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技術 超音波探触子および超音波診断装置

出願人 コニカミノルタ株式会社
発明者 大川栄一
出願日 2017年1月10日 (4年1ヶ月経過) 出願番号 2017-002044
公開日 2018年7月19日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2018-110657
状態 特許登録済
技術分野 超音波診断装置 超音波変換器
主要キーワード 低熱伝導物質 熱絶縁部材 シャーシ固定 立体形 熱絶縁材料 記載範囲 往復回転運動 音響素子
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2018年7月19日)のものです。
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図面 (9)

課題

超音波放射面の温度上昇を低減させる超音波探触子および超音波診断装置を提供する。

解決手段

電気信号と超音波信号とを相互に変換する音響素子と、音響素子を揺動回転させるモータ206と、高熱伝導性を有する樹脂で形成されており、音響素子を揺動可能に保持するフレーム204と、超音波透過性を有する材料で形成されており、音響素子とカップリング液とを内包する閉空間を、モータ206が閉空間外に配置されるように、フレーム204とともに構成する音響ウインドウ203と、を有する。

概要

背景

従来、超音波を被検体内部に照射し、その反射波を受信して解析することにより被検体内部の検査を行う超音波診断装置が普及している。超音波診断装置は、被検体非破壊非侵襲で調べることができるので、医療目的の検査や建築構造物内部の検査、種々の用途に広く用いられている。

超音波診断装置では、電圧信号超音波振動との間で変換を行う音響素子変換器)が複数個、所定の方向(走査方向)に配列されており、これらの音響素子が、駆動電圧印加により超音波を出射する。そして、超音波診断装置は、超音波の反射波の入射による電圧変化を検出する音響素子を時間的に変化させる(走査する)ことにより、2次元的なデータをほぼリアルタイムで取得することができる。

さらに、超音波の出入射面内で、これらの音響素子の配列を走査方向に垂直に往復移動揺動)させることで、3次元的な画像をほぼリアルタイムで取得する技術が存在する。このような技術を用いて3次元画像を取得することで、2次元画像では分かりづらかった検査対象立体形状や位置関係を、操作者がより容易に知得できる。このような超音波探触子は、例えば特許文献1から4に開示されている。

概要

超音波放射面の温度上昇を低減させる超音波探触子および超音波診断装置を提供する。電気信号と超音波信号とを相互に変換する音響素子と、音響素子を揺動回転させるモータ206と、高熱伝導性を有する樹脂で形成されており、音響素子を揺動可能に保持するフレーム204と、超音波透過性を有する材料で形成されており、音響素子とカップリング液とを内包する閉空間を、モータ206が閉空間外に配置されるように、フレーム204とともに構成する音響ウインドウ203と、を有する。A

目的

本発明は、超音波放射面の温度上昇を低減させる超音波探触子および超音波診断装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

超音波診断装置本体に接続される超音波探触子であって、電気信号と超音波信号とを相互に変換する音響素子と、前記音響素子を揺動回転させるモータと、熱伝導性を有する樹脂で形成されており、前記音響素子を揺動可能に保持するフレームと、超音波透過性を有する材料で形成されており、前記音響素子とカップリング液とを内包する閉空間を、前記モータが前記閉空間外に配置されるように、前記フレームとともに構成する音響ウインドウと、を有する超音波探触子。

請求項2

前記音響素子の土台側面部分は、平坦に形成される、請求項1に記載の超音波探触子。

請求項3

前記フレームを形成する樹脂は、前記音響ウインドウと比較して高い熱伝導性を有する、請求項1または2に記載の超音波探触子。

請求項4

前記フレームを形成する樹脂の熱伝導率は、5〜30W/m・Kである、請求項1から3のいずれか一項に記載の超音波探触子。

請求項5

前記フレームを形成する樹脂の放射率が80〜90%である、請求項1から4のいずれか一項に記載の超音波探触子。

請求項6

前記フレームを形成する樹脂は、PPS(Polyphenylene sulfide)に炭素またはミネラルのいずれか一方、またはその両方を添加した高熱伝導PPSである、請求項1から5のいずれか一項に記載の超音波探触子。

請求項7

前記モータと前記フレームとの間に、熱絶縁材料で形成された熱絶縁部材を配置する、請求項1から6のいずれか一項に記載の超音波探触子。

請求項8

前記フレームは、熱伝導に対して異方性を有する材料で形成され、前記カップリング液と接触する部位から他の部位へ向かう方向の熱伝導率が、それ以外の方向の熱伝導率と比較して高い、請求項1から7のいずれか一項に記載の超音波探触子。

