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技術 浴槽

出願人 西日本旅客鉄道株式会社株式会社J.フロント建装
発明者 城戸宏之竹ノ下成美若杉景祐濱口祐二
出願日 2017年1月30日 (4年7ヶ月経過) 出願番号 2017-014019
公開日 2018年8月9日 (3年0ヶ月経過) 公開番号 2018-121703
状態 特許登録済
技術分野 鉄道車両の細部
主要キーワード 張出面 抑え蓋 長手面 凸部下 張り出し幅 湾曲形 車両動揺 地上試験
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図面 (14)

課題

振動を受けても浴槽内の水が浴槽外に流出し難い浴槽を提供する。

解決手段

浴槽1は、底面2と内側面3とを有する。内側面3は、底面2の周囲に形成されている。内側面3は、その上縁3uと底面2との間の位置に浴槽内側に張り出した凸部4が形成されている。凸部4は、上下方向の幅を有し、浴槽周方向に長い長尺状である。これにより、内側面3に沿って上昇する水の流速が、浴槽内側に張り出した凸部4によって弱められる。

概要

背景

入浴用浴槽は、建物内又は建物の近くに設けられ、動かないことが一般的である。浴槽を移動可能にしたものとしては、移動入浴車が知られている(例えば、特許文献1参照)。移動入浴車は、ワンボックス車荷室の内部に、浴槽、貯水タンクボイラーポンプ等の入浴用設備機器を搭載している。訪問入浴介護において、移動入浴車に搭載された浴槽等の入浴用設備機器を訪問先の住宅に運び込み、入浴者入浴させている。したがって、訪問入浴介護においては、浴槽は、入浴中には移動しない。

旅行においては、移動中に入浴するニーズが高まっており、そのニーズに応えることができれば、旅行の魅力が向上する。しかし、鉄道車両等の輸送用設備に浴槽を搭載すると、輸送用設備の移動時に発生する振動によって、浴槽内の湯(水)が揺れて、浴槽外に流出する。輸送用設備は、移動中に地上から水を供給することができず、浴槽への給湯量が限られるため、浴槽の搭載は困難であった。

従来から、浴槽からあふれた湯を回収する装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかし、このような装置は、輸送用設備に搭載する場合には、浴槽の全周からあふれる湯を回収して浴槽に還流させる必要があるので、装置が大掛かりになり、輸送用設備に搭載することは容易ではない。

浴槽外への湯の流出防止を図った浴槽として、浴槽開口部を内側に波返し湾曲形状とした介護用浴槽が知られている(特許文献3参照)。この介護用浴槽は、入浴中に生じる湯の波動うねり・跳びはねにより浴槽内の湯が浴槽外に流出することを防止している。しかし、このような対策は、浴槽自体は動かないことを前提としており、浴槽が振動することに対する湯の流出防止としては十分ではない。

フラスコ内の試料を加熱しながら撹拌するための液槽において、液槽内液体熱媒)の波立ち飛散の防止を図ったものが知られている(特許文献4参照)。この液槽は、網又は小孔を有する板が槽内周縁部に隣接して設けられている(実用新案登録請求の範囲及び図−1乃至図6参照)。しかし、もし、このような網等を入浴用の浴槽に設けると、浴槽内の入浴者の体(胴体)が網等に触れるので、肌ざわりが著しく良くない。また、浴槽内に小孔を有する板を全周にわたって設けた場合、その板を清掃する作業の負担が大きくなるとともに、入浴者がその板の裏面について衛生上の懸念を抱くおそれがある。

図12に示すように、内側面3の傾斜が緩やかな形状の浴槽では、矢印で示すように、浴槽内の湯が内側面3を上がって行き易い。このため、浴槽の内側面を全て鉛直にすることによって内側面を湯が上がって行くことを抑制する対策がある。しかし、このような対策では、浴槽のデザインを著しく制約する。また、浴槽の内側面を全て鉛直にすると、入浴者が浴槽内で内側面に斜めにもたれることが難しくなる。

