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技術 改良されたアミノ脂質および核酸の送達方法

出願人 アルブータス・バイオファーマー・コーポレイションザユニヴァーシティオブブリティッシュコロンビア
発明者 マイケルジェイ.ホープショーンシー.センプルチアンシンチェントーマスディー.マディンピーターアール.カリスマルコエー.シウフォリーニバーバラムイ
出願日 2018年5月15日 (1年11ヶ月経過) 出願番号 2018-094076
公開日 2018年8月2日 (1年9ヶ月経過) 公開番号 2018-119016
状態 特許登録済
技術分野 化合物または医薬の治療活性 2個以上の酸素原子を含む複素環式化合物 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 糖類化合物 医薬品製剤 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 突然変異または遺伝子工学
主要キーワード 規定体 サイズ選定 中央領 反応物液 連続混合法 円筒状形 比較精度 中性イオン
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

改良されたアミノ脂質および核酸送達方法の提供。

解決手段

本発明は、細胞治療剤を送達するための優れた組成物および方法を提供する。特に、これらは、核酸の効率的なカプセル化およびin vivoでの細胞へのカプセル化された核酸の効率的な送達をもたらす新規の脂質および核酸−脂質粒子を含む。本発明の組成物は、非常に強力であり、それによって、相対的に低い用量で特定の標的タンパク質の有効なノックダウンを可能にする。さらに、本発明の組成物および方法は、毒性がより小さく、当技術分野で以前より公知の組成物および方法と比較してより大きい治療指数をもたらす。

概要

背景

治療用核酸として、例えば、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチドリボザイムプラスミド、および免疫刺激核酸が挙げられる。これらの核酸は、様々な機構を介して作用する。siRNAまたはmiRNAの場合では、これらの核酸は、RNA干渉(RNAi)と呼ばれるプロセスを通じて、特定のタンパク質細胞内濃度を下方制御することができる。細胞の細胞質にsiRNAまたはmiRNAを導入した後、これらの二本鎖RNA構築物は、RISCと呼ばれるタンパク質に結合することができる。siRNAまたはmiRNAのセンス鎖は、RISC複合体から置き換えられて、結合したsiRNAまたはmiRNAの配列と相補性の配列を有するmRNAを認識し、結合することができるRISC内の鋳型を提供する。相補性mRNAを結合させると、RISC複合体は、mRNAを切断し、切断された鎖を解放する。RNAiは、タンパク質合成をコードする対応するmRNAの特異的な破壊を標的にすることによって、特定のタンパク質を下方制御することができる。

siRNAおよびmiRNA構築物は、標的タンパク質に対して向けられた任意のヌクレオチド配列を用いて合成することができるので、RNAiの治療用途極度に広い。これまで、siRNA構築物は、in vitroおよびin vivoの両モデルにおいて、標的タンパク質を特異的に下方制御する能力を示している。さらに、siRNA構築物は、現在、臨床試験において評価されている。

しかし、現在、siRNAまたはmiRNA構築物が直面している2つの問題は、第1に、血漿中のヌクレアーゼ消化に対するその感受性であり、第2に、これらが遊離siRNAまたはmiRNAとして全身投与されたとき、RISCに結合することができる細胞内コンパートメントへのアクセスを得る能力が限られていることである。これらの二本鎖構築物は、分子内の化学修飾されたヌクレオチドリンカー、例えば、ホスホチオエート基の組込みによって安定化することができる。しかし、これらの化学修飾は、ヌクレアーゼ消化からの限られた保護のみをもたらし、構築物の活性を減少させる場合がある。siRNAまたはmiRNAの細胞内送達は、担体システム、例えば、ポリマーカチオン性リポソームなどの使用によって、または構築物の化学修飾、例えば、コレステロール分子共有結合によって促進することができる[参考文献]。しかし、siRNAおよびmiRNA分子効力を増大させ、化学修飾の必要性を低減または排除するために、送達システムの改善が必要とされる。

アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびリボザイムも、タンパク質へのmRNA翻訳阻害することができる。アンチセンス構築物の場合では、これらの一本鎖デオキシ核酸は、標的タンパク質mRNAの配列と相補性の配列を有し、ワトソンクリック塩基対合によってmRNAに結合することができる。この結合は、標的mRNAの翻訳を防止し、かつ/またはmRNA転写物RNaseH分解を引き起こす。したがって、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、作用の特異性(すなわち、特定の疾患関連タンパク質の下方制御)について極めて大きい可能性を有する。これまで、これらの化合物は、炎症疾患、癌、およびHIVのモデルを含めたいくつかのin vitroおよびin vivoモデルにおいて有望性を示している(Agrawal、Trendsin Biotech. 14巻:376〜387頁(1996年)において概説されている)。アンチセンスは、染色体DNAと特異的にハイブリダイズさせることによって、細胞活性に影響することもできる。いくつかのアンチセンス薬物の進展したヒト臨床評価は、現在、進行中である。これらの薬物についての標的は、bcl2およびアポリポタンパクB遺伝子、ならびにmRNA生成物が含まれる。

免疫刺激核酸には、デオキシリボ核酸およびリボ核酸が含まれる。デオキシリボ核酸の場合では、ある特定の配列またはモチーフは、哺乳動物において免疫刺激を誘発する(illicit)ことが示されている。これらの配列またはモチーフには、CpGモチーフピリミジン富む配列およびパリンドローム(palindromic)配列が含まれる。デオキシリボ核酸中のCpGモチーフは、エンドソーム受容体トール様受容体9(TLR−9)によって特異的に認識され、次いでこれは、先天免疫刺激経路および後天免疫刺激経路の両方を引き起こすと考えられている。ある特定の免疫刺激リボ核酸配列も報告されている。これらのRNA配列は、トール様受容体6および7(TLR−6およびTLR−7)に結合することによって、免疫活性化を引き起こすと考えられている。さらに、二本鎖RNAも免疫刺激性であることが報告されており、TLR−3への結合を介して活性化すると考えられている。

治療用核酸の使用に伴う1つの周知の問題は、ホスホジエステルヌクレオチド間連結の安定性、およびこのリンカーのヌクレアーゼに対する感受性に関係する。血清中エクソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼの存在は、ホスホジエステルリンカーを有する核酸を急速に消化し、したがって、治療用核酸は、血清の存在下または細胞内で非常に短い半減期を有する場合がある。(Zelphati, O.ら、Antisense. Res. Dev. 3巻:323〜338頁(1993年);およびThierry, A.R.ら、147〜161頁、Gene Regulation:Biology of Antisense RNA and DNA(Erickson, RPおよびIzant,JG編;Raven Press、NY(1992年))。現在開発されている治療用核酸は、これらおよび他の公知の問題のために、天然核酸において見出される基本的なホスホジエステル化学反応を使用しない。

この問題は、血清または細胞内分解を低減する化学修飾によって部分的に克服されている。改変は、ヌクレオチド間ホスホジエステル架橋(例えば、ホスホロチオエートメチルホスホネート、またはホスホラミデート連結を使用して)、ヌクレオチド塩基(例えば、5−プロピニル−ピリミジン)、または糖(例えば、2’−改変糖)において試験されている(Uhlmann E.ら、Antisense: Chemical Modifications. Encyclopedia of Cancer、X巻、64〜81頁、Academic Press Inc.(1997年))。2’−5’糖連結を使用して安定性を改善するために他のことも試みられている(例えば、米国特許第5,532,130号参照)。他の変更も試みられている。しかし、これらの解決策のいずれも、完全に十分であると証明されておらず、in vivoでの遊離治療用核酸は、依然として限られた効力のみを有する。

さらに、siRNAおよびmiRNAに関して上記したように、細胞膜横断する、治療用核酸の限られた能力(Vlassovら、Biochim. Biophys. Acta 1197巻:95〜1082頁(1994年)参照)に、および全身性毒性、例えば、補体媒介アナフィラキシー凝固特性の変化、および血球減少などに関連する問題において、問題が残っている(Galbraithら、Antisense Nucl. Acid Drug Des. 4巻:201〜206頁(1994年))。

効力の改善を試みるために、研究者らは、化学修飾された、または無改変の治療用核酸を送達するための脂質をベースとした担体システムも使用した。Zelphati, OおよびSzoka, F. C、J. Contr. Rel. 41巻:99〜119頁(1996年)において、本著者らは、アニオン性(従来の)リポソーム、pH感受性リポソーム、免疫リポゾーム融合性(fusogenic)リポソーム、およびカチオン性脂質/アンチセンス凝集体の使用に言及している。同様に、siRNAが、カチオン性リポソームで全身投与され、これらの核酸−脂質粒子は、非ヒト霊長類を含めた哺乳動物において、標的タンパク質の下方制御の改善をもたらすことが報告されている(Zimmermannら、Nature 441巻:111〜114頁(2006年))。

概要

改良されたアミノ脂質および核酸の送達方法の提供。本発明は、細胞に治療剤を送達するための優れた組成物および方法を提供する。特に、これらは、核酸の効率的なカプセル化およびin vivoでの細胞へのカプセル化された核酸の効率的な送達をもたらす新規の脂質および核酸−脂質粒子を含む。本発明の組成物は、非常に強力であり、それによって、相対的に低い用量で特定の標的タンパク質の有効なノックダウンを可能にする。さらに、本発明の組成物および方法は、毒性がより小さく、当技術分野で以前より公知の組成物および方法と比較してより大きい治療指数をもたらす。

目的

本発明は、in vivoでの治療用途に適した核酸、ならびに核酸−脂質粒子組成物のin vivo送達に有利である、カチオン性脂質ならびにこれらの脂質を含む脂質粒子を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

次の構造:のうちの1つを有する、アミノ脂質。

請求項2

請求項1に記載のアミノ脂質を含む脂質粒子

請求項3

中性脂質、および、粒子凝集を抑制することができるコンジュゲート脂質をさらに含む、請求項2に記載の脂質粒子。

請求項4

治療剤をさらに含む、請求項2または3のいずれか一項に記載の脂質粒子。

請求項5

前記治療剤が核酸である、請求項4に記載の脂質粒子。

請求項6

前記核酸がプラスミドまたは免疫賦活性オリゴヌクレオチドである、請求項5に記載の脂質粒子。

請求項7

前記核酸が、siRNA、マイクロRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、およびリボザイムからなる群から選択される、請求項5に記載の脂質粒子。

請求項8

前記核酸がsiRNAである、請求項7に記載の脂質粒子。

請求項9

請求項2から8のいずれか一項に記載の脂質粒子、および、薬学的に許容される賦形剤担体、または希釈剤を含む、医薬組成物

請求項10

細胞によるポリペプチド発現を調節するinvitroの方法であって、請求項2から8のいずれか一項に記載の脂質粒子を細胞に供給する工程を含む、方法。

請求項11

細胞によるポリペプチドの発現を調節するinvitroの方法であって、請求項4に記載の脂質粒子を細胞に供給する工程を含み、前記治療剤が、siRNA、マイクロRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、およびsiRNA、マイクロRNA、またはアンチセンスオリゴヌクレオチドを発現することができるプラスミドから選択され、前記siRNA、マイクロRNA、またはアンチセンスRNAが、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、またはその相補体に特異的に結合するポリヌクレオチドを含み、その結果、前記ポリペプチドの発現が低減される、方法。

請求項12

細胞によるポリペプチドの発現を調節するinvitroの方法であって、請求項4に記載の脂質粒子を細胞に供給する工程を含み、前記治療剤が、前記ポリペプチドまたはその機能性改変体もしくは断片をコードするプラスミドであり、その結果、前記ポリペプチドまたはその機能性改変体もしくは断片の発現が増大する、方法。

請求項13

被験体におけるポリペプチドの過剰発現を特徴とする疾患または障害治療する方法において使用するための、請求項4に記載の脂質粒子、および、薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む、医薬組成物であって、前記方法は、前記医薬組成物を前記被験体に提供する工程を含み、前記治療剤が、siRNA、マイクロRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、およびsiRNA、マイクロRNA、またはアンチセンスオリゴヌクレオチドを発現することができるプラスミドから選択され、前記siRNA、マイクロRNA、またはアンチセンスRNAが、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに特異的に結合するポリヌクレオチド、またはその相補体を含む、医薬組成物。

請求項14

被験体におけるポリペプチドの過小発現を特徴とする疾患または障害を治療する方法において使用するための、請求項4に記載の脂質粒子、および、薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む、医薬組成物であって、前記治療剤が、前記ポリペプチドまたはその機能性改変体もしくは断片をコードするプラスミドである、医薬組成物。

請求項15

被験体における免疫応答誘導する方法において使用するための、請求項4に記載の脂質粒子、および、薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む、医薬組成物であって、前記治療剤が免疫賦活性オリゴヌクレオチドである、医薬組成物。

請求項16

前記医薬組成物が、ワクチンまたは抗原と併用して前記患者に提供される、請求項15に記載の使用のための医薬組成物。

請求項17

請求項4から6のいずれか一項に記載の脂質粒子、および、疾患または病原体に関連する抗原を含む、ワクチン。

請求項18

前記抗原が腫瘍抗原である、請求項17に記載のワクチン。

請求項19

前記抗原が、ウイルス抗原細菌性抗原、または寄生生物抗原である、請求項17に記載のワクチン。

技術分野

0001

関連出願への相互参照
本出願は、米国特許法の、2008年10月9日出願の米国仮特許出願第61/104,219号;2008年10月9日出願の米国仮特許出願第61/104,212号;および2009年6月26日出願の米国仮特許出願第61/220,666号における利益を主張し、これら(3つ)の仮出願は、その全体が本明細書中において参考として援用される。

0002

配列表に関する陳述
本願に関連する配列表は、紙での写しの代わりにテキスト形式で提供されており、参照により本明細書に組み込まれている。この配列表を含んでいるテキストファイル名称は、480208_461PC_SEQUENCE_LISTING.txtである。このテキストファイルは9KBであり、2009年10月9日に作られたものであり、EFS−Webを介して電子的に提出されている。

0003

本発明は、脂質粒子を使用する治療剤送達の分野に関する。特に、本発明は、in vivoでの治療用途に適した核酸、ならびに核酸−脂質粒子組成物のin vivo送達に有利である、カチオン性脂質ならびにこれらの脂質を含む脂質粒子を提供する。さらに、本発明は、これらの組成物を製造する方法、ならびに例えば、様々な病状治療するために、これらの組成物を使用して細胞内に核酸を導入する方法を提供する。

背景技術

0004

治療用核酸として、例えば、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチドリボザイムプラスミド、および免疫刺激核酸が挙げられる。これらの核酸は、様々な機構を介して作用する。siRNAまたはmiRNAの場合では、これらの核酸は、RNA干渉(RNAi)と呼ばれるプロセスを通じて、特定のタンパク質の細胞内濃度を下方制御することができる。細胞の細胞質にsiRNAまたはmiRNAを導入した後、これらの二本鎖RNA構築物は、RISCと呼ばれるタンパク質に結合することができる。siRNAまたはmiRNAのセンス鎖は、RISC複合体から置き換えられて、結合したsiRNAまたはmiRNAの配列と相補性の配列を有するmRNAを認識し、結合することができるRISC内の鋳型を提供する。相補性mRNAを結合させると、RISC複合体は、mRNAを切断し、切断された鎖を解放する。RNAiは、タンパク質合成をコードする対応するmRNAの特異的な破壊を標的にすることによって、特定のタンパク質を下方制御することができる。

0005

siRNAおよびmiRNA構築物は、標的タンパク質に対して向けられた任意のヌクレオチド配列を用いて合成することができるので、RNAiの治療用途は極度に広い。これまで、siRNA構築物は、in vitroおよびin vivoの両モデルにおいて、標的タンパク質を特異的に下方制御する能力を示している。さらに、siRNA構築物は、現在、臨床試験において評価されている。

0006

しかし、現在、siRNAまたはmiRNA構築物が直面している2つの問題は、第1に、血漿中のヌクレアーゼ消化に対するその感受性であり、第2に、これらが遊離siRNAまたはmiRNAとして全身投与されたとき、RISCに結合することができる細胞内コンパートメントへのアクセスを得る能力が限られていることである。これらの二本鎖構築物は、分子内の化学修飾されたヌクレオチドリンカー、例えば、ホスホチオエート基の組込みによって安定化することができる。しかし、これらの化学修飾は、ヌクレアーゼ消化からの限られた保護のみをもたらし、構築物の活性を減少させる場合がある。siRNAまたはmiRNAの細胞内送達は、担体システム、例えば、ポリマーカチオン性リポソームなどの使用によって、または構築物の化学修飾、例えば、コレステロール分子共有結合によって促進することができる[参考文献]。しかし、siRNAおよびmiRNA分子効力を増大させ、化学修飾の必要性を低減または排除するために、送達システムの改善が必要とされる。

