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図面 (19)

課題

インジェクタからの燃料噴霧の一部が燃焼室内に形成されるタンブル流の流れ方向の下流側に位置する点火プラグの方向に向かい、且つ、点火プラグに最も近づく燃料噴霧の外郭面よりも上方となる範囲に点火プラグの電極部が配置されるエンジン構成によって排気浄化触媒活性化させる場合において、強いタンブル流によって放電火花誘引阻害されるときの対策を講ずる。

解決手段

リフト可変機構は、リフト量において異なる2種類の吸気カム大リフトカムおよび小リフトカム)の間で、吸気バルブを駆動するカム駆動カム)を切り替え可能に構成されている。実施の形態1では、排気浄化触媒の活性化を促進する制御(触媒暖機制御)中の駆動カムとして、小リフトカムが選択されるようにリフト量可変機構を制御する。

概要

背景

特開2011−106377号公報には、燃焼室上部に設けられる点火プラグインジェクタ位置関係に関するエンジン構成と、このエンジン構成を前提とした当該点火プラグと当該インジェクタの制御方法が開示されている。このエンジン構成は、具体的に、点火プラグの放電ギャップの中心位置から当該点火プラグに最も近いインジェクタの噴孔の中心位置までの距離と、当該放電ギャップの中心位置から当該噴孔から噴射された燃料噴霧中心軸までの距離と、を特定の範囲に設定するものである。

また、このエンジン構成を前提とした制御方法は、インジェクタからの燃料噴射を開始してから所定時間の経過後に、この燃料噴射期間に亘り、点火プラグへの高電圧印加を行うものである。インジェクタから高圧状態で噴射された燃料は、その周囲の空気を持ち去ることで低圧部を形成する(エントレインメント)。そのため、燃料噴射期間に点火プラグへの高電圧の印加を行う上記制御方法によれば、燃料噴霧の周囲に低圧部を形成して、放電ギャップに生じた放電火花をこの低圧部に誘引することができる。よって、点火プラグの周辺に形成される混合気着火性を向上させることができる。

これに加え、特開2011−106377号公報では、上述した誘引作用活用例として、機関始動時における排気浄化触媒活性化制御が挙げられている。

概要

インジェクタからの燃料噴霧の一部が燃焼室内に形成されるタンブル流の流れ方向の下流側に位置する点火プラグの方向に向かい、且つ、点火プラグに最も近づく燃料噴霧の外郭面よりも上方となる範囲に点火プラグの電極部が配置されるエンジン構成によって排気浄化触媒を活性化させる場合において、強いタンブル流によって放電火花の誘引が阻害されるときの対策を講ずる。リフト可変機構は、リフト量において異なる2種類の吸気カム大リフトカムおよび小リフトカム)の間で、吸気バルブを駆動するカム駆動カム)を切り替え可能に構成されている。実施の形態1では、排気浄化触媒の活性化を促進する制御(触媒暖機制御)中の駆動カムとして、小リフトカムが選択されるようにリフト量可変機構を制御する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

燃焼室上部に設けられて筒内に燃料直接噴射するインジェクタと、電極部で発生させた放電火花を用いて筒内の混合気点火する点火プラグであって、前記燃焼室上部、且つ、前記燃焼室内に形成されるタンブル流の流れ方向において前記インジェクタよりも下流側に設けられると共に、前記インジェクタから前記点火プラグに向けて噴射される燃料噴霧外郭面よりも前記電極部の位置が上方となるように設けられた点火プラグと、前記燃焼室に設けられる吸気バルブを駆動する吸気カムリフト量を、少なくとも小リフト量大リフト量との間で変更可能なリフト量可変機構と、前記燃焼室からの排気浄化する排気浄化触媒と、を備えるエンジンを制御する内燃機関制御装置であって、前記制御装置は、前記排気浄化触媒を活性化させる制御として、圧縮上死点よりも遅角側の所定期間で放電火花が発生するように前記点火プラグを制御し、前記圧縮上死点よりも遅角側での膨張行程噴射であって、噴射期間が前記所定期間の少なくとも一部と重複する膨張行程噴射を行うように前記インジェクタを制御し、前記吸気カムのリフト量が前記小リフト量となるように前記リフト量可変機構を制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。

請求項2

前記制御装置は、前記排気浄化触媒を活性化させる制御として、前記膨張行程噴射が行われるサイクルと同じサイクルでの吸気行程噴射を更に行うように前記インジェクタを制御し、前記吸気行程噴射による燃料噴霧の一部が放電火花に接触することで生じた初期火炎成長速度が所定の判定値を下回る場合に、前記吸気カムのリフト量が大リフト量から小リフト量に切り替えられるように前記リフト量可変機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。

請求項3

前記リフト量可変機構は、前記吸気カムの作用角およびリフト量を、少なくとも小作用角および小リフト量と、大作用角および大リフト量との間で変更可能であり、前記エンジンは、前記吸気バルブのバルブタイミングを変更可能なバルブタイミング可変機構を更に備え、前記制御装置は、前記成長速度が前記判定値を下回る場合に、前記リフト量可変機構による前記吸気カムの作用角およびリフト量の切り替え前後で前記吸気バルブの開き時期が一致し、尚且つ、前記吸気バルブの閉じ時期が吸気下死点に近付くように、前記バルブタイミング可変機構を制御することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御装置。

