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技術 ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料

出願人 キリンビバレッジ株式会社キリン株式会社
発明者 鈴木深保子松浦亜季長野槙佑篠原裕之
出願日 2017年2月8日 (2年5ヶ月経過) 出願番号 2017-021464
公開日 2018年8月16日 (11ヶ月経過) 公開番号 2018-126092
状態 未査定
技術分野 非アルコール性飲料
主要キーワード ビン容器 ストレス緩和作用 高温短時間殺菌法 パストライザー 免疫力向上 ハーブ成分 酢酸エチル濃度 酸味成分
関連する未来課題
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この項目の情報は公開日時点(2018年8月16日)のものです。
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課題

本発明の目的は、ヘスペリジン高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することにある。また、本発明の他の目的は、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用することにより生じる特有異味エグ味)が抑制された容器詰飲料ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することにある。

解決手段

ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭は、特定濃度の特定の香気成分酢酸エチル酪酸エチルカプロン酸メチル及び/又は酪酸ブチル)を飲料に含有させることによって抑制することができる。また、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用することにより生じる特有の異味(エグ味)は、特定濃度の「酪酸エチル」と、特定濃度の「酢酸エチル、酪酸ブチル及び/又はカプロン酸メチル」とを飲料に含有させることによって抑制することができる。

概要

背景

人々の健康志向のさらなる高まりにより、機能性成分を含有する飲料が多種上市されている。そのような機能性成分の1つに、ヘスペリジンが挙げられる。へスペリジンは、温州みかん等の柑橘類に多く含まれるフラボノイド一種であり、血行促進作用、血中中性脂肪低減、骨形成促進作用等の有益な生理作用を有することが知られている。

ヘスペリジンは、水への溶解性が低いため、従来は、使用用途が限られていたが、近年、ヘスペリジンにブドウ糖を結合させることにより水溶性を高めた水溶性ヘスペリジンヘスペリジン配糖体)が開発された。ヘスペリジン配糖体は、水への溶解性が高く、かつヘスペリジンの生理活性を保持しているため、食品への利用に優れ、広く利用されている。しかし、ヘスペリジン配糖体等のヘスペリジンは、特有の不快味(苦味)や特有の異臭絆創膏様臭)を有しており、これを容器詰飲料に含有させると、飲用に適さない場合があるという問題があった。

ヘスペリジン配糖体の特有の不快味(苦味)を改善するための技術として、ヘスペリジン配糖体と共に、トレハロース及びオリゴ糖を飲料に含有させる方法(特許文献1)や、ヘスペリジン配糖体と共に、特定の割合でリンゴ酸を含有させる方法(特許文献2)が提案されている。また、ヘスペリジン配糖体に特有の異臭(絆創膏様の異臭)を改善するための技術として、飲料中におけるヘスペリジン配糖体の含有量に対するラクトン類の合計含有量を特定の割合に調整する方法が提案されている(特許文献3)。

しかし、ヘスペリジン配糖体等のヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用すると、ヘスペリジンの異臭が持続的に感じられて異臭が増強されることや、特定濃度の特定の香気成分酢酸エチル酪酸エチルカプロン酸メチル及び/又は酪酸ブチル)がその増強された異臭に対して抑制作用を有することはこれまでに知られていなかった。また、ヘスペリジン配糖体等のヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用すると、塩基性アミノ酸(特にオルニチン)に特有の塩味が、ヘスペリジンや高甘味度甘味料の異味相乗的に作用し、飲用にきわめて適さない特有の異味(エグ味)が感じられることや、特定濃度の特定の香気成分(酢酸エチル、酪酸エチル、カプロン酸メチル及び/又は酪酸ブチル)がそのエグ味に対して抑制作用を有することはこれまでに知られていなかった。

概要

本発明の目的は、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することにある。また、本発明の他の目的は、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用することにより生じる特有の異味(エグ味)が抑制された容器詰飲料ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することにある。ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭は、特定濃度の特定の香気成分(酢酸エチル、酪酸エチル、カプロン酸メチル及び/又は酪酸ブチル)を飲料に含有させることによって抑制することができる。また、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用することにより生じる特有の異味(エグ味)は、特定濃度の「酪酸エチル」と、特定濃度の「酢酸エチル、酪酸ブチル及び/又はカプロン酸メチル」とを飲料に含有させることによって抑制することができる。なし

目的

本発明の第1の課題は、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し、及び、高甘味度甘味料を含有する容器詰ヘスペリジン飲料において、更に下記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすことを特徴とする容器詰ヘスペリジン含有飲料。(A)飲料中酢酸エチル濃度が0.25ppm以上;(B)飲料中の酪酸エチル濃度が0.05ppm以上;(C)飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.55ppm以上;(D)飲料中の酪酸ブチル濃度が0.25ppm以上;

請求項2

(B)の条件を満たし、更に下記(E)〜(G)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料。(E)飲料中の酢酸エチル濃度が0.01ppm以上;(F)飲料中の酪酸ブチル濃度が0.0001ppm以上;(G)飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.01ppm以上;

請求項3

(B)の条件を満たし、更に(E)と(F)の両方の条件を満たすことを特徴とする請求項2に記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料。

請求項4

更に、塩基性アミノ酸を、飲料全量に対し0.01〜1重量%以上含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料。

請求項5

塩基性アミノ酸がオルニチンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料。

請求項6

高甘味度甘味料が少なくともスクラロースを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料。

請求項7

飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し、及び、高甘味度甘味料を含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に下記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように調製することを特徴とする、容器詰ヘスペリジン飲料の製造方法。(A)飲料中の酢酸エチル濃度が0.25ppm以上;(B)飲料中の酪酸エチル濃度が0.05ppm以上;(C)飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.55ppm以上;(D)飲料中の酪酸ブチル濃度が0.25ppm以上;

請求項8

飲料全量に対し0.01〜1重量%の塩基性アミノ酸を、容器詰ヘスペリジン含有飲料に更に含有させることを特徴とする請求項7に記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料の製造方法。

請求項9

飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し、及び、高甘味度甘味料を含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に下記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように調製することを特徴とする、容器詰ヘスペリジン飲料の異臭抑制方法。(A)飲料中の酢酸エチル濃度が0.25ppm以上;(B)飲料中の酪酸エチル濃度が0.05ppm以上;(C)飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.55ppm以上;(D)飲料中の酪酸ブチル濃度が0.25ppm以上;

請求項10

飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンと、飲料全量に対し0.01〜1重量%の塩基性アミノ酸と、高甘味度甘味料とを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に下記(B)の条件を満たし、及び、下記(E)〜(G)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように調製することを特徴とする、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸を併用することにより生じる異味の抑制方法。(B)飲料中の酪酸エチル濃度が0.05ppm以上;(E)飲料中の酢酸エチル濃度が0.01ppm以上;(F)飲料中の酪酸ブチル濃度が0.0001ppm以上;(G)飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.01ppm以上;

技術分野

0001

本発明は、ヘスペリジン高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法に関する。さらに、本発明は、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用することにより生じる特有異味エグ味)が抑制された容器詰飲料ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等に関する。

