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図面 (10)

課題

車両のボディへの干渉を避けて、車両の移動を円滑にすることができる車両移動台車を提供すること。

解決手段

車両移動台車1は、台車ベース2、モータ31、駆動シャフト32、一対の走行用ローラ51及び回転用ローラ52を備える。一対の走行用ローラ51は、一対のベース側部21A,21Bの各々に回転可能に支持されており、車両移動台車1の走行面に接地された状態で、駆動シャフト32の回転を受けて、車両移動台車1を走行させるための第1回転方向従動回転する。回転用ローラ52は、一対の走行用ローラ51よりも走行方向Lの後方L2において、一対のベース側部21A,21Bの間に回転可能に支持されており、タイヤ81に接触した状態で、駆動シャフト32の回転を受けて、第1回転方向とは逆の第2回転方向へ従動回転して、タイヤ81を第1回転方向へ回転させる。

概要

背景

自動車製造工場においては、タイヤ取付けが完了している車両を、自走させることなく移動させるために、車両におけるタイヤを外部から回転させながら走行する車両移動台車を用いることがある。例えば、特許文献1の車両の運搬装置は、電動機によって回転する走行用ローラ車輪)と、走行用ローラに圧接されるとともに車両のタイヤに圧接される圧接ローラと、作業者把持する手押し用ハンドルとを備える。そして、ハンドルを把持する作業者の操作によって電動機を回転させたときには、走行用ローラによって運搬台車が走行する。また、このときには、走行用ローラの回転を受けて圧接ローラが従動回転し、圧接ローラによって車両のタイヤが回転して車両が移動する。

また、車両ではなくロール体を移動させる装置としては、例えば、特許文献2のロール体の移動装置がある。この移動装置は、エアモータによって回転して移動装置を走行させる走行ローラと、エアモータによって回転するとともにロール体に接触してロール体を回転させる回転ローラと、作業者が把持する手押し用のハンドルとを備える。この移動装置は、エアモータによって走行ローラと回転ローラとを別々に駆動する。

概要

車両のボディへの干渉を避けて、車両の移動を円滑にすることができる車両移動台車を提供すること。車両移動台車1は、台車ベース2、モータ31、駆動シャフト32、一対の走行用ローラ51及び回転用ローラ52を備える。一対の走行用ローラ51は、一対のベース側部21A,21Bの各々に回転可能に支持されており、車両移動台車1の走行面に接地された状態で、駆動シャフト32の回転を受けて、車両移動台車1を走行させるための第1回転方向へ従動回転する。回転用ローラ52は、一対の走行用ローラ51よりも走行方向Lの後方L2において、一対のベース側部21A,21Bの間に回転可能に支持されており、タイヤ81に接触した状態で、駆動シャフト32の回転を受けて、第1回転方向とは逆の第2回転方向へ従動回転して、タイヤ81を第1回転方向へ回転させる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

車両におけるタイヤを外部から回転させながら走行して、前記車両を移動させる車両移動台車であって、前記車両移動台車の走行方向に直交する左右方向の両側に配置された一対のベース側部を有する台車ベースと、前記台車ベースに配設され、回転力を発生させる駆動源と、一対の前記ベース側部の間に支持され、前記駆動源の回転を受けて従動回転する駆動シャフトと、一対の前記ベース側部の各々に回転可能に支持され、前記車両移動台車の走行面に接地された状態で、前記駆動シャフトの回転を受けて、前記車両移動台車を走行させるための第1回転方向へ従動回転する一対の走行用ローラと、一対の前記走行用ローラよりも前記走行方向の後方において、一対の前記ベース側部の間に回転可能に支持され、前記タイヤに接触した状態で、前記駆動源又は前記駆動シャフトの回転を受けて、前記第1回転方向とは逆の第2回転方向へ従動回転して、前記タイヤを前記第1回転方向へ回転させる回転用ローラと、を備え、一対の前記走行用ローラの間であって前記回転用ローラの前記走行方向の前方には、前記タイヤを配置するためのタイヤ配置スペースが形成されている、車両移動台車。

請求項2

前記駆動源は、一対の前記ベース側部の一方である第1ベース側部に配置されており、前記第1ベース側部が前記車両のボディ側方に配置されるとともに、一対の前記ベース側部の他方である第2ベース側部が前記車両のボディの下方に配置される、請求項1に記載の車両移動台車。

請求項3

前記回転用ローラの外周面周速度は、一対の前記走行用ローラの外周面の周速度よりも速い、請求項1又は2に記載の車両移動台車。

請求項4

前記台車ベースには、前記回転用ローラに接触する前記タイヤに前記走行方向の前方から対向させることが可能なストッパーが配設されており、前記ストッパーは、前記タイヤが、前記回転用ローラによらずに前記第1回転方向に回転して前記回転用ローラから所定の距離を超えて離れることを防止するよう構成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両移動台車。

請求項5

前記台車ベースには、前記車両移動台車を前記走行方向へ前進させるために、前記駆動源を正方向に回転させるときに、前記駆動源が逆方向へ回転することを阻止するラチェット機構が配設されている、請求項4に記載の車両移動台車。