請求項9

請求項1に記載の超音波探触子と、前記超音波診断装置本体と、を有する超音波診断装置であって、前記超音波診断装置本体は、前記超音波探触子から被検体に対して超音波送信信号を送信させ、前記被検体からの反射波を受信した前記超音波探触子が生成した超音波受信信号に基づいて超音波画像を生成する、超音波診断装置。

技術分野

0001

本発明は、超音波を利用した超音波診断装置の超音波探触子および超音波診断装置に関する。

背景技術

0002

従来、超音波を被検体内部に照射し、その反射波を受信して解析することにより被検体内部の検査を行う超音波診断装置が普及している。超音波診断装置は、被検体非破壊非侵襲で調べることができるので、医療目的の検査や建築構造物内部の検査、種々の用途に広く用いられている。

0003

超音波診断装置では、電圧信号超音波振動との間で変換を行う音響素子変換器)が複数個、所定の方向(走査方向)に配列されており、これらの音響素子が、駆動電圧印加により超音波を出射する。そして、超音波診断装置は、超音波の反射波の入射による電圧変化を検出する音響素子を時間的に変化させる(走査する)ことにより、2次元的なデータをほぼリアルタイムで取得することができる。

0004

さらに、超音波の出入射面内で、これらの音響素子の配列を走査方向に垂直に往復移動揺動)させることで、3次元的な画像をほぼリアルタイムで取得する技術が存在する。このような技術を用いて3次元画像を取得することで、2次元画像では分かりづらかった検査対象立体形状や位置関係を、操作者がより容易に知得できる。このような超音波探触子は、例えば特許文献1から4に開示されている。

先行技術

0005

特開2010−131068号公報
特開2007−289315号公報
特開2004−16750号公報
特開2001−104356号公報

発明が解決しようとする課題

0006

超音波探触子は、そのケースの一部に、音響素子が生成した超音波が超音波探触子の外に放射される超音波放射面(音響ウインドウ等と呼ばれる)を有し、この超音波放射面を被検体に接触させることで超音波が被検体内に照射される。音響素子と超音波放射面との間には、超音波の減衰を防止するための超音波カップリング液充填されている。

0007

音響素子は、印加された駆動電圧を用いて超音波を発生させるが、駆動電圧のすべてを超音波に変換することはできず、その一部は熱となって音響素子から周囲に放射される。この熱は、超音波カップリング液を通じて、超音波放射面の温度を上昇させてしまうことがあった。超音波放射面は被検体に直接接触する部位であるため、超音波放射面の温度上昇を低減させることが要望されている。

0008

本発明は、超音波放射面の温度上昇を低減させる超音波探触子および超音波診断装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明の超音波探触子は、超音波診断装置本体に接続される超音波探触子であって、電気信号と超音波信号とを相互に変換する音響素子と、前記音響素子を揺動回転させるモータと、熱伝導性を有する樹脂で形成されており、前記音響素子を揺動可能に保持するフレームと、超音波透過性を有する材料で形成されており、前記音響素子とカップリング液とを内包する閉空間を、前記モータが前記閉空間外に配置されるように、前記フレームとともに構成する音響ウインドウと、を有する。

0010

本発明の超音波診断装置は、上記の超音波探触子と、前記超音波診断装置本体と、を有する超音波診断装置であって、前記超音波診断装置本体は、前記超音波探触子から被検体に対して超音波送信信号を送信させ、前記被検体からの反射波を受信した前記超音波探触子が生成した超音波受信信号に基づいて超音波画像を生成する。

発明の効果

0011

本発明によれば、超音波放射面の温度上昇を低減させる超音波探触子および超音波診断装置を提供することができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の実施の形態に係る超音波診断装置の構成を例示した図
本発明の実施の形態に係る超音波探触子ユニットの構成を例示した図
超音波探触子の構造を説明するための一部切り欠き斜視断面図
フレーム、モータ、および土台の形状および位置関係を示す分解斜視図
フレーム、モータ、および土台の形状および位置関係を示す分解斜視図
フレームから開口部に至る超音波探触子の構成を示した分解斜視図
超音波探触子のフレームの材料による、超音波探触子の動作時における音響ウインドウの表面温度の温度上昇を比較したグラフ
超音波探触子のフレームの材料に採用した高熱伝導PPSの熱伝導率の違いによる、超音波探触子の動作時における音響ウインドウの表面温度の温度上昇を比較したグラフ

実施例

0013

以下、本発明の実施の形態に係る超音波探触子について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は図示した例に限定されない。なお、以下の説明において、同一の機能および構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。

