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技術 難燃性ポリアミド樹脂組成物

出願人 マナック株式会社
発明者 能津光太郎屋敷勝頼
出願日 2017年1月24日 (3年1ヶ月経過) 出願番号 2017-010501
公開日 2018年8月2日 (1年7ヶ月経過) 公開番号 2018-119045
状態 未査定
技術分野 高分子組成物
主要キーワード デストーション アクリル変性物 アルゴンフロー 燃焼試験機 脂環式ポリアミド 上端点 オイル配管 試験応力
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重要な関連分野

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課題

難燃性機械特性及び耐熱性(特に荷重たわみ温度)が非常に良好な成形品を与えることができる難燃性樹脂組成物を提供することにある。

解決手段

熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、下記一般式(1): (式中、m、k、R1、R2及び星印は、明細書及び特許請求の範囲に記載のとおりである。)で表される繰返し単位を有する臭素含有重合体(B)を1〜300質量部を含む難燃性樹脂組成物に関する。

概要

背景

ポリアミド6(以下、「PA6」とも称す)、ポリアミド66(以下、「PA66」とも称す)に代表される脂肪族ポリアミドは、耐熱性耐薬品性剛性耐摩耗性成形性などに優れるため、エンジニアリングプラスチックとして多くの用途に使用されてきた。電気電子分野では、エンジニアリングプラスチックにUL−94規格に基づく高い難燃性が要求されることから、種々の難燃剤による難燃化の方法が多数提案され、実用化されている。しかしながら、これらの脂肪族ポリアミドは吸水性が大きく、成形品の寸法変化や物性低下などが問題となっていた。さらに近年では、難燃化が必要とされている電気・電子分野で、表面実装方式SMT)と呼ばれる方法が急速に浸透しており、それに伴ってPA6、PA66等の従来の脂肪族ポリアミドでは耐熱性の面でも対応できなくなってきている。

前記要求に応えるために、PA6、PA66等の従来の脂肪族ポリアミドに代えて、高融点ポリアミドの使用が検討されている。例えば、電気・電子分野において、脂肪族アルキレンジアミンテレフタル酸からなるポリアミドを主成分とした高耐熱性半芳香族ポリアミドや、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸骨格に有する高耐熱性の半脂環式ポリアミドの使用が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。

一方、ポリアミドに用いる難燃剤としては、臭素系難燃剤臭素化ポリスチレン臭素化ポリフェニレンエーテル)、リン系難燃剤((ジ)ホスフィン酸金属塩)、窒素系難燃剤メラミン)等が提案されている(例えば、特許文献3〜5参照)。

しかしながら、難燃剤を配合することによって機械特性(例えば、耐衝撃性)や特長のひとつである耐熱性(例えば、荷重たわみ温度)を一部犠牲にせざるを得ないことは周知の事実である。またポリアミドの高融点化に伴う加工温度の上昇により加工時に難燃剤を原因とする問題が起こることが報告されている。

例えば、臭素系難燃剤である臭素化ポリスチレンを配合した高耐熱ポリアミド樹脂組成物は、高融点であるがゆえに混練や成形時の加工温度を高くする必要があるが、その際、臭素化ポリスチレンの一部が熱分解することで着色やヤケガス発生による成形品の外観不良、更にはポリアミドの分解(架橋)等を誘発するという問題点がある。

リン系難燃剤、特に(ジ)ホスフィン酸金属塩は、高い加工温度条件において装置の腐食が問題となる。加えて、溶融加工時において、押出機スクリューダイス、また成形機のスクリューや金型等の金属部品激しく摩耗するので、量産性に欠けるという問題があった。またこの組成物は、成形加工時に、ガスの発生が多く、金型に汚れが付着する問題もあった(例えば、特許文献7及び8参照)。

窒素系難燃剤は、加工の間に高温に曝されると難燃剤自身の昇華によるガス発生及び金型付着物のために使用が制限される。またガラス繊維強化ポリアミドでは十分な難燃性が得られず、また高耐熱性(高い荷重たわみ温度)が必要とされる用途には適さない。

したがって、難燃性及び機械特性に優れ、高い荷重たわみ温度を有する難燃性ポリアミド樹脂組成物需要が存在する。

概要

難燃性、機械特性及び耐熱性(特に荷重たわみ温度)が非常に良好な成形品を与えることができる難燃性樹脂組成物を提供することにある。熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、下記一般式(1): (式中、m、k、R1、R2及び星印は、明細書及び特許請求の範囲に記載のとおりである。)で表される繰返し単位を有する臭素含有重合体(B)を1〜300質量部を含む難燃性樹脂組成物に関する。なし

目的

本発明の目的は、難燃性及び特に耐衝撃性などの機械特性に優れ、高耐熱性(高い荷重たわみ温度)を有する難燃性ポリアミド樹脂組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

290℃〜360℃に融点を有するポリアミド(A)100質量部に対して、下記一般式(1): 下記一般式(1):(式中、pは、0又は1であり、mは、2〜5の整数であり、R1は、各々同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2は、水素原子、フッ素原子塩素原子ヨウ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基ビニル基ニトロ基シアノ基アルデヒド基アミノ基、ヒドロキシル基チオール基スルホ基スルホンアミド基カルボキシル基もしくはそのエステル基であり、mが2又は3の場合、各R2は同一であっても異なっていてもよく、星印は、重合体末端又は他の繰返し単位との結合点を示す)で表される繰返し単位を有する臭素含有重合体(B)を1〜300質量部を含む難燃性ポリアミド樹脂組成物