請求項6

前記ラチェット機構は、外周面に複数の被係止歯が形成されたラチェット歯車と、前記被係止歯を係止可能な係止爪とを有しており、前記ラチェット歯車は、前記駆動シャフトの外周、又は前記駆動源の回転を受けて前記駆動シャフトとともに従動回転するラチェットシャフトの外周に、ワンウェイクラッチを介して配設されており、前記ワンウェイクラッチは、前記駆動源からの正方向の回転力によって、前記駆動シャフト又は前記ラチェット用シャフトが正方向へ従動回転するときには、前記駆動シャフト又は前記ラチェット用シャフトと前記ラチェット歯車との連結を解除して、前記駆動シャフト又は前記ラチェット用シャフトを前記ラチェット歯車に対して空転させる解除状態と、前記車両から前記駆動源を逆方向へ回転させようとする外力が加わり、前記駆動シャフト又は前記ラチェット用シャフトが逆方向へ回転しようとするときには、前記駆動シャフト又は前記ラチェット用シャフトと前記ラチェット歯車とを連結して、前記駆動シャフト又は前記ラチェット用シャフトと前記ラチェット歯車とを一体的に回転させる連結状態とを形成可能であり、前記車両移動台車は、前記ワンウェイクラッチの前記解除状態が形成されるときには、前記ラチェット歯車及び前記係止爪を停止させたまま前記走行方向へ前進可能である一方、前記ワンウェイクラッチの前記連結状態が形成されるときには、前記ラチェット歯車の前記被係止歯が前記係止爪に係止されることによって前記走行方向へ後退不能である、請求項5に記載の車両移動台車。

請求項7

前記ストッパーは、前記車両移動台車によって前記車両を移動させる場合に、前記タイヤに対して前記走行方向の前方から対向する使用位置と、前記車両移動台車を単独で移動させる場合に、前記使用位置から退避した退避位置とに可動するよう構成されており、前記係止爪は、前記ストッパーが前記使用位置にあるときに、前記被係止歯に対して接触する一方、前記ストッパーが前記退避位置にあるときに、前記被係止歯から退避するよう構成されており、前記ストッパーが前記使用位置にあるときには、前記車両移動台車を前記走行方向へ前進のみさせることが可能である一方、前記ストッパーが前記退避位置にあるときには、前記車両移動台車を前記走行方向へ前進及び後退させることが可能である、請求項6に記載の車両移動台車。

請求項8

前記台車ベースにおける前記走行方向の後方位置には、作業者把持するための操作ハンドルが設けられており、前記操作ハンドルは、前記前後方向の一方側へ押したときに、前記駆動源を正方向へ回転させる一方、前記前後方向の他方側へ引いたときに、前記駆動源を逆方向へ回転させるよう構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両移動台車。

技術分野

0001

本発明は、車両におけるタイヤを外部から回転させながら走行して、車両を移動させる車両移動台車に関する。

背景技術

0002

自動車製造工場においては、タイヤの取付けが完了している車両を、自走させることなく移動させるために、車両におけるタイヤを外部から回転させながら走行する車両移動台車を用いることがある。例えば、特許文献1の車両の運搬装置は、電動機によって回転する走行用ローラ車輪)と、走行用ローラに圧接されるとともに車両のタイヤに圧接される圧接ローラと、作業者把持する手押し用ハンドルとを備える。そして、ハンドルを把持する作業者の操作によって電動機を回転させたときには、走行用ローラによって運搬台車が走行する。また、このときには、走行用ローラの回転を受けて圧接ローラが従動回転し、圧接ローラによって車両のタイヤが回転して車両が移動する。

0003

また、車両ではなくロール体を移動させる装置としては、例えば、特許文献2のロール体の移動装置がある。この移動装置は、エアモータによって回転して移動装置を走行させる走行ローラと、エアモータによって回転するとともにロール体に接触してロール体を回転させる回転ローラと、作業者が把持する手押し用のハンドルとを備える。この移動装置は、エアモータによって走行ローラと回転ローラとを別々に駆動する。

先行技術

0004

実開昭59−190657号公報
特開平9−240817号公報

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1においては、走行用ローラが車両のタイヤよりも走行方向の後方に位置するとともに、圧接ローラがタイヤの外周面における上下方向の中心に近い位置に圧接される。これにより、圧接ローラからタイヤに加わる力は、タイヤを持ち上げようとする力ではなく、純粋にタイヤを回転させようとする力になる。そのため、圧接ローラとタイヤとの間にスリップが生じやすい。特に、重い車両の移動、車両の上り傾斜面の移動等を行う場合には、圧接ローラからタイヤへ十分に力を伝達できず、圧接ローラとタイヤとの間に生じるスリップが顕著になる。また、走行用ローラに車両から十分な重力が作用せず、走行用ローラと走行面との間にもスリップが生じやすい。

0006

一方、特許文献2においては、ロール体が車両のタイヤに比べて相当に大きいために、走行ローラがロール体の外周面の斜め下側に位置し、回転ローラがロール体の外周面の斜め下側に圧接される。そのため、回転ローラとロール体との間にロール体の重力による摩擦力が作用しやすくなり、回転ローラとロール体との間にスリップが生じにくくなる。同様に、走行ローラと走行面との間にもスリップが生じにくくなる。

0007

しかし、ロール体を移動させる特許文献2の移動装置を、車両の移動にそのまま適用することはできない。すなわち、車両におけるタイヤはロール体に比べて相当に小さく、この小さなタイヤを効果的に回転させるためには、車両移動台車の走行用ローラに工夫が必要となる。また、車両を移動させる場合には、タイヤの周囲にボディが存在し、ボディとの干渉を避けて車両移動台車を構成する必要もある。

0008

本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、車両のボディへの干渉を避けて、車両の移動を円滑にすることができる車両移動台車を提供しようとして得られたものである。