0014

図1は、本発明の実施の形態に係る超音波診断装置の構成を例示した図である。図1に示すように、超音波診断装置1は、超音波探触子ユニット100と、超音波診断装置本体11と、操作部12と、表示部13と、を有する。また、超音波探触子ユニット100は、超音波探触子110と、コネクタ120と、ケーブル130と、を有する。

0015

超音波探触子110は、図示しない生体等の被検体内に対して超音波(送信超音波)を送信するとともに、この被検体内で反射した超音波の反射波(反射超音波エコー)を受信する。

0016

超音波診断装置本体11は、超音波探触子110とケーブル130およびコネクタ120を介して接続され、超音波探触子110に電気信号の駆動信号を送信することによって超音波探触子110に被検体に対して超音波送信信号を送信させる。そして、被検体内からの反射波を受信した超音波探触子110が生成した超音波受信信号に基づいて被検体内の内部状態を超音波画像として画像化する。

0017

操作部12は例えばスイッチ、ボタンキーボードマウスタッチパネル等の操作デバイスであり、超音波診断装置1のユーザである医師検査技師等の操作を受け付ける。

0018

表示部13は、LCD(液晶ディスプレイ)や有機ELディスプレイ等の表示デバイスであり、超音波診断装置本体11が生成した超音波画像を表示したり、超音波診断装置1の状態に応じた種々の表示画面を表示したりする。表示部13に表示された超音波画像を参照した医師等により、超音波画像による診断が行われる。

0019

<超音波探触子ユニット100の構成>
図2は、本発明の実施の形態に係る超音波探触子ユニット100の構成を例示した図である。図2に示すように、超音波探触子ユニット100は、超音波探触子110と、コネクタ120と、ケーブル130と、を有する。超音波探触子ユニット100は、コネクタ120によって図示しない超音波診断装置本体に接続される。

0020

超音波探触子110は、超音波診断の際に被検体に当接されて送信超音波を送信し、反射超音波を受信して超音波受信信号を生成する。送信超音波の生成は、例えばコネクタ120およびケーブル130を介して超音波診断装置本体11から送信された制御信号に基づいて行われる。また、超音波探触子110において生成された超音波受信信号は、ケーブル130およびコネクタ120を介して超音波診断装置本体11に送信される。これにより、超音波診断装置本体11において超音波画像が生成される。

0021

<超音波探触子110の説明>
図3は、超音波探触子110の構造を説明するための一部切り欠き斜視断面図である。図3に示すように、超音波探触子110は、音響素子201、土台202、音響ウインドウ203、フレーム204、カップリング液205、モータ206、出力軸207、オイルシール208、ベアリング209、プーリ210、ベルト211、プーリ212、シャフト213、ベアリング214、ハウジング215、開口部216を有する。

0022

音響素子201は、電気信号と超音波との間で変換を行う音響素子(変換器)が複数個、走査方向に沿って直線状に配列された音響素子アレイである。音響素子201は、ほぼ円弧状に形成された土台202の弧に沿って配列されている。土台202の円弧の両端部は、後述するシャフト213によってフレーム204に固定されており、ベアリング214によって回転可能に保持されている。土台202の側面部分は、平坦に形成されることが望ましい(理由は後述)。

0023

音響ウインドウ203は、超音波探触子110の先端部に設けられた部位であり、超音波診断装置1の使用時には、超音波が空気により減衰されないように被検体に直接押し当てられる。音響ウインドウ203は、音響素子201が生成した送信超音波、および被検体によって反射された反射超音波を減衰させずに通過させる素材で形成されている。また、音響ウインドウ203は、詳しくは後述するが、熱を伝えにくい(熱伝導性が低い)材料で形成されている。

0024

フレーム204は、超音波探触子110の各構成を保持するための部材である。図3において、フレーム204は他の構成を図示するために一部断面となっている。フレーム204の形状および他の構成との位置関係については、後述する図4Aおよび図4Bにおいて説明する。

0025

また、フレーム204は、音響素子201が動作(超音波変換)時に発する熱が音響ウインドウ203側ではなく、ハウジング215側に伝達されるように、熱を伝えやすい(熱伝導性が高い)材料で形成されている。フレーム204による放熱については、詳しくは後述する。

0026

フレーム204と音響ウインドウ203とによって、超音波探触子110内に閉空間PCが構成される。この閉空間PC内には、上述した音響素子201と土台202とが配置される。また、閉空間PC内にはカップリング液205が充填される。カップリング液205は、超音波の減衰を低減するためのものである。