請求項2

前記ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド46、ポリアミドM−5C、ポリアミド9C、ポリアミド10C、ポリアミド12C、ポリアミド6C/6、ポリアミド6T/66、ポリアミド6T/6I、ポリアミド6T/6I/66、ポリアミド6T/M−5T、ポリアミド9T、ポリアミド9MT、ポリアミド10T、ポリアミド10T/11、ポリアミド6T/4T、ポリアミド46/4T、ポリアミド6T/46/66、ポリアミド6T/4T/66、ポリアミド6T/4T/46及びポリアミド6T/46からなる群より選択される1種以上の樹脂である、請求項1記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。

請求項3

前記ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜150質量部の難燃助剤(C)を含む、請求項1又は2記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。

請求項4

難燃助剤(C)が、三酸化アンチモン五酸化アンチモンアンチモン酸ナトリウムアンチモン酸カリウムスズ酸亜鉛及びホウ酸亜鉛からなる群より選ばれる1種以上の化合物である、請求項3記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。

技術分野

0001

本発明は、290℃〜360℃に融点を有するポリアミド臭素含有重合体難燃剤として配合した難燃性ポリアミド樹脂組成物に関するものである。

背景技術

0002

ポリアミド6(以下、「PA6」とも称す)、ポリアミド66(以下、「PA66」とも称す)に代表される脂肪族ポリアミドは、耐熱性耐薬品性剛性耐摩耗性成形性などに優れるため、エンジニアリングプラスチックとして多くの用途に使用されてきた。電気電子分野では、エンジニアリングプラスチックにUL−94規格に基づく高い難燃性が要求されることから、種々の難燃剤による難燃化の方法が多数提案され、実用化されている。しかしながら、これらの脂肪族ポリアミドは吸水性が大きく、成形品の寸法変化や物性低下などが問題となっていた。さらに近年では、難燃化が必要とされている電気・電子分野で、表面実装方式SMT)と呼ばれる方法が急速に浸透しており、それに伴ってPA6、PA66等の従来の脂肪族ポリアミドでは耐熱性の面でも対応できなくなってきている。

0003

前記要求に応えるために、PA6、PA66等の従来の脂肪族ポリアミドに代えて、高融点ポリアミドの使用が検討されている。例えば、電気・電子分野において、脂肪族アルキレンジアミンテレフタル酸からなるポリアミドを主成分とした高耐熱性半芳香族ポリアミドや、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸骨格に有する高耐熱性の半脂環式ポリアミドの使用が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。

0004

一方、ポリアミドに用いる難燃剤としては、臭素系難燃剤臭素化ポリスチレン臭素化ポリフェニレンエーテル)、リン系難燃剤((ジ)ホスフィン酸金属塩)、窒素系難燃剤メラミン)等が提案されている(例えば、特許文献3〜5参照)。

0005

しかしながら、難燃剤を配合することによって機械特性(例えば、耐衝撃性)や特長のひとつである耐熱性(例えば、荷重たわみ温度)を一部犠牲にせざるを得ないことは周知の事実である。またポリアミドの高融点化に伴う加工温度の上昇により加工時に難燃剤を原因とする問題が起こることが報告されている。

0006

例えば、臭素系難燃剤である臭素化ポリスチレンを配合した高耐熱ポリアミド樹脂組成物は、高融点であるがゆえに混練や成形時の加工温度を高くする必要があるが、その際、臭素化ポリスチレンの一部が熱分解することで着色やヤケガス発生による成形品の外観不良、更にはポリアミドの分解(架橋)等を誘発するという問題点がある。

0007

リン系難燃剤、特に(ジ)ホスフィン酸金属塩は、高い加工温度条件において装置の腐食が問題となる。加えて、溶融加工時において、押出機スクリューダイス、また成形機のスクリューや金型等の金属部品激しく摩耗するので、量産性に欠けるという問題があった。またこの組成物は、成形加工時に、ガスの発生が多く、金型に汚れが付着する問題もあった(例えば、特許文献7及び8参照)。

0008

窒素系難燃剤は、加工の間に高温に曝されると難燃剤自身の昇華によるガス発生及び金型付着物のために使用が制限される。またガラス繊維強化ポリアミドでは十分な難燃性が得られず、また高耐熱性(高い荷重たわみ温度)が必要とされる用途には適さない。

0009

したがって、難燃性及び機械特性に優れ、高い荷重たわみ温度を有する難燃性ポリアミド樹脂組成物の需要が存在する。

先行技術

0010

特表2009−524711号公報
国際公開第02/48239号パンフレット
特開平07−228775号公報
特開2005−36231号公報
特開2000−26721号公報
特開2000−212435号公報
国際公開第2009/107514号パンフレット
特表2016−525166号公報

発明が解決しようとする課題

0011

本発明の目的は、難燃性及び特に耐衝撃性などの機械特性に優れ、高耐熱性(高い荷重たわみ温度)を有する難燃性ポリアミド樹脂組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、以下の通りである。

0013

290℃〜360℃に融点を有するポリアミド(A)100質量部に対して、下記一般式(1):
下記一般式(1):