0007

アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびリボザイムも、タンパク質へのmRNA翻訳阻害することができる。アンチセンス構築物の場合では、これらの一本鎖デオキシ核酸は、標的タンパク質mRNAの配列と相補性の配列を有し、ワトソンクリック塩基対合によってmRNAに結合することができる。この結合は、標的mRNAの翻訳を防止し、かつ/またはmRNA転写物RNaseH分解を引き起こす。したがって、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、作用の特異性(すなわち、特定の疾患関連タンパク質の下方制御)について極めて大きい可能性を有する。これまで、これらの化合物は、炎症疾患、癌、およびHIVのモデルを含めたいくつかのin vitroおよびin vivoモデルにおいて有望性を示している(Agrawal、Trendsin Biotech. 14巻:376〜387頁(1996年)において概説されている)。アンチセンスは、染色体DNAと特異的にハイブリダイズさせることによって、細胞活性に影響することもできる。いくつかのアンチセンス薬物の進展したヒト臨床評価は、現在、進行中である。これらの薬物についての標的は、bcl2およびアポリポタンパクB遺伝子、ならびにmRNA生成物が含まれる。

0008

免疫刺激核酸には、デオキシリボ核酸およびリボ核酸が含まれる。デオキシリボ核酸の場合では、ある特定の配列またはモチーフは、哺乳動物において免疫刺激を誘発する(illicit)ことが示されている。これらの配列またはモチーフには、CpGモチーフピリミジン富む配列およびパリンドローム(palindromic)配列が含まれる。デオキシリボ核酸中のCpGモチーフは、エンドソーム受容体トール様受容体9(TLR−9)によって特異的に認識され、次いでこれは、先天免疫刺激経路および後天免疫刺激経路の両方を引き起こすと考えられている。ある特定の免疫刺激リボ核酸配列も報告されている。これらのRNA配列は、トール様受容体6および7(TLR−6およびTLR−7)に結合することによって、免疫活性化を引き起こすと考えられている。さらに、二本鎖RNAも免疫刺激性であることが報告されており、TLR−3への結合を介して活性化すると考えられている。

0009

治療用核酸の使用に伴う1つの周知の問題は、ホスホジエステルヌクレオチド間連結の安定性、およびこのリンカーのヌクレアーゼに対する感受性に関係する。血清中エクソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼの存在は、ホスホジエステルリンカーを有する核酸を急速に消化し、したがって、治療用核酸は、血清の存在下または細胞内で非常に短い半減期を有する場合がある。(Zelphati, O.ら、Antisense. Res. Dev. 3巻:323〜338頁(1993年);およびThierry, A.R.ら、147〜161頁、Gene Regulation:Biology of Antisense RNA and DNA(Erickson, RPおよびIzant,JG編;Raven Press、NY(1992年))。現在開発されている治療用核酸は、これらおよび他の公知の問題のために、天然核酸において見出される基本的なホスホジエステル化学反応を使用しない。

0010

この問題は、血清または細胞内分解を低減する化学修飾によって部分的に克服されている。改変は、ヌクレオチド間ホスホジエステル架橋(例えば、ホスホロチオエートメチルホスホネート、またはホスホラミデート連結を使用して)、ヌクレオチド塩基(例えば、5−プロピニル−ピリミジン)、または糖(例えば、2’−改変糖)において試験されている(Uhlmann E.ら、Antisense: Chemical Modifications. Encyclopedia of Cancer、X巻、64〜81頁、Academic Press Inc.(1997年))。2’−5’糖連結を使用して安定性を改善するために他のことも試みられている(例えば、米国特許第5,532,130号参照)。他の変更も試みられている。しかし、これらの解決策のいずれも、完全に十分であると証明されておらず、in vivoでの遊離治療用核酸は、依然として限られた効力のみを有する。

0011

さらに、siRNAおよびmiRNAに関して上記したように、細胞膜横断する、治療用核酸の限られた能力(Vlassovら、Biochim. Biophys. Acta 1197巻:95〜1082頁(1994年)参照)に、および全身性毒性、例えば、補体媒介アナフィラキシー凝固特性の変化、および血球減少などに関連する問題において、問題が残っている(Galbraithら、Antisense Nucl. Acid Drug Des. 4巻:201〜206頁(1994年))。

0012

効力の改善を試みるために、研究者らは、化学修飾された、または無改変の治療用核酸を送達するための脂質をベースとした担体システムも使用した。Zelphati, OおよびSzoka, F. C、J. Contr. Rel. 41巻:99〜119頁(1996年)において、本著者らは、アニオン性(従来の)リポソーム、pH感受性リポソーム、免疫リポゾーム融合性(fusogenic)リポソーム、およびカチオン性脂質/アンチセンス凝集体の使用に言及している。同様に、siRNAが、カチオン性リポソームで全身投与され、これらの核酸−脂質粒子は、非ヒト霊長類を含めた哺乳動物において、標的タンパク質の下方制御の改善をもたらすことが報告されている(Zimmermannら、Nature 441巻:111〜114頁(2006年))。

先行技術

0013

Zimmermannら、Nature 441巻:111〜114頁(2006年)

発明が解決しようとする課題

0014

この進展にもかかわらず、一般的な治療用途に適した核酸−脂質粒子および組成物の改善の必要性が当技術分野において残っている。これらの組成物は、高効率で核酸をカプセル化し、高い薬物:脂質比を有し、血清中での分解およびクリアランスからカプセル化された核酸を保護し、全身送達に適しており、カプセル化された核酸の細胞内送達をもたらすことが好ましい。さらに、これらの核酸−脂質粒子は、耐容性がよく、適切な治療指数をもたらすべきであり、その結果、有効用量の核酸での患者の治療が、患者への著しい毒性および/またはリスクを伴うべきでない。本発明は、疾患の治療用を含めた、そのような組成物、この組成物を製造する方法、および核酸を細胞内に導入するためのこの組成物の使用方法を提供する。

課題を解決するための手段

0015

本発明は、新規アミノ脂質、ならびにそれを含む脂質粒子を提供する。この脂質粒子は、活性薬剤をさらに含んでよく、本発明の関連方法に従って使用して、活性薬剤を細胞に送達することができる。

0016

一実施形態では、本発明は、次の構造(I):

0017

を有するアミノ脂質またはその塩を包含する。式中、
R1およびR2は、同じか異なるもののいずれかであり、独立に、任意選択置換されているC12〜C24アルキル、任意選択で置換されているC12〜C24アルケニル、任意選択で置換されているC12〜C24アルキニル、または任意選択で置換されているC12〜C24アシルであり、
R3およびR4は、同じか異なるもののいずれかであり、独立に、任意選択で置換されているC1〜C6アルキル、任意選択で置換されているC1〜C6アルケニル、または任意選択で置換されているC1〜C6アルキニルであるか、あるいはR3およびR4は、一緒になって、4〜6個の炭素原子と、窒素および酸素から選択される1または2個のヘテロ原子とからなる、任意選択で置換されているヘテロ環式の環を形成していてもよく、
R5は、存在しないか、または水素もしくはC1〜C6アルキルのいずれかであって第四級アミン(quaternary amine)をもたらし、
m、nおよびpは、同じか異なるもののいずれかであり、独立に0または1のいずれかであり、ただし、m、nおよびpは、同時に0にならず、
qは、2、3または4であり、
YおよびZは、同じか異なるもののいずれかであり、独立に、O、SまたはNHである。

0018

一実施形態では、アミノ脂質は、qが2である構造(I)を有するアミノ脂質である。

0019

特定の実施形態では、アミノ脂質は、次の構造(II):

0020

またはその塩を有する。式中、
R1およびR2は、同じか異なるもののいずれかであり、独立に、任意選択で置換されているC12〜C24アルキル、任意選択で置換されているC12〜C24アルケニル、任意選択で置換されているC12〜C24アルキニル、または任意選択で置換されているC12〜C24アシルであり、
R3およびR4は、同じか異なるもののいずれかであり、独立に、任意選択で置換されているC1〜C6アルキル、任意選択で置換されているC1〜C6アルケニル、または任意選択で置換されているC1〜C6アルキニルであるか、あるいはR3およびR4は、一緒になって、4〜6個の炭素原子と、窒素および酸素から選択される1または2個のヘテロ原子とからなる、任意選択で置換されているヘテロ環式の環を形成していてもよく、
R5は、存在しないか、または水素もしくはC1〜C6アルキルのいずれかであって第四級アミンをもたらし、m、nおよびpは、同じか異なるもののいずれかであり、独立に、
0または1のいずれかであり、ただし、m、nおよびpは、同時に0にならず、
YおよびZは、同じか異なるもののいずれかであり、独立に、O、SまたはNHである。

0021

特定の実施形態では、アミノ脂質は、次の構造(III)を有する。

0022

式中、
nは、2、3または4である。

0023

特定の一実施形態では、アミノ脂質は、次の構造を有する。

0024

特定の一実施形態では、アミノ脂質は、次の構造を有する。

0025

特定の一実施形態では、アミノ脂質は、次の構造を有する。

0026

別の実施形態では、本発明は、次の構造を有するアミノ脂質を提供する。

0027

関連する別の実施形態では、本発明は、上記本発明のアミノ脂質の1種または複数種を含む脂質粒子を包含する。特定の実施形態では、上記粒子は、中性脂質、および粒子の凝集を低減することのできる脂質をさらに含む。特定の一実施形態では、上記脂質粒子は、本質的に、(i)DLin−K−C2−DMA、(ii)DSPC、POPC、DOPEおよびSMから選択される中性脂質、(iii)コレステロール、ならびに(iv)PEG−S−DMG、PEG−C−DOMG、またはPEG−DMAからなり、モル比は、約20〜60%のDLin−K−C2−DMA:5〜25%の中性脂質:25〜55%のChol:0.5〜15%のPEG−S−DMG、PEG−C−DOMG、またはPEG−DMAである。特定の一実施形態では、上記脂質粒子は、本質的に、(i)DLin−K2−DMA、(ii)DSPC、POPC、DOPEおよびSMから選択される中性脂質、(iii)コレステロール、ならびに(iv)PEG−S−DMG、PEG−C−DOMG、またはPEG−DMAからなり、モル比は、約20〜60%のDLin−K2−DMA:5〜25%の中性脂質:25〜55%のChol:0.5〜15%のPEG−S−DMG、PEG−C−DOMG、またはPEG−DMAである。

0028

追加の関連実施形態では、本発明は、治療剤をさらに含む本発明の脂質粒子を含む。一実施形態では、上記治療剤は核酸である。様々な実施形態では、上記核酸はプラスミド、免疫賦活性オリゴヌクレオチド、siRNA、マイクロRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、またはリボザイムである。

0029

さらに別の関連実施形態では、本発明は、本発明の脂質粒子、および薬学的に許容される賦形剤担体、または希釈剤を含む医薬組成物を含む。

0030

本発明は、他の関連実施形態では、細胞によってポリペプチド発現を調節する方法であって、本発明の脂質粒子または医薬組成物を細胞に提供する工程を含む方法をさらに含む。特定の実施形態では、上記脂質粒子(paticle)は、siRNA、マイクロRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、およびsiRNA、マイクロRNA、またはアンチセンスオリゴヌクレオチドを発現することができるプラスミドから選択される治療剤を含み、siRNA、マイクロRNA、またはアンチセンスRNAは、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに特異的に結合するポリヌクレオチド、またはその相補体を含み、その結果、上記ポリペプチドの発現が低減される。別の実施形態では、上記核酸は、上記ポリペプチドまたはその機能性改変体(functional variant)もしくは断片をコードするプラスミドであり、その結果上記ポリペプチドまたはその機能性改変体もしくは断片の発現が増大する。

0031

なおさらなる関連実施形態では、本発明は、被験体において、ポリペプチドの過剰発現を特徴とする疾患または障害を治療する方法であって、本発明の脂質粒子または医薬組成物を上記被験体に提供する工程を含み、上記治療剤は、siRNA、マイクロRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、およびsiRNA、マイクロRNA、またはアンチセンスオリゴヌクレオチドを発現することができるプラスミドから選択され、上記siRNA、マイクロRNA、またはアンチセンスRNAは、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに特異的に結合するポリヌクレオチド、またはその相補体を含む方法を含む。

0032

別の関連実施形態では、本発明は、被験体において、ポリペプチドの過小発現を特徴とする疾患または障害を治療する方法であって、本発明の上記医薬組成物を上記被験体に提供する工程を含み、上記治療剤は、上記ポリペプチドまたはその機能性改変体もしくは断片をコードするプラスミドである方法を含む。

0033

さらなる実施形態では、本発明は、被験体において免疫応答誘導する方法であって、本発明の上記医薬組成物を上記被験体に提供する工程を含み、上記治療剤は、免疫賦活性オリゴヌクレオチドである方法を含む。特定の実施形態では、上記医薬組成物は、ワクチンまたは抗原と併用して上記患者に提供される。

0034

関連実施形態では、本発明は、本発明の上記脂質粒子、および疾患または病原体に関連する抗原を含むワクチンを含む。一実施形態では、上記脂質粒子は、免疫賦活性の核酸またはオリゴヌクレオチドを含む。特定の実施形態では、上記抗原は腫瘍抗原である。別の実施形態では、上記抗原は、ウイルス抗原細菌性抗原、または寄生生物抗原である。

0035

本発明は、本発明の上記脂質粒子および医薬組成物を調製する方法、ならびにこれらの脂質粒子および医薬組成物の調製に有用なキットをさらに含む。

0036

粒子の実施形態では、本発明の任意の組成物または方法は、本明細書に記載されるように、カチオン性脂質として、本発明の他のカチオン性脂質のいずれも含むことができる。特定の実施形態では、上記カチオン性脂質はDLin−K2−DMAまたはDLin−K6−DMAである。
本発明の好ましい実施形態では、例えば以下が提供される:
項目1)
次の構造(II):



[式中、
R1およびR2は、同じか異なるものかのいずれかであり、独立に、任意選択で置換されているC12〜C24アルキル、任意選択で置換されているC12〜C24アルケニル、任意選択で置換されているC12〜C24アルキニル、または任意選択で置換されているC12〜C24アシルであり、
R3およびR4は、同じか異なるものかのいずれかであり、独立に、任意選択で置換されているC1〜C6アルキル、任意選択で置換されているC1〜C6アルケニル、または任意選択で置換されているC1〜C6アルキニルであるか、あるいはR3およびR4は、一緒になって、4〜6個の炭素原子と、窒素および酸素から選択される1または2個のヘテロ原子とからなる、任意選択で置換されているヘテロ環式の環を形成していてもよく、
R5は、存在しないか、または水素もしくはC1〜C6アルキルであって第四級アミンをもたらすかのいずれかであり、
m、nおよびpは、同じか異なるものかのいずれかであり、それぞれ独立に0または1のいずれかであり、ただし、m、nおよびpは、同時に0にならず、
YおよびZは、同じか異なるものかのいずれかであり、独立に、O、SまたはNHである]を有するアミノ脂質、またはその塩。
(項目2)
構造:



を有する、項目1に記載のアミノ脂質。
(項目3)
次の構造:



のうちの1つを有する、アミノ脂質。
(項目4)
項目1から3のいずれか一項に記載のアミノ脂質を含む脂質粒子。
(項目5)
中性脂質および粒子凝集を低減することができる脂質をさらに含む、項目4に記載の脂質粒子。
(項目6)
(i)DLin−K−C2−DMA;
(ii)DSPC、POPC、DOPE、およびSMから選択される中性脂質;
(iii)コレステロール;および
(iv)PEG−脂質を、約20〜60%のDLin−K−DMA:5〜25%の中性脂質:25〜55%のコレステロール:0.5〜15%のPEG脂質のモル比で含む、項目5に記載の脂質粒子。
(項目7)
治療剤をさらに含む、項目4から6のいずれか一項に記載の脂質粒子。
(項目8)
前記治療剤が核酸である、項目7に記載の脂質粒子。
(項目9)
前記核酸がプラスミドである、項目8に記載の脂質粒子。
(項目10)
前記核酸が免疫賦活性オリゴヌクレオチドである、項目8に記載の脂質粒子。
(項目11)
前記核酸が、siRNA、マイクロRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、およびリボザイムからなる群から選択される、項目8に記載の脂質粒子。
(項目12)
前記核酸がsiRNAである、項目11に記載の脂質粒子。
(項目13)
項目7から12のいずれか一項に記載の脂質粒子、および薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤を含む医薬組成物。
(項目14)
細胞によるポリペプチドの発現を調節する方法であって、項目7から12のいずれか一項に記載の脂質粒子を細胞に供給する工程を含む方法。
(項目15)
前記治療剤が、siRNA、マイクロRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、およびsiRNA、マイクロRNA、またはアンチセンスオリゴヌクレオチドを発現することができるプラスミドから選択され、前記siRNA、マイクロRNA、またはアンチセンスRNAが、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、またはその相補体に特異的に結合するポリヌクレオチドを含み、その結果、前記ポリペプチドの発現が低減される、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記治療剤が、前記ポリペプチドまたはその機能性改変体もしくは断片をコードするプラスミドであり、その結果、前記ポリペプチドまたはその機能性改変体もしくは断片の発現が増大する、項目15に記載の方法。
(項目17)
被験体におけるポリペプチドの過剰発現を特徴とする疾患または障害を治療する方法であって、項目13に記載の医薬組成物を前記被験体に提供する工程を含み、前記治療剤が、siRNA、マイクロRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、およびsiRNA、マイクロRNA、またはアンチセンスオリゴヌクレオチドを発現することができるプラスミドから選択され、前記siRNA、マイクロRNA、またはアンチセンスRNAが、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに特異的に結合するポリヌクレオチド、またはその相補体を含む、方法。
(項目18)
被験体におけるポリペプチドの過小発現を特徴とする疾患または障害を治療する方法であって、項目13に記載の医薬組成物を前記被験体に提供する工程を含み、前記治療剤が、前記ポリペプチドまたはその機能性改変体もしくは断片をコードするプラスミドである、方法。
(項目19)
被験体における免疫応答を誘導する方法であって、項目13に記載の医薬組成物を前記被験体に提供する工程を含み、前記治療剤が免疫賦活性オリゴヌクレオチドである、方法。
(項目20)
前記医薬組成物が、ワクチンまたは抗原と併用して前記患者に提供される、項目19に記載の方法。
(項目21)
項目10に記載の脂質粒子、および疾患または病原体に関連する抗原を含むワクチン。
(項目22)
前記抗原が腫瘍抗原である、項目21に記載のワクチン。
(項目23)
前記抗原が、ウイルス抗原、細菌性抗原、または寄生生物抗原である、項目21に記載のワクチン。

図面の簡単な説明

0037

図1は、カチオン性脂質の膜破壊効果に関する作用の提唱される機序の略図および頭部基(headgroup)、リンカーおよび炭化水素鎖ドメインに分けられたDLinDMAの構造的略図である。単離において、カチオン性脂質およびエンドソーム膜のアニオン性脂質、例えば、ホスファチジルセリンは、円筒分子形状をとり、二重層立体配置(bilayer configulation)中でのパッキング適合している。しかし、カチオン性脂質およびアニオン性脂質が一緒に混合された場合、それらは結合し、結合した頭部基の断面積が、単離された個別の頭部基面積の合計の断面積より小さいイオン対を形成する。したがって、このイオン対は、「コーン型」の分子形状をとり、非二重層の相、例えば、例示のような六方晶の(hexagonal)HII相転換された形状を促進する。転換相(inverted phase)は、二重層構造を支持せず、膜融合および膜破壊に関与する(Hafez, I.M.ら、Gene Ther 8巻、1188〜1196頁(2001年)およびCullis, P. R.ら、Chem Phys Lipids、40巻、127〜144頁(1986年))。
図2A〜Bは、様々なカチオン性脂質を含む、核酸−脂質粒子のin vivoのサイレンシング活性を表すグラフである。図1Aは、マウスFVIIモデルにおける、DLinDAP(▼)、DLinDMA(▲)、DLin−K−DMA(■)およびDLin−K−C2−DMA(●)製剤のサイレンシング活性を表す。すべての核酸−脂質粒子は、プリフォームベシクル(PFV)法を使用して調製し、イオン化カチオン性脂質、DSPC、コレステロールおよびPEG−脂質(40/10/40/10mol/mol)で構成され、FVII siRNA対総脂質の比は約0.05(wt/wt)であった。データ点は、PBS対照動物パーセントとして表し、群平均(n=5)±s.d.で表し、全製剤を同じ研究内で比較した。図2Bは、DLin−K−DMAの上記活性についての頭部基の伸長の影響を実証する。DLin−K−DMA(■)は、DMA頭部基とケタール環リンカーとの間に付加された、追加のメチレン基を有し、DLin−K−C2−DMA(●)、DLin−K−C3−DMA(▲)およびDLin−K−C4−DMA(▼)を生み出した。各脂質のPFV製剤の活性を、上記マウスFVIIモデルにおいて評価した。データ点は、PBS対照動物のパーセントとして表し、群平均(n=4)±s.d.で表す。
図3は、カプセル化FVII siRNAを含む表示の核酸−脂質粒子製剤を様々な投与量でマウスに投与した後の残留FVII量を表すグラフである。
図4は、カプセル化FVII siRNAを含む表示の核酸−脂質粒子製剤を様々な投与量でラットに投与した後の残留FVII量を表すグラフである。
図5は、カプセル化FVII siRNAを含む2種の核酸−脂質粒子製剤(DLin−K−C2−DMAまたはDLin−K−DMA)をマウスまたはラットに投与した後の残留FVII量を比較するグラフである。
図6は、カプセル化FVII siRNAを含む3種の異なる核酸−脂質粒子製剤(DLin−K6−DMA、DLin−K−C2−DMAおよびDLin−K−DMA)を様々な濃度でマウスに投与した後の残留FVII量を比較するグラフである。
図7は、カプセル化FVII siRNAを含む表示の核酸−脂質粒子製剤を様々な投与量で動物に投与した後の残留FVII量を表すグラフである。C2は、DLin−K−C2−DMAを示し、C3はDLin−K−C3−DMAを示し、C4はDLin−K−C4−DMAを示す。
図8は、異なる表示のカチオン性脂質:DLinDAP(●)、DLinDMA(▲)、DLin−K−DMA(■)またはDLIN−K−C2−DMA(◆)を含む核酸−脂質粒子製剤を様々な投与量で投与した後の残留FVII量を示すグラフである。
図9A〜Bは、KC2−SNALP製剤の有効性を例示する図である。図9Aは、DLin−K−C2−DMA PFV製剤に対するKC2−SNALP製剤の、マウスにおける効力の改善を示すグラフである。KC2−SNALP製剤(○)のin vivoの効力を、非最適化DLin−KC2−DMA PFV製剤(●)のin vivoの効力を、マウスFVIIモデルにおいて比較した。データ点は、PBS対照動物に対するパーセントとして表し、群平均(n=5)±s.d.で表す。図9Bは、非ヒト霊長類におけるKC2−SNALP製剤の効力を表す図である。0.03、0.1、0.3または1mg/kgいずれかのsiTTRまたはKC2−SNALP中で製剤化した1mg/kgのsiApoBまたはPBSを、カニクイザル(n=3/群)に、橈側皮静脈を介して15分の静脈内注入(5mL/kg)で与えた。動物を、投与後48時間で犠牲にした。GAPDHmRNAレベルと比べたTTR mRNAレベルを、肝臓試料において決定した。データ点は、群平均±s.d.を表す。*=P<0.05、**=P<0.005。

0038

本発明は、治療剤をin vivoで送達するために脂質粒子中で使用される場合に、優れた結果をもたらす新規カチオン性脂質の同定に部分的に基づく。特に、本発明は、in vivoで核酸の活性の増大および組成物の著しい耐容性をもたらす、本発明によるカチオン性脂質を含む核酸−脂質粒子組成物(製剤またはリポソーム製剤とも呼ばれる)を提供し、これは、以前に記載された核酸−脂質粒子組成物と比較した場合、治療指数の著しい増大と相関することが予期される。

0039

添付の実施例において記載されるように、合理的な設計手法が、例えば、RNAi治療剤を含めた核酸を送達するための次世代脂質粒子システムにおいて使用するための新規脂質の発見に使用された。この手法を使用して、イオン化カチオン性脂質についての重要な構造−活性考慮事項記述され、DLinDMA構造に基づく複数の脂質が設計され、特徴付けられた。DLin−K−C2−DMAと呼ばれるカチオン性脂質を含む核酸−脂質粒子は、げっ歯類および非ヒト霊長類の両方において耐容性がよいことが示され、げっ歯類において、0.01mg/kgという低いsiRNA用量でのin vivo活性、ならびに非ヒト霊長類において治療上重要な遺伝子のサイレンシング(TTR)を示した。特に、この研究において実現されたTTRサイレンシング(ED50 約0.3mg/kg)は、非ヒト霊長類におけるLNP−siRNA媒介性サイレンシングの以前の報告と比べて、活性の著しい改善を示す。この研究において観察された効力は、これまで非ヒト霊長類においてRNAi治療剤について観察された最高レベルの効力を代表すると考えられる。

0040

したがって、ある特定の実施形態では、本発明は、siRNA分子を送達するための改善された組成物を特に提供する。これらの組成物は、標的タンパク質のタンパク質レベルおよび/またはmRNAレベルを下方制御することにおいて有効であることが本明細書で示される。本発明の脂質粒子および組成物は、in vitroまたはin vivoの両方で、結合している(associated)、またはカプセル化された治療剤の細胞への送達を含めた様々な目的のために使用することができる。したがって、本発明は、適当な治療剤に結合した本発明の脂質粒子に被験体を接触させることによって、疾患または障害の治療を必要とする上記被験体における、疾患または障害を治療する方法を提供する。

0041

本明細書に記載されるように、本発明の脂質粒子は、例えば、siRNA分子およびプラスミドを含めた核酸の送達に特に有用である。したがって、本発明の脂質粒子および組成物は、標的遺伝子発現を低減する核酸(例えば、siRNA)、または所望のタンパク質の発現を増大させるのに使用することができる核酸(例えば、所望のタンパク質をコードするプラスミド)に結合する本発明の脂質粒子と細胞を接触させることによって、in vitroおよびin vivoの両方で、標的遺伝子およびタンパク質の発現を調節するのに使用することができる。

0042

本発明のカチオン性脂質、ならびに脂質粒子および脂質粒子を含む組成物、ならびに治療剤を送達し、遺伝子およびタンパク質発現を調節するためのその使用の様々な例示的な実施形態を、以下にさらに詳細に記載する。

0043

A.アミノ脂質
本発明は、治療薬を細胞にin vivo送達するために本発明の脂質粒子において有利に使用される、以下の構造を有するアミノ脂質を含めた新規なアミノ脂質を提供する。

0044

本発明の一実施形態では、上記アミノ脂質は、次の構造(I)を有する。

0045

式中、
R1およびR2は、同じか異なるもののいずれかであり、独立に、任意選択で置換されているC12〜C24アルキル、任意選択で置換されているC12〜C24アルケニル、任意選択で置換されているC12〜C24アルキニル、または任意選択で置換されているC12〜C24アシルであり、R3およびR4は、同じか異なるもののいずれかであり、独立に、任意選択で置換されているC1〜C6アルキル、任意選択で置換されているC1〜C6アルケニル、または任意選択で置換されているC1〜C6アルキニルであるか、あるいはR3およびR4は、一緒になって、4〜6個の炭素原子と、窒素および酸素から選択される1または2個のヘテロ原子とからなる、任意選択で置換されているヘテロ環式の環を形成していてもよく、
R5は、存在しないか、または水素もしくはC1〜C6アルキルのいずれかであって第四級アミン(quaternary amine)をもたらし、
m、nおよびpは、同じか異なるもののいずれかであり、独立に0または1のいずれかであり、ただし、m、nおよびpは、同時に0にならず、
qは、2、3または4であり、そして
YおよびZは、同じか異なるもののいずれかであり、独立に、O、SまたはNHである。

0046

特定の一実施形態では、qは2である。

0047

「アルキル」とは、1〜24個の炭素原子を含んでいる、直鎖または分枝の、非環式または環式飽和脂肪族炭化水素を意味する。典型的な飽和直鎖アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピルn−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどが挙げられ、飽和分枝アルキルとしては、イソプロピル、sec−ブチルイソブチル、tert−ブチル、イソペンチルなどが挙げられる。典型的な飽和環式アルキルとしては、シクロプロピルシクロブチルシクロペンチルシクロヘキシルなどが挙げられ、不飽和環式アルキルとしては、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルなどが挙げられる。

0048

「アルケニル」とは、近接する炭素原子間二重結合を少なくとも1個含んでいる、上で定義したようなアルキルを意味する。アルケニルは、cisおよびtransの両方の異性体を包含する。典型的な直鎖および分枝アルケニルとして、エチレニルプロピレニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブチレニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニルなどが挙げられる。

0049

「アルキニル」とは、近接する炭素間三重結合を少なくとも1個さらに含んでいる、上で定義したような任意のアルキルまたはアルケニルを意味する。典型的な直鎖および分枝アルキニルとして、アセチレニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1ブチニルなどが挙げられる。

0050

「アシル」とは、結合点(point of attachment)にある炭素が、以下で定義するようなオキソ基で置換されている任意のアルキル、アルケニル、またはアルキニルを意味する。例えば、−C(=O)アルキル、−C(=O)アルケニル、および−C(=O)アルキニルは、アシル基である。

0051

ヘテロ環」とは、飽和、不飽和、または芳香族のいずれかであり、また窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1または2個のヘテロ原子を含んでいる、5〜7員単環式のヘテロ環式の環または上記ヘテロ環のいずれかがベンゼン環縮合している二環式の環を含めた7〜10員二環式のヘテロ環式の環を意味し、ここで、上記窒素および硫黄ヘテロ原子は、任意選択で酸化されていてもよく、上記窒素ヘテロ原子は、任意選択で四級化されていてもよい。上記ヘテロ環は、任意のヘテロ原子または炭素原子を介して結合していてよい。ヘテロ環は、以下で定義するようなヘテロアリールを包含する。ヘテロ環として、モルホリニルピロリジノニル、ピロリジニルピペリジニル、ピペリジニル(piperizynyl)、ヒダトイニル、バレロラクタミルオキシラニルオキセタニルテトラヒドロフラニルテトラヒドロピラニルテトラヒドロピリジニル、テトラヒドロプリミジニル(tetrahydroprimidinyl)、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどが挙げられる。

0052

用語「任意選択で置換されているアルキル」、「任意選択で置換されているアルケニル」、「任意選択で置換されているアルキニル」、「任意選択で置換されているアシル」、および「任意選択で置換されているヘテロ環」とは、置換されたとき、少なくとも1個の水素原子置換基で置き換えられていることを意味する。オキソ置換基(=O)の場合では、2個の水素原子が置き換えられている。この点について、置換基としては、オキソ、ハロゲン、ヘテロ環、−CN、−ORx、−NRxRy、−NRxC(=O)Ry、−NRxSO2Ry、−C(=O)Rx、−C(=O)ORx、−C(=O)NRxRy、−SOnRxおよび−SOnNRxRyが挙げられ、nは、0、1または2であり、RxおよびRyは、同じか異なるものであり、独立に、水素、アルキル、またはヘテロ環であり、前記アルキルおよびヘテロ環置換基は、オキソ、ハロゲン、−OH、−CN、アルキル、−ORx、ヘテロ環、−NRxRy、−NRxC(=O)Ry、−NRxSO2Ry、−C(=O)Rx、−C(=O)ORx、−C(=O)NRxRy、−SOnRxおよび−SOnNRxRyのうちの1つまたは複数でさらに置換されていてもよい。

0053

「ハロゲン」とは、フルオロクロロ、ブロモ、およびヨードを意味する。

0054

特定の実施形態では、上記アミノ脂質は、次の構造(II):

0055

またはその塩を有する。式中、
R1およびR2は、同じか異なるもののいずれかであり、独立に、任意選択で置換されているC12〜C24アルキル、任意選択で置換されているC12〜C24アルケニル、任意選択で置換されているC12〜C24アルキニル、または任意選択で置換されているC12〜C24アシルであり、
R3およびR4は、同じか異なるもののいずれかであり、独立に、任意選択で置換されているC1〜C6アルキル、任意選択で置換されているC1〜C6アルケニル、または任意選択で置換されているC1〜C6アルキニルであるか、あるいはR3およびR4は、一緒になって、4〜6個の炭素原子と、窒素および酸素から選択される1または2個のヘテロ原子とからなる、任意選択で置換されているヘテロ環式の環を形成していてもよく、
R5は、存在しないか、または水素もしくはC1〜C6アルキルのいずれかであって第四級アミンをもたらし、
m、nおよびpは、同じか異なるもののいずれかであり、独立に0または1のいずれかであり、ただし、m、nおよびpは、同時に0にならず、
YおよびZは、同じか異なるもののいずれかであり、独立に、O、SまたはNHである。

