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技術 電源システム

出願人 川崎重工業株式会社
発明者 梅津佑介杉本和繁阪東聡一郎山口直輝木村清志高山卓宇田貴人
出願日 2016年12月27日 (3年11ヶ月経過) 出願番号 2016-254003
公開日 2018年7月5日 (2年5ヶ月経過) 公開番号 2018-107959
状態 特許登録済
技術分野 交流の給配電 発電機の制御 予備電源装置
主要キーワード テブナンの定理 総合インピーダンス 外部インピーダンス 交流電流計 直流電源系統 電源品質 並列運転方式 自家発電システム
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課題

一の発電機に異常が生じた場合において、各配線部への電力供給を継続することができ、配線部の一部に異常が生じた場合において、他の配線部に影響を与えないようにすることができる電源ステムを提供する。

解決手段

複数の発電機のそれぞれは、対応する交流配線部に各発電機が出力する発電機有効電力に対する周波数の関係が所定の第1の垂下特性を有するよう構成され、複数の電力変換装置は、各交流配線部を通じて入力される交流電力直流電力に変換するとともに、直流配線部を通じて入力される直流電力を交流電力に変換するよう構成され、制御装置は、対応する交流配線部に各電力変換装置が出力する電力変換装置有効電力に対する周波数の関係が所定の第2の垂下特性を有するように制御要素目標値を決定し、制御要素の目標値を直流配線部における直流電圧に応じて補正することにより、各電力変換装置のための駆動信号を生成するよう構成される。

概要

背景

例えば航空機等に用いられる電源ステムにおいて、複数の発電機が設けられた電源システムが知られている。このような電源システムには、大別してスプリット方式、並列運転方式およびBTB(Back To Back)方式等が含まれる。

スプリット方式は、複数の発電機が互いに独立した交流配線部(電源BUS)に接続され、各電源BUSに接続された負荷に対して一の発電機が電力を供給するように構成されている。スプリット方式においては、1つの電源BUSに接続されている発電機が1つだけであるため、故障等、何らかの理由で一の発電機が停止した場合、対応する電源BUSに接続される負荷(配線系統)は一時的に停電状態となる。スプリット方式において、一の発電機が停止した場合、対応する電源BUSを他の電源BUSまたは補助動力装置APU: Auxiliary Power Unit)に接続するような切替処理を行うことで、対応する電源BUSにおける電力供給を継続することは可能であるが、一時的な停電状態は避けられない。したがって、電源BUSに接続される負荷によっては動作の継続が行えず、再起動等の処理が必要となる場合も生じ得る。

これに対して、並列運転方式は、複数の発電機が1つの電源BUSに接続されている。したがって、一の発電機が停止しても他の発電機が電力供給を継続するため、当該電源BUSを含む配線系統が停電状態となることを回避できる。しかし、並列運転方式では、配線系統内に短絡または地絡等の配線異常が生じた場合、その影響が配線系統全体に波及し、当該配線異常が生じた個所が除去されるまでの間、配線系統全体が停電状態となり、正常な給電を行うことができない。特に、航空機に搭載される電源システムにおいて、一時的であっても全電源を消失してしまうことは避けるべきであり、直流電源系統等の他の電源系統等を併用するといった対策別途必要となる。

また、BTB方式は、スプリット方式における各電源BUSに電力変換装置が接続されている。各電力変換装置は、電源BUSの交流電力直流電力に変換するように構成され、各電源BUSに対応する各電力変換装置が直流部で互いに接続されるものである。BTB方式においては、各電力変換装置が対応する電源BUSの交流電圧に基づいて電源BUSへの電力調整を行うとともに、直流部において互いに接続される複数の電力変換装置のうちの予め定められた一の電力変換装置が、直流部の電圧に基づいて電源BUSへの電力調整を行う。

このように、BTB方式においては、複数の電力変換装置のうち、直流部の電圧に基づいて電源BUSへの電力調整を行う電力変換装置が予め定められている。したがって、直流部の電圧に基づいた制御を行う電力変換装置に対応する電源BUSにおいて停電状態が生じた場合、複数の電力変換装置間の電力調整を行うことができなくなる。言い換えると、BTB方式は、停電状態の発生を想定したシステムにはなっていない。

また、BTB方式のような複数の電力変換装置を直流部で接続した構成において、発電機における異常の発生を検知する構成とし、当該異常の発生を検知した場合に、対応する電源BUSを含む配線系統が停電状態となる前に制御態様切り替えて、当該配線系統が停電状態となることを防止する構成も提案されている(例えば特許文献1参照)。

概要

一の発電機に異常が生じた場合において、各配線部への電力供給を継続することができ、配線部の一部に異常が生じた場合において、他の配線部に影響を与えないようにすることができる電源システムを提供する。 複数の発電機のそれぞれは、対応する交流配線部に各発電機が出力する発電機有効電力に対する周波数の関係が所定の第1の垂下特性を有するよう構成され、複数の電力変換装置は、各交流配線部を通じて入力される交流電力を直流電力に変換するとともに、直流配線部を通じて入力される直流電力を交流電力に変換するよう構成され、制御装置は、対応する交流配線部に各電力変換装置が出力する電力変換装置有効電力に対する周波数の関係が所定の第2の垂下特性を有するように制御要素目標値を決定し、制御要素の目標値を直流配線部における直流電圧に応じて補正することにより、各電力変換装置のための駆動信号を生成するよう構成される。

目的

本発明は、上記課題を解決するものであり、それぞれが少なくとも1つの発電機を含む複数の配線部が互いに接続された電源システムにおいて、一の発電機に異常が生じた場合において、各配線部への電力供給を継続することができ、配線部の一部に異常が生じた場合において、他の配線部に影響を与えないようにすることができる電源システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

複数の発電機を備えた電源ステムであって、前記複数の発電機のそれぞれに接続される複数の交流配線部と、前記複数の交流配線部のそれぞれに接続される複数の電力変換装置と、前記複数の電力変換装置同士を接続する直流配線部と、前記複数の電力変換装置に駆動信号を送信することにより対応する交流配線部と前記直流配線部との間の電力変換制御を行う制御装置と、を備え、前記複数の発電機のそれぞれは、対応する前記交流配線部に各発電機が出力する発電機有効電力に対する周波数の関係が所定の第1の垂下特性を有するよう構成され、前記複数の電力変換装置は、各交流配線部を通じて入力される交流電力直流電力に変換するとともに、前記直流配線部を通じて入力される直流電力を交流電力に変換するよう構成され、前記制御装置は、対応する前記交流配線部に各電力変換装置が出力する電力変換装置有効電力に対する周波数の関係が所定の第2の垂下特性を有するように制御要素目標値を決定し、前記制御要素の目標値を前記直流配線部における直流電圧に応じて補正することにより、各電力変換装置のための前記駆動信号を生成するよう構成される、電源システム。

請求項2

前記制御装置は、対応する前記交流配線部に各電力変換装置が出力する電力変換装置無効電力に対する交流電圧の関係が所定の第3の垂下特性を有するように前記制御要素の目標値を決定するよう構成される、請求項1に記載の電源システム。

請求項3

前記制御装置は、所定の有効電力指令値に対する前記電力変換装置有効電力の偏差に基づく値に、前記第2の垂下特性を示す係数掛け演算を含む周波数目標値演算処理によって周波数目標値を算出する周波数目標値演算部を備えた、請求項1または2に記載の電源システム。

請求項4

前記周波数目標値演算部は、前記有効電力指令値に対する前記電力変換装置有効電力の偏差に基づく値に、前記第2の垂下特性を示す係数を掛けた周波数参照値を算出し、所定の直流電圧指令値に対する前記直流電圧の偏差に所定の補正係数を掛けた周波数補正値を算出し、所定の周波数指令値に、前記周波数参照値および前記周波数補正値を加えて前記周波数目標値を算出する、請求項3に記載の電源システム。

請求項5

前記周波数目標値演算部は、所定の直流電圧指令値に対する前記直流電圧の偏差に所定の補正係数を掛けた有効電力補正値を算出し、前記有効電力指令値に対する前記電力変換装置有効電力の偏差に前記有効電力補正値を加えた値に、前記第2の垂下特性を示す係数を掛ける演算を行う、請求項3に記載の電源システム。

請求項6

前記制御装置は、所定の周波数指令値に対する前記周波数の偏差に基づく値に、前記第2の垂下特性を示す係数を掛ける演算を含む有効電力目標値演算処理によって有効電力目標値を算出する有効電力目標値演算部を備えた、請求項1または2に記載の電源システム。

請求項7

前記有効電力目標値演算部は、前記周波数指令値に対する前記周波数の偏差に基づく値に、前記第2の垂下特性を示す係数を掛けた有効電力参照値を算出し、所定の直流電圧指令値に対する前記直流電圧の偏差に所定の補正係数を掛けた有効電力補正値を算出し、所定の有効電力指令値に、前記有効電力参照値および前記有効電力補正値を加えて前記有効電力目標値を算出する、請求項6に記載の電源システム。

請求項8

前記制御装置は、所定の無効電力指令値に対する前記電力変換装置無効電力の偏差に基づく値に、前記第3の垂下特性を示す係数を掛ける演算を含む交流電圧目標値演算処理によって交流電圧目標値を算出する交流電圧目標値演算部を備えた、請求項2に記載の電源システム。

請求項9

前記制御装置は、所定の交流電圧指令値に対する前記交流電圧の偏差に基づく値に、前記第3の垂下特性を示す係数を掛ける演算を含む無効電力目標値演算処理によって無効電力目標値を算出する無効電力目標値演算部を備えた、請求項2に記載の電源システム。

請求項10

前記制御装置は、各発電機の出力が互いに均等になるように、前記複数の交流配線部の前記周波数を平均化した値に基づいて、前記制御要素の目標値の基準となる前記制御要素の指令値を補正する指令値補正部を備えた、請求項1から9の何れかに記載の電源システム。