(式中、
pは、0又は1であり、
mは、2〜5の整数であり、
R1は、各々同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、
R2は、水素原子、フッ素原子塩素原子ヨウ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基ビニル基ニトロ基シアノ基アルデヒド基アミノ基、ヒドロキシル基チオール基スルホ基スルホンアミド基カルボキシル基もしくはそのエステル基であり、mが2又は3の場合、各R2は同一であっても異なっていてもよく、
星印は、重合体末端又は他の繰返し単位との結合点を示す)
で表される繰返し単位を有する臭素含有重合体(B)を1〜300質量部を含む難燃性樹脂組成物に関する。

発明の効果

0014

本発明によれば、難燃剤として特定の臭素含有重合体(B)を用いることによって、難燃性及び機械特性に優れ、特に高い荷重たわみ温度を有する成形品を与える難燃性樹脂組成物が提供される。

0015

以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。

0016

難燃性ポリアミド樹脂組成物
<臭素含有重合体>
本発明で用いる臭素含有重合体(B)とは下記一般式(1):




(式中、
pは、0又は1であり、
mは、2〜5の整数であり、
R1は、各々同一であっても異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、
R2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキルチオ基、炭素数1〜4のハロアルキル基、炭素数1〜4のハロアルコキシ基、ビニル基、ニトロ基、シアノ基、アルデヒド基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール基、スルホ基、スルホンアミド基、カルボキシル基もしくはそのエステル基であり、mが2又は3の場合、各R2は同一であっても異なっていてもよく、
星印は、重合体末端又は他の繰返し単位との結合点を示す)
で表される繰返し単位を有する。

0017

ここで、用語「炭素数1〜4のアルキル基」は、炭素数1〜4の、直鎖状又は分岐状の脂肪族飽和炭化水素一価の基を意味し、メチル基エチル基プロピル基イソプロピル基ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等を例示することができる。

0018

用語「炭素数1〜4のアルコキシ基」は、基RO−(ここで、Rは、炭素数1〜4のアルキル基である)を意味し、メトキシ基エトキシ基プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基等を例示することができる。

0019

用語「炭素数1〜4のアルキルチオ基」は、基R′S−(ここで、R′は、炭素数1〜4のアルキル基である)を意味し、メチルチオ基、エチルチオ基プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基等を例示することができる。

0020

用語「炭素数1〜4のハロアルキル基」は、1個以上のハロゲン原子置換された炭素数1〜4のアルキル基を意味し、ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、3−ブロモプロピル基、4−ブロモブチル基、ヨードメチル基、2−ヨードエチル基、3−ヨードプロピル基、4−ヨードブチル基、フルオロメチル基、2−フルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、トリブロモメチル基トリクロロメチル基トリフルオロメチル基等を例示することができる。

0021

用語「炭素数1〜4のハロアルコキシ基」は、1個以上のハロゲン原子で置換された炭素数1〜4のアルコキシ基を意味し、ブロモメトキシ基、2−ブロモエトキシ基、3−ブロモプロピルオキシ基、4−ブロモブチルオキシ基、ヨードメトキシ基、2−ヨードエトキシ基、3−ヨードプロピルオキシ基、4−ヨードブチルオキシ基、フルオロメトキシ基、2−フルオロエトキシ基、3−フルオロプロピルオキシ基、4−フルオロブチルオキシ基、トリブロモメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基等を例示することができる。

0022

用語「ハロゲン原子」又は「ハロ」は、互換可能であり、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、又はフッ素原子を意味する。

0023

用語「カルボキシル基もしくはそのエステル基」は、基:−COOHもしくはそのエステル基(すなわち、基:−COOR″)を意味する。ここで、R″は、炭素数1〜4のアルキル基を意味する。

0024

前記一般式(1)において各R1は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基のいずれでもよく、各繰返し単位中のR1は、各々同一であっても異なっていてもよく、水素原子及び炭素数1〜4のアルキル基の両方を含んでも差し支えないが、臭素含量をより高くできる点又は重合体が得られ易い点において水素原子又はメチル基が好ましい。

0025

前記一般式(1)において各R2は、原料入手容易性、合成容易性に応じて適宜選択すればよいが、臭素含量をより高くできる点において水素原子を1置換以上含むことがより好ましく、全て水素原子であることがさらに好ましい。

0026

前記一般式(1)においてpが1の場合はイミド部分が6員環構造であることを意味し、具体的には、下記一般式(2)で表され、




(式中、R1、R2、m及び星印は、前記と同義である)
pが0の場合はイミド部分が5員環構造であることを意味し、具体的には、下記一般式(3)で表される。




(式中、R1、R2、m及び星印は、前記と同義である)

0027

臭素含有重合体(B)に含まれる、前記一般式(1)で表される繰返し単位は、前記一般式(2)又は前記一般式(3)のいずれか一方であってもよく、重合体中にいずれか一方の式で表される繰返し単位を2種類以上含んでいてもよい。また、重合体中に前記一般式(2)及び(3)で表される繰返し単位を両方含んでも差し支えない。

0028

臭素含有重合体(B)に含まれる繰返し単位の好適な例としては、下記式(2a)〜(2d)及び(3a)〜(3c)で表される繰返し単位が挙げられる。

0029

臭素含有重合体(B)の臭素含量は、難燃性付与のための添加量を少なくする観点から40〜75質量%が好ましく、45〜75質量%がより好ましく、50〜75質量%がさらに好ましい。なお、本発明において、臭素含量は、JIS K 7229(フラスコ燃焼法)に準じる方法の測定値を意味する。