請求項4

前記バルブタイミング可変機構は、前記燃焼室に設けられる排気バルブ開弁期間と前記吸気バルブの開弁期間が重複するオーバーラップ期間を変更可能であり、前記制御装置は、前記リフト量可変機構による前記吸気カムの作用角およびリフト量の切り替え前後において前記オーバーラップ期間が一致するように前記バルブタイミング可変機構を制御することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。

技術分野

0001

この発明は内燃機関制御装置に関し、詳しくは、インジェクタ点火プラグ燃焼室に備えると共に、燃焼室からの排気浄化する触媒排気浄化触媒)を備えるエンジンを制御する内燃機関の制御装置に関する。

背景技術

0002

特開2011−106377号公報には、燃焼室上部に設けられる点火プラグとインジェクタの位置関係に関するエンジン構成と、このエンジン構成を前提とした当該点火プラグと当該インジェクタの制御方法が開示されている。このエンジン構成は、具体的に、点火プラグの放電ギャップの中心位置から当該点火プラグに最も近いインジェクタの噴孔の中心位置までの距離と、当該放電ギャップの中心位置から当該噴孔から噴射された燃料噴霧中心軸までの距離と、を特定の範囲に設定するものである。

0003

また、このエンジン構成を前提とした制御方法は、インジェクタからの燃料噴射を開始してから所定時間の経過後に、この燃料噴射期間に亘り、点火プラグへの高電圧印加を行うものである。インジェクタから高圧状態で噴射された燃料は、その周囲の空気を持ち去ることで低圧部を形成する(エントレインメント)。そのため、燃料噴射期間に点火プラグへの高電圧の印加を行う上記制御方法によれば、燃料噴霧の周囲に低圧部を形成して、放電ギャップに生じた放電火花をこの低圧部に誘引することができる。よって、点火プラグの周辺に形成される混合気着火性を向上させることができる。

0004

これに加え、特開2011−106377号公報では、上述した誘引作用活用例として、機関始動時における排気浄化触媒の活性化制御が挙げられている。

先行技術

0005

特開2011−106377号公報
特開2015−052290号公報
特開2015−175283号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで本発明者は、特開2011−106377号公報とは異なるエンジン構成において、排気浄化触媒の活性化制御を検討しているところである。検討に係るエンジン構成は、点火プラグとインジェクタの位置関係に関する構成において上記公報のエンジン構成と類似している。但し、検討に係るエンジン構成は、燃焼室に供給される吸気からタンブル流が形成される点において上記公報のエンジン構成と異なっており、タンブル流の流れ方向で見たときにインジェクタの下流側に点火プラグが配置されるエンジン構成となっている。燃焼室に形成されるタンブル流は、排気ポート側では燃焼室上部から下部に向かい、吸気ポート側では燃焼室下部から上方に向かうように旋回しており、検討に係る制御はこのようなタンブル流を前提としている。

0007

検討に係る制御は、燃焼室内にタンブル流を旋回させつつ、点火プラグによる点火期間開始時期圧縮上死点よりも遅角側に設定するものである。これに加え、検討に係る制御では、その噴射期間が上記点火期間の少なくとも一部と重複するような膨張行程での噴射を行う。このような膨張行程での噴射を行えば、特開2011−106377号公報での誘引作用と同様の作用が得られる。すなわち、インジェクタから噴射されて点火プラグの方向に向かう燃料噴霧の周囲に形成された低圧部に、点火プラグで生じた放電火花を誘引することができる。従って、上記膨張行程での噴射による燃料噴霧に、誘引した放電火花を接触させることができる。

0008

しかし、タンブル流を前提とする検討に係る制御では、次の問題があることが明らかとなった。すなわち、燃焼室内に形成されるタンブル流が強いと、点火プラグで生じた放電火花がタンブル流の流れ方向に流され易く、上記膨張行程での噴射による誘引が阻害されてしまう。そのため、上記膨張行程での噴射による燃料噴霧に、誘引した放電火花を接触させることが困難となる。そして、検討に係る制御中の燃焼サイクルにおいて、このような事態が発生するサイクルが多くなれば、サイクル間の燃焼変動が大きくなるので、ドライバビリティに影響が出てしまう。

0009

本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、インジェクタからの燃料噴霧の一部が燃焼室内に形成されるタンブル流の流れ方向の下流側に位置する点火プラグの方向に向かい、且つ、点火プラグに最も近づく燃料噴霧の外郭面よりも上方となる範囲に点火プラグの電極部が配置されるエンジン構成によって排気浄化触媒を活性化させる場合において、強いタンブル流によって放電火花の誘引が阻害されるときの対策を講ずることにある。