0056

特定の実施形態では、上記アミノ脂質は、次の構造(III)を有する。

0057

式中、
nは、2、3または4である。

0058

特定の一実施形態では、nは2である。

0059

特定の実施形態では、本発明のアミノ脂質は、次の構造のうちの1つを有する。

0060

特定の実施形態では、本発明のアミノ脂質は、次の構造のうちの1つを有する。

0061

0062

0063

一部の実施形態では、本発明の方法に保護基の使用が必要となる場合がある。保護基の方法論は、当業者に周知である(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis、Green, T.W.ら、Wiley−Interscience、New YorkCity、1999年を参照されたい)。簡潔に述べると、本発明の状況の範囲内の保護基は、官能基の望ましくない反応性を低減または除去する任意の基である。保護基を官能基に付加して、特定の反応の間にその反応性を遮断し、次いで除去して、もとの官能基を表わす(reveal)ことができる。一部の実施形態では、「アルコール保護基」を使用する。「アルコール保護基」は、アルコール官能基の望ましくない反応性を低減または除去する任意の基である。保護基は、当技術分野で周知の技術を使用して付加および除去することができる。

0064

本発明の化合物は、本実施例でより詳細に記載する方法を含む、公知の有機合成技術によって調製することができる。一般に、上記構造(I)の化合物は、以下の反応スキーム1または2によって作製することができ、反応スキームにおいて、すべての置換基は、別段表記しない限り上で規定した通りである。

0065

mが1であり、pが0である構造(I)の化合物は、反応スキーム1に従って調製することができる。ケトン1およびグリニャール試薬2(Pは、トリチルなどのアルコール保護基である)は、購入するか、または当業者に公知の方法に従って調製することができる。1と2の反応によって、アルコール3が得られる。例えば緩酸(mild acid)での処理によって3を脱保護した後、適切な臭素化試薬、例えば三臭化リン(phosphorous tribromide)を用いて臭素化すると、それぞれ4および5が得られる。臭化物5を6で処理すると、ヘテロ環式化合物7が得られる。次いで、7をアミン8で処理すると、mが1であり、R5が存在しない構造(I)の化合物(9)が得られる。9を塩化物10でさらに処理すると、mが1であり、R5が存在する構造(I)の化合物が得られる。

0066

1.反応スキーム1

0067

mおよびpが0である構造(I)の化合物は、反応スキーム2に従って調製することができる。ケトン1および臭化物6は、購入するか、または当業者に公知の方法に従って調製することができる。1と6の反応によって、ヘテロ環12が得られる。12をアミン8で処理すると、mが0であり、R5が存在しない構造(I)の化合物(13)が得られる。13を10でさらに処理すると、wが0であり、R5が存在する構造(I)の化合物が生成される。

0068

2.反応スキーム2

0069

mおよびpが1であり、nが0である場合の特定の実施形態では、本発明の化合物は、反応スキーム3に従って調製することができる。化合物12および13は、購入するか、または当業者に公知の方法に従って調製することができる。12と13の反応によって、R5が存在しない構造(I)の化合物(14)が得られる。R5が存在する他の実施形態では、13を10で処理して、構造15の化合物を得ることができる。

0070

3.反応スキーム3

0071

mまたはpのどちらかが1であり、nが0である他の特定の実施形態では、本発明の化合物は、反応スキーム4に従って調製することができる。化合物16は、購入するか、または当業者に公知の方法に従って調製することができ、13と反応させて、R5が存在しない構造(I)の化合物(17)を得ることができる。R5が存在する、構造(I)の他の実施形態は、17を10で処理して、構造18の化合物を得ることにより調製できる。

0072

4.反応スキーム4

0073

nが1であり、mおよびpが0である構造(I)の特定の詳細な実施形態では、本発明の化合物は、反応スキーム5に従って調製することができる。化合物19は、購入するか、または当業者に公知の方法に従って調製することができる。19をホルムアルデヒドと反応させた後、任意選択のアルコール保護基(P)を除去すると、アルコール20が得られる。20を臭素化した後、アミン8で処理すると22が得られる。次いで、化合物22をn−ブチルリチウムおよびR1Iで処理した後、n−ブチルリチウムおよびR2Iでさらに処理すると、R5が存在しない構造(I)の化合物(23)を得ることができる。23を10でさらに処理すると、R5が存在する構造(I)の化合物(24)が得られる。

0074

5.反応スキーム5

0075

特定の実施形態では、本発明のアミノ脂質は、カチオン性脂質である。本明細書で使用する場合、「アミノ脂質」という用語は、生理的pHでプロトン化されて、カチオン性脂質を形成することのできる、1つまたは2つの脂肪酸または脂肪アルキル鎖とアミノ頭部基(アルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基を含める)とを有する脂質を包含することを意味する。

0076

他のアミノ脂質として、別の脂肪酸基と、アルキル置換基が異なるもの(例えば、N−エチル−N−メチルアミノ−、N−プロピル−N−エチルアミノ−など)を含めた他のジアルキルアミノ基とを有するアミノ脂質が挙げられることになる。R11およびR12が両方とも長鎖アルキル基または長鎖アシル基である実施形態については、これらは同じでも異なってもよい。一般に、飽和度の低いアシル鎖を有するアミノ脂質の方が、特にその複合体を濾過滅菌の目的のために約0.3ミクロン未満の大きさにしなければならない場合、特定の大きさにすることが容易である。炭素鎖長がC14〜C22の範囲にある不飽和脂肪酸を含んでいるアミノ脂質が好ましい。他の骨組み(scaffold)を使用して、上記アミノ脂質のアミノ基と脂肪酸または脂肪アルキル部分とを隔てることもできる。適切な骨組みは、当業者に公知である。

0077

特定の実施形態では、本発明のアミノ脂質またはカチオン性脂質は、少なくとも1個のプロトン化可能な(protonatable)基または脱プロトン化可能な(deprotonatable)基を有する結果、生理的pH以下のpH(例えばpH7.4)で正に荷電し、第二のpH、好ましくは生理的pH以上で中性である。当然のことながら、pHに応じたプロトンの付加または除去は平衡過程であること、ならびに荷電脂質、または中性脂質への言及は、主要な(predominant)種の性質を指し、上記脂質のすべてが荷電形態または中性の形態で存在する必要はないことは理解される。プロトン化可能な基または脱プロトン化可能な基を2個以上有する、または双性イオン性である脂質は、本発明における使用から除外されない。

0078

特定の実施形態では、本発明によるプロトン化可能な脂質は、プロトン化可能な基のpKaが約4〜約11の範囲にある。pKaが約4〜約7であることが最も好ましいが、それは、こうした脂質が、より低いpHの製剤化段階ではカチオン性となる一方、pH7.4付近の生理的pHでは、粒子の表面が(完全ではないが)広く中和されるからである。このpKaの利点の1つは、上記粒子の外表面に結合している少なくとも一部の核酸が、生理的pHでその静電相互作用を失い、単なる透析によって除去されること、従って上記粒子のクリアランスされやすさが大きく低減されることである。

0079

B.脂質粒子
本発明は、上記のアミノ脂質の1種または複数種を含む脂質粒子も提供する。脂質粒子としては、限定はしないが、リポソームが挙げられる。本明細書で用いる場合、リポソームとは、水性の内部を囲む脂質含有膜を有する構造である。リポソームは、1重または複数の脂質膜を有するものでよい。本発明は、単層と呼ばれる単一の層からなるリポソーム、および多層(multilamellar)と呼ばれる複数の層からなるリポソームの両方を企図する。核酸との複合体を形成するとき、脂質粒子は、例えば、Felgner、Scientific Americanに記載されているような、DNA層の間に挟まれたカチオン性脂質二重層から構成されるリポプレックスにしてもよい。

0080

本発明の脂質粒子は、1種または複数種の追加の脂質および/または他の成分、例えばコレステロールをさらに含んでよい。他の脂質は、脂質酸化を防いだり、リポソーム表面リガンドを付着させるなどの様々な目的で、本発明のリポソーム組成物に含ませることができる。両親媒性脂質、中性脂質、カチオン性脂質、およびアニオン性脂質を含めて、いくつかの脂質のいずれもが、本発明のリポソームに存在してよい。そのような脂質は、単独で使用することも、組み合わせて使用することもできる。存在してよい追加の脂質成分の詳細な例は、以下に記載する。

0081

特定の実施形態では、本発明の脂質粒子は、上記のアミノ脂質、非カチオン性脂質または中性脂質、および粒子凝集を抑制するコンジュゲート脂質を含む。特定の実施形態では、本発明の脂質粒子は、上記のアミノ脂質、非カチオン性脂質または中性脂質、ステロール、および粒子凝集を抑制するコンジュゲート脂質を含む。特定の実施形態では、こうした脂質粒子は、本発明のアミノ脂質に加えてカチオン性脂質をさらに含む。

0082

本発明の脂質粒子に存在してよい追加の成分として、二重層安定化成分、例えば、ポリアミドオリゴマー(例えば米国特許第6,320,017号を参照されたい)、ペプチド、タンパク質、洗浄剤ホスファチジルエタノールアミンに結合したPEGやセラミドにコンジュゲートしたPEG(米国特許第5,885,613号を参照されたい)などの脂質誘導体が挙げられる。

0083

形成中の粒子の凝集を低減する脂質の例としては、ポリエチレングリコール(PEG)改変脂質、モノシアロガングリオシドGm1、および(米国特許第6,320,017号に記載のもの)などのポリアミドオリゴマー(「PAO」)が挙げられる。製剤化の間の凝集を防止する、PEG、Gm1、またはATTAのような、非荷電の親水性立体障壁部分を有する他の化合物を、本発明の方法および組成物における使用のために脂質に結合させることもできる。ATTA−脂質は、例えば米国特許第6,320,017号に記載されており、PEG−脂質コンジュゲートは、例えば米国特許第5,820,873号、同第5,534,499号、および同第5,885,613号に記載されている。典型的には、凝集を低減するために選択される脂質成分の濃度は、約1から15%(脂質に対するモルパーセント)である。

0084

本発明において有用であるPEG改変脂質(または脂質−ポリオキシエチレンコンジュゲート)の詳細な例は、様々な「固定(anchoring)」脂質部分を有して、PEG部分脂質ベシクルの表面に固定する(secure)ことができる。適切なPEG改変脂質の例として、PEG改変ホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジン酸、参照により本明細書に組み込まれる同時係属のUSSN08/486,214に記載されているPEG−セラミドコンジュゲート(例えば、PEG−CerC14またはPEG−CerC20)、PEG改変ジアルキルアミン、ならびにPEG改変1,2−ジアシルオキシプロパン−3−アミンが挙げられる。特に好ましいのは、PEG改変ジアシルグリセロールおよびジアルキルグリセロールである。

0085

特定の実施形態では、PEG−脂質は、以下のものから選択される。

0086

PEGやATTAなどの立体的に大きい部分が脂質アンカーにコンジュゲートしている実施形態では、上記脂質アンカーの選択は、上記コンジュゲートが有することになる上記脂質粒子との結合のタイプに応じて決まる。mePEG(mw2000)−ジアステアイルホスファチジルエタノールアミン(PEG−DSPE)は、上記粒子が循環から取り除かれるまで、恐らく約数日、リポソームと結合したままとなることは周知である。PEG−CerC20などの他のコンジュゲートも、同様の滞留能力を有する。しかし、PEG−CerC14は、いくつかのアッセイにおいて、血清に曝されると、製剤の外へと急速に交換され、T1/2は60分未満である。米国特許出願第08/486,214号で例示されているように、交換速度に影響を及ぼすのは、次の少なくとも3つの特徴、すなわち、アシル鎖の長さ、アシル鎖の飽和状態、および立体障壁頭部基の大きさである。これらの特性の適切な変形形態(variation)を備えた化合物は、本発明にとって有用となり得る。一部の治療適用例では、上記PEG改変脂質が上記核酸−脂質粒子からin vivoで急速に失われることが好ましい場合もあり、したがって、上記PEG改変脂質は、比較的短い脂質アンカーを有することになる。他の治療適用例では、上記核酸−脂質粒子がより長い血漿循環寿命を示すことが好ましい場合もあり、したがって、上記PEG改変脂質は、比較的より長い脂質アンカーを有することになる。

0087

凝集を防止する化合物は、正しく機能するのに脂質コンジュゲーションを必ずしも必要としないことに留意すべきである。溶液中の遊離PEGまたは遊離ATTAは、凝集を十分に防止することができる。上記粒子が製剤化後に安定している場合、上記PEGまたはATTAは、被験体に投与される前に透析によって除くことができる。

0088

用語「非カチオン性脂質」とは、任意の両親媒性脂質ならびに任意の他の中性脂質またはアニオン性脂質を指す。上記脂質粒子、例えば本発明のSNALPにおいて使用される非カチオン性脂質は、安定な複合体を生成することのできる様々な中性非荷電脂質、双性イオン脂質、またはアニオン性脂質のいずれかでよい。

0089

用語「中性脂質」とは、選択されたpHで、非荷電または中性双性イオンのいずれかの形態で存在するいくつかの脂質種のいずれかを指す。生理的pHでは、そのような脂質として、例えば、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリンセファリン、コレステロール、セレブロシド、およびジアシルグリセロールが挙げられる。

0090

用語「アニオン性脂質」とは、生理的pHで負に荷電した任意の脂質を指す。こうした脂質として、限定はしないが、ホスファチジルグリセロールカルジオリピン、ジアシルホスファチジルセリン、ジアシルホスファチジン酸、N−ドデカノイルホスファチジルエタノールアミン、N−スクシニルホスファチジルエタノールアミン、N−グルタリルホスファチジルエタノールアミン、リシルホスファチジルグリセロール、パルミトイルオレオイルホスファチジルグリセロール(palmitoyloleyolphosphatidylglycerol)(POPG)、およびアニオン修飾基が中性脂質に結合した他の脂質が挙げられる。そのような脂質として、例えば、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、ジヒドロスフィンゴミエリン、セファリン、およびセレブロシドが挙げられる。本明細書に記載の粒子において使用する中性脂質の選択は、例えば、リポソームの大きさおよびリポソームの血流中での安定性を考慮して一般に決められる。中性脂質成分は、2個のアシル基を有する脂質(すなわち、ジアシルホスファチジルコリンおよびジアシルホスファチジルエタノールアミン)であることが好ましい。鎖長および飽和度の様々な種々のアシル鎖基を有する脂質が入手可能であり、または周知の技術によって単離もしくは合成することができる。一群の実施形態では、炭素鎖長がC14〜C22の範囲にある飽和脂肪酸を含んでいる脂質が好ましい。別の群の実施形態では、炭素鎖長がC14〜C22の範囲にある一価または二価不飽和脂肪酸を有する脂質を使用する。加えて、飽和脂肪酸鎖と不飽和脂肪酸鎖の混合物を有する脂質を使用することができる。本発明で使用する中性脂質は、DOPE、DSPC、POPC、または任意の同類ホスファチジルコリンであることが好ましい。本発明において有用な中性脂質は、スフィンゴミエリン、ジヒドロフィンゴミリン、またはセリンイノシトールなどの他の頭部基を有するリン脂質から構成されたものでもよい。

0091

非カチオン性脂質の非限定的な例として、レシチン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾレシチンリゾホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、スフィンゴミエリン(ESM)、セファリン、カルジオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、ジセチルホスフェートジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリンDPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイル−ホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイル−ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、パルミトイルオレオイル(palmitoyloleyol)−ホスファチジルグリセロール(POPG)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン 4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレート(DOPE−mal)、ジパルミトイル−ホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイル−ホスファチジルエタノールアミン(DMPE)、ジステアロイル−ホスファチジルエタノールアミン(DSPE)、モノメチル−ホスファチジルエタノールアミン、ジメチル−ホスファチジルエタノールアミン、ジエライドイル−ホスファチジルエタノールアミン(DEPE)、ステアロイルオレオイル−ホスファチジルエタノールアミン(SOPE)、リゾホスファチジルコリンジリノレオイルホスファチジルコリンなどのリン脂質、およびそれらの混合物が挙げられる。他のジアシルホスファチジルコリンリン脂質およびジアシルホスファチジルエタノールアミンリン脂質も使用することができる。これらの脂質中のアシル基は、C10〜C24炭素鎖を有する脂肪酸に由来するアシル基、例えば、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、またはオレオイルであることが好ましい。