概要

振動を受けても浴槽内の水が浴槽外に流出し難い浴槽を提供する。浴槽1は、底面2と内側面3とを有する。内側面3は、底面2の周囲に形成されている。内側面3は、その上縁3uと底面2との間の位置に浴槽内側に張り出した凸部4が形成されている。凸部4は、上下方向の幅を有し、浴槽周方向に長い長尺状である。これにより、内側面3に沿って上昇する水の流速が、浴槽内側に張り出した凸部4によって弱められる。

目的

本発明は、上記問題を解決するものであり、振動を受けても浴槽内の水が浴槽外に流出し難い浴槽を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

底面と、その底面の周囲に形成された内側面とを有する浴槽であって、前記内側面は、その上縁と前記底面との間の位置に浴槽内側に張り出した凸部が形成され、前記凸部は、上下方向の幅を有し、浴槽周方向に長い長尺状であることを特徴とする浴槽。

請求項2

前記内側面は、水平方向に長い1対の長手面と、1対の前記長手面を接続する第1短手面及び第2短手面とを有し、前記凸部は、前記各長手面に形成された長手凸部を有し、前記長手凸部は、略四角形の断面形状を有し、略水平の凸部下面と、略水平の凸部上面と、浴槽内側に張り出して前記凸部下面及び凸部上面を接続する張出面とを有することを特徴とする請求項1に記載の浴槽。

請求項3

前記凸部は、前記第1短手面に形成された短手凸部を有し、前記短手凸部は、略三角形の断面形状を有し、略水平の凸部下面と、浴槽内側に斜め下方に張り出して前記凸部下面に接続する張出面とを有することを特徴とする請求項2に記載の浴槽。

請求項4

前記長手凸部の凸部上面は、張り出し幅が前記短手凸部に向かって次第に狭くなる漸狭部を有し、前記長手凸部は、前記短手凸部に接続され、前記長手凸部の張出面は、前記短手凸部の張出面に接続し、前記長手凸部の凸部下面は、前記短手凸部の凸部下面に接続することを特徴とする請求項3に記載の浴槽。

請求項5

前記第2短手面より浴槽内側に略鉛直の消波壁を備え、前記消波壁は、その第2短手面と対向して離間する壁であり、複数の貫通孔を有し、前記消波壁の上端は、その第2短手面の上縁より低く設定されることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の浴槽。

請求項6

前記消波壁は、前記各々の貫通孔の周縁から前記第2短手面に向けて延びる筒部を有し、前記筒部は、その先端が前記第2短手面から離れていることを特徴とする請求項5に記載の浴槽。

請求項7

前記消波壁の上方に、浴槽内側に延出した板状部材が設けられ、前記消波壁は、前記板状部材との間に開口を有することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の浴槽。

請求項8

前記内側面の上縁に、浴槽内側に張り出した波返し縁を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の浴槽。

技術分野

0001

本発明は、浴槽、特に、鉄道車両等の輸送用設備に搭載される浴槽に関する。

背景技術

0002

入浴用の浴槽は、建物内又は建物の近くに設けられ、動かないことが一般的である。浴槽を移動可能にしたものとしては、移動入浴車が知られている(例えば、特許文献1参照)。移動入浴車は、ワンボックス車荷室の内部に、浴槽、貯水タンクボイラーポンプ等の入浴用設備機器を搭載している。訪問入浴介護において、移動入浴車に搭載された浴槽等の入浴用設備機器を訪問先の住宅に運び込み、入浴者入浴させている。したがって、訪問入浴介護においては、浴槽は、入浴中には移動しない。

0003

旅行においては、移動中に入浴するニーズが高まっており、そのニーズに応えることができれば、旅行の魅力が向上する。しかし、鉄道車両等の輸送用設備に浴槽を搭載すると、輸送用設備の移動時に発生する振動によって、浴槽内の湯(水)が揺れて、浴槽外に流出する。輸送用設備は、移動中に地上から水を供給することができず、浴槽への給湯量が限られるため、浴槽の搭載は困難であった。

0004

従来から、浴槽からあふれた湯を回収する装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかし、このような装置は、輸送用設備に搭載する場合には、浴槽の全周からあふれる湯を回収して浴槽に還流させる必要があるので、装置が大掛かりになり、輸送用設備に搭載することは容易ではない。