0027

モータ206は、音響素子201が配列された土台202を音響素子201の走査方向に対して垂直な方向に揺動させるための動力源である。モータ206は、例えばステッピングモータであって、超音波診断装置本体11からの制御信号に基づいて動作する。モータ206は、超音波探触子110のハウジング215の内部であって、閉空間PCの外部に設けられる。モータ206の出力軸207は、オイルシール208を介して閉空間PC内に挿入される。

0028

出力軸207の先端部にはプーリ210が接続される。出力軸207の先端部は、ベアリング209を介してフレーム204に回転可能に保持されている。プーリ210とプーリ212とがベルト211によって連結されており、プーリ212は土台202に固定されている。シャフト213は、土台202の両端部を貫通し、ベアリング214を介してフレーム204に対して回転可能に接続されている。シャフト213は、土台202の回転運動中心軸となる部材である。出力軸207、ベアリング209、プーリ210、ベルト211、プーリ212、シャフト213、ベアリング214は、閉空間PC内に設けられている。

0029

ハウジング215は、超音波探触子110の外装部である。上述したように、ハウジング215の一部である超音波探触子110の先端部には、音響ウインドウ203が設けられる。音響ウインドウ203と、音響ウインドウ203以外のハウジング215とは異なる材料で形成されることが望ましい。具体的には、ハウジング215は音響ウインドウ203より熱伝導性が高い材料で形成される。

0030

ハウジング215の他端部には後述するブッシュ402(図5参照)を通すための開口部216が設けられている。

0031

このような構成により、モータ206が出力する回転トルクは、モータ206の出力軸207、プーリ210、ベルト211、プーリ212を介して、シャフト213に伝達される。これにより、土台202はシャフト213を中心軸として、往復回転運動を行う。これにより、音響素子201が揺動するため、音響素子アレイである音響素子201によって形成される超音波形成面が移動し、3次元走査が実現される。

0032

<フレーム204の形状と位置関係>
次に、フレーム204の形状や超音波探触子110の他の構成との位置関係について、より詳細に説明する。

0033

図4Aおよび図4Bは、フレーム204、モータ206、および土台202の形状および位置関係を示す分解斜視図である。図4Aは、音響ウインドウ203が図の下側となるように各構成を示した図であり、図4Bは音響ウインドウ203が図の上側となるように各構成を示した図である。

0034

図4Aに示すように、モータ206は、モータ固定ねじ302によってモータブラケット301に固定され、モータブラケット301は、モータブラケット固定ねじ303によってフレーム204に固定される。フレーム204は、図4Aに示すように、モータ206側に突出した突出部204Aを有し、モータブラケット301は突出部204Aに設けられたねじ穴に固定される。また、モータ206の出力軸207はオイルシール208を介して突出部204A内に挿入される。突出部204Aは、内部が空洞となるように形成されており、突出部204Aの内部には上述したプーリ210、プーリ210の回転軸(図示は省略)やベルト211等が配置される。このような形状を有するフレーム204と音響ウインドウ203とにより、閉空間PCが構成される。すなわち、閉空間PCとは、図4Aにおいては、超音波探触子110の内部における、フレーム204より下側の空間であり、図4Bにおいては、超音波探触子110の内部における、フレーム204より上側の空間である。

0035

ベルト211はベルト固定ねじ304によってプーリ210およびプーリ212に固定されている。また、ベルト211によってプーリ210と連結されているプーリ212は、土台固定ねじ305によって土台202に固定されている。

0036

また、図4Bに示すように、フレーム204の閉空間PC側には、シャフト213を回転可能に接続するための接続部材204Bが形成されている。

0037

<超音波探触子110のその他の構成>
図5は、フレーム204から開口部216に至る超音波探触子110の構成を示した分解斜視図である。

0038

開口部216にはブッシュ402が通っている。ブッシュ402は、ケーブル401を保護するための部材である。ケーブル401は、図2に示すケーブル130と同一のものであり、超音波探触子110と、超音波診断装置本体11との間の通信等を行うための通信線である。

0039

ケーブル401の超音波探触子110側の端部は、中継基板403に接続される。中継基板403には、ケーブル401(130)を介して超音波診断装置本体11と通信可能な制御回路が設けられている。中継基板403には、フレキシブルプリント基板FPC)の一端部が接続されている(FPCは図示を省略)。FPCの他端部は、フレーム204の突出部204Aに設けられた開口(図示せず)から閉空間PC内に挿入され、音響素子201に接続されている。当該開口には、閉空間PCからカップリング液205が漏れないようにシールされる(図示せず)ことが望ましい。