0092

非カチオン性脂質の追加の例として、コレスタノールコレスタノンコレステノン、コプロスタノールなどのコレステロールおよびその誘導体といったステロールが挙げられる。

0093

一部の実施形態では、上記脂質粒子、例えばSNALPに存在する非カチオン性脂質は、コレステロールを含むか、またはコレステロールからなり、例えば、リン脂質を含まないSNALPである。他の実施形態では、上記脂質粒子、例えばSNALPに存在する非カチオン性脂質は、1種または複数種のリン脂質を含むか、または1種または複数種のリン脂質からなり、例えば、コレステロールを含まないSNALPである。さらなる実施形態では、SNALPに存在する非カチオン性脂質は、1種または複数種のリン脂質とコレステロールの混合物を含むか、または1種または複数種のリン脂質とコレステロールの混合物からなる。

0094

本発明での使用に適する非カチオン性脂質の他の例として、例えば、ステアリルアミンドデシルアミンヘキサデシルアミンアセチルパルミテート、グリセロールリシノレエート(glycerolricinoleate)、ヘキサデシルテレエート(hexadecyl stereate)、ミリスチン酸イソプロピル両性アクリル系ポリマーラウリル硫酸トリエタノールアミン、アルキル−アリールスルフェートポリエチルオキシレート化(polyethyloxylated)脂肪酸アミド、臭化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、セラミド、スフィンゴミエリンなどの、リンを含まない脂質が挙げられる。

0095

非カチオン性脂質は典型的には、上記粒子中に存在する全脂質の約13mol%〜約49.5mol%、約20mol%〜約45mol%、約25mol%〜約45mol%、約30mol%〜約45mol%、約35mol%〜約45mol%、約20mol%〜約40mol%、約25mol%〜約40mol%、または約30mol%〜約40mol%を占める。

0096

上記脂質混合物中のステロール成分は、存在する場合、リポソーム、脂質ベシクル、または脂質粒子調製の分野で慣例的に使用されているステロールのいずれかでよい。好ましいステロールは、コレステロールである。

0097

上で詳述したものに加えて、生理的pH周辺正味正電荷を有する他のカチオン性脂質も、本発明の脂質粒子に含めることができる。そのようなカチオン性脂質として、限定はしないが、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(“DODAC”);N−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル−N,N−N−トリエチルアンモニウムクロリド(“DOTMA”);N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(“DDAB”);N−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(“DOTAP”);1,2−ジオレイルオキシ−3−トリメチルアミノプロパンクロリド塩(“DOTAP.Cl”);3β−(N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)−カルバモイル)コレステロール(“DC−Chol”)、N−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N−2−(スペルミンカルボキサミド)エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムトリフルオルアセテート(“DOSPA”)、ジオクタデシルアミドグリシルカルボキシスペルミン(“DOGS”)、1,2−ジレオイル−sn−3−ホスホエタノールアミン(“DOPE”)、1,2−ジオレオイル−3−ジメチルアンモニウムプロパン(“DODAP”)、N,N−ジメチル−2,3−ジオレイルオキシ)プロピルアミン(“DODMA”)、およびN−(1,2−ジミリスチルオキシプロプ−3−イル)−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(“DMRIE”)が挙げられる。加えて、例えばLIPOFECTIN(DOTMAおよびDOPEを含む、GIBCO/BRLから入手可能)やLIPOFECTAMINE(DOSPAおよびDOPEを含む、GIBCO/BRLから入手可能)などの、カチオン性脂質のいくつかの市販調製物を使用することができる。特定の実施形態では、カチオン性脂質は、アミノ脂質である。

0098

数多くの実施形態では、両親媒性脂質が本発明の脂質粒子に含まれる。「両親媒性脂質」とは、脂質材料疎水性部分が疎水性の相に配向し、その親水性部分が水相に向かって配向する任意の適切な材料を指す。そのような化合物として、限定はしないが、リン脂質、アミノ脂質、およびスフィンゴ脂質が挙げられる。代表的なリン脂質には、スフィンゴミエリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、またはジリノレオイルホスファチジルコリンが含まれる。スフィンゴ脂質類、スフィンゴ糖脂質ファミリージアシルグリセロール類、およびβ−アシルオキシ酸類などの、他のリンを含まない化合物も使用することができる。加えて、このような両親媒性脂質類は、トリグリセリド類ステロール類などの他の脂質と容易に混合することができる。

0099

プログラム可能な融合脂質も、本発明の脂質粒子に含めるのに適する。そのような脂質粒子は、細胞膜と融合する傾向がほとんどなく、所与シグナル事象が起こるまでその負荷量(payload)を送達する。このため、上記脂質粒子は、生物または疾患部位注入された後、それが細胞と融合し始める前に、より均等に分配される。上記シグナル事象は、例えば、pH、温度、イオン環境、または時間の変化でよい。最後のケースでは、ATTA−脂質コンジュゲートまたはPEG−脂質コンジュゲートなどの融合遅延または「遮蔽(cloaking)」成分が、時間と共に上記脂質粒子膜の外へと単純に交換されることが可能である。上記脂質粒子は、体内に適切に分配される時までには、十分な遮蔽剤を失っていて、融合性となる。他のシグナル事象では、炎症部位での温度の上昇など、上記疾患部位または標的細胞に関連するシグナルを選択することが望ましい。

0100

特定の実施形態では、細胞型または組織に特異的であるターゲッティング部分を使用した本発明の脂質粒子をターゲッティングすることが望ましい。リガンド、細胞表面受容体糖タンパク質ビタミン(例えばリボフラビン)、モノクローナル抗体などの様々なターゲッティング部分を使用した脂質粒子のターゲッティングについては、以前から記載されている(例えば、米国特許第4,957,773号および第4,603,044号を参照されたい)。上記ターゲッティング部分は、タンパク質全体またはその断片を含むものでよい。ターゲッティング機序では、一般に、ターゲッティング因子(targeting agent)は、標的(例えば細胞表面受容体)との相互作用に上記標的部分利用可能になるようにして、上記脂質粒子の表面上に配置されることが必要となる。例えば、Sapra, P.およびAllen, TM、Prog. Lipid Res. 42巻(5号):439〜62頁(2003年)、およびAbra, RMら、J. Liposome Res. 12巻:1〜3頁(2002年)に記載のものを含めて、様々な異なるターゲッティング因子および方法が当技術分野で公知であり、入手可能である。

0101

ポリエチレングリコール(PEG)鎖などの親水性ポリマー鎖表面コーティングが施された、脂質粒子、すなわちリポソームをターゲッティングのために使用することが提案されている(Allenら、Biochimica et Biophysica Acta 1237巻:99〜108頁(1995年);DeFreesら、Journal of the American Chemistry Society 118巻:6101〜6104頁(1996年);Blumeら、Biochimica et Biophysica Acta 1149巻:180〜184頁(1993年);Klibanovら、Journal of Liposome Research 2巻:321〜334頁(1992年);米国特許第5,013556号;Zalipsky、Bioconjugate Chemistry 4巻:296〜299頁(1993年);Zalipsky、FEBSLetters 353巻:71〜74頁(1994年);Zalipsky、Stealth Liposomes 第9章(LasicおよびMartin編)CRCPress、Boca Raton Fl(1995年)。1つの手法では、上記脂質粒子をターゲッティングするための、抗体などのリガンドを、上記脂質粒子を形成する脂質の極性頭部基に連結する。別の手法では、上記ターゲッティングリガンドを、親水性ポリマーコーティングを形成するPEG鎖遠位末端に結合させる(Klibanovら、Journal of Liposome Research 2巻:321〜334頁(1992年);Kirpotinら、FEBS Letters 388巻:115〜118頁(1996年))。

0102

上記標的因子(target agent)を結合する標準の方法を使用することができる。例えば、標的因子を結合するために活性化することのできるホスファチジルエタノールアミン、または脂質によって誘導体化された(lipid−derivatized)ブレオマイシンなどの、誘導体化された親油性化合物を使用することができる。抗体によって標的指向化された(antibody−targeted)リポソームを、例えば、プロテインAが組み込まれているリポソームを使用して構築することができる(Renneisenら、J. Bio. Chem.、265巻:16337〜16342頁(1990年)およびLeonettiら、Proc. Natl. Acad. Sci. (USA)、87巻:2448〜2451頁(1990年)を参照されたい)。抗体コンジュゲーションの他の例は、米国特許第6,027,726号で開示されており、その教示を参照により本明細書に組み込む。ターゲッティング部分の例として、新生物または腫瘍に関連する抗原を含めて、細胞成分に特異的な他のタンパク質も挙げることができる。ターゲッティング部分として使用するタンパク質は、共有結合によって上記リポソームに結合させることができる(Heath、Covalent Attachment of Proteins to Liposomes、149巻、Methodsin Enzymology 111〜119頁(Academic Press, Inc. 1987年)を参照されたい)。他のターゲッティング方法として、ビオチンアビジン系が挙げられる。

0103

例となる一実施形態では、上記脂質粒子は、本発明のアミノ脂質、(アミノ脂質以外の)中性脂質、ステロール(例えばコレステロール)、およびPEG改変脂質(例えば、PEG−S−DMG、PEG−C−DOMG、またはPEG−DMA)からなる混合物を含む。特定の実施形態では、上記脂質混合物は、本発明のアミノ脂質、中性脂質、コレステロール、およびPEG改変脂質からなるか、または本質的にこれらからなる。さらに好ましい実施形態では、上記脂質粒子は、約20〜70%のアミノ脂質:5〜45%の中性脂質:20〜55%のコレステロール:0.5〜15%のPEG改変脂質というモル比の上記脂質混合物からなるか、または本質的にこの混合物からなる。

0104

特定の実施形態では、上記脂質粒子は、DLin−K−C2−DMA、DSPC、Chol、およびPEG−S−DMG、PEG−C−DOMGもしくはPEG−DMAのいずれかからなるか、または本質的にこれらからなり、モル比は、例えば約20〜60%のDLin−K−C2−DMA:5〜25%のDSPC:25〜55%のChol:0.5〜15%のPEG−S−DMG、PEG−C−DOMGまたはPEG−DMAである。特定の実施形態では、上記脂質モル比は、およそ40/10/40/10(mol%のDLin−K−C2−DMA/DSPC/Chol/PEG−S−DMGもしくはDLin−K−C2−DMA/DSPC/Chol/PEG−C−DOMGもしくはDLin−K−C2−DMA/DSPC/Chol/PEG−DMA)、または35/15/40/10mol%のDLin−K−C2−DMA/DSPC/Chol/PEG−S−DMGもしくはDLin−K−C2−DMA/DSPC/Chol/PEG−C−DOMGもしくはDLin−K−C2−DMA/DSPC/Chol/PEG−DMAである。別の群の実施形態では、これらの組成物中の中性脂質を、POPC、DOPE、またはSMで置き換える。

0105

特定の実施形態では、上記脂質粒子は、DLin−K2−DMA、DSPC、Chol、およびPEG−S−DMG、PEG−C−DOMGもしくはPEG−DMAのいずれかからなるか、または本質的にこれらからなり、モル比は、例えば約20〜60%のDLin−K2−DMA:5〜25%のDSPC:25〜55%のChol:0.5〜15%のPEG−S−DMG、PEG−C−DOMGまたはPEG−DMAである。特定の実施形態では、上記脂質モル比は、およそ40/10/40/10(mol%のDLin−K2−DMA/DSPC/Chol/PEG−S−DMGもしくはDLin−K2−DMA/DSPC/Chol/PEG−C−DOMGもしくはDLin−K2−DMA/DSPC/Chol/PEG−DMA)、または35/15/40/10mol%のDLin−K2−DMA/DSPC/Chol/PEG−S−DMGもしくはDLin−K2−DMA/DSPC/Chol/PEG−C−DOMGもしくはDLin−K2−DMA/DSPC/Chol/PEG−DMAである。別の群の実施形態では、これら組成物の中性脂質を、POPC、DOPE、またはSMで置き換える。

0106

特定の実施形態では、上記脂質粒子は、DLin−K6−DMA、DSPC、Chol、およびPEG−S−DMG、PEG−C−DOMGもしくはPEG−DMAのいずれかからなるか、または本質的にこれらからなり、モル比は、例えば約20〜60%のDLin−K6−DMA:5〜25%のDSPC:25〜55%のChol:0.5〜15%のPEG−S−DMG、PEG−C−DOMGまたはPEG−DMAである。特定の実施形態では、上記脂質モル比は、およそ40/10/40/10(mol%のDLin−K6−DMA/DSPC/Chol/PEG−S−DMGもしくはDLin−K6−DMA/DSPC/Chol/PEG−C−DOMGもしくはDLin−K6−DMA/DSPC/Chol/PEG−DMA)、または35/15/40/10mol%のDLin−K6−DMA/DSPC/Chol/PEG−S−DMGもしくはDLin−K6−DMA/DSPC/Chol/PEG−C−DOMGもしくはDLin−K6−DMA/DSPC/Chol/PEG−DMAである。別の群の実施形態では、これら組成物の中性脂質を、POPC、DOPE、またはSMで置き換える。

0107

C.治療剤−脂質粒子組成物および製剤
本発明は、本発明の脂質粒子および活性剤を含む組成物であって、上記活性剤が上記脂質粒子に結合している組成物を含む。特定の実施形態では、上記活性剤は治療剤である。特定の実施形態では、上記活性剤は、上記脂質粒子の水性内部内にカプセル化される。他の実施形態では、上記活性剤は、上記脂質粒子の1つまたは複数の脂質層内に存在する。他の実施形態では、上記活性剤は、脂質粒子の外側または内側脂質表面に結合している。

0108

「完全にカプセル化された(fully encapsulated)」は、本明細書で使用する場合、上記粒子中の核酸が、血清、または遊離核酸を著しく分解するヌクレアーゼアッセイに曝露した後に著しくは分解されないことを示す。完全にカプセル化されたシステムでは、好ましくは上記粒子核酸の25%未満が、遊離核酸の100%を通常分解する処理において分解され、より好ましくは粒子核酸の10%未満、最も好ましくは5%未満が分解される。あるいは、完全なカプセル化は、Oligreen(登録商標)アッセイによって判定することができる。Oligreen(登録商標)は、溶液中のオリゴヌクレオチドおよび一本鎖のDNAまたはRNAを定量化するための超高感度蛍光性核酸染色剤である(Invitrogen Corporation、Carlsbad、CAから入手可能)。完全にカプセル化されたは、上記粒子が血清安定であり、すなわち、これらは、in vivoで投与された際に、急速に分解してその成分部分にならないことも示す。

0109

活性剤は、本明細書で使用する場合、細胞、組織、器官、または被験体に所望の効果を発揮することができる任意の分子または化合物を含む。そのような効果は、例えば、生物学的、生理的、または美容的とすることができる。活性剤は、例えば、抗体、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、抗体断片ヒト化抗体組換え抗体組換えヒト抗体、および霊長類化(Primatized)(商標)抗体など、サイトカイン類増殖因子類アポトーシス因子類分化誘導因子類、細胞表面受容体類およびそのリガンド類ホルモン類;ならびに小有機分子もしくは化合物を含めた小分子類を含む、例えば、核酸類ペプチド類、およびポリペプチド類を含めた、任意の型の分子または化合物とすることができる。

0110

一実施形態では、上記活性剤は治療剤、またはその塩もしくは誘導体である。治療剤誘導体は、それ自体で治療的に活性であってもよく、またはこれらは、さらに改変されると活性になるプロドラッグであってもよい。したがって、一実施形態では、治療剤誘導体は、改変しない薬剤と比較した場合、上記治療活性の一部またはすべてを保持し、一方、別の実施形態では、治療剤誘導体は、治療活性を欠いている。

0111

様々な実施形態では、治療剤には、任意の治療上有効な薬剤または薬物、例えば、抗炎症化合物抗うつ剤刺激剤鎮痛薬抗生物質避妊薬解熱剤血管拡張剤、抗脈管形成剤、サイトバスキュラー剤、シグナル伝達阻害剤心血管薬、例えば、抗不整脈剤血管収縮剤、ホルモン、およびステロイドなどが含まれる。