課題を解決するための手段

0010

第1の発明は、上述した課題を解決するため、燃焼室上部に設けられて筒内に燃料を直接噴射するインジェクタと、
電極部で発生させた放電火花を用いて筒内の混合気に点火する点火プラグであって、前記燃焼室上部、且つ、前記燃焼室内に形成されるタンブル流の流れ方向において前記インジェクタよりも下流側に設けられると共に、前記インジェクタから前記点火プラグに向けて噴射される燃料噴霧の外郭面よりも前記電極部の位置が上方となるように設けられた点火プラグと、
前記燃焼室に設けられる吸気バルブを駆動する吸気カムリフト量を、少なくとも小リフト量大リフト量との間で変更可能なリフト量可変機構と、
前記燃焼室からの排気を浄化する排気浄化触媒と、を備えるエンジンを制御する内燃機関の制御装置であって、
前記制御装置は、前記排気浄化触媒を活性化させる制御として、
圧縮上死点よりも遅角側の所定期間で放電火花が発生するように前記点火プラグを制御し、
前記圧縮上死点よりも遅角側での膨張行程噴射であって、噴射期間が前記所定期間の少なくとも一部と重複する膨張行程噴射を行うように前記インジェクタを制御し、
前記吸気カムのリフト量が前記小リフト量となるように前記リフト量可変機構を制御することを特徴とする。

0011

第2の発明は、第1の発明において、
前記制御装置は、前記排気浄化触媒を活性化させる制御として、
前記膨張行程噴射が行われるサイクルと同じサイクルでの吸気行程噴射を更に行うように前記インジェクタを制御し、
前記吸気行程噴射による燃料噴霧の一部が放電火花に接触することで生じた初期火炎成長速度が所定の判定値を下回る場合に、前記吸気カムのリフト量が大リフト量から小リフト量に切り替えられるように前記リフト量可変機構を制御することを特徴とする。

0012

第3の発明は、第2の発明において、
前記リフト量可変機構は、前記吸気カムの作用角およびリフト量を、少なくとも小作用角および小リフト量と、大作用角および大リフト量との間で変更可能であり、
前記エンジンは、前記吸気バルブのバルブタイミングを変更可能なバルブタイミング可変機構を更に備え、
前記制御装置は、前記成長速度が前記判定値を下回る場合に、前記リフト量可変機構による前記吸気カムの作用角およびリフト量の切り替え前後で前記吸気バルブの開き時期が一致し、尚且つ、前記吸気バルブの閉じ時期が吸気下死点に近付くように、前記バルブタイミング可変機構を制御することを特徴とする。

0013

第4の発明は、第3の発明において、
前記バルブタイミング可変機構は、前記燃焼室に設けられる排気バルブ開弁期間と前記吸気バルブの開弁期間が重複するオーバーラップ期間を変更可能であり、
前記制御装置は、前記リフト量可変機構による前記吸気カムの作用角およびリフト量の切り替え前後において前記オーバーラップ期間が一致するように前記バルブタイミング可変機構を制御することを特徴とする。

発明の効果

0014

第1の発明によれば、排気浄化触媒を活性化させる制御において、吸気カムのリフト量として小リフト量を選択することができる。そのため、吸気カムのリフト量として大リフト量を選択する場合に比べて、燃焼室内に形成されるタンブル流を弱めることができる。従って、膨張行程噴射による誘引がタンブル流によって阻害されるのを抑制することができる。

0015

第2の発明によれば、吸気行程噴射による燃料噴霧の一部が放電火花に接触することで生じた初期火炎の成長速度が所定の判定値を下回る場合に、燃焼室内に形成されるタンブル流を弱めることができる。

0016

第3の発明によれば、吸気カムの作用角およびリフト量の切り替え前後で吸気バルブの開き時期を一致させ、尚且つ、吸気バルブの閉じ時期が吸気下死点を近付けることができる。従って、作用角およびリフト量の切り替え後における実圧縮比を上昇させて、燃焼室内に形成されるタンブル流を更に弱めることができる。

0017

第4の発明によれば、吸気カムの作用角およびリフト量の切り替え前後で排気バルブの開弁期間と吸気バルブの開弁期間が重複するオーバーラップ期間を一致させることができる。従って、切り替えの前後でエミッションが悪化するのを抑えることができる。

図面の簡単な説明

0018

本発明の実施の形態1に係るシステム構成を説明する図である。
エンジン10の始動直後燃料噴射パターンの一例を示す図である。
触媒暖機制御中噴射開始時期、噴射期間、および、電極部34での放電期間が示されている。
膨張行程噴射での燃料噴射量との関係の一例を示す図である。
膨張行程噴射による誘引作用を説明するための図である。
燃焼室20内に強いタンブル流が形成される場合の問題点を説明する図である。
燃焼室20内に強いタンブル流が形成される場合の問題点を説明する図である。
本発明の実施の形態1の触媒暖機制御概要を説明する図である。
本発明の実施の形態1の触媒暖機制御の概要を説明する図である。
膨張行程噴射後の経過時間と、燃料噴霧の誘引速度との関係を示した図である。
図10の(1)〜(4)の結果に対応する、インジェクタと点火プラグの位置関係を示す図である。
点火プラグとインジェクタの間の距離と、サイクル間の燃焼変動率との関係を示した図である。
燃焼変動率とSA−CA10との関係を示す図である。
本発明の実施の形態2において、図1に示したECU40が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
駆動カムの切り替え前におけるオーバーラップ期間の一例を説明する図である。
駆動カムの切り替え後におけるオーバーラップ期間の一例を説明する図である。
吸気バルブを早閉じした場合における筒内状態を説明する図である。
本発明の実施の形態3において、図1に示したECU40が実行する処理の一例を示すフローチャートである。