背景技術

0002

人々の健康志向のさらなる高まりにより、機能性成分を含有する飲料が多種上市されている。そのような機能性成分の1つに、ヘスペリジンが挙げられる。へスペリジンは、温州みかん等の柑橘類に多く含まれるフラボノイド一種であり、血行促進作用、血中中性脂肪低減、骨形成促進作用等の有益な生理作用を有することが知られている。

0003

ヘスペリジンは、水への溶解性が低いため、従来は、使用用途が限られていたが、近年、ヘスペリジンにブドウ糖を結合させることにより水溶性を高めた水溶性ヘスペリジンヘスペリジン配糖体)が開発された。ヘスペリジン配糖体は、水への溶解性が高く、かつヘスペリジンの生理活性を保持しているため、食品への利用に優れ、広く利用されている。しかし、ヘスペリジン配糖体等のヘスペリジンは、特有の不快味(苦味)や特有の異臭(絆創膏様臭)を有しており、これを容器詰飲料に含有させると、飲用に適さない場合があるという問題があった。

0004

ヘスペリジン配糖体の特有の不快味(苦味)を改善するための技術として、ヘスペリジン配糖体と共に、トレハロース及びオリゴ糖を飲料に含有させる方法(特許文献1)や、ヘスペリジン配糖体と共に、特定の割合でリンゴ酸を含有させる方法(特許文献2)が提案されている。また、ヘスペリジン配糖体に特有の異臭(絆創膏様の異臭)を改善するための技術として、飲料中におけるヘスペリジン配糖体の含有量に対するラクトン類の合計含有量を特定の割合に調整する方法が提案されている(特許文献3)。

0005

しかし、ヘスペリジン配糖体等のヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用すると、ヘスペリジンの異臭が持続的に感じられて異臭が増強されることや、特定濃度の特定の香気成分酢酸エチル酪酸エチルカプロン酸メチル及び/又は酪酸ブチル)がその増強された異臭に対して抑制作用を有することはこれまでに知られていなかった。また、ヘスペリジン配糖体等のヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用すると、塩基性アミノ酸(特にオルニチン)に特有の塩味が、ヘスペリジンや高甘味度甘味料の異味と相乗的に作用し、飲用にきわめて適さない特有の異味(エグ味)が感じられることや、特定濃度の特定の香気成分(酢酸エチル、酪酸エチル、カプロン酸メチル及び/又は酪酸ブチル)がそのエグ味に対して抑制作用を有することはこれまでに知られていなかった。

先行技術

0006

特開2006−67946号公報
特開2011−126849号公報
特開2014−168437号公報

発明が解決しようとする課題

0007

前述したような背景技術の状況下、本発明者らは、ヘスペリジンを含有する容器詰飲料において、ヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)を抑制する方法について検討を行った。かかる検討を行っている中で、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用すると、ヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が持続的に感じられて異臭が増強されるという新規な課題(新規課題a)を発見した。

0008

また、本発明者らは、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用すると、塩基性アミノ酸(特にオルニチン)に特有の塩味が、ヘスペリジンや高甘味度甘味料の異味と相乗的に作用し、飲用にきわめて適さない特有の異味(エグ味)が感じられるという新規な課題(新規課題b)を発見した。

0009

本発明の第1の課題は、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することにある。また、本発明の第2の課題は、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用することにより生じる特有の異味(エグ味)が抑制された容器詰飲料ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

前述したような背景技術の状況下、本発明者らは、ヘスペリジンを含有する容器詰飲料において、ヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)を抑制する方法について様々な検討を行っていたところ、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用すると、ヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が持続的に感じられてその異臭が増強されるという新規な課題(課題a)を発見した。本発明者らは、かかる増強された異臭を改善する方法について検討を行ったところ、ヘスペリジンと高甘味度甘味料に加えて、特定濃度の特定の香気成分(酢酸エチル、酪酸エチル、カプロン酸メチル及び/又は酪酸ブチル)を併用すると、前述の増強された異臭が抑制されることを初めて見いだした。これらの知見に基づき、本発明者らは本発明を完成するに至った。

0011

また、その過程で本発明者らは、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用すると、塩基性アミノ酸(特にオルニチン)に特有の塩味が、ヘスペリジンや高甘味度甘味料の異味と相乗的に作用し、飲用にきわめて適さない特有の異味(エグ味)が感じられるという新規な課題(課題b)を発見した。本発明者らは、かかる特有の異味(エグ味)を改善する方法について検討を行ったところ、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)に加えて、特定濃度の「酪酸エチル」と、特定濃度の「酢酸エチル、酪酸ブチル及び/又はカプロン酸メチル」とを併用すると、前述のエグ味が抑制されることを初めて見いだした。これらの知見に基づき、本発明者らは本発明を完成するに至った。

0012

すなわち、本発明は、
(1)飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し、及び、高甘味度甘味料を含有する容器詰ヘスペリジン飲料において、更に下記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすことを特徴とする容器詰ヘスペリジン含有飲料;や、
(A)飲料中の酢酸エチル濃度が0.25ppm以上;
(B)飲料中の酪酸エチル濃度が0.05ppm以上;
(C)飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.55ppm以上;
(D)飲料中の酪酸ブチル濃度が0.25ppm以上;
(2)(B)の条件を満たし、更に下記(E)〜(G)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすことを特徴とする上記(1)に記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料;や、
(E)飲料中の酢酸エチル濃度が0.01ppm以上;
(F)飲料中の酪酸ブチル濃度が0.0001ppm以上;
(G)飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.01ppm以上;
(3)(B)の条件を満たし、更に(E)と(F)の両方の条件を満たすことを特徴とする上記(2)に記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料や、
(4)更に、塩基性アミノ酸を、飲料全量に対し0.01〜1重量%以上含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料や、
(5)塩基性アミノ酸がオルニチンであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料や、
(6)高甘味度甘味料が少なくともスクラロースを含むことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料に関する。

0013

また、本発明は、
(7)飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し、及び、高甘味度甘味料を含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に下記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように調製することを特徴とする、容器詰ヘスペリジン飲料の製造方法;や、
(A)飲料中の酢酸エチル濃度が0.25ppm以上;
(B)飲料中の酪酸エチル濃度が0.05ppm以上;
(C)飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.55ppm以上;
(D)飲料中の酪酸ブチル濃度が0.25ppm以上;
(8)飲料全量に対し0.01〜1重量%の塩基性アミノ酸を、容器詰ヘスペリジン含有飲料に更に含有させることを特徴とする上記(7)に記載の容器詰ヘスペリジン含有飲料の製造方法に関する。

0014

さらに、本発明は、
(9)飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し、及び、高甘味度甘味料を含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に下記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように調製することを特徴とする、容器詰ヘスペリジン飲料の異臭の抑制方法
(A)飲料中の酢酸エチル濃度が0.25ppm以上;
(B)飲料中の酪酸エチル濃度が0.05ppm以上;
(C)飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.55ppm以上;
(D)飲料中の酪酸ブチル濃度が0.25ppm以上;
に関する。

0015

また、本発明は、
(10)飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンと、飲料全量に対し0.01〜1重量%の塩基性アミノ酸と、高甘味度甘味料とを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に下記(B)の条件を満たし、及び、下記(E)〜(G)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように調製することを特徴とする、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸を併用することにより生じる異味の抑制方法;
(B)飲料中の酪酸エチル濃度が0.05ppm以上;
(E)飲料中の酢酸エチル濃度が0.01ppm以上;
(F)飲料中の酪酸ブチル濃度が0.0001ppm以上;
(G)飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.01ppm以上;
に関する。

