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技術 トランスミッションケース

出願人 ダイハツ工業株式会社
発明者 大窪光秀山下祐史嶋本雅夫
出願日 2018年4月23日 (1年2ヶ月経過) 出願番号 2018-081968
公開日 2018年7月26日 (11ヶ月経過) 公開番号 2018-115770
状態 特許登録済
技術分野 伝動装置の一般的な細部 ブレーキ装置
主要キーワード 式歯車機構 回転径方向 アウトプット軸 インプット軸 ブレーキプレート リバースモード 排出穴 動力伝達モード
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年7月26日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

ブレーキにおける引き摺り損失を低減することができる、トランスミッションケースを提供する。

解決手段

トランスミッションケース101(第2ケース103)には、アウトプット軸42の周囲を取り囲む円周面121が形成されており、その円周面121におけるブレーキB1が設けられる部分には、ブレーキプレート123をスプライン嵌合させるためのスプライン溝122が周方向に並んで形成されている。そして、スプライン溝122の1つであるスプライン溝122Aには、オイル排出穴125が形成されており、ブレーキB1部分に供給されるオイル(潤滑油)は、オイル排出穴125を通して、オイル排出穴125に対して下方から上下方向に対向するオイルパン126に向けて排出される。

概要

背景

自動車などの車両では、駆動源からの動力変速機トランスミッション)のインプット軸に入力され、変速機で変速された動力がアウトプット軸からデファレンシャルギヤなどを介して駆動輪に伝達される。

車両に搭載される変速機として、エンジンの動力を無段階に変速する無段変速機構と、エンジンの動力を無段変速機構を経由せずに伝達する歯車機構と、無段変速機構からの動力と歯車機構からの動力とを合成するための遊星歯車機構とを備えたものが提案されている。この変速機では、エンジンからの動力を無段変速機構と歯車機構とに分割し、その分割された各動力を遊星歯車機構で合成して車輪に伝達することができる。

概要

ブレーキにおける引き摺り損失を低減することができる、トランスミッションケースを提供する。トランスミッションケース101(第2ケース103)には、アウトプット軸42の周囲を取り囲む円周面121が形成されており、その円周面121におけるブレーキB1が設けられる部分には、ブレーキプレート123をスプライン嵌合させるためのスプライン溝122が周方向に並んで形成されている。そして、スプライン溝122の1つであるスプライン溝122Aには、オイル排出穴125が形成されており、ブレーキB1部分に供給されるオイル(潤滑油)は、オイル排出穴125を通して、オイル排出穴125に対して下方から上下方向に対向するオイルパン126に向けて排出される。

目的

本発明の目的は、ブレーキにおける引き摺り損失を低減することができる、トランスミッションケースを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

インプット軸アウトプット軸との間で動力変速し、前記アウトプット軸または前記アウトプット軸上に設けられる回転体の回転を制動許容するためのブレーキを備えるトランスミッションに用いられるトランスミッションケースであって、前記アウトプット軸の周囲を取り囲む円周面が形成され、前記円周面には、前記ブレーキに含まれるブレーキプレートスプライン嵌合させるための複数のスプライン溝周方向に並んで形成され、前記スプライン溝の1つには、前記トランスミッションケースに取り付けられるオイルパンに対して上方から上下方向に対向する位置に、オイルを前記オイルパンに向けて排出する排出穴が形成されており、前記アウトプット軸は、前記インプット軸よりも上方に位置し、前記排出穴は、前記スプライン溝から前記インプット軸の軸心の位置よりも下方の位置まで上下方向に延び、上下方向に開放されている、トランスミッションケース。

技術分野

0001

本発明は、トランスミッションケースに関する。

背景技術

0002

自動車などの車両では、駆動源からの動力変速機トランスミッション)のインプット軸に入力され、変速機で変速された動力がアウトプット軸からデファレンシャルギヤなどを介して駆動輪に伝達される。