技術分野

0001

本発明は、電源ステムに関する。

背景技術

0002

例えば航空機等に用いられる電源システムにおいて、複数の発電機が設けられた電源システムが知られている。このような電源システムには、大別してスプリット方式、並列運転方式およびBTB(Back To Back)方式等が含まれる。

0003

スプリット方式は、複数の発電機が互いに独立した交流配線部(電源BUS)に接続され、各電源BUSに接続された負荷に対して一の発電機が電力を供給するように構成されている。スプリット方式においては、1つの電源BUSに接続されている発電機が1つだけであるため、故障等、何らかの理由で一の発電機が停止した場合、対応する電源BUSに接続される負荷(配線系統)は一時的に停電状態となる。スプリット方式において、一の発電機が停止した場合、対応する電源BUSを他の電源BUSまたは補助動力装置APU: Auxiliary Power Unit)に接続するような切替処理を行うことで、対応する電源BUSにおける電力供給を継続することは可能であるが、一時的な停電状態は避けられない。したがって、電源BUSに接続される負荷によっては動作の継続が行えず、再起動等の処理が必要となる場合も生じ得る。

0004

これに対して、並列運転方式は、複数の発電機が1つの電源BUSに接続されている。したがって、一の発電機が停止しても他の発電機が電力供給を継続するため、当該電源BUSを含む配線系統が停電状態となることを回避できる。しかし、並列運転方式では、配線系統内に短絡または地絡等の配線異常が生じた場合、その影響が配線系統全体に波及し、当該配線異常が生じた個所が除去されるまでの間、配線系統全体が停電状態となり、正常な給電を行うことができない。特に、航空機に搭載される電源システムにおいて、一時的であっても全電源を消失してしまうことは避けるべきであり、直流電源系統等の他の電源系統等を併用するといった対策別途必要となる。

0005

また、BTB方式は、スプリット方式における各電源BUSに電力変換装置が接続されている。各電力変換装置は、電源BUSの交流電力直流電力に変換するように構成され、各電源BUSに対応する各電力変換装置が直流部で互いに接続されるものである。BTB方式においては、各電力変換装置が対応する電源BUSの交流電圧に基づいて電源BUSへの電力調整を行うとともに、直流部において互いに接続される複数の電力変換装置のうちの予め定められた一の電力変換装置が、直流部の電圧に基づいて電源BUSへの電力調整を行う。

0006

このように、BTB方式においては、複数の電力変換装置のうち、直流部の電圧に基づいて電源BUSへの電力調整を行う電力変換装置が予め定められている。したがって、直流部の電圧に基づいた制御を行う電力変換装置に対応する電源BUSにおいて停電状態が生じた場合、複数の電力変換装置間の電力調整を行うことができなくなる。言い換えると、BTB方式は、停電状態の発生を想定したシステムにはなっていない。

0007

また、BTB方式のような複数の電力変換装置を直流部で接続した構成において、発電機における異常の発生を検知する構成とし、当該異常の発生を検知した場合に、対応する電源BUSを含む配線系統が停電状態となる前に制御態様切り替えて、当該配線系統が停電状態となることを防止する構成も提案されている(例えば特許文献1参照)。

先行技術

0008

特許第4725010号公報

発明が解決しようとする課題

0009

しかし、特許文献1のような方式では、制御態様を2つ用意し、それらを故障状態か否かを検出した上で切り替える必要が生じる。したがって、システムが複雑になる。

0010

また、特許文献1のような方式では、正常時においては複数の電源BUS間の電力の授受は行われない。このため、並列運転方式またはBTB方式のように、複数の電源BUS間で電力を融通し合い、発電機の負荷バランス自立的に行うことができない。また、特許文献1のような方式では、負荷急変時の電圧または周波数変化を抑制し、適切な電源品質を確保することが困難である。

0011

本発明は、上記課題を解決するものであり、それぞれが少なくとも1つの発電機を含む複数の配線部が互いに接続された電源システムにおいて、一の発電機に異常が生じた場合において、各配線部への電力供給を継続することができ、配線部の一部に異常が生じた場合において、他の配線部に影響を与えないようにすることができる電源システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明の一態様に係る電源システムは、複数の発電機を備えた電源システムであって、前記複数の発電機のそれぞれに接続される複数の交流配線部と、前記複数の交流配線部のそれぞれに接続される複数の電力変換装置と、前記複数の電力変換装置同士を接続する直流配線部と、前記複数の電力変換装置に駆動信号を送信することにより対応する交流配線部と前記直流配線部との間の電力変換制御を行う制御装置と、を備え、前記複数の発電機のそれぞれは、対応する前記交流配線部に各発電機が出力する発電機有効電力に対する周波数の関係が所定の第1の垂下特性を有するよう構成され、前記複数の電力変換装置は、各交流配線部を通じて入力される交流電力を直流電力に変換するとともに、前記直流配線部を通じて入力される直流電力を交流電力に変換するよう構成され、前記制御装置は、対応する前記交流配線部に各電力変換装置が出力する電力変換装置有効電力に対する周波数の関係が所定の第2の垂下特性を有するように制御要素目標値を決定し、前記制御要素の目標値を前記直流配線部における直流電圧に応じて補正することにより、各電力変換装置のための前記駆動信号を生成するよう構成される。

0013

上記構成によれば、発電機が第1の垂下特性を有するとともに、電力変換装置における交直変換のための制御要素の目標値が、対応する交流配線部に各電力変換装置が出力する電力変換装置有効電力に対する周波数の関係に第2の垂下特性を有するように決定される。これにより、負荷変化に伴う交流配線部における有効電力の変化に応じた電力の授受を複数の配線部間で行うことができる。さらに、制御要素の目標値は、直流配線部における直流電圧に応じて補正される。これにより、直流電圧が過度に低下または上昇することを抑制し、共通の直流配線部で接続された複数の電力変換装置間の電力の授受をバランスさせることができる。このようにして、複数の電力変換装置がそれぞれ直流配線部における直流電圧を案しつつ同じ制御態様を実行することにより、それぞれの交流配線部において出力される電力が制御される。したがって、発電機または配線部の異常の有無にかかわらず同じ制御態様を実行しつつ、一の発電機に異常が生じた場合において、各配線部への電力供給を継続することができ、配線部の一部に異常が生じた場合において、他の配線部に影響を与えないようにすることができる。

0014

前記制御装置は、各電力変換装置が対応する前記交流配線部に出力する電力変換装置無効電力に対する交流電圧の関係が所定の第3の垂下特性を有するように前記制御要素の目標値を決定するよう構成されてもよい。これによれば、電力変換装置が出力する電力変換装置有効電力だけでなく電力変換装置が出力する電力変換装置無効電力についても垂下特性を用いた制御が行われる。したがって、負荷変化に伴う無効電力の変化に応じた電力の授受を複数の配線部間で行うことができる。

0015

前記制御装置は、所定の有効電力指令値に対する前記電力変換装置有効電力の偏差に基づく値に、前記第2の垂下特性を示す係数掛け演算を含む周波数目標値演算処理によって周波数目標値を算出する周波数目標値演算部を備えてもよい。

0016

前記周波数目標値演算部は、前記有効電力指令値に対する前記電力変換装置有効電力の偏差に基づく値に、前記第2の垂下特性を示す係数を掛けた周波数参照値を算出し、所定の直流電圧指令値に対する前記直流電圧の偏差に所定の補正係数を掛けた周波数補正値を算出し、所定の周波数指令値に、前記周波数参照値および前記周波数補正値を加えて前記周波数目標値を算出してもよい。

0017

前記周波数目標値演算部は、所定の直流電圧指令値に対する前記直流電圧の偏差に所定の補正係数を掛けた有効電力補正値を算出し、前記有効電力指令値に対する前記電力変換装置有効電力の偏差に前記有効電力補正値を加えた値に、前記第2の垂下特性を示す係数を掛ける演算を行ってもよい。

0018

前記制御装置は、所定の周波数指令値に対する前記周波数の偏差に基づく値に、前記第2の垂下特性を示す係数を掛ける演算を含む有効電力目標値演算処理によって有効電力目標値を算出する有効電力目標値演算部を備えてもよい。

0019

前記有効電力目標値演算部は、前記周波数指令値に対する前記周波数の偏差に基づく値に、前記第2の垂下特性を示す係数を掛けた有効電力参照値を算出し、所定の直流電圧指令値に対する前記直流電圧の偏差に所定の補正係数を掛けた有効電力補正値を算出し、所定の有効電力指令値に、前記有効電力参照値および前記有効電力補正値を加えて前記有効電力目標値を算出してもよい。

0020

前記制御装置は、所定の無効電力指令値に対する前記電力変換装置無効電力の偏差に基づく値に、前記第3の垂下特性を示す係数を掛ける演算を含む交流電圧目標値演算処理によって交流電圧目標値を算出する交流電圧目標値演算部を備えてもよい。

0021

前記制御装置は、所定の交流電圧指令値に対する前記交流電圧の偏差に基づく値に、前記第3の垂下特性を示す係数を掛ける演算を含む無効電力目標値演算処理によって無効電力目標値を算出する無効電力目標値演算部を備えてもよい。

0022

前記制御装置は、各発電機の出力が互いに均等になるように、前記複数の交流配線部の前記周波数を平均化した値に基づいて、前記制御要素の目標値の基準となる前記制御要素の指令値を補正する指令値補正部を備えてもよい。これによれば、複数の配線部間における電力の授受を適切に行いつつ、複数の発電機の出力をバランスさせることができる。

発明の効果

0023

本発明によれば、それぞれが少なくとも1つの発電機を含む複数の配線部が互いに接続された電源システムにおいて、一の発電機に異常が生じた場合において、各配線部への電力供給を継続することができ、配線部の一部に異常が生じた場合において、他の配線部に影響を与えないようにすることができる。