0030

前記一般式(1)において臭素原子の置換数mは、2〜5であり、臭素含量の観点から3〜5が好ましい。臭素原子の置換位置には特に制限はなく、重合体中の各繰返し単位において、臭素原子の置換数、位置が異なる任意の異性体を包含しうる。

0031

臭素含有重合体(B)は、前記一般式(1)で表される繰返し単位を有していれば特に限定されない。目的、用途に応じて適宜前記一般式(1)で表される繰返し単位以外の他の繰返し単位を有してもよい。他の繰返し単位を誘導しうる共重合成分としては、共重合性の点から前記一般式(1)以外の繰返し単位を誘導しうるビニル基を含有する単量体が好ましい。

0032

前記ビニル基を含有する単量体としては、ビニル化合物ビニリデン化合物ビニレン化合物環状オレフィン化合物共役ジエン化合物重合体分子鎖の末端にビニル基を有するマクロ化合物等が挙げられ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。

0033

上記ビニル化合物としては、エチレンプロピレンスチレン臭素化スチレン、塩素化スチレン、メトキシスチレンビニルベンジルメチルエーテルビニルトルエン塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニルプロピオン酸ビニル酪酸ビニル安息香酸ビニルビニルメチルエーテルビニルエチルエーテルアリルグリシジルエーテルアクリル酸メチルアクリレートエチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、臭素化2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、アリルアクリレート、2,3−ジブロモプロピルアクリレート、トリブロモネオペンチルアクリレート、ベンジルアクリレート、臭素化ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートフェニルアクリレート、臭素化フェニルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、臭素化2−フェノキシエチルアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングルコルアクリレート、メトキシプロピレングルコールアクリレート、メトキシジプロピレングルコールアクリレート、イソボルニルアクリレートジシクロペンタジエニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、2−アミノエチルアクリレート、2−ジメチルアミノエチルアクリレート、2−アミノプロピルアクリレート、2−ジメチルアミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−ジメチルアミノプロピルアクリレート、アクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、臭素化N−フェニルアクリルアミド、1−ビニル2−ピロリドンアクリロニトリルジアリルエーテルフェニルアリルエーテル、臭素化フェニルアリルエーテル、アリルアミン等が挙げられるが、これらに限定されない。

0034

上記ビニリデン化合物としては、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンα−メチルスチレンメタクリル酸メチルメタクリレートエチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、臭素化2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、2,3−ジブロモプロピルメタクリレート、トリブロモネオペンチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、臭素化ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、臭素化フェニルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−フェノキシエチルメタクリレート、臭素化2−フェノキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングルコールメタクリレート、メトキシプロピレングルコールメタクリレート、メトキシジプロピレングルコールメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレートグリシジルメタクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−アミノプロピルメタクリレート、2−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、3−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、メタクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、臭素化N−フェニルメタクリルアミド、α−クロロアクリルアミドメタクリロニトリル、α−クロロアクリニトリルシアン化ビニリデン等が挙げられるが、これらに限定されない。

0035

上記ビニレン化合物としては、フマル酸ジアルキルマレイミド、N−フェニルマレイミド、臭素化N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド炭酸ビニレン等が挙げられるが、これらに限定されない。

0036

上記環状オレフィン化合物としては、ノルボルネンシクロブテンシクロペンテンシクロヘキセンインデン、臭素化インデン、1−メチルインデン、臭素化1−メチルインデン、フェナントレン、臭素化フェナントレン等が挙げられるが、これらに限定されない。

0037

上記共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエンイソプレンクロロプレン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン等が挙げられるが、これらに限定されない。

0038

上記重合体分子鎖の末端にビニル基を有するマクロ化合物における重合体分子鎖としては、ポリスチレンポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等が挙げられるが、これらに限定されない。

0039

また、前記一般式(1)で表される繰返し単位を有する重合体の両末端としては、重合開始剤由来する開始剤残基、水素原子等が挙げられる。

0040

臭素含有重合体(B)は、難燃性付与及び耐熱性付与の観点から、繰返し単位として、好ましくは前記一般式(1)で表される繰返し単位を30モル%以上含み、より好ましくは50モル%以上含み、さらに好ましくは80モル%以上含む。最も好ましくは、前記一般式(1)で表される繰返し単位のみを有する。

0041

臭素含有重合体(B)は、適宜設定すればよいが、良好な熱安定性加工性を得るためにはポリスチレン換算重量平均分子量で好ましくは1,000〜1,000,000、より好ましくは1,000〜500,000、さらに好ましくは1,000〜250,000である。

0042

臭素含有重合体(B)は、加工温度での安定性が求められるため、熱重量分析(TGA)における5%重量減少温度が350〜450℃であることが好ましく、380〜450℃であることがより好ましい。

0043

このような臭素含有重合体(B)は、公知の方法に従い、例えば、国際公開第2016/103802号公報に記載の方法に従い、合成することができる。

0044

本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物において、臭素含有重合体(B)の含有量は、ポリアミド(A)100質量部に対して、1〜300質量部であるのが好ましく、1〜100質量部であるのがより好ましく、10〜100質量部であるのがさらに好ましい。また、本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物において、臭素含有重合体(B)の含有量は、組成物中の所望の臭素含有量から定めてもよい。本発明の難燃性樹脂組成物中の臭素含有量は、0.1〜30質量%であるのが好ましく、1〜25質量%であるのがより好ましく、5〜20質量%であるのがさらに好ましい。