0003

車両に搭載される変速機として、エンジンの動力を無段階に変速する無段変速機構と、エンジンの動力を無段変速機構を経由せずに伝達する歯車機構と、無段変速機構からの動力と歯車機構からの動力とを合成するための遊星歯車機構とを備えたものが提案されている。この変速機では、エンジンからの動力を無段変速機構と歯車機構とに分割し、その分割された各動力を遊星歯車機構で合成して車輪に伝達することができる。

先行技術

0004

特開2004−176890号公報

発明が解決しようとする課題

0005

駆動源の動力を2系統に分割して伝達可能な変速機は、動力分割式無段変速機として、出願人も提案している。

0006

その提案に係る動力分割式無段変速機には、無段変速機構、平行軸式歯車機構および遊星歯車機構が含まれる。無段変速機構は、公知のベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)と同様の構成を有している。無段変速機構のプライマリ軸には、インプット軸に入力されるエンジンの動力が伝達される。無段変速機構のセカンダリ軸は、遊星歯車機構のサンギヤに接続されている。平行軸式歯車機構は、インプット軸の動力が伝達/遮断されるスプリットドライブギヤと、スプリットドライブギヤとギヤ列を構成し、遊星歯車機構のキャリア一体回転するスプリットドリブンギヤとを備えている。遊星歯車機構のリングギヤには、アウトプット軸が接続されている。アウトプット軸の回転は、デファレンシャルギヤに伝達され、デファレンシャルギヤから左右の駆動輪に伝達される。

0007

この動力分割式無段変速機では、前進走行時における動力伝達モードとして、ベルトモードおよびスプリットモードが設けられている。

0008

ベルトモードでは、クラッチ係合により、遊星歯車機構のサンギヤとリングギヤとが直結される。また、インプット軸からスプリットドライブギヤへの動力の伝達が遮断されることにより、スプリットドライブギヤが自由回転状態(フリー)にされ、遊星歯車機構のキャリアが自由回転状態にされる。そのため、無段変速機構から出力される動力により、サンギヤおよびリングギヤが一体的に回転し、アウトプット軸がリングギヤと一体的に回転する。したがって、ベルトモードでは、動力分割式無段変速機の変速比ユニット変速比)が無段変速機構の変速比(ベルト変速比)と一致する。

0009

スプリットモードでは、クラッチの解放により、遊星歯車機構のサンギヤとリングギヤとの直結が解除される。そのため、無段変速機構から出力される動力により、サンギヤが回転する。一方、インプット軸からスプリットドライブギヤに動力が伝達され、その動力がスプリットドライブギヤからスプリットドリブンギヤを介することにより一定のスプリット変速比で変速されて、遊星歯車機構のキャリアに入力される。そのため、スプリットモードでは、ベルト変速比が大きいほどユニット変速比が小さくなり、スプリット変速比以下の変速比を実現することができる。

0010

また、後進走行時リバースモードでは、遊星歯車機構のサンギヤとリングギヤとの直結が解除された状態で、ブレーキの係合により、遊星歯車機構のキャリアが制動される。これにより、無段変速機構から出力される動力により、サンギヤが回転すると、リングギヤがサンギヤと逆方向に回転し、アウトプット軸がリングギヤと一体的に前進走行時とは逆方向に回転する。

0011

リバースモードで係合されるブレーキは、スプリットモードで解放されている。そのため、スプリットモードでは、動力分割式無段変速機のケース(トランスミッションケース)に固定されているブレーキプレートとキャリアに設けられているブレーキディスクとの間での差回転が大きく、ブレーキにおける引き摺り損失が大きい。そのうえ、ブレーキ部分にオイル潤滑油)が溜まると、ブレーキディスクがオイルから受けるせん断抵抗が大きくなるので、引き摺り損失がさらに大きくなる。引き摺り損失は、車両の走行燃費の悪化の要因である。

