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技術 圧延機

出願人 日本製鉄株式会社
発明者 福島傑浩
出願日 2017年2月16日 (3年10ヶ月経過) 出願番号 2017-027130
公開日 2018年8月23日 (2年4ヶ月経過) 公開番号 2018-130748
状態 未査定
技術分野 圧延ロール・圧延スタンド・圧延機の駆動 圧延機
主要キーワード 噴射面積 油圧圧力 接触負荷 ポアソン比ν バックアップロール軸受 各噴射口 押圧ヘッド 工程側
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

ワークロールに接触して配置されるロールにおいて、ワークロールとの接触負荷による不具合の発生を低減できる圧延機を提供する。

解決手段

ワークロールと、ワークロールの外周面に、外周面を接触して配置される第1のロールと、ワークロールの上流側及び下流側のそれぞれに配置され、ワークロール及び第1のロールに接触する押圧ヘッドと、を備え、押圧ヘッドは、第1のロールに接触する第一押圧部と、ワークロールに接触する第二押圧部と、を有し、第一押圧部と前記第二押圧部とは、先端に向けて距離が近づくように楔形状を有しており、先端は、ワークロールと第1のロールとが接触する点に向けて配置されている。

概要

背景

例えば4段の熱間圧延機で高い圧延荷重を要する圧延材に対して高い圧下率圧延を行う場合、その負荷が大きくなるため、ワークロールバックアップロールとの接触面圧ヘルツ圧)が過大になることがある。これにより特にバックアップロールの疲労破壊が発生する問題がある。

このような問題に対しては、ワークロールの直径を小さくすることにより圧延で発生する圧延荷重を下げ対策がある。しかしながら、駆動トルクの伝達を確保する観点からワークロールの直径を小さくすることにも限界がある。また圧延機としての耐荷重にも限界がある。

これに対して例えば特許文献1には潤滑剤を用いることで圧延荷重を低減する技術が開示されている。

また、特許文献2、特許文献3にはサポートロールを配置する技術が開示されている。

概要

ワークロールに接触して配置されるロールにおいて、ワークロールとの接触負荷による不具合の発生を低減できる圧延機を提供する。ワークロールと、ワークロールの外周面に、外周面を接触して配置される第1のロールと、ワークロールの上流側及び下流側のそれぞれに配置され、ワークロール及び第1のロールに接触する押圧ヘッドと、を備え、押圧ヘッドは、第1のロールに接触する第一押圧部と、ワークロールに接触する第二押圧部と、を有し、第一押圧部と前記第二押圧部とは、先端に向けて距離が近づくように楔形状を有しており、先端は、ワークロールと第1のロールとが接触する点に向けて配置されている。

目的

本発明は、上記問題点に鑑み、特に、4段および6段圧延機に関し、バックアップロールや中間ロールのような、ロール間接触によって圧延荷重を受けるロールの接触負荷による不具合の発生を低減できる圧延機を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

ワークロールと、前記ワークロールの外周面に、外周面を接触して配置される第1のロールと、前記ワークロールの上流側及び下流側のそれぞれに配置され、前記ワークロール及び前記第1のロールに接触する押圧ヘッドと、を備え、前記押圧ヘッドは、前記第1のロールに接触する第一押圧部と、前記ワークロールに接触する第二押圧部と、を有し、前記第一押圧部と前記第二押圧部とは、先端に向けて距離が近づくように楔形状を有しており、前記先端は、前記ワークロールと前記第1のロールとが接触する側に向けて配置されている、圧延機

請求項2

前記第1のロールがバックアップロールであり、前記ワークロールと前記バックアップロールとを備える4段圧延機である請求項1に記載の圧延機。

請求項3

前記第一押圧部、及び、前記第二押圧部の少なくとも一方には、接触ローラが備えられており、前記接触ローラが前記ワークロール、及び、前記第1のロールの少なくとも一方に接触する請求項1または2に記載の圧延機。

