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図面 (8)

課題

マンノオリゴ糖の製造に必要な耐熱性および活性を有するマンノオリゴ糖ホスホリラーゼを提供する。

解決手段

4℃にて24時間保持した後にpH5〜9の範囲で90%以上の残存活性を示し、pH6.5の条件下で60℃で15分間保持した後に90%以上の残存活性を示す、マンノオリゴ糖ホスホリラーゼ。

概要

背景

マンノオリゴ糖、特にマンノビオースは優れた免疫調節機能を持ち、飼料用途としては抗生物質代替としても注目される機能性オリゴ糖である(特許文献1)。マンノオリゴ糖はコプラミール等に含まれる多糖マンナン加水分解により製造されている(特許文献2、3)。しかしながら、これらの方法は、天然原料を用いるため、気候変動などの外部要因によって価格が変動しやすい。またコーヒー抽出粕などは脱色等の精製にコストがかかる。

マンノオリゴ糖ホスホリラーゼ(以下、MOPとも称する)は、β−(1→4)−マンノオリゴ糖(以下、MOSとも称する)を加リン酸分解する酵素である。本酵素反応は可逆的であり逆反応合成反応)も触媒し、α−マンノース−1−リン酸糖供与体、以下、Man1Pとも称する)とMOS(糖受容体)との反応により、受容体MOSにマンノシル基が連続的に転移されてより長鎖のMOSを生成させる。

このようなMOPとして、ルミノコッカスアルブス(Ruminococcus albus)由来のMOP酵素(以下、RaMOPとも称する)のみが報告されている(非特許文献1)。特許文献4には、非特許文献1のRaMOPをβ−マンノシド合成に用い得ることが記載されているが、MOSが実際に得られたことの開示はない。

概要

マンノオリゴ糖の製造に必要な耐熱性および活性を有するマンノオリゴ糖ホスホリラーゼを提供する。4℃にて24時間保持した後にpH5〜9の範囲で90%以上の残存活性を示し、pH6.5の条件下で60℃で15分間保持した後に90%以上の残存活性を示す、マンノオリゴ糖ホスホリラーゼ。なし

目的

このため、マンノオリゴ糖を製造するために必要な耐熱性および活性を有するMOPが望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

pH5〜9の範囲で4℃にて24時間保持した後に90%以上の残存活性を示し、pH6.5の条件下で60℃で15分間保持した後に90%以上の残存活性を示す、マンノオリゴ糖ホスホリラーゼ

請求項2

列番号1に記載のアミノ酸配列と70%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号2に記載の塩基配列と70%以上の配列同一性を有する塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のマンノオリゴ糖ホスホリラーゼ。

請求項3

配列番号1に記載のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列、または配列番号2に記載の塩基配列と90%以上の配列相同性を有する塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のマンノオリゴ糖ホスホリラーゼ。

請求項4

配列番号1に記載のアミノ酸配列、または配列番号2に記載の塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のマンノオリゴ糖ホスホリラーゼ。

請求項5

サーモトガ門の微生物由来である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のマンノオリゴ糖ホスホリラーゼ。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載のマンノオリゴ糖ホスホリラーゼをコードする核酸を含む、ベクター

請求項7

請求項1〜5のいずれか1項に記載のマンノオリゴ糖ホスホリラーゼをコードする核酸を含む、形質転換体

請求項8

請求項1〜5のいずれか1項に記載のマンノオリゴ糖ホスホリラーゼを用いる、マンノオリゴ糖の製造方法。

請求項9

マンノオリゴ糖ホスホリラーゼによる反応が40℃以上で行われる、請求項8に記載の製造方法。

請求項10

マンノースリン酸およびマンノースに、請求項1〜5のいずれか1項に記載のマンノオリゴ糖ホスホリラーゼを作用させることを含む、請求項8または9に記載のマンノオリゴ糖の製造方法。

請求項11

グルコース1リン酸を、グルコース6リン酸に変換する工程、グルコース6リン酸をマンノース6リン酸に異性化する工程、およびマンノース6リン酸をマンノース1リン酸に変換する工程をさらに含む、請求項10に記載のマンノオリゴ糖の製造方法。

請求項12

デンプン脱分枝加リン酸分解してグルコース1リン酸を生成する工程をさらに含む、請求項11に記載のマンノオリゴ糖の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、マンノオリゴ糖ホスホリラーゼ、およびこれを用いたマンノオリゴ糖の製造方法に関する。

背景技術

0002

マンノオリゴ糖、特にマンノビオースは優れた免疫調節機能を持ち、飼料用途としては抗生物質代替としても注目される機能性オリゴ糖である(特許文献1)。マンノオリゴ糖はコプラミール等に含まれる多糖マンナン加水分解により製造されている(特許文献2、3)。しかしながら、これらの方法は、天然原料を用いるため、気候変動などの外部要因によって価格が変動しやすい。またコーヒー抽出粕などは脱色等の精製にコストがかかる。

0003

マンノオリゴ糖ホスホリラーゼ(以下、MOPとも称する)は、β−(1→4)−マンノオリゴ糖(以下、MOSとも称する)を加リン酸分解する酵素である。本酵素反応は可逆的であり逆反応合成反応)も触媒し、α−マンノース−1−リン酸糖供与体、以下、Man1Pとも称する)とMOS(糖受容体)との反応により、受容体MOSにマンノシル基が連続的に転移されてより長鎖のMOSを生成させる。