0012

本発明の目的は、ブレーキにおける引き摺り損失を低減することができる、トランスミッションケースを提供することである。

課題を解決するための手段

0013

前記の目的を達成するため、本発明(の一の局面)に係るトランスミッションケースは、インプット軸とアウトプット軸との間で動力を変速し、アウトプット軸またはアウトプット軸上に設けられる回転体の回転を制動/許容するためのブレーキを備えるトランスミッションに用いられるトランスミッションケースであって、このトランスミッションケースでは、アウトプット軸の周囲を取り囲む円周面が形成され、円周面には、ブレーキに含まれるブレーキプレートをスプライン嵌合させるための複数のスプライン溝周方向に並んで形成され、スプライン溝の1つには、トランスミッションケースに取り付けられるオイルパンに対して上方から上下方向に対向する位置に、オイルをオイルパンに向けて排出する排出穴が形成されており、アウトプット軸は、インプット軸よりも上方に位置し、排出穴は、スプライン溝からインプット軸の軸心の位置よりも下方の位置まで上下方向に延び、上下方向に開放されている。

0014

この構成によれば、トランスミッションケースには、アウトプット軸の周囲を取り囲む円周面が形成されており、その円周面におけるブレーキが設けられる部分には、ブレーキプレートをスプライン嵌合させるためのスプライン溝が周方向に並んで形成されている。そして、スプライン溝の1つには、排出穴が形成されており、ブレーキ部分に供給されるオイル(潤滑油)は、排出穴を通して、排出穴に対して下方から上下方向に対向するオイルパンに向けて排出される。そのため、ブレーキが設けられている部分にオイルが溜まることを抑制できる。その結果、ブレーキディスクがオイルから受けるせん断抵抗を低減することができ、ブレーキにおける引き摺り損失を低減することができる。

0015

また、スプライン溝の両側には、スプライン溝に対して山となる部分が形成されている。そのため、ブレーキディスクの回転につられて流動するオイルを排出穴に対して回転方向下流側に位置する山となる部分でき止めて、排出穴が形成されているスプライン溝にオイルを集めることができる。よって、ブレーキが設けられている部分にオイルが溜まることを抑制する効果を高めることができる。

発明の効果

0016

本発明によれば、ブレーキにおける引き摺り損失を低減することができるので、トランスミッションのトルク伝達効率を向上させることができ、ひいては、トランスミッションが搭載される車両の燃費改善効果を発揮することができる。

図面の簡単な説明

0017

車両の駆動系統の構成を示す断面図である。
動力分割式無段変速機に含まれる係合要素の状態を示す図である。
動力分割式無段変速機に含まれる遊星歯車機構のサンギヤ、キャリアおよびリングギヤの回転数(回転速度)の関係を示す共線図である。
トランスミッションケースの第2ケースの斜視図である。
第2ケースの側面図である。
第2ケースの底面図である。

実施例

0018

以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。

0019

<車両の駆動系統>
図1は、車両の駆動系統1の構成を示す断面図である。なお、図1では、断面を示すハッチングの付与が省略されている。

0020

駆動系統1は、たとえば、エンジンを駆動源とする車両に搭載される。エンジンの出力は、トルクコンバータ3を介して、動力分割式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)4に入力される。

0021

トルクコンバータ3は、ポンプインペラ31、タービンランナ32およびロックアップクラッチ33を備えている。ポンプインペラ31には、エンジンの出力軸21が連結されており、ポンプインペラ31は、出力軸21と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。タービンランナ32は、ポンプインペラ31と同一の回転軸線を中心に回転可能に設けられている。ロックアップクラッチ33は、ポンプインペラ31とタービンランナ32とを直結/分離するために設けられている。ロックアップクラッチ33が係合されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが直結され、ロックアップクラッチ33が解放されると、ポンプインペラ31とタービンランナ32とが分離される。

0022

ロックアップクラッチ33が解放された状態において、エンジンの出力軸21が回転すると、ポンプインペラ31が回転する。ポンプインペラ31が回転すると、ポンプインペラ31からタービンランナ32に向かうオイルの流れが生じる。このオイルの流れがタービンランナ32で受けられて、タービンランナ32が回転する。このとき、トルクコンバータ3の増幅作用が生じ、タービンランナ32には、エンジンの出力軸21の動力(トルク)よりも大きな動力が発生する。