課題を解決するための手段

0009

本発明の一態様は、車両におけるタイヤを外部から回転させながら走行して、前記車両を移動させる車両移動台車であって、
前記車両移動台車の走行方向に直交する左右方向の両側に配置された一対のベース側部を有する台車ベースと、
前記台車ベースに配設され、回転力を発生させる駆動源と、
一対の前記ベース側部の間に支持され、前記駆動源の回転を受けて従動回転する駆動シャフトと、
一対の前記ベース側部の各々に回転可能に支持され、前記車両移動台車の走行面に接地された状態で、前記駆動シャフトの回転を受けて、前記車両移動台車を走行させるための第1回転方向へ従動回転する一対の走行用ローラと、
一対の前記走行用ローラよりも前記走行方向の後方において、一対の前記ベース側部の間に回転可能に支持され、前記タイヤに接触した状態で、前記駆動源又は前記駆動シャフトの回転を受けて、前記第1回転方向とは逆の第2回転方向へ従動回転して、前記タイヤを前記第1回転方向へ回転させる回転用ローラと、を備え、
一対の前記走行用ローラの間であって前記回転用ローラの前記走行方向の前方には、前記タイヤを配置するためのタイヤ配置スペースが形成されている、車両移動台車にある。

発明の効果

0010

前記車両移動台車においては、台車ベースの構成及び走行用ローラの配置に特徴があり、また、新たに駆動シャフトを用いていることにも特徴がある。
具体的には、前記車両移動台車においては、走行用ローラは、台車ベースの一対のベース側部の各々に回転可能に支持し、回転用ローラは、一対のベース側部の間に回転可能に支持している。そして、一対の走行用ローラの間であって回転用ローラの走行方向の前方には、タイヤを配置するためのタイヤ配置スペースを形成している。

0011

この構成により、車両移動台車によって車両を移動させるときには、一対の走行用ローラは、車両におけるタイヤの両側面に対向する位置に配置することができ、走行用ローラを、タイヤの外周面の斜め下側に配置する必要がなくなる。これにより、タイヤの大きさに左右されずに、走行用ローラの配置箇所をタイヤの最下端点に近づけることができる。また、走行用ローラがタイヤの外周面の斜め下側に配置されないことにより、回転用ローラを、タイヤの外周面の斜め下側に配置しやすくすることができる。

0012

そして、車両のボディからタイヤに作用する重力を一対の走行用ローラ及び回転用ローラに効果的に作用させることができ、一対の走行用ローラと走行面との間、回転用ローラとタイヤとの間に効果的に摩擦力を作用させることができる。これにより、駆動源によって回転用ローラに伝達する回転力がタイヤに伝わりやすくし、一対の走行用ローラと走行面との間、及び回転用ローラとタイヤとの間にスリップが生じにくくすることができる。そのため、車両移動台車による車両の移動を円滑にすることができる。

0013

また、一対の走行用ローラと回転用ローラとが接触しておらず、一対の走行用ローラと回転用ローラとには、駆動源又は駆動シャフトから別々に回転力が伝達される。これにより、回転用ローラの回転が、一対の走行用ローラの回転による影響を受けにくくし、車両移動台車による車両の移動をより円滑にすることができる。

0014

また、回転用ローラが一対の前記走行用ローラよりも走行方向の後方に配置されていることにより、一対の走行用ローラの配置箇所と回転用ローラの配置箇所とが上下方向に重ならないようにすることができる。これにより、台車ベース、一対の走行用ローラ、回転用ローラ等が車両のボディに干渉しないようにすることができる。

0015

それ故、前記車両移動台車によれば、車両のボディへの干渉を避けて、車両の移動を円滑にすることができる。

図面の簡単な説明

0016

実施形態にかかる、車両移動台車を示す斜視図。
実施形態にかかる、車両移動台車を上方から見た状態で示す平面図。
実施形態にかかる、車両移動台車を側方から見た状態で示す正面図。
実施形態にかかる、車両移動台車を側方から見た状態で示し、走行用ローラの周辺を示す正面図。
実施形態にかかる、車両移動台車を側方から見た状態で示し、回転用ローラの周辺を示す正面図。
実施形態にかかる、駆動シャフト、走行用ローラ及び第2回転力伝達部材を模式的に示す説明図。
実施形態にかかる、駆動シャフト、回転用ローラ及び第3回転力伝達部材を模式的に示す説明図。
実施形態にかかる、ラチェットシャフト及びラチェット機構の周辺を、上方から見た状態で示す平面図。
実施形態にかかる、ラチェット用シャフト及びラチェット機構の周辺を、側方から見た状態で示す正面図。

実施例

0017

前述した車両移動台車にかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
本形態の車両移動台車1は、図1図3に示すように、車両8におけるタイヤ81を外部から回転させながら走行して、車両8を移動させるものである。車両移動台車1は、台車ベース2、駆動源としてのモータ31、駆動シャフト32、一対の走行用ローラ51及び回転用ローラ52を備える。台車ベース2は、車両移動台車1の走行方向Lに直交する左右方向Wの両側に配置された一対のベース側部21A,21Bを有する。モータ31は、台車ベース2に配設されており、回転力を発生させるものである。駆動シャフト32は、一対のベース側部21A,21Bの間に支持されており、モータ31の回転を受けて従動回転するものである。なお、車両移動台車1の走行方向Lは、車両移動台車1の前後方向と同じである。

0018

一対の走行用ローラ51は、図2及び図4に示すように、一対のベース側部21A,21Bの各々に回転可能に支持されており、車両移動台車1の走行面Gに接地された状態で、駆動シャフト32の回転を受けて、車両移動台車1を走行させるための第1回転方向D1へ従動回転するものである。回転用ローラ52は、図2及び図5に示すように、一対の走行用ローラ51よりも走行方向Lの後方L2において、一対のベース側部21A,21Bの間に回転可能に支持されており、タイヤ81に接触した状態で、駆動シャフト32の回転を受けて、第1回転方向D1とは逆の第2回転方向D2へ従動回転して、タイヤ81を第1回転方向D1へ回転させるものである。図1及び図2に示すように、一対の走行用ローラ51の間であって回転用ローラ52の走行方向Lの前方L1には、タイヤ81を配置するためのタイヤ配置スペースSが形成されている。