請求項4

ワークロールと、前記ワークロールの外周面に、外周面を接触して配置される第2のロールと、前記第2のロールの外周面に、外周面を接触して配置される第1のロールと、前記ワークロールの上流側及び下流側のそれぞれに配置され、前記外周面を接触して配置されるロールの双方に接触する押圧ヘッドと、を備え、前記押圧ヘッドは、前記外周面を接触して配置されるロールのうち鋼板から遠い方のロールに接触する第一押圧部と、前記外周面を接触して配置されるロールのうち鋼板から近い方のロールに接触する第二押圧部と、を有し、前記第一押圧部と前記第二押圧部とは、先端に向けて距離が近づくように楔形状を有しており、前記先端は、外周面を接触して配置されるロール同士が接触する側に向けて配置されている、圧延機。

請求項5

前記第1のロールがバックアップロールであり、前記第2のロールが中間ロールであり、前記ワークロール、前記中間ロール及び前記バックアップロールを備える6段圧延機であり、前記押圧ヘッドは、前記第1のロールと前記第2のロールの双方に接触するように配置されている、請求項4に記載の圧延機。

請求項6

前記第一押圧部、及び、前記第二押圧部の少なくとも一方には、接触ローラが備えられており、前記接触ローラが、前記ワークロール、前記第1のロール、及び、前記第2のロールの少なくとも1つに接触する請求項4又は5に記載の圧延機。

請求項7

前記第一押圧部及び前記第二押圧部の少なくとも一方には、冷却水噴射される噴射口を備える、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の圧延機。

技術分野

0001

本発明は圧延機(特に4段および6段圧延機)に関し、バックアップロール中間ロールのような、ロール間接触によって圧延荷重を受けるロールへの負担を軽減できる圧延機に関する。

背景技術

0002

例えば4段の熱間圧延機で高い圧延荷重を要する圧延材に対して高い圧下率圧延を行う場合、その負荷が大きくなるため、ワークロールとバックアップロールとの接触面圧ヘルツ圧)が過大になることがある。これにより特にバックアップロールの疲労破壊が発生する問題がある。

0003

このような問題に対しては、ワークロールの直径を小さくすることにより圧延で発生する圧延荷重を下げ対策がある。しかしながら、駆動トルクの伝達を確保する観点からワークロールの直径を小さくすることにも限界がある。また圧延機としての耐荷重にも限界がある。

0004

これに対して例えば特許文献1には潤滑剤を用いることで圧延荷重を低減する技術が開示されている。

0005

また、特許文献2、特許文献3にはサポートロールを配置する技術が開示されている。

先行技術

0006

特許第5573583号公報
特開平5−317917号公報
特開2014−223646号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、特許文献1に記載のように潤滑剤を用いると圧延材の先端がワークロール間に侵入できずスリップを発生する(噛み込み性不良)問題や、潤滑剤の取り扱いに関する手間の問題が発生する。

0008

また、特許文献2、特許文献3のようなサポートロールでは、ワークロールとバックアップロールとの接触圧力を低減するように検討及び構成されておらず、問題を解決できるものではない。

0009

4段圧延機(2つのワークロールと2つのバックアップロールを備える圧延機)以外の多段圧延機で複数ロールでワークロールをサポートする方法(例えば、バックアップロールを片側に二つ有するクラスター圧延機)も提案されているが、熱延仕上圧延のようなタンデム圧延機で使用するには圧延機の寸法が大きく、ロール交換等のための構造も複雑すぎて使い難い。

0010

そこで本発明は、上記問題点に鑑み、特に、4段および6段圧延機に関し、バックアップロールや中間ロールのような、ロール間接触によって圧延荷重を受けるロールの接触負荷による不具合の発生を低減できる圧延機を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0011

