポット光の主走査方向の走査による前記基板上での描画範囲を、前記主走査方向の寸法がPyの画素の並びに分割したとき、前記描画データは、前記画素毎に前記スポット光の強度を描画状態非描画状態とのいずれかを表すビット列データとして前記第1電気光学変調器と前記第2電気光学変調器に印加される、パターン描画装置。

請求項6

請求項5に記載のパターン描画装置であって、前記スポット光の前記主走査方向の寸法は、前記画素の寸法Pyとほぼ同じ、または、寸法Pyよりも小さく設定される、パターン描画装置。

請求項7

請求項5又は6に記載のパターン描画装置であって、前記スポット光の被照射体上での走査速度をVsとし、Nを2以上の整数としたとき、Vs/Pyで決まる周波数のN倍が前記合成光学部から射出される前記合成ビームの周波数2Fbとなるように設定される、パターン描画装置。

請求項8

請求項1〜7のいずれか1項に記載のパターン描画装置であって、前記合成光学部は、前記第1の光源装置からの前記第1ビームと前記第2の光源装置からの前記第2ビームとを同軸に合成して前記合成ビームとして射出するビームスプリッタを含み、更に、前記合成ビームの2次元的な光強度分布計測により、前記第1ビームと前記第2ビームとの同軸性を計測するビームプロファイラーを備える、パターン描画装置。

請求項9

請求項1〜8のいずれか1項に記載のパターン描画装置であって、前記制御回路は、前記合成ビームの周波数2Fbと同じ周波数のクロック信号CKsを発生するクロック発生部と、前記クロック信号CKsのクロックパルスを1つ置きに間引いたクロックパルスで生成される第1のクロック信号CKaと、間引かれたクロックパルスで生成される第2のクロック信号CKbとを出力するクロック信号発生部と、を含み、前記第1パルス光源部は、前記第1のクロック信号CKaのクロックパルスに応答して前記種光をパルス発光し、前記第2パルス光源部は、前記第2のクロック信号CKbのクロックパルスに応答して前記種光をパルス発光する、パターン描画装置。

請求項10

請求項9に記載のパターン描画装置であって、前記クロック発生部は、前記スポット光の主走査方向の走査によって描画されるパターンの前記主走査方向の全体的な描画倍率を調整する為の倍率補正情報を入力して、前記クロック信号CKsの周波数2Fbを規定の値から調整する、パターン描画装置。

請求項11

請求項10に記載のパターン描画装置であって、前記クロック発生部は、前記倍率補正情報が描画倍率を補正しないことを表しているとき、前記周波数2Fbの前記規定の値を800MHzに設定する、パターン描画装置。

技術分野

0001

本発明は、被照射体上に照射されるスポット光走査してパターンを描画するパターン描画装置に関する。

背景技術

0002

回転ポリゴンミラーを用いた描画装置として、例えば、下記特許文献1に開示されているように、レーザダイオード(LD)からのビームポリゴンミラーで繰り返し偏向し、偏向されたビームをfθレンズを介して感光体上で走査する電子写真方式画像形成装置が知られている。特許文献1に開示された画像形成装置では、レーザダイオード(LD)、回転ポリゴンミラー、および、fθレンズ等を含む書き込みユニット内温度変化をレーザダイオード(LD)の駆動電流の変化から予測する。そして、温度変化によって生じるfθレンズの倍率誤差(ビームの主走査方向の倍率誤差)を補正するために、画像信号応答してレーザダイオード(LD)を点灯制御する際の基準となる書き込み用クロック信号周波数を変更している。

先行技術

0003

特開2009−220489号公報

0004

本発明の態様は、描画すべきパターンに対応した描画データに基づいて強度変調されたスポット光を基板上で主走査方向に走査する描画ユニットによって、前記基板上にパターンを描画するパターン描画装置であって、前記スポット光の元となる種光を周波数Fbでパルス状に発生する第1パルス光源部と、前記描画データに応答して前記種光のピーク強度電気的な制御で変調する第1電気光学変調器と、該変調された前記種光を増幅する第1光増幅器と、増幅された前記種光の高調波を前記周波数Fbのパルス状の第1ビームとして生成する第1波長変換光学素子とを含む第1の光源装置と、前記スポット光の元となる種光を前記周波数Fbでパルス状に発生する第2パルス光源部と、前記描画データに応答して前記種光のピーク強度を電気的な制御で変調する第2電気光学変調器と、該変調された前記種光を増幅する第2光増幅器と、増幅された前記種光の高調波を前記周波数Fbのパルス状の第2ビームとして生成する第2波長変換光学素子とを含む第2の光源装置と、前記第1ビームと前記第2ビームとが前記周波数Fbの半周期分位相差を持って発生するように、前記第1パルス光源部と前記第2パルス光源部とを制御する制御回路と、前記スポット光の生成の為に、前記第1ビームと前記第2ビームとを合成して周波数2Fbでパルス状に発生する合成ビームを前記描画ユニットに向けて射出する合成光学部と、を備える。

図面の簡単な説明

0005

第1の実施の形態の基板に露光処理を施す露光装置を含むデバイス製造システム概略構成を示す図である。
露光装置の構成を示す構成図である。
図2に示す回転ドラムに基板が巻き付けられた状態を示す詳細図である。
基板上で走査されるスポット光の描画ラインおよび基板上に形成されたアライメントマークを示す図である。
図2に示す走査ユニット光学的な構成を示す図である。
図2に示すビーム切換部の構成図である。
図2に示す光源装置の構成を示す図である。
図7に示す信号発生部が発生するクロック信号と描画ビット列データ偏光ビームスプリッタから射出されるビームとの関係を示すタイムチャートである。
補正画素伸縮させる機能を有する図7に示す信号発生部の構成を示す図である。
図9に示すプリセット部が出力するプリセット値真理値表を示す図である。
図9に示すクロック発生部が発生するクロック信号の各クロックパルス、第2の分周カウンタ回路カウント値画素シフトパルスの出力タイミング図7に示す駆動回路に入力されるシリアルデータの画素論理情報の切換タイミングを示すタイムチャートである。
図2に示す露光装置の電気的な構成を示すブロック図である。
各走査ユニットに設けられた図5原点センサから出力される原点信号および原点信号に応じて図12に示す選択素子駆動制御部が生成する入射許可信号を示すタイムチャートである。
図12に示す描画データ出力部の構成を示す図である。
図14に示す描画許可信号生成部によって生成される描画許可信号および描画許可信号がハイの期間中に図9送出タイミング切換部から出力される画素シフトパルスを示すタイムチャートである。
最大走査長の範囲内で伸縮された描画ラインの位置と遅延時間との関係を示す図である。
第1の実施の形態の変形例における光源装置の構成を示す図である。
図17に示すクロック信号発生部の構成を示す図である。
図18のクロック信号発生部の動作を説明するタイミングチャートである。
第2の実施の形態における光源装置の内部に設けられる信号発生部の構成を示す図である。
図21Aは、図20に示す遅延回路の構成の第1例を示す図であり、図21Bは、図20に示す遅延回路の構成の第2例を示す図である。
図20に示す信号発生部の各部から出力される信号を示すタイムチャートである。
図23Aは、局所倍率補正が行われていない場合に描画されるパターンを説明する図であり、図23Bは、図22に示すタイムチャートにしたがって局所倍率補正(縮小)が行われた場合に描画されるパターンを説明する図である。
上記各実施の形態の変形例1の説明図であり、上記各実施の形態(変形例も含む)で説明したパターンデータに応じてスポット光の強度を変調する電気光学素子に代えて描画用光学素子を用いた場合の、描画用光学素子の配置例を示す図である。
上記各実施の形態の変形例4の説明図であり、上記各実施の形態(変形例も含む)で説明したビーム切換部中の集光レンズ選択用光学素子、コリメートレンズ、および、ユニット入射ミラーの配置と、走査ユニット内の第2のシリンドリカルレンズの配置との関係を、模式的に示した図である。
上記各実施の形態(変形例も含む)の変形例5の説明図であり、ポリゴンミラーの代わりにガルバノミラーを用いた走査ユニットの要部構成を示す図である。
上記各実施の形態(変形例も含む)の変形例6の説明図であり、機械的な回転機構によってスポット光を円弧状に走査する方式の走査ユニットの斜視図である。

実施例

0006

本発明の態様に係るパターン描画装置について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。なお、本発明の態様は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、多様な変更または改良を加えたものも含まれる。つまり、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれ、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換または変更を行うことができる。

0007

[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の基板(被照射体)Pに露光処理を施す露光装置EXを含むデバイス製造システム10の概略構成を示す図である。なお、以下の説明においては、特に断わりのない限り、重力方向をZ方向とするXYZ直交座標系を設定し、図に示す矢印にしたがって、X方向、Y方向、およびZ方向を説明する。

0008

デバイス製造システム10は、基板Pに所定の処理(露光処理等)を施して、電子デバイスを製造するシステム基板処理装置)である。デバイス製造システム10は、例えば、電子デバイスとしてのフレキシブルディスプレイフィルム状のタッチパネル液晶表示パネル用のフィルム状のカラーフィルターフレキシブル配線、または、フレキシブル・センサ等を製造する製造ライン構築された製造システムである。以下、電子デバイスとしてフレキシブル・ディスプレイを前提として説明する。フレキシブル・ディスプレイとしては、例えば、有機ELディスプレイ液晶ディスプレイ等がある。デバイス製造システム10は、可撓性のシート状の基板(シート基板)Pをロール状に巻いた供給ロールFR1から基板Pが送出され、送出された基板Pに対して各種処理を連続的に施した後、各種処理後の基板Pを回収ロールFR2で巻き取る、いわゆる、ロール・ツー・ロール(Roll To Roll)方式の構造を有する。基板Pは、基板Pの移動方向(搬送方向)が長手方向(長尺)となり、幅方向が短手方向短尺)となる帯状の形状を有する。第1の実施の形態においては、フィルム状の基板Pが、少なくとも処理装置(第1の処理装置)PR1、処理装置(第2の処理装置)PR2、露光装置(第3の処理装置)EX、処理装置(第4の処理装置)PR3、および、処理装置(第5の処理装置)PR4を経て、回収ロールFR2に巻き取られるまでの例を示している。

0009

なお、本第1の実施の形態では、X方向は、水平面内において、基板Pが供給ロールFR1から回収ロールFR2に向かう方向(搬送方向)である。Y方向は、水平面内においてX方向に直交する方向であり、基板Pの幅方向(短尺方向)である。Z方向は、X方向とY方向とに直交する方向(上方向)であり、重力が働く方向と平行である。

0010

基板Pは、例えば、樹脂フィルム、若しくは、ステンレス鋼等の金属または合金からなる箔(フォイル)等が用いられる。樹脂フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン樹脂ポリプロピレン樹脂ポリエステル樹脂エチレンビニル共重合体樹脂ポリ塩化ビニル樹脂セルロース樹脂ポリアミド樹脂ポリイミド樹脂ポリカーボネート樹脂ポリスチレン樹脂、および酢酸ビニル樹脂のうち、少なくとも1つ以上を含んだものを用いてもよい。また、基板Pの厚みや剛性ヤング率)は、デバイス製造システム10の搬送路を通る際に、基板Pに座屈による折れ目非可逆的シワが生じないような範囲であればよい。基板Pの母材として、厚みが25μm〜200μm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)等のフィルムは、好適なシート基板の典型である。

0011

基板Pは、処理装置PR1、処理装置PR2、露光装置EX、処理装置PR3、および、処理装置PR4で施される各処理において熱を受ける場合があるため、熱膨張係数が顕著に大きくない材質の基板Pを選定することが好ましい。例えば、無機フィラーを樹脂フィルムに混合することによって熱膨張係数を抑えることができる。無機フィラーは、例えば、酸化チタン酸化亜鉛アルミナ、または酸化ケイ素等でもよい。また、基板Pは、フロート法等で製造された厚さ100μm程度の極薄ガラス単層体であってもよいし、この極薄ガラスに上記の樹脂フィルム、箔等を貼り合わせた積層体であってもよい。

0012

ところで、基板Pの可撓性(flexibility)とは、基板Pに自重程度の力を加えてもせん断したり破断したりすることはなく、その基板Pを撓めることが可能な性質をいう。また、自重程度の力によって屈曲する性質も可撓性に含まれる。また、基板Pの材質、大きさ、厚さ、基板P上に成膜される層構造、温度、または、湿度等の環境等に応じて、可撓性の程度は変わる。いずれにしろ、本第1の実施の形態によるデバイス製造システム10内の搬送路に設けられる各種の搬送用ローラ、回転ドラム等の搬送方向転換用の部材に基板Pを正しく巻き付けた場合に、座屈して折り目がついたり、破損(破れ割れが発生)したりせずに、基板Pを滑らかに搬送できれば、可撓性の範囲といえる。

0013

処理装置PR1は、供給ロールFR1から搬送されてきた基板Pを処理装置PR2に向けて所定の速度で長尺方向に沿った搬送方向(+X方向)に搬送しつつ、基板Pに対して塗布処理を行う塗布装置である。処理装置PR1は、基板Pの表面に感光性機能液を選択的または一様に塗布する。この感光性機能液が表面に塗布された基板Pは処理装置PR2に向けて搬送される。

0014

処理装置PR2は、処理装置PR1から搬送されてきた基板Pを露光装置EXに向けて所定の速度で搬送方向(+X方向)に搬送しつつ、基板Pに対して乾燥処理を行う乾燥装置である。処理装置PR2は、熱風またはドライエアー等の乾燥用エアー温風)を基板Pの表面に吹き付けるブロワー赤外線光源セラミックヒーター等によって感光性機能液に含まれる溶剤または水を除去して、感光性機能液を乾燥させる。これにより、基板Pの表面に感光性機能層光感応層)となる膜が選択的または一様に形成される。なお、ドライフィルムを基板Pの表面に貼り付けることで、基板Pの表面に感光性機能層を形成してもよい。この場合は、処理装置PR1および処理装置PR2に代えて、ドライフィルムを基板Pに貼り付ける貼付装置(処理装置)を設ければよい。

0015

ここで、この感光性機能液(層)の典型的なものはフォトレジスト(液状またはドライフィルム状)であるが、現像処理が不要な材料として、紫外線の照射を受けた部分の親撥液性改質される感光性シランカップリング剤(SAM)、或いは紫外線の照射を受けた部分にメッキ還元基露呈する感光還元剤等がある。感光性機能液(層)として感光性シランカップリング剤を用いる場合は、基板P上の紫外線で露光されたパターン部分が撥液性から親液性に改質される。そのため、親液性となった部分の上に導電性インク(銀や銅等の導電性ナノ粒子を含有するインク)または半導体材料を含有した液体等を選択塗布することで、薄膜トランジスタ(TFT)等を構成する電極半導体絶縁、或いは接続用配線となるパターン層を形成することができる。感光性機能液(層)として、感光性還元剤を用いる場合は、基板P上の紫外線で露光されたパターン部分にメッキ還元基が露呈する。そのため、露光後、基板Pを直ちにパラジウムイオン等を含むメッキ液中に一定時間浸漬することで、パラジウムによるパターン層が形成(析出)される。このようなメッキ処理アディティブ(additive)なプロセスであるが、その他、サブトラクティブ(subtractive)なプロセスとしてのエッチング処理を前提にしてもよい。その場合は、露光装置EXへ送られる基板Pは、母材をPETやPENとし、その表面にアルミニウム(Al)や銅(Cu)等の金属性薄膜を全面または選択的に蒸着し、さらにその上にフォトレジスト層を積層したものであってもよい。本第1の実施の形態では、感光性機能液(層)として感光性還元剤が用いられる。

0016

露光装置EXは、処理装置PR2から搬送されてきた基板Pを処理装置PR3に向けて所定の速度で搬送方向(+X方向)に搬送しつつ、基板Pに対して露光処理を行う処理装置である。露光装置EXは、基板Pの表面(感光性機能層の表面、すなわち、感光面)に、電子デバイス用のパターン(例えば、電子デバイスを構成するTFTの電極や配線等のパターン)に応じた光パターンを照射する。これにより、感光性機能層に前記パターンに対応した潜像(改質部)が形成される。

0017

本第1の実施の形態においては、露光装置EXは、マスクを用いない直描方式の露光装置、いわゆるラスタースキャン方式の露光装置(パターン描画装置)である。後で詳細に説明するが、露光装置EXは、基板Pを+X方向(副走査の方向)に搬送しながら、露光用のパルス状のビームLB(パルスビーム)のスポット光SPを、基板Pの被照射面(感光面)上で所定の走査方向(Y方向)に1次元に走査(主走査)しつつ、スポット光SPの強度をパターンデータ(描画データ)に応じて高速に変調(オンオフ)する。これにより、基板Pの被照射面に電子デバイス、回路または配線等の所定のパターンに応じた光パターンが描画露光される。つまり、基板Pの副走査と、スポット光SPの主走査とで、スポット光SPが基板Pの被照射面上で相対的に2次元走査されて、基板Pに所定のパターンが描画露光される。また、基板Pは、搬送方向(+X方向)に沿って搬送されているので、露光装置EXによってパターンが露光される露光領域Wは、基板Pの長尺方向に沿って所定の間隔をあけて複数設けられることになる(図4参照)。この露光領域Wに電子デバイスが形成されるので、露光領域Wは、デバイス形成領域でもある。なお、電子デバイスは、複数のパターン層(パターンが形成された層)が重ね合わされることで構成されるので、露光装置EXによって各層に対応したパターンが露光されるようにしてもよい。

0018

処理装置PR3は、露光装置EXから搬送されてきた基板Pを処理装置PR4に向けて所定の速度で搬送方向(+X方向)に搬送しつつ、基板Pに対して湿式処理を行う湿式処理装置である。本第1の実施の形態では、処理装置PR3は、基板Pに対して湿式処理の一種であるメッキ処理を行う。つまり、基板Pを処理槽貯蔵されたメッキ液に所定時間浸漬する。これにより、感光性機能層の表面に潜像に応じたパターン層が析出(形成)される。つまり、基板Pの感光性機能層上のスポット光SPの照射部分と非照射部分の違いに応じて、基板P上に所定の材料(例えば、パラジウム)が選択的に形成され、これがパターン層となる。

