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技術 補聴器フィッティングデータ提供方法、補聴器フィッティングデータ提供システム、及び、補聴器フィッティングデータ提供プログラム

出願人 リオン株式会社
発明者 奥田博昭坂本龍彦中村健一入江裕介三上敦史石田大司
出願日 2017年1月31日 (4年0ヶ月経過) 出願番号 2017-015598
公開日 2018年8月9日 (2年6ヶ月経過) 公開番号 2018-125663
状態 未査定
技術分野 補聴器
主要キーワード フィッティングデータ 代表特性 使用予定者 聴力データ 保管済み 保有データ データ提供要求 聴力検査装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

補聴器の調整にかかる負担を軽減できる技術を提供する。

解決手段

補聴器フィッティングデータ提供システム100は、ネットワーク200に接続されたサーバ機器300を有しており、サーバ機器300はユーザの端末機器400とネットワーク200を通じて通信が可能である。サーバ機器300は多数のフィッティングデータと聴力データを対応させてデータベース312に保管しており、各フィッティングデータには予め評価値が付与されている。端末機器400から補聴器使用者オージオグラム測定結果が送信されると、サーバ機器300がデータベース312を検索して類似聴力データのフィッティングデータを抽出し、評価値に基づく選別を行った上で端末機器400に提供データを送信する。

概要

背景

一般的な補聴器フィッティング作業においては、装用者使用者)の聴力を測定して得たオージオグラムから処方式等を用いてフィッティングデータを算出しているが、処方式には多様な種類があり、いずれを用いるかは補聴器調整者の経験に頼る部分が多い。このため、補聴器のフィッティング作業は調整者に高度な経験が求められる困難な作業であるといえる。

これに対し、作業者の経験に大きく頼らないフィッティングを可能とした先行技術として、補聴器の装用予定する使用者のオージオグラムに類似した聴力データに対する補聴調整結果データを類似度合に基づいて抽出し、使用者に最適なものを選択及び微調整した上で補聴器のフィッティングを行うものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。

概要

補聴器の調整にかかる負担を軽減できる技術を提供する。補聴器フィッティングデータ提供システム100は、ネットワーク200に接続されたサーバ機器300を有しており、サーバ機器300はユーザの端末機器400とネットワーク200を通じて通信が可能である。サーバ機器300は多数のフィッティングデータと聴力データを対応させてデータベース312に保管しており、各フィッティングデータには予め評価値が付与されている。端末機器400から補聴器使用者のオージオグラム測定結果が送信されると、サーバ機器300がデータベース312を検索して類似聴力データのフィッティングデータを抽出し、評価値に基づく選別を行った上で端末機器400に提供データを送信する。

目的

本発明は、補聴器の調整にかかる負担を軽減できる技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

補聴器を使用する複数の既使用者に対する個別の調整に用いられた複数のフィッティングデータについて、それぞれの補聴器装用時の音場閾値又は調整対象となった補聴器の特性の少なくとも一方に基づく評価値を付与した状態の複数のフィッティングデータと対応する聴力データ保管するステップと、補聴器の使用を予定する使用予定者の聴力データを取得し、保管した複数のフィッティングデータの中から使用予定者と聴力データが類似する既使用者のフィッティングデータを抽出するステップと、抽出したフィッティングデータに対して評価値に基づく選別を行い、使用予定者用のフィッティングデータとして提供するステップとを有する補聴器フィッティングデータ提供方法

請求項2

請求項1に記載の補聴器フィッティングデータ提供方法において、前記保管するステップでは、補聴器装用時の音場閾値および既使用者による補聴器の使用状況に基づく評価値をフィッティングデータに付与することを特徴とする補聴器フィッティングデータ提供方法。

請求項3

請求項1又は2に記載の補聴器フィッティングデータ提供方法において、前記提供するステップでは、選別したフィッティングデータを評価値の高い順に並べた場合の序列を認識可能な状態で提供することを特徴とする補聴器フィッティングデータ提供方法。

請求項4

請求項1から3のいずれかに記載のフィッティングデータ提供方法において、提供したフィッティングデータを用いて実際に調整が行われた補聴器に対する使用者の評価を収集し、当該収集した評価に基づいて保管済みのフィッティングデータに付与されている評価値を更新するステップをさらに有する補聴器フィッティングデータ提供方法。

請求項5

複数の端末機器との間で通信が可能なサーバ機器と、前記サーバ機器によるアクセスが可能であり、補聴器を使用する複数の既使用者に対する個別の調整に用いられた複数のフィッティングデータをそれぞれの補聴器装用時の音場閾値又は調整対象となった補聴器の特性の少なくとも一方に基づく評価値を付与した状態で対応する聴力データと保管する記憶装置と、前記端末機器から送信された補聴器の使用を予定する使用予定者の聴力データを前記サーバ機器で受信すると、前記記憶装置に保管された複数のフィッティングデータの中から使用予定者と聴力データが類似する既使用者のフィッティングデータを抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出されたフィッティングデータに対して評価値に基づく選別を行い、使用予定者用のフィッティングデータとして前記サーバ機器から前記端末機器に送信する送信手段とを備えた補聴器フィッティングデータ提供システム

請求項6

請求項5に記載の補聴器フィッティングデータ提供システムにおいて、前記記憶装置は、補聴器装用時の音場閾値に加えて既使用者による補聴器の使用状況に基づく評価値をフィッティングデータに付与した状態で保管していることを特徴とする補聴器フィッティングデータ提供システム。

請求項7

請求項5又は6に記載の補聴器フィッティングデータ提供システムにおいて、前記送信手段は、選別したフィッティングデータを評価値の高い順に並べた場合の序列を前記端末機器で認識可能な状態で送信することを特徴とする補聴器フィッティングデータ提供システム。

請求項8

請求項7に記載の補聴器フィッティングデータ提供システムにおいて、前記送信されたフィッティングデータを用いて調整が行われた補聴器について前記端末機器から送信された使用者の評価を前記サーバ機器で受信すると、前記記憶装置に保管されたフィッティングデータに付与されているスコアを前記評価に基づいて更新する更新手段をさらに備えた補聴器フィッティングデータ提供システム。