0004

このようなMOPとして、ルミノコッカスアルブス(Ruminococcus albus)由来のMOP酵素(以下、RaMOPとも称する)のみが報告されている(非特許文献1)。特許文献4には、非特許文献1のRaMOPをβ−マンノシド合成に用い得ることが記載されているが、MOSが実際に得られたことの開示はない。

0005

国際公開第2004/048587号公報
特開平8−173055号公報
特開平11−18793号公報
特開2014−239651号公報

先行技術

0006

Kawahara R. et al., THEJOURNALOF BIOLOGICALCHEMISTRY VOL. 287, NO. 50, pp. 42389-42399, 2012

発明が解決しようとする課題

0007

従来知られたMOPであるRaMOPは、耐熱性熱安定性)に乏しく、40℃未満で反応を実施する必要があり、実用的な酵素反応には使用できない。特許文献4でも、非特許文献1に記載の酵素をβ−マンノシド合成に用い得る記載があるものの、実際にはMOSは得られていない。このため、マンノオリゴ糖を製造するために必要な耐熱性および活性を有するMOPが望まれている。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記の課題に対して鋭意研究を重ねた結果、マンノオリゴ糖を製造するために必要な耐熱性および活性を有するMOPを見出し、本発明を完成させた。

0009

即ち、本発明は、
(1)pH5〜9の範囲で4℃にて24時間保持した後に90%以上の残存活性を示し、pH6.5の条件下で60℃で15分間保持した後に90%以上の残存活性を示す、マンノオリゴ糖ホスホリラーゼ、
(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列と70%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列、または配列番号2に記載の塩基配列と70%以上の配列同一性を有する塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、(1)のマンノオリゴ糖ホスホリラーゼ、
(3)配列番号1に記載のアミノ酸配列と90%以上の相同性を有するアミノ酸配列、または配列番号2に記載の塩基配列と90%以上の配列相同性を有する塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、(1)のマンノオリゴ糖ホスホリラーゼ、
(4)配列番号1に記載のアミノ酸配列、または配列番号2に記載の塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を含む、(1)のマンノオリゴ糖ホスホリラーゼ、
(5)サーモトガ門の微生物由来である、(1)〜(4)のいずれかのマンノオリゴ糖ホスホリラーゼ、
(6)(1)〜(5)のいずれかのマンノオリゴ糖ホスホリラーゼをコードする核酸を含む、ベクター
(7)(1)〜(5)のいずれかのマンノオリゴ糖ホスホリラーゼをコードする核酸を含む、形質転換体
(8)(1)〜(5)のいずれかのマンノオリゴ糖ホスホリラーゼを用いる、マンノオリゴ糖の製造方法、
(9)マンノオリゴ糖ホスホリラーゼによる反応が40℃以上で行われる、(8)の製造方法。
(10)マンノース−1−リン酸およびマンノースに、(1)〜(5)のいずれかのマンノオリゴ糖ホスホリラーゼを作用させることを含む、(8)または(9)のマンノオリゴ糖の製造方法、
(11)グルコース−1−リン酸を、グルコース−6−リン酸に変換する工程、グルコース−6−リン酸をマンノース−6−リン酸に異性化する工程、およびマンノース−6−リン酸をマンノース−1−リン酸に変換する工程をさらに含む、(10)のマンノオリゴ糖の製造方法。
(12)デンプン脱分枝、加リン酸分解してグルコース−1−リン酸を生成する工程をさらに含む、(11)のマンノオリゴ糖の製造方法、
に関する。