実施例

0019

以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。

0020

実施の形態1.
先ず、図1図12を参照して、本発明の実施の形態1について説明する。

0021

[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1に係るシステム構成を説明する図である。図1に示すように、本実施の形態1に係るシステムは、車両に搭載されるエンジン10を備えている。エンジン10は4ストロークサイクルエンジンであり、複数の気筒を有している。但し、図1には、そのうちの1つの気筒12のみが描かれている。エンジン10は、気筒12が形成されたシリンダブロック14と、シリンダブロック14上に配置されるシリンダヘッド16と、を有している。気筒12内にはその軸方向(本実施の形態1では鉛直方向)に往復動するピストン18が配置されている。エンジン10の燃焼室20は、少なくともシリンダブロック14の壁面と、シリンダヘッド16の下面と、ピストン18の上面と、によって画定されている。

0022

シリンダヘッド16には、燃焼室20に連通する吸気ポート22および排気ポート24が2つずつ形成されている。吸気ポート22の燃焼室20に連通する開口部には吸気バルブ26が設けられ、排気ポート24の燃焼室20に連通する開口部には排気バルブ28が設けられている。また、シリンダヘッド16には、燃焼室20の上部の略中央から先端が燃焼室20を臨むようにインジェクタ30が設けられている。インジェクタ30は燃料タンクコモンレールサプライポンプ等から構成される燃料供給系に接続されている。また、インジェクタ30の先端には複数の噴孔が放射状に形成されており、インジェクタ30を開弁するとこれらの噴孔から燃料が高圧状態で噴射される。

0023

また、シリンダヘッド16には、インジェクタ30が設けられた箇所よりも排気バルブ28の側の燃焼室20の上部に点火プラグ32が設けられている。点火プラグ32は、中心電極接地電極とからなる電極部34を先端に備えている。電極部34は、インジェクタ30からの燃料噴霧の外郭面(以下、「噴霧外郭面」ともいう。)よりも上方になる範囲(すなわち、噴霧外郭面からシリンダヘッド16の下面までの範囲)に突き出すように配置されている。より詳しく述べると、電極部34は、インジェクタ30の噴孔から放射状に噴射された燃料噴霧のうち、点火プラグ32に最も近づく燃料噴霧の外郭面よりも上方となる範囲に突き出すように配置されている。なお、図1に描かれる外郭線は、インジェクタ30からの燃料噴霧のうちの点火プラグ32に最も近づく燃料噴霧の外郭面を表している。

0024

吸気ポート22は、吸気通路側の入口から燃焼室20に向けてほぼ真っ直ぐに延び、燃焼室20との接続部分であるスロート36において流路断面積が絞られている。吸気ポート22のこのような形状は、吸気ポート22から燃焼室20に供給された吸気にタンブル流を生じさせる。タンブル流は燃焼室20内で旋回する。より詳しく述べると、タンブル流は、燃焼室20の上部では吸気ポート22側から排気ポート24側に向かい、排気ポート24側では燃焼室20の上部から下部に向かう。また、タンブル流は、燃焼室20の下部では排気ポート24側から吸気ポート22側に向かい、吸気ポート22側では燃焼室20の下部から上方に向かう。燃焼室20の下部を形成するピストン18の上面には、タンブル流を保持するための凹みが形成されている。

0025

タンブル流のタンブル比(タンブル流の角速度/エンジン回転速度)TTRは、3.5以上の高い値に設定されている。この理由は、本実施の形態1のエンジン構成が、高い圧縮比と、使用頻度の高い運転領域でのEGRガスの大量導入と、を狙ったものだからである。圧縮比が高くなれば筒内の乱れが低下しており、この状態の筒内にEGRガスが大量に導入されれば、上記運転領域での燃焼耐性が下がってしまう。このような理由から、タンブル比TTRが高い値に設定されている。

0026

また、図1に示すように、本実施の形態1に係るシステムは、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)40を備えている。ECU40は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、CPU(Central Processing Unit)等を備えている。ECU40は、車両に搭載された各種センサの信号を取り込み処理する。各種センサには、燃焼室20の上部に設けられた筒内圧センサ42と、ピストン18に接続されたクランク軸回転角度を検出するクランク角センサ44と、エンジン10の冷却水温を検出する温度センサ46とが少なくとも含まれている。ECU40は、取り込んだ各センサの信号を処理して所定の制御プログラムに従って各種アクチュエータを操作する。

0027

ECU40によって操作されるアクチュエータには、上述したインジェクタ30と点火プラグ32の他に、2種類の可変動弁機構が含まれる。2種類の可変動弁装置は、具体的に、リフト量可変機構48およびバルブタイミング可変機構50である。リフト量可変機構48は、リフト量において異なる2種類の吸気カム(大リフトカムおよび小リフトカム)の間で、吸気バルブ26を駆動するカム(以下、「駆動カム」ともいう。)を切り替え可能に構成されている。バルブタイミング可変機構50は、吸気バルブ26のバルブリフト中心を連続的に変更可能に構成されている。バルブタイミング可変機構50によってバルブリフト中心が変更されると、吸気バルブの開き時期および閉じ時期が連続的に変更される。

0028

[ECU40による始動時制御
本実施の形態1では、図1に示したECU40によるエンジン10の冷間始動直後の制御として、排気浄化触媒の活性化を促進する制御(以下、「触媒暖機制御」ともいう。)が行われる。排気浄化触媒は、エンジン10の排気通路に設けられる触媒であり、活性化状態にある触媒の雰囲気ストイキ近傍にあるときに排気中の窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)および一酸化炭素(CO)を浄化する三元触媒が一例として挙げられる。