請求項9

コンピュータに、補聴器を使用する複数の既使用者に対する個別の調整に用いられた複数のフィッティングデータについて、それぞれの補聴器装用時の音場閾値に基づく評価値として推奨度を付与する手順と、前記複数のフィッティングデータについて、それぞれの調整対象となった補聴器の特性に基づく評価値としてスコアを付与する手順と、前記付与した推奨度及びスコアとともに前記複数のフィッティングデータを記憶領域に保管する手順とを実行させる補聴器フィッティングデータ提供プログラム

請求項10

請求項9に記載の補聴器フィッティングデータ提供プログラムにおいて、コンピュータに、前記複数のフィッティングデータに対応する聴力データを所定周波数でのレベルが共通するグループ分類する手順をさらに実行させ、前記保管する手順では、前記分類したグループとともに前記複数のフィッティングデータおよび前記聴力データをさらに前記記憶領域に保管することを特徴とする補聴器フィッティングデータ提供プログラム。

請求項11

請求項9又は10に記載のフィッティングデータ提供プログラムを用いて前記複数のフィッティングデータが保管された前記記憶領域にアクセス可能なコンピュータに、補聴器の使用を予定する使用予定者の聴力データを取得する手順と、前記取得した聴力データに基づき、前記記憶領域に保管された複数のフィッティングデータの中から使用予定者と聴力データが類似する既使用者のフィッティングデータを抽出する手順と、前記抽出したフィッティングデータを推奨度及びスコアに基づいて選別する手順と、前記選別した結果を使用予定者用のフィッティングデータとして提供する手順とを実行させる補聴器フィッティングデータ提供プログラム。

請求項12

請求項11に記載の補聴器フィッティングデータ提供プログラムにおいて、コンピュータに、前記提供したフィッティングデータを用いて実際に調整が行われた補聴器に対する使用者の評価を収集する手順と、前記収集した評価に基づき、前記記憶領域に保管されたフィッティングデータに付与されているスコアを更新する手順とをさらに実行させる補聴器フィッティングデータ提供プログラム。

技術分野

0001

本発明は、補聴器フィッティングデータを提供する方法、システム及びコンピュータプログラムに関するものである。

背景技術

0002

一般的な補聴器のフィッティング作業においては、装用者使用者)の聴力を測定して得たオージオグラムから処方式等を用いてフィッティングデータを算出しているが、処方式には多様な種類があり、いずれを用いるかは補聴器調整者の経験に頼る部分が多い。このため、補聴器のフィッティング作業は調整者に高度な経験が求められる困難な作業であるといえる。

0003

これに対し、作業者の経験に大きく頼らないフィッティングを可能とした先行技術として、補聴器の装用予定する使用者のオージオグラムに類似した聴力データに対する補聴調整結果データを類似度合に基づいて抽出し、使用者に最適なものを選択及び微調整した上で補聴器のフィッティングを行うものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。

先行技術

0004

国際公開第2011/132403号

発明が解決しようとする課題

0005

上記の先行技術では、使用者と聴力データが類似している近傍ユーザ代表特性を抽出するものの、初期調整候補となる補聴調整結果データには複数のものがあり、補聴器調整者は一つ一つのデータを補聴器の調整に適用して使用者に試聴させ、その上で補聴特性を切り替えながら最適なものを選択していかなければならない。このため、補聴器調整者の経験に頼らないとしても、調整者及び使用者の双方にとって負担が大きくなるという問題がある。

0006

そこで本発明は、補聴器の調整にかかる負担を軽減できる技術を提供するものである。

課題を解決するための手段

0007

上記の課題を解決するため、本発明は以下の解決手段を採用する。
〔補聴器フィッティングデータ提供方法
本発明の補聴器フィッティングデータ提供方法は、以下のステップからなる。
第1ステップ:ここでは、補聴器を使用する複数の既使用者に対する個別の調整に用いられた複数のフィッティングデータについて、それぞれの補聴器装用時の音場閾値(以下、音場閾値という)又は調整対象となった補聴器の特性の少なくとも一方に基づく評価値を付与した状態で複数のフィッティングデータと複数のフィッティングデータに対応する前記既使用者の聴力データを保管する。
第2ステップ:ここでは、補聴器の使用を予定する使用予定者の聴力データを取得し、保管した複数のフィッティングデータの中から使用予定者と聴力データが類似する既使用者のフィッティングデータを抽出する。
第3ステップ:ここでは、抽出したフィッティングデータに対して評価値に基づく選別を行い、使用予定者用のフィッティングデータとして提供する。

0008

本発明の提供方法によれば、予め保管されたフィッティングデータには、それぞれに評価値として「推奨度」や「スコア」といった指標ないしパラメータ事前付与されている。評価値は「推奨度」又は「スコア」の少なくとも一方を付与すればよいが、両方を付与してもよい。「推奨度」は、各フィッティングデータの音場閾値に対して等級割り当てたものであり、例えば、「音場閾値が所定値以下、もしくは時の半分以下」といった条件に該当するものには高い「推奨度」が付与される。また、「スコア」は補聴器フィッティング時の特性(利得、圧縮比出力制限レベル)により、フィッティングデータに対して割り当てることができる。フィッティングデータの抽出には聴力データの類似関係を用いているが、このようにして抽出したフィッティングデータには評価値として「推奨度」や「スコア」が事前付与されているため、データ提供時には「推奨度」や「スコア」に基づいた選別を容易に行うことができる。例えば、「推奨度」及び「スコア」が高い順に選別してフィッティングデータを提供する等が可能であるため、一つ一つを調整に適用して試聴し、その上で最適なものを選択するような手間が必要なくなり、補聴器調整者及び使用予定者の負担を大幅に軽減することができる。

0009

また、上記「第1ステップ」では、音場閾値に加えて既使用者による補聴器の使用状況に基づく評価値をフィッティングデータに付与することもできる。
補聴器の使用状況には、例えば「試聴段階」、「調整段階」、「安定装用段階」といったいくつかの段階が考えられる。「試聴段階」は使用者が補聴器を試している段階であり、「調整段階」は試聴から進んで調整を行っている段階であり、「安定装用段階」は調整を終えて補聴器を日常的に使用している段階である。したがって、使用状況が「安定装用段階」であれば、そのフィッティングデータの「推奨度」は最も高くなり、「調整段階」であれば次に高くなるといった付与が可能となる。
いずれにしても、使用予定者には評価値として「推奨度」がより高いフィッティングデータを選別して提供できるため、フィッティングに要する負担はさらに軽減される。