発明の効果

0010

本発明によれば、従来酵素では不可能であった高温域で酵素反応が可能となり、マンノオリゴ糖を酵素的に製造することができる。

図面の簡単な説明

0011

実施例のMOPの合成反応生成物分析結果を示す図である。M1P:マンノース−1−リン酸、M:マンノース、M2〜M8:マンノオリゴ糖(数字重合度を示す)、−:酵素無添加、+:酵素添加。
実施例のMOPのpH活性曲線を示す図である。●:酢酸ナトリウム緩衝液、○:MES−NaOH緩衝液、■:HEPES−NaOH緩衝液、□:トリシンHCl緩衝液、▲:ビシン−NaOH緩衝液、△:CHES−NaOH緩衝液。
実施例のMOPのpH安定性を示す図である。◆:KCl−HCl緩衝液、◇:グリシン−HCl緩衝液、●:酢酸ナトリウム緩衝液、○:MES−NaOH緩衝液、■:HEPES−NaOH緩衝液、□:トリシン−HCl緩衝液、▲:ビシン−NaOH緩衝液、△:CHES−NaOH緩衝液、×:CAPS−NaOH緩衝液。
実施例のMOPの温度活性曲線および安定性を示す図である。●:活性、○:安定性
実施例のMOPによるMOS生産を示す図である。黒:錯体形成なし、白:錯体形成あり、Man:マンノース、Man2〜Man6:マンノオリゴ糖(数字は重合度を示す)(略称について、以下同じ)
上段:グルコース−1−リン酸(以下、Glc1PまたはG1Pとも称する)からマンノビオースを合成する経路の一例を示す図である。下段:デンプンからマンノビオースを合成する経路の一例を示す図である。Glc6P:グルコース−6−リン酸、Fru6P:フルクトース−6−リン酸、Man6P:マンノース−6−リン酸、Man1P:マンノース−1−リン酸、Pi:リン酸、Man2:マンノビオース、α−PGM:α−ホスホグルコムターゼ、GPI:グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、MPI:マンノース−6−リン酸イソメラーゼ、PMM:ホスホマンムターゼISAイソアミラーゼ、GP:グルカンホスホリラーゼ(略称について、以下同じ)
実施例のMOPを用いた、Glc1Pおよびデンプンを出発材料とするマンノオリゴ糖合成の結果を示す図である。反応条件:37℃、6時間、両反応に共通:(10μL):20μg/mL Glc16BP、50mM HEPES−Na(pH7)、20mMMgCl2、0.2M ManおよびMOP、Glc1Pからの反応は下記を追加:0.2M Glc1P、2.5U/mL α−PGM、2.5U/mL GPI、1.3U/mL MPI、0.5U/mL PMM、デンプンからの反応は下記を追加:25mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7)、3%可溶性デンプン、2.5U/mL α−PGM、2.5U/mL GPI、39U/mL MPI、3.5U/mL PMM、100U/mL ISA、1.7U/mL GP。
実施例のMOPを用いた、Glc1Pおよびデンプンを出発材料とするマンノオリゴ糖合成・反応経過に伴うMan2の生成量変化を示す図である。

0012

以下、本発明を具体的に説明する。ある態様において、本発明は、マンノオリゴ糖を製造するために必要な耐熱性および活性を有するMOPを提供する。

0013

本明細書におけるオリゴ糖とは、単糖が2〜20分子結合したものであり、好ましくは単糖が2〜15分子結合したものであり、より好ましくは単糖が2〜10分子結合したものである。好ましいオリゴ糖の例として、単糖が3〜20、4〜20、5〜20、6〜20、3〜15、4〜15、5〜15、6〜15、3〜10、4〜10、5〜10、6〜10分子結合したものが挙げられる。本明細書におけるマンノオリゴ糖とは、マンノースのみを構成糖とし、β−1,4結合で形成されたオリゴ糖である。マンノオリゴ糖の例として、マンノビオース、マンノトリオース、マンノテトラオース等が挙げられる。ある実施形態において、マンノオリゴ糖は、マンノース以外の構成糖を含むオリゴ糖に含まれるマンノオリゴ糖部分を含む。

0014

本態様のMOPは、pH約5〜9の範囲で4℃にて24時間保持した後に90%以上の残存活性を示す。この場合、pH約5〜9の範囲で90%以上の残存活性を示せば、他のpH範囲では90%以上の残存活性を示しても示さなくてもよい。例えば、本態様のMOPは、pH約4〜9、約4〜10、約3.5〜9、または約3.5〜10の範囲で4℃にて24時間保持した後に90%以上の残存活性を示す。

0015

本態様のMOPは、pH6.5の条件下で約60℃またはそれ以上の温度で15分間保持した後に、90%以上の残存活性を示す。好ましくは、例えばpH6.5の条件下で約65℃もしくはそれ以上、約70℃もしくはそれ以上、約75℃もしくはそれ以上、約80℃もしくはそれ以上、または約85℃の温度で15分間保持した後に90%以上の残存活性を示す。

0016

ある実施形態において、本態様のMOPの至適pHは、例えば約4.5〜8.5のいずれか、例えば約5.0〜8.0、約5.5〜7.5、約6.0〜7.0、例えば約6.5である。他の実施形態において、本態様のMOPの至適温度は、例えば約40〜85℃のいずれか、例えば約45〜85℃、約50〜85℃、約60〜80℃、約65〜80℃である。

0017

ある実施形態において、本態様のMOPは37℃において、マンノースに対してRaMOPよりも高いKcat appおよびKcat app/Km app、およびRaMOPよりも低いKm appを示し、MOSに対してRaMOPよりも低いKcat appおよびKm appを示し、およびRaMOPよりも高いKcat app/Km appを示す。例えば、37℃において、本態様のMOPはRaMOPに比較して少なくとも約3倍、好ましくは少なくとも約4倍、さらに好ましくは少なくとも約5倍、例えば約3〜12倍のKcat app/Km appを示す。他の実施形態において、本態様のMOPは、60℃において、マンノースに対して少なくとも約2s−1・mM−1、例えば少なくとも約3s−1・mM−1、少なくとも約3.5s−1・mM−1、約2〜10、約3〜8、約3.5〜6s−1・mM−1のKcat app/Km appを示し、MOSに対して少なくとも約5s−1・mM−1、例えば少なくとも約10s−1・mM−1、少なくとも約20s−1・mM−1、少なくとも約25s−1・mM−1、約5〜100、約10〜75、約20〜60s−1・mM−1のKcat app/Km appを示す。

