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技術 電力需給制御システム、電力需給制御用コンピュータプログラムおよび電力需給制御方法

出願人 株式会社東芝東芝エネルギーシステムズ株式会社
発明者 廣政勝利星野友祐
出願日 2016年12月27日 (4年0ヶ月経過) 出願番号 2016-252482
公開日 2018年7月5日 (2年5ヶ月経過) 公開番号 2018-107919
状態 未登録
技術分野 交流の給配電
主要キーワード 微小周期 予測変化量 増加現象 発電端 周波数配分 フーリエ展開 電力変動量 定周波数制御
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

経済性の優れた電力需給制御を行うことができる電力需給制御システム、電力需給制御用コンピュータプログラムおよび電力需給制御方法を提供する。

解決手段

電力系統9aに電力を供給する複数の発電設備1a〜1nと、自然エネルギー発電設備2a〜2nと、電力系統の周波数変化量連系潮流電力変化量および融通電力量を測定する検出装置3と、複数の発電設備1に発電目標値を指示する制御装置4、を有する。制御装置4は、検出装置3により検出された周波数変化量、連系潮流電力変化量および融通電力量に基づき地域要求電力AR値)を算出するAR算出部44と、AR算出部44により算出された地域要求電力(AR値)を周波数分解するAR平滑部45と、AR平滑部45により周波数分解された地域要求電力(AR値)に基づき、複数の発電設備1ごとの発電目標値を算出する目標値作成部43a〜43nと、を備える。

概要

背景

電力を安定供給するためには電力系統需給制御を行うことが必要とされる。この種の電力系統の需給制御システムとしては、負荷周波数制御および経済負荷配分制御を用いて需給制御を行う電力需給制御システムが知られている。

概要

経済性の優れた電力需給制御を行うことができる電力需給制御システム、電力需給制御用コンピュータプログラムおよび電力需給制御方法を提供する。電力系統9aに電力を供給する複数の発電設備1a〜1nと、自然エネルギー発電設備2a〜2nと、電力系統の周波数変化量連系潮流電力変化量および融通電力量を測定する検出装置3と、複数の発電設備1に発電目標値を指示する制御装置4、を有する。制御装置4は、検出装置3により検出された周波数変化量、連系潮流電力変化量および融通電力量に基づき地域要求電力AR値)を算出するAR算出部44と、AR算出部44により算出された地域要求電力(AR値)を周波数分解するAR平滑部45と、AR平滑部45により周波数分解された地域要求電力(AR値)に基づき、複数の発電設備1ごとの発電目標値を算出する目標値作成部43a〜43nと、を備える。

目的

本実施形態は、発電機の出力が発電機の指令に対してハンチング現象を起こしにくく、電力系統の電圧および周波数の安定性を向上させることができ、経済性の優れた電力需給制御を行うことができる電力需給制御システム、電力需給制御用コンピュータプログラムおよび電力需給制御方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

電力系統電力を供給する複数の発電設備と、前記電力系統に電力を供給する自然エネルギー発電設備と、前記電力系統の周波数変化量連系潮流電力変化量および融通電力量を測定する検出装置と、前記複数の発電設備に発電目標値を指示する制御装置と、を有し、前記制御装置は、前記検出装置により検出された前記周波数変化量、前記連系潮流電力変化量および前記融通電力量に基づき地域要求電力AR値)を算出するAR算出部と、前記AR算出部により算出された前記地域要求電力(AR値)を周波数分解するAR平滑部と、前記AR平滑部により周波数分解された地域要求電力(AR値)に基づき、前記複数の発電設備ごとの前記発電目標値を算出する目標値作成部と、を備え、前記地域要求電力(AR値)は、前記検出装置により検出された融通電力量に基づいた融通電力量の予測変化量を含め算出される、電力需給制御システム

請求項2

前記地域要求電力(AR値)は、融通電力量の予測変化量が、融通電力量の更新周期時間内に達成されるように段階的に算出される、請求項1記載の電力需給制御システム。

請求項3

前記制御装置は、需要予測値と前記自然エネルギー発電設備により発電される自然エネルギー予測値に基づき経済負荷配分(ELD)総需要を算出する総需要算出部を備え、前記目標値作成部は、前記周波数分解された地域要求電力(AR値)に加え前記総需要算出部により算出された経済負荷配分(ELD)総需要に基づき、前記複数の発電設備ごとの前記発電目標値を算出し、前記経済負荷配分(ELD)総需要は、需要実績と過去の需要予測の値および自然エネルギー需要実績と過去の自然エネルギー予測値との差分に基づき算出される、請求項1または2記載の電力需給制御システム。

請求項4

前記経済負荷配分(ELD)総需要は、前記検出装置により検出された融通電力量に基づいた融通電力量の予測変化量を含め算出される、請求項3記載の電力需給制御システム。

請求項5

電力系統に設置された検出装置により検出された周波数変化量、連系潮流電力変化量および融通電力量に基づき地域要求電力(AR値)を算出するAR算出モジュールと、前記AR算出モジュールにより算出された前記地域要求電力(AR値)を周波数分解するAR平滑モジュールと、前記AR平滑モジュールにより周波数分解された地域要求電力(AR値)に基づき、複数の発電設備ごとの発電目標値を算出する目標値作成モジュールと、を備え、前記地域要求電力(AR値)は、前記検出装置により検出された融通電力量に基づいた融通電力量の予測変化量を含め算出される、電力需給制御コンピュータプログラム