0019

なお、感光性機能層として感光性シランカップリング剤を用いる場合は、湿式処理の一種である液体(例えば、導電性インク等を含有した液体)の塗布処理またはメッキ処理が処理装置PR3によって行われる。この場合であっても、感光性機能層の表面に潜像に応じたパターン層が形成される。つまり、基板Pの感光性機能層のスポット光SPの照射部分と被照射部分の違いに応じて、基板P上に所定の材料(例えば、導電性インクまたはパラジウム等)が選択的に形成され、これがパターン層となる。また、感光性機能層としてフォトレジストを採用する場合は、処理装置PR3によって、湿式処理の一種である現像処理が行われる。この場合は、この現像処理によって、潜像に応じたパターンが感光性機能層(フォトレジスト)に形成される。

0020

処理装置PR4は、処理装置PR3から搬送されてきた基板Pを回収ロールFR2に向けて所定の速度で搬送方向(+X方向)に搬送しつつ、基板Pに対して洗浄・乾燥処理を行う洗浄・乾燥装置である。処理装置PR4は、湿式処理が施された基板Pに対して純水による洗浄を行い、その後ガラス転移温度以下で、基板Pの水分含有率所定値以下になるまで乾燥させる。

0021

なお、感光性機能層として感光性シランカップリング剤を用いた場合は、処理装置PR4は、基板Pに対してアニール処理と乾燥処理を行うアニール・乾燥装置であってもよい。アニール処理は、塗布された導電性インクに含有されるナノ粒子同士の電気的な結合を強固にするために、例えば、ストロボランプからの高輝度パルス光を基板Pに照射する。感光性機能層としてフォトレジストを採用した場合は、処理装置PR4と回収ロールFR2との間に、エッチング処理を行う処理装置(湿式処理装置)PR5と、エッチング処理が施された基板Pに対して洗浄・乾燥処理を行う処理装置(洗浄・乾燥装置)PR6とを設けてもよい。これにより、感光性機能層としてフォトレジストを採用した場合は、エッチング処理が施されることで、基板Pにパターン層が形成される。つまり、基板Pの感光性機能層のスポット光SPの照射部分と被照射部分の違いに応じて、基板P上に所定の材料(例えば、アルミニウム(Al)または銅(Cu)等)が選択的に形成され、これがパターン層となる。処理装置PR5、PR6は、送られてきた基板Pを回収ロールFR2に向けて所定の速度で基板Pを搬送方向(+X方向)に搬送する機能を有する。複数の処理装置PR1〜PR4(必要に応じて処理装置PR5、PR6も含む)が、基板Pを+X方向に搬送する機能は基板搬送装置として構成される。

0022

このようにして、各処理が施された基板Pは回収ロールFR2によって回収される。デバイス製造システム10の少なくとも各処理を経て、1つのパターン層が基板P上に形成される。上述したように、電子デバイスは、複数のパターン層が重ね合わされることで構成されるので、電子デバイスを生成するために、図1に示すようなデバイス製造システム10の各処理を少なくとも2回は経なければならない。そのため、基板Pが巻き取られた回収ロールFR2を供給ロールFR1として別のデバイス製造システム10に装着することで、パターン層を積層することができる。そのような動作を繰り返して、電子デバイスが形成される。処理後の基板Pは、複数の電子デバイスが所定の間隔をあけて基板Pの長尺方向に沿って連なった状態となる。つまり、基板Pは、多面取り用の基板となっている。

0023

電子デバイスが連なった状態で形成された基板Pを回収した回収ロールFR2は、図示しないダイシング装置に装着されてもよい。回収ロールFR2が装着されたダイシング装置は、処理後の基板Pを電子デバイス(デバイス形成領域である露光領域W)毎に分割(ダイシング)することで、複数の枚葉となった電子デバイスにする。基板Pの寸法は、例えば、幅方向(短尺となる方向)の寸法が10cm〜2m程度であり、長さ方向(長尺となる方向)の寸法が10m以上である。なお、基板Pの寸法は、上記した寸法に限定されない。

0024

図2は、露光装置EXの構成を示す構成図である。露光装置EXは、温調チャンバーECV内に格納されている。この温調チャンバーECVは、内部を所定の温度、所定の湿度に保つことで、内部において搬送される基板Pの温度による形状変化を抑制するとともに、基板Pの吸湿性や搬送に伴って発生する静電気の帯電等を考慮した湿度に設定される。温調チャンバーECVは、パッシブまたはアクティブ防振ユニットSU1、SU2を介して製造工場の設置面Eに配置される。防振ユニットSU1、SU2は、設置面Eからの振動を低減する。この設置面Eは、工場床面自体であってもよいし、水平面を出すために床面上に専用に設置される設置土台ペデスタル)上の面であってもよい。露光装置EXは、基板搬送機構12と、同一構成の2つの光源装置LS(LSa、LSb)と、ビーム切換部BDUと、露光ヘッド14と、制御装置16と、複数のアライメント顕微鏡AM1m、AM2m(なお、m=1、2、3、4)と、複数のエンコーダENja、ENjb(なお、j=1、2、3、4)とを少なくとも備えている。制御装置(制御部)16は、露光装置EXの各部を制御するものである。この制御装置16は、コンピュータプログラムが記録された記録媒体等とを含み、該コンピュータがプログラムを実行することで、本第1の実施の形態の制御装置16として機能する。

0025

基板搬送機構12は、デバイス製造システム10の前記基板搬送装置の一部を構成するものであり、処理装置PR2から搬送される基板Pを、露光装置EX内で所定の速度で搬送した後、処理装置PR3に所定の速度で送り出す。この基板搬送機構12によって、露光装置EX内で搬送される基板Pの搬送路が規定される。基板搬送機構12は、基板Pの搬送方向の上流側(−X方向側)から順に、エッジポジションコントローラEPC、駆動ローラR1、テンション調整ローラRT1、回転ドラム(円筒ドラム)DR、テンション調整ローラRT2、駆動ローラR2、および、駆動ローラR3を有している。

0026

エッジポジションコントローラEPCは、処理装置PR2から搬送される基板Pの幅方向(Y方向であって基板Pの短尺方向)における位置を調整する。つまり、エッジポジションコントローラEPCは、所定のテンションかけられた状態で搬送されている基板Pの幅方向の端部(エッジ)における位置が、目標位置に対して±十数μm〜数十μm程度の範囲(許容範囲)に収まるように、基板Pを幅方向に移動させて、基板Pの幅方向における位置を調整する。エッジポジションコントローラEPCは、所定のテンションがかけられた状態で基板Pが掛け渡されるローラと、基板Pの幅方向の端部(エッジ)の位置を検出する図示しないエッジセンサ端部検出部)とを有する。エッジポジションコントローラEPCは、前記エッジセンサが検出した検出信号に基づいて、エッジポジションコントローラEPCの前記ローラをY方向に移動させて、基板Pの幅方向における位置を調整する。駆動ローラ(ニップローラ)R1は、エッジポジションコントローラEPCから搬送される基板Pの表裏両面を保持しながら回転し、基板Pを回転ドラムDRへ向けて搬送する。なお、エッジポジションコントローラEPCは、回転ドラムDRに巻き付く基板Pの長尺方向が、回転ドラムDRの中心軸AXoに対して常に直交するように、基板Pの幅方向における位置と適宜調整するとともに、基板Pの進行方向における傾き誤差を補正するように、エッジポジションコントローラEPCの前記ローラの回転軸とY軸との平行度を適宜調整してもよい。

0027

回転ドラムDRは、Y方向に延びるとともに重力が働く方向と交差した方向に延びた中心軸AXoと、中心軸AXoから一定半径円筒状の外周面とを有する。回転ドラムDRは、この外周面(円周面)に倣って基板Pの一部を長尺方向に円筒面状湾曲させて支持(保持)しつつ、中心軸AXoを中心に回転して基板Pを+X方向に搬送する。回転ドラムDRは、露光ヘッド14からのビームLB(スポット光SP)が投射される基板P上の領域(部分)をその外周面で支持する。回転ドラムDRは、電子デバイスが形成される面(感光面が形成された側の面)とは反対側の面(裏面)側から基板Pを支持(密着保持)する。回転ドラムDRのY方向の両側には、回転ドラムDRが中心軸AXoの周りを回転するように環状のベアリングで支持されたシャフトSftが設けられている。このシャフトSftは、制御装置16によって制御される図示しない回転駆動源(例えば、モータ減速機構等)からの回転トルクが与えられることで中心軸AXo回りに一定の回転速度で回転する。なお、便宜的に、中心軸AXoを含み、YZ平面と平行な平面を中心面Pocと呼ぶ。

0028

駆動ローラ(ニップローラ)R2、R3は、基板Pの搬送方向(+X方向)に沿って所定の間隔を空けて配置されており、露光後の基板Pに所定の弛み(あそび)を与えている。駆動ローラR2、R3は、駆動ローラR1と同様に、基板Pの表裏両面を保持しながら回転し、基板Pを処理装置PR3へ向けて搬送する。テンション調整ローラRT1、RT2は、−Z方向に付勢されており、回転ドラムDRに巻き付けられて支持されている基板Pに長尺方向に所定のテンションを与えている。これにより、回転ドラムDRにかかる基板Pに付与される長尺方向のテンションを所定の範囲内に安定化させている。制御装置16は、図示しない回転駆動源(例えば、モータや減速機等)を制御することで、駆動ローラR1〜R3を回転させる。なお、駆動ローラR1〜R3の回転軸、および、テンション調整ローラRT1、RT2の回転軸は、回転ドラムDRの中心軸AXoと平行している。

0029

光源装置LS(LSa、LSb)は、パルス状のビーム(パルスビーム、パルス光、レーザ)LBを発生して射出する。このビームLBは、370nm以下の波長帯域ピーク波長を有する紫外線光であり、ビームLBの発光周波数発振周波数所定周波数)をFaとする。光源装置LS(LSa、LSb)が射出したビームLBは、ビーム切換部BDUを介して露光ヘッド14に入射する。光源装置LS(LSa、LSb)は、制御装置16の制御にしたがって、発光周波数FaでビームLBを発光して射出する。この光源装置LS(LSa、LSb)の構成は、後で詳細に説明するが、第1の実施の形態では、赤外波長域のパルス光を発生する半導体レーザ素子ファイバー増幅器、増幅された赤外波長域のパルス光を紫外波長域のパルス光に変換する波長変換素子高調波発生素子)等で構成され、発振周波数Faが数百MHzで、1パルス光の発光時間がピコ秒程度の高輝度な紫外線のパルス光が得られるファイバーアンプレーザ光源高調波レーザ光源)を用いるものとする。なお、光源装置LSaからのビームLBと、光源装置LSbからのビームLBとを区別するために、光源装置LSaからのビームLBをLBa、光源装置LSbからのビームLBをLBbで表す場合がある。

0030

ビーム切換部BDUは、露光ヘッド14を構成する複数の走査ユニットUn(なお、n=1、2、・・・、6)のうち2つの走査ユニットUnに、2つの光源装置LS(LSa、LSb)からのビームLB(LBa、LBb)を入射させるとともに、ビームLB(LBa、LBb)が入射する走査ユニットUnを切り換える。詳しくは、ビーム切換部BDUは、3つの走査ユニットU1〜U3のうち1つの走査ユニットUnに光源装置LSaからのビームLBaを入射させ、3つの走査ユニットU4〜U6のうち1つの走査ユニットUnに、光源装置LSbからのビームLBbを入射させる。また、ビーム切換部BDUは、ビームLBaが入射する走査ユニットUnを走査ユニットU1〜U3の中で切り換え、走査ビームLBbが入射する走査ユニットUnを走査ユニットU4〜U6の中で切り換える。

0031

ビーム切換部BDUは、スポット光SPの走査を行う走査ユニットUnにビームLBnが入射するように、ビームLBa、LBbが入射する走査ユニットUnを切り換える。つまり、ビーム切換部BDUは、走査ユニットU1〜U3のうち、スポット光SPの走査を行う1つの走査ユニットUnに、光源装置LSaからのビームLBaを入射させる。同様に、ビーム切換部BDUは、走査ユニットU4〜U6のうち、スポット光SPの走査を行う1つの走査ユニットUnに、光源装置LSbからのビームLBbを入射させる。このビーム切換部BDUについては後で詳細に説明する。なお、走査ユニットU1〜U3に関しては、スポット光SPの走査を行う走査ユニットUnが、U1→U2→U3、の順番切り換わり、走査ユニットU4〜U6に関しては、スポット光SPの走査を行う走査ユニットUnが、U4→U5→U6、の順番で切り換わるものとする。

0032

露光ヘッド14は、同一構成の複数の走査ユニットUn(U1〜U6)を配列した、いわゆるマルチビーム型の露光ヘッドとなっている。露光ヘッド14は、回転ドラムDRの外周面(円周面)で支持されている基板Pの一部分に、複数の走査ユニットUn(U1〜U6)によってパターンを描画する。露光ヘッド14は、基板Pに対して電子デバイス用のパターン露光を繰り返し行うことから、パターンが露光される露光領域(電子デバイス形成領域)Wは、基板Pの長尺方向に沿って所定の間隔をあけて複数設けられている(図4参照)。複数の走査ユニットUn(U1〜U6)は、所定の配置関係で配置されている。複数の走査ユニットUn(U1〜U6)は、中心面Pocを挟んで基板Pの搬送方向に2列に千鳥配列で配置される。奇数番の走査ユニットU1、U3、U5は、中心面Pocに対して基板Pの搬送方向の上流側(−X方向側)で、且つ、Y方向に沿って所定の間隔だけ離して1列に配置されている。偶数番の走査ユニットU2、U4、U6は、中心面Pocに対して基板Pの搬送方向の下流側(+X方向側)で、Y方向に沿って所定の間隔だけ離して1列に配置されている。奇数番の走査ユニットU1、U3、U5と、偶数番の走査ユニットU2、U4、U6とは、中心面Pocに対して対称に設けられている。

0033

各走査ユニットUn(U1〜U6)は、光源装置LS(LSa、LSb)からのビームLBを基板Pの被照射面上でスポット光SPに収斂するように投射しつつ、そのスポット光SPを、回転するポリゴンミラーPM(図5参照)によって1次元に走査する。この各走査ユニットUn(U1〜U6)のポリゴンミラーPMによって、基板Pの被照射面上でスポット光SPが1次元に走査される。このスポット光SPの走査によって、基板P上(基板Pの被照射面上)に、1ライン分のパターンが描画される直線的な描画ライン(走査線)SLn(なお、n=1、2、・・・、6)が規定される。この走査ユニットUnの構成については、後で詳しく説明する。

0034

走査ユニットU1は、スポット光SPを描画ラインSL1に沿って走査し、同様に、走査ユニットU2〜U6は、スポット光SPを描画ラインSL2〜SL6に沿って走査する。複数の走査ユニットUn(U1〜U6)の描画ラインSLn(SL1〜SL6)は、図3図4に示すように、Y方向(基板Pの幅方向、主走査方向)に関して互いに分離することなく、継ぎ合わされるように設定されている。なお、ビーム切換部BDUを介して走査ユニットUnに入射する光源装置LS(LSa、LSb)からのビームLBを、LBnと表す場合がある。そして、走査ユニットU1に入射するビームLBnをLB1で表し、同様に、走査ユニットU2〜U6に入射するビームLBnをLB2〜LB6で表す場合がある。走査ユニットUnに入射するビームLBnは、所定の方向に偏光した直線偏光P偏光またはS偏光)のビームであってもよく、本第1の実施の形態では、P偏光のビームとする。

0035

図4に示すように、複数の走査ユニットUn(U1〜U6)は全部で露光領域Wの幅方向の全てをカバーするように、各走査ユニットUn(U1〜U6)は、走査領域を分担している。これにより、各走査ユニットUn(U1〜U6)は、基板Pの幅方向に分割された複数の領域(描画範囲)毎にパターンを描画することができる。例えば、1つの走査ユニットUnによるY方向の走査長(描画ラインSLnの長さ)を20〜60mm程度とすると、奇数番の走査ユニットU1、U3、U5の3個と、偶数番の走査ユニットU2、U4、U6の3個との計6個の走査ユニットUnをY方向に配置することによって、描画可能なY方向の幅を120〜360mm程度まで広げている。各描画ラインSLn(SL1〜SL6)の長さ(描画範囲の長さ)は、原則として同一とする。つまり、描画ラインSL1〜SL6の各々に沿って走査されるビームLBnのスポット光SPの走査距離は、原則として同一とする。なお、露光領域Wの幅を広くしたい場合は、描画ラインSLn自体の長さを長くするか、Y方向に配置する走査ユニットUnの数を増やすことで対応することができる。

0036

なお、実際の各描画ラインSLn(SL1〜SL6)は、スポット光SPが被照射面上を実際に走査可能な最大の長さ(最大走査長)よりも僅かに短く設定される。例えば、主走査方向(Y方向)の描画倍率初期値倍率補正無し)の場合にパターン描画可能な描画ラインSLnの走査長を30mmとすると、スポット光SPの被照射面上での最大走査長は、描画ラインSLnの描画開始点走査開始点)側と描画終了点走査終了点)側の各々に0.5mm程度の余裕を持たせて、31mm程度に設定されている。このように設定することによって、スポット光SPの最大走査長31mmの範囲内で、30mmの描画ラインSLnの位置を主走査方向に微調整したり、描画倍率を微調整したりすることが可能となる。スポット光SPの最大走査長は31mmに限定されるものではなく、主に走査ユニットUn内のポリゴンミラー(回転ポリゴンミラー)PMの後に設けられるfθレンズFT(図5参照)の口径によって決まる。