0018

本明細書におけるKm appは、酵素の見かけミカエリスメンテン(Michaelis−Menton)定数を示し、所定の酵素が酵素触媒反応でその最大速度を半分にする特定の基質の濃度である。Kcat appは酵素の見かけの分子活性を示し、酵素が最大の効率で機能する基質分子の数である。また、Kcat app/Km appは、酵素の見かけの特異性定数を示し、酵素が基質を産物に変換する効率の指標である。これらは、測定した反応速度をミカエリス−メンテンの速度式回帰することで求められる。

0019

ある実施形態において、MOPは、例えば、配列番号1のアミノ酸配列に対して、約70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む酵素が挙げられる。また例えば、配列番号2の塩基配列に対して、約70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上または100%の配列同一性を有する塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を含む酵素が挙げられる。

0020

0021

さらに具体的な実施形態において、上記のアミノ酸配列は、例えば配列番号1のアミノ酸配列に、1個または複数個欠失、付加、および/または保存性もしくは非保存性アミノ酸による置換を有する配列を含む。保存性アミノ酸による置換として、例えば、疎水性アミノ酸Ala、Val、Leu、およびIleの中での1つのアミノ酸の別のアミノ酸への置換;ヒドロキシルアミノ酸SerおよびThrの交換酸性残基AspおよびGluの交換、アミド型アミノ酸AsnおよびGlnの間の置換、塩基性アミノ酸LysおよびArgの交換、ならびに芳香属アミノ酸Phe、Tyrの間の置換などが挙げられる。また他の実施形態において、上記のアミノ酸配列は、配列番号2の塩基配列に1個または複数個の欠失、付加、および/または置換を有する塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を含む。これら形態における複数個とは、好ましくは2〜20個、より好ましくは2〜10個、より好ましくは2〜5個、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10個を意味する。

0022

さらに具体的な実施形態において、上記の実施形態における塩基配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を含む。本明細書において、「ストリンジェントな条件」とは、例えば、Molecular Cloning-A LABORATORYMANUAL THIRDEDITION (Sambrook et al., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)に記載の方法が挙げられる。例えば、6×SSC(20×SSCの組成:3M塩化ナトリウム、0.3Mクエン酸溶液、pH7.0)、5×デンハルト溶液(100×デンハルト溶液の組成:2質量%ウシ血清アルブミン、2質量%フィコール、2質量%ポリビニルピロリドン)、0.5質量%のSDS、0.1mg/mLサケ精子DNA、および50%フォルムアミドからなるハイブリダイゼーションバッファー中で、42〜70℃で数時間から一晩インキュベーションを行うことによりハイブリダイズさせる条件を挙げることができる。なお、インキュベーション後の洗浄の際に用いる洗浄バッファーとしては、好ましくは0.1質量%SDS含有1×SSC溶液、より好ましくは0.1質量%SDS含有0.1×SSC溶液である。

0023

ある実施形態において、上記の塩基配列またはアミノ酸配列の由来は特に限定されないが、例えば動物、植物または微生物由来、好ましくは植物または微生物由来、より好ましくは微生物由来である。より具体的に、好ましくは、MOPはサーモトガ門(Thermotogae)由来である。より具体的な微生物の例として、サーモトガ属(Thermotoga)、シュードサーモトガ属(Pseudothermotoga)、ビブリオ属(Vibrio)等が挙げられる。好ましい実施形態において、MOPはサーモトガ属またはシュードサーモトガ属由来、より好ましくは、サーモトガ属由来である。他の好ましい実施形態において、MOPは、サーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)、サーモトガ種RQ2(Thermotoga sp. RQ2)、サーモトガ・ペトロフィラ(Thermotoga petrophila)、サーモトガ種2812B(Thermotoga sp. 2812B)、サーモトガ種RQ7(Thermotoga sp. RQ7)、サーモトガ・ネポリタナ(Thermotoga neapolitana)、シュードサーモトガ・ハイポゲア (Pseudothermotoga hypogea)、シュードサーモトガ・レッティンゲ(Pseudothermotoga lettingae)、またはビブリオ・フルヴィアリス(Vibrio flvialis)由来、より好ましくはサーモトガ・マリティマ由来である。

0024

本態様のMOPは、例えば、上述のアミノ酸配列をコードする塩基配列、または上述の塩基配列、すなわち本態様のMOPをコードする核酸を含むベクターを導入して形質転換した形質転換体によって生産することができる。したがって、ある態様において、本発明はMOPをコードする核酸を含むベクターを提供する。他の態様において、本発明はMOPをコードする核酸を含む形質転換体を提供する。またさらに他の態様において、本発明はMOPを製造する方法を提供する。

0025

ベクターに導入する、MOPをコードする核酸は、上述の塩基配列(例えば、配列番号2の塩基配列、配列番号2の塩基配列に対して、約70%以上の配列同一性を有する塩基配列など)に係る核酸を化学的に合成してもよく、遺伝子組換え技術によって自然界から取得したものであってもよい。例えば、上述の微生物等の自然界に存在する試料サンプリングし、当該サンプルから回収されたゲノムDNAを鋳型として、目的とする塩基配列に基づいて常法により設計したフォワードプライマーリバースプライマーを用いてPCRを行うことによって得ることができる。当該サンプルから回収したmRNAを鋳型として逆転写反応により合成されたcDNAを鋳型としてもよい。ベクターに導入する核酸は、MOP領域をコードする領域のみを有するものであってもよく、当該領域に加えて、エンハンサー配列プロモーター配列コピー数増幅を目的として使用される塩基配列、リンカー配列、各種シグナルペプチド、各種タグ、ポリA付加配列スプライシング配列、複製開始点選択マーカー等をコードする領域を有していてもよい。