0029

触媒暖機制御について、図2乃至図4を参照して説明する。図2には、エンジン10の冷間始動直後の燃料噴射パターンの一例が示されている。図2に示すように、始動直後は先ず、吸気行程での2回噴射(以下、「吸気行程噴射」ともいう。)と、圧縮行程での1回噴射(以下、「圧縮行程噴射」ともいう。)と、を組み合わせた燃料噴射パターンが採用される。その後、エンジン回転速度の上昇に合わせ、触媒暖機制御を開始すべく、圧縮行程噴射が膨張行程での1回噴射(以下、「膨張行程噴射」ともいう。)に切り替えられる。つまり触媒暖機制御では、吸気行程噴射と膨張行程噴射とを組み合わせた燃料噴射パターンが採用される。

0030

図3には、触媒暖機制御中の噴射開始時期、噴射期間、および、電極部34での放電期間が示されている。図3に示すように、吸気行程噴射の1回目クランク角CA1(一例としてBTDC300°近傍)において開始され、2回目はクランク角CA2(一例としてBTDC260°近傍)において開始される。吸気行程噴射の2回目は、燃焼室20内の混合気の均質性を高める目的で行われるものである。1回目の噴射期間Q1と2回目の噴射期間Q2は等しい値に設定されている。但し、吸気行程噴射の2回目の噴射量と1回目の噴射量が異なる値に設定されていてもよい。

0031

また、図3に示すように、触媒暖機制御中は、電極部34での放電期間CPが圧縮上死点よりも遅角側に設定されている。圧縮上死点よりも遅角側に放電期間CPを設定しているのは排気温度を上昇させるためであり、この放電期間中に膨張行程噴射が行われる。より詳細に述べると、電極部34での放電の開始時期SA1(一例としてATDC25〜35°近傍)よりも遅角側のクランク角CA3において膨張行程噴射が開始され、電極部34での放電の終了時期よりも進角側で噴射期間Q3が満了する。

0032

因みに図3では、開始時期SA1からクランク角CA3までの間にインターバルITが存在するが、開始時期SA1とクランク角CA3が一致していてもよい(つまり、インターバルIT=0でもよい)。また、電極部34での放電の終了時期SA2と、噴射期間Q3の満了時期(つまり、クランク角(CA3+Q3))が一致していてもよい。噴射期間Q3が放電期間CPの少なくとも一部と重複し、尚且つ、噴射期間Q3の満了時期が終了時期SA2よりも進角側であれば、クランク角CA3が開始時期SA1よりも進角側であってもよい。このような膨張行程噴射を行うのは、電極部34で生じた放電火花、および、この放電火花と吸気行程噴射による燃料噴霧の一部とが接触することで生じた初期火炎の両方を誘引することで、膨張行程噴射による燃料を確実に燃焼させるためである。なお、この誘引作用の詳細については後述する。

0033

図3に示した噴射期間Q3は、触媒暖機制御中と同等の運転条件において得られる燃焼変動率と、膨張行程噴射での燃料噴射量との関係に基づいて設定されている。図4にはこの関係の一例が示されている。図4に示すように、触媒暖機制御中と同等の運転条件において得られる燃焼変動率は、特定の燃料噴射量の範囲において下に凸となる。噴射期間Q3は、この燃焼変動率が最も小さくなるときの燃料噴射量(一例として3〜5mm3/st程度)に相当する噴射期間として設定されている。

0034

[誘引作用を活用した触媒暖機制御とその問題点]
図5は、膨張行程噴射による誘引作用を説明するための図である。図5上段および中段には、電極部34での放電期間中の筒内状態が描かれている。図5の上段が膨張行程噴射を行わない場合に相当し、図5の中段および下段が膨張行程噴射を行った場合に相当している。なお、説明の便宜上、図5には膨張行程噴射による燃料噴霧のうち、点火プラグ32に最も近づく燃料噴霧のみを示す。膨張行程噴射を行わない場合は、電極部34で生じている放電火花、および、この放電火花と吸気行程噴射による燃料噴霧の一部とが接触することで生じた初期火炎が、タンブル流の流れ方向に延びる(図5上段)。一方、膨張行程噴射を行う場合は、燃料噴霧の周囲に低圧部が形成されるので(エントレインメント)、上述した放電火花と初期火炎が、タンブル流の流れ方向とは逆の方向に誘引される(図5中段)。そうすると、上述した放電火花が膨張行程噴射による燃料噴霧に接触し、また、上述した初期火炎が膨張行程噴射による燃料噴霧を巻き込むことで、初期火炎が成長する(図5下段)。