発明の効果

0016

本発明によれば、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することができる。また、本発明によれば、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)を併用することにより生じる特有の異味(エグ味)が抑制された容器詰飲料ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することができる。

0017

本発明は、
[1]飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し(又は添加され)、及び、高甘味度甘味料を含有する(又は添加され)、容器詰ヘスペリジン飲料において、更に下記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすことを特徴とする容器詰ヘスペリジン含有飲料(以下、「本発明の容器詰飲料」とも表示する。);
(A)飲料中の酢酸エチル濃度が0.25ppm以上;
(B)飲料中の酪酸エチル濃度が0.05ppm以上;
(C)飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.55ppm以上;
(D)飲料中の酪酸ブチル濃度が0.25ppm以上;
[2]飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し(又は添加され)、及び、高甘味度甘味料を含有する(又は添加された)容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に上記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように調製することを特徴とする、容器詰ヘスペリジン飲料の製造方法(以下、「本発明の製造方法」とも表示する。);
[3]飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し(又は添加され)、及び、高甘味度甘味料を含有する(又は添加された)容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に上記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように調製することを特徴とする、容器詰ヘスペリジン飲料の異臭の抑制方法(以下、「本発明の異臭の抑制方法」とも表示する。);
[4]飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンと、飲料全量に対し0.01〜1重量%の塩基性アミノ酸と、高甘味度甘味料とを含有する(又は添加された)容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に上記(B)の条件を満たし、及び、下記(E)〜(G)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように調製することを特徴とする、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸を併用することにより生じる異味の抑制方法(以下、「本発明の異味の抑制方法」とも表示する。);
(E)飲料中の酢酸エチル濃度が0.01ppm以上;
(F)飲料中の酪酸ブチル濃度が0.0001ppm以上;
(G)飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.01ppm以上;
を含む。
なお、本明細書において、「〜」で表された数値範囲には、特に言及がない限り、「〜」の両端の数値も当然含まれる。また、「含有」と「添加」は同義ではないが、本明細書中には、本発明を説明するすべての記載において、「含有」を「添加」に置き換えた発明も記載されているものとし、例えば、「含有する」との語句を「添加された」に置き換えた発明や、「含有させる」を「添加する」に置き換えた発明も記載されているものとする。

0018

(ヘスペリジン)
本発明に用いるヘスペリジンは配糖体であっても非配糖体であってもよいが、水への溶解度が高く、飲料中に多くのヘスペリジンを含有できる点で、ヘスペリジンは配糖体であることが好ましい。ヘスペリジン非配糖体の例として、柑橘類から抽出精製したヘスペリジンが挙げられる。柑橘類の種類は、特に限定されるものでないが、みかん等が好適に用いられる。

0019

ヘスペリジン配糖体の例として、上記のヘスペリジン非配糖体を酵素処理したものが挙げられる。酵素処理の種類は特に限定されるものでないが、ヘスペリジンの糖部分(ルチノース部分)の水酸基等に、糖転位酵素によってグルコースを付加すること等が汎用されている。

0020

ヘスペリジン配糖体の種類は特に限定されるものでないが、より高い水溶性を有することから、グルコシルヘスペリジンであることが好ましく、モノグルコシルへスペリジンであることがより好ましい。

0021

ヘスペリジン配糖体は市販されており、市販品として、林原ヘスペリジン(登録商標)S(林原社製)、αGヘスペリジン(東洋精糖社製)等が挙げられる。

0022

本発明におけるヘスペリジンの使用量(飲料における含有量又は飲料への添加量)は、飲料全量に対し0.02〜0.1重量%である限り特に制限されないが、ヘスペリジンの異臭が増加し、本発明の意義がより大きくなる観点から、ヘスペリジンの使用量の下限として、好ましくは0.03重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上が挙げられ、飲料の香味バランス等の観点から、ヘスペリジンの使用量の上限として、好ましくは0.07重量%以下が挙げられる。なお、ヘスペリジンの使用量に関する上限値と下限値とのすべての組合せは、本願明細書に開示されているものとする。

0023

(高甘味度甘味料)
本発明における高甘味度甘味料としては、天然高甘味度甘味料であっても、合成高甘味度甘味料であってもよく、例えば、スクラロース、アセスルファムカリウムアスパルテームサッカリンサッカリンナトリウムステビア抽出物ステビア末、酵素処理ステビアネオテームソーマチングリチルリチン酸二ナトリウムグリチルリチン酸ナトリウムグリチルリチン酸二カリウム及びタウマチンからなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられる、中でも、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテームのうち1種又は2種以上を少なくとも含む高甘味度甘味料の組合せが好ましく挙げられ、中でも、ヘスペリジンの異臭がより強く増強され、本発明の意義がより高い点で、スクラロースを少なくとも含む高甘味度甘味料の組合せがより好ましく挙げられる。本発明に用いる高甘味度甘味料の好適な態様として、スクラロース、アセスルファムカリウム及びアスパルテームからなる群から選択される1種又は2種以上が挙げられ、中でも、スクラロースを少なくとも含む高甘味度甘味料の組合せ(すなわち、スクラロースとアセスルファムカリウムの組合せ、スクラロースとアスパルテームの組合せ、スクラロースとアセスルファムカリウムとアスパルテームの組合せ)が好ましく挙げられる。

0024

本発明に用いる高甘味度甘味料は、市販されているものを用いてもよいし、公知の方法に従って製造したものを用いてもよい。また、本発明において用いる高甘味度甘味料は、目的の高甘味度甘味料を含む植物等の抽出物(例えば、ステビアであればステビア抽出物)を使用することもできる。

0025

本発明における高甘味度甘味料の使用量(飲料における含有量又は飲料への添加量)は、目的とする飲料の香味設計に応じて適宜設定することができるが、香味バランス等の観点から、高甘味度甘味料の合計の甘味度(%SE)(同等の甘味を与えるショ糖水溶液濃度)が好ましくは0.6〜40、より好ましくは3〜15となるように調整することが好ましい。なお、高甘味度甘味料の使用量に関する上限値と下限値とのすべての組合せは、本願明細書に開示されているものとする。

0026

(特定の香気成分)
本発明においては、酢酸エチル、酪酸エチル、カプロン酸メチル及び酪酸ブチルからなる群から選択される1種又は2種以上の香気成分(以下、「本発明における香気成分」とも表示する)を、特定の濃度で使用する、すなわち、特定の濃度となるように飲料に含有させ又は飲料に添加する。具体的には、飲料が以下の(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように、酢酸エチル、酪酸エチル、カプロン酸メチル及び酪酸ブチルからなる群から選択される1種又は2種以上の香気成分を飲料に含有させ又は添加する。
(A)飲料中の酢酸エチル濃度が0.25ppm以上;
(B)飲料中の酪酸エチル濃度が0.05ppm以上;
(C)飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.55ppm以上;
(D)飲料中の酪酸ブチル濃度が0.25ppm以上;

0027

本発明としては、上記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たせばよいが、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)に対するより優れた抑制作用を得る観点から、上記(A)〜(D)のうち、2つ以上の条件を満たすことが好ましい。また、3つ以上や4つ全ての条件を満たしてもよいが、飲料全体香気のより良い調和を得る観点から、2つ又は3つの条件を満たしていることが好ましい。