図面の簡単な説明

0024

図1は、本発明の実施の形態1に係る電源システムの概略構成を示すブロック図である。
図2は、図1に示す電源システムにおける電力変換装置の制御装置が電圧制御型の制御装置である場合の制御系の概略構成を示すブロック図である。
図3は、本実施の形態における第2の垂下特性を示すグラフである。
図4は、図1に示す電源システムにおける電力変換装置の制御装置が電流制御型の制御装置である場合の制御系の概略構成を示すブロック図である。
図5は、図1に示す電源システムにおける電力変換装置の制御装置が仮想発電機モデル制御の制御装置である場合の制御系の概略構成を示すブロック図である。
図6は、図5に示す制御装置における周波数目標値演算部の構成を示すブロック図である。
図7は、図5に示す制御装置における有効電力補正値演算部の構成を示すブロック図である。
図8は、図5に示す制御装置における内部相差角演算部の構成を示すブロック図である。
図9は、図5に示す制御装置における内部起電圧目標値演算部の構成を示すブロック図である。
図10は、図5に示す制御装置における電流目標値演算部の構成を示すブロック図である。
図11は、2つの交流配線部に均等な負荷を接続した場合の有効電力変化についてのシミュレーション結果を示すグラフである。
図12は、2つの交流配線部に均等な負荷を接続した場合の周波数および直流電圧の変化についてのシミュレーション結果を示すグラフである。
図13は、一方の交流配線部に60kWの負荷を接続し、他方の交流配線部に30kWの負荷を接続した場合の有効電力変化についてのシミュレーション結果を示すグラフであり
図14は、一方の交流配線部に60kWの負荷を接続し、他方の交流配線部に30kWの負荷を接続した場合の周波数および直流電圧の変化についてのシミュレーション結果を示すグラフである。
図15は、図13定常状態において、一方の発電機を交流配線部から切り離した場合の有効電力変化についてのシミュレーション結果を示すグラフである。
図16は、図14の定常状態において、一方の発電機を交流配線部から切り離した場合の周波数および直流電圧の変化についてのシミュレーション結果を示すグラフである。
図17は、本発明の実施の形態2に係る電源システムの概略構成を示すブロック図である。
図18は、図17に示す指令値補正部の一の構成例を示すブロック図である。
図19は、実施の形態1における電源システムの航空機への適用例の1つを説明するブロック図である。
図20は、実施の形態1における電源システムの航空機への適用例の1つを説明するブロック図である。
図21は、実施の形態1における電源システムのハイブリッド推進への適用例の1つを説明するブロック図である。

実施例

0025

以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一または同じ機能を有する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。

0026

[実施の形態1]
システム構成
以下、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る電源システムの概略構成を示すブロック図である。本実施の形態における電源システム1は、複数(図1の例では2つ)の発電機2i(i=1,2)を備えている。電源システム1は、複数の発電機2iのそれぞれに接続される複数の交流配線部(交流BUS)3iを備えている。すなわち、一の発電機2iは、一の交流配線部3iに接続され、当該交流配線部3iに接続される負荷5に交流電力を供給する。

0027

本実施の形態において、各発電機2iは、対応する交流配線部3iに各発電機2iが出力する電力に対する周波数の関係が所定の第1の垂下特性を有するよう構成されている。すなわち、各発電機2iは、対応する交流配線部3iにおける周波数(系統周波数)が減少するに従って出力する電力(発電機有効電力)を増加する特性を有している。例えば、発電機2iが原動機発電機の場合、負荷5の消費電力が増大して当該負荷5が接続される交流配線部3iにおける周波数が減少すると、発電機2iの出力電力が増加し、周波数が垂下特性に応じた値でバランスする。なお、発電機2iは、このような垂下特性を有する限り、特に限定されず、例えば、原動機発電機でもよいし、燃料電池発電機でもよい。また、所定の第1の垂下特性には、各発電機が出力する発電機無効電力に対する電圧の関係も含まれてもよい。

0028

さらに、電源システム1は、複数の交流配線部3iのそれぞれに(交流部4iaが)接続される複数の電力変換装置4iと、複数の電力変換装置4iの直流部4id同士を接続する直流配線部(直流BUS)6とを備えている。各電力変換装置4iは、各交流配線部3iを通じて入力される交流電力を直流電力に変換するとともに、直流配線部6を通じて入力される直流電力を交流電力に変換する。

0029

例えば、電力変換装置41は、対応する交流配線部31に接続された発電機21から出力される交流電力を電力変換装置41により直流電力に変換し、直流配線部6に接続された他の電力変換装置42で再度交流電力に変換した上で、他の交流配線部32に当該交流電力を供給するとともに、他の交流配線部32から電力変換装置42を経由して供給される直流電力を電力変換装置41により交流電力に変換して対応する交流配線部31に供給することが可能である。電力変換装置42においても同様の電力授受が可能である。

0030

各電力変換装置4iは、例えば、直流電圧から三相交流電圧を出力し、三相交流電圧から直流電圧を出力する三相インバータ等により構成される。各電力変換装置4iは、後述する制御装置17iから送信される所定の制御要素の目標値に基づいて定められるPWM信号等の駆動信号Soを受信し、当該駆動信号Soに基づいてスイッチング動作が行われることにより、交流電力と直流電力との間の電力変換を行う。

0031

なお、本実施の形態においては、複数の電力変換装置4iの直流部4idが直流BUSを介して接続された構成を例示しているが、複数の電力変換装置4iの直流部4id同士が直接接続された構成(直接接続された箇所が直流配線部6として構成される)としてもよい。

0032

電源システム1は、複数の電力変換装置4iに駆動信号Soを送信することにより対応する交流配線部3iと直流配線部6との間の電力変換制御を行う複数の制御装置17iを備えている。本実施の形態において、複数の制御装置17iは、電力変換装置4iの数に対応して設けられている。すなわち、一の制御装置17iが一の電力変換装置4iを制御する。これに代えて、一の制御装置17iが複数の電力変換装置4iを制御してもよい。

0033

制御装置17iは、各電力変換装置4iが出力する電力変換装置有効電力Pac(以下、単に有効電力Pacと表記する場合がある)に対する周波数facの関係が所定の第2の垂下特性を有するように制御要素の目標値を決定する。また、制御装置17iは、制御要素の目標値を直流配線部6における直流電圧Vdcに応じて補正することにより、各電力変換装置4iのための駆動信号So(例えばPWM信号)を生成するよう構成される。

0034

制御装置17iは、上記のような制御を行うためのより具体的な制御態様として、以下に示す電圧制御型、電流制御型、および仮想発電機モデル制御型の3種の制御態様を採用し得る。以下、それぞれ詳説する。

0035

[電圧制御型]
図2は、図1に示す電源システムにおける電力変換装置の制御装置が電圧制御型の制御装置である場合の制御系の概略構成を示すブロック図である。図2においては一の電力変換装置4iに対する一の制御装置17iについてのみ示す。他の電力変換装置4iに対する制御装置17iにおいても同様の制御が行われる。電圧制御型の制御装置17iは、制御要素として対応する交流配線部3iの周波数facを用い、電力変換装置4iを制御する。より具体的には、電圧制御型の制御装置17iは、所定の有効電力指令値Pac_cmdに対する有効電力Pacの偏差に第2の垂下特性を示す係数Dr_pを掛けて周波数参照値Δfac_refを求める演算を含む周波数目標値演算処理によって周波数目標値fac_refを算出する周波数目標値演算部74を備えている。制御装置17iは、周波数目標値fac_refを制御要素の目標値の1つとして対応する電力変換装置4iを制御する。

0036

電源システム1は、電力変換装置4iの交流部4iaの交流電圧を検出する交流電圧計測器8と、当該交流部4iaの交流電流を検出する交流電流計測器9と、電力変換装置4iの直流部4idの直流電圧Vdcを検出する直流電圧計測器10とを備えている。例えば、交流電圧計測器8として、PT(Potential Transformer)が用いられ、交流電流計測器9として、CT(Current Transformer)が用いられる。また、直流電圧計測器10として、例えばDCVT(DC Voltage Transducer)または抵抗分圧による検出回路が用いられる。交流電圧計測器8および交流電流計測器9は、三相交流配線における各相瞬時値を検出し、後述する演算部71,72において各瞬時値から交流電圧Vacおよび交流電流Iac等が算出される。

0037

なお、本実施の形態においては、対応する交流配線部(交流BUS)3iから分岐した配線部において交流電圧および交流電流の各相の瞬時値を検出することにより交流配線部3iの交流電圧および交流電流を間接的に検出し、直流配線部(直流BUS)6から分岐した配線部において直流電圧Vdcを検出することにより直流配線部6の直流電圧Vdcを検出するように構成されているが、これに代えて、交流電圧計測器8および/または交流電流計測器9を対応する交流配線部3iに直接接続したり、直流電圧計測器10を直流配線部6に直接接続したりしてもよい。

0038

各計測器8,9,10で検出された各値は、制御装置17iに入力される。制御装置17iは、電圧・周波数・位相演算部71、電流演算部72、有効・無効電力演算部73、周波数目標値演算部74、交流電圧目標値演算部75および駆動信号生成部76の各制御ブロックを備えている。

0039

[電圧・周波数・位相演算部]
電圧・周波数・位相演算部71は、交流電圧計測器8で検出された各相の瞬時電圧va,vb,vcから次式により交流電圧Vacを算出する。

0040

0041

また、電圧・周波数・位相演算部71は、公知のPLL(Phase Lock Loop)演算により、対応する交流配線部3iの周波数facおよび位相φacを算出する。また、電圧・周波数・位相演算部71は、各相の瞬時電圧va,vb,vcおよび位相φacから次式により交流電圧の回転座標(dq座標)系の各座標軸における電圧(d軸電圧Vd、q軸電圧Vq)を算出する。