0026

本態様のベクターは、使用する宿主に応じた適当なベクターを選択して使用すればよく、特に限定されない。ベクターの例として、プラスミドの他にバクテリオファージバキュロウイルスレトロウィルス、およびワクシニアウィルス等の種々のウイルスが挙げられる。本態様のベクターは、特に宿主中で自立複製可能なものが好ましく、プラスミドDNA、ファージDNAの形態にあることが好ましい。核酸を大腸菌に導入するためのベクターの例としては、pBR322、pUC18、pBluescriptII、pETシリーズ(Novagen社製)等のプラスミドDNA、およびEMBL3、M13、λgtII等のファージDNA等を挙げることができる。また酵母に導入するためのベクターの例として、YEp13、YCp50等を挙げることができる。

0027

本態様の形質転換体は、上記態様のMOPをコードする遺伝子が導入されている。例えば、上記態様のベクターが導入されている。これにより、当該形質転換体は上記態様のMOPを発現する。ベクターを導入する宿主の例として、エシェキリア属(Escherichia)、バチルス属(Bacillus)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium)等の細菌、サッカロミセス属(Saccharomyces)等の酵母、糸状菌昆虫培養細胞、哺乳培養細胞、および植物細胞等の真核細胞が挙げられる。好ましくは、宿主は大腸菌(E. coli)である。形質転換体を培養することにより、MOPを、より簡便かつ大量に生産することができる。

0028

宿主細胞への核酸またはベクターの導入は、当業者に知られた方法によって行うことができる。例えばリン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法スフェロプラスト法、リポソーム法、DEAEデキストラン法、酢酸リチウム法、接合伝達法、カルシウムイオンを用いる方法等が挙げられる。

0029

上記の形質転換体から、上述の態様におけるMOPを抽出または精製する方法は、MOPの活性を損なわない方法であれば、特に限定されるものではなく、細胞生体組織からポリペプチドを抽出する場合に通常用いられている方法によって抽出することができる。当該方法として、例えば、形質転換体を適当な抽出バッファーに浸し、MOPを抽出した後、抽出液固形残渣に分離する方法が挙げられる。抽出液と固形残渣を分離する方法の例として、濾過圧縮濾過、または遠心分離処理等の公知の固液分離処理が挙げられる。また、抽出バッファーに浸した状態の形質転換体を圧搾してもよい。抽出液中のMOPは、塩析法限外濾過法、またはクロマトグラフィー法等の公知の精製方法を用いて精製することができる。

0030

MOPを、形質転換体内で分泌型シグナルペプチドを有する状態で発現させた場合には、当該形質転換体を培養した後、得られた培養物から形質転換体を除いた培養液上清を回収することにより、簡便にMOPを含む溶液を得ることができる。また、本発明に係るMOPが、Hisタグ等のタグを有している場合、当該タグを利用したアフィニティクロマトグラフィー法により、抽出液や培養上清中のMOPを簡便に精製することができる。

0031

ある態様において、本発明は上記態様のMOPを用いる、マンノオリゴ糖の製造方法を提供する。

0032

ある実施形態において、本態様の製造方法は、出発原料としてMan1Pおよびマンノースを用いる。

0033

他の実施形態において、本態様の製造方法は、Glc1Pを出発原料とし、(i)Glc1Pを、Glc6Pに変換する工程、(ii)Glc6PをMan6Pに異性化する工程、例えば、Glc6PをFru6Pに異性化し、Fru6PをMan6Pに異性化する工程、および(iii)Man6PをMan1Pに変換する工程をさらに含む。これらの工程は、必要な酵素を組み合わせて実施できる。例えばα−PGM、GPI、MPI、およびPMM、および必要によりそれらの補因子組合せによって実施される。これらの反応は順次実施することもできるし、一容器中にMOPを含むすべての酵素を混合して実施することもできる。

0034

さらに他の実施形態において、本態様の製造方法は、デンプンを出発原料とし、脱分枝、加リン酸分解してGlc1Pを生成する工程をさらに含む。この工程は、必要な酵素を組み合わせて実施できる。例えばISA、およびGP、および必要によりそれらの補因子の組み合わせによって実施できる。Glc1Pを出発原料とする上記実施形態と組み合わせることにより、デンプンからマンノオリゴ糖を生産できる。これらの反応は順次実施することもできるし、一容器中にMOPを含むすべての酵素を混合して実施することもできる。

0035

さらに他の実施形態において、本態様の方法は、セルロースを出発原料とし、Glc1Pを生産する工程をさらに含む。この工程は、必要な酵素を組み合わせて実施できる。例えば、Hiraishi et al.,Carbohydrate Research 344,2468-2473,2009に記載の方法によって実施できる。Glc1Pを出発原料とする上記実施形態と組み合わせることにより、セルロースからマンノオリゴ糖を生産できる。これらの反応は順次実施することもできるし、一容器中にMOPを含むすべての酵素を混合して実施することもできる。