発明者らは鋭意検討の結果、4段圧延機の設計を行った場合、ワークロールとバックアップロールとの接触面圧の上限値が問題となることが多く、この接触面圧を例えば約10%低下させることができると、圧延機の耐荷重の限界と釣り合う状況になるため、効率的な圧延機の設計が可能となる知見を得た。6段圧延機の中間ロールとバックアップロールとの接触面圧についても同様の知見が得られた。またワークロールや中間ロールはバックアップロールよりも高い強度で製造されているため、同じ接触面圧が作用した場合、強度の低いバックアップロール側で不具合が発生する。以上のことから、4段圧延機ではワークロールとバックアップロールとの接触による負荷、6段圧延機では中間ロールとバックアップロールとの接触による負荷を低減させることで、上記の問題を解決できるとして本発明を完成させた。以下説明を判り易くするため、4段圧延機を対象として本発明について説明する。

0012

本発明の1つの望ましい態様は、4段圧延機の場合は、ワークロールと、該ワークロールの外周面に、外周面を接触してロール中心位置がワークロールの中心位置に対してほぼ鉛直となるように配置されるバックアップロールと、ワークロールの上流側及び下流側のそれぞれに配置され、ワークロール及びバックアップロールに接触する押圧ヘッドと、を備え、押圧ヘッドは、バックアップロールに接触する第一押圧部と、ワークロールに接触する第二押圧部と、を有し、第一押圧部と第二押圧部とは、先端に向けて距離が近づくように楔形状を有しており、先端がワークロールとバックアップロールとの接触する側に向けて配置されている、圧延機である。
これに対して6段圧延機の場合は、4段圧延機の説明にあるワークロールを中間ロールと置き換えてもよい。

0013

この圧延機において、第一押圧部及び第二押圧部の少なくとも一方には、冷却水噴射される噴射口を備えるように構成してもよい。

0014

また、第一押圧部、及び、第二押圧部の少なくとも一方には、接触ローラが備えられており、接触ローラがワークロール、中間ロール、及び、バックアップロールの少なくとも1つに接触するように構成することもできる。

発明の効果

0015

本発明により、押圧ヘッドの押圧力により、ワークロールとバックアップロールとの接触面圧、又は、中間ロールとバックアップロールとの接触面圧等、ロール間の接触面圧を低減することができ、ロールの破損等の不具合を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0016

熱延鋼板製造設備1の一部を模式的に示した図である。
押圧装置30が備えられた圧延機27を説明する図である。
押圧装置30を説明する図である。
図4(a)は第一押圧部31aを説明する図、図4(b)は第二押圧部31bを説明する図である。
図5(a)は他の例の第一押圧部31aを説明する図、図5(b)は他の例の第二押圧部31bを説明する図である。
他の例の第一押圧部31aを説明する図である。
押圧装置30が配置されない場合の接触により生じる力について説明する図である。
押圧装置30が配置された場合における効果について説明する図である。
図9(a)は押圧部材130を説明する図、図9(b)は第一押圧部131aを説明する図である。
6段圧延機227の例を説明する図である。
実施例の結果を表すグラフである。

0017

本発明を図面に示す形態に基づき説明する。ただし本発明はこれら形態に限定されるものではない。

0018

図1は、第一の形態にかかる熱延鋼板の製造設備1(以下、「製造設備1」と記載することがある。)のうち、熱間仕上げ圧延機列10、及び出側冷却装置40の部位を表した概念図である。図1では、鋼板Sが紙面左(上流側、上工程側)から右(下流側、下工程側)の方向へと搬送され、紙面上下が鉛直方向である。ここではパスライン破線で示している。上流側(上工程側)から下流側(下工程側)方向を通板方向と記載することがあり、これに直交する方向で、通板される鋼板Sの板幅の方向を板幅方向と記載することがある。また、図において見易さのため繰り返しとなる符号の記載は省略することがある。

0019

図1に示すように、製造設備1は、熱間仕上げ圧延機列10、及び出側冷却装置40を備えている。なお、図示および説明は省略するが、熱間仕上げ圧延機列10の上流側には、デスケーラ加熱炉、および粗圧延機列等が配置される。一方、冷却装置40の下流側には巻き取り機等が配置されている。また、鋼板を搬送するため、搬送ロール(例えば図1の搬送ロール2)が必要に応じて設けられている。