0005

浴槽外への湯の流出防止を図った浴槽として、浴槽開口部を内側に波返し湾曲形状とした介護用浴槽が知られている(特許文献3参照)。この介護用浴槽は、入浴中に生じる湯の波動うねり・跳びはねにより浴槽内の湯が浴槽外に流出することを防止している。しかし、このような対策は、浴槽自体は動かないことを前提としており、浴槽が振動することに対する湯の流出防止としては十分ではない。

0006

フラスコ内の試料を加熱しながら撹拌するための液槽において、液槽内液体熱媒)の波立ち飛散の防止を図ったものが知られている(特許文献4参照)。この液槽は、網又は小孔を有する板が槽内周縁部に隣接して設けられている(実用新案登録請求の範囲及び図−1乃至図6参照)。しかし、もし、このような網等を入浴用の浴槽に設けると、浴槽内の入浴者の体(胴体)が網等に触れるので、肌ざわりが著しく良くない。また、浴槽内に小孔を有する板を全周にわたって設けた場合、その板を清掃する作業の負担が大きくなるとともに、入浴者がその板の裏面について衛生上の懸念を抱くおそれがある。

0007

図12に示すように、内側面3の傾斜が緩やかな形状の浴槽では、矢印で示すように、浴槽内の湯が内側面3を上がって行き易い。このため、浴槽の内側面を全て鉛直にすることによって内側面を湯が上がって行くことを抑制する対策がある。しかし、このような対策では、浴槽のデザインを著しく制約する。また、浴槽の内側面を全て鉛直にすると、入浴者が浴槽内で内側面に斜めにもたれることが難しくなる。

先行技術

0008

特開2003−127750号公報
特開平10−225392号公報
特開平11−178880号公報
実開昭61−67840号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、上記問題を解決するものであり、振動を受けても浴槽内の水が浴槽外に流出し難い浴槽を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明の浴槽は、底面と、その底面の周囲に形成された内側面とを有するものであって、前記内側面は、その上縁と前記底面との間の位置に浴槽内側に張り出した凸部が形成され、前記凸部は、上下方向の幅を有し、浴槽周方向に長い長尺状であることを特徴とする。

0011

この浴槽において、前記内側面は、水平方向に長い1対の長手面と、1対の前記長手面を接続する第1短手面及び第2短手面とを有し、前記凸部は、前記各長手面に形成された長手凸部を有し、前記長手凸部は、略四角形の断面形状を有し、略水平の凸部下面と、略水平の凸部上面と、浴槽内側に張り出して前記凸部下面及び凸部上面を接続する張出面とを有することが好ましい。

0012

この浴槽において、前記凸部は、前記第1短手面に形成された短手凸部を有し、前記短手凸部は、略三角形の断面形状を有し、略水平の凸部下面と、浴槽内側に斜め下方に張り出して前記凸部下面に接続する張出面とを有することが好ましい。

0013

この浴槽において、前記長手凸部の凸部上面は、張り出し幅が前記短手凸部に向かって次第に狭くなる漸狭部を有し、前記長手凸部は、前記短手凸部に接続され、前記長手凸部の張出面は、前記短手凸部の張出面に接続し、前記長手凸部の凸部下面は、前記短手凸部の凸部下面に接続することが好ましい。

0014

この浴槽において、前記第2短手面より浴槽内側に略鉛直の消波壁を備え、前記消波壁は、その第2短手面と対向して離間する壁であり、複数の貫通孔を有し、前記消波壁の上端は、その第2短手面の上縁より低く設定されることが好ましい。

0015

この浴槽において、前記消波壁は、前記各々の貫通孔の周縁から前記第2短手面に向けて延びる筒部を有し、前記筒部は、その先端が前記第2短手面から離れていることが好ましい。

0016

この浴槽において、前記消波壁の上方に、浴槽内側に延出した板状部材が設けられ、前記消波壁は、前記板状部材との間に開口を有することが好ましい。

0017

この浴槽において、前記内側面の上縁に、浴槽内側に張り出した波返し縁を有することが好ましい。

発明の効果

0018

本発明の浴槽によれば、内側面に沿って上昇する水の流速が、浴槽内側に張り出した凸部によって弱められるので、浴槽内の水が浴槽外に流出し難くなる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の一実施形態に係る浴槽の斜視図。
同浴槽の平面図。
同浴槽の側面図。
同浴槽の体側(頭側)を見た断面図(図3のA−A線断面図)。
同浴槽の足側を見た断面図(図3のB−B線断面図)。
同浴槽の体側を側面から見た断面図(図4のC−C線断面図)。
同浴槽の足側を見下ろした斜視図。
同浴槽の消波壁の断面図。
同消波壁の正面図。
同浴槽における凸部付近の水の移動を説明する図(図4の右側の部分断面図)。
同浴槽における消波壁付近の水の移動を説明する図。
従来の浴槽を側方から見た断面図。
従来の浴槽内の水の移動を説明する図(図12の右側の部分断面図)。