請求項6

需要予測値と自然エネルギー発電設備により発電される自然エネルギー予測値に基づき経済負荷配分(ELD)総需要を算出する総需要算出モジュールを備え、前記目標値作成モジュールは、前記周波数分解された地域要求電力(AR値)に加え前記総需要算出モジュールにより算出された経済負荷配分(ELD)総需要に基づき、前記複数の発電設備ごとの前記発電目標値を算出し、前記経済負荷配分(ELD)総需要は、需要実績と過去の需要予測の値および自然エネルギー需要実績と過去の自然エネルギー予測値との差分に基づき算出される、請求項5記載の電力需給制御用コンピュータプログラム。

請求項7

前記経済負荷配分(ELD)総需要は、前記検出装置により検出された融通電力量に基づいた融通電力量の予測変化量を含め算出される、請求項6記載の電力需給制御用コンピュータプログラム。

請求項8

電力系統に設置された検出装置により検出された周波数変化量、連系潮流電力変化量および融通電力量に基づき地域要求電力(AR値)を算出するAR算出手順と、前記AR算出モジュールにより算出された前記地域要求電力(AR値)を周波数分解するAR平滑手順と、前記AR平滑モジュールにより周波数分解された地域要求電力(AR値)に基づき、複数の発電設備ごとの発電目標値を算出する目標値作成手順と、を有し、前記地域要求電力(AR値)は、前記検出装置により検出された融通電力量に基づいた融通電力量の予測変化量を含め算出される、電力需給制御方法

請求項9

需要予測値と自然エネルギー発電設備により発電される自然エネルギー予測値に基づき経済負荷配分(ELD)総需要を算出する総需要算出手順を有し、前記目標値作成手順は、前記周波数分解された地域要求電力(AR値)に加え前記総需要算出手順により算出された経済負荷配分(ELD)総需要に基づき、前記複数の発電設備ごとの前記発電目標値を算出し、前記経済負荷配分(ELD)総需要は、需要実績と過去の需要予測の値および自然エネルギー需要実績と過去の自然エネルギー予測値との差分に基づき算出される、請求項8記載の電力需給制御方法。

請求項10

前記経済負荷配分(ELD)総需要は、前記検出装置により検出された融通電力量に基づいた融通電力量の予測変化量を含め算出される、請求項9記載の電力需給制御方法。

技術分野

背景技術

0002

電力を安定供給するためには電力系統の需給制御を行うことが必要とされる。この種の電力系統の需給制御システムとしては、負荷周波数制御および経済負荷配分制御を用いて需給制御を行う電力需給制御システムが知られている。

先行技術

0003

特開2001−238355公報

発明が解決しようとする課題

0004

従来から電力需給制御には、負荷周波数制御および経済負荷配分制御が用いられることが一般的であった。昨今の電力自由化により、新規電力事業者が電力事業参入し、きめ細かな電力料金の管理が必要とされるようになった。このため短い時間での電力需要量供給量を一致させる電力需給制御を行うことが要求されるようになった。

0005

しかし従来の負荷周波数制御では、発電設備が所望の発電量発電するまでに一定の応答時間を要するため、需要合致した供給電力となるまでに時間遅れが発生した。このような電力供給の時間遅れは、電力系統の電圧および周波数の不安定を招くだけでなく、発電機の出力が発電機の指令に対してハンチング現象を誘発する恐れもあった。

0006

本実施形態は、発電機の出力が発電機の指令に対してハンチング現象を起こしにくく、電力系統の電圧および周波数の安定性を向上させることができ、経済性の優れた電力需給制御を行うことができる電力需給制御システム、電力需給制御用コンピュータプログラムおよび電力需給制御方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本実施形態の電力需給制御システムは次のような構成を有することを特徴とする。
(1)電力系統に電力を供給する複数の発電設備。
(2)前記電力系統に電力を供給する自然エネルギー発電設備。
(3)前記電力系統の周波数変化量連系潮流電力変化量および融通電力量を測定する検出装置

0008

(4)以下を備えた、前記複数の発電設備に発電目標値を指示する制御装置
(4−1)前記検出装置により検出された前記周波数変化量、前記連系潮流電力変化量および前記融通電力量に基づき地域要求電力AR値)を算出するAR算出部。
(4−2)前記AR算出部により算出された前記地域要求電力(AR値)を周波数分解するAR平滑部。
(4−3)前記AR平滑部により周波数分解された地域要求電力(AR値)に基づき、前記複数の発電設備ごとの前記発電目標値を算出する目標値作成部。
(4−4)前記地域要求電力(AR値)は、前記検出装置により検出された融通電力量に基づいた融通電力量の予測変化量を含め算出される。

図面の簡単な説明

0009

第1実施形態にかかる電力需給制御システム示す図
第1実施形態にかかる電力需給制御システムの動作フローを示す図
第1実施形態にかかる電力需給制御システムのAR配分部の動作フローを示す図
30分間隔で需給制御が行われた場合のタイムチャート
5分間隔で需給制御が行われた場合のタイムチャート
第1実施形態による融通電力量の予測変化量を含め5分間隔で需給制御が行われた場合のタイムチャート
その他の実施形態による融通電力量の予測変化量を含め5分間隔で需給制御が行われた場合のタイムチャート
発電設備により発電された電力と、自然エネルギー発電設備により発電された電力の関係を示す図
過去に算出された需要予測値需要実績から需要予測値を算出する方法を説明するための図
過去に算出された自然エネルギー予測値、自然エネルギー需要実績から自然エネルギー予測値を算出する方法を説明するための図