0020

本形態の熱間仕上げ圧延機列10は、上流側から第一スタンド11〜第七スタンド17を有し、これらが通板方向に沿って配列されている。本形態では、各スタンドには圧延機21〜27が備えられており、最終スタンド17の圧延機27には押圧装置30が具備されている。本形態では第一スタンド11〜第六スタンド16の圧延機21〜26では、不図示のハウジングにバックアップロール21a〜26aが備えられ、この2つのバックアップロール21a〜26aの間にワークロール21b〜26bが配置されている。そしてこの2つのワークロール21b〜26bの間を圧延材である鋼板Sが通過することに圧延がなされる。
このような圧延スタンドは公知の通りであり、圧延スタンドに具備される各構成要素も公知の通りである。

0021

上記のように本形態では、最終スタンドである第七スタンド17に圧延機27が備えられている。図2には図1のうち、圧延機27の構成を模式的な図で表した。図2からわかるように圧延機27は、第1のロールとしてのバックアップロール27a、ワークロール27b、ハウジング27c、及び押圧装置30を有して構成されている。ここで、ハウジング27c、バックアップロール27a、及びワークロール27bは、他の圧延スタンドの圧延機と同様のものを用いることができる。
なおここでは最終スタンドの圧延機27に押圧装置30が配置されている例を説明するが、押圧装置30が備えられる圧延機は特に限定されることはなく、他のスタンドの圧延機であってもよい。

0022

バックアップロール27aとワークロール27bとは、通常、圧延反力を圧延機のハウジング27cで効率よく受け止めるために、両ロールのロール中心が圧延方向すなわち水平方向に対してほぼ垂直(鉛直)となる位置に配置されている。ただし、この中心位置は圧延方向に数mmのオフセット量が設定されることが多く、これによりワークロールの水平方向位置を安定化させている。本形態では上記のオフセット量を特に限定しないが、オフセット量として0mmからワークロール直径に対しておおよそ2%以下の値が設定される場合も対象とする。

0023

本形態で押圧装置30は、ワークロール及び、該ワークロールの外周面に、外周面を接触して配置される第1のロールの両方に接触して、両者を離隔させる方向に力を発生させる装置である。これにより両者間に生じる接触面圧を低減させることができる。本形態では、ワークロール27b及び第1のロールとしてのバックアップロール27aに押圧装置30が適用されている。従って本形態では、上流側の上下2箇所、下流側の上下2箇所における、合計4箇所のそれぞれにワークロール27bとバックアップロール27aとの間に押圧装置30が配置されている。
図3には、図2のうち1つの押圧装置30に注目して拡大した図を表した。また、図4(a)には第一押圧部31aをバックアップロール27aに対向する側から見た図、図4(b)には第二押圧部31bをワークロール27bに対向する側から見た図をそれぞれ示した。

0024

本形態の押圧装置30は、押圧ヘッド31及び駆動装置35を有して構成されている。

0025

押圧ヘッド31は、図3からわかるようにバックアップロール27aに対向する第一押圧部31aと、ワークロール27bに対向する第二押圧部31bを有している。従って第一押圧部31aはバックアップロール27aの外周の湾曲と同じ曲率を有しており、第二押圧部31bはワークロール27bの外周の湾曲と同じ曲率となるような湾曲を備えている。
そして第一押圧部31aと第二押圧部31bとは、その先端(駆動装置35とは反対側)に向かうにつれて近づくように配置されている。これはバックアップロール27aとワークロール27bとの接触点に近づくにつれて外周面同士が近づく形態と同様である。これにより押圧ヘッド31は先端に近づくにつれて先細りとなる楔形状を備える。

0026

第一押圧部31a、及び第二押圧部31bは、図3視点において上記のように湾曲し、楔形状を備えているとともに、板幅方向には図4(a)、図4(b)に表れているように、バックアップロール27a及びワークロール27bの幅方向全長に亘って対向することができるように長方形とされている。