0037

複数の描画ラインSLn(SL1〜SL6)は、中心面Pocを挟んで、回転ドラムDRの周方向に2列に千鳥配列で配置される。奇数番の描画ラインSL1、SL3、SL5は、中心面Pocに対して基板Pの搬送方向の上流側(−X方向側)の基板Pの被照射面上に位置する。偶数番の描画ラインSL2、SL4、SL6は、中心面Pocに対して基板Pの搬送方向の下流側(+X方向側)の基板Pの被照射面上に位置する。描画ラインSL1〜SL6は、基板Pの幅方向、つまり、回転ドラムDRの中心軸AXoと略並行となっている。

0038

描画ラインSL1、SL3、SL5は、基板Pの幅方向(主走査方向)に沿って所定の間隔をあけて直線上に1列に配置されている。描画ラインSL2、SL4、SL6も同様に、基板Pの幅方向(主走査方向)に沿って所定の間隔をあけて直線上に1列に配置されている。このとき、描画ラインSL2は、基板Pの幅方向に関して、描画ラインSL1と描画ラインSL3との間に配置される。同様に、描画ラインSL3は、基板Pの幅方向に関して、描画ラインSL2と描画ラインSL4との間に配置されている。描画ラインSL4は、基板Pの幅方向に関して、描画ラインSL3と描画ラインSL5との間に配置され、描画ラインSL5は、基板Pの幅方向に関して、描画ラインSL4と描画ラインSL6との間に配置されている。

0039

奇数番の描画ラインSL1、SL3、SL5の各々に沿って走査されるビームLB1、LB3、LB5のスポット光SPの主走査方向は、1次元の方向となっており、同じ方向となっている。偶数番の描画ラインSL2、SL4、SL6の各々に沿って走査されるビームLB2、LB4、LB6のスポット光SPの主走査方向は、1次元の方向となっており、同じ方向となっている。この描画ラインSL1、SL3、SL5に沿って走査されるビームLB1、LB3、LB5のスポット光SPの主走査方向と、描画ラインSL2、SL4、SL6に沿って走査されるビームLB2、LB4、LB6のスポット光SPの主走査方向とは互いに逆方向であってもよい。本第1の実施の形態では、描画ラインSL1、SL3、SL5に沿って走査されるビームLB1、LB3、LB5のスポット光SPの主走査方向は−Y方向である。また、描画ラインSL2、SL4、SL6に沿って走査されるビームLB2、LB4、LB6のスポット光SPの主走査方向は+Y方向である。これにより、描画ラインSL1、SL3、SL5の描画開始点側の端部と、描画ラインSL2、SL4、SL6の描画開始点側の端部とはY方向に関して隣接または一部重複する。また、描画ラインSL3、SL5の描画終了点側の端部と、描画ラインSL2、SL4の描画終了点側の端部とはY方向に関して隣接または一部重複する。Y方向に隣り合う描画ラインSLnの端部同士を一部重複させるように、各描画ラインSLnを配置する場合は、例えば、各描画ラインSLnの長さに対して、描画開始点、または描画終了点を含んでY方向に数%以下の範囲で重複させるとよい。なお、描画ラインSLnをY方向に継ぎ合わせるとは、描画ラインSLnの端部同士をY方向に関して隣接または一部重複させることを意味する。

0040

なお、描画ラインSLnの副走査方向の幅(X方向の寸法)は、スポット光SPのサイズ(直径)φに応じた太さである。例えば、スポット光SPのサイズ(寸法)φが3μmの場合は、描画ラインSLnの幅も3μmとなる。スポット光SPは、所定の長さ(例えば、スポット光SPのサイズφの7/8とする)だけオーバーラップするように、描画ラインSLnに沿って投射されてもよい。また、Y方向に隣り合う描画ラインSLn(例えば、描画ラインSL1と描画ラインSL2)同士を互いに継ぐ場合も、所定の長さ(例えば、スポット光SPのサイズφの7/8)だけオーバーラップさせるのがよい。

0041

本第1の実施の形態の場合、光源装置LS(LSa、LSb)からのビームLB(LBa、LBb)がパルス光であるため、主走査の間に描画ラインSLn上に投射されるスポット光SPは、ビームLB(LBa、LBb)の発振周波数Fa(例えば、400MHz)に応じて離散的になる。そのため、ビームLBの1パルス光によって投射されるスポット光SPと次の1パルス光によって投射されるスポット光SPとを、主走査方向にオーバーラップさせる必要がある。そのオーバーラップの量は、スポット光SPのサイズφ、スポット光SPの走査速度(主走査の速度)Vs、および、ビームLBの発振周波数Faによって設定される。スポット光SPの実効的なサイズφは、スポット光SPの強度分布ガウス分布近似される場合、スポット光SPのピーク強度の1/e2(または1/2)で決まる。本第1の実施の形態では、実効的なサイズ(寸法)φに対して、φ×7/8程度スポット光SPがオーバーラップするように、スポット光SPの走査速度Vsおよび発振周波数Faが設定される。したがって、スポット光SPの主走査方向に沿った投射間隔は、φ/8となる。そのため、副走査方向(描画ラインSLnと直交した方向)に関しても、描画ラインSLnに沿ったスポット光SPの1回の走査と、次の走査との間で、基板Pがスポット光SPの実効的なサイズφの略1/8の距離だけ移動するように設定することが望ましい。また、基板P上の感光性機能層への露光量の設定は、ビームLB(パルス光)のピーク値の調整で可能であるが、ビームLBの強度を上げられない状況で露光量を増大させたい場合は、スポット光SPの主走査方向の走査速度Vsの低下、ビームLBの発振周波数Faの増大、或いは基板Pの副走査方向の搬送速度Vtの低下等のいずれかによって、スポット光SPの主走査方向または副走査方向に関するオーバーラップ量を増加させればよい。スポット光SPの主走査方向の走査速度Vsは、ポリゴンミラーPMの回転数(回転速度Vp)に比例して速くなる。

0042

各走査ユニットUn(U1〜U6)は、少なくともXZ平面において、各ビームLBnが回転ドラムDRの中心軸AXoに向かって進むように、各ビームLBnを基板Pに向けて照射する。これにより、各走査ユニットUn(U1〜U6)から基板Pに向かって進むビームLBnの光路ビーム中心軸)は、XZ平面において、基板Pの被照射面の法線と平行となる。また、各走査ユニットUn(U1〜U6)は、描画ラインSLn(SL1〜SL6)に照射するビームLBnが、YZ平面と平行な面内では基板Pの被照射面に対して垂直となるように、ビームLBnを基板Pに向けて照射する。すなわち、被照射面でのスポット光SPの主走査方向に関して、基板Pに投射されるビームLBn(LB1〜LB6)はテレセントリックな状態で走査される。ここで、各走査ユニットUn(U1〜U6)によって規定される所定の描画ラインSLn(SL1〜SL6)の各中点を通って基板Pの被照射面と垂直な線(または光軸とも呼ぶ)を、照射中心軸Len(Le1〜Le6)と呼ぶ。

0043

この各照射中心軸Len(Le1〜Le6)は、XZ平面において、描画ラインSL1〜SL6と中心軸AXoとを結ぶ線となっている。奇数番の走査ユニットU1、U3、U5の各々の照射中心軸Le1、Le3、Le5は、XZ平面において同じ方向となっており、偶数番の走査ユニットU2、U4、U6の各々の照射中心軸Le2、Le4、Le6は、XZ平面において同じ方向となっている。また、照射中心軸Le1、Le3、Le5と照射中心軸Le2、Le4、Le6とは、XZ平面において、中心面Pocに対して角度が±θ1となるように設定されている(図2参照)。

0044

図2に示した複数のアライメント顕微鏡AM1m(AM11〜AM14)、AM2m(AM21〜AM24)は、図4に示す基板Pに形成された複数のアライメントマークMKm(MK1〜MK4)を検出するためのものであり、Y方向に沿って複数(本第1の実施の形態では、4つ)設けられている。複数のアライメントマークMKm(MK1〜MK4)は、基板Pの被照射面上の露光領域Wに描画される所定のパターンと、基板Pとを相対的に位置合わせする(アライメントする)ための基準マークである。複数のアライメント顕微鏡AM1m(AM11〜AM14)、AM2m(AM21〜AM24)は、回転ドラムDRの外周面(円周面)で支持されている基板P上で、複数のアライメントマークMKm(MK1〜MK4)を検出する。複数のアライメント顕微鏡AM1m(AM11〜AM14)は、露光ヘッド14からのビームLBn(LB1〜LB6)のスポット光SPによる基板P上の被照射領域(描画ラインSL1〜SL6で囲まれた領域)よりも基板Pの搬送方向の上流側(−X方向側)に設けられている。また、複数のアライメント顕微鏡AM2m(AM21〜AM24)は、露光ヘッド14からビームLBn(LB1〜LB6)のスポット光SPによる基板P上の被照射領域(描画ラインSL1〜SL6で囲まれた領域)よりも基板Pの搬送方向の下流側(+X方向側)に設けられている。

0045

アライメント顕微鏡AM1m(AM11〜AM14)、AM2m(AM21〜AM24)は、アライメント用の照明光を基板Pに投射する光源と、基板Pの表面のアライメントマークMKmを含む局所領域(観察領域)Vw1m(Vw11〜Vw14)、Vw2m(Vw21〜Vw24)の拡大像を得る観察光学系対物レンズを含む)と、その拡大像を基板Pが搬送方向に移動している間に、基板Pの搬送速度Vtに応じた高速シャッタ撮像するCCD、CMOS等の撮像素子とを有する。複数のアライメント顕微鏡AM1m(AM11〜AM14)、AM2m(AM21〜AM24)の各々が撮像した撮像信号(画像データ)は制御装置16に送られる。制御装置16のマーク位置検出部106(図12参照)は、この送られてきた複数の撮像信号の画像解析を行うことで、基板P上のアライメントマークMKm(MK1〜MK4)の位置(マーク位置情報)を検出する。なお、アライメント用の照明光は、基板P上の感光性機能層に対してほとんど感度を持たない波長域の光、例えば、波長500〜800nm程度の光である。

0046

複数のアライメントマークMK1〜MK4は、各露光領域Wの周りに設けられている。アライメントマークMK1、MK4は、露光領域Wの基板Pの幅方向の両側に、基板Pの長尺方向に沿って一定の間隔Dhで複数形成されている。アライメントマークMK1は、基板Pの幅方向の−Y方向側に、アライメントマークMK4は、基板Pの幅方向の+Y方向側にそれぞれ形成されている。このようなアライメントマークMK1、MK4は、基板Pが大きなテンションを受けたり、熱プロセスを受けたりして変形していない状態では、基板Pの長尺方向(X方向)に関して同一位置になるように配置される。さらに、アライメントマークMK2、MK3は、アライメントマークMK1とアライメントマークMK4の間であって、露光領域Wの+X方向側と−X方向側との余白部に基板Pの幅方向(短尺方向)に沿って形成されている。アライメントマークMK2、MK3は、露光領域Wと露光領域Wとの間に形成されている。アライメントマークMK2は、基板Pの幅方向の−Y方向側に、アライメントマークMK3は、基板Pの+Y方向側に形成されている。

0047

さらに、基板Pの−Y方向側の端部に配列されるアライメントマークMK1と余白部のアライメントマークMK2とのY方向の間隔、余白部のアライメントマークMK2とアライメントマークMK3のY方向の間隔、および基板Pの+Y方向側の端部に配列されるアライメントマークMK4と余白部のアライメントマークMK3とのY方向の間隔は、いずれも同じ距離に設定されている。これらのアライメントマークMKm(MK1〜MK4)は、第1層のパターン層の形成の際に一緒に形成されてもよい。例えば、第1層のパターンを露光する際に、パターンが露光される露光領域Wの周りにアライメントマーク用のパターンも一緒に露光してもよい。なお、アライメントマークMKmは、露光領域W内に形成されてもよい。例えば、露光領域W内であって、露光領域Wの輪郭に沿って形成されてもよい。また、露光領域W内に形成される電子デバイスのパターン中の特定位置のパターン部分、或いは特定形状の部分をアライメントマークMKmとして利用してもよい。

0048

アライメント顕微鏡AM11、AM21は、図4に示すように、対物レンズによる観察領域(検出領域)Vw11、Vw21内に存在するアライメントマークMK1を撮像するように配置される。同様に、アライメント顕微鏡AM12〜AM14、AM22〜AM24は、対物レンズによる観察領域Vw12〜Vw14、Vw22〜Vw24内に存在するアライメントマークMK2〜MK4を撮像するように配置される。したがって、複数のアライメント顕微鏡AM11〜AM14、AM21〜AM24は、複数のアライメントマークMK1〜MK4の位置に対応して、基板Pの−Y方向側からAM11〜AM14、AM21〜AM24、の順で基板Pの幅方向に沿って設けられている。なお、図3においては、アライメント顕微鏡AM2m(AM21〜AM24)の観察領域Vw2m(Vw21〜Vw24)の図示を省略している。

0049

複数のアライメント顕微鏡AM1m(AM11〜AM14)は、X方向に関して、露光位置(描画ラインSL1〜SL6)と観察領域Vw1m(Vw11〜Vw14)との距離が、露光領域WのX方向の長さよりも短くなるように設けられている。複数のアライメント顕微鏡AM2m(AM21〜AM24)も同様に、X方向に関して、露光位置(描画ラインSL1〜SL6)と観察領域Vw2m(Vw21〜Vw24)との距離が、露光領域WのX方向の長さよりも短くなるように設けられている。なお、Y方向に設けられるアライメント顕微鏡AM1m、AM2mの数は、基板Pの幅方向に形成されるアライメントマークMKmの数に応じて変更可能である。また、各観察領域Vw1m(Vw11〜Vw14)、Vw2m(Vw21〜Vw24)の基板Pの被照射面上の大きさは、アライメントマークMK1〜MK4の大きさやアライメント精度位置計測精度)に応じて設定されるが、100〜500μm角程度の大きさである。

0050

図3に示すように、回転ドラムDRの両端部には、回転ドラムDRの外周面の周方向の全体に亘って環状に形成された目盛を有するスケール部SDa、SDbが設けられている。このスケール部SDa、SDbは、回転ドラムDRの外周面の周方向に一定のピッチ(例えば、20μm)で凹状または凸状の格子線刻設した回折格子であり、インクリメンタル型のスケールとして構成される。このスケール部SDa、SDbは、中心軸AXo回りに回転ドラムDRと一体に回転する。スケール部SDa、SDbを読み取るスケール読取ヘッドとしての複数のエンコーダENja、ENjb(なお、j=1、2、3、4)は、このスケール部SDa、SDbと対向するように設けられている(図2図3参照)。なお、図3においては、エンコーダEN4a、EN4bの図示を省略している。

0051

エンコーダENja、ENjbは、回転ドラムDRの回転角度位置を光学的に検出するものである。回転ドラムDRの−Y方向側の端部に設けられたスケール部SDaに対向して、4つのエンコーダENja(EN1a、EN2a、EN3a、EN4a)が設けられている。同様に、回転ドラムDRの+Y方向側の端部に設けられたスケール部SDbに対向して、4つのエンコーダENjb(EN1b、EN2b、EN3b、EN4b)が設けられている。

0052

エンコーダEN1a、EN1bは、中心面Pocに対して基板Pの搬送方向の上流側(−X方向側)に設けられており、設置方位線Lx1上に配置されている(図2図3参照)。設置方位線Lx1は、XZ平面において、エンコーダEN1a、EN1bの計測用光ビームのスケール部SDa、SDb上への投射位置(読取位置)と、中心軸AXoとを結ぶ線となっている。また、設置方位線Lx1は、XZ平面において、各アライメント顕微鏡AM1m(AM11〜AM14)の観察領域Vw1m(Vw11〜Vw14)と中心軸AXoとを結ぶ線となっている。つまり、複数のアライメント顕微鏡AM1m(AM11〜AM14)も設置方位線Lx1上に配置されている。

0053

エンコーダEN2a、EN2bは、中心面Pocに対して基板Pの搬送方向の上流側(−X方向側)に設けられており、且つ、エンコーダEN1a、EN1bより基板Pの搬送方向の下流側(+X方向側)に設けられている。エンコーダEN2a、EN2bは、設置方位線Lx2上に配置されている(図2図3参照)。設置方位線Lx2は、XZ平面において、エンコーダEN2a、EN2bの計測用の光ビームのスケール部SDa、SDb上への投射位置(読取位置)と、中心軸AXoとを結ぶ線となっている。この設置方位線Lx2は、XZ平面において、照射中心軸Le1、Le3、Le5と同角度位置となって重なっている。

0054

エンコーダEN3a、EN3bは、中心面Pocに対して基板Pの搬送方向の下流側(+X方向側)に設けられており、設置方位線Lx3上に配置されている(図2図3参照)。設置方位線Lx3は、XZ平面において、エンコーダEN3a、EN3bの計測用の光ビームのスケール部SDa、SDb上への投射位置(読取位置)と、中心軸AXoとを結ぶ線となっている。この設置方位線Lx3は、XZ平面において、照射中心軸Le2、Le4、Le6と同角度位置となって重なっている。したがって、設置方位線Lx2と設置方位線Lx3とは、XZ平面において、中心面Pocに対して角度が±θ1となるように設定されている(図2参照)。

0055

エンコーダEN4a、EN4bは、エンコーダEN3a、EN3bより基板Pの搬送方向の下流側(+X方向側)に設けられており、設置方位線Lx4上に配置されている(図2参照)。設置方位線Lx4は、XZ平面において、エンコーダEN4a、EN4bの計測用の光ビームのスケール部SDa、SDb上への投射位置(読取位置)と、中心軸AXoとを結ぶ線となっている。また、設置方位線Lx4は、XZ平面において、各アライメント顕微鏡AM2m(AM21〜AM24)の観察領域Vw2m(Vw21〜Vw24)と中心軸AXoとを結ぶ線となっている。つまり、複数のアライメント顕微鏡AM2m(AM21〜AM24)も設置方位線Lx4上に配置されている。この設置方位線Lx1と設置方位線Lx4とは、XZ平面において、中心面Pocに対して角度が±θ2となるように設定されている(図2参照)。