実施例

0010

[第1実施形態]
[1−1.構成]
図1を参照して本実施形態の一例として、電力需給制御システムについて説明する。なお、本実施形態において、同一構成の装置や部材が複数ある場合にはそれらについて同一の番号を付して説明を行い、また、同一構成の個々の装置や部材についてそれぞれを説明する場合に、共通する番号にアルファベット添え字を付けることで区別する。

0011

(1)システムの全体構成
本電力需給制御システムは、電力系統9aに接続された複数の発電設備1、自然エネルギー発電設備2、検出装置3、制御装置4を有する。電力系統9aは、連系線9cを介し他の電力系統9b(以下、他系統9bと総称する)に接続される。また、各発電設備1は、検出用信号線7および制御用の信号線8にて制御装置4に接続される。

0012

本電力需給制御システムにおいて、以下のデータが、入力、出力、送受信または記憶される。また、以降、「地域要求電力」を「AR」、「経済負荷配分」を「ELD」と呼ぶ場合がある。「需要実績値」とは、実際に供給した電力ではなく、実際に要求された電力の値をいう。
a1.発電設備1ごとの発電電力値
b1.自然エネルギー発電設備2ごとの発電電力値
c1.周波数変化量:ΔF
c2.他系統9bとの連系線における潮流電力変化量:ΔPT
c3.電力系統9aの融通電力:P0
d1.発電目標値
f1.平滑前AR値
f2.平滑後AR値
f3.配分されたAR値
g1.当日需要実績値
g2.前日需要予測値
g3.当日自然エネルギー実績値(当日の自然エネルギーの出力値
g4.前日自然エネルギー予測値
g5.ELD値(経済負荷配分の計算結果

0013

(2)発電設備1
発電設備1は、発電機にて発電し電力系統9aに電力を供給する電力供給設備である。発電設備1aは、出力変化速度の速い、例えば水力機等の高速機により構成される。発電設備1bは、出力変化速度のやや遅い、例えば石油火力機等の中速機により構成される。発電設備1nは、出力変化速度の極めて遅い、例えば石炭火力機等の低速機により構成される。発電設備1は、信号線7を介し制御装置4に、a1のデータを送信する。発電設備1は、制御線8を介し制御装置4から発電電力を制御される。

0014

(3)自然エネルギー発電設備2
自然エネルギー発電設備2は、太陽光発電装置にて発電し電力系統9aに電力を供給する電力供給設備である。自然エネルギー発電設備2は、制御装置4にb1のデータを送信する。

0015

(4)検出装置3
検出装置3は、電力系統9aの電気量を検出する測定装置である。検出装置3は、電力系統9aに配置される。検出装置3は、電力系統9aに関するc1〜c3の項目を検出し制御装置4に報知する。

0016

(5)制御装置4
制御装置4は、パーソナルコンピュータ等により構成される。制御装置4は、電力の監視制御を行う制御室等に配置される。制御装置4は、発電設備1から送信される上記a1のデータ、自然エネルギー発電設備2から送信される上記b1のデータ、検出装置3から送信される電力系統9aに関する上記c1〜c3のデータが、入力される。制御装置4は、需給制御に関する演算を行い発電設備1に対し、d1のデータを送信する。

0017

制御装置4は、入力部41、出力部42、目標値作成部43、AR算出部44、AR平滑部45、AR配分部46、総需要算出部47、記憶部48、ELDスケジュール算出部49を有する。制御装置4の上記の入力部41、出力部42、は、ハードウェアで構成される。目標値作成部43、AR算出部44、AR平滑部45、AR配分部46、総需要算出部47、記憶部48、ELDスケジュール算出部49は、機能ブロックとしてソフトウェアモジュールで構成される。

0018

入力部41は、受信回路により構成される。入力部41は、入力側が信号線7を介し発電設備1に、出力側が目標値作成部43に接続される。入力部41は、発電設備1から送信されたa1のデータが入力される。入力部41は、発電設備1ごとのa1のデータを目標値作成部43に出力する。

0019

出力部42は、送信回路により構成される。出力部42は、入力側が目標値作成部43に、出力側が制御線8を介し発電設備1に接続される。出力部42は、目標値作成部43から送信されたd1のデータが入力され、発電設備1に出力する。

0020

目標値作成部43は、制御装置4内にソフトウェアモジュールにて構成された機能ブロックである。目標値作成部43は、発電設備1からa1のデータ、AR配分部46からf3のデータ、ELDスケジュール算出部49からg5のデータが入力される。

0021

目標値作成部43は、上記a1,f3,g5のデータに基づき、出力部42に対しd1のデータを出力する。

0022

AR算出部44は、制御装置4内にソフトウェアモジュールにて構成された機能ブロックである。AR算出部44は、自然エネルギー発電設備2からb1のデータ、検出装置3からc1〜c3のデータが入力される。