0028

また、上記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たしていることとしては、上記異臭に対するより優れた抑制作用を得る観点から、上記(B)の条件を満たし、更に後記(E)〜(G)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすことが好ましく、上記(B)の条件を満たし、更に後記(E)、(F)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすことがより好ましい。

0029

上記(A)の条件としては、飲料中の酢酸エチル濃度が0.25ppm以上である限り特に制限されないが、上記異臭に対するより優れた抑制作用を得る観点から、下限濃度として、好ましくは0.4ppm以上、より好ましくは0.5ppm以上、さらに好ましくは0.75ppm以上、より好ましくは1.0ppm以上、さらに好ましくは1.25ppm以上が挙げられ、飲料全体の香味バランスを保つ観点から、上限濃度として、好ましくは10ppm以下、より好ましくは5.0ppm以下、さらに好ましくは3.0ppm以下、より好ましくは2.5ppm以下、さらに好ましくは2.0ppm以下が挙げられる。なお、酢酸エチルは、ソフトフルーツ(柑橘類以外の果実)様の香気に含まれる香気成分として知られている。

0030

上記(B)の条件としては、飲料中の酪酸エチル濃度が0.05ppm以上である限り特に制限されないが、上記異臭に対するより優れた抑制作用を得る観点から、下限濃度として、好ましくは0.1ppm以上、より好ましくは0.25ppm以上、さらに好ましくは0.5ppm以上、より好ましくは0.75ppm以上、さらに好ましくは1.0ppm以上、より好ましくは1.25ppm以上が挙げられ、飲料全体の香味バランスを保つ観点から、上限濃度として、好ましくは10ppm以下、より好ましくは5.0ppm以下、さらに好ましくは3.0ppm以下、より好ましくは2.5ppm以下、さらに好ましくは2.0ppm以下が挙げられる。なお、酢酸エチルは、ソフトフルーツ(柑橘類以外の果実)様の香気に含まれる香気成分として知られている。

0031

上記(C)の条件としては、飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.55ppm以上である限り特に制限されないが、上記異臭に対するより優れた抑制作用を得る観点から、下限濃度として、好ましくは0.6ppm以上、より好ましくは0.65ppm以上、更に好ましくは0.7ppm以上、更により好ましくは0.75ppm以上、より好ましくは1.0ppm以上が挙げられ、飲料全体の香味バランスを保持する等の観点から、上限濃度として、好ましくは10ppm以下、より好ましくは5.0ppm以下、さらに好ましくは3.0ppm以下、より好ましくは2.5ppm以下、さらに好ましくは2.0ppm以下、より更に好ましくは1.0ppm以下が挙げられる。なお、カプロン酸メチルは、ソフトフルーツ(柑橘類以外の果実)様の香気に含まれる香気成分として知られている。

0032

上記(D)の条件としては、飲料中の酪酸ブチル濃度が0.25ppm以上である限り特に制限されないが、上記異臭に対するより優れた抑制作用を得る観点から、下限濃度として、好ましくは0.4ppm以上、より好ましくは0.5ppm以上、さらに好ましくは0.75ppm以上、より好ましくは1.0ppm以上が挙げられ、飲料全体の香味バランスを保つ観点から、上限濃度として、好ましくは10ppm以下、より好ましくは5.0ppm以下、さらに好ましくは3.0ppm以下、より好ましくは2.5ppm以下、さらに好ましくは2.0ppm以下、より好ましくは1.5ppm以下が挙げられる。なお、酪酸ブチルは、ソフトフルーツ(柑橘類以外の果実)様の香気に含まれる香気成分として知られている。また、上記(A)〜(D)の各条件における各香気成分の使用量に関する上限値と下限値とのすべての組合せは、本願明細書に開示されているものとする。

0033

ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用すると、塩基性アミノ酸(特にオルニチン)に特有の塩味が、ヘスペリジンや高甘味度甘味料の異味と相乗的に作用し、飲用にきわめて適さない特有の異味(エグ味)が生じることは先に述べたとおりである。本発明において、上記異臭に対する抑制作用に加えて、かかる異味に対する抑制作用を得る観点から、上記(B)の条件を満たし、更に下記(E)〜(G)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすことが好ましい。
(E)飲料中の酢酸エチル濃度が0.01ppm以上;
(F)飲料中の酪酸ブチル濃度が0.0001ppm以上;
(G)飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.01ppm以上;

0034

上記(E)の条件としては、飲料中の酢酸エチル濃度が0.01ppm以上である限り特に制限されないが、上記異味に対するより優れた抑制作用を得る観点から、下限濃度として、好ましくは0.05ppm以上、より好ましくは0.1ppm以上が挙げられ、飲料全体の香味バランスを保つ観点から、上限濃度として、好ましくは10ppm以下、より好ましくは5.0ppm以下、さらに好ましくは3.0ppm以下、より好ましくは2.5ppm以下、さらに好ましくは2.0ppm以下が挙げられる。

0035

上記(F)の条件としては、飲料中の酪酸ブチル濃度が0.0001ppm以上である限り特に制限されないが、上記異味に対するより優れた抑制作用を得る観点から、下限濃度として、好ましくは0.0005ppm以上、より好ましくは0.001ppm以上、更に好ましくは0.01ppm以上が挙げられ、飲料全体の香味バランスを保つ観点から、上限濃度として、好ましくは10ppm以下、より好ましくは5.0ppm以下、さらに好ましくは3.0ppm以下、より好ましくは2.5ppm以下、さらに好ましくは2.0ppm以下、より好ましくは1.5ppm以下が挙げられる。

0036

上記(G)の条件としては、飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.01ppm以上である限り特に制限されないが、上記異味に対するより優れた抑制作用を得る観点から、下限濃度として、好ましくは0.05ppm以上、より好ましくは0.1ppm以上が挙げられ、飲料全体の香味バランスを保つ観点から、上限濃度として、好ましくは10ppm以下、より好ましくは5.0ppm以下、さらに好ましくは3.0ppm以下、より好ましくは2.5ppm以下、さらに好ましくは2.0ppm以下、より更に好ましくは1.0ppm以下が挙げられる。

0037

酢酸エチル、酪酸エチル、カプロン酸メチル、酪酸ブチルは、市販されているものを用いることができる。

0038

(塩基性アミノ酸)
本発明において、ヘスペリジンと、高甘味度甘味料と、本発明における香気成分は、必須成分として用いられる。一方、塩基性アミノ酸は任意成分であり、必須成分に加えてさらに用いてもよいし用いなくてもよいが、ヘスペリジンに加えて、塩基性アミノ酸の健康増進効果を得る観点や、本発明の効果をより多く享受する(すなわち、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用することにより生じる特有の異味(エグ味)に対するより優れた抑制作用を得るという本発明の効果の1つをさらに享受する)観点から、塩基性アミノ酸も用いることが好ましい。塩基性アミノ酸の健康増進効果として具体的には、オルニチンの疲労改善作用運動持久力向上作用肝機能改善作用等や、アルギニンの疲労改善作用、成長ホルモン分泌促進作用免疫力向上作用等や、リジンの疲労改善作用、肝機能改善作用等や、ヒスチジン成長促進作用慢性関節炎緩和作用等や、トリプトファン睡眠促進作用抗酸化作用等や、シトルリン血管拡張作用血流促進作用等や、GABAγ−アミノ酪酸)のストレス緩和作用、睡眠促進作用、血圧低下作用等が挙げられる。