0010

また、上記「第3ステップ」では、選別したフィッティングデータを評価値の高い順に並べた場合の序列を認識可能な状態で提供することが好ましい。
すなわち、抽出したフィッティングデータの選別には評価値として「推奨度」又は「スコア」の少なくとも一方を用いるが、これには「一定以上の推奨度」や「一定以上のスコア」といった絞り込みを行うだけの場合も含まれる。この場合でも、「あまり推奨度が高くないもの」や「スコアが低いもの」は選別時に除外されるため、フィッティングデータの提供を受ける補聴器調整者や使用予定者にとって充分に有益であるが、本発明ではさらに、評価値として「推奨度」及び「スコア」の高い順に並べた場合の序列を認識可能にしてフィッティングデータを提供する。あるいは、評価値の高い順、つまり「推奨度」及び「スコア」の高い順に並べた状態でフィッティングデータを提供してもよい。
これにより、補聴器調整者は提供されたフィッティングデータの中から評価値として「推奨度」及び「スコア」が最も高いものを優先的に採用し、早期に補聴器のフィッティングに活用することが可能となり、ますます調整の負担が軽減されることになる。

0011

本発明の発明者等は、上述した先行技術(特許文献1)における以下の問題点にも着目している。
すなわち、先行技術では、抽出されたフィッティングデータを用いて補聴器を調整し、使用者が試聴した上で最終的に最適なフィッティングデータが選択される。しかし、使用者の評価はその場限りになるため、その後のフィッティングにいかされていない。
本発明の発明者等は、このような使用者による実際の評価がその後の補聴器のフィッティングにおいて重要であることに着目し、その上で、既使用者の評価を反映させてフィッティングをより進化したものにするには、フィッティングデータを管理及び提供する者が使用者の評価に関する情報を積極的に収集し、分析してデータベースの設定を更新する必要があると考えた。

0012

本発明の特徴は、聴力データと対になるフィッティングデータに対して得られた実際の使用者の評価をデータベース化することにより、提供に際してフィッティングデータの適合の程度を識別可能とするとともに、評価に基づくデータベースを随時又は自動的に更新するものである。

0013

このため本発明のフィッティングデータ提供方法は、以下のステップをさらに有する。
第4ステップ:すなわち、先の「第3ステップ」で提供したフィッティングデータを用いて実際に調整が行われた補聴器に対する使用者の評価を収集し、先の「第1ステップ」で保管済みのフィッティングデータに付与されているスコアを収集した評価に基づいて更新する。

0014

これにより、フィッティングデータの提供を受けて実際に補聴器を調整した使用者の評価がフィードバックされ、その結果が「スコア」に反映されることになる。したがって、「スコア」が高いフィッティングデータはそれだけ実際の使用者が満足を得たことを意味することになり、選別時の精度や利便性をより高めることができる。

0015

〔補聴器フィッティングデータ提供システム〕
本発明のシステムは、「サーバ機器」及び「記憶装置」をハードウエア資源に用いて実現され、機能的要素としては「抽出手段」及び「送信手段」を備える。
「サーバ機器」は多くの端末機器から情報を収集し、また、フィッティングデータの提供を容易かつ円滑に行う環境を提供する。
「記憶装置」には多数の既使用者に対する調整に用いられたフィッティングデータを対応する聴力データと保管し、また、それぞれのフィッティングデータに付与された評価値として「推奨度」又は「スコア」の少なくとも一方を関連付けたデータベースを構築する。
システムは、フィッティングデータの抽出と選別、提供を機能的要素により実行する。システムによるフィッティングデータの提供は、サーバ機器から端末機器への送信により行われる。

0016

好ましくは、システムは「更新手段」の機能的要素を備え、使用者の評価をスコアに反映させる作業は「更新手段」によるデータベースの更新として実現される。

0017

〔補聴器フィッティングデータ提供プログラム
サーバ機器や記憶装置等のハードウエアを用いたシステムは、本発明のプログラムコンピュータが実行することで実現可能となる。本発明のプログラムは、コンピュータに実行させる手順のまとまりから2つのモジュール(第1プログラム、第2プログラム)に分けられる。

0018

すなわち、本発明の第1プログラムは、フィッティングデータに対する評価値として「推奨度」の付与、「スコア」の付与、フィッティングデータの保管までの手順をコンピュータに実行させる。

0019

また、本発明の第1プログラムは、聴力データを所定周波数でのレベルグループ化し、分類する手順をコンピュータに実行させ、分類したグループをデータベースに反映させることを先の保管手順に追加する。

0020

本発明の第2プログラムは、端末機器等から送信された聴力データをサーバ機器で取得する手順、データベースを検索して類似する聴力データのフィッティングデータを抽出する手順、フィッティングデータを評価値で選別する手順、サーバ機器から端末機器への送信等によりフィッティングデータを提供する手順までをコンピュータに実行させる。このとき、フィッティングデータに対応する聴力データをグループに分類しておけば、類似する聴力データの抽出がより高速化・高精度化されるという利点がある。

0021

本発明の第2プログラムは、提供したフィッティングデータを用いた調整後の使用者の評価をサーバ機器での受信等によって収集する手順、及び、評価をデータベース上のスコアに反映させてフィッティングデータを更新する手順をさらにコンピュータに実行させる。なお、サーバ機器が評価を受信できる前提として端末機器から評価が送信される環境を想定している。これにより、フィッティングデータ提供方法を物理的なシステムにより実行し、コンピュータ資源を用いて円滑に管理・運用することができる。

発明の効果

0022

以上のように本発明によれば、補聴器のフィッティングにおける負担を軽減することができる。

図面の簡単な説明

0023

一実施形態の補聴器フィッティングデータ提供システムの構成を概略的に示す図である。
システムの内部構成を概略的に示したブロック図である。
サーバ機器内で実行されるデータベース構築処理の手順例を示すフローチャートである。
データベースに保管されたデータの構成例を概念的に示す図である。
フィッティングデータ提供処理の手順例を示すフローチャートである。
端末機器内で実行されるフィッティング処理の手順例を示すフローチャートである。
サーバ機器内で実行されるデータベース更新処理の手順例を示すフローチャートである。
一実施形態の補聴器フィッティングデータ提供方法の流れを概略的に示したフローチャートである。
補聴器フィッティングデータ提供方法の流れを詳細に示したフローチャートである。
データベースに保管されたデータの更新例を概念的に示す図である。