0023

AR算出部44は、上記b1,c1〜c3のデータに基づき、AR値を算出し、AR平滑部45に対しf1のデータを出力する。

0024

AR平滑部45は、制御装置4内にソフトウェアモジュールにて構成された機能ブロックである。AR平滑部45は、AR算出部44からf1のデータが入力される。AR平滑部45は、f1のデータに基づき、周波数分解を行いAR配分部46に対しf2のデータを出力する。

0025

AR配分部46は、制御装置4内にソフトウェアモジュールにて構成された機能ブロックである。AR配分部46は、AR平滑部45からf2のデータが入力される。AR平滑部45は、f2のデータに基づき、発電設備1ごとの発電配分を算出し、各目標値作成部43に対しf3のデータを出力する。

0026

総需要算出部47は、制御装置4内にソフトウェアモジュールにて構成された機能ブロックである。総需要算出部47は、各発電設備1からから送信されたa1のデータ、各自然エネルギー発電設備2から送信されたb1のデータが入力される。

0027

総需要算出部47は、上記a1およびb1のデータを累積加算により算出し日ごとの発電端総需要値および需要予測値を算出する。そしてg1〜g4のデータを作成し、逐次、記憶部48に対し出力する。

0028

記憶部48は、導体メモリハードディスクのような記憶媒体にて構成される。記憶部48は、上記のg1〜g4のデータを記憶する。上記の各データは、データ作成時刻とともに記憶される。

0029

ELDスケジュール算出部49は、制御装置4内にソフトウェアモジュールにて構成された機能ブロックである。ELDスケジュール算出部49は、記憶部48に記憶された上記のg1〜g4のデータに基づき経済負荷配分を行い、g5のデータを作成し各目標値作成部43に出力する。

0030

[1−2.作用]
最初に一般的な、電力需給制御と本実施形態の関係について説明する。

0031

電力系統の負荷は、季節や時刻に応じ変動している。電力系統の負荷変動は、以下の(イ)(ロ)(ハ)の3つに区分して考えることができる。
(イ)サイクリック分:数秒から数分周期までの微小周期の負荷変動をサイクリック分と呼ぶ。変動幅の小さい種々の振動周期を持った脈動成分や、不規則な変動成分が重畳したものと考えられる。
(ロ)フリンジ分:数分から10数分程度までの短周期の負荷変動をフリンジ分と呼ぶ。
(ハ)サステンド分:10数分以上の長周期の負荷変動をサステンド分と呼ぶ。

0032

微小周期の負荷変動であるサイクリック分のうち、ごく微小である周期の負荷変動は、系統負荷特性より調整される。サイクリック分のうち、前述の周期以上の負荷変動は、ガバナフリー運転されている発電所調速機により調整される。サイクリック分のうち、さらに前述の周期以上の負荷変動は、電力会社の中央給電指令所に設置された制御装置による制御により調整される。

0033

短周期の負荷変動であるフリンジ分の負荷変動は、サイクリック分に比べ変動量が大きいためガバナフリーだけでは調整することができない。フリンジ分の負荷変動は、負荷周波数制御(LFC:Load Frequency Control)により、周波数偏差電力変動量が検出され発電機の出力が制御されることにより調整される。

0034

長周期の負荷変動であるサステンド分の負荷変動は、負荷変動の変動量が大きく、1日の負荷曲線における負荷変動の一部と考えることができる。サステンド分の負荷変動は、負荷周波数制御では、発電設備の発電能力不足しており、所望の発電量に調整することができない。サステンド分の負荷変動は、発電所の経済運用である経済負荷配分制御(ELD:EconomicLoad Dispatch)により調整される。

0035

負荷周波数制御および経済負荷配分制御は、電力会社における中央給電指令所の重要機能である。負荷周波数制御(LFC)は、連系線潮流系統周波数を一定に維持することを目的とする。経済負荷配分制御(ELD)は、最経済となる電力運用を行うことを目的とする。以下、負荷周波数制御(LFC)と経済負荷配分制御(ELD)を合わせて需給制御と呼ぶ。

0036

負荷周波数制御(LFC)は、系統の周波数および他系統との連系線における潮流電力に応じた各発電設備の出力調整により行われる。負荷周波数制御(LFC)の出力調整は、全ての発電設備に対して行われるのではなく、比較的速い出力変動に対応することができる水力機のような高速機や石油火力機のような中速機に対して行われる。石炭火力機のような低速機や原子力ユニットまたは運用上出力変動を避けたい発電設備に対して、負荷周波数制御(LFC)の出力調整は、行われない。負荷周波数制御(LFC)は、中央給電指令所から出力調整が行われるものであり、出力が、所望の出力に変動するまでには数十秒程度の遅れが発生する。

0037

負荷周波数制御(LFC)は、以下の3方式に区分される。
(a)定周波数制御FFC):周波数変化量(ΔF)を検出して、ΔFを少なくするように発電設備の出力を調整し、系統の周波数のみを規定値に保つように制御する制御方式
(b)定連系電力制御(FTC):連系線における潮流電力の変化量(ΔPT)を検出して、ΔPTを少なくするように発電設備の出力を調整し、連系線における潮流電力のみを規定値に保つように制御する制御方式。
(c)周波数バイアス連係線電力制御(TBC):周波数変化量(ΔF)と連系線における潮流電力の変化量(ΔPT)とを検出し、地域要求電力(AR)を算出し、地域要求電力(AR)に応じて発電設備の出力を制御する制御方式。