0019

以下に、本形態の車両移動台車1について詳説する。
(車両移動台車1)
図1及び図3に示すように、車両移動台車1は、自動車製造工場において、タイヤ81の取付けが行われた車両8を移動させるために用いられる。車両8は、自走できない状態にある車両とし、完成車であっても未完成車であってもよい。車両移動台車1は、タイヤ81を回転させずに車両8を運搬する搬送装置等の代わりに、車両8を1台ずつ個別に移動させるために用いられる。

0020

車両移動台車1によって移動させる車両8においては、ハンドルを真っ直ぐにし、かつサイドブレーキ解除するとともにシフトポジションニュートラルにする。車両移動台車1は、車両8の後方車輪に対して後方から対向させるように配置し、後方車輪を回転させて車両8を移動させる。

0021

(台車ベース2)
図2及び図3に示すように、台車ベース2は、金属フレームによって構成されており、一対のベース側部21A,21Bと、一対のベース側部21A,21Bの走行方向Lの後端部を連結する連結部22とを有する。一対のベース側部21A,21Bに各々支持された走行用ローラ51は、車両移動台車1の前方車輪として設けられている。走行用ローラ51は、その向き(回転方向)が不変である固定ローラによって構成されている。連結部22には、モータ31によって駆動されない、自由に回転可能な後方車輪53が設けられている。後方車輪53は、車両移動台車1の操舵を可能にするために、向き(回転方向)が可変である自在ローラによって構成されている。

0022

台車ベース2には、モータ31に動力を供給するバッテリー23が取り付けられている。バッテリー23は、充電可能なリチウムイオン電池等の蓄電池である。台車ベース2における走行方向Lの後方L2の位置にある連結部22には、作業者が把持するための操作ハンドル24が設けられている。操作ハンドル24は、前後方向の一方側としての前側へ押したときに、モータ31を正方向C1へ回転させる一方、前後方向の他方側としての後側へ引いたときに、モータ31を逆方向C2へ回転させるよう構成されている。操作ハンドル24は台車ベース2に固定されており、操作ハンドル24の押し引きは、操作ハンドル24に生じる歪みを測定することによって検知する。

0023

台車ベース2には、操作ハンドル24を前側へ押したこと及び操作ハンドル24を後側へ引いたことを測定するためのセンサが設けられている。このセンサは、伸縮するときに抵抗値を変化させる歪みゲージを用いて構成されている。そして、車両移動台車1の制御装置は、センサから送られる、操作ハンドル24を前側へ押したか後側へ引いたかの信号を受けて、モータ31を正方向C1又は逆方向C2に回転させ、車両移動台車1を前進又は後退させるよう構成されている。なお、操作ハンドル24及びセンサの構造を工夫して、モータ31の回転速度を調整可能にし、所望の速度で車両移動台車1を前進又は後退させるようにしてもよい。本形態の車両移動台車1は、作業者の操作ハンドル24の操作を受けて動作するモータ31によって走行するパワーアシスト台車として機能する。

0024

モータ31が正方向C1に回転するときには、車両移動台車1が走行方向Lへ前進するものとし、モータ31が逆方向C2に回転するときには、車両移動台車1が走行方向Lへ後退するものとする。図4に示すように、一対の走行用ローラ51の第1回転方向D1とは、車両移動台車1が前進するときの走行用ローラ51の回転方向のことを示す。図5に示すように、回転用ローラ52の第2回転方向D2とは、車両移動台車1が前進するときに、回転用ローラ52が走行用ローラ51とは逆の方向に回転することを示す。

0025

(モータ31及び第1回転力伝達部材41)
図2及び図4に示すように、本形態においては、2つのモータ31を用いることにより、小さな容量のモータ31を使用して大きなトルクを得ている。2つのモータ31の出力軸311と駆動シャフト32とは、回転力を伝達するための第1回転力伝達部材41によって連結されている。モータ31及び第1回転力伝達部材41は、一対のベース側部21A,21Bとしての第1ベース側部21A及び第2ベース側部21Bのうちの第1ベース側部21Aに配置されている。本形態の第1回転力伝達部材41は、モータ31の出力軸311及び駆動シャフト32に取り付けられた、回転部材としてのスプロケット411と、スプロケット411に掛け渡された、線部材としてのチェーン412とによって構成されている。なお、例えば、スプロケット411の代わりにプーリ歯車等を用い、チェーン412の代わりにベルト歯付ベルト等を用いてもよい。

0026

(走行用ローラ51及び回転用ローラ52)
走行用ローラ51の外周面及び回転用ローラ52の外周面には、走行面Gに対してスリップしにくいゴム等の外周部が設けられている。図5に示すように、回転用ローラ52は、タイヤ81の外周面の斜め下側に配置するよう、一対のベース側部21A,21Bの間において、できるだけ走行面Gに近い低い位置に配置されている。タイヤ81の最下端点811と、タイヤ81及び回転用ローラ52が互いに接触する接触点812とを結ぶ仮想線Kの、走行面Gに対する傾斜角度θは、例えば、10〜30°の範囲内に設定することができる。

0027

(駆動シャフト32、第2回転力伝達部材42及び第3回転力伝達部材43)
図2図4及び図5に示すように、駆動シャフト32は、モータ31による回転力を一対の走行用ローラ51及び回転用ローラ52に伝達するために用いられる。モータ31による回転力は、駆動シャフト32から一対の走行用ローラ51と回転用ローラ52とに分配して伝達される。駆動シャフト32と一対の走行用ローラ51とは、回転力を伝達するための第2回転力伝達部材42によって連結されている。駆動シャフト32と回転用ローラ52とは、回転力を伝達するための第3回転力伝達部材43によって連結されている。