0045

<ポリアミド>
本発明で用いるポリアミド(A)は、290℃〜360℃に融点を有するポリアミドであれば特に限定されない。ポリアミドとしては、ジアミンジカルボン酸との重縮合体等を挙げることができる。なお、本発明において、融点は、JIS K 7121に準じて、示差走査熱量測定DSC)により測定することができる。

0046

ジアミンとして、例えば、テトラメチレンジアミンペンタメチレンジアミンヘキサメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミンノナメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;4,4′−メチレンビスシクロヘキシルアミン)、イソホロンジアミン等の脂環式ジアミン;又はパラキシリレンジアミンメタキシリレンジアミンパラフェニレンジアミン等の芳香族ジアミン;あるいは2種以上の混合物を挙げることができる。またジカルボン酸として、コハク酸グルタル酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸アジピン酸セバシン酸ウンデカン二酸ドデカン二酸等の炭素数4〜12のα,ω−直鎖脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;又はナフタレンジカルボン酸イソフタル酸、テレフタル酸、ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;あるいは2種以上の混合物を挙げることができる。好ましくは、290℃〜360℃に融点を有するポリアミドであって、テトラメチレンジアミンとアジピン酸からのホモポリマー(「ポリアミド46」又は「PA46」とも称す)等の脂肪族ポリアミド;2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸からのポリアミドホモポリマー(「ポリアミドM−5C」又は「PAM−5C」とも称す)、ノナメチレンジアミン及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸からのポリアミドホモポリマー(「ポリアミド9C」又は「PA9C」と称す)、デカメチレンジアミン及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸からのポリアミドホモポリマー(「ポリアミド10C」又は「PA10C」と称す)、ドデカメチレンジアミン及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及びからのポリアミドホモポリマー(「ポリアミド12C」又は「PA12C」と称す)、ヘキサメチレンジアミン、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸及びε−カプロラクタムからのポリアミドコポリマー(「ポリアミド6C/6」又は「PA6C/6」と称す)等の半脂環式ポリアミド;ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸及びテレフタル酸からのポリアミドコポリマー(「ポリアミド6T/66」又は「PA6T/66」とも称す)、ヘキサメチレンジアミン、イソフタル酸及びテレフタル酸からのポリアミドコポリマー(「ポリアミド6T/6I」又は「PA6T/6I」とも称す)、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、イソフタル酸及びテレフタル酸からのポリアミドコポリマー(「ポリアミド6T/6I/66」又は「PA6T/6I/66」とも称す)、ヘキサメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジアミン及びテレフタル酸からのポリアミドコポリマー(「ポリアミド6T/M−5T」又は「PA6T/M−5T」とも称す)、ノナンジアミン及びテレフタル酸からのポリアミドホモポリマー(「ポリアミド9T」又は「PA9T」とも称す)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、ノナンジアミン及びテレフタル酸からのポリアミドコポリマー(「ポリアミド9MT」又は「PA9MT」とも称す)、デカメチレンジアミン及びテレフタル酸からのポリアミドホモポリマー(「ポリアミド10T」又は「PA10T」とも称す)、デカメチレンジアミン、テレフタル酸、11−アミノウンデカン酸からのポリアミドコポリマー(「ポリアミド10T/11」又は「PA10T/11」とも称す)、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びテレフタル酸からのポリアミドコポリマー(「ポリアミド6T/4T」又は「PA6T/4T」)とも称す)、テトラメチレンジアミン、アジピン酸及びテレフタル酸からのポリアミドコポリマー(「ポリアミド46/4T」又は「PA46/4T」)とも称す)、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸及びテレフタル酸からのポリアミドコポリマー(「ポリアミド6T/46/66」又は「PA6T/46/66」、「ポリアミド6T/4T/66」又は「PA6T/4T/66」)、「ポリアミド6T/4T/46」又は「PA6T/4T/46」)、あるいは「ポリアミド6T/46」又は「PA6T/46)とも称す)等のジアミン又はジカルボン酸の何れかが芳香族化合物である半芳香族ポリアミドを挙げることができる。なお、少なくとも3種のモノマー(ジアミン及びジカルボン酸)を共重合したポリアミドコポリマーが、その内の1種のジアミンと1種のジカルボン酸とを重合したポリアミドホモポリマーの変性ポリマーと称されることがある。例えば、前述のPA6T/66、PA6T/6I等のポリアミドコポリマーのように、ポリアミド6Tに第3成分を共重合したものは、一般的に変性ポリアミド6Tと称されることがある。またこれらのポリアミドは、1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。

0047

また、本発明におけるポリアミド(A)には、上述のポリアミドと、1種又は2種以上のその他の樹脂とを適切な相溶化剤共存下又は非共存下に混練して製造されたアロイ樹脂も含まれる。アロイ樹脂としては、例えば、ポリアミド/ポリフェニレンエーテル(PA/PPE)、ポリアミド/ポリカーボネート(PA/PC)、ポリアミド/ポリアリレート(PA/PAR)、ポリアミド/アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(PA/ABS)、ポリアミド/ポリオレフィン(PA/PO)等が挙げられる。