0112

ある特定の実施形態では、上記治療剤は、抗腫瘍薬(oncology drug)であり、これは、抗腫瘍薬(anti−tumor drug)、抗癌剤腫瘍薬(tumor drug)、抗新生物薬(antineoplastic agent)などと呼ぶこともできる。本発明によって使用することができる抗腫瘍薬の例として、限定はしないが、アドリアマイシンアルケラン、アロプリノール、アルトレタミンアミホスチンアナストロゾール、araC、三酸化ヒ素アザチオプリンベキサロテン、biCNU、ブレオマイシン、静脈内用ブスルファン経口用ブスルファン、カペシタビン(Xeloda)、カルボプラチンカルムスチン、CCNU、セレコキシブクロランブシルシスプラチンクラドリビンシクロスポリンAシタラビンシトシンアラビノシドダウノルビシンシトキサン、ダウノルビシン、デキサメタゾンデクスラゾキサン、ドデタキセル(dodetaxel)、ドキソルビシン、ドキソルビシン、DTIC、エピルビシンエストラムスチンリン酸エトポシド、エトポシドおよびVP−16、エキセメスタン、FK506、フルダラビンフルオロウラシル、5−FU、ゲムシタビン(Gemzar)、ゲムツズマブ−オゾガマイシン酢酸ゴセレリンハイドレアヒドロキシウレアイダルビシンイホスファミドメシル酸イマチニブインターフェロンイリノテカン(Camptostar、CPT−111)、レトロゾールロイコボリン、ロイスタチン、ロイプロリドレバミソール、リトレチノイン(litretinoin)、メガストロール(megastrol)、メルファラン、L−PAM、メスナメトトレキセートメトキサレンミトラマイシンマイトマイシンミトキサントロンナイトロジェンマスタードパクリタキセルパミドロネート、ペガデマーゼ、ペントスタチンポルフィマーナトリウムプレドニゾンリツキサンストレプトゾシン、STI−571、タモキシフェン、タキソテル、テモゾルアミド(temozolamide)、テニポシド、VM−26、トポテカン(Hycamtin)、トレミフェン、トレチノイン、ATRA、バルルビシン、ベルバンビンブラスチンビンクリスチン、VP16、およびビノレルビンが挙げられる。本発明によって使用することができる抗腫瘍薬の他の例は、エリプチシン(ellipticin)およびエリプチシン類似体または誘導体、エポチロン、細胞内キナーゼ阻害剤、ならびにカンプトテシンである。

0113

1.核酸−脂質粒子
ある特定の実施形態では、本発明の脂質粒子は、核酸と結合しており、核酸−脂質粒子をもたらす。特定の実施形態では、上記核酸は、上記脂質粒子中に部分的または完全にカプセル化されている。本明細書で使用する場合、用語「核酸」は、任意のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含むことを意味する。最大50ヌクレオチドを含有する断片は、オリゴヌクレオチドと一般に呼ばれ、より長い断片はポリヌクレオチドと呼ばれる。特定の実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチド(oligonucletoide)は、長さが20〜50ヌクレオチドである。

0114

本発明の脈絡において、用語「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は、天然に存在する塩基、糖、および糖間(主鎖(backbone))連結からなるヌクレオチドまたはヌクレオシドモノマーのポリマーまたはオリゴマーを指す。用語「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」は、同様に機能する、天然に存在しないモノマー、またはその一部を含むポリマーまたはオリゴマーも含む。そのような改変または置換オリゴヌクレオチドは、例えば、細胞取込みの増強、およびヌクレアーゼの存在下での安定性の増大などの特性のために、天然型を超えて好適であることが多い。

0115

オリゴヌクレオチドは、デオキシリボオリゴヌクレオチドまたはリボオリゴヌクレオチドと分類される。デオキシリボオリゴヌクレオチドは、交互の非分枝ポリマーを形成するために、この糖の5’炭素および3’炭素でホスフェートと共有結合したデオキシリボースと呼ばれる5炭素糖からなる。リボオリゴヌクレオチドは、5炭素糖がリボースである、同様の繰り返し構造からなる。

0116

本発明による脂質−核酸粒子中に存在する核酸は、公知である任意の形態の核酸を含む。本明細書で使用される核酸は、一本鎖DNAもしくはRNA、または二本鎖DNAもしくはRNA、またはDNA−RNAハイブリッドであってもよい。二本鎖DNAの例には、構造遺伝子、制御領域および終止領域を含む遺伝子、ならびにウイルス性DNAまたはプラスミドDNAなどの自己複製系が含まれる。二本鎖RNAの例には、siRNAおよび他のRNA干渉試薬が含まれる。一本鎖核酸には、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、マイクロRNA、および三重鎖形成性オリゴヌクレオチドが含まれる。

0117

本発明の核酸は、核酸の特定の形態に一般に依存して、様々な長さのものとすることができる。例えば、特定の実施形態では、プラスミドまたは遺伝子は、長さが約1,000〜100,000ヌクレオチド残基とすることができる。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、長さが約10〜100ヌクレオチドの範囲とすることができる。様々な関連実施形態では、オリゴヌクレオチドは、一本鎖、二本鎖、および三本鎖ともに、長さが約10〜約50ヌクレオチド、約20〜約50ヌクレオチド、約15〜約30ヌクレオチド、約20〜約30ヌクレオチドの長さの範囲とすることができる。

0118

特定の実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチド(またはその鎖)は、標的ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするか、または標的ポリヌクレオチドと相補性である。「特異的にハイブリダイズ可能な」および「相補性の」は、上記DNA標的またはRNA標的と上記オリゴヌクレオチドの間で、安定で特異的な結合が起こるような十分な程度の相補性を示すのに使用される用語である。オリゴヌクレオチドは、特異的にハイブリダイズ可能であるために、その標的核酸配列と100%相補性である必要はないことが理解される。オリゴヌクレオチドは、上記オリゴヌクレオチドの上記標的への結合が、上記標的分子の正常な機能を妨害することによって、上記標的分子に由来する有用性または発現の低下を生じさせ、特異的結合が望まれる条件下、すなわち、in vivoアッセイもしくは治療的処置の場合における生理的条件下、またはin vitroアッセイの場合では、上記アッセイが行われる条件下で、上記オリゴヌクレオチドの非標的配列への非特異的結合を回避するのに十分な程度の相補性がある場合、特異的にハイブリダイズ可能である。したがって、他の実施形態では、このオリゴヌクレオチドは、これが標的としているか、またはこれが特異的にハイブリダイズする遺伝子配列またはmRNA配列の領域と比較した場合、1つ、2つ、または3つの塩基置換を含む。

0119

RNA干渉核酸
特定の実施形態では、本発明の核酸−脂質粒子は、RNA干渉(RNAi)分子と結合している。RNAi分子を使用するRNA干渉法は、対象とする遺伝子またはポリヌクレオチドの発現を乱すために使用することができる。最近の5年間のうちに、低分子干渉RNA(siRNA)は、開発中の次世代の標的化オリゴヌクレオチド薬物として、アンチセンスODNおよびリボザイムに実質的に取って代わった。SiRNAは、通常21〜30ヌクレオチドの長さのRNA二本鎖であり、これは、RNAi誘導型サイレンシング複合体(RISC)として公知の細胞質多タンパク質複合体と結合することができる。siRNAを負荷されたRISCは、相同の(homologous)mRNA転写物の分解を媒介し、したがってsiRNAは、高い特異性でタンパク質発現をノックダウンするように設計することができる。他のアンチセンス技術と異なり、siRNAは、非コードRNAを通じて遺伝子発現を制御するように進化した天然の機構を通じて機能する。これが、siRNAの活性が、アンチセンスODNまたはリボザイムのいずれかより、in vitroおよびin vivoで強力である理由であると一般に考えられている。例えば、de Fougerolles, A.ら、Nature Reviews 6巻:443〜453頁(2007年)において記載されたように、臨床的に関連した標的を標的化するsiRNAを含めた様々なRNAi試薬が、現在医薬として開発中である。

0120

最初に記載されたRNAi分子は、RNAセンス鎖およびRNAアンチセンス鎖の両方を含むRNA:RNAハイブリッドであったが、DNAセンス:RNAアンチセンスハイブリッド、RNAセンス:DNAアンチセンスハイブリッド、およびDNA:DNAハイブリッドは、RNAiを媒介することができることが現在では実証されている(Lamberton, J.S.およびChristian, AT.、(2003年)Molecular Biotechnology 24巻:111〜119頁)。したがって、本発明は、任意のこれらの様々な型の二本鎖分子を含むRNAi分子の使用を含む。さらに、RNAi分子は、様々な形態で使用し、細胞に導入することができることが理解される。したがって、本明細書で使用する場合、RNAi分子は、限定はしないが、2本の別個の鎖、すなわち、センス鎖およびアンチセンス鎖を含む二本鎖ポリヌクレオチド、例えば、低分子干渉RNA(siRNA);二本鎖領域を形成する相補性配列ヘアピンループを含むポリヌクレオチド、例えば、shRNAi分子、ならびに単独で、または別のポリヌクレオチドと組み合わせて二本鎖ポリヌクレオチドを形成することができる1つまたは複数のポリヌクレオチドを発現する発現ベクターを含めた、細胞内でRNAi応答を誘導することができる任意の分子、ならびにすべての分子を包含する。

0121

RNA干渉(RNAi)は、標的ポリヌクレオチドの発現を特異的に阻害するために使用することができる。遺伝子および核酸発現の二本鎖RNA媒介性抑制は、細胞または生物中にdsRNA、siRNA、またはshRNAを導入することによって、本発明によって実現することができる。siRNAは、二本鎖RNA、またはRNAおよびDNAの両方、例えば、1本のRNA鎖および1本のDNA鎖を含むハイブリッド分子とすることができる。siRNAを細胞に直接導入することにより、哺乳動物細胞内でRNAiを作動させる(trigger)ことができることが実証された(Elshabir, S. M.ら、Nature 411巻:494〜498頁(2001年))。さらに、哺乳動物細胞内の抑制は、RNAレベルで起こり、上記標的遺伝子に特異的であり、RNAとタンパク質抑制の間で強い相関を伴った(Caplen, N.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98巻:9746〜9747頁(2001年))。さらに、HeLa S3、COS7、293、NIH/3T3、A549、HT−29、CHO−KI、およびMCF−7細胞を含めた多種多様細胞株は、いくつかのレベルのsiRNAサイレンシングに感受性であることが示された(Brown, D.ら、TechNotes 9巻(1号):1〜7頁、http://www.dot.ambion.dot.com/techlib/tn/91/912.html(9/1/02)で入手可能)。

0122

特定のポリヌクレオチドを標的にするRNAi分子は、当技術分野で公知の手順に従って容易に調製することができる。有効なsiRNA分子の構造上の特性は同定されている。Elshabir, S. M.ら(2001年)、Nature 411巻:494〜498頁、およびElshabir, S. M.ら(2001年)、EMBO 20巻:6877〜6888頁。したがって、当業者は、多種多様な異なるsiRNA分子を、特定の遺伝子または転写物を標的にするために使用することができることを理解する。ある特定の実施形態では、本発明によるsiRNA分子は、二本鎖であり、長さが、間の各整数を含めた16〜30または18〜35ヌクレオチドである。一実施形態では、siRNAは、長さが21ヌクレオチドである。ある特定の実施形態では、siRNAは、0〜7のヌクレオチド3’オーバーハング、または0〜4のヌクレオチド5’オーバーハングを有する。一実施形態では、siRNA分子は、2つのヌクレオチド3’オーバーハングを有する。一実施形態では、siRNAは、長さが21ヌクレオチドであり、2つのヌクレオチド3’オーバーハングを有する(すなわち、これらは、そのセンス鎖とアンチセンス鎖の間に19ヌクレオチドの相補性領域を含有する)。ある特定の実施形態では、上記オーバーハングは、UUまたはdTdT 3’オーバーハングである。

0123

一般に、1個の塩基対ミスマッチでさえ、サイレンシングを低減することが示されているので、siRNA分子は、標的DNA分子の1本の鎖と完全に相補性である。他の実施形態では、siRNAは、改変主鎖組成、例えば、2’−デオキシ−または2’−O−メチル改変を有することができる。しかし、好適な実施形態では、上記siRNAの鎖全体は、2’デオキシまたは2’−O−改変塩基を用いて作製されない。

0124

一実施形態では、siRNA標的部位は、AAジヌクレオチド配列の出現について、上記標的mRNA転写物配列をスキャンすることによって選択される。3’側の隣接する約19ヌクレオチドと組み合わせた各AAジヌクレオチド配列は、潜在的なsiRNA標的部位である。一実施形態では、siRNA標的部位は、その5’および3’非翻訳領域(UTR)、またはその開始コドン付近の領域(約75塩基内)に優先的に配置されないが、その理由は、調節領域に結合するタンパク質がsiRNPエンドヌクレアーゼ複合体の結合を妨害することができるためである(Elshabir, S.ら、Nature 411巻:494〜498頁(2001年);Elshabir, S.ら、EMBO J. 20巻:6877〜6888頁(2001年))。さらに、潜在的な標的部位は、適切なゲノムデータベース、例えば、www.ncbi.nlmにおけるNCBIサーバーで入手可能なBLASTN 2.0.5など、および排除される他のコード配列と著しい相同性を有する潜在的な標的配列と比較することができる。

0125

特定の実施形態では、短いヘアピンRNAが本発明の核酸−脂質粒子の核酸成分を構成する。短いヘアピンRNA(shRNA)は、標的遺伝子の発現を配列特異的に低減することができるヘアピンRNAの一形態である。短いヘアピンRNAは、上記細胞環境において一般により安定であり、分解に対する感受性がより低いので、これらは、遺伝子発現の抑制において、siRNAを超えて利点を提供することができる。そのような短いヘアピンRNA媒介性遺伝子サイレンシングは、様々な正常細胞株および癌細胞株、ならびにマウス細胞およびヒト細胞を含めた哺乳動物細胞において機能することが確立されている。Paddison, P.ら、Genes Dev. 16巻(8号):948〜58頁(2002年)。さらに、操作されたshRNAをコードする染色体性遺伝子を有するトランスジェニック細胞株が生成された。これらの細胞は、shRNAを構成的に合成し、それによって、子孫細胞に伝える(pass)ことができる、持続的または構成的な遺伝子サイレンシングを促進することができる。Paddison, P.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99巻(3号):1443〜1448頁(2002年)。

0126

shRNAは、ステムループ構造を含有する。ある特定の実施形態では、これらは、長さが19〜29ヌクレオチド、またはその間の任意の数の可変の(variable)ステム長を含有することができる。ある特定の実施形態では、ヘアピンは、19〜21ヌクレオチドのステムを含有し、一方、他の実施形態では、ヘアピンは、27〜29ヌクレオチドのステムを含有する。ある特定の実施形態では、上記ループサイズは、長さが4〜23ヌクレオチドの間であるが、ループサイズは、サイレンシング活性に著しく影響することなく、23ヌクレオチドより大きくすることができる。shRNA分子は、効力を減少させることなく、ミスマッチ、例えば、上記shRNAステムの2本の鎖の間のG−Uミスマッチを含有することができる。実際に、ある特定の実施形態では、shRNAは、例えば、細菌内で増殖する間に、ヘアピンを安定化させるために、そのヘアピンステム中に1つまたはいくつかのG−U対形成を含むように設計される。しかし、上記標的mRNA(アンチセンス鎖)に結合する上記ステムの一部と上記mRNAとの間に相補性が一般に要求され、この領域内の1個の塩基対ミスマッチでさえ、サイレンシングを無効にする場合がある。5’および3’オーバーハングは、shRNA機能にとって重要ではないようにみえるので、必要とされないが、これらは存在してもよい(Paddisonら(2002年)、Genes & Dev. 16巻(8号):948〜58頁)。

0127

マイクロRNA
マイクロRNA(miRNA)は、植物および動物のゲノム中のDNAから転写されるが、タンパク質に翻訳されない、高度に保存されたクラスの低分子RNA分子である。プロセシングされるmiRNAは、RNA誘導型サイレンシング複合体(RISC)中に組み込まれた状態になる一本鎖の約17〜25ヌクレオチド(nt)のRNA分子であり、発生(development)、細胞増殖、アポトーシス、および分化の重要な制御因子として同定された。これらは、特定のmRNAの3’−非翻訳領域に結合することによって、遺伝子発現の制御において役割を果たすと考えられている。RISCは、翻訳の阻害、転写物の切断、またはその両方を通じて遺伝子発現の下方制御を媒介する。RISCは、広範囲真核生物の核内での転写サイレンシングにもかかわる。

0128

これまでに同定されたmiRNA配列の数は多く、増えており、その例示的な例は、例えば、Griffiths−Jones Sら、NAR、2006年、34巻、Database Issue、D140−D144;Griffiths−Jones S. NAR、2004年、32巻、Database Issue、D109−D111;およびまたhttp://microrna.sanger.ac.uk/sequences/において見出すことができる。