0028

図4に示すように、本形態の第2回転力伝達部材42は、駆動シャフト32及び走行用ローラ51の中心軸にそれぞれ取り付けられた、回転部材としてのスプロケット421,422と、スプロケット421,422間に掛け渡された、線部材としてのチェーン423とによって構成されている。そして、モータ31及び駆動シャフト32が正方向C1に回転するときには、第2回転力伝達部材42を介して走行用ローラ51が第1回転方向D1に回転する。なお、例えば、スプロケット421,422の代わりにプーリ、歯車等を用い、チェーン423の代わりにベルト、歯付ベルト等を用いてもよい。

0029

図5に示すように、本形態の第3回転力伝達部材43は、駆動シャフト32及び回転用ローラ52の中心軸にそれぞれ取り付けられた、回転部材としてのギヤ431,432によって構成されている。そして、モータ31及び駆動シャフト32が正方向C1に回転するときには、2つのギヤ431,432を介して回転用ローラ52が第2回転方向D2に回転する。

0030

第2回転力伝達部材42による、駆動シャフト32から一対の走行用ローラ51への回転力の伝達と、第3回転力伝達部材43による、駆動シャフト32から回転用ローラ52への回転力の伝達とを別々に行うことにより、一対の走行用ローラ51の外周面の周速度v1と回転用ローラ52の外周面の周速度v2とを互いに異ならせることができる。これらの周速度v1,v2は、第2回転力伝達部材42及び走行用ローラ51による減速比と、第3回転力伝達部材43及び回転用ローラ52による減速比とを異ならせることにより、異ならせることができる。

0031

(走行用ローラ51及び回転用ローラ52の周速度v1,v2)
本形態においては、車両移動台車1によって車両8を移動させるときに、一対の走行用ローラ51による車両移動台車1の走行速度に比べて、車両8の移動速度が若干速くなるようにする。そして、回転用ローラ52にタイヤ81が接触するときには、タイヤ81を、回転用ローラ52によって回転させると同時に、走行方向Lの前方L1へ意図的に押し出すようにしている。これにより、車両移動台車1による車両8の移動を円滑にする。そして、車両移動台車1の走行速度に比べて車両8の移動速度が若干速くなるようにするために、回転用ローラ52の外周面の周速度v2が、一対の走行用ローラ51の外周面の周速度v1よりも速くなるようにしている。回転用ローラ52の外周面の周速度v2は、一対の走行用ローラ51の外周面の周速度v1よりも、例えば、1〜50mm/s速くすることができる。

0032

一対の走行用ローラ51の外周面の周速度v1は、次の式によって求められる。
図6に示すように、駆動シャフト32に設けられた、第2回転力伝達部材42のスプロケット421のピッチ円直径をd1(mm)、走行用ローラ51と同軸に設けられた、第2回転力伝達部材42のスプロケット422のピッチ円直径をd2(mm)、走行用ローラ51の外周面の直径をd3(mm)とする。また、駆動シャフト32の回転速度をn1(rps)、走行用ローラ51及び走行用ローラ51と同軸に設けられたスプロケット422の回転速度をn2(rps)とする。このとき、走行用ローラ51の外周面の周速度v1(mm/s)は、v1=π・d3・n2=π・d3・d1/d2・n1によって求められる。

0033

また、図7に示すように、駆動シャフト32に設けられた、第3回転力伝達部材43のギヤ431のピッチ円直径をd4(mm)、回転用ローラ52と同軸に設けられた、第3回転力伝達部材43のギヤ432のピッチ円直径をd5(mm)、回転用ローラ52の外周面の直径をd6(mm)とする。また、駆動シャフト32の回転速度をn1(rps)、回転用ローラ52及び回転用ローラ52と同軸に設けられたギヤ432の回転速度をn3(rps)とする。このとき、回転用ローラ52の外周面の周速度v2(mm/s)は、v2=π・d6・n3=π・d6・d4/d5・n1によって求められる。

0034

そして、第3回転力伝達部材43のギヤ431,432及び回転用ローラ52による減速比を決定するd6・d4/d5を、第2回転力伝達部材42のスプロケット421,422及び走行用ローラ51による減速比を決定するd3・d1/d2よりも若干大きくすることによって、回転用ローラ52の外周面の周速度v2を、一対の走行用ローラ51の外周面の周速度v1よりも若干速くする。

0035

図2に示すように、各走行用ローラ51は、各ベース側部21A,21Bの走行方向Lの前端部に配置されている。各走行用ローラ51は、回転用ローラ52よりも走行方向Lの前方L1に配置されている。また、駆動シャフト32は、回転用ローラ52よりも走行方向Lの後方L2に配置されている。タイヤ配置スペースSは、一対のベース側部21A,21Bと回転用ローラ52によって囲まれた、走行方向Lの後方L2に凹む凹状のスペースとして形成されている。

0036

図1に示すように、モータ31が配置された第1ベース側部21Aの高さは、第2ベース側部21Bの高さに比べて高い。また、第1ベース側部21Aの高さは、車両8のボディの高さよりも高い。そこで、車両移動台車1によって車両8を移動させるときには、第1ベース側部21Aが車両8のボディの側方に配置されるとともに、第2ベース側部21Bが車両8のボディの下方に配置される。これにより、モータ31等が配置された第1ベース側部21Aと、車両8のボディとの干渉を避けることができる。