0027

そして本形態では、図3図4(a)、図4(b)からわかるように、第一押圧部31aには接触ローラ32、及び第二押圧部31bには接触ローラ33を備えている。接触ローラ32、33は、第一押圧部31a及び第二押圧部31bの湾曲方向における一端側と他端側に配置されて2列をなし、2列とも回転軸が板幅方向に平行である。そして本形態では、各列において複数の接触ローラ32、33が板幅方向に同じ回転軸上に配列されている。
なお、本形態では上記のように接触ローラ32、33を配置したが、これに限定されることなく、例えば図5(a)、図5(b)に示したように、図5(a)の第一押圧部31aにおける面と図5(b)の第二押圧部31bにおける面で、向かい合うロールの位置が重ならないように交互となるように接触ローラ32、33が配列されるように構成してもよい。これにより接触ローラの径を大きくして装置の耐久性を高めることも可能となる。

0028

接触ローラ32、33は図3からわかるようにその一部が突出するように配置され、第一押圧部31aの接触ローラ32はバックアップロール27aの表面に接触し、第二押圧部31bの接触ローラ33はワークロール27bの表面に接触して回転するように構成されている。

0029

また第一押圧部31a及び第二押圧部31bには、2列に配列された接触ローラ32、33の間に冷却水の噴射口31cが設けられており、不図示の設備から冷却水が提供され、この噴射口31cから水が噴射するように構成されている。これにより、バックアップロール27a及びワークロール27bの冷却も同時に行うことが可能である。噴射口31cの断面形状及び配列は特に限定されることはなく適宜変更すればよい。

0030

また、上記の形態では接触ローラ32、33が、第一押圧部31a及び第二押圧部31bの湾曲方向の一端側と他端側に配置されて2列をなし、2列とも回転軸が板幅方向に平行であるとともに、この2列の接触ローラ32、33の間に噴射口31cを備える形態とした。しかしながら、これに限られることなく、例えば図6に示したように、湾曲方向の一端側と他端側との間に4列の接触ローラ32が配置され、隣り合う列同士では接触ローラ32が互い違いに千鳥状に配置されてもよい。このときには噴射口31cは隣り合う接触ローラ32の間に配置することができる。このような構造とすることにより接触ローラの数量や径を増やして装置の耐久性を高めるとともに、水冷均一性も同時に確保できる。

0031

以上のように接触ローラ32、33を用いてワークロール27bやバックアップロール27aに接触することにより、ワークロール27bやバックアップロール27aの直径に若干の変化があっても対応することができる。

0032

駆動装置35は、押圧ヘッド31をバックアップロール27aとワークロール27bとの間に押し込むように押圧する駆動装置である。本形態では駆動装置35は駆動源36及びシリンダー37を有して構成されている。そしてシリンダー37の一端が駆動源36、他端が押圧ヘッド31のうち楔形状の先端側とは反対側となる部位に接続されている。これにより駆動源36で発生させた駆動力をシリンダー37を通じて押圧ヘッド31に伝達させて押圧ヘッド31に押圧力を付与することができる。
駆動装置35は、押圧ヘッド31に押圧力を付与することができればその形態は特に限定されることはなく、公知の駆動装置を適用することが可能である。

0033

このような押圧装置30が図2図3に表れたように配置される。すなわち、第一押圧部31aがバックアップロール27aに対向し、接触ローラ32がバックアップロール27aの表面に接触するとともに、第二押圧部31bがワークロール27bに対向し、接触ローラ33がワークロール27bの表面に接触するように配置される。このとき押圧ヘッド31の楔形状の細い先端がバックアップロール27aとワークロール27bとの接触部位側に向くように位置づけられる。

0034

押圧装置30をこのように配置した状態で、駆動装置35により押圧ヘッド31を押圧すると次のように作用する。図7図8に説明のための図を示した。図7は押圧装置30を用いない場合について説明する図、図8は押圧装置30を用いた場合について説明する図である。鋼板Sを挟んで上下は対称として考えることができるのでここでは上側に配置されたワークロール及びバックアップロールに注目して説明する。
押圧装置30を用いない場合、図7に示したように鋼板Sの圧延に伴い、鋼板Sからワークロールに対して矢印Aで示した大きさaの反力が生じる。バックアップロールはワークロールとの接触部分から矢印Bで示した大きさbの力を受けるとともに、バックアップロール軸受け部から矢印Cで示した大きさcの力を受ける。ここで圧延反力がロールの重量とくらべはるかに大きい場合、力の大きさa、b、cは全てほぼ等しい。ワークロールとバックアップロールとの接触部には同じ大きさの力が作用・反作用として作用しているが、この力が大きくなりすぎる場合にワークロールに比べて強度が低いバックアップロールに不具合を生じていた。