0020

本発明の一実施形態に係る浴槽を図1乃至図11を参照して説明する。図1及び図2に示すように、浴槽1は、底面2と内側面3とを有する。内側面3は、底面2の周囲に形成されている。なお、図3に示すように、側面視で内側面3の傾斜が非対称の場合、入浴者は、通常、頭及び胴体を傾斜が緩やかな側(図3の右側)、足を傾斜が急な側(図3の左側)に向けて浴槽1に入るので、内側面3の傾斜が緩やかな側は、頭側又は体側、その反対側は、足側と呼ばれる。なお、側面視で内側面の傾斜が対称の場合、オーバーフロー管が設けられている側が足側である。

0021

図4乃至図6に示すように、内側面3は、その上縁3uと底面2との間の位置に浴槽内側に張り出した凸部4が形成されている。凸部4は、上下方向の幅を有し、浴槽周方向に長い長尺状である。

0022

内側面3は、水平方向に長い1対の長手面31と、1対の前記長手面を接続する第1短手面32及び第2短手面33とを有する(図2参照)。凸部4は、各長手面31に形成された長手凸部41を有する(図4及び図5参照)。長手凸部41は、略四角形の断面形状を有し、略水平の凸部下面41aと、略水平の凸部上面41bと、張出面41cとを有する(図4参照)。張出面41cは、浴槽内側に張り出して凸部下面41a及び凸部上面41bを接続する。

0023

凸部4は、第1短手面32に形成された短手凸部42を有する(図6参照)。短手凸部42は、略三角形の断面形状を有し、略水平の凸部下面42aと、張出面42cとを有する。張出面42cは、浴槽内側に斜め下方に張り出して凸部下面42aに接続する。

0024

長手凸部41の凸部上面41bは、張り出し幅が短手凸部42に向かって次第に狭くなる漸狭部41dを有する(図1参照)。長手凸部41は、短手凸部42に接続される。長手凸部41の張出面41cは、短手凸部42の張出面42cに接続する。長手凸部41の凸部下面41aは、短手凸部42の凸部下面に42a接続する。

0025

図7乃至図9に示すように、浴槽1は、第2短手面33より浴槽内側に略鉛直の消波壁5を備える。消波壁5は、その第2短手面33と対向して離間する壁であり、複数の貫通孔51を有する(図8参照)。消波壁5の上端5uは、その第2短手面33の上縁33uより低く設定される。

0026

消波壁5は、各々の貫通孔51の周縁から第2短手面33に向けて延びる筒部52を有する。筒部52は、その先端が第2短手面33から離れている。

0027

浴槽1は、消波壁5の上方に、浴槽内側に延出した板状部材6が設けられる(図7参照)。消波壁5は、板状部材6との間に開口53を有する。

0028

浴槽1は、内側面3の上縁3uに、浴槽内側に張り出した波返し縁7を有する。

0029

浴槽1の各構成をさらに詳述する。本実施形態では、浴槽1は、内側面3の傾斜が緩やかな欧風タイプの浴槽形状を有する(図3参照)。特に第1短手面32の傾斜が緩やである。底面2には、排水口21及び排水せん22が設けられている(図2参照)。第2短手面33には、オーバーフロー管34が設けられている(図5参照)。

0030

第1短手面32は、浴槽1に入浴者が入った状態で、通常、入浴者の背中が接する面である(図2参照)。第2短手面33は、浴槽内で第1短手面32と向かい合う面である。長手面31は、通常、入浴者の側面に近い面である。本実施形態の浴槽1では、長手面31と第1短手面32、長手面31と第2短手面33は、それぞれ滑らかに接続される。