0036

反応温度、pH、時間は当業者が適宜決定できる。例えば、反応温度は、約30〜85℃に設定できる。好ましい反応温度の例として、例えば、約35℃以上、約40℃以上、約45℃以上、より具体的には、例えば約35〜80℃、約37〜80℃、約40〜80℃、約40〜75℃、約40〜65℃、約45〜75℃、約45〜65℃、約45〜60℃等が挙げられる。例えば、反応pHはpH約5〜9に設定できる。好ましい反応pHの例として、約3.5〜10、約4〜10、約4〜9、約5〜10、約5〜8、約6〜10、約6〜8、約6〜7等が挙げられる。例えば、反応時間は約0.1〜3000時間に設定できる。好ましい反応時間の例として、約0.5〜1000時間、約1〜500時間、約1〜100時間、約10〜100時間、約20〜60時間等が挙げられる。

0037

得られたマンノオリゴ糖を含む反応液はそのまま、または必要に応じて精製処理を施すことができる。精製処理する通常の方法として、活性炭処理樹脂吸着処理、限外濾過法、逆浸透法ゲル濾過法透析法イオン交換樹脂法、電気透析法イオン交換膜法および各種クロマトグラフィー等が例示でき、これらの一法または二法以上の組み合わせにより行うことができる。

0038

得られたマンノオリゴ糖を含む反応液またはさらに精製処理後の液は、そのまま製剤化しても良く、好ましくは加熱殺菌してから製剤化できる。製剤の形態は特に限定されず、例えば、濃縮液等の液体粉末錠剤等の固体ペースト状等の形態とすることができる。例えば、濃縮および/または乾燥を行い、濃縮品または乾燥品とすることができる。加熱殺菌、濃縮、乾燥の手段は当業者に公知の方法を用いることができる。濃縮の例として、例えば蒸発減圧凍結濃縮等が挙げられる。また乾燥の例として、噴霧乾燥凍結乾燥ドラム乾燥等が挙げられる。

0039

得られたマンノオリゴ糖は食品機能性食品食品添加物医薬品、飼料組成物、または化粧品等製品に用いることが出来る。得られたマンノオリゴ糖または製剤をそのまま用いても良いし、各製品に通常用いられる他の原料を添加してもよい。従って、ある態様において、本発明はマンノオリゴ糖を含有するこれらの製品、ならびにそれらの製造方法および利用方法を提供する。

0040

本態様において、マンノオリゴ糖は自体公知の方法により各製品に配合することができ、その配合量や他の配合成分は特に限定されない。他の原料の例として、調味料酸味料甘味料香辛料着色料香料塩類、糖類、酸化防止剤ビタミン、安定剤、増粘剤担体賦形剤潤滑剤、界面活性剤噴射剤防腐剤キレート剤pH調整剤、等が挙げられる。

0041

本態様の製品の形態は特に限定されず、例えば、錠剤、粉末、顆粒ペレット等の固体、ペースト等の半固体、および溶液、懸濁液、エマルジョン等の液体が挙げられる。また、これらがカプセル封入されたものであってもよい。

0042

本態様における製品は、マンノオリゴ糖により、老化防止、免疫向上、抗アレルギー抗ウイルス抗菌ウイルス感染阻害菌感染阻害等の作用が期待できる。

0043

以下に実施例を記載するが、本発明が実施例により必ずしも限定されるものではない。

0044

実施例1:MOP−1の調製および分析
(酵素の調製)
サーモトガ・マリティマのゲノムDNAを鋳型としてPCRを行い、下記表2のプライマーを用い、PrimeSTAR(登録商標) HSDNAポリメラーゼを使用して、MOP様タンパク質TM1225をコードする遺伝子を増幅した。これを発現プラスミドpET23aにNdeIおよびXhoIサイトを介してサブクローニングした。得られた発現プラスミドにより大腸菌BL21(DE3)を形質転換して組換えタンパク質を生産した。

0045

0046

100μg/mLアンピシリンを含むLB培地1Lにより発現プラスミドを導入した形質転換体を37℃にて培養し、A600が0.5となった時点で0.1Mイソプロピルβ−チオガラクトシドを1mL添加し(終濃度0.1mM)、組換えタンパク質の生産を誘導した。これを18℃にてさらに24時間培養した。