0035

これに対して、図8に示したように押圧部材30を用いた場合、押圧ヘッド31がバックアップロール27aとワークロール27bとの接触部位に近づくような押圧力が働く。押圧力は押圧ヘッド31が楔形状である作用により、第一押圧部31aがバックアップロール27aを矢印B2で示した方向にb2の大きさで押圧する。同様に第二押圧部31bがワークロール27bを矢印B3で示した方向にb3の大きさで押圧する。そしてこれら押圧ヘッド31による押圧力は、矢印B4で示したように大きさb4の力が伝達され押圧部材30が取り付けられた部位で受けられる。

0036

ここで、押圧ヘッド31における力の向きと大きさについて考えると次のようになる。
矢印B2で示した大きさb2の力の鉛直方向成分は矢印B2’で示したようにバックアップロール27aを上方に押し上げる方向に大きさb2’で働く。一方、矢印B3で示した大きさb3の力の鉛直方向成分は矢印B3’で示したようにワークロール27bを下方に押し下げる方向に大きさb3’で働く。これらの力はいずれもバックアップロール27aとワークロール27bとの間に生じる接触の力を弱める方向に働くため、その結果、矢印B1で示したバックアップロール27aとワークロール27bとの接触による力の大きさはb1となり、当該力の大きさb1は、図7に矢印Bで示したバックアップロールとワークロールとの接触による力の大きさbよりも小さくなる。これによりバックアップロール27aとワークロール27bとの接触面圧(ヘルツ圧)を低減させることができる。

0037

ここで、バックアップロール27aがワークロール27bとの接触部分から受ける力、及び押圧ヘッド31から受ける力の鉛直方向成分について考える。すると、矢印B1で示した力の大きさb1、矢印B2’で示した力の大きさb2’の2つを合計すると、図7に矢印Bで示したバックアップロールがワークロールから受ける力の大きさbと同じとなる。すなわち、このように押圧部材30を用いても矢印Aで示した力の大きさaおよび矢印Cで示した力の大きさcは、押圧部材30の有無にかかわらず同じとすることができる。従って、圧延荷重は同じとしたままバックアップロール27aとワークロール27bとの接触部分に生じる力のみを低減することができる。

0038

一方、押圧ヘッド31により作用する力の水平方向成分について考えると、矢印B2’’で示した力の大きさb2’’の2つ、及び矢印B3’’で示した力の大きさb3’’の2つはそれぞれ向きが反対で同じ大きさとなっているので、つりあうことから、水平方向には力を生じることはない。従って、押圧部材30があっても圧延を阻害するような力を生じさせない。

0039

このように、押圧部材30によれば、押圧部材30を用いない場合に対して、力の伝達経路を分散することで、圧延荷重を同じとしつつバックアップロール27aとワークロール27bとの接触部分に生じる力のみが低減され、これに伴い接触面圧、ヘルツ圧が低減されるため、バックアップロールの破損を防止することが可能となる。

0040

押圧装置30による押圧力の程度は、必要に応じて調整することができ、限定されることはないが例えば次のように考えることができる。すなわち、押圧装置がない場合に対してバックアップロールとワークロールとの接触面圧を10%低減させるだけでも、バックアップロールの疲労破壊を抑制するには十分な効果があるといえる。従って、1つのバックアップロールに対して上流側及び下流側の両側に押圧装置が配置されているので、片側で接触面圧を5%低減させればよい。
現状、クラウン制御のためのワークロールベンダーワークロールチョック圧延機ハウジング間で作用しているが、これが圧延機の最大荷重の5%〜10%の範囲で設計されていることが多く、それと同程度の押圧力が確保されていればよい。かかる観点から、駆動源として油圧装置を使うことが想定できるが、それほど規模を大きくすることなく押圧装置を構成することが可能である。
なお、上記の形態では板幅方向に一体である押圧ヘッドを説明したが、板幅方向に分割され個別に制御できる押圧ヘッドとすれば、クラウン制御能力を持たせることも可能となる。