0035

但し、タンブル比が比較的高い値に設定される本実施の形態1では、触媒暖機制御中の駆動カムとして大リフトカムが選択されていると、上述した放電火花と初期火炎の誘引がタンブル流の強い影響を受けてしまう。図6乃至図7は、燃焼室20内に強いタンブル流が形成される場合の問題点を説明する図である。図6乃至図7に示すように、燃焼室20内に強いタンブル流が形成されると、電極部34で生じている放電火花の膨張行程噴射による誘引作用が阻害され、インジェクタ30と放電火花の間の距離(以下、「距離DT」ともいう。)が大きいままとなる。そうすると、膨張行程噴射による燃料噴霧と放電火花との接触が不十分となり、初期火炎の成長が抑制された結果、初期火炎の成長速度、すなわち、初期燃焼の速度が低下してしまう。そして、触媒暖機制御中の燃焼サイクルにおいて、このような事態が発生するサイクルが多くなれば、サイクル間の燃焼変動が大きくなるので、ドライバビリティに影響が出てしまう。

0036

[実施の形態1の触媒暖機制御の特徴]
そこで、本実施の形態1では、触媒暖機制御中の駆動カムとして小リフトカムが選択されるようにリフト量可変機構を制御する。例えば、上述した冷間始動直後の駆動カムとして大リフトカムが選択されていた場合は、リフト量可変機構を制御して、触媒暖機制御の開始と同時に大リフトカムから小リフトカムに駆動カムを切り替える。なお、駆動カムを大リフトカムから小リフトカムに切り替えるときは、吸気バルブ26のバルブリフト中心が切り替え前後で変わらないように、リフト量可変機構に加えてバルブタイミング可変機構を制御する。

0037

図8乃至図9は、本発明の実施の形態1の触媒暖機制御の概要を説明する図である。図6および図7と比較すると分かるように、図8および図9には細いタンブル流が描かれている。これは、駆動カムとして小リフトカムが選択されることで、吸気バルブ26と排気バルブ28の間のタンブル流の流速が遅くなることを表している。両バルブ間のタンブル流の流速が遅くなれば、燃焼室20内に形成されるタンブル流の流速も遅くなる。そうすると、タンブル流の渦中心がシリンダヘッド16側に移動する。従って、図7で説明したタンブル流の影響が小さくなり、距離DTが拡大する状況を回避できる。

0038

図10は、膨張行程噴射後の経過時間と、燃料噴霧の誘引速度との関係を示した図である。図10(1)〜(4)に示す誘引速度の結果は、点火プラグが図11(1)〜(4)に示す位置にあるときの誘引速度の変化をそれぞれ表している。図11に示す位置(1)と位置(2)は、インジェクタと点火プラグの間の距離において異なる。位置(3)と位置(4)の遠近関係も同様である。図10に示す誘引速度(1)と(2)の結果、または、誘引速度(3)と(4)の結果を比較すると分かるように、インジェクタと点火プラグの間の距離が近いほど、誘引速度が高くなる傾向を示す。この理由は、燃料噴霧の周囲に形成される低圧部の圧力がインジェクタに近づくほど低くなるためと推測される。

0039

図12は、点火プラグとインジェクタの間の距離と、サイクル間の燃焼変動率との関係を示した図である。図12に示すように、点火プラグとインジェクタの間の距離が近いほど、サイクル間の燃焼変動率が小さくなる。

0040

図10図12の説明から分かるように、点火プラグとインジェクタの間の距離が近いほど誘引速度が高くなり、サイクル間の燃焼変動率が小さくなる。そして、燃焼室内にタンブル流が形成されている場合は、点火プラグとインジェクタの間の距離を、上述した距離DTに置き換えることができる。従って、距離DTが拡大する状況を回避できる本実施の形態1の触媒暖機制御によれば、誘引速度の低下を抑え、尚且つ、サイクル間の燃焼変動の増大を抑えることができる。

0041

実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について図13乃至図14を参照しながら説明する。

0042

[実施の形態2の触媒暖機制御の特徴]
上記実施の形態1の触媒暖機制御では、駆動カムとして小リフトカムが選択されるようにリフト量可変機構を制御した。本実施の形態2の触媒暖機制御では、駆動カムとして小リフトカムを選択する前に、初期燃焼の速度に関する判定を行う。そして、初期燃焼の速度が遅いと判定された場合にはじめて、駆動カムとして小リフトカムが選択されるようにリフト量可変機構を制御する。

0043

初期燃焼の速度が遅いか否かは、SA−CA10に基づいて判定される。SA−CA10は、点火時期(つまり、電極部34での放電開始時期)に対して着火遅れを伴って開始する初期燃焼の開始点(クランク角CA0)から、燃焼質量割合MFB)が10%となる燃焼点(クランク角CA10)までのクランク角期間として定義されるものである。なお、MFBは、筒内圧センサ42とクランク角センサ44を利用して得られる筒内圧データ解析結果に基づいて算出され、算出したMFBに基づいてSA−CA10が算出される。なお、筒内圧データの解析結果からMFBを算出する手法や、SA−CA10を算出する手法については、例えば特開2015−094339号公報や特開2015−098799号公報に詳述されていることから、本明細書での説明は省略する。

0044

上述したSA−CA10の定義から分かるように、SA−CA10の値が小さいということは、MFBが0%から10%となるまでの期間が長いということを意味する。反対に、SA−CA10の値が大きいということは、MFBが0%から10%となるまでの期間が短いということを意味する。図13は、燃焼変動率とSA−CA10との関係を示す図である。図13に示すように、SA−CA10が長くなるほど燃焼変動率が大きくなり、その許容範囲を超えることになる。