実施例

0024

以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態で示すシステムの構成は好ましい例示であり、本発明のシステムはこの例示に限定されるものではない。

0025

図1は、一実施形態の補聴器フィッティングデータ提供システム100の構成を概略的に示す図である。このシステム100は、例えばネットワーク200に接続されたサーバ機器300を用いて実現される。本発明の補聴器フィッティングデータ提供方法は、以下のシステム100を用いたデータ提供行為として一実施形態が示される。また、補聴器フィッティングデータ提供プログラムは、システム100のサーバ機器300がコンピュータとして機能する場合の手順例により実施の形態が明らかとなる。

0026

〔システムの運用形態
システム100は、上記のようにネットワーク200に接続可能なサーバ機器300を設置した形態で運用される。また、システム100は、多数の端末機器400がネットワーク200を通じてサーバ機器300と通信可能である環境下において好適に運用される。

0027

多数の端末機器400は、例えば各地に存在する多数の補聴器販売店が保有するものである。補聴器販売店には、例えば専門の補聴器調整者が在籍しており、補聴器の使用者(使用を予定する者、既に使用している者)は、例えば販売店を通じて補聴器600を購入し、各自向けの調整(フィッティング)サービスを享受することができる。なお、サーバ機器300はネットワーク200上で唯一の存在である必要はなく、複数台に分散して設置されていてもよい。分散して設置された多数のサーバ機器300は、適時に保有データベースを同期することができる。

0028

各地の補聴器販売店に設置された端末機器400は、例えばデスクトップ型ノート型等のパーソナルコンピュータである。端末機器400には、フィッティング用の中継器500を介して調整対象の補聴器600を接続することができる。端末機器400には、システム100の利用に適したフィッティングプログラムインストールされており、フィッティングプログラムは、システム100との通信やシステム100から提供を受けたフィッティングデータの画面表示、フィッティング後のデータアップロード等を可能にする。

0029

図2は、システム100の内部構成を概略的に示したブロック図である。
システム100のサーバ機器300は、内部機能要素として管理用プログラム実行部302を有する。このような管理用プログラム実行部302は、サーバ機器300のコンピュータ資源を用いて実現されている。

0030

サーバ機器300は、入力部304及び表示部306を有している。入力部304は、例えばキーボードマウス等の入力デバイスである。また、表示部306は、例えばディスプレイ等の表示器である。

0031

また、サーバ機器300は、送信部308及び受信部310を有している。送信部308はサーバ機器300から端末機器400へのデータ送信等を行い、受信部310は端末機器400からサーバ機器300へのデータ受信等を行う。このような送信部308及び受信部310は、例えばネットワーク200に接続する通信インタフェース等の形態でサーバ機器300に実装されている。

0032

そして、サーバ機器300はデータベース312を有している。データベース312は、内部ストレージ外部ストレージ等の記憶装置を用いて実現されている。
その他にサーバ機器300は記憶部314を有しており、記憶部314にはOS(オペレーティングシステム)等の基本ソフトウエアの他に、本実施形態のフィッティングデータ提供プログラムが格納されている。管理用プログラム実行部302は適宜、記憶部314からプログラムを読み出して実行することができる。

0033

システム100の構成は以上であるが、システム100に接続される端末機器400は以下の内部構成を備えている。
すなわち、端末機器400は制御部402を有しており、この制御部402もまた端末機器400のコンピュータ資源を用いて実現されている。端末機器400は入力部404及び表示部406を有しており、このうち入力部404は、例えば端末機器400のキーボード、マウス等の入力デバイスである。また、表示部406は、例えば端末機器400のディスプレイである。

0034

また、端末機器400は送信部408及び受信部410を有している。端末機器400の送信部408はサーバ機器300へのデータ送信等を行い、受信部410はサーバ機器300からのデータ受信等を行う。このような送信部408及び受信部410もまた、例えばネットワーク200に接続する通信インタフェースの形態で端末機器400に実装されている。

0035

端末機器400は接続部412を有しており、接続部412には上記の中継器500を接続可能である。接続部412は、例えば端末機器400の各種シリアルポートパラレルポートSCSポート等である。なお、端末機器400には接続部412を介して聴力検査装置700が接続される態様であってもよい。

0036

その他、端末機器400は記憶部414を有しており、この記憶部414にはOS等の他に、本実施形態のシステム100を利用するためのフィッティングプログラムが格納されている。端末機器400の制御部402は適宜、記憶部414からフィッティングプログラムを読み出して実行することができる。

0037

システム運用概要
本実施形態のシステム100の運用は、以下のような概要で行われる。詳細についてはさらに後述する。
(1)サーバ機器300は、データベース312に多数の補聴器使用者から得られた聴力データとフィッティングデータの実例(実際に補聴器のフィッティングに用いられたもの)を保管(過去から最新まで蓄積)している。
(2)データベース312に保管された多数のフィッティングデータには、予め「グループ分類」や事前付与された評価値として「推奨度」や「スコア」といった指標ないしパラメータがそれぞれに紐付けられている。
(3)補聴器販売店では、補聴器の使用予定者(顧客)の聴力データを取得し、これを端末機器400からサーバ機器300に送信する。このとき、合わせてサーバ機器300にフィッティングデータの提供要求を送信する。聴力データ(オージオグラム)は、使用予定者本人が医療機関受診して得たものでもよいし、販売店に設置した聴力検査装置700を用いて得たものでもよい。
(4)端末機器400から聴力データ(フィッティングデータ提供要求)を受信すると、サーバ機器300の管理用プログラム実行部302がデータベース312にアクセスし、使用予定者と聴力データが類似する既使用者(フィッティングデータの実例となった使用者)のフィッティングデータを抽出する。このとき、抽出には上記のグループ分類が好適に活用される。
(5)サーバ機器300の管理用プログラム実行部302は、抽出したフィッティングデータ(候補は複数となる)をそれぞれに付与されている「推奨度」及び「スコア」によって選別し、その結果を端末機器400に送信(フィッティングデータを提供)する。
(6)補聴器販売店では、サーバ機器300から送信されたフィッティングデータの選別結果に基づき、例えば「推奨度」及び「スコア」が高い順にフィッティングデータを表示部406に表示する等して、適宜、補聴器調整者が補聴器のフィッティングに活用する。
(7)顧客(使用予定者)は実際に補聴器を装用し、自己の評価(満足度)を表明する。得られた評価は、端末機器400からサーバ機器300に送信され、これをシステム100のサーバ機器300が受信する。
(8)サーバ機器300の管理用プログラム実行部302は、受信した評価について、その提供元となったフィッティングデータの「スコア」を用いてデータベース312を更新する。更新された「スコア」は、以後のフィッティングデータの提供に反映される。