0041

その際、第一押圧部31a及び第二押圧部31bに設けられた噴射口31cからは冷却水が噴射され、バックアップロール27a及びワークロール27bの冷却も同時に行うことができる。
ワークロールの直径を小さくした場合、ワークロールと鋼板との接触回数が増える為に、熱移入が増加し、且つワークロールを冷却するための表面積が小さくなるので、一般的にワークロールの冷却が不足してくるという問題が生じる。このような問題に対して本形態のように冷却をすれば当該冷却不足を解消することもできる。
冷却だけ行うよりは噴射面積が減るので、効果は小さくなるが、上流側及び下流側の両面で冷却できるので、ワークロール冷却の効果は十分である。
またこの冷却水は、第一押圧部とバックアップロール、第二押圧部とワークロールとの摩擦を低減する効果も期待でき、押圧装置の寿命向上を図ることもできる。

0042

図9は第二の形態を説明する図であり、図9(a)は図3に相当し、図9(b)は図4(a)に相当する。第二の形態では、押圧ヘッド31の代わりに押圧ヘッド131が適用された押圧装置130が具備された例である。それ以外は第一の形態と同じであるためここでは押圧ヘッド131について説明する。

0043

押圧ヘッド131もバックアップロール27aに対向する第一押圧部131aと、ワークロール27bに対向する第二押圧部131bを有している。従って第一押圧部131aはバックアップロール27aの外周の湾曲と同じ曲率となるような湾曲を有しており、第二押圧部131bはワークロール27bの外周の湾曲と同じ曲率となるような湾曲を備えている。
そして第一押圧部131aと第二押圧部131bとは、その先端(駆動装置35とは反対側)に向かうにつれて近づくように配置されている。これはバックアップロール27aとワークロール27bとの接触部位に近づくにつれて外周面同士が近づく形態と同様である。これにより押圧ヘッド131は先端に近づくにつれて先細りとなる楔形状を備える。

0044

第一押圧部131a、及び第二押圧部131bは、図9(a)の視点において上記のように湾曲し、楔形状を備えているとともに、板幅方向には図9(b)に表れているように、バックアップロール27a及びワークロール27bの幅方向の全長に亘って対向することができるように長方形とされている(第二押圧部131bは第一押圧部131aと同様に考えることができるので省略する。)。

0045

そして本形態では、図9(a)、図9(b)からわかるように、接触ローラを備えていない。従って、本形態では接触ローラでなく、第一押圧部131a、及び第二押圧部131bが面でバックアップロール27a、及びワークロール27bに接触する。

0046

また第一押圧部131a及び第二押圧部131bには、冷却水の噴射口31cが複数設けられており、不図示の設備から冷却水が提供され、この噴射口31cから水が噴射するように構成されている。これにより、バックアップロール27a及びワークロール27bの冷却も同時に行うことが可能である。噴射口31cの断面形状及び配列は特に限定されることはなく適宜変更すればよい。
ただし、本形態では上記のように第一押圧部131a、及び第二押圧部131bが面でバックアップロール27a、及びワークロール27bに接触するため、噴射口31cからの冷却水の排水路が必要となる。そのため、図9(b)に表れたように、各噴射口31cには、押圧ヘッド131の外部へと連通する溝131cが形成されている。ここから噴射した水を排出することができる。