0040

中継基板403は、シャーシ404に保持される。シャーシ404は、シャーシ固定ねじ405によってモータブラケット301に固定される。

0041

このような構成により、閉空間PC内の音響素子201に対して、超音波診断装置本体11からの制御信号を伝達したり、音響素子201が生成した超音波受信信号を超音波診断装置本体11に伝達したり、超音波診断装置本体11からの制御信号に基づいて、モータ206の動作を制御したりすることができる。

0042

<フレーム204による放熱>
以上、本開示の実施の形態に係る超音波探触子110の構成について説明した。以下では、本開示の実施の形態に係る超音波探触子110において、フレーム204が好適に放熱を行うことができる点について詳細に説明する。

0043

超音波探触子110において、音響素子201が電気信号を超音波信号に変換する際に、すべての電気信号を変換することはできず、一部が熱となって放出される。また、モータ206が供給された電力によって回転運動を行う際に、一部が熱となって放出される。本開示の実施の形態に係る超音波探触子110においては、これら2つの構成が発生させる熱を、フレーム204によって好適に放熱することができる。

0044

図3図4A、および図4Bと関連づけて説明したように、フレーム204と音響ウインドウ203とによって閉空間PCが構成され、閉空間PC内にはカップリング液205が充填されている。

0045

音響素子201と直接接しているのは、土台202とカップリング液205である。土台202もカップリング液205に接しているため、音響素子201が熱を発した場合、音響素子201の熱によって音響素子201と接するカップリング液205の一部が加熱される。

0046

ここで、超音波探触子110の動作時には、音響素子201が配列された土台202がモータ206によって揺動(往復回転運動)を行う。このような土台202の往復回転運動によって、カップリング液205が撹拌される。上述したように、土台202の側面部分は平坦な形状に形成されているため、カップリング液205を効率的に撹拌することができる。この撹拌によって、音響素子201が接するカップリング液205は、常により冷たいカップリング液205に更新され続けることになる。このため、音響素子201はカップリング液205によって効率的に冷却される。

0047

音響素子201によって加熱されたカップリング液205は、撹拌によって閉空間PC内を移動し、音響ウインドウ203や、フレーム204と接することになる。しかしながら、上述したように音響ウインドウ203は熱伝導性が比較的低い材料で構成されるため、カップリング液205から音響ウインドウ203のへの熱の伝導量は比較的小さい。これにより、音響ウインドウ203の温度上昇が抑制される。

0048

加熱されたカップリング液205にフレーム204が接すると、フレーム204は熱伝導性が比較的高い材料で構成されるため、カップリング液205の熱が効率的にフレーム204に伝導される。これにより、カップリング液205がフレーム204によって効率的に冷却される。

0049

また、音響素子201(土台202)の揺動により、カップリング液205は撹拌されているので、フレーム204に接触するカップリング液205は、常により暖かいカップリング液205に更新される続けることになる。このため、音響素子201によって加熱された、より暖かいカップリング液205が常にフレーム204に接触することになる。これにより、カップリング液205の熱はフレーム204にさらに効率的に伝導される。

0050

以上のように、音響素子201の発した熱の多くは、音響ウインドウ203から放射されずに、フレーム204に効率的に伝導される。これにより、音響ウインドウ203の表面温度が高くなり、音響ウインドウ203と直接接触する被検体が不快感を覚える事態を回避することができる。なお、フレーム204に伝導された熱は、例えば超音波探触子110のハウジング215内の空気等を介して、ハウジング215にさらに伝導される。これにより、音響素子201の発した熱が超音波探触子110の内部にこもることなく、好適に超音波探触子110の外部に放射される。

0051

また、図4Aおよび図5に関連づけて説明したように、フレーム204はモータ206とは直接接しておらず、モータ206はモータブラケット301を介してフレーム204に固定されている。超音波探触子110の動作時において、音響素子201以外にも、モータ206が熱を発するが、モータブラケット301を例えば熱絶縁材料で構成することにより、モータ206の発した熱がフレーム204に伝導されにくくなる。このような構成により、動作時にモータ206が発した熱の多くは、例えばモータ206が接するハウジング215内の空気等を介してハウジング215に伝導され、フレーム204およびカップリング液205を介して音響ウインドウ203に伝導されるモータ206由来の熱が低減される。

0052

超音波探触子110は超音波診断装置1の使用者である医師や検査技師等の手に持って使用されるという性質上、ハウジング215の表面温度は被検体の肌に直接接触する音響ウインドウ203の表面温度より高くなることが許容されるため、モータ206の発する熱がフレーム204に対してよりもハウジング215に対してより多く伝導されることが好適である。なお、具体的には、例えばハウジング215の表面温度の上限値は48℃であり、音響ウインドウ203の表面温度の上限値は43℃である。