0038

〔プログラムの詳細〕
図3は、サーバ機器300内で実行されるデータベース構築処理の手順例を示すフローチャートである。データベース構築処理は、サーバ機器300の管理用プログラム実行部302において実行されるものであり、以下では便宜上、「サーバ内処理(1)」と呼称する場合がある。以下、手順例に沿って説明する。

0039

ステップS100:管理用プログラム実行部302は、保有するデータ(右耳左耳聴力データ、音場閾値等)を所定の周波数でグループに分類する。システム100は、その運用に際して多数のフィッティングデータの実例を事前に保有しているものとする。また、事前に保有するデータの他にも随時、端末機器400から最新フィッティングデータのアップロード等によって収集し、保有データに追加することとしてもよい。

0040

〔グループ分類の例〕
管理用プログラム実行部302によるグループ分類は、以下の例により行われる。
全ての聴力データを所定の周波数(例えば、500Hz、1kHz、2kHz)で各レベルが共通するものを同じグループに分類し、グループ毎識別符号(ラベル等)を設定する。例えば、各周波数の音場閾値が10dB単位でみて共通するものを同じグループに分類する。

0041

ステップS102:管理用プログラム実行部302は、保有するデータの音場閾値又は補聴器の使用状況の少なくとも一方に基づいて、音場閾値データに「推奨度」を設定(付与)する。システム100は、その運用に際して、フィッティングデータ毎に使用状況の情報も合わせて保有しているものとする。使用状況は、例えば「試聴段階」、「調整段階」、「安定装用段階」といった複数段階で表される。「試聴段階」は使用者が補聴器を試している段階であり、「調整段階」は試聴から進んで調整を行っている段階であり、「安定装用段階」は調整段階を終えて補聴器を日常的に使用している段階である。

0042

〔推奨度設定の例〕
管理用プログラム実行部302による推奨度の設定は、以下の例により行われる。
(a)音場閾値が所定の周波数(例えば、500Hz、1kHz、2kHz)で35dB以下ならば、「推奨度」を「4」に設定する。
(b)補聴器の使用状況が「安定装用段階」ならば、「推奨度」を「5」に設定する。
なお、「推奨度」は、「5」が最高度合であり、「4」は2番目である。必要に応じて「3」以下の設定を設けてもよい。

0043

ステップS104:管理用プログラム実行部302は、専門の補聴器調整者の観点から補聴器の特性と使用者の聴力データによりフィッティングデータに「スコア」を付与する処理を実行する。具体的には、「スコア」を付与する基準は、補聴器の出力特性が、各周波数での所定の入力音圧(一般的に50dB〜90dB)において、使用者の聴力データ(最小可聴閾値と同じ)以上の音を出力し、かつ、不快閾値(UCL:うるさいと感じる音の大きさで人により異なる)よりも小さな音を出力することができるかである。そのような補聴器を使用する顧客(使用予定者)は、環境音クリア聴取することが可能になるであろう。したがってそのような補聴器に適用されたフィッティングデータには高い「スコア」を付与することができる。また、例えば一部の周波数において補聴器の出力音圧が聴力データを下回るような場合には、その時に適用されたフィッティングデータに対して次に高い「スコア」を付与することができる。しかしながら、不快閾値は聴力データの検査と別になるため、不快閾値のデータが得られない場合には専門の補聴器調整者が「スコア」を付与する。ただし、聴力データとともに不快閾値のデータがあれば上記により管理用プログラム実行部302は「スコア」を付与できる。システム100は、その運用に際してフィッティングデータが適用された補聴器の特性(利得、圧縮比、出力制限レベル等)の情報も合わせて保有しているものとする。利得や圧縮比、出力制限レベル等の特性は、実際の既使用者が装用する補聴器毎に異なるため、ここでは、個々の特性に対して予めプログラム上で割り当てられた値を「スコア」として自動的に付与するものとする。「スコア」は5段階評価とし、「5」が最高評価であり、「1」が最低評価である。なお、「スコア」はプログラムによる付与に代えて、専門家による人為的な付与を行ってもよい(この場合はシステム100の動作外となるが、提供方法の一部であることにかわりない。)。

0044

ステップS106:管理用プログラム実行部302は、「推奨度」及び「スコア」をそれぞれのフィッティングデータに事前付与した状態で聴力データと対応させてデータベース312に保管する。また、各フィッティングデータには「グループ分類ラベル」も紐付けられる。

0045

管理用プログラム実行部302は、以上の手順を実行してデータベース構築処理を終了する。これにより、システム100の運用に必要なデータベース312の内容が構築されることになる。

0046

データベース構成例〕
図4は、データベース312に保管されたデータの構成例を概念的に示す図である。
データベース312に保管されたデータは、例えば「データ番号(No.)」、「グループ分類ラベル(グループ)」、「聴力データ、音場閾値」、「フィッティングデータの実例」、「補聴器の使用状況」及び「スコア」が一纏めに紐付けられた状態にある(その他の情報を含めてもよい。)。なお、図4に示す「聴力データ、音場閾値」は実在のものではなく、あくまで便宜的に示したにすぎない。また、「フィッティングデータの実例」の欄は図面では空白として図示を省略しているが、ここには過去にフィッティングを行った実際のデータが保存されているものと理解されたい。以下、個別の例について説明する。

0047

データNo.1は、「グループ分類ラベル」が「F」であり、「聴力データ、音場閾値」は図示の実例(破線の音場閾値が35dB以下である例)であり、「補聴器の使用状況」は「安定装用段階」であり、したがって「推奨度」は「5」であり、「スコア」は「3」である。ここで、「スコア」には「1次スコア(図中左欄)」と「2次スコア(図中右欄)」があるものとし、このうち「1次スコア」がデータベース構築処理(図3のステップS104)で付与した値となる。なお、「グループ分類ラベル」は便宜的な記号であり、特にグループの等級などを表すものではない(以下同様)。