0045

本実施の形態2の触媒暖機制御では、実際に算出されたSA−CA10(以下、「実SA−CA10」ともいう。)が、正常時のSA−CA10に比べて所定クランク角期間(一例として5deg)以上長くなった場合に、初期燃焼の速度が遅いと判定する。なお、正常時のSA−CA10よりも所定クランク角期間だけ長いSA−CA10については、「正常時のSA−CA10」を事前適合により求めた上で、設定するものとする。

0046

[具体的処理]
図14は、本発明の実施の形態2において、図1に示したECU40が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、この図に示すルーチンは、触媒暖機制御を実行する運転モード(以下、「触媒暖機モード」ともいう。)が選択されている間、繰り返し実行されるものとする。

0047

図14に示すルーチンでは、先ず、駆動カムとして大リフトカムが選択されているか否かが判定される(ステップS10)。ステップS10の判定結果が否定的である場合(“No”の場合)は、駆動カムとして小リフトカムが選択されていると判断できるので、本ルーチンを抜ける。

0048

一方、ステップS10の判定結果が肯定的である場合(“Yes”の場合)は、実SA−CA10が正常時のSA−CA10よりも所定クランク角期間(5deg)以上長いか否かが判定される(ステップS12)。本ステップS12では、ECU40において別途算出された実SA−CA10が取得され、正常時のSA−CA10(設定値)と比較される。ステップS10の判定結果が否定的である場合(“No”の場合)は、駆動カムとして大リフトカムが選択されているものの、初期燃焼の速度に特段の問題がないと判断できるので、本ルーチンを抜ける。

0049

一方、ステップS12の判定結果が肯定的である場合(“Yes”の場合)は、駆動カムとして大リフトカムが選択されていることで、初期燃焼の速度が遅く、上述した距離DTが拡大している可能性があると判断できる。そのため、駆動カムが大リフトカムから小リフトカムに切り替えられる(ステップS14)。

0050

以上、図14に示したルーチンによれば、触媒暖機制御中の駆動カムとして大リフトカムが選択されている場合に、実SA−CA10に基づいて初期燃焼の速度に関する判定を行うことができる。また、初期燃焼の速度が遅いと判定された場合には、駆動カムを大リフトカムから小リフトカムに切り替えることができる。従って、駆動カムとして大リフトカムが選択されていることが原因で初期燃焼の速度が遅くなっている場合に、駆動カムを大リフトカムから小リフトカムに切り替えて、サイクル間の燃焼変動の増大を抑えることができる。

0051

実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について図15乃至図18を参照しながら説明する。

0052

[実施の形態3のエンジン構成]
上記実施の形態1,2のエンジンは大リフトカムと小リフトカムを備えており、図1に示したリフト量可変機構48によってこれらの吸気カムの間で駆動カムを切り替えた。本実施の形態3のエンジンは、これらの吸気カムの代わりに、リフト量と作用角において異なる2種類の吸気カム(大リフト・大作用角カムおよび小リフト小作用角カム)を備えている。また、本実施の形態3のエンジンは、リフト量可変機構48の代わりに、大リフト・大作用角カムと小リフト小作用角カムの間で駆動カムを切り替える作用角・リフト量可変機構を備えている。以下、説明の便宜上、大リフト・大作用角カムを単に「大カム」といい、小リフト・小作用角カムを単に「小カム」ともいう。

0053

[実施の形態3の触媒暖機制御の特徴]
上記実施の形態2の触媒暖機制御では、駆動カムとして大リフトカムが選択されている場合において、初期燃焼の速度が遅いと判定されたときに、駆動カムを大リフトカムから小リフトカムに切り替えた。本実施の形態3の触媒暖機制御も基本的には同じで、駆動カムとして大リフトカムが選択されている場合において、初期燃焼の速度が遅いと判定されたときに、駆動カムを大カムから小カムに切り替える。駆動カムの切り替えは、上述した作用角・リフト量可変機構を制御することにより行われる。

0054

本実施の形態3の触媒暖機制御では、更に、排気バルブと吸気バルブのオーバーラップ期間が駆動カムの切り換えの前後で一致するように、バルブタイミング可変機構を制御する。図15乃至図16は、駆動カムの切り替え前後におけるオーバーラップ期間の一例を説明する図である。図15が駆動カムの切り替え前に相当し、図16が駆動カムの切り替え後に相当する。図15図16を比較すると分かるように、駆動カムの切り替え前後で吸気バルブの開き時期は揃えられ、尚且つ、切り替え後の閉じ時期が早められている。これにより、駆動カムの切り替え前後におけるオーバーラップ期間が等しくされている。よって、駆動カムの切り替えに伴うエミッションの悪化を抑えることができる。

0055

また、吸気バルブの閉じ時期を早めることで、筒内状態も改善する。図17は、吸気バルブを早閉じした場合における筒内状態を説明する図である。駆動カムが大カムから小カムに切り替えられると、リフト量が小さくなることで吸気バルブ26と排気バルブ28の間のタンブル流の流速が遅くなる。ここまでは、図9で説明した通りである。本実施の形態3では、吸気バルブの閉じ時期が早められているので、両バルブ間のタンブル流の流速が更に遅くなり、燃焼室20内に形成されるタンブル流の流速も更に遅くなる。そうすると、タンブル流の渦中心がよりシリンダヘッド16側に移動する。