0038

現在、周波数バイアス連係線電力制御(TBC)が、日本の殆どの電力会社にて採用されている。本実施形態は、周波数バイアス連係線電力制御(TBC)にかかる制御を行うものである。

0039

[制御装置4全体の動作概要
次に、本実施形態の電力需給制御システムの動作の概要を説明する。図2は、制御装置4に内蔵された電力需給制御用コンピュータプログラムのフロー図である。制御装置4は、下記の手順にて動作および演算を行う。

0040

(ステップS20:AR算出部44によるf1「平滑前AR値」の算出)
AR算出部44には、通信部(図中不示)を介し、以下の信号が入力される。
自然エネルギー発電設備2から送信された以下の信号
b1.自然エネルギー発電設備2ごとの発電電力値
検出装置3から送信された以下の信号
c1.周波数変化量:ΔF
c2.他系統9bとの連系線における潮流電力変化量:ΔPT
c3.電力系統9aの融通電力:P0

0041

上記b1,c1〜c3のパラメータに基づき、AR算出部44によりf1「平滑前AR値」が算出される。f1「平滑前AR値」は以下に示す演算式(1)により算出される。
平滑前AR値=−K・ΔF+ΔPT+(P0(n+1)−P0(n))・・・(1)
AR値:地域要求電力[MW]
K:系統定数[MW/Hz]
ΔF:周波数偏差[Hz]
ΔPT:連系線における潮流電力の変化量
P0(n):現時刻(n)における融通電力量P0の値[MW]
P0(n+1):次のP0更新時刻(n+1)における融通電力量P0の値[MW]
上記(1)式では、自系統に流入する電力の潮流方向を正の値としている。(P0(n+1)−P0(n))は融通電力量の予測変化量となる。

0042

(ステップS21:AR平滑部45によるf2「平滑後AR値」の算出)
ステップ20でAR算出部44により算出されたf1「平滑前AR値」に基づき、AR平滑部45により、f2「平滑後AR値」が算出される。f2「平滑後AR値」は、f1「平滑前AR値」が、フーリエ展開により周波数分解されることにより算出される。

0043

(ステップS22:AR配分部46によるf3「配分されたAR値」の算出)
ステップ21で、AR平滑部45により周波数分解されたf2「平滑後AR値」に基づき、AR配分部46により、f3「配分されたAR値」が算出される。f3「配分されたAR値」は、各発電設備1への配分量であり、発電設備1の出力応答速度または出力余裕度に応じ算出される。上記周波数配分の動作については後述する。

0044

(ステップS31:総需要算出部47による需要算出)
上記のステップ20〜22に並行して、総需要算出部47により、需要算出にかかる演算が行われる。総需要算出部47は、以下の信号が入力される。
各発電設備1からから送信された以下の信号
a1.発電設備1ごとの発電電力値
各自然エネルギー発電設備2から送信された以下の信号
b1.自然エネルギー発電設備2ごとの発電電力値

0045

上記a1およびb1のデータが累積加算され、総需要算出部47により日ごとに以下のデータが作成され、逐次記憶部48に記憶される。
g1.当日需要実績値
g2.前日需要予測値
g3.当日自然エネルギー実績値(当日の自然エネルギーの出力値)
g4.前日自然エネルギー予測値

0046

(ステップS32:ELDスケジュール算出部49によるELDスケジュール算出)
次にステップ31で記憶部48に記憶された上記g1〜g4およびステップ21でAR平滑部45により周波数分解されたf2「平滑後AR値」に基づき、ELDスケジュール算出部49により、各発電設備1に対する経済負荷配分が行われ、発電設備1ごとに以下の値が算出される。
g5.ELD値
上記g5「ELD値」は、電力需給制御システム全体として経済的になるよう発電設備1ごとにスケジュール配分された発電電力値である。

0047

(ステップS23:目標値作成部43によるd1「発電目標値」の算出)
各目標値作成部43(43a,43b,43n)には、以下の信号が入力される。
入力部41から出力された以下のデータ
a1.発電設備1ごとの発電電力値
ステップ22でAR配分部46により算出された発電設備1ごとの以下のデータ
f3.配分されたAR値
ステップ32でELDスケジュール算出49により算出された以下のデータ
g5.ELD値

0048

各目標値作成部43により、上記a1,f3,g5に基づき、各発電設備1に対するd1「発電目標値」が算出される。

0049

(ステップS24:出力部42によるd1「発電目標値」の送出
ステップS23で算出されたd1「発電目標値」は、出力部42により、各発電設備1に送出される。

0050

[AR平滑部45の動作]
次に、AR配分部46の動作を説明する。図3は、ソフトウェアモジュールにて構成された機能ブロックであるAR配分部46のコンピュータプログラムのフロー図である。

0051

(ステップS41:f2「平滑後AR値」の取得)
ステップS21で、AR平滑部45により周波数分解されたf2「平滑後AR値」を取得する。このf2「平滑後AR値」は、ステップS21でAR平滑部45によりフーリエ展開により地域要求電力(AR)値が、周波数分解され算出された値である。

0052

(ステップS42:10秒〜2分周期であるかの判断)
ステップS41で取得されたf2「平滑後AR値」のうち、10秒〜2分周期である地域要求電力(AR)値分が判断される。f2「平滑後AR値」のうち、10秒〜2分周期である地域要求電力(AR)値分(S42の「YES」)は、ステップS43に移行し処理が行われる。一方f2「平滑後AR値」のうち、10秒〜2分周期に該当しない地域要求電力(AR)値分(S43の「NO」)は、ステップS44に移行し処理が行われる。