0048

データNo.2は、「グループ分類ラベル」が「B」であり、「聴力データ、音場閾値」は図示の実例(破線の音場閾値が35dB以下である例)であり、「補聴器の使用状況」は「調整段階」であり、したがって「推奨度」は「4」であり、「スコア」は「2」である。

0049

データNo.3は、「グループ分類ラベル」が「C」であり、「聴力データ、音場閾値」は図示の実例(破線の音場閾値が35dB以下である例)であり、「補聴器の使用状況」は「安定装用段階」であり、したがって「推奨度」は「5」であり、「スコア」は「4」である。

0050

データNo.4は、「グループ分類ラベル」が「P」であり、「聴力データ、音場閾値」は図示の実例(破線の音場閾値が35dB以下である例)であるが、「補聴器の使用状況」は「試聴段階」であり、したがって「推奨度」には何も設定されず、「スコア」は「1」である。

0051

データNo.5は、「グループ分類ラベル」が「Z」であり、「聴力データ、音場閾値」は図示の実例(破線の音場閾値が35dB以下である例)であり、「補聴器の使用状況」は「調整段階」であり、したがって「推奨度」は「4」であり、「スコア」は「4」である。
(以降のデータは図示及び説明を省略する。)

0052

図5は、フィッティングデータ提供処理の手順例を示すフローチャートである。フィッティングデータ提供処理は、サーバ機器300の管理用プログラム実行部302において実行されるものであり、以下では便宜上、「サーバ内処理(2)」と呼称する場合がある。以下、手順例に沿って説明する。

0053

ステップS200:管理用プログラム実行部302は、端末機器400から送信された聴力データやフィッティングデータの提供要求をサーバ機器300にて受信する。ここで受信した聴力データは、これから補聴器の使用を予定する顧客(使用予定者)の聴力データである。

0054

ステップS202:管理用プログラム実行部302はデータベース312にアクセスし、受信した聴力データと既使用者の聴力データが類似するフィッティングデータを抽出する。データベース312に保有しているデータが充分に多い数(例えば100万件程度)であれば、抽出したフィッティングデータは複数となる。このとき、抽出に際して聴力データに例えば10dB程度の幅を持たせる調整を行うこととしてもよい。また、管理用プログラム実行部302は、受信した聴力データに対して所定の周波数(例えば500Hz、1kHz、2kHz)でグループ分類を行い、データベース312上の同じグループ分類に該当するデータに絞り込んでフィッティングデータを抽出することもできる。これにより、抽出の高速化や高精度化が図られる。

0055

ステップS204:管理用プログラム実行部302は、抽出したフィッティングデータを「推奨度」及び「スコア」で選別する。選別は、「推奨度」の設定があるものに絞り込む、あるいは、「3」以上の「スコア」が付与されたものに絞り込む等によって行われる。また、管理用プログラム実行部302は適宜、絞り込んだ結果を「推奨度」及び「スコア」の高い順に並び替えた場合の序列が識別可能な状態にする。例示的には、選別したフィッティングデータに「推奨度」及び「スコア」(又はこれらの合算値)を紐付けた状態にしておくことである。

0056

ステップS206:そして、管理用プログラム実行部302は、選別したフィッティングデータをサーバ機器300から端末機器400に送信する。送信先の端末機器400は、先のステップS200でデータ提供要求を送信してきた固有送信元とする。このためサーバ機器300は、フィッティングデータを送信するまで送信元の端末機器400との間でセキュア通信セッションを維持しておくことができる。

0057

管理用プログラム実行部302は、以上の手順を実行してフィッティングデータ提供処理を終了する。これにより、システム100によるフィッティングデータの提供が実現されることになる。

0058

〔端末機器でのデータ受信〕
特に図示していないが、フィッティングデータを受信した端末機器400では、フィッティングソフトウエアによるデータソートが可能となる。具体的には、サーバ機器300から送信されてきたフィッティングデータを「推奨度」及び「スコア」の順(通常は降順)に表示部306に並べて表示することができる。なお、フィッティングデータの並べ替えをサーバ機器300が行った状態で端末機器400に送信することとしてもよい。

0059

これにより、補聴器販売店の調整者は、フィッティングに好ましい順で表示されたフィッティングデータを高位順で優先的に採用し、顧客(使用予定者)の補聴器をフィッティングすることができる。
なお、実際のフィッティング現場では、その他のパラメータによるフィッティングデータのさらなる絞り込みも行われる。例えば、語音明瞭度、補聴器の価格帯・形状・器種によって適用可能なフィッティングデータを絞り込んでもよい。これらの絞り込みに利用されるパラメータは、フィッティングデータに対応させてサーバ機器300に保管することができる。

0060

ユーザサイド処理〕
図6は、端末機器400内で実行されるフィッティング処理の手順例を示すフローチャートである。このフィッティング処理は、補聴器販売店の端末機器400が実行するフィッティングソフトウエアによる処理の一部であり、本実施形態のシステム100による動作外(ユーザサイドでの処理)ではあるが、システム100の運用と密接に関連する。以下、手順例に沿って説明する。

0061

ステップS300:端末機器400の制御部402は、フィッティングソフトウエア上でフィッティングデータの調整を行う。例えば、サーバ機器300から提供されたフィッティングデータを顧客(使用予定者)の要望等に応じて細かく調整する。操作に関する入力は、補聴器調整者によって行われる。

0062

ステップS302:端末機器400の制御部402は、提供されたフィッティングデータに対して装用者(顧客)の評価により「スコア」を付与する。例えば、サーバ機器300から提供されたフィッティングデータを適用して調整した補聴器の使用感を顧客に5段階で評価(主観的でもよい)してもらい、その結果をフィッティングデータに付与する。ここでの「スコア」の付与は、フィッティングソフトウエア上の操作により行うことができるものとする。

0063

ステップS304:そして、端末機器400の制御部402は、提供されたフィッティングデータに対する顧客評価の「スコア」をサーバ機器300に送信する。送信に際しては、提供元のフィッティングデータをサーバ機器300で特定可能なIDコード等を含めることができる。

0064

〔サーバ内処理〕
図7は、サーバ機器300内で実行されるデータベース更新処理の手順例を示すフローチャートである。データベース更新処理は、サーバ機器300の管理用プログラム実行部302において実行されるものであり、以下では便宜上、「サーバ内処理(3)」と呼称する場合がある。