0042

0043

[電流演算部]
電流演算部72は、各相の瞬時電流ia,ib,icおよび電圧・周波数・位相演算部71で演算された位相φacから次式により交流電流の回転座標系の各座標軸における電流(d軸電流Id、q軸電流Iq)を算出する。

0044

0045

[有効・無効電力演算部]
有効・無効電力演算部73は、電圧・周波数・位相演算部71で算出された電圧Vd,Vqおよび電流演算部72で算出された電流Id,Iqから次式により対応する電力変換装置有効電力Pacおよび電力変換装置無効電力Qac(以下、単に無効電力Qacと表記する場合がある)を算出する。

0046

0047

なお、本実施の形態において、上記のように、有効電力Pacおよび無効電力Qacを取得する有効・無効電力取得器が、交流電圧計測器8と、交流電流計測器9と、電圧・周波数・位相演算部71、電流演算部72および有効・無効電力演算部73の各制御ブロックとして機能する制御装置17iにより構成される例を示した。これに代えて、有効・無効電力取得器が、制御装置17iに計測された有効電力Pacおよび無効電力Qacを入力する公知の電力計等により構成されてもよい。

0048

[周波数目標値演算部]
周波数目標値演算部74は、有効・無効電力演算部73で算出された有効電力Pacに基づいて周波数目標値fac_refを算出する。ここで、周波数目標値演算部74は、対応する交流配線部3iに電力変換装置4iが出力する有効電力に対する周波数facの関係が所定の第2の垂下特性を有するように周波数目標値fac_refを算出する。

0049

具体的には、周波数目標値演算部74は、所定の有効電力指令値Pac_cmdに対する有効電力Pacの偏差に第2の垂下特性に応じたドループ係数Dr_pを掛けて、周波数参照値Δfac_refを算出する。周波数目標値演算部74は、算出された周波数参照値Δfac_refと所定の周波数指令値fac_cmdとに基づいて周波数目標値fac_refを算出する。

0050

この際、周波数目標値演算部74は、周波数目標値fac_refを直流配線部6における直流電圧Vdcに応じて補正する。より具体的には、周波数目標値演算部74は、所定の直流電圧指令値Vdc_cmdに対する直流電圧Vdcの偏差に所定の補正係数(補正ゲイン)(−Kdc)を掛けて、周波数補正値fac_cmpを算出する。周波数目標値演算部74は、周波数指令値fac_cmdに周波数参照値Δfac_refおよび周波数補正値fac_cmpを加えて周波数目標値fac_refを算出する。

0051

図3は、本実施の形態における第2の垂下特性を示すグラフである。交流配線部3iに発電機2iが接続されている場合、交流配線部3iに接続される負荷5の消費電力が増大すると、交流配線部3iにおける周波数facが低下する。例えば、図3に示すように、周波数facがf1からf2に低下する。このため、電力変換装置4iが出力する交流電圧に対して、交流配線部3iにおける交流電圧の進み位相が増大する。これを受けて、制御装置17iは、当該進み位相を相殺すべく、周波数目標値fac_refを低下させる。この結果、電力変換装置4iが出力する有効電力Pacが増大する。例えば、図3に示すように、有効電力PacがP1からP2に増大する。

0052

反対に、交流配線部3iに接続される負荷5の消費電力が減少すると、交流配線部3iにおける周波数facが上昇することにより、電力変換装置4iが出力する交流電圧に対して、交流配線部3iにおける交流電圧の遅れ位相が増大する。これを受けて、制御装置17iは、当該遅れ位相を相殺すべく、周波数目標値fac_refを上昇させる。この結果、電力変換装置4iが出力する有効電力Pacが減少する。例えば、図3において、周波数facがf2からf1に上昇すると、有効電力PacがP2からP1に減少する。

0053

ここで、共通の直流配線部6に接続された複数の電力変換装置4iの交流配線部3iにおける電圧変化に伴い、各電力変換装置4iが電力変換を行った結果、直流配線部6の直流電圧Vdcが変化した場合、直流電圧指令値Vdc_cmdとの偏差に基づいて、周波数目標値fac_refが補正される。例えば、制御装置17iは、直流配線部6の直流電圧Vdcが低下した場合、交流配線部3iにおける周波数facが同じでも有効電力Pacが減少するように制御する。図3のグラフにおいて、直線Lcとして模式的に表される補正後の垂下特性に基づいて有効電力Pacが調整される。直線Lcは、補正を行う前の第2の垂下特性を示す直線Lの周波数切片を周波数補正値fac_cmp分低下させたものである。この結果、周波数f2における有効電力PacがP2からP2cに補正される。反対に、制御装置17iは、直流配線部6の直流電圧Vdcが上昇した場合、交流配線部3iにおける周波数facが同じでも有効電力Pacが増大するように制御する。

0054

[駆動信号生成部]
電圧制御型の駆動信号生成部76には、交流配線部3iの周波数facおよび周波数目標値演算部74で算出された周波数目標値fac_refが入力される。当該駆動信号生成部76は、入力されたこれらの値に基づいて、交流配線部3iの周波数facが周波数目標値fac_refになるような駆動信号Soを生成し、電力変換装置4iに出力する。

0055

上記構成によれば、発電機2iが第1の垂下特性を有するとともに、電力変換装置4iにおける交直変換のための制御要素である周波数facの目標値fac_refが、対応する交流配線部3iに各電力変換装置4iが出力する有効電力Pacに対する周波数facの関係に第2の垂下特性を有するように決定される。これにより、負荷変化に伴う交流配線部3iにおける有効電力Pacの変化に応じた電力の授受を複数の配線部3i間で行うことができる。さらに、周波数目標値fac_refは、直流配線部6における直流電圧Vdcに応じて補正される。これにより、直流電圧Vdcが過度に低下または上昇することを抑制し、共通の直流配線部6で接続された複数の電力変換装置4i間の電力の授受をバランスさせることができる。

0056

このようにして、複数の電力変換装置4iがそれぞれ直流配線部6における直流電圧Vdcを勘案しつつ同じ制御態様を実行することにより、それぞれの交流配線部3iにおいて出力される電力が制御される。したがって、発電機2iまたは配線部3iの異常の有無にかかわらず同じ制御態様を実行しつつ、一の発電機2iに異常が生じた場合において、各配線部3iへの電力供給を継続することができ、配線部3iの一部に異常が生じた場合において、他の配線部3iに影響を与えないようにすることができる。

0057

この結果、本実施の形態における電源システム1において、故障等、何らかの理由で一の発電機2iが停止した場合でも、対応する交流配線部3iに接続される負荷5への給電が瞬断されることを防止することができる。また、一の交流配線部3i内に短絡または地絡等の配線異常が生じても、その影響が他の交流配線部3iに拡がることを防止することができる。

0058

なお、周波数指令値fac_cmd、有効電力指令値Pac_cmd、および直流電圧指令値Vdc_cmdは、制御装置17i内部で設定された値でもよいし、外部から入力されてもよい。また、各指令値は、固定値でもよいし、後述するように各交流配線部3iの周波数facに基づいて変化する値としてもよい。

0059

[交流電圧目標値演算部]
本実施の形態において、制御装置17iは、各電力変換装置4iに対応する電力変換装置無効電力Qacに対する交流電圧Vacの関係が所定の第3の垂下特性を有するように制御要素である交流電圧Vacの目標値Vac_refを決定するよう構成されている。

0060

交流電圧目標値演算部75は、有効・無効電力演算部73で算出された無効電力Qacに基づいて交流電圧目標値Vac_refを算出する。ここで、交流電圧目標値演算部75は、無効電力Qacに対する交流電圧Vacの関係が所定の第3の垂下特性を有するように交流電圧目標値Vac_refを算出する。

0061

具体的には、交流電圧目標値演算部75は、所定の無効電力指令値Qac_cmdに対する無効電力Qacの偏差に第3の垂下特性に応じたドループ係数Dr_qを掛けて、交流電圧参照値ΔVac_refを算出する。交流電圧目標値演算部75は、所定の交流電圧指令値Vac_cmdに、算出された交流電圧参照値ΔVac_refを加えて交流電圧目標値Vac_refを算出する。

0062

電圧制御型の駆動信号生成部76は、交流配線部3iの交流電圧Vacが交流電圧目標値Vac_refになるような駆動信号Soを生成し、電力変換装置4iに出力する。

0063

これによれば、有効電力Pacと周波数facとの間の関係だけでなく無効電力Qacと交流電圧Vacとの間の関係についても垂下特性を用いた制御が行われる。交流配線部3iに発電機2iが接続されている場合、交流配線部3iに接続される負荷5の無効電力が増大すると、交流配線部3iにおける交流電圧Vacが低下する。このため、交流配線部3iにおける交流電圧Vacと電力変換装置4iの交流部4iaに出力される交流電圧との間の電圧差が増大する。これを受けて、制御装置17iは、当該電圧差を相殺すべく、交流電圧目標値Vac_refを低下させる。この結果、電力変換装置4iが出力する無効電力Qacが増大する。

0064

一方、交流配線部3iに接続される負荷5の無効電力が減少すると、交流配線部3iにおける交流電圧Vacが上昇する。このため、交流配線部3iにおける交流電圧Vacと電力変換装置4iの交流部4iaに出力される交流電圧との間の電圧差が増大する。これを受けて、制御装置17iは、当該電圧差を相殺すべく、交流電圧目標値Vac_refを上昇させる。この結果、電力変換装置4iが出力する無効電力Qacが減少する。したがって、負荷変化に伴う無効電力Qacの変化に応じた電力の授受を複数の配線部3i間で行うことができる。

0065

なお、第2の垂下特性および第3の垂下特性は、第1の垂下特性と同じ特性(図3のグラフにおいて同じ傾き)を有するように設定されてもよいし、異なる特性として設定されてもよい。