0039

本発明に用いる塩基性アミノ酸としては、塩基性アミノ酸であれば特に制限されず、必須アミノ酸及び非必須アミノ酸のいずれから選択されたものであってもよく、また、L体、D体、DL体のいずれであってもよい。また、本発明における「塩基性アミノ酸」には、便宜上、「塩基性アミノ酸の塩」も含まれ、また、本発明における塩基性アミノ酸の特定のアミノ酸(例えばオルニチン)には、便宜上、その特定のアミノ酸の塩も含まれる。本発明において、1種の塩基性アミノ酸を用いてもよいし、2種以上の塩基性アミノ酸を併用してもよい。

0040

好適な塩基性アミノ酸としては、オルニチン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、トリプトファン、シトルリン、GABA(γ−アミノ酪酸)等が挙げられ、中でも、オルニチンが好ましく挙げられる。

0041

塩基性アミノ酸は、化学的に合成する方法、発酵生産する方法、素材から抽出する方法等により取得することができる。また、塩基性アミノ酸は、市販品を購入することにより入手することもできる。

0042

本発明において塩基性アミノ酸(好ましくはオルニチン)を用いる場合、その使用量(飲料における含有量又は飲料への添加量)は、目的とする飲料の香味設計に応じて適宜設定することができるが、飲料全体の香味バランスを保持する等の観点から、飲料全量に対し好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.05〜0.5重量%、更に好ましくは0.05〜0.1重量%が挙げられる。

0043

(増強されたヘスペリジンの異臭の抑制)
本発明において、「増強されたヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された」容器詰ヘスペリジン含有飲料とは、本発明における香気成分をいずれも含有させない(又は添加しない)こと、又は、本発明における香気成分の飲料中の濃度を上記(A)〜(D)に記載の下限濃度以下とすること以外は、同種の原料(少なくとも、ヘスペリジン、高甘味度甘味料を含む)を同じ最終濃度になるように用いて同じ製法で製造した容器詰ヘスペリジン含有飲料(以下、「コントロール飲料A」とも表示する。)と比較して、ヘスペリジンの初発及び/又は後引きの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された(低下した)容器詰ヘスペリジン含有飲料を意味する。

0044

高甘味度甘味料を含有する、ある容器詰ヘスペリジン含有飲料におけるヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が、コントロール飲料Aと比較してどのようであるか(例えば、抑制されているかどうか)は、訓練されたパネラーであれば、容易かつ明確に決定することができる。評価の基準や、パネラー間の評価のまとめ方は、一般的な方法を用いることができ、例えば、後述の実施例の試験1に記載の評価基準(表3)等を用いた方法と同様の方法、好ましくは、後述の実施例の試験1に記載の評価基準(表3)等を用いた方法と同じ方法を好適に用いることができる。より具体的には、コントロール飲料Aにおけるヘスペリジンの初発及び/又は後引きの異臭(絆創膏様の異臭)を、後述の実施例の試験1に記載の評価基準(表3)を用いて評価した評価点と比較して、初発及び/又は後引きの異臭に関する評価点が向上している容器詰ヘスペリジン含有飲料は、増強されたヘスペリジンの異臭が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料に含まれる。

0045

(ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸を併用することにより生じる特有の異味(エグ味)の抑制)
本発明において、「ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(好ましくはオルニチン)を併用することにより生じる特有の異味(エグ味)が抑制された」容器詰飲料ヘスペリジン含有飲料とは、本発明における香気成分をいずれも含有させない(又は添加しない)こと、又は、酪酸エチルを含有させない(又は添加しない)こと、又は、本発明における香気成分の飲料中の濃度を上記(B)、(E)〜(G)に記載の下限濃度未満とすること以外は、同種の原料(少なくとも、ヘスペリジン、高甘味度甘味料及び塩基性アミノ酸(好ましくはオルニチン)を含む)を同じ最終濃度になるように用いて同じ製法で製造した容器詰ヘスペリジン含有飲料(以下、「コントロール飲料B」とも表示する。)と比較して、上記の異味(エグ味)が抑制された(低下した)容器詰ヘスペリジン含有飲料を意味する。

0046

ある容器詰ヘスペリジン含有飲料における上記異味(エグ味)が、コントロール飲料Bと比較してどのようであるか(例えば、抑制されているかどうか)は、訓練されたパネラーであれば、容易かつ明確に決定することができる。評価の基準や、パネラー間の評価のまとめ方は、一般的な方法を用いることができ、例えば、後述の実施例の試験3に記載の評価基準(表13)等を用いた方法と同様の方法、好ましくは、後述の実施例の試験3に記載の評価基準(表13)等を用いた方法と同じ方法を好適に用いることができる。より具体的には、コントロール飲料Bにおける上記異味(エグ味)を、後述の実施例の試験3に記載の評価基準(表13)を用いて評価した評価点と比較して、その評価点が向上している容器詰ヘスペリジン含有飲料は、上記異味(エグ味)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料に含まれる。

0047

<本発明の容器詰飲料>
本発明の容器詰飲料としては、飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し、及び、高甘味度甘味料を含有する容器詰ヘスペリジン飲料において、更に下記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすことを特徴とする容器詰ヘスペリジン含有飲料である限り特に制限されない。
(A)飲料中の酢酸エチル濃度が0.25ppm以上;
(B)飲料中の酪酸エチル濃度が0.05ppm以上;
(C)飲料中のカプロン酸メチル濃度が0.55ppm以上;
(D)飲料中の酪酸ブチル濃度が0.25ppm以上;

0048

本発明の容器詰飲料は、飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し、及び、高甘味度甘味料を含有し、及び、上記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすこと以外は、用いる製造原料、製造方法並びに製造条件において、通常の容器詰飲料と特に相違する点はない。

0049

本発明において先に述べたように、本発明の容器詰飲料は、上記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たせばよいが、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)に対するより優れた抑制作用を得る観点から、上記(A)〜(D)のうち、2つ以上の条件を満たすことが好ましい。また、3つ以上や4つ全ての条件を満たしてもよいが、飲料全体の香気のより良い調和を得る観点から、2つ又は3つの条件を満たしていることが好ましい。

0050

また、上記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たしていることとしては、上記異臭に対するより優れた抑制作用を得る観点から、上記(B)の条件を満たし、更に上記(E)〜(G)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすことが好ましく、上記(B)の条件を満たし、更に上記(E)、(F)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすことがより好ましい。

0051

本発明の容器詰飲料は、ヘスペリジン、高甘味度甘味料、本発明における香気成分を必須成分として含有している。本発明の容器詰飲料は、任意成分として、塩基性アミノ酸(好ましくはオルニチン)をさらに含有していなくてもよいが、ヘスペリジンに加えて、塩基性アミノ酸の健康増進効果を得る観点や、本発明の効果をより多く享受する(すなわち、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用することにより生じる特有の異味(エグ味)に対するより優れた抑制作用を得るという本発明の効果の1つをさらに享受する)観点から、塩基性アミノ酸(好ましくはオルニチン)をさらに含有していることが好ましい。