0056

各エンコーダENja(EN1a〜EN4a)、ENjb(EN1b〜EN4b)は、スケール部SDa、SDbに向けて計測用の光ビームを投射し、その反射光束回折光)を光電検出することにより、パルス信号である検出信号を制御装置16に出力する。制御装置16の回転位置検出部108(図12参照)は、その検出信号(パルス信号)をカウントすることで、回転ドラムDRの回転角度位置および角度変化サブミクロン分解能計測する。この回転ドラムDRの角度変化から、基板Pの搬送速度Vtも計測することができる。回転位置検出部108は、各エンコーダENja(EN1a〜EN4a)、ENjb(EN1b〜EN4b)からの検出信号をそれぞれ個別にカウントする。

0057

具体的には、回転位置検出部108は、複数のカウンタ回路CNja(CN1a〜CN4a)、CNjb(CN1b〜CN4b)を有する。カウンタ回路CN1aは、エンコーダEN1aからの検出信号をカウントし、カウンタ回路CN1bは、エンコーダEN1bからの検出信号をカウントする。同様にして、カウンタ回路CN2a〜CN4a、CN2b〜CN4bは、エンコーダEN2a〜EN4a、EN2b〜EN4bからの検出信号をカウントする。この各カウンタ回路CNja(CN1a〜CN4a)、CNjb(CN1b〜CN4b)は、各エンコーダENja(EN1a〜EN4a)、ENjb(EN1b〜EN4b)がスケール部SDa、SDbの周方向の一部に形成された図3に示す原点マーク原点パターンZZを検出すると、原点マークZZを検出したエンコーダENja、ENjbに対応するカウント値を0にリセットする。

0058

このカウンタ回路CN1a、CN1bのカウント値のいずれか一方若しくはその平均値は、設置方位線Lx1上における回転ドラムDRの回転角度位置として用いられ、カウンタ回路CN2a、CN2bのカウント値のいずれか一方若しくは平均値は、設置方位線Lx2上における回転ドラムDRの回転角度位置として用いられる。同様に、カウンタ回路CN3a、CN3bのカウント値のいずれか一方若しくは平均値は、設置方位線Lx3上における回転ドラムDRの回転角度位置として用いられ、カウンタ回路CN4a、CN4bのカウント値のいずれか一方若しくはその平均値は、設置方位線Lx4上における回転ドラムDRの回転角度位置として用いられる。なお、回転ドラムDRの製造誤差等によって回転ドラムDRが中心軸AXoに対して偏心して回転している場合を除き、原則として、カウンタ回路CN1a、CN1bのカウント値は同一となる。同様にして、カウンタ回路CN2a、CN2bのカウント値も同一となり、カウンタ回路CN3a、CN3bのカウント値、カウンタ回路CN4a、CN4bのカウント値もそれぞれ同一となる。

0059

上述したように、アライメント顕微鏡AM1m(AM11〜AM14)とエンコーダEN1a、EN1bとは、設置方位線Lx1上に配置され、アライメント顕微鏡AM2m(AM21〜AM24)とエンコーダEN4a、EN4bとは、設置方位線Lx4上に配置されている。したがって、複数のアライメント顕微鏡AM1m(AM11〜AM14)が撮像した複数の撮像信号のマーク位置検出部106の画像解析によるアライメントマークMKm(MK1〜MK4)の位置検出と、アライメント顕微鏡AM1mが撮像した瞬間の回転ドラムDRの回転角度位置の情報(エンコーダEN1a、EN1bに基づくカウント値)とに基づいて、設置方位線Lx1上における基板Pの位置を高精度に計測することができる。同様に、複数のアライメント顕微鏡AM2m(AM21〜AM24)が撮像した複数の撮像信号のマーク位置検出部106の画像解析によるアライメントマークMKm(MK1〜MK4)の位置検出と、アライメント顕微鏡AM2mが撮像した瞬間の回転ドラムDRの回転角度位置の情報(エンコーダEN4a、EN4bに基づくカウント値)とに基づいて、設置方位線Lx4上における基板Pの位置を高精度に計測することができる。

0060

また、エンコーダEN1a、EN1bからの検出信号のカウント値と、エンコーダEN2a、EN2bからの検出信号のカウント値と、エンコーダEN3a、EN3bからの検出信号のカウント値と、エンコーダEN4a、EN4bからの検出信号のカウント値は、各エンコーダENja、ENjbが原点マークZZを検出した瞬間にゼロにリセットされる。そのため、エンコーダEN1a、EN1bに基づくカウント値が第1の値(例えば、100)のときの、回転ドラムDRに巻き付けられている基板Pの設置方位線Lx1上における位置を第1の位置とした場合に、基板P上の第1の位置が設置方位線Lx2上の位置(描画ラインSL1、SL3、SL5の位置)まで搬送されると、エンコーダEN2a、EN2bに基づくカウント値は第1の値(例えば、100)となる。同様に、基板P上の第1の位置が設置方位線Lx3上の位置(描画ラインSL2、SL4、SL6の位置)まで搬送されると、エンコーダEN3a、EN3bに基づく検出信号のカウント値は第1の値(例えば、100)となる。同様に、基板P上の第1の位置が設置方位線Lx4上の位置まで搬送されると、エンコーダEN4a、EN4bに基づく検出信号のカウント値は第1の値(例えば、100)となる。

0061

ところで、基板Pは、回転ドラムDRの両端のスケール部SDa、SDbより内側に巻き付けられている。図2では、スケール部SDa、SDbの外周面の中心軸AXoからの半径を、回転ドラムDRの外周面の中心軸AXoからの半径より小さく設定した。しかしながら、図3に示すように、スケール部SDa、SDbの外周面を、回転ドラムDRに巻き付けられた基板Pの外周面と同一面となるように設定してもよい。つまり、スケール部SDa、SDbの外周面の中心軸AXoからの半径(距離)と、回転ドラムDRに巻き付けられた基板Pの外周面(被照射面)の中心軸AXoからの半径(距離)とが同一となるように設定してもよい。これにより、各エンコーダENja(EN1a〜EN4a)、ENjb(EN1b〜EN4b)は、回転ドラムDRに巻き付いた基板Pの被照射面と同じ径方向の位置でスケール部SDa、SDbを検出することができる。したがって、エンコーダENja、ENjbによる計測位置と処理位置(描画ラインSL1〜SL6)とが回転ドラムDRの径方向で異なることで生じるアッベ誤差を小さくすることができる。

0062

ただし、被照射体としての基板Pの厚さは十数μm〜数百μmと大きく異なるため、スケール部SDa、SDbの外周面の半径と、回転ドラムDRに巻き付けられた基板Pの外周面の半径とを常に同一にすることは難しい。そのため、図3に示したスケール部SDa、SDbの場合、その外周面(スケール面)の半径は、回転ドラムDRの外周面の半径と一致するように設定される。さらに、スケール部SDa、SDbを個別の円盤で構成し、その円盤(スケール円盤)を回転ドラムDRのシャフトSftに同軸に取り付けることも可能である。その場合も、アッベ誤差が許容値内に収まる程度に、スケール円盤の外周面(スケール面)の半径と回転ドラムDRの外周面の半径とを揃えておくのがよい。

0063

以上のことから、アライメント顕微鏡AM1m(AM11〜AM14)によって検出されたアライメントマークMKm(MK1〜MK4)の基板P上の位置と、エンコーダEN1a、EN1bに基づくカウント値(カウンタ回路CN1a、CN1bのカウント値のいずれか一方若しくは平均値)に基づいて、制御装置16によって基板Pの長尺方向(X方向)における露光領域Wの描画露光の開始位置が決定される。なお、露光領域WのX方向の長さは予め既知なので、制御装置16は、アライメントマークMKm(MK1〜MK4)を所定個数検出する度に、描画露光の開始位置として決定する。そして、露光開始位置が決定された際のエンコーダEN1a、EN1bに基づくカウント値を第1の値(例えば、100)とした場合は、エンコーダEN2a、EN2bに基づくカウント値が第1の値(例えば、100)となると、基板Pの長尺方向における露光領域Wの描画露光の開始位置が描画ラインSL1、SL3、SL5上に位置する。したがって、走査ユニットU1、U3、U5は、エンコーダEN2a、EN2bのカウント値に基づいて、スポット光SPの走査を開始することができる。また、エンコーダEN3a、EN3bに基づくカウント値が第1の値(例えば、100)となると、基板Pの長尺方向における露光領域Wの描画露光の開始位置が描画ラインSL2、SL4、SL6上に位置する。したがって、走査ユニットU2、U4、U6は、エンコーダEN3a、EN3bのカウント値に基づいて、スポット光SPの走査を開始することができる。

0064

通常は、テンション調整ローラRT1、RT2が基板Pに長尺方向に所定のテンションを与えることで、基板Pは、回転ドラムDRに密着しながら、回転ドラムDRの回転と一緒になって搬送される。しかし、回転ドラムDRの回転速度Vpが速かったり、テンション調整ローラRT1、RT2が基板Pに与えるテンションが低くなり過ぎたり、高くなり過ぎたりする等の理由により、基板Pの回転ドラムDRに対する滑りが発生する可能性がある。基板Pの回転ドラムDRに対する滑りが発生しない状態時においては、エンコーダEN4a、4bに基づくカウント値が、アライメントマークMKmA(ある特定のアライメントマークMKm)をアライメント顕微鏡AM1mが撮像した瞬間のエンコーダEN1a、EN1bに基づくカウント値(例えば、150)と同じ値になった場合は、アライメント顕微鏡AM2mによって、このアライメントマークMKmAが検出される。

0065

しかしながら、基板Pの回転ドラムDRに対する滑りが発生している場合は、エンコーダEN4a、EN4bに基づくカウント値が、アライメントマークMKmAをアライメント顕微鏡AM1mが撮像した瞬間のエンコーダEN1a、EN1bに基づくカウント値(例えば、150)と同じ値となっても、アライメント顕微鏡AM2mによって、このアライメントマークMKmAが検出されない。この場合は、エンコーダEN4a、EN4bに基づくカウント値が、例えば、150を過ぎてから、アライメント顕微鏡AM2mによって、アライメントマークMKmAが検出されることになる。したがって、アライメントマークMKmAをアライメント顕微鏡AM1mが撮像した瞬間のエンコーダEN1a、EN1bに基づくカウント値と、アライメントマークMKmAをアライメント顕微鏡AM2mが撮像した瞬間のエンコーダEN4a、EN4bのカウント値とに基づいて、基板Pに対する滑り量を求めることができる。このように、このアライメント顕微鏡AM2mおよびエンコーダEN4a、EN4bを追加設置することで、基板Pの滑り量を測定することができる。

0066

次に、図5を参照して走査ユニットUn(U1〜U6)の光学的な構成について説明する。なお、各走査ユニットUn(U1〜U6)は、同一の構成を有することから、走査ユニットU1についてのみ説明し、他の走査ユニットUnについてはその説明を省略する。また、図5においては、照射中心軸Len(Le1)と平行する方向をZt方向とし、Zt方向と直交する平面上にあって、基板Pが処理装置PR2から露光装置EXを経て処理装置PR3に向かう方向をXt方向とし、Zt方向と直交する平面上であって、Xt方向と直交する方向をYt方向とする。つまり、図5のXt、Yt、Ztの3次元座標は、図2のX、Y、Zの3次元座標を、Y軸を中心にZ軸方向が照射中心軸Len(Le1)と平行となるように回転させた3次元座標である。

0067

図5に示すように、走査ユニットU1内には、ビームLB1の入射位置から被照射面(基板P)までのビームLB1の進行方向に沿って、反射ミラーM10、ビームエキスパンダーBE、反射ミラーM11、偏光ビームスプリッタBS1、反射ミラーM12、シフト光学部材(平行平板)SR、偏向調整光学部材プリズムDPフィールドアパーチャFA、反射ミラーM13、λ/4波長板QW、シリンドリカルレンズCYa、反射ミラーM14、ポリゴンミラーPM、fθレンズFT、反射ミラーM15、シリンドリカルレンズCYbが設けられる。さらに、走査ユニットU1内には、走査ユニットU1の描画開始可能タイミングを検出する原点センサ(原点検出器)OP1と、被照射面(基板P)からの反射光を偏光ビームスプリッタBS1を介して検出するための光学レンズ系G10および光検出器DTとが設けられる。

0068

走査ユニットU1に入射するビームLB1は、−Zt方向に向けて進み、XtYt平面に対して45°傾いた反射ミラーM10に入射する。この走査ユニットU1に入射するビームLB1の軸線は、照射中心軸Le1と同軸になるように反射ミラーM10に入射する。反射ミラーM10は、ビームLB1を走査ユニットU1に入射させる入射光学部材として機能し、入射したビームLB1を、Xt軸と平行に設定される光軸AXaに沿って、反射ミラーM10から−Xt方向に離れた反射ミラーM11に向けて−Xt方向に反射する。したがって、光軸AXaはXtZt平面と平行な面内で照射中心軸Le1と直交する。反射ミラーM10で反射したビームLB1は、光軸AXaに沿って配置されるビームエキスパンダーBEを透過して反射ミラーM11に入射する。ビームエキスパンダーBEは、透過するビームLB1の径を拡大させる。ビームエキスパンダーBEは、集光レンズBe1と、集光レンズBe1によって収斂された後に発散するビームLB1を平行光にするコリメートレンズBe2とを有する。

0069

反射ミラーM11は、YtZt平面に対して45°傾いて配置され、入射したビームLB1(光軸AXa)を偏光ビームスプリッタBS1に向けて−Yt方向に反射する。反射ミラーM11に対して−Yt方向に離れて設置されている偏光ビームスプリッタBS1の偏光分離面は、YtZt平面に対して45°傾いて配置され、P偏光のビームを反射し、P偏光と直交する方向に偏光した直線偏光(S偏光)のビームを透過するものである。走査ユニットU1に入射するビームLB1は、P偏光のビームなので、偏光ビームスプリッタBS1は、反射ミラーM11からのビームLB1を−Xt方向に反射して反射ミラーM12側に導く。

0070

反射ミラーM12は、XtYt平面に対して45°傾いて配置され、入射したビームLB1を、反射ミラーM12から−Zt方向に離れた反射ミラーM13に向けて−Zt方向に反射する。反射ミラーM12で反射されたビームLB1は、Zt軸と平行な光軸AXcに沿ってシフト光学部材SR、偏向調整光学部材DP、およびフィールドアパーチャ(視野絞り)FAを通過して、反射ミラーM13に入射する。シフト光学部材SRは、ビームLB1の進行方向(光軸AXc)と直交する平面(XtYt平面)内において、ビームLB1の断面内の中心位置を2次元的に調整する。シフト光学部材SRは、光軸AXcに沿って配置される2枚の石英の平行平板Sr1、Sr2で構成され、平行平板Sr1は、Xt軸回りに傾斜可能であり、平行平板Sr2は、Yt軸回りに傾斜可能である。この平行平板Sr1、Sr2がそれぞれ、Xt軸、Yt軸回りに傾斜することで、ビームLB1の進行方向と直交するXtYt平面において、ビームLB1の中心の位置を2次元に微小シフトする。この平行平板Sr1、Sr2は、制御装置16の制御の下、図示しないアクチュエータ(駆動部)によって駆動する。

0071

偏向調整光学部材DPは、反射ミラーM12で反射されてシフト光学部材SRを通ってきたビームLB1の光軸AXcに対する傾きを微調整するものである。偏向調整光学部材DPは、光軸AXcに沿って配置される2つの楔状のプリズムDp1、Dp2で構成され、プリズムDp1、Dp2の各々は独立して光軸AXcを中心に360°回転可能に設けられている。2つのプリズムDp1、Dp2の回転角度位置を調整することによって、反射ミラーM13に達するビームLB1の軸線と光軸AXcとの平行出し、または、基板Pの被照射面に達するビームLB1の軸線と照射中心軸Le1との平行出しが行われる。なお、2つのプリズムDp1、Dp2によって偏向調整された後のビームLB1は、ビームLB1の断面と平行な面内で横シフトしている場合があり、その横シフトは先のシフト光学部材SRによって元に戻すことができる。このプリズムDp1、Dp2は、制御装置16の制御の下、図示しないアクチュエータ(駆動部)によって駆動する。

0072

このように、シフト光学部材SRと偏向調整光学部材DPとを通ったビームLB1は、フィールドアパーチャFAの円形開口を透過して反射ミラーM13に達する。フィールドアパーチャFAの円形開口は、ビームエキスパンダーBEで拡大されたビームLB1の断面内の強度分布の裾野部分カットする絞りである。フィールドアパーチャFAの円形開口を口径が調整可能な可変虹彩絞りにすると、スポット光SPの強度(輝度)を調整することができる。

0073

反射ミラーM13は、XtYt平面に対して45°傾いて配置され、入射したビームLB1を反射ミラーM14に向けて+Xt方向に反射する。反射ミラーM13で反射したビームLB1は、λ/4波長板QWおよびシリンドリカルレンズCYaを介して反射ミラーM14に入射する。反射ミラーM14は、入射したビームLB1をポリゴンミラー(回転多面鏡走査用偏向部材)PMに向けて反射する。ポリゴンミラーPMは、入射したビームLB1を、Xt軸と平行な光軸AXfを有するfθレンズFTに向けて+Xt方向側に反射する。ポリゴンミラーPMは、ビームLB1のスポット光SPを基板Pの被照射面上で走査するために、入射したビームLB1をXtYt平面と平行な面内で1次元に偏向(反射)する。具体的には、ポリゴンミラーPMは、Zt軸方向に延びる回転軸AXpと、回転軸AXpの周りに形成された複数の反射面RP(本実施の形態では反射面RPの数Npを8とする)とを有する。回転軸AXpを中心にこのポリゴンミラーPMを所定の回転方向に回転させることで反射面RPに照射されるパルス状のビームLB1の反射角を連続的に変化させることができる。これにより、1つの反射面RPによってビームLB1の反射方向が偏向され、基板Pの被照射面上に照射されるビームLB1のスポット光SPを主走査方向(基板Pの幅方向、Yt方向)に沿って走査することができる。