0065

ステップS400:管理用プログラム実行部302は、端末機器400から送信された更新用データを受信する。更新用データには、提供元となったフィッティングデータのIDコードとともに、端末機器400で付与された顧客評価による「スコア」が含まれている。

0066

ステップS402:管理用プログラム実行部302は、顧客評価による「スコア」が付与されたフィッティングデータをデータベース312上で特定し、「スコア」を更新する。具体的には、データベース312に保管されている該当のフィッティングデータについて、先の「2次スコア」に顧客評価による「スコア」を追加で書き込む。

0067

管理用プログラム実行部302は、以上の手順を実行してデータベース更新処理を終了する。これにより、システム100が保有するデータベース312の内容が顧客(使用者)の評価により更新され、以後のデータ提供に反映されることになる。

0068

〔補聴器フィッティングデータ提供方法〕
図8は、一実施形態の補聴器フィッティングデータ提供方法の流れを概略的に示したフローチャートである。すなわち、本実施形態の補聴器フィッティングデータ提供方法は、以下のステップから構成される。
ステップS1000:ここでは、評価済み調整データの作成が行われる。このステップは、上述した「推奨度」及び「スコア」を付与した状態でフィッティングデータを保管し、システム100内にデータベース312を構築することに相当する。

0069

ステップS2000:ここでは、オージオグラム測定結果の入力が行われる。このステップは、上記のように端末機器400から送信された顧客の聴力データ(オージオグラム)をシステム100のサーバ機器300で受信(入力)することに相当する。

0070

ステップS3000:ここでは、評価済み調整データの抽出及び選別による提供が行われる。このステップは、システム100のサーバ機器300内でフィッティングデータの抽出と「推奨度」及び「スコア」による選別を行った上で端末機器400に送信(提供)することに相当する。

0071

ステップS4000:ここでは、評価済み調整データのユーザ選定(選択)及び評価が行われる。このステップはユーザ(補聴器販売店、使用者)サイドで行われるものであり、したがって、ステップS4000は本実施形態の提供方法を構成するものではないが、一連の流れの理解を容易にするため記載した。

0072

ステップS5000:ここでは、ユーザによる評価のフィードバックが行われる。このステップは、ユーザサイドで付与された評価による「スコア」が端末機器400から送信されると、これを用いてシステム100がサーバ機器300内のデータベース312を更新することに相当する。

0073

〔詳細フロー〕
図9は、本実施形態の補聴器フィッティングデータ提供方法の流れを詳細に示したフローチャートである。なお、用語「オージオグラム」と「聴力データ」の意味するところは同一である。本実施形態の提供方法を構成するステップS1000〜S5000は、より詳細には以下のステップを含む。

0074

〔ステップS1000の詳細〕
以下に示すステップS1000の詳細は、システム100のサーバ機器300で行われる「サーバ内処理(1)」に対応した方法的要素である。

0075

ステップS1002:先ず、保有する多数のフィッティングデータの実例について、それぞれ聴力データ測定結果の3点の周波数(500Hz/1kHz/2kHz)を10dB単位でグループ化する。具体的な内容は既に説明したとおりである。

0076

ステップS1004:次に、保有する多数のフィッティングデータの実例について、それぞれ3点の周波数(500Hz/1kHz/2kHz)での音場閾値が35dB以下、又は裸耳の半分以下の条件を満たすか否かを判定する。条件を満たす場合(Yes)はステップS1006に進み、条件を満たさない場合(No)はステップS1012に進む。

0077

〔条件を満たす場合〕
ステップS1006:先の条件を満たすフィッティングデータについて、「推奨度」をデフォルトで「4」に設定する。
ステップS1008:次に、同じフィッティングデータについて、使用状況が「安定装用段階」であるか否かを判断する。「安定装用段階(Yes)」であればステップS1010に進み、それ以外(No)であればステップS1012に進む。

0078

〔条件を満たし且つ安定装用段階の場合〕
ステップS1010:先のステップS1004の条件を満たし、且つ、「安定装用段階」であるフィッティングデータについては、「推奨度」を最高位の「5」に設定する。一方、先のステップS1004の条件を満たすが、「安定装用段階」でないフィッティングデータについては何もしない(「推奨度」は「4」のままとなる。)。

0079

ステップS1012:担当者(専門家)は、保有する多数のフィッティングデータの実例に対して、5段階評価で「スコア」を付与する。「スコア」の付与については既に述べたとおりである。また、ここでは担当者による人為的な付与を挙げているが、システム100を用いた場合はプログラム処理による自動的な付与が行われることとしてもよい。
以上が提供方法のステップS1000のより詳細な流れである。

0080

〔ステップS2000,S3000の詳細〕
以下に示すステップS2000及びステップS3000の詳細は、システム100のサーバ機器300で行われる「サーバ内処理(2)」に対応した方法的要素である。

0081

ステップS2002:聴力データ測定結果の入力の詳細は、聴力測定装置(聴力検査装置)にて測定した使用予定者のオージオグラムを取得し、そこから500Hz、1kHz、2kHzの各周波数における利得を取得することである。システム100を用いた提供方法においては、端末機器400から送信された聴力データ測定結果をサーバ機器300で受信し、各周波数における利得を入力することに相当する。
以上が提供方法のステップS2000の詳細である。

0082

ステップS3002:取得した聴力データの周波数グループ判別し、保有する多数のフィッティングデータの中で聴力データが同一グループに属するフィッティングデータを抽出する。具体的な内容は既に説明したとおりである。

0083

ステップS3004:抽出されたフィッティングデータが存在する場合(Yes)、ステップS3010にジャンプする。1回目の抽出でデータが存在しなければ(No)、次のステップS3006を実行する。

0084

〔1回目の抽出でデータが存在しない場合〕
ステップS3006:取得した聴力データを10dB減少させてデータ抽出試みる。これが既に述べた「抽出に際して聴力データに例えば10dB程度の幅を持たせる」ことに相当する。

0085

ステップS3008:その結果、抽出されたフィッティングデータが存在すれば(Yes)、次にステップS3010に進む。2回目の抽出でもデータが存在しなければ、ここで終了となる。この場合、その使用予定者に適合する既存のフィッティングデータが見当たらないため、補聴器販売店での個別対応となる。