0037

車両8が慣性によって移動しやすい場合、車両8を下り勾配の走行面Gを移動させる場合等においては、車両移動台車1によって移動させる車両8が、必要以上に車両移動台車1に対して相対的に前進することが想定される。また、車両8を上り勾配の走行面Gを移動させる場合等においては、車両8から車両移動台車1へ、車両移動台車1を後退させようとする重力が作用することが想定される。本形態の車両移動台車1においては、車両8が前進し過ぎることを防止するためのストッパー61と、車両8が後退することを防止するためのラチェット機構7とが設けられている。そして、車両移動台車1によって車両8を移動させるときには、ストッパー61及びラチェット機構7を機能させ、車両移動台車1を単独で走行させるときには、ストッパー61及びラチェット機構7が機能しないようにする。

0038

(ストッパー61)
図1図2に示すように、ストッパー61は、台車ベース2に配設されており、回転用ローラ52に接触するタイヤ81に走行方向Lの前方L1から対向させることが可能である。ストッパー61は、タイヤ81が、回転用ローラ52によらずに第1回転方向D1に回転して、回転用ローラ52から所定の距離を超えて離れることを防止するよう構成されている。ストッパー61は、空転可能なローラによって形成されている。ストッパー61は、台車ベース2の第1ベース側部21Aの走行方向Lの前端部に回動可能に設けられたアーム62に取り付けられている。

0039

ストッパー61は、車両移動台車1によって車両8を移動させる場合に、タイヤ81に対して走行方向Lの前方L1から対向する使用位置601と、車両移動台車1を単独で走行させる場合に、使用位置601から退避した退避位置602とに可動するよう構成されている。ストッパー61は、台車ベース2の第1ベース側部21Aに配置されたレバー63の操作を受けて、使用位置601と退避位置602との間に移動可能である。レバー63とアーム62との間は、リンク64によって連結されており、レバー63の操作は、リンク64を介してアーム62及びストッパー61を回動させる動作となる。台車ベース2には、ストッパー61の使用位置601及び退避位置602のそれぞれに対応する各位置に、レバー63を保持するための倣い板631が設けられている。

0040

ストッパー61は、タイヤ81の前方L1に配置され、タイヤ81によって踏まれることにより、タイヤ81が前方L1へ転がることを防止する。そのため、ストッパー61を回動させるためのリンク64等には大きな強度を必要としない。また、ストッパー61は空転可能な構造を有しているため、車両移動台車1の走行に支障を来たさない。

0041

(ラチェット機構7)
図8及び図9に示すように、ラチェット機構7は、車両移動台車1を前進させるために、モータ31を正方向C1に回転させるときに、外力によってモータ31が逆方向C2へ回転することを阻止するものである。ラチェット機構7は、台車ベース2の第1ベース側部21Aに配設されている。ラチェット機構7は、外周面に複数の被係止歯711が形成されたラチェット歯車71と、被係止歯711を係止可能な係止爪72とを有する。ラチェット歯車71は、モータ31の回転を受けて駆動シャフト32とともに従動回転するラチェット用シャフト33に取り付けられており、係止爪72は、被係止歯711に係合するよう、第1ベース側部21Aに回動可能に設けられている。第1回転力伝達部材41は、2つのモータ31の出力軸311、駆動シャフト32及びラチェット用シャフト33に掛け渡されている。

0042

ラチェット機構7は、ラチェット用シャフト33及びラチェット歯車71が一方向へ回転しようとするときには、係止爪72が被係止歯711の表面を滑って、ラチェット歯車71の一方向への回転を許容する一方、ラチェット用シャフト33及びラチェット歯車71が他方向へ回転しようとするときには、係止爪72が被係止歯711を係止して、ラチェット歯車71の他方向への回転を阻止するものである。ただし、本形態のラチェット機構7は、ワンウェイクラッチ73を内部に設けることにより、ラチェット用シャフト33及びラチェット歯車71が一方向へ回転しようとするときには、ラチェット用シャフト33を空転させることによってラチェット歯車71が回転しないようにし、係止爪72が被係止歯711の表面を滑るときの音が発生しないようにしている。

0043

係止爪72は、付勢バネ731による付勢力を受けて、ラチェット歯車71の被係止歯711に係合している。本形態の付勢バネ731は、板バネによって構成されている。付勢バネ731は、コイルバネ等によって構成することもできる。また、ウェイトによる重力を係止爪72に作用させて、係止爪72が被係止歯711に係合するようにしてもよい。

0044

図2図4及び図9に示すように、本形態のラチェット機構7は、ストッパー61が使用位置601にあるときに機能し、ストッパー61が退避位置602にあるときには機能しない。具体的には、ラチェット機構7の係止爪72は、ストッパー61を可動させるレバー63の操作を受けて回動する。係止爪72は、ストッパー61が使用位置601にあるときには、ラチェット歯車71の被係止歯711に対して接触する接触位置703にあり、ストッパー61が退避位置602にあるときには、ラチェット歯車71の被係止歯711から退避する退避位置704にある。レバー63は、第1ベース側部21Aに回動可能に支持された回動支点部631を中心に回動可能であり、回動支点部631には、係止爪72に設けられた被押圧部721を押圧するための押圧部632が設けられている。

0045

(ワンウェイクラッチ73)
図9に示すように、ラチェット歯車71は、ラチェット用シャフト33の外周に、ワンウェイクラッチ73を介して配設されている。ワンウェイクラッチ73は、ラチェット歯車71に対するラチェット用シャフト33の一方向への回転を許容する一方、ラチェット歯車71に対するラチェット用シャフト33の他方向への回転を阻止するものである。本形態のワンウェイクラッチ73は、ローラ731及びスプリング732を用いて回転方向を規制するカム式のものである。この他にも、ワンウェイクラッチ73は、種々の構造を有するものとすることができ、例えば、だるま形のスプラグの噛み合いを利用して回転方向を規制するスプラグ式のもの等とすることができる。