0066

また、本実施の形態においては、交流電圧目標値Vac_refについても第3の垂下特性を用いて演算したが、交流電圧目標値Vac_refについてはこのような演算を行わず固定の目標値としてもよい。

0067

また、交流電圧指令値Vac_cmdおよび無効電力指令値Qac_cmdは、制御装置17i内部で設定された値でもよいし、外部から入力されてもよい。また、各指令値は、固定値でもよいし、後述するように各交流配線部3iの周波数facに基づいて変化する値としてもよい。

0068

[電流制御型]
図4は、図1に示す電源システムにおける電力変換装置の制御装置が電流制御型の制御装置である場合の制御系の概略構成を示すブロック図である。図4においては一の電力変換装置4iに対する一の制御装置17iについてのみ示す。他の電力変換装置4iに対する制御装置17iにおいても同様の制御が行われる。電流制御型の制御装置17iは、制御要素として対応する交流配線部3iの交流電流Id,Iqを用い、電力変換装置4iを制御する。より具体的には、電流制御型の制御装置17iは、所定の周波数指令値fac_cmdに対する周波数facの偏差に第2の垂下特性を示す係数1/Dr_pを掛けて有効電力参照値ΔPac_refを求める有効電力目標値演算処理によって有効電力目標値Pac_refを算出する有効電力目標値演算部77を備えている。制御装置17iは、有効電力目標値Pac_refを制御要素の目標値の1つとして対応する電力変換装置4iを制御する。

0069

電流制御型の電源システム1においても、電圧制御型の場合と同様に、交流電圧計測器8、交流電流計測器9、および直流電圧計測器10を備えている。各計測器8,9,10で検出された各値は、制御装置17iに入力される。制御装置17iは、電圧・周波数・位相演算部71、電流演算部72、有効・無効電力演算部73、有効電力目標値演算部77、無効電力目標値演算部78および駆動信号生成部79の各制御ブロックを備えている。電圧・周波数・位相演算部71、電流演算部72および有効・無効電力演算部73の構成は、電圧制御型と同様であるため説明を省略する。

0070

[有効電力目標値演算部]
有効電力目標値演算部77は、電圧・周波数・位相演算部71で算出された周波数facに基づいて有効電力目標値Pac_refを算出する。ここで、有効電力目標値演算部77は、対応する交流配線部3iに電力変換装置4iが出力する有効電力Pacに対する周波数facの関係が所定の第2の垂下特性を有するように周波数目標値Pac_refを算出する。

0071

具体的には、有効電力目標値演算部77は、所定の周波数指令値fac_cmdに対する周波数facの偏差に第2の垂下特性に応じたドループ係数1/Dr_pを掛けて、有効電力参照値ΔPac_refを算出する。有効電力目標値演算部77は、算出された有効電力参照値ΔPac_refと所定の有効電力指令値Pac_cmdとに基づいて有効電力目標値Pac_refを算出する。

0072

この際、有効電力目標値演算部77は、有効電力目標値Pac_refを直流配線部6における直流電圧Vdcに応じて補正する。より具体的には、有効電力目標値演算部77は、所定の直流電圧指令値Vdc_cmdに対する直流電圧Vdcの偏差に所定の補正係数(補正ゲイン)(−Kdc)を掛けて、有効電力補正値Pac_cmpを算出する。有効電力目標値演算部77は、有効電力指令値Pac_cmdに有効電力参照値ΔPac_refおよび有効電力補正値Pac_cmpを加算して有効電力目標値Pac_refを算出する。

0073

[無効電力目標値演算部]
本実施の形態において、制御装置17iは、各電力変換装置4iに対応する交流電圧Vacに対する電力変換装置無効電力Qacの関係が所定の第3の垂下特性を有するように制御要素である無効電力Qacの目標値Qac_refを決定するよう構成されている。

0074

無効電力目標値演算部78は、電圧・周波数・位相演算部71で算出された交流電圧Vacに基づいて無効電力目標値Qac_refを算出する。ここで、無効電力目標値演算部78は、対応する交流配線部3iに電力変換装置4iが出力する無効電力Qacに対する交流電圧Vacの関係が所定の第3の垂下特性を有するように無効電力目標値Qac_refを算出する。

0075

具体的には、無効電力目標値演算部78は、所定の交流電圧指令値Vac_cmdに対する交流電圧Vacの偏差に第3の垂下特性に応じたドループ係数1/Dr_qを掛けて、無効電力参照値ΔQac_refを算出する。無効電力目標値演算部78は、所定の無効電力指令値Qac_cmdに、算出された無効電力参照値ΔQac_refを加えて無効電力目標値Qac_refを算出する。

0076

[駆動信号生成部]
電流制御型の駆動信号生成部79には、交流配線部3iの交流電流Id,Iq、位相φac、有効電力目標値Pac_refおよび無効電力目標値Qac_refが入力される。当該駆動信号生成部79は、下記式により有効電力目標値Pac_refおよび無効電力目標値Qac_refから交流電流目標値Id_ref,Iq_refを算出する。

0077

0078

なお、有効電力目標値Pac_refおよび無効電力目標値Qac_refから交流電流目標値Id_ref,Iq_refを算出する際には、上記式に代えて式(4)を用いてもよい。

0079

さらに、駆動信号生成部79は、交流配線部3iの交流電流Id,Iqが交流電流目標値Id_ref,Iq_refになるような駆動信号Soを求め、電力変換装置4iに出力する。具体的には、駆動信号生成部79は、下記式により交流電流目標値Id_ref,Iq_refから交流電圧目標値Vd_ref,Vq_refを算出する。ここで、Kd,Kqは所定のゲインを表し、T_id,T_iqは、所定の時定数を表す。

0080

0081

駆動信号生成部79は、下記式により交流電圧目標値Vd_ref,Vq_refから三相交流である交流配線部3iの各瞬時電圧Va,Vb,Vcの目標値Va_ref,Vb_ref,Vc_refを算出する。

0082

0083

電流制御型の制御態様においても、電圧制御型の制御態様と同様の制御結果がもたらされる。交流配線部3iに発電機2iが接続されている場合、交流配線部3iに接続される負荷5の消費電力が増大すると、発電機2iの負荷分担が増加し、発電機2iが有する第1の垂下特性により発電機2iの回転速度ωacひいては周波数facが低下する。このため、電力変換装置4iが出力する交流電圧に対して、交流配線部3iにおける交流電圧の進み位相が増大する。これを受けて、制御装置17iは、当該進み位相を相殺すべく、有効電力目標値Pac_refを上昇させる。この結果、電力変換装置4iが出力する有効電力Pacが増大する。

0084

反対に、交流配線部3iに接続される負荷5の消費電力が減少すると、発電機2iの負荷分担が低下し、発電機2iが有する第1の垂下特性により発電機2iの回転速度ωacひいては周波数facが上昇する。このため、電力変換装置4iが出力する交流電圧に対して、交流配線部3iにおける交流電圧の遅れ位相が増大する。これを受けて、制御装置17iは、当該遅れ位相を相殺すべく、有効電力目標値Pac_refを低下させる。この結果、電力変換装置4iが出力する有効電力Pacが減少する。

0085

ここで、共通の直流配線部6に接続された複数の電力変換装置4iの交流配線部3iにおける電圧変化に伴い、各電力変換装置4iが電力変換を行った結果、直流配線部6の直流電圧Vdcが変化した場合、直流電圧指令値Vdc_cmdとの偏差に基づいて、有効電力目標値Pac_refが補正される。例えば、制御装置17iは、直流配線部6の直流電圧Vdcが低下した場合、交流配線部3iにおける周波数facが同じでも有効電力Pacが減少するように制御する。反対に、制御装置17iは、直流配線部6の直流電圧Vdcが上昇した場合、交流配線部3iにおける周波数facが同じでも有効電力Pacが増大するように制御する。

0086

上記構成によれば、発電機2iが第1の垂下特性を有するとともに、電力変換装置4iにおける交直変換のための制御要素である有効電力Pacの目標値Pac_refが、交流配線部3iにおける有効電力Pacに対する周波数facの関係に第2の垂下特性を有するように決定される。これにより、負荷変化に伴う有効電力Pacの変化に応じた電力の授受を複数の配線部3i間で行うことができる。さらに、有効電力目標値Pac_refは、直流配線部6における直流電圧Vdcに応じて補正される。これにより、直流電圧Vdcが過度に低下または上昇することを抑制し、共通の直流配線部6で接続された複数の電力変換装置4i間の電力の授受をバランスさせることができる。

0087

このようにして、複数の電力変換装置4iがそれぞれ直流配線部6における直流電圧Vdcを勘案しつつ同じ制御態様を実行することにより、それぞれの交流配線部3iにおいて出力される電力が制御される。したがって、電流制御型の制御態様においても、発電機2iまたは配線部3iの異常の有無にかかわらず同じ制御態様を実行しつつ、一の発電機2iに異常が生じた場合において、各配線部3iへの電力供給を継続することができ、配線部3iの一部に異常が生じた場合において、他の配線部3iに影響を与えないようにすることができる。

0088

この結果、本実施の形態における電源システム1において、故障等、何らかの理由で一の発電機2iが停止した場合でも、対応する交流配線部3iに接続される負荷5への給電が瞬断されることを防止することができる。また、一の交流配線部3i内に短絡または地絡等の配線異常が生じても、その影響が他の交流配線部3iに拡がることを防止することができる。

0089

また、有効電力Pacと周波数facとの間の関係だけでなく無効電力Qacと交流電圧Vacとの間の関係についても垂下特性を用いた制御が行われる。交流配線部3iに接続される負荷5の消費電力が増大すると、発電機2iの無効電力分担が増加し、発電機2iが有する第1の垂下特性により発電機2iが出力する交流電圧Vacが低下する。このため、交流配線部3iにおける交流電圧と電力変換装置4iの交流部4iaに出力される交流電圧との間の電圧差が増大する。これを受けて、制御装置17iは、当該電圧差を相殺すべく、無効電力目標値Qac_refを上昇させる。この結果、電力変換装置4iが出力する無効電力Qacが増大する。