0053

(ステップS43:高速発電機分担する)
ステップS42にて、f2「平滑後AR値」のうち10秒〜2分周期であると判断された地域要求電力(AR)値分は、高速発電機(例えば水力機)にて発電を行うように分担される。

0054

(ステップS44:2分〜10分周期であるかの判断)
ステップ42でf2「平滑後AR値」のうち、10秒〜2分周期に該当しないと判断された地域要求電力(AR)値分は、f2「平滑後AR値」のうち、2分〜10分周期である地域要求電力(AR)値分が判断される。f2「平滑後AR値」のうち、2分〜10分周期である地域要求電力(AR)値分(S44の「YES」)は、ステップS45に移行し処理が行われる。一方f2「平滑後AR値」のうち、2分〜10分周期に該当しない地域要求電力(AR)値分(S43の「NO」)は、ステップS46に移行し処理が行われる。

0055

(ステップS45:中速発電機に分担する)
ステップ44にて、f2「平滑後AR値」のうち2分〜10分周期であると判断された地域要求電力(AR)値分は、中速発電機(例えば石油火力機)にて発電を行うように分担される。

0056

(ステップS46:低速発電機に分担する)
ステップ44にて、f2「平滑後AR値」のうち2分〜10分周期に該当しないと判断された地域要求電力(AR)値分は、低速発電機(例えば石炭火力機)にて発電を行うように分担される。

0057

[AR算出部44の動作]
次に、AR算出部44の動作詳細について動作原理を含め説明する。AR算出部44は、以下のb1,c1,c2,c3のデータに基づきf1「平滑前AR値」を算出する。
b1.自然エネルギー発電設備2ごとの発電電力値
c1.周波数変化量:ΔF
c2.他系統9bとの連系線における潮流電力変化量:ΔPT
c3.電力系統9aの融通電力:P0

0058

f1「平滑前AR値」は、AR算出部44により式(1)により算出される。
平滑前AR値=−K・ΔF+ΔPT+(P0(n+1)−P0(n))・・・(1)
AR値:地域要求電力[MW]
K:系統定数[MW/Hz]
ΔF:周波数偏差[Hz]
ΔPT:連系線における潮流電力の変化量
P0(n):現時刻(n)における融通電力量P0の値[MW]
P0(n+1):次のP0更新時刻(n+1)における融通電力量P0の値[MW]
ここでP0は融通電力である。融通電力とは、電力系統の電力の過不足に応じ、他の電力系統9bから電力系統9aに重畳させる電力をいう。各電力事業者は、電力の発電計画公表している。この発電計画により、次の更新時刻(n+1)における融通電力量であるP0(n+1)を予測することができる。上記(1)式では、自系統に流入する電力の潮流方向を正の値としている。(P0(n+1)−P0(n))は融通電力量の予測変化量となる。

0059

昨今の電力自由化に伴い、電力系統間の融通電力量の更新周期が短くなる傾向にある。更新周期が短くなり、比較的短い時間で融通電力量の増加および減少が行われる場合、融通電力量の更新時のタイミングにて連系線潮流変化量(ΔPT)が急激に変化し、需給アンバランス量の増大が発生する。これに伴い、地域要求電力(AR値)も短時間(融通量の更新周期)で急激な増加または減少を行う制御が要求される。

0060

しかし、発電設備1の発電出力追従性が遅いため、発電量を減少すべき時に発電量が増加してしまうハンチング現象を誘発する場合がある。例えば5分程度の短周期で発電量の増加現象の制御が繰り返された場合、このハンチング現象が発生しやすい。

0061

このハンチング現象を解消するために、式(1)のように融通電力量P0が変化する前に、予めP0の変化分を含めたf1「平滑前AR値」を算出する。そして、このf1「平滑前AR値」に基づいたd1「発電目標値」を、発電設備1に指令することで、急激な連系線潮流変化量(ΔPT)の変化を避ける。即ち、融通電力量P0の変化量を予め予測し、発電設備1に融通電力量の予測変化量を含めたd1「発電目標値」を送信する。

0062

より具体的に図4図7を用いて説明する。図4〜7において横軸は時間、縦軸は、要求される融通電力量P0および発電設備1の発電量を示す。

0063

図4は、30分間隔で需給制御が行われた場合のタイムチャートである。30分間隔で需給制御が行われた場合、更新時には需給アンバランスが一時的に大きくなるが、次の更新時である30分後には発電設備1の発電量が、要求される融通電力量P0に追従したものとなる。

0064

図5は、5分間隔で需給制御を行った場合のタイムチャートである。5分間隔で需給制御が行われた場合、次の更新時である5分後に、発電設備1の発電量が、要求される融通電力量P0に追従していない。このため、制御装置4から発電設備1への指令が、逆指令(ハンチング現象)となる場合がある。

0065

融通電力量P0の変化量を予測し、融通電力量P0が変化する前に、式(1)のように融通電力量の予測変化量を含めたf1「平滑前AR値」を算出する。予測は、現時刻(n)における融通電力量P0(n)と、次のP0更新時刻(n+1)における融通電力量P0(n+1)との差分に基づき算出される。式(1)に基づきd1「発電目標値」を算出し発電設備1の発電量を制御した場合の、要求される融通電力量P0および発電設備1の発電量の関係を、図6に示す。