0048

難燃助剤
本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物には、難燃助剤(C)を配合してもよい。難燃助剤(C)としては、例えば、三酸化アンチモン五酸化アンチモンアンチモン酸ナトリウム酸化ナトリウム酸化スズスズ酸亜鉛酸化亜鉛酸化鉄水酸化マグネシウム水酸化カルシウムホウ酸亜鉛カオリンクレー炭酸カルシウム等を挙げることができ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。これらの難燃助剤(C)はシランカップラーチタンカップラー等で処理されていてもよい。これらのなかでも、三酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、スズ酸亜鉛及びホウ酸亜鉛を用いるのが好ましい。難燃助剤(C)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜150質量部であるのが好ましく、1〜30質量部であるのがより好ましい。これらの難燃助剤を配合することにより、少量の難燃剤で難燃性に優れた難燃性樹脂組成物が得られる。

0049

<その他の成分>
本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物には、必要に応じて、さらに繊維状、粉末状、クロス状などの各種形態を有する充填剤を配合することができる。

0050

繊維状の充填剤としては、例えば、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維ポリメタフェニレンテレフタルアミド繊維、ポリパラフェニレンイソフタルアミド繊維、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維ジアミノジフェニルエーテルとテレフタル酸又はイソフタル酸の縮合物から得られる繊維等の全芳香族ポリアミド繊維全芳香族液晶ポリエステル繊維等の有機系の繊維状充填剤ガラス繊維炭素繊維ホウ素繊維等の無機系の繊維状充填剤等が挙げられる。このような繊維状の充填剤を配合すると、得られる成形品の力学的強度が向上するだけでなく、寸法安定性、低吸水性などがより向上する。上記の繊維状の充填剤の平均長は、0.05〜50mmの範囲内であるのが好ましく、難燃性樹脂組成物の成形性をより良好にし、得られる成形品の摺動特性、耐熱性、機械的特性をより向上させる観点から、1〜10mmの範囲内であるのがより好ましい。これらの繊維状充填剤はクロス状などに二次加工されていてもよい。

0051

粉末状の充填剤としては、例えば、シリカシリカアルミナアルミナ酸化チタン、酸化亜鉛、窒化ホウ素タルクマイカチタン酸カリウムケイ酸カルシウム硫酸マグネシウムホウ酸アルミニウムアスベストガラスビーズカーボンブラックグラファイト二硫化モリブデンポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。これらの粉末状の充填剤の平均粒径は、0.1〜200μmの範囲内であるのが好ましく、1〜100μmの範囲内であるのがより好ましい。これらの粉末状の充填剤を配合すると、得られる成形品の寸法安定性、機械特性、耐熱特性化学的物理的特性、摺動特性などがより向上する。

0052

上記の充填剤は、1種又は2種以上の組合せで用いることができる。これらの充填剤の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜200質量部であるのが好ましく、0.1〜150質量部であるのがより好ましく、0.5〜100質量部であるのがさらに好ましい。充填剤の配合量が上記の範囲内にあると、成形性、力学的特性のいずれにも優れる難燃性樹脂組成物が得られる。さらに、これらの充填剤の表面は、熱可塑性樹脂中への分散性を高める目的で、シランカップリング剤チタンカップリング剤、その他の高分子又は低分子表面処理剤表面処理されているのが好ましい。

0053

本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物には、必要に応じて、ドリップ防止剤を配合することができ、燃焼時に滴下を防止する効果があれば、公知の化合物が使用できる。ドリップ防止剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ヘキサフルオロプロピレン−プロピレン共重合体、ポリビニリデンフルオリドPVDF)、ビニリデンフルオリド−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン変性ポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。中でも滴下防止効果の高いポリテトラフルオロエチレン、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。

0054

ドリップ防止剤の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、0.3〜7質量部であることが必要であり、0.5〜5質量部であることが好ましい。ドリップ防止剤の含有量が0.3質量部未満の場合、滴下防止効果が不十分であるため、燃焼時に溶融滴下する場合があるので好ましくない。一方、ドリップ防止剤の含有量が7質量部を超えると、樹脂組成物の溶融混練が困難になる場合がある。

0055

本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物には、必要に応じて、ハイドロタルサイト等の酸キャッチャー着色剤紫外線吸収剤光安定化剤;ヒンダードフェノール系、チオ系、リン系、アミン系等の酸化防止剤帯電防止剤結晶核剤可塑剤離型剤滑剤等を配合することもできる。

0056

組成物の調製等
本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物は、前記のポリアミド(A)及び臭素含有重合体(B)、並びに必要に応じて、難燃助剤(C)及び充填剤等の他の成分を、所望の方法で混合することにより製造することができる。例えば、樹脂の混合に通常用いられるような縦型又は水平型混合機を用いて、前記のポリアミド(A)、臭素含有重合体(B)、並びに必要に応じて、難燃助剤(C)及び充填剤等の他の成分を所定の割合で混合した後、単軸押出機二軸押出機ニーダーバンバリーミキサー等の溶融混練機を使用して溶融混練することにより製造することができる。溶融混練時の温度は、ポリアミド(A)の融点以上、分解温度以下の範囲内であれば特に限定されないが、具体的には、290℃〜360℃の範囲が好ましく、ポリアミド(A)と臭素含有重合体(B)がより均一に混練できる観点から、310℃〜360℃の範囲がより好ましく、340℃〜360℃の範囲がさらに好ましい。