0074

つまり、1つの反射面RPによって、ビームLB1のスポット光SPを主走査方向に沿って走査することができる。このため、ポリゴンミラーPMの1回転で、基板Pの被照射面上にスポット光SPが走査される描画ラインSL1の数は、最大で反射面RPの数と同じ8本となる。ポリゴンミラーPMは、制御装置16の制御の下、回転駆動源(例えば、モータや減速機構等)RMによって一定の速度で回転する。先に説明したように、描画ラインSL1の実効的な長さ(例えば、30mm)は、このポリゴンミラーPMによってスポット光SPを走査することができる最大走査長(例えば、31mm)以下の長さに設定されており、初期設定(設計上)では、最大走査長の中央に描画ラインSL1の中心点(照射中心軸Le1が通る点)が設定されている。

0075

シリンドリカルレンズCYaは、ポリゴンミラーPMによる主走査方向(回転方向)と直交する非走査方向(Zt方向)に関して、入射したビームLB1をポリゴンミラーPMの反射面RP上に収斂する。つまり、シリンドリカルレンズCYaは、ビームLB1を反射面RP上でXtYt平面と平行な方向に延びたスリット状(長楕円状)に収斂する。母線がYt方向と平行となっているシリンドリカルレンズCYaと、後述のシリンドリカルレンズCYbとによって、反射面RPがZt方向に対して傾いている場合(XtYt平面の法線に対する反射面RPの傾き)があっても、その影響を抑制することができる。例えば、基板Pの被照射面上に照射されるビームLB1(描画ラインSL1)の照射位置が、ポリゴンミラーPMの各反射面RP毎の僅かな傾き誤差によってXt方向にずれることを抑制することができる。

0076

Xt軸方向に延びる光軸AXfを有するfθレンズFTは、ポリゴンミラーPMによって反射されたビームLB1を、XtYt平面において、光軸AXfと平行となるように反射ミラーM15に投射するテレセントリック系スキャンレンズである。ビームLB1のfθレンズFTへの入射角θは、ポリゴンミラーPMの回転角(θ/2)に応じて変わる。fθレンズFTは、反射ミラーM15およびシリンドリカルレンズCYbを介して、その入射角θに比例した基板Pの被照射面上の像高位置にビームLB1を投射する。焦点距離をfoとし、像高位置をyとすると、fθレンズFTは、y=fo×θ、の関係(歪曲収差)を満たすように設計されている。したがって、このfθレンズFTによって、ビームLB1をYt方向(Y方向)に正確に等速で走査することが可能になる。fθレンズFTへの入射角θが0度のときに、fθレンズFTに入射したビームLB1は、光軸AXf上に沿って進む。

0077

反射ミラーM15は、fθレンズFTからのビームLB1を、シリンドリカルレンズCYbを介して基板Pに向けて−Zt方向に反射する。fθレンズFTおよび母線がYt方向と平行となっているシリンドリカルレンズCYbによって、基板Pに投射されるビームLB1が基板Pの被照射面上で直径数μm程度(例えば、3μm)の微小なスポット光SPに収斂される。また、基板Pの被照射面上に投射されるスポット光SPは、ポリゴンミラーPMによって、Yt方向に延びる描画ラインSL1によって1次元走査される。なお、fθレンズFTの光軸AXfと照射中心軸Le1とは、同一の平面上にあり、その平面はXtZt平面と平行である。したがって、光軸AXf上に進んだビームLB1は、反射ミラーM15によって−Zt方向に反射し、照射中心軸Le1と同軸になって基板Pに投射される。本第1の実施の形態において、少なくともfθレンズFTは、ポリゴンミラーPMによって偏向されたビームLB1を基板Pの被照射面に投射する投射光学系として機能する。また、少なくとも反射部材(反射ミラーM11〜M15)および偏光ビームスプリッタBS1は、反射ミラーM10から基板PまでのビームLB1の光路を折り曲げ光路偏向部材として機能する。この光路偏向部材によって、反射ミラーM10に入射するビームLB1の入射軸と照射中心軸Le1とを略同軸にすることができる。XtZt平面に関して、走査ユニットU1内を通るビームLB1は、略U字状またはコ字状の光路を通った後、−Zt方向に進んで基板Pに投射される。

0078

このように、基板PがX方向に搬送されている状態で、各走査ユニットUn(U1〜U6)によって、ビームLBn(LB1〜LB6)のスポット光SPを主走査方向(Y方向)に一次元に走査することで、スポット光SPを基板Pの被照射面に相対的に2次元走査することができる。

0079

なお、一例として、描画ラインSLn(SL1〜SL6)の実効的な長さを30mmとし、実効的なサイズφが3μmのスポット光SPの7/8ずつ、つまり、2.625(=3×7/8)μmずつ、オーバーラップさせながらスポット光SPを描画ラインSLn(SL1〜SL6)に沿って基板Pの被照射面上に照射する場合は、スポット光SPは、0.375μmの間隔で照射される。したがって、1回の走査で照射されるスポット光SPの数は、80000(=30〔mm〕/0.375〔μm〕)となる。また、基板Pの副走査方向の送り速度(搬送速度)Vtを0.6048mm/secとし、副走査方向についてもスポット光SPの走査が0.375μmの間隔で行われるものとすると、描画ラインSLnに沿った1回の走査開始(描画開始)時点と次の走査開始時点との時間差Tpxは、約620μsec(=0.375〔μm〕/0.6048〔mm/sec〕)となる。この時間差Tpxは、8反射面RPのポリゴンミラーPMが1面分(45度=360度/8)だけ回転する時間である。この場合、ポリゴンミラーPMの1回転の時間が、約4.96msec(=8×620〔μsec〕)となるように設定される必要があるので、ポリゴンミラーPMの回転速度Vpは、毎秒約201.613回転(=1/4.96〔msec〕)、すなわち、約12096.8rpmに設定される。

0080

一方、ポリゴンミラーPMの1反射面RPで反射したビームLB1が有効にfθレンズFTに入射する最大入射角度(スポット光SPの最大走査長に対応)は、fθレンズFTの焦点距離と最大走査長によっておおよそ決まってしまう。一例として、8反射面RPのポリゴンミラーPMの場合は、1反射面RP分の回転角度45度のうちで実走査に寄与する回転角度α比率走査効率)は、α/45度で表される。本第1の実施の形態では、実走査に寄与する回転角度αを15度とするので、走査効率は1/3(=15度/45度)となり、fθレンズFTの最大入射角は30度(光軸AXfを中心として±15度)となる。そのため、描画ラインSLnの最大走査長(例えば、31mm)分だけスポット光SPを走査するのに必要な時間Tsは、Ts=Tpx×走査効率、となり、先の数値例の場合は、時間Ts、約206.666・・・μsec(=620〔μsec〕/3)、となる。本第1の実施の形態における描画ラインSLn(SL1〜SL6)の実効的な走査長を30mmとするので、この描画ラインSLnに沿ったスポット光SPの1走査の走査時間Tspは、約200μsec(=206.666・・・〔μsec〕×30〔mm〕/31〔mm〕)、となる。したがって、この時間Tspの間に、80000のスポット光SP(パルス光)を照射する必要があるので、光源装置LS(LSa、LSb)からのビームLBの発光周波数(発振周波数)Faは、Fa≒80000回/200μsec=400MHzとなる。

0081

図5に示す原点センサOP1は、ポリゴンミラーPMの反射面RPの回転位置が、反射面RPによるスポット光SPの走査が開始可能な所定位置にくると原点信号SZ1を発生する。言い換えるならば、原点センサOP1は、これからスポット光SPの走査を行う反射面RPの角度が所定の角度位置になったときに原点信号SZ1を発生する。ポリゴンミラーPMは、8つの反射面RPを有するので、原点センサOP1は、ポリゴンミラーPMが1回転する期間で、8回原点信号SZ1を出力することになる。この原点センサOP1が発生した原点信号SZ1は、制御装置16に送られる。原点センサOP1が原点信号SZ1を発生してから、遅延時間Td1経過後にスポット光SPの描画ラインSL1に沿った走査が開始される。つまり、この原点信号SZ1は、走査ユニットU1によるスポット光SPの描画開始タイミング走査開始タイミング)を示す情報となっている。

0082

原点センサOP1は、基板Pの感光性機能層に対して非感光性の波長域のレーザビームBgaを反射面RPに対して射出するビーム送光系opaと、反射面RPで反射したレーザビームBgaの反射ビームBgbを受光して原点信号SZ1を発生するビーム受光系opbとを有する。ビーム送光系opaは、図示しないが、レーザビームBgaを射出する光源と、光源が発光したレーザビームBgaを反射面RPに投射する光学部材(反射ミラーやレンズ等)とを有する。ビーム受光系opbは、図示しないが、受光した反射ビームBgbを受光して電気信号に変換する光電変換素子を含む受光部と、反射面RPで反射した反射ビームBgbを前記受光部に導く光学部材(反射ミラーやレンズ等)を有する。ビーム送光系opaとビーム受光系opbとは、ポリゴンミラーPMの回転位置が、反射面RPによるスポット光SPの走査が開始される直前の所定位置にきたときに、ビーム送光系opaが射出したレーザビームBgaの反射ビームBgbをビーム受光系opbが受光することができる位置に設けられている。なお、走査ユニットU2〜U6に設けられている原点センサOPnをOP2〜OP6で表し、原点センサOP2〜OP6で発生する原点信号SZnをSZ2〜SZ6で表す。制御装置16は、この原点信号SZn(SZ1〜SZ6)に基づいて、どの走査ユニットUnがこれからスポット光SPの走査を行うかを管理している。また、原点信号SZ2〜SZ6が発生してから、走査ユニットU2〜U6による描画ラインSL2〜SL6に沿ったスポット光SPの走査を開始するまでの遅延時間TdnをTd2〜Td6で表す場合がある。

0083

図5に示す光検出器DTは、入射した光を光電変換する光電変換素子を有する。回転ドラムDRの表面には、予め決められた基準パターンが形成されている。この基準パターンが形成された回転ドラムDR上の部分は、ビームLB1の波長域に対して低めの反射率(10〜50%)の素材で構成され、基準パターンが形成されていない回転ドラムDR上の他の部分は、反射率が10%以下の材料または光を吸収する材料で構成される。そのため、基板Pが巻き付けられていない状態(または基板Pの透明部を通した状態)で、回転ドラムDRの基準パターンが形成された領域に走査ユニットU1からビームLB1のスポット光SPを照射すると、その反射光が、シリンドリカルレンズCYb、反射ミラーM15、fθレンズFT、ポリゴンミラーPM、反射ミラーM14、シリンドリカルレンズCYa、λ/4波長板QW、反射ミラーM13、フィールドアパーチャFA、偏向調整光学部材DP、シフト光学部材SR、および、反射ミラーM12を通過して偏光ビームスプリッタBS1に入射する。ここで、偏光ビームスプリッタBS1と基板Pとの間、具体的には、反射ミラーM13とシリンドリカルレンズCYaとの間には、λ/4波長板QWが設けられている。これにより、基板Pに照射されるビームLB1は、このλ/4波長板QWによってP偏光から円偏光のビームLB1に変換され、基板Pから偏光ビームスプリッタBS1に入射する反射光は、このλ/4波長板QWによって、円偏光からS偏光に変換される。したがって、基板Pからの反射光は偏光ビームスプリッタBS1を透過し、光学レンズ系G10を介して光検出器DTに入射する。

0084

このとき、パルス状のビームLB1が連続して走査ユニットU1に入射される状態で、回転ドラムDRを回転して走査ユニットU1がスポット光SPを走査することで、回転ドラムDRの外周面には、スポット光SPが2次元的に照射される。したがって、回転ドラムDRに形成された基準パターンの画像を光検出器DTによって取得することができる。

0085

具体的には、光検出器DTから出力される光電信号強度変化を、ビームLB1(スポット光SP)のパルス発光のためのクロック信号LTC(光源装置LSで作られる)に応答して、デジタルサンプリングすることでYt方向の1次元の画像データとして取得する。さらに、描画ラインSL1上における回転ドラムDRの回転角度位置を計測するエンコーダEN2a、EN2bの計測値に応答して、副走査方向の一定距離(例えば、スポット光SPのサイズφの1/8)ごとにYt方向の1次元の画像データをXt方向に並べることにより、回転ドラムDRの表面の2次元の画像情報所得する。制御装置16は、この取得した回転ドラムDRの基準パターンの2次元の画像情報に基づいて、走査ユニットU1の描画ラインSL1の傾きを計測する。この描画ラインSL1の傾きとは、各走査ユニットUn(U1〜U6)間における相対的な傾きであってもよく、回転ドラムDRの中心軸AXoに対する傾き(絶対的な傾き)であってもよい。なお、同様にして、各描画ラインSL2〜SL6の傾きも計測することができることはいうまでもない。

0086

なお、複数の走査ユニットUn(U1〜U6)は、複数の走査ユニットUn(U1〜U6)の各々が照射中心軸Len(Le1〜Le6)回りに回動(回転)することができるように、図示しない本体フレームに保持されている。この各走査ユニットUn(U1〜U6)が、照射中心軸Len(Le1〜Le6)回りに回動すると、各描画ラインSLn(SL1〜SL6)も、基板Pの被照射面上で照射中心軸Len(Le1〜Le6)回りに回動する。したがって、各描画ラインSLn(SL1〜SL6)は、Y方向に対して傾くことになる。各走査ユニットUn(U1〜U6)が照射中心軸Len(Le1〜Le6)回りに回動した場合であっても、各走査ユニットUn(U1〜U6)内を通過するビームLBn(LB1〜LB6)と各走査ユニットUn(U1〜U6)内の光学的な部材との相対的な位置関係は変わらない。したがって、各走査ユニットUn(U1〜U6)は、基板Pの被照射面上で回動した描画ラインSLn(SL1〜SL6)に沿ってスポット光SPを走査することができる。この各走査ユニットUn(U1〜U6)の照射中心軸Len(Le1〜Le6)回りの回動は、制御装置16の制御の下、図示しないアクチュエータによって行われる。

0087

そのため、制御装置16は、計測した各描画ラインSLnの傾きに応じて、走査ユニットUn(U1〜U6)を照射中心軸Len(Le1〜Le6)回りに回動させることで、複数の描画ラインSLn(SL1〜SL6)の平行状態を保つことができる。また、アライメント顕微鏡AM1m、AM2mを用いて検出したアライメントマークMKmの位置に基づいて、基板Pや露光領域Wが歪んでいる(変形している)場合は、それに応じて描画するパターンも歪ませる必要性がある。そのため、制御装置16は、基板Pや露光領域Wが歪んでいる(変形している)と判断した場合は、走査ユニットUn(U1〜U6)を照射中心軸Len(Le1〜Le6)回りに回動させることで、基板Pや露光領域Wの歪み(変形)に応じて各描画ラインSLnをY方向に対して微少に傾斜させる。その際、本実施形態においては、後で説明するように、各描画ラインSLnに沿って描画されるパターンを、指定された倍率(例えば、ppmオーダー)に応じて伸縮させるような制御、或いは、各描画ラインSLnを個別に副走査方向(図5中のXt方向)に微少にシフトさせる制御が可能となっている。

0088

なお、走査ユニットUnの照射中心軸Lenと、走査ユニットUnが実際に回動する軸(回動中心軸)とが完全に一致していなくても、所定の許容範囲内で両者が同軸であればよい。この所定の許容範囲は、走査ユニットUnを角度θsmだけ回動させたときの実際の描画ラインSLnの描画開始点(または描画終了点)と、照射中心軸Lenと回動中心軸とが完全に一致すると仮定したときに走査ユニットUnを所定の角度θsmだけ回動させたときの設計上の描画ラインSLnの描画開始点(または描画終了点)との差分量が、スポット光SPの主走査方向に関して、所定の距離(例えば、スポット光SPのサイズφ)以内となるように設定されている。また、走査ユニットUnに実際に入射するビームLBnの光軸が、走査ユニットUnの回動中心軸と完全に一致してなくても、前記した所定の許容範囲内で同軸であればよい。

0089

図6は、ビーム切換部BDUの構成図である。ビーム切換部BDUは、複数の選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM6)と、複数の集光レンズCD1〜CD6と、複数の反射ミラーM1〜M14と、複数のユニット側入射ミラーIM1〜IM6と、複数のコリメートレンズCL1〜CL6と、吸収体TR1、TR2とを有する。選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM6)は、ビームLB(LBa、LBb)に対して透過性を有するものであり、超音波信号で駆動される音響光学変調素子(AOM:Acousto-Optic Modulator)である。これらの光学的な部材(選択用光学素子AOM1〜AOM6、集光レンズCD1〜CD6、反射ミラーM1〜M14、ユニット側入射ミラーIM1〜IM6、コリメートレンズCL1〜CL6、および、吸収体TR1、TR2)は、板状の支持部材IUBによって支持されている。この支持部材IUBは、複数の走査ユニットUn(U1〜U6)の上方(+Z方向側)で、これらの光学的な部材を下方(−Z方向側)から支持する。したがって、支持部材IUBは、発熱源となる選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM6)と複数の走査ユニットUn(U1〜U6)との間を断熱する機能も備えている。