0052

ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用すると、塩基性アミノ酸(特にオルニチン)に特有の塩味が、ヘスペリジンや高甘味度甘味料の異味と相乗的に作用し、飲用にきわめて適さない特有の異味(エグ味)が生じることは先に述べたとおりである。本発明の容器詰飲料において、上記異臭に対する抑制作用に加えて、かかる異味に対する抑制作用を得る観点から、上記(B)の条件を満たし、更に上記(E)〜(G)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすことが好ましく、上記(B)の条件を満たし、更に上記(E)、(F)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすことがより好ましい。

0053

本発明の容器詰飲料は、塩基性アミノ酸以外の任意成分として、pH調整剤乳化成分、着色成分、酸味成分香料(ただし、本発明における香気成分を除く)、果汁野菜汁ハーブビタミン類ミネラル類ハーブ成分等を含有していてもよい。

0054

本発明の容器詰飲料における必須成分や任意成分の含有量(濃度)は、例えばHPLC法、GCMS法、GC−FID法、LC−MS法などの公知の方法を適用することにより測定することができる。本発明における香気成分の1種である酢酸エチルを例に説明すると、酢酸エチル濃度は、例えば「改訂BCOJビール分析法」(ビール酒造組合国際技術委員会編、公益社団法人 日本醸造協会発行、2013年増補改訂)に記載されたGC−FID法を用いて好適に測定することができる。なお、本発明におけるヘスペリジンのうち、好適なヘスペリジンであるモノグルコシルヘスペリジンの含有量(濃度)の測定法について以下に説明する。
測定対象飲料を水/アセトニトリル酢酸混液(80:20:0.01)で適宜希釈し、試料溶液とすることができる。定量に用いる標準溶液としては、乾燥したモノグルコシルヘスペリジン標準品を水/アセトニトリル/酢酸混液(80:20:0.01)で溶解した溶液を用いることができる。前述の試料溶液と前述の標準溶液を、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過し、10μLを分取して、以下の条件で液体クロマトグラフィーを行うことができる。
HPLC条件
カラム:CapcellpakC18 UG120 4.6mm×250mm(資生堂製)を用いた。
移動相:水/アセトニトリル/酢酸混液(80:20:0.01)
流速:0.7mL/min
カラム温度:40℃
・検出:測定波長280nmの紫外吸光光度計

0055

本発明の容器詰飲料のpHとしては、6.5以下であることが好ましく、2.0〜4.5であることがより好ましく、3.0〜4.0であることがさらに好ましい。飲料のpHが前記範囲であると、香味を損なうことなくほどよい酸味を与えることができる。pHの調製は、pH調整剤の添加等、公知の方法を用いて行うことができる。

0056

本発明の容器詰飲料の種類としては特に制限されず、例えば、アルコール飲料であっても、非アルコール飲料であってもよいが、非アルコール飲料であることが好ましい。非アルコール飲料としては、茶系飲料野菜飲料果汁飲料炭酸飲料(好ましくは非アルコールビールテイスト飲料及び非アルコールチューハイテイスト飲料を除く)、コーヒー飲料機能性飲料スポーツドリンクニアウォーター乳飲料乳酸菌飲料等が挙げられる。

0057

本発明の容器詰飲料は、加熱殺菌処理を経ていなくてもよいが、保存性向上の観点から、加熱殺菌処理を経ていることが好ましい。

0058

本発明の容器詰飲料における容器としては、ペットボトルポリプロピレンボトルポリ塩化ビニルボトル等の樹脂ボトル容器ビン容器缶容器;等の容器が挙げられる。

0059

<本発明の製造方法>
本発明の容器詰飲料は、飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し、及び、高甘味度甘味料を含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に上記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように調製すること以外は、従来公知の容器詰飲料の製造方法にしたがって製造することができる。

0060

本発明の製造方法としては、飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し、及び、高甘味度甘味料を含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、前記容器詰ヘスペリジン含有飲料に、上記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように本発明における香気成分を所定濃度で含有させる方法が挙げられ、より具体的には、飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し、及び、高甘味度甘味料を含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造に際して、前記容器詰ヘスペリジン飲料の製造原料(例えば、「水」、「ヘスペリジンを含有する水」、「高甘味度甘味料を含有する水」、「ヘスペリジン及び高甘味度甘味料を含有する水」、あるいは「これら4種のいずれかの水に、任意成分の一部又は全部をさらに含有させた水」)に、上記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように本発明における香気成分を所定濃度で含有させる方法が挙げられる。あるいは、本発明における香気成分を、ヘスペリジン及び/又は高甘味度甘味料と同時に水等に含有させる方法や、本発明における香気成分と、ヘスペリジン及び/又は高甘味度甘味料とをあらかじめ混合した後、水等に含有させる方法も挙げられる。

0061

本発明の製造方法においては、ヘスペリジン、高甘味度甘味料、本発明における香気成分を必須成分として飲料に含有させる。本発明の製造方法としては、任意成分として、塩基性アミノ酸(好ましくはオルニチン)を飲料にさらに含有させなくてもよいが、ヘスペリジンに加えて、塩基性アミノ酸の健康増進効果を得る観点や、本発明の効果をより多く享受する(すなわち、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用することにより生じる特有の異味(エグ味)に対するより優れた抑制作用を得るという本発明の効果の1つをさらに享受する)観点から、塩基性アミノ酸(好ましくはオルニチン)を飲料にさらに含有させることが好ましい。

0062

ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用すると、塩基性アミノ酸(特にオルニチン)に特有の塩味が、ヘスペリジンや高甘味度甘味料の異味と相乗的に作用し、飲用にきわめて適さない特有の異味(エグ味)が生じることは先に述べたとおりである。本発明の製造方法において、上記異臭に対する抑制作用に加えて、かかる異味に対する抑制作用を得る観点から、上記(B)の条件を満たし、更に上記(E)〜(G)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように本発明における香気成分を所定濃度で含有させることが好ましい。かかる条件を満たすように本発明における香気成分を所定濃度で含有させる方法としては、上記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように本発明における香気成分を所定濃度で含有させる方法において、目的とする条件を適宜変更したこと以外は同様の方法を用いることができる。

0063

本発明の製造方法においては、塩基性アミノ酸以外の任意成分として、pH調整剤、乳化成分、着色成分、酸味成分、香料(ただし、本発明における香気成分を除く)、果汁、野菜汁、ハーブ、ビタミン類、ミネラル類、ハーブ成分等を飲料に含有させてもよい。

0064

本発明の製造方法においては、用いる製造原料を含有する、本発明の容器詰飲料を製造し得る限り、製造原料を含有させる(例えば添加する)順序等は特に制限されない。製造原料が混合されている液を調製した後、容器に充填して密封し、本発明の容器詰飲料を得ることができる。加熱殺菌処理は行わなくてもよいが、保存性向上の観点から、加熱殺菌処理を行うことが好ましい。加熱殺菌処理する方法としては、特に制限されず、例えば、高温短時間殺菌法HTST法)、パストライザー殺菌法超高温加熱処理法(UHT法)等を挙げることができる。