0031

第1短手面32の短手凸部42が略三角形の断面形状を有し、略水平の上面を有しないのは、入浴者の背中に短手凸部42の角が当たって不快感を生じないようにするためである(図6参照)。入浴者が第1短手面にもたれた時、入浴者の腰椎カーブによる背中の凹部の位置が、短手凸部42の位置に対応するように、短手凸部42の底面2からの高さが設定される。このような設定により、入浴者の背中に短手凸部42が当たる感覚が回避又は低減される。

0032

長手凸部41は、略四角形の断面形状を有し、短手凸部42は、略三角形の断面形状を有する(図1参照)。長手凸部41の凸部上面41bは、漸狭部41dを有するので、長手凸部41は、短手凸部42に連続的に接続される。長手凸部41は、漸狭部41dを有する部分の断面形状が略台形であり、それ以外の部分の断面形状が略長方形である。なお、略四角形とは、数学的に厳密な四角形である必要はなく、頂点に丸み(アール)又は面取りを有する実質的な四角形である。略三角形とは、数学的に厳密な三角形である必要はなく、頂点に丸み等を有する実質的な三角形である。略台形とは、数学的に厳密な台形である必要はなく、頂点に丸み等を有する実質的な台形である。略長方形とは、数学的に厳密な長方形である必要はなく、頂点に丸み等を有する実質的な長方形である。

0033

消波壁5は、略鉛直に浴槽内に設けられる板状の壁であり、浴槽内の水(湯)に生じる波を低減するために設けられるので、消波壁を呼ばれる(図7及び図8参照)。消波壁5には、複数の貫通孔51が千鳥状に配置されている。貫通孔51の形状は、円である。筒部52は、円筒である。貫通孔51は、スリット状等の円以外の形状でもよい。本実施形態のように、欧風タイプの浴槽の場合、浴槽1の上面は、足側が低くデザインされたものが多い。そのような浴槽1では、足側が体側に比べて水が流出しやすい。このため、消波壁5は、浴槽1の足側に設けられる。消波壁5は、複数の貫通孔51を有するが、足側に設けられるので、入浴者の胴体に触れず、浴槽1の肌触りを損なわない。

0034

板状部材6は、浴槽1の一部を蓋のように覆い、浴槽内の水に生じる波を抑えるために設けられるので、波抑え蓋とも呼ばれる。前述したように、浴槽1では、足側が体側に比べて水が流出しやすい。このため、板状部材6は、幅が広く形成され、足側に設けられる。また、板状部材6は、その上に入浴中に使用する物を置くことができるようにデザインされる。本実施形態では、消波壁5は、板状部材6に支持される。

0035

波返し縁7は、内側面3を上昇する波に対して、水の流出を抑制する張り出し部であり、内側面3の上縁、すなわち浴槽1上部の縁に全周にわたって設けられる(図1及び図2参照)。

0036

上記のように構成された浴槽1は、鉄道車両等に搭載され、水(湯)が入った状態で振動を受ける。

0037

比較のために、従来の浴槽における水の流れについて説明する。図13に示すように、従来の浴槽が矢印dで示す左方向に変位した時、もし、水w1も浴槽と一緒に左に変位すれば、水面は水平のまま変わらない。しかし、浴槽内の水は慣性があるため、浴槽と一緒には変位できず、その一部は、内側面3に押され、白抜き矢印で示すように、内側面3に沿って上昇する水w2となる。このため、浴槽から水が溢れる。なお、浴槽が鉄道車両に搭載された場合、矢印dで示す変位量は、車両動揺の幅である。

0038

本実施形態の浴槽1における凸部4の作用について説明する。図10に示すように、本実施形態の浴槽1が矢印dで左方向に変位した時、長手凸部41の凸部下面41aと底面2との間の水wは、慣性があるため、浴槽と一緒には変位できず、その一部は、長手面31に押され、長手面31に沿って上昇する(矢印A1)。その水の流れの向きは、凸部下面41aに沿って浴槽内側に変化する。慣性によって相対的に長手面31に向かおうとする流れ(矢印A2)は、浴槽内側に向かう流れ(矢印A1)によって弱められる。長手凸部41の張出面41cに沿って上昇する流れ(矢印A3)は、張出面41cが長手上面41bに接続する箇所において、上昇を続ける流れ(矢印A4)と長手上面41bに沿って長手面31に向かう流れ(矢印A5)に分流するので、流速が低減する。