0053

<フレーム204の材料>
上述したように、フレーム204は、音響ウインドウ203等と比較して熱伝導性が高い材料で形成される。以下では、フレーム204の材料について詳細に説明する。

0054

熱伝導性が比較的高い材料として、例えば金属が挙げられる。超音波探触子110は、医者や検査技師等の使用者が手に持って使用するものであるため、重量を低減したいという要望がある。軽量な金属として例えばアルミニウムがある。図4A図4Bに例示したように複雑な形状を有するフレーム204を、例えばアルミニウムの削り出しで製造しようとした場合、フレーム204の製造コストが非常に高価となる。

0055

製造コストが比較的低い材料として、例えば樹脂がある。また、機械的強度剛性難燃性耐薬品性電気特性および寸法安定性に優れた樹脂として、例えばポリフェニレンサルファイド(Polyphenylene Sulfide:PPS)樹脂がある。しかしながら、PPS樹脂は熱伝導性が比較的低い(例えば0.1〜0.5W/m・K)。このため、PPS樹脂をフレーム204の材料として使用すると、音響素子201の発する熱がカップリング液205を介してフレーム204に伝導されにくいため、望ましくない。

0056

以上の観点から、本発明の実施の形態に係る超音波探触子110では、比較的安価で熱伝導性が比較的高い材料として、炭素繊維カーボンナノチューブ黒鉛グラファイト)等の炭素や、銅、銀、ケイ素炭化ケイ素窒化アルミニウム窒化ホウ素窒化ケイ素酸化マグネシウムアルミナ低融点合金(Ag−Sn,Ca−Li,Al−Li,Bi−Sn,Sn−Bi−Cu−Ni,Sn−Ag−Cu−Ni,Sn−Ag−Bi−In,Mn−Sn,Mg−Sn,Mg−Zn,Al−Sn,Cu−Sn)等のミネラルを添加したPPS樹脂を採用する。このように炭素やミネラルをPPS樹脂に添加し、添加物を好適にPPS樹脂内に分散させることにより、熱伝導性が比較的高いPPS樹脂(高熱伝導PPS)とすることができる。

0057

本発明の実施の形態において、フレーム204は、5〜30W/m・Kの熱伝導率を有するようなPPS樹脂で形成される。フレーム204の材料としてのPPS樹脂に添加する添加物(炭素、ミネラル)の種類や量に関しては、上記条件を満たすものであれば本発明では特に限定しない。すなわち、炭素のみ、またはミネラルのみを添加してもよいし、炭素とミネラルの両方を添加してもよい。さらに、上記した例以外の添加物を添加したPPS樹脂をフレーム204の材料として使用してもよい。また高熱伝導PPSの製造方法についても、本発明では特に限定しない。

0058

このようにフレーム204を熱伝導性が比較的高い材料で形成することにより、音響素子201の発する熱がカップリング液205を介してフレーム204に伝導されやすくなり、カップリング液205の温度が下がりやすくなる。このため、音響ウインドウ203の表面温度が高くなりすぎないようにすることができる。なお、参考として、本発明の実施の形態に係る超音波探触子110の音響ウインドウ203は、例えば0.5W/m・K以下の熱伝導率を有する樹脂等の材料(例えば、ポリメチルペンテン:polymethylpentene)で形成される。すなわち、音響ウインドウ203の熱伝導率は、フレーム204の熱伝導率と比較して非常に小さい。

0059

また、フレーム204の材料として高熱伝導PPSを採用することによって、フレーム204の熱伝導率を高くすることができる以外に、フレーム204の放射率を比較的高くすることができる。例えばフレーム204の材料に上記説明した高熱伝導PPSを採用した場合、放射率は80〜90%となる。

0060

フレーム204の熱伝導率と放射率が比較的高いことから、フレーム204は、音響素子201の発した熱を吸収しやすく、また、吸収した熱を放射しやすい。このため、音響素子201の発する熱がカップリング液205を介してフレーム204に伝導されやすく、フレーム204に伝導された熱は、例えば超音波探触子110内の空気や、赤外線放射により、ハウジング215等に伝導されやすい。このため、音響素子201が発した熱により、音響ウインドウ203の表面温度が上限温度より高くなることがなく、また熱が超音波探触子110の内部にこもってしまうこともなく、好適にハウジング215等から放熱される。