0065

本発明の製造方法において、本発明の容器詰飲料のpHを調整しなくてもよいが、香味を損なうことなくほどよい酸味を与える観点から、飲料のpHを6.5以下、好ましくは2.0〜4.5、より好ましくは3.0〜4.0に調整することが好ましい。pHの調製は、pH調整剤の添加等、公知の方法を用いて行うことができる。

0066

<本発明の異臭の抑制方法>
本発明の「容器詰ヘスペリジン含有飲料の異臭の抑制方法」としては、飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し、及び、高甘味度甘味料を含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に上記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように調製することを含んでいる限り特に制限されない。飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し、及び、高甘味度甘味料を含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、前記容器詰ヘスペリジン含有飲料に、上記(A)〜(D)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように本発明における香気成分を所定濃度で含有させる方法は、上記の<本発明の製造方法>に記載した方法と同様の方法を用いることができる。

0067

<本発明の異味の抑制方法>
本発明の「ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸を併用することにより生じる異味の抑制方法」としては、飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンと、飲料全量に対し0.01〜1重量%の塩基性アミノ酸と、高甘味度甘味料とを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、更に上記(B)の条件を満たし、及び、上記(E)〜(G)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように調製することを含んでいる限り特に制限されない。飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンと、飲料全量に対し0.01〜1重量%の塩基性アミノ酸と、高甘味度甘味料とを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、前記容器詰ヘスペリジン含有飲料に、上記(B)の条件を満たし、及び、上記(E)〜(G)のうちいずれか1つ又は2つ以上の条件を満たすように本発明における香気成分を所定濃度で含有させる方法は、上記の<本発明の製造方法>に記載した方法と同様の方法を用いることができる。なお、本発明の異味の抑制方法によれば、上記異臭と上記異味の両方を抑制することができるため、特に好ましい態様として挙げられる。

0068

以下に、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0069

試験1[ヘスペリジンの異臭、及び、その異臭に高甘味度甘味料が与える影響]
ヘスペリジンの異臭、及び、その異臭に高甘味度甘味料が与える影響を以下の実験により調べた。

0070

(飲料の調製)
以下の表1及び2に示すとおりに、ヘスペリジンと、高甘味度甘味料又はショ糖とを配合し、試験区1〜9の各サンプル飲料を調製した。試験区2〜9のサンプル飲料の高甘味度甘味料やショ糖の配合量は、甘味度(同等の甘味を与えるショ糖水溶液濃度)がいずれも7.3となるように設定した。いずれのサンプル飲料も、リン酸でpHを3.2に調整した。

0071

0072

0073

官能評価
調製した各サンプル飲料の異臭に関する官能評価は、訓練されたパネリスト5名によって以下の表3の基準で行った。異臭は、サンプル飲料を口内に入れたときの始めの異臭(初発)と、サンプル飲料を飲んだ後に口内に残る異臭(後引き)とを分けて評価した。最も多数のパネラーが示した結果を、その試験区のその異臭の評価として採用した。

0074

0075

表1及び2の各サンプル飲料について官能評価を行った結果を、それぞれ上記表1及び2の「異臭(初発)」、「異臭(後引き)」の項目に示す。表1の結果から分かるように、高甘味度甘味料、ショ糖のいずれも配合していない試験区1では、ヘスペリジンの異臭(初発)の評価は「3」(絆創膏様の異臭を感じる)であるものの、異臭(後引き)の評価は「7」(絆創膏様の異臭を全く感じない)であった。それに対し、高甘味度甘味料を配合した試験区2〜4では、異臭(初発)、異臭(後引き)ともに、「2」(絆創膏様の異臭を強く感じる)あるいは「1」絆創膏様の異臭を非常に強く感じる)となった。このことから、高甘味度甘味料を併用するとヘスペリジンの異臭が、初発、後引き、共に増強され、特に、後引きで増強される程度が高い(評価「7」から、「2」又は「1」へ)ことが示された。一方、ショ糖を配合した試験区5では、異臭(初発)は評価「5」(絆創膏様の異臭を僅かに感じる)、異臭(後引き)は評価「7」(絆創膏様の異臭を全く感じない)となり、高甘味度甘味料を配合した場合とは逆に、ヘスペリジンの異臭の程度は低下することが示された。

0076

表1の試験区1〜5の結果から、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用すると、ヘスペリジンの異臭が初発、後引きのいずれでも増強されること、特に、後引きで異臭が増強される程度が高く、異臭が持続的に感じられてしまうことが示された。これらのことは、これまでに知られておらず、本発明者らが初めて見いだした事項である。

0077

また、表2の試験区6〜9は、市販の飲料で比較的よく用いられるスクラロースとアセスルファムカリウムを高甘味度甘味料として併用し、及び、ヘスペリジンの濃度を変化させた試験区である。ヘスペリジン濃度が0.01重量%である試験区6では、高甘味度甘味料を併用してもヘスペリジンの異臭は問題とならなかった。しかし、ヘスペリジン濃度が0.02重量%以上である試験区7〜9では、高甘味度甘味料、ショ糖のいずれも配合していない試験区1と比べて、初発、後引き、共に増強されることが示された。また、ヘスペリジンの異臭は、ヘスペリジン濃度が高くなるにしたがって、増強される傾向も認められた。

0078

試験2[ヘスペリジン及び高甘味度甘味料の併用により増強された異臭に、特定の香気成分が与える影響]
ヘスペリジンと高甘味度甘味料の併用により増強された異臭に、特定の香気成分が与える影響を以下の実験により調べた。

0079

(飲料の調製)
以下の表4〜7に示すとおりに、ヘスペリジン、高甘味度甘味料、特定の香気成分を配合し、試験区8、10〜37の各サンプル飲料を調製した。いずれのサンプル飲料も、リン酸でpHを3.2に調整した。高甘味度甘味料としては、市販の飲料で比較的よく用いられるスクラロースとアセスルファムカリウムを用い、それらの配合量は、サンプル飲料の甘味度が7.3となるように設定した。また、特定の香気成分として、表4では酢酸エチルを、表5では酪酸エチルを、表6ではカプロン酸メチルを、表7では酪酸ブチルを用いた。なお、表4〜7のいずれにおいても、試験区8の配合を基準とし、その配合に各香気成分を何種類かの濃度で添加した。試験区8の配合を基準としたのは、上記試験1の実験において、高甘味度甘味料を併用することにより増強されたヘスペリジンの異臭が非常に強く感じられた試験区の1つだったからである。なお、以降の表において、香気成分の数値はppmで表し、それ以外の成分の数値は重量%で表している。

0080

0081

0082

0083

0084

(官能評価)
調製した試験区8、10〜37のサンプル飲料の官能評価を、上記試験1に記載の方法で行った。その結果を、上記表4〜7の「異臭(初発)」、「異臭(後引き)」の項目に示す。