0090

反対に、交流配線部3iに接続される負荷5の消費電力が減少すると、発電機2iの無効電力分担が低下し、発電機2iが有する第1の垂下特性により発電機2iが出力する交流電圧Vacが上昇する。このため、交流配線部3iにおける交流電圧と電力変換装置4iの交流部4iaに出力される交流電圧との間の電圧差が増大する。これを受けて、制御装置17iは、当該電圧差を相殺すべく、無効電力目標値Qac_refを低下させる。この結果、電力変換装置4iが出力する無効電力Qacが減少する。したがって、無効電力Qacの変化に伴う交流電圧Vacの変化に応じた電力の授受を複数の配線部3i間で行うことができる。

0091

なお、電流制御型の制御態様においても、第2の垂下特性および第3の垂下特性は、第1の垂下特性と同じ特性を有するように設定されてもよいし、異なる特性として設定されてもよい。

0092

また、本実施の形態においては、無効電力目標値Qac_refについても第3の垂下特性を用いて演算したが、無効電力目標値Qac_refについてはこのような演算を行わず固定の目標値としてもよい。

0093

また、周波数指令値fac_cmd、有効電力指令値Pac_cmd、直流電圧指令値Vdc_cmd、交流電圧指令値Vac_cmdおよび無効電力指令値Qac_cmdは、制御装置17i内部で設定された値でもよいし、外部から入力されてもよい。また、各指令値は、固定値でもよいし、後述するように各交流配線部3iの周波数facに基づいて変化する値としてもよい。

0094

[仮想発電機モデル制御型]
図5は、図1に示す電源システムにおける電力変換装置の制御装置が仮想発電機モデル制御の制御装置である場合の制御系の概略構成を示すブロック図である。図5においては一の電力変換装置4iに対する一の制御装置17iについてのみ示す。他の電力変換装置4iに対する制御装置17iにおいても同様の制御が行われる。仮想発電機モデル制御の制御装置17iは、制御要素として対応する交流配線部3iの交流電流Id,Iqを用い、電力変換装置4iを制御する。

0095

より具体的には、仮想発電機モデル制御型の制御装置17iは、所定の有効電力指令値Pac_cmdに対する有効電力Pacの偏差に基づく値に第2の垂下特性を示す係数Dr_pを掛ける演算を含む周波数目標値演算処理によって周波数目標値fac_refを算出する周波数目標値演算部80を備えている。制御装置17iは、周波数目標値fac_refに基づいて算出される電流目標値Id_ref,Iq_refを制御要素の目標値として対応する電力変換装置4iを制御する。この際、制御装置17iは、交流配線部3iに仮想の発電機が接続されたと仮定して電力変換装置4iの交流部4iaに出力する電力を制御する仮想発電機モデル制御を行う。

0096

仮想発電機モデル制御型の電源システム1においても、電圧制御型の場合と同様に、交流電圧計測器8、交流電流計測器9、および直流電圧計測器10を備えている。各計測器8,9,10で検出された各値は、制御装置17iに入力される。制御装置17iは、電圧・周波数・位相演算部71、電流演算部72、有効・無効電力演算部73、周波数目標値演算部80、有効電力補正値演算部81、内部相差角演算部82、内部起電圧目標値演算部83、電流目標値演算部84および駆動信号生成部85の各制御ブロックを備えている。電圧・周波数・位相演算部71、電流演算部72および有効・無効電力演算部73の構成は、電圧制御型と同様であるため説明を省略する。

0097

[周波数目標値演算部]
図6は、図5に示す制御装置における周波数目標値演算部の構成を示すブロック図である。図6に示すように、周波数目標値演算部80は、所定の有効電力指令値Pac_cmdに対する有効電力Pacの偏差に後述する有効電力補正値Pac_cmpを加えた値に第2の垂下特性に応じたドループ係数Dr_pを掛けた値を算出する。本実施の形態において、周波数目標値演算部80は、算出された値を一次遅れ演算部86に入力し、一次遅れ演算を行う。これにより、実際の発電機において生じる慣性モーメントが仮想発電機モデルにおいて模擬される。なお、一次遅れ演算以外の演算処理により発電機において生じる慣性モーメントを模擬してもよい。

0098

さらに、一次遅れ演算部86から出力された値は、上下限リミッタ87に入力される。上下限リミッタ87は、一次遅れ演算部86から出力された値を所定の上限値と所定の下限値との間に制限して周波数参照値Δfac_refを出力する。なお、周波数目標値演算部80に、一次遅れ演算部86および/または上下限リミッタ87を設けずに、周波数参照値Δfac_refが算出されてもよい。

0099

周波数目標値演算部80は、上下限リミッタ87から出力された周波数参照値Δfac_refに所定の周波数指令値fac_cmdを加算して周波数目標値fac_refを算出する。

0100

[有効電力補正値演算部]
図7は、図5に示す制御装置における有効電力補正値演算部の構成を示すブロック図である。図7に示すように、有効電力補正値演算部81は、所定の直流電圧指令値Vdc_cmdに対する直流電圧Vdcの偏差に所定の補正係数(補正ゲイン)(−Kdc)を掛けて、有効電力補正値Pac_cmpを算出する。

0101

直流電圧Vdcが直流電圧指令値Vdc_cmdより小さい場合、算出される有効電力補正値Pac_cmpは負の値となる。このため、周波数目標値演算部80において、電力変換装置4iから出力される交流電圧Vacが減少する方向に補正される。逆に、直流電圧Vdcが直流電圧指令値Vdc_cmdより大きい場合、算出される有効電力補正値Pac_cmpは正の値となる。このため、周波数目標値演算部80において、電力変換装置4iから出力される交流電圧Vacが増加する方向に補正される。

0102

[内部相差角演算部]
図8は、図5に示す制御装置における内部相差角演算部の構成を示すブロック図である。図8に示すように、内部相差角演算部82は、周波数目標値演算部80で算出された周波数目標値fac_refに対する交流配線部3iの周波数facの偏差を算出し、それを積分器88に入力する。積分器88では、当該偏差に単位変換用の係数Kwを掛けた仮想発電機の回転速度を積分することにより、仮想発電機における内部相差角θを算出する。

0103

[内部起電圧目標値演算部]
図9は、図5に示す制御装置における内部起電圧目標値演算部の構成を示すブロック図である。図9に示すように、内部起電圧目標値演算部83は、有効・無効電力演算部73で算出された無効電力Qacに基づいて交流電圧目標値Vac_refを算出する。ここで、内部起電圧目標値演算部83は、無効電力Qacに対する交流電圧Vacの関係が所定の第3の垂下特性を有するように交流電圧目標値Vac_refを算出する。

0104

具体的には、内部起電圧目標値演算部83は、所定の無効電力指令値Qac_cmdに対する無効電力Qacの偏差に第3の垂下特性に応じたドループ係数Dr_qを掛けた値に基づいて交流電圧参照値ΔVac_refを算出する。本実施の形態において、内部起電圧目標値演算部83は、周波数目標値演算部80と同様に、一次遅れ演算部89および上下限リミッタ90を備えている。なお、内部起電圧目標値演算部83に、一次遅れ演算部89および/または上下限リミッタ90を設けずに、交流電圧参照値ΔVac_refが算出されてもよい。

0105

内部起電圧目標値演算部83は、所定の交流電圧指令値Vac_cmdに、算出された交流電圧参照値ΔVac_refを加えて交流電圧目標値Vac_refを算出する。交流電圧目標値Vac_refは、第1の関数演算部91に入力される。第1の関数演算部91は、次式に示す演算を行い、内部起電圧目標値Ef_refを出力する。

0106

0107

上記式で求められる内部起電圧目標値Efは、交流電圧目標値Vac_refから、直流配線部6の内部インピーダンスと、直流配線部6と交流配線部3iとの間の外部インピーダンスとの和である総合インピーダンス(r,x)による電圧降下を差し引いて求めたものということができる。内部インピーダンスは、例えばテブナンの定理により求めることができる。実際の電動機発電機における内部インピーダンスは一般に非常に小さな値(ほぼゼロ)であるといわれている。外部インピーダンスは電力変換装置4iと交流配線部3iとの間に設けられたリアクトル配線抵抗とからなる。交流配線部3iに流れる交流電流Iacは計測されるので、総合インピーダンスが定まれば、交流配線部3iの交流電圧Vacから内部起電圧目標値Efは逆算により求めることができる。

0108

[電流目標値演算部]
図10は、図5に示す制御装置における電流目標値演算部の構成を示すブロック図である。図10に示すように、電流目標値演算部84は、内部相差角演算部82で算出された内部相差角θと、内部起電圧目標値演算部83で算出された内部起電圧目標値Ef_refと、電圧・周波数・位相演算部71で算出された交流電圧Vd,Vqとを第2の関数演算部92に入力する。第2の関数演算部92は、次式に示す演算を行い、交流電流目標値Id_ref,Iq_refを出力する。

0109

0110

上記式で求められる交流電流目標値Id_ref,Iq_refは、交流配線部3iの交流電圧Vacである電源と内部起電圧目標値Ef_refである電源との間に総合インピーダンスが接続されたと仮定した場合に、総合インピーダンスに流れる電流値である。

0111

ところで、実際の直流配線部6における内部インピーダンスra,xsはほぼゼロに等しく、総合インピーダンスr=ra+rl、x=xs+xlはほぼ直流配線部6と交流配線部3iとの間の外部インピーダンスrl,xlに等しい。しかしながら、前述のとおり、本実施の形態においては、内部起電圧目標値Ef_ref、電流目標値Id_ref、Iq_refを算出するに際して、直流配線部6の内部インピーダンスと、直流配線部6と交流配線部3iとの間の外部インピーダンスとの和である総合インピーダンスを用いることとした。