0066

[総需要算出部47の動作]
次に、総需要算出部47の動作詳細について動作原理を含め説明する。総需要算出部47は、以下のa1,b1の信号に基づきg1〜g4を算出する。
a1.発電設備1ごとの発電電力値
b1.自然エネルギー発電設備2ごとの発電電力値
g1.当日需要実績値
g2.前日需要予測値
g3.当日自然エネルギー実績値(当日の自然エネルギーの出力値)
g4.前日自然エネルギー予測値

0067

総需要電力は、図8に示すように、発電設備1a〜1nにより発電された電力と、自然エネルギー発電設備2a〜2nにより発電された電力の総和となる。従って、自然エネルギー発電設備2a〜2nにより発電された電力を考慮した、発電設備1a〜1nによる経済性の優れた発電が必要とされる。

0068

自然エネルギー発電設備2a〜2nにより発電された電力を考慮したELD総需要の予測値は、次式のようになる。
ELD総需要(t)=需要予測値(t)−自然エネルギー予測値(t)・・・(2)
ELD総需要(t):時刻tに必要とされることが予測される発電設備1a〜1n
の発電電力の合計値[MW]
需要予測値:時刻tに必要とされることが予測される総需要電力値[MW]
自然エネルギー予測値:時刻tに必要とされることが予測される自然エネルギー
発電設備2a〜2nの発電電力の合計値[MW]
なお、需要予測値および自然エネルギー予測値は、5分ごとに算出され新たな需要予測値および自然エネルギー予測値に更新される。その結果、ELD総需要も5分ごとに新たなELD総需要に更新される。

0069

式(2)のようにELD総需要は、需要予測値および自然エネルギー予測値により算出される。需要予測値は、g2「前日需要予測値」がg1「当日需要実績値」により補正されることにより算出される。自然エネルギー予測値は、g4「前日自然エネルギー予測値」がg3「当日自然エネルギー実績値」により補正されることにより算出される。なおg1「当日需要実績値」は、1日の終了時に算出されるものであり、当日の実績値の算出は未完である。そこで、発電設備1a〜1nの総出力をg1「当日需要実績値」とする。なお、上記において「需要実績値」とは、実際に供給した電力ではなく、実際に要求された電力の値をいう。

0070

次に需要予測値の算出方法につき図9を参照して説明する。需要予測値の算出は5分ごとに行われ更新される。

0071

図9には、10分前に算出された需要予測値、5分前に算出された需要予測値、現在時刻において実際に要求されている電力である需要実績が示されている。なお、需要実績は現在時刻において5分後まで要求されている。

0072

10分前に算出された需要予測値と需要実績との差をΔP2とする。5分前に算出された需要予測値と需要実績との差をΔP1とする。現在時刻において実際に要求されている電力である需要実績に、ΔP1とΔP2から算出された後述する補正値ΔPmを加えた値が、現在時刻にて算出された新たな需要予測値とされる。

0073

需要予測値(t)は次式のようになる。
需要予測値(t)=現在時刻における需要実績−ΔPm ・・・(3)
上式により算出された需要予測値(t)を、図9に示すように新たな需要予測値(t)とする。

0074

補正値ΔPmの算出は、次式により行われる。
ΔPm=α1×ΔP1+α2×ΔP2 ・・・(4)
ΔP1:5分前に算出された需要予測値(t)と需要実績との差
ΔP2:10分前に算出された需要予測値(t)と需要実績との差
α1:重み係数
α2:重み係数
ここで、α1+α2=1、α1>α2となることが望ましい。10分前より5分前に算出された需要予測値と需要実績との差の方が、信頼性が高いと考えられるためである。

0075

次に自然エネルギー予測値の算出方法につき図10を参照して説明する。自然エネルギー予測値の算出は5分ごとに行われ更新される。

0076

図10には、10分前に算出された自然エネルギー予測値、5分前に算出された自然エネルギー予測値、現在時刻において実際に要求されている電力である自然エネルギー需要実績が示されている。なお、自然エネルギー実績は現在時刻において5分後まで要求されている。

0077

10分前に算出された自然エネルギー予測値と自然エネルギー需要実績との差をΔR2とする。5分前に算出された自然エネルギー予測値と自然エネルギー需要実績との差をΔR1とする。現在時刻において実際に要求されている電力である自然エネルギー需要実績に、ΔR1とΔR2から算出された後述する補正値ΔRmを加えた値が、現在時刻にて算出された新たな自然エネルギー予測値とされる。

0078

自然エネルギー予測値(t)は次式のようになる。
自然エネルギー予測値(t)=現在時刻における自然エネルギー需要実績
−ΔRm ・・・(5)
上式により算出された自然エネルギー予測値(t)を、図10に示すように新たな自然エネルギー予測値(t)とする。

0079

補正値ΔRmの算出は、次式より行われる。
ΔRm=β1×ΔR1+β2×ΔR2 ・・・(6)
ΔR1:5分前に算出された自然エネルギー予測値と自然エネルギー需要実績との差
ΔR2:10分前に算出された自然エネルギー予測値と自然エネルギー需要実績の差
β1:重み係数
β2:重み係数
ここで、β1+β2=1、β1>β2となることが望ましい。10分前より5分前に算出された自然エネルギー予測値と自然エネルギー需要実績との差の方が、信頼性が高いと考えられるためである。