0023

ロックアップクラッチ33が係合された状態では、エンジンの出力軸21が回転すると、ポンプインペラ31およびタービンランナ32が一体となって回転する。

0024

動力分割式無段変速機4は、トルクコンバータ3から入力される動力をデファレンシャルギヤ6に伝達する。動力分割式無段変速機4は、インプット軸41、アウトプット軸42、無段変速機構43、逆転ギヤ機構44、遊星歯車機構45、スプリットドライブギヤ46およびスプリットドリブンギヤ47を備えている。

0025

インプット軸41は、トルクコンバータ3のタービンランナ32に連結され、タービンランナ32と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。

0026

アウトプット軸42は、インプット軸41と平行に設けられている。アウトプット軸42には、出力ギヤ48が一体に形成されている。出力ギヤ48は、デファレンシャルギヤ6(デファレンシャルギヤ6の入力ギヤ)と噛合している。

0027

無段変速機構43は、公知のベルト式の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)と同様の構成を有している。具体的には、無段変速機構43は、プライマリ軸51と、プライマリ軸51と平行に設けられたセカンダリ軸52と、プライマリ軸51に相対回転不能に支持されたプライマリプーリ53と、セカンダリ軸52に相対回転不能に支持されたセカンダリプーリ54と、プライマリプーリ53とセカンダリプーリ54とに巻き掛けられたベルト55とを備えている。

0028

プライマリプーリ53は、プライマリ軸51に固定された固定シーブ61と、固定シーブ61にベルト55を挟んで対向配置され、プライマリ軸51にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブプライマリシーブ)62とを備えている。可動シーブ62に対して固定シーブ61と反対側には、プライマリ軸51に固定されたシリンダ63が設けられ、可動シーブ62とシリンダ63との間に、ピストン室油室)64が形成されている。

0029

セカンダリプーリ54は、セカンダリ軸52に固定された固定シーブ65と、固定シーブ65にベルト55を挟んで対向配置され、セカンダリ軸52にその軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持された可動シーブ(セカンダリシーブ)66とを備えている。可動シーブ66に対して固定シーブ65と反対側には、セカンダリ軸52に固定されたシリンダ67が設けられ、可動シーブ66とシリンダ67との間に、ピストン室(油室)68が形成されている。回転軸線方向において、固定シーブ65と可動シーブ66との位置関係は、プライマリプーリ53の固定シーブ61と可動シーブ62との位置関係と逆転している。

0030

無段変速機構43では、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54の各ピストン室64,68に供給される油圧が制御されて、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54の各溝幅が変更されることにより、プライマリプーリ53とセカンダリプーリ54とのプーリ比が連続的に無段階で変更される。

0031

具体的には、プーリ比が小さくされるときには、プライマリプーリ53のピストン室64に供給される油圧が上げられる。これにより、プライマリプーリ53の可動シーブ62が固定シーブ61側に移動し、固定シーブ61と可動シーブ62との間隔(溝幅)が小さくなる。これに伴い、プライマリプーリ53に対するベルト55の巻きかけ径が大きくなり、セカンダリプーリ54の固定シーブ65と可動シーブ66との間隔(溝幅)が大きくなる。その結果、プライマリプーリ53とセカンダリプーリ54とのプーリ比が小さくなる。

0032

プーリ比が大きくされるときには、プライマリプーリ53のピストン室64に供給される油圧が下げられる。これにより、ベルト55に対するセカンダリプーリ54の推力がベルト55に対するプライマリプーリ53の推力よりも大きくなり、セカンダリプーリ54の固定シーブ65と可動シーブ66との間隔が小さくなるとともに、固定シーブ61と可動シーブ62との間隔が大きくなる。その結果、プライマリプーリ53とセカンダリプーリ54とのプーリ比が大きくなる。

0033

一方、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54の推力は、プライマリプーリ53およびセカンダリプーリ54とベルト55との間で滑りが生じない大きさを必要とする。そのため、インプット軸41に入力されるトルクの大きさに応じた推力が得られるよう、セカンダリプーリ54のピストン室68に供給される油圧が制御される。