0047

このような押圧装置130を備える圧延機によっても、押圧装置30を備える圧延機と同様に作用する。

0048

ここでは4段圧延機に押圧装置を適用する例を説明したが、図10に示したように押圧装置を6段圧延機に適用してもよい。6段圧延機である圧延機227では、ワークロール27bと、ワークロール27bの外周面に、外周面を接触して配置される第2のロールである中間ロール227aと、中間ロール227aの外周面にのみ、外周面を接触して配置される第1のロールであるバックアップロール27aと、を備えている。そして、押圧部材30は、その押圧ヘッド31において第一押圧部31aが鋼板Sから遠い方の第1のロールであるバックアップロール27aに接触し、第二押圧部31bが鋼板Sに近い方の第2のロールである中間ロール227aに接触するように配置されている。
このように6段圧延機でも上記と同様の効果を奏するものとなる。なお、ここでは第1のロールと第2のロールとの間に押圧装置を適用したが、ワークロールと第2のロールとの間に押圧装置を適用してもよい。

0049

1つの例として、ワークロールの直径が500mm、バックアップロールの直径が1500mm、及び押圧装置130(図9(a)、図9(b))に倣った押圧装置を適用した圧延機を準備した。押圧装置は図2の例に倣って4箇所に配置している。

0050

この圧延機を用いて4000tの圧延荷重で圧延を行い、同一条件コイル長換算で150kmの圧延を行った場合のバックアップロールのダメージを評価した。バックアップロールのダメージは疲労によるクラックの有無で評価した。

0051

圧延対象とした鋼材組成は、質量%で、C:0.12%、Mn:2.5%、Si:1%、Nb:0.01%、Al:0.03%、及び残部はFeおよび不可避的不純物である。圧延温度は830℃とした。

0052

圧延は板厚を3.5mmから2.0mmにする圧延(圧延1)、及び、板厚を3.2mmから2.0mmにする圧延(圧延2)を行った。

0053

圧延1、及び、圧延2のそれぞれについて、押圧ヘッドの押圧力を0tから500tonまで、100tonずつ変化させ、上記の通り、バックアップロールのクラックの有無を評価した。図11に結果のグラフを示した。横軸は押圧ヘッドの押圧力、縦軸はバックアップロールとワークロールとの接触面圧の最大値である。
ここで横軸の押圧ヘッド押圧力は1つのバックアップロールに配置された上流側及び下流側の押圧装置の合計の押圧力であるので、1つの押圧装置の押圧力はその半分である。押圧ヘッドの押圧力はシリンダー(油圧シリンダー)に作用する油圧圧力から求めた。
縦軸である接触面圧の最大値(ヘルツ圧)σmaxは、圧延荷重P1から押圧力とロール径から計算される垂直方向分力P2を差し引き、それをロール同士が接触する幅Lで除算して単位幅あたりのロール間の接触荷重Pを求め(式(1))、その接触荷重Pと接触している二つのロールのロール半径R1、R2、ロール縦弾性係数E1、E2、ポアソン比ν1、ν2を用いてヘルツの公式(式(2)、式(3))を用いて求めた。

0054

0055

0056

実施例

0057

図11では、バックアップロールにクラックが認められたものを「×」、バックアップロールにクラックが認められなかったものを「○」で表した。図1からかわるように、押圧ヘッドによる押圧力がない場合には、圧延1及び圧延2のいずれもヘルツ圧が高く、バックアップロールに疲労によるクラックが発見された。押圧ヘッドによる押圧力を大きくするに従い、圧延1及び圧延2のいずれも、ヘルツ圧を低減させることができた。
そして、圧延1の場合には押圧ヘッドによる押圧力を300ton以上、圧延2の場合には押圧ヘッドによる押圧力を100ton以上とすることで確実にバックアップロールに疲労によるクラックを回避することができた。
またワークロールの冷却が不足して熱膨張が異常に成長することもなかった。

0058

1熱延鋼板の製造設備
10熱間仕上げ圧延機列
27圧延機
27aバックアップロール(第1のロール)
27bワークロール
30、130押圧装置
31、131押圧ヘッド
31a、131a 第一押圧部
31b、131b 第二押圧部
31c噴射口
32接触ローラ
33 接触ローラ
40 出側冷却装置
131c 溝
227a中間ロール(第2のロール)

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