0047

遠心分離により回収した菌体を20mM MES−NaOH緩衝液(pH6.5)30mLに懸濁し,ソニケーションにより破砕した。これを遠心分離して上清を回収し,75℃で30分間保持することにより熱処理を行なった。この処理液から遠心分離により得られた上清を用いてDEAESepharose Fast Flowカラムクロマトグラフィーを行なった。20mM MES−NaOH緩衝液(pH6.5)により平衡化した2.5cm i.d.×20cmのカラムを用いた。非吸着タンパク質を同緩衝液で溶出させた後、吸着タンパク質を0〜0.5M NaCl直線濃度勾配溶出液量500mL)により溶出した。目的タンパク質吸着画分NaCl濃度0.25M付近)に溶出された。回収した画分に硫酸アンモニウムを30%飽和になる様に添加し、TOYOPEARL(登録商標) Butyl−650Mカラムクロマトグラフィーの試料とした。30%飽和硫酸アンモニウムを含む20mM MES−NaOH緩衝液(pH6.5)により平衡化したカラム(2.5cm i.d.×10cm)を用いた。非吸着タンパク質を同緩衝液で溶出させ、吸着タンパク質を30〜0%飽和硫酸アンモニウム直線濃度勾配(溶出液量400mL)により溶出した。20%飽和濃度付近に溶出した目的タンパク質を回収し、20mM MES−NaOH緩衝液(pH6.5)に対して透析した。得られた試料をAmicon ultra(10000MWCO)を用いた限外濾過により濃縮し、酵素である組換えタンパク質(以下MOP−1と称する)を得た。

0048

(マンノオリゴ糖合成活性の測定)
Man1Pおよびマンノースからのマンノオリゴ糖合成反応における無機リン酸遊離速度を測定した。MOP−1、10mM Man1P、10mMマンノースおよび80mM MES−NaOH(pH6.5)からなる反応液50μLを60℃に10分間保持した。10%アスコルビン酸水溶液を125μL添加して反応を停止した。この無機リン酸濃度をモリブデンブルー法(Lowry et al., Journal of Biological Chemistry, 162, 421-428, 1946)により測定した。酵素活性1Uを上記条件下で1分間に1μmolの無機リン酸を遊離する量と定義した。調製したMOP−1は、Man1Pおよびマンノースからのマンノオリゴ糖合成反応において無機リン酸遊離活性を示し、無機リン酸遊離速度から求めた活性は4.03U/mgであった。

0049

次に薄層クロマトグラフィーTLC)により合成生成物を分析した。MOP−1、80mM Man1Pおよび40mM各種MOSからなる反応液25μL(pH6.5)を37℃に96時間保持し、このうち1μLを分析に用いた。TLCでは展開溶媒アセトン酢酸エチル1−プロパノール/水=85/20/50/60を用い、糖の検出にアニスアルデヒド硫酸酢酸=1/2/97を用いた。検出液TLCプレート噴霧後、加熱することで糖を検出した。その結果、いずれの受容体に対する反応においてもマンノシル基の転移が確認され、マンノースを受容体とした反応では7糖まで、Man2からMan4(数字は重合度を示す)との反応では8糖までのMOSの生成が見られた(図1)。以上より、MOP−1がMOP活性を持つことが確認された。

0050

(pHおよび温度の影響)
Man1Pおよびマンノースからのマンノオリゴ糖合成活性に関して、MOP−1の当該活性に及ぼすpHおよび温度の影響を調べた。各pHにおける活性を測定した結果、MOP−1はpH6.5において最大活性を示した(図2)。なお反応緩衝液には、80mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.3〜6.5)、MES−NaOH緩衝液(pH5.8〜7.0)、HEPES−NaOH緩衝液(pH7.0〜8.2)、トリシン−HCl緩衝液(pH8.2〜8.7)、ビシン−NaOH緩衝液(pH8.7〜9.3)およびCHES−NaOH緩衝液(pH9.3〜10.3)を用いた。各pHに4℃にて24時間保持した後に残存活性を測定すると、MOP−1はpH4.1〜10.1の範囲で90%以上の残存活性を示した(図3)。なお、pH処理における緩衝液には80mM KCl−HCl緩衝液(pH2.1)、グリシン−HCl緩衝液(pH2.7〜3.3)、酢酸ナトリウム緩衝液(pH3.8〜6.1)、MES−NaOH緩衝液(pH5.7〜7.0)、HEPES−NaOH緩衝液(pH7.1〜8.1)、トリシン−HCl緩衝液(pH8.1〜8.6)、ビシン−NaOH緩衝液(pH8.6〜9.1)、CHES−NaOH緩衝液(pH9.1〜10.1)、CAPS−NaOH緩衝液(pH9.9〜10.9)を用いた。

0051

次に、各温度にて活性を測定し、最適温度を求めた。その結果、MOP−1は75℃において最大活性を示した(図4)。各温度(pH6.5)に15分間保持した後に、残存活性を測定し、安定性を評価した。MOP−1は85℃以下で95%以上の残存活性を示した。このことより、MOP−1は優れた耐熱性を備えたMOPであると判断された。

0052

(各種マンノオリゴ糖に対する合成反応速度の測定とRaMOPとの比較)
10mM Man1Pを糖供与体、1.0〜5.0mM MOS(マンノースについては20〜150mM)を受容体とした60℃における反応速度を測定した(表3)。得られた反応速度をミカエリス−メンテンの速度式に回帰することで速度パラメータを求めた(表3)。MOP−1はRaMOPと同様にマンノースよりも2糖以上のMOSに対して高い反応効率を示した。Man2〜Man6に対する反応効率はManに対する反応効率の7.4〜11.2倍であった。MOSの中ではMan3を最も良い受容体とすることが明らかになった。RaMOPとMOP−1の合成反応速度を比較するため、MOP−1の37℃におけるMOSに対する速度パラメータを測定した(表4)。37℃では60℃のパラメータと比較してKcatおよびKmの低下が認められた。RaMOPとMOP−1を比較すると、マンノースに対してはMOP−1のKcat appが高く、Km appは低いためMOP−1はRaMOPの16.2倍の高いKcat app/Km appを示した。より長鎖の受容体に対するKcat appは、MOP−1よりRaMOPの方が高かったが、MOP−1ではRaMOPよりも著しく低いKm appを示したため、MOP−1はRaMOPより3.6〜11.4倍の高いKcat app/Km appを示した