0090

光源装置LSaからビームLBaは、反射ミラーM1〜M6によってその光路がつづらおり状に曲げられて、吸収体TR1まで導かれる。また、光源装置LSbからのビームLBbも同様に、反射ミラーM7〜M14によってその光路がつづらおり状に曲げられて、吸収体TR2まで導かれる。以下、選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM6)がいずれもオフ状態(超音波信号が印加されていない状態)の場合で、詳述する。

0091

光源装置LSaからのビームLBa(平行光束)は、Y軸と平行に+Y方向に進んで集光レンズCD1を通って反射ミラーM1に入射する。反射ミラーM1で−X方向に反射したビームLBaは、集光レンズCD1の焦点位置(ビームウェスト位置)に配置された第1の選択用光学素子AOM1をストレートに透過し、コリメートレンズCL1によって再び平行光束にされて、反射ミラーM2に至る。反射ミラーM2で+Y方向に反射したビームLBaは、集光レンズCD2を通った後に反射ミラーM3で+X方向に反射される。

0092

反射ミラーM3で+X方向に反射されたビームLBaは、集光レンズCD2の焦点位置(ビームウェスト位置)に配置された第2の選択用光学素子AOM2をストレートに透過し、コリメートレンズCL2によって再び平行光束にされて、反射ミラーM4に至る。反射ミラーM4で+Y方向に反射されたビームLBaは、集光レンズCD3を通った後に反射ミラーM5で−X方向に反射される。反射ミラーM5で−X方向に反射されたビームLBaは、集光レンズCD3の焦点位置(ビームウェスト位置)に配置された第3の選択用光学素子AOM3をストレートに透過し、コリメートレンズCL3によって再び平行光束にされて、反射ミラーM6に至る。反射ミラーM6で+Y方向に反射したビームLBaは、吸収体TR1に入射する。この吸収体TR1は、ビームLBaの外部への漏れを抑制するためにビームLBaを吸収する光トラップである。

0093

光源装置LSbからのビームLBb(平行光束)は、Y軸と平行に+Y方向に進んで反射ミラーM13に入射し、反射ミラーM13で+X方向に反射したビームLBbは反射ミラーM14で+Y方向に反射される。反射ミラーM14で+Y方向に反射したビームLBbは、集光レンズCD4を通った後に反射ミラーM7で+X方向に反射される。反射ミラーM7で+X方向に反射されたビームLBbは、集光レンズCD4の焦点位置(ビームウェスト位置)に配置された第4の選択用光学素子AOM4をストレートに透過し、コリメートレンズCL4によって再び平行光束にされて、反射ミラーM8に至る。反射ミラーM8で+Y方向に反射されたビームLBbは、集光レンズCD5を通った後に反射ミラーM9で−X方向に反射される。

0094

反射ミラーM9で−X方向に反射されたビームLBbは、集光レンズCD5の焦点位置(ビームウェスト位置)に配置された第5の選択用光学素子AOM5をストレートに透過し、コリメートレンズCL5によって再び平行光束にされて、反射ミラーM10に至る。反射ミラーM10で+Y方向に反射されたビームLBbは、集光レンズCD6を通った後に反射ミラーM11で+X方向に反射される。反射ミラーM11で+X方向に反射されたビームLBbは、集光レンズCD6の焦点位置(ビームウェスト位置)に配置された第6の選択用光学素子AOM6をストレートに透過し、コリメートレンズCL6によって再び平行光束にされて、反射ミラーM12に至る。反射ミラーM12で−Y方向に反射したビームLBbは、吸収体TR2に入射する。この吸収体TR2は、ビームLBbの外部への漏れを抑制するためにビームLBbを吸収する光トラップである。

0095

以上のように、選択用光学素子AOM1〜AOM3は、光源装置LSaからのビームLBaを順次透過するようにビームLBaの進行方向に沿って直列に配置される。また、選択用光学素子AOM1〜AOM3は、集光レンズCD1〜CD3とコリメートレンズCL1〜CL3とによって、各選択用光学素子AOM1〜AOM3の内部にビームLBaのビームウェストが形成されるように配置される。これにより、選択用光学素子(音響光学変調素子)AOM1〜AOM3に入射するビームLBaの径を小さくして、回折効率を高くするとともに応答性を高めている。同様に、選択用光学素子AOM4〜AOM6は、光源装置LSbからのビームLBbを順次透過するようにビームLBbの進行方向に沿って直列に配置される。また、選択用光学素子AOM4〜AOM6は、集光レンズCD4〜CD6とコリメートレンズCL4〜CL6とによって、各選択用光学素子AOM4〜AOM6の内部にビームLBbのビームウェストが形成されるように配置される。これにより、選択用光学素子(音響光学変調素子)AOM4〜AOM6に入射するビームLBbの径を小さくして、回折効率を高くするとともに応答性を高めている。

0096

各選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM6)は、超音波信号(高周波信号)が印加されると、入射したビーム(0次光)LB(LBa、LBb)を、高周波の周波数に応じた回折角回折させた1次回折光射出ビーム(ビームLBn)として発生させるものである。本第1の実施の形態では、複数の選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM6)の各々から1次回折光として射出されるビームLBnをビームLB1〜LB6とし、各選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM6)は、光源装置LSa、LSbからのビームLB(LBa、LBb)の光路を偏向する機能を奏するものとして扱う。ただし、実際の音響光学変調素子は、1次回折光の発生効率が0次光の80%程度であるため、各選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM6)の各々で偏向されたビームLBn(LB1〜LB6)は、元のビームLB(LBa、LBb)の強度よりは低下している。また、選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM6)のいずれか1つがオン状態のとき、回折されずに直進する0次光が20%程度残存するが、それは最終的に吸収体TR1、TR2によって吸収される。

0097

図6に示すように、複数の選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM6)の各々は、偏向された1次回折光であるビームLBn(LB1〜LB6)を、入射するビームLB(LBa、LBb)に対して−Z方向に偏向するように設置される。選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM6)の各々から偏向して射出するビームLBn(LB1〜LB6)は、選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM6)の各々から所定距離だけ離れた位置に設けられたユニット側入射ミラーIM1〜IM6に投射され、そこで−Z方向に照射中心軸Le1〜Le6と同軸になるように反射される。ユニット側入射ミラーIM1〜IM6(以下、単にミラーIM1〜IM6とも呼ぶ)で反射されたビームLB1〜LB6は、支持部材IUBに形成された開口部TH1〜TH6の各々を通って、照射中心軸Le1〜Le6に沿うように走査ユニットUn(U1〜U6)の各々に入射する。

0098

なお、選択用光学素子AOMnは、超音波によって透過部材中の所定方向屈折率周期的な粗密変化を生じさせる回折格子であるため、入射ビームLB(LBa、LBb)が直線偏光(P偏光かS偏光)である場合、その偏光方向と回折格子の周期方向とは、1次回折光の発生効率(回折効率)が最も高くなるように設定される。図6のように、各選択用光学素子AOMnが入射したビームLB(LBa、LBs)を−Z方向に回折偏向するように設置される場合、選択用光学素子AOMn内に生成される回折格子の周期方向も−Z方向であるので、それと整合するように光源装置LS(LSa、LSb)からのビームLBの偏光方向が設定(調整)される。

0099

各選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM6)の構成、機能、作用等は互いに同一のものを用いてもよい。複数の選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM6)は、制御装置16からの駆動信号(高周波信号)のオン/オフにしたがって、入射したビームLB(LBa、LBb)を回折させた回折光の発生をオン/オフする。例えば、選択用光学素子AOM1は、制御装置16からの駆動信号(高周波信号)が印加されずにオフの状態のときは、入射した光源装置LSaからのビームLBaを回折させずに透過する。したがって、選択用光学素子AOM1を透過したビームLBaは、コリメートレンズCL1を透過して反射ミラーM2に入射する。一方、選択用光学素子AOM1は、制御装置16からの駆動信号(高周波信号)が印加されてオンの状態のときは、入射したビームLBaを回折させてミラーIM1に向かわせる。つまり、この駆動信号によって選択用光学素子AOM1がスイッチングする。ミラーIM1は、選択用光学素子AOM1によって回折された1次回折光であるビームLB1を選択して走査ユニットU1側に反射する。選択用のミラーIM1で反射したビームLB1は、支持部材IUBの開口部TH1を通って照射中心軸Le1に沿って走査ユニットU1に入射する。したがって、ミラーIM1は、反射したビームLB1の光軸が照射中心軸Le1と同軸となるように、入射したビームLB1を反射する。また、選択用光学素子AOM1がオンの状態のとき、選択用光学素子AOM1をストレートに透過するビームLBの0次光(入射ビームの20%程度の強度)は、その後のコリメートレンズCL1〜CL3、集光レンズCD2〜CD3、反射ミラーM2〜M6、および、選択用光学素子AOM2〜AOM3を透過して吸収体TR1に達する。

0100

同様に、選択用光学素子AOM2、AOM3は、制御装置16からの駆動信号(高周波信号)が印加されずにオフの状態のときは、入射したビームLBaを回折させずにコリメートレンズCL2、CL3側(反射ミラーM4、M6側)に透過する。一方、選択用光学素子AOM2、AOM3は、制御装置16からの駆動信号が印加されてオンの状態のときは、入射したビームLBaの1次回折光であるビームLB2、LB3をミラーIM2、IM3に向かわせる。このミラーIM2、IM3は、選択用光学素子AOM2、AOM3によって回折されたビームLB2、LB3を走査ユニットU2、U3側に反射する。ミラーIM2、IM3で反射したビームLB2、LB3は、支持部材IUBの開口部TH2、TH3を通って照射中心軸Le2、Le3と同軸となって走査ユニットU2、U3に入射する。

0101

このように、制御装置16は、選択用光学素子AOM1〜AOM3の各々に印加すべき駆動信号(高周波信号)をオン/オフ(ハイ/ロー)にすることによって、選択用光学素子AOM1〜AOM3のいずれか1つをスイッチングして、ビームLBaが後続の選択用光学素子AOM2、AOM3または吸収体TR1に向かうか、偏向されたビームLB1〜LB3の1つが、対応する走査ユニットU1〜U3に向かうかを切り換える。

0102

また、選択用光学素子AOM4は、制御装置16からの駆動信号(高周波信号)が印加されずにオフの状態のときは、入射した光源装置LSbからのビームLBbを回折させずにコリメートレンズCL4側(反射ミラーM8側)に透過する。一方、選択用光学素子AOM4は、制御装置16からの駆動信号が印加されてオンの状態ときは、入射したビームLBbの1次回折光であるビームLB4をミラーIM4に向かわせる。このミラーIM4は、選択用光学素子AOM4によって回折されたビームLB4を走査ユニットU4側に反射する。ミラーIM4で反射したビームLB4は、照射中心軸Le4と同軸となって、支持部材IUBの開口部TH4を通って走査ユニットU4に入射する。

0103

同様に、選択用光学素子AOM5、AOM6は、制御装置16からの駆動信号(高周波信号)が印加されずにオフの状態のときは、入射したビームLBbを回折させずにコリメートレンズCL5、CL6側(反射ミラーM10、M12側)に透過する。一方、選択用光学素子AOM5、AOM6は、制御装置16からの駆動信号が印加されてオンの状態ときは、入射したビームLBbの1次回折光であるビームLB5、LB6をミラーIM5、IM6に向かわせる。このミラーIM5、IM6は、選択用光学素子AOM5、AOM6によって回折されたビームLB5、LB6を走査ユニットU5、U6側に反射する。ミラーIM5、IM6で反射したビームLB5、LB6は、照射中心軸Le5、Le6と同軸となって、支持部材IUBの開口部TH5、TH6の各々を通って走査ユニットU5、U6に入射する。

0104

このように、制御装置16は、選択用光学素子AOM4〜AOM6の各々に印加すべき駆動信号(高周波信号)をオン/オフ(ハイ/ロー)にすることによって、選択用光学素子AOM4〜AOM6のいずれか1つをスイッチングして、ビームLBbが後続の選択用光学素子AOM5、AOM6または吸収体TR2に向かうか、偏向されたビームLB4〜LB6の1つが、対応する走査ユニットU4〜U6に向かうかを切り換える。

0105

以上のように、ビーム切換部BDUは、光源装置LSaからのビームLBaの進行方向に沿って直列に配置された複数の選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM3)を備えることで、ビームLBaの光路を切り換えてビームLBn(LB1〜LB3)が入射する走査ユニットUn(U1〜U3)を1つ選択することができる。したがって、光源装置LSaからのビームLBaの1次回折光であるビームLBn(LB1〜LB3)を、3つの走査ユニットUn(U1〜U3)の各々に順番に入射させることができる。例えば、走査ユニットU1にビームLB1を入射させたい場合は、制御装置16が、複数の選択用光学素子AOM1〜AOM3のうち、選択用光学素子AOM1のみをオン状態にし、走査ユニットU3にビームLB3を入射させたい場合は、選択用光学素子AOM3のみをオン状態にすればよい。

0106

同様に、ビーム切換部BDUは、光源装置LSbからのビームLBbの進行方向に沿って直列に配置された複数の選択用光学素子AOMn(AOM4〜AOM6)を備えることで、ビームLBbの光路を切り換えてビームLBn(LB4〜LB6)が入射する走査ユニットUn(U4〜U6)を1つ選択することができる。したがって、光源装置LSbからのビームLBbの1次回折光であるビームLBn(LB4〜LB6)を、3つの走査ユニットUn(U4〜U6)の各々に順番に入射させることができる。例えば、走査ユニットU4にビームLB4を入射させたい場合は、制御装置16が、複数の選択用光学素子AOM4〜AOM6のうち、選択用光学素子AOM4のみをオン状態にし、走査ユニットU6にビームLB6を入射させたい場合は、選択用光学素子AOM6のみをオン状態にすればよい。

0107

この複数の選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM6)は、複数の走査ユニットUn(U1〜U6)に対応して設けられ、対応する走査ユニットUnにビームLBnを入射させるか否かを切り換えている。なお、本第1の実施の形態では、選択用光学素子AOM1〜AOM3を、第1の光学素子モジュールと呼び、選択用光学素子AOM4〜AOM6を、第2の光学素子モジュールと呼ぶ。また、第1の光学素子モジュールの選択用光学素子AOM1〜AOM3に対応する走査ユニットU1〜U3を第1の走査モジュールと呼び、第2の光学素子モジュールの選択用光学素子AOM4〜AOM6に対応する走査ユニットU4〜U6を第2の走査モジュールと呼ぶ。したがって、第1の走査モジュールのいずれか1つの走査ユニットUnと、第2の走査モジュールのいずれか1つの走査ユニットUnとで、スポット光SPの走査が並行して行われることになる。

0108

上述したように、本第1の実施の形態では、走査ユニットUnのポリゴンミラーPMの実走査に寄与する回転角度αを15度とするので、走査効率は1/3となる。したがって、例えば、1つの走査ユニットUnが1反射面RP分の角度(45度)回転する間に、スポット光SPの走査を行うことができる角度は15度となり、それ以外の角度範囲(30度)では、スポット光SPの走査を行うことはできず、その間にポリゴンミラーPMに入射するビームLBnは無駄となる。したがって、ある1つの走査ユニットUnのポリゴンミラーPMの回転角度が実走査に寄与しない角度となっている間に、それ以外の他の走査ユニットUnにビームLBnを入射させることで、他の走査ユニットUnのポリゴンミラーPMによってスポット光SPの走査を行わせる。ポリゴンミラーPMの走査効率は1/3なので、ある1つの走査ユニットUnがスポット光SPを走査してから次の走査を行うまでの間に、それ以外の2つの走査ユニットUnにビームLBnを振り分けて、スポット光SPの走査を行うことが可能である。そのため、本第1の実施の形態は、複数の走査ユニットUn(U1〜U6)を2つのグループ(走査モジュール)に分け、3つの走査ユニットU1〜U3を第1の走査モジュールとし、3つの走査ユニットU4〜U6を第2の走査モジュールとした。

0109

これにより、例えば、走査ユニットU1のポリゴンミラーPMが45度(1反射面RP分)回転する間に、ビームLBn(LB1〜LB3)を3つの走査ユニットU1〜U3のいずれか1つに順番に入射させることができる。したがって、走査ユニットU1〜U3の各々は、光源装置LSaからのビームLBaを無駄にすることなく、順番にスポット光SPの走査を行うことができる。同様に、走査ユニットU4のポリゴンミラーPMが45度(1反射面RP分)回転する間に、ビームLBn(LB4〜LB6)を3つの走査ユニットU4〜U6のいずれか1つに順番に入射させることができる。したがって、走査ユニットU4〜U6は、光源装置LSbからのビームLBbを無駄にすることなく、順番にスポット光SPの走査を行うことができる。なお、各走査ユニットUnがスポット光SPの走査を開始してから次の走査を開始するまでの間に、ポリゴンミラーPMは、丁度1反射面RP分の角度(45度)回転していることになる。

0110

本第1の実施の形態では、各走査モジュールの3つの走査ユニットUn(U1〜U3、U4〜U6)の各々は、所定の順番でスポット光SPの走査を行うので、これに対応して、制御装置16は、各光学素子モジュールの3つの選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM3、AOM4〜AOM6)を所定の順番でオンにスイッチングして、ビームLBn(LB1〜LB3、LB4〜LB6)が入射する走査ユニットUn(U1〜U3、U4〜U6)を順番に切り換える。例えば、各走査モジュールの3つの走査ユニットU1〜U3、U4〜U6のスポット光SPの走査を行う順番が、U1→U2→U3、U4→U5→U6、となっている場合は、制御装置16は、各光学素子モジュールの3つの選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM3、AOM4〜AOM6)を、AOM1→AOM2→AOM3、AOM4→AOM5→AOM6、の順番でオンにスイッチングして、ビームLBnが入射する走査ユニットUnを、U1→U2→U3、U4→U5→U6、の順番で切り換える。