0129

アンチセンスオリゴヌクレオチド
一実施形態では、核酸は、標的ポリヌクレオチドに向けられたアンチセンスオリゴヌクレオチドである。用語「アンチセンスオリゴヌクレオチド」、または単に「アンチセンス」は、標的化ポリヌクレオチド配列と相補性であるオリゴヌクレオチドを含むことを意味する。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、選択された配列と相補性である一本鎖のDNAまたはRNAである。アンチセンスRNAの場合では、相補性RNA鎖の翻訳を、これに結合することによって防止する。アンチセンスDNAは、特定の、相補性(コードまたは非コード)RNAを標的にするのに使用することができる。結合が起こる場合、このDNA/RNAハイブリッドは、酵素RNaseHによって分解され得る。特定の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、約10〜約50ヌクレオチド、より好ましくは約15〜約30ヌクレオチドを含有する。この用語は、所望の上記標的遺伝子と正確に相補性でない場合のあるアンチセンスオリゴヌクレオチドも包含する。したがって、本発明は、標的でない特定の活性が、アンチセンスに見出される場合、または上記標的配列と1つまたは複数のミスマッチを含有するアンチセンス配列が、特定の使用について最も好適である場合に利用することができる。

0130

アンチセンスオリゴヌクレオチドは、タンパク質合成の有効な標的化阻害剤(targeted inhibitor)であることが実証されており、したがって、標的とされる遺伝子によるタンパク質合成を特異的に阻害するのに使用することができる。タンパク質合成を阻害するためのアンチセンスオリゴヌクレオチドの効力は、十分に確立されている。例えば、ポリガラクツロナーゼ(polygalactauronase)およびムスカリン2型アセチルコリン受容体の合成は、そのそれぞれのmRNA配列に向けられたアンチセンスオリゴヌクレオチドによって阻害される(米国特許5,739,119号および米国特許5,759,829号)。さらに、アンチセンス阻害の例は、核タンパク質サイクリン、複数の薬剤耐性遺伝子(MDG1)、ICAM−1、E−セレクチン、STK−1、線条体GABAA受容体、およびヒトEGFに関して実証されている(Jaskulskiら、Science. 1988年6月10日;240巻(4858号):1544〜6頁;VasanthakumarおよびAhmed、Cancer Commun. 1989年;1巻(4号):225〜32頁;Perisら、Brain Res Mol Brain Res. 1998年6月15日;57巻(2号):310〜20頁;米国特許第5,801,154号;米国特許第5,789,573号;米国特許第5,718,709号、および米国特許第5,610,288号)。さらに、アンチセンス構築物は、様々な異常な細胞増殖、例えば、癌を阻害し、これを治療するのに使用することができることも記載されている(米国特許第5,747,470号;米国特許第5,591,317号、および米国特許第5,783,683号)。

0131

アンチセンスオリゴヌクレオチドを生成する方法は、当技術分野で公知であり、任意のポリヌクレオチド配列を標的にするアンチセンスオリゴヌクレオチドを生成することに容易に適応させることができる。所与の標的配列に特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチド配列の選択は、選択される標的配列の分析および二次構造、Tm、結合エネルギー、および相対的な安定性の決定に基づく。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、二量体、ヘアピン、または宿主細胞内で標的mRNAへの特異的結合を低減または禁止する他の二次構造を形成することが比較的できないことに基づいて選択することができる。上記mRNAの非常に好適な標的領域は、そのAUG翻訳開始コドンにおける領域またはこのコドン付近の領域、および上記mRNAの5’領域に実質的に相補性である配列を含む。これらの二次構造分析、および標的部位選択の考察は、例えば、OLIGOプライマー分析ソフトウェアのv.4(Molecular Biology Insights)および/またはBLASTN 2.0.5アルゴリズムソフトウェア(Altschulら、Nucleic AcidsRes. 1997年、25巻(17号):3389〜402頁)を使用して実施することができる。

0132

リボザイム
本発明の別の実施形態によれば、核酸−脂質粒子は、リボザイムと結合する。リボザイムは、エンドヌクレアーゼ活性を有する特定の触媒ドメインを有するRNA−タンパク質複合体である(KimおよびCech、Proc Natl Acad Sci U S
A. 1987年12月;84巻(24号):8788〜92頁;ForsterおよびSymons、Cell. 1987年4月24日;49巻(2号):211〜20頁)。例えば、多数のリボザイムは、高度の特異性を伴ってリン酸エステル転移反応加速し、オリゴヌクレオチド基質中のいくつかのリン酸エステルのうちの1つのみを切断することが多い(Cechら、Cell. 1981年12月;27巻(3 Pt 2):487〜96頁;MichelおよびWesthof、J Mol Biol. 1990年12月5日;216巻(3号):585〜610頁;Reinhold−HurekおよびShub、Nature. 1992年5月14日;357巻(6374号):173〜6頁)。この特異性は、上記基質が、化学反応の前に、特定の塩基対合相互作用を介して、上記リボザイムの内部ガイド配列(「IGS」)に結合するという必要条件に起因している。

0133

少なくとも6つの基本的な種類の天然に存在する酵素RNAが、現在公知である。それぞれは、生理的条件下で、RNAホスホジエステル結合加水分解トランス触媒することができる(したがって、他のRNA分子を切断することができる)。一般に、酵素核酸(enzymatic nucleic acid)は、最初に標的RNAに結合することによって作用する。そのような結合は、上記標的RNAを切断するように作用する酵素核酸分子の酵素部分にごく接近して保持されている酵素核酸の標的結合部分を通じて起こる。したがって、上記酵素核酸は、相補性の塩基対形成を通じて標的RNAを最初に認識し、次いでこれに結合し、そして一旦その正しい部位に結合すると、酵素的に作用して標的RNAを切断する。そのような標的RNAの戦略的切断は、コードされたタンパク質の合成を指示するその能力を破壊することになる。酵素核酸が、そのRNA標的に結合し、これを切断した後、酵素核酸は、そのRNAから離れることによって別の標的を探し、繰り返して新しい標的に結合し、これを切断することができる。

0134

酵素核酸分子は、例えば、ハンマーヘッド、ヘアピン、δ肝炎ウイルス、I群イントロン、またはRNaseP RNA(RNAガイド配列を伴って)、またはニューロスポラ(Neurospora)VS RNAモチーフにおいて形成することができる。ハンマーヘッドモチーフの具体例は、Rossiら、Nucleic AcidsRes. 1992年9月11日;20巻(17号):4559〜65頁によって記載されている。ヘアピンモチーフの例は、Hampelら(欧州特許出願公開第EP0360257号)、HampelおよびTritz、Biochemistry 1989年6月13日;28巻(12号):4929〜33頁;Hampelら、Nucleic Acids Res. 1990年1月25日;18巻(2号):299〜304頁、および米国特許第5,631,359号によって記載されている。δ肝炎ウイルスモチーフの例は、PerrottaおよびBeen、Biochemistry. 1992年12月1日;31巻(47号):11843〜52頁によって記載されており;RNasePモチーフの例は、Guerrier−Takadaら、Cell. 1983年12月;35巻(3 Pt 2):849〜57頁によって記載されており;ニューロスポラVS RNAリボザイムモチーフは、Collins(SavilleおよびCollins、Cell. 1990年5月18日;61巻(4号):685〜96頁;SavilleおよびCollins、Proc Natl Acad Sci U S A. 1991年10月1日;88巻(19号):8826〜30頁;CollinsおよびOlive、Biochemistry. 1993年3月23日;32巻(11号):2795〜9頁)によって記載されており;I群イントロンの例は、米国特許第4,987,071号に記載されている。本発明によって使用される酵素核酸分子の重要な特性は、これらが、上記標的遺伝子DNAまたはRNA領域の1つまたは複数と相補性である特異的基質結合部位を有すること、およびこれらが、その基質結合部位内または周囲にヌクレオチド配列を有し、この配列が分子にRNA切断活性を付与することである。したがって、上記リボザイム構築物は、本明細書に述べられる特定のモチーフに限定される必要はない。

0135

任意のポリヌクレオチド配列を標的にしたリボザイムを生成する方法は、当技術分野で公知である。リボザイムは、それぞれが具体的に参照により本明細書に組み込まれている、国際特許出願公開第WO93/23569号および国際特許出願公開第WO94/02595号に記載されているように設計し、これらに記載されているように、合成することによってin vitroおよびin vivoで試験することができる。

0136

リボザイムの活性は、そのリボザイム結合アームの長さを変更し、または血清リボヌクレアーゼによるその分解を防止する改変(例えば、酵素RNA分子の糖部分に行うことができる様々な化学修飾を記載している、国際特許出願公開第WO92/07065号;国際特許出願公開第WO93/15187号;国際特許出願公開第WO91/03162号;欧州特許出願公開第92110298.4号;米国特許第5,334,711号;および国際特許出願公開第WO94/13688号を参照)、細胞内のその効力を増強する改変、およびRNA合成時間を短くし、化学的必要条件を低減するためのステムII塩基の除去を用いてリボザイムを化学的に合成することによって最適化することができる。

0137

免疫賦活性オリゴヌクレオチド
哺乳動物または他の患者であってよい被験体に投与されたとき、免疫応答を誘導することができる免疫賦活性オリゴヌクレオチド(ISS:一本鎖または二本鎖)を含めて、本発明の脂質粒子(paticles)と結合する核酸は、免疫賦活性とすることができる。ISSには、例えば、ヘアピン二次構造に導くある特定のパリドローム(Yamamoto S.ら(1992年)J. Immunol. 148巻:4072〜4076頁を参照)、またはCpGモチーフ、ならびに他の公知のISS機能(マルチGドメインなど、WO96/11266を参照)が含まれる。

0138

上記免疫応答は、先天免疫応答であっても、適応免疫応答であってもよい。上記免疫系は、より先天免疫系、および脊椎動物後天性適応免疫系に分けられ、これらのうちの後者は、体液性細胞成分にさらに分けられる。特定の実施形態では、上記免疫応答は、粘膜性であってもよい。

0139

特定の実施形態では、免疫賦活性核酸は、脂質粒子と組合せて投与されるときのみ免疫賦活性であり、その「遊離形態」で投与されるとき免疫賦活性ではない。本発明によれば、そのようなオリゴヌクレオチドは、免疫賦活性であるとみなされる。

0140

免疫賦活性核酸は、これらが、免疫応答を引き起こすために標的ポリヌクレオチドに特異的に結合し、標的ポリヌクレオチドの発現を低減する必要がないとき、非配列特異的であるとみなされる。したがって、ある特定の免疫賦活性核酸は、天然に存在する遺伝子またはmRNAの領域に対応する配列を含むことができるが、これらは、依然として非配列特異的な免疫賦活性核酸とみなすことができる。

0141

一実施形態では、上記免疫賦活性核酸またはオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのCpGジヌクレオチドを含む。上記オリゴヌクレオチドまたはCpGジヌクレオチドは、メチル化されていなくても、メチル化されていてもよい。別の実施形態では、上記免疫賦活性核酸は、メチル化シトシンを有する少なくとも1つのCpGジヌクレオチドを含む。一実施形態では、上記核酸は、1つのCpGジヌクレオチドを含み、前記CpGジヌクレオチド中のシトシンは、メチル化されている。特定の実施形態では、上記核酸は、配列5’TAACGTTGAGGGGCAT3’(配列番号:2)を含む。代替の実施形態では、上記核酸は、少なくとも2つのCpGジヌクレオチドを含み、上記CpGジヌクレオチド中の少なくとも1つのシトシンは、メチル化されている。さらなる実施形態では、上記配列中に存在する上記CpGジヌクレオチド中の各シトシンがメチル化されている。別の実施形態では、上記核酸は、複数のCpGジヌクレオチドを含み、前記CpGジヌクレオチドの少なくとも1つは、メチル化シトシンを含む。例示的な免疫賦活性(immynostimulatory)オリゴヌクレオチドを表1に示す。

0142

特定の一実施形態では、上記核酸は、配列5’TTCCATGACGTTCCTGACGT3’(配列番号:1)を含む。別の特定の実施形態では、上記核酸配列は、配列5’TCCATGACGTTCCTGACGT3’(配列番号:31)を含み、太字で示された上記2つのシトシンは、メチル化されている。特定の実施形態では、上記ODNは、以下に示すように、ODN#1、ODN#2、ODN#3、ODN#4、ODN#5、ODN#6、ODN#7、ODN#8、およびODN#9からなるODNの群から選択される。

0143

0144

0145

・「Z」は、メチル化シトシン残基を表す。
・注:ODN14は、15−塩基長(mer)のオリゴヌクレオチドであり、ODN1は、5’末端上に追加されたチミジンを有し、ODN1を16−塩基長にしている同じオリゴヌクレオチドである。ODN14とODN1の間に生物活性の差はまったく検出されず、両者ともに同様の免疫賦活作用を示す(Muiら、J Pharmacol. Exp. Ther. 298巻:1185〜1192頁(2001年))。

0146

本発明の組成物および方法において使用するのに適したオリゴヌクレオチドの追加の特定の核酸配列(ODN)は、米国特許出願第60/379,343号、米国特許出願第09/649,527号、国際公開第WO02/069369号、国際公開第WO01/15726号、米国特許第6,406,705号、およびRaneyら、Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics、298巻:1185〜1192頁(2001年)に記載されている。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法において使用されるODNは、ホスホジエステル(「PO」)主鎖、またはホスホロチオエート(「PS」)主鎖、および/またはCpGモチーフ中の少なくとも1つのメチル化シトシン残基を有する。

0147

核酸改変
1990年代において、DNAに基づくアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)およびリボザイム(RNA)は、薬物の設計および開発にとって興奮させる、新しいパラダイムを示したが、in vivoでのその用途は、エンドヌクレアーゼ活性およびエクソヌクレアーゼ活性、ならびに細胞内送達の成功欠如によって妨げられた。分解問題は、化学修飾の広範な研究の後に有効に克服され、この化学修飾は、上記オリゴヌクレオチド(オリゴ)薬物が、ヌクレアーゼ酵素によって認識されるのを防止したが、その作用機序を阻害しなかった。この研究は、今日の開発におけるアンチセンスODN薬物が、無改変分子についての数分と比較して、数日間in vivoで無傷なままであるほど成功した(Kurreck, J. 2003年、Eur J Biochem 270巻:1628〜44頁)。しかし、細胞内送達および作用機序の問題が、これまでのところ、アンチセンスODNおよびリボザイムが臨床製品となることを制限している。

0148

RNA二本鎖は、一本鎖のDNAまたはRNAより、ヌクレアーゼに対して本質的に安定であり、アンチセンスODNと異なり、改変していないsiRNAは、これらが細胞質にアクセスすると良好な活性を示す。それでも、アンチセンスODNおよびリボザイムを安定化させるために開発された化学修飾も、siRNAに系統的に適用されることによって、化学修飾がどの程度耐容性を示すことができるか、ならびに薬物動態学的および薬力学的活性が増強され得るかどうかが決定されている。siRNA二本鎖によるRNA干渉は、異なる機能を有するアンチセンス鎖およびセンス鎖を必要とする。上記siRNAがRISCに入ることを可能にするのに両方が必要であるが、一旦負荷されると、上記2本の鎖は、分離し、上記センス鎖は分解される一方で、上記アンチセンス鎖は残ることによって、RISCを上記標的mRNAにガイドする。RISC中への流入は、上記標的mRNAの認識および切断より、構造的により低いストリンジェントなプロセスである。したがって、上記センス鎖の多くの異なる化学修飾が可能であるが、限られた変更のみが、上記アンチセンス鎖によって耐容性となる。

0149

当技術分野で公知のように、ヌクレオシドは、塩基−糖の組合せである。ヌクレオチドは、上記ヌクレオシドの糖部分に共有結合したリン酸基をさらに含むヌクレオシドである。ペントフラノシル糖を含むこれらのヌクレオシドについて、上記リン酸基は、上記糖の2’、3’、または5’ヒドロキシル部分のいずれかに結合することができる。オリゴヌクレオチドの形成において、リン酸基が隣接するヌクレオシドに互いに共有結合することによって、線状ポリマー化合物を形成する。さらには、この線状ポリマー構造のそれぞれの末端がさらに結合することによって、環状構造を形成することができる。上記オリゴヌクレオチド構造内で、上記リン酸基は一般に、上記オリゴヌクレオチドのヌクレオシド間主鎖を形成するものとしてみなされる。RNAおよびDNAの正常な連結または主鎖は、3’から5’へのホスホジエステル結合である。

0150

本発明による脂質−核酸粒子中に使用される核酸は、公知である任意の形態の核酸を含む。したがって、上記核酸は、ヌクレアーゼ耐性および血清安定性を増強するために以前に使用された型の改変核酸とすることができる。目ざましいことに、しかし、許容される治療製品は、天然核酸ポリマーのホスホジエステル結合に対してまったく改変がない核酸から、脂質−核酸粒子を製剤化するための本発明の方法を使用して調製することもでき、改変していないホスホジエステル核酸(すなわち、その連結のすべてがホスホジエステル結合である核酸)の使用は、本発明の好適な実施形態である。