0057

本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物を用いて、一般に、ポリアミド樹脂組成物に対して用いられている、射出成形押出成形プレス成形ブロー成形カレンダー成形流延成形などの種々の成形方法成形装置を使用して、各種形状の成形品を製造することができる。例えば、本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物を、シリンダー温度が、ポリアミド樹脂の融点以上、分解温度以下の範囲内に調整された射出成形機シリンダー内で溶融させ、所定の形状の金型内に導入(射出)することにより、所定の形状をした成形品を製造することができる。また、シリンダー温度が上記の範囲内に調整された押出機内で難燃性ポリアミド樹脂組成物を溶融させ、口金ノズルより紡出することにより、繊維状の成形品を製造することができる。さらに、シリンダー温度が上記の範囲内に調整された押出機内で難燃性ポリアミド樹脂組成物を溶融させ、Tダイから押し出すことにより、フィルムシート状の成形品を製造することができる。この様な方法で製造された成形品を、さらに、その表面に塗料、金属、他種ポリマー等からなる被覆層を形成した状態で使用することもできる。

0058

本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物を用いると、優れた難燃性、機械特性(特に耐衝撃性)及び耐熱性(特に荷重たわみ温度)が良好な成形品が得られるので、例えば、コネクタ、スイッチ、リレー等の電気・電子部品ラジエータタンクガソリンオイル配管チューブ及びパイプ等の自動車用部品、種々の機械部品、種々の装飾部品、種々の建材部品、あるいはフィルム、シート、繊維等の難燃性が要求される用途に好適に用いることができる。

0059

以下に、本発明を具体的な実施例により示すが、本発明は実施例の内容に制限されるものではない。

0060

[参考例1]
N−(2,4,6−トリブロモフェニルジメタクリロイルアミドの合成
コンデンサー温度計及びガス吸収装置を備えた5L四つ口フラスコに、2,4,6−トリブロモアニリン(マナック(株)製)850g(2.58モル)、ジクロロメタン2040g、4−ジメチルアミノピリジン(東京化成工業(株)製)3.1g(0.025モル)、トリエチルアミン(東京化成工業(株)製)782.4g(7.73モル)を加え、10〜15℃で塩化メタクリロイル(東京化成工業(株)製)808.2g(7.73モル)をゆっくり滴下した後、35〜50℃で18時間撹拌を行った。反応終了後、水1365gを滴下し有機層洗浄した後、分液により有機層を分離した。得られた有機層を濃縮し、2−プロパノール411gを注入し2〜3℃で晶析を行った。得られた白色結晶を60℃で乾燥を行うことによって白色結晶を得た。上記操作を6回繰り返すことで目的物を5991g、収率83%で得た(HPLC純度99.8面積%、臭素含量51.5%、融点139℃)。

0061

[参考例2]
臭素含有重合体の調製
参考例1で得たN−(2,4,6−トリブロモフェニル)ジメタクリロイルアミド1000g(2.15mol)にクロロベンゼン315gを加え撹拌し、減圧脱気及びアルゴンフローを行った。脱気終了後、内温60〜80℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル17.6g(0.11mol;和光純薬工業(株)製)を加え、内温80〜100℃で12時間反応を行った。反応後、クロロベンゼン143g、アゾビスイソブチロニトリル17.6g(0.11mol;和光純薬工業(株)製)を加え、内温80〜100℃で12時間反応を行った。反応終了後、クロロベンゼン500gを加え、得られたクロロベンゼン溶液を大量のアセトン中に滴下し析出した結晶濾過し、アセトンにて洗浄することで得られた白色粉末を100℃減圧で乾燥することにより目的の臭素含有重合体を得た。上記操作を3回繰り返すことで1980g、収率66%で得た(臭素含量51質量%、ガラス転移温度277℃、5%重量減少温度402℃、重量平均分子量10,500(Mw/Mn=1.8))。

0062

[参考例3]
臭素含有重合体の調製
参考例1で得たN−(2,4,6−トリブロモフェニル)ジメタクリロイルアミド925g(1.99mol)にクロロベンゼン218gを加え撹拌し、減圧脱気及びアルゴンフローを行った。脱気終了後、ジt−ブチルペルオキシド30g(0.20mol;和光純薬工業(株)製)を加え、内温115〜125℃で24時間反応を行った。反応終了後、参考例2と同様の操作により目的の臭素含有重合体を得た。上記操作を3回繰り返すことで臭素含有重合体を1965g、収率71%で得た(臭素含量51質量%、ガラス転移温度255℃、5%重量減少温度396℃、重量平均分子量8,500(Mw/Mn=2.2))。

0063

難燃性樹脂組成物の調製
実施例及び比較例の難燃性樹脂組成物を構成する成分は、下記に示す原材料(A、B,C、D及びE成分)を使用した。参考例2及び3で得られた臭素含有重合体は、B成分(FR−1及びFR−2)として使用した。この下記成分を表1に記載の配合及び条件で溶融混合して押出混練し、ペレット状難燃性樹脂組成物を得た。押出混練状態を以下の指標で評価した。