0085

表4の結果から分かるように、酢酸エチルを0.25ppm以上、好ましくは0.4ppm以上、より好ましくは0.5ppm以上、さらに好ましくは0.75ppm以上、より好ましくは1.0ppm以上、さらに好ましくは1.25ppm以上となるように添加すると、初発や後引きの異臭の評価点が3以上、好ましくは4以上、より好ましくは5以上となるまで異臭を抑制することができた。また、表5の結果から分かるように、酪酸エチルを0.05ppm以上、好ましくは0.1ppm以上、より好ましくは0.25ppm以上、さらに好ましくは0.5ppm以上、より好ましくは0.75ppm以上、さらに好ましくは1.0ppm以上、より好ましくは1.25ppm以上となるように添加すると、初発や後引きの異臭の評価点が3以上、好ましくは4以上、より好ましくは5以上となるまで異臭を抑制することができた。また、表6の結果から分かるように、カプロン酸メチルを0.55ppm以上、好ましくは0.6ppm以上、より好ましくは0.65ppm以上、さらに好ましくは0.7ppm以上、より好ましくは0.75ppm以上、さらに好ましくは1.0ppm以上となるように添加すると、初発や後引きの異臭の評価点が3以上、好ましくは4以上、より好ましくは5以上となるまで異臭を抑制することができた。また、表7の結果から分かるように、酪酸ブチルを0.25ppm以上、好ましくは0.4ppm以上、より好ましくは0.5ppm以上、さらに好ましくは0.75ppm以上、より好ましくは1.0ppm以上となるように添加すると、初発や後引きの異臭の評価点が3以上、好ましくは4以上、より好ましくは5以上となるまで異臭を抑制することができた。また、いずれの香気成分においても、香気成分の濃度が高くなるにしたがって、ヘスペリジンの異臭をより強く抑制し得る傾向が認められた。

0086

表4〜7の結果から、飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンを含有し、及び、高甘味度甘味料を含有する容器詰ヘスペリジン飲料において、0.25ppm以上の酢酸エチル、0.05ppm以上の酪酸エチル、0.55ppm以上のカプロン酸メチル、又は、0.25ppm以上の酪酸ブチルが、高甘味度甘味料によって後引きされた、ヘスペリジンの異臭に対して抑制作用を有することが示された。

0087

試験3[ヘスペリジン及び高甘味度甘味料に加えて、塩基性アミノ酸を併用した際の影響]
ヘスペリジン及び高甘味度甘味料に加えて、塩基性アミノ酸(例えばオルニチン)を併用した際に、香味に与える影響を以下の実験により調べた。

0088

(飲料の調製)
以下の表8〜12に示すとおりに、ヘスペリジン、高甘味度甘味料、オルニチンを配合し、試験区8、38〜63の各サンプル飲料を調製した。試験区38〜63の各サンプル飲料は、ヘスペリジン、高甘味度甘味料を配合し、オルニチンを配合しない試験区8のサンプル飲料の配合を基準とし、その配合に各香気成分を何種類かの濃度で添加した。いずれのサンプル飲料も、リン酸でpHを3.2に調整した。高甘味度甘味料としては、市販の飲料で比較的よく用いられるスクラロースとアセスルファムカリウムを用い、それらの配合量は、サンプル飲料の甘味度が7.3となるように設定した。

0089

0090

0091

0092

0093

0094

(官能評価)
調製した試験区8、38〜63のサンプル飲料の異臭に関する官能評価を、上記試験1に記載の方法で行った。その結果を、上記表8〜12の「異臭(初発)」、「異臭(後引き)」の項目に示す。

0095

また、本発明者らは、かかる異臭の官能評価に際して、異臭とは別の新たな課題を見いだした。すなわち、本発明者らは、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(例えばオルニチン)とを併用すると、塩基性アミノ酸(特にオルニチン)に特有の塩味が、ヘスペリジンや高甘味度甘味料の異味と相乗的に作用し、飲用にきわめて適さない異味(エグ味)が生じることを初めて見いだした。そこで、試験区8、38〜63のサンプル飲料の異味に関する官能評価を、訓練されたパネリスト5名によって以下の表13の基準で行った。最も多数のパネラーが示した結果を、その試験区のその異味の評価として採用した。

0096

0097

表8の結果から、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)とを併用した際に生じる特有の異味(エグ味)は、ヘスペリジンやオルニチンの濃度が高くなるにしたがって増強されることが示された。

0098

また、表9の結果から、特定の香気成分を1種単独で用いた場合は、その香気成分の濃度が2.5ppmであっても、異味を十分には抑制することができないことが示された。一方、表10の結果から、特定の香気成分を2種併用した場合は、酪酸エチルを含む組合せ(試験区44、47、48)であれば、異味の評価点が3又は4となるまで異味を抑制することができた。また、酪酸エチルを含む2種の香気成分を併用した場合のこの異味の抑制は、それぞれの香気成分の濃度が表9の場合の濃度(2.5ppm)より低濃度である0.5ppmであっても得られることが示された。また、表10の結果から、酪酸エチルを含む2種の香気成分を併用した場合(試験区44、47、48)、酪酸エチルとカプロン酸メチルの組合せ(試験区47)と比較して、酪酸エチルと酢酸エチルの組合せ(試験区44)や、酪酸エチルと酪酸ブチルの組合せ(試験区48)の方が、異臭(後引き)の抑制の程度が高いことが示された。また、表11の結果から、酪酸エチルを含む2種の香気成分を併用した場合、酪酸エチルの濃度が0.5ppmであるときは、もう1種の香気成分はかなり低い濃度であっても、異味の評価点が3又は4となるまで異味を抑制することができた。具体的には、酪酸エチルの濃度が0.5ppmであるときは、酢酸エチルの濃度が0.01ppm、0.05ppm、0.1ppmのいずれであっても、異味の評価点が4となるまで異味を抑制することができた。また、酪酸エチルの濃度が0.5ppmであるときは、酪酸ブチルが0.0001ppm、0.001ppm、0.01ppmのいずれであっても、異味の評価点が4となるまで異味を抑制することができた。また、酪酸エチルの濃度が0.5ppmであるときは、カプロン酸メチルの濃度が0.01ppm、0.05ppm、0.1ppmのいずれであっても、異味の評価点が3となるまで異味を抑制することができた。

0099

さらに、表12の試験区59〜62の結果から、特定の香気成分を3種併用した場合は、酪酸エチルを含む組合せ(試験区59、60、62)であれば、異味の評価点が3又は5となるまで異味を抑制することができた。また、試験区63の結果から、特定の香気成分を4種併用した場合は、異味の評価点が5となるまで異味を抑制することができたが、飲用した際に香気が多少バラついた印象が感じられ、飲料全体の香気の調和がやや低下した。

実施例

0100

表8〜12の結果から、飲料全量に対し0.02〜0.1重量%のヘスペリジンと、飲料全量に対し0.01〜1重量%の塩基性アミノ酸と、高甘味度甘味料とを含有する容器詰ヘスペリジン飲料の製造において、「0.05ppm以上の酪酸エチル」と「0.01ppm以上の酢酸エチル、0.0001ppm以上の酪酸ブチル、及び、0.01ppm以上のカプロン酸メチルから選ばれる1つ又は2つ以上」との組合せが、上記の異味に対して抑制作用を有することが示された。

0101

本発明によれば、ヘスペリジンと高甘味度甘味料を併用することによって増強されたヘスペリジンの異臭(絆創膏様の異臭)が抑制された容器詰ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することができる。また、本発明によれば、ヘスペリジンと高甘味度甘味料と塩基性アミノ酸(特にオルニチン)を併用することにより生じる特有の異味(エグ味)が抑制された容器詰飲料ヘスペリジン含有飲料、及びその製造方法等を提供することができる。

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