0080

上記により算出された新たな需要予測値(t)と自然エネルギー予測値(t)により、式(2)により新たにELD総需要(t)が算出される。

0081

[1−3.効果]
(1)本実施形態によれば、地域要求電力(AR値)は、検出装置により検出された融通電力量に基づいた融通電力量の予測変化量を含め算出されるので、発電機の出力が発電機の指令に対してハンチング現象を起こしにくく、電力系統の電圧および周波数の安定性が向上した電力需給制御を行うことができる。電力供給の時間遅れに起因する、電力系統の電圧および周波数の不安定およびハンチング現象の誘発を軽減することができる。
(2)本実施形態によれば、経済負荷配分(ELD)総需要は、需要実績と過去の需要予測の値および自然エネルギー需要実績と過去の自然エネルギー予測値との差分に基づき算出されるので、自然エネルギーによる発電設備が導入された電力系統でも経済性が優れた電力需給制御を行うことができる。
(3)本実施形態によれば、経済負荷配分(ELD)総需要は、検出装置により検出された融通電力量に基づいた融通電力量の予測変化量を含め算出されるので、経済性が優れた、電力系統の電圧および周波数の安定性が向上した電力需給制御を行うことができる。

0082

[他の実施形態]
本発明の変形例を含めた実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。以下は、その一例である。

0083

(1)上記実施形態では、式(2)で(f1)「平滑前AR値」を算出するものとしたが、次式(7)にて算出するようにしてもよい。
平滑前AR値=−K・ΔF+ΔPT
+(P0(n+1)−P0(n))×(SUMT/T) ・・・(7)
AR値:地域要求電力[MW]
K:系統定数[MW/Hz]
ΔF:周波数偏差[Hz]
ΔPT:連系線における潮流電力の変化量
P0(n):現時刻(n)における融通電力量P0の値[MW]
P0(n+1):次のP0更新時刻(n+1)における融通電力量P0の値[MW]
T:融通電力量P0の更新周期[s]
SUMT:融通電力量P0更新時からの経過時間[s]
上記の式(7)では、自系統に流入する電力の潮流方向を正の値としている。(P0(n+1)−P0(n))は融通電力量の予測変化量となる。

0084

式(7)に基づきd1「発電目標値」を算出し発電設備1の発電量を制御した場合の融通電力量P0および発電設備1の発電量の関係を、図7に示す。地域要求量(AR)としてのd1「発電目標値」は、一括ではなく、段階的に発電設備1に指示される。つまり地域要求量(AR)としてのd1「発電目標値」のうち、融通電力量の予測変化量である(P0(n+1)−P0(n))の部分が、融通電力量P0の更新周期時間内に達成されるように、段階的に発電設備1に算出される。その結果、段階的に発電設備1が発電を行うので、更新時の一時的な需給アンバランスを抑制することができる。

0085

(2)上記実施形態では、ELD総需要は式(2)にて算出するものとした。ELD総需要は式(8)により算出されるものとしてもよい。
ELD総需要(t)=需要予測値(t)−自然エネルギー予測値(t)
+(P0(n+1)−P0(n)) ・・・(8)
ELD総需要(t):時刻tに必要とされることが予測される発電設備1a,1b,
1b,1nの発電電力の合計値[MW]
需要予測値:時刻tに必要とされることが予測される総需要電力値[MW]
自然エネルギー予測値:時刻tに必要とされることが予測される自然エネルギー
発電設備2a,2b、2nの発電電力の合計値[MW]
P0(n):現時刻(n)における融通電力量P0の値[MW]
P0(n+1):次のP0更新時刻(n+1)における融通電力量P0の値[MW]
上記の式(8)では、自系統に流入する電力の潮流方向を正の値としている。(P0(n+1)−P0(n))は融通電力量の予測変化量となる。融通電力量P0の値の変化分を予測してELD総需要の算出を行うので、より経済性に優れた発電設備1による発電を行うことができる。

0086

(3)上記実施形態では予測値であるELD総需要、需要予測値、自然エネルギー予測値の算出は5分ごとに行われるものとしたが算出の時間周期はこれに限られない。例えば2分または10分周期で前述の算出が行われるようにしてもよい。

0087

(4)上記実施形態では、自然エネルギー発電設備2は、太陽光発電装置としたがこれに限られない。自然エネルギー発電設備2は、風力発電海流発電、地熱発電でもよい。

0088

(5)上記実施形態では、入力部41は、受信回路としたがこれに限られない。入力部41は、メモリポートキーボードによる入力装置でもよい。

0089

1,1a〜1n・・・発電設備
2,2a〜2n・・・自然エネルギー発電設備
3・・・検出装置
4・・・制御装置
7,7a〜7n・・・検出用の信号線
8,8a〜8n・・・制御用の信号線
9,9a・・・電力系統
9b・・・他の電力系統
9c・・・連系線
41,41a〜41n・・・入力部
42,42a〜42n・・・出力部
43・・・目標値作成部
44・・・AR算出部
45・・・AR平滑部
46・・・AR配分部
47・・・総需要算出部
48・・・記憶部
49・・・ELDスケジュール算出部

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