0064

(押出混練状態)
○:混練吐出物の状態は安定しており問題なく押出できた。
×:ストランドを引くことができず、サンプリング不可能であった。

0065

(A成分:ポリアミド樹脂)
変性PA6T樹脂:35質量%ガラス繊維強化PA6T樹脂(融点300℃、デュポン社製「ザイテル登録商標HTN51G35HSL」) *35質量%のガラス繊維と65質量%の変性PA6T樹脂を含む。

0066

(B成分:難燃剤)
FR−1: 参考例2で得た臭素含有重合体:臭素含量51質量%、ガラス転移温度277℃、5%重量減少温度402℃、重量平均分子量10,500(Mw/Mn=1.8)
FR−2:参考例3で得た臭素含有重合体:臭素含量51質量%、ガラス転移温度255℃、5%重量減少温度396℃、重量平均分子量8,500(Mw/Mn2.2)
FR−3:臭素化ポリスチレン(臭素含量68質量%、ガラス転移温度183℃、5%重量減少温度374℃;アルマール社製「SAYTEX(登録商標)7010G」)
FR−4:臭素化ポリカーボネート(臭素含量58質量%、ガラス転移温度187℃、5%重量減少温度427℃;帝人(株)製「ファイヤガード(登録商標)8500」)

0067

(C成分:難燃助剤)
難燃助剤:ホウ酸亜鉛(4ZnO・B2O3・H2O)(ボラックス社製「ファイアブレイク(登録商標)415」)

0068

(D成分:充填剤又は強化剤
ガラス繊維:チョップドストランド(日東紡績(株)製「CS3G−225S」、平均繊維長:3mm)

0069

(E成分:ドリップ防止剤)
ドリップ防止剤:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)アクリル変性物(三菱レイヨン(株)製「メタブレン(登録商標)A−3800」)

0070

難燃性樹脂組成物の成型品の各種物性評価
評価方法は、具体的には以下の方法により実施した。

0071

(1)難燃性(UL94垂直燃焼試験法)
試験方法:UL94V準拠
状態調節:23±2℃・50±5%RH×48時間
試験環境:20℃〜23℃・54%RH〜62%RH

0072

(2)難燃性(酸素指数測定)
試験方法:JIS K 7201−2準拠
試験片寸法I形;80mm×10mm×4mm
測定条件上端点
酸素濃度増減量;0.2%
状態調節:23℃・50%RH×48時間
試験環境:22〜23℃・65%RH〜67%RH
測定装置キャンドル燃焼試験機AC2型((株)東洋精機製作所製)

0073

(3)シャルピー衝撃試験
試験方法:ISO179準拠
試験片形状:80mm×10mm×4mm Aノッチ、単刃加工
測定条件:試験温度;23℃
公称振子エネルギー;0.5J(PP)、2.0J
打撃方向;エッジイス
測定装置:デジタル衝撃試験機DG−UB型((株)東洋精機製作所製)

0074

(4)荷重たわみ温度
試験方法:ISO75−2準拠
試験片形状:80mm×10mm×4mm
測定条件:試験片の置き方;フラットワイズ
支点間距離;64mm
試験応力;1.80MPa
昇温速度;120℃/h
熱媒体シリコーンオイル
測定装置:ヒートデストーションテスターNo.148−HD−PC((株)安田精機製作所製)

0075

(5)臭素含有重合体の分子量測定
前処理:試料溶液メンブレンフィルター(0.2μm)で濾過した。
測定条件:溶離液テトラヒドロフラン(THF)
標準物質;ポリスチレン(PS)
試料濃度;1mg/mL
注入量;10μL
流量;0.35mL/min
カラム温度;40℃
測定装置:HLC-8320(東ソー(株)製(UV検出器(λ=254nm))
カラム:Tskgel SuperMultiporeHZ-N×2(東ソー(株)製)

0076

[実施例1〜3、比較例1〜3]
ポリアミド(A成分)100質量部に対して、表1に記載の質量部となるように各成分を配合し、表1に記載の条件下で、25mmφ二軸押出機((株)パーカーコーポレーション製、HK-25D)を用いて溶融混合して押出混練し、ストランドをカットしてペレット状難燃性樹脂組成物を得た。混練温度及び混練性の評価も表1に示す。

0077

0078

サンプリング不可能であった比較例3を除き、得られたペレット状難燃性樹脂組成物を表2記載の成形温度(シリンダー温度)、金型温度射出成形法により試験片を作製した。射出成形は、日精樹脂工業(株)製射出成形機PNX60を使用した。難燃性評価結果、シャルピー衝撃強さ及び荷重たわみ温度の結果を表2に示す。

0079

実施例

0080

溶解性試験
実施例1及び比較例1で得られた試験片をカットし、組成物中のポリアミド(A)が0.2重量/容量%となるように1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール(和光純薬工業(株)製)へ溶解した。実施例1では、組成物中のポリアミド(A)が溶解したのに対して、比較例1では組成物中のポリアミド(A)に由来する塊状の不溶物架橋体)が多量に確認された。

0081

本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物は、難燃剤として特定の臭素含有重合体(B)を用いることによって、ポリアミド(A)を含む樹脂組成物に、優れた難燃性を付与することができ、かつその成形品の耐熱性(荷重たわみ温度)及び機械特性(特に耐衝撃性)を損なうことがない。したがって、本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃性及び耐熱性(荷重たわみ温度)、機械特性が良好な成形品を与えることができ、家電製品部品、電気・電子部品、自動車部品等の種々の成形品を成形する材料として好適であり、工業的に極めて有用である。

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