0053

0054

0055

実施例2:MOP−1を用いたMOSの合成(Man1PおよびマンノースからのMOSの合成)
MOP−1、100mMマンノース、100mM Man1Pおよび40mM MES−NaOH(pH6.5)からなる反応液120μLを60℃に48時間保持し、得られた反応液中のMOSをHPAEC−PADにより測定した(図5)。HPAEC−PADではカラムにCarbopac PA1を用い、187mM NaOHを移動相に用いた。流速を0.8mL/分とした。1000倍希釈した反応液を10μL注入し、分析した。各重合度のMOS(25〜200μM)を用いて作成した検量線に基づきMOS濃度を算出した。その結果、MOS濃度はMan2 19.2mM、Man3 8.4mM、Man4 3.3mM、Man5 1.5mM、Man6 1.2mMであり、生成したMOSに含まれるMan1P由来のマンノシル基は57.9mMと求められ,57.9%のMan1PがMOS合成に消費された。

0056

次に反応により生じる無機リン酸をアンモニウムイオンおよびマグネシウムイオン不溶性錯体として反応系から除くことでMOS合成を高収率化できるか検討した。酵素、100mMマンノース、100mM Man1P、40mM MES−NaOH(pH6.5)、100mM酢酸マグネシウムおよび100mM酢酸アンモニウムからなる反応液120μLを60℃に48時間保持した。このMOS濃度を上記と同様に測定すると、Man2 28.8mM、Man3 14.0mM、Man4 6.1mM、Man5 3.2mM、Man6 3.0mMであり、錯体を形成させずに反応させた場合より明らかにMOS合成量が増加した。MOS合成に使用されたMan1P濃度を算出すると、101.9mMとなり、基質のMan1PがMOS合成に完全に使用されたと考えられた。

0057

MOP−1は、優れた耐熱性を有し、従来酵素では不可能だった40℃以上の高温域における酵素反応が可能であった。37℃における反応速度パラメータを比較すると、MOP−1のKcat値はRaMOPに劣るもの、反応効率は3.6〜11.4倍と高かった。60℃における反応で得られたMOP−1のKcat値は、RaMOPの37℃におけるKcat値の1.6〜61倍であった。

0058

実施例3:MOP−1を用いたMOSの合成(Glc1PからのMOSの合成)
0.2M Glc1P、20mM MgCl2、20μg/mLグルコース1,6−ビスリン酸(Glc16BP)、50mMHEPES−Na(pH7)、0.2M Man、2.5U/mL α−PGM、2.5U/mL GPI、1.3U/mL MPI、0.5U/mL PMM、およびMOP−1からなる反応液10μLを37℃で60時間保持した。このうち、0.5μLの試料を用いて、薄層クロマトグラフィー(TLC)により合成生成物を分析した。TLCでは展開溶媒にアセトニトリル/酢酸エチル/1−プロパノール/水=85/20/50/60を用い、糖の検出にアニスアルデヒド/硫酸/酢酸=1/2/100を用いた。検出液をTLCプレートに噴霧後、加熱することで糖を検出した。その結果、マンノビオース、およびわずかながらMan3の生成が見られた(図7、8)。

0059

実施例4:MOP−1を用いたMOSの合成(デンプンからのMOSの合成)
3%可用性デンプン、20mM MgCl2、20μg/mLグルコース1,6−ビスリン酸(Glc16BP)、25 mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7)、50mMHEPES−Na(pH7)、0.2M Man、5U/mL α−PGM、2.5U/mL GPI, 39U/mL MPI、4U/mL PMM、100U/mLISA、1.7U/mL GP、およびMOP−1からなる反応液10μLを37℃で60時間保持した。このうち、0.5μLの試料を用いて、薄層クロマトグラフィー(TLC)により合成生成物を分析した。TLCでは展開溶媒にアセトニトリル/酢酸エチル/1−プロパノール/水=85/20/50/60を用い、糖の検出にアニスアルデヒド/硫酸/酢酸=1/2/100を用いた。検出液をTLCプレートに噴霧後、加熱することで糖を検出した。その結果、マンノビオース、およびわずかながらMan3の生成が見られた(図7、8)。

実施例

0060

実施例3および4に示す通り、MOP−1を用いることにより、Glc1P、またはデンプンを出発物質として、一容器中で簡便かつ容易にMOSの製造が可能であった。なお実施例3および4では、MOP−1以外の酵素について一部耐熱性を有しないものを使用したため、反応を37℃で行ったが、全てを耐熱性酵素とすることにより、反応を40℃以上で実施できる。

0061

本発明は、健康食品、サプリメント等を含む食品分野、医薬品分野、試薬研究分野化粧品分野、および飼料分野等で利用できる。

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