0151

a.主鎖の改変
本発明において有用なアンチセンス、siRNA、および他のオリゴヌクレオチドには、限定はしないが、改変主鎖または非天然ヌクレオシド間連結を含有するオリゴヌクレオチドが含まれる。改変主鎖を有するオリゴヌクレオチドには、上記主鎖中にリン原子を保持するもの、および上記主鎖中にリン原子を有さないものが含まれる。そのヌクレオシド間主鎖中にリン原子を有さない改変オリゴヌクレオチドも、オリゴヌクレオシドであるとみなすことができる。改変オリゴヌクレオチド主鎖として、例えば、ホスホロチオエート類、キラルなホスホロチオエート類、ホスホロジチオエート類、ホスホトリエステル類、アミノアルキルホスホトリエステル類(aminoalkylphosphotri−esters)、3’−アルキレンホスホネート類およびキラルなホスホネート類を含めたメチルホスホネート類および他のアルキルホスホネート類、ホスフィネート類、3’−アミノホスホラミデート、およびアミノアルキルホスホラミデート類を含めたホスホラミデート類、チオノホスホラミデート類、チオノアキルホスホネート類、チオノアルキルホスホトリエステル類、ホスホロセレネート、メチルホスホネート、またはO−アルキルホスホトリエステル連結(linkage)、ならびに通常の3’−5’連結を有するボラノホスフェート類、これらの2’−5’連結類似体、ならびにヌクレオシド単位の隣接する対が、3’−5’から5’−3’または2’−5’から5’−2’に連結している、逆極性(inverted polarity)を有するものが挙げられる。本発明による核酸中に存在することができる特定の改変の特定の非限定例を、表2に示す。

0152

様々な塩、混合塩、および遊離酸形態も含まれる。上記連結の調製を教示する代表的な米国特許として、限定はしないが、米国特許第3,687,808号;第4,469,863号;第4,476,301号;第5,023,243号;第5,177,196号;第5,188,897号;第5,264,423号;第5,276,019号;第5,278,302号;第5,286,717号;第5,321,131号;第5,399,676号;第5,405,939号;第5,453,496号;第5,455,233号;第5,466,677号;第5,476,925号;第5,519,126号;第5,536,821号;第5,541,306号;第5,550,111号;第5,563,253号;第5,571,799号;第5,587,361号;および第5,625,050号が挙げられる。

0153

ある特定の実施形態では、その中にリン原子を含まない改変オリゴヌクレオチド主鎖は、短鎖アルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間連結、混合ヘテロ原子、およびアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間連結、または1つまたは複数の短鎖ヘテロ原子のヌクレオシド間連結もしくは複素環式ヌクレオシド間連結によって形成される主鎖を有する。これらとして、例えば、モルホリノ連結を有するもの(ヌクレオシドの糖部分から部分的に形成される);シロキサン主鎖スルフィドスルホキシド、およびスルホン主鎖;ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル主鎖;メチレンホルムアセチルおよびメチレンチオホルムアセチル主鎖;アルケン含有主鎖;スルファメート主鎖;メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ主鎖;スルホネートおよびスルホンアミド主鎖;アミド主鎖;ならびにN、O、S、およびCH2成分部分の混合を有する他のものが挙げられる。上記オリゴヌクレオシドを記載している代表的な米国特許として、限定はしないが、米国特許第5,034,506号;第5,166,315号;第5,185,444号;第5,214,134号;第5,216,141号;第5,235,033号;第5,264,562号;第5,264,564号;第5,405,938号;第5,434,257号;第5,466,677号;第5,470,967号;第5,489,677号;第5,541,307号;第5,561,225号;第5,596,086号;第5,602,240号;第5,610,289号;第5,602,240号;第5,608,046号;第5,610,289号;第5,618,704号;第5,623,070号;第5,663,312号;第5,633,360号;第5,677,437号;および第5,677,439号が挙げられる。

0154

上記ホスホジエステル結合中の非架橋酸素が硫黄によって置換されたホスホロチオエート主鎖の改変(表2、#1)は、ヌクレアーゼ分解に対して核酸薬物を安定化させるのに展開された最も初期の、最も一般的な手段の1つである。一般に、PS改変は、活性にそれほど強い影響を与えることなく、両方のsiRNA鎖に対して広範に行うことができる(Kurreck, J.、Eur. J. Biochem. 270巻:1628〜44頁、2003年)。しかし、PSオリゴ(oligos)は、タンパク質と非特異的に非常によく結合し、特にi.v.投与すると毒性をもたらすことが公知である。したがって、PS改変は、3’および5’末端における1つまたは2つの塩基に対して通常制限される。ボラノホスフェートリンカー(表2、#2)は、PSより明らかに安定であり、siRNA活性を増強し、毒性が低い最近の改変である(Hallら、Nucleic AcidsRes. 32巻:5991〜6000頁、2004年)。

0155

0156

0157

他の有用な核酸誘導体には、上記架橋酸素原子(上記リン酸エステル結合を形成するもの)が、−S−、−NH−、−CH2−などで置換された核酸分子が含まれる。ある特定の実施形態では、上記アンチセンス、siRNA、または使用される他の核酸に対する変化は、上記核酸に結合する負電荷に完全には影響しない。したがって、本発明は、上記連結の一部が、例えば、その中性のメチルホスホネートまたはホスホラミデート連結で置換されているアンチセンス、siRNAおよび他の核酸の使用を企図する。中性連結が使用される場合、ある特定の実施形態では、上記核酸連結の80%未満がそのように置換されているか、または上記連結の50%未満がそのように置換されている。

0158

b.塩基改変
塩基改変は、上記主鎖および糖への改変より、あまり一般的ではない。0.3〜6において示される改変はすべて、ヌクレアーゼ対してsiRNAを安定化させ、活性に対してほとんど作用がないように思われる(Zhang, H.Y.ら、Curr Top Med Chem 6巻:893〜900頁(2006年))。

0159

したがって、オリゴヌクレオチドは、核酸塩基(nucleobase)(「塩基」と単に当技術分野で呼ばれることが多い)改変または置換も含むことができる。本明細書で使用する場合、「改変していない(unmodified)」または「天然」核酸塩基として、プリン塩基アデニン(A)およびグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基チミン(T)、シトシン(C)、およびウラシル(U)が挙げられる。改変核酸塩基として、他の合成ならびに天然の核酸塩基、例えば、5−メチルシトシン(5−me−Cまたはm5c)、5−ヒドロキシメチルシトシンキサンチンヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6−メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2−プロピルおよび他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミン、ならびに2−チオシトシン、5−ハロウラシルおよび5−ハロシトシン、5−プロピニルウラシルおよび5−プロピニルシトシン、6−アゾウラシル、6−アゾシトシンおよび6−アゾチミン、5−ウラシル(シュードウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロアデニンおよび8−ハログアニン、8−アミノアデニンおよび8−アミノグアニン、8−チオールアデニンおよび8−チオールグアニン、8−チオアルキルアデニンおよび8−チオアルキルグアニン、8−ヒドロキシルアデニンおよび8−ヒドロキシルグアニンおよび他の8−置換アデニンおよび8−置換グアニン、5−ハロウラシルおよび5−ハロシトシン、特に5−ブロモウラシルおよび5−ブロモシトシン、5−トリフルオロメチルウラシルおよび5−トリフルオロメチルシトシンおよび他の5−置換ウラシルおよび5−置換シトシン、7−メチルグアニン、ならびに7−メチルアデニン8−アザグアニン、ならびに8−アザアデニン、7−デアザグアニン、ならびに7−デアザアデニン、ならびに3−デアザグアニン、ならびに3−デアザアデニンなどが挙げられる。

0160

5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン、ならびにN−2、N−6、およびO−6置換プリン(2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル、および5−プロピニルシトシンを含めた)を含めたある特定の核酸塩基は、本発明のオリゴマー化合物結合親和性を増大させるのに特に有用である。5−メチルシトシン置換は、核酸二本鎖安定性を0.6〜1.2℃増大させることが示された(Sanghvi, Y. S.、Crooke、S. T.およびLebleu, B.編、Antisense Research and Applications 1993年、CRCPress、Boca Raton、276〜278頁)。これらは、特定の実施形態では、2’−O−メトキシエチル糖改変と合わせることができる。ある特定のこれらの改変核酸塩基ならびに他の改変核酸塩基の調製を教示する米国特許として、限定はしないが、上記した米国特許第3,687,808号、ならびに米国特許第4,845,205号;同第5,130,302号;同第5,134,066号;同第5,175,273号;同第5,367,066号;同第5,432,272号;同第5,457,187号;同第5,459,255号;同第5,484,908号;同第5,502,177号;同第5,525,711号;同第5,552,540号;同第5,587,469号;同第5,594,121号、同第5,596,091号;同第5,614,617号、および同第5,681,941号が挙げられる。

0161

c.糖改変
糖基上のほとんどの改変は、好都合化学反応性部位をもたらす、RNA糖環(sugar ring)の2’−OHで行われる(Manoharan, M.、Curr Opin Chem Biol 8巻:570〜9頁(2004年);Zhang, H.Y.ら、Curr Top Med Chem 6巻:893〜900頁(2006年))。その2’−Fおよび2’−OMEは一般的であり、両者ともに安定性を増大させ、上記2’−OME改変は、これが、1本の鎖当たり4ヌクレオチド未満に制限されている限り、活性を低減しない(Holen, T.ら、Nucleic AcidsRes 31巻:2401〜7頁(2003年))。上記2’−O−MOEは、改変塩基が、その分子の中央領域に制限されている場合、siRNAにおいて最も有効である(Prakash, T.P.ら、J Med Chem 48巻:4247〜53頁(2005年))。活性の喪失を伴うことなく、siRNAを安定化させることが見出された他の改変は、表2、10〜14に示されている。

0162

改変オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の置換糖部分も含有することができる。例えば、本発明は、その2’位に以下のもののうちの1つを含むオリゴヌクレオチドを含む:OH;F;O−、S−、もしくはN−アルキル、O−アルキル−O−アルキル、O−、S−、もしくはN−アルケニル、またはO−、S−、もしくはN−アルキニル(ここで、上記アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換または非置換のC1〜C1Oアルキル、またはC2〜C10アルケニルおよびアルキニルとすることができる)。O[(CH2)nO]mCH3、O(CH2)nOCH3、O(CH2)2ON(CH3)2、O(CH2)nNH2、O(CH2)nCH3、O(CH2)nONH2、およびO(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2(式中、nおよびmは、1〜約10である)は、特に好適である。他の好適なオリゴヌクレオチドは、その2’位に以下のもののうちの1つを含む:C1〜C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリールアラルキル、O−アルカリールまたはO−アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキルヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的性質を改善するための基、またはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、および同様の特性を有する他の置換基。1つの改変は、2’−メトキシエトキシ(2’−O−−CH2CH2OCH3、2’−O−(2−メトキシエチル)または2’−MOEとしても公知)(Martinら、Helv. Chim. Acta 1995年、78巻、486〜504頁)、すなわち、アルコキシアルコキシ基を含む。他の改変には、2’−ジメチルアミノオキシエトキシ、すなわち、2’−DMAOEとしても公知のO(CH2)2ON(CH3)2基、および2’−ジメチルアミノエトキシエトキシ(2’−DMAEOE)が含まれる。

0163

追加の改変には、2’−メトキシ(2’−O−CH3)、2’−アミノプロポキシ(2’−OCH2CH2CH2NH2)、および2’−フルオロ(2’−F)が含まれる。同様の改変を、上記オリゴヌクレオチド上の他の位置、特に、その3’末端ヌクレオチド上または2’−5’連結オリゴヌクレオチドにおける糖の3’位、および5’末端ヌクレオチドの5’位でも行うことができる。オリゴヌクレオチドは、そのペントフラノシル糖の代わりに、シクロブチル部分などの糖模倣体も有することができる。そのような改変糖構造の調製を教示する代表的な米国特許として、限定はしないが、米国特許第4,981,957号;第5,118,800号;第5,319,080号;第5,359,044号;第5,393,878号;第5,446,137号;第5,466,786号;第5,514,785号;第5,519,134号;第5,567,811号;第5,576,427号;第5,591,722号;第5,597,909号;第5,610,300号;第5,627,053号;第5,639,873号;第5,646,265号;第5,658,873号;第5,670,633号;および第5,700,920号が挙げられる。

0164

他のオリゴヌクレオチド模倣体では、そのヌクレオチド単位の糖およびヌクレオシド間連結の両方、すなわち、その主鎖は、新規の基と置換されているが、上記塩基単位は、適切な核酸標的化合物とのハイブリダイゼーションのために維持されている。1つのそのようなオリゴマー化合物、すなわち、優れたハイブリダイゼーション特性を有することが示されたオリゴヌクレオチド模倣体は、ペプチド核酸(PNA)と呼ばれる。PNA化合物では、オリゴヌクレオチドの糖主鎖は、アミド含有主鎖、特に、アミノエチルグリシン主鎖で置換されている。上記核酸塩基は、保持されており、その主鎖のアミド部分のアザ窒素原子に直接または間接的に結合している。PNA化合物の調製を教示する代表的な米国特許には、限定はしないが、米国特許第5,539,082号;同第5,714,331号;および同第5,719,262号が含まれる。PNA化合物のさらなる教示は、Nielsenら、Science 254巻、1497〜1500頁(1991年)に見出すことができる。

0165

本発明の特定の実施形態は、ホスホロチオエート主鎖を有するオリゴヌクレオチド、ならびにヘテロ原子主鎖を有するオリゴヌクレオチド、特に、上記に参照した米国特許第5,489,677号の−−CH2−−NH−−O−−CH2−−、−−CH2−−N(CH3)−−O−−CH2−(メチレン(メチルイミノ)またはMMI主鎖と呼ばれる)−−CH2−−O−−N(CH3)−−CH2−−、−−CH2−−N(CH3)−−N(CH3)−−CH2−−、および−−O−−N(CH3)−−CH2−−CH2−(その天然のホスホジエステル主鎖は、−−O−−P−−O−−CH2−−と表される)、ならびに上記に参照した米国特許第5,602,240号のアミド主鎖である。上記に参照した米国特許第5,034,506号のモルホリノ主鎖構造を有するオリゴヌクレオチドも好適である。

0166

d.キメラオリゴヌクレオチド
所与の化合物中のすべての位置が、均一に改変される必要はなく、実際には、上記の改変のうちの1つを超えるものを、1つの化合物中、またはオリゴヌクレオチド内の1つのヌクレオシドにおいてさえ組み込むことができる。本発明のある特定の好適なオリゴヌクレオチドは、キメラオリゴヌクレオチドである。本発明の状況において、「キメラオリゴヌクレオチド」または「キメラ」は、それぞれが、少なくとも1つのヌクレオチドで構成されている、2つ以上の化学的に異なる領域を含有するオリゴヌクレオチドである。これらのオリゴヌクレオチドは典型的には、1つまたは複数の有益な特性(例えば、ヌクレアーゼ耐性の増大、細胞内への取込みの増大、上記RNA標的に対する結合親和性の増大など)を付与する改変ヌクレオチドの少なくとも1つの領域、およびRNaseH切断のための基質である領域を含有する。

0167

一実施形態では、キメラオリゴヌクレオチドは、標的結合親和性を増大させるように改変された少なくとも1つの領域を含む。オリゴヌクレオチドのその標的に対する親和性は、上記オリゴヌクレオチドと標的が解離する温度である、オリゴヌクレオチド/標的対のTmを測定することによって日常的に決定され、解離は、分光光度法で検出される。上記Tmがより高いほど、上記オリゴヌクレオチドの上記標的に対する親和性がより大きい。一実施形態では、標的mRNA結合親和性を増大させるように改変されたオリゴヌクレオチドの領域は、その糖の2’位で改変された少なくとも1つのヌクレオチド、最も好ましくは、2’−O−アルキル、2’−O−アルキル−O−アルキル、または2’−フルオロ−改変ヌクレオチドを含む。そのような改変は、オリゴヌクレオチド中に日常的に組み込まれ、これらのオリゴヌクレオチドは、所与の標的に対する、2’−デオキシオリゴヌクレオチドより高いTm(すなわち、より高い標的結合親和性)を有することが示された。そのような親和性増大の効果は、標的遺伝子発現のオリゴヌクレオチド阻害を大いに増強することである。

0168

別の実施形態では、キメラオリゴヌクレオチド(oligonucletoide)は、RNAse Hのための基質として作用する領域を含む。もちろん、オリゴヌクレオチドは、本明細書に記載される様々な改変の任意の組合せを含むことができることが理解される。

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