0039

同様に、短手凸部42の凸部下面42aと底面2との間の水は、流れの向きが凸部下面42aに沿って浴槽内側に変化する(図6参照)。

0040

このように、本実施形態の浴槽1によれば、内側面3に沿って上昇する水の流速が、浴槽内側に張り出した凸部4によって弱められるので、浴槽内の水が浴槽外に流出し難くなる。

0041

浴槽1における波返し縁7の作用について説明する。長手凸部41より上において、上昇する水の流れは、波返し縁7に当たって下方に向きを変えられる(図10の矢印A6)。このため、浴槽内の水が浴槽外に流出し難くなる。

0042

同様に、短手凸部42の張出面42c表面付近の水は、張出面42cに沿って上昇する(図6参照)。短手凸部42より上において、水の流れは、波返し縁7に当たって下方に向きを変えられる。このため、浴槽内の水が浴槽外に流出し難くなる。

0043

浴槽1における消波壁5の作用について説明する。図11に示すように、消波壁5の貫通孔51を通過した水(矢印A7、A8、A9)は、第2短手面33との間でぶつかり合うので、水の運動エネルギーが消耗する。また、消波壁5を越えた波(矢印A10)は、第2短手面33に沿って上昇する水面(矢印A11)を上から抑え込む。また、第2短手面33に沿って流れる水流を、消波壁5の第2短手面33との間に千鳥に配置した筒部52が阻害することで水流のエネルギーを消耗させ、上方の流れを抑制する(矢印A12、A13、A14)。なお、複数の筒部52の長さを同一でないように設定することにより、筒部52を通過したの流れがランダムとなり、水流のエネルギーが一層消耗する。このため、浴槽内の水が浴槽外に流出し難くなる。

0044

第1短手面32の短手凸部42は、略三角形の断面形状を有するので、略四角形の断面形状を有する長手凸部41よりは若干効果が低いと考えられるが、第2短手面33と対向して消波壁5を設けることにより、長手方向(図2の左右方向)の浴槽1の振動に対して、浴槽内の水が動きがいっそう抑制される。

0045

浴槽1における板状部材6(波返し蓋)の作用について説明する。板状部材6は、第2短手面33に沿って上昇する水を抑え込むので(図11の矢印A15)、浴槽内の水が浴槽外に流出し難くなる。

0046

浴槽1を鉄道車両に搭載した場合の凸部4の効果を評価するため、実際の鉄道車両(キハ189系気動車)の走行時に得られた振動データに基づき、地上試験機で鉄道車両の振動を再現して評価した。

0047

比較例として、凸部4が無い浴槽を作成した。

0048

実施例1として、前述した実施形態と同じ1列の凸部4を有する浴槽を作成した。

0049

実施例2として、上下2列の凸部4を有する浴槽を作成した。

0050

比較例、実施例1及び実施例2の浴槽を並べて地上試験機に載せた。各浴槽に水を張り、その水に浮きを浮かべた。浮きは、浴槽内の水の動揺を確認するためのものである。

0051

比較例、実施例1及び実施例2の浴槽を地上試験機で加振した。実施例1の浴槽が最も水の動揺が小さく、加振をやめた後の水の動揺が早く収束した。つまり、実施例1の浴槽の凸部4の効果が確認できた。

0052

2列の凸部4を有する実施例2の浴槽の方が、1列の凸部4を有する実施例1の浴槽よりも加振時の水の動揺が大きかった。これは、実施例2において、上下2列の凸部4の間の水がほとんど動かずに、上下幅が大きな1列の仮想的な凸部と同様の状態になったためと考えられる。

実施例

0053

なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限られず、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、浴槽1における凸部4以外の内側面3は、鉛直であってもよい。

0054

1浴槽
2 底面
3 内側面
31長手面
32 第1短手面
33 第2短手面
4 凸部
41長手凸部
41a凸部下面
41b凸部上面
41c張出面
41d 漸狭部
42 短手凸部
42a 凸部下面
42c 張出面
5 消波壁
51貫通孔
52 筒部
6板状部材
7波返し縁

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