0046

ワンウェイクラッチ73は、モータ31からの正方向C1の回転力によって、車両移動台車1を前進させて車両8を移動させるときに、ラチェット用シャフト33をラチェット歯車71に対して空転させる解除状態701と、車両8からモータ31を逆方向C2へ回転させようとする外力が加わったときに、ラチェット用シャフト33とラチェット歯車71とを一体的に回転させる連結状態702とを形成可能である。解除状態701は、モータ31からの正方向C1の回転力によって、ラチェット用シャフト33が正方向C1へ従動回転するときに、ラチェット用シャフト33とラチェット歯車71との連結を解除する状態である。解除状態701は、ワンウェイクラッチ73が、ラチェット歯車71に対するラチェット用シャフト33の一方向への回転を許容することによって形成される。そして、車両移動台車1によって車両8を移動させるときには、ラチェット歯車71が機能せず、係止爪72が被係止歯711の表面を滑るときの音が発生しない。

0047

同図に示すように、連結状態702は、車両8からモータ31を逆方向C2へ回転させようとする外力が加わり、ラチェット用シャフト33が逆方向C2へ回転しようとするときに、ラチェット用シャフト33とラチェット歯車71とを連結する状態である。連結状態702は、ワンウェイクラッチ73が、ラチェット歯車71に対するラチェット用シャフト33の他方向への回転を阻止することによって形成される。そして、車両8からモータ31を逆方向C2へ回転させようとする外力が加わるときには、係止爪72がラチェット歯車71の被係止歯711を係止し、ラチェット用シャフト33及びモータ31が逆方向C2へ回転することができず、車両移動台車1が車両8によって押されて後退することが阻止される。

0048

車両移動台車1は、車両8を移動させる場合及び単独で走行させる場合のいずれにおいても、ワンウェイクラッチ73の解除状態701が形成されるときには、ラチェット歯車71及び係止爪72を停止させたまま前進可能である。また、車両移動台車1は、車両8を移動させる場合に、ワンウェイクラッチ73の連結状態702が形成されるときには、ラチェット歯車71の被係止歯711が係止爪72に係止されることによって後退不能である。また、車両移動台車1を単独で走行させる場合には、係止爪72を退避位置704にしてラチェット機構7を機能させないことにより、ラチェット歯車71の被係止歯711が係止爪72に係止されずに後退可能である。

0049

言い換えれば、本形態の車両移動台車1は、ストッパー61及びラチェット機構7の構成により、ストッパー61が使用位置601にあるときには、ラチェット機構7が機能し、車両移動台車1を前進のみさせることが可能であり、車両移動台車1を後退させることはできない。また、車両移動台車1は、ストッパー61及びラチェット機構7の構成により、ストッパー61が退避位置602にあるときには、車両移動台車1を前進させることも、後退させることも可能である。

0050

(車両移動台車1の動作)
次に、車両移動台車1を単独で走行させる場合、及び車両移動台車1によって車両8を移動させる場合について説明する。
車両移動台車1を単独で走行させる場合には、図2及び図3に示すように、作業者はレバー63を操作してストッパー61を退避位置602にする。このとき、レバー63の操作を受けて、図9に示すように、ラチェット機構7の係止爪72が退避位置704になり、係止爪72がラチェット歯車71から退避する。

0051

そして、作業者は、図3に示すように、車両移動台車1を単独で前進させるときには操作ハンドル24を前側に揺動させる。このとき、図4及び図5に示すように、モータ31が正方向C1に回転するとともに、第1回転力伝達部材41を介して駆動シャフト32及びラチェット用シャフト33が正方向C1に従動回転する。駆動シャフト32が正方向C1に従動回転するときには、第2回転力伝達部材42を介して一対の走行用ローラ51が第1回転方向D1に従動回転するとともに、第3回転力伝達部材43を介して回転用ローラ52が第2回転方向D2に従動回転して、一対の走行用ローラ51によって車両移動台車1が前進する。この前進を行うときには、ラチェット用シャフト33及びラチェット歯車71が自由に空転する。

0052

また、作業者は、図3に示すように、車両移動台車1を単独で後退させるときには操作ハンドル24を後側に揺動させる。このとき、図4及び図5に示すように、モータ31が逆方向C2に回転するとともに、第1回転力伝達部材41を介して駆動シャフト32及びラチェット用シャフト33が逆方向C2に従動回転する。駆動シャフト32が逆方向C2に従動回転するときには、第2回転力伝達部材42を介して一対の走行用ローラ51が第2回転方向D2に従動回転するとともに、第3回転力伝達部材43を介して回転用ローラ52が第1回転方向D1に従動回転して、一対の走行用ローラ51によって車両移動台車1が後退する。この後退を行うときにも、ラチェット用シャフト33及びラチェット歯車71が自由に空転する。

0053

一方、車両移動台車1によって車両8を移動させる場合には、作業者は、図1に示すように、車両移動台車1を車両8における右側の後輪タイヤ81に近づけ、車両移動台車1のタイヤ配置スペースSに、車両8における右側の後輪タイヤ81を配置する。次いで、作業者は、図2に示すように、レバー63を操作して、ストッパー61を退避位置602から使用位置601に移動させる。そして、車両8における右側の後輪タイヤ81の後方には回転用ローラ52が位置し、車両8における右側の後輪タイヤ81の前方にはストッパー61が位置する。また、レバー63の操作を受けて、図9に示すように、ラチェット機構7の係止爪72が接触位置703になり、係止爪72がラチェット歯車71の被係止歯711に接触する。