0061

さらに、フレーム204を、熱伝導に対して異方性を有する材料で形成するようにしてもよい。具体的には、カップリング液205と接触する部位から他の部位へ向かう方向の熱伝導率が、それ以外の方向の熱伝導率と比較して高くなるように、フレーム204を形成してもよい。これにより、フレーム204は、カップリング液205から伝導される音響素子201の発した熱を放射しやすくなるため、好適である。また、モータ206の発した熱がフレーム204を通じてカップリング液205へ伝導しにくくすることができる。

0062

<作用・効果>
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る超音波探触子110は、電気信号と超音波信号とを相互に変換する音響素子201と、音響素子201を揺動回転させるモータ206と、高熱伝導性を有する樹脂で形成されており、音響素子201を揺動可能に保持するフレーム204と、超音波透過性を有する材料で形成されており、音響素子201とカップリング液205とを内包する閉空間を、モータ206が閉空間外に配置されるように、フレーム204とともに構成する音響ウインドウ203と、を有する。

0063

ここで、土台202の側面部分は、平坦に形成される。また、フレーム204を形成する樹脂は、音響ウインドウ203と比較して高い熱伝導性を有する、具体的には、フレーム204を形成する樹脂の熱伝導率は、5〜30W/m・Kである。また、フレーム204を形成する樹脂の放射率は、80〜90%である。また、フレーム204を形成する樹脂は、PPS(Polyphenylene sulfide)に炭素、ミネラル、またはその両方を添加した高熱伝導PPSである。

0064

このような構成により、本発明の実施の形態に係る超音波探触子110において、以下のような効果が得られる。すなわち、音響素子201が電気信号を超音波信号に変換する際に発した熱は、音響素子201と接するカップリング液205の一部に伝導される。ここで、音響素子201が配列された土台202は、モータ206によって揺動(往復回転運動)されるので、土台202の側面部分の平坦な形状によって、カップリング液205が効率的に撹拌される。この撹拌によって、音響素子201が接するカップリング液205は、常により冷たいカップリング液205に更新され続けるため、音響素子201がカップリング液205によって効率的に冷却される。

0065

音響素子201によって加熱されたカップリング液205は、撹拌によって閉空間PC内を移動し、音響ウインドウ203や、フレーム204と接する。しかしながら、音響ウインドウ203は熱伝導性が比較的低い材料で構成されるため、音響ウインドウ203の温度上昇が抑制される。

0066

加熱されたカップリング液205にフレーム204が接すると、フレーム204は熱伝導性が比較的高い材料で構成されるため、カップリング液205の熱が効率的にフレーム204に伝導される。これにより、カップリング液205がフレーム204によって効率的に冷却される。

0067

また、音響素子201(土台202)の揺動により、カップリング液205は撹拌されているので、フレーム204に接触するカップリング液205は、常により暖かいカップリング液205に更新される続けることになる。このため、音響素子201によって加熱された、より暖かいカップリング液205が常にフレーム204に接触することになる。これにより、カップリング液205の熱はフレーム204にさらに効率的に伝導される。

0068

従って、音響素子201の発した熱の多く、は音響ウインドウ203から放射されずに、フレーム204に効率的に伝導される。これにより、音響ウインドウ203の表面温度が高くなり、音響ウインドウ203と直接接触する被検体が不快感を覚える事態を回避することができる。

0069

また、本発明の実施の形態に係る超音波探触子110では、モータ206とフレーム204との間に、熱絶縁材料で形成された熱絶縁部材であるモータブラケット301を配置する。

0070

このような構成により、モータ206の発した熱がフレーム204に伝導されにくくなるので、動作時にモータ206が発した熱の多くは、例えばモータ206が接するハウジング215内の空気等を介してハウジング215に伝導され、フレーム204およびカップリング液205を介して音響ウインドウ203に伝導される熱が低減される。これにより、音響ウインドウ203の表面温度が高くなり、音響ウインドウ203と直接接触する被検体が不快感を覚える事態を回避することができる。

0071

<作用・効果の具体例>
以下では、本発明の実施の形態に係る超音波探触子110において、フレーム204の材料として上記説明したような高熱伝導PPSを採用した場合の効果の具体例について説明する。