0112

特に、直流配線部6の内部インピーダンスを仮想的に大きくして、総合インピーダンスを求め、この仮想インピーダンスを用いて内部起電圧目標値Ef_ref、交流電流目標値Id_ref、Iq_refを算出すれば、安定した運転が可能となる。なぜならば、複数の電力変換装置4iを並列運転した場合、電力変換装置4i間のわずかな電圧差で大きく出力バランス崩れてしまうのは、電力変換装置4iのインピーダンスが低いためであり、直流配線部6の内部インピーダンスを仮想的に大きくすることにより、電力変換装置4iのインピーダンスが高くなり、電圧差による出力バランスが不安定になるのを防止できるからである。例えば、内部インピーダンスが現実的にはほぼゼロのところ、総合インピーダンスにおいて抵抗分を0.1pu、リアクタンス分を0.4puとすればかなりの安定化を図ることができる。

0113

つまり、電流目標値演算部84は、仮想的な電力変換装置4iが内部起電圧目標値演算部83と内部相差角演算部82とにより求められた内部起電圧を発生させた場合に、交流配線部3iに出力される電流値を推定している。これにより、電力変換装置4iの見掛け上のインピーダンスが上昇し、複数の電力変換装置4iの並列運転時においてシステムが不安定になることを抑制している。

0114

[駆動信号生成部]
仮想発電機モデル制御型の駆動信号生成部85には、交流配線部3iの交流電流Id,Iq、位相φacおよび交流電流目標値Id_ref,Iq_refが入力される。当該駆動信号生成部85は、交流配線部3iの交流電流Id,Iqが交流電流目標値Id_ref,Iq_refになるような駆動信号Soを生成し、電力変換装置4iに出力する。具体的には、駆動信号生成部79は、電流制御型の駆動信号生成部79と同様に、交流電流目標値Id_ref,Iq_refから交流電圧目標値Vd_ref,Vq_refを算出し、これらの値から交流配線部3iの各瞬時電圧Va,Vb,Vcの目標値Va_ref,Vb_ref,Vc_refを算出する。

0115

仮想発電機モデル制御型の制御態様においても、電圧制御型の制御態様と同様の制御結果がもたらされる。すなわち、第2の垂下特性に基づいて交流配線部3iに接続される負荷5の消費電力の変化に応じて交流配線部3iにおける周波数facが変化するような周波数目標値fac_refが生成される。そして、直流配線部6の直流電圧Vdcの変化に応じて当該周波数目標値fac_refが補正される。

0116

したがって、仮想発電機モデル制御型の制御態様においても、発電機2iまたは配線部3iの異常の有無にかかわらず同じ制御態様を実行しつつ、一の発電機2iに異常が生じた場合において、各配線部3iへの電力供給を継続することができ、配線部3iの一部に異常が生じた場合において、他の配線部3iに影響を与えないようにすることができる。

0117

また、交流配線部3iに電力変換装置4iが出力する有効電力Pacと周波数facとの間の関係だけでなく交流配線部3iに電力変換装置4iが出力する無効電力Qacと交流電圧Vacとの間の関係についても垂下特性を用いた制御が行われる。したがって、無効電力Qacの変化に伴う交流電圧Vacの変化に応じた電力の授受を複数の配線部3i間で行うことができる。

0118

なお、仮想発電機モデル制御型の制御態様においても、第2の垂下特性および第3の垂下特性は、第1の垂下特性と同じ特性を有するように設定されてもよいし、異なる特性として設定されてもよい。

0119

また、本実施の形態においては、無効電力目標値Qac_refについても第3の垂下特性を用いて演算したが、無効電力目標値Qac_refについてはこのような演算を行わず固定の目標値としてもよい。

0120

また、周波数指令値fac_cmd、有効電力指令値Pac_cmd、直流電圧指令値Vdc_cmd、交流電圧指令値Vac_cmdおよび無効電力指令値Qac_cmdは、制御装置17i内部で設定された値でもよいし、外部から入力されてもよい。また、各指令値は、固定値でもよいし、後述するように各交流配線部3iの周波数facに基づいて変化する値としてもよい。

0121

[シミュレーション結果]
上記実施の形態の電源システム1におけるシミュレーション結果を以下に示す。本シミュレーションでは、図1に示すように、2つの交流配線部31,32のそれぞれに1つの発電機21,22および電力変換装置41,42が接続されている電源システム1を用いている。発電機21,22における有効・無効電力に対する周波数・電圧の垂下特性(第1の垂下特性)を2%とし、電力変換装置41,42における有効・無効電力に対する周波数・電圧の垂下特性(第1および第2の垂下特性)を1%(Dr_p=Dr_q=0.01)、直流電圧Vdcによる補正のための補正係数(−Kdc)を−0.3とする。各電力変換装置41,42の容量はそれぞれ45kWであり、直流配線部6の定格電圧を540Vとする。

0122

図11から図16は、本実施の形態におけるシミュレーション結果を示すグラフである。各図において、P11は、発電機21が出力する発電機有効電力の変化を示し、P12は、電力変換装置41が交流配線部31に出力する電力変換装置有効電力の変化を示し、P21は、発電機22が出力する発電機有効電力の変化を示し、P22は、電力変換装置42が交流配線部32に出力する電力変換装置有効電力の変化を示す。また、f1は、交流配線部31の周波数の変化を示し、f2は、交流配線部32の周波数の変化を示し、Vdcは、直流配線部6の直流電圧の変化を示す。

0123

図11は、2つの交流配線部に均等な負荷を接続した場合の有効電力変化を示すグラフであり、図12は、2つの交流配線部に均等な負荷を接続した場合の周波数および直流電圧の変化を示すグラフである。シミュレーション開始後3秒において、各交流配線部31,32にそれぞれ45kWの負荷を接続した場合のシミュレーション結果を示している。図11および図12により、負荷接続による各値の応答一定値収束して定常状態となることが示された。この際、2つの交流配線部31,32間での電力融通は発生していない。

0124

図13は、一方の交流配線部31に60kWの負荷を接続し、他方の交流配線部32に30kWの負荷を接続した場合の有効電力変化を示すグラフであり、図14は、一方の交流配線部31に60kWの負荷を接続し、他方の交流配線部32に30kWの負荷を接続した場合の周波数および直流電圧の変化を示すグラフである。図13および図14のシミュレーションにおいてもシミュレーション開始後3秒において負荷を接続する。図13および図14に示すように、2つの交流配線部31,32に接続される負荷に偏りが生じた場合でも、負荷接続による各値の応答が一定値に収束して定常状態となることが示された。この際、P12が増加し、P22が減少していることから、電力変換装置42から電力変換装置41へ電力の融通が生じていることが分かる。

0125

図15は、図13の定常状態において、一方の発電機21を交流配線部31から切り離した場合の有効電力変化を示すグラフであり、図16は、図14の定常状態において、一方の発電機21を交流配線部31から切り離した場合の周波数および直流電圧の変化を示すグラフである。図15および図16において、シミュレーション開始後10秒において発電機21が交流配線部31から切り離されている。このとき、P11が0になる一方で、その直後からP21が増加し、それに伴ってP12が増加し、P22が減少している。

0126

このことから、発電機21が交流配線部31から切り離された直後に、電力変換装置42および電力変換装置41を通じて発電機22からの電力が交流配線部31の負荷に供給されていることが分かる。したがって、本実施の形態の電源システム1において、一方の発電機21が故障等の異常により停止しても、交流配線部31への電力供給を継続することができるとともに、複数の交流配線部31,32間の電力の授受を適切に行うことができることが示された。また、発電機21が切り離された後、各値の応答が一定値に収束して定常状態となることが示された。したがって、本実施の形態における電源システム1は、安定であることが示された。

0127

[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図17は、本発明の実施の形態2に係る電源システムの概略構成を示すブロック図である。実施の形態2において実施の形態1と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。実施の形態2における電源システム1Bが実施の形態1の電源システム1と異なる点は、制御装置が、各発電機2iの出力が互いに均等になるように、複数の交流配線部3iの周波数fiacを平均化した値に基づいて、制御要素の目標値の基準となる制御要素の指令値を補正する指令値補正部101を備えていることである。

0128

本実施の形態においては、図1の例と同様に、複数の電力変換装置4iに対応して同じ数の制御装置17iが個別に接続されている。そして、電源システム1Bは、これらの制御装置17iのそれぞれに指令値補正値を送信する別の1つの制御装置(上位制御装置)100を備えている。

0129

図18は、図17に示す指令値補正部の一の構成例を示すブロック図である。図18の例においては、制御装置17iが電圧制御型(図2)または仮想発電機モデル制御型(図5)である場合の指令値補正部101の構成例を示している。

0130

指令値補正部101には、複数の交流配線部3iの周波数fac(図18においてはfiac(i=1,2,…,n)と表記する)が入力される。入力された複数の周波数fiacは、平均値演算部102に入力される。平均値演算部102は、複数の周波数fiacの平均値を出力する。例えば、平均値演算部102は、複数の周波数fiacを足し合わせた上で交流配線部3iの数(足し合わした数)nで割った平均値fac_aveを算出する。

0131

指令値補正部101は、算出された平均値fac_aveに対する複数の周波数fiacのそれぞれの偏差を算出し、当該算出された偏差のそれぞれを積分器103に入力する。積分器103は、各偏差を積分し、所定の補正係数kを掛けた値を各交流配線部3iに対応する各電力変換装置4iの周波数指令値fac_cmd(図18においてはfiac_cmdと表記する)として出力する。この周波数指令値fiac_cmdが電圧制御型の制御装置17iの周波数目標値演算部74または仮想発電機モデル制御型の制御装置17iの周波数目標値演算部80に入力される。