0054

次いで、作業者は、操作ハンドル24を前側に揺動させる。このとき、前述したように、モータ31によって駆動シャフト32が正方向C1に従動回転し、一対の走行用ローラ51が第1回転方向D1に従動回転するとともに、回転用ローラ52が第2回転方向D2に従動回転する。そして、図4及び図5に示すように、一対の走行用ローラ51によって車両移動台車1が前進するとともに、回転用ローラ52が車両8における右側の後輪タイヤ81に接触する。このとき、回転用ローラ52に接触する右側の後輪タイヤ81が、一対の走行用ローラ51と同じ第1回転方向D1に回転し、車両移動台車1及び車両8が前進する。

0055

また、駆動シャフト32が正方向C1に従動回転するときには、ラチェット用シャフト33も正方向C1に従動回転する。このとき、図9に示すように、ラチェット用シャフト33とラチェット歯車71との間に配設されたワンウェイクラッチ73が解除状態701になることによって、ラチェット用シャフト33がラチェット歯車71に対して空転する。これにより、ラチェット機構7が機能せず、ラチェット歯車71の複数の被係止歯711に係止爪72が順次接触せず、この接触時の音が発生しない。

0056

また、車両移動台車1によって車両8を下り勾配の走行面Gを移動させる場合等においては、車両8が、必要以上に車両移動台車1に対して相対的に前進しようとすることがある。この場合には、図3に示すように、後輪タイヤ81がストッパー61に接触することによって、車両移動台車1に対する車両8の相対的な前進が阻止される。

0057

また、車両移動台車1によって車両8を上り勾配の走行面Gを移動させる場合等においては、車両8から車両移動台車1に、車両移動台車1を後退させようとする重力が作用することがある。この場合には、後輪タイヤ81から回転用ローラ52に、回転用ローラ52を第1回転方向D1に逆転させようとする回転力が作用し、駆動シャフト32、ラチェット用シャフト33及びモータ31にも逆方向C2への回転力が作用することになる。このとき、図9に示すように、ラチェット機構7が機能する状態でワンウェイクラッチ73が連結状態702になることによって、ラチェット機構7におけるラチェット歯車71の被係止歯711が係止爪72によって係止される。これにより、ラチェット用シャフト33だけでなく、回転用ローラ52、駆動シャフト32及びモータ31が逆方向C2に回転することが阻止される。

0058

作用効果
本形態の車両移動台車1は、一対の走行用ローラ51の間であって回転用ローラ52の走行方向Lの前方L1に、車両8の右側の後輪タイヤ81を配置する構成を有する。そして、車両移動台車1によって車両8を移動させるときには、一対の走行用ローラ51は、車両8における右側の後輪タイヤ81の両側面に対向する位置に配置することができ、走行用ローラ51を、タイヤ81の外周面の斜め下側に配置する必要がなくなる。これにより、後輪タイヤ81の大きさに左右されずに、走行用ローラ51の配置箇所を後輪タイヤ81の最下端点811に近づけることができる。また、走行用ローラ51が後輪タイヤ81の外周面の斜め下側に配置されないことにより、回転用ローラ52を、後輪タイヤ81の外周面の斜め下側に配置しやすくすることができる。

0059

そして、車両8のボディから後輪タイヤ81に作用する重力を一対の走行用ローラ51及び回転用ローラ52に効果的に作用させることができ、一対の走行用ローラ51と走行面Gとの間、回転用ローラ52と後輪タイヤ81との間に効果的に摩擦力を作用させることができる。これにより、モータ31によって回転用ローラ52に伝達する回転力が後輪タイヤ81に伝わりやすくし、一対の走行用ローラ51と走行面Gとの間、及び回転用ローラ52と後輪タイヤ81との間にスリップが生じにくくすることができる。そのため、車両移動台車1による車両8の移動を円滑にすることができる。

0060

また、一対の走行用ローラ51と回転用ローラ52とが接触しておらず、一対の走行用ローラ51と回転用ローラ52とには、駆動シャフト32から第2回転力伝達部材42又は第3回転力伝達部材43を介して別々に回転力が伝達される。これにより、回転用ローラ52の回転が、一対の走行用ローラ51の回転による影響を受けにくくし、車両移動台車1による車両8の移動をより円滑にすることができる。

0061

また、回転用ローラ52が一対の前記走行用ローラ51よりも走行方向Lの後方L2に配置されていることにより、一対の走行用ローラ51の配置箇所と回転用ローラ52の配置箇所とが上下方向に重ならないようにすることができる。これにより、台車ベース2、一対の走行用ローラ51、回転用ローラ52等が車両8のボディに干渉しないようにすることができる。

0062

それ故、本形態の車両移動台車1によれば、車両8のボディへの干渉を避けて、車両8の移動を円滑にすることができる。

0063

なお、回転用ローラ52は、駆動シャフト32から回転力を受けて回転する以外にも、モータ31から回転力を受けて回転するように構成することもできる。
また、ラチェット歯車71及びワンウェイクラッチ73は、ラチェット用シャフト33に設ける以外にも、駆動シャフト32の外周、モータ31の出力軸311等に設けることもできる。ラチェット歯車71及びワンウェイクラッチ73は、駆動源31の回転力を一対の走行用ローラ51及び回転用ローラ52に伝達するためのいずれかの回転部材に設けることができる。

0064

また、第1ベース側部21Aと第2ベース側部21Bとを左右逆にし、車両移動台車1の回転用ローラ52は、車両8における左側の後輪タイヤ81に接触させてもよい。
また、本発明は、実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。

0065

1車両移動台車
2台車ベース
21ベース側部
24操作ハンドル
31駆動源(モータ)
32駆動シャフト
33ラチェット用シャフト
41,42,43回転力伝達部材
51走行用ローラ
52回転用ローラ
61ストッパー
7ラチェット機構
71ラチェット歯車
711 被係止歯
72係止爪
73ワンウェイクラッチ
8 車両
81 タイヤ
S タイヤ配置スペース

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