0072

図6Aは、超音波探触子のフレームの材料による、超音波探触子の動作時における音響ウインドウの表面温度の温度上昇を比較したグラフである。図6Aにおいて、「高熱伝導PPS」は、フレームの材料に上記説明した高熱伝導PPSを採用した場合の音響ウインドウ表面の温度変化を示している。なお、図6Aにおける高熱伝導PPSは、グラファイトや炭素繊維等の炭素と、銀,銅,ケイ素,炭化ケイ素,窒化アルミニウム,窒化ホウ素,窒化ケイ素,酸化マグネシウム,アルミナ,低融点合金(Sn−Bi,Sn−Bi−Cu−Ni,Sn−Ag−Cu−Ni,Sn−Ag−Cu,Sn−Ag−Bi−In等)等の添加物を適宜PPS樹脂に添加したものである。図6Aにおいては、高熱伝導PPSの熱伝導率は、30W/m・Kである。また、図6Aにおいて、「アルミ」は、フレームの材料に金属の一例としてアルミニウムを採用した場合の音響ウインドウ表面の温度変化を示している。さらに、図6Aにおいて、「PPS(添加物なし)」は、フレームの材料に添加物なしのPPSを使用した場合の音響ウインドウ表面の温度変化を示している。なお、図6Aにおいて、音響ウインドウ表面の温度変化は、赤外線サーモカメラで測定したものである。

0073

図6Aに示すように、フレームの材料に高熱伝導PPSを採用した場合、添加物なしのPPSを採用した場合と比較して、音響ウインドウ表面の温度上昇を低減することができる。また、図6Aに示すように、フレームの材料に高熱伝導PPSを採用した場合、熱伝導性が高い金属であるアルミニウムを採用した場合と同程度の温度上昇に抑えることができる。

0074

また、図6Aに示すように、フレームの材料にアルミを採用した場合、音響ウインドウ表面の温度は経過時間とともに上昇を続けるが、フレームの材料に高熱伝導PPSを採用した場合、音響ウインドウ表面の温度は、一度上昇した後ほぼ一定となる。これは以下の理由による。すなわち、アルミのように熱伝導による放熱がメインとなる金属をフレームに採用した場合、フレームの熱は低熱伝導物質である対流しない空気(フレーム周囲の狭い空間に存在する空気)を介して放熱されることになるため、フレーム周囲の空気自体に熱が蓄積され、かつ空気から熱が放熱されにくい。これにより、フレームから熱が逃げにくくなり、音響ウインドウの温度は上昇を続けることになる。

0075

一方、上記説明した高熱伝導PPSをフレームに採用した場合、高熱伝導PPSの放射率は上記したように比較的高いため、フレームの温度上昇に伴って放射による排熱量が増大し、フレームに供給される熱量と排熱量とのバランスがとれる。これにより、フレームに高熱伝導PPSを採用した場合、フレームにアルミ(金属)を採用した場合と比較して、フレームから熱が放熱されやすく、音響ウインドウの温度上昇を防止し、ほぼ一定の温度に保つことができるようになる。

0076

図6Bは、超音波探触子のフレームの材料に採用した高熱伝導PPSの熱伝導率の違いによる、超音波探触子の動作時における音響ウインドウの表面温度の温度上昇を比較したグラフである。図6Bにおいては、PPS樹脂に添加する上記添加物の成分、量、割合等を適宜変化させることによって、5W/m・K、10W/m・K、および30W/m・Kの3種類の熱伝導率を有する高熱伝導PPSを用意し、これをフレームの材料に採用した例について示している。

0077

図6Bに示すように、フレームの材料に高熱伝導PPSを採用した場合、例えば熱伝導率が5W/m・K以上であれば、熱伝導率の大きさにかかわらず、音響ウインドウ表面の温度上昇を同程度に抑えることができる。

0078

なお、図6Bに示す上記具体例において、5W/m・Kの高熱伝導PPSにはDIC(株)製のCZ−2060−A1を用い、10W/m・Kの高熱伝導PPSには東レ(株)製のH501Bを用い、30W/m・Kの高熱伝導PPSには出光ライオンコンポジット(株)製のT121J1を用いた。

0079

以上、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。特許請求の範囲の記載範囲内において、当業者が想到できる各種の変更例または修正例についても、本発明の技術的範囲に含まれる。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。

0080

本発明は、超音波を利用した超音波診断装置の超音波探触子に好適である。

0081

1超音波診断装置
11超音波診断装置本体
12 操作部
13 表示部
100 超音波探触子ユニット
110 超音波探触子
120コネクタ
130ケーブル
201音響素子
202土台
203 音響ウインドウ
204フレーム
204A 突出部
204B接続部材
205カップリング液
206モータ
207出力軸
208オイルシール
209ベアリング
210プーリ
211ベルト
212 プーリ
213シャフト
214 ベアリング
215ハウジング
216 開口部
301モータブラケット
401 ケーブル
402ブッシュ
403中継基板
404 シャーシ

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