0111

なお、ポリゴンミラーPMが1反射面RP分の角度(45度)回転する間に、各走査モジュールの3つの走査ユニットUn(U1〜U3、U4〜U6)が順番にスポット光SPの走査を行うためには、各走査モジュールの3つの走査ユニットUn(U1〜U3、U4〜U6)の各ポリゴンミラーPMが、次のような条件を満たして回転する必要がある。その条件とは、各走査モジュールの3つの走査ユニットUn(U1〜U3、U4〜U6)の各ポリゴンミラーPMが、同一の回転速度Vpとなるように同期制御されるとともに、各ポリゴンミラーPMの回転角度位置(各反射面RPの角度位置)が所定の位相関係となるように同期制御される必要がある。各走査モジュールの3つの走査ユニットUnのポリゴンミラーPMの回転速度Vpが同一で回転することを同期回転と呼ぶ。

0112

ビーム切換部BDUの各選択用光学素子AOMn(AOM1〜AOM6)は、走査ユニットUn(U1〜U6)の各々のポリゴンミラーPMによるスポット光SPの1回の走査期間の間だけ、オン状態となっていればよい。また、ポリゴンミラーPMの反射面数をNp、ポリゴンミラーPMの回転速度をVp(rpm)とすると、ポリゴンミラーPMの反射面RPの1面分の回転角度に対応した時間Tpxは、Tpx=60/(Np×Vp)〔秒〕となる。例えば、反射面数Npが8、回転速度Vp〔rpm〕が1.20968万の場合、時間Tpxは、約0.62ミリ秒となる。これは周波数に換算すると約1.6129kHz程度であり、紫外域の波長のビームLBをパターンデータ(描画データ)に応答して数十MHz程度で高速に変調するための音響光学変調素子に比べると、相当に低い応答周波数の音響光学変調素子でよいことを意味する。そのため、入射するビームLB(0次光)に対して偏向されるビームLB1〜LB6(1次回折光)の回折角が大きいものを使うことができ、選択用光学素子AOM1〜AOM6をストレートに通過するビームLBの進路に対して、偏向されたビームLB1〜LB6を分離するミラーIM1〜IM6の配置が容易になる。

0113

図7は、光源装置(パルス光源装置パルスレーザ装置)LSa(LSb)の構成を示す図である。ファイバーレーザ装置としての光源装置LSa(LSb)は、パルス光発生部20と、制御回路22とを備える。パルス光発生部20は、DFB半導体レーザ素子30、32、偏光ビームスプリッタ34、描画用光変調器としての電気光学素子(強度変調部)36、この電気光学素子36の駆動回路36a、偏光ビームスプリッタ38、吸収体40、励起光源42、コンバイナ44、ファイバー光増幅器46、波長変換光学素子48、50、および、複数のレンズ素子GLを有する。制御回路22は、クロック信号LTCおよび画素シフトパルスBSCを発生する信号発生部22aを有する。なお、光源装置LSaの信号発生部22aから出力される画素シフトパルスBSCと、光源装置LSbの信号発生部22aから出力される画素シフトパルスBSCとを区別するため、光源装置LSaからの画素シフトパルスBSCをBSCaで表し、光源装置LSbからの画素シフトパルスBSCをBSCbで表す場合がある。

0114

DFB半導体レーザ素子(第1固体レーザ素子)30は、所定周波数である発振周波数Fa(例えば、400MHz)で俊鋭若しくは尖鋭のパルス状の種光(パルスビーム、ビーム)S1を発生し、DFB半導体レーザ素子(第2固体レーザ素子)32は、所定周波数である発振周波数Fa(例えば、400MHz)で緩慢(時間的にブロード)なパルス状の種光(パルスビーム、ビーム)S2を発生する。DFB半導体レーザ素子30が発生する種光S1と、DFB半導体レーザ素子32が発生する種光S2とは、発光タイミングが同期している。種光S1、S2は、ともに1パルス当たりエネルギーは略同一であるが、偏光状態が互いに異なり、ピーク強度は種光S1の方が強い。この種光S1と種光S2とは、直線偏光の光であり、その偏光方向は互いに直交している。本第1の実施の形態では、DFB半導体レーザ素子30が発生する種光S1の偏光状態をS偏光とし、DFB半導体レーザ素子32が発生する種光S2の偏光状態をP偏光として説明する。この種光S1、S2は、赤外波長域の光である。

0115

制御回路22は、信号発生部22aから送られてきたクロック信号LTCのクロックパルスに応答して種光S1、S2が発光するようにDFB半導体レーザ素子30、32を制御する。これにより、このDFB半導体レーザ素子30、32は、クロック信号LTCの各クロックパルス(発振周波数Fa)に応答して、所定周波数(発振周波数)Faで種光S1、S2を発光する。この制御回路22は、制御装置16によって制御される。このクロック信号LTCのクロックパルスの周期(=1/Fa)を、基準周期Taと呼ぶ。DFB半導体レーザ素子30、32で発生した種光S1、S2は、偏光ビームスプリッタ34に導かれる。

0116

なお、この基準クロック信号となるクロック信号LTCは、詳しくは後述するが、ビットマップ状のパターンデータのメモリ回路中の行方向のアドレスを指定するためのカウンタ部CONn(CON1〜CON6)(図14参照)の各々に供給される画素シフトパルスBSC(BSCa、BSCb)のベースとなるものである。また、信号発生部22aには、基板Pの被照射面上における描画ラインSLnの全体倍率補正を行うための全体倍率補正情報TMgと、描画ラインSLnの局所倍率補正を行うための局所倍率補正情報CMgn(CMg1〜CMg6)とが制御装置16から入力される。後で詳しく説明するが、これにより、基板Pの被照射面上における描画ラインSLnの長さ(走査長)を微調整することができる。この描画ラインSLnの伸縮(走査長の微調整)は、描画ラインSLnの最大走査長(例えば、31mm)の範囲内で行うことができる。なお、本第1の実施の形態での全体倍率補正とは、簡単に説明すると、描画データ上の1画素(1ビット)に含まれるスポット光の数は一定にしたまま、主走査方向に沿って投射されるスポット光SPの投射間隔(つまり、スポット光の発振周波数)を一律に微調整することで、描画ラインSLn全体の走査方向の倍率を一様に補正するものである。また、本第1の実施の形態での局所倍率補正とは、簡単に説明すると、1描画ライン上に設定される離散的な複数の補正点の各々に位置する1画素(1ビット)を対象に、その補正点の画素に含まれるべきスポット光の数を、隣接する他の画素に含まれるべきスポット光の数に対して増減させることで、基板上に描画される各補正点での画素のサイズを主走査方向に僅かに伸縮させるものである。

0117

偏光ビームスプリッタ34は、S偏光の光を透過し、P偏光の光を反射するものであり、DFB半導体レーザ素子30が発生した種光S1と、DFB半導体レーザ素子32が発生した種光S2とを、電気光学素子36に導く。詳しくは、偏光ビームスプリッタ34は、DFB半導体レーザ素子30が発生したS偏光の種光S1を透過することで種光S1を電気光学素子36に導く。また、偏光ビームスプリッタ34は、DFB半導体レーザ素子32が発生したP偏光の種光S2を反射することで種光S2を電気光学素子36に導く。DFB半導体レーザ素子30、32、および、偏光ビームスプリッタ34は、種光S1、S2を生成するパルス光源部35を構成する。

0118

電気光学素子(強度変調部)36は、種光S1、S2に対して透過性を有するものであり、例えば、電気光学変調器(EOM:Electro-Optic Modulator)が用いられる。電気光学素子36は、描画ビット列データSBa(SBb)のハイ/ロー状態に応答して、種光S1、S2の偏光状態を駆動回路36aによって切り換えるものである。描画ビット列データSBaは、走査ユニットU1〜U3の各々が露光すべきパターンに応じたパターンデータ(ビットパターン)に基づいて生成されるものであり、描画ビット列データSBbは、走査ユニットU4〜U6の各々が露光すべきパターンに応じたパターンデータ(ビットパターン)に基づいて生成されるものである。したがって、描画ビット列データSBaは、光源装置LSaの駆動回路36aに入力され、描画ビット列データSBbは、光源装置LSbの駆動回路36aに入力される。DFB半導体レーザ素子30、DFB半導体レーザ素子32の各々からの種光S1、S2は波長域が800nm以上と長いため、電気光学素子36として、偏光状態の切り換え応答性がGHz程度のものを使うことができる。

0119

パターンデータ(描画データ)は、走査ユニットUn毎に設けられ、各走査ユニットUnによって描画されるパターンを、スポット光SPのサイズφに応じて設定される寸法Pxyの画素によって分割し、複数の画素の各々を前記パターンに応じた論理情報(画素データ)で表したものである。つまり、このパターンデータは、スポット光SPの主走査方向(Y方向)に沿った方向を行方向とし、基板Pの副搬送方向(X方向)に沿った方向を列方向とするように2次元に分解された複数の画素の論理情報で構成されているビットマップデータである。この画素の論理情報は、「0」または「1」の1ビットのデータである。「0」の論理情報は、基板Pに照射するスポット光SPの強度を低レベル(非描画)にすることを意味し、「1」の論理情報は、基板P上に照射するスポット光SPの強度を高レベル(描画)にすることを意味する。なお、画素の寸法Pxyの主走査方向(Y方向)の寸法をPyとし、副走査方向(X方向)の寸法をPxとする。

0120

パターンデータの1列分の画素の論理情報は、1本分の描画ラインSLn(SL1〜SL6)に対応するものである。したがって、1列分の画素の数は、基板Pの被照射面上での画素の寸法Pxyと描画ラインSLnの長さとに応じて決まる。この1画素の寸法Pxyは、スポット光SPのサイズφと同程度、或いは、それ以上に設定され、例えば、スポット光SPの実効的なサイズφが3μmの場合は、1画素の寸法Pxyは、3μm角程度以上に設定される。1列分の画素の論理情報に応じて、1本の描画ラインSLn(SL1〜SL6)に沿って基板Pに投射されるスポット光SPの強度が変調される。この1列分の画素の論理情報をシリアルデータDLnと呼ぶ。つまり、パターンデータは、シリアルデータDLnが列方向に並んだビットマップデータである。走査ユニットU1のパターンデータのシリアルデータDLnをDL1で表し、同様に、走査ユニットU2〜U6のパターンデータのシリアルデータDLnをDL2〜DL6で表す。

0121

また、走査モジュールの3つの走査ユニットU1〜U3(U4〜U6)は、所定の順番でスポット光SPの走査を1回ずつ行う動作を繰り返すことから、それに対応して、走査モジュールの3つの走査ユニットU1〜U3(U4〜U6)のパターンデータのシリアルデータDL1〜DL3(DL4〜DL6)も、所定の順番で、光源装置LSa(LSb)の駆動回路36aに出力される。この光源装置LSaの駆動回路36aに順次出力されるシリアルデータDL1〜DL3を描画ビット列データSBaと呼び、この光源装置LSbの駆動回路36aに順次出力されるシリアルデータDL4〜DL6を描画ビット列データSBbと呼ぶ。

0122

例えば、第1の走査モジュールにおいて、スポット光SPの走査を行う走査ユニットUnの順番が、U1→U2→U3、の場合は、まず、1列分のシリアルデータDL1が光源装置LSaの駆動回路36aに出力され、続いて、1列分のシリアルデータDL2が光源装置LSaの駆動回路36aに出力されるといった具合に、描画ビット列データSBaを構成する1列分のシリアルデータDL1〜DL3が、DL1→DL2→DL3、の順番で光源装置LSaの駆動回路36aに出力される。その後、次の列のシリアルデータDL1〜DL3が、DL1→DL2→DL3、の順番で描画ビット列データSBaとして光源装置LSaの駆動回路36aに出力される。同様に、第2の走査モジュールにおいて、スポット光SPの走査を行う走査ユニットUnの順番が、U4→U5→U6、の場合は、まず、1列分のシリアルデータDL4が光源装置LSbの駆動回路36aに出力され、続いて、1列分のシリアルデータDL5が光源装置LSbの駆動回路36aに出力されるといった具合に、描画ビット列データSBbを構成する1列分のシリアルデータDL4〜DL6が、DL4→DL5→DL6、の順番で光源装置LSbの駆動回路36aに出力される。その後、次の列のシリアルデータDL4〜DL6が、DL4→DL5→DL6、の順番で描画ビット列データSBbとして光源装置LSbの駆動回路36aに出力される。この光源装置LSa(LSb)の駆動回路36aに描画ビット列データSBa(SBb)を出力する具体的な構成については後で詳細に説明する。

0123

駆動回路36aに入力される描画ビット列データSBa(SBb)の1画素分の論理情報がロー(「0」)状態のとき、電気光学素子36は種光S1、S2の偏光状態を変えずにそのまま偏光ビームスプリッタ38に導く。一方で、駆動回路36aに入力される描画ビット列データSBa(SBb)の1画素分の論理情報がハイ(「1」)状態のとき、電気光学素子36は入射した種光S1、S2の偏光状態を変えて、つまり、偏光方向を90度変えて偏光ビームスプリッタ38に導く。このように駆動回路36aが描画ビット列データSBa(SBb)に基づいて電気光学素子36を駆動することによって、電気光学素子36は、描画ビット列データSBa(SBb)の画素の論理情報がハイ状態(「1」)のときは、S偏光の種光S1をP偏光の種光S1に変換し、P偏光の種光S2をS偏光の種光S2に変換する。

0124

偏光ビームスプリッタ38は、P偏光の光を透過してレンズ素子GLを介してコンバイナ44に導き、S偏光の光を反射させて吸収体40に導くものである。この偏光ビームスプリッタ38を透過する光(種光)をビームLseで表す。このパルス状のビームLseの発振周波数はFaとなる。励起光源42は励起光を発生し、該発生した励起光は、光ファイバー42aを通ってコンバイナ44に導かれる。コンバイナ44は、偏光ビームスプリッタ38から照射されたビームLseと励起光とを合成して、ファイバー光増幅器46に出力する。ファイバー光増幅器46は、励起光によって励起されるレーザ媒質がドープされている。したがって、合成されたビームLseおよび励起光が伝送するファイバー光増幅器46内では、励起光によってレーザ媒質が励起されることにより、種光としてのビームLseが増幅される。ファイバー光増幅器46内にドープされるレーザ媒質としては、エルビウム(Er)、イッテルビウム(Yb)、ツリウム(Tm)等の希土類元素が用いられる。この増幅されたビームLseは、ファイバー光増幅器46の射出端46aから所定の発散角を伴って放射され、レンズ素子GLによって収斂またはコリメートされて波長変換光学素子48に入射する。

0125

波長変換光学素子(第1の波長変換光学素子)48は、第2高調波発生(Second Harmonic Generation:SHG)によって、入射したビームLse(波長λ)を、波長がλの1/2の第2高調波に変換する。波長変換光学素子48として、疑似位相整合(Quasi Phase Matching:QPM結晶であるPPLN(Periodically Poled LiNbO3)結晶が好適に用いられる。なお、PPLT(Periodically Poled LiTaO3)結晶等を用いることも可能である。

0126

波長変換光学素子(第2の波長変換光学素子)50は、波長変換光学素子48が変換した第2高調波(波長λ/2)と、波長変換光学素子48によって変換されずに残留した種光(波長λ)との和周波発生(Sum Frequency Generation:SFG)により、波長がλの1/3の第3高調波を発生する。この第3高調波が、370mm以下の波長帯域(例えば、355nm)にピーク波長を有する紫外線光(ビームLB)となる。

0127

図8に示すように、駆動回路36aに印加する描画ビット列データSBa(SBb)の1画素分の論理情報がロー(「0」)の場合は、電気光学素子(強度変調部)36は、入射した種光S1、S2の偏光状態を変えずにそのまま偏光ビームスプリッタ38に導く。そのため、偏光ビームスプリッタ38を透過するビームLseは種光S2となる。したがって、光源装置LSa(LSb)から最終的に出力されるP偏光のLBa(LBb)は、DFB半導体レーザ素子32からの種光S2と同じ発振プロファイル時間特性)を有する。すなわち、この場合は、ビームLBa(LBb)は、パルスのピーク強度が低く、時間的にブロードな鈍った特性となる。ファイバー光増幅器46は、そのようなピーク強度が低い種光S2に対する増幅効率が低いため、光源装置LSa(LSb)から射出されるビームLBa(LBb)は、露光に必要なエネルギーまで増幅されない光となる。したがって、露光という観点からみれば、実質的に光源装置LSa(LSb)はビームLBa(LBb)を射出していないのと同じ結果となる。つまり、基板Pに照射されるスポット光SPの強度は低レベルとなる。ただし、パターンの露光が行われない期間(非露光期間)では、種光S2由来の紫外域のビームLBa(LBb)が僅かな強度であっても照射され続ける。そのため、描画ラインSL1〜SL6が、長時間、基板P上の同じ位置にある状態が続く場合(例えば、搬送系のトラブルによって基板Pが停止している場合等)は、光源装置LSa(LSb)のビームLBa(LBb)の射出窓(図示略)に可動シャッタを設けて、射出窓を閉じるようにするとよい。

0128

一方、図8に示すように、駆動回路36aに印加する描画ビット列データSBa(SBb)の1画素分の論理情報がハイ(「1」)の場合は、電気光学素子(強度変調部)36は、入射した種光S1、S2の偏光状態を変えて偏光ビームスプリッタ38に導く。そのため、偏光ビームスプリッタ38を透過するビームLseは種光S1となる。したがって、光源装置LSa(LSb)から射出されるビームLBa(LBb)は、DFB半導体レーザ素子30からの種光S1に由来して生成されたものとなる。DFB半導体レーザ素子30からの種光S1はピーク強度が強いため、ファイバー光増幅器46によって効率的に増幅され、光源装置LSa(LSb)から出力されるP偏光のビームLBa(LBb)は、基板Pの露光に必要なエネルギーを持つ。つまり、基板Pに照射されるスポット光SPの強度は高レベルとなる。