0132

上記シミュレーションで示したように、各交流配線部3iに互いに異なる負荷5が接続された場合、電力変換装置4iにより交流配線部3i間の電力の授受が行われる結果、各発電機2iの出力(発電機有効電力)は互いに均等にならずに定常状態となる(図13のP11,P21参照)。

0133

そこで、本実施の形態において、各制御装置17iは、定常状態における各交流配線部3iの周波数facが互いに等しくなるように対応する電力変換装置4iを制御する。発電機2iは、周波数に対する発電機有効電力の関係において第1の垂下特性を有し、制御装置17iは、周波数facに対して電力変換装置4iが交流配線部3iに出力する電力変換装置有効電力Pacの関係において第2の垂下特性を有するように電力変換装置4iを制御する。すなわち、交流配線部3iにおける周波数facを制御することにより、発電機2iから出力する発電機有効電力を制御することができる。したがって、本実施の形態によれば、複数の配線部3i間における電力の授受を適切に行いつつ、複数の発電機2iの出力をバランスさせることができる。

0134

なお、本実施の形態において、指令値補正部101は、制御要素の目標値を生成する制御装置17iとは別の上位制御装置100の機能ブロックとして構成されている例について説明したが、これに限られない。例えば、指令値補正部101は、各制御装置17i内に設けられてもよい。この場合、例えば平均値演算部102を、複数の制御装置17iのうちの1つの制御装置に設け、その他の制御装置17iは、当該1つの制御装置から入力される周波数平均値に基づいて周波数指令値fiac_cmdを算出するように構成されてもよい。

0135

また、複数の制御装置17iのうちの1つの制御装置にのみ指令値補正部101が設けられ、その他の制御装置17iには、当該1つの制御装置で算出された対応する周波数指令値fiac_cmdが入力されるように構成されてもよい。

0136

また、本実施の形態において、図17に示すように、各交流配線部3iの周波数fiacは、対応する制御装置17iから取得するように構成される。これに代えて、上位制御装置100は、各交流配線部3iの周波数fiacを交流電圧計測器8から取得した交流電圧に基づいて取得する(上位制御装置100が電圧・周波数・位相演算部71を備える)構成としてもよい。

0137

また、本実施の形態における指令値補正部101は、電流制御型の制御装置17iに対しても適用可能である。積分器103の補正係数kの値を適切に設定することにより、各積分器103の出力を有効電力指令値Piac_cmdとすることができる。

0138

[適用例1]
以下、上記実施の形態における電源システム1,1Bの適用例についていくつか例示する。なお、以下の適用例では、実施の形態1における電源システム1の適用例について例示するが、実施の形態2における電源システム1Bについても同様に適用可能である。

0139

まず、電源システム1を航空機の電源システムとして適用した場合について説明する。図1に示すような、2つの発電機21,22として、航空機の発電機として用いられる変速機内蔵型発電機(IDG: Integrated Drive Generator)を適用して電源システムを構成することができる。IDGは、航空機の主エンジンからの動力が入力される定速駆動制御装置(CSD: Constant Speed-Drive unit、図示せず)を有しており、主エンジンの回転数に拘わらず、発電機の回転数(周波数)を一定の目標値に保持することができる。

0140

このようなIDGを、上記実施の形態における電源システム1の発電機2iとして用いて電源システムを構築することにより、各発電機(IDG)2iに接続された交流配線部3i間で電力の授受を適切に行うことができる。また、発電機2iまたは交流配線部3iの異常の有無にかかわらず各制御装置17iにおいて同じ制御態様を実行しつつ、一の発電機2iに異常が生じた場合において、各配線部3iへの電力供給を継続することができ、配線部3iの一部に異常が生じた場合において、他の配線部3iに影響を与えないようにすることができる。

0141

なお、電源システム1を航空機等の実際のシステムに適用する際には、直流配線部6と各電力変換装置4iの直流部4idとの間に遮断器(後述する図19の遮断器111〜114参照)を設け、複数の発電機2iの接続または遮断を適宜変更可能としてもよい。

0142

[適用例2]
図19は、実施の形態1における電源システムの航空機への適用例の1つを説明するブロック図である。図19における電源システム1Cは、それぞれが個別の交流配線部31,32,33,34に接続される4つの発電機21,22,23,24を備えている。各発電機21〜24として適用例1と同様のIDGが用いられている。また、交流配線部31が接続される電力変換装置41の直流部41dと交流配線部32が接続される電力変換装置42の直流部42dとの間に直流配線部61が接続されるとともに、交流配線部33が接続される電力変換装置43の直流部43dと交流配線部34が接続される電力変換装置44の直流部44dとの間に直流配線部62が接続される。これら2つの直流配線部61,62同士がバイパス回路63を介して接続されている。バイパス回路63には、遮断器115が設けられている。また、直流配線部61,62と各電力変換装置4iの直流部4idとの間には、遮断器11i(111,112,113,114)が設けられている。

0143

本適用例においても適用例1と同様に、最大4つの発電機2iで4つの交流配線部3iの負荷5を分担することができる。また、これにより、負荷急変時の電圧および周波数変動が抑制される。また、何れかの発電機2iが停止しても他の発電機2iによりすべての負荷5に電力供給を継続することが可能である。さらに、バイパス回路63および/または各遮断器11iの接続または遮断を切り替えることにより、一の交流配線部3iに接続される負荷5を一の発電機2iで負担するか複数の発電機2iで負担するか等の電源システム1Cの構成変更を容易に行うことができる。

0144

[適用例3]
図20は、実施の形態1における電源システムの航空機への適用例の1つを説明するブロック図である。図20における電源システム1Dは、適用例2における発電機22,24においてIDGの代わりに補助動力装置(APU)22A,24Aが接続されている。発電機21,23はIDGとして構成される。補助動力装置22A,24Aには、上記実施の形態と同様の電力変換装置42A,44Aが接続されているが、補助動力装置22A,24Aと電力変換装置42A,44Aとの間には交流BUSおよび負荷5は接続されていない。

0145

本適用例において、IDG21,23は、それぞれ対応する交流配線部31,33に接続される負荷5に対して電力供給を行う。IDG21,23の停止中、交流配線部31,33には、APU22A,24Aが対応する交流配線部31,33に接続される負荷5に対して継続的に電力供給を行う。また、バイパス回路63の遮断器115を閉成することにより、IDG21および/またはAPU22Aから交流配線部33に接続される負荷5への電力供給を行うこともできるし、IDG23および/またはAPU24Aから交流配線部31に接続される負荷5への電力供給を行うこともできる。

0146

従来のスプリット方式では主エンジン始動時、APU22A,24Aを用いて負荷5への電力供給を行った状態で、主エンジンを始動することによりIDG21,23を起動し、負荷5への電力供給源をAPU22A,24AからIDG21,23に切り替える制御を行う場合がある。主エンジンを停止する際には逆の制御が行われ得る。このような発電機の切替を行う際、従来であれば無瞬断切替等の操作が別途必要となっていた。しかし、上記実施の形態における電源システムを適用することにより、主エンジン始動時および停止時の操作が容易になる。

0147

[適用例4]
図21は、実施の形態1における電源システムのハイブリッド推進船への適用例の1つを説明するブロック図である。本適用例における電源システム1Eは、図1に示す電源システム1における発電機21をディーゼル発電機とし、発電機22をガスタービン発電設備としたものである。さらに、電源システム1Eにおいて、発電機22が接続される交流配線部32と電力変換装置42との間には、変圧器120が設けられている。ハイブリッド推進船は、発電機22と比較して小容量のディーゼル発電機21および交流配線部31を主に船内電源系統として使用し、発電機21と比較して大容量のガスタービン発電設備22および交流配線部32を主に推進補助のために使用する。このような異なる種類の発電機21,22を有する電源システム1Eにおいても運用状態に応じて2つの交流配線部31,32間で電力の授受を行うことができる。これにより、ハイブリッド推進船において、一方の発電機21,22を停止させる等、運用方法の自由度を高くすることができる。

0148

なお、本適用例のように、異なる種類の発電機21,22において上記実施の形態の電源システムを適用する場合であって、発電機21,22の容量差が大きい場合には、上述したような変圧器120が設けられる。例えば、発電機21の定格電圧が450Vで、発電機22の定格電圧が6.6kVである場合、変圧器120は、発電機22が出力し、交流配線部32の電圧を発電機21の定格電圧とほぼ同じ電圧に降圧するように構成される。これにより、電力変換装置41,42が各交流配線部31,32に出力する交流電圧Vacの差が大きくならないようにすることができる。

0149

[その他の変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。

0150

例えば、上記実施の形態においては、電源システムが適用される交流配線部3iが三相系統である場合について説明したが、これに限られない。例えば、交流配線部3iが単相二線系統または単相三線系統の場合であっても、各種演算の方法が系統の方式に応じて異なることを除いて同様の電源システムを構築可能である。

0151

また、上記実施の形態においては、1つの交流配線部3iに1つの発電機2iが接続された例について説明したが、1つの交流配線部3iに2以上の発電機2iが接続されてもよい。

0152

また、上記適用例においては、主に航空機またはハイブリッド推進船に適用できる旨説明したが、上記実施の形態の電源システムは、複数の発電機を備えた電源システムであれば、好適に適用可能である。例えば、上記実施の形態の電源システムを、通常船舶等の移動体電源システム、自家発電システム等に適用可能である。

0153

本発明は、それぞれが少なくとも1つの発電機を含む複数の配線部が互いに接続された電源システムにおいて、一の発電機に異常が生じた場合において、各配線部への電力供給を継続し、配線部の一部に異常が生じた場合において、他の配線部に影響を与えないようにするために有用である。

0154

1,1B電源システム
2i(i=1,2,…)発電機
3i交流配線部
4i電力変換装置
6,61,62直流配線部
17i制御装置
74,80周波数目標値演算部
75交流電圧目標値演算部
77有効電力目標値演算部
78無効電力目標値演算部
101指令値補正部

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