0034

逆転ギヤ機構44は、インプット軸41に入力される動力を逆転かつ減速させてプライマリ軸51に伝達する構成である。具体的には、逆転ギヤ機構44は、インプット軸41と一体に形成されたインプット軸ギヤ71と、インプット軸ギヤ71よりも大径で歯数が多く、プライマリ軸51にスプライン嵌合により回転軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持されて、インプット軸ギヤ71と噛合するプライマリ軸ギヤ72とを含む。

0035

遊星歯車機構45は、サンギヤ81、キャリア82およびリングギヤ83を備えている。サンギヤ81は、セカンダリ軸52にスプライン嵌合により回転軸線方向に移動可能かつ相対回転不能に支持されている。キャリア82は、アウトプット軸42に相対回転可能に外嵌されている。キャリア82は、複数個ピニオンギヤ84を回転可能に支持している。複数個のピニオンギヤ84は、円周上に配置され、サンギヤ81と噛合している。リングギヤ83は、複数個のピニオンギヤ84を一括して取り囲む円環状を有し、各ピニオンギヤ84にセカンダリ軸52の回転径方向の外側から噛合している。また、リングギヤ83は、アウトプット軸42に固定され、リングギヤ83は、アウトプット軸42と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。

0036

スプリットドライブギヤ46は、インプット軸41に相対回転可能に外嵌されている。

0037

スプリットドリブンギヤ47は、遊星歯車機構45のキャリア82と同一の回転軸線を中心に一体的に回転可能に設けられている。スプリットドリブンギヤ47は、スプリットドライブギヤ46よりも小径に形成され、スプリットドライブギヤ46よりも少ない歯数を有している。

0038

また、動力分割式無段変速機4は、クラッチC1,C2およびブレーキB1を備えている。

0039

クラッチC1は、インプット軸41とスプリットドライブギヤ46とを直結(一体回転可能に結合)する係合状態と、その直結を解除する解放状態とに切り替えられる。

0040

クラッチC2は、遊星歯車機構45のサンギヤ81とリングギヤ83とを直結(一体回転可能に結合)する係合状態と、その直結を解除する解放状態とに切り替えられる。

0041

ブレーキB1は、遊星歯車機構45のキャリア82を制動する係合状態と、キャリア82の回転を許容する解放状態とに切り替えられる。

0042

変速モード
図2は、車両の前進時および後進時におけるクラッチC1,C2およびブレーキB1の状態を示す図である。図2において、「○」は、クラッチC1,C2およびブレーキB1が係合状態であることを示している。「×」は、クラッチC1,C2およびブレーキB1が解放状態であることを示している。図3は、遊星歯車機構45のサンギヤ81、キャリア82およびリングギヤ83の回転数(回転速度)の関係を示す共線図である。

0043

動力分割式無段変速機4は、前進レンジにおける変速モードとして、ベルトモードおよびスプリットモードを有している。

0044

ベルトモードでは、図2に示されるように、クラッチC1およびブレーキB1が解放され、クラッチC2が係合される。これにより、スプリットドライブギヤ46がインプット軸41から切り離され、遊星歯車機構45のキャリア82がフリー(自由回転状態)になり、遊星歯車機構45のサンギヤ81とリングギヤ83とが直結される。

0045

インプット軸41に入力される動力は、逆転ギヤ機構44により逆転かつ減速されて、無段変速機構43のプライマリ軸51に伝達され、プライマリ軸51およびプライマリプーリ53を回転させる。プライマリプーリ53の回転は、ベルト55を介して、セカンダリプーリ54に伝達され、セカンダリプーリ54およびセカンダリ軸52を回転させる。遊星歯車機構45のサンギヤ81とリングギヤ83とが直結されているので、セカンダリ軸52と一体となって、サンギヤ81、リングギヤ83およびアウトプット軸42が回転する。したがって、ベルトモードでは、図3に示されるように、動力分割式無段変速機4の変速比(ユニット変速比)がプーリ比と一致する。