0129

このように、光源装置LSa(LSb)内に、描画用光変調器としての電気光学素子36を設けたので、1つの電気光学素子(強度変調部)36を制御することで、走査モジュールの3つの走査ユニットU1〜U3(U4〜U6)によって走査されるスポット光SPの強度を、描画すべきパターンに応じて変調させることができる。したがって、光源装置LSa(LSb)から射出されるビームLBa(LBb)は、強度変調された描画ビームとなる。

0130

ここで、本第1の実施の形態では、駆動回路36aに描画ビット列データSBa(DL1〜DL3)、SBb(DL4〜DL6)が印加されていない期間においても、光源装置LSa、LSbから種光S2に由来するビームLBa、LBbが射出されることになる。そのため、スポット光SPの走査が可能な最大走査長(例えば、31mm)以下の範囲内で描画ラインSLnの実効的な走査長(例えば、30mm)が設定されていたとしても、実際には、スポット光SPは、最大走査長の全範囲に亘って主走査方向に沿って走査される。ただし、描画ラインSLn以外の位置に投射されるスポット光SPの強度は低レベルである。したがって、本第1の実施の形態でいうところの描画ラインSLnとは、各シリアルデータDL1〜DL6によってスポット光SPの強度が変調されて走査される、つまり、描画される走査線のことをいう。したがって、描画ラインSLnに沿ったスポット光SPの走査期間と、シリアルデータDLnの各画素の論理情報が出力される期間とは略同一である。

0131

なお、図7の構成において、DFB半導体レーザ素子32および偏光ビームスプリッタ34を省略して、DFB半導体レーザ素子30からの種光S1のみを、パターンデータ(描画ビット列データSBa、SBb、または、シリアルデータDLn)に基づく電気光学素子36の偏光状態の切り換えで、ファイバー光増幅器46にバースト波状導光することも考えられる。しかしながら、この構成を採用すると、種光S1のファイバー光増幅器46への入射周期性が描画すべきパターンに応じて大きく乱される。すなわち、ファイバー光増幅器46にDFB半導体レーザ素子30からの種光S1が入射しない状態が続いた後に、ファイバー光増幅器46に種光S1が入射すると、入射直後の種光S1は通常のときよりも大きな増幅率で増幅され、ファイバー光増幅器46からは、規定以上の大きな強度を持つビームが発生するという問題がある。そこで、本第1の実施の形態では、好ましい態様として、ファイバー光増幅器46に種光S1が入射しない期間に、DFB半導体レーザ素子32からの種光S2(ピーク強度が低いブロードなパルス光)をファイバー光増幅器46に入射することで、このような問題を解決している。

0132

また、電気光学素子36をスイッチングするようにしたが、パターンデータ(描画ビット列データSBa、SBb、または、シリアルデータDLn)に基づいて、DFB半導体レーザ素子30、32を駆動するようにしてもよい。この場合は、このDFB半導体レーザ素子30、32が、描画用光変調器(強度変調部)として機能する。つまり、制御回路22は、描画ビット列データSBa(DL1〜DL3)、SBb(DL4〜DL6)、に基づいて、DFB半導体レーザ素子30、32を制御して、所定周波数Faでパルス状に発振する種光S1、S2を選択的(択一的)に発生させる。この場合は、偏光ビームスプリッタ34、38、電気光学素子36、および吸収体40は不要となり、DFB半導体レーザ素子30、32のいずれか一方から選択的にパルス発振される種光S1、S2の一方が、直接コンバイナ44に入射する。このとき、制御回路22は、DFB半導体レーザ素子30からの種光S1と、DFB半導体レーザ素子32からの種光S2とが同時にファイバー光増幅器46に入射しないように、各DFB半導体レーザ素子30、32の駆動を制御する。すなわち、基板Pに各ビームLBnのスポット光SPを照射する場合は、種光S1のみがファイバー光増幅器46に入射するようにDFB半導体レーザ素子30を制御する。また、基板Pに各ビームLBnのスポット光SPを照射しない(スポット光SPの強度を極めて低くする)場合には、種光S2のみがファイバー光増幅器46に入射するようにDFB半導体レーザ素子32を制御する。このように、基板PにビームLBnを照射するか否かは、画素の論理情報(ハイ/ロー)に基づいて決定される。また、この場合の種光S1、S2の偏光状態はともにP偏光でよい。

0133

ここで、光源装置LSa(LSb)は、スポット光SPの走査中に、基板Pの被照射面上の寸法Pxyの1画素に対して、スポット光SPが主走査方向に沿ってN個(本第1の実施の形態では、N=8とする)投射されるように、ビームLBa(LBb)を射出する。この光源装置LSa(LSb)から射出されるビームLBa(LBb)は、信号発生部22aが発生するクロック信号LTCのクロックパルスに応答して発生する。したがって、寸法Pxyの1画素に対してスポット光SPをN個(Nは2以上の整数)投射するためには、主走査方向におけるスポット光SPの基板Pに対する相対的な走査速度をVsとしたとき、信号発生部22aは、Pxy/(N×Vs)またはPy/(N×Vs)で決まる基準周期Ta(=1/Fa)でクロック信号LTCのクロックパルスを発生する必要がある。例えば、実効的な描画ラインSLnの長さを30mmとし、1回の走査時間Tspを200μsecとすると、スポット光SPの走査速度Vsは、150m/secとなる。そして、画素の寸法Pxy(PxおよびPy)がスポット光SPの実効的なサイズと同じ3μmであって、Nが8個の場合は、基準周期Ta=3μm/(8×150m/sec)=0.0025μsecとなり、その周波数Fa(=1/Ta)は、400MHzとなる。

0134

原則として、1画素に対してN(=8)個のスポット光SPが対応するので、クロック信号LTCのクロックパルスがN個(8個)出力される度に、駆動回路36aに出力するシリアルデータDL1〜DL3(DL4〜DL6)で構成される描画ビット列データSBa(SBb)の画素の論理情報が行方向に1つシフトすることになる。図8に示すように、ある画素の画素データとして論理情報(「1」)が出力され始めてから8個のクロックパルスが出力されると、次の画素の論理情報である「0」が出力される。そして、各描画ラインSL1〜SL3(SL4〜SL6)の長さを局所的に倍率補正するために、各描画ラインSL1〜SL3(SL4〜SL6)上に離散的に等間隔に配置された補正対象となる画素(以下、補正画素)に対しては、N±m個(mは、m<Nの関係を有する1以上の整数)のスポット光SPが対応する。そのため、補正画素に対しては、N±m個のクロック信号LTCのクロックパルスが出力されると、駆動回路36aに出力する描画ビット列データSBa(SBb)の画素の論理情報が行方向に1つシフトする。例えば、Nが8、mが1の場合は、補正画素に対しては7個または9個のスポット光SPが投射される。したがって、補正画素が主走査方向に伸縮することになり、結果として描画ラインSL1〜SL3(SL4〜SL6)の各々が全体的に伸縮することになる。補正画素以外の非補正画素に対しては8個のスポット光SPが投射される。この補正画素の指定および補正画素の主走査方向における伸縮率(倍率)は、補正画素を指定するための補正位置情報Nvおよび補正画素の主走査方向における伸縮率(倍率)を示す倍率情報SCAを含む局所倍率補正情報(補正情報)CMgnに基づいて決定される。なお、倍率情報SCAは、「±m」の値を示す情報である。この局所倍率補正情報CMgn(CMg1〜CMg6)は、走査ユニットUn(U1〜U6)毎に設けられている。

0135

本第1の実施の形態では、局所倍率補正を行わない場合は、1描画ラインSLn当り80000のスポット光SPが主走査方向に沿って走査され、1画素当りのスポット光SPは8個なので、1描画ラインSLn当りの画素の数(シリアルデータDLnの論理情報の数)は、10000(=80000/8)、となる。また、「N」を8、「m」を1とするので、局所倍率補正を行う場合は、補正画素に7個または9個(N±m個)のスポット光SPを照射することになるが、1描画ラインSLn当りの画素の数は10000のままなので、1描画ラインSLnで照射されるスポット光SPの数が80000より多くまたは少なくなる。例えば、伸長の場合は、補正画素に対して9つのスポット光SPを投射するので、1描画ラインSLn当り40個の補正画素が存在する場合は、1描画ラインSLnで照射されるスポット光SPの数は80040となる。また、縮小の場合は、補正画素に対して7つのスポット光SPを投射するので、1描画ラインSLn当り40個の補正画素が存在する場合は、1描画ラインSLnで照射されるスポット光SPの数は79960となる。

0136

図9は、光源装置LSa(LSb)の補正画素を伸縮させる機能を有する信号発生部22aの構成を示す図である。信号発生部22aは、クロック発生部(発振器)60と、補正画素指定部62と、送出タイミング切換部64とを有する。このクロック発生部60、補正画素指定部62、および、送出タイミング切換部64等は、FPGA(Field Programmable Gate Array)により集約して構成することができる。

0137

クロック発生部60は、全体倍率補正情報TMgに応じた発振周波数Faのクロック信号(基準クロック信号)LTCを発振する。本第1の実施の形態では、全体倍率補正情報TMgが0の場合に、クロック発生部60が400MHzの発振周波数Faでクロックパルス(クロック信号LTC)を発生(生成)する。したがって、この場合は、光源装置LS(LSa、LSb)は、パルス状のビームLB(LBa、LBb)を400MHzで射出する。また、本第1の実施の形態では、発振周波数Faが400MHzのときに、80000個のスポット光SPが主走査方向に沿って0.375μm間隔で照射されるようにポリゴンミラーPMの回転速度Vpが設定されているので、描画ラインSLnの走査長は30mmとなる。全体倍率補正情報TMgによって発振周波数Faが400MHzより高くなると、基板Pの被照射面上でのスポット光SPの主走査方向の投射間隔は短くなり、その結果描画ラインSLnが30mmより短くなる。逆に、全体倍率補正情報TMgによって発振周波数Faが400MHzより低くなると、基板Pの被照射面上でのスポット光SPの走査方向の投射間隔は長くなり、その結果描画ラインSLnが30mmより長くなる。このように、全体倍率補正情報TMgによって、描画ラインSLnの全体倍率を調整することができる。この全体倍率補正情報TMgに応じて基板Pの被照射面上における画素の主走査方向における寸法Pxyの長さは伸縮されるが、本第1の実施の形態では、全体倍率補正情報TMgは0(発振周波数Fa=400MHz)とするので、画素の寸法Pxyは、スポット光SPのサイズφと同程度となる。クロック発生部60が発生したクロック信号LTCは、制御回路22に送られるとともに、補正画素指定部62および送出タイミング切換部64にも送られる。

0138

補正画素指定部62は、各描画ラインSLn(SL1〜SL6)に沿って並ぶ複数の画素のうちで、特定の位置に配置される少なくとも1つの画素を補正画素として指定するものである。補正画素指定部62は、局所倍率補正情報(補正情報)CMgn(CMg1〜CMg6)の一部である補正位置情報(設定値)Nvに基づいて補正画素を指定する。局所倍率補正情報(補正情報)CMgnの補正位置情報Nvは、描画ラインSLnに沿って描画されるパターンの描画倍率(または描画ラインSLnの主走査方向における倍率)に応じて、描画ラインSLn上の等間隔に離散的な複数の位置の各々に補正画素を指定するための情報であり、補正画素と補正画素との距離間隔(等間隔)を示す情報である。これにより、補正画素指定部62は、描画ラインSLn(SL1〜SL6)上の等間隔に離散的な位置に配置される複数の画素を補正画素として指定することができる。各描画ラインSLn(SL1〜SL6)に沿って並ぶ複数の画素のうち、補正画素として指定されなかった画素は、非補正画素となるので、補正画素指定部62は、補正画素を指定することで、非補正画素も指定しているといえる。なお、「N±m」の「m」の値が一定の場合は、補正すべき描画ラインSLn(SL1〜SL6)の伸縮率が大きくなる程、指定される補正画素の数は多くなる。

0139

送出タイミング切換部(送出タイミング制御部)64は、局所倍率補正情報CMgn(CMg1〜CMg6)の補正位置情報Nvに基づいて補正画素指定部62が指定した補正画素と、局所倍率補正情報CMgn(CMg1〜CMg6)の倍率情報SCAとに基づいて、シリアルデータDLn(DL1〜DL6)の各画素の論理情報の送出タイミングを制御する(切り換える)。つまり、描画ラインSLn(SL1〜SL6)に沿ってスポット光SPが走査される画素が補正画素の場合は、局所倍率補正情報CMgn(CMg1〜CMg6)の倍率情報SCAに基づいて補正画素が伸縮するように、駆動回路36aに送出(供給)されるシリアルデータDLnの画素の論理情報(つまり、パターンデータの行方向の画素毎の論理情報)の送出タイミングを切り換える。

0140

詳しくは、送出タイミング切換部64は、描画ラインSLn(SL1〜SL6)上の補正画素でない画素(通常画素、非補正画素)をスポット光SPが走査するタイミングでは、クロック信号LTCのクロックパルス(スポット光SP)のN個が1画素に対応し、描画ラインSLn(SL1〜SL6)上の補正画素をスポット光SPが走査するタイミングでは、クロック信号LTCのクロックパルス(スポット光SP)のN±m個が1画素に対応するように、駆動回路36aに送出されるシリアルデータDLn(DL1〜DL6)の各画素の論理情報の送出タイミングを切り換える。つまり、送出タイミング切換部64は、描画ラインSLn(SL1〜SL6)上の通常画素をスポット光SPが走査するタイミングでは、クロック信号LTCのクロックパルスがN個発生すると次の画素の論理情報が駆動回路36aに出力され、描画ラインSLn(SL1〜SL6)上の補正画素をスポット光SPが走査するタイミングでは、クロック信号LTCのクロックパルスがN±m個発生すると次の画素の論理情報が駆動回路36aに出力されるように、駆動回路36aに送出されるシリアルデータDLn(DL1〜DL6)の各画素の論理情報の送出タイミングを切り換える(制御する)。この「±m」の値は、局所倍率補正情報CMgn(CMg1〜CMg6)の一部である倍率情報SCAに基づいて決定される。

0141

補正画素指定部62は、ビーム切換部BDUによってビームLBnが入射する走査ユニットUnに対応した局所倍率補正情報CMgnの補正位置情報Nvを用いて、ビームLBnが入射する走査ユニットUnの描画ラインSLn上に配置される複数の補正画素を指定する。送出タイミング切換部64は、補正画素指定部62が指定したビームLBnが入射する走査ユニットUnの描画ラインSLn上の補正画素と、ビームLBnが入射する走査ユニットUnに対応する局所倍率補正情報CMgnの倍率情報SCAとに基づいて、ビームLBnが入射する走査ユニットUnに対応するシリアルデータDLnの各画素の論理情報の送出タイミングを切り換える。

0142

光源装置LSaの場合は、ビーム切換部BDUの第1の光学素子モジュール(AOM1〜AOM3)によって光源装置LSaからのビームLBa(LB1〜LB3)が、第1の走査モジュール(U1〜U3)のいずれか1つの走査ユニットUnに導かれる。したがって、光源装置LSaの信号発生部22aの補正画素指定部62は、走査ユニットU1〜U3のうち、ビームLBnが入射する1つの走査ユニットUnに対応する局所倍率補正情報CMgnの補正位置情報Nvに基づいて補正画素を指定する。また、光源装置LSaの信号発生部22aの送出タイミング切換部64は、走査ユニットU1〜U3のうち、ビームLBnが入射する1つの走査ユニットUnの局所倍率補正情報CMgnの倍率情報SCAと、補正画素指定部62が指定した補正画素とに基づいて、ビームLBnが入射する1つの走査ユニットUnに対応するシリアルデータDLnの画素毎の論理情報の送出タイミングを切り換える。例えば、走査ユニットU2にビームLB2が入射する場合は、光源装置LSaの補正画素指定部62は、走査ユニットU2に対応した局所倍率補正情報CMg2の補正位置情報Nvに基づいて、描画ラインSL2上の等間隔に離散的な位置に配置される複数の画素を補正画素として指定する。そして、光源装置LSaの信号発生部22aの送出タイミング切換部64は、補正画素指定部62が指定した描画ラインSL2上の補正画素と、局所倍率補正情報CMg2の倍率情報SCAとに基づいて、走査ユニットU2に対応したシリアルデータDL2の各画素の論理情報の送出タイミングを切り換える。

0143

また、光源装置LSbの場合は、ビーム切換部BDUの第2の光学素子モジュール(AOM4〜AOM6)によって光源装置LSbからのビームLBb(LB4〜LB6)が、第2の走査モジュール(U4〜U6)のいずれか1つの走査ユニットUnに導かれる。したがって、光源装置LSbの信号発生部22aの補正画素指定部62は、走査ユニットU4〜U6のうち、ビームLBnが入射する1つの走査ユニットUnに対応する局所倍率補正情報CMgnの補正位置情報Nvに基づいて補正画素を指定する。また、光源装置LSbの信号発生部22aの送出タイミング切換部64は、走査ユニットU4〜U6のうち、ビームLBnが入射する1つの走査ユニットUnの局所倍率補正情報CMgnの倍率情報SCAと、補正画素指定部62が指定した補正画素とに基づいて、ビームLBnが入射する1つの走査ユニットUnに対応するシリアルデータDLnの画素毎の論理情報の送出タイミングを切り換える。例えば、走査ユニットU6にビームLB6が入射する場合は、光源装置LSbの補正画素指定部62は、走査ユニットU6に対応した局所倍率補正情報CMg6の補正位置情報Nvに基づいて、描画ラインSL6上の等間隔に離散的な位置に配置される複数の画素を補正画素として指定する。そして、光源装置LSbの送出タイミング切換部64は、補正画素指定部62が指定した描画ラインSL6上の補正画素と、局所倍率補正情報CMg6の倍率情報SCAとに基づいて、走査ユニットU6に対応したシリアルデータDL6の各画素の論理情報の送出タイミングを切り換える。

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