0056

また、本実施の形態3の触媒暖機制御では、吸気バルブの閉じ時期が早められて下死点側に移動している。吸気バルブの閉じ時期が下死点側に移動することで、実圧縮比が上昇する。実圧縮比が上昇すれば筒内圧力も上昇するので、膨張行程噴射による燃料噴霧が噴射方向に進み難くなり、コーン角が拡大する。そうすると、燃料噴霧の外郭面と放電火花との距離が短くなる。ここで、図10乃至図11を再度参照すると、図11に示す位置(1)と位置(3)は、燃料噴霧の外郭面と点火プラグの間の距離において異なる。位置(2)と位置(4)の遠近関係も同様である。図10に示す誘引速度(1)と(3)の結果、または、誘引速度(2)と(4)の結果を比較すると分かるように、燃料噴霧の外郭面と点火プラグの間の距離が近いほど、誘引速度が高くなる傾向を示す。

0057

図10の説明から分かるように、燃料噴霧の外郭面と点火プラグの間の距離が近いほど誘引速度が高くなる。そして、本実施の形態3の触媒暖機制御によれば、コーン角が拡大することで燃料噴霧の外郭面と放電火花との距離が短くなる。よって、上記実施の形態2の触媒暖機制御に比べて、誘引速度の低下をより一層抑えることができる。

0058

[具体的処理]
図18は、本発明の実施の形態3において、図1に示したECU40が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、この図に示すルーチンは、触媒暖機モードが選択されている間、繰り返し実行されるものとする。

0059

図18に示すルーチンでは、先ず、ステップS20〜S24の処理が実行される。ステップS20〜S24の処理は、図14のステップS10〜S14の処理と基本的に同じである。

0060

ステップS24に続いて、吸気バルブのバルブリフト中心が変更される(ステップS26)。本ステップS26では、排気バルブと吸気バルブのオーバーラップ期間が駆動カムの切り換えの前後で一致し、尚且つ、吸気バルブの閉じ時期が下死点側に移動するように、バルブリフト中心が変更される。

0061

以上、図18に示したルーチンによれば、駆動カムを大カムから小カムに切り替える場合に、排気バルブと吸気バルブのオーバーラップ期間が駆動カムの切り換えの前後で一致し、尚且つ、吸気バルブの閉じ時期が下死点側に移動するようにバルブリフト中心を変更することができる。従って、駆動カムとして大カムが選択されていることが原因で初期燃焼の速度が遅くなっている場合に、サイクル間の燃焼変動の増大を良好に抑えることができる。

0062

[実施の形態の変形例]
ところで、上記実施の形態1乃至3では、燃焼室20に形成されるタンブル流が、排気ポート24側では燃焼室20の上部から下部に向かい、且つ、吸気ポート22側では燃焼室20の下部から上方に向かうように旋回するとした。しかし、このタンブル流が逆方向、つまり、吸気ポート22側では燃焼室20の上部から下方に向かい、且つ、排気ポート24側では燃焼室20の下部から上部に向かうように旋回するものであってもよい。但しこの場合は、点火プラグ32の配置箇所を、排気バルブ28側から吸気バルブ26側に変更する必要がある。点火プラグ32の配置箇所をこのように変更すれば、タンブル流の流れ方向において、インジェクタ30の下流側に点火プラグ32が位置することになる。

0063

また、上記実施の形態2乃至3では、SA−CA10を利用して初期燃焼の速度に関する判定を行った。しかし、SA−CA10の代わりに、初期燃焼の速度と相関を有する公知のパラメータを用いて、距離DTの拡大に関する判定を行ってもよい。つまり、初期燃焼の速度をその判定値と比較することのできる公知のパラメータであれば、SA−CA10の代わりに用いることができる。

0064

また、上記実施の形態1乃至3では、触媒暖機制御時の燃料噴射パターンとして、吸気行程での2回噴射と膨張行程噴射を組み合わせたパターンを説明した。しかし、このパターンの代わりに、吸気行程での1回噴射と膨張行程噴射を組み合わせた燃料噴射パターンを採用してもよい。或いは、吸気行程噴射を省略した膨張行程噴射のみの燃料噴射パターンを採用してもよい。この場合は、膨張行程噴射で燃料噴射量の全てを噴き切る必要があることから、膨張行程噴射の噴射期間が電極部での放電期間の少なくとも一部と重複するように膨張行程噴射を行う。このような膨張行程噴射を行えば、電極部34で生じた放電火花と膨張行程噴射による燃料噴霧の一部とが接触することで初期火炎が発生し、残りの燃料噴霧と接触することで、この初期火炎が成長することになる。

0065

また、上記実施の形態1乃至2ではリフト量において異なる2種類の吸気カムを切り替え、上記実施の形態3ではリフト量と作用角において異なる2種類の吸気カムを切り替える例を説明した。但し、吸気バルブのリフト量と作用角の変更が、2種類の吸気カムの切り替えによるものである必要はない。すなわち、単一の吸気カムの姿勢や形状の調節によって、吸気バルブのリフト量と作用角が連続的に変更されてもよい。

0066

10エンジン
12気筒
14シリンダブロック
16シリンダヘッド
18ピストン
20燃焼室
22吸気ポート
24排気ポート
30インジェクタ
32点火プラグ
34電極部
36スロート
40 ECU
42筒内圧センサ
44クランク角センサ
46 温度センサ

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