0046

スプリットモードでは、図2に示されるように、クラッチC1が係合され、クラッチC2およびブレーキB1が解放される。これにより、インプット軸41とスプリットドライブギヤ46とが直結され、遊星歯車機構45のキャリア82がフリーになり、遊星歯車機構45のサンギヤ81とリングギヤ83とが切り離される。

0047

インプット軸41に入力される動力は、逆転ギヤ機構44により逆転かつ減速されて、無段変速機構43のプライマリ軸51に伝達され、プライマリ軸51からプライマリプーリ53、ベルト55およびセカンダリプーリ54を介してセカンダリ軸52に伝達され、遊星歯車機構45のサンギヤ81に伝達される。一方、インプット軸41に入力される動力は、スプリットドライブギヤ46からスプリットドリブンギヤ47を介して遊星歯車機構45のキャリア82に増速されて伝達される。

0048

スプリットドライブギヤ46とスプリットドリブンギヤ47とのギヤ比は一定で不変(固定)であるので、スプリットモードでは、インプット軸41に入力される動力が一定であれば、遊星歯車機構45のキャリア82の回転が一定速度に保持される。そのため、プーリ比が上げられると、遊星歯車機構45のサンギヤ81の回転数が下がるので、図3破線で示されるように、遊星歯車機構45のリングギヤ83(アウトプット軸42)の回転数が上がる。その結果、スプリットモードでは、プーリ比が大きいほど、無段変速機構43の変速比が小さくなる。

0049

ベルトモードおよびスプリットモードにおけるアウトプット軸42の回転は、出力ギヤ48を介して、デファレンシャルギヤ6に伝達される。これにより、車両のドライブシャフト7,8が前進方向に回転する。

0050

後進レンジでは、リバースモードとなり、図2に示されるように、クラッチC1,C2が係合され、ブレーキB1が解放される。これにより、スプリットドライブギヤ46がインプット軸41から切り離され、遊星歯車機構45のサンギヤ81とリングギヤ83とが切り離され、遊星歯車機構45のキャリア82が制動される。

0051

インプット軸41に入力される動力は、逆転ギヤ機構44により逆転かつ減速されて、無段変速機構43のプライマリ軸51に伝達され、プライマリ軸51からプライマリプーリ53、ベルト55およびセカンダリプーリ54を介してセカンダリ軸52に伝達され、セカンダリ軸52と一体に、遊星歯車機構45のサンギヤ81を回転させる。遊星歯車機構45のキャリア82が制動されているので、サンギヤ81が回転すると、遊星歯車機構45のリングギヤ83がサンギヤ81と逆方向に回転する。このリングギヤ83の回転方向は、前進時(ベルトモードおよびスプリットモード)におけるリングギヤ83の回転方向と逆方向となる。そして、リングギヤ83と一体に、アウトプット軸42が回転する。アウトプット軸42の回転は、出力ギヤ48を介して、デファレンシャルギヤ6に伝達される。これにより、車両のドライブシャフト7,8が後進方向に回転する。

0052

<トランスミッションケース>
トルクコンバータ3、動力分割式無段変速機4およびデファレンシャルギヤ6は、図1に示されるように、トランスミッションケース(トランスアクスルケース)101に収容されている。

0053

トランスミッションケース101は、第1ケース102、第2ケース103および第3ケース104に分割されている。第1ケース102、第2ケース103および第3ケース104は、車両のエンジン側からこの順に並ぶ。

0054

図4は、第2ケース103の斜視図である。図5は、第2ケース103の側面図(エンジン側から見た図)である。図6は、第2ケース103の底面図である。

0055

第2ケース103は、外殻をなす外壁部111と、外壁部111の内側の空間を回転軸線方向に2分割するように形成された隔壁部112とを有している。

0056

隔壁部112に対してエンジン側で外壁部111に取り囲まれる空間には、スプリットドライブギヤ46およびクラッチC1が配置される第1配置部113と、アウトプット軸42、遊星歯車機構45、スプリットドリブンギヤ47、クラッチC2およびブレーキB1が配置される第2配置部114と、デファレンシャルギヤ6が配置される第3配置部115とが設けられている。

0057

隔壁部112に対してエンジン側と反対側で外壁部111に取り囲まれる空間には、無段変速機構43が配置される。

0058

隔壁部112には、第1配置部113に臨む位置に、インプット軸41が挿通される第1挿通孔116が形成されている。また、隔壁部112には、第2配置部114に臨む位置に、セカンダリ軸52が挿通される第2挿通孔117が形成されている。さらに、隔壁部112には、第3配置部115に臨む位置に、ドライブシャフト7が挿通される第3挿通孔118が形成されている。

0059

第2ケース103は、第2配置部114に、アウトプット軸42の周囲を取り囲む円周面121を有している。円周面121には、複数のスプライン溝122が周方向に並んで形成されている。

0060

スプライン溝122は、ブレーキB1のブレーキプレート123(図1参照)をスプライン嵌合させるための溝である。ブレーキB1は、公知の湿式板式のクラッチと同一の構成であり、図1に示されるように、複数のブレーキプレート123と複数のブレーキディスク124とを回転軸線方向に交互に配列した構成を有している。

0061

図4および図5に示されるように、複数のスプライン溝122のうち、最下に位置するスプライン溝122に対してブレーキディスク124の回転方向(図5における反時計回り)の下流側に1つ隣のスプライン溝122Aは、他のスプライン溝122よりも周方向に長く形成されている。そして、スプライン溝122Aの底面には、オイル排出穴125が形成されている。オイル排出穴125は、上下方向に延び、図6に示されるように、上下方向に開放されている。オイル排出穴125の下端開口は、図5に示されるように、トランスミッションケース101の底面に接続されるオイルパン126に対して、上方から上下方向に対向している。

0062

別の観点から見ると、オイル排出穴125は、図5に示される側面視において、インプット軸41の回転軸線とセカンダリ軸52の回転軸線とを結ぶ線分の中央に対する下方であって、第1配置部113と回転軸線方向に対向する位置に形成されている。

0063

作用効果
以上のように、トランスミッションケース101(第2ケース103)には、アウトプット軸42の周囲を取り囲む円周面121が形成されており、その円周面121におけるブレーキB1が設けられる部分には、ブレーキプレート123をスプライン嵌合させるためのスプライン溝122が周方向に並んで形成されている。そして、スプライン溝122の1つであるスプライン溝122Aには、オイル排出穴125が形成されており、ブレーキB1部分に供給されるオイル(潤滑油)は、オイル排出穴125を通して、オイル排出穴125に対して下方から上下方向に対向するオイルパン126に向けて排出される。そのため、ブレーキB1が設けられている部分、つまり、円周面121上にオイルが溜まることを抑制できる。その結果、ブレーキB1ディスクがオイルから受けるせん断抵抗を低減することができ、ブレーキB1における引き摺り損失を低減することができる。

0064

また、スプライン溝122Aの両側には、スプライン溝122Aに対して山となる部分127が形成されている。そのため、ブレーキディスク124の回転につられて流動するオイルをオイル排出穴125に対して回転方向下流側に位置する山となる部分127で堰き止めて、オイル排出穴125が形成されているスプライン溝122Aにオイルを集めることができる。よって、ブレーキB1が設けられている部分にオイルが溜まることを抑制する効果を高めることができる。

0065

<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。

0066

たとえば、トランスミッションの一例として、動力分割式無段変速機4を取り上げたが、本発明に係るトランスミッションケースが適用可能なトランスミッションは、動力分割式無段変速機4に限らず、公知の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)であってもよいし、有段式の自動変速機(AT:Automatic Transmission)であってもよい。

0067

その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。

0068

4動力分割式無段変速機(トランスミッション)
41インプット軸
42アウトプット軸
82キャリア(回転体)
101トランスミッションケース
103 第2ケース
121円周面
122スプライン溝
122A スプライン溝
123ブレーキプレート
125オイル排出穴(排出穴)
126オイルパン
B1 ブレーキ

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