0086

〔1回目又は2回目の抽出でデータが存在した場合〕
ステップS3010:抽出されたフィッティングデータの評価値である「推奨度」及び「スコア」を参照し、選別を行った上でユーザ(補聴器販売店、使用予定者)にフィッティングデータの提供を行う。選別は、「推奨度」及び「スコア」が高い順にデータを並べた場合の序列が認識可能な状態にすることで行われる。適宜、この時点で並び替えを行ってもよい。なお、データ選別及び提供の詳細は既に述べたとおりである。
以上が提供方法のステップS3000の詳細な流れである。

0087

〔ステップS4000の詳細〕
以下に示すステップS4000の詳細は、補聴器調整者、使用者等で行われる「ユーザサイド処理」に対応したものであり、本実施形態の提供方法の範囲外であるが、流れの理解のために説明するものである。

0088

ステップS4002:データ提供を受けたユーザ(補聴器販売店、使用予定者等)側では、補聴器の価格帯、形状、器種を組み合わせて適用可能なフィッティングデータを絞り込む。また、ここではデータ提供に際して付加された推奨度及びスコアの高い順にフィッティングデータを絞り込んでもよい。

0089

ステップS4004:絞り込みの結果、適用可能なフィッティングデータであれば(Yes)、次のステップS4006に進む。一方、絞り込んだデータがいずれも適用可能で内場合(No)、ここで終了する。この場合、上記のように補聴器販売店での個別対応となる。

0090

ステップS4006:補聴器調整者がフィッティングソフトウエアを用いてフィッティングデータの調整を行い、使用対象の補聴器をフィッティングする。具体的には、補聴器内部メモリに対する調整済みフィッティングデータの書き込み等である。

0091

ステップS4008:補聴器の調整を受けた顧客(使用予定者)が調整後の満足度を評価し、提供を受けたフィッティングデータの「スコア」に反映させる。詳細は既に述べたとおりである。
以上がステップS4000(ユーザサイド処理)の詳細な流れである。

0092

〔ステップS5000の詳細〕
以下に示すステップS5000の詳細は、システム100のサーバ機器300で行われる「サーバ内処理(3)」に対応した方法的要素である。
ステップS5002:顧客が満足度によって評価したフィッティングデータの「スコア」を収集し、提供の元となったフィッティングデータの「スコア」を更新する。これにより、更新後の「スコア」が以後のデータ提供方法にも活用され、より有用性の高いデータ提供を実現することができる。
以上が提供方法のステップS5000のより詳細な内容である。

0093

〔フィッティングデータ更新例〕
図10は、データベース312に保管されたデータの更新例を概念的に示す図である。
本実施形態の提供方法により顧客(使用者)の満足度による「スコア」を収集すると、上記のように提供の元となったフィッティングデータの「スコア」が更新される。この場合の更新例を示したものが図10中の「データNo.3」である。

0094

データNo.3は、本実施形態の提供方法を用いてユーザ(補聴器販売店、使用予定者)に提供されたフィッティングデータの実例であるが、このデータを用いて実際に補聴器のフィッティングを行い、実際に顧客が使用したときの満足度が高かった。そこで、顧客は主観的な評価として「とても良い」と判断し、「スコア」として「5」の評価値が補聴器販売店の端末機器400からシステム100のサーバ機器300にフィードバック送信された。

0095

サーバ機器300では、ユーザから「スコア」がフィードバック送信されると、提供元であるフィッティングデータがデータベース312上で「データNo.3」であったことを特定し、当該フィッティングデータの「スコア(例えば2次スコア)」に「5」を追加して更新する。これにより、以後のデータ提供において「データNo.3」の「スコア」は「1次スコア4」と「2次スコア5」を合算した「9」となる。したがって、仮に他のユーザに対する提供に際して「データNo.3」が抽出されたとすると、その後の選別時に「スコア=9」として扱われるため、前回の選別時よりも高順位で絞り込みの対象となる。

0096

このように、本実施形態の補聴器フィッティングデータ提供方法、この方法を実現する提供システム、そのためのコンピュータプログラムを用いることで、補聴器フィッティングにおいて以下の有用性を得ることができる。

0097

(1)提供方法の運用を通じ、使用者(装用者)の評価がデータベースにフィードバックされて蓄積していくので、データ提供を受けた販売店でのフィッティング時にその有効性人気度)を顧客に示すことができ、調整者や使用者(装用者)がフィッティングデータを選択する際の負担を軽減することができる。
(2)特にフィードバックがされていないフィッティングデータについても、データベースに保管されている時点で既に「推奨度」や「スコア(1次スコア)」といった評価値が付与されている。このため、単に「聴力データの類似」といった観点だけで抽出したデータ群を羅列して提供するのではなく、より有用性が高いと見込まれるデータに絞り込み、あるいは、有用度が高いと見込まれる順に並べ替えが可能な状態でデータを提供することができるので、データ提供を受け取った側で選択する際の負担を充分に軽減することができる。

0098

本発明は上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することが可能である。
一実施形態では、データベース312に保管するデータにそれぞれ「推奨度」及び「スコア」の両方を付与しているが、当初はいずれか一方だけを付与してもよい。例えば、当初は「推奨度」だけを付与しておき、その後にユーザ評価による「スコア」がフィードバックされた場合は「スコア」を更新し、以後の選別に反映させることとしてもよい。

0099

また、「推奨度」と「スコア」では付与の基準が異なるものであるが、データベース312に保管する際はこれらを1つの「評価値」として統合してもよい。例えば、「推奨度」が「4」、「スコア」が「3」であれば、これらを合算して「評価値=8」として保管してもよい。

0100

一実施形態では、聴力データのグループ分類に際して所定の周波数を3点(500Hz/1kHz/2kHz)としているが、その他の周波数(例えば、より広帯域)でグループを作成してもよい。

0101

また、一実施形態では補聴器販売店に端末機器400を設置してシステム100によるデータ提供方法を利用する例を挙げているが、システム100に対するデータ要求やシステム100から各販売店へのデータ提供はネットワーク200上でなされるものに限らず、例えば、書面やファクシミリ等による遣り取りを通じてデータ提供を行うこととしてもよい。

0102

その他、システム100の構成例として挙げた各種のコンピュータ機器、ハードウエアはあくまで例示であり、本発明の実施に際して適宜に変形が可能であることはいうまでもない。

0103

100補聴器フィッティングデータ提供システム
200ネットワーク
300サーバ機器
302管理用プログラム実行部
312データベース
400端末機器
500中継器
600 補聴